衆議院

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第12号 平成19年5月22日(火曜日)

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平成十九年五月二十二日(火曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 西野あきら君

   理事 石崎  岳君 理事 宇野  治君

   理事 桜井 郁三君 理事 鈴木 俊一君

   理事 竹下  亘君 理事 末松 義規君

   理事 田島 一成君 理事 江田 康幸君

      上野賢一郎君    北川 知克君

      小杉  隆君    木挽  司君

      近藤三津枝君    坂井  学君

      篠田 陽介君  とかしきなおみ君

      中川 泰宏君    並木 正芳君

      野田 聖子君    藤野真紀子君

      馬渡 龍治君    安井潤一郎君

      山本ともひろ君    石川 知裕君

      岡本 充功君    近藤 昭一君

      村井 宗明君    吉田  泉君

      田端 正広君    江田 憲司君

    …………………………………

   環境大臣         若林 正俊君

   環境副大臣        土屋 品子君

   環境大臣政務官      北川 知克君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           西阪  昇君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           白石 順一君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           貝谷  伸君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房統計部長)          長   清君

   政府参考人

   (農林水産省総合食料局長)            岡島 正明君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局下水道部長)     江藤  隆君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君

   環境委員会専門員     齊藤  正君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十二日

 辞任         補欠選任

  上野賢一郎君     安井潤一郎君

  長浜 博行君     岡本 充功君

同日

 辞任         補欠選任

  安井潤一郎君     上野賢一郎君

  岡本 充功君     長浜 博行君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)


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     ――――◇―――――

西野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官西阪昇君、厚生労働省大臣官房審議官白石順一君、農林水産省大臣官房審議官貝谷伸君、農林水産省大臣官房統計部長長清君、農林水産省総合食料局長岡島正明君、国土交通省都市・地域整備局下水道部長江藤隆君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田泉君。

吉田(泉)委員 皆さん、おはようございます。民主党、吉田泉です。

 きょうは、食品リサイクル法の改正案に関連しまして質問をさせていただきます。

 私からは、主として、このリサイクル促進の主役といいますか、大きな役割を期待されている多量発生事業者、さらには、それを支える自治体の役割、こういうところを中心にお伺いしたいと思いますが、その前に、総論的なお話を若干させてもらいたいと思います。

 御存じのように、この法律の正式な名称は、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律、こういう名称であります。

 そこで、まず食品循環資源という概念にはどういうものが含まれているのか、お伺いいたします。

由田政府参考人 先生のお尋ねの点につきまして、食品リサイクル法の条文に即して御説明をさせていただきます。

 食品リサイクル法では、対象とするものにつきまして、食品廃棄物等と定義をしておりまして、このうち有用なものを食品循環資源というふうにいたしております。

 したがいまして、食品廃棄物等の内容を見ていく必要があるわけでありまして、食品廃棄物等は、食品リサイクル法におきまして、まず、食品が食用に供された後に、あるいは食用に供されずに廃棄されたもの、それから、食品の製造、加工または調理の過程において副次的に得られた物品のうち食用に供することができないものというふうに定義がされております。

 具体的には、一般家庭や飲食店等で発生する食べ残し、スーパー等で発生する売れ残り品、また食品メーカー等で発生する動植物性残渣等がこれに該当いたします。

 したがいまして、食品循環資源の中には、お尋ねの家庭の生ごみや有価流通している食品工場の副産物、例えばパンくずなども含まれることになります。

吉田(泉)委員 廃棄物以外のものも、有価物も含めた、いわば幅広い概念ということだと思います。

 それで、その食品循環資源の年間発生量及び再生利用率、こういう数字を政府は把握して公表しているんでしょうか。

由田政府参考人 食品廃棄物等の発生量につきましては、平成十六年度におきまして、食品産業から発生いたします食品廃棄物等が一千百三十六万トン、家庭から発生する食品廃棄物等が一千十万トンでありまして、合計二千百四十六万トン発生をいたしております。

 このうち、食品産業から発生いたします食品廃棄物等は、約四五%に当たります五百二十九万トンが、家庭から発生する食品廃棄物等は、約三%に当たる三十万トンが再生利用され、再生利用量の合計は五百四十一万トンとなりまして、発生量全体の約二五%が再生利用されている勘定となります。

 このように、食品産業から発生いたします食品廃棄物と家庭から発生する生ごみにつきましては、再生利用の進捗に格差がございます。これは、性状や品質管理などの観点から、食品産業の食品廃棄物は肥料化、飼料化などの再生利用が比較的容易であるのに対しまして、家庭から発生いたします食品廃棄物、生ごみは、異物の仕分けなどに住民の相当の協力を得なければ再生利用が容易ではないという理由によるものであると考えております。

吉田(泉)委員 そうしますと、平成十六年度の数字だったようですが、この食品循環資源というものは、二千百四十六万トン出ていて、そのうち二五%が既に再生利用されているという御答弁だったと思います。

 この二五%という数字は、私は初めて聞きましたが、いろいろな資料を見ても、政府の白書等を見ても出てこない数字なんですよね。この法律ができて五年たちましたけれども、ここで言う食品循環資源全体を、何とか再生率をふやそうというよりかは、その中の事業者が出している有価物を含めた廃棄物等、そっちを何とかすればいいんだという姿勢でいろいろな施策が進められてきたように私は思います。

 法律の表題を見ますと、幅広くやろうということでありますので、なるべく事業系だけにいわば矮小化しないで、今言ったようなこの二千百四十六万トンベースの数字をはっきり公表して、この二五%をさあどうするんだ、こういう目標を最終目標、上位目標にしたらいいんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

由田政府参考人 食品リサイクル法におきましては、家庭の食品廃棄物、すなわち生ごみに対しまして、具体的な義務を課すことはいたしておらず、今回の見直しにおきましても、再生利用等の実施率に家庭の生ごみを含める等の特段の措置はいたしていないわけであります。

 その理由は、食品関連事業者の食品廃棄物と異なりまして、家庭の生ごみは、性状面や分別排出など、住民協力を得るのに時間と労力も必要となりまして、再生利用が食品関連事業者の食品廃棄物よりも相当難易度が高いためであります。

 しかしながら、食品循環資源の再生利用等を円滑に推進していくためには消費者の協力も重要でありますことから、現行法では、「消費者は、食品の購入又は調理の方法の改善により食品廃棄物等の発生の抑制に努めるとともに、食品循環資源の再生利用により得られた製品の利用により食品循環資源の再生利用を促進するよう努めなければならない。」また「地方公共団体は、その区域の経済的社会的諸条件に応じて食品循環資源の再生利用等を促進するよう努めなければならない。」と定めております。

 そこで、家庭の取り組みを促進するために、さまざまな情報伝達、広報手段を通じまして、必要量以上の食品を購入、注文しない消費行動、あるいは食品廃棄物をなるべく出さない調理方法や献立の工夫などを訴え、もったいないという意識の啓発を強化したいと考えているところであります。

 また、家庭の生ごみにつきましても、市町村における分別収集を促しまして、メタン化、堆肥化等の再生利用や、効率的なエネルギー利用を行う施設の整備に対する支援等をこれまで以上に力を入れて行っていく方針であります。

吉田(泉)委員 今のお話は、家庭系の生ごみというのはリサイクルは大変難しいけれども一生懸命取り組むんだ、そういう姿勢だったと思います。

 いずれにしても、この法律はいろいろな官庁が関係しております。食品関連業者というと農林省の管轄でしょうし、廃棄物となると環境省の扱いだということで、この法律の表題に出ているような循環資源全体を何とか再生利用するんだというためには、やはり省庁間の連携が不可欠だろう、こんなふうに思うところであります。

 それから、先ほどの答弁で、食品循環資源の再生利用率は今のところ二五%であるというお話でございました。そうしますと、残りの七五%は、結局、そのほとんどが焼却されて埋め立てをされているということだろうと推測をいたします。

 まず、食品廃棄物を焼却して埋め立てる、そういうときに、一体、どういう問題があるので再生利用に回そうというふうにお考えなのか、お伺いします。

由田政府参考人 これまで飼料化や肥料化などの再生利用が行われない食品廃棄物につきましては、衛生面や埋立量の減量化を考慮し、焼却処分され、埋立処分することは、適切な判断でありまして、そのようにされているというふうに考えております。

 しかしながら、循環型社会形成推進基本法では、循環的な利用及び処分の基本原則といたしまして、再生利用ができるものは再生利用がされなければならない旨が規定されまして、再生利用はできないが、熱回収ができるものにつきましては、熱回収がされなければならない旨が規定されております。このような循環的利用がなされないものは、適正に処分されなければならないと規定されているものであります。

 今後は、この基本原則の考え方に立ちまして、食品廃棄物等につきましては、できる限り飼料化、肥料化、メタン化等の再生利用を行い、次いで、廃棄物発電等の熱回収をし、それがなされないものを単純焼却、埋立処分する方向で取り組むことが重要であるというふうに考えております。

 したがいまして、再生利用や熱回収を実施せずに単純に焼却処分し埋立処分されるということは、資源の有効利用という点からはより劣るものというふうに認識をいたしております。

吉田(泉)委員 今、基本的な理由についてお伺いをいたしました。

 具体的には、生ごみというか食品廃棄物を燃やすと燃焼効率が下がるとか、出てきた灰を埋め立てる処分場をこれからつくるのはなかなか大変だとか、いろいろ具体的な問題があるというふうに私も考えております。

 その中で、特に地方自治体の頭が痛いところが、焼却、埋め立ても含めた施設の建設費が、いろいろなダイオキシン対策等も必要になってきたせいもあると思いますが、非常に技術的に高度な施設が要求される、結果的に非常にコストが高くなっているという問題があります。

 そこで、ちょっとコストの面をお伺いしますが、こういう焼却、埋め立ての建設費が高くなっている、もちろん運営費もかかります、そういうものに比べて、リサイクルをやると、コストをトータルとしてどういうふうに考えたらいいものか。そこをお伺いします。

由田政府参考人 リサイクルと焼却処理のコストにつきまして、一律の比較は困難ではありますが、食品リサイクル法の登録再生利用事業者の再生利用料金と市町村の焼却処理料金を比較しますと、再生利用料金が高い場合が多くなっております。

 その理由といたしましては、登録再生利用事業者の再生利用料金につきましては、再生利用施設の建設費や維持管理費用をすべて勘案しまして料金を設定しているわけでありますが、市町村の焼却処理料金は、その地域の中小零細規模の事業者の費用負担に配慮をいたしまして、財政負担をしながら料金を設定しているためであります。

 なお、御指摘のように、焼却施設につきましては、他の再生利用施設と比較しまして構造上、維持管理上高度な技術が要求されているものでありますことから、この建設費や維持管理費を他の再生利用施設と単純に比較いたしますと、焼却施設に要する費用の方が高くなるというふうに考えられます。

吉田(泉)委員 ちょっと結論がはっきりしませんでしたけれども、データがないけれども、建設費等を考えるとリサイクルの方がトータルとしては安くなり得るという感じの答弁だったですかね。私も、数字はない中で、何となく感覚としては、リサイクルできれば、なかなか手間はかかりますけれども、トータルとしてはコストも安くなるんじゃないか、そんなふうに考えているところでございます。

 それらを受けて、今回法律をさらに改正してもっと再生利用率を高めよう、こういう趣旨の改正案になっているわけであります。そのときかぎを握ると思われるのが、多量発生事業者と言われている方々であります。全国で一万七千の業者が多量発生事業者とされていて、この方々が出す廃棄物が全体の五割を占めるということであります。まず、ここを何とかしよう、その次に今度は小規模事業者、さらには家庭、こういうお考えだと思います。それはそれで結構だと思うんです。

 まず、多量発生事業者一万七千業者、この中で、五年たちましたけれども、リサイクルに取り組んでいないという事業者はどれぐらいあるんでしょうか。

岡島政府参考人 お答えいたします。

 まず、食品循環資源の再生利用等の実施率目標につきましては、現行法第三条に基づく基本方針において、平成十八年度までに二〇%に向上することということとしております。

 私どもで、平成十七年度の実績につきまして平成十八年度に調査したわけでございますけれども、これは全数調査ではなくてサンプルでございますけれども、全体で五千二百八十一事業者、そのうち九百四事業者が多量発生事業者でございます。この九百四の多量発生事業者のうち、目標未達成の事業者が六百五十九事業者ということで、おおむね七割がまだ達成していない。これはあくまでも十八年度までにということでございまして、その途中経過の十七年度でございますけれども、今申し上げましたとおり、七割強が十七年度時点ではまだ達成していない、そういう調査結果になっております。

吉田(泉)委員 結局、平成十七年度の段階では、なかなかリサイクルが大手の業者にも広がりが極めてまだ少ない、こういう状況だと思います。

 それで、そういう消極的な業界、業者に対して、政府としては、法律で定められている指導、助言、さらには勧告、命令、こういうことを今まで発令した実績はあるんでしょうか。

岡島政府参考人 お答えいたします。

 まず、法施行後、平成十四年度以降、食品関連事業者による食品循環資源の再生利用等の取り組みにつきまして、私どもの地方農政事務所の職員が、法のいわゆる普及啓発も含めて巡回点検を行っております。その際に、口頭で指導助言を多数行っておるところでございまして、これは毎年大体二万社程度巡回しております。

 一方で、勧告、命令の実績はございません。これは、先ほども申し上げましたとおり、基本方針に定められた目標年度である平成十八年度がまだ終了、今したところでございますけれども、その実績がまだきちっと把握されていないということから、まだ現実には勧告、命令は実績はございませんけれども、まず、これから十八年度の実績を正確に把握するということ、そのための報告徴収を実施しているところでございます。

 今後、報告徴収等により得られた情報をもとに、仮に食品循環資源の再生利用等の取り組みが著しく不十分、そういう事業者が確認された場合には、必要に応じまして、必要な措置をとるべき旨の勧告等を行ってまいりたい、そういうふうに考えております。

吉田(泉)委員 局長にちょっと追加でお伺いしますけれども、そもそも多量発生事業者というのは、自分が多量発生事業者であるという自覚といいますか、法律上努力義務が課されているんだという責任意識、こういうものはあると考えていいんでしょうかね。どういう格好で、農政事務所は随分回っているようですが、一万七千の業者、ほとんどの方がそういう責任があるということはわかっていると考えていいのかどうか。

岡島政府参考人 実感といたしまして、すべての方がというところまで正直言って言い切れるだけのものは持ち合わせておりませんけれども、法施行後、理解も進んでおりますし、今おっしゃられた点で申し上げますと、法の趣旨なりそういう姿勢ということは、特に多量発生事業者については自覚されているのではないかなというふうに考えております。

吉田(泉)委員 今回の改正で、多量発生事業者に今度は年度報告が義務づけられるということであります。これまた一歩前進だと思いますが、今後毎年出てくる一万七千の報告を受け取って一体どういうふうに活用することになるのか、お伺いします。

岡島政府参考人 私ども考えておりますのは、いただきました報告につきまして、まず業種、業態ごとに整理して統計処理を行う、ある意味では行政としての務めだと思います。そうした中で、平均値なりが出てきて、それよりも取り組みがおくれているという事業者の方がいらっしゃいましたら、やはりその方々に対しての指導監督、そういったことをやっていく必要があるだろう。

 一方で、極めて優良事例というのもやはり出てくるだろうと思われます。そういう優良事例につきましては、やはりその内容も、もちろん事業者の企業秘密等もあるかもございませんけれども、そういうものを除いてはできるだけ公表して、全体としての発生抑制なり再生利用の一層の推進につなげてまいりたいというふうに考えております。

吉田(泉)委員 ちょっと質問を一つ飛ばして、今度はもう少し食品循環資源の中身についてお伺いしたいと思います。

 業界ごとのいろいろな数字がありますけれども、その中で特に目立つのが食品製造業、ここが法施行後、この五年間だと思いますが、非常に再生利用率を上げているわけであります。六〇%が八一%というふうに急増しております。まず、その要因をどう見るか、お伺いします。

