衆議院

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第8号 平成24年7月27日(金曜日)

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平成二十四年七月二十七日(金曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 生方 幸夫君

   理事 大谷 信盛君 理事 川越 孝洋君

   理事 近藤 昭一君 理事 矢崎 公二君

   理事 田中 和徳君 理事 吉野 正芳君

   理事 横山 北斗君 理事 江田 康幸君

      柿沼 正明君    工藤 仁美君

      篠原  孝君    空本 誠喜君

      田島 一成君    高山 智司君

      玉置 公良君    中屋 大介君

      三浦のぼる君    森岡洋一郎君

      山花 郁夫君    横光 克彦君

      吉川 政重君    井上 信治君

      岸田 文雄君    近藤三津枝君

      福井  照君    古川 禎久君

      斎藤やすのり君    佐藤ゆうこ君

    …………………………………

   環境大臣         細野 豪志君

   厚生労働副大臣      辻  泰弘君

   環境副大臣        横光 克彦君

   環境大臣政務官      高山 智司君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   伊藤 哲夫君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            鷺坂 長美君

   環境委員会専門員     高梨 金也君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十七日

 辞任         補欠選任

  工藤 仁美君     中屋 大介君

同日

 辞任         補欠選任

  中屋 大介君     工藤 仁美君

    ―――――――――――――

七月二十六日

 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案(内閣提出第六六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案(内閣提出第六六号)


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     ――――◇―――――

生方委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。細野環境大臣。

    ―――――――――――――

 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

細野国務大臣 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 我が国においては、今後の我が国経済社会の持続的な発展を可能にするため、環境への負荷ができる限り低減される循環型社会を構築していくことが喫緊の課題となっております。

 このような状況の中で、デジタルカメラ、ゲーム機等の小型電子機器等が使用済みとなった場合には、その相当部分が一般廃棄物として市町村による処分が行われております。市町村により処分される場合には、鉄やアルミ等一部の金属しか回収できず、金や銅などの有用金属は埋立処分されているのが現状です。

 このような状況を踏まえて、使用済み小型電子機器等の再資源化の促進に関し基本的な事項を定めるとともに、使用済み小型電子機器等の再資源化を促進するための措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、主務大臣は、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する基本方針を定めることとしております。

 第二に、使用済み小型電子機器等の再資源化のための事業を行おうとする者は、当該事業の実施に関する計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができることとしております。

 第三に、再資源化事業計画の認定を受けた者が使用済み小型電子機器等の再資源化に必要な行為を行うときは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく一般廃棄物収集運搬業、一般廃棄物処分業、産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の許可は不要とすることとしております。

 第四に、再資源化事業計画の認定を受けた者については、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律に基づき産業廃棄物処理事業振興財団が行う債務保証等の対象とすることとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

生方委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

生方委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君、環境省水・大気環境局長鷺坂長美君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

生方委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

生方委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森岡洋一郎君。

森岡委員 民主党の森岡洋一郎です。

 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案について質疑いたします。

 この法案は、一般廃棄物として処理されている中から、レアメタルや貴金属を含んだ非鉄の分野のリサイクルを促進するものというふうに考えております。メタル金属の市場の大体九五%が鉄であります。残り五%程度の非鉄のうち、ベースメタルの銅、鉛、亜鉛などがあって、それに当てはまらないのがレアメタルであります。埋蔵量が少ない、もしくは取り出すのが難しい金属の総称であります。

 このレアメタル、皆さんお持ちの携帯電話の例えば液晶ディスプレーにはインジウムが使われていますし、あるいはLED、発光ダイオードにもガリウムが使われているなど、日本が世界に誇るいわゆる電子素材の分野ですね、この電子素材の分野の原料というふうに聞いております。

 ただ、このレアメタル、日本はほぼ一〇〇%輸入に頼っている。しかも、そのレアメタルというのは、ベースメタルが世界に広範に埋蔵しているのと違い、中国、アフリカ、南米などに偏在している、そのために市況が安定しないというふうに聞いております。

 リーマン・ショックのちょっと前、二〇〇四年ごろからレアメタルパニックと言われておりました。四年間、レアメタルの価格が軒並み高騰するような状況が続いている。リーマン・ショックのときには、逆に、一月で平均で三〇%以上下落する。こういった中に日本の産業界は振り回されているわけであります。日本としても、このレアメタル、資源確保にしっかりと国策を持って当たらねばならぬというふうに考えております。

 この状況は、途上国はどんどん伸びてきますから、また、ディーゼル機器にも使われるでしょうから需要は伸びていきますし、また一方で、経済成長で豊かになってくる中国等の国は、何も自分のところの資源を輸出する必要がなくなってくるわけでありまして、外貨を稼ぐのにそれを使う必要がなくなりますから、売り惜しみや資源ナショナリズムに走る可能性も高いと思います。実際、尖閣諸島沖の漁船衝突事件の折には、このレアメタルも外交カードに使われたのではないかなといった感も持っております。

 そこでであります。概論ばかり先に言って申しわけないのですが、解決には、一つは、いわゆるレアメタルやレアアースの供給ルートを幾つも用意すること。海外の鉱山開発等、まあアフリカの鉱山は中国に丸ごと買われていますが、こういうところで日本が頑張ること。

 二つ目は、レアメタル等、そういったものを使わなくても、同じような製品をつくれるように各企業が今努力をしている。

 そして三つ目が、きょうの課題であります。都市鉱山であります。

 いわゆる山を掘る鉱山ではなくて、捨てられた家電製品の中にある金属類や、あるいは工場で出る端材等をリサイクルして、そこからレアメタルをもう一回引っ張り出すということであります。世界一資源を輸入しているわけでありますから、加工して海外に出ている分以外は実は国内のどこかに残っているはずでありますから、これをもう一回引っ張り出そうという発想です。

 現時点では、工場の端材等のリサイクルは進んでおりますが、特に、家庭内に眠っている廃家電、使われなくなった使用済みの家電を引っ張り出すのが非常に難しい。その回収の仕組みをうまくつくらないとなかなか採算性が合わない。まさにこの法律の眼目というのは、この回収の仕組みをうまくつくっていくことであると思います。

 そこで細野大臣に、まずこの法案の背景そしてまた意義の部分を少しお聞きしたいと思います。

 特に、金、銀、銅、パラジウムぐらいは採算が合うというふうに言われているんですが、それ以外になると今の技術ではなかなか難しいところもありますから、その中でこの回収の仕組みや法案自体を包括的に意義づけを行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

細野国務大臣 この法律案を提出した背景といたしましては、今、森岡議員がおっしゃった、日本の資源における状況というのがございます。

 つまり、資源の価格の高騰などの制約があるということ。もう一つあえて申し上げるならば、最終処分場が非常にこれが確保が難しいという、この状況も一つの背景としてございます。

 特に、都市鉱山とも言われる有用金属を含む小型電子機器等の多くがリサイクルされず埋立処分されている状況、これを改善をして再資源化を促進をし、廃棄物の適正な処理、そして資源の有効な活用の確保のためにしっかりと生かしていくということであります。

 具体的には、少し数字を用いて御説明させていただきたいと思います。

 我が国で一年間に使用済みとなる小型電子機器等に含まれる有用金属の量は、重量で約二十七・九万トンというこの量になります。金額ベースでいいますと約八百四十四億円に相当するという試算がなされているところでありまして、これらの回収が進むということになると、有用金属の国内での確保、さらには、金属資源の採掘に伴う環境負荷の地球環境レベルでの削減、静脈産業の振興や雇用の創出、最終処分場の削減などの、多面的な効果が得られるものというふうに考えております。

 この法案に基づくリサイクルでは、鉄、アルミニウムはもちろんのこと、金や銀といった貴金属、さらには銅などのいわゆるベースメタルというものに加えまして、パラジウム、アンチモンなどの、他の有用金属の回収工程において同時に回収することが可能なレアメタルについては、ぜひとも回収を進めてまいりたいと考えております。

 その一方で、先ほども森岡委員が御指摘をされたように、レアメタルやレアアースの中には、先ほど挙げたもの以外のものについて、現在の分離や回収技術では事業としての回収は経済的な困難があるというふうにも考えられます。

 したがって、そうしたことについては、今後、技術開発を進め、その進捗に応じまして再資源化の基準を見直すことによりまして、一日も早く回収を実現をしてまいりたいと考えているところでございます。

森岡委員 ありがとうございます。

 そういった技術開発への支援も、またしっかりと環境省、経産省、力を合わせて取り組んでいただければとお願いを申し上げます。

 それでは、以下、これから政省令制定等もあると思いますので、そこに向けた細かい論点について、一つ一つお話をお聞きしたいと思います。

 まず一点目は、回収に当たる市町村や自治体にどんなインセンティブを与えるかについてお伺いします。

 使用済み小型電子機器等の政令指定候補品目の九十六品目の中には、携帯電話、パソコンなどの、基板が入っていて有価物として経済取引ができるようなものもあれば、逆に、処理費がかさむ一方のものもあると思います。そのため、回収コスト、処理コストがふえることが想定されますから、自治体によっては、ちょっとなあと、回収がなかなか促進されないところも出てくると思います。

 たとえ、値段がつきそうなもの、有価物だけに限定して回収する仕組みを市町村につくったとしても、それでも、市況の乱高下によってはなかなか回収されなかったりすると思いますので、自治体にとってのインセンティブをきちんと国がつけることが必要というふうに考えます。

 どういったインセンティブを計画しているのか、これは政府委員からお答えください。

伊藤政府参考人 市町村は一般廃棄物の処理責任を有しており、小型電子機器等が一般廃棄物として収集、処理されていること、そして、そのリサイクルを促進することが重要であることを踏まえまして、市町村が積極的に分別収集の役割を担うことは適切ではないか、こういうふうに考えている次第でございます。

 使用済み小型電子機器等のリサイクルには市町村の参加が欠かせないわけでございまして、このため、国として市町村の取り組みの促進のための支援をしっかり講じていきたい、こういうふうに考えてございます。

 具体的には、市町村の負担を軽減するために、住民への普及啓発や回収ボックスなどの購入など、制度に参加する初期段階で発生する費用に対する支援を行いたい、また、経常的に発生する費用についても支援を行えるよう関係機関と調整をしていきたいというふうに考えております。

 一方、リサイクルが進めば、最終処分場の削減などさまざまな面での効果が期待できますし、また、薬剤処理費などの維持管理費用が大きく削減できる、こういったケースがあることもわかっておりまして、そういった意味でも、市町村にはメリットがあるというふうに考えている次第でございます。

 いずれにしましても、今後、市町村へのインセンティブをどうやって確保していくか、あるいは、どうやって市町村の財源確保を図っていくか、その方策について十分検討してまいりたい、こういうふうに考えてございます。

森岡委員 ありがとうございます。

 充実した初期投資だけではなくて、先ほど経常費用の部分に関してもといった話がありましたが、工夫ある自治体支援をよろしくお願いいたします。

 それでは、二点目に、今回の小型電子機器等の再資源化のリサイクルの中で、家電量販店や町場のリサイクルショップですね、リユースショップというんですか、これをどう位置づけるかについてお伺いいたします。

 小型家電を買いかえるときというのは、大体、古い家電の方は家で眠ったままになることが多いんですが、あとは、少しまだまだ使えるんじゃないかと思うと、うちの嫁さんなんかは、すぐ町場のリサイクルショップ、リユースショップに売れないかというふうに持っていくわけであります。

 こうしたお店の棚というのは、商品がどんどんかわらないとお客さんは何回も来ないんですよね、いつ行っても同じ中古品があるんじゃ意味がないわけですから。回転が物すごい速い店も多いわけであります。そうすると、それだけ買い取りもいっぱいするし排出も出るしといったところがあるというふうにも聞いております。

 また、家電量販店でも、新しい家電に買いかえるときに古い家電は引き取るよとか、そういったサービスをやっているところも多いですから、こうしたリユースショップ、家電量販店を、今回の小型電子機器のリサイクル制度のどこにどう位置づけるかということの検討が必要と思います。これも政府委員からお願いします。

伊藤政府参考人 本法案におきましては、家電量販店やリサイクルショップについて、下取り品等を廃棄するなど、その事業活動に伴いまして使用済み電子機器等を排出する場合におきましては、その地域を対象とする認定機関がある場合にはその認定機関に引き渡すことが可能である、こういうふうな位置づけがなされております。

 また、本法案においては、事業活動に伴い使用済み電子機器等を排出する事業者の責務として、認定事業者などの再資源化を適正に実施できる者に引き渡すよう努めなければならない、こういうふうにされているわけでございます。

 したがいまして、仮に当該地域に認定機関がない場合においては、適切に再資源化を行うことができる廃棄物処理事業者に引き渡すということが努力義務として課されている、こういうことでございます。

 いずれにいたしましても、家電量販店やリサイクルショップにおいても、本制度のもとで積極的な役割を果たしていただくことを期待しておりまして、今後の政省令の制定等の段階でそういった点については十分配慮してまいりたいというふうに考えてございます。

森岡委員 ありがとうございます。

 これはまだまだいろいろ検討が必要だと思いますけれども、いろんな案が可能だと思っていまして、例えば、かなりのインセンティブが必要ですけれども、自治体の回収場所の中にその町場のリサイクルショップ店、リユース店を位置づけるとか、そういったことも一案だと思います。政省令制定においてはさまざまな可能性があると思いますから、いろいろ工夫をして可能性を探っていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは三点目、小型電子機器に含まれるプラスチックについて伺いたいと思います。

 小型電子機器といっても、全てが金属でできているわけではありません。九十六品目の中でも、炊飯器とか電子レンジとか携帯型ゲーム機、あるいはリモコン、ドライヤー、プリンターと、かなりの部分プラスチックでできている方が多いようなものもたくさんあるわけであります。金属よりむしろ多いかなと。

 法律の第一条の「目的」にも、使用済み小型電子機器等に含まれる金属その他の有用なものを有効活用、有効利用することと規定しているわけですから、このプラスチック素材についても、しっかりと再資源化を進めるべきと考えております。

 政府委員、本制度における小型電子機器に含まれるプラスチックについて、いかに扱うかを教えてください。

伊藤政府参考人 御指摘のとおり、法の第一条の「その他の有用なもの」の中には、当然プラスチックが含まれている、こういうふうに考えております。

 また、本法案第二条第三項では、再資源化を、「使用済小型電子機器等の全部又は一部を原材料又は部品その他製品の一部として利用することができる状態にすることをいう。」というふうに定義してございまして、使用済み小型電子機器等に含まれるプラスチックを原材料として利用することは法律上の再資源化に含まれるというふうに考えてございます。

 本当に御指摘のとおり、プラスチックのリサイクルということも非常に重要な課題であるというふうに考えております。本制度のもとでどのようにこれをリサイクルを進めていくか、これについて、今後、関係者や有識者の御意見を聞きながら十分検討し、実効ある施策を講じてまいりたいというふうに考えてございます。

森岡委員 ありがとうございます。

 家電四品目のように、それぞれの品目ごと再資源化率を決めるとか、これはなかなか難しい話なんだとは思うんですが、いずれにせよ、プラスチック等いろいろなものが含まれていますから、それも含めたそれぞれの小型家電全体のリサイクルということをしっかりと位置づけていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 それで最後の質問なんですが、本法律に書かれておるのは少し全体的な話なんですが、効率のよい資源循環という観点から大臣にお伺いしたいというふうに考えております。

 今回の使用済み小型電子機器等の再資源化に関する法律は、いわゆる一般廃棄物として自治体が処理している不燃ごみや粗大ごみに含まれている小型家電から、非鉄等を中心としたリサイクルを推進することになるというふうに理解しています。

 ただ、一般廃棄物の総量というのは約四千五百三十六万トンあるというふうに聞いています。そのうち、いわゆる使用済みの小型電子機器というのは約六十五万トン、全体の一・四%程度にすぎません。これらにはもちろんレアメタルや貴金属は含まれているとは思うんですが、現実的に製錬施設で回収できるのが、濃度の高い場合に限って金、銀、銅、パラジウム等ですから、その他のレアメタルの回収は、現状、技術開発をしていかないとなかなか難しいというふうに聞いています。

 したがって、小型家電に含まれる中でも、鉄や銅やアルミのそういった部分を回収することは結構多くなってくると思うんですね。それであるならば、もっと視点を広げて、何も一・四%の小型電子機器の世界に限るのではなくて、現状の一般廃棄物の不燃ごみとか粗大ごみ全体を対象として、鉄や銅やアルミなんかを中心に、加えて貴金属やレアメタルも回収していけるような仕組みにした方が、スケールメリットも生かせますし、民間の活力を生かして回すこともできると思うんです。資源循環という意味で、効率的な社会システムになるのではないかというふうに考えております。

 これはちょっと総論的な部分でもありますが、ただ、こういったことをすれば、この法律で拾えていない、小型家電じゃないですけれども、もっと資源が凝縮している、チタンヘッドのゴルフクラブなんかはそうなわけですよね。とかあとは、介護用の電子ベッドなんかもそうだと思いますが、そういったものも拾えます。

 ですから、法律成立後も、こういった視点も含めて、資源循環全体というところから考えることも必要ではないかなというふうに私は思います。

 そこで細野大臣、不燃ごみや粗大ごみ、全体を視野に入れた非鉄の回収についてお考えを伺いたいと思います。

細野国務大臣 今、森岡議員が御指摘をされたのは、全体をしっかりと捉まえてというお話でございまして、非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。

 今回提示をしております使用済みの小型電子機器の場合は、ほかの廃棄物と比較をしますと、やはり有用金属の含有量が高いものですから、この含有量が高いというところをうまく活用して、経済原則に基づくリサイクルが実現する可能性があるのではないかと考えて、この法案を提出したということであります。

 他方、御指摘のような、使用済み電子機器以外の一般廃棄物の不燃ごみであるとか粗大ごみ、こうしたものについては、有用金属の含有率自体は小型電子機器などに比べると比較的低くなっておりますので、この法律案の対象に加えるというのは困難だというふうに考えておりますが、これからいろいろな取り組みは、私は進めていかなければならないというふうに思っております。

 有用金属を含む多くの不燃ごみや粗大ごみが埋め立てられるだけで済まされておりますので、それをどうリサイクルの仕組みの中で生かしていくのか、今後の検討課題として認識をした上で、ぜひ皆さんにも考えていただいて、我々も知恵を出していきたいというふうに思っております。

森岡委員 ありがとうございます。

 ぜひ、資源循環全体のフローを俯瞰していただいて、そういう中でのリサイクル制度の位置づけをしていただければとお願いを申し上げます。

 この小型家電のリサイクルもそうですが、やはり、技術開発というのが一つの肝になってくると思います。これは製錬のところの開発もそうですけれども、例えば中間処理場を私いつも見学に行って思うのは、これは小型家電というか、大きなテレビとかの家電四品目の方だったりしますが、この産業というのは、意外に一番最初は人海戦術ですよね。一旦乗ってしまえばばあっと機械で分けていけますけれども、一番最初のところは、形の違うものを一生懸命手作業で分解しなきゃいけなかったりするわけですね。

