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第6号 平成17年4月8日(金曜日)

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平成十七年四月八日(金曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 小沢 鋭仁君

   理事 大野 松茂君 理事 桜井 郁三君

   理事 竹下  亘君 理事 西野あきら君

   理事 奥田  建君 理事 近藤 昭一君

   理事 肥田美代子君 理事 石田 祝稔君

      石崎  岳君    宇野  治君

      大前 繁雄君    加藤 勝信君

      城内  実君    小坂 憲次君

      佐藤  勉君    鈴木 淳司君

      砂田 圭佑君    津島 恭一君

      根本  匠君    能勢 和子君

      馳   浩君    鳩山 邦夫君

      松宮  勲君    御法川信英君

      荒井  聰君    泉  健太君

      佐藤謙一郎君    田島 一成君

      中川  治君    長浜 博行君

      松本  龍君    村井 宗明君

      山内おさむ君    吉田  泉君

      高木美智代君    土井たか子君

      山本喜代宏君

    …………………………………

   環境大臣         小池百合子君

   環境副大臣        高野 博師君

   経済産業大臣政務官    山本 明彦君

   環境大臣政務官      能勢 和子君

   政府参考人

   (内閣官房地域再生推進室長)           滑川 雅士君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局整備部長)         南部 明弘君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局次長) 杉山 篤史君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   南川 秀樹君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            田村 義雄君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  小島 敏郎君

   政府参考人

   (環境省環境管理局長)  小林  光君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  小野寺 浩君

   環境委員会専門員     遠山 政久君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月八日

 辞任         補欠選任

  加藤 勝信君     御法川信英君

  城内  実君     石崎  岳君

  小坂 憲次君     馳   浩君

  根本  匠君     佐藤  勉君

  船田  元君     津島 恭一君

  長浜 博行君     中川  治君

  松本  龍君     山内おさむ君

  村井 宗明君     泉  健太君

  土井たか子君     山本喜代宏君

同日

 辞任         補欠選任

  石崎  岳君     城内  実君

  佐藤  勉君     根本  匠君

  津島 恭一君     船田  元君

  馳   浩君     小坂 憲次君

  御法川信英君     加藤 勝信君

  泉  健太君     村井 宗明君

  中川  治君     長浜 博行君

  山内おさむ君     松本  龍君

  山本喜代宏君     土井たか子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六七号)

 浄化槽法の一部を改正する法律案起草の件

 環境保全の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

小沢委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案に対する質疑は、去る五日既に終局いたしております。

 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小沢委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、大野松茂君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。吉田泉君。

吉田(泉)委員 民主党の吉田泉です。

 私は、ただいま議決されました廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 必要な廃棄物処理施設の確保のため、公共関与による施設整備の促進などを含め、国民の理解を得ながら安心できる施設整備を図るとともに、必要な財政的措置を講ずるよう努めること。特に首都圏、近畿圏の廃棄物については、域内でできる限り処理が行われるよう、必要な処理施設の整備を推進すること。

 二 産業廃棄物の不適正処理事案に迅速に対応するため、電子マニフェストの義務化も視野に入れつつその普及拡大をする方策を検討すること。また、利用者に対するインセンティブの付与、公共工事等における電子マニフェストの活用促進、モデル事業の計画的実施などを含む普及拡大策を早急かつ積極的に実施すること。

 三 廃棄物処理市場の健全化を図るため、処理業者の人材育成、優良性の判断に係る評価基準に適合した処理業者に係る情報公開システムの拡充、排出事業者による公開情報の積極的活用の働きかけ等による優良業者の育成を進めるとともに、積極的かつ厳正な行政処分と違反者に対する罰則の厳格な適用により不適格業者の市場からの撤退を促すこと。

 四 産業廃棄物の不法投棄が悪質巧妙化かつ大規模化する現状にかんがみ、その未然防止のため、住民等からの通報等に迅速に対応し得る体制の整備に向け地方公共団体に対し助言など必要な支援を積極的に行うこと。

 五 地方公共団体における廃棄物行政の適正かつ円滑な執行を図るため、その人材育成に努めるとともに、関係行政機関との緊密な連携を推進すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

小沢委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小沢委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小池環境大臣。

小池国務大臣 ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力する所存でございます。

    ―――――――――――――

小沢委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

小沢委員長 次に、環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房地域再生推進室長滑川雅士君、農林水産省農村振興局整備部長南部明弘君、国土交通省鉄道局次長杉山篤史君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長南川秀樹君、環境省総合環境政策局長田村義雄君、環境省地球環境局長小島敏郎君、環境省環境管理局長小林光君及び環境省自然環境局長小野寺浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。荒井聰君。

荒井委員 民主党の荒井聰でございます。

 本論の私の聞きたいことの前に、前委員会で産業廃棄物の処理の法案の審査の際に、同僚議員の方から、電子マニフェストの即時義務化ということをするべきではないかという質問に対して、それは大変難しいんだという話で終わっているんですけれども、しかし、補完的な措置なりあるいは何らかの義務づけに準ずるような、そういうことが必要なのではないかというふうに思われるんですけれども、その点、もう一度徹底した環境省としての御見解をいただきたいと思います。

南川政府参考人 産業廃棄物処理の実態把握を正確かつ迅速に行えるような仕組みを構築することは極めて大事だと認識をいたしております。

 環境省といたしましては、まず、電子マニフェストの普及促進策を強化すること、これに加えまして、電子マニフェスト情報を管理する情報処理センターにおきまして、処理業者などが紙マニフェスト情報を電子化して提出した場合には、これと電子マニフェスト情報を統合して都道府県などへの電子報告を行う仕組みについて検討を行っているところでございます。

 こうした仕組みにつきまして、可能な分野から平成十八年度じゅうに導入することを目指しておりまして、これにより産業廃棄物処理の透明化の促進に努めてまいりたいと考えております。

荒井委員 ぜひ迅速な義務化ということを、法律に伴うような法制度として、しっかりとした制度の構築を早急に行うべきだということを要望してこの話は終えます。

 今回、私、環境行政というものをずっと調べてみるというか調査をしてみました。実に幅の広いのが環境行政だなというふうに思います。しかし、その幅の広い環境行政が、ともすると理想とか理念とか、あるいは一部のボランティアの人たちに頼っているというか、そういうところが多過ぎて、本当の意味の太い柱になり切っていないのではないか。そのなり切っていない主な要因というのは何なのだろうかということを考えてみましたところ、しっかりとした地域政策なり地域行政との連携といいますか、そういうものがまだまだ希薄だという、これは、環境省自体が新しい省庁ということもあるのだと思いますけれども、そういう点が一つ。それからもう一つは、すべての人間の活動というのは経済活動に由来している部門が大変多くて、理想とか理念に頼っていてもなかなか長続きしないというのが現実だと思うんですね。

 そういう意味で、環境行政が、経済活動、経済政策、産業政策とどういう形で結び合っていくのか、そこのところのしっかりとした考え方というのが大変大切なのではないかというふうに私は思います。

 そこで、きょうは地域政策なりあるいは産業政策の側面から環境行政を幾つか質問をしてみたいというふうに思っています。

 地域政策の一つの例として、最近よく新聞に出ますし、また、環境省が一番関心を持つというか一番大きなテーマは、恐らく知床の世界遺産の指定なんだろうというふうに思います。そこで、北海道の東側、道東地域と言われているんですけれども、そこの地域についての地域政策と絡んで、環境政策がどういう形でなされているのかなされていないのかとか、そういう点について、少しそこに絞って前半は質問をしたいというふうに思います。

 ところで、知床の世界遺産の指定について、現状は、今どんなような状況なんでしょうか。そこをちょっとお聞かせいただけますか。

小野寺政府参考人 世界遺産、ことしの一月に知床を世界遺産委員会に日本の候補地として推薦をいたしております。その後、世界遺産委員会から、特に海域の保護についてどうであるかということが来まして、現地の北海道庁、斜里町、漁協を中心とした地域の団体と協議をいたしまして、保全のための管理の計画というのをつくって遺産委員会に出すということになっておりますので、その回答をつくって、三月末に遺産委員会に報告したところでございます。

 これを受けて、世界遺産委員会の専門的調査機関であります世界自然保護連合、IUCNが今審査をしておりまして、この結果が恐らく五月ぐらいにはまとまって、世界遺産委員会に報告されるという手順でございます。それを受けて、七月に世界遺産委員会が開かれまして、その登録の決定の可否が問われるというのが今の状況でございます。

荒井委員 新聞報道なりあるいは地元で流れている情報によりますと、漁業者も随分協力をしている、あるいは北海道庁や関係省庁も大変な協力をしているということで、非常に前向きな方向にあるんだろうというふうにとらえられているわけなんですけれども。

 ところで、これが指定をされた場合に、どういうようなことが地域の市民あるいは地域の行政に、あるいは北海道庁という地方自治体に、何を期待をするのか、あるいはどういう関係のコーディネート組織をつくっていくのか、そういう点については準備が進んでいるんでしょうか。いかがでしょうか。

小野寺政府参考人 世界遺産というのが、非常に世界的にすぐれた自然を、価値をはっきりさせるということと同時に、その登録された地域が将来にわたって確実に保全されていくということが要件、目的となっております。

 そのため、世界遺産委員会からは、保全のための管理の計画というのをちゃんとつくって出しなさいということになっておりまして、その計画の案は既に日本政府から届けているところでございます。保全を確実にするためには、保全のための計画をつくるだけではなくて、国はその責任を果たすのはもちろんでありますけれども、関係自治体、漁協、観光業界、住民も含めた一体的な体制をどうつくっていくかということが極めて大きなテーマであり、また責任であるというふうに考えております。

 知床の場合は、既に十五年の十月に地域協議会というのを、今申し上げました関係業界、とりわけ漁協あるいはエコツーリズム協議会みたいなものも含めて、つくって、管理及び保全のための検討をしているところでありますし、また、自然環境ですので、専門的な考え方をどう整理するかというのが極めて重要であります。専門家を含めた科学委員会でそれらも含めて検討をしているところでございます。

 七月に、登録されることがまず第一だというふうに思っておりますが、登録された場合に備えて、今申し上げましたようないろいろな体制をより充実させる方向で我々としても努力してまいりたいというふうに考えております。

荒井委員 知床という地域は羅臼町という町と斜里町という二つの町にあるんですけれども、その斜里町の方に、従来から、知床の自然を守るためにということで斜里町独自に財団法人をつくっているんですね。その財団法人が知床の自然保護をずっとやってきているんですけれども、しかし、小さな町でありますし、小さな町単位の財団法人ですから、とても世界遺産を引き受けるというか、それをコーディネートできるだけの組織力も資金力もないと思うんですね。

 そこで、今、そこの地域の人たちを中心に、もっと大型の、できれば全国レベルの、知床の自然を守るための財団法人化をしようというような動きもあるというふうに聞いていまして、一町村だけに頼るような自然保護というのは多分限界だろうと私は思いますので、そういう動きというのはぜひウオッチをして、あるいはサポートしていく、そういうことが大切なのではないかなというふうに思います。

 そういう意味で、知床の世界遺産を守るためにその地域住民をどういうふうに組織化していくか、地域をどういうふうにサポート体制を組んでいくのかということは、市町村行政も含めた大変大きなトライだと思いますので、ぜひ、さまざまな、ある意味でのビジネスモデルをこの地域でつくってもらえればなというふうに思っています。