由田政府参考人 食品製造業では、特定の事業場から性状が均質な食品廃棄物が大量に排出されるために、飼料や肥料などの再生利用の用途の確保が容易であります。効率的に収集運搬や再生利用を行うことも可能であります。このため食品製造業は、比較的再利用に取り組みやすく、食品リサイクル法の制定前より他の食品関連業種に比べまして、再生利用が盛んでありました。

 このような状況の中、平成十三年に食品リサイクル法が施行され、再生利用等の実施に対する社会的な機運が高まりまして、食品製造業の中でも食品廃棄物等を大量に排出する事業規模の大きな事業者が積極的に再生利用等に取り組んだことが食品製造業における高い実施率につながっているものと考えております。

吉田(泉)委員 食品製造業については、業界もそして政府側も、非常に一生懸命、積極的に取り組んだということだろうというふうに思います。ただ、その一方で、今度はその他の食品関連業、食品の小売とか外食産業とか、こういうところの数字がなかなか上がらないという現実があります。

 つまり、業種間で再生利用率に大きな差が出ているわけですが、この差の出てくる原因、もちろんリサイクルの困難さは先ほどおっしゃったように、いろいろあると思いますが、改めて理由を伺います。

由田政府参考人 食品製造業は、先ほど申し上げましたように、一般的に、一事業場当たりの排出量が比較的大きいことに加えまして、質が均一で再生利用が行いやすいということでありますが、一方で、食品小売業や外食産業におきましては、その量が少量で雑多なものから構成されておりまして、さまざまな性状を有することに加えまして、容器包装などの異物も混入しやすいために、再生利用の用途の確保が難しく、低コストで効率的なリサイクルの実現が困難になっているという実態があるわけであります。

 加えまして、一定のまとまった量がありまして、食品小売業や外食産業から排出される食品廃棄物を広域的に収集し、再生利用しようとする場合、事業者の方から業務委託をするときには、事業場のある市町村からの一般廃棄物処理業の許可を有する業者に委託する必要がありまして、このことも、市町村区域を越えて一括して食品廃棄物を収集しようとする際には、阻害要因の一つになっている面があるというふうに考えております。

吉田(泉)委員 今のお話はごもっともだと思いますが、私は、それ以外に、なぜ業種間で差がつくか考えたときの一つの考え方ですけれども、食品製造業の廃棄物というのは産業廃棄物扱いだ、つまり自分で責任を持って処理をしなくちゃならないということになっております。ところが、それ以外の、卸、小売、外食、こういうところは廃棄物が一般廃棄物扱いだ。結局、行政の責任で、市町村の責任でこれは処理してもらえる。しかも値段も、先ほどのお話のように安い。別にあえて再生利用するインセンティブが出てこない。ここが制度の根幹として大きい理由になっているんじゃないかというふうに個人的には思っておるんです。

 そこで、副大臣にお伺いしたいと思いますが、食品製造業とその他業種を、こちらは産廃、こちらは一般廃棄物というふうに区分けしている理由といいますか意味をまずお伺いします。

土屋副大臣 先ほど廃リ部長からもちょっとお話が出ましたけれども、廃棄物処理法においては、事業活動から生ずる食品廃棄物のうち、排出量が多量にあるもの、それから、形態、形状から見て市町村が処理するには大変困難である、一定のものを産業廃棄物として事業者がみずから処理するべきものとしております。それ以外のものは、すべて市町村が処理することが妥当なものとして一般廃棄物となっているわけでございます。

 食品廃棄物のうち、食品製造業において発生する食品廃棄物は、先ほども言いましたように、大部分が工場や事業場から大量に排出される動植物性残渣が多いわけで、地域の日常生活に伴って出るものと合わせますと、これは、地域の処理場では、市町村では大量なので大変困難であるということもありまして、産業廃棄物とされております。

 それから、食品小売業や外食産業において発生する廃棄物については、質、量から見て、一般の家庭から排出された生ごみとおおむね同等とみなすことができるために、事業系の一般廃棄物として取り扱われているところでございます。

 今回、先ほども言いましたように、改正によって、地域をまたいで外食産業等が廃棄物処理ができるようになりますので、多分非常に進んでくると思いますけれども、それと、私自身は、将来的に、今回の法律改正が通った後、一般家庭ごみの中でも、生ごみだけは地域で、住民の力とそれから自治体と行政と一緒に、何か集める方法というのができればより進むのかなということも考えておりますけれども、まずはこの法律を通してということなのかなと、私自身の見解ですけれども、考えております。

吉田(泉)委員 この産業廃棄物と一般廃棄物の区分けというのは、恐らく、廃掃法という法律を最初につくった、もう数十年前になると思いますが、そのときのいろいろな事情で、今副大臣もおっしゃったように、大量に出ているものは産廃にしようとか、工場から来るものは産廃にしようとか、そういうある程度の基準でやられたとは思いますけれども、随分年限もたちました。私は、この再生利用、リサイクルというのを大幅にふやそうということならば、この産廃、一廃の区別というものを、もう一度見直しを考えたらどうかな、現実的には大変難しい問題だとは思いますが、見直しも考えるべきだというふうに思います。

 といいますのは、一般廃棄物で出している業者も、業界も、これを自分の責任でやらなくちゃいかぬとなると、やはりコスト意識がありますから、なるべく安い方法でやろうと。先ほどのお話だと、トータルとしてはかえってリサイクルの方が安いという可能性も極めて大きいわけですから、その辺の仕組みを上手に誘導すれば、なかなかリサイクル困難だと言われている事業系一般廃棄物も促進できるのではないか、こういうふうに思っているところであります。

 それから、次は、自治体の問題です。自治体が、事業系、家庭系含めた一般廃棄物の処理の責任者ということであります。そして、この食品リサイクル法においても、リサイクルをしなくちゃいかぬという努力義務が課されているわけであります。ただ、現実は、日本全国の自治体、どのぐらいこの法の趣旨を踏まえて行動しているかどうか、甚だ疑問に思うところでございます。

 それで、まず、この法律上、自治体というのはどういう役割を果たすべきなのか、どういう責任があるのか、お伺いします。

由田政府参考人 食品リサイクル法では、「地方公共団体は、その区域の経済的社会的諸条件に応じて食品循環資源の再生利用等を促進するよう努めなければならない。」と規定されているところであります。

 また、市町村は、廃棄物処理法に基づきまして、一般廃棄物の処理に関する計画を定め、一般廃棄物処理計画に従って、その区域内における一般廃棄物を再生利用を含め適正に処理しなければならないとされているわけであります。

 こうした法律上の役割に基づきまして、今後は、家庭の生ごみ、地域の中小零細食品小売業者、外食産業が排出する食品廃棄物を含めまして、市町村がメタン化、堆肥化などの再生利用、エネルギー利用等に積極的に取り組むよう支援に努めていくことといたしております。

吉田(泉)委員 一般廃棄物は基本的に焼却でよろしいということになっているわけであります。ですから、それを自治体がリサイクルに回そうという気持ちに切りかわるためには、相当な仕掛けをしないと現状はそう簡単に変わらない、自治体の腰は上がらない、私はそんな気がしております。

 先ほど部長のお話で、再生利用事業者ですか、つまりリサイクルのコスト、費用の方が一般廃棄物の事業系の料金よりも高いというお話がありましたが、その辺も含めて、料金体系の見直しも含めて、相当な仕掛けをしないと、一般廃棄物の再生利用化というのはなかなか大変だ、こういうふうに思っております。

 そこで、現段階でリサイクルを行っている市町村の数はどのぐらいあるのか、日本全体で何割ぐらいのものなのか、教えてもらいます。

由田政府参考人 生ごみの分別収集を実施している市町村数につきましては、少なくとも家庭系か事業系のいずれかの生ごみの分別収集をしている市町村数は、千八百四十四市町村のうち、これは特別区を含んでおりますが、約一九%に相当いたします三百五十市町村であります。

 このうち家庭系生ごみの分別収集を実施している市町村は、全市町村の約一六%に相当いたします二百九十一市町村でありまして、事業系生ごみの分別収集を実施している市町村は、全市町村の約一三%に相当いたします二百三十二市町村であります。

 このように、分別収集されました生ごみは、堆肥化を中心としまして飼料化、メタン化などの再生利用が行われているところであります。

吉田(泉)委員 一九%ということであります。五年たって一九%というのは極めて少ない率じゃないかというふうに思います。そういう意味では、ここに大きな改善の余地があります。

 私は、今自治体が扱っている事業系のごみは産廃にしたらどうだというお話も先ほどしましたけれども、もし一般廃棄物でやっていくということであれば、自治体のおしりをもっとたたく必要がある、こういうふうに思います。

 それから、今度はリサイクル施設の問題であります。全国に九百余りの施設が既にあるということですが、その処理能力、そして仕向け量に対する比率はどうなのか、政務官にお伺いします。

北川(知)大臣政務官 委員御指摘の全国の食品リサイクル施設における年間処理能力及び再生利用仕向け量の比率についてでありますけれども、全国の食品リサイクル施設における処理能力は、廃棄物処理法に基づく許可を受けたもの等につきましては、平成十八年三月末現在で年間約一千三百万トンであります。

 また、これらの再生利用への仕向け量、すなわち、こうしたリサイクル施設に持ち込まれる量といたしましては、平成十七年度現在で約五百三十万トンでありまして、処理能力に占める割合はおよそ四一%であります。

 比率につきましては以上でありますけれども、このように処理能力は一見十分に余裕があるように見受けられるのでありますけれども、今回の改正案によりまして、食品廃棄物等の再生利用率がさらに向上するものと考えられておりますので、処理能力の増強が今後必要であると考えられます。このため、国といたしましても、こうした情勢を十分に分析いたしながら、必要な支援策を講じていきたいと考えております。

吉田(泉)委員 稼働率が四一%ということですから、まだまだ能力的な余裕があるなと承りましたが、政務官は、施設の拡充も一生懸命やるということでした。

 そろそろ時間ですので、最後に大臣にお伺いしたいと思いますが、今までのいろいろなお話を踏まえますと、リサイクルをもっと高めるという観点から見ますと、事業系そして家庭系の一般廃棄物を中心にまだまだリサイクル率を高める余地は大きい、こういうふうに思います。

 法律ができて五年たったわけなんですけれども、私の感覚は、一番最初の総論的なところでも触れましたけれども、日本としての食品リサイクルに対する構えが少し小さいんじゃないか、事業系に偏っているとか、何かそんな感じを持っております。

 そこで、長い目で見て、将来的に、もちろん実現できないところまで含める必要はありませんけれども、日本の食品リサイクル率というのは実現可能な目標をどの辺に置いたらいいのか、数字を今すぐということはなかなか難しいかもしれませんが、その考え方を、この辺までやろうという考え方をお示しいただきたいと思います。

若林国務大臣 吉田委員と政府のいろいろやりとりをお聞きしながら、吉田委員が今最後におっしゃられました、もっとリサイクル率を高めていく必要があるし、その余地はあるんじゃないか、そういうお考えというのは、私もそのようにしたいものだというふうに思います。循環型社会を形成していくというのがまず基本にあるわけでございまして、そういう循環がサイクルとして動いていくということがやはり環境政策の基本だと私も考えております。

 その意味で、事業系と一般系との間で、委員が御指摘のように大きな差がある。この法律は事業系に着目して法律制度を設計しているわけですが、行政側からすればやはり、一般廃棄物としての生ごみの処理に関して言えば、家庭などのそういう事業系以外のものも含めまして、生ごみ処理というものをどのようなシステムでやっていくかということについて、一度考え方をちゃんと整理して、水準を上げていかなければ、委員御指摘の、合わせると二五%しかないじゃないかという問題指摘にお答えすることがなかなかできないわけでございます。

 そういう意味で、長期的な目標を定量的に定めるというのは、将来のリサイクル製品というものがどういうふうに、肥料にしても、あるいはえさにしても、あるいはメタンなどにしても、どういう形で利用していくのかという、その需要の見通しというものも立てなければなりませんし、それらをつくっていくための技術の水準といったものを的確に予測しなければならないわけでございますけれども、今の状態でこれを定量的に把握するための基礎の数値を固めることがなかなか困難でありまして、そのような状況になっていないということを率直に申し上げなければならない、残念でございます。

 しかし、再生利用あるいは発生抑制、現状を見ますと、委員が御指摘のように、事業系を見ましても、実施率が二〇%の水準というのを一応目標にしている、そういうことでありますが、それでも達成している業者が少ないという現実を考えますと、これをさらに進めていく余地が十分になおあると思います。

 もう少しきめ細かく区分、類型をして、事業規模だとか、あるいは事業種、業態だとか、そういうことに区分した中で目標を決めていくというような、きめ細かな目標の設定を検討する必要があると思います。

 中長期的に見ますと、えさについて言えば、なお飼料の自給率を向上するという意味で大きな意味がありますし、堆肥についても、土づくりという観点からしますと、環境保全型の農業を推進するということが大きな課題になっております。また、メタン化などを通じてバイオマスエネルギーを利用するという観点からしましても、地球温暖化対策として有効であるといったようなことから、委員が御指摘のように、もっとこの目標を高めながら、取り組みを積極化しなきゃいけないというふうに思います。

 今、委員御指摘のように、今の時点で数値目標をお示しするに至っていないことは残念でございますけれども、どのような努力をすればこれが具体的に高まっていくか、さらに再生利用率が高まっていくかということについて真剣に取り組んで、具体的な効果が出るようにしてまいりたいと思っております。

吉田(泉)委員 ありがとうございました。

 終わります。

西野委員長 次に、田島一成君。

田島(一)委員 民主党の田島一成でございます。

 きょうは、食品リサイクル法の改正、大臣以下関係省庁にお忙しい中お越しをいただきましたので、適宜質問にお答えをいただきたいと思います。

 冒頭まず申し上げておきますが、私、今回のこの食品リサイクル法の改正、流れとして、趣旨として、決して異を唱えるものではありません。その趣旨に賛同もしながら、しかし、本当にこれで十分な体制が整うのか、今し方の吉田委員の質問と答弁を、やりとりを聞かせてもらっても、長期的な計画等が十分に確立をされていない中で、本当にこの法の趣旨が達成できるのか、いろいろと疑問を感じる点があります。

 今回は、この環境委員会の中で、環境大臣に質問をする場ではありますが、一方では、その主管する農林水産省がどのような姿勢なのか、また、農林水産省と環境省が、またそれ以外にもかかわりを持つ各省が、どのような連携を持つのか、そういう点では、実は非常な心配を考えているところであります。

 今国会で上程された政府提出の各法案、いずれも、思い出しても、各省庁とのかかわりが非常に大きい法案が随分ありました。そのたびに質疑を重ねてきましたけれども、その主たる部分は、他の省庁とどれぐらいの緊密度を持って連携していくのか、責任の分担はどこが負うのか、また、こういうバッファーゾーンといいますか、すき間ができたとき、ニッチな部分はどこが担当するのかというときに、譲り合ったり押しつけ合ったりすることがないようにというような、そういう心配事を私も気にしながら、これまでの政府提出の法案に質疑をさせてもらってきたところであります。

 今回の食品リサイクル法の改正についても、やはり同じようなことが言えるかと思います。農水省と環境省がどのような分担をし合っていくのか、責任の所在はどうしていくのか、そして全体のチェック体制というものをどうイメージしていくのか、こういう点がやはり大きな前提としての心配事でありますが、冒頭、環境省それから農水省、それぞれのお立場で、この法律改正についての、チェック体制のあり方についてのお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。

由田政府参考人 食品リサイクル制度の運用に当たりましては、環境省は廃棄物・リサイクル対策や環境政策に関して責任を負うという立場から、農林水産省は農業、食品産業政策に関して責任を負うという立場から、食品廃棄物の再生利用等について、それぞれ役割分担を行いつつ取り組んでいるところであります。

 今回の見直しに当たりましても、両省の審議会を合同会合として開催いたしまして、検討を行ってきたところでありまして、今後の食品リサイクル法の施行に当たりましても、両省の緊密な連携体制をさらに充実させてまいりたいというふうに考えております。

 具体的には、今後、現場におきまして、例えばリサイクルループを構成いたします食品関連事業者それから食品残渣の収集運搬事業者、リサイクル事業者、農家等に対しまして、必要に応じまして、地方環境事務所が地方農政局と十分に連携し、場合によれば合同で報告徴収や立入検査を行ったりしたいとも考えております。

