衆議院

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第5号 平成18年11月7日(火曜日)

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平成十八年十一月七日(火曜日)

    午前九時十三分開議

 出席委員

   委員長 木村 太郎君

   理事 赤城 徳彦君 理事 今津  寛君

   理事 北村 誠吾君 理事 寺田  稔君

   理事 中谷  元君 理事 笹木 竜三君

   理事 前田 雄吉君 理事 遠藤 乙彦君

      飯島 夕雁君    石破  茂君

      浮島 敏男君    大塚  拓君

      大前 繁雄君    加藤 勝信君

      上川 陽子君    瓦   力君

      坂井  学君    杉村 太蔵君

      高木  毅君   戸井田とおる君

      馳   浩君    浜田 靖一君

      平口  洋君    福田 良彦君

      矢野 隆司君    山内 康一君

      山崎  拓君    吉川 貴盛君

      内山  晃君    神風 英男君

      津村 啓介君    長島 昭久君

      長妻  昭君    平岡 秀夫君

      山口  壯君    東  順治君

      赤嶺 政賢君    阿部 知子君

      辻元 清美君    西村 真悟君

    …………………………………

   国務大臣

   (防衛庁長官)      久間 章生君

   防衛庁副長官       木村 隆秀君

   外務副大臣        岩屋  毅君

   防衛庁長官政務官     大前 繁雄君

   財務大臣政務官      江崎洋一郎君

   会計検査院事務総局第二局長            千坂 正志君

   会計検査院事務総局第四局長            帆刈 信一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山浦 耕志君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  伊佐敷眞一君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局審査局長)        山田  務君

   政府参考人

   (防衛庁防衛参事官)   富田 耕吉君

   政府参考人

   (防衛庁防衛参事官)   小川 秀樹君

   政府参考人

   (防衛庁長官官房長)   西川 徹矢君

   政府参考人

   (防衛庁長官官房技術監) 佐々木達郎君

   政府参考人

   (防衛庁防衛政策局長)  大古 和雄君

   政府参考人

   (防衛庁人事教育局長)  増田 好平君

   政府参考人

   (防衛施設庁長官)    北原 巖男君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   塩尻孝二郎君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    河相 周夫君

   政府参考人

   (文化庁長官官房審議官) 吉田 大輔君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   安全保障委員会専門員   三田村秀人君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月七日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     平口  洋君

  仲村 正治君     上川 陽子君

  宮路 和明君     馳   浩君

  山内 康一君     杉村 太蔵君

  神風 英男君     平岡 秀夫君

  長島 昭久君     山口  壯君

  辻元 清美君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  上川 陽子君     戸井田とおる君

  杉村 太蔵君     浮島 敏男君

  馳   浩君     宮路 和明君

  平口  洋君     坂井  学君

  平岡 秀夫君     長妻  昭君

  山口  壯君     長島 昭久君

  阿部 知子君     辻元 清美君

同日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     山内 康一君

  坂井  学君     安次富 修君

  戸井田とおる君    矢野 隆司君

  長妻  昭君     神風 英男君

同日

 辞任         補欠選任

  矢野 隆司君     飯島 夕雁君

同日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     加藤 勝信君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 勝信君     吉川 貴盛君

同日

 辞任         補欠選任

  吉川 貴盛君     仲村 正治君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国の安全保障に関する件(防衛施設庁問題等)


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     ――――◇―――――

木村委員長 これより会議を開きます。

 国の安全保障に関する件、特に防衛施設庁問題等について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官山浦耕志君、内閣官房内閣審議官伊佐敷眞一君、公正取引委員会事務総局審査局長山田務君、防衛庁防衛参事官富田耕吉君、防衛庁防衛参事官小川秀樹君、防衛庁長官官房長西川徹矢君、防衛庁長官官房技術監佐々木達郎君、防衛庁防衛政策局長大古和雄君、防衛庁人事教育局長増田好平君、防衛施設庁長官北原巖男君、外務省大臣官房長塩尻孝二郎君、外務省北米局長河相周夫君、文化庁長官官房審議官吉田大輔君及び国土交通省航空局長鈴木久泰君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第二局長千坂正志君及び会計検査院事務総局第四局長帆刈信一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 きょうは、お時間をいただいて質問させていただくことになりました。よろしくお願いします。

 談合問題に入る前に、米軍再編に関連して、最近地元の方で大きく報道された件がありましたので、ちょっと確認をさせていただきたいというふうに思うのであります。

 十一月四日付の地元新聞の中で、NLPを実施する訓練施設を岩国基地から百八十キロ以内で選定するよう、米国側は十月に開かれた再編問題に関する日米外交、防衛当局者の作業部会で要求したという記事が出ておりましたけれども、これは事実なんでしょうか。

久間国務大臣 日米のこれまで取りまとめたロードマップで、二〇〇九年の七月あるいは七月よりもできるだけ早い時期にどこでやるかということについては選定をしようということで話が出ております。

 いろいろなやりとりというのはそれはあるかもしれませんけれども、まだ具体的にこれから先どういうことになっていくかわからないわけでありまして、そういう意味では、やりとりの一つ一つをここで申し上げてもまた違った誤解を与えるかもしれませんので、そういうような事実については我々としてはコメントしないということにしております。

 いずれにしましても、二〇〇九年の七月、そこまで、あるいはそれ以降の早い時期に、それ以降には具体的なことを決めなければならないというふうに思っておりますが、地元の岩国の人が御心配されるようなことのないように、十分私たちとしても、今まで言ってきていることについてはちゃんとわきまえた上でこれから先行動していきたいと思っているところであります。

平岡委員 一々途中の話についてはコメントしないという話で、これは、米軍再編のときの空母艦載機の受け入れのときも同じような記事がわっと出て、聞いたら、いや、途中では言えない言えないと言って、では、ちゃんとこういう問題については地元の意見も聞いて進めていくんですねというようなことを聞いたら、そうしますというふうに、総理も何かいろいろなところで言っているんですね。それにもかかわらず、決まるときにはわっと決まっちゃった。そういうことを繰り返しているから、私はこういうところでちゃんと聞いておかなければいけない。

 それについて、そういう意見が出ているなら、そういう意見が出ている、出ているけれども一生懸命協議していますと言えばいいじゃないかというふうに思うんですね。それを、出たとも出ていないとも言えない。例の、行ったとも行かないとも言わないあのあいまい路線。安倍晋三は闘う総理、闘う政治家と言ってやっておきながら、やっていることは、何かあいまい路線でやっている。その路線と全く変わらないじゃないですか。

 久間大臣は言われましたね、岩国の人が心配しないようにやっていきますと。岩国の人は本当に心配しているんですよ。この話を聞くと、複数の候補地を来年三月に提示するというふうに日本側が言ったというふうにこの記事でも書いてありますね。

 では、岩国の人が心配しないようにということは、岩国基地はこのNLPの訓練施設にはならないということとして理解していいという久間長官の答弁であるというふうに理解してよろしいわけですね。

久間国務大臣 いろいろな条件を、こういう案、こういう案というか、いろいろなことを言いますと、これから候補を決めていって、やはりその地元の同意もとっていかなきゃならないわけでございますから、そうしますと、また新たな一つの予測が来て、それで非常にまた候補地すら決めるのが困難になる、そういうこともございまして、なかなか、やれそうだということがいくまでの間は言いにくいというのは事実でございまして、その辺は平岡委員も御理解いただきたいと思うわけであります。

 ただ、逆に言いますと、そういう候補地をよそで探すということは、岩国でないということを言っているわけでございますから、それは私の言として、この場で言っているということを理解していただいて、地元の方にも言っていただいて結構でございます。

    〔委員長退席、寺田(稔)委員長代理着席〕

平岡委員 今、明確に岩国でないというふうに言われたと私は聞こえましたけれども、本当に岩国はNLPを実行しない基地である、飛行場であるという理解でいいということですね。もう一遍、確認のために。

久間国務大臣 防衛庁としてもそうですし、米軍も、何キロ以内とかそういうことを言ってくるというのは、そこでないから言ってくるわけでありますから、そういうようなことをその都度、百キロと言ったり百八十キロと言ったり、いろいろなことがあったかもしれません。

 しかし、そういうようなことの中で、これから先、我々としてはそこの方々の同意を得ながら候補地を決めていかなきゃならないわけでございますので、どうか、そういう背後関係も御理解の上、岩国ではないということを私が言ったということを理解しておっていただければ結構でございます。

平岡委員 この問題については、これからも引き続きいろいろなところで記事が出ると思いますから、その都度その都度確認を求めていきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それで、実は、その翌日の地元紙の社説の中にこういうようなくだりがあるんですね。NLPの訓練基地なんかの、「米国本土では砂漠地帯などでしかしないような危険な訓練が、なぜ日本なら都市部の近くでも許されるのか。対等な関係を掲げる同盟国への要求とは信じ難い。」こういうふうに百八十キロ以内でやるということについて言っているんですね。

 そこで、ちょっと外務省の方に聞きますけれども、アメリカ本土で行われているNLPの訓練施設というのは一体どういう立地のところで行われているか、これについて教えていただきたいと思います。

岩屋副大臣 米軍の運用に関することでございますので、詳細を必ずしも承知しているわけではございませんが、空母着陸訓練を行っている場所として現在公表されているものとしては、例えば、アメリカの東海岸になりますが、バージニア州バージニア・ビーチ市に隣接しているオシアナ海軍航空基地、あるいはフェントレス補助飛行場等があると承知をしております。

 オシアナ海軍基地というのは、四十三万人の人口を抱えるバージニア・ビーチ市の郊外に位置する海軍飛行場でございます。フェントレス補助飛行場と申しますのは、そのオシアナ基地から南西約七マイルの地点に位置するところでございまして、先生おっしゃるような、砂漠と言われるようなところではないというふうに承知をしております。

 これらの施設では、夜間のNLPに限らず、広い時間帯にわたってFCLP、フィールド・キャリア・ランディング・プラクティスが行われているというふうに承知をしております。

平岡委員 いずれにしても、その問題についても、どういうところに立地しているのかということを、今すぐ地図を見ながらこうだこうだということを言えないので、それについてもまた資料をいただいてしっかりと議論させていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 そこで、本題の方の談合問題に入るわけでありますけれども、せんだって、同僚議員の高山議員がちょっと談合問題についても質問をしておりまして、久間長官は非常に率直に答弁されておられて、ああ、すばらしいなというふうに私も思いましたので、ぜひその路線で答弁していただきたいというふうに思うのであります。

 政治家の口ききの話についてちょっと言っていましたね。久間長官の答弁は、「地元の人が、地元の業者が私も入札に参加したいと言ってきたときに、ああ、それはいいですよということで話をすることはありますから。」と。ただし、どこがどうとるかということを決めていくというのは別だというようなことで、「入札でぴちっとそこがとるようにしむけるということとは別でして、しむけるようなことになったら、これは一つの事件としてやはり検挙されるといいますか、問題になるというふうに認識しております。」「そういう覚悟でずっと二十六年間やってまいりました。」と。

 つまり、口ききを二十六年間ずっとやってきた、だけれども、どこにやりなさい、あそこにやりなさいというようなことは言っていない、こういうことを言っておられるわけであります。

 私もいろいろ聞くんですけれども、二十六年間口ききをやって、うまくいったときというのは、何か、私の漏れ聞くところによると、いろいろ謝礼をもらっておられるような政治家もおられるというふうに思っているのでありますけれども、久間長官については、うまくいったときはどういう形でどれだけの金額といいますか規模の謝礼というのをいただいてこられたのか、その点、ちょっと率直に言っていただきたいというふうに思います。

久間国務大臣 うまくいったからといって謝礼をとっているわけじゃございませんで、むしろ、私の場合は、日ごろから、いろいろな後援会に入ってもらう、あるいはまたパーティー等、最近はもうパーティーはやっていませんけれども、パーティーをやったときにそれに参加してもらうというような、そういう形でのおつき合いはございます。

 それと、口ききといいますか、非常に悪いように聞こえますけれども、要するに、私たち九州の国会議員がよく言うのは、やはりできるだけ、九州でやるときは九州の人、企業を入れてくれよというようなことをよく言うわけでありまして、そういう意味での口をきいているという、あるいは、長崎でやるときは、小さな工事だったら長崎の業者を使ってもらいたいと、これは県あたりからも頼まれておりまして、そういうことは言っているわけであります。

 ややもしますと、例えば長崎でやっても、施設局が福岡にあるために福岡の企業がどんどんどんどんとっているというようなことを聞きますと、やはり地元としてはおもしろくないわけですから、長崎の業者を入れてもらいたいというようなこと、それはあります。

 しかし、それだからといって謝礼をもらっているわけではございませんで、それがうまくいったかどうかというのは結構わからないのでありまして、それはまた別の話であります。口をきいて指名に入る場合もあるし、入らない場合もあります。

 ただ、そのときに、私は前から注意してうちの秘書とかみんなにも言っているのは、紹介はするけれども、業者から言われても数字を聞くとかそういうことだけは絶対にするなよ、これは刑法に、法律に触れるんだから、違法なことをやっちゃいかぬ、これだけはずっと言ってきたつもりであります。

平岡委員 いみじくも久間長官については長崎の話を出されまして、長崎といえば、二〇〇三年に自民党長崎県連に対する違法献金事件というものが刑事事件化されたわけでありまして、今回、報告書を見ますと、当時の公職選挙法違反で問題となった企業というものが、この調査報告書の中にも同じように登場してきているわけですよね。

 私は久間長官にちょっとお聞かせいただきたいというふうに思うんですけれども、今、久間長官関係の政治団体とか政党支部の政治献金者の中に、今回の防衛施設庁の調査で談合に関与したとされている企業というのは含まれているのでしょうか。含まれているとしたら、その年別の政治献金額はどのぐらいになるんでしょうか。これは前に同僚の保坂議員が似たようなことを聞いたんですけれども、調査してお答えしますというふうに答弁されていると理解していますけれども、その調査結果というものは出たんでしょうか。

久間国務大臣 談合事件としてこれが挙がったのは十五年からでございますけれども、十六年と十七年がA社から年間に十二万円、月一万円だと思いますけれども。十七年も十二万円。それから十五年には、これは関与した企業と思いますけれども、やはり十二万円をいただいておりますが、そこは、十六年、十七年はもらっておりません。

平岡委員 この調査報告書に出てくる企業で、政治献金であるということで調べたのは、今言われた二社について、それだけですか。もう一遍、確認の意味で。

久間国務大臣 今度の事件で立件されたのは十一件でございますけれども、その企業の中で、いわゆる刑事事件として挙がった企業からもらったのは、二社が挙がっております。

平岡委員 ちょっとにわかには信じがたい数字でありましたけれども、これは私が手元に調査結果を持っているわけではありませんので、その問題については我々としてもいろいろな調査をした上でまた考えていきたいというふうに思います。

 そこで、久間長官にちょっとお伺いしたいと思うのは、先ほど言った二〇〇三年の自民党の長崎県連の違法献金事件。これは、特定寄附という形で公共事業受注企業から受注額に応じて献金を求めていたという話ですね。これはある意味では、今回の防衛施設庁の発注工事受注の、天下りのときに、天下りする人がどういうランクの人かによって金額をはじき出していって、そして割り振りをしていたという、非常に似た構造なんですよね。ただ、お金を得ているのが政治家のグループなのか、それとも官僚のグループであるのかという違いぐらいしかないというふうに私は思っているんですね。

 そういう意味では、この公共事業をめぐって、政官業の癒着構造というのが本当にこの長崎の事件とかあるいは今回の防衛施設庁の談合問題について出ているというふうに思うんですけれども、久間大臣はこの点についてどういう認識をお持ちですか。

久間国務大臣 若干構図が違っていると思います。

 というのは、長崎県連の場合は、既に受注が決まった業者に応じて県連に寄附しなさいという形で、それも、しかも知事選の目当てのために金を集めた、そういうことでありまして、出したらおまえをとれるようにしてやるぞというような構図じゃないわけでありまして、もう既にとったところから、これだけ県の工事をやっているんだから今度の知事選でお金を出しなさいよというようなことで働きかけをしたということで、逆に言えば、それが悪質だということになるかもしれませんけれども。また、要するに、官製談合というような、そういうかかわり方ではなかったわけであります。

 いずれにしましても、それが百三十九条ですか、公職選挙法に違反するということで立件されたわけでありまして、あってはならないことだったと思っております。

平岡委員 ちょっと長崎の話になっちゃいましたけれども、今久間大臣が言われた、決まった実績に応じて求めていたということについては、久間長官は事件化されて初めて知ったのですか。それとも、そういうことが行われているということを当時から、問題になる以前から御存じだったということですか。

久間国務大臣 私は、その前の年まで県連会長をいたしておりましたけれども、私のときからもうそれは実際あっておったらしいのですけれども、検察庁からも一回もその辺の実情等については聞かれませんでした。県連会長も実際は全部県議団に任せてしまっているものだから、経理については知らないということで、私まで聞かなかったんだと思いますけれども、聞かれたとしても、私はそういうことは知りませんというふうなお答えをそのときもしたと思います。

 いずれにしても、その辺は、その前の年はどうだったのかわかりませんが、県連に協力をしなかったために不利益をこうむっちゃいかぬ、そういうような一種のおびえみたいなのが各企業に発達したんじゃないかと思うのです。だから、大体皆さん方がいろいろやるときには、そういうような、まあ保険みたいな感じでつき合う、そういうのが地方でよく見かけられますので、そういう形で圧力をかけられますと、その実績に応じてやはり応じざるを得なかった、追い込まれたんじゃないかなという感じがしますけれども、それは私は知りません。

平岡委員 久間大臣がその当時知らなかったというのは、にわかに信じがたい話でありまして、その前に言われた、そういう圧力というものが加わりながら、地方でも、あるいは中央官庁が発注する公共事業でもそういうことは行われているんだという話は、随分丁寧に発言されたので、そういうことが行われているのかなというふうには思いますけれども、当時の新聞なんかで指摘されていることがあるので、ちょっと言いまして、久間大臣が言われていることが若干ちょっと自分勝手な議論になっているということを指摘しておきたいと思います。

 九八年の知事選前に、当時の県連幹事長があるゼネコンに献金を要請して断られ、激怒したことがあった、以来、同社は、昨年末までの、昨年というのは二〇〇二年の末までの四年間、県発注工事を落札できなかったというようなことも、これは当時も指摘されているわけですよね。だから、保険だということじゃなくて、出さなかったら受注はできないという構図ができているということですよね。

 だから、今回の天下りでも、天下りと官製談合の問題について言えば、天下りを受け入れなかったら工事は受注できないという構図というのは、まさに長崎県連の違法献金事件と非常によく似た構図、こういった構図が全国津々浦々、もしかしたら長崎県だけかもしれませんけれども、そういうふうにあるということを私は指摘しておきたいと思います。

 いみじくも久間大臣がいろいろと認めていただいたので、ぜひ、そういうことが全国的にどうなっているのかということを、この安全保障委員会でやるのが適当かどうかわかりませんけれども、少なくとも防衛庁の問題については、しっかりと全国的にチェックしていきたいというふうに思っています。

 ちょっと長くなりましたので、今回の問題に少しまた話を戻していこうと思いますけれども、公正取引委員会が、今件については、防衛施設庁の方からの通知も受けて調査をしているということで、どういう状況になっているかということについては同僚議員の長島議員が質問しておりまして、その当時の発言は、いつその調査が終了するかわからないということだったのですけれども、その後の話として、公正取引委員会としては、本件の談合事件について調査はいつごろまとまりそうな見通しか、改めて答えていただけますか。

山田政府参考人 今お話ありましたように、公正取引委員会として、防衛施設庁が発注する建設工事の入札談合事件について、現在調査をしているところでございます。

 それで、独禁法の違反行為の場合、刑法の事件とは異なりまして、事業者間の競争を制限する行為を規制するという観点から、例えば、事業者間で一定のルールに基づいて談合を繰り返す、そういう事案が典型的には対象になっており、公正取引委員会として違反行為を調査する場合には、関係事業者が非常に多い、それから個別物件ごとにいろいろ調べなければいけない、そういう点で、一般的には談合事件については少し時間がかかるという状況にあります。

 本件については、お話しいたしましたけれども、先ほど申しましたように、今現在審査中でございますので、今後の見通し等については差し控えさせていただければと思っております。

    〔寺田(稔)委員長代理退席、委員長着席〕

平岡委員 なかなか将来の見通しについては答えられないということは、ある程度はやむを得ないことだと思います。

 そこで、これに関連して言うと、この調査委員会の報告を見ますと、予定価格に関する情報を外部に漏らしたのか漏らしていないのかという点が、この調査報告書の調査の一つのポイントにはなっているんですよね。

 岩国その一からその五までの工事の落札率はいずれも九〇%台後半である。佐世保その一とその二の工事落札率も同様な数字である。市ケ谷の建築工事についても、入札では落札されなかったけれども、随意契約では九九・三%の落札率であった。こういうような状況にありながら、調査報告書では、関係職員からも、予定価格に関する情報を外部に漏らしたとの調査結果は得られなかったというふうにそれぞれしているんですよね。私は、これは全く調査が不十分だと思いますね。

 公正取引委員会にお聞きしますけれども、公正取引委員会は、官製談合防止法の中で入札談合等関与行為の一つとして、この予定価格を漏らすという行為が含まれているというふうに私は理解しておりますけれども、この予定価格を外部に漏らしていたかどうかということについても、これは公正取引委員会の調査対象に含まれているということで理解していますけれども、それでいいですね。

山田政府参考人 今現在調査している事案の内容についてはお答えを差し控えさせていただければと思っておりますけれども、一般論からいえば、入札談合事件について公正取引委員会が調査する場合に、入札談合等関与行為等の疑いがあれば、それを踏まえて、その有無についても調査対象になるということでございます。

平岡委員 やはり、この談合事件については、予定価格の外部漏えいがあったかなかったかというのは非常に重要な話だと思うんですよね。今までも、こういうものを漏えいさせることによって談合というものが行われて、特定の社に落札されていったということがあるわけでありますから、私は、この件がはっきりしない限りは、この問題を収束させるべきじゃないというふうに思うんですよね。

 そういう意味では、我々は、公正取引委員会が今言われた入札予定価格の漏えいがあったのかなかったのかについての調査結果が出るまでは、私は、この問題は引き続きずっと監視し、結論を出すべきではないというふうに思いますけれども、久間長官のお考えはどうでしょうか。

久間国務大臣 しかしながら、やはり現実問題として、工事をやっているところを、まだはっきりしないからといって、関係業者を全部指名停止でずっととめ置くわけにもまいりませんので、行政としては、一応の結論が刑事事件として出た、そういう段階で指名停止をしているわけであります。そして、公正取引委員会がまた新たな方向が出ましたら、それに基づいてまた指名停止もやるわけでございますが、その間、やはり事業を続けざるを得ないという立場もございますので、その辺はひとつ御理解賜って、やはり粛々と、一定の指名停止の期間が過ぎたら工事は再開させてもらいたいというふうに思っているわけでございます。

 というのは、かなりの業者になりますから、そういう業者をのけてしまって工事をやるとなると、ある意味ではいびつな形にもなりかねないわけでございますので、その辺はひとつ御理解賜りたいと思うわけであります。

平岡委員 指名停止の話は、久間大臣が言われるとおりだ。別にそれを否定するわけじゃないのですけれども。私は、この官製談合事件そのものについて、全容が明らかになった上で、この問題について一体どう決着をつけていくのか。その問題について、中途半端な段階で、それで終わりましたということじゃない。やはり公正取引委員会の、先ほど言った入札予定価格の漏えい問題についてちゃんとした結論が出るまでは、この問題は引き続き我々としてウオッチしていかなければいけない、そういう問題であるということを私は指摘させていただいたんです。

 これに関連して、会計検査院にも来ていただいておりますけれども、今回問題となっている案件に関する会計検査院の検査というのは行ってきたんでしょうか、どうでしょうか。

千坂会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 会計検査院といたしましては、本年次の防衛施設庁の検査におきまして、今回の談合事件を十分念頭に置いて検査を実施いたしました。

 検査に当たりましては、防衛施設庁が過去二年間に発注した契約金額五千万円以上の建設工事について、予定価格は適切であったか、入札契約事務は適切に行われていたかなどについて検査を実施いたしました。また業務委託につきましても、防衛施設技術協会への委託を中心に、再委託の状況などについて検査を実施いたしました。その検査の結果につきましては、現在取りまとめ中であります。

 会計検査院では、検査結果の取りまとめ中はその具体的な内容について公表することは差し控えさせていただいているところでありまして、本件につきましても、近く内閣に送付が予定されております十七年度決算検査報告でお示しさせていただくことになろうかと考えております。

平岡委員 検査結果について、十七年度決算の報告とあわせて報告をしたいということだったんですが、これはいつになるんですか、具体的には。

千坂会計検査院当局者 内閣へ送付する日時につきましては、現在まだはっきり確定しておりませんが、近日中に送付を想定しまして、準備を進めているところでございます。

平岡委員 近日中と言われても、ちょっと議論が進まないんですけれども。決算の国会への提出時期についていえば、平成十五年のいろいろな会計検査とか決算の取り扱いについての国会と政府とのやりとりの中で、決算についていうと、大体十一月二十日前後に国会に提出するように政府に要請するというのが参議院側から出ていますので、多分、決算と、そして先ほど来から問題になっている会計検査の報告というのは、十一月二十日ごろに国会に提出されるのではないかというふうに思いますけれども、これは内閣から国会への提出でありますから、財務省の方にお聞きした方がいいと思いますけれども、そういう理解でよろしいですか。

江崎大臣政務官 今委員御指摘のとおり、国会からの早期提出要請がございまして、会計年度翌年の十一月二十日前後に例年国会に提出するということになってございます。

 平成十七年度決算につきましても、十一月二十日前後の提出に対応できますよう、今努力しているところでございます。

平岡委員 これは発注側のいろいろな問題点もしっかりと私は検査されているんだろうと思いますね。

 だから、この問題についても、公正取引委員会は、公正取引委員会としての役割から行われる調査の結果を待って、どうこの問題について決着をつけるかということの必要性があるとともに、これはやはり、会計検査院が検査した結果というものをしっかりと我々は見て、その中をちゃんと検討した上で、この問題について最終的な結論をどう出していくのかということをしなきゃいけないと思うんですね。

 そういう意味では、公正取引委員会の調査結果、会計検査院の検査結果、これが両方出そろって、そしてそれをしっかりと、この委員会も含めて検討した上で結論を出すということが私は必要だと思うんですけれども、久間大臣はどう思われますか。

久間国務大臣 調査委員会もそうですし、また抜本対策の検討会もそうですけれども、決してこれはもう畳んだわけではございませんので、我々としても、今先生が言われましたように、これから先もそういう形でいろいろなことを踏まえながらやっていかなきゃならない、そういう認識は持っております。

 ただ、さはさりながら、一応、前長官時代にそういうような調査委員会をつくって、そして検討委員会をつくってやってきて、それの結果について公表したわけでありますから、それを受けとめて、私たちは、それに示された内容を着実に実施していくことによって国民の信頼を一日も早く回復したい、とりたい、そう思っているわけでございますから、その辺の立場もまた御理解賜りたいと思うわけであります。

平岡委員 この内部調査は、ここまでやられたということについてはある意味では評価します。評価するけれども、書いてある中身は、本当に、にわかに信じがたい話ですよね。先ほどの予定価格の漏えいの話なんかも、調査したけれども、そんなことはだれもやったとは言いませんでした、はいおしまい、そんな調査結果で、これでけりをつけてくれというのは、それはだめですよ。

 やはり公正取引委員会の調査結果、会計検査院の検査結果、それがちゃんと出そろって、それをちゃんとこの委員会でもしっかりと審議した上でこの決着をつけるということを私は要求して、私の質問時間が終了しましたので、終わりたいと思います。

木村委員長 次に、山口壯君。

山口(壯)委員 民主党の山口壯です。

 私も、もう二十年ぐらい前になりますけれども、防衛庁に出向して、当時は運用課と言っていましたけれども、そこで航空自衛隊の担当をさせてもらっていました。大韓航空機の撃墜事件の後始末なんか、これは大変だったんです。当時、北原さんが調査一課というところのいわゆる専任部員で、本当に大変だったと思うんです。今回も北原さんは本当に大変な思いをされて、でも私は、当時の仕事を一緒にさせてもらって、北原さんの人格と識見については全幅の信頼を置いていますから、本当にきちっとした処理がなされるんだと思いますけれども、一つ一ついろいろ確かめさせていただきたいこともありますから、きょうは幾つか質問させてください。

 この談合防止、これからさらに再発しないように、新しいいろいろなこともお考えになられたんだと思います。ちょっとおさらいのために教えていただきたいんですけれども、今回、どういう新しい仕組みを導入することによってこの再発を防止されようとしているのか、そこからまず教えていただけますか。

久間国務大臣 まず、組織が閉鎖的であったというのが一つであります。非常に限られた人たちだけで行われておった。しかもそれが、いわゆる契約を担当する部署と積算する部署とがまた一緒になっておるという、そこも一つの問題だったと思います。それと、指名等についての監視をする、そういう組織があったけれどもそれが働いていなかったという、それも一つの問題だろうと思います。それと、その背景に、やはり今度のものは、やめた人を就職させるということについての思いが非常に強く出過ぎたために、法を犯してまでそれをやろうとした、そういう背景があった。それには、いわゆる勧奨退職で早目に肩たたきをする、そういうことからきている問題点もあるんじゃないか。

 いろいろなそういう問題点が随分あるので、その一つ一つをやはり排除していくことが大事だということで、抜本対策を検討されるときにもあるいは調査をされるときにも、そういうのを念頭に置きながら、両方の検討会と調査委員会が相互に連携、連絡をとりながらやっていったというような、そういう話を聞いておりますので、私が就任したのはその後でございますけれども、やはりそういうようなことで、これから先こういうことが起きないようにしようということで決意を新たにして、防衛庁として、施設庁としてスタートした。

 その一環として、防衛施設庁という組織が、かつて調達庁という形でスタートした、組織としては別組織であるという、そこのところにやはり基本的には問題があるんじゃなかろうか、むしろこれを内局と一緒にして人事交流も含めながらやっていった方がいいんじゃないかということで、施設庁を廃止して内局と統合する、出先機関においても統合を図る、そういうことをすべきじゃないかということで、そういう方向へ今動いている。

 ただ、これには予算が伴いますので、十九年度の概算要求でそれを要求して、その予算が認められたら、それに基づく法案を国会に提出する、そういうようなことを今計画しているところであります。

山口(壯)委員 今、久間長官から、大臣から言われたことは、施設庁を廃止して内局に統合する、これが一つですね。それから、人事交流も行うことによって、ある一定の専門家が余りとどまることがないようにということをおっしゃられたわけですね。ここに尽きるんでしょうか。それとも、何かまた、まだ別のこともさらにあるんでしょうか。

久間国務大臣 それと、やはり緊張感を持たせる必要がありますから、そのためには、本人さんの自覚もさることながら、監視体制といいますか、そういうのもやはりつくらなければならないわけでありまして、それも、やはり防衛庁長官の直轄の査察本部といいますか、そういうのを制度としてつくろうというような、そういうことになっておるわけであります。

山口(壯)委員 今最後におっしゃられた査察本部、これがやはり大事なんだと思うんです。

 私の出身の外務省でも、いろいろなことがあって、そういう仕組みを取り入れたように私は認識しているんですけれども。機密費でいろいろ揺れて、そして外務省には今、監察査察室というのがあるようなんです。これは私が今突然大臣に申し上げているわけですから、大臣もそれを初めて聞かれるかどうかわかりませんけれども、監察査察官という制度があって、そこには現役の検事さんが来ているということだそうなんです。

 やはり私は、そういう意味で、言ってみれば第三者的な、そういうことをある意味で本職にしているシステムを取り入れることが国民の信頼をかち得ていくためには非常に大事なことだと思うんですが、久間長官、そこはいかがでしょうか。

久間国務大臣 そういう組織をつくるときに、内部だけではなくて、やはり外部からの人事を考えるというのも一つの方法だろうと思います。

 組織というのは本当に難しいわけでありまして、外部からぽんと来たからといって、やはりその人が非常に全体を統括できるような、それにみんなが従うようなこともなければいけませんから、その辺については、その人だけが浮き上がることのないようにも配慮しなければなりませんので、非常に難しい点がありますけれども、やはり外部から新しい血を入れるといいますか、そういう違った目で物を見る、そういうのも必要なわけでございますから、そういうのも視野に入れながら今後検討をしていくことになろうかと思います。

山口(壯)委員 久間大臣、ということは、現職の検事さんの可能性も含めてお考えいただく、こういう答弁と解してよろしいですか。

久間国務大臣 その辺は、出す方の組織もありますから、今具体的にそういう名称を挙げて言うのはいかがかと思いますけれども、今御指摘になったところも含めて、視野に入れながら検討すべきじゃないかなと思っております。

