衆議院

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第4号 平成19年11月16日(金曜日)

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平成十九年十一月十六日(金曜日)

    午前十時三十分開議

 出席委員

   委員長 平沢 勝栄君

   理事 高木  毅君 理事 三ッ矢憲生君

   理事 山口 泰明君 理事 山中 あき子君

   理事 近藤 昭一君 理事 武正 公一君

   理事 丸谷 佳織君

      愛知 和男君    伊藤信太郎君

      飯島 夕雁君    猪口 邦子君

      宇野  治君    小野 次郎君

      大塚  拓君    岡部 英明君

      木村 隆秀君    北村 茂男君

      塩崎 恭久君    篠田 陽介君

      杉田 元司君    鈴木 馨祐君

      萩生田光一君    三原 朝彦君

      御法川信英君    山内 康一君

      篠原  孝君    田中眞紀子君

      田村 謙治君    野田 佳彦君

      松木 謙公君    上田  勇君

      笠井  亮君    保坂 展人君

    …………………………………

   外務大臣         高村 正彦君

   外務副大臣        小野寺五典君

   財務副大臣        森山  裕君

   経済産業副大臣      中野 正志君

   防衛副大臣        江渡 聡徳君

   外務大臣政務官      宇野  治君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 木寺 昌人君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 草賀 純男君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 伊原 純一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 小原 雅博君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 羽田 浩二君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   中根  猛君

   政府参考人

   (外務省国際法局長)   小松 一郎君

   政府参考人

   (防衛省防衛参事官)   小川 秀樹君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   中江 公人君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 松本隆太郎君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  高見澤將林君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  渡部  厚君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十六日

 辞任         補欠選任

  小野 次郎君     大塚  拓君

  中山 泰秀君     萩生田光一君

  山内 康一君     飯島 夕雁君

  野田 佳彦君     田村 謙治君

  鉢呂 吉雄君     松木 謙公君

  照屋 寛徳君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     山内 康一君

  大塚  拓君     小野 次郎君

  萩生田光一君     杉田 元司君

  田村 謙治君     野田 佳彦君

  松木 謙公君     鉢呂 吉雄君

  保坂 展人君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  杉田 元司君     北村 茂男君

同日

 辞任         補欠選任

  北村 茂男君     岡部 英明君

同日

 辞任         補欠選任

  岡部 英明君     中山 泰秀君

    ―――――――――――――

十一月五日

 沖縄県名護市辺野古地区への新基地建設の白紙撤回及び普天間基地の即時撤去に関する請願(笠井亮君紹介)(第四九九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五〇〇号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第五五五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五五六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五五七号)

 同(石井郁子君紹介)(第六〇九号)

 同(古川元久君紹介)(第六一〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

平沢委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官木寺昌人君、大臣官房審議官草賀純男君、大臣官房参事官伊原純一君、大臣官房参事官小原雅博君、大臣官房参事官羽田浩二君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長中根猛君、国際法局長小松一郎君、防衛省防衛参事官小川秀樹君、大臣官房長中江公人君、防衛政策局次長松本隆太郎君、運用企画局長高見澤將林君、人事教育局長渡部厚君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木馨祐君。

鈴木(馨)委員 おはようございます。自民党の鈴木馨祐でございます。

 日本の国内は今、政治状況も大変なところでありますけれども、国際情勢という意味でも、アメリカ時間のきょう、福田総理がブッシュ大統領と会われる、そして、北朝鮮のテロ支援国家指定の解除についても話されるだろうという状況にございますし、また、ちょうど、東シナ海の海洋権益のガス田の問題についてもいろいろと、進展がないとかあるとかいう声が聞こえてくるところであります。そしてまた、温暖化問題についても、COP13、これはまた今後の、ポスト京都議定書の仕組みを決める上で非常に大事な会合というものが年内にも行われる予定でございますし、非常に重要な局面を国際的には迎えておるということから、本日は、そういった主に三点、一つ目が北朝鮮の情勢について、そして、中国の東シナ海海洋権益の問題について、そしてまた、ポスト京都議定書にかかわる問題についても触れてまいりたい、中心にやってまいりたいと思います。

 限られた三十分の時間でございますので、できれば簡潔な御答弁をお願いできればと思っております。よろしくお願いいたします。

 では、まず最初に、冒頭でございますけれども、日米同盟の意義というものについて今政府の方ではどうお考えなのか、御見解を伺えればと思います。

小野寺副大臣 日米同盟のことにつきましては、今鈴木委員の方からお話ありました、福田総理、訪米をいたしております。これは、日米同盟一層の強化の一端だというふうに私ども受けとめております。

 日米同盟が日本外交のかなめであるという視点は今後も変わることがないと考えておりますし、この連携の強化というのは、政治、安全保障、経済を含む幅広い分野におきまして、しっかりとしていきたいというふうに思っております。

鈴木(馨)委員 今副大臣おっしゃったとおりで、日本の安全保障というものについて非常に日米同盟が重要であるというふうに私も考えております。

 その日本の安全保障という概念の中に、これは言わずもがなかもしれませんが一応確認をさせていただきたいのですが、東シナ海の海洋権益の問題、そして尖閣の問題、北朝鮮、これは拉致、核、両方でございますけれども、こういった点は含まれておるという認識でよろしいのか、御答弁お願いします。

小野寺副大臣 おっしゃるとおり、重要な課題として含まれております。

鈴木(馨)委員 北朝鮮との交渉におきましては、常々、アメリカとの関係もありますけれども、拉致問題の解決、進展、そして核問題の解決、進展という言葉がよくいろいろな条件としても出てくるところでございますし、交渉の段階でも出てきているところだと伺っておりますけれども、それぞれの言葉の厳密な定義、例えば拉致問題の解決というものが何を意味しているのか、そして、核問題の解決というものは日本政府としてどういうものとお考えなのかという点について、御答弁をいただければと思います。

伊原政府参考人 まず、拉致問題でございますけれども、拉致問題の解決のためには、まず何よりも、すべての拉致被害者の方々の帰国が実現するということが重要であるというふうに考えております。それから、核問題でございますけれども、これは二〇〇五年の九月の六者会合の共同声明に明記されているとおり、北朝鮮によるすべての核兵器及び既存の核計画の放棄、これを実現するということが必要であるというふうに考えております。

鈴木(馨)委員 これらの点は、これまでもいろいろなお取り組みをいただきながらも進んでいないところでありますし、実現はなかなか難しいところだというふうには思っておりますけれども、これを今後どうやって実現していくのか、そして、果たして実現の見通しというものが、今の六者協議の状況等を踏まえまして、どの程度のものとして政府としておとらえになっているのか、そういった点についてお伺いできればと思います。

伊原政府参考人 先生御案内のとおり、拉致問題につきましてはこれまでも日朝でたび重なる交渉を続けてまいりましたけれども、この二〇〇五年の九月の六者会合の合意以降、日朝の国交正常化も六者会合の一つの目標、課題として北朝鮮と交渉する、そういう位置づけになっておりまして、これがことしの二月の六者の合意によりまして、六者会合の枠組みの中で、日朝につきましても国交正常化のための作業部会というのが設置された。したがいまして、今、拉致問題の解決を含めた日朝の交渉も、大きなこの六者会合の枠組みの中で行っているわけでございます。

 それから、核につきましては、まさにこれがこの六者会合の主たる目的でございますので、拉致問題の解決も、それから核の問題の解決も、現在におきましてはこの六者会合という大きな枠組みの中で、これがともに前進するように、米国を初めとする関係国と連携しつつ最大限努力していく、これが今、日本にとって、この二つの問題を解決していくために有効で最も効果的な枠組みだというふうに考えて取り組んでいる次第でございます。

鈴木(馨)委員 ありがとうございます。

 ただ、拉致もそうですが、核の問題についても、実際に非核化が進んでいるかどうか、そういったことの検証というのが恐らく一番難しいテーマなんだろうというふうに思っております。

 特に北朝鮮という国は非常に閉ざされた国でございまして、また、核兵器というものも、実際今つくっているもの、既につくられていると言われている核弾頭については非常に小さなものでありますから、これは簡単に言えばどこにでも隠し得る、いろいろそういった問題もございますし、また、濃縮ウランの問題につきましても、どうやって検証するのか、検証できるのかというところが非常に大きな関心として、そして日本の安全保障というものを考える者として非常に大きなポイントとして、ここは考えざるを得ないところでございます。

 これは政府の方として、非核化、北朝鮮の核をなくすというものの、その完全な結果としての検証というものは実際にできるというふうにお考えなのか、そして、どのようにして行い得るとお考えなのかを伺えればと思います。

中根政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇〇五年九月の六者会合の共同声明におきまして、六者会合の目標は、まさに平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化ということがうたわれております。これを受けまして、六者会合におきましては、これまで、北朝鮮の非核化に向けた議論が行われてきています。

 ことし十月三日に採択されました六者会合の成果文書におきましては、北朝鮮は第二段階の具体的な非核化措置として、ことしの末までにすべての核計画を申告することになり、また、無能力化につきましても、北朝鮮がすべての核施設を無能力化するということを再確認したわけでございますけれども、そのうち、ことしの終わりまでに、具体的な行動として寧辺の三つの核施設を無能力化するということになっております。そして、この無能力化の具体的な方法でございますけれども、これにつきましても、科学的、安全、検証可能かつ国際基準と整合的であるという原則に沿ったものとなるということが前提になっております。

 この十月の成果文書によりまして北朝鮮の非核化に向けた年内の行動というものが明確になっておりますけれども、我が国としましては、こうした措置にとどまることなく、北朝鮮のすべての核兵器及び既存の核施設の放棄を早期に達成するということが必要と考えております。

 この過程におきましてしっかりした検証をどのように行っていくかについては、今後とも、アメリカ、中国等と連携しつつ、六者会合の場においてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

鈴木(馨)委員 ありがとうございます。

 ただ、核を実際に廃棄したかどうか、また、すべての計画を申告しているかどうかという意味での検証は、相当綿密にやっていって、しかも、だれがやるのか、どこでやるのか、そういったところもきちんと詰めていかないと、恐らくいい結果は出ないのかもしれない。逆にこれは、ないということを証明するというのは非常に難しい問題でありますから、ここはきちんと取り組んでいっていただきたいというふうに思っております。

 ただ、今私が申し上げたところではありますけれども、やはり日本の国家の安全保障として、当面、目先の最も一番大きなリスクというのは北朝鮮の核計画であるというところは、恐らくほとんどの方の意見が一致するところであろうというふうには思っておりますけれども、今、この六者協議の展開を見ていますと、どうも、寧辺の核施設にしても、いろいろ、実際の解体をするという話が一年なりなんなりの凍結ということになってみたりとか、実際、我々日本の立場として、直接北朝鮮の核弾頭、核ミサイルの可能性のある、脅威の範囲として一番の脅威を受けるであろう日本の立場といたしましては、果たして今十分な進展をしているのかどうか、正直、そこは非常に懸念と不安というものが否定はできないところであるのかとは思います。

 この点について外務省の方で、果たして核の完全な非核化というのを六者協議のプロセスでできるのかどうか、今の流れのままで可能なのかどうか、その点についてどう御評価をされているのか、伺えればと思います。

伊原政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、非常に重要なのは、この六者協議の枠組みの中で二〇〇五年の九月に、北朝鮮によるすべての核兵器及び既存の核計画の放棄ということについて六者の関係国が合意しているということであります。今はそれに向けて、段階を踏んでその目標を実現するために取り組んでいる。その第一段階でありますところの寧辺の核施設の活動停止、封印については、ことしの七月に実施された。それを今IAEAはきちんと監視をしているわけでありますけれども、十月に、さらにその上に、これらの施設の無能力化について合意をしたわけです。その無能力化の措置というものは、今、アメリカの専門家が北朝鮮に行って、実際にその無能力化の措置をとりつつある段階でございます。

 それから同時に、ことしじゅうに北朝鮮は、すべての核計画について完全で正確な申告をするということも約束をしています。これらは、究極的な六者の目的であります核兵器及び既存の核計画の放棄に向けた重要なステップであるというふうに思っております。

 ただ、ここで重要なことは、確かに、十月の合意文書で北朝鮮はことしの末までにやるべきことを約束したわけでございますけれども、これが実際にきちんと実施されるかどうか、これは六者の枠組みの中できちんとフォローしていかないといけない。

 こういうふうに、順を追って一つ一つのステップを確認しながら、最終的な目標であります核兵器と既存の核計画の放棄にまでつなげていきたい、そういうことであろうかと思っております。

鈴木(馨)委員 ありがとうございます。

 六者協議の枠組みというもの、今おっしゃったように、確かに、六者が合意をしたから今のプロセスがあって、一歩一歩進めているところなんだというふうには考えておりますし、恐らく、交渉の担当者は皆さんそういうふうにお考えなんだろうと思います。しかし、実際に、要は北朝鮮のあのレジームというものが核兵器をみずから放棄する意思があるのかどうか、その点については、これはいろいろ情況証拠というものを判断しなくてはいけないのではないかなと思っております。

 そういった点で、その交渉の過程において北朝鮮側が、封印、停止の期間を、これは報道によりますけれども、数年と当初主張していたのを、やはりこれは一年ぐらいにしてくれ、短くしてくれ、そういった反応をしてきているように、これはあくまで報道ベースでございますが、聞こえてきているのもまた事実でございます。実際に核放棄をする意思がある人間、それが果たしてそういった行動をとるのか、その点についてやはりいろいろな検証が必要だと思いますし、そこはいろいろ、交渉における北朝鮮側の態度というものをきちんと分析する必要があるのではないかなというふうに思っております。

 そういった点で、今の交渉のスタンスというものは、特にアメリカを中心として、どうも北朝鮮のいわば性善説というか、彼らは核放棄をしたいに違いない、何かそういった仮定に基づいている部分がややあるのではないかなというふうに思い、懸念を覚えるところでございますけれども、そういった懸念を抱く人間は、恐らく私のほかにもかなりの数に上るのではないかと思っております。

 そういった懸念についてどうおこたえになるか、お答えいただければと思います。

小野寺副大臣 御指摘のとおり、北朝鮮の核の脅威というのは我が国が一番感じているところでもあります。六者協議の中で、日本も主体性を持ちまして、しっかりこの問題については検証していきたいというふうに思っております。

鈴木(馨)委員 六者協議のプロセス、確かに、これまで非常に苦労されてここまで来た、それも事実だと思います。だから、よく外交の交渉においてある現象でありますけれども、恐らくは、一生懸命つくってきた仲間意識がその中に芽生える、そんなことも私は危険性として考えておかなきゃいけないんじゃないかな、そう思っております。

 今、副大臣もおっしゃいましたけれども、一番核の、そしてミサイルの脅威を受けるのは日本なわけです。拉致の問題についてももちろんそうであります。そういった日本として、北朝鮮が交渉のテーブルに着き続けること、交渉の枠組みを瓦解させないということと、拉致と核問題の解決、さっきおっしゃっていた意味での解決、この実現、日本政府としてはどちらに優先順位があると思われていますか。

伊原政府参考人 政府といたしましては、六者会合における協議を通じまして、先ほど来申し上げております二〇〇五年の九月の共同声明、これを全体としてバランスよく実施するということが重要であると。具体的に申し上げますと、特に日本にとっては、朝鮮半島の非核化という問題と、拉致問題を含む日朝関係の双方をともに前進する、これが重要であろうというふうに考えております。

 それから、今先生御指摘の、テーブルに着かせることはもちろん最低必要なことではございますけれども、むしろ、さらに重要なことは、単にテーブルに着かせることではなくて、北朝鮮がこういう六者の枠組みを通じて約束したことを具体的に行動を通じて実施するようにしていくこと、させること、これが重要だと思っておりますので、そういうことを実現するために、関係国と連携しながら努力していきたいというふうに思っております。

鈴木(馨)委員 恐らく、六者協議の枠組みにおいては、北朝鮮にそういったことを、やっていただくのではなくて、ある意味やらせるような、そんな環境づくりが大事なんだと私も思っております。

