衆議院

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第3号 平成25年5月23日(木曜日)

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平成二十五年五月二十三日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 武田 良太君

   理事 今津  寛君 理事 大塚  拓君

   理事 薗浦健太郎君 理事 中山 泰秀君

   理事 武藤 容治君 理事 長島 昭久君

   理事 阪口 直人君 理事 遠山 清彦君

      岩屋  毅君    大野敬太郎君

      勝沼 栄明君    門山 宏哲君

      岸  信夫君    左藤  章君

      笹川 博義君    新谷 正義君

      東郷 哲也君    中川 俊直君

      中谷 真一君    野中  厚君

      浜田 靖一君    牧島かれん君

      武藤 貴也君    簗  和生君

      山田 賢司君    大串 博志君

      篠原  孝君    今村 洋史君

      中丸  啓君    伊佐 進一君

      畠中 光成君    赤嶺 政賢君

      玉城デニー君    照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   防衛大臣         小野寺五典君

   防衛副大臣        江渡 聡徳君

   防衛大臣政務官      左藤  章君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  占部浩一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  能化 正樹君

   政府参考人

   (内閣法制局第一部長)  近藤 正春君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 辻  義之君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    稲田 伸夫君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山野内勘二君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    伊原 純一君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   鎌田 昭良君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  三村  亨君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  山内 正和君

   安全保障委員会専門員   湯澤  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  志位 和夫君     赤嶺 政賢君

五月二十三日

 辞任         補欠選任

  岩屋  毅君     牧島かれん君

  門山 宏哲君     中川 俊直君

  笹川 博義君     簗  和生君

  野中  厚君     新谷 正義君

同日

 辞任         補欠選任

  新谷 正義君     野中  厚君

  中川 俊直君     門山 宏哲君

  牧島かれん君     山田 賢司君

  簗  和生君     笹川 博義君

同日

 辞任         補欠選任

  山田 賢司君     岩屋  毅君

    ―――――――――――――

五月二十三日 

 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出第六三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出第六三号)

 国の安全保障に関する件


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     ――――◇―――――

武田委員長 これより会議を開きます。

 国の安全保障に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官占部浩一郎君、内閣官房内閣審議官能化正樹君、内閣法制局第一部長近藤正春君、警察庁長官官房審議官辻義之君、法務省刑事局長稲田伸夫君、外務省大臣官房参事官山野内勘二君、外務省北米局長伊原純一君、防衛省大臣官房長鎌田昭良君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君、防衛省人事教育局長三村亨君及び防衛省地方協力局長山内正和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山泰秀君。

中山(泰)委員 おはようございます。中山泰秀です。

 私からは、約八問ほど、御質問をきょうは申し上げたいと思います。

 まず一点目でございますが、五月二十一日の火曜日十時五十二分、時事通信によりまして、「サイバー対策、政府が素案」という記事が配信されておりました。ちょっと読んでみます。

 「政府は二十一日午前、官民のサイバー対策を協議する情報セキュリティー政策会議(議長・菅義偉官房長官)を首相官邸で開き、外国政府・軍が関与したとみられるサイバー攻撃が相次いでいることを受け、自衛隊への「サイバー防衛隊」創設や今後の重要課題を盛り込んだ「サイバーセキュリティー戦略」素案をまとめた。六月中に決定する。」云々の記事が出ております。

 この情報を見て、いかなる戦争が仮に、もし今後起こったとしても、サイバー攻撃というのが一番最初の相手方からの攻撃になり得るというふうに私は思っています。

 今回、菅官房長官が中心になられて、サイバー防衛隊というキーワードまで出されて、政府が素案をおつくりになられているという意義、そしてまた、言える範囲で結構ですので、概要と他省庁との連携、この点についてお伺いをしたいと思います。

小野寺国務大臣 サイバー空間の拡大に伴いまして、サイバー攻撃が行われた場合、社会活動の広範囲で甚大な被害を生じる可能性があります。また、サイバー攻撃は、目的、手法が多様であり、攻撃源の特定や抑止が困難という特性があります。

 自衛隊の任務遂行上、サイバー空間の安定的な利用の確保は不可欠の前提でありますから、日々、高度化する、あるいは複雑化するサイバー攻撃の脅威に適切に対応するため、仮称ではありますが、現在、サイバー防衛隊、これを二十五年度末に新たにつくる予定でございます。先般、統幕監部に準備室を設置いたしました。

 サイバー防衛隊では、自衛隊のネットワークの監視及び事案発生時の対処を二十四時間体制で実施するということ、そして各部隊に分散しているサイバー攻撃等に関する脅威情報の収集や分析及び調査研究、技術支援などを一元的に行い、その成果を防衛省全体で共有するということにしております。

 他省庁との連携につきましては、昨年九月に取りまとめました「防衛省・自衛隊によるサイバー空間の安定的・効果的な利用に向けて」でも、「社会全般におけるサイバー空間の安定的利用の確保は、防衛省・自衛隊自身にとっても極めて重要である。」としておりまして、内閣官房情報セキュリティセンター、NISCに要員を派遣し、NISCを通じた関係省庁等への情報提供に努めるなど、引き続き、我が国全体のセキュリティーレベル向上に積極的に取り組んでまいります。

中山(泰)委員 ありがとうございます。

 個人的には、NISCというのがどうも言いにくくて、何か、NISCは英語でリスクに聞こえて、いっそのことフリスクぐらいの方がいいかなと思うぐらい。シャープンズ・ユー・アップ。要するに、頭をシャープにして事態に対応してもらわないと、もう本当に今みたいな冗談も言えないというようなことになってしまいかねないので、ぜひ頑張ってほしいなと思います。

 同時に、さっき申し上げたように、隣の韓国で、もう約一カ月ぐらいになるんですか、サイバー攻撃が起きて、いろいろな空港のインフラストラクチャーであるとか政府の電源ですとか、そういったものがダウンしてしまうということがございました。

 要するに、もし私が日本という国を攻めるどこかの国やテロリストだったら、サイバー攻撃をして、今PAC3だとか何とかという迎撃用のそういったものを、基本的にはネットからは独立しているかもしれませんけれども、そういった機器に対して、その迎撃能力を全部取り去ってしまうということをしてから攻撃するということに、一番簡単にできる戦略として恐らくやるだろうと思います。

 こういったサイバー攻撃を、武力攻撃事態というふうに認定するべきだと私は思います。憲法改正云々とか、ROEの話とか、いろいろなものがありますけれども、ぜひこのサイバー攻撃というのが武力攻撃事態だというふうな認定をとるべきじゃないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のとおり、今、社会の重要インフラというものを含めまして、社会全般がサイバー空間に一層依存しているという状況でございますし、それだけでなく、自衛隊そのものも、サイバー空間の安定的な利用というものが不可欠でございます。

 したがって、サイバー攻撃のみによって、非常に深刻な被害が生ずる、社会全般あるいは自衛隊の活動というものに対する被害が生ずるという可能性を否定できないというふうに我々も考えておるところでございます。

 そこで、いわゆるサイバー攻撃と言われているものが武力攻撃事態に当たるか否かというところでございますけれども、これは、そもそも国際法上の問題として、これが国際法に言うところの武力攻撃に当たるか否かというところにつきましては、国際的にも非常に今議論のあるところでございまして、なかなか一概に武力攻撃に当たるか否かということを申し上げられる状況にはないのであります。

 ただ、伝統的な意味での武力攻撃というものと比較して考えますと、例えば、サイバー攻撃の結果として、人の殺傷、損耗でありますとか、あるいは物の物理的な破壊につながるというようなことが仮にあるとすれば、それは伝統的な意味における武力攻撃というものとかなり近接した概念というふうに捉えることができますので、その点を捉えて、国際社会の中では、今申し上げたような結果を生ずるようなものであれば、それを武力攻撃と捉えることができるのではないか、そういう考え方がだんだんと有力にはなりつつある段階だとは思っております。

 したがって、我々としては、そういう議論の動向というものをよく見ていきたいと思っております。

 そのことと同時に、もう一つ、ではサイバー攻撃の主体が誰なのかという問題がございます。

 これが明確に外国によるサイバー攻撃であるということであるとすれば、これは武力攻撃の主体という可能性はあるわけでございますが、ただ、現実問題として、主体が誰なのかということを突きとめるということが非常に困難でございます。ひょっとしたら悪意を持った個人がやっているのかもしれないということでございますので、主体の特定という意味でも、現実問題としてなかなか難しいということはございます。

 ただ、いずれにいたしましても、この点につきましては、大変重要な課題だと考えておりますので、引き続きよく研究をしていく必要があると考えております。

中山(泰)委員 おっしゃるとおりだと思うんですね、考え方としては。

 ですけれども、例えば、今回、国内でも七月からネット選挙を事実上解禁されて、私が外務政務官を第一次安倍内閣でしているとき、もしくは終わった後、私の携帯のメールアドレスに、外務省に実在する人物の名前で、一文字だけ変えてメールが届いたりということも実際あって、役所の方に聞くと、各役所に対してそういうサイバー攻撃がもう当たり前のようにしょっちゅう来ているという解説もあって、迷惑をおかけしますというようなことがありました。うちは別に何も気にしません。

 だけれども、そういうことが事実上、きょうもあすも、過去にももう既に起こっていたということを考えますと、他国の議論を待つよりも、日本が先例を示して、先んじて議論して、逆にほかの国をついてこさせるというぐらいに、そういう概念でも日本がリーダーシップを私はとるべきじゃないかというふうに思います。

 それと、サイバーというのはパソコンが一個あれば攻撃できるわけですね。JAXAが二、三日前にニュースで発表していましたけれども、低価格で非常に安定性のある、いいロケットを開発したよ、パソコンが二台、ロケットが一基あれば発射できるんです、だったら、他国からもいろいろオファーが来るだろうというニュース報道がございました。

 どこかの国が、一個人が一台のパソコンを持っている人と、もしかしたら突然、戦争の契約のようなことをして、個人がサイバー攻撃をしかけるということもあり得ますので、この辺は時代に応じてしっかりと考え方を変えていくということは私は大事なんじゃないかなというふうに思います。

 それと、今回、この報道も含めて、警察庁、防衛省、外務省等の関係省庁間における円滑かつ適切な情報共有の実施、政府が提出を検討しているいわゆる秘密保全法案に書き込むべきであると考えますけれども、今現在、どのようにお考えになっておられるか、ちょっとお伺いをしたいと思います。

能化政府参考人 秘密保全と情報共有の関係についてお尋ねいただきました。

 私ども、我が国の利益を守り、また国民の安全を確保するとの観点から、政府の政策判断が適切に行われるためには、政府部内や外国との間での相互信頼に基づく情報共有の促進が不可欠であると考えております。まさにそのために、政府部内において厳格な秘密の管理が確保されていることが重要であるというふうに認識しております。

 平成二十三年八月に秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議が取りまとめました報告書におきましても、秘密の指定や適性評価制度等の秘密の管理のあり方が提言されておりまして、政府部内の情報共有の促進が図られますよう、秘密保全に関する法制の整備のための法案化作業に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。

中山(泰)委員 要は、NISCの使命というのは、情報を守るという使命を帯びているわけですね。

 現在、各省庁間でサイバーの関連情報を任意で提出するとの申し合わせをしているというふうにお伺いしておりますけれども、私は、申し合わせじゃなくて、それこそ法制化ぐらいまでして確実に情報共有ができるようにするべきではないかというふうに同時に思っていますけれども、その点に関してはいかがでしょうか。

占部政府参考人 お尋ねの件についてお答え申し上げます。

 サイバー攻撃への対処のためには、やはり各府省庁で受けました攻撃の情報の共有というのが不可欠という認識でございまして、その認識のもとで、平成二十年度より、GSOC、これは、ガバメント・セキュリティー・オペレーション・コーディネーション・チーム、日本語で政府機関情報セキュリティー横断監視即応調整チームと言っていますけれども、これを運用して、サイバー攻撃の情報というものについてその集約と共有というのを進めております。

 まさにその情報共有については、御指摘のとおり、各府省庁との申し合わせにより行っているところであります。現時点においては、各府省庁から必要な情報が提供されており、省庁間の情報共有というのは適切に行われているというふうに認識しております。

 しかしながら、サイバー攻撃の手法というのが非常に高度化する、それから複雑化する、それに伴ってリスクも非常に深刻になってくるということで、対策の強化というのは大事だというふうに考えております。

 そういった観点から、情報共有をより一層確実にするということのために、議員の御指摘の点も含めまして、GSOCの強化をどうやって図っていったらいいかということについて検討していきたいというふうに考えてございます。

中山(泰)委員 要は、例えば日本はCIAみたいな組織がない。アメリカにはCIAがありますけれども、NSAとかほかのいろいろな、それこそFBIとかでも、よく我々がハリウッド映画でも見るように、縦割りみたいなのがあって、おまえに情報はやらぬ、いや、おまえの領域はここまでだと、まるで縄張り争いみたいなシーンができている。

 恐らくアメリカの政府の方もそれに嫌気が差して、例えばNSCとかそういったものを構築してきたんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それでもまだ、外国情報をとって、自国の利益やもしくは同盟諸国の利益に資するという観点からずっと情報を収れんしてきたアメリカ合衆国のような国ですらそういったことが起きている。言うならば、パッチワークのような形で、常に保守点検をしながら円滑な組織運営というのを、それぞれ縦割り、もしくは範囲の中でリエゾンを図っていこうとしているというふうに思うんです。

 日本がこれから、ある意味新たな領域にどんどん進化、発展を遂げようとするならば、やはりそういった、先んじて失敗をしている国の例をちゃんとよく精査しておくべきではないかと思いますし、場合によっては、日本の過去の、戦争前、戦争中、戦争後の、言うならば情報に関するどういった歴史があったのかということもしっかりと学習をした上で、新たに情報のネットワークというものを構築していくべきではないかなというふうに、私は、一個人の政治家として、国を思う者、愛する者としてそのように思います。

 要は、ハードの面の防衛もあれば、ソフトの面の防衛というものも同時になければ、いい意味での機能ができないというふうに思いますので、しっかりと行政の皆様にも頑張っていただければありがたいなというふうに考えております。

 それから、ちょっと話はかわりますけれども、先ごろ、内閣における参与の飯島参与が北朝鮮を訪朝されたという情報を、私どもも国民も知り得るところであります。

 北朝鮮との外交をどのように考えていくか。特に拉致問題、核問題、ミサイル問題、この三つの問題は大きな懸案事項で、二国間の間に、それこそ国交正常化をある意味阻む要因、そして同時に、世界じゅうが北朝鮮の孤立化というものを認めるならば、北朝鮮自身が逆に孤立化する問題を自分で抱えている、そういう関係にもなっておると思います。

 今回、北朝鮮ではナンバーツーと言われる方が飯島参与を受け入れて交渉したということでございますけれども、今後の外交を進めていくときに、この北朝鮮という国に対してどうやって対応していくのか。

 特に、日本は、外交関係がある、すなわち国交がある国家との交渉には非常になれているというふうに思うんですけれども、国交がない国との外交交渉というものに関してはある意味非常にふなれであるというか、要するに、余りにも国交がある国との外交に国民も政治家もみんななれてしまっていますので、国交がない国とどういう形で交渉していくのかというものが、ちょっと概念としてというか経験として乏しいのではないかなと思います。そこをしっかりと補完しながら、北朝鮮に対するアプローチというものを、迫っていくべきかというものを外務大臣としてどのようにお考えか、お聞かせいただけたらありがたいと思います。

岸田国務大臣 まず、北朝鮮につきましてはさまざまな動きがあります。しかし、いずれにしましても、北朝鮮の動向、我が国を含むこの地域における深刻な不安定要因であるということについては変わりがないと考えています。

 最近、北朝鮮については緊張状態が緩和されたなどという見方もありますが、次の北朝鮮の行動、予断することはなかなかできません。引き続きまして、警戒を怠ることなく、しっかりと注視し、適切に対応していかなければならない、このように考えております。

 北朝鮮問題につきましては、引き続き、対話と圧力の方針のもとに、核、ミサイル、拉致、こうした諸懸案を包括的に解決に向けて取り組んでいく、こうした方針は変わりはありませんし、関係各国との連携、もちろん重要でありますし、そして、北朝鮮に対してしっかりとしたメッセージを送り続けていかなければならない、このように考えています。

