衆議院

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第12号 平成17年5月17日(火曜日)

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平成十七年五月十七日(火曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 小沢 鋭仁君

   理事 大野 松茂君 理事 桜井 郁三君

   理事 竹下  亘君 理事 西野あきら君

   理事 奥田  建君 理事 近藤 昭一君

   理事 肥田美代子君 理事 石田 祝稔君

      宇野  治君    大前 繁雄君

      奥野 信亮君    加藤 勝信君

      小坂 憲次君    鈴木 淳司君

      砂田 圭佑君    根本  匠君

      能勢 和子君    鳩山 邦夫君

      船田  元君    松宮  勲君

      荒井  聰君    佐藤謙一郎君

      田島 一成君    長浜 博行君

      松本  龍君    村井 宗明君

      吉田  泉君    高木美智代君

      土井たか子君

    …………………………………

   環境大臣         小池百合子君

   環境副大臣        高野 博師君

   環境大臣政務官      能勢 和子君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        近藤 賢二君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           守内 哲男君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局技術安全部長)      久米 正一君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   南川 秀樹君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            田村 義雄君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       滝澤秀次郎君

   政府参考人

   (環境省環境管理局長)  小林  光君

   環境委員会専門員     遠山 政久君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  城内  実君     奥野 信亮君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     城内  実君

    ―――――――――――――

五月十七日

 動物の愛護及び管理に関する法律の改正に関する請願(梶原康弘君紹介)(第一一八〇号)

 同(河野太郎君紹介)(第一一八一号)

 同(田島一成君紹介)(第一一八二号)

 同(平野博文君紹介)(第一一八三号)

 同(海江田万里君紹介)(第一一八九号)

 同(小泉俊明君紹介)(第一一九〇号)

 同(土井たか子君紹介)(第一二〇八号)

 同(吉田泉君紹介)(第一二〇九号)

 同(奥田建君紹介)(第一二二三号)

 同(近藤基彦君紹介)(第一二二四号)

 同(寺田学君紹介)(第一二二五号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一二七七号)

 同(中山義活君紹介)(第一二七八号)

 同(安住淳君紹介)(第一三二九号)

 同(岩國哲人君紹介)(第一三三〇号)

 同(金田誠一君紹介)(第一三三一号)

 同(菊田まきこ君紹介)(第一三三二号)

 動物の愛護及び管理に関する法律の見直しに関する請願(河野太郎君紹介)(第一二〇七号)

 同(石毛えい子君紹介)(第一二二六号)

 動物の愛護及び管理に関する法律の改正を求めることに関する請願(佐藤謙一郎君紹介)(第一二七六号)

 動物実験の法制度改善に関する請願(金田誠一君紹介)(第一三二八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律案(内閣提出第六八号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

小沢委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君、国土交通省大臣官房審議官守内哲男君、国土交通省自動車交通局技術安全部長久米正一君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長南川秀樹君、環境省総合環境政策局長田村義雄君、環境省総合環境政策局環境保健部長滝澤秀次郎君及び環境省環境管理局長小林光君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大前繁雄君。

大前委員 自由民主党の大前繁雄でございます。

 本日審議させていただきますいわゆる特定特殊自動車排ガス規制法案は、かなりテクニカルな法案でございまして、特別な争点が余りないようでございますので、冒頭、少し時間をいただきまして、環境問題一般に関する議論をさせていただきたいと思います。

 私は、一昨年十一月、初当選させていただいて、関心の深かったこの環境委員会に所属をさせていただいて、今日に至っておるわけでございますけれども、この委員会には与野党を問わず環境問題に大変詳しい議員が集まっておられまして、いろいろな法案の質疑や参考人の方々の最先端の意見を聞かせていただいて、知識を深めることができておりますことに大変感謝をいたしておるところでございます。

 私自身について申しますと、私が最初に環境問題、特に地球環境問題に関心を持つようになりましたきっかけは、若いころ、と申しますともう三十年も前になりますけれども、大学を卒業して会社に入って、ようやく仕事にもなれて充実感を持つようになった三十過ぎのころでございますけれども、そのころ出会った一冊の本を読んでからでございます。

 その本は、英国生まれの有名なドイツ人、残念ながら五年ほど前に亡くなられましたが、シューマッハー博士の書かれた「スモール・イズ・ビューティフル」というタイトルの本でございまして、当時、世界じゅうにかなりセンセーションを巻き起こしまして、日本でも、時の総理大臣の大平正芳さんが、恐らくあの本の影響を受けられたと思うんですが、しきりに小さい政府という言葉を標榜されていたのを覚えております。

 私は、この本に書かれておりました、石油とか石炭などの化石資源はやがて一世紀を経ずして枯渇してしまう、人類は今の大量生産、大量消費の生活をやめて、自給自足のいわば原始時代のような生活に戻らない限り生存していけないという警告に大変ショックを受けまして、何とかしなければならないと、当時、切実に悩んだのを記憶いたしております。

 ただ、この本が書かれたときは一九七三年、第一次オイルショック発生直後のエネルギー危機を背景にしていたころでございまして、もちろん、シューマッハー博士も大気汚染などの環境問題も論じておられましたけれども、その主眼はやはりエネルギー問題でございました。

 それが、数十年の時間の経過を経まして、今日、主要テーマは、その化石エネルギーを大量消費することから起こる地球温暖化という、資源の枯渇よりもっと深刻な問題に直面するようになっているわけでございます。

 私は、この資源枯渇問題から地球温暖化問題への変遷という問題意識の理解度が環境問題を考えていく上で極めて大切であり、この面で、我が国の場合、特に産業界などで、ヨーロッパ環境先進諸国にかなりおくれをとっているのではないかと危惧しているところでございます。

 そこで、国際舞台で活躍しておられます小池大臣にお伺いしたいと思っておったのでございますけれども、きょうはおられませんので、副大臣にお尋ねしたいと思いますが、そういった地球的視野から見た我が国の環境意識水準と申しますか、環境問題に取り組む姿勢のレベルをどのように認識しておられるのか、お教えを願いたいと思います。

高野副大臣 それでは、小池大臣が来られるまで答弁をさせていただきたいと思います。

 私も環境問題について関心を持ちましたのは、十数年前に初めてアマゾンに二回ほど行く機会がありました。御存じのとおり、アマゾンは、地球上の三分の一の酸素を供給している、そして地球上の河川の五分の一の水量を持っているという巨大な河川でありますが、その上流に二回ほど行きました。

 そのきっかけは、アマゾンの熱帯雨林が相当破壊されている、特に、アメリカのハンバーガーをつくっている会社が、ハンバーグ一個を数セント値下げするために膨大なアマゾンの熱帯雨林を牧場にしたというような情報があったものですから、僕は現場を見てまいりました。そこでもう毎日すさまじい勢いで伐採しているという現場も見てまいりましたが、しかし、インディオはそこで依然として昔からの生活をしておりまして、インディオはまさに循環型社会をつくっておりまして、焼き畑を、ここをどれだけ、何年たてばもとに戻るかというのをちゃんと知っていまして、まさに循環型社会をして、そして、魚も獲物も必要以上はとらないというような生活をしていまして、まさに自然と共生した生活をしているという現場を見てまいりました。そういう意味での、私も地球環境問題について関心を持ったというのが、そのきっかけであります。

 九二年のリオのサミット以降、世界的にこの問題についての関心が高まったのかな思っておりますが、日本は、環境問題についての意識はほかの先進国と比べて必ずしも低いとは私は認識をしておりません。

 最近の環境省が行った調査によりますと、国民意識という点では、九割以上の人が、地球環境問題の解決は各国が協力して取り組む必要があるとか、あるいは環境のことを考えて使い捨てはやめようとかというような回答をしておりますし、環境保全に関する行動に積極的に参加したいという回答をした人も六割か七割いるという結果が出ております。

 また、平成十六年の環境白書で国際共同調査の結果がありますが、ここでは、みんなが力を合わせても我々が環境浄化のためにできることは多くないとか、あるいは環境問題は個々人ではほとんど対応できない大きな問題だというような点について、日本の場合は、若干ほかの先進国よりも高いというような結果が出ております。

 いずれにしましても、環境問題は、国民一人一人が自覚をした上で、自分の生活スタイルも含めての変革、意識の変革を行う必要があろうというふうに認識をしております。

大前委員 先進国の中でそれほど低くないというお話でございましたけれども、ドイツなどの特別に環境の進んだ国と比べるとやはり劣っているのではないかと私は思っているんですね。

 三、四年前にドイツに行きましたけれども、観光バスの運転手が、とまってサイドブレーキを引くのとほとんど同じぐらいにすぱっとエンジンを切るのにはびっくりしたんですね。そういう点で、もっと日本も頑張らねばならないんじゃないかなと思った次第でございます。

 私は、数年ですけれども、一応戦前生まれでございますので、終戦後の十数年間、物のなかったひもじかった時代を経験しております。ですから、食べ物はもちろんのこと、電気を小まめに切るとか燃料を大切にするといった行動が習慣的に貧乏性が身についておるわけでございますけれども、私の息子や娘になると、この辺の感覚が全く違っておりまして、幾らうるさく言っても、電灯はつけっ放し、冷房や暖房も必要以上の度数に設定をいたしまして、自動車のアイドリングもやりっ放し。自分の子供だけかと思いましてほかの親に聞いてみると、どこも似たようなものだということでございます。まさに大量消費時代の申し子のような若者があふれている感じがするわけでございます。

 これは、生活が豊かになったこともございますけれども、やはり教育の問題もあるのではないかと思っております。特に、先進諸外国と比べまして、我が国の場合、環境教育が大変おくれているような気がしてならないわけでございます。

 環境省が先般策定されました京都議定書目標達成計画でも、五十五ページに「国民運動の展開」の章というのがございますけれども、そこで環境教育の重要性ということを説いておられますけれども、私は、かけ声倒れに終わらぬように、文部科学省としっかりと連携し合って環境教育の定着を図っていただきたいと思うのでございますけれども、この点、今後どのように進められるおつもりか、副大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。

高野副大臣 先ほどドイツのお話がありましたけれども、ドイツの方が日本よりもかなり高いのかなと私も思っておりましたが、先般、ドイツのある市の市長さんにお会いしましたときに、初めて日本に来たという方なんですが、その市長さんの第一印象は、この大都会の東京がこんなに空気がきれいでごみがなくて水がおいしいというのは驚いたということをおっしゃっておられました。その言葉に私も驚いたのでありますが、そういうことはありました。

 環境教育については、やはり次の世代の子供たちが、身近なところで、物を大事にし、水を大切にし、そしてごみを出さない、あるいは節電をするというようなそういうことを通じて、これがまた生態系を維持したり、あるいは地球を守るということにつながる、あるいは循環型社会、脱温暖化社会をつくるという点で非常に大事なことだというような環境教育をきちんとするということは大変重要だと思っております。

 平成十五年に環境保全活動・環境教育推進法が制定をされまして、環境省としまして、この法律を踏まえまして、文部科学省と一緒に、こどもエコクラブ事業による子供たちの自主的な環境学習活動に関する支援を行っておりますし、また、教職員とか地域の環境リーダーに対する研修を実施したり、あるいは地球温暖化防止のための学校エコ改修・環境教育モデル事業、あるいは学校教材の作成等の取り組みを行っております。

 先ほど議員がおっしゃられましたように、昔からの、もったいないという精神も、家庭の中であるいは地域の中で広めていくということも重要ではないかと思っております。

 いずれにしましても、文部科学省と、あるいは関係府省と連携をとりながら環境教育を進めていきたいと思っております。

 ちなみに、私個人的には、教育基本法の改正の中にきちんと環境教育というのも入れたらどうかなという意見を持っております。

 以上です。

大前委員 私は、十年余り前ですけれども、ちょうど五十のときですね、現役の男女大学生にまじってアメリカに短期留学というのを一月余りいたしまして、ワシントン州のスポーケン、これは私の住んでいる西宮市と姉妹都市でございますけれども、一カ月ほど生活を一緒にしたことがございます。

 この短期留学生活の締めくくりに、シアトルにバス旅行、修学旅行というわけじゃないんですけれどもしたんですね。その途中に、美しいノースキャスケード山脈の山中公園で昼食をとっていたときのことでございますけれども、日本人の学生が弁当、弁当というかパンでございますけれども、弁当を開いて食事をしていると、きれいな小鳥がたくさん寄ってきてえさをねだるわけなんですね。日本人の学生がパンのかけらをその小鳥に上げていると、さらにたくさんの小鳥が寄ってきて、日本人学生はおもしろがってどんどんどんどんえさをやっていたんですよ。