 そういった産業でありますから、経済性を出そうとするんだったら、雇用の関係がありますから、どっちがいいと言うのが難しい部分もあるんですけれども、一番最初の分解するところでも、一気に分解できるような開発をしているところもあります。そういった技術もありますから、そういった部分も含めて、経済性が合うような形でやっていただくことが非常に大事になってくると思います。この技術開発が肝でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 いずれにしても、私は、この国の最大の弱点は、資源の小国であるということであるというふうに思っております。その中で資源をとめられると、無理な形で海外に出ていかなきゃいけなくなる。それが場合によっては歴史的に悲劇をもたらすというところでもあります。

 このリサイクルというものが、その中の一部ではありますが、どうかこの資源循環の仕組みをしっかりと立ち上げて我が国の中で回るようにする、そのための仕組み、小型家電のこの話は本当の最初の一端だと思います。ここから広げていくような形というか、ここで全パーツが埋まって、そこから全体を考えるようなことになってくると思いますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 十時までの時間が三分余りましたが、私の質問をこれにて終わりにさせていただきます。

 まことにありがとうございました。

生方委員長 次に、田中和徳君。

田中(和)委員 おはようございます。自由民主党の田中和徳でございます。

 本日は、政府提出の使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案について質問をいたしますけれども、その前に、昨日の夕刻、初めて正式に提示されました原子力規制委員会の人事漏えい報道などについて、強く抗議をし、数点確認をさせていただきたいと思います。

 この原子力規制委員会の設置法は、先月、私たちのこの衆議院の環境委員長の提案で成立をした法律でございます。委員長を初め、我々関係者も参議院に出向いて数多くの答弁をさせていただいたという責任もございます。そういう意味で、まず委員長に、お諮りをしていただければと思うことを申し上げておきます。

 今回の、前代未聞、なぜ前代未聞かというと、過去にも、漏えいがあって人事に影響したことがあったことは御高承のとおりでありますけれども、今回は、事前に漏れたものと正式に提示されたものが全く同じ、しかも、極めて関係者しか知り得ない内容が事前に漏れたということが国民の前に明らかになりました。

 このルールはもともとなかったルールだったんですが、当時野党であった民主党の皆さんからの強いお話がありまして、参議院の西岡先生が中心になられて正式なルールとなったものでございます。ルールがある以上、これは尊重されなければなりません。

 ましてや、委員長が提案されたこの法案によって、国民の皆さんがどれだけ期待をし、一方では心配をしているかということを考えるときに、この委員会としてこのゆゆしき事態にどう対応するのか、表明を委員長並びに委員会がきちっとすべきだと、このように思っております。

 ぜひ御検討をいただきたいと思いますが、委員長のお考え、いかがでございましょうか。

生方委員長 委員長としても、今回の事態は非常に遺憾な事態だというふうに考えております。

 理事会で十分協議をしていただいて、環境委員会としてきちんとした意見というのを委員長名で発表させていただきたいというふうに思いますので、理事会で御協議のほど、よろしくお願いいたします。

田中(和)委員 大臣にお尋ねをいたします。

 今回のこの漏えい問題は、国家公務員の守秘義務違反になりますか、なりませんか。

細野国務大臣 まず、法案を提案いただき、御審議をいただいた環境委員会の理事の皆さんそして委員の皆さんに、情報管理の甘さで大変な御迷惑をおかけをしたことをおわび申し上げたいと思います。

 この人事の準備作業は、私の指示のもとで、内閣官房の準備室のスタッフが少人数で担当してまいりました。

 本件に関しまして、内閣の副長官の指揮のもとで、政府の情報管理の状況について事実関係の確認を行ったということでございます。その中で、政府関係者から報道機関に対して情報を漏らしたという事実そのものは確認をすることができませんでした。

 しかしながら、これは当然、情報が出たということについての責任は私どもにあるわけでありまして、情報管理の点で反省すべき点があり、混乱を招いたということで、改めておわびを申し上げたいというふうに思います。

 昨日、野田総理大臣より、国会の同意人事の内閣全体の取りまとめ役である内閣官房長官と担当大臣である私が厳重注意を受けたところでございますので、しっかりとこのことを受けとめてこれから対応してまいりたいというふうに思っております。

 私どもは調べを受けた側でございますので、守秘義務に当たるかどうかということについての判断をできる立場ではございませんので、今の御質問については、調べを受けた中でいうと、今のような経緯があったということで御理解を賜りたいというふうに思っております。

田中(和)委員 大臣が主導して今回の人事案を作成されたということは今の御答弁でわかったところでございますが、大臣自身が、主導する大臣のお立場から関係者に対して、これは絶対に漏らしてはならないんだ、漏れてはならないんだ、心して作業に当たるようにということは、どのような形でいつ御注意をされましたか、御指示をされましたか。

細野国務大臣 もう初めから、人事についていろいろな調整なりいろいろな意見を、数十名にいろいろな状況確認をしたり話を聞いたりしておりますので、その中で、もう当初から、情報管理はとにかく徹底するようにというのは毎回言っておりました。

 したがいまして、途中の段階では、多くの皆さんといろいろなやりとりをしていたわけですけれども、情報の漏えいということはなかったと承知をしております。

 最後の段階で情報が漏えいする、それが報道されるということになったことについては、大変申しわけなく思っておりますが、私といたしましては、最大限の、情報管理について徹底をするような指示はしておったつもりでございました。

 いずれにしても、ただこれは結果責任でございますので、改めておわびを申し上げたいと思います。

田中(和)委員 これは、局部的な情報が漏れたというような話じゃないんですね。委員長が五年、委員の中には、四人いらっしゃいますけれども、二年の任期の方と三年の任期の方があるということを提示するわけです。その最終的な全ての情報がそのままマスコミに報道されているわけですから。

 注意をしたつもりです、大臣、とてもこの答弁は納得いきません。何月何日何時何分、どういう人たちにどのような指示をしたということは、私は、当然御説明あってしかるべきだと思います。したつもりでは納得いきません。

 もう一点は、これは守秘義務違反になりますよ、政府の中でも大臣がそういうふうに指示をされて、しかもその上で漏れた情報ですからね。漏らした情報ですよ。漏れた情報というんじゃないですね、漏らした情報ですよ。これは完全に、国家公務員としてあるまじき行動なんというんじゃなくて、法律上の訴追をされる問題じゃないですか。

細野国務大臣 厳しい御指摘を踏まえて今後の対応をしてまいりたいというふうに思っております。

 情報管理を徹底したつもりでありましたけれども、私も、例えば誰と会ったかということも含めて、日々、直前は常に追いかけられるような生活をしておりまして、それはもうすさまじい情報の獲得合戦がマスコミの間で行われておりました。そういう中での話とはいえ、結果として情報が出てしまったということに関しては、全ての責任は責任者である私にございますので、心よりおわびを申し上げます。

田中(和)委員 これは謝って済むとか、そういうレベルの話じゃないですよ。大臣が、絶対守れよ、情報を漏らしちゃいかぬよと言った指示をまさしく破ってやったわけですからね。

 大臣だって賢明な政治家でいらっしゃるから、私が今言っておることがどういうことかおわかりをいただけると思うんですけれども、これをこのまま見過ごすことがあったら、この環境委員会、委員長を初め我々は本当に国民から信頼を失いますし、皆さん民主党側が何であれほどマスコミ報道を気にしておられたのか、理解に苦しむところもございますけれども、できたルールですから、まさか皆さんが政府・与党の立場からこのことについていいかげんな対応をされるとは、私は夢にも思っていなかった。

 こういう中で、これだけのことを起こした犯人を、もし大臣のもとで調査をし確認できないとなれば、外部に頼んででも、国民が納得するようなやはり結末をつけなきゃいけないでしょう。

 犯人をまず見つけること、そして、違法行為、法律に触れる部分、公務員としてあるまじき行為、全てを含めてこれは厳しい処分をしてけじめをつけなきゃいけないのは、当たり前のことだと思います。

 今後、こういうルールをどう考えるかというのは、また国会の中で相談をしなきゃいけないことだと私は思いますが、今の時点では、これはきちっと白黒つけなきゃいけないんじゃないですか。

細野国務大臣 本件に関する調査は、私どもはまさに調査を受ける側といいますか、調査をしていただく側ということになりまして、内閣の副長官の指揮のもとで事実関係の確認が行われたということでございます。

 これは、環境省という、もちろんそういういろいろな人事の問題はありますので、そこもしっかりともちろん調査対象になったと承知しておりますが、それ以上に、準備室であるとか官邸も含めての情報の問題でございますので、環境省ももちろんその一部ということでありますけれども、政府全体としてそういった形で調査が行われたものというふうに承知をしております。

田中(和)委員 大臣は、確かにおっしゃることはわかるんですが、今、みずからが、この作業は私が主導したと明確におっしゃったわけです。その大臣の指示を守らなかった、破ってこういうことになっているわけですね。

 何人の方がこの作業にかかわったんですか、役所側の人は。

細野国務大臣 そこは内閣の副長官のところで調査をしておりまして、私どもは、全ての把握している事実はそれぞれが報告するという形をとっておりまして、私どもは調査を受ける側でございますので、私としては、こういうメンバーが共有していたというふうに承知をしているということはもちろんお伝えをしてありますが、総勢で何人なのかということについて、済みません、ちょっと今、私自身、情報を持ち合わせておりません。

田中(和)委員 これは、大臣の名誉のためにも、みずからが率先をして、大臣のお立場ですから、ぜひ明らかにしていただきたい、問題を解明してもらいたい、こう思います。

 私は、我が党の立場からいうと、非常にこれは不本意なんですよ。あの報道の内容、確認をされておられると思いますが、自民党が事前に漏れた報道を受けて問題視をして、二十日の提案を政府が結果を下した、このような報道になっているんですよ。あのときに私も調査し確認しましたけれども、確かに自民党としても、どう対応すべきかという協議をさせていただきましたが、その協議に入ったところで民主党側から、政府からの話で、今回の二十日の提案は繰り延べをするということにしたということなんですね。

 昨日も、ある報道機関は、我々がクレームをつけた、いちゃもんをつけたことによって延びた人事案だと書いてあるんですよ。これほど私たちが事実と違うことを報道され、大変な迷惑をしているわけですよ。

 真実は一つということですから、大臣自身がどう対応されるのかということは、細野さん、あなたの今後の政治活動にも、多くの国民の期待にも重大な影響がある、このように私は思いますよ。

 ある人は、マスコミにギブ・アンド・テーク、取引をしたんじゃないかと。あのことを知っていたのは、また、一般の職員が、細野大臣が主導する中でこそこそとあれだけのことをやれるはずがない。大臣自身が、みずからが認めて、そして場合によってはやらせたんじゃないか、こういう話が専らなんですよ。これは、大臣も今調べられる立場だということをおっしゃったんだけれども、国民のまさしく疑いの目は今大臣に向けられているんですよ。

 あなたの名誉のためにも、もっとしっかりと、めり張りをつけた対応をすべきじゃないですか。

細野国務大臣 この件の情報管理につきましては、ちょっと御本人が前にいらっしゃるところで大変恐縮なんですが、副大臣にも情報共有をいたしませんでした。政務官にも情報をお伝えしていません。それぐらいの形で、本来、信頼関係がありますから、全くお知らせをすることは問題がないんですが、そうはいっても、そうなりますと、それぞれのところでいろいろな説明をすることになり、そして、そのことがそれこそ何らかの形でまかり間違って情報が出てはいかぬということで、極めて限定をしたという経緯であります。

 もちろんその責任は私でございますので、私が漏らすようなことはないわけでありますが、そういうことを言われることも含めて、これは全ての責任は私にある、そのように思っております。

田中(和)委員 この問題は、絶対にきちっとしてもらわないと私は納得できません。法律案の質問もありますのできょうはこの程度ですが、いずれにしてもこれは、委員会の対応をどうするのか、また、国家公務員としての法律上の問題やモラル上の問題や、そして、うやむやにしてはならない、政治の信頼を、行政の信頼をきちっと確保するために欠かすことのできないことでございますので、ひとつ重く受けとめていただきたい。

 もう一点、大臣にお話をさせていただきますけれども、七月十三日付で、「原子力規制委員会の情報公開の考え方について」として、規制委員会の情報公開に関するガイドラインが内閣官房の原子力安全規制組織等改革準備室から公表されました。このこと自体も問題がありますが、大臣はその後、記者会見をされていろいろなことを述べておられるんです。

 これはなぜ国家行政組織法の三条委員会にしたかということを、我々は、大臣も気持ちを共有していただいているものだと思っていた。確かに、政府が提案された法律の内容とは大分違いますけれども、独立性を高めましたけれども、当然、大臣はそのことを御了解いただき、ともに協力をしてこの委員長提案の法律案を通した、このような認識です。

 委員長を提案し、委員を提案し、国会がこれから決定をし、認証を受けて作業に入っていき、当然、独立機関みずからがそういうことは自分たちで考える。そのことについて求められれば、政府の方からアドバイスなり御協力をする。政府の方からも、何か言い分があれば、当然のことながら新しい組織に対して伝える、申し入れる。これはルールじゃないですか。どんな根拠があって、どういう法律的な背景があってこういうことをされたのか。私は本当にびっくりしましたが、お尋ねをいたします。

細野国務大臣 情報公開、透明性の重要性については、法律の中にはっきり明記をされておりますし、また、参議院でも生方委員長が答弁をされておられますが、透明性を高めるべきだ、情報公開を徹底するべきだという指摘は、再三、参議院の議論の中でも出てきておりました。したがいまして、恐らく田中委員も、それを高めるということには非常に積極的な立場でいらっしゃるのではないかというふうに思っております。

 今回ガイドラインをお示しをしたのは、二つ理由がございます。

 まず第一は、原子力委員会での会議の持ち方が大変大きな問題になりまして、今、検証作業を進めております。どういった場合に会議として公開をされるべきなのか、それをどう皆さんにお伝えをしていくべきなのか、そのことについて、やはり相当しっかりと反省をしなければならないと思っております。その考え方、そこでの反省を原子力規制委員会にも生かすべきではないかというふうに考えたまさに問題が、別のところではありますけれども、出ていたというのが一つです。

 もう一つ、私があらかじめガイドラインをつくっておいた方がいいのではないかと思いましたのは、できるだけ早く原子力規制委員会を誕生させたいというふうに思っておりますが、誕生させてからガイドラインをつくり始めるということになりますと、最初にさまざまな重要な打ち合わせが行われる可能性がありますが、そこはガイドラインの対象にならないということになってしまいます。

 私は、この新しい組織の初めの会議というのは極めて重要だというふうに思っておりまして、私が例えば委員の皆さんに、挨拶ぐらいはもちろんあってもいいと思うんですが、具体的にこういう経緯だと説明することも含めて、きちっとできる限りのこういうことをやっているということについては、公開をしていく責任があるのではないかというふうに考えたわけです。

 それは、新しい組織が誕生してから例えば一月ぐらいたってガイドラインができるということは、国民も受け入れられないだろうというふうに思いました。

 したがって、まずはたたき台を示させていただいて、それに基づいてしばらくはとにかくやっていただく。もしくは、違うやり方というのもあるかもしれません。それは委員の皆さんがお考えをいただく。何もない中で、何となく会議が公開されない中で新しい規制委員会が出発することは、これは非常に問題なのではないかというふうに私は感じまして、たたき台を提示させていただいたということでございます。

 ただ、会見でも申し上げたんですが、これはたたき台であって、こういう考え方を提示をするけれども、最終的にどういうガイドラインをおつくりになるのかは委員の皆様の御判断だということは明確に申し上げておりますので、そういった部分についての独立性については、明確に理解をした上で出させていただいたということでございます。

田中(和)委員 規制委員会が情報公開を正しく行う、国民の要望に十分応えられる広報を行うというのは、当たり前のことでございます。これは国会の中でもお互いにやりとりもあったんですけれども、この部分で人によって違いがあるということは、政治家である限り、ほとんどないんだろうと思うんです。

 今回、なぜ三条委員会の組織にしたかという方が重いわけでございまして、今、これから国会で委員長並びに委員を決定する段階のときにこういうことを大臣がされると、相も変わらずこの原子力規制委員会は、行政の、政府の下にぶら下がっている組織だと勘違いする人がいっぱい出ます。

 もちろん、情報公開等の、信頼を得ることは大事なんですが、大臣が今回このようなことをされることによって、逆に、朝令暮改、誤解を受けることになります。李園で冠をさわっちゃいかぬとかウリ畑に行ったときにくつをさわっちゃいけないという話は余りにも有名な話でありますが、今大臣がやられたことは、その部分にひっかかってしまうんですよ。

 我々はせっかくの法律を通したわけですから、タイミングそれから態度、こういうものについて大切にする、この組織が本来の目的どおりに十分機能するように協力をする、こういう配慮がなければならない、私はこう思っておりますが、大臣どうですか。

細野国務大臣 田中先生のお言葉をしっかりと受けとめて今後対応してまいりたいというふうに思っております。

 ただ、ただということで申しわけないと思います。先生、なかなか悩ましいなと思いますのは、こういう議会も含めて、原子力の安全規制について、いろいろ記者も含めて質問をされることがあるわけですね。そのときに、いや、それはもう何も言えないんですとはなかなか答えがたいところがありまして、いや、こういう教訓があるんじゃないかというようなことは、どうしてもやりとりの中で出てくるわけです。

 だからといって、私が原子力規制委員会に何か影響力を及ぼそうとしているつもりは全くないんですが、政府として例えば責任を持って原子力防災に対応すべきではないかと言われたら、いや、それは知りませんとは言えませんですよね。やはり、原子力防災にはしっかり対応すべきだ、そのためには早く指針をつくるべきだと言わざるを得ないわけで、その一つ一つをもってこれは原子力委員会の中に立ち入っているというふうに言われてしまうと、政府としてどうなんだということになるという面があるというのも、日々、私がいろいろな質問を受ける中で感じておるんです。

 そういう悩みを抱えつつでありますけれども、李下に冠を正さずですか、その言葉にあるように、間違っても、それこそ政治が原子力規制委員会の中のことについて介入をしている、影響を及ぼしていると特に初期の段階で言われることがないように、そこはもう本当に、今のお言葉をしっかり受けとめて日々の仕事に当たってまいりたいというふうに思っております。御指摘ありがとうございます。

田中(和)委員 法案の質問に入ります。

 実は、この使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案というのは、私は大変賛成をしているんですね。

 ただ、問題は、国民の御理解をいただいて、また地方自治体の御協力をいただいて、本当にうまく法律の趣旨どおりに機能するだろうかというところなんですよ。

 この九十六品目、年間で二十七・九万トンとか、金額でおよそ八百四十四億円のレアメタルが、今日、回収されるべきものがされていないとか、課題としては、テーマとしては極めてレベルの高い法案だと私は思っているんですね。