 それから、優良な取り組みを行います事業者に対しまして、農林水産省がつくります評価、認証ルールに連動いたしまして、環境省が農林水産省の協力も得て優良事業者の表彰を行うほか、エコフィードガイドライン、安全性のためのガイドラインでありますが、こういうものの周知、浸透につきましても、農林水産省に協力いたしまして、環境省におきましても、収集運搬あるいはリサイクルを行う業者などに対しまして、しっかりとした周知を図ってまいりたいと思っております。

 このように、両省で役割分担をしつつも、緊密な連絡、協力をいたしまして、食品リサイクルの推進をさらに図ってまいりたい、このように考えております。

岡島政府参考人 農林水産省といたしましても、今、由田部長が答弁した内容、そのとおりでございまして、全く我々としても、連携を密にしてやっていきたいというふうに思っておりますし、本省レベルでは、いわゆる共同の審議会を行うとか、本当に密に連絡をとらせていただいているというふうに思っております。

 これから現場で、まさに、定期報告とかそういうことも出てまいります。そうした場合に、やはり、環境事務所と地方農政事務所が連絡を密にするとか、そういったことは我々としてもこれからまだまだ意を用いなければいけないところはあると思いますけれども、先生御指摘のとおり、我々、連絡を密にして、それぞれの役割をきちっと果たしてまいりたい、そういうふうに考えております。

田島(一)委員 これだけ内容が豊富になってまいりますと、今おっしゃったように、食品関連事業者や運搬事業者、そして農家と、チェック、検査、立ち入り等も含めて、相当緊密にやっていかないと、連携、連携と簡単におっしゃるんですけれども、本当にできるのかなという不安を感じております。

 行革法に伴いまして、その一例、地方農政事務所の職員の定数削減等々からすると、今現在何人いて、果たしてその人数で十分なチェック体制が整えられるのか。地方環境事務所とおっしゃいますけれども、まだ各都道府県にあるわけでもありません。農政事務所のようなメッシュの細かい配置がされているわけでもありません。言うのは簡単なんですけれども、本当にできるのか。例えば、はっきり言って、今の農政事務所でも二百人ぐらいですね、このチェック体制というのは。果たしてこの二百人程度の人数で、おっしゃるような、連携を深めながら立入検査もやっていくぞ、点検をやり、そして連携をしながら、法に基づいた具体的な対策をとっていくとおっしゃるんですけれども、私はどうもそれは詭弁にすぎないような気がしてならないんですね。

 本当に今の体制で大丈夫ですか。その点お答えください。どちらでも、お願いします。

由田政府参考人 地方環境事務所につきましては、省庁再編に伴いまして、御指摘のように、まだできて日が浅うございます。その中で、各事務所に廃棄物専門の課を設けまして、職員も、そう急速にではございませんが、充実をしてまいってきているつもりであります。

 現場の職員に関しましても、私どもも事あるごとに本省で研修をやり、叱咤激励もいたしておりまして、さまざまな対策にも、この廃棄物対策、今現在、それぞれの職員が本気になって取り組もうといたしております。こういう職員を叱咤激励しながら、農林水産省の地方農政事務所と連携をさせまして、場合によれば、それぞれの役割分担でやるという場合もございましょうし、御一緒にそこにアプローチしていく、こういうこともあろうかと思います。しっかりとやっていくように努力してまいりたいと思います。

岡島政府参考人 委員御指摘のとおり、確かに地方農政事務所そのものについて、全体の組織はスリム化していくという流れがございます。ただ、その中で、リサイクル部門については、今の人員を確保していこうという計画になっております。

 そうした中で、今、由田部長も申しましたけれども、研修なり、やはり一人一人の質を高めていくとか、そういったことも努力しながら、極力今の体制で事務を処理してまいりたい、そういうふうに考えております。

田島(一)委員 人がいないからということを理由に、このチェック体制が甘くなっていくこと、これだけは絶対に許されることではありません。どうか大臣、地方環境事務所だけではなく、本当ならば農林水産副大臣にでもお越しいただいて、地方農政事務所のチェック体制の整備という点で確固たる御意見でもいただきたいところではありましたけれども、ぜひ大臣の方から、農水省に対しても、本当に真剣にこの食品リサイクル法の精神を浸透させていくんだ、チェック体制を厳しくやっていくんだということを浸透していただくように、そのための人員配置についても強硬にお訴えをいただきたい。また、予算措置も、その点はぜひお願いをしたいと思いますので、御答弁は結構ですから、何とぞその点だけは、うなずいていただきましたので、お約束いただけるものと思い、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 さて、今回の法案の中で、食品関連事業者の対象について問題提起をしてみたいと思います。

 食品循環資源という言葉、私、これは実はすとんと体に落ちてきたキーワードでありました。残渣というようなキーワードではなく、いずれ食品残渣も食品廃棄物も循環すれば資源としての価値を持つものだ、こういう位置づけでお考えになられて今回の法改正に取り組まれた、このことは高く評価をしたいと思います。

 しかし、食品循環資源とお考えになられて、今回のこの法改正における食品関連事業者とはというところをひもといてみたとき、対象になっている事業者以外にも、まだまだこの食品循環資源の供給できる団体、者があるわけですね。例えば、企業における、企業の社員の福利厚生のために設置された社員食堂、そして小学校や中学校で行われている学校給食、そして厚生部門においては病院や老人ホームなど、まだまだこの食品循環資源の供給事業者としてあるわけですけれども、こういったところは対象から今回外れているわけですね。

 本法律の目的からすると、私は、なぜ外したのかがどうも理解できません。まず、この矛盾点について環境省としてどう説明されるのか、お答えください。

由田政府参考人 現行制度におきまして定義されております食品関連事業者は、食品の提供等により利益を得る事業活動に着目いたしまして、再生利用等に取り組む必要性の高い業種を政令で指定いたしまして、当該業を行う者を食品関連事業者として位置づけておるところであります。

 一方、社員への給食あるいは学校教育等を行う者につきましては、福利厚生、教育等の一環として食事を提供するものでありまして、食品の提供自体を事業の主目的とするものではないことなどを勘案いたしまして、食品リサイクル法の直接の対象とすることにより再生利用等に取り組む必要性は低いと判断されましたことから、食品関連事業者とされていないということでございます。

田島(一)委員 では、なぜ今回の法改正に伴って定義を拡大しなかったのか。では、申し上げます。先ほど申し上げた社員食堂や学校給食、病院、老人ホームの給食調理所等は食品循環資源の供給事業者ではないとおっしゃいますか。

由田政府参考人 食品循環資源を排出している者に当たるわけであります。

 この対象といたしませんでしたのは、先ほども申し上げたように、食品の提供等によりまして利益を得る、そのことによりまして利益を得る事業活動に着目して指定しておりますので、学校教育等の者につきましては、食品関連事業者とされていないということでございます。

田島(一)委員 なぜ利益を得るか得ないかがその大前提になるんですか。今回、食品を循環資源として取り扱い、少しでもその循環のサイクルを向上させていこうというねらいであるならば、利益を得ようと、どっちであれ、とにかく供給事業者であると今お認めになったわけですよね。だったら、そういうところの食品循環資源もしっかりとリサイクルしていきましょう、こうするのが環境省として当然、真っ当なんじゃないですか。なぜそれをしなかったのか。なぜ食品の提供で利益を得るという定義にだけこだわられたのか、私には理解できません。御説明ください。

由田政府参考人 いわゆる食品リサイクル法によりまして直接的な義務をかけてこれを進めようというものにつきましては、当該事業を、利益を得る事業活動に着目いたしているわけでありますが、決してその他の者がこの食品循環資源のリサイクルを進めるべきではないというふうに考えているわけではございません。

 社員食堂や学校給食あるいは病院、老人ホームにつきましては、基本的に食品関連事業者とされていないものの、食品リサイクルの普及啓発の観点から、学校給食を初めといたしまして、これらの施設におきまして発生する食品廃棄物等につきましても、再生利用等を進めることが適切であるというふうに考えております。

 特に、食育の推進の一環として、学校における再生利用等に関します体験活動を推進することの重要性が近年高まっておるわけでありまして、再生利用製品を用いて生産された農畜水産物を学校給食に利用する取り組みも、例えば宮城県仙台市でありますとか札幌市等、各地で実施されているところでありますし、このような取り組みを普及させていくことが望ましいというふうに考えております。

田島(一)委員 逆に、それぞれの施設を管理したりかかわりを持つ省庁にそれぞれ聞きたいと思います。

 まず、文科省ですけれども、学校給食、先ほど由田部長もおっしゃったように、食育だとかも含めて考えると、やはり食品リサイクルというのは生きた教育の教材だというふうに考えるんですね。そういう意味で、教育の現場で食品リサイクルの重要性、どのような形でお訴えをしていくべきだと考えるのか、その点、簡潔にお答えください。

西阪政府参考人 学校給食を中心といたしまして、学校における食の指導、食育の推進というのは大変重要でございますが、先生御指摘のように、栄養問題だけではなしに、食の大切さということを教えるということが大事でございます。

 このような観点から、私どもとしましては、本年三月に、栄養教諭を初めといたします教職員用の食に関する指導の手引というのを作成いたしております。

 その中で、学校給食をつくるために多くの人が働いていることを知り、食べ物を大切にする心を育てる、あるいは学校給食や家庭での食事ができるまでの過程を知り、残さずに食べるようにする心を育てることということで、食事は多くの人が心を込めてつくったものであり、感謝の気持ちを持って食事をするよう指導しているところでございます。

 そのようなことを受けまして、先ほどの答弁でも触れられましたが、幾つかの学校では、給食の食べ残しを大変減少させたというような事例でございますとか、あるいは調理の過程で発生をいたしました調理くずや食べ残しなどの生ごみを堆肥化いたしまして、農家が利用してまた生産した作物を学校給食に利用するというような取り組みも進められているところでございます。

 私どもといたしましては、この六月に食育推進交流シンポジウムというのを予定しておりまして、このような学校における取り組みを紹介いたしまして、このような取り組みが広がるように推進していきたいというふうに考えております。

田島(一)委員 実は、今先進事例の幾つかも御紹介いただきましたけれども、この事例は本当にいいのかなということを、また後でちょっと御披露したいと思います。

 では、その一方で、社員食堂、それから医療施設や老人ホームの状況をちょっと考えてみたいと思います。

 社員食堂では、もう既に食品循環資源としてリサイクルループ、いわゆる循環型に取り組む企業が随分出てきております。私の地元滋賀県でも、廃食油を回収して、それをバイオディーゼル燃料として供し、その燃料をまたその工場に輸送されるトラックに供するという、いわゆる循環型の大工場等も出てきております。

 必ずしもリサイクルループには当てはまらないのかもしれないですけれども、これに必ずしも私はこだわる必要はないと思うんですね。いわゆる資源として、エネルギーとして循環されることの、その取り組みは高く評価されるべきだというふうに思うんですけれども、できることならば、高カロリーの食品残渣、いわゆる食品循環資源をその価値を損なわずしてリサイクルしていくことの方が、私はやはり大切だろうというふうに考えるわけです。例えば、医療施設や老人ホームなどは非常に安全性の高い食事が提供されているわけでもありますし、食品循環資源としては、私は非常に価値のあるものではないかというふうに思っております。

 社員食堂はどこが担当するのかなと思っておったんですけれども、厚生労働省になるんですか、環境省になるのか。では、どちらでも結構ですので、ちょっとこの二つについてお答えをいただけますか。要は、食品関連事業者として対象を受けることに問題があるのかどうか、その点についてちょっとお答えをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、竹下委員長代理着席〕

白石政府参考人 先に、医療施設、老人ホームの分のお答えをさせていただこうと思います。

 先ほど廃リ部長の方からも御説明ありましたように、現行の法令上は、食品関連事業者に間接あるいは直接の規制をかけているという法律の仕組みであるわけでございますが、その一方で、医療施設あるいは老人ホーム、これは治療あるいは介護等のサービスの一環としまして、不特定でない特定の者に対してその心身の状況に応じて食事を提供するということから、こういった現行法上の立て方からは直接的あるいは間接的な規制の対象にはならないというふうな形であることは御承知のとおりでございます。

 ただ、食品リサイクルでございますので、どこでも食べ物はもったいないわけでございますから、医療施設、老人ホームにつきましても、いろいろな衛生上の配慮等々特別な関係というのはございますけれども、各施設におきます食事提供の実態等も踏まえまして、制度を所管する農水省、環境省とこれからどうしたらいいかということについて考えることはやぶさかではございませんが、現在の法律の立て方では、そういう直接あるいは間接的な規制の対象ではないということでございます。

由田政府参考人 事業者が福利厚生の一環としまして社内に社員食堂を設置している場合には、食品の提供自体を目的とするものではありませんで、そのこと自身が当該事業性に乏しいこと等を勘案しまして、設置主体である事業者を食品関連事業者ととらえることはいたしていないわけであります。

 しかしながら、御指摘のように、廃食用油は適切に分別すれば比較的再生利用が容易であるというものであります。このようなことから、食品リサイクル法上、食品関連事業者に該当するか否かにかかわらず、御指摘のような取り組みの推進は行うことが循環型社会づくりの観点からは望ましいというふうに考えております。

 今後は、平成十九年度に新たに整備することといたしておりますバイオマス系廃棄物のデータベースなどによります関係事業者への情報提供や、あるいは優良事業者の表彰制度なども通じまして、こうした事業者の自主的な再生利用の取り組みを促進してまいりたいというふうに考えております。

田島(一)委員 必ずしも規制の、その事業者としての対象に入れるか入れないかだけではなく、入っていなくても、きちんといわゆる食品循環資源としてリサイクルに取り組んでいただけたら何も問題はないわけですね。自主的なこういう取り組みを、学校やそしてまた社員食堂、医療関係施設も含めてぜひ進めていただくような手を、ぜひ進めていただきたいし、環境省にも大変縁が深いので、ぜひその点はよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 さて、今回の食品循環資源の用途別の再生利用状況をひもといてみたいと思います。

 環境省の方でデータをお取りまとめいただきましたが、平成十五年の用途別の再利用の状況を見ますと、飼料、えさになっているのが約四四・三%となっています。何か非常に多いように感じるんですけれども、全体の廃棄物からするとわずか一〇%未満の九・五%、これは平成十五年です。年々ふえてきてはいるようでありますが、この循環資源の再利用の状況からすると、肥料化、飼料化、それから油脂・油脂製品化、メタン化と、まだまだおくれている課題はあろうかと思います。私、その中でも、とりわけこの飼料化に着目をしていきたいと思います。

 やはり豊富な栄養価が最も有効に活用できるリサイクル、再利用といえば飼料化ではないかなというふうに思うわけでありますが、この飼料化の先進的な取り組みをやっている国といいますと、思い出されるのがやはりお隣の韓国であります。恐らくきょうこの委員会に御出席の多くの皆さんも韓国へお越しいただいていることだというふうに思いますが、韓国のこの飼料化の取り組みは大変目を見張るものがあります。

 私、実は三年前、あるスタディーツアーで韓国の光州の養豚場、それから生ごみ処理場、そして生ごみの飼料化工場、それぞれ見学をさせていただきました。残渣はもう真っ赤であります。もちろんトウガラシの色でありましょう。しかしながら、異様なにおいも気にはなりましたけれども、その残渣の大半が、乾燥処理をされ、殺菌処理をされ、複合飼料として養豚場へと送られている、そのすべての流れを実際に見てまいりました。

 その取り組みの中で、生ごみを飼料化する過程で当然金属片等の除去であるとか殺菌過程等もありますが、皆さんも韓国のレストランにお入りになられたら、つまようじやおはしをごらんになられて気づかれたかもしれません。あちらでは、九四年に木製のつまようじ、それから割りばしは使用禁止というふうになりました。今では、水に溶けるでん粉質の両側がとがっているつまようじしか見ることはできません。もうそれ以外の木製のつまようじを使っていると罰せられる、割りばしを使うと罰せられるというような、大変厳しいリサイクルの状況をつくられてきました。木製のつまようじが食品をリサイクルしていく過程で豚のえさにまじった場合、豚の内臓を傷つけて死なせてしまうおそれがあるというような配慮から、木製のつまようじ、割りばしは禁止になったというふうに私は仄聞しています。