 ところが、それを見ておったアメリカ人のアシスタント学生というのがいたんですけれども、ちょうど同じ年代の学生なんですけれども、厳しい口調でノーと言って、やめなさいと言ったんですね。私はびっくりしてそのアシスタント学生の方を見ると、彼は、小鳥たちにえさを与えると、彼らは観光客の来ない冬を生き延びれない、だから絶対そんなことをしたらいかぬのだということをびしっと学生に対して言うわけですよ。そのときに、アメリカの学生と日本の学生に大人と子供の差ほど環境意識といいますか、自然環境保護に対する意識の違いがあるということを知りまして、びっくりしたんですね。

 このアシスタント学生だけかと思っておりましたら、長くアメリカにいる日本人の方にお聞きしますと、アメリカの学校では徹底した環境保護教育をしておる、特に自然環境保護教育をしておる、こういうアシスタント学生のような意識はアメリカ人の学生一般のものであるということをおっしゃっておられましたので、大変感心したのでございます。

 私は、今申し上げました自然環境保全に関するものだけではなしに、生活環境、地球環境、いろいろ環境問題全般にわたって我が国の若年層の意識の後進性というのは否定できないと思っておりまして、その意識改革のために、今もお話しいただきましたけれども、徹底した環境教育が必要であると考えておりますので、ぜひとも文部科学省と緊密な連絡を取り合って環境教育に力を入れていただきたいと要望しておきます。

 それでは、本論に入りまして、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず第一に、オフロード車がこれまで規制の対象にならなかった理由についてお聞きしたいと思うんです。

 本法案は、特殊自動車のうち公道を走行しないもの、いわゆるオフロード車について、オンロード車の規制と同じような程度にしようとするものでございますけれども、これまでオフロード車が規制の対象にならなかった理由はどういうわけなのか、これまで環境面での配慮が不必要であったということなのかどうか、お聞きしたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 環境配慮をいろいろな方面で徹底していくべきだというお話を承ってきたわけでありますが、オフロード車はそういったことがおくれていたのではないか、その背景はどうか、こういうことでございます。

 また、私ども、相当前から自動車排ガス規制をやってきたわけでございますけれども、やはり住民の方が住んでいらっしゃる道路の沿道、都市、そういったようなところでの環境配慮をまずは最優先するということで、公道を走りますオンロード車の規制というものを今まで優先して進めてきた、その結果、オフロード車の排出量が目立つものに相対的になってきた、こういうことだというふうに考えてございます。

 しからば今まで放置をしていたのか、こういう御質問でございますけれども、この点に関しましては、自主的取り組みということになろうかと思いますが、平成三年度から国土交通省におきまして、国土交通省の工事等々におきます使用される建設機械について環境配慮型のものにしなさいということで、自主的な建設機械の転換といったことを要請してきたわけでございます。

 しかしながら、規制も全般的に強化をされてきております。今般、オンロードの特殊自動車につきましても、平成十八年からさらなる規制の強化というのを予定してございますので、この際、今まで法的な規制はしておりませんでしたオフロード車についても規制をさせていただこうというのが、今回の御提案の趣旨でございます。

大前委員 本法案では、基準適合表示とは別に少数特例表示制度というのを設けておられるわけでございます。この制度、若干わかりにくいので、趣旨について御説明をいただきたいと思います。

 また、少数生産車の具体的な対象基準ということですが、私は昔、建設工事現場で働いておりましたので、すぐに少数生産車ということで思い浮かぶ、予想するんですけれども、例えば大規模土岩工事現場、ロックフィルダムとか鉱山露天掘り現場などで使用されておる七十トンとか九十トンといった重ダンプがございますけれども、こういったものが対象となると思うんですけれども、その対象、適用基準についてお教えを願いたいと思います。

小林政府参考人 今回の法案の対象になります特定特殊自動車の範囲についての御質問かというふうに承りました。

 それで、本則では、大量生産するものにつきましては、基本的にはエンジンの型式指定といったような仕組みでその性能を担保するわけでございますが、そうではない少数の生産車についてはどういうふうな仕組みになっているのか、こういう御質問でございます。

 実は、平成十五年におきます中央環境審議会の答申におきまして、少数の車についてしか生産されない、あるいは輸入されない、そういった車について、エンジンをおろしてまで今申し上げたエンジンの性能検査等々をするのは大変であるということで、それに見合いました工夫のある制度を設計しなさい、こういう指摘を答申で受けているわけでございます。それにのっとりまして、今回の法案につきましては、エンジンを車体からおろさないで、車体にエンジンがついた状況で検査をし、そして型式指定、いわばその基準が担保されているということを評価する、そういう仕組みにいたしたいという趣旨でございます。

 しからば、どんな車がそういう対象になるのかということでございます。今例示にありました大型ダンプ等々でございます。それもあろうかと思いますが、むしろ、大型ダンプにつきましては大変数が少ないということでございまして、よくありますのは、例えば大型の農機、コンバイン、こういったようなものが実例としては多くなるのではないかというふうに存じておりますが、いずれにしても、エンジンを車体からおろして検査するまでもない、数の少ない車、こういう趣旨でございます。

大前委員 時間がなくなりましたので、最後に一点だけ。

 飛行機とか船舶の排ガス規制について、今後、結構これは環境負荷が多いと言われておるんですが、どのように規制するつもりか、この点だけ簡単にお答え願いたいと思います。

小林政府参考人 先ほども申し上げましたけれども、環境対策、プライオリティーをつけながら逐次的にやってきているのが事実でございます。

 今回の法案ではその対象にしておりません、例えば汎用エンジンだとか、あるいはほかの、エンジンをつけました、自動車ではない、飛行機だとか船とか、こういうことでございます。それぞれに国際的な規制は実は行われておりますが、それに不足して、特に環境が日本の国内で汚れているというようなことがございましたら、これはその原因等をつまびらかにして、対策をとっていきたいというふうに考えてございます。

大前委員 以上で終わります。

小沢委員長 次に、長浜博行君。

長浜委員 民主党の長浜博行でございます。

 質問にダイレクトに入ろうと思ったんですが、昨日、C・W・ニコルさんから、環境委員会等で、永田町で議論しているのもいいけれども、たまには自然環境豊かなところで地球温暖化について考えてみたらどうだというふうに言われましたものですから、ふらっと行きまして、大臣、行かれたことがあるかどうかわかりませんが、長野まで新幹線で行って、それから、黒姫というところで、アファンの森というのかな、そういう森が開かれていて、私はコンクリートジャングルに育った人間ですから、余り自然の豊かな環境はわからないですけれども、そういった中においての森林の役割、炭素を吸収してくれる役割などを論じていても、正直言っていまいち実感がないというところもありまして、見させていただいたんです。

 これは財団でやっていまして、行かれましたか。――行かれていないですか。財団でやっていて、国有林と隣接をしているんですけれども、ちょうどこの財団でやっておられる部分というのは木が間引かれているんですね。自然というのはそのままにしておけばいいのかなと、また素人ながら思ったんですが、やはり木はでかくなってくるとそれなりの面積が要るということで、知らない人間からするとかわいそうだなと思うんですけれども、切らなきゃいけないですね。それで、木がどんどん大きくなっていく。ちっちゃな小川がありまして、それを越えると国有林なんですが、そこは原生林というか、木が生い茂ったままなんですね。だけれども、森を再生するということは、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで、育ててきた木を間伐していかなきゃならない。こんなことも拝見をしながら、そういえば、きょうは大気汚染に関する自動車の排出ガスの質問をさせていただけるんだなと思いながら、きのうはそんな森の中を歩いていたわけですけれども。

 あの黒姫というのはペンション村がいっぱいありまして、雪がかなり豊富なようで、いわゆるナンバープレートのない機械、それが、除雪機なのか、あるいは耕運機なのか、当然田んぼや畑もいっぱいありますからね、そういったものが、本当に、都会の人間からは想像もできないほど各ペンションにいろいろあるんですね。ああ、大した量じゃないのかなと思っていましたけれども、知らないだけで、随分そんな機械があるんだな、きょうの質問にも関連してくるのかなと思いながら歩いていたわけです。

 京都議定書の達成の中における森林のメカニズムを使おうとしても、それだけ吸収はできないよというような林野庁からの報告等がなされているやに聞いておりますが、京都議定書といいますか、CO2を削減をするという中における森林の現状について、大ざっぱでも結構ですから、どんな認識を持たれておられるのか、お答えをいただければと思うんですが。

小池国務大臣 残念ながら、まだ黒姫の方には伺ったことはございません。ぜひ一度行ってみたいと思っております。また、そういったところでこそ、真の環境ということを見詰め直す、そういう、頭を切りかえると申しましょうか、頭にオゾンを入れ込む、そういう必要もあるんだと思います。

 せんだって、野鳥のつどい、毎年開かれておりまして、五十九回目ということで、宮崎県の高千穂というところに行ってまいりました。本当に山が折り重なるような、また、神話の地でありまして、鳥のさえずりで目が覚めたのは、とても心地よい一日のスタートでありました。改めて、私もそうやって木々に囲まれたところに身を置きますと、森林をどうやって守っていかなくてはならないかということ、それに思いをはせる瞬間でございました。

 もちろん、三・九%と認められてはおりますものの、しかしながら、今、林野庁のお話でもございましたように、きっちりと手入れをしていかないと三・九というところまでは届かないという話もございます。きょうの大気汚染の関連の、オフロード車の問題も含めて、これはやはり総合的に考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。

 非常にざっくりとした考え方、答弁かもしれませんけれども、何よりも、改めて、日本が山国であって、森林の国であるということ、その原点に立ち戻って何をすべきかということを、一つ一つ、関係省庁とも連携をとりながら進めてまいりたい、このように思っているところでございます。

長浜委員 今申し上げましたように、きのうきょうの問題ですので、いわゆる質問通告はしておりませんけれども、大体、大まかなところでお答えをいただければいいのではないかなと。

 金融メカニズムというか金融商品のごとく、多分、この京都議定書の問題をやっていくと、排出権取引等々を含めて、こういう問題に入ってくるんですが、机上の空論と言ったら怒られるかもしれませんが、これも議定書で決められた大事なメカニズムでありますから、それを採用するにしても、やはり生の自然が、木が生きていて、そこに吸収するお役を担っていただくということでもありますから、ぜひ林野行政、森林、植林等々についても、環境行政をつかさどっている皆様方にも高い関心を持っていただきたい。

 それと関連をすると、何か、きょうですか、公務員の身分の問題に関するものがちょっと新聞報道にありました。具体的に言えば、例えば、農水省の定員削減はなかなか進んでいないけれども、環境省は人数が足りなくて困るんだ、ですから、フレキシブルにして人員異動をさせようというようなことがきょう載っていたわけであります。

 そういえば、今国会でも設置法の改正、環境省の方、やりましたよね。ああいうことにも絡んでくると思うんですけれども、環境省としてはどういった形での、人手が足りないということであるならば、こういった報道も含めてお考えがあるのか、ちょっとお聞かせをいただければと思います。

小池国務大臣 これまでも環境省は、各省、例えば食糧庁の関係に絡んで人員を採用させていただきました。国家公務員については、御承知のとおりでございまして、失業保険のない世界でございます。その意味で、これまでとある意味で関連もする、そういった人材を環境省の方でさらに生かしていくということについては、環境省としてますます環境の保全ということに重きを置いてやっていかなければならないのに手が足りないというところでは、ぜひともそういった経験のある方々も多く環境省の場において働いていただければ、これにまさることはないというふうに思っております。

 今後、それは省庁間の中でのいろいろな話し合いの中でやっていくわけでございますけれども、これからの環境行政をさらに充実させていくためにも、こういった形での連携というのはこれからも強めていきたいと考えておるところでございます。

長浜委員 ぜひ、この委員会を中心に、自然との共生を訴える意識の高い委員も多いわけでありますので、民主党においても、このごろは、農水部門といったらいいんでしょうか、環境部門については、もうそういった枠を取り払って、こういった自然環境を守る、あるいは森林の役割をもう一回見直していくといったことをやる場合は、クロスオーバーといいますか、そういう状況になっておりますので、決して皮肉で言っているわけではなくて、長年の歴史と伝統を誇る官僚機構がある日本国でありますけれども、大分クロスをしている部分においては、従前より申し上げておりますとおり、環境が主導権をとって、さまざまな分野で働いていっていただけるような形にしていただければと思う次第でございます。

 また、アファンの森に行かれる場合は、ニコルさんに連絡をとりますので、いつでもおっしゃってください。

 それと、委員長もお気づきかもしれませんけれども、昔は、新聞はまず第一面に環境の問題というのは余り出なかったですね。公害とか非常に社会問題になるようなことは出ますが、このごろは、環境省とか環境の問題が随分マスコミに出るようになりました。憲法の問題も今進んでいるようでありますが、そういった中においても、環境という文字が出るようになってきたわけであります。

 また、きょうの問題なので通告はしておりませんが、環境省が主導するといいますか、自主参加型の排出権取引、これは二〇〇六年から七年度で予定をされているということでありますが、三十四社でまあやってみようやというような形の報道が出ておりました。

