衆議院

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第4号 平成19年11月16日(金曜日)

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平成十九年十一月十六日(金曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 嘉数 知賢君

   理事 今津  寛君 理事 北村 誠吾君

   理事 武田 良太君 理事 仲村 正治君

   理事 山口  壯君 理事 渡辺  周君

   理事 赤松 正雄君

      安次富 修君    赤城 徳彦君

      飯島 夕雁君    大塚  拓君

      瓦   力君    木原  稔君

      木村 太郎君    薗浦健太郎君

      寺田  稔君    浜田 靖一君

      福田 良彦君    山内 康一君

      山崎  拓君    川内 博史君

      北神 圭朗君    神風 英男君

      田名部匡代君    田村 謙治君

      津村 啓介君    寺田  学君

      森本 哲生君    横山 北斗君

      田端 正広君    赤嶺 政賢君

      辻元 清美君    下地 幹郎君

    …………………………………

   防衛大臣         石破  茂君

   外務副大臣        小野寺五典君

   防衛副大臣        江渡 聡徳君

   防衛大臣政務官      寺田  稔君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 羽田 浩二君

   政府参考人

   (防衛省防衛参事官)   小川 秀樹君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   中江 公人君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  金澤 博範君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 松本隆太郎君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  渡部  厚君

   政府参考人

   (防衛省経理装備局長)  長岡 憲宗君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  地引 良幸君

   安全保障委員会専門員   板垣 芳男君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十六日

 辞任         補欠選任

  山内 康一君     飯島 夕雁君

  津村 啓介君     寺田  学君

  長島 昭久君     北神 圭朗君

  馬淵 澄夫君     森本 哲生君

同日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     山内 康一君

  北神 圭朗君     田村 謙治君

  寺田  学君     津村 啓介君

  森本 哲生君     川内 博史君

同日

 辞任         補欠選任

  川内 博史君     横山 北斗君

  田村 謙治君     長島 昭久君

同日

 辞任         補欠選任

  横山 北斗君     田名部匡代君

同日

 辞任         補欠選任

  田名部匡代君     馬淵 澄夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)


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     ――――◇―――――

嘉数委員長 これより会議を開きます。

 この際、小野寺外務副大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小野寺外務副大臣。

小野寺副大臣 おはようございます。外務副大臣の小野寺五典でございます。

 嘉数委員長を初め委員の皆様に謹んでごあいさつを申し上げます。

 国際社会におきまして外交、安全保障の課題が山積する中、我が国の安全と繁栄を確保し、国民の生命と財産を守ることは、政府が取り組むべき最優先課題だと思っております。私は、高村外務大臣を補佐しまして、我が国が直面する外交、安全保障上の諸課題に取り組んでまいります。

 委員長初め皆様の御指導をよろしくお願いします。

 ありがとうございます。(拍手)

     ――――◇―――――

嘉数委員長 内閣提出、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房参事官羽田浩二君、防衛省防衛参事官小川秀樹君、防衛省大臣官房長中江公人君、防衛省防衛政策局長金澤博範君、防衛省防衛政策局次長松本隆太郎君、防衛省人事教育局長渡部厚君、防衛省経理装備局長長岡憲宗君及び防衛省地方協力局長地引良幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

嘉数委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

嘉数委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺周君。

渡辺(周)委員 おはようございます。民主党の渡辺でございます。

 前置きはさておき、早速質問に入らせていただきます。

 通告はしていないんですけれども、まず冒頭、昨日ですか、自動小銃を持ったまま行方がわからなくなっていた二十の自衛官、この方の現状を、今どのようになっているのかということについて、もし今の時点でわかっておれば、ぜひ御報告をいただきたいと思います。

石破国務大臣 現在、小銃は発見されておりますが、本人の所在等々まだ確認をできておりません。今朝までの間に何か情勢の変化があったとは報告を受けておりませんが、もし変化があるようでしたらば、この委員会中に御報告させていただきたいと存じます。

江渡副大臣 お答えさせていただきます。

 今大臣の方からもお話ありましたけれども、現時点においてまだ発見はされていませんけれども、銃を持っているのは確かでありますけれども、弾倉は持っておりませんので、一応その点だけお答えさせていただきたいと思います。

渡辺(周)委員 たしか、自動小銃は、何か地元の自治体の指定の袋に入れられて、どこか、訓練場の端っこの方で見つかったと、きのうの夜報道されたのを見ておりますけれども、こういう事件があって、周辺住民は非常に驚きを隠せない、まさにおっしゃった、弾倉が装てんされているか否かということは、こんなものは一般の方にはわかりませんので。

 そういう事件がある中で、防衛省職員の給与等に関する法律の改正案の中で、引き上げるのだということをかんがみますと、今の自衛官の方々の状況で非常にわからない部分も多いし、また、なぜこういうことが起きたかということについても、我々は、ちゃんと調べて報告をいただかなきゃならないだろうと思っています。

 自衛官のみならず、昨日の守屋前事務次官の証人喚問の中でいろいろな事実が出てまいりました。昨日からきょうにかけてこの問題で一色でございますけれども、このさなかに、防衛省の職員、人事院勧告に従って、この時期は公務員給与の引き上げの問題というのが課題となってくるわけでありますけれども、私どもとして、果たしてこれが今の時期にふさわしいのか、適切なのだろうかということに関して、やはり質疑をこの委員会中で、限られた時間でありますけれども、進めていかなければならないわけであります。

 この点につきましては、後ほど別の委員からも質問があろうかと思いますので、私からは、まず大臣、昨日の証人喚問を受けまして、私ども民主党は、テロの特別委員会で筆頭理事を務めております鉢呂筆頭理事が、昨日、自民党の中谷筆頭理事の方に、証人喚問をぜひ求めたいということで、私どもとして申し入れをしております。

 ぜひこの件についての御所見をいただきたいと思うのは、昨日の話の中で、額賀さんと久間さんのお名前が出ました。総理も、政治家が同席するということはよくあるのじゃないかということもおっしゃったし、官房長官もそのような趣旨の発言を昨日されました。内容によっては、もしかしたら我々が思っているような中身でなかったかもしれない。しかし、内容によって、もし請託を受けているようなことでもあれば、これは大変な問題ですから。

 この中身について、守屋さんは記憶にないと繰り返されました。私どもとしては、守屋さんがそう言った以上は、一体何の話が行われたのかということについて、名前の出たお二人が、御自身の名誉のためにも、やましいところがないのであれば、当然公の場に出てきて、どういうことがあったのかということをやはり記憶をたどってでもつまびらかにするべきだと思いますけれども、石破大臣、同じ防衛省のトップとして、大臣を務めておるお立場として、この歴代の防衛庁長官、防衛大臣が、このような名前があのような公の席で出たということについて、これをどうするかということについて、あるいはどんな御感想をお持ちか、石破大臣の今現在の御心境、御見解を伺いたいと思います。

石破国務大臣 守屋氏がきのうそのように証言をした、それに対して、額賀財務大臣は、そのような事実はない、久間元大臣は、直接のコメントかどうかは存じませんが、記憶にない、こういうことだそうであります。そうすると、そこにはそごがありますわけで、ここをどうするか。それは、委員がおっしゃいますように、実際そういうこともないということであれば、しかるべき場においてそれをおっしゃるというのも一つのやり方。

 いずれにしても、証人として呼ばれるかどうかは国会がお決めになることでございますので、私がそのことについてどうこう言う立場にございません。

 また、そこに同席をしていたということが仮に事実であったとしても、委員御指摘のように、ではそこで何が行われたかということは、全く今の時点においてうかがい知ることはできませんので、このことについても、私がコメントすることは適切ではないなというふうに思っております。

渡辺(周)委員 大臣、昨日ちょっと報道陣に囲まれている姿を見ましたら、会っただけではさほど問題ないのではないかというようなことをインタビューで答えていらっしゃいましたけれども、これは事と次第によっては大変な問題になる。

 同席をして何が話されていたのかということが我々一番知りたいところでございまして、当然、昨日のあの守屋証人の中ではそれが一切触れられなかった。これを私たちは国会の場で、国会の証人喚問で出てきた話ですから、当然のことながら、やはり国会の場である程度真相を究明しなければいけないだろうというふうに思うわけでありますから、我々は、テロの特別委員会、私も理事を務めておりますが、与党の方から火曜日に返事をするということで、返事を待っている段階でございます。これはよその委員会のことでもあるとおっしゃられるかもしれませんけれども、我々としては、これをぜひ実現したい。

 そして、防衛庁の長官を務められた方にかかわった不名誉な話について、きょうの報道は全部不名誉な形で出ているわけですから、これはやはり名誉と規律を重んじる防衛庁の国防のトップを務められた方々がこのようなことで非常に不名誉なことの今さなかにいるわけでありますから、ぜひこれを実現するような御認識でいただきたいなというふうに思います。

 さて、昨日の証人喚問でまたお名前が出ました。具体的に、もう一部報道にも実名、年齢も出ていますけれども、現在防衛政策課長を務められている河村延樹さん、この方の出席をきょう私は求めました。この委員会に出てきて、ぜひ、報道もされておるし、きのうの証人喚問の中でも、実際、一九九七年、今から十年前、二千万円と二千五百万円と二回に分けてお金を預けた、そして運用を任せたということが事実であることが、昨日の守屋証人御自身の発言の中で出てまいりました。この問題について、私はぜひ河村さん御自身に聞きたかったんです。これもまた、御自身が今その疑惑のさなかにいるわけであります。

 なぜ一介の公務員、投資の専門家でもない人間に四千五百万円もの大金が、守屋さんも、あそこで私はもうちょっと質問者に突っ込んでほしかったなと思うんですけれども、なぜその人が四千五百万円も運用できると思ったんですかと。こんな、プロの投資家に頼んだって怖い話です、四千五百万円も預けて。それをどうして、何の投資をしたのかも明らかになりませんでしたけれども、二千万円と二千五百万円ですか、二千五百万円と二千万円だったか順番は忘れましたけれども、二回に分けて運用を任せた。こんなこと、一般常識じゃあり得ないんですよ。

 なぜこの人にお金を任せて、甘い言葉についつい乗ってしまって預けてしまったと言っていましたけれども、どうしてこんな大金を預けたのか。ではどういう運用方法でふやすんだと普通は確認しますね。これは本当にそうだったんだろうかと思わざるを得ないんです。

 ですから、河村さんにきょうは来ていただいて、あなたはどうやってふやすつもりだったんですか、あるいはどうやって運用をしたんですか、そしてなぜ穴をあけてしまったんですかと。もっと言えば、その年のうちに、九七年の七月に四千五百万円が預けられて、返済できなくなりました。それで、同年十二月までに三千万円が返済をされたわけですけれども、どうやって三千万円も返済できたのか。わからないことばかりなんですね。

 それから、約五年の間に少しずつ返して、最後に二〇〇二年に一千百万円の小切手を渡して、預かったお金は完済されたようでありますけれども、一公務員が運用するには余りにも大きな額。穴をあけた損失が、大体、考えてみたら、損失補てんなんという言葉が出てくるわけですよ。何で、公務員の守屋さんが公務員の部下の河村さんに渡したお金が、運用に失敗したら穴埋めをしてもらえたのか。

 こんなことも全部聞きたかったんですけれども、残念ながら、御自身が、今週月曜日、十二日から体調不良でずっと職場もお休みになっているということで、昨日、非常に我々としては何とか出てきていただきたかったんですけれども、体調ということで職場も欠席しているということで、今回は出席いただけないことを了承せざるを得ませんでした。私たちは、この後、河村さん御自身の不透明な部分についてもぜひ御答弁をいただきたいというふうに思っているわけでございます。

 そこで伺いますけれども、今、防衛省内でも、このような報道がされてから、一体どういうことなのかということについて、どのように調べているんですか。お答えいただけますでしょうか。

中江政府参考人 お答えいたします。

 本件につきましては、現在、河村課長本人からの聴取も含めまして、事実関係を確認中でございます。これまでのところ判明している事実関係につきましては、昨日のあの守屋氏の証人喚問における供述も含めまして、把握しているところでは、以下のとおりでございます。

 平成九年に、当時、長官官房防衛審議官であった守屋氏が、防衛局計画課先任部員であった河村課長の投資のために貸してほしいという申し出に応じまして、同年の六月に二千五百万円、七月に二千万円を河村課長が守屋氏から借り受ける旨の書面が作成をされたとのことでございます。この四千五百万円は河村課長の知人に預けられましたが、その後、河村課長は、当該知人から、投資の失敗により全額を直ちに返済することが不可能になった旨の連絡を受けております。その後、河村課長は、平成九年の十二月までに守屋氏に対しまして三千万円を返済し、その後、残余の一千五百万円につきまして順次返済を行い、平成十四年八月に一千百万円を返済し、総額の返済を終えたということでございます。

 概要、以上のとおりでございます。

渡辺(周)委員 私が問題視をしているのは、多額の資金を運用したことはもちろんなんですけれども、例えば、投資をする資金を貸してほしいと言われて、本当に手元に四千五百万円あったという疑いを持たれた守屋証人は、これは実家の山林が宅地となっていて売った、それが実資産なのだ、それを運用したのが手元にあったんだという話でした。だとすれば、それは事実だったのかどうか確認しましたか。それが一つ。

 それから、実際、手元にそれだけの、五千万円近い、四千五百万ものお金があるならば、当然、税務当局には何らかの申告をしているわけですね、もしそういう大金が入ってきたのであれば。その確認はとったかどうか。

 それから、知人という人間に運用を任せたと言いますけれども、四千五百万円もの大金を丸ごと預けるような、普通はリスク分散しますよ、もし本当に投資に使ったんなら。では知人とはだれなのか。ぜひそれも、確認されているかどうかお答えいただきたいと思います。全額が返済不可能になったのになぜ三千万円も用立てできたのか。

 これはいろいろ疑ってかかれば、例えば、絶対値上がりする株がある、防衛省の関係する、例えば防衛の産業、防衛関連銘柄、これで絶対株が上がるかなと思って投資したかもしれません。だとすれば、完全なインサイダーですね。こういう疑いも持たざるを得ないわけですし、もしかしたら、三千万円の穴埋めだって、えらいことになっちゃった、これだけのお金を、すぐに大金を返せないから、だれかに用立ててもらうために、必ずどこかで穴埋めするからちょっと当面用立ててもらえないか、どこかの自分の権限が及ぶ、防衛省に何らかの見返りを求めている企業なりに用立てをお願いしたかもしれない。こういう可能性は考えれば幾らでも出てくるんですね。

 この点について増田事務次官は、調査をしている、調査が甘いという指摘に対して、それはそちらのとり方だというようなことを言ったというふうな新聞報道がされていますけれども、これはどう考えても常識的におかしい話なんですよ。

 本当に五千万ものお金が守屋証人の手元にあって、それを丸ごと預けて、それで三千万もの穴があいちゃったら、すぐに五カ月で返せた。何か聞くところによりますと、母親と共同名義のどこか目黒区内にあるマンションを売ったんだとかいいますけれども、それで何とか返済できたというふうに新聞報道はありましたけれども、本当にそういう事実があったのかどうか。

 これは大変な、防衛省全体が、もしかしたら自分の権限を、その立場をある意味では悪用してマネーゲームできるんじゃないか、こういう疑いもかけられるわけですけれども、この辺は確認していますか。

中江政府参考人 幾つか御質問いただきましたが、まず、昨日の証人喚問での守屋氏の供述にございましたように、守屋氏は仙台市にある土地を売却して約五千万円を取得したということでございます。これにつきましては、守屋氏から本件土地の売却に関する資料の提供を受けているところでございます。

 先生御指摘の税務上の手続をとっているかどうかについては、確認は今のところしておりません。

 それから、河村課長が運用を任せたという知人でございますけれども、これは河村課長本人の父親の関係者、父親の部下であった人というふうに伺っております。

 それから、当初投資に失敗をして、まず三千万円を守屋氏の方に河村課長から返却をしているわけですけれども、これにつきましては、河村課長からの聞き取りによりますと、まずその知人から現金が河村氏本人に返金をされている、かなりの部分が返金をされているようでございまして、それに自分の資金を若干加えて、その三千万円を守屋氏にその年の十二月一日までに返済をしている、こういうことでございます。

渡辺(周)委員 ですので、その知人というのが父親の関係者である。では、これはお父さんは本件には関係ないかもしれませんけれども、どこまで知っていたのかわかりませんけれども、このまま信用するとすれば、そういう投資の専門家か何かだったんですか。それが一つ。

