衆議院

メインへスキップ



第12号 平成15年3月3日(月曜日)

会議録本文へ
平成十五年三月三日(月曜日)
    午後四時三十五分開議
 出席委員
   委員長 大野 功統君
   理事 佐田玄一郎君 理事 佐藤 静雄君
   理事 原田 義昭君 理事 岸田 文雄君
   理事 下村 博文君 理事 高木 義明君
   理事 藤村  修君 理事 長浜 博行君
   理事 西  博義君
      浅野 勝人君    小渕 優子君
      北村 誠吾君    左藤  章君
      松浪 健太君    三ッ林隆志君
      森岡 正宏君    筒井 信隆君
      永田 寿康君    伴野  豊君
      三井 辨雄君    江田 康幸君
      都築  譲君    児玉 健次君
      日森 文尋君    松浪健四郎君
    …………………………………
   議長           綿貫 民輔君
   副議長          渡部 恒三君
   事務総長         谷  福丸君
   衆議院法制局長      窪田 勝弘君
   衆議院法制次長      郡山 芳一君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三日
 辞任         補欠選任
  三ッ林隆志君     浅野 勝人君
  手塚 仁雄君     筒井 信隆君
同日
 辞任         補欠選任
  浅野 勝人君     三ッ林隆志君
  筒井 信隆君     手塚 仁雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 衆議院法制局に関する問題


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――
大野委員長 これより会議を開きます。
 本日は、衆議院法制局に関する問題について御協議願います。
 本日は、衆議院法制局長窪田勝弘君及び同法制次長郡山芳一君に出席願っております。
 それでは、原田義昭君。
原田(義)委員 自由民主党の原田義昭でございます。
 私たちは、今、国民の生活、また国の経済発展のために、一生懸命、予算審議中心に頑張っておるところでありますけれども、何とかしてこの問題をクリアして、早いところ予算の成立に向けて努力をしたい、こういうふうに思っております。
 この衆議院法制局の問題につきましては、予算委員会でも、相当、積極的な議論が行われているやに聞いております。私たち議運としては、できるだけ強行を避けて、議会としてどうあるべきか、こういう観点から議論を進めていかなければならない、こういうふうに思っております。
 限られた時間でございますので、何点か参考人に御質問をしたい、こういうふうに思っております。
 まず、私の理解するところ、衆議院法制局の仕事は五つほどあるとお聞きしておりますけれども、二つに大別できると思います。一つは、何といっても、議員の依頼を受けて、法律の調査、さらには立法案の起草、こういうものを手伝うというようなことであろうと思います。これは立法マシン的な仕事。もう一つは、個人も含めまして、議員と党からの法律相談的な、法律問題の照会等に衆議院法制局としてお手伝いしておられる。こういうふうに聞いております。
 それで、質問の第一でありますけれども、大別した二つの仕事のうち、実際の仕事というのはどういうウエートになっているかをお聞きしたい、こう思っております。定性的で結構ですから、それはいかがでしょうか。
窪田法制局長 お尋ねの点は、いわゆる立案ですね、議員立法の立案、あるいは修正案、議院規則、そういうものと、もう一つ、法律問題についての議員または会派からの照会に対する調査回答、どちらのウエートが多いかということでございますが、これは、第一点であります議員立法の立案審査あるいは修正案の立案審査のウエートが高いというふうに考えます。
原田(義)委員 いろいろ多岐にわたったお仕事をしておられますけれども、与党、野党と大別できるかどうかわかりませんが、その辺はいかがですか。どちらかというと、私は、野党の皆さんが非常に法制局を頼っているというか、いろいろ積極的に相談を持ちかけておるというようなことも聞いておりますけれども、それも定性的で結構ですから。
窪田法制局長 与党、野党、いずれの会派からの御依頼が多いかということにつきましては、私どもの感触で申し上げますと、野党からのもろもろの御依頼が多い、かように考えておる次第でございます。
原田(義)委員 個人の相談も多数ございますか。
窪田法制局長 個々の議員からのお尋ねというのも多数ございます。
原田(義)委員 今回の一連の議論は、大島農水大臣の議論から出発しておるわけであります。
 国務大臣というのは二面性がございまして、行政の長、農水省の長としての役割と議員としての役割、これがございます。恐らく大島さんも、議員としての立場から衆議院法制局にいろいろな案件を相談されたのだろう、こう思います。
 私は、その限りでは、特に、法律違反とか、また、この件に関連して三権分立違反ではないかという御主張もございますが、司法、行政、立法がお互い権力的に干渉し合う、これはあってはならない近代制度の基本でございますけれども、そういう意味では、農水大臣として法制局に尋ねたのではなくて、むしろ議員として尋ねたのではないかな、こう思います。ただ、もちろん、程度の問題もございます。この辺については、局長はどう認識しておられますか。
窪田法制局長 私どもに議員先生から御依頼がある場合には、通常の形としては、何とか先生であるということをお名乗りになっていろいろお尋ねになる、御依頼になるというのが通常でございます。ですから、それは、私どもとしては、議員としてのお立場で御質問なり御依頼がある、このように受けとめて作業しているわけでございます。
原田(義)委員 その関連で、守秘義務の問題が私は大事だろうと思います。
 言うまでもありませんが、国家公務員には、国家公務員法の百条、職務上知り得た知識は外に漏らしてはいけない、こういうことでございますし、国会職員法にも、それに準拠して、ただ、これには、所属の長の許可がなければ漏らしてはならない、こういう書き方があります。
 その差がどこまであるか、実態はわかりませんけれども、ただ、本件、一連のものをずっと見ていますと、週刊誌がかなりしっかりした情報収集をしております。これを見る限り、常識的には、反射的な意味ではあるが、だれかが漏らさなければこれだけのものは把握できないわけでございます。また、最近の速記録でも、民主党の筒井さんが、週刊誌もわからないような、例えば固有名詞もたくさん把握しておられるわけでございます。
 私は、つまびらかではありませんけれども、よほどの情報源を持っておられるか、よほど関係する人と親しいか、これはわかりませんけれども、いずれにしましても、守秘義務というのは国家公務員ないしは国会職員が法律上厳然と守らなければならないものでございますけれども、局長はこの守秘義務にどういう認識を持っておられるか、また、職員をどういう姿勢で指導しておられるか、このことをお聞きしたいと思っております。
窪田法制局長 先生御指摘のとおり、国会職員法第十九条で、基本的に国会職員は職務上知り得た秘密を漏らすことはできないと書いてあるわけでございまして、私どもの考え方も、現行法の解釈を初めとする法律問題につきまして、議員等あるいは会派から問い合わせがあった場合でございますが、具体的な議員等からの依頼につきまして、その有無を含めまして、内容等については答弁を差し控える、そのような基本的な考え方でやっておるわけでございます。また、このような守秘義務の考え方は、我が法制局の職員に周知しておるわけでございます。
 ですから、この守秘義務というのは、公務員、国会職員にとって大変重要なものでございます。それは職員には十分認識させておるつもりでございます。
 今回、固有名詞等の漏れがあったということは甚だ遺憾なことでございますので、今後さらに、この守秘義務の観点については周知徹底し、あるいは、中のコンピューター等の組織ですね、そういうことも点検して、あるいは職員にも再びを徹底して、再度このようなことがないように注意いたしたいと思っておる次第でございます。