 そういう中で、一つやはり無視できないのは、アメリカの存在だというふうに思っております。どうも、一月のベルリンから何かアメリカの動きがやや不可解なところがあるな、そんな感じを受けている日本の方というのは非常に多くいると思うんです。

 ここは一つ考えなくてはいけないと思いますのは、例えば、核と拉致という、日本の安全保障にとって、これは一番の脅威ですね。これは直接的な脅威なわけです。その完全な解決というものが、アメリカとして同盟国日本の安全保障を考えれば、これは非常に譲れない線であってほしい、そう思うのが恐らく日本のほとんどすべての国民の方の意見だと思うんです。

 そういう中で、その実現なしに、例えば、今話題になっていますテロ支援国家指定の解除、こういった動きにアメリカが出たとすれば、これは、正直なところ、アメリカが日本の安全保障に対するコミットメントをやや下げてきている。それよりも大事なアメリカ自身の国益があって、日本の安全保障は当然二の次、そして、もしかしたらほかの、例えばこの地域の安定のため、そして北朝鮮との状況のため、あるいはアメリカの国内政治的状況、そういったものが日本の安全保障よりも優先する、そういった状況にあるのではないか。アメリカは、日米同盟についての、日本の安全保障に対するコミットメントを下げてきたと言わざるを得ないんじゃないか、そんな懸念も感じるところでございますけれども、この点、どのようにお考えでしょうか。

小野寺副大臣 日本政府としましては、アメリカ政府と再三協議いたしまして、拉致の問題、そしてまた核の問題、これは両方大切だということでしっかり意思を伝えておりますし、先般来日しましたゲーツ国防長官と高村外相との会談におきましても、この問題について、かなり重要なテーマとして取り上げられております。

 また、今回訪米しております福田総理からもこの内容についてはブッシュ大統領に伝え、また協議をするということになっていると思っております。

鈴木(馨)委員 福田総理が、ワシントン時間でありますけれども、まさにきょう会談をされるということで、その結果がどうなるか、まだ全然わからない状況でございます。確かに指定の解除、多少先延ばしにするような話も聞こえてはきますけれども、実際、それがどうなることか、そこは全く状況はわからないという状況にあるわけでございます。

 日本の立場としていえば、これは古い議論でありますけれども、昔から、アメリカが自国の国民を危険にさらしてまで日本をどこかの国の核攻撃から守るということを果たしてするのかどうかという安全保障の古い古い議論が、これはドイツの方でもともとあった議論でもありますけれども、今、東アジアでまさに考えなくてはいけない議論なんだというふうに思っております。

 今回のテロ支援国家指定の解除、そしてアメリカが核の解決そして拉致の解決というものと北朝鮮の米朝関係というものをある程度妥協的なところに落とすのであれば、この点についても非常に大きな疑問というものを、我々の安全保障の問題ですから、我々はやはり抱かざるを得ないのではないか、そんな気がしないでもないわけであります。

 この点について、今政府ではどのようにお考えなのでしょうか。具体的に言えば、日本の国益にある程度反してまでアメリカがテロ支援国家指定の解除をした場合に、そのアメリカが、自国の国民を危険にさらしてまで、例えば中国、例えば北朝鮮、いろいろ、核兵器を持っている国は近隣にたくさんあります、何が起こるかわかりません。そういったところからの攻撃があった場合に、果たして日本を守ってくれるのか、守る意思があるのか、そのいわばリトマス紙になるのかなという気がしないでもないんですけれども、そこの点、どうお考えでしょうか。

伊原政府参考人 まず、アメリカのテロ支援国家指定の解除の件でございますけれども、アメリカは、北朝鮮に対してもあるいは対外的にも、アメリカとして北朝鮮をテロ支援国家指定から解除するかどうかは、これは北朝鮮がまず非核化の措置をきちんと実施するかどうかにかかっているんだということをはっきり言っておりますし、また同時に、アメリカとして、こういう決定を行う際には拉致問題を含む日朝関係の進展を考慮するんだということをはっきりと対外的に明らかにし、北朝鮮にも説明をしてきている。したがって、今の時点で、アメリカがいつどのような形でテロ支援国家の指定の解除をするのかというのは何ら決定されていないわけですので、解除したらといった仮定をまず置いた議論なり質問にお答えすることは差し控えた方がいいのかなというふうに思っております。

 それから、日米の同盟関係については、これはもう言うまでもなく、日米同盟というのは我が国の外交、安全保障の基盤でありますし、今までも、それから今後も、北朝鮮の問題を含めまして、幅広い分野において米国と緊密に連携していくというのが日本の基本的な政策でございます。また、アメリカは、日米の安全保障条約上、我が国に対する武力攻撃が生じた場合には我が国を防衛する義務を負っておるのは明白でありますし、この点について、米国がこの義務を履行することに我が国としてはいささかの疑念も有していないということだと思っております。

鈴木(馨)委員 今の点でございますけれども、これはちょっと正確な日時は覚えていないんですが、何か最近ホワイトハウスの方から、たしか報道官だと思いますが、アメリカのテロ支援国家指定の解除には拉致問題は直接はリンクさせないんだというような発言があったかに覚えていますが、この点、もし何かコメントがあればお願いします。

伊原政府参考人 テロ支援国家の指定の解除は、当然のことながら、これはアメリカの国内関連法に基づいてアメリカの行政府がまず行うことでございます。そういう法律的、手続的な要件というのはあるんだろうと思いますし、この点はアメリカが判断すべきことだと思います。

 ただ、同時に、先ほど申し上げましたとおり、アメリカは日本に対しても北朝鮮に対しても、あるいは対外的に、テロ支援国家指定解除をするに当たっては北朝鮮が非核化の措置をちゃんととる必要があるということ、それから、拉致問題を含めて日朝関係が進展するということも考慮するんだということを明らかにしておりますので、これは手続的、法律的な問題ではなくて、むしろ外交上、政治上のアメリカの判断の問題として、この二つの点、北朝鮮による非核化の進展と日朝関係、拉致問題を含む日朝関係の進展、これが重要だということがアメリカの方針であるというふうに理解しております。

鈴木(馨)委員 ということでございますと、これはアメリカがテロ支援国家指定の解除を実際にいつやるのか、その決定によって、アメリカの日本への姿勢というものがやはりある程度推しはかれる、そういうふうなお考えということでよろしいでしょうか。

伊原政府参考人 まさにこういった問題について日米間で緊密に連携をして、先ほどから申し上げておりますように、非核化の問題とそれから拉致を含む日朝の関係、これがともに前進するように日米で協力していきたいということだと思っております。

鈴木(馨)委員 私も一国民として、そして一政治家として、日本の安全保障にかかわるこの問題、しっかりとアメリカの出方も含めて今後注視をしてまいりたい、そういうふうに思っております。

 ちょっと時間の都合で、東シナ海の関係など、また温暖化の関係はまた次の機会に譲ることにしたいと思いますが、一つ。

 今のようなぎりぎりの交渉というものが外交の最前線においては常になされているわけであります。それは日本の本国も、そして在外公館、さらにはそのほかのいろいろな関係機関も、情報収集、分析というものについて非常に大きな努力をされているわけでございますし、そしてまた、その精度というものが日本の外交方針の決定に大きく影響するのだろう、ここの精度を上げていくことこそが国益にかなうんだろうというふうに思っておりますけれども、その点で、つい先日、どこかの審議会の答申がございまして、最前線の外交官の在勤手当について、今のところ円建てで行われているんだ、それはいかがなものかということがあったわけであります。

 この点、実は為替の変動に大きく左右されてしまう問題でございまして、実際、変な話、損をする人も得をする人も出てきてしまって、これは、要は、入ってくるお金で確かに情報収集にかけるお金も変わってきてしまうわけですから、それは一定しているのが望ましいんだと思うんですね。多過ぎるのもよくなければ、少な過ぎるのもよくない。額というのは恐らく必要性に応じて決められているはずでございまして、これが為替レートによってふえたり減ったりというのは、これはまた変な話なのかなと私も個人的には思うところでございますけれども、この点について、小野寺副大臣の方で何か御意見等ございましたらお伺いできればと思います。

小野寺副大臣 ただいま御指摘いただいた点、私どもも調べてみました。

 実は先般、今月十三日ですが、外務人事審議会という外部の答申から、この為替の問題が指摘をされました。調べてみましたら、これはフランスの一等書記官の例ですが、在勤の基本手当が平成十四年では日本円で四十四万四千百円でした。このときは一ユーロ百八円ということですので、ユーロ換算にしますと四千百十二ユーロですが、平成十九年、現在は在勤基本手当は四十九万八千円にふえたんですが、実際これをユーロに換算しますと、現在は三千七十四ユーロ。ですから、ふえたとしても、実はユーロ換算しますと、五年前は四千ユーロを超えていたところが現在は三千ユーロに減ってしまっているということで、これはユーロ換算にしますと大変厳しい現状があるなというふうに思っております。

 この為替リスクを個々の職員に負わせるということはやはり不合理ではないかということになると思いますので、これについては、この審議会を受けまして、外務省内、そしてまた財務当局ともぜひ協議をしていきたいというふうに思っています。

鈴木(馨)委員 この問題は、ある意味、裏方の話ですけれども、非常に大事な問題なのかなと思っております。金額が多い少ないというのは本国が決定することでありまして、ただ、それが為替によって変動するというリスクはやはり個々の外交官が負うべきものではない。逆に、そこについては除外した形で、しっかりと側面支援をしていただければというふうに思っております。

 きょうはどうもありがとうございました。

平沢委員長 次に、上田勇君。

上田委員 おはようございます。公明党の上田勇でございます。

 きょうは、この外務委員会におきまして質問の機会をいただきまして、国連安保理の改革、それと我が国の常任理事国入りの問題、また、今鈴木委員からも取り上げられましたけれども、我が国の安全保障にとりまして一番重大な問題でもあります北朝鮮をめぐる問題などにつきまして質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 まず最初に、国連安保理改革の問題につきまして御質問させていただきます。

 国連を重視してきました我が国の外交にとりまして、国連改革、とりわけ安保理改革というのはとても重要な課題であります。また、安全保障理事会の常任理事国、我が国がぜひその常任理事国入りを果たすという目標も、これは我が国の外交姿勢からして理解されるものだというふうに私は思いますし、また、我が国がこれまで国連を中心に行ってきた活動、それに対する貢献から見てもふさわしいことではないかというふうに思っております。そういう意味では、安保理改革に伴いまして常任理事国に我が国が名を連ねるということは、私も賛成するものでありますし、バックアップをしていかなければいけないことだろうというふうに思っております。

 二〇〇五年のときには、この安保理改革の機運が非常に高まりました。我が国も、G4決議案を提出し、政府を挙げて各国に対して精力的な働きかけを行ってまいりまして、国会も与野党を超えてバックアップをしてきたというふうに考えております。しかし、結果は残念ながら、失敗と言うのが適切かどうかわかりませんけれども、頓挫をして現在に至っているというところであります。

 先日、高村外務大臣の所信表明の中でも、この安保理改革が全世界にとって喫緊の課題であるというふうにもおっしゃっております。ということで、この問題は、ぜひ外務省としても引き続き強力に進めていただきたいというところでございます。

 前回、二〇〇五年のときには、現在の常任理事国でありますイギリス、フランスを含みます多くの国々が我が国の提案に対して支持を表明したものの、一方では、アメリカは、日本の常任理事国入りについては理解を示し支持をするというふうに言ったものの、G4の決議案については反対という立場でありまして、また、中国は全面反対だった。今五つの常任理事国のうちアメリカと中国が反対ということでは、これは失敗するのは目に見えていたわけでありますけれども、この失敗した理由をやはりよく分析して、次の戦略を立て直していかなければいけないんだろうというふうに思っております。

 そういう意味で、これは引き続き息の長い取り組みが必要でありますし、また次にもう一度機運が高まってくることも想定されるんだというふうに思いますが、そういう意味で、現在の政府としての取り組みの状況、また次に向けてはどういう戦略を考えられているのか、今後の見通しも含めてお伺いしたいというふうに思います。

小野寺副大臣 上田委員御指摘のとおり、安保理は六十年間、基本的な枠組みが変わっておりません。これを変えていくということは、実は各国それぞれ、いろいろな場で、国連の場でも方向を出されております。ただ、どういう形につくっていくかということのコンセンサスがなかなか得られないというのが、前回の安保理改革、そして我が国の常任理事国入りに至らなかったという過程かというふうに思っております。

 現在、このG4の枠組みというのは相変わらず継続して、水面下でいろいろな協議もしておりますし、また、全体の機運を巻き起こすことがやはり大切だということで、私どもとしましても、とにかく、国連の場では常に安保理改革について強く訴えていく、そしてまた各国との議論も強めていくということを今後も進めてまいります。

上田委員 ありがとうございます。

 前回、二〇〇五年のときに失敗したというか、成功しなかった最大の理由というのは、中国の反対ではなかったかというふうに思います。中国は、みずから反対の意見を表明するというだけではなくて、強力にアジアやアフリカの国々に経済援助まで行いながら根回しをして反対運動を行ってきたわけでありまして、これがやはり最大の要因になってしまったのではないかというふうに思っております。

 中国がそうした反対運動を行う背景、これは、アジアの代表として中国が一国で、それが一番ふさわしいんだというような思いもあるんだというふうに思いますし、また、日中間のいろいろな関係といったこともその背景にはあったのかもしれません。いろいろな理由が指摘をされております。

 しかし、我が国は一方で、中国についても、WTOへの加盟については随分と協力をするなど、中国が国際社会で活動できるためのいろいろな協力もしてきたことでありますし、また最近、二〇〇五年の当時から比べると、日中間の関係というのも今は飛躍的に改善をしているということがございます。

 そうした中で、我が国の常任理事国入りにつきまして中国の態度に変化があるのかどうか、またどういうような働きかけをしているのか、外務省としての方針を伺います。

小野寺副大臣 上田委員御指摘がありましたように、前回の安保理改革のときには中国がかなり強い反対の姿勢をとりました。私も当時、外務省の大臣政務官でこの問題を担当しておりまして、国連の場で私どもが各国に働きかけますと、数日後には今度中国がその国に反対の働きかけを行う、そういう赤裸々な状況を私も目にいたしました。

 そういった中で、日中関係の改善というのは大変重要なことだなと感じておりましたが、今回の状況を見ますと、今、日中関係はかなり改善が行われております。特にことし四月、日中首脳会談がありました。この際には温家宝総理から、我が国の常任理事国入りの支持について我が国が要請したところ、日本が国際社会で一層大きな役割を果たすことを望んでいるというような発言がありまして、二〇〇五年の時点とは、今、中国は日本に対しての環境はかなり変わってきているなということを実感はしております。

 ただ、そうはいいましても、この常任理事国入りというのはやはりなかなか難しい課題でもありますし、今後、中国の関係改善ということを一つの端緒に、一層対話を続けて、P5の一国であります中国に関しても、日本の支持がしっかりととれるように頑張っていきたいというふうに思っております。

上田委員 もう一つ、二〇〇五年のときには、我が国の同盟国であり最大の友好国でありますアメリカも、最終的には決議案に反対に回ったということがございます。これは、アメリカは、日本が常任理事国に入るということについては支持を表明していたものの、提案は、G4としての枠組みには反対だということでありました。

 今、副大臣の方から、今現在もG4の枠組みは継続をしているということの御答弁がありましたけれども、アメリカは、途上国に拡大するということについては基本的に極めて消極的なのではないのかなというふうに思います。それだと、この枠組みの中ではどういう提案をしてもなかなか受け入れがたいのかなというふうに思わざるを得ないんです。といっても、今、国連の場で安保理の改革を行い、そのコンセンサスを得ていくためには、途上国にやはり入ってもらわないと、途上国の権益も拡大するものじゃないとなかなかコンセンサスをつくれないというのも一方の事実なんだと思うんですね。

 そうすると、アメリカに対して、今のG4の提案を初めとして、そういう途上国の拡大についてどのように理解を得るための努力をしているのか、アメリカとの折衝を含めて、お尋ねいたします。