 といいますのは、防衛省の幹部から預かった金だから絶対に失敗してくれるなと、それだって、つまり損は今回しなかったけれども、何らかの形で資産をふやしてあげようと。これがもしそういう思いでやっていたのなら、それは何らかの形で、形を変えた形でこの方に対して特別な計らいをしたということになりませんか。つまり、資産をふやすということで、その方に対する形を変えた見返りを与えるわけですから。

 その辺が、父の関係者という人がだれかによっては、これは当然また新たな疑いが持たれるわけですけれども、本人の父親というのはどういう方なんですか。そしてまた、その関係者というところまで調べていますか。その点について、再度お答えいただけますか。

中江政府参考人 今の、知人の方が具体的にどのような人物であるかについては、今のところ詳細は把握できておりません。本人も必ずしも十分に把握できておりませんで、現在本人が知人に連絡をとろうとしておるのですが、なかなか連絡がつかないという状況でございます。

 必ずしもプロの投資家ではないということでございますが、非常に投資が上手な人であるということで、本人がその知人に運用を任せたというふうに今のところ本人は言っております。

渡辺(周)委員 そんな理屈は通らないですよ。だれに預けたかもわからない、どうやって運用したかもわからない、四千五百万円の金を、常識で考えたら皆さんわかると思うんですよ。そんなばかなことがあるかと。これはやはり本人から調べるべきです。父親のところへ行って、父親に会って、御健在であるならば、では、その関係者とはだれなんだ、そこまでやらないと、はっきり言ってえらい疑惑が広がりますよ。そこら辺まではもうちょっと詳細に調べられていないんですか。

 それからもう一つ、さっきの、自分の名義の不動産を売却したことによって充てたというのは、それは本当ですか。確認はとれていますか。

中江政府参考人 知人の件につきましては、本人を通じましてさらに確認を行いたいと思います。

 それから、本人がマンションを売却してという話でございますけれども、先ほど申し上げましたように、三千万円をまず守屋氏に返却して、残り一千五百万円になったわけでございますが、この一千五百万円につきましては、その後、五年間にわたりまして、給与ですとか賞与の際などに少しずつ現金で返済をしていった。残り一千百万円を一括して預金小切手で守屋氏に手渡しをしておりますけれども、このお金につきましては、本人の聞き取りによりますと、本人が保有をしておりましたマンションを平成十四年の六月に売却いたしまして、この代金の一部でもって、今申し上げました一千百万円の返済をしているということでございます。

渡辺(周)委員 ですので、その売却したということはちゃんと確認はとれているんですか。

中江政府参考人 今のところ、本人からの聞き取りによるものでございます。

渡辺(周)委員 もう時間がありませんので、この問題はちょっと次回、どこかでまたやりたいと思いますけれども、これは絶対調べないとおかしいですよ、これだけのお金を用立てできるなんというのは。本当だったら、もし、マンションを売却して、それでも、尊敬する上司のために、穴をあけちゃって申しわけないから、自分の持っている名義の不動産でも売却してでも何とか穴埋めしたんだというならいいでしょうけれども、本当にそんなことがあり得るのかどうか。

 大体、これは物すごいアバウトな話ですね。四千五百万を預けた方もそうだし、それを必ず、必ずと言ったかどうか、ふやしてみせますというようなことを言って、預ける方も預ける方だけれども、丸ごとどこか、だれだかわからない人に運用する。

 そもそも、ふやしてあげましょうという甘い言葉に乗ったのならば、そんな、だれだかわからない人に預けるような話に乗る方もおかしいと思うんですよ。大体こういうのは、最初に例えば二千五百万預けた、これが三千万円になって返ってきた、太らせて食うというものですね。最初は大体ちょっともうけさせて、あとはアリ地獄に引きずり込んで、結局最終的には全部持っていかれるみたいなのが普通ですよ、変な話、だますつもりなら。

 例えば、そういうことで、最初もうけた、それで味をしめてまたさらに投資したというならわかりますけれども、こんな六月、七月に立て続けに四千五百万円なんという、こんな額面どおり話を信じていいかどうか。これは別のことを、本当はお金の何か帳じり合わせをするためにこういう話をつくったんじゃないかと私は思わざるを得ないんですけれども、また私も調べて何らかの形で追及したいと思いますが、この点についてはさらにまだ調査はするんですね。大臣、いかがですか。

石破国務大臣 これは調査はいたします。

 大体、こんなことが本当にあるのかという話でして、非常に不透明です。それで、実際に法律に触れるか、あるいは倫理規範に触れるかということになれば、これはまだよくわかりません。ただ、職場の上司と部下との間でこんなことが行われること自体、私は、あるべきだとは思いません。そういうことで人間関係が動いていくということがこういう官庁においてあることは、私は、極めて不適切だと思う。極めて不愉快なお話であります。

 ですので、ですのでというのも変な言い方ですが、この事実についてはどういうことなのか、これは、可能な限り、防衛省の信用のためにも調査はいたさせます。いたします。

渡辺(周)委員 ぜひやっていただきたいと思うんですよ。

 例えば、四千五百万円のお金を任される。えらい責任ですよ、とてもじゃないけれども。ましてや、いつも顔を合わせている職場の人間です。そんなものを投資に使うわけがない。これは絶対、もっと表に出ている以上の、私は、真相は今やみの中にあるかもしれませんけれども、この点については、防衛省として、名誉のために、まさに信用回復のために、ぜひやっていただきたいと思います。

 もう一人名前が出ました。福山さんという方の名前が、地方にゴルフに行ったときに出た。この福山さんという方が、何回か行っていた方です、今は山田洋行にその後天下られたと記憶しているというような発言がありましたけれども、この方は、二〇〇二年の三月から二〇〇三年の六月まで、九州補給処長の任にあった方ですね。これは言うまでもなく、ここで九州全域の装備品の調達、西部方面隊全域の調達を担当して、装備の入札の際の受け皿となっていた方でございます。その後、ポストをかわられて、天下りをされたわけですけれども、この方についても調べられるお考えはありますでしょうか。

 まず、ゴルフに行っていたということもそうでありますけれども、補給処の処長というのは非常にある意味では業者にとってはアプローチしたいセクションの方ですね。当然何らかの下心があってゴルフ接待を受けていたんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけですけれども、この方についてはどうされますか。

寺田大臣政務官 お答えをいたします。

 御指摘の福山元陸将、我々必要な調べをいたしたいというふうに思っています。

 今委員御指摘のように、おととしの平成十七年三月に勧奨退職をして、その後、この山田洋行の顧問というふうなお立場に就職をされた方でございます。

 今現在、本人と連絡をとろうということでプッシュをしておりますが、連絡がとれない状態でございます。したがって、この本人に連絡をとって、必要な確認を行う。

 そしてまた、倫理法上、利害関係者とともにゴルフをしてはならないという規定があるわけで、そのゴルフをした期間と、そしてまた利害関係についての有無についても、これは倫理法並びに自衛隊員倫理規程に基づきまして必要な調査を行いたい、そのように考えております。

渡辺(周)委員 ぜひ、特に二〇〇二年の三月から二〇〇三年六月、一年三カ月の間、九州補給処長の任にあったわけですね。この間、山田洋行とどういう契約状況にあったか調べます、ところが、残念ながらこの時期のデータがもう既になくなっていますと。この間、山田洋行ともし何らかの取引関係があったのなら、これは大変な規程違反になるわけですけれども、どうですか。その辺は確認はとれていますか。

寺田大臣政務官 その点も含めまして、今、本人に対して問い合わせをしているところですが、先ほど申し上げたとおり、本人にまだ確認がとれておらないという状況でございます。

 したがって、このゴルフをした期間と、そして今言われた九州の補給処、これは契約関係を取り扱うわけで、当然、その期間であれば利害関係あり、したがって倫理法違反というふうなことになるわけでございますので、必要な確認調査を行いたいというふうに思います。

渡辺(周)委員 当然、守屋さんを通じて、西部方面全域の調達を担当している補給処長を紹介してほしいというやりとりがもしかしたらあったかもしれない。だから、当然、ゴルフという形でどこかで一堂に会する機会をつくろうじゃないかという働きかけを守屋さんがしたかもしれませんね。これをぜひ調べていただきたい。

 こんなことばかり質問して私も本当に悲しいわけでありますけれども、残りもう数分になりましたので、最後の質問に移ります。

 前回の委員会で、私は、暗視ゴーグルの話をしました。そうしたところが、きのうになって、実はにせものだったということが発表されました。昨日の証人喚問のさなかに発表するわけですから、きょうのニュースはほとんど社会面のべた記事みたいな話でございまして、まさにニュースを薄めるためにこの日をねらったのかな、これもある意味では隠ぺい体質じゃないかと言わざるを得ないわけです。今、首を振っていらっしゃいますけれども、実際こういうことが指摘したとおりあった、実は調べてみたらやはりそうだったと。

 私が申し上げたのは、保証書もアメリカの輸出許可証もないものがどうして防衛省に入っているんだ、節穴かというふうにお尋ねをしました。やはりにせものだと。何でこういうことになったのか、これを伺いたい。

 それから、この代理店が、サイエンステクノロジートレーディングでしたか、会社がございますけれども、この会社との防衛省の契約を見ました。これは国会連絡室経由でいただいたものですけれども、実は、また同じようなものが契約されているんですか。契約実績の一覧表をいただいたら、二回出てくるんですよ、この暗視装置が。これについては今後どうなるのかということについて伺いたいと思います。

 これは防衛省の国会連絡室からいただいたものです。全部見てきました。そうしたら、実はもう一回出てくるんです。まだ何か、実際これは支給される隊員はたまらないですね、何だかわからないもの。実際これが本物か、真正品であったか、にせものであったかということについて、これについて検査体制はどうなっているんでしょうか。その点は最後にちょっと大臣に伺いたいと思うんです。

 それから、もしこういうものが日本の防衛省の目をすり抜けてでも入ってくるというなら、これは徹底的に究明しないと、防衛省の装備品全体が本当に大丈夫なのかと。高い税金を使って、しかも防衛機密を盾にして、我々だって、あるところまでしか言えない、わからない、市場価格というものが存在しないから、これが実際に正しいのか、この金額で合っているのかどうか全くわからない、防衛装備品について。にもかかわらず、実は一つだけやっとわかった、にせものがある。

 だとすれば、今、防衛省の装備品というのは大丈夫なのか、検査体制はどうなっているのかというふうに、商社を通して、代理店を通すことが果たしていいのかという議論がありますけれども、実際これは本当にどうなんでしょうか。こんなことがまかり通っているのならば、本当に防衛省というのは世界からなめられると思います。あそこはバッタ物でも納入してくれる国だとなりますよ。大臣、いかがですか。最後に大臣に伺います。まず事実関係を教えてください。

寺田大臣政務官 お答えをいたします。

 御指摘の暗視ゴーグルでございますが、平成十八年の三月に、この暗視ゴーグル、暗視装置の購入のために、その時点で要求性能を満たしておりましたノースロップ・グラマン社製を含めて、一般競争入札を行ったわけです。その結果、落札をしましたサイエンステクノロジートレーディングとの間で、平成十八年の三月末に百三十六個の暗視装置、これを調達するための売買契約を結び、本年の二月に納入をされたところです。

 その後、この購入をされた暗視装置が実は同社製のものではない可能性がある、したがって調査をすべきであるとの外部からの指摘などを踏まえまして、本年の十月、ノースロップ・グラマン社に確認のための書類を送り、確認作業を行い、その結果、それは同社製のものではないというふうな回答を得たところでございます。

 したがって、我々といたしましては、これらの経緯を踏まえまして、契約条項に基づきまして、本件売買契約をすべて解除するという手続を進めており、今現在、早急にこの事実関係等の確認を行うとともに、サイエンステクノロジートレーディングとの取引の停止、並びに、それまでの間同社との新規契約を行わないというふうなことにいたしております。

 なお、平成十八年の十二月の十八日に、サイエンステクノロジートレーディングとの間で、オーロラ社製の暗視装置約百二十六個を調達するために売買契約を締結しており、それが、来年、平成二十年の二月が納期となっております。この件につきましても、今現在、サイエンステクノロジーとの間のすべての既契約のものについてチェックを行っておりまして、内容を精査の上、その結果を踏まえ、適切に対応したいというふうに考えております。

石破国務大臣 今政務官からお答えしたとおりですが、要は、これがまがいもので全然要求性能を満たさないものであれば、これはだめということになるわけですが、やってみたら結構それを満たしていたというので、これがまた困ったお話なのでございます。

 かくなる上はというのか、商社を通じて入れる場合に、これは本物なのかということをメーカーに確認しなきゃどうにもならぬ。ノースロップ・グラマン製と書いてあったわけですね、それがまた。ですから、それは普通信じます。しかし、こういうことがありますので、これは本物ですかということをメーカーに聞くということが、差し当たってできることといえばできることなのでしょう。

 ただ、委員御指摘のように、本物かどうか見抜く力があるのか。つまり、これから商社を通さないということにすればどうなるのだということですが、本物かにせものかというのはわかるんでしょうけれども、この値段で適正なのかということがわかるかというのは、また別の問題なのでございますね。

 ですから、商社を通さない調達のやり方というのも当然考えなきゃいけないが、だとすれば、こちらの、防衛省側の能力というのも当然上げていかないと、ぐあいはよくないと思います。ということも含めて、調達のあり方について、それは抜本的な見直しを図ります。

渡辺(周)委員 では、最後に一言質問します。

 だとすれば、輸入装備品の検査体制を拡充することはもちろんですけれども、例えば調達品目表の指定事項の中に、私は、品質証明、今回はそれがにせものだった、あるいはテストシートにどういうテストをしたかとか、公の何らかのものをつけることを当然条件にしなければいけないと思うんですけれども、それによって、代理店だってもしかしたらまがいものをつかまされて、真贋を見きわめる目が残念ながらなくて、防衛省にもなくて、防衛省にもないんだから、多分商社もわからなくて、どこかから、新聞によると、マニア用の贋作だ、にせものだったというふうに書いてあります、本当かどうかは知りませんけれども。

 調達品目の指定事項をもっと厳しくするべきだと思いますけれども、最後、その点について伺って、質問を終わります。

寺田大臣政務官 お答えをいたします。

 今回は、委員御指摘のとおり、いわゆるCOCと呼ばれます適合証明書の偽造、あと、物につけていたラベルの偽造、二つの偽造が見抜けなかったということでございまして、我々といたしましては、当然、偽造を見抜くだけの検査体制の強化、そしてまた直接製造元に対する確認手続、これをルーチン化していく。そしてなおかつ、そうした購入契約を結ぶときに間に入る商社、今回の場合、サイエンステクノロジーに対する履行能力の確認等、一連の確認行為を強化しなければならないというふうに考えております。

 また、契約時に確実な供給を証明するような書類も新たに提出を義務づける等、今後、必要な再発防止策につき、鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。

渡辺(周)委員 代理店の有無も含めて、またこれはぜひ質問したいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

嘉数委員長 山口壯君。

山口(壯)委員 民主党の山口壯です。

 今、自衛官の給与改定法案について、世の中では、防衛省全体に対して大きな疑惑の目が向けられているし、あるいは不信の目が向けられている。しかも、そのことが、根拠がないどころか、大いに根拠がある。先ほど同僚の渡辺委員から河村課長の話も出ましたが、その程度のことで会社に出られないような人はその職場にいる資格はない、そのことについての調査ができないようではシビリアンコントロールも成り立たない、そういう深刻な問題をはらんでいることをしっかり認識していただきたい。

 我々が給油の問題をめぐっていろいろと実態を把握しようとしたときに、「とわだ」の航泊日誌が破棄されていた。この一番の原因というのは、A何とか海曹、B何とか海曹と、今回の給与改定の対象になる人ではないですか。あるいは、そのほかの不祥事が立て続けに起こってしまっている。そのときにこの法案を出す政治的な神経が極めて疑問に思えます。これは、機械的にやっていい話ではない。

 そういうことをきちっと政治家がコントロールしなければ、いつまでたっても問題は解決しないと思いますが、石破大臣、いかがですか。

石破国務大臣 おっしゃるとおり、この課長と前次官との関係は、これはきちんと解明します、それが法律に触れないからとか規則に違反しないからいいとかいう話では全くありませんので。

 私は、職場の中でそんな話が行われる、あるいは上下関係においてそういうような金銭の授受が行われる、それはもう、規則に触れないからいいという話ではないと思う。ましてや、枢要な立場にいる人たちがそういうことをやっていていいとは思わない。

 この給与の改定についてでございますが、だからだめなのだと言われるのかもしれませんが、私は、九九・九%の自衛官たちは、自衛隊員たちは、本当にまじめに職務に精励している、きのう守屋証人もそういうことを言っておりましたが、そうだと思うんです。一部の不心得者のために全員がそういうような給与の改定を受けられないということがあってよいものなのだろうかということだと思います。