 しかし、そこでちょっと気になったのは、日本経団連という大変大きな組織は、排出枠規制につながるとして反対の意向を強めているということで、現実には、排出量の多い鉄や石油、それから電力関係大手ですね、こういったものが参加を見送りというようなことが報じられておりました。

 EU各国においては、どちらかというと強制的に、企業別あるいは事業部別まで踏み込んで規制の強化というところを図っているようでありますが、この点について環境省から何かございますか。

小池国務大臣 EUの考え方、そしてまた、既にその制度がスタートしているということは、おっしゃるとおりでございます。

 それでまた、自主参加型の国内排出量取引ですけれども、これは基本的に積極的に排出削減に取り組んでいこう、そういった、ある意味で、とてもやる気のある事業者をしっかりと応援をする、そして、かつ費用効率的で確実な削減を図っていく、そしてまた、そのための知見であるとか経験の蓄積を図っていこうということを目的にしているわけでございまして、おっしゃるように、これは義務型という制度ではございません。EUの方では、むしろ、より積極的な形の取り組みをされるわけでございます。

 義務型の国内排出量取引制度については、京都議定書目標達成計画で、ほかの手法との比較とかその効果、それから産業活動、国民経済に与える影響の幅広い論点について、総合的に検討すべき課題であるということでございます。

 今、産業界は反対ということをおっしゃいましたけれども、やってみようという大変意欲的な企業もたくさんあるわけでございまして、今回その中から三十四社を選ばせていただいた。ここに、やる気のあるところにはさらに後押しをすることによって、そこでまたノウハウを蓄積させていただく、こういった形でまずは進めていきたいと思っております。

長浜委員 産業界が反対というよりは、おっしゃるとおり、産業界でも大変前向きな企業も多いわけでありますし、以前議論をしましたCSRとか環境報告書等で前向きな企業も随分多いようでありますが、経団連という組織と大臣との懇談もされているようでありますけれども、その進め方、あれは一回やられたものでしたかね、その後、経団連の排出量取引あるいはCO2削減についてのお話は、経団連とは継続的にずっと続けておられるんでしょうか。

小池国務大臣 経済界といいましても、まさに今回手を挙げている産業、企業もあれば、嫌だと言っている企業もあると。今回はこういう形で、まず手を挙げてくださるところに後押しをしていくということでございます。

 また、この排出量取引については、これからも産業界の各業界、経団連ひっくるめてということもありましたけれども、各業界ごとで、環境に対しての観点が少しずつ、もしくは関心事項が異なったりしますので、業界ごとに懇談の機会を持たせていただいております。

 そういった機会を通じて、環境省としての考え方、また大きな世界的な流れなどについても、これからも御説明をし、また理解を深めていただく努力を重ねてまいりたい、このように思っております。

長浜委員 大変影響力を持つ団体でございますので、そういったところと、このCO2の問題を細かく詰めていく作業は、急激な激変緩和じゃありませんけれども、いきなりはできないのかもしれませんが、努力を続けていただきたいと思います。

 今度はもう一つ、その大きな組織とは違って、一人一人の国民の顔が見えてくる、特に次の世代のということでございますが、やはり環境の基本は、大気汚染防止法、あるいはもう一つは水質汚濁防止法というような形で、水と空気、こういったものから発生をする過去の悲劇、これは公害という形で、さっきも申し上げましたが、あらわれるわけでありますが、それを未然に防いでいこうという努力がたゆみなく続けられなければならないわけでございます。

 私が住んでいるところも、大体柏と言っても余りぴんとこられないかもしれませんが、このごろはテレビでも放送されているようなところでもありますけれども、呼塚の交差点というと、大体、車を運転する人なら、ラジオを聞く人ならよくわかるわけですね。十六号と六号がクロスをするというところで、毎回大渋滞。国道六号、十六号ですね。そういった近辺に住んでいる人の親としては、子供の健康が大変心配になるわけでございます。

 きょうもその排ガスの問題をやっているわけでありますけれども、環境省が、首都圏と中京地区、阪神地区の交通量の多い幹線道路で、小学生約一万六千人を対象として、自動車排気ガスと気管支ぜんそくなど呼吸器系疾患との関連を調べる大規模疫学研究をスタートさせるというようなことを伺いました。世界でも規模がないというようなことでありますが、例によって、すばらしいことだなと思うと同時に、なぜ今ごろかなという気持ちを正直持たざるを得ないわけです。

 この大気汚染、気管支ぜんそく等だけではなくて、私は大臣と同じ平成五年に衆議院に議席を得ましたので、あのころに、花粉症の問題ですね、自分が非常にひどい花粉症なものですから、杉花粉だけじゃないんじゃないかと非常に素朴な質問をした記憶がちょっとあるんですね。ディーゼルガスのトラックの後ろを走っているとくしゃみがとまらなくなるので、複合汚染ではないかみたいなのを、当時は環境庁でありましたが、もう十何年前の環境委員会でした記憶がありますけれども、科学的知見がはっきりしていないというような御答弁をいただいたような気がするんですね。

 しかし、もう十数年たって、まだこの分野が科学的知見を立証しなければいけないような、各種の大気汚染にまつわる公害裁判等、そしてまた判決等も出ているような状況の中で、こういった問題が、厚生労働省、昔の厚生省、そして今の環境省、環境庁、それぞれ業務は引き継がれているんでしょうけれども、まだこの大気汚染の問題と健康に及ぼす被害というのは、さらにさらに調査を続けなければいけないぐらい、一人一人の未来の国民に対して明確なメッセージを発することのできない状態にあるのか、その点について御答弁をお願いします。

滝澤政府参考人 どうして時間がかかっているのか、なぜ今ごろかというようなお話でございましたが、今年度から大規模疫学調査、小学生を五年間フォローアップするという調査設計をしております。

 その調査設計を作成する手前の段階といたしまして、個人暴露量の把握手法の開発でありますとか、あるいは疫学手法についての基礎調査でありますとか、そういった調査にかなり前から取り組んでおりまして、ようやくその辺の結論が出てきた、こういう大規模の疫学調査の設計にたえ得る基礎的なデータが出そろってきたということで、十七年度からスタートするという状況でございます。(発言する者あり)

長浜委員 発言しようと思ったことを代弁していただきましたので。

 それでは、いつごろおわかりになるんでしょうかね。いつごろ、その調査の結果、めどが立つんでしょうか。

滝澤政府参考人 十七年度、今年度から小学生一万六千人を五カ年前向き調査する、コホート調査と呼んでおりますけれども、これは、調査前のアレルギー等のいろいろ基礎データをいただきまして、その後、その小学生がどのような呼吸器疾患を発症するか、あるいは実際に御家庭の中でそういう汚染物質をどの程度暴露しているかということの因果関係を、まさに疫学的に解明するものでございまして、五カ年を一応クールで考えておりまして、五年の結果、そうしたことが、四万台通るような幹線道路を選びまして、五十メーター付近にお住まいの小学生、それからもう少し離れたところにお住まいの小学生、これを比較検討して、因果関係ありやなしやということをきちっと科学的に調査をしたい、研究したいということでございます。

長浜委員 ちょっと個別具体的なのは、さっきの呼塚という非常に渋滞の名所ですが、ここはその測定地域の候補に入らなかったんでしょうか。

滝澤政府参考人 一日四万台というふうに申し上げましたが、首都圏で申し上げますと、東京の世田谷近辺でございますが、二四六あたりの沿道を選んでおります。それから、ちなみに、名古屋、それから兵庫、大阪、そういった点を選びまして、合計一万六千人ということでございまして、御指摘の地域は対象には入っておりません。

長浜委員 ぜひ、次の世代を担っていく子供たちを、悪い意味で言っているのではないんですが、実験台ということで、もちろん親の許可を得てということも伺っておりますけれども、その大事な実験といいますか調査を行って、そろそろ結論を出していかないと、いつまでたっても科学的知見が立証できないというようなことは大変不幸なことではないかなというふうに思うわけでございます。

 さて、今回のこの排出ガスに絡む法案、特定特殊自動車という、普通の自動車の上に特定、特殊という二つの文字が、わざわざといいますか、入ってこなければいけないこの法案でございます。

 特定特殊自動車といいますから、普通の人から聞いても、普通の自動車とは違う自動車ねというような印象を持つわけでありますけれども、環境省等からいただいた資料を見てみますと、保有台数が自動車全体の約六・六%にすぎない特殊自動車、これは特定じゃなくて特殊自動車からの大気汚染の物質の排出寄与率が、表にすると大変わかりやすいと思うんですが、NOxで三二%で、PMで一五%にもなるということが、改めて、あれ、台数に比べてすごい量だなと。

 しかし、この排出ガス規制としては、はっきり言いましておくれた状態で、今新たなる法案として提出をされなきゃいけない状態になっておるんですが、先ほどの委員の御質問にも少し関係する部分がございますけれども、どうしてこの分野での、つまり特殊自動車、特定じゃなくて特殊自動車での規制がおくれたのか、御答弁をお願いをいたします。

小林政府参考人 担当の環境管理局でございます。

 御指摘の点、確かに特殊自動車の台数が少なくて、しかし、その排出量のシェアは大きいじゃないか、規制がおくれてきたんではないか、先ほど大前委員の方からも御指摘を受けた点でございます。

 ちなみに、実は、ディーゼルトラック等々につきましても、やはり台数のシェアと排出量のシェアというのはそういうような同じようなバランスにありまして、端的に申し上げますと、特殊自動車は大きなものが多いというのが一つであろうと思います。

 それで、そういったものに対しますところの対策のプライオリティーづけということで、先ほども御答弁を申し上げましたところと重複をいたしますけれども、まずは一般公道を一番台数的に走る、例えばガソリン乗用車、あるいはトラックの普通の車、こういったものを沿革的には規制として始めてきたということでございます。そうした中で、特殊自動車の規制につきましては、たしか平成九年の中央環境審議会の答申の中で、特殊自動車についても規制を加えるべきではないかと御指摘をいただきまして、平成十五年に規制に着手した。

 そういう意味で、プライオリティーとしては、やはり先ほど答弁申し上げましたとおりでございますけれども、公道を走る一番台数の多い普通の車に対する対策というものを優先してきた結果、特殊自動車の法規制が後回しになってきたというところは否めない事実かと思います。

長浜委員 先ほどの御答弁も伺っていて、そして今の御答弁も伺って、私には、どうも頭の中が、昭和二十年代後半につくられた法律であるところの道路運送車両法と建設機械抵当法という既にある法律の分類に、どちらかというととらわれ過ぎているんではないかなというふうに思うんですね。

 先ほどの御説明も、前委員のときもありましたように、オンでは既にもう規制は済んでいるわけでありますが、オンとオフで比べてみると、オンの方は、NOx、PMの順番でいえば七・三と三・二、オフの方が二五・一と一一・八ということで、オフロードの方が、特殊自動車における八割が大気汚染物質に寄与をしているということでもあるし、また、欧米においては、オンロードあるいはオフロードというような形で特殊自動車に関する規制が区別がなされていないというようなこともあるようでありますので、このオンとオフ、あるいは特定特殊あるいは普通の特殊といったらいいんでしょうか、なぜ特定特殊と普通の特殊と分けて考えるような規制の発想になるのか、その辺についてもお答えをいただければと思います。

小林政府参考人 先ほどの答弁、不行き届きで申しわけございません。

 今の御質問は、今度は、特殊自動車の中でオンロードとオフロードの差がついているではないか、こういう御質問かと承りました。

 ここになりますと、正直な話、オフロード車につきましては、先ほど申し上げましたが、大型車が多いということでございますけれども、やはり一般公道を余り走っているものではなくて、遠隔地で動いている、あるいは工場の中で動いているといったようなことになろうかと思います。そういう意味で、そこまで規制のウイングを広げるということが、今回の提案、遅きに失したという御指摘かもしれませんけれども、後回しになったということだろうというふうに思ってございます。

 ただ、それが、御指摘の、原因として道路運送車両法と定義に引きずられたんではないだろうか、こういうことでございます。

 これは、確かに条文を見ますと、第二条の定義で、この法律の規制の対象になる車の対象を特定する条文が道路運送車両法を引いてきている、こういうことで御着目になったことかなというふうに想像するわけでございますが、決してそういうことではございませんで、先ほど申し上げましたように、オンロードで、住民が住んでいらっしゃるところの近くで排ガスを出すということが重点であったと思います。

 なお、道路運送車両法といった眼鏡で見ることで問題が起きるんじゃないかという御指摘もあったわけでございますけれども、そういった車両の管理制度というのは、やはり欧米に比べまして一長一短があると思いますが、我が国の場合には徹底した車検制度というのを持ってございますので、そういう意味でいいますと、オンロードでよく使われる車についての排ガス性能の維持管理ということについては、道路運送車両法といった仕組みを活用したということは一理あったのではないかと思っております。しかし、それにとらわれずに、今回新たにオフロードの車も規制に加えよう、こういうことでございます。