原田(義)委員 私は、衆議院法制局という一般にはなかなか知られなかった実態がオープンにされ、議論されるというのは、また逆に、けがの功名とは言いませんけれども、大事なことだと思っています。私は、今後、これを機会に、衆議院法制局が、本来自分たちに与えられた職務、仕事を公正に、また規律正しく実施、実践していただくことを心からお願いいたしますとともに、また、こういう形があったためにこれから萎縮するということをむしろ心配しておりまして、これからもしっかりやっていただきたい、こう思っております。
 私の質疑を終わりたいと思います。
大野委員長 次に、筒井信隆君。
筒井委員 それでは、私の方から、局長及び次長にお聞きいたします。
 大臣の国会想定問答を作成することは衆議院法制局としてはあり得ない、そういう要請があってもお断りする、こう予算委員会で述べられておりますが、それは間違いありませんね。
窪田法制局長 その御依頼でございますけれども、私どもは、衆議院議員としてのお立場での問い合わせについて調査回答するのが本来の職務でございますので、実際問題として、所管の大臣が所管事項を聞くような場合、あるいは、国務大臣が国務大臣として国会の答弁をするのでその資料をつくれというようなことについては行っていない、そのようなことでございます。
筒井委員 だから、私の質問に端的に答えていただきたいのですが、大臣から国会の想定問答作成の依頼があったとしても、それはお断りする、それに応じて作成することはあり得ない、こう予算委員会で局長は答弁されているのです。それは間違いないですね。
窪田法制局長 私どもの職務は、議員等から、あるいは会派からの問い合わせについて調査回答するわけでございまして、国務大臣たる立場につきましてサポートする立場にはないということでございます。
大野委員長 ちょっと申し上げます。
 質問に対して、端的に、簡単にお答えください。
筒井委員 大臣が予算委員会で大臣として答弁する、そういう大臣の想定問答と先ほどから私は限定して聞いているのですよ。
 大臣の想定問答については作成の依頼があったとしても断る、これは予算委員会であなたはおっしゃっているのでしょう。それをもう一度確認しているだけなんですよ。ごちゃごちゃほかのことを言わないで、今の点だけはっきり答えてください。
窪田法制局長 そのとおりでございます。
筒井委員 これは当然な話で、こういうのに応じてしまったならば、まさに行政の長としての仕事を立法府の機関たる法制局がやってしまうことですから、三権分立の区分に反する。それと、さらには、先ほど話が出ましたが、国会職員法十七条で、公正不偏に職務をやらなければいけない、こういう規定にも反するからでございますね。
窪田法制局長 十七条におきまして、「公正不偏、誠実にその職務を尽し、以て国民全体に奉仕する」ということが本分として書かれておりますので、その点も当然含めての話でございます。
筒井委員 そうですね。
 それと、三権分立の区分にも反する。これもそうですね。
窪田法制局長 理屈を申し上げますと、三権分立というのが何を指しているのか、なかなかいろいろな考え方はあるわけでございますけれども、今のおっしゃる点については、そのとおりだと思います。
筒井委員 それを、今回つくったわけですよ。今回つくったことは、今、つくったことの根拠をもう一回さらに聞きますが、違法なわけですよ。国会職員法十七条に違反すれば懲戒処分の対象になる。違法行為ですよ。これも職員は隠しておかなければならないのですか。
窪田法制局長 私どもの職務といたしまして、議員からの問い合わせ、現行法の解釈を初めとする法律問題に関してでございますが、問い合わせがありましたら、それについて調査回答するというのが私どもの仕事でございまして、今御指摘の点は、大臣の国会における答弁をつくったのではないかということを前提としてのお尋ねのように思いますけれども、私どもは、大臣の国会における答弁のための資料はつくっておりません。そのことを明確に申し上げたいと思います。
筒井委員 ただ一般論として今聞いているのです。こういうものをつくったとすれば、まさに国会職員法にも反する、違法行為、懲戒処分の対象になるものである。そういう違法な行為をやった場合にも、職員はそれを隠しておく、わかっていても隠しておかなければいけないんですかという質問なんです。そんなのはまさに違法行為なんだから、はっきり指摘すべきでしょう、公然と。
窪田法制局長 法制局といたしましては、職務に定められている仕事を誠実に実行しているわけでございます。その点は御了解賜りたいと思うわけでございます。
筒井委員 了解できない。
 職員には、公務員には、法令遵守義務が同時にあるでしょう。この法令に明確に違反している行為があった場合に、それも隠しておけというふうな、そういう指導をやっているのですか。
窪田法制局長 私どもは、法に基づいて誠実に職務を実行するという立場でございますから、そのようなことで職員を指導いたしております。
筒井委員 全然質問に答えていないけれども、時間がないからさらに進みます。
 なぜ、これが大臣の答弁であることが明らかなのか。
 十九日にこれを作成した、これは認めておられますね。十九日に作成して、翌日の二十日に予算委員会が予定されている。これも、政治と金の問題をテーマにした集中審議が予定されていて、その最大のテーマは農水大臣の金銭疑惑問題だ。その事実を知っていてつくったわけですね。まず一つ目。
窪田法制局長 御依頼のあった個別案件につきましては、二月十九日に御依頼があって、その日に調査し回答したわけでございますが、あくまで議員からの関係する法律の問題点に対しての調査回答でございまして、その翌日の国会答弁というようなことで私どもは全く認識しておりませんし、議員からの、現行法律等についてどのような問題があるかないかということについてお答え申し上げたということでございます。
筒井委員 その答弁が、まさに予算委員長から極めて非常識な答弁だという指摘を先ほど受けたことは覚えておられると思いますが、なぜ非常識なのか。
 それは、この大島大臣からの依頼があったときに、ファクスが送られてきた。そのファクスは、翌日発売予定の週刊文春の記事である。その記事を見ながらこの文書を、私に言わせると想定問答をつくった。これは認めておられるわけですね。
 その記事には、明確に、「ついに国会で集中審議」という大きな見出しで書いてある。それから、リード部分には、「大島農水相の金銭疑惑追及が、遂に国会でクライマックスを迎える。」それから、本文の一番最初には、「二月二十日、」翌日ですね、「国会では「政治とカネ」に関する集中審議が行われる。「最大のテーマが、大島理森農水相に関するさまざまな疑惑です」」こういう記載がある。
 これを読んだことは認めておられるわけでしょう。この記事を読んで、そしてつくったことは認めておられるんでしょう。
窪田法制局長 そのような週刊誌報道があるという、そのファクスは見ているわけでございますが、今先生御指摘のように、だから、こういうこともあしたの議会で大島大臣がお答えになるだろうというようなことを知っていたのではないかという御質問でございますが、これは、私、関係職員を調査いたしまして、先生のおっしゃるのも理屈の上でわからぬではないのですけれども、事実を調査いたしますと、そのようなことはないのでございまして、そこの点の事実認識はなかった。
 ただ、論点となる政治資金規正法あるいは公職選挙法の条文に照らして、ある事実関係を前提にどうか、そういうことに職員は没頭しておりまして、そこはまことに申しわけございませんけれども事実でございますので、その点は認識していなかったということなのでございます。
筒井委員 だから非常識な答弁だと予算委員長にも指摘されるんですよ。
 見出しにこんなに大きく、「ついに国会で集中審議」、その前が「大島農水相ついに国会で集中審議」と書いてあるんですよ。こんなの、読まなくたって目に入りますよ。それで、本文の一番最初に先ほど読み上げたようなことが書いてあるんですよ。まさに、この記事を見てあの想定問答をつくったのですから。
 厳密であるべき法制局ですから、これを読んで、この部分は読まなかったというのですか、それとも、読んだけれどもそれについての認識はなかったということなんですか。どっちなんですか。
窪田法制局長 このファクスは見ました、見ましたけれども、事実認識としてそういう認識を職員はしなかったということでございます。
筒井委員 今のは日本語として意味がわかりますか、委員長。わけわかんないですよ。読んだけれども事実認識はなかった、どういう意味ですか。意味がわからない。
窪田法制局長 読み方にもいろいろあると思うのでございますけれども、何の部分を重点的に見て何を見るか。全部ちゃんと見ておれば、そういうこともあり得るでしょうけれども、事実といたしましては、そのようなことを認識して読んでいないということが事実で、これは聞き取りもしてそういうことでございましたので、そのように御報告申し上げる次第でございます。