 ところで、こういう自然を守るためには、なるべく自動車が、車が入らないようにということが大事だと思うんですね。

 そこで、モータリゼーションの考え方、環境保全とモータリゼーションとの考え方というのは、どういう基本的な考え方をしておられるのか。特に最近、JRが国鉄からJRになるときに採算の合わない地域、この採算の合わない地域というのは自然環境が非常にすぐれた地域でもあるんですけれども、そこの鉄道が民営化されたJRではなかなか引き受けられないということで廃線になっていく、あるいは第三セクターで引き受けていく。しかし、民営化となって二十年ぐらいたつんでしょうか、第三セクターも市町村財政の非常に厳しい財政状況を受けて次々と経営が厳しくなっていく。私は、これは環境行政と真っ向から相反するんではないかと。

 環境の面から見れば、モータリゼーションを抑えてこういう地方鉄道を振興させていくというのが本来だと思うんですけれども、その点、環境省と国土交通省との間ではどういうような話し合いが行われているのかなと。モータリゼーション全体について、環境面から見て、考え方というのを一度聞かせていただきたいと思います。

小林政府参考人 モータリゼーションと環境保全との考え方、こういうことでございます。

 モータリゼーションといいますと、一番影響がございますのは大気汚染の観点でございますので、一例でそれを申し上げたいと思いますが、昭和四十九年以来、大気汚染の現況となりますような一番問題にされておりますのは、ディーゼルトラックでございます。この規制というのを私ども九回ほど行ってきておりまして、一台ごとの規制としては、排ガス量が八六%ぐらいカットしているというところでございます。他方、その三十年間に交通量が実は二・四倍ほどふえておりまして、その規制の効果というものが相当相殺、減殺されているというのが現実でございます。

 そういうことでございますので、一台ずつの規制も一生懸命やるわけでございますけれども、交通量を減らす方法、あるいは、例えばそこで言いますと、今御指摘のありましたモーダルシフトといいますか、鉄道、船舶、そういったものを活用すること、あるいは物流の合理化、こういったようなことが重要だというふうに認識しておりまして、そうした方針が、いろいろ、例えば環境基本計画とか、これは国土交通省と政府が一体となって進める大きな政策方針の文書に位置づけられているというのが現状でございます。

杉山政府参考人 ただいま御指摘にございましたように、鉄道というのは、一般的には、大変私どもも環境面ですぐれた交通機関であるというぐあいには認識しているところでございます。そのような見地から、私どもといたしましても、その整備あるいは施設の近代化といったことにつきまして、いろいろな支援措置を講じてきているところでございます。

 ただ、一方で、大変利用者が減少し、その存続が危ぶまれているという路線もあるわけでございますので、やはり鉄道を、鉄道というのはやはり事業経営として成り立っていかなければいけないわけでございますので、その存続のためには、利用者が地域の足として鉄道を選択していただくということによりまして鉄道が維持されていくということが望ましい形態ではないかと考えております。

 したがいまして、第三セクター鉄道につきましても、沿線の多くの住民の皆様が利用していただくことによりまして、その鉄道が維持され、そして環境面にも資することになるということが大変望ましいことではないかというぐあいに考えております。

荒井委員 各第三セクターでやっている鉄道の経営が大変困難になっているというのは、第三セクターがやっているから赤字化している、そういう要因も大変多いと思うんですね。第三セクターというのは、本来の意味の経営能力、厳しい経営能力というのは、私は、その能力に大変欠けているんだと思うんです。もっとこういう第三セクターの経営について、厳しい審査というか、あるいは指導というのをぜひ行っていくべきだ、あるいは民間企業に払い下げをしていく、あるいは民間のノウハウをどういうふうにこの第三セクターの、特に公共交通のこういう事業には必要なのかというようなことについては、ぜひ国土交通省がもっと先頭に立って指導していくべきではないかなというふうに思います。これは私からの指摘にとどめておきます。

 ところで、この地域でもう一つ大変おもしろい試みが行われているんですけれども、この地域のすぐ隣に別海町という町があります。この別海町でヒトデが大量に発生をしているんですね。ヒトデが漁業資源を大変荒らしているということで、このヒトデ対策をどうするのかということが大きな地域の問題として起きております。これは北海道庁も新しい技術の展開の中で助成をしたり研究をしたりして、一民間人が中心になりまして、大量にヒトデを肥料化する技術を開発して、かなりそれがうまくいっているという話を聞いております。人手は十分あるんですけれども。

 そういう技術が、今、小池大臣も沖縄北方の担当大臣でありますし、私も沖縄北方特別委員会の委員長をさせてもらっていますけれども、サンゴを守るということで、沖縄のヒトデ問題というのは大変大きな問題とされているわけですね。聞きますと、沖縄のヒトデを人手でとって、それこそ人手が足りなくなるんですけれども、とって、それを焼却している例が多いというんですけれども、それでは、人の善意に頼っている、あるいは予算だけで限界が来てしまう。やはりどこかで経済活動と結びついていないとだめなんですね。肥料化をしていく、そういう事業を起こしていく、企業を起こしていくということと密接なつながりがつくれるならば、ヒトデ一匹何円という買い上げが行われて事業化をしていくと。しかも、できた製品は肥料として、あるいは一部の、アブラムシとかそういうものを忌避する、ヒトデの中にそういう物質が含まれているようですけれども、そういう作用があるということで、農薬にも利用できる、そういうレポートもあるんですね。

 私は、環境省という省庁は、そういう多面的な技術というものをきちっと集約して、それを必要なところにきちっと情報開示をしていく、情報通知をしていく、そういう役割が大変大きいと思うんですけれども、環境省は情報を熟知していたでしょうか。そのあたり、聞かせてください。

小野寺政府参考人 沖縄のオニヒトデにつきましては、環境省では、平成十四年度から内閣府、沖縄県の協力を得て各種対策を実施してきているところでございます。この一環としてオニヒトデの分布調査、駆除効果の検討なども行ってきておりますが、この中で、平成十六年に、委員御指摘の道東における事例等を参考として、駆除したオニヒトデの肥料化による有効利用についても既に検討を行っているところでございます。

 その十六年の結果は、肥料化については技術的に一定の可能性が認められると我々としては判断しております。なお、次の実現化に向けて、十七年度も引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。

荒井委員 これは肥料とか農薬とか、あるいは海から出てくる産物をどういうふうに利活用していくのかという技術ですから、農林省の中にもそういう技術、ノウハウがあるんじゃないかと思うんですけれども、そのあたり、いかがでしょうか。

南部政府参考人 オニヒトデの肥料化ということでございます。

 過去にヒトデを使った肥料の登録が数件あったというふうには聞いておりますけれども、まだオニヒトデにつきましてはちょっと承知していないところでございますが、農林省といたしましては、地域のバイオマス資源を、エネルギーでありますとか、いろいろな材料、それから製品、当然肥料も含みますけれども、に変換して循環利用する総合的な利活用システムというようなものを構築する地域の主体的な取り組みというものに対しまして、今年度より、バイオマスの環づくり交付金ということで支援を開始いたしております。

 オニヒトデの肥料化ということにつきましては、このオニヒトデを含みます、地域でどのようなバイオマス資源が賦存しているかというような状況でございますとか、肥料への変換の可能性でありますとか、その出てきた製品なり、そういうようなものの利活用の計画というようなものを確認しました上で、本バイオマスの環づくり交付金というものの適用を検討していくというようなことになるのではないかと考えております。

荒井委員 農林省はそういう技術をお持ちでしょうし、また補助制度も、そういう補助制度を整備しつつあるというふうにも聞いていますので、生物環境を守るためのそういうものをぜひ積極的に農林省もやってもらいたいなということを要請させていただきます。

 ところで、先ほども冒頭、私、話をしましたけれども、地域政策の面と、もう一つ、産業政策の面をしっかり踏まえた形での環境政策をしないと大きな流れにならないという話をさせてもらいました。環境保全技術というか環境関係技術というのは、私は、物すごく大きなマーケットが存在をしているんではないかというふうに思います。

 そこで、経済産業省にお聞きしたいんですけれども、一九六〇年代の後半から一九七〇年代の前半にかけて、我が国は水質汚濁ですとか大気汚染という公害に大変悩まされて、その結果、幾つかの法案の整備をやってきたわけであります。当時の産業界でも、それがコストにはね返って競争力が落ちるということを心配する経済界の声も大変強かったんですけれども、この大気汚染防止法とか水質汚濁防止法とか、そういう法律が、結果的には新しい技術を生み出して、環境関係産業とまでは言えないかもしれませんけれども、そういうものをつくり出していったと思うんですね。そのあたりの評価というのを経済産業省はどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

    〔委員長退席、肥田委員長代理着席〕

山本(明)大臣政務官 経済産業大臣政務官の山本ですけれども、委員の質問にお答えをしたいというふうに思います。

 今委員からお話がございましたように、まさに一九六〇年代から七〇年代にかけて、水質汚濁だとか大気汚染の公害問題というのは我が国で大変大きな問題になったところでありますけれども、そういったところで、私どもといたしましても、汚染源の規制は当然でありますけれども、公害設備に対する資金援助、そしてまた公害対策に対する技術面での資金援助、こういったものに力を注いできたわけでありまして、私どもとしては、一九八〇年ぐらいには危機的な状況というのは排除できたのではないかというふうに思っています。

 数字でちょっと申し上げたいと思いますけれども、硫黄酸化物と窒素酸化物で申し上げたいと思いますが、この排煙設備なんですが、硫黄酸化物でいきますと、四十年代では百基ぐらいしか処理装置がなかったわけですけれども、今言った八〇年ぐらいになりますと約千基ぐらいになりまして、大変ふえました。処理能力も、昭和四十五年ごろには五百万立米N・パー・アワーであったものが、今言った一九八〇年ごろには一億立米まで上がってきたということでありまして、大変基数もふえましたし、処理能力も上がってきた。窒素酸化物も同じように大変能力も基数も上がってきておる、こういうようなことで、危機的な状況は八〇年代に脱することができた、こんなふうに考えておるところであります。

 そして、産業がどうかということでありますけれども、この公害防止対策に対する設備投資ですけれども、一九六五年には設備投資が全設備投資の一・九%しかありませんでしたが、一九七五年には一六・一%まで上がったということでありまして、産業界も非常に多くのコストアップにつながったことにはなるわけでありますけれども、先ほど委員も御指摘がありましたように、公害防止装置産業としては大変発展をしてきたということがありますし、そしてまた、できてきた製品におきましても、電気製品だとか、自動車もそうでありますけれども、まさに世界に冠たる省エネ製品ができてきたわけでありますので、そういった意味で、結果的には日本はこの規制だとか援助によって産業が非常に発展をしてきた、こんなふうに考えております。

荒井委員 同じ質問を環境大臣にも答弁していただきたいんですけれども。副大臣ですか。

田村政府参考人 ただいま経済産業省から御説明ございましたように、私どもとしても、ほぼ同様の認識を持っております。

 七〇年代におきまして、特に水質あるいは大気などに係ります公害関係法制の整備に伴いまして、その規制の実施等によりまして、我が国の環境保全技術は大きく発展したと認識をしておりますし、その後も、さまざまな規制の実施などに伴いまして、あわせてさまざまな技術開発がなされたわけでございまして、我が国の環境産業、環境ビジネスも着実に発展しております。環境ビジネス、当然、経済を活性化させるとともに雇用も生み出しているわけでございますから、私どももそのように認識をしております。

