衆議院

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第8号 平成18年3月31日(金曜日)

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平成十八年三月三十一日(金曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 原田 義昭君

   理事 小野寺五典君 理事 谷本 龍哉君

   理事 土屋 品子君 理事 水野 賢一君

   理事 渡辺 博道君 理事 武正 公一君

   理事 山口  壯君 理事 丸谷 佳織君

      愛知 和男君    伊藤 公介君

      伊藤信太郎君    宇野  治君

      篠田 陽介君    鈴木 馨祐君

      中山 泰秀君    丹羽 秀樹君

      福岡 資麿君    三ッ矢憲生君

      山内 康一君    山中あき子君

      吉良 州司君    篠原  孝君

      津村 啓介君    松原  仁君

      谷口 和史君    笠井  亮君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         麻生 太郎君

   防衛庁副長官       木村 太郎君

   外務副大臣        塩崎 恭久君

   外務大臣政務官      伊藤信太郎君

   外務大臣政務官      山中あき子君

   政府参考人

   (防衛庁防衛局長)    大古 和雄君

   政府参考人

   (防衛施設庁施設部長)  渡部  厚君

   政府参考人

   (外務省大臣官房広報文化交流部長)        岡田 眞樹君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    河相 周夫君

   政府参考人

   (外務省経済協力局長)  佐藤 重和君

   外務委員会専門員     前田 光政君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月三十一日

 辞任         補欠選任

  高村 正彦君     丹羽 秀樹君

  山内 康一君     福岡 資麿君

同日

 辞任         補欠選任

  丹羽 秀樹君     高村 正彦君

  福岡 資麿君     山内 康一君

    ―――――――――――――

三月三十日

 国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件(条約第四号)

 国際水路機関条約の改正議定書の締結について承認を求めるの件(条約第五号)

 国際海事機関条約の改正(簡易化委員会の設置)の受諾について承認を求めるの件(条約第六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件(条約第四号)

 国際水路機関条約の改正議定書の締結について承認を求めるの件(条約第五号)

 国際海事機関条約の改正(簡易化委員会の設置)の受諾について承認を求めるの件(条約第六号)

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

原田委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房広報文化交流部長岡田眞樹君、北米局長河相周夫君、経済協力局長佐藤重和君、防衛庁防衛局長大古和雄君、防衛施設庁施設部長渡部厚君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土屋品子君。

土屋(品)委員 自由民主党の土屋品子でございます。

 本日は、麻生大臣、大変お忙しいところ、委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。

 きょうは、山積しております外交の諸課題の中で、特にODAに関連したことに特化しまして質問させていただきたいと思います。

 さて、昨年の十月以降、経済財政諮問会議や自民党の中の政策金融に関する合同部会の場でも、政策金融改革のODA関連業務に関する議論が大変活発にされてまいりました。私も、昨年、外交部会長でございましたので、その会にも出席させていただきまして、いろいろ議論をさせていただきましたけれども、一番懸念しておりますことは、質の低下のないことということでございまして、そういうことを含めまして、今後の推進体制をどのようにお考えになっているか、大臣の御所見をお伺いできればと思います。

麻生国務大臣 御指摘のありましたように、昨年、特に後半からだったと記憶しますが、財政諮問会議等々を含めまして、ODAというものについていろいろ御意見がありました。それに加えて、政府系金融機関の改編とも一緒になって、この話はいろいろ議論がなされたと思います。その中で、いかに効率的にやっていくのかということと、ODAというのは日本の外交戦略の一翼を担う中で最も重要な外交手段という認識を共有していただいた上でどうするかという話だというように思います。

 今言われましたように、質が低下するというものの一つに金の量の話もございますが、システムとしていろいろ屋上屋を重ねてみたり、現場と意見が乖離してみたり、現地の人と現場の人と日本と三つの間で意見がそごを来したり、ほかの役所との間の意見がずれたり等々、質が低下する内容もいろいろあろうと思いますけれども、そういったものを含めて、諮問会議の下にODAに関するいろいろ検討委員会がつくられた中で、今回、基本的にはいわゆる一元化をする必要がある。

 そういった意味で、総理の指導のもとに、とにかく戦略性を高める、そして、ODAはいろいろやり方がありますけれども、各省ありますけれども、それを有機的にきちんと連絡させて、きちんと対応を整えること、そうしないと効率的、効果的ではないというのが一番大きなところで、したがいまして、海外経済協力に係る大戦略というものが総理のもとにつくられる。まだ正式な名前がつけられておりませんけれども、委員会をつくって、その下に外務大臣が中心となって援助とか企画立案をする体制というものをつくり上げて、それをちゃんときちんと強化する。その上で、援助機関、JICA等々いろいろございますけれども、そういったものをきちんと融合してやっていくようにということで、これはもう大論争いろいろございましたけれども、一応私どもとしては従来に比べてかなりすっきりしたものになりつつあると思って、それによりまして質が低下しないように、私どもとしても最大限の注意を払ってやってまいりたいと考えております。

土屋(品)委員 どうもありがとうございます。

 今お話を伺っていた中で、ちょっと突っ込んでお話をさせていただきますけれども、実施体制では無償援助と技術援助機能を持つJICAが、JBICの円借款部分を含めたODAの推進母体となるとの報道がなされているわけなんですけれども、これは今、決定されたかどうかということは不確かでございますけれども、JICAに機能統合された場合の推進体制は、今言ったように、円借款部分は具体的にはどのようなイメージになるか、お考えがありましたら。

麻生国務大臣 今おっしゃいましたように、従来ありました、かつての輸銀とOECFというものを当時合併をさせまして、JBICというものをつくったんですが、片っ方は円借、片っ方はいわゆる輸出入銀行ということですけれども、もう土屋先生御存じのように、OECFの方というのは、円借の話というのは、十年据え置き二十五年なんていうのは、これは金融かと、こんなものが。三十五年先なんかどうなっているかわからぬような話は、こんなものは金融の対象になるのかと当時から随分御批判があったところだったんですが、当時、橋本内閣だったかどこかのときに、とにかく大蔵省だからというのでぱっと一緒になって、輸銀とOECFが一緒になった。たまたま大蔵省管轄だったからという理由が大きな理由だったと、私は当時、何年か前の記憶で正確じゃありません、そういった記憶があります。

 そこで、今現実問題としては、もともとをよく見てみると、この輸銀の方は約一兆一千億ぐらいのものに関しまして、約一兆円、九千数百億円が、貸している対象は日本企業、一〇%ぐらいが相手は政府です。傍ら、OECFの方は一〇〇%相手は政府ですから、もう全然内容が違うじゃないかということで、OECFだった円借の部分をJICAの方につけて、輸出入銀行だった部分、国際金融だった部分を、いわゆる政府系の金融機関を統合する中に、JBICとしてそっちに行ってもらうというので分ける。新しいJICAの中に、いわゆる円借と無償と技協、技術協力、この三つをして新しいJICAにつくり上げるというルールに変わっております。

 これによって今までの連携としては、緒方理事長の話を聞きましても、これでもう交渉をするのにあっちに行ったりこっちに行ったりしなくて済むようになりましたので、大変時間的にも助かりますし、いろいろな意味ですっきりしたのだと言っておられましたので、私どもとしては、それに合うように外務省側の体制もこれは改めないと、従来とは少し違って、企画立案から何から全部やる必要もあろうと思いますので、外務大臣の下に直属できちんとそういったプロジェクトを組めるものをつくり上げた上で、従来の国際協力というところを、きちんとした体制を、これまでの国社部の部分を分けてこっちにくっつけたり、いろいろ今、機構の改革も含めてやらせていただこうと思っている最中でございます。

 今言われましたJICAが、ではどうなったということに関しては、法案がいずれ出てくるのだと思いますけれども、大まかの流れとしては、今申し上げたように、JBICを分けてJICAにくっつけてという大まかの線は、一応、形としてその方向でいくという決定まではなされております。

土屋(品)委員 今のお話にもありましたように、確かに、JBICの中にOECFと輸銀という全く異質の二つのものがあったということから考えれば、まさに今回の改革は、私たちから見れば非常にすっきりしたものになるのかもしれないと思っているところでございますけれども、そこで一番大事なのはやはりしっかりした改革の組織ができることだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 先ほども大臣の方からお話がありましたように、政府の推進体制の根幹にかかわる問題でございますけれども、平成十五年の八月に閣議決定されました新政府開発援助大綱、新ODA大綱に基づいて、政府全体として一体性と一貫性のある政策を立案し、実施するため、対外経済協力関係閣僚会議のもとで、外務省を調整の中核として関係府省の知見を活用することとなっているわけでございますけれども、この会議は中長期的な視点と政策的な枠組みを決定する機能と理解してよろしいんでしょうか。

 さらに、この会議が、どのぐらいの頻度で開催され、どの程度の時間をかけているのかということをお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今御指摘のありました平成十五年にできております対外経済協力関係閣僚会議というのは、各省庁の連携というものをきちんと協議をしようという、御存じのように労働省等々いろいろ皆やっておられます。額からいきますと多分、経産省、外務省、それから大きなところで文部科学省が大きいと思いますけれども、その他、しかし少額とはいえ十幾つかに、十三省にまたがっていると思いますので、そういったものをすべて横断的にして、ODAの大綱、それから今言われました中期政策の策定というものに際しては、私も何回か参加したことがありますけれども、これは一定の成果は果たしたと思っております。