 そして、今委員御指摘のように、国交のない国との外交についてでありますが、こうした国交のない国との外交においては、通常より、より細心の注意が必要であるということは間違いないと考えています。ですから、情報の収集においても情報の共有においても、また、こうしたメッセージの発出においても、関係各国との連携に細心の注意を払わなければならないというふうに思いますし、我が国の独自の対応についても、より細心の注意が必要とされる、こういったことになるのではないかと考えています。

中山(泰)委員 外務大臣、ありがとうございます。

 北朝鮮外交に対して、私の政治家としての思いは何があるか、生意気ながら申し上げます。北朝鮮が、いずれソフトランディングプロセスを考えていたとして、自分たちから、内側から扉を開くときを想定いたしますと、今回、北朝鮮が、ムスダンを含めてミサイルを撃つぞ撃つぞと言って世界じゅうにおどしをかけた、このおどしが一番きいたのが、中国共産党に対してじゃないかなと思います。

 その証拠に、何かといったら、結局、北朝鮮があのメッセージを発出して、日本とかアメリカも準備をし、韓国との間で米韓の軍事演習も起き、いろいろな緊張感をある意味国民も共有していたと思います。その後、今までは、ロシアと中国というのは、国連では絶対拒否権を発動して北朝鮮をある意味擁護するような姿勢をとってきていた。

 二十一世紀の時代、もうことし外務省に入る一年生の諸君は、冷戦構造を知らない時代の世代の人たちが入ってきている。私たち、子供ながらに、モスクワ放送を聞いたりBBC聞いたり、赤は何か、西側諸国は何だというのを子供のときから体感していた者としては、非常に今回、この六者の中でも、言うならば、冷戦構造を如実にあらわすようなものが出てきていたという中で、中国が北朝鮮に対して金融制裁まで施す、対応するという形になった。

 これは、私は、北朝鮮は織り込み済みだったと思うんです。要するに、北朝鮮は何がしたかったかというと、北朝鮮自身が、ソフトランディングでアメリカを引き込み、日本と交渉し、そして、最終的に韓国とも和解をするという前提の中で、今までは、何かあったら北京、何かあったら中国にリーンオンしているような形を持っていた。しかし、北朝鮮自身が、中国という自分の隣国の、ある意味影を切りたかった。その前提を実は北朝鮮の首脳たちは考えて、北朝鮮自国みずから中国に対する離間作戦を外交的に行ったことが逆に成功したと見る見方も私は持っておくべきではないかなと。

 ですから、国交のない国との交渉というのは、それこそ台湾も国交がありませんけれども、これも一生懸命、日本は亜東関係協会を通じて熱意を持ってやっています。シンパシーもあります。唯一国交のない国が、逆に、ミサイルを持って、日本国民の生命と財産に甚大な被害を及ぼすリスクがあるんだったら、そのリスクをできるだけ早期に取り除くという意味においては、表向きには孤立化政策でもいいかもしれませんけれども、対話と圧力を維持しながら、しかし、向こうのシグナルを見逃してはならないということも、同時に、外交上、非常に大切なことではないか。そのシグナルを官僚がとってきて情報を政治家に入れる、もしくは、政治家の感覚としての情報を逆に官僚が組織内に反映させる、そういう意味での双方向も同時に私は大切だと思います。

 ですから、我々みずからが反省すべきは、恐らく、情報管理、秘密保全も前提の上で、政治家と官僚というものが、本当に一対になって、日本の国のために外交、安全保障というものを真剣に、今まで以上に考えていくということが、これからの時代、より一層求められるのではないかなというふうに思っております。

 それから、私は、日本の平和ぼけの象徴の一つじゃないかなと思うんですけれども、地図を皆様方のお手元に配付をさせてもらっています。

 これは南極の地図。ちょうど南極を地球の真下から見たような感じになりますけれども、南極の、この地図の東側、アルゼンチンとの間というのは海峡が非常に狭くなっております。

 この海峡、ドレーク海峡と申しますけれども、大西洋から太平洋に、太平洋から大西洋に潜水艦が航行しようとしますと、三つのやり方があるわけですね。一つは北ルート、いわゆる氷が解けてきて北極の下を潜っていくルート。それからもう一つは、パナマの海峡を通る、パナマ運河を通る方法。それから、このアルゼンチン。

 しかし、パナマを行けば、浮上するわけですから、情報を全部とられちゃうから、そんな選択はしない。北の方は、いずれにしても、ベーリング海峡を通過するときの、いわゆる旧ソビエト、アメリカの間を通らなきゃいけない。唯一、一番リスクが低くて、なおかつ通れるところが、このアルゼンチンとの間、パーマー半島、南極半島と書いてございますけれども、この間しかないわけです。世界じゅうの、軍事基地を含めて、学術的なものに資する基地というのは、この南極半島と書いたパーマー半島に集中して、そして情報を共有しようとしている。

 他方、日の丸が立っている我が国の基地はどこにあるかというと、パーマー半島からほど遠いところに点在している。昭和基地、この地図によると、もうほとんど南アフリカのケープタウンに近接しているような感じに見えますけれども、ある。

 私は、本当に国防とかを考えてやっていくならば、この南極対策というものも含めて、もうちょっと軍事を意識した政治というものを政策に反映させるべきじゃないか。軍事を抜いた政治は楽器を抜いた音楽だという言葉がありますけれども、ぜひそういった観点からも、この南極の基地の問題というのを考えていっていただきたいというふうに思います。

 その見解をお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 大変示唆に富んだ御指摘をしていただいていると思います。

 まず、南極半島周辺に十一カ国十七基地があります。そして、これらの国、十一カ国を含め我が国も南極条約という条約に入っており、この条約については、特に、軍事基地や拠点の建設の禁止ということがうたわれております。この目的からしますと、今御指摘のような内容について表立ってするということは基本的にはできないのではないかと思っております。

 私どもとして、現時点で、このような潜水艦の警戒監視、情報収集ということを、自衛隊の拠点として南極に設置するということは考えてはおりません。

 ただ、このような情報収集は大変大事だと思いますし、自衛隊としても、音響測定艦、AOSがありますので、これについて、今、音響情報の収集等を実施しております。今後とも、潜水艦に関しては、警戒能力の向上ということに取り組んでいきたいと思っています。

中山(泰)委員 日本にとって、ナンキョクというのが、南の極めるというんじゃなくて、難しい方の難局にならないようにお願いを申し上げたいと思います。

 それから、最後にお伺いをしたいのが、政治家の常識というのが最近欠けてきているなと思うんですね。これは何かといったら、別に行為、行動とか所作がどうのとかマナーがどうのとか、そんなことを言っているんじゃなくて、要するに、今、地方の首長たちというのは、地方分権というのを求めている声が多い。我々政党も、与野党問わず、それに対して対応しようとしていることも皆さん周知の事実であります。

 しかし、私は、地元を歩いていてよく聞かれるんですよ。中山さん、あんたな、国会議員やろう、衆議院議員やろう、参議院議員と衆議院議員というのがおって、地元を歩いておったら市会議員というのがおって、それでまた府会議員というのがいるけれども、これはみんな議員というけれども、一体何が違うのと聞かれるわけですね、大阪の御婦人に。私は、こう答えるんですね。国会議員の専権事項というのは、国の治安、外交、防衛、教育の中身、これをちゃんとやるのが国会の役目です、地方議員、地方議会は、もしくは地方自治体は、それを実施行政として落とし込んでいく、その権能の分担ですよということをお話しするわけです。

 今、地方の首長を見ていましたら、ある地方の首長は、日本の防衛や外交問題に大きく首を突っ込み過ぎて、逆に、私は、この間の慰安婦の話でも、猪瀬さんの問題以上に、オリンピックの招致なんかは、IOCに対する余計厳しい対策が求められるんじゃないかな、オリンピックがちょっと遠のいたんじゃないかなというぐらい、実は感じているんです。

 私は、両大臣もしくはお答えいただく方にお伺いをしたいんですけれども、どうやってこの地方分権の時代に、ちゃんとした権限、国家としてのものと地方としてのものを区分けするか、もしくはどういう御認識をお持ちかをちょっとお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 私の立場から申し上げるならば、まず外交におきましては、政府として、しっかりと外交にかかわる案件について判断し、そして海外に対して発信をしていく大きな責任を担っていると思います。政府は、まずしっかりとその責任を果たしていかなければならないと考えます。

 その一方で、今、国際社会においては、環境ですとかテロですとか、グローバルな課題もどんどんとふえてきています。そして、課題によっては、政府のみならず、地方自治体、あるいは民間企業、あるいはNGO、こうしたさまざまな関係者の協力が必要になってきます。国の総力を挙げて立ち向かわなければならない、こうした課題も外交においてはふえてきていると存じます。

 事実、ODA等においては、地方自治体ですとか、あるいは民間企業、こうした関係者の協力を得ることによって具体的な成果が上がっている、こういった実態もあります。

 ですから、外交においては、政府はまずもって大きな責任を担っているわけですが、しかし、地方自治体との協力も必要になってきている、国の総力を挙げて立ち向かわなければいけない課題もふえてきている、これが実態だと感じています。

中山(泰)委員 ありがとうございました。

武田委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一でございます。

 本日は、集団的自衛権の解釈について質疑をさせていただきたいと思います。

 現在、集団的自衛権、またさまざまな法制度上の懸案事項については、本年二月から法制懇によって議論を再開しているというところです。今後どのような結論が得られていくかについて注視をしているところでございますが、本日は、平成二十年当時、安倍総理の御指示で取りまとめられた法制懇の報告書、これを具体的に確認していきながら、集団的自衛権についての質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、この集団的自衛権、我が国の解釈、政府の解釈では、国家として持っているけれども使えないという状況です。つまり、国際法上保有、憲法上行使不可と言われております。なぜ持っているのに使えないのか、これはおかしいのじゃないか、こういう見解も聞かれているところです。

 この点について、これまでも国会質疑においてさまざま質疑が交わされてまいりました。結論としては、国際法上の話と、また我が国国内、憲法上の問題というのは全く別の話だ、何ら矛盾じゃないというような答弁はいただいております。

 この点について、再度、内閣法制局に確認をしたいと思います。

近藤政府参考人 お答えをいたします。

 お尋ねにつきましては、今先生からいろいろ御指摘がございましたけれども、我が国が国際法上、集団的自衛権を有していることは主権国家である以上当然でありますけれども、国家が国際法上どのような権利を有するか、すなわち、国際法上何を適法になし得るかということと、このような国際法上の権利の行使について、国内法においてどのような制限をするかということとは別の問題である、一般に、国家が国際法上の権利を行使するか否かは各国の判断に委ねられており、憲法その他の国内法によって、国際法上、国家に認められている特定の権利の行使を制限したとしても、国際法上の義務を国内法において履行しない場合とは異なって、国際法と国内法との間の矛盾、抵触の問題を生ずるわけではなく、法的には特段問題を生ずるものではないというふうに従来からお答えをしてきておるところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 私、非常にわかりやすい例だなと思いましたのは、スイスの例でして、スイスは永世中立国。当然、主権国家として同盟を結んでいく権利というのは持っているわけです。ところが、そこは、みずからその権利を放棄する、使わない。こうした例というのは、まさしく、集団的自衛権の我々の捉え方と同じであるかなと思っております。

 この法制懇の報告書で、安保環境が激変する中で、それにどう対応していくのかという議論がなされています。これまでにはない新しい安保環境、新たに加わった安保環境として、平成二十年当時の法制懇の報告書、どう書いているかといいますと、まず第一に、大量破壊兵器、弾道ミサイルの拡散、そして国際テロリズムの拡大、こうした脅威の多様化、これがまず一つです。もう一つは、国際社会の中で共同して対処する動きというのが強まったと。

 平成二十年六月の時点から既に五年がたちました。この五年間で、さらに安保環境としてどういう変化があって、今どういう状況になっているかという認識についてお伺いしたいと思います。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員から御指摘があったわけでありますけれども、我が国の周辺におきましては、従来より、核戦力を含む大規模な軍事力というものが集中しておりますし、朝鮮半島や台湾海峡をめぐる問題というものも存在しております。依然として不透明でありますし、不確実な要素というのが存在しているわけであります。

 これに加えて、この五年間におきましても、多数の国が軍事力の近代化というものを継続しておりますし、委員初め皆様方御承知のとおり、北朝鮮による核実験の実施及び弾道ミサイル能力の増強や、あるいは中国による我が国周辺海空域における活動の急速な拡大、あるいは活発化などに見られるように、周辺国は軍事的な活動というものをかなり活発化させております。このように、我が国周辺の安全保障環境というのはかなり厳しさを増しているというふうに認識しております。

 我が防衛省といたしましては、各国の軍事動向を把握し、各種兆候を早期に察知するために、平素から情報収集、警戒監視等を行うとともに、各種事態の展開に応じ、迅速かつ切れ目なく対応するというような状況でございます。

 また、強固な日米同盟を構築し、米国とこれまで以上に緊密に協力して我が国の安全を確保しつつ、中国やロシアを含む域内諸国との間で、信頼関係の増進や協力関係の構築、あるいは発展等を多層的に推進していきたいというふうに思っているところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 集団的自衛権を考える際に、こうした具体的な一つ一つの事象、今の安保環境に対してどこが一体不備になっていて、本当に我が国として、これは必ず対応すべきだという事態、あるいは、そういう国家としての強い意思を有しているところ、こういう事態に対して十分かどうかという具体的な議論が必要だと思いますので、そうした具体的な質問を少しさせていただきたいと思います。

 平成二十年の法制懇の報告書で、現在の政府の解釈では対処し切れないとして、課題として四つの類型が与えられているわけでございます。その最初の二つが集団的自衛権に関する部分ということです。

 まず、最初の第一の類型。

 これは、公海において米艦を防護する。例えば、我が国に対してミサイル攻撃があるかもしれない、こういう状況の中で、米艦が警戒をし、あるいは監視をしているという状況の中で、アメリカの艦船が攻撃をされたらどうなるかという場合です。

 ここは、少し場合を分けて考えます。

 まず一つは、日本有事の場合。これは、はっきりしています。日本有事の場合は、個別的自衛権が発動される。個別的自衛権によって米艦を防護できます。日本が攻撃されますと、我が国防衛のために行動している米艦艇が相手国から攻撃を受けたときに、自衛隊が共同対処行動の一環としてその攻撃を排除することは我が国の自衛の範囲内、これは昭和五十八年の谷川防衛庁長官の答弁でございます。

 日本有事じゃない場合が問題。では、日本有事じゃない、米艦がその状況の中で攻撃を受けた場合、これも二通りあると思います。

 一つは、まず、その攻撃が意図的かどうかということがあると思います。

 まず、この米艦への攻撃が国家としての意図的な攻撃だった場合、つまり、組織的、計画的な攻撃であった場合ということです。この場合、意図的に攻撃する以上は、米艦からの反撃も当然想定されますし、また、米軍からの報復というものも想定されて、いずれ、これがそのまま本格的な戦争に突入していくという覚悟を持っての意図的な攻撃ということになるわけです。

 当然、その場合には、米軍からの反撃あるいは報復、ここをいかに弱めるかということも同時に行われる。つまり、在日米軍に対する、拠点への攻撃であったり、あるいは日本の自衛隊基地への攻撃、これが同時に発生してくる。これが意図的な攻撃なわけです。

 そういう意味では、意図的、組織的、計画的な攻撃、これはつまり日本への攻撃というものも伴ってくると考えるのが必然なわけです。

 こうなった場合に、果たして自衛隊が米艦を護衛することが可能かどうかについて伺います。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 御質問のような状況のもとで、その場合に自衛権の解釈との関係でどういうような対応がとり得るかということでございます。

 そもそも、その場合の国際情勢でありますとか、相手国の具体的な明示された意図がどのあたりにあるのかということ、あるいはその手段、態様、その他、いろいろな状況を勘案しまして、個別具体的に検討する必要がありますので、先生が今おっしゃられたような例について、あらかじめ一般論として必ずこうだということを申し上げることは非常に困難だろうとは思います。

 先生の今の御指摘のような仮定でいいますと、先生は冒頭に日本有事でないというふうにまず定義をされましたので、その意味が、日本に対する武力攻撃がない、そういうことだとすると、それは、我が国の個別的自衛権の発動というふうにそのこと自体を考えることは非常に難しいというふうに考えておるところでございます。

 そのような事態が仮に発展をして、自衛隊の基地が攻撃される、これは日本に対する攻撃そのものでございますので、日本が攻撃をされれば、その段階において、これを日本に対する武力攻撃であるというように認定ができれば、必要な個別的自衛権の行使ということは法的に可能であるというふうには考えられます。

