衆議院

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第2号 平成24年11月9日(金曜日)

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平成二十四年十一月九日(金曜日)

    午前九時十分開議

 出席委員

   委員長 横光 克彦君

   理事 大谷 信盛君 理事 近藤 昭一君

   理事 田島 一成君 理事 矢崎 公二君

   理事 近藤三津枝君 理事 田中 和徳君

   理事 横山 北斗君 理事 江田 康幸君

      生方 幸夫君    小沢 鋭仁君

      川越 孝洋君    園田 康博君

      高山 智司君    玉置 公良君

      中島 正純君    松本  龍君

      山崎  誠君    吉川 政重君

      吉田  泉君    井上 信治君

      小池百合子君    丹羽 秀樹君

      古川 禎久君    吉野 正芳君

      斎藤やすのり君    小泉 俊明君

      佐藤ゆうこ君

    …………………………………

   環境大臣         長浜 博行君

   経済産業副大臣      松宮  勲君

   環境副大臣        生方 幸夫君

   環境副大臣        園田 康博君

   厚生労働大臣政務官    梅村  聡君

   環境大臣政務官      中島 正純君

   環境大臣政務官      高山 智司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  加藤 洋一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           鬼澤 佳弘君

   政府参考人

   (林野庁次長)      篠田 幸昌君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           毛利 信二君

   政府参考人

   (環境省大臣官房長)   鈴木 正規君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   梶原 成元君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            白石 順一君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       佐藤 敏信君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  関 荘一郎君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (原子力規制庁次長)   森本 英香君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  名雪 哲夫君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  山本 哲也君

   環境委員会専門員     仲川 勝裕君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 環境の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

横光委員長 これより会議を開きます。

 環境の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官加藤洋一君、文部科学省大臣官房審議官鬼澤佳弘君、林野庁次長篠田幸昌君、国土交通省大臣官房審議官毛利信二君、環境省大臣官房長鈴木正規君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長梶原成元君、環境省総合環境政策局長白石順一君、環境省総合環境政策局環境保健部長佐藤敏信君、環境省地球環境局長関荘一郎君、環境省水・大気環境局長小林正明君、原子力規制委員会委員長田中俊一君、原子力規制庁次長森本英香君、原子力規制庁審議官名雪哲夫君、原子力規制庁審議官山本哲也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横光委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

横光委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 おはようございます。

 まず、長浜大臣初め政務三役の皆さん方におかれましては、このたびの御就任、まことにおめでとうございます。大変な激務だとは思いますけれども、ぜひ頑張って、本当に日本の環境政策、環境行政のために御尽力を賜りますよう、まずもって、冒頭、激励を申し上げたいと思います。

 それから、きょうの質問の機会を与えていただきまして、皆さん方に感謝を申し上げます。ふだんから、いろいろな環境政策に関しては十分な議論ができているわけでありますけれども、公の場できちんとした記録をとっていただいて議論をしたい、こういう思いがあったものですから、今回はあえてお願いをして、こういう機会をつくらせていただきました。

 私にとっては、先ほども話に出ていましたが、政権交代以降初めての質問ですから、なかなかうまくいくかどうかわかりませんが、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。質問が多岐にわたっていますので、私も手短にぱっぱっといきますので、ぜひ御答弁の方もそのようにお願いをできたらと、こういうふうに思います。

 まず、環境省、私が大臣を務めさせていただいたときに比べてさま変わりの状態だ、こう思っています。それの最大の要因は、放射性物質に対する対処という問題が環境省の中に入ってきた、こういうことであります。

 これはもう御案内のとおり、かつての環境省は、基本法において、放射性汚染物質の処理は除く、こういう記載があって、そこは手をつけていなかったわけでありますが、昨年来、放射性物質汚染対処特措法、これに基づいてこの問題が環境行政の中に入ってきたということの中で、ある意味では組織も拡大し、予算も拡大し、また業務も、事務、監督、調整官庁から事業官庁の色彩もかなり強くなってきた、こういうふうに思っているところであります。

 そういったところでいろいろな御苦労もある、こう思っているんですが、この問題に関しては、実は、昨年四月くらいだったと思いますけれども、放射性汚染物質の処理をどうするか、こういう話があったときに、仙谷さんから私のところに連絡がありまして、これはどこでやるんだ、こういう話があって、環境汚染物質という意味では環境省がやる方がある意味ではふさわしいんではないですかね、こういう話もあって、当時、私は南川さんに連絡をとって、どうですかと、こういうお話をしたのを覚えています。

 その後、政府としてこういう対応になってきたということでありますし、同時にまた、当然、法の中では全く空白の部分でした。いわゆる放射性物質が原子力発電所から外へ出るということは全く考えられていなかったわけでありますので、そういった意味では、その法の不備を早急に対応しなければいけない、こういうことで、きょう御参加の、ここにいらっしゃる与野党の皆さん方の御尽力も賜って、昨年、この特措法を議員立法でつくらせていただいた、こういう話になっているわけであります。

 そこで、まず二点お尋ねしておきたいと思います。

 そういった経緯に基づいて今行われている放射性物質汚染対策でありますけれども、なかなか御苦労もいただいているわけであります。当然のことながら、除染とかそういう対処の場合には、これは、例えば家の除染にしても、それぞれの皆さんの同意が必要、こういう話もある。同意をとるには、そこのところをもう避難をされていて、そこにいない、こういう実情もある。そういう中で大変苦労をされている、こういうふうに承知をしております。

 同時に、野田総理も現地に入られてスピードアップの指示をされた、こういう話も承知をしているわけでありますが、同時にまた、世の中的には、進捗状況が見えないとかおくれているとか、そういう意見もあるわけでありまして、そういった観点に立って、この進捗状況及び見通しについて御説明をいただきたいということ。

 加えて、この除染の問題は、ある意味でいうと、先ほど申し上げたような、環境省にとっては初めての事業的な取り組みでありますので、なかなかそういった意味では今までも経験がない。そういう中で、政府として全省庁的に対応を協力をしていく、そういう対策が必要なんではないか、こう思っていまして、特に、除染をした、あるいはまた、汚染物質の中間貯蔵施設や最終処分場の用地の確保、こういう話になりますと、まさに、用地買収、こういうような話は、環境省は今までやったことがないわけですね。

 そういうことも踏まえると、全省庁的な対応という枠組みが必要なのではないか、こう思っておりまして、二点、進捗状況とその見通しと、それから、全省庁的な対応システムをつくることが必要ではないかという観点からの提案に対しての御意見をいただきたいと思います。

長浜国務大臣 おはようございます。

 御激励をいただきましてありがとうございます。

 確かに、小沢さんのお話のように、私も、平成五年、小沢さんと同期で当選をさせていただいて以来、この衆議院の環境委員会にいた時間が長いわけでありますけれども、環境省が変わったなというのは、着任をして早々に感じました。まさに、おっしゃられたように、基本法までというか、基本法を改正しないことには放射能に対処することはできませんでしたので、今、質問者でありながら、そのときの状況を御説明をいただいたことで、私が最初に申し上げた、環境省の形が変わっているということを自分なりに理解をさせていただいたところでございます。

 昨年の八月に、まさに、小沢前委員長と言ったらいいのか元大臣と言ったらいいのか、御尽力をいただいて、放射性物質汚染対処特措法、これで与野党の皆様方にこの問題に対する御理解をいただいて、さあ頑張ってやりなさいという状況を整えていただいたことにまず感謝を申し上げたいというわけでございます。

 そして、当然のことながら、この法律に基づいて、政府としては、放射性物質による環境汚染への対応に全力を尽くしているわけでございます。

 御質問いただいた具体的な案件に関しましては、放射性物質に汚染された土壌等の除染事業、これは、現在、国直轄で除染を実施する地域について、対象十一市町村ございますが、そのうちの七市町村の計画を策定をし、そしてそのうちの四つについて、四市町村では除染作業に着手をしているところでございます。

 また、市町村において計画を策定をして除染を実施していただく区域に関しましては、対象は百四に上りますが、そのうちの八十八市町村が計画は策定済みで、除染が進みつつあるところでございます。

 さらに除染をスピードアップさせるために、総理の指示を受け、これは先ほど小沢先生がおっしゃられたところの、総理も現地に入ったねということでありますが、十月七日に楢葉町の除染現場に入りました折に、その除染を見ながら、これは早目にどんどん進めなければいけないということから、直接現場で、町長さんもおられましたけれども、環境大臣の私に対して、除染推進パッケージをつくって進めるように、こういう指示がありましたもので、このたびまとめさせていただいたところでございます。

 廃棄物の方でございますが、本年六月に、二市五町三村について対策地域内廃棄物処理計画を公表しておりまして、南相馬市の一カ所、それから楢葉町の二カ所で仮置き場の造成工事を開始するなどして、国直轄による処理事業を進めているところでございます。

 指定廃棄物につきましては、本年三月に示した指定廃棄物の今後の処理の方針に基づいて、必要な最終処分場の確保に向けまして、関係の知事、これは宮城、茨城、栃木、群馬、そして千葉でありますが、御協力をお願いするとともに、候補地の選定作業を進めているところでございます。大変これは御厄介になる施設でございますので、この選定に関しましては、正直申し上げて、大変苦労しながらやらせていただいているというのが実情でございます。

 私に課せられた課題でありますところの除染とそれから廃棄物の処理については、全力で進めてまいりたいというふうに思っております。

 それからもう一つのお尋ねでありますが、まさにこの現状を御理解をよくいただいた上での御質問をいただいて、大変心強い部分があります。

 体制を強化をしていかないと、従来、環境省は、こう言ったら乱暴ですが、規制官庁で、何々をしてはいけない、こういう決まりですからだめですよという官庁が、急に、これもやらなきゃ、あれもやらなきゃいけない、ここはグレーだけれども、そのグレーも突破してやらなきゃいけないという今こういう状況になっておりますものですから、小沢先生から御指摘があった用地買収、土地を買うなんということは、それは国土交通省とか、あるいは土木関係を持っている農水とか、こういった方々はある意味において習熟されているかもしれませんけれども、そういうことも経験がない、でもやらなければならないということで、この課題の解決に向けて、各省、私でいえば各大臣に、これはもう全省挙げてやっていただかないと、確かに作業は、先ほど小沢先生から御説明があったように、環境省がやることになりましたけれども、農地のことを一番よく知っているのは農水省ですし、道路のことは国交省でありましょうから、関係府省が、また、お金は財務省かもしれませんが、知見や能力、人材などの資源や政策手法を最大限生かしていくことを御協力をいただきたいということで、今週の六日にも除染及び特定廃棄物処理に関する関係閣僚会合を開催をし、その席において私から、関係閣僚に対して連携強化の重要性をお訴えを申し上げたところでございます。

 官房機能の調整機能を利用しながら、全省挙げてという、今小沢先生の指摘にのっとって、全力で作業に当たっていきたいと思っております。ありがとうございます。

小沢(鋭)委員 ぜひそういった取り組みをさらに強化をしていただきたいとお願い申し上げます。

 二番目のテーマに入らせていただきます。

 原子力政策、特に安全政策についての質問でございます。

 原子力の安全政策に関しまして、私は、実はみずからを顧みて、大いなる反省も含めて質問させていただきたい、こう思っているわけであります。

 と申しますのは、私が大臣を務めていたときに、ちょうど鹿児島県の川内原発の環境影響評価というものがございました。私は、当時、温暖化対策に有用である、こういうある意味では前向きの評価をした初めての環境大臣、こういうことになりました。

 それから、温暖化対策、後ほど質問しますが、それを進めていく上で、現実的なアプローチとしてロードマップというのをつくらせていただきましたが、その中では、九基の原発の新設が必要である、こういうロードマップをつくらせていただいたわけであります。

 その後、昨年の三・一一が起こりました。つくづく、私自身も顧みて思うことは、やはり、圧倒的な安全神話、これに私自身もある意味では浸っていたし、日本全体がある意味では浸っていた、こう思っています。

 実は、これは二〇〇六年だったですかね、中越沖地震があって、そして柏崎がとまりました。そして、そのときのことを私は大臣時代に、当時、東京電力の清水さんになっていましたが、話をしたときに、あのとき、その前の社長さんは、いわゆる想定外であったとこう言ったんです。あの中越沖地震は確かにそれなりに大きな地震でしたが、それほど日本の中で被害があった地震ではない。それであれだけの想定外、こういう話があって、やはりあのときにもう少し我々は考えを深めておいた方がよかったのではないかと、今思えば思うわけであります。

 という問題意識を持ちながら、何点か質問をいたします。

 まず、今回の福島第一の事故の原因に関して、国会事故調と政府事故調、認識が違う、私はこう思ってます。地震の揺れでまずやられたのか、あるいは、地震の揺れではそれほど大した機器の損傷はなかったけれども、最終的に津波で電源喪失をして冷却機能がとまってやられたのか、ここは決定的な実は違いだと私は思っているわけであります。

 これに関して、アラームタイパー、これが作動していればそういった状況もよくわかる、こういうことでありますが、そのアラームタイパーが故障をしてしまった、こういう話で、最も重要なポイントに関しての究明がなされていない。ここのところは次なる対策の最も重要な点だ、こう思っておりまして、そこをどのように政府として考えていくのか、このことを御質問させていただきたいと思います。

田中政府参考人 今先生御指摘のように、アラームタイパーというのは、大変重要な記録を残すものでございます。しかし、今回の現実を見ますと、一号機につきましては、アラームタイパーは地震とともに記録用紙がふぐあいを起こして残っていない、それから二号機以降については、全電源喪失という、津波が来て電源が喪失されたことによって全部残っていないという事態になっています。

 それにつきまして、私どもとしましては、飛行機のフライトレコーダーのように、どんなことがあってもきちっと残るようなシステムにするようにということで、今指示を各電力にしたところでございます。

 いずれにしましても、本規制委員会としての大きなミッションが、今御指摘ありましたように、事故調査をきちっと、何が起きたかということを明らかにするということでございます。それにつきましては、国会と政府事故調、それぞれ少し意見が違います。そういうことを明らかにするためには、今後、内部もいろいろ調べてその事故原因をはっきりする必要がございますが、何分、今は放射線レベルも高いので、すぐにということにはなりません。

 そこで、私どもとしましては、福島については、特定原子力施設という指定をしまして、安全を確保しつつ、一歩一歩、これから十年、二十年かかると思いますけれども、そういった長期の調査に対応できるような組織を今準備しているところでございます。