筒井委員 きょうは次長が来ているんでしょう。
大野委員長 来ております。
筒井委員 作成の当事者は次長であって、次長が他の課員四人を動員して、計五人でつくったわけですよ。
 次長にも今の点をお聞きしますが、今の、ファクスで大島農水大臣から送られてきた文書は読んでいますね。
郡山法制局参事 お答えいたします。
 翌日に予算委員会で大島先生が答弁に立たれるということは、全く知りませんでした。これは事実です。(筒井委員「まず読んでいるかどうか質問しているんです」と呼ぶ)
 記事を全般的にどう見たかということでありますが、当該部分は読んでいません。先生御指摘のヘッドの部分、二月二十日に予算委員会でそのような質疑があるという記事が載っていますね。そこの部分は読んでいません。(筒井委員「見出しはどうなんですか」と呼ぶ)
大野委員長 委員長の指名を受けてから御発言願います。
筒井委員 では、まず、冒頭からどこまで読んでいないのですか。
郡山法制局参事 恐らく、冒頭から第一段落、ちょっと手元に資料があれなので、第一段落の二十行といいますか、私の若干の記憶によりますと、あいまいな記憶ですが、「大島氏の地元八戸市の」という事実関係のところから読み始めておると思います。
筒井委員 では、その前の読まなかったところは事実関係とは関係ないということはわかったわけですね。
郡山法制局参事 私どもは、こういった雑誌の記事を資料として与えられましたときに、一般的な興味を持って記事として読んでいるわけではないのです。あくまで、与えられた法律問題における資料として読みますので、普通は、頭の部分は大体、私らの必要とする事実的な関係は書いていないことが多いのです。そうしますと、忙しい中で作業するときは、まず大事なものを拾い読みします。拾い読みをするときは、そこは普通は読まないのです。私の場合はそうです。
筒井委員 だから、この前段部分がその事実関係ではないということは、読まなければわからないでしょう。
郡山法制局参事 通常の場合はそうだということは、私ども、一般的に、本件のことではございませんよ、一般的に、先生方からいろいろなお問い合わせを受けて法律問題を調査するときに……(筒井委員「関係ないことは言わないでいいよ」と呼ぶ)はい。わかっておりますので、読まなくても、それは通常はわかります。ただし、もし後ろの方を拾い読みして、それで問題が解決しないとなれば、それは頭からしっぽまで読むことはあるでしょうけれども、本件においては、あらかじめ、先生から、法律問題で具体的にこういう論点、こういう論点と電話で聞いておりましたので、聞いておりました法律問題が頭にありますので、事実関係を拾い読みした分で十二分にそこは把握できた。あとは、先生に電話で事実関係を御確認するということでございます。
筒井委員 だから、本文であなたが読まなかった部分はあなたのこれから調べる事実関係と関係ないということは、なぜわかったのですか。
郡山法制局参事 繰り返し御説明させていただきます。
 私どもは、こういった調査を、もう長年、与野党のいろいろな先生方からいろいろ調査依頼を受けておりますので、こういった雑誌関係の資料を検討するときは、時間的な都合にもよります、よほど時間があれば、それは頭からしっぽまでということもあるかもしれませんが、私の場合は、通常はいろいろな案件で時間がかなり切迫していることが多いものですから、そうしますと……(筒井委員「質問に答えさせてください」と呼ぶ)はい、失礼しました。そうしますと、まず、事実関係についてかなり突っ込んだ記述がしてあるらしい部分から拾い読みをします。
 以上でございます。
筒井委員 これだけに時間を使えないので、最後に確認しますが、本文のところで読まなかった部分がなぜ事実関係と関係ないんだということがわかったのですか。そのことだけ答えてください。
大野委員長 端的にお答えください。
郡山法制局参事 これまで国会職員をやらせていただいて調査をやってきました経験から、週刊誌の記事というのは、大体、頭の方は事実関係は書いていない例が多いのです。それは経験則として自分自身わかっておりますので、そこから読み始めるというのは、正直言いまして、私どもの職員としては逆にどうかと思います。
筒井委員 それから、見出し、「大島農水相ついに国会で集中審議」と大きく出ていますが、これも読まなかったのですね。
郡山法制局参事 正直なところを申しまして、どこまではっきりそこを目に入れたかは、記憶は不明確です。ただ、問題意識を持って読んではいないので、それが、先生が大臣として答弁に立たれることなのかどうか、いつ立たれるのかということは、意識はしておりません。
 以上でございます。
筒井委員 それと、これを依頼されたのが六時からで、そして、あなたを含めて課員五人で八時前に完成しましたね。
郡山法制局参事 それは局長からも予算の理事会においてお答えさせていただいていると思いますが、お電話をいただいて法律上の論点はこうこうだということを、事実関係は大体こうで、大体こんな法律上の論点がありそうだなという話は、十六時前、四時前にお電話でいただいております。これは事実でございます。
筒井委員 今のもそうだと思うのだけれども、では、実際に作業に入ったのは何時からで、終わったのは何時ですか。
郡山法制局参事 当初、四時前にお電話をいただきまして論点を与えられましたので、担当者を大体このあたりだなと決めて、論点整理のための、論点における法律問題調査に当たらせ始めましたのは、四時半ぐらいから当たらせ始めたと思います。そして、論点に対する答え、法律上の問題点はこうこうで大体これで整理できるなということのめどがついたのが、六時前後だと思います。
 以上です。
筒井委員 これを渡したのは何時ですか。
郡山法制局参事 局長からもうお答えをさせていただいていると思いますが、八時前ごろではないかと思います。
筒井委員 そうすると、四時ごろ依頼の電話を受けた、実際に作業が始まったのがもっと後の四時半ごろと言われましたね。そこから何時間か、課員計五人でつくった。
 あなたは、先ほどの予算委員会の答弁でも言っていますが、今、法制局は極めて忙しい、走り回るような忙しさだと。大臣からこういう要請があったら、直ちにこういうふうに、もうその日に課員を動員してつくっているわけですね。これは、極めて忙しい、走り回るような忙しい法制局としては、ふだんやることですか。
郡山法制局参事 先生方から、これは与党の先生方からも野党の先生方からも、御依頼がありましたときは、先生方の御依頼の時間に合わせて最大限の努力をいたします。
筒井委員 いや、だから、私の質問に答えてください。ふだん、どの議員から依頼されたときもこんなに早く、直ちに対応して直ちにつくる、こういうことはやっていることですか。
郡山法制局参事 お答えいたします。
 私の場合は、与党の先生方からも野党の先生方からも、どの依頼に関しても、最大限そのように対応いたします、可能な限り。
筒井委員 これを取りに来たのが農水省の秘書室の人間ですね。大臣個人、議員の秘書ではなくて、農水大臣の秘書室の者が取りに来ましたね。それに渡しましたね。
窪田法制局長 中で聞き取りをしたわけでございますが、農水省の男の方だったということでございます。その役職は承知しておりません。
筒井委員 どなたかわからない人にどうして渡すことができたのですか。
窪田法制局長 大島議員からの使いということでございまして、そのときには名刺もちょうだいしていたように思うということでございますが、その名刺は見つからないのでございますけれども、これは、職員であるという認識でその方にお渡しをいたしたわけでございまして、それが二十時前ごろではなかったかということでございます。
筒井委員 確認しますが、先ほど答えたことですが、大島大臣の議員の秘書ではなくて、農水省の秘書室の人間であった。秘書室の人間であったとわからなかったとしても、農水省の役人であったことは、これはわかるわけですね。
窪田法制局長 農水省の職員であったということでございます。
筒井委員 それから、実際につくったこの問答集、このとおりに、後に、翌日、予算委員会で答弁された、そのことは御存じですね。
窪田法制局長 現実問題として、そのトレースは、つまり使われたということは、私ども、承知しておりませんでした。
筒井委員 今、わかるでしょう。
窪田法制局長 使われたかどうかは、私どもはわかりません。