山口(壯)委員 今、可能性として排除しないという答弁があったわけですけれども、現実にこういうことをこれから考えていく際に、どれぐらいのタイムスパンというか、いつごろまでにこれを考えようとされているのか、そこをお聞かせいただけますか。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の監査制度については、現在、概算要求で出しておりまして、各省庁とも折衝中、まず機構そのものの折衝をやっております。

 今後、その中にどういう方を入れるかということについては、でき上がりの関係等を含めまして検討していきたいと思いますが、いずれにしても、制度は十九年度の予算で明確に立ち上がっていきますので、そのときには、何らかの格好でどなたかを補職しますので、そういうものを含めた上での御検討をしていくということになろうかと思います。

山口(壯)委員 官房長、ということは、内局に、施設庁を廃止した後の機構を、機能を統合される、そういう予算を要求される一環として、こういう監察査察官的なものについても予算を考えていかなければいけないと思っておられる、こういう答弁ですか、今のは。

西川政府参考人 十九年度予算に向けて、現在、政府案をつくっていただくために我々は概算要求をしております。

 それで、先生おっしゃるような形での、今度はそれが認められた場合、認められて今度は制度をつくるという格好で十九年度予算関連法ができますので、そこで制度ができていく。そのときには当然、執行していきますので、そのときには補職になる。ですから、先生おっしゃるような、そういうふうな法曹の専門家の方を入れるかどうかは別にしまして、実際に入るかどうかは別にいたしまして、それはその検討の中でどなたを補職するかを検討していくことになろう、こういうふうに考えております。

山口(壯)委員 今官房長が言われたのは、久間大臣も言われた査察本部のことを言っておられるわけで、私は、査察本部というものが形だけできても、それはやはり正直、魂がまだ入っていないかもしれない。そういう意味では、国民は正直言ってびっくりしたわけですから、そのびっくりしたところをいかに信頼をもう一回かち得ていくかという作業なわけですから、ある意味でドラスチックな人事のことも考えていただく必要はあると思うんです。

 久間大臣から既に前向きの答弁を私はいただいたつもりですけれども、重ねて、大臣、いかがでしょうか。

久間国務大臣 委員は役所におられたからよくおわかりと思いますけれども、組織をつくって、それを外部から入れようとするときも、どれぐらいのポストになるか、その辺が、予算査定等、あるいは人事の関係で総務省その他と話をしながら決めていかなきゃならないわけでありまして、そういうときに、この格の人だったらうちは出せるとか出せないとか、そういう話もあるわけでございますから、これから予算折衝の中で、どれぐらいのポストとして、査察本部長を仮に設ける場合も、認めてもらえるか、これはやはり予算折衝と編成の過程で決まってくるわけでございます。

 だから、私は先ほどそういう方向も含めてと言ったのは、まだペンディングな点が残っておる可能性がありますので言ったわけでございますから、その背景についてはひとつ御理解しておいていただきたいと思うわけであります。気持ちは十分受けとめておるつもりでございます。

山口(壯)委員 気持ちは十分受けとめていただいたわけですから、私はそれでいいですけれども、他方、長官もいろいろ防衛関係の行政にお詳しいですから、役人のマインドを理解されようとする余り、ある意味で、政治家として、ここはこうなんだというところをやはり覚えておいていただかなきゃいけない。そういう意味で、今回のものはやはり区切りをつけるという政治的な決心というものが非常に大事ですから、役所の仕組みにとらわれずに、大事なポストですから、ある意味で高いポストとしてお考えいただくことが非常に大事なので、そこはよろしくお願いします。

 そして、一般競争入札ということがこれから非常に大事なポイントだと思いますけれども、今回の事件を経て、既に一般競争入札になっているんでしたっけ。ここはいかがでしょうか。

北原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今回の事案が、随意契約あるいは指名競争といったことで生じております。そして、再発防止策の中で、可能な限り原則一般競争という方針を打ち出しておりまして、現在、それに基づきまして、その施策をきちっとやっていこうということで進めているところであります。

山口(壯)委員 今鋭意進めておられるということですけれども、現実にいつからそういうシステムが発効するのか、あるいはスタートするのか、そこはどうでしょうか。

北原政府参考人 これまで私ども、大体七億円以上が一般競争なんですが、十八年度から二億円未満の建設工事についても一般競争に移してまいりたい、そのように思っております。

 ちょっと済みません。もう一度正確に御答弁させていただきますが、これまで七・三億円以上の工事を対象としてまいりました一般競争方式による入札、これを十八年度から二億円以上の工事まで拡大をいたしました。さらに、二億円未満の建設工事につきましては、不良不適格業者の参入が困難であって、工場製作部分が多く受注者による品質の差が少ないと考えられる予定価格が一億円以上の一定の建設工事についても原則実施するということで進めているところであります。

山口(壯)委員 ということは、ほとんど一般競争入札という形が既に整いつつある、こういうことでよろしいですか。

北原政府参考人 先生御指摘のとおりでございます。

山口(壯)委員 さらに、あと人事の問題があったと思います。

 防衛施設技術協会というもの、これがいろいろ一つの温床のように言われているわけですけれども、こうなったらここも、ある意味で、ちょっともう解散した方がいいかなという議論があると思います。これについては解散をいつごろ考えておられるか、いかがでしょうか。

北原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今御指摘の防衛施設技術協会、これにつきましては、先般の談合事件で、次への再就職へのウエーティングの場ではないかとか、あるいは、随意契約でしたものをさらに、防衛施設庁等に承認を求めないでまた再委託していたとか、いろいろ御指摘をいただきました。そこで、今先生御指摘のように、十八年度中に自主解散を申し入れるということで今動いております。

 それで、今現在、私どもはその方針のもとに、現在防衛施設技術協会が行っておりますそれぞれの業務につきまして、これを精査いたしまして、他の公益法人へ引き継がせるもの、あるいはもう民間へ委託する、さらには防衛施設庁の職員がみずから実施するもの等々にこれを整理いたしまして、そして、きちんとしたところで、こうした措置を講じ次第、速やかに防衛施設技術協会に対しまして解散を要請したいと思っております。

 いずれにいたしましても、一番のぎりぎり遅いのが十八年度末でございますが、我々といたしまして今そうした方向で鋭意努めているということで、御理解を賜りたいと思います。

山口(壯)委員 十八年度中にこの防衛施設技術協会は解散するように話をしている、こういう答弁でした。

 こうなってくると、要するに、仕組み的には施設庁を廃止して内局に統合、それから、人事的にはそこの担当が長いということが起こらないようにいろいろと交流を行う、こういうことで、あと残るのは結局査察の仕組みになるんですね、一番安心するためには。やはりここに、ああ、これは大丈夫だということがわからないと、何か査察はできたけれども身内でやっているそうだということでは、やはり納得がいかないと思うんです。

 これに関しては、正直、ある意味でまだ確定的な答弁というものはなくて、前向きに検討します、気持ちを酌んでいただいているという次元に今とどまっているわけですけれども、こういうふうに全体を見回して、現職の検事さんぐらいをきちっと置いた方がやはりいいのかなというように私は思うんですけれども、大臣、重ねていかがでしょうか。

久間国務大臣 気持ちはわかりますけれども、そういうことが可能かどうか、それはこれから先のいろいろな不確定要素もございます。

 今、定数削減でよその省庁もそれぞれ非常に厳しい状況にありますから、どのくらいの人をどういうふうに出せるかというような問題もありまして、ここで先走って話をするというのは、別に役所の肩を持つわけじゃないんですけれども、役所の仁義というかそういうのもありますから、やはりそこは、気持ちはあっても、それが実現できるかどうかというのは、相手のあることでございますし、また予算査定もあることでございますから、その辺については、先生のお気持ちは十分受けとめながら取り組んでいくという、そこまでで一応答弁をさせていただきたいと思うわけであります。しかし、今おっしゃっている意味はよくわかります。

山口(壯)委員 気持ちも酌んでいただいたし、言っていることもよくわかるとまで言っていただいているわけですけれども、今おっしゃった、例えば役所のほかのところから、局長級もしくは局長以上のポストを新設しようとしているんだから、それは全体のスクラップ・アンド・ビルドもあるだろうと。それは確かに役所の仕組みを長官もよく御理解されているからの話でしょうけれども、ここは例えば、防衛庁が血を流して、自分のところの局長のポストを一つ削ってそこをつくるということも実はあり得るわけですね。これは政治家としての大臣の胸先三寸というところもあります。

 したがって、全体の流れをよく見るというのはそのとおりですけれども、しかし政治家として、自分のところの血を流して、査察官というシステムを確保するということもあるわけですから、そこは大臣、本当はもう少し一歩踏み込んでいただいた方が私はいいと思うんですが、いかがでしょうか。

久間国務大臣 今も言っておりますように、防衛施設庁を組織としては廃止するわけでありますから、施設庁長官もいなくなるわけであります。だから、そういう全体のいろいろな流れの中で人事というのは詰めていかなきゃなりませんし、それと、一方、これから先の防衛庁のいろいろな仕事というのは、国際協力業務も今度は主たる任務になってくるわけでございますから、そういうのを踏まえながらまたいろいろ考えていかなきゃならない点もあるわけであります。

 全体としてどういうふうに最後に落ちつかせるかというのは、本当に暮れの予算編成の中でいろいろなやりとりの中で決まっていく、そういうのもやはり避けて通れないわけでございますので、今ここで先走って、こうするということを言い切るのは、その自信は正直言ってないわけでありますから、ぜひひとつ、我々の気持ちとしても今先生の言われるような方向で動いている、要求をしておる、そういう姿勢については御理解賜りたいと思うわけであります。

山口(壯)委員 もうのどからここまで出かかっているというぐらいの答弁だと私は受けとめて、そこはそういう方向でぜひ考えてください。

 査察ということになると、ほかにもいろいろチェックすることはあるんでしょう。例えば自殺の話ですね。私も数字が頭に入ってしまいましたけれども、六十四人、八十五人、八十一人、百人、百一人、正直びっくりするような数字ですね。それは幾ら世帯が大きいといっても、一つの役所で今百人前後が自殺をするというのは、正直、これは尋常ならざる事態です。

 本会議のときには久間長官からそんなに詳しい答弁はもちろんなかったわけですけれども、やはりここは、相当組織としてきちっと立て直していかれることが必要だと思うんです。それは、アメリカの軍隊でもどこでも、そんな百人前後の自殺者が頻発しているとはとても私は聞いていませんし、ないと思います。そういう意味では、やはり今現在、防衛庁としていろいろ考えられる際に、この間は借財の話とか家庭の話とか業務の話とか、何かいろいろ出ていましたけれども、それだけで百人というのはやはり説明として私は余りよくわからない。何かが起こっているに違いないと、つい心配してしまう。

 そういう意味では、自殺について、もう少しこの間の答弁よりも、詳細について、一体どういうことが起こっているんだろうと大臣は認識されているのか、この辺についてお聞かせいただけますか。

久間国務大臣 私も、正直言いまして、百人を超えているというのは、これはやはり何なんだろうと。原因を個別にいろいろ聞いていくと、まあ、その他不明というのが結構多い点もございますけれども、ほかにもいろいろな理由があっておるようですけれども、なぜ、しかも精強な自衛隊員が自殺をしているという、そこについて本当に、ちょっと不思議でならない点もあるわけであります。

 だから、ほかの職場、例えば警察官とか海上保安官とか、似たような職場と比べたときにどうなんだろうかとか、日本全体の平均的な率でいきますと、確かにこれぐらいの率が、伸び方も、全体も伸びてきているんですね、若い人たちを初め自殺者が。それにしても自衛隊で何でだろうと私自身が非常にまだ疑問に思っておりますので、これについては内部でももう一回、その原因がどこにあるのか、そしてどうすればいいのか、この辺についてよく検討したいというふうに自分自身も思っているところであります。

山口(壯)委員 久間長官、その原因について詳しく今まだ答弁をいただいていないわけです。

 各年の例えば……(久間国務大臣「人数とか」と呼ぶ)そうですね。原因の内訳のような、類型によっての内訳というよりも、さらにもう少し詳しい説明をいただけますか。

増田政府参考人 お答えいたします。

 自殺の原因について、済みません、まず類型的にお答えをさせていただきます。

 私どもでは、主に、病苦、借財、家庭問題、職務、その他不明というふうな形で大きく分類をしておりますけれども、十五年度から申し上げますと、十五年度は、病苦が六、借財が十九、家庭が四、職務が六、その他不明が四十六でございます。それから十六年度は、病苦が三、借財が二十四、家庭が十一、職務が十、その他不明が五十二というふうな状況になっております。

 今先生から、もう少し詳しくというお話をいただきましたけれども、なかなか、体系的に詳しくというのは非常に難しゅうございます。私のところにもそれぞれ、自殺なり事故速報のような形で回ってきますけれども、どういう形のことかということについて、非常に私にとっても判断の難しいケースが多うございます。

 例えば、実際に、いわゆるうつ病の方で、自殺のおそれがあるということで入院をされておられて、そういう状況でありながら、結果として自殺をされた方とか、それから、実際に自殺未遂をされて、失敗をされたという言い方はおかしいですけれども、自殺ができなくて、それで、病気療養で自宅に戻って療養に努めておられるところ、自殺をされてしまったというふうなケースもございます。

 他方で、一つの、なかなか私どもに理解しがたい例といたしまして、自殺される方は非常にある意味ではまじめな方が多うございます。自分に対してプレッシャーを物すごくかけて、完璧を追求されて、それで思い悩んで自殺に至るというような方も他方で多うございます。

 ちょっとかいつまんでということになりましたが、そのようなケースがありまして、なかなか一概に、これが原因だというふうにとらえることが難しいのが現状だと思っております。

山口(壯)委員 増田さんとは同じ課で、専任部員と部員ということで本当にお世話になって、情も深い人だということはよくわかっていますから、この自殺の問題についても担当されていることについて、私はもちろん安心しています。しかし、原因がしっかりわからないと対応もきちっとできないわけですから、したがって、原因についてわからない部分が多い、不明の部分が四十六人とか五十二人とか、ある意味でほとんど半数ですね、そういうとこら辺が、やはり防止策を考えられるに当たっては非常に苦労されているのかなと。

 大臣、具体的に、この自殺の問題、これを防止あるいは対応する際に、まだ具体的なメカニズムあるいはアクションについては答弁がないわけですけれども、どういうふうに具体的な対応、気持ち以上に具体的に考えておられるのか、そこをお聞かせいただけますか。

久間国務大臣 とにかく、せっかく自衛隊に入ってきて、自衛隊員として訓練を受けて、本当に残された家族のことを考えても大変残念な思いがするわけでありますから、これは本当に、完全になくすことはできないにしても、減らさなきゃならない。それが百名も超えているというのは、やはりこれは本当にゆゆしきことでございますから、我々としても、どういう検討委員会をつくってやったらいいのか。本当に、正直言うて、こういうものについては、心理学とかカウンセラーとか、いろいろな問題を伴うわけでございますので、どういう人たちに検討をするチームになってもらったらいいのか。その辺もございますけれども、何らかのそういうチームをつくって検討する時期に来ているんじゃないかと思いますので、私も就任してまだ一カ月でございますから、これから先、そういうような点でこの問題については取り組んでいこうと思っております。

 またいいお知恵がありましたら、どういうメンバーで組ませたらいい、部外者がいいのか部内がいいのか。しかし、日ごろ隊員と接している人たち、陸海空のそれぞれの自衛官あたりの方がやはり一番知っているんじゃないかなという気もしますので、そういった人たちが中心になるんじゃないかなと思いますけれども、心理学、医者、いろいろな人たちの知恵をかりながら検討していこうと思っております。

山口(壯)委員 私、一つ大事なポイントを最初に聞いておくべきだったんですけれども、原因の中に、最近、自衛隊として海外に派遣するケースがふえているわけですけれども、そういうことと関係したケースというものがあったかなかったか、ここはいかがでしょうか。

木村委員長 時間が来ておりますので、増田人事教育局長、簡潔にお願いします。

増田政府参考人 お答えいたします。

 海外へということで、一般的にというのはあれでございますけれども、今、イラク、インド洋へ部隊が行っておりますけれども、それとの関連で自殺者が出ているかどうかということを直接に結びつけて申し上げるのは難しゅうございますけれども、例として、イラクへ行ったことのある隊員で、帰ってきて自殺した者は、現在のところ七名おります。それから、インド洋へ行ったことのある隊員で、自殺した者は四名でございます。

山口(壯)委員 ここはいろいろ考えなきゃいけない問題がたくさんあるということが最後わかったわけです。

 査察の制度も含めて、査察本部というのをおつくりになられるわけですけれども、この談合問題、まだまだはっきりしていないのみならず、そういう新しい問題も含んでいるわけですから、そういう意味で、大臣、現職の検事も含めて、私の気持ちをしっかり酌んでいただいたわけですから、済みませんが、よろしくお願いします。

 終わります。

木村委員長 次に、内山晃君。

内山委員 民主党の内山晃でございます。

 久間大臣には初めてこれから御質問をさせていただくことになります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私は、自衛隊の不祥事、危機管理、北朝鮮、再就職、こういった問題を質問させていただきたいと思います。

 まず、冒頭、通告をちょっとしておりませんでしたけれども、昨夜、夜遅くまで防衛施設庁入札談合等再発防止に係る抜本的対策報告書を読んでおりまして、一点だけちょっと確認をしたい点が出てまいりましたので、お尋ねをさせていただきたいと思うんです。

 この五十七ページ、一番最後のところでございます。飛ばしまして、「自民党国防部会による御提言「今般の防衛庁の組織再編に合わせた防衛施設庁再編について」及び公明党安全保障部会による「防衛施設庁入札談合等再発防止対策に関する申し入れ」」、こういった与党の申し入れが出ておりましたけれども、野党が書かれていないんですが、これはお聞きにならなかったんでしょうか。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 与党、公明党さんと自民党さんの方からは、こういうことでということで、PTをつくられまして、具体的に、我々呼ばれまして、そういう話を聞きました。たしか民主党さんの方からはそういうお声がなかったというふうに、ちょっと今記憶、突然のあれでございますが、たしかそうだったと思います。

内山委員 我が党には別に聞かなかったというふうに判断していいんですか。(発言する者あり)申し入れがなかった。ではもう一度お願いします。

西川政府参考人 殊さらの申し出云々という形では各党に対してもやっておりませんで、非常に強い関心をお持ちいただいて、いろいろな場で、質疑あるいはいろいろな形での御指導を賜っていましたので、そういう中で自民党、公明党から出てきたということでございまして、わざわざ声をかけに行って、何かございませんかという形の、そういうのは確かにやっていないと思います。

内山委員 私は、その前後の経緯がわかりませんけれども、ここのページを見まして、なぜ我が党、また野党の方にもお声をかけていただけないのかなと。野党の支持者も皆さんやはり納税者でもありますので、ぜひこれからは野党を無視しないでいただきたいな、こうお願い申し上げたいと思います。前後がわかりませんので、御了承いただきたいと思います。

 それでは、本題の質問に入らせていただきたいと思います。

 自衛隊における不祥事についてお尋ねをさせていただきたいと思います。自衛官の質の問題と無断渡航についてです。

 防衛施設庁による官製談合事件を初め防衛庁を取り巻く不祥事が後を絶たないことに強い怒りを感じている一人でもございます。モラルの低下、情報管理の甘さ、はたまた情報管理の無神経さも指摘されるところでございます。

 最近、自衛官の無断渡航の問題が大きく報じられております。事前に上司に対し承認を求め許可を得ることになっていることと思いますが、無断渡航が六百名近くに及ぶという事態に、自衛官の質の低下と、国を守るという意識の低下があるように思われます。このことについて、久間長官の御所見をいただきたいと思います。

久間国務大臣 昔と違って今は海外渡航もみんなが行くようになったわけですから、やはり安易に行きたいという気持ちはあるかもしれません。しかしながら、自衛官である以上は、規律によって縛られているという意識を絶えず持っておく必要があるわけであります。

 そういう意味では、上司による許可をもらう、そういう手続をしなければなりません。許可をもらおうとすると一カ月ぐらいかかってしまうとか、そういうことからも、ついついそれをネグって、こっそりパスポートをもらって行ってしまう、そういう安易さがだめなわけでございますから、その一カ月かかるというのはもう少しきちっと、短縮できないかとか、いろいろなこともあわせて考えなきゃなりませんけれども、やはり自衛官である以上は規律は守らなきゃならないんだ、そういうことを徹底する必要もあろうかと思います。

 それと同時に、私たちも、部隊の内部の連中も、そういうような、みんなが渡航するということについて、もう少し気安く、一般人と同じような行きたいという気持ちも持っておるから、そこのところについては手続的にももう少し簡便さをとってやる、そのかわり守ることは守るというような、そういうことをきちんとすることは大事じゃないかなと思っております。

内山委員 それでは、ちょっと具体的にお尋ねをしたいと思います。

 営内居住者と営外居住者について外出許可はどのようになっているのか、自衛官における勤務地、各基地での居住についてお尋ねをしたいと思います。

 隊員は、それぞれ営内居住者と営外居住者に分かれていると思いますが、外出許可はそれぞれどのような手続になっていますでしょうか、教えてください。

増田政府参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘のように、隊員には営内居住者と営外がございます。ただ、営外の者につきましては、外出許可といいますか、外に住むことを認めておりますので、そういう仕組みはございません。他方、営内につきましては、外出許可を与えるような仕組みになっております。少し具体的に申しますと、要は、所属長に対して申請をして許可を得るというような仕組みになっておるところでございます。

内山委員 営外居住者のいざというときの連絡体制ということについてお尋ねをしたいと思うのですが、基地内に居住をしない営外居住者の連絡体制、もし緊急に基地に招集をかける場合の連絡体制はどのようになっておりますでしょうか。

増田政府参考人 営外に居住する者も、非常の事態にはすぐ駐屯地等に参集することが求められておりますので、そういうことが発生した場合には、まさに部隊長等が隊員に対して非常呼集を行うこととされておりまして、それぞれの部隊等におきまして、非常呼集を行うための連絡網等が常に整備されているところでございます。

内山委員 この連絡がとれなかった場合の営外居住者の処分というようなものがございますか。

増田政府参考人 まず第一に、連絡がとれなかった者がどういう事情によるかということにもよろうと思いますけれども、その事情が、例えば非常に悪質であるとかというような状況があれば、それは当然処分の対象になるものと思います。

内山委員 無断渡航をした割合が、営内居住者か営外居住者か、その割合はどんな割合になっていますでしょうか。数字がわかりましたらお願いいたします。

増田政府参考人 私どもがいわゆるアンケート調査をいたしまして、無断渡航をしましたと答えた者が六百名足らずございますけれども、そのうち、営外の居住者の割合はおおむね四割程度、逆に言いますと、営内が六割程度でございます。

内山委員 それでは、無断渡航をしました階級的にはどのレベルの方が多かったか、お尋ねをしたいと思います。

増田政府参考人 申し上げます。

 正確に申しますと、無断海外渡航をしたことがあると答えた者は五百七十五人でございます。このうち、まず自衛官及び学生が三百二十八人、残りが事務官等でございます。

 この自衛官及び学生の中の幹部は百六十二件、准曹士がその残り――済みません、失礼いたしました。正確に申し上げます。自衛官及び学生は三百二十八人、件数にいたしまして延べ六百二十八件でございます。事案に換算して申しますと、幹部自衛官が百六十二件、二六%、准曹士の自衛官が七一%、四百四十七件だと思います。それから学生が十九件、三%でございます。

内山委員 幹部自衛官が百六十二件ということでありますけれども、階級が上がるほど機密資料や機構について知り得ている情報を持っていると思うんですけれども、防衛庁、このことに対して対応はどうでしょうか。

増田政府参考人 私ども、今回の調査の中で、今先生御指摘の幹部につきましても、いわゆるアンケートに対して無断海外渡航をしたことがあると答えた者には個別に面接を行いまして、どういう目的でどういう国へどういう頻度で行っていたかということを聞いております。その中で、まさに先生御指摘の秘密保全等についても、問題があるかないかということも確認をしております。

内山委員 海外渡航の調査をされたということでありまして、聞き取り調査とかではなく、ただ単にアンケート用紙を配って回答を求めた調査だったと聞いておりますけれども、それで合っていますか。

増田政府参考人 私ども、アンケート調査をまずいたしました。これは、全隊員を対象として、すなわち二十六万人に対してアンケート用紙を配付いたしまして、そして記名式のアンケートをとりました。その中で、無断で海外に渡航したことがありますということを答えた者が六百人足らずおりました。その、はいと答えた者については、個別に面接をして状況を把握しております。

 ただ、御理解いただきたいのは、はいと答えた者の中に、例えば、防衛庁に入ってもう二十五年たっておるけれども、防大の学生時代に無断で行ったことがあるというような者もこの中には入っております。

内山委員 無断渡航がある人は答えたということでありますけれども、その無断渡航があるということになりまして、何か処罰みたいなものはあったんでしょうか。

増田政府参考人 この無断海外渡航につきまして、今まさに先生から、処分がどうなのかという御下問を賜りましたけれども、これについては、今まさに状況を把握し、懲戒処分等の手続をどうしていくかということを検討しているところでございます。当然、問題のあるもの、悪質なものについては処分を科していくということになろうと思います。

 他方、御理解いただきたいのは、これはアンケートでございますので、自発的に私はいたしましたと答えた者がありますので、逆に言えば、していてアンケートで正直に答えなかった者も当然いると思われるところでございますので、単に正直に答えた者だけ処分されるということではまた不公平にもなりますので、そういう点も加味して今先生御指摘の処分の問題は考えていきたいと思っているところでございます。

内山委員 アンケートで答えられるぐらいだから、情報漏えいとかというのが逆に言うとないのかもしれませんが、逆に、答えていない人たちで無断渡航をしているという場合に情報漏えいがあるんじゃないかな、こう思うんですけれども、この一連の件では情報漏えいはなかった、こういう回答を出されていますよね。それは正しいですか。

増田政府参考人 今まで私どもが行ったアンケートの中で、いわゆる情報漏えい等の問題があったとは承知しておりません。

内山委員 海上自衛隊上対馬警備所の一等海曹が無届けで中国・上海への無断渡航を繰り返していた、上海への渡航目的は、日本人向けカラオケ店に勤めていた中国人に会うためで、このカラオケ店は、在上海日本領事館員自殺問題で登場した中国人女性が勤めていた店だったというのが新聞報道でありました。

 極秘扱いの資料がなかった、注意に当たる資料を外部に持ち出したと新聞にも書かれておりますけれども、長崎県警は引き続き捜査を進めているようでありますけれども、これは情報漏えいとは言わないんですか。

大古政府参考人 委員御指摘のとおり、この海上自衛隊上対馬警備所に勤務する一等海曹につきましては、いわゆる上海総領事館員が自殺された問題に関係したと言われているカラオケ店と同一のところに頻繁に訪問していたという経緯がございます。そういう関係もございまして、我々といたしましては、情報保全の観点から、重大な問題に発展する可能性もあるということにかんがみまして、徹底的に調査したところでございます。

 まず一点目といたしまして、その本人は警備所の見張り員でございますので、単独で秘密の資料を取り扱える立場にはございませんでした。念のためにそれでもいろいろ調べましたけれども、本人から、渡航した動機なり渡航先の行動につきいろいろ詳しく事情聴取をいたしました。それから、職場の上司とか同僚等の関係者からも詳しく事情を聴取しております。それから、渡航先では中国人女性と会っていたと言われておりますけれども、本人の同意を得て、そのやりとりの手紙等につきましても調査いたしました。

 そういう意味では、防衛庁としては考えられる限りの調査を行いましたけれども、部内資料を海外に持ち出したり、まして秘密情報を漏えいしたという事実は全く確認されなかったところでございます。

内山委員 それでは、平成八年から三十一回無断渡航していた男性自衛官、こういうのがいると思うんですが、調査結果で、平成八年から三十一回無断渡航していた自衛官は、ある特定の女性に会うため、米国やメキシコを訪問しています。この自衛官の階級と職種をお尋ねします。

増田政府参考人 お答えをいたします。

 今先生お尋ねの、延べにして三十一回の無断渡航を行った者は、現在防衛庁本庁の機関に勤務をしている海上自衛官でございますけれども、それ以上の詳細につきましては、今後処分等の問題もございますので、お答えを差し控えたいと思います。よろしくお願いします。

内山委員 機密を扱う職種でしょうか、お答えいただけますか。

増田政府参考人 機密を扱うといいますか、秘密を扱うというよりは、本来、海上自衛官で、船乗りでございます。

内山委員 船乗りと言いますが、機密に接するところにおりますかということを聞いているんです。

増田政府参考人 済みません、ちょっと今そこまで私データを持っておりませんけれども、そういう状況ではないというふうに私は理解しておりますが、違っておりますれば、また訂正していただきたいと思います。

内山委員 せんだって観艦式にお世話になりまして、「くらま」に搭乗させていただきました。いろいろ部屋を見させていただきましたら、CICルームというのがありまして、ここには日米協定により立ち入りが禁止だ、こういうところもございました。そういったところに出入りをしたりしているようであれば、やはりいろいろな情報が漏れてしまうのではなかろうか、こう危惧をしているわけであります。

 長官にお尋ねをしたいんですが、いろいろ無断渡航の件で、正直に答えた者もいれば、答えない者もいた。答えない者の方が何かかえって臭いな、こう思うわけでありますけれども、再発防止のために、隊員に対する機密保持の教育は今後どのような形でされるか、お尋ねをしたいと思います。

久間国務大臣 先ほど冒頭にも言いましたように、やはり、自衛官というのは規律を守らなければならないんだ、こういう教育をもう至るところで徹底していくことが必要でありまして、その規律が守りにくい規律であるならば、なぜ守りにくいかということもこちらとしても研究しなければなりません。しかしながら、軍隊と言えば語弊があるかもしれませんけれども、こういう実力組織の部隊においては、何はともかく規律を守るんだ、そういう精神が一番大事なわけでございます。先ほどの話じゃないけれども、営内におって出る場合も、あるいはまた国内におるのが原則になっているのに、海外に行くときには、とにかく、行動を起こすときにまずはそういうのをしなきゃならぬ、そういうのを基礎から頭の中に入れ込むというのが大事でございますから、どういう形でその規律を守るか、これを徹底していくことを考えて、その次にその規律の内容について、これはちょっと今の若い人たちに守らせるには無理じゃないかとか、そういう角度から、その次の段階として我々として配慮していく、そういう形で規律の遵守について教育を徹底したいと思っているところであります。

内山委員 さきに、防衛機密という規定で、従来の一年以下の懲役から五年以下の懲役に強化をされておられると思うんですけれども、国の安全保障にかかわる問題ですから、やはり自衛隊員の規律を高める意味でも、こういったところはもっと厳しく対処しなければならない、こう考えるところでございます。

 それでは次に、自衛隊員における薬物使用、これは何度も質問が出ておりましたけれども、再度、二番せんじになるかもしれませんが、お尋ねをしたいと思います。

 昨年度、十七名が薬物関連で処分をされた、二〇〇五年度に懲戒処分した自衛隊員が、前年度比三十九人増の千三百二十五人に上ったと発表がありました。このうち薬物関連の処分は十七名、免職十三名、停職四名、記録が残っている一九九五年以降最多である。処分者の内訳は、自衛官が千二百六十六名、事務官五十九名。処分内容は、免職百四十名、停職六百三名、減給三百二名、戒告二百八十名。処分の理由のベストスリーというのがおわかりになりましたら、一、二、三を教えていただきたいのです。

増田政府参考人 大変申しわけありません、今手元にデータがございません。

内山委員 私が調べてきたんですけれども、一番が勤務時間外の悪質な交通違反、交通法規違反というのでしょうか、二番が正当な理由のない欠勤、三番がわからないんですね。何だろうなと非常に不思議に思っていまして、その資料が、三番が出てこなかったものですから、あえてお尋ねをしました。後で教えていただければ結構でございます。

 薬物使用や無断欠勤、無断渡航など、果たして国の防衛体制がとれているのか非常に疑問に思われるところでありまして、一部の人間がやったことということでは済まされない問題だろうと思っています。薬物使用、無断欠勤、無断渡航、こういう防衛体制でいいんでしょうかということを、長官の御答弁をもう一度いただきたいんです。

久間国務大臣 無断欠勤あるいは無断渡航、これは、規律を守らないかぬということの教育でかなりそういうのを頭にたたき込めばいいわけですけれども、薬物使用については、安易に薬物に手を出した、そういう人たちが続いてやる可能性もやはりあるわけでありますから、これは規律を守るというだけでは難しいと思うので、やはりそこは監視体制といいますか、あるいはまた抜き打ちに検査をやるとか、そういう形で取り組まないといかぬのじゃないかと思いますので、前の二つとは若干その接し方は、これから先の取り組み方を考えを変えなきゃいかぬかもしれません。

 そういう意味では、もうここまでふえておりますと、やはり抜き打ち的な検査というのを、尿検査その他はあり得るということで、その辺をどういうふうにするか。これも定期的にやったんじゃ意味はありませんから、抜き打ちということも含めて、やる必要があるんじゃないかなと思いますので、この辺については、内部でその方向で検討したいと思っております。