小沢(鋭)委員 もちろん、今、福島第一の中はまだ大変な状況だということはよくわかります。ただ、同時に、既に大飯原発が稼働をしておりまして、その大飯原発のところでは、まさに規制委員会が今活断層の問題に関しての議論を進めていてくれているところです。

 国民はそのことに対して大変な不安を感じながら暮らしているわけでありまして、そういった意味では、ここの本当に原因究明ができないと、例えば、津波でやられたということであれば、私はその後すぐ保安院を呼んで、当時の保安院の皆さんに、とにかく全国の補助電源は全部高いところに移せ、少なくても福島第二と女川は電源喪失しなかったんだ、だからちゃんと冷却できて大丈夫だったじゃないかと、だから、全ての原発の補助電源を高いところに移せという指示を出しました。そうすれば、少なくても津波に対しては対処できる。

 ただ、揺れでやられているのであればそれは対処できないわけですから、この揺れに関しても、この前、野田総理が本会議場で答弁されましたけれども、震度六強までは大丈夫、こういう話なんですね。六強を超えたら、ではどうなるんだというふうに考えるわけですね、国民としては。

 そういった問題とちょっと絡めて幾つか申し上げておりますけれども、そういうことを規制委員会としては、少なくても目の前にある話は直ちに対応してもらわないと困るというのが国民の意識なんですけれども、そこはどう思いますか。

名雪政府参考人 お答えいたします。

 まず、大飯発電所の破砕帯についてでございますが、大飯発電所の破砕帯につきましては、三、四号機の増設の時点で存在は把握されておりましたが、当時の安全審査で、旧通商産業省は、専門家の意見を聞いて安全性の評価をしておりますが、その後、東北地方太平洋沖地震などで得られました新たな知見を踏まえた本年七月の旧原子力安全・保安院によります再評価で、破砕帯の性状を現地で確認すべく、追加調査を実施するよう指示がされたところでございます。

 原子力規制委員会におきましては、関係学会の推薦を受けた有識者による会合を設け、破砕帯の活動性の有無について調査と評価を行っているところでございます。

 一昨日、十一月七日の会合では、専門家の一致した結論は得られませんでしたが、さらに追加情報が必要という観点から、さらなる調査の指示を事業者に対して行ったところでございます。

 今後も、専門家による科学的、客観的な調査を行い、その評価に基づき、原子力規制委員会が中立公正な立場から、破砕帯の活動性、ひいては大飯原発の安全性について厳正に判断を行うこととしてございます。

 それからもう一点、補助的な電源を高台に配置すべきという点でございますが、この点につきましては、全ての原子力発電所につきまして、今般の事故を踏まえまして緊急安全対策が実施されまして、高台に電源車や発電所を設置する等の代替電源の措置が行われたところでございます。

 それから、こういった点を安全基準に、あるいは耐震安全性という点でどういうふうにしていくかという点につきましては、規制委員を担当委員とする検討チームを設けまして、改正原子炉等規制法が施行されます来年七月までに向けて作業を急いでいるところでございます。

小沢(鋭)委員 時間がないので結構かと思います。また後ほど私の方に個別に言っていただければ、私もどこかでオープンにしたい、こういうふうに思います。

 それで、時間が足りなくなりましたので、本当にいろいろ御準備もいただいていたと思いますが、最後に、私自身がやり残していて、なおかつ大変重要だとこう考えております温暖化の基本法の話を大臣に質問させていただきたいと思います。

 これはもう言うまでもなく、地球温暖化というのは、原発事故があった、なしにかかわらず、依然として重要な課題として残っているわけであります。ただ、我々の頭の中で比重がかなり変わってしまいつつあるのではないかというふうに危惧をしています。

 それで、この基本法に関しては、御案内のとおり、各党、野党の皆さんも法案を提出をしていただいていまして、そういった意味では、この法的枠組みをしっかりつくって日本がやはりやっていくこと、そして、これから行われるCOP18を含めて世界に向けて発信していくことの重要性というのは依然として変わっていないんだということを、まずそれを大臣からも表明をしていただきたいし、では、そのためにその基本法の枠組みを何とかとにかくつくらなければいけないというふうに私としては考えるところでございまして、野党の先生方にも常にお願いもしているところでありますが、これは大臣からも大いにそのことをお願いをしていただいて、何とか早急にこれを仕上げていかなきゃいけない。

 アメリカのハリケーンの被害を見ても、ことしの日本のいろいろな各地での大洪水を見ても、もうこれは温暖化の原因以外には考えられない、こういう話でありますので、どうぞそこの点を大臣からの御所見をいただきたい、こう思います。

長浜国務大臣 おっしゃられますとおり、最初、冒頭に申し上げましたように、今、除染あるいは廃棄物、こういう問題を新たに取り組ませていただいておりますが、環境庁、そして環境省につながる中におけるこの問題、一九九二年に地球サミットが開かれて、あれ以来、生物多様性と気候変動枠組み、そして砂漠化まで入れて、このトリプルの基本的な環境問題をどう捉えるかというのを世界の中でも規定をされてきたわけであります。

 ですから、COP18が開催をされる予定になっておりますけれども、その場の中においても、二〇〇八年から一二年までという形での京都議定書を入れた、京都という名前を冠したプロトコールをつくった日本のある種のプライド、気概を持って今の問題には私は取り組んでいかなければならないと思っておりますし、私自身そのように思っております。

 そこで、提出されているところの基本法、法的担保がないとなかなかこういった案件を円滑に処理していくことができないものでありますので、私は閣法を出させていただいている立場でありますのでなかなか表現が微妙なんでございますが、各党から出されている法案等々を政党間でぜひ御協議をいただいて、もうこれは与党も野党もありませんので、方向性の中で御理解をいただく中で、幸いにして環境大臣経験者も大変多い委員会でございますので、ぜひ御理解をいただきながら進めていただければと思っております。

 民主党では前環境大臣が政調会長をやられているということもありますものですから、ぜひ委員の意思もおまとめをいただきながら、何としても、世界の中で地球温暖化を日本が引っ張っている、歴代環境大臣が御努力をされていたことを私も引き継いで頑張っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。(発言する者あり)

小沢(鋭)委員 各元環境大臣もいて、何かやじがよく聞こえなかったのであれなんですけれども、御協力もいただいて、人間関係は大変仲のいいはずでありますので、やっていただきたいと思います。

 それで、先ほどの話に、最後、ちょっとまだ時間があるようですから、もう一点、原子力の話に戻らせていただくんですが、危険性があると今思われているところは、とめて協議をする、こういう話はやはり十分あり得るんじゃないでしょうか。

 この活断層の話も急にできたというんだったらいいんですけれども、活断層が急にできるわけがないんですから、見逃していたのか、あるいは隠蔽したとは思いませんけれども、そういう話の中で起こっている話ですから、これは事は重大だというふうに規制委員会は思っていただかなければいけない、こういうふうに思いますね。規制委員会のお考えを聞かせてください。

田中政府参考人 お答えします。

 私どもも大変重要なことだという認識をしております。それで、イの一番に大飯の敷地については、活断層かどうか、本当にそれがどういう状況になっているかということについて、専門家の調査を始めたところでございます。

 すぐに結論が出るかと思いましたけれども、活断層か地すべりかというのは、そういった専門的な意見の相違が今ございますので、少なくとも、そこを明確にすることによって私は明確な判断をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

小沢(鋭)委員 時間のようなので終わりますけれども、今の答弁を聞いていて不安は少しも解消されない。委員長、もうちょっとせっぱ詰まった話があるんじゃないでしょうか。

 十六万人、今、福島県民の皆さんたちは家を離れて、人生を変えられ暮らしているんですよ。ですから、やはりそのことを本当にしっかりと踏まえて考えていただかなければいけないし、二度とこんな話が起こってはいけないというのが大前提で考えていただかなければいけない案件だということを申し上げて、残念ながら私の質問時間は過ぎましたので、終わります。

 ありがとうございました。

横光委員長 次に、田中和徳君。

田中(和)委員 おはようございます。自由民主党の田中和徳でございます。

 長浜大臣、また、副大臣、政務官の皆様、御就任おめでとうございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 政権交代前、民主党は、自民・公明政権時代の閣僚が短期間でかわることを強く批判をしておられました。一内閣一閣僚、しばしばこういうことを主張しておられた民主党の議員の方も多数おられました。野田総理もそうであったんじゃないかと記憶をしておるところでございますが、しかし、民主党政権は、この三年で、選挙を経ずに内閣総理大臣が二度かわられましたし、また、野田内閣は、異例のことでございますが、わずかの間に三度も内閣改造を断行しておられまして、先月一日の内閣改造では、十八人の閣僚のうち十人もの大臣が交代をしておられます。さらに、その直後に法務大臣がかわられたということであります。

 野田総理自身が、近いうちに解散、こういう御発言をしておられるわけでございまして、この国民との約束を守る気であるとすれば、誰が見ても、各新大臣の任期はわずかの可能性があるわけでございまして、一体何のためにこれほど大量の大臣を交代させる人事を行ったのか、これは、私だけではなくて、全国民が疑問に感じておるのではないかと思います。

 一般には、政権の延命のため、あるいは民主党の内部事情によるものだ、こういうふうにも言われておるわけでございます。

 環境大臣は少ない方ではないかと思いますが、それでも、長浜大臣で五人目となります。最も交代が多い大臣は、私がちょっと調べてみますと、少子化対策担当大臣で九人、法務大臣についても、先日再度就任された滝大臣まで入れれば九回目の人事、こういうことになるんですね。

 次から次に大臣を生産し続ける民主党政権の異常な状況がマスコミにも大きく取り上げられまして、しかも、各方面から強いクレームが寄せられています。

 大臣が交代すれば、当然、各省庁の書類の印刷のし直し、あるいは印鑑のつくり直し、各大臣に対する各役所の役人のレクチャーなど、大変な経費がかかるわけでございまして、そういうことを考えれば、私は、このタイミングでの内閣改造、とても理解ができないなと、こう思っているんです。

 ただ、大臣が立派な大臣として就任され活動されるということは、別のことなんですけれども、内閣の一員として、大臣として長浜さんはどのように感じておられるのか、まずお伺いいたします。

長浜国務大臣 ありがとうございます。

 一般論としては先生の言われたとおりだと私も思っております。そして、個別論というか私自身の問題としましては、まさに、私にとりましては、自分自身が携わってきた分野で今回大臣をやれという御指名をいただいたわけでございますから、大変短いというお話をいただきましたけれども、限られた状況なのか、あるいは幸いにして長く続くのかわかりませんが、私自身は、自分の職務をしっかり果たしてまいりたいというふうに思っております。

田中(和)委員 政治家としてのお考えが今述べられたと思いますけれども、私たちの政権時代も、非常に大臣の交代が多い、総理大臣も交代が多い。これは今後考えるべきだと思います。

 法律上の問題はありますけれども、総選挙から総選挙までは総理も基本的にはお一人、よほどの事情がない限りは交代をしない、場合によっては副総理大臣の方も、選挙のときにともに政策を発表して国民に選んでいただくような、私たちはやはりそういう考えを持っていかなければいけないと思いますし、私も経験がありますけれども、せっかくなれたときに交代をしてしまえば、人が違えばまた同じことの繰り返しをしなければならないということも考えていけば、これほど厳しい国政の中でやはり考えてもらわなきゃいけないな、ましてや、近いうちの解散ということになればなおさらのことだと、このように思っております。

 さて、政府は、東日本大震災の復旧復興のため、二〇一一年から五年間で少なくとも十九兆円を投じる方針だ、このようなことでございますけれども、このうち十兆五千億円を新しい復興増税で賄うこととしております。これによって、所得税に関しては、来年二〇一三年一月から二十五年間、納税額の二・一%分、住民税については、二〇一四年六月から十年間にわたって年間一千円が上乗せをされます。

 国民に長期的な負担を強いることになるこの復興予算は、被災地のために適正に執行されなければならないことは当然であります。そうでなければ、納税者の納得も得られないのであります。

 さらに、この復興予算は、一般会計予算とは別に、改正特別会計法に基づいて新設された東日本大震災復興特別会計で定められております。つまり、その使途は法律で厳しく限定され、特に厳正さを求められている予算であります。

 長浜大臣、この特別会計は、被災地の復興を担当される環境大臣から見て、特別会計として正しく執行されていると思っておられるかどうか、まずお伺いします。

長浜国務大臣 今の御質問に端的にお答えするとすれば、今、国会でさまざま御議論をいただいておりますように、私も、参議院の方の決算委員会にも出させていただきましたが、問題が指摘されていることは認識をしております。

田中(和)委員 問題はある、このように大臣から今明確に御答弁がありました。

 野田総理は十月二十九日の所信表明演説で、「福島の再生なくして日本の再生なし。政府全体で共有しているこの強い決意が揺らぐことはありません。」と発言し、また、「事故原発の廃炉に向けた作業を着実に進めるとともに、除染、賠償、インフラの復旧、産業の再建など、福島再生を具体化していくために、予備費による福島企業立地補助金の拡充を初めとする最大限の政策を実施してまいります。」と明言をしておられます。

 そのように発言しているにもかかわらず、福島県のみならず、東日本大震災による全ての被災された人々の生活の確立や被災地域の復興に取り組まなければならない関係大臣の交代が次々に行われることは私は納得ができない、こう思っております。

 そして、復興事業全般にもおくれが目立っています。しかも、特別会計で使途を限定してやるこの大切な復興予算が、本来の趣旨とは遠くかけ離れた公共事業や被災地以外での事業に流用されていることが次々と判明しています。今指摘されているものは、幾ら拡大解釈してもなかなか難しい、私はこのように思っています。確かに、関係があるものには使っていいことになっていることも承知しておりますけれども、それもやはり現地が優先であることは、私が言うまでもない話であります。

 もう既に耳にたこができているような話でございますが、経産省は、国内立地推進事業費補助金、補助対象が五百十件、二千九百五十億円なんですけれども、岩手、宮城、福島、この三県での事業はわずか三十件、全体の五%。話題になっているのは、中部地方のコンタクトレンズ工場とか近畿地方の太陽電池の工場などの支援。

 外務省についても、アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流七十二億四千七百万、こういうことでございます。確かに、被災地でのボランティア活動をしていただく青少年の皆さんをお呼びするということなんだけれども、これも本当に優先順位のあることなのかどうか。

 あるいは文科省、これも、ITERの研究で四十二億円、国立競技場災害復旧事業の三億三千万。農水省は、あの反捕鯨団体シーシェパードの妨害活動に対する安全対策の強化ということで二十二億八千四百万円。財務省は、税務署の耐震改修工事に十二億円。国交省も、沖縄国土防災工事に六千万円。法務省は、北海道と埼玉県の刑務所での訓練用の小型建設機械と教材を購入、三千万円。

