衆議院

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第10号 平成26年11月12日(水曜日)

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平成二十六年十一月十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 奥野 信亮君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 柴山 昌彦君

   理事 土屋 正忠君 理事 ふくだ峰之君

   理事 盛山 正仁君 理事 柚木 道義君

   理事 井出 庸生君 理事 遠山 清彦君

      安藤  裕君    池田 道孝君

      小田原 潔君    大塚  拓君

      大見  正君    門  博文君

      神山 佐市君    菅家 一郎君

      黄川田仁志君    小島 敏文君

      古賀  篤君    今野 智博君

      末吉 光徳君    鳩山 邦夫君

      平沢 勝栄君    三ッ林裕巳君

      宮澤 博行君    郡  和子君

      階   猛君    横路 孝弘君

      今井 雅人君    高橋 みほ君

      丸山 穂高君    大口 善徳君

      西田  譲君    鈴木 貴子君

    …………………………………

   法務大臣         上川 陽子君

   法務副大臣        葉梨 康弘君

   法務大臣政務官      大塚  拓君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  北村 博文君

   政府参考人

   (内閣府死因究明等施策推進室長)         相浦 勇二君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 荻野  徹君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            氷見野良三君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           稲山 博司君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 小野瀬 厚君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    林  眞琴君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    西田  博君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    片岡  弘君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  岡村 和美君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  井上  宏君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 河野  章君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           佐野  太君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           福島 靖正君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            佐藤 悦緒君

   法務委員会専門員     矢部 明宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十二日

 辞任         補欠選任

  丸山 穂高君     今井 雅人君

同日

 辞任         補欠選任

  今井 雅人君     丸山 穂高君

    ―――――――――――――

十一月十一日

 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

奥野委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官北村博文君、内閣府死因究明等施策推進室長相浦勇二君、警察庁長官官房審議官荻野徹君、金融庁総務企画局審議官氷見野良三君、総務省自治行政局選挙部長稲山博司君、法務省大臣官房審議官小野瀬厚君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省矯正局長西田博君、法務省保護局長片岡弘君、法務省人権擁護局長岡村和美君、法務省入国管理局長井上宏君、外務省大臣官房審議官河野章君、文部科学省大臣官房審議官佐野太君、厚生労働省大臣官房審議官福島靖正君及び中小企業庁事業環境部長佐藤悦緒君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

奥野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。門博文君。

門委員 おはようございます。自由民主党の門博文です。

 本日は、質問の機会を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。上川大臣初め法務省の皆様、よろしくお願いいたします。

 本日は、法務行政について各方面から質問させていただきたいと思っております。

 まず初めに、訪日外国人の出入国管理についてお尋ねをいたします。

 お手元にお配りした資料一のとおり、昨年、我が国は、訪日外国人の旅行者数が一千万人を超えました。また、ごらんいただいていますように、本年もその勢いは順調に推移しているところであります。

 上川大臣は、さきの就任御挨拶の中で、出入国管理行政の充実についてということで、我が国が二〇二〇年に訪日外国人旅行者数二千万人の高みを目指していることについて、法務省としても、観光立国実現に向け、重要な課題と位置づけ取り組む旨、お話しになられました。

 私は、以前この委員会でも質問させていただきましたが、外国人の皆様を受け入れる、いわゆるCIQの中でも、この出入国審査の現場は極めて大切であると考えております。厳格な審査が求められるところでありますけれども、我が国のおもてなしの最前線であるとも思っております。スムーズに入国審査が受けられるのはもちろんのことですけれども、ほほ笑みや歓迎の意図が来られる外国人の方々に伝わって、ああ、日本っていい国だなと思っていただく環境づくりを求められているとも思っております。今までの機能面以外でもこういったことが重要になると私は思っておりまして、そしてまた、出入国管理者数は、これから観光立国にとって大切なKPIでもあります。スムーズにその実績が報告され、次の施策に生かされていく、そんなマーケティングの一端を担う要素でもあると思います。

 そこで、大臣にお尋ねをいたします。

 今までの出入国管理行政に加えて、これらの点を勘案し、法務省として訪日外国人の増加にどう取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。

上川国務大臣 おはようございます。

 訪日外国人旅行者が大変ふえているということ、そしてまた、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの年に至るところまで二千万人を超える高みを目指してということで、国としてもそうした方向の中で対応していくということ、そしてその上で、出入国管理の現場というのはおもてなしの最前線ということで大変重要な役割を果たしているということにつきましては、私も所信で述べさせていただきましたけれども、委員が御指摘のとおりというふうに思っております。具体的な出入国管理の状況を踏まえまして、これに対して円滑かつ厳格な対応をしていくということに大変大きく心を砕いていきたいというふうに思っております。

 問題のない外国人の皆様に対しましては、可能な限り円滑な入国管理をしていくということでございまして、これは観光立国を目指す我が国としての第一の柱ではないかというふうに思っております。

 しかし一方で、テロリストを初めとして問題のある外国人に対しましては、厳格な入国審査を行うということによりまして治安を維持する、それによって日本の国全体が安全、安心をしっかりと担保しているんだということを示すということも大変大事だというふうに思っておりまして、そういう意味でも、この業務というのは大変大事だというふうに思っております。

 こうした観点から、これまでも、事前旅客情報システム、APISの活用でありますとか、あるいは二次的な審査を実施する、さらには個人の識別情報を活用した入国審査をする、あるいは自動化ゲートの導入ということにつきましても随時行ってきたところでございます。

 そうした入国の円滑かつ厳格な審査をしていくためには、二〇二〇年までに入国審査官を八百人から一千百人増員する必要があるということで試算をしているところでございまして、計画的あるいは段階的にこの整備ができるように、来年度につきましては、この入国審査官につきまして三百人の増員を要求させていただいているところでございます。

 同時に、増員したお一人お一人が現場でしっかりと対応することができるようにということで、徹底した研修を行って、そして、職員の接遇能力というか、お客様に対してのおもてなしの心を最前線で発揮していただくことができるようにということで、万全の体制をしてまいりたいというふうに思っております。

 最終的には、来られた方がいい印象を持って、また再び来ていただくということも大事だというふうに思っておりますので、そういう意味での観光立国の推進に全面的に全力で取り組んでいきたいと思っております。

門委員 ありがとうございました。

 いろいろな意味でのまた意識改革も必要だと思いますけれども、ハードの面、ソフトの面、両面から、ぜひ積極的なお取り組みをお願いしたいと思います。

 次に、再犯の防止についてお尋ねをしたいと思います。このテーマは関連が多岐にわたっておりますけれども、本日は幾つかの観点から質問をさせていただきます。

 まずは、保護司制度についてお尋ねをいたします。

 資料二をお手元にお配りしておりますけれども、この保護司の制度について、当局からちょっと簡単に概要や現状をお聞かせいただきたいと思います。

片岡政府参考人 お答えいたします。

 保護司は、保護観察事件を担当しております。また、受刑者等がまだ受刑中の段階で、出所後の生活環境調整を行っております。そのほか、地域の実情に応じた犯罪予防活動や世論啓発活動も行っております。このように、いろいろ献身的な活動、御努力をしていただいているわけですが、これらの活動につきましては、交通費等の実費のみが実費弁償金として支給されております。

 保護司に関する重要課題と申し上げますと、何よりも、保護司の数が近年減少傾向にあることでございます。五万二千五百人の定員に対して、その充足率は約九一%となっておりまして、保護司の安定的な確保が重要課題となっております。

門委員 ありがとうございました。

 民間のボランティアとして、全国で大勢の方が保護司として大変熱心に活動していただいているとのことでしたけれども、私の親類にも、もう三十年ほど地元で保護司をしていらっしゃる方がおりまして、先日、この質問をさせていただくに当たって、二、三話を聞いてまいりました。そこで、その話の中から二点ちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。

 まず、保護司の方の仕事というか業務の量についてであります。

 この私の親類は、和歌山市内のいわゆる盛り場の中で飲食業を営んでおります。そして、仮出所等をしてこられた方が職を求められる場所としたら、極めてその頻度の高い地域でありまして、一番多いときには六、七名同時に受け入れて対応していたということで、そのときはさすがに、本業、いわゆる自分の仕事はなかなかおぼつかなかったということでありました。あくまでも無給でお願いしているこの制度ですので、こんな状況まで御本人に負担をかけるということは、私は個人的にはどうかと思います。

 地域や時期によっても随分と差があるとは思いますけれども、法務省として、このような点についてどのようにお考えでありましょうか、お願いします。

片岡政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、保護司の関係の業務量といいますか取り扱いの件数でございます。

 全国の全体的な取扱件数を申し上げますと、まず、保護観察事件の全体の年間取扱件数は八万四千九百八十三件となっております。また、刑務所出所者等の生活環境調整事件の全体の年間取扱件数は十一万六千四百四十六件となっております。

 これらにつきましては、御指摘のように、地域や時期などによって各保護司の負担に差がありますし、また、各保護司が保護観察事件を主に担当しているか、あるいは、いわゆる地域活動、つまり、犯罪予防活動や一般的な世論の啓発活動につきまして力を注いでいただくかによってその負担に差があることは事実でございますが、いずれにしましても、保護司の負担は大きなものになってございます。

門委員 ぜひ、その点もよくモニタリングというか観察をしていただいて、適宜いろいろな方面で御対応いただけたらと思います。

 そしてまた、続けて、この親類の方の話なんですけれども、この方は年齢は七十歳を超えていらっしゃいまして、そろそろ、後継というか、保護司を定年しなければいけないということで、次の方を探さなければならないという時期に来ております。ところが、法務省も大変悩まれていると思いますけれども、なかなかこの引き受け手が見つからず、苦労されているということでした。

 そして、何とか見つかってよかったと思った方が、これは聞いた話なんですけれども、過去に例えば交通違反のような軽微な前歴があると不適格となってなかなか引き継げない。頼む方も、頼むときに、あなたに何か前歴がありますかというのはなかなか聞けないことでありまして、結果的に突いたり引いたりになって、とても気まずい思いをするともおっしゃっていました。

 このように、新任の保護司をお願いするに当たって、今、法務省として、これらの課題を踏まえてどう取り組んでいらっしゃるのか、その点をお聞かせいただけますか。

片岡政府参考人 お答えします。

 ただいま御指摘ありましたように、保護司候補者の確保につきましてですが、これまでは、退任する保護司が個人の人脈を生かして新任保護司を確保するというようなことを行ってきたのが主流でございましたが、地域の人間関係の希薄化等によりまして、それもだんだんと困難になってきております。それが保護司が減少している要因の一つと考えられるところであります。

 保護司法では、先ほどの資料にもございましたように、禁錮以上の刑に処せられたことなどの保護司の欠格条項が定められていますが、いずれにしましても、幅広い層から保護司の適任者を得ていくための方策としまして、地域の実情に通じた方々から保護司適任者の情報提供をいただくために、保護司候補者検討協議会を各地で開催しておりまして、保護観察所も早い段階から関与するということに努めております。

 また、保護司適任者の情報を得るためには地方公共団体の協力が必要でありますことから、法務省といたしましても、総務省の担当部局を通じるなどして、保護司候補者の情報提供について全国の自治体に協力を依頼しているところでございます。

門委員 ありがとうございました。

 保護司の皆さんの現況は、今お話しいただいたように、大変多くの負担をかけて、先ほど局長の方からもありましたけれども、だんだん高齢化してきて今のように人員不足ということもありますし、また、今般、刑の一部を執行猶予する法律に関係しても、これからの負担の増加も予想されますので、ぜひ、いろいろな方面から柔軟な対応を、それからお取り組みをしていただきたいと思います。

 ちょっと、質問を一つ飛ばさせていただきます。次に移らせていただきます。

 次に、出所者、仮出所者の就労支援についてお尋ねをいたします。

 こちらも私の選挙区になりますけれども、地元で協力雇用主として非常に熱心にお取り組みいただいている企業がありまして、先日、そこの常務さんに面談をさせていただきまして、企業としての受け入れについて課題や意見を伺ってまいりました。

 そこで、二点、質問させていただきます。

 まず一点目は、現在、日本財団の事業として、職親プロジェクトという、このプロジェクトに参加して、出所者や少年院出院者が企業に就職する場合に特別に支援をするというプロジェクトがあるというふうにお伺いしました。

 お聞きしますと、就労時に住まいが必要ですけれども、出所したてではなかなか当人の手元にはお金が十分なくて、生活の基盤をつくるのに大変苦労をいたします。会社が社宅などの住まいの提供などをするときには、会社の方にもそれなりに大きな負担になるということでした。

 そこで、このプロジェクトは、例えば資金的なサポートとして、一カ月八万円を半年間、六カ月間援助してくれるということで、その常務さんがおっしゃるには、ぜひ公的な支援でもこのようなことをやっていただけたらということでありました。

 そこでお伺いしますが、現在、このようなプロジェクトに対して法務省はどう評価をされており、また、今私がお話ししましたように、現場の声にどのように応えようというふうにされておりますか、お答えをお願いいたします。

片岡政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘のように、刑務所出所者等の就労を確保するためには、その事情を理解した上で雇用してくださるという協力雇用主による雇用を拡大していくことが極めて重要であります。そのために、今お話がありましたように、協力雇用主に対する支援策を充実させることが有効であると認識しております。また、お話ありました職親プロジェクトの取り組みということも、大いに参考にさせていただいているところでございます。

 そこで、平成二十七年度概算要求におきまして、刑務所出所者等を雇用して指導等に当たる協力雇用主に対しまして奨励金を支給して就労の継続を図る、そういうための経費を計上するなどしているところでありまして、今後とも、協力雇用主に対する物心両面の支援策を推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

門委員 概算要求の中にそういう項目で予算を入れていただいているということでしたら、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。

 そしてまた、このプロジェクトのもう一ついい点をお伺いいたしました。

 このプロジェクトでは、出所前に、随分早い時期から本人とコンタクトして、いろいろ意見交換をしてから、十分な時間をかけて受け入れ準備をされるということでした。お聞きしますと、入所中から会社の方が施設まで行って面会をしたり、文通しか手段がないということでしたので、聞きましたら、文通によって本人と意思疎通を図ってきたということでした。私が聞きました和歌山のケースでは、当人と、出所前、大体一年三カ月前ぐらいからやりとりを始めたそうです。

 通常、出所前に就労先を確保するということでは、平均的には大体どれぐらいからやり始めているのか、そしてそれに比べてこのケースがどうなのか、当局の方からちょっとお答えをいただきたいと思います。

西田政府参考人 お答えいたします。

 刑事施設におきましては、就労に必要な知識につきましては、随時、受刑者に対しまして指導を行っているとともに、釈放の見込みからおおむね三カ月以内の者に対しましては、ハローワークの職員に刑事施設に来ていただいて職業相談とか職業紹介等を実施していただくなど、そういった出所後の就労支援を行っているところではございます。

 ただ、入所時に、各受刑者の資質や環境に関する調査、これは処遇調査と言っておりますけれども、これを行いますが、この結果に基づきまして、重点的に就労支援を行うことが特に必要で効果的だと思われるような受刑者に対しましては、おおむね一年以上の期間、専門のスタッフによる継続的な助言指導を実施するということにしております。したがいまして、御紹介のありました件も、これに類似したような形ではないかというふうに思っております。

 いずれにしましても、御指摘がございましたとおり、再犯を防止するためには、就労先の確保というもの、早く決めるというのは大事でございますので、そういったことを、対象者の早期選定も含めまして、就労支援が一層充実できるようにやってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

門委員 ありがとうございます。

 私たちが達成しなければならないのは、本当にあくまでも再犯を防ぐということですので、やはり今局長のお話があったように、職についてもらうことも大事ですし、もっと大事なことは、それで定着してもらうということがさらに大事なことでありますので、そのためにも、期間が長ければいいということではないかもわかりませんけれども、期間が長いことによって意思疎通を深められるということは十分考えられますので、ぜひそういう観点からもお取り組みをいただきたいと思います。

 次に、矯正施設であります刑務所について何点かお伺いをいたします。

 今の質問にも関連することになるかもわかりませんけれども、先日、杉良太郎特別矯正監、この間から議員会館にもお越しいただいて、この再犯防止についても我々はお話を承る機会がありました。