小野寺副大臣 おっしゃるとおり、G4の枠組みの中で、日本は支持するが、ほかのG4の国の中で支持できない国があるということで反対をする、そういうことが一つ一つ、それぞれの国の立場立場で行われまして、二〇〇五年にはG4案というのはある面では受け入れがたかったということだと思っております。

 ただ、最近の環境は少しずつ変わりつつありまして、例えばアメリカにしましても、ことし九月の国連総会のブッシュ大統領の演説ですが、もちろん我が国の常任理事国入りの支持というのは改めて表明をしておりますが、それにつけ加えまして、アメリカとしてはすべてのよい考えについて耳を傾けるという形でも述べておりますので、G4の現在の枠組みがベストとは言えないかもしれませんが、今後、いろいろな枠組みを考えながら、どういう形であればそれぞれの国の支持を得られるかということを進めていくことが必要かと思います。

 ただ、日本一国ということであれば多くの国際世論の評価を得るのはなかなか難しい点もありますので、やはり何らかの、今おっしゃいました、途上国を代表する国も含めた安保理の改革ということが大切かというふうに思っております。

上田委員 ありがとうございます。

 二〇〇五年のときには、我が国も、外務省を中心として、政府を挙げて一生懸命取り組みました。しかし、後から見てみると、国連の常任理事国であります中国はあれほど強力に反対運動をする、アメリカの理解も得られないでは、これはもう最初から成功がおぼつかなかったということだったのかもしれません。ただ、国連を重視する外交が我が国の基本であるということを考えれば、その我が国が国連においてまさにふさわしい立場というのが必要であるというふうに考えますので、引き続き御努力をいただきたいというふうに思います。

 ただ、いろいろと今お話を伺って、もちろん、これは大変難しい折衝の中での取り組みなんだというふうに思うんですが、いろいろ、状況は当時に比べると改善はしている、一生懸命努力していると言うのだけれども、何かもう一つ成功に向けての戦略といったものがなかなか見えてこないような感じがするんですけれども、最後にそこのところをひとつ、副大臣の御決意というか戦略を伺いたいというふうに思います。

小野寺副大臣 自分が前回、なかなか国連改革が難しかった一つの要因がアフリカの対応だと思います。アフリカが一つにまとまりまして、例えばこの改革についての大きな力になれば、それは現在のアフリカの持っている立場、そしてまた国の数ということでも重要な意味を持ったと思っております。

 今後、この国連改革については、もちろん私ども、アメリカ、中国、先進国との協議も必要だと思いますが、アフリカを含めた途上国、これはもう委員が先ほどから御指摘されておりますが、こういうところにいかに一枚岩になっていただいて、大きな力になるかということが大切かと思いますので、来年はTICADも含めて大きな対話の場もあります、こういう中でぜひ一緒になって安保理改革の実現に向けて努力する、そういうことも大切かというふうに思っております。

上田委員 ありがとうございます。

 これから我が国の将来、未来を考えたときに、やはり今こういう取り組みを行っていく、そして成果をおさめていくということは本当に重要なことだというふうに思いますので、ぜひ外務省挙げて、また政府挙げて、引き続き努力をしていただきたいということを重ねて要望させていただきます。

 次に、今度は北朝鮮問題について何点かお伺いをいたします。

 先ほど鈴木委員からもさまざまな御質問がございましたので、極力重複は避けたいというふうに思いますけれども、報道によると、今米朝交渉がかなり進んでいて、米国がテロ支援国家の指定を解除するということももう秒読み段階なのではないかというようなことすら言われております。一方、日朝交渉というのは、これまでベトナムとモンゴルで二回行われてはきましたけれども、拉致問題についても、あるいはミサイルの問題についても、大きな進展は残念ながら見られていないというのが現状ではないかというふうに思います。

 米国が指定解除を行うこととなれば、今、日本が行っております経済制裁のさまざまな措置も、その効果というのは減殺をされてしまうわけでありまして、これまでの、まさに対話と圧力と言っているうちの圧力の部分というのが効果を失ってしまうというようなことになるのだというふうに思います。そうなると、我が国として、対北朝鮮政策のまさに戦略の立て直しというのが迫られているというのが現時点ではないかというふうに思います。

 先ほどもいろいろとお話はありましたけれども、改めて、我が国の基本姿勢、どういうふうに考えているのか、また、今後の戦略あるいは日米間での協議、そういった点について御見解を伺いたいというふうに思います。

小野寺副大臣 まさに先ほど鈴木委員の御指摘もございましたが、テロ支援国家解除の問題というのは大変重要な課題かと思っております。

 ただ、日本としましては、アメリカとの協議の中で、アメリカ政府の方から、このテロ支援国家解除の問題に関しましては、前提として、まず非核化措置の問題、そしてその際には、拉致問題を含む日朝関係の進展ということ、これを考慮するということを強調しております。対外的にもそれを明らかにしておりますし、また、きょう訪米しております福田総理の方からも、日米首脳会談におきまして、当然この問題についても取り上げて、しっかり日本政府の姿勢というのをアメリカに伝えるということになると思いますので、そういう努力をこれからも続けていきたいというふうに思っております。

上田委員 現在の日米関係、非常に良好な日米関係からするならば、米朝の交渉についても我が方からの要請については十分な配慮が行われる、そういう信頼はできるんだというふうに思いますけれども、ただ、最近の報道等を見ると、アメリカも相当前のめりになっているというか焦っているという現状があるのじゃないかというふうに思います。その中で我が国がどういうふうに対応していくかというのは非常に難しい局面だろうというふうに考えております。

 ちょっと具体的なことについて何点かお伺いをいたしますけれども、アメリカから、テロ支援国家指定解除の前提として、また日朝間の交渉を促進するという意味も含めてだというふうに思いますが、日本赤軍、よど号のハイジャック犯人の身柄引き渡しの問題について政府間で言及があったというふうに報道されておりますが、それは事実なのかどうか、またそのことについてどのように政府として受けとめているのか、お尋ねいたします。

小野寺副大臣 米国と北朝鮮との間の協議におきまして、よど号ハイジャック犯らの身柄引き渡し問題ということが取り上げられているということは、私どもも承知をしております。

 ただ、米朝間のやりとりにつきましては、米国との関係もありまして、その詳細についてはなかなか公のところでお話をすることは難しい状況にありますので、ぜひ御了承いただければと思っております。

 我が国としましては、よど号ハイジャック犯が、我が国の刑法上重大な罪を起こしたものでありまして、従来よりも北朝鮮側に身柄の引き渡しを求めてきた経緯はありますが、現在まで、北朝鮮から身柄の引き渡しについては前向きな対応ということは得られておりません。引き続き、北朝鮮に対しては早期の身柄の引き渡しを強く求めていくということになると思います。

上田委員 基本的な姿勢はそういうことなんだというふうに思うんですけれども、ここで私が重要だと思うのは、アメリカの認識として、この日本赤軍の身柄引き渡しというのが、いわゆるテロ支援国家ではないということの立証のためのものなのか、それとも、立証の一つの材料としてその問題を取り上げているということなのか、またこれは、日朝間の拉致問題の進展という意味合いでこれを取り上げているのかという点なんだと思うんです。

 もちろん、これは日米両国政府でいろいろと協議をしているんだというふうに思うんですが、確かに日本赤軍は、我が国の拉致問題ということに関すれば、一部の拉致事件の実行に直接かかわったという疑いが強いわけですね。そういう意味では、拉致問題との関係がある、関係が深いというのはこれはもう事実です。

 米朝協議でどういう話し合いが行われているのかというのはなかなか明らかにできないということでありますけれども、私は、よど号の犯人の引き渡しというのが、我が国の立場からすると、この拉致問題が、国交正常化交渉のテーブルにのる、応じていくということに足る進展とは、仮にこれが実現したとしても、なかなか評価しにくい、評価し得ないのではないかというふうに思っております。

 その意味で、この問題について再度御見解を伺いたいというふうに思います。

小野寺副大臣 テロ支援国家指定の解除ということは、これはアメリカの国内の法律によって判断されるものなので、我が国がどういう形で有権的に解釈するかという立場についてはございませんが、基本的に我が国としましては、拉致問題の中でこのよど号のハイジャック犯の引き渡しというのは、拉致の問題の解決には直接関与するものではないというふうに考えております。

 したがって、今回、よど号のハイジャック犯が仮に帰国することがあったとしても、これをもって拉致の問題に進展があったとみなすことは困難であるというふうに考えております。

上田委員 私も同じ考えでございますし、ぜひそういう立場で引き続き交渉を行っていただきたいんです。

 ただ、ちょっと気になるのは、私もお会いしたアメリカの外交官、在京の大使館の方々から話を聞くと、やはり日朝間の拉致問題とこれは関係があるようなコンテクストの中でお話をされることが多いものですから、アメリカの認識はそういうことなんじゃないのかなというふうに受けとめています。

 そういう意味では、我が国の立場はきっちりとアメリカ側にもお伝えをしていただいて、また、その中でどういう進展を探っていくのかということもよく協議をしていっていただきたいというふうにお願いをいたします。

 もう一点、北朝鮮によります核技術の拡散の問題であります。

 先般、イスラエル軍がシリアの空爆をいたしました。この事件をきっかけとして、米国や、またいろいろなところの報道で、北朝鮮が核兵器の技術をシリアに供与して、核兵器の開発が相当進んでいる段階なのではないかという疑いが強い、そういう報道が相次いでありました。この問題はアメリカの議会でも取り上げられております。こういう核兵器の技術が供与されたということが事実であるとすれば、これは核兵器の拡散が進んでいるということでありますので、我が国のみならず、国際社会全体に対する重大な問題であると言えるというふうに思います。

 まさに今、六カ国協議の中で議論している北朝鮮の問題、この問題をめぐる本質的な部分が、核技術が拡散しているということであれば、大きく変わってくる事実なんだというふうに思います。報道ベースではありますけれども、内容を見てみますと、かなり確度が高いのかなと思うような記述もあるわけであります。

 この問題について我が国としてどのように認識をしているのか、お願いしたいというふうに思います。

小野寺副大臣 委員御指摘の北朝鮮の核の拡散に関しては、世界じゅうがやはり注視するところだと思っております。我が国としましても、鋭意情報収集を行っているところであります。

 今回御指摘がありました、北朝鮮からシリアへの核技術の供与といった具体的な事例なんですが、このことにつきましては、事柄上、なかなかアメリカ政府も正式に認めているわけではございませんし、また私どもとしましても、非常に重要に扱う案件かなというふうに考えております。

 いずれにしましても、十月三日の六者会合の成果文書におきましては、北朝鮮は、核物質、技術及びノウハウを移転しないという約束をしております、それを再確認しておりますし、我が国としましては、北朝鮮がこの約束を履行するように、米国を初め関係各国と緊密に関係を持って連絡をしていきたいというふうに思っております。

上田委員 なかなか事実の確認ということは難しいことだろうというふうに思います。確かに報道等でも、アメリカにおいても、議会では取り上げられているものの、政府として正式な見解みたいなものは公には発表されていないというふうに聞いております。ただ、事柄が、問題の性質を大きく変え得る非常に重大なことなんだというふうに思います。

 今、せっかく六カ国が協力をして核兵器の無能力化を進めようとしているときに、どんどんどんどんいろいろなところにその技術が移転をして、ほかのところで核兵器を保有しているというような事態になるとするならば、これはもう全く枠組みが変わってくる話だというふうに思っておりますので、今この場で副大臣の方からこうだと言うことは、なかなか事柄からいっても難しいんだというふうに思いますけれども、ぜひ注視をしていただいて、やはり我が国にとっても一番重大な事柄でもあると思いますので、遺漏のないように取り組んでいただきたいというふうに思います。

 これまで幾つか北朝鮮をめぐる問題について取り上げてきたんですけれども、我が国は、平壌宣言以来、日朝の国交正常化、それは必要であるという立場で臨んでおります。ただ、正常化というのは、拉致問題、また核兵器の問題、ミサイルの問題など、そういうすべての懸案が解決して初めて正常な国交を結べるということだろう、それが大前提なんだというふうに思います。そして、そのときになって初めて経済協力や経済支援といったことも具体的に検討されるんだろうというふうには思います。それが交渉というか正常化交渉の出口であるのは明らかだと思うんですけれども、ただ、今、残念ながら、全体がいろいろと話が進展している、協議が進展している中で、日朝間の協議というのはなかなか糸口が見えないということがあります。

 もちろん、交渉の出口、結果については我々はちゃんとした立場をしっかりとしなければいけないんですけれども、交渉の入り口の部分、これについては、どういう条件が整うと具体的な交渉を進めることができるのか、その辺の基本的なお考えを最後にお伺いしたいというふうに思います。

小野寺副大臣 まさしく日朝平壌宣言の趣旨にもありますように、核、拉致、ミサイルといった諸懸案が包括的に解決できて不幸な過去を清算するということが、委員御指摘の方針、方向だというふうに思っております。この方針に基づきまして、これまでも日朝協議に取り組んでまいりました。

 ことし九月には、第二回の日朝国交正常化のための作業部会を行いました。ここでも、この懸案事項そしてまた不幸な過去の清算につきまして、時間をかけてじっくりと意見交換をさせていただきました。十月三日に採択されました六者会合の成果文書におきましても、日朝関係につきまして特に、日朝双方が具体的行動を実施していくことが明記されました。

 このようなあらゆる場を使いまして、日朝の関係改善につきましてはとにかくしっかりと真剣に取り組みまして、一層の努力を進めていきたいというふうに思っております。

上田委員 ありがとうございます。

 非常に重大な、我が国にとって一番重要な外交案件だというふうに思います。なかなかこういう場でいろいろなことを言っていただけないというのは、ある意味当然なのかもしれません。ただ、非常に国民関心の重大な問題で、先行きについての見解が余りにも、今のではあいまいというか、よくわからないというようなことなので、まあ当然のことではあるんですけれども、ぜひ、これはやはり国民の理解を得ながら、また、行く行くは経済協力というようなことも視野に入ってくる可能性もあるわけですから、国民の納得いくような形での交渉を行っていただき、またその結論を持っていただくように、もう少し方針について明確にいろいろと外務省の方からもお示しをいただいて取り組んでいただく、そのことを最後に要望いたしまして、時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平沢委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。

 幾つか質問をさせていただきたいと思うんですが、まず、大臣、実は、質問通告はさせていただいておりませんけれども、ぜひお聞きしたいことがあります。

 と申しますのは、昨日、参議院におきまして、守屋前事務次官の証人喚問が行われました。衆議院でも行われて、そのときには出なかった、特定の会社の宴会の場に政治家の人が一緒にいた、そしてその実名が出たわけでありますが、私がびっくりしましたのは、そのことに対して総理がそういうことはよくあることだからねと言ったことを、大変に、驚きといいましょうか、怒りを持って聞いたわけであります。

 先般の外務委員会で私も質問をさせていただきました。私たち政治家の仕事というのは国民の生命と財産を守ることである、そういう意味で日米地位協定の話をさせていただいたんです。私は、そういう中で、日本の防衛あるいは外交、こういうところで使われている予算、そういうものが食い物にされる、そういうところで利権が生じているということはあってはならないことだというふうに思うわけであります。もちろん、これからいろいろと解明されていく、今後の推移を見守るといいましょうか、注意をしなくてはならないところがあるとは思うのでありますが、しかしながら、そういう名前が出た段階で総理がそういうふうにおっしゃったということは非常に残念なんです。

 高村大臣は防衛大臣をされていたことがあるということでお聞きをしたいわけでありますが、こういった防衛産業が利権の食い物になっているのではないかということについてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

高村国務大臣 当然のことながら、利権の食い物になってはいけない、こういうことでありますし、できることであればそういう誤解も避けるように行動しなければいけない、こういうふうに考えております。

近藤(昭)委員 大臣もおっしゃったように、誤解も受けるようなことがあってはならない。もちろん、もともとそういうことがあってはならないというわけでありますが、誤解を受けることもあってはならないと思うんです。そういう意味で、福田総理が言われたことはどういう意味かなと思うわけであります。

 そういう意味では、大変に失礼な質問かと思いますが、高村大臣におかれましては、防衛大臣をされていたとき、そういうような席に出席をなさったことがあるのか、あるいは、もしかしたらそういう誘いはあったけれども、誘いはあったわなということであるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