 こういうことを今皆さんが指摘していて、私も、一つ一つ見て、本当の優先順位をどこまで精査されたのかとつくづく思っているんですね。

 これは、環境大臣に就任されたばかしなんだけれども、環境省が、先ほど来のように、まさしくこの被災地の復旧復興の担い手なんですよ、柱ですよ。こういう予算を許しているということは、環境省として被災地の復興に使うお金は十分で、もうこれ以上必要ありません、どうぞほかに使ってください、こういうメッセージになってしまいますね。

 大臣、どうお考えですか。

長浜国務大臣 先ほど先生も事情は承知をしているとおっしゃられたように、被災地以外で使用されているものに関して、三党協議を踏まえた復興基本法において推進すべきとされた全国防災事業とか、その時点においてサプライチェーンへの対応などの観点から緊急性が高いと考えられた事業など、当時の状況としては必要だと判断をされたものがあったと思います。

 しかし、先ほど正直に申し上げましたように、今この時点の中で審議をする中において、今、先生もるる述べられました、本当にこれでいいのかいと。こういう状況の中において、今、環境省の案件に関してはおっしゃっていただかないで幸いだと存じておりますが、復興目的以外に流用しているものは、私もきっちり説明をしていかなければならないと思います。

 その上で、環境大臣が、あるいは原発事故収束担当として、これだけ予算がかかっていくのに、そんな、ある意味での無駄遣いなどをされるという状況を許していいのかというお話でありましたので、私としても、お金は国民の税金によってやらせていただいている、もちろん、東電への賠償等々もこれから議論をしていかなければならない問題でもありますので、各担当大臣にも、国会審議を通じまして反省されるべきところがあれば反省をしていただいて、さっき小沢さんとの質疑のときにもやりましたけれども、復興に関して、全面的に予算も含めて御協力をしていただきたいというお願いをしてまいります。

田中(和)委員 政府は、来年度以降の復興予算の使途について、被災地を対象にした事業に特化する方針を表明はしておりますが、とても私はそれでは納得できないんですね、これは。

 今年度に計上された事業のうち、いわば流用と指摘されたものについては、未執行部分は凍結をする、ただ、執行済み分は関係省庁の二〇一三年度の一般会計予算から減額する、こういう厳しい措置が私は当然のことだと、このように思うんですよ。

 今赤字国債の話をしているときに、こういうことを言われて何もしないまま前に進もうとすれば、これは国民からどう思われるかということは、政治家としてもうお互いに共通の認識の中にあると思うんですね。

 大臣も今、できる限りの踏み込んだ御答弁をされたのでございますけれども、大臣自身、内閣の中で、きちっとこうあるべきだと、私が言ったように凍結であったり戻すことができなければ、一般会計との調整を新年度の中にやるとか、納税者に対して説明ができる対応を環境大臣としてされるべきだと思いますけれども、いかがですか。

長浜国務大臣 今申し上げたことについては、踏み込んでとおっしゃられましたけれども、常に発言あるいは要請をしているところでございます。

 その復興予算については、一元的には現在復興庁で、復興の担当の大臣がおりますから、ここを精査をしておるところでもあります。

 また、復興大臣自身が国会での発言の中においても、「一本一本精査をする」、「本来の役割とはちょっと別な役割を今やっている」ということでありますと。そうですね、本来ならば、先生がおっしゃられるように復興をどんどんやっていかなければいけないのに、後処理というか前処理というか、この予算が本当に復興に使われていないじゃないか、こんなことまでやらなきゃいけないような状況は、私やあるいは復興を担当している大臣からすれば、いいかげんにしてくださいという部分だというふうに思います。

 先生の御質問の趣旨を体して、復興大臣とともに、あるべき復興の姿を追い求めてまいりたいと思っております。

田中(和)委員 大臣、相当踏み込んだ話をしていただいたと評価しますが、具体的にどうされたということが、議員にはもちろんのことなんですけれども、国民に伝わらないとこれは信頼を失いますよ。極めて大きな問題だと思っているんですね。

 やはり、ここがきちっと切り返しができるかどうか、良識にもかかる部分でして、ぜひひとつこれは、今答弁をされたとおりに政府の中できちっと働いていただいて、また、国民に向けても、どういう発言をしたのか、どういう行動をしたのか、示していただければありがたいと思っております。

 さて、次の問題であります。

 原子力規制委員会の国会での同意人事についてお尋ねをします。これはまず、前環境委員長であります生方副大臣にお尋ねをいたしたいと思います。

 お互いに参議院に行って答弁したことがよき思い出というか、厳しいやりとりもありましたけれども、お互いに汗をかかせていただいたことに誇りを感じ、この法律ができたことを喜んでいる者の一人でございます。

 設置されてから二カ月たっておりますけれども、一番の肝であります国会の同意人事がなされておりません。私の立場からすれば、これは強く抗議をする、こういうことになるわけであります。とんでもない話であります。

 当然、この委員会そのものが、衆議院のこの委員会が提案をしたわけです。委員長がまさしく大変な御苦労をされたわけでございますけれども、私は、そういう関係者の一人としても、また、この委員会そのものが大きな責任があるなと、こう思っているんです。

 この法律は、議員立法、我々の主張を相当取り入れたものになっておるわけですが、特にこれは、国家行政組織法の三条委員会の組織として、独立性を非常に強めたものでございます。それは、先ほど来からもありますように、事故調があちこちで設置されて、国会でも、政府でも、東電でも、民間でも、いろいろな調査をしていただきました。

 その中に、菅直人リスクと言われる、時の総理大臣の問題であったり、政治家や役所との関係であったり、いろいろなことがあってこういうことになったわけでございますが、やはりこの人事こそ、政府提案とはいいながら、国会で決めるということに、しかも、委員長は天皇陛下の認証を受けられる認証官であるということも含めて考えれば、残念なんていうものじゃなくて、ちょっとこれは立法の趣旨と違うんじゃないかとこう言わざるを得ないんですが、生方先生、いかがでございましょうか。

生方副大臣 今、田中先生から御指摘がございましたように、私も、前回、委員長としてこの規制委員会の法案について一緒にまとめてきたという経緯がございました。その中で、私も参議院に出向いて答弁をさせていただいたということが一緒にございました。

 今御指摘の質問でございます。まさに、三条委員会ということは、独立性が高いがゆえに国会に対してきちんと責任を持つんだというのが立法の趣旨だったというふうに思っておりますので、その趣旨に照らせば、当然、人事は国会で同意を得るというのが前提であるというふうに思いますが、さはさりながら、もう一点、緊急事態が続いている場合においては総理大臣が指名できるということにもなっておりますので、これは総理の判断でございまして、総理の判断として、緊急事態が続いているので国会の同意は次でいいのではないかという御判断を総理がされたので、私は、一副大臣の身としては、総理大臣の判断に対して異を唱えるものではないので、一刻も早く国会で同意が得られるように私も努力をしていきたいというふうに思いますが、今の、現在の判断は、総理大臣の判断で緊急事態が続いているということでぜひ御理解をいただければというふうに思います。

田中(和)委員 副大臣になられたものですから、いつもの生方先生の発言と違って少し控え目の発言であったんですが、お顔を見ていると、ほとんど私と同じ顔をしていらっしゃるなとつくづく思って聞いておりました。

 人事案を国会に出したのは七月二十六日でしたね。最終日は九月八日ですよ。普通、十日たったら国会で審議するんですよ。結論を出すんですよ。反対があったら、それはそれとして、また次の人事に入っていくわけですから。これは私が言っているんじゃない、みんなが言っているんだけれども、民主党の中で結構反対の声が多い、このままやってしまうと離党者が出るんじゃないか、大変民主党内部は混乱するんじゃないかということになってずるずると行っちゃったんですよ。

 だって、あのときに、マスコミに先に漏れたらどうだこうだというルールまで変えようということで、これもはっきり言うと、民主党さんが野党時代に言われてそうなったんですけれども、いわばそういうマッチポンプの話なんですけれども、恥を忍んでも、やはりそれはまずいんだと言って変えられたわけですから、そういうことまでやっておられたこの人事でございまして、どうしてもこれは国会をパスするというのは、確かに、特別な事情があれば、特別の事情というのは、今までの事情じゃなくて、これから何かが起こったときの特別の事情ですよ。我々が議論してつくったあの中身ですよ。それを、今回に原子力緊急事態宣言ということで当てはめてまさしく専決処分でパスをしてということになると、これはこの環境委員会そのものの権威にもかかわることでございまして、私はとても納得いかない話だなと思います。

 生方先生のもう御答弁を求めません。大臣はどう思われますか。

長浜国務大臣 たまたまというか前職が、まさにこの問題も含めて両院の議運に対して同意人事をお願いする立場でございましたので、先生がおっしゃっている意味は十分理解をしているところでございます。

 特に、独立性の高い三条委員会だというお話もありましたけれども、置かれている状況の中で、こう言ってはなんですが、きょうは規制委員会からも来ておられますので、委員長にしろそうだと思います、きっちり国会で判断をしていただくということが法律にも書かれておりますし、御本人もそういう部分があるのではないかなというふうに思います。

 この件に関しましては、先ほど申し上げましたように、さまざま、私のレベルからすれば官邸から議運に対してお願いを申し上げておりましたのですが、政党間の中でいろいろがあったということは漏れ伺っておりますけれども、何とも残念な結果だったというふうに思っております。

田中(和)委員 大臣、これはちょっと今言葉を改めていただかなきゃいけないんですが、これは政党間じゃないんですよ。民主党の中なんですよ。だから私はここで今このようにお話ししているんですね。

 別に、野党の方が審議をすることに反対した政党なんてありませんよ。しかも、おおむね十日を一つの基準として今までも人事は扱ってきたんですよ。とにかく異例の政治ばかりなんですけれども、特に、今回のこの人事は重要だったんですよ。

 総理は、福島原発の原子炉が冷温停止状態に達したとして事故の収束宣言を行っておりますし、この収束宣言をしておきながら、今さら緊急事態を理由として同意人事を先送りするというのは、これは極めて矛盾していますよ。これはどういう判断であるかは別にしても、特に環境大臣は、またこの環境委員会は、委員長もおられますけれども、ぜひひとつこれは重きこととして対応しなきゃいけないんですよ。このままじゃいけない。田中委員長を初め四人の委員の方たちにも申しわけない。正統性を問われる可能性があります。

 田中委員長さんは、たまたま田島一成先生とテレビの一時間番組で御一緒したことがありまして、ああ、あの田中先生が委員長候補なんだと思って私も立派な方だなと思わせていただいておりますけれども、それはそれとして、これは重要なことでありますから、ぜひひとつ前向きな対応をお願いしたいと思いますが、いかがですか、大臣。

長浜国務大臣 先生もおわかりでおっしゃっておられると思いますが、先ほど申し上げましたのは、私が政府の立場にいたものですから、院のこと、各党のことについては、申し上げることを極めて慎重にしなければならない立場でしたので、政府からすると、今のような状況になっているなということで御説明をさせていただいたわけでございます。

 確かに、収束宣言の問題と今先生が御指摘をされた緊急事態宣言発令中と、どうそこの中での大臣としては整理をしているのかということも大きなテーマだというふうに思っております。

 オンサイトにおけるところのステップ2が完了したことについての宣言という形において昨年の十二月にいわゆる収束宣言をなされたわけでありますけれども、私自身、この一カ月、地元を回らせていただいて、吉田先生、吉野先生いらっしゃいますけれども、もうこの問題が終わっている、冗談じゃないという話はもう何回も受けました。

 ですから、そういう意味においては、原子力緊急事態の宣言がずっと続いているわけでありますし、私自身が、環境大臣であると同時に、原発事故収束の担当大臣として現在仕事に当たらせていただいておりますので、そういった形の中で、この問題は私の行動を通して解決をしていかなければならないというふうに思っております。

田中(和)委員 地元の皆さんのお気持ちは、何が収束だ、まだこんな状態じゃないか、これが本当に悲痛な叫びとして私もそう承るところですけれども、総理の発言は相当誤解も生んだという事実とともに、実は、今回のこの対応というのが極めてちぐはぐだということを指摘しておきたいと思います。ぜひひとつこれは善処していただきたい。

 さて、原子力防災担当大臣にこのたび御就任をされました。そういう意味では、初代というか、大変なお役目をお受けになられたわけでございます。

 今回、原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針に基づき、原子力発電所周辺の自治体は、来年三月までをめどとして、防災重点区域の具体的範囲を含む地域防災計画を策定することになっております。

 原子力災害対策指針の中では、防災重点区域をおおむね三十キロメートルを目安とした範囲とすることなどが定められているわけです。原子力規制委員会が発表した拡散シミュレーションの結果は、今後、原子力発電所周辺の自治体が地域防災計画の中で防災重点区域を決めていくための非常に重要な参考データとされております。当然、新たに防災重点区域に入った人々の間には、大変な不安と混乱も事実広がっておるわけでございます。

 この三十キロメートル範囲に含まれる地域については、いろいろと予算化をされているということなんですが、私も拝見しましたけれども、新しい予算要望は、防災資機材や安定沃素剤とか、緊急時の連絡網等を整備する、こういう財政支援ということになっております。

 二十五年度は、九十億円の前年度に対して百七十一億円ということで要求額はぐっとふえておりますけれども、どこまで支援をするかということになると、ちょっと私は、このメニューを見ただけではとても地元の皆さんの納得がいかないんじゃないかと。はっきり言うと、前年度に対してふえたなんというんじゃなくて、ここはもう本当にどんと対策費をとってきちっと全国的に対応しなきゃいけないんじゃないかと、こう思っておりますが、いかがですか。

長浜国務大臣 おっしゃられましたとおり、原子力防災担当大臣というそういうお役もいただいておるとおりでございます。

 御承知のように、三十キロ圏に含まれる道府県に対して緊急時安全対策交付金を交付をしているところでございます。先生からある意味では御激励をいただいたように、しっかりこの部分の予算を確保していきませんと、防災資機材とか、今いろいろ話題になっております安定沃素剤、それから情報通信網、オフサイトセンター等の整備に必要な財政支援ができません。

 こういった状況の中において、予算額を増額していくために、自治体の防災対策の現状、規制委員会が発表されたものに基づいて計画をつくっていくわけでございますが、予算執行の際に、地域の実情をまずしっかり踏まえて、これも、地域の皆様方の、ある意味においては、こういう三十キロ圏内を参考資料としながら防災計画をつくられるのは初めてのことだというふうにも思いますので、首長さんを初めとする御要望を伺いながら、予算をさらに増額できるようなことがあれば努力をしてまいりたいというふうに思っております。