 しかし、この会議というのは、とにかく、ごそっと十五人いる会議でして、十五人の閣僚を集めるということはなかなか難しいと思っておりますので、昨年一回、一昨年が二回、その程度のものだったと、私、総務大臣だったんですけれども、全部出ておりますと記憶しますので、そんなもので、長時間拘束するのはほぼ不可能ですから、大体一回三十分ぐらいということだったと記憶をいたします。

 そこでこれは、この点についても御指摘は諮問会議というか検討会でここが一番言われたところの一つでもありますので、海外経済協力会議というものを新たに設置せい、それで少なくともそれを担当するのは財務大臣と外務大臣と経産大臣だったかな、何か三、四人で総理大臣指揮のもとにきちんと対応するということで、実質的な会議が果たせるように今つくり直すということでやらせていただいておりますのも、もとはといえば、年に一回とか二回しか開かれない、しかも三十分程度しか開かれない、そんな総花的なもので戦略なんかどうやって立てられるんだという御意見は、全く私も正しいと思っておりましたので、今回それに合わせて組織を変更するという形になりつつあるということだと存じます。

土屋(品)委員 私が質問をしようと思ったというか、言おうと思ったところまできっちりと御答弁いただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。まさに、時間的に年二回、年一回ということでは、大きな枠組みさえもなかなか決めにくいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、国別援助計画に関してでございますけれども、これまで同様、平成十四年に発足しました、外務大臣を議長として開発専門家、国際機関経験者、NGO、経済界、ジャーナリスト等の十七名で構成されておりますODA総合戦略会議が中心となって、今後も新しいODAの作成それから見直し等もされていくと理解してよろしいんでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 国別援助計画でございますが、これは、ODA大綱と中期政策というもとで、主要な受け取り国について、どういう分野を重点に、どういう方針で援助を行っていくかということを定めるということで、これまで十九カ国についてつくってきております。

 これは、私どもが援助をする際に重要な指針、そして透明性と一貫性を持ってやるために非常に重要な計画ということでございますので、これまで、今土屋先生お話ございましたとおり、ODAの総合戦略会議というところで十分に議論をしていただいて、そしてその上で、先ほどもお話ございました対外経済協力関係閣僚会議というところで最終的に御了承いただくという手続をとってきたわけでございます。

 他方、今回、全体の改革の中で、先ほどもお話が出ましたが、重要事項については司令塔の場を設ける、仮称で海外経済協力会議というものを新たに設置する。それから、ODAの総合戦略会議につきましても、いろいろな有識者検討会等の報告書で、充実と強化をすべしということが提言をされております。

 したがいまして、私どもとしては、こういった全体の改革の中で、こういった提言というものを踏まえまして、ODA総合戦略会議というものにどういうふうなことをお願いしていくか、どういう機能を持っていただくかということを再検討しているところでございまして、その中で、国別の援助計画についても、どういう形で決定をしていくか、あるいは先ほどの総合戦略会議にどのようにかかわっていただくかということを、今現在まさに検討しているところでございます。

土屋(品)委員 このODAの総合戦略会議というのは、まさに名前のごとく、戦略性を持つODAというのをしっかりと海外にアピールしていかなければならない組織だと思いますけれども、五、六年前から国別援助計画というのは作成し始めたわけでして、その前の、七、八年前のときの、実施機関がODAの供与先国の選定をプロジェクト単位で決定してきたときと比較しまして、確かに、その当時の世界を見ますと、そういう各国から上がってきたプロジェクトをくみ上げてやってきたことは、それなりに評価が今出ていることは確かだと思うんですけれども、見渡しますと、百六十カ国にわたって細かなプロジェクトをやってきている。そういう意味では、違った面から見ますと、何か戦略性がどこにあったのかなとも見られがちな状況であるかなと思うんです。

 例えば、英国なんかは旧植民地のアフリカに対して非常に手厚い援助をしてきております。そういう意味で、これから、これまでの援助のあり方とは変えて、国別で、徹底的に調査をしているわけですから、何かさらなる特徴があっていいのかなと思っておりますけれども、それについてお聞かせ願いたいと思います。

佐藤政府参考人 ただいま土屋先生からお話ございましたが、我が国のODA、一九五四年に供与を開始して以来、累計では百六十を超える国々に供与実績というものがございます。

 他方、そうした多くの国々にODAというものを供与してきたわけでございますが、その中でもおのずから濃淡というものがございまして、基本的に我が国のODAというのは、日本と最も密接な関係を有し、我が国の安全と繁栄に直接かかわるアジア地域というものを一貫して重視してきた、こういうことでございます。

 先ほどイギリスの例について御紹介ございましたけれども、イギリスが旧植民地のアフリカ、フランスなんかも旧植民地を重点としている。そういう意味では、我が国のODAというものは、一貫してアジア地域というものを重点として援助を行ってきたということでございまして、この点は平成十五年のODA大綱、新しいODA大綱の中でも明確に規定をしております。

 そういう意味では、こうした我が国のODAというものが、いわば一つの長い戦略としてアジア地域を支援して、それが我が国との経済貿易関係を発展させ、アジア地域の平和それから政治的、経済的な安定に役立ってきたということはあるんだろうと思いますし、そういう意味での重点ということは一貫して明確であったんだろうと思います。

 こういった大きな方向性というのは、我が国としても、今後ともそういう方向でいくのであろうというふうに考えている次第でございます。

土屋(品)委員 それでは、今年度の国別戦略の中で、どの国を重点対象としているのか。今おっしゃいましたように、これからもアジアにかなり重点を置いていくということでございますけれども、あとは主要分野プロジェクトというのはどんな分野に関して力点を置いていくか、ちょっとそこのところをお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 お尋ねのありました平成十八年度につきましても、今佐藤局長の方から説明申し上げましたように、アジアを重点対象としていることは間違いございませんが、昨年四月のバンドン会議、それから八月でしたか七月でしたか、グレンイーグルズのG8サミット等々において国際公約を総理としていたしておられますので、感染症の話、例の鳥インフルエンザの話が非常に大きな要素を当時占めておったせいもありますけれども、水やら感染症とかいういわゆるミレニアム開発目標というのをやっておりますし、また、アフリカに関しましてもODAを非常にふやすという話を公約として言っておられますので、私どもはそれに合わせて重点的に取り組んでいこうと思っております。

 さらに、グローバル化というのは急速にわあっと広まっている、進展しているということでいきますと、これによっていわゆる安全という話がもう一回別の意味で出てきておりますので、そういった意味では、国際社会において新たな課題というものがそこに出てきていることも確かだと思っております。

 そういった現実を見ます場合、テロの話とか、また海賊という、余り日本では海賊という話は聞きませんけれども、実は結構年間、マラッカ海峡を含めて、いろいろ海賊の話は、被害が多いので、日本の船も、一昨年でしたか、若松の「韋駄天」という船がそのまま持っていかれたりした例がございます。

 防災それから災害復旧等々含めて、崩壊して全くなくなっているようなコミュニティーを再開発するとか開発するとか、EPA含めて平和構築等々、いろいろな分野が、従来なかった分野として、今我々としては重点的に取り組んでいかねばならぬ新しい課題ができつつあるという認識で、今予算の配分というものを考えたいと思っております。

土屋(品)委員 どうもありがとうございます。

 それでは、ちょっと今までのODAの今後の形ということでまとめてみますと、基本計画の概要策定が関係閣僚会議、しかし、これは先ほどのお話のように、時間がなかなかない中でということになりますと、かなり外務大臣の取りまとめというのも大きいかなと思います。新しい組織をつくる方向でということでお伺いしましたけれども、そこと、それから受け入れ国に対する開発方針策定と実施計画、ここは非常に外務省の役割が大きいと思いますけれども、私は、これをしっかりと外務省がやっていくということ、それから個別プロジェクトの実施がJICAというような割り振りというか、なるかなと考えますけれども、この点は大臣の御所見はいかがでしょうか。

麻生国務大臣 先ほど申し上げました海外経済協力に関する検討会、諮問会議のもとにつくられたこの検討会の中におきまして、少なくとも総理のもとに海外経済協力会議というものをつくって、ここがとにかく大司令塔というもので、少数の閣僚で大局的な面に立ってきちんと考えろ、大戦略を考えろというのが一点。これを受けて、外務大臣が中心となって、関係省庁と協議やら調整をしながらODA政策の企画立案というものをしていくこと。三つ目が、実行部隊のJICAというものが、ODAのいろいろな手法がございますので、それを実施すること等々が提言をされております。その内容につきましては、基本的に、おおむね私の考え方と、わかりやすくするという私どもの考えとほぼ一致しておりますし、大体先生のお考えにかなうものだとも思っております。

 この方針を受けて、今いろいろやらせていただいているんですが、外務省の中の、ODAの企画立案というものをやらないといかぬということで、これはちょっと人員の増強やら組織の改革やらいろいろやらなくてはいかぬと思っております。