 よろしくお願いいたします。

長浜委員 今の答弁を善意で解釈すると、オンロードの場合は本当に車検制度とかありますから、そういったところで厳しくチェックがなされていますけれども、オフロードの機械、先ほども冒頭に申し上げましたように、ちょっと田舎を歩いてみて気がついて、多分きょうこの法案の審議がなければきのう私は気がつかなかったと、正直言って思うんですけれども、ばあっと田舎の風景を見てみると、随分いろいろな機械が存在をしているわけですね。ですから、そこの部分における新規買いかえの部分における規制を今度は出すわけですけれども、どうですか、かなり年期の入った機械がありますよ、ごろごろと。そういった耐用年数の問題等を含めて、この法案によって、それじゃ社会正義に反するとか、隣近所の目が気になるとか、こういったいい意味でのプレッシャーを感じつつ、では持っている機械をかえようというふうになっていきますか。それが一つ。

 それから、既にある機械、果たして機械好きの人は、どうもオンロードとオフロードというとバイクを想像してしまうんですけれども、バイクもそうですけれども、自動車と違って結構バイクはいじるんですね、好きな人は。そういったような形で、自分の田んぼに使いやすい、あるいは自分の建築現場に使いやすいような形でメカがわかる方は改造等ができていくんですけれども、そういったメンテナンスの問題はこれからどうなっていくのか。こういった問題についてはいかがですか。

小林政府参考人 農業機械を中心にしまして、確かに、都会を離れた部分で特殊自動車がいろいろな使われ方をしているじゃないか、こういう御指摘だと思います。

 そういった車でございますので、そこにおきますところの対策というのは、東京とか大阪の濃度に直接削減効果を有するということではございませんで、私どもバックグラウンド濃度と言っておりますが、いわば汚染の底についております、全国どこでもあるような汚染でございますが、そこを引き下げるのに効果があるのかなというふうに思っております。

 それで、農業機械なんかは結構代替が遅いじゃないか、こういう御指摘でございます。

 実は、調べてみますと御指摘のとおりでございまして、農業機械の中でも、丁寧に使われておりますコンバインとか一部のものは、一番長いもので平均寿命が二十九年ぐらいというものもございます。それに対しまして、建設機械等々、私ども調べますと、十年ぐらいで大きくかわってくるということで、やはり使い方によって大分違いはある、御指摘のとおりだというふうに思っております。そういう中で、私ども、そういった車種ごとの寿命の違いというものも計算いたしまして、どれだけ削減効果が出てくるのかというのを一応予測をしてございます。

 今委員の御質問で、大丈夫なのか、こういうことでございますが、そういった自然の代替に任せることによって新型車に置きかわる効果ということが、二〇一〇年までということで一応計算をしますと、乗用車を含めましたすべての排出源からの削減量ということでございまして、NOxについて見ますと四、五%、そして浮遊粒子状物質、PMについて見ますと一%程度の削減効果が、そういった長い寿命のあるものもあることも含めまして、そして自然の代替ということでこれがよくなっていくということを前提にいたしまして計算しますと、そういった効果があるというふうに考えてございます。

 もう一つの御質問は、そうはそう言いますけれども、ではちゃんと維持管理できるのか、不法な改造なんかをしないのか、こういうことでございます。

 本法案におきましては、使用者の責任ということをまず前面に押し立てております。そういうことでございまして、実際の維持管理に当たっての指針といいますか、すべきことということを定めることとしておりまして、そこで適正な維持管理をするようにということを訴えていきたいと思っております。

 特殊自動車につきましては、しからばどういうことかということでございますが、ほとんどの特殊自動車については、いわばエンジンは汎用的にいろいろな機械に共通のエンジンを使っているというのが実態でございまして、そこまでいじられなければ、耕作機械の動き方とか、ついている道具とかいうものをかえれば済むことのような改造であれば、これは排ガス性能に関係ないのでございますので、私どもとしては、その指針の中で、そういったモーターについての違法な改造、あるいは適正な油をきちっと使うといったこと、それから、例えばオイルクリーナーをちゃんとメンテナンスすること、そういったようなことを示していくということで、御心配の点について対応してまいりたいというふうに考えてございます。

長浜委員 今度は、適正な油とおっしゃいましたよね。その適正な油もやはり大きな問題になるわけです。

 今回やっているのは排気ガス規制。だから、大気汚染防止法の一つの枝のような形の法律案の審議をしておりますけれども、その裏側にあるのは燃料の問題なんですね。その燃料が、いわゆる正しい燃料を使っているという状況であるならばともかく、多分、公道を走る自動車は、公道を走っていますから既に対象になっているという意味でありますけれども、ガソリンスタンドに行って給油をするなりなんなりするでしょう。ところが、オフの場合というのは、公道を走れませんからガソリンスタンドまで行かない、こういう前提の中で、どのぐらい環境省は燃料の種類を把握しているのか。

 というのは、今度は、大事な不法投棄の問題につながる硫酸ピッチの問題が発生をするわけです。硫酸ピッチの不法投棄は大変な問題だと。これはよく廃掃法の質疑のときに出る課題でありますけれども、硫酸ピッチはそれでは何のためにできたのかということを考えれば、当然、不正軽油をつくるためにできてきたということになりますので、一体不正軽油なるものはそれではどこにどう売られているのか。都会でガソリン自動車に乗っているとよくわからない分野でありますけれども、こういった燃料の問題はどのように認識をされておられますか。

小林政府参考人 排ガス性能を確保する上では、御指摘のとおり、燃料をきちっと正しいものを使うということは非常に重要でございます。そういう意味で、今回のオフロードの特殊自動車につきましても、そういう規定を設ける、そして指導していきたい、こう考えておるわけでありますが、残念ながら、今回この法律が初めての法律でございますので、御指摘の点の特定特殊自動車の方の違法な油の使い方、実態というのがわからない状況にございます。

 かわりにと言ったら大変失礼でございますけれども、一般の、車検の対象になるようなオンロードの車について幾つかデータがございます。例えば、車検場で、入ってくる車のタンクの中から油を抜き取ってサンプリングをしてみる、こういうようなことでございますが、こういったことで見ますと、正しく油を使っていると考えられるのは八五%ぐらい、そして多少危ない油をまぜているなと思われますものがその残りというようなことになろうかというデータも一つございます。

 また、東京都の方で、街頭で混和率ということで、実際にまじっている油の率ということで調べたものでございますが、それで見ますと、東京都の場合につきましては、逐年的に低下傾向でございますが、やはり街頭でも、三%、一%といったような、調査によって違いますけれども、違法な油の使用の実態があるというふうに承知をしてございます。

長浜委員 失礼ですがというか、別に私に失礼でも何でもそれは構わないんですが、国民に対して失礼があってはならないわけで、先ほども申し上げましたように、大気汚染物質が悪化に寄与する率からすれば、圧倒的にオフの方なんですね。オンの方というよりはオフの方、この部分においても、その燃料をどういうふうにチェックをしていくのか。都道府県とか、一番近いのは市町村でしょうけれども、そういったところ。あるいは、農機具であればもちろん法律にはできません。自主的に組合とか、あるいは建設業界ならそれもまた組合であるでしょうから、そういう指導通達みたいな形を出していくのか。幾らエンジンをかえても、あるいは厳しくしても、現実に燃やしていく燃料が不正なものを使い続けていると、何の意味もないのではないかなということを強く危惧をするわけです。

 と同時に、今、東京都の例を出されましたけれども、あの知事は環境庁長官もされたような記憶もありますが、要するに、PMカットのためのDPF技術等々と同じような形で、現有されている、今使われているものに対しての外づけの機械とかそういった考え方はなかったんですか。買いかえしか規制をしないんじゃなくて、現実にあるものに対して。

小林政府参考人 新車の規制でこの法律を構成しているが、それで十分だろうか、こういう御指摘かと思います。

 自動車排ガス規制は基本的にすべて新車に対する規制ということで構成をされておりまして、例外が、今御指摘のありました、例えば東京都におきますところの特別のケースということで、大変古い年式の、排ガスの汚い車の車検を継続しては認めないという仕方で、古い、汚い排ガスの車を排除していくということをやってございます。

 ただ、この規制は大変厳しい規制でありまして、いわばもう買いかえしかない、トラックですと一千万とかするわけでございますが、それを求めていくわけでございまして、なかなか一般化するのは難しかろうということで、あるきちっとした地域を限り、そしてきちっとした手続でもってその対象を決めていくといったような仕組みになってございます。

 では、特殊自動車、特にオフロード特殊自動車についてはどうなんだということでございますが、もちろん、そういった地域の中にあるものについて検討していくということについてはやぶさかではございませんけれども、技術的には後づけの処理装置をつけるというのは大変難しいというふうに聞いております。私も、いろいろな工場等で実際にディーゼルトラックの排ガス規制等々について研究されているところとディスカッションさせていただきましたけれども、やはり特殊自動車は大変過酷な運転状況にございます。そこに一番簡単な処理装置、DPFとか酸化触媒になりますけれども、やはり相当大きなものを積まなきゃいけない、その性能を確保しなきゃいけないとなりますと、エンジンとそういった処理装置のマッチングという点で大変問題があるというふうに承知をしてございます。

 そういう意味で、技術的な困難もあるということで御承知をいただければ大変ありがたいかと存じております。

長浜委員 御説明はわかりますが、環境の問題あるいは人間の健康にかかわる問題というのは、やはりある程度の猶予期間、時間を設けなければなりませんけれども、割とハードルを高くして、トップの方の個性にもよりますが、大変リーダーシップを発揮できる大臣と思いますので、より高いハードルをつけながら、あくまでも環境省主導で政策実現をしていくのが時の流れではないかというふうに私の私見を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

小沢委員長 次に、肥田美代子さん。

肥田委員 民主党の肥田美代子でございます。よろしくお願いします。

 本委員会に付託されました法案に入る前に、自動車NOx・PM法について質問させていただきたいと思います。具体的な例を挙げてお話ししたいと思います。

 私が住まいをしております高槻市でございますが、市バスが運行されております。大阪府下で市バスが運行されているのは、大阪市と高槻市のみなんですね。私の住まいがございます萩谷という村、ここに市バスが平均して一時間一本運行されております。このバスを一台買いますと、これが二千万円です。これまで十五年から十六年間運行できましたものが、平成十三年の法改正で十二年に圧縮されました。巨額な値段のバスが運行年数を三年間も短縮されますと、経営も大変でございます。運賃とか職員の給与にも影響してまいると思います。

 ところが、すぐ隣の京都府の南部、これは対策地域でないわけですね。全戸の世帯が五十戸のこの高齢化した山村の地域が対策地域となり、すぐ隣の京都の町中ではそうではないということが、どうも皆さん納得できないようなんですね。これは、地域の実情を考えないで恐らく法改正が行われたんじゃないかというふうに私は思っております。

 しかも、おもしろい話があるんですが、対策地域で廃車にされたバスが、全国、対策地域でないところを走り回っているというわけですね。これじゃ何にもならないわけでございまして、ですから、ぜひこのところを、もし事実が皆さんにおわかりいただいているのならそれでいいんですけれども、お調べいただきたいし、それから、恐らく、秋に中間評価をなさるとおっしゃっていましたので、この秋に向けて、そういうこともきちんと、地域に合った状況になっているかどうかを調べていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。

小林政府参考人 先ほど御答弁を申し上げまして、NOx・PM法の規制というのは大変厳しい規制だということで、特段の地域だけで限られて行われているということを申し上げました。そのことについてのお話と思います。

 私ども、実際にある対策地域の中で使われている古い年式の車が、ほかの地域の方に売られてそして使われているという事実も聞いてはおります。確かに、排ガスの総量としては、それは日本じゅう同じになってしまうんじゃないか、こういうことだと思いますけれども、ただ、汚染物質の拡散といいますか飛び方というのは、やはり地域が限られてございまして、その一台一台は大した排出量でなくても、それが集中しますところで環境濃度が高くなるということで、大変汚れた地域につきましては、ほかの地域に比べますと厳しい規制に甘んじていただく、受けていただくということがどうしても必要かなというふうに思っております。

 ただ、時間の関係で四の五の申し上げませんが、いずれにいたしましても、今委員御指摘のとおり、本年度は、そういったNOx・PM法の規制についての効果がどうなのか、そして、これで平成二十二年の環境基準の達成というのがきちっと図れるのかどうか、こういったことを調べる年になってございます。指定地域が広いのか狭いのか、あるいは外から来て中で排出ガスを出す車といったものを放置していいのかどうか、それでも環境基準が守れるのか、そういうことも含めまして調べていきたいというふうに思ってございます。