 いろいろ御指摘をいただいていた中に、出所後の就労について考えたときに、今お話がありました職業訓練や研修というのが、もっと社会が今求めている職種や業種とマッチしたことをやらなければならないというお話がありました。例えば、今、建設現場で人材が不足すると聞けば、その分野の戦力になるような人材として訓練するとか、また、一次産業、特に農業や漁業の後継者がいないということであれば、そういう分野に観点を当てて、有望な働き先になるということでありました。

 このような点で、今までの既成の職業訓練だけじゃなくて、今日的な、こういう労働市場のことを見定めたような取り組みをもしされているようであれば、教えていただきたいと思います。

西田政府参考人 お答えいたします。

 職業訓練と申しますのは、受刑者に職業に関する免許とかもしくは資格を取得させまして、職業に必要な知識及び技能も習得することを目的としております。

 この職業訓練が刑務所出所者等の就労支援のために有効な方策であるということが考えられますことから、その充実にはこれまでにも尽くしてまいりました。ただ、この取り組みは一定の効果を上げているものの、御指摘ございましたように、職種のミスマッチ等によって就労に至らないなどといったケースも多く見られることがございますことから、刑務所出所者等の雇用に意欲的な民間企業等を対象としました就労支援職業訓練検討会というようなものを開催しておりまして、そういった場で雇用ニーズの把握に努めているところでございます。

 その結果によりまして、職業訓練種目の見直しも実施しておりますし、平成二十七年度の概算要求では、そういった社会の雇用ニーズに合った職業訓練を実施するために、農業科の新規開設、建設躯体工事科といった建設業関係及び介護福祉科等の介護福祉関係などの職業訓練の拡充に必要な経費を要求しているところでございます。

 今後は、社会の雇用のニーズに即した職業訓練の種目の見直しを進めまして、引き続き充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

門委員 ありがとうございました。

 ぜひこの点も積極的にお取り組みいただきたいと思います。

 ちょっと時間の関係で一問飛ばさせていただきまして、次に、刑務官、職員の方々の処遇についてお伺いしたいと思います。

 私の地元に和歌山刑務所がありまして、一昨日、この質問をするに当たってそこにお伺いをさせていただきました。木下所長さん以下、皆さん大変熱心に業務に当たっていただいております。この和歌山刑務所は女子刑務所であります。そのため、女性の刑務官が中心となって業務についていただいているということであります。

 私も国会議員になるまでにいろいろな仕事をしておりましたけれども、ホテルで勤務をした経験がありまして、同じように三百六十五日二十四時間の勤務、そういう稼働をしている現場には、いろいろな意味で過酷さというものがあります。特に夜勤ですね。生活のリズムも不規則になりますし、やはり日中と違って、小さな人員の中での業務になりまして、特にこの刑務所では、それらを女性が中心になってやっていかなければなりません。

 お伺いしますと、やはり結婚、出産、そして育児、それもお子さんが、例えば二人、三人と出産されて育児をしていくというふうに考えますと、夜勤が勤務の現場にあるということは大変深刻な問題だと思います。受刑者が女性ということもあって、なかなか男性の刑務官にかわってもらうことができないということでありました。

 そこで、このような状況を改善していくには、私は、人員の増加を図っていくことしかないのではないかというふうに思います。女子刑務所は、過剰収容や、刑務官の年齢構成が非常に若年層に偏重しておったり、離職率の高さも一つ心配なことだというふうに思っておりますけれども、この点、特に女子刑務所の女性刑務官、女性職員についての、当局からの改善に向けた見解や希望をお聞きいたしたいと思います。

西田政府参考人 お答えいたします。

 女子刑事施設の勤務状況につきましては、今いろいろと御指摘がございましたとおりでございます。現在でも過剰・高率収容でございまして、超過勤務あるいは休日出勤を図らずも命じまして、職員の配置を確保している、そういった状況でございますし、また、高齢者、精神障害や摂食障害を持つ者、あるいは被虐待体験があってなかなか処遇が難しい、そういった受刑者がたくさんおります。したがいまして、量的にも質的にも非常に厳しい状況にございます。

 そんなことがございまして、離職率が高くなったり、若年職員の割合もふえてくるということは、私も非常に問題だというふうに考えております。

 そんなことがございますので、こういった負担を軽減するために、刑務官採用試験の社会人枠からの採用とか、そういったことで、人生経験豊富で即戦力となるような人材の確保に努めたいということもそうですし、また、定員増、職員定員をふやすといった観点からも努力していきたいと思っておりまして、平成二十七年度予算概算要求におきましては、女子の刑事施設に七十七人の増員要求をしているところでございます。

 今後も、所要の人的体制を整えまして、御指摘がありましたような非常に過酷な勤務環境を改善できればというふうに考えております。

 以上でございます。

門委員 ありがとうございました。

 皆さんそういうところに思いをはせていただいていると思いますけれども、さっきから申し上げましたように、やはり二十四時間三百六十五日稼働している職場というのは、ふだん九時―五時で働いているような環境にいる方から考えると想像もできないような過酷さとか厳しさということがありますので、その点も踏まえてぜひお考えをいただきたいと思います。

 それから、官舎のこともこの女子刑務所で伺いました。設備はそんなに古くないということであったんですけれども、何分、昔の間取りでつくられているので、一人部屋が少ない。ほとんどの若い女子刑務官の人たちは、三人、四人で一緒に一部屋で生活をしている。今日的な話でいいますと、例えば友達と携帯電話で話をすることすら自分のプライベートのスペースではできないということでありました。

 個室がぜいたくという考え方はあるのかもわかりませんけれども、私は、今日的に考えると、そんなに広くなくてもいいから、一人のスペースというか、ユニットというのをつくっていく方向を考えていただきたい。そしてまた、何よりも、職場がそういうことで過酷であればあるほど、自分で一人になってほっとしたいというのは、それは誰もが思うところだと思うんです。

 そういうことを伺いましたので、これはちょっと質問ということにさせていただいておりましたけれども、ぜひとも、私からのお願いということでお聞きいただいて、それにあわせて、私も幾つかの刑務所を視察させていただいたときに、都度都度聞かせていただいたのは、職員の皆さんの宿舎の中でも、非常に劣悪な環境のままずっと来ているのがあるということでしたので、その点も、これからの予算等でぜひ改良していくように御配慮いただけたらというふうに思います。

 最後の質問に移らせていただきます。

 資料の三をお配りしておりました。刑務所も含めた矯正施設の医師不足は大変深刻な問題と聞いておりまして、抜本的に対策が必要と思っております。給与など勤務条件が民間との格差があったり、また、定年を引き上げて民間からの退職者を雇用するなど、どんな方策をこれから講ずるべきか、また現在も講じていらっしゃるのか、その点を最後にお伺いしたいと思います。

西田政府参考人 お答えいたします。

 矯正施設の医師の問題でございますけれども、なかなか欠員が埋まらないという状況が続いております。四月一日で、定員三百二十七名のところ七十五名の欠員、十月一日では、一名ふえまして七十六名の欠員ということにもなっております。

 なかなか確保できない理由につきましては、今御指摘がございましたとおりでございますけれども、それらをやはり何とか抜本的に改善するということが必要だと思っておりまして、給与水準を含めた給与改善とか、定年年齢の引き上げとか、そういったもののほかに、勤務時間の弾力化あるいは兼業の特例等について、できれば法整備も含めまして新たな抜本的なことを考えたいということで、現在、人事院等の関係当局と鋭意協議を進めているところでございます。引き続き、全力でそれを進めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

門委員 ありがとうございました。

 やはり法務省ですから、法律というかいろいろな決まったことのルールをきちんとしていくということは大前提ですけれども、やはり、時代が変わってきたりとか、職場やいろいろな環境が、先ほどの保護司の問題もそうですけれども、やはり柔軟性ということも皆さんのお仕事の中でぜひ意識をしていただいて、時代に即した法務行政を今後もとっていただくようにお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

奥野委員長 次に、郡和子君。

郡委員 おはようございます。民主党の郡和子でございます。

 私は、さきの通常国会で二度、死因究明に関する質問をさせていただきました。その後、六月の十三日に死因究明等推進計画が閣議決定されて、九月の十六日には死因究明等の推進に関する法律失効後の施策推進に当たっての閣議決定があって、九月の二十一日の推進法失効後は、内閣府に置かれた死因究明等施策推進室がその事務方を担っているわけであります。

 きょうは、その経過も踏まえまして、死因究明等について伺ってまいりたいというふうに思います。

 私は、六月の質疑の際ですけれども、死因究明等推進計画検討会が出しました最終報告について、具体性がないというふうに申し上げました。閣議決定された推進計画はほぼ最終報告を踏襲したもので、今でも何ら具体性がないんじゃないかという感想は変わっていないわけです。

 そもそも、推進法の第七条には、「政府は、死因究明等の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、前条に定める死因究明等の推進に関する基本方針に即し、講ずべき必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を定めた死因究明等推進計画を定めなければならない。」このように規定をしてあったわけでございます。

 まず、法制上の措置でありますけれども、この計画のどこに書かれているのか、伺いたいと思います。

相浦政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の法制上の措置に関する記載につきましては、死因究明等推進計画の「第三 推進体制等」の「2 施策の効果の検証及びその見直し」の箇所において、「推進計画に基づく施策については、その効果を適宜検証し、必要が認められる場合には、政府において、死因究明等に係る施策や諸制度の見直しを含め、必要な措置を講ずることとする。」とされているものと承知しております。

 このため、政府としては、まずは、本年六月に閣議決定をされました死因究明等推進計画に基づく施策について着実に実施をしてまいりたいと考えております。

 その上で、この計画に記載されております各種施策の効果を検証し、必要があれば、死因究明等に係る制度の見直し等が行われるものと承知いたしております。

郡委員 ですから、いろいろ検証した上で施策を進めていくということでしたけれども、法制上の措置というのはここで明らかになっていないというふうに理解をいたしました。

 次は、財政上の措置についてお尋ねをしたいと思います。

 私の見る限り、新規の予算措置は大変乏しいものではないかというふうに思っています。きょうは警察庁、厚労省、文科省に来ていただいておりますけれども、それぞれの省庁に、この計画があればこそ予算要求ができたと胸を張って言える項目がもしあれば、簡略で構いませんので、お教えいただきたいと思います。

荻野政府参考人 お答えを申し上げます。

 死因究明等推進計画においては、警察関係ですが、司法解剖の委託経費に関する検討、科学捜査研究所の体制の整備、検視官の臨場率のさらなる向上、死亡時画像診断の活用等について求められております。

 警察庁では、平成二十七年度概算要求において、これらについて所要の措置をとっているところでございます。

 このうち、適正な死体取扱業務の推進に要する経費につきましては、平成二十七年度概算要求として、総額で、前年度当初予算比で約二億四千八百万円増の、二十七億三千五百万円余を要求しているところでございます。

 その増加分の主な内訳でございますけれども、司法解剖に要する経費について司法解剖検査料を約一億一千二百万円、死体の調査及び検査に要する経費について画像検査料を約三千六百万円、検視支援装置の整備に要する経費について約一千百万円など、いわゆる新規事業という形ではございませんけれども、それぞれ前年比で増額の要求をお願いしているところでございます。

福島政府参考人 厚生労働省におきます来年度の概算要求でございますけれども、本年六月に閣議決定されました死因究明等推進計画を踏まえまして、来年度の総額は、これは死因究明等の体制の充実に向けた支援事業全体としては一億七千万、今年度よりも一千万強の増額の要求をしておるところでございます。

 具体的には、地域におきます死因究明等を推進するための、都道府県が新たに設置することにされました死因究明等推進協議会に係る経費、それから、今後の疾病予防等に活用していくため、異状死死因究明支援事業において都道府県が実施した解剖や死亡時画像診断の事例を検証するための経費、死亡時画像診断の有用性等の検証に係る読影経費、そして、従来からCT、MRIの施設整備は補助をしておりましたけれども、解剖施設の充実に必要な改修経費も追加でその対象とするということを盛り込んでおるところでございます。

 以上でございます。

佐野政府参考人 お答え申し上げます。

 死因究明及び身元確認の実施に係る体制の充実強化を図るため、大学におきまして死因究明等に係る人材を養成することは大変重要であるというふうに文科省としても認識しております。

 先生お尋ねの二十七年度の概算要求につきましては、例えば、新規事業といたしまして、東北大学の、高度化、多様化する死因究明、身元確認に対応する法医、法歯、法放射線シナジーセンターのプロジェクトや、長崎大学の、学際的アプローチによる死因究明医育成センターの充実等、法医歯学専門家育成プロジェクトについて支援を行うこととしております。平成二十七年度概算要求全体といたしましては、他の大学への支援も含め、四千万円増額の四・一億円を要求しているところでございます。

 今後とも、死因究明等の推進に向けた各大学の取り組みを支援してまいりたいと思っております。

 以上です。

郡委員 今、来年度の概算要求については、それぞれ、若干ですけれども増額要求をしているというふうなお話でございましたけれども、その中身をよく見てみますと、これは本当の意味で予算を充実しているんだろうかというふうに思われるところもないわけではございませんでした。

 それと、執行についてもお尋ねをさせていただいたところです。特に、警察庁の執行状況について、きのうの夜遅くになって資料が出てまいりましたものですから、きょう皆さんにお配りすることはできなかったんですけれども、執行額は予算を大幅に上回っていて、差額はほかの予算からのやりくりで賄っているというふうなことでございました。

 であるならば、その実績に基づいて当初予算額を要求されたらよいのじゃないだろうか、期限切れになっている死因究明法を引き継ぐ法律があれば財務当局に対しても強く予算要求できるんじゃないだろうかと思いましたけれども、いかがでしょうか。

荻野政府参考人 お答え申し上げます。

 警察におきましては、適正な死体取扱業務の推進に取り組んでおりまして、司法解剖の充実につきましても重要な課題として取り組んでおります。

 予算につきましても、平成十八年度予算で八億九千万円余だったものを年々増額いたしまして、平成二十七年度概算要求では十九億七千万円余を計上しているところでございます。

 このように司法解剖経費は年々充実をしているところでございますけれども、このような予算につきましても、他の予算と同様に、必要性、効率性及び有効性の観点から不断の見直しが要求されるところでございます。

 平成十八年度に現在の予算単価の積算を行って以来、解剖体数の大幅増加による検査機器の稼働率の向上でありますとか、検査手法や検査機器の高度化、効率化などの諸事情が変化していることから、個別具体の事件において鑑定人に行っていただいております検査の内容等を踏まえまして、適切な予算措置を図るための見直しを検討しているところでございます。

 また、本年六月に実施されました警察庁行政事業レビュー公開プロセスにおきましても、司法解剖に係る事業内容の抜本的改善を含めた改善を求める提言がなされておりまして、司法解剖の委託経費の適正な予算積算及び執行のあり方について検討を行うことが求められているところでございます。

 警察庁といたしましては、日本法医学会とも調整を行いながら、不断の見直しを行いつつ、引き続き、必要な予算が確実に措置できるよう取り組む所存でございます。

郡委員 適正な予算ということでの行政レビューについてはまた後ほどちょっと触れさせていただきたいと思うんですけれども、私も法律に基づくいろいろな閣議決定というのを見てまいりましたけれども、残念ながら、これほど積極性に欠けた計画というのは余り見たことがないなというのが大きな印象でございました。

 特に、最も肝要と思われる、法医学の知見を活用して死因究明を行う専門的な機関の全国的な整備の項目に関して、都道府県に設置する協議会に丸投げをしていらっしゃいます。地方分権というのは大変重要な観点だというふうには理解しているわけですけれども、これで本当に各自治体が動くのだろうかということであります。

 政府として、自治体に死因究明の重要性を理解してもらって、専門的機関に向けた議論を前向きに進めてもらうためにはどのような努力を行うのか、行っているのか、お尋ねいたします。

相浦政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねにありましたとおり、地方における死因究明等施策の協議の場として、計画において、各地方公共団体に対し、死因究明等の推進のための協議会の設置を求めていくこととしております。このため、本年九月、内閣府から都道府県知事宛て、そしてまた、関係省庁から各地方機関等に宛てまして、協議会の設置等を要請する依頼文書をまずは発出したところでございます。

