衆議院

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第16号 平成22年5月26日(水曜日)

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平成二十二年五月二十六日(水曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 宗男君

   理事 木内 孝胤君 理事 小宮山泰子君

   理事 空本 誠喜君 理事 中野  譲君

   理事 和田 隆志君 理事 小野寺五典君

   理事 平沢 勝栄君 理事 赤松 正雄君

      相原 史乃君    大山 昌宏君

      齋藤  勁君    阪口 直人君

      末松 義規君    武正 公一君

      中津川博郷君    西村智奈美君

      萩原  仁君    浜本  宏君

      早川久美子君    平岡 秀夫君

      松宮  勲君    横粂 勝仁君

      岩屋  毅君    河井 克行君

      河野 太郎君    高村 正彦君

      古川 禎久君    笠井  亮君

      服部 良一君

    …………………………………

   外務大臣         岡田 克也君

   外務副大臣        武正 公一君

   外務大臣政務官      西村智奈美君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   防衛大臣政務官      長島 昭久君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  前田 隆平君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十六日

 辞任         補欠選任

  吉良 州司君     相原 史乃君

同日

 辞任         補欠選任

  相原 史乃君     吉良 州司君

    ―――――――――――――

五月二十五日

 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)(参議院送付)

 国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件(条約第一三号)(参議院送付)

同月二十日

 辺野古新基地建設計画の撤回、核密約の公表・廃棄と日米地位協定の抜本改定を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九五三号)

 普天間基地の無条件返還を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九五四号)

 核兵器禁止条約の早期締結に関する請願(岸田文雄君紹介)(第一〇三二号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一〇四二号)

 同(空本誠喜君紹介)(第一〇四八号)

 同(中川秀直君紹介)(第一〇四九号)

 同(橋本博明君紹介)(第一〇五〇号)

 同(三谷光男君紹介)(第一〇五一号)

 同(和田隆志君紹介)(第一〇五二号)

 同(松本大輔君紹介)(第一〇六一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 社会保障に関する日本国政府とアイルランド政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一〇号)(参議院送付)

 航空業務に関する日本国と中華人民共和国マカオ特別行政区との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一一号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 社会保障に関する日本国政府とアイルランド政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国と中華人民共和国マカオ特別行政区との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両件審査のため、本日、政府参考人として国土交通省航空局長前田隆平君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内孝胤君。

木内委員 本日は、日本・マカオ航空協定についてお伺い申し上げます。

 冒頭に、韓国哨戒艦沈没につきまして、四十六名の犠牲者の皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族、関係者の皆様にお悔やみを申し上げます。

 日本・マカオ航空協定に関してでございますが、まず経緯についてお伺いいたしますが、中華人民共和国の香港特別行政区とは既に九七年に航空協定が締結されています。同じ特別行政区であるマカオとの間に、このタイミングで協定が締結されることになった経緯をお聞かせください。

武正副大臣 木内委員にお答えいたします。

 テレビでもマカオ特集なども行われているように、近年、我が国とマカオとの間での人的往来が増加しております。二〇〇八年も、日本からマカオには四十万人近くの方が行かれたということでございます。

 こうした人的往来増加の中で、双方の国内法に基づく許可を得たチャーター便、あるいは定期的な航空便の運航が行われてまいりましたが、こうした人的往来増加の背景の中、昨年五月、日・マカオの定期国際航空業務を安定的に運用すべく、航空協定の締結交渉を実施いたしました。実質的に合意を見たことを受けまして、ことし二月、署名が行われました。

 本協定は、日・マカオ間の定期航空路線開設に係る法的枠組みを設定するものであり、締結により、日・マカオ間の航空関係が国際約束に基づいた安定的なものになることが期待をされております。

木内委員 今お話ありましたとおり、あるいは、過去の渡航者数の推移を見てみますと、非常に順調に伸びているように見えます。

 逆に言いますと、こうした航空協定があってもなくても、渡航者数、あるいは人的交流、経済交流に関して何ら影響がないような見え方もしているんですが、こうした航空協定を締結する意義を改めてお伺いいたします。

武正副大臣 今お話を申し上げましたように、やはり法的な枠組みというものが必要な理由、また国際約束によっての安定的な効果、また、今、世界的にさまざまな航空保安についても、過日、アジア太平洋の航空保安閣僚会合も日本で開かれましたし、あるいはまた、オープンスカイという世界的な動き、また、日本も、これから成長戦略も具体化、国を開くというようなことで発表していくといったことも総合的に勘案すると、やはりこうした法的な枠組みを設定する必要があるというふうに考えております。

木内委員 ありがとうございます。

 マカオといえば、私はカジノを思い浮かべます。従来ですとラスベガスが世界一ということでございましたが、今はマカオが世界一のカジノ王国と言われております。

 マカオに人が集まってきますのは、カジノを中心とした総合エンターテインメントがあるためだというのは明白でございますが、こうした人的交流、経済交流を活発化させるためにはカジノという手段を日本でも有効に使えないのか、そのような視点に立ちまして、私は、日本でもカジノ導入を進めるべきという立場に立って、逆に、問題点、懸念点は何なのか、そのような議員連盟等でもいろいろ活発に議論をさせていただいております。

 中華人民共和国におきまして特別行政区の中でこうしたものを運営するというのは、日本にとりましても一つの大きな参考事例になろうかと考えておりますが、特に今、成長戦略あるいは観光立国、こうしたことを標榜するのであれば、カジノを日本でやること、これはもし可能であれば大臣にお伺いしたいんですが、大臣のカジノに関する個人的な御意見、あるいは、今、例えばでございますけれども、沖縄にこうしたカジノを導入するということに関する御意見をお伺いしたいと思います。

武正副大臣 まず私から答えさせていただきます。

 ちょっと質問の項目になかったもので、個人的な意見ということでありますし、また、私も沖縄でそうした動きがあるということは承知をしております。観光に、そして経済の活性化にということで、そうした御提案が、日本国内でもということがあることは重々承知しております。

 しかしながら、他の国のいろいろな事例を見ておりますと、これは私の個人的な意見ですが、当初は外国人観光客というふうに限定をしているんですが、だんだん国内の皆さんも入ってこられて、その意味でのギャンブル性が非常に強くなっていくと感じられるところもあるということなものですから、私はやはり総合的に検討が必要ではないのかなというふうに思っております。

木内委員 わかりました。カジノにつきましては賛否いろいろ意見はあるかと思いますけれども、こうしたものにも、問題点を解決しつつ、メリットを享受するということで、今後とも検討を進めていきたいというふうに考えております。

 続きまして、韓国の哨戒艦の問題についてお伺い申し上げます。

 今まさに、一触即発とも言える大変危機的な状況ではないかというふうに認識をしております。過去を振り返っても、北朝鮮による韓国に対する攻撃例というのはございます。調べてみたんですが、例えばでございますけれども、一九八三年、全斗煥大統領をねらったラングーンでの事件。そのときは、大統領はアウン・サン廟に到着するのがおくれたために難を逃れましたけれども、大統領の友人であった李外務部長官あるいは秘書室長等、大勢の要人が北朝鮮の工作隊に殺害をされました。あるいは大韓航空機の事件等もございました。

 こうした中で、私は、これは非常に大きな侵略行為と考えておりますけれども、なぜ北はこうしたことをやったのか。まだ冷静な対応、あるいは追加の調査が必要ということもあろうかと思いますけれども、なぜ北はこうしたことをやったのか。これを考えるにつれ、北は、どうせ日米韓はある程度自制をせざるを得ない、言葉は悪いですが、泣き寝入りをするのではないか、こうたかをくくっている可能性がある、そのように考えざるを得ないというふうに私は考えております。例えば、過去の拉致、核、ミサイルの諸問題でも、我が国は煮え湯を飲まされてきました。

 この際、甚だ遺憾とするところではございますけれども、アメリカには北を再びテロ支援国家と指定すること、あるいは国連を通じてさまざまな制裁を加えること、そして、もう既に発表しておりますけれども、韓国以外、米国、オーストラリア、そして国連の諸国とも連携を図りながら、こうしたさまざまな経済制裁を加えるべきと私は考えておりますけれども、現状、その制裁、今後の状況についての政府の御意見をお伺いしたいと思います。

武正副大臣 今回の北朝鮮の行為、その調査団の報告、また月曜日の李明博大統領の声明、こうしたもの、また事前に鳩山総理との電話会談など先週も行われておりまして、我が国とすれば、この北朝鮮の行為は許しがたいというふうに考えております。国際社会とともに強く非難をするところでございます。

 今後の対応に当たっては、この地域の平和と安定のために、韓国、米国との緊密な連携を図り、協力をしていきたいというふうに思っています。制裁措置については、やはり諸般の状況を見きわめて、今言いましたような韓、米、ほかと連携をしつつ、必要な措置を総合的観点から検討していくということでございます。

 また、関連する安保理決議及び我が国としての追加的な措置、これについては既に官房長官等からも発言がありますが、引き続き着実に実施をする考えでありまして、また、特に衆議院で可決をし、今参議院に送付をされております貨物検査法の早期成立、施行を含む必要な取り組みを進めていく考えでございます。

木内委員 先日、中国と米国の会談もございました。その中で、この北朝鮮の問題に対する若干の温度差があったように感じております。

 ベルリンの壁崩壊以降、例えばアルバニアですら孤立の道を捨てて常識的な道を歩んでいます。中国が行きがかり上、北朝鮮に閉鎖的な孤立の道を歩ませていることは、中国にとりましても、北朝鮮にとりましても、あるいは北東アジアみんなにとっても非常に不幸なことだと考えております。この一触即発の危機を、日本としては何とかプラスに転じる転機ではないかというふうに私は考えております。

 日本は、北朝鮮の拉致家族の問題もございます。こうした北朝鮮の拉致の問題をどのようにして今回のこうした事件とも絡めて交渉していくのか、その点についてお聞かせください。

武正副大臣 先週、クリントン国務長官の来日、そしてまた日米外相会談、総理への表敬といったことがあって、今韓国にクリントン国務長官は移りましたけれども、米中の戦略・経済対話、会談が行われたわけでございます。

 その中での今のお話でございますが、中国が六者協議の議長国でもあるように、この北東アジアの安定にとって大変大事な役割に中国があるということは、もうかねてから日本が中国に対して主張をしているところでありますし、それは米も同様の思いということで、今回の米中会談も行われたものと理解をしております。

 今の北朝鮮による拉致問題との関連でありますけれども、地域の平和と安全を脅かす今回の行為については、クリントン国務長官も来日時の記者会見で拉致問題にも言及をされたように、日本としてこの拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決の取り組みにやはり悪影響を与えるものというふうに考えております。六者協議についても開催時期に影響を与えるということはかねてから外相からも発言があったところでありますが、北朝鮮に対しては諸問題の解決に向けた具体的な行動をとることこそがみずからの利益になることを理解させることが重要でありまして、このような観点から、今般、我が国独自の追加措置を検討しているわけであります。

 拉致問題については、既にお話ししているように、二〇〇八年八月の日朝協議の合意に基づいて、北朝鮮側にボールがある、北朝鮮側による調査の早急なやり直しということが重要である、そういった認識であります。我が国としては、そうした調査のやり直しが早期に実現され、生存者の皆さんの帰国につながるような成果が早期に得られるよう、引き続き北朝鮮側に強く求めていく考えでありまして、いずれにせよ、すべての拉致被害者の生還を実現すべく、考え得るあらゆる方策を使い、一日も早い解決を目指すところでございます。

木内委員 こういう有事の際は、当然のことながら、冷静な対応が必要でございます。一方で、冷静な対応とばかり言っていても仕方がございませんので、私は、非常に強い制裁措置、かつ実効性のある制裁措置、日本だけでやっても仕方ない部分はございますが、日本は日本としてやり、各国とも連携をしてやるような制裁措置が必要だと思っております。

 一方で、この制裁措置を始めるに当たりまして、私は一つ懸念しておりますことは、やはり北朝鮮、今回の動きを見ていましても、なかなか何をするかわからないような国であるということは明白でございます。その中で、我が国の危機管理対応、すなわち、例えば原子力の施設あるいは公共施設、こうしたところに対する警備、こうした危機管理対応についてお伺い申し上げます。

岡田国務大臣 まず、今回の北朝鮮のこの事案については、我が国としては、冷静に、しかししっかりと対応していくことが必要だというふうに思っております。我が国独自でとるべき措置というのは、今政府の中で検討しているところです。

 委員も御案内のように、日本はかなりのことを既に北朝鮮に対して行ってきておりますので、そういう意味で、残されたものがたくさんあるわけでは必ずしもございません。それから、将来の拉致問題の展開その他を考えたときに、カードをすべて切ってしまうわけにもまいりません。そういう条件のもとではありますけれども、しかし、日本としてしっかりとした対応をしていくということは重要でありますので、今政府の中で検討を行っているところであります。

 同時に、御指摘のように、何が起こるかわからないという緊張感は非常に必要だというふうに思っております。したがって、具体的には申し上げられませんが、関係閣僚会議の場などにおいても、それぞれの関係閣僚がみずからの所管することについてしっかり対応するということを確認し合っているところでございます。

木内委員 こうした冷静かつ断固とした、毅然とした態度というのは、非常に安定感のある正しい方向だと思っております。

 もう一つお伺い申し上げたいのは、こうした問題に関して、今、各国、スウェーデンとかいろいろな国を含めた調査団がその内容について調査をしております。既に報告書が出ているわけでございますけれども、以前、イラク戦争の際の大量破壊兵器の調査団の問題がございました。後になって信頼性があったとかないとか、そう言われかねないので、中立的な第三国も関与した、北朝鮮につけ入るすきを与えない、そのような確固とした調査団、そして日本独自としての調査を進めるべきではないかというふうにも思っております。

 なかなか調査する限界というのもあろうかと思いますけれども、日本独自の調査ということに関して御意見をお伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 こういうときに重要なのは、きちんと事実関係を把握するということであります。今回の件も、そういう意味で、そこがおざなりになってはいけないということを、私も調査結果が発表になる前から申し上げてきたところであります。

 ただ、今回の調査、その構成が、韓国以外の、今委員も御指摘の、アメリカや豪州やイギリスやスウェーデンや、さまざまな国の人が入っての調査であるということが一つ。そして、その調査の中で明確な証拠が出てきたということがございます。魚雷の破片といいますか部品といいますか、そういうものまで出てきて、そしてその魚雷の構造が北朝鮮がかつて輸出をしたものと同じである、こういうことでありますので、私は調査の結果に間違いはないというふうに思っております。

 なお、日本国政府としても、念には念を入れてということで、調査結果が発表になる前から、関係省庁の専門家が綿密に韓国政府あるいは調査をした人々とコミュニケーションをとりまして確認をしてきておりますし、念には念を入れて、調査結果の公表直前にも、さらに政府としての調査団を送り、そして専門家同士が意見交換を行い、この調査結果については確信を持っているところであります。

木内委員 ありがとうございます。

 私は、東西ドイツが統合した九二年から九五年、ドイツで仕事をしていたことがあるのでございますけれども、私のドイツ語の先生は東ドイツ出身の先生でございました。

 今、北朝鮮の状況を見ていますと、これは何年後になるかわかりませんけれども、南北が統一する可能性というのも十分に想定されると思います。

 東ドイツの場合は、東諸国の中でも一番の優等生と言われておりましたが、いざ統一してみたら、もう本当に、当時のドイツの経済の足を引っ張り、文化的にもいろいろな意味で、もともと同じ国であったにもかかわらず、非常に統合が難航しました。

 こうした状況を踏まえて、今後もし南北が統一した場合、どの程度の人たちが中国に行き、あるいは韓国に行き、あるいは日本に来る可能性があるのか、これも危機管理の一つとして、これはいつ起こるかわからない話ということではございますけれども、いろいろなシミュレーションが政府の中でもされていると期待はしておりますが、ぜひこうした問題にも明確な、担当者といいますか、指示を出していただければと思います。

武正副大臣 これは韓国また北朝鮮の統一の取り組みということでありまして、今回、李明博大統領の声明でも、やはり南北の統一、これが韓国とすれば目的であるということを改めて確認した声明が出ているわけであります。その中での今回のこうした行為は許せないということが声明でも盛り込まれたわけであります。