大野委員長 質問は、今わかりますかということです。
窪田法制局長 今でも、そこはわかりません。
筒井委員 想定問答集としてつくって、想定問答として実際に答弁にも使われた。あれだけ指摘されながら、今まで一度もそれを実際にそうかどうか調べようとされなかったことになるわけですが、どうして調べようとされなかったのですか。
窪田法制局長 私どもといたしましては、先生がどのような目的でお使いになったのかというのもわからないわけで、そもそも、そういう目的、国会での答弁に使うという認識は全くなかったわけでございますので、後、それとの関係があったかなかったかというのは、私どもはそもそも関心事項ではないわけでございます。
 衆議院議員からの御依頼に基づいて、その法律問題に関しまして的確に調査回答するということにとどまるわけでございまして、その後、どのようにお使いになったかどうかということについて、私どもはそれをどうこう申し上げるような立場でもないというふうに考えております。
筒井委員 調べようともしなかった理由は、今の説明では全然ないのですが、実際には、この想定問答集の一枚目は、法律解釈とは全く関係のないこと、しかも、大臣が答弁で、秘書が六百万受け取ったけれども、それは秘書が流用したのだろう、だから私の責任はないというふうな部分で、事実関係のまさに最大の言いわけの部分ですよ。
 これは、一枚目が全く法解釈と関係ないことはお認めになりますね。
窪田法制局長 法律につきまして、現行法の解釈、適用に当たりましては、その事実関係がどうであるかということがまず確定される必要があるわけでございます。そういう観点から見ますと、ある法律を解釈する前の事実というのを決めて、そして、それに基づいてどういう問題点があるということでございますから、まず事実、これは先生のおっしゃる事実ですね、事実認識、それを土台にいたしまして、私どもはそれについてどう考えるかということを作業しますので、いわば前提条件としてそのような事項も書いているということでございます。
筒井委員 今、一枚目は事実関係であることは事実上認めた答弁ですが、事実関係は、これは大島大臣の方がよく知っているわけですよ。それを何で法制局が書面でつくる必要があるのですか。こんなことは一切依頼されていない、あなたの主張を前提にすれば。こんなことをつくる必要は全くない。しかし、事実関係についてまず最初に法制局の方で書面化した、この理由はどこにあるかと聞いているのです。
窪田法制局長 これは電話で御依頼を受けているわけでございますから、その後の法律解釈をどうするかという前提でございますので、このような事実認識、先生としての事実認識というのを、そこをまず確定する、それを土台といたしまして、あるいはそれを前提といたしまして、後、どの法律に違反するか違反しないかということになるわけでございます。そうでありませんと、後の法律の議論ができなくなるということでございますので、その前提としてそのようなものを取りまとめたわけでございます。
大野委員長 筒井君に申し上げます。
 時間が参っておりますので、最後の御発言にお願い申し上げます。
筒井委員 いや、これで私の方は……。(高木(義)委員「ちょっと残余いいでしょう。二分あります」と呼ぶ)
大野委員長 それでは、高木義明君。
高木(義)委員 端的に。今、筒井委員の質問に対してのお答えは全く釈然としない。答弁も明確でありません。藤井予算委員長にして、常識では考えられない答弁と、こういうことであります。したがって、私は、議運委員会の立場から、三つ、端的にお答えいただきたい。
 まず一つは、これは公私混同ではないかということ。大島大臣は、議員であると同時に行政府の長、閣僚、現職の大臣です。この現職の大臣のお尋ねにこのような形で対応するということはいかがなものか。これが一つ。
 もう一つは、三権分立、全く緊張感がない。本院の綿貫議長が、本国会の開会に、緊張感を持って国民の負託にこたえるべく皆さん頑張ってくださいと、各党の国対委員長を集めて申し述べております。これに対して、あなた方は、職務遂行に当たって、この緊張感、議長のお言葉に反する行為をしたのではないか。この点が二つ。
 もう一つは、まさに今、予算委員会を通じてこの問題で混乱いたしております。参議院の議長は、禁断の実に手を触れた、こういうことも言っております。私たちは、衆議院の名誉と権威にかけて、この問題を不問に付するわけにいかない。しかも、公正不偏の職務として、これに害したおそれがある。この点について的確な答弁をいただきたい。
大野委員長 法制局長、端的にお願いします。
窪田法制局長 第一点でございますが、御指摘は公私混同という点でございますけれども、私どもといたしましては、議員先生から問い合わせがある場合には、それについて誠実に調査し回答するというのは職務であろうと思います。
 その場合に、後の、どういうふうにお使いになるかということについて、一々私どもが事前に調査もせずに言うような立場にはないのではないかと。各党各会派から依頼があれば、それは当然、議員活動にとって必要な御照会だと、そう思いますので、そのような処理をさせていただいているということでございます。
 第二点でございますが、三権分立との観点で緊張感を欠いたのではないかという御指摘がございましたが、私どもは、先ほども申し上げましたように、正当な職務を遂行したというように考えているわけでございますけれども、各会派からいろいろな御意見がございますから、その点は心に重く受けとめまして、今後の職務運営に反映させるべく、職員一同、一層緊張感を持って仕事に当たりたいと思っております。
 もう一点あったのですが、ちょっと失念しまして……
高木(義)委員 こういう、国会が紛糾したその責任についてどう考えておるか、感じておられるか。
窪田法制局長 国会において審議を進められていることについて、私どもがそれについて、守秘義務の観点もあり、すべてお答えすることもできなかったことは、これは、なかなかそういう観点では非常に難しい問題があったと思います。
 私どもとしては、与野党各会派の御指導も得て、一層的確に審議にも協力し、一方で、個々の議員のお立場、あるいは個々の会派からの注文内容を漏らさない、情報は漏れない、そこの信頼感も十分確保しなければいけませんので、そこの点は、与野党各会派の御指導を今後とも一層得ていきたいものであると御要望申し上げたいと思います。
大野委員長 以上で高木義明君の質疑は終わりました。
 次に、西博義君。
西委員 今回、このようにして法制局のあり方並びにそれに関連する大臣並びに国会議員からの依頼についての議論がされるということですので、これを機会に、法制局はいかにあるべきかという議論は積極的になされるべきだと私も思っております。
 そこで、参考のために、「衆議院ガイドブック」、平成十二年版ですが、衆議院の事務局から提出されておりますこの本の中に、「第二十四 衆議院法制局」というところがありまして、「組織」があり、その次に「職務内容」がそれぞれ書かれております。
 その中で五番目、「法律問題の照会に対する調査回答」という項目が職務内容の一つに入っております。「現行法の解釈を初めとする法律問題に関する議員等からの問い合わせについて調査回答します。」こういう案内が「ガイドブック」に載っておりますが、この「議員等」の「等」ということに関しては、だれを指しているのかということをまずお聞きしたいと思います。
窪田法制局長 これは議員及び会派でございます。ですから、各会派全体として来ることもありますし、その政策に関係する事務局からのお問い合わせということもございます。議員及び各会派という意味で、ここではこのように書かれておる次第でございます。
西委員 これは確認なんですが、この一つ一つの役割並びにその解釈といいますか、その職務内容の解釈というのは何らかの法的根拠があるのか、それとも、そうではなくて、国会の例えば議運だとか、そういうところで積み重ねられたものであるのかということをお聞きしたいと思います。
窪田法制局長 基本的な法律は国会法でございます。国会法第百三十一条に、議員の法制に関する立案に資するため法制局を置くということがございますから、これが基本的な主軸でございまして、それを中心業務といたしまして、一方、「ガイドブック」に書いてありますのは、それは、従来からの実務的な運用も含めて、法制局の関係する業務はこのとおりということでございます。
西委員 今の解釈は、国会議員の用に供するということをベースにして、その範囲の中で、どこの人たちに対しては業務の依頼を受けるということが事実上相談で決まっているというふうに解釈していいのじゃないかと私自身は理解をさせていただきました。