 ただ、九十六品目、いろいろと並べかえてみましたけれども、難しいです。特に、私のような少し年をとった人間はとても難しい九十六品目でございまして、これはどうですか、自治体がお決めになることなんですけれども、対象になっていますよということについてマークをつけたらどうでしょうか。JASマークであったりJISマークであったり、いろいろと国民になじむマークがあるじゃないですか。できれば、日本人なら誰でもわかるような、当初は何とか対象品とか、これを、最初から販売をされる方だとかメーカーの方々に御協力いただいて、ひとつ、世に出すときにはその品物には何らかの印がある、こういうことが大切じゃないかと思うんですが、いかがでございましょう。

伊藤政府参考人 御指摘のとおり、どの製品が本法案の対象となっているかということを国民にわかりやすく示すということは、非常に重要な検討課題であるというふうに考えております。

 そのための工夫について、関係者や消費者の皆様の意見も聞き、検討していきたいと考えておりますが、先生御指摘のマークをつけるといったことについても、これは製造者の皆さんあるいは販売業者の皆さんともよく相談して、どうやったらうまい形でそういうふうなことができるのかということも含めて、ぜひ関係者とよく相談してまいりたい、こういうふうに考えております。

田中(和)委員 大臣、端的にどうでしょうか。

細野国務大臣 どういったやり方があるのか、考えてみたいというふうに思います。

 今は、例えばポリも、ポリと書いてあって分けられるようになっていますし、紙も、リサイクルのものはリサイクルできるようになっていますから、それを見ればほとんどのものは分別できるようになっていますですよね。あれは非常にいいと思うんですね、私も日々それを見ながら分けていますので。

 それと同じように、やはりリサイクルをするときに、実際に利用される方、利用者の方、お客さんが、ああ、これはリサイクルできるんだなという意識を持っていただくというのは、回収率を上げる上で決定的に重要でありますから、どういったやり方があるのか、しっかり検討してまいりたいというふうに思います。

田中(和)委員 もう一点、電子機器の中でも、製品区分が曖昧なアイパッドなどのタブレット型の携帯情報端末を、大変普及し、我々国民が多く使うようになったんですね。これを入れているのかどうか、また検討しているのかどうか、御答弁を願いたいと思います。

伊藤政府参考人 この法案を提出する際にまとめていただいた中央環境審議会の答申に示されております九十六品目の中には明確には含まれてはおりませんが、これについては、今後入れていくかどうかということをきちっと機動的に検討して、制度が開始する際には決めていきたい、こういうふうに考えております。

田中(和)委員 これは当然入れなければいけませんし、今、入れると明確な御答弁がありましたので、速やかな対応を願いたいと思います。

 もう一点、個人情報の保護なんですよ。これがきちっとしないと、やはり自分のうちでとりあえず置いておこうということで、どんどんとうちでたまり、排出が進まないということになりますね。また、ボックス型の置き場ですと、盗まれてしまった場合に、そのまま情報も一緒に盗まれてしまう可能性があります。ここをどうされますか。

伊藤政府参考人 国民の皆様に安心してリサイクルに御協力いただくためにも、しっかりとした個人情報保護対策は必須である、こういうふうに考えておるわけでございます。

 自治体における個人情報対策としましては、今、先生御指摘のありましたとおり、回収の際の盗難防止対策、これが基本であるというふうに考えてございます。

 このため、例えばボックスへの施錠を義務づけるとか、ごみステーションからの盗難対策として人の立ち会いをやるとか、あるいは、対面回収後についてもきちっと盗難対策をやるとか、こういったことについて検討し実施してまいりたいと考えておりますし、また、認定事業者に対しても、きちっと個人情報保護対策をやっていただきたいというふうに考えております。

 これは、いろいろな基準でそういったことも明記いたしますし、もしそういったことを守っていただかなかったら、認定を取り消す、こういった方針で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

田中(和)委員 大臣、これは今、非常に国民の目が注がれている部分ですよね。個人情報がある品々は、全国的にきちっとルールをつくり、国民がなるほどなと納得をしていただけるような内容、技術的なことを示さないと、これは絶対に集まりませんね。今、やはりルートがきちっとある程度機能しているのは、販売メーカーとユーザーの方たちがお互いにその信頼があるから、そちらに品物が流れていくわけですね。

 大都市部だったらそういう回収の方もあるでしょうが、地方に行ったらやはり相当なきちっとした説明がないと、御協力は、業者が利益が出ないだけじゃなくて、国民の信頼が得られないということになりますね。非常に重要なことだと思います。

 大臣、御答弁をお願いします。

細野国務大臣 私も今の時点で一番気になっているのは、この個人情報の部分でございます。特に小型家電の中には、携帯であるとかスマートフォンであるとか、先ほど御指摘になったようなアイパッドのような、パソコンぐらいの機能があるそういう電子機器なんかも含まれます。そのときに個人情報についてのきちっとした対応がなされなければ、ほとんどの方は恐らくリサイクルには出さない、そこの仕組みには出さないというふうに思います。

 したがって、こういう盗難対策は大事なんですが、そのレベルではなくて、認定をされた業者にそれをしっかりと義務づける、そしてそれができなかった場合は、先ほど伊藤部長の方からも答弁がありましたが、認定を取り消すというところまでやらなければ実効性はないと思います。

 今、携帯の会社なんかだと、見ていますと、目の前で確かにデータは消してくれるんですけれども、でも、これはシステム上、本当にプロがやれば、もう一回復活させたりもできるわけですね。

 ですから、これはイタチごっこというか、幾らちゃんとやったと言っても、最後何か起こった場合は、きちっとそれに対して、それこそこれは認定を取り消すというところまで強制力が働かないと、恐らく何らかの抜け道が出てくるのではないかということを強く懸念をしております。

 ですからそこは、最後までしっかりとやり切れるようなルールをつくりまして、そういう御懸念がそれこそ当たることがないように努めてまいりたいと考えております。

田中(和)委員 時間の関係もありますのでちょっと簡単にお話をさせていただきますけれども、私の地元川崎市は、極めてこういう分野は先進的な取り組みをもうしておりまして、今回のこの対象品目も含めて、実は、集め、最終的には売っているんですよ。何らかの収入が行政に入っているんですね。そうなってくると、今回、この法律では、お金がいただけなくなってくる可能性が出てきますね。これは、川崎市の仕事をしている人たちから早速電話がありまして、どうしてくれるんだ、どうするんだと、こういう話なんです。

 さっきからも出ておりますように、自治体に国が応援をする。金融的な、財政的な応援も、金融というのは悪いですね、財政的な応援をするというようなお話もあったわけでございますけれども、ここのあたりをきちっとけじめをつけておかないと、何だか変な話になってしまうんですね。

 大臣、どうお考えですか。

細野国務大臣 御指摘のように、早い段階からこういったことに取り組んでおられる自治体では、既にもう回収をして有価物として販売をしておられるということは承知をしております。

 できる限りこれまでのそういう御努力についても、より積極的に、また、それを発展をさせる形が望ましいというふうに考えておりまして、この新しい制度が施行された後につきましても、例えば、川崎市の方で分別をしていただいて、それを有価物として引き続き売却していただくことができる仕組みになっております。

 ですから、そこが円滑に移行できるような、ある程度自治体のさまざまな前向きな取り組みを生かす、そういう若干緩やかな仕組みになっておりますので、そういった仕組みをぜひ各地でつくっていただけるようにバックアップをしていきたいと考えております。

田中(和)委員 これは不十分な答弁なんですよ。確かに自治体の意思でどうにでもなることなんだけれども、当然、相手のあることですから、今までお金を払ったのがただでもらえるというのと、また自治体同士でばらつきが出てくるというのと、いろいろなことが起こってきますから、ここはきめ細かい対応を願いたいと思います。

 時間が来ましたので、持説を一つ最後にお話をして終わりにさせていただきます。デポジットです。

 デポジットが進んでいる国、業界等の御意見もあってなかなかうまく進まない国、あります。自動車はうまくいきましたね。

 私たち川崎で、日本一人口集中の町ですから、困っているのは自転車です。自転車というのは、非常に大事にされる国もあるんですよ。だけれども、日本は残念ながら乗り捨てが多く、役所の方でトラックに毎たび毎たび山盛りの自転車を載せて、また役所が確保した用地に置き、最後は裁判所の手続を行ってスクラップにしたり、場合によっては他の国々に整備をして差し上げたり、いろいろなことをしているんです。また、自治体によってはデポジットをやってみようと思ったところもあるんですけれども、行政、地域を一つだけに絞ってやっても、これは効果がないんですね。

 ぜひ私は、デポジットの制度は、今回のこの法律の対象品目も含めて、全てとは言いませんけれども、できるものからやっていく社会をつくり、とにかくお互いに、資源の有効利用のみならず、無駄なお金を使わなくても済む、互いにちょっとした気配り、配慮によって、ひとつ、すばらしい社会ができるような時代をつくり上げるべきじゃないかと思っております。

 今後、私はこのデポジットの話は非常に関心深く、やはり何らかの推進をしていくべきだと思っておりまして、また、きょうお見えの大臣初め、行政の皆さんもおいでですが、各委員の先生方にもぜひ御理解と御指導をいただき、何らかの形づくりにひとつ進んで実績をつくることができればと思っております。

 私の質問を終わります。

生方委員長 次に、近藤三津枝君。

近藤(三)委員 自由民主党衆議院議員の近藤三津枝です。

 私、議員になって直後、平成十八年三月の衆議院の経済産業委員会で携帯電話の問題を取り上げました。そのとき、論点は大きく三つでした。

 第一、携帯電話の充電器、ACアダプターが、当時は携帯電話ごとに違っていたんです。つまり、携帯電話本体とアダプターの接続部分が携帯電話の種類ごとに違っていました。このため、携帯電話を買いかえるたびにアダプターも買いかえなければならない。アダプターを廃棄しなければならなかったわけです。

 今でこそ、旅行先で宿泊施設などでアダプターを借りて充電できますけれども、当時は、機種ごとにアダプターが違ったわけですから、もしもアダプターを忘れた場合に、旅行先でバッテリーがなくなると、もう携帯電話が使えない。そうした経験をする人も多くいたんです。

 そこで私は、携帯電話の機種によらず、携帯電話本体の接続部分の共通化、標準化をするように政府に求めました。その答弁の後、当時の経済産業省、アダプターを標準化するために、関係団体とともに標準化のためのガイドラインを策定してくれました。

 これにより、今では携帯電話と充電器の接続部分が共通化、標準化し、携帯電話を買いかえるたびに充電器も買いかえる必要がなくなり、充電器の貸し借りも容易にできるようになりました。環境省が目的とする省資源化にも役立ち、災害時など、人々も助け合って、一つのアダプターで多くの携帯電話の充電ができるようにもなっているわけです。この考え方は本日の法案にもつながるものと考えます。

 そして、そのときの経済産業委員会でもう一つ携帯電話について取り上げたんです。それは、携帯電話の希少金属のリサイクルについてなんです。六年前のことですので、私が議員になってすぐのときですから、まだこのときは都市鉱山という言葉がなかったんですね。でも、私は、携帯電話のリサイクル率を上げて、携帯電話の中の希少金属を取り出すべき、リサイクルするべきだというふうに主張しました。

 ですから、今回の法改正は、携帯電話のリサイクルについての私の提案が、ようやく、六年以上かかりましたが、法制化の道が開けたと大変うれしく思っております。

 そして、もう一つ携帯電話について言わせていただきますと、同じこの六年以上前のことなんですが、同じ経済産業委員会で、携帯電話のアプリケーションソフト、データを外部サーバーに置いて、そこから呼び出していくシステムをつくってはどうか、携帯電話にパソコン並みの機能を持たせるべきだと当時提案したんです。

 先ほどの都市鉱山と同じように、今でこそクラウドという言葉がありますけれども、当時はクラウド化という言葉はありませんでした。でも、今考えてみますと、いつの間にか、六年たってもうその方向になっているという現状です。つまり、技術の進歩、一つ一つ前に進んでいるということ。

 そして、本日も、単に法案の中身を議論する、論議するだけじゃなくて、私は提案も行っていきたいと思います。ぜひ、政府の真摯な御姿勢、御答弁もお願い申し上げたいと思います。

 まず、法案の第三条の「基本方針」について質問します。

 第三条には、「主務大臣は、使用済小型電子機器等の再資源化を総合的かつ計画的に推進するため、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する基本方針を定めるもの」とあります。主務大臣、環境大臣と経済産業大臣が、使用済み小型電子機器のリサイクルを推進するために政府の基本方針を定めるということです。

 基本方針に定める項目の内容については、六つの項目が挙がっています。その第二項目めには、「使用済小型電子機器等の再資源化を実施すべき量に関する目標」、量に関する目標とありますが、具体的にどのようなリサイクル量の目標を基本方針の中で定めようとしているのか、現状のリサイクルの量を踏まえてお答えください。よろしくお願いします。

伊藤政府参考人 法案第三条に定める「量に関する目標」に関しては、今後具体的に定めていくことになるわけですけれども、まずは、使用済み小型電子機器等の年間排出量に対する回収率について定めたいというふうに考えているわけでございます。

 国が実施しているモデル事業における回収率は、最も高い地域で一七・九%であり、また、中央環境審議会の答申では、採算性を確保するためには、年間排出量の二〇から三〇%以上の回収を目指す必要があるというふうにされておるわけでございます。

 目標とする回収率については、これらを参考にしつつ、今後、有識者や関係者の意見を伺いながら設定してまいりたいというふうに考えております。

 また、それ以外の量に関する目標についても、どのような水準を定めることができるかといった点も含めて、いろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。

近藤(三)委員 年間の排出量なんですけれども、六十五万トンでよろしいんでしょうか。

伊藤政府参考人 はい、六十五万トンと推計しております。

近藤(三)委員 今、中環審の答申の方で、年間排出量の二〇から三〇%の回収を目指す必要があるというふうにお答えいただきました。小型電子機器全体の回収率を現状からどこまで引き上げるのか、定める必要、確かにあると思います、もちろん大切なことです。

 小型電子機器の種類によって回収の状況というのは随分違うと思うんですね。私は、パソコンは何%、この小型電子機器は何%というふうに、小型電子機器ごとの回収率を定めていくべきではないかというふうに考えているんです。

 使用済小型電子機器等の再資源化を実施すべき量に関する目標に個別の小型電子機器ごとの再生目標を掲げるのかどうか、お答えください。

伊藤政府参考人 全ての製品についてその製品ごとの目標を定めるということになりますと、実際、回収の段階できちっと全部分別をしなければ把握できないとかいろいろな問題がございますので、なかなかそういったことは難しいとは考えますけれども、個別に定められるのではないか、特に資源価値の高いものについてどうするのかとか、そういったことについては、どういった目標設定が可能か、どういう分類でやればいいのかといったことも含めて、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

近藤(三)委員 なぜこの回収率を個々に定めるべきであると考えるかと申しますと、やはり、個々の小型電子機器ごとの回収率そしてリサイクル率をしっかりとつかむことが大切だと思うんです。それぞれの機器の種類に応じた再資源化の方策をその率によって考えていくことが次の段階では大変重要になってくるのではないかと思うので、個々の率は定めておいてはどうかというふうに考えております。

 また、種類ごとの回収率をどうするのか、そして、リサイクル率のあり方についても、引き続き検討をしていただきたいと思います。

 今質問しました使用済み小型電子機器、廃棄されようとしている電子機器、どれほど回収するかという上流側の問題、もちろん重要です。リサイクルは、上流から下流までの一貫性が大事です。そこで、出口の問題についてこれから考えてみたいと思います。

 つまり、回収された電子機器から金属製錬などによってどれほどの金属などが回収されるのか、その回収されたそれらのものを、どれぐらいの量を、再生の材料として、新たな製品の原材料としてリサイクル化していくか、これは大変大きな問題ではないかと思います。

 このためには、下流側の、金属などの抽出技術、製錬技術を高めなくては、幾ら回収率の方を上げたとしても何にもならないと思うんです。やはり、再資源化をいかに図っていくか、そのための技術、抽出技術と製錬技術が大切ではないかと思います。最終的に電子機器から回収される金属などのリサイクル率が、資源の有効利用という観点からは最も重要な指標となります。

 この点で、基本方針で定める使用済小型電子機器等の再資源化を実施すべき量に関する目標には、こうした小型電子機器から最終的に抽出される個々の金属などのリサイクル率が定められるのでしょうか。お答えください。

伊藤政府参考人 先生御指摘の点、非常に重要な点だと我々も考えております。

 金属等の再資源化についての目標や評価についての基本的な考え方、これにつきましては、基本方針に定めることをぜひ検討したいというふうに考えております。

 そして、この基本方針を踏まえて、法律の第十条第三項第一号に基づいて主務省令で定めるという基準がございます。この基準と申しますのは、再資源化計画の認定をする際の基準でございますけれども、この基準の中で具体的なリサイクル率等の基準が定められないかどうか、こういったことについて検討してまいりたいというふうに考えております。

近藤(三)委員 最終目的の、使用済み小型電子機器に含まれる金属などを何%回収できたのか、機器からの個々の金属の回収率の目標を定めることは、この法案による認定業者のリサイクル技術の技術開発の目標に直結するのではないかと考えます。

 小型電子機器のリサイクル技術を向上させる観点からも、今後、法律が成立した後、政令などの制定に当たり十分に検討していただきたいと考えています。

 そして、一度決めた回収率につきましても、リサイクルの促進に応じて適切に見直していっていただきたいとお願いします。

 では、次の質問に移らせていただきます。

 今回の法案は、リサイクルするべき小型電子機器の品目を政令で定めることになっています。環境省の審議会などでは、パソコン、携帯電話など九十六品目が、政令で指定する小型電子機器の候補に挙がっていると聞いています。

 この法案が成立した後に具体的な適用品目が定められるということですが、ここで問題は、携帯電話の取り扱いであると私は考えています。

 リサイクルを効率的に行うためには、どうやって効率的にたくさんの使用済みの機器を回収するか、集めるかにかかっています。

 携帯電話について考えてみますと、二〇〇一年から、民間主導でモバイル・リサイクル・ネットワーク、MRNが成り立っています。現在、三〇%くらいのリサイクルの成果を上げています。携帯電話もこの法案の対象となりますと、携帯電話のリサイクルに関しましては二本立てということになってしまいます。

 この法案のシステムでは、使用済みの携帯電話は、市町村などが回収し、直接、認定事業者へ引き渡されることになると思います。果たして、モバイル・リサイクル・ネットワークシステムのような個人情報の漏えい防止などのセキュリティーがこの新しいシステムで確保できるのであるか、私は大変心配しています。また、先ほど申し上げましたように、リサイクルの効率化のポイントである量の問題も出てきます。

 中間処理業者、金属製錬業者は、これまでのモバイル・リサイクル・ネットワークシステムの業務に関する契約を結んでいます。そして、本法案のスキームによる新たな契約も結ばなければならない。その必要性が出てくるのではないでしょうか。そして、同じ携帯電話のリサイクルであるにもかかわらず、このような契約だけではなくて、例えばこん包、例えば輸送など、二倍の手間がかかるようになって、結果的に携帯電話のリサイクルコストが増加するということになりはしないか、こちらの方も心配しています。

