衆議院

メインへスキップ



第2号 平成15年2月25日(火曜日)

会議録本文へ
平成十五年二月二十五日(火曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 仲村 正治君
   理事 金田 英行君 理事 西野あきら君
   理事 谷津 義男君 理事 吉川 貴盛君
   理事 川内 博史君 理事 三井 辨雄君
   理事 白保 台一君 理事 山田 正彦君
      相沢 英之君    岩倉 博文君
      嘉数 知賢君    下地 幹郎君
      武部  勤君    谷田 武彦君
      松浪 健太君    宮腰 光寛君
      荒井  聰君    大谷 信盛君
      金田 誠一君    武正 公一君
      丸谷 佳織君    赤嶺 政賢君
      東門美津子君    金子善次郎君
    …………………………………
   外務大臣         川口 順子君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当大
   臣)           細田 博之君
   内閣府副大臣       米田 建三君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   国土交通副大臣      吉村剛太郎君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   外務大臣政務官      土屋 品子君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   安達 俊雄君
   政府参考人
   (内閣府沖縄振興局長)  武田 宗高君
   政府参考人
   (内閣府北方対策本部審議
   官)           坂巻 三郎君
   政府参考人
   (防衛施設庁施設部長)  大古 和雄君
   政府参考人
   (防衛施設庁建設部長)  生澤  守君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 長嶺 安政君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    海老原 紳君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  洞   駿君
   衆議院調査局第一特別調査
   室長           飯田 祐弘君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十二日
 辞任         補欠選任
  吉野 正芳君     嘉数 知賢君
二月二十五日
 辞任         補欠選任
  小渕 優子君     谷田 武彦君
  鳩山由紀夫君     大谷 信盛君
同日
 辞任         補欠選任
  谷田 武彦君     小渕 優子君
  大谷 信盛君     鳩山由紀夫君

    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 沖縄及び北方問題に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――
仲村委員長 これより会議を開きます。
 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、細田沖縄及び北方対策担当大臣及び川口外務大臣から順次説明を求めます。沖縄及び北方対策担当大臣細田博之君。
細田国務大臣 沖縄及び北方対策担当大臣の細田博之でございます。
 まず、沖縄対策について所信の一端を申し述べさせていただきます。
 昨年、本土復帰三十周年を迎える中で、本委員会各位の御尽力により、新たな沖縄振興特別措置法が成立し、この新法に基づき、七月には沖縄振興計画を決定するなど、活力ある自立型経済の構築等を目指す総合的な取り組みを開始いたしました。
 沖縄の振興開発につきましては、御案内のとおり、昭和四十七年の本土復帰以来、総額約七兆円の国費を投入し、社会資本整備を中心に各般の施策を積極的に講じ、施設整備面を初めとして次第に本土との格差が縮小するなど、着実に成果を上げてきたところであります。
 しかしながら、低い県民所得や高い失業率に示されるように、産業の振興や雇用の創出など、沖縄は、なお解決しなければならない多くの課題を抱えております。
 政府としては、今後、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画に沿って、沖縄の自立型経済の構築に向けて、観光、情報通信、製造業、農林水産業等の各種の産業の一層の振興、それを支える人材の育成や科学技術の振興などについて、沖縄県や市町村と一体となって各般の施策を積極的に推進してまいる所存であります。
 こうした中で、このたび沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案を今国会に提出させていただいたところですが、同法律案においては、第一に、従前の石油税の課税対象に新たに石炭が追加されることとなったことから、沖縄の電力構成の特殊性にかんがみ、沖縄の電力用途の石炭に係る石油石炭税を免除すること、第二に、羽田―沖縄離島三路線に係る航空機燃料税の軽減措置の延長を行うこととしたところであります。
 また、政府として、高速自動車道路の整備についていわゆる新直轄方式が導入されることに伴い、沖縄における国の負担率の特例措置を講ずるための所要の法律案も別途提出しております。
 沖縄の米軍施設・区域につきましては、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定に貢献する一方で、在日米軍施設・区域の七五%が沖縄に集中する中で、県民の皆様に大きな御負担をおかけしていることも事実であります。その整理、統合、縮小に向けて、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告の着実な実施を図るなど、県民の皆様の御負担を軽減するため、引き続き誠意を持って努力してまいる所存であります。
 なお、こうした中で、普天間飛行場の移設、返還につきましては、代替施設協議会における約二年間にわたる協議の積み重ねの結果、昨年七月末、同協議会の合意を得て普天間飛行場代替施設の基本計画が決定されたところであり、さらに、本年一月二十八日には、建設段階に対応する協議機関として代替施設建設協議会が発足したところであります。今後、普天間飛行場の移設、返還につきましては、同協議会を中心に、引き続き沖縄県及び名護市を初めとする地元地方公共団体と緊密に協議しつつ、環境影響評価を初めとする所要の手続等を適切に進め、普天間飛行場代替施設の基本計画の着実な推進に取り組んでまいる所存であります。
 次に、沖縄における科学技術大学院大学に関しましては、本年一月十一、十二日の両日、米国サンフランシスコ近郊において第三回国際顧問会議を開催し、大学院大学の基本構想具体化のための評議会を早期に立ち上げ、その議長にフリードマン・マサチューセッツ工科大学教授、副議長にブレナー・ソーク研究所教授に就任いただくこと等が合意され、大きな成果を上げることができたところであります。また、新大学院大学の候補地につきましては、昨年十二月の沖縄県からの三候補地推薦を受け、現在、沖縄新大学院大学構想検討会で委員による現地視察を行うなど精力的に御議論いただいており、極力早期に決定いたしたいと考えております。
 今後も、沖縄の皆様の強い期待にこたえ、本構想の具体化に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。
 以上の当面の沖縄施策につきまして、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 次に、北方領土問題について申し上げます。
 我が国固有の領土である北方領土が、終戦後、旧ソ連軍によって占領され、戦後半世紀以上を経た今も、なおロシアの不法な占拠のもとに置かれていることは、まことに遺憾であります。
 北方四島の帰属の問題を解決して、日ロ平和条約を締結し、両国間に真の相互理解に基づく安定した関係を確立することは、我が国の一貫した基本方針であり、ことし一月の日ロ首脳会談においても、領土問題が今後の両国関係の重要な柱の一つとして位置づけられております。
 私は、昨年十二月二十六日に根室を訪問し、納沙布岬から北方領土を視察し、四島返還は我が国として当然の権利であると決意を新たにするとともに、地元関係者の方々からお話を伺い、島を追われた元島民の皆様の御苦労や四島返還の切実な願い、そして北方領土隣接地域の厳しい現状について、肌で感じてまいりました。
 現在、北方四島の早期返還を目指して強力な国民運動が展開されております。北方領土の日である二月七日には、仲村委員長、委員の皆様を初め多くの方々の御参加を得て、北方領土返還要求全国大会が官民共催により開催されました。この日を中心として、全国各地で県民大会などさまざまな活動が展開されたところであります。
 私といたしましては、引き続き全国民的な返還要求運動の推進を支援していくとともに、特に、次代を担う青少年への啓発事業を重点的に進めてまいります。
 また、元島民の皆様に対する援護措置の推進、北方四島との交流及び元島民とその家族の方々によるいわゆる自由訪問事業等の着実な実施にも努めてまいる所存であります。
 このほか、特殊法人改革の一環として、昨年秋の臨時国会で法律が成立した北方領土問題対策協会の独立行政法人化のための準備を進めてまいります。
 委員の皆様方におかれましては、北方領土問題の解決促進のため、一層の御理解と御助力をお願い申し上げます。
 最後になりましたが、仲村委員長を初め理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げまして、私のあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
仲村委員長 外務大臣川口順子君。
川口国務大臣 引き続き外務大臣を務めます川口順子でございます。
 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、仲村委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつ申し上げますとともに、所信を申し述べたいと考えます。
 まず、沖縄に関する事項について申し述べます。
 外務大臣に就任して一年を迎えるに当たり、今月二日に、改めて沖縄の方々から直接お話を伺う機会を持つために沖縄を訪問しました。沖縄県の皆様との意見交換の中でお伺いしたことは、今後、外務大臣としての任務に取り組んでいく中で十分留意していきたいと考えています。また、在沖縄米軍関係者と率直に意見交換を行えたことも大変有意義であったと考えています。
 私は、アジア太平洋地域には依然として不安定性と不確実性が存在する中、日米安保体制とこれに基づく米軍の存在は今後とも不可欠であると考えますが、一方で、在日米軍施設及び区域が集中することにより、我が国の平和と安全のために沖縄県の方々が背負ってこられた多大な御負担を十分に認識し、感謝しております。このような御負担を軽減していくため、SACO最終報告の着実な実施に取り組む等、全力を尽くしてまいる所存です。
 特に、普天間飛行場の移設、返還問題については、約二年間にわたる代替施設協議会での協議の積み重ねの結果、昨年七月末、普天間飛行場代替施設基本計画が決定されたことは大変喜ばしいことと考えております。今後、この決定を踏まえ、環境影響評価、施設配置の設計などの所要の手続等を進め、米側とも緊密に協議しつつ、代替施設基本計画の着実な推進に政府としても取り組んでいく考えです。
 次に、日ロ関係、北方領土問題について申し述べます。
 真に安定的な日ロ関係を構築することは、日ロ両国の利益にかなうのみならず、北東アジア地域の平和と安定に寄与するものです。こうした考えのもと、一月の小泉総理が訪ロした際には、両国関係をあらゆる分野にわたって発展させていく上での共通の指針であり、今後の日ロ関係のいわば海図となる日ロ行動計画を発表しました。
 今後は、日ロ行動計画の着実な実施を図っていくことが重要です。特に、平和条約締結問題については、日ロ行動計画の主要な柱の一つとして位置づけられており、これまでに達成された成果を引き継ぎ、我が国固有の領土である北方四島の帰属の問題を解決することにより平和条約を締結するとの一貫した方針のもと、交渉を進めてまいります。
 これらの諸問題に取り組むに際し、仲村委員長を初め本委員会の皆様の御指導と御協力をいただけますようよろしくお願い申し上げ、私のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
仲村委員長 次に、沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。内閣府副大臣米田建三君。
米田副大臣 平成十五年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。
 初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。
 内閣府における沖縄関係の平成十五年度予算の総額は、三千七十二億九千七百万円、前年度当初予算額に対し九六・四%となっており、平成十四年度補正予算を含めた一体予算としては、三千三百九十八億二千五百万円、前年度当初予算額に対して一〇六・六%となっております。
 このうち、基本的政策企画立案等経費の予算額は、二百七十六億六千二百万円、前年度当初予算額に対し一〇〇・六%となっており、沖縄の自立型経済の構築等を目指すための産業・科学技術振興、人材育成等を図るため、世界最高水準の科学技術大学院大学設立構想を推進するために必要な沖縄新大学院大学関連経費のほか、沖縄産学官共同研究事業、特別自由貿易地域振興事業、観光振興地域等整備事業等の経費を計上しております。
 また、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告の着実な実施等に関連して、普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進経費及び沖縄北部特別振興対策事業費を計上するとともに、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業等の経費を計上しております。
 次に、沖縄振興開発事業費等の予算額は、二千七百九十六億三千五百万円、前年度当初予算額に対し九六・〇%となっております。
 その大宗を占める公共投資予算については、全国的に抑制された影響を受けて減額、九六・二%となっておりますが、このうち、沖縄の教育や人材育成の推進に必要な公立学校施設費は、百九億五千七百万円、前年度当初予算額に対し一〇五・〇%となっており、沖縄工業高等専門学校については、平成十六年春の学生の受け入れに向けて所要の施設費六十七億三千五百万円を計上し、前年度当初予算額に対し二三八・八%と大幅な伸び率を確保したところであります。また、不発弾処理等の戦後処理経費や、赤土対策、都市排水循環利用調査等の環境対策経費を初めとする事業に必要な所要の予算を計上しております。
 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。
 内閣府北方対策本部の平成十五年度予算総額は、十億七千七百万円、前年度当初予算額に対して九八・〇%となっております。
 このうち、北方対策本部に係る経費は、一億九千百万円、前年度当初予算額に対し一〇〇・七%となっており、新たに、北方領土隣接地域で行う啓発事業への支援として北方領土隣接地域振興啓発経費を計上しております。