 その際の必要最小限度の実力の行使としてどこまでできるかということにつきましては、米艦の護衛の問題も含めまして、そのときの状況いかんにあるということだと思っております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 済みません、ちょっと質問が、申しわけありません。

 まず最初が、確かに日本有事ではなかったんですが、いずれこの場合というように、私が申し上げたかったのは、いずれにしても、相手国が意図的であれば日本有事に発展しますということなんです。だから、そういう意味では、相手が意図的である以上、日本有事に発展する以上、最終的には個別的自衛権で対応することになるであろうということを申し上げたかったというわけです。

 もちろん、常に一般的なということでお答えいただいたらいいと思うんですが、残る一つ、これは意図的な攻撃でない場合です。つまり、偶発的、散発的な衝突が起こった場合、これは米国の艦船と相手国がいわゆる小競り合いをしている、何か少し撃ち合ってしまったというような状況です。こういった場合に、当然、両国国家として、意図的じゃないわけですから、戦争に向かう意図というのはないわけです。

 一問飛ばします。

 その場合に、私は、結局何が大事かというと、こういった場合に一番大事なことは、いかにエスカレーションさせないかということだと思います。双方に意図がないわけです。つまり、いかにこの事態を鎮静化させていくか、そこがまさしく外交的な危機管理の対処の仕方じゃないかと思います。

 こういう状況の中で、日本の自衛艦がこの間に分け入っていって、そして攻撃を始めるということ、果たして米国がこれを望むのかどうか。私は、必ずしもそうではないと思います。つまり、申し上げたいのは、意図的でない衝突、散発的、偶発的な衝突である以上は、日本が入っていくことを果たして米国が望むのか。それはそうではないということです。

 今まで、いろいろ第一類型を分けて考えました。日本有事であれば、当然、個別的自衛権として対応できる。有事でない場合であったとしても、国家の意図的な攻撃であれば、そこは、最終的な日本有事と発展して、個別的な自衛権が発動できる。意図的でない場合は、そもそも日本はその衝突の中にみずから進んで入っていくべきではない。こういうことだろうと私は認識しております。

 そういう意味では、この類型一の集団的自衛権がどうしても必要だという具体的な事態、私は、容易には想定はできないという理解をしております。

 次に、第二類型です。

 これは、米国に向かう可能性がある弾道ミサイル、これをどう対処するか。もし、集団的自衛権が行使できないという理由で、米国本土に向かうミサイル、これをBMDで、ミサイル防衛システムで何ら対応しないということ、みすみすやり過ごすということになれば、日米同盟が崩壊してしまうんじゃないかという論調です。あるいは、ミサイルが日本に向かうか米国に向かうかわからない状況の中で、つまり、個別的自衛権で対応するか、あるいは集団的自衛権の議論になるか、ここを瞬時に判断することができない状況の中で、これに対処するまでに時間がかかる、これは抑止力に対する大きな阻害要因だという議論があります。

 そこで、まず質問したいのは、この法制懇の報告書、これは集団的自衛権をこういう理由から認めるべきだと言われておりますが、ここに実はある条件がついています。この条件は何かというと、こう書いています。

 「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルを我が国が撃ち落す能力を有するにもかかわらず撃ち落さないという選択はあり得ない。」ということです。我が国が撃ち落とす能力を有するという、この前提条件について質問させていただきたいんです。

 そもそも、日本の今のBMD、技術的に、米国の本土を攻撃していくという場合に、そうした能力、これに対して迎撃する能力があるかどうかについて伺います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国のミサイル防衛システム、これは、あくまでも我が国の領域に飛来する弾道ミサイルに対処し得るように整備をしているものでございます。我が国の領域に飛来しない弾道ミサイルを迎撃することを想定して整備しているものではございません。

 我が国のミサイル防衛システム、これは基本的に、SM3搭載のイージス艦による上層防衛、宇宙空間における迎撃と、それから、拠点防衛のためのペトリオット、PAC3による下層防衛、この二層から成っております。これによりまして、我が国に飛来する、射程でいいますと、大体千キロから千三百キロ級の弾道ミサイルに対処し得るように整備をしてきているところでございます。

 したがいまして、御質問のような、アメリカの本土に飛んでいくような長距離の弾道ミサイルを迎撃するということにつきましては、これは、まさにそのようなミサイルでありますと、飛翔の経路、高度を考えましても、千キロなり千三百キロの射程のものと比べますと、極めてより高いところを飛びます、それから極めて速度も速くなります、このようなものと、今我が方が持っております迎撃ミサイルの能力というものを踏まえますと、そのようなものを撃ち落とすということにつきましては、技術的に極めて困難であると考えております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 技術的に非常に実は困難である。今、新しい開発、SM3のブロック2Aというものをされていらっしゃいますが、それであったとしても、米国本土に向かうミサイルに対して迎撃できるかというと、私は決してそうじゃないと思っております。

 そもそも、米国は米国で自分たちのBMDを持っているわけです。例えば、アラスカにはGBIというのがあって、またTHAADというものを持っていて、日本よりもかなり技術の高いものを持っている。みずからを防衛するシステムを持っているわけです。

 また、さらに言えば、例えば、北朝鮮が今、スカッドミサイルであったり、ノドンであったり、テポドン2であったりと、さまざまな射程の違うミサイルというものをラインナップしている状況において、何か有事の際には、米国を攻撃するのと同時に、韓国、日本というもの、恐らくこの辺が連動してくるんだと思うんです。

 そういう状況の中で、アメリカが、果たして、それぞれ米国、日本、韓国に対する攻撃があった場合に、米国本土を何とか防衛してくださいという意図になるかどうか。それよりも、しっかり自分のことはまず自分で守ってくださいというようになるのじゃないかと思っております。

 最終的に、米国が日本の集団的自衛権にどれぐらい関心を持っているかということですが、昔、二〇〇一年当時ぐらいから、アーミテージ国務副長官が集団的自衛権について問題提起をした。その中で、日本が集団的自衛権を行使できないことは日米同盟の障害になるというような発言、これがずっと二〇〇一年から続いておりました。これを受けて、二〇〇六年、当時の安倍総理もこの法制懇の議論を開始した。

 果たして、オバマ政権になって集団的自衛権への関心がどうなっているかということです。これまで、ブッシュ政権下では、グローバルな戦争というものをやっていた。ところが、オバマ政権になって、いかにこの戦争から手を引いていくかということに今苦心していらっしゃる。こういう状況の中で、オバマ政権が集団的自衛権についてどのような関心をこれまで日本に示してきたかというところもあると思います。

 一問飛ばさせていただきます。最後に、大臣にお伺いします。

 結局、米国にとっての関心は何かというと、この二月に総理も訪米されました、その際に、やはり大きな課題になったのは、TPPの交渉であったり、あるいは普天間の基地の問題であったりと、今もう集団的自衛権というものに対しての米国の関心というのが実は薄らいでいっているんじゃないかと私は思っております。

 そういう状況の中で、日本がこの集団的自衛権を考える際に、先ほどまでさまざまな類型についてお話をさせていただきました。こうした具体的な議論、具体的などういう事態を想定するかということが非常に大事であろうと思います。

 どうしても議論になりがちなのは、そのエモーショナルな部分、アメリカの青年が血を流しているときに日本の青年は血を流さなくていいのかとか、こういうエモーショナルなところではなくて、むしろ、しっかりとした、日本としてどういう事態に対応していきたいのかという強い国家の意思、具体的な意思というのが私は必要なんだろうと思います。

 その上で、この環境をどのように整備していくか、こういう国家の意思を受けるためのどういう環境を整備していくのかという議論が本当の筋合いじゃないか、私はそう思っております。

 そういう意味で、最後に大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 御指摘がありましたように、平成二十年に出ました安保法制懇の報告、それから五年がたち、安全保障環境、あるいは米国内、さまざま政治環境も違っているんだと思います。

 ですから、今、新しい形での安保法制懇が二月八日にスタートいたしましたので、その議論を私どもはしっかり受けとめ、その議論について注視していきたいと思っております。

伊佐委員 以上です。ありがとうございました。

武田委員長 次に、篠原孝君。

篠原委員 安全保障委員会で初めて質問に立たせていただきます。

 自民党の中堅のホープの小野寺大臣、岸田大臣、おくればせながら、大臣就任おめでとうございます。

 きょうは、核兵器それから原発問題、両方とも、ニュークリアプラントとニュークリアウエポン、ニュークリアという点で同じだと思いますが、これについて、短い時間ですけれども、ちょっと御質問させていただきたいと思います。

 まず、自衛隊・防衛省の問題です。

 私は、自衛隊あるいは防衛省に対する国民の認識は、私の幼少のころ、幼少といったってそんなに昔じゃないですけれども、大学のころなんかと比べて雲泥の差じゃないかと思います。私は京都大学に行ったんですけれども、とんでもない大学でして、防衛大学校の卒業生が土木の関係で京都大学の修士課程に来たいと言うと、その入学を許可したことに対して、ちょっとおかしな学生たちが騒いで、全学闘争とかいってやっているんですね、何というとぼけたこと。私はそのころから沈着冷静でして、そういうものには全くくみしませんでした、これは正常とは言えないと。

 その後、農林水産省に三十年いたんですが、食料安全保障というので、安全保障関係閣僚会議担当室というのができたんです、鈴木内閣のときに。そのところに食料安保担当ということで一九八一年に行かされまして、それ以来、安全保障問題はそれなりにフォローしてきているんです。隔世の感がありますね、自衛隊に対するイメージというのは。

 表を見ていただきたいんですが、これは防衛省の資料です。昭和四十四年から始まっているんですけれども、もっと前は、よい印象を持っているというのは、このちょっと前の一九六一年、昭和三十六年なんかは三五%しかいないんです。悪い印象というのは三二%。ひどいものですよね。ところが、今や、見ていただきたいんですが、九一・七%、安倍内閣の支持率も真っ青な高い支持率です。

 いいときに大臣に就任されていると思います。好運な、運がいいというのも政治家の大事な資質ですから、お二人とも資質がいいということだと思います。これからは御本人の努力次第でどうにでもなっていくということですが、こんないい状況になっているんですね。ですから、私は、思い切っていろいろなことをしていただきたいと思っているんです。

 特にこれが上がった理由は、おわかりだろうと思います、東日本大震災についての自衛隊の皆さんの活躍。やはり、我々国民を本当に守ってくれる最後のとりで、ラストリゾートは自衛隊なんだ。

 私は、その前にちょっとだけ宮崎県に、口蹄疫の現地対策本部長というので二カ月近く行っていたんです。自衛隊の皆さんも、武器や何かの訓練はしていますけれども、牛を殺処分するのは怖くてできなかったと。怖くてというか、蹴られたりしますから、それは獣医さんたちがやりました。五メートルの穴を掘るのは大変な作業なんですけれども、これをみんな自衛隊の皆さんにやっていただいたんです。

 多分、宮崎県で世論調査をしたら、九八%とか、そんなふうになるんだろうと思います、よい印象というのは。地道な努力の積み重ねでこうなったんだろうと思います。だから、私は、最後のとりでは自衛隊だと思っています。

 それで、自衛隊の大事な役割として、さっきの、災害を勉強したい人が京都大学の土木学科に来たいというのを、大学は受け入れたんですが、学生どもが騒いでだめだと。原子力災害も大きな災害の一つなんだろうと思います。誰がこれに対応するのか。消防庁だ、海上保安庁だ、何だかんだと言っていますけれども、結局、私は自衛隊じゃないとだめだと思うんです。それで、やはり先例を見なければいけないと思っているんです。スリーマイル島のことはどうだったか。スリーマイルアイランドの原発事故、一九七九年、それと一九八六年のチェルノブイリの原発事故、それぞれ対応が違っていると思うんですが、そのところを勉強しなくちゃならないと思うんです。

 まず、自衛隊に対する印象について、どのように認識しておられますでしょうか。国民の認識の変化です。

左藤大臣政務官 篠原先生、本当にありがとうございます。本当にいいお話を聞かせていただきました。

 当然、自衛隊というのは、平和と安全を守る活動でございますし、国民の信頼があって初めて成り立つものでございます。

 実際、先生の配付された資料のとおりでございまして、平成二十四年の一月に内閣府がやったんですが、自衛隊・防衛問題に関する世論調査の結果が、先ほどお話がありました九一・七%。過去を見ると七〇%後半から八〇%前半だったのが、九一・七%にもなりました。本当にありがたいことだと思っております。

 その背景は、先生がおっしゃったように、東日本大震災での災害活動が大きな要因になったと考えております。自衛隊が果たした役割の大きさに加え、被害者に寄り添った規律ある行動、使命感、士気の高さ、そういうものも相まって、国民からの高い信頼となっておりまして、この東日本大震災に対する評価というのは実は九七・七%にもなりました。本当にありがたいです。

 これからもしっかりと、防衛省・自衛隊としては、引き続き国民の信頼に応えていくために、身を引き締めながら誠心誠意努力をさせていただきたいと思っております。

 ありがとうございます。

篠原委員 後で説明いたしますけれども、チェルノブイリについては私がちょっと勉強してまとめたものがあるんですが、スリーマイルアイランドについては、米軍は事故の収束というか事故対応についてどのように絡んでいたんでしょうか。

江渡副大臣 スリーマイルの事故において米軍が一定の役割を果たしたということは承知しておりますけれども、具体的なところは、今私は資料等を持っていませんので、申しわけございません。

篠原委員 それほど大事故じゃなかった、チェルノブイリや福島と比べればそうじゃなかったんですが、運搬とか避難の準備とか、余り使われなかったんですが、緊急避難のために軍用機をすぐ調達するとか、救急車を三百台も調達するとか、それはやはり軍隊じゃないとできないんですね、そういうことをしているんです。

 次に、ちょっと資料を、縦横の関係で飛ばしたんですが、二枚目を見ていただきたいんです。

 これは私がまとめた資料でして、政治家ですから多少PRしてもいいと思うんですが、私は、「原発廃止で世代責任を果たす」という本を昨年の四月にまとめているんです。よくいろいろ政治家は本を書きますけれども、自分がやったことをいろいろ書いてあるものではなくて、これは学者と同じようにまとめたものです。

 ちょっと解説しますと、世代責任を果たすというのは、我が方の総理が借金、ツケを回してはいけないと盛んに言われていたので、それを引っ張って、それだったら、原発で後世代に汚れた土地を残していったりする、空気も汚染させたまま、これこそ世代責任を果たしていないことなんだからと。借金なんて、調子がよくなれば、アベノミクスでちゃんとうまくいったら、五年、十年たてばぱっと消えるんだけれども、汚染された土地は戻らないんだ、十六万人もの原発難民を生じさせているんだということで書いたものです。

 そして、チェルノブイリに私は実は二度行っているんです。二度も行っている国会議員はいないと思いますけれども、福島の対応とまとめてみました。

 ここのところで見ていただきたいのは、軍のところに線を引っ張りました。どういう事故だったか、事故の公表がどうだったか、これをちょっとおさらいで見ていただきたいんですね。

 事故の公表なんというのは、同じようにどこの国も一生懸命隠そうとするんですけれども、立派です、ゴルバチョフはすぐ公表しようとしたんですが、二番目の段落です、多分政治局員たちが反対したんです、だめだったんです。日本でも、左の上から二番目のポツ、炉心溶融とは言わずに、メルトダウンしていたのに、していない、していないとうそを言っているわけですね。そんなことがあるんです。

 下から二番目の、汚染地図とか区域というのを見てください。SPEEDIができていた。避難に使わないんです。ところが、ソ連はどうしていたか。まだソ連時代です。でき上がったんです、すぐ。避難区域をそれできちんと設定しているんです。ただし、公表は三年後なんです。だけれども、ソ連は使っているんです。日本は使わないで、放射線量が高いところに平気で逃げているというか、そういうばかなことを繰り返していた。

 下を見ていただきたいんです。共産圏の国だから当然かもしれません。チェルノブイリの方を見ていただきたいんですが、消防車云々、核戦争による汚染に備えた軍とあるんです。アフガンでいろいろもめていたんです、そこから撤収するんです。ピカロフさんという人が大将、この方が核戦争に備えた処理の責任者だったんです。アフガンから、一日でキエフ、ウクライナに戻ってきている。帰還兵もいっぱい戻して、チェルノブイリの対応に当たらせているんです。こういうことを日本の担当者はほとんど知らなかったんだろうと思います。私はちょっと違う観点からこれは知っていたんですが、ヘリコプターで線量を測定したりというのをやっている。