 このように、個人情報の保護という観点だけではなくて、これまで、モバイル・リサイクル・ネットワークが主流で使用済み携帯電話の回収、リサイクルが進められてきたものが、その法案の適用品目になることにより、回収ルートが二つになる。これにより回収システムが分離され、先ほど申しました量のメリットがそがれてしまう、そして、個人情報の保護にも影響するのではないかと懸念しています。

 使用済み携帯電話の今後のリサイクル方法については、幾つか考えられると思います。私も幾つか例を出してみます。

 第一が、既存のモバイル・リサイクル・ネットワークシステムと本法案のスキームの併存、二つのルート案ですね、これがまず一つ目、考えてみました。

 二つ目、携帯電話を本法案の適用品目から除外して、モバイル・リサイクル・ネットワークシステムに一本化を図る従来どおりの案、この法案の適用品目から携帯電話を外すという、これが二つ目の考え方。

 そして、三つ目の例として、この法案の適用により市町村などで回収された携帯電話は、認定事業者に引き渡さずに、途中からモバイル・リサイクル・ネットワークシステムに引き渡す。つまり、本法案のルートを、途中から、今まで本流であったモバイル・リサイクル・ネットワークシステムに乗せかえて、回収量の増加を期待し、個人情報の漏えい防止などをモバイル・リサイクル・ネットワークシステムの中で対応してもらう。

 幾つかの方法が考えられるのではないかと思いますが、その例を出してみました。もちろん、これだけではないと思うんですが、環境大臣、既存のモバイル・リサイクル・ネットワークシステムがある中での携帯電話の本法案の適用についてどのようにお考えになっているのか、見解をお聞かせください。

細野国務大臣 既に動いておりますモバイル・リサイクル・ネットワークというこの仕組みは、携帯の事業者の皆さんであるとかメーカーの皆さんが入っておられますので、自主的なリサイクルの形としては、回収率が三割弱ということで、機能しているというふうに認識しております。

 確かに九十六品目には入れているんですけれども、これをどう取り扱っていくかというのは、これは、自治体も含めてちょっといろいろな動きを見ていくしかないのかなというふうには思っているんですね。もちろん、扱うからには、個人情報保護というのはもう必要不可欠でありますので、先ほども少し答弁を申し上げましたけれども、認定事業者がきちっと個人情報を取り扱う形にしていかなければならないし、それができていなければ認定を取り消すというところまでやっていかなければならないというふうに思っています。

 ただ、それをやったとしても、認定事業者というのはさまざまな小型電子機器を扱いますから、携帯そのものを専門にしているモバイル・リサイクル・ネットワークのそちらとはまたちょっとやはり性質が異なりますですよね。ですから、それが信頼を得て携帯電話が集まってきて、うまくコストという面では、ほかの機器と一緒に扱いますから、大きくそちらが膨らむということにはならないのではないかというふうに期待をしておりますが、併存する形になるようであれば、それも一つの考え方だと思います。

 ただ、どうもなかなかそうはならない、携帯電話については新しいこの仕組みの上では乗っかってこないということになれば、先ほど近藤委員が例示をされた、一本化していくとか、そういったことも含めて検討していくこともやはり必要ではないかというふうに考えているところでございます。

    〔委員長退席、近藤(昭)委員長代理着席〕

近藤(三)委員 今、大臣おっしゃったように、携帯電話のリサイクルをどのように進めていくか、この法律のもとで行うかどうかも含めまして、業界団体そして利用者の声を聞きながら、慎重に判断していく必要があると考えます。また、法律制定後も、この点について慎重に判断していただきたいと思います。私も、もちろんしっかりとこの問題についてはウオッチングさせていただきます。

 次に、個人情報の保護について質問します。

 使用済み小型電子機器をリサイクルしようとするユーザーには、個人情報保護については大変気になることです。パソコン、携帯電話、デジタルカメラなどには、個人情報が残されたままで廃棄される場合もあります。せっかく消費者が小型電子機器をリサイクルしようとしましても、その結果、個人情報が漏えいしてしまう、保護されないようなことがあってはなりません。

 先ほど取り上げました携帯電話のモバイル・リサイクル・ネットワークシステムでは、携帯電話会社などに回収された使用済みの携帯電話にはきちんと穴があけられるなどの処理がなされ、個人情報が漏えいされないようになっています。

 法案の第三条の主務大臣が定める基本方針の六項目めに、個人情報の保護について定められています。この基本方針の六項目めの個人情報の保護については、主務大臣はどのような方針を定めるのでしょうか。お答えください。

伊藤政府参考人 基本方針には、地方自治体や認定事業者等が、個人情報を含む使用済み小型電子機器等の適切な取り扱いを担保すべき旨を記載したいと考えておりますし、具体的な対策として、収集に当たって盗難防止対策を講ずべきこと、あるいは、認定事業者や再資源化に当たって個人情報を適切に処理すべきことなどを記載することで、自治体や認定事業者に必要な対策を講じることを求めていきたいというふうに考えております。

 また、認定事業者等が行う再資源化事業の内容の基準においても、再資源化の過程における個人情報保護対策について基準を設けることを想定しております。もし個人情報が徹底されないような場合には、認定を取り消したい、こういうふうに考えておる次第でございます。

近藤(三)委員 個人情報の保護、これをしっかりとしていただくことによってこの法案がしっかりと生きてくることにもなると思いますので、よろしくお願いします。

 次に、小型電子機器を生産するメーカーなどの製造事業者の責任について質問します。

 リサイクルの基本は、上流側から下流側の一貫性です。原材料を製品に投入する製造業者の役割、大変重要だと考えます。

 この法律の第九条に「製造業者の責務」があります。読みます。「小型電子機器等の製造を業として行う者は、小型電子機器等の設計及びその部品又は原材料の種類を工夫することにより使用済小型電子機器等の再資源化に要する費用を低減するとともに、使用済小型電子機器等の再資源化により得られた物を利用するよう努めなければならない。」このようにあります。

 この条文を生かして、製造業者に対し、再資源化に要する費用を低減する観点から、政府が指定するリサイクルするべき金属、レアアースが、どのくらいの量、部品のどの部分に含まれているかなどを製品に表示するように今後義務づけてはどうでしょうか。環境大臣の見解をお聞かせください。

細野国務大臣 確かに、製造業者の方でリサイクルを意識をしてさまざまなものをつくっていただくというのは大変重要だというふうに思っておりまして、その中でどういった成分があるのかというのも、極めて重要なことであるというふうに思っております。

 製品に含まれる金属の情報が関係者の間で今までのところは共有化をされておりませんので、リサイクル処理に際しまして、リサイクルを阻害する成分が混入していないかを確認する必要性が生じるなどのケースも出てきているというふうに承知しています。

 私もリサイクルの現場を見たことありますけれども、手作業で一つずつ違うものですから、本当に御苦労されて、あれがある程度リサイクルしやすくなっていたら随分楽だろうなというふうに感じたことがこれまでもございました。

 そういったことも含めて、製品の含有情報の共有は、今後、リサイクルの効率性を向上させる上で一つの大きな課題だというふうに認識しております。

 その一方で、なかなか悩ましいのは、どこにどういう成分があるか、どういうものが使われているかということを全て表示をするということになりますと、それ自体が企業秘密に当たるような場合に、不特定多数の方々にそれを知らせることになりまして、例えば、国際的な競争力であるとか市況の動向などにも影響を及ぼしかねないのではないかという懸念も一部にございます。

 ですから、そこのバランスをどうとっていくか。今後、企業秘密に配慮しながら製品情報そのものは共有していくという、そういう取り組みを進めてまいりたいというふうに思っております。

近藤(三)委員 使用済み小型電子機器の再資源化の流れを考えてみます。

 消費者である国民が排出した小型電子機器を自治体、小売業者などが回収します。自治体や小売業者は、回収した小型電子機器を集積所に輸送し、引き渡します。集積された使用済み小型電子機器は中間処理施設に輸送され、分別され、その内容物に応じて金属製錬所などに輸送されます。最後に金属製錬所で金属などが回収されることになると思います。

 この一連のフローの各段階で発生する回収費用、輸送費用、中間処理費用、製錬費用などは具体的に誰が負担することになるのか、お答えください。

伊藤政府参考人 これは、この制度自身が非常にフレキシブルな制度でございますので、さまざまなケースが考えられるというふうに考えておりますけれども、例えば、中間処理業者が認定事業者になった場合、そういった標準的なケースについては、次のようになるのではないかと考えております。

 まず、消費者である国民が排出した小型電子機器等について、自治体のごみ収集により自治体内の集積所に集める、これは非常に基本的なケースだと思いますけれども、これは、自治体内のごみ収集にかかる費用は自治体に負担していただくということになります。

 一方、自治体の集積所から認定事業者に引き渡された後、認定事業者が中間処理施設に運搬し、破砕し、選別する、こういった場合には、その輸送費用や中間処理費用については認定事業者が負担する、こういうことになります。

 また、認定事業者は、中間処理されたものを製錬事業者または製造業者等にこれは売却するということで、そこでお金のやりとりが行われるということでございまして、その売却益で中間処理に要した費用を賄う、こういった全体の流れになるのではないかというふうに考えております。

    〔近藤(昭)委員長代理退席、委員長着席〕

近藤(三)委員 ありがとうございました。よくわかりました。

 次に、認定事業者の免許について質問します。

 廃棄物処理法には、一般廃棄物処理業者の認可は二年の期限があります。産業廃棄物処理業者については五年の期限があります。しかし、本法案の認定事業者にはこのような更新を必要とする更新許可制度は適用されない。これはどうしてなんでしょうか。その理由をお答えください。

伊藤政府参考人 これは、認定事業者は、リサイクル技術の進歩等に対応するため、また、適正なリサイクルを実施するために再資源化事業計画を逐次見直ししていかなければならないということ、また、この認定事業者は、この再資源化事業計画にのっとって再資源化事業を実施しなければならない、さらに、廃棄物処理法基準遵守についても厳しく国や地方自治体の指導監督を受ける、さらには、本法案に基づく認定は促進法におけるメリットを与える措置である、こういったことを勘案しまして、あえて厳しく期限を設けることとはしなかったということでございますが、実質的には、逐次計画を見直しますので、その段階できちっと審査も行っていくということにしております。

 なお、廃棄物処理法に基づいた広域認定制度などといった他の制度においてもこういった年限は定めていない、こういったことも考慮して、今回、こういう制度にした次第でございます。

近藤(三)委員 この促進法を進めるためのメリットとして、定めないということも一つであるという政府の見解はよくわかりましたけれども、小型電子機器のリサイクルの技術というのは、日進月歩の技術革新がなされていますし、また、それが必要になってくると思うんです。一度認定を受けた認定事業者の技術的な能力が技術の進歩にきちんとついていき、効率的なリサイクルが将来ともなされる、そんな保証、必ずあるとは限らない。適正な時期に免許の更新をするということ、その免許の更新をすることによって技術の進歩にインセンティブを与えていく、そのようなシステムを考えていくことの方が重要だと考えます。

 環境大臣の見解をお聞かせください。

細野国務大臣 重要な御指摘だと思います。

 先ほども伊藤部長からも答弁ありましたけれども、基準を随時見直しますので、その基準に適用できないということになると、認定が取り消されるということになるわけですね。ただ、一回認定されたところが、基準が上がっているんだけれどもずるずるとできるような仕組みになってしまうと、もう本当に適正に処理できないということにもなりますので、そこをしっかりと見きわめて、業界全体が、業者の皆さんの技術、意識全体がずうっと上がってくるような仕組みをつくらなければならないというふうに感じております。

近藤(三)委員 その業界全体の技術が上がるために、ぜひ、この認定を受けるのかどうかということももう一度考慮していただきたいと思います。

 次に、第十条、「再資源化事業計画の認定」について質問させていただきます。

 使用済み小型電子機器等の再資源化のための使用済み小型電子機器等の収集、運搬及び処分の事業、すなわち再資源化事業を行おうとする者は、再資源化事業計画を作成し、主務大臣の認定を申請する必要があります。そして、再資源化事業計画には、使用済み小型電子機器等の収集を行おうとする区域、すなわち収集エリアの範囲を明記しなければなりません。また、この区域は、複数都道府県にまたがる広域のエリアであることを省令で定めるというふうに聞いています。

 それでは、再資源化事業者は、複数の都道府県にまたがるエリアを収集エリアとした場合に、ある都道府県の全域ではなくて、一部、例えば県の南半分とか、そういうエリアを指定することを許すのかどうか、お答えいただきたいと思います。

 私は、このように、ある県の一部をエリアにして、ほかのエリアを収集エリアから除外するような認定を許してしまうと、都市部など、小型電子機器が収集しやすいエリアだけの許可を求めるような行為を助けてしまうことになるんじゃないか、日本全国、国全体のリサイクルの推進を阻害するのではないかというふうに危惧しています。

 改めて、許可事業者の収集エリアは、都道府県全域とするのか、都道府県の一部とすることを許すのか、お答えください。

伊藤政府参考人 収集エリアの範囲をどういったことにするかということにつきましては、今後、もちろん関係者の意見も聞きつつ、しっかりと検討した上で決めていかなければならないというふうに考えておりますが、本法案では、広域的かつ効率的に開始することで、採算性を確保しつつ再資源化を行うことを目指しているわけでございますので、使用済み小型電子機器等の収集を行おうとする区域はある程度広域でなければならない、原則として複数都道府県にまたがる必要はあるんではないだろうか、こういうふうに今の段階では考えております。

 また、都道府県の一部地域に限って収集区域とするということにつきましては、今先生御指摘のような問題もございますし、また、広域的かつ効率的に回収するという観点からは好ましいものとは考えておらないという状況でございますが、いずれにしろ、関係者の意見を聞きながら決めてまいりたい、こういうふうに考えております。

近藤(三)委員 ありがとうございました。

 使用済みの小型電子機器から金属類を抽出する技術は進んでいると聞きますが、レアアースの回収には技術的になかなか困難な面があると思います。レアアースの獲得に向けた国際的な環境を考えますと、使用済みの小型電子機器からレアアースを抽出していくことは大変重要なことだと思います。また、技術的な困難性を克服する中で、新たな成長分野も生まれてくるのだと思います。そうした面から、レアアースの回収技術、抽出技術について、国家プロジェクトとして民間の技術開発を後押ししていくべきだと私は考えます。

 現在の使用済み小型電子機器からのレアアースを回収する技術の水準、そして、それを後押しする、国による技術開発の支援の状況などについてお答えください。

 さらに、今回の法案の成立の効果を上げるため、政府は強力にレアアースの回収技術の開発を支援し、世界最先端の実用化技術を生み出す考えがあるのか、ぜひともそうしていただきたいんですが、政府の意気込みをお聞かせください。

伊藤政府参考人 一部の使用済み小型家電には、御指摘のとおり、ネオジムとかジスプロシウムといったレアアースが含まれております。しかし、既存の分離回収技術では経済的に回収することは困難であり、リサイクルはほとんど進んでいない、こういう状況にございます。

 このため、政府としては、これは経済産業省においてでございますけれども、平成二十三年度補正予算及び平成二十四年度通常予算において、レアアース等の市中リサイクル実現に向けた技術開発及びその実証、評価の支援を行っている、こういうふうに聞いております。

 環境省としましても、経産省とも連携して、こういった面に力を入れていきたいというふうに考えております。

近藤(三)委員 金属の価格は、国際情勢、需要の変動により乱高下する場合もあります。一方で、使用済み小型電子機器から金属などを回収するために必要なコストは、機器の回収率、リサイクル率の向上、金属などの抽出技術の向上などによってコストダウンが期待されます。金属の輸入価格がリサイクルされた金属よりも高い場合は、マーケットメカニズムでリサイクル金属は需要があるでしょうけれども、価格が逆転している場合が問題です。

 つまり、金属の輸入価格がリサイクル金属の価格よりも安い場合、なかなかリサイクル金属の購入が進まないと思います。せっかく回収された金属も、市場価格とつり合わなければ取引されず、倉庫に山積みになるだけです。これでは、せっかくの本法案の目的を達成することができません。

 そこで提案なんですが、本法案の第九条の「製造業者の責務」、この条文を生かしていってはどうかと考えているんです。「製造業者の責務」の条文にあります。小型電子機器等の製造を業として行う者は、原材料の種類を工夫し、「使用済小型電子機器等の再資源化により得られた物を利用するよう努めなければならない。」このように書いているわけですね。

 ですから、これを実行してもらうために、小型電子機器の製造業者、メーカーには、原材料のうち一定割合は、本法案の制度から生み出されるリサイクル材を購入する義務を負うシステムを構築してはどうかなと考えているんですが、環境大臣、この考えはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。

細野国務大臣 今回のこの仕組みは、自治体や、あとは、メーカーも含めたさまざまな業者、もちろんリサイクル業者も含めてですけれども、そうした皆さんの自主性をある程度重んじながら確実にリサイクルができるような仕組みを目指したものでございます。したがって、先ほどお引きいただいた部分でも、努力義務にはなっておるんですが、義務とはなっていないのは、その辺の仕組みのそもそもの出発点というところがございます。

 今、全体に、レアアースを含めて金属類の値段が上がっておりますので、しっかりと量を集めてリサイクルをすることができれば、私は、多くのものが十分な市場価格を持って回っていく仕組みをつくれるのではないかというふうに思っています。

 仮に、そういうふうになかなかならずに、積み上がってもうどうにもならないというようなことが起こる場合は、それは、どうメーカー側に協力を求めていくのかということは、一工夫、二工夫必要なことがあるかもしれません。

 まずは、それぞれのメーカーも含めて、リサイクル業者、さらには市町村という関係者の皆さんが、まずはやってみようということで、恐らくかなり活発にやっていただけると思いますので、その中でできるだけうまく回る仕組みをつくっていただけるような後押しをしてまいりたいと考えているところでございます。

近藤(三)委員 本日は、使用済み小型電子機器リサイクル法についてさまざまな観点から質問し、提案もさせていただきました。リサイクル技術、先ほども申しましたように、日進月歩の分野です。電子機器が購入されてから使用済みになるまで、大体五年から十年のタイムラグがあるのではないかと考えます。冒頭申し上げましたコンピューターシステムのクラウド化などは、ここ五年で進展したシステムです。この法案を実際に運用するに当たっては、常に五年から十年を見通すというその視点が必要だと思います。

 非常に意欲的な政策を打ち出していただくことを期待しまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

生方委員長 次に、吉野正芳君。

吉野委員 自由民主党の吉野正芳でございます。

 通告していないんですけれども、先ほど、田中先生と大臣の議論を聞いて、感想を述べてみたいと思います。原子力規制委員会です。

 私は、国会議員になったのが二〇〇〇年なんです。もう十二年たちますね。地元に原発があるものですから、原子力発電所は本当に危険なものなんです。でも、人類がきちんと注意してウオッチをしていればコントロールできる、そういう思いでずっと原発を見てきました。