 政治的なセンスを疑うというお話でございましたが、私どもも、こういうような不心得者がいるので全員給与の改定はなしだということも、それは可能性としてはあることなのですが、本当に一生懸命まじめに働いて、家族を養い、一家をなし、そういうような者まで累が及ぶということについては、私はそうすべきだとは思っておりません。

 しかし、だからいいんだ、何があろうともちゃんと給料も上がるし、何の問題もないんだよということではなりませんので、その辺のバランスをどうとるかです。そこは、どういうふうに規律を徹底させるか。曹士クラスに至るまで、どうやってそれを徹底できるかというのは、私どもと政治任用の者とそういうクラスの人たち、曹士クラスの人たち、こことの意思疎通というのも図っていかねばならない、風通しがいいという言葉を使うのかもしれませんが、そういうことも考えていきたいと思っております。

山口(壯)委員 石破大臣の表情に苦渋の気持ちがよく出ていますが、しかし、今回の給与改定は、いろいろそういう調査をされる、その結果を見て、きちっと我々が確信を持ったときに、この改定は現実のものとなる、こういうふうにすべきだと私は思います。いろいろとこれから議論していく中で、我々の態度も決めていきましょう。

 その中で、今のシステムの中に若年定年制というのがあるんですね。早目にやめる方というのが制度的にクラスによって決まっている。早い人は五十代の初めでやめていく。そういう人たちに次の働く場を見つけていくというのも、確かに組織としての一つのあり方でしょう。

 石破大臣が長官のときも含めて、そういう人たちが、例えば、前いた職場から二年以内に次の職場に移るとき、大臣の承認を要するという仕組みがあるようです。その中で、大臣として、山田洋行に行った人もいるでしょう、覚えておられますか。

石破国務大臣 名前、そしてそれが山田洋行であったかは、ちょっと今思い出せません。恐らく委員手元に資料をお持ちだったと思いますが、それが全くなかったと断ずるだけの自信もございません。

山口(壯)委員 今から調べられて、私が答えを言う前にむしろ組織として調べられて、何人かが該当される場合に、そのことについて大臣はどういうふうに対応を考えられますか。

石破国務大臣 事実は確認をさせていただきます。

 ただ、そのときに、山田洋行であるからだめだということが判断できるような材料があったとは、その時点にさかのぼって考えますと、あるいはないのかもしれないという気もいたします。

山口(壯)委員 この山田洋行の話について、きのうの証人喚問があったわけですね。政治家の名前が二人確かに出てきた。渡辺委員からもいろいろ質問させてもらったとおりです。

 そんな中で、最初、久間さんの名前が出てきたときに、秋山直紀さんという人の名前も出てきましたね。大臣、御存じですか。

石破国務大臣 秋山直紀氏を知っておるかというお尋ねであれば、知っております。

山口(壯)委員 この秋山さんの名前を守屋さんが言うときに、どうも彼の頭の中には、この人が意識の中に非常に大きかったんでしょうね。この秋山さんについても、我々は急遽非常に興味が出てきた。どうしてもこれは聞いてみないといけないなという気持ちになっています。

 委員長、この件については一度、当委員会でも参考人として聞いてみるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

嘉数委員長 後ほど理事会で諮らせていただきます。

山口(壯)委員 この秋山さんは、証人喚問の中ではっきりとした名前が出てきているわけですね。この秋山さんが全く関係ないと言われるのであれば、それは参考人として、きのうの証人喚問で見てもいろいろ詳しそうな方ですから、それはそのときに判断すればいい。いろいろと検討すべきことも多いんじゃないかと思います。委員長、いかがですか。

嘉数委員長 先ほど、私どもが、いろいろ調査しながら話し合いして、必要と認めるかどうかということも含めて、理事会で検討したいと思っています。

山口(壯)委員 理事会で検討してください。

嘉数委員長 はい。

山口(壯)委員 額賀さんの話も出てきました。ジム・アワーさんが来たときに同席したということにきのうの証人喚問ではなっています。その中に、ほかの政治家もいたということが出ていましたね。石破大臣はおられなかったんですか。

石破国務大臣 これは日時の特定がなされておりませんので、何月何日ということがわからなくて、おまえはそこにいたかいなかったかと言われても、これはお答えのしようがございません。

 ただ、私、自分のいろいろな記憶を手繰ってみて、ジム・アワー氏あるいは額賀現財務大臣、そして私、そのほかの政治家というような会合は、記憶がございません。ジム・アワー氏とは何度も会ったことはありますが、それは大体、ほかの政治家が同席をしておったということは今までございません。

山口(壯)委員 この話について、防衛省の言ってみれば不信とか疑惑とか、ついかかわってきてしまうわけですね。何かまだ、つまらない話もいっぱい出てきます。

 山田洋行は、ランクに応じて高級牛肉とかサンマをいろいろとつけ届けしていたらしい。石破大臣はどっちの方ですか。

石破国務大臣 私はランク外だったんだと思います。高級牛肉もサンマも、一度もいただいたこともございません。

山口(壯)委員 去年、もう約一年になりますか、防衛庁を省に格上げしましたね。この話というのは、一度私は振り出しに戻すべきじゃないかと思っています。守屋さんのいろいろな仕事ぶり、いろいろなことを踏まえて、それは当時の防衛庁の言ってみれば家内工業的なところがどうも残ってしまっている、したがって、こういうことであっては、我々は、反対している例の給油の話、あるいはいろいろ大事なことについて、防衛省として機能するにはやはり無理があった、こういうふうに言わざるを得ない。

 私は、もう何十年も前になりますけれども、ある事件のときにかかわって、それで大蔵省から矢崎さんという防衛局長が来ておられた。その件がとりあえず一件落着したときに、もう何カ月もかかってやったわけだけれども、矢崎さんが呼んで、よくぞ防衛庁を守ってくれた、場合によってはこれはアキレス腱で、解体せざるを得なかったかもしれないとおれは思っていたぞ、よくおまえ守ってくれたなと。それほど、外の、例えば当時の大蔵省から見れば大丈夫かとさえ思えるような際どい綱渡りをやっているわけですね。組織としての体をなしていないということですよ。

 だから、そういう意味から見たら、そのときの事案より今回の案件、例えば給油に関する二十万、八十万の取り違えのいろいろな説明ぶり、これからして全く深刻度はけた違いに大きいですよ。矢崎さんは、今いたら、もうこれは防衛省解体の話だなと多分言うでしょう。そういう意味で、私は、今回のことについての深刻度の認識が、大臣、まだ足りないと思いますよ。それほど大きな問題だということ。

 今回、この守屋さんをずっとめぐって、金の話に関する政官業の癒着、そしてオペレーションに関するいろいろな不誠実な応答ぶり。だれが見ても、例えば海幕防衛課長が自分だけでやったということはあり得ないわけです。あり得ない。

 例えば、この給油の二十万、八十万ガロンの取り違えの事件について、報告書はとりあえず出ています。しかし、装備の関係の燃料班長から当時の寺岡海幕防衛課長に、実は二十万じゃなくて八十万だったようですと知らせが行ったときに、海幕防衛課長は、装備のルートでいろいろ報告は行くだろうから自分は確認しなかったということがありましたけれども、そのことに関しての調査が完全に欠落している。装備に関するルートでどういうふうに報告が行ったのか、これに関する調査が完全に欠落しているんです。

 石破大臣、これに関しては、私は調査をしっかり詰めていかなければいけないと思いますが、いかがですか。

石破国務大臣 それは、寺岡氏の参考人質疑の議事録を私も後で拝見いたしました。何度か読んでみましたが、それが欠落しているというのは、どういう認識で言っておられるのか私にはよくわかりません。

 それは、燃料班あるいは装備ルートで上がっていくものだと思っていた、だから自分は言わなかったということであるとするならば、その認識は明らかに間違いで、やはりそのまま防衛課長、防衛部長、海上幕僚長と上がっていくわけですね。それは、誤りに気づいたとしたならば、そちらの系統から上がると思っていたので言わなかったということには、私にはちょっとそこが理解できないということが一つ。

 そして、そちらの系統で上がったかといえば、それは、これが間違っていましたよということは上がっていなかったのかもしれません。ただ、そこにきちんとした、その系統ではきちんとした数字というものを認識し、保管もしておったということでございますから、そこに上げなかったことに何らかの誤りがあるか、そして、寺岡氏が言うように、そこで上がっているから自分は言わなかったという判断が、それは私は間違いの判断だったと思います。

 それは本人も認めていることであって、そちらの方から上がらなかった、そちらの方から誤りが訂正されなかったということ自体、私は、情報の上がり方として、必ずしもすごく不適切なものだったとは思いません。

山口(壯)委員 今大臣が言われた一点目の、海幕防衛課長の認識に誤りがあったというのは、そのとおりです。しかし、現実に彼は、認識に誤りがあったのではなくて、それは世話になった統幕議長にはすぐ次の日に言っているでしょう。ただ、なぜか、世話になっていて、前の日にジャストインフォメーションで二十万ガロンと言いながら、実は記者から鋭い質問を浴びせられて、そして、これはどうなっているんだ、おかしいんじゃないのかと言ったかもしれないと。彼はそういうような気持ちだったでしょう。そして、次の日に、いや、実は八十万だったというのが燃料班長から来たというのが、次の日に統幕議長に普通は言うと本人も言っている、普通は言うと。なぜこのときだけ言わなかったのかというのは、ついぞはっきりした答弁が出ずじまい。だから、そのことについておかしいというのはそのとおりだ。

 しかし、先ほど大臣も答弁されたように、装備ルートで上がっていたかどうか、まだ現実に認識ができていないんじゃないんですか、はっきりと。できているんですか。

石破国務大臣 ですから、答弁申し上げましたように、装備ルートでは正しい数字で上がっているわけですよ。正しい数字を認識しており、そしてまた、それは装備ルートとして必要な情報として持っていたということですから、それはルートとして上がっているわけです。ただ、燃料班長は、ちょっと違うんじゃないの、二十万、八十万というふうに取り違えているんじゃないのということを注意を喚起した。それは非常に望ましいことだったと思いますね。そこから先は、やはり防衛ルートできちんと訂正をされる、それが私はラインのあり方だと思いますよ。

山口(壯)委員 上がっていたということは、大臣、知っていたということですね。装備ルートで上がっていたというふうに、認識、今言われたわけだ。したがって、装備の局長なり通じて大臣のところまで、あるいは当時の長官のところまで行っていたということですね。

石破国務大臣 それは、委員も防衛庁にお勤めの御経験がおありですから、そういうのが上まで、課長、あるいは、この正しい数字というのがまさしく情報、インフォメーションとして書かれている。それはファイルをされるということはあるでしょう。しかし、それが局長やあるいは次官や大臣まで、そういうふうな情報の上がり方をしない。情報というのと、つまりインテリジェンスというのとインフォメーションというふうに言った方がいいのかもしれない。それが、インテリジェンス、価値のあるものとして上まで上がればそういうような評価もできるでしょうが、そういう上がり方は当省内でしていないということは、それは委員も御案内のことだと思います。

山口(壯)委員 そういう上がり方をするということをしっかり知っています。そして、この件については、二十万が八十万だという誤りのことですから、特に行きます。官房長官まで、当時の福田官房長官まで巻き込む重大な事案だったわけです。それを長官が知らなかったというなら、シビリアンコントロールが全く成り立っていないんだ。それを今はっきり言われたわけですか。それであったら、やはり解体だ。答弁を求めます。

石破国務大臣 何か私の言い方をよく御理解いただけないのかと思いますが、言い方が悪いのかもしれません。これは、報告書にも書いてございますとおり、「具体的には、管理局装備企画課の担当者は、」「十五年三月十一日に、海幕装備部装備課から正しい給油量を記載した海上幕僚長から防衛庁長官宛ての「テロ対策特別措置法に基づく物品の提供実施について」を受領し、物品管理上の記録としてファイルに保管した。」ということでございます。そういう数字が正しく記載されて、当然ですね、正しく記載されたものがずっと上に資料として上がっていくということですから、そこで認識していたかどうかということと、ちゃんとした記載がなされた数字が上がったかというのは、それは別の問題でございます。

山口(壯)委員 きょうは大臣にしか答弁を求めていませんから、高見澤さん、きょうはおられるけれども、現実には別に私は答弁を求めていない。そういう意味では、大臣だけで結構です。ただ、高見澤さんと私は二年間机を並べて、私が非常に機微なことに関する情報のものを、つぶさに全部見てこられたわけだ。そして、増田さんが一年一緒に座られて、隣に座って、私も彼の仕事ぶり、高見澤さんの仕事ぶりは敬意を持って眺めているし、その中で、今回のこの報告書のつくり方は、お二人が非常にかんでおられるというカラーが非常に強く出ている。よくつくられている。しかし、最後の部分で少し工夫がなされ過ぎているんですね。

 例えば、私がさっきから聞いているのは、数字の細かい話として、装備ルートで機械的な文書の流れとして行っているということを聞いてはいない。その調査はどうだったかを聞いてはいないんです。むしろ、課長から課長へ、そして課長から局長へ、局長は、二十万が八十万だったのか、それは大変じゃないかという認識を持って、当然長官のところにも、行ってなかったんだとしたらこれこそ問題なんです。それについてのことは報告書には一切書かれていません。私も紙に穴があくほど読みました。ほとんど文字が一字一句自分の中に入っています。書いていません。それに関して調査をしっかりしなければいけないと思いますけれども、いかがですか。

石破国務大臣 それは、穴があくほどごらんになって、そういうふうな御認識だと承知をいたしました。

 要するに、その数字が誤っている、これは大変だという認識がなかった。つまり、海幕防衛課長は、この二十万と八十万を取り違えている、これは大変だということは気がついたのですが、彼のところでそれがとまっちゃっているわけですね。実際にあのころのことを思い出してみますと、二十万、八十万という数字というよりも、間接補給でキティーホークに補給がなされていた、この事態をどのように評価するかということが庁内で議論になり、あるいは騒ぎになっていたということだと思います。私の記憶ではそういうことです。

 そこで二十万と八十万を取り違えました、大変ですというような認識が、当時の運用局長あるいは次官にあったか。それはなかったと思いますし、加えて、誤りでしたということが知らされていなかったわけですから、そういうようなことにおいて文民統制の欠如があった。システムに欠如があったのか、それとも彼が言わなかったという属人的なことなのか、そこはこれからよく検証してみなければいけないことだと思います。

山口(壯)委員 装備ルートでもきちっとした認識が、燃料班長から海幕防衛課長にこれは大変だという報告があったわけですから、当然この燃料班長は課長に了承をとってから行っていますよ。もちろん、場合によっては部長に連絡をとってから行っていますよ。それがなければ、組織としての体をなしていない。

 まさに防衛庁のやり方として、内局というのは最初は数字のことは何も知らないわけですよ、オペレーションやっていないんですから。オペレーションを監督しているわけですから。したがって、数字の話は全部幕に任せるんです。幕から出てくる数字を、つじつまが合うかなと思って、一生懸命常識でもって判断しているわけです。つじつまが合わなければ、おかしいじゃないか、こういう仕事の体制ですから。

 したがって、例えば海幕の防衛課からルートを通じて行かなかった。それはそのとおりでしょう。それはそのとおりというか、その部分がおかしいというのはそのとおり。私は行っていたと思いますけれども、現実には。(石破国務大臣「いや、それはない」と呼ぶ)いや、それは大臣、現場のことを余り御存じないんだ。上の方におられ過ぎるんだ。それは現実に、上に、こういう話がありましたけれども、どうしますかねと言うんです。言わなければ、海幕と内局との連携なんてとれないんです。こんなものは紙でもって仕事をする話じゃないわけです、人間と人間で仕事をしているわけですから。

 そういう意味で、今回のことというのはとても不自然な感じがする。こういうことがわからなければ、与党として、軍事をコントロールする見識に欠ける。全くそのとおりですよ。このことについて、いかにもこの雰囲気が、委員会の雰囲気も非常にふざけた雰囲気だ。深刻さがない。全く、国民の代表として国会があって、その国会が軍事をコントロールすることの意味がわかっておられない。我々はまだ政権をとっていないから、したがって、細かいことはお任せしているわけだ。しかし、その細かいことをお任せしているはずのところが、ああ、そんなもの平気だよとへらへら、それじゃシビリアンコントロールなどあり得ない。そのことの深刻さを言っているんです。このことについてはもっと深刻に受けとめていただきたい。そうでなければ、この給与の改定を認めるという話は、そういうことを追認することになるんです。だから言っているんです。