 日本も同じように、左側を見ていただきたいんですが、自衛隊が八千人、これは全部が原発絡みじゃないですけれども、十万人に増員して、これが先ほどの九〇%を超える支持につながっているんです。

 次のページの項目を見てください、一番上、ここが大事です。ちょっと線を引き忘れたんですが、原発事故の作業者がどういうものかということです。

 日本は悲惨です。私は、環境委員会で、この月曜日、六時半ぐらいに出て夜までかかって福島第一原発に行ってきたんですが、作業員の方と話はしていませんけれども、東電の正社員じゃなくて、よくわかりませんけれども、下請のまた下請とかいうことをやっているんです。これは世界がほとんど知らないんです。原発にその辺の作業者を連れていってやるなんということは、ほかの国は絶対させていないです。

 私はフランスにいました。フランスは、原発を本当にきちんとやっているというか、日本と同様に原発に頼っている国ですけれども、物すごく厳しい管理です。我々が入るのに、知っていますか、我々の国会議員の身分証明書は通用しないんですよ。何と、免許証か、何だか知りませんけれども、顔写真が入ったパスポート、それから住民基本台帳の何とかという。

 僕が浜岡原発にこの国会議員の身分証明書で行ったら、入れてくれなかったんです。そういうことをしておきながら、作業員についてはどういうチェックをしているか。幸いにして、テロの多い中近東の人とは顔つきが違っていますから、大丈夫だ、変な、テロの人が作業員になっていくなんという必要もないんですけれども。だけれども、そんなことはさせないんです。

 チェルノブイリはどうしているかというと、中心は軍隊です。全国から動員して、消防隊とか公務員ですよ。当たり前だと思います。それからエストニア、ここはちょっと美談になっているんですけれども、実態は強制だった。いわゆる予備兵が何人も行って、ソ連邦のために働いているというのが向こうの新聞に載っていました。

 左を見てください。惨たんたるものです。

 それから、一番下の、専門家の対応、科学者、ここが大事なんです。線を引っ張ったところを見ていただきたいんですが、軍の核専門家集団を総動員。つまり、当然ですが、核戦争を想定している、それに備えた訓練をもう積んでいるんです。アメリカにもそれがあるはずなんです。日本にも、ないことはないんだろうと思います。化学部隊みたいな、化学兵器や何かのところに対応できる部隊はやっていると思いますけれども、これが足りない。私は、軍隊じゃないともう無理だと思うんです。

 ここは、江渡副大臣、資料を持ち合わせていないということなので、質問しようと思ったんですが、私が講義するみたいな、レクチャーする形でやめておきます。こういうふうにやっているんです。

 何のためにこれを申し上げているかというと、今後原発をどうするかというのを私はぜひ考えていただきたいと思います。国有化とか言っていますけれども、東電とかそういうところでは、あれを全部処理できないと思います。何十年もかかる。組織的にちゃんと持っていけるのか。誰が考えても、日本国を守ろう、日本国民を守らなければいけないというのは、組織的にきちんと対応してもらわなければいけないと僕は思うんです。

 前の二ページ目のところを見ていただきたいんです。

 各国の軍隊の幹部候補生の養成学校、我が国は防衛大学校です、そこに原子力学科とかいうのがあるのかどうかというのをちょっと見ていただきたいんです。上に学生の人数とか在籍年数とかが書いてあるけれども、大体どこの国でも似たような感じで幹部を育成している。アメリカでは、ウエストポイント、アナポリスというのはよく聞きますね。ちょっとイギリスが違いますけれども、どこの国も専門家、プロを育成している。非常に立派な人たちがここから輩出されるというのは、皆さん御存じだと思います。

 それで、どういうふうな学科があるかというのをちょっと調べてもらったんです。これは完璧なものではないかもしれませんけれども、我が日本国の防衛大学校は、応用物理とかそういうのはやっているけれども、原子力、原発とかそういったことはやらない。まあ、核兵器のことまでやり出すとほかの国がきりきりしますから、難しいところだと思います。

 アメリカはあるんです、確実に。原子力潜水艦を動かしていますから、原子力潜水艦の技術というのは最低限必要ですからやっている。イギリスとかフランスはありません、ほかに任せているようです。ロシアは当然あるわけです、完璧です。それからドイツも、二つあるところの片方に原子力を扱う科目がある。韓国もあるんですね。

 何を申し上げたいかというと、簡単なことなんです。防衛大学校に原子力専門の学科を設けていただきたい。

 どうしてそういうことを申し上げるかというと、原発の議論をしているときに変な議論が、もう本末転倒した議論というものが多いんです。原発は廃炉でなんと言うと、原発が要らないとか言うと、人材育成ができない、そんな要らなくなるものについてこれから勉強しようとする人がいるのか、だから原発が必要だと。もうめちゃくちゃな、よくそんなとんでもない論理を振りかざす人がいるなと思うんですけれども、不思議にそれがいるんです。

 僕は無理だと思います。我々のもうちょっと上の世代、原子力の平和利用とか言っていたときに、非常にそういった意識に燃えて、いろいろな人が原子力学科に行ったんですね。しかし、これだけ原発をぶったたいていたら、学生は、そんなところに行って何ができるのかと思うはずです。物すごくきちんとした使命感を持っている人じゃないと、原発を勉強して、よし、これで迷惑かけないように俺は廃炉をきちんとやる、三十年間、四十年間これ一筋でやっていこう、そういうプロが必要なんです。それは私は、我が日本国ではそういう意識を持った人を最初から育成しなければ無理だと思います。

 今まで防衛大学校で新しい学科とか何かを時代の要請に合わせてつくったことがあるのかどうかよくわからないんですが、この点について、防衛大臣、いかがお考えでしょうか。

小野寺国務大臣 御指摘のとおり、防衛大学校では、理工学専攻の応用物理学科において原子力関連の基礎、応用に関する教育を実施しておりますが、今言った原子力発電所等の事故あるいは廃炉等についての教育等は、研究も含めて行っておりません。

 私どもが考えますのは、確かに、例えば口蹄疫の発生、あるいは鳥インフルの防御のための殺処分の問題等で、防衛省・自衛隊は要請を受けて対応する場合がございますが、特にこの原子力の技術に関しては、原子力発電所をつくった、研究開発している、そのような専門家、部署があると思います。まずそこが研究者の集団でありますので対応していただくことが重要だと思っておりますし、また、政府の中で、例えば自衛隊・防衛省にも協力の要請があれば、その協力は惜しむことはないと思いますが、一義的には、やはり原子力政策を担っている部署、専門家集団がまず行うのが適当ではないかと思っております。

篠原委員 今まではそれでよかったんですよ。これからはだめだと思います。

 私は、江渡副大臣の質問に感心したことがあるんです。御本人は覚えておられるかどうか。私が国会議員になったばかりですけれども、オフサイトセンターについて厳しい指摘をされていたんです。事故が起こってから、オフサイトセンターをつくって、原発の近くに事故が起こったときの司令塔をつくらなきゃいけない。これが、つくったはいいが、二十キロ以内のところにほとんどあったんですね。そんなので大丈夫かと。

 当時の保安院の院長、これが全然放射能の知識がない、後に次官になって、いろいろな不始末で、辞任というか普通にやめただけなんですが、やめている方が保安院長だったんです。そういう世界もまた珍しいんですよ。

 江渡さんは厳しい指摘をされているんです。こんなので大丈夫か、いざというときに役に立たないんじゃないか、そこにおれなくなるんじゃないかと。

 こんな常識を知らないんですよ、チェルノブイリのことを学んでいたらすぐわかるんですけれども。二十キロ以内にあるから、オフサイトセンターの役割が果たせなくて、福島市に戻っちゃっているというのがあるんです。

 全然プロが育成されていないんですよ、日本国政府の中にも、民間の企業の中にも。でも、国有化とか言っていたら、国が責任を持って技術者を育成し、海外の原発で二年間研修するとかして、超立派な人たちをつくって、そして後で岸田外務大臣に、こっちは追及するようになりますけれども、やってほしいというのがあるわけです。

 日本が責任を持ってそういうことをやっていく、日本に任せれば何とかしてくれるという状態をつくるのが、私は一番だと思っております。だから、ぜひ、すぐにはできないでしょうけれども、一気にはできないでしょうけれども、今、国民が、自衛隊・防衛省だったらちゃんとやってくれるということを認識し出したんです、僕はそのとおりだと思います、そういったいいムードがあるときに、びしばし政策を実行して、改革していただきたいと思います。

 次に、これはひどいなと思う案件です。外務大臣にお伺いしたいと思います。

 NPT、核拡散防止条約の運用検討会議というのが開かれています。二〇一五年の本会合に合わせて準備会合をやっている。準備委員会において、核兵器の人道的影響に関する共同ステートメントというので、核兵器を使用しない、不使用、このステートメントに日本が賛同しない、何でこんなことが起こるのか、不思議でしようがないんです。ハーグ条約はやっと批准されましたが、これについてはアメリカからも、日本は何をしているんだと言われていたはずですよ。だけれども、何でそこまで遠慮するか。

 お伺いしたいんですけれども、核の傘、俺たちが守ってやっているのに、核兵器の不使用とか、そんなものに賛成しちゃいけないぞなんというのは、アメリカが言ってくるはずはないんだろうと思うんです。

 日本は世界唯一の被爆国です。広島、長崎、そしてチェルノブイリと言われたんです。しかし、今や、広島、長崎が、今度は原発事故でチェルノブイリ、福島と言われて、唯一の被爆国が唯二か唯三か、原発の悲惨な事故に遭った国でダブルにかかっているわけです。

 この日本が原発について厳しい態度をとり、核兵器について厳しい態度をとっても、世界じゅうどこの国も、どこの国の国民も、日本国民に文句は言わないです。核兵器なんか使っちゃいけない、それは当たり前だと思うんですよ。

 何でこんなミスジャッジをするのか。僕はミスだと思います。しかし、残念ながら、我が政権下においても似たようなことをしていたので余りでかい声で言えないんですが。私に相談してくれたら、こんなとんでもないことはすべきじゃない、正々堂々と賛同していくべきだと言うはずなんですが、どういう経緯があってこんなことになったんでしょうか。

岸田国務大臣 我が国は、まず、唯一の戦争被爆国として、核兵器が使用された場合の影響につきまして、どの国よりもこの実相を知る国であります。

 したがって、御指摘の共同ステートメントですが、その中に言及されております、核兵器の使用が、直後の被害のみならず、社会経済あるいは将来の世代にわたって耐えがたい損害をもたらす点、こうした基本的な考え方は当然支持いたします。

 一方、北朝鮮の核開発等、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に鑑み、その表現ぶりについて慎重かつ真剣に検討を行ったということです。私自身も直接指示を出して、南アフリカを初め、関係国とぎりぎりの修文作業を行いました。

 そして、この作業の途中、感触としましては、協議妥結直前まで至ったと感じておりましたが、最終的には時間切れで協議が調わず、我が国が参加しない形でステートメントを発出ということになってしまいました。

 前回に続いて、昨年に続いてこうした共同ステートメントに署名することに至らなかったということでありますが、私自身、このことについては大変残念に思っておりますし、今後とも同様のステートメントに参加する可能性は真剣に探っていきたいと考えております。

 そして、こうしたステートメントに参加した国も、我が国も、核兵器のない世界を実現するという大きな目的においては共有するところであります。我が国は、我が国の立場で現実的かつ実践的なアプローチをしていきたいと考えていますが、こうしたアプローチを通じて、軍縮、不拡散の取り組みを主導していきたいと考えております。

 そして、アメリカに対して遠慮したのではないか、配慮があったのではないかという御指摘がありましたが、あくまでも、今回の議論、検討におきましては、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に鑑みて検討を行ったということであります。アメリカへの遠慮、配慮という御指摘は当たらないと考えています。

篠原委員 遠慮しないんだったら、正々堂々とやっていただきたいですね。

 それはわからないでもないですよ。核の傘、核抑止論というのも、時間がないので触れませんけれども、結構色あせてきているんです。それだけの価値があるのか。やはり核廃絶に向けるのが一番いいと思う。

 北朝鮮なんてこういうことなんです、日本がしないんだったら、使ってもいいみたいなところがあるんだったら使うみたいな感じに、逆を言えば、ああ言えばこう言うになるんです。日本が毅然たる態度で絶対使っちゃいけないんだと言っていったら、そういうことなのか、日本がそういう態度だったら使えないなというふうになるかもしれない。

 でも、北朝鮮云々だったら、相変わらずそんたく外交。アメリカには言われていない、しかし、日本は優しいから配慮しちゃっているんですよ。だけれども、不思議なんです。六カ国協議や何かをやっていると、アメリカと韓国が飯島内閣参与の訪朝に怒っている。しかし、日本独自の拉致問題がある、この解決はもっと大事なんだといって独自路線を歩んでいるんです。そうしたら、こっちも独自に、被爆国だ、この立場を鮮明にする。なぜかというと、日本は、核軍縮の分野では、ほかの国と圧倒的に違う優位な立場というか、重きをなしているんです。日本はどうするかということをみんなが気にしている。

 今おっしゃいました南アフリカ、スイス、昨年というか前回は非合法化という言葉があったんですね、それを取ってきていると僕は聞いています。そして、最後に文句を言ったのが、アンダー・エニー・サーカムスタンシーズ、いかなる状況の場合もということが入って、これを日本側が削ってくれればということをやっておられたと聞いています。そういうことをやられてもいいんですけれども、きちっとしていただかなければいけないんじゃないかと私は思います。

 それに加えて、もう一つだけ。

 外務大臣はそれほど意欲的にやっておられないかもしれませんけれども、安倍総理があちこちに行って原発輸出をしている。これも、NPTの優等生国日本としては余り好ましくない、余りじゃなくて相当好ましくない。

 プルトニウムから原子爆弾をいつでもつくれるんです。だから余りやっちゃいけないのに、日本の国でつくらない原子力発電所を、ほかの国に幾らでもつくってやりますよというのは、これはどう考えても、勝手で許されないことだと私は思うんですね。よく考えていただきたいんです。

 日本は輸出が減っている、だからアラブ首長国連邦、トルコとかへ行って署名してくる。私は、この原子力協定はどうなろうと絶対反対しますけれども、こんなことをしてはいけない。もうベトナム、ヨルダン、原子力協定ができている。しかし、それは無責任だと私は思います。

 何でこれを申し上げるかというと、さっきと一緒に考えていただきたいんです。

 イランや韓国も、日本と同じように再処理を許される国にしてほしい、北朝鮮があるからと韓国は盛んに言うわけです。日本と同じような立場にしてほしいと言っている。インドも問題ですよ。インドも、いっぱい原発をつくる。それが原子爆弾につながるかもしれない。やはりそれは抑えるべきなんですね。

 ほかに日本は輸出するものが幾らでもあるわけですよ。何でそんなことをするのか。もしそうするんだったらということで、先ほどの防衛大臣に対する最後の質問、私の提案につながっていくわけです。

 日本はむしろ、原発を輸出するんじゃなくて、原発は五十基もあるのを着実に廃炉にしていく、この過程を、国が責任を持ってやっている日本の防衛大学校で精鋭を集めて勉強してもらって、それがずっと引き続きやっているんだ、過去の蓄積がこれだけある、いろいろな形の、原発といったっていろいろあるわけですから、全部に通暁している、廃炉については我々にお任せください、事故が起きたら収拾は我々にお任せくださいと。これが、唯一の被爆国、それから大事故を起こしてそっちでも被曝した、日本国政府というか日本のとる態度だと思います。

 そういう善行を重ねていたら、日本を核で攻撃したりするなんという国はなくなりますし、そんなことをしたら、ごうごうたる非難が世界から沸き起こります。その方が一番、安全保障に直結すると思うんですけれども、この点についてのお考え、外務大臣、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 まず、我が国は、福島第一原発事故の経験と教訓、これをしっかりと世界と共有し、そして世界の原子力安全の向上に貢献していく。これは我が国の責務だと考えています。

 原子力協定について御指摘がありましたが、我が国は、原子炉等の原子力関連資機材等の移転を行う場合には、これらの平和的利用について、二国間原子力協定により相手国から保障を取りつけるということにしております。あわせて、核不拡散及び平和的利用を確保するため、例えば国際原子力機関による保障措置の実施をここで求めております。