肥田委員 先ほどからるる御質問ございましたけれども、なぜこの法律が今なのかということになりますが、大気汚染防止法の施行、これが大気汚染規制元年だといたしますと、あれからちょうど四十年過ぎているわけですね。ですから、いろいろな会合で説明することにこれからなると思いますけれども、オフ車の排出ガスがなぜ今なのかということをわかりやすく大臣に御説明いただきたいと思います。

小池国務大臣 お答え申し上げます。

 御承知のように、自動車の保有台数、そして総走行距離の増大、経済の成長に伴ってこれが年々ふえてきたわけで、その結果として自動車排出ガスが大気汚染の大きな原因になってきたということで、昭和四十三年に大気汚染防止法というのが制定をされました。それ以来、特に住民の多い道路際での大気汚染の防止ということをねらいとして、公道を走行する乗用車、そしてトラックなどの排出規制をまず優先してきたということでございます。その結果として、世界で最も厳しい環境規制も実施ができるようになってきたということでございます。

 ということで、乗用車、トラックなどからの排出量が、こういった規制の結果として相対的に減少することによって、これまで未規制となってきたオフロード特殊自動車からの排出量の、自動車全体の排出量に占める割合が、逆にこちらの方が大きくなってきて、ある意味では、規制の結果、まだ未規制の部分がふえてきたということでおわかりいただけるのではないかと思います。

 また、特殊自動車のうちのオンロードのものについては、平成十八年度から規制値の強化を予定いたしておりますし、また、オフロード特殊自動車に対しましても、これと同時に排出ガス規制を導入いたしますので、製造メーカーにとっては技術的な対応が容易でありますし、また効果的、このように考えている次第でございます。

 随分長くかかったではないかということでございますが、先ほど来お話しさせていただいておりますように、オンロード車の場合はナンバープレートがついて、そして車検があってということで、いろいろな管理は、そういった制度を通じてできてきた。ただ、オフロード車について、今回この法律を提案させていただいておりまして、まさにこれまでのアンタッチドの部分に手をつけていくということでございます。ツーレートということはないと思っておりますので、早急にこれを実施させていただきますようよろしく御理解いただきたいと思います。

肥田委員 これは行政だけの責任じゃございませんで、やはり立法府の責任でもあると私も反省をいたしております。

 それで、この法案の規制対象ですけれども、法律が施行された後に購入された車両に限定されております。使用中であるとか中古の車両は適用除外ですよね。この点、排出規制の実効性に私は疑問がわいてくると思っております。規制適合車に切りかわるまでに、先ほど役所の方からお話がございましたが、車種によっては二十九年という耐用年数がございます。そうしますと、この期間の排出ガスの規制は、どのような施策の組み合わせで推進されていかれるのか、お尋ねしたいと思います。

小林政府参考人 御指摘のとおりでございまして、新車規制というのが自動車排ガス規制の大体のパターンでございます。しからば、その代替をどうやって進めていくのかというのが一つのポイントになると思います。そういう意味で、例えば低利の融資といったようなことで、なるべく早く新しい規制適合車に乗りかえていただくというようなことをしていきたいと思っております。

 それから、もう一点でございますが、新車であれ、あるいは現在お使いになっている車であれ、現在お使いになっている車については排ガス基準はかかりませんけれども、維持管理の指針については指導の対象というふうに、この法案は構成されております。いつの年式のものであれ、きちっと維持管理をしていただくということは非常に大事だと。あるいは、先ほどほかの委員からも御指摘ありました燃料の問題。こういったようなことを通じまして、現在使われている車からの排出というものを極力抑えていきたいというふうに考えてございます。

 ただ、ちなみに、そういうことを見込まないで先ほどちょっと数字を申し上げさせていただきましたが、二〇一〇年時点で、NOxでいえば、この規制によりまして四、五%削減を得られるという計算にはなってございます。それに加えまして、今おっしゃったようなことをやっていきたい、御指摘の点をしっかりやっていきたいというふうに考えてございます。

肥田委員 ちょっと今聞き漏らしたかもわかりませんが、新車については、車両検査なんかをこれからやっていくということですか。それから、使用過程にあるものについても同じくだというふうに理解していいんですか。

小林政府参考人 舌足らずで恐縮でございました。

 新車につきましては、生産に当たって型式指定という形でその性能を担保させる仕組みが、この法律の一番メーンの、肝の部分でございます。それについて、新車でまずちゃんとした基準を満たして生産をしていただき、かつ、お使いになる方もそれを適正に維持管理をするということで、二段構えに新車についてはなっている。既に売ってしまった車については、そういった排ガス規制の基準というのはかかってございませんから、といって使えなくするというのはこれは過酷でございますので、使っている車について適正な維持管理をしてくださいということだけはかかる。こういうことに仕組みとしてはなってございます。

肥田委員 今の適正な維持管理ということにこだわるわけですけれども、それで、この法律の目的は、例えば二十九年という長い期間が、あるときに達せられるというふうにお思いですか。

小林政府参考人 先ほど二十九年と申し上げましたのは、実は極端な例でございまして、平均的にはそういうことでございません。また、農機につきましては、今回規制の対象に追加的になる台数というのは大変少なくて、実はほとんど公道を走れる車として規制をされてございます。農業機械で新しく追加的に規制の対象になるのは、恐らく四万台ぐらいというふうに保有ベースでは考えてございます。百三十万台というオフロード特殊自動車の中では非常に小さなシェアでございますので、二十九年の耐用年数ということは事実ではございますけれども、それの削減効果というのはそう損なわれるものではないというふうに認識をしてございます。

 先ほど申し上げました、例えばNOxが四、五%削れるというのはどういう計算かと申し上げますと、実は、先ほども言葉足らずで申しわけなかったんですが、維持管理を適切にする、しないで削減をするのではございませんで、新車の時点できちっとした排ガス基準を担保できる生産が行われる、それがだんだん新しい車に置きかわっていくことによって、従前の車よりは排出が減りますので、その分だけを計算して四、五%という数字を出してございます。

 ですから、維持管理で四、五%の削減が果たせるのかということでございましたら、そうではない、こういうことでございます。あくまで、ちゃんとした車を生産して、それが置きかわる効果だということで御理解いただきたいと存じます。

肥田委員 オフ車の場合ですけれども、非常に多くの種類の機械が搭載されておりまして、それに、同一エンジンが少量生産でありますし、異なるメーカーのエンジンがほかのメーカーの車体に搭載されるというケースも目立っております。自動車関係の業者からも質問を受けましたけれども、この法案が施行されると、排気に関しては、エンジン単体で型式申請するのか、それとは別に、車体メーカーも自動車として申請するのか、どういうふうになるんですかという話なんですね。これは、第六条の「特定原動機の製作等を業とする者の申請により、特定原動機をその型式について指定する。」という法文の理解にもかかわるものでございますけれども、いかがでしょうか。

 また、オフロード車両は、単独の機械に搭載する自動車と異なる特性を持っておりますので、この特性に対応した排出ガス規制はどのように推進されるのか、お尋ねします。

小林政府参考人 今委員の御指摘のとおりでございまして、今御紹介いただきました条文が、先ほど申し上げました一番肝になる条文、中核になる条文でございます。

 モーター、エンジンをどうやってつくるか、どういった性能でつくるかというのがこの排ガス対策の一番かなめでございますので、エンジンについての型式指定というのは、一番重い統制になってございます。その後、実はそれを車に載せる、今度は車のメーカーというのがございます。そのメーカーにおきましても、エンジンがきちっと性能を損なわない形でくっつけられているかということについて、私ども、これは自己検査でございますが、していただいて、自己認証をするという仕組みで、一段軽い担保にしてございます。

 ですから、今御指摘のとおり、本体は、エンジンの製造規制という部分が一番重いものだというふうに思っております。

 それから、二点目の御質問ですが、建設機械あるいは特殊自動車、いろいろな使い方をされているじゃないか、それについて基準上の担保はどうするのか、こういうことでございます。

 実は、使い方はいろいろございますが、エンジンは共通で、それを使い回ししておりまして、排ガス処理装置も含めてでございますが、排ガスの性能といったものは、エンジンと排ガス処理装置の組み合わせで決まるということで、ほとんどそれがそこで担保できるということで、私どもとしては、基準値はエンジンの出力といったものに応じてつくり分けを、大きなエンジンについてはより厳しい基準、技術的な余地が大きいものでございますから、そういったような基準値をつくることで対応していこうというふうに考えてございます。

肥田委員 我が国はこれまでいろいろな法整備、そして施策を講じてまいりまして、自動車排出ガスの抑制に努めてこられたと、先ほど大臣からの御答弁がございました。

 それで、自動車一台当たりの排出ガスは大幅に削減されております。これを私も評価しております。しかし、自動車保有台数や交通量の大幅な増加で、大気汚染は依然として厳しい状況にある。自動車排出ガスに起因する二酸化炭素や浮遊粒子状物質の環境基準の達成率はやはり低い状況にあると思います。光化学オキシダント濃度の年平均値も漸増の傾向をたどっている。

 本法案は、そうした厳しい状況のもとで国会に提出したということになりますが、この法案によって大気汚染の改善はどのように進むとお考えになるのか、お尋ねしたいと思います。

小池国務大臣 これはかなり専門的と申しましょうか、科学的な数字でお示しをする必要があろうかと思っておりますけれども、一定の仮定を置いて試算をしてみますと、この法案の規制を行うことによって、つまり、規制がない状態と比べると、平成二十二年度までに、NOxで年間排出量が約九万トン、それから、粒子状物質、PMの方が約二千トン削減ということが見込まれているわけでございます。

 それから、自動車以外を含めたすべての排出源からのNOxとPMの排出量で見てみますと、この法案の規制を行うことで、平成二十二年度までにNOxで約四、五%、PMで約一%押し下げる効果があるという試算もございます。これによりまして、大都市圏だけでなくて、全国的にいわゆるバックグラウンド濃度というものが低下するということが考えられるわけでございます。

 御指摘のように、大都市におけます大気汚染というのは依然として厳しい状況にございます。例えば、煙突からのもの、車からのもの、それから黄砂の影響なども考えなければならないということで、なかなかその構造自体は複雑でございますけれども、これまでの累次の法規制を重ねさせていただきました。そして、平成二十二年度までに環境基準をおおむね達成するために、乗用車、トラックなどに対しての排出ガス規制、そして自動車NOx・PM法などの施策を講じてきたわけでございまして、さらに今回のこの法案を実行させていただくことによって、大気汚染の改善に資するもの、このように考えているところでございます。

肥田委員 次に、排出ガス規制に関する国際的な整合性についてお尋ねしたいと思います。

 欧米では、オンロード、そしてオフロードに区別なく、既に排出ガス規制が実施されております。例えばEUの規制は、欧州連合として制定し、連合加盟国が国内法として施行することになっております。型式承認を受けたエンジンでないと販売できない。アメリカの場合は、農業機械から業務用船舶エンジン、それから機関車エンジンまでその規制の対象とされておりまして、環境保護庁の型式適合証明を受けなければ販売できないことになっております。

 オフロード特殊自動車の排出ガス規制は、輸出入の面からも国際調整が求められていると思いますけれども、どの点で調整する必要があるとお思いですか。

小林政府参考人 特殊自動車についても、国際商品ということで輸出入が行われております。そういう意味で、その輸入の障壁、輸出の障壁にならないように、基準の調和といったことが行く行くは大事でございます。ただ、私どもとしては、今、その基準が、例えば緩過ぎて国内の環境保護に資さないというようなことではいけないなということで、注意をしているところでございます。

 しからば、どういうところがその基準調和のポイントになるのかということが御質問の点かというふうに思っておりますが、具体的に申し上げますと、まず一番大事なことは、排出ガスの試験法ということになろうかと思います。具体的には、例えば普通の自動車でいいますと、何キロ走ったことにして、車速をどのぐらいで、最初加速して、何キロまで加速したら減速するといった、試験モードというふうに言ってございますが、こういったようなモードの統一というようなことをしませんと、国によって定規が違うことになってしまいます。こういったものの基準の調和ということが現在の課題になってございます。

 平成十五年来、国際連合のもとでいろいろな生産国等々が集まって議論をされておりますけれども、現在、そういった試験法についての議論中というふうに承知をしてございます。

肥田委員 来年一月に欧米の排出ガス第三次規制がスタートすると聞いております。それを視野に入れまして、日本の建設機械メーカーも新しい規制に対応した製品開発に取り組んでいる。欧米は大きな需要が期待される市場ですから、最新機種の開発は、経済のグローバル化を一段と進める上でも、排ガス規制への対応は必須の条件ではないかと思います。これもある意味では環境型経済への移行過程としてとらえることができると思います。