 続いて、ちょっと話が変わりますが、具体の、この週刊文春でございますね、これに抗議文を今回提出されたというふうに聞いております。このことにつきまして、法制局のこの抗議文について、二点というふうに聞いているのですが、簡潔に、どの点とどの点について、どういう理由で抗議文を出したかということについてお尋ねをしたいと思います。
郡山法制局参事 お答えいたします。
 まず第一点は、衆議院法制局が野党からの依頼に対しては極めて不適切な対応しかしていないというふうに受けとめられ得る記事の部分でございます。これは事実問題として、我々は決してそのようなことはない、職員一同皆そう思っているところでございますので、そこは抗議をさせていただきました。そこが中心でございます。
 以上でございます。
西委員 もう一点あったと思いますが。
郡山法制局参事 もう一点は、衆議院法制局幹部がという発言で書いてあることでございまして、この点は、衆議院法制局幹部がこのような発言をしたという事実は当局としては覚知しておりませんので、そういった発言はないというふうに当局としては認識をしておりますので、抗議をいたしました。
西委員 これに関連して、参議院法制局は同様に抗議文を出しているのですが、取材の事実がない、こういうふうにしておりますけれども、この事実関係に関して、衆議院も取材の事実がないというふうに理解してよろしいですか。
窪田法制局長 発言の部分でありますが、私どもが確認をいたしましたのは、衆議院法制局幹部がこう語ったという部分につきましては、幹部職員がそのようなことを語ったかどうかというのを調べて、そのような事実は無根である、事実無根であるということで抗議をしたわけでございます。
 参議院法制局は云々と書いた箇所が三カ所ほどありますが、それは参議院法制局の問題でございますので、私どもは承知しておりません。
西委員 幹部というふうに限定されておっしゃられましたけれども、正確にはそうなんだろうと思いますが、衆議院として取材の事実がないということは確定はしていないというふうに理解できるのですか。
窪田法制局長 抗議文でございますけれども、これは、つまり反論の、こちらの抗議の仕方としては、相手の週刊誌に書いてある字句をとって事実無根ということで反論をいたした、そういうことでございます。記事についての反論ということで抗議をし、削除を求め、訂正をし、謝罪をしていただく、もろもろの一連の対応というのは、書いてある文章について私どもは指摘をして、そういうことでございます。
西委員 つまり、幹部が言ったというから、幹部は言っていないという反論をしたというふうに理解をしていいのですね。
窪田法制局長 今の御指摘はちょっとそれ以外の意味はないと思いますが、衆議院法制局幹部がこう語ったということでありますから、これはいろいろな主張の仕方はあるのかもしれませんが、私どもは、とにかく実際に書いてある文章は事実無根ということで指摘する、これが一番明確であるということで、そのような抗議内容として、相手の書いてあるその箇所を指摘して事実無根ということを主張し、調査し善処することを求めたわけでございます。
西委員 もう時間が余りないのであれなんですが、もう一つ、事実関係についてお伺いしたいのです。
 平成十五年二月二十六日の予算委員会の速記録を見ているのですが、本日御出席の筒井委員からの御質問です。農水大臣から頼まれて夜の六時から八時過ぎまでの間にという後、五人の個々の名前が出てきております。先ほども筒井委員から五人というふうに特定されましたが、これは事実ですか。
窪田法制局長 調べてみまして、事実でございます。その五人でございました。
西委員 そういたしますと、筒井委員みずからということでは当然ないということは私もそうだと思うのですが、何らかの形でこの法制局内で、これだけではないのですが、知られてはいけない事項が外に漏れていることに私は一つの問題点があるのではないかというふうに思っておりますが、このことについての法制局の考え方をお伺いしたいと思います。
窪田法制局長 今御指摘を受けた点は、非常に重く受けとめております。今後、情報漏れを起こさないように、調査もいたしますし、また、今後どのような対応をすべきかということもよく検討を進めてまいりたいと思います。
 そのようなことをすることによって、結局、私どもが目指すのは、与野党の諸先生方から信頼される法制局のために、今後とも努力をいたしてまいりたいと思っている次第でございます。
西委員 一言だけです。
 これを機会に、我々国会議員が信頼をして法制局に立法のこと、また、個人的な法律相談等もしているのが現実ですので、そのことはやはり厳しくとらえていただいて、局長からしかるべく法制局全体にそのことを、きちっとした対応をぜひともお願いしたいことを申し上げまして、終わります。
窪田法制局長 御指摘を踏まえまして、十分対処したいと思います。
大野委員長 以上で西博義君の質疑を終了させていただきます。
 次に、都築譲君。
都築委員 自由党の都築譲です。
 きょうは、大島農水大臣の疑惑の関連で、その国会答弁の想定問答を衆議院の法制局に作成させたという問題について、こうして議運委員会で、議長、副議長がおられる前で議論をする機会が与えられたことを私自身としては関係者の皆さんに大変感謝したいと思いますが、ただ、一番肝心の、疑惑隠しあるいはまた疑惑逃れということを国会で行うために法制局の方に指示をした農水大臣が出てきていないということの問題が一番大きいと思います。
 ぜひ、理事会でも先ほど来から議論をしておりますが、機会を見て大島農水大臣のこの議運委員会への出席と、そしてまた、衆議院法制局の事務のあり方について議論する以上は、行政府の長たる人がそういったことを本当に個人的な用務のために、国民の皆さんの税金で賄われている、本来の議員提案活動を支える衆議院法制局、あるいはまた、先ほど来から言われておりますような、法律上の解釈などをしっかりと照会に応じてお答えするための法制局の事務に対して、個人的な用務で使うということがあっていいのかどうか。そういったものを検討する機会を、大島農水大臣にただしていきたい、こんなふうに思っておりますので、議運委員長にはかねてからお願いしておりますが、ぜひそのことはこれからも引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 そして、きょうは法制局局長と次長さんがお越しですから、関連の問題について幾つかお尋ねをしてまいりたい、こんなふうに思います。
 まず、今までの各議員からの質問を聞いておりましても、大変苦しい答弁をしておられるわけでありまして、それは、衆議院法制局としての公正中立性、あるいはまた守秘義務の関係、あるいはまた議員に対する敬意といいますか、そういったものを損なってはならないという大変貴重な心持ちをもって答弁されるから余計苦しくなってしまっているのだろうと思うわけであります。
 まず一番の問題は、そういった苦しい答弁をしなければならなくなった、あるいはまた苦しい答弁をさせるような立場に追いやった大島農水大臣の問題の方がはるかに大きいと私は思います。ですから、まず大島農水大臣から、先ほどからいろいろ議論が、法律上の論点というようなことがありますが、具体的な事実関係としてどんな依頼があったのか、それを明らかにしていただきたい、こんなふうに思います。
窪田法制局長 まず御理解賜りたいのは、私どもの基本的な立場として、個々の会派、個々の議員等からの問い合わせがあった場合でございますが、その具体的な、議員からあったかなかったか、あるいはその中身がどうかということについては、それは答弁を差し控えるということが基本的な考え方なのでございます。
 その点を御理解いただきまして、今回のことで言えば、大島議員が議員としてのお立場から私どもの方に電話で御依頼があった、その内容というのは、法律的に、特に政治資金規正法それから公職選挙法などにつきまして、先生の事実認識と、先生としてはどのような論点があると思っているという内容を伝えられまして、そういうことを私どもの調査の前提といたしまして、それに基づいて、関係する法律について調査をし、回答をし、そしてお答えを申し上げ、それは、お答え申し上げる仕方は文書でお渡し申し上げました。
都築委員 結局、そういう答弁になってしまうから、もう一方の大島農水大臣から、それこそ議院証言法に基づく、真実を語るという誓約をしていただいた上でお聞きしなければいけないのじゃないかというふうに私は思います。