 我が国からの原子力関連資機材等の移転に際して、核不拡散あるいは平和利用、こういった形でこれを担保しているというのが我が国の考え方であります。

 廃炉作業に関しましても、我が国としては、まずは福島第一原発の廃炉に全力で取り組み、そしてその上で、その作業を通じて得られる技術や知見、これをしっかりと世界と共有していかなければならないと考えております。

篠原委員 最後です。

 予想したとおりの答弁しかいただいていませんけれども、これをよく頭の中にたたき込んでおいてください。原発輸出は世界の恥です、そして核不拡散を妨げる。これをやめるべきだと私は思いますので、しっかりそのことを念頭に置いて、外交活動をしていただきたいと思います。

 以上、ありがとうございました。

武田委員長 次に、今村洋史君。

今村(洋)委員 日本維新の会の今村でございます。

 きょうは、米海兵隊のグアム移転と、米軍の西太平洋、極東アジアでのプレゼンスのあり方について御質問申し上げます。

 まず、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄を初めとする地元の負担軽減を図るために、在日米軍の兵力体制の見直しを、日米防衛協力のための指針、ガイドラインというところで今御検討中だと思います。

 平成二十四年四月二十七日の日米安全保障協議委員会、2プラス2の共同発表において、持続可能な米軍の体制を実現するとあり、また、戦略的な拠点としてグアムを発展させるとありますが、実は、財政の崖というような状況がアメリカを襲っておりまして、予算管理法により、オバマ政権は本年の三月よりいわゆる強制歳出削減を発動しております。

 この削減額の約半分をアメリカは国防費で補う、つまり国防費を削減するということが行われておるんですけれども、これによって、アメリカの九個の空母打撃群のうち四個の活動を停止するとか、空母群のローテーションにも支障が出ているというようなことが起きております。

 それにつきまして、国防費の削減を余儀なくされているアメリカは、西太平洋地域、特に極東アジアでのプレゼンスの維持が可能であるのか、そこのところをお聞きしたいと思います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 本年三月一日、国防歳出を十年間で約五千億ドル削減することを含む歳出の強制削減が開始されました。この国防歳出の削減が、今後のアメリカの国防政策あるいは戦略にどういう影響を与えていくかということにつきましては、引き続き状況を注視していく必要があると考えております。

 他方で、米国は、昨年一月に発表されました新しい国防戦略指針などに見られるように、アジア太平洋地域を重視しておりまして、同地域における米軍のプレゼンスを強化するという方針を打ち出しております。しかも、強制削減が開始された後におきましても、ヘーゲル国防長官は、今後もその方針に変化はないんだということを会見で述べておられます。それから、本年四月末の日米の防衛相会談におきましても、小野寺大臣とヘーゲル長官との間でもその旨が確認されておるところでございます。日米の協力関係をまさに新たな段階に高めていくということで合意していただいたというところでございます。

 我が方といたしましては、引き続き、昨年四月の2プラス2の共同発表の内容に従いまして連携を深めていくという考えでございます。

今村(洋)委員 日米の防衛相の会談の中で、ヘーゲル長官は、今おっしゃられたようなこともあったんでしょうけれども、その中で、将来的に東アジアにおける米軍のフットプリントを縮小していくというふうにおっしゃっています。

 また、グアム移転に関する米軍の会計予算におきましては、二〇一一年が一・〇七億ドル、二〇一三年が〇・二六億ドルというふうに非常に少額にとどまっておりまして、グアム移転が本格的に、グアムを戦略的な拠点とするという計画はあるんでしょうけれども、行われていないというふうに私は思いますが、その点についてもう一度お答えください。

小野寺国務大臣 御指摘の点については、私ども累次、例えばヘーゲル長官との会談において私の方からお話をしたり、あるいは、日本に訪れる米軍各司令、例えば太平洋軍司令のロックリア司令を含めて、今後のあり方についての協議をさせていただいております。

 その中で、従前の日米間の合意、グアム移転を含めた内容、そして東アジア全体に対しての配備、このことについてしっかり対応するということは私の方からも確認させていただいております。

今村(洋)委員 財政というか金額的なことを申し上げますと、アメリカ側は、グアム移転の総費用五十五億ドルのうち、今のところ五億ドルしか使っておりません。これは一割にも満たないというようなことなんです。

 本当にグアムを戦略的拠点とするのか、アメリカ政府の本気度といったところに僕はどうしても疑問を持つんですけれども、先ほどお答えになった方、財政的な内容も含めて、答弁をお願いいたします。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のような点につきましては、アメリカの方でもいろいろ必要な検討が行われているものというふうには考えておりますけれども、我が方といたしましては、アメリカのこの地域におけるプレゼンスの考え方というものには変化がない、新しい国防戦略指針のもとで行っていくということには変化がないということでございますので、そのような線に従って、引き続きアメリカと連携を図っていくという考え方でございます。

今村(洋)委員 先日、たしか五月二十一日に、米国の下院の歳出委員会では、グアム移転費用八千六百万ドルというものが可決されて、議会でもそれが承認されるというふうに伺っております。反して、上院の軍事委員会では、普天間基地は切り離して考えるということになっておるんですけれども、やはりそのことが言及されて、その進捗がはかばかしくないので、グアム移転に対する予算の凍結を検討しているという報道があるんです。

 この点につきましてはどうでしょうか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 アメリカにおきますグアム移転予算につきましては、今年度予算は現在議会で審議中というふうに承知しておるところでございます。

 他方、昨年度の予算につきまして、上院の軍事委員会等におきまして、グアムへの移転の全体的なマスタープランと申しますか、そういったものが明らかにされていないといった点でございますとか、さまざまな要求がつけられたということは承知しております。

 ただ、いずれにいたしましても、先ほど防衛大臣からもお答え申し上げましたように、日米双方におきまして、先般の日米防衛相会談を含めまして、引き続き在沖海兵隊のグアム移転については着実に進めるということで合意しているところでございまして、私どもとしては、当然のことながら、米国防省において、米議会に対する働きかけも含め、きちんと対応していただけるものというふうに考えているところでございます。

今村(洋)委員 現実に、二〇一二年の米国の予算案においてはグアム移転費用が削除されて、全く行われなかったというふうになっておりますし、日本からの真水事業といったところも、今現在、トータルで日本円にして九百七億円拠出しておりますが、実際、グアム移転の対象施設の建設等のおくれによって二百十八億円しか使われていない。つまり、約六百億円強がプールされたままになっておるということです。

 これについて利子が発生するらしくて、米国の財務省の報告というのが月に一回行われておると報道されておりますけれども、防衛省の方で、この点、利子の発生とか、財務省からの報告といったものについては把握されておられますでしょうか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、グアム協定におきまして、財務省の口座に日本から移転された資金が振り込まれまして、そこにおいて利子がつく、あるいは、その点について財務省からレポートが参っているということを私ども承知しております。

今村(洋)委員 では、済みません、具体的に幾らプールされていて、どれくらいの利子がついているかというところを教えていただけますか。

山内政府参考人 申しわけございません、今、手元に資料がございませんので、調べて、後ほどお伺い等をさせていただければと思います。

今村(洋)委員 それは、こちらの方も事前に申し上げなかったので、済みません。

 そのプールされているお金もそうなんですけれども、今後、本年、平成二十四年に真水事業として七億円、二十五年度予算としては二億円予定されておりますけれども、グアム移転費用で日本が真水事業として達成すべきというか出す金額というのは、全部でたしか二十八億ドルですか、トータル八十六億ドルで合意しているということです。

 これはドル建てで合意されているものですから、昨今の円安ですと、日本の予算は円建てですので、ずれが出てくるというふうに思いますけれども、その点については、何か御検討とか、今後どうしていくというような方針はありますか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年四月の2プラス2の共同発表におきましては、グアム移転に係る費用は、暫定的に二〇一二米会計年度ドルで八十六億ドルというふうに総額で見積もられております。

 このうち、我が国の直接的な資金の提供については、二〇〇八米会計年度ドルで上限が二十八億ドルというふうに合意されているところでございます。

 この二十八億ドルという額につきましては、まさに米ドルで合意されているところでございまして、ある意味、為替による変動というものは必ずしも考慮されていないということでございます。

今村(洋)委員 為替の変動は、ここのところ急激な円安で、相当な額の想定の違いが出てきているんじゃないかと思うんですけれども、僕が今お聞きしたかったのはその点についてなんです。どういう見込みというか、ある程度の伸び代をそもそも最初から想定していますということなのか、そこのところをお聞かせください。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 グアム移転に係る経費につきましては、その事業等につきまして、グアムで行われるということも踏まえて、全体の総額をまず米ドルで見積もった上で、その上で日米間の分担というものをドルベースで定めた、合意したということでございます。

 為替の問題につきましては、確かに現在、円安の方向に振れておりますが、場合によれば円高に振れる場合もございます。そういった点を含めますと、為替の変動というものを見込んで合意するということはなかなか難しいという状況でございますので、現在の日米間の合意はドル建てで合意されているということで御理解賜りたいと思います。

今村(洋)委員 わかりました。

 あと、地元の、特に沖縄の負担軽減というものが、今回のグアム移転に関して日本が真水事業としてお金を出すといったところになっておるわけですけれども、沖縄の負担軽減、特に嘉手納基地以南の六基地の統合というのが合意されていると思うんです。この中で、牧港補給基地、キャンプ瑞慶覧、グアム移転が進行しないと、こういった基地の返還というものに明らかに支障を来してくるのではないかと思います。

 ですから、計画どおり二〇二〇年に米海兵隊等々のグアムへの移転が完了するかというのは、これは大幅におくれるんじゃないかと思いますけれども、その点については何かお考えはありますでしょうか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 本年四月に公表させていただきました嘉手納以南のいわゆる六施設・区域の統合計画におきまして、今御指摘のあった牧港補給地区あるいはキャンプ瑞慶覧につきましては、グアム等へ移転する部隊が使用している施設があるということで、グアムへの移転時期と関連するということは、公表資料の中で御説明させていただいているところでございます。

 そういった意味で、嘉手納以南の六施設の返還の時期とグアム等への部隊の移転の時期が関係するということは事実でございます。

 ただ、いずれにいたしましても、私ども、嘉手納以南の返還につきまして、沖縄県内への移設について理解と協力を得て進めるとともに、グアムへの移転につきましても、日米間で協力して進展させていきたいというふうに考えておるところでございます。

今村(洋)委員 米国のグアムへの移転といったところに、先ほど申し上げましたように、本気度がどこまでのものなのかなというふうに疑問を持たざるを得ないんです。

 小野寺大臣が、四月二日の安全保障委員会において、ガイドラインの見直しを検討していきたいとおっしゃられました。これは記者会見でもおっしゃっておられますが、その中身としまして、日米の役割分担、特に今後の十年から十五年を見据えて、対中国がメーンテーマだというふうに報道されていた記事も読んだんですけれども、その中身について、この場で明らかにできるところがあれば、お答えいただきたいと思っております。

小野寺国務大臣 まず、前回のガイドラインを設定して、二十年ほどがたしか経過していると思います。その間、かなり安全保障環境が変化していることも事実であります。特定の国を意識してこのガイドラインの設定をするわけではありませんが、いずれにしてもさまざまな脅威があります。

 例えば、新しい脅威としてサイバーテロの問題があったり、あるいは宇宙のさまざまな利用があったり、そのような多方面のことも検討しながら今後日米のあり方ということを詰めていくのが、ガイドラインの見直しということになるんだと思っております。

 いずれにしても、まだこれから詰めていくところがたくさんありますが、基本的には、私どもが今後想定されるさまざまな危機に対応できるような日米のガイドラインということになると思っております。

今村(洋)委員 そのガイドラインの見直しには数年かかるというふうに大臣御自身はお考えになっていると思われますけれども、これは当然、今大臣がおっしゃられたように、いろいろな問題をきちんと考えていく中では、こういった年数が必要になるんだと思います。

 日米間の戦略環境認識に関する議論が進展してきているというふうにも報道されておりますが、ヘーゲル長官が共同会見の中で、先ほども申し上げましたけれども、フットプリントを縮小していく、これがどういった意味なのか、私は会見の内容を読んだだけではなかなか理解が及ばないんです。

 これは、もしお答えになれれば、ヘーゲル長官がおっしゃったことなので、心の内はなかなかわかりにくいでしょうけれども、大臣の解釈といいますか、そういったところをお聞かせいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

小野寺国務大臣 もちろん、米国は世界のさまざまなところで安全保障環境の維持に一定の役割を担っているんだと思っております。

 私ども、ヘーゲル長官の発言について論評する立場ではありませんが、少なくても、私が会談をした中で、特に東アジアについては、今後も大変重要な地域であるということの認識は一致しているんだと思っております。

今村(洋)委員 実は、この根底には、米国の財政難、財政の崖と言われるものも昨今報道されておりますけれども、それ以前に、日本も財政難ですけれども、大きな話をすると、米国は、ギリシャとかスペイン、そういった国と同じように、国の外に借金が非常に多い国です。日本はそうではない。そういった違いがあるんですけれども、とにかく、自分の国の外に借金があるというのは非常に重荷。これは、なかなか解決できない問題が根底にあるんじゃないかというふうに僕は思っております。

 実は、米国の思惑というものは、これは多分、中ではいろいろあるんでしょうけれども、私の考えを申し上げますと、フットプリントを縮小していくといったようなことは、恐らく、東アジアの中での米国のプレゼンスが衰退していくという一過程をその言葉であらわされたのではないかなと解釈いたしました。

 評論家の中には、米国の経済力が相対的に衰退していって、二〇二〇年代の後半、ですから、あと十数年のうちには米ドルが国際準備通貨としての地位を失うだろう、こういった予測をしている評論もあります。こういう推測をしている方は日米の戦略的なことも特に研究されておられる著名な方なんですけれども、そういった予想をされて、その中で、先ほど申し上げたヘーゲル長官が述べたように、東アジアでの米軍のプレゼンスは今後相対的に、米国の意思とはかかわりなく下がってくるというようなことが考えられるんじゃないかと。

 そこで、日米防衛協力のための指針、ガイドラインの見直しが、今後の十年から十五年を見据えて、その策定に数年を要するとなれば、日米同盟の中で我が自衛隊が果たす役割を必然的に大きくすることを日本政府として主張されてもいいのではないかというふうに考えますが、大臣はそういうお考えはおありになりますでしょうか。

小野寺国務大臣 全体として、日米同盟、この中で、日本の安全保障、あるいは東アジアの安全保障、それを担う重要な役割があると認識しております。私どもとして、しっかりとした対応をするということ、それを踏まえて、例えば予算の問題や、あるいは装備の問題、それをこれからもしっかりしていきたいと思っております。

 他方、日本に課せられた、自衛隊も含めて、日本ができるさまざまな能力の問題もあります。例えば、ミサイル防衛にしても、日本は盾の役割は万全な対応がとれますが、いわゆる矛の役割については米国に依存するということにもなります。こういう議論が今後さまざま、国会も通じて議論がなされる、今そういう環境に来ているんだと思っております。

今村(洋)委員 米軍の縮小が中国軍の台頭に取ってかわられることを意味するとすれば、我が日本が東アジアにおけるプレゼンスの拡大を目指すということは、衰退する米国にとっても、日米同盟が堅持される限り歓迎するべきものじゃないかと思ったりもします。

 引き続きまして、もう一つお聞きします。

 日米地位協定第二十八条で、地位協定及びその合意された改正は、日米安保条約が有効である期間、有効とする、ただし、両政府の合意によって終了させたときは、この限りでないというふうにあります。

 今般の普天間基地問題、また、ずっと以前ですけれども、私が御質問させていただいた、首都圏における横田基地、多摩サービス補助施設、赤坂プレスセンターなどの在日米軍施設の返還要求などの問題も、米軍の駐留なき日米安保を実現し、地位協定など必要のない同盟関係こそが全ての問題の解決に、これは沖縄の問題も含めてですけれども、なるのではないかというふうに考えます。

 これは、日米安保条約第六条にある米軍の基地使用規定にも、これは必要なときに必要なだけ使用する、相互使用するということなんですけれども、反しないと考えます。

 特に、沖縄における在日米軍の問題の根底には、自国の軍隊ではない他国の軍隊の駐留という屈辱的な感情の問題も大きく影響していると考えます。我々の国家国民、領土を守るためにそこに駐屯する軍隊が自国軍であれば、例えば沖縄県民の感情もまた違ったものになるのではないかというふうに考えます。