 そこで、オフ車の排出ガス規制は今後日本経済にどのような影響を与えると考えられるか、大臣の見解を伺っておきたいと思います。

小池国務大臣 先ほど局長の方からも御答弁させていただきましたように、自動車の業界といいましょうか、国際競争というのは大変激しいものがあるわけでございます。

 ちなみに、排出ガス規制についてですけれども、アメリカでは、ガソリン乗用車の排出ガス中の炭化水素、それから一酸化炭素、そして窒素酸化物、これらの排出量をそれまでの規制値から九〇%以上削減するといういわゆるマスキー法が提案されたのは一九七〇年のことでございますけれども、実際にその規制が実施されたというのは、それから後の、時を経ること二十四年で、一九九四年ということになっております。

 一方で、我が国で同じレベルの規制が開始されたのは、それより前の七八年でございまして、ちょうどオイルショックと重なったということもあったこと、それから、日本の自動車メーカーが世界に先駆けてこういった厳しい排出ガス基準に対応した自動車の技術開発を行ったということで、ここで日本車の性能は大幅に向上もいたしたわけでございます。

 さらには、先ほど申し上げたように、オイルショックということで、消費者が、そういった排出ガスという問題に加えて燃費の点で、昭和五十年代以降、アメリカにおける日本車のシェアというのも急速に拡大をしたわけでございまして、今申し上げたようなことは、オンロード車だけでなくてオフロード特殊自動車についても世界で最も厳しいレベルの排出ガスの規制を実施するということで、また、国内の自動車産業、そういった特殊自動車産業に従事しておられる皆様方も、業界の方々も、さらにこの技術革新というのを一層努力されるということも期待をしているところでございます。

 よって、それによってこの排出ガスを抑える、そして、そういった環境性能のいいオフロード車なども、これから、今後国際市場において使われるということになりますと、日本の国際競争力とともに、地球環境への貢献というのもできる。余り、バラ色のようなことを言ってしまいましたけれども、そういったことも想定しながら、今回の法案というのがそういった流れを後押しする、もしくは前に引っ張る、そういう役目を果たしていくのではないかと考えているところでございます。

肥田委員 これで最後の質問にさせていただきたいと思うんですが、大気汚染に関する改善策は、もうそれこそ次から次へと打ち出されて、御努力をしていただいております。しかし、平成元年に七千五百万台だった自動車が平成十五年に八千九百万台と増加しておりますから、都市部においては交通渋滞による大気汚染状況はますます悪化の傾向にございます。これまでの自動車排気ガス抑制のための各種の法律とか対策が実効性を上げるには、都市部における交通量抑制が絶対条件になるかと思っております。

 環境に優しい、例えばですが、公共交通を軸とした交通体系に変えないと、いつまでたってもこれは大気汚染の根本的な解決にならないと思うんですが、大臣はこの点、なるべくは公共交通を重点的にというふうに、少し流れを変えることを環境省の方で率先して、今までもやっていらっしゃるとは思いますが、PRしていただくようなことはありますか。

小池国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 このように、排出ガスの削減ということも、これまでの累次の法律、規制で進めてまいりました。ですから、単体としての自動車の排出ガスに対しての規制だけでなくて、自動車の交通量そのものの低減を図っていくという、そういった大きな総合的な施策は大変重要でございます。また、物流をもっと効率化させるための例えばモーダルシフトであるとか、御指摘のように、公共交通機関の利用を促進するといったような問題は、総合的に検討して、また実行していかなければならないと思っております。

 こういった認識で、政府において、平成十二年には環境基本計画、十四年にはいわゆるNOx・PM法、そして今回、京都議定書の目標達成計画、これらの閣議決定で、政策方針としてこの物流の効率化、公共交通機関の利用促進などを位置づけているわけでございまして、環境省についても、例えば環境的に持続可能な交通、ESTと呼んでおりますけれども、これを実現するために、例えば先導的な地域を募集いたしまして、公共交通機関の利用促進であるとか普及啓発など、こういった支援策を集中して講じるESTモデル事業ということを、国土交通省とともに進めているところでございます。

 御指摘のとおりでございまして、交通対策そのもの、そしてまた、私は、我が国というのは公共交通機関はかなり利用されている国の一つだというふうに思います。まあ、今回のようなJR西の問題などもございますけれども、公共交通機関がこれだけ発達している、特に大都市ですね、それをやはりさらに安全と安心を確保しつつ進めていくということは、環境にとっても極めていい方向ではないかと思っております。環境省としても、交通全体を見据えた環境対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

肥田委員 ありがとうございます。終わります。

小沢委員長 次に、村井宗明君。

村井(宗)委員 民主党の村井宗明です。

 きょうは、議題となっております特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律案について質問いたします。

 ただ、その前に一個、どうしても党の方から質問するように言われていることがあります。

 私は、この場はやはり政策について議論する場だと思っています。疑惑追及とかそういうことは非常にやりたくなくて、マスコミとかに任せたいなと思っているんですが、どうしてもということで、一言聞かせていただきます。

 自民党各派が党の派閥活動費というものをお配りしていた中で、森派の方はそれを配っていない、氷代、もち代というものは配っていないという主張をしておられました。我が党の同僚議員が環境大臣に、環境大臣が森派なものですから、そこで最初にお聞きしたときに、そういうのはなかったと、先日の場合、答弁されたんですが、新聞等でいろいろな証言で、あったということ、二億二千万円のパーティーを開き、一億円前後を配っていたということが明らかになったんですが、大臣、訂正もしくは謝罪のお言葉だけいただいてよろしいでしょうか。

小池国務大臣 いろいろと御苦労も多いことだと思いますが。

 私、新党については詳しいんですけれども、派閥については極めて疎いものでございます。しかし、今御質問ございました、何か変更、訂正はないかということでございますけれども、私は、いわゆる氷代とかもち代とか一切いただいたことがございませんので、訂正する必要はなかろうか、このように考えております。

村井(宗)委員 一言、受け取りましたで終わるはずだったのですが、二億二千万円の森派のパーティー収支報告なんですが、一億円前後を各議員に配ったとのことなんですが、大臣は全く一円も受け取っていなかったという認識でよろしいんでしょうか。

小池国務大臣 ですから、今お答えしたとおりでございまして、派閥の方からいただいたことはございません。

村井(宗)委員 また後日、私どもの党の方からまた別の質問が行くと思うんですが、とりあえずきょうはここまでということにさせていただきます。

 さて、既にこの法案は参議院で審議され、全会一致で衆議院に送付されてきております。したがいまして、法案の中身については幾つかポイントだけを確認したいと思っています。そして、せっかくの機会ですので、自動車の排出ガス対策そのものの問題、自動車燃料の品質の向上、低公害車の開発普及などについても関連して質問させていただきたいと思っています。

 今回、この法案で新たに規制の対象となる特定特殊自動車には、産業用フォークリフト、建設用ブルドーザー、農業用コンバインなどが含まれます。地元の大規模農家の方にお聞きいたしますと、日本製コンバインやトラクターは非常に値段が高いため、最近はお隣の韓国から輸入する農家などがふえているそうです。

 そこで、まず環境省にお聞きいたします。

 新たに規制の対象となる特定特殊自動車、オフロード車の国産と輸入の割合はどのようになっておりますでしょうか。主な車種別に御説明をお願いいたします。

    〔委員長退席、近藤(昭)委員長代理着席〕

小林政府参考人 お尋ねの点でございます。

 先ほど肥田委員の方から御指摘のありました国際的な側面ということに続いての御質問かというふうに承りました。

 いろいろな車種がございますので、まず代表的な例ということでございますが、建設機械ということになりますと、油圧シャベルというものが一番ポピュラーなものでございます。建設機械のうちの大体九〇%を占める。

 これについて見ますと、結論から申し上げますと、例えば国産に対しますところの輸入の割合、これはデータが、冒頭申し上げましたように、この法律は新しい法律で、今まで法規制のないところでつくってございますので、データにつきましてはちょっと年次がそろわないとかいろいろ苦労があるのでございますが、あえて申し上げますと、十三年の機械の生産台数みたいなことをこの油圧シャベルについて見ますと、おおむね五万四千台、それに対しまして輸入台数は百五十八台。これは十六年のデータ、割と最近のデータでございます。そういう意味で申し上げますと、国産割合の方で見ますと九九・七%程度という数字になります。

 それから、産業機械の代表選手は何かということでございますけれども、フォークリフトが一番ポピュラー、これはほぼ台数的には全部ということになります。これでオフロード車が現在大体四十六万九千台ぐらいあるだろうというふうに言われておりまして、それについて見てみますと、おおむね九八%は国産品というふうに聞いてございます。これは推計値でございます。

 それから、今御指摘ありました農業機械でございます。

 農業機械は、新たに規制の対象になるものは台数的には少ないわけでございまして、先ほど申し上げましたように、恐らく四万台ぐらいだろうというふうに申し上げたとおりでございます。その中で、農業機械の代表例、ほとんどのものがコンバインでございます。これは公道を走らないので今まで規制の外だった、これが三万七千台ぐらい保有台数ベースではございます。

 この中で見ますと、これは断面の、ある年の輸入統計、国産統計でありますが、大体十四対一ぐらいの割合ということになりまして、ある年をとりますと、大体九三%が国産、七%が輸入品。過去に及ぼして見ますと大体そんな割合かなと思いますので、これが御指摘のとおり一番輸入割合が高く、七%というようなことになろうかと思っております。

村井(宗)委員 海外から輸入される特定特殊自動車は、当然その生産国の基準で製造されています。

 そこで、お伺いいたします。

 日本へ輸出している特定特殊自動車を生産している諸外国における排出ガスの規制は、現状、どのようになっておりますでしょうか。お願いいたします。

小林政府参考人 先ほど肥田委員の方から御照会のありましたところと重複をいたしますけれども、主な輸出国となりますと、自動車生産国であります米国、EU、こういうことになろうかと思いますが、まずは公道を走行するか否かということを特別に区別することなく、いわばノンロード車両というような形で一括をいたしました上で、本法案の骨格とほぼ同様な規制のもとに置いているというふうに理解をしてございます。

 具体的に申し上げますと、エンジンについて、一番中核的なコントロールの方法としては、エンジンの性能を規制する、こういうことでございまして、大量生産品でございますから、それを型式指定して、そういったものしか使えないという仕組みにするという点で、まず規制の仕組みが同じでございます。

 また、内容はどうか、こういうことでございます。

 実は我が国におきましても、先ほども答弁させていただきましたが、平成十五年からオンロードの特殊自動車については規制をしているわけでございます。さらに、その規制強化を十八年から二十年にかけてするというふうにしてございまして、今回のオフロードの特殊自動車についてもそれと同じ規制をしたいというふうに考えてございまして、今この時期に提案をしているということは申し上げたとおりでございます。

 そういうことで、規制の内容といたしましては、平成十八年から予定されておりますオンロードの特殊自動車の規制の内容というのが我が国でははっきりしたものとしてあり、これがオフロードにも均てんされるわけであります。これを諸外国と比べてみますとほぼ同じでございまして、ただ、粒子状物質については、むしろ我が国の方が欧米に比べ厳しい規制になるというふうに承知をしてございます。これは、我が国の環境の状況といったようなことを踏まえて、そういった対応をいたしたいというふうに考えてございます。

村井(宗)委員 それでは、国内で製造販売されるものと違って、既に完成した車両として輸入される特定特殊自動車の検査についてお聞きします。

 輸入車については、この法案に基づくエンジンの型式指定、車両の届け出、基準適合の表示など、どのように取り扱うことになりますでしょうか。

小林政府参考人 輸入輸出については基本的に扱いは異なりませんが、三つのパターンが用意をされてございます。

 まず大量生産品、大量輸入品といったようなものにつきましては、エンジンにさかのぼりまして基準適合表示をつけていただくということでございます。我が国のメーカーであれ、海外のエンジンメーカーであっても、同様に型式指定を受けることはできる仕組みというふうにこの法律はなってございます。そして、こうしたエンジンを搭載した車両を、今度は車両を載せる方、つくる方あるいは輸入事業者が届け出ていただければ、さらに車両としての基準適合表示というのがつけられる。これが一番大筋の対応でございます。

 もう一つは、少数のみ輸入するケースということでございまして、これは冒頭、大前委員からも御質問ございましたけれども、結局、少数、エンジンがついた形で車が輸入されてくるときに、エンジンを外してエンジンの型式指定をとる、検査をするというのでは大変なことになりますので、車両としてエンジンをつけたままで検査をするということで考えてございます。具体的に、例えばどのような台数の場合にそういうことをするかというようなことは、まだこれから詰めていかなければいけませんけれども、そういった仕組みが一つ。

 それから最後に、一台だけ輸入車を個人で輸入しちゃった、使っているというような場合につきましては、使用する前に個別に検査を受けるという道も開かれてございます。これは国内でも同じでございます。