 次に、北方領土問題対策協会に係る経費は、八億八千六百万円、前年度当初予算額に対し九七・四%となっており、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業、北方四島交流事業、北方地域元居住者に対する援護措置等を行うものであり、その主なものとして、新たに、中学校の社会科教師等を対象に北方領土問題に関する授業方法の研究を行うための教育指導者研究会議の開催など、各種の事業に係る所要の予算を計上しております。
 以上で平成十五年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
仲村委員長 以上で説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
仲村委員長 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、内閣府北方対策本部審議官坂巻三郎君、防衛施設庁施設部長大古和雄君、防衛施設庁建設部長生澤守君、外務省大臣官房参事官長嶺安政君、外務省北米局長海老原紳君及び国土交通省航空局長洞駿君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
仲村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下地幹郎君。
下地委員 それでは質問をさせていただきます。時間が三十分しかないので質問をさせていただきたいと思っていますけれども。
 細田大臣と川口大臣、川口大臣は一年と二十四日、細田大臣は五カ月になるわけでありますけれども、沖縄にかかわって両大臣が、沖縄の人はこういうことを望んでいるな、こういうことを変えてもらいたいな、こういうことをやってもらいたいなと思うのを、一番、二番、挙げてもらえますか。そして、沖縄の人が考えているけれども国がやっていないというのがあっても、何で沖縄の人が考えているのにやってあげないのかとか、そんな意地悪な質問をしませんから、意地悪なことは言いませんから、しっかりと、これとこれを沖縄の人は望んでいるけれどもなかなか事情があって難しいというのも含めて、そのことをお願いします。
細田国務大臣 私なりに考えてみますと、一つは、県民所得の水準がまだまだ低いということだと思います。
 私も、選出の地元が非常に県民所得の低い県の出身でございますから、その思いは非常によくわかるつもりでございまして、いろいろな工夫をしては政策的にも長いことかかってやっているんですが、なかなか、ほかも成長している、そして沖縄県も成長はしているんですけれども、県民所得が依然低い。これを何とか飛躍的に、トップの方とは言わないけれども、少なくとも全国平均まで引き上げたいな、この思いが一番大切なことではないかと思います。
 それからもう一つ、沖縄県の場合は失業率が非常に高くて、全国一であるということ。そして、よく調べてみますと、若い人がふるさとへ帰ってくるという面では非常にいいのでございますけれども、私の地元などではほとんど帰ってこないがために高齢化し、過疎化してしまうのでございますが、帰ってこられるという点はいいのでございますが、その人たちに十分な仕事がないということで、若年層を中心として全国一の高い失業率になっている。
 したがって、私は、沖縄県の皆さんの思いは、やはり仕事をたくさんつくろうという思いだと思っておりまして、昨年四月に沖縄振興特別法も施行されまして、また沖縄振興計画も策定され、観光振興、情報通信産業振興、農林水産業振興、そして雇用の促進、人材の育成等を内容とする職業安定計画、こういったものを次々に策定しているわけでございますので、この線に沿って、政府も一生懸命沖縄県を支え、成長、発展するように、そして失業が減少していくように、私は取り組んでまいりたいと思っております。
 政府は、振興計画に盛り込まれておりますように、参画と責任、選択と集中、連携と交流といった基本的な姿勢に立ちまして、果敢な取り組みを行っていくことが必要であると考えております。
川口国務大臣 沖縄にも参りましたし、東京でいろいろな方とお話をさせていただきました。また、国会でのこういった場での御質問を通じて、いろいろな思いを私なりに吸収させていただいたつもりです。
 沖縄の方がどういうことを政府にやってほしいと思っているかというお尋ねですけれども、さまざまあると思います。
 まず、一番大きいのは、我が国において、基地、施設・区域の集中が沖縄に七五%あるということで、沖縄に非常に集積がある、これによる御迷惑、御負担というのをおかけしているわけでして、これについての思いが一番大きいと思います。
 そこから出てくる問題というのは、感情というのはいろいろあると思いますけれども、例えば、日米の地位協定、これを、運用の改善をするならどんどんやってほしい、前に進んでいるということが見えるようにやってほしい、そして地位協定の改定自体をしてほしいと思っていらっしゃるということがあると思います。
 それから、事故、事件、これをなくしてほしい、そして、そのためにどういう努力をしているか、もっとそれをやってほしいということも思っていらっしゃると思います。
 そして、施設・区域の整理縮小ということ、あるいは統合、そういったことを進めてほしいというお思いもいろいろあると思います。
 それから、例えば事件、事故が起こったとき、それの対応、これについて、はっきり、何が原因で、どういう対応をしたかということが見えるということが、もっと見えることが必要であるということもお感じていらっしゃると思います。
 そういったことについて、十分に認識をいたしておりますし、地元の方の御理解が得られるように引き続き努力をしたいと思っています。
 それからさらに、経済面で、今、細田大臣がおっしゃられました、所得の向上あるいは産業の育成、そういったこともあると思いますし、また、沖縄の持っている豊かな自然、沖縄にしかない種の保護といった、環境、自然の保護、これをもっとやってほしい、そういうお気持ちもおありだと思います。
 たくさんあると思いますけれども、全部ちょっとここで申し上げられませんので。そう思っています。
下地委員 一番と二番、私は、川口大臣のおっしゃっている、負担の軽減と地位協定の改定をしてもらいたい、もう認識は一緒だなという感じがします。できる、できないはいいんです。それは正しい認識だと思って、安心をしております。
 また、細田大臣の言っている、雇用と所得という問題もありますけれども、それも私も認識は一緒でありまして、沖縄の人は、今、働く職場が欲しい、所得の向上よりも働く職場が欲しいという気持ちがいっぱいあるわけですから、いろいろな政策を具体的につくって、ぜひやっていただきたいなというふうに思っております。
 さて、平成八年の四月の十二日に、橋本元総理とモンデール大使の間で、普天間の移設、全面返還が、五年から七年でやるといって決まりました。そして、ことしの四月の十二日でちょうど七年目を迎えることになりました。
 そして、そのときの記者会見なんか見てみますと、五年から七年でやるというふうなことをいったときに、現在の、既に存在している米軍基地の中に入れる、それでヘリポートを建設する、そしてまた嘉手納の飛行場に追加的なものをつくる、そして空中給油機は岩国に持っていく、そしてもう一つは、ハリアーなどはアメリカ本国に持っていくというふうなことを、その当時の記者会見で話をしているわけなんですね。
 そして、それから、その年の九月になりますと、この既存の基地に入れるという話が非常に厳しい状態になったので、今度は、海上基地をつくる、撤去可能な浮体的な海上基地をつくるというふうなものに変わりました。
 そしてその後、私の認識では、千五百メートルの、軍民じゃなくて軍だけの、埋立工法のものに変わると決まって、それから今の、軍民共用の二千六百メートルの飛行場に変わる。
 四段階の変化を伴って今に達しているわけでありまして、先ほど言っている二年間というのじゃなくて、七年間で、この話は、初めの話からどんどんどんどん変わって今になっているということなんです。
 それで、きょうは、防衛施設庁来ていますから、建設部長に、基地の中に入れたら早くて五年から七年でできますよというふうなことを言ったんですけれども、これは、当時記者会見した橋本総理も、そして間違いなくアメリカ側も、基地内だったら五年から七年で建設できるという根拠があってやったけれども、まあ、これはきょうは聞きませんが、その後の、撤去可能な浮体式だったら何年かかるのか、埋め立ての千五百メートルだったら何年かかるのか、そして今国が進めている二千六百メートルの軍民共用だったらこれから何年かかるのかをお話しいただきたいと思います。
生澤政府参考人 お答えいたします。
 代替施設の建設につきましては、環境影響評価を実施した後、公有水面埋立承認に係る手続をとりまして、これらの手続が終わった後に工事に着手することとなります。工事着手前の環境影響評価等に要する期間についてですが、現時点で正確に見積もることは困難でありますが、環境影響評価には少なくとも三年程度はかかるものと考えております。また、着工から完成までの工期につきましては、第九回代替施設協議会におきまして、約九・五年と示したところでございます。
 ただいま先生からお話のありました、くい式桟橋工法でありますが、代替施設の工法につきましては、昨年七月に決定しました基本計画におきまして、埋立工法とされたところであります。その検討に当たりましては、リーフ上の場所における適応性から、埋立工法とくい式桟橋工法について詳細検討を行ったところでございます。同検討の結果、くい式桟橋工法につきましては、施設の構造、維持管理、施設の安全対策といった技術的見地からの評価により、代替施設の工法につきましては、埋立工法が適当であると判断したところであります。
 くい式桟橋工法の工期と建設費でありますが、着工から完成までの工期は約七年、建設費は約六千七百億円と見積もっております。この場合も、いわゆる上物工事であります建物や滑走路等は建設費に含んでおりません。
下地委員 お聞きのとおり、大臣、二千六百メートルをつくると、ちょっと抜けているんですけれども、これから環境アセスに三年かかると言っています。それにまた埋立許可をとらなきゃいけないんですよ。これを、岩国の場合だと、山口県の場合だと一年二カ月かかっていますから、それにまた期間が上乗せされて九年五カ月ですから、十三年。その後、今ある普天間の土地改良をしないと、軍が使った後はすぐ民間の人にお返しできませんから、それをやるのに三年ぐらいかかるとしますと、これから、早くて十五年から十六年、そういう時間が今の国の政策だとかかるということになるわけです。
 川口大臣にお考えを聞きたいんですけれども、五年から七年で終わるというのを政府間で約束をして、これが四月の十二日に迎える。しかし、現在は、これから十六年か十七年かの歳月がかかって、宜野湾の方々には終わると言っていたけれども、これから十七年あなた方は持たなければいけませんよという現状が今生まれてきている、政府案だと。
 そういうふうな中で、四月の十二日を迎えた段階で、政府の代表としてどういうお気持ちを宜野湾の方々にお伝えしたいというふうに思っているのか、その辺のところを、今までの経過も含めて、北部の問題がこうやっているからいいというのではなくて、あのころ、もう終わると言った、断定をしたわけでありますから、そのことに関して、大臣のお考えをちょっと聞かせていただきたいと思います。
川口国務大臣 私は、昨年就任した後の最初の出張として沖縄に参りまして、そのときに嘉数の高台から普天間の飛行場を見ました。それで、その密集する町の中にぽっかりとそこのところだけが家がない、周りはびっしり家があるというような状況を見まして、一日も早く、こういった、飛行場の周りにびっしり市街地が密集しているという状況について、市民の方が不安に思っていらっしゃるその気持ちを解消する必要があると私は思いました。
 昨年の七月に普天間の代替施設について基本計画が合意をされたということでできたわけでございまして、それはとてもよかったと思っております。今後幾つかのステップを経なければいけませんけれども、私としては、平成十一年末の閣議決定に従って、地元の方々の御意見をきちんと伺いながら、政府として対応してまいりたいと考えております。
下地委員 僕の質問は、五年から七年で終わると言っているものがあと十六年、十七年かかるんですよと、市民に約束したものが。そうなった場合に、今の言っているお気持ちはよくわかるんですけれども、延びるということに関して説明をする場合にどうするんですかと。説明しないというならば、しないでもいいですよ。宜野湾市の人に、やらなければやらないでもいいし、やるんだったらどういうお気持ちで説明するんですかと私は聞いているんです。
川口国務大臣 普天間の飛行場の代替施設の移転についての基本計画、これができるまでの間二年ぐらいの時間がかかって、稲嶺知事を初め大勢の方々の御意見を伺いながら、基本計画の合意が昨年の七月にできたわけでございます。そういった地元の方々のお気持ち、これをきちんと踏まえて、そしてこの基本計画、そして平成十一年末の閣議決定、これにのっとって政府は進めていきますということをきちんと御説明していきたいと思っています。
 これについては、この前、二月の初めに私が沖縄に参りましたときも、たしかこういう御質問があって、政府としてそう考えておりますということを、地元の市町村の方々、長の方にお集まりいただいて、会合を持たせていただきましたけれども、そのときにもお話をさせていただきました。
下地委員 今の答えはまた同じような堂々めぐりだからあれなんですけれども、もうとにかく今の、四月十二日からまた十七年、十八年延びる。まあ、お答えをしないならお答えしないでも、それがあなたの誠意かもしれませんけれども、しかし、こうやって延びるという現実がある以上は、この時期が来て、総理と大使が話をしたものが実現できなくて延びるということに関して、はっきりとこれから延びますということを明確にして、できるだけ早く進めたいという気持ちがあるならばあるというふうに言った方が素直ですよ、それは。そういうふうなことをきちっと言う方が、先ほど言ったように、物事が心と心でつながってうまくいくんだ、私はそういうふうに理解をしております。
 そういうふうな、何を言いたいのかわからないような形をしていると、逆に、負担をずっと、大臣が言っている負担をずっと背負う方からすると、やはり私は、同じ人間としてきついんではないかなというふうに思っておりますから、そういうふうなもっと心ある話し方をした方が、これから基地政策を進める上では必要ではないかなと私は思っておりますので、そのことはぜひ私は頭に入れておいていただきたいなというふうに思っております。
 細田大臣は、私が今言った質問と同じように、七年から八年、北部には相当、高専も持っていくわ、何もやるわというふうにやっておりますけれども、あと十七年、十八年背負う宜野湾というところに、どういうふうなお考え、何をやるとかやらないとかではなくて、どういうふうなお気持ちを持っているかというのを、一言だけちょっとお願いできますか。
細田国務大臣 基本的な沖縄県民の皆様方のお気持ちは、やはり決めたことはしっかり速やかに実現してくれ、いつまでもだらだらと引き延ばすようなことはやめてくれというお気持ちはよくわかります。関係省とも、いろいろな関係先がありますから、確かに難しいような問題もそれぞれにあるかもしれませんけれども、私は、決めたことは速やかに実施すべきであるというのが県民の皆様方のお気持ちでありますし、私もそう思っております。
下地委員 決めたことがそのとおり守られないことにもけじめをつけない。今、自分は決めたことはずっとやりたいというふうにおっしゃるんだったら、守っていないこともきちっとけじめをつけてからやった方がいいですよ、それは、そういうふうなことをおっしゃるんだったら。
 四月の十二日に政府が決めて、守れなかったことが現実にあるんですから。一回決めて、それができなかった。そして、いろいろな変更をしながら、また決めた。二回目に決めたことはどんなことがあってもやらなければいけないけれども、一回目に決めたことに関して、自分たちも守れないのにきちっとしたコメントも出さないというのは、普通、あるわけないでしょうが、そんなの。それは立場、立場であろうかと思いますけれども、一つ一つをけじめをつけておやりになる方が大事だという認識を持つべきだと僕は思いますね。