 その中で、保安院の分離独立、これを私は十年間言い続けてきたんです。私と梶山弘志先生、二人くらいでしたね。この十年間言い続けてきて、やっと十年目に、原子力大綱の中に、保安院の分離独立を検討する、たった一行入ったんです。

 そして民主党政権になりました。民主党政権になってすぐさま、私も経産委員会で質問させていただいたときに、三条委員会にするんだということを言われたので、分離独立ができるのかな、こんな思いで期待をしていたところなんです。

 そしてこの事故を迎えました。私は本当にじくじたる思い。自分が主張をしてきた、保安院が本当に誰の圧力も受けないで自分の判断で安全規制をできる組織であれば、今度の事故は確実に防げた。いろいろな委員会で質問をさせていただき、また、国会事故調等も見てきて、これは、国会事故調で言う、ある意味では人災、防げた事故だということを私自身理解をしたところであります。

 そして、政府側は規制庁、私たちは規制委員会、この議論をさせていただきました。

 今、保安院も、安全委員会も、原子力委員会まで、国民の信頼がゼロなんです。本当に原子力行政に対して全く誰も信用していない。この原子力規制委員会を立ち上げて、国民の信頼をかち取らねばならないんです。そのために全員で努力をしてきて、そして政府側も、情報管理には最善の注意を払って情報管理をしてきたと思います。でも、結果はこのざまです。

 先ほど、田中先生の質問の中で、大臣は、調べられる側だから何も言えない、こうおっしゃいました。とんでもないんです。環境省に自浄作用があるんですか。どこだって、事故調だって東電だって、第三者委員会を立てて、どういう原因で事故が起きたのか、例えば情報漏れが起きたのか、調べるでしょう。自浄作用はあるんですか。ここのところをまず大臣にお聞きしたいと思います。

細野国務大臣 実は、環境省という意味でいいますと、この法案づくりには、ほとんど直接的には関与しておらないんです。原子力の規制の組織をつくる準備室というのがありまして、そこで法案の準備もしてまいりましたし、そこで人事についても検討を進めてきたという経緯があるんです。

 ですから、環境省の職員でいうと、そうした、例えば委員の人選などについて知っているという人間はほとんど実はいないというのが実情でございまして、だからこそ、内閣全体を統括をしているその内閣官房の副長官を中心に今回調査が行われたというそういう経緯でございまして、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

吉野委員 行われて、その結果は出たんですか。報告を我々国民に知らしめたんですか。

細野国務大臣 議院運営委員会の方で官房長官がおわびをし、説明はちょっとどなたがしたか、済みません、私は今情報を持ち合わせませんけれども、説明がされたものというふうに承知をしております。

吉野委員 その内容は細野大臣は知らないわけですか。

細野国務大臣 発表の概要といいますか、どういう発言を官房長官を初めとした皆さんがされたかということは、私も報告を受けております。

吉野委員 環境省では関係ない、でも、細野大臣が中心になって準備室の皆さんと一緒になってこの委員の選定をしたわけなので、大臣の直轄という形でもどうして漏れたのかというこの事実を、私は自浄作用としてもやるべきだと思うんです。

 第三者の方でチームをつくってでもいいし、また、省内の役人の方々でチームをつくってもいいし、大臣自身の直轄チームとして今度のこの漏えい問題について調査をして、一番は、原子力委員会の信頼なんですよ、安全委員会の信頼を、原子力規制委員会の信頼をどう国民のためにかち取るかが一番問題なんであって、もう最初の出だしからこんなつまずきでは、今度の我々のつくった原子力規制委員会の信頼が本当にかち取れるのかと。

 私の、国会議員になってからのずっと夢なんです、これ。でも、できたから万歳三唱できません、事故った後の委員会設立ですからね。

 ですから、何としてもここのところを自浄作用をぜひ見せてほしい。大臣直轄の部分でもいいと思いますよ。いかがですか。

細野国務大臣 準備室の中でも、この情報を知っていた者というのは極めて人数が限られています。それがどういう人数なのか、メンバーなのかということについては、今すぐに手元に情報はありませんが、この人間とこの人間とこの人間というような形で把握しているんです。したがって、その人間に対しては、きちっと内閣官房からの調査には答えるようにということを私の方で申し上げてありますので、そこは、私の責任の範囲においてしっかりと調査協力という形にはなっております。

 ただ、その中で、では情報のこの流れがどうだったのかということに関しますと、もちろん、一定の情報は調整の段階でほかの部署にも行っておりますので、その中でどう情報が管理されたのかというのは、ちょっと私のところをはるかに超える話になるものですから、全体としての調査は副長官のところでやっていただくというのが、全体像を把握するという意味でも、やはり、これはやり方としては適切ではないかというふうに考えているところでございます。

吉野委員 子供のいじめでも警察当局が入ったんです。自分たちでは解明できないということで警察当局が入ったんです。自分たちでもしできなければ、お願いしてみてください。国家公務員の持っている守秘義務、これが侵されたんです。

 一般論として、なぜ国家公務員には守秘義務があるんですか。大臣の考え方で結構ですから、お答えください。

細野国務大臣 それは、守秘義務の対象となるものについては、しっかりと情報を秘匿して業務に当たるということだというふうに承知しております。

吉野委員 ぜひ、大臣の私的でもいいですよ、私的でもいいですから、チームを立ち上げて、どうして情報が漏れたのか調べてくださいよ。でないと、せっかくつくった原子力規制委員会が国民に信頼されなくなっちゃうんです。ぜひお願いしたいと思います。もう一度。

細野国務大臣 内閣官房においてそれは副長官のところでお調べをいただいて、その結果を国会の方で受けとめていただいたというふうに承知をしておりますので、そこの調査をしっかりと我々も受けとめた上で、襟を正してしっかりとやってまいりたいというふうに考えております。

吉野委員 申しわけないですけれども、今の答弁では、せっかくつくった規制委員会、国民の信頼を得ることができないというふうに私は判断します。

 次に行きます。

 今、福島県で除染がされております。そして、環境省の基準で除染がされているんですけれども、森林の除染が、山から来て自分の屋敷がある、山の部分は二十メーターしか森林除染しないのが環境省のルールなんですけれども、私の地元は全部山奥、川内村も飯舘村も広野も全部そうなんですけれども、水道じゃなくて、沢水、湧き水、これを飲んでいる方が結構いるんです。沢水ですから、沢は、自分の住んでいる家からずっと頂上まであるんですね。ですから、二十メートルで切られちゃうと、そこで湧き水が出ていれば、沢水がそこから出水していれば除染されるんですけれども、そうじゃなくて、沢全体をやはり私は除染すべきだと思います。

 生活圏の除染、農地の除染、この二つを今環境省が、二年間でやっちゃおうということで本当に取り組んでいるところなんですけれども、事飲み水に関して、厚生労働省として、この二十メーターで区切っている点についてどう思っているのか。そして、それはおかしいよ、生活圏なんだから、飲み水は全部飲み水が集まるエリア、いわゆる一沢、沢全体を除染すべきだよ、そういうことを厚労省は環境省に言ってほしいんですけれども、いかがでしょうか。

辻副大臣 吉野先生から厚生労働行政にかかわる問題につきましてもいろいろと御指導をいただいておりますこと、感謝申し上げたいと思います。

 そこで、御指摘をいただきました除染に関してでございますけれども、除染する区域の考え方につきましては、環境省において、住居等近隣における措置を最優先に、その効果等を踏まえて検討されるというふうに認識しているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、水道水の安全性確保の観点から、本年三月五日に水道水中の放射性物質に係る管理目標値を設定いたしまして、都道府県及び水道事業者等にお示しをしたところでございます。

 そして、これまでの水道水のモニタリング結果によりますと、昨年七月以降、福島県内において管理目標値の十分の一を超えて検出されたものはないということでございます。

 また、環境省が実施しておられるモニタリング結果によりますと、最近では、警戒区域においても、湖沼、水源地や地下水から放射性物質はほとんど検出されておらず、管理目標値より十分低いレベルにあるというふうに伺っているところでございます。

 いずれにいたしましても、除染後に住民の皆さん方が帰還されるに当たりましては、モニタリングの実施等によりまして、安全、安心の確保に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。

吉野委員 厚労省は、水道の水、いわゆる水道事業者がつくった水道の水についてはきちんとチェックをしているという答弁だったんですけれども、水道のない地域なんです。水道のない地域で、流れ水、沢水、また湧き水、ここを飲んでいる。こういう人たちの健康は、厚労省ではある意味のチェックはしていないんでしょうか。

辻副大臣 私どもの主管といたしましては、水道水について責任を持って対応させていただいているということでございます。

吉野委員 地下水については環境省という答弁があったんですけれども、飲み水になる湧き水、地下水を調べたのか、通常の河川の水、地下水を調べたのか、それはどこなんですか。ちょっと環境省、答弁してください。

鷺坂政府参考人 私どもはモニタリング調整会議等で水質の調査をするという役割を仰せつかっておりまして、基本的には環境ということでございますので、一般公共水域を調べているということでございます。ですから、それは河川でございますし、それからあとは湖沼、湖ですね、そういったところを調べている、こういうことでございます。

吉野委員 大臣、今の議論を聞いていてどう思いますか。

 川内村は帰還するんです。飲み水に沢水、湧き水を使っているんです。でも、環境省で調べているのは一般公共水域しか調べていない。飲み水を本当に調べて大丈夫だよというお墨つきがなければ、なかなか帰還する人は少ないと思うんですけれども、沢全体も除染するということをちょっと約束できないでしょうか。

細野国務大臣 ちょうど私も二週間ほど前ですけれども、川内村に一泊しまして、企業経営者三十人ぐらい連れていって、川内村で何か仕事ができないだろうか、そういうツアーを企画して行ってまいりました。朝、除染の現場も見てまいりまして、そこの御自宅か御近所かちょっと定かでありませんけれども、沢水を飲んでおられるという話を聞きました。

 今はちょっと答弁が必ずしも明確ではありませんでしたが、環境省としても、飲み水が一番大事ですので、それを調べるというような、きちっと川や湖沼の調査はこれまでもしています。それをさらに強化をするようにいたします。

 本当に福島の皆さんには大変な思いをさせてしまっている、もう本当に申しわけないという思いでいっぱいなんですが、川内村の皆さんなどと話していると、せめてやはり水が汚染されていなかったというのはよかったという声はあるんですね。

 実際、我々も十分放射性物質の挙動についてもともと知見があったわけではありませんが、泥にたまるものですから、それが流れなければ、水そのものは汚染をされていない状況で活用できるということも大分わかってまいりました。

 ですから、その状況をできるだけしっかりと確認をして、安心をして生活していただけるような努力というのをしてまいりたいというふうに思います。

 一方で、森林全体の除染は、地域の放射線レベルを下げるという意味では極めて重要でございますので、山全体のレベルをどのように下げていくのかというのは、また違う意味で非常に重要でありますので、しっかりと検討して取り組んでまいりたいと考えております。

吉野委員 粘土、泥に放射性物質がたまる、だから水には行かないということで今のところ大丈夫なんですが、沢の底はやはり泥なんですよね。だから、ここをきちんと取らないと、簡単に言うと、危ない上に流れている水を飲んでいるわけですから、この危険な放射性物質を含んだ泥を取ることがやはり除染の一番の目的だと思いますので、ぜひ、その二十メーター基準というところをこれから検討して、沢水を飲んでいる農家の方々であれば、沢全体を除染するんだというそういうところをちょっと検討していただきたいと思います。

 あとは、除染を請け負っている下請、孫請からの声なんですけれども、人件費が物すごく安い、孫請ですからね。ですから、元請、ゼネコンに対して発注された見積もり人件費がきちんと渡っているのかというその辺の調査を、私はすべきだと思うんです。いかがなんでしょうか。

鷺坂政府参考人 除染工事の労務単価それか交通費等ということでございますけれども、私ども、国交省の公共工事の設計労務単価に従いまして、環境省の方でも、除染の工事の労務単価、そういったものを定めております。さらに、除染工事の特殊性も鑑みまして、特殊勤務手当の支給も措置しております。

 そういった中で、実際の発注に当たりましては、総合評価方式という形で発注をさせていただいておるんですけれども、そこでは施工管理体制を確認するということでございまして、その施工管理体制の確認の中で、実際にそういった単価で払われているかどうか、こういったことも確認する、そのような形であります。

吉野委員 発注単価を調べますと、一万五千円プラス危険手当といいますか、一万円、合わせて二万五千円を一人当たり見積もってゼネコンに発注しているということを聞きました。ということは、全額二万五千円が本当に下に行っているかというと、そういうわけにいかないでしょうけれども、一万五千円くらいなんですよね。だから、一万円、危険手当くらいは丸々ピンはねされているのが今の現在の実態であります。

 再生事務所に二百人もの方々がいるでしょうから、本当に現場で働いている方々の直接の声、あなた幾らもらっているのと、これは簡単でしょう。正式立ててゼネコンに幾ら払っているんだと聞けば、これこれ払っていますというふうに答えるでしょうけれども、それだけではだめなんであって、本当の現場の声、私は、これを早急に調べて改善をさせたいなと思っているんですけれども、いかがでしょうか。

鷺坂政府参考人 まず、入札の段階においては、先ほど申し上げましたけれども、施工体制を確認するという意味で、実際に確保する人員とか、そういったものを含めて幾ら払う予定であるかとか、そういったことで聴取をするということにしております。

 その後でございますけれども、また、いろいろどういうやり方があるのかとか、そういったことも含めてちょっと検討したいと思います。

吉野委員 発注主の社長さんに聞いたって何にもならないんです。だから、本当に働いている現場の一人一人に聞くのが一番早いし、これが本当の値段ですので、それをぜひお願いしたいと思います。

鷺坂政府参考人 実は、調査につきましては、国交省と協力している、そういった年においての調査というものがございまして、五月とか十一月とか、例年の調査は当然やっていきたいと考えております。

吉野委員 それでは本題に移りたいと思います。

 今度の都市鉱山法、八百四十四億円と言われる大事な資源が、今現在、処分場に捨てられている、だからこの資源を活用したいという形でこの法案がつくられたというふうに私は理解をしております。

 細かくなりますけれども、逐条ごとに質問をしていきたいと思います。

 まず、第一条に、「利用されている金属」、そして「その他の有用なもの」という規定がございますけれども、「利用されている金属」とはどういうものなのか、また、「その他の有用なもの」とはどういうものなのか、お答えを願いたいと思います。

伊藤政府参考人 本法案において再資源化をしようというふうなものはどういったものを想定しているかということでございますけれども、まず、鉄やアルミニウム、これは当然含まれますし、金や銀などの貴金属、あるいは銅、鉛、亜鉛などのベースメタル、それから、コバルト、アンチモン、パラジウム等のレアメタル、こういったものを再資源化していきたいというふうに考えております。

 なお、それ以外のレアメタルやレアアースにつきましては、現在の分離回収技術では経済合理的な再資源化は困難でございますけれども、これについては、技術開発を進めまして、一日も早く回収できるように取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。

 また、「その他の有用なもの」ということでございますけれども、これにつきましては、金属以外の有用なものとして、プラスチックあるいはガラス等が考えられるというふうに考えてございます。

吉野委員 今、日本で一番欲しいのはレアアース、中国が握っているから。だから、これは外交上もかなりレアアースを獲得する上で問題になっているんですけれども、まだ今の回収技術ではペイしない。

 でも、物には十分な量は入っているんですか。その八百四十四億円捨てられている小型家電製品の中に、レアアース、日本国が必要とする分は十分に金さえかければとれて、輸入なんかすることないというくらいの量は入っているのかどうか、お尋ねしたいと思います。ちょっと通告していなくてごめんなさい。

伊藤政府参考人 その程度は入ってはございますけれども、それを回収すれば日本が輸入しなくてもいいという程度まで入っているわけではないということでございます。

 しかしながら、少量とはいえ、先生御指摘のとおり、きちっと回収するということは非常に大事なことだというふうに考えておる次第でございます。

吉野委員 そうであれば、回収技術、製錬の技術、ここに環境省としてもきちんとした指導なり財政援助なりもして、研究開発を進めていくべきだと思います。

 次、九十六品目のリストが示されております。これは中央環境審議会で示された基準でありまして、ある意味でばらばらなんです。カーエアコン、カーステレオ、カーナビなんて全部まとまっていないので、どういう基準でこの九十六のリストをつくったんでしょうか。

伊藤政府参考人 中央環境審議会で示された九十六の候補品目につきましては、まず、家電リサイクル法の対象品目を除きまして、それ以外の電気電子機器を母集団とした上で、基板等有用金属を高濃度で含む部品を有していること、それから、比較的小型で、他品目と同時に一括で回収が可能なことといったことを要件として判断条件としてリスト化したものでございますが、九十六品目の順番につきましては、資源価値の高いものから並べたということで、どういう整理なのかということでいろいろ御疑問が生じる面があるということは承知しております。

吉野委員 先ほどの質問の中でも、この九十六品目にかかわらず、政令で定めるものは、今市場に出回っているもの、でもまだ処分されていないものも含むということでありますので、ぜひその旨、政令で定めるものの中には、現在市場で出回っているものも含めた形で記載してほしいと思います。

 次に、第三条「基本方針」です。

 再資源化促進の基本方向という形で第三条二項の第一で書かれておりますけれども、どういうことを言っているのか、お尋ねしたいと思います。

細野国務大臣 再資源化の促進の基本方針といたしましては、使用済み小型電子機器等の再資源化を行う意義を記載をいたします。

 そのほか、規模の経済を働かせまして採算性を確保しながら再資源化を行うために、消費者や地方公共団体、リサイクル事業者等の関係者が協力しながら取り組む必要があるといった、この制度の基本となる事項を記載することを想定をしております。

吉野委員 次は、量に関する目標。

 先ほどお話がありましたけれども、リサイクル率でやるのか回収率でやるのか。また、数字的な、二割から三割回収して初めてペイするシステムだというふうに伺っておりますけれども、その辺はどういう書き込みをしていくのか、お尋ねしたいと思います。

伊藤政府参考人 再資源化を実施すべき量に関する目標につきましては、まずもって、排出される使用済み小型電子機器等に対する目標回収率、これは定めたいということを考えております。また、その他の目標につきましても、どのようなものを設定すべきかについて、その水準も含めて検討していきたいというふうに考えております。

 この回収率の具体的な目標数値につきましては、これから検討することになりますが、中央環境審議会の一次答申におきまして、制度全体の採算性を確保するために必要な回収目標率は二〇から三〇%以上というふうにされております。

 こういった指摘も勘案しながら検討してまいりたいというふうに考えております。

吉野委員 個人情報の保護、再三、質問の中で盗難防止を一生懸命やるんだという答弁がございました。盗難防止、当然なんですけれども、携帯電話は、自分で記録を消しても、きちんと専門家が見ればまた情報を復活できるということなので、中古の携帯のリユースと、得る個人情報の保護が本当に、自分でデータを消しても、リユースする場合はもっと深掘りしたデータを消せるのかどうか、そしてリユース、中古携帯という形で販売しているのか、もうデータを全部消去した中で、ですから個人情報の保護、壊しておくことが一番いいんですけれども、やはり、リユースという観点からどこまで個人情報を保護していくのか、これをちょっとお尋ねしたいと思います。