 今、メーカーの話から始まって、いろいろでたらめさというものが逐一エビデンスでもって上がってきているんですよ。例えばメーカーの話をして、石破大臣は、もう商社を通じずにメーカーから直接やったらいいじゃないかという意見も持っておられるやに仄聞します。その方がいいですよ。そういう方向で今検討されていますか。

石破国務大臣 これは以前も、ロッキードだ、ダグラス・グラマンだ、いろいろな話がありました。私もこれはちゃんと調べてみようと思いますが、当時の山下元利さんが長官のときに見直しをしようとしてやってみたけれども、うまくいかなかった。当時の記録をちょっと今調べさせているところです。

 これは本当に国会の場で、まさしく委員がおっしゃる文民統制の主体というのは、一つは国会もそうですね。政府だけではない、国会が本当に統制ができているかということも、私は、国会議員の一人として議論しなきゃいけないことだと思いますが、本当にここで御議論をいただきたい。

 私どももきちんと調べていろいろなデータを出しますが、物事には一長一短があって、商社を通していることによっていろいろな契約、商慣習、通関手続、そういうものに役所が関与しなくても済んでいるという部分があります。そこに落とし穴があったりするのですけれども、実際にそれを役所が全部やる、あるいは調達庁みたいなものを設けるとした場合に、どれぐらいの人員が必要なのか、そしてどれぐらいの能力、見識を持たせねばならないのか。委員は外交官でもいらっしゃいましたから、各国の調達の仕組みもよく御存じなのかもしれません。膨大な人員を要しているところもございます。どちらがよいのかということをきちんと比較考量してみた上で、やはり直接調達する方が望ましいというような結論が得られたとするならば、それはちゅうちょなく実行に移すべきものだと思います。

 繰り返しになりますが、実際にそれを行う場合にどれだけの人員、どれだけの見識、そういうものを持たせねばならないか。そして、一朝一夕にそのような能力ができるものではありませんから、そこにどれぐらいの時間がかかるか。それはきちんと私どもの方でも調べて、また皆様方の御議論に供すべく資料を整えたいと存じます。

山口(壯)委員 今までのシステムというのは便利だったわけですね。自分で調べる必要がない。商社から、これがいいですよ、あれがいいですよと。それはどんなにいいんだ、こんなにいいんだと。簡単だったわけですね。しかし、そこが落とし穴であり得るわけですから。まだ全貌ははっきりしていないけれども。

 したがって、これは、おかしければ直す、それが政治家の道ですから、そういうことを大臣にはきちっとやっていただきたい。

 我々は反対していますけれども、今回の給油の話ですね、テロ新法の給油、給水の話。あの中には給水という言葉が入っていましたね。私もパキスタンに勤務したことがあるものだから、この辺が本当に痛いほどよくわかるんだけれども、この給水の実績というのはパキスタンにしかないわけですね。全部パキスタン。

 現実にパキスタンに行かれればすぐわかるんだけれども、水道をひねったら茶色い水が出てくるんですよ。そういうところで自衛隊が給水で上げるお水というのは、本当にきれいなお水のはずですよ。本当にきれいな水のはずですよ。もう彼らからしてみたら、すぐペットボトルに入れて売り出したいぐらいのきれいな水ですよ。

 この給水という話が、現実にどういうふうに使われているのか把握されていますか。

石破国務大臣 それは当然、飲用あるいは炊事というんですか、そういうものに主に使われているというふうに認識をいたしております。それが艦内でどのように使われたかまで、そこまで把握をしているかどうか、ちょっと私はお答えする自信がございません。

山口(壯)委員 大臣は正直にお答えいただいているし、それでいいんです。

 他方、この防衛省の資料、余り我々には詳しい資料は必ずしもいただけていない認識があるんですけれども、この給水については平成十六年から始まっているわけですね。それまでなかったんです。

 例えば、現実のオペレーションをイメージしていただければすぐわかると思うけれども、洋上で多量の水を相手の船に渡すわけでしょう。では、その船が、今、飲料にあるいは炊事にと言われましたけれども、その船の飲料に、その船の炊事には使われているでしょう。しかし、その水がどこに行くんですか、アフガニスタンまで行くんですか。不思議だと思いませんか。

 給水が多量に、数字でいえば、これは全部トータルでしょう、六百九十六万円。額でいったら小さな額ですよ。しかし、現実には、この水は何のために使われるかということもちゃんと把握されていないと、この水がアフガニスタンまで、あるいはアフガニスタンの今回のことに関するようなものに使われているかという話で、それはパキスタンの、乗組員の水には使われているでしょう、炊事には使われているでしょう。しかし、そのためにわざわざこのお金を出すのかという、おかしいと思いませんか。

石破国務大臣 必ずしも委員の問題意識がよく理解できていないかもしれませんが、そうすると、ただでお水を上げるということはよろしくないのだということでしょうか。だとすれば、やはり補給艦でございますから、油そして水、そういういろいろなものを補給いたします。そのときに水だけお金を取るというのもまた妙な話ではないかと思います。

 また、あわせて、この水が何に使われたか。つまり、燃料でありますと、OEFというものに使われたかどうかということで、いろいろな検証作業を行って、政府としては、OEF以外には使われていないという答弁を申し上げておるところでございますが、水がOEFに使われたかどうかということについてぎりぎり調べろというのも、なかなかこれも難しいお話ではないかなというふうに思っています。

 アフガニスタンまで行ったかどうかということは、それで何をお尋ねになっておるのか、ちょっと認識ができません。

山口(壯)委員 給水というふうに最初の法案に何年も前に書かれて、まあそうかと。いろいろ大変な目に遭っているんだから、爆撃もされて大変な目に遭っているんだから、確かに水も要るな、阪神大震災でも確かに水は大変だったな、私は単純にそう思ったんだけれども、現実にはそこまで行っていないわけですよ、多分、間違いなく。だって、水を現実に運ぶというイメージを想定されたら、カイバル峠を私も越えたけれども、あんなずっと、あそこまで行ってやったり、あるいは道もない、タリバンが行き来しているかもしれないようなところ、運んだりしないわけですよ。要するに、運んでいないわけですよ、多分。

 というのは、今回の新法にも機械的に給水が入っているけれども、結局、新法というのがいかに大ざっぱに考えておられるかということの一つが、この給油のみならず給水というのをまた相変わらず入れて、何も問題意識がないんだなというところを感じるからなんです。

 大臣、現実にどういうふうに使われたかということは、額も些少だから把握されていないでしょう、現実に。把握されていますか。

石破国務大臣 これは、海水から真水にする装置というのも新しい船に積んでいるものがあるように聞いておりますが、これって物すごく高度な技術であって、当然、パキスタンの船なぞというのはそういうものを積んでいないわけですね。浄水能力というものが非常に低いという船、それが一々港に帰って、油はあるけれども水はない、水がなきゃ生きていけませんから、そのたびに港へ帰っておったのでは、これはやはり活動にならないということだと思います。

 その水は、当然、その船の乗組員の飲用になり、あるいは炊事用になり、あるいはほかにも使えるのかもしれません。それはオペレーションを継続していく上において油と同じだけの重要性を持っているということであって、無意識に何となく、油もあるから水もねというようなことではなくて、どちらもオペレーションに必須のものだというふうに考えているから入れておるわけでございます。

 金額が少ないから問題意識を持っていないというわけではございません。

山口(壯)委員 きょうは事務方の答弁者を私は要求していないから、私の方からむしろ言いますけれども、六年間で六千五百三十トンのお水をやったことになっているんですね。六千五百三十を単純に六で割ると、一年間千トンですね。千トンを三百六十五日で割ると、一日三トンだ。三トンの水をパキスタンの、あり得ないわけじゃないですか、みんな飲むとか。三トンですよ。だから、そういう意味で、これはもうはっきりしている。多分パキスタンがおねだりしているんだろうなと。

 例のサンプリングの話もそうでしょう。油が、サンプリングして合わなかったから給油しなかったこともある。もうパキスタンに行かれたらすぐわかりますけれども、ガソリンを入れるのに、ぽんぽこぽんぽこ、ぷすぷすぷすぷす言うようなガソリンをスタンドで売っているわけですよ。

嘉数委員長 山口委員、質疑時間が終了しています。

山口(壯)委員 いや、民主党の時間はありますから。

嘉数委員長 それでいいですか。

山口(壯)委員 もちろんです。何を言っているんですか。

 そういう意味では、この給油の話というのも、サンプリングの話にしても非常におかしいことがあるんです。(発言する者あり)

 委員長、委員長が私に時間が来ていますということは誤りではないんですか。

嘉数委員長 事務局から時間ですという指示が来るから出したんです。それをお互いで譲り合っているならば、そうおっしゃってください。

山口(壯)委員 もちろんそうです。

嘉数委員長 それを言わないでやるというのは、やはり時間ですよ。

山口(壯)委員 いえいえ、当然のことではないですか。(発言する者あり)

 時間をとめてください。

嘉数委員長 何でとめる必要があるんですか。

山口(壯)委員 今、私は別におかしなことを聞いているわけでもない。何かとめようという声がかかったんですか、委員長。

嘉数委員長 いや、今事務局から既定の時間が過ぎましたという連絡が入って、そちらに提示されていますから、時間ですから簡潔にしてくださいと申し上げたんです。委員が、いや、民主党の時間の持ち合いの中でやっているからと言われたら、それで結構なんです。

山口(壯)委員 ちょっと待ってください。十八分ですよ。今さっき十八分だったんですよ。その後私がやって十八分になったんですよ。まだ時間は来ていませんでした。ですから私は、委員長、なぜとめるんですかという気持ちになりました。

嘉数委員長 いや、こちらから提示が来たんですよ、事務局から。事務局が間違ったんですか、そんなことないでしょう。

山口(壯)委員 はっきりと十八分と来て、十八分でしょう、だから十八分までやっていたんです。

 委員長、勝手に時間をとめないでください。十八分までに今の声がかかったんでしょう。だから私は、何ですかと申し上げたんです。

嘉数委員長 十八分で声をかけたら、それから続けたら十八分を過ぎるわけでしょう。だから、簡潔にしてくださいと私は申し上げたんです。やめてくださいと言っていないですよ。簡潔にしてくださいと言ったんです。

山口(壯)委員 委員長は、時間がまだ十八分に来ていないにもかかわらず、簡潔にしてくださいということは言われますか。

嘉数委員長 それは言いません。しかし、計時しておる側が十八分ですよという指示を私のところに見せて、それで紙を届けたから、ああそうか、ならば簡潔にしてくださいと。

山口(壯)委員 十八分までなんでしょう。しかも、党の間でいろいろとやりくりをするわけだ。

 だから、委員長、これからの運営に関しては、くれぐれも軽々にそういうとめ方をしないでいただきたいと思います。

 この給与改定の話についての私の心証は、非常に悪くなりました。現実にこれからどういうふうに判断するか、審議を見きわめて決めましょう。

 終わります。

嘉数委員長 川内博史君。

川内委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、早速聞かせていただきます。

 昨日の守屋証人の証言で、額賀先生が宴席に同席をしたことがあるという証言がございました。時期はいつですか、時期を特定できますかというふうにお伺いをしたところ、去年ではなかったと思う、おととしであったのではないかというような御趣旨の御発言がございましたが、ちょうどおととしの十月から額賀先生は防衛庁長官に御就任になられ、昨年までお務めでいらっしゃったわけでございます。

 二〇〇五年十月長官に就任になられて、十二月までの間、大臣公用車の記録を調べていただいたらおわかりいただけると思うんですけれども、神田の料亭に行かれたか否か、そして滞在時間はどのくらいであったのかということについて、教えていただきたいと思います。

中江政府参考人 委員御指摘の、平成十七年の十月末から同年十二月末までの間に額賀元長官と宮崎氏等との会食が行われたかにつきましては、確認がとれておりません。

 なお、委員から御要請がございました、今御指摘の、この期間における防衛庁長官車の運行記録書といいますか、走行指令書というふうに申しておりますが、これを調べましたところ、神田へ運行した記録は確認できなかったところでございます。

川内委員 神田へ運行した記録を、車両の記録からは確認できなかったということでございますか。

中江政府参考人 防衛庁長官車の運行記録から確認できなかったということでございます。

川内委員 では、SPさんが大臣だとつきますけれども、警察の方には御確認をされましたか。

中江政府参考人 特に確認はいたしておりません。

川内委員 それでは、御確認の上御報告をいただきたいと思いますが、どうでしょう。

中江政府参考人 確認したいと思います。

川内委員 運行記録にはない。しかし、SPさんを出している警察の方には確認をしていない。

 では、支出に関してはどうですか。神田の料亭に防衛庁として大臣の分の飲食費を支払っていたというような記録もないということでしょうか。

中江政府参考人 委員御指摘の期間中の支出証拠書類、これは会計検査院に提出をしているものでございますが、この書類を調べましたところ、この期間におきまして、神田の料亭を支払い先として防衛庁より支出を行った記録はございません。

川内委員 では、警察からの御報告をまた聞かせていただきたいというふうに思います。

 それでは、次に移らせていただきますが、きのう守屋証人は、自分一人が責めを負う、現場は一生懸命頑張っているんだ、だから防衛省・自衛隊全体がそうであるというふうには思ってほしくないと涙を浮かべられておっしゃられていました。私も、あの証言をされたときの守屋さんのお気持ちというのは、そのとおり、本当に、ああ何てばかなことをしてしまったんだろうというお気持ちで素直におっしゃられたんだろうというふうに思います。

 しかし、防衛省・自衛隊に対する信頼というものが安全保障のすべての前提である、信頼こそが安全保障の前提であるというふうに思うと、魚は頭から腐るという言葉もあるし、朱に交われば赤くなるという言葉もあるし、まず大変責任の重い方たちがその責任を自覚し、しっかりと現場の皆さんから尊敬を受ける。あの人たちがあれだけ頑張っているんだから、おれたちももっと頑張ろうというふうにしていかなければならないと思うんですね。

 そういう意味では、給油新法とこの問題は、防衛調達疑惑問題については別なのだということを、きのう総理も官房長官もおっしゃっていました。しかし、石破大臣だけは、密接に関係しているとぶら下がりでおっしゃっていた。私は、その見識はまさしくそのとおりだと。密接に関係している。なぜかならば、信頼が前提だからだ。インド洋で油が給油できるかできないか、するのかしないのかということも、国民が防衛省・自衛隊頑張っているね、信頼しているよとおっしゃってくれればこそできる活動である。そういう意味で密接に関係しているんだということは、私もそのとおりだろうというふうに思います。

 そういう意味で、法案が参議院に移って、野党が過半数を握る参議院でいろいろなことが明らかになるというのは、私は、衆議院にいて、こんなに悔しいことはないです。衆議院がさまざまなことをしっかりと解明し、衆議院が今後どのようにしていくのかということを国民の前にしっかりと明らかにする、それが、私は、衆議院としての役目なのではないかというふうに思います。

 水増し請求問題についてお伺いしますけれども、この問題も、意図的、作為的な水増しではなかったのだという結論が先にあり、その結論に合わせて論理を構築する。調査チームをつくっていますというふうにおっしゃる。しかし、その調査チームは、だれが調査しているんですかと聞くと、装備本部の人たちが、いわば身内が身内に事情聴取するというような形で進んでいるらしい。それでは実態は明らかにならぬのじゃないかというふうに私は思います。

 そこで、お伺いをさせていただきますが、この前のテロ特の続きでございますけれども、BAEから山田洋行に出された見積もり、山田洋行から防衛庁に出された見積もり、本来は同一のものでなければならないはずであった。しかし、平成十三年の三月三十日時点、契約時点においては、この二つの見積もりは金額が相違していたということについては、防衛省がこの前事実確認をしていただきました。チャフ・フレア・ディスペンサー一つ当たりにつき約五万ドルぐらいずつ違っていたということでございます。

 これが、平成十四年の二月五日付のBAEからの文書で指摘をされた。山田洋行がIDSのレターヘッドを使い、代表者のサインを偽装しというか、代表者のサインに似せてサインをした見積書をつくっていたのだということをその文書の中で指摘をしておるわけでございます。それに対して、当時、防衛庁側は、ロサンゼルスにいる輸入調達専門官を調査の担当者に充てて調査をされていらっしゃるわけでございますが、先日聞いたのは、平成十四年の三月二十五日に防衛庁輸入調達専門官がBAE社を訪れたというふうに朝日新聞等で報道されておりますけれども、果たして本当に訪れているのですかということをお伺いしております。

 まだ確認中だということでございましたので、もう一度確認いたしますが、平成十四年三月二十五日、防衛庁の職員がBAE社を訪問していますか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 この件にお答えする前に、先ほど委員の方から、内部で調査しているときちんとした調査ができないのじゃないかというような御発言があったわけでございますけれども、そうではなくて、我々は本当にこの問題というのを真摯に受けとめておりまして、そして、まさに最初から、白紙の段階からきちんと調査しようということで、私自身も、これをしっかりやれということで、鋭意今させているところでございますので、我々が一生懸命頑張っているということも御理解していただければありがたいと思っております。