 今委員からは朝鮮半島の統一への対応ということについての御指摘があったわけでありますが、この北東アジアの平和と安定のためにということで日本が果たし得るさまざまな役割、これがまた六者協議再開ということもその前提にもなってくるわけでありますので、まず日本としてできるところ、先ほども触れましたけれども、それについて全力を尽くしていくということでありますし、今御指摘の点も踏まえて対応をしてまいりたいというふうに考えております。

木内委員 いろいろお話を聞いていますと、非常に冷静かつ毅然とした態度、断固とした態度、いろいろな手当てがされているように感じましたので安心しておりますけれども、本当に一触即発というのはだれもが否定し得ない状況でございます。ぜひ今後も危機管理対応、継続して御努力いただければと思います。

 残り時間も少なくなってまいりましたので、最後に普天間基地移設の問題について質問をさせていただきます。

 三月末に、沖縄県の知事、うるま市長、県議会、市議会、関係者の皆様に会ってまいりました。当然、沖縄県民皆様の声を一生懸命、あるいは同僚の議員、そして関係者の人たち、本当に長い間、意見を聞いてきたわけでございます。そして、こうしたさまざまな声をベースに、今週の金曜日、あさって、日米共同声明が発表されようとしております。

 以前、どなたかが岡田大臣に質問をした際に、最悪のシナリオは何かと聞いたときに、まず普天間の基地、この危険が除去されない、移設が実現しないこと、そして八千人の海兵隊のグアム移転が実現しないこと、これが本当に最悪のシナリオだと。

 今回、共同声明で発表されようとしている内容、新聞報道等がどこまで事実かわかりませんので一つ一つはお尋ねしませんけれども、今回の声明発表の内容としては、普天間基地移設、これは実現するだろう。八千名の海兵隊の移転、これも実現するだろう。あともう一つは、やはり全体としての負担の軽減、これはやはり期待値からすれば相当外れてはいるかもしれないけれども、一部はこれが実現をするということで、私は、これは非常に苦しい決断だと思いますし、だれもが県民皆様の声を聞いて、〇・六%という領土に七五%の負担があるということを知れば、これを少しでも軽減したい、これは鳩山総理のみならず、みんなが共有していることかと思っております。

 一方で、では、自分の地元にこうした基地を誘致するということになった場合、総論で賛成であっても、みんなが反対しているような事項でございます。どういう決断をしても本当に反発はあろうかと思いますけれども、最終的に、今の内外の情勢、いろいろなことをかんがみ、そして普天間の基地が移設できないこと、あるいは八千人の移転が実現しないことを考えれば、私は、今新聞報道等でされていることも、賛成はしづらい立場ではあるんですけれども、やむを得ないことかなと思っております。

 我々は、沖縄県民皆様の負担軽減というのは今回一回きりで進められる話ではございません。技術革新あるいは内外情勢の変化、こうしたことをとらまえて、これから常に、県民皆様の負担が軽減される、これを我々国民が全体となって進めていく、こうした決意を持って、本当に苦渋の決断になるかもしれませんが、私は、最後に必要なのは、国益、国を守る、そして沖縄県民皆様の負担を軽減するということで、金曜日の声明の発表に関して期待をしております。

 大臣、二日前に質問しても答えられる余地は少ないかと思いますが、最後に、この問題について、発表の二日前の大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

岡田国務大臣 報道はいろいろありますが、最終的にいつということはまだ申し上げられません。ただ、五月末までにという約束をぜひ果たしたいというふうに考えて、まだまだ課題はございますけれども、その約束実現に向けて、内閣を挙げて今努力を行っているところでございます。したがって、日米合意案の内容についても今申し上げるべきではないというふうに思います。

 ただ、言えることは、沖縄の負担の軽減という観点から、今まで沖縄県の方からさまざま御要望のあった点について、日米間で真摯に議論を行い、そしてかなりのものをその合意の中に盛り込むことができるのではないか、そういうふうに考えているところであります。

 いずれにしても、これはまだスタートであります。つまり、沖縄県民の皆さんが納得しているわけではございません。したがって、今後、そのことに関して政府として真摯に努力をして県民の皆様の御理解をいただく、そういう大きな作業が残っているということであります。

木内委員 今回の決断がこれからのスタートというのは本当にいい話だと私は思います。国民一人一人が日本の国益、そして沖縄県民の負担の軽減ということに取り組んで一生懸命頑張りたい、その決意を新たに、質問を終了とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

鈴木委員長 次に、大山昌宏君。

大山委員 民主党の大山昌宏でございます。

 今回は、アイルランドとの社会保障に関する協定について質問をさせていただきたいと思います。

 何年か前のことになるんですが、私が高等学校で講師として働いていたときに、同僚の外国人の先生がおりました。その方はニュージーランド人だったんですけれども、二年だか三年だかの勤務を終えて本国に帰られるときに、日本の一時的に加入していた年金制度から脱退をしたい、そういう必要があるので、脱退一時金の申請方法を、どういうふうにしたらいいのか調べたいと言われまして、一緒に社会保険事務所についてきてくれないかと言われ、一緒に行った経験があります。

 そのときに私も感じたんですけれども、申請の手続が非常に複雑であり、日本人の私として、説明を聞いていても、すごく難しいというふうに思いました。本人は実際には本国へ帰ってから申請するということでありますが、もっと手続を簡単にできないかなとそのとき感じたことを今でも記憶しています。

 そしてまた、実際に、手続が非常に面倒であるということで、掛け捨てになってもいいから手続をしない、そういった人が非常に多いという話もお伺いしております。幸い私の友人は無事手続を終えたということで、後日メールで、ありがとうございましたというふうにいただいたんですけれども。

 今になって思うことですけれども、今回のような協定がそのときにもし結ばれていたのであれば、私とか私の友人が感じたような不都合、そういったものがなかったのではないかなと思います。ぜひ、日本国民を含めた多くの方々が社会制度に関する手続をする際に不便を感じないように、また社会保障費の二重払いを防ぐという意味でも、こういった協定の締結を進めていただきたいと思っております。

 では、今回の協定の締結の経緯や内容について、まず私の経験を踏まえて質問させていただきたいと思います。

 今回は、アイルランドとの間で、双方の国の滞在や在勤者について社会保障費の二重払いなどの不利益をこうむらないようにするという協定であります。大変有意義なものであると思います。改めて、今回の協定の内容と交渉の経緯をお聞かせいただけますでしょうか。

武正副大臣 大山委員にお答えいたします。

 日本とアイルランドの間には、今御指摘のように、企業等から相手国に派遣されている駐在員などが両国の年金制度に加入する義務を負っている二重加入の問題のほか、掛け捨て、相手国での加入期間が短いために年金の受給に必要な期間を満たせないということ、こういった問題。また、加えて、アイルランドの年金を受け取るための最低加入期間が二〇一二年に今までの五年から十年に変更される予定であるため、より掛け捨てのリスクが高まることが見込まれる。こういったことに加えまして、企業そしてまた個人の双方の負担が大きいということで、経済界からも強い要望があったところであります。

 こうしたことを踏まえて、二重加入の問題を解消するために年金制度に係る適用法令の調整を行うこと及び掛け捨ての問題を解消するための保険期間の通算を行うことを内容とする日・アイルランド社会保障協定を締結することにしたものでございます。昨年の三月に交渉を開始しまして、昨年の十月二十九日にダブリンで署名を行ったところでございます。

大山委員 今回はアイルランドとの間の協定ということですが、これまで同様の趣旨の協定が他国との間でも結ばれてきていると思います。それらについて、どういった国と協定を結んでいるのか、お聞かせください。

武正副大臣 発効順で申しますと、これまで欧米諸国など次の十カ国と社会保障協定を締結しております。ドイツ、平成十二年二月一日発効、イギリス、平成十三年二月一日発効、韓国、平成十七年四月一日発効、アメリカ、平成十七年十月一日発効、ベルギー、平成十九年一月一日発効、フランス、同年六月一日発効、カナダ、平成二十年三月一日発効、オーストラリア、平成二十一年一月一日発効、オランダ、同年三月一日発効、チェコ、同年六月一日発効ということでございます。

 また、スペイン、イタリアについては、協定については昨年の国会で御承認をいただいておりますが、今、発効のための準備中ということであります。

 先ほど委員の御指摘のニュージーランドについては、まだこうしたことには至っていないということでございます。

大山委員 ぜひニュージーランドも検討していただきたいなと思います。

 今回の相手国であるアイルランドにつきましては、どのような企業あるいはどういった産業の関係者が滞在しているのか、また、逆に、アイルランドの方々が、どういった関係の方々が日本に滞在しているかなど、両国の交流関係というのもそれぞれにあると思いますので、アイルランドについて、また協定の必要性についてお聞かせいただきたいと思います。

武正副大臣 二年前、平成二十年十月時点において、日本からアイルランドに派遣されている企業駐在員などで両国の年金制度に二重加入されている方、要は本協定によって恩恵をこうむられると推定される方は百五十名、アイルランド年金制度の保険料免除による日本側の負担軽減額は年間約二億円、これは厚労省の試算であります。

 また、どんな企業が今アイルランドにということでありますが、日本からアイルランドに進出している企業数は、これは外務省の調査でありますが、同平成二十年十月現在で四十社。内訳で主なものを挙げますと、大和証券グループ、三菱UFJ、武田薬品等というところでございます。

大山委員 今後締約が必要とされている国とかがどうかなということについてお伺いしたいんですが、協定締結交渉を行う際には、相手国を選定する段階で、その国の在留邦人の数とか経済活動の規模、それから実際に社員等を派遣している企業もしくは経済界からの要望を取り入れていることと、先ほども少しお話ありましたが、そういった点を考慮されていると思います。

 まだ協定を結んでいない国に関しまして、この国と協定を結んでほしい、そういった要望が経済界を中心としてもしあれば、お聞かせいただきたいと思います。

武正副大臣 この間、社会保障協定を結んできた国というのは、やはり在留邦人の多い国というものがその対象に挙がっております。しかし、必ずしも、在留邦人が多いけれどもまだ結んでいない国もある。それは、やはり相手国の社会保障制度の現状というものにかんがみた結果でもあるわけであります。

 今、経済界から特に要望が上がっていたのは、イタリア、ブラジル、スペイン、ハンガリー、スウェーデン、フィリピン、メキシコ、ポーランド、ギリシャということで、先ほど、イタリア、スペインは既に署名、また、ブラジル、ハンガリー、スウェーデンについては交渉、協議、あるいは作業部会設置など、経済界からの要望も踏まえて作業を進めているところであります。

 政府としては、こうした経済界からの要望の多寡に加えまして、先ほど触れました相手国の社会保障制度における負担規模、二国間関係等の要素を踏まえて、優先度の高い国から順次交渉を行っておりますが、前提として、我が国、相手国の双方からの派遣者が、相手国における社会保障の保護を十分受けられるというのが前提であります。

 我が国はこれまで、どちらかというとヨーロッパを中心に社会保障協定を締結してきたため、先ほど要望の中では、アジアということではフィリピンが挙がっておりましたが、アジア諸国との協定締結の可能性についても検討していくことが必要と考えております。ただ、アジア諸国の中にはやはり社会保障制度が十分発達していない国が多いため、今後、これらの諸国の社会保障制度の成熟度、あるいは経済界からの要望も踏まえて、協定締結の可能性を検討していく考えであります。

 先ほどのフィリピンについては、可能性を検討するために、相互の社会保障制度に関する情報交換を行う作業部会を設けまして、そうした作業を実施しているところでございます。

大山委員 経済規模の大きな国からそうでない国まで、日本と相手国との関係等を踏まえていろいろ御検討中であるということです。

 そういった中、幾つか国名が今挙がりましたが、協定を結んでいく具体的な順番ですとか、今お話ありましたけれども、今後の締結に向けた交渉の方針とか、あと、政府としてそろそろ協定を結ぶべきだと考えている国とか、イタリアとかそのあたりはというような話もありましたが、締結が進みつつある国もあるということですが、そろそろ協定を結ぶべきだと考えている国とはもうおおむね結んでいるというふうにお考えなのか、これから結んでいくべきだと考えている国がまだまだたくさんあるのか、そういったあたり、少しお伺いできればと思います。

武正副大臣 社会保障協定締結の申し入れがあった国について、先ほど幾つか挙げたところであります。ルクセンブルク、フィリピン、ブラジル、オーストリア、アイルランド、スイス、スウェーデン、ハンガリー、ポルトガル、インド、スロバキア。また、中国、タイについては、我が国との社会保障協定締結に関心を示しているというところでございます。ただ、先ほど言ったような観点から、それぞれ協議あるいは作業部会を設けてというような形で取り組んでいるところでございます。

大山委員 これまでは交渉の経緯とか二国間の関係等を踏まえていろいろお伺いしてきましたが、これから具体的にちょっと協定の中身についてお伺いしていきたいと思います。

 やはり協定を結ぶ主眼というのは、我が国の国益を増進させる、そういった点であると思いますけれども、一義的には、我が国の邦人が海外において社会保障費の二重払いや掛け捨てのような不利益をこうむらないということが挙がってくるのは当然のことだと思います。しかし、どちらかといえば忘れられがちな点ではありますが、逆に国内の方に目を転じてみたときに、協定の効力は、国内で就労している協定締結国の、相手方の方々にも生じてくるわけでございます。

 先ほどから質問をさせていただいていますように、どうしても日本人の滞在者数が多い国は交渉の優先順位を上げていきたいというところではあると思いますが、逆に、日本国内において就労者を多く出している国についても優先順位を上げていくべきではないかというふうに思いますが、お考えをお聞かせくださいませ。

武正副大臣 各国との人的交流の実態ということで、平成二十年十月現在あるいは平成二十年十二月現在ということで、外務省あるいは法務省の数字をもとにした表を見ているんですけれども、在日外国人、御承知のように、順位を上から申せば、中国、ブラジル、フィリピン、そして韓国・朝鮮、アメリカ合衆国ということでありまして、その上位三カ国とはまだ未締結でございます。先ほど、フィリピンについては作業部会を設けて今作業を始めているというふうに申しました。中国については、先ほど、関心を示しているということもお伝えしたわけであります。六位以下を申せば、ベトナム、タイ、ペルー、インドネシア、インドということであります。

 インドについては、平成二十年十一月にインドの年金制度が改正されたことによりまして、これまで事実上対象外であった日本人駐在員等の外国人労働者についても年金保険料の納付義務が課されることになったため要望が上がっておりますが、インドの年金制度の詳細な内容、実施状況についてインド側より情報収集を行っているわけなんですけれども、まだまだそうしたところをやりつつ、その結果を踏まえて対応していく、そうした可能性についても適切に検討していくという考えでございます。

大山委員 先ほどフィリピンとかインドのお話が少しありましたが、そういった社会保障制度が十分に整備されていないがゆえに日本と協定の締結が難しいということもあると思うんですが、日本として、そういった法整備の整っていない国に対して支援など協力をしていくということはあるのでしょうか。お聞かせいただければと思います。

武正副大臣 途上国などへの社会保障分野への支援、これは人間の安全保障の実現に向けた人づくり、国づくりの観点から重要課題の一つと認識しております。

 我が国は、社会保険行政、社会福祉行政、それから社会保障協定は、この年金保険料の二重払い以外に、全部ではありませんが、健康保険料の二重払い、あるいはまた雇用保険料の二重払い、こういったものも対象にしている国もございますが、そういった意味で、労働基準、雇用、障害者福祉等の分野において、まず途上国に対して専門家を派遣して政策立案に係る助言を関係行政機関に行うこと、それから、途上国の行政官を今度日本の方で受け入れて研修を実施するなどの技術協力を行っております。

 ODAのあり方に関する検討も夏をめどにということで今行っておりますので、今後とも、途上国側の具体的ニーズを見きわめつつ、社会保障分野における効果的、効率的な支援を行ってまいりたい。また、それが委員の御指摘の社会保障協定の締結につながっていくものと考えるからでございます。

大山委員 これは質問ではないんですけれども、現在、日本で働く外国人就労者は、不況などの影響もありまして、企業からしたらコスト削減の必要性などから、極端に安い賃金もしくはそれに相当するような形でのお金の支給ということで働いているケースが多いかと思います。