 大体役所というところは四月から三月までしか、途中変更なんというのはなかなかできないところなんですけれども、これはやらぬととてもこれにこたえ切れないと思っておりますので、今、この種の話をぜひ動かしたいということで、即対応できるようにしつつ、今ODAの改革というものに着手しつつある中にあって、外務省自身の体制等々、人材等々含めまして、私どもはいろいろな手法を有機的に、本当の意味でやはり改革してよかったという実績を上げるようにするというところが一番大事なところであります。組織は変わったわ何も変わらなかったわじゃ話になりませんので、そこらのところはきちんと対応できるように、役所、JICAあわせて、私どもとして対応をきちんとさせていかねばならぬと考えております。

土屋(品)委員 それでは、しっかりとよろしくお願いしたいと思います。

 次に、人間の安全保障に関してでございますけれども、これは日本にとって大変重要な外交活動だと思っております。JICAの緒方貞子理事長が議長を務める人間の安全保障諮問委員会への支援を、日本も相当拠出しているわけでございますけれども、これは、昨年、一昨年と比較して予算はどのようになっているかということでお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 平成十八年度の無償資金協力予算というものだけをこうやって見ますと、財政状況の中で、一千六百八十二億二千五百万ということになっておりまして、前年度比で約四・七%減っております。

 草の根・人間の安全保障の無償につきましても、こういった中で、今の一千六百八十二のうちの、見ますと、約八十三億円が削減ということになっておりますので、ミレニアム開発目標とか、また対アフリカ支援強化とかテロ対策とか、いろいろ希望が多様化しておりますので、そういった中にあって、これを戦略的に対応していかにゃいかぬというて、こっちの分をへずってこっちに足したり、いろいろしておりますので、草の根・人間の安全保障だけを見ますと総額で三十億円ぐらいの減額となったものだと思います。

 ただ、政府として、この分野に関しましては、人間の安全保障を重視というのは、土屋先生御指摘のとおり、これは物すごく大事なところでありますので、資金協力に限らず、勘定科目だけに限らず、いわゆるほかの手段を通じてここに金が実質行くような形にするということを図りまして、新しく、全然別のスキームとして、コミュニティー開発支援無償ということで、コミュニティーがきちんとでき上がりませんと、人間の安全保障というわけになかなか、人間一人で生きておりませんので、そういう意味で、新しくそっちの分に四十億つけておりますので、そういった意味では、人間の安全保障スキームと相互に補完するスキーム、形ができ上がっております。

 さらに、人間の安全保障関連予算の全体に関して申し上げさせていただければ、いろいろ国際機関への拠出金なんというものもこの部分に限って拠出しておりますので、そういったものを足しますと、昨年に比べて、完璧とは言いませんけれども、ほぼ充実した予算内容になっておると思います。

 今後とも、めり張りつけた予算配分というのは大変大事なところだと思っておりますので、いろいろな政策手段というものをうまく有機的に組み合わせるということが実効あらしめる上で最も大事だと思っております。この人間の安全保障というのは非常に大事なところだと思っておりますので、一層の強化というのを図っていきたいと考えております。

土屋(品)委員 私も心配しておりましたところでございまして、減額するということは、数字的に少なくても、世界に対して非常に、ある意味では日本がちょっと引いたような形に見られやすいわけでございまして、そういう点では、改めてコミュニティー開発支援ということでなさるということで、これは人間の安全保障だということもメッセージとして送っていただければと思います。

 さて、ちょっと視点を変えまして、食育基本法が成立しまして、大臣にとっては、ちょっと、外交ですかというようなことでお考えかと思いますけれども、ことしは国や地方公共団体挙げて食育元年のような年になりますけれども、頑張っていこうということでございます。この中で、麻生大臣自身が食育というものをどうお考えになっているか、簡単で結構でございます。

麻生国務大臣 五年前でしたか、四年前でしたか、武部当時農林大臣だったと記憶しますけれども、そのとき私は自民党の政調会長をして、いきなり政調会長室に飛び込んでこられて、食育、食育と言うから、初めて聞いた単語だったものだから、何だ、それと言ったら、何かとうとうと語っておられましたので、あんたが考えたわけじゃなかろう、だれが考えた話だ、ちょっと教えてくれと言ったら、いや、おれが考えたといろいろ言われますので、御高説をしばらく拝聴したんですけれども、一回じゃなかなか理解できなかったんですが、知育、徳育、体育、才育まではわかりますが、食育がここについてくると、突如と、全然別のような話に聞こえました。

 食の教育というのは、これはかなり大事なものなんだという話をして、少なくとも、今、食べ物の傾向だけで、大体、この人は将来糖尿確実とか、この人は将来肥満児確実とか、いろいろなことがちゃんと食べ物の傾向値だけである程度の予想がつけられるんだそうですけれども、きちんとそういったものをやっていかないと、いわゆる不健康な状況で長生きとかいうような形になる。健康で長生きと不健康で長生きは大分意味が違いますので、そういったことを考えて、教育の中に、食に関する知識というものをきちんと子供のときから教え込んでおく必要があるんだというように、私のそのときの武部説を伺った話で要約するとそういうことになるんだと思ったんです。

 少なくとも、これは、言っておられることは決して間違っている話じゃありませんので、言葉が耳なれなかったんですけれども、三年もたちますと、何となく、食育というのはかなり広く使われる言葉になったと思いますので、第一回食育何とか委員長とかにさせられて、委員長自身が全然意味がわかっていなかったような最初の三、四年前に比べれば、時代が少し変わって、私自身も少しは知識がつきつつあるのかなとは思っております。

 結構大事な部分だと思いますので、この点につきましては、いろいろな意味で、栄養失調の話とかなんとか、BSEの話という以外にも、やはり食に関する知識というものはすごく大事なもので、生活をやっていく上で非常に大きな要素なんだと思って、関心をもっと払っていかねばならぬ部分の話だと理解をいたしております。

土屋(品)委員 ありがとうございます。大変スマートでいらっしゃって、多分バランスのいい食生活をしていらっしゃるんだと思いますので、余り深く自分自身は気にしないで済むんじゃないかと思います。

 今、私が食育の話を伺いましたところ、委員からも大変な笑いが出たんですけれども、皆様御存じないかと思いますけれども、なぜ聞いたかといいますと、今回、政府が作成中の食育推進基本計画がこの間自民党の中の部会で発表になりました。その中に、「食育の海外展開と海外調査の推進」という文言が入っております。内容は、食育の理念や取り組みについて海外に発信し、食育という言葉が通用することを目指すというものでございまして、このような活動を通じて我が国の食文化等に対する国際的な理解の推進を図るとなっております。そして、国際的な情報交換等という面からは、国際的な機関等との連携による国際会議の開催や海外の研究者を招聘しての講演会の開催等を推進するとあるわけでございまして、今後、この食育に関連して、外務省と協力をして、国際機関なんかも協力して、こういうことを発信する可能性があるのではないかということで、私、きょう質問させていただいたわけでございます。

 実は、今、日本食が世界じゅうで見直されておりまして、回転ずしなんかがアメリカでも大変人気があります。そういう意味においても、日本食は大変長生きもするし健康であるという思想が蔓延しているわけで、これもひいては基本的な食に通じるわけでございまして、そういう意味で、ぜひ、外務省といたしましても何か事業をしていただければということでお話をさせていただきました。何かお答えをと思っていたんですけれども、せっかく来ていただいたので、では簡単にお願いいたします。

岡田政府参考人 今御質問の件でございますけれども、外務省では、既に海外向けの広報事業の一環といたしましては、食育の海外広報に既に昨年から努めております。具体的には、食育の専門家の方を海外に派遣して講演を行っていただくとか、あるいは現地の専門家の方との意見交換をしていただく、さらには、我々の関連のウエブサイトの中で食育の紹介をしているとか、こういうこともしてございます。

 一般的なもうちょっと広い意味での食文化としましては、常日ごろの外交活動の中でも在外の公館の公邸料理人が日本食でおもてなしすることがあるんですけれども、それを超えまして、そういう公邸料理人がボランティアとして日本料理の紹介とか日本料理教室などやっておりますし、さらに、在外公館の文化事業とか国際交流基金の事業としても日本紹介の数々の取り組みを行っています。今後とも、こういう形で海外広報手段を活用したいろいろな施策を継続していきたいと思います。

 他方、先ほど先生おっしゃったように、食育という言葉自体は非常にまだ新しいものですから、ODAのプログラムの中にはまだ必ずしも国際協力について具体的な方針はございませんが、大変な食育の意義ということをかんがみれば、今後、開発途上国の援助事業なども踏まえながら、どういう協力が可能か考えていきたいと思います。

土屋(品)委員 よろしくお願いいたします。

 ちょっと時間がなくなりましたので、幾つか飛ばさせていただきます。

 先ほども、人間の安全保障の面でも財政の厳しい状況の中で削減があったということなんですけれども、予算確保をどうしていくのかというのは大変に重要な課題だと認識しておりますけれども、我が国の発したメッセージを守ることは、国益上大変重要なことだと思います。

 その中で、先ほど大臣からも、アフリカで倍増ということも総理が昨年発表しておりますので、こういう意味では、この目途についてしっかりとした答えを出さなければいけないと思いますけれども……(麻生国務大臣「ODA」と呼ぶ)はい、ODAです。ちょっと二つ飛ばしましたので、失礼いたしました。

