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第22号 平成20年4月9日(水曜日)

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平成二十年四月九日(水曜日)

    午後零時一分開議

 出席委員

   委員長 笹川  堯君

   理事 小此木八郎君 理事 根本  匠君

   理事 竹下  亘君 理事 三ッ林隆志君

   理事 金子 恭之君 理事 川端 達夫君

   理事 仙谷 由人君 理事 石田 祝稔君

      あかま二郎君    井脇ノブ子君

      大塚 高司君    奥野 信亮君

      亀岡 偉民君    清水清一朗君

      藤井 勇治君    御法川信英君

      若宮 健嗣君    小川 淳也君

      三日月大造君    谷口 和史君

      佐々木憲昭君    保坂 展人君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   議長           河野 洋平君

   副議長          横路 孝弘君

   事務総長         駒崎 義弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日本銀行総裁及び同副総裁任命につき同意を求めるの件

 本日の本会議の議事等に関する件


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     ――――◇―――――

笹川委員長 これより会議を開きます。

 まず、日本銀行総裁及び同副総裁任命につき同意を求めるの件についてでありますが、同総裁及び同副総裁に、お手元の印刷物にあります両君を任命するについて、内閣から本院の同意を求めてまいっております。

    ―――――――――――――

 一、日本銀行総裁及び同副総裁任命につき同意を求めるの件

   総 裁 白川 方明君 福井俊彦君三、一九任期満了につきその後任

   副総裁 渡辺 博史君 白川方明君の後任

    ―――――――――――――

笹川委員長 この際、発言を求められておりますので、順次これを許します。根本匠君。

根本委員 自由民主党の根本匠です。

 今回の同意人事について、意見を述べます。

 日銀総裁は、前回も申し上げましたが、金融政策の司令塔であり、一日の空白たりとも許されるものではありません。

 今回政府が提示した白川氏は、四週間前に副総裁として同意した人物であり、明後日のG7財務相・中央銀行総裁会議に総裁として出席するにふさわしい人物であります。まさに今の時期における日銀総裁として適任であります。

 元財務官の渡辺氏については、いわゆる財金分離と天下り禁止から、日銀副総裁として不適格であるとの主張があります。

 昨日の所信聴取においても明らかなように、渡辺氏は、財務官として、退官後も国際金融情報センター顧問、ハーバード大学シニア・ビジティング・フェローとして、世界経済や国際金融市場の抱えている問題に取り組んできた、国際金融、国際経済のエキスパートであり、まさに適任者であります。

 したがって、財務省出身であるというだけではなから不同意とすることは、到底納得できるものではありません。

 今回の意見表明でぜひ指摘しておきたい点がございます。

 それは、昨日の参議院の質疑でもありましたが、一部報道にもあるように、民主党の幹部が、一昨日の内示の前に渡辺氏に電話をかけ、民主党はあなたの人事に反対であるので伝えておくという旨の話があったと聞いております。

 これが事実であるならば、人事に対する政治介入という非常に重要な問題であると考えます。これは、与野党間で決めてきたルールに対する違背行為でもあります。西岡参議院議院運営委員長は、人事が事前に報道されたものは参議院として受け付けないとしておりました。この趣旨は、人事に対して事前の影響を排除するという趣旨であり、このようなことがあるとすれば、手続は形骸化し、国会同意人事は要らなくなるのではないかと考えます。

 我々は、民主党に対し、今回の件について事実関係を調査し、国会、国民に説明すべきであると強く申し上げます。

 最後に、日銀総裁、副総裁の人事は、出身母体や経歴にとらわれず、中央銀行の司令塔として職責を全うし得る人物か否かという観点から行うべきであります。現時点においてどういう判断を行うことが国益にかなうかを冷静に判断され、同意されんことを望みます。

笹川委員長 小川淳也君。

小川(淳)委員 ただいま議題となりました国家公務員の任命につき同意を求めるの件について、意見を申し述べます。

 もう既に趣旨は繰り返しこの場で述べたとおりでございますので要約をさせていただきますが、日本銀行にはあくまで高度な独立性が保障されなければなりません。通貨価値の安定が至上命題であります。あわせて、国、地方に大変な長期債務を抱えている状況を考慮せねばなりません。財政の論理で金融政策がゆがんではならないのであります。

 プラザ合意以降のバブル経済、そしてその崩壊、また、失われた十年、これらについても歴史的な教訓として重く振り返る姿勢が必要でございます。あわせて、そのバブル崩壊後の異常な超低金利政策、また、日銀による長期国債買い入れ、これを正当化するような姿勢ではならないのでございます。

 さらに、現在、アメリカのサブプライムローン問題をきっかけに、大変世界の金融市場が混乱している現状下にございます。次期日銀総裁としては、豊かな国際性、具体的に申し上げれば、海外の中央銀行や国際金融関係者との豊富なネットワークを有していることが極めて重要と考えます。