 そして、このとき、今一番、私は自分で考えながらやっておりますけれども、今度のレンジ10を見ていただきたいと思うんですね、川口大臣。レンジ10で、沖縄の人は負担が重いと言っているんですよ。訓練するなと言っているんです。原因の究明せいと言っているけれども、私が調べている範囲では、沖縄の警察の調べている話とアメリカの考えている認識に少しずれがあるのではないかなと思うんですね。私は、そのずれが、最終的には、そのお互いのずれを埋めることなく進めてきたものだから、原因の究明がなくて今の訓練の再開になっていると思うんです。
 そのとき大事なことは、沖縄の人は、訓練の負担が重いというふうなことをずっと言い続けて、もうこのレンジ10の訓練もやらないでくれと、そういう発言をしている。しかし、軍人に訓練をするなというのは不可能な話ですよね。軍人が訓練しないで戦場に行くということは不可能で、彼らからすると、これは演習でもなくて、訓練の中でも初歩的なものだと、だからどんなことをしてもやらなければいけないという、そういう状況から今の訓練を再開していると思うんです。
 私たち政治家が国会議員になってこうやって質問をするのと同じように、彼らも訓練をしなければいけないというのは、これは彼らの立場からすると当たり前のことだ。だけれども、沖縄の人は負担が重いと言っている。こういうふうな状況をどうやって解決していくのか。足して二で割るわけにもいかないし、私は、そこをやはり真剣にもう一回考えるべきだと思うんです。
 私は、ずっと言っているんですけれども、もう平成八年から、私はジョーンズ総司令官とももう四回の会談をさせていただいた。司令官、こう言っているんです。ことしは海外の演習九十回を百二十回にしましょう、八月に国会議員でみんなで会談したときに明確に私たちにそう言った。大臣のところにもペーパーが届いていると思うんですけれども、百二十回海外に海兵隊が訓練に行くことによって沖縄の人の負担は減りますよねと、彼は私たちに明言をしておりました。
 そして、私は、フィリピンのレイエス国防長官とも、平成十三年の五月の二日、十四年の八月の二十六日、そして今月の二月十日、三回にわたり会談をしてきました。そして、十四年の八月二十四日にはアロヨ大統領とも私はお話をさせていただきました。そのときに言っていることは、沖縄の海兵隊がこのフィリピンに来て訓練をすることは何ら支障はない、法を犯すようなものでもない、そういうふうなことを発言していたんです。
 私は、今、このレンジ10の問題なんかを見ていると、大臣、やはりお互いの立場を考えなければいけない。アメリカに訓練するなとも言えない。そして、沖縄の人に、今の負担の重い状況の中で、アメリカの訓練を認めろということも言えない。そういうふうになってくると、ここはもう外交的に、訓練を認める地域が、大統領を初め国防長官も認める、そしてアメリカも、できるだけ外に出ていって負担を軽減しましょうというふうなことをおっしゃっているわけだから、アメリカとフィリピンと外交的にお話し合いをしながら、一つ一つ、一つ一つその訓練を移していくというふうなことをやっていくという作業を外務省としておやりになるお考えはないのか。そのことが、私は、早いうちに沖縄の負担が減る最大の要素だと思うんです。
 沖縄には今一万五千人海兵隊がいると言っておりますけれども、今のこの時点でこの時間に何人いるかといったら、七、八千人か、もっと少ないかもしれない。数字は出ていないかもしれないけれども、海外に訓練に行って少ないかもしれない。今度グアムに都市型訓練を移す。今度も新聞紙上では、沖縄の海兵隊から千人行ってバリカタンで演習をするというふうなことをもう言っているわけだから、これを数多くやっていこうということが沖縄のためになるというふうなことをアメリカ政府やフィリピンとお話をするお気持ちはないのかどうなのか。その辺、ちょっとお聞きしたいんですけれども。
川口国務大臣 下地議員が冒頭おっしゃられたことが、まさに沖縄の問題の、一番、原点といいますか根っこのところにあると思います。
 いみじくもおっしゃられましたように、米軍がこの地域の安全保障の軸となっているわけでして、その人たちの練度を維持するということは、アメリカの軍人さん方がいざというときに、あるいは抑止の力を果たすことができるためには、非常に大事であるということだと思います。
 そして、他方で、その負担が、七五%の基地が沖縄にあるということによって、沖縄の方々、県民の方々の上にかぶさっている、これが問題の一番難しいところだというのは、委員が御指摘のとおりだと思います。
 そして、この問題に、改善をしていくために大勢の方が努力をしていらっしゃる、今下地議員がおっしゃったようなことも含め、そういったことをやっていてくださるということについては、私といたしましても大変にありがたいと思っていますし、外務省としてもそういう努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
 具体的にフィリピンというお話がございましたけれども、委員がおっしゃられましたように、沖縄にある米軍の訓練をどれぐらい沖縄の外に持っていけるかという観点について外務省としても米軍と話をいたしておりますけれども、今までかなり、移せるものは相当に移してきているというふうな話は聞いております。これをあとどれぐらい移していくことが可能かどうかということについては、これは、それぞれのその時期、時期、国際情勢その他にもよりますけれども、非常に難しいという感触を私どもとしては持っておりますけれども、引き続き、沖縄の県民の方の負担を減らしていく、軽減していくということは非常に重要でございますので、外務省としても努力をしていきたいと考えております。
下地委員 大臣の最後の、努力をしていきたいというふうな言葉があるならば、ぜひ交渉してください。
 今週の金曜日にアメリカのラムズフェルド国防長官とレイエス国防長官の会談が行われる予定でありますし、そして、その中でどういう話が出てくるのかわかりませんけれども、フィリピンという地域がその訓練を受け入れてもいいということを国を挙げてきちっと言っている。そして、私がグアムに行ったときも、アンダーソン空軍基地は嘉手納基地よりも大きいところが何一つ使われない状況にある。嘉手納基地の三〇%近くはゲスト飛行の飛行機が来る。航空母艦から来て練習をする、本土から来て練習をするというふうなことがあるわけですから、そういうふうなものをできるだけグアムでやってくれというふうなことを交渉する余地は、私は、自分が国会議員としてこの五、六年、いろいろなところと会ってきて、私は余地はあると思っておりますから、ぜひやっていただきたいというふうに思っております。
 必ず沖縄の人が納得できるような結果が、外務省の頑張り次第では私は出てきますよというふうなことを申し上げておきたいというふうに思っております。
 さて、もう一個ですけれども、沖縄の那覇空港の問題だけ、一個だけ、もうあと時間がないからあれなんですけれども、やりますけれども。その那覇空港が、今調査費がついて、完成するまでにあと何年かかりますか。
洞政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年末の交通政策審議会航空分科会答申におきまして、那覇空港につきましては、将来的に需給が逼迫するなどの事態が予想されることから、既存ストックの有効活用方策とともに、中長期的な観点からの滑走路増設を含めた抜本的な空港能力向上方策について総合的な調査を進める必要があるとされたところでございまして、国土交通省といたしましては、この答申を踏まえまして、できるだけ早く、この十五年度からその調査を実施したいと考えておりまして、その具体的な調査の内容、スケジュール等々につきまして、関係方面とこれから詰めていきたいと思います。
 また、滑走路の増設につきまして、この調査において抜本的な空港能力向上策の一つとして検討の対象になっているものでございますけれども、その必要性とか工期とか工費などは、この調査の進展によって明らかになるものでございますけれども、一般的に、あくまで一般論でございますけれども、過去の事例等から考えますと、関係者との調整とか環境アセスメントなど流動的な要素もございますけれども、計画策定から供用まで、少なくとも十年以上はかかるかなと考えています。
下地委員 僕、調べましたら、十年以上かかる。それは、今度の調査する時間は抜きにしての十年以上でありますから、もう少しかかるんじゃないかなと思うんです。
 那覇空港の今の現状、私は、一日当たり四百三十便ぐらいが限界で、今もう四百便ぐらいまできてもう満杯の状態だ、あと三十三便ぐらいしかあいていないというふうに思っております、私の認識ですけれども。その認識、いかがですか。
洞政府参考人 まず、滑走路の処理能力からお答え申し上げますと、那覇空港の滑走路の処理能力というのは、十二年度に実施いたしました調査によりますと、計算上は、大まかに言いまして、一時間当たり三十一回程度の離発着が可能かなと考えられます。しかしながら、一日あるいは年間の処理能力につきましては、すべての時間帯を三十一回の離発着が行えるというわけではなくて、それ以外の利便性の低い時間帯がどこまで利用されるか等々によりまして実用に供することのできる能力というのは変わってくるということであります。
 まさしく、先ほども申しましたこの調査の中で、管制能力の改善とかあるいは大型機を入れるとか、いろいろな工夫等々をやってその能力の限界を見きわめることとしております。
下地委員 もう時間が終わりましたのであれですけれども、四百三十便というとあと三十三便しかないんです。その三十三便で、あと八年間で、沖縄県は、平成十二年から二十三年まで、十二年に出した資料では、八年間であと二百万人近く観光客を伸ばすと言っていますけれども、私は、今の空港の大きさでは無理だと思っているんです。あと八年間で二百万人に伸ばすと言って、空港ができるのが十二年後、十三年後では、これは矛盾しているんです。今の空港では三十三便しかないだけで、デリバリーで考えたらもう絶対それは無理なんです。
 大臣、これは最後になりますけれども、真剣にお考えになって、空港の問題、今の運輸省のやっているようなやり方をしているとあと十二、三年かかりますから、本当に沖縄は観光が命ですから、早くできる方法を真剣にお考えいただきたい。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
仲村委員長 次に、武正公一君。
武正委員 民主党の武正公一でございます。
 まず、きょう、アメリカ、イギリス、スペインがイラク安保理決議案を提出しておりますので、これは質問通告にはないんですけれども、外務大臣、この決議が採択されれば、米国等の武力行使は可能である、この決議が安保理で採択されれば、米国等のイラクへの武力行使は可能であるというふうにお考えになられるかどうか。これはもう当然、きょう提出されておりますし、あるいは事前に日本へもこの決議案について照会があったというふうに私は考えるわけでございますが、まず、冒頭、これについてお答えをいただけますでしょうか。
川口国務大臣 この決議案は、おっしゃいましたように、アメリカ、イギリス、スペイン、三カ国の共同提案であるということでございます。
 それで、我が国としてこの決議案をどう評価しているかということをちょっとまず申し上げさせていただきたいんですけれども、これは、イラクが査察にずっと非協力的であって、今までの国連の決議を片端から守ってこなかったという大変に厳しい状況の中で、国際社会としてイラクに対して最後の外交的な圧力を加える機会である、そういう意味を持って出された決議であるというふうに認識を、理解をいたしております。
 それで、武力行使をこれで容認するのかどうかということですけれども、決議の性格は今申し上げたような、そういう最後の外交的圧力の一環であるということでして、イラクは、これを受けて平和的に解決をするためのかぎを握っているわけです。イラクがこれに対応してくるかどうかということが、まさに今後のかぎであるということだと思います。
 アメリカは、パウエル国務長官ともお話をしましたけれども、武力行使をするということを決めたわけではないというのが今の現状でございます。
 ですから、我が国としては、イラクがこのメッセージをきちんと受け取って、重く受けとめて、そして平和的な解決が可能になるように、そういう努力をしてほしい、してもらいたいと強く求めているということでございます。
武正委員 国連での原口大使の声明等と、あるいは国会答弁とのさまざまなそごについても、後でまた触れさせていただきます。
 さて、質問に入らせていただきますが、2プラス2会議で、昨年六月あるいは九月でしょうか、二回ほど、この普天間の十五年問題について外務大臣は日米双方の立場はあるがというような言い方をしているという報道がございましたので、昨年十一月のこの沖北の質疑で私はこの点を取り上げ、やはり閣議決定に沿ってきちっとアメリカ側にこの普天間の移設の期限について言及をし、そして、その閣議決定の趣旨に沿って発言をし、求めていくべきだということを取り上げたわけでございます。十二月十六日に再び2プラス2があったように聞いておりますが、このときはこの点を取り上げているような報道もございますので、どのように踏み込んで発言をしたのか。あるいはまた、この十五年問題についてどのような言い方をされたのか。あるいはまた、昨年の十一月の私の質問に対して、嘉手納統合については、外務大臣は私なりに考えてみたいと思っていると言っていられるんですけれども、その後どう考えたのか。考えたことをちょっとお話しいただきたい。あわせて、さきの自民党麻生政調会長の発言についての認識。
 以上四点、あわせてお伺いします。
川口国務大臣 ちょっと四点を全部頭の中に置いてきちんと御答弁できるか、いま一つ自信ございませんけれども。
 まず、麻生政調会長の御発言、これは私としても直接に伺ったことではございませんし、政府の立場として、党の政策を担当していらっしゃる、責任者の方ではいらっしゃいますけれども、直接確認をいたしておりませんので、その方がおっしゃったことについてのコメントをすることは控えさせていただきたいと思います。
 それから、2プラス2の場で何を私が言ったかということですけれども、これについては私から、これは昨年十二月のことですけれども、沖縄県知事、名護市長から十五年使用期限問題について要請があったことを日本政府として重く受けとめているということを申しました。そして、この点については、国際情勢もあり、厳しい問題があるというふうには認識をしているけれども、普天間飛行場の移設、返還については今後とも米国政府と緊密に協議をしていきたいということを言いまして、これに対しましてパウエル国務長官からは、普天間飛行場の返還については、今後とも、国際情勢及び両国の国益を踏まえつつ緊密に協議をしていきたいという御発言をいただいております。
 それから、嘉手納の統合について私なりに考えてみたいということを答弁しているけれども、どういうふうに考えたのかということにつきましては、これは、稲嶺知事による移設の候補地の表明、あるいは岸本名護市長の受け入れ等々の経緯がいろいろあって平成十一年に閣議決定が行われたわけでして、そして、代替施設協議会で基本計画に至るまでまた協議があって、地元の方の意見を踏まえて決まったということがあったわけでございます。
 そういった経緯を踏まえて考えますと、政府といたしましては、平成十一年末の閣議決定に従って、それから、この間の基本計画に従って対処していくということであるかというふうに思っています。
 それから、もう一つございましたけれども……(武正委員「いや、結構です」と呼ぶ)よろしいですか。
武正委員 与党の政調会長が、与党第一党の政調会長が言っていることについて政府の外務大臣がコメントできないというのは、この国会のこの委員会として、やはり説明責任、とても果たし得ていないなと。大臣は、答弁しないことも国益であるというふうに予算委員会で言っておられるんですが、やはり到底認めるわけにはいかないのであります。
 さて、今度は、ちょっと韓国の米軍基地の再編についてお聞きをしたいんです。