 高い栄養価のある飼料化を進めていくのであるならば、日本でも木製のつまようじは使用禁止、割りばしも使用禁止というぐらいの意気込みで今回改正案に盛り込んでもよかったんではないかな、私は実はそんなふうに考えるわけであります。もっと言えば、日本の食文化の伝統というんでしょうか、あのササを切ったかのように見えるプラスチック製のバランというものも、お弁当には、食材と食材の間に味が移らないようにと、彩りも込めてよく乗っかっています。しかし、あんなもの、人間以外ででも食べられるわけがありません。こういったものがまじっていることによって、またお弁当の中には、おしょうゆの、あのタイの形に似たプラスチックの容器など、いわば食品リサイクルには適さないものがお弁当やレストラン等で供されている。また、それを分別する手間等から、今では生ごみと一緒になって、つまようじも割りばしも一緒に捨てられてしまっているのではないかというふうに考えるわけであります。

 飼料化を進めていくのであるならば、お隣韓国の先進的な取り組みというか、随分大胆な取り組みも先進事例としてやはり考える必要があるのではないかというふうに思いますが、割りばしの業界なのか、つまようじの業界に御配慮されたのか、まだまだここまでの取り組みは今されようとはしていません。この点についてどうお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。

由田政府参考人 食品循環資源由来の飼料の中につまようじなどが残っていた場合には、御指摘のように、豚の口の中で刺さる等の事故が生じかねないために、つまようじ等については、これらを進める場合には分別がなされていることが前提となるわけであります。

 このためには、原料の収集、製造、保管、それから給与等飼料の製造から利用に至ります各過程におきまして、各原料の由来ごとに想定されるリスクに応じた管理を確実に実施するために、農林水産省におきまして、エコフィードガイドラインが策定されておりまして、この周知によりまして、食品循環資源への異物の混入防止の徹底を図ることがまず肝要であるというふうに考えております。

 また、一部の店舗におきましては、利用者の協力も得まして、マイはしの導入を行う動きもありまして、中には地域ぐるみで取り組んでいる例も見られているところであります。このような取り組みにつきまして、広く普及を図っていくことも重要ではないかというふうに考えております。

 環境省としましては、農林水産省と連携しまして、食品関連事業者やリサイクル事業者などにエコフィードガイドラインを周知、浸透させまして、異物混入防止などのための優良な取り組みにつきまして大臣表彰を行うなど、まずは先進的な取り組みの普及に努めてまいりたいというふうに考えております。

田島(一)委員 農水省にぜひお伺いしたいんですけれども、現在、飼料の自給率、私、二五%ぐらいかなというふうに思っていたんですけれども、今どれぐらいあって、将来的に、飼料の自給率を何年にどれくらいにまで引き上げようとお考えなのか。その計画の中で、食品循環資源はどれくらいのウエートを占めるべきだというふうにお考えなのか。通告なくて本当に申しわけないんですけれども、恐らく想定問答集かなんかお持ちの中にはあるんだろうというふうに思いますので、ちょっとお答えいただけないでしょうか。

岡島政府参考人 飼料自給率というか、全体の食料自給率についても、平成二十七年度に四五%にする……(田島(一)委員「それは食料自給率でしょう」と呼ぶ)食料自給率ですね。その中で、平成十五年を基準年にしておりますけれども、平成十五年におきます飼料自給率、これは二四%でございます。

 その内訳を申し上げますと、いわゆる粗飼料、草などですね、それについては七六%、それから濃厚飼料、いわゆるトウモロコシ、コウリャン等ですね、それから今御質疑になっております、まさに食料循環資源から出るエコフィードもそうでございますけれども、それの自給率が一〇%でございます。これを、二十七年度には粗飼料を一〇〇%に、それから濃厚飼料を一四%に。ですから、濃厚飼料部分についていいますと、一〇%を一四%に上げよう、そういうことを目標としております。

田島(一)委員 突然の質問で申しわけありませんでした。

 ただ、その濃厚飼料というのは、トウモロコシだとかも入っているわけですよね。エコフィードだけだとすると相当低いわけですよね。そこまでの数字はちょっとお示しいただけなかったんですけれども、また近いうちにぜひ資料提供をお願いしたいと思います。

 現在でも再生利用の四割少々しか飼料化されていない中で、いわゆるエタノール燃料騒ぎ等々も含んで、現在、飼料穀物、トウモロコシ等の価格が、先物も含めて非常に高騰してきていることは皆さん御承知のとおりであります。この濃厚飼料のウエートを一〇%から二十七年には一四%というふうにお示しいただきましたけれども、これから先、この飼料を取り巻く世界状況が大きく変化をすることが考えられるわけですから、これは食品循環資源の飼料化を相当てこ入れしていかないと、農水省としても危機的状況に瀕すると私は思うんですね。その辺のお考えを、御認識がおありなのか。それを含めた上で、今この飼料化を優先していくことのお考えが本当にあるのかどうか、ぜひお答えをいただきたいと思います。

岡島政府参考人 委員御指摘のとおり、現在の濃厚飼料をめぐる世界の需給状況を見ますと、問題認識は全く一致しております。そうしたことですから、当然のことながら、やはり食品循環資源に由来する飼料を進めていかなければいけない、これは私どもとしても全く同じベクトルだというふうに考えております。

 そのために、全国食品残さ飼料化行動会議というものを設けて、いろいろな普及啓発をするとか、あるいは安全性のためのエコフィードガイドラインをつくって関係業者に指導するとか、また、シンポジウムの開催あるいは優良事例の調査、公表、そういったことを通じて進めてまいりたい、そういうふうに考えております。

    〔竹下委員長代理退席、委員長着席〕

田島(一)委員 同じ方向を向いていただいているということで、それはありがたいと思います。やはり先読みをしていかないことには、私たちの食の自給率にも当然影響してくるわけですから、飼料は飼料だというわけにはまいりません。その点、農水省のお考えはよく理解できましたけれども、環境省の方もぜひ十分にお考えをいただいて、今回、単にリサイクルループを確立していくことだけじゃなくて、その中ででも用途別の再利用の取捨選択といいますか、特化して優先すべき順位を本当はつけていく必要が僕はあるんだろうなと思うんですね。ましてや、メタン化なんというのは最後の最後の手段であるわけですから、優先順位としてはやはり飼料化から何があっても取り組むべきだというふうに考えます。

 もちろん、かつてBSE騒ぎがあって、その問題が風評被害も及ぼしたこともありました。そして、腐るという時間的な問題だとかもあるのも承知をしています。しかし、やり方によっては、そのリサイクルをきちっと確立している先進事例も随分あるわけですから、農政には随分御造詣の深い大臣がいらっしゃるわけですから、その点をぜひ踏まえて、農水省ときちっと連携をとっていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。

 では最後に、私が今回の食品リサイクル法の中の最大の敵だと位置づけているディスポーザー対策についてお尋ねをしたいと思います。

 年々このディスポーザーの排水処理システムを設置する集合住宅の戸数がふえてきております。御存じないかもしれませんが、家庭から出る生ごみをそのまま排水溝にほうり込んで、水を流しながら粉砕をし、下水管を通じて流れていくという代物でありまして、一般の生活者にしてみれば、生ごみを出す手間が要らない、そして、においもない、そして、外に生ごみを、収集車を待つまでの間にカラスに食われることもない。そういう意味では、利点だらけだというふうに思われていて、今日、それこそ、ここ五年間の間に着工件数が四十倍ほどにふえてきているという現状にあります。

 実は、私がかつて住んでおりました衆議院の麻布の仮宿舎の集合住宅の中にも、このディスポーザーというものがありました。もう珍しいものですから、本当に随分利用させていただきまして、管理人さんに言わせると、サザエの貝殻以外は何でもオーケーですよと。サザエの貝殻はさすがにと私も思いましたが、アサリでもハマグリでもオーケーだというんですね。貝殻ですよ。何でも捨てられちゃうということで、本当に生ごみを出す手間は要らない。集合住宅などは、何百戸という全体の生ごみが、一カ所に、集積場に集まるわけですから、そこの管理されている方々の御苦労も考えると非常にいいのかもしれません。(発言する者あり)

 そこで、今、いみじくも不規則発言がありましたけれども、今度つくられたあの衆議院の赤坂宿舎、この食品リサイクル法の審議もやっていただいている議員さんも、中にはあの赤坂宿舎にお入りいただいているんですが、あの赤坂宿舎にもこのディスポーザーが設置されているんですね。これは、高価な宿舎だとかそういう議論の前に、ディスポーザー自体のあり方、そして、今回の食品リサイクル法においては、ディスポーザーはもう元凶だというふうに私は位置づけているんですけれども、これを国会議員の宿舎の中に全戸設置している、これはちょっといかがなものかなというふうに、今さらながら、今回、この法律の審議をさせていただくについて考えたわけなんです。

 このディスポーザーの設置について、いろいろな意見があるのかもしれませんけれども、この食品リサイクル法の改正におけるディスポーザーはどういう意味を持つのかを、まずお答えをいただきたいと思います。

若林国務大臣 吉田委員が、食品リサイクル法の中で、業務系と一般系といいますか家庭系、この食品リサイクル法は、業務としての食品の取り扱い、その廃棄物の処理について、これを資源として再資源化することに重点を置いておりまして、一般家庭から出るものについて、これが訓示的な取り扱いしかないのはおかしいじゃないかという御指摘がございました。

 再資源化をするのに、事業家を把握した方が、これを実際実行していく上に有効であるという視点から、この法律自身は、確かに事業家、食品製造業なりあるいは小売業なり卸売業なりというのに着目して規制をしておりますから、そういうところと、この法律の中におけるディスポーザーという位置づけについては、特段、このディスポーザーを、こういう事業家の方で現実にそういう利用をしているというのを余り聞いておりませんけれども、また、そういうことを利用したとしても、全体に再資源化を図るということがこの法の趣旨でありますから、事業系のものについては、ディスポーザー利用というものを、むしろこれについては抑制をして、再資源化の方向を目指すというふうに、法の趣旨はそうなっていると思うんですね。ただ、家庭からのものにつきましては、特にこの法律上、位置づけておりません。

 そういうこともありまして、いわば、それぞれの御家庭の人たちの選択の問題というふうに考えて、それを個人の判断で行うので、これを禁止するとか抑制するとかというようなことは制度的には考えていないと思うんです。

 ただ、食品廃棄物のリサイクルを進める、そういう趣旨、視点から見ますと、ディスポーザーというのは、特段これは評価さるべきものではないわけでございまして、委員がおっしゃるように、そのことによって全くこれを再利用することができなくなってくるということでございます。

 ですから、今後、食品廃棄物の発生を抑制し、再利用を進め、減量に努めていく、そういう趣旨からしますと、市町村段階の取り組みとしては、ディスポーザー利用ではなくて、できるだけそれを、コンポストのような利用にしてもできるわけでございますから、そちらの方を消費者に対する普及啓発を進めていきたいと思うんです。

 ただ、高層住宅になりますと、なかなかそれも難しいんじゃないでしょうか。高層住宅の場合は、これは難しいんじゃないか。参議院の宿舎にはそういうものはありませんけれども、私は、高層住宅の場合は難しいのかなという気がいたします。ただ、コンポストとしての、乾燥させて利用するということは可能ですよね。

田島(一)委員 もう既に、京都市では、このディスポーザーの設置を禁止しているんですね。これは、いわゆる下水道の管渠にディスポーザーの粉砕ごみが流出し、閉塞したり、悪臭や有害ガス等の問題が生じるということから、自治体レベルではもうこれは禁止しているんですよ。私は、もう正直言って、これぐらいまでやらないとだめだろうなと思っているんですね。今、何を流されるかわからないんですね、あのディスポーザーを通じて。有毒ガス、有害ガス等々の問題等も考えると、安全性の問題も含めて、このディスポーザーというのは、この食品リサイクル法の観点からももちろんそうですし、私は、これは禁止させるぐらいの方向でぜひ考えていただきたい。それぐらいのリーダーシップを環境省が持つべきだと私は思います。

 その一方で、今、業務系のお話もいただきましたけれども、実は業務系をもう調べてみました。そういうメーカーがしっかり売り出しをしているんですね。どういうところが使っているんだろうかと、大型機の販売実績の一覧を見ました。これを見ると、何と情けないことに、中部の経済産業局も入れています。そして軒並み、公立の病院も入れています。そして、幼稚園や保育園、小学校も導入されています。それ以外にも、国の関係でいきますと、航空自衛隊も入れています。刑務所にも入っています。食品リサイクル法が、これは環境省と農水省だけが頑張っているんですけれども、それ以外の省庁は全然そういう意識がないという実態なんですね、これは。

 ディスポーザーのあり方についてどうあるべきかという検討も、これまで環境省の方では多分なされていなかったと思います。資料要求をしたとき、ディスポーザーの普及率についての情報すら環境省はお持ちではありませんでした。私は、ここまで法律を改正するんだったら、こういう周辺の状況もきちっと調査をされてお出しになられるべきだと思うんですよ。まだまだ根深いいろいろな問題が山積しています。

 こういうことをお考えになられて、私は、今回のこの法改正、これですべてゴールではないと思いますし、大臣もそうだと思います。ましてや、国会議員の議員宿舎にまでそういうものが設置されていると、大きな声でとてもじゃないけれども言えませんよ。参議院ですから関係ないとおっしゃるかもしれませんけれども、この点については、家庭ごみだからといって切り離している今回の法律ではありますが、全体の廃棄物の七割を占めているのが家庭ごみですよ。だからこそ、やはり何としても、食品循環資源としての認識を全国民に持っていただくためには、その普及啓発に相当エネルギーを注いでいただかないとだめだと思うわけであります。

 最後に、ぜひそのお答えだけをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

若林国務大臣 食品リサイクル法自身の法の対象としてどう扱うかということとは別に、循環型社会の形成を進めていく、そういう意味で、家庭ごみの有効な生ごみの活用という視点から、委員の御指摘もしっかり受けとめながら検討させていただきたいと思います。

田島(一)委員 では、終わります。ありがとうございました。

西野委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。

 今回の食品リサイクル法の改正について幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 今回、現況としてまだまだリサイクルが進んでいない、そういう中でより確実に食品のリサイクルを上げていく、そのための法改正であります。そういう中で、私も、この法案、一定の進歩があるんだということは理解をしているわけであります。

 しかしながら、今私ども民主党の同僚の議員からも幾つか質問をさせていただきましたが、私は、本当に本気でというか、もちろん本気であると思うんですが、実質的にもっと食品のリサイクルというものを上げていくためには、もっと考慮するべきではないかということが幾つかあると思うんです。

 そういう意味で、今回の法改正に絡み、また今後のことも展望をしながら質問させていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 そういう中で、今ディスポーザーの問題も田島議員から質問がありました。私は今回非常に気になっておるのが、かなり進んだとはいえ、なぜ家庭から出る食品廃棄物が対象になっていないのか、このことがやはり気になるんですね。いろいろと理由はあるのかもしれませんが、そのことについてもう一度確認をさせていただきたいと思います。

由田政府参考人 食品廃棄物につきましては、食品リサイクル法制定時の平成十二年当時におきまして、家庭系、事業系合わせて約二千万トンもの量が排出され、その少なくない部分が焼却処分され、埋立処分されてきたところであります。

 食品リサイクル法の制定に当たりましては、このような現状を踏まえまして、食の外部化、サービス化の進行、加工食品の増大などに伴い、今後、事業系の食品廃棄物が一層増大することを想定いたしまして、食品廃棄物を排出する食品関連事業者は、食品を提供等し利益を得るという事業活動を行っているということに着目いたしまして、食品関連事業者に対し、再生利用等の実施を求める制度を創設したところであります。