 例えば日本に多くの労働者が入っている国、ブラジルとか、先ほどもありましたけれどもフィリピンとか、中南米や東南アジア、アジアの国々などがあると思いますが、もちろん国によって社会保障制度が違いますので一概には言えませんが、そういった国々と協定を締結することによって企業が労働者の母国の社会保障制度に基づいて社会保険料を支払うという形になった場合、日本の社会保障制度に基づいて社会保険料を支払うよりは企業としてもコストを削減することができるのではないかというふうに思います。そうすれば、外国人労働者の利益も確保しつつ、企業のコスト削減も図れるということになるのではないでしょうか。

 今は人口減少の時代であり、今後も外国人労働者の受け入れを拡大していくということも検討する必要が出てくるかと思います。先ほども交渉締結の順序などについてもお伺いしましたが、海外に進出している日本人の利便増進という視点はもちろん大切なことだと思いますが、逆に、国内で外国人労働者を雇用している企業や就労している外国の方の立場に立ってこういった制度、協定のことも考えることが大切ではないかというふうに思っておりますので、そういった点も御考慮いただければと思います。

 次に移らせていただきます。

 民主党は、年金制度の一元化を初めとしまして年金制度の改革をずっと訴えてきて、国政選挙も戦ってまいりました。これら年金制度の改革が実現すれば日本の年金制度は一変するということになるわけですが、こういったことによって、せっかく利便を供するためにある社会保障協定が、締結しないように何か研究されていることがあるのでしょうか。それについてお聞かせください。

武正副大臣 今御指摘の民主党のマニフェストでは、新たな年金制度としてのいわゆる所得比例年金の創設が示されておりまして、こうした年金制度の見直しといったことが想定をされていると理解しております。

 新しい年金制度については平成二十五年ということでの法案成立に向けての議論を行うというふうに承知しておりますが、社会保障協定への影響については、その具体的なあり方を踏まえて検討していくものであると考えております。

 また、これまでの社会保障協定において、協定の実施に影響を及ぼすような変更があった場合に速やかに相互に通報することになっておりまして、相手から通報があった場合、その変更内容について相手国から十分情報収集を行って、締結済みの社会保障協定への影響、あるいは改正が必要かなど意見交換を行って、個別に判断することになっております。この日本とアイルランドの社会保障協定でも、第十七条にそれが盛り込まれているところでございます。

大山委員 今お話に若干出たかと思いますけれども、日本側の制度が変わった場合に速やかに検討されるということでしたが、外国、相手国側が何か法律が変わるなり制度が変わった場合にも、やはり同じように速やかに対応していただけるというふうに考えてよろしいでしょうか。

武正副大臣 今までもそうですし、またこの日・アイルランドでも、十七条でも、両締約国でそれぞれ変更があった場合、速やかに通報というふうになっております。

 以上です。

大山委員 我が国は既に十カ国との間で社会保障協定を発効させているというお話がさっきありましたけれども、これらの協定相手国の複数の国で勤務されているような方が実際にはたくさんいらっしゃると思います。私の地元愛知県でも、トヨタ自動車を初め大きな企業がたくさんありまして、そういった海外勤務のある企業においては、一度海外勤務になると、その後、複数の海外勤務を御経験されることがあるというふうに聞いています。それは珍しくないことだというふうに聞いています。

 そこで、例えば日本で十五年、アメリカで八年、アイルランドで二年というふうに細かく分かれてしまった場合、そういった保険期間を有しているような方がいた場合、その方が日本の年金受給権を獲得するために、こういった三カ国に分かれた場合、それを通算することができるのかどうか教えてください。

武正副大臣 日本が十五年で、アメリカが八年で、アイルランド二年ということですね。日米で通算保険期間は十五プラス八で二十三年、日・アイルランドの協定、それぞれ協定では、十五プラス二ですから十七ということで、我が国の年金受給権の確立に必要な二十五年を満たさないので、我が国における年金の受給権は確立されないわけであります。

 他方、日本人の場合は、国内法上、海外居住期間は受給資格期間を満たすために算定することが可能である合算対象期間とされているため、今のケースでありますと、海外にはアメリカ八年、アイルランド二年の十年ということですから、受給資格期間として算定可能となりまして、日本の年金の受給に必要な期間二十五年を満たすことになります。

大山委員 今わかりやすい説明でありがとうございます。

 日本人に関しては、日本での年金受給資格を得るに当たっては、海外に滞在していた期間は特例措置があるというお話でございましたが、例えば、今回協定を結ぶアイルランドにおいて年金受給資格を得た日本人が、帰国されて日本に在住している場合、手続が面倒ではないのかなというふうに思う部分があるのですが、そういった方の手続に関してはどうなっているか、お聞かせいただけますでしょうか。

岡田国務大臣 この協定が発効いたしますと、英語及び日本語が併記されたアイルランドの年金の給付申請書類を日本の年金事務所で入手することができます。そして、それを提出することもできるということであります。逆の場合もまた同じであります。この協定を締結することによってそういった両国の年金申請者の利便性が高まる、これがこの協定を締結することの一つの大きなメリットでございます。

大山委員 本当に自分が実際そういった立場だったらどうなのかなと思うことを今回質問させていただいてきたんですが、やはり詰めて細かく対応していただいている点も非常に多く、帰国後、日本にいる人が相手国の年金受給資格を持っている場合、日本でのそういった申請も、やってみないとわからないからあれかもしれませんが、非常にケアされているんだなというふうに改めて思いました。

 最後に、冒頭述べましたように、私の友人というか同僚の外国人が、日本で働いていたときの年金を脱退して、脱退一時金という形で還付の手続を行う際に、やはり非常に面倒だったと。後でメールをいただいてもそうですし、私も一緒に行って、社会保険事務所の人に聞いて、煩雑であった、大変面倒であったから、私の記憶の中に、もう五年以上も前の話だと思いますが、はっきりと鮮明に残っています。

 この協定の発効によって、そういった手続が非常に便利なものになり、逆に不都合な点が解消されるのであれば、大変によいことだと思っております。今後とも、こういった社会保障協定の締結国をぜひともふやしていただいて、国民のため、また企業、そして相手国の皆様のために資するような形で御尽力していただければと思います。

 これで私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

鈴木委員長 次に、平沢勝栄君。

平沢委員 自民党の平沢勝栄でございます。

 まず初めに、条約関係を質問させていただきたいと思いますけれども、日本とアイルランドの社会保障協定については、今ほとんど私の聞きたいところがもう質問として出ましたので、ダブるところは避けさせていただきたいと思います。

 そこで、一つだけお聞きしたいと思うんですけれども、この社会保障協定、当然のことながら、企業からしても、それから個人からしても、二重払いというんですか二重加入、これを防ぐ意味でメリットが大きいわけで、当然早く結んでほしいという要望が強いと思うんですけれども、先ほど、これから結ぶ予定の国とかありましたけれども、今度のアイルランド以上に必要性があるにもかかわらず、まだ結ばれていない国もある。これは何が理由でこうやっておくれているんですか。これをちょっと教えてください。

武正副大臣 やはり在留邦人が多いところが一つ必要性ということにも出てこようかというふうに思いますが、上位十の国で、在留邦人が多い中で結ばれていないのが、中国、タイ、それからシンガポールということでございます。

 先ほど触れたように、相手国の社会保障制度を見たときに、日本がそれを締結することのメリットというところがなかなか難しいのではないのかということから、締結がされていないというのが理由であります。

 ただ、先ほど触れたように、中国、タイからは、そうした関心を示されているというところがありますので、こういったところがどういうことでできるのか。先ほどの、こっちから、日本からのいろいろな制度、あるいは社会保障制度についてのいろいろなサポートということも含めて、今後とも対応を進めていくということになろうかと思います。

平沢委員 ぜひ、これから鋭意進めていただきたいなと思います。

 そして次に、日本とマカオの航空協定でございます。

 マカオの空港がオープンしたのが一九九五年と聞いておりますけれども、それでマカオの航空会社が二〇〇七年に関空に乗り入れて、そしてことし、成田に乗り入れをした。今までは行政許可でやっていたものを今度は航空協定にするということで、法的な安定性が担保されるということで聞いていますけれども、まだこういった協定の締結を希望している国がいっぱいあるわけでしょう。何カ国くらいあって、それらの国との協定締結がまだできていない理由というのは何なんですか。

武正副大臣 政府としては、相手国との人的、経済的交流の促進に資するとの観点から、定期航空路線の開設及び定期航空業務の安定的な運営を可能とすることを目的とするこの協定の締結を推進してまいりまして、今までに五十七カ国と結びました。

 その際、定期航空便の需要の見込みとか、政治、経済、文化などの二国間関係、それから相手国の航空企業が十分安全基準を満たしているかなどの諸点を総合的に考慮した上で交渉を実施してきておりまして、今後、同様の方針で、相手国の要望を踏まえつつ、適切に対応していきたいと思っています。

 どの程度の国が要望しているのかということでありますが、我が国への航空協定締結に関する最近の申し入れ国は、モルディブ、カンボジア、ラオス、ルクセンブルク、ケニア、チュニジア、セーシェルなどでございまして、現在、具体的に交渉を開始または予定している国はございません。

平沢委員 航空協定の締結も急いでもらいたいと思うんですけれども、きょうは国交省政務官に来ていただいていますけれども、各国から日本に対して乗り入れを希望している、あるいは増便を要求してきている、しかし日本として応じられない、こういうのがいっぱいあると思うんですけれども、現状はどうなっていますか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 成田、羽田について、希望している国は約三十カ国ございます。これはそれぞれ三十カ国あるわけでありますけれども、御存じのように、発着枠が限られた中でございまして、現状、乗り入れが実現していないというところでございます。

平沢委員 三十カ国が乗り入れを希望していて、空港のキャパシティーが足らないから、結局、乗り入れさせることはできない。その一方で、観光立国とか何かいろいろ言っている。これはやはり日本として、大きな国家的なマイナスではないかなと思います。

 そこで、日本の空港はハブ空港化していないんですね。成田とか羽田をハブ空港化するために、これから力を入れてもらわなきゃならないんですけれども。

 まず、ついでに政務官にお聞きしますけれども、日本の、例えば地方の人が海外に出るときに、羽田に来て、それから成田に行って、また成田から乗りかえというのは不便だということで、韓国の仁川空港とか何かに行って乗りかえるというようなケースがいっぱい出てきている。これも日本にとっては大きなマイナスになっていると思うんだけれども、まずこれの実態というかその数、大体どのくらいの人が、例えば、羽田と成田が不便だから、韓国に行ってから乗りかえて、そして欧米なんかに行っているというケースは、どのくらいあるんですか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 今御指摘のございました、地方空港から、例えば韓国の仁川経由で海外に行っている方、こういった方は年間で約十五万人いらっしゃいます。

 一方で、日本各地から羽田を経由して海外に行く、あるいは成田を経由して海外に行くという方、これは羽田経由が五万人、成田経由が百九十二万人。そういう意味では、羽田、成田経由で海外に出られている方がまだまだ多いわけであります。

 しかしながら、今、平沢委員御指摘のございましたように、一方で、仁川が東アジアのハブ空港化しているという状況も、これは我々、危機感を抱いております。そういう中にあって、この間、国土交通省の成長戦略会議でもさまざまな議論をしてきたところでございます。

平沢委員 今お話ありましたように、十五万人の方が、本来、日本の羽田、成田がきちんとしていれば、別にわざわざ仁川に行く必要はないわけでしょう。それを十五万人、全体が百九十万だか何か知りませんけれども、十五万人の方がわざわざ仁川に行って乗りかえて行くというのは、これはみんな、我々も物すごく反省しなきゃならないんですけれども、やはり日本の航空行政が大きくおくれをとってきた、それが原因だと思うんですね。だから、十五万人の方は、不便でしようがないから、仁川に行って、そこから乗りかえて行く。

 ちなみに、成田とか羽田のハブ空港化ということについては、今後どう考えているんですか。

長安大臣政務官 先ほど申し上げましたように、この間、国土交通省の成長戦略会議で議論をしてまいりました。やはり問題意識としては、羽田、成田の発着枠、空港容量の恒常的な不足というものが一番の問題だと考えております。そういった中で、この容量拡大を抜本的に行っていかなければならないという取り組みをしているところでございます。

 具体的には、羽田につきましては、平成二十五年度以降に、四十四・七万回の増枠を機に、国際線ですが、昼間は三万回から六万回に増枠しまして、深夜、早朝の三万回を含めて九万回に拡大する方針でございます。これによって、昼間においても、欧米、長距離アジアも含む高需要・ビジネス路線を展開して、羽田の充実した国内線ネットワークを生かして、内際ハブ機能を強化してまいりたいと考えております。

 また、成田につきましては、地元合意が得られ次第、早ければ平成二十四年度中に二十七万回化をめどに、首都圏空港を含むオープンスカイの実現を目指して、年間発着枠三十万回化を推進してまいりたいと考えておるところでございます。

 やはり、冒頭申し上げましたように、容量の拡大を図って首都圏の空港のハブ化を図っていこうと考えておるところでございます。

平沢委員 では、ついでにお聞きしますけれども、成田は開港時のいきさつから、成田が国際空港、羽田が国内空港、これでずっと来たわけですね。これによってどれだけ日本のいわば社会、経済が大きな損失を受けたかわからない。しかし、千葉県側からすれば、当然、そういうことでしょう。だから、そういう約束でスタートしたということなんでしょう。

 今は、千葉県が国際、そして羽田が国内というバリアというか仕切りは、完全になくなったということでいいんでしょうか。

長安大臣政務官 率直に申し上げまして、委員御指摘のとおり、首都圏において、国内線の空港と国際線の空港、これを分けて運用してきたというのは、私、さまざまな損失があった大きな理由だと思っております。

 今回、私ども鳩山内閣が誕生した後、前原大臣のもとに、そういった今までの慣習あるいはルールというものをもう一度見直そうじゃないかということで今取り組んでいるわけです。そういった中で、羽田の二十四時間国際空港化をやっていこうということを取り組んでおります。

 一方で、今御指摘ございましたように、では、千葉県側はどうなんだというところでございます。昨日も、森田知事が前原大臣に御要望にいらっしゃいました。やはり、羽田を国際化していく中で、成田のパイを奪ってしまうということでは、これは意味がないわけです。両空港をうまく運用することによってパイを拡大していくということが求められているわけです。ここはしっかりと千葉県側とも相談をしながら、議論をさせていただきながら進めてまいりたいと考えておるところでございます。

平沢委員 航空行政は日本はずっと大きく立ちおくれて、仁川だとかシンガポールだとか香港だとか、そういったハブ空港がどんどんできてきているわけなので、ぜひこれからも頑張っていただきたいと思います。

 では、政務官、これで結構です。

 そこで、次に韓国の哨戒艦の問題についてお聞きしたいと思います。

 三月二十六日の韓国の哨戒艦沈没の事案、これは沈没というのか、攻撃を受けて撃沈されたというのか、ともかくこの事案は大きく波紋を投げかけておりまして、朝鮮半島情勢は一気に緊張に向かっているわけですけれども、一つだけだれでもが疑問に思うのは、これをやれば当然のことながら北朝鮮は諸外国から相当非難を受けるよと、こんなものはすぐわかるに決まっているわけですから。場所が場所だけに、北朝鮮がやったなんというのはすぐにわかるに決まっているわけで、当然非難を受けるし、国際的にも孤立するよということがわかっていたと思いますけれども、それにもかかわらず、あえてこの時期を選んでやった。

 これは、北朝鮮側のねらいというのは何なんでしょうか。いろいろなことがマスコミに報道されていますけれども、きょうは長島政務官においでいただいていますけれども、長島政務官はどう見ているか。大臣の後に聞きます。大臣。

岡田国務大臣 こういう問題ですから、想像で物を言うべきではないというふうに思います。政府としては、そのことについて特に何か確たるものを持っているわけではございません。