 最後に、金融政策の独立性、自主性、透明性を将来にわたって確保していくためにも、昨今言われておりますたすきがけ人事、指定席への順送り人事、この慣行についてもあわせて是正すべきと考えます。

 以上の観点を総合いたしまして、今回総裁候補となりました白川方明君に対しては同意、副総裁候補の渡辺博史君については不同意とすべきことを申し上げ、意見表明といたします。

笹川委員長 佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日銀同意人事について意見を述べます。

 まず、白川方明日銀総裁候補についてであります。

 最初に提示された三月七日の白川日銀副総裁任命案に対して、私たちは、この間日銀が実施してきた超低金利、量的緩和という異常な金融政策などについて明確な批判的見地をとっているとは見えないとの理由で、賛成しがたいという態度をとりました。

 今回、総裁候補として提示されても、我が党の態度を変える理由がありませんので、不同意といたします。

 次に、渡辺博史副総裁候補についてです。

 私は、八日の聴聞会で、バブルを引き起こした低金利政策についての評価を聞きました。渡辺氏は、とめた時期について疑問は呈したものの、当時の金利政策に批判的態度は示しませんでした。また、九〇年代後半の銀行への多額の税金投入について、当時の政府の判断を必要であったと評価し、住専処理の後遺症から投入の時期がおくれたことを反省していると述べる一方で、税金投入、不良債権処理がもたらした国民への被害についての反省的発言はありませんでした。

 また、国際局長、財務官時代に、対米追随下で大量のドル買い介入政策を進め、外貨準備を積み上げた結果、巨額の評価損を出したことも指摘しなければなりません。

 渡辺氏は、従来の政府、財務省の政策の枠を超える発言が見当たらず、この間日銀が実施してきた異常な金融政策などについて明確な批判的態度をとっているとは見えないことから、日銀副総裁の任命に対し不同意とさせていただきます。

 以上です。

笹川委員長 保坂展人君。

保坂(展)委員 日銀同意人事について意見を述べます。

 同意人事をめぐり、与野党各会派の協議の中で、十日前に内閣が人事案を提示、その人物の経歴、識見、著作などを把握した上で、委員会で意見聴取を行い、各会派の賛否を決めるという流れができ上がっております。

 中央銀行総裁会議が迫っているとはいえ、今回も超特急でした。前の日の五時半に提示があり、翌日十一時に意見聴取であります。副総裁として過去に意見聴取をしている白川氏はともかく、渡辺氏については、内閣から候補の資料を提出するようにと理事会で各党の求めがあったのは当然のことです。

 私は、夜八時半まで議員会館で待ちましたが、翌朝に内閣官房総務官室から分厚い封筒を受け取りました。英文のみの資料が百八十一ページございました。渡辺氏は原稿を用意せずに講演するため、記録が残っているものは少ないと注釈されています。日本語で書かれた講演録や座談会など存在しないがごとき、木で鼻をくくった態度でございます。

 笹川委員長も、理事会で求められた三冊の著作の提供は本人には伝達されておらず、未提出の責任は本人にはないと発言されましたが、ならば、内閣のだれがこうした判断をしたのでしょうか。厳重に抗議をしたいと思います。

 財務省は、〇三年から四年にかけて、空前の円売り・ドル買いの介入を繰り返して、アフガニスタン・イラク戦争へと突き進むブッシュ政権を援助し一兆ドルものドルを積み上げてきました。その価値はドル安のもとで急落をしております。渡辺候補は元財務官であり、昨年末にも、危機説を流している人間がマーケットにいる、これ以上ドルが安くなることはないと発言をしています。

 日銀総裁、副総裁は財務省の指定ポストという感覚をもって人選されることは、今回をもって終わりにするべきだと考えます。

 白川候補は、意見聴取の末、高い識見を有するものと判断をし同意、渡辺候補は不同意といたします。

笹川委員長 それでは、本件は、本日の本会議において議題とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

笹川委員長 次に、本日の本会議の議事について、事務総長の説明を求めます。

駒崎事務総長 日本銀行総裁及び同副総裁任命につき同意を求めるの件についてお諮りをいたします。採決は二回になりますが、順序は印刷物のとおりであります。

 本日の議事は、以上でございます。

    ―――――――――――――

       採決順序

 1(反対 共産)

  総 裁           白川 方明君

 2(反対 民主、共産、社民)

  副総裁           渡辺 博史君

    ―――――――――――――

笹川委員長 それでは、本日の本会議は、午後零時二十分予鈴、午後零時三十分から開会いたします。

    ―――――――――――――

笹川委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、明十日木曜日午後一時から開会することといたします。

 また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十一分散会


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