田中(和)委員 我が国は五十四基の原発があります。ある程度完全に廃炉ということになっているのは、日本原子力発電の東海原発第一発電所などですよね。この五十四基はこの対象になっていくわけでありますし、第一原発のところも、第二がありますから、同じ地域ですからカバーできると思うんですけれども。この地域の指定を受けた人たちから見れば、今後そこに住めないんじゃないかとか工場を移転しなきゃいけないんじゃないかとか、こういう要望も出てくるのは当然だと思うんですね。

 それとあわせて、各省庁間のどの予算でやっていくのか、はっきり言うと、どこまでをきちっと国が責任を持ってカバーしていくかということが明確でないと、地方自治体も極めて混乱のきわみに達するなと、こう思っているんです。

 ですから、お金のこともさることながら、各省庁間の互いの役割をきちっとしていくこと、そして、どこまでをどのようにするのか、いつまでやるのか、こういうスケジュール観も示していかなければならないという、大変な大臣のお役目だと思うんですね。場合によっては、のらりくらりということになると、看板倒れということになって、大変なことにもなるわけです。

 そういう立場に立つ、重要な初めての大臣でいらっしゃるので、非常に御発言は重いと思いますけれども、まさしく、この点についてももう一度お答えをいただきたいと思います。

長浜国務大臣 まさに、地域の事情に熟知をされた、地方自治にも通じられている先生の御質問だというふうにも思います。

 今申し上げましたように、初めての部分というのも多いわけでありますので、首長様とよく相談をしながら、きょうの御質問の中にはありませんでしたけれども、発表の仕方が二転三転したことに関しても御迷惑をかけている部分でありますので、よく声を聞きながら、予算対処も、各省に対して調整すべき点も、あるいは複数の自治体にまたがる広域の部分においても、国としての責任を果たしてまいります。

田中(和)委員 原子力規制委員会のスタートしたときでありますし、この組織の信頼をきちっと国民に持っていただくためにも、非常に重要なときを迎えているんですね。ぜひひとつ努力をいただきたいということと、ひとつ実績をぜひスピーディーに上げていただきたいなと、こう思っております。

 間もなく時間が参りますが、もう一点だけさっとお話をしてまいります。原発ゼロであります。

 前なら原発の話はこの環境委員会にはなじまなかった話なんですけれども、今は、この原発の話ほど環境委員会にふさわしい議論の場はないわけでございまして、このゼロというのは非常に難しい言葉なんですけれども、一方においては、大間の原発をどうするとか、また、一年間で三兆二千億円だと言われていますね、あの大震災後の新たなる化石燃料の発電燃料のプラス経費が。二〇一七年には、国民負担が再エネの買い取りだけで一兆二千億円とも言う人もいます。

 こういう中で、何か私から見れば、国民の人たちがゼロと言う人が多いもので、選挙対策で軽はずみに言ったんじゃないかと。(発言する者あり)だって、できますか。この発言をどうやって裏づけるか。先ほど来より話があったように、温対法の話だって、こういうものがきちっと整理されないと、我々、議員立法、きちっと皆さんと一緒に協力をしてということになかなかならないですね。

 時間が来ましたから、大臣として、ゼロについて、どう考えているかじゃなくて、ゼロをどうやって達成するのか、原発をどうやって動かして、そのことをどこでけじめをつけていくのか。リサイクルについてもまさしくどうするのかということがあわせてあるわけでして、もう簡単で結構ですから、最後にお答えいただきたいと思います。

長浜国務大臣 なかなか簡単に話せない、難しい御質問を最後にいただきましたけれども、私の所掌としましては、とにかく再生可能エネルギーとそれから省エネ、これは革新的エネルギー・環境戦略の中にも書かれている部分でありますけれども、三〇年代にゼロにする、こういう方向を目指して決めているところでございますので、そういう方向性の中で、先ほど申し上げました私の所掌に係る部分を積極的に進めてまいりたいと思います。

 先生、また時間があるときにこの話はじっくりやらせていただきます。

田中(和)委員 終わります。これは大変な問題ですから、楽しみにまたの機会にさせていただきたいと思います。

横光委員長 次に、吉野正芳君。

吉野委員 自民党の吉野正芳でございます。

 長浜大臣、大臣就任、本当におめでとうございます。また、生方、園田両副大臣、本当におめでとうございます。

 環境省、特に除染、これは、私たちの福島県にとって、再生するかしないかの一番大事な点でございます。それを大臣として担ってくれる、本当にうれしく思い、また、エールを送りたいと思います。

 長浜大臣、前の細野大臣も福島県人になっておりました。ですから、福島県の県民の心、これをつかんできたわけです。それには、頻繁に福島に入られて福島の方々と意見交換して、福島県人になっていただいて初めて福島の心がわかり、それをきちんと復興のために役立てるというふうに私は思うんですけれども、今まで福島に入られて、本当にありがとうございます。

 どういう形で福島を再生していくのか、大臣なりのお考え、聞かせていただきたいと思います。

長浜国務大臣 昨日、佐藤福島県知事とたまたま電話でお話をする機会がありまして、きょう、吉野さんから環境委員会で質疑を受けるというお話を申し上げたところ、今委員が言われた質問が出てくるよというお話をされておりました。

 なぜそんなことをおっしゃられるかというと、私が知事にお会いに行ったときに、まさに、ここから国会へ通ったらどうだと、福島市でありましたけれども、そういうお話が出ました。言われた意味が、御挨拶に行った十月、就任したのが一日ですから、初旬と、それから、現在十一月のこの状況の中において、先生からすれば一カ月で何がわかると怒られるかもしれませんが、そういう意味合いがじっくりと私にはわかってまいりました。

 地域の皆様と寄り添わなきゃいけないという、私はまず双葉の井戸川町長とお会いをしたわけでありますが、埼玉の加須・騎西に参りました。あれ、ここに役場がある、しかも埼玉県。その下の大熊町、お会いしたい。では、渡辺町長が会津若松で会いましょうと。あれ。そして、次は富岡に来るわけですね。富岡の町長、いわき市で待っていますよということでありました。そして、あの浪江の馬場町長にもお会いをしたわけでありますが、私は二本松におりますということで、住民の皆様に一番接している役場、この役場機能が、本来その住民の皆さんが住んでいるその地域の中に置けない。そして、各地で避難をされている。多いところは複数の事務所、支所をつくらないと行政サービスが提供できない。こういうことを果たしてどのぐらい全国の方に御理解をいただいているのか。

 確かに、私が先生から御評価をいただいたように、たびたび福島に入りますが、福島民報あるいは福島民友、こういう新聞を翌日拝見をしますと、大変大きく取り上げていただいております。しかし、全国紙にはもう載らない。

 この状況の中では、被災地の皆様からすれば、先生が日ごろおっしゃっておられるように、忘れられているんではないか、こう避難民の皆さん方も思っていられるとしたら、ゆゆしき事態だというふうにも思っておりますので、その先生の胸のバッジの気持ちを忘れずにしっかり頑張っていきたいというふうに思っております。

吉野委員 ありがとうございます。その心でぜひ福島のためにお仕事をしていただきたいと思います。

 原子力規制委員会について質問させていただきます。

 これは閣法が出ましたけれども、閣法を取り下げて、生方委員長の手元の議員立法という形でつくった法律であります。まさに、独立性のある三条委員会、これでもって原子力規制機関をつくろう。地に落ちたんです、安全委員会も保安院も信頼が。国民の信頼が全くない規制当局でありました。その信頼を回復するのがこの規制委員会だったんです。そして、独立性を一番担保するのが国会同意人事なんです。

 これは、委員長提案で委員長を務めた生方副大臣が、もしこれを内閣が、政府が、官邸が出してきたら、命かけて反対だ、同意を求めろ、我々立法者の意思とは違うんじゃないか、こういうふうに私ならするんですけれども、生方副大臣、どうなんでしょう。

生方副大臣 先ほど、田中委員からも質問がございました。私も、あの規制委員会の法案提出者として答弁もさせていただきました。当然、この三条委員会としての独立を担保するという意味では国会の同意がなければいけない、国会同意があるからこそまさに独立性が担保されるというのはまさに法の趣旨だというふうに思っておりますので、今でも、当然これは国会同意人事が得られるのが望ましいというふうに思っております。

 ただ、内閣の判断として、緊急事態が続いているということで総理大臣が判断されたので、それ以上私から申し上げることはないんですが、一言言えば、今、規制委員会が実際の仕事を始めているわけでございます。大飯原発の活断層があるのか、地すべりなのかということの判断も含めて今規制委員会が仕事をしているわけで、本来であれば、規制委員会の仕事ぶりを見て国会が同意するか同意しないかというのを決める方がむしろ私はいいのではないかなというふうにも思いますので、いずれ国会で同意をしなければいけないという時期が来ると思いますので、それまで仕事ぶりをじっくり国会議員の皆さんに御判断をいただいて同意、不同意というのをそこで明らかにすると、より国民にはわかりやすいのではないかなというふうに私個人では思っております。

吉野委員 そういう形で立法していないんです。やはり我々は法治国家ですから。委員長だって困るんです。一番困っているのは委員長です。やはり、国会の同意があって初めて強力な権力そして身分保障、だから独立性を与えたので、これは法律違反なんです、心は。本当に想定外。

 この規定を入れたのは、私の記憶の中では、政局で国会同意人事を人質にして、昔ありました、こういうことを避けようという場合に発動する規定というふうに私は理解しているんですけれども、生方委員長、ここのところを官邸に抗議したんですか。しないんですか。

生方副大臣 抗議はしておりません。

吉野委員 ぜひ抗議をしてください。法案提出者として、それも、最高の責任者が生方副大臣ですので、ぜひ抗議をしてください。

 ここに田中委員長いらっしゃいます。私たちがつくった規制委員会の独立性、独立性というのは、普通、独立性を侵すから田中委員長と余りしゃべるな、接触するなという形が独立性だというふうに誤解されているんです。いわゆる、誰も接触しないで孤立することが独立性だというふうにこう思われているんですけれども、それは全く違うと思います。独立性というのは、誰の圧力も受けないで自分の判断を下せること。その誰の圧力も受けないためには、身分保障、そして強力な権限、これを規制委員長、規制委員の方々に私たちは付与したつもりであります。

 田中委員長の考える独立性とはどんな独立性を考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。

田中政府参考人 お答えします。

 私の独立性という理解は、今回の福島第一原子力発電所の事故で原子力安全行政に対する完全な信頼の失墜というのがありまして、とりもなおさず、それを回復するのが、最も基本となるのが独立性である。その独立性というのは、今先生御指摘いただいたように、誰の圧力も受けないで、科学的に、中立に、透明性を持って、きちっと聞くべきことは聞いて、それでみずからの考えで判断するということではないかというふうに理解しております。

吉野委員 いわゆる孤立する、自分の世界に閉じこもってほかの方々と接触しないということはぜひやめていただきたいんです。いろいろな方々と接触して、いろいろな方々から意見を聞いて、判断は自分でする、誰の圧力も受けないで判断する、これが独立性の根幹だと思いますので、ぜひそのつもりで委員会運営をよろしくお願いしたいと思います。

 田中委員長は、福島県出身で、この事故が起きたときにすぐみずから除染して、あと、若いお母さん方、いっぱい放射線が心配なんです。そこにきちんと出向いてわかりやすくお話をしてくれた方であります。私は、委員長として田中委員長以外に誰もいない、こういう確信でおりますので、ぜひ頑張って運営していってほしいと思います。

 大臣、先ほど田中筆頭の方の質問で、野田総理の事故収束宣言と今度の十五条宣言の通知、これは矛盾する。大臣もおっしゃいました、ステップ2の終了、これでいいんです。これを、事故の収束という言葉を使っちゃいけないんです。

 事故の収束という言葉を使わないように、この十五条宣言、緊急事態だという通知を出したことと事故の収束は大いに日本語として矛盾しますので、ステップ2は終了したという形に野田総理の発言を修正してほしいんです。側近中の側近の大臣であれば、そういうアドバイスといいますか、これができると思いますので、それがやれるかどうか、お尋ねをしたいと思います。

長浜国務大臣 済みません、先ほどの説明の中でちょっとこんがらがりまして、富岡の遠藤町長と会ったのは郡山で、楢葉の松本町長と会ったのがいわきでありました。失礼しました。

 そこで、田中先生のときにも議論のあったところでございますが、言葉ということを特に吉野先生が大事にしているということはよく理解をしております。

 ただ、さっき申し上げましたとおり、ステップ2が完了したことの宣言という形で、あのとき内閣の中で、冷温停止状態を達成したこと等を確認をして収束宣言を出されたということと、それから今回、今おっしゃられています原子力緊急事態の問題というのは、少なくとも、私は現場で説明を求められたときはこの説明をして、ああそういうことだったんですかと。

 つまり、一つには説明不足の問題がありますし、誤解を解いていく中においてのオンサイトとそれからオフサイトの問題を含めての問題と分けて考えておりますので、私自身が、まず第一の間違いは総理の側近ではありませんが、次の段階においても、この問題をどうこうするということには今私は考えておりません。

吉野委員 オンサイトとオフサイトを分けて考えちゃいけないんです。

 例えば広野町、なぜ若い方々が町に戻らないか。原発が事故っているからですよ。これが一番大きな原因なんです。ここを収束したという内閣の認識では、なかなか広野に、また、これから楢葉も除染が終われば帰る町なんですけれども、原発が事故っていて収束がしていないので、だから帰らないという方々がほとんどなんです。

 大臣もまた入っていろいろ意見を聞けばわかると思うんですけれども、これが違うんだという、そこのところだけ改めてください。

長浜国務大臣 その部分においては全く先生と同じで、これから四号機の使用済み燃料棒の取り出しもしなければなりませんし、まだ見ぬデブリの問題も出ているわけでありますので、全然、これで収束したというふうには誰も思っていないと思います。

吉野委員 福島県民、特に双葉の方々が、今大臣の言った、違うんだよ、オンサイトはオンサイト、オフサイトはオフサイトだというふうにみんながきちんと理解するのならそれでいいんです。誰も理解していません。ですから、もっと丁寧に。ここの議論はこれで終わりたいと思います。