 例えば自動車排出ガス等の分野を見ましても、七八年の規制以降、常に世界最高水準のいわば厳しい規制を行ってきたわけでございまして、自動車メーカーの技術革新を促しておりますし、また、御承知のように、世界市場におきます日本の自動車産業の躍進に大きく貢献したものと考えられております。

 今後とも、こうした視点に立ちまして、さまざまな施策を進めてまいりたい、そのように考えております。

荒井委員 次の質問とあわせて大臣からお答えをいただきたいんですけれども、京都プロトコールが発効して、いよいよ炭酸ガスを中心とする温室効果ガスを抑制しなきゃならないということが、我が国の条約上の約束、国際約束でありますから、それを進めていかなければならない。これは環境省としては積極的に進めるということなんでしょうけれども、私は、経済産業省としてはやはり経済界の意向もあってなかなかそこに踏み切れないというところがあるのではないかと思うんです。

 先ほど、六〇年代後半から七〇年代にかけて、あの厳しい抑制の中で新しい産業なりあるいは新しい技術が開発されていったという事例を踏まえるならば、私は、このCOP2の削減の技術、新しい技術、新しい産業というのも、この京都プロトコールを契機にして、我が国の大きな政策として進めていくべきではないかというふうに考えるんですけれども、そのあたりを含めて、大臣、いかがですか。

小池国務大臣 先ほどは環境全体ということの御質問であったかと思います。

 環境全体で言うならば、七〇年代、さまざまな公害問題を経験してきた、その裏側には高度成長という経済優先の時代があったということだと思います。また七〇年代は、同時に、二度のオイルショックを経験した、そういった公害問題でどうするのかというと、ともに省エネ対策をどうするのかということが非常に危機感を日本じゅうで共有した時期であったと思います。

 それが結果的にも、環境産業、環境技術というのを着実に伸ばしていって、それが世界における日本のマーケットシェアも伸ばしてきた、そういう連続であったと思います。それは、公害問題もそうですけれども、石油価格の急激な上昇ということが危機感につながった。

 今回、京都議定書が発効をされ、そして、地球温暖化という大きなテーマが我々の目の前に突きつけられているわけでありますけれども、この地球温暖化対策の技術も、これをまた契機としてさらに伸ばせるというふうに私自身も思っております。

 また同時に、中環審の環境部会においてもその点は御議論されておりますので、後に副大臣の方からも加えさせていただこうと思いますけれども、いずれにいたしましても、この京都議定書の発効、そしてまた、そこで我が国が果たさなければならない役割というのが、七〇年代における石油価格の上昇と同様な、もしくはそれ以上の大きな追い風といいましょうか、後押しといいましょうか、そういったことにつながっていくことが、結果として我が国の環境産業をさらに伸ばしていくことにつながるのではないか、そのように思っているところでございます。

 中環審などでの今の審議状況などについては副大臣からお答えさせていただこうと思いますが、よろしいでしょうか。

荒井委員 私は、今大臣が御説明をされたとおりだと思うんですよね。ここは、私たちの国の命運がある意味ではかかっているところで、ぜひ、環境省と経済産業省との間というのはしっかりとした話し合いをして、環境税というものをどういうふうに考えていくのかということをしっかり考えるべきだと思うんですね。

 ところで、これは事務方でいいんですけれども、京都プロトコールが発効して達成ができなくなる、今はそういう見通しの方が強いんですけれども、削減率の達成ができなくなると、京都メカニズムを発効して排出権を他国から買ってくるということをやらざるを得ないというのが現実だと思うんですけれども、これは、もしも推計があるとすればお答えをいただきたいんですけれども、会計の一%分買うとするとどのぐらいの経費になるのか。さらには、その経費はどこから出そうとしているのか。今のところ答えにくいんでしょうけれども、そういう点に関して検討した経緯があるならば教えていただけますか。

小島政府参考人 京都メカニズムの活用につきましては、京都議定書が発効したということで、我が国だけではなくてEUの方もその獲得ということで競争が始まっているというふうに認識しています。

 この分野ではオランダがかなり進めておりまして、オランダは国の方でクレジットを買ってくる、こういうようなことをしております。トン当たり千円前後というのが今の状況でございます。ちょっと今まだ算数で掛けておりませんが……(荒井委員「トン二千円」と呼ぶ)はい、トン当たり千円前後ということでございますが、それは現在のことでございますので、これからは需要と供給の関係ということで値段というものが決まってくるということでもありますし、今の状態はまだCDM理事会とかそういうところを通っていない段階ですから、どういうものがいわゆる品質の高いクレジットであるのかというようなことも値段の決定に影響を及ぼしてくるというふうに思っております。

 財源については、どこから出してくるかというのは、これから、毎年度のこれは予算要求のことでございますので、私どもも早急にその対応をしなきゃいけないと思っておりますが、要求のプロセスの中で、財務省ともあるいは関係方面とも御相談をしながらやっていきたいと思っております。五年間で約一億トン、一・六%を考えておりますが、それは日本が獲得をしなければいけないトン数にしますと、CO2で一億トンというものでございます。

    〔肥田委員長代理退席、委員長着席〕

荒井委員 今の財源のところなんですけれども、それは政府の予算、税で対応するということを前提にした説明の仕方だと思うんですけれども、それでいいんですか。

小島政府参考人 CDM、JIは、事業自体は民間企業が行うものでございますけれども、それを国の削減の方にカウントするためには政府の口座に移していかなければなりません。民間企業がただでお国に供出をしていただければいいわけでございますけれども、大きな部分はそういうことにはならないだろうと思いますから、政府がそれを取得するためにその対価が必要ではないかというふうに思っております。

荒井委員 私は、環境税というのはやはり必要だというふうに思って、前回からそういう趣旨の質問をしております。

 一つは、きょう経済産業省に来ていただいたのは、経済産業省ともう少し突っ込んだ議論をしてほしいと。

 それで、経済産業省には、これは私の経験なんですけれども、かつて介護保険というのをつくりました、あのときも経済産業省が大反対をいたしました。それは、会社が負担するから、負担部分があるから、自己負担部分の半分は会社が持つわけですから、経団連を中心とした経済界、そして当時の経産省は反対をしたわけです。

 そのとき私が申し上げましたのは、約四兆円のマーケットがそこでできるんですね。四兆円のマーケットをつくるのに、経済界は一兆円の負担で四兆円のマーケットができると。今から十年以上前ですから、あの経済状況の大変悪いときに一兆円の負担で四倍のマーケットをつくることができ、そしてそれに基づき雇用が拡大されていく、これに反対する経済人の考え方はわからないという話で、経産省と随分やり合った覚えがございます。最後は、経団連は納得していただきました。

 今度の京都議定書が発効することによる炭酸ガス削減について、環境税の問題というのがデッドロックに乗り上げているような感じでなかなか難しいという状況なんですけれども、私は、大局的な観点で、経済界自身が新しいマーケットをつくっていくんだ、新しい技術をつくっていくんだ、そういう考え方に立つべきだというふうに思います。

 そこで、今の環境税というのは、どうも抑制の方ばかり、環境税をつくることによって炭酸ガスの抑制ができるんだというところにばかり主眼があって、税というのは、その徴収した税を何に使うのか、何に使うために徴収するんだというのが税の本来だと思うんですけれども、このあたりの環境税の基本的な考え方というのは、僕はちょっと納得できないところがあるんですけれども、そこをだれか。環境省、どうですか。

高野副大臣 環境税について委員が大変御理解をしていただいていることに感謝したいと思います。

 もう御存じだと思いますが、環境税は、排出量に応じて企業とか国民が負担をするという税制でありますので、もう御存じのとおり、三つ、価格インセンティブとかあるいはアナウンスメント効果とかあるいは財源効果というのが期待されるわけでありますが、その財源効果については、その税で新しいエネルギー開発あるいは省エネの技術を開発する、あるいは森林吸収源対策に使う、あるいは環境教育にも使うというような使い方があると思います。

 今、京都議定書目標達成計画案の中にも、環境税については「真摯に総合的な検討を進めていくべき課題」というふうに盛り込まれておりますが、さまざまな議論がありまして、国際競争力が低下するんではないかとかいうような、あるいは環境税を導入しなくてもこの目標は達成できるというような議論もありますけれども、環境税は、我々の試算ではGDPに与える影響もそんなに大きくはないということもありますし、国際競争力、産業空洞化云々ということについては、これはむしろ新しい市場を求めていくとか安い労働力というような観点から起こるのであって、環境税を導入したから産業空洞化が起こるというようなことはまずないだろうというふうに私も見ております。

 世論も、調査によれば好意的な理解を示しているということもありますので、私は、委員がおっしゃるように短期的な企業の論理でこれに反対するのではなくて、もっと長期的な、大局的な立場に立った上で、企業の論理を乗り越えて環境税の導入ということが必要ではないかと思っておりますので、委員の御協力をぜひお願いしたいと思います。

荒井委員 企業の論理からいっても、最近、企業のイメージを高めていく、あるいは企業価値を高めていくという、そういう観点から、環境にどのぐらい貢献をしているのか、社会的な貢献をしているのかという、私は企業価値を高めていくんだろうというふうに思いますね。

 それから、環境税を何に使っていくのかということをもう少ししっかり環境省、考えられた方がいいと思うんですね。これは経産省の知恵をかりたらいいと思うんですけれども。

 それは、今、新しい社会、新しい仕組み、省エネ型のあるいは省炭酸ガス排出型の社会をこれからつくらなきゃならないというときに一番何が必要なのかというと、やはり新しい技術ですよ。その新しい技術開発に、炭酸ガスを排出している今の企業の資金力だけでそれを開発していくというのは、私はやはり難しいんだろうと思うんです。そこで、この環境税で集めたような資金をそういう研究開発に集中的に投資していく。ばらまきが一番だめですよね。集中をしていく、そして新しい技術を伴った産業をつくっていくということを、環境省が率先して陣頭に立つべきだ、そういうふうに思っております。

 時間が来ましたから、最後にこの点に関して、小池大臣の決意を込めた答弁をお願いいたします。

小池国務大臣 京都議定書の六%削減約束を確実にするという点では、国民の意識の改革といったようなモラルの部分と、それから、科学技術の促進によっての着実な目標達成の道と、二本あると思うんですね。

 今の税収をどのように使うのかという点につきましては、おっしゃるとおり、技術の開発の促進、そしてその普及を図る、それをもって京都議定書の目標の達成を図っていくということが、我が国の国際的な競争力並びに企業の社会的責任を満たす、この両面でもプラスになるのではないか、このように考えておりますので、しっかりPRを重ねていきたいと思っております。

荒井委員 以上で終わります。

小沢委員長 次に、中川治君。

中川(治)委員 民主党の中川でございます。

 私は日ごろは国土交通委員会に所属をしております。たしか、ちょうどことしは国土交通委員会も下水道法の一部改正案というのが出ておりまして、環境委員会の方では議員立法で浄化槽法の改正案が出ているということで、両方で質問をする機会があって、これは非常によかったな、そんなふうに思っております。

 去年の決算委員会でしたか、一度浄化槽の問題について質問をさせていただきました。今回の浄化槽法のねらいというのは、やはり二つあると思います。

 一つは、やはり水質基準をきちっとやる、現実の追認という意味がほとんど多いと思います。現在BOD二〇以上で設置をしているというところはほとんどないというふうに思っておるんですけれども、一応法的には九〇以下ということになっておりますので、二〇以下ということできちっと法律で決めていこう、こういうのが一つの趣旨だというふうに思っております。