 食品関連事業者のうち、食品製造業を中心といたします食品流通の上流側では、単一の食品廃棄物等が大量に発生いたしますが、冷凍車で収集運搬し、長距離輸送を行っても腐敗を防げることに加えまして、再生利用が容易であるということ、あるいは食品小売業の売れ残りや外食産業の調理くずなどにつきましても再生利用の可能性が十分あることからも、事業者に対しまして一定の取り組みを義務化することが可能であるというふうに考えたものであります。

 これに対し、家庭から排出される食品廃棄物、いわゆる生ごみにつきましては、食べ残し、調理くず、厨芥など異物を含めて排出されまして、不特定多数の住民を対象に堆肥などの再生利用を行うこととなりまして、食品関連事業者における取り組みと異なり、より難易度が高い状況にございます。

 一部、生ごみを分別する先進的な市町村の取り組みがあるものの、これらにつきましては、住民協力を得るのに労力と時間を要しているものでございます。

 こうしたことを踏まえまして、食品リサイクル法におきましては、地方公共団体は、その区域内の経済的社会的諸条件に応じて食品循環資源の再生利用等を促進するよう努めなければならないということや、消費者は、食品廃棄物の発生抑制や食品循環資源の再生利用により得られた製品の利用により食品リサイクルを促進するよう努めなければならないとしているところでありまして、食品関連事業者が排出する食品廃棄物とは異なる取り扱いをしているものであります。

 このように、今回の改正も含めまして、家庭から排出される食品廃棄物につきましては、食品リサイクル法上、再生利用等の実施に係る具体的な義務を課しているものではないということでございます。

近藤(昭)委員 御答弁は、なかなか現実問題として難しい、だからまず事業系のごみからということだと思うんです。

 ただ、家庭から出ているごみは大変に多いわけでありますし、事業系も含めて、社会全体として、もともとリサイクルの前提として排出抑制ということがあるわけですから、そういうことから考えると、国民一人一人が排出抑制、排出をしない、やむを得ず、またどうしても出てしまった分についてはリサイクルをしていくんだ、こういう意識、かなりの意識を私は逆に持っていると思うんですが、そういったものを全部、総合的にやっていかなくてはいけないと思いますし、その根本に、やはり国民一人一人の気持ち、思いというか覚悟というものが必要であると思うんですね。

 そういう意味では、やはり、国民の意識も逆に変わってきていると思いますし、またさらに変わっていくためにも、家庭から出る食品廃棄物について対象にしていくべきだと思うんですが、そこについてはいかがお考えでしょうか。

由田政府参考人 今回の改正につきましては、再生利用等の実施の取り組みが大きくおくれております食品小売業や外食産業といった、食品流通の川下に位置する事業者における再生利用等を促進することを目的として、必要な措置を講ずることとするものであります。

 一方、家庭から排出される食品廃棄物の再生利用は、そもそも腐敗しやすいという性状に加えまして、不特定多数の住民の協力を得るのに時間と労力を要することを踏まえ、食品関連事業者から排出される廃棄物とは異なる取り扱いとし、発生抑制や再生利用の取り組みを義務づけるものとしていないということも、先ほど申し上げたとおりでございます。

 しかしながら、御指摘のとおり、一般家庭から排出される食品廃棄物は、食品廃棄物全体の約半分を占めておりまして、食品廃棄物等の再生利用等を推進していく上で、家庭から排出される食品廃棄物の発生抑制や再生利用の推進も重要なものであります。

 このために、御指摘のように、食育を含めまして、さまざまな情報伝達、広報手段を通じまして、必要以上の食品を購入、注文しない消費行動でありますとか、食品廃棄物をなるべく出さない調理方法や献立の工夫など、もったいないという心を育てる意識啓発や意識の転換を図るとともに、家庭の生ごみにつきましても、市町村が再生利用や高効率なエネルギー利用を行う場合には、メタン化や高効率廃棄物発電などの施設の整備に対しまして支援を行っているところであります。

 今後とも、このような総合的な啓発や支援を通じまして、生ごみに対しても適切なリサイクルを推進してまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 啓発あるいは支援をしていくというお話、今回の法案には入ってこない、そうすると、まだ当面はそういった啓発、支援ということで、制度的には、もちろん今回の法案には入っていないわけでありますけれども、いわゆる法律上、制度上というふうにはまだお考えにはならない、こういう意味でありましょうか。

土屋副大臣 今回の法律の中では含まれておりませんけれども、この法律を制定した後の次の段階になりましたら、容器包装の後、分別収集においては、やはりリサイクルの対象は食品廃棄物であることを市町村に対して示していく必要があろうと考えております。

 私自身も、やはり本当に家庭からのごみの問題というのは大変大きい問題だと考えておりますし、これは意識の啓発が物すごく重要だと思います。

 地域において、市町村だけに頼ることなく、やはりNPOなんかと共同しまして、地域住民の意識改革、それから参加というのを何かしら形をつくっていかないと、家庭ごみの肥料化とか、そういうリサイクルループはなかなか困難であろうとは考えますけれども、努力をしていきたいと思っております。

近藤(昭)委員 副大臣からもお答えをいただいたので、当面、今回の中には入っていない、現実の中で対応していくんだということは、とりあえずといいましょうか、制度上対象としていない中で現実的にやっていくというお答えであります。

 それで、これから市町村に対しても、そういった啓発といいましょうか、促進を促すような形でやっていかれるということなんだと思いますが、私の住みます名古屋市におきましても、四学区ほどでしょうか、今、試験的に家庭から出る生ごみの肥料化に取り組んで、今度、名古屋市の基本計画の中で、家庭から出てくる生ごみをどう肥料化していくかということを位置づけていくということなんですね。

 今、副大臣にある程度のお答えをいただきましたけれども、いろいろと交付金とか補助金とかで支援していくということだと思うんですが、もう少し具体的にお教えいただけませんでしょうか。

由田政府参考人 まずは、分別収集そのものにつきましては、今副大臣が御答弁させていただきましたとおり、分別収集ガイドラインを策定し、現在、もう間もなく周知を図るというふうにしておりますが、容器包装廃棄物、いわゆる瓶、缶でありますとか、容器包装リサイクル法の対象となっている容器包装などの次は、まさに生ごみのようなものが考えていくべきものということをこの分別ということでははっきりと示してまいりたいというふうに思っております。

 さらに、今御指摘の、受け皿となる、この再生利用の支援となる施設でございます。これは、いわゆる高効率にエネルギーの回収を行いますメタン化施設というものも支援の対象といたしておるところでありますが、そのほか、今御指摘の堆肥化施設、それから高効率の熱回収施設などに関しましても支援を行うこととしておりますので、循環型社会交付金を活用しまして、これらの支援をしっかりやっていくことによりまして、食品リサイクルが着実に進むように強力に誘導してまいりたい、このように考えております。

近藤(昭)委員 ぜひ、それぞれの自治体、まさしく、生ごみですから腐りやすい、つまりまめに収集をしなくちゃいけないとか、先ほどから出ております、中に危険なものが入っていないようによりきめ細かい対応が必要だ。

 そういう意味では、自治体、あるいは、先ほど土屋副大臣もおっしゃったNPO等との関係。逆に言うと、私は、これは、システムとしては大きくても、やるグループみたいなものはより小さいようなイメージを持つんですけれども、いずれにせよ、自治体が取り組んでいくことに対して、自治の時代でありますし、今申し上げた、やはり現場でしっかりと対応していかなくちゃいけない、そういう意味では、国がというよりも地方自治体、あるいはより小さな地域の頑張りだと思うんです。

 ただ、やはりそういう中で、インセンティブを法律、あるいは、今少しお話もありました、言及もありました、さまざまな交付金等々の支援が必要だというふうに思っておりますので、積極的な御支援をお願いをしたいと思うんです。

 ところで、次の質問でありますが、今回の法案の中で、リサイクルの中で、特に飼料化というものを最優先されておられる、この理由について、もう一度お聞かせいただきたいと思います。

岡島政府参考人 飼料化を優先する理由についてでございますけれども、大きく分けますと三つ挙げられると思います。

 一つは、まず飼料化によりまして、食品循環資源の有する成分あるいはカロリーを最も有効に活用できる手段であるということかと思います。

 二点目としましては、先ほど田島委員からも御指摘ありましたけれども、やはり飼料穀物の国際需給が非常にタイトになっております。そうした環境下におきまして、利用者からもやはり食品循環資源由来の飼料に対する需要が高まってきたということで、こうした状況も、これからも続くであろうということ。

 それから、三点目といたしまして、いわゆる食品循環資源から製造される飼料、エコフィードが使われる、その中には当然国産の食品が含まれておりますから、それが輸入飼料原料に置きかわるならば、その分だけ自給率が上がっていくというような、こういった三点。

 こういったことを考えまして、再生利用の手法として飼料化を最優先させるということが妥当ではないかというふうに考えたところでございます。

近藤(昭)委員 よくわかるわけであります。

 そういう意味で、飼料化を最優先している、そのとおりだと思うわけでありますが、ただ、そういう中で、少し気になったことがございまして、先週の参考人質疑のときに、私も質問に立たせていただきまして、パレスホテルの担当の方がお話しになっていて、私もその後ちょっとお話を聞かせていただいたんですが、あそこの取り組みも飼料化ではなくて肥料化であった。エコパレスとかという商品でしたでしょうか、肥料化であった。

 それで、ちょっと委員会が終わった後、雑談の中でお聞きをしたんです。やはり飼料化というのが第一ではないか、この法案の中でも、そういう方向性だというお話をしましたところ、実は、当初は飼料化であったというか、現実問題として飼料化してきた、そして、今も御指摘のあった、さまざまな栄養価とか、非常によく売れるいい飼料だった。

 ところが、残念ながら、BSEの事件以来、どうしても食に対する、BSE、問題があるかもしれない牛肉からもしかしたら飼料がつくられている。それが飼料として提供された家畜からまた、循環してくるということですね。そういうことの心配が出て、風評ということなのかもしれませんが、もう全く売れなくなってしまった。そして、現実問題として、飼料から撤退をして、肥料にせざるを得なかった、こういうことがあるわけですね。

 そうすると、飼料化を優先するという取り組み、しかしながら、一方でそういった問題があって、残念ながら、もう随分と先駆的な取り組みをしていらっしゃるところが肥料に変わってしまった。科学的なものと、不安、風評みたいなものはきちっと分けていかなくてはならないと思うんですが、ただ、今国民の皆さんの中に、牛肉の輸入再開については非常に慎重な部分があると思うんですね。

 私は、そういうことを考えると、この輸入再開が少しブレーキになるようなおそれはないかというふうに心配をするわけでありますが、そういった飼料化についての安全性、飼料化について、安全性について、どんなことをお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

貝谷政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生の方からは、飼料をまず第一にというときに、安全性の問題がネックになって、なかなかそれが進まないおそれもあるのではないかという御指摘かと思います。

 私ども、飼料につきましての基本的な枠組みとしては、今お話しの食品循環資源由来のものも含めまして、飼料全体を、飼料安全法という法律に基づきまして、きっちりと規制なりの措置を行っております。例えば成分規格でありますとか、製造方法等、そういった安全確保のための諸規制をきちんと行っております。

 そういったものをクリアできないものは一応流通しない、こういう仕組みを構築しておりますが、今お尋ねの食品循環資源由来の飼料につきましては、やはり、まさに循環させていくということの重要性にかんがみまして、私ども、この食品循環資源由来の飼料についての安全性を確保するための具体的な対応、法律規制だけでよしとせずに、もう少しわかりやすく、現場で気をつけながら食品循環資源由来のものを再利用していく、そういうものを促進させるための一つの手段といたしまして、そういった具体的な対応を示したガイドラインを昨年の夏に作成いたしました。

 私ども、エコフィードガイドラインと呼んでおりますが、こういった食品残渣の利用を促進するために、一方で、安全性に十分留意しながら現場で進めていただきたいということを、法律の枠組みプラスそういった具体的、わかりやすいガイドラインを示しまして、原料の排出から農家の方々が使用に至る、そういった各過程で十分に安全性が確保できるような措置を講じられるよう、そういったガイドラインを通じまして、関係事業者の方々に対して指導し、定着を図ってきているところでございます。

 法律の枠組み、それからきめ細かなプラスアルファとしてのガイドライン、こういったものを組み合わせまして、今後とも、この食品廃棄物の飼料化、こういったものが安全性を確保しながら進んでいけるように、私どもとしても、十分しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 システムとして安全性を確保するものをつくった、そして、それを周知してもらいながらやっていくということだと思う。

 ただ、少なくともこの間の、これで法案改正がされて、また進んでいくということでありましょうし、今後の取り組みということになるのかもしれませんが、やはり、さっき申し上げましたように、既に先進的な取り組みをしていて、成功体験として飼料をやってきた、よく売れてきた。ところが、BSEの事件以来、それからは撤退をしている、こういうところが既にあるわけでありますから、私は、ぜひ個別にそういうところも御調査いただきまして、そういったことの周知といってもなかなか大変だと思いますが、個別の周知と、また一般的な大きな意味での周知ということをぜひきちっとやっていただいて、そうでないと、飼料化を優先してもそれがなかなか進まない、リサイクルのループでありますから、ループが進んでいかないということになると思うんですね。ぜひ徹底をしていただきたいと思うんです。

 続きまして、先ほど田島委員もちょっと質問をされたんですけれども、今回、定期報告をする。ただ、定期報告が得られた結果、これがやはりきちっと利用されていかなくちゃならない。そういう意味で、先ほど、農水省そしてまた環境省、協力をしてやっていくというお答えだったと思うんですね。具体的には、どんなイメージをして、指導監督に活用されていかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

由田政府参考人 定期報告された内容につきましては、業種、業態ごとに整理をいたしまして統計処理を行い、個々の事業者が同一業種、業態の中でどのような状況にあるのかを分析いたしまして、この結果に基づきまして、行政がより適切な指導監督を行うことができるようにしたいというふうに考えております。

 さらに、従来より、農林水産省の地方支分部局におきまして、これは地方農政局等でありますが、個別事業者の指導あるいは調査に取り組まれてきたところでありますが、環境省におきましても地方環境事務所を設けまして、地方の現場におけます指導監督の体制を整備したところであります。今後は農林水産省の地方農政局と環境省の地方環境事務所とで連携協力いたしまして、定期報告の制度を効果的に活用いたしまして、効率的、効果的に指導監督に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 なお、食品関連事業者の発生抑制、再生利用などの特にすぐれた取り組みにつきましては、これを積極的に情報公開いたしまして、PRをし、事業者の取り組みを促すためにこういうことが重要だというふうに認識しておりまして、優良な事例を伸ばすような取り組みも、この定期報告の制度を活用いたしまして、取り組んでまいりたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 そうすると、もう少しわかりやすく、定期報告により得られた結果をどのように活用されていかれるのか。今のお話は、結果を活用したい、そして、農水省と環境省と連携をして、現場で指導監督をしていくということでございまして、どんなふうにその指導監督をされていくのか。定期報告で得られた結果を見ているだけではないんでしょうが、どんなふうに、具体的にお答えいただければと思うんです。

由田政府参考人 地方農政局と地方環境事務所とで共同で報告徴収、立入検査などにも活用してまいりたいと思いますが、これにつきましては、いわゆる食品関連事業者、収集運搬業者あるいはリサイクル業者、農家等、必要に応じまして、御一緒に全体を、あるいは個別のものについて、連携しながら共同で監督をしていくことにも活用してまいりたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 立入検査等々してやっていくというお答えでありますが、私は、担当の関係の皆さんのそういった立入検査等々ももちろん重要でありますが、事業者でありますから、やはりそういったことについて情報公開をしていくというようなことが非常に重要ではないかと思うんですね。

 事業者ごとに発生がどれぐらいあり、発生抑制、再生利用の取り組みについてどうやってやっているか、こういうことで取り組みを促していくべきだというふうに思うわけでありますが、この取り組み状況の情報公開についてはどういうふうにお考えか、大臣、お聞かせいただければと思うんです。

若林国務大臣 事業者から報告された内容というものは、廃棄物の発生抑制や再生利用の促進に当たって他の事業者の参考になる優良な事例があると思います。それら優良な事例の取り組みなどを、全般的な評価をしていく上に大変役に立つわけでございますが、そういう優良事例を積極的に評価をすることによって、それが他の事業者の参考になる、あるいはインセンティブになるといったようなことを考えていくことが必要だと思います。