 その中で、あわせてNGO等との連携というのも重要だと思っております。やはり、予算のない中でNGOの皆さんと一体となって活動することによって、その部分を補うことも可能ではないかと思っておりますので、このNGOが、とかくNGOの先進国と比較されまして、日本はまだまだだというお話が出てくるわけなんですけれども、この点、国内団体の育成面について、どういう課題があるか、どうとらえておられるかということをお聞かせ願いたいと思います。

塩崎副大臣 ついこの間まで自民党でNGO小委員長をやっておりました関係で、この問題については極めて強い関心を持って見ているわけでありますし、今まで外務省がやってきたことが十分かどうかということについては、いろいろ批判もしてきた立場でございます。

 先生おっしゃったように、このNGOの活動というのは極めて重要だと思っております。先ほど大臣からコミュニティー開発というのがうまくいかなければ人間の安全保障も守れないという話がありましたが、まさにその市民社会をまず第一に現地でつくるということが大事であり、そして、そのときには、現地のNGOも大事なんですけれども、やはり日本からもNGOがどんどん行ってもらって、政府とパートナーシップを組めるときにはやってもらおうということだろうと思うんです。

 どうやってサポートするのかということであります。確かに、力が弱くて、他の国に比べると、財政規模でも圧倒的に小さいし、人数でもそうです。この間、私、スーダンへ行ってまいりましたけれども、スーダンに来ているアメリカのNGOやヨーロッパのNGOはみずから飛行機まで持っている、そのくらいでありますから。こっちから行っている日本のNGOは、三人とか四人とかその程度であります。そういうことであれば、やはり財政基盤を強化しないといけない。それは、やはり一番大事なのはNPO税制だろうと思っています。今回の税制改正で前進はいたしましたけれども、不十分かなと私はまだ思っております。

 それと、やはり人でありますから、NGOの人材育成をどう図っていくのかということであり、また、他の大きな外国のNGOやそれから国際機関との連携という意味で、そういった連携強化のためのキャパシティービルディングも外務省としてやっていく。シビルソサエティーは必ずしも政府と一体化するわけではないので、組めるときには組めるということでありますが、その組める相手がいないと政府はやはりどうしても手足が少ない。そういう意味では、NGOの皆さんが一番公益の現場に近い人たちでありますので、そことのパートナーシップを組めるようなインフラをつくるために政府も頑張っていかなければいけないのかなというふうに思っております。

土屋(品)委員 どうもありがとうございます。まさにNPO税制、これがかぎを握るかなと私も思っております。私も今後、一緒にしっかりと活動させていただきたいと思います。

 最後でございますけれども、ODAの国内向けアピールというのが非常に大事だと考えております。やはり、予算を拡大するにいたしましても、国民の理解というのが非常に大きいわけでございまして、果たして今国民がODAに対して理解しているのかという点では疑問も感じるわけでございますけれども、この点、今後の広報宣伝が重要という面では、どのように戦略性を持って取り組んでいくかということをお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 全くごもっともな御指摘だと思っております。少なくとも日本国民の理解というものは、これは不可欠と存じます。

 平成十七年度に内閣府が実施しております外交に関する世論調査を見ますと、このODAに関して、積極的にしろ、現在程度でよいというのは約六〇%ぐらいになっております。片方、なるべく少なくすべきだという意見も約二割ぐらいはございますので、そういった意味では広報を強化していくというのは大変大事だと思っております。

 これは、何となく、今ホームページとかいろいろ新しいツールが出てきておりますので、メールマガジン等々いろいろやらせていただいておりますが、成功した話というのは、これはこんなことをやったらこんなになったんですよという、例えば、インドのベストアンバサダーと言われるニューデリーの地下鉄の話とか、カンボジアのお札の裏に刷り込まれております日本橋という橋のイメージとかいろいろな成功例というものを、なかなかそういったことは日本は宣伝しない習慣か何かそういったものがあるんだと思いますけれども、きちんとそういったものは、実績としてこんなものになっているんだ、これほど地元の感謝があるんだという点は、もっと具体例を挙げて広報していくというような努力は今後とも引き続いてやっていかねばならぬ大事なところだと思いますので、またいろいろ、こういった点とか御意見があったら、私ども、ぜひ参考にさせていただきたいと存じます。

土屋(品)委員 本日は、長時間にわたりODA関連に関しまして答弁をいただきましてありがとうございました。ODAは、まさに日本の外交の武器でございます。これからもしっかりとよろしくお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、山口壯君。

山口(壯)委員 今、土屋議員が援助のことを話されて、私も、実は非常に大事なことを言っておられると思うんですね。

 私も、ちょうど一九八〇年から八二年まで経済協力局にいて、局長のかばんを持ってこの部屋に通ったり、当時、麻生大先輩は、二十年前、まだもう少し若かったですか、時々委員会に顔を出す、ああ、忙しいんだな、委員会から委員会へ行っておられるんだなと。当時、原田委員長も若くて、さらに若くて、のしのし歩いておられるのを思い出しました。

 そのときに、こういうことがあったんですね。当時、八二年から八四年までというのは、ちょうど鈴木善幸さんから中曽根さんにかわられたような時期なんですけれども、アメリカの方から、日本は世界にどういう貢献ができるんだということがあったものですから、外務省の中で紛争周辺国援助とかいう概念をつくりまして、例えば、アフガンで紛争が起こっているんだから、では、パキスタンにばんばんやるかとか、あるいは中東の関係からエジプトにばんばんやろうかと。

 ところが、当時、国会ではなかなかそういうことが、援助をそういうふうに使うというのは難しいものですから、我々は、外務省の中でそういう戦略的な援助という概念をつくって、アメリカと日米援助協議というものをやって、こういうものをやっているんだということで、私も、何か二日ぐらいで資料をつくれというので、英語に直したりしながら、でも、それは非常に役に立ったんです。

 私の出身校がアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学のSAISというところで、博士号をもらったときの先生がナサニエル・セイヤーというのがいて、それが中曽根元総理と非常に仲がよかったものですから来てもらって、では、どうやってロナルド・レーガンと結びつけるんだ、ロン・ヤスでいこう、こういうのがそのままいってしまって、そのときの援助というのがすごく売れたんですね、アメリカには。

 そういう意味では、援助体制を考えるときに、いろいろな省庁で、いわゆる我々の言葉で合い議と言っていましたけれども、例えば円借款だと、外務省のほかに、当時の大蔵省、当時の通産省、それから経企庁、これがかかわって合い議をやると、おもしろくも何ともない文書が出てくるわけですよ。アメリカに売ったってもう売れないような文書が出てくるわけですよ。

 そういう意味からしますと、この援助体制を考える場合に、今、土屋議員が非常に大事なことを言われていましたから、そういうことを考えた場合には、やはり、みんなが集まってというのはいい面もあるけれども、そういう役所間の合い議ということになると、正直売れないものしか文書が出てこないということもありますので、ばんと売るためにはまた違う発想があるということを一つどうしても申し上げておきたいなと思った次第です。

 過日、また、丸谷委員がすごく大事な質問をしていまして、イランのことについて聞いていました。イランの核兵器というものが実はまだないわけですね。

 私は、実はきょうはグアムの話をするためにここから切り出しているんですけれども、最初にちょっと、きのうも質問で出していますから、イランが核兵器を持っているのか、北朝鮮は核兵器を持っているのか、この辺についてから、大臣、始めさせてください。

麻生国務大臣 イランと北朝鮮、両方のお話でしたけれども、北朝鮮とイランというのを言えば、北朝鮮の方は少なくとも去年の二月に持っておると自分で言っていますので、その意味では、北朝鮮の核開発というものに関しましては、こちらの方はかなり持っている確率が高い、そのように考えております。

 少なくとも、北朝鮮としては、兵器化し得るプルトニウム、濃縮したウランというものに関してのかなりの量を保有しておるというように私どもとしては考えております。したがって、核兵器を保有し得る可能性はあるというように思っておりますが、これで確定的な結論を持っているというわけではありませんので、引き続き、六者協議等々、これはかなりの部分で議論の内容を占めているのは確かです。

 イランにつきましては、これは核兵器を現在持っているというような情報というのは、現段階で特段有しているわけではありません。ただ、IAEAに全く申告しないままで、十八年だか二十年だか遠心分離機をずっと育てて濃縮の段階を上げていったということになっておりますので、その意味では、イランに関しましては持っている可能性というものがこれから出てくる確率は高いんだと思いますが、少なくとも、米国のシンクタンクなんかの報告書を見ましても、イランが最初の核兵器ないし核兵器製造に十分な濃縮ウランを保有するにはあと数年かかる。

 また、アメリカの国の見解として、今、ただいまの段階で核兵器を保有していないと思っているというのが政府としての見解。ただいまですよ、ただいまというのは二〇〇六年ですから、数年というのは二〇〇七、八年、二〇〇八年には持ち得る可能性があるということを言っているんだと思いますけれども、これが今、ほぼ私どもも同じような見解を持っております。

山口(壯)委員 今大臣が言われたことでほぼ私も同意します。イランは、したがって、今大臣が言われたように、これからそういう事態が出てくる可能性はあるけれども、今はそういうことではない、しかもまだ数年以上かかるという御答弁です。全くそのとおりなんです。イランについては、核兵器はまだ持っていないわけです。そして、そういうものをつくる材料を手にしようとしているからみんなが心配している、これは全くそのとおりです。