 以上三つのパターンで、最終的にきちっとした性能を確保していこうというふうに考えてございます。

村井(宗)委員 今、少数で輸入した場合、一台でも検査するという話だったんですが、日本の場合、そういうのはよくあるというふうにお聞きしています。日本の農機具が海外に比べて非常に高い、そして本当に数の少ないメーカーしかない、そういう中で、ぽんと一台、二台、海外から輸入したというケースがあるというのですが、その一台だけ輸入して検査をする場合、検査費用というのはどうなるんでしょうか。お聞かせをお願いします。

小林政府参考人 確かに検査費用の問題というのはございますけれども、他方、それが使用の障壁になってはまずいなというふうに考えてございまして、例えば、ここにございますけれども、別の条文でございますが、そういった検査機関を民間の中から、民間の発意でもって立候補していただいて、そういった方々の中の自由な営業でそういった対応をしていただくということを考えてございます。

 ただ、その料金については、安かろう悪かろうということではまずいわけでございますので、政令でもって標準的な料金というふうなことを定めていこうと思っておりますが、その際に、今御指摘のような点を十分考慮してまいりたいというふうに考えております。

村井(宗)委員 今、政令をもって指定というのは、正直これは、申しわけないんですが、答弁になっていないと思うんです。最近、私も国会議員になって思ったのは、いろいろなものを政令で指定しますということで、答弁にならない答弁というのが非常に多いなと思ったんです。

 大体幾らぐらいのものなんでしょうか。後で変わることになっても結構ですので、お答えください。

小林政府参考人 特定特殊自動車ということで、ややおどろおどろしい名前でございますが、自動車には変わりございませんので、今までの例でちょっと申し上げますと、道路運送車両法に基づく一番ポピュラーな、普通の、例えば乗用車とかそういったものでございますが、これの型式指定の手数料が四十二万円でございます。それから、車に積んであります、車の中の特定の装置だけの型式指定ということになりますと、もう少しお安くなって五万円。それから、建設機械に関する、既にあります自主規制でございますが、排出ガス対策型のエンジンになっているかどうかを検査する手数料が、これは大きさによって変わりますが、十万円から四十万円弱ということでございまして、大体同じような数字になるのではないかというふうに考えてございます。

 以上です。

    〔近藤(昭)委員長代理退席、委員長着席〕

村井(宗)委員 もちろん型式指定の場合はそれでいいと思うんですが、一台だけ輸入してそれだけの金額を払うことになると、かえって輸入する方が高くなる場合もあるという心配をちょっとしています。

 私、富山県の国会議員の中で唯一田んぼを持っている国会議員だと思うんですけれども、本当にそういった中で、農家の立場で、もちろん農協から高いが買ってくれと言われたら買わにゃならぬという立場もある場合もあるんですけれども、そうじゃなくて、やはり農協のものは農協のものでいいです。だけれども、海外からも輸入できる、そしてそれがある程度の安い値段で来るということによって、農協側からあっせんしてくるものも値段である程度下がってくる、そういう競争相手というものが必要なんじゃないかなと私は思っています。

 そういった意味で、一台、二台で輸入する場合も、ある程度の御配慮、数十万、四十万取るとかというんじゃなくて、ちょっとその点、御配慮いただいた方がいいんじゃないかなというふうに思っています。

 さて、最近では、例えばBSE問題を見ますと、日本とアメリカとの基準の違い、規制の違いが大きな通商問題、貿易摩擦に発展する火種となっています。同じような懸念はないんでしょうか。お聞きいたします。

 輸入される特定特殊自動車の生産国の基準が日本よりもかなり緩やかな場合ですと、この規制面の内外格差によって通商的な摩擦になりかねないと思いますが、いかがでしょうか。

小林政府参考人 国際ルールといたしましては、やはり輸出先国のルールに従っていただくということが重要だというふうに考えてございます。

 我が国といたしましても、先ほど来、各委員から御指摘を受けましたように、大変厳しい大気汚染の状況というのがございますので、厳しい排出ガス基準ということについては仕方のないところではないかというふうに思っております。

 ただ、いずれにいたしましても、世界どこの国にとっても、環境がよい、排ガス性能がいいということは非常に重要なことでございます。私どもとしては、そういった我が国にとっては不都合のある緩める方向ではなくて、厳しい方向で国際基準が統一されるように努めていきたいなというふうに思っております。

 それは行く行くの話でございますが、短期的に、では今の規制は大丈夫なのか、こういう御質問もあろうかと思います。

 一つは、WTO等々の協定上の手続といたしまして、こういった規制をしますよというようなことについてはお互い通報し合うことになってございます。そういうことで、無用な障壁をつくらないように気をつけ合うということをやってございまして、この間、私どもでも答申をいただきました、例えばディーゼルトラックの、世界で一番厳しい規制というのは事実だと思いますが、これについてもそういった手続をとっておりますし、本法に基づく、これはまだ数字が入っておりません、制度でございますけれども、通知をしてございます。

 また、基準自体も、先ほど答弁させていただきましたところでありますけれども、欧州等々の規制とほぼ同一ということで、現時点で直ちに摩擦になるというふうには承知をしていないというふうに考えてございます。

村井(宗)委員 その摩擦が一番起こりやすいとしたら日米間だと思うんですが、アメリカとの基準の違いなどについてお答えいただいてもよろしいでしょうか。

小林政府参考人 アメリカの場合の特色がありますのは、フリート規制といいますか、一つの車の集団としてとらえまして、一台一台の車の性能もさることながら、例えば大変すぐれた排出ガス性能の車を売ったとすれば、多少汚いのがあってもいいというような、いわば排出総量みたいな規制という考え方が往々用いられることはございます。

 しかしながら、先ほど申し上げましたように、炭化水素とかNOxとか個別の汚染物質について見ますと、特殊自動車については、ほぼ内容的には現時点では同一というふうに考えてございます。ディーゼルトラック等については、かなり我が国の方が厳しくなっているのが実情でございますが、今、本案についてはそういう状況でございます。

村井(宗)委員 例えばアメリカの方が基準が緩い場合、典型的な例は今BSEが出ていますけれども、日本は一頭一頭全頭検査をする。ところが、アメリカは二十カ月未満の牛だったら何でも大丈夫だということにしてしまうような基準。どうしても今の小泉内閣というのは、アメリカに押し込まれると、ううんというふうになってしまっている中、なかなかそういうことがないように、日本の環境基準も向こうともちゃんと話し合って、摩擦がないようにうまくやっていただければとお願いさせていただきます。

 次に入らせていただきます。

 産業用のフォークリフトにしても建設用のブルドーザーにしても、使っているのは大方は中小企業です。小さな町工場だったり、零細な印刷所だったり、また中小の建設会社、土木工事会社です。コンバインやトラクターは農家一軒一軒が使っています。この現場で実際に使用している人たちは、手続が面倒くさいこと、煩雑なこと、書く書類がふえることを一番嫌がります。

 そこでお聞きいたします。

 同じ車種、同じ型の特定特殊自動車が、オンロード用かオフロード用かで必要となる検査や諸手続が異なったり検査に行く場所が違ったりといったことのように、使用者あるいは消費者の不便やコスト増を招く心配はないのでしょうか。御説明をお願いします。

小林政府参考人 先ほど、一品生産といいますか一品輸入みたいな場合のケースで、使用者が直接検査を受けるという例を申し上げましたが、それは大変例外的なケースだろうと思っておりまして、本法律におきましては、大量生産品を中心に、型式指定の制度でいくということでございます。

 ですから、それぞれのユーザーさんにとりましては、これは車検制度の外でございますから、一々その車をまた改めて使用者として例えば車検場へ持っていかなきゃいけない、こういうことではございません。きちっとした型式認定を受けた車を購入いただくというのが一番単純な方法かというふうに思っております。

村井(宗)委員 今回の規制はいわゆる新車にしか適用されないことになっています。そこで、既に国内で使われている約百三十万台についてお聞きしたいと思うんですが、まず、特定特殊自動車、オフロード車の主な車種別の平均稼働年数、平均使用年数をお聞きいたします。

小林政府参考人 これも今、制度がない中での調査でございます。多少間違いがあるかもしれませんが。

 私どもの調査、これは平成十二年度の調査でございますけれども、例えば産業用機械で先ほど例を挙げさせていただきましたフォークリフトについて見ますと、十四年から十六年というのが平均的な使用期間というふうに考えてございます。また、油圧シャベル、これも代表選手でございますけれども、建設用機械、これが大体十年から十五年、過酷な使い方をされるものはもうちょっと短いものがあるようでございますが、十年から十五年。それから、先ほど申し上げました農業用機械ということになりますと、コンバインが二十九年とかトラクターが二十三年ということで、台数は少ないのですが、比較的長寿命に使われている。こういった実態にございます。

村井(宗)委員 今おっしゃられたように、新しい規制に適合した車両に入れかわるまで、相当な期間が必要になってまいります。

 そこで、能勢環境大臣政務官にお聞きいたします。

 規制の対象外である使用中の特定特殊自動車から基準適合車両への買いかえを促進するような誘導策について何か考えておられますでしょうか。

能勢大臣政務官 オフロード特殊自動車に関します税制とかあるいは融資制度の現在ですね。

 税制面では、自動車税、それから自動車取得税、自動車重量税などは従来よりかかっていないわけですよね。ただし、建設機械など大型特殊自動車については固定資産税、それから、農業機械などの小型の特殊自動車につきましては軽自動車税の対象となっています。

 金融面では、御承知かわかりませんけれども、従来より、排出ガス対策型の建設機械に対しましては担保の免除を含む低利の融資制度があるというのが現状であります。

 それに対して、今後、税制とか金融面でどういうふうにして促進を促すようなことができるかということについて私ども環境省としても考えているわけですね。この法律が通りますことを踏まえながら、まあ通った後ということになりますか、国土交通省あるいは経済産業省とも連携いたしまして、財務当局にそれらに対する何らかの措置をいただくように、しっかりと要望してまいりたいというふうに考えております。

 よろしく御支援くださいますようお願いいたします。

村井(宗)委員 ありがとうございます。

 買いかえを進めなければならないというのはもちろんなんですが、その中で、本当に農家に負担がかからないように御配慮いただければと思うんです。

 正直、今、若者で農家を継ぐ人というのはほとんどいないんです。農業そのものが余りもうからない産業になっています。そして、やはり何よりも、ちょっと農業で収入があったと思ったら物すごい高い値段の農業機械の購入費に充てる。少ないもうけがどんどんなくなって、実際の生活費とかいろいろなことを考えると、農業を継ぐ若者が、今、どんどんどんどん減っているという現状。極力負担がかからないように配慮していただければというふうに思っています。

 さて、次の質問に移ります。

 特定特殊自動車に限らないで、ここからは自動車の排ガス全体について質問いたします。

 自動車の排ガスを取り上げる場合、温室効果ガスの問題も当然あるんですが、まずは窒素酸化物、そして粒子状物質についてお聞きいたします。

 大都市地域における自動車排出ガスに起因する二酸化窒素NO2、浮遊粒子状物質SPMの現状を御説明ください。

小林政府参考人 私ども、全国にわたりまして二千の測定局を設けておりまして、今御指摘の汚染物質についての測定を常時やっている、こういうことでございます。

 このうち、測定局におきましても、自動車の沿道ではかっているもの、そして一般の住宅地の中ではかっているもの、いろいろな種類がございますけれども、それぞれについて見てみたいと思います。

 二酸化窒素でございますけれども、全国ベースで見ますと、環境基準達成率が、一般の地域では九九・九%、それに対しまして、沿道、自動車道路のそばにおきますと八五・七%の達成率ということになります。さらにこれを絞り込んで大都市地域について見てみますと、大都市地域の中、先ほど来議論になっておりますNOx・PM法の地域の中で見ますと、一般の測定局の達成率はそう変わりませんで九九・八%でございますが、自動車道路のそばの測定局の達成率は七六・四%と悪くなってございます。

 また、浮遊粒子状物質につきましても、SPMでございますが、同様の傾向でございまして、対策地域内、大都市地域の中では、一般の測定局については八三%がクリアをして環境基準を達成しておりますけれども、自動車沿道の測定局におきましての達成率は六一・九%の達成率ということでございまして、浮遊粒子状物質を中心にして、大都市地域でまだ環境基準の達成率がはかばかしくない、こういう状況にあるというふうに認識をしております。

村井(宗)委員 次に、通告してあった質問を時間の都合で一、二問飛ばしまして、ディーゼル車についてお聞きいたします。

 段階的に厳しくなってきた最近のディーゼル車排出ガス規制の強化について、粒子状物質など具体的な効果はどのようになっていますでしょうか。お伺いいたします。

小林政府参考人 先ほど委員の御質問で、世界で一番厳しいディーゼル自動車の規制ということについて説明をさせていただきました。これを含めました効果の推計というのをしてございますので、説明をさせていただきます。