 廃棄物・リサイクルの法律の実施に当たりまして、スーパーでありますとか、あるいはチェーンストアでありますとか、そういう中で、レジ袋について、トップランナーとして指導性のある積極的に取り組むという事業者と環境省との間で協定を結んで、これは発表をしたわけでございますけれども、そういうことによりまして、波及的な効果を期待いたしております。

 同じように、こういう報告の中から優良な事例というようなものを積極的に公表することによりまして、その波及効果を期待するということ、また、特段の企業秘密にかかわること以外につきましては積極的に全体公表をしていくと同時に、それぞれの事業者が自分は全体の中のどの辺にいるのかなということがわかるようなことをしながら、いわばこれは社会貢献でありますから、今、一般的に企業の、事業者の社会的貢献が消費者から問われている時代でございますので、その社会貢献を高めていくという意味でインセンティブになるんじゃないかなというふうに考えております。

近藤(昭)委員 大臣、ありがとうございます。

 ただ、私が思うのは、いいところを公表する、それで刺激を与えるというよりも、公表の意味というのは、先ほど、その前に御質問させていただいた指導監督をどうするのか、そういう中で情報公開についてどう取り組むべきかということでありますので、やはり悪いところについて公表していく、その取り組みが不十分だということを監視していくということが重要ではないかと思うんですが、いかがでありましょうか。

若林国務大臣 私は、それぞれの法律で義務を課せられて報告をしたところを、悪いところを何か公表して社会的なペナルティーを科していくというのは、最終的にそういうこともあるかもしれませんが、実は、やはり個別の指導をまず優先して、全体の中であなたのところはこういう位置づけにある、こういうことでもっと努力ができるんじゃないかといったようなことをまずすべきではないか、そういうふうに考えるんです。

 いいものは、大いに社会的貢献度合いとして優良事例の発表をしながらインセンティブを与えていく、悪いところについては、それは個別の指導をまず優先していくべきじゃないか、私はそう考えております。

近藤(昭)委員 ただ、今回の法改正というのは、やはりそういったリサイクルが進んでこなかった。もちろん、それを、ループをつくって、ループをつくったら許可を出しやすくしますよというような促進、インセンティブを働かせていくということであって、決して罰を、罰則を強めていくということではないのかもしれませんけれども、やはり現実問題として、上がっていないリサイクルをどうするか。特に、そこにリサイクルループをつくった、そしてまた定期報告もするようにするというのも非常に今回の目玉のはずであるんですね。それであるわけでありまして、今の御答弁はちょっと残念な気がするんです。

 ただ、それでも、百歩も二百歩も譲って、厳しいところを個別にやるんだということであれば、もう一度ちょっと部長に戻りたいと思うんですが、全国、どうですか、監督対象となる事業所は幾つぐらいあるんでしょうか。

由田政府参考人 定期報告の対象となっております事業者の数は約一万七千事業者ではないかというふうに考えております。

近藤(昭)委員 一万七千事業者をどれぐらいのスタッフで指導監督されていくんでしょうか。

由田政府参考人 環境省の職員は数十人でありますが、農水省に関しましては二百人程度ということでございます。

近藤(昭)委員 これは矛盾を抱えながらなんですね。行政改革という中で何でもふやせばいいというものではない。ただ、実際問題、進んでいないからやらなくてはいけない。ですから、かつて環境事務所、この問題もこの委員会で私も質疑をした覚えがあるわけですけれども、行政改革の時代だけれども、必要なところにはやはりスタッフはふやしていかなくちゃいけない、だから環境省から現場の事務所、こういったスタッフの充実も図っていかなくちゃいけない、こういうような流れだったのを覚えているんです。

 ただ、では今の人数で本当にやれるのか、私は、やれないのではないか、難しいのではないか。いや、やれないとまでは申し上げません、難しいんじゃないか。だからこそ情報公開をしていくべきだ、そういう中で、衆目の中で監督をしていくんだ、こういうふうに申し上げたわけでありますが、いかがでありましょう。

由田政府参考人 定期報告によりまして得られた結果に関しましては、先ほど御説明させていただきましたように、業種、業態ごとに整理をして統計処理を行いまして、個々の事業者が同一業種、業態の中でどのような状況にあるかを分析し、その結果に基づきまして、より適切な指導監督が行えるようにできるようにしたいというふうに考えておりまして、いわゆる人数が少ないということでもございますが、効率的、効果的に指導監督をやってまいりたいと考えております。

 先ほど大臣の方から、より積極的に優良なところは公表していくという方針も答弁させていただきましたが、全体的な公表に関しましては、特段の企業秘密にかかわること以外につきましては公表していくこととしておりますが、その具体的な方法につきましては、審議会等を通じましての事業者、消費者などの意見なども聴取いたしまして、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 ぜひ、その審議会の中で、いろいろ意見が出るんだと思いますが、私は何も悪いところをたたけばいいとだけ申し上げているわけではないんです。現実問題として、なかなか指導監督体制が難しい、またリサイクルが進んでいない、そういう中で、段階を追うとかいろいろなことが考えられるんだと思います。そういう意味で審議会というふうにおっしゃったと思うんですが、こういう時代でありますので、より、公表する、先ほど申し上げた衆目の中で監視をしていくことが重要だと思いますので、積極的に、審議会での御議論に期待をしたいというふうに思います。

 ところで、もう一度農水省との連携についてお伺いをしたいと思います。

 飼料化にいたしましても、肥料化にいたしましても、リサイクル飼料あるいはリサイクル肥料のユーザーである農畜水産業者と連携を進めていかなくてはならないということですね。そうでないと、実効が上がらない。リサイクル飼料、リサイクル肥料を使用する農畜水産業者に対しインセンティブを付与する支援策を講ずべきだというふうに思っていますが、そのことについてもう一度お聞かせいただきたいと思います。

岡島政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、まさに食品リサイクルを推進するためには、農業者などの参画、これが不可欠であろうというふうに考えております。

 このため、今回の再生利用事業計画の見直しにおきましては、食品関連事業者が、みずから排出した食品循環資源に由来する肥飼料などを用いて生産された農畜水産物を引き取ることを計画に位置づけることとしております。これによりまして、農業者などから見ますと、安定的な販売先が確保されるということでございますし、既に先駆的に取り組まれているところで見ますと、価格も、一般の市況よりも若干ですけれども割高で引き取られているということでございまして、そういうメリットもあろうかと思います。

 また、そのメリット感を感じるための措置の導入も有効であろうというふうに考えておりまして、食品循環資源由来の飼料あるいは肥料などを用いて生産された農畜水産物などを識別するマークの導入、そういったことも考えていく必要があろうかということで、今具体的な検討に入っているところでございます。

 さらには、リサイクルループの取り組みを推進するためには、食品リサイクル施設の整備に係る所得税、法人税の特別償却制度あるいは予算措置としてのバイオマスの変換、供給・利用施設などの一体的な整備に対する助成措置、こういったことも講じているところでございまして、農業者なども参画した形での地域における取り組みを促してまいりたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 ぜひ、これはループを完成させていかなくちゃいけないわけでありますから、そういう意味で、農畜水産業者の方たちに対するインセンティブ、それは、あと、食品事業者が買い取る。これについては、例えば、一定割合について、幾らかの割合を課すとか、あるいはいわゆる生産業者の方に何を売るか、肥料をつくって、それを何を提供するか。場合によっては、こっちは農協というか違うルートに乗せたい、そんなこともあろうかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

岡島政府参考人 まさに今御指摘の点については、現実にやられる事業者の方あるいは農業者の方々の話し合いだと思いますけれども、今先駆的に取り組まれているところでは、かなり安定的に物が流れて、まさに一つのループができているのかなというふうに見受けております。

近藤(昭)委員 どちらかがバランスが崩れるといいましょうか、どちらかが余りリードするというか、強い力を持つというのはいかがかとは思いますが、ぜひスムーズに流れるような、そういうインセンティブの方向性をつけていただきたいと思います。

 ところで、こういったリサイクルループは、一定の地域で食品関連事業者やリサイクル業者、農畜水産業者が連携して可能となるわけですね。ループづくりといったものに、先ほどもちょっと御指摘がありました、リサイクルの中での市町村の役割、こういう言及もありましたが、そういったものがより進むように、巻き込めるように、国としての施策をどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

北川(知)大臣政務官 委員御指摘のリサイクルループの構築に当たりましては、やはり地域の事情に精通をしておられる市町村の協力がなければ完成をしないと思いますし、協力をぜひしていただきたいとも思っております。

 特に関連事業者間のコーディネーターの役割などを務めていただいて、地域からの情報発信、提供を行うことによって、今後、リサイクルループを構築していく事業者にとっても有意義であると考えておりますし、国の方といたしましても、先ほど大臣の方からもお話がありました、今後の食品リサイクルの促進に関する優良事例等々を示しながら、バイオマス系廃棄物のリサイクルエネルギー利用のため、データベース化またはモデルシステム化調査、こういうものを市町村の取り組みとして、地域ぐるみの取り組みを活性化させていきたいと考えております。

 いずれにいたしましても、今後、地方公共団体とともに、この食品リサイクル制度につきまして検討を深めていきたいと考えております。

近藤(昭)委員 そうすると、自治体が積極的に支援といいましょうか、コーディネートをしていくことに対しても積極的に取り組んでいかれる、ぜひ市町村と連携をして、そういったことを進めていただきたいと思うんです。

 ところで、今回、リサイクルループをつくるというところで、つくることによって、より業者の参画する人たちに対して、いろいろ手続等々で便宜を図るといいましょうか、スムーズに進める、こういうことだと思うんです。

 ただ、これは難しいところだとは思うんですが、手続を簡単にするということによって、また一方で、中には悪い業者もいるんではないか、こういうことを心配するわけであります。万が一、万が一というか、もしそういった不正があった場合についてはどういうふうに対処されるつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。

北川(知)大臣政務官 今委員御指摘の廃棄物処理法違反行為等々があった場合の対応姿勢として、そういう事業者にどう対応していくかということでありますけれども、今回のループの認定に当たりましては、リサイクル製品を利用して生産された農畜水産物の食品関連事業者による利用の確保、そして、食品循環資源の収集または運搬を行う者及びその使用する施設が基準に適合すること等を農林水産大臣または環境大臣等の主務大臣が確認し、廃棄物処理法の特例を設けたことにより不適正な処理を誘発することがないよう、万全を期す。

 こういう前提のもとで、認定計画に従って食品循環資源の収集または運搬を行う者にも、廃棄物処理法上の許可を得た収集運搬業者と同様に、廃棄物処理法に基づき、廃棄物処理基準の遵守、処理基準違反に対する市町村長の改善命令や措置命令等の規定が適用されるほか、当然のことながら不法投棄の禁止に対応する罰則が適用されるものであります。

 廃棄物処理法に基づく的確な対応が可能となってくるところでもありまして、さらに、食品関連事業者が委託した収集運搬業者が廃棄物処理法違反で市町村の行政処分を受けた場合でも、再生利用事業計画の認定取り消しを行うなど、本法に基づき厳正に対応していく方針でもあります。

 このように、新たな再生利用事業計画認定制度の運用に当たりましては市町村との連携を密にいたしまして、廃棄物処理法違反に対しては、今後とも厳正に対処していきたいと考えております。

近藤(昭)委員 ありがとうございました。

 基本的には、やはり、いろいろなことを進みやすくする、しかし、そこで不正があってはならない、そういうことに対してはきちっと対応していただきたいと思うわけであります。

 いずれにいたしましても、まだまだ進んでいない食品のリサイクルがより進む改正でありますが、今幾つか私は懸念を指摘させていただきまして、法改正をまたさらに進める必要もあると思いますし、また、現実の中でしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 質問を終わりにいたします。ありがとうございます。

西野委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 きょうは、食品のリサイクル推進をぜひ進めていっていただきたいという思いを込めて、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律について質問をさせていただくものであります。

 まず冒頭でありますけれども、平成十二年に成立しました現行法の中で、食品リサイクル推進を図ってこられたんだとは思いますが、その反省点、課題、食農審を初めさまざまな審議会でも議論をされ、取りまとめられてきたところでありますけれども、まずはこの状況、現状を見ながら、どういう取り組みをしてきたのかということを取り上げたいと思います。

 一つ目は、消費者の取り組みの問題についてまず伺いたいと思います。

 今回の法改正でも、残念ながら、消費者の取り組みに関しましては、その内容が十分であるとは言い切れないというか、ほとんど盛り込まれていないと言わざるを得ない状況が続いています。

 平成十四年度における家庭における食品廃棄物の再生利用率は、わずかに二%だった。その一方、家庭から出る食品廃棄物等は、全食品廃棄物の五五%に当たる千百八十九万トンであり、そして、そのうち九八%が再生利用されていないとすると、千百六十八万トンがまさに焼却、埋立処分をされている状況にあるわけであります。

 法の四条によって、消費者等にも「食品循環資源の再生利用により得られた製品の利用により食品循環資源の再生利用を促進するよう努めなければならない。」としておりますし、基本指針においても、「食品の購入又は調理の方法の改善により自ら食品廃棄物等の発生の抑制に努めるとともに、食品関連事業者が行う食品循環資源の再生利用等に協力し、及び特定肥飼料等を利用して生産された農林水産物等を購入することにより食品循環資源の再生利用を促進するよう努める」、こういうふうに書いてあるにもかかわらず、この現状であります。

 今回の法改正にもこの点が盛り込まれていないことが残念でならないわけであります。田島委員も質問されたことではありますけれども、重ねて質問をさせていただきたいと思うわけであります。

 この法の趣旨、基本指針を踏まえて今回の法改正に臨まれた。しかし、そういう意味でいうと、利益を得る者に関しての規定に終わってしまったこの現状について、反省があれば反省を、反省がなければ開き直りを、それぞれお話をいただきたいと思います。

由田政府参考人 食品リサイクル法制定時におきましては、生ごみの問題に関しまして、家庭から出るものあるいは食品関連事業者から出るものも含めまして、まずは廃棄物として大変腐りやすいという性格をもともと持っておりまして、かつてから廃棄物処理を行う、特に市町村が取り組んできたわけでありますが、最も速やかに収集しこれを処理するという基本的な対象のものでありました。その後、それぞれ市町村の処理は進展はしてまいるわけでありますが、他の容器包装等に関しましてリサイクルを進めていこうということで進展をしてきたわけであります。

 この食品廃棄物の特徴としましては、先ほど申し上げましたように、しばらく時間がたつと腐敗しやすいという特性を持っているとか、各家庭から出てくるものは雑多なものでいろいろなものがまざりやすいとか、さまざまな特性がございます。市町村において対応する場合にも大変手間がかかり、住民の理解と協力を求めることが必要になるものであります。

 こういうふうな状況の中で、特に一定の量的なまとまりがあるものに関しましては、例えば市町村内で完結しなくても、長距離に輸送することが冷蔵車などの導入によりまして可能になってまいりました。そういうことによりまして、一定の事業者に対しまして食品の再生利用を進めるということが現実的に可能となり、それに取り組む事業者も見られてきたところであります。

 このような状況を踏まえまして、いわゆる食品廃棄物全体をリサイクルしようという方向ではありますが、特にこの中で、食品関連事業によりまして、これを事業とし、なりわいとしている事業者に対しまして、これを再生利用することを意図して食品リサイクル法を制定したわけでございます。

 五年たちまして一定の進展が見られたわけでありまして、特に食品事業者の中で製造業者に関しましては、御答弁申させていただきましたように、既に相当大きな進展がございましたが、この川下に当たりますいわゆる外食産業等に関しましては、なかなか進展しないということもございますし、あるいは、そもそも循環型基本法に定めております排出抑制もなかなかままならぬという状態であります。

 したがいまして、今回の改正におきましては、まずは、こういう川下におけます事業者の取り組みをしっかりとしたものとしていくために、リサイクルループを構築した場合にこれに取り組みやすいインセンティブが働きまして、この事業者の取り組みを進展させていこうとするものであります。