高村国務大臣 そういう席というのをもうちょっと特定して言っていただかないとわかりませんが、うんと限定して、日本ミライズだとか山田洋行からお誘いがあったことはありませんし、もちろん一緒に食事をしたことはありません。

近藤(昭)委員 そういった席にもちろん出られたことがないということであります。政治家というものは確かにいろいろな席に呼ばれることがある、もちろんいろいろな声を聞かなくてはならないことがある、ただ、やはりそれは、誤解を受けるような、いえ、誤解だけではなくて本当に実際にそういうものが絡んでくるようなことがあってはならないというふうに思うわけであります。大変失礼な質問だったかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。

 それでは、通告をさせていただいております質問についてお伺いしたいと思います。

 先般、テロ対策特別措置法の委員会、私もメンバーでありまして、その席でも二回ほど質問させていただいて、そういう中で少し確認をしたいと思うことがあります。

 それは、海上阻止行動、これがもちろんテロを抑止する、予防するということで機能をしている、こういう中で、よくシーレーンという言葉が使われました。シーレーン、海上阻止行動がシーレーンの役割を一部果たしている、こういう意味かなというふうに思うわけであります。高村大臣がその席で、委員会でシーレーンという言葉を使われたかどうか、私はちょっと記憶が定かではないんですが、現政権の閣僚のお一人、ましてやそういった意味では外交の面で非常に重要な任務、責を負っていらっしゃる高村大臣にお伺いをしたいんですが、政府がよく使われたシーレーンというのはどういうような概念で言っていらっしゃるんでしょうか、確認をしたいと思います。

高村国務大臣 シーレーンというのは、政府が特別の定義を持って言っているかどうかは私自身よく存じませんが、一般的に使われている言葉でありまして、日本は資源のない国でありますから、海上輸送路、資源を積み出すところから、船に乗って、そして日本の港に着くまでの航路を一般にシーレーンと言っているのではないでしょうか。もう少し限定すると、その資源の中でも石油について特に言われることが多いかなと思いますが、必ずしも石油に限定しないで、シーレーンと言った場合に、特定のシーレーンを指すときもあるし、もう少し広い意味のシーレーンを指す場合もあるし、いろいろ使われ方があるのかなと思います。

 政府が特別どこかで定義したかどうかは、私、ちょっと存じません。

近藤(昭)委員 そうしますと、先般テロ特別委員会でよくシーレーンという言葉が出てきたのは、大臣の今の概念でおっしゃると特定のシーレーンということかなというふうに思うんですが、そういう理解でいいのかどうかということと、そうなった場合、海上阻止行動がどういうふうに役割を果たしているのかということをお伺いしたいと思います。

高村国務大臣 海上阻止行動、OEF・MIOでありますが、インド洋においてアルカイダ等のテロリストの移動や武器弾薬、麻薬等の関連物資の輸送を防止、抑止するための活動であり、アフガニスタン国内の治安、テロ対策や復興支援の円滑な実施を下支えするものであります。

 我が国の補給活動は、この海上阻止活動の重要な基盤であり、また、テロ対策特措法や補給支援特措法案が直接目的としているものではないものの、インド洋における海上交通の安全にも貢献しているわけであります。これは、原油需要の約九割を中東に依存し、資源の多くを海上輸送によって輸入している我が国にとって、安定的な石油供給の確保という国益にも資するものと考えております。

 インド洋をテロリストの自由の海にしない、平和な海にするということでありますから、特に石油のルート、中東から日本に来る石油は全部インド洋を通ってくるわけでありますから、かなり限定的にシーレーンといっても、インド洋はシーレーンの一部であることはそれは間違いないことだと思いますし、そこで怪しげな船に対して無線照会をし、場合によっては乗船検査をするということを行っていれば、結果としてその部分の海上輸送を安全たらしめるというのは、これはもう常識的に考えてそのとおりだ、こういうふうに思います。

近藤(昭)委員 大臣おっしゃるようなことで、シーレーンというか、海上輸送交通の安全、あるいは防止ということだと思うんですが、ただ、私は一つ懸念をすることがありまして、それはそれで全体ではないんだからとおっしゃるかもしれませんが、海上阻止行動、いわゆる有志軍、米軍のやっているスキームで見ますとCTF150ということになるんですけれども、そうしますと、その活動というのはやはり米中央海軍第五艦隊司令部の指揮下にある、こういうことだと思うんです、海上阻止行動自体が。

 そうすると、そこに給油をしてきた、テロ防止、そしてその一部がシーレーンの安全の、いわゆる日本の輸送の安全の一部にも寄与しているということになると、私はもちろん重要なことではあると思うんですが、いわゆる米軍が指揮をしている部隊によるシーレーン防衛というのはやはり米軍主導になるといいますか、私は申し上げたいのは、国際社会が一致して、つまり、インド洋というお話を今大臣もされましたが、中東からインド洋、日本、こういう中で、やはり沿岸の諸国、例えば中国、韓国とか、あるいはインドネシアとかマレーシア、インド、いわゆるイスラム、まあパキスタンは有志連合に入っているわけですが、そういうイスラムに関係する諸国とかそういうところが全部入っているわけではない、そういうスキームの中でのシーレーンの考え方というのはちょっと偏っているんではないかと思うんですが、いかがでありましょうか。

高村国務大臣 海上阻止活動を含めて、国連安保理で、一七七六で、これについてはいいことだ、続けてください、こういう決議もあるわけですね。だから、国際社会みんなが期待している活動であることは間違いないわけであります。

 ただ、どこが中心になるかというと、国際社会の期待にこたえて、一番そういう能力がある国が中心になるというのは、それはやむを得ないことじゃないでしょうか。世界の海軍の中で一番力のある国がアメリカですし、それから補給艦でいうと、日本は世界何番目かの補給艦保有国で、そういう能力があるから、その部分で役割分担でお手伝いする。余りそういう能力のない国に無理やり艦船を出せといったってそれは難しい話で、だから、みんなが期待していることを、その能力のある国が来て、そして役割分担でやるというのは、国際社会でやることの普通の形だ、私はそのように思っております。

近藤(昭)委員 ただ、大臣、やはり米国ブッシュ大統領が提唱した、核の拡散を防止するとか、核だけではなくて、総合的に安全を守っていこうということで提唱した国際的な枠組みもありますが、やはりそこで懸念があったのは、そこにはロシアが入っていないとか、中国が入っていないとか、韓国が入っていない、そういうことだったんですね。

 ですから、もちろん大臣がおっしゃるように、能力というか装備とかいうことはあると思うんです。ただ、やはり私は、こういった安全というものは、東西冷戦が終わった今こそ、アメリカも入る、ロシアも入る、中国も入る、こういったところでやらないと、まあこんなことはないと思いますが、かつて、やはりアジア太平洋戦争のときには日本も、日本の石油を守るんだ、そういうことで軍隊を出していった、そういうことが衝突の原因にもなった、そういうことであって、やはり私は、大きな特定の国、もちろんアメリカは世界の警察として頑張っているかもしれない、でも、あのイラク戦争のことも思うと、必ずしもすべてが正しいわけではない。そのことは、アメリカ自身も今国内で反省が起こったりしている。そうすると、やはり私は大きな仕組みが、より国際的な仕組みが必要だと思うんです。

 そういう意味で、少し私の私見を申し上げさせていただいて、ぜひ大臣のお考えもお聞かせいただければと思うんですが、私はやはりこの日本のシーレーンと申しましょうか、海上輸送の安全、いわゆる国際海洋法が定める公海の自由の原則をどうやって守っていくか、安全をどうやって守っていくかだと思うんですね。

 そういう意味では、やはり特定の国がリードするのではなくて、国際的な機構をつくる、そして私自身は、やはりそういうところには軍隊が出ていくのではなくて、例えば日本でいうと、海上保安庁の船もかなり強力に能力のすぐれた船もつくっているわけでありますから、こういうことこそ日本が提唱して国際的な機構をつくる、そしてそれは、今大臣もおっしゃったように、能力がある国、あるいは分担をして大きな仕組みの中でやるべきだ、こういうふうに思うんです。国際機構の面ということ、また、軍隊ではなくて、そういった海上保安庁とかそういったシステムをつくってやるべきだと私は思うんですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

高村国務大臣 資源の多くを海上輸送によって輸入している我が国にとって、マラッカ海峡だとかそういった海上交通の安全の確保が重要だということは委員と同じ意見なんだろう、こう思います。

 アジア地域の海峡等で頻発する海賊問題等、我が国の海上輸送の脅威になっているわけでありますが、海賊行為に対しては、まず沿岸国の海上警備当局が取り締まるということが重要であります。

 このような観点も踏まえて、我が国は、沿岸国の主権を尊重しつつ海賊対策を進めるべく、沿岸国に対して海賊取り締まり能力の強化と人材育成等の協力を実施してきているところであります。

 さらに、アジア地域の海賊対策に関する国際的な枠組みとしては、我が国のイニシアチブで作成された平成十八年九月に発効したアジア海賊対策地域協力協定があり、情報共有及び協力体制の構築等を通じた各国間の協力を進めているわけであります。

 我が国は今後もこのような取り組みを通じて海賊対策を積極的に推進していく考えでございます。

 そして、OEF・MIOも、一部の国、一部の国、こうおっしゃいますが、確かに参加しているのは能力のある一部の国、あるいはそれほど能力もないけれども、近くのパキスタンといったようなイスラム国も参加していますが、これを支持しているのは、国連安保理で中国も含めて賛成しているわけですね。一七七六は中国も含めて賛成している。

 このときは、ロシアは棄権をいたしましたけれども、ロシアのラブロフ外務大臣に直接お聞きしましたら、いや、日本がOEF・MIOに参加していることに反対しているというわけじゃないんだ、ただ、もう少し、時間がないのに、検討しようというのに、急ぐ急ぐといって先にされちゃったから、自分たちはそういう意味で棄権したんだ、こういうふうに言っていました。これからもう少し連絡をとり合っていこうよ、こういう話でありますから、反対している国はどこもないんですよ。十四カ国が賛成し、一つが棄権、こういう話ですから、これを国際社会の意思と言わずして何なんだろうなと。

 ほかの新たな枠組みをつくっても、すぐすべての国が賛成するような枠組みはそう簡単にできるわけじゃないし、それぞれの枠組みの中でそれぞれ効果的に平和の海ができていけばいいことだ、私はそのように思っております。

近藤(昭)委員 いろいろと議論が混同してくるといけませんので、ただ、少し国連決議のことで申し上げれば、あの国連決議の中には、大臣も御承知のとおりOEF・MIOという言葉があるわけではないので、違う言葉で表現をされていたと思います。海上での安全を守る行動、オペレーションですかということでありましたし、私は、もちろん国連決議というのはいろいろな読み方があると思いますし、前文で書かれていた、いろいろなことがあると思いますので、私が申し上げたいのは、だからみんなそうなんです、海上の安全を守ろうじゃないか、そこで自由に航行できる、安全に航行できるということを守ろうじゃないかというのはもちろん一致しているわけです。だからこそ、具体的に、私はやはり、能力でいえばロシア、中国、いわゆる中東と東アジアを結ぶところの関係諸国というのは能力もあると思われる国もたくさんあるわけですから、そういうところが全体でスキームとしてはやっていかなくてはならないということを申し上げたいんですね。

 それで、特にそれに関連して大臣のお考えをちょっとお聞かせいただければと思うんです。

 十月十七日、米軍が発議をしていますいわゆる新海洋戦略というやつです。これを見ると、米国や同盟国の利益を守るために、信頼できる戦闘力を引き続き西太平洋とペルシャ湾、インド洋に構える。これはどういうふうにこの新海洋戦略を評価なさるのかなということをお伺いしたいと思います。

高村国務大臣 アメリカ海軍が十月十七日に発表した新海洋戦略でありますが、我が国周辺海域を含む西太平洋、アラビア湾及びインド洋に前方展開兵力のプレゼンスを維持しつつ、同盟国、友好国との協力を一層強化、維持し、世界規模の混乱や危険を抑止する等の方針を打ち出した戦略だ、こういうふうに思っているわけであります。

 我が国を含むアジア太平洋地域は、冷戦終了後も、地域紛争、大量破壊兵器やミサイルの拡散等、依然として不安定で不確実な状況が存在しているわけであります。このような現実の中で、我が国は、みずからの自衛力のみでは、自国の安全が脅かされるようなあらゆる事態に対処できるわけではありません。したがって、日米安保条約を引き続き堅持することで米軍の前方展開を確保し、その抑止力のもとで多様な脅威に対処し、我が国の安全を確保することが必要だと思っています。

 今回発表された新海洋戦略というのはこうした考えと全く矛盾するものではない、こういうふうに考えております。

近藤(昭)委員 日米関係、日米同盟というのは重要でありますし、そういった観点から、また、大臣もさっきからおっしゃっているように能力があるということであります。

 ただ、やはり私はここでも、ぜひ大臣にはお考えをいただきたいというか、私の考えを申し上げますと、もちろん、日米関係が重要でありますし、基軸であります。ただ、こういう枠組みの中でも、例えばこういう枠組みをもとに、あるいはそこにプラスしていくとか、広げていくとか、同時並行的とか、ぜひ日本がイニシアチブを、先ほど平成十八年のアジア海賊対策会議のこともおっしゃられましたけれども、より普遍的な仕組みをつくるイニシアチブ、そして、アジア海賊対策会議、沿岸国の海賊対策ということでありますが、海上保安庁にとっては、日本の領海内ではいろいろと活動はできるわけでありますが、公海上の問題とかありますので、ぜひ、より広い、より普遍的な枠組みを構築する努力をしていただきたいと思うのであります。

 ところで、そういう中で、今も新海洋戦略への評価ということで、我が国とということで大臣からも答弁がありました。これも、さきのテロ特別措置法の委員会で私が大臣に御質問をさせていただいたときに大臣もお答えいただいたんですが、そういった米国の新海洋戦略、まさしく日本のそういう方針とたがわないということをおっしゃったわけであります。そのことも含めて、日米関係、重要なパートナーである、そうであれば、やはり私は、いろいろな意味でしっかりと対等にいろいろな意見も言っていく、またいろいろな情報も受け取っていくということだと思うんです。

 そういうことで、特別委員会のときに質問をさせていただきました。十月三十一日のテロの委員会であります。二〇〇三年の十二月十五日と二十日、オマーン湾海域でのダウ船の乗組員拘束、これで三十三名が拘束をされた。二十三名は出身国の当局に引き渡された、十名はバグラムの空軍基地、そしてグアンタナモの基地にそこから移送されたのではないかというふうに言われているわけであります。

 このことについて日本政府は知らされていなかった。ところが、拘束に関係した艦船の関係する地元といいましょうか、そこの新聞に、ユナイテッド・プレス・インターナショナル、サンディエゴ・ユニオン・トリビューン、こういうところにはこの記事が出ていた。つまり、日本政府には知らされていなかったけれども、地元の新聞では、また関係した艦船のホームページでは堂々とこのことが書かれていた。

 そのことに対して大臣は、不愉快であり、細かい言葉で申し上げますと、「日本政府として大変不愉快な話です。またアメリカに対して言わなければいけない話かな、こういうふうに思っています。」こういうふうに答弁しておられるわけでありますが、その後、アメリカ政府に何か対応を、こういうふうに何か言われたのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。

高村国務大臣 私自身が何かを言ったわけじゃありませんが、向こうにきっちり問い合わせております。

 そして、前にも言ったかもしれませんが、私は、ライス長官とお会いしたときに、日本が求めた情報について、これは秘密だから出せない、こう言っておいて、いつの間にかホームページに出ているようなことは我が国として困るんだ、こういうことははっきり申し上げました。ライス長官はそれに対して、それはよくわかることだ、そういうことがないようにできるだけしましょう、こういう趣旨のことをおっしゃったように記憶をしております。

 縦割り社会というのは日本だけじゃありませんから、いろいろ、ここが秘密だと言ったってこっちで出しちゃうということは、それは絶対ないわけではありませんが、やはり日本とアメリカの関係でそういうことはできるだけないようにしてほしいということは、私自身が外相会談で申し上げているところでございます。