 田中委員長、規制委員会で研修院をつくるということが新聞に書かれていましたので、どんな形で構想しているのか、お聞かせ願いたいと思います。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 正式には国際原子力安全研修院、仮称なんでございますけれども、これが昨年八月に閣議了解をいただきまして、これは、今後の原子力の安全規制行政の組織の見直しとあわせて、人材を確保するという意味を持ってつくられたものであります。今年度は一億円の予算をいただいておりまして、今、それを使いまして、どういう形でこれを動かしたらいいのか、どういう形の組織にしたらいいのかということを検討させていただいているところでございます。

 こういったことが具体的になりましたら、またいろいろな面で皆さんにお考えを諮っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

吉野委員 規制当局はやはり人材育成です。人材育成がうまくいくかどうかで、規制当局の信頼が国民にあるかどうか、これは決まってくるわけでありますので、ぜひともこの人材育成のところには力を入れてほしいと思います。

 その人材育成の中で、福島県には福島高専というのがいわき市にあります。ここで、機械工学を中心に、そこに原子力を入れた原子力の研究会を高専でやっておりますので、この若い学生の方々、特に高専を中心とした人材育成をこれからどう図っていくのか、その辺のところをお聞かせを願いたいと思います。

鬼澤政府参考人 お答えいたします。

 五年一貫の実践的専門教育によりまして、実践的、創造的な技術者の養成を行う高等専門学校、高専におきましては、多くの卒業生が、電力会社や原子力プラントメーカーを初め原子力関係企業に就職しておりまして、文部科学省といたしましても、高専における原子力、放射線教育の充実を支援してきたところでございます。

 平成二十二年度には国際原子力人材育成イニシアティブ事業というものを創設いたしまして、その中で、三十三の高専が連携した取り組みといたしまして、高専で使用できる原子力、放射線にかかわる教科書やシラバスの開発などを支援しております。さらに、福島第一原子力発電所事故を踏まえまして、本イニシアティブ事業におきまして、高専における原子力安全、防災、放射線影響等に係る教育の支援を開始したところでございます。

 原子力人材の育成、確保、これは原子力の基盤と安全を支えるものでございまして、文部科学省といたしましても、引き続き、これらの取り組みを通じまして、高専における原子力教育の充実のための支援を図ってまいりたいと考えております。

吉野委員 ありがとうございます。

 ただ、それは三カ年とか五カ年とかという期限を区切った事業だと思いますので、さらなる人材育成のためにも、高専の活用、お金もふやしてこれから行ってほしいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次は、横光委員長が副大臣のときの問題です。

 栃木県、茨城県、おととい、七日の日に行ってきました。指定廃棄物の最終処分場です。両市長さんとも、寝耳に水だ、何の事前報告といいますか事前打ち合わせといいますか、これもなく、ある日突然、特に矢板市は、朝九時半に環境省から電話があって、横光副大臣が市長にお会いしたい。なぜこんな方法をとったんですか。

 これは誰に聞けばいいのかな。役所に聞きます、事務方。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の栃木県並びに茨城県の最終処分場に関します候補地の提示のやり方でございますけれども、いろいろなやり方があるかとも思いますけれども、政務三役と御相談の上、環境省全体として判断したものでございます。

 ただ、申し上げたいこと、一点だけございますけれども、今回お示しした候補地に関しましては、最終的な決定を通告したとかそういうものではなくて、提示を行って、これから御地元に御説明、あるいは、御理解をしていただくためのスタートラインであるというふうに考えてございます。

 私どもとしましては、地元の皆様方に対して、施設の必要性、あるいは選定手順の考え方、あるいは選定作業の結果、とりわけ安全性につきましても、しっかりと今後御説明してまいりたいと考えております。

吉野委員 横光副大臣は矢板方式を続けるんだと言う、これは新聞報道なんですけれども、おっしゃっています。矢板方式というのは、事前通告なしに、ある日突然知らしめるんだというのが矢板方式だそうです。これを続けるんだと言う。これはこれからも続けるんですか。

梶原政府参考人 役所としてこれからこのやり方をずっと踏襲するかということを決定しているわけではございませんけれども、一つ申し上げさせていただきますと、宮城県におきまして、ここにおきましても、最終処分場等の建設について御協力をお願いしますということでお伺いして説明しているわけでございますが、先日、宮城県の県知事さんが、県全体の市町村の首長さんの方々をお集めいただきまして、その中で、これから国が最終処分場の交渉を決めるであろうけれども、それをどのように地元としては聞くのか、あるいは聞いていくのかということについて会議を持たれております。

 私どもとしましては、そのような場も利用させていただいて、しっかりとその必要性、あるいは安全性、あるいは選定の考え方について御説明してまいりたい、かように考えてございます。

吉野委員 そうなんですよ。宮城方式をなぜとらなかったんですか。全市町村長会議を開いていただいて、そこで環境省が説明して、ぜひこれは宮城県には必要な施設なんです、そこから始まるのが本当なんだと思うんですけれども、もうこれは多分細野大臣のトップダウンかなと私は想像しているんですけれども、その辺のところ、細野大臣のトップダウンなんですか。これは委員長に本当は聞きたいんですけれども。

梶原政府参考人 細野大臣という固有名詞ではなくて、事務方からいろいろな考え方を説明しながら当時の政務三役の方々とも御相談させていただいて、このようなやり方をしたものでございます。

吉野委員 霞が関の役人は大臣に仕えていますけれども、その後ろには、多くの国民のために仕事をしている。各省庁のいろいろな方に私聞いてみました。国交省ならどうするの、農林省ならどうするの。みんな口をあいたままでした。何の事前通告もなしに、事前相談もなしに、ここにつくる、こんなばかな話はない。多分環境省の皆さんも、役人はそういう考えだと思います。

 特に、局長以上の偉い人は、大臣に首になっても、殿御乱心、そんな爆弾を落とすような形は絶対地元を怒らせるだけだからやめてください、言ったんですか。

横光委員長 梶原廃棄物・リサイクル対策部長、ちょっと委員長からのお願いですが、質問が、事前通告全くないというような質問をされていますが、そのことについても説明をしてください。

 環境省の方は質問に対しての答弁の中で、通告なしでやったじゃないかと言うけれども、そのところの実情も説明してください。

梶原政府参考人 今、御説明をちょっと私の方が足りないと思うんですけれども、まず、この施設については、まず初めに、法律の制定の中で、法律の中には、八千ベクレル以上を超える指定廃棄物につきましては国の責任において処理するということが規定をされ、それで、昨年十一月のこの法律に基づきます基本方針におきましては、指定廃棄物の処理は、当該指定廃棄物が排出された都道府県内で……(吉野委員「委員長、私の質問に答えてください、時間ないんですから」と呼ぶ)

横光委員長 わかりました。

 では、吉野正芳君の質問に答えてください。

梶原政府参考人 それで、突然にという話なんでございますけれども、実は、やり方について、手順とかあるいは評価の方法につきましては、事前に県の意見を聞いて、修正もしております。また、県の全市町村の課長さんに集まっていただきまして、その説明も行ってございます。

 その上で、安全性とか基準についての考え方も専門家の検討会で御審議をしていただいて、やっているということでございます。

吉野委員 高萩市長に伺いました。全市町村の課長会議で、県も入って環境省が説明している、こういう会議が毎日のようにあるんです、被災地は。だから、一々市長の頭に入っていかないんです。細かい会議が毎日あるんです、いろいろな担当が県に集まって。こういうふうに市長さんが言ったものですから、全く日常茶飯事ではそのレベルなんです。市長に伝える情報か情報でないかということがわからなかったんです。県には言っています。

 もう一つ。ここに、選定基準というかフローの紙があります。これ、誰がつくってというふうにちょっと聞きたいんですけれども、ここに、まず選びます。選んだ中で、一次スクリーニングで除外する地域を落とす、二次スクリーニングでさらに落とす、絞り込むというのがここのやり方なんです。

 高萩に行ってきました。七月には七カ所候補地がありました。これは茨城県の話です。八月には十一カ所です。九月二十何日には十三カ所。その二日後に、あれは高萩に決まったよ。ふえているんです。何なんですか、これ。絞り込むのがここのやり方でしょう。何でふえているんですか。これは全くおかしいでしょう。

梶原政府参考人 最終処分場の選定につきましては、今先生がおっしゃられるようなフローで作業をしてございます。

 茨城県の方からは、七月以降に、この作業の状況を踏まえて、定期的に打ち合わせをさせていただいております。それで、茨城県からは二次スクリーニング時の候補地の選定状況について情報提供を求められておりまして、その打ち合わせのたびごとに、そのときの状況に応じて、スクリーニング作業を実施しております候補地の情報提供をしたものでございます。

 九月二十六日に高萩市に候補地を事前に提示するまでの間に、継続してこの作業を行ってございます。

 作業の過程の中では、例えば、地形図の情報であるとかあるいは処分場の必要な面積の精査を行いまして、さらに、順次作業が終了していく地域、例えば、Aという地域を先にやって、次以下、順次こうやってほかのところも作業をしてまいります。そういったような作業の中での状況を御説明したものでございます。

 最終的には、その二次スクリーニングの対象となった候補地は全体として十三カ所になっておりまして、その中から二カ所について現地踏査も行い、最終的に一カ所に絞り込んだと、こういう経緯でございます。

吉野委員 十三カ所を県に通知したのが九月二十四日です。その二日後、九月二十六日にはもう高萩というふうに通知しております。ですから、この辺は本当に拙速だなというふうに思います。

 矢板に移ります。私も現場に行ってまいりました。那須火山帯です。高原山があります。これは休火山ですか、死火山ですか、活火山ですか。

梶原政府参考人 噴火予知の連絡会のランクでは、活火山という形でランクをされております。

 ただ、活火山の中には、ランクA、ランクB、ランクCがございまして、一応、活動度が一番低いランクCという形でランクされているものと理解しております。

吉野委員 ここの選定基準には断層は入っています。地すべりも入っています。何で火山は入っていないんですか。

梶原政府参考人 処分場の候補の選定基準あるいは選定方法、あるいは評価項目等につきましては、専門家の方々に御参加をしていただいております災害廃棄物安全評価検討会において、意見を伺った上で決定をしております。

 環境省におきましては、活火山の影響について盛り込むことについて、火山の活動度や山の規模も異なる全ての活火山の影響範囲を同一の客観的な指標により評価することは難しいというふうに考えておりました。

 例えば、全ての活火山で入山規制があるわけでもなく、また、ハザードマップも整備されているわけではないということでありまして、画一的な影響の範囲を示すことは難しいというふうな判断で、明示的な評価項目に入れておりません。

 以上でございます。

吉野委員 長浜大臣、今の局長の答弁を聞いて、この選定基準には、地すべり地域は外す、書いてあるんです。想定する活断層も外す。明確に活火山と言われている場所につくっていいんでしょうかね。大臣の御見解、お願いします。

長浜国務大臣 今の先生とのやりとりを拝聴しておりました。と同時に、この問題で前政務三役と、今の議論の中にもありましたけれども、この決定手順を詰めていった過程の説明も聞いています。

 若干、今のここの御質疑とそごを生じている部分が、私自身が説明を受けている中とここの質疑の中であるものですから、委員長を含めてこの先行手順において厳密に議論をされた上に御提示をされたと、私はそういうふうに聞いているものですから、ちょっと今のところでは何とも申し上げられません。

吉野委員 民間の最終処分場ならアセスに三年から五年をかけます。これは何カ月の話です。ここは火山地帯で伏流水があるから飲み水が心配だ。火山だというのは私が気がついたんです。それできょう取り上げているんですけれども、県も市も、火山という頭はないんです。でも活火山なんです。

 ちょっと大臣、矢板方式、事前通告なしにばちんと決めるんだということはもうやめると、そこだけははっきり言ってください。きちんと宮城県みたく市長会を開いて問題提起をして、そしてみんなで決めていくんだというその方向性だけは、ちょっと大臣、答弁願いたいと思います。

園田副大臣 この件につきましては、前横光副大臣から私が、今回、環境省の副大臣を拝命いたしたときに引き継がせていただいております。

 その関係で私も経緯をしっかりと聞かせていただく中で、先生御指摘のように、矢板あるいは高萩、双方の皆様方が、私も就任させていただいてすぐ、両市の市長の皆様方あるいは各政党の皆様方からも、これに対するさまざまな御意見、そしてまた、白紙撤回を求めるそういった御意見をいただいております。

 当該の住民の皆さん方に対しまして御心配をおかけしていることに大変申しわけなく思っているところでございまして、そういった意味においては、私も大臣とも御相談させていただいておりますが、やはり、しっかり丁寧なことを心がけようということは大臣からも御指示をいただいているところでございまして、その過程の中でいろいろなやり方があったと存じます。

 そして、これから、ではどういうやり方でやっていくのか。当然、私も現地に足を運ばせていただきながら、そしてまた、県ともしっかりとこの案件については、先生も御案内のとおり、県の中で必要な最終処分場を建設しなければならない、していただきたい。そういった必要性については、都道府県が一番わかっていただいている、現地の状況もわかっていただいている。そしてまた、それぞれの地域、都道府県によって事情も違います。

 そういった面においては、まず県とも御相談をさせていただきながら、どういう手順を踏んでいって、そしてまた、どういう形の提示の仕方があるのかというのはよくよく御相談をさせていただきながら、そしてまた、より丁寧なやり方というものも同時に考えていきたいというふうに考えておりますので、どうぞ、これからも御指導よろしくお願い申し上げたいと思います。

吉野委員 地元ときちんとコミュニケーションをとってください。高萩市長は、園田副大臣から近々御挨拶あろうかと思って待っています。かなり怒っています。県には行って市には来ない。ですから、きちんとコミュニケーションをとってください。

 長浜大臣、千葉もそうなんです。まず大臣のところからつくってください。大臣のところ、千葉県で一番最初に最終処分場をつくってください。お願いします。

 次、私の資料が行っていると思います。最後です。

 これは福島県の郡山市です。市のど真ん中なんです。ここに農業用ため池があります。近くに小学校、市民文化センター等々があります。今、ため池の水が落ちています。ですから、底地が出ています。この底地をはかったらば、二十三万ベクレルです。

 十万ベクレル以上は遮断型以上のものをつくって中間貯蔵施設に入れる、これが環境省の建前です。ですから、仙台空港で見つけた不発弾と同じだと私は思うんです。でも、これはこのままなんです。誰もさわらない。こんな状態でいいんでしょうか。

 役場は、持っていくところがないからさわらないんだ、多分言うでしょう。だったら、これを取って、学校の校庭みたく穴を掘ってこれを埋設する、何でこんな簡単なことまでできないのか。大臣、お答え願いたいと思います。