 ただ、やや、なぜということを考えたときに、ますますなぞが深まるといいますか、よくわからないのは、北朝鮮としては、六カ国協議といいますか、あるいは米朝協議といいますか、そういったことに対して、少なくともアメリカと話し合うということについては意欲を示していたはず。そういったことがストップする、そのことがわかっていてこういう事件が起きたという、そこが私自身も必ずしも腑に落ちないといいますか、一体何があったのだろうか、そういうふうに思っております。

 いずれにしても、政府としては、何か具体的なことを申し上げる、そういう段階にございません。

平沢委員 軽々に推測で言うのは、それはもちろんそうでしょう。しかし、これから、北朝鮮がどういうねらいでやったかということがわからないと、日本政府としての対応というか対策もとりようがなくなってくるわけで、いろいろな可能性が考えられますけれども、それに基づいた対策をとっていかなきゃならないので、長島政務官、防衛省としてはどうですか。

長島大臣政務官 お答え申し上げます。

 北朝鮮は、委員も御案内のとおり極めて閉鎖的な体質、体制でございますので、なかなかその意図しているところを外から推しはかることは難しいし、今外務大臣がおっしゃったとおりでありますけれども、過去のパターンを考えると、何か行き詰まると、一度危機を大きくあおって、そしてそこから何か譲歩することによって相手側から物事を獲得していく、そういうパターンがあったということは、私どもも念頭に置かなきゃいけないなというふうに思っています。

 各種報道やあるいは情報機関でいろいろな分析がなされているところによれば、例えば昨年十一月の銃撃戦がありました。NLラインをめぐって、北方限界線をめぐって銃撃戦がありまして、向こう側に被害が出た、これに対する報復であるとか。あるいは、デノミが大失敗に終わった、そのことに対して民心の離反というものが今拡大をしている、それに対する国内の引き締めを図ったのではないか。あるいは、韓国が李明博政権が誕生してから非常に北朝鮮に対しては厳しい姿勢で臨んでいたので、その韓国の体制そのものを揺さぶる、そういう意図もあったのではないか。あるいは、当然のことながらアメリカを引き出さなきゃいけませんので、アメリカを交渉の場に引き出してくる。そういうさまざまな意図がここに伏在しているのではないか、そういう分析は内外でなされているところであります。

平沢委員 今、長島政務官が言われたいろいろな理由、恐らくすべてが合っているんでしょう。いろいろなものが複合的に絡んで、今回のこの魚雷による撃沈ということが起こったんじゃないかなと思います。

 そこで、今回の件で一つ非常に特徴的なのは、韓国が五月二十日に外国も入れた調査結果を発表して、これは北朝鮮によるものだということをマスコミに発表していた、その最中に、韓国が発表してから三十分もたつかたたないかのうちに、北の国防委員会が声明を出しまして、そして何と言っているかというと、これは韓国側が言っているのはまだ終わっていないんですよ、終わっていない段階で、強盗的な謀略、捏造である、対北朝鮮報復や制裁に踏み切れば、即時に全面戦争を含む強硬な措置で対応する、こういう最大限に過激な言葉を使っているわけですけれども、これは国防委員会の声明なんですね。

 異常に早い段階で反応してきたということと、国防委員会がこういう声明を出したということになると、まず国防委員会ですから、委員長は当然、金正日ですから、ということは、今回のこの魚雷の事件というのは、これは北朝鮮が国ぐるみでやった、要するに国防委員長金正日もすべて了解のもとにこれが行われた、全く末端のところで独走してやったんじゃなくて、金正日の指揮、指示下のもとにこれが行われた、こういうふうに見ていいのかどうか。これについてはどうですか。

岡田国務大臣 そのことは明確ではございません。韓国側の発表も、個人の名前を挙げておりませんし、そして、実行した者に対する処罰を求める、こういう言い方でございます。それ以上のことは言っておりません。

平沢委員 実行した者に対して処罰を求めると言いますけれども、これは拉致のときも同じことを日本政府は要求しているんですけれども、拉致の向こう側の責任者となったら、これは金正日になってくるんです。ですから金正日を引き渡せということになってくるわけで、この前、ここでも議論しましたけれども、金賢姫のことを言いましたけれども、金賢姫は実際にやったんですけれども、ある意味では、上からの指示でやったということになってくると、上の指示はだれかといったら、これはどんどん行けば金正日に行くわけでございまして、これは金正日の、今回も国防委員会がすぐ異常な早さで反応しているところを見れば、これは当然のことながら、北朝鮮の国挙げての今回の行為ということになると思うんです。

 この問題に対する対応なんですけれども、これについて、鳩山総理は、日本が先頭に立つということを言っておられます。要するに、国連の安保理でこれからいろいろと議論する、そのときに先頭に立つ、制裁決議なら制裁決議が行われるに当たって先頭に立つという意味だろうと思いますけれども、この先頭に立つという言葉はそういうことなんでしょうか。それとも、これから韓国、アメリカ、日本が中国に対していろいろと働きかけていく、それに対して日本は先頭に立つ、あるいは、当然これは警戒監視態勢もこの地域で強化されると思いますけれども、それに対しても先頭に立つという意味なんでしょうか。

 この先頭に立つというのは、ちょっと勇ましく聞こえるので、言葉の使い方としては私はどうかなと思いますけれども、大臣、この先頭に立つというのはどういう意味なんですか。大臣も同じ内閣の一員ですから。

岡田国務大臣 総理の御発言は、安保理に関しての、その場で発言されたというふうに私は記憶しております。したがって、日本も非常任理事国でありますので、今後、安保理で議論されるということになれば、非常任理事国として安保理における議論をしっかりリードしたい、そういう趣旨で言われたものだと理解をしております。

平沢委員 先頭に立つというのは恐らくそういう趣旨なんでしょうけれども、安保理で先頭に立つのなら、安保理以外のところでも当然先頭に立つというふうにも、それはいろいろなところで理解されるでしょう。

 ですから、言葉の使い方としては、各国と緊密に連携してやるという言い方でよかったんじゃないかな、先頭に立つというようなこの言葉だけが余り躍らなくてもよかったんじゃないかなという感じがしないでもありません。

 そこで、これから当然のことながらいろいろな制裁をやるという話になっていくと思います。それで、金融制裁と、それからアメリカに対してはテロ支援国家指定、解除してあるんですけれども、これをもう一回復活しろという話になってくると思います。

 金融制裁は、アメリカがこれから当然のことながら北朝鮮系企業の金融資産の凍結、これは金融資産の制裁、これが恐らく北にとっては最もダメージが大きいと思います。

 テロ支援国家指定の解除もおととし行われたわけですけれども、あのときも、何でアメリカはこんなに急ぐのかなという声が日本国内にも随分あったわけです。ともかく、アメリカは、核に対してきちんとした申告をしているというようなことで、それとのバーターみたいな形でテロ支援国家指定を解除したわけですけれども、これをもう一回復活させるべきだという声も強いわけで、大臣は、クリントン国務長官との会談の中でこの話をクリントン国務長官にされたようですけれども、クリントン国務長官の反応はいかがでしたか。

岡田国務大臣 基本的に、テロ支援国家の指定の問題は、これはすべて米国内法令の解釈、適用の問題でございます。政府がこれを有権的に解釈するという立場にはございません。私からは、クリントン長官に対して、この問題についてどう考えているのかということを聞いたわけでございます。それに対する直接的な答えはありませんでした。

 ただ、この法律は、要するにテロということが前提になっているわけでありまして、アメリカ側は、今回の北朝鮮の行為は停戦協定違反というふうに言っておりまして、テロということになりますと、これは個人に対するテロ行為ということが原則になるというふうに思いますので、若干状況の違いというものはあるのかなというふうに思っております。

 いずれにしても、アメリカ側がテロ支援国家に再指定するかどうかということについて、現時点でアメリカ政府から何らかの感触が述べられているわけではございません。

平沢委員 テロ支援国家というのは、個人に対するテロ行為ということが要件ということで今大臣はおっしゃられて、たしか大臣は記者会見でも同趣旨のことを言っておられますけれども、そもそもこれは指定されたのが、一九八七年、大韓航空機事件があって、それがきっかけで、一九八八年にアメリカは北朝鮮をテロ支援国家に指定したわけで、これは個人とかどうとかというのは余り関係なくやっているんじゃないんですか。それとも、アメリカの場合はやはり個人に対するテロ行為というのが要件になっているんでしょうか。

岡田国務大臣 今回、停戦協定違反というふうにアメリカは今回の北朝鮮の行為を位置づけているということであります。

平沢委員 停戦協定違反だったらばわかるんですけれども、個人に対するテロ行為であるかないかというのがテロ支援国家指定のときの一つの要件にはならないと思うんですけれども、どうですか。

岡田国務大臣 個人ということの意味ですけれども、要するに、テロというのは何か。それは、国家に対するものというよりは、不特定の個人に対するものであるというふうに基本的には考えられる、そう思っております。

平沢委員 テロ支援国家指定の要件というのは、外務省でも余り正確にはよくわからない。これはアメリカの国内法に基づいて行われているわけですけれども。

 ただ、いずれにしましても、北朝鮮は、大韓航空機事件もあれば、アウン・サン廟事件もあれば、青瓦台事件もあれば、いろいろなテロ行為をやってきて、その中に日本の拉致事件も含まれるわけで、そういった中で私たちは、結局、テロ支援国家指定をしろ、しろ、それで続けろ、続けろということをずっと言い続けてきたわけで、今回のケースが停戦協定違反というふうにもとれるし、テロ行為と見てもおかしくないような気もしますし、いずれにしろ、大臣はクリントン国務長官に言っていただいたので、今後これについてアメリカがどういう反応、対応をするのかはぜひ見たいなと思います。

 そこで、今、朝鮮半島が非常に緊張しているんですけれども、長島政務官、防衛省としては当然、韓国も相当態勢を強化して有事に備えていると思いますけれども、日本の防衛省はどうですか。

長島大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、先ほど外務大臣からお話がありましたように、いたずらに事態をエスカレートさせることは私どもも慎まなきゃならないと思いますが、防衛大臣からは以下の三つの指示が出ております。

 二十日に韓国の李明博大統領が声明を発表したその直後でありますが、第一番目は、自衛隊の態勢について改めて点検をすること、第二番目は、引き続き情報収集活動に努めること、そして第三番目は、警戒監視活動に万全を期すこと、この三点でございます。

 加えて申し上げますと、日本時間で本日の未明でありますが、日米の防衛相会談がワシントンで開かれておりまして、その際にも、朝鮮半島情勢について北澤防衛大臣から、北朝鮮をまず強く非難し、そして今後の対応に当たっては米国等の各国を初め国際社会と引き続き緊密に連携協力をしていくということが述べられ、ゲーツ長官から、日米韓三国が連携をし、統一した姿勢を示すことが重要である、そういうことで両者一致をしております。

 以上でございます。

平沢委員 今後、この問題の対応では、中国の出方が非常に大事になってくると思うんですけれども、日米韓、この三カ国がまとまって中国に対していろいろな働きかけをしなければならないと思うんですけれども、これについては外務大臣、どうですか。

岡田国務大臣 先般のクリントン長官との議論においてもそのことは話題になりました。そして、もう既に、中国にクリントン長官も行かれて、当然この問題についても話し合いを行われたものだというふうに考えております。

 今回、日中の首脳会談も行われます。温家宝首相も日本に来られます。そういう機会にこの問題についてしっかりと日本側の考え方を伝えて、そして、米韓日だけではなくて、中国にも協力しながら、この事案に対処できるように日本政府としてしっかりと働きかけを行っていきたい、そういうふうに考えているところでございます。

平沢委員 次に、普天間についてお聞きしたいと思いますけれども、二十三日、総理は沖縄に行かれまして、そして知事等と会談をされました。そこで総理が言われたのは、代替地そのものはやはり沖縄県内に、辺野古の付近にお願いせざるを得ないという結論に至った、そしてこれは断腸の思いで下した結論だ等々、こう言われたわけでございます。

 昨年以来、総理は、県外、国外、最低でも県外ということをずっと言ってこられました。この前の沖縄では、最低でもではなくて、できる限り県外というふうにちょっとニュアンスが変わっていますけれども、ともかくそういった発言をずっとされてきたわけで、沖縄の方々の期待というのは極めて高まってきたわけでございまして、そういう中で、また辺野古に戻りますと、これは今までの政府案、二〇〇六年の合意案とどこがどう違うんだということもはっきりしないわけでございまして、同じだと私は思いますけれども。

 これは、そういうふうにやはり今までずっと言い続けたにもかかわらず、結局、県外、国外から、また辺野古にお願いせざるを得ないということになってくると、当然のことながら、大きな政治的な責任が総理にはあるんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがですか。

岡田国務大臣 いろいろ報道されておりますが、日米間の合意というのはまだ発表されているわけではございません。しかし、総理が沖縄で辺野古近辺と、正確な表現はちょっと忘れましたが、そういう趣旨のことを知事に説明されたことは事実であります。

 もとに戻るというふうに言われましたが、これは日米合意というものが発表された後でぜひ見ていただきたいと思いますが、別に、もとに戻るというよりは、もちろん場所的には近接をしておりますが、沖縄の負担軽減のためにさまざま努力をした結果としての一つの結論であるということで、御理解をいただきたいと思います。

 もちろん、政府として沖縄の負担をできるだけ減らすということで努力をしてまいりました。そして、その一部は日米合意の中にしっかりと記載をされる、そういうふうに私は考えておりますけれども、しかし、県外ということにはならなかった、そういうことについては、これは沖縄の皆さんには大変申しわけないことだというふうに思います。

 これからしっかりと説明をし、そして御理解を得る、そのための努力を内閣を挙げてやっていかなければいけないというふうに思っております。

平沢委員 国外、県外、最低でも県外というのは、鳩山さんが昨年の選挙のときに沖縄に行かれて言われただけじゃないんです。沖縄で戦った候補者もみんな言っているんです。ここに沖縄タイムスの「候補予定者アンケート 辺野古で対立 自民と野党」、こう書いてありますけれども、この中で自民党以外の候補者は何と言っているかというと、辺野古には移させないと。要するに、県外、国外、こう言っているんです。これで戦ってきたんです、昨年の選挙。

 県民からすれば、それができるならそれは万々歳でしょう。ですから、選挙では圧勝したんです。これは最大の争点だったんです。ですから、そういう中で行われた選挙、そして今また辺野古に戻ってしまった。これは、大臣、あの選挙、もう一回やり直さなきゃならないと思われませんか。

岡田国務大臣 この普天間移転の問題が沖縄のすべての選挙区において最大の問題であったかどうかというのは、これはいろいろ議論のあるところだと思います。私も幹事長として、当時、選挙全体を見ておりました。候補者がそれぞれ県外にというふうに言ったことは事実であります。しかし、そのことは、それは候補者を責めることはできないと思います。代表が沖縄に行かれて県外というふうに明言されたわけでありますから、それを受けて候補者が県外というふうにみずから公約にしたということは、これは候補者自身が自分で判断したものでは必ずしもございません、代表の発言があってのことですから。ですから、候補者が何か問題だというふうには私は考えておりません。

平沢委員 ちょっと今のは、私には全く理解できないんですけれども。

 では、もう一つ。五月中に決着ということもずっと総理は言ってこられました。もう五月は目前でございます。そこで、五月中の決着、アメリカとの合意を急いでおられる、これは先ほど大臣も言われました。

 ただ、今まで、五月中の決着というのは、アメリカもそうだし、連立の中の合意もそうだし、地元の合意もそうだしということをずっと言ってこられたのは総理なんです。沖縄の地元の合意、大臣のお言葉で言えば理解、これはもう事実上、不可能です。

 では、五月中にということでずっと言ってこられた、この国民に対する約束はどうなるんでしょうか。

岡田国務大臣 五月中ということは、私自身も言ってまいりました。日米間の合意は五月中に明らかになるというふうに思っております。

 連立間の問題は、今まさしく連立与党の御理解を得るために努力を重ねているところでございます。

 沖縄県民の皆さんの理解という意味では、その理解が十分ではないということは、そのとおりであります。そのことについては、まず沖縄、地元の理解ということも含めて五月中の決着ということを言ってまいりましたので、その部分については、達成できなかったことは率直に認めなければならないというふうに思います。