近藤(昭)委員 そうすると、大臣としては、例えば外務省のしかるべき担当を通じて、米国のどこかにそういう話をされたということでありましょうか、具体的にお答えをいただければと思うんですが。

高村国務大臣 具体的にいつどこでということはちょっと難しいことでありますが、我が国政府より、米国側より提供されていた情報を超える形で報道発表していた事実があるかどうか等について、現在、事実関係を米国政府に確認しているところでございます。

 だれがどうとか、それはちょっと、なかなか難しい話でありますから、今確認をしているところでございます。

近藤(昭)委員 大臣が指示をして米国の政府に、ライス長官に会ったときにも言った、そういうことを大臣が国を代表しておっしゃっているということである。

 ただ、大臣御自身も答弁されているように、最初の答弁で指示をというか、ですから、具体的にはどこかの部署を通じておやりになっているのではないかと思うんです。ぜひそれをお聞かせいただければなと思うんですね。

 テロの特別措置法の委員会でも随分と所属の議員が質問しましたけれども、なかなか具体的なお答えがいつもないんですね、こういうふうにしていると。もちろん、そんな細かいところを、重箱の隅をつつくようなというか、そういうことで申し上げるのではないです。やはり大事な問題ですから、もちろん、大臣がライス長官にも言われたということでありますが、でも、具体的に、今後、じゃ、そういうことに対して、大臣はおっしゃっていただいた、ただ、そういうことは具体的にどこを通じてやっていくのか。

 例えば、今の問題で申し上げますと、あのときにもちょっとお聞きをしたんです、バグラムの空軍基地に移送された十人ですか、この人たちがどうもグアンタナモの基地に移送されているようだ、そしてそこでは、もちろん問題点があるということなのではありましょうが、かなり問題のある、拷問みたいなことも行われているのではないか、こういうふうに言われているわけですね。

 そうすると、大臣がおっしゃった、今の仕組みとして、日本政府のどこからアメリカのどこに聞いたのか、そして例えば今の問題は、その十人の問題についてはその後どういうふうに取り扱われているのか、こういうことについての説明はあったのかということをお聞きしたいと思います。

小松政府参考人 御質問の趣旨は、OEF・MIOの一環として検査を受けました船舶の上で拘束をされた者のうち一部の者がアルカイダへの関与の疑いがあったということでグアンタナモに送られたということについて、これは、どういう根拠に基づいて、またそういうことが行われているのかということと理解いたしましたので、アフガニスタンで拘束された者、それからOEF・MIOの関係で拘束された者の取り扱いについて、在米大使館を通じて確認をいたしました。

 アメリカ側の説明でございますけれども、これはテロ特委でも大臣の方から御答弁申し上げておりますけれども、このアフガニスタンで拘束された者の一部は、非合法的な敵の戦闘員、アンローフル・エネミー・コンバッタントということでグアンタナモに送付されている、しかし、拘束された者のすべてがグアンタナモに移送されているわけではなく、圧倒的多数はアフガニスタン国内にとどめ置かれておる、この非合法的な敵の戦闘員というのは、九・一一テロ攻撃を受けて制定された法律において定められている罪を犯したということで、そのアメリカの国内法に基づきまして刑事手続を進めているという説明を受けております。

近藤(昭)委員 そうすると、今刑事手続が続けられているということでありますね。

 大臣、個別の問題でそれぞれ問い合わせをするところも違うのかもしれない、そういう意味で大臣の先ほどのようなお答えもあったのかもしれませんが、日本のOEF・MIO、後方支援ではあるけれども給油をしてきたその題目というのは、政府はずっと、テロあるいはシーレーンも一部かかわっているということでお答えになってきたわけでありますから、その過程で起こったことといいましょうか、その成果というものはぜひ、いろいろしっかりと把握をしていただきたいと思うわけであります。

 それで、一つ、冒頭、防衛に関係する利権をむさぼるようなことがあってはならないということを申し上げました。実は、きのうの朝日新聞ですか、山田洋行の裏金づくり、PKOの物資調達で裏金、PKOの物資の調達で出た利益を裏金として米国の子会社を通じて日本に送っていたのではないかということが報道されていたわけであります。

 そこで、お伺いをしたいんですが、このPKO物資調達業務、ゴラン高原、シリアでのPKO、一九九六年から始まっているわけでありますが、このことに関する物資の調達であります。これは、米国法人ヤマダインターナショナルコーポレーションのイスラエル事務所を通じて行われた物資の調達でありますが、この米国子会社のイスラエル事務所はいつ設立されたのか。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問のヤマダインターナショナルコーポレーションのイスラエル事務所でございますけれども、設立時期は平成八年十二月というふうに聞いております。

近藤(昭)委員 平成八年というと一九九六年であります。そうすると、自衛隊がゴラン高原でPKOを開始したその年になるんです。

 それで、このイスラエルの事務所を通じてどういう物資が調達をされていたのかということと、その支払い、年度年度ごとの支払い額、その物資ごとの単価、契約の形態はいかがであったかということをお聞きしたいと思います。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 まず御質問の、調達しております物資でございますけれども、生活関連物資ということでまさに多種多様でございますが、くくって申し上げますと、生鮮食材でありますとか電化製品、事務用品、車両等の修理役務等々でございます。

 契約金額でございますけれども、書類保存期間の関係で十四年度からでございますが、平成十四年度が三千四百万円、十五年度及び十六年度が約千六百万円ずつ、十七年度が約二千三百万円、十八年度が約二千五百万円でございまして、契約方式はすべて随意契約ということでございます。

 契約単価でございますけれども、これも対象が多種多様でございまして、例を幾つか申し上げればよろしゅうございますか。(近藤(昭)委員「そうですね」と呼ぶ)はい。

 例えば、生鮮食材で申し上げますと、冷凍のマグロが一キロ六千五百円ほどでありましたり、電化製品で、テレビが四万四千円ほど、冷蔵庫が三万二千円ほど、事務用品でプリンターが三万五千円ほど、車両修理でドーザーの修理一式で二百万円ほど、そんな例がございます。

近藤(昭)委員 そういう物資を調達していたということでありますが、ほかの国の部隊なんかはどうしているんでしょうか。このヤマダインターナショナルコーポレーションのイスラエルの事務所があるところ、このあたりは、多分、そのヤマダインターナショナルコーポレーションのイスラエル事務所自体も現地調達をしているはずだと思います。

 これは、防衛省の中でも何回も議論になって、そういった商社を通じて調達するのではなくて直接調達をするべきではないか、それのよいところと不便なところとかの問題、いろいろと議論がされてきたのはわかっているんですが、ただ、一方で、非常にそういった利権の温床にもなってきたということなんですね。

 それで、そういう意味で、この生活物資を調達するのにインターナショナルコーポレーションのイスラエル事務所を経由する必要があったのかなと思うわけですが、他国のPKOの部隊とかはどうしているか、把握なさっているでしょうか。

小川政府参考人 恐縮でございますが、他国の調達形態まで、ちょっと情報を今用意しておりません。

近藤(昭)委員 何でもかんでもそこで悪いことが行われているというふうには申し上げたくありません。しかしながら、残念ながら山田洋行にかかわるいろいろな疑惑が出ている中、また過去にもそういった事件が起きている中で、かなり随意契約の中で疑われるようなことがあるというのは事実でありまして、そういう意味で、ぜひ他国はどうしているかということは調査をしていただいて、やはりより透明性の高い調達をしていただきたい。

 ましてや、どうも、どうもというか、これは今新聞報道でありますし、東京地検特捜部が同事務所の幹部らから任意で事情を聞いたということでありますから、まだ結果が出ているわけではありません。しかしながら、随分とそこでは裏金がつくられていると。先ほどの調達の金額を見ても、それは何億円という単位ではありません。しかしながら、一方で、この新聞報道だと、利益が約三千万円あって、それが米国の事務所を通じて日本に送られていた、そして、どうもそこが接待に使われているのではないかと。つまり、額は莫大ではないかもしれませんが、そういうところでつくられたお金がいろいろな工作に使われているのではないかということでありまして、大変に問題だと思うんですね。

 そして、そういうものをつくりやすいようなシステムがあったのかな、推測で申し上げて申しわけありませんが。先ほど質問させていただいたように、イスラエル事務所ができたのが一九九六年、PKOの活動が始まった年だということですね。そうすると、逆に、これは何かそのためにつくられたのではないか。いや、もしかしたらそうかもしれません。現地で調達するのが大変だからおたくの会社をつくってくれ、こういうようなことがあったんでしょうか。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 設立のときの詳しい経緯まではちょっと今情報を持っておりませんけれども、PKO活動は平成八年二月に開始したわけでございますけれども、事務所の開設は十二月でございますけれども、既に駐在員はもう二月のときにもいたということは少なくとも聞いております。

近藤(昭)委員 ですから、私は何も全面否定をしているわけではないんです、大臣。それは日本の国内だって、全部が全部、例えば自分で直接物を買うわけではないですし、商社のようなところを通じて物を調達する、その便利さというのは全部を否定するわけではないんです。しかし、そこでやはり利権がむさぼられてはいけませんし、ましてや今の、疑いがある、裏金をつくってそれを工作に使っているのではないかという中で、やはりここはいろいろなことをきちっとチェックはしていかなくちゃいけないと思うんです。

 ですから、私はぜひ調査をしていただきたいわけでありますが、イスラエル事務所をつくったのは、日本の防衛省が、調達が大変だからそういうことをちゃんとやってくれ、こういうことがあったのか、たまたまここにそういうヤマダインターナショナルのイスラエル事務所があったのか。そして、あったとしても、私はこれはどうして随意契約なのかなと思うんです。多分、現地にもいろいろな商社があるのではないかなと思うんですが、それは額が大きくないかもしれないけれども、何かそこに温床になる可能性があるような調達の仕方というのは問題だと思うんです。

 防衛大臣ではありませんが、大臣、どういうふうに思われますか。

高村国務大臣 もちろん、利権のようなものがあってはいけないし、国民の税金はできるだけ効率的に、同じものを買うのでも安く買うようにしなければいけないし、防衛省もそういうふうに心がけているんだろうと思いますが、今後、石破大臣もより一層心がけてされるんじゃないでしょうか。そういうふうに期待しています。

近藤(昭)委員 高村大臣がおっしゃるように、ごく当たり前のことであるわけであります。

 大臣がお答えになった後にあれですが、そういった中で、防衛省におかれましては、先ほどそういう依頼があったのかというお話をしましたが、そのことについてどういうふうに対応されますでしょうか。

小川政府参考人 先生の御指摘も踏まえまして、経緯等について調べてみたいと思っております。

近藤(昭)委員 ありがとうございました。

 私もテロの委員会の中で、石破大臣が何回も何回も、そこは防衛省の中でチェックをしていくというお話を伺いました。そしてまた、今、高村大臣も、内閣の閣僚のお一人として、石破大臣がそういうことをきちっとやっていかれるだろうということを期待されるというお話をされました。そして今、防衛省自身も経緯をチェックしていくということでありますので、ぜひその経緯をお知らせいただきたいと思います。

 いずれにせよ、そういったところが利権の温床にならないように、ぜひさまざまなチェックをしていただきたいと思うわけであります。

 以上です。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 質問をさせていただきます。

 まず、今、近藤委員とのやりとりで外務大臣が、決議一七七六で、十五カ国中一カ国を除いてOEF・MIOに賛成したじゃないかということについては、やはり事実関係を訂正させていただければと思っております。

 一七七六はISAFの一年延長が主体の決議でありまして、その中の前文のわずか一行のところに、OEFのMIOではなくてマリタイム・コンポーネントですね、MICか何か、そういうような形で書かれているわけでありまして、ドイツ大使のお話を伺っても、あの決議はやはりドイツ国内の、あるいは国会対応上急いで決議をまとめられたというふうに伺っております。

 私は、国際社会におけるドイツと日本の比較を通じても、ちょうど水曜日、民主党は、外務防衛部門会議を開きまして、民主党のテロ特措法への対案というか、民主党のアフガニスタン支援に対する考え方、これはもう部門会議で了承を得ておりますが、骨子案についても了承を得まして、今、法案の要綱案の作成に入っております。その中では、やはり海上での給油ではなくて、直接、陸上部、アフガニスタン国民に対する支援、これは民生支援であり、あるいは治安回復のためのDDRなどの主導であり、あるいは和平合意のための国際会議の主導であり、こういったことを党として既にまとめ、要綱案の作成に入っていることをあわせてお伝えさせていただきます。

 そこで、質問に入りたいんですが、きょう新聞を見ましたら、「韓国、国連行事でパンフ」ということで、日本海を東海、トンヘという表記をしたものを、十月二十四日の国連の日にアメリカのニューヨーク国連本部で開かれた事務総長主催のコンサートで配付したと。

 これは、本委員会でも、かねてより、東海記載の韓国の主張に対して、日本はもう十九世紀以来、日本海ということを主張してきているんだということで、二〇〇四年三月十六日にも、本委員会の附帯決議で、こうした日本海呼称履行への取り組みの徹底という決議をいたしております。

 この新聞記事にもありますが、今国連には赤阪清隆事務次長を広報局長として外務省も送り込んでおりますので、ぜひ事実確認をお願いしたいというふうに思うんですが、外務大臣、委員会に御報告をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

高村国務大臣 現時点で私が知っていることを申し上げますと、国連事務総長夫妻主催のコンサートだったと思いますが、そこで韓国側がそのものを配った、こういうことであります。我が方は国連に抗議を申し込みましたところ、これは国連が配ったものではない、そういうことでありました。韓国代表部に対しては、遺憾の意を表明しているところであります。

 そういう中で、国連は公式呼称として日本海というのを使っている、これは紛れもない事実だと承知をしています。

武正委員 新聞では、国連の事務局は事実関係をしっかり確認したいというふうにも言っておりますので、ぜひ改めて確認をして、委員会に御報告をお願いしたいと思います。

高村国務大臣 国連事務局に対して我が方が抗議したのに対して、国連が配ったものではありませんというのは、そこは既に回答が返ってきているわけでありますから、それだけは申し上げておきます。

武正委員 かねてよりこの委員会でも、当時町村外相にも、例えば、私はタイ航空に乗った方から機内誌を見せられて、おまえ見てみろ、この地図には日本海のところが空欄になっている、これはどうなっているんだというのが事の発端で、当委員会でそのことを取り上げて、附帯決議にもし、そしてまた、当時町村外相は世界の三十八カ所に申し入れを行った。うち二十五カ所は修正しましょう、ただ十三カ所は返事が保留というのが二〇〇五年当時ありまして、引き続き調査されているということですので、これは委員会に御報告をお願いしたいというふうに思いますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

平沢委員長 後刻、理事会で協議いたします。

武正委員 それでは、質問に移らせていただきます。

 お手元に資料を配付させていただきました。ACSA、日米の物品役務の相互協定ですね。相互に物品役務を提供し合おうといういわゆるACSAでございますが、二〇〇四年の改正で、お互い日米の交換公文で、この協定付表2に日本の法律をつけ加えていくことは交換公文でされる、また日本の国内でも、協定付表2に政令で法案をつけ加えられるようになりました。今はテロ特、イラク特、そして自衛隊法の三法案がこの付表2に載っております。

 改めて伺いたいんですが、新給油法案、衆議院で可決して参議院に送付をされましたが、これまで、テロ特では、ACSAによって日本から米国に物品役務が提供されたことがあるのか、特に問題となっております油についてはどうなのか、もしACSAではなくてテロ特として提供されているというのであれば、なぜこのACSAを使って提供しないのか。

 以上、お答えをいただけますでしょうか。

高村国務大臣 委員おっしゃるように、法的にはACSAの枠組みのもとで物品役務を提供することは可能でありましたけれども、米側からACSAに基づく物品役務の提供に係る要請がなかったことから、ACSAの適用は行われなかった、こういうことであります。そして、テロとの闘いや、積極的かつ主体的な貢献を示すために、テロ特措法によって、燃料等の無償譲与を行っていくという我が国の政策判断に沿ったものであります。