 六月のアメリカの装甲車少女死亡事件をきっかけに再編が進んだというような形で、過日、在韓米軍基地の再編について、これはもう発表になっているわけでございますが、ただ、これはもう昨年三月時点から既に明らかになっていたことでございまして、この影響ということをお聞きしたいと思います。
 今度の在韓米軍基地の再編は、ハイテク化等、機能的にはダウンしないと言われているわけなんですけれども、これが在沖米軍基地の整理、統合、縮小に与える影響についてどのように考えるかお伺いをすると同時に、民主党は、昨年、沖縄ビジョンにおいて、やはり新SACOの早期協議、これをスタートすべきということを提起しておりますけれども、この新SACOの協議スタートについてどのように考えるか、お伺いいたします。
川口国務大臣 今の御質問にお答えする前に、先ほどの、麻生政調会長の発言について私が申し上げたことについて委員がおっしゃったことに関連してなんですけれども、私が申し上げたのは、私自身、それを聞いたわけではない、報道で知っただけであるということについて私がコメントをするのは控えたいということでございまして、その問題について、沖縄の市町村の方々からお問い合わせが、私が直接お話をしたときに御意見がございました。
 それについて私が申し上げましたことは、政府の立場というのは、平成十一年末の閣議決定に従ってこの問題に対応していくということには変わらないということをはっきり申し上げております。
 それから、今の御質問の在韓国の米軍基地の再編の話でございますけれども、これは、米国は四年ごとに国防計画を見直すということをやっているわけでして、これに基づいて、在韓米軍を含めたグローバルな兵力の構成、兵力展開の見直し作業を行っているということでございます。そして、委員がおっしゃられましたように、この目的は、在韓の米軍の兵力を削減すること、これが目的ではなくて、そのものが目的ではなくて、米軍の能力を最大限に発揮させるということを目標としているということでございます。
 それで、具体的に在韓米軍の兵力をどう見直していくかということについては、今の時点では何ら結論が出ているわけではないということです。そして、これは、今後、韓国政府とアメリカとの間で密接に協議を行って、そして検討をされていくものであるというふうに理解をいたしております。
 したがいまして、それの、沖縄、我が国における在日の米軍への影響についてのお尋ねでございますけれども、韓国のところでまさに今後引き続き協議がされ、検討をなされる、具体的に今の時点でどういう姿になるかわからないということでございますので、我が国に対する影響ということについても、今の時点では申し上げられないということでございます。
 それから、新SACOについてでございますけれども、これについては、我が国の政府の方針といたしましては、SACOの最終報告の着実な実施が最善であるということで、まずはこれに最大限の努力を傾注していく、そういう考え方でおります。
武正委員 在韓米軍基地の再編の影響がわからない、今申し上げられないと。お隣で、きょうも、北朝鮮の対艦ミサイルが昨日発射されたという報道もやっと韓国連合通信から日本は知ったわけでございますが、このような状況の中での在韓米軍基地の再編、これはもう昨年の三月から言われていることなんですが、その影響はわからない、申し上げられないと。これは、やはり答弁としては説明責任を果たしていません。
 あるいはまた、SACOについてはこれから完全実施に十年から十三年もかかると言われているわけですから、当然同時並行でもう新SACOの協議に入るべきであろうというふうに考えるわけでございます。
 さて、大阪大学の助教授のエルドリッジ氏、産経新聞二月十五日号で、やはり沖縄を交えてきちっと協議をしなければだめなんだというふうに言っているわけですね。私は2プラス2にオブザーバーでいいから沖縄県を参加させるべきだと再三再四大臣に求めているんですが、大臣はいつもノーということでございます。再度この点、御答弁をお願いしたいと思います。
 あわせて、沖縄大臣には、昨年十一月には、「努力する仕方はさまざまある」と、この沖縄の参加ですね、こういう答弁があるんですが、沖縄大臣もあわせて御答弁いただきます。
川口国務大臣 2プラス2の会合でございますけれども、これは、我が国にとっての重要な平和と安全、これをどうやって確保するかという観点に立ちまして、我が国を取り巻く国際情勢、あるいは日米安保体制にかかわるいろいろな問題、これを協議する日米間の枠組みでございます。
 そして、米国との国際約束上、日本側の構成メンバー、アメリカ側の構成メンバーは、外務大臣と、それから一般的な名詞として、向こう側は国防総省の長官、そして日本側は防衛庁の長官という国防関係の大臣ということになっているわけでございます。そういうふうに規定をされているということですので、構成メンバーを変えるということは、再三御答弁いたしましたように、考えておりません。
細田国務大臣 この問題については、川口外務大臣がお答えいたしましたが、これに加えまして、やはり沖縄県や関係地方公共団体の強い御意見があるわけでございますから、これらを十分に勘案しながら協議が行われることが重要であると考えております。
武正委員 それでは、外務大臣、SSC、安全保障高級事務レベル協議にオブザーバー参加するということはいかがでしょうか。
川口国務大臣 これも同じように、日本とアメリカとの間の政府レベルの、さまざまな国際情勢ですとか、この地域あるいは日本の平和と安全にかかわるさまざまな問題を議論する、そして、大臣レベルの会合よりもさらに細かいことを議論する場でもございます。
 そういったことでして、先ほど細田大臣がおっしゃられましたように、沖縄の方々の御意見、これを反映するということは私ども十分に考えているわけでして、私も、稲嶺知事とお会いする、お話しするという機会は少なからずございますし、また、いろいろな場で伺った沖縄の方々の御意見というのは、きちんとそれは頭の中に入れて対応しているわけですし、また、どういう話があったかということについても、これは新聞に情報も出しているわけでございます。そういった自主的なやり方で、沖縄県の方々が考えていること、これは反映をさせているということでございます。
 政府の間の話し合い、これは今までの枠組みで、今までのメンバーで続けるということが適切であるというふうに考えております。
武正委員 先ほど話をした大阪大学のエルドリッジさんは、その中で、これは地位協定の改善、改定、特に改定についてなんですけれども、三点大事なポイントを挙げておられます。一、日米関係に傷をつけず、二、妥協の産物にならず、そして三、地方自治体に配慮して、長期的ビジョンに立って地位協定の改善、改定、特に改定というようなことを提案しています。
 日米、沖縄ということで、やはり沖縄が在日米軍基地の七五%を担っているといった事態にかんがみて、特に地方自治体への配慮ということをその三点目として挙げているわけなんですが、こういった提案を含めて、地位協定の改定についての御所見をお伺いいたします。
川口国務大臣 地位協定の改定につきましては、これは、その時々の運用の改善、それによって機敏に対応していくということが合理的であるという考えのもとで、運用の改善に努力をしております。そして、これが十分に効果的でない場合、この場合には、我が国だけで決定できることではないけれども、日米地位協定の改正も視野に入れていくということになると考えております。
 現に、例えば運用の改善ということで言いますと、一番最近の例ですと、PCB、これは米国製及び日本製のPCBをアメリカに持っていって処理をするということが合意をされ、それが既に実施をされ始めてきているわけでございまして、こういった形で運用の改善をしていくということが最も合理的であるというふうに考えております。
 それから、沖縄の地域の方の御意見を反映させていくということにつきましては、これは非常に大事なことでございまして、私も沖縄に行ったときに基地のある市町村の長の方とお話をさせていただきまして、いろいろなお話を伺わせていただきました。また、外務省の大使、沖縄大使も沖縄にずっとおります。そういった形で、沖縄の方々と意見を交換しながら、お話をしながら、運用の改善に努めてまいりたいと考えております。
武正委員 既に昨年十一月のこの沖北の委員会でも、沖縄大使の発言を、かえって地元自治体の声を抑え込むような発言を三点挙げているわけなんですね。
 また、大臣は地元の声を聞いていると申されますが、声を聞いてもそれをアメリカ側にきちっと伝えなければ意味がないわけでありまして、先ほど来話をしております十五年問題も、きちっとどこまで伝えているのかというのがやはり疑わしいと言わざるを得ないのでございます。そのためにも、沖縄県なり地元自治体、これがやはりアメリカとのさまざまな場面のテーブルにオブザーバーでいいからのることができる、これが大事であるということを再三指摘をさせていただきます。
 さて、過日の原口大使、日本時間で十九日になりますね、これは査察継続の有効性に疑念が生じていると。踏み込んだ発言であるし、外務省の暴走ではないかとか、国会での首相と外務大臣の答弁とかなりかけ離れているぞ、こういった指摘があるわけでございます。
 外務大臣あるいは首相も、国連決議が採択されるのが望ましい、安保理決議が採択されるのが望ましいと六日それぞれ発言をしていたわけなんですが、十七日の外務省の省内の外相の発言が二十二日の朝日新聞に取り上げられておりまして、対米追従と言われないようにはっきりとした答弁をしたいというふうに言ったと報道されていたんですが、十八日、日本時間では十九日ですか、安保理で原口大使は、そういった外務大臣の発言とはかけ離れた、ある面、先走って御自身でしゃべってしまったのか、あるいは、これはもう打ち合わせ済みであって、国会答弁では慎重な言い回し、あるいは発言しないことが国益だというような言い方をされていましたが、国会では言ってもいいということであるのか、この点、外務大臣の御所見を伺います。
茂木副大臣 十八日の安保理におきます原口大使のあの演説でありますが、私も、日本語も英語も全部拝見をいたしました。それから、仕事柄、大臣を支える立場で、常に大臣の国会答弁、談話等は見ているつもりであります。
 それに関して、何ら、踏み込んだといいますか、当然、国会での答弁と、それから、例えば談話とスピーチでは言い回しが若干異なるというところが、言語でありますから出てきますけれども、意図して何か踏み込んで、国会で全く言っていないことを言っている、こんなことはない。
 もし、どこかの表現といいますか、こんなことは全く国会でも言っていないじゃないか、談話でも全く出ていないことを初めて新しい方針として逆に国連の場で原口大使がおっしゃったということがあるのだったら、教えていただきましたら、それに対しまして答弁をさせていただきたいと思います。
武正委員 今の副大臣の答弁でございますが、逆に、それであれば、今回、英文の和訳、原文と和訳がなぜこう違っているのでしょうか。そういったこともよくあることだというようなことは予算委員会の理事会の方に外務省から提出されているやに聞いておりますけれども、私は、三点挙げたいと思います。
 一点は、これは原口議員が予算委員会理事会で指摘しておりますが、査察の継続の有効性に疑念と。しかし、これは実際、英語では、シリアスダウト。シリアスという言葉が載っているにもかかわらず、単に疑念と。
 それから、これは毎日新聞に取り上げられておりますが、「イラクに残された時間は限られている」と。限られていると言いながら、ベリーリミテッドと。大変限られていると。ベリーが抜けている。
 それからもう一点、これは新聞には出ておりませんでしたが、「イラクに対し圧力をかけることであります。」ということでございますが、英語は、ストロングプレッシャー、イラクに強力な圧力をかけなければならないと。
 こういった三点、ありながら、なぜこれは和文は違っているんですか。副大臣、お答えください。
茂木副大臣 まず、表現の問題に入ります前に、先ほど申し上げたのは、委員の御質問は、政策的に踏み込んでいる、こういう表現をされましたので、もし政策的に踏み込んでいるところがありましたらお教えくださいと、こういう話であります。
 表現につきましては、例えば国会での答弁、それから談話とスピーチで行うことについては、トーンの問題も出てきます。それから、当然、英語と日本語で表現の違いというのはあるんだと思います。そのまま直訳して通るかどうかといいますと、言語体系も違うわけですから、そこのところは違ってくるんじゃないかなと。
 例えば、今委員がおっしゃった、時間は大変限られている。日本語としては余り、大変限られているということは言わないと思うんですね。極めて限られていると言うと思うんですよ。そうすると、英語としては多分エクストリームリー・リミテッド・タイム、こういう言葉を使わざるを得ない。ベリー・リミテッド・タイムというのは使わないと思います。ベリーでは弱過ぎる。そうすると、ベリーというのは、限られていると極めて限られているの間では、極めて限られているに近い表現になってくる。
 そして、この前の表現を見てみますと、「ディプロマチック エフォーツ ハブ ビーン メード フォー トゥエルブ ロング イヤーズ、イラク ナウ ハズ ベリー リミテッド タイム」と書いてあるわけですね。これは、英語でリミテッドタイムだけだと、例えば日本語で言う限られているよりも、タイムスパンとしてはかなり長く受け取れます、私なんかからして。ちょっと英語の、言語学の専門家じゃありませんから、必ずしも正しいかどうかわかりませんけれども。そういう受けとめ方なんです、一つ一つが。
 例えば、シリアスという言葉を使われました。(武正委員「いや、もういいですよ、時間が限られているから」と呼ぶ)いや、あるんですよ。シリアスという言葉を使われたんですけれども、例えば、重大な……(武正委員「もういいです。一つで結構です」と呼ぶ)よろしいんですか。
武正委員 特に、ストロングプレッシャーなんかは、イラクに圧力を、私からすれば、そういう形で、これはもう英語の授業ではありませんけれども、単語を抜かすというのは非常に問題が多いというふうに思っております。
 それでは、次に移らせていただきます、時間の関係で。
 北方支援に関してなんですけれども、支援委員会は平成十四年度までに廃止するということでございますが、この残金、平成十三年度百三十億ということでございますが、これを十五年度、新たな枠組みにどのように流すのか。
 それから、これは何度も指摘をしてきましたけれども、会計検査院が監査できる仕組みを新たな枠組みの中でつくるべきというふうに考えますが、これは外務大臣、お答えいただけますでしょうか。
川口国務大臣 支援委員会の点ですけれども、これは、十三年度末の時点で、約百四十二億円ぐらいの繰越金があるということでございます。そして、この委員会、これはお約束をしましたけれども、本年度の末、これまでに廃止をするという基本方針、これは全く変わっていないわけでして、このもとで、繰越金については最終的に国庫に納入をするということで、現在、協定の締約国が数多くございますので、そこと協議を行っているということでございます。
 それから、会計検査院ですけれども、去年いろいろありました状況、これにかんがみまして、お金の使い方について透明性があるということは大変に重要なことだと私は思っています。そして、そういう意味で、今後どういうやり方でやるかとうことに関係があるんですけれども、日本センター、これはロシアで市場経済化の技術支援を行うということですが、それから北方四島の住民支援、この二つについては透明性がある形で引き続き事業としてはやっていくということを考えているわけです。そして、十五年度の予算にこのために必要な費用は計上させていただいて御審議をお願いするということです。
 これを実施する体制として、日本センターの事業については、外務省から、現地にあります日本センターに対して直接事業委託をするということを基本としまして考えております。そして、四島の住民支援については、災害時の緊急支援、あるいは急患が出たときの受け入れ、そういうことについては、外務省がみずから実施をする。そして、現地のニーズに応じて医薬品ですとか食料品を支援する、これについては千島連盟に補助金を交付して行うということで考えています。