 しかし、もうほとんど二〇以下の浄化槽がついておるという現状の中で、改めてこの二〇というふうに決めるということで、ある意味では若干心配もございます。

 例えば、BOD二とか三とか、私は大阪の和泉市というところに住んでおりますけれども、一番山奥の川に行きますとBOD〇ないし一という水質のところもあります。そういう意味では、二〇と決めて、そういう清流の横でも二〇でええんかいな、そんな思いがしておりますけれども、これについてはどうでございましょうか。少しマニアックな質問ですので、部長さん、助け船を出していただいても結構です。

南川政府参考人 浄化槽設置の方が安い上に、地形に関係なく短期間に設置できる、そういった施設でございます。また、生活排水を発生源で処理しまして身近な河川、それこそ目の前の側溝や小川に放流します関係から、水量も確保されて清流の回復にも貢献するといったものでございます。

 浄化槽から出ますと、家屋近くの側溝においても自然浄化能力が活用できます。そこにおいて放流された水質よりも五割から八割程度も汚濁負荷が軽減する、そういったデータもあるわけでございます。さらに、それから河川に入れますればBOD濃度は低くなりますし、土壌でも浄化が期待できるというふうに考えているところでございます。

 量的にも、浄化槽からの排水量は河川の雨量に比べれば圧倒的に小さいわけでございまして、たとえ非常にきれいなところに出たとしても影響は小さいものと思っておりまして、一律二〇ppm以下としましても、水質保全上は十分意味があると考えております。

中川(治)委員 十分意味があるということはよく承知をしているんですけれども、ゼロあるいは一ないし二、三というようなところに、大量に流れている川であれば少量のBOD二〇の排水を流しても大丈夫だ、それに行き着くまでにきれいになりまんがな、こういうことですので、確かにそういう面もあるんですけれども、生活排水で河川や地下水を汚染しないという基本的な原則に立って言えば、やはり二〇ではなくて、より高い基準の浄化槽を採用するということを積極的に推進するということがぜひ必要ではないのかな。特に、沼や湖や、あるいは閉鎖性水域というんですか、東京湾、伊勢湾、大阪湾あるいは瀬戸内のところについては、高度処理型の浄化槽の導入ということも私は大いに必要だと思いますけれども、この基準については今のところどうなっていますか。簡単に。

南川政府参考人 御指摘のとおり、指定湖沼あるいは水源地域、閉鎖性海域、そういったところでは他の水域に比べまして水質保全の要請が極めて強いわけでございます。浄化槽、通常は二〇ppm以下のものが多いわけでございますが、窒素や燐を高度に処理できるものもございます。また、BODでいえば五ppm以下という高度に除去できるものもあるわけでございまして、これらにつきましては、こうした地域において高度処理の浄化槽の整備が進みますように、より高い補助基準額というものを設定しているところでございます。

中川(治)委員 例えば膜処理というのはBOD五とか二とか三とか。膜処理型の高度処理型の浄化槽の場合は、普通は五人槽で一基九十万円程度というところが、大体二割ないし三割ぐらい高い。百十万から百二十万円ぐらい。これはまけてかな。だから百二、三十万するんじゃないか、こういうことですけれども、この場合は、補助単価は高度処理型も一般の浄化槽も同じですか。

南川政府参考人 五人槽で説明をさせていただきますと、通常の浄化槽は補助単価が約九十万でございますが、膜処理を含みますBOD除去の高度処理型でございますと約百十万ということで、二割程度高く設定いたしております。

中川(治)委員 そうしますと、市町村設置型でいきますと九十万円。これは設置をするのは市町村ですから、高度処理型の導入というのは、やってもいいし、やらなくてもいい、こういうことなんですよね。やる方がよいと。やる方がよいけれども、義務ではない、こういうのが今の現状でありまして、それで果たして大阪湾、東京湾、伊勢湾等々は大丈夫なんだろうかと。

 ところが、五人槽でいきますと一基九十万円。これでいきますと、設置をする市町村の負担というのは大体十七万円ぐらいなんですね、割合を計算しますと。ところが、百十万円になりますと市町村の負担というのが二十万円を超える。二十二、三万になるんじゃないのかな。要するに、市町村設置型ですから、市町村の負担がふえるようなものを大いにやりなさいとは言わない。このごろは市町村も金がないですから、安く済むんだったら普通のやつでええがなということで。水をきれいにせないかぬ、上流はもっときれいやからきれいな浄化槽をやりましょうというたって、市長は、ああ、環境課長何言うてんねん、おまえ、今の懐知ってんのか、こういう話になるんですね。もちろん国も足らんのですけれども。

 それで、せめて高度処理を導入した場合、特に長野県やとか、あちこちで今やっておられると思います。山形県か岩手県の町で、町長さんが町全体を挙げてやろうというようなところもあったように聞いております。そういうところについては、せめて下水道事業と同じ二分の一補助というふうに私はやるべきではないのかなと。環境省がやりますと言うて、ほかの省が認められるかどうかは別にして、少なくともやはりそういう趣旨で意気込みを示していただきたい、そんなふうに思いますけれども。

南川政府参考人 指定湖沼を抱える自治体あるいは閉鎖性水域に接する自治体、これにつきましては、高度処理浄化槽の整備促進のための施策の充実の要望が大変強いわけでございます。先生御指摘の点も含めまして、一層の促進策について検討してまいりたいと思います。

中川(治)委員 ぜひ強気で検討していただきたい、そのことをぜひお願いしておきたいと思います。

 もう一つは、この法律の中で、特に維持管理体制といいますか、浄化槽の維持管理体制を強化しようということが非常に大きな目標の一つになっておるというふうに思います。

 ところが、保守、清掃、点検、大きく分けて三つあるんですけれども、点検といいますか検査ですね、この検査がなかなか進まない。最初取りつけたところの検査はほとんど各県とも熱心にされているんですけれども、その後がほったらかしだ。ほったらかしやからほったらかしということではなくて、実際のところは、清掃という、年に一回、たまったものを抜くということはやらないと、浄化槽の機能が大変ですし、においも出てくるということもありますから、清掃は少なくとも年一回はされております。ちゃんと機能していなかったらあきまへんでということで、保守点検は実際はされているんですけれども、ところが数字上は、検査は、岐阜県が八十何%ですか。大阪府なんか二・何%。もうむちゃくちゃなんですけれども。そんなひどいものを置いているんではなくて、十一条の検査をやっていないということもあります。

 ここのところをきちっとやらないと、国交省の下水道部なんかはもう鬼の首をとったように、検査していないからええかげんやないか、そんなもん、ほんまにそうかどうかわかるかいいうて、こういう議論になりますので、この点はできるだけ体制を十分やっていただきたい。この点での、ひとつ今後の見通し、御決意を聞かせていただきたい。

南川政府参考人 御指摘のとおり、他の保守点検、清掃、当初検査などが八割あるいは九割を超える高い率で実施されておりますけれども、いわゆる十一条検査、毎年の定期検査が二割を割るということになっているところでございます。いろいろ検査体制のこともチェックいたしましたけれども、どうも指定検査機関の検査員一人当たりの検査基数と検査率が比例しないということで、いわゆる検査体制だけが原因ではないと思います。多くの利用される方が受検が義務であることを知らないとか、手続が面倒だとか、費用がかかる、そういったことが原因かと考えておるところでございます。

 私どもとしましては、検査体制が整備されるように県を指導してまいりますし、また保守点検業者などが手続の代行を行う一括契約の推進、あるいは理解を得るためのタウンミーティングの開催、そういったことでの普及啓発を一生懸命やっていきたいと思います。

中川(治)委員 維持管理体制の問題でいえば、保守点検というのは法定では年三回。大臣も頭に入れておいてほしいんですけれども、大体年三回で、一万八千円から二万円の負担。これは保守点検ですね。それから、清掃が年一回、大体二万円から二万五千円ぐらい。平均二万四千円、年一回ですけれども、二万四、五千円というのが全国の相場です。それから、もう一つは検査費、これは年一回で五千円。ですから、この五千円がもったいないからええわと。要するに、保守点検と清掃さえしておけばええじゃないかというのが一般の家庭の考え方かもしれません。ただ、年一回がいいのかどうかは別にして、要するに、二万円と二万四千円と年一回の五千円、これで大体四万九千円というのが維持管理費の個人負担であります。個人宅の、家庭の負担になります。さらにこれに電気代が年間約七千円から一万円ぐらいかかってきますので、そうしますと、六万円弱。浄化槽をつけますと、各家庭の浄化槽の負担、個人負担は約六万円弱だということになるわけでございます。

 そうしますと、御存じのように、下水道使用料金が今全国平均で三千円いっておりません。総務省が一生懸命、一カ月最低三千円取れと言うてますから、取ったとしても三万六千円。浄化槽をつけた方が二万四千円ほど個人負担が多いということになりまして、これも、国交省の下水道部の皆さんは、維持管理費は高いですがなと。私はいつも、あんたらに言われる筋合いない、一般会計でどんだけ突っ込んでいると思うてんねん、大体平均一家庭二万円以上、多いところは三万ぐらい突っ込んでいるやないか、おまえらに言われたないわと、こういうことを言っているんですけれども、やはりちょっと高い。

 これは、顧客が安定していないとか、業者さんも、どんどん対象が減っていくというふうなこともあります。むしろ、これから業として安定してきちっとやっていけるというふうなことをやらないと、なかなか困難なのではないのかな、そんなふうに思っております。そういう点では、これからの維持管理のコストの問題を解決するためにも、事業者を健全に育てていくということをぜひやっていただきたいと思いますし、業者の皆さんと協力をして保守、清掃、検査体制をより進めていただきたいということをぜひお願いしたいと思います。

 私も、こういう保守点検、一番岐阜県が進んでいると言っておりますので、岐阜県の会長さんとあしたお会いして、手口やその他いろいろ教えていただこうというふうに思うております。今浄化槽の全国の会長さんもされておるようであります。ぜひその点も含めて、今後ともよろしくお願いをしたいと思います。

 さて、市町村の設置型の浄化槽、これが制度化されて都市部でもオーケーというふうになったのがたしか平成十二年でしたか、平成十二年ごろだったと思います。それ以降いろいろな、名称が変わったり制度が変わったりということがありましたけれども、市町村設置型の事業者、ちょっと法的にややこしいところがありますので改めてお伺いしますけれども、市町村設置型の浄化槽の事業を進めてもいい区域、環境省としてはどう考えているかということをもう一回御説明ください。

南川政府参考人 まず、先生御指摘ございました、都市部などでも設置できるということで、いわゆる浄化槽による汚水処理が経済的、効率的な地域として環境大臣が認める地域などが加わったのが平成十四年度からでございます。まだつい最近でございます。

 それで、市町村設置型の事業でございますけれども、これは、一つは水道水源法に定められた浄化槽の整備区域がございます。もう一つは下水道法に基づきます公共下水道の認可あるいは流域下水道の認可を受けた区域以外の区域であって、湖沼法の地域、水濁法の総量規制地域あるいは生活排水対策重点地域、さらに先ほど申しました経済的、効率的に特に浄化槽が意味があるということで環境大臣が認める区域、こういった地域があるわけでございます。