 ところが、ブッシュ大統領の頭の中は、今イランで頭がいっぱいです。頭がいっぱい。それは、もちろん、イスラエルからのいろいろなお願い事というか、別の言葉で言ったらプレッシャーかもしれないけれども、何とかしてくれと。他方、イランの方は地図から抹殺するぞと言っているので、そういう意味では、我々の俗な言葉がいろいろありますけれども、しかし、イスラエルからアメリカにお願いしているという要素も非常に高いんでしょう。

 他方、北朝鮮については、今大臣は確率は高いけれどもということで断言はされませんでしたけれども、外務省としては、持っているという情報には当然接しているはずです。そして、アメリカ側については、少なくとも何発持っているという言い方も出ていますね。毎年二発ずつふえているんだろうという観測がなされている。

 この二つをよく考えてみてくださいね。イランについては核兵器を持っていないんですよ。でも、アメリカはそっちのことで頭がいっぱい。北朝鮮については持っているんです。でも、そのことについては、六者協議という形で、アメリカは中国にこの六者協議を丸投げしてしまっているわけですよ。

 何なんだと、日本からしてみたら、まだ持っていないイランのことでアメリカは頭がいっぱいで、持っている北朝鮮のことは中国に丸投げして、一体何なんだ、それでグアムに移転するのに請求書を突きつけてくるなよなという気持ちがあるわけですよ。

 我々、よく大臣ともここで議論しています、日本の安全を守るためには、アメリカのいわゆるディフェンスコミットメント、これが非常に大事なわけです。他方、そのことについて、アメリカは、今、イランのことで頭がいっぱいになってしまっている、イスラエルの関心というか懸念の強いイラクであり、イランであり。しかし、今、北朝鮮については六者協議を中国に丸投げしてしまっているんです。中国は北朝鮮カードというのがあった方がいいわけですよね、中国の値打ちが高まるんだから。これは、日本にとって、グアムのことを考えた場合に、私は非常に割り切れないんです。

 しかも、お金の額についても、決して私はゼロで突っ張れと、気持ちはそうですよ、最近はやりの品格なんという言葉を出してくるとしたら、これを出すのはちょっと品格に欠けるぞと私は思いますので、本当はそういう気持ちはあるんですよ、だけれども、ゼロという回答もちょっと難しいだろう。大臣は、しかし五割が限度かというのを言ったことに新聞ではなっている。私は、別にバナナのたたき売りじゃないですから、その間をどこかとれという話じゃなくて、ちょっと原則論をもう少しやらなきゃいけないなと思うんです。

 大臣、きのうの質問で私が紙を出させてもらっている中に、きのうは大変だったんですよ、こんな太い紙をばらばら読んで、これを読んでいたら、後ろの方にグアムというのが出てきまして、一番最後のページだったですよ、グアムというのが出てきて、そこに二・九ビリオンというのが出てくるわけです。

 きのう言っているから、多分大臣の手元にそのことがあると思うんですけれども、コミッション・オン・レビュー・オブ・オーバーシーズ・ミリタリー・ファシリティー・アンド・ストラクチャー・オブ・ザ・ユナイテッドステーツとなっていて、二〇〇五年の五月九日、これは前に参議院で同僚の犬塚議員が指摘した文書です。

 要するに、去年の五月九日の時点で、もちろん、この文書が出てきたのが五月九日ですから、それ以前にペンタゴンはもう沖縄からグアムへ、リロケーションするという話は出ているわけですね。それは、必ずしも日本の負担軽減というだけじゃなくて、アメリカの戦略的な見地からというのが当然あるわけです。

 今、大臣、我々は日本の負担軽減のためだからしようがないなんということが先に走っていますけれども、これはアメリカの前方展開という観点からも当然彼らは考えているわけですから、そのことを考えた場合には、決して我々は、立ち退いていただくわけだから出さざるを得ないという話じゃないんです。ちょっとこの原則について、大臣、お願いします。

麻生国務大臣 今、山口先生おっしゃるように、この点に関しては、五月の九日に二十九億ドルという話が出ていることは確かですが、これはぜひちょっと御理解をいただきたいところなんです。

 これは昨年五月に公表した米軍の海外施設の一端の中でグアム費用と書いてあるんですが、この報告書は五月なんですが、最終報告書というのは八月十五日なんです。その八月十五日に大統領及び議会に最終報告書が出た中には、この二十九億ドルという数字は挙がっておりません。これはぜひ、新しい資料というもの、新しい資料というか最終公表で出された資料として御記憶をいただきたいところなんですが、大統領及び議会あてに出された最終報告書に出ておりません。したがって、先ほど言われましたのは中間報告ということになるんだと思いますけれども、それがまず第一点。

 それから、今、アメリカの全体の中でというお話があっておりましたし、アメリカ軍の再編の話というのは、世界規模で、いろいろな形で行われておる中にあって、私どもとして考えなきゃならぬところは、いわゆる抑止力の維持というものは日本にとって非常に大きな要素だと存じます。これと組んで、私どもは、過去五十数年間、日本の安全保障というものをアメリカとの同盟関係のもとにこれまでやってきました。

 それは、日本は六十年間そこそこうまくやってきたという点は、結果としては確かだと思っておりますが、冷戦構造が崩壊してかれこれ十五年たって、いろいろ私どもの周りの中で構造変化が起きております。

 その中で、今言われましたように、注目しておかなければいかぬところは、確かに、ユーラシア大陸の西半分では冷戦構造は終わって、東ヨーロッパがどんどんNATOに入ってきて随分変わったんだとは思いますが、忘れちゃいませんかというのが東側の端っこにありますところで、我々のいるところなんです。

 ここは、朝鮮半島、台湾海峡、いずれも不安定、不確実性を擁しているという点をアメリカはお忘れじゃないでしょうね、アジアの中において、少なくとも米軍が基地を有しておりますのは韓半島の南、そして日本という二つがあるので、この地域の安定のためには台湾海峡と朝鮮半島の安定というのは非常に不可欠な要素なんだという点だけはぜひ忘れないでいただかないと、何となくおたくらの頭は中近東もしくはアフガンに偏り過ぎていて、随分バランスを欠いているのではないですかという点は、チェイニー副大統領、ライス長官等々にこの五カ月ぐらいの間に二、三度会いましたけれども、いずれも確実にこの点だけは申し上げているところで、今御懸念の点というのは私どもも共有をしておるところだと思っております。

 したがって、今、この中であって、グアムのところの話、それがグアム等ということになりますと、少なくともアメリカは関心を払っているから多分再編成をという話になるんだと思いますけれども、私どもとしては、その中にあって、抑止力の維持をしてもらうのと同時に、沖縄というところは、これは山口先生も御存じのように、やはり、かなり長い間、日本の〇・何%の国土の中に、日本の米軍基地というものの約七十数%があそこに偏っておりましょう。したがいまして、その分に関しては、この際、いろいろ本土側としては、かなり迷惑をかけているということがありますので、ちょっとそこのところはある程度援助なり支援なりというものをしていかないといかぬのではないかなという気持ちも御理解いただきたいところだと存じます。

山口(壯)委員 今、大臣、二十九億ドルの話が後の文書で消えたという話です。ここは実は本当は大きなポイントなんです。

 というのは、アメリカは、最初、二十九億ドル、大体三千億円ちょっとしか考えていなかったわけです。ところが、前の防衛庁長官でしょう、出すと言ってしまった可能性があるんです。コミットメントしてしまっているから、出すんだったらもうちょっとふやそうか、では、港湾も道路もやろうか、この可能性があるから私はこれを聞いているんですよ。だから、犬塚議員も我々も、この積算根拠、アメリカが言ってきている積算根拠についてどうなっているんだ、ここなんですよ。

 だから、大臣がおっしゃったとおり、そのとおりなんです。二十九億ドルの話が後に消えているということは、まさにその経緯を踏まえて、アメリカとしたら、日本が出すんだったら、これはもうちょっとちゃんと大き目の額を言おう、こうなっていますので、この根拠の話というのは、もっともっと国会の場で、例えば、これには財務省もかかわるでしょう。これにはもちろん防衛庁もかかわってきている。そういう連合の場できちっと議論をしなければ、今大臣のおっしゃっていること、今までのずっと、私は質疑も全部読みましたけれども、やはり国会に対するいわゆる説明、これにはなっていないんですね。

 だから、どうしてもこの連合審査というものを考えていただきたいと思うんです。これは委員長の方にもう一度、そういうことを協議させてくださいという。

原田委員長 また理事会で協議させていただきます。

山口(壯)委員 お願いします。

 今、グアムの話について根拠ということを私申し上げました。根拠、それを最後に聞く前に、先ほどおっしゃったライスさんにもあるいは国防長官にも、日本としての、これは、今はアメリカにとっても実は中国が一番懸念なんです。だから、コンテーンするかあるいはエンゲージするかということを一生懸命議論している。だから、アメリカにとっても中国が一番懸念です。

 別に我々の党の中で、そういう脅威云々という話は決して必要じゃないと私は思っています。思っていますけれども、それがアメリカにとっても懸念なわけです。だから、別に日本だけのことでもないですから、それはアメリカにとっても、太平洋地域にいるということは、この米軍再編の最大のポイントは本当はこの中国だと私は思いますよ。分析されれば、そういう議論をされる方、多分多いと思います。