 日米間で方向性が出たわけでありますので、合意ができたわけでありますので、そのことについて沖縄県民の皆様の御理解を得るための努力をこれからしっかり重ねていかなければならない、そういうふうに考えております。

平沢委員 今まで五月末と言ってきたんですから、五月末は過ぎていないですけれども、そこで合意が得られていないということになれば、当然のことながら、やはり政治家の発言、特に総理の発言というのは重いわけですから、それなりの政治的責任というのはあるんじゃないかなと思います。

 それで、もう一つお聞きしたいんですけれども、総理は、抑止力について、学べば学ぶほど海兵隊の沖縄の存在のその意味というのはわかったといったような趣旨のことを言われました。同じ内閣の中で社民党の福島党首は、抑止力について、学べば学ぶほどグアムにあっていいと思うようになったということをテレビで言っておられるんです。抑止力について自分は十分学んだ、そうしたらグアムでいいと。同じ内閣で、総理は抑止力について学べばこれは沖縄だ、片や別な閣僚は抑止力について学べばこれはグアムでいいと思うようになったと。百八十度違うんです、重要な点について。

 そして、きのうは、北澤大臣は、辺野古についての説明をアメリカにされたんでしょう。片や福島党首は、沖縄に行かれて、総理がこの前、一生懸命辺野古お願いしますと言ったのに、辺野古をやめる、その反対を一緒にやりましょうと。全くばらばらなんです。

 これは同じ内閣の閣僚ですよ。社民党の党首という位置づけで行ったって、これはばかなこと言っちゃいけませんよ、社民党の党首だって閣僚であることは間違いないんですから。閣僚の一員である。あるときは社民党の党首、こっちから閣僚なんて、こんなのは分けられるはずないじゃないですか。閣僚の中の一員なんですよ。全くばらばらなんです。これではもう内閣の体をなしていない。内閣の中はばらばら。

 だから、もし福島党首がこんな状態ならば、福島党首とは考え方が違うんだから、内閣からお去りくださいというのが筋じゃないですか。大臣、これはどう思われますか。

岡田国務大臣 まず福島党首、福島さんが言われている三党合意に反するというのは、これは明確に間違いであります。私は、当時、幹事長として、三党合意を福島さん御自身と議論をいたしました。さまざまな議論がありましたけれども、結局、普天間とか辺野古とか、そういう表現は入れずに、そして三党合意ができ上がっているわけであります。

 その合意をつくった経緯からいっても、何か福島さんが言っているような、普天間の移設先は、日米合意に戻らないとか、あるいは辺野古の近辺にはしないとか、そういうことを約束したわけでは全くございません。そこはやはり正確に物を言うべきだというふうに思います。

 それから、現在いろいろ御発言になっておりますが、やはり閣僚の一人としての自覚を持ってやっていただきたいというふうに思います。そして、最終的には、それは閣議で何らかの決定を行うか、あるいは了解を行うか、そういうことになるだろうというふうに思います。ぜひそれに賛成をしていただきたいというふうに考えているところであります。

平沢委員 今大臣が言われたとおり、閣僚としての自覚がないんじゃないですか。大体、閣僚として、あるいは都合のいいときは社民党の党首として、閣僚であるというこのことは全然変わらないんですから、そういうところをうまく都合のいいように使い分けるのは、本人はともかく、社会的には通りませんよ、こんなことは。ですから、それだったらば、福島さんは閣僚をやめられるべきではないかなと私は思います。

 ほかの質問もいろいろしたいんですけれども、時間が来ましたので、次の機会に譲らせていただきます。

 ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。

 まず初めに、社会保障に関する日本国とアイルランド政府との協定について質問をさせていただきたいと思います。

 さまざまな委員の質問で大体この問題の重要性が明らかになったと思うんですが、一点だけ確認をさせていただきます。

 日本がいろいろな国と保険料の二重払いを防止するということでこの協定が結ばれることだと思いますが、これは経団連の資料を見ますと、二〇〇六年の資料でありますが、日本貿易会による試算ということであります。実は、二重払いが一番行われているのは、予測でありますが、イタリアが約四十五億、チェコが二十九億、三位がブラジルで二十一億、スペインが十二億ということで、この主要な国の中で、イタリア、チェコ、スペインとは実はこの協定がしっかり結ばれておりますが、第三位と推定されますブラジル、これは、民間企業の関係者が七百七十六人いるということ、そしてこの二重払いで二十一億の規模があるということ、こういうブラジルを含めた主要国、特にこのブラジルなんですが、こことの締結がまだ俎上に上っていないと伺っております。

 今後、この見通しについてお伺いしたいと思います。

武正副大臣 先ほどもお答えをいたしましたが、ブラジルについては、在日外国人の数というものが第二位というようなこともあったりして、日本とブラジルとの緊密な経済関係ということで指摘をしたわけでございます。

 先ほど触れましたように、相手国の社会保障制度、これをかんがみての対応ということでありますが、ことし一月に第一回の政府間交渉を実施しまして、協定締結に向けて大きな進展が見られたところであります。

 今後、可能な限り早期の締結を目指して、ブラジル側との調整を図っていく考えでございます。

小野寺委員 ぜひ一日も早い締結に向けて協力をいただきたいと思います。

 そしてもう一つ、今回のマカオとの航空協定ですが、これはやはりどんどん進めるべき。そして、先ほど平沢委員の御質疑にもありましたが、基本的には、成田、羽田の容量がもう目いっぱいだということで今このような状況になっていると思います。

 実は今回、羽田の滑走路、D滑走路についていろいろ調べてみました。間もなく供用開始ができるということで、大変な予算もつぎ込み、対応しているということなんですが、実はこの滑走路は、三分の一がQIP、いわゆるくい打ち桟橋方式をとっています。空港の三分の一だけにこのくい打ち桟橋方式をとっておりますが、そこで使われた鋼材は三十五万トン、東京タワー八十三塔分だということになるそうなんです。ということは、これをすべてくい打ち桟橋にした場合には、恐らく東京タワー二百個分以上の、二百五十個分でしょうか、鋼材が必要だ。これは大変な状況になる、ですから、費用も多額になるということで、今回は三分の一にとどめたということだと思っております。

 技術的には可能でも、実はメンテも大変だと伺いました。例えば滑走路の下、これは巨大な空間になっているらしいんですが、湿気を防止してさびを防ぐために二十四時間エアコンをずっと回し続ける。あの広い滑走路の下の大きな空洞をずっとエアコンで冷やし続ける、これを延々とやらなければいけない。さまざまな問題があって、なかなかこのくい打ちというのは難しいんだなと今回の状況を見て感じました。

 とはいえ、ぜひ、日本のこれから、成長戦略のためにも、この協定についてはしっかり結んでいただきたい、そう思っております。

 さて次に、違う話題にちょっと触れたいと思います。

 先ほど来、平沢委員から質問もございましたが、基地問題、これがいよいよ佳境に入ってまいりました。この普天間基地の移設問題について少しお伺いをしたいと思います。

 今、平沢委員の質問の中で岡田大臣がお答えをされました日米合意、これは間もなく、二十八日とも報道されておりますが、公表されるということになると思います。日米合意が二十八日、今月まで、今週中なんでしょうか、これまでに発表されるというこのスケジュールは変わらないかどうか、お伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 日米の合意につきましては、さまざま議論してまいりました。おおむね論点は尽きております。ただ、細かい表現とか、そういうところは残しております。そういう状況であります。

 いつ発表するかということは、政府としてまだ明らかにしておりませんので、ここで私が言うわけにはまいりませんが、五月末までにという目標でやってまいりましたので、五月末までのいずれかの段階で公表になるというふうに御理解いただいて結構だと思います。

小野寺委員 その中で、平沢委員の質問にもありましたが、辺野古を含む今回の移転案については当然合意文書の中にしっかり記載をしているというふうに大臣はお答えをされましたが、そのとおりでよろしいんでしょうか。

岡田国務大臣 内容を今の段階で言うべきではないというふうに思っておりますが、辺野古岬近辺ということは、その趣旨のことを総理も沖縄で明言をされましたし、そういう総理の基本的考え方に沿って日米合意はできているということでございます。

小野寺委員 当然、日米合意文書ですから、どこに移転をするかという場所については辺野古周辺と記載をされているというふうに思っております。

 そして、今、閣議で決定をするべきだというお話がございました。大臣としては、最終的に日米合意の案に沿った形で閣議決定を行う必要があるとお考えでしょうか。

岡田国務大臣 恐らく日米合意は、従来の例からいっても、2プラス2、四人の外務、防衛両大臣、そういう文書としてでき上がるというふうに思います。

 そのでき上がった文書について、閣議としてそれを決定するのか了解するのか、あるいはほかのやり方があるのか、そういうことについては平野官房長官のところで今いろいろ検討されているところでありますので、私からこのやり方でと言うことは避けたいというふうに思います。

小野寺委員 大臣はそうおっしゃいましたが、先ほど平沢委員の質問の中で閣議決定というお言葉も出ました。やはり通常であれば、2プラス2の日米の合意文書について、これを閣議で決定する、了承するということは通常の手続かというふうに思っております。

 さて、総理が辺野古への移設ということを具体的に沖縄の仲井眞知事の方にお伝えをされました。これがいわゆる政府としての基本的な考え方ということかと思うんですが、岡田大臣もこの案に了承をされて、この総理の案ということにコミットしたのかどうか、お伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 これは関係五閣僚で確認をして作業をしてきたところでございます。

小野寺委員 最終的に辺野古ということがまた出てしまった。今までも何度も、辺野古ではない方向を目指すということをずっとお話をされてきた中で、最終的な辺野古に決定する過程において、当然、その会議の中には外務大臣はいらっしゃったと思うんですが、そこでこの辺野古に戻るということに関しての何らか異論について唱えられたんでしょうか。

岡田国務大臣 政府の中でどういう議論があったかということは申し上げるべきではないというふうに思います。

 そして、これは沖縄の皆さんに対しては大変申しわけないことであります。そのことは十分認識をし、そして、沖縄の負担軽減ということをあわせ日米合意の中でなるべく盛り込むということで、日米で議論を行ってきたということでございます。

小野寺委員 先ほど沖縄の皆さんということでお話がありましたが、岡田外務大臣も何度も県外を検討するようなお話をされておりました。結果的にこのような状況になったことについて、岡田外務大臣も責任を感じていらっしゃいますか。

岡田国務大臣 私がいつまで県外と言ったかということはさておきまして、ただ、これは内閣として沖縄の負担軽減ということでずっと取り組んできたわけであります。そして、普天間の移設先として県外ということをいろいろ検討したということも事実であります。しかし、検討を重ねる中で、現在、間もなく発表されるそういった案になるわけでありまして、そのことについては、これは私も含めて、内閣全体として、沖縄県民の皆様に対して申しわけないことだというふうに思っております。

小野寺委員 私は、外務大臣のお話を聞いて、常識があるなと感じたことがございます。それは、やはり、当初から、この現行案も含めて検討するということをずっとおっしゃっておりました。ただ、ある時点から、残念なことに、政府の方針が、県外ということにこだわったんでしょうか、防衛大臣も含めて県外という言葉をずっと使うようになってしまいました。ですから、その言い回しの変化ということに私どもは大変心配をし、危険だなと思いました。

 結果的にまたこの現行案に近い形に戻ってしまうということになれば、これはやはり、残念ながら、岡田大臣、いろいろなお考えがあると思いますが、責任があると言わざるを得ない、そう思っております。

 さて、ここで大きな問題がございます。実は、この現行案、確かに日米の間で現行案ということで一つの方向が出るんだと思いますし、クリントン長官も、きのう北澤大臣と会談されましたゲーツ長官も同じく、これは大変喜ばしいというお話をされておりました。ただ、一点、この喜ばしいという言葉の前提には、これはアメリカ側が何度も言っておりますが、地元の合意、政治的に継続できる地元の合意、これがその前提となっていると思います。

 それで、岡田大臣にお伺いしますが、この現在検討されている政府案、この案で地元の合意が得られるとお考えでいらっしゃいますか。

岡田国務大臣 まず、委員は現行案ということをよく言われるんですが、これは発表になったものをごらんいただくしかないんですけれども、現在ある日米合意案そのものではございません。そのことは申し上げておきたいと思います。

 そして、御質問は何でしたっけ。(小野寺委員「地元の合意が現段階であるとお考えでしょうか」と呼ぶ)いや、これは先ほど来申し上げておりますように、沖縄の県民の皆さんがそれで受け入れているというふうには私は思っておりません。ですから、それはこれからしっかりと説明をし、そして御理解をいただく、そのための努力を重ねていかなければならない、そういうふうに思っております。

小野寺委員 今、現在ではこの案は沖縄の皆さんは受け入れることはないだろうというお話を……(発言する者あり)済みません、もう一度。

岡田国務大臣 現時点で受け入れている、つまり、辺野古周辺につくるということについて、それを沖縄県民の皆様が、その多くの皆さんが了解している、受け入れるというふうには、私は現時点では思っておりません。

 ですから、これからしっかりと考え方を説明し、その考え方というのは、全体としての、パッケージとしての沖縄の負担軽減ということについても、これは余り十分報道されていないわけですけれども、発表になったところでその点もあわせ説明をし、そして御理解をいただくための努力というものを行っていかなければならない、そういうふうに考えております。

小野寺委員 今パッケージとしてのお話がございましたが、例えば、鳩山総理が沖縄で仲井眞知事とお話をされたときには、この沖縄の海兵隊ヘリ部隊を海兵隊部隊から切り離し、国外、県外に移転するということは海兵隊の機能を大幅に損なってしまうということを言っているということは、結局、この沖縄の海兵隊の基地はすべて一つのところに、そしてそれが辺野古周辺だということですから、これは沖縄の基地の負担軽減ではなくて、何度も今政府がおっしゃっているのは、訓練移転の話、訓練の話であって、基地本体、皆さんが望んでいる基地の本体の県外には全然つながっていないということで、私はどうも、沖縄の皆さんが怒るのはそのとおりだなというふうに感じております。

 そして、大臣にお伺いしたいのは、クリントン長官とお話ししたときに、沖縄の皆さんは現時点では同意をしていない案だというふうに大臣もお認めになりましたが、そのことを丁寧に説明されたんでしょうか。

岡田国務大臣 もちろんアメリカもそのことは十分わかっているわけでありますが、私からも、今の沖縄の置かれた現状というものを十分に説明し、だからこそ、負担の軽減が必要である、ある意味では、長かった交渉のメーンテーマがそこにあった、沖縄の県民の皆さんに受け入れていただくためには負担軽減というものをぜひ盛り込まなければならない、そういった観点で交渉してきたところであります。

小野寺委員 実は、すべての今回の話の恐らく根幹にあるのは、例えば公有水面の埋め立ての問題に関しても、当然、基地の受け入れに関しても、地元の合意、そして、恐らくアメリカ側も、最終的にこの地元の合意というのを重要視してくるんだと思うんです。ですから、日米合意というのは、これはあくまでもその前提として、この沖縄県民の皆さんの地元の合意、同意があるということで理解してよろしいんでしょうか。

岡田国務大臣 先ほど申し上げましたように、この日米合意案というものが明らかになったその段階が私はスタートだというふうに理解をしております。つまり、沖縄県民の皆様に、皆さんにそのことについて受け入れていただくための努力というものを内閣挙げて重ねていかなければならないというふうに思っています。

小野寺委員 ということは、もうこの問題の結論は見えているということなんですね。これは、普天間の固定化なんですよ。

 私、この一連の話を聞いて非常にずるいなと思うことがあります。今回の合意は、総理が五月末と言ったから、何とかそこで区切りをつけよう、そして、とりあえず日米の2プラス2の合意文書はつくろう、そして、アメリカ側には、ちゃんとその中で、しっかりこれは地元の合意を得る努力をしますからということで約束をし、逆に言えば、沖縄の県民の皆さんにはこれからお話をしていく。でも、どう考えても、今の沖縄の県民の皆さんの考え方、意見、そして今まで鳩山政権がやってきたやり方を見たら、沖縄の皆さんが八月、九月までに急に考え方を変える、これはとても私は想定できない。