内山委員 不祥事でもう一点お尋ねをしたいんですが、本年九月、大分県の陸上自衛隊玖珠駐屯地の第四戦車大隊の武器庫から小銃とけん銃がなくなった事件がございました。その武器は今見つかっていますでしょうか。

小川政府参考人 お尋ねの玖珠の事案でございますけれども、御指摘のとおり、去る九月八日、玖珠駐屯地、大分県でございますけれども、第四戦車大隊本部管理中隊におきまして、小銃一丁、小銃の弾倉一個、九ミリけん銃一丁、またその弾倉二個及び八十ミリ双眼鏡一個が武器庫からなくなっていることを確認したわけでございまして、それ以降、駐屯地所在の部隊あるいは第四師団等によりまして懸命に捜索をしております。延べにしまして今までで六万二千人ほどになりますけれども、懸命の捜索をしておりますけれども、残念ながら、現時点まで、紛失した武器等の確認には至っておらない状況でございます。

内山委員 弾も入っているけん銃や小銃ですと、二次的に犯罪に使われますと、これは大変な問題になってしまいます。

 私も習志野の駐屯地に体験入隊をした経験がありまして、そのときに、小銃、けん銃等を武器庫から出していただいて見せていただいたことがございました。ちゃんと担当官がそれぞれ役割を持って、保管する人、かぎを持つ人、こういう厳格な管理をしているはずなんですけれども、なぜこのような問題が起きたのか、非常に不思議に思うんですが、その点、お尋ねをしたいと思います。

小川政府参考人 本事案、まだ捜索中でございますけれども、この事案が起こった原因、背景につきましても徹底した調査を行っているところでございます。

 こうした中で、御指摘の小火器等の紛失がありました第四戦車大隊本部管理中隊におきまして、残念ながら小火器の管理に不備があったというところがございます。その点につきまして、現在、さらにその要因等の調査をしているところでございます。

内山委員 一日も早く見つけていただきたいと思います。

 自殺の件を先ほど山口委員がお尋ねしましたけれども、私、少し触れていきたいと思うんです。

 防衛庁として、自殺の原因にいじめがなかったという回答がございました。現に、海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」で暴行恐喝事件により日常的にいじめを受けて自殺したとして、死亡した海上自衛隊の隊員の両親が損害賠償を求める訴えを横浜地裁に出している事実をどのように受けとめますでしょうか。長官、いかがですか。

久間国務大臣 いじめがなかったとは言い切れないわけでありまして、訴訟になっているのも二件あるわけでございますから、我々としては、裁判になっているものはどうだったかというのはまた結果が出るわけでございまして、この間のものは、一件は一応国側が勝っているようでございますけれども、さはさりながら、やはりそれが何らかの引き金になったんじゃないかな、そういう反省は常に持たなきゃならないと思っておりますし、ましてや暴行等で、それが自殺につながっていったとなればこれはやはり隊内の問題でございますから、これについても、そういうことが二度と起こらぬように注意を喚起しながら対策を講じていこうと思っております。

内山委員 艦艇の中や隊の中、基地内、いろいろ、やはり狭い社会だと思います。その部隊や基地内で今まで頑張ってきた隊員が自殺をしてしまう、非常に痛ましいことでございまして、再発防止には全力で取り組まなければならないだろうと思うんです。

 そんな中で、隊員の労務管理とかメンタルヘルスケアなんかは一体どのような形で行っているのかということをお尋ねしたいと思うんです。

増田政府参考人 自殺の防止のみならず、いわゆる隊員の健康管理、特にメンタルな面での管理というのは重要だろうと思っておりまして、私どもがとっておる施策は、まず、部隊にはそれぞれカウンセラーを置いております。それも、部内のカウンセラー、それから部外のカウンセラーをお願いしているのが一般でございます。

 ただ、例えば船ですと、なかなか部外というわけにもいきませんので、部内のカウンセラー、簡単に言えば、いわゆる曹の古参の者がカウンセラーになって相談を受け付けるというような状況が一つあります。

 それから、いわゆるメンタルヘルスのチェックシートというようなものを配りまして、例えばイラクに行った場合などについては、イラクに行っているとき、帰ってきたとき、またしばらくたってから等々、メンタルヘルスのチェックをしてもらって、わかりやすく言えば、点数の状況を見て、状況がどうであるのかというのを判断しております。

 それからもう一つは、今、ホットラインのようなといいますか、無料の相談の窓口というようなものを置いておりまして、これは部外の機関に委託しているのでございますけれども、そこに電話をして相談をしていただく。

 また、そのほか、いじめの問題等ほかの問題もありますけれども、いわゆる公益通報の窓口というようなもので通報していただくこともあるということで、いろいろな施策を講じているところでございます。

内山委員 今後もさらに隊員の健康管理に力を入れてやっていただきたい、こう思います。

 それでは、ちょっとテーマをかえまして、十月二十一日、朝日新聞の報道によりますと、戦闘機やミサイルの研究開発を手がける防衛庁技術研究本部の第三研究所が、この三年間、再利用や転用が可能であった試験装置を廃棄していた、こういう報道がございました。この金額は十一億円との報道がございます。この件の事実関係の御答弁をいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 先生今御指摘いただきました、防衛庁技術研究本部第三研究所におきます戦闘機やミサイルの研究開発のために使用しました試験装置等につきまして、九百四十八品目一千八百五十四点につきまして、平成十五年度から平成十六年度にかけて不用決定を行っております。また、そのうち八百三十九品目一千七百十六点につきましては、平成十六年度から平成十七年度にかけて廃棄しております。

 報道された試験装置等の不用決定に関してでございますが、この不用決定あるいは廃棄に当たりましては、物品管理法の第二十七条等関連法令に従いまして、故障あるいは動作不良等、試験装置等の個別の状況を十分に検討いたした上で適切に手続をとって処置してきております。したがって、本件に関して特段の問題はなかったものと考えております。

 ただ、いずれにしましても、今後とも、物品の管理、その廃棄につきましては、関連法令に従って適切に行ってまいりたいと考えております。

 以上です。

内山委員 わかりました。

 それでは、危機管理のことについてお尋ねをしたいと思います。

 北朝鮮が核実験をしました十月九日、久間長官は民間航空機に乗られていたわけでありまして、これも何度もお尋ねをされているわけでありますが、一つの提案としてちょっとお尋ねをしたいと思うんです。

 衆議院の補欠選挙で大阪に向かっておられた。今ちょうど沖縄知事選がございます。沖縄に向かっておりますと、二時間以上も乗っているわけでございまして、これは、二時間また長官に連絡がつかないというのは、これから危機が迫ったときに大変な問題になろうかと思います。

 搭乗していた民間航空機に連絡することは、民間航空機に連絡する航空管制センターと民間会社の使用するカンパニー無線というのがあると認識しておりますけれども、担当者の方、この辺を御答弁いただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 現時点で、民間航空機に搭乗中の閣僚への通信手段といたしましては、先生御指摘のとおり、航空会社の社内連絡用のカンパニー無線というもの、それから私どもの管制で使っております管制官と機長との管制通信、この二通りがあると思っております。

 ただ、これにつきましては、機密保持の問題、航空機の愛好家なんかがよくエアバンドというのでいろいろ傍受をしておりますし、それから、機長を通じて、あるいは客室乗務員を通じて閣僚に伝達するということになりますと第三者を介するという問題、それから、航空機の安全運航に問題がないか、影響を与えないかといった問題がございまして、そういう点を考慮して検討していくべき問題だと考えております。

内山委員 でも、危機が迫っていましたら非常に大変な問題になるんですが、もし、防衛庁長官でなかった、総理大臣だったらどうなるのか。仮に民間航空機に最高責任者の総理大臣が乗っていた、緊急的に連絡をとらなければならない事態になった、この場合にその連絡体制はどのようなものがあるか、答弁をお願いします。

山浦政府参考人 安倍総理は離京の際は、必要性や状況に応じて、民間航空機を使わず、新幹線などの緊急時の連絡がつく交通手段を選択されているというふうに承知をしておりますが、一般論で申し上げると、緊急事態発生時の総理への連絡通信手段の確保については、官邸に戻る際の非常搬送手段、これは自衛隊の航空機あるいはヘリそれから警察のパトカー等を組み合わせることになるというふうに考えておりますけれども、こうした非常搬送手段とあわせて、その都度、内閣官房が事前に検討し、計画を立てております。また、連絡通信、非常搬送の平素の訓練もたびたびやっております。

 さらに、総理が官邸に戻られるまでの間は、総理離京の際は必ず内閣官房長官または内閣官房副長官が在京することになっておりますが、内閣官房長官あるいは内閣官房副長官が初動対処の指揮をとる、こういうふうにしております。

内山委員 さらに、では、官邸の危機管理センターまたは防衛庁からの情報を、国土交通省、管制センターから民間航空機に連絡を入れる場合の制約についてお尋ねをします。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 管制無線は、管制官とパイロットの間で遅滞なく管制指示と安全航行確保のために伝達を行うものでありまして、これ以外の情報を伝達するということについて、航空の安全上問題がないかどうかという検討が必要であると考えております。

 さらに、機長の本来業務であります安全運航との関係で、伝達できる情報量というのは限定的にならざるを得ないと思いますし、さらに離着陸時などは機長は操縦に集中しておりますので、迅速な対応ができるかどうかといった面があるかと思っております。

 いずれにいたしましても、現在、内閣官房とともに、あるいは関係事業者とともに、可能な通信手段について検討しているところでございます。

内山委員 では、通信がいろいろ問題があるのであれば、航空機に搭乗している場合、どこか近くの、最寄りの飛行場におろすことができないだろうか。例えば、羽田から出たばかりで戻ってくるような、近くの空港に緊急着陸させる場合の危機管理体制というのはどのようになっているか、できるのかできないのか、お尋ねをしたいと思います。

鈴木政府参考人 まず、航空機の緊急着陸等の問題につきましては、まず航空機の航行の安全、これは機長がその責任を負っているものでありまして、航空機のいろいろな機器のトラブルでありますとか、あるいは悪天候の問題でありますとか、あるいは旅客の急患の発生とかいう場合に、機長の判断で対応を行う場合がございます。

 しかしながら、そういう、航空機または旅客の安全に影響を与えない別な要因で搭乗される閣僚をおろさないかぬということで緊急着陸をするという場合につきましては、これは政府全体の判断に基づいて、会社に要請をして、判断がなされるという問題だろうと承知しております。

内山委員 今お答えいただいた体制は、逆に、マニュアルみたいなものはできているんですか。

山浦政府参考人 一般論で申し上げれば、緊急事態に対処するため、搭乗中の航空機のルートを変更してでも総理に緊急に官邸に戻っていただく必要が生じる場合がないとは言えないというふうに考えております。

 その場合には、関係省庁の連携により、最寄りの飛行場への着陸、そして自衛隊機やパトカー等を活用して、最小限の時間で総理を官邸まで搬送することとしております。

内山委員 そういう決めで、マニュアルであるということでよろしいわけですね。

 それでは、テーマをかえまして、残り時間が少なくなりましたが、北の脅威につきましてお尋ねをしたいと思います。

 長官にお尋ねをしたいんですが、この時点で北朝鮮の脅威というのは、長官はどのように認識されていますでしょうか。

久間国務大臣 防衛白書においてもそうですけれども、従来から我々が脅威と言うときには、その持っている能力とそれから意図、これが二つあったときに脅威として表現してきております。

 そういう意味では、北朝鮮がミサイルの実験をする、あるいはその他いろいろなことをやってきております。ただ、今我が国を攻めるという、そういう意図があるかということになりますと、これはややまだ疑問でございますから、そういう意味では、脅威としては実感をしていない。だから、脅威という言葉は最近よく使われますけれども、脅威としてはまだ具現化していないというふうな感じであります。

内山委員 現在、北朝鮮がノドンミサイルを撃ってきた場合、防衛庁長官の判断で迎撃できる仕組みになっていると思うんですが、ノドンミサイルの発射が米国の早期警戒衛星やイージス艦または地上レーダーで確認された情報が防衛庁の中央指揮所に入り、直ちに防衛庁長官に伝達される、シビリアンコントロールがここで運用されるわけですね。

 北朝鮮から日本までの到達時間、ノドンで来ますと十分程度だ、こう聞いておりますけれども、例えば、さきに航空機に乗っていたときにこういう事態が発生したとき、防衛庁長官に連絡がとれないときにはどのような対応になるのか、非常に心配なんですが、担当の方、お答えをいただけますか。

久間国務大臣 これは、いずれにしましても、飛行機に乗っているだけではなくて、そういう十分間の間隔でございますから、そういうときにはどういう形で反撃するか、ミサイル防衛システムができたとしても、それをどうするか、それをやはり考えておかなきゃならないわけであります。

 そういうときには、先ほどの飛行機の場合だったら代理者を置く、いろいろな形で整理ができると思いますけれども、そういう代理者を置いておいても間に合わない、そういう場合だってあり得るので、そういうときにどういうふうにしてこれに反撃するか、これはやはり一つの検討をせぬといかぬと思います。

 ただ、私たちはこう思いますけれども、国対国のそういう争いの場合に、いきなりばんと撃ってきて壊滅させる、そういうようなことをやるかということは通常考えられないので、かなりの緊張状態が出てきてそういうことになってくるし、それはそれなりに向こうも覚悟があるわけでございますから、日米安保条約もそのためにあるわけで、核の傘の下に入っているわけでございますから。

 そういうことを考慮しますと、やはりいきなりそういうことがあるということじゃなくて、こちらとしては、心構えは、マニュアルその他は大事かもしれませんけれども、そういうような状況を想定しながら取り組もうとすると、非常にある意味ではまた違った危険性といいますか、それでは、末端の、第一線の迎撃ミサイルの発射ボタンを押せるやつに全部権限をゆだねておくか、そういうことにまでなりかねないわけでございますので、その辺は慎重な議論も必要なことじゃないかなと思っております。

 いずれにしても、組織としては、それを権限移譲することによって対応する、そういうことも考えないといけないのは事実でございます。

内山委員 シビリアンコントロールのもとに、あらゆる場面を想定してやはりマニュアルをつくっておく必要があろうかと思います。通常でない国がそばにあるわけでありますので、非常に危惧をしております。

 米軍再編成に伴う危機管理ということでお尋ねをしたいと思います。

 米軍再編成に伴い、米軍の在日空軍司令部がいる横田基地に空自の自衛隊総隊司令部が移転することになっていると思いますけれども、この連絡体制、米軍と空自の情報の共有化というのがこれでうまくいくんでしょうか、どうなんでしょうか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

久間国務大臣 やはり横田とうちの空とが別のところにおるよりは一緒におった方がいいわけでございまして、そういう点では、私は今までよりはうまく機能するんじゃないかなと思っております。

内山委員 北のノドンミサイル、二百基ほど日本に照準が合っているなんということを耳にしますけれども、防衛庁としてはこの北のノドンミサイルは一体どのぐらいの数量があるのかということは把握されているんだろうと思いますが、お答えをいただきたいと思います。

大古政府参考人 お答えいたします。

 北朝鮮がノドンミサイルを何基持っているかにつきましては、北朝鮮自身が公表しておりませんので細部はわかりませんけれども、一般に、例えば米国では二百個程度あるのではないかというふうに言われております。

内山委員 日本の情報収集衛星についてもお尋ねをしたいと思います。

 お答えできる範囲で結構でございますけれども、我が国の情報収集衛星は、現在二基稼働されていると思います。核やミサイルのときに、この情報収集衛星からの情報というのが一向に耳に入ってこなかったわけでありますけれども、順調に稼働しているんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。

伊佐敷政府参考人 情報収集衛星は、我が国の安全保障及び危機管理に必要な情報を収集することを主たる目的とするものでありまして、その効率、効果的な活用を図っているところでございます。

 しかしながら、情報収集衛星による個別の撮像対象にかかわることにつきましては、事柄の性質上、コメントを差し控えさせていただきたいと存じます。

内山委員 我が国周辺で発生している一連の問題に関して、情報収集衛星の情報は防衛庁にもちゃんと届いておりますでしょうか。

大古政府参考人 情報収集衛星につきましては、防衛庁としても適切にその成果物を入手しているところでございます。

 我が国周辺の軍事情勢を含めまして、各種の防衛庁としての情報分析にも有効に活用しているところでございます。

内山委員 最後に、敵地攻撃論ということで、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

 我が国は、北朝鮮のミサイル基地を攻撃できる能力があるかないか、昨年の防衛白書にも何か書いてあった気がしますけれども、再度、長官からの答弁をいただきたいと思います。

久間国務大臣 我が国は、従来から、盾は持つけれども矛は持たないという形で、それを補うために日米安保条約を結んで、その関係でずっとこの戦後の平和を守ってきたわけでございますし、それがまた、関係各国、特に、東南アジアを含めてアジアの各国には理解されてきておるわけでございますから、今、日本が敵地攻撃能力を持つというような、そういうのはむしろ慎重であった方がいいんじゃないかなと思っておりますし、現在はそういう能力は持っておりません。

内山委員 北朝鮮のミサイルとか核とかというのは、新しい現実でございます、今までになかったものですね。専守防衛の範囲の中で、この新しい現実に対し相対的に対抗する手段を考えるべきではないかと私は思うんですけれども、久間長官、今後、我が国として、クルージングミサイルの導入等の検討はされるような考えはないでしょうか。

久間国務大臣 北朝鮮がミサイルの実験をやった、そのときも国連がそれに決議を行って対応しようとした、そして核実験については、もっとそれよりもスピーディーに、しかも世界各国全員が賛成して、中国まで含めて、それは許さないという形で動いてくれたわけでありまして、日本は、だから、そういうような動きをむしろ後押しをしながらやはり対処していくのが一番今の状況ではベターじゃないかなと思います。

 各国がどうしても対応しないときにどうだということになればまた別ですけれども、アメリカも、いち早く日米安保条約に基づく日米の同盟関係の強化を、コミットメントを強化するということをライスさんを派遣してまで言ったわけでございますから、そういうようなことから考えますと、今クルージングミサイルとかそういうのを議論するのはどうかな、世界のそういう動きをむしろ一緒になってやっていった方がベターじゃないかなと私は思っております。

 しかし、先生みたいな御意見が、野党に限らず与党からも案外出かねない最近の雰囲気でございますけれども、それはややもすると、そうか、そういうふうな方向で日本が動いているんじゃないかな、そういうような懸念を与えますので、やはり今の段階では、そういうことよりも、世界の動きを一緒になって、むしろ先頭に立って、とにかく北朝鮮のミサイルの廃棄、それから核の廃棄、これをいかにして実行させるか、それに精力を絞っていった方が、向こうは持っているという前提でそれに対抗するいろいろな装備を図るよりは賢明じゃないかなと私自身は思っております。

    〔委員長退席、寺田(稔)委員長代理着席〕

内山委員 時間になりましたので、これで終わります。ありがとうございました。

寺田(稔)委員長代理 次に、津村啓介君。

津村委員 民主党・無所属クラブの津村啓介でございます。

 先日、ある法案で代表質問に立たせていただきまして、長官からるる御答弁をいただいたわけでありますけれども、その場でも述べましたとおり、今の防衛庁にとってまず何よりも大切なのは、失われかけた国民の信頼を取り戻して、しっかりとその組織の気構えといいますか、きちんとした組織なんだぞということを示すことだというふうに思います。

 そういった意味で、先週から行われておりますこの委員会審議、とりわけ防衛施設庁の談合事案を中心に御議論を皆さんされているわけですが、与野党を超えて多くの議員の方々から大変重要な指摘がなされているなというふうに聞いております。

 しかしながら、長官の御答弁、非常に現場もよく御存じですし、非常にお話が上手といいますか、御自分の言葉で答弁をされる長官でいらっしゃいますので、いろいろと質問以外の部分で勉強になることはたくさんあるんですけれども、しかし、その質問そのものの答弁を、議事録をよく読んでみると、あれ、話がちょっとどこに行ったのかなと思うときが時々ございまして、議事録をきのう、速記の皆さんの御努力で先週の分をいただきましたので、少しそれをフォローする形で一つずつ精査させていただければというふうに思っております。

 最初に、大きな話で恐縮ですが、今回の防衛施設庁談合事案の起きた背景ということについて、改めて確認させてください。

久間国務大臣 とにかく、自衛隊の隊員のやめた後の就職のことを念頭に置きながら、そして、今までやめた人たちのOBさんたちと連絡をとり合いながら、そういうようなことがスムーズにいっている企業に仕事をとらせていくという形での官製談合が行われたというのは、国民の信頼を大きく裏切ったというふうに思っております。

 自分たちのためには何をやってもいい、そういうような発想があるということは、決して国民から見た場合には許せないことでございますので、その辺については、そういうのが二度と起こらないように我々としても対処していかなければならないと思っているところであります。

津村委員 ちょっと質問の角度を変えますが、八年前の調達本部の事案も非常に似たケースだと思うんですけれども、この背景はどう違うんでしょうか。

久間国務大臣 背景と言われると似ている点もあるかもしれませんが、あの場合はむしろ随契でやって、競争入札と違うわけですね。私がやめた後事件化しましたけれども、あのときも盛んに議論されましたのは、いわゆる過払いになっているものを請求して取り返さぬといかぬわけですね。随契でございますから、工数に応じて金額を決める。その工数を偽って申請しておるから、こちらはたくさん出し過ぎているから返してもらわなきゃならない。返してもらうときに、極端な言い方をすれば、それをまけてやった、そういうような事案でございますから、官製談合というのと非常に性格が違っておりますので、あれとこれとを直ちに比較することはできないかもしれません。

 しかし、あれも最終的には背任という形で事件化されました。その背任は施設庁、施設庁じゃなくてあれは調達実施本部だったかもしれませんけれども、職員を採用してもらうというような、そういうことで動機は働いたという点では同じかもしれません。

津村委員 当時の背任事件の際にも再発防止策がいろいろと講じられて、委員会でも御紹介が先日ありましたけれども、この再発防止策の内容、それから、再発防止策を講じたにもかかわらず、また再発をしたわけですから、そういう意味では、前回の再発防止策というのはいわば失敗してしまったということだと思いますが、その内容及び反省点、そして再発防止に失敗したことの責任の所在についてお伺いします。

久間国務大臣 あれに基づいて、その後、防衛庁ではいろいろと、調達実施本部の契約の仕方あるいはまたさっき言った過払いの取り方、そういうことについてのやり方は検討されたと思います。その後、私はおりませんから、どういう形になったかは知りませんが、契約をする担当者と積算する部署、これはやはり分けたと思います。だから、そういうふうにすることによって、これは一応、これから先そういう過払いが起きないようにすると同時に、起きた場合でもちゃんと返還させる、そういうことになったろうと思います。

 だから、あの場合は、今言いましたように、入札で決めているわけじゃなくて、全く違った形で、要するに随意契約でやっているケースでありますから、随意契約の場合にどうか、そういう問題の方がむしろ大事だったわけでございますので、全くの官製談合とか競争入札における不正といいますか、そういうことには思いが行かなかったんじゃないかなと思うわけです。

 だから、もし談合問題で議論するとするならば、それよりもむしろ後の、公取が指摘したような、石油の、例えばジェット燃料の納入のときの談合事件とかそういったものの方がむしろ事件としては類似性が考えられるんじゃないかな、純粋に思うとそんな気がいたします。

 いずれにしましても、あのときの調達実施本部の事件というのは、今言ったように性格がちょっと違っておりますので、あれで直ちに官製談合に気づいてそこまでカバーするということは思いがよらなかったんじゃないでしょうか。

津村委員 済みません。ちょっと理解が追いついておらぬのですけれども、要するに、前回の再発防止策は十分功を奏したけれども、今回は別のタイプの事件なのでそこは全く話が違う、そういうことですか。

久間国務大臣 それともう一つは、組織が全く違う。施設庁というのは、いわゆる防衛庁の内局がアンタッチャブルといいますか、昔からずっと施設庁として独立性みたいな形の中でやってきておりますから、そちらの方には防衛庁の指揮監督権がない、そういう問題が実はあるわけでありまして、そこのところが基本的には違ったんじゃないかなというふうに思います。

津村委員 そうすると、指揮監督権というお話も出ましたけれども、前回の再発防止策というものが私は必ずしも十分に機能しなかったんじゃないかというふうに思うわけですが、それは、そういうことはない、まただれも反省するべき人はいないということですか。

久間国務大臣 いや、反省すべき人はいないという、反省すべきは、防衛庁全体としてやはりあらゆる角度から点検をしてやっていくべきだと思いますから、それはやはり反省すべきだと思います。

 しかし、あれがあったから、もうそこで組織と契約とあれを変えたから、こちらの方もそれへ右へ倣えしてやっておけばよかったんじゃないかというような、そう単純にはなかなかいかないんじゃないか、しかも、あれは随意契約における、鉛筆をなめたといいますか、そういうことが可能だったということが問題じゃないかということでなったわけであります。

 業者が契約に直接かかわって入札でそういうふうな談合をするというのとはちょっと事件として違いますので、随意契約、相手との契約の中で、生産工程がこれだけの日数とこれだけの人間がかかりますよという数字を全くごまかして出してきている、そのごまかして出してきているのを、これはおかしいということで、交渉する立場の人がまけてやった、そういうケースでございますから、あれでこちらの方が想定されて、こっちも一緒にということにはちょっとやはりならなかったんだろうなというふうに思います。

津村委員 一番最初の私の質問は、ちょっと大きく伺ったわけですけれども、防衛庁ないし防衛施設庁の体質といいますか、再就職のことも含めたいろいろな背景があったということを大きく伺いまして、お答えもいただいたわけです。

 そういう意味では、平成十年度の事案とことしの事案、基本的には共通性が高いと私は思うわけです。だんだん御答弁が随意契約と官製談合の違いの方に重点が行って、ちょっと戻したいんですけれども、防衛庁全体としては反省すべき点もそれはあるということを今おっしゃったわけですが、それでは、今回、ことしの話に移ります。

 ことしの再発防止策、六月十五日公表のケースですけれども、これは前回の失敗をどういうふうに生かしているのか。そして、今回、この再発防止策が十分効果を持たずに再び不祥事が起きた場合、どのようにその責任の所在を考えられるのか。

 私が言いたいのは、事件が起きたときにその事件そのものの責任の所在ということはもちろんあるわけですが、その以前に再発防止策なるものをつくっているのであれば、それをつくった人たちもしっかりと名前を出して、責任をさかのぼってもこれはとるべきで、八年もたてばそれは人事でいろいろかわっているんでしょうけれども、やりっ放し、あとはもう次の人がやってくださいということでなくて、一貫した責任の所在というものがなければやはり組織として長い目で国民に信頼されないんじゃないか、そういう問題意識なんですけれども、御答弁をお願いします。

久間国務大臣 やはり再発を防ぐためにいろいろなことをやるわけでありますから、あの当時、契約と積算の組織を分離するということをやったわけでございますから、今度もやはりそこの点においては防衛施設庁の、今度は競争入札かもしれませんけれども、入札の契約をする部署とそれの積算をする部署、あるいはまた、入札でございますからそれを査察する部署、入札の検討の委員会、そういったのがそれぞれ機能するようにやるべきだ、そういうふうな検討会の報告書が出ておりますから、これをやることによって実行していけるんじゃないかなというふうに思っておるわけであります。

 ただ、制度でございますから、一〇〇%はなかなかいかないかもしれませんが、これによってかなり改善されるし、もし何か出てくれば、そのときまた、なぜこんなふうなことをやったのにだめだったのかということで反省をしながら次のことをやっていけばいい。前回のときの調達実施本部の場合は、随契の工数についてだけが頭にあって、そして、入札でやりさえすれば問題ないんだという安易さがその背後にはあったんじゃないか。だから、入札でやれば公平に入札が行われるだろうという前提に立ってやっておった。そこがやはり決定的に思いが至らなかった点じゃないか。

 入札といえども、こういうふうに組んでやられた場合にはそれが不正につながっていく、公正でないんだということも知った上で考えれば、入札だからといって、それはいいんだ、そういうふうに放置することはしなかったんだろうと思いますけれども、そこまでなかなか思いが至らずに、むしろ随意契約で工数をこんなふうにごまかしている、これはけしからぬというようなことで、随意契約だからといって、それについては厳しくやらないかぬという形で思いがそこに集中したという点はあろうかと思います。

津村委員 ありがとうございます。

 少し質問をかえますが、十一月の二日、神風委員の質問に関連してですけれども、調査がお手盛りじゃないか、国会閉会に合わせて発表されたりとか、あるいは、内部でのみそのチェックをする、委員長が内部の方であったりとか、こういったことについて神風委員から北原さんに質問をしているんですけれども、その御答弁が、「自分で事件を起こして自分が委員長になるというのはお手盛りになるんじゃないかという厳しい御指摘をいただきました。事案が事案であるだけに、そのような御指摘を受けるのは本当に自然というか、そういうように認識しました。 であるがゆえに、我々の本庁それから局を挙げまして、この事実の究明に努めてきた。そして、その結果が六月十五日になった」というふうに、何を言っているのかよくわからないんですが、二つの問題点を指摘しているのに、内部でやったから時間がかかって六月十五日になったというのでは、やはり内部でやったこと自体を問題視していて、かつ、そういう指摘を受けるのは本当に自然とまでおっしゃっているのに、答えになっていないと思うんですね。

 私は、政府参考人の方には御質問しないようにしておりまして、任命権者の方にきちんと御答弁をいただきたいと思っているんですが、これはどういうふうに解釈すればよろしいですか。

久間国務大臣 委員も御承知かもしれませんが、検討委員会を、例えば調査委員会でも一緒ですけれども、委員会をつくって外部の人を入れるとなると、まず人選はどうするか、そういう人たちの都合はどうか、何日の日が集まってもらえるか、いろいろな形で結構日数がかかるわけですね。

 だから、私も、類推で申しわけございませんけれども、こういう事案が起きたときに、まず調査を早くやって、早くいろいろな聞き取りをやって、そしてやっていかないかぬというふうなときに、北原さんは自分のことで非常に気の毒だったかもしれませんけれども、自分が調査委員長としてそれをやるということが決まって、そして自分がそれに向かって全力を挙げて取り組まれたんだと思います。だから、私はスピーディーに結構やられたんだろうと思っております。

 ただ、たくさんの人に全部聞き取りをやるわけでありまして、その聞き取りも、スムーズにすっすっと出てくればいいですけれども、なかなか簡単には出てこない。もう忘れた人もおるでしょうし、あるいは中にはとぼける人もおるでしょうし、いろいろなことがあるわけで、その中から一つの流れあるいはまた結果、そういうのをきちんと見つけ出していった。それでその結果が、国会の終わる前にとにかく早くまとめないかぬという思いもあって、ああいう形になったんじゃないかと思います。

 私は、むしろ、外部の人を入れておったら、もっと慎重を期して遅くなったんじゃないかな、そういう思いすらするわけでありますから、これは、内部でやったから決してだめかどうかは、中身を、外部の人だったらもう一つ二つちゃんと踏み込んでやれるかということまで考えて検討したときに、私は、よくやったんじゃないかな、率直に言ってそんな感じがいたします。

津村委員 ちょっとこの北原さんの御答弁も非常にわかりにくいんですけれども、これを素直に読むと、内部でやったので、そして外部の人を入れていないということを気にして少し丁寧に時間をかけたので遅くなったというような御答弁ですね。「事案が事案であるだけに、そのような指摘を受けるのは本当に自然というか、そのように認識しました。 であるがゆえに、我々の本庁それから局を挙げまして、この事実の究明に努めてきた。そして、その結果が六月十五日」と言っているわけですから。ですから、今の長官の御答弁とは少し方向性が逆のような気がしますが。

久間国務大臣 そこで北原長官が言っておられるのは、後で本人に聞いてみられればいいんですけれども、調査委員会としては、内部でやったけれども、検討委員会とも連絡を取り合いながら、検討委員会の外部の人の意見もやはり、調査の結果はこうなんですけれどもというようなことで打ち合わせをされていると思うんですよ。だから、検討委員会の方の実施要領といいますか設置要領というのはどうなっているのか知りませんが、そういうような両方の連携があっているから、そこのところは慎重に対応していますという答弁だったんだろうと思いますけれども、それはどういうことか、施設庁長官に聞いていただきたいと思います。

 私は、調査委員会としては、非常に早く立ち上げて、早く調査に入っていって、ある程度出てきたときに検討委員会にも意見を聞いて、検討委員会というよりも検討委員会の専門委員の、部外のそういう人たちの意見を聞いて、こうなんですというようなことを報告しながらまとめられたんだと思っております。

津村委員 長官、御説明が丁寧なのはありがたいんですけれども、端的に言えば、時間を早くするために内部でやったんだ、その結果、六月十五日までかかったんだということですか。

久間国務大臣 私は、それはそういうふうに理解しております。内部で、自分たちで立ち上がった、早くやったというのは、それはそういうことだったんじゃないかなと思っております。