 こういう実施体制をとるということによりまして、事業の予算の使途についても関係の法令に基づいて会計検査院の検査が行われる、そういうことです。
武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。
仲村委員長 次に、川内博史君。
川内委員 川内でございます。
 細田、川口両大臣、ありがとうございます。特に細田大臣は、初めて質問をさせていただきます。よろしく御指導ください。
 まず、川口大臣にお伺いをさせていただきますが、今月二日、沖縄に行かれたそうでありまして、先ほどからも川口外務大臣、就任して初めて出張したのも沖縄だったし、沖縄に行った、行ったと、沖縄に行くことを何か自慢げに語っていらっしゃるようでありますが、その際に、二日の沖縄に行かれたときに、米軍の方と率直な意見交換ができた、有意義だったと先ほど所信表明の中で自画自賛されていらっしゃいましたけれども、どのように率直な、有意義な意見交換ができたのか、手短にお答えをいただきたいと思います。
川口国務大臣 沖縄に行ったと申し上げているのは、自慢をして申し上げているわけでは毛頭ございませんで、沖縄に行くということがいかに重要であるかというふうに私が考えているかということを御理解いただきたい、そういうことでございます。
 そして、お尋ねの、この間の二月の初めに、二日に参りましたときですけれども、これはグレグソン四軍調整官とお話をしまして、今後とも沖縄の県民の方の負担を軽減するために緊密に協力連携をしていきたいということを言いました。そして、在日の米軍あるいはその家族の方の犯罪、事件、事故もありますけれども、これをなくすことが非常に大事であって、努力をしてほしい、綱紀粛正、これが大事であるということを言いました。そして、地域の社会の方々との関係を改善していくために努力をしていただきたいというお願いをいたしました。
 それに対しまして、四軍調整官からは、沖縄の県民の方の負担をなくすことは重要であるということはよく認識をしている、そして、綱紀粛正などの、事件、事故をなくすための努力、これは引き続き継続をしていく、そして、よき隣人政策ということで、例えば英語を教えたりということをやっているわけですけれども、そういったよき隣人政策を拡大していって、英語のボランティア、これについては拡大をしていきたい、そういうお話がございました。
川内委員 随分前から盛んに言われていることをお話しされてきたわけで、特に何か新しいことをお話しされてきたわけではないようであります。
 川口大臣は、沖縄が大変重要だということを今御答弁の中でおっしゃいました。では、その、重要だし大事だし大変に御負担を強いている沖縄のために、川口大臣が米国のパウエル国務長官と就任をされて以来何回お会いになり、その中で、普天間基地の問題等について、十五年使用期限問題等について何回お触れになられたかということを、回数だけ手短に答えていただきたいと思います。
川口国務大臣 この間の週末に会いましたのが七回目でございます。そして、そのうち五回、沖縄の問題については触れております。
川内委員 使用期限の問題については、どのような物言いをそのときされるんですか、大臣は。
川口国務大臣 この問題については、沖縄の米軍施設・区域の集中に伴って沖縄の県民の方に非常な負担をおかけしている、そういうことであります。ということで、まさにいろいろ国際情勢もこれあって、非常に厳しい問題があるということは認識をしているけれども、アメリカとの間で引き続きこの問題については取り上げていきたいということを言ったわけでございます。
川内委員 何を言っているのかよくわからないんですが。
 二月十三日に米国の上院軍事委員会の公聴会で、ラムズフェルド国防長官が、先ほども同僚の武正議員のお話の中にありましたけれども、在韓米軍を削減してアジア地域の機動部隊増強に充てる計画を進めているということを明らかにしたわけでありますが、これは沖縄というか我が国にとっても決して無関係な問題ではないわけでありまして、この国防長官の発言の真意というものがどこにあるのか、政府としてラムズフェルド国防長官に確認をしたことがおありになりますか。
海老原政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のありましたラムズフェルド国防長官の発言でございますけれども、上院の委員会におきまして、今委員がおっしゃいましたような発言をしております。
 簡単に関連のところだけ申し上げますと、ラムズフェルド長官は、例えば、韓国での展開勢力は韓国政府と協力して見直す可能性があるというような発言をしております。ただ同時に、こうした変化の可能性は我々の同盟国と合理的な期間にわたる緊密な協議を必要とするものであって、あたかも我々が最終的に戦力を一部削減するとか他国へ移動するとかというように解釈するのは誤りであるというようなことをおっしゃっておられます。
 今委員がおっしゃいましたように、米側にはこのラムズフェルド長官の真意というようなものはこちらからも聞いております。向こう側、米側からは、韓国との間では、昨年の十二月から米韓の安保協議の結果といたしまして、米韓同盟の今後のあり方について協議を行っていくことになっている、その中で在韓米軍の兵力のあり方についてもこれから協議をしていくことになるということでございまして、現時点においては何ら結論は出ていないものであって、今後韓国政府と十分に協議を行った上で検討されていくものであるというのがラムズフェルド長官の真意であるというふうに説明を受けております。
川内委員 ちょっとよくわからなかったんですけれども。
 韓国とアメリカの関係はそうなんでしょうけれども、日本にどのような影響があるのかということに関して、日本政府としてアメリカの政府と話をしていらっしゃいますかということを聞いたんですけれども。
海老原政府参考人 今御説明いたしましたけれども、一言で申せば、米韓の間では、まだ米軍の削減というようなことについては何らかの合意あるいは方向性というようなものも出ていないということでございます。
 したがいまして、それが在日米軍にどのような影響を与えるかということについては現時点ではわからないわけでございますけれども、我々も、在韓米軍の問題については在日米軍との関係もあり得べく関心を持って見守っているというようなことは、米側には伝えております。
川内委員 米側に伝えているということは、川口大臣も使用期限について何かわけのわからない言葉で伝えてはいるようですけれども、ただそういう感じで伝えているということなんですね。突っ込んだ話はしていない、というか、蚊帳の外に置かれているということですね。
海老原政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますけれども、現在まだ米韓の話し合いというのは開始さえもされていないということでございますので、その米韓の協議の行方の在日米軍に与える影響というものについても、現在そもそも掘り下げた形での議論ということはできないわけでございまして、現在こちら側が米側に伝えているのは、我々も非常に関心を有しているという、その関心を伝えているということでございます。
川内委員 北朝鮮がミサイルを発射したり、朝鮮半島情勢が非常に緊張をしている状況であるということはお互いに共通の認識であるというふうに思うんですけれども、このような時期に米国の国防長官が在韓米軍の兵力を削減するというふうに議会で発言をした、それに対して、関心を持っていますよと伝えてありますと。一体この国の安全保障をどう考えているのかと私は憂慮せざるを得ないわけであります。
 ちなみに、ちょっと話題を変えますけれども、北朝鮮のミサイル発射実験について、事前に外務省は情報をつかんでいらっしゃいましたか。
川口国務大臣 これは私がけさ記者会見でお答えをしたことですけれども、この発射があったということについては、これは、けさ私は聞きました。
 それで、委員の御質問が、もしそういうことであれば一体我が国の安全保障との関係で大丈夫なのかという意味でお聞きであれば、これは、韓国あたりが発表しているところによれば、地対艦ミサイルであるということのようでございます。我が国として、これが弾道弾であるということは、前々からそういう認識はなかったわけでございまして、もしも、これが弾道弾であるということが、それの発射実験であるということがわかっているような状況では、当然その情報は政府内でシェアをされる、そういうことでございます。これは非常に短い射程の話です。
川内委員 では、地対艦ミサイルであるということは知っていた、そういう準備がされているということは知っていたということですか。
川口国務大臣 ですから、それについては、けさ私、記者会見で言いましたけれども、それを聞いたのはけさであるということです。
 私が申し上げたのは、そういうものでない、弾道弾であるということがわかっていた状況では我が国としては十分に対応し得る状況にあるということを申し上げたのです。
川内委員 相変わらず何を言っているかよくわからないんですけれども。
 弾道弾ミサイルをもし発射実験するとすれば事前にそれはわかる、備えもできると。地対艦ミサイルであったということはわからなかった、知らなかったと。発射実験するということは知らなかったということでよろしいですね。
川口国務大臣 私が申し上げているのは、事実関係として、私はきょうの朝これについて聞きましたということです。これは事実です。
 それで、委員の御質問の背景が、そういうことで一体大丈夫なんですかということであろうと思いましたので、それは、そうでなければ別に申し上げる必要のないことを申し上げたわけですけれども、御懸念のような状況であった場合には大丈夫ですということを申し上げている、そういうことでございます。
 それから、ちなみに申し上げますと、現在政府としては事実関係を確認中ということでございます。弾道弾ミサイルではないという認識はいたしております。
 そして、韓国の国防部の発表ですけれども、北朝鮮は毎年、冬季の訓練期間中、まさに今ですけれども、地対艦ミサイルの発射訓練はずっと今までも行っている、そういうことでございます。
 ただ、我が国としては、現在北朝鮮をめぐっていろいろな緊張するような状態があるわけでございますので、そういった状況のもとでミサイル発射を行うということは、この地域の緊張緩和に資するものではないというふうに思っております。そして、北朝鮮に対して、今後も引き続いて、この地域の緊張緩和、そして平和と安定、このために前向きに対応することが必要であるということは働きかけていきたい、そう考えているわけです。
川内委員 知らなかったんだったら知らないと言えばいい。知らなかったと言えば一言で答弁が終わるので、そのように答えていただきたいと思うんですけれども。
 大体、私がなぜここまで聞いてきたかというと、二月十四日付の朝日新聞で、与党の第一党である大自民党の久間政調会長代理が、こんなインタビューに答えていらっしゃるんですね。
 イラク攻撃について、「外務省は「支持以外にあり得ない」という雰囲気です。」という朝日新聞の質問に対して、「外務省は、「米国の外務省」みたいなものだから」と。久間さんが、外務省は米国の外務省みたいなものだというふうにおっしゃっていらっしゃる。あと、こんなふうにも言っているんですね。「日本は米国の何番目かの州みたいなものだから。」とおっしゃっていらっしゃる。私は、これは何で問題にならないのかなと思って不思議でしようがないんですけれども。
 このように、与党の第一党の、政権を長らく担当されていらっしゃった政党の、政策の責任者のナンバーツーの方がこのような発言をするということに関して、私は、やはり日本の安全保障がアメリカ頼みになり過ぎているんじゃないのかなということを危惧しているわけであります。基地問題にしてもそうですし、北朝鮮のミサイル問題にしても、でっかいミサイルであればアメリカが事前に教えてくれるから大丈夫よと、そんなに飛ばないミサイルであればアメリカもわざわざそこまでは事前に教えてはくれないでしょうということなのかなと、若干寂しさを禁じ得ないわけでありますけれども。
 このような久間発言に対して、外務大臣は、日本の外務省じゃなくてアメリカの外務省みたいなものだと言われているんですけれども、そういうふうに言われてどう思われますか。
茂木副大臣 久間自民党政調会長代理の発言についてのコメントでありますけれども、私はこう思っております。
 これは、与野党を問わず、それぞれの国会議員の先生方がそれぞれの先生方の識見のもとでいろいろな発言をされる、それには謙虚に耳を傾けていかなければいけないな、こんなふうに思っておりますし、また、そういった意味で、川内先生が一期目のときからずっと外交問題に興味を持たれてさまざまな発言をされているということに対しても、大変いつも傾聴させていただいている次第であります。
 そういった中で、久間政調会長代理、まさに防衛庁長官を二期務められた方でありまして、だれよりも日米同盟関係の重要性、安全保障体制の問題についてよく御存じの方だ、こんなふうに考えております。ただ、それぞれの識見がありますので、そこまで踏み込んで政府としてコメントをする立場にはございません。
 その一方で、では、日本が本当に主権国家としてきちんと、例えばイラクの問題についても主張しているか、こういうことでありますけれども、例えば、昨年から、この問題というのはまさに、アメリカ対イラクの問題じゃないんだ、国際社会対大量破壊兵器を持っていると疑われているイラクの問題なんですよ、ですからアメリカに対しても、国連の枠の中で、国際協調の中でこの問題を解決してほしいんだ、こういうことは川口大臣からも総理からも私の方からも常々アメリカのカウンターパートには申し上げてきております。
 そういう努力もあって、私は、昨年安保理の決議一四四一もまとまった、こんなふうに考えておりまして、いささかの自負もそういう意味ではあるわけでありますけれども、同盟関係ということはある、その分言えることは言う、必要があることは言う、こういう立場を堅持していきますので、決して日本がアメリカの言いなりとかそういうことではない、こんなふうに考えております。
川内委員 結果として言いなりになっていれば、それは何を言おうと言いなりでありまして、言いなりではないと、言いなりになる前は言いなりにはならないと言いわけをしつつ、最後、言いなりになった後、ごめんなさい、やはりこうするしかなかったんですというのが今までの日本の立場であろうかと思いますが。
 川口大臣も所信の中で、「アジア太平洋地域には依然として不安定性と不確実性が存在する」「日米安保体制とこれに基づく米軍の存在は今後とも不可欠である」とおっしゃっていらっしゃる。私もアジア太平洋地域には不安定性と不確実性があると思いますよ。しかし、その不安定性と不確実性をどう主体的に解決をしていくのかということが、日本の外務省として、あるいは政府として問われていることだろうというふうに思うわけであります。
 私は自民党員ではありません、民主党員ですからね。ただしかし、大臣、大臣は自民党、与党に選ばれて大臣になっているわけですから、自民党の立党宣言とか綱領とか、お読みになったことありますか。これは質問通告していないですけれども、読んだか読んでいないかぐらいはすぐ答えられることですから。
川口国務大臣 部分部分について話を聞くことはありますけれども、読んだか読まないかということでいえば、読んでおりません。
川内委員 私は、きのう、自民党のこの立党宣言とか政策の綱領というものを実はひもといてみたんです。なかなかいいことが書いてあるんですよ。
 私がこんなところで説明するようなことじゃないですけれども、「わが党は、平和と自由を希求する人類普遍の正義に立脚して、国際関係を是正し、調整し、自主独立の完成を期する。」と書いてあるんです、綱領に。すばらしい言葉ですよね。「国際関係を是正し、調整し、」自分で主体的に安全保障の枠組みをつくり出していく、自主独立をするんだと書いてあるんです。
 それから、「独立体制の整備」という政策のところには、「集団安全保障体制の下、国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える。」というふうに、在日米軍の撤退をさせるんだということも、この結党のときに物すごい格調高くうたい上げているんですよ。