 こうした考えは、我が国自体が海上阻止活動を行わないということを踏まえた判断であります。我々にとって大変役に立つ海上阻止活動をやってくれている国があるので、そこに補給するという役割分担があった、こういうことでございます。

武正委員 米側から日本に対して、ACSAを利用して、テロ特措法での提供はないということでよろしいですか。

高村国務大臣 ACSAに基づく物品役務の提供の要請はなかった、こういうことであります。

武正委員 いや、米軍から自衛隊に物品役務の提供が百九十七件、二〇〇三年十二月から二〇〇四年十二月末まで、これはイラクやその周辺国でも行われていますので、テロ特措法で一切本当にないのかどうか、これはいま一度お調べをいただきたいと思いますが、今は、要請がなかったというのは、私が聞いているのは、米側から日本に提供がなかったのかどうかを確認しているわけであります。

 今の要請についてお聞きをいたしますが、要請がなかったから日本はACSAで提供しないというのはおかしなものでありまして、ACSAの改正も二〇〇四年にしているのに、そして、付表にこうやってテロ特も、イラク特もそうなんですね、イラク特もACSAを使って提供していないんですね。なぜ、こうやって付表にわざわざ書いているのに、要請がなかったというのは関係ないと思うんですよ、このテロ特、ACSAを使って提供しないのか、この理由、いま一度お答えをいただきたいと思います。

 あわせて、もう一度、ぜひテロ特で、米側から日本に、ACSAを利用してこの六年間提供が一件もなかったのかどうか、ちょっとこれは確認をお願いしたいと思います。

高村国務大臣 イラク特措法のもとでは、ACSAの枠組みのもとでこれまで十三件、航空自衛隊から米空軍に対する部品の提供等を行ったことがあるわけであります。

 テロ特措法のもとでも、法的にはACSAで可能ですが、先ほどから申し上げている、繰り返しになりますのでもう言いませんけれども、ACSAに基づく要求がなかった、要請がなかったので、ACSAの枠組みでの提供はしていない、こういうことでございます。

武正委員 だって、日本から同じように航空自衛隊やあるいは海上自衛隊が物品役務を提供していますね。なぜこのACSAの枠組みを使わないんでしょうか。要請がないと使えないんでしょうか。

 あわせて私は、では、米側から六年間の間に物品役務の提供がゼロなのかどうかも御確認をいただきたいと思います。

高村国務大臣 いずれにしても、日本側から米側にACSAの枠組みで提供したことはない、このテロ特措法の問題についてですよ、そういうことだけは事実として申し上げておきます。

武正委員 それでは伺いますが、イラクは十三件とおっしゃいましたが、この物品役務の協定は、提供した分と同額のものを返してもらう、こういうような協定の枠組みなんですが、そうすると、イラク特措法、ACSAでは米側から日本に同額のものが戻ってきているということでよろしいですか。

高村国務大臣 現時点ではまだ返ってきておりませんが、これはACSAの枠組みでありますから、どこかで清算される、こういうことでございます。

武正委員 そうすると、日本が提供した油は、このACSAの枠組みではないので、よく言われる無料給油所ですか、こういうような批判もあるわけですが、私は、ACSAでこうやって書いておきながら、イラクについても十三件で、まだ戻ってこないけれども、いずれ戻ってくるということなのであれば、なぜこのテロ特も同じようにACSAを使って提供して、それでいずれ戻ってくるという枠組みにしなかったのか、それについてお答えをいただきたい。しかも、二〇〇四年に改正をしているわけですから。

高村国務大臣 先ほどから申し上げているように、政策的判断として無償で提供しよう、こういうことでございます。

 これは別にODAでも何でもなくて、役割分担で、彼らには、彼らというのはアメリカを初め幾つかの国には、まさに海上阻止活動自体をやってもらっているんですね。これは、彼らだけの利益のためにやっているんじゃなくて、日本の利益のためにもやっていただいている。そこの役割分担で、我々はそこについて、海上阻止活動自体はやらないけれども油を提供しよう、こういうことでありますから、政策的判断で無償で提供しよう、こういう決定をした、こういうことであります。

武正委員 ただ、当初は、これはACSAでやろうということで付表2に書き込んだんじゃないんでしょうか。その当時には、やはりACSAでの提供を考えていたのではないでしょうか。それが途中で、今の政策ということであれば、政策変更をされたということでよろしいでしょうか。

高村国務大臣 ACSAでもやれる枠組みをつくったわけであります。ACSAでもやれるということと、この法律で、まさに政策判断として、現実には無償提供をした、こういうことです。

武正委員 このACSAについて改めて最後もう一度聞きますが、私は、ここにいわゆる恒久法が入りますと、地球の裏側でも米軍の支援ができる、こういう危惧を持っているスキームなんですけれども、この点について外務大臣の御認識を伺います。

高村国務大臣 それは恒久法の内容次第じゃないでしょうか。恒久法が決まって、そしてその中でACSAになるわけですから、恒久法がどういう内容のものになるかということが問題なんであって、ACSAが先にあるわけじゃなくて、恒久法が定まって、どういう内容の恒久法が定まるかによって、日米関係でACSAでどうするか、こういう話になるので、先にACSAありきじゃないんだろうと思うんです。

武正委員 時間が来たからやめますが、先にもうACSAがあって、これから恒久法でありますし、また恒久法は、もう四年間、内閣官房が議論をされているようでありますから、ほぼ固まっているというふうに見てもいいと思うんですね。内容はこれからですということは、もはややはり四年の日時からいって通用しないというふうに思っておりまして、恒久法がこの付表2に政令で書き込まれますと、世界じゅうどこでも米軍の後方支援ができるということになりかねませんので、私は、安全保障基本法の議論をすることはやぶさかではありませんが、今このまま恒久法、そしてACSAという形、付表2ということは、大変懸念があるということをお伝えして、午前中の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平沢委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

平沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。武正公一君。

武正委員 午前に続いて質問をさせていただきます。財務副大臣もお見えいただきまして、ありがとうございます。

 お手元の資料の二ページ目をごらんいただきたいと思います。これは中国の外貨準備高の推移でございます。二〇〇六年から二〇〇七年九月にかけて、一兆ドルが一兆四千三百三十六億一千百万ドルということで、一年弱の間に三千六百億ドルふえているということで、やはり中国の外貨準備高が急激にふえていること。これは日本もふえているんですけれども、日本も一兆ドル近くになってまいりましたが。

 また、中国が、この秋ですか、中国投資という資金運用をする会社も設立をいたしまして、これがたしか二千億ドルですか、とにかく大きな規模。こうした中国マネーの世界的な金融市場に与える影響がやはり懸念をされるわけでございます。

 三ページ目をごらんいただきますと、これは、東アジアの金融危機において結ばれましたチェンマイ・イニシアチブの枠組みで、お互いに外貨準備高が減ったときに融通し合おうじゃないかという二国間通貨スワップがここまで発展をしてきた、合計八百三十億ドルになっているという中でございます。

 今、中国も、この二国間スワップ、通貨スワップをさらにふやそうという動きがあるようで、私は、これは歓迎すべき動きだろう、やはり中国にも、特に東アジア、アジアにおける金融安定にそれなりの責任を果たしていただくというのはあるべき姿ではないかと思っております。

 さらにページをめくっていただきますと、四ページ目でございますが、これはASEANプラス3の現地通貨建て債券市場の規模の拡大でございます。日本が国債などを中心に、これは八兆ドルという額を超えております。一方、中国、韓国も、元、ウォンということでの現地通貨建て債券市場が一兆ドルを超えてまいりました。これもやはり歓迎すべき傾向でありまして、特に二〇〇七年は、また中国での元建ての債券がさらに伸びているということも財務省から既に資料をいただきました。

 そこで、財務副大臣にお聞きをしたいんですが、私はやはり、こうした二国間スワップやあるいは元建ての債券の発行というような形で、伸長する中国の外貨準備高を初めとするマネーが透明性を持って運用されていくということは必要ではないかと思っておりますが、これについての御認識をお伺いいたします。

森山副大臣 お答えを申し上げます。

 今先生御指摘のとおり、中国の外貨準備高が急激な伸びを示しております。このことが中国国内における過剰な流動性をもたらしまして、景気の過熱を起こしているという懸念が一つあると思います。

 また、中国においては、先ほど先生御指摘のような地域金融協力の成果や国内経済状況を踏まえて、適切なマクロ経済政策というものを基本的に運営していっていただけるのではないかというふうに思っております。

 お尋ねのSWFの件でございますけれども、この透明性あるいはリスク管理、組織構造の重要性につきましては、さきのG7でも議論がなされたところでございまして、その議論を踏まえまして、IMFなどに検討を要請するということになっておりますので、確かに、透明性を高めていかなければ、かなり大きなお金の動きでございますので、そのような仕組みを今後つくる努力をしていくということが大事であろうと思っております。

武正委員 そういう意味で透明性確保が必要だという御認識だと思います。

 これは日本にも言えるのではないかというふうに私は思っておりまして、かねてから財務金融委員会でも、私は財務大臣に、やはり日本の外貨準備高、これも一兆ドル近くになります。この運用については、外国為替特別会計で米国債券を中心に運用をしているということなんですが、その内訳とか額、ポートフォリオは明かせない、こういうような政府、財務省の答弁なんですが、私は、外国為替特別会計そのものも、今やこの積立額が十兆円を超えておりまして、三割ということですから、四十兆円ぐらい積み立てをふやしていくという特別会計のあり方そのものも問題だと思いますし、あわせて、透明性ということでは、やはり米国財務省証券をどのぐらい有しているのかというのは明らかにしていくべきだと。これは指摘にとどめておきます。

 そこで、外務大臣にまず、今財務副大臣から透明性確保が必要だという御認識がありましたが、この中国の外貨準備高の伸び、これをどのように把握されているのか。それから、過去、こうしたチェンマイ・イニシアチブとか現地通貨建て債券市場の規模の拡大については、日本は、アジア開発銀行、これは米国と日本は最大の出資国でありまして、そしてまたADBの総裁として、アジアでのそうした金融市場が安定するような枠組みを主導してまいりました。こうしたこれまでの取り組みについて、この中国の外貨準備高が伸びている中で、一方、日本が取り組んできたことをどのように評価されるのか、御所見を伺いたいと思います。

高村国務大臣 チェンマイ・イニシアチブでありますけれども、その総額が八百三十億ドルに達して、また、アジア各国の債券市場は、アジア債券市場育成イニシアチブの取り組みもあって成長を遂げる等、アジア地域における金融分野での協力は確実に進展している、こういうふうに認識をしております。

 一方で、中国の外貨準備高は、大幅な貿易黒字等を背景に近年急速に伸びておりまして、本年九月末現在で一兆四千億ドルを超え、世界第一となっているところであります。この外貨準備高の急激な伸びは、中国国内における過剰な流動性をもたらし、景気の過熱を引き起こしているとの懸念も指摘されているところであります。

 中国政府は、急激に増加した外貨準備の運用の多元化を図るために新たな投資運用機関の設立等の措置を講じていますが、中国政府が自国の外貨準備をどのように運用するかは中国政府自身が決定することだと承知をしております。

 いずれにしても、中国経済が安定的に発展していくことは、我が国を含む地域及び国際社会にとって極めて重要であり、我が国としては、その観点から引き続き注視をしていきたい、こういうふうに思っております。

武正委員 チェンマイ・イニシアチブについては御評価をいただいたと思いますが、現地通貨建て債券市場が規模を拡大していくということを私は評価しておりまして、今回、先ほど言った中国投資は、中国人民銀行が国内で、これまで一年物とか三年物の短期間だったんですが、十年物の債券を発行してそのお金を集めたというようなスキームが初めてできていることもあわせて、私はやはり注目に値するのかなと思っております。

 アジア債券市場構想というものがありますが、外務大臣、このアジア債券市場構想についての御認識はいかがでしょうか、現地通貨建ての債券市場の規模を拡大するというのがまずその第一歩とされている構想でありますが。

高村国務大臣 この金融的構想については、私よりも、どちらかといえば財務省に聞いていただいた方がいいんだろうと思います。

武正委員 来週には日中韓の外相会議やASEAN外相会談というのも控えておりますので、ぜひ御認識を深めていただけるようにお願いをいたします。

 それでは、財務副大臣、お引き取りをいただいて結構でございます。

 続いて、経済産業副大臣、午前中からおいでいただきましてありがとうございます。

 お手元の資料の五ページ目に、アジアの石油備蓄制度の一覧表をつけさせていただきました。これは、まもなく東アジア・サミットが開かれるわけですが、既にことしの一月、第二回の東アジア・サミットで、東アジアのエネルギー安全保障に関するセブ宣言が採択をされております。

 この中で、やはり燃料の備蓄ということが採択をされております。「各国別計画、多国間又は地域の自主的な或いは商業的取り決めといった、戦略的燃料備蓄のあり得べき形態について探求する。」こういうセブ宣言がされて、来週にはシンガポールで東アジア・サミットが開かれて、そこでやはり第三回、こうしたセブ宣言を受けてのエネルギー安全保障に関する宣言も採択されるのではないかと言われております。

 この第二回以降の取り組み、それから、来週の東アジア・サミットを控えて、今後の方向性について、日本はそういう意味では石油備蓄について知見を有しておりますし、さまざまな技術、ノウハウの提供ができるのではないかというふうに思っておりますが、御所見を伺いたいと思います。

中野副大臣 武正委員から御指摘をいただきましたとおりに、本年一月、フィリピンにおいて開催をされました第二回の東アジア・サミットにおいて、エネルギー安全保障に関するセブ宣言が各国首脳により採択をされておるところであります。また、お話しいただきましたように、各国が協力して取り組むべき目標として、各国ごと、あるいは多国間ないし地域間協力による燃料備蓄の検討がうたわれております。

 提出をいただいたこの資料にありますように、アジアには、私ども日本や韓国のように備蓄の整備された、そういう意味ではIEA加盟国もありますけれども、整備途上の中国、あるいはまたフィリピン、ベトナム等国家備蓄制度がそもそもない国など、たくさんあるわけであります。

 経済産業省としては、備蓄の整備がおくれている国に対しまして、専門家の派遣や備蓄基地の視察受け入れなど、技術、ノウハウの面で協力するとともに、これからもIEAとも連携して備蓄整備の重要性を訴えていきたいと思っております。

 なお、ことし、備蓄基地の視察受け入れでありますけれども、インドネシア、マレーシアあるいはまたイラン、イラクを受け入れております。ちなみに、先月には、インドで行われました備蓄技術セミナーに私ども日本の、インドでは地下に備蓄タンクをつくりたい、こういうことでありましたので、その備蓄地下基地建設の技術あるいは操業技術の紹介ということで大変好評をいただいたようでもあります。

 これからも、ASEANプラス6でありますとか、あるいはIEA、とりわけASEANワークショップ、ことしもタイのバンコクで行われましたけれども、主導的な役割をしっかり果たしてまいります。

 お話しいただきましたように、私たち日本は、国家備蓄で九十九日分、民間備蓄で八十五日分、そういう意味では優等生を自称いたしておりますが、しっかり頑張りますので、これからも御支援ください。

武正委員 この備蓄、それからOECD各国がつくりました国際エネルギー機関の中では九十日備蓄を義務づけ、そしてまたヨーロッパなどでは、相互に備蓄の足りない分は融通し合うというような、そんな協定も結んでいるというふうに聞いております。

 そういう意味では、日本は、百八十日を超えているそうした備蓄分を、相互にというか、こちらが提供するということもできるわけなんですけれども、今そういうようなお話、たしかニュージーランドと進んでいるように聞いていますが、その点はいかがでしょうか。

中野副大臣 ニュージーランドとは、備蓄の協定を結ばせていただいております。

武正委員 多分、これから結ぶんですかね。

中野副大臣 結びました。

武正委員 多分それには外務省も当然絡んでいると思います。

 私は、この委員会というのは、大変大事な委員会だなというふうに思っております。ある面、さまざまな外交交渉のつかさの役割、そしてまた、条約締結はすべからく国内法を規定する。例の共謀罪のこともその一つでありまして、この外務委員会で事前に条約のところでもっともっと深掘りをしていけばというような思いもありますので、やはり条約審議、そしてまたこの外務委員会の持つ重要性というのがあろうかというふうに思っております。