 米国政府の財務状況に由来する防衛費削減、また、西太平洋地域の拠点にグアムを定めている状況からも、米軍の駐留なき日米安保の現実性は、かなり厳しい問題ですけれども、全くないわけではない、そういう意思がなければ前に進めないと私は思うんです。

 政府として、米軍の駐留なき日米安保についてどうお考えになるか、お考えをお聞かせください。

小野寺国務大臣 どこの国にしても、自国を自国が守るというのは当然のことだと思っております。

 ただ、その中で、日本が今まで防衛分野に関して担ってきた役割、これはさまざまな、当然制約もある日本でありますので、それぞれ、日本が担う役割、そして同盟国に担ってもらっている役割があるのも事実だと思っております。

 私どもとしては、こういう問題を一つ一つ解決しながら、基本的にはやはり、どの国もそうでありますが、自国は自国で守れる体制をつくっていくことは大切な方向性ではないかと思っております。

今村(洋)委員 大臣のお考えは、本当に傾聴に値するものだと思います。

 一歩一歩前進していけば、我が国民が、先ほどの話ではないですけれども、自衛隊、国防に賛意を示していくといったようなことにつながっていくんだと思います。

 ただ、自国のことは自国で守るんだ、自主防衛能力を持たなければいけないという意思は、いつまでも持ち続けなければ、これが失われて、どこかの属国になってしまうというようなことも現実にはあり得る、可能性としてはあり得ると思いますので、そこは、両大臣、何とぞそういうお考えというかお気持ちを維持していっていただくようにお願いいたします。

 では、話はかわりまして、潜水艦の増強についてお聞きいたします。

 昨年度の防衛白書においては、潜水艦保有数を十六隻から二十二隻に増強することを表明しておられます。一部報道によれば、潜水艦乗組員だけでも四百人増強しなければならないということです。現在そういうサブマリナーと言われる方々は約千人いらっしゃるということですので、千四百人にするということなんだと思いますが、潜水艦を現在同様効率的に運用するとなれば、乗組員の教育要員、それから整備要員、ドックの管理要員等々も同時にふやす必要があると考えます。

 それにつきまして、潜水艦二十二隻体制という考え方は今後も維持されるのでしょうか。また、潜水艦を増強するのであれば、どの程度サブマリナーの人数を増員すべきというふうにお考えになりますでしょうか。よろしくお願いします。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 潜水艦は、平成二十二年の防衛計画の大綱におきまして、十六隻体制から二十二隻体制に増勢するということとされております。防衛省といたしましては、潜水艦の新造、それから現存のものを延命するといったようなことによりまして、この体制を確立するということといたしておりました。

 それから、今日の厳しい我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえまして、南西地域を初めとする防衛体制の充実を図るために、本年度から、潜水艦の増勢ということに着手することといたしております。他方で、今後保有すべき隻数を初めといたしまして、潜水艦の具体的な将来体制というものを改めてどうするかということにつきましては、ことしの末までに予定されております防衛計画の大綱の見直しを踏まえて決定するということとなっておるところでございます。

 したがいまして、現時点におきまして、それでは潜水艦を何隻まで増勢するのか、この二十二隻という体制でいいのかどうかというようなところも今検討中でございます。それから、それに伴いまして、どの程度の人の所要がふえていくのかということについても検討中ということになるわけでございます。

 ちなみに、これは全くの一般論でございますけれども、潜水艦一隻当たりの乗員の数ということで申しますと、大体六十五人から七十人ぐらいの要員が必要になるということでございます。

今村(洋)委員 海上自衛隊の定員は相変わらず四万五千人と定められていますけれども、このような潜水艦の隻数を増強する中において、熟練のサブマリナーになるまでは少なくとも約五年かかるということなんです。

 乗組員や技術者は一朝一夕には育たないと考えますけれども、熟練要員の定年延長、たしか人事院の方でもそういった定年の延長について言及されていたかと思いますけれども、そういったことも自衛隊でお考えになってはどうかと思います。

 今手元にある資料では、五十三歳から五十五歳、この五十五歳というのは佐官クラスまでの定年の年齢なんですけれども、現代の日本においては非常に若い。五十五歳というと、僕ももうすぐ定年ということになります。ちょっとお若いうちに定年になってしまうのかなというふうに思いますが、この点につきまして、定年延長等々、何か、もしかしたらお考えになるというようなことはありませんでしょうか。お願いいたします。

三村政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、潜水艦要員につきましては、その任務の特殊性から各種の適性が求められ、技術者も含め、高度化した装備品の操作、整備に熟練性が求められるということでございます。これらの要員の確保、育成は重要な課題だというふうに考えております。

 潜水艦要員につきましては、現役の海上自衛官の希望者の中から、また新たに採用される海上自衛官の中から適性のある者を確保する等、要員の確保に努力をしているところでございます。

 先生御指摘のように、定年の延長ということにつきましては、潜水艦の勤務の特殊性ということもございます。現在のところ、定年を延長することは考えておりませんけれども、今後とも、大綱の見直しを踏まえ、潜水艦部隊の運用に支障が生じないよう、必要な要員の確保、育成に努めてまいりたいと考えております。

今村(洋)委員 わかりました。

 そういったことも含めまして、今、防衛省では、副大臣を改革検討委員長として、防衛省改革について検討なさっているということをお聞きしております。このプロジェクトチーム、作業チームにおいてどのような改革を検討しておられるのか、お聞かせください。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員御指摘のように、私を長といたしまして、防衛省改革検討委員会を設置させていただいて、鋭意検討させていただいているわけであります。

 その中において、防衛力の整備、運用、政策立案及び情報発信の各分野について、プロジェクトチームあるいは作業チームにおいて現在個別の部分に対して検討させていただいておりますけれども、具体的な中身のところは、今検討中なので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

 ただ、御理解いただきたいのは、この防衛省の改革を開始する契機となったのは、不祥事の再発防止ということがまず第一点でございました。ですからこそ、そこのところをしっかりと見据えながら、自衛隊をより積極的、効率的に機能させるためにどうしたらいいか、そのための意識改革等々も含めながら、そしてまた効率的、あるいは公正でしっかりとした調達ができるような形も含めながら、最終的に全体最適化ということを見据えながら今検討しているというところでございます。

今村(洋)委員 どうもありがとうございました。期待いたします。

 そういう組織改革を終えた後に、防衛審議官といったようなポストもぜひお考えいただければと切望いたします。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

武田委員長 次に、畠中光成君。

畠中委員 みんなの党の畠中光成です。

 我が国の安全保障にとって、日米同盟が極めて重要であることは言うまでもありません。一般的な同盟と日米同盟の違いは、その片務性にあります。日米安全保障条約では、我が国を守ってもらうかわりに基地を提供する、簡単に言えばこういうことだと思います。よって、その基地の七四%が沖縄に集中しており、沖縄が日米の安全保障にとって重要な地域であることは言うまでもありません。

 二月に安倍総理が訪米し、普天間の辺野古沖への移設、嘉手納以南の統合計画を発表されました。また、五月には小野寺防衛大臣が訪米され、沖縄の二大事案をきっちり進めるということを確認され、歓迎されました。民主党政権下で不安になった日米同盟がよい方向に回復することは私も歓迎すべきところではありますが、もろ手を挙げて喜ぶほどでないのはなぜなのかなというふうに考えております。

 そこで、幾つか確認をさせていただきたいと思います。

 沖縄に米軍のプレゼンスがあることによるアジア太平洋という地域にとっての安全保障上の位置づけについて、大臣の御所見をお聞かせください。

小野寺国務大臣 我が国周辺には、核戦力を含む大規模な軍事力が集中し、朝鮮半島や台湾海峡をめぐる問題が存在するなど、依然として不透明、不確実な要素が残存しております。

 さらに、多数の国が軍事力を近代化し、また、北朝鮮による核実験の実施や弾道ミサイル能力の増強、中国による我が国周辺海空域における活動の急速な拡大、活発化などに見られるように、軍事的な活動を活発化させております。

 このように、我が国周辺の安全保障環境は一層厳しさを増していると認識をしております。

 こうした安全保障環境において、日米安保条約に基づいて我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、我が国の安全保障のみならず、東アジア全体の安全保障に大きな役割を果たしているというふうに考えております。

 さらに、今沖縄に言及をされました。沖縄の立場といいますのは、我が国の平和と安全に影響を及ぼし得る朝鮮半島、台湾海峡などに近く、かつ近過ぎない位置にあり、南西諸島のほぼ中央に位置し、我が国のシーレーンに近く、周辺国から見ると太平洋間のアクセスの上で戦略的に重要な目標となるという戦略的位置にあることを考えて、米軍が沖縄に駐留するということは、アジア太平洋地域の平和と安定、ひいては我が国の安全保障に重要だというふうに認識をしております。

畠中委員 大臣、ありがとうございます。

 重ねてお聞きしたいんですが、先ほどお聞きしたかったのは、アジア太平洋地域にとっての沖縄の米軍のプレゼンスということだったんですが、今度は、我が国日本にとっての沖縄に米軍基地があることの意味についてお聞かせください。

小野寺国務大臣 アジア太平洋地域の安定ということは、これはすなわち日本の安定にもつながる、そのようなことと理解をしております。

 ただ、沖縄に米軍基地の過重な負担が集中しているということ、これは私ども安全保障に携わる者のみならず、日本国民全体としてこの負担については重く受けとめるべきだというふうにも考えております。

畠中委員 現在、米軍再編へのロードマップが進行中でありまして、アジア太平洋における米軍基地を分散させる方向にあります。その中で、グアムやスービックと比較して、沖縄の地理的必要性というのは、まず、大臣もおっしゃられましたように、朝鮮半島の有事、核の問題等が考えられると思います。

 これから将来にわたって予想されるアジア情勢の変化、例えば、朝鮮半島のリスク、これが劇的に緩和される、あるいは米中関係が大きく変化するなどがあったとすれば、米軍のさらなる再編の中で、沖縄の米軍基地が大陸から見てより後方に移転していくことも考えられるのではないかと思います。

 それを想定した上で、改めて、我が国にとっての今後の沖縄の位置づけというのはどのように変わっていくのでしょうか。あるいはまた、変わらないのでしょうか。お聞かせください。

小野寺国務大臣 安全保障環境、あるいはそれぞれの国との関係というのは、その都度変化するものということで私どもも認識をしております。

 ですが、今、防衛省、日本の安全保障を担当させていただく立場としましては、現時点で予想されるさまざまな安全保障の問題、このことでの対応が中心だと思っております。その時点での検討になりますと、どうしても沖縄の地理的な役割というのは大変重要だというふうに言わざるを得ないと思っております。

畠中委員 先ほども大臣が答弁していただきましたように、我が国は、沖縄の負担軽減それから抑止力の維持、これを同時に解決することが安全保障上重要だと考えておられるのだろう、これはわかります。もちろん、その背景にあるのは、海兵隊の司令部が沖縄にあって、実動戦力も沖縄を本拠地としている、それが日本の抑止力にもなっていると考えるからでしょう。

 しかしながら、一方で、アメリカから見た場合、この沖縄、グローバルな国防戦略の一環として日米同盟というのを捉えている。語弊を恐れずに言えば、例えば普天間の基地移設問題は、アメリカの戦略的な中心的課題というわけではなくて、むしろ日本国内のローカルな問題と捉えている可能性があるということは否定できないのではないかと思います。

 私は、ここに日本とアメリカのすき間というものが感じられ、我が国の防衛の根幹である今後の日米同盟について心配を抱かざるを得ない。総理と大臣の訪米についてもろ手を挙げて喜ぶことができないというのは、そういうことだろうと私自身は思っています。

 米国のシンクタンクであるカーネギー国際平和財団が今月に発表しました「二〇三〇年の中国の軍事力と日米同盟」という論文が、つい先日発表されたわけですが、ここで結論づけられていましたのは、今後十五年から二十年の間に、中国がアメリカを東アジアから追い出そうとすること、日本周辺での中国対日米同盟の間の軍事力バランスが中国に有利に傾いていくということ、そして、本日、後ほどの質問の中でも聞いていきたいと思っていることと関連するんですが、最も確率が高いのは、中国が軍事力を実際に使うことなく、中国にとって有利な方向に事を運ばれてしまうだろうということをこの論文は結論づけています。

 すなわち、中国にとって、今度は中国から見て、沖縄は第一列島線の肝となる場所でありまして、まさに今ほど日本の政治力が問われている時代はないのではないかと思っております。

 さて、少し話題がかわりますが、今、憲法改正論議と絡みまして、集団的自衛権行使の問題が取り沙汰されております。日米あるいは自衛隊と他国の軍隊の間の、いわゆる四類型についてお伺いします。

 現在、このうち、一の、米国の艦船と日本の艦船が並走していて米国の艦船が攻撃された場合、あるいは二の、日本の上空をミサイルが横切る場合について、集団的自衛権の行使を可能にするよう検討が行われていると認識しています。

 しかしながら、この一については、米国の艦船が攻撃されているのか、日本の艦船が攻撃されているのか、瞬時に判断できない以上、応戦するのは個別的自衛権ではないかという意見もあります。また、二については、日本の上空を横切る以上、日本に危害が及ぶ可能性があるわけですから、これも個別的自衛権の範囲であるという意見もあります。

 これらの意見について、御見解をお聞かせください。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 あくまで法的な観点からの一般論として、これまでの政府の憲法に基づく解釈に基づいて御答弁をさせていただきたいと思います。

 御質問は二点あったかと思いますけれども、まず、いわゆる四類型とこれまで言われていたもののうちの第一の類型。

 公海上でアメリカの艦船を防護するという点についてでございますけれども、これまで政府として申し上げていることは、我が国に対する武力攻撃があって、日本として個別的自衛権の行使をしている場合に、日本防衛のために来援をしているアメリカの軍の船を防護するというようなことは、これは共同対処行動の一環であるということから、個別的自衛権の行使に当たる、したがって可能であるということは従来から申し上げているとおりでございます。

 それから、アメリカに向かう弾道ミサイルの迎撃ということでございますけれども、アメリカに対する武力攻撃の一環であるというような場合におきまして、それを我が国が迎撃するということにつきましては、憲法上問題があるということ、これが従来の解釈でございます。

畠中委員 先ほども申し上げましたように、一般的な同盟というのは相互の軍事力によって助け合う。しかしながら、日米同盟というのは、片務性。憲法上も日米安保条約上も、そうなっていない。つまり、この片務性の焦点は沖縄であって、この沖縄の基地問題が昨今揺らいでいる。揺らぎ始めたから、この集団的自衛権の問題、あるいは憲法改正を急がなくちゃいけないという問題があるのだったら、ちょっと順番といいますか手続が違うのではないか、その前にしっかりとやるべきことがあるのではないかというふうに思います。

 さて、話を沖縄に戻しまして、沖縄独立を主張する、琉球民族独立総合研究学会が先週設立されたということです。中国共産党系の新聞、環球時報が、これを支援する旨、取り上げておりましたけれども、これについて、外務大臣の御所見をお聞かせください。

岸田国務大臣 まず、報道につきましては承知しております。

 ただ、中国国内の報道一つ一つについて、私の立場からコメントすることは控えたいと存じます。

 いずれにしましても、最近、中国国内の報道に見られる沖縄の帰属に関する論旨に関しましては、仮に沖縄県が日本国の一部であることについて中国政府が疑義を呈するということであるならば、これは全く筋違いであり、我々としては受け入れられないと考えております。

畠中委員 ありがとうございます。大変お答えしにくい質問であったかと思いますが、御答弁ありがとうございます。

 この沖縄なんですが、沖縄の米軍基地は、三分の一が民有地で、日本政府から借地料が入るため、金融商品としてネット販売されているというふうに聞きます。現在、地権者は約三万五千人だと思いますが、そのうち外国人はどれぐらいいるのでしょうか。教えてください。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 米軍基地用地の使用権原の取得に当たりましては、登記簿などにより土地所有者を特定しているところでございますが、この登記記録からは登記名義人の国籍などを把握することはできないことなどに鑑みますと、土地所有者が外国人か否かを把握するということにつきましては必ずしも容易ではないと考えておるところでございます。