 そういう意味からいったら、決してアメリカに我々が頼みますという話だけではないわけですね。アメリカにとっても中国は最大の懸念で、だから米軍再編をやっているんだということはありますから、強くそこは言っていただかなきゃいけないと思います。

 その根拠の話ですね。

 根拠について、犬塚議員への答弁は、私はもう読んでいます。あの答弁じゃなくて、やはり米側としてどういう根拠を言おうとしているのか、ここをお答えいただきたいんです。

 というのは、湾岸戦争のときに百十四億ドルということで出したものが、現実に余ったという話があるんです。それは戦争だから、そのときにそんなに積算根拠を詰めて出してきたわけじゃない、それはよくわかる。しかし、アメリカの出す積算根拠というのはそもそも大づかみなんだということがちゃんと我々はわかっていなきゃいけないわけですよ。

 だから、今回は、平時で時間もあるんですから、アメリカ側に、何でこれが出てくるのと。特に、二十九億ドルから膨らんでいるわけですから、三千億から一兆円まで膨らんでいるわけですから、そこをはっきり聞かなきゃいけないんです。聞いておられますよね。

塩崎副大臣 大臣から御答弁させていただく前に、先ほどの二十九億ドルのお話なんですけれども、ひとり歩きするといけないと思ってあえて立ったところでありますけれども、この海外基地見直し委員会というのはどういうものなのかということをまず考えなきゃいけないですね。

 これは、要は、議会の方がやっているものであって、政府のものではない。日本よりははるかに議会と政府は違うわけでありますから、それに、最終報告でも、沖縄のことについてもちろん触れている中で、例えばオペレーショナルなケーパビリティーというようなことを言っているわけで、今回は司令部の話ですからね。ですから、そこのところをよく考えていただかなきゃいけないということです。

山口(壯)委員 塩崎さんもいい人だし、私も仲がいいから、だけれども、それはもうよくわかっているんです、おっしゃりたいことは。

 大臣、済みません。一番大事なポイント、このアメリカの根拠の話ですね。それについて、どういうふうにアメリカは考えているのか、これを把握しないと、四月の四日から六日までの審議官級協議というのも、もう子供の御用聞きじゃないんですから、今までも何度もやっている、国会に説明しなきゃいけない。アメリカはどんどんし始めていますよね、ローレスも議会に説明するのでちょっと今回は来られませんという話でしょう。それは、やはり日本の国会に対しても、先ほどの連合審議の話になりますけれども、大臣、今の段階で、アメリカの根拠についてここまで把握していると。

 特に、大臣、犬塚議員のときに答えられた中で、住宅建設云々については、まあ、しようがないだろう、だけれども、それ以外のものについてはちょっといかがなものか。その他例えば滑走路とか何とかかんとか言われても、ちょっとなかなかそういったものではないんではないか、こう答えられているんです。私もそのとおりだと思います。そういうことでいいですね。プラス、根拠の話をお答えください。

麻生国務大臣 よく言われるように、百億ドルという話はよく出ますけれども、その中にはきっといろいろな基地があるんだと思いますが、私は、山口さん、こう思っているんですね。

 基本的に、理解が得られるところというのは、日本の立場からすると、沖縄にいる在沖米海兵隊が移転するんだから、移転するのは、向こうは移転したくないわけですから、おなかの中がいい、あそこは一番快適にいられるところですから、治安はいいし、状況はすごくいい。これはみんなが認めていますから、既にそこに定着してもう何十年ということになっていますので、いい。

 しかし、出ていってもらいたいという話は、これはずっと我々この何十年言い続けて、沖縄県民の悲願でもありますので、この際というので、移転してもらうに当たっては、その移転費用ということになると、それは基本的には、住居とそれに関連する施設は理解のできるところと私どもは思っております、少なくとも沖縄の人に聞いても、とにかくというのを言うとなるとそこの話になりますので。

 しかし、今言われたように、やれ海軍の港の施設がどうとか、滑走路なんて話が出て、あそこはアンダーセンという基地がありますから、滑走路が急に要るとは思いませんけれども、その他いろいろ、軍の施設というのと、我々、それは全然別よ、うちが出せるのはそこが基本ですよと。

 ただ、つくられる場所からいったら、多分、例の小野田少尉の隠れていたあの地域が多分なるんですよ、ほかに場所はそんなにありませんから、あそこは。

 そうすると、あのジャングルの中ですので、そこに行くにはある程度道路やら何やらつくらないかぬ。生活関連施設としては、それはちょっとやむを得ぬかなとか、一応納得できる話じゃないと、我々として、ちょっと、出す方としてもなかなか納得できないということで、向こうにしてみれば、いや、これは抑止力の維持のためにやっておると多分言ってくるのは間違いありませんけれども、私どもとしては、生活関連施設というのが最も理解の得やすいところではないか。

 済みません、小野田さんじゃなくて横井さんでした。済みません、ちょっと間違えました。横井さんの隠れておられたところだと想像します。ちょっと最近グアムに行っていないのでよく知らないんですが、あの辺だと思います。

 そうすると、生活関連のところまでがいいところなんじゃないのかなというところなので、精査をする、その内容がずっといろいろ今からまたさらに出てくるんだと思いますけれども、今大まかなことを申し上げれば、私どもの出せるというものの理解できるのは生活関連、いわゆる兵隊、家族が移転するに関して必要な費用というものまでが私どもの納得できる範疇ではないか、これが私どもの基本です。

山口(壯)委員 まだアメリカ側の積算根拠については明らかになっていないし、それはやはり議会の方で、我々のこの国会の場でぜひ、連合の場で議論いただきたいと思います。

 いろいろまだありますけれども、同僚議員の武正議員に譲ります。終わります。

原田委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正でございます。

 今、山口委員からの質問に続いて、グアムへの移転経費の問題について質疑をさせていただきます。

 おととい、沖縄北方特別委員会で、百億ドルの負担の日本側の上限は五〇%は切りたいというような発言があったわけでありますが、今の山口委員の発言からも、昨年五月九日の二十九億ドルという米側からのグアムへの施設整備費、これがそれこそその後の最終報告で消えた経緯、これはやはり国会の場で、外務、防衛そして財務金融連合審査、これが改めて必要なことを今明らかにしたと思いますので、引き続き委員長にはこの点を提起したいと思います。

原田委員長 連合審査の件につきましては、鋭意理事会で協議させていただきたいと思います。

武正委員 時間の関係もありますので、ちょっと今、冒頭の質問は山口委員からの質問にかえさせていただきまして、木村防衛庁副長官お見えでございます。いつもありがとうございます。ぜひ、きょうはたくさん質問項目もありますので、ちょっとつぶさにお答えをいただきたいんです。

 まず、今、グアムへの移転経費のことが本委員会でも非常に我々も関心を持ってお聞きをしておりますが、そもそもこの米軍再編に伴ってはさまざまな経費が必要であろう、このように言われているわけでございますので、幾つかそうした点についてお答えをいただきたいと思います。

 まず、米陸軍第一軍団が座間に移転をしてくる、こういうような協議がやはり進んでいるやに伝わっておりますが、例えば、これが座間に移転するに関して、またこの経費を日本側が負担しなければならないのか、そういったことがあり得るのか、あるとすれば幾らなのか、これをまずお答えをいただきたい。

 それから、航空総隊の、これを移設するという、こういった自衛隊の国内での再編成、これに伴う移設の経費というのは幾らぐらい見積もっているのか。

 それから、今回は、嘉手納からF15、この訓練を三沢ほか五つの自衛隊基地に分散をする。以前、平成八年の思いやり予算改定に伴って、厚木から硫黄島への訓練移転に伴う費用も日本側が負担するという改正をしておりますが、これに関しての訓練移転に関する経費は幾らと見積もっているのか。

 さらにまた、これから、沖縄を初め相模工廠など、基地返還に伴う整備費、日本側の負担、これは一体幾らになるのか。

 そして最後に、特にシュワブ移設に伴う整備費を幾らと見ているのか。

 以上、たくさんございますが、お答えをいただけますでしょうか。

木村副長官 武正先生から御指名をいただいておりますから、私、この委員会に出席をしているわけでありまして、いつも御指名いただきまして、ありがとうございます。

 まず、武正委員も十二分に御承知のとおり、昨年十一月十一日の閣議決定を踏まえまして、その中で最終的な取りまとめに向けて検討を促進していく、今まさに、その取りまとめに当たっての最終段階というか詰めの協議を行っているところであります。

 その閣議決定の中でも、総合的な観点から必要な措置を講じていくことということも確認しておりますから、今、時期的に詰めの協議をしている段階でありまして、御理解いただきたいのは、個々の施策の内容について、今お答えできるところではないということをぜひ御認識いただければ大変ありがたい、こう思っております。

 今、委員の方からは、それぞれ具体的な問いがありましたけれども、今その協議の詰めの段階であることでの、この場でお答えできないことを御理解いただきたい、こう思っております。