中川(治)委員 環境省と国土交通省で用語が違ったりしますので、ぜひ統一をしていただきたいというふうには私も思うんですけれども、一つは、もう下水道工事が終わりました、各家庭と接続をしたか、あるいはこれからできますという地域、これを供用開始区域とか言ったりするんですけれども、国交省の方では、下水道課では、最近これを下水道整備区域というふうに呼ばれておるようであります。もう一つは、先ほどおっしゃいました下水道認可区域ですね。これはこれから五年ないし七年ぐらい具体的に工事を進めますよということで事業認可をとっていく。そういう地域を認可区域ということで呼ばれております。

 今説明があったのは、下水道の認可区域外であればオーケー。ところが、先ほど言われましたように、下水道の認可区域外であっても、公共下水道の認可区域というのがありますし、最近は流域下水、要するに府県が市町村を越えてやる事業、これは補助金が非常に有利なんです。それから、当面の現ナマが要らない。場合によったら府県が、上品にいかないけませんね、けつをふいてくれると言うたらいいか、責任を持ってくれるということもありまして、流域下水道に乗っかろうという傾向が非常に強い。ですから、流域下水道の認可区域というのも片っ方であります。

 私は、いろいろ調べてみまして、特にこれは大阪府なんかそうなんですけれども、普通は公共下水道の認可区域というのは、市町村は本当に五年ないし七年ぐらい先の間に事業をしてしまうというところを公共下水道の認可区域として申請をして決めます。ところが、大阪なんかの場合は、流域下水道認可区域というのは実は九五%以上網が既にかかってしまっている。要するに、五年や七年じゃないんですよ。これは下水道法の改正案のときにも、大阪の北側大臣ですから、どない思うという話を一遍してみようと思うんですけれども、認可区域というのは五年ないし七年ぐらいの、これはここで聞いてもしようがないと思うんですが、国交省の問題だと思うんですけれども、本来はそういうものだ。五年ないし七年ぐらいの間に工事が終了するのが認可区域のはずが、十年たっても二十年たっても工事が終わりそうにないところまで認可区域にしているんじゃないか。

 その場合、私は、ぜひ環境省の方からも、おかしいやないかというて文句を言うてください。文句を言うてもしようないねんと思わないで、これは毎年毎年言わないとだめです。毎年もめないとだめです。もめてはるんやと思いますけれども、私は、公共下水道認可区域外は市町村設置型浄化槽オーケーというふうにぜひすべきだと思っておりまして、そのためにどういうことをやるのかということを一生懸命考えております。そういうことも含めて、ちょっと考え方を。

南川政府参考人 御指摘のとおり、下水道認可区域というのは五年から七年で整備が行われるという地域なわけでございます。

 したがって、役所の議論の区分けの仕方としましては、要は、五年から七年で整備されるんだから、それについて浄化槽に補助をすることは二重投資に当たるということで、それができていないということでございます。公共下水道、流域下水道、実態はいろいろございますけれども、制度論としては同じでございますので、それについて、そこの区分けはできていないというのが現状でございます。

 中川先生の方からは、昨年六月だったと思いますけれども、決算委員会の方でも実はいろいろな問題点の御指摘をいただいているところでございます。私どもも、そういったことを受けて、まさに市町村において既存の例えば都市計画、浄化槽の設置条例あるいは生活排水処理基本計画、そういったものを活用して整備計画を見直すということでの最も効率的な汚水処理施設の整備手法を選択可能と思っておりまして、都道府県構想の策定、見直しといったことの支援を行っているところでございます。

中川(治)委員 要するに、大臣、今こういう議論になっているんですね。

 私は、国土交通委員会でも下水道の問題を議論させていただいております。最近は非常に余裕しゃくしゃくといいますか、我々は下水道事業は不必要なものをもうやめたいと思っているんです、しかし市町村や府県が下水道、下水道と言うてしようおまへんねん、ですから、どうぞ市町村長さんを説得してください、我々も困っておるんですよと、こない言われて、むかっとしているところもあるんですが、確かに、現実、残念ながら、首長さんが下水道、下水道というふうに言ってはるのは事実なんです。下水道こそ文化だ、こういうことで、ある意味ではもう時代おくれな認識を持っている、そういう首長さんそれから議員さんが非常に多いということも現実なんですけれども、これをどう変えていくかということも環境省の一つの大きな仕事だというふうに思いますし、この点については、大臣、どないでっしゃろ、何かええ手おまへんかな。

小池国務大臣 確かに、都市をどのようにして運営していくかということについては、市町村長、首長の理解をさらに深め、そして、そこで決断をしていただくということが手続論としても必要かと思います。

 そうしたことから、浄化槽の特徴についてもよりよく知っていただく、浄化槽の機能であるとか経済性、効率性、これをもっと十分伝えていかなければならないということで、平成十六年度から全国各地で浄化槽タウンミーティングということを開催してまいりました。これは一般の方々に対してのタウンミーティングでありますけれども、それともう一つ、まさに決断をする人である市町村長それから市町村議会議員の方々を対象としたトップセミナーというのも開催をさせていただきました。

 そこでの話などを聞きますと、そういうことだったのかというようなことで、まさにデシジョンメーカーの方たちにこれをよく理解していただくということなんだろうと思っております。さらにこの理解を深めるように努力をしてまいりたいと考えております。

中川(治)委員 部長、時間が余りそうですので、ちょっとゆっくりいきます。

 先ほど言いましたね、公共下水道の認可区域外にすべきだと。流域下水道区域外ということになると、もう本当に山奥にしか浄化槽はつくれないというのが今の現状であります。

 そこのところで、国交省の方では、だから市町村に線引き、網かけを変更してください、都市計画を変更してくださいというふうに言っているんですというふうに言うんですけれども、私は、それはやはり国の思い上がりやと思います。というのは、一たん下水で網がかかった町、しかも下水でももう十年先か三十年先ぐらいにしか行かないようなところでも、現職の市長さんが、あんたのところの町は下水行きまへんねんと言えないんです。言わぬでも行かへんのですけれどもね。言わぬでも、多分その町会長さんが生きてはる間には行かないんです。それもわかっていても、行きませんねんとは言えない。もうそれだけで自分への支持が減ってしまうみたいなところがやはりあるんです。

 ですから、そうではなくて、私はやはり制度を変える必要があると。流域で必要以上に大きく網をかけているようなところについては、逆に言えば、環境省としては、それはおかしいんだからということで、きちっと物を言い続ける、変えろと。必要以上に大きな網かけをやっているようなところについては、その網を網だと認めないというふうな議論をやって。これは法律じゃなくて要綱ですよね、おたくのところの。要綱で決めていることなんですから、要綱で変わるかもしれません。そこで本気でけんかしてください。そうでないと、私は、事は進まないんじゃないかと。それを、市町村の都市計画の網をかけ直しなさいというようなことで済まさせたらいかぬというふうに思うてるんです。

 そこのところは、どんなふうにするかということもありますけれども、ぜひ毎年繰り返し繰り返し、毎年毎年チャレンジャーで、もうこれはむなしいですけれども、頑張っていただきたい、そんなふうに思っております。

 もう一つは、下水よりも浄化槽というふうになってしまうのは、大臣、これはいろいろな理由がありまして、特に、先ほどありました、下水道計画の網がかかっているところで既に大型浄化槽がある、そういうところについても、今どんどんどんどん、下水道の接続のある意味ではねらい目になっているんですね。

 考えていただいたらわかると思うんですけれども、単独浄化槽とかぽっとん便所の家、笑いますけれども、そうなんですよ。この家を下水につなぐ。そうすると、接続料というのは三十万ぐらい大体各家庭で取られるんです。接続料を取られて、家の敷地内を全部つながないかぬ。そうしますと、トイレと台所とふろ場、この三つのところを掘り返して線をつなぎ直さないかぬのです。

 要するに、これは三十万円じゃ済まないんです。ついでにぽっとん便所を水洗に変えないかぬ。そうしますと、単独下水道やとかくみ取り式の家のところを下水に切りかえるということをやろうと思えば、間違いなく二百万以上の金がかかる。そうすると、そんな金あるかいなということで、つなげない。ところが、合併浄化槽を既につけている家でしたら、もう一本になっていますから、その槽をがちゃっとつぶしてつないだら、一発でいけるんです。

 ですから、変な話、下水道の利用者を上げる、そして水道料金をたくさん回収する、そういうことをするためには、合併浄化槽をねらい澄ましていかないと実績が上がらないというような実に情けない仕組みになっているんです。

 ですから、私一度、これは四年ほど前に大阪府議会で私のところの民主党の会派が取り上げたことがあるんですが、過去四年間で百万人の人が生活排水が変わった。ところが、下水道につないだ家がふえた、百万人ふえたうちの実は四十万人が合併浄化槽をつぶしてつないだだけであったということなんですよね。そんなことが次々次々起こってるんではないのかな、実に嘆かわしいという思いがありまして、これを何とかとめることはできないのか。どんなふうに思っておられるでしょうか。

南川政府参考人 御指摘の問題でございます汚水処理施設整備でございますが、事業主体の市町村が地域の実情に応じて効率的かつ適正な手法を選択していただくことになります。市町村が、下水道によって生活排水を処理すると判断した地域におきましては、基本的には、当該区域内にございます合併処理浄化槽は、くみ取りやあるいは単独浄化槽とともに下水道に接続することになります。

 ただ、現実でございますけれども、下水道の事業計画区域であるけれども、いろいろな理由から整備ができないという区域が多いわけでございます。ここにおいても、合併浄化槽が普及定着している場合もございます。こうした場合につきましては、下水道の事業計画を変更していただければ接続の必要もなくなるわけでございますので、その整備をどうするか、市町村がぜひ地域住民と協議して判断していただきたいと考えております。

 また、この際でございますけれども、浄化槽が一定期間設置されることによりまして、生活排水対策に有効になるわけでございます。そして、それを考えますれば、下水道事業を計画どおり進めるかどうかということについては、やはり相当期間をかけて見定めていただきたいというふうに考えておるところでございます。

 それから、浄化槽が普及定着まではしていない、そういったところで計画どおり下水道の整備が図られ、下水道整備区域となる場合もございます。この場合も、環境保全の立場からは、特段の事情がない限り、雑排水が処理されていないくみ取りあるいは単独処理浄化槽をまず先に下水道に接続していただくということで、合併浄化槽を後にしていただくということが望ましいと考えております。

中川(治)委員 ですから、今農林、国交それから環境省が協力してやっているデータでは、生活排水の適正処理が行われているのが七七・二%でしたかね。これは、整備区域内の人口が全部入っていますから、実は多分一割ぐらい少なくて、今適正処理をしている人口は約七〇%というふうに私は思っております。

 今部長言われましたように、残り三〇%が実は一番難解なくみ取りと単独浄化槽。特に一番たち悪いのは、本当は単独浄化槽なんですね。くみ取り式というのは川へ流しませんから。単独浄化槽は流しておりますから、これが本当は一番の汚染源なんです。これが案外都市部にあります。といいますのは、先ほど言いましたように、単独の浄化槽を下水道につなごうとすれば、三十万やそこらでは済まない。要するに、改造も含めて、それから庭を掘り返さないかぬ、そういうことも含めて二百万以上の金が必ずかかる。あるいは、駐車場の下に埋めてあったり前栽の下になんか埋めてあったらもう大変なことでありまして、そういうところは絶対に単独の浄化槽で残っていくんです。