 そして、その先に何が待っているかというと、アメリカも議会があります。アメリカの議会は、完全なる進行、進展、それが見られないと予算は出さない。今、議会の中ではそのような議論が行われています。ということは、この五月は何とかこの2プラス2で乗り切っても、地元の合意がなければ、八月にはこの問題の決着は見ない、アメリカも予算の提出をやめる、議会の審議ではこの予算は外す。ということになれば、これはグアム移転自体がなくなってしまいます。

 何で今こんな時期にこんなことをやっているか。たった一つじゃないですか、理由は。もう結果はわかっているんです。この問題は、普天間が固定されるんです。ただ、それを参議院の選挙前にオープンにされたくないから、とりあえずこの五月の決着ということで乗り切っちゃって、アメリカ側には、いや、これでちゃんと、地元、あと数カ月でちゃんとやりますよと。そして、日本の皆さん、国民の皆さんには、ちゃんと五月末で一応の決着をしたじゃないですかと。こうやって一つの理由をつけているだけで、最終的には、八月、九月になったら、済みません、どうもやっぱり地元の合意が得られませんでした、しばらくこの問題については検討を重ねます、そのまま普天間は継続して使用しますと。

 次に、十一月に知事選挙が沖縄で行われる。その選挙では、この世論をもしそのまま引きずった場合には、これに反対の知事が当然当選をされる今の状況になります。ということは、もう沖縄では、次の知事選挙、あと四年待たない限りはこの問題は前に進まない。すべてこういうことになってしまうんじゃないですか。

 この考えについて、大臣のお考えを。

岡田国務大臣 今のお話は、委員が一定の仮定とそして想定のもとにお話しになったことであります。そういうことにしないために、しっかりと内閣を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思います。

 普天間の固定化というのは日米両国政府ともに決して望まないことであって、だからこそ、これだけ時間をかけて議論を行ってきたし、今回の合意に至ったということであります。そのことをしっかりと実現していかなければならないというふうに考えているところです。

小野寺委員 私も、ぜひ、普天間の移転、沖縄の負担軽減をお願いしたい、しっかりとした合意が出ればいいと思うんですが、なぜこういうことを言うかというと、昨年の外務委員会、これは秋だったと思います、そこでこの問題について初めて取り上げたときに、結局、最後は現行案になるしかないんじゃないですか、あるいは現行案を少し変えた形でなるしかないんじゃないですかと外務大臣にお伺いをしました。そのときに、外務大臣は同じようなお答えをされました、そうならないようにちゃんとやりますと。ところが、結果として、今、恐らく政府案が出てくるんでしょうが、それはどうも現行案にかなり近い形になるんだ、私どもはそう伺っております。

 さて、このまま進んでいけば二〇一四年には普天間が返ってくるという状況がロードマップの中にありましたが、この二〇一四年というスケジュールは変更ないんでしょうか。

岡田国務大臣 現在のロードマップでも二〇一四年を原則とするというふうに書いてあったと思います。そういった考え方はできるだけ維持したいというふうには考えますが、それはまさしくこれからの進展状況次第というところがあることは否めません。

 なるべくそういったことが可能になるように行っていきたいと思いますが、例えば環境影響調査についても、追加的に調査をするとか、そういうことも必要になるかもしれません。それはこれからの具体的な場所とかあるいはやり方とか、そういうことによっても変わってまいります。多少おくれてでも、そちらの方が沖縄にとっても望ましいということも考えられるかもしれません。そういったことは総合的に判断していくしかないというふうに思っております。

小野寺委員 今、多少おくれてもというお話がございました。大臣がおっしゃる多少というのはどのぐらいの期間なんでしょうか。一年なんでしょうか、三年なんでしょうか、五年なんでしょうか、十年なんでしょうか。おおよその多少という印象を教えてください。

岡田国務大臣 現在の案に比べて五年とか十年おくれるということは想定しておりません。あとは、これから中身について日米合意案の発表の後も検証しなきゃいけない問題がございます。具体的に、辺野古岬近辺であるとしても、その中のどの辺にどういうやり方でやるかというところについては日米合意案でも課題として残ることになるというふうに思います。ですから、そういったことを両国政府で詰めていく、そのための時間というものは必要である。あわせて、沖縄県民の皆さんに受け入れていただくための時間というものが必要であるということであります。

 そういったものを迅速に行って、そして、なるべく早く普天間の返還ということが実現するために、しっかりと対応していきたいと考えております。

小野寺委員 今、環境影響評価、環境アセスについては五年、十年おくれることはないということでお話があったと思うんですが、もしこれが、例えば現行案と違う場所に新たな別な工法で行うということになった場合には、これは専門家の意見がそのとおりだと思いますが、沖縄の県の条例もありますので、最低やはり五年以上は環境アセスにもう一度時間がかかるというふうに伺っております。

 ということは、今大臣がおっしゃる話を考えると、現行案に近い場所というふうに考えてよろしいんでしょうか。

岡田国務大臣 何度も申し上げておりますように、間もなく日米合意案というのが明らかになりますので、それを先取りしたことはお話ししない方がいいというふうに思います。

 それから、委員が御指摘の五年かかるということですが、それは一から全部やり直せばそういうことでしょうが、しかし、必ずしもそういうことではないということも考えられるわけで、すべてそういう説明は、日米合意案が発表になったところで御説明したいというふうに考えております。

小野寺委員 長島政務官にお伺いをします。

 今回、案の中にくい打ち、QIP方式も検討されていると。これは実務者協議の中でさまざまな意見が出てきていると思うんですが、QIP方式になった場合の環境アセスのやり方。例えば、現在、埋め立て案で現行案はアセスを行いましたが、これがQIPに変わった場合には、環境アセスをさらに行う必要があるんでしょうか。

長島大臣政務官 先ほど来外務大臣から何度も御答弁があるように、日米の合意案がもう間もなく発表されることになりますので、私がこの場で具体的な工法についてお答えをする、そういう立場にございません。

小野寺委員 具体的な工法ではなく、これは一般的な考え方として、埋め立てとQIP、埋め立てのアセスをやったところにQIPで建設をする場合、アセスをもう一度する必要があるかどうかの技術的な、実務的なお話の質問です。

長島大臣政務官 これは、今の御質問は通告をいただいておりません。ですから、私もここで詳しく、工法が変わった場合にアセスメントがどうなるかということをお答えすることはできません。

小野寺委員 申しわけありません。もう一度環境アセスが必要なんです。埋め立てからQIPに移した場合には、これは環境アセスが必要です。そして、それは埋め立てに比べて、もう一度、ゼロからやるというわけではありませんが、少なくても、埋め立てに要する環境アセスの半分ぐらいの期間、調査は必要だということになります。

 ですから、今までのお話をずっと伺うと、やはり二〇一四年、あるいはそれに少しおくれても、とにかく一日も早く、沖縄の負担軽減、普天間の返還、これを実現するためには、現行案に近い形、環境アセスを余りいじらない形、そして、埋め立てという形の工法、これをとらない限りは、環境アセスだけでまた四年、五年かかってしまう。そして、その先に今度はいよいよ工事が始まる。さまざまな地元の反対もある。また、公有水面の埋め立ての問題もありますので、これは知事の同意も必要だ。これだけ高い高いハードルがたくさんできてしまった。これは鳩山政権においてできてしまった。このハードルを乗り越える自信が大臣にはおありですか。

岡田国務大臣 委員はいろいろ前提を置いて議論されております。その前提すべてが正しいものかどうかということについては私はここで議論するつもりはありませんが、日米合意案を見た上で、発表になった上で、必要があればまたこの場で議論をさせていただきたいというふうに思います。

 いずれにしても、しっかりと県民の皆様の御理解をいただきながら、普天間の危険な状況をストップさせる、そのために基地を移設する、その方針のもとでしっかりと内閣として対応してまいりたいというふうに思っております。

小野寺委員 今さまざま、間もなく明らかになるとおっしゃっていますが、もう既に多くの国民は知っているんです。そして、多くの国民がこの案だなとわかっていて、さらに、その案を知っている福島大臣が沖縄に行き、そして、仲井眞知事に対してこれは絶対反対だということを明言されている。閣内だって反対しているじゃないですか。沖縄の地元も反対をしています。そして、アメリカの合意の前提は閣内と地元の賛成。ですから、この三つというのは、実は全部組み合わさっているんです、全部組み合っているんです。

 だから、アメリカとの合意文書ができたからそれで一つの決着、そんなことにはならない。アメリカ自身が言っているのは、まず連立与党内での合意、そして地元の合意、これがあって初めて日米の2プラス2で出てくる合意文書が生きてくる、それを認める、それがアメリカの姿勢だと思いますが、いかがですか。

岡田国務大臣 閣内のことは政府にお任せをいただきたいというふうに思います。いずれにしても、五月末までにという中での話であります。

 それから、アメリカ政府は、もちろん沖縄の現状というものは十分に理解した上で、今回の日米合意文書というものを交渉し、そして間もなく合意に至るわけでございます。

小野寺委員 大臣は、閣内についてはしっかりやる、それから地元についてもしっかりやる、ずっとそういうお話を続けていらっしゃいます。そして何より、政府案については、五月末まで、もうすぐ明らかになるから明らかにできない、ずっとこうやってお話をされています。

 私は、ここまでこの委員会でさまざま質問をさせていただいて、答弁について、正直、大臣が誠心誠意お答えされているとはとても感じられません。恐らく、さまざまなことを背負って、言えないこともあるんでしょう。ですが、言わない方が身のためになると思って言わないこともあるんだと思います。

 そして、何より私は大臣に問いたいのは、この問題、さんざん今まで、解決する、うまくいく、できると。きょうここでお三方座っていらっしゃいますが、同じく、同じことを言っていらっしゃると思います。もし、これは五年、十年先かどうかわかりません、沖縄の基地問題、普天間の移転問題、この問題が結局動かず、沖縄の負担軽減が進まず、辺野古への移転も動かず、こうなった場合、きょういらっしゃるお三方はそのときにどのお立場かわかりません、首相をされているかもしれませんし、どういうポジションかわかりません。ですが、少なくとも、沖縄県民の皆さんにこの問題に関してかけた責任、それは大変重いと思います。これは政治家としての責任になります。一生背負っていく責任になります。

 その重い責任を背負って、今回の交渉、最後の最後まで必ず、普天間の返還に向けて、沖縄の負担軽減に向けてしっかりやる、責任をかけてやる、政治家としての責任をかけてやる、その意気込みをお聞かせください。

岡田国務大臣 まず、委員も外務副大臣をやられたわけですから、当然わかった上で言っておられると思いますが、日米間でしっかりと公表するまではその中身について触れることができない、そのことは十分に御理解されているはずだと思います。新聞はいろいろ報道しておりますけれども、それはすべて憶測に基づくものであって、日米両国政府が発表したときに初めてその内容は明らかになる。それまでの間は、これは政府の信義の問題として、中身について触れることはできない、そのことはまず申し上げておきたいと思います。

 今回、先ほど来申し上げておりますように、日米合意案ができたからといってそれで終わりではなくて、そこから沖縄県民の皆様の御理解をいただくための努力がスタートするということであります。しっかりと県民の皆様の理解をいただき、そして合意した案が実現するように、全力を挙げて閣僚として取り組んでまいりたい、そういうふうに考えております。

小野寺委員 岡田大臣は別に信用していないわけじゃないんです。私が信用していないのは鳩山総理です。

 御案内のとおり、鳩山総理は、五月末までにアメリカの合意、地元の合意、そして連立与党内の合意、これをすべて決着した上で五月末ということを何度も何度も繰り返しております。そして、大臣にお伺いしたいのは、総理がこういうふうにおっしゃっているのに、なぜ大臣は、これは五月以降も継続して同意を得る努力をしていくというお話をされるのか。総理と大臣の考え方、言い方も違う、そして閣内でもまた違う意見が出てくる。一体何が本当なのか、どれが国民に対しての約束なのか、それがわからないからみんな混乱しているんです。

 私たち、この委員会でも何度も質疑をさせていただいて、こういう問題についてはもう後ろ向きな質問はしたくないんです。前向きな質問をしたいんです。例えばNPTの問題だって、今、国連でさまざま大きな問題になっています。今、平沢委員のお話もありましたが、北朝鮮の問題だってこれは大変な問題です。そういう前向きな委員会質疑をここでするべきなのに、相変わらずこの問題をしている。

 ぜひお願いしたいのは、もう六月以降はこういう議論はしたくありません。大臣にお願いしたいのは、なるほどなと私、小野寺五典が納得するような、さすがだというような今回の日米2プラス2の合意案、そして連立与党内でのまとめたしっかりとした体制、何よりも沖縄の皆さんの合意、これをちゃんと出すというその自信について、最後にお伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 なるべく誠実に答弁しようと思って言うと、何か五月末までにと言っているのに沖縄の理解をこれから得るというのはおかしいとか、そういうふうに言われるわけでありますが、もちろん五月末までにすべてクリアできれば一番いい。しかし、もうこのタイミングになって、沖縄の県民の皆さんが、どれだけ努力をしたとしても五月末までに御理解を得られないということは明らかでありますから、そのことについて私の考え方を述べさせていただきました。

 もちろん総理もそれは同じ思いで、五月末までに全部沖縄の理解が得られる、そういうふうには考えておられないというふうに思います。我々、閣僚として、違うことを言っているつもりは全くございません。

小野寺委員 多分、今の話を聞かれた多くの皆さんは、実は総理と外務大臣は違うことをおっしゃっていたのではないかという印象を持っていると思います。総理は何度も、地元の合意、アメリカとの合意、連立与党内での合意、これを、この決着の、五月末とするということを答弁されておりました。

 もう大臣にこれ以上お伺いするのは酷かと思いますが、ぜひ閣内で一貫して、この沖縄の負担軽減、一日も早い普天間の返還について努力していただきたいと思います。

 質問を終わります。

鈴木委員長 次に、赤松正雄君。

赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。

 きょうは、まず最初に、もう既にこれまでの委員の皆さんが触れてこられた件でありますが、日本とアイルランドの社会保障協定のことを先に少し取り上げさせていただいて、その後、マカオの問題に入った後、少し沖縄の問題についても質問をさせていただきたいと思います。

 まず、今までの委員の皆さんの観点と違うといいますか、直接この社会保障協定とは関係がないんですけれども、私は、四年ほど前にアイルランドに一度だけ行ってまいりましたけれども、その当時、言ってみればアイルランドは、ある種バブルの状況だったんだろうと思います。大変に経済状況がよくて、なかなか元気いっぱいの国柄というか、国の状況を示していました。

 日本から見るとアイルランドというのはファーウエストという感じがするんですが、地図の見方によっては、日本がファーイーストという観点からすれば、アイルランドは最もヨーロッパの国でアメリカに近い国ということで、視点を変えれば、世界の中心的位置にある、こういうふうな言い方もできようかと思います。

 実は今、ギリシャの例のギリシャ・クライシスという感じの中で、見方によってというか、アイルランドに詳しい人に言わせると、ある意味ギリシャ以上に厳しいというようなことをおっしゃる向きがあるんですけれども、まず冒頭、アイルランドのそういう経済財政状況というものをどう外務省は見ておられるかということについて、簡単に概略、武正副大臣からお願いしたいと思います。

武正副大臣 赤松委員にお答えいたします。

 アイルランドの今の経済状況についての認識でございますが、国内の不動産バブルの崩壊、世界的な景気後退に基づきまして、二〇〇八年からマイナス成長に突入し、二〇〇九年はマイナス七・一%に達しております。一方、財政収支も急速に悪化をしまして、二〇〇九年の財政収支の対GDP比はマイナス一四・三%とユーロ圏最悪の水準に達し、政府債務残高の対GDP比も六四%に達しております。

 一方、アイルランドは昨年来、財政赤字の削減に向けた取り組みも進めてきておりまして、政府債務残高が比較的少ないこと、経常赤字が少ないこと、政権運営は連立与党が比較的安定していることから、いわゆるPIIGS諸国、ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの中では、経済の一層の悪化の可能性は低いとされております。