 いずれにいたしましても、米軍基地用地につきましては、原則として所有者と賃貸借契約を締結し、使用権原を取得しておりますが、所有者の合意が得られない場合につきましては、駐留軍用地特措法の規定に基づき、使用権原を取得し、米軍施設・区域の安定的な使用の確保というものに努めているところでございます。

畠中委員 今の御回答というのは、はっきりとわからないという意味でよろしいですか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 土地所有者が外国人か否かということを特定するというのは困難な状況にあるということでございます。

畠中委員 済みません、これに関連して、もう一度で恐縮ですが、それを特定させようとかしっかりと調べよう、こういう動きはとっておられるんでしょうか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、現在の登記簿等から土地所有者が外国人か否かを把握するということは困難な状況にあるということが第一点。

 他方、使用権原を安定的に取得して米軍基地の安定的な使用の確保に努めるという上では、現在は、賃貸借契約の締結、これができない場合には、駐留軍用地特措法の規定に基づき、使用権原を確保することで対応しているところでございまして、現在のところ、外国人が土地所有者か否かということについて調査するということは行っておらないところでございます。

畠中委員 この件に絡めて、防衛大臣にもお伺いしたいと思います。

 今、沖縄の米軍基地だけではなくて、自衛隊基地の周辺の土地においても、外国人による土地取得の懸念が出されています。小野寺防衛大臣も従来からこの問題に取り組んでこられたかと思いますが、この現状に鑑みて、我が国の安全保障上どの程度の問題だとお考えでしょうか、また、問題だとお考えでいらっしゃるのであれば、今後どのように取り組まれるのか教えてください。

小野寺国務大臣 米軍基地の外国人の土地所有の問題については、私も問題意識を持っております。事務方にもどういう形かで国籍がわからないのかということを何度か問い合わせましたが、やはり契約上、あなたはどこの国の人ですかということを付記することはなかなか難しいということで、氏名で類推するということ、あるいは送金先、これは外国に送金する場合もあるということですから、それで特定できないのか、さまざまな知恵を出してほしいというお話をしておりますが、いまだやはりなかなか難しいということだと思っております。

 御指摘の、特に自衛隊の周辺の状況について、その隣接地、自衛隊基地の施設の隣接する土地が外国人から買収されているのではないかということ、そのことについては、私も大臣就任後直ちに調査をさせております。

 現在、七十四カ所、そのような事案で検討が必要な場所がある中で、三十八カ所調査が終わっております。そこの土地登記等から判断する中で、外国人が所有しているという明確な事案は今のところは見つかっておりません。

 今後とも残りのところをしっかり調査するように申し伝えたいと思っておりますし、また、とはいえ、名義は日本人の名前であっても、実質上そうでない場合も当然考えられます。その警戒監視はしっかりするようにということで、今指示をさせていただいております。

畠中委員 ぜひ、しっかりお願いしたいと思います。

 この外国人の土地取得の問題にこれまでなかなか取り組むことができなかったのは、例えば相互主義の観点とかWTOの規定とか、いろいろ難しい問題があったというのは認識しております。しかし、中国の土地を日本人が買うことはできない、これによって相互主義というのは成り立ちませんし、WTOにおいても、アメリカは土地取引に幾つかの例外を設けて加盟しているんです。基地やその周辺などの重要な土地取得に対する規制、大臣がおっしゃられたように、しっかりとお願いをしたいと思います。

 きょうは、短い時間でありましたが、日米同盟、あるいは沖縄の問題、あるいは自衛権の解釈の問題について少しお話をさせていただきました。先ほどのカーネギー国際平和財団の論文にありましたように、最も確率が高いのは、中国が軍事力を実際に使うことなく中国にとって有利な方向に事を運ばれてしまうということ、こういったこともしっかりと認識をしながら、繰り返しになりますが、今、我が国の政治力というものが問われているということを申し上げまして、ぜひとも、大臣、今お話しいただいたことをお願いしたいということを重ねて申し上げ、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

武田委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、米軍犯罪について質問をいたします。

 まず、法務省に伺いますが、二〇一一年十一月三十日の外務委員会で、米軍人による公務中犯罪に関して、米側による処分結果の状況を明らかにすることを求めました。その際、法務省は、調査の上、外務当局と協議の上で対応したい、このように答弁しております。調査結果を明らかにしていただけますか。

稲田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねにつきましては、本年の五月十五日の時点で当省といたしまして確認したところによりますと、米軍人による公務執行中の犯罪で、日本国民に対しまして死亡、あるいは何らかの傷害を負わせた事件につきまして、米軍当局が第一次裁判権を行使したことによる処分結果といたしましては、平成二十一年は、軍法会議で裁かれた者はおりませんが、懲戒処分を受けた者が五十四名、処分なしとされた者はおりません。平成二十二年は、軍法会議で裁かれた者はおりませんが、懲戒処分を受けた者が七十一名、処分なしとされた者が二名でございました。同じく平成二十三年は、軍法会議で裁かれた者はおりませんが、懲戒処分を受けた者が六十名、処分なしとされた者が一名というふうになっていると承知しております。

 なお、平成二十年分につきましては、死亡または四週間以上の傷害を負わせた事件についてのみの数字を把握しておりますが、これにつきましては、同じように軍法会議で裁かれた者はおりませんが、懲戒処分を受けた者が六名というふうになっていると承知しているところでございます。

赤嶺委員 事前に法務省に提出していただいた資料をお配りしております。

 今の答弁は、この二枚の資料を合計しておっしゃったものでありますが、答弁にもありましたように、死亡事故を含む多数の事件、事故を引き起こしておきながら、ほとんどは免許停止や減給などの懲戒処分で済まされて、しかも、何の処分も行われていないという事例が三件あります。基地の外の日本人に対する事件、事故に対する軍法会議は一切行われていないという、限定された期間ではありますが、そういう一覧表であります。

 まず、調査期間についてでありますが、死亡または四週間以上の傷害については平成二十年から平成二十三年、傷害結果四週間未満については平成二十一年から平成二十三年となっております。

 しかし、私が二〇一一年当時に求めたのは、昭和六十年から平成十六年までで、軍事裁判を受けた者は一名、懲戒処分を受けた者は合計三百十八名という、二〇〇五年当時の委員会での答弁に基づきまして、昭和六十年以降の処分結果全体、答弁する以上、その全体を明らかにせよ、こういうことでありました。

 なぜ、昭和六十年以降の全体を明らかにできないんですか、こんな短い期間になっているんですか。

稲田政府参考人 若干経緯を御説明申し上げます。

 御指摘の件につきましては、死亡または四週間以上の傷害を負わせた事件につきまして、当省で保管しておりました文書を確認するとともに、あわせて、米軍当局に照会いたしました。そして、平成二十三年、すなわち一昨年十二月の時点におきまして、既に米軍では、文書保存に関する定めに基づいて、平成十九年以前の文書を廃棄しているということでございましたことから、日米双方で確認できた平成二十年から二十三年までの軍事裁判、懲戒処分及び処分なしの各件数を算出いたしまして、昨年一月に委員にこの旨明らかにさせていただいたものというところでございます。

 その際に、さらに四週間未満の傷害を負わせた事件についても同様に明らかにするように求められましたことから、昨年一月以降、同様の作業を行いまして、日米双方で確認できたのが平成二十一年以降ということでございましたので、各件数につきまして明らかにしたというところでございます。

赤嶺委員 つまり、前、国会で答弁した事件の数があるわけですね。この事件の数は、これまで国会で説明していたのは、現地の検察側と現地の米軍当局の間で確認した処分結果に基づいて、国会での答弁をこれまでも行っておりました。それ自体、米側に確認したものであります。十分根拠のある数字なんですね。不正確な点があったとしたら、今後繰り返さないための対応をとればよいのであって、今まで明らかにしたものを明らかにしないという理由には絶対にならないと思いますよ。

 ちょっと角度を変えて質問をいたしますけれども、軍事裁判の結果については、一九五三年の刑事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意で、日米合同委員会を通じて一カ月ごとに通報することが義務づけられています。正式なルートで、軍事裁判の結果というのは、管轄規定の中では一カ月ごとに日本側に通報されているわけですよ。だから、今度改めて調べたらこんな数字になりましたというものではない。軍事裁判の結果について、全体を明らかにできるはずであります。いかがですか。

稲田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、軍法会議の結果につきましては、日米合同委員会を通じて通報がなされているところでございます。ただ、軍法会議におけます米軍当局からの通報結果につきましては、これは日米合同委員会の内容でございまして、これにつきましては、双方の信頼関係の観点から、相互の同意のない限りこれを明らかにすることはできないというふうにされているものと承知しているところでございます。

赤嶺委員 そうすると、軍法会議の結果は、アメリカは日米合同委員会には一カ月ごとに通報するけれども、明らかにするなということを言ってきているんですか。

稲田政府参考人 今申し上げましたのは、日米合同委員会での内容につきまして、これを明らかにするかどうかについては双方の同意が要るものというふうに私どもは承知しているということを申し上げたものでございまして、その観点から、今回も、これを明らかにするに当たりまして、米側の同意を得たという事実を申し上げているところでございます。

赤嶺委員 それ以前は、現地の検察当局と現地の基地が照合して事件の数は国会で明らかにしていた。その詳細を示せと言ったら、改めて米軍側に問い合わせて、こういう短い期間の数字になった。しかし、日米地位協定に基づく協定であっても、一カ月ごとに数字が出ている。

 軍法会議の結果については、今の米兵の事件や事故、犯罪に対する国民感情を考えたときに、これは明らかにすべきではありませんか。だって、米軍は、基地の中の軍事裁判の結果については明らかにしているわけでしょう。何で、日本人に対する事件、事故は軍法会議の結果を明らかにできないんですか。もう一度お願いします。

稲田政府参考人 重ねての御答弁になりますけれども、私どもが軍法会議の結果について承知するに至るのは、今も申し上げましたように、日米合同委員会を通じて米軍当局から通報されるというところでございます。

 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、その内容を明らかにするには双方の同意が必要であるというふうに承知しているところでございまして、それに基づいて行っているところでございます。

赤嶺委員 処分結果の中身についてもう一点伺いますが、処分なしとされた三件、これはどういう事件で、なぜ処分なしと判断されたんですか。

稲田政府参考人 お尋ねの件は、いずれも、我が国の検察当局において起訴していない事件の内容にかかわる事柄でございます。事件関係者の名誉等の保護や米軍当局との信頼関係などの観点から、お答えを差し控えるべきものというふうに考えております。

赤嶺委員 事件は起こっているわけですよ。事件は起こっているけれども、それがどういう判断で処分なしになったのか、こういう説明をするのは最低限の必要なことじゃないですか。全然納得できるようなものではありません。

 そこで、外務大臣に伺います。

 重大なことは、米側による具体的な処分内容が国民に明らかにされないだけでなく、被害者本人や遺族にさえ、明らかにされる仕組みにはなっておりません。この点について、米軍基地を抱える自治体からも、処分結果と審理過程を被害者と遺族、地元自治体に通知する仕組みを構築するよう、繰り返し要請が行われてきました。当然のことであります。米側と協議の上、直ちに構築すべきではありませんか。

岸田国務大臣 まず、事件、事故につきましては、一件一件に被害者や御家族がおられ、そうした方々の御心痛を考えますときに、一件一件が深刻な問題であるということ、これはしっかり認識をしなければいけないと考えております。

 そして、米軍人等によるあらゆる事件、事故について、米側による処分結果を被害者または御遺族に通報する制度を構築するということにつきましては、米国の個人情報保護法との関係など、難しい問題もありますが、被害者の方々の立場に立って、ぜひ鋭意検討したいと考えています。

赤嶺委員 検討するとおっしゃいましたので、次回は、検討結果をまた聞いていきたいと思います。

 これは当たり前ですよ。被害者が、加害者がどう裁かれたかわからない。このままでは、こんな事件の再発防止なんていったって、それは口先だけの話になるんです。

 次に、防衛大臣に伺います。

 施設・区域外に居住する米軍関係者が増加しております。防衛省が毎年公表している居住者数の資料によると、二〇〇七年度末と二〇一二年度末とを比較すると、全国で八千二百七十人ふえています。そのうちの六千二百五人が沖縄、千五百八十五人が神奈川であります。

 防衛省は、二〇〇八年に沖縄本島中部で、施設・区域外に住む米兵による女子中学生暴行事件が発生したのを受けて、施設・区域内外の市町村別の居住者数の公表を開始いたしました。

 ところが、二〇一一年度末分から、軍人、軍属、家族別の内訳を公表するのをやめて、ことし三月に公表した二〇一二年度末分からは、市町村別の内訳を公表するのをやめ、都道府県別のみに変更しました。公表内容がどんどん狭められているわけです。

 なぜこういう対応をとっているんですか。

小野寺国務大臣 防衛省は、平成二十年以降、日米合意に基づいて在日米軍から情報提供を受けて、在日米軍等の施設・区域内外における居住者数をホームページにおいて公表するとともに、関係自治体に対しても情報提供をしておりました。

 今般、米側から、例えば、市町村別の居住者数といった詳細な数字を公表することに対し、セキュリティー上、強い懸念が寄せられたということでありますので、日米間で調整の上、防衛省ホームページへの掲載を初め公表する場合は、都道府県別の居住者数を公表するということにしまして、ただし、関係自治体に対しては、市町村別居住者数について情報提供を行った上で、詳細な数については公表しないように要請をいたしました。

 来年度以降の取り扱いにつきましては、このセキュリティーに対する米側の懸念も踏まえつつ、日米間で十分に協議をしていきたいと思っております。

赤嶺委員 まとめますけれども、今のセキュリティーというのは、県民の側が、セキュリティー上問題だから、基地外居住者を公開せよと言ってきたんですよ。安全が脅かされているのは、基地外に住む米兵じゃないですよ。沖縄県民ですよ。セキュリティーという言葉を取り違えているんじゃないですか。

 米側が公表内容を狭める契機になったのは、二〇一二年六月に出された米国防総省指令とのことであります。これを見ますと、敵対者及び潜在的敵対者が米国に対する軍事行動等を計画、準備及び実施するのに役立つ情報を不正アクセスや開示から守らなければならないとなっています。

 一体誰がそのような行動を計画するのか。実際に起こっているのは、施設・区域外に住み、泥酔した米兵がアパートに入り込み、いきなり中学生を殴るという事件であります。到底納得できるものではありません。佐世保でも横須賀でも沖縄でも、米軍が駐留するところ犯罪あり、事件、事故あり、抑止できない、防止できない。これは米軍当局も認めているじゃないですか。

 アメリカ言いなりのこういう対策は直ちに改めるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

武田委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーです。

 きょうは、基地周辺等における騒音等の問題について見解を伺いたいと思います。

 我が国では、自衛隊や在日米軍の飛行場等の運用の際に生じる障害、航空機による騒音の障害を防止または軽減するために、騒音の被害に該当する地域に住んでいる住民に対して、住宅等の防音工事の助成を行っております。

 沖縄には、米空軍嘉手納基地、海兵隊普天間飛行場、自衛隊が民間と共同使用する那覇空港などがあり、騒音被害の影響があるエリアの建物に対しての防音工事が行われております。

 防衛省に伺いますが、この防音工事の助成対象となる公的施設、特に学校、幼稚園、保育園などへ行う場合の補助について、どのような基準と内容になっているかお聞かせください。あわせて、沖縄県における近年の実績などもお願いいたします。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛省では、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第三条二項の規定に基づき、地方公共団体等が自衛隊等の航空機の離陸、着陸等の頻繁な実施により生ずる音響で著しいものを防止し、または軽減するため、必要な工事を行うときは、予算の範囲内において、その費用の全部または一部を補助しているところでございます。

 補助対象施設といたしましては、同法第三条二項において、学校、病院、診療所及び助産所が規定されており、また、同法施行令第七条において、専修学校、保健所、保育所、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童自立支援施設、身体障害者福祉センター、救護施設、老人デイサービスセンター、特別養護老人ホーム、老人介護支援センター、母子健康センター等が規定されております。

 また、防衛施設周辺環境整備法の第八条の規定に基づく措置といたしまして、地方公共団体が防衛施設の設置または運用によりその周辺地域の住民の生活または事業活動が阻害されると認められる場合において、その障害の緩和に資するため、生活環境施設または事業経営の安定に寄与する施設の整備について必要な措置をとるときは、その費用の一部を補助しております。

 第八条に基づきます補助対象施設としては、同法施行令第十二条におきまして、児童養護施設、看護師養成所、准看護師養成所、養護老人ホーム等が規定されているところでございます。