伊藤政府参考人 リユースはこの法律の対象としておりませんで、リユースにつきましては既存の仕組みの中でやっていただく、こういうことを考えておりますので、特にこの法律の中で、リユースの場合どうするのかということは想定はしておりません。

 リサイクルに回すといった場合につきましては、個人情報が漏れないように盗難防止対策、それから、認定事業者の方で必ずきちっと情報を消す、こういったことはしっかりやっていただくということを考えている次第でございます。

吉野委員 ちょっと今の答弁、それは苦しい答弁だと思います。

 認定事業者が収集して、ちゃんと携帯電話があって、分別収集してリユースに行くものといわゆる資源回収に行くものとあるわけなので、リユースについても、個人情報保護、ここはやはりきちんと図っていくべきだと思うんですけれども、再度お願いします。

伊藤政府参考人 失礼しました。

 携帯電話のリユースの場合、現状におきましても、業界団体の方で全部個人情報を消してからリユースに回す、こういった取り組みがなされております。

 本制度におきまして、認定事業者に渡されたものの中でリユースに回せるものがあれば、それは当然リユースに回すことも一つのルートになります。そういった場合につきましては、もちろんのことでありますけれども、個人情報については、全て消してからリユースに回すといったことを徹底してもらいたいというふうに考えておる次第でございます。

吉野委員 ちょっと私わからないんですけれども、先ほど大臣がおっしゃった、データを消してももっと専門家が調べれば出てくる、確かに、警察の捜査当局が入れば、誰と通話したというのが消したデータからも出ていますので、そこのデータも消せる技術が今リユースの場合あるのかどうかを知りたいんです。

伊藤政府参考人 現在、もう二度と再生できないような格好で情報を消す、そういったソフトもあって、そういったものを活用しながらリユースを行っている、こういうふうに聞いておるところでございます。

吉野委員 次は「地方公共団体の責務」、第五条であります。

 これを見ますと、まず、いわゆる引き渡す努力義務は、認定を受けた者ともう一人、適正に実施している者、二人に引き渡す努力目標があるんですけれども、基本的にこれは、認定事業者をつくって広域に収集してという形でつくった法律だと思うんですけれども、どうしてこの認定事業者に限るというふうにここを書かなかったのか、教えてください。

伊藤政府参考人 これは制度的に考えますと、地域によっては、その地域を対象とする認定事業者がいないということも法律的には想定されますので、そういった場合は引き渡すことができないということで、この責務規定では認定事業者だけに限っていない、こういうことでございます。

 そういった場合におきましても、認定業者じゃなくても、きちっとリサイクルや処分ができるような業者に引き渡していただく、そういったことは全体のリサイクルのために有効である、こういうふうに考えたことからこういった規定を置いた次第でございます。

吉野委員 そうすると、次の質問の区域ともかかわるんですけれども、区域の指定、県単位なのか町単位なのか、複数の県単位なのか、例えば東北地方、関東地方くらいのイメージでこの区域を捉えているのか。

 ですから、大きく捉えた場合、認定事業者がいないなんということが果たしてあり得るのか。誰も手を挙げませんでした、だからいませんでしたではなくて、ある意味で、このエリアは誰も手を挙げないから、あなたのところは立派なところだからという勧誘というか、お願いも私はすべきだと思うんですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。

伊藤政府参考人 この認定事業者は、できるだけ広範囲で効率的に回収をする、そういう規模の経済を働かせて、採算性を確保しつつ再資源化を行うことを目指しているということでございます。

 そこで、原則、複数都道府県にまたがる範囲でやっていただく、回収をしていただく、こういうことも考えておりますし、また、日本全国を対象とする事業者も、当然、出てくることも十分想定できるというふうに考えている次第でございます。

 したがいまして、結果的には、先ほど私が申し上げましたように、その地域を対象とする認定事業者がいないということにはならないのではないだろうかなというふうには考えておりますが、これは、今後どういった格好で認定事業者の申請が上がってくるのかということにもよりますので、断定はできませんですけれども、基本的にはカバーしていくのではないだろうかというふうに考えている次第でございます。

吉野委員 例えば、今、田中筆頭のいる神奈川県もエリアは狭いんです。狭いけれども、莫大な人口があって、資源回収も多分いっぱい出てくると思います。では、神奈川県と隣の県、二つだけ組めばエリアとなって、狭いエリアで集中的に回収できるわけですから、ある意味では十分に採算ライン、ほかの地域はやる必要ないので、そんなことも複数県というとできるわけなんですよね。

 だからその辺は、本当に二県さえあればいいのかというところはどうなんでしょうか。

伊藤政府参考人 そういった具体的な点につきましては、今後、関係者あるいは審議会等の場でいろいろ御議論いただいて判断をしていきたい、こういうふうに考えております。

吉野委員 この法律は広域収集なので、いわゆる東北ブロック、関東ブロックというこのくらいの大きなエリアでやはり考えるべきであって、そして、認定事業者も複数置いて競争原理を働かせるべきだというふうに思います。認定事業者が一社しかいないと、どうしてもこれは独占がございますので、エリアを大きくとって、複数事業者、競争原理の働く事業者をとるように役所の方でも心がけていただきたいと思います。

 私もいろいろな条文を読んでいたんですけれども、これはさっぱりわかりませんでした。それは第十条二項の六番、「使用済小型電子機器等の収集、運搬又は処分を行う者及びその者が行う収集、運搬又は処分の別」、これで終わっているんです。何が何だかさっぱり私わからないんですけれども、法律用語だから仕方がないといえば仕方がないんでしょうけれども、特に「処分の別」、これでもう終わっているんですけれども、これはどういうことを言っているのか、まず御説明願いたいと思います。

伊藤政府参考人 この点につきましては、使用済み小型電子機器の収集、運搬または処分を行う委託先を含めた全ての者につきまして、それぞれの者の氏名、住所等の情報、そして、その者が行う処理の区分、すなわち、収集を行うのか運搬を行うのか処分を行うのか、そういったことについてリスト化をする、こういう趣旨でございます。

 いずれにしても、申請書の様式については、きちっと役所の方でつくってお示しして、混乱が生じないようにしていきたいというふうに考えております。

吉野委員 法律用語ですから仕方がないと思いますけれども、国民がきちんとわかる形でお願いしたいと思います。

 時間もありませんので、最後にします。十四条、振興財団による債務保証です。

 債務保証することができると言われています。また、研究開発では、助成金の交付対象となっているという形で言われていますけれども、中身はどうなんでしょうか。例えば、十億円借りたいと言えば十億円債務保証をしてくれるのかどうか、一千万の研究をしたいと言えば一千万の研究費が来るのかどうか。その辺の基準、教えていただきたいと思います。

伊藤政府参考人 この法案では、産業廃棄物処理事業振興財団が行うことができる事業として、認定事業者等が認定計画に従って行う使用済み小型電子機器等、これは、産廃事業団の性質上、産廃ということになりますけれども、それの再資源化施設整備に必要な資金の借り入れに係る債務保証、それから、認定事業者等が認定計画に従って行う研究開発に必要な資金に充てるための助成金の交付が掲げられております。

 具体的な債務保証及び助成金の内容は、保証金の金額につきましては原則百万円以上五百万円以内、保証料は年三%以内、保証期間は十年以内、技術開発につきましては、最高が五百万円、高度技術施設が最高五百万円、起業化調査が最高五十万円の予定でございます。

 それから、その助成につきます補助率でございますけれども、技術開発に係る助成につきましては、事業に要する費用の三分の二以内、金額は最高五百万円というふうになっているところでございます。

吉野委員 この法律がうまくいくかどうかは、市町村のやる気だと思います。そういう意味で、国は、市町村に対してある意味で財政的支援までしてこのシステムを動かすべきだと思うんですけれども、最後に大臣の御見解を伺って質問を終わらせていただきます。

細野国務大臣 御指摘のとおりだと思います。これは、やはり自治体がやる気になっていただかなければ動きません。そういった意味で、本当にできるかということも事務方と随分やりとりしましたけれども、やる気になってくださっている自治体が非常に多いということを聞いております。

 したがって、それがしっかりと前に進むように、政府として責任を持ってバックアップをしてまいりたいと考えております。

吉野委員 ありがとうございます。

生方委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

生方委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。横山北斗君。

横山委員 まず、使用済み小型電子機器、我が国で年間どれだけ発生し、どのような形で処理されているのかについて教えてください。

伊藤政府参考人 環境省では、関連の公表資料やアンケート調査等から、我が国における年間の使用済み小型電子機器等の排出量は約六十五万トンと推計しているところでございます。このうち、事業所から排出されるものは一割未満であり、それ以外の使用済み小型電子機器等は、一般家庭から排出されているというふうに考えております。

 排出された使用済み小型電子機器等の中には、そのまま再使用されるものもございますが、それ以外は、市町村により廃棄物として処理されるケースが多い状況でございます。

 市町村では、破砕、焼却等の中間処理をした後、最終処分場への埋め立てを行っております。その過程で、約六七%の市町村が鉄を、約五三%の市町村がアルミニウムを回収しておりますが、金、銅、レアメタルといった有用金属のほとんどは、回収されることなく埋め立てられている状況にございます。

横山委員 それでは、この法案で、国、自治体、消費者、小売業者、製造業者のそれぞれの役割について教えてください。

伊藤政府参考人 本法案における関係者の役割分担については、次のとおり規定されております。

 国は、使用済み小型電子機器等の分別収集及びその再資源化を促進するために必要な資金の確保、研究開発の推進、教育活動、広報活動を行うこと等により、全国的に再資源化を促進するための環境整備に努める。

 市町村は、使用済み小型電子機器等の分別収集を行い、当該分別収集をして得られたものを認定事業者に引き渡すよう努める。また、都道府県は、市町村の責務が十分に果たされるよう協力する。

 消費者は、使用済み小型電子機器等を分別して排出し、市町村や協力小売店に引き渡すよう努める。

 また、小売業者は、消費者による使用済み小型電子機器等の適正な排出を確保するために協力をする。

 小型電子機器等の製造業者は、設計や部品または原材料の種類を工夫することにより再資源化費用を低減するとともに、再資源化により得られたものの利用により再資源化の促進に努める。

 このような役割分担を前提として回収された使用済み小型電子機器等の再資源化については、国の認定を受けた認定事業者に対し廃棄物処理法の特例措置を講じることによりまして適正なリサイクルを進める、こういう構造になってございます。

横山委員 それでは、使用済み小型電子機器を回収するのは、主に市町村が役割を担うと。ほかに回収の主体となるところはどんなところがあるのでしょうか。

伊藤政府参考人 市町村は一般廃棄物の処理責任を有しており、小型電子機器等が一般廃棄物として収集、処理されていることから、まずは、市町村が分別収集に積極的に取り組んでいただくことが重要だと考えております。

 一方、消費者の利便性の観点からは、多様な収集ルートを確保することが望ましいことから、小売店にも積極的に使用済み小型電子機器の回収に協力をしていただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

横山委員 そうすると、この制度は、大量にある使用済み小型電子機器、日本じゅうどこまで隅々回収できるかということにかかっていると思いますけれども、市町村はこの法律にどれぐらい現状前向きなのかどうか。

伊藤政府参考人 環境省では、昨年の十二月に市町村に対して、使用済み小型電子機器等の回収についての参加意欲について確認をいたしました。その結果、市町村数では約四九%、人口ベースでは約六四%をカバーする市町村から前向きな回答をいただいているところでございます。

 国といたしましても、積極的に市町村が使用済み小型電子機器等の回収に参加できるよう、初期段階で発生する費用に対する支援を行うとともに、経常的に発生する費用についても支援が行えるよう関係機関と調整を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。

横山委員 この法律ができた後に、回収してそれを業者に売るなどして、市町村がこの法律を使って、それが市町村の財源となっていくようなそういう仕組みというのはございますか。

伊藤政府参考人 現在でも、市町村がこういった小型電子機器等を収集して質のいいものをたくさん集めることによって、個別のリサイクル業者に売却をする、こういったことも行われている例がございます。

 また、この制度に基づきまして、市町村が小型電子電気機器等を収集して認定事業者に引き渡すということにこの制度ではなるわけでございますけれども、その際、引き渡す際にお金のやりとりがどうなるのかということで、これは三通りケースがあると思います。

 最初に、今先生が御指摘のように、非常に質がいいものなので認定業者に売る、こういうことで市町村が利益を得るという場合が考えられます。一方、余り質のいいものが集まらなかった、あるいは量的にも必ずしも効率がいい程度に集まらないといったような場合には、市町村の方から処理費用も認定事業者にお渡しする、そういったケースもあり得ると思います。第三のケースは、無料で引き取っていただく。

 こういうふうな三通りのケースがあると思いますが、ぜひ、市町村には、さまざまな工夫をした取り組みを創意工夫を持って取り組んでいただいて、その地域の実情に合った取り組みをしていただくことによって、資金をさらに得るようなそういった取り組みをしていただきたい、環境省としてもそのためのいろいろなバックアップをしてまいりたい、こういうふうに考えております。

横山委員 この法案が成立するのに先駆けて、今現在、小型電気電子機器リサイクルシステム構築社会実験事業というものがこの四月からスタートしています。

 私の住んでおります青森県では、鶴田町というところが唯一この事業認定を受けまして、そもそもこの認定を受けた理由というのが、この鶴田町というところの最終処分場がもう限界に近づいている、ですから、少しでもごみを減らさなければいけないという中で事業を申請して、国に認められたと。

 地元の新聞記事によれば、百三十カ所の収集場所に出されたこういうごみ、ラジカセとか扇風機とかビデオデッキ等々を収集業者が解体し、金、銀、プラスチック、金属が含まれるものに仕分けする。それを、中間処理施設を経て、最終的には秋田県の小坂町に持っていって回収するという仕組みになっていて、年間十トンぐらいのごみがこれによって処理されるということで、最終処分にかかる費用、最終処分地がそれだけ埋まらなくて済むとか、そういうメリットがあって、しかも、もちろんこれは事業認定されているわけですから、その回収費用を全て国が出してくれているということで、今、自治体としては非常に助かっているということと、もう一つは、この事業が始まって四カ月たつ中で、非常にうまくいっているというか、特段何か問題が起きているということもないということを聞いておるんですけれども、この事業は、来年四月に法案が始まるまでは、一年間はもちろんこのまま継続してやっていけるということなんでしょうか。ちょっとお伺いいたします。

伊藤政府参考人 環境省では、効率的、効果的な小型電子機器等のリサイクルシステムの構築を図る、こういうことを目的といたしまして、自治体の御協力を得て、回収方法や適正処理の方法改善に向けた検討を行うための実証事業を行っております。この実証事業の対象として、今御指摘の事業も行われている、こういうことでございます。

 この事業の実証期間につきましては、一応、来年三月末までということになってございます。したがいまして、それまでは引き続き本事業を継続していってもらいたいというふうに考えているという次第でございます。

 なお、法案が成立すれば、切りのいいところで来年の四月一日から法案に基づく制度をスタートさせたい、こういうふうに事務的には考えているわけでございますが、その際には、ぜひ本制度に御参加をいただきまして、これまでの貴重な経験を生かしていただいて、使用済み小型電子機器の再資源化の事業にぜひとも積極的に取り組んでいただければと、こういうふうに考えている次第でございます。

横山委員 そうしますと、この実験事業は、現在は、回収費用は全部国が負担しておりますので貴金属の売却益などはこの鶴田町には入ってきていないという状態ですけれども、この法律が成立して来年四月から始めた後は、先ほどちらっとお聞きしたような方法で売却益が鶴田町に入ることになるわけでしょうか。その点を教えてください。

伊藤政府参考人 今の実証事業につきましては、売却益につきましては、さらにまた実証事業の原資として使わせていただいているわけでございます。

 この法律案が施行されましたら、市町村は認定事業者の間で使用済み小型電子機器等の引き渡しについての契約を結ぶ、こういうことができるというふうになるわけでございます。

 その場合に、先ほど申しましたとおり、その契約というのは三通りあるというふうに思われます。品目の種類あるいは量といったこと、条件次第で市町村が使用済みの小型電子機器等を有価で認定事業者に売却できる場合、こういったことも大いにあり得る、こういうふうに考えている次第でございます。

横山委員 今のところ、青森県鶴田町で先行事業、実験事業を実施しているところは、将来的な希望としては、こういう貴金属から得た売却益をごみの収集費用の一部に充てるということを期待しているというようなことなんですけれども、本来、そういうことを超えて、町にとっての新しいビジネスになるような、地域には仕事等がなくて、とりわけそういうものが期待されると思うんです。

 それと同時に、この鶴田に限らず、今、全国六四%ぐらいが賛同しているということなんですけれども、回収の方の費用が貴金属の売却益を上回るようであれば、この法律では義務化されていないにしても、ごみ収集、集める義務があるとはいっても、なかなか広がりを見せないんじゃないかと思うんですね。

 そういう点で、先ほど、回収ボックスを設置する以外にも、さまざまな負担を国がして下支えさせていくというような御答弁でしたけれども、改めて、先に実験事業に手を挙げている先進的な自治体が、きちんとこの法案に基づいて、認定事業者に貴重な金属を集めて、売って、それが地域経済の活性化につながるような方向性を見出せるのかどうか、そういう希望のある法律なのかどうか、その点をお聞かせ願えればと思います。

伊藤政府参考人 小型電子電気機器等の一般廃棄物につきましては、もともと市町村がその処理責任を有しているということでございますから、分別収集というところについては、まずは、市町村の責任でその市町村の負担のもとでやっていただくというのが基本原則だろうというふうに考えております。

 ただ、この集めたものにつきましては、先ほども申し上げたとおり、場合によっては売却をすることができるということでございます。それも、質によっては、いろいろ契約でございますから一義的には申し上げられませんけれども、場合によっては相当程度の収益を上げることも可能であろうというふうに考えます。その収益については、当然のことながら、一般廃棄物の収集のために使っていただくという道も十分あり得るだろう、こういうふうに考えている次第でございます。

 一方、こういった分別収集をするということになりますと、通常の、一括して収集するよりは若干の追加的な費用が市町村にかかる、こういったことも事実でございます。このため、市町村の分別収集にかかる負担を軽減するために、国としても、市町村の取り組みを促進するための支援をしっかり講じていきたい、こういうふうに考えております。

 具体的には、住民への普及啓発あるいは回収ボックス等の購入など、制度に参加する初期の段階で発生する費用に対する支援を行っております。また、経常的に発生する費用につきましても、支援を行えるよう関係機関と調整をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

 一方、リサイクルが進めば、最終処分量の削減などさまざまな、先ほど先生から御指摘いただきましたけれども、そういったさまざまな面で効果が期待できますし、また、薬剤の処理費などの維持管理費が要らなくなった、そういったことでそういった費用が大きく削減できた、こういったケースもございます。そういった面でも市町村にメリットがあるわけでございます。