赤松(正)委員 ありがとうございました。

 そういうアイルランド、先ほど申し上げたような位置、また、イギリスとアイルランドの関係というのは、しばしば日本と韓国、朝鮮半島との関係に匹敵するというふうな指摘もあって、注目に値する国家であり、もちろん、アイルランドは、数多くのアメリカにおける、大統領であるとかアメリカの支配的な階層を形成している人たちを多く出しているという意味でも、注目される国家だろうと思います。

 先ほど来お話がいろいろあったわけですけれども、今回、社会保障協定の締結相手国として、余り優先順位がほかと比較して高くない、そういうアイルランドを選んだというよりも、いろんな彼我の関係の中で、最終的に、アイルランドが最も適切である、早くその締結、結び得る、そういう可能性を持つに至ったんだろうと思いますけれども、ここで改めて、アイルランドの優先順位が高くなった理由と、また、本協定締結によって日本の企業が享受できる具体的なメリット、締結の意義等について、簡単に述べていただきたいと思います。

武正副大臣 なぜアイルランドかということでありますが、在留邦人数だけでなくて、社会保険料の負担の規模、あと、経済界からの要望、我が国と相手国との社会保障制度の違いなどを総合的に勘案して締結交渉を行っております。

 平成十八年から協議の申し入れがあったこと。また、EU市場への良好なアクセス、英語の通用性、外資優遇策、良質な人材確保などを勘案して、先ほども企業名を挙げましたが、日系企業が四十社進出しておりまして、そうした締結の要望の声があった。また、アイルランドの年金制度は我が国と同様に保険料方式でありまして、両国間の制度の調整を行うことが比較的容易であると考えられ、こうした結果、締結のメリットは大きいと判断したこと。また、平成二十年十月、先ほど来挙げております在留邦人数は千四百九十九人でありまして、我が国が社会保障協定を既に締結または署名した国を除く欧州諸国の中では、在留邦人数が特に多い国の一つとなっております。

 そして、実際に、メリットでありますけれども、日本からアイルランドへ派遣される駐在員、派遣期間五年以下であると見込まれる方については、この協定に基づいて、アイルランドの保険料の支払い義務免除となります。また、日本からアイルランドに派遣されている駐在員で二重加入をしている方百五十人については、アイルランドの年金制度の保険料免除による日本側の負担軽減額、年間約二億円と考えられております。

 また、この協定締結によりまして、保険期間の通算による年金の受給権の確立を容易にするとともに、アイルランドの年金を受給する権利を有する日本人あるいは日本の年金の受給権を有してアイルランドに居住する日本人いずれも、いずれの国の年金の申請書類も、それぞれ居住する国の政府機関に提出することができるようになりまして、こうしたことによって、二重加入の問題解消をされる現役の就労者のみならず、年金受給者の方の手続の簡素化によっての協定の恩恵ということが指摘されるところでございます。

赤松(正)委員 今、アイルランドとの社会保障協定の中に通算規定を盛り込んである云々の話がありましたが、韓国のケース、平成十七年、今から五年前、アジアの中では唯一、韓国と社会保障協定を結んだわけですけれども、その協定には、ある意味一番大事なポイントという年金加入期間の通算規定が盛り込まれていない。派遣期間が五年を超える場合には就労国の年金に加入することになるわけですけれども、通算規定がないと、韓国での年金制度の加入期間を満たしたとしても年金保険料は掛け捨てになる、こういうことです。

 当時、通算規定を盛り込まない理由として、年金制度の歴史が韓国の場合は浅いということを挙げておったわけですが、既にあれから五年、トータル二十年以上は経過しているということで、今、政府は韓国との間で非公式な意見交換を行っているということでありますけれども、その進捗状況、また、韓国に対して通算規定を盛り込むよう強く要請するべきであると思いますけれども、政府の考え方を聞かせていただきたいと思います。

武正副大臣 お答えいたします。

 今委員御指摘のとおり、当時は、韓国の年金の受給資格、要件十年ということで、韓国の国民年金は一九八八年施行ということで、平均加入十二年だったことから、日本の二十五年ということを満たすのは難しいということもあり、日本側の裨益することが大きいということでその当時は入れなかったわけでありますが、今、両国の外交、社会保障当局間で非公式な意見交換を行っておりまして、こうした通算規定を置くための協定改正の可能性につきまして意見交換を行っております。

 両国とも、保険期間の通算に関するニーズはますます高まってきておりますし、日韓の経済協力をさらに強めていこうということを両首脳間も合意している、そういった思いをそれぞれ一にしているところもございます。引き続き、韓国側に働きかけてまいりたいと考えております。

赤松(正)委員 ぜひ、韓国に対する働きかけを強めていっていただきたいと思います。

 次に、マカオとの航空協定ですが、いろいろ先ほど来出ておりますので、一点だけに絞りまして御質問いたします。

 従来の航空協定では、例えば日本・サウジアラビア航空協定の場合、運賃は、適当な国際的仕組み、国際航空運送協会、IATAの運賃調整会議などを通じて、または両締約国の指定航空企業間での合意に基づいて決定された上で、それぞれの航空当局の認可を受ける旨、規定されています。しかし、日本・マカオ航空協定では、運賃について、航空当局は、「認可し、又は認可しない権利を有する。」とだけ規定されていて、適当な国際的仕組みという文言や、あるいは指定航空企業間での合意という従来書かれてきた部分が触れられていない。その理由と、また、航空企業やその利用者にとって、従来の規定と比較すると、そのように新しくしたことにおける具体的なメリットは何なのかということを聞かせていただきたいと思います。

武正副大臣 お答えいたします。

 本協定では、昨今の国際的運賃自由化の流れを踏まえての対応ということで、我が国の航空協定としてはこれが初めてに当たります。運賃設定に関する各航空企業の自主性を尊重し、航空当局は航空企業間の合意を求めてはならないこととし、航空当局は、自己の地域を出発する便に関しては主体的に運賃を認可できるが、相手方の地域を出発する便に関しては基本的に相手方が認可した運賃を尊重することとした。

 これは、繰り返しますが、航空自由化の流れに対応するためでありまして、これによって航空会社が市場の変化に応じてより柔軟に運賃を設定することが可能となると考えます。

赤松(正)委員 せっかく国土交通省の航空局長に来てもらっているので、若干、補足することがあったらしてください。

前田政府参考人 ただいま副大臣がお答えになりましたとおり、航空自由化というのが国際航空の全体の流れになっております。したがいまして、運賃についても、従来の航空協定と若干異なった形での、自由化に沿った形での規定のあり方となっております。

赤松(正)委員 では、大臣、沖縄の問題につきまして、先ほど来なかなか聞きごたえのある平沢委員、小野寺委員の質問があって、大臣の考え方、スタンスはわかったわけですけれども、また、実際、日米合意案を見てからという大臣の基本的、あなたも見てからにしてほしいという部分もおありだろうと思うんですが、本格的な議論はそういうときにするにしても、予告編というか、その前段階として、私がこれまで大臣にお聞きしてきたことも含めて、一番気になっているというか御指摘したい点についてお話をしたいと思います。

 要するに、問題は、沖縄県民の皆さん、沖縄における住民の皆さんの合意、理解、これをどう得ていくかということと、そういう、得ていくかという今未来形で申し上げましたけれども、岡田外務大臣を中核とする鳩山政権は、すべてのテーマでゼロベース、前政権とは違って、自分たちが手にした政権で、自分たちの手と頭と足で実際にゼロからやっていきたい。

 このテーマでいえば、十四年ほどかけて、なかなか、大変に苦労をした。そのテーマだけでも、私から言わせれば、国の基本にまつわる外交、安全保障の部分だから前政権のことを不本意だけれども受ける、こう言っておられれば非常に物事はうまく進んだんだろうと思うのに、あえてそれをしないで、ゼロベースということでやられた。それは、私は、決してだめだというんじゃなくて、非常に大事な姿勢だ、多としたいと思うんです。

 問題は、沖縄県に住まわれる皆様。これは、私はあえて、余り県民、沖縄県ということでくくって言うよりも、むしろ、歴史と文化と伝統をある意味大和民族とは異にする、琉球という歴史を踏まえた今の沖縄という全体をとらえることが大事であるということをいろいろな形で言ってきたつもりなんですけれども、そういう観点。つまり、だから県民感情というのでは非常に小さい。今、四十七都道府県の中における沖縄県という観点ではなくて、もっと深い、重い意味が沖縄にはあるんだと私は思うんです。そこに対する、沖縄県の皆さんに対する理解を得ていくための努力もゼロベースでなければいけなかったんじゃないかと私は思うんです。

 このテーマは大分前にもやりましたが、ある種、岡田外務大臣としては、日米関係、対米交渉の窓口だから直接的にはそういう役割は自分ではない、こういう思いがおありかもしれないけれども、政権全体としては、沖縄県の皆さんに対する理解を、さっきの御発言あるいは今までの御発言を聞いていると、ある種ここをスタートにして、今回の日米合意を経て、そこからスタートして始まるという言葉を、さっき日米合意がスタートだという意味のことをおっしゃいましたけれども、私は、従来から言っているように、それはちょっと違うと。

 つまり、この八カ月間、九カ月ですか、去年の八月三十一日から今日に至るまでの流れの中で、何でもっとしっかりと沖縄県民に対する、先ほど私が言ったような広い意味の琉球の皆さんに対する理解を得る努力をされてこなかったんだと。いや、そんなことはないとおっしゃるんだろうと思いますが、正直足らない。これからやるとおっしゃっていますが、では、岡田外務大臣はどういうふうにやってきたと。直接の自分の管轄外というか、日米交渉の窓口である岡田さんとすれば、それは官房長官の役割であり、前原沖縄担当大臣の役割だ、こう言われるかもしれませんが、政府としてどう沖縄県の皆さんに対する理解を得てくる努力を、ゼロベースという、前政権とは関係なしに、私たちはこういうふうにやってきたんだというものはありますか。

岡田国務大臣 ですから、今回の日米合意案をつくり上げるに当たって、沖縄の負担の軽減ということをどれだけそこに盛り込むことができるかということを、政府を挙げて、鳩山総理のもとで取り組んできたわけであります。今までなかなかアメリカ政府として認めてこなかったこともその中には入っております。そういった全体のパッケージということを県民の皆様にお示しして、そして御理解をいただくという作業はこれからになる、つまり、具体的な案ができたことをもって、これからそのことはスタートをするということであります。

 もちろん、今まで県民の皆様の御理解を得るための努力というものは政府としても行ってまいりましたし、私も昨年二度にわたり沖縄に行き、率直に意見交換もさせていただいたところでございます。

赤松(正)委員 今、二回行った、そして政府としても努力をしてきた、こうおっしゃいましたが、私たちが委員長を中心に沖縄に行ったときに、あれは名護市と、名護市では住民の皆さんの意見を聞いたわけじゃありませんが、あそこは石川市ですか、あるいは県知事、あるいは県議会議員の皆さんと懇談したときも、要するに、政府の物の考え方というものをしっかりと聞いたことはないという発言ばかりだったですよ。

 ですから、今私が言った質問に対するエッセンスだけ取り上げれば、私の聞いたことに対する答えとしては、いや、やってきたという答えになるわけですね。政府としてもやったし、私も二回行って沖縄の人たちの意見は十分に聞いたと。つまり、理解を得る努力、いや、そういうお顔をされると、私としてはなかなか、この後続けるのは感情的に言ってつらいものがあるんですが。

 要するに、さっきから負担軽減ということを岡田さんはよく言われるんですね。私はレトリックだと思うんですね。負担軽減という言葉を使われても、聞く方の人間によってさまざまに受け取り方が違いますよ。大体、政府自身の責任において、これは、皆さん方の政権がスタートしてこの八カ月の間に、負担軽減という言葉も私は相当に受けとめ方が違ってきている。

 つまり、これこそ沖縄県民の、あえて県民という使い方をしますけれども、バブルですよね。それが、気分の、鳩山総理大臣を初めとする皆さんの、最低でも県外、できるだけ県外というふうに変わってきたり、あるいは、岡田さんはそういう言い方じゃなくて負担軽減ということを言われるんですけれども、この負担軽減という言葉でもって、ああ、そうかというふうに思う人と、負担軽減といったって、そんなのは全然、それはもう昔からそういう言い方はされてきているのであって、もはや負担軽減という言葉には、もう県外でなければ負担軽減ではないと思う人たちもいるわけだし。そうじゃない、大臣は要するに、中身を見てくれと、見てくれれば十分、負担軽減案、納得するというものが入っているんだ、こうおっしゃりたいんだろうと思いますが。

 まだ日米合意がオープンになっていないからその全貌は明らかにできないけれども、では、その負担軽減という言葉についての岡田外務大臣のとらえ方、具体的な中身というものを言っていただきたいと思います。

岡田国務大臣 日米合意案の中身については、今申し上げるべきではないというふうに思います。間もなく明らかになった段階で、またこの場でさまざま議論していただければというふうに思っております。

 ただ、そもそもこの普天間の移設の問題が問題提起されたのは、非常に危険な基地であるということと、基地が集中し過ぎた、その沖縄の負担をいかに軽減していくか、そういったところから議論をスタートしたというふうに私は考えております。そして、その負担を減らしていくという中に、例えば、さまざま、沖縄県知事からも、県としての要望というものもいただいてまいりました。そういったことに現時点ででき得る限りこたえていくということで、沖縄全体としての、狭い地域に多くの基地が集まっている、そのことの負担を減らす、そういった観点で取り組んできたところであります。

赤松(正)委員 負担軽減という言葉の認識ギャップというものがあって、これからも恐らく大変に苦労されるんだろうと私は思います。

 さっき岡田外務大臣は、要するに、この日米合意を起点にして、これから沖縄県民に対する理解を得ていくための努力をしていきたい、その前に地元の皆さんに対して率直におわびをしたいというふうな意味合いのことをおっしゃいました。

 そういう真摯な姿勢の上に立って、では、これから具体的に行って協議するという、過去に二回の話をされましたけれども、これから沖縄の皆さんに対して、鳩山総理大臣また岡田外務大臣を初めとする政府の皆さんが、沖縄の地元合意を得るために、具体的にどういう手だてを講じていくということが大事だと。自分たちが精いっぱい、今まとめようとしている部分について、どのような形でもって対応すればわかっていただけるという、自信とかどうこうというんじゃない、姿勢ではなくて、具体的な手だてというものをどのようにしていこうと思っておられるんでしょうか。

岡田国務大臣 それは、これから内閣の中で、お互い、どういう役割分担をして、どういう責任を負ってやっていくかということをよく議論しなければいけないというふうに思います。

 ただ、それまでに、まず内閣として何らかの、それは決定であれ了解であれ、内閣としての意思決定というものが必要になるわけで、そのことに今全力を挙げているところでございます。その上での話だということは申し上げなければならないというふうに思います。

赤松(正)委員 なかなか先行き困難なことが多いですね。

 私たち公明党は自由民主党と十年政権を組んできて、ある意味で、形だけ見ると、民主党と社民党、もちろん国民新党という政党は入っているわけですけれども、この政党はちょっと違う性格を持った政党なので度外視しますと、民主、社民と、自民、公明の関係というのはよく似ていると思うんです。

 私は、常々、岡田外務大臣も委員として聞いておられたと思いますが、経済は失われた十年だけれども、安全保障は失われていない、公明党が政権に参画することによって、十年いろいろな苦労をしてきたという話をしたのを少し仄聞しておられると思うんですけれども、失ったものも結構多かったですけれども、同時に、やはりこれは、僕は、日本の安全保障にとって非常に重要な役割を果たした、こんなふうに思っているわけです。

 そのことについてはまた別の機会にいろいろ申し上げたいと思うんですが、最後に、要するに、いつぞやも申し上げましたけれども、さっきもちょっと言いましたけれども、沖縄県というものを単なる日本の一県としてとらえてはいけないということを強く感じます。やはり歴史認識の問題、つまり、沖縄の人たちは、あえて言えば、要するにこの日本から差別をされているというふうなことまで今思っておられる人たちが非常にふえてきている。そういうことをしっかり認識した上で取り組まないと、本当の意味の岡田さんたちのゼロベースということにはならない。これは、過去の私たちの反省も含めて、偉そうなことを言っているつもりはありません、私の反省も含めて、これから立ち向かわれるときに、本当の意味のゼロベースというのはそういうもの、歴史を踏まえた上でのものでなくちゃいけないということを申し上げて終わりたいんですが、一言お願いします。