 そういうところが、実は下水道の供用開始区域、整備区域、下水道部は普及率は六七%と言っていますけれども、実際は、接続している家は六〇%です。つまり一〇%の誤差がある。この誤差はずっとあるんです。要するに、つながない人が必ずある。これは下水道法では、つながらぬかったら罰金やと、こない書いてあるんですけれども、どこの市町村も、この罰金を発動した人は、恐ろしくてそういう勇気のある首長さんは、一人もいてはりません。私は、ここのところはぜひ環境省から攻め込んでいただきたい。

 どう考えても理論的に不可能な、要するに下水道を整備した地域ですけれども、下水道幹線がある、それを、低い谷間のところで例えば分譲開発をやった。ありますよね、神戸でも大阪でも、こんなところへよう家を開発したなと思うような。そういうところについては、一番下のところで集めてポンプアップしているんですね、下水道幹線に。これはもう金がかかってしゃあない。金がかかるから、もうポンプアップせずに、ほったらかしというところが案外あるんです。これを公共下水でやってしまいますと、金がかかってしゃあないんです。

 水は高いところから低いところへですから、そういう谷底の開発地域については、一番底で大型浄化槽で受けて川に流すというのが本来正しいやり方で、そういうことをしなければならないのにしないで、下水道整備区域でうちは終わりました。下水道部、国交省の資料では六七%の中に入ってしまっている、そしてほったらかしになっているところが実は一割あるということを認識していただきたい。

 ここのところを手つけられるのは、私はやはり環境省しかないと思っているわけです。ですから、いつもはやられっ放しやったら、たまに腹立ったら、こういうことを言うて攻め込んでください、あんたらどないする気やと。これは絶対答えられませんから。やったら市町村がどえらい金かかりますから。そういう意味で、ぜひこれを何かのときの復讐のネタに使っていただいたらというふうに、私は、一遍はぜひこれもやっていただきたいなというふうに思っております。

 それと、もう一つは、先ほどの大型合併浄化槽、おいしそうな大型合併浄化槽、しかもBODが二とか三で、燐も窒素も除去するというようなのがどんどん下水道につながれていくという情けない現実があります。ところが、大阪には、例えば河内長野という町があります。これは沿川で開発したものですから、つないでいくだけでも金がかかるということもあって、河内長野という町は、マンションの下にある大型合併浄化槽であるとか昔の住都公団が開発した大型合併浄化槽を、この管理を市町村に移しました。ですから、設備費は出していないですけれども、市町村管理型の合併浄化槽ということで、この管理を市町村でやりましょう。要するに、市町村設置型の浄化槽の管理と同時に、民間でつくった良質な大型合併浄化槽についてはつぶさずにやりましょうということになりました。そうすると、大量に発注するものですから、それまでは大体自治会が浄化槽を維持するんですね。マンションであれば管理組合が浄化槽の維持管理をずっとやってはるわけですね。自分たちがお金を払ってつくった浄化槽なんです。

 これも大型の団地、私も幾つかそういうつぶされた浄化槽の自治会の役員さんに話を聞きに行ったりということをしたんですけれども、まあ、世の中やはりなるほどなと思うことがありまして、例えば、なぜ賛成したか。

 何とか不動産というのが五百戸開発した。初めはみんな赤の他人やからええんですよね。それが三十年、四十年たって、集まる場所が欲しい。そうすると、自治会館をつくりたい。ところが、何とか不動産ですから、そういう余分な土地全然残していないんですね。

 そうすると、五百軒ぐらいあったら不動産会社に勤めている人もいてはりまして、会長、ええ話がありまんねんと。あの浄化槽をつぶして土地を半分売ったら、売った金で自治会館が残りの土地に建ちまっせ、これにはみんなころっといくんです。すると、この運営の問題でやはり自治会でもめるんです。二代目、三代目になってくると、高いやとかへったくれやというような議論があって、なかなかこれも無理だ、そういうところで浄化槽つぶしが始まる。市長さんは、もう待ってましたとばかり、これで五百軒が来たら、千三百人ぐらいの下水道普及率がぐんとはね上がる、よっしゃというようなもので、ばあんとつぶすんですね。ただ、それは環境にも何もええことない、それから、つないだ方が、出てくる水が、汚い水が出てくる、そういうのも現実であります。

 ですから、私はこれを、そうじゃないという例というのはなかなか少ないんです。ところが、河内長野の例であるとか、全国でそういう、本当に良質な大型浄化槽はつぶさずにこういうふうに活用して、しかも、そうすれば確実に清掃費用は、各家庭の負担は減るはずです。そういう実例もやはりぜひ市町村には宣伝をしていただきたい、そんな思いがします。この点についてはどうですか。

南川政府参考人 先生御指摘の事例、大阪の事例、私どももよく勉強させていただいておりますし、こういった好事例、これは他地域においても大変参考になるものと思います。今後、さっき大臣が申し上げましたけれども、タウンミーティングあるいはトップセミナーというところでもぜひ紹介してまいりたいと思います。

 それから、今年度からでございますけれども、汚水処理施設交付金ということで、既存の都道府県構想にとらわれないで、市町村の自主性、裁量性によって最も効率的な整備手法の選択ということにもしておりまして、ぜひこういった考え方を広めてまいりたいと思います。

 特に、下水道事業を計画どおりやるかどうか、地域の選択ではございますけれども、最近の社会情勢の変化によりまして既存の計画が実情にそぐわない場合もあると思います。ぜひ、私ども、市町村に十分働きかけまして、地域の実情に応じた選択ができるようなことをやってまいりたいと思います。

中川(治)委員 ぜひ積極的に、意欲的に、前向きにお願いを申し上げたいというふうに思います。

 もう一つは、これもこの御時世どうなのかという思いがあるんですけれども、下水道整備費は国補助が二分の一、こういうことですよね。浄化槽は三分の一なんですね。これは何か根本的な理由があるのかという、この違い、これは何なんでしょう。

南川政府参考人 私どもが担当しております浄化槽でございますが、これは廃棄物処理施設の中でのし尿処理施設の一環として整備されてきたということで、し尿処理施設等の補助率三分の一と同じ比率になっていると思います。これは浄化槽だけでございます。

 ただ、下水道につきましては率直に言ってよくわからないということで、現在二分の一になっていることは御指摘のとおりでございます。

中川(治)委員 この二分の一、三分の一の違いというのはやはり市町村にとっては非常に大きな判断の材料でありますので、ここのところについては、同じ生活排水の適正処理を目指す公共事業じゃないかということで、やはりこれはぜひ言い続けていくべきではないのかなというふうに思います。

 それで、さらに、大臣、今私は国交省の下水道部に、向こうは、将来八八%下水でやってまうんだ、これが都道府県の意思なんだと、こういうことで、要するに都道府県から出てきた計画を全部足したら八八なんです。浄化槽は四なんですよ。八八にするためにはあと何ぼかかるんや、残事業の総額を出せということで二カ月前に言ったんですが一向に出てきません。多分、出せないのか出さないのかよくわかりませんけれども、私の予想では約五十兆円かかるだろうと。今まで六十何%にするまでに七十兆円以上の金が費やされておりまして、それで七十。これから山間部へ行きますから、私は、少なくとも五十兆円、それ以上のお金になるのではないのかなというふうに思っております。

 そうしますと、やはりこれは幾ら何でも、谷垣財務大臣はうんと言わはるか。これはないぞ、見直さぬかいというふうに言わはるに違いないと私は思っております。

 もう一つは、やはり総務省。八八%本気でやられたら市町村財政は完全に破産するということで、麻生総務大臣も、これはあかんよというふうに、腹の中ではできへんやろと思うてはるんかもしれませんが、これはあかんよというふうに言わはるはずですし、現実に市町村では、この間も私たち勉強会をやったんですけれども、自治財政局の方ではやはり非常に心配をしております。このまま下水道がいったらどないなるんやろか、市町村は下水道使用料金を月一万円に上げるか、それともやめるか、どっちかやらなあかんということをやはり指導せざるを得ないということに現実になってきております。

 そういう意味では、考えてみれば、大臣の味方は、総務大臣もひょっとしたら同盟軍の一人かもしれませんし、財務大臣を味方につけて、国交省と闘うぐらいのつもりでひとつやらないと、これは政党政派関係ございません。そういう意味で、今の仕組みを大きく変えていくためには、そういうことも含めて遠慮せずにそれをしっかり主張し続けていただきたい、そんな思いでございます。ぜひ最後に大臣の決意をお伺いしたい。

小池国務大臣 本日は、いろいろな手口も教えていただきまして、ありがとうございます。

 また、別途、環境委員会におかれましては、湖沼法についても御審議をいただくことになっております。

 今、水の水質をどのようにして改善していくかという大きなテーマの中にあって、この浄化槽をどのようにより効率的に、かつ広く普及させるかということは、水質の保全という点からも非常に重要な点でございますし、また、議員にとっては一番お近くの大和川が、まだまだ水質の汚濁の点では全国ワーストの方に入っていて、それが改善されないというのも、きょうのお話、きょうの御指摘につながる問題点だろう、また課題であろうというふうに思います。

 やはりこの浄化槽の整備というのが、例えば下水道そして集落排水などと比較しましても、効率的、経済的であるということは、本来は知られているところでございますけれども、また一方で、市町村そして県、都道府県など、それぞれ自治体の財政事情ということも今大変問題になってきているということもございます。

 そういったことで、浄化槽の整備について予算の増額に私ども努めておりまして、平成十七年度におきましては、公共事業の見直しとか削減が行われている中で、対前年度比で三・〇%増ということで予算を確保いたしました。

 また、浄化槽整備に対します補助率の三分の一ということも他の方法と比べますと低いということは御指摘のとおりでありますけれども、下水道事業債の適用であるとか地方交付税の措置なども講じるということで市町村の負担の軽減も図っていきたい。つまり、浄化槽整備に対してのインセンティブをつけるということが必要なんだろう、このように思っているところでございます。

 ですから、流れ出た水の水質の保全、これはまた地域の皆さんの安心安全にもつながっていくことに、結局、水でございますから、まさに循環しているわけでございまして、そういった大きな観点に立って、浄化槽の効率性、経済性、しっかりとそれをお伝えし、また整備が可能になるようにこれからもしっかりと活動していきたいと思っております。

 その意味では、本日の先生のさまざまな御指摘、大変参考になりましたことに心から感謝をしたいと思います。

中川(治)委員 国土交通委員の中でも、いや、下水よりも浄化槽だ、そういうスキームをつくろうということで、仲間が今たくさん集まって、来週か再来週ぐらいに下水道法の改正案がありますので、一度論争を挑もうというふうにやっております。

 率直に言いまして、下水と浄化槽の問題というのは、私はやはり党派を超えて取り組まないかぬ問題だと。下水道の予算というのは、今、一兆円がだんだん減ってきまして、八千五百億円ぐらいまで減ってきたんですけれども、浄化槽予算が二百億円ですか。やはり最後は、下水の予算を五千億ぐらいまで落として、そのかわり浄化槽の予算を一千億ぐらいにふやす、そのぐらいにやらないと健全な生活排水事業にはならないということでございますので、そういうことをやることが本当の意味での公共事業の構造改革だというふうに私たちは思っております。ぜひそういう観点で今後とも頑張っていただきますように心からお願いを申し上げまして、終わります。

 ありがとうございました。

小沢委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 ただいまも質疑がさまざまございましたが、私は、浄化槽の普及推進につきまして質問をさせていただきます。