津村委員 くどいようですが、外部の方を入れるよりも内部でやる方が早く進むということと、だから今回もそうしたということでよろしいですか。

久間国務大臣 私はそういうふうに理解しております。

津村委員 わかりました。私は余り理解できないんですけれども、長官がそう言い切られるのですから、御答弁として承ります。

 別の質問に参ります。入札監視委員会の機能強化についての取り組み状況でございます。

 平成七年に入札監視委員会が設置をされて、契約済みの建設工事等の入札及び契約の運用状況について報告を受ける、その中から抽出したものについて審議を行う。それが、今回の六月十六日に発表された抜本的対策においては、平成十六年度の抽出率は一・二%と低かった、それを見ても、入札監視委員会が機能していたとは言いがたい、このため、入札監視委員会を中央のみならず地方の防衛施設局においても設置し、審議対象事案数を増加させることとしたとあります。

 これは、どの程度の抽出率を実現する目標があるんでしょうか。

久間国務大臣 作業効率等もありますから、一概にどれぐらいがいいかということは言えないかもしれませんが、少なくとも、入札監視委員会が中央にだけ置かれておって各局は全く行われていなかった、そこが問題でありまして、これから先、各局において監視委員会がどの程度の抽出をしながらやっていくかは、それぞれのまたやり方だろうと思います。

 ただ、全部が全部これをやるというわけにいきませんから、その辺は、どういうふうな形でやったら、チェック体制といいますか、それがある程度機能するか、その辺のことをやはり考えながら、さりとて、時間をかけるわけにもいきませんから、事業を粛々とやるようなことも必要でございますので、その辺の兼ね合いを考えながら決められていくんじゃないでしょうか。

津村委員 冒頭も申し上げましたように、きょうは一般論を伺っているのではなくて、この抜本的対策の公表から半年たっておりますので、その後の内部での議論を紹介していただきたい。どういうふうに一・二%を一〇〇%まで目指すのか、それとも倍の二・五%にしておこうということなのか、その大ざっぱなレベル感をお聞きしています。何も検討していないように聞こえます。

久間国務大臣 一〇〇%なんということは考えられないわけでありますけれども、どのくらいそれを高めるか、どうしたらいいかについては内部で検討しているわけで、私は、これぐらいのものをやろうというような話を結論として得たとはまだ聞いておりません。

津村委員 いつごろ出るんでしょうか。

久間国務大臣 各出先における入札検討委員会が、どういうような構成といいますか、どういうような頻度でやるのか、その辺はやはりこれから先検討しないと、私は一概に言えませんので、そういう点では、いつまでにというのを私がここで申すわけにはいかないだろうと思います。それは、今のところまだ具体的にその絵が描けていないわけでございますから、また私自身もかわったことでありますから、今度はみんなから意見を聞きながら、どのくらいならやれるかどうか、私自身が関与しながらそれは決めていくわけでありますけれども。

 いずれにしましても、抜き打ちのいろいろなそういうあれというのは、一・二%というのはいかにも低いわけですけれども、先生のおっしゃられる一〇〇%というのもこれまた極端でございますから、どういう兼ね合いがいいのかは、いろいろな意見を聞いてみてから決めなければならないことだと思っております。

津村委員 工業製品のことなんかも考えれば、一・二%が絶対に低いというわけじゃなくて、それはやり方次第でしょうし、私も別に、絶対一〇〇%じゃなきゃいけないとか一・二%がどうのとか、そういう与件はないんですけれども、ちょっと今の御答弁というのは、私はこういう意味でどうかなと思うんです。

 最初の大きな話に戻りますが、防衛施設庁、そして防衛庁の組織の議論をまずしっかりやることが大事だ。その上で、どういう議論かは別として、これからの防衛、国防組織のあり方について前向きな議論も始まっていくんだろうと思いますが、その前に片づけるべき議論として、この六月の報告書が現時点でどこまで具体化されたのかということを聞いているわけで、それが、いやいや、まだ就任したばかりですよというお話をされるのであれば、ではもう少しよく、十分御勉強もされているわけですけれども、就任されてから時間をかけて足元をごらんになって、その上でその先の議論ということになりますかということになると思うんですよね。

久間国務大臣 いや、それは必ずしも私はそういう議論にはならないと思います。というのは、防衛施設庁は廃止して、そして統合するということをもう決めて、それは概算要求でも出しているわけですから、遅かれ早かれ、三月末までにはそういうような廃止の法案というのは出てくるわけでありますから。だから、それまでにこちらの方が片づかないとそういうことをやらないということにはならないわけでありますから、それはまた議論は別だと思います。

 だから、今決めている抜本対策が不十分なら、それにこういうことを加えたらいいとか、そういう議論はあってもいいけれども、こういう形でスタートしていることを、それがきれいにできるまでするなというようなことは別なわけでありまして、施設庁は廃止して統合する、そういう方針でもう動いているわけでありますから、それを前提としながら議論はしていっていいんじゃないでしょうか。

 だから、そういう点では、現在出ておりますこれで十分とは言えないかもしれませんけれども、これについては、少なくともそれを実行する入札監視委員会といいますか検討委員会といいますか、それはやはりもう少し、今までみたいなそういうようなことじゃなくて、各局までちゃんと機能するようにしたらどうかという、そこのところはやはりもうやった方がいいと思います。

 ただ、それを具体的に、今言われるように、どこまで抜き打ちといいますか抽出でやるか、その辺の数字についてはこれから先詰めていったらいいんじゃないかと思っているわけでございまして、そこのところがちょっと食い違っているかもしれませんが、私は、スタートすることは大事だと思っておりますから、待つ必要はないと思っております。

津村委員 程度問題だと思うんですよね。それは私も、半年ですべての問題が解決するというそんな単純なものとは思いません。しかしながら、半年たっても何も出てこないというのもおかしな話で、一・二%からどのくらいですかとか、あるいは具体的な取り組みを何でもいいですから聞かせてくださいと言っているのに、いやいや、まだ勉強中ですというのでは、ちょっと御答弁としては不十分じゃないですか。

久間国務大臣 いや、勉強中というよりも、今言うように、どういう形で今度その監視委員会が入札をやっていくのか、各局ごとにさあ行こうという形でやりましょうということを今言っている段階でありますから、その中身についてはこれから詰める必要があるんじゃないかなと思っているわけでございますから、決してそれを空振りに終わらせるようなことのないように、実効性を上げられるようにしたいと思っていることは、どうかひとつ、防衛施設庁は今度廃止されますけれども、今の防衛施設庁の長官の意気込みも買ってやっていただきたいと思うわけであります。

津村委員 意気込みはぜひ買わせていただきます。

 同じように、具体的にもう少しお話ができるんじゃないかな、久間長官であればもう少しお答えいただけるんじゃないかなということが一つ二つありますので、続いて伺っていきます。

 防衛施設庁の解体後の談合防止のための組織について、七月十四日の新たな防衛組織についてというタイトルのものでは、大臣直属の独立性の高い査察組織を新設するということが書かれています。これはなかなかイメージがわかなくて、言葉としてはきれいなんですけれども、実際にどのぐらいの数で、どういう役割を担うのかということをお聞きしたいと思うんですが、お願いします。

久間国務大臣 私が聞いているのは、八月の概算要求では、六十人規模を念頭に置いて予算要求を行ったというふうに聞いております。

津村委員 六十人。どういった六十人の方を想定しているんでしょうか。外部の方とか、あるいは非常勤の方その他、独立性というところを世間は注目すると思います。

久間国務大臣 まさにこれから予算折衝で財政当局あるいはまた人事管理当局と、六十人全員を常勤でする必要はないんじゃないか、あるいはこれぐらいが常勤であとは非常勤でいいんじゃないかとか、いろいろなやりとりが進んでいくわけでございますから、これからどういうふうになるかわかりませんが、私たちの気持ちとしては、六十人を職員として配下に置いて、そしてもちろん配下に置くときには部外からも、場合によっては人事交流でやるということも含めて、これから先やっていこうと思っているところであります。

津村委員 概算要求までされているわけですから、お金の話も当然考えていらっしゃると思いますし、先般の遠藤委員の質問へのお答えで、部外者だとお金が、給料が安くなってどうのこうのとか、なかなか来てもらえないとか、そういうお話をされたり、あるいは非常勤のことについても、六十人の中に非常勤が入るのであれば当然その分お金は少し抑えられるのかもしれないとか、そういういろいろなことを勘案して六十という数字が出されると思うので、その経緯についてお伺いしたいんです。

久間国務大臣 六十人は、定数として、いわゆる職員の数としてのカウントでございますから、今ちょっと遠藤さんの云々というのは、トップに来る人を部外者から、民間からもしやったりなんかしますと、その辺はなかなか難しい。社会保険庁長官のときに結局民間から来ていただきましたし、いろいろなところがありますけれども、来ますとかなり厳しくなりますので、なかなか民間からはそう簡単に来てもらえないということもございます。

津村委員 それから、組織があるとき六十人でつくられたとしましょう。それがどういう仕事をされているのかというのが事後的にどういうふうに国民に見えてくるか、あるいは私たちに見えてくるかということが気になるわけですけれども、査察結果というのは公表されるんでしょうか。どういう形でされるんでしょうか。

久間国務大臣 査察の概要あるいは査察結果については公表するというようなことを念頭に置きながら今進めておるわけでございまして、私は、その方向でいくことが公明性とか透明性といいますか、そういう点でいいんじゃないかなと思っておりますので、多分そういう方向になろうかと思います。

津村委員 多分とおっしゃいますが、これは長官がお決めになるんじゃないんですか。

久間国務大臣 それは長官が決めるというよりも、長官直轄の査察本部ですから私が最終的には決めることになろうかと思いますけれども、査察本部が査察した結果を公表することがより公益に合致する場合がほとんどだと思いますけれども、中には公表することがよくない場合だってあろうかと思います。だから、そういうことについては、全部が全部公表するかどうかについては、それはやはりそのときの査察本部長になられた人の判断も踏まえながら、最終的には私の方で判断する形になろうかと思います。

 概して言えば、公表することになろうと思いますが、全部そうかということは、これはやはり事案が事案でありますし、また特にプライバシーの問題等も、場合によっては入札だけではなくて、査察本部はもっと幅広くいろいろな意味での、自衛隊のあり方その他に関することも含めて査察本部長は指揮することになろうかと思いますので、全部が全部公表というふうに言い切るのは、私もいささかどうかなと思って言葉を濁しているところであります。

津村委員 言葉を濁されている理由はよくわかりました。

 次の質問に移りますが、建設工事発注手続における積算と契約部署の分離効果ということをしきりにおっしゃるわけです。先ほどもおっしゃられていましたが、新たな防衛組織についてというのを今見ながらお話ししているんですけれども、従来の建設部の役割を基盤整備局に新設する担当課と取得本部に分けて、積算と契約部署の分離を果たすということ、そして相互牽制機能を確保するというふうに書かれているんですが、これは具体的にどういうふうに牽制を働かせるのか。

 というか、一つの役所の中で二つの組織をつくったというだけの話でして、一般的に相互牽制を働かせるからには、利益相反といいますか、お互いに違う基準で物事を考えていないとチェック機能は働かないと思うんですね。結局、今まで建設部の中の担当官と担当官だったのが課と課になったというぐらいの違いであっては、同じ役所の中でちょっと名前を変えただけですから、その程度のものなのか、それとも、もう少しリアルに、こっちの人はこういうモチベーションでチェックをするし、こっちの人はこういうモチベーションでチェックを受けるから、そこは同じ役所内であっても相互牽制が働くというのか、少しリアルに御説明ください。

久間国務大臣 これは調達実施本部の場合もそうですけれども、上の組織を何も二つに分けておかなきゃならないということじゃなくて、やはりそれぞれ責任の所在がきちんとして、積算をする人は正しい積算をする、それがその人たちにとっては善であり、契約をする人は公正な手続を踏んで契約をされたかどうか、それで決まったかどうか、それが善である、そういう違った二つの、追い求めるものが別個にあることが私は組織として機能するんじゃないかなと思っているわけであります。

 今までの場合は、それが一つのところに全部、審議官を通じて、そこのところに全部集まってきてしまっておった、そういうところに問題があったろうと思いますので、契約担当部署と積算をする部署と、それで契約担当の方は積算をする部署が決めた数字については自分たちは知らないとか、そういう形できちっと分けることが正しいんじゃないかなと思っているわけであります。

津村委員 少し時間が押してまいりましたので、防衛施設庁の談合問題から多少離れますが、最近の防衛庁をめぐる客観情勢について少しお話を伺いたいと思います。

 グアム移転の話に行きたいんですけれども、その前に、前提として伺いたいんですが、冷戦終結後、特に九〇年代後半からの我が国周辺の国際情勢が、米軍再編の方向性、ベクトルや我が国の防衛体制そのものにどういう影響を与えているのかという少し大きい質問ですが、お伺いしたいと思います。

久間国務大臣 アメリカ自身もそうでございますけれども、世界の流れというのが、いわゆる国対国の戦争といいますか、国対国の対立での戦争というのがだんだん減ってきて、むしろ不特定な集団といいますか、テロみたいな、とにかくそういう形の、目に見えない形での敵というのがあらわれてきたのが昨今じゃないか。

 そして、そういう中で軍のあり方というのをアメリカ自身もいろいろ考えてきたときに、ヨーロッパにおいても、EUとして一つにまとまってきて、国対国の争いの中でNATOとその他の国というような対立軸がなくなってきたから、アメリカ自身も、そこは再編せぬといかぬ、そういう思いになったんだろうと思います。

 そのときに、この東アジアを見たときには、若干ヨーロッパとは違う緊張がやはり続いておる。そういう緊張があるから、やはりそこはアメリカの、米軍の抑止力というのは残さぬといかぬ。残さぬといかぬけれども、やはり世界のそういう趨勢の中でアジアにおいてだけは米軍の兵力が依然としてそのまま保っていけるかということになってくると、これは日本に限らずアメリカもそうでしょうけれども、少子化とか、若者のいろいろな選択の幅が出てきたときに軍人を確保できるかどうかという問題も背後にあって、やはりトランスフォーメーションというのを考えてきたんだろうと思っております。

 我が国も、そういう意味では、やはりこの東アジア地域における状況が、北朝鮮というちょっと変わった国が依然としてありますために、世界の趨勢とは若干違いますけれども、世界の大きな流れにやはり抗しがたい、そういう思いもしているところでございまして、そういう流れの中でこれから先の我が国の平和と安全を考えていく時期に来ているんだろうと思っております。

    〔寺田(稔)委員長代理退席、委員長着席〕

津村委員 そうした中、沖縄の海兵隊のグアムへの移転費用についての報道が春ごろからしばしば出ているわけですけれども、今、どの程度この話は具体化していますか。どの程度の移転費用が長官の念頭にありますか。

久間国務大臣 これは、いよいよこれからがアメリカとの本当の意味で、いろいろな調整といいますか、煮詰めていかなきゃならぬわけでございまして、今からがむしろ数字を煮詰めていくことになるんだろうと思います。

 概略は前の長官のときにアメリカとも話をしておられるかもしれませんけれども、私は、我が国の現在のいろいろな情勢等を考えますと、財務当局もそんなに甘くはないと思いますので、これについては向こうの要望をある程度は受け入れなきゃならぬ点もあるかもしれませんけれども、我が国としても言うべきことは言いながら、やはりその辺の数字をこれから煮詰める段階に来たなと思っているところであります。

津村委員 なかなかお答えがいただけませんが、少し視点を変えまして、思いやり予算にどういう影響があるかということを伺いたいと思うんですね。

 私は、この前の国会では外務委員会に所属をしておりまして、たしか四月の七日に麻生大臣と議論をさせていただいたんですが、グアムへの移転費用はかかります、それは、幾らかは別としてそうでしょうと。それが日本にどういう影響があるかといえば、一つは、もちろんそこでのプレゼンスということもありますけれども、もう一個は、沖縄の海兵隊の方が移るわけですから、こっち側では経費は減るんじゃないか、そこから積算してどの程度のメリットが日本にあって、その分こっちに払ってもいいよ、そういうファイナンス的といいますか、少し合理的に考えていくこともできますよねというところで、麻生大臣からも、一つの積算のやり方としてやっていると思いますということをいただいたんですが、そのとき、移転対象となる隊員の絶対量は約八千人、家族を含めて約一万七千人という数が減り得るという可能性が今出てきておりますというふうに、これは麻生大臣からいただいたんです。

 多少事情の変更があるのかもしれませんが、再確認ですけれども、沖縄海兵隊のグアム移転で移動する海兵隊の軍人の数というのは何人ぐらいで、それは現在駐留している在日米軍の何%に相当するんでしょうか。

久間国務大臣 アメリカと額賀長官時代に合意しておりますのは、八千人、家族が九千人、これはグアムに移転します。グアムに移転というよりも、沖縄から海兵隊が撤退します、家族もそれだけ減りますということでは合意しております。

 在日米軍が全体でどれぐらいかというのは、これは公表されておりませんし、それはまたいろいろと差しさわりがありますけれども、アメリカのいわゆるホームページ上に載っかっている数字からいきますと三万七千人ぐらいの数字でございますから、そのうちの八千人ということになりますと、一般論として言えば、二割ぐらいの、二一%ぐらいになるんですか、それぐらいの数字になろうかと思います。

津村委員 そう考えますと、単純計算でどこまでいけるかは別ですけれども、思いやり予算が今後一定の割合で恐らく減額していくということになると思いますし、その際に、一つは、この数字がベースになって、それよりもかかる、減るということはあると思いますが、この数字との相関も含めて、今後御説明がいただけると思っていてよろしいですか。

久間国務大臣 私自身、まさに委員が御指摘になったようなことを、党の幹部をやっておりましたときに町村外務大臣に言ったわけです。

 一時的には金はかかるかもしれぬけれども、それによって、こちらが駐留軍の費用負担として、私は思いやり予算と言わないものですから、その経費として出していることを考えると、その利息計算をするだけでも、これから三十年間持ち続けるとすればどれだけになるかということを考えると、かなり安くなるんじゃないか、そういうことを念頭に置きながら、とにかく向こうに出ていってもらえば、帰ってもらえば結構だ。しかしながら、日本からそれが消えることによって空白になったり、抑止力がなくなるということになると、これまた予期しないことにもなってくるから、そこのところの兼ね合いは難しいのでアメリカとよく調整してもらいたいということを申し入れたことがございます。その結果が、八千人と九千人ということになりましたから、これはかなりの減り方になろうと思います。

 それと同時に、嘉手納以南の、向こうに提供している施設についても、それは返してもらうことになりますから、これについても、かなりの地代その他が将来にわたって減るのは間違いないわけであります。

津村委員 現時点で計算ができていない部分もあるんでしょうが、今後そういった経費の節減効果というものを数字的に出して、それを国会その他の場で御説明いただけると期待していてよろしいですか。

久間国務大臣 いずれにしても、予算を組まなければなりませんし、その前には一つの方針が示されてくるわけでございますから、こちらの委員会でも、あるいはほかの委員会でもたびたびやはり議論が出ようかと思います。そのときには、そういうふうに相手のあることですから、まとまっていないのでこっちだけに一方的に言ってもいけませんけれども、話が煮詰まってきたら、それはやはり国会に報告をしながら、立法府と政府とが一緒になってこの米軍再編の問題を仕上げていかなければならないと思っております。

津村委員 まだ幾つかお伺いしたいことはあるんですが、岩屋副大臣に来ていただいておりますので、一たんそちらに話を移して、また時間があれば戻らせていただきます。

 日韓シャトル会談についてお伺いしたいと思います。

 ずっと、半年ごとに、前半は韓国、年末に日本という形で、この何年か、日韓のシャトル首脳会談が続いてきたわけですけれども、昨年の下半期は、靖国問題その他、両国にとっては不幸なことでしたけれども、シャトル会談が中止になって、その後は行われていない。

 しかしながら、安倍新総理になって、訪韓は実現をし、また先般は外交通商相がお越しになったというのが現在の両国の行き来の状況だと思うんですけれども、今後の首脳会談の開催見通し、そしてその後、シャトル会談という枠組みで行き来する、そういう枠組みを再開する意思が日本政府としてあるかどうか、伺いたいと思います。

岩屋副大臣 これまでの日韓両国間の首脳外交の経緯については、先生が御指摘していただいたとおりでございます。

 先般の安倍総理の訪韓によって行われた日韓首脳会談、私どもも大変大きな成果が上がったというふうに思っておりますけれども、御案内のように、そのときに安倍総理の方から盧武鉉大統領の訪日を招請させていただきました。盧武鉉大統領からは、適切な時期を選んで訪日したいという意向が示されたところでございまして、まずは盧武鉉大統領の訪日を実現すべく外務省としては努力していきたいと思っておりますが、御指摘のシャトル外交等については、まずは盧武鉉大統領の訪日の実現が先にあって、その後協議をさせていただく課題かな、こう思っております。

津村委員 多分、私が二つ、事前に御質問を差し上げて、そこをちょっとまぜて質問したのでそういうお答えになったんだと思うんですが、今後の開催見通しについては恐らく今の御答弁だと思います。

 二つ目の質問は、相手のあることですからお約束もできないでしょうし、見通しとしてはそうなるんでしょうけれども、日本政府としてシャトル会談という枠組みをどう考えているのか、今後も再開したいという意思があるのかということを二点目に伺いました。

 なぜそんなことを伺うかといいますと、いろいろな民間レベルの、これは日韓議員連盟も含めて、いろいろな方々が御努力をされているわけですが、トップレベルでは、靖国問題その他、時には波風が立つわけですけれども、しかし、民間ないし議員レベルでずっと根強い交流がこの間も続いてきて、シャトル会談というのは、実は、トップが会うことももちろんなんですけれども、今まで指宿とか、征韓論の発祥の地だった西郷さんの地元鹿児島でわざわざやるとか、そういういろいろな思いというか、いろいろな配慮の末、地方開催等もこれまで行われてきて、また今般も、いろいろな地域から、複数と聞いていますが、誘致活動も行われているし、また、単に誘致するだけじゃなくて、それに裏づけになるような民間レベルの努力がこれまでもあったと思うんですね。

 そういうものに対する評価、誘致活動への評価あるいは交流活動への評価、そしてそれも踏まえた日本政府としての意思を伺っているので、それも事前にお伝えしていると思いますが、少し詳しく、今までのレベル、いろいろなことを勘案するという言葉を以前いただいているんですけれども、踏まえてお願いします。

岩屋副大臣 日韓首脳会談の開催地をどうするかということも含めて今御質問がございましたが、開催地については、先生御指摘のように、これまでも、韓国側と調整しながら、首脳会談が成功するためにはどういう地域でやるのが望ましいかということを総合的に判断して決定されてきたところでございまして、先生が今触れられた鹿児島の指宿、静岡の熱海、実は私の地元の大分県別府市でも行われております。

 現在のところは、北海道、滋賀県、先生のお地元の岡山県等から首脳会談の開催地としての御提案をいただいておりまして、ただ、盧武鉉大統領の訪日日程もまだ具体的には決まっておりませんので、地方の皆さんの御要請も踏まえた上で、最も望ましいと思われるところに決めていきたい、こう思っております。

津村委員 警備の問題もありますし、時間的に短いときに例えば北海道まで行けるのかとかいうことも含めて、いろいろなことをお考えになるんでしょうから、今後のことについて断定的なことを伺おうとは思いません。

 ただ、私が伺いたいのは、一たんシャトル会談というものが残念ながら途絶えたわけですね、それをこれから再開していくのか、それとも、もうその話はなかったことにして、これからはその都度都度でやっていくということなのか、そのどちらなんですかということが一点。

 それからもう一つは、シャトル外交を一つの理想的な形としてこれからも再開していこうという意思があるのであれば、既に過去に、今お触れになった三つの地域も含めて、誘致活動があるわけですが、それは一たんチャラになってしまっているのか、それとも引き続き生きているのか、これからもそれを勘案していくのか、前回勘案していくという表現を使われたので、そこの位置づけが変わっているのかどうかを、しつこいようですが、お聞きしたいと思っています。

木村委員長 時間になりましたので、岩屋外務副大臣、簡潔に願います。

岩屋副大臣 シャトル外交については、できるだけ数多く両首脳が行き来して会談するのが望ましいというのはもう言うまでもないことでございますが、久々に安倍総理の訪韓によってドアが開かれたわけでございますから、まずは盧武鉉大統領がこっちに来ていただくというところから両国間の協議を始めたい、こう思っております。

 岡山県につきましては、引き続き熱心に運動をいただきたい、こう思っております。

津村委員 ありがとうございます。終わります。

木村委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 きょうは、本委員会の理事の皆様を初め、質問をさせていただく機会をいただきまして、どうもありがとうございます。

 今回は集中審議ということでもございまして、官製談合問題、いろいろな委員からも指摘がございますけれども、通常国会が閉会間際に報告書を出してくる、こういう不祥事隠しのテクニックといいますか、非常にたけていると思います。しかも、今回、きょう質問するに当たりまして、いろいろな資料をお願いいたしましたけれども、核心の資料は延ばし延ばしにされて出さないというようなことで、非常に私も抗議をしたいと思います。

 官製談合問題といいますのは、報告書にも一部ございますけれども、天下り先を確保したい、そして天下り先でいい待遇を、高いお給料で楽な仕事、こういうのを求めたいということで、談合を主導することによって天下り先を確保する、自分たちの老後のいい生活を確保する、税金泥棒のお先棒を担いで自分たちはいい思いをしていく、こういうとんでもない天下り互助会というのが日本にあるとすれば、その互助会の会費というのは国民の皆さんの税金で、ピンはねされて、払い過ぎて、談合によって盗まれてその互助会の会費に充てられていると言っても過言じゃないと思います。

 まず、きょう、守屋次官の御出席を申し上げていたんですが、これはだめだということでございまして、これもちょっと理解できないところでございますが、守屋次官の発言でございますけれども、お配りした資料の四ページ以降、これは防衛庁がつくった議事録、三枚ございますけれども、こういうことを発言されておられます。

 つまり、指名業者に入れてほしいとの要望を防衛庁から防衛施設庁に伝えたことがあるということでございますけれども、これも、何件、どういう事業者なのかということも、事前に資料を下さいと申し上げておりましたが、今の時点で出てきておりませんけれども、これはどんな業者をいつ紹介したのでございますか。

北原政府参考人 長妻先生に御答弁申し上げます。

 ただいま先生が御引用になりました、私どもの守屋次官の六月十五日の会見の議事録でございます。その中で、今先生がおっしゃったような趣旨のことを我が方の次官が申しております。

 ただ、今先生の、具体的な企業あるいは紹介云々といった点につきましては、個々の情報のこういった連絡等々はあるわけでございますが、その一つ一つを記録に残しているわけではございませんので、先生の今の御質問につきましてはお答えができません。御理解を賜りたいと思います。

長妻委員 これは、守屋次官は御存じなんですか。守屋次官御本人が事業者を防衛施設庁に紹介したということなんですか。これは、本人に聞いておられるんですか。

北原政府参考人 ここの、六月十五日の守屋次官の記者会見での発言でございますが、これはいわゆる一般論として守屋次官はそのように、そういったことはあるということを御答弁申し上げているところでございまして、具体的にどの会社が云々ということではございません。あくまで、一般論を申したものであります。

長妻委員 いや、一般論にしても、こういうことがあっていいのかということは全容解明する必要があると思うんですね。防衛庁が、ある意味では、防衛施設庁という、防衛庁に附属しているとは言いませんけれども、そういう役所に防衛庁からこれを指名に入れてやってくれ、こういう話があるとすれば、それを圧力に感じて、あるいは、それを受けて施設庁が指名に無理に入れる、こういうことがある可能性も否定できないというふうに私は思うんですが、それは調査もしないということでございますか。

北原政府参考人 繰り返しになりますが、ただいまの次官の発言、これは一般論でございます。

 それから……(長妻委員「わかりました。いいです。時間がないんだよ、時間がどんどんなくなっていく」と呼ぶ)

木村委員長 今発言が続いておりますから。簡潔に答えてください。

北原政府参考人 御指名ですので。

 調査委員会におきまして、三百人を超える人たちから私どももいろいろなインタビューをしてまいりました。ただ、そうした中で、いわゆる一般的な今次官の話がございますが、そうしたお話はございましたが、あくまでもそれは一般的な話であり、また、この調査委員会が解明をしようとしている今回の官製談合といったものとは関係がございません。

長妻委員 ちょっと、今の答弁で、ヒアリングをされた中で、三百人以上されましたけれども、一般論として防衛庁からそういう話があったというふうに言われましたか、ヒアリング。

北原政府参考人 今申しましたのは、一般論として防衛庁からということではございません。要するに、一般論として外の人からそういう一般的な話はあったという証言は一部にございます。しかし、それはあくまでも一般的な、先ほど大臣からも御発言がありましたが、要するに、地元の中小企業に、育成についてとか、そういったことでございまして、個々具体的な企業をどうしろこうしろといったことはございません。

長妻委員 一般論としてそういうのがあるというのは、どういうことなんですかね。一般論といっても、具体的な企業名を言ったということなんですよね、この発言では。具体的に企業の名前を防衛施設庁のどちらかの部署に言ったというのが、複数かどうかわかりませんけれども、あるということを、一般論じゃないんですよ、具体的な企業名を言っている。

 しかも、この六ページ目の議事録の最後に、記者が、その数字は出せますかと、つまり、どれぐらい、何社紹介したのか出せますかと言ったらば、守屋次官の回答としては、「一度調べたことはございますけれども、そういう書類は残されていないということを施設庁の方から報告を受けております。」ということでございますけれども、これはいつ調べたんですか。実際に調べてみたわけでございますか。

北原政府参考人 この次官の指しているのがいつかにつきましては、つまびらかにしておりませんが、私、最初に御答弁申し上げましたように、こういったお話あるいは情報の提供その他ありましても、我々といたしましては、これまでそういったものを記録にとっておりませんので、したがいまして、確たることを御答弁することはできない、そういうことであります。

長妻委員 そうしましたら、具体的に、どの会社をいつ、だれに紹介したのか、これをもう一度調べていただけないでしょうか。

北原政府参考人 繰り返しになりますけれども、私ども、そうした記録はとっておりません。したがいまして、御質問にお答えをすることはできません。

長妻委員 ですから、質問に答えていない。調べてほしいと言っているんです。質問できませんよ。答えていないから、さっきからずっと。調べますか。再度調べますか。

北原政府参考人 繰り返しになりますけれども、私ども、そういった個々の情報の連絡につきましては、その一つ一つを記録に残しているものではございません。したがいまして、企業名その他につきましてはお答えができません。そこは御理解賜りたいと思います。

長妻委員 いや、ですから、では調べたんですか、これは徹底的に。一度は調べたんですかということです。

北原政府参考人 繰り返しになりますけれども、私ども、そういった記録がないのでございます。したがいまして、お答えのしようがないわけでございます。つまり、調べたということは記録がないということでございます。(長妻委員「調べたんですか、一回。調べて記録がなかったということを確認したわけですか」と呼ぶ)調べて、記録がないということでございます。

長妻委員 私が聞いているのは、調べていないというふうに聞いておりますけれども、それでは、いつ調べたんですか、記録がないということがわかったのは。

北原政府参考人 したがいまして、今……(長妻委員「いつ調べたんですか、記録がないということを確認したわけですよね」と呼ぶ)ですから、つまり、我々として、記録がないと……(長妻委員「だから、いつ調べたんですか、記録がないというのは」と呼ぶ)記録がないものですから、我々としてはお答えのしようがないということであります。(長妻委員「いつ調べたのかと聞いているんです。答えてください」と呼ぶ)

木村委員長 席に立ってもう一度おっしゃってください。(長妻委員「いやいや、もう何度も言って、時間がもうなくなるじゃないですか」と呼ぶ)

 長妻昭君。(長妻委員「いつ調べたんですか」と呼ぶ)

 北原防衛施設庁長官。

北原政府参考人 ゆうべ先生から改めて、今回、今御質問になっている御質問をいただきました。そこで先生の方から、守屋次官の今の記録の話もございました。したがいまして、今私がこうやって答弁申しておりますのは、一番直近は、ゆうべの段階で調べた上で御答弁申し上げているわけです。

長妻委員 そうしましたら、防衛施設庁から防衛庁に対して、この業者を指名で入れてくれ、こういう依頼をしたことはありますか。逆ですね。逆のことはありますか。

北原政府参考人 先生、それはどういうシチュエーションでそういうことになるのか、今突然の御質問でございますが、防衛本庁に対して防衛施設庁がそういうことをやったかということにつきましては、私が承知する限り、そういうことはないと思いますが。

長妻委員 ですから、この六ページ目の議事録で、守屋次官はこういうことを言っているわけですね。「防衛庁で関係の仕事をしたいということにつきましては、大変多くの企業がチャンスを求めて防衛庁に接触してくるわけでございますから、それを防衛施設庁に行かなければだめですよということではなくて、私たちが施設庁にそういう要望があったということを伝えるというのは、これは組織間では通常行われております。」こういう御答弁をされておられます。