 今後、各地の死因究明等関係者に対しまして、当該協議会の設置を促していく中で、死因究明等の重要性、死因究明等の推進計画が策定されるに至った経緯などについてできるだけ丁寧に説明をすること、そしてまた、死因究明等についての各地の先進的な取り組みを収集しこれを紹介していくことなどによって、地方の関係機関、団体における死因究明等に対する理解が深まり、専門的な死因究明等の体制整備に向けた取り組みが促進されるよう努めてまいりたいと考えております。

郡委員 九月に知事宛ての依頼文書を発出したということで、また、あちこち回って歩かれるということですけれども、これは、いつまでにしっかりと対応してくださいよということが担保できるような取り組みというのが重要なんじゃないかと思います。きのう事前にお話を伺ったときには、その目標値すら持っておられなかったのは非常に残念なことだなというふうに思いました。特段の取り組みをしていただきたいというふうに思います。

 さて、きょう皆様にもお配りいたしましたけれども、十一月五日の朝日新聞ですけれども、「DNA検査委託中止へ 警察庁 解剖の経費削減狙う」という記事が出たわけでございます。警察庁の経費節減のために、従来、大学の法医学教室などに委託してきたDNA型検査、これを各都道府県の科学捜査研究所で行うというものであります。

 この記事はおおむね正しいのかどうか、まず確認をさせてください。

荻野政府参考人 お答えを申し上げます。

 御質問の記事につきましては、司法解剖に伴うDNA検査に係るものと考えられますので、その点につきましてお答え申し上げたいと思います。

 警察庁において経費見直しを行っておりますのは、司法解剖の経費に係るものでございます、司法解剖に伴うDNA型鑑定に係る予算措置につきましてでございます。

 まず、平成二十五年度に全国の警察では、約八千七百体の司法解剖を実施しております。このうち、御遺体の身元が明らかでなく、かつ、ほかに手段がないといったことで、身元を特定するためにDNA型鑑定を行ったものが二千三百体ございます。さらに、そのうちの八六%につきましては、警察の科学捜査研究所においてDNA型鑑定を実施しております。司法解剖に合わせて鑑定人に嘱託をした、部外に嘱託をした件数というのは三百二十一件にとどまっているところでございます。

 司法解剖に要する経費につきましては、逐次増額をし、その充実を図っているところでございますけれども、予算の積算方法が、先ほど申し上げましたように、最近の検査実態に合わなくなっているということもございまして、日本法医学会の意見を聞きながら予算の見直しを行っているところでございます。

 また、これも先ほど申し上げましたように、本年六月の行政事業レビュー公開プロセスにおいても、改善を行うべしとの評価を受けているところでございます。

 他方、参考までに申し上げますと、犯罪捜査全般について申し上げますと、これは大学等の知見を活用すべき場面は多々存するところでございまして、引き続き、いろいろな検査等につきまして大学等の機関に嘱託をさせていただきたいと考えておりますし、かかる検査を含みます犯罪鑑識に要する検査全体について、その予算の見直しを図っているというものではございません。

    〔委員長退席、土屋(正)委員長代理着席〕

郡委員 警察庁の刑事局捜査一課の検視指導室長は、今回の変更は予算削減が目的だというふうにはっきり話されておられるのがこの記事にあるわけでして、大変気になっております。さまざまな問題を含んでいるというふうに思うんですね。

 まず、死因究明等の鑑定機関として科捜研がふさわしいのかどうか。以前の質問でも、私はこの点について指摘をさせていただきました。言いかえれば、鑑定の中立性が担保できるのかどうかというふうな点であります。犯罪鑑識の領域であるならばそれは理解もできますけれども、死体の身元確認のためのDNA鑑定が本来科捜研の仕事なのかどうか、これは私自身は大変疑問に思っているところです。

 さらに、多くのDNA鑑定を実施している大学の法医学教室にとって、こうした一方的な決定というのは、職員の皆さんたちの維持ですとか、それから検査機器の減価償却等、これらも大変難しくなってきて、教育研究分野にも影響を及ぼしかねない、そういうふうに思います。

 警察庁の経費節減策はこれにとどまらないわけでして、三月の質疑の際にも指摘したところですけれども、現在も経費削減の交渉が法医学会との間で続いているというふうに聞いております。警察庁は、現在、一体あるいは一件につき幾らという出来高払いから、包括払いにしていきたいという意向だというふうに伺いました。私から見ても、解剖数が激減すると職員を解雇せざるを得ないという現在の不安定な制度に比べて、包括払いの方がいいのではないかというふうには思っているところでございます。法医学会の見方も、質の担保さえあれば包括払いでもいいのではないか、反対するものではないというふうな意見だというふうに伺いました。

 問題は、その質にあるわけであります。例えば、警察庁が法医学会に示した検討項目メモというペーパーがございますけれども、これは、「二十八年度から包括払い方式を導入することとし、」「(加重平均が平均二十五万円となることを念頭に置く。)」というふうにございます。これは、つまり、現在の平均的な単価にしていこう、そういう意向だというふうに読ませていただきました。

 一方、警察庁の行政レビューですけれども、司法解剖の実施で警察庁が提出した資料には、現在、解剖費用について、A大学はおよそ十七万円、B大学はおよそ四十八万円というふうに例示がございました。これを見ますと、多くの検査をしている司法解剖実施機関の検査費を削る意図があるんじゃないかというふうに感じられなくもありません。

 特に、薬毒物検査、これは全国で実施率が大きく異なっておりまして、法医学教室でもその検査内容はさまざまでございますし、県によっては全面的に科捜研が行っているところもあるんですが、もし効率化という名目で平均値に合わせるということであれば、これは完全に質が低下することにつながってくるのではないでしょうか。犯罪見逃し防止のために最も重要というべき薬毒物検査の質、これが落ちてしまいますと、国民の安全が脅かされることにつながるというふうに思います。薬毒物検査については、質の高いところに水準を合わせていくのが筋ではないかという意見です。

 特に、昨今は危険ドラッグの問題もございます。人件費も含めて、死因究明機関である大学の法医学教室に対して必要な経費はちゃんと支払うべきではないか。私は、検査の質をしっかりと維持した上で、長期的に見れば包括的を導入していってもいいというふうに思っているところなんですが、司法解剖に付随する検査の水準を維持していく気持ちがあるのかどうかということをお聞きさせていただきたいというふうに思います。

荻野政府参考人 お答えを申し上げます。

 もちろん、司法解剖あるいは犯罪捜査に伴うもろもろの検査等について、その質を維持向上すべきことは当然のことでございます。

 幾つかの御指摘がございましたけれども、まず、今回新聞記事で取り上げられております身元の特定のためのDNA型鑑定につきましては、まさに身元の特定といいますのは警察の重要な仕事の一つでありますし、平素行っていることでもございまして、事柄として警察の科学捜査研究所がやるということに比較的なじむものかと思います。他方、DNA型鑑定もいろいろな場面がございまして、例えばミトコンドリアの鑑定を行うということであれば完全に大学の方に委託をしているわけでございまして、それはそれぞれの事柄の性質に応じたものだというふうに考えております。

 それから、もろもろの検査についてもお話がありましたけれども、いずれにいたしましても、国民の予算をいただいて使うという観点からいきますと、その予算につきましては不断の見直しというものもございますし、また、第三者的な立場からの御指摘としての行政事業レビューにつきましては、いろいろな解剖のコストや解剖率の地域間、機関間の格差の要因についていろいろ検討し、例えばベストプラクティスを全国で共有できるようにすべきではないかといったような御指摘もいただいております。そういったことを踏まえて、現在、法医学会とも御相談をさせていただいているところでございます。

 これは、きちんとした検査、鑑定を行うというのは、当然、警察としてもその責務を果たす上で重要なことでございますが、同時に、お金がかかることでもございますので、そういった意味でのきちんとした説明責任といいますか、そういったものもございますので、そこはいろいろな意味での意見交換を法医学会ともさせていただいているということかと思います。

郡委員 法医学者の中には、DNAの検査について、薬毒物に関しても科捜研での検査がふえるのではないかというふうな心配をされている方が多いようでございます。

 言うまでもなく、死因というのは総合的に判断するものでありまして、犯罪死に限らず、事故、災害あるいは自殺等で亡くなった場合もしっかりと死因を明らかにすることが求められているわけです。

 警察は、その本来的立場として、犯罪の発見、犯人の検挙、そして犯罪の予防であるために、さらに間口の広い死因究明に対しては消極的だというふうに言わざるを得ないんじゃないかと思っています。検査の多くが科捜研に移った場合に、今ほど指摘しました中立性の問題だけでなくて、死因究明の精度の点でも問題が出てくるんじゃないでしょうか。

 犯罪捜査と関係のない死体の場合でも警察が死因の判断をするのかどうか。警察庁にさらにお尋ねしてまいりたいと思います。死因を調査し決定しているのは誰でしょうか。

荻野政府参考人 お答えを申し上げます。

 死因全般ということでございますと、御指摘の死因につきましては、医学的な見地から、基本的には全ての御遺体につきまして、死体を検案する医師または何らかの解剖を実施した医師が判断をして検案書を作成しているということであります。これが一般的な制度だろうと思います。

 警察といたしましては、こういったことがあるということを前提といたしまして、警察の責務を達成するために、検視、死体調査を行い、現場の状況、死体の所見、既往症、薬毒物検査等の結果などから、その死が犯罪に起因するかどうかはもちろんですが、被害の拡大でありますとか再発防止の措置を講ずる必要性があるかどうかといった点につきましても判断をしている、そういう立場でございます。

郡委員 今御説明があったように、法令上は、警察に届けられた死体の死因を決めているのは検案をしている医師であります。しかし、外表のみを見て死体検案書を書く段階での記載であるために、その正確さということについては疑問視せざるを得ないところがあると思っています。

 例えば、厚労省が出している死因統計を見ますと、平成二十四年の自殺は二万六千四百三十三人、他殺は三百八十三人でありました。一方、警察庁の統計を見てみますと、自殺が二万七千八百五十八人、業務上過失などを除いた他殺は五百八十七人というふうになっています。厚労省が出している死因統計と警察庁の出している死因統計では、自殺について千四百二十五人、他殺は二百四人という差が出ております。

 実は、警察の方が、捜査情報を含めて判断しているために、多分、数字はより正確なんだろうというふうに思っています。死後、諸検査もせず、すぐに死因を記載しなければならない今のやり方が我が国の死因統計をずさんなものにしているんじゃないかというふうに私は思うところです。

 死体検案書を出して、後に、解剖や諸検査の結果、死因が変わった場合もあって、そうした際に死体検案書を差しかえていない場合も多いというふうに聞きました。

 現在課題になっている検案の能力の向上にもつながる話だと思いますけれども、そろそろ、死因統計についてもより精密な制度設計が必要ではないでしょうか。より正確な統計を出すためにも、死因が変わったような場合は、少なくとも、死体検案書を差しかえるような指導をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、検案の定義についても検討するとのお話でございましたけれども、画像検査や血液検査を実施するのであれば、それらの結果もあわせて考慮すべきと考えますが、いかがでしょうか。

    〔土屋(正)委員長代理退席、委員長着席〕

福島政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、医師が死因を記載した、死体検案書だけではなくて死亡診断書もそうでございますけれども、死亡診断書、死体検案書を交付した後に、画像診断あるいは血液検査等で正しい死因が判明する、そういう場合もございます。こういう場合には死因を変更する必要があるわけでございまして、正確な死因統計を作成する観点等からも、死亡診断書、死体検案書の訂正をしていただくということにしているところでございます。

 今後とも、医師等に対して、死亡診断書、死体検案書の訂正が必要な場合の適正な取り扱いについて周知に努めてまいりたいと考えております。

郡委員 要するに、死因を総合的に判断する、そういう仕組みになっていないところが我が国の問題ではないだろうかというふうに思っているんです。先ほど申し上げた鑑定も含めて、死因究明の実務が科捜研に移行することになると、さらにそのあたりのところがずさんになってくるんじゃないだろうかというふうに心配をしております。警察は犯罪捜査以外の死因判断はなかなか難しいでしょうし、それから、医師側には総合的に判断する材料もないということになりかねないんじゃないだろうかというふうに心配をしています。

 諸外国では、犯罪性があるかどうかということを判断基準としないで、広く死因究明を行っていて、例えばフィンランドであれば、捜査情報と医学的判断を総合して死因を決めているということであって、これは大変学ぶべきところが多いというふうに私自身思っているところです。

 時間もなくなりましたので、まだ質問をちょっと用意しておりましたけれども、最後に大臣に伺わせていただきたいと思います。

 実は、この死因究明に関して、法務省所管の事項は実はかなり大きいものがあるんですね。刑訴法に規定がある鑑定、検視は、とりわけ刑事司法の死因究明に大きくかかわってくるわけですし、以前指摘いたしましたように、情報開示の問題も関係をしてくるわけです。

 ただし、今回の推進計画を見てみますと、法務省という記載は本当に少ないんです。私は、もっと法務省にこれらの改革が進むように積極的にリードしてもらいたいと考えているわけなんですけれども、残念ながら上川大臣の所信表明のところにはこれに関しての言及が一切なくて、残念な気持ちでありました。

 最後に、この死因究明の制度改革の必要性を含めて、感想を伺いたいと思います。

上川国務大臣 郡先生の、死因究明の推進についての長い間にわたっての御努力に対して、改めて、今一連の御質問を聞きながら深く敬意を表したいというふうに思っております。

 この死因究明ということでありますが、亡くなった方、死者の尊厳に係る、生まれてくることと最後に終わること、一番初めと終わりという意味では非常に大事な場面ということでありまして、これは誰もが自分の死ということにしっかりと向き合うということでございまして、それが不明な状態でということになりますと、その方御自身もありますし、また御遺族、御家族の方の観点からも大変大事だというふうに思っております。命の尊重と個人の尊厳ということの保持につながる、大きな意味を持っているというふうに思います。

 所信の中でそのことに触れなかったということにつきましては、そのことを軽視しているということではございません。死についてもしっかりと向き合っていく、こういう考え方の中で取り組んでいきたいというふうに思っております。

 一連の御議論の中で、この間の取り組みとして法律ができました。そして、その法律にのっとって推進計画が策定され、そしてそれが一つのパッケージとして、政府全体としても、行政としても動くということについて、この法律の意味、そして計画の意味は大変大きなものというふうに考えております。

 予算、あるいはその中に盛り込まれた施策の一連のことについては、それぞれの省庁ということでありましたけれども、法務省といたしましても、先ほど御指摘いただいたように、さまざまな場面で死因の究明ということについては大変大きな役割を果たしているというふうに思っておりますので、そのことについて十全なる対応ができるようにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。

郡委員 終わります。

奥野委員長 次に、階猛君。

階委員 民主党の階です。

 きょうは、特定秘密保護法違反行為の刑事司法手続などについてお伺いしたいと思います。

 特定秘密保護法は十二月十日施行ということになっておりますけれども、そのとき我々が国会議員であるかどうかはわからない状況ですが、大臣は多分、施行のときも大臣でいらっしゃることには変わりありませんし、また、法務大臣であると同時に特定秘密保護法担当大臣でもあるということで、きょう伺うことは大変重要な点だと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 まず、資料の中で一ページ目をごらんになってください。

 これはもう皆さん御案内のとおりの、七月一日の閣議決定で新たに定められた集団的自衛権行使の三要件、そのうちの1というところをごらんになっていただきますと、「武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」という要件が定められています。そして、この明白な危険がありやなしやということは、この資料の右下に書いてありますけれども、政府が以下のような全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することになるということで、具体的には、1攻撃国の意思、能力、2事態の発生場所、3その規模、態様、推移などの要素、4我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、5国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などということで、これは首相の答弁のとおりであります。

 こうした情報の中には特定秘密に指定されるものもあるということで理解していいのかどうか、まずはこの点について大臣にお伺いします。

上川国務大臣 あり得るというふうに思います。

階委員 そこで、政府がこういう情報を総合的に判断して、今の要件を満たすと判断した場合であっても、これで集団的自衛権の行使が認められるわけではありません。これも私が十月六日の予算委員会のときに首相に伺ったことですけれども、首相は、国会の事前または事後の承認がない限り集団的自衛権の行使は適法とならない旨の答弁がありました。