 そこで、お答えいたしますけれども、ちょうど月曜日にお答えさせていただいて、またその日に、LAにいた石坂氏本人から聞き取りを行いました。当時、オースティンに出張したと思うが、しかし、BAE社の工場までは行かず、それ以外の場所でBAEの社員と面会したように思うというふうに述べておられました。

 そこで、本当に行ったかどうかということなんですけれども、実際、平成十四年の三月二十五日付のロサンゼルスからオースティンへの出張がなされたことにつきましては、旅費支給のための証票であります石坂氏名義の航空券の半券も確認しているところでございます。

川内委員 航空券の半券を確認している。当時の防衛庁として、支出は確認されているんですか。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 会計旅費支給の証拠として、石坂氏名義の航空券の半券を確認しておるわけでございまして、そういう意味で支給を確認しておるということでございます。

川内委員 いや、私が聞いているのは、半券を確認したということは今聞きましたから、実際に防衛庁から出張旅費としてお金の支出があったんですかということを聞いております。

小川政府参考人 当然、その証票で確認しておるのは支出でございまして、支出を確認しておるということでございます。

川内委員 証票って何なんですか。専門用語なので教えてください。

小川政府参考人 支出をした場合に、確かにそれがその旅費に充てられたかということを証拠立てるための、証拠の証に投票の票、証票ということでございます。

川内委員 オースティンには行ったと。日帰りですね。

小川政府参考人 日帰りでございます。

川内委員 では、BAE社に行ったかどうかはわからないと。BAE社に行ったかどうかはわからないということでよろしいですか。

江渡副大臣 お答えいたします。

 そのとおりでございます。

川内委員 では、石坂氏がBAE社に行っているか否かについて記憶が定かではないということは、私にはちょっと理解ができないことなんですけれども、今後、さらに調査を進めていただければ真実が恐らく明らかになるのであろうというふうに思います。

 それでは、さまざまな一連の調査を通じて、仕様書の中に入っていない、そもそも防衛庁がチャフ・フレア・ディスペンサーの調達に当たって仕様書を作成するわけでございますが、仕様書の中に入っていなかった技術支援費が山田洋行によって見積書の中に上乗せされていたのだということがわかったわけでございます。仕様書の中に入っていない技術支援費を潜り込ませることが、そもそも幕は知らなかったということでございますが、幕も知らない、相談されていないことが行われることが果たして契約として正当な契約と言えるのでしょうか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 幕が知らなかったということではなくて、当時の段階によりますと、企業側から、山田洋行側から言わせますと、海幕との調整により、製品費に技術支援費を上乗せするものと理解し、そうした形で見積もりを提出した。しかし、調査の中におきまして、海幕によりますと、平成十二年度における予算要求及び調達要求では、技術支援費について要求はしていないということでございます。

 ですから、その段階で、海幕の方として、本当にまだその段階においては支援費は要らないと思っていた。ただ、山田洋行側としては、一応納入する上において、それがどのような形で、このように使った方がいいとか、いろいろな形の技術支援というものを、それは必要だろうということで、支援費を乗せたという段階で見積もりにそごがあったのではないのかなと思っているところでございます。

川内委員 技術支援費を幕がそのときは知らなかったということは事実でしょう。

江渡副大臣 お答えさせていただきます。

 知らなかったということではなくて、あくまでも平成十二年度においての予算要求及び調達要求においては要求をしていないというところでございます。

川内委員 その後に予算化されているんですか。その額はどのくらいですか。

江渡副大臣 お答えいたします。

 その後、予算化はされておりません。

川内委員 その後予算化されていない技術支援費を潜り込ませることが正当なことなんですか。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 直接その該当部分、おっしゃられた当初二十五万ドル中の五万ドルに相当するようなものは、予算化はされておりません。

 ただ、技術支援ということでありますと、十四年度だったと思いますけれども、ごく少額でございますけれども、二千万円の予算は計上をされております。

    〔委員長退席、北村(誠)委員長代理着席〕

川内委員 いや、だから、一億八千万、技術支援費を潜り込ませていたわけですよ、山田洋行は。一億八千万。それを、二千万、後になって予算化されておりますということで、一億八千万の技術支援費の上乗せが正当化されるのかということを聞いているんですよ。

 正当化されるんですか。今後は、防衛省の出入り業者は、技術支援費を膨大に上乗せして、それがばれたら、いや、これは支援費を上乗せしただけですと言えば許されるんですか。

小川政府参考人 先ほど申し上げましたように、その五万ドルといいますか、当初契約から減額された内容とされておりますのは、ちょっと詳細が定かじゃないんですけれども、内訳として、技術支援に係る交通費、事前準備費用、マニュアルトレーニングシステムの設置と確認、書類の準備、ソフトウエアの準備、バックアップ、事前のトレーニング、そういった内容が含まれておりまして、それに対して、先ほど申しました二千万ほどの場合は、純粋のトレーニングのために技術者が二人来て支援するという内容でございますので、その間は内容は違うということでございます。

川内委員 大臣、技術支援費の上乗せが一億八千万あったのだ、だから、そのことが後でわかったから減額変更で対処しました、しかし、その後、技術支援費として実際に予算化されたのは二千万ですというふうに説明しているんですよ、事務方は。

 それが意図的、作為的水増し請求ではないと結論づける根拠は何なんですか。一億六千万はどうなったんですか。そのことを、大臣や副大臣は、事務方の説明を聞いて、そうかそうか、意図的、作為的ではないなといって認めていたら、シビリアンコントロールじゃないですよ、コントロールドシビリアンになっちゃいますよ。事務方のコントロールに基づいて発言する政治家になっちゃうじゃないですか。

 これは、そもそも平成十三年の三月三十日の契約時点、要するに水増しされた契約時点において、明らかに出入り業者が守らなければならない契約の心得に反していると言わなければおかしいんじゃないですか、大臣。

小川政府参考人 済みません。ちょっと私の説明が足らなかったところがあるかと思いまして、補足をさせていただきます。

 先ほど申し上げました一億八千万と二千万というのは、それが内容が違うので、当初のが水増し請求でないという結論を出そうということで申し上げたのではなくて、御質問が、関係の予算要求があるかということで内容を申し上げて、それで、五万ドルに見合うものは当時そういう調査の中ではそういう説明をされていたということを申し上げたわけでございます。

 ただ、先ほど副大臣にお答えいただきましたように、当時、企業側は海幕との調整により技術支援費を上乗せするものと理解した、一方で海幕によれば、十二年度の予算要求、調達要求では技術支援費は要求していない。そういう点もあって、どういう事実関係でどういう判断が行われたのかということは、正直、白紙でさらに詳細な確認調査が必要であると思っております。

 ただ、当時は、先日申し上げました三月二十日付のBAEの書簡等から、また、BAEが技術支援費の履行の準備をしていたということを踏まえて、意図的、作為的な過大請求とまでは断定するに至らなかったわけでございますけれども、この三月二十日付の書簡についても信頼性に疑義もあるということもありまして、まさに白紙でそのあたりは確認したいと思っておるところでございます。

川内委員 ごちゃごちゃ言いわけしていますけれども、大臣、副大臣、いいですか、平成十三年の三月三十日付の契約をもうしているわけですよ、防衛庁は。契約しているんですよ、山田洋行と。一億八千万、金額が多いんですよ。何にもなければ、このまま払っているんですよ。

 この契約が、業者に守らせなければならない契約の心得、この契約の心得は防衛庁がつくったものですよ、有権解釈権は防衛庁にあるんですよ、この契約の心得に反した契約であったかどうかということについて判断してくださいと言っていることに関して、契約の心得に反している、反していない、答えは二つに一つしかないんですよ。それを今言ってくださいよ。この平成十三年三月三十日付の契約が、水増しされた契約が、契約の心得に反している、反していない、どっちなんですか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 先ほどの小川参事官の方からの予算がのっているという部分は、あくまでも地方調達部分のことでなっていまして、そして、今般の委員の御質問の部分は中央調達部分においてです。中央調達部分においては予算化されていないということでして、そして、今委員の御指摘のこと、十分我々もそのような認識を持っているものですから、なぜそういう形になったかというのをきっちりと調査して、そして白か黒かということをお答えしなきゃいけないと思っているわけでございます。

 ですから、今の段階においてお答えというのは、限りなくそのようには思っておりますが、まだ結論づける段階には至っていないというところでございます。

川内委員 いや、この契約の心得というのは、大臣、防衛庁が有権解釈するわけですよね。平成十三年三月三十日付の契約時点においては、山田洋行はIDSから出た見積もりではない見積もりを提出しているわけです。IDSがこの見積もりを使ってねと思っている見積もりとは違う見積もりを出したんですよ。真正な書類ではないんですよ。違うんですよ。後で捜したら、IDSファイルの中にその見積もりはあった、あったとは言っているけれども、自分たちが当初提出した見積もりとは違うということを言っているわけですからね、それはすなわち。後々いろいろ捜してみたらその見積もりはありましたよとは言っているけれども、自分たちが当初出した見積もりとは違うんですから、それは。

 それは、業者が出したそもそもの真正な書類であるのかどうかということに照らし合わせても、この契約の心得に明らかに、平成十三年三月三十日付の契約、すなわち、技術支援費という項目は見積書の中にないわけですよ。物品の中にすべて金額は潜り込まされているんですよ。しかも、幕もそのことを承知はしていなかったんですよ、承知はしていないんです。そういう契約が契約の心得に反していないと言い切れるんですか。

 限りなく反しているという思いだとおっしゃったけれども、私は、この契約が契約の心得に反しているからいろいろ調べなきゃいけないんだというところを出発点にしなければ、反しているか反していないかわからないから調べているんですよというのと、この平成十三年三月三十日付の契約は契約の心得に反している、だから調べているんだというのとでは全然違うというふうに思いますが、大臣、どうですか。

北村(誠)委員長代理 石破防衛大臣、時間が来ていますから簡潔に。(川内委員「いや、時間はまだあと二分あります」と呼ぶ)大臣に言っているんだよ。

石破国務大臣 この契約の心得というのは、虚偽のものを提出してはならない、実に当たり前のことが書いてあるわけですよね。それが虚偽であったのかどうなのかということも含めて、先ほど来、副大臣あるいは参事官がお答えしていますように、白紙的に、もう全部白紙から調べましょうということでやっているわけです。

 私は、BAEに確認するといっても、BAEというのは物を言わないわけですから、BAEの一体だれに確認したか、そこまで含めてもう一度白紙的に全部調べ直します、それは。そして、民法上、当然損害賠償とかそういうことにもなる可能性もございますので、これは契約に虚偽のものを出したということも含めて全部白紙的に確認をし直します。

北村(誠)委員長代理 川内博史君、簡潔にお願いします。

川内委員 今、質疑は終わりましたという紙が来ますから、来るまで。

 大臣、この問題は、私は衆議院でもしっかりとやるべきだと思いますね。委員長や理事の先生方にお願いして委員会をしっかり開いて、やはり衆議院がしっかりこの防衛調達問題というものにメスを入れていく、そして解決をしていく、防衛省・自衛隊に対する信頼を取り戻すということをしていかなければならないというふうに思いますということを申し上げて、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

北村(誠)委員長代理 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、私はここに、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書、平成十九年八月、那覇防衛施設局、こういう冊子を持ってまいりました。全体が三百ページを超える大変分厚い内容であります。この中身についていろいろな疑問を持っているものですから、一つ一つ確認をしていきたいと思います。

 方法書とはということで、昨年十二月の普天間移設協議会で当時の守屋事務次官が説明をしております。方法書とは、事業者の建設計画をもとに環境アセスの方法を住民に公開して意見を求めるため作成するもの、最も説明責任が求められる手続だと私は考えております。

 きのうも沖縄北方特別委員会で少しお聞かせしていただいたんですが、あの美しい環境を持っている海域を埋め立てます。飛行場本体の埋め立てにとどまらず、作業ヤードのための埋め立ても二カ所で行われます。それから、海中にケーソン置き場をつくります。きのう、その面積はまだはっきりしていないというお答えだったんですが、作業ヤードを三十一ヘクタール、海域につくられるケーソン置き場三ヘクタール、こういう数字を日本政府は当初アメリカ側に示していたのではありませんか。時間がありませんから、早く答えさせてください。

長岡政府参考人 その数字については存じ上げておりません。

赤嶺委員 ここに建設計画が出ています。本当にほんの数ページなんですね。ですから、これを見ている限り、あの辺野古海域に何がつくられるかわからないというのが私の率直な感想なんです。例えば、滑走路は千六百メートルの長さだと書いています。滑走路の幅は幾らですか。

 委員長、時間がなくなりますよ、そんなの早く答えさせてください。

長岡政府参考人 幅につきましては、現在検討中でございます。

赤嶺委員 この方法書というのは皆さんがつくったものですよね。建設計画ですから、滑走路の長さ、幅というのは当然決まっていて当たり前じゃないかと思いますが、防衛大臣、幾らですか。何でそんなのが決まっていないんですか、滑走路の幅が。

長岡政府参考人 ただいま御指摘のように、評価方法書を今お示ししている、検討している段階でございまして、きのうも答えさせていただきましたけれども、これの御意見を賜りまして具体的な事業内容を詰めていくわけでございます、準備書等々の段階に行くわけでございますので、その段階で、固まり次第御説明させていただきたいと思っているところでございます。

赤嶺委員 滑走路の幅というのはこれからの住民の意見で決めるんですか。米軍の運用の必要上決まるのではなくて、もっと狭くしろと住民が意見を出して、それで決まっていくんですか。滑走路の幅というのは純粋に米軍の運用上にかかわることだろうと思うんですが、そんな話がありますか。

長岡政府参考人 御指摘のように、運用者は米軍でございますので、もちろん米軍のお考えもあると思いますけれども、先ほども申し上げましたように、段階を追って計画を具体化しておりますので、現段階では幅までは決まっていないということをお答え申し上げておるわけでございます。

赤嶺委員 それは日米間において滑走路の幅が決まっていないということですか、それとも、米側からは幅について案が出ているんですか。日本側はどんなふうに考えているんですか。

 私、幅が決まっていないというのは絶対に、これは飛行場の建設計画としては全くおかしいと思いますよ。こんなの説明になりませんよ。段階的に決めていく、そんな話がありますか。

長岡政府参考人 繰り返しで恐縮でございますけれども、米軍とも検討、調整をさせていただいておりますので、まだ結論が出ていないということを申し上げているわけでございます。

    〔北村(誠)委員長代理退席、委員長着席〕

赤嶺委員 米軍と結論が出ていないものを示されても困るんじゃないですか。皆さんが滑走路の幅はあいまいにして手続を進めていって、手続が終わるころには想像もしないような滑走路の幅になっていた。だれも予測できない。だれも予測できない状態でこれが建設計画ですと出された場合に、こういうのが建設計画だといって出された場合に、石破大臣、果たして納得するでしょうか。大臣、いかがですか。納得するかどうかですよ、大臣のお考え。

石破国務大臣 それは、今局長からお答え申し上げましたように、米軍の運用上の必要性を満たさなければならない、あるいは地元の方々の御意見も聞かなければいけない、それでこれぐらいの幅というものは決まってまいるわけです。そのときに地元の御意見もそれなりに聴取しながらということですから、その段階において御納得をいただくということだと思いますが、ただ、幅というのを考えたときに、とんでもない、物すごい、常識をひっくり返すような幅があるかといえば、そんなものはあり得ない。当然ある程度の範囲内で決まっていくものだというふうに承知をいたしております。これはまたV字形滑走路ということになっておるわけでございますから、そうしますと、通常の平行滑走路とはまた違う考え方があるのかもしれません。

 いずれにしても、御地元の納得、御了承、それを得るための努力を最大限することは当然のことでございます。

赤嶺委員 何か地元から幅について特段の意見が出ているんですか。

地引政府参考人 お答えいたします。

 現時点までに、特に幅については御意見を聴取しておりません。

赤嶺委員 大臣、地元から出ていないんですよ。だから、とんでもないでかい幅になるだろうとかならないだろうとかという議論じゃなくて、幅というのは大体決まっていくものだということであれば、示してほしいんですよ。これは建設計画ですからね。米軍の運用上、どんな運用上が滑走路に求められて、どのぐらいの幅になるかわからない、これは非常に不安だと思いますよ。こんなのは方法書としての最小限の体裁さえ私は満たしていないとこの幅だけでも思うんです。