 こうした汚水処理につきましては、先ほど来お話ございましたが、環境を守る上でも、また、何といいましても、家庭から、また足元から環境配慮をしていくという、こうした意識向上の上からも、浄化槽の推進は大変大事であると思っております。特に、今大臣からもお話ございましたが、地方の財政が大変厳しい現下の状況がございます。そういった意味から、財政的にも、また環境的にも有益な浄化槽の普及を推進してまいりたい、また、それを推進いたしましょうという意味で、課題につきまして何点か質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、汚水処理設備の普及状況につきまして伺います。

 現在、下水道それから農業集落排水施設、また浄化槽などのそういう整備がなされていない世帯、また人数がどのくらいあるのか、またどういった地域が残っているのか、数字でお答えいただきたいと思います。

南川政府参考人 現在、生活排水について全体的な整備が行われていない地域でございます。

 これは、人口で申しますと、全体で約二千八百二十八万人ということで考えておるところでございます。そのうち、その半分を超えます千四百八十二万人につきましては、人口五万人未満の市町村に居住をされているところでございます。世帯数ということで見ますと、これは国勢調査が二〇〇〇年で世帯平均が二・七人でございますので、これで割りますと、約千五十万世帯がこれからの整備対象だということでございます。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 そういう意味では、人口五万人未満の市町村の普及率が五六・四%というデータもございます。五万人未満の市町村といいますのは、全国の、今、市町村合併で若干数は変わっているかと思いますけれども、約八割を占めるのがこの五万人未満と思っております。そこで普及率が五六・四%。全体的には今普及率は七七・七%と認識をしております。

 そういう意味では、やはり今ここに対してこれからどのように整備を進めていくか、ここがまさに、湖沼における環境保全であるとか、また中山間地域における保全であるとか、そういったことの大きな課題が残っているかと思います。

 そこで、今年度から、地域再生計画の中に、汚水処理施設整備交付金、この制度が創設をされたと聞いております。この制度が創設された経緯につきまして、内閣府にお伺いいたします。

滑川政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま御指摘のように、今回、地域再生法の中で、汚水処理施設整備交付金というものが創設されました。私ども、地域再生というものに取り組んできておりますが、この主要な取り組みの一つといたしまして、地域の自主裁量性の向上、あるいは縦割り行政の打破ということで、これを図っていくという方針のもとで、補助金改革というものを推進してきております。その中で、昨年の六月に、いろいろ地域から御提案をいただきました。その中で、省庁横断的なものを含めまして、政策テーマごとに補助金の整理統合を求める地域の声が多数寄せられたところでございます。

 こうした地域の要望を踏まえまして、関係省庁と調整いたしました結果、省庁をまたがる複数の類似の事業を総合的かつ効率的に実施するということを可能とするために、御指摘ございました汚水処理、さらに道、港という三つの分野につきまして交付金化が行われたということでございます。

 この交付金化によりまして、さまざまな手続が内閣府に一元化される、また、地方が策定されます計画に基づきまして、自由な施設配置が可能となる、そして地方公共団体はまた事業の進捗等に応じまして事業間での予算の融通、あるいは年度間での事業量の変更が可能となるといったような形で、地域の自主裁量性の向上の観点、あるいは手続の簡素化というようなことが図られまして、地域にとって使い勝手が格段に向上するものというふうに考えておるところでございます。

高木(美)委員 既にこの四月から新年度が始まっているわけでございますが、具体的に手続作業の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

 一部には、まだ中身の仕組みがよくわからずに、自由に裁量、使えるというふうに言われましても、その中身を変更したら金額が半分にされるのではないかとか、そうした不安のお声も寄せられております。その点につきまして御説明をお願いいたします。

滑川政府参考人 ただいま申しましたように、汚水処理の施設の整備交付金につきましては、地方が策定されます計画に基づきまして、自由な施設配置ができるとか、あるいは事業間での予算の融通とか、年度間での事業量の変更が可能というような新しい制度でございます。まだそうした意味で、今回初めてということでございます。こうしたものを地方公共団体で積極的に活用していただくためには、地方公共団体に十分周知していただく必要があるというふうに私どもも思っておるところでございます。

 このため、実は、地域再生法にこの汚水処理施設整備交付金が載っておるわけでございますけれども、地域再生法案をつくった段階、二月に、全国六カ所で説明会をまず開催させていただきました。そして、先般の地域再生法の成立を受けまして、今週の初め、四月四日から、全国八カ所におきまして、関係する四府省が合同で、交付金に特化した地方公共団体向けの説明会を開催させていただいておるところでございます。また、さまざま関心をお持ちになられておられます市町村あるいは都道府県の皆様方からの個別の相談、あるいは相談会というものも開催させていただいておるところでございまして、本制度の十分な周知に努めてまいりたいと思っております。

 スケジュール的に申し上げますと、地域再生法が四月から施行になりましたので、この中で、今、さまざまな形で地域にお知らせ、説明その他をさせていただいております。そして、先ほど御指摘のように、この汚水処理施設整備交付金につきましても、地域再生計画というものをつくっていただいて、その中に盛り込んでいただくことによって使っていただくという仕組みになっておりますので、五月にはこの地域再生計画の認定申請を受け付けられますように、今、地域の方にさまざまな形で広報活動を続けさせていただいておるというところでございます。

高木(美)委員 私、伺いましたのは、今の五月受け付けというお話でございました。これは、五年間分の長期にわたる計画をそれぞれ市町村が策定をして、それをまず内閣府にお出しをするという、少しその辺の流れにつきまして、概略を突っ込んで説明いただきたいと思います。

滑川政府参考人 失礼いたしました。もう少し流れということで、御報告をさせていただきます。

 先ほど申し上げましたように、今回の地域再生のための交付金につきましては、それぞれの地域でまず地域再生計画というものをつくっていただきます。その中で、五年程度がめどとなっておりますが、地域によって三年の場合もあればということかと存じますが、事業を行われる期間につきまして、事業のための計画をその地域再生計画の中に盛り込んでいただく。それで、内閣府にその地域再生計画の認定申請をしていただく。そういたしますと、内閣府の方で、複数年にまたがるような計画を計画として認定させていただきまして、国として、その地域から、こういう支援をしてほしいということについて支援をさせていただく枠組みをつくらせていただくということになります。その上で、地域の方で、この交付金をお使いになるのであれば、具体的なその計画が認定された上で、交付申請をしていただく。それで、それに合わせて順次交付が進んでいくというような流れになる予定でございます。

高木(美)委員 ありがとうございました。

 例えば、四月四日から全国さらに八カ所というお話ございました。そのような形で内閣府の方たちから市町村に対しまして説明を行われます際に、恐らく市町村の方たちが一番聞かれたいのは、これは財政面はどうなるのか、設置するときのコストとかその後の維持、そういう総合的なものも恐らく聞かれたいというふうに考えます。そういう場合のアドバイスとかまた資料の提供とか、もっとこうすればコストは安くて実は済むんですというような、そうした説明などは行われているのでしょうか。

滑川政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、私ども、関係省と共同いたしまして、今、説明会をさせていただいております。また、地域からの個別の御相談に対応させていただいておりますが、私どもといたしましては、例えば、どの事業とどの事業のコストがどうかというようなことについては私どもの方から説明はさせていただいておりません。

 と申しますのは、この交付金の制度につきましては、地方公共団体御自身が、例えば汚水の場合でございますれば、下水道あるいは集落排水あるいは浄化槽というこの三つの中から地域の事情に最も適した施設を御選択いただきまして組み合わせていただくということが可能になっておりますので、そうした制度的な枠組みは説明させていただいておりますけれども、その中で具体的にどういうふうなコストがかかるのか、そういうようなことについては、市町村なり都道府県なり、そういうところでいろいろと検討されるものというふうに理解をしております。

高木(美)委員 ありがとうございました。

 今の御説明を伺いながら、恐らく、そうした役割を担わなければならない、また担っていただきたいのはまさに環境省であるという、やはり環境省でコストの比較であるとか、また、こうすればもっと環境配慮ができるとか、そうしたアドバイス、また資料の提供等も行っていただきたいところでございますが、このことにつきましては後でまたお伺いさせていただきます。

 そこで、少し話は変わりますけれども、本来、こうした下水道事業につきましては、これは下水道の方です、これは公営事業でありますので、地方財政法の第六条で書かれておりますけれども、独立採算制を当然採用すべきである、したがって、特別会計で行う事業と義務づけております。にもかかわらず、足りない差額分を一般会計から補てんをしている。そうしなければ成り立たないという事情もあり、また、災害等やむを得ない事情の場合はというところで、そのような解釈が成り立っているのかとは思いますけれども、ただ、こうしたことが地方財政を圧迫している。学校とか施設とか、もっといろいろつくりたいのになかなかつくれない、こういう問題点も伺っております。下水道それから浄化槽ともに、どのくらいこうした一般会計から繰り入れられているのか、お伺いをいたします。

南川政府参考人 今から申し上げる数字は総務省の平成十五年度地方公営企業年鑑による数字でございます。

 十五年度におきまして、公共下水道事業全体での、まず、使用料による汚水処理費用の回収率、六四・九%でございます。内訳は、東京などの人口周密地域が九五・七%、そして、だんだんこれが人口規模に従って減ってまいりまして、人口規模が三万人から五万人では四六・九%、一万人未満では二七・五%となっております。一方、市町村設置型の浄化槽につきましては、回収率が五九・五%でございます。

 これは、結局、使用料で回収できなければ他会計からの繰り入れになるわけでございます。十五年度の他会計からの繰り入れ、これは全国の公営企業全体で三兆七千億でございますけれども、うち公共下水道が一兆八千億ということでございまして、市町村設置型の浄化槽整備事業は約二十億円の繰り入れをしておるということでございます。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 もう一度確認させていただきますが、下水道の方の繰り入れが一兆八千億、浄化槽の方が二十億、本当に大きな金額の差があるということがよくわかりました。

 そこで、もう一つお伺いしたいのは、自治体にとりまして、財政面から見て、これから汚水処理施設を整備する場合に、下水道と浄化槽、どちらが経済効率がよいと思われるのか、ここのところを詳しく御説明をお願いしたいと思います。

南川政府参考人 下水道の場合は、管渠をつなぎまして地域全体の生活排水を集めて処理しようというものでございまして、基本的には、市街地などの人口が密集した地域に適した形態でございます。浄化槽は、管渠を使わずに、排出源の各家庭において処理しようということで、中山間地域などで効率的なシステムだと考えております。

 これは私ども、国交省も含めて作業して、汚水処理原価というものをつくってはじいておりますけれども、公共下水道では、東京などの人口周密の都市におきましては、一立米当たりの処理費用が百三十九・五円でございます。これが一万人未満になりますと五百四円ということで、三倍あるいは四倍になるわけでございます。他方、市町村設置型の浄化槽は二百二十・四円ということでございまして、人口一万人未満になりますと圧倒的に浄化槽整備事業の方が効率的だということでございます。

高木(美)委員 ありがとうございます。経済効率もよくわかりました。

 そこで申し上げたいことですが、先ほどの下水道の一般会計からの補てん、これが一兆八千億である、また浄化槽については二十億で済んでいるという、こうした累計につきましては、私もいろいろ資料を調べましたけれども、下水道はすぐにわかりましたけれども、やはり浄化槽はなかなかわからないという状況でございました。