 そこで、政府としては、国会の承認を得るために、政府にとって不都合な情報を国会議員や国民の目に触れないように、恣意的な特定秘密の指定を行うおそれがあるのではないかということを予算委員会で私が伺いました。そして、こうした事態を防ぐための法制度上の担保があるかということも伺いました。それに対して安倍首相は、政府内のチェック機関である独立公文書管理監に特定秘密が提供されない場合は限られるということで、要は、独立公文書管理監というところで特定秘密の指定の適正が確保されるという旨の答弁でありました。

 こうした答弁に関して、上川大臣にも十月二十四日のこの委員会で私から聞きました。私は、提供されない場合は限られるという首相の答弁を前提とすれば、逆に言えば提供されない場合もあるということではないかというふうにお尋ねしたところ、大臣も認められました。

 そうだとすると、提供されない場合もあるということでいえば、恣意的な特定秘密の指定、私が懸念したような事態も完全には防げないということになると思うんですが、こういう理解でいいかどうか、大臣、お願いします。

上川国務大臣 予算委員会での総理と階先生との一連のやりとり、そして先回のやりとりということで、全部パッケージでお話をいただいたのでございますけれども、十月六日の安倍総理の発言は大変重いものだというふうに思っております。内閣総理大臣としての発言ということでございまして、「政府としてある事態が新三要件を満たすとの判断に至った場合には、そのような事実を含めた情勢認識などの情報を国会や国民の皆様に適切に公開し、その御理解を得ていくということは極めて重要である」というふうに御発言をなさっていらっしゃいます。そして、そのことは大変重いものがあるというふうに思っております。

階委員 重いものがあるということなんですが、法的に、恣意的な特定秘密の指定を妨げるような仕組みになっているかということをお聞きしたいんですね。重要だということと法的な担保があるかどうかというのは別な話だと思います。法的な担保として、恣意的な特定秘密の指定、特に今申し上げているのは集団的自衛権行使の要件にかかわることですので、国民にとって、あるいは国家にとって大変重要なことですので、ぜひ、法的な担保があるかどうかということについてお聞かせください。

奥野委員長 最初に官房から答えさせてはいかぬですか。(階委員「では、端的に。あるかなしかで結構です」と呼ぶ)

 内閣官房北村内閣審議官。

北村政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げますと、特定秘密保護法におきまして特定秘密に指定できる情報というものは、法律の別表に掲げる事項に関する情報であるという別表該当性、また、公になっていないという非公知性、また、特に秘匿することが必要であるという特段の秘匿の必要性の三要件を満たすものに限られております。したがいまして、法律上は、この三要件を満たさない情報を特定秘密に指定したという場合には、その指定は違法、無効でございます。

階委員 だから、その違法、無効な指定がなされていないかどうかチェックしたいと思ったときに、さっき聞いたのは、独立公文書管理監がチェックするから特定秘密を出せといったときに、ちゃんと全部出すのかどうか、拒む場合があるんじゃないですかと聞いているんですよ。

北村政府参考人 お答えいたします。

 独立公文書管理監への特定秘密の提供は、法律の十条を根拠といたしております。したがいまして、独立公文書管理監への提供が拒否されるということはあるわけでございますが、その場合には、運用基準におきまして、理由を疎明することを定めております。したがいまして、大臣からも御答弁申し上げましたように、特定秘密の提供がされないという場合は限られるものと考えております。

 なお、仮に特定秘密それ自体が提供されないということがあった場合にも、独立公文書管理監に対しましては、特定秘密の概要でありますとか、その指定をした必要性というものは説明される、これの説明を求めることが独立公文書管理監はできるということでありますし、それに対して各行政機関においては誠実に回答する必要があるということでありますから、特定秘密そのものを見なくても、そういう事柄を特定秘密に指定することの妥当性、適法性というものは判断できるものというふうに考えております。

階委員 結局、疎明さえすれば特定秘密そのものは出さなくていいということなんですよ。ここがまず問題ではないかということを御指摘したいと思います。

 それから、資料二をごらんになってください。

 私が懸念しているような、恣意的な特定秘密というものを法制度上完全に妨げられない、疎明さえすればそういう恣意的な特定秘密がなされる可能性があるということからすると、国民としては、本当に集団的自衛権の行使の要件が満たされているかどうかを調べるために、特定秘密に指定された情報を入手しようとするのが当然だと思います。

 ここで資料二の方なんですが、これはかわいいイラスト入りの資料でして、明日の自由を守る若手弁護士の会というところでつくったものでございます。国民がちゃんと知りたいと思って調査したりすると特定秘密の取得や漏えいの教唆という犯罪が成立する可能性があるということが、ケース二、右上の方に書かれております。こういうことになるんじゃないか。

 前提として、集団的自衛権の行使の要件にかかわる事実が特定秘密に指定されたということを念頭に置いていますけれども、そういう秘密指定がされた場合に、国民がちゃんと知りたいと思って調査したりすると特定秘密の取得や漏えいの教唆という犯罪になってしまう可能性があるとこの資料には書いています。

 この点、間違いがないかどうか、お答えください。

上川国務大臣 今のポンチ絵の中に、集団的自衛権に係る三要件を判断する上で重要な情報についての指定ということでございましたけれども、違法な指定があれば、先ほど来のお話にもありましたとおり、内閣保全監視委員会というところ、あるいは独立公文書管理監、ここが特定秘密の指定等の検査、監察を行うということで、チェック機能を働かせながら動くということだというふうに思います。

 したがいまして、そのようなことになりますと、先ほどの疎明等も含めまして、このシステムを動かしていくというふうになろうかと思います。

階委員 違法な秘密指定を念頭に置いているわけじゃないんですね。違法かどうかわからない、それはふたをあけてみないとわからないわけですから、国民としては、ひょっとしたら変なものが秘密指定されているんじゃないかと思って、それで調査したい、その行為自体が取得や漏えいの秘密になってしまう可能性があると書いているわけですよ。

 結果的に、ふたをあけてみたら違法じゃないかもしれませんけれども、さっき言ったように、国民からすると、政府が恣意的にやっているんじゃないかと思うわけだから、こういう集団的自衛権の行使のような重要な問題については、調査するのが当たり前だと思います。

 調査する行為が犯罪に当たり得るかどうか、この点について、はい、いいえだけで結構です、大臣、お答えください。

上川国務大臣 どういう行為が犯罪に当たるかどうかということについては、個別的な状況をしっかりと踏まえて判断していくということでありますので、はい、いいえという結論の部分をしていくため……(階委員「あり得るかどうかということを聞いているんだから。あり得ないんだったら、あり得ないで結構ですよ」と呼ぶ)そういう意味では、あり得るし、あり得ない場合もあるということであります。

階委員 あり得るということで話がありましたので、ケース二に書かれていることは、これは間違いないということです。

 それと、同じくこの資料で、ケース三、左下ですけれども、ここには、「集団的自衛権行使の根拠が嘘だったり、おかしいと思った公務員等がそれを内部告発しようとしても、特定秘密の漏えいという犯罪になってしまうので怖くて言えません。」と書かれております。

 十月二十四日のこの委員会で私も指摘しましたけれども、内部通報者は、違法な指定だと思った特定秘密を内部通報する場合、特定秘密そのものではなくて概要を通報しなくてはいけないということです。そこで、概要を記載する際に、概要を書くために要約するわけですけれども、要約に失敗した場合は過失漏えい罪が成立するのではないかということをお尋ねしました。それに対して上川大臣は、漏えい罪を問われ得るというふうに答弁されました。

 この点について改めて確認しますけれども、まさにケース三に書かれているとおり、内部通報は怖くてできなくなり、機能しないのではないかと思いますが、この点、大臣、いかがでしょうか。後ろから声はかけないでください。

上川国務大臣 内部通報制度というのがございます。通報制度について、特定秘密そのものを漏えいするということになりますと、それは漏えい罪を問われるということでございます。

 ただ、現実の漏えい罪の成否につきましては、構成要件の該当性に加えて、違法性あるいは有責性の判断というものが必要になるということでありますので、個別事案ごとに判断されるということでございます。

 そういう意味では、一概にイエスかノーかということでいくとしますと、そういう場合もあればそうでない場合もあるというようなお答えになろうかと思うんです。

階委員 問題は、結果的に処罰されるかどうかじゃなくて、事前的に萎縮するのではないかということです。要は、犯罪に当たり得るという可能性が少しでもあれば、内部通報は機能しないと思うんですよ。そこが問題だということなんです。その点について何か御意見はありますか。萎縮効果は生じないですか。

上川国務大臣 情報の指定に係る行為について、それを通報するということについての萎縮効果ということでございますけれども、当該の所属の行政機関にまず通報するということ、そして、そのようなことがいろいろな不利益になるということになりますと、今度は内閣の公文書管理監の方に通報するという二重の仕組みになっているということでございますので、そちらの方もしっかりと動かすことができるようにしていくということで、徹底していかなければいけないというふうに思っております。

階委員 この点も指摘させていただきたいと思います。

 その上で、この資料二の右下のところですね。結局、国会が承認するわけですから、国会議員が判断しなくちゃいけないわけですけれども、「国会議員も集団的自衛権行使の根拠を知らされない場合がほとんどなので、賛成するかどうか判断できません。」というふうにケース四には書いておりますが、そんな無責任なことを我々はやるわけにはいきませんので、委員会で当然審議をするわけですね、行使要件を満たしているかどうかということについて。

 そこで、国会議員が、審議の際に、国政調査権の行使として特定秘密に指定された情報の提出を求めたと仮定して、その場合に政府が拒むことができるかどうかということについてお答えください。

上川国務大臣 国政調査権も含めまして、提供について国会からの要求があれば、特定秘密保護法第十条の規定に基づきまして、国会の秘密会に適切に提供されることになるものというふうに理解しております。

階委員 まさに法律の十条一項の話ですけれども、資料の三、通し番号でいうと三ページ、左側の方に、今大臣がおっしゃられた条文が掲げられております。

 この条文を見ますと、第十条の上から十行目ぐらいのところに、「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき。」は提出することになっていますけれども、逆に言うと、おそれがないと認めるに足らない場合は提出を拒めることになるんですよ。それでいいんですか、大臣。

上川国務大臣 特定秘密保護法十条の規定のとおりでございます。

 しかし、国権の最高機関である国会でございますので、特定秘密の提供が求められた場合には、政府としては、これを尊重して適切に対応することになろうかというふうに思います。

階委員 適切に対応するのが本当にできるかどうか怪しいということで、前国会のときに、国会の中で、政府が提供を拒んだ場合に、その理由が正当かどうかを判断するための組織ができました。その組織は御存じですか。

上川国務大臣 国会は国権の最高機関ということでございます。特定秘密の提供が求められた場合には、政府として、これを尊重し、特定秘密保護法の十条に基づいて適切に対応するということでございますが、それを踏まえまして、さきの通常国会におきまして国会法の改正がなされたということでありまして、衆参の情報監視審査会等に特定秘密を提供する仕組みが整備されたというふうに思います。

階委員 まさにこの情報監視審査会が重要な役目を果たすわけですが、二つお伺いしますね。

 この情報監視審査会の権限なんですが、まず、政府が特定秘密の提供を拒否する場合に、拒否の理由が正当かどうかを審査するために、政府に当該特定秘密を内々に、いわゆるインカメラで提示させることが強制的にできるかどうかということが一点。もう一つ、審査の結果、情報監視審査会が政府に、特定秘密に指定された情報を委員会へ提出するよう勧告した場合、この場合、この勧告には強制力があるかどうか。以上二点です。

上川国務大臣 強制力ありやなしやということでございます。

 一点目についてでございますけれども、国会における監視と特定秘密の保護の必要性を踏まえて設けられた仕組みというふうに思っておりまして、強制力というのは直ちに働かないというふうに思います。

 二番目の、勧告をするということでございますけれども、その場合におきましても、勧告を受けたからといって直ちにという形にはならないというふうに思っております。

階委員 大臣、そういうことで、結局、強制力がないということは、政府が隠してしまうんじゃないかという懸念が拭えないわけですよ。

 そして、特定秘密保護法では、附則の九条あるいは十条というところがありまして、附則の十条には、「国会に対する特定秘密の提供については、政府は、国会が国権の最高機関であり各議院がその会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有することを定める日本国憲法及びこれに基づく国会法等の精神にのっとり、この法律を運用する」という規定がございます。

 こういう規定に則した今の仕組みになっているかどうか。つまり、国会が出してくださいと言ったものに対しても、何だかんだ言って強制力がないので拒めてしまう、そういうたてつけになっていることが今の附則十条に照らして問題ないのかどうか、大臣の所見をお伺いします。

上川国務大臣 階議員から、十条に係ること、そして附則の十条ということで読み上げていただきまして、何度読み上げても足りないぐらい、このことの重みは大きいというふうに思っております。

 国会というのは国権の最高機関ということでございますので、特定秘密の提供が求められた場合には、行政府である政府としては、これを尊重して適切に対応するということに尽きるということだと思います。

階委員 何度も申し上げますが、今申し上げている事例は集団的自衛権の行使の要件を満たすかどうかという極めて重要な情報ですから、ここの承認権が国会にあるということが画餅にならないようにするためにも、ぜひここはしっかりした制度的な担保が必要だと思っています。私は、強制力がないと弱いのではないかと思っております。

 もう一つ、別な点からお伺いしますけれども、これは十月三十一日の当委員会でのやりとりに関するものです。特定秘密保護法違反の行為について刑事司法手続が行われた場合ということで、十月三十一日には、当時審議中であったテロ資金供与の禁止の法案についてお尋ねしました。今は特定秘密が集団的自衛権の行使要件に関して指定されたということを想定していますけれども、十月三十一日の答弁の際に、裁判所が公判前整理手続を開いて、その中で証拠開示決定というのが発せられたとしても、検察官は特定秘密に指定されていることをもって開示を拒否することがあり得るんだという答弁がありました。

 もう一度お尋ねしますけれども、今の結論で間違いがないかどうか、お答えください。

上川国務大臣 先回のときに幾たびかそうした重ねてのやりとりがございまして、私は、尊重するということを明確にお答えしたというふうに思います。

階委員 ここでも尊重するという言葉なんですが、尊重するということは、制度上、拒否できるかどうかとは別なんだと思うんですよ。

 制度上は拒否できるかどうか。証拠開示決定が出された場合に、にもかかわらず検察官が特定秘密の開示を拒否できるかどうか、制度上どうなっているかということを端的にお答えください。前回の答弁のことを確認させていただいています。

上川国務大臣 裁判所が特定秘密に係る証拠の開示を命じる決定をしたケースということでございましたけれども、仮に検察官において当該決定に対して不服があるというときには、即時抗告という形で不服申し立てをすることができるということでございますので、尊重し、そしてそうした行動もあり得るということでございます。

階委員 この点に関して、資料三の通しページ五ページ、その右側の方に脚注の四というのが真ん中ぐらいにありますけれども、特定秘密を含む証拠に係る刑訴法三百十六条の二十六に基づく証拠開示決定については、検察官において特定秘密を云々かんぬんとありまして、三行目の終わりの方、「仮に証拠開示決定がなされて、これが確定した場合には、」ちょっと飛びますけれども、「行政機関の長は、当該証拠開示決定の理由を踏まえて、第四条第七項に基づき特定秘密の指定を解除することとなり、検察官は、その解除を待って、当該証拠を被告人・弁護人に開示することとなる。」ということになっています。

 先ほど、拒むことができ得るようなことを言っていますけれども、これは逐条解説ですね、この記述によると必ず開示されるように読めるんですけれども、どっちが正しいんですか。

北村政府参考人 お答えいたします。大臣がお答えしたとおりでございます。

 このコンメンタールにつきましては、私ども事務局として作成しておりますが、大臣がお答えされたとおり、裁判所の決定に対し、検察官の方におきまして不服があるという場合には、即時抗告というものがございます。その即時抗告の後にそれが確定した場合というのがこのコンメンタールに書いてある場合でございまして、即時抗告がなされた結果、その後に、最終的に、やはり提出せよという判断が確定すれば提出することになるというのがこのコンメンタールに書いてあるところでございまして、大臣のお答えしたとおりでございます。