 そこで、外務大臣、今経済産業副大臣から話がありましたこの備蓄なんですけれども、石油ショックを契機に、先ほど言ったOECDあるいは国際エネルギー機関で備蓄を義務づけ、お互いにそうしたやりとりもやっているわけなんですけれども、特にアジア、東アジア、今経済成長著しいわけでありますし、中国も、当然もう輸入国になっておりまして、輸入量は日本を上回っているという現状であります。

 そうした中で、やはりアジア、東アジアにおけるこうした備蓄制度の進展というものは、何かそうしたオイルショック的なものが起きたときの吸収材になり得べき国際的なインフラとして、日本もそれを主導していくべきだというふうに思っております。

 経済産業大臣も来週ASEANの方に行くようでありますが、外務大臣として、国家備蓄そして日本の協力、これについての御認識をお伺いしたいと思います。

高村国務大臣 自然災害等による一時的なエネルギー供給の途絶に備えて、その緊急対応策として石油備蓄は極めて重要でありまして、現在我が国は、先ほどからいろいろ言われていますが、私が認識しているのは百八十七日分の石油備蓄を保有しております。

 我が国は、国際エネルギー機関の加盟国として、これまで一九九一年の湾岸危機及び二〇〇五年のハリケーン・カトリーナによる被害の際の二度にわたりIEAの協調備蓄放出を行って、世界の石油市場の安定化に貢献しているところであります。

 東アジア地域、とりわけ中国、インドでは、急激な経済成長に伴いエネルギー需要が大幅に増加しており、この地域の経済規模やその成長度を踏まえれば、将来の供給途絶リスクに備え、石油備蓄を東アジアにおいて整備することは、地域のエネルギー市場の安定化の観点から極めて重要であると考えております。

 我が国は、これまでAPECや東アジア首脳会議等の国際的な枠組みを通じて石油備蓄の重要性について議論を行ってきており、今後も引き続きさまざまな機会をとらえて東アジア諸国に働きかけていきたい、こういうふうに考えております。

武正委員 ぜひ、来週もそういった機会もおありだと思いますので、そうした主導的立場を堅持していただければと思います。

 それでは、経済産業副大臣、ありがとうございました。

 続きまして、同じく油になるんですけれども、日中局長級協議がこの十四日行われました。きょう佐々江局長においでをいただきたかったんですが、総理と一緒に訪米をしているということで、かないませんでした。

 まず、外務大臣にぜひお願いをしたいんですが、民主党では外務防衛部門会議を週に二回開催をしておりまして、八月二日、民主党から各省官房長あてに、参議院第一党になった民主党、より政策論議を高めていきたい、それぞれ省庁を代表する方に部門会議に御出席をという文書を出しまして、自来、審議官級以上の方々が部門会議にも御出席をいただいております。

 ただ、六者協議あるいはこうした日中局長級協議は今、佐々江さんが担当しておりますので、私は外務省にぜひ佐々江さんに出てきてくださいというお願いをしているんですが、いや、それは出せないというようなお答えなんですね。まあしようがないということで、きょう外務委員会の質疑に佐々江さんをお願いしたんですが、訪米だと。来週も伺ってもシンガポールに行くというようなことで、本当に最前線で頑張っておられるのには敬意を表しますが、これは自民党の委員会にも当然佐々江さんは出ておられますので、やはり私は、その担当で、特に現場で責任を持ってやっておられる方の話を、民主党の部門会議に来て話を聞きたいということにこたえられないというのはいかがなものかと思うんです。

 初めてお聞きになったかもしれませんが、日程的に許せば、民主党の部門会議にぜひ出てきて説明をお願いしたいと思いますが、外務大臣としていかがでしょうか。

高村国務大臣 自民党が野党になったとき、各省課長級以上は出ちゃいけないという命令がどこかから出て、非常に悲しい思いをしたことがありますので、今の野党にそういう悲しい思いをなるべくさせたくないとは思います。

 ただ、今佐々江さん、物すごい忙しいということは御理解ください。これは今のアジアの問題もあらゆるところでありまして、そういう意味では、私もかなり忙しいもので、きょうの自民党の質問については失礼させていただいたわけでありますが、国会においては外務大臣はむしろ野党の皆さんの方に余計しているということも勘案いただきまして、高いレベルの人を出さないという意味ではありませんが、猛烈に忙しい人については御理解をいただきたいと私の方からもお願いいたします。おっしゃることはよくわかりますので、いろいろ検討したいと思います。

武正委員 外務省のお答えは、佐々江さん、局長以上の方が出るので勘弁してくれということなんですが、我々は、やはり直接交渉に当たっている担当者に、前も薮中さんなんかも来ていただいたこともありますが、やはり話を聞きたいということです。もちろん、日程的に難しければあれですが、最初からもう門前払いのような対応、お答えだったものですから、ぜひ、今御検討ということで、その言葉で受けとめさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それで、日中局長級協議、十四日の報道がされておりまして、外務大臣などもその前後から、もうこれは政治決着が必要だとか、外務大臣も今月末訪中ということであったり、あるいは首相訪中まで何の報告もないことはあり得ないということを述べておられたりしておりまして、この日中局長級協議にも大変御関心があると思うんです。

 十一回の会議がどのような協議の内容であったのか、それから、ことしの四月の日中首脳のそうした合意、秋までに報告をということで、あるいは広い海域でというようなことも出てまいりましたが、今回の十一回、それから現状、それから今後どのように見ておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

高村国務大臣 本年四月の温家宝総理訪日の際の日中首脳会談において、両首脳は、東シナ海を平和、協力、友好の海とするために、双方が受け入れ可能な比較的広い海域において共同開発をするということで一致したわけであります。この首脳間の共通認識を実現するために、私から中国側に対し、政治決断を求めてきているところでございます。また、先日行われた第十一回の局長級会議は、公式及び非公式な場において、共同開発の対象海域やそのあり方をめぐり、重点的な議論を行ったところであります。

 しかし、日中双方の立場には依然として隔たりが残されているのは事実であります。大変複雑で困難な交渉ですが、この問題の解決が双方の利益になることについては日中間で一致しています。引き続き、協議を加速し、対話を通じ、我が国の主権的権利を確保しつつ、迅速な解決を目指していく考えであります。

 一致しているところを言いますと、解決すれば両方の利益だ、解決しなければ両方の不利益だ、広い海域で共同開発しよう、ここまで一致しているんですが、その後の進展がさっぱりないというのが現状であります。基本的立場が違う点がありまして、困難をきわめておりまして、その基本的立場で中国側が政治的決断をしていただければ、こちらも柔軟な対応をしますよ、こういうことを申し上げているわけでありますが、なかなか政治的決断が出てこない。向こうの言い分は、いや、政治的決断は両方がやらなきゃいけないんだ、こういう話でありますが、いずれにしても、困難な問題ですが、お互いに決着すれば双方の利益だということについて一致しておりますので、何とか困難を乗り越えるべく最善を尽くしたいと思っております。

武正委員 この比較的広い海域というものの解釈が多分双方違うんだろう。日本側はこの中間線の東側は比較的広い海域には入らないという認識だというふうに思っておりますが、それはよろしいでしょうか。

高村国務大臣 ちょっと具体的なことを申し上げるのを差し控えたいと思いますが、ともかく、比較的広い海域というところまでは一致しているんですが、その比較的広い海域がどういうことかということについて、かなり大きな隔たりがあるのが現状だということだけ申し上げておきたいと思います。

武正委員 当外務委員会でも、昨年の一月でしたかね、視察を行いまして、空自でしたか、飛行機でガス田から尖閣へと上空から私も見てまいりました。

 この日中ガス田をめぐる日中間のさまざまなやりとりについては、私は、そもそも中間線ということもかなり日本は妥協をしてこれを引き、あるいは既に開発している平湖を初め、平湖については輸出入銀行が融資をしてきた、こういったこともこれあり、やはりかなり日本は妥協を重ねてきた交渉であります。

 その中で、第四回の交渉で、東シナ海の北と南の共同開発、これはいずれも東側でありますし、特に南側は尖閣のすぐ北側であるということで、こんなのはとても受け入れられる提案ではないということも、この委員会で、麻生外務大臣はその場所については直接触れませんでしたけれども、そうしたことが続いているというふうに理解をしております。やはり日本の領土、領海、これをしっかりと守るということで、外務大臣の訪中、そして合意を得る懸命なる御努力を期待したいというふうに思います。

 そこで、最後なんですけれども、先ほど近藤委員も取り上げました海上保安庁の海上哨戒訓練。これはちょうど十一月、マレーシアと共同で行いますが、一方、ことし十月にはPSI訓練、これは外務省さんが取りまとめで、海保なども参加して行われております。

 シーレーン防衛の有効性について先ほどもやりとりがあったんですが、私は、この委員会でも取り上げましたし、テロ特でも取り上げたように、二〇〇一年から二〇〇六年までの過去六年、日本船舶が航行中に被害を受けた十四件がいずれもマラッカ海峡、インドネシア、東南アジアであったことを例に、やはりあそこの海域というのは航行がそれぞれの領海内になりますし、軍事組織の艦船が行くよりも海上警察の艦船が行った方が地元の方の心理的抵抗が少ないということは、過去、津波のときにも立証されておりますので、やはりこうした海保と、あるいは場合によっては海上自衛隊とか、いろいろな組み合わせで日本政府は考えていくべきであろうというふうに思っております。

 第一回、日本でチームサムライ二〇〇四ですかをやったときは海保も哨戒活動に参加していたんですが、今回は陸上のみということでありますので、ぜひ外務省さんには、こうした海上保安庁も巻き込んで、いわゆるシーレーン防衛についてのリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、最後、この点、外務大臣の御所見を伺います。

高村国務大臣 原油需要の約九割を中東に依存し、資源の多くを海上輸送によって輸入している我が国にとっては、マラッカ海峡を初めとする海上交通の安全確保は重要であります。我が国は、平成十八年九月に発効したアジア海賊対策地域協力協定による情報共有体制の整備を進め、アジア各国との協力強化のためのさまざまな取り組みを行っております。

 一昨日、海上保安庁の巡視船「しきしま」がマレーシアに向けて出発し、本邦からマレーシアに至る間の公海上において海賊哨戒を実施する、寄港地においては同国海上法執行機関職員の研修、交流プログラム等を行う予定であると承知しております。

 このように、我が国は、アジア各国の海上保安機関との相互交流及びこれらの国々の海上取り締まり能力の強化や人材育成等の協力を積極的に進めているところであります。効果的なことは何でもやりたいと思っています。

武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 守屋前防衛事務次官は、次期輸送機CXのエンジン調達をめぐって、宮崎容疑者が設立した日本ミライズと随意契約にならないのはおかしいではないかと省内で発言していた問題について、さきの証人喚問で、当時、一般競争入札と随意契約が並列して行われていたと思ったからそう言った、ことしの六月に契約の運用方針が変わったことを聞いたと証言をいたしております。

 そこで、事実関係について防衛省に伺います。

 防衛省では、昨年六月とことし一月、二〇〇五年に締結した随意契約について点検、見直しを行って、随意契約見直し計画を策定しておりますが、その際、山田洋行との中央調達分の契約ではどのような見直し措置を講じたのか。また、その中に、今問題になっている次期輸送機のCXエンジンも含まれていたか。簡潔にお答え願います。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 随意契約の見直し計画の中での山田洋行との中央調達契約の扱いでございますけれども、CXエンジンを含めまして、中央調達で十九件、約四十三億四千万円が含まれておりまして、その全件を随意契約から一般競争契約に移行することとしております。

笠井委員 そうした随意契約見直し計画の内容というのは防衛省のホームページにも公表されて、全体で約二万三千件にも上る個別契約の点検結果と見直し措置の詳細を知ることができるようになっておりますが、防衛省では、こうした内容を守屋前次官に対してことし六月になるまで全く伝えようとしてこなかったんでしょうか。その点はどうですか。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年八月に定められた公共調達適正化のための政府全体の方針にのっとりまして、随意契約で行っている調達につきまして、随意契約によることが真にやむを得ない場合を除いて、原則として、平成十九年度までに一般競争入札や企画競争、公募の実施といった競争的な手法による契約方式をとることとする、そういった方針でございますけれども、こういう全般的な方針につきましては、担当課から守屋前事務次官に対して概要を説明したことはございますけれども、先ほど申しましたような個別の契約案件の取り扱いに関する計画については説明を行っていない、そういうふうに承知しております。

笠井委員 このホームページを公表するに当たって、次官に対して、こういうものが出ますよということについて届けるなりなんなりしたということはないんですか。

小川政府参考人 私、ちょっとつまびらかには承知しておりませんけれども、個別計画というのは二万三千件にも及びますので、恐らく届けておらないものと考えます。

笠井委員 証人喚問では、ことし六月に契約の運用方針が変わったというふうに聞いたと証言しているわけですけれども、実際は、ことし一月の時点で随意契約の見直しが行われていた、しかも、それがホームページにも載っているということでありまして、これは本当に、そういうことについて全然伝わるというシステムになっていないんですか。こういうものをやりましたということで、秘書官を通じてその時点で届けたとか、だれからだれに届けたとか、そういうこともないんですか。

小川政府参考人 ちょっと繰り返しのお答えになりますけれども、全般的な方針につきましては概要を説明したと承知しておるわけでございますけれども……(笠井委員「見直し計画について、こういう内容で」と呼ぶ)はい。全般的な、ですから、随意契約について、随意契約で十七年度に行っております調達につきまして、真にやむを得ない場合を除いて、原則として、平成十九年度までに一般競争入札や企画競争、公募の実施といった競争的な手法による契約方式をとる、そういう全般的な方針については担当課から説明をしたものと承知しておりますけれども、個別計画そのものについては説明は行っていない、そういうふうに承知をしておるということでございます。

笠井委員 それは、いつ担当課が伝えましたか。

小川政府参考人 いつということでございますけれども、そういう、いつ説明したというような資料がちょっと残っておりませんで、具体的な時期、そういったことについてちょっと確認できないところでございます。

笠井委員 ことし六月になるまでそれは伝わらなかったということでしょうか。

小川政府参考人 公共調達の見直しにつきましては、昨年六月、ことし一月に措置をやっておりますので、そういった前後に恐らく説明をしているのではないかというふうに思っております。

笠井委員 ですから、ことし六月というのは、それまで知らなかったという話は全然おかしな話になってくるわけです。これは偽証にもかかわってくる。

 防衛副大臣、お見えになっていますけれども、事は非常に、偽証ということにもかかわってくる問題だ。守屋前次官に関係資料がいつ、どういう形で渡ったのか、どういう説明があったのか、当時の関係者からも事情を聴取するなど、徹底調査すべきだと思うんですが、どうでしょうか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 その件につきましても、我々、今鋭意調査の最中でございます。

笠井委員 徹底して調査いただきたいと思います。

 次に、米軍再編のうちで、在沖縄米海兵隊のグアム移転事業に関してでありますが、二〇〇六年五月のロードマップ、2プラス2で、当時、日本側でいえば麻生外務大臣と同時に額賀防衛庁長官でしたが、そういう合意をまとめてから一年半が経過をしております。

 そこで、高村大臣、このグアム移転の事業というのは現在どういう段階にあるか、進捗状況の評価について伺いたいと思います。

高村国務大臣 在沖海兵隊のグアム移転に関し、日米間では、現在、在沖海兵隊のグアム移転の着実な実施に向けて、鋭意協議を行っているところでございます。

 具体的に申し上げると、本年五月の2プラス2の会合の共同発表にもあるとおり、例えば次のような進展が見られているわけであります。

 まず、米側は、グアムにおける施設の計画及び開発を統括するグアム統合計画室を設置しました。また、米海兵隊の沖縄からグアムへの移転に向けた環境影響評価書の準備のための計画告知を含め、米国は環境影響評価書手続を開始いたしました。また、日本側として、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転に関連する日本の資金的コミットメントの一部を実現するために、日本政府の指示のもと適切な措置をとる権限を国際協力銀行、JBICに付与する法律が成立いたしました。