 それでは次に、質問いたしますけれども、例えば、この方法書の中には、航空機の弾薬搭載場、この記載がありません。なおかつ、その詳細もわかりません。ところが、航空機弾薬搭載場、これについて、つくるということを認めておられるようですが、何で建設計画の中に、弾薬搭載場、これが書かれていないんですか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員御指摘のことは、これから米軍と協議しながら、全体の位置づけというのは方法書の中でわかるわけでございますけれども、では隊舎とかそういうものをどこに置くかということは、これから具体的に米側と調査していく予定でありますけれども、たしか今の弾薬庫の方は、弾薬搭載エリアにつきましては、辺野古崎付近の突起スペースに一応設けるということになっていると思っております。

赤嶺委員 副大臣、今から米軍と協議して決めていく、そんなのんびりしたこと言わないでください。今の普天間飛行場には弾薬搭載場ないんですよ。普天間基地の機能の中にはないんですよ。普天間のヘリは嘉手納に行って弾薬搭載するんですよ。だから、辺野古に移されるのは、普天間の機能を維持したものといえば、当然住民は弾薬の搭載場なんか念頭にないですよ。

 だけれども、書かなければわからないですよ。それを隠すというのは、建設計画の中身をしっかり県民に説明して、県民から意見を求めるという点で大事な観点が欠けているということになりませんか、弾薬搭載場を書かなかったということは。

長岡政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、方法書でございますけれども、これは法令等によって方法書に記載しなければならない事項というのが決まってございまして、事業の目的とか内容、こういったものでございます。

 それで、私どもの方法書におきましても、必要な、現段階で書けること、例えば、先生から御指摘がありましたように、滑走路の長さが千六百メートル二本とか、公有水面の埋立面積が約百六十ヘクタールといったようなことは書かせていただいておりますけれども、ただいま先生おっしゃいましたような、建設計画というようなところに係るより細かな具体的な内容でございますけれども、これは今後米側とも協議を行いますし、環境影響評価手続を進めていく中で、この次に準備書とか評価書という段階が来るわけでございますので、そういったものに記載をいたしまして、住民の方々、県の方々の意見を求めていきたいと思っているところでございます。

赤嶺委員 防衛省は、大臣、環境アセス法に基づく方法書はどうあるべきかという理解が大変乱暴だと私は思いますよ。大変乱暴なんですよ。それはあの自衛隊の「ぶんご」の事件を見てもはっきりしていると思うんですが。

 環境アセス法に基づく方法書というのは、まず、その事業において環境の要因が確定されていない状況であれば影響を予測、評価することは不可能だ、こう言っているんですよ。つまり、つくられる事業の中身がどのぐらいの規模で、それが環境にどんな影響を与えるのか、こういうことがはっきりわからなければ、環境に与える影響を極力抑えましょうといっても、どんなふうに抑えるのか予測することもできない、評価することもできない、これが当然だと思いますが、石破大臣、どんなふうにお考えですか。いやいや、大臣に所見を聞いているんです。

石破国務大臣 私ども、法にのっとって、委員おっしゃいますように、こういうことをやるとどのような影響があるのだということをきちんと調べる、その責任を負っております。したがいまして、法に定められたいろいろな要件というものをきちんと詰めました上で、どういうような影響があるか調べるものであります。

 ですから、当省がずさんだ、いいかげんだという御指摘でございますが、私ども、行政官庁といたしまして、法律に定められたとおり、きちんと誠実に着実に実行するということは変わるものではございません。

赤嶺委員 法に定められたという場合に、いわば事業者が、方法書はこの程度でいいんだという有権解釈があるからこれでいいんだと言っても、環境アセスというのは、一番求められるのは説明責任なんですよ。

 ところが、あの大浦湾、大臣もごらんになったことがあると思います、深い海です。そして、大浦湾の奥地に大規模な埋立地をつくります。面積ははっきりしていません。しかし、これで潮の流れが変わるだろう。大浦湾というのは、渡り鳥も来れば、動くサンゴと言われているユビエダサンゴが海底を歩き回れば、ウミガメも泳いでおれば、砂浜もある。海兵隊は、あの大浦湾沿いにあるビーチを世界一のリゾートだ、沖縄に行けば海兵隊はビーチを持っているぞと自慢しているらしいですよ。これはそのぐらい美しい環境なんですよ。

 そこの海を埋め立てる規模もはっきりしない、そして、大浦湾の真ん中にもケーソン置き場、この規模もはっきりしない、辺野古漁港の埋め立てもはっきりしない、滑走路の幅というのは、だれが考えても米軍の運用次第で大きくなったりいろいろするんだろうな、これもはっきりしない。はっきりしなければ、これらのことが環境にどんな影響を与えるか、これは全然説明責任を果たしているということにならないじゃないですか。第一、県民は、これは何がつくられるんだろう、どんな影響があるんだろうと。そういうことになるんじゃないですか、大臣。

長岡政府参考人 きのうも申し上げて大変恐縮でございますけれども、今、方法書ということで、こういった事業が環境にどういう影響を与えるかということをことしの六月から調査を始めさせていただいているところでございます。

 きのうも申し上げましたけれども、サンゴ類、海藻類、それから陸上におきましても動植物、鳥類などの調査を一年、四季を通じて調査をさせていただくわけでございますので、いつまでもそういった詳細を示さないということではございませんで、段階を踏んで作業を進めているということでございますので、そういった調査結果が出ますれば、今先生のお尋ねのようなことにもお答えできると思いますので、その辺はまた御理解を賜りたいと思うところでございます。

赤嶺委員 御理解、絶対に賜れないですよ。知らないことだらけで意見を出しなさいといっても、出せるものじゃないんですよ。弾薬搭載場が辺野古に置かれるか、そうしたら弾薬はどこから運ぶんですか、弾薬を運ぶ場合に危険はありませんか、いろいろな疑問が出てくるわけですよ。それを一切説明しなければ、疑問を持ってもしようがないじゃないですか。疑問の出しようがないんですよ。

 それでは、私たちが何でこんなふうな疑問を持つように至ったかというと、例えば、今アメリカにおいて環境、ジュゴン訴訟というのが行われております。あの辺野古につくられる米軍基地は日本政府がつくっているということをアメリカ政府は言っているが、日米両政府共同の責任ではないだろうかと。裁判所は認めました、日米両政府の共同の責任だと。そうすると、アメリカの環境活動家は、であれば、アメリカが考えている、向こうにどんな基地をつくりたいか資料を出せと言って、裁判所に次から次に出てきています。今一生懸命これを翻訳して、わかったところから発表していっています。私も持っております。

 この中に、もう一つ、米側資料には、例えば二百十四メートルの埠頭を要求したという記載があるわけです。これは日本側との間に未解決という記録になっています。ですから、未解決ですから、燃料を輸送する桟橋とは違う二百十四メートルの埠頭をアメリカ側が要求している。政府は今まで私の質問にも何度も岸壁の建設を否定してきたわけですが、アメリカ側からそういう要求は出ていないということですか。今こちらでの国会の答弁は、私たちはアメリカで行われている法廷においても確認するすべを持っていますので、そういう要求は出てこなかったということですか。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 先生の今の御質問の件でございますけれども、事務レベルにおきます日米協議の内容につきましては、国家間の交渉であることから、米側の要求、主張を含めまして、その逐一について具体的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 ただ、いずれにいたしましても、現在の計画では、兵員や物資の恒常的な積みおろしを行うような軍港としての機能を有するようなものを建設する予定はございません。

赤嶺委員 アメリカの逐一を説明するのは控えさせてほしいから、これにも書いていないわけですね。これに書いていないけれども、アメリカ側からはいろいろな要求があるわけですよね。それで、確定したものもあれば、協議中のものもまだあるという理解でいいんですね。いいですか。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生がおっしゃったように、日米間で合意が出たものについては、例えばロードマップ等に記載しておりますし、また、協議中であるものもあるのは事実でございます。

赤嶺委員 そうすると、建設計画の中身はこれからどんどん膨らんでいくんじゃないか。いわば、この埠頭についても協議中なんですね、日本政府はまだオーケーしていないけれども。

松本政府参考人 御質問の埠頭という件が必ずしもつまびらかではございませんが、先生がおっしゃったような約二百メーターの岸壁の件については、先ほども申し上げたとおり、現在の計画において、兵員や物資の恒常的な積みおろしを行うような軍港としての機能を有するようなものを建設する予定というのは現在ございません。

赤嶺委員 現在の計画はともかく、将来に関してはまだ協議中と。現在はそれでいいですよ。将来にわたって絶対につくらない、アメリカ側からもそういう要求は出ていないということを言い切れますか。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しのお答えで恐縮でございますけれども、現在の計画においては、先ほど申し上げたように、軍港としての機能を有するようなものを建設する予定はございません。

赤嶺委員 現在の計画だけで環境への影響を判断してほしいと言われたら、将来どうなるかわからぬという不安を抱かせるような答弁でありました。

 それで、この中に、埋立土砂を辺野古ダムのところから大量にとってくる、こういうのがありまして、さらに、陸上部に海兵隊の兵員だけで六千人ふえるだろう、家族の利便性のために学校や病院や福利施設などが必要とされている、巨大な新しいコミュニティーが辺野古につくられるというのを、米側の裁判所に提出した文書の中で述べております。

 この方法書では何でこれらのことが触れられていないんですか。そういうことはあり得ないんですか。

長岡政府参考人 大変申しわけないんですが、まだそこまで具体化しておりませんので書かせていただいていないということでございます。

 繰り返して恐縮ですが、そういったものが固まり次第、その後の準備書等の段階でお示しをさせていただきたいと思っております。

赤嶺委員 それじゃ、航空機の種類の問題ですが、これは米軍回転翼機及び短距離で離発着できる航空機と書かれています。

 麻生外務大臣は、前に外務委員会で私の質問に答えて、オスプレーの沖縄配備についてこのようにおっしゃいました。新しいヘリが開発されないなら、オスプレーが完成品になった段階で置きかえられる可能性は十分に考える必要がある、このように述べて、将来の可能性を明言いたしました。当時の大古防衛政策局長は、オスプレー以外のものの開発は承知していない、このように明確に答弁していました。オスプレー以外のものの開発は承知していない。同時に、オスプレーが完成品になった段階で置きかえられる可能性は十分にあると。

 将来は、この中に、回転翼機及び短距離で離発着できる航空機、オスプレーは含まれるのですか、含まれないのですか。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまオスプレーの配備についての御質問がございましたが、オスプレーの沖縄の配備については、米側に対して外交ルートにより確認しているところでございますが、米側からは、現時点では具体的に決まっていないという説明を受けているところでございます。

赤嶺委員 この答弁は何回も繰り返されています。

 今は私は、あなた方が示した環境影響評価方法書、これには建設計画が書かれています。そして、環境に与える要因、どんなことがあの海域にどんな影響を与えるのか、環境影響要因と言いましょう、環境影響要因を書いてなきゃ意味がないですよ、方法書には。特に航空機ですよ。例えば、皆さん、この中で、騒音コンターがなぜ示されないんですか。

地引政府参考人 方法書の中で、調査及び予測の手法という項目がございまして、この中に、航空機騒音について調査すべき情報として、騒音の状況でありますとか、調査の基本的な手法、調査地域、調査地点等をお示しさせていただいているところでございます。

赤嶺委員 騒音コンターを作成するときは、自衛隊基地でもそうですよ、米軍基地でもそうですが、運用する航空機が確定しないとコンターはつくれないですよね。これは常識ですよね。だったら、騒音について予測評価するというのであれば、その機種がオスプレーになるだろうということをきちんと想定した、あるいは、その可能性を外務大臣は認めているわけですから、そういう運用する航空機も特定をした上で、騒音コンター、騒音の予測調査もする、これが当然じゃないでしょうか。いかがですか。

地引政府参考人 現時点で、オスプレーについては、まだ米側が配備するという計画はないということでございますので、機種等については今の書き方をさせていただいているところでございます。

赤嶺委員 すべてがやみの中、霧の中。つくられる計画が環境にどんな影響を与えるかという判断、不可能ですよ、この方法書は。

 この方法書は、方法書という名称はついているけれども、方法書の名に値しない。私は、これは撤回すべきだと思います。もし本当に、環境に与える影響をできるだけ少なくしてやる、防衛省に少しでもそういう気持ちがあれば、まずこの方法書から撤回してほしいということを申し上げたいと思います。

 それで、まだ時間があるようですからもう一つお聞きしますけれども、米側は、大臣、ヘリが故障しますよね、故障した航空機をあの辺野古の基地からどのように移動させるかと言っているんですよ。これは起こり得ることですよね。米側は、陸上移動は可能でない、こう言っているんです。陸上で移動するのはね。まあ、あれだけのヘリをどうやって陸上で移動するか。では、船舶で運ぶのか、あるいはギャラクシーなどの輸送機で運ぶのか。これは確かに起こり得ることですよね。

 海兵隊の航空隊が展開した場合に、故障した航空機、辺野古の基地からどのように移動させるんでしょうか。これは石破大臣、やはり軍事に私なんかよりはるかに詳しいですから、そういう想像力も含めて、あるいは、決まっている、決まっていないは事務方でもいいですが、お答えしていただけますか。

石破国務大臣 それは故障の程度にもよりますよね。ですから、部品交換等々でできるものであれば別に移動はしません。

 ただ、委員御指摘のギャラクシーということになると、とてもとても滑走路長が、今出ておるものでは足りるものではございませんし、それは小型の連絡用の飛行機というふうに申しておる。それはもうギャラクシー等々大型の輸送機というものを想定していないということだ、当然そういうことになろうかと存じます。

赤嶺委員 そうすると、船舶で移動ということになるんですか。

松本政府参考人 今先生の御質問のありました故障したヘリの輸送手段については、今後、米側と協議していく課題であるというふうに認識しております。

赤嶺委員 今後やはり協議していくということになると、米側は陸上輸送は不可能だ、そして、航空機、ギャラクシーなんてとんでもないと大臣はおっしゃっている。そうすると、やはり船舶。船舶となると、燃料を給油する施設だけでは足りないですよ。やはり私が最初に言ったように、そういうことを考えてみたら、新たな埠頭の必要性、これは議論としては出てくる可能性が大いにあるなと思いますが、首を縦に振っていらっしゃいますけれども、いかがですか。

石破国務大臣 なかなか首の振り方も難しいのですが。

 それは、今次長がお答えをしたとおりであります。そういうときにどれぐらいの船の所要になるのか、私も、申しわけないのですが、米軍のヘリが故障したときにどのようにして運搬をし、どのようにして直すのかということについて、今正確な知見を持っているわけではございません。むしろ、委員御指摘のように、それによって港湾施設といいますか船舶に関する施設の所要も異なってくることに相なります。

 今まで政府として、それが軍港の機能を果たすものではないということをお答えしておるところでございますが、どのようにしたものが最も所要を満たし、かつ環境に与える影響というものが、負荷が軽減されるかということは、私どもとしてもきちんと詰めてまいりたいと存じます。

赤嶺委員 まだ時間ですという紙は来ていないんですが、もう終わりますけれども、環境への負荷の話をおっしゃっていましたけれども、あそこのジュゴンは絶滅危惧種なんですよ。だから、あの環境にどれだけの負荷を与えたら、どれだけの負荷まではジュゴンが耐えられるかというんじゃないんです、絶滅危惧種ですからね。少しの負荷でも、一瞬のうちに絶滅する、だから、負荷が与えられない地域なんです。

 そういうことも含めて、この方法書には、素人が考えて素直に聞いていった疑問さえも答え切れないし、将来においてはどんな計画になるかわからない、予想が立たないようなそういう建設計画で方法書の手続に入ることは、これは絶対にアセス法の精神を踏まえたものではない、撤回せよということを述べまして、質問を終わります。

嘉数委員長 辻元清美さん。

辻元委員 社民党の辻元清美です。

 昨日、参考人、そして証人喚問が行われました。まず、このことについて、一、二点、防衛大臣の姿勢をお伺いしたいと思います。

 いろいろ指摘が出ていますけれども、これは単なる一個人の問題ではなく、日米の防衛産業と巨大な利権、それから不透明な政官業の癒着が内在している構造的な問題であるのではないかというような指摘も出始めているわけですね。ですから、ここでしっかりと所管の大臣として、真相解明を通じてこの問題にけじめをつけなければいけないと私は思います。

 特に、米軍再編ということがこの間ずっと進行しておりました。この米軍再編については、本委員会でも審議がされてまいりましたけれども、この米軍再編事業にかかわる所管の大臣というか長官時代から、額賀長官であり、それから久間当時の長官そして防衛大臣、そしてさらにはこの守屋前事務次官が、三人が主役のような形で牽引してきたという状況です。