階委員 まず、大臣がお答えしたのは即時抗告ができますというところまでで、その後、開示決定が最終的に確定した後のことをおっしゃっていなかったから、それでお尋ねしたんです。

 では、ここに書いていることは正しいということでよろしいですね。

 もう最後なので、このまま尋ねますね。

 それで、最後ですけれども、特定秘密保護法附則の九条に「指定及び解除の適正の確保」ということがあります。「政府は、行政機関の長による特定秘密の指定及びその解除に関する基準等が真に安全保障に資するものであるかどうかを独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関の設置その他の特定秘密の指定及びその解除の適正を確保するために必要な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」ということだったんですが、前段の方でお話ししました、独立公文書管理監の権限の弱さ、あるいは内部通報者の保護の不十分さからすると、この附則九条に照らして問題ではないかと私は考えております。

 そこで、私は、この法制度の欠陥を正すためにも、特に集団的自衛権行使の是非について誤った判断がなされては、これはもう本当に大変な問題です、ぜひ施行を延期して、必要な法改正を行うべきではないかと思いますが、最後にこの点についてお尋ねします。

奥野委員長 では、上川大臣、端的に言ってください。

上川国務大臣 この十二月十日からスタートするということでございまして、今回も含めまして、こうした御議論というのは大変重たいものがあるというふうに思っております。

 この法律にのっとって、適正にしっかりと対応することができるように取り組んでいくということに尽きるというふうに思います。

階委員 これで終わります。

 消費税を延期するのであれば、特定秘密保護法も延期してください。

 ありがとうございました。

奥野委員長 次に、高橋みほ君。

高橋(み)委員 維新の党の高橋みほでございます。きょうもどうぞよろしくお願いいたします。

 ことし十月二十四日に、私が法務委員会でヘイトスピーチについて質問させていただきました。その際、人種差別撤廃条約の第四条の(a)と(b)に留保をつけている理由をお尋ねいたしました。

 そこでのお答えは、

 条文の求めております射程というのが極めて広いということがございまして、さまざまな行為、言動というものが対象になり得る。このような非常に幅広い行為というもの全てについて、現行の、例えば脅迫罪であるとか名誉毀損罪であるとか、既に幾つか存在するような規制を超えて、刑罰法規をもって規制するということになりますと、その制約の必要性あるいは処罰範囲の具体性といったことについて問題があり得るというふうに考えておる次第でございます。

  また、表現の自由ということになりますと、これを制約する際には合理性が厳しく問われるというふうに理解しておりますし、さらに、刑罰ということになりますと、罪刑法定主義の観点からも明確性が必要である。そういった憲法の規定する保障といった観点から、これらとの抵触というものが懸念されるというところでございます。

という御答弁がありました。

 しかし、そうはいっても、私は、他の国ではきちんと処罰しているのですから、この答えはおかしいのではないかと申し上げたところ、

  今、諸外国の例ということでお挙げいただきましたけれども、諸外国と我が国の間には、それぞれ、固有の歴史的な経緯でありますとかあるいは国としての体験、そういったものを背景として憲法の規定も決まっておりますし、そのもとで法制度、法体系というものが決まっておるところでございまして、各国がそれぞれの法体系あるいはその国内事情に応じた法制度、規制というものを持っているということでございますので、諸外国と比べてどうこうというよりも、先ほど申し上げましたとおり、日本の憲法規定に照らして我が国として判断したということでございます。

というお答えをいただきました。

 しかしながら、私は、どう考えても、この中にありました日本の固有の歴史的な経緯や国としての体験、国内事情に応じた法制度を理由として、人種的優越または憎悪に基づく思想の流布、あるいは人種差別の扇動といった行為、さらに人種差別を助長、扇動するような団体への参加、こういったことを国内法上犯罪とすることができないということはないのではないかと思っております。

 そこで、これらヘイトスピーチを犯罪とすることができない日本の固有の歴史的な経緯や国としての体験などがあるのか、上川法務大臣に御所見を伺いたいと思います。

上川国務大臣 いわゆるヘイトスピーチに係る御質問で、先回そうしたやりとりをさせていただきまして、ヘイトスピーチの今の実態ということについても、いろいろな角度から実態についての御指摘をいただきながら、深く考えていこうというようなプロセスの中に今あるというふうに思っております。そういう中で、委員から今御指摘いただいたようなお考えということについても、拝聴させていただきました。

 このヘイトスピーチの規制についてでございますけれども、私は、一人一人の人権が尊重される社会そのものが、豊かで成熟した社会の非常に大事な柱であるというふうに思っておりまして、その観点から、実現できることについては最大限の努力をするということだと思います。

 その意味では、今ある法律についてしっかりと運用していくということ、そして同時に、そのことがないようにしていくための社会に対しての啓蒙啓発ということをしっかりしていくということがまず大事ではないかというふうに思っておりますので、そういう意味で発言をしたところでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 今大臣がおっしゃったように、人権が尊重される社会をつくっていくというのは本当に私も大事なことであると思います。それに対しまして最大限の努力をする、今ある法律に基づいて最大限の努力をされるということは、それはそうだと思っております。そしてまた、社会への啓蒙活動も行っていきたいということも、それも大事なことだとは思いますけれども、では、現実にヘイトスピーチというようなものが起きていて、それを野放しにしている状況、その理由というものが日本の歴史にあるということはおかしいのではないかと私は思っております。

 その点について、日本がこのようなヘイトスピーチをきちんと規制できない理由というものがあるのだろうかということをお尋ねしたいと思ったのですが、いかがでしょうか。

上川国務大臣 いわゆるヘイトスピーチということでありますが、実際、どういう現場の中でどういうやりとりが行われているのか。いろいろな情報等で伺った範囲の中では、なかなか厳しい言動もある。そういう中においては、それに対して現行法に基づいてしっかりと対応するということで、現行法をしっかりと動かすということが大変大事だというふうに思います。

 施策を行う上には、その事態がどういう状況なのかということにつきましてもいろいろな角度から捉えていかなければいけないというふうに思っておりますので、そういう意味では、人権相談窓口におきましても、いわゆるヘイトスピーチという形ではなく、人権全般という形での捉え方がこれまでというふうに思っておりますので、そこのところに少し焦点を当てて取り組んでいくということで動いていきたいというふうに思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 今の大臣の御所見では、現行法上においてしっかり対応しているというお話だとは思うんですけれども、これだけ国際的にも、ヘイトスピーチのようなことはきちんと国内法で対応していかなければいけないと言われている現状を鑑みますと、法律をつくるのは私たち国会議員であるとは思いますけれども、政府の皆様としましても、やはりヘイトスピーチの問題にどう対処していくかということをぜひ御検討いただければと思っております。

 次に行きたいと思います。

 特別永住者制度についてお尋ねいたしたいと思います。

 法務委員会で十一月五日に西田譲議員もこの質問をされているのですけれども、まず最初に、特別永住者資格がどのようにして制定されたのか、どのようなものか、簡単に御紹介ください。

井上政府参考人 お答えいたします。

 特別永住者制度は、いわゆる入管特例法におきまして、終戦前から引き続き我が国に在留し、日本国との平和条約の発効により本人の意思にかかわりなく日本の国籍を離脱することとなった者と、その子孫であって我が国で出生し引き続き在留している者につきまして、日本の国籍を離脱することとなったいきさつや我が国における定着性等に鑑みまして、その法的地位の安定化を図るため、入管法の特例措置を定めたものでございます。

 主な特例といたしましては、入管法に規定する永住者と比べて申し上げますと、特別永住者につきましては、上陸審査の際の個人識別情報の提供が免除されることや、再入国許可による上陸の際に法定の上陸拒否事由の該当性を審査しないことなどがございます。

 また、退去強制事由というものの定め方につきまして、一般の永住者は、入管法に定める個々の退去強制事由に該当した場合には退去強制の対象となりますけれども、特別永住者につきましては、内乱、外患、国交に関する罪などによる刑に処せられた場合などに限定された場合に限って退去強制の対象になるということ。

 そのほか、例えば、永住者につきましては在留カードの携帯義務がございますが、特別永住者につきましては、これに相当する特別永住者証明書を携帯する義務はないなどといった特例措置が定められてございます。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 ここで私が問題と思うのは、子孫が特別永住資格を永遠に有することだと考えております。

 私は、戦後処理ということで平和条約国籍離脱者に対して一定の保障をするというのは、とても大切なことだと思っております。ただ、子々孫々特別永住者というような、どちらかというと不安定な立場にいらっしゃる方たちをそのままにしておくというのは、日本で生まれて育って、そこで結婚し、死んでいくのに、国籍は日本ではないというのは、やはり本人の立場からするとかなり不安定な立場に置かれるのではないかと思います。

 そして、特に問題なのは、やはり日本で生まれて日本で死んでいくのに、その間、選挙権の行使もできないということが大きいかと思います。地域のため、国のために何ができるのかとか、普通は考えていくのだと思うけれども、自分は何人なんだろう、どこの国のために尽くしていくべきなんだろうということに対しても、なかなか難しい問題が心の中で生じるのではないかと思います。

 私、これを考えるときに、ある意味、二重国籍の問題とパラレルに考えればいいのではないかなと考えております。それは、二重国籍の方は、原則二十二歳に達するまでにどちらかの国籍を選択するという制度であると思うんですけれども、三世ぐらいになりましたら、どちらの国民として生きていくのか、日本なのか他の国なのか、選んでいただき、特別永住者の資格というか制度は徐々に廃止していくという方が御本人たちのためにも実はよいのではないかと思うんですけれども、この点、大臣、いかがお考えでしょうか。

上川国務大臣 ただいま先生の方から、子々孫々までということについての先生なりのお考えということでございました。

 入管特例法ということでございますけれども、そもそも、特別永住者の地位を有する者の子孫につきましても、本邦で出生し引き続き本邦に在留する場合にはその地位を取得する、そういう原則でございます。

 これにつきまして、日韓両国政府間の合意というのが一九九一年に締結されたということでございまして、この内容にのっとって、特別永住者の地位を有する者の子孫につきましても特別永住者制度の対象とすることにしているということでございまして、これに基づいてしっかりと寄与していくということだと思います。

高橋(み)委員 上川大臣が今の法律などに基づいて運営していくというのは、もっともな御答弁だとは思います。

 しかしながら、特別永住者の制度というのは、日本の国に対する選挙権を行使することができない方たちがある程度いらっしゃるということで、どちらかというとやはり不安定な制度ではないかと私は思っております。やはり、日本で生まれて、日本に住んで、日本で死んでいく方には、日本の国籍を取っていただけるような日本であるべきではないかなと思っておりますけれども、このように帰化を進めていくというような広報などはされているのでしょうか、お尋ねしたいと思います。

上川国務大臣 ただいま帰化に対する御質問がございましたけれども、日本国籍を取得するということのために帰化申請をするということになるということでありますが、帰化の条件といたしましては、これまでの国籍の喪失ということが要求されて、そして帰化することになるということでございますが、これはもう御本人の完全なる自由意思によって決定するというものでございます。そういう意味では、今先生がおっしゃったように、帰化を推奨するというようなことにつきましては、適切ではないというふうに思っております。

 御質問の、手続等についての、具体的にこうした手続があるということについては、パンフレットその他で、ホームページでもそうですけれども、周知をしているということでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 もちろん、国籍をどこにするのかというのは、本人の完全な自由意思で決定しなければいけないことだと思っております。

 ただ、一世や二世ぐらいまでならこの制度があってもいいと思うんですけれども、三世、四世、五世まで、この日本で生まれて亡くなっていくのに特別永住者の制度というものを残していくというのは、やはり考えなければいけない時期に来ているのではないかなと私は思っております。

 次に行かせていただきたいと思います。次は、法テラスについて質問させていただきたいと思います。

 法テラスは、地方事務所、支部、出張所、扶助・国選対応地域事務所などから成っているんですけれども、この中で、司法過疎地域における法律サービスへのアクセスを改善するために設置する事務所が司法過疎地域事務所と言われているんですけれども、ここでは、一般の開業している弁護士と同様に、有償での法律サービスを提供しているわけでもあります。

 もちろん、弁護士の地域的偏在の問題を解消するために、弁護士過疎あるいはゼロワン地域と言われる地域に法テラスを設置して、有償での法律サービスを提供する必要性が高いことは私は理解できます。そして、実際にも、多くの相談や法律業務の依頼が法テラスの司法過疎地域事務所に寄せられていると伺っております。

 このように、過疎地域でも意外と多くの顧客が法テラスの事務所に来られているというように私は感じているのですけれども、事実認識としてはそれでよろしいでしょうか、大臣。

上川国務大臣 全国にはたくさんの地域がありまして、司法ということについても、概念として法律とかということに対しては非常に遠い距離にある方たちも法テラスのサービスを利用するということについて、この制度が非常に生きているというふうに思います。

 とりわけ、過疎地域におきましては、いろいろな意味で、そうしたもろもろのサービスを提供する環境にないということをもって法律的なサービスを受けられないということになりますと、それは問題であるということで、できるだけきめ細かくサービスを提供するということにおいて、過疎地域での仕組みづくりということについて力を入れてきたということでございます。

 いろいろなお問い合わせがあるということでありますので、数が多いとか少ないではなく、いろいろな方がいらっしゃりながら、多くの御疑問もあるし、問い合わせがある、そしてそれに対して法律の専門家としての適切なアドバイスをしながら、その解決に向けて促していくという趣旨でつくられたものということで、これが大きな役に立っているというふうに思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 私が話を聞いたところによりますと、かなりにぎわっている過疎の事務所があるというふうに伺っていて、相談をするまでに一カ月待ちとか、そういうところもあるそうです。

 私は、それを聞いたときに、他方で、弁護士さんの人数が二〇〇〇年には一万七千百二十六人だったものが、二〇一三年には三万三千六百二十四人と倍増しているということを強く思ってしまいます。そして、よく御存じのとおり、弁護士さんの増加に伴って、弁護士の所得水準が低下しているということも指摘されております。

 そこで、法テラスさんが開拓した新しい市場にぜひ民間の弁護士さんがスムーズに進出できるよう、例えば、民間の弁護士さんが事務所を設置して、ある程度業務を行えるようになった場合は司法過疎地域事務所を閉鎖するような措置をとって、民業圧迫にならないようにすることも実は必要なんじゃないかなと考えているのですけれども、この点、いかがお考えでしょうか。

上川国務大臣 ただいま御指摘をいただきました、弁護士の先生方の人数が増加しているという現状の中で、さまざまな要請が来る法テラスのような業務を、むしろそうした皆さんの開業に持っていくようにしていくということが大事ではないかということだというふうに思います。

 しかしながら、経営という観点からいって、では、一般の弁護士の皆さんが全て開業することができるかどうかということでございますが、なかなか期待するのが困難な地域は、まだまだ司法過疎地域は存在をしているということでございます。その意味で、補完するという観点で、この法テラスの役割は極めて大きいということであります。

 今後も、司法過疎地域の法律に対してのニーズということについて十分に踏まえながら、また、日本弁護士連合会、その他の関係機関に御協力をいただいているということでございますので、連携をして、あくまで司法サービスを受ける側の立場に立った体制ということについて努力をしてまいりたいというふうに思います。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 本当に需要がないところならばそうかもしれないんですけれども、最近では、過疎地域と言われるところでも、かなり高齢者も多くなっていることから、司法ニーズが多くなっていると伺っております。もちろん、法テラスさんの存在意義というのは大きいとは思うんですけれども、ある程度人がいらっしゃるようになったら、民間の弁護士の方たちの進出を促すという方向もぜひ考えていただければと思っております。

 時間が少なくなってしまったので、申しわけないですけれども、最後に通告しております個人通報制度について質問させていただければと思います。

 この個人通報制度というのは、個人が直接人権侵害の救済を国際機関に求める制度です。私が今回最初に質問しましたヘイトスピーチの問題でも感じるのですが、このような状況を放置している我が国の人権問題への取り組みというものは、実はいかがなものだろうかと思っております。