 ただ、今の法制局長の答弁を聞いておりましても、それでは、議員からの法律照会だったら何でも受けるのか。例えば、去年、通常国会のときは、鈴木宗男議員、田中真紀子議員あるいはまた加藤紘一議員、さまざまな議員の疑惑が随分巻き起こったわけでありますが、では、そういったときに、鈴木さんも田中さんも加藤さんも、みんな法制局に照会していたのだろうかというと、これはちょっと違うのじゃないのかな、私はそんな思いもするわけであります。
 あの方たちがやらなかったことを大島さんは衆議院の法制局に、かつて議運委員長をやっていた、あるいはまた国対委員長を自民党でやっていた、こういう立場を利用して、利用してというか、その背景にある権威を使って衆議院法制局に無理やり押しつけたのじゃないか、こういう気がいたします。
 そして、今お聞きしたいのは、では、例えば選挙違反の問題とか政治資金規正法の問題が議論になっておりますけれども、具体的に法律の条文の適用の問題を、これは自分の問題じゃないよと言って聞く場合と、これは明らかに自分の問題なんだけれどもと言って聞く場合と、それでどういうふうに対応が異なるのか、異ならないのか。
 そういった点について、実際に、先ほど来からの議論の中でも、週刊誌でもう報道されておる問題について議論が集中しておるわけでありますから、むしろそのことは、当然の前提として規正法違反の問題が本人にある。ということは、個人の弁護士がわりに衆議院の法制局を使った、こういうことになるわけでありますから、これは、それこそ衆議院の事務局の公正中立性、そういったものを大きく損なう、衆議院の権威を損なうものではないか、こんなふうに思うのであります。
 したがって、今ここでまたお聞きしたいのは、例えば証人喚問のとき、あるいは政治倫理審査会の審問のときに、補佐人という形で弁護士とか公認会計士がついてくることがありますが、衆議院の法制局は、そういう依頼が議員からあったら、それでもついていくのですか。その点はいかがですか。
窪田法制局長 まず、私どもの方で議員から御依頼があった場合については、どういうふうに事実を認識しているか、あるいは、それにどういう価値判断をされているかというのは、それは議員のお話でございまして、私どもは、与えられた事実認識に基づいて現行法上どのような問題点があるかどうかということでございますから、私どもの職務というのは、公正な立場から価値判断を挟まずに御意見を申し上げているわけでございまして、それは、与党、野党を問わず、そのように努めているわけでございます。
 それから第二点の、議院証言法で証人として求められたらという仮定の御質問でございますが、そのような場合には、私どもは、それに出るということは全くないわけでございます。
都築委員 もう時間がほとんどありませんが、要は、今回の問題は、行政府の一つの長である大島大臣が立法府の職員を使った、そして、その論難を避けるために、議員個人だったら、「衆議院ガイドブック」において議員は法律照会をすることができるんだ、こういうふうになっておるから、それで問題ないじゃないかと言うけれども、個々の議員の法律上の相談でも、法制上の問題、例えば、行政施策が大変間違っていると思うのだけれども、これについてどう思うかということと、自分の、例えば今回の選挙違反あるいは政治資金規正法の問題とか、あるいはまた交通ルール違反の問題とか、さまざまな問題がある中、個人的な用務に衆議院の法制局の事務局を使っていいのかどうか。
 この二点からいって、私は、大島農水大臣の責任というのは免れないと思っておりまして、これからも引き続きその問題を取り上げていきたい、こんなふうに申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
大野委員長 次に、児玉健次君。
児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 二月十九日、先ほど次長は、質問に答えて、雑誌を資料として与えられた、そして、法律の論点は先生から聞いていたと。大島先生のことだと思うのだけれども。
 そこで、お聞きしますけれども、予算委員会で配られたこのペーパーの二枚目ですが、「問」という部分があって、「秘書が政治資金として渡された金銭を使い込んだというのなら、それは横領だと思うが、どうして告訴しないのか。」と書いてあります。この「問」は、大島氏から論点整理の一部として示されたのか、それとも、法制局の作業の中で作成したのか、いずれか答えていただきたい。
郡山法制局参事 お答えいたします。
 先ほど法制局長からも答弁をいたしましたように、個々の議員からの依頼につきましては、その有無、それからその内容等、私どもの方からはお答えをできないと思います。
児玉委員 それはおかしいね。だって、このペーパーは、大体それだと思うというふうに予算委員会でも答えていらっしゃる。「答」のところにも、「金銭を渡した側の渡した趣旨、」云々ということが書いてある。あなた自身が先生から聞いた論点、そのこととの関係はどうなのかという、既に明らかになった事実について聞いているのですから、答えるべきじゃないですか。
郡山法制局参事 先日、予算委員会の理事会におきまして、予算委員長の指示のもとに、また、依頼者からの承諾がありました上で、開示させていただいた部分に限定して御説明をしているところでございます。
児玉委員 開示されています、これは。開示されているのじゃないですか。こうやって、周知のものとして私は持っている。局長、どうですか。
郡山法制局参事 そのペーパーの作成について、作成をしたか否かということについて、すなわち作成の事実の有無については、その情報は開示してよろしいという、そのような御承諾が依頼者からあり、また、委員長からも指示がありましたので、理事会において開示をしたところでありまして、今先生の御指摘のことは、さらにその中身あるいは経緯等でございまして、これについては先ほどの答弁になると思います。
児玉委員 依頼者からの応諾があったというのは、大島さんのことですか。イエスかノーか、答えてください。
窪田法制局長 守秘義務解除については、やはり私どもは、会派、議員との信頼関係で……(児玉委員「今の問いにイエスかノーかで答えてください」と呼ぶ)イエスでございます。
児玉委員 このペーパーには、「更問」というところがありまして、これはあなたたちがつくる想定問答集の慣用語の一つですね。「更問」というのは、質問があって答えて、追いかけてまた質問がある。答えは「同上」、同じ答えを繰り返すとある。これは見事な想定問答集じゃありませんか。どうですか。
郡山法制局参事 先ほどから申しますが、有無、内容、経過等についてはお答えできませんが、今の部分はここのペーパーのお答えでき得る部分かと思いますのでお答えいたしますと、これは先ほどから繰り返して申しておりますように、問答用としてつくったわけではございません。
 先生の頭の整理として、なるべくこういったふうに分割して、更問という形で問い、答えを書いた方が御理解いただきやすいだろうという、これは先生方によって異なります。箇条書きにした方が御理解いただきやすい先生もあれば、くだけた書き方の方が御理解いただきやすい先生もある。その先生方、先生方に合わせて、我々は、なるべく先生方のお役に立つように努力をしているつもりでございます。
児玉委員 よくわかりました。大島さんの頭の整理のためにつくったと。
 そこで聞きますが、衆議院議員である、ある国務大臣がみずからの大臣としての適格性について質疑を受けるとき、法制局は、その質疑に対する答弁について法律上の助言を行いますか。
窪田法制局長 個別のお問い合わせでございましょうか、一般論として……(児玉委員「私は一般論として言っている」と呼ぶ)一般論として、そのようなことが事前にわかるようであれば、それは、私どもが補佐することは差し控えることになると存じます。
児玉委員 まさにその点ですよ。衆議院議員である大島農水相が、農水相としての適格性を昨年の臨時国会以来一貫して追及されている、その事実については、法制局、御存じですか。
窪田法制局長 昨年からそのような報道があり、国会でも質疑されていることは存じておりますが、私どもが今回、政治資金規正法等について問題点を整理してペーパーにまとめたということは、国会質問ということをさらさら意識していないわけでございまして、それは、先生方から、こういうものをつくってくれ、問題点はどこにあるかという問い合わせを受ければ、それに対して対処するというのは私どもの任務であるというふうに考えております。