 しかし、例えば、きのうの証人喚問の中では、この米軍再編にまつわる沖縄の海兵隊のグアム移転への疑惑なども飛び出してまいりました。ですから、ここではっきりと、やはりこの三人にしっかりと真相を究明していくということが大事だと思います。じゃないと、前に進められないですよ。

 大臣にお聞きしたいんですが、同じ長官、大臣経験者として率直に御意見を伺いたいです。額賀前防衛庁長官、久間前防衛庁長官そして防衛大臣の今の説明で、私は説明責任が果たされているとは思いません。やはり、みずから進んで説明責任をお二人が果たされるということが大事だと考えますが、いかがですか。

石破国務大臣 それがどういう形で、例えば国会に証人としてお出かけいただくのか、あるいは参考人なのか、これは国会がお決めになることであります。私がとやかく申し上げることではございません。

 私は、何かのテレビで、沖縄を中心とする米軍再編について、どういうことであったかきちんと認識をしたいというようなことを申し上げました。それは、私自身、自由民主党の中でそういうことを議論する立場にはおりましたが、政府の中におったわけではございませんので、これがどのような経緯をたどってこのようなことになっているのか。あるいは、グアムに建てます住宅についても、四倍というような御指摘がございます。それは、数字だけ見るとそういうふうに見えますが、本当に、積算根拠がどうなっていてこういう数字になるのか、その四倍という数字自体が正しいのか、そのことについてもきちんとした認識を私としても持ちたいと思っておるところでございます。

 御質問に戻れば、両元大臣、長官のそういうことについて、自分はかかわっていないというふうにおっしゃっておられるわけでありますから、当然、政治家として、しかるべきところできちんとした御説明をなさるものというふうに私は確信をいたしております。

辻元委員 今の石破大臣の御答弁で、政治家としてしかるべきところでしっかり発言をなさるべきという御発言だったと確認したいと思います。

 石破大臣は、御自身は宴席に行ったことがないと前回おっしゃっていたからこそ、究明ができるんですよ。違いますか。そういう立場ですから。自分も行っていたらやましいからできないかもしれませんけれども。私は、今のお二人の説明のあり方は不十分だと思います。大臣、いかがですか。

 ですから、私は、閣議で、大臣の方からはっきりと、財務大臣、税金を取り扱う大臣として額賀さんもそこに座っていらっしゃるわけですから、これでは困る、防衛事業を扱う大臣として困る、しっかりと説明責任を果たしていただきたいと、閣議でおっしゃったらいかがですか、防衛大臣として。いかがですか。次の閣議は火曜日ですよね。いかがですか。火曜日おっしゃってください。

石破国務大臣 私が申し上げましたのは、額賀先生であれ久間先生であれ、本当に、防衛庁長官を複数回経験されておられる、私の大先輩であります。あるいは、党においても政府においても要職をお務めの方でありますから、しかるべきところでしかるべく説明をなさる、そのように確信をしているというふうに申し上げました。

 どういう場所をふさわしいとお思いになり、どういうような説明の仕方がふさわしいとお思いになるかは、それぞれの先生の御判断でございますので、私がとやかく申し上げることだとは思っておりません。

辻元委員 まだ火曜日まで時間がありますので、引き続き、個人的に大臣に働きかけていきたいと思いますが、一点、事実関係を確認したい。

 今、先ほどから問題になっておりました河村延樹防衛政策課長が更迭されたのではないかというようなニュースが飛び込んできているんですけれども、防衛省は更迭するという方針で進められてきていたんですか。いかがですか。

石破国務大臣 人事につきましては、それはいろいろな角度から検討いたしております。こういうような状況にかんがみまして必要な人事を行わねばならないと考えておりますが、現在のところ、決めたとか発表したとか、そういうような段階ではございません。

辻元委員 トカゲのしっぽ切り言うたら悪いですけれども、結局、本委員会に、きょう国会の方に出てきてしっかりと事情を説明するようにと院が求めていたわけですよ。そして、更迭する方針をお決めになったという段階かもしれませんよ。そして、更迭してしまって終わりというようなことはありませんね、大臣。ですから、今度本委員会で河村課長のここでの答弁を求められたときは、大臣として、更迭しようがしまいがしっかりと出していただくということをここで確約いただきたいと思います。いかがですか。

石破国務大臣 政府参考人としてでしょうか。参考人としてお求めがあったということは承知をいたしております。

 本人に確認をいたしましたところ、体調がすぐれないのできょうは出れないということでございました。そういう理由でございます。したがいまして、仮に、人事というものが将来的にあったとして、違うポジションに行くことがあったとしましても、それは国会のお求めに応じて、必要であれば出席をさせるという方針は変わっておりません。本日は体調がよくないということで、この場の御質問にきちんと答えられる状況にないということで、出席を控えさせていただいておるというふうに承知をしております。

辻元委員 これだけ疑惑が広がっているわけですから、出てきて、しっかり自分から説明させた方がいいと、そうだよなと、また首を縦に振られていますが、それをちょっと答弁していただけますか。

石破国務大臣 これは私ども、私も副大臣も政務官もそうですが、これがコントロールする側なのです。事務次官も統合幕僚長もすべて自衛隊員であって、コントロールされる側なのであります。そういう判断は私ども政治家できちんといたしたいというふうに考えております。

 きょうは、先ほども申し上げましたように、体調がよくないので御質問にきちんとお答えできないという状況ですから、仮に体調が回復をしてきちんとお答えできるという立場になるならば、それは、この場に出てお話をするということも当然あり得ることだと思います。

辻元委員 今の御発言を重く受けとめたいと思います。委員長もぜひ御配慮よろしくお願いします。

 さて、沖縄の問題です。

 この沖縄の問題については、先ほど申し上げました、今疑惑と言われている三人の名前が出ていますけれども、例えば、V字形滑走路は額賀案と言われ、額賀前長官がお決めになった。そして久間大臣が、ことしになってからも私は何回もここで質問をしておりますけれども、いわゆる環境調査という形で、自衛隊の艦船までお出しになって進めようとされた。それに対して、沖縄の知事以下沖縄の皆さんは、本当に怒りました。そして、それを決めていったのが守屋前事務次官ですよ。

 そういう中で、先日、協議会が開かれましたね。この問題について、具体的に聞いていきたいと思います。

 十一月七日に、第四回普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会が開催されました。この中で、仲井真県知事から、二百メートルの岸壁、陸域の飛行、装弾場を含め、きちんとした説明は受けていない、情報公開すべきだという指摘があったかどうか。そしてもう一点、宜野座村長よりも、陸域の飛行、装弾場等のマスコミ報道に、地域としては不安を抱いている、建設計画の検討に必要な情報は明らかにすべきというような指摘があったと聞いておりますが、いかがですか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員御指摘のことはもうホームページにも、普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会の概要ということで載せさせていただいているわけでございますけれども、仲井真沖縄県知事からは、二百メートルの岸壁、陸域の飛行、装弾場含め、きちんとした相談は受けていないし、情報は可能な限り公開してほしいという旨の御発言がありました。また、宜野座村長からは、陸域の飛行、装弾場等マスコミ報道に、地域として不安を抱いている、建設計画の検討に必要な情報を明らかにしてほしい旨の発言がそれぞれなされておられます。そして、これらの発言に対しまして、石破大臣の方からは、地元の意見を真摯に受けとめ、建設計画については今後とも誠意を持って協議してまいりたい旨の発言を行っているところでございまして、防衛省としても、その方針にのっとって真剣に対応してまいりたい、そのように考えております。

辻元委員 特にこの陸域の飛行については、各自治体の皆さんにどのように説明してきたんですか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 いわゆるV字案に係る飛行ルートについてですけれども、平成十八年の四月七日の名護市長及び宜野座村長との基本合意におきまして、当時の長官から両首長に対して、名護市の地域、辺野古、豊原、安部及び宜野座村の上空の飛行を回避する方向で対応することを説明してきております。

 そして、沖縄県知事に対しましては、翌日の四月八日に、当時の長官から、名護市等との基本合意書に関し、住民の安全を確保することが大事であり、住宅地上空の飛行を避けるための方策について名護市長等と話し合ったということをきちんと説明しているところでございます。

辻元委員 それは前回の委員会でも私が指摘しました、基本合意書では陸域の飛行を回避すると。

 ところが、前回の私の質問で、これは十月十九日です、金澤政府参考人がこのようにお答えになっています。「一般論として、日米の協議の中でも、日米共同の認識として、一切陸上の上は飛ばないんだという認識が日米ともにあったわけではございません。」と答弁されています。一切陸上の上は飛ばないという認識はなかったということは、陸域の飛行はあるという認識を日米が共通の認識として持っていたということでいいですね。

金澤政府参考人 V字案というのはもともと住宅の上を飛ばないための案ですから、基本的には飛ばないわけでございます。

 そのことは間違いないわけですけれども、それでは、一切、一回も飛ばないのかと言われれば、それは、先般大臣も申し上げましたように、緊急事態のときは飛び得ることがありますし、また、訓練の形態によってはないとは言えないということでございます。V字案にしたからといって、一切陸地の上を飛ばないんだ、絶対そういうことはあり得ないという認識があったわけではございません。

辻元委員 それではお聞きいたしますが、名護市長及び宜野座村長などと基本合意を結ばれた時点、去年の四月七日です、この時点で、今、金澤政府参考人が御答弁されたように、緊急時や、それからもう一つおっしゃいました、訓練の形態等によっては飛ぶこともあるという御答弁でした。ということを名護市長及び宜野座村長に説明されましたか。

金澤政府参考人 私は、そのときに地元の市長さん等に直接そのことを説明する立場ではございませんけれども、V字案自身が市長さんあるいは村長さんからの御要望に応じてつくったものでございますから、基本的に飛ばないことでございます。

 私が今例外的な場合で申し上げましたのは、それが非常に、ごく例外的な場合ですから。そのときにわざわざ、場合によっては飛ぶんですよといったことを説明したかと。必ずしも説明していないかもしれません。基本的にV字案というのは飛ばないものですということは、我々もそう思っていますし、米側もそう思っていますし、また市長さん等もそう思われているわけでございます。

辻元委員 これは、前回の私の質問で、当時の日米の並行して行われていた協議の内容の指摘をいたしました、アメリカ側が出した文書に基づいて。アメリカ側は困っているわけですよ。日本は一切飛ばないということに物すごくこだわっているけれども、飛ぶことはあるんだ、それをちゃんと住民に説明してくれということをアメリカ側が指摘している話はしました。

 それでは、その件に関して引き続きお伺いします。ことしに入ってからも、先月の十月三十一日ですからつい最近ですよ、ケビン・メア在沖縄総領事は、一切飛ばないという約束はできないとはっきり言っています。そして、金澤政府参考人は、前回の私の質疑に対して、御答弁でこういうこともおっしゃっているんですね。今おっしゃったとおりなんです。「緊急時は当然除外されるし、また、その他の場合、訓練の形態等によっては当然飛ぶというようなことはあり得る」「それは当然の前提でございます。」と。当然の前提について自治体の長に説明をしっかりしたかしていないかも今はっきり答弁できないような政府の姿勢なんですか。

金澤政府参考人 緊急時であれ何であれ、それが訓練であれ、基本的にはそういうことはないわけでございます。したがいまして、住民に、そのときに市長さん等にV字案、当初、L字案のときは一本だったわけですけれども、市長さん、村長さんの御要望を入れて二本にして、V字にいたしました。これは住宅地の上を飛ばないでくれという御要望に応じたわけでございます。ですから、V字案は基本的に飛ばない案でございます。そのことを申し上げたわけです。

辻元委員 一切飛ばないということはないというのが当然の前提でございますとお答えなさっているわけですね。

 そうしますと、この訓練等ということについてお伺いしたいと思います。アメリカ側から、この訓練等の訓練はどういう訓練の場合とお聞きになっているのか、それから、訓練等の等には何が含まれているのか。

 ここは大事なところですよ。日本政府がそれについてアメリカ政府に確認していないとしたら、地元をないがしろにしていますよ、そうでしょう。ここが最大の焦点になっていた。去年の四月もそうだし、今もそうです。ですから、日本政府はアメリカ側から、訓練等の訓練はどういう訓練なのか、等には何が含まれるのか、どういう説明を受けていますか。

金澤政府参考人 ごく例外的な場合にどういうものがあり得るかというようなことを、その議論の過程で、わざわざ表に出して話すことはいたしておりません。

 いずれにせよ、緊急時であれ何であれ、基本的には飛ばないわけでございます。例外的に飛ぶ場合がどういう場合か、どういう場合かと細かく考えて列挙するというのは、今の段階で必要もないし、してもおりません。

辻元委員 もう一回確認します。例外的に飛ぶ場合もあるという御発言でしたが、例外的には陸域飛行もあるんだということを名護市長や宜野座村長、それから沖縄県知事に日本政府は説明しましたか。したのかしないのか。

金澤政府参考人 しておらないと思います。

 これはごく例外的な場合であって、大切なことは、V字が、地元の御要望を受けて、基本的には飛ばない案で、そのためにつくった。それが重要なことなんでございます。

 例外的に、例えば事故のときには飛びますよとかそういったことを、わざわざ細かなことまで例外的な場合を全部列挙して、こういう場合は例外でございますということを説明する必要は必ずしもないという考えでございます。

辻元委員 どうして例外とわかるんですか。訓練等と入っているわけですよ。訓練は例外ですか。例外の訓練なんですか。その中身をアメリカ側に確認せずに、どうして例外的だとわかるんですか。

金澤政府参考人 二本の滑走路をV字に配置するというのは、風向きによって着陸する滑走路と離陸する滑走路を分けて、それぞれ、どの場合でも陸地を飛ばないための、そのためのV字でございます。

 ただ、例えば、どんな訓練をやるかというのはわかりませんけれども、あるいは緊急時にはそういったことが、やらないような、そういうこともあり得るわけでございますから、そのことを申し上げているわけでございます。

辻元委員 実は、これはもうずっとやっています。昨年の十二月に、本委員会で、当時の久間長官ですけれども、米軍普天間飛行場代替施設のV字形滑走路の運用で、双方向からの着陸は訓練では実施しないと発言したわけです。同じような答弁をされていたわけですよ。すかさずこの同日に、沖縄で、ケビン・メア在沖縄米国総領事はそれに対してこう発言しているんですね。我々は有事に備えた訓練やタッチ・アンド・ゴーで双方向からの着陸はあり得ると日本側に伝えているという認識を明らかにしています。タッチ・アンド・ゴー、これも本委員会で皆さんが、委員が聞いてきたことです、双方向からの着陸はあり得る、アメリカ側は日本政府に説明しているぞと。同日にこれは報道でも流れました。答えています。このような説明を受けていますか。

金澤政府参考人 今先生がお引きになった報道で、メアさんがそう言ったという具体的な例というのは、協議の中で聞いたことはございません。

 ただ、いずれにせよ、緊急時以外にもそれはあり得るよな、具体的にどういう場合か列挙はできないけれどもという共通の認識はございました。

辻元委員 どうしてそれを地元に言わないんですか、はっきりと。

 それで、今このタッチ・アンド・ゴーというのが具体的にメアさんの発言から出ているようですけれども、普天間の今の飛行場でもこれが物すごい問題になっているわけですよ。そして、そのことについては、私は昨年の四月十八日に質問しています。普天間の代替基地と言われて、普天間でもタッチ・アンド・ゴーをやっているじゃないか、これをやるのかと。そうなると、結局、そのときの政府の答弁は、アメリカのやっている訓練の内容ですから、政府としては内容について関知しておりませんという答弁なんです。

 私はこの日朝に、宜野湾市に問い合わせました。タッチ・アンド・ゴーをどれぐらいやっていますかと言ったら、きょうもやっていましたよ、土日を除いて大体いつもやっていて困るんですよと。地方の自治体から、防衛庁とか外務省に問い合わせても、政府は知らぬ存ぜぬで困っておりますという話でした。飛ばないとか言っていて、そしてずっと地元にも説明せずに、訓練等とか緊急時と言っておいて、結局同じようなことが起こるんじゃないですか。

 もう一度お聞きしたいと思いますけれども、実際にアメリカのメアさんもこういう話をされているわけですから、政府として、タッチ・アンド・ゴーをするのかしないのか、訓練等は何なのか、具体的にアメリカと協議なさって、地元の自治体にはしっかり伝えるべきです。今までなぜ伝えてこなかったのか。大臣、どうですか、この点。大事でしょう、それは大臣にお聞きしたいと思います。方針ですから、姿勢ですよ。額賀長官がV字形を出し、久間長官が進め、そして守屋前事務次官が進めてきたんですよ、これを。沖縄の皆さんをだますんですか。だますんじゃないというのであれば、どういうときにアメリカは飛ぶのか、どういう内容の訓練をするのか、陸域の飛行をするかしないのかはこの案の肝ですよ、大臣、肝。そこを一番皆さん気になさっていますよ。