 という意味では、防衛庁から防衛施設庁に指名に入れてくれと紹介することはあるけれども、逆に施設庁から防衛庁にはないということでありますか。

北原政府参考人 ございません。

長妻委員 ですから、これも守屋次官は、基本的には、これはお互い交換するような話をしているのですが、防衛庁から施設庁に一方的に紹介する、施設庁からはそういう紹介はないということで、これは具体的に、なぜそういうふうになっているのか。

 これはあれですか、実際にこういう、指名業者にしてもらえないかと防衛庁が施設庁に言うということは、これは何ら問題ない、そういう理解でよろしいのですか。

北原政府参考人 先ほど御答弁申し上げました、いわゆる企業等についての情報の連絡等につきましては、それ自体何ら問題はない、そのように考えております。

長妻委員 ちょっと私の認識と違うんですね。先ほどもやじで、いや、政治家もそんなの紹介するよというやじが飛びましたけれども、それは政治家もやっていいのですかね、そういうことは。いいのですか、先生。(発言する者あり)紹介はいいのですか。政治家が紹介するのですか。ちょっとその感覚も、自民党の先生と私は違うわけですけれども……(発言する者あり)いや、指名に入れろということですよ、今議論しているのは。指名に入れろということですよ。普通にやるのですか、政治家が。(発言する者あり)いや、ちょっと私もびっくりいたしましたけれども。

 これはぜひ調査をしていただきたいということは繰り返し申し上げます。その記録が残っていないということでは、これは、実際にどういうような言い方で何社を紹介したのかというのがわからないわけでございますので、ぜひお願いをいたします。

 そして、もう一点は、この調査報告書の四十四ページにございますけれども、OBを受け入れている企業五十社にヒアリングをしたということでございますけれども、その記述の中で、「OB在籍企業五十社からの聴取によれば、約九〇%の企業がOBの経験・知識・技術力を期待してOBを雇用したとのことであり、その際、約六八%の企業が企業側より施設庁に依頼し、OBを雇用した」と。OBが欲しいよということで企業側から依頼した、六八%。

 後の記述がないわけですけれども、一〇〇%引く六八というと三二%ですか、ほかの三二%の方は、どこから紹介した、どういう経緯でOBが天下った、こういうことなのでございますか。

北原政府参考人 御答弁申し上げます。

 先生今御引用になられましたとおり、私どもの報告書によりますと、OB在籍企業の五十社の聴取、その結果、九〇%の企業がOBの経験、知識、技術力を期待してOBを雇用したと。その際、先生がおっしゃったように、約六八%の企業が企業側より施設庁に依頼してOBを雇用した、そのとおりでございます。

 私どもの、今この六八%の残りでございますが、他の三二%の企業のうち二二%は当庁のOBの紹介によるというものでございます。

長妻委員 そうすると、残りの一〇%は防衛施設庁が依頼したということですか。

北原政府参考人 今、私、三二%のうち二二%が当庁のOBの紹介によるものと申し上げました。残りの一〇%でございますけれども、六%は、我々の調査による限り、他の企業の紹介による、それから残りの二%は個人の就職活動によるもの、さらに残りの二%につきましては詳細はわかりません。

長妻委員 これも前からお伺いしていたのは、どういう質問項目なんですかと。質問自体を教えてくださいと言っても、それは出せないということなんですが、なぜその聴取の質問項目が出せないのですか。

北原政府参考人 済みません。ちょっと御質問の趣旨を取り違えていると恐縮でございますが、今私が申し上げましたのは、六八%は企業側からの依頼、残りの三二%のうち二二%は防衛施設庁のOBの紹介によるもの、そして他の企業の紹介によるものが六%、それから個人の就職活動によるものが二%、不明が二%でございます。

 この点について、こういったことが、私ども、五十社に対するインタビューの結果、わかったものでございます。(長妻委員「いやいや、質問項目を公表してくださいと言っている」と呼ぶ)具体的な質問項目ということでございますか。(長妻委員「はい」と呼ぶ)それは今持ち合わせておりません。

 ただ、ここで我々が聞きましたのは、要するに、OB在職企業五十社について、その再就職の依頼はだれからあったのですか、どちらがしたのですかという趣旨の質問をさせていただいたわけでございまして、それに対する回答が、今私が御答弁申し上げている数字になっているわけであります。

木村委員長 時間になりましたので、長妻昭君、簡潔に願います。

長妻委員 はい。終わります。

木村委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時四十一分開議

木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。長妻昭君。

長妻委員 長妻でございます。

 引き続き質疑を申し上げます。

 午前中、お昼過ぎの質疑で私も驚くようなやじがちょっと飛びまして、若干久間長官もうなずいておられたような感じを受けたのでございますが、念のためお伺いしますけれども、例えば久間長官、指名にこの業者を入れてやれよというようなことをかつて言ったことはございますか。

久間国務大臣 この業者ということは言いませんけれども、指名にお願いしたいんですと言ったら、それはもうどうぞ役所の方に言ってきなさい、私の方からも言っておきますから、そういうことを言ったことはございます。

 それと、私たちの認識として、指名は、一定の要するに資格があった人は指名に入るわけで、指名を外せというようなことは一切言っちゃいかぬ、そこだけはけじめをきちっとしております。要するに、指名から外すということは、これはやっちゃいかぬことで、我々の場合、指名に推薦することについては悪いことではない、そういうふうに思っておりますから、来た人はどんどん回すということはあります。

 ただ、最後は指名権者が、それを採用するかしないかはその人の権限でございますから、そこのところのけじめだけはしっかりと、私ももう二十数年間、県会議員のときからもう四十年近くやってきておりますけれども、そのけじめはきちんとしております。

長妻委員 いや、これは私は驚くんですね、今の御発言というのは。

 私もかつては国土交通委員会に所属しておりまして、指名というのは一応数字があって、指名に入る業者、入らない業者というのが数字的にきちっと区分されているという建前はありますが、私もいろいろ質疑させていただきましたけれども、実際はさじかげんの部分もあるんですね。

 そういう意味で、今の御発言というのは、この業者を指名に推薦する、入れてくれと言うのは問題ないという御発言がございまして、今まさにここは官製談合問題を議論する、しかも今ここで一番の責任者といえば久間長官でございまして、その長官の口からそういうような御発言があるとは、つまり、相手のとり方として、やはり政治家が、国会議員が、指名に、どうだ、入れてくれ、こういう推薦をするというのは、受け取る側としてどれほどのプレッシャーを感じるのかということも勘案していただかないと、その御認識をやはり変えていただかないといけないと思うんですが、いかがですか。

久間国務大臣 プレッシャーを感じるということ自体がおかしいと思うんですよ。何点以上の業者で指名するとなっているわけですから、どれを決めてもいいわけですね。ところが、どれかに談合でもう決めておった場合には、それ以外の人が入ってくることになったら、それは困ると思います。

 しかしながら、どれがとるかはわからない状態のときに、どの十社を選ぶかとか十五社を選ぶかというときに、こういう業者が来たからあなたのところにも行きましたよと言ったら、ああ、そうですか、どうぞと言って、そんな話で、これは県庁でもそうですし、おたくの中の、仲間の党の方でも聞いてみられるとわかりますけれども、そういうふうに右から左へ推薦することは、これは現実にあっておりますし、それは私も知っていますよ。一緒の仲間だったこともありますし、そしてそのまま民主党に行かれていますけれども、それはあり得るわけですから。

 しかし、それは悪いことじゃないわけで、知らない業者じゃなくて、例えば九州の業者を、こういうのが入れてもらいたいと言ってきたけれども、おれは中身はわからない、点数がクリアしているかどうかわからぬけれども、そっちに回すから、しかくして、ちゃんとそれがクリアできればよろしく頼むということはあっていますよ。

長妻委員 午前中、我が党の平岡委員の質問で献金の御答弁があったと思いますけれども、そうすると、そういうふうに推薦をした事業者から例えば献金をもらう、こういうこともあるわけでございますか。

久間国務大臣 それは午前中の質問でも答えましたけれども、そういうもののうまくいったからの謝礼というのは一切もらっておりませんが……(長妻委員「いや、献金、献金」と呼ぶ)この間のあれでは、献金は私も十二万円ほど。要するに、もらっている業者が二社ほどありましたということは言いました、月一万円の会費を。それは、正直言って、一万円もらっているからそれでどうこうしたということじゃないわけでありまして、だからそこのところは、要するに、この入札談合で問題になるのは、どこかが入っているのを外せというようなことを圧力かけるとか、あるいは数字を聞き出すとか、そういうことが非常に悪いことであって、たくさん、例えば来た人を片っ端から、十社以上、本来十社指名するのに二十社推薦しても私はそれは構わないと思うんですよ、最後にどう決断するかは指名権者が決めることですから。

長妻委員 その二社でございますけれども、例えばその二社に対して、二社の事業者名を挙げて、こういう会社がいるからちょっと指名に入れてあげてよ、こういうふうに推薦したことはあるんですか、その献金をもらっている二社。

久間国務大臣 それはありません。まあ、たまたまかもしれません。しかし、そういうところは、正直言って、もう最近だったらわざわざ頼みに来ないと思いますね。私たちの場合だったら、どちらかというと、そういうような形での推薦はまず黙っておっても入っていると思いますよ。今度の場合のものは、どっちかというと非常に大きいところでしょう。だから、そういう点についてはそんなあれじゃないと思いますから、そことの関係をまた関係づけていろいろ議論されても困りますけれども、そこはありません。

長妻委員 これは、久間防衛庁長官はかつても長官をたしか務められたと思いますけれども、そうすると、長官、かつて、今も長官ですけれども、閣僚の時代はそういうことは推薦はしない、こういうことでございますか。

久間国務大臣 それはわきまえておるつもりでございます。自分の、私の職務権限に入るときには一切そういうことからはノータッチでございまして、とにかく、李下に冠を正さずじゃございませんけれども、そういうことはしちゃいかぬ、それは自分には言い聞かせておりました。

長妻委員 そういたしますと、例えば長官を務められてやめられた後、長官じゃないとき、そこはそういうことをされておられたわけですか。

久間国務大臣 やはり、やめてからは余りそういうことには携わっておりません。そういう機会は恐らくなかったと思います。だから、やめてからはむしろそういうようなことではなくて、むしろ若いときにといいますか、一年生、二年生、三年生、そのころのときの方がそういうことはあったという記憶がございますが、もう防衛庁長官をやるころになったら、余りそういうことについては携わることはありませんでした。だから、やめてからもやっていないと思います。

長妻委員 北原長官にちょっとお伺いしたいんですが、例えば、先ほどは防衛庁から、こういう業者を指名で入れろ、入れてくれというような依頼というのは全く問題ない、こういう御発言でございましたが、国会議員から、この業者を入れてくれ、こういうふうに例えば防衛施設庁にお願いするということも、長官としては、全く問題ないです、こういうことでございますか。

北原政府参考人 誤解があるといけませんので、こういう業者を入れてくれというのではございません。こういう会社についての情報の提供等あるいは連絡、これにつきましては防衛庁内でもあります。また、国会議員の先生、これも私は、日常の政治活動の一つだ、そういうことで、直ちにそのこと……(長妻委員「政治活動」と呼ぶ)の一つではないかと認識しますが、その話が、具体的にどの業者を入れろとかそういうことじゃなくて、今私がるる申し上げておりますように、企業に関する連絡事項とか情報とか、そういったものについてのお話があるということについては、それ自体をもって問題がありと、国会議員の先生からお話があったとしても、それ自体が問題である、そのようには考えておりません。

長妻委員 その前段の方では、再三、午前中、お昼も議論しましたけれども、守屋次官は、質問は、こういう業者がいるけれども審査してもらえないか、指名業者にしてもらえないかと声をかけることは内局としてあったということなのですねということで、そういうことはあったということを言っておられて、ただ情報を提供しているんじゃない。

 それともう一つ、今、北原長官の御答弁で、私自身はきょうは非常に、大変何度もびっくりしているわけでございますけれども、政治活動の一環と言われましたか、今、御答弁。

北原政府参考人 言葉が……(長妻委員「政治活動というのは何」と呼ぶ)はい。先ほど、政治活動という言葉は使いました。ただ、その言葉が適当でないかもしれません。

 いずれにいたしましても、私が言わんとしたことは、地元を抱える国会議員の皆さん等から、当庁の業務に関しまして紹介ですとか、あるいは一般的な今のようなお話といったものがありますけれども、それは、それ自体をもって問題ありとは考えておりませんし、我が方は、あくまでも法令に基づきまして厳正に事務処理をしているということを申し上げたいと思います。

長妻委員 先ほど、指名にこの業者を入れろ、こういうふうに国会議員から声がかかるのは問題ない、政治活動の一環ですと。それが政治活動というような……(発言する者あり)いや、撤回はしていないですよ、適切ではないかもしれませんというお話を言われているわけで。では、撤回するんですか、それを。(発言する者あり)いや、揚げ足じゃありませんよ。揚げ足じゃありません。いや、これは、政策というか、一番重要なことですよ。

 では、政治活動という言葉は撤回されるんですか。どういうことなんですか。

北原政府参考人 繰り返しになりますが、一点、この業者を入れろといったことを私は申し上げているわけではありません。(長妻委員「何ですか、それは」と呼ぶ)だから、要するに、企業に関する一般的な連絡ですとか……(長妻委員「いやいや、その議論じゃ、政治家がこの業者を入れろと」と呼ぶ)はい。

 それから、政治活動という言葉は一番最初に申し上げました。その言葉が適切でないとすれば、それは撤回させていただきます。私が言わんとしたことは、素人かもしれませんが、政治家の先生たちの活動というのは政治活動だ、そのように認識しておりましたので。

長妻委員 これは、責任者の北原長官がそういう意識でよろしいんですかね。

 それで、先ほどから議論に出ていますけれども、指名というのは点数です、まずその指名に入る、入らないというのは。ただ、その点数もいろいろ判断する部分があるんですね。それが恣意的になっている部分もあるんではないかということを、私も、恣意的にコントロールできる可能性もあるような余地を残している部分もあるということを申し上げているわけで、そういう意味では、北原長官も、そういうものは問題ないんだということを、意識を変えていただかないといけないということを申し上げておきます。

 そして、委員長にお願いをいたしますけれども、守屋次官を、御本人をやはりお呼びして、ちょっと先ほどの話を詳しくやはり聞かなければいけないと思いますので、御協議いただきたいと思います。

木村委員長 その件につきましては、理事会でも話し合いをしておりますので、理事会で協議をさせていただきます。

長妻委員 そして、午前中、途中まで質問いたしましたけれども、OBを受け入れている五十社の企業のヒアリングということで、六八%の企業は、企業から、天下りをください、こういうふうにお願いをした。残りの三二%の企業のうち二二%は、防衛施設庁のOBの紹介による、こういうお話でした。

 政府の公式見解といたしましては、私もかつて質問主意書を出させていただきましたが、日本国政府は、どの省庁も「職員の再就職の受入れを要請した事例として確認されたものはない。」これが政府のこれまで一貫した公式見解でございます。つまり、企業への天下りというのは、政府の側、省庁の側から、この人を入れてね、こういうふうにお願いするというのは全くないんだ、これが公式見解でございます。

 しかし、本当にそうなのかというのを、きちっとやはりうみを出さないと、ずっとほっかむりしたままでいくと私はよくないのではないかというふうに考えるわけでございますけれども、防衛施設庁から働きかけをして、この人を受け入れてくださいと企業にお願いをしたということは全くないということでよろしいんでございますか。

北原政府参考人 午前中のときに、先生の今の御質問に対しまして、私は次のように御答弁させていただきました。(長妻委員「同じのを読まないでいいですよ、時間がないですから」と呼ぶ)はい。その中で、関連してまいりますのが、当庁OBの紹介によるものという言い方はしております。

 現在、私どもといたしまして、今防衛施設庁が云々ということにつきましては、そういったことにつきましては確認ができておりません。

長妻委員 確認ができていない。この当庁OBの紹介によるというのは、これはOBが、現職の退職間近の方を受け入れてくれ、受け入れなさい、こういうふうに働きをかけた、こういう事例もあるわけでございますか。

北原政府参考人 先生御指摘のようなことが、はい、そうですといった状況は、正直申し上げて、申し上げられる状況にはございません。わかりません。正直、私、今の先生の御質問に対しては、そうですということは言える材料を持ち合わせておりません。確認できておりません。

長妻委員 そうしたら、これは公表してくださいよ、五十社に対する聞き取り。別に企業名を全部出せとは言いませんけれども、聞き取りの中身、これの議事録をいただけますか。

北原政府参考人 私どもの調査報告についてごらんいただきますと、今回の官製談合の背景が、要するに、再就職並びにOBのいる企業に対する配慮といいますか、そういったようなことが背景にありました。そうした中において、私ども、この枠組みといいますか、考え方というものにつきまして調査をしてきたところであります。

 したがいまして、私が申し上げたいことは、今申し上げた五十社の六八%の残りの三二%について、それが……(長妻委員「いや、ですから、議事録を出すんですか。ちょっと本当にもうあと十分しかないんですよ。やめてください、議事妨害は」と呼ぶ)今のですね……(長妻委員「いや、ですから出すんですか」と呼ぶ)はい。我々が、個々に調査を、インタビューしました。(長妻委員「では、その議事録は」と呼ぶ)はい。そして、それを取りまとめたのが、今私がるる御答弁申し上げているものでございます。(長妻委員「いやいや、議事録を出してくれますかと。ちょっと答弁。質問できません」と呼ぶ)

木村委員長 長妻昭君。(長妻委員「ちょっととめてくださいよ、これは」と呼ぶ)

 久間防衛庁長官。

久間国務大臣 たびたび言っているのは、議事録を出しますと、これから先こういう調査をするときにみんなが参加して述べてくれないと。今度でも、逃げ回られたら非常に困る中で、とにかく言ってくださいよということで、本人は否定しておっても、下の人たちに当たってそれから中身をしているわけですから。だから、議事録は、どういう人がどういうことを言ったかというのを特定できるような形での議事録は困るということを盛んに言っているわけでございますから、その辺はひとつ勘弁していただきたいと思います。

 それともう一つは、先生御承知かもしれませんけれども、役所というところは、自分から頼んで就職させますと、今度は失敗したときにこっちが責任をとらなきゃいかぬから、絶対、一〇〇%と言っていいほど、自分の方から頼んでいないと思います。

 だから、それを、私は、今までの性格からして、割愛申請という形で大抵は出させていますから、それはないと思いますから、こちらから頼むことはまずあり得ないんじゃないかなと思っております。

長妻委員 私は、本当は長官はよく御存じだと思うんですね、割愛申請というのを。今、図らずも、向こうから出させるという御答弁がありましたけれども、形は出させるんですよ、このOB受け入れろと。ただし、形は頼まれる形にするんですよ。(久間国務大臣「そうです」と呼ぶ)そうですって。(発言する者あり)今やらない。いや、これちょっと、どういう、相当ずさんな……。

 この七ページを見ていただきますと、これも私、びっくりした資料でございますけれども、防衛施設庁のOB、つまり天下り、天下っている企業で、かつ過去二年間に防衛施設庁と契約実績がある企業ですね。百三十一社三百二十人が今天下りをしておられるということで、これほどの会社が、過去二年以内、防衛施設庁と契約があるということでございますけれども、これは防衛施設庁があっせん、仲介をして天下らせたのでございますか。

北原政府参考人 これは、先ほど来るる申し上げておりますけれども、防衛施設庁出身の者がここに就職しているというものでありまして、ここの百三十社について、今ここで、それぞれについて、それがどうだったかということについては御答弁ができません。

 いずれにいたしましても、今回の資料につきましては、私ども、自衛隊法の六十二条に基づきます離職後二年以内の営利企業への再就職に係る国会報告、あるいは再就職状況の公表に係る各省庁の……(長妻委員「いいです、時間がないですから」と呼ぶ)そういったものを含めまして出したものであります。

長妻委員 いや、長官は本当に報告書をきちっと読まれているんですか。報告書自体に、防衛施設庁の建設部建設企画課が関与を行った再就職というところにこれが入っているんじゃないんですか。

北原政府参考人 先生御指摘の報告書にありますのは、私ども、百四十四社におけるOB在職状況ということで、先生から昨夜言われまして、そして私ども、出し得る限りのものを御提示したというものでございまして、この百三十三社はそれとは関係ございません。(長妻委員「では、この中にダブっていないんですね、百四十四」と呼ぶ)

 この資料につきましては、過去二年以内に就職したというものでございますので、他方におきまして……(長妻委員「いやいや、過去二年以内じゃないですよ」と呼ぶ)

木村委員長 長妻委員に申し上げますが、挙手の上御質問してから、答えるように。(長妻委員「いや、全然認識が違うからですよ」と呼ぶ)

北原政府参考人 いや、先生……

木村委員長 いや、北原長官、ちょっとお待ちください。

 長妻昭君、お聞きしたいこと、お立ちの上発言してください。(長妻委員「議事妨害ですよ」と呼ぶ)長妻委員、どうぞ。(長妻委員「全然違う、とんちんかんじゃないですか。では、今の答弁、訂正してください」と呼ぶ)

 施設庁長官、きちっと答えてください。その前に、長妻昭君、もう一度、お聞きしたい点をお尋ねください。(長妻委員「いや、今訂正答弁してください」と呼ぶ)いや、私がお願いしているわけですから。(長妻委員「いやいや、訂正答弁をする準備を今しているんですから」と呼ぶ)私がお願いしているわけです。

長妻委員 では、訂正答弁してください。

北原政府参考人 結論的にはダブっております。そして、百四十四社、報告書に書いてありますのは、今般の事案の事実関係の究明に関します私どもの調査におきまして、離職者の再就職状況につきまして自衛隊法等に基づく再就職状況の把握を行ったところでございまして、さらに当庁の退職者への任意の聞き取り、その結果に基づいてまとめたものでございます。

長妻委員 そうしますと、ダブっているということでございまして、ただ、百四十四社二百四人に関しては防衛施設庁建設部建設企画課が関与を行った再就職ということでございまして、もう施設庁が関与を行う、仮に施設庁がなくなっても、防衛庁になったとしても、もうお役所が再就職の関与はしない、こういう御決断というのは施設庁長官としてなされてはおられないんですか。

北原政府参考人 まず、この百四十四社は、私どもの調査報告にあるこのリストであります。

 それから、これから将来の問題として、施設庁職員あるいは防衛庁の職員が退職するに当たりましては、これまでもそうでございましたが、適切な就職の情報提供はこれからもしていく必要がある、まいりたいと思っております。

長妻委員 いや、適切な情報提供というのは、もう役所が一切絡まない方がいいんじゃないですか、防衛施設庁は特に、天下りに対して。適切な情報提供というのは、だれが、だれに、どんな情報を提供するということですか、これからも。

北原政府参考人 防衛施設庁職員のみならず、政府の公務員につきましても定年がございます。あるいは……(長妻委員「施設庁のことだけを言っています」と呼ぶ)はい。それで、また新しい、再就職といいますか、公務員をやめた後につきまして、公務員の皆さんには、まず憲法上の保障がございます。

 したがいまして、情報提供につきましては……(長妻委員「具体的にどういう情報ですか」と呼ぶ)それをこの場で一々、具体的にはもちろん言えません。ただ、一般論として言えば、何年まで、何歳までとか、あるいは地元の企業はこういう方を求めているとか、そういう話は当然のことながらあるわけであります。勤務地がどこだとか、そういう一般的な、また、個々、防衛施設庁を卒業する方に対して期待している企業側のお考え、要望等について情報を提供する、そういった事柄が含まれます。

長妻委員 では、少なくとも防衛施設庁に関しては、これからそういう情報提供をしない。つまり、この調査報告書に書いてあるような天下りの関与を行う再就職というのは防衛施設庁についてはもう金輪際しないと。御答弁。

北原政府参考人 今回の官製談合事件は、まさに再就職と企業の割り振りが結びついたものでございます。それは断じてあってはならないわけであります。

 他方において、防衛施設庁の職員も国家公務員であります。これが退職して職業を選ぶときに職業選択の権利はあるわけでございますので……(長妻委員「ありますよ」と呼ぶ)はい、あります。ですから、防衛施設庁は、これまでもそうでございますが、適切に情報の提供は今後もしてまいります。

長妻委員 まだこれからも天下りにかかわっていく、あっせん、仲介をされていく、あるいは情報提供をする、再就職の関与をするという開き直りのような御答弁でありますが、民間企業の方は、退職したときに、再就職するときにどうされますか。全部企業が丸抱えで再就職先はめ込んでくれますか。ハローワークで探しますよ、ほとんどの民間の方は。あるいは、いろいろ就職情報誌等で探しますよ。(発言する者あり)今、自民党の方からやじが飛びましたけれども、民間の方はほとんどは、はめ込んでくれるわけですか、子会社とかそういうところに、定年退職して。そういう認識なんですか。それは私と認識が異なりますけれども。

 いずれにしても、北原長官、もう一切天下りには、情報提供も含めて再就職の関与というのは役所としてしない、それが正規業務の一環として昼間当然行われているわけでございますけれども、もうそういうことは少なくとも防衛施設庁に関してはしない、こういうことが何で明言できないのでございますか、これだけの不祥事が起こって。ぐるみの天下りが今回問題になっているわけですよ。

北原政府参考人 申すまでもなく、今回のような大変な事態を私どもの施設庁が生起してしまいました。これは謝罪して許されるものではございません。

 したがいまして、私どもといたしましては、今回の調査報告、そしてそれに基づきます再発防止の抜本対策、これを着実に実施していきたい、そのように考えているところであります。

長妻委員 この期に及んでもまだぐるみの天下りをするという、もう開き直りだと私は認識しました。

 最後に一問でございますけれども、この十一ページに額賀長官の会見の概要の議事録がございますが、例の割り振り表を破棄した件でございますけれども、額賀長官は、北原長官からアメリカで口頭で報告を受けていた後にもかかわらず、「そのことについては新聞で見ましたけれども、私自身は報告を受けていません。」こういう答弁をされておられるということで、これはぜひ額賀元長官を参考人として当委員会にお呼びしてお伺いしたいと思いますので、お取り計らいをいただきたいと思います。

木村委員長 その件につきましては、理事会において一定の合意を得ておりますので。理事会で後ほどまた確認させていただきますので。

長妻委員 以上、質問を終わりますけれども、ぐるみの天下りはもうやめてください。

 以上です。

木村委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、施設庁談合事件を受けた対策のうち、組織改編、この問題についてまず冒頭聞いていきます。

 検討会の報告書では、防衛施設庁を解体し、防衛庁本庁に統合するとの方針を示しております。その際の柱の一つに、「防衛政策と施設行政が密接に連携した体制の確保」ということが据えられているわけです。具体的には、現在の防衛施設局を地方防衛局として、これまでの施設行政だけでなく、防衛政策などを地方自治体に周知する業務を一元化する、こうなっているわけですけれども、なぜこのような改編が必要なんですか。

久間国務大臣 御承知のとおり、施設庁というのは、昔、調達庁としてスタートをいたしました。それでやはり実施官庁というイメージが強いわけでございますけれども、今、地域におきましては、地域のいろいろな政策との絡みが防衛政策上も出てまいっております。

 したがいまして、地域の出先機関につきまして、そういう防衛政策を行う部門といわゆる工事を実施する部門と、この辺をやはりきちんと分けながら、しかしながら、地方において、またある意味では一つの出先機関としては統一していった方がいい、そういう模索の中から、今言われるように、地方局を設置すると同時に、防衛施設庁の建設部門といいますか、要するに施設をやるトンカチ部門と企画部門と分けていこう、そういうようなことで整理をしたわけであります。

赤嶺委員 実施官庁としての役割、防衛政策を推進する役割、両方ともに持っていくということなんですが、こういうことというのは談合の再発防止とは無関係だと思うんですよね。今回、組織の改編というのは談合の再発防止ということなはずですけれども、全く無関係な話が出てきている。なぜ談合の再発防止策といいながらこういう方向が出てくるんですか。

久間国務大臣 談合の問題としては、今度は、それをなくすためには、契約をする部門と積算をする部門と、これを分けることによってそういうことのできないようにしようということですから、それはまた別なあれであります。

 施設庁という組織をなくしてしまって、廃止してしまいまして、それをいわゆる本庁においてどういうふうに整理するか。そのときに、出先におけるそういう実施する部門、これは必要でありますし、また施設庁の中でも、先生も御承知のとおり、駐留軍の業務を行う部門、これもやはり残るわけでありますから、そういう部門をどこでやるかというふうなこととか、そういうことを考えながらこれから先の整備を、再編をしていこうということでございます。

 やはり、今言ったように、契約部門と積算部門、これを分けることによって談合の問題はまずクリアできる、そういうふうに思ってもらっていいんじゃないかと思います。

赤嶺委員 積算部門と契約部門を分ける、これが談合の再発防止策だと。加えて、実施官庁としての役割、そして政治的、政策的な問題を進める役割、言ってみれば、施設庁解体ということは、今、生まれ変わった施設庁を見ると、かなり強化された新たな組織として再編されようとしている、そういう感じを私は持つわけです。

 例えば、在日米軍に係る諸施策、これの企画立案機能は内部部局で処理するということになっています。この組織についてはさらに検討を深めるということになっておりますけれども、その検討というのは今どうなっていますか。

西川政府参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘の米軍の関係の方につきましては、これはある意味では非常に特殊性のある一つの固まりということでございますので、その企画部門については、本庁の方の地方企画局の中に渉外部という形で置かせていただいて、そこで一つの固まりとしての処理をさせていただくという格好で考えております。

 それを具体的にどういうふうに進めるか、もう少し、予算要求等をやっておりますので、これは、先生、今回の省移行法案の附則の中にも書いておりますが、今回の防衛施設庁を廃止し、そして新たな機能、これは機能を捨てるわけにいきませんので、機能は引き続き行っていきます。この機能をどういう形で統合していくかという問題が残っておりますが、その際にも、やはり効率性とかそういうふうなものをよく検討せよということが、我々、いろいろなところからそういう、現在の情勢も踏まえましてできるだけ効率の高いものにしていこうということで検討もしておりますので、今、我々が出した一つの案を政府の案でという格好で、総務省等でいろいろ検討していただいておりますが、そのでき上がりの過程で、また体制的にどういうものでやっていけるかということでお示しできるんじゃないかと思っております。

赤嶺委員 結局、防衛施設庁を解体するけれども、地方自治体には防衛政策を押しつけていく、そういう機能を強化する、対米交渉ではそういう日米同盟の負う役割を実行できる、そういう強化をしていく、いわば強化した行政機構づくり。談合の再発防止に名をかりて、実は防衛施設庁を政治的に強化していく。もう焼け太りですよ、こうなったら。そういう思いを持っております。

 強化したらどうなるかということについて、私は、やはり沖縄の基地が集中している地域にいますので、こういうお役所が強化されたらどうなるのかという危惧を具体的な問題としてきょうは聞いていきたいと思うのです。

 米軍再編の進め方にかかわってくるわけですが、沖縄にパトリオットミサイル、PAC3が配備をされました。この問題について、地元に対して防衛庁はどういう説明を行ってきたのですか。

北原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今赤嶺先生の御質問でございますが、今回のPAC3の嘉手納飛行場などへの配備につきましては、本年の七月十九日に、アメリカ政府より日本政府に対しまして通報がございました。そして、これを受けまして、翌二十日、私、また外務省の人も一緒ですが、沖縄へ参りました。そして、知事さんを初め関係自治体の首長さんにお会いをいたしまして、このPAC3の嘉手納飛行場等への配備の意義ですとか、あるいは配備した場合のいろいろな御懸念もありますから、そういった点については御心配ないとか、いろいろなお話を我々させていただきました。そして、配備の規模、あるいは配備の大まかなスケジュールだとか、そういったお話もさせていただいたところでございます。

 そして、そのときに、知事さん初め首長さんからは、今回のロードマップがございますが、嘉手納飛行場の負担軽減といったその一つ、例えば訓練移転があるわけでございますが、そういったものがまだ具体化していない、そういった中でこのPAC3が配備されるのは遺憾である、あるいは反対であるといった御指摘をいただいたところでございます。

 また、私どもといたしましては、今回のこのPAC3の配備の必要性、これは申すまでもなく、弾道ミサイルの脅威から我が国、特に、この嘉手納飛行場等へ配備するPAC3は沖縄を防護するための純粋な防御的なシステムである、そして、このシステムの配備によって、沖縄に駐留する米軍が有する抑止力もより確実に維持されることになる、沖縄を初めとする我が国の安全に資することになるということで、可能な限り早い時期に運用可能になることが私どもとしては重要と考えておりますので、ぜひとも地元の方々にも御理解をいただきたい、そのように考えているわけでありまして、先月行われましたこのPAC3の機体搬送の日程等につきましても、米側に確認の上、関係の自治体の方の情報提供に努めてきたところであります。