 それが、何ですか今のこのていたらくは。全然、在日米軍の撤退もさせられない。使用期限についても、わけのわからない答弁を繰り返す。こんなことで、自民党をおつくりになられた先生方は泣いていらっしゃいますよ。だから、我々がかわってやりますけれどもね。(発言する者あり)私が申し上げているから頑張ってほしいんですよ。
 もう時間がなくなってきましたからあれですけれども、北方四島についても、スローガンだけ北方四島返還と。一生懸命政府あるいはお役所の方々はやっていらっしゃると思いますが、国民運動に私はなっていないと思うんです、細田大臣、国民運動を展開していると細田大臣は所信の中でおっしゃいましたけれども。
 私は、きのうネットで北方四島あるいは北方領土それから早期返還というキーワードで検索をしてみたら、それぞれ百六十九件と六百五十件ぐらいヒットが出ましたけれども、ほとんどすべて役所あるいは官の関係がつくっているホームページなんですね。民間の方たちでこういうホームページを立ち上げている方たちというのはほとんどいない、ある特殊な団体を除けば。全く国民運動になっていっていないと思うんですね。
 このような中で、北方四島の返還要求国民大会ですか、全国大会ですか、というのが開かれたりしているわけですけれども、私は、もっともっと国民の皆さんに領土の大切さと主権の大切さというものを知っていただくためにも、沖縄の負っている痛みというものが、在日米軍、米軍が駐留をしている、領土の中に他国の軍隊がいるということがどれほど国民の主権の意識というものを失わせているかということに我々は思いをいたさなきゃいかぬと思うんです。そうすることによって初めて、北方領土も、我々の領土だ、取り戻さなきゃいけないんだという気持ちになれるというふうに思います。
 ぜひ政府には頑張っていただきたいというふうに、私はここの場で改めて、まだ私が野党でございますから、与党になれば自分でやりたいと思いますが、エールを送らせていただきたいというふうに思います。
 最後に、沖縄の大学院大学について細田大臣にお伺いをしたいんです。
 この大学院大学について、設立準備の具体的運営に当たる評議会で、フリードマン・マサチューセッツ工科大学教授が議長になって、ブレンナー・ソーク研究所教授が副議長に就任をされる。有名な方が議長、副議長になられて、おめでとうございますと申し上げていいのかどうかわかりませんけれども、このような有名な方たちがどれほど沖縄の大学院大学に力を傾注していただけるものなのか、フリードマン教授やブレンナー教授が沖縄に今まで行かれたことがあるのかどうか、沖縄というところがどういうところなのか御存じなのかどうか。
 あるいは、なぜ学長選びを、アメリカのリッツ・カールトンというあの超高級なホテルでやられたそうですけれども、なぜアメリカの大学でこんな沖縄の大学院大学の学長選びをするのかちょっとよくわからないんですけれども、その辺について、ちょっとまとめて御答弁をいただきたいというふうに思います。
細田国務大臣 一月に第三回の国際顧問会議が開かれまして、おっしゃいましたサンフランシスコ郊外で会議を持ったわけでございますが、私も改めてこれまでの関係者の御努力に敬意を表したわけでございます。
 と申しますのも、学者の皆様方だけで二十八人、顧問会議というものが構成されておりますが、そのうち外国人が二十一人、日本人が有馬元東大総長を初め各大学教授等々でございますが、外国在住の日本人としては、ノーベル賞の利根川先生、その利根川先生を含めましてノーベル賞学者が十人入っております。
 アメリカの方が多いわけでございますけれども、その方々のうち約二十人が集まって、本当に真剣に、前回の議題は、沖縄大学院大学はつくろう、かつ、だれが学長がいいかということで、この方々が、世界じゅうの著名な、特にライフサイエンスを中心とする学者を御存じでございますから、あの男はどうだ、あれはどうだ、まあ男に限りませんけれども、あの人はどうだ、この人はどうだろうという議論を闘わせて、三十人ほどのリストをつくって、その中から、しかし、あいつはどの大学の研究所長が内定しているからやめておこうとか、この人は家庭の事情で来ないぞ、だからやめておこうというような、本当に真剣な議論をしました。二〇〇七年秋の開学に向けて、とにかく学長を選ぼうと。
 しかし、二〇〇七年秋の開学ということは、あと四年半ほどあるわけですね。そうすると、まだその中で、これからもずっと一人一人に当たっていくけれども、十分絞り切れないなということになって、そこで、それらの方々を含めた評議会、カウンシルというものをやろうじゃないかと。ついては、このフリードマンさんというのは、ノーベル賞学者のうちでも最高の栄誉を受けておられる方でございまして、つまり、素粒子物理学において、原子核の陽子、中性子よりさらに細かいクオークというものからできたということを発見した大変な学者のリーダーでございますし、シドニー・ブレンナーさんという方は、細胞が発達したり、その細胞が死んでいくそのメカニズムを遺伝子解明をしていった、遺伝子制御を発見した方で、この方も大変に著名な方でございますが、結論として、学長はすぐに決まらないけれども、では我々がリーダーシップをとって、そしてあと十数人の評議会をそれぞれの国の学者に呼びかけて、そして春先にまず第一回をやろうじゃないか、そしてしばらく自分が責任者となって、そしてそのメンバーの中から、学長候補で、自分は引き受けるぞという人を選んでバトンタッチをしようと。
 そこまで非常に熱心に議論をしていただいたということで、すばらしいな、やはり世界最高の大学院大学をつくろうという情熱、我々も情熱を持って当たってきましたが、それ以上に世界的な著名な学者がこの一月にも、ノーベル賞学者だけが偉いわけじゃありませんが、七、八人のノーベル賞学者まで入ってそういう議論が行われておるわけでございます。
 したがって、これは、そういった評議会を立ち上げまして、実質的には、開学自体は四年先かもしれませんが、用地の取得から体制、研究内容、そういったものを十分詰めていこうというその目的に沿った体制は、ここで、初期の段階としては確立されたな、こう思っておるわけでございますので、今後とも御理解と御支援のほどをお願い申し上げます。
川内委員 終わります。
仲村委員長 次に、白保台一君。
白保委員 沖縄問題にほぼ絞って質問をしたいと思います。両大臣に関係のあることであります。
 沖縄が自立を目指しているわけでございますが、健全に自立をしていく、そういうことを目指していく中で、一つは、当面するさまざまな課題の克服というのがあるんだろうと思います。そしてまた、もう一つは、戦後処理の問題、あるいは復帰時点で積み残された問題というのもまだあります。それを踏まえて一つ一つ解決していかなきゃならない、こういうふうに思うわけでございます。
 そういった中で、雇用失業問題というのは非常に大きな問題としてあります。
 構造的な問題で、求人を見ていますと、本土からの求人が多かった。それは、県内にそれだけの労働力を吸収するだけの能力がないということも一つあるわけであります。したがって、本土の方の経済がおかしくなってくると沖縄の失業率が上がっていくというようなこともありました。そういう面で、やはり経済をしっかりさせなきゃならないな、こういうふうにずっと言ってきた。
 ところが、もう一方では、提供施設がいっぱいある。したがって、沖縄の提供施設というのは、国有地や公有地じゃなくて民有地の方が多いわけですから、みずからの権利を自由に利活用することができない、そういった面での拘束された部分もある。したがって、健全な経済の発展が極めて阻害されている部分がある、こういう面もあろうと思います。
 そこで、雇用問題をまず初めに伺いたいと思いますが、現状の失業、そういった問題について、現状の失業の実態というのはどういうふうに把握されているのか。そして、特に問題は何かということが一つあります。同時に、それに対して国はどのような対策を講じているのか。このことについて、まず最初に伺いたいと思います。
安達政府参考人 お答え申し上げます。
 沖縄の雇用、特に失業の状況でございますけれども、平成十四年、昨年で申し上げますと八・三%、全国が五・四%ということで、おおむね三ポイント程度高い状況でございます。
 この背景といたしまして、非常に私ども自身も痛感しているわけでございますけれども、沖縄における労働力人口の増加率が非常に高いというところでございます。年々の数字で申し上げると多少変動はあろうかと思いますけれども、長期にわたって見たときに、沖縄は全国一の人口増加県でございまして、労働力となる年齢層の労働力人口についても非常に高い伸びを示しているわけでございます。そうした中で、さらに全国的な不況ということでございます。
 また、先ほど大臣からのお話もございましたけれども、非常にふるさと志向が強いということがございまして、例えば、本土の大学を出ても沖縄に戻ってくるUターン率というのは全国平均をかなり上回っておるという中で、ある意味では非常に苦労が多いわけでございますけれども、こういった状況の中で、とにもかくにも雇用機会の創出ということが最大の課題でございます。
 私どもとしては、中長期の視点からの沖縄振興計画、あるいは分野別のアクションプログラムとしての各業種ごとの計画、あるいは雇用の創出、人材の育成を中心とする職業安定計画、こういったものを鋭意推進するということもすべて雇用対策であると言っていいわけでございます。
 また、昨今の非常にとりわけて高い失業率に対しては、先般十二月の政策協議会におきまして、予算規模で総額約三百六十億円の追加的な雇用・産業対策の実施を取りまとめ、現在鋭意取り進めているところでございます。
白保委員 特に、十五歳から二十九歳の若年層の失業率は大変に高いんです。その中でも、低若年層、十五歳から二十四歳の失業率は、ひところは二〇%を超える、五人に一人が失業しておる、こういう状況にありました。最近は幾分改善はされておりますが。
 この低若年層の平均値を見て、どういう実態になっているのか、それと同時に、どういう対策を講じようとされているか、それについてもお答えいただきたいと思います。
    〔委員長退席、吉川委員長代理着席〕
安達政府参考人 お答え申し上げます。
 若年層、とりわけ低若年層、具体的に申しますと、十五歳から二十四歳の層でございます。全国で申し上げますと、十五歳から二十九歳の若年層全体の完全失業者の割合でございますけれども、三六・五%、低若年者層が二一・一%でございますが、沖縄におきましては、若年者層全体が四三・七%、低若年者層が二七・七%ということで、全国、他県に比べてこの層の失業率が非常に高いというところは、御指摘のとおりでございます。
 この対策でございますけれども、産業対策、それはすべてこの若年層も含めてのことでございますが、対策であるとはいえ、若年者層に対象を絞ったような取り組みということもさらに進めているわけでございます。
 一例を申し上げますと、沖縄若年者雇用開発助成金といった制度がございまして、これを積極的に活用した雇用機会の創出でございます。また、短期的な試行就業、トライアル雇用と言っておりますが、こういったものを実施していく。また、職業能力の開発といったところにおきましても、若年労働者の雇用促進のために、この点、特に留意しながら進めているところでございます。
 それから、今年度でございますけれども、新規学卒者等の若年の就業支援策といたしまして、人材の育成から就職支援まで、一貫した支援サービスを行う沖縄キャリアセンター、仮称でございますが、これは箱物ということでなくてシステムとして御理解いただきたいわけでございますけれども、こういったセンター事業を進めていくことを予定しておりまして、政府としても調整費を活用してこれを支援しておるところでございます。
白保委員 実は大臣、先般、沖縄の若年層の失業率が高いこともありまして、渋谷にあります若年層のハローワーク、ヤングハローワークというのがあるんですけれども、全国で一つしかありません、そこへ参りました。
 ちょうど雪が降った後だったものですから若い人はほとんどいなかったんですが、何か傾向として、朝の早いのと天気の悪い日は余り人が来ないそうですけれども、そういうところで若い人たちともお話をしましたし、その施設を視察してまいりました。
 びっくりしたことに、いろいろな職種のビデオがだあっと並んでいるんです。中には国会議員という職種のビデオまであるぐらいです。なぜこういうビデオを置いてあるかといいますと、子供たちが、一体自分が何をやっていいのかわからない、どっちの方向へ行こうかなかなか決め切れなくて非常に迷っている子が多いということで、この若い人たちがきっかけがつかめればいいなということで、さまざまなきっかけがつかめるような、そういう施設がありました。
 それを見て、やはり今、子供たちが一つの目標を明確に立て切れなくて悩んでいるという部分もあるなと。そのきっかけをどうつくっていくのか。あるいは、現実に仕事はある、ところが、ミスマッチングが多くてなかなかうまくいかない。そういう面で、地域だとか会社だとか、あるいは自分の待遇だとか、こういったものを含めてきっかけがつかめる、そういうためにヤングハローワークというのがございまして、私ども沖縄県も、非常に若年層の失業率が高いわけでありますから、ぜひヤングハローワークを設置すべきだな、こういうふうに考えています。
 これは厚生労働省のやることですが、担当大臣として、その辺のことについて御努力いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
細田国務大臣 御質問がおありということで、いろいろ調べてみたわけでございます。平成十三年度から若年者特別支援公共職業安定所として設置されておりまして、白保委員御指摘の東京にございますし、実は神奈川、大阪、兵庫もあるようでございます。四カ所あるそうでございまして、若年失業者の絶対数の多い大都市部において設置されておるというのが今のところの現状であるわけでございます。
 沖縄県は若年の方が多くて、かつ、その失業率も高いわけでございまして、若年者層を、これはとり方がいろいろあるんですが、十五歳から二十九歳に分けてその失業率というものを見ますと、沖縄県の場合は四三・七%というように非常に高いんですね、失業者の中の割合が。そして、全国平均は三六・五%ですが、先ほど例示したような大都市は三五%ぐらいということで、やはり、若い方にどうやって新しい職についていただくかということは政策的に推進する必要があると思います。
 他方、沖縄県は、これはもう御存じのことでありますが、公共職業安定所自体は、本島が、北部、中部、南部、一カ所ずつ、それから宮古、八重山、全部で五カ所あるわけでございますが、おっしゃいましたように、若年層が職を求める場合に、いろいろな角度から職を求める、こういう仕事が具体的にあるという、いわば求人の情報をもらうのが第一義的な目的ではございますが、仕事選びで、どういったものに適性があるかということも大事でございます。
 御指摘の点は、いろいろな意味で論点を整理して、現に五カ所の職業安定所、ハローワークでどのように若い人が来ているのか、どのような実態にあるのかということも調べました上で検討してまいりたい。論点を整理した上で、また改めて御報告申し上げたいと思います。
    〔吉川委員長代理退席、委員長着席〕
白保委員 外務大臣、実は先日、名護市へ行ってまいりました。キャンプ・シュワブ、レンジ10の実弾演習再開、このことで、ある地域の方が集まって非常に協議をしているところでいろいろお話を伺ってまいりました。
 昨年七月にパイナップル畑に山を越えて実弾が飛んできた。それ以来演習は中止しておりました。これまでもそうなんですが、どうしてこういう事件、事故が起きるのかという原因究明をしっかりとやる、その上で再開するということをいつも言ってきながら、みんなが納得いくような原因の解明がなされないままにまた再開をする、こういうことの繰り返しがなされています。