 そこで、我が国では個人通報制度を使えないことについて質問いたしたいと思っております。

 我が国は、国際人権規約の自由権規約選択議定書を批准していないことから、個人通報制度が使えないんですけれども、諸外国ではどのような状況にあるのか、それらの実数、国での利用状況など、人権の改善例などをお伺いできればと思います。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる国連で作成されました人権の条約に関しましては、委員先ほど御指摘のとおり、いわゆる個人通報制度というものを、選択議定書、あるいは条約の中の選択条項という格好で規定しております。それぞれの条約によってやり方が違うところはございますけれども、これらの条約の中で最も運用実績が長く、多くの国が個人通報制度を受け入れているという、これは自由権規約になりますけれども、これは、現在、百六十八カ国締約国がある中で、百十五カ国が個人通報制度を採用しているところでございます。

 少し敷衍して申し上げますと、これは今、総数でございますけれども、G8の国で申し上げれば、採用しているところがドイツ、フランス、イタリア、カナダ、ロシア、これを採用していないのが我が国、米国、英国というふうになっているところでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 百十五カ国で批准されているということなんですけれども、このように多くの国で利用され、人権侵害の救済に一定の効果を上げている個人通報制度をなぜ我が国は導入しないのか、人権保障をいわば国際水準に引き上げることで何らかの支障があるのか、その点、大臣に伺いたいと思います。

上川国務大臣 個人通報制度ということでございますけれども、この条約を実効あるものとしていくという意味では、大変大事な制度であるというふうに思っております。

 現実的な話ということで、国の制度とどう調和していくかというところが非常に大きなポイントということでございますが、なかなか難しい状況にあるということにつきましては、この間指摘したとおりであります。

 そういう意味では、この通報制度について、法務省だけではございませんので、いろいろな関係省庁ということでございますが、いろいろな意見を聞きながら、同制度の導入の是非につきましても真剣に検討を進めていきたいというふうに思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 ぜひ、海外よりも人権保障の水準が低いというようなことを言われないようにしていただきたいと私は思っております。

 総務省の方にきょう来ていただいたんですけれども、ちょっと質問の時間が来てしまったのですが、申しわけなかったので、また今度よろしくお願いします。

 以上で終わります。ありがとうございました。

奥野委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 維新の党の今井雅人でございます。

 本日は、現在公判中の美濃加茂市長起訴事件に関連して質問させていただきたいと思います。これは、最年少市長ということで話題になりましたので、皆さんも御存じじゃないかと思います。

 この事件は、融資詐欺で起訴された中林という人間が、美濃加茂市長が市議会議員の時代に現金三十万円を渡して浄水設備の導入に便宜を図ってもらったという証言をしたことで、現職の美濃加茂市長が逮捕、そして起訴されたという事件であります。

 市長は、警察の取り調べで、はな垂れ小僧を選んだ美濃加茂市民の気が知れない、自白するのが当然だ、早く自白しないと美濃加茂市を焼け野原にするぞと脅迫まがいの取り調べを受けたそうです。そして、その後、市長は名古屋地検に起訴されました。

 しかし、この起訴はおかしなことだらけです。

 まず、今回、事前収賄の容疑ということになっていますけれども、問題の時点では、市長は市会議員であり、市長選も予定されておりませんでした。それでなぜ事前収賄が成立するのか、全くもって不可解であります。

 さらに、もっと最大の問題点は、今回の起訴は贈賄側の証言だけによる起訴だという点であります。

 贈賄容疑者の中林は、昨年四月に、ファミレスで十万円、そして居酒屋で二十万円渡したと言っています。ファミレスに関しては、最初は二人きりで会ったと証言していました。しかし、その後、伝票が出てまいりまして、三人だったことが発覚いたしました。それを受けて中林は、慌てて、勘違いだったと訂正しております。

 また、ファミレスに同席していた人間は居酒屋でも同席をしておりましたけれども、どちらのときも現金は渡していない、私は見ておりませんと証言をしたんですね。すると、この中林は、席を外しているときに渡したと証言をひっくり返しました。しかし、その後、この同席した人間は、席は一度も外していないと証言して、それ以降、この中林は口を濁しています。

 こんなふうに証言の二転三転が繰り返され、正直、あきれて物が言えない状態であります。

 そして、その他の物的証拠もない中で、この証言だけで裁判をしている、このこと自体に大変私は疑問を感じるわけであります。

 そこで、法務大臣に一般論としてお伺いしたいと思いますけれども、起訴された人は一般的に社会からの不利益をこうむる可能性がありますから、起訴に当たっては事実を積み上げて慎重に判断すべきだというのは、大臣もこれは同意見じゃないかなというふうに思います。

 そこで、一般的に、贈収賄において、贈賄側が渡したと言い、収賄側はもらっていないというふうに反論している、そして、同席した人間が渡していないと証言して、かつ、ほかの物的証拠がないという状況で起訴するということは妥当だというふうに思われますか。

上川国務大臣 今委員から御質問があったことでございますけれども、個別事件を前提とした御質問というふうに感じます。個別事件につきましての検察当局の事件処理の内容にかかわる事柄ということになりますので、法務大臣としての答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。

今井委員 残念ですね。個別論ではなくて一般論としてお伺いしたんですけれども、お答えいただけないということであります。

 そういうお答えをされるんだろうと思いましたけれども、私は今回の件には非常に憤りを感じておりまして、ぜひ国会の場で、皆さんにはこのおかしさをわかっていただきたいという意味もあって今ここに立たせていただいております。

 次に移らせていただきたいと思いますけれども、この中林という人間は、なぜ今回渡したという証言をしたのかということを聞かれましたら、こう答えています。一日でも早くゼロになって社会復帰したいと思って、全てを話さなければいけないと決心しましたと。これまでの行為を後悔するようなことを言っていたわけです。

 しかし、何と、同時期に知人に手紙を出しております。この手紙の中で、詐欺まがいの事業をやりませんかということを持ちかけています。その手紙を、弁護士が現物を証拠として提出いたしました。現物はあったわけです。

 それを聞かれましたら、何と、この中林という男は、その人とは大した関係ではないのでうそを書くことはたくさんある、こういうとんでもない発言をしているわけです。まさにもう馬脚をあらわしたという一言だと思いますけれども、大した関係でなければうそをつくのであれば、今回の事案に関してもうそをついている可能性は十分にあるわけです。

 では、大臣にもう一度お伺いします。

 一般論で結構ですけれども、人をだますような詐欺を起こした、そしてそれで起訴をされた人間が言っている証言というのは、果たして正当性というのはあると思われますか。

上川国務大臣 委員の御質問の趣旨ということでございますが、個別事件に係るということの中での御質問ということでございまして、法務大臣としては答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。

今井委員 ゼロ回答なのは想定しておりますけれども、このおかしさを皆さんにぜひわかっていただきたいということであります。

 そして、その手紙の中にはこういうことが書いてあります。藤井弁護団が私のことを悪く言えば言うほど検察は私を守りに入ります、もちろんこれが公判では有利に働くでしょうし、検察からの情状も出てくることになりますというふうに書いてありまして、さらには、関口という担当検事から、絶対に藤井には負けないから、中林さん、最後まで一緒に闘ってくださいねと言われたと手紙に書いています。後に、そう書いたことも本人は認めています。

 大臣にもう一度お伺いします。

 こういう言動をする検事に、果たして検事としての適格性があるとお思いでしょうか。

上川国務大臣 先生の御指摘の件でございますが、個別の事件に係る御質問ということでございますので、法務大臣としての答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。

今井委員 そういう答弁ばかりですので、恐らく時間が早く終わってしまうと思いますけれども、御勘弁をいただきたいと思います。済みません。

 では、ちょっと質問をかえます。

 一般論として法務省さんにお伺いしますけれども、検事の人事評価ですね、正しい適切な判断をして起訴しているかとか、そういう定性的な面も含めて、人事評価というのはどういう形で今やっておられるでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 検察官の人事評価につきましては、他の一般職の国家公務員と同様に、平成二十一年四月一日に施行されました改正国家公務員法の人事評価制度に関する規定の適用がございます。各検察官の捜査、公判能力、管理者としての能力、執務姿勢等を総合的に勘案して、能力評価と業績評価が実施されております。

 具体的に申し上げますと、例えば捜査、公判能力につきましては、捜査処理の組み立てや証拠分析、関係者への対応等が適切になされているかなど、また、管理者としての能力につきましては、部下職員に対する適切な指揮、指導等を行っているかなど、また、執務姿勢につきましては、自己の職責を十分に把握した上で責任ある事務処理を行っているかなどという観点から評価することとなっております。

今井委員 それでは、もう一度お伺いしますけれども、例えば、今回のような事案も含めて、それぞれの個別の事案でそれぞれの担当検事がどういう判断をしたかということを全て踏まえた上で人事の評価をしていく、そういうことでよろしいですか。

小野瀬政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、例えば捜査、公判能力につきましては、捜査処理の組み立てや証拠分析等々が適切になされているかといったようなことを見ているわけでございますけれども、それに当たりましては、被評価者からの自己申告というものもありますけれども、日ごろの業務の中での、例えば決裁ですとかあるいは報告、そういったようなさまざまな場面等を通じて評価を行っているというものでございます。

今井委員 もう一度確認します。

 ですから、個別事案について一つ一つチェックをされるということでよろしいんですね。イエスかノーで答えてください。

小野瀬政府参考人 あくまでも一般論として申し上げますと、そういった個別事件におきます捜査処理の組み立てや証拠分析等、そういったものも含めて判断しているというものでございます。

今井委員 それで結構です。

 では、次に行きます。

 実は、この詐欺師は、十五件、合計で四億円近く詐欺を働いていますけれども、二件、二千百万円分しか起訴されていません。しかも、この美濃加茂市の浄水プラントの設置に関して、美濃加茂市教育委員会委員長の公印を偽造して、同委員会名義の発注書を提出して、銀行から四千万融資を引き出しています。これについても、実は何の措置もとられていません。

 ことしの九月になって、被告人の担当弁護人がこれを告発しました。告発をしたら、検察は追起訴したわけですね。つまり、それまで検察は不作為をしていたということになるわけです。

 そこで、一般論でお伺いしますけれども、今回のケースは、検察と中林の間で実質的な闇司法取引が行われた可能性を否定できません。事実はわかりませんが、否定できません。先日出ました法制審の答申によって、来年度、司法取引の導入が検討されているというふうに伺っておりますけれども、現在も実質的にこうした司法取引が行われているかということを、今、調査はしっかりしておられるでしょうか。

林政府参考人 先ほどお話のあった法制審議会の答申等がございますが、法務省としては、こういった制度の検討に当たって、御指摘のような特段の調査などは行っておりません。

今井委員 それはなぜ行っていないんですか。そういう指摘が世の中であるのは御存じでしょう。

林政府参考人 法制審議会の議論におきましては、捜査・公判協力型協議・合意制度というものでございますが、それについては、現在実務で行われていることを制度化するという性質のものとして検討されたものではなく、証拠収集手段の適正化、多様化を図るという観点から、全く新たな仕組みとして検討されたものでございます。そういったことから、御指摘のような特段の調査などは必要とされなかったものと考えております。

今井委員 いや、まだ司法取引が行われていないわけですから、そういう実態があるかというのはぜひ調べていただきたい。まあ、それ以上お答えにならないから結構です。

 もう一つお伺いしますが、仮に司法取引が正式に行われることになりましたら、例えば今回の詐欺師のように、これは事実は認定できませんが、想定として、自分の罪を軽くしたいがためにうその証言をする、そしてそのことによって冤罪を招く、こういう可能性があるというふうに指摘されていますが、この点についてのお考えは、大臣、いかがですか。

林政府参考人 この捜査・公判協力型協議・合意制度のもとでの合意に基づく供述について、制度面において、罪を犯していない人への巻き込みの危険というもの、こういったものがあるのではないかという議論は法制審議会等でもございました。その点について、そういった危険を防止するための手当てがなされているものと考えております。

 具体的には、この制度のもとでは、弁護人が協議、合意に一貫して関与することとされております。また、合意に基づく供述を他人の刑事裁判で使う場合には、合意の存在そして内容が、当該他人及びその事件を審理する裁判所に明示されるということ。そしてまた、この合意に基づく供述等については、虚偽供述等の罪などの制裁が設けられている。

 こういったことから、制度上、第三者を巻き込む危険というものに対する手当てがなされているものと考えております。

今井委員 今、ちょっとよくわからなかったんですけれども。

 冤罪の問題は非常に大きな問題だと思いますので、今後もこの問題は議論していきたいと思いますけれども、今回のケースは、私はその可能性が非常に高いというふうに思っていますので、断定はできませんが、ぜひそういう観点もしっかりチェックをしていっていただきたいというふうに思います。

 次に、経済産業省さんにきょう来ていただいているのでお伺いしたいと思いますが、まず、過去の融資詐欺等で起訴された事実のうち、保証協会つきの融資がどの程度あったか、教えていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 信用保証協会を利用する際に金融詐欺のおそれのある事案は、平成二十三年度から平成二十五年度までの直近三カ年で四十五件の報告がございました。このうち、四十五件の中で起訴された事案の件数は、私どもが把握している限り十四件でございます。

今井委員 四十五件あって、起訴したのが十四件ということですか。

 実は、まだ全部は把握できていないんですけれども、今回のケースは、この四億円のうちかなりの部分が実は保証協会つきの融資なんです。

 御案内のとおり、保証協会というものは、融資が滞れば当然保証しなきゃいけないわけですけれども、これは原資は何かとあれば、公金ですから、間接的に言えば税金ですね。ですから、税金に対して詐欺を働いたそういう人間に対して、再発防止も含めて、徹底的に、告訴、告発を含めて厳正に対処していかないと、我々の税金がそういうところでかすめ取られているわけです。

 経済産業省としては、今、こういう案件に対してはどういう対応をしておられますか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、各信用保証協会に対しましては、平成十八年に金融庁長官と経済産業大臣連名の通達によりまして、まず、信用保証協会を利用した犯罪事案が発生した場合には、直ちに中小企業庁等の所管行政庁に報告するとともに、あと、御質問いただいた件でございますが、刑事法令に抵触しているおそれのある事実については、警察当局に通報の上、厳しい態度をもって事件の処理に当たるように厳しく指導しているところでございます。

 当然、今後も信用保証制度の適正な運営が確保されるよう、各信用保証協会をしっかり指導監督していきたいと考えております。

今井委員 しっかり答えていただきました。

 ということは、例えば今回のような事例に関しても、経済産業省としてはしっかり監督をしていくということでよろしいですね。もう一度確認します。

佐藤政府参考人 このような事案に関しましても適切に対応しているというふうに考えておりますし、私どもとしても監督をしております。

今井委員 ありがとうございます。

 はっきり答えていただきました。しっかり監督していると認識しておられるということを今ここで確認させていただきましたので、私の承知している限り、全ての分は起訴等を受けていないという状態にありますから、その点をまたしっかりやっていただきたいなというふうに思います。

 最後になりますか、金融庁さんに来ていただいております。

 今、経済産業省さんに聞いたお話と基本的には同じでありますけれども、今回の案件はプロパーの融資もございます。先ほど申し上げたように、そもそも、この中林という男が、美濃加茂市の浄水施設にあった四千万というのを、金融機関はそのまま流していたというか、ほっておいたわけですね、だまし取られても。そして、検察も何もしておりませんでした。

 金融庁さん、一般論としてですけれども、ふだん、例えばこういう不正融資あるいは融資詐欺、さまざまなところで問題が起きた場合には、厳正に対処するように、金融機関にはどういう御指導をなさっておられるでしょうか。

氷見野政府参考人 お答えいたします。

 一般に、金融機関がみずからが融資詐欺の被害に遭ったと認識した場合には、警察への相談や通報など、警察の犯罪捜査に協力しつつ、事件の調査、解明に努めるとともに、同種事案の再発防止等に向けた取り組みを行っているものと承知しております。

 金融機関におきましては、与信先の事業内容、資金使途などについて的確に審査を行う与信審査管理体制を構築し、また、公共性を有する立場を踏まえて、適切な内部管理体制を構築することが重要であります。当庁といたしましても、そうした体制整備を金融機関に促し、適切な体制が構築されるよう指導監督しておるところでございます。