赤嶺委員 結局、北原長官が七月二十日に沖縄で行ったのは、理解を求める説明ではなくて、配備しますよという一方的な通告ですよ、これは。そうでしょう。あなた方の言い分を一方的に述べただけですよ。

 そもそも米軍再編というのは、去年の十月、中間報告が出ました。そして、そこでもパトリオットミサイルの配備等、いろいろ米軍基地再編について、非常にたくさんの勧告が行われました。その勧告が行われて、最終報告までには地元の理解を得て実施するといって、五月にロードマップが出ました。そのロードマップにも嘉手納への配備というのは、嘉手納のカの字もないわけですよ。ないのに、あなた方は七月二十日に一度行ったきりで、通告をして、そして配備をする、こういうやり方が地元自治体の理解を得るということなんでしょうか。通告して終わり、配備する、これが理解を得るというやり方ですか。通告と理解とは違うんじゃないですか、いかがですか。

    〔委員長退席、寺田(稔)委員長代理着席〕

北原政府参考人 私ども、五月一日の2プラス2で承認されましたロードマップ、これを具体的に実施していく上で、関係する自治体の皆さんの御理解をいただくことが大事である、そのように考えております。

 それから、私、先ほど一つ落としてしまいましたが、私が沖縄にお伺いしたときには、今の嘉手納の負担軽減の、本土の六つの自衛隊の基地への移転訓練について、これは本土では二十二の自治体が関係してまいります。私が七月にお伺いした段階では、まだまだ十分御理解をいただいている状況ではございませんでした。しかし、今日までの間に、本土の関係の自治体の皆さんも沖縄の負担軽減といったことに御理解をいただきまして、きょう現在では、二十二ある自治体のうち二十まで御理解をいただいております。私どもは、そうした点も、一歩一歩でございますけれども、沖縄の県民の皆さんにとりまして、目に見える形での負担軽減に努めていきたい。

 そして、このパトリオットにつきましては、今申し上げました、本当にこれは防御的なものであり、それから、地元の御質問でも、音が出るんじゃないかとか、あるいは電波が心配だとか、いろいろありました。私は、可能な限り、予想し得る限りの疑問にあらかじめ答えるという形をとってまいりました。さらに、つい最近では、沖縄市長さんからの公開質問状もいただきました。

 私どもは、いろいろな形で、誠心誠意、丁寧に丁寧に御説明をしながら御理解を得ていきたい、そのように考えております。

赤嶺委員 長官、たくさんのことを述べられましたけれども、今ここで述べた内容というのは、七月二十日に沖縄に行って、とにもかくにもミサイルを配備しますという通告のときに話された内容なんですよ。それで理解が得られましたか。長官の話を理解しました、そういう自治体が一つでもいいからありましたか。あったなら、沖縄、地元で、あった自治体の名前を挙げてください。

北原政府参考人 一番最初に御答弁申し上げました。嘉手納基地の負担軽減がない中でこのPAC3が配備されることは遺憾である、反対であるという関係自治体の首長さんから御意見をいただいたところであります。

 したがいまして、その点につきましては、私がるる申し上げました、このパトリオットの必要性、持つ意義等について御説明をさせていただいたところでございます。

赤嶺委員 結局、理解が得られていないということなんですよ。一カ所も理解を得ることができなかった。でも、あなた方が自分たちの言い分だけ通して配備した。

 米側から得た情報を関係自治体に提供したと言っておりますが、先ほど、長官、あなたは沖縄市からの質問にも答えたと言っておりますけれども、その沖縄市は、きょう記者会見をしております。

 全体について述べることはやめますけれども、例えば、PAC3の配備については、日本政府は地元自治体への説明などは七月二十日の防衛施設庁長官の説明で十分だとの認識か、また地元の理解はそれで得られているという判断かと、沖縄市があなた方に質問をしました。あなた方の回答は、PAC3の機材搬送の日程などについても、米側に確認の上、関係地方公共団体への情報提供に努めてきたと、先ほど長官が答弁したとおりであります。それに対して沖縄市としては、そのような情報の提供及び説明は受けていない、こう記者会見できょう述べているんですよ。文書になっているんですよ。

 あなたは何の情報提供もしなかったんじゃないですか、七月二十日以降。七月二十日以降、米側からどんな情報を得て、どこにどんな情報を提供したのですか、ちゃんと説明してください。

北原政府参考人 私が先ほど申し上げました情報提供、これは、具体的な搬入についての日程等についての情報提供であります。

赤嶺委員 いつ、どんな形で、どこの自治体に提供しましたか。

北原政府参考人 九月の二十九日に、PAC3機材積載の運搬船が三十日那覇港湾施設へ入港する予定につきまして、私どもの那覇局長が那覇市長へ情報提供をしているものであります。

 それから、今御質問ですのでお答えさせていただきますが、十月の一日に、機材の搬送日等につきまして、那覇局から沖縄県へ情報提供をさせていただいております。翌二日、機材の搬送日等について、那覇局から嘉手納町、北谷町、それから沖縄市及びうるま市へ情報提供をさせていただいております。三日には、機材の搬送日等につきまして、那覇局から恩納村それから読谷村へ情報提供をさせていただきました。

 それからまた、五日から六日にかけては、PAC3機材、これはミサイル等でございますが、積載の運搬船の天願桟橋への入港日につきまして、那覇局からうるま市、沖縄県、嘉手納町、北谷町、沖縄市、恩納村、読谷村それから那覇市へ情報提供をさせていただいております。

 それから、十一日でございますけれども、運搬船、これは二隻目が出港し那覇港湾施設へ回航することにつきまして、また、今後の搬送計画については警備上の問題もあって具体的な内容についてはお答えできないといった内容のお話につきましても、私どもの那覇局から沖縄県、嘉手納町、北谷町、沖縄市、恩納村、読谷村、那覇市へ情報提供をさせていただいているところでございます。

赤嶺委員 今の話は、つまり米側がパトリオットミサイルを船に積んで沖縄にやってきた、その事後の情報を提供しているようなものですよ。既に、あなた方が自治体に提供するときには私は那覇軍港の前におりましたが、もう那覇軍港の埠頭一面に軍の装備品ですよ。そういう事後の情報でやっておきながら、何か事前に情報提供したかのような、そして、本当に理解も得られていないことがはっきりしているのにパトリオットミサイルを押しつけた。これが、あなた方が防衛施設庁を解体して防衛庁になって政策部門を実施するということになれば、地方との調整はますます頭越しになっていくんではないかということを感じるわけです。こういうやり方は改めるべきだと思うんです。

 それで、久間長官に伺いますけれども、久間長官は十月二十六日の参議院の外交防衛委員会で、幸いなことに沖縄には米軍がPAC3を置いてくれた、我が国の予算の中で追いつかない点を先にやってくれたわけだから、むしろ沖縄の人は喜んでもらいたいと私は思っている、こう述べておられるわけですね。

 この発言に対して関係自治体の首長、皆さんが理解をもらうべきはずの首長から、感謝する人はいない、県民感情無視だ、こう言っているわけですよ。反発の声ですよ。理解を求めに行ったはずのものが、結果的には反発するようなことを防衛庁が長官を先頭にやっていらっしゃる。

 私は、この久間長官の発言、これは今でも長官は正しいという認識なのかどうか、これを伺いたいんですが、いかがですか。

久間国務大臣 ペトリオットPAC3というのは純粋に防御的な装置なわけですね。そして、それがあることによって、敵を攻撃するのではなくて、ミサイルを撃ち込まれたときにそのミサイルを防御できるわけでありますから、そういう意味では、今、こういう状態のときに、やはり我が国にいち早くそういうのを全体に装備しなければならない、そういう時期に来ていると私は思うんですよ。

 だから、そういう点では、米軍がいち早く置いたということは、私はその点は非常によかった、そういうふうに思っておりますし、そのほかにも、できれば日本ももう少し沖縄に、今度は米軍が置いていないようなところにでも置きたいと思うけれども、日本も予算の制約があって、第一号は入間の基地の方に置こうとしておりますし、あるいはまた、そのほか千葉とかいろいろなところに配備していくつもりでおります。

 そういう点では、もし万一ミサイルが撃ち込まれたときにそれによって防がれたならば、ああ、あのときにやってよかったとみんな思ってくれる、私はそう思いますので、そういう配備はやはりすべきじゃないでしょうか。

 それを、することがけしからぬというのは、私はちょっといかがかと思うわけでありまして、むしろそれは、ある閣僚が、沖縄が嫌ならうちの県に置いてもらえばいいのにという冗談まで言われるぐらい、本音で言われましたよ、私に。だから、それぐらい、やはりこれから先、本当に危険が出てきたならば、うちにももっと置いてくれ置いてくれということが出てくるんじゃないか。

 そうすると、米軍については、場合によっては、三沢にも置いてくれ、こっちにも置いてくれと、日本が手の回らないところはそっちでやってもらいたい、そういう声があちらこちらから上がってくるかもしれないわけでありまして、そういう意味では、私は決して間違ったことは言っていないと今でも思っております。

赤嶺委員 長官の発言は、米軍基地におびえている県民の感情を本当に愚弄するものだと思いますよ。

 防御的なものだといって、そのパトリオットミサイルが何で沖縄に置かれたんですか。結局、米軍基地が集中している、その基地を防衛するためのものでしょう。違いますか。防御的なものというのは、基地を守るためのものですよ。沖縄本島の二〇%は米軍基地ですよ。

 米軍基地が目の前にあって、事件、事故が繰り返され、そして防衛施設庁から十分な説明もほとんどないまま、車列を組んでパトリオットミサイルが公道を展開していく。こんなものを見せられて、それでも喜べとおっしゃるんですか。

久間国務大臣 車列を組んで粛々と入っていくから、それを見てどう思うかというのは、何かそれに対して非常におどろおどろ感じる人もおられるかもしれませんけれども、これによってある種の安全性もまたそこで確保されるわけでありますから、そしてまた嘉手納にありますものは移動も可能でありますから、それで、沖縄の方がどうしても手薄になる場合にはそれが一つの防御になるわけで、抑止力の一つの高まりにもつながってくるんじゃないかと思うわけで、視点を変えて見ていただきたいと思うわけであります。

 私は、決して、我が国がとにかく打って出るような、そういう国になろうとは思いませんけれども、防衛庁長官として一番悩ましいのは、これは中国に行ったときも私は言いましたけれども、ミサイルで攻撃されたときに何も守るすべがないという、これほどぶざまなことはないんですよということを私は八年前に言ったことがあります。せめて、ミサイルが降ってきたときでも、それを反撃するようなものについては日本としてもやはり考えなきゃならない、そういうことを言ったわけでありまして、私は、そういう意味では、そういうような防御的なものがそこに設置されるということは、やはりじいっと考えたら理解ができるんではないかと思うわけであります。

赤嶺委員 長官は、車列を組んで移動するのをおどろおどろしいと、何か私が大げさな表現をしたかのように、そして、それは粛々とやったことなんだと。長官はごらんになっていないんですよ。私は、その車列を組んで嘉手納基地まで移動する、那覇の軍港から移動する、天願から移動する、全部調査をしてきているんですよ。住民がどんなふうな感情を持っているか。

 あなた方は、そういうものを見て沖縄の人がどんな感情になるのかということさえ感じる力がないんですか。そういうのをおどろおどろしいとしか言えないんですか。こういうものを見せられたときの不安、これは不安ではないんですか。いかがですか、この点。

久間国務大臣 何でそれが不安なのか、私はそこがわからないわけでありまして、それは攻撃的な武器じゃないわけでありますから。だから、沖縄に、そういう意味で、防御専用のペトリオットPAC3を置くわけですので、そこのところはもう少し冷静に見ていただきたいと思うわけであります。

赤嶺委員 長官、沖縄の総領事ケビン・メアさんがパトリオットミサイルについて、防御用だという意味について語っているんですよ。嘉手納基地の防衛のためか、沖縄の防衛のためかと問われれば、両方だと答える。我々の役割は日本の防衛と極東の平和と安全に貢献すること、一方、日本の役割は施設を提供すること。我々の任務を果たすためには基地が必要で、その基地を守る必要がある。

 我々の任務を果たすのには基地が必要で、提供された基地を守る必要があると、結局、基地を守るということじゃないですか、防御用というのは。両方を言っていないですよ。提供された施設を守ることがひいては沖縄の人たちを守ることになる、こういうことを言っているんですよ。だから、沖縄に基地が集中しているから、パトリオットミサイルを配備したんでしょう。違いますか。

久間国務大臣 とにかく日米安保条約が必要ない、そういう論拠に立って議論をしていけば、そういう議論にもなってくるでしょう。

 しかし、日米安保条約によって日本は、日本の独自ではやれない、盾の部分は持っているけれども矛の部分は持っていないということもあって、それも総合的に全部あれして、日米同盟ということによって日本の平和と安全を守っているという状況に立つならば、米軍基地がやはり提供をされて、そしてそこに米軍がおるということ自身が抑止力になっているわけでございますから、そういう最初の出発点からして、日米安保条約は要らない、アメリカ軍は帰れ、それが前提の議論ではちょっとかみ合わないかもしれませんね。

    〔寺田(稔)委員長代理退席、委員長着席〕

赤嶺委員 長官、パトリオットミサイルの配備に理解を示していない首長は、日米安保条約に反対しているからミサイルに理解を示していないんですか、長官の喜べという言葉を素直に受け取れないんですか。いかがですか。嘉手納町長やその他の首長は、日米安保条約は反対だからパトリオットミサイル配備に反対だと言っているんですか。今の事実認識は、長官、全然違いますよ。

久間国務大臣 日米安保条約が必要である、またそういう意味では米軍の基地の提供も必要である、されど沖縄へ過度に集中している、それについてはどうにかしてくれ、こういうような方は結構おられると思うんですね。そういう方には、このパトリオットPAC3がどういうものかを説明すれば私はわかってもらえると思いますけれども、今言った三点について、はなから話を聞かれない方について理解しろと言っても、それは無理かもしれません。

 だから、要は、私が言った、日米安保条約を認めて基地の提供を認めて、そこまでをまず理解した上で、それから先、沖縄の痛みをどうやって減らすか、そこまで来られる方には突っ込んで話をすれば、今度の場合はそういうことで基地の拡大でもないですよ、むしろ防御的なものですよということについての理解はしてもらえる、私はそう思っております。ただ、その前提が狂っておれば違いますよ。

赤嶺委員 ですから、長官は、私が質問しているから、はなから安保条約反対の立場で質問しているだろうから、そういう答弁をしてやれと思ったかもしれませんが、ミサイル配備に反対している首長も、安保条約の賛否は問うていないんですよ。安保条約に賛成の人も安保条約に反対の人も、みんなミサイル配備には反対なんです。そこの問題を理解できないから深刻になっているんです。

 例えば、今度ミサイル配備で兵員が六百人、それから家族が九百人増員されます。これは兵員の増員です。あなた方は八千人の削減と言いながら、それはいつになるやらわからないけれども、それからF15の訓練移転と言うけれども、それはどのぐらい減るかわからないけれども、わからないんですよ、政府は説明していないんですよ、しかし、確実に兵隊は増員した、その家族は増員した。

 兵隊がふえ家族がふえることについて、県民はどんな感情を抱くと思いますか。

久間国務大臣 アメリカは、どんどんどんどん必要以上に日本に隊員をふやしたいと思っているわけじゃないんですよ。アメリカだって、世界各国の兵員を減らしたい。そういうような非常に手薄になってきている、そういう実情の中から米軍再編の問題というのは起きてきているわけであります。

 だから、逆に、今朝鮮がミサイルの実験をやった、核実験をやった、そういう中で、パトリオットをせめて沖縄に配備しておかなければいかぬ、そういう判断をしたときに、そこに必要な人員もそれに合わせて増員しているわけですから、そういうようなことを悪意にとってしまうというのはいかがなものかと思うわけでありまして、やはり我々としては素直に、これは、日本の防衛の中で手薄である沖縄については、せめて嘉手納を、自分の基地があるわけだから、そこについてはアメリカが責任を持って防御しましょうということでまずやってくれたということは、私は歓迎すべきことじゃないかなと思うわけであります。

 その次に、向こうはもう少し、例えばイージス艦シャイローを横須賀に置いている、さらにもう少しやってくれないかと。日本としても、できるだけ前倒ししてでも早く完備して、アメリカに全部頼らなくても日本も十分やれるような態勢に早く持っていきたいと思っておりますが、時間がかかりますから、なかなかそういうわけにもいかないので、せめてやれることだけでもやってもらったということは非常にありがたいと思っているわけであります。

赤嶺委員 アメリカの言い分は大変熱心に説明なさいますけれども、兵隊がふえることについての県民の感情について一顧だにされませんでした。やはり兵員がふえれば、それだけ県民との間の摩擦もふえていくんです。事件、事故も拡大するんです。

 だから、そういうものについて、もろもろのことを含めて、今北朝鮮がと言いますけれども、沖縄は、国際状況が変化したら沖縄の基地の強化を受け入れろということになったら、永久に基地ですよ。だって、沖縄ほど基地に適したところはないということを長官はおっしゃっているわけでしょう。永久に基地ですよ。

 一番県民が不安に思うのは、そういう防御用のミサイルを嘉手納基地に配備しなければいけないほど緊張が高まっているのか。緊張が高まっている、しかし、防御を強めたら本当に県民の命を守ってくれるか。戦争になったら、だれも県民の命なんか振り向かなかった。戦争になったら、軍事衝突が起きたら、犠牲になるのは県民だ。沖縄戦、地上戦を体験した県民はそういうことを念じているわけですよ。平和ですよ、平和。

 だから、安保に反対の人だけが平和を言っているんじゃないんですよ。安保賛成の人でも平和を言っている。だから、皆さんの言うことは、喜べと言われても喜べない、理解せよと言われても理解できない、そういうところにあなた方は頭越しに押しつけた。こういうことを、米軍再編、今後もやっていくといったら、これは本当に重大問題だと思うんですよ。

 まだあるんです、これに類したことが。ミサイルもそうでしたけれども、今度はV字形滑走路の問題です。

 V字形滑走路について、これまで政府は、住宅の上は飛ばないということを担保するためだといって、離陸用と着陸用の二本の滑走路をV字形に設置するとしてきました。ところが、きのう、きょうの報道によりますと、代替施設の建設計画で、マスタープランで、滑走路の両端の計四カ所に進入灯を設置するよう米側が求めている、こういう報道であります。そうなれば、どこからでも着陸できるわけですよね。どこからでも着陸できる。

 これは、これまでの説明が、離陸用ですよ、着陸用ですよとやってきた説明が根底から覆されることになると思うんですが、そういう事実があるんですか。

久間国務大臣 我々がアメリカと合意しているのはV字形でやるということでございますから、住宅の上は飛ばない、それは変わっておりません。

 ただ、進入灯をどういうふうにつけたらいいかどうか、この辺については、これから先、まだ具体的な話し合いは今から詰めていくわけでありまして、そういう飛ばないところでも進入灯が要るのかどうかとか、そういうのは我々もよく研究してみなきゃなりませんけれども、少なくとも、V字形でやるというのは、約束どおり、そこの上は飛ばないということを決めているわけでありますから、その辺はやはり政府の決めたことについて信用していただきたいと思うわけであります。

赤嶺委員 さっきのミサイルの議論をやってみてもわかるじゃないですか、政府の言うことなんか信用できないと県民が思うようなことですね。このV字形も同じですよ。何で、離陸用のみのところに、着陸用のみのところの進入灯以外に四カ所すべての、どこからでも進入できるような進入灯の設置をアメリカが求めてくるんですか。アメリカは、もしかしたら離陸用、着陸用という理解がないのと違いますか。皆さん、説明してありますか。

北原政府参考人 V字形につきましては、今大臣が御答弁申し上げましたけれども、さかのぼりまして、御承知のように、一番最初は昨年の十月二十九日のいわゆるL字案でございました。その後、地元の名護市また宜野座村といろいろお話をしてまいりました。そのポイントは上空を飛ばないことであるということでありまして、四月の七日に、名護市長並びに宜野座村長と私どもの前額賀大臣との間で基本合意書ができたわけでございます。

 したがいまして、今御指摘の点については、大臣が御答弁いたしましたけれども、これからいろいろその協議をしていくものでありまして、いずれにいたしましても、我が政府といたしましては、周辺地域上空の飛行ルートを回避するといった観点から、四月七日に、今申しました名護市長それから宜野座村長との間で結んだ、合意したものに基づきまして引き続き調整をしてまいりたい、そのように考えております。

赤嶺委員 そうすると、当然、地元自治体と協定を締結した政府の立場からいえば、進入灯の設置は認めないということでいいですよね。

久間国務大臣 あの報道はどういう形で出たのかはわかりませんけれども、我々は、その進入灯の設置についてすら話を聞いているわけじゃございませんで、だから、どういうような進入灯なのか、本当に進入灯なのか、どういうようなことをだれが言ったのか、その辺も確かめないといけませんけれども、我々としては、先ほどから言っていますように、V字形でやったのは、その上空は飛ばないというようなことで言っているわけでありますから、そちらの方からは進入しないということになろうと思います。

赤嶺委員 けさの報道によりますと、守屋事務次官が、緊急時の使用の際は、着陸用、離陸用、いろいろな形での着陸があり得る、実際に分けて使うというのは現実的でない、緊急時使用の場合は認めざるを得ないみたいな、そういう発言をしておりますが、緊急時使用の場合はそういうことになるんですか。

久間国務大臣 これは羽田であろうと成田であろうとほかの空港であろうと、緊急時の場合は、こっちからは進入しませんとなっておっても、それは緊急着陸をやる場合があるわけですから、人命にかかわるときはそれが最優先されますから、そのときはどういう方向からでも着陸することはあり得ると思います。

赤嶺委員 嘉手納飛行場で緊急着陸というのが頻繁に行われているんですよ。だから、緊急時というのは、沖縄における米軍の緊急時というのはどういうものか、長官、御存じですか。

久間国務大臣 その言葉をとって沖縄における緊急時はどういうことかと言われましても、私たちは、緊急時というのは、非常に緊急を要して、それをしなかったならば大変大きな実害といいますか、そういうものがある場合を緊急というふうに、普通はそういうふうにとらえておるわけです。

赤嶺委員 ですから、県民の置かれている立場というのを理解しないで、喜べ、喜べばかりおっしゃっている長官かと思うんですよ。

 下地島飛行場を米軍が使うときも、最初は緊急時なんですよ。でも、今使い始めたらもう日常ですよ。それから、深夜の離陸、着陸でも、運用上の必要があればとか、緊急時に限るとかと言いながら毎日ですよ。緊急時というのは、米軍の沖縄における緊急時というのは、どんな場合でもということになるんですよ。だから、長官がそんなのわからないと言ったら、どこまでも膨れ上がるということになりますよ。

 緊急時について、どんな場合だということについてきちんと説明できなければ、これは全然納得できませんよ。いかがですか。緊急時とは何か、説明する努力、作業をやりますか。

久間国務大臣 これから運用のあり方についてはアメリカとよく詰めていきますから、そのときにおいて、今委員が御指摘になられましたような緊急時のいろいろな概念、それらについても、我々としてもよく相手方に詰めてみたいと思います。

赤嶺委員 結局緊急時は使うんだ、これ自身がもう、名護市と宜野座村の説明、その当時そういう説明をしていないんですよ。緊急時以外は離陸用、着陸用滑走路を使い分けますよ、緊急時の場合は違いますよという説明はなかったんです。なかったんです。それで、今ごろになって緊急時は使うのは当然だみたいな顔をして答弁なさる、これでは理解、納得できないんじゃないですか。いかがですか。

北原政府参考人 私どもが地元に説明をしてまいりましたのは、当然のことながら、通常の運用のことを念頭に置いて陸上を飛ばないということでございますので、今大臣が御答弁申しましたが、本当に人命にかかわるときといった点については、私ども、これについても飛ばないとか、そういったことは地元の首長さんたちとは話はしておりません。

赤嶺委員 結局、地元自治体との最小限の合意さえほごにする行為なんです。

 もう一つあるんです。滑走路には戦闘機は使わないということをロードマップでも言われております。ところが、今やっている交渉の中では、マスタープランの中では、アレスティングギア、着陸拘束装置を設置せよと米側が要求してきていると。これは戦闘機などを強制的に停止させる装置であるわけですね。このアレスティングギアがあの滑走路につくられると、固定機の離着陸、戦闘機の離着陸も可能になるんですよ。これは認めませんよね、そういうことにつながることは。

木村委員長 時間が来ておりますので、簡潔に願います。

久間国務大臣 戦闘機は、嘉手納があるわけでございますから、そちらに着陸いたします。(赤嶺委員「いや、アレスティングギア」と呼ぶ)具体的にそのアレスティングギアというのが、戦闘機以外で使うようなものがあるのかどうか。とにかく、戦闘機はそこには離発着しないと思います。

木村委員長 時間が来ておりますので、赤嶺政賢君、簡潔に願います。

赤嶺委員 固定翼機は軽飛行機にしか使わないというようなことを言いながら、こういうようなことを言って、今までのすべての説明がひっくり返るような事態が進行している。こういう地方自治体に不誠実な説明を繰り返してきて米軍再編を進めようとしている、こういうお役所は省に昇格する資格はないということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

木村委員長 次に、辻元清美さん。

辻元委員 社会民主党・市民連合の辻元清美です。

 私は、防衛施設庁談合問題などについて質問したいと思います。後半、時間があれば、今ちょっと沖縄の問題で白熱しておりましたので、私もずっとこだわっておりますので、御答弁をいただければと思います。

 まず最初に、調達実施本部事案が出た折も、私は安保委員会の委員でございました。そこでもかなりいろいろ議論があったわけですけれども、結局、同時並行で今回の談合事案が、あの問題があったにもかかわらず組織ぐるみで行われていたという理解でよろしいですか、防衛庁長官。

久間国務大臣 いろいろな調査委員会の報告によりますと、もう昭和五十年代の半ばにはそういうようなことが行われておったという報告でございますから、並行して、ダブルトラックで走っておったんだというのは事実でございます。

辻元委員 そうしますと、あの調本事案が出たときに、庁内でいろいろ聞き取り調査を行ったと思うんですね。それと、今回聞き取り調査を行った人とが重なっているというのはどれぐらいあるんでしょうか。

北原政府参考人 今般の私ども防衛施設庁のこの事案につきまして、施設庁関係職員等現職百九十五名、それからOB百十名の三百五名、約三百名について聞き取りを実施したところでございます。

 他方、御指摘の八年前の調本事案でございますが、これにつきまして、関連した防衛庁内での調査の状況を調べましたところ、当時、二百二十八名を対象に調査を実施しております。そして、今回の施設庁とダブる人間、重複者、これは三名おります。

辻元委員 今、久間長官から、ダブルトラックで走っていたというようなわかりやすい表現がありましたけれども、深刻だと思うんですね。

 それで、報告書にもございますけれども、ちょうど割り振り表ということについては割合詳しく報告されています。この割り振り表がほぼ今のような形で作成されてから、どれぐらいの案件がこの割り振り表によって処理されていたというように調査報告ではわかったんでしょうか。昭和五十年の半ばからというお話がありましたけれども、途中から今みたいな割り振り表でという調査報告になっておりますけれども、いかがですか、北原長官。

北原政府参考人 私ども調査いたしました。先生御指摘のとおり、五十年代半ばにおいてはこういうことが行われていたんではないかと推定される結果が出ているわけでございます。

 それで、さらに私どもの調査によりますと、平成八年ごろから、ここで問題になっているような割り振り表が作成され始めたのではないかというように承知をしているところでございます。

 ただ、私どもの書類の保存期間が五年間でありまして、十二年から十七年までという、一番古いのが十二年度ということになります。したがいまして、今私どもがここで、調査報告で触れました平成八年ごろから十一年ごろまでは確定することができません。他方において、今申しました十五年度以前平成十二年度までといったものにつきましては、千二百七十五件を抽出いたしましたものでございます。

辻元委員 千二百七十五件がこの割り振り表によって処理されていたということでよろしいでしょうか。報告書を拝見しましたら、長官、そのうち談合の形跡があったというのは、要するに新聞報道などで問題になり起訴された案件のみの特定しかできなかったわけですか。

北原政府参考人 最初にちょっと、先ほど、千二百七十五件というのは、平成十二年度から十五年度までの数字でございます。あと、十六、十七等につきましては、調査報告に各年度ごと書いてございますが、おおむねその年の金額の約半分、五〇%程度がいわゆる割り振り表の対象になっていたと推定されるところであります。(辻元委員「それで、そのうちの談合ということについて」と呼ぶ)

 割り振り表の対象になったというのが、言いかえれば、今先生おっしゃっている談合の対象、その可能性があるというものでございまして、したがいまして、例えば直近の十七年度で申し上げますと、十七年度に発注済みの件数が、例えば建設工事四百八十九件、約六百三十六億円ございますが、そのうち大体、件数的には八十五件、約三百三億円といったものが割り振り表において割り振りがなされた可能性がある、そのように考えております。

 あと、十六年度、十五年度、同様な、ほぼ大体半分、五〇%が割り振り表の対象になっていたというものであります。

辻元委員 今、北原長官の御答弁の中に、割り振り表で割られたのは約半分、これが談合の対象になった可能性があるということですね。この報告書を見ますと、数字が出ておりますけれども、「しかしながら、聴取において特定することは困難であった。」と、立件されたもの以外は特定することが困難であったと、すべて注釈が入っているわけなんですね。

 やはりこの委員会でも問題になっております、どういう聴取がなされたのか、どういう意見があったのかということを、半分近くが談合の可能性があったということですので、そこの部分がこの事件の中心になると思うんですけれども、この聴取の中身、それを、人は特定しなくていいので、どういう内容があったのかを御提出いただくことを検討してほしいと思います。

 なぜかといいますと、先日の民主党の前田議員の質問で、幾つか、個人が特定されない形で供述の概要についてということで、昭和五十年代半ばからということについて、この調査報告書で特定していった過程の調査報告の内容の資料がきょう提出されました。これが出たということは、私は、ほかも出しても別に問題ないと思うんですね。

 ですから、ここは委員長にぜひ後でお諮りしていただきたいんですけれども、やはり五割も割り振り表で振り分けられていたという、これは肝ですので、これについての聞き取りの調査内容、個人が特定されることが差し支えるのであれば、どういうことで五割というふうにわかったのかというような内容について、きょう前田議員に対しては出ておりますので、同じように、その内容を報告し、こういうふうにペーパーにして開示していただきたいと思うんですが、委員長、いかがでしょうか。

木村委員長 それは、前田委員からの要請のある資料と同じということでよろしいんですか。

辻元委員 違います、違います。先ほどの五割、五割が結局割り振り表で談合の可能性があったと今おっしゃいましたね。それの報告書、ここにあるわけです。しかしながら、立件された事件をおいて聴取において特定することは困難であったと言いつつも五割が割り振り表でということですので、その五割を特定していったそれぞれの聞き取りの内容を委員会に資料として提出していただけないかということです。

木村委員長 まず、答弁させますので。

 久間防衛庁長官。

久間国務大臣 この種の事案で非常に難しいのは、調査を今後やるときに、もう応じてくれないというようなことになっても困るので、これから先も、やはり調査をきちんとやるときもあると思うんですよ。それで、調査をして報告をして、そしてこちらが捜査権限を持っておれば、ぎりぎり詰めていくことができるんですけれども、それができないと、結局はうやむやに終わる可能性があるわけですね。

 そうしたときに、今、公正取引委員会が、やってくれていると言ったらちょっと言葉があれですけれども、割と強権を持ってやっているわけですね。そういったところにいろいろな資料が今出ていっておりますから、そういうようなことで、こちらの方で余り、先走ってと言ったらなんですけれども、そういう一種の捜査と同じような状況でございますから、その状況に影響を及ぼすようなことのないように配慮もしなければならない。その辺がありまして、非常に何か秘匿しているなというような印象を受けられるかもしれませんけれども、十二年以降のものについては、中身については公正取引委員会の方にほとんど出ているという、それも知っておいていただきたいと思うわけであります。

木村委員長 北原長官からもありますか。北原防衛施設庁長官。

北原政府参考人 それから、今、辻元先生、私が御答弁申し上げました、その半分、約半分が可能性があるということがわかった、聴取の云々ということをおっしゃいました。

 私が半分を申し上げましたのは、これは例えば、私どもが出しましたこの調査報告の二十九ページに書いてありますが、割り振り表の対象となる、これは例えば建設工事ですが、建設工事の規模というのがございます。そこにこのように書いてあります。

 本件事案のような建設工事についての割り振りは、一定規模以上の工事を対象としている。そして、土木建築工事の場合は通常五億円以上、十五年度以降は三億円程度の工事を対象とする場合もあった、の工事を対象としていた。ただ、舗装工事については通常一億円以上、それから設備工事については機械工事で通常一億五千万円以上、電気工事では通常一億円以上、それから通信工事については通常五千万円以上の工事ということが示されておりますので、十六年度とか十七年度をその考え方でやると、大体半分が対象となったと推定される、可能性があるということで申し上げているわけであります。