 このほかにも、日本側が在沖海兵隊のグアム移転に係る企業説明会を平成十九年八月二日、東京で主催しました。また、米側が在沖海兵隊のグアム移転に係る企業説明会を平成十九年八月二十三、二十四日にグアムで主催いたしました。

 その他、事業の内容や所要経費の詳細については日米間で協議を行っているところでありますが、この点につきましては、米側との関係もあり、お答えすることを差し控えさせていただきます。

笠井委員 今大臣からお話がありましたが、これは総額一兆二千億円に上る膨大な事業でありまして、日本側の分担というのは、家族住宅三千五百戸程度を初めとして、七千億円以上に上るという膨大なものであります。

 今大臣からもありましたが、防衛省に伺います。

 ことし八月二日に、つまり今、事業者選定の準備に入った段階で、八月二日に東京で、八月二十七日に大阪で説明会が行われている。この企業説明会は、どのような目的でどのような説明を行ったのか、そして、どのような企業が何社参加したのか、その中に山田洋行、日本ミライズは参加していたかどうか、お答えください。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問がありました企業説明会の件でございますが、まず、本年の八月二日東京にて、また、八月二十七日に大阪にて、防衛省主催により、海兵隊のグアム移転に関する企業説明会というのを実施いたしました。

 目的でございますけれども、これは、本年五月三十日に駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法が成立いたしまして、八月二十九日に施行されることになりましたことを受けまして、米海兵隊のグアム移転に関して、これまでの日米協議の経緯、日米の合意内容、グアムにおける事業の概要等について私ども防衛省の方に問い合わせが多数寄せられたということもありまして、事業に関心のある企業に対して幅広く情報提供を行うことを目的としたものでございます。

 参加企業数でございますが、東京での説明会では約二百七十社、大阪での説明会は約八十社でございます。

 それから、山田洋行、日本ミライズの参加の有無でございますが、両社とも東京での企業説明会に参加しているそうでございます。

笠井委員 ゼネコン、商社あるいはコンサル、設備関係などがたくさん参加したということがあって、その中に、今、この二社が東京で入っていたと。

 外務省に伺いますが、大臣が言われましたアメリカ側の説明会ということで、山田洋行の米津社長は、きのうの参考人質疑の中でも参議院で、役員がグアムでの説明会に参加したというふうに言っていましたけれども、この説明会というのは、いつ、どこの主催で、目的は何で、どれぐらいの規模で開かれたか、日本の参加企業数、それから、外務省、防衛省が参加していたか、端的にお答え願いたいと思います。

羽田政府参考人 お答えいたします。

 本件企業説明会は、本年八月二十三日及び二十四日に米側が主催してグアムで開催され、グアム内外から千名以上の参加があったと承知しております。

 本件説明会では、米連邦政府、軍及びグアム政府の担当者が、在沖海兵隊のグアム移転に関連して、グアムの経済社会事情、関連する連邦及び州の法令制度等につき説明を行ったものと承知しております。

 当方で調べた限りでは、同説明会の主催者のホームページに記載されている参加社リストにヤマダコーポレーションとの記載があることは承知しておりますが、実際に山田洋行の関係者が出席していたか否かということについては、事実関係は承知しておりません。

 日本からは、外務省と防衛省がオブザーバーで参加いたしました。

笠井委員 参加企業リストというのがありまして、私も見ましたけれども、この山田洋行のほかに、日本ミライズと業務委託契約をしているオーシャン・ディベロップメントという会社の名前もあります。

 それで、この米軍再編についても進めてきた守屋前次官でありますけれども、その守屋前次官を接待してきた宮崎容疑者は、こう言っております。「米軍再編ビジネスをやっているのは事実だ」「具体的には、グアムを考えている。米大手ゼネコンの日本側代理人となっている企業は、パラオやグアムと国際協力をすすめるNPO法人をつくるなど顔が利くからだ。うちは営業部門としてやっている。すでに中堅マリコン(海洋土木会社)や大手住宅メーカーなどが参加を表明している」というふうに述べております。

 今、この利権問題が大変問題になっているわけですが、防衛省は米軍再編をめぐる利権疑惑について調査を行っているんでしょうか。いかがですか。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 グアム移転事業については、現段階では具体的な事業内容というのは確定しておりません。我が国の財政支出であります真水でありますとか、出融資に係る事業の予算化というのは今後検討される段階のものでございまして、そういう意味で、予算計上も契約も行われていない状況でございます。

 私ども防衛省としては、本事業については、今後予算計上とかあるいは契約を行っていくわけですけれども、その際に、今後とも、競争性が確保されて、公正な手続による事業を実施したいというふうに考えております。

笠井委員 予算計上されていないとはいっても、もう一兆二千億規模のプロジェクトになっている。しかも、日本でもアメリカでも説明会があって、アメリカの説明会は、来年早い時期には、もう最終的にかなり確定的な話で、次のをやるというふうな形で、そうホームページでも書いてあると思うんです。

 そういう段階で、現実には、日本でこの防衛利権という問題があって、米軍再編もねらわれているということで、私、これはきちっと防衛省としても調査すべきだと思うんです。

 委員長にお願いしたいんですが、この問題についてもきちっと防衛省は調査をして、先ほど近藤委員からPKOの問題もありました。当委員会に結果の報告を求めたいと思うんですが、理事会で協議をお願いしたいと思います。

平沢委員長 後刻、理事会で協議します。

笠井委員 最後に大臣に。

 やはり、莫大な国民の税金を投入するという米軍再編の問題であります。これは、癒着だとかあるいは利権という形で米軍再編問題についても食い物にされるようなことは、これまた絶対あってはならないと思うんですが、いかがでしょうか。

高村国務大臣 癒着や利権があってはならない、食い物にされてはいけない、そのとおりだと思います。

笠井委員 政府は、沖縄の負担軽減、抑止力の維持ということでこの米軍再編を進めるということでやってきたわけです。それ自体、私は、負担軽減ということにもならないし、沖縄にも本土にも新たな負担を強いると。そして、アメリカ戦略の拠点ということでグアムにつくるというような問題、この委員会でも議論してまいりました。しかし、一方では、これを進めるので交付金をてこにしながら再編を押しつけるということをやりながら、まして利権に使われるようなことがあったら、これは大臣が言われたように、中身の立場は別としても、絶対あってはならないということでありまして、政府としてもこの問題、利権の問題も徹底して解明すべきだ、このことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

平沢委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 高村大臣、予告がない、簡単なことなんですけれども、一言ちょっと伺いたいことがございます。

 テロ特の議論でもたびたび出ていた話題なんですが、鳩山法務大臣が友達の友達はアルカイダという発言を海外プレスでしたことをめぐって、鳩山大臣自身、舌足らずだったというふうに釈明をされ、また、町村官房長官が注意をする、その注意の中で、事の経過を文書で提出しろということでやりとりがございました。我々も、テロ特で私も聞きましたし、法務委員会でもいろいろあの議論はしているんですが、高村大臣はこの種の発言についてどのように感じられておられるのか、これを聞いてみたいと思います。

高村国務大臣 まことに申しわけありませんが、どういう文脈で言ったのかよくわかりませんが、その後で事後的に鳩山法務大臣は、そういうことはしかるべき取り締まりをしなきゃいけない、そういう知っている事実を述べた上で、取り締まらなければいけない、こういう趣旨で言ったんだと言っているやに聞いております、私、直接聞いたわけじゃありませんが。

 まことに申しわけありませんが、その程度にとどめたいと思います。

保坂(展)委員 高村大臣も法務大臣経験者でいらっしゃいますね。

 鳩山大臣の町村長官にあてた文書は法務委員会にも提出されているんですが、事実関係のところで、これは、二〇〇二年の八月くらいに、日本人のBさんというのが鳩山さんの友達でいて、その友達のところにAという人から電話があった、クタ地区には近づくなと。そうしたら、半信半疑で聞いておったら、その二カ月後の十月に爆発事件が起きたということなんですね。それで、そのBさんとAさんというのは、日本人のBさんとその電話をかけてきたAという人は共同出資で事業を経営していて、そのAという人が行方不明になっている、アルカイダ系に走ったらしいということなんですよ、事実関係としては。

 その事実関係をもって、テロリストあるいは事件関係者というふうにプレスの前で世界に向かって言うことが果たして適当なのかどうかということもあるわけですね。事件の捜査やあるいは裁判、法務大臣が法の番人であるということに照らして、こういうような内容の発言で、今なおこれはずっと御本人も発言されているということで議論されています。

 そういうことについて、法務大臣の職責を踏まえて、しかも今度、ヨーロッパに行かれて司法関係者と議論する、我々も少々心配しているわけです。いかがでしょうか。

高村国務大臣 私は今、外務大臣としてここにいるわけでして、先ほどお答えした範囲でお答えはとどめたい、こういうふうに思います。

保坂(展)委員 もう少し鮮明な見解が聞けると思って聞いたんですが、余り見解がないようなお答えでちょっと残念です。

 防衛省の方にお聞きをしたいと思います。

 きのうの参議院の証人喚問でいろいろなことが出てきました。幹部自衛官の名前も出てきましたね。これは、守屋氏本人のヒアリング、そして幹部級の自衛官に対するヒアリング等々をして、いわゆる宮崎元専務がセットしたゴルフに同行した、プレーをした自衛官というのは、何人ぐらいいたんでしょうか。会食の席も含めて、わかっている現状を教えてください。

渡部政府参考人 お答え申し上げます。

 現時点におきまして、何人いたかということを申し上げられる状況ではございません。

保坂(展)委員 いたのかいないのか、これはどうですか。存否はいかがですか。いなかったのか、いたのか。証人喚問では名前が出ましたけれども。

渡部政府参考人 その点につきましても、現時点では申し上げることはできません。

保坂(展)委員 何でですか。おかしいじゃないですか。国会で聞いているんですから、理由を示してくださいよ。

渡部政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日の証人喚問で出ました福山さんにつきましては、現在調査をしているところでございます。その他につきましてはちょっとわかりませんので、ここでお答えできないということで御理解いただきたいと思います。

保坂(展)委員 これは、証人喚問できのう出てまいりました。衆議院段階では出てこなかったことで、防衛省の内部調査では、宮崎元専務がセットした場にアメリカの政府高官、要人が見えた、そこに守屋さんも顔を見せたと。こういうことは防衛省の内部ヒアリングで把握されていますよね。何回ぐらいあったんですか、そういうことは。

中江政府参考人 お答えをいたします。

 まず、現役職員につきましては、大臣の指示によりまして、防衛監察本部におきまして、背広組、それから制服組、合わせまして幹部職員約四百二十名につきまして、利害関係者との間でゴルフ、マージャンその他接待等につきまして何か問題がないかどうか聞き取り調査を精力的に行っているところでございまして、それについての調査結果がまだ出ておりませんので、今この時点でお答えすることができないということでございます。

 それから、昨日名前の出ました職員につきましては、既に退職をしているものですから、この防衛監察本部の特別監察の対象にはなっておりませんけれども、お名前が挙げられたこともございますので、先ほど人事教育局長が答弁申し上げましたように、現在、本人にその事実関係について確認を行っているところでございます。

保坂(展)委員 あと五分ですというのが来ちゃって、困りましたね。質問を聞いていなかったですか。

 アメリカの政府高官が、あるいは元高官、要人が日本に来ました、そのときに宮崎元専務が宴席あるいは食事などをセットして、そこに守屋さんも来たということを防衛省のヒアリングで確認しているでしょう、それは何回ぐらい持たれたんですかと言っているんですよ。

中江政府参考人 守屋氏と宮崎元専務との会食についてということでございますね。(保坂(展)委員「アメリカの要人が来たとき」と呼ぶ)その回数については、先生御指摘のように、私どもの調査で、アメリカのそういう国防省等の高官等が来日された折に守屋氏が宮崎氏とともに会食をしているということにつきましては、私どもの聞き取りで明らかになっておりまして、その旨は明らかにしておりますけれども、その回数については確認はしておりません。

保坂(展)委員 聞き取りでしょうから、聞き取って、ああ、そうやって食事されましたねで終わるわけないでしょう。そこで何を話したんですか。どういうふうにヒアリングで聞いていますか。

中江政府参考人 具体的に、どういう話し合いを行ったことまでについては確認をしておらないところでございます。

保坂(展)委員 そんなことで内部調査はできるんですか。

 宮崎元専務は、いわゆるビジネスチャンスはどこにあるかというのを情報収集したいわけですね。アメリカが来、そして守屋さんが来て、そこでどういう話があったのか。それは、単なる人間関係で、フレンドリーな人間同士の何かおつき合いがあるから雑談で終わったのか、それとも、今言われているような防衛装備品などについてのさまざまな、長期的なプランから短期的なものから、そういうものはなかったのかというのは重大な事態じゃないですか、防衛省としても。

 そういう中身について全く関心を持たないで調査しているんですか。

中江政府参考人 守屋氏の件に関しましては、あくまでも自衛隊員の倫理規程に照らしまして、利害関係者との間に不適切な行為がなかったかどうかについて調査をしたところでございます。

保坂(展)委員 今、非常に不十分な答弁でしたけれども、もう一点だけ。

 二〇〇三年の五月八日に、当時の統幕議長が二時半から記者会見をされた。そのときに初めて、ペコスからキティーホークへの燃料が、そこに注がれた、二十万ガロンであるということで記者団がざわついて、わずか六分で記者会見がとまってしまった。そして、五時から海幕の寺岡防衛課長が記者会見を再開するんですけれども、この間に、寺岡課長の証言によれば、防衛局長、これは守屋さんですね、それから官房長、そして事務次官、長官、こういうメンバーで、いわばこれからの方針を固めて、そして、寺岡さんやってこいということで記者会見に臨んだことが明らかになっているんですが、いつどのような場でそういった意思伝達あるいは協議が持たれたんですか。

渡部政府参考人 お答えいたします。

 平成十五年五月八日の統幕議長の記者会見の後に、今御指摘のように、海幕防衛課長の記者ブリーフィングを行ったわけでございますけれども、その間の経緯の詳細につきましては、当時の関係者の記憶に不確かな部分もありまして、確定できていない状況でございます。

保坂(展)委員 運用局長に来ていただいていますけれども、海幕防衛課長がやった記者会見は結構重要な内容を含んでいるんですね。不朽の自由作戦に参加することであれば、キティーホークに間接であっても直接であっても給油していいとまで言っているわけです。防衛庁というのは、当時こんなことを幕の課長が自分の判断でやれる組織だったんですか。やはりトップの政策判断、そういうことを含めて協議した上で、課長に対するいわば振りつけというか、こういう枠で会見しろという指示をする組織ではなかったんですか。

高見澤政府参考人 お答えいたします。

 私、当日の状況については不在だったものですからわかりませんけれども、一般的に、当時の状況から申し上げますと、まず五月の六日のキティーホークの艦長といいますか、第五空母機動部隊の発言で間接給油問題が大きく取り上げられた、そこから問題がスタートしているということでありますので、その点については内局の方でちゃんとした確認をしておる。その前提の上で、実際に間接給油の量とか、それがどうだったかということに話が移っていったのでありまして、海幕の防衛課長としては、当然そういった大方針の中での議論をやっておる。

 一方、数字につきましては、統幕議長の方で二十万ガロンという数字が出ましたので、記者の求めに応じて、ちゃんとした手続をとって記者ブリーフィングをしたというふうに思います。記者ブリーフィングをするのに、海幕だけで勝手にするということはないと思っております。(保坂(展)委員「その間に意思決定があった」と呼ぶ)いや、意思決定というか、つまり記者の方で、当時、私はいませんので何とも申し上げられませんけれども、常識的に考えますと、例えば二十万ガロン、八十万ガロンの違いがあったときに、訂正をするという話がございました。それで、私どもの課長が記者ブリーフィングをして、数字を、二十万ではなくて八十万であったというふうにしていますけれども、それは当然、上の方の意思を踏まえてやりますので、単独で課長がやるということではないと思います。

保坂(展)委員 時間になったので、終わります。

平沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三分散会


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