 いずれにしましても、こういった取り組みを進めることで市町村の財政状況にも好影響を与え、また、地域の環境産業の活性化による発展ということにもこの法案によってつなげていくことができればいいなと思っておりまして、ぜひ、そういった方向で環境省としても強力に施策を推進していきたいというふうに考えております。

横山委員 すばらしい御答弁をありがとうございました。大臣、副大臣、政務官も応援してください。

 それで、その上でちょっとお聞きしたいんですけれども、きちんと今後こういうものがビジネスとして成り立つということになったときに、必ず地方にあるのは、大都市の大企業がぱあんと進出してくるわけですね、郊外に。ちょっと名前は言いがたいですけれども。それで地元のシャッター街ができていくわけですよ。

 そういう大都市の大企業が利益を独占するような懸念がありますから、この法律がスタートしてリサイクル事業が軌道に乗る過程で、地方の会社がきちんと利益を確保できるようなそういう仕組みづくりもお願いしたいんですけれども、その点いかがでしょうか。

細野国務大臣 ぜひ御指摘のような仕組みをつくりたいというふうに思います。

 まず、認定制度に、しっかりと地域に根差した業者の皆さんが手を挙げていただいて直接やっていただくというのが恐らく一番いい方法だろうというふうに思いますので、それこそ、市町村でいろいろなことをやるときもそういう地元の業者との連携もしながら進めていただくというのが、これがいいことではないかと思っております。

 また、確かに、恐らく大企業も参入してくると思います。全国的な展開をするところも出てくると思いますので、それはそれでしっかりやっていただくということだと思いますが、認定を受けた大企業からの委託を受けてそのもとで事業に参入するという方法も、これも開かれておりまして、さまざまな形での地域の事業のビジネスチャンスが広がるようなサポートをしてまいりたいというふうに思っております。

 実際にやっていきますといろいろな問題が多分出てくるんだろうと思います。その中で地域に根差した業者の有効活用を図るなど、安定的かつ効率的なリサイクルシステムの構築に資するどういった政策が必要なのか、そこは、いろいろな皆さんから知恵をかしていただきながらやってまいりたいと思います。

 結果として、地方の経済がこれで活性化することが何よりもでございますので、全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

横山委員 そういうことをきちんとお考えくださって、どうもありがとうございます。

 大企業の下請に入るんじゃなくて、できれば、大企業を規制する方を中心にやっていただきたいなと思います。

 そうしますと、実際、環境省も大臣も、これ自体は非常に大変なビジネスになり得るというふうにお考えだと思いますが、そうすると、国内の市場だけではなく、海外にも目を向ける必要性が出てくる。今回、この法律が国内での循環に限ったものになっていると思いますが、そのようにした背景、背景といいますか、そうした理由というのはどこにあったのでしょうか。

伊藤政府参考人 本法案は、現在、国内において使用済みの電子機器等がリサイクルされずに埋め立てられている、こういう現状があるということですので、これについてのリサイクル制度を構築するということで提出いたしました。我が国の高いリサイクル技術を活用して、まずは国内において適切にリサイクルできる体制を整える、こういうことが大切だろうということで、まずは国内においての仕組みを提案した次第でございます。

 一方、御指摘のとおり、海外でも多くの使用済み電子機器等が発生しているため、それらを日本企業が積極的に処理していくことでビジネスチャンスが拡大するということが考えられます。

 今後、海外で発生した使用済み電子機器の電子基板等を我が国の対応能力の範囲内で輸入してリサイクルを行う、こういったことなど、海外も視野に入れた取り組みをぜひ検討し実施してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

横山委員 外国からそういうものを受け入れるとかいうことを言ってみても、国内の体制が整っていなければいけないわけで、まずは国内の体制を整えることに主眼を置いたということで理解いたします。

 しかし、実際には環境省の方が、前々から日本のすぐれたリサイクル技術を生かしてやっていきたいということで、高山先生も、外国に行かれてその点をやってこられたと思います。

 そうしますと、いずれ外国から、アジア全体でのリサイクルを検討するというようなことにもなってこようかと思いますけれども、そういう点についてのロードマップみたいなものはございますでしょうか。

高山大臣政務官 横山先生、ありがとうございます。

 先生おっしゃるとおり、日本ほど徹底したリサイクルをやり、それを資源にして財産としてまた再利用しているという国はなかなか珍しいんです。こういった技術ですけれども、途上国における廃棄物の適正処理の確保ですとか、あるいは国際的な循環型社会をリードしていくということが日本には求められているわけなんです。

 廃棄物処理やリサイクルにおいて先進的な技術を有しておりますこの日本の、静脈産業という言い方をしておりますけれども、これの海外展開を促進するために、環境省では平成二十三年から、日系静脈メジャーの育成・海外展開促進事業というのを実施しております。

 具体的には、我が国のこの静脈産業が、アジア各国で地域と連携したリサイクル事業や、海外で発生した使用済みの電子機器の基板などを我が国に輸入をしてリサイクルする事業の実現可能性調査に対する支援を行っております。

 ですから、これは我が国に持って帰ってきてまたそこでリサイクルという話ですけれども、それに加えて、我が国のこの大きな技術がアジア全体に広まるように、海外に対して技術を売っていくということも努めてまいりたいと思っております。

横山委員 ロードマップと言われてもちょっとあれでしょうから、今の答弁で結構でございます。

 そうしますと、こういう新しい産業を育てるために、今回の法律にない部分はやはり附帯決議で賄っていただきたい、そういう点で委員長にこの点申し上げたいと思います。よろしいですね。

生方委員長 はい、わかりました。

横山委員 ではもう一回、法案の中身に質問を戻しますと、この回収方法、市町村にそのやり方を任せているということですけれども、こういう取り組みに積極的なところもあれば、そうでないところもあると思います。市町村に任せるということでうまくいきますでしょうか。

伊藤政府参考人 一般廃棄物の収集、処理という事業は、住民生活に密着した問題でありますことから、市町村において責任を持って実施する、こういうことにされておりまして、処理施設の整備状況や経済社会的な条件を踏まえつつ、それぞれの地域が地域にとって最適な処理の仕組みを構築してきている、こういう状況にございます。

 したがいまして、使用済みの小型電子機器等についても、一般廃棄物処理全体との整合性を考えつつ、市町村において回収方法あるいは回収対象とする品目を決定する必要があり、そのような地域の特性を生かした処理を進めていってもらうことで全体としても効率よく適切に回収できるのではないか、こういうふうに考えております。

 一方、国におきましては、この制度の基本的な方向性を定めまして、市町村がその基本的な方向を踏まえた上で、地域に合った形でこういった収集を実施していただく。こういうことで適切な回収が進むように国としても最大限努力をしていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

横山委員 午前中の質問にもあったかもしれませんが、もう一回ちょっと確認させていただきたいんですけれども、この法律に基づいて適切なリサイクルを行うためには、一定の基準が必要だと考えます。どういう有用金属を回収対象にするのか、改めてお聞かせ願えますでしょうか。

伊藤政府参考人 この法律に基づきましてどういったものを回収していくのかということにつきまして再資源化の基準を設けたいと考えておりますが、その中では、鉄、アルミニウムはもちろんのこと、金や銀といった貴金属、それから銅などのいわゆるベースメタル、これに加えまして、パラジウムあるいはアンチモンなどといった、他の有用金属の回収工程において同時に回収することが可能であるレアメタル、こういったものも含めて、今後、この再資源化基準の中で、回収することが望ましい、あるいは回収しなければならない有用金属の種類を定めていきたい、こういうふうに考えております。

 なお、それ以外のレアメタルやレアアースにつきましては、現在の分離回収技術では事業としての回収は経済的に困難と考えておりますが、今後、技術開発等の促進を図りまして、その進捗に応じて再資源化の基準も今後柔軟に見直していき、一日も早く回収ができるようにしていきたい、こういうふうに考えております。

横山委員 では関連で、家庭から出るものは一般廃棄物、事業所から出るものは産業廃棄物、こういうものが混合されて出てきた場合の指導監督の体制について教えてください。

伊藤政府参考人 廃棄物処理法に基づきまして、一般廃棄物あるいはその疑いがあるものを処理する者に対しては、市町村長が指導監督を行う、こういうことになっております。

 一方、産業廃棄物またはその疑いがあるものを処理している者に対しては、都道府県知事が指導監督を行う、こういうことになっております。

 他方、国は、本法案に基づく再資源化事業計画の適正な実施という観点から、認定事業者及びその委託を受けた者を指導監督することとなっております。

 したがいまして、現実には、市町村、都道府県そして国が協力いたしまして、本法に基づくリサイクルが適切に行われ、また、環境汚染が生じないかといったことについても適切に指導監督を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。

横山委員 では、最後の質問です。

 この法律、私は、その地域のビジネスチャンス、とりわけ地方経済活性化というような観点からずっと話をしてきました。

 しかし、現実にはやはり、地域の住民が、そして小売業者がみんなで協力し合って、そういうごみを減らす、リサイクルをやっていくんだという部分が主眼だと思うんですね。

 そうやって考えたときに、このリサイクルされていることが消費者にわかる仕組みができているのかどうか、この点、最後にお尋ねしたいと思います。

伊藤政府参考人 使用済み小型電子機器等がきちんとリサイクルされているということが消費者にわかる仕組みをつくっていくということは、これは、消費者が安心してリサイクルに協力していくということにつながるということのみならず、認定事業者が透明性を高めつつリサイクルを行っていく、こういった観点からも非常に重要なことではないだろうかというふうに考えております。

 このため、国は、認定事業者に年間の処理実績等の報告を求め、その結果を当然公表するということを予定してございます。

 また、市町村と認定事業者との契約において、市町村が認定事業者の処理実績の報告を求めることができる、それから、再資源化処理の状況を市町村みずから確認することができることなどを盛り込みますことによって、市町村が認定事業者の処理状況を把握した上で消費者に公表することも可能でございます。

 このようなさまざまな工夫を行うことによって、適切なリサイクルが行われていることが消費者にわかるような、そういった仕組みづくりを行っていきたいと考えております。

横山委員 以上です。ありがとうございました。

生方委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、使用済み小型電子機器等リサイクル法案の質問をさせていただきます。

 我が国は資源小国でございます。有用金属、これは、ベースメタル、また貴金属、そしてレアメタルが含まれるこの使用済み製品は、循環資源として有効活用が非常に期待されているところでございます。

 一年間で使用済みとなる、携帯電話やデジタルカメラを初めとする小型電子機器に含まれる有用金属、これは重量にすれば二十七・九万トン、また、その価値は八百四十四億円に相当するというふうに言われているところでございます。

 このレアメタルについてですけれども、これは、液晶テレビ、また、携帯電話等々のIT製品、そして、自動車を初めとする高付加価値、高機能製品の製造に必須の素材でございます。今後の普及が期待されるのが、ハイブリッド自動車のモーター、また蓄電池、そして太陽光パネル等の新エネルギー分野、高効率照明等の省エネルギー分野、さらには、燃料電池用の触媒等の環境対策分野でのレアメタルの需要の拡大というのは、大変に重要であり、これからも大きな拡大が見込まれるところでございます。

 その安定供給、安定確保というのが大変重要でございまして、我が国はそのほとんどを輸入に頼っている、そういうような面からも、国際競争力の推進強化の観点からも、これは極めて重要となってきております。

 大臣は、世界一の金の鉱山はどこかおわかりでしょうか。金の含有量で世界一は。これは九州鹿児島の菱刈鉱山でございます。その含有量は一トン当たり四十グラム、これが世界一。しかし、そのほかに世界一が我が国にあるわけでございまして、それはこの都市鉱山であります。

 使用済み携帯電話や液晶テレビ等々この資材には、実は一トン当たり三百グラム、世界一の鉱山と比べて実に十倍近くの金の含有量を誇るのがその都市鉱山でございます。

 この都市鉱山に眠るこういう使用済み携帯電話等この有効利用、これは大変重要であるわけでございますけれども、こうした小型電子機器につきましては、リサイクルにかかわる特別な法制度はありません。家電四品目については家電リサイクル法があるわけでありますけれども、これについてはない。使用済み機器は、リサイクルされずに、そのために最終処分されているのが実態であり、また、海外に多くが流出して不適正に処理が行われて、環境保全、健康上の問題を引き起こしている事例もあるわけでございます。

 こうしたことから、この小型電子機器等について、循環型社会をさらに進めていくという観点から、また、静脈産業の育成、そして、国内での資源循環が図られることで、海外に流出した後の不適正処理にも環境汚染等の未然防止にも期待される、そういうようなことから本法律案が今提案されて、新しい制度をつくろうというわけでございます。私は、基本的にこの法案においては賛成でございます。

 この法案について、それが実効性あるものになるために、幾つか質問を本日はさせていただきたいと思っております。

 まず、市町村への支援、これを強化すべきだということでございます。

 本法案に基づくリサイクルでは、多くの使用済み小型電子機器等を回収することで、この静脈物流や中間処理において規模の経済を働かせることが鍵となりますので、多くの量を回収するためには、第一に、それは多くの市町村が本制度に参加することが必要となるわけであります。

 一方で、この法案では、市町村がこの制度へ参加するか否かは自由に判断することになっていますので、本法案で市町村が担う主な役割は分別収集でありますけれども、こういう分別収集に伴う負担の増加、これが予想されますし、また、これを理由に参加をちゅうちょする市町村もあります。先ほどのアンケート調査では、フィフティー・フィフティーだった、参加を希望する市町村とまだ積極的でない市町村、これが半々だったと言われます。

 以上を踏まえれば、多くの市町村が本制度に参加するためには、国は負担の多い市町村に対してこれは十分な支援を行っていくべきだと思いますが、大臣いかがでしょうか。

細野国務大臣 今、江田議員が御指摘をされたとおり、この制度で一番鍵を握るのは市町村の動きということでございます。非常に多くの自治体が関心を持ってくださっていますけれども、それをしっかりと促進をしていくための国としての支援を充実をさせていかなければならないと思っております。

 特に初期の段階での費用というのが、これがまず問題になる可能性がありますので、住民への普及啓発であるとか、さらには回収ボックスなどの購入について支援を行うこととしております。また、使用済み小型電子機器等に含まれる金属資源に関する情報であるとか、どうやって効率的に回収をしていくか、その方法などのガイドラインなどについてもお示しをしたいというふうに思っております。

 長期的に見ますと、その動きが加速することによって、それぞれの市町村がきちっとそこからそれなりのコストを回収できるのが一番望ましいわけですが、なかなかそううまくいくとは限らない部分もありますので、できましたら、経常的に発生する費用についても何らかの形で支援を行えるような仕組みができないかどうか、各省としっかりと調整をしてまいりたいと考えております。

江田(康)委員 市町村への支援については特にお願いをいたします。

 今おっしゃいましたように、初期投資がさまざまな形で、専用回収ボックスの製作から設置費用等、またランニングコスト、これは人件費からさまざまございます。リサイクル、効率的な回収方法の研究等々においても、また仕組みの確立等においても多大なこれは費用がかかるわけでありまして、ちゅうちょする市町村が安心してこの制度に参加できるように、これに対して政府、しっかりと支援を図っていただきたいと申し上げておきたいと思います。

 次でございますけれども、まず、回収の主体についてお聞かせいただきたいと思うんです。

 この小型電子機器等の回収は制度の根幹となる部分でありますが、消費者が使用済み小型電子機器等を排出しやすくなれば、より多くの小型電子機器、小型家電を回収することができるようになって、効果的なこれはリサイクルとなってくる。複数の排出先が存在することは消費者の利便性を高める。一方で、回収についてはある程度役割分担を明確化しておかなければ、これは責任の所在が不明確になって、役割の押しつけ合いになって、確実な排出先さえ整備できない可能性もあるわけだと思います。

 そこで、この小型電子機器等の回収は、市町村が担うわけでございますけれども、一方で小売店もこれは担うことになるかと思いますが、いかがですか。また、小売店がこの回収を行うのであれば、今度は小売店に回収を押しつける市町村が出てくるのではないかと、こういうことも心配されますが、いかがでしょうか。

高山大臣政務官 江田委員にお答えをいたします。

 まず、使用済みの小型電子機器の多くは、やはり一般廃棄物として住民から廃棄されることが今までもそうでしたので、市町村による回収が主となるべきというふうに考えております。ですので、市町村においては、今委員御指摘のとおり、参加しやすいような制度ももちろん整える必要もありますが、市町村において、一般廃棄物の処理を担う立場から、積極的にこの使用済み小型電子機器の回収に協力してもらいたいと思っております。

 なお、その市町村による回収に加えて、住民にとっての排出のしやすさということから、補完する立場として小売店による回収も積極的に行っていただきたい、このように考えております。

江田(康)委員 次に重要になってくるのは、回収目標をどこに置いておかれるかということでございます。

 この法案に基づくリサイクルでは、多くの使用済み小型電子機器等を回収することで、静脈物流や中間処理において規模の経済を働かせることが鍵となります。多くの市町村での参加が重要なポイントになってまいります。

 そこで、各市町村においてどれだけの割合で回収できるかが重要な要素となるでしょう。環境省がこれまで実施してきたモデル事業において、実施市町村によって回収率がさまざまであったことを聞いております。市町村のやり方次第でこの回収率は上がる可能性もある。また、そもそもどれだけの量をリサイクルに回したかは、本制度の実効性を図る上でその尺度になるものであるかと思います。

 そこで、この使用済み小型電子機器等の回収目標率をどの程度に置かれておるのか、大臣に伺います。

細野国務大臣 回収率が採算性に非常に影響を及ぼしますし、そもそも資源の回収というのが目的ですから、これは高いにこしたことがないというふうに思っております。

 当面の一つの目標とする数字でございますけれども、中央環境審議会の答申の中で、費用対効果の分析の結果を踏まえて、採算性を確保するということを考えますと、年間排出量の二〇%から三〇%以上ということを目指す必要があるのではないかというそういう答申をいただいておりますので、当面はこれが一つの目標になってこようかというふうに思います。

江田(康)委員 確かに、採算性を確保することが重要ですので、今おっしゃったのは、最低二〇から三〇%の回収ということだと思います。

 もう一方で重要になってくるのが、また、このリサイクル制度が実効性あるものになるかは、個人情報の保護であるかと思います。

 携帯電話、パソコン、これには重要な個人情報が個々に入っているわけでございまして、このパソコンや携帯電話、これが今回のリサイクル制度の対象品目になるというのは、また、なるべきだというのは思うわけでございますけれども、この個人情報の保護をどのようにしていくのか。

 もし個人情報の漏えいが生じた場合には、制度の根幹というか信頼性が失われるわけでありまして、消費者の皆さんが使用済み小型家電の排出をちゅうちょするようになってしまえば、これはもう制度自体が破綻する。

 そこで、この個人情報の保護について、市町村が回収を行う際など、どのような対策を想定しているのか、また、国は何をしていくのか、これについて政務官にお伺いをいたします。