高山大臣政務官 吉野先生、御指摘いただきました、吉野先生に御用意いただきましたため池、こちらの件でございますけれども、まず、我々が今どういうことを取り組んでいるかということを、もう先生御存じだと思いますけれども、こういう川でありますとかため池、こういったところも、昨年の九月から定期的にまずモニタリングをしております。そして、先生御案内のように、非常に水で放射線そのものは遮蔽できるということがございます。

 今先生お話しありました、十万ベクレル以上をどこに持っていくんだというようなお話もございましたけれども、我々、福島県におきましては、除染をした場合に大量の土砂ですとか廃棄物が出てくる、そして、それに関しては中間貯蔵施設が必要だということで今お願いをしているところでございます。

 ただ、この底質ですとか川の底、こういったところに関しましては、水による遮蔽効果があるので、放射線そのものの影響というのはまだないということを今我々としては考えております。

吉野委員 これをよく見てくださいよ。地べたよりも一メートルの方が高いんだよ。それで放射線の影響がないなんて、何を言っているんですか。ほかに持っていけないんだったら、もうすぐにでもここをバックホーで大きな穴を掘って、小学校の校庭の除染と同じやり方は何でできないんですか。

高山大臣政務官 吉野先生にお答えいたします。

 私が今お話をちょっとしましたのは、水回りのところ、一般論のお話をさせていただきました。

 そして、今先生から具体的に御指摘いただきましたこの郡山市の件でございますけれども、これは、ことしに入りましてから、郡山市から実は相談を受けております。

 実際に、先ほど先生がお話しいただきましたように、冬場には一時的に水を抜くこともあるということでしたので、単なる川ですとか池と同じように考えていいものかどうかということも含めて、今、県と我々環境省の方で、どのようなやり方があるかということをかなり具体的に検討している最中でございますので、今先生の御指摘のとおりの不安が郡山市及びその住民の方々にあるということはよく理解しておりますし、それをそのまま放置するということは今考えておりません。

横光委員長 吉野正芳君、質問時間が経過しておりますので、御協力ください。

吉野委員 やるという答弁をいただいたと思いますので、本当によろしくお願いします。

 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

横光委員長 次に、斎藤やすのり君。

斎藤(や)委員 国民の生活が第一・新党きづなの斎藤と申します。

 まず初めに、先ほど吉野先生から質問がありました指定廃棄物の最終処分について、今ちょっと、私、吉野先生への答弁を聞いていたんですけれども、非常に不安を感じました。選定基準をきちんとクリアしていない部分もどうもあるようだということで、その準備期間も短いし、本当に市民の人が安心して受け入れることができるだろうかというふうに不安に思ってしまったわけです。

 宮城県では間もなく場所が決定するという話ですけれども、場所の決定時期、いつごろなのかというのを最初にちょっと教えていただけないでしょうか。

梶原政府参考人 宮城県につきましても、本年の五月三十日に前副大臣が行っていただいて協力依頼をし、その後、資料等をいただきながら作業を進めているところでございます。

 また、十月二十五日、先ほどちょっと吉野先生の際にも申し上げましたけれども、宮城県知事のリーダーシップのもとで、宮城県主催の市町村長さんを集めていただいた会議を開いていただいて、いろいろな御意見をいただいているところでございます。

 その意見につきましては、その後、知事から大臣、副大臣のところに要望書という形で来ておりまして、現在、その中身につきましてどのような形で対応できるかということにつきまして、県と意見交換といいますか調整をやっている段階でございます。

 具体的にいつお示しできるかということを明らかにできる段階ではございませんけれども、できるだけ早い段階で、いただいた要望について検討して、場所についてもお示しできればというふうに考えております。

斎藤(や)委員 宮城県というのは、本当に幾つも断層が走っていますし、宮城県沖地震も三十年に一度の割合で発生しているということで、災害のリスクがほかの県に比べるとやや高いところでございます。

 そういう意味でも、万が一事故が発生した場合、それから風評被害の対策、こういったリスクヘッジというのは何か考えていらっしゃるんでしょうか。

梶原政府参考人 まず、災害の対策につきましては、実際の地すべりとかあるいは洪水でありますとか、そういったような地域をまず候補地点から避けるといったようなスクリーニング手続を経て、そういう危険性が多いところを回避するというのが第一点目でございます。

 第二点目としましては、最終処分場の構造をつくるときに、水密性があるとかあるいは長期的な耐久性があるといったようなコンクリートを使いまして、三十五センチの厚さを今想定しておりますけれども、そういうものでそれぞれ区画に割りながらつくって丈夫なものにするといったような対策、それを初めとした対策を考えてございます。

 風評被害につきましては、非常に難しい問題でございますけれども、私どもとしては、埋め立てるあるいは処理をする廃棄物の性状あるいは安全性について十分な説明を行い、PRもし、国民の理解を得ていきたいというふうに考えてございます。

斎藤(や)委員 ということは、風評被害に対しての対策というのは現段階では具体的にとられていないということですが、これは十分あり得ると思います。なぜならば、宮城県というのは、もう皆さん御存じのとおり、農作物への風評被害というのが大変多く出てしまったところですから、それに加えてこれですから。ですから、そこも十分考えた上で対策をとっていただければと思います。

 これは私個人的な意見ですけれども、私は、県一つずつに最終処分場をつくるというのは反対です。これは放射能の拡散ですから。やはり、一つに、一カ所にまとめるということをしなければ日本国土が全体的に汚染されてしまう、そういう私は思いですから、ぜひ、そういう意見も酌み入れていただければというふうに思います。

 質問を変えます。

 私は、けさ、読売新聞を見てびっくりしてしまいました。済みません、ちょっとこれは事前通告をしていないんですけれども、答えられる内容だと思いますので。

 何にびっくりしたのかといいますと、読売新聞に、総理大臣が「年内解散を検討」という大見出しが書いてある。私は別にそれはびっくりしません、私は解散をすぐするべきだと思っていますから。何よりもびっくりしたのがTPPです。TPPの参加表明の直後、特例公債法案が成立した後に解散するというふうに書いてあります。

 こういうような報道一つ一つをとって、一々、事実じゃない、事実であるということは確認しなければいけないことではあるんですけれども、もしこれが事実であれば、TPP交渉参加を表明するのであれば、これは大変大きな問題だというふうに私は思っております。

 なぜならば、野田総理は八月に、国民的議論を尽くした上で、そしてこれに参加するということを言っているんですが、国民にも私たち国会議員にもきちんとした情報がシェアをされていない。しかも、きのう、下地大臣に聞いたら、いや、そんなことは聞いていないよ、交渉参加表明することなんて聞いていないよというようなことを言っておりました。

 長浜大臣は聞いていらっしゃいますか、交渉参加表明について。

長浜国務大臣 私は、本当に、環境と原発収束が担当でございまして、そういう議論は存じておりません。

斎藤(や)委員 環境行政とTPPということも大変大きくかかわりがあるんですけれども、このTPPの環境行政へのリスクというのはどこにあるかというのは考えたことがありますでしょうか、長浜大臣。

長浜国務大臣 TPPの議論をさまざま党内でやっておりましたとき、これは農水にかかわるのか、農作物の残留農薬とか環境に及ぼす影響とか、こういうことも危惧されておりました。

斎藤(や)委員 おっしゃるとおりです。遺伝子組み換えの生物の問題、LMOの問題とか、それと、北米のNAFTAとか米韓のFTAの中では、例えば、環境基準の緩和を求められたり環境規制を貿易障壁としてISDで訴えられるというようなことも起きておりまして、環境行政にこのTPPというのは間違いなく大きくかかわってくることでございます。

 そういうことも含めて、ほとんど国民にも、それから内閣の皆さん、政府の皆様にもほとんど説明されていない中で交渉参加を拙速にするということは、私は考えられないことだというふうに思いますので、ぜひとも長浜大臣から野田総理に、もう少し国民的議論を尽くしてからにしましょうということを言っていただければというふうに思います。

 このTPPも含めて、国家のあり方それから国の形が大きく変わるものを今まさに野田総理はやろうとしている。やはり、国民の信託を受けてからこれはTPPの加盟表明というものをするべきだというふうに私は考えております。民主主義の否定になってしまいます。

 そして、民主主義の否定といえば、これは原子力規制委員会の人事でございます。

 先ほども田中先生からの御指摘もありましたけれども、原子力規制委員会というのは、利用と規制の分離というコンセプトがあり、その人事は透明性の確保を徹底するというふうに言ってきました。が、あけてみたら、今まで規制される側の方、原子力村の村人の方を選ばれていた。その人選の過程も、透明どころか、人事案の決定過程も見えない。

 それを私は細野大臣に指摘させていただきました。そうしたら、細野大臣は私にはっきり言いました。国会の同意人事だから国会で議論をして決めてくださいというふうにおっしゃいました。

 ところが、先般議論がありましたように、国会の同意がないまま人事が決まって規制委員会が動き出した、例外規定を使ってということでございます。そして、国会を閉めた後に、閉会中は総理の専権事項と言って、国会の同意なしで人事を決めてしまった。本来であれば今の国会で決めなければいけないのに、今度は、原子力緊急事態宣言が出されていると言って、事後承認さえ今先送りしている状況です。

 国会同意があって初めて民主的な運営ができると思うわけなんですけれども、長浜大臣に質問なんですが、緊急事態宣言を出し続けておけば規制委員会の人事はずっと国会での同意が要らない、そういうことになってしまうんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

    〔委員長退席、田島(一)委員長代理着席〕

長浜国務大臣 また建前どおりに言うなと怒られるかもしれませんが、法律に書かれているとおりに運用しているわけでありまして、例えば、この国会が閉じた後にまた通常国会が開かれる状況になった場合には、またそのときに手続をとらなければいけないというふうに認識をしております。

斎藤(や)委員 一つお伺いします。

 この緊急事態宣言を解除される何か基準というものはあるんでしょうか。済みません、これは事前通告していなかったんですが、事務方の方でもしわかれば、お願いします。

高山大臣政務官 斎藤委員からちょっと事前の通告をいただいておりませんので多少不正確な面があるかもしれませんが、この十五条四項では、周辺事態のことも含めて、総合的に最終的には判断することになっております。

斎藤(や)委員 総合的にということは、これといったきちんとした基準がないということなので、緊急事態宣言を出し続ければ、ずっと国会の同意がなくても規制委員会は機能し続けるということだと思います。これは大変な問題です。今のままでは絶対によくない。民主的コントロールがきいていない状況というのは、これは絶対よくないと思います。

 実は、その兆候というのがもう既に出始めているのではないかなということを私は言わせていただきます。例えばけさ、こういう記事を見ました。原発の運転原則四十年ということになっているはずですが、四十年後に危険な存在になるとは言い切れないという、委員がそういう発言をしてきております。

 それから、来年の夏までに原発の新しい安全基準をつくる作業をしていると思うんですけれども、この検討チームに外部の有識者六人が加わりますけれども、この方々が原子力業界から、委託研究あるいは報酬、それから寄附など、資金の提供を大量に受けているという事実があると聞きました。ここを詳しく教えていただければというふうに思います。これは通告していました。

田中政府参考人 お答えいたします。

 原子力安全基準の全面的な見直しというのは、本規制委員会の大きなミッションであります。それで、それを七月までにやるというのも、これも法律上決められております。今、その作業をしている最中でございます。最終的には、もちろん、私ども原子力規制委員会の責任でこれを決めていくわけですが、何分にも極めて専門的な面もございますので、そういった意味で、専門家の助けをいただいているということでございます。

 その中で、六名の外部有識者の方に御参加いただいておりますが、過去三年間において、二名の方が個人として同一の会社から年間五十万以上の報酬を受け取っているということであります。それから、三名の方が個人の研究費等として寄附を受けていて、その合計が、それぞれ二百万円、五百三十万円、六百六十四万円となっております。

 原則として、委員にこういった有識者として参加していただく場合には、全部そういったことを出させていただいて、全部公表をさせていただいております。

斎藤(や)委員 原子力業界から、合わせれば数千万だと思うんですけれども、そういった多額の研究費だとかそれから多額の報酬だとか、そういうものを受け取った方が厳格な安全基準というものを果たして本当につくれるんだろうかということは、私、非常に危惧しております。この人事というのは、誰がこれを決めたんでしょうか。

田中政府参考人 人事を決めさせていただきましたのは、私ども原子力委員会でございます。

斎藤(や)委員 つまり、国民の代表たる国会議員が同意していない原子力規制委員会の方が、来年の再稼働の基準もつくってしまっている。私は、これはやはり異常な事態だというふうに思えます。ですから、急いで国会の同意人事をしていただきたい。緊急事態宣言という盾を使うのではなくて、副大臣、大臣からぜひ野田総理に直接、この同意人事は早くやりましょうということで進言していただければというふうに心から私は思うわけでございます。

 それと、きょうはもう一つ、この規制委員会の中身の問題もそうなんですけれども、ちょっと小さな、小さな話じゃないですね、これも大きな話です、血税を使われていますから。中身も私は問題だと思いますけれども、器の問題をちょっと聞かせていただきます。

 この規制委員会ですが、今、東京六本木にオフィスがあります。ここの家賃は一体幾らでしょうか。

田中政府参考人 ちょっと先ほど、原子力委員会と申し上げましたけれども、原子力規制委員会の間違いですので、訂正させていただきたいと思います。

 家賃は、今年度は約三億三千万円と伺っております。

    〔田島(一)委員長代理退席、委員長着席〕

斎藤(や)委員 今年度、つまり来年の三月末までに三億三千万。ことし八月からですから、計算すると月額大体四千四百万。月額四千四百万円のオフィスを借りているということです。

 何千人もいる団体ではありません。五百人弱の団体だと思います。私は本当に、別に六本木の豪華ビルでなくてもいいと思います。福島にすぐ行ける東京駅のそばだとか、それから、全国の原発にすぐ行ける、例えば羽田空港でも成田空港でもいいと思います、成田だとちょっと遠いと思いますけれども。幾らだってビルがあると思いますし、やりくりできると思うんです。それなのに、一カ月で四千四百万円のオフィスの賃料というのは、福島の原発事故で放射能の風評被害に遭った方から見れば、ちょっとこれ、市民感覚からするとずれているんじゃないのというふうに私は言わざるを得ません。

 原子力規制庁、六本木のファーストビルというところだと思いますけれども、中には、メルセデス・ベンツだとかマッキンゼーだとか、そういうものが入っているということでございますが、これについて大臣はどういうふうに思われるでしょうか。見解をお願いします。