木村委員長 両長官の今の御答弁で、辻元さん、御理解いただけましたか。

辻元委員 引き続きちょっと。

 そうしますと、機械的に算出したということですか、聞き取りをしてではなくて、この調査報告書は。

北原政府参考人 今申し上げましたが、私ども、全部、約三百名に聴取をしたところでございます。そうした中で今私が申し上げた考え方が出てきた。そこで、十二年度以降についても同じような考え方だろう、そして、それの対象となったものは、今大臣も申し上げましたが、公取にすべて通報して今審査を受けているところであります。

辻元委員 今長官もそして久間長官も、聞き取りをした結果そういう考え方が出てきた、何億円以上がどうのこうのと。その程度の聴取であれば、別にどういう聴取がなされたかという中身を出しても捜査に影響がないんじゃないでしょうか。なぜかといいますと、本当にそうかなと思うわけですよ、これを見ても。

 どういうようなことがどういうふうに根拠とされて、今捜査に影響があるとおっしゃいましたけれども、聞き取りをした結果、こういう方程式というか、ということがわかり、それに基づいてどれぐらいの案件があったかということが算出されたというのであれば、その一番もとの聞き取りの部分、こういう聞き取りでこういうことがあったからこういうことがわかったという、そのもとの部分を出していただくのは別に捜査に、既に報告書に出ているわけですから、問題ないと思いますので、これも、前田議員のものを出して私のは出されへん言わずに、委員長、ちょっと理事会で諮ってくださいよ。これはこの調査の一番もとですよ、割り振り表がどうだったかというところ。どうでしょうか、委員長、後でもめてもいいですから、もめてもいいというか、協議してもらって結構ですから、出すようにお計らいいただきたいと思います。これは肝だと思います、ここは。

木村委員長 ちょっと答弁を求められていますので。

 久間防衛庁長官。

久間国務大臣 前田先生の話のときは、私は施設庁長官にも言ったんですけれども、調査報告書がそういうふうに、五十年代の半ばごろからというふうにはっきり書いている、その書いているのが何によって判断できるのか、勝手に書いたんじゃないかと言われたときに、そうじゃないということをせめてうかがわせる材料ぐらいは出さないと、やはり委員会に対して失礼に当たるんじゃないかという意味で、やはりもう少し、特定はできなくてもいいから、その辺は、この調査報告書が間違っていないということを立証するためにも、それはもちろんもうちょっと固めた方がいいじゃないかという話をしたわけであります。

 それで、今先生がおっしゃられた部分については、現在、公取の方でやっているのに全部その辺の関係の資料を今出しているわけですね。だから、出しているのをここでオープンにしてしまうということになりますと、それは逆に、ここでオープンにするということは全国に広がるということですから、自分のことについてこの中から類推できるとかなんとか、そういうことにもなりかねない。そうしたら、そういう人たちに、今度はいろいろ調査をしたときに、公取がやったときにでも微妙に影響を与える。だから、捜査が続いている段階においては、いろいろな、証拠隠滅でもそうですけれども、なかなか、細かいことについては触れるべきでないというのが我々行政側の姿勢でありますから、そういう点では、公取の結果が出るまでは、それに微妙に影響を与えることについては差し控えたい、そういう気持ちが非常に強く働いているということを理解していただきたいと思うんです。

辻元委員 今いみじくも長官がおっしゃったんですけれども、その昭和五十年代半ばからというのが、こういう証拠というか、じゃないと、この報告書の信頼性が疑われる。

 そうすると、この割り振り表で割り振られた額、二十九ページにありますよ、これによって、何件だとかどうのこうのと、この話は進んでいっているわけですから、この割り振り表の、二十九ページに示されている、今二十九ページにありますとおっしゃった、そこについて、どうしてこれをそういうふうに基準としてできたのか、これは聞き取りによるということでしたから、それを出してくださいと申し上げているわけです。

 ですから、先ほどと同じです。その昭和五十年半ばと私たちが言っても信用してもらえないかもしれないから出しましたというのと同じように、この割り振りが行われた、その割り振りが行われたのは幾ら以上でこうでしたよという、そのメカニズムそのものが、どういう、ひょっとしたらこれはもっと低い額からやっていたのかもしれぬとか、疑えば幾らでもあるわけです。

 ですから、これはもう水かけ論になると思いますので、委員長、私は、別に無理難題を言っているわけでもなく、個人のプライバシーの問題とかではないと思います。この昭和五十年半ばというのも一つ大きなポイントです。どうしてそれが特定できたか。それと、やはり割り振り表というものによってどういう規模の何がというところの根拠、一番最初のその根拠の聞き取りの部分がはっきりしないと、本当かしらというようになってしまうので、ぜひ資料の提出を御協議いただきたいと思います。

久間国務大臣 くどいようですけれども、五十年代の半ばごろからと言われていることについては、もう捜査対象になっていないわけですよ。調査報告書だけが信憑性があるのかどうかということを、この当委員会でやることになっておるわけです。

 ところが、今言われた割り振り表に基づくものは、まだこの間刑事事件にならなかった問題で、公正取引委員会の問題としてこれがまだ調査が続いておるわけでありますから、そういうような状況で先生にお渡しすることによってそれが公取以上に明らかになるならそれも一つの方法かもしれませんけれども、それはやはり今調査をやっておるわけでありますから、そこに微妙に影響を与えることについてはいかがかなと私は思うわけですけれども、最後は委員長の方でその辺の議論をしていただければ結構です。

辻元委員 ここに基準が書いてあるわけですから。そうすると、これ自身も、それが出てきたら何か違うことになるのかしらと疑ってしまいますので、私は、これはもうここでやり合うつもりはなくて、委員長、御協議の対象にしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

木村委員長 既に他の資料請求等、理事会で協議をしておりますので、また、やはり久間長官のただいまの答弁も私は一つの大事な意義ある答弁だとも踏まえておりますので、その点も踏まえながら、あわせて理事会で協議をさせていただきたい。

辻元委員 はい。そうしましたら、次に移ります。

 歴代の技術審議官の関与などが言われております。この問題について質問をしたいと思います。

 それぞれ、技術審議官とか建設部長、何人関与していたということが明らかになったんでしょうか。

    〔委員長退席、寺田(稔)委員長代理着席〕

北原政府参考人 御答弁申し上げます。

 先ほど来るる申し上げておりますが、トータルで、私ども、約三百名の者に対しまして総力を挙げて事情聴取をしてまいりました。

 それで、今御質問の点でございますけれども、歴代審議官等の談合関与行為への関与につきましては、四月二十六日、これは懲戒免職の処分、それから六月十五日に処分いたしております。すなわち、私どもが今ここで明確に申し上げることができますのは、八十四名のうち、いわゆる入札談合等への関与行為ということを理由に懲戒処分等の処分を受けた者が五十三名ということについては明確に申し上げることができます。

辻元委員 そうしますと、今の中に歴代の技術審議官は何人いたんでしょう。

北原政府参考人 私どもの懲戒処分等は、まさに現職の自衛隊員、公務員関係にある者に対する秩序維持を図る上での懲戒処分等でございますので、現職だけでございます。すなわち、河野技術審議官並びに河野建設部長、これが現職でありまして、OBは懲戒処分の対象にはなっておりません。

辻元委員 OBの審議官にも調査したわけですね。関与があった人はいたのか、いなかったのか、いかがですか。

北原政府参考人 歴代の技術審議官あるいは建設部長経験者にも、私ども、可能な限りインタビューをいたしました。その中でいろいろな御発言があります。そうしたことを取りまとめまして、先ほど来大臣も答弁させていただいておりますが、五十年代半ばにはこういうことが行われていたのではないか、そういうことを私ども報告書に取りまとめたところであります。

辻元委員 といいますと、今の御発言ですと、歴代の審議官は関与していたと考えればいいですか。既にこの二月には予算委員会でも問題になっておりましたけれども、七人の技術審議官の関与ということも報道されていますけれども、いかがでしょうか。

北原政府参考人 歴代の技術審議官につきまして、私ども、可能な限り当たりました。そして、協力をしてくれた人もおりますし、なかなか難しい人もおりました。

 いずれにいたしましても、私ども、いろいろな、技術審議官のみならず、建設部長経験者あるいは現職、彼らの部下であった者等々を調査いたしまして、約三百名調査をいたしまして、枠組みとして、スキームとして、技術審議官、建設部長、そして建設企画課長といったその三つのポストにある者が総じてこの問題を主導してきたということを総合的に、いろいろな聴取の結果を踏まえて私ども判断したところであります。

辻元委員 今、関与については主導的な立場であったという御発言がありましたけれども、二〇〇二年ごろから、割り振りなどについて主導的な立場を、審議官のOBとか防衛施設庁関係者から、一部、土木工事はどこどこ、建設工事はどこどこというように、業者の方が関与を強めるというか、そういうようなことがあったというように聞いたんですけれども、調査の中ではそういうことはありましたか。

北原政府参考人 私どもの報告書にもまとめさせていただきましたけれども、今私が申し上げました、私どもの技術審議官、建設部長、建設企画課長というポストにある者が防衛施設庁の中においては主導いたしました。他方において、防衛施設庁のOBで企業に今行っている者、それが、その三名といいますか主導した者たちと業界の連絡役を果たしていたということで、そういった図式がわかってきたところでございます。

辻元委員 今OBという話が出ました。それで、二月の予算委員会でも問題になりました公益法人のことを、その後の調査でどれだけ明らかになったかということを御報告いただきたいと思います。

 一つは防衛施設技術協会、これについては、予算委員会でこのようにお答えになっています。「この協会の業務実施の実態につきまして徹底的に調査を行いまして、同協会への業務委託のあり方などにつきまして、見直しを含めて幅広く検討してまいりたい、」というようにことしの予算委員会で御答弁されているわけですけれども、この協会の関与についてはどういうことがわかりましたか。

北原政府参考人 御指摘の国会でもそうでございますが、今御指摘の防衛施設技術協会、これにつきましては、防衛施設庁を卒業した者が再々就職をするためのウエーティング的な存在になっている。実際にその役員の平均在職年数を見てみますと二年十カ月だ、まさに二年間が過ぎるのを待って、またそこから再就職していっている。さらには、防衛施設庁がこの防衛施設技術協会に随意契約していた。これは技術協会でなければできないという当時の考え方でございますが、調べてみたところ、技術協会からさらに民間へそれが再委託されていた。金額にしてもかなりのパーセンテージでございます。また、その再委託に当たって、防衛施設庁に承認を得る手続は全くとっていなかった。また他方、防衛施設庁もそれを見過ごしてきたということ等がわかってきたわけでございます。

 私どもの調査委員会並びに同時にスタートいたしました副長官を長とする再発防止の検討会、そこの検討会の方針の一つといたしまして、この防衛施設技術協会は十八年度をもって自主解散を求めるということになったものでありまして、それからまた、この協会をきっかけに、私ども防衛庁には二十二の公益法人がありますが、それぞれにつきまして、その職務の実態、契約の実態を精査いたしまして、随意契約を基本的には一般競争にするとか、もろもろの改革がなされたところでございます。

辻元委員 自主的に解散という話がありましたけれども、一つは、やはり先ほどから出ています天下りとウエーティングという問題ですね。平均二年十カ月、ほかのいろいろな公益法人と全然違う性質を持っていました。一つは、そういうところに天下っていくことと同時に、これは久間防衛庁長官にお伺いしたいんですけれども、先ほど割愛申請と言いました。割愛申請というのはどういう形で来るわけですか。何か紙で来るんですか、今おっしゃったのは。どうですか。

久間国務大臣 私も具体的なことは知りませんが、よく民間で言われているのは、とにかく、お役所にはこの人を下さいということを申請して、そしてオーケーをもらって来ていただくんだというようなことでございます。だから、それを割愛申請と言っているというふうに私は理解しておりました。具体的には、そういう書面があるのかどうか、それは知りません。そういう俗語かもしれません。

辻元委員 これは、この事件が発覚したときも、企業から割愛願というものが出される。そして、この割愛願というのは企業から出しているふうであり、しかし、先ほどからも指摘されているように、これは防衛施設庁だけじゃなくて防衛庁です、その中に施設庁も含まれますけれども、庁が主導してといいますか、だれをどこにというようなことも報道されたり問題にされてきましたけれども、施設庁長官、この割愛願というようなもの、この紙というか申請書みたいなものは存在するんですか。存在は確認されましたか、調査の中で。

北原政府参考人 私どもの調査委員会の調査におきましては、今、いわゆる割愛願ですか、そういった紙、用紙といいますか、それにつきましては確認はしておりません。

辻元委員 一枚もですか。

北原政府参考人 繰り返しになりますが、確認をしていないということであります。

辻元委員 長官もこういうものは、調査の過程で一切確認していないというのは、私、不思議で仕方がないんですけれども、長官も、そういうものがあるということは全く、今まで防衛庁、長くキャリアをお持ちですけれども、一切御存じないですか。

北原政府参考人 防衛施設庁の今回の事案につきまして私どもは確認をしていない、私が今申し上げられるのはそれだけであります。

辻元委員 今申し上げましたけれども、事案についてではなく、先ほど、防衛庁としてこういうことがあったのではないかという指摘なんですけれども、防衛庁に長くいらっしゃって、いかがでしょうか。この事案以外でこういうことがあるんですか、防衛庁の中に。

北原政府参考人 国会の場ですので軽々なことは申し上げられないのですが、自衛官が若くして離職していくといったようなときに、そういったものがあったのではないかなと思っておりますけれども、そこは定かではございません。

辻元委員 もう一つ。そうすると、天下りファイルというのも予算委員会で問題にされておりまして、その後、各種調査をされて、これは結局、天下りのメカニズムがどうなっていたかというところも究明の一つのポイントですので、天下りファイルの存在については予算委員会でも質問が出ておりましたけれども、その後、調査をなさって確認されたんでしょうか。

北原政府参考人 今の御指摘の点につきましては、私どもがまとめた調査報告書の四十三ページに書いてございます。ここにありますように、私ども調査委員会におきましては、事案解明ということで徹底的に調査をしてまいりました。そして、その結果、ここに書いてありますように、百四十四社に二百四人のOBが在職しているということがわかった次第であります。

辻元委員 いや、そういう何かファイルがずっとあったのかどうかということをお聞きしたんですけれども、そのファイルに基づいてこれは調査されたんですか。

北原政府参考人 今私が申し上げたのは、本庁の建設部にありました再就職の状況についての資料に基づくものであります。

辻元委員 今後、今の割愛申請とか天下りファイルというのは非常に具体的なことなんですけれども、そういうことはこれからはなくすということなんですね。そう理解していいわけですね。

北原政府参考人 今回の事案が発生し、そして徹底的に調査をした結果、こういった資料が存在することがわかった。しかもそれが、再就職、さらには受注金額等の割り振りと結びついたものであるということがわかったわけでありまして、そういったことは断じてあってはならない、そういうことは一切行ってはならないし、これから行っていくことは当然のことながらございません。そのために、こういった調査の結果を踏まえまして、幅広い再発防止策をつくったところでございます。

 それには、先ほど来も御質問がありますが、再就職の関係ですとか、あるいは人事管理の関係ですとか入札の関係ですとか、もろもろの幅広い再発防止策をつくりましたので、それを着実に実施していく。

 それから、もう一つ大事なことは、それに携わる人間、私たち自衛隊員の意識改革、これを、のど元過ぎれば熱さ忘れるではなく、しっかりとやっていく、そして、国民の皆さんの信頼を回復してまいりたい、そんなように考えております。

辻元委員 北原長官は、今回起訴された河野さんとは、那覇防衛施設局時代、局長でいらっしゃったときに、彼が建設部長でいらっしゃったんじゃないですか。こういうことをしていたと全然知らなかったんですか、あの中に一緒にいらして。

北原政府参考人 河野とは、私は防衛庁同期であります。昔からずっと一緒であります。職場も、今御指摘のように沖縄でも一緒でしたし、また、この防衛施設庁に参りましても、私が施設庁長官で、彼が技術審議官ということで、一緒でございました。

 ただ、この点につきましては、私自身、責任者としての不明を恥じますけれども、承知していなかったわけであります。

辻元委員 先ほどちょっと資料の提出の要求もしましたけれども、みんな割とキャリアが重なっているわけですね、いろいろなところで。長官も調本にもいらっしゃいましたよね。何か同じように仕事をしているのに何でわからないのかなという疑念がまだありますので、ですから、先ほどの聞き取りみたいなものを出していただいたらそういうことは晴れると思いますので、それはぜひお願いしたいと思います。

 あと若干時間がありまして、久間防衛庁長官に沖縄のことを、さっき白熱しておりましたけれども。

 パトリオットの問題について長官は記者会見もされていて、この中で、沖縄の人は喜んでもらわな困るみたいな発言をされて、喜べないという意見もあるがと言ったら、間違っているのですというふうにお答えになっているんですよね、この間の十月二十七日の朝の記者会見で。

 そうしますと、その前後に、例えば、うるま市長、嘉手納町長、沖縄市長、浦添市長、宜野湾市長、西原町長、北谷町長、中城村長、北中城村長、読谷村長が、パトリオットミサイルの嘉手納基地配備に対する抗議ということを今の那覇防衛施設局の局長に出していらっしゃいます。かなり強いですよ、これは。かつ、沖縄県知事もコメントを出されています。遺憾表明ですね。それから、それ以外にも、読谷村は十八日、うるま市は十七日、北谷町は十三日、嘉手納町は四日、声明とか、それぞれの議会で抗議の決議とか意見書を出しているわけですね。こういう動きは間違っているんですかね。

久間国務大臣 ペトリオットPAC3というのが防御的なものであると先ほどから言っていますように、そういうようなものであるわけですから、それを置いたことでマイナスになることはないわけで、プラスにはなるわけですから、そういうようなことについて、それがあるがゆえに自分のところが攻撃されるかのような、そういう発想というのは間違っていると私は思うんですよ。

 むしろ、あることによって、そっちの方に行ったらこれは意味ないということで、ほかの方に向けるということはあったとしても、そういうような、要するに戸締まりをしているところにわざわざ行くわけがないわけでありますので、そういう意味では、非常に頑丈な戸締まりをしてくれているということは非常にいいことだと、素直にとった方が私はいいと思うんです。

 だから、これは恐らく日本のあちこちで、PAC3とか、あるいは今度イージス艦に積みますSM3とか、そういう配備がどんどん進んでいったときに、なぜおれのところに置かないんだ、そんな話は今でもないわけじゃありませんから、そういうのが出てくると思います。

辻元委員 これは、例えば米軍基地の存在そのもの、私もよく沖縄に参ります。そうすると、やはり、いつもこれは防衛の議論のときに、根本的な問題なんですけれども、基地があるから攻撃の対象になる、これもわかると思うんですよ。例えば、よくあるのは、敵地攻撃という話をするじゃないですか。これはちょっと、パトリオットの話は後半でしますのでおいておいて、例えば今のイラクの問題でも、軍事施設を攻撃するんだと言うわけです。北朝鮮問題のときも敵地攻撃という議論がなされて、長官は反対だと思いますけれども、相手のミサイル基地とか軍事施設をたたくんだから、民間のところじゃなくて軍事施設をたたくんだからと。これは軍事の常道で、相手の標的というのは、常に基地とか軍事施設なわけですよ。

 ですから、基地が来るということは、長官の理解では守ってあげているというわけですけれども、沖縄とか小さな島とか、もしも基地がなかったら、別にそんなところは攻撃の対象にならないんだけれども、米軍基地とかが来てどんどん強化するから、やはりそこに例えば爆弾を持って突っ込んでやろうかという人も来るかもしれない、それから攻撃の対象に、この性質もあるわけです。

 ですから、地元の住民にとっては、基地があるから守られるというよりも、基地があるから攻撃の対象になるじゃないかという感情、私は、これは論理的にも成り立つ話だと思います。ここを理解しないと、私は、防衛というものを預かる長官としては、論理と言うとおかしいですけれども、なぜ基地の危険性を言うかという根本的な問題ですよ。だって、イラクでも敵地を攻撃するんだ、ミサイルを攻撃するんだと言っているわけですから、そのときに、パトリオットは防御でございますのでという話は、私はその部分だけを取り出して言っているわけじゃない、米軍基地そのものがその性質を持っているということです。そこについていかがお考えですか。

久間国務大臣 相手が弱い相手の場合だったら、それは先生の言われるように、いろいろなことが言えるかもしれません。しかし、米軍という強敵を相手に、一番強い基地があるところを攻撃するんじゃなくて、日本で攻撃するなら一番弱いところを攻撃するんですよ。しかも、影響力が一番あるところ、それを攻撃する。私が敵側ならまずそうしますね。

 だから、素人の怖いなという感じと専門家がどこをねらうかというのは別でありまして、非常に頑強に守られたところについて攻撃することによってその被害がいかに大きいか、それはぜひ、理解はしてもらえないかもしれませんけれども。

 私は、もし敵が攻撃するとすれば、いろいろな施設のあるところ、そう言うとまた施設のあるところがいろいろ言われますから、そういうところとか、こちらの脆弱性、あるいは人口が集中しているところ、そういったところが大変弱いというのは事実でありますから、だから、そういう点では、私たちはそういうところをいかにしてカバーするか、それを絶えず考えながらやっていかないといかぬと思っております。

辻元委員 今のお話も、私は矛盾を感じます。

 そうしますと、例えば、米軍が今イラクを攻撃しておりますけれども、イラクの攻撃の場合、市街地とかを攻撃していると言いません、軍事施設をたたくんだというのが、いろいろな戦争とか武力衝突が起こるときの論理なんですよ。今長官がおっしゃったような論理が成り立つならば、民間のどこでも攻撃していいと。例えば、どこかの国の原子力発電所を攻撃してしまえという話をしているのと等しいわけです。

 ですから、私は、やはりそこの根本のところの理解、沖縄の人たちがどこを不安に、何を感じているかというところが感じ取れないのではないかと思います。

久間国務大臣 イラクと、アメリカあるいはアメリカを中心とする連合軍、これはもう力が全然違うわけですよ。だから、そういうときにどういうような作戦にするかというのはまた別でありまして、相手が軍事施設を攻撃しようがしまいが、アメリカから見たら、本当につぶすようなものですよ。だから、それは非常に象徴的なやり方だったと思います。

 私は、コーエンさんとお会いして、民主党の前原さんと三人でお会いしたときに、あなた方は、アメリカは攻撃したら一カ月ともたないでやっつけることができますよ、しかしながら、その後どうやってあそこのところを抑えるか、それについての配慮が足らないじゃないですか、だから、今でもいいから引けばいいじゃないですかということを言ったことがあります。

 そのときに、軍事施設とかなんとかじゃなくて、アメリカは、あそこは二十万で取り囲んでもう占領する、そういう作戦ですから、そのためには、とにかく武器を持っているところをどんどんつぶしていく、そういう戦略ですから。だから、ある国が日本をもし攻撃してアメリカ軍と戦うときに、アメリカ軍が非常に弱いスピッツならいいですよ、ところが大きな番犬のときに、小さな犬がその番犬のところにかみついていくかというと、それはしません。

 しかし、そうはいいながらも、だからミサイルで攻撃するわけですから、そのミサイルを防ぐすべだけはやはりやっておかなきゃならないというのが我々の立場ですから、そこのところは理解してもらいたいと言っても無理かもしれませんけれども。感覚の違いかもしれません。

辻元委員 時間が参りましたので終わりますけれども、でも、イラク戦争、実際終わっていないわけですよ。アメリカがてこずっているわけですからね。

 ですから、私は長官に申し上げたい。沖縄の人も喜ぶんじゃないかという発言は撤回された方がいいと思います。されませんか。どうですか。

久間国務大臣 私は、喜んでもらえる日が必ず来ると確信しております。

辻元委員 終わります。

寺田(稔)委員長代理 次に、笹木竜三君。

笹木委員 民主党の笹木竜三です。質問を始めます。

 最初に、この集中審議のことについて一言お話ししたいんですが、与党の方から、政府の方から、防衛庁の省昇格についての法案ということで、その審議を急いでやりたいという申し出が今あるわけです。

 個人的な思いで言えば、国民の生命とか財産とか国家、その安全を守る国防、その仕事につく方々は、安定した、そして安心な環境で働ける、そういう状態に我々が努力していくことは絶対必要だ、これは思っております。

 しかし、きょう、これも何度もこちらの野党の方からお話をして集中審議も実現をしたわけですが、国民一般から、そういう防衛庁であったり、あるいは省であれ、あるいは自衛隊であったり、そういう方々については、非常に厳しい仕事だ、過酷な仕事だ、大変な仕事で大切な仕事だ、そう思うのと同時に、期待としては、最もモラルがあって、最も規律があって、そして危機管理意識もある、こうしたことを当然望む、期待をする、当たり前の感情だと思います。私もそういう感情を国民の一員としても持っております。

 ですから、この集中審議についてこだわったのも、省昇格昇格というけれども、その前提の内部調査、この集中審議でも他の委員から何度も言及がありました。通常国会が終わる直前に、それはたまたまかもしれませんが、国会で審議できないようなときにたまたま出てきて一切審議していない。調査報告書と再発防止の報告書、これが出てから審議していない。これをしっかりやると。どれだけ本当に生まれ変わろうとしているのか。これは国民の目線から見て、何か数年前もあったぞ、今度は組織ぐるみ、全体ぐるみでまた似たようなことをやっているのか、結局何も直っていなかったのか、これが一般的な印象だと思います。

 ですから、そこをいかに生まれ変わらせることができるのか、これは長官の重い使命でもあるし、我々国会にいる一人一人の使命でもあると思って、その筋論でこの集中審議をしつこく要求もしてきたわけです。そんなおつもりでぜひ答弁をいただきたいと思います。私もそんな気持ちで質問させていただいているわけです。

 まず、きょう他の委員からも言及がありましたが、チェックのための第三者委員会といいますか第三者機関、これは今後の課題として今考えていると言いました。今もう一回、検討状況、考えている状況について、長官から認識をお伺いしたいと思います。

久間国務大臣 防衛庁長官の下に防衛査察本部というのを設けて、それによって、この事案だけではなくてほかの点も踏まえて、今後やはりきちっと査察といいますか監察といいますか、監視をする、そういうような制度をつくるということは非常にいいことだと思って、私どもは概算要求を行っているところでございます。

笹木委員 きょう午前中の質疑の中でもありましたが、例えばトップに法律の専門家であったり検察、外務省の例も一部出ていましたが、そうしたことを、これは細かい事情は今お聞きはしませんが、今までの、言ってみれば、外から見たらずるずるべったりの面がある、組織ぐるみで証拠隠滅もしてきた、そうした体質も含めて、しかも五十年代半ばからずっと続いてきた、全くノーチェックであったと。こういうことを何とかしてほしいということで、これは、一人一人の意識改革はもちろん大事ですが、それだけじゃ限界があるんでしょう。

 ですから、第三者、そして、できればトップにそうした形で厳格なチェックをしていただく、そういう専門家の方に来ていただく、基本的にはそのことをしっかりとやっていただける、そういうことでいいわけですね。

    〔寺田(稔)委員長代理退席、委員長着席〕

久間国務大臣 私は、全く同じ考えであります。そして、先ほど冒頭に委員がおっしゃられましたように、今度、今法案を出していますけれども、庁を省にするにしても、非常に変わったというような雰囲気の中でスタートしてもらいたい、そういう思いを私自身も持っております。

 それを実質的に変わったというふうにみんなが思ってくれるためにも、今言ったような組織について、そのトップについても、みんながそう思ってくれるような人になってもらったらいいな、そういう思いがございますから、先ほど言われましたように、そういうような方も含めて、というよりも、そういう方等を念頭に置きながら、これから先も進めていきたいと思っております。

笹木委員 きょうは外務省の方に来ていただいていますから、少し具体的に、今どういうふうになっているのかについて御説明もいただきたいわけです。

 外務省も、今も完全になくなっているとは言えないかとは思いますが、機密費の流用、これでさんざん騒がれました。どうなっているんだという状態でした。そんな中で、監察査察官の組織というのを立ち上げられて、トップに現職の検察官に来てもらった。この経緯について、振り返って御説明をいただけますか。

塩尻政府参考人 外務省の監察査察制度でございますけれども、査察と申しますのは、在外公館について査察するということでございます。監察というのは、本省を見るということでございます。在外公館を対象とする査察というのは、これは昭和二十七年に創設されておりまして、やっておりました。ただ、御指摘のような話がありましたので、平成十三年にその制度を抜本的に見直しまして充実を図ったということで、在外公館それから外務本省をあわせて査察、監察する制度をつくったということでございます。

 査察、監察の体制でございますけれども、先ほど委員御指摘がございましたように、元最高裁の判事、あるいは査察担当の大使、あるいは現職検事でありますけれども、監察査察官から成ります、全部で総計二十一名ですけれども、そういうものをつくっております。職員の中には、外部から専門家として検事のほかに公認会計士の方々にも来ていただいて、厳正かつ透明性を持った監察、査察をするということで今やっておるところでございます。

笹木委員 私もちょっと資料を読ませていただいたりしましたが、北田監察査察官が二〇〇二年のころ、こんなことを言っているわけですね。不正行為というのは、急に起こってくるというよりも、徐々に日常の仕事の中で遵法精神とか規範意識が鈍化してくる、そうしたことをチェックしていくためには、一つは、金の流れを厳格にチェックする、そのシステムをこれは外部の方も入れてつくる、もう一つは、やはり人間関係とか勤務、日常的な勤務の中で今言った鈍化していくことを防ぐような、これも外部の人間によってそういうシステムを考えていく、これがどうしても必要だということを言われています。

 ここで、外務省の方にもう一回確認したいわけですが、こういう外部の方にトップで来てもらって、いわゆる法律の専門家に外からの血を入れてチェックをしてもらうことで、どれだけ効果があったか、どういうことが変わったと認識をされているか、ちょっと振り返ってお答えをいただきたいと思います。

塩尻政府参考人 外務省、一連の問題がありまして、その結果、こういう制度、つくった制度を充実させたということでございますけれども、これによって非常に変わったというふうに思っております。

 先ほど、前の北田監察査察官のお言葉を引用されましたけれども、査察、監察するときだけの問題ではなくて、常日ごろから、そういう組織があるということ、何か問題があったらそこに必ず情報が入るという制度をつくっておいたということは、組織の透明性それから不正を適切に処理するということでは非常によかったというふうに認識しております。

笹木委員 ここでもう一度長官にお伺いをしたいわけですが、午前中もいろいろやりとりがありました。具体的にいつからそういうことを始めるのかとか、予算の問題がいろいろあるけれどもと、いろいろなお答えがありますが、我らの同僚の委員からは、いや、防衛庁のポストを一つ減らしてでもそういうことを実現したらいいじゃないか、そういう発言もありました。

 要は、外から一般の方々が期待しているのは、政治主導で、長官主導でそうしたことを鮮やかに変えてほしい、やはりこの一点に尽きると思います。内部でいろいろな事情がある、そんなことは今までもそうだし、現在もそうです。そんな中で、結局、なかなか今までのことを、しがらみとか、今までの長く続いてきたことを断ち切れないということでは期待は高まりません。長官に国民が期待するのは、政治主導でしっかりと意思を示していただく、政治家としての意思を示していただく。

 そういうお立場ですから、ぜひ、細かい事情はありますが、少しでも早く、予算の請求の中でというお話もありましたが、基本的に、いろいろお話ありました、結局浮き上がるような人材では困るとか、そうしたことも配慮しないといけないとか、いろいろな事情があるのはわかりますが、それが言いわけにならないように、浮き上がるような人材しか見つからなかったから結局だめだったとか、言いわけにならないように、あるいは、結果的に、外務省が導入したこの制度よりもずっと、より非常に大きな組織がかりの事件が続いているわけですから、数年前あって、またあったわけですから、そうしたことを受けて、外務省以上の、国民が納得できるような、そうした第三者機関、トップの人事も含めて、それを実現する意思を持って今取り組んでいる、このことをぜひ確認させていただきたいと思うんです。

久間国務大臣 私は、やはり今委員がおっしゃられましたように、防衛庁は、将来、省になるかどうかは別にしまして、防衛庁は変わった、やはり今度は本気でやるんだな、そういうふうに思ってもらえるような、そういう組織にしたいと思っておりますので、組織ができますまでにはまだ、もしそのままおれればやっているわけでございますから、三月末の予算が終わって組織がスタートするときには確かに変わったなというふうに思っていただけるような意気込みで取り組もうと思っておりますので、ぜひ見届けていただきたいと思います。

笹木委員 ぜひしっかりと実行していただきたいと思います。

 次に、今回のこの施設庁の官製談合の問題で、今までもちろんいろいろ言及はありましたが、要は、OB層についてどうするのか。

 これも、こういう事情があってどうのこうのということは、幾つかお答えも聞きましたが、基本的に、一般の国民から見て、ではOB層が何にもなしでこのまま済むのか、それでは納得がいかない。組織ぐるみ、そして歴史的にずっと続いてきた事件だ、道義的な責任だけじゃなくて、組織的な責任もあるだろうと。