 なお、先ほど御指摘のございました消費者の役割等々に関しても規定をしておりますが、これに関しまして、特に消費者から排出される生ごみに関しましては、今後、市町村がしっかりと収集することによりまして、いわゆる再生利用あるいは徹底した熱回収を推進していくよう、環境省としましても循環型社会推進交付金などを活用いたしまして万全の支援をしてまいりたい、このように考えております。

岡本(充)委員 今の答弁は最後のところだけが私の答弁で、ほとんど大臣の法案の趣旨説明をしているようなものですよ。

 今の話は、外食産業の事業者を含めて、もしくは食品製造業を含む事業者についての質問をしているわけではなくて、では、家庭に対してどういう取り組みをしてきたのか、基本指針や法の四条に基づく取り組みとしてどういうことをしてどういう実績を上げてきたのか。

 もっと言えば、これは平成十二年五月二十五日の衆議院の農林水産委員会における附帯決議で、「一般家庭の生ゴミの再生利用等の促進についても配慮すること。」というふうに決議をされている、それに対して大臣は、当然その意を酌んでやっていくと答えているわけですから、それについてどのようにやってきたのかということを聞いているのであって、この法の趣旨を聞いているわけではありません。お答えをいただきたい。

由田政府参考人 市町村の一般廃棄物につきましては、廃棄物処理法に基づきます国の基本方針におきまして、まず有料化を推進しようということもその後掲げております。

 それから、いわゆる分別収集を行うために今現在分別収集ガイドラインというものを策定しておりますが、この中でも容器包装の次には生ごみを取り上げております。

 さらに、先ほど申し上げましたように、市町村におきまして、循環型社会交付金におきまして、メタン回収あるいは飼料化施設あるいは高度な熱回収施設などにつきまして支援をさせていただいているところでございます。

岡本(充)委員 その結果、食品廃棄物の再生利用率は上がったんですか。

由田政府参考人 生ごみの分別収集を行っておる市町村の数は一六%程度となっております。まだ低い水準ではございますが、今後ともしっかりと指導してまいりたいと思います。

岡本(充)委員 分別収集のパーセントを聞いているんじゃないんですよ。食品廃棄物の再生利用率が上がったんですかということを聞いているわけです。

 私は、これは聞いても答えが出ないんだと思いますけれども、そもそもこの法律の一番の目的は一体何なのか、食品再生利用率を上げることなのか、それともごみの量を減らすのか、目的はいっぱいあるんですと言うかもしれないですけれども。

 私はやはり、その目的の中の一つである利用率を上げるというのであれば、家庭から出るごみが五五%にも上るということであれば、ここは対策をとらなきゃいけないのにもかかわらず、ここの対策をとっていない。しかも、平成十二年に指摘をされておきながら、その点についてこれまでの間対策をとってこなかったということが今この場で明らかになったわけでありまして、これについては猛省をしていただかなければいけないというふうに思っているわけです。

 もう一つ、法の実施の状況について確認をしていきたいと思います。

 現行法の九条においては、「食品循環資源の再生利用等が第七条第一項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該食品関連事業者に対し、その判断の根拠を示して、食品循環資源の再生利用等に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。」さらに、勧告に従わなかった場合は「公表することができる。」さらに言えば「その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。」というふうになっているわけであります。

 こういった措置を通じても勧告、命令等に従わない、そういう者がいたから今回改正ということになったのか、それとも、こういうことについてそもそもこれまでどういう取り組みをされてきたのか、それについてお答えをいただければと思います。

岡島政府参考人 法施行後、法の趣旨なりを御説明して理解いただく、あるいは普及啓発する、そういったことで毎年大体二万社程度巡回点検しまして、その際に、法に基づく指導助言等は行ってきました。

 一方で、今先生御指摘の基本指針におきましては、平成十八年度までに目標を達成するということでございまして、ちょうど終わったところでございますけれども、まだそういった意味できちっと十八年度までにどうなったかということについて私どもも掌握しておりません。そういったことから、現在報告徴収の手続を進めておりまして、その中で必要があれば勧告なりをしていく、そういう手続を考えておるところでございます。

岡本(充)委員 今回、そういうことであれば、まとまる前に法改正のお願いということになるわけですね、局長、今の答弁だと。まだ十八年度のデータがまとまっていないから、これを見た上で指導、勧告するということなんでしょう。

 であれば、一体これまでの規定では何が十分で何が不十分だったのか。もっと言えば、罰金だって、この金額、これは七章のところに書いてあったと思います。七章のところに罰金の金額が書いてありましたが、たしか二十六条、現行法でも五十万円以下の罰金、改正法では二十七条、五十万円以下の罰金ということで、この罰則は基本的に変わっていない。しかしながら、指導、勧告にかかわる条文のところは大いに見直されたんだと思いますけれども、現状をきちっと把握をした上でやはり法改正じゃなければおかしいということで、その把握をしっかり努められておくべきだ。

 もっと言えば、審議会に、十八年が目標だったかもしれないけれども、例えば食農審に勧告の件数、こんな形で勧告がなされている、指導助言はこういうふうにしてきた、こういったことが最終的に今回の最終取りまとめを含めて示されているわけではありませんよねということを私は指摘しているわけです。こういう部分を踏まえずして法改正だというふうに言われても、それは、先ほどの話じゃないけれども、何を反省して、何を改善していくか、こういったことが積み上がっていないんじゃないかということを私は指摘しているわけです。

 大きな道でいえば、私はこの食品リサイクル、もちろん進めていかなきゃいけないという立場ですよ。しかし、そういう今の資料もない中で、この改正をしていくということが、大臣、今の私の議論を聞いていて、どうですか。それは、それ以外のところのデータはそろえていると言うかもしれないけれども、現行法の改正をする部分については、やはりきちっとその状況を把握していく必要があったのではないかということを私は問いかけているわけでありますが、それについて、今の私と局長、部長のやりとりを聞いていての御意見があればお聞かせをいただきたいと思います。

若林国務大臣 法施行後におきますその施行状況につきましては、なかなか行政側がその実態把握に十分な体制をとってこなかった、とれなかったということは、率直にこれを認めなければならないと思います。

 そういうようなことから、今回、一定規模以上の事業者には報告義務を課して、行政側が実態把握がしやすいようにする。それで、その義務の中身で業種、業態別にこれを分析できるような手法を導入しまして、これからのリサイクル、再生利用のてこにしていこう、こういう意図で法律改正をお願いするということがあると考えております。

岡本(充)委員 大臣、お認めになられましたけれども、一定規模以上のごみの排出者に定期報告義務、それはそれで結構なことだと思いますけれども、これをつけ加えさせていただけば、今のところ、年間百トン以上を想定してみえるんですね、大臣、うなずかれておりますけれども。

 この百トン以上の事業者が、では、どれだけの割合のごみを出しているか。製造業ではそれは多いかもしれない。しかし、今課題となっている外食産業においては、年間百トン以上のごみを出している事業者は、私はこの前ヒアリングをしたところでは五千事業者だというふうに伺いました。全外食産業が九万二千業者ほどいると言われている中で五千事業者だ。これで、今の法改正、もちろん、すべてが一回の改正で網羅的になるか、網羅的にするのがいいかという議論も必要だとは思いますけれども、少な過ぎるんじゃないかということは私は指摘をしていきたいと思っています。

 今、これまでの、環境省並びに農林水産省を含めて、法施行後のさまざまな実態調査の取り組みについて、今回、私もいろいろお話を伺いました。一体、では、そもそも食品廃棄物の年間発生量の推移という推計もどのように出しているのかということを私は今回の法改正に当たって聞いたわけでありますけれども、今回の法改正に当たって、サンプル調査をしながら、それぞれの事業者に行ってアンケートを配って、そして回答していただける方に回答をしてもらい、なおかつ、調査員が自分のある程度の恣意的判断で調査をするサンプル、対象を選ぶことができる、こういうサンプリングのあり方で本当に推計が出せるのかどうか。

 まずは、きょうは統計部にもお越しをいただいておりますけれども、今回のこの調査が、標準誤差率が五・〇%になるように標本を定め、業種別、規模別に配分した、こういうような方法をとってみえますけれども、そもそも客体数としての数の問題、それからサンプルの無作為性がない観点、バイアスがかかるんじゃないかという観点、こういった点について私は懸念を事前にお伝えをしておりますが、この点については、統計部長、どのように御回答いただけますか。

長政府参考人 お答えいたします。

 本調査は、平成十三年から、食品廃棄物の発生量それから再生利用量等につきまして、総務省の事業所・企業統計、母集団でございますが、その中の食品製造業、卸売業、小売業そして外食産業を含みます百七万という直近の悉皆調査による母集団を対象として行っているものでございます。

 先生御指摘ございましたように、調査は、十三年から、スタート時点で、私どもは一定の推計を行っております。その最初の推計の時点で、目標精度としては五%、二千五百十七のサンプル、客体を初めて調査を行ったということでございます。

 その結果、一定の廃棄量あるいは利用量についての調査結果が当然得られましたが、まさに先生御指摘ございましたように、一つは、その結果が本来の百七万という母集団の方の、ポピュレーションの偏差を正確にあらわしているかどうかということは、これは統計上必ず起こり得る、調査のスタート時点での論点でございます。

 それで、二年目以降、その調査結果のサンプルをもとに、私どもは、初年度もそうでしたが、それぞれの業種別それから従業員の規模別を四区分しておりまして、それぞれの階層ごとに、そのサンプリングが当てはまるような形で統計的に配分を行いまして調査を継続しているということでございます。

 こういうふうに行うことによって、恐らく調査のスタート時点では、これはプリテストといったことを行うこともございますが、一定程度の調査結果の偏りというのが出てまいりますけれども、そういった母集団の適正な配分を行うことによって、より正確に母集団が反映される、そういう統計的な考え方に基づきまして継続するということで、初年度は実績の誤差が五・七%でございましたけれども、二年目以降は最小で四・四%の誤差、一〇〇のものが一〇四、プラスで一〇四、マイナス四で九六といったことで、非常に改善が図られているということでございます。

 それからもう一点、先生から、調査員が具体的に、では二千五百十七のところにどうやって行っているんだということで、恣意的というお言葉がございましたけれども、これは当然そういった階層から無作為に抽出しておりまして、その無作為に抽出した具体的な企業名のところにまず調査員が出向きます。

 そして、事前に業界等を通じまして協力の依頼を行っておりましたが、どうしても協力できないといった方が当然出てまいります。そのときには、当該同じ階層、同一業種といったところで別の方を選定する。そのときにも、やはり無作為抽出ということで改めてやっておりまして、決して調査員がいわば恣意的に行うということではないというふうに考えております。

 それからまた、もう一つの問題は、そういったときに、継続して同じ方を調査していくと、どうしてもバイアスがかかるということ、これも先生の御指摘のとおりでございまして、極力、継続はしていない、つまり新規に二千五百十七をサンプルし直すということでやっておりまして、基本的にはかなりのものが新規調査ということになっておりまして、統計の正確性に努めてまいりたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 私が聞いている話と今の部長の話で、最後のところがちょっと違っているんじゃないかと思うんですけれども、調査客体数二千五百十七を目標にしているんじゃなくて、回収客体数二千百を目標にしてこの統計調査が行われているんでしょう、多分、私は事前にそう聞きましたよ。

 とすると、まずは回収客体数があって、そして回収率は八三・四%。普通の世論調査に比べても極めて高い回答率で、無作為抽出で、それで成り立つのか。

 ちなみに、本当はきょう皆さんにお配りすればよかったんですが、済みません、私の方の手元にしかありませんが、「食品循環資源の再生利用等実態調査票(外食産業)」というのを見ると、これは、例えば問い合わせ先からその事業所の名前まで、全部役所に把握をされる。そんな中で、うちは全く再生利用していません、取り組みゼロですなんということが堂々と書けるのかといったら、これは、ここにバイアスがかかるのも当然。

 当然、ここが例えば二段階の二層無作為抽出、私がいる医学の世界ではよくやりますけれども、だれがこの客体であったかということがそのサンプル調査者にもわからないように、もう一段のスクリーニングをかけて、だれかわからないようにしておけば正直なことを書くかもしれないですけれども、どこのだれべえが報告をしたというのがわかっていて、おれのところは取り組みをしておりませんといって、ゼロと勇気を持って書いてしまうと、下手したら勧告が来るかもしれない。そのときに、この調査が正確に出ているのかということを私は指摘しているわけですね。

 そもそも、この客体の選び方の段階でも、今お話がありましたけれども、全く無作為に抽出をしているのだとしても、今言った観点での問題点はぬぐえないし、もっと言えば、問一のところに、貴事業所における事業活動に伴う食品廃棄物等の発生状況、再生利用状況について記入をしてください、トン単位で単位未満は四捨五入してくださいと書いてある。

 例えば、中小の外食事業者がトン未満で四捨五入されたら、どれだけ誤差が大きいんですか。今の精度が四%だったといって部長は胸を張られますけれども、これは、統計学的にも数学的にも、ここから計算をし直したら大分誤差が出ることは間違いないと思います。

 そういう意味でいうと、これは、さらに書いてあります。記入に当たっては、この場合は平成十六年度一年間について、記入してください、なお、上記期間で記入が困難な場合には、記入可能な直近一年間。場合によっては、調査員が一カ月のその状況を十二倍して出してください、こういう話をしているところもあるそうです。

 とすれば、その直近の一カ月間のデータで、外食産業というのはいろいろな意味で波があります。そういう意味でいうと、この波をとらえているのかといったら、私は、普通の中小の外食産業において、一年間の食品廃棄物の年間発生量の計を正しくトンで示し、なおかつ、自事業所で減量した量や減量した後の食品廃棄物等の年間発生量、こういったものが重要なんですけれども、この部分を正確にトンで出せるのかといったら、この数字も私は大変にあいまいだと思う。

 それを積み重ねた結果が、これは、委員の皆さん方に、もしかしたらお手元に行っているかもしれないけれども、農林水産省統計部が出した食品循環資源の再生利用等の実態調査報告、これに基づいて今回の議論もなされているわけでありますが、年間発生の推移が出されているとすれば、本当に四%の誤差なのかということを胸を張って言えるのかということを私は問うているわけであります。

 そういう観点で、私の指摘をもとにして考えれば、この誤差が四%だととても言い切れるものではないということを部長から御答弁いただきたいと思います。

長政府参考人 先生からるる統計の非常に具体的な内容について御指摘いただきました。私どもも、本統計は承認統計でございまして、総務省の方にも当然協議をしながら、かつ、総務省の統計審議会への御報告といった議を経ながらやっております。

 そういった中で、先生から御指摘あった中の、抽出のときの二段抽出等につきまして、さらに私ども、この調査内容について改善すべき点があれば改善したいと思っておりますが、まず、その調査の記入者がどこまで記入を、比較的負担に、答えられる範囲内でやっていただけるかという、その調査者の負担の問題というのが一つございます。

 それからもう一つは、先ほど先生、回収率の話を、全体計で八三・四%という話がございましたけれども、私どもも、極力毎回、先ほど申しましたが、新規に、新たに調査客体になっていただけるようにやっております。

 そういった中で、一つのおもしろい統計が出ておりますけれども、今回、御指摘ございましたので、継続している方々が平成十八年度で九十三客体ございました。九十三客体の継続していた方々の再生利用率と、それから新規の客体、新規の客体が二千七ですから圧倒的に新規の方が当然多いわけです。こちらの再生利用率と比べますと、五二%ということで、継続しているからといって、必ずしもそういった利用率が高いといったことがあらわれているわけではありません。

 それからまた、再生利用量についての質問の中でも、これは個票をまだ全部洗っておりませんけれども、意外と、ゼロ、再生利用なしという方も当然、いわば真実の報告だと思いますが、個票の中にはたくさんございます。

 そういった観点で、調査内容あるいは調査の聞き方につきましても、調査者の負担過重にならないように、それは工夫しながらですが、基本的には、私どもは、先ほど申しました調査誤差四・五%というのがこれまでの非常に低い数値でございますけれども、そこについてはきちんとした正確な統計だというふうに理解しております。