長浜国務大臣 まず、今先生が御指摘になったような場所を訪問をしておりませんものですから、確かに、何で見ていないんだと怒られるかもしれませんが、ちょっと実地を見て、また機会があればコメントをしたいと思います。

斎藤(や)委員 これだけ皆さん、被災地の方は困っているわけです。ですから、そのあたりのことを鑑みていただきたい。やはりこういうところが、いわゆる官僚バッシング、政治バッシングもそうですけれども、被災地の方の気持ちをグリップできない一番の部分なのではないかなというふうに思います。民主党は、私もずっといました、事業仕分けもさせていただきましたけれども、特にこういうところに対してはきちんと切り込むというのが民主党政権だったはずですから、仕分けのマインドというものをもう一度やはり呼び起こしていただければというふうに思います。

 この家賃のことで一つ確認したいんですけれども、行政事業シートを見たら、原子力安全庁発足に向けた準備経費、二十一億七千五百万円計上されておりましたけれども、これは復興予算です。この準備経費からこの高額家賃が出ているという、そういう認識でよろしいでしょうか。

高山大臣政務官 準備経費ではございません。

 それと、斎藤委員に先ほどの答弁を補足させていただきますけれども、なぜその六本木のビルなのかということですけれども、これはやはり、成田ですとか、そういう遠い場所ではまずいんです。これはまさに、事故が起きましたときに官邸に徒歩圏で行けるということが非常に重要でした。

 そして、四百人、五百人という人数ということでしたけれども、現在、御案内のように、もともと千二百人しかおりませんでした環境省にこれだけの五百人が来ることになりました。環境省の本省には今スペースがございません。ですので、近隣のビルを借りる必要があったということで、必要性を御理解いただきたいと思います。

斎藤(や)委員 私はコスト削減意識というものを持ってほしいということです。恐らくその六本木ファーストビルというのは、かいわいの中では相当レベルの高い家賃、レベルの高いビルだというふうに私は認識しておりますので、ぜひそこは考えていただきたい、そういう話をさせていただきました。

 復興予算ではないということなんですけれども、復興予算の使い道、今やさんざんメディアで取り上げられております。これは問題なのではないかというのが、環境省でも実はあります。先ほどは、ないようなことが言われておりましたけれども、あります。

 例えば、つくばにある国環研、国立環境研究所の雨漏り工事、空調設備を直したりするのに、復興予算で約三億円が使われている。

 それと、気になるのが、来年度の環境研究総合推進費、これは今度の事業仕分けでまないたの上にのると思いますけれども、それ以上に、その国環研の人件費が、復興特別会計、復興予算から四億円計上されております。震災研究に乗る人件費と書いておりますけれども、どこで何を研究する方の人件費なのかというのを教えてください。

白石政府参考人 二つのお尋ねがありました。

 まず、二十三年度の三次補正の災害復旧予算でございますけれども、これは、つくばという被災地にあります国環研が震災によって大分壊れました。その復旧のための費用ということでございまして、これは復興予算として妥当だというふうに考えております。

 それからもう一つ、来年度の予算要求で人件費が復興予算に入っているというお尋ねでございます。

 確かに、来年度の概算要求におきましては、国環研の運営費交付金のうち、人件費のうち四億円分を復興特別会計からの要求というふうにさせていただいております。

 これは、国環研、震災発生以降、自分のところも被災したわけでございますけれども、福島県内にも研究者を随時派遣いたしまして、災害廃棄物の適正な処理、それから放射性物質が環境中にどのような動態があるかということの解明、汚染土壌の処理等の研究開発を実地に行っておるわけでございますけれども、この部分が従来の研究に加えて行われる部分でございますので、そういう震災復興のための研究の方々の人件費分は要求させていただこうと、このように考えておるものでございまして、復興予算として妥当なものだというのが私どもの考えでございます。

斎藤(や)委員 震災の復旧工事、国環研の修繕費を復興予算から入れる、復旧のものだからいいであろうと。

 ただ、先ほどからも言われているように、やはり、被災地以外の茨城県つくば市の国環研の修繕費、これはどうでしょうか、長浜大臣。(高山大臣政務官「被災地なんですよ」と呼ぶ)被災地ですけれども、どうですか。(発言する者あり)

長浜国務大臣 国環研に行かれたかどうかわかりませんけれども、単なる設備の老朽化ということではなくて、震災によるところの影響が出ているということで、茨城の下には千葉がありますが、千葉も被災地の状況でありますので、そういった中においては、国環研の今回のその部分においては適当ではないかなというふうに認識をしております。

斎藤(や)委員 まあいいんじゃないのという声もありましたけれども、もうちょっとやはり被災地を歩いた方がいいですよ、本当に。世論も怒っているんですから。そこはやはり、皆さん共通認識を持たないといけないというふうに私は思いますけれども。

 それともう一つ、この国環研への運営交付金なんですけれども、二十五年度要求で四億六百万円ということで、福島で働く方のためにこの四億六百万円というのが要求されるということですけれども、これは何かつくるんですか、例えば団体みたいなものを。教えてください。

白石政府参考人 団体をつくったりということではなくて、あくまでも職員がそちらに行って、今も仮のオフィスみたいな、ラボみたいなものはありますけれども、具体的な施設をつくるということとは別に、国環研本体の事業としてのものでございます。

 ちなみに、福島県の方からは、環境復興のための何か研究の組織をつくりたいという要望はございますけれども、そこに国環研としての協力ということはございますけれども、新たに何か国の組織というのではなくて、そういう福島県のつくる構想に協力をするという形の構想はございます。これはまだ構想段階でございますので、具体的な詰めはこれからでございますけれども、そのような状況が今ございます。

斎藤(や)委員 ということは、この四億六百万円というのは、積算根拠というのはきちんとこれはされているんでしょうか。ざっくりこれを要求したということですか。

白石政府参考人 当然、単価でございますので、該当する人数をもとにした積算でございます。

斎藤(や)委員 わかりました。

 私が何を言いたいのかといいますと、この復興特会というのは、先ほど田中先生がおっしゃっておりましたけれども、被災地の必要性、それから喫緊の事業、こういうところにやはり使うべきで、これは基礎研究的なものの事業なんですか、例えば、除染とか、処理技術、処理システムの確立、それから放射性物質等の実態把握、動態解明ということが書いてあります。結論が出るのに相当これは時間がかかるものだと思います。ですから、こういうものに復興特会が使われるべきではないと私は思っているんですね。

 ここは復興特会で使うマンパワーじゃないですよ。今必要なのは、やはり、被災地で土木系の技術職員が足りない、これが復興のボトルネックになっているわけでございます。ですから、環境省の皆様には失礼かもしれませんけれども、基礎研究の人材確保は、復興予算でやるのは二の次、三の次でいいと思います。

 これをもしやりたいのであれば、それは、環境省さんの一般会計の中でやればいいのではないかなというふうに私は思いますけれども、長浜大臣、見解はどうでしょうか。

長浜国務大臣 今御説明を申し上げましたように、基礎研究というよりは、具体的に震災復興に対しての研究ということだと思いますので、もうちょっと先生の方に具体的な説明を事務方に行かせたいというふうに思っております。

斎藤(や)委員 今後、環境委員会で質疑する機会というのは、解散するということでもしかしたらないかもしれませんけれども、ぜひ、私、細かくこれは精査したいんです。

 なぜならば、やはり納税者がいるんですよ。来年から所得税が上がって、再来年から市民税が上がるんです。納税者の人たちは、これは被災地の復興のためだから、もう本当に生活が厳しいけれども我慢して、復興のためにといって出すんです。ですから、それを皆さんわかってほしいんですよ。血税なんですよ。生活が厳しい中で出している、それをわかってもうちょっと、予算を使っていただく、事業を計画していただくということをしていただければというふうに思います。

 民主党政治というのは、三年前、本当に庶民感覚で、国民にわかりやすい政治をすると言ってできた政権だと思うんですが、残念ながら、三年前のそのマインドというものが本当にゼロになりつつあると、残念ながら思います。私にも責任があります、私も民主党の議員でしたから。これはとても残念です。

 ですから、私は、もうこうなってしまえば、国民の負託と全く逆の方向に行ってしまった政権であるならば、やはりここで解散をして……(発言する者あり)全てではないですけれども、解散をして国民の民意を問う、そういうときが来ているのではないかなというふうに思います。

 かなり厳しく言ってしまって、一年生議員で生意気を言ってしまいましたけれども、おわびを申し上げますけれども、環境省の皆さん、それから政府の皆さん、ぜひ理解していただければと思います。

 ありがとうございました。

横光委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 長浜大臣、環境大臣への御就任、まことにおめでとうございます。国民の命と環境を守る環境行政でございます。どうか大臣の真の政治主導でしっかりとリードしてもらうように、御期待を申し上げます。

 早速に質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、容器包装リサイクル問題について、私、取り上げさせていただきたいと思っております。

 循環型社会の構築、これは、二十一世紀の日本社会及び国際社会の重要な政策課題でございます。

 公明党は、自公連立政権への連立参加の条件としてこの循環型社会形成推進基本法の制定を提案して、平成十二年の国会で成立した経緯がございます。その基本法のもとに、容器包装リサイクル法、また家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設・自動車リサイクル法、これが整備されて、今、世界一の循環型社会が構築されてきたと思うわけであります。

 しかし、この重要な一角であるその容器包装リサイクル制度が崩壊しかねない問題がございます。きょうはこの点について質問をさせていただきたい。

 容器包装リサイクルでは、消費者が廃棄するペットボトルや食品トレーを全国の市町村が回収して、日本容器包装リサイクル協会に引き渡します。再生事業者が、これは再商品化事業者でございますが、それを落札してシートや繊維製品を製造する再商品化製品利用事業者に販売することで、国内循環型の容器包装リサイクルが成り立っているわけであります。

 この日本容器包装リサイクル協会は、再生事業者に売り渡す年一回の入札を実施しております。毎年一月に次年度の入札価格を決定します。今年度の平均入札価格は一キロ四十九円で、年初の輸出価格を反映して最高値となりました。

 しかし、その後、欧州の景気悪化の影響で中国などの需要が急落して、市場価格は、バージン価格の急落も反映しまして、数円から二十円ともなってしまったんです。現制度では年一回の入札価格は固定でありますから、再生事業者が引き取った廃ペットボトルは売っても赤字が続いておりまして、再生事業者の経営は危機的な状況にあるわけであります。

 廃ペットボトル再商品化事業者は、この国内循環型の容器包装リサイクルを完結させている重要な主体であると私は思っておりますが、今回起きている問題で、入札制度による一年間の業務は経営努力だけでは継続できない状態に、大臣、これはあるわけで、この容器包装リサイクル制度自体がこれは崩壊しかねない問題をはらんでいる。私はそういう視点から質問をさせていただいております。

 今回の問題に対して日本容器包装リサイクル協会は、八月三十一日付で「平成二十四年度 PETボトル再商品化事業に関する措置規程の軽減適用について」というものを発出して、ペットボトルの引き取り辞退に関する軽減措置等を実施いたしました。廃ペットボトル再商品化事業者の置かれている危機的状況に対して、これは残念ながら根本的な解決にはなっておりません。

 このままでは廃業に追い込まれる事業者が多く発生することになり、この容器包装リサイクル制度自体が崩壊しかねない、そういう危機があります。

 このような状況を政府はどのように認識しておられるのか、このままでいいと思っているのか、今後の対応についてまず大臣にお聞きをいたします。

長浜国務大臣 容リ法の改正等々を含めまして、御党を初め、この環境委員会の皆様方には大変御理解をいただいていることを感謝を申し上げます。

 確かに、三Rの中でのリデュース、リユースもありますが、リサイクルという形の中においての形態のこの形は維持をしていかなければなりません。

 そこで今の御質問でありますが、今回の欧州危機に端を発した先生御説明の廃ペットボトル再商品化事業者が、大変経済的に困窮といいますか困難に面しておられるということは私も承知をいたしております。八月三十一日付の先ほどのペーパーも拝見をいたしております。

 そしてまた、あのリーマン・ショック時においては、全ての事業者にとって、ペットのバージン原料の価格の下落は予見不可能であったところ、つまり、こんな状況になるということを全ての事業者があのリーマン・ショックのときは予見ができなかったということで、突然の市況の変化によって全ての再商品化事業者の経営に打撃が生じ、自治体からのペットボトルの引き取りにも支障が生じたという事態は、御承知のとおりでございます。

 では、今回はどういうふうに見ているんだということだと思いますが、二〇一一年の二月ごろから既に市況の変化が見られ、その後の市況の変化を予測をして対応した事業者と、予測し切れずに大きな影響を受けた事業者との両者が存在をしていると私は聞いております。

 つまり、札の入れ方で、高目で入れた方と低目で入れた方、つまり入札が行われたということで、リーマン・ショック後の状況は、先ほど御説明を申し上げましたように、全ての事業者という状況からすると今回の場合はということでありますが、大きな影響を受けた再商品化事業者に対して価格の調整等の措置を行うということは、これは一般論としてでありますが、公平性の観点から、甚だ難しいのではないかなという議論があることも御理解をいただきたいというふうに思います。

 中長期的な対応として、市況の急激な変化に対応した仕組みとするということは、ペットボトルの安定的な引き取りに重要だと考えております。

 さっき先生が、一年間の価格の固定が行われるという現在の制度の中においての御説明をいただきました。このため、関係省庁及び日本容器包装リサイクル協会と連携しながら、実勢価格が円滑に反映される入札制度の構築の検討も含めまして、公正な競争のもとでペットボトルの再商品化が円滑に行われる環境を整えるために、今後とも、御意見を聞きながら制度を整備させていきたいと思っております。

江田(康)委員 大臣は大変頭のいいお方でございますので、私が今から聞くことをすっきりと全部回答をなされたように思いますが、私はそれに対しては承服はいたしておりません。

 先ほどおっしゃった、今回の入札において、市況を見きわめたところとそうでなかったところがあるということはあるやもしれません。しかし、大部分、この容器包装リサイクル制度に主体として貢献しているところの半分以上のところがこの問題を抱えている、この危機的状況に瀕しています。

 今回の容器包装リサイクル協会の対応で、先ほど言いましたような、ペットボトルの引き取り辞退に関する軽減措置等を実施したというところを見ると、問題が特定の事業者を対象としたものであって、原因も入札時点の読み違えであると捉えたためか、懲罰的なものになっているような気がします。