今井委員 ありがとうございます。

 では、もう一度確認しますけれども、ということは、例えば金融検査等で与信が妥当であったかということも、当然、個別のものを見ていくということでしょうし、もし問題がある場合は、金融機関が適切に対応しているかということもしっかり金融庁としてチェックをしている、そういう御答弁でよろしいですか、確認させてください。

氷見野政府参考人 当庁といたしまして、個別の融資一つ一つ全部チェックできているということではございませんけれども、金融機関の体制といたしまして、自分がだまされていたかどうかがしっかり自分でわかるとか、そうしたことが確認できたときには、もちろん、お客様のことでございますので、お客様に犯罪の疑いがあるということを当局に伝えるというときには、よほどしっかり確認した上でやる必要があると思いますけれども、必要な場合には適切な対応を行う、そういう銀行の体質になっているかといった体制面については、きちんと見ておるつもりでございますし、引き続きよく見てまいりたいと考えております。

今井委員 ありがとうございました。

 何とか時間いっぱい、最後までもちましたけれども、最後に申し上げますが、検察だけではありませんけれども、こういう権力を持っている人というのは、やはり謙虚じゃなきゃいけない。それだけ大変大きな影響を与えてしまう、そういうものを持っているわけですから、起訴も含めて、判断するときは本当に慎重にやっていただかないと、今回は個人という面でも損害をこうむっていますし、私も実は美濃加茂市民なんですが、美濃加茂市としても、現職の市長が勾留されていたということで、やはりそういう意味では大変損害をこうむっているわけでありますから、そういう判断をするに当たっては慎重に慎重を期す、そういうことをぜひやっていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

奥野委員長 次に、西田譲君。

    〔委員長退席、盛山委員長代理着席〕

西田委員 次世代の党の西田譲です。どうぞよろしくお願いをいたします。

 前回の質問で、特別永住制度についてお伺いをいたしました。その続きから本日は入らせていただきたいというふうに思っております。

 先ほども、問題意識を共有していただいた、切り口は違うのでございますが問題意識を共有していただいた御質問がございましたが、本当に子々孫々まで続けるべきなのか。

 これは制度疲労以上に大きな欠陥があると前回述べさせていただきました。日本に生まれながら、祖国は日本以外の国だ、常にみずからを証明しながら、常に自分に言い聞かせながら、何かしら行動を起こしていない限りそのアイデンティティーが確立しないという不安定な状況に置くことが果たしていいのか、そういった問題意識を示させていただいたところ、大臣からは、私の意見ということで拝聴するという御答弁でございました。

 今回は、細かく通告をさせていただいておりますので、拝聴からさらに踏み込んで、どういった御答弁をいただけるか、お聞きしたいと思います。

上川国務大臣 特別永住者制度ということで、子々孫々までということにつきましての先生の御意見ということで、先回、拝聴させていただきました。入管特例法によりまして、特別永住者の地位を有する者の子孫につきましても、本邦で出生し引き続き本邦に在留する場合には特別永住者の地位を取得する、こういう制度でございます。

 平和条約が締結されまして、国籍を離脱された方及びその子孫につきましては、日本の国籍を離脱することになった経緯、そして我が国における定着性ということを鑑みまして、特別な配慮が必要だということ、このことに加えて、特別永住者制度を規定する入管特例法は日韓両国の政府間の合意の内容を踏まえて成立したものであるということを考慮いたしますと、特別永住者の地位を有する者の子孫についても特別永住者制度の対象とすることにつきましては、十分な理由があるものというふうに考えております。

西田委員 ありがとうございます。

 まさにこの元凶でございますね、一九九一年、日韓法的地位協定に基づく協議の結果に関する外務大臣の覚書というものがあるわけでございます。それがある以上、日本はそれを一方的に破棄するなんという野蛮な行為をする国ではないわけでございますから、法務省としてはこの入管法を改正することはない、そういうふうに理解をするわけでございますけれども、であるならばこそ、この九一年の外務大臣の覚書を上書き更新する必要があろうかと思います。こういったことについては、議員諸兄の御理解と問題意識の共有をぜひともお願いしたいところでございます。

 その上書き更新に向けてでございますけれども、やはり今の現状をしっかりと把握するといったところからきちんとスタートしなきゃいけないわけでございますが、先月、十月六日の予算委員会で、我が党の桜内議員が生活保護の問題を取り上げさせていただきました。

 質問では、いわゆる保護率について示されたわけでございますけれども、いわゆる生活保護全体が千人に対して十七人というのがその数字でありまして、では外国人に対してはどうかといったときに、世帯別では数字が挙がってきたわけでございます、千世帯に対して百四十二世帯、約十倍でございます。ただ、データを比較するという意味では、人数での比較ができなかったわけですね。数字がないということでございました。

 あわせて、先週、十一月七日の文部科学委員会でございますけれども、これも我が党の田沼議員の質問でございます。公立学校における外国人教師の国籍ごとの分布がどうなっているかというふうに尋ねたところ、当局からは、把握しておりませんという答弁でございました。

 実は、これも一九九一年の覚書の内容があるわけでございまして、そこではこう書いてあるわけですね。在日韓国人については、政府は、「公立学校の教員への採用については、その途をひらき、日本人と同じ一般の教員採用試験の受験を認めるよう各都道府県を指導する。」こういうことに問題意識を持っての田沼議員の質問だったわけでございます。

 当然、我が国は、当たり前のことですが、公務員は日本国籍を有する者でなくてはならないわけでございますから、恐らく、実態としては、公務員である教員ということではなく、講師として採用されているのではなかろうか。それ以上に、教員としてまさか採用はされていないだろうということがあるわけでございますが、いずれにせよ、そういったことを議論するに当たって、実態を把握する意味でも、外国籍の、外国人教師の分布を尋ねたところ、把握しておりませんということであったわけですね。

 一義的に法務省が出入国管理政策を統括しているわけでございますけれども、一体、我が国には、どのような職業についている外国人の方がどれくらいいらっしゃって、もしくは、働いている方ばかりではないでしょうから、例えば外国人の方で被扶養者の方々がどういう状況にあるのか、こういったことをきちんと把握されていらっしゃるのか、御当局にお伺いしたいと思います。

井上政府参考人 お答えいたします。

 入管当局といたしましては、我が国に在留する外国人の職業等につきましては、在留管理に必要な限度においてのみ把握しておるところでございます。したがいまして、網羅的に把握しているところではございません。

西田委員 これでは、出入国管理というよりも、入国管理局という名前を改めて、入国放任局になった方がいいわけでございますね。やはり、我が国の外国人の在留状況の把握といったものがなぜきちんとなされていないのか、当たり前の問題意識だと思うんです。

 これは別に特別永住制度に限ったことではございません。我が国には、例えば、在留の形態、何をするかという行為によって認められている方もいれば、あるいは、永住、特別永住、そういった身分によって認められている方もいるわけでございます。身分によって認められているからといって、その方々が日本で何をやってもいいということには決してならないわけでございますから、そういった方々の状況、特に永住や特別永住で日本に在留されている方々の状況をやはりきちんと把握すべきだと考えるんですけれども、この点についていかがでしょうか。

    〔盛山委員長代理退席、委員長着席〕

井上政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、在留の資格によりましては、例えば特定の企業に雇われているエンジニアの方ですとかは、その在留資格どおりに活動されているかということを把握する必要上、職業の状況等について詳しく把握することはもちろんございますが、永住者につきましては、活動につきまして特段の制限がございませんので、当局の所掌事務であります在留管理という観点からいきますと、永住者について職業がどうなっているかということにつきましては、これは特に把握する必要はないということで、把握しないことにしております。

西田委員 これまではそうだったかもしれませんが、これからはぜひやっていただきたいというふうに思うのでございますけれども、いかがでしょうか。

井上政府参考人 お答えいたします。

 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律という大原則からいきますと、行政機関としましては、所掌事務を遂行するために必要な場合に限り個人情報を保有するという大原則がございますので、現在の入管当局の所掌事務に照らしますと、特に必要のないと考えられる情報の取得と保有につきましては、少なくとも、現行法のもとにおいて、入管当局としては、これは慎重に考えざるを得ないというところで御理解いただきたいと存じます。

西田委員 やっていないというところから、今後は慎重に考えたいと、ちょこっと進んだわけでございます。

 もう一歩ぐらい進んでいただきたいというふうに思うんですね。何も法治主義を逸脱して行政をせよということを言っているわけじゃないわけでございます。必要と考えられる範囲で情報を把握するといったことでございますから、私は、もう一歩ぐらい進んで御答弁いただいてもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

井上政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますけれども、現行法の範囲内で、事務当局といたしましては、慎重に検討せざるを得ないと考えておるところでございます。

西田委員 わかりました。現行法の範囲内で慎重にこれから管理をしていただくことを求めたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 続いて、ジェノサイド条約について伺いたいというふうに思います。

 これは、昨年十一月の臨時国会で、ちょうど一年ほど前になりますが、指摘をさせていただいたことでございます。当時、きっかけは、昨年、ニューヨークのホロコースト記念館に慰安婦の展示がなされるといったことについて懸念をするところから質問をさせていただいたわけでございます。

 先日の、十月三十日のニューヨーク・デイリー・ニューズでは、その展示は既に行われているという報道がなされておりました。相も変わらず、二十万人が強制連行され、そして、レイプ、さまざまな行為をなされたと喧伝されているわけでございますね。しかも、これはホロコースト記念館で、ホロコーストと同等に扱われているわけでございます。

 私たちの父祖は、ナチス・ドイツと同盟を組むという過ちを犯したのかもしれませんけれども、決して、ジェノサイド、ホロコーストというジェノサイドに加担したことはないわけでございますし、ましてや、実際にジェノサイドを行っているわけでもございません。なのに、まるで私たちの父祖がジェノサイドと同等のことを行ったかのように喧伝を今されているわけでございます。

 これは言うまでもなく、我が国の国益というのは、国は垂直的共同体と言われていますけれども、我が国の国益は、今生きている私たちだけの国益、利益といったことではなくて、先祖の利益、そしてまだ見ぬ子孫の利益、合わせて我が国の国益なわけでございます。そういった意味で、私たちが、今を生きている私たちが父祖の利益をやはりしっかりと守っていかなきゃいけないというふうに思う中で、このジェノサイド条約といったものを取り上げさせていただいたわけでございます。

 と申しますのも、やはりこの国際社会において、その国の道徳心であったり倫理性の顕現、それこそが外交の真髄であって、それによって主権国家として我が国は名誉心や矜持を保持していかなければならないわけでございますね。

 一方で、このジェノサイド条約、世界約百四十数カ国が締結をしている。何とびっくり、北朝鮮も締結しているわけでございますし、中国も締結しているわけでございますけれども、我が国はまだ批准をしていない。

 一年前の質問で、私、議事録をいろいろ調べましたら、昭和三十二年、岸外務大臣が、どうかと聞かれましたところ、こう答弁されているんです、研究中でございますと。もう五十七年たつわけでございます。こういうのを研究中と言わないわけでございますね。昨年、私が質問をいたしましたところ、刑事局長が答弁をされていらっしゃるわけでございますけれども、これを締結するに当たって、集団殺害の共同謀議という刑法上の問題があるわけでございますが、そういったことについて、必要であれば検討し、法整備について考えるというふうにおっしゃっているわけでございますね。

 一年たつわけですから、この検討状況といったものについて刑事局長にお伺いをしたいと思います。

林政府参考人 このジェノサイド条約締結に向けての検討というものは、政府全体として行わなくちゃいけないことであると思います。

 いずれにしても、現時点まで、政府においてこのような検討、例えば外務省からそのような依頼を受けて法務省としても検討する、そういった状況にはなっておりません。

西田委員 一年前の稲田刑事局長の答弁は何だったのかという思いでございます。

 もう一度確認しますけれども、岸外務大臣が、昭和三十二年、研究中と答弁されて、去年までの五十六年間、法務省は外務省からこの集団殺害に対する共同謀議についての刑法上の考え方について一度も協議の要請がなかったということで、まさに外務省の怠慢がわかったわけでございますけれども、さらにこの一年間、またしても外務省から何の協議の要請もなかったのでございましょうか。刑事局長、お願いします。

林政府参考人 これまでの間に、外務省の方からそのような依頼を受けたことは承知しておりません。

 いずれにしても、こういった条約の締結というものにつきましては、外務省を初めとして、もちろん法務省も含む関係省庁で、この締結の必要性、あるいはその締結をする場合の国内法の整備の内容、こういったものについて検討を加えていく必要があると考えております。

西田委員 残念でございます。国会での質問、そして答弁、こういった議論を建設的にやっているつもりでございますが、結局、何だったのかという思いでございます。

 谷垣大臣もこう答えていただいているんです。日本が国際社会の中で生きていく上でも極めて大事なこと、そして、この条約締結の必要性、それから、その場合に必要な国内立法は何なのかということについては、十分検討を加える必要があるというふうに谷垣大臣も御答弁いただいているわけでございます。

 上川大臣に御答弁をお願いしたいと思います。ジェノサイド条約について、その必要性、そしてその批准に向けての意欲がございましたら、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

上川国務大臣 ジェノサイド条約のただいまの批准状況、百四十六カ国ということでございまして、我が国は締結をしていない、こういう状況の中での御質問ということだと思います。

 ジェノサイドそのものにつきましては、国民的、人種的、民族的または宗教的集団を全部または一部破壊する意図を持って行われた行為ということでございまして、こうしたことが存在しているということについては、あってはならないというふうに思っております。また、こうした重大な犯罪に対して適切に対応するということについては、極めて重要であるというふうに考えているところでございます。

 政府全体として、ジェノサイド条約締結の必要性、そして締結の際にいろいろ必要となる国内法の整備というのが列挙されているところでございまして、こうしたことについて検討を加えるということの必要性はあろうというふうに思料しているところでございます。

西田委員 ありがとうございます。

 決して、このジェノサイド、もう遠い昔の過去のことということではございません。中国のダルフールの問題、これもジェノサイドの可能性ありと指摘をされているわけでございます。近年に至っても、ルワンダでのフツ族とツチ族、これこそジェノ、種族を根絶やしにするという抗争が起きたばかりでございます。あるいは、ポル・ポトのカンボジアの件もございましょう。スターリンの件は言うまでもないわけでございます。さらには、エチオピア、メンギスツ政権のときに、これもジェノサイドと指摘をされる。そのような事項が、やはり近年になっても世界的に見受けられるわけでございます。

 そういった中にあって、我が国がきちんと、先ほど申した国家の外交の真髄としての倫理性を示していく。こういった観点から、この必要性を強く求めたいと重ねて申し上げたいというふうに思います。

 さて、残りの時間で男女平等についてお伺いをしたいというふうに思います。

 この臨時国会の二つの大きなテーマ、地方創生と、そしてもう一つが、女性が輝く社会ということでございました。出てきた法案を見ると、企業にああせい、こうせいと注文をつける、何か統制経済さながらの法案が出てきて、非常に残念でございます。

 そういったことではなくて、まず、女性が今輝いていないというのであれば、何か輝いていない現状、そしてそういったことに対する法的な分析といったものがきちんとなされなきゃいけなかったのではなかろうかというふうに思うわけでございます。

 人権擁護行政において、まず第一に女性の問題といったことを人権啓発のパンフレットでも掲げていらっしゃいます。近年の人権擁護行政、特に救済事案でございますけれども、そういった取り組みの中で、この女性という分野で人権侵害がなされたその実例等をまずお伺いしたいというふうに思います。

岡村政府参考人 法務省の人権擁護機関が認知しております女性の人権問題には、夫やパートナーからの暴力、虐待、職場におけるセクシュアルハラスメント、差別待遇、ストーカー行為などがあります。

西田委員 いや、それはわかります。そういったものが総量的にどの程度あって、救済事件としては、法務省がかかわってそういうふうな救済活動をどの程度されたのか。そういったことについて教えていただきたいと思います。

岡村政府参考人 昨年度の数字ですが、人権相談を受けております女性に対する人権侵犯に関する問題は一万三千件を超えておりまして、そのうち、人権侵犯事件として私どもが調査を開始したものが四千件を超えております。

西田委員 ありがとうございます。

 法務省として、女性の人権救済といった中で、まず、その種類として、やはりDVであったりストーカーといった例示がされました。四千件が実際に取りかかっていらっしゃるということでございます。