 この世界で一番厳しい規制というのは、恐らく二〇〇九年、平成二十一年から実行に移す、こういうことになるわけでございますけれども、それも見込みました翌二〇一〇年度におきます累積的な規制強化の効果ということで計算をいたします。今、平成十二年度、二〇〇〇年度との比較で申し上げたいと思いますけれども、平成二十二年度におきましては、NOxは大体四一%に低減をされる。数字で申し上げますと、二〇〇〇年度では六十七万トン出ておりましたのが二〇一〇年度には三十九万トンということで減らすことができます。また、先ほど達成率が悪いということで申し上げました浮遊粒子状物質のもとになりますPM、これにつきましては七七%のカットということで、二〇〇〇年度におきましては約七・九万トン出ておりましたものが一・八万トンにまで低減できるというふうに考えてございます。

村井(宗)委員 アメリカのカリフォルニア州では、自動車の排気ガスに関する規制で、従来からの窒素酸化物や粒子状物質に加えて、世界で初めて温室効果ガスを厳しく規制するパブリー法が制定されています。二〇〇六年一月からの実施に向けて、現在、トヨタなど、反対する自動車会社が訴訟を起こしています。

 このカリフォルニア州は、一つの国として見れば、経済規模で世界第五位の国に相当します。温室効果ガスの排出量の五八%を運輸部門が占め、自家用車は全体排出量の四〇%です。新車の販売は米国全体の一二%を占め、イギリスやフランスを足した数よりも大きくなります。ですから、影響が大きく、米国内の他の州や他の国々への波及効果も絶大です。

 仮にこのパブリー法が予定どおり実施されれば、二〇二〇年には一八%、二〇三〇年には二七%の温室効果ガスの削減が実施される見通しです。京都議定書に参加していないアメリカが、しかもシュワルツェネッガー知事のカリフォルニア州だけで、計算上は日本の目標値と同じぐらいのCO2を削減してしまうことになります。

 そこで、大臣にお聞きいたします。

 小池大臣は、平成十六年十一月十六日の記者会見で、平成二十一年をめどに、粒子状物質PMを測定の限界値近くまで下げ、実質ゼロにするさらに厳しい規制を導入したいとの考えを表明されています。平成二十一年度には別な方が環境大臣になっているかもしれませんが、自動車排出ガス低減対策への今後の取り組みについて、大臣の見解をお願いいたします。

小池国務大臣 昨年の十一月の記者会見の時点では、平成二十二年より前に限界値近くまでPMを下げる、実質ゼロにするということを申し上げました。

 先月の四月でございますけれども、中環審の方から第八次答申で、今後の自動車排出ガス規制の強化について答申をちょうだいいたしました。その中身には、まさに平成二十二年より前、平成二十一年から、これは二〇〇九年ですけれども、ディーゼル自動車の排出ガス規制を強化して、基本的にガソリン自動車と同レベルの規制を行うというものでございまして、これは結構大きな話でございます。

 具体的には、粒子状物質については、DPF技術の進歩を前提としまして、今の測定法ではかる限界よりまた低いというか、言ってみれば、PMはない、粒子状物質はない、PMフリー化ということを目指してまいりたいと考えております。窒素酸化物については、平成二十一年における世界最高レベルの目標値ということでございます。

 これまでディーゼル車というと、とかくガス、大気汚染の大もとであるということでマイナスイメージがございました。ヨーロッパではむしろ、ディーゼル車というのは、燃費など省エネの観点からも地球温暖化の観点からもいいじゃないかというイメージの方、プラスのイメージがある。そういった中で、これから日本の自動車業界も、これらの規制ということを意識してさらに技術を革新していただいて、ディーゼル車もクリーンでかつ燃費がいいという方向に一日も早く実現していただきたいものだと思っております。

 先ほどありましたカリフォルニア州のパブリー法、今裁判ということでございますけれども、先日、このパブリー法をつくられたカリフォルニア州議会の下院議員の方で、とてもすてきなフラン・パブリーさんにお目にかかりました。非常に熱心に、これからカリフォルニア州がそのリーダーとしてやっていくんだ、そういった抱負を述べておられました。

 いずれにしましても、アメリカでも日本においても、大気汚染という問題は大きな問題でございます。ある意味で、競争して、そしてより環境によい車でお互いに切磋琢磨するということが望ましい、このように思っております。

村井(宗)委員 さすが小池環境大臣は、自民党の中で最もクリーンな議員としてやっておられます。多くの方が、先ほど、収支報告書に派閥活動費をもらっているのを載っけている中、ほかの森派の議員ももらっているという中、唯一もらっておられないというクリーンな小池大臣にお聞きいたしますが、そのパブリー法のようなものを日本でも導入するようなお気持ちはございますでしょうか。

小池国務大臣 パブリー法については、先ほど申し上げましたように、これから我が国がとっていく排出ガスの規制の問題、それから、ディーゼル車を結果的に推進する形になるわけでございますけれども、これはもうパブリー法にまさるとも劣らない、そういう法律ではないかと思っております。

村井(宗)委員 次に、低公害車、燃料電池自動車についてお聞きいたします。

 平成十三年七月に策定された低公害車開発普及アクションプランの普及の状況、実績を御説明お願いいたします。

小林政府参考人 低公害車、いろいろな種類がございますけれども、政府の目標といたしましては、全体といたしまして一千万台を達成するということでございます。その台数につきましては、現在まだ最新の統計ができてございませんけれども、今年度中に達成ができるということで、大変前倒しの達成になろうかというふうに考えてございます。

村井(宗)委員 次に、大型ディーゼル車の次世代低公害車の開発について国土交通省にお聞きいたします。

 二〇〇五年規制の排出ガスをさらに十分の一にまで減らそうというプロジェクト、これは非常にすばらしい計画だと思いますが、この次世代低公害車開発促進プロジェクトについて、現時点での成果を御説明お願いいたします。

久米政府参考人 我が国の自動車から排出される有害物質のうち、NOxは八割、PMはほぼすべてがディーゼル自動車から排出されておりまして、その低公害化を図ることが大気汚染において特に重要でございます。

 このため、大型ディーゼル車に代替し得る、排出ガスがゼロに近い次世代低公害車の開発の促進を行うべく、国土交通省では、平成十四年度より、御質問の次世代低公害車開発促進プロジェクトを実施してきたところでございます。

 具体的には、このプロジェクトでは、ジメチルエーテル自動車、次世代ハイブリッド自動車、スーパークリーンディーゼル自動車等を開発の対象といたしまして、これらの自動車の排出ガスレベルの目標を、NOxについては新長期規制の十分の一から四分の一以下、PMについてはほぼゼロから二分の一以下としております。これまでにこの目標を達成いたしました車両やエンジンを開発、試作いたしまして、昨年十一月に開催されました東京モーターショーで展示、公開したところでございます。

 しかしながら、実用化までには、商用車としての実用性、耐久性等の面で克服、確認すべき事項が残されております。今後、これらの試作車等の公道走行試験等を実施いたしまして、残された課題に関する技術開発、検証を行いつつ、技術基準を整備する等によりまして、次世代低公害車の実用化を図ることとしております。

村井(宗)委員 ぜひ、次世代低公害車の普及促進、そして開発について力を入れていただければと思っていますが、それと同時に、愛知万博などでも注目されております燃料電池自動車についてお聞きいたします。

 燃料電池自動車の平成十七年からの普及に向けた燃料電池自動車実用化促進プロジェクトの進行状況はいかがでしょうか。国土交通省から御説明お願いします。

久米政府参考人 自動車からの排出ガスがゼロでありまして、究極の低公害車と言われる燃料電池自動車は、大都市を中心とした大気汚染問題や地球温暖化問題を解決するために早期の開発、普及が期待されておりまして、関係省とともに国土交通省といたしましても積極的にその支援を行う必要があると認識しているところでございます。

 このため、国土交通省では、燃料電池自動車の大量販売、普及の前提となる型式認証の取得を可能とするため、安全、環境にかかわる基準の整備を図ることを目的といたしまして、平成十五年度から、御質問の燃料電池自動車実用化促進プロジェクトを実施してきたところでございます。本年三月には、このプロジェクトの成果といたしまして、世界で初めてとなる、乗用車を念頭に置いた燃料電池自動車の基準を策定し、公布したところでございます。

 今後は、燃料電池バスの基準の整備を図ることを目的といたしましてプロジェクトを継続実施するなど、引き続き燃料電池自動車の開発、実用化の促進に努めてまいりたいと思っております。

村井(宗)委員 次に移ります。

 自動車の燃料の問題をお聞きします。

 燃料の品質も排気ガスに大きくかかわってまいります。そこで、経済産業省にお聞きいたします。

 自動車燃料の品質規制については、平成十六年度末までに軽油及びガソリン中の硫黄分の許容限度を五〇ppm以下に低減することとなっていましたが、現状について御説明をお願いします。

近藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 自動車用の燃料中に含まれます硫黄分につきましては、段階的にその含有量を引き下げてきたところでございます。

 具体的に申し上げますと、石油各社とも脱硫設備の増設といったことを、多大なコストを負担しながら対応してございます。

 まず、ガソリンについて申し上げますと、平成八年の四月、揮発油等の品質の確保に関する法律という法律でございますけれども、その法律の規制開始当初、一〇〇ppmの規制であったわけでございますけれども、その後、規制強化の時期に合致する形で数値を下げてまいりまして、平成十六年中、昨年中には五〇ppmを達成したところでございます。

 また、軽油につきましても、規制を開始いたしました平成八年の当初は二〇〇〇ppmでございました。その後、平成九年に五〇〇ppm、さらに平成十五年には、規制に先駆けた形で自主的に五〇ppm以下としたところでございます。

 こういった形で、自動車用燃料中の硫黄分五〇ppmとする規制につきまして、予定どおり、平成十六年末までに達成をしたというところだと理解をしておるところでございます。

村井(宗)委員 それでは、最後に大臣にお聞きします。

 乗用車、トラック、バス等への低公害車の普及拡大、そして自動車燃料の品質向上、さらには自動車中心の都市計画からの転換、LRTを核とした地方のまちづくりなど、今後の重要な課題に環境省、国交省、経済産業省が連携して取り組むことが必要だと考えますが、大臣の御見解、御決意をお聞かせください。

小池国務大臣 先ほど来、各省の皆さんからも御説明ございました。大気汚染の状況については、まだまだ特に都市部を中心として二酸化窒素そしてSPMなどの汚染、依然として深刻な状況にあるということはよく認識もいたしております。

 そのためにも、まず新車に対しての排出ガス規制、それから、自動車NOx・PM法によって特定の地域を対象にした排出ガス規制、そして低公害車の普及促進ということでございますけれども、こういった政策の企画立案、実施につきましては、これまでも国土交通省、そして経済産業省など関係の省庁と連携をとって、政府全体として取り組んでまいったわけでございます。

 特に、この低公害車の普及促進でありますけれども、三省共同で低公害車の開発普及アクションプランをつくっておりまして、これで補助事業であるとか税制の金融面での支援措置も実施をしてまいりました。ただ、これはまた自動車という単体の機能の向上ということでございますが、先ほど他の委員もおっしゃっておられましたけれども、自動車に過度に依存するだけでなくて、環境的に持続可能な交通体系ということをつくらなければならないのではないか、そんな意味で、いわゆるESTモデル事業などにも取り組んでいるところでございます。

 しっかり連携をとりながら、大気汚染の改善という大きな目標に向かって進んでまいりたいと考えております。

村井(宗)委員 どうもありがとうございました。

小沢委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、参議院送付、特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小沢委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、大野松茂君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。大野松茂君。

大野(松)委員 私は、ただいま議決されました特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 特殊自動車のうち現在排出ガス許容限度目標が設定されていないもの及び可搬式の発動発電機等特殊自動車以外の汎用エンジンについては、その排出寄与率等が無視できないことから、早期に排出ガス規制の導入について検討すること。

 二 特定原動機技術基準及び特定特殊自動車技術基準等を定めるに当たっては、公道を走行する特殊自動車と異ならない規制とすること。また、排出ガスの一層の低減に向けて技術開発を促すとともに、国際的な基準調和の推進に取り組むこと。

 三 公道を走行しない特殊自動車については、現在メーカー指定の燃料以外の燃料が広く使用され、排出ガスの性状の悪化をもたらしていると言われていることから、これらの燃料の使用状況に関する実態調査を早期に行うとともに、適切な燃料の使用に関する普及啓発等の対策を実施すること。

 四 公道を走行しない特殊自動車については、定期検査が義務化されていないことから、整備不良を排除し適正な機能を維持するため、使用者に対し、点検・整備の励行等に係る普及啓発対策を強化すること。

 五 排出ガス基準に適合する公道を走行しない特殊自動車への買換えが円滑に進むよう金融・税制面への支援措置を検討すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。

小沢委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小沢委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小池環境大臣。(発言する者あり)

小池国務大臣 いつもと同じでございますが、ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力する所存でございます。

    ―――――――――――――

小沢委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

小沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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