 もちろん、全体の協議が相調ったときには、その時点での概算的なことは御報告できると思いますし、また、それを踏まえながら、今お尋ねあったそれぞれの個々の分についても積算を重ねながら、最も具体的になっていくとすれば概算要求に向けてその作業を我々またしていくことになる、こう思っておりますので、その都度その都度において御報告できることは御報告していくようにしたい、こう思っておりますので、御理解いただければありがたいと思います。

武正委員 外務大臣、この委員会では、グアムへの移転経費について我々も大変関心があるのですが、今、副長官にお伺いをしたのは、例えば、米陸軍第一軍団移転に伴う経費負担をまた日本側が何か整備で求められたり、当然、自衛隊も国内で整備再編しますので、それに伴うまた費用。それから、基地が返還された後の整備関係、相模工廠も含め、相模のあの土地も含めてですね。あるいはまたシュワブ、これまた移転した後で整備に大変なお金がかかる。

 こういったもろもろの総額を国会として考えていかないと、二十九億ドルなのか、百億ドルの半分にはいきたくないなのか、それ以上の大変な巨額のお金を、やはり国会として議論をしておく必要がある。そのときに、今のように、御担当の防衛庁がまだ協議中ですからということでは、我々は議論ができないわけですね。

 これについて、外務大臣としてどのようにお考えになりますか。

麻生国務大臣 今、答えられないというのは、多分一番のところは、移転する辺野古の場所が、海か陸か中間かどうなのかもわからぬとなると、まず積算がもとからできませんので、そこが問題だと思います。

 それから、今言われましたように、その他普天間があいた後、何するんですと言われて、みんなどれくらい真剣に考えていますかね。

 沖縄の人は、あれを返されて何するんですと言われて、僕は地主を二人ぐらい知っているんですけれども、いや、返されても困っちゃうんだよなと言う人はいるんですよ、正直なところ。あれは息子に黙っておれに入ってきている金だから、これがばれるのは嫌だとか、実にもういっぱいいらっしゃいます。私は、沖縄は結構つき合いのありますものですから、いろいろいらっしゃるのが正直なところなんです。

 したがいまして、それにかかる経費というのは、これはまた全部別に考えないかぬという点も、私どもとしては、今おっしゃるとおり、この点はグアムの話にどうしても目が向きますけれども、いわゆる沖縄に関する件、また、相模工廠、よく言っていただきましたけれども、この相模工廠の話なんというのは、これは何となくみんなすっかり忘れられておるようですけれども、これは結構、あそこの人口を見られるとわかりますけれども、これはもうむちゃくちゃな、多分次の政令都市はここかと言われるような話ぐらい密集地ですから、そういった意味では、ここのところをどうするか等々の話につきましては、これはあの地域の町おこしとか地域再生とかいう意味から考えましても、私どもとしては非常に大きな要素があると思っております。

 こういった点を含めまして、まだ何も詰められているわけではありませんけれども、今言われましたように、それらの件についてはどうするかというのは、これは真剣に御議論をいただかねばならぬ大事なところだと、私どももそう思っております。

武正委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

原田委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 いよいよきょうは三月末日であります。米軍再編に関する日米合意が当初の三月末から四月にずれ込むことになったわけでありますけれども、三十日から予定されていた日米審議官級協議の延期というのは、相手側のローレス国防副次官の議会証言などの日程上の都合だとされています。

 そこで、まず大臣に伺いますけれども、日本政府としては、そういう米側の事情がなければ、あくまで今月末までの協議の中で、昨年十月の2プラス2合意に基づく具体的な実施日程、計画について、地元自治体との調整が不十分なままでも合意しようという意向だったのか。それとも、地元との調整もまだ完了していないから、三月末までという合意はこれは無理だから延期しようと、向こう側の都合がなければ日本側から提案するつもりだったのか。どういうお考えだったのかを伺いたいと思います。

麻生国務大臣 これはもう、笠井先生、この種の話は、でき上がった後のオペレーション、後の運用がきちんとされていくためには地元の合意というのは非常に大きなものだ、これは最初から申し上げているとおりなので、私どもとしては合意を得るというのは非常に大事なところだと思っております。

 したがいまして、三月三十一日というのは、これは基本的には、めどとしては期限を切らないと、この前のSACOみたいに、つくったはいいけれども、十年とは言いません、九年何カ月何もならなかったというのではありませんので、実行可能なところを求めるというのであれば、三月末というのを目安として私どももやってきましたけれども、これがあったから事は一週間置きにテンポが進んでいったという背景もあったと思います。

 したがいまして、地元との合意というものができていないので、だからといって、では次は来年の三月か、そんなわけにはいかないのであって、少なくとも四月四、五、六になっておりますから、その段階で事務的なレベルのところの話ぐらいはまとめておきたいと思っております。

 これは2プラス2で始まっていますので、やはり終わりも2プラス2で政治的決着というのが多分要るんじゃないかな、なかなか役人だけで詰め切らぬところもいっぱい出てくると思いますので、最後は2プラス2の政治決着というのは必要であろうと思っております。

 それが、それを含めていつかと言われますと、ちょっとなかなか返事をしにくいところだとは思いますけれども、少なくとも事務方のレベルぐらいのところでは、四月四、五、六は無理にしても、その次の次ぐらいにはそこそこの答えは出したいものだと、私どもは基本的にそう思っております。

 ただ、これは、もとのもとは、すべて辺野古がスタートしないと、ほかのところがずっと嘉手納以南の土地にしても全部関係してきますので、この辺野古の了解というのは非常に大きなところだと、私どもは基本的にそう思っております。

 おまけに、岸本前市長という方が亡くなっておられますので、そこもかなり、私どもとしてはたたらを踏んだというか、ちょっと一歩引いたというところがあります。この日曜日に葬式が沖縄でありますのでそれには伺いたいと思っていますが、翌週明けまして、ローレスとの話も四、五、六になっておりますので、そのところであらかた目安がつきたいなと思っております。

笠井委員 ローレス副次官は、会見の中で、未解決の課題として、普天間基地の移設の問題や海兵隊のグアム移転、沖縄での基地返還と整理統合などを挙げております。

 そこで、現在日米協議で懸案となっている問題、つまり、日米の考えが一致しないで、そして未解決で合意に達していない案件なんですけれども、例えば、海兵隊のグアムへの移転経費の日本側の負担問題。これについては大臣もまだ合意していないと言われておりますが、それ以外にはどのような案件がある、日米間で未解決で残っているというふうに認識されているのか、具体的に、端的に列挙をしていただけないでしょうか。

麻生国務大臣 ちょっと箇条書き的に申し上げますけれども、嘉手納以南の土地の返還に関する計画の具体化。

 それから、在日米陸軍司令部の改編。これは、例のキャンプ座間の話と相模工廠の話と両方ありますので、交渉を、土地が西側の下半分のところ、約十五ヘクタールというところに関しまして、向こう側は五十二ヘクタールのうち十五ヘクタールの返還ということになっておりますが、さらにそれをもう少しという話が、これはまだ結論が出ておりません。

 それから、横田飛行場につきましては、これは府中の航空自衛隊の司令部の移駐に関する詳細な検討というのをやっているんですが、加えて、横田の空域と羽田の第四滑走路等の話の関係がありますので、ここのところをきちんとやらないといかぬ。それと、軍民共用化というものを希望しておりますので、そこのところの検討。

 それから、全然今度は別のところになりますが、空母の艦載機のいわゆる厚木から岩国飛行場への移転に伴う、平成二十年に沖合に移転が完了いたしますが、その移転した後のところに関しまして、例の軍民、民間に使わせるという話を、沖縄の米軍基地の中に民間のターミナル……(笠井委員「岩国ですね」と呼ぶ)失礼しました。岩国の基地の中にターミナルというのをつくる、つくらせないという話等。

 また、空中給油機の話で、これは普天間にあります空中給油機の移転先等々がいまだいろいろ意見が分かれておるのと、余り議論されませんけれども、Xバンドレーダー、三沢の基地の話ですけれども、車力のXバンドレーダーの配備などについてかなり、担当する部門がそれぞれ違うんです。みんなそれぞれ違うんですけれども、それぞれ詰めておりますが、最終的なところまで至っていない。かなりなところは結構積み上げてきたと私どもも思っておりますけれども、最後のところできちんと積み上げが終わっていないというように思っております。

笠井委員 まだかなり課題が残っているということだと思うんですが、鹿屋はどうでしょうか。

 これまでの協議内容で、米側が、2プラス2では優先して検討されるというふうにされていたKC130の空中給油機の鹿屋基地への移駐について難色を示して、岩国への変更を求めてきているということが言われておりますけれども、そして日本側がそれはだめだと言っているというふうにされていますが、この問題についてはどういうふうな決着になっているのか。日米の考えは一致したのか、あるいは、アメリカはもう岩国への移駐の変更というのは取り下げたのか、この点はいかがでしょうか。

大古政府参考人 お答えいたします。

 普天間にございます空中給油機をどこに移転するかという問題につきましては、昨年の十月末の中間的報告の中では、御案内のとおり、海上自衛隊の鹿屋基地を優先的に検討するということになってございます。