高山大臣政務官 江田委員御指摘のとおり、こちらの個人情報の保護がきちんと図られるということが、実際に一般の方から小型情報機器を出していただく大前提となると思っております。ですので、我々も、この個人情報保護を徹底して図ってまいりたいという立場で現在準備をしております。

 個人情報保護のポイントにつきましては、収集のときでは、やはり、盗難防止を前提とした適正処理の確保を考えております。自治体及び小売店による回収の際の盗難対策のあり方や、認定事業者による保管時の盗難対策、また、これを処理していく際の個人情報の適切な消去の義務づけ、これを中心に検討を進めてまいっております。

 そしてまた、この認定事業者が適切に個人情報保護対策を講じなかった場合には、認定の取り消しも行うなど、厳しい姿勢で臨んでまいりたいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、この制度の本当に根幹にかかわる部分ですので、周知徹底を徹底していきたいと思っております。

江田(康)委員 ぜひともこの個人情報の保護については、政府挙げて、万全を期して準備をしていっていただきたいと思います。

 次に、携帯電話のモバイルネットワークとの関係について、また政務官にお聞きしたいと思います。

 携帯電話は、これは資源価値が非常に高い。今おっしゃいましたように、個人情報保護に配慮をしながらしっかりリサイクルを行うべきだと考えますが、携帯電話は、既にモバイル・リサイクル・ネットワークという、携帯電話事業者がやっておられる、メーカーにおいてもやられている、自主的なリサイクルの取り組みが進められておるわけですね。

 このモバイル・リサイクル・ネットワークは、平成十三年以降に継続してリサイクルに取り組んでいるわけでございますが、平成二十三年度では六百九十七万台を回収した実績があると聞いております。このようなメーカー等による自主的なリサイクルの取り組みは評価すべきもので、より一層の推進は望まれると思うんですね。

 このような状況を踏まえれば、当然、携帯電話は本制度の対象品目となるべきものでございますけれども、モバイル・リサイクル・ネットワークとのこの整理についてはどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。

高山大臣政務官 江田委員御指摘のとおり、携帯電話が今回の小型家電の中でも実際に一番重要な位置を占めているというふうに思っております。また、個人情報も非常に含まれていることから、実際に、既にこのモバイル・リサイクル・ネットワークということで先行して自主的な取り組みでリサイクルが実施されておりまして、現在、二六%の回収率ということを伺っております。

 今回、国で始めます小型家電の場合に、九十六の品目の中に当然携帯電話も入っているわけですけれども、これから政令指定をして実際に小型家電の回収を進めていくときに、携帯電話のリサイクルについては、携帯電話事業者によります自主的な取り組み、このモバイル・リサイクル・ネットワーク、これは尊重しつつも、排出者の一般の方の利便性も考えて、個人情報保護に万全を期すということをやりながら、ぜひ政令指定をしてまいりたいというふうに思っております。

江田(康)委員 今申されたように、この制度が成功していくかどうかというのは、先ほどから申し上げている個人情報の保護というのを、これを大前提にしてのことだと思います。

 そういう意味で、それを踏まえた上で、今現在行われているこの自主的な取り組みも、補完的なものとして、しかしやはり主体的には、中心的には、本制度に基づくリサイクルが進むようにしていく、併存も可能であるということでしっかりと進められるものだということを今御確認をさせていただきました。

 次の質問でございますけれども、海外流出の防止についてということでお伺いをさせていただきます。これは大臣にお伺いをさせていただきたいと思うわけでございます。

 現状として、多くの使用済み小型電子機器がリサイクル目的で脱法的に海外に輸出されていると言われております。我が国で発生した廃棄物や有害物を他国に押しつけるということであれば、国際問題へも発展するわけでありまして、これはゆゆしきことでございます。

 さらには、こういった海外流出により国内でリサイクルされる量が減ると、期待する規模の経済が働かなくなり、小型電子機器等のリサイクルシステムが機能しない可能性もあります。このような問題は、ペットボトルのリサイクルでは現に起きていると聞いております。

 以上を踏まえて、国内で使用済み小型電子機器等のリサイクルを進めるためには、この海外流出をとめる必要があると思いますが、どのように対応されていくおつもりか、お伺いをさせていただきます。

細野国務大臣 使用済み電子機器が我が国から海外に輸出される場合には、その性状によりまして、廃棄物処理法やバーゼル法の規制が適用されることになります。脱法的な輸出が行われている疑いが依然としてあるという状況でございます。

 こうした状況を放置をいたしますと、海外での不適正な処理にもつながりかねませんし、それが環境破壊にもつながりかねない。さらには、国内の適切なリサイクルの実施にも支障を及ぼすというのは、今、江田委員が御指摘をされたとおりであります。

 このため、廃棄物処理法であるとかバーゼル法の適正な履行のための運用の強化にしっかりと取り組む必要があると考えております。引き続きまして、税関であるとか警察の関連部局とも連携をしながら、違法な海外輸出防止のための取り組みを強化をしてまいりたいと考えております。

江田(康)委員 それと関連するんですけれども、不用品回収業者対策についてさらにお聞かせいただきたいと思います。

 今、使用済み小型電子機器等が不用品回収業者に引き渡されて海外に輸出される場合も多いと言われております。廃棄物処理の秩序を守るためにも、本来、廃棄物は誰でも自由に扱っていいものではないわけでありまして、こうした違法な不用品回収業者のばっこは、海外の環境汚染につながる、また、国内における小型電子機器等のリサイクルシステムの発展を阻害するということが懸念されるところでございます。

 不用品回収業者による回収が横行しておれば、使用済み小型電子機器等の十分な回収量を見込めないために、認定事業者に手を挙げる者があらわれない可能性も出てくるのではないかと。

 これらを踏まえて、不用品回収業者が何でも無料と言って家庭から使用済み製品を回収しているけれども、この点について政府の考えをお聞かせいただきたいと思います。

細野国務大臣 御指摘のような不用品の回収業者につきましては、廃棄物処理法に基づく許可を受けている場合を除きますと、そのほとんどが廃棄物処理法に抵触をする違法業者ということになります。

 今でも、よく白いトラックなんかで声をかけながらやっている業者、たまに散見しますけれども、そうしたものは、違法なものについては、しっかりとこれはなくしていかなければならないというふうに思っております。

 特に、不用品の回収として違法になされたものの場合は、国内や海外において不適正に処理をされているケースが見られますので、そのことは厳しく我々も見ていかなければならないというふうに思っております。

 そうした問題意識を受けまして、本年の三月十九日に自治体向けの通知を発出をいたしました。その中では、市町村等による取り締まりの実効性が上がるように、使用済み家電製品が廃棄物に該当するか否かの判断基準を既にお示しをしたところであります。これを受けまして、既に自治体では取り締まり強化が進みつつございます。

 環境省といたしましては、引き続きまして、不法な不用品回収業者対策を強化をし、新しく始まるこの制度が実効性のあるものにしっかりとしてまいりたいと考えております。

江田(康)委員 今、大臣が申されたのは、これは家電四品目についての話だと思うわけでございますけれども、この家電リサイクル法は施行からもう十年、今回の通知も、この家電四品目にまずは特化したということでされたわけでございます。

 この法案が検討されるに当たって、使用済み小型電子機器等についての不用品回収業者対策が重要であるということを私は申し上げているわけでありまして、今後、この使用済み小型電子機器等について、家電四品目と同様に、具体的な基準を示すべきだ、このことについてお伺いをしたいと思うわけです。

 ただし、適正な対応をしているところと適正でない業者等については、やはり明確にこれは区別すべきであって、そういう意味でも、どのような基準をつくっていくのか、それについてお伺いをさせていただきたい。

    〔委員長退席、近藤(昭)委員長代理着席〕

伊藤政府参考人 使用済み家電四品目につきましては、先生御指摘のとおり、三月十九日に廃棄物の該当性に関する通知を発出いたしました。

 今後、小型電子機器等につきましても、廃棄物に該当するか否かの判断に関し、通知を発出していくことについて検討していきたいというふうに考えています。

江田(康)委員 この基準ですけれども、しっかりとしたものを通知していっていただきたいと思うわけでございます。

 次に、認定事業者はどんなイメージなのか、これは大臣にお伺いをさせていただきます。

 本法案の仕組みの中で重要な役割を担うのは、これは市町村と認定事業者であります。特にこの認定事業者は、自治体が回収した使用済み小型家電を運搬して、そして中間処理をして、その後、金属回収を行うという広範な役割を担っているわけで、どういった認定事業者が参画するのかが、本制度が順調に進むかどうかの鍵となる。

 そこで、そのような重要な役割を担う認定事業者となることをビジネスチャンスとして捉える既存の業者の皆さんがいっぱいいるわけでございますけれども、この認定事業者としてどのようなものを現時点で想定しているのか、お伺いをいたします。

細野国務大臣 この法案では、使用済み小型電子機器等のリサイクル事業を行おうとする者は、再資源化事業計画を作成をして国に申請を行うことができるとされております。この計画が認定基準を満たす場合には認定を受けられますので、認定事業者となることができるということであります。

 特定の業界を法律上限定をしているということではありませんので、認定基準を満たすということであれば、誰でも認定事業者になることは可能ということであります。

 具体的に言いますと、例えば、中間処理業者、非鉄製錬事業者、商社、メーカー、家電量販店など、小型電子機器等のリサイクルにかかわる事業者が想定をされるのではないかというふうに考えております。

 こうした幅広い業界の皆さんに参加をしていただくことは、これは好ましいことだというふうに思っておりますが、一方で、適正にしっかりとリサイクルをしていただくことが必要でありますので、その認定に当たっては、きちっとそれがなされるかどうかということを見きわめた上で取り組んでいく必要があると考えているところでございます。

江田(康)委員 さらに続いてお聞かせいただきますが、既存の中小企業者にもビジネスチャンスはあるかということでございます。

 現在、一般廃棄物、産業廃棄物にかかわらず、廃棄物処理やリサイクルに関連するさまざまな既存業者が存在しておられまして、新しいリサイクル制度である本法案に大変興味を持って、また、期待を持っておられます。しかし、認定事業者は中間処理から金属回収までという役割を担っているわけで、これは、資本力がないと、大企業でないと実質なれないのではないかと思われるわけでございます。

 大企業だけにビジネスチャンスが与えられるというだけではなくて、既存の中小の資源回収業者や廃棄物収集業者にも本制度のビジネスチャンスがこれは大いにあるべきではないかと思います。認定事業者からの委託も含めて、既存の中小の回収業者と、特に地域に根差したこれまでの回収業者とを積極的にこれは活用すべきであると申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

細野国務大臣 重要な御指摘だというふうに思います。

 先ほど御紹介をさせていただいたような形で、認定事業者となることが、できる限り、地元のさまざまな活動をしておられる事業者の皆さんにも開かれる形をとっていく必要があると考えております。

 特に、確かに、資本力があるところについては可能性が非常にあるということでありますけれども、別段、全部のプロセスにおいて自前の施設を持っている必要があるという制度にはなっておりませんので、そこは、ぜひさまざまな事業者の皆さんに手を挙げていただきたいというふうに思っております。

 また、先ほど江田委員が御指摘をされたとおり、認定事業者から委託を受ける方式もございますので、そこに中小の資源回収業者の皆さんに参加をしていただくということが考えられます。また、廃棄物処理法に基づきまして、自治体から委託を受けて参加をするという方式も、これも可能になっております。

 いずれの方式も、これは大企業に限定をしたものではありませんので、柔軟な参加は可能となっておりますので、ぜひ中小企業の方々に、ビジネスチャンスと捉えて参入をしていただきたいというふうに考えております。

    〔近藤(昭)委員長代理退席、委員長着席〕

江田(康)委員 今、大臣からも明確に答弁がございました。地域経済の活性化にもこれは大変重要なものでございますので、地域に根差したそういう中小事業者の皆さん方が積極的に活用されるように、強く申し上げておきたいと思います。

 次でございますが、未参加の市町村についてお伺いをさせていただきます。

 この法律は、ほかのリサイクル制度とは違って、各関係者の協力のもとで、その地域に合ったさまざまな手法を取り入れながらリサイクルを実施していく、促進型の制度となっていると聞きます。そのため、市町村が本制度に参加するか否か、これは市町村が自由に判断できることとしておりまして、この法律に基づいた分別収集を行わない可能性もありますね。そのようなことがあると、全国でこれは不参加の地域もできてしまうことになります。

 例えば、隣の市町村ではこの小型電子機器等のリサイクルを実施しているけれども、自分が住んでいる市町村はこの小型電子機器等のリサイクルに取り組んでいない、こういった場合、このような状況が好ましいのか、また、どのように対応を進めていかれるのか、お伺いをいたします。

高山大臣政務官 江田委員御指摘のとおり、この制度は促進型の制度でございまして、先ほどのあのアンケートでも、市町村数では四九%、人口カバー率で六四%のところがやる気を今見せているということですけれども、全ての市町村が直ちにこの小型電子機器のリサイクルに参加をするというわけではなくて、やはり、それが困難な自治体も存在すると思っております。

 国としては、やはり、できるだけ多くの市町村にこの制度に参加していただきたいというふうに考えておりまして、初期段階での財政支援も含めて、積極的に自治体の取り組みを支援をしていきたいというふうに考えておりますので、なるべく、今までただごみとして捨てられていたものを都市鉱山として活用するということで全国の市町村に呼びかけていきたいと思っております。

江田(康)委員 わかりました。しっかりと万全を期して取り組んでいっていただきたいと思います。

 次に、既存の回収・リサイクル事業者についてお伺いをいたします。

 先ほどと同様の質問ではございますけれども、使用済み小型電子機器は、現在、通常の一般廃棄物や産業廃棄物として処理される場合でも、リサイクルされて、鉄やアルミニウムなどは一部回収されているわけでございます。また、一部事業者は、自主的な取り組みによって使用済み小型電子機器等を回収、リサイクルをしておられます。

 この法律が施行されて自治体による回収が始まる中で、小型電子機器等を既に回収、リサイクルしている事業者の皆さんは今後も今までどおり事業を継続できるのか、この点を明らかにしてもらいたいと思います。

伊藤政府参考人 本法案は、使用済み小型電子機器等の回収、リサイクルの推進を目的としておりまして、既存の取り組みを制限するものではございません。したがいまして、当然のことながら、引き続き事業を継続することは可能でございます。

 一方、認定事業者になれば、広域的に回収することができ、高度なリサイクルの実施が制度的に担保され、自治体間の関係者の一層の協力も期待できる、こういうことでございますので、本法案の認定を受けることによりましてさらに事業を発展させることはできるという面もございます。

江田(康)委員 今、これもまた、既存の回収・リサイクル事業者の皆さんも今後も今までどおり事業を継続することはできるということを確認させていただきました。

 次に、最後の時間でございますけれども、今回の法案は、国内の循環型社会づくりをさらにこれは進めるものでありまして、大変必要性の高いものであると高く評価いたします。

 一方で、我が国を含むアジアの広域で、地球規模で循環型社会を築いていくというスリーRイニシアチブということの取り組みについて質問をさせていただきたいと思います。

 二〇〇四年に、G8シーアイランド・サミットがございました。小泉政権のとき、私も環境副大臣でございましたけれども、そのときに合意されたのがこのスリーRイニシアチブというものでありました。

 これは、日本のすぐれたリサイクル技術を生かして、アジアにおける循環型社会づくりに貢献するとともに、我が国静脈産業の活性化を推進するものでございます。現在までどのように取り組まれてきたかというのをお聞きしたいわけでございます。

 アジアの中でも、急成長する例えば中国等々においては、まさに我が国のスリーRの技術を生かして循環型社会づくりに貢献すべき国であると思いますけれども、例えば、レアメタル等々の小型家電や家電等々については、資源、資産であるということで、国家戦略として外に出さないというようなことが見受けられているのではないかと思います。

 また、シンガポールに私は、リサイクル技術、特にこういうレアメタル回収技術というものについても視察をさせていただいたことがございますが、そういう進んだところでは、自分のところでこういう回収を行うというようなこともございます。

 そこで、現在までの取り組みとアジアにおけるスリーRイニシアチブの状況について、お聞かせいただきたいと思います。

高山大臣政務官 江田委員御指摘のとおり、このスリーRイニシアチブは、二〇〇四年のサミットで合意されまして、その後、二〇〇六年の三月に、スリーRイニシアチブの高級事務レベル会合ということで、これはまさに江田先生が議長を務められて、これで具体的な行動計画がいろいろ進められたわけですけれども、その後、アジアにおけるスリーR推進に向けて国際協力の基盤を構築するために、我が国の提唱によりまして、二〇〇九年にアジアスリーR推進フォーラムというのが設立されました。

 これは、以降、環境省と開催国の政府、また、国連地域開発センターの主催のもと、このフォーラムを毎年度継続的に開催をさせていただいておりまして、アジア各国政府や国際機関、また、民間セクター等の関係者も参加して政策対話を進められております。私も昨年シンガポールに行きまして、この第三回会合をさせていただきました。その際にも、各国の環境副大臣や大臣などといろいろな意見交換もさせていただいたところです。

 また、我が国の静脈産業が持っている先進的なリサイクル技術、廃棄物処理技術も、アジア各国のスリーR、廃棄物処理の推進に貢献するために、これは平成二十三年から、我が国の静脈産業の海外展開に対し、実現可能性の調査実施に対する支援というのも行っているというところでございますが、いずれにいたしましても、江田議員御指摘のとおり、日本がこれは世界に誇れる技術でもありますし、また、これからの資源間競争の中で非常に大事な会合と思っておりますので、環境省も一番力を入れて進めてまいりたいと思っております。

江田(康)委員 今、高山政務官からおっしゃっていただいたとおりだと思いますが、特に経済発展の著しい地域、中国等を巻き込んで、我が国の経験と技術を活用してスリーRの取り組みを進める。これは非常に重要かつ喫緊の課題であると私は思いますので、大いに進めていかなくてはならないものと思われます。

 そこで、附帯決議にも私どもはつけさせていただいておるわけでございますが、我が国のすぐれたリサイクル技術の国際展開をさらに進めて、海外ではリサイクルできないけれども我が国ではリサイクルできるものは積極的に輸入を促進していく、そしてアジアにおける循環型社会づくりに貢献をしていく、また、我が国の静脈産業の活性化を強力に推進すべきと考えますけれども、最後に、レアメタルの回収等も含めて、今後のアジアスリーRの積極的な政府の取り組みについて御所見を伺いたいと思います。

高山大臣政務官 江田委員御指摘のとおり、鉄ですとか銅ですとか以外のレアメタルを回収してくるというのは、かなりの高度な技術ももちろん必要で、それを日本が一番有していて期待もされているということは、間違いのないことでございます。

 今回、環境省の方で目配りが足りなかった部分は、委員会で附帯決議などでお示しいただければより応援になると思いますので、ぜひまた御支援もお願いしたいと思います。ありがとうございます。

江田(康)委員 時間ですので終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

生方委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、来る三十一日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十七分散会


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