児玉委員 昨年以来の予算委員会の会議録を私は精読しましたが、ほとんどの質問は、農水大臣としての適格性を問うているのですよ。適格性が問われている大島氏の頭の整理のために、あなたたちはこのペーパーをつくった。どうですか、つくったじゃないですか。
窪田法制局長 私どもがお手伝いしたのは、衆議院議員から問い合わせがあって、こういう観点はどうだろうかというお問い合わせがあれば、それについては検討し、その調査結果を御報告申し上げるというのは私どもの務めであろうと思うのです。
 それで、今、その後の政治的な価値判断のことを先生は御指摘されていると思われるわけでございますけれども、私どもとして、先生方の価値判断等について、それは口を挟むべき立場にはないというふうに存ずるわけでございます。
児玉委員 私の言っているのは、政治的な価値判断ではありません。事実、大島氏が衆議院議員であるということは疑いないのです。そして、農水大臣の職責にあって、その職責の適格性が問われてきているのですよ。どの質問を見てもはっきりしています。そのことについて、あなたがわからないはずがない。
 そこで、さらに聞きますけれども、大島さんは、二月二十八日の閣議の後、記者会見で、以前にも法制局に問いかけをしたことがあると明確に述べています。これは昨年十月以降の予算委員会での質問に関する問いかけではなかったかと思いますが、いかがですか。
窪田法制局長 これは繰り返しになりますけれども、私どもは、個々の衆議院議員あるいは会派からのお問い合わせにつきまして、個々具体的には、そういうことがあったかなかったか、あるいはその経過、内容等については、御答弁を差し控えるということで御了解を賜りたいと存じます。
 いずれにいたしましても、国務大臣たる立場について私どもは御要請はないわけでございまして、私どもは、従来から、職務として衆議院議員の方からのお問い合わせについて誠実に対応している、そのような立場にあることを申し上げます。
児玉委員 次長に伺いますけれども、二月十九日、大島氏の電話の問いかけに対して応対したのはあなたじゃないでしょうか。
郡山法制局参事 そうです。
児玉委員 だからこそ、雑誌を資料として与えられ、論点も先生から聞いた。そして、そこで大島大臣が言っているのは、彼は予算委員会で農水大臣としての立場を聞かれているのですよ。私は、そこをはっきりさせなければならないと思うのです。
 私が言いたいのは、大島農水相は、みずからの行為を恥ずるべきです。衆議院の法制局は、さっきのお話のとおり、公正不偏でなければなりません。公正不偏の法制局に対して、一人の農水大臣、国務大臣がそれをねじ曲げて私的に利用する、この事実について、あなたたちはどう思いますか。局長、どうです。
大野委員長 児玉君に申し上げます。
 これをもって最後の発言にしてください。
窪田法制局長 個々の衆議院議員からお問い合わせがあった場合に、私どもは、それについての価値判断を挟まずに法律的な問題点を指摘するということが我々の職務であろう、そこはそのように考えております。
児玉委員 終わります。
大野委員長 次に、日森文尋君。
日森委員 社民党の日森文尋でございます。
 最初に、お二人から感想をお聞きしたいと思うのです。
 先ほど筒井委員からもお話がありました。つい先ほどの予算委員会の中で、委員長が、常識では考えられない答弁を法制局はやっているという指摘がありました。確かに、聞いている限り、私もそう思わざるを得ないのですが、こう委員長に言われたことに対して局長並びに次長はどういうふうに受けとめられていらっしゃるか、まずその点をお聞きしたいと思います。
窪田法制局長 委員長からそのようなおしかりもございましたので、その点は心に銘記しておるわけでございますが、私どもといたしましては、これは、衆議院議員から、ある事実を前提に、この場合にどのような法律に反するか反しないか、どうかということを聞かれました場合に、別な判断からそのような依頼をお断りするというようなことはできかねるものだというように考えておるわけでございます。
 それは、週刊誌を見て、国会で使われているというところを読み飛ばした、そのこと自体はおかしいではないかという御指摘も、野党側で質問される、そういうお立場を考えれば、それは後になってもちろんわかります。指摘される御主張はわかるのでございますけれども、私ども、事実としてどうかということを委員会ではお尋ねを受けておりますから、それは、衆議院議員から依頼を受けて、それの作業をしてお答え申し上げたということであって、どのようにそれが利用されるかということについて、どこまで事前に私どもが申し上げる余地があるのか、できるのか。
 私どもは、それは、従来から、そういうことで御注文を受ければ、はいと言って、全力を挙げて対応するということをやってきておりまして、そのこと自体が大変けしからぬことかというと、そうは必ずしも考えていないというのが私の感想でございます。
郡山法制局参事 今回の件で各先生方にいろいろと御心痛をおかけしているということは、そのこと自体はまことに申しわけなく思っております。
 ただ、行いました業務がどうかといいますと、私どもとしては、これは正当な業務であったというふうに認識していることは、いささかも変わらないところではあります。
 なお、私どもの答弁の内容が、例えば、ファクスの記事を受け取っておきながら、あす二月二十日に大島大臣の答弁があるということを知らなかった、そこを読まなかったというのはおかしいではないか、非常識な答弁だということは、このこと自体は、一般的には、確かに委員長においてそう思われるのは、私も一般的にはそのとおりだと思います。そこはそうだと思います。
 ただ、まことに申しわけないのですが、事実は事実で、これはもうどうしようもないのです。実際そこを読まなかったということは、なぜかといいますと、頭から、○○という法律問題についての論点の整理を先生がされた上でのお問い合わせと思い込んでやっていますので、そこの部分の資料としてぱっと読んで、資料からデータをとるというつもりでやっていましたので、私の場合は普通そこは読まないのです。
日森委員 関連してですが、先ほど、二点について抗議文を対週刊文春にお出しになったということがありました。この抗議文については、局長も次長も確認をされた上でお出しになっておるわけですね。
 これは、その文章を精読しないと、どことどこを抗議しようかなどという話が出てこないのではないかというふうに思うのですが、それとは全く関係ないわけですか。
窪田法制局長 抗議文というのは、直近の号についてでございますが、これは事後的に読んでいるわけでございます。事後的に読んで、かつ内部調査をいたしまして、それで、野党については不熱心であるということで、与党だけ力を入れて仕事をしておって野党のことはやっていないという箇所が二カ所ございましたし、そこのところは事実無根なんでございますので、それは、今度は抗議文ですから、これはよく熟読玩味いたしまして、そのうちのごく限定された部分だけ反論を加えたということでございます。
 もう一点ございますけれども、いずれもそういうことでございます。
日森委員 私も、野党に対しても大変一生懸命仕事をしていただいているということについては、法制局の名誉のために、そのとおりだと申し上げておきたいと思うのです。
 それで、先ほどから、大島衆議院議員、議員としての相談に応じて一応回答文を出した、それがどう使われるかわからない、そこまでは調査をやる必要はないんだということをおっしゃいました。
 しかし、今までの予算委員会や、きょうのこの場の議論もそうなんですが、聞いていると、客観的な状況は、想定問答集というのをどうもつくってしまったという結果になるのではないか、そのことを明確に示しているのではないかというふうに思うのです。いやいや、そちらはつくったつもりはなくたって、現実にそういうことによって使われているわけです。というふうに、これまでの情況証拠なんと言うとオーバーですが、状況判断をするとそういう格好になっている。
 そうすると、実は、これは大島大臣にだまされたのではないか。それぐらい我々は、法制局を私的に活用して、みずからに対する質問の答弁に使ったということは事実なわけですから、そうすると、衆議院法制局が大島大臣に利用された、もうちょっと言うと、いわばだまされたということになるのではないかという思いがあるのですが、その辺について感想をお持ちでしょうか。