 これは違う。これは、やはり下期の引き取り量の約半分が引き取り辞退となっているんですよ。その事実を踏まえれば、問題は特定の事業者にとどまらぬ全体の問題であるということを、私は、政府はしっかりと真摯に捉えるべきだと思うわけです。

 欧州危機による、また、中国等を初めとする需要の低下による大きな市況変動によって引き起こされた、まさにこれは公的な、社会的な問題であるわけであって、それを個別の事業者の問題ということを前面に出しながらの対策は、私はこれは間違っていると。

 そして、私ども公明党も、この循環型社会形成推進基本法、循環型社会をつくる、これにおいては大変自負を持っております。この基本法のもとであらゆるリサイクル制度が制定されてきました。そして、容器包装リサイクルも大変に重要なものとして。

 しかし、その制度自体が崩壊しかねないようなこれは問題をはらんでいる。だから私はこの国会で取り上げるわけでありまして、単なるこれは特定の事業者の入札の読み間違いとかそういうもので済まされる問題ではない、これからも起こり得る問題であるということで取り上げております。

 再度私は質問をいたしますが、喫緊の対応として、平成二十年度のリーマン・ショック時と同等の特別措置を今回やはり図るべきではなかろうかと。先ほど申したような理由であります。

 すなわち、平成二十四年度年初の平均落札価格と今回実施された措置による再入札実施の平均落札価格の差額分をこれまでの引き取り分にさかのぼってこれは調整すべきだと私は思いますが、大臣は先ほど、それを否定したような答弁をなされましたけれども、再度、大臣の御見解をお聞きいたします。

長浜国務大臣 確かに、市況の推移をどういうふうに見るかということだというふうに思います。

 委員会のシステムで、こういう表を見せてはいけないとかそういうのがあるのかどうかわかりませんが、リーマン・ショック後はがたっと落ちて、そして、その後のこういう状況の中でのこれと今おっしゃっている部分をどう考えるかという部分だと思います。

 また同時に、先生がおっしゃられたように、経済の下降局面を迎えているんじゃないかみたいな発表も政府もやっているんじゃないか、こういう問題もありますから、全体的な経済の動向の中における、きょうはたまたまこのペットの問題を議論をしておりますが、その構造状況の中においては、リーマン・ショックのような形の中での経済的不況の中においての容リ法をどう考えていくのかという問題提起であるとするならば、確かに重要な問題でありますので、この問題についてもさらに検討を進めなければいけないと思います。

 さっき申し上げた、一般論としての競争の公正性を担保するという問題と、市況の下落をどう考えるか。この間御努力をいただきました小型家電のこれまたリサイクルに関する問題も、運用するときにおいてはいろいろな問題が生じてくると思いますので、今後とも御指導いただければというふうに思っております。

江田(康)委員 今おっしゃったように、先に申されたところは一般論であったかと思いますが、このような状況をしっかりと検討をしてその対応を図っていただきたい。また、大臣はその検討をすると今申されましたので、しっかりとよろしくお願いしたい。

 それで、今後のあり方ですよ。これは、ことし、この一月、年初の入札価格が四十九円であった。それがこの五月、六月の落札段階では、市場の価格が、ゼロ円から一応二十円と申しますけれども、ゼロに近い数字なんですよ。これだけの暴落を一事業者が背負うことができるかと。これはできません。

 今後もこれはあり得る問題でありまして、年一回の入札価格であるというところが、一月に決める入札価格が年一回であるというところが制度上の問題もはらんでいると私は思います。そういう意味で、今後の制度のあり方として、今回のような事案を踏まえて、根本的な制度改革が私は必要だと思います。

 この日本容器包装リサイクル協会が、実は、十一月八日付で全国の市町村に対して、来年度の対応として、「平成二十五年度PETボトルの入札方法の変更に関するお知らせ」を発出して、新たに年二回の入札を実施する改正を通知したと聞きます。

 これも含めて、今後の制度のあり方として、実勢価格が予定価格に反映されるような柔軟な制度、柔軟な対応、これを求めての改正をしていく、そのことが必要不可欠であると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

長浜国務大臣 一度つくった制度を固定化して、その制度が滅びていくということになってはならないわけでありますので、国会でこうやって御審議を、先生から問題提起もしていただいたということも含めて、役所を含めて検討してまいります。

江田(康)委員 きょう、私の時間も制限がございますので、次の質問に入らせていただきます。

 原子力規制委関係についてでございます。

 まず、改めて私は申し上げたい。この原子力規制委員会の委員長及び委員の国会事後同意の必要について触れさせていただきます。

 政府は、原子力緊急事態宣言が発令中であるとの理由で、この臨時国会においても国会に対し同意を求めない方針を閣議決定したと聞きますけれども、全く私どもは承服できないと思います。国会閉会中に首相権限で任命された規制委員会の人事は、規定どおり今国会で事後承認を得るのが当然であります。例外規定を使って国会同意を見送るというのは、国会軽視も甚だしいものがある、そのように思います。

 このことが、報道されているように、党利党略優先の決定であるとするならば、この規制委員会の正統性を損なうものであるということを指摘せざるを得ません。

 国会同意がないままでは、国民の信託という裏づけを得ずに重要な作業が進むことになってしまうわけで、このままでは、我々は、この法案の成立にかかわった者としても、せっかく見直しを図って原子力規制委員会をつくることを決めたにもかかわらず、この原子力安全規制体制への国民の信頼回復は望めなくなってしまいます。

 そのような意味で、今国会で速やかに国民の代表者である国会の意思、同意を求めるべきであると思いますが、良識ある長浜大臣の誠意ある答弁を求めます。

長浜国務大臣 この問題は、きょうもるる議論をされました。私自身も、一国会議員として今回の、先ほど、生方副大臣も中心になってまとめられた案ということでもありますものですから、原子力規制委員会委員長及び委員の任命権者は内閣総理大臣ということで、特に国会の意思を反映をしなければいけない重要性は総理大臣も認識をされておられますので、同意人事の取り扱いについては、政府部内で慎重に検討してきたわけであります。

 私も、確かに独立性の高い三条委員会でありますけれども、環境省の外局として設置をされておりますので、この問題には注意深くかかわってまいりました。

 原子力規制委員会の委員長及び委員については、国会の閉会中である、先生がおっしゃられた九月十九日に内閣総理大臣が任命をしました。この場合、法の規定で、任命後、最初の国会において両院の事後の承認を得る、あるいは、原子力緊急事態宣言がされており、その旨の通知が両院にされているときにあっては、原子力緊急事態宣言が解除される後、いずれにしろ速やかに両院の承諾をとるということになっています。

 これはもう申すまでもなくて、先ほど来申し上げているとおり、国会同意の重要性というのを、閣僚であると同時に一国会議員としてよくわかっておるところでありますが、原子力緊急事態においてのその重大性に鑑み、原子力規制組織に空白を生じる事態を避けるという観点から置かれている規定、これを使わせていただいたというわけであります。

 空白を生じないという確かに見方もあります。しかし、先ほど斎藤先生からのお話もありましたとおり、大新聞の一面にいろいろなことが出るような状況の中において、私は、原子力の安全を担当する立場からすると、本当にこの空白という意味の恐怖感も感ずるわけでございます。

 ぜひ、その趣旨を御理解をいただければというふうに思っております。

江田(康)委員 我々が制定したこの原子力規制委員会の設置法というのは、このような場合であっても国会に事後同意を求めてはならないとは規定していないわけでありまして、これらの規定はあくまで、委員長等が不在で原子力規制委員会が機能しないという事態にならないように、国会の同意手続が進まない場合の例外を規定したのであって、政府・与党に全面的に裁量権を与えるために立法者が、我々が規定したのではございません。

 したがって、今るる大臣は御説明をされましたけれども、やはり間違っている。国会同意人事がないままに進めば、原子力安全規制への信頼回復が落ちることになるということを懸念するわけでありまして、やはり速やかに同意人事を進めるべきである、そのように申し上げて次の質問に入らせていただきます。

 原子力災害対策指針の策定について次に質問をさせていただきたいと思います。規制委員会の田中委員長にお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず、放射性物質の拡散予測地図を訂正した問題について伺いたいと思います。

 我々、原子力規制委員会の法案にかかわった者として、独立性、専門性、そして信頼性の高い組織として、委員長の原子力規制委員会というものをつくるべきだ、そういう観点でやってまいりました。

 それが、拡散予測地図の発表で、十月二十四日、二十九日、十一月六日の三度にわたる訂正があった。いきなりこの信頼性というものが損なわれる事態が発生したわけであります。きのうにおいては、玄海原発と川内原発において四回目の訂正がある。しかも、風上と風下を逆に表記していたという、絶対にこれはあってはならない重大な間違いではないか。しかも、規制する側が規制される側の電力会社からそのミスを指摘される、こういう失態もあったわけであります。

 このような実態のままでは、我々はせっかく独立した専門性と信頼性の高いこの規制委員会をつくったのに、信頼は揺らぐばかりであります。

 規制委員会は、三回も訂正せざるを得ない、もう四回になりますが、四回も訂正せざるを得なかったこの事態をどのように受けとめているのか、なぜこのようなずさんなミスが発生したのか、再発防止策も含めて、委員長、これからどう対応していくのかをお聞きいたします。

田中政府参考人 ただいま御指摘いただきました今回のたび重なる間違い、ミスにつきましては、心からまずおわび申し上げたいと思います。特に、地元の関係市町村の方々に大変な御心配と御迷惑をかけたということについては、深くおわび申し上げたいと思っております。

 それで、その上でですが、今後の再発防止については、一度目の間違いが起こったときにも申し上げたんですが、間違いは残念ながらたび重なることが多いから慎重に検討するようにと申し上げたんですが、残念ながらそういうことが、また拙速にやったことによってこういう事態になりました。

 それで、今後、まさに規制委員会に求められている信頼性を損なったということを深く反省して、こういうことのないように、全く、事業者と、そういったところとの独立性を持った評価ができるようなシステムを、今、事務当局に、行えるようなシステムを検討させているところでございます。

江田(康)委員 国民の信頼を本当に回復するために、しっかりと取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。

 次に、原子力規制委員会がこの十月三十一日に決定した原子力災害対策指針に関してお聞きをいたします。

 この原子力災害対策指針では、原子力防災対策の重点区域の目安が、これまでの原発の半径八から十キロから三十キロ圏に大幅に拡大されたことになります。この区域の拡大により対象となる自治体は、十五道府県四十五市町村から二十一道府県百三十五市町村に拡大して、対象人口からすると四百八十万人にも拡大したことになります。

 しかし、住民避難判断の際の放射線量の基準値、そして、内部被曝防止のための沃素剤投与の判断、放射性物質拡散予測システム、SPEEDIの活用のあり方、緊急時放射線モニタリング体制等については、今回、決定の指針には盛り込まれませんでした。年内に決める予定とされております。

 こういうような状況でありますけれども、これでは、地方自治体が来年三月までに地域防災計画を策定すること、これが困難になっているのではないか。

 そもそも、これら事項について今回の指針に盛り込めなかったこの理由について御説明をいただきたいと思います。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の防災計画の見直しは、今般の事故を踏まえて見直すということになりまして、今御指摘がありましたように、範囲も、UPZというちょっと専門的なあれですが、拡大して三十キロまでということで、大体それくらいまで準備しておけばいいかどうかという判断をするために今回のシミュレーションをやったところ、間違いを起こしたということが一つあります。

 それから、今回どうしてその指針に盛り込めなかったかといいますと、非常にタイトなスケジュールの中で、基本的にどの範囲の市町村が該当するのかということ、それから、これから専門的に被曝基準とか、沃素の場合には、副作用もあると言われている毒物でございますので、勝手に我々だけではなくて、お医者さんの判断も要りますので、そういった判断の基準ということも含めて行っていくために少し時間をいただきたいということで、今週の七日に、そういった検討するチームを発足させることを決めさせていただきました。早急にそのことについては進めさせていただきたいと思っております。

江田(康)委員 ぜひ委員長、この地域防災計画を策定するに当たって、不備がないように、早急に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、原発の再稼働、新増設の判断について伺わせていただきます。これについてはもっと深くすべきでございますが、時間のある限り質問をさせていただきます。

 十月三十一日の衆議院本会議において野田総理は、原発の再稼働については、安全性の確認が大前提である。これについては、原子力規制委員会に独立した立場から安全性を確認していただく。その上で、エネルギー政策上の判断については、政府として、革新的エネルギー・環境戦略において、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入する。その過程において安全性が確認された原発は、これを重要電源として活用することを決定している。このように、原発の再稼働についての考え方は政府が示しているところであり、原子力規制委員会はあくまでも独立した立場から安全性の確認を行うというのがその役割であると答弁をされました。

 この趣旨は、原子力規制委員会が新たな安全基準に適合していると判断した原発については、政府がみずからの責任で再稼働させるか否かを決定するというものなのか、あるいは、この規制委員会が安全と判断した原発は、重要電源としていわば自動的に活用していくという趣旨なのか、政府の見解を確認したいと思います。

 そして、田中委員長に最後にお答えいただきたいのが、再稼働を判断する新しい安全基準については、規制委員会が策定するわけですけれども、いつまでに決めることになるのかをお伺いをしたい。

 以上、経産の副大臣と、よろしくお願いします。

松宮副大臣 お答え申し上げます。

 原子力発電所のエネルギーの政策上の判断につきましては、御指摘のように、九月十四日に決定いたしました革新的エネルギー・環境戦略におきまして、安全性が確認された原発は、これを政府としては重要電源として活用するということが明確にうたわれておるところでございます。したがいまして、個別の個々の原発について政府が判断するということはないわけでございます。ここでもう判断は完結されております。

 とはいえ、長らく国策上原子力発電について御尽力いただきました電源立地自治体等に対しましては、まだこの趣旨が必ずしも十二分に周知徹底されていないということもございますので、私ども経産省を初め政府といたしましては、今申し上げました革新的エネルギー・環境戦略でうたわれた、基本的に全て安全性の判断は、新しく発足いたしました規制委員会が是か非かを判断し、是とされたものにつきましては、重ねてでございますけれども、政府として重要電源として活用するということでございますから、この趣旨が徹底されますよう、関係自治体等には御説明をしていかなければいけないと考えている次第でございます。

田中政府参考人 判断の基準につきましては、来年の七月までには法制化したい、するということで今準備を進めております。

江田(康)委員 この原発の再稼働また新増設の判断について、関連してはちょっと十分な時間がございませんでした。今後とも、この質問をさせていただきたいと思います。きょうは本当にありがとうございました。

 以上でございます。

横光委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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