 そもそもは、地位協定三条三項は、提供施設の中での作業というものは安全に行わなきゃならないということになっている。それが安全に行われないで被弾をするという。跳弾というふうに言っていますが、間違えて飛んでいったんだろう。その辺の原因も究明されていません。そういう中で再開されるわけです。したがって、知事も、原因がきっちりと究明されたのかというようなことを、遺憾であるというようなことを言っています。こういうことを考えたときに、余り時間がありませんから、結論から申し上げますが、今回の再開については私どもも非常に遺憾に思います。
 そこで、そのことを今ここでもってぎりぎりやる時間がありませんので、ひとつ申し上げたいと思います。
 多くの提供施設があります。その中で、今のように、安全な作業がなされないで事件、事故が起きます。何で起きるんだろうか、原因究明はされない。そういうようなことについて、やはり私は、これは使用目的として適当なのか不適当なのか。この基地が、たびたびこのように弾が跳んで出てくるというような状況であるならば、使用目的として適当か不適当かということをしっかり調べて、その上でこれを立て分けをして、廃止するなり、あるいは使用目的を変えさせるなりやっていきませんと、安心して周辺の県民が生活ができない、そう私は思います。
 したがって、外務省に申し上げたいことは、使用目的に合わせて安全な作業がなされているかどうかという点検をしっかりとやって立て分けをしていくべきだ、こういうふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
川口国務大臣 結論のところだけ、お答えを簡単にさせていただきたいと思います。
 安全というのは非常に大事なことでございますので、外務省としても注意を払っておりますし、住民の方の御不安というのはあると思います。そして、事件、事故が発生をしたときにアメリカ側に対して申し入れて、原因究明をということも言っております。
 それで、施設・区域で問題があるところについては見直しが必要じゃないかということでございますけれども、これについては、日米間では施設・区域については随時協議をしてきておりますけれども、今の段階で、事故が発生をするおそれが高いということで廃止あるいは使用目的の見直し、それが必要であるというふうに認識をしている施設はないということでございます。
白保委員 余り納得できませんけれども、いずれにしましても、それでは、なぜ事件や事故が起きるのかという、今度はまたもとへ戻ってこの議論をしていかなければならないことになりますけれども、ぜひ協議を進めて、事件、事故がない、そういう状況をつくっていきませんと、事件が起きたら、これは違反ですから、この違反に対して確固とした姿勢でもって、それに対して何かの罰則をやったかどうかということになってくると、それもないわけですよ。だから申し上げているわけでございまして、その辺のことについても、しっかりとした協議をしていただきたい。
 時間がありませんから最後になりますが、実は九・一一、米国の同時多発テロがございました。それで沖縄観光が非常に落ち込んで、政府並びに多くの全国の皆さん方の御協力でやっと持ち直したかな、こういうようなところまで来ております。ところがまた、最近の国際情勢の中で、地元は、観光というものは沖縄経済の一つの大きな柱ですから、みんな心配しています。不安に思っています。
 それに対して、昨年も、こういうことが起きたときに沖縄担当部局として細田大臣どういうふうに対応されますかということで、我々も要請も行ったわけでございますが、非常に情勢が不安定なような状況が出てきて、みんなが心配しています。担当大臣として、これに対する対応をどうするかという問題をぜひお聞かせいただきたい。
 それから、外務大臣も、この視点からどのように対応なさるのか、このことをお聞きしたいと思います。
細田国務大臣 一昨年九月のテロ事件後に非常に不用意な修学旅行自粛通達が一都二県で出されるということがございまして、非常に団体観光を中心に大きな打撃を受けたことになったわけでございまして、そのときに、文部科学省等関係省庁とも連携しながら、これはいけないということを言いつつ、風評被害を発生させないという強い決意のもとで対処してまいりまして、その結果もありまして、昨年は一年間で前年比九%増の四百八十万人の観光客数まで回復、また増加したわけでございます。
 御指摘のような今後の問題については、経験によく学びまして、そのようなことが起こるようなことのないように早期に対処してまいりたいと思っております。
川口国務大臣 テロに対応していくということは非常に重要だと思います。我が国としても、我が国との関係では特に東南アジア地域のテロが気になるわけですけれども、東南アジアの国々のテロに対応する能力を高める、そして資金の移転についても注意をする、テロ関係の国際条約がいろいろございますので、それの締結をするようにほかの国に働きかけていく等々の対応策を進めております。
 この地域の平和と安全という観点からいきますと、我が国は、まず日米安全保障条約というのが基軸にあって、それから近隣の国々と二国間関係をよくするということによっていい環境をつくっていく。そしてさらに、ASEANとASEANプラス3とかARFという、広いこの地域の安全保障を語る場というのがございますけれども、そういったところでテロの対応に対して取り組んでいく、そういうことをやっております。
白保委員 終わります。
仲村委員長 次に、山田正彦君。
山田(正)委員 自由党の山田正彦です。
 沖縄の問題について質問させていただきたいと思います。
 先ほど細田大臣、政策上沖縄で一番今大切なことは何かと下地議員に聞かれたときに、いわゆる所得が低い、全国平均の七割しかない、そういうことをおっしゃっておられました。また、先ほど白保議員が、沖縄において若い人のいわゆる求職、非常にこれが少なくて、今大変な社会問題になっているというお話もしておりました。
 そんな中で、実は、沖縄振興特別措置法、これによって税法上の減免措置をやっている。いわゆる企業を誘致し、そして沖縄にある企業を元気出させるために、いわゆる法人税等の減免措置をしている。それが実際に効果があっているのか、あっていないのか、そういったことについて質問してみたいと思っております。
 大臣、質問通告しておったはずですが、資本金一千万、売り上げ二億、従業員二十人として、経常利益、いわゆる税引き前の利益千五百万出しておったとして、一体どれだけの減税効果というのがあるんでしょうか。
安達政府参考人 お答え申し上げます。
 税制は、各般の措置がございますが、特別自由貿易地域制度、あるいは情報特区制度、あるいは金融特区制度につきましては、法人所得三五%控除という、これが一番強いインセンティブ策としてございます。これは、換算いたしますと、法人税率、現行約四〇%、地方分入れまして、これが約二六%になるということでございまして、税引き前利益千五百万ということで申し上げますと、差し引き約一五%程度の、千五百万掛ける〇・一五といった税額が軽減効果となろうと思料しております。
山田(正)委員 ちょっと今よくわからなかったんですが、いわゆる税引き前の利益千五百万出しておったとしたら、それに対する三五%のいわゆる免除、例えば九百七十万円は、税金をかける前、千五百万からまず三五%分を引いた九百七十万について税金がかかるんだということではないんですか。
安達政府参考人 お答え申し上げます。
 算式のみお答え申し上げましたが、その税引き前利益、つまりその課税対象所得として千五百万円がございますとすると、正確に申しますと、一四%分軽減分ということでございますので、二百十万円の税金が軽減されるという計算であろうかと思います。
山田(正)委員 金額に、いわゆる六五%分についての税金をかけると、約四〇%として、大体それくらいになるようですね。だから、それはそれでいいんですが、私の質問の通告は、その辺をきちんと聞きたかったわけなんです。
 それでは、この法人税の減免、今四〇%平均が約二六%になるというのは大変大きなことなんですが、実際にその減免がなされる地域はどこなのか、お答え願いたいと思います。
安達政府参考人 お答え申し上げます。
 特別自由貿易地域制度につきましては、中城湾港新港地区を指定いたしております。
 観光振興地域につきましては、沖縄は観光立県でございますので、ちょっと今具体的な箇所数はお答えできませんが、県内各地域を指定しておるところでございます。
 また、情報産業振興地域につきましても、かなり広範にその指定を行っております。
 また、情報特区でございますが、二眼レフ的な形で、いわば情報産業振興地域制度と一体となって全体の引き上げ効果をねらうということで、ブリッジの橋脚のごとく、北におきましては名護市及び宜野座村、南におきましては那覇市及び浦添市の両地域を指定したところでございます。
 金融特区につきましては、名護からの要望ということで、名護市全域を指定しておるところでございます。
山田(正)委員 今の特別自由貿易地域、いわゆる税金が四〇%から二六%になる地域は具志川市のまさにごく一部、いわゆる百二十ヘクタールしかない、これは。さらに、金融業務特別特区、これにしても、実際に、沖縄の本島の面積からしても約六十分の一ぐらい、情報特区にしても約二十分の一ぐらい、いわゆるごく限られた地域でしかやっていない。これは細田大臣、どう考えられますか。
細田国務大臣 それぞれの市町村あるいは地区において重点的にこういうものを誘致したいという思いがそれぞれあられるわけでございまして、そういった御要望に合わせながら、しかも、そこの、またインフラといいますか社会資本の整備もいろいろな意味で公的に行われ、そこに誘致をするというようなこともあわせて行われておりますので、結果として地域がそれぞれ指定されておりますけれども、これは、ここに将来とも限られるというものではございません。やはり、要望を受けながらそういった指定をしてきたわけでございます。
山田(正)委員 いわゆるあめ玉を与えておいて、こうして沖縄振興しておりますよと言いながら、ほんのごく一部の地域にだけいわゆる経済特区、経済特区と言っていいと思うのですが、それをやっている。しかし、大臣はこれから徐々に拡大していきたいと、そういう話ですが、ほかの地域、こういう具志川みたいに特別自由貿易地域から外された地域、そこからの不満というか、沖縄全島からしたら大変不平等である、これは税の公平に反すると。そういった意味で大臣に聞きたいので、大臣、どう考えられるか。
細田国務大臣 やはり、投資を促進しようということ、それから、集積がありませんといろいろな環境整備も整わないということもございます。
 例えば、情報通信分野についていえば、情報通信産業振興地域制度によりまして、五年間で約八十社が新規に進出して、四千四百人を上回る新規雇用を実現したのでありますが、やはりそれは、この地域の環境整備とともに、そこに、沖縄県に投資しようとする企業等が、では、そこはいい場所だし投資しよう、働く人たちも非常に働きやすいじゃないかということで集まってくるわけでございますが、これは、全県下からも働きたい人が集まってくることでもありますし、決して不平等だということで政策を行っていると思ってはおりません。特別自由貿易地域などについても既に立地済み八社で百十七名の雇用が生み出されておりますし、金融業務についても進出三社で従業員が二十名近く今のところ出ております。
 やはり、沖縄の全県的なバランスというものは当然必要だと思いますが、意欲のあるところ、そして整備が行われたところで重点的に雇用の場をつくることが効率的であることは事実であると思います。ただ、ほかの可能性を遮断してもうそれを認めないというような考え方でやっているようなことではございません。
山田(正)委員 先ほど話した法人税の三五%免除措置、これについては特別自由貿易地域、いわゆる法人税の減免また機械器具等の投資税額控除、これも機械については一五%、建物については八%、これを選択してやれるようですが、そういったものについてのいわゆる特別措置があるところについては、立地は八社だけと考えてよろしいか。
安達政府参考人 特別自由貿易地域につきましては、最近の進出決定も含めて十一社でございます。それから、情報関係につきましては、ここ近年におきまして、約五年間でございますが、約八十社、約四千四百人の新規雇用を伴う進出を見ておるところでございます。
山田(正)委員 続けて聞きますが、それによって、当然入るべきであろう税収、これはどれだけ国家収入としてはいわゆる免除したことになるのか、その税額。それは質問通告しておったはずであります。
田中大臣政務官 お答えをいたします。
 沖縄の特別自由貿易地域、金融業務特別地区または情報通信産業特別地区における認定法人の所得の特別控除制度の適用実績、得られなかった税収等についてはいかほどかというお尋ねでございますけれども、実はこの制度は、平成十四年度から、今年度からスタートいたしておりまして、まだ年度が終わっていないものですから集計をいたした段階になっておりません。当然、年度が終われば、この数字は明らかになってくるものだと思っております。
 あわせてお答えしますけれども、今と重なりますけれども、特別自由貿易地域の所得の特別控除制度については、平成十年度に創設された措置でございますけれども、十一社の立地が実現または決定しておりますが、税制上の措置の適用実績は今のところないと承知しております。
 以上であります。
山田(正)委員 そうすると、平成十一年度の決算からして、進出企業についての税額免除、いわゆる国家として税収が得られなかったであろう分はゼロである、そう解していいのかどうか。
田中大臣政務官 先ほどお答えをいたしましたように、沖特法の制定とともに始まった特別自由貿易地域の関係について、平成十四年度から適用されたものについては今後数字が出てくるものだと思います。
 ただ、十年度から始まったものについては先ほどのとおりでございまして、今のところ、税の方が減額されたというか、実績がございません。これはどういうことなのかなというふうにも思うわけでございますけれども、とにかく、私どもの議論の中で沖縄の振興のためにとった措置でございますから、今後、ぜひひとつ、この制度が沖縄の発展のために貢献できるように、私どもも努力をしていかなければならないと思っております。
山田(正)委員 私がきのう聞いた限りでは、今年度、十四年度、十五年度も税収減の見込み額はゼロである、そう聞いておりますが、財務省としては、大臣、よく聞いていただきたいんですが、こういう特区制度というか、これをごく一部に限ってやっておきながら、税収の得べかりし分の損失分というのは、まさに見込みにおいてもゼロである。ということは、これは大臣、大胆に沖縄全島にこれを広げていいんじゃないかと思う。財政収入の減としてはゼロなのに、単なるあめ玉だけを沖縄県民にしゃぶらせているというのがこの制度である、実態であるということで、では、私、次の質問に移りますから、大臣、よく考えておいていただきたいと思います。
 実は、沖縄に鳴り物入りでいわゆる観光地の免税措置、沖縄型特定免税店制度、これを実施しておりますが、これについては、たった一社だけ、二店舗だけ。いわゆる輸入品等の、限度額二十万までですが、ウイスキーとかブランデーとか、身辺用のいろいろな装飾品等にかけておる。これもたった一社だけ、二店舗だけというのは、まさに鳴り物入りで我々も審議させられた、ところが、実際には、これもまた見かけだけではないのか。大臣、どう考えられますか。
細田国務大臣 これは、世界的なこういう土産物免税店でございますDFSが沖縄に投資しよう、そして、沖縄空港内でさらに売り場面積も広げて営業しようということでございますが、オープン以来九カ月間で十億円近い売り上げがあるわけでございます。いろいろな品目についてあるんですが、やはり観光客は、良質のブランド品等、あるいは、若干、免税店で安いものを観光のときに求めて帰るということは非常によくあるパターンでございまして、日本から外国へ旅行する方などは、そういうことを専ら目的にされる方もあるわけでございますので、できるだけ優良なそういう免税店を誘致しようということでやった制度でございます。
 先ほどの御質問も含めて申しますと、要するに、一歩一歩拡大をしていくということが本旨だと思っておりますし、それから、投資でも、最初は利益が上がらないかもしれないけれども、もうかったときに税金がまかるのではないかということから投資が促進され、雇用が拡大するわけですから、私どもとしては、そういった効果は非常に大きいと思っております。