岡田国務大臣 今の点は委員おっしゃるとおりだと思います。私も、クリントン長官とたしかシンガポールで外相会談を行ったときに、私の方から、沖縄の歴史、かつて独立国であったこと、そしてその文化、さきの戦争における大きな犠牲、そういったことについてクリントン長官に私からお話をし、非常にそういったところについてきちんと考えていかないとこの問題はうまくいかないんだということを説明したことを思い出すわけでございます。

 それから、連立の話。確かに、公明党も、イラク戦争の話とか、さまざま悩まれ、そして場合によっては傷つかれたこともあったかと思います。しかし、政権をともにしていくということはやはりそれだけ重い責任を負うことであって、もちろん、自分の政策を実現する、そういう機会を与えられるとともに、しかし、政権を動かし、この国を動かしていく、そういう重い自覚のもとで公明党は取り組んでこられたことだというふうに思っております。

赤松(正)委員 では、また引き続き委員会でやります。ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 日本・マカオ航空協定は、マカオとの定期航空便の安定的な運営を行うための法的枠組みを定めて、マカオとの間の人的、経済的交流に資するものであり、我が党は賛成であります。

 そこで、関連して、改めて確認的に伺っておきたいんですが、旧政権時代に、具体的には二〇〇七年の五月でありますが、政府は、アジア・ゲートウェイ構想を打ち出して、これに基づいて航空自由化を推進してきております。既に自由化について合意したマカオ、香港、ベトナム、マレーシアのほかに、自由化交渉を予定している国はあるんでしょうか。いかがですか。

武正副大臣 笠井委員にお答えいたします。

 御指摘の、二〇〇七年五月、アジア・ゲートウェイ構想のもとでの取り組みに、引き続き国交省として航空自由化を推進していく考えであると承知しております。

 政府としては、定期航空便の需要見込み、政治、経済、文化等の各分野における二国間関係、相手国航空企業が十分な安全基準を満たしているかなどの諸点を総合的に考慮した上で交渉を実施してきておりまして、今後も同様の方針で、相手国の要望も踏まえつつ、適切に対応していく考えでございます。

 ただし、現時点において、具体的に交渉を実施し、また交渉開始を決定している国はないというのが実態でございます。

笠井委員 もう一つ、日本・アイルランド社会保障協定についても、両国の年金制度に加入を義務づけることで、二重加入問題、これを回避して、保険期間の両国での通算措置によって保険料の掛け捨て問題を解消するためのものであって、我々、この案件でも賛成であります。

 さて、この際ですが、韓国海軍哨戒艦沈没事件について、先ほど来ありますが、私も質問をしておきたいと思います。

 この事件をめぐって、我が党は、五月二十一日、志位委員長の談話を発表いたしました。韓国の軍民合同調査団の報告書は、幾つかの証拠を示しながら、哨戒艦は北朝鮮製魚雷による外部水中爆発の結果、沈没したと断定いたしました。他国の軍艦を魚雷で攻撃するといった行為は決して許されない無法で乱暴な軍事行為であり、我が党も厳しく非難をいたしております。同時に、南北両国を初めとして関係各国が、北東アジアの平和にかかわるこの問題を、決して軍事的緊張の拡大、悪循環につなげることなく、外交的、政治的方法で解決するように強く求めているところであります。

 そこで、岡田大臣、私はその点が何より肝心だと思うんですけれども、大臣の所見はいかがでしょうか。

岡田国務大臣 基本的には、各政党がどういうお考えをお持ちかということについて政府の立場でコメントするのはいかがかというふうには思います。

 ただ、私、率直にお聞きをして、一つは、委員御指摘のように、軍事的な緊張の拡大、悪循環につなげることなく、外交的、政治的方法で解決するよう強く求める、それは私もそのとおりだというふうに思います。これから国際的な場で議論が行われていくというふうに思いますが、軍事的な緊張あるいは軍事的な衝突ということは、これは韓国政府もそういったことに対して極めて慎重に対応しているところであって、話し合いといいますか、恐らく制裁の議論とかそういうことが出てくるだろうと思いますが、あくまでそれは話し合いの中で行われていくべきだというふうに思っております。

 それから、もう一つ、私は、共産党のコメントを見まして、北朝鮮が行ったという調査結果、それに対して基本的にそれを是認しておられる、もし関与を否定するなら、北朝鮮側は証拠を示して事実として反証すべきであるというふうに言われているということは、原則的に、韓国を初め各国の行った今回の調査を受け入れておられる、そういうふうに理解をするところであります。その点についても、私は、共産党の立場として言われていることに対して、そのことを評価したいというふうに思っております。

笠井委員 今、大臣ありましたけれども、やはり大事なことは、この問題をめぐって国際社会が一致結束して行動する、その際に外交的、政治的方法で解決するということで、握ってやるということがやはり大事なんだろうというふうに思います。

 それに関連してなんですが、この事件と普天間問題を結びつけて県内移設を合理化する議論が一部にあります。

 鳩山総理は、去る五月二十三日、再び沖縄を訪れた際に、普天間基地の移設先を名護市辺野古周辺という結論になったと述べた際に、なぜ県内なのかという問題について、昨今の朝鮮半島の情勢からも、今日の東アジアの安全保障環境にまだ不確実性がかなり残っている、海兵隊を含む在日米軍全体の抑止力を低下させてはならないというふうに説明しておりますが、岡田大臣も同じような認識でしょうか。

岡田国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境、特に朝鮮半島情勢あるいは周辺国の海軍力の増強、そういった環境の中にあって、日本の抑止力というものを確保していかなければいけない。自衛隊というのは、盾と矛でいえば盾の役割でありますので、そういう意味で、それを補っているのが在日米軍である、そういうふうに考えております。

笠井委員 今回の事件を普天間問題に結びつけてやるような議論ということになるとすれば、それは、やはり結局、軍事的緊張拡大、悪循環につながるものだと私は率直に申し上げたいと思います。そうじゃなくて、大臣も言われたように、やはり外交的、政治的方法で解決するのに徹するべきだと。

 ここに五月二十一日付の琉球新報の社説がありますが、この哨戒艦沈没事件を取り上げて、「軍事的緊張を回避せよ」ということを主張していて、その中でこう言っております。「沖縄の海兵隊の抑止力と朝鮮半島情勢を安易に結び付けて、混迷する普天間移設問題の早期決着のよりどころとしようとする意図が見える。在沖米海兵隊が朝鮮有事の抑止力になり得るか、疑問符が付いて久しい。首相発言は、普天間問題の本質を意図的にゆがめるものだ。」と厳しく批判するとともに、結論的に、「どの国にも利益をもたらさない軍事的緊張がいたずらに高まらないよう、国際社会の知恵が試される。」私、まさにこの点が大事なんだろうというふうに思います。

 この普天間問題について、鳩山政権は、先ほど来議論がありました、五月末までに決着することを国民に約束してきたという経過がありました。その意味について、私の理解しているところでは、岡田大臣は、地元の理解を得て、日米で合意する案を五月末までに政府案としてまとめるということだ、そのことを当委員会でも繰り返し答弁されてきました。

 それが、五月二十一日、クリントン米国務長官との会談後の記者会見、そこでは大臣は、まず日米間で合意案をつくり、そしてそれを沖縄の皆様に理解していただくための努力をしていくというふうに変わっております。なぜ変わったんでしょうか、変えたんでしょうか。

岡田国務大臣 五月末までに地元の理解も得られるように、内閣としては全力を挙げて努力をしてまいりました。この間、鳩山総理も二度にわたり沖縄に行かれたわけでございます。

 しかし、現状、県民の皆さんの理解が得られている状況にないということは、私はそう思います。したがって、日米合意案というものを、これが合意されたわけでありますから、そのことについて御理解をいただくように真摯にこれから努力していかなければいけない、そういうふうに思っております。

笠井委員 沖縄の県民の皆さんは、何が何でも五月末までにということで言っていたわけじゃなくて、中身のことを特に言われていたわけです。

 今大臣は、県民の理解がなかなか得られないから、まず日米間で合意をつくる、そして合意したという話が、合意案について言われましたが、その内容というのは、鳩山総理が沖縄で表明した、普天間基地の移設先を名護市辺野古周辺という結論じゃないかと思うんですね。

 北澤防衛大臣の報告を受けたゲーツ米国防長官は、大変喜ばしいと歓迎したそうでありますけれども、そういう結論を沖縄県民に理解してもらう努力をするというのは、結局、県民が望んでいない日米合意あるいは合意案を県民に対してのんでくれと押しつけることになるんじゃないでしょうか。それはどういうふうにお考えでしょうか。

岡田国務大臣 ですから、それは日米合意案が発表された段階でぜひそれをごらんいただきたいし、またこの場でも御議論いただきたいというふうに思います。沖縄のさまざまな、今まで県として出されてきた御要望とか、あるいは沖縄の負担を軽減するための項目について、日米間で真摯に議論をさせていただき、私はそれがある程度盛り込まれたものになったというふうに考えております。ですから、普天間基地の移設先として辺野古岬周辺というだけではなくて、そういったことも全体パッケージでぜひごらんいただきたいというふうに思っております。

 それから、現行案に戻ったということを言われることがありますが、そういうことではなくて、場所的には辺野古岬周辺ということでありますが、それ以上のことについては、まだまだこれから検証、検討を要する問題もある。逆に言いますと、そういったことについて、現行案とは違う、そういった余地も十分に残したものであるということであります。

 アメリカ側も、随分この間の厳しい交渉の過程で耳を傾けてくれたし、私は、かなり忍耐強く対応してくれたというふうに思っているところでございます。つまり、我々の要望をかなり受け入れてくれたというふうに思っております。

笠井委員 今大臣るる言われたんですけれども、沖縄県民にとっては、負担軽減と言って、さんざんこれまでも言われてきたけれども、結局、軽減どころか増強になった。嘉手納もそうだった、そういうことも含めて煮え湯を飲まされてきた。そして、現行案かどうかというんじゃなくて、県民の思いというのは、新基地を沖縄につくるのはだめだという点にポイントがあるんだと思うんですね。それを、日米合意案で、沖縄に受け入れていただきたいというのは、結局押しつけることになるじゃないか。

 クリントン米国務長官は、五月二十一日の岡田大臣との共同会見で、普天間問題について、運用上有効で、かつ政治的に持続可能な案を追求したいと、二つのことを言われました。その移設条件というのを明確に言われたわけです。

 運用上有効という意味は、普天間移設について米側が言っていた、ヘリ部隊と地上部隊、訓練部隊との一体的な運用の必要性、まさにそういう点での沖縄米軍基地の一体的な運用という、軍事面での使い勝手のよさでありまして、そういうことを体現するような新基地を沖縄に新たにつくる、辺野古周辺に。もう一つ、政治的に持続可能というのは、三月末に大臣がゲーツ国防長官から言われた、議論した、地元の理解を得るということでありますが、この二つを兼ね備える案が、一体、新基地はノーと言う、沖縄にノーと言う県民から理解が得られるというふうに大臣は思われるでしょうか。

岡田国務大臣 そのための努力を内閣を挙げて行っていかなければならないということであります。真摯に行っていきたいと思います。

笠井委員 普天間問題の原点は、いろいろ議論されてまいりましたが、一九九五年の米海兵隊員による少女暴行事件であります。私も、ちょうど参議院に当選した直後のこの事件ということで、衝撃的に、沖縄にも伺いましたし、調査もいろいろ行ってきました。

 ところが、あの事件を機に日米が合意した内容というのは、基地のたらい回しという、米軍の基地の運用を優先させたものでありました。それは基地あるがゆえの苦難をなくしたいという県民の心からの願いに反するものだったからこそ、これまで十四年にわたって、十五年目になりますか、くい一本打つことができなかったわけであります。

 そういう中で、昨年の総選挙では最低でも県外と約束していたはずの鳩山総理でありますが、今度は、できれば県外と言っていたのに守れなかったということで沖縄に行かれて陳謝される。大臣も申しわけないというふうに先ほど来言われていますが、私はそれで済む話じゃないんじゃないかと言いたいと思うんですね。

 県民の怒りは頂点に達しています。仲井眞知事も、県民の間に裏切られたという思いが非常に強くなっていると総理に対して言われたし、高嶺県議会議長も、県民の頭越しに政府案が決められて、それを前提に日米協議が進められる、民主主義国家として果たしていいのかと憤りを表明されました。

 岡田大臣は、最低でも県外と言ってきた総理の発言は重い言葉だということで当委員会でも答弁されてきたわけですが、その重い立場と責任をどう沖縄県民に対して果たそうとされているのか。今言われているような日米合意、あるいは2プラス2の共同声明ということで、イコールでしょうけれども、それはやめて、やはり沖縄県民の民意こそしっかり受けとめて、今からでも堂々とアメリカに物を言う対米交渉をやるべきじゃないか、それが外務大臣の仕事じゃないかと私は思うんですが、その点、どうお考えでしょうか。

岡田国務大臣 総理のその言葉は重いということは私は確かに申し上げました。総理もそういう気持ちは非常に強くお持ちだったと思います。だからこそ、沖縄の負担を軽減するためのそういった中身を今回、日米合意案に盛り込むために真摯にアメリカ側と厳しい交渉を行い、そして、ある程度そういうものを入れた、そういう合意案になったというふうに思っております。

 それから、沖縄の中で米軍をめぐる大変不幸な歴史があったことは事実であります。私もその思いは委員と共通であります。ただ、他方で、やはり日本にいる米軍が日本の安全と地域の平和と安定のために日々努力している、そういう米兵、アメリカの兵士たちの努力とか行動とか、そういうものはきちんと評価しないと、そういった点について全く考慮の外に置いて、そして議論するというのは、私は一方的ではないかというふうに思います。

笠井委員 今いろいろ言われましたけれども、やはり沖縄県民にとっては、もう戦後長い間にわたっての問題で、抑止力論とかいろいろな問題を言われたって、そんなのはとても信頼、信用できない、受け入れられないという話になっているわけです。

 私は、ここに、最近の沖縄の地元紙、改めて読んで、社説を持ってきて、これは沖縄タイムス、五月二十四日付ですが、見出しが、怒という字が「怒怒怒怒怒…」と五つ書いてあって、こういう記事というのは私は初めて見たんですけれども、本当に思いがあらわれています。「「辺野古回帰」という最悪の結末だ。地元理解を得るよう努力するというが、沖縄の心をもてあそんだ為政者を信頼できるだろうか。」そして、抑止力論なんて幾ら言われたって、そんなのはもう沖縄には通用しないんだということを言いながら、「政権交代はこの国にとって歴史的転機であるはずだ。外交・安保も新たなアプローチがあるだろうと期待を寄せていた。それが裏切られ「怒」が高まる沖縄で米軍基地はこれまで以上に脆弱化することを政府は認識すべきだ。」ここまで言っております。

 また琉球新報も、同じ日、五月二十四日付で、「実現性ゼロの愚策撤回を 撤去で対米交渉やり直せ」と言っていまして、「「沖縄差別」と感じる県民が増えている。首相は、県民の“マグマ”が爆発寸前であることに十分留意すべきだ。」「首相は今からでも国外移設や撤去で対米交渉をやり直すべきだ。県民、国民は民意に立脚した「対等な日米関係」こそ求めている。」と言っております。

 県民の怒りは後戻り不可能なところまでもう来ている、ポイント・オブ・ノーリターンということで、沖縄復帰のときもさんざん、アメリカの側もだからこそ決断したということがあったわけですが、私は、この二つの沖縄紙の主張というのは、社説は、端的にその思いを代弁していると思います。

 そういう点でいいますと、それを結局、ポイント・オブ・ノーリターンなのに、場所は辺野古周辺にリターンさせるということで回帰する、そして沖縄よりアメリカでは、決して解決しない。

 私は、県民に新基地を押しつける日米共同声明、日米合意文書づくりはきっぱりやめるべきだということを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。

鈴木委員長 これにて両件に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより両件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 まず、社会保障に関する日本国政府とアイルランド政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、航空業務に関する日本国と中華人民共和国マカオ特別行政区との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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