 そんな中で、OB層の方については基本的にどうされるおつもりなのか、もう一回確認をさせていただきたいと思います。

久間国務大臣 これは、先ほどまで答弁しました問題と違って、なかなか難しい問題だと思っております。

 というのは、人それぞれの思惑がございますから、例えば、いろいろな形で自主返納をお願いしたりなんかしております。しかしながら、これに応じると、その人はさも何かやったんだというふうなレッテルを張られてしまうということもございまして、なかなか、言うはやすく、難しい点が実はあるんじゃないかなというふうに思うわけであります。

 だから、もしやるとすれば、みんなで語り合って、一同という形で何かしてもらえるというようなことでもいいから、やはりOBの皆さんで何かしてもらえぬかな、そういう思いもございますけれども、これとてもやはりなかなか強制することもできませんので、善意に頼らざるを得ないわけであります。

 だから、防衛庁が再スタートするんだから、それを機に何とかしてもらえぬかという思いを、どういう形でこれから先やっていったらいいのかなという感じがしますけれども、これには正直言ってこれという妙薬がないなというのが私の今の実感でございますので、何かいいアイデア等があったらまたお示しいただければ、私たちも何か考えたいという気持ちは、先ほど言ったように、OBに対する不満、不信があるだけに、それを払拭する意味でも、変わったんだ、そういうイメージを出すためにも、どうしたらいいのか非常に苦慮しているところであります。

笹木委員 さらに、今のお話に沿ってですが、OB層一同という形はできないのかというお話もありましたが、いろいろな思いは伝わってきますが、具体的に今行動されて動いているわけじゃないということなんですね。

 では、ここで北原長官の方にもお伺いしたいわけです。

 北原長官として、今までどういう働きかけをされてきたのか、今現在どういうふうになっているのか、そのことについてまたお答えをいただきたいと思います。

北原政府参考人 まず、私ども防衛施設庁、本当にしっかりと出直してまいりたい、信頼を回復してまいりたいと思っております。

 それで、今の点でございますが、まず、この調査報告書を六月十五日に私、記者発表いたしました。その場をかりまして、今のOBの皆様方に呼びかけをしたところでございます。その後、私どものホームページ、あるいは機関誌がありますが、防衛施設広報、さらには、三千百名の施設庁職員が一人一人この問題を自分のものとしてとらえなきゃいけないということで、「防衛施設庁職員の心構え」、サブタイトルに「三千百名の決意」といった小さなものをつくりました。そして、その中にもこの呼びかけを入れさせていただいているところでございます。

 ただ、この点は、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたが、強制的にできるものではございません。我々といたしましては、今現在、まだ国庫への返納実績はございませんけれども、期待してまいりたい、そんなように考えております。

 それから、あと、直後に卒業いたしました生沢につきましては退職金が支払われております。OBであるわけでございますが、これは私どもの法律に基づきますと、現役のときの非違行為を理由に禁錮以上の刑が確定した場合には退職金の一部もしくは全部の返還を求めることができるといったくだりがございます。今はまだ裁判は続いておりますが、そういった点等々を踏まえて対応してまいりたい、そのように考えております。

笹木委員 では、もう一回、繰り返しお聞きしたいわけですが、六月ですか、この二つの報告書が出た。そのときに北原長官が記者会見をされている。そこで、この場をおかりいたしましてということで、別に皆さんに対してじゃないですよね、技術審議官また本庁の建設部長経験者に対しまして、退職金相当額の全部または一部の自主返納あるいは寄附等について検討するように呼びかけをしますとここで言っておられるわけですが、今のお答えにあった、それとホームページで呼びかけた、それだけですか。それ以外での呼びかけというのは全くないわけですか。

北原政府参考人 記者会見それから先生御指摘のホームページ、それから私どもの機関誌が、薄いものですが、施設広報というものがございます。それはOBの人たちもごらんになったりしております。そこでも呼びかけました。さらに、現職三千百名の職員を通じてということも考えまして、先ほど申しました「防衛施設庁職員の心構え」というものを、小さな持ち歩きできるものですが、それをつくりまして、その中にも、技術審議官等への呼びかけをそこに記させていただいたところでございます。

 ただ、先生、それだけかといった御指摘でございますが、特定個人に対する、例えばお手紙を出すとかそういった点につきましては、事柄の性格上、要請そのものは公権力の行使そのものではないけれども、要請された個人が事実上の強制力を感ずるようであれば、その違法性の観点で問題が生じる可能性がある。あるいは、特定の個人で、もし談合等に関係していない人があった場合には名誉毀損として受け取られるといった大変また難しい問題もございます。

 これらを踏まえまして、今申し上げましたような、私、考えられる幾つかの手段で呼びかけを行っているところであります。

笹木委員 その結果、今現在は実績としてどうなんですか。もう一度確認させてください。

北原政府参考人 きょう現在、私どもの呼びかけに応じてくださった技術審議官等のOBの方はおりません。

笹木委員 やはり、なかなか実現していない理由とか前に進んでいない理由をいろいろおっしゃるんですね。その理屈もいろいろあるんでしょうが、客観的に官製談合は犯罪ですから、この委員会でも再三お認めになっていますが、正式に今罪を認定されているわけじゃないが、似たような構図は五十年代半ばからずっとあったと御自身がお答えになっているわけです。

 ですから、そういう組織的な言ってみればいわゆる犯罪的な行為がずっと続けられてきた。この委員会でも何度も、なかなかそれで国損、どれだけの金額か算定するのは難しいとか、そういういろいろ答弁もありました。しかし、結果的に、国費をどう考えても余分に使って、それが天下りと一体になってずっと続けられてきた。これは国民にとってみれば損をしているわけですね。それで、そういうことにかかわったOBの方々は一人や二人ではない。決まっているわけです。たくさんおられると思いますが、今全く何の行動も行われていない。やはりこれじゃ済まないんですよね。

 この間、水曜日、木曜日、そこでのいろいろお答えを聞いている限りでは、結局仕方がないんだと、ちょっと手の打ちようがない。この先何かされる、そういうような意思は感じることができませんでした。今後もそのまま、これはしようがないんだということで流されるつもりでいるんでしょうか。

北原政府参考人 御指摘の点でございますが、私ども、まず、入札談合によりまして生じた国の損害といったものにつきましては、一つは、違約金の請求あるいは民法などに基づきます損害賠償請求などを行って回復してまいります。

 そして、今御指摘のOBを含む関与職員といった者によりまして生じた国の損害といったものにつきましては、必要な調査を実施いたしまして、当該職員が国に損害を与えたと認められますときには民法等に基づき損害賠償をしてまいりたいと思っておりますが、なかなかこれも難しい点が正直言ってございますが、十分に関係省庁の御意見等も拝聴しながら対応してまいりたい、そのように考えております。

笹木委員 今、調査をしてというお話がありましたが、具体的にどういう調査を今からされる予定があるんですか。

北原政府参考人 今申し上げました、関係の関与した職員、これはOBを含みますが、それによった国の損害といったものにつきましては、私どもといたしましては、今先生、どういう調査をということでございますが、視点といたしまして、まずは損害の有無は当然であります。それから、その当該職員の賠償責任の有無、これも当然であります。また、今度は関与の度合いなどについてこれは幅広く調査を行わなければいけない。そうした中で、当該職員が、あるいはOBを含みますが、国に損害を与えたと認められますときには、民法等に基づき賠償を求めることになる、そのように考えているところであります。

笹木委員 しつこく聞きますが、いつごろまでにその調査をして大体の結論を得るおつもりでいらっしゃるんですか。

北原政府参考人 先ほど来この委員会の場でも御議論ございましたが、今、公正取引委員会の審査が続いております。私どもは全面的に今協力をしているところでございまして、いずれにいたしましても、先ほど来るる申し上げました基本的な考え方に基づきまして、入札談合によって国の損害が生じたといった点につきましては、関係法令に基づきまして、関係省庁とも十分意見を拝聴しながら厳正に対応してまいりたい、そのように考えております。

笹木委員 公正取引委員会、その話も、きょう午前中から何度もいろいろありましたよね、やりとり。要するに、公正取引委員会の改善措置が正式に出る、それをただ眺めて待っている、そういうことですね。

北原政府参考人 公正取引委員会が権限に基づきましてその非違行為を今審査いたしております。そして、私どもの調査報告書の中にも記させていただきましたが、私どもの書類がある限り、すなわち、平成十二年度から十七年度までの対象となった可能性があると思われるものにつきましてはすべて情報を公取に提供しております。すなわち、今現在は、公取の審査がいつまで続くかは私どもコメントする立場にはございませんが、公取の審査に今全面的に協力をしている、そういった状況であります。

笹木委員 何も公取委のいろいろ調査を邪魔しているだろうなんて言っていません。それはそれでもちろんやっていただきたいんです。

 話、質問を戻しますが、公取委が正式に判断をした、そういう方々以外の方についてはどうするんだということも含めてお聞きをしているわけです。それについては結局、調査も含めて何もしないのか。調査じゃなくてもいいです。今後何か行動を起こしていかれるつもりはおありなのか、それを聞いているわけです。

北原政府参考人 私どもが調査いたしました。他方において、現職二名を含む三名が刑法の妨害罪で逮捕されております。それで、私ども、現職八十四名を処分いたしました。それから、OBを含めて約三百名についていろいろお話を聞いてきたところでございますけれども、今現在において、いわゆる刑法に触れた者あるいは刑が確定した者は三名でございます。

 ただし、我々の調査の結果、繰り返しになりますが、技術審議官等が主導してきたということで、また、例えば建設企画課長は建設部長の部下であるわけでございます。報告書の中にもあります。上司に話をしたら、それはもう君、やめろといった趣旨のことも言われたということがあるわけでございまして、やはりこの問題、責任があるのは、もちろん施設庁長官も責任がありますが、主導してきたのは技術審議官、建設部長ということで、今呼びかけをしているというところでございます。

 他方において、全面的に協力しています公取から、改善命令とかもろもろの要求あるいは措置が出た段階では、それに基づきまして我々適切に対応してまいりたい、そのように考えております。

笹木委員 北原長官は、六月に報告書が出たときの会見では、長年にわたりまして行われてきたまさにあしき行為について、反省の心を持たれる今言った技術審議官とか建設部長経験の方々、この方々だけですよね、ここで言っているのも。だけだけれども、これは刑が確定している方について言っているんじゃないでしょう。公取委が正式な判断を示した、その方について言っているんでもないでしょう。反省の心を持たれる方々に対しまして、自主的な判断でなし得る行動をとっていただけるように呼びかける、そう言っているわけです。結果的には、反省の心で呼びかけて、いただけた方がいない。それを受けてどうするのかというのをしつこく聞いているわけです。

 ぜひ、久間長官、ここでお答えいただきたいんです。きょうだけじゃなくて、水曜と木曜ですか、六時間を二回に分けてやったときにもいろいろ答弁がありました。それは、この調査委員会でやられたアンケートを見ても、防衛庁、防衛施設庁、そういう方々の意識というのは、なるべく民間よりも公務員として長く働き続けたい、一方でそういう意識を持っておられる。一方では、こういった先ほども言った規範意識とかあるいは規律とか、そういったことで国民から非常に期待が高い。

 そういうことを受けて、やはり長官なり今行政のトップの方が考えるべきことは、これだけ組織ぐるみのことで外からもたたかれているわけですから、他の省庁がやっていない改善策を示すことだ。刑が確定していなくても、具体的に公取委の判断の正式な対象になっていない方々に対しても、しっかりとそうした行動を起こすことがやはり国民から期待されていると思います。

 一方で、では、余りにも早く退職されてどうするんだ、その問題はあると思います。そんなことも片一方ではもちろん、他の省庁にはないような改善策を示されればいいと思います。それは野党であっても別に、いい案であれば邪魔はしません。応援も、できるものはしたいと思います。

 しかし、結局、今のお話の中にところどころにあったような、なかなかできないんだ、難しいんだということで終わっていくと、国民の目から見て、優秀な方がたくさんいる、みんな一人一人そんな悪い方じゃないはずだ、しかし、ああいうことが何十年にもわたって続いてきたんだな、数年前にも防衛庁でもあったぞ、一体どうなっているんだ、結局直らないのか、結局ずるずるべったりか、こう見えるわけですよ。ですから、そこでちゃんと行動を起こしてくださいと再三言っているわけです。

 ぜひ長官に、今のしようがないという話じゃなくて、集中審議ですから、しっかりと意思をここでも聞かせていただきたいんです。

 あわせて言いますと、例がないわけじゃないんですよね。他の委員も言っていますが、岐阜県の例。岐阜県だけじゃありません。自治体レベルでも、別に刑が確定していなくても、公取委が正式に判断の対象として認定していなくても、OB会で、岐阜県の場合には元知事とか元副知事、これが返還手続をとった、こういう報道もされています。

 これは私の地元の福井県、平成九年に旅費の不適切支出というのがありました。これで、OBからの協力金約一億二千万円、管理職の返済金約五億円、こうしたことが具体的にされているわけです。決してこの方々は刑が確定された方でもありません。恐らくほかの自治体で、日本全国の中にはいろいろな事件があって、あるいは不祥事があって、こうした例はたくさんあると思います。自治体にやれて、どうして国にやれないんだという話なんですよ。

 ぜひこれについて決意を聞かせていただきたいと思います。

久間国務大臣 先ほどから話が出ておりますように、なかなか決め手がないという実情の中で本当に手をこまねいておるという状態でございまして、これが、先生みたいに言われるように、確かに国民の目線から見たときには、それでいいのか、やはりそういうように映ると思うんです。

 だから、今言われましたのも一つの提言でございますので、そういった方法等、いろいろ方法はないのか。これはやはり私たちも早急に研究して何かアクションを起こさぬといかぬなと思っておりまして、ただ一回の公告を出して、それで終わってしまったという形でみんなが納得してくれるかなというのは、私はそれは無理だと思います。

 ただ、難しいのは、先ほどもちょっと冒頭で言いましたけれども、今度の聞き取りの中でも、本人さんが認めなかった、しかしながら、下の方が、いや、あの人も多分知っていたはずだというようなことを言ったとか、そういう状況の中で、処分対象になった人もおられるわけですから、なかなか強制的にはできないわけですから、今言ったように自主的に、どういう形で、自主的とはいいながらも何らかの結果が出てくるような方法がないのか。

 福井の例とか岐阜の例とか挙げられたわけでございますから、OBでいまだにやはり活躍している人も肩身の狭い思いをするんじゃなくて、ここで新しく、防衛施設庁が今度防衛庁に廃止して統合されるに当たって、胸張ってこれから先もその仕事ができるような思いをどういう形で誘っていけるかな、そういう観点から何か取り組んでみたいと思っております。

笹木委員 ぜひそのことは実行していただきたいと思います。

 それと、次に、天下りの自粛。これはさっきもお話ししました。片方で、若過ぎて退職される方が非常に多い、この問題をどうするのか。一方でこの問題があるのはよくわかります。しかし、それが片づかない限り、この天下りのことは見過ごしていいんだ、しようがないんだということにはならないはずですし、そちらの改善策もあわせて急いで考えていかれるべきだと思いますが、天下りの自粛、平成十八年六月十五日に二年間から五年にということで、このことについてもう一回御説明をいただけますか。

北原政府参考人 御答弁申し上げます。

 私ども、今回の事案が、大変若くして退職し、そして就職先を探さなければならなかった、特に防衛施設庁につきますと、本庁と比べた場合に二歳くらい若かったわけでございます。特にI種の技術系技官は三歳若かったということでございまして、さらに、例えば技術審議官、技術部長になった人間は、これまでの例からいたしますと、防衛施設庁に入ったときに建設部に入ったといたしますと、もうそれでずっと垂直でございました。そうするとポストが限られてまいりまして、どうしても新陳代謝を図るために早期退職をしなければならなかったということ等がわかってきたわけでございます。

 したがいまして、私どもといたしましては、極力早期退職を避けるようにしようということで、まずは目標と定めましたのが、防衛本庁がたしか五十八・五歳だったと思いますが、そこまで引き延ばそうと。それから、基本的に、夏の人事異動を含めましてでございますけれども、いわゆる本庁の室長相当以下につきましては、もう勧奨退職は取りやめているところでございます。それから、これは何も防衛施設庁だけじゃございませんので、防衛庁全体としての人事管理基準というものをつくったところでございます。

 そして、先生今御指摘の、六月十五日付で防衛庁長官から、関係企業あるいは問題となりました防衛施設技術協会等に対しまして、採用の自粛要請等々、これは二年を五年という話でございます。また他方、技術協会につきましては、もうこれは一切採用しないということもお願いをしているところでございますが、そういった手段をとっているところでございまして、これは私どもの事務次官から、今度は事務的には、企業もそうですが、庁内、防衛庁全体に対して職員に通達をし徹底を図っているところでございます。

 いずれにいたしましても、我々といたしましては、今回定められた幅広い再発防止策、その中の、今は再就職だとかあるいは勧奨年齢の引き上げだとか等々でございますが、それを総合的に着実に実施してまいりたい、そのように考えております。

笹木委員 経過はおっしゃるとおりなんだと思いますが、これも報告書が出た六月十五日に、自粛期間を二年から五年にということで、そのときに、これも北原長官ですよね、いわゆる天下りとの関連が指摘され、今まで離職後二年間を経過した後に再就職した者がいるなど云々、天下りとの関連が指摘され、国民から厳しい批判にさらされていることを真摯に受けとめ、離職前五年間に建設工事の発注業務に関与していた幹部職員について、離職後五年間、建設工事の受注実績を有する企業へ再就職しないよう云々、自粛、独自に厳しい基準を設けたということで発表されております。いろいろ調べますと、独自という割には、国土交通省とか道路公団、ここらを見ながら基準をつくられたのかな、ちょっとそんな感想も持ったりしますが。

 ここでちょっと確認しておきたいのは、与党の中で今少しおさまっているようですが、二年間の自粛期間、これを廃止してというようないろいろな案が出ていると聞きますが、厳しい批判にさらされてわざわざそれを五年間に延長して自粛期間を長くしているわけですが、与党の中でそういうような天下り禁止についてのいろいろな新しい動きが出たとして、そのときには防衛庁、喜んで一緒に、では我々もいいや、そうなったりはしませんよね。

北原政府参考人 今御指摘の与党なりの動きにつきましては今つまびらかにしておりませんが、いずれにいたしましても、申し上げることができるのは、大変な事態を起こして、そして本当に今度こそそういうことがないようにしようという中の施策の一つが、二年を五年、これは自粛でございます。

 五年というのは、私はやはり、憲法の職業選択の自由、あるいは働く権利の中でのぎりぎりのものだと思っております。法律は二年になっておりますけれども、我々としては、ぎりぎり五年ということで自粛を今しているところであります。

笹木委員 いや、ですから、こういう問題が起こった、かつて国交省もいろいろな問題が起こった、道路公団も起こった、そういうところも独自のさらに厳しい基準を設けている。今回、平成十八年の六月十五日にそういう基準を独自に設けた。

 久間長官に確認をしたいわけですが、今後いろいろな動きがあるとしても、常に独自に厳しい基準をというその視点を捨てたりすることはすべきじゃない、そういう御認識は持っておられますよね。

久間国務大臣 少なくとも国民の目線から見たときに、その前に従事しておった職務の関係でそういう会社に就職するとか、そういうことは絶対ないようにしなければなりません。与党の方でいろいろな意見が出ているというのも、やはり二年間は、二年を切って切りっ放しということじゃなくて、そういうようなことのないように、もっと幅広く就職はしていいけれども、少なくともその前の職務に関係したところには就職しない、そういうようなことでやったらどうか、そういう意見だったんじゃないかなと思います。これもまだ与党として固まっているわけでもございませんので、今先生が御指摘されましたような、そういう視線を忘れないで、これから先、そういう意見が出てきたときでもきちっと対応していきたいと思っております。

笹木委員 次の点、これも大事な点でありますが、額賀前長官の参考人としての出席を再三求めておりますが、実現しておりません。その経緯についてお聞きしたいわけです。

 北原長官にお答えいただきたいんですが、一月十六日に建設部長から申告があったと。もう一回振り返ってここで確認させてください、どのような申告があったわけですか。

北原政府参考人 その前に、ちょっとさかのぼらせていただきたいと思います。

 まず、今回の事案が、第一報といいますか、表に出てまいりましたのが、昨年の十一月十七日の新聞報道でございます。旧空港公団の絡みで、防衛庁にも防衛施設庁にもあるんじゃないかと。

 そして、そのときに、翌日でございますが、額賀大臣は直ちに、検察の捜査に全面的に協力しろといった指示、私は受けております。それを受けまして、私は、施設庁の職員全員に対しまして、同じ全面的協力、それから、もし正すべき点があれば断固として正していくということを皆さんに申し上げますということで、十八日でございますが、そこでずっと来ております。

 そして、そうした中で、一月の、今先生御指摘でございますが、十六日に、私は大臣のお供で訪米をいたしておりました。そうしましたら、私どもの本庁の総務部長からホテルに電話がありまして、この件につきまして、十一月、ちょっと私の記憶では十一月という漠とした言い方だったと思いますが、後では十一月下旬ですが、十一月ごろ資料の廃棄を部下に命じたといった趣旨の電話を受けたところであります。そこで、私は速やかに、ホテルにいた大臣にこの趣旨のことをお話し申し上げました。そうしたら、大臣からは、捜査には全面的に協力しろということと、あわせて、しっかり調べろという御指示があったわけでございます。

 そして、そうした中で国会、その前に、二月の六日ですか、記者会見があって、額賀大臣は、事実、報告を受けていますかという記者のそういった趣旨の御質問に、報告は受けていないとおっしゃっておられます。

 この点につきましては、今私が申し上げましたように、私は、第一報として、電話で受けた概要といいますか、先ほど申し上げたことを大臣に報告したら、大臣は、捜査に協力しろということと、よく調べろということを言われたわけでありまして、二月六日の時点におきましては、この点につきましても捜査に影響を与えない範囲でのいろいろ私なりに努力をしていたわけですが、それを、全体としてこうです、事実はこうですということを額賀大臣に御報告できるような状況ではありませんので、御報告はしておりませんでした。その点を大臣はおっしゃっている、そのように考えております。

笹木委員 それで、御本人にお答えいただければ一番自然にわかるわけですが、御本人は出席されていないので、ここでまた北原長官か、あるいは久間長官にお答えいただく、これも想像してお答えいただくのか、難しいことだと思いますが、お答えいただきたいんです。

 二月六日に、定例記者会見においてこういうふうに発言されているわけですね。まず、記者からの質問で、「今日の一部報道で、施設庁の談合事件に関連して二日付で交代した前建設部長が資料の廃棄を指示したというような報道がありますけれども、事実関係についてどう説明を受けていますか。」、これに対してお答えになっているのが、「そのことについては新聞で見ましたけれども、私自身は報告を受けていません。」、ちょっと略しますが、「捜査妨害になるようなことを我が方の庁内でしているとも思わない。」、こういうふうに言っているわけですね。

 これはどういうふうに理解すればいいわけですか、一月十六日に北原長官がアメリカで報告をしているけれども、こういうような答弁になっているということは。

久間国務大臣 その点について、私もここで聞いておりまして、初めて聞いておりまして、どういうことなのかなと最初は思いました。

 証拠隠滅を図ったというような報告を受けたのならば、それはそういうような報告でいいと思うけれども、どうも、先生の議事録その他を見てみますと、そうじゃなくて、北原さんから総務部長を通じてのお話、報告を外国で受けて、それは、いろいろないわゆる書類を全部処理したというような、そういう事実関係の報告を受けて、だから、この答えが、二月二十二日のときの委員会での答弁が、証拠隠滅になるようなことはないと信じておりますというような表現になったんだろうと思います。

 だから、そういう事実関係があったのは事実だけれども、額賀先生はそんなに法律にお詳しい方じゃないから、証拠隠滅とかなんとか、そこまで具体的に、そういう法的構成要件が該当しているとかしていないとか、そんなことを考えないで、自分としては証拠隠滅に、そういうようなことにならないことを信じておりますという表現になったんだろうと思いまして、そこは別にうそを言ったわけじゃないんだろうと思っております。

 それで、もう一つは、二月の六日のときに、新聞記事を見た、しかし報告は受けていないと言った。これは正直言いまして、私も聞きました。何であんなふうな言い方になったのかと言いましたところ、一月十六日は確かに事実関係を受けて、そして検察に協力しろ、捜査も入っていることだし、全面的に協力するようにということを言っておったけれども、その後、事実関係がどうだったのか、証拠隠滅になったのかならぬのかも含めて、全体像としての報告をきちんと北原長官から受けていないものだから、自分は報告を受けていないと言ったのであって、別に逃げたわけじゃないんだという話をされたから、まあそこのところがちょっと、新聞記者の応対でも、もう少し言葉を正確に、全体像を受けていないので今ここで判断できないというようなことでも言われたらよかったんでしょうけれどもねと、結構そこはやはり問題になっていますよという話を本人さんにはしておきました。

 事実としては、本人は、北原長官から、今ちょっと話がありましたように、全体像の把握についてきちんとした報告を受けていなかったのが事実だったんじゃないかと思います。外国で電話でのやりとりを北原長官から受けたというのは、それは実際間違いなく受けていますという話を私にもされましたので、それが事実でございます。

笹木委員 久間長官は非常に丁寧にお答えになる場合もあるし、しかし、これはやはりお話を聞いていてもおかしいんですよ。

 もう一回繰り返しますよ。証拠隠滅なんという言葉を、二月六日の時点では、質問した記者は使っていません。資料の廃棄を指示したような報道があります、それについて説明を受けていますかと。新聞で見ましたけれども報告を受けていませんとお答えになっているわけです。それに続けて、中略ですが、「今日、報道について報告を受けられて、施設庁の方に説明を求めたりされましたか。」「まだ、求めていません。」、「今後、説明について求められるお考えはありますでしょうか。」「それは聞かなくてはならない。」というふうに続けています。

 これは常識的に、これを読んで、高山委員がこの集中審議でも予算委員会でも、これは二月の二十二日ですが、この二月六日のことも含めて何度かやっていますが、やはりどう考えても不自然なんですね。しかも、二月二十二日には、今度は答弁のトーンがかなり変わっているんですよ。報告を受けていませんというようなことは、額賀長官は今度は一回もおっしゃっていません。

 北原長官に甚だ失礼ですが、当事者がいないので、こちらも想像して質問するしかないんですが、北原長官が一月十六日に報告していないという可能性だってあるじゃないですか。失礼な質問になりますが、こちらとしてみれば、そう考えてしまうじゃないですか。そのことについては御本人はどうなんですか。絶対に報告したという何か根拠がありますか、示せるものがありますか。

北原政府参考人 お示しできる、それを私が説明したと裏づけるようなものはございません。私は口頭で大臣にお話をしたところでございます。それは十六日でございます。

 繰り返しになりますが、二月の六日につきましては、一月の十六日のときに電話で受けた内容、これはある意味では断片情報だと思いますけれども、これについて、速やかに捜査に協力しろということと、それから調べろということをすぐ大臣は御指示を私にしたわけであります。その旨、私は当然東京にも伝えました。そして、そうした中で捜査は続いておりました。それで、二月六日の記者会見があるわけでございます。

 したがいまして、私は、大臣との関係では、調査しろという指示を受けて、そのまま二月の六日に至っているわけでございますので、私は調査した結果について額賀大臣には報告をしておりません。したがって、大臣は報告を受けていない、そのように記者会見でお話しされたものと考えます。

笹木委員 いや、それは無理な解釈でしょう。その説明を受けていますかと聞かれた二月六日で、そのときには報告を受けていませんと答えているんですよ。それで、二月二十二日の予算委員会になったら、今度は答弁のトーンが変わって、ないと信じているというような表現に変わっているわけですよ。

 さらに、今度、それが午後になったら、それについては、今捜査の進んでいることでもあり、捜査の妨害になっちゃいけないからコメントしない、お答えしない、午後からはそうなっているわけですよ。

 これは、普通に議事録、予算委員会の議事録も何度も読みました。この記者会見も、何かちょっと余談になりますが、前田委員が何度も何度も、いろいろなことで請求した資料で、何が出てくるのかと思ったら、予算委員会の議事録とこの記者会見。これはインターネットで手に入りますし、予算委員会の議事録は、私もあのとき予算委員でした、次の日に速記録が来ています。それを、わざわざコピーをいただかなくても、そんな資料はだれも要求していません。それをいただいているんですが、きょう改めて、せっかくだから、せっかくコピーしていただいたのを改めて読みました。同じです。

 要は、トーンが変わっているんですよ。普通に、自然に読めば、二月六日から二十二日の間に報告を受けたのかなとやはり思ってしまうわけです。ですから、御本人がちゃんと説明されるべきでしょう。しかも環境は、施設庁の中で組織的な証拠隠滅がされてきたわけでしょう。そんな環境の中でのこの二月六日と二月二十二日の発言があったわけです。

 捜査妨害になる、だから発言できない、これもわかりません。そういう方がいることが捜査妨害になるのであって、しかも裁判に影響があるかといえば、既に報道されているわけですから、検察も知っております。裁判に影響もない。何で言えないんだ。表現の仕方はあるでしょう。可能性がある、そんなことをちょっと耳にした、さらに今詳細に調べている、いろいろなお答えの仕方はあると思います。しかし、一切言わずに、報告を受けていないとお答えになっているわけですよ。

 これは、北原長官が報告をしていないか、そして、委員会を立ち上げて、一方でやはり隠そうとしておられるのか、非常に無礼な質問になりますが、その可能性か、額賀長官がとぼけていた、自然にそう解釈する方が圧倒的に多いと思います。ですから、しつこくこのことをほかの委員も質問しているし、私も、整理して考えても、どう考えてもそうだと思います。ですから、久間長官がここで御苦労なさって、何か本人の心理になってお答えになること自体が無理があるわけなんですよね。

 やはりこれは大きい問題です。組織的な隠ぺいが施設庁で行われた、そしてまたこの時点でもされていたのかもしれない、そういう疑惑がわいているわけですから、これは御本人に参考人として、何も一日じゅうなんて言いません、そのことを質疑をする方、ずっと調べてきた、私よりもずっと詳しい委員がいます。その方の質問のときにお答えいただければ結構なんです。そのことを何度もお話をしていますし、きょうも、かわりに久間長官が答えるから、北原長官が答えるから、そう言われていますが、今、返答の答弁を聞いても、ほとんど、恐らく一般の方は納得できません。ですから、ちゃんと御本人にお答えをいただきたいと言っているわけです。

 このことを理事会で再度協議していただくということで、私の方から提案させていただきますので、協議をしていただきたいと思います。

木村委員長 笹木委員、ただ、久間長官が、額賀前長官に直接お尋ねしたという趣旨の御答弁があったわけですね。その点で御納得いただけないんでしょうか。

笹木委員 久間長官は非常に迷惑なわけですよ。御本人の心理を想像して答えられるわけないじゃないですか、そのときの事実も知らない方が。ですから、御本人が答えるべきだと言っているんです。

久間国務大臣 本当に微妙な話かもしれませんけれども、私は、額賀さんには二つのことを聞きました。

 アメリカにおって電話で連絡を受けたというのは本当かねと。そうしたら、確かに北原さんからそういうようないろいろな動きがあったということは聞いたと。それと、新聞記者から聞かれたときに、あなたは報告を聞いていないと言ったけれども、それはどういうことなんだという話をしました。

 そうしたら、とにかくアメリカで聞いたときには、事実関係を調べるようにということと、捜査に協力するようにということを言ったと。それと、新聞記者から聞かれたときは、とにかく自分としては、そういう全体像についての、アメリカから帰ってきてもう大分たっているから、その報告をいまだまだ北原長官から受けていないので、それは報告を受けていないんだということを単純に言ったんだというような話でしたので、その辺でやはり誤解が出たのかなというふうに思いました。

 いずれにせよ、二月の二十二日の時点のことは詳しく聞きませんでしたけれども、あれはこの間の高山議員の話を聞きながら、額賀さんは、ないと信じているというふうに言ったけれども、やはりこれは、ないと信じているということを防衛庁長官が発言するのがいろいろな捜査に対して微妙な影響を与えるんじゃないかなと思ったから、後からは非常に、捜査上のことだからということで言葉を濁したんじゃないかなと私は正直、これは推測ですけれども、本人に聞いていませんので、そういう感じを持ちました。

 だから、私はそんなに、この問題で食い違いといいますか、大きな事件になるような、そういう核心の部分ではないんじゃないかなと思いながら、もう少し言葉丁寧に説明しておけばよかったんじゃないかなと思っているところであります。

木村委員長 時間になりましたので、よろしいですか。

笹木委員 納得できませんし、それとあわせて、資料、集中審議だというのに資料が本当に出てきません。こうしたことを変えることがまず第一歩だと感想を述べさせていただいて、質問を終わります。

木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四十八分散会


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