窪田法制局長 私どもの立場は、衆議院議員から御用命を受けましたら、そういうことについては御信頼を申し上げて、その依頼に即し、できるだけの御支援、補助を申し上げるという立場でございますので、その点を御了解賜りたいと存じます。
日森委員 結局、そういう善意でつくられた回答文が、実際に、予算委員会の場で大島大臣が答弁に使ったと。そういうフレーズは、全く同じようなフレーズもあるわけですから、そのことを申し上げているのです。
 そうすると、確かに法制局は議員からの要求があればそれに全部こたえる、これは当たり前の仕事ですよ。私たちもそう思っています。しかし、仮にそう思って、幾つか問題点は僕はあると思うのですが、ずっと今までのあなた方の答弁をすべて是とした上で、そういう思いで出した回答が、予算委員会の場でああいう格好で大臣に使われたこと、このことについて少しきちんとした判断基準を示す必要があるんじゃないかと私は思うのですが、改めてどうでしょうか。
窪田法制局長 御指摘の趣旨は十分わかるわけでございますけれども、私どもは、とにかく全力を挙げて、衆議院議員からお尋ねになった問題点、法律上の現行法の適用などについて全力をもってそれにお答えする、もうそれで全力なのでございまして、それ以上、とにかく全力をもってそういうことをやっておるということで御了解を賜りたいと思います。
日森委員 そうすると、今後もこういうことがあり得るということになってしまうのですが、その辺はどうですか。
窪田法制局長 衆議院議員としてお問い合わせがあった場合には、私どもは、先生方を御信頼申し上げて、御指示のあったような点について法律的な問題点を指摘し、調査をし、結果を御報告するというのが私どもの職分である、それ以外の点について私どもがどうこう申し上げるという立場にはないのではないか、そのように考えております。
日森委員 そういう意味から、先ほど自由党の都築委員からもお話がありました。当事者である大島農林水産大臣の、やはりしっかりと彼本人の口から事実についておっしゃっていただくという場がこの議運の場でも必要になるのではないか、そのことを抜きにして法制局だけを取り上げて云々することは今できないのではないかということを思いますので、委員長によろしくお取り計らいいただきたいと思います。
大野委員長 ただいま御提起の問題点につきましては、既に理事会で議論されております。今後また議論してまいりたいと思います。
 それでは、次に、松浪健四郎君。
松浪(健四郎)委員 保守新党の松浪健四郎でございます。
 法制局長並びに法制次長のお話を伺っておりますと、衆議院法制局の職務の中にある、議員等からの法律問題の照会に対する調査回答、これによって作業をしたというお話でありました。
 そこで、二月十九日の午後四時前、大島議員より法制次長へ連絡があった、大島議員から電話で本件についての議員の事実認識と議員が論点整理した内容を伝えられ、これに基づいて関係する法律問題に関して調査回答するよう依頼を受けた、こうありますが、次長、間違いありませんか。
郡山法制局参事 そのとおりでございます。
松浪(健四郎)委員 そうしますと、三月六日号の週刊文春は、見出しに「疑惑答弁に備え衆院法制局に作成強要」、こういうふうにあるわけですね。つまり、大島議員が法制局に作成を強要した、こうあるわけですが、これについて、次長、どう思われますか。
郡山法制局参事 強要された事実は、私としてはないと思っております。
松浪(健四郎)委員 ということは、週刊文春は書き過ぎだということですか。
郡山法制局参事 文春がどうであるかどうかは、これは、申しわけございませんが、私どもが申し上げる立場ではないと思います。
窪田法制局長 今の強要の点でございますが、そのような事実はないというのは、今、次長から申し上げたとおりであります。
 その点を抗議しなかったのは、強要主体は大島議員側でございますので、法制局として格別なことはその点は申し上げない。原則は、あれこれ申し上げないというのが原則でございますから、それは先生の方の問題だということでございます。
松浪(健四郎)委員 私の手元に、二月二十六日の衆議院予算委員会の速記録、未定稿でございますけれども、筒井委員の発言がございます。一部読ませていただきます。
  農水大臣から直接頼まれて、夜の六時から八時過ぎまでの間に、法制局次長郡山さん、企画調整部長も兼ねている人でございますが、この人がつくりまして、ワープロ打ちをしたのは、課員の笠井さんでございます。そこに参加していたのは、やはり調整部でございますが、企画調整課の伊藤和子課長と、同じ課の正木さん、それから基本法制課の小林さんがいずれも参加をして作成した。
こうあるわけですが、今私が読んだこの発言をお聞きして、局長、どういう感想を持たれましたか。
窪田法制局長 この委員会に私も出ておりまして、このようなことは、えっという感じでお聞きをいたしました。
 先生からそのような御指摘を受けたこと、これは、その後に判明いたしましたのは、時間は違いますけれども、参画しているメンバーはこのとおりだったわけでございます。
松浪(健四郎)委員 今言った、えっというのは何ですか。
窪田法制局長 いわば、内部の職員がある事実を漏らしているのではないかという疑いがありまして、職員の名前が個々に挙げられている、なかなか先生方で個々の名前を御存じのはずはございませんので、どこかからそのような情報が漏れたのではないかということで大変驚いたということでございます。
松浪(健四郎)委員 冒頭、原田委員の質問に対しましても、局長は、守秘義務違反者がいた、こういうふうにお述べになられました。
 申すまでもなく、国家公務員法の百条、そして国会職員法の第十九条、これに著しく違反しておる。それで、局長は、今後注意すると。その注意は今後であって、今回はどうされるのか、お尋ねしたいと思います。
窪田法制局長 今回、当然、まずよく事実関係を調べまして注意をするわけでございます。
 それから、私はそういうことを聞いてどう思ったかということでございますから、そのように申し上げましたが、確実にこうであったということはまだ断定的には申し上げられないわけでございますが、聞いたときどうであったかというと、これは、そういうことではないかというふうに感じたということを申し上げたわけでございます。
松浪(健四郎)委員 感じたということは、徹底的に調査をやるということですね。
窪田法制局長 まず、中の調査もいたしますし、今後はこのようなことがないようにしっかりした体制を組む、あるいはチェックをもう少しよくするとか、あるいはコンピューターシステムをどうしたらよいかとか、もろもろの対策は考えてまいりたい、そういうことでございます。
松浪(健四郎)委員 守秘義務違反者がいた、そして衆議院の法制局でこういうことがあったということは、ゆゆしき問題であります。徹底的に調査をして、私は、どのようにするのか、つまびらかにしていただきたいということをお願いしますが、いつごろまでにやられるのかということをお尋ねしたい。
窪田法制局長 これは、できるだけ早くとしか、今の時点では申し上げられません。いずれにしても、調査もしっかりやりますし、体制も今後整備をしていく、それはできるだけ早くやるということでございます。
松浪(健四郎)委員 一連の話を聞いて、郡山次長、どのような感想を持たれたか、お尋ねしたいと思います。
郡山法制局参事 今回の件につきまして、この間、衆議院の先生方に多大の御心痛をいただいているということにつきましては、まことに申しわけなく思っております。
 ただ、私どもとしては、あくまでも正当な業務を行ったということだけはいささかも揺るがないということは、御理解をいただきたいと思います。
松浪(健四郎)委員 恐らく、週刊誌の記者が取材をした、そして、その話が活字にもなり、どこかに漏れたのか、あるいは、法制局の中の人が、どういう形であるか知りませんけれども、外に話を漏らしたのか、この辺も明確ではありません。メディアは、取材の対象は、恐らく記者の心得として、取材したものは自分の仕事以外に使わない、それは私は原則だというふうに思っております。これから、インタビューを受ける際にも、これはどのような形で使われるのか、そこまで聞いてインタビューに答える必要があるのではないのか、そういうふうな印象を持ちました。
 時間が参りましたので、これで終わります。
大野委員長 以上で松浪健四郎君の質疑を終わります。
 午後九時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後六時十分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.