 次に、対象とされた施設について、どのような基準で採択を行っているのかということでございますが、補助対象施設におきます例えば防音工事の採択の基準は、防衛施設周辺環境整備法の施行令第五条等に定められておりまして、各施設における音響の強度及び頻度が、防衛大臣が定める限度を超える場合に行うものとなっております。

 例えば、学校であれば、一授業単位時間に七十デシベル以上の音響が十回以上発生した単位時間数の一週間における合計が、一週間の単位時間の総数の二〇%以上であり、かつ、この状態が通常継続していると認められる場合となっております。

 また、これらの施設に対して防音助成としてどのような措置をとっているかということでございますが、防音工事の主な内容といたしましては、防音サッシ等による遮音、内装材による吸音、良好な室内環境を保持するために必要な空調設備の整備となっております。

 沖縄県内におきます実績でございますが、学校等の防音工事につきまして、平成二十三年度の実績は四十六件で、金額は約十四億六千万円、平成二十四年度の実績は四十八件で、金額は約十億八千二百万円となっておるところでございます。

玉城委員 ありがとうございます。

 航空機の訓練を行う基地から発生する騒音に対して、今答弁にありましたように防音対策事業が行われているわけですが、今般、実は、沖縄県の地元新聞社が行ったアンケート調査結果から、この防音工事について対象となっていない施設が基地所在市町村にかなりの割合で存在することが、報道の内容で明らかになっております。

 この調査は、嘉手納基地及び普天間飛行場の周辺にある宜野湾市、沖縄市、うるま市、嘉手納町、読谷村、北谷町、北中城村など七市町村に立地している認可外保育園を対象に、五月二日からアンケート用紙を配付して、十三日までに五十八園からの回答を得られたものなんです。

 それぞれの自治体に登録する百五十四園の認可外保育園のうち、少なくとも八十九園は、住宅などの防音工事の助成対象となっているうるささ指数七十五以上の騒音地域内にあり、それらの保育園へ通っている園児数は三千五百十三人いるそうです。

 さらに、そのうち北谷町の十五園、嘉手納町の五園の計二十園は、騒音が特に激しい、うるささ指数八十五以上の区域内にあることもわかっております。

 ところが、これらの相当厳しい環境下にあると思料される認可外保育園は、国の防音工事助成の対象外となっており、施設運営における財政的な余裕がないために、自主的な防音工事などの対応ができない状況にあることも明らかになっております。

 一方で、公立保育所及び認可保育園が七市町村に百十一園ありまして、このうち七十四園は国の助成を受けて防音工事を受けており、残りについても、対策の対象となる園は順次防音工事を行う予定というふうになっているんです。

 このように、基地周辺に立地する施設であっても、なぜ国からの助成を受けて防音工事等の対策を行うことができないのか、改めて防衛省に説明を伺いたいと思います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど、防衛施設周辺環境整備法に基づきます防音工事の助成対象施設ということについて御答弁を申し上げさせていただきました。

 いわゆる保育所についてでございますが、現在、児童福祉法第三十九条第一項に規定する保育所については補助対象ということにさせていただいておりますが、お尋ねの都道府県知事等の認可を受けていない、いわゆる認可外保育所につきましては防音工事の補助対象施設として規定されていないというところでございます。

玉城委員 こういうことを考えますと、子供たちの心身の発達、成長に国がどうやって責任を持ってその役割を担うかということを改めて考えていただきたいと私は思うんです。

 このアンケートの設問で、航空機の騒音により、施設の運営や子供の保育活動に関して影響がありますかという問いかけに対して、影響がありますと答えたのが十七園、二九・三%、一定程度影響がありますと答えたのが二十七園、四六・六%で、合計四十四園、七五・九%というふうになっています。つまり、七割強の保育園においては、子供たちが大変だ、しかも子供たちを窓をあけて保育することは実際においてもできませんよという劣悪な環境にあることが、このアンケート調査では明らかになっているわけです。

 さらに、特にどのような影響がありますかという問いかけに対しては、子供たちの睡眠妨害あるいは精神的不安定などが挙げられていて、本来なら防音工事の対象となるべき多くの認可外保育園では、基地から発生する騒音が子供たちの成長に与える影響や、保育現場の日常活動に与える影響が大きいという現状にあることが認められると私は考えております。

 本来であれば、希望する公立保育所や認可保育園に入所できれば問題にならないことかもしれませんが、県内には、潜在的な数を含めて、待機児童数が多いということが顕著になっています。

 ちなみに、厚生労働省が平成二十三年四月に調査した、待機児童数の多い県都順に言いますと、多いのが沖縄県が第一位、続いて東京都、宮城県、神奈川県、千葉県というふうになっているんです。群を抜いて沖縄県は子供の数が多い、しかし、その分、保育所に入れない待機児童の数も多いということが調査でもはっきりしております。

 この現実と、それに対する公的保育施設が不足している県内の保育事情の現実を重ねてみると、認可外保育園で日常のほとんどの時間を過ごしている子供たちの、基地からの騒音による精神的、心理的な影響への懸念は、このままでは全く解決できない。先ほどの局長の答弁は、もうそういうふうになっていますということで、いわば国に見捨てられている状態にあるわけです。

 国が基地からの負担軽減を確実に行う、特に防衛大臣は、県民の声をしっかりと聞いて負担軽減を確実に行うというふうにおっしゃっています。というのであれば、この子供たちの無防備な環境に対して、真っ先に責任ある対策をとるべきではないかというふうに思います。

 大臣、そのことについて、ぜひ見解を伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 委員と同様の趣旨の質問を、たしか四月十五日、予算委員会分科会で宮崎委員からも伺ったことがあると記憶をしております。

 今、局長から答弁がありましたが、御指摘のありましたいわゆる認可外の保育所については防音工事の対象とはなっていない、これが現実です。ですが、沖縄で認可外の保育所が多いという事情、さまざまなことを考えますと、これはやはりしっかりとした対応が必要だと私も思っております。

 今、防衛省におきまして、全国の防衛施設周辺のいわゆる認可外保育所の現状を調べております。施設数や規模等でありますが、いずれにしても、この数字がまとまり次第、二十六年度の概算要求、ここでしっかりと所要の結論を得たいというふうに思っております。

玉城委員 ありがとうございます。

 大臣、児童福祉法をちょっと私ももう一度さらってみました。その総則の第一条、「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。 すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」第二条では、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」とはっきりここで書かれているわけですね。

 ですから、子供たちを本当に平等な環境の中で育てていくんだということを明確に、施行令の見直し等々も含めて、しっかりとケアしていただきたいというふうにお願いいたします。

 基地からの騒音防止対策については、これまでにも、対象区域の拡張、告示後に建てられた住宅等への対応などが要請されております。今後は、オスプレイ配備による低周波音の問題など、生活環境を脅かす被害の懸念が実は報じられています。

 そこで、一つ紹介いたします。

 これも予算委員会で私が紹介いたしました、琉球大学の環境工学、騒音の専門でいらっしゃいます渡嘉敷准教授のコメントなんです。

 二〇一〇年の普天間爆音訴訟控訴審判決で低周波音による心身被害が認められている、特に沖縄は低周波音が大きいと指摘されるオスプレイが配備されている、児童への影響は行政がきちんとモニタリングして問題解決の方法をとるべきである、国策で沖縄に米軍基地があり続けることで生じる障害が子供に影響を与えているなら、それは政治の責任であるというふうに、明確に、専門家もこのようにおっしゃっているわけです。

 今後、騒音被害に対してはさらなる取り組みや対応が求められてくると予想されます。そのことについて、まず防衛省地方協力局長の見解を伺います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 基地周辺におきます航空機による騒音は、周辺住民の方々にとり深刻な問題であり、騒音対策は重要な課題であるというふうに認識しておるところでございます。

 委員からは低周波音の問題が指摘されたところでございますけれども、こういった騒音に係ります新たな問題が生じた場合につきましては、私ども、まずは障害の実態を把握し、原因等の究明を行い、必要に応じ専門家等の指導助言も得つつ、また地元の皆様の御要望も踏まえながら、適切な対応措置というものを検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

玉城委員 今までのモニタリングの、例えば測定器の数もそうなんですが、これからは、専門的に低周波音を測定したり、あるいは専門家からの意見も聴取して、では、どのような防音対策が最も効果的であるのかということ、新しい知見をどんどん取り入れていかなくてはいけないということも迫ってくるのではないかと思います。

 さらに、普天間にはオスプレイがまた配備されるわけです。加えて、これはまた別の機会に伺いたいと思いますが、自衛隊もオスプレイを配備する云々という情報もあります。あくまでも情報ですが。

 そうなってくると、今までのような測定の方法あるいは施行令のあり方では立ち行かない。民生上の安定した生活、国がしっかりと責任をとるのであれば、やはり省庁の垣根を越えて、お互いの知見をすり合わせて、県民のため、国民のために安定した生活を保護するのが政府の役割であるというふうに思います。

 最後に、そのことについて大臣の見解を伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 まず、自衛隊のオスプレイ配備については、あくまでも、今、ティルトローター機の検討を行う研究費を予算計上しているだけで、今のところ、そのような検討を具体的にしていることはありません。

 それから、低周波音につきましては、これは御指摘がありましたように、まだまだ知見が大変少ない、人体への影響というのが、まだ検証結果が少ないということでありますので、もちろん私どもだけではなくて、環境省を含めて各省と相談しながら、そのような知見をしっかり集めて、少しでも不安がないように対応していきたいと思っております。

玉城委員 ありがとうございました。

 終わります。ニフェーデービタン。

武田委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社民党の照屋寛徳です。

 冒頭、外務、防衛の両大臣に所感を伺います。

 橋下徹大阪市長は、去る五月十三日、日本軍による従軍慰安婦の強制性を否定し、当時慰安婦が必要であったとか、在日米軍の司令官に会い、米兵の性のはけ口として風俗業の勧めをしたとの発言を行いました。

 膨大な米軍基地が存在し、米兵による卑劣な性犯罪、性暴力が多発する沖縄にあって、その温床になっている不平等、不公平な日米地位協定の改正や、米軍基地の整理縮小、撤去、米軍の規律の確立などを抜きにして、米兵の性のはけ口として風俗業の活用を勧める橋下大阪市長の発言に、沖縄の人たちは激しい怒りを表明しております。当然ながら、アメリカや国際社会からも強く批判をされております。

 両大臣は、米兵が風俗業の活用により性のはけ口を求めたら、沖縄における卑劣な米兵の性犯罪の防止につながると思うか、尋ねます。

岸田国務大臣 まず、お尋ねの発言につきまして、政府としてコメントする立場にはありませんが、一つ言えることは、内閣あるいは私とは、考え方、認識が違うということであります。

 その上で申し上げますが、政府としましては、米軍関係者による性犯罪等の事件、これは遺憾であり、本来起きてはならないものだと考えています。米側においても、本年二月、新しいリバティー制度の導入等の取り組みを行っておりますが、引き続きまして、関係者による不断の取り組みが必要であるという認識であります。

 政府としましても、CWTの枠組み等を通じて、米軍とともに、引き続き、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。

小野寺国務大臣 発言につきましては、外務大臣が申したとおりだと思っております。

 防衛省としましては、米軍関係者による性犯罪の発生は遺憾であり、本来起きてはならないものと考えておりますので、引き続き、その防止に向け、米側あるいは関係省庁と真剣に取り組んでまいります。

照屋委員 防衛大臣、先ほど玉城デニー議員から認可外保育園に対する防音工事の助成事業のあり方について質問がありましたが、私は、十年以上嘉手納基地爆音差しとめ等の弁護団をやっておりましたし、今も原告団なので、爆音の実態をよく知っています。すさまじいですよ。もちろん子供も、お年寄りも、大人も、特に病気の人は非常に深刻なんです。

 とりわけ、私は、公立保育所や認可保育園のみが防音工事助成の対象とされるのは、児童福祉法の精神に反し、本来平等に保護されるべき認可外保育園の子供の人権を否定するものだと思うんです。

 大臣御承知のように、沖縄は歴史的に認可外保育園が多いんです。私は、子供の保育という観点からも、ぜひ、速やかな調査を行い、具体的に二十六年度予算でこうしたい、そういう前向きな御答弁をいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 御指摘のように、私どもも沖縄の防衛局へ行きますと、今、嘉手納基地にすぐ隣接した場所にありますが、そこの騒音はかなり大きなものだということは認識をしております。

 御指摘がありました認可外の保育所の防音工事等のことについては、二十六年度の予算編成、概算要求までに所要の結論を得たいというふうに思っております。

照屋委員 小野寺大臣にお伺いをいたします。

 私は、普天間飛行場の辺野古移設には一貫して反対しており、辺野古新基地建設を前提とした埋立申請にも反対であります。

 沖縄防衛局は県に対して埋立申請を行っておりますが、沖縄県は埋立申請書の形式審査の中で、埋立用土砂の調達先の市町村名を六月十一日までに特定するよう補正指示を行いましたが、防衛省はこの県の補正指示に従いますか。

小野寺国務大臣 今御指摘がありました、埋立土砂についての埋立承認願書の取りまとめに当たって想定した採取場所等の内容を具体的に記載するなど、今、沖縄県から求められております。

 私どもとしては、沖縄県の要請に丁寧に対応して、理解が得られるように努力していきたいと思っています。

照屋委員 関連して、大臣、沖縄県は、埋立工事区域の平面図について、実測に基づき二千五百分の一以上の図面を提出するよう防衛省に求めておりますが、現地で実測の上、防衛省は図面を提出されますか。

小野寺国務大臣 御指摘がありましたように、沖縄県から、埋め立てに関する工事の施工区域の図面に関し、一部の図面について、縮尺八千分の一で表示されているものを、縮尺二千五百分の一で表示するように求められております。

 当該図面は、那覇の防衛施設局が実施した、当時でありますが、縮尺二千五百分の一の精度を有する測量結果をもとに、工事の施工区域をわかりやすく表示するために八千分の一で編集したということであります。測量自体は二千五百分の一という形で対応させていただいておりますので、沖縄県の求めに応じまして、二千五百分の一の縮尺で編集するということをさせていただきます。

照屋委員 最後に、きょうは警察庁にもお越しいただきましたが、去る五月十四日、米海軍佐世保基地所属の米兵二名による日本人女性に対する性的暴行事件が発生したようであります。現段階で判明している事実関係について、警察庁の答弁を求めます。

辻政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘のような報道がなされていることにつきましては承知をいたしておりますけれども、一般に、性犯罪に関しましては、被害者の意向等も踏まえつつ、その発生について公にすることに関しましては慎重を期しているところでございまして、お尋ねの件につきましては、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに存じます。

 なお、一般論として申し上げれば、性犯罪は被害者の尊厳を踏みにじる許すべからざる犯罪でありまして、警察といたしましては、その被害の申告を受けました場合には、所要の捜査を行い、法と証拠に基づきまして厳正に対処することといたしておるところでございます。

照屋委員 終わります。

武田委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時九分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時三十六分開議

武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 ただいま付託になりました内閣提出、自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。小野寺防衛大臣。

    ―――――――――――――

 自衛隊法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小野寺国務大臣 ただいま議題となりました自衛隊法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。

 外国における緊急事態に際して防衛大臣が行う在外邦人等の輸送について、当該輸送に際して同乗させることができる者の範囲を拡大し、及び当該輸送の手段として車両を加えるとともに、外国の領域において当該輸送の職務に従事する自衛官が、その職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命等の防護のためやむを得ない場合に武器を使用することができることとする等の必要があります。

 以上が、この法律案の提案理由であります。

 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。

 第一に、在外邦人等の輸送の実施に際して、防衛大臣が外務大臣と協議し、確認する事項を規定するとともに、防衛大臣は、当該輸送の職務に従事する自衛官に同行させる必要があると認められる者等を同乗させることができることとしております。

 第二に、在外邦人等の輸送は、航空機または船舶のほか、特に必要があると認められるときは、当該輸送に適する車両により行うことができることとしております。

 第三に、在外邦人等の輸送の職務に従事する自衛官は、当該輸送に用いる車両の所在する場所、当該車両による輸送の実施に必要な業務が行われる場所等においてその職務を行うに際し、その職務を行うに伴いその管理のもとに入った者の生命または身体の防護のための必要最小限の武器の使用ができることとしております。

 そのほか、関係法律の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。

武田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

武田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る二十八日火曜日午前十時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十八日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十八分散会


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