 大臣にお聞きします。この陸域の飛行について、きっちりと、どういうときに飛ぶのか飛ばないのかを示すべきだと思うし、今までも日米の協議の中で、大臣です、協議に出ていたはずですよ。いかがですか。

石破国務大臣 どういう場合に飛ぶか、基本的に、いや、基本的にという言い方はいかぬです、陸域部分において、住宅の上というのは飛ばないのだということになっております。例外的にということがあり得る、それを説明いたしました。その中身は何なのですかということについて、地元の方々の御不安というものを払拭するような、そういう説明は丁寧に行っていかねばならないものだと考えております。

辻元委員 引き続き、またしつこくこの問題はやります。

 終わります。

嘉数委員長 下地幹郎君。

下地委員 きょうの給与法の法律の改定について少し質問させていただきたいんですけれども、この給与法の改定は、最終的にキャリアの人事においても、最後は事務次官一人になる、その同期はどんどん上がるごとにやめていかなければならないというふうなことで、専門職が少なくなるから、今度専門職を置くということを給与法の改定の中で置いているわけなんですね。

 それで、この法律を見ると、この対象になるのが内局の方だけになっておりまして、研究開発本部だとか自衛官にまでこの俸給表の制度が広がりがないということでありますけれども、私からすると、内局の方よりも、ある意味、専門職は自衛隊の隊員の方々にも多いし、そして研究開発をする人たちにも多いんですけれども、なぜこの人たちまで広げなかったのかというふうなことを一点お教えいただきたいと思います。

寺田大臣政務官 お答えをいたします。

 今回導入いたします専門スタッフ職、これは調査、研究、分析等を独任的に、すなわち専ら行う者に適用するということで、委員御指摘のとおり、防衛省職員給与法第四条第一項を改正して、防衛省職員のうちの事務官等、等というのは技官とか、あるいは教官も入るわけですけれども、これに導入するものです。この趣旨といたしましては、在任期間の長期化に対応する観点から、いわゆる複線型人事管理を導入しようというものでございます。

 ただ、自衛官は、御承知のとおり、若年退職制のもとでございまして、今、法律の第四条第四項で引き続きこの自衛官俸給表を適用するというふうなことでございます。この自衛官の組織が、明確な指揮命令系統を伴ったいわゆるラインの組織である、そしてまたピラミッド形の組織です。したがって、複線型でそのままずんどう形で上に持っていくことができないというふうなことで、この複線型人事管理に自衛官はなじまないというふうに判断したものでございます。

下地委員 しかし、専門職という意味では、自衛官は技術的にもその能力がある。今の人事の制度の中ではなじまないということにあろうかと思いますけれども、しかし、専門職を置くという意味では、新しく対象にして当たり前じゃないかというふうに思っております。将来的にはそういうのも見直しながら進めていこうという気持ちはないでしょうかね。

寺田大臣政務官 お答えをいたします。

 当面、委員御指摘のごとく、現在この第四条第一項と第四項、自衛官については第四項で自衛官俸給表ということでございますが、確かに、御指摘のとおり、例えば防衛研究所でありますとか、あるいは、もちろん防大もあるわけでございます。そういった職種の中で、そういう専門性、あるいは独任的に分析あるいは調査を行うといったようなこともあり得ようかと思います。将来の点については、十分検討してまいりたいと思います。

    〔委員長退席、仲村委員長代理着席〕

下地委員 そういう意味でも、一番現場で汗を流して頑張る自衛官もそういうふうな対象にして、しっかりと仕事で成果が得られるように防衛省としてやっていただきたいというふうに思っております。

 それと、二つ目ですけれども、今回、さまざまな不祥事が起こっておりますけれども、この不祥事に関しては、防衛庁の場合には九八年の防衛庁調達背任の問題や昨年の談合の問題とか、さまざまなことが、不祥事が起こりながら、組織の改編をしながら今を迎えているわけであります。

 そのときに、談合の問題のときにできた組織が、監察本部というものを防衛省の中でことしの九月に検察の方を本部長に置いてつくったわけですけれども、この監察本部というのは何をやるところなのかということを、ひとつ御説明をお願いしたいんです。

石破国務大臣 監察本部といいますのは、省内の、これは背広も制服もすべて対象といたしますが、規律が保たれているかどうか、そういうことにつきまして監督、査察、そういうものを行う組織でございます。

 もし詳しいことが必要であれば、後ほど事務方からお答えをいたさせます。

下地委員 この監察本部は、今回の守屋前事務次官のさまざまな問題、先ほどからいろいろと指摘を受けておりますけれども、こういうふうなことに関して、どういうふうな権限で内部調査に関してやられているのかというふうなことをお願いしたいと思うんです。

石破国務大臣 今回の守屋氏の事案につきましては、在任中の倫理規程違反ということにつきまして調査を行っているということでございます。倫理規程という明確に定められているものに在職中違反したかどうか、そのことについて監察本部の方から監察を行っているというものでございますが、それは、守屋氏はもう退職をいたしておりますので、直接監察の対象になるというものではございません。そのほかの者に対しまして、そういうようなゴルフでありますとかマージャンでありますとか、そういうことがなかったかどうかということを監察本部としては監察を行っておるところでございます。

下地委員 そういうことになると、今回の事案の防衛省内部の調査というのは全部この監察本部が行っているということになるんですか。監察本部が聞き取り調査を行い、監察本部がそれに関してさまざまな情報をとって、大臣にそれを上げる、調べたことを上げる、こういう体制に監察本部はなっているんでしょうか。

石破国務大臣 それは、監察本部あるいは人事教育局というのもございます。担当の部署がそれぞれ密接に連絡をとり合いながらやるものでございますが、主体的には監察本部の監察ということがメーンになります。

 ただ、監察本部の能力からいいまして、全部の自衛隊員を対象にできるかといえば、そういうものでもございません。そういうものを調査を専門に行うというよりは、むしろそういうような規律の維持ということがきちんと行われているかどうか、そのことのための機関でもございますので、監察本部のみにおいて行うものではございません。

    〔仲村委員長代理退席、委員長着席〕

下地委員 僕はここのところの答弁が大事だと思うんですけれども、昨年の不祥事や九八年の不祥事を受けて、ことしから監察本部をつくって、それによって不祥事を予防するとか、さまざまなことをやる。そして、こういうふうな事案に関しても聞き取り調査をしてしっかりと報告をする体制ができているかというと、今監察本部ではそういうふうなものはまだまだできておらないというふうなことを大臣はおっしゃっております。

 今回の事案も含めて、それでは、監察本部を強化するというお考えがあるのか、それとも監察本部のほかにもう一つ何か組織の構造上つくって、こういう不祥事が二度と起こらないようにしようとお考えになっているのか。今、防衛省がどういう方向で今度の不祥事を二度と起こらないようにして、組織の体制をつくり直そうとしているのかというふうなことをお考えになっていれば、そのことも少しお考えをいただきたいと思います。

石破国務大臣 これは、監察を今以上に強化するという方向性では私自身は考えておりません。むしろ、今回のいろいろな不祥事というのは、そういう監察体制の強化ということによって解決をされるというものではなくて、もう少し構造的なものなのではないか、そしてお互いの内部組織におけるチェック体制をどのように強化するかということではないか。

 かてて加えて、政治による軍事の統制ということが本当に今の体制で十分であるのか、やはりこれが実力組織であるがゆえに、政治の統制というものの体制が十分であるのかという観点から見直さなければいけない。監察というよりは、むしろそういうような観点が必要なのではないかと私は思っています。

下地委員 きのうの証人喚問で守屋証人が言っていました。久間長官が、一課長に指示をして、直接契約ができないだろうか、商社を通さない、代理店を通さない、こういうふうな契約ができないだろうかというその相談を私はやっていたんだよと久間長官から守屋前次官は聞かされたという証言がきのうありましたですね。

 私たち、あれを聞いていると、局長も介入しない、次官も介入しない、部長も介入しないで方向性がこうやってつくられるというのは、非常にびっくりした答弁でしたよ。だから、そういうふうなことにならないようにするというのが、この監察本部という名前からしても、さまざまなルール規定をつくって、報告をするときには課長一人じゃなくて二人で必ずやるんですよとか、業者と会うときには必ず複数でやって、議事録とってやるんですよとか、さまざまなルールをつくってそれを強化してやるということをきょうおっしゃるのかな、前向きにその対策をおっしゃるのかなというふうに僕は思っていましたけれども、このことをきちっとやっていかないと、なかなかうまくいかないのではないかなというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

石破国務大臣 それは、委員御指摘のようなものも含めて、いろいろなアイデアがあるんだろうと思います。

 先ほど官房長官から発表のあったところでございますが、今般、防衛省改革に関する有識者会議というものを立ち上げることになりました。この問題、つまり、いろいろな不祥事等々ございますが、この問題につきまして、第三者の方々の意見も交えた改革を進めていきますために、防衛省改革に関する有識者会議ということを開催するということになりました。このことにつきましては、総理、官房長官、そして私との間でいろいろな議論をしてきたことでございますが、それを設けたいというふうに考えている。

 学識経験者あるいは防衛省にお勤めであった方、事務方あるいは制服、そういう方も入れて、一体これはどのようにしたらいいのかという組織論もやりましょう、委員御指摘のようなチェック体制もやりましょう、いろいろな面からやっていかなきゃいかぬと思うんですね。

 調本事案があり、施設庁事案があり、結局、組織は変わったけれども相変わらず同じことが起こっているじゃないかということだと思うんです。ですから、これはもう軍事組織のあり方として、このままでいいのかという問題意識がありますので、チェック体制とともに組織全体を見直してみるということがありまして、こういう有識者会議が立ち上がるということだと思っております。

 私もメンバーでございますので当然意見を申し上げますが、省内においても、本当にこれでいいのかという議論をそれこそ白紙的にしていかねばならぬものだと思っております。

下地委員 ぜひ国民にわかりやすい、二度とそのようなことが起こらないような体制づくりを明確に示すことが大事だと思っていますから、それに関して努力をしていただきたいと思います。

 それで、もう一つ、米軍再編ですけれども、米軍再編とSACOとの違いは何なのかというと、SACOの場合は、沖縄の基地を沖縄に移す、沖縄にある機能を本土に移すというのがSACOでしたね。今度の米軍再編の場合には、新たに、沖縄の基地を沖縄に移す場合もあれば機能を本土に移す場合もありますけれども、沖縄の基地の機能をグアムに移すというのも今度の大きなポイントになっているんですね。

 となると、二〇〇七年から八年でそれを完備したいというふうになってくると、八千人移る、沖縄の海兵隊の部隊がグアムに行く。グアムに行くということがもう八年後に決まっているわけですから、今回の計画では、グアムのインフラだとかグアムの住宅ができ上がった段階で米軍は移っていくわけです。米軍の、アメリカの沖縄の海兵隊は移っていく。というふうなことになると、アメリカ側が先に投資をして、インフラ整備をして、整ったところで沖縄の海兵隊が行くというふうな、そういう仕組みになっているわけなんですね。

 ということになると、いざグアムに投下をした、インフラをやった、物事をつくった、しかし、普天間はうまくいかない、沖縄と協議もうまくいかなければ、また稲嶺県政が八年間動かなかったように動かない状況になった場合には、それはアメリカからすると大変なことになる。

 だから、アメリカ側の中には、普天間の移設がうまくいくということがきちっと決まらないとグアムに対して投資をして財政的な処置をするということができないんだという声がありますね。しかも、来年の五月か六月、アメリカの新年度予算は九月でありますから、五月か六月までにしっかりと普天間の移設ができるのかできないのかを明確にしなければこの案は進まないんだという声があるんです。

 そういう意味で、膠着している状況が今現実なんですけれども、そういう中で、今度、辺野古の基地内の建物をV字形に合わせてもう壊す作業、解体工事を防衛庁が発注をしてやっていくというふうなことが漏れ聞こえてくるわけですけれども、これは、今の段階で、方向性が全く出ない中で、環境問題もそうでありますけれども、こういう作業を進めていて最後にできなくなった場合のことを考えると、防衛庁は非常に不安感を持たれるんではないかと思うんですけれども、大臣から見て、これはうまくいくぞとかこれはうまくいかないぞという判断はいつどのタイミングで決めたいと思うのか、そのことをぜひ説明していただきたいと思います。

金澤政府参考人 ごもっともな御指摘だと思います。

 実は、昨年五月一日に日米で合意いたしましたロードマップでもそれに関連することが書いてございます。

 「再編案間の関係」ということで「全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている。」「特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第三海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている。」さらに「沖縄からグアムへの第三海兵機動展開部隊の移転は、」「普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、」「グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっている。」ということが明記されておりまして、嘉手納以南の土地の返還、あるいはその前にはグアムの移転、さらにその前には普天間の代替施設への移転、完成というものが相互に結びついているわけでございます。

 それで、最終的には二〇一四年にそれが起こるわけでございますけれども、私どもは、今先生が御指摘のような御心配が起きないように環境影響評価手続を進めておるわけでございまして、アメリカの予算の日程というのはつまびらかにしておりませんけれども、アメリカがそのような不安を抱かせないということが一番重要なことだろうと思っておるわけでございます。

下地委員 もう抱いているんですよ。だから、僕は、政治的にその解決をしない中で、環境問題が幾ら進んでも最後の埋め立てのところで知事がノーと言ったら終わりなんだから、全部が解決するまで一回ストップして、今、今度は辺野古の解体をやって、物事をやるのもストップして、環境問題もストップして、うまくいくという政治状況をつくるのにエネルギーをかけたらどうか。先走りして、最後に一番その物事ができなくなるという状況を、やはり僕はもう十年間こういう問題動いていますから、それで辺野古ができないならできない、できるならできるというのを早目に明確にした方がいいんじゃないでしょうかね。環境問題をやっていればできるとか、何とかなるとかという問題じゃないと思いますよ。

金澤政府参考人 沖縄の問題を含め、米軍再編というのは、抑止力の維持と負担の軽減というこの二つの命題、一見相矛盾するような命題を実現するための非常に大きな計画でございます。負担の軽減あるいは抑止力の維持、そういったものはなるべく早くしたいわけでございます。

 今のところ、先生も御承知のように、二〇一四年にすべて終わるような計画でございます。他方、いろいろな施設の工事等々は大変長く時間がかかるものでございますので、いろいろなものを同時並行的にやることが重要でございます。そのための努力を今一生懸命やっておるということでございます。

下地委員 もう最後になりますけれども、十年間で普天間の移設にかかわるお金は三千億、北部地域に、沖縄に投下しているんです。一ミリも普天間は動いていませんよ。お金を投下して一ミリも動かない、そういうふうな状況の中からすると、それは、もう一回やるときには、動くということが断定してからお金は出していかなきゃいけないんです。だから、今、少し早とちり、そして、余りにも進めぐあいをやっているとまたこの八年間と同じになるのじゃないかと心配をしていますから、一回とまってゆっくりと考える、そのことも大事かなとアドバイスしておきますから、笑っていますけれども、真剣に考えてください。

 ありがとうございました。

嘉数委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 この際、休憩いたします。

    午後零時十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

嘉数委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 内閣提出、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案に対する質疑は、先ほど終局いたしております。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。神風英男君。

神風委員 民主党の神風英男でございます。

 本法案の採決に際し、討論を行います。

 今般の防衛専門商社に係る疑惑を含め、防衛省の調達等にかかわる不祥事が後を絶たないことや、テロ対策特措法に基づいて自衛隊艦船から米軍艦船に対して実施した給油量の記載を誤り、その間違いについて極めて不適切な対応がなされ、放置されたこと、さらには、航泊日誌が不当に破棄されたこと等によって、防衛省及び自衛隊に対する国民の信頼が地に落ちていることにかんがみ、政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その実現のために全力を尽くすべきである。

 一 防衛事務次官を含め防衛省職員の倫理の一層の確立に努め、そのための具体策を早急に提示すること。

 二 調達については、透明性を確保するとともに、そのあり方について、再検討し、抜本的改革のための具体策を早急に提示すること。

 三 これまでの防衛省に係る不祥事について、徹底解明し、再発防止のための具体策を早急に提示すること。

 四 安全保障上の理由で機密とせざるを得ないものを除き、情報公開の徹底を図ること。

 以上です。(発言する者あり)

 立場としては、心ならずも賛成でございます。(拍手)

嘉数委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

嘉数委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

嘉数委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

嘉数委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

嘉数委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時三分散会


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