衆議院

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第43号 平成21年6月16日(火曜日)

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平成二十一年六月十六日(火曜日)

    午後零時一分開議

 出席委員

   委員長 小坂 憲次君

   理事 小此木八郎君 理事 今井  宏君

   理事 平沢 勝栄君 理事 渡辺 博道君

   理事 高木  毅君 理事 小野寺五典君

   理事 玄葉光一郎君 理事 渡辺  周君

   理事 遠藤 乙彦君

      あかま二郎君    井脇ノブ子君

      大塚 高司君    奥野 信亮君

      亀岡 偉民君    清水清一朗君

      谷  公一君    藤井 勇治君

      武藤 容治君    近藤 洋介君

      高山 智司君    古屋 範子君

      佐々木憲昭君    保坂 展人君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   議長           河野 洋平君

   副議長          横路 孝弘君

   事務総長         駒崎 義弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十六日

 辞任         補欠選任

  若宮 健嗣君     武藤 容治君

  伊藤  渉君     古屋 範子君

同日

 辞任         補欠選任

  武藤 容治君     若宮 健嗣君

  古屋 範子君     伊藤  渉君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議案(小坂憲次君外十二名提出)の取扱いに関する件

 去る九日の本会議において厚生労働委員長から中間報告があった臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十四回国会、中山太郎君外五名提出)、臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十四回国会、石井啓一君外一名提出)、臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十八回国会、金田誠一君外二名提出)及び臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(根本匠君外六名提出)の取扱いに関する件

 本日の本会議の議事等に関する件


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     ――――◇―――――

小坂委員長 これより会議を開きます。

 この際、発言を求められておりますので、これを許します。小野寺五典君。

小野寺委員 本日の議運理事会におきまして、国民年金法みなし否決の動議について提案をしたところ、野党の方から、この動議について本日審議をするのであれば、予定されています核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議案、そして臓器移植に対する討論、それも含めてすべて欠席をするという話がありました。

 この重い話を受けて、本日、委員長は、この国民年金法みなし否決をきょうしないということを決断されたと思いますが、これは憲法の規定にある重い衆議院の優越権ということを否定する大変な暴挙だと私は思っております。

 もしこれが党利党略で行われたら、私どもここにいる衆議院議員一人一人が、今後この衆議院の権威をいかに考えるかということまで波及する大きな問題だと思います。

 私自身、きょう一日のことを大変重く受けとめて、今後このようなことがないように、しっかりと与野党ともに協議をすべきだと思っています。

 以上です。

    ―――――――――――――

小坂委員長 次に、決議案の取扱いに関する件についてでありますが、本日、小坂憲次君外十二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合、国民新党・大地・無所属の会の六会派共同提案による核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議案が提出されました。

 本決議案は、本日の本会議において議題とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、本決議案の趣旨弁明は、提出者の私、小坂憲次が行います。

 また、本決議に対しまして、内閣を代表して、麻生内閣総理大臣から発言があります。

    ―――――――――――――

小坂委員長 次に、去る九日の本会議において厚生労働委員長から中間報告がありました第百六十四回国会、中山太郎君外五名提出の臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案、第百六十四回国会、石井啓一君外一名提出の臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案、第百六十八回国会、金田誠一君外二名提出の臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案、根本匠君外六名提出の臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案の各法律案の取扱いに関する件について御協議願います。

 小此木八郎君。

小此木委員 動議を提出いたします。

 去る九日の本会議において厚生労働委員長から中間報告がありました第百六十四回国会、中山太郎君外五名提出、臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案、第百六十四回国会、石井啓一君外一名提出、臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案、第百六十八回国会、金田誠一君外二名提出、臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案、根本匠君外六名提出、臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案の各法律案を委員会から直ちに本会議に移し本日の本会議において一括議題とし、その審議を進められることを望みます。

小坂委員長 佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、臓器移植法改正四法案を本会議の議題とする動議に反対の意見を述べます。