 ただ、今は全体的に非常な不景気ですから、法人等、突如、二年目ぐらいに利益が上がって、ああ、法人税ももうかったなというところにまでいかないということでございまして、まだ立ち上がりの段階であることを、この両方ともあわせて御理解いただきたいと思います。
山田(正)委員 これ以上話してもむだでしょうから。ただ、大臣もよくその点、私に言わせれば、まさに名目だけだという感じがしているんですが。
 次に、沖縄は、ガソリン税というのがリッター当たり七円免除されていますね。そして、沖縄の那覇市、これはガソリン、リッター九十六円のようですが、沖縄の離島、これは百十八円と高い。大臣、高いですね。沖縄の離島で、宮古とか西表とかいろいろあるわけですが、これは高い。これはなぜなんでしょうか。
細田国務大臣 離島においては、本島あるいは本土から、ガソリンとか、灯油等でも同じでございますけれども、それを運ぶ輸送費やその他経費がかかるということで、高いところが全国的にも多いわけでございます。私のところも隠岐島という離島を持っておりますが、隠岐島は、島根県の本土に比べるとかなり高いんです。ただ、他方、非常に供給独占的な実態もありますから、一社が細々ではありますが経営している、もうほかには行きようがないということで、本土の側、あるいは本島の側では競争が激烈ですが、その競争状態が非常に緩いということで高い面も、これは否定できないことでございます。
 したがって、沖縄にはそれぞれの事情があると思いますが、今後、こういう価格差については、やはり十分注視してまいりたいと思っております。
山田(正)委員 大臣、少し不勉強なようですが。
 私が調べた限りでは、お隣の、例えば奄美大島群島の与論島ですか、あの辺では百四十円を上回っていますね、ガソリンが。というのは、九州においてはすべてが大分の製油所に中東の原油が運ばれて、そこで精製されたものが小型バージで、例えば対馬とか壱岐とか、いろいろな島に運ばれる。そこまでの経費は、一バレル当たり、例えば鹿児島市とか、あるいは長崎市とか福岡市に運ばれるのと経費は変わらない。石油卸の価格も調べましたが、さほど変わらない。若干高いだけ。ところが、その後、中卸のカルテル、これによって島の、離島のガソリンは高くなっているという事実。これは、ぜひ大臣も調べていただきたい。
 大臣、出身は隠岐島のようですが、隠岐島においてもう一つガソリンが高い理由というのは、いまだにフェリーにタンクローリーを積めない、それが高い原因である。
 きょうは、国土交通省から吉村副大臣に来ていただいておりますが、前から私、これは国土交通大臣にも質問してきたんですが、これは、大臣がいわゆる省令でもってすぐ決めればできることで、法律事項でもない。昨年の六月、扇国土交通大臣は、それを是正したいと。それは細田大臣、同じ隠岐島の問題で取り上げたんですが、聞いていませんね。聞いていましたか。
 ところが、いまだに、すぐにできればやればいいこと、要らない規制と思っているんですが、まだやっていない。先般、吉村副大臣に聞いたら、来夏までに実現したいとは言っておりましたが、その後どうなっているか、一言で結構です。
吉村副大臣 ガソリン等を積載しましたタンクローリーを旅客フェリーで輸送するということは、御存じのように、国際条約で、外航船については禁じられております。
 内航船につきましては、我が国もそれに準じておるところでございますが、今委員おっしゃいましたように、生活必需品でございますガソリンをタンクローリーで旅客フェリーで運ぶということについての大変多くの要望も来ておりまして、昨年の十一月二十八日の当委員会で私も答弁しましたように、ことしの夏までに結論を出すということで、独立行政法人でございます海上技術安全研究所の協力を得まして、あらゆる局面を想定した実験もやってきたところでございます。
 そういう中から、フェリーに搭載前の安全チェック、それから搭載してからの場所のチェック、それから運航中の監視、それから万一の場合の消火設備等々を、その要件をそろえれば可能ではないかという結論に今達しつつございまして、委員おっしゃいましたように、また、私が十一月二十八日申しましたように、今夏までには省令に追加するか何かの形でぜひ実現したい、このように思っております。
 以上です。
山田(正)委員 ぜひ、それはお願いしたいと思います。
 実は、いわゆるヨーロッパの離島、これについて皆さん方に資料をお配りしたと思いますが、この「島へ。」という雑誌、その中に、コルシカ島の話、これを書いております。大臣にぜひ読んでいただきたいときのう話しておりましたので、読んでいただけたかと思います。きょう、皆さんにお配りしております。
 その中で、いわゆるコルシカ島の財政というのは、フランスの財政負担が頭痛の種であった、そして、どうしたかというと、政府は、公共事業で農地の創出、土地改良、かんがいや水利事業を展開し、さらに農業生産者に補助金や融資を供与した、また、自然公園や観光道路を整備し、ホテル事業者に資金や税制の優遇を与えつつ観光誘致を手がけた、その事業費は毎年数億フランに達した、そう言っているんですね。
 ところが、これでどうなったかというと、しかし、政府主導の公共事業は、ややもすると民間の依存心を助長して自立心をなえさせ、また、一部の官僚や業者に利用され、しばしば腐敗の温床になりかねなかった。どこかの国の話みたいですが、これは。それで、そうしていきながら、どんどん人口も減り、そして、農業も観光も不振をきわめていった。
 そこで、一九九五年、今からもう八年ぐらい前になりますが、フランス政府は思い切って、付加価値税、いわゆる消費税、これを半分にした。フランスは消費税が二〇・五%ですから、それを半分にした。そして、事業税、所得税、法人税、石油税、自動車登録税を軽減税率を適用して、相続税は定住奨励のために免税とした。
 そして、どうなったかといいますと、農業生産は、経営体数で見ると戦前の約三万が九千まで落ちておったものが目に見えて増加、今や一万五千に復活して、小麦、ブドウ、オリーブなどの生産、羊、ヤギの放牧、チーズやブドウ酒の生産も増加してきた。しかも、観光客は、かつて五十万しかいなかったのが、今は何と四百万を超えるに至ったと。その結果、いわゆる観光による全収入は近年約五十億フラン、そのうち同島の実利益、コルシカ島の実利益は約三十億フランであると。
 ということは、大臣、沖縄大臣、今大臣がやっている沖縄政策、例えば公共事業だけで昨年沖縄に二千八百十四億五千五百万の公共事業費がつぎ込まれております。実際、私も沖縄に二、三度行ってきましたが、かなり道は整備され、そして護岸工事によりコンクリートで大部分は固められ、かつての沖縄らしい自然はどんどん損なわれつつある。さらに、こういった事業。埋め立て、埋め立て、埋め立て。大臣、いそ焼けが生じ、いろいろな形で沖縄はまさにこれによってヨーロッパのかつての離島のように疲弊しようとしている。名目だけ減税措置。やればやれる。ところが、ごく一部の箇所に一部の税制の優遇措置をとっただけ。
 大臣、これでは沖縄も含め日本の離島というのは、いずれついえてしまう。抜本的にかつてフランスやイタリアやイギリスが十二、三年前に思い切って政策を転換したような、そういう大転換期に来ているのではないのか。島の政策、沖縄の政策、大臣、どう考えられますか。
細田国務大臣 御指摘の点というのは、非常に私は大事だと思っております。それは、日本じゅうの離島は、ここの委員の中にもたくさん自分の選挙区に離島を抱える委員の皆さん方がいらっしゃいますけれども、離島はどこも非常に困っております。
 それで、離島振興法は、従来、公共事業費を、それを本土よりもかさ上げするという措置で不利を是正するという考え方でずっと来ております。しかし、議員立法で私も提出者の一員になりましたこの間の離島振興法では、考え方を一歩進めて、今後は、情報化とか産業化、観光の促進、そういった面にも着目しなければならないという内容は盛り込まれておりますが、今言われたことは税制の非常に大きな変更でございますので、私が今ここで直ちにそれはいいとは申し上げられません。中には、まだまだ公共事業が全然行き渡っていなくて、空港もないとか、橋をつくれとか、道路もまだまだ、国道がないとかというところもありまして、離島一般の問題でいうと、それぞれの議論があると思います。
 また、沖縄の振興について言えば、先ほど、このぐらいの一部の振興措置だけではもう全く不十分だと言われますけれども、決してそうじゃなくて、ああ、そこに投資するとそれだけ税金がもうかるのか、もうけが上がればそれだけ減税措置があるのなら行こうといって、現に先ほど申しましたような数の企業が本土側から投資も進んでおりますので、一つの政策ではあると思います。
 それをさらに、委員がおっしゃいましたように、もう公共事業は半分に減らして、その分は別の税を減税する等によって振興を図ろうというところまではまだ私も結論づけられませんので、今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
山田(正)委員 フランスがコルシカ島において、コルシカ島に限って話しましたが、ほかのマジョリカとか、あるいはイギリスのマン島もほぼ同じような制度なんです。その中で九・四億フラン、いわゆる税金の得べかりし税収分を逆に、帳消しの税制と言われていますが、贈与した形になりますね。
 ところが、最初に私がずっと聞いていったように、日本の財務省では、今年度も沖縄にいわゆる減免特別措置、沖縄振興のために税制の特別措置をやっていながら、それによって失われるであろう税収減の見込み額はゼロであると。そういうところでは大変問題であると、そういうこと……(田中大臣政務官「委員長。ちょっとそこは誤解があるから、答弁させてください」と呼ぶ)ああ、そうですか。
仲村委員長 田中財務大臣政務官。
田中大臣政務官 私の答弁が舌足らずだったのかもしれませんが、もう一度申し上げますと、平成十四年度の四月一日からスタートした事業でございますのでまだ数字が出ていないということで、あくまでも財務省の予算の中には減収額を二十億円ほど計上してございますので、そのことだけは御答弁をさせていただきたいと思います。
山田(正)委員 わかりました。
 では、続けて、という意味では、非常に税制の問題は、まさにこれからの沖縄がヨーロッパのコルシカとかシシリーとかマジョリカとかマン島に変わるように、日本の離島にとっても大問題である、そういうことを一つ指摘して、私の質問を終わらせていただきます。
仲村委員長 次に、赤嶺政賢君。
赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。
 冒頭、最初にイラク問題について聞きたいと思います。
 けさ、日本時間の五時半、スペイン、米、英が新決議を国連に対して提出いたしました。午前の川口外務大臣の記者会見を聞いておりましたら、イラクに対して国際協調して外交圧力をかけるという意味で支持するとおっしゃっておりましたが、改めて聞きますけれども、日本はこの新決議を支持するのかどうか、お答え願いたいと思います。
川口国務大臣 委員御案内のように、この決議の内容のうち、書いてあることは、さまざまな前文の後、イラクが安保理の決議一四四一により与えられた最後の機会を生かすことができなかった、それを決定するということを内容とする決議案でございます。
 それで、我が国のこの決議案についての理解、どういうように理解をしているかということですけれども、これは、イラクが依然として査察に非協力的であって、過去のあまたある決議を守ってこなかった、履行してこなかった、そういう深刻な状況、その中で問題を平和的に解決するために、真に最後の外交的な圧力を加える、これの一環である、そういう理解でございます。
 それで、我が国が、与えられた最後の機会を生かすことができなかったと結論づけているかというと、それはそういうことではありませんで、今後、イラクが持っている時間を使って、三月七日にはブリクスが安保理で報告をするということになっております。今からここまで二週間ぐらいあるわけですけれども、今からそこまでの期間、あるいはその後もあるかもしれませんけれども、イラクがこたえていく、そのための圧力であるわけですね。だから、この圧力をもってこたえさせることが大事。平和的に解決できるかどうかはイラクにかかっている。
 したがって、この内容自体、今の時点でそう思っているか、イラクが最後の機会を生かすことができなかったという過去形でそう思っているかというと、それはそうではない。ただ、最後の外交圧力として、こういうことを国際社会が協調してイラクに提示して迫る、こういう意味で今非常に重要な段階にあって、国際社会が協調してイラクに働きかけることが重要である、そういうことでございます。
赤嶺委員 私、次のブリクス氏の報告の話について政府の認識を聞いているんではなくて、きょう提出された新決議については政府として支持なさるということですね。
川口国務大臣 ですから、その中身について言いますと、ここに書いてある、イラクは最後の機会を生かすことができなかったということについて、我々はそういうことを今判断しているわけではないということです。
 ただ、そういう決議を今出して、これを外交的な圧力として使ってイラクに迫る、そういう努力の必要性、そういう意味では、これを、そういう意図を持っているということは理解をしている。
 二つの側面があるということを申し上げているわけです。
赤嶺委員 けさの記者会見で、そういう意味を持って支持するとはっきりおっしゃっているわけですよ、外務大臣は。そういうことでいいんですね。支持をするわけですね。
川口国務大臣 条件をつけて申し上げたわけでして、全部を支持するというふうに申し上げているわけではない。おわかりいただいているかどうか、ちょっとよくわかりませんが、中身についてはそういうふうな判断をしていないというのは、先ほどから申し上げているということです。
赤嶺委員 本当にわかりにくい答弁であります。ただ圧力をかける意味については支持をするという朝の記者会見のとおりだと思うんですが。
 今度の新決議というのは、ですから、一四四一の最後の機会をイラクは逃したということで断定している。これは武力行使につながっていく決議というぐあいに理解されていますか。
川口国務大臣 最後の機会をイラクが生かすことができるかどうか、これはイラク次第であると思っています。
赤嶺委員 イラク次第ということなんですけれども、この決議そのものは、イラク次第によっては武力行使に根拠を与えるものというぐあいに理解してよろしいですか。
川口国務大臣 この三カ国の共同提案になる決議ですけれども、これは先ほど申しましたように……(赤嶺委員「繰り返しはいいです。わかっています」と呼ぶ)決議をするといいますか、決議案を出して、それでイラクに時間を、最後の圧力をかける時間、イラクに最後の時間を与えるという性格のものである。これがどういうふうに今後展開をしていくか、これはまさにイラク次第であって、そしてそれを受けて、安保理として、三月七日の報告の後、議論をしていくということになると思います。
赤嶺委員 ですから、それは場合によっては武力行使に至る根拠も与えている、今度の新決議について。そういうことについて、政府ははっきり言えないんですか。あいまいじゃないですか。
川口国務大臣 我々として、国際的に協調してイラクに強く求めていく最後の外交的な圧力である。これを受けてイラクがどのように対応するか、それを見て国際社会として判断をし、安保理で議論をしていく、そういうことだと思います。
赤嶺委員 外務大臣の答弁を聞いていましたら、国民が一番知りたいところ、不安に思っているところ、これについては全く答えないけれども、国民が不安に思っている方向に政府はどんどんどんどん突き進んでいるという印象を持ちました。
 一方、今回の国連安保理にはドイツやフランスが覚書を提出いたしました。百二十日間かけて段階的にイラクを武装解除することを目指すという内容になっておりまして、これにはドイツ、ロシア、中国も支持をしております。シラク大統領は、現段階で安保理の新決議が必要とは思えない、平和的解決という我々の論理を戦争という論理に変更する理由はない、このように言っています。
 そういうフランスが