 細部についてはまだ協議中でございますので、具体的なことは答弁を差し控えたいと思いますけれども、引き続き協議を続けているということでございます。

笠井委員 まだ決着していないという話ですね。(麻生国務大臣「ついていません」と呼ぶ)はい。ついていませんと大臣言われました。

 別の問題ですが、先日、私、横田基地の再編に関して周辺自治体の御意見を伺うということで行ってきまして、立川市長が、とにかくこれ以上の基地強化、恒久化は容認しがたいと相当きつく言われておりました。

 岩国でも沖縄でも、全国どこでもそうなんですが、やはり、いわゆる抑止力の維持ということについては理解される方々、そして日米安保も賛成だと、いわば私たちと全然立場は違いますが、そういう方を含めて、こういう痛切な声が上がっております。

 全国の地元自治体が問題点や疑念を政府に問い合わせて照会した回答を見ましても、回答不十分で住民が納得しがたいものとか未回答のもの、あるいは、さらに今後の基地強化が明確なものもあるというふうに思うんです。

 そこで、ちょっと時間が許すか、どこまで行くかわかりませんが、幾つかお聞きしたいと思います。

 一つは、横田基地の関連市町村からの照会への回答を見ますと、横田基地に空自の航空総隊司令部、先ほどお話がありました、これが移駐されることによって、CH47ヘリやU4、T4、さらにはC130H輸送機などの自衛隊機の利用がふえる。これらの飛行機の離陸時の騒音レベルについても、九十四デシベルとか九十五、九十七などという数字が挙げられております。

 横田基地が強化されて騒音被害も一層激しくなることは、私、明らかだと思うんです。横田基地における日米の運用が強化されて、そしてやはり被害もそういった意味では増大することは否定しがたいと思うのですが、大臣も、今回の横田の再編の流れの中で、横田の問題で、現状よりも強化されるという認識はお持ちでしょうか、端的にその点、伺いたいのです。

麻生国務大臣 私の理解でいきますと、これは航空自衛隊航空総隊司令部及び関連事業部が横田へ移動するということになるんですが、これはいわゆる移動用の連絡機の往来がほとんどであります。航空部隊がここに常駐するということは全く考えられておりませんので、連絡用の飛行機がおりる分ぐらいであって、常設されている航空機の常にNLPがあるとか、そういったようなことで急激に騒音がふえるというような理解はいたしておりません。

笠井委員 急激にと。連絡用であっても、この回答の中でも、例えば、一般論として言えば、空自の航空機を利用して移動した回数というのは約四百回という話も回答の中で出ているわけです。それが全部横田とは言いませんが、いずれにしても、地元は、機能強化だ、そして恒久化につながるということで容認しがたいという話になっているというふうに思うんです。

 厚木の問題ですが、厚木基地の飛行場にかかわる照会への回答を見ますと、例えば、艦載ヘリにかかわる整備補給部隊は厚木基地に残るとなっております。さらに、空母艦載機のNLPの訓練について、恒常的な訓練施設が特定されるまでは硫黄島で実施する、しかし、厚木を含む本土の基地がいわゆる予備的な、予備飛行場として利用されることもあり得るということが言われております。

 そこで、これは事務方で結構ですが、具体的に三つ、端的に聞きたいんですけれども、厚木以外には予備飛行場としてどの基地が想定されているのか。そして、その中で、横田でも実施するという可能性はあり得るのか、ないと言えるか。三つ目には、硫黄島にかわる恒常的な施設が特定されても、引き続き予備の飛行場としての位置づけというのが残って、そして使われることが天候状況その他によってはあるのかどうか。

 三点、端的にお答えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

渡部政府参考人 お答えいたします。

 厚木飛行場につきましては、現在、恒常的な空母艦載機離発着訓練施設が特定されるまで、暫定的に硫黄島で行われております空母艦載機離発着訓練の予備飛行場として指定されているところでございます。

 空母艦載機離発着訓練施設につきましては、昨年十月の2プラス2共同文書におきまして、恒常的な訓練施設を特定し、日本政府がこれを提供するとのコミットメントを再確認する旨示されているところでございますが、現時点で恒常的な訓練施設の整備場所について特定しているものではございません。

 このため、御質問の空母艦載機離発着訓練の予備飛行場としての厚木基地の取り扱いについては、現段階で確たることを申し上げることは困難でございます。

 防衛庁といたしましては、恒常的な空母艦載機離発着訓練施設につきまして、今後、米側と調整しつつ、三宅島の取り扱いも含め検討を行い、引き続きその実現に努めていく考えでございます。

 なお、いずれにしましても、平成十三年度以降、厚木飛行場におきましては、ジェット戦闘機の空母艦載機夜間着陸訓練は実施されておりません。

笠井委員 協議の中で、可能性を否定しないという話です。それから、恒常的な施設ということで、三宅島という話も今明確に出ていましたが、これは私は非常に重大な問題だと思うんです。

 もう時間が来ましたので、最後に大臣にお答えいただきたいんですけれども、防衛施設庁の最近のホームページを見ましても、2プラス2の合意をめぐって、これまでに十二都県そして四十三の市町村に対して、合計二十七回の説明会を行ったとされていて、その後、質問に対しても、回答、説明もいろいろやられているということでありますけれども、多くの自治体住民が、米軍再編について納得できない、反対だと言っているのが現実だと思います。

 そして、共通しているのは、米軍基地がこれ以上に強化されることによって、住民の命、安全が脅かされるんじゃないか、生活が大変じゃないかということで、基地による被害、これ以上耐えられないという話が出ているわけであります。

 それで大臣、最後の質問ですが、2プラス2合意では、三月末、閣僚は地元との調整を完了することを確約する、そして事務方、きちっとまとめろという話になっているわけですが、大臣を初めとして政府が努力しても期限までに完了しなかったというのが、今三月末、きょうであります。

 ですから、目安ということをさっき言われたんですが、2プラス2では完了することを確約と言われたわけで、私、責任とってくださいというふうな言い方、そういうやり方もあると思いますが、ここであえて申し上げたいのは、米軍再編の日米合意そのものが、日本国民そして地元から理解、納得を得られなかった、合意がなかった、これは無理だったということで、こうなったからには米側に対して、この合意そのものを撤回しようじゃないか、もう一回、一からゼロからやり直そうじゃないか、こう言うべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは前々から申し上げておりますように、基本的には、米軍の抑止力の維持と、そして沖縄の県民の負担の軽減という二つの少々二律背反するところの部分を含めて、これはどうしてもやらないかぬところでありますので、私どもとしては、これはこの際きちんとまとめておくべき必要性があると確信をいたしております。

 したがって、2プラス2をまとめておりますので、今地元との調整等々がまだ手間取っておるのは事実です。そういったことは踏まえました上で、きちんとなるべく早い時期に地元の方々の合意、これは沖縄県民に限りませんけれども、ほかの県の方々の合意も取りまとめた上で、私どもとしては、きちんとした2プラス2というものでスタートしておりますので、2プラス2をもって結論を締めくくりたいと希望を持っておりますので、今この段階で十月の案を丸々撤回するという考えはございません。

笠井委員 終わりますが、今、二律背反というお話もありました。私、軽減を片やでやる一方で、それがほかに回ってくる、負担になるということを含めて、基地強化と固定化、恒久化ということがやはり現実に怒りになっていますので、そういうことでは解決しない、そういうことを国民に押しつけるということではいけないということで、この問題をさらに追及して質問させていただきたいと思っております。

 以上で終わります。

     ――――◇―――――

原田委員長 次に、国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件、国際水路機関条約の改正議定書の締結について承認を求めるの件及び国際海事機関条約の改正(簡易化委員会の設置)の受諾について承認を求めるの件の各件を議題といたします。

 政府から順次趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣麻生太郎君。

    ―――――――――――――

 国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件

 国際水路機関条約の改正議定書の締結について承認を求めるの件

 国際海事機関条約の改正(簡易化委員会の設置)の受諾について承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

麻生国務大臣 ただいま議題となりました国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。

 この議定書は、平成元年十月にモントリオールで開催された国際民間航空機関の第二十七回総会において作成されたものであります。

 この議定書は、国際民間航空機関の航空委員会の委員の数を増加するため、国際民間航空条約の該当規定を改正することを内容とするものであります。

 我が国がこの議定書を締結することは、国際民間航空機関における国際協力を増進する見地から有意義であると認められます。

 よって、ここに、この議定書の締結について承認を求める次第であります。

 次に、国際水路機関条約の改正議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。

 この改正議定書は、平成十七年四月十四日にモナコで開催された第三回臨時国際水路会議において採択されたものであります。

 この改正議定書は、国際水路機関に総会、理事会等を設置することにより、同機関の組織を全面的に改正することを内容とするものであります。

 我が国がこの改正議定書を締結することは、水路業務における国際協力を増進するとの見地から有意義であると認められます。

 よって、ここに、この改正議定書の締結について御承認を求める次第であります。

 次に、国際海事機関条約の改正(簡易化委員会の設置)の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。

 この改正は、平成三年十一月にロンドンで開催された国際海事機関の総会において採択されたものであります。

 この改正は、国際海上交通の簡易化に関する事項を審議する簡易化委員会を国際海事機関の正式な委員会として設置することを目的とするものであります。

 我が国がこの改正を受諾してその早期発効に寄与することは、国際海上交通の一層の簡易化及び海運業の安定的な発展に貢献するとの見地から有意義であると認められます。

 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。

 以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。

原田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る四月七日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時九分散会


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