 逆に、そういったことについて、何か立法府として、何か立法措置として足りないものがあるのか。女性の権利といったもの、法のもとの平等において女性が不当におとしめられているといったようなことが何かあるのか。そうであれば、これは立法措置をしていかなければならないと思います。実際問題、DVに関しても立法がされましたし、また、リベンジポルノという問題についても、これはもう与党の方でも議員立法の提案が既になされているところでもあります。

 そういったふうに、女性が輝くといったことのために何か必要な立法措置といったものが、このような人権救済活動を通じてあるのかといったことについて、これは大臣にお伺いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

上川国務大臣 女性の活躍ということで、今回の安倍政権の内閣改造後の大きな旗印として二つを掲げたということの中の一つに挙げられているということであります。男女の性にかかわらず、お一人お一人が輝いていく社会をつくっていくということの象徴として、女性の活躍ということを挙げていると私は思っております。

 そうした一人一人の人権が尊重される社会ということ、そのことを絶えず考え続け、また行動していくということが大事ではないかというふうに思っておりまして、先ほど、ドメスティック・バイオレンスに係る法律、これは、いろいろなSOSや声に対して、議員立法という形で法律が制定されました。また、ストーカーにつきましても同趣旨であります。さまざまな事案に対してそれぞれの法律をつくるという中で、その法律に基づいてしっかりと社会が、また一人一人の意識が、そうしたことを阻害するようなことにならないようにしていくということを改めて認識し、そして、責任を持って活動するということだというふうに思います。

 ここについては、今課題があるから、では法律をつくりましょうという、そうしたことについては、いろいろ社会の実情も変わってきますので、そういう中でいろいろ声が出てくるというふうに思っておりまして、そうした声が小さいから大きいからということではなくて、耳をしっかり澄ませて、それに対して適切な対応をしていく、そうした心構えということも、この女性の活躍の中で大変大事なことだというふうに思っております。

 そういう視点で政策の運営も図っていかなければいけないし、そして、そうした新しい事案が出てくることになれば、それに対してどう対応するかということについてもしっかりと取り組んでいく。こうしたことの総体としての人権の取り組みということではないかというふうに思っております。

西田委員 何か立法措置が必要ということであれば、これは、これまでも議員立法がありましたし、もしくは政府提案ということでもありましょうが、ぜひとも共有をさせていただいて、女性が輝くといったことのために必要な立法措置を立法府としてやはりきちんとやっていかなきゃいけない、これは当然のことだというふうに考えております。

 そういった意味でも、人権擁護局が、まだ女性の権利を守る上でなかなか立法措置がなされていないんじゃないかという部分について、やはり積極的にそういった点は提言をしていかなきゃいけないというふうに思います。

 ただ、気になるのは啓発の方でございます。人権啓発、これも人権のしおりを見れば、女性が一発目に来て、まず第一言、男女平等ということから始まるわけでございますね。そして、男女共同参画基本法等を例示しながら、その理念の実現に向けて頑張っているんだという宣伝がなされているわけでございます。

 さきの本会議の質疑で、我が党の杉田議員が、男女平等というのは妄想である、さらには、男女共同参画基本法の廃止こそが女性が輝く社会につながるんだという質問をいたしました。一体、男女平等とは何ぞやといったことについて、やはりきちんと整理をしなきゃいかぬだろうというふうに思うわけでございます。

 有村大臣も答弁で、決して、男女平等というのは、男性と女性の性差をなくす、つまりジェンダーフリー的なものではない、男性と女性の性差をなくして中性的なものだとする、人間を中性的なものとして捉えるようなジェンダーフリーの考え方に基づくものではないというふうにお答えをされました。当然だと思います。しかし一方で、まるで社会はジェンダーフリーだというような解釈ができるような答弁でもあったかに伺うわけでございますね。

 つまり、人間、男女のジェンダーフリーではなく、社会のジェンダーフリーというような概念が男女共同参画基本法にあろうかと思います。そういった概念を受けて、もし法務省が人権擁護行政の中で男女平等政策をやっているのであれば、これはおかしいのではなかろうかというふうに思います。

 時間がないので質問は割愛いたしますけれども、男女共同参画基本法、特に第四条でございます、男女共同参画社会を形成するに当たって、社会の制度や慣行をできるだけ中立的なものとせよというふうに書いてあるわけですね。

 社会の制度や慣行、日本において確立したそういったものというのは、私は、まさしく法律の上位概念である法だというふうに思うわけでございます。そういった観点からいえば、男女共同参画基本法は法を超越した違法の法律になってしまっているというふうに思います。

 法務省として、前回の質問でも申したように、法の支配ということに関しては法務省は不動明王的存在なわけでございますから、法務省が率先して男女共同参画基本法は違法の法律であるというふうに言わなければいけないところ、人権擁護行政においては、男女共同参画基本法に基づいてとかその理念の実現に向けてといった、とんちんかんなことをやっているわけでございます。

 ぜひ、もう一度、法の支配のあり方といったものに忠実に、男女平等といったことについても検討を加えていっていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

奥野委員長 次に、鈴木貴子君。

鈴木(貴)委員 今回もこうして質問の時間をいただきましたことに、お礼を申し上げさせていただきます。

 実は私、今週の月曜日に、再犯防止議連で川越少年刑務所の方に視察に行ってまいりました。そのときに、私自身が見て、そしてまた感じたことを基礎に、まず再犯防止に関して質問をさせていただきたいと思います。

 この委員会でもたびたび、出所後の就職であるとか住居の確保ということが再犯の防止につながる、また更生につながる、こういったやりとり、議論がなされてきたと思います。ただ、現実には、満期釈放者の約半数は、実際には釈放の当日も行く当てもない、そしてもちろん就職先もない、そういった中で社会に出てくるわけであります。

 そういったためにも、実際に刑事施設内ではさまざまな職業訓練などに今は力を入れていらっしゃると思いますが、実際に、そうした職業訓練に基づいて、いかほどの割合で職業訓練をした関連の職業に就職できているのか、どれぐらいの割合の皆さんが訓練で得た経験ですとか知識を生かせているのか、そのデータを教えてください。

西田政府参考人 お答えいたします。

 これはずっと御指摘いただいているところなんですけれども、出所しましたら、どういった住所にいて、どういった仕事についたかといったことは、当方として、なかなか調査のしようがございません。そういった関係で何か工夫はしなきゃいけないと思っているんですけれども、現在のところ、職業訓練を受けた者が満期釈放とかで行って、どれぐらいの割合でそういった職業訓練を受けた職業につけているかというのは、わかっておりません。

 以上でございます。

鈴木(貴)委員 私は、これは非常に大きな問題だと思っております。

 職業訓練というチャンスを与え、そこでしっかりと訓練を果たしているにもかかわらず、それが実際に社会においていかほど活用されているのかがわからないというのは、これはしっかりと直していかなくてはいけないなと思っております。

 それに関連してなんですけれども、更生緊急保護のために保護カードなる書面というものが存在をしているはずですが、満期釈放者に対しての保護カード交付率、そしてまた満期釈放者が実際に保護カードを利用されているのはどれぐらいの割合でしょうか。

西田政府参考人 お答えいたします。

 満期釈放者がどれだけの割合で使っているかということなんですけれども、当方として、こうした割合について確たる調査はしておりません。

 実務的な感覚で申し上げますと、今現在、約二万四、五千人程度が年間に出所していると思います。このうちの半数弱は満期釈放者でございますので、一万二、三千人が満期釈放で出ていると思います。平成二十五年末で申しますと、一万二千人弱が満期釈放者でございます。このうち、約三分の一程度の者に対して保護カードを交付しておるという感じでございますので、数で申し上げますと四千から五千の間、四千半ばぐらいではないかというふうに思っております。

 以上でございます。

鈴木(貴)委員 これに関しても、現場感覚で今局長にお答えはいただきましたけれども、実際の明確なデータは調査していらっしゃらないということは、私は大きな問題ではないかなと思っております。

 にもかかわらず、二十七年度の概算要求で、この再犯防止に資する情報の共有部分、実は、前年度に比べまして四五〇%アップ、四・五倍の、金額にして三億円ほどの要求がなされているわけですね。

 私としましては、現状がどうなっているかという情報収集は、再犯防止を考えるに当たり、非常に必要だと思っております。ですが、これだけ多くの、四五〇%アップの概算要求をなされているということですから、どういったデータを、どのように、どこから、どれだけの規模で集めてくるんだ、こういったデータのアーカイブスをつくるんだという計画をしっかりしていただきたい。これは、質問ではなく、提案で述べさせていただきました。

 続きまして、平成二十二年十二月、逮捕、起訴の判断等に問題があったと認められまして、最高検が作成そして公表されました「いわゆる厚労省元局長無罪事件における捜査・公判活動の問題点等について」に関して質問をさせていただきたいと思います。

 これは俗に最高検検証報告書と言われているんですけれども、この報告書の上で、被害者である村木元局長の意見聴取をしていないというのは、大臣、事実でしょうか。事実か否かだけで結構です。

上川国務大臣 御指摘をいただきました最高検におきましてのヒアリングということでございますが、村木氏への事情聴取をしていないというふうに承知をしているところでございます。

鈴木(貴)委員 検面調書の大部分が証拠とされていなかったことに、この報告書では全く触れられていないというのも事実でしょうか。

上川国務大臣 御指摘の報告書でございますけれども、当該事件につきまして、検察官が取り調べを請求した関係者の検察官調書の一部につきまして裁判所が証拠請求を却下した、そして、その理由とされた取り調べの問題点、このことにつきましては、分析結果なども含めまして、この報告書の中に記載をされているというふうに考えております。

鈴木(貴)委員 検面調書の大部分が証拠採用されていないというふうに私は認識をしているんですけれども、どれほどの検面調書が採用されていなかったのか、教えてください。

上川国務大臣 証拠採用の有無ということでございますけれども、裁判所は、検察官が書面として請求した供述人八名の検察官調書合計が四十三通ということでございまして、このうちの九通を採用し、十二通を不必要として却下ということでございます。二十二通につきまして、これは供述者三名分ということでございますが、これについては特信性がないという形で却下をしたということでございます。

鈴木(貴)委員 四十三通のうちの二十二通が特信性がないと言われているのは、これは非常に大きな問題だと思うんです。つまりは、事実と異なる調書が大量に作成された、四十三通のうちの二十二通がそうであったことに関して原因究明がされていないという指摘がありますが、これについては大臣はどのようにお考えか、見識をよろしくお願いいたします。

上川国務大臣 ただいま申し上げた数につきまして証拠採用をされなかったことについて、このことにつきましては、必ずしも相当とは言いがたいような誘導等によりまして、客観的証拠等と整合しない供述調書が作成されたのではないかと疑われるものが少なからず存在したということでございまして、その取り調べにつきましては反省すべき問題があったというふうに指摘されているということでございます。そのように承知をしております。

鈴木(貴)委員 この最高検の報告書というのも、もともとは逮捕、起訴の判断等に問題があったと認めたことによってこの報告書が生まれているわけですから、この四十三通のうちの三十四通が採用されていなかったというのを少なからずという言葉で終えてしまうのは、これは私は適当なのかな、このような考えを今持っているところであります。

 ちなみに、大臣、これは参考までに、平成二十三年の二月に全国の検事を対象とした意識調査が行われました。そこで、実際の供述と異なる特定の方向での調書作成を指示されたことがあるが、何と、二六%にも上っております。四人に一人の現役検事がこう答えておりますが、このアンケート結果を聞いての大臣の見解を教えてください。

上川国務大臣 この二十三年の検察官に対しての調査ということでございますが、二六%にそのような回答があった、この重みは極めて大きいというふうに思います。

鈴木(貴)委員 また、別の質問では、任意性や特信性に問題が生じかねない取り調べと感じる事例を見たり聞いたりしたは、何と先ほど以上、二八%であります。これについても大臣の見解をお聞かせください。

上川国務大臣 率直に申し上げまして、大変重いものがあるというふうに思います。

鈴木(貴)委員 そして、何と半数以上、五八・七%が、取り調べ、証拠の分析、事実認定、立証可能性の吟味、証人尋問、起案、法律解釈・適用など検察官に求められる基本的な能力が一部の検察官において不足しているのではないかと不安になることがある、こういった回答結果も出ております。これについても、大臣、どのような見解をお持ちでしょうか。

上川国務大臣 ただいま、三つの設問に対しての回答、それに対しての感想ということでございますけれども、いささか、こうした結果が出ますと、やはりこうしたことを踏まえた上でしっかりとした改革をしなければいけないと改めて感じた次第でございます。

鈴木(貴)委員 大臣の率直な答弁、ありがとうございます。

 こうしたアンケートなどを見ても、今ありありと明らかになったのは、これはただ、この村木元局長の報告書ではありますけれども、一個人、特定個人の検事の問題ではなくて、検察組織としての、抜本的に、根本から変えていかなくてはいけない必要性というのがこのアンケート結果を見ても見えてくるのではないのかな、このように思っております。まさに問題の根っこというのは検察官お一人お一人の意識の問題ではないか、このように思っております。

 こうしたアンケート調査もされました。そして、さまざまな大臣の諮問機関、特別部会も設置をされている中で、意識改革が本当に検察の中で進んでいるのであれば、私は、いわゆる袴田事件、大臣の御地元ですからよく御存じだと思いますが、捜査機関が重要な証拠を捏造した疑いがあり、犯人と認めるには合理的疑いが残る、また、拘置の続行は耐えがたいほど正義に反すると静岡地裁が刑の執行停止及び釈放まで認めたにもかかわらず、検察が即時抗告をしたことは、私は理解がしがたいものと思っております。

 まさにこの即時抗告という行動一つが、検察の意識改革が全く行われていない、いや、十分に行われていないというあらわれだと思うのですが、大臣はいかにお考えでしょうか。検察の意識改革というものが十分に行われていると大臣はお考えでしょうか。

上川国務大臣 委員から、前半の御質問と、そして後半の御質問、二つがちょっと重なって出てきたということでございます。

 前半の御質問につきましては、ただいま係争中ということでございますので、法務大臣としてはお答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。

 それから、検察の改革ということにつきましては、先ほど来のこの場での議論があったとおり、さまざまな課題がある、そして実態の中でもそういったことがある、またアンケート調査も御指摘いただきました。これについては、しっかりと国民の皆さんが検察に対して信頼していただくことができるというところが大きな鍵でございますので、それに向けて、たゆまぬ改革ということについては万全を期していかなければいけないというふうに改めて思っているところでございます。

鈴木(貴)委員 力強い答弁、ありがとうございます。

 その万全なことを期すためには、必要であれば、大臣は、しっかりと検察改革が行われているかを確認する上でも指示を出されるという考えでよろしいでしょうか。

奥野委員長 時間が来ていますから、簡単に答えてください。

上川国務大臣 こうした検察改革については不断にしていくということが大切だというふうに思います。

鈴木(貴)委員 質疑時間が来ましたのでこれで終わらせていただきますが、しっかりと国民の安心、安全を守るためにも、こういった冤罪防止、そしてまた冤罪が行われた際には原因究明が必要である、このように思っております。今後とも、大臣、また議論を通してもそうでありますが、この問題について何とぞお取り組みの方をよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

奥野委員長 次に、内閣提出、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案を議題とします。

 趣旨の説明を聴取いたします。上川法務大臣。

    ―――――――――――――

 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

上川国務大臣 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 現行の船舶の所有者等の責任の制限に関する法律は、国際海事機関において作成された千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書に準拠したものであります。ところで、この千九百九十六年議定書については、成立後のインフレーションの進行等により、そこで規定された船舶の所有者等の責任の限度額が社会経済の実態にそぐわなくなる等の問題が生じたことから、平成二十四年四月、国際海事機関において、その限度額の引き上げを内容とする改正が採択されました。この改正は、平成二十七年六月八日に全ての締約国について効力を生ずることとされているため、各締約国は、その国内法において、船舶の所有者等の責任の限度額を引き上げる改正を行う義務を負っております。

 この法律案は、この千九百九十六年議定書の改正に伴い、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正し、船舶の所有者等の責任の限度額を一・五一倍に引き上げることとするものであります。

 以上が、この法律案の趣旨であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。

奥野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十分散会


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