 六月九日の衆議院本会議で、臓器移植法改正法案の中間報告が行われました。その際、私は、厚生労働委員会で審議が尽くされていないのに、審議を打ち切って中間報告を行い、本会議での採決に持ち込もうとするやり方に反対しました。

 厚生労働委員会での審議は、わずか八時間にすぎません。関係者からは、A案の早期成立を求める声が上がる一方で、反対の声や慎重審議を求める声も少なからず寄せられています。医療の専門家や学会の中でもさまざまな議論があり、日本小児科学会では意見の一致を見ておりません。日弁連は、A案やD案などで子供の臓器移植を進めることに反対する会長声明を出しています。

 この間の法案審議では、A案については、一律に脳死を人の死とするもとで、本人の意思がわからない場合に臓器提供を強いられるのではないかという問題、またD案では、十五歳未満の子供には家族の意思で臓器提供できるとしてよいのかという問題が議論の中心になりました。現在、こうした問題点や矛盾点が噴出したままとなっているのであります。マスコミも、「移植審議 混迷深め幕」などと論評し、十分な議論の深まりがないことを伝えております。

 このような状況で、四法案のいずれかの選択を全議員に迫ることは適切ではなく、やるべきではありません。どうしても採決するというのであれば、日本共産党は、四案すべてに棄権する態度をとるしかありません。

 そもそも、脳死臓器移植は、臓器提供者の死を前提とする特異な先端医療です。臓器の提供を受けることでしか治療の方法がない場合に、臓器提供の意思を踏まえ、納得と合意のもとで慎重に道を開くというのが今日の到達点です。

 国会がやるべきことは、情報を公開し、論議を尽くし、合意を形成する努力を行うことではないでしょうか。この役割を果たさず、採決だけを優先すれば、臓器を必要とする患者の願いと、臓器を提供してもいいとするドナーの善意の双方にとって、合意と納得が得られないまま、お互いに歩み寄れなくなる懸念さえあります。

 子供の脳死移植に道を開こうとするならば、臓器を提供する子供やその家族への十分な配慮が必要であります。そして、子供の脳死やその判定基準の厳格さ、子供の意思の扱い、親の関与をどうするかなど、十分に検討されるべきでございます。議論の中心問題である子供の脳死判定の問題についても、混乱したままでございます。

 六月九日の本会議で、脳死は人の死を前提とするA案の提案者が、著名な脳神経外科医の意見として、脳死をめぐる議論が混乱しているのは脳死という言葉の意味するところが発言者によって異なっているところに原因がある、脳死状態は臨床現場での説明のためにあいまいな表現として使われている、定義がなく使う医師次第だとして、混乱の原因を指摘する書簡を紹介しました。これは、既に十数年前の脳死臨調で議論されてきたはずの脳死判定の問題が、いまだに国民の中で理解が得られていないことを示しております。

 また、厚生労働委員会や小委員会での参考人意見聴取と質疑では、我が党も指摘したように、最優先されるべき子供の救命救急システムの整備が極めて不十分なこと、心のケアも含めた移植に必要なチーム医療の体制が十分でないこと、ドナー家族への支援体制がないこと、子供の脳死の診断症例が少なく症例の蓄積が必要なこと、脳死判定後、三十日以上も心臓が動いている長期脳死について十分な理解がなされていないこと、法的脳死判定の前提である無呼吸テストの扱いについての合意が不十分なこと、子供の虐待死を監視するシステムが不備なことなど、さまざまな重要問題が提起されました。

 臓器移植は、人の命にかかわる医療、生命倫理が根本的に問われるものであり、国民の納得と合意形成がどうしても必要です。今なすべきことは、医療を初め専門家や関係者の参加を求め、正確な医学的知見をもとに議論を重ねて、国民の理解を深めることであります。国会は、そうした国民の納得と合意を形成する努力を尽くすべきであります。