岡本(充)委員 では、この話をもっと突き詰めていくと、今の話に出ましたけれども、この個票の記入者への謝礼は三千円なんですよね。これは、三千円の謝礼で、問いが六まであって、ざっと書くのに大分時間がかかると思いますよ。一時間は優にかかる、もっとかかると思う。

 これだけのことを書いていただいて、実際に三千円の謝礼で、これで書く気になるかというと、なかなか普通の事業所は書く気にならないけれども、これが、八三%から八五%の数字、驚異的な回収率だということを考えると、ここの部分に一般的に疑いが生じるのは当然であります。

 先ほどの答弁で、今回の統計は総務省のある意味お墨つきをもらったんだと言って、よその省への責任転嫁をしたんじゃないかと私は思うんですけれども、ここはちゃんと、そもそもの統計の組み立てというのは、当然、農林水産省の統計部でやるべきことであって、ここの部分を、もちろん最終的に、統計的に誤差があるのか、もっと言えば手法としてどういう手法がいいのか。これをある意味総務省と協議するのは結構なことですけれども、私が指摘をしたような観点でいえば、一トン未満の数字の四捨五入の話、客体の選び方、そして異様な回収率の高さから想定できる調査員と客体とのさまざまな意味でのコミュニケーション、ここにバイアスがかかる可能性もある。

 そういうことを考えると、四%と胸を張れるはずがないし、そもそも、大体、精度がどういうふうにして計算されているのか、その数式なり計算式なりを持ってきてくれと私はお願いをしましたけれども、統計部からのそういった話が来ておりませんでした。

 私は、そういう意味でいうと、この統計の誤差というのは大きいと言わざるを得ないわけでありまして、それについて、どうしても四%だというのであれば、そもそもどうして四%なのかという数式をこの場でお示しされたいと思いますが、いかがですか。

長政府参考人 お答えいたします。

 回収率の問題に関しましては、三千円の調査費用ということでございますが、これは、全体の予算の枠の中で、やはりこれも統計的に、各省そうでございますけれども、一定の基準でもって、こういう自計調査の場合には行っている一つの基準でございます。

 したがいまして、先ほど申しましたように、それが調査者にとって非常にある意味での負担になるというのは先生まさに御指摘のとおりでございまして、これは、必ずしもこの調査に限らず、私ども農林水産省だけでも約三十種類の、生産費ですとか農家の所得ですとか、非常にきめ細かな、それぞれが非常にデリケートな数値でございますが、それぞれに、ある意味で高い回収率と、それから精度を保っているというふうに考えております。

 そういった中で、特にこういった新しい業種についての新しい統計、特に食品産業関係の統計については、先生御指摘のとおり、さまざまな点でさらに改善すべき点は確かにあろうかと思います。

 ですから、そういった点で、私どもも、これから最終的には、統計審議会という場に承認統計としても報告しておりますけれども、農林省としてもいろいろ検討を積み重ねてまいりますが、この精度の問題につきましては、またその算定の式なりなんなりは御説明に上がりますけれども、基本的には、もうこれは先生よく御存じのとおり、統計的な標準偏差の理論に基づいて計算しておりまして、二千五百十七の客体の平均値からのバイアス、標準偏差をもとに実績精度を出します。実績精度を出したものが四・五%ということで、先生御存じのとおり、それはあくまでも二千五百というそのサンプルの中での世界でございます。

 まさに先生が御指摘されたように、母集団の真の姿がわからないということの中で、一体、そのサンプルの結果が真の値からどれだけ外れているかということは、これは理論的には何度も何度もサンプルをとり直さないとわからない点でございますが、そこのところが、私どもは、そのサンプルのとり方のところを各階層、業種ごとに極力的確になるようにやっているということで、今、調査を積み重ねているということでございまして、それはこの統計に限らず、さまざまな統計についても同様の統計的な手法によっているものというふうに考えております。御理解いただきたいと思います。

岡本(充)委員 統計は一〇〇%の、一〇〇%というか、真の姿をとらえるには悉皆調査しかあり得ないわけでありまして、客体数が百万を超えるというのは、なかなかこれは悉皆調査が難しいというのは私もわかります。

 だから、いかに真の値に近づけるか。そもそものこの食品の再生利用率を計算する土台ですから、みんなに目標値を課す土台ですから、この土台が、きちっと一件一件の客体の調査が、あやふやと言っちゃいけないけれども、幅が四捨五入であり過ぎて、特に外食産業なんかでは一トン未満が四捨五入。では、キロ単位でやったらいいじゃないですか。そういうふうにすれば四捨五入が、例えば幅が小さくなるとか、そういう工夫をすることでより真の値に近づくはずなんです。

 そういう意味での指摘、それは、集まった客体の中で標準偏差を出せばこの数式だろうと思う。持ってきていただく数式は、多分そういう意味での数式なんだと思う。そうじゃないんです。そもそもの客体一件一件の調査のあり方がどうなのかという話をしているわけですから、そこから誤差が広がっていくということを私は指摘をしているわけです。

 そうしまして、私、この統計の話だけしていても時間が過ぎてしまいますので、重要な案件をもう一、二点確認をしていきたいと思います。

 今回の法改正の一つの目玉が、フランチャイズチェーン事業を展開する食品関連事業者のあり方ということで、第九条二項関係で、フランチャイズチェーン事業を行う食品関連事業者の食品廃棄物等の発生量に、その加盟者において生じる発生量を含めて大量発生事業者であるかを判定する、つまりは百トン以上かを判定するということであります。

 少しお話を伺ったところでいうと、本部だけでは、直営店を含むんですが、年間食品廃棄物発生量が百トンを満たさないけれども、フランチャイズを合わせると百トンを超えるという事業者は一体どのくらいあるのか。今回の法改正の一つの柱、目玉だと言ってみえますけれども、この事業者というのは一体どのくらいあるのかということを少しお聞かせいただきたいと思うんです。把握をされている分だけでも結構です。お聞かせいただけますか。

由田政府参考人 今回の改正におきまして創設される定期報告義務の対象の外食産業九万二千業者のうち、この百トン以上のものは約五千事業者であります。

 さらに、外食産業におけるフランチャイズ事業者は約四百五十ございまして、この食品廃棄物の発生量は外食産業全体の二割を占める約七十トンと推定されております。

 今回の改正によりまして、外食産業から発生する食品廃棄物等の四割相当について定期報告義務や勧告等の措置の対象となると見込んでおるところであります。

岡本(充)委員 今のでは答えになっていないと思います。部長、しっかりお聞きいただきたい。

 本部、直営店だけでは年間の食品廃棄物発生量が百トンを満たさないフランチャイズチェーンのうち、今回、フランチャイズチェーンを含めれば百トンを超えて報告義務の対象になるような事業者は、一体何事業者ぐらいあるんですかと聞いているんです。

由田政府参考人 本部だけで対象になるところもございますが、外食産業におけるフランチャイズ事業者は、対象になりますのが四百五十事業者ということでございます。

岡本(充)委員 違う。それは現時点でも直営店を含めて百トン以上あるものも含めているんです。そうじゃなくて、今回の法改正で、フランチャイズを含めたら、百トン以下だったんだけれどもフランチャイズを含めた結果百トンになって定期報告義務になる事業者は新たに何事業者あるんですかと、これは質問通告していますよ。

 ちょっととめてくださいよ。ちょっと答弁が。通告しているんだから。

西野委員長 答弁。出ませんか。

 では、ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

西野委員長 では、速記を起こしてください。

 由田部長。

由田政府参考人 現行で百トン以下のフランチャイズの事業者が幾らあるかということが把握できておりませんので、その点に関してはわからない状況ということでございます。

岡本(充)委員 いや、お話しいただいた話では、例を示して私にお話しされましたよ。把握していないことないでしょう。紙、ありますよ。

 ちょっともう一回とめてください。

西野委員長 答弁してください。

 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

西野委員長 では、速記を起こしてください。

 由田部長。

由田政府参考人 ただいまの例としては、個別のものはわかるものもございますが、全体としては把握できておりません。

岡本(充)委員 全体として把握していなくて、これは食品関連事業者のあり方で、先ほどの、法改正をなぜするか、今の現状を把握して法改正をするならまだしも、これは十九年三月、法案についてといって持ってこられた農林水産省、環境省の連名による文書では、大きな柱の一つとして、でかでかと「フランチャイズチェーン事業を展開する食品関連事業者のあり方」、ここが一つの肝で載っているんですよ。もう皆さんのお手元にもありますよ。それでいて、現状が把握できていないけれども、今回、法改正をしましたというのであっては、これはどうですか、大臣。

 私、そもそもからして、食品再生利用を進めていくことは、先ほどからお話ししているように賛成なんですよ。でも、現状を把握して、そしてそれに基づいた法改正をしていかなければ利用率も上がらないんじゃないか。また再生に向けて、本当にこの法がどういう効果を持つのかという検証のしようもない。こういうことで法改正、やみ夜の鉄砲じゃないけれども、とりあえず撃ってみて当たるかどうかやってみようというんじゃこれは困るわけでありまして、きちっと把握をしておくべきですよ。

 大臣、何か反省を含めてお答えください。

若林国務大臣 今般、初めてこういうような仕組みを導入して、報告義務の対象になる事業者の範囲を拡大していこう、そういう趣旨のものです。

 フランチャイズチェーンにつきましては、私も、今、事務方が答弁できないように、本部だけで百トンを超えるものがどのぐらいあるかということについてお答えできませんが、私のこの業界の皆さん方とも話をしてきた限りについて言えば、本部だけで百トンを超えるというのはほとんどないんじゃないでしょうか。(岡本(充)委員「いや、そんなことないですよ」と呼ぶ)ごく少ないと思いますよ。

岡本(充)委員 本部というのは直営店も含むので何件かあると思いますよ。

 ただ、私は、今回の法改正、その意義を大臣も、それは大臣なりに御理解はされていると思いますけれども、指揮監督をする立場にあるわけですから、どういうものに基づいて今回の法改正を出してきているかということはしっかり指導をしていただきたいと思うわけです。

 時間もだんだん迫ってまいりましたので、もう一点、重要な観点を指摘しておきたいと思います。

 今回の再生事業の登録事業者また認定事業者、地域的な偏りもあるし、また事業別に登録再生利用事業者を見てみると、肥料化をする事業者が多くて、最優先に取り組むべきだと私なんかも考え、また環境省も考えているであろう一つの分野、飼料化の方は事業者数も少なかったりする。

 地域的な偏りや今の事業者間での偏りがある中で、再生利用を進めていきたいと思う者が各地にいたとしても、まさか先ほどの話で冷凍車で持っていくといっても、そのコストは大変高くなる。先ほどのアンケート、二千百の客体数で集めてきたアンケートにも、何がこの再生利用のハザードとなっているかという一つの答えが再生利用に要するコストの低減ということになっているわけでありますけれども、現状の事業者の偏り、また地域の偏り、こういったものが今回の法改正した後の再生率の向上の障害になりはしないかということについて私は懸念をしています。

 そういう意味で、これが均てん化していくような取り組みをしていただきたいというふうに思うわけでありますが、これについての具体的な今考えてみえる取り組みがあれば、お答えをいただきたいと思います。

由田政府参考人 全国における登録再生利用事業者の数は、食品リサイクル法が制定された十三年度から五年間において、毎年増加しているわけであります。現在、登録再生利用事業者としまして、三十六都道府県におきまして百十業者が登録されておりまして、そのうち一般廃棄物であります食品廃棄物を取り扱っている事業者は、二十七都道府県において五十三業者となっております。

 このように登録再生利用事業者の数は着実に増加しているものの、まだ、登録再生利用事業者が存在していない県もありまして、今後とも登録再生事業者制度の活用を推進することが必要であると考えております。

 今回の制度におきましては、食品関連事業者、農林漁業者、廃棄物処理業者等が協力してつくりますリサイクルループにつきまして国が認定を行うこととしておりまして、この一端を担う再生利用事業者が増加することを期待しているところであります。また、今回の食品リサイクル制度の見直しを契機に、廃棄物処理業者や食品関連事業者あるいは地方公共団体に対しまして、食品リサイクルの取り組みを促進する普及啓発、情報提供などに努めまして、登録再生事業者制度の活用を通じたリサイクル業者の育成に努めてまいりたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 今の、均てん化については何も答弁してもらっていませんよ。均てん化をどうやって図るのかと聞いているんです。これはきちっと答弁をいただきたいと思います。

由田政府参考人 先ほど申し上げた点につきまして、現在、御指摘の登録再生利用事業者がない県というものがございます。こういう県を重点的に指導、啓発をしてまいりたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 時間が来たからもう終わらなきゃいけないんだけれども、事業別登録再生事業者の均てん化、地域の均てん化、二つあるんだと言っているんですよ。その普及啓発をしていきますでは、具体的な話じゃないじゃないですか。どういうふうにするのか答えてくださいと言っているんですから、それを答えてほしい。

由田政府参考人 それぞれ肥料等の別あるいは地域別につきましても、各食品関連事業者の存在する場所との地理的関係等々も踏まえまして、不足しているリサイクル事業者の地域に関しまして重点的な指導をしてまいりたいというふうに考えております。(岡本(充)委員「事業別は」と呼ぶ)事業別もそのように考えております。

岡本(充)委員 これは答弁になっていないと思いますよ。しっかりここを検討するのは肝なんですということを僕は事前に来られた方にも言いました。

 しっかり検討してもらわなければ、同じことが次の法改正でも指摘をすることになるということを重ねて御指摘をして、大臣、きちっと目標を持って、そしてこれまでの反省を込めて、またこれからの目的を持って法改正をし、運用をしていただきたいということをお伝えして、質問を終わります。

西野委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

西野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

西野委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、桜井郁三君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。江田康幸君。

江田(康)委員 私は、ただいま議決されました食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 食品廃棄物等の発生抑制は、循環型社会を形成する上で極めて重要であることにかんがみ、売れ残り等の食品残さを削減するため、発生抑制のみで達成すべき目標を設定するなど、食品関連事業者等の取組をさらに促進する方策を講ずること。

 二 食品循環資源の再生利用を促進するため、リサイクルコストの低減、食品循環資源を原材料とする肥飼料等の安全性を含む品質の確保・向上を図るとともに、その肥飼料を利用して生産された農畜水産物の食品関連事業者等による着実な引取や利用を確保させる措置を講ずること。

 三 食品循環資源のリサイクル・ループの構築を飛躍的に推進するため、肥飼料に関する農林漁業者等のニーズを的確に把握し、再生利用に関する技術開発の動向、関係主体間の連携体制等について広く情報を収集・蓄積して公開するとともに、各主体間の連携を推進するコーディネーター等の人材の育成について施策を講ずること。

 四 家庭から排出される食品廃棄物等の有効利用が不十分である状況にかんがみ、一般廃棄物に該当する食品循環資源の市町村による再生利用を促進するため、施設整備等への財政的支援も含めた市町村の取組を促す措置を講ずること。また、家庭から排出される食品廃棄物等の発生抑制及び再生利用を推進するため、食べ残しの削減やごみの分別の徹底など国民の理解と取組を促進するよう普及・啓発等により一層努めるとともに、生ごみを粉砕処理するディスポーザーの利用に伴う諸課題について、多角的な検討・評価を行うこと。

 五 事業系一般廃棄物についても、再生利用を促進する仕組となるよう、市町村の取組を促す措置を講ずること。

 六 熱回収については、食品循環資源の再生利用が困難な場合等に限ることを原則として安易な実施を抑制し、再生利用を行う事業者の取組や再生利用事業への今後の投資を阻害することとならないよう、再生利用等について優先順位を明確にする等適切な実施基準を策定すること。

 七 バイオエタノールへの利活用等食品循環資源の柔軟で合理的な再生利用等を促進するため、再生利用手法等の調査・研究・開発を主体的かつ積極的に推進し、その多様化を図ることにより、食品循環資源の再生利用率の大幅引き上げを早期に実現すること。

 八 食品循環資源の再生利用等の促進に当たっては、バイオマス利活用推進施策及び食育推進施策等の関連施策と密接に連携し、重層的かつ一体的な展開を図ること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

西野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西野委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。若林環境大臣。

若林国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力する所存でございます。

    ―――――――――――――

西野委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

西野委員長 次回は、来る二十五日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十二分散会


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