 やはりこれだけの大きな格差があるということを、どうしてもっと環境省の方たちが、市町村に向けましても、また国民に向けましても、大きなお声でおっしゃらないのかなという思いが大変ございます。どう考えても、これは財政の上からいきましても、本来は一般会計から繰り入れてはいけない、特別会計で独立してやるべきであるという、こういう状況があるわけで、そのことを考えますと、下水道を引けばそこの土地の値段が上がるとか、その家の価格が上がるとか財産価値になるとか、恐らくそうした経済の効率性、そういったところからもあるかと思いますけれども、私はやはりここの、環境省の、こうした、ここまで数がはっきりしていながら、こういったことを発表されない、ここで戦われないという、こうしたことにつきまして、これはぜひ大臣、お答えいただきたいと思います。

高野副大臣 委員御指摘のとおり、声を大きくして訴えていきたいと思いますが、御指摘のように、地形とか人口密度とか、その地域の特性によっては下水道よりも浄化槽を整備した方が、建設費ばかりじゃなくて維持費も減少させることができるということも可能でありますし、今市町村は、国が持っている平均的な建設費、維持管理費というものを参考にしていることもありまして、もう少し実態に合った数字、これを教えていく必要があるのかと思っております。

 そういう意味では、地域の実情に応じた効率的かつ適正な汚水処理施設の整備が行われるように、これまでも市町村の職員を対象とした研修等を実施してきておりまして、平成十六年には全国各地において浄化槽タウンミーティング、これを開催しまして、全国で十三カ所開催をいたしました。それから、市町村長や市町村議会議員を直接の対象としてトップセミナーというもの、これも十六年度は二カ所で行っております。こういう情報の提供の強化も図っているところであります。

 そしてまた、より効果的な、かつきめ細かな情報を提供していくという意味で、浄化槽の整備についてノウハウを蓄積しているシンクタンクとか、あるいはコンサルタントの活用も有効であると考えておりまして、こういうシンクタンク、コンサルタントと協力しながら、市町村に対して情報の提供に努めてまいりたいと思っております。

高木(美)委員 副大臣のおっしゃることはよくわかるのですが、いかんせん、今市町村、また地方自治体、大変な経費節減努力をしながら、当然いろいろやっていただきたい事業等も削りながら努力をしている、まさに本当に血を流しながら戦っていらっしゃるという、そういうことを思いましたときに、日本全国で一兆七千九百八十億円の削減ができるかどうかという、これは私は大きなポイントではないかと思っております。これはやはり環境省とされまして、これを今後どのように取り組まれるかということは、まさに環境省挙げての大きな課題として頑張っていただきたいと思います。

 要するに、今市町村の職員にという、また、タウンミーティング等のお話もございましたけれども、最終的には市町村長が、そこの長のところにどういうデータが届くか。先ほど申し上げておりますように、やはりこれから浄化槽を推進した方がよいと思われるのは明らかに人口五万人未満であり、また一万人未満のそうした小都市、中小都市であるという、このことを思いましたときに、果たしてそこの市町村長の方たちに、そうした比較の正しいデータがどのように届けられるか、これはまさに私は国の責任ではないかと思います。

 実は、これはある中堅の市長さんから問い合わせが我が党のある議員のところにありました。そこは御自分たちでいろいろ工夫していると。ただ、認識の上で、浄化槽を入れるとなると自治体の負担がふえる、こういう一つの認識、これが固まっているという、恐らく、先ほどもお話ございましたけれども、これから汚水処理の施設をつくろう、では下水道をどうしようか、まず真っ先にそうした発想が行きますことを考えますと、やはりその中には、自治体の負担が浄化槽ではふえるんじゃないか、こうした誤った認識がここにはぬぐい切れずにそのまま放置をされている、こういうことを思います。

 そこで、これはこちらで説明をさせていただきたいのですが、これはある市のデータでございますけれども、そこは当然、地域の関係等もございますけれども、では、これから下水道を引いた方がいいのか、そしてまた、浄化槽に切りかえた方がいいのかと。ここは本来、下水道を引こう、そのように考えていたそうです。

 そこで、問い合わせがありまして、最終的にこれは財団法人日本環境整備教育センター、ここに問い合わせをいたしましたところ、下水道を使った場合、年間一億六千五百万円、建設費、維持管理費等を含めまして、これだけの負担である。そしてまた、今度は浄化槽にした場合、年間さらにそこから約一億円負担を軽減させることができる、こういうデータが示されておりまして、これをごらんになって、その市長が、よくわかりましたと。

 やはりこういったデータをもっと出していくべきだということを改めて私も感じた次第でございますけれども、このような形でいろいろな、今、市の実例が、もうこれだけ普及しておりますので、例があるかと思います。こういった人口、このぐらいの地域、例えばそこの市にはどのような地域を抱えているのかとか、そうしたやはり御自分たちが一つのモデルとしたい、そういう市の具体的なデータを、例えばホームページなり、また何か書類におまとめになるなり、そうやって、最初に内閣府の方にお話ありました全国の市町村会なり、またそういう方たちにしかるべき提示をされて当然ではないかと私は思います。その中から、御自分たちが、では、うちはこのパターンに合っているからここはまだ下水道の方がいい、ここは浄化槽の方がいい、そうしたところをその上で選択ができるという、こうしたシステムをぜひ整えていただきたいと思います。

 その点につきまして、大臣の御見解を伺います。

小池国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。

 市町村長、市町村議会議員の皆さんに対してのトップセミナーも開いているというふうに申し上げました。これまでまだ二回しか開いておりません。またこの回数を重ねていくということと、今、平成の大合併ということで、日本全国で市町村合併が進んでおりますよね。そういった意味では、この機会にしっかりと、浄化槽がいかに市の経営にとって効率的なのか、そういったことも提示するいいチャンスなのではないのかなというふうに思っております。

 環境省は職員数も一番霞が関の中でも少のうございます。今回、地方における設置ということでもいろいろと御審議をいただいているところでございますけれども、他省庁はむしろ市や県などに職員をいろいろな形で送っていらっしゃいますので、情報の伝達も、そういったところを通じてより伝わりやすいんだろうなと。その点、環境省はまさに、さっき人手の話がありましたけれども、人手が足りませんので、なかなか、そういった地方の自治体に人を送るというところまではいっておりません。それがいいか悪いかはまた別の話でございますけれども。そういった意味で、しっかりと情報を伝えていきたい、このように思っております。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 恐らく、今まさに情報は全国一瞬で通じますので、そういう意味では、正しい情報がここにある、この信頼感が環境省の信頼が増していくことにつながりますし、ひいては環境行政の大きな推進につながっていくのではないかと私は思っております。ぜひ、大臣のリーダーシップを発揮していただきまして、こうした足元からの環境配慮に取り組んでいただきたいと思います。

 あわせまして、もう一つこれは指摘させていただきたいと思うのですが、全国のこうした汚水処理施設が今どのように設置されているかというデータを見ましたときに、全国さまざまな県がございますけれども、平均が全国七七・七%ということで、東京の場合は先ほどありましたように九八・五%。ところが、これが大変低いところになりますと、飛び抜けて低い二県がございます。お名前はきょうは申し上げませんけれども、三五・〇%、三四・三%といった地域が二県ばかりございます。そうしたところに対しまして、その中身の実態をどのように把握をしていただき、そしてまた、今後そこに適切なアドバイスをされるおつもりなのか、局長にお伺いしたいと思います。

南川政府参考人 御指摘のとおり、いろいろな県の事情によっていろいろございます。

 私ども、浄化槽につきまして、恥ずかしいんですけれども、やっと十六年度から、そういう地方でのトップセミナー、さらにタウンミーティングを始めたところでございます。それまではやっていなかったというのが実情でございますので、ようやく私どもも、いろいろな方からの御指摘をいただいて動き出したということでございます。

 また、現実に、現在の浄化槽法はいろいろ限界がございまして、実際には建築基準法の九十ミリグラム・パー・リットルの数字で動いておるとか、そういったこともいろいろ御指摘をその場で受けたりもしております。だんだん全体の皆さんの認識も変わってまいりましたし、また、国会においてもこうして浄化槽について御議論いただける、大変ありがたいと思っております。私ども、まだやっと動き出したばかりでございますので、これからぜひ体制もしっかり組んでやっていきたいと思います。

 ありがとうございます。

高木(美)委員 全力で応援させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、単独処理浄化槽がございます。これがなかなか合併処理浄化槽へ転換できないということで、まだ数多く残っておりますけれども、要するに、これを除去するときに生じる費用、除去するだけで十万から二十万と言われております。そして、家の中の整備をしようと思うとさらに費用はふえるわけでございますけれども、せめてその除去する十万から二十万円につきまして何かしら補助対象として検討をしていただけないかと思っております。

 当然、こうした市町村型の浄化槽の設置であるとか推進であるとか、そうしたことも大事なことでございますけれども、単独処理浄化槽をこのまま見過ごしまして、今回あります浄化槽法の改正によりまして、個人の合併処理槽を持っている方に対しては勧告に応じない場合は三十万円の過料が科されるとか、こうした不公平は、今後、長い時間もかかるかと思いますけれども、やはりこれはできるだけなくす方向で考えるべきではないかと思っております。

 こうした補助対象にすべきではないかということにつきまして、大臣の御見解をお伺いいたします。あわせて、お時間も迫ってまいりましたので、こうした環境配慮、そしてまた浄化槽の推進につきまして、大臣の御決意を最後に伺いたいと思います。

小池国務大臣 御指摘の単独処理浄化槽、まず、これを取り除くことに対してもっと補助なり面倒を見ろというお話でございました。

 この件については、切りかえがなかなかうまくいかないところのネックになっているということについてはよく認識もいたしております。ただ、単独処理浄化槽の方も、私費で設置をされておられるということから、その撤去、処分費用については、なかなか国庫補助の対象とするのは難しいという問題がございます。一方で、地方公共団体、関係団体からも、この点については御要望もたくさんいただいております。

 今後とも、この問題点を認識しつつ、関係省庁と調整を図りながら検討してまいりたいと考えております。

 また、こういった環境に関しての公共事業と申しましょうか、それについて考えるんですけれども、例えば、それによる効果がどうなのかとか、そういったところで環境というインデックスをもう少し取り入れるべきではないのかなと私思うことがございます。企業でも、CSRとか、つまり社会的責任ということが一つの大きな指標になって、それでもって株価が変わるというような御時世でございますので、そういった観点からも、今御指摘ありました点も含めまして、これから関係省庁との調整にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

高木(美)委員 それでは最後に、この浄化槽法の改正が環境配慮のさらに大きな前進につながりますことを念願をいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

小沢委員長 次に、浄化槽法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来理事会等において協議してまいりましたが、本日、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得ましたので、委員長から、本起草案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽による生活雑排水等の適正な処理を図るため、浄化槽から放流される水の水質についての技術上の基準の創設等必要な措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、この法律の目的において、公共用水域等の水質の保全等の観点から、浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図ることを明示することとしております。

 第二に、浄化槽から公共用水域等に放流される水の水質についての技術上の基準を創設することとしております。

 第三に、浄化槽設置後等の水質に関する検査の検査時期の見直しを行うこととしております。

 第四に、浄化槽の維持管理等に対する都道府県知事の監督規定を強化するとともに、罰則の規定を整備することとしております。

 第五に、この法律は、平成十八年二月一日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 浄化槽法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小沢委員長 お諮りいたします。

 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小沢委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十分散会


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