 以上で、意見表明を終わります。

小坂委員長 保坂展人君。

保坂委員 臓器移植改正四案の討論が提案されています。討論とは、採決の前に行われるものであり、本日は採決をせずに若干の時間を置くものの、近く採決を行うことを前提にしての討論であることは間違いありません。

 社民党は、厚生労働委員会での議論はまだ不足していると考えています。とりわけ、A案の条文が、脳死は人の死であるとしていて、臓器提供の場合においてという制約条件を解除していることについて、これは、脳死をもって、国民の生きている、死んでいるという分け隔てをするということになります。

 移植の機会を待つ子供たち、親たちの願いと同時に、脳死状態の子供たちが長く存命し、身体の成長を伴う事例のあることは、なお議論が尽くされたとは言いがたい状況です。まして、四案がいずれも過半数に達しない場合が生じる可能性もあり、委員会差し戻しの道も検討されていますが、ならばこそ、なお厚生労働委員会での議論、審議をするべきだと思います。

 臓器移植法を討論に付すことについて反対の立場で意見表明とします。

小坂委員長 それでは、小此木八郎君の動議に賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

小坂委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小坂委員長 次に、ただいま本会議の議題とするに決しました各法律案に対し、自由民主党の三原朝彦君、公明党の佐藤茂樹君、民主党・無所属クラブの郡和子君、野田佳彦君から、それぞれ討論の通告があります。

 討論時間は、おのおの五分以内とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、本日の討論が終了いたしましたならば、各法律案の議事は、次回の本会議においてこれを継続することとするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小坂委員長 次に、本日の本会議の議事の順序について、事務総長の説明を求めます。

駒崎事務総長 まず最初に、動議により、核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議案を上程いたします。提出者を代表して小坂憲次さんが趣旨弁明をされます。全会一致であります。採決の後、麻生内閣総理大臣の発言がございます。

 次に、日程第一につき、田村厚生労働委員長の報告がございまして、全会一致であります。

 次に、動議により、中山太郎さん外五名提出の臓器移植法改正案、石井啓一さん外一名提出の臓器移植法改正案、金田誠一さん外二名提出の臓器移植法改正案及び根本匠さん外六名提出の臓器移植法改正案の四案は委員会から直ちにこれを本会議に移し議事日程に追加して一括議題とすることをお諮りいたします。共産党及び社民党が反対でございます。次いで四案に対しまして、四人の方々からそれぞれ討論が行われますが、順序は印刷物のとおりであります。

 次いで動議により、四案の議事はこの程度にとどめ、次回の本会議においてこれを継続することをお諮りいたします。

 本日の議事は、以上でございます。

    ―――――――――――――

 議事日程 第二十六号

  平成二十一年六月十六日

    午後一時開議

 第一 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

 一、去る九日の本会議において厚生労働委員長から中間報告があった臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案の取扱いに関する件

  臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十四回国会、中山太郎君外五名提出)(いわゆるA案)

  臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十四回国会、石井啓一君外一名提出)(いわゆるB案)

  臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十八回国会、金田誠一君外二名提出)(いわゆるC案)

  臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(根本匠君外六名提出)(いわゆるD案)

  (1)四案を委員会から直ちに本会議に移し審議を進めるべしとの動議(議事進行係提出)

    採決(起立)   反対 共産、社民

  (2)議長、四案を一括議題とする旨を宣告

   (厚生労働委員会における審査の経過は、去る九日の中間報告のとおりである旨を宣告)

  (3)討論通告

    中山案に賛成   三原 朝彦君(自民)

    石井案に賛成   佐藤 茂樹君(公明)

    金田案に賛成   郡  和子君(民主)

    根本案に賛成   野田 佳彦君(民主)

    ―――――――――――――

小坂委員長 それでは、本日の本会議は、午後零時五十分予鈴、午後一時から開会いたします。

    ―――――――――――――

小坂委員長 次に、次回の本会議及び委員会は、追って公報をもってお知らせいたします。

 なお、明十七日水曜日午後二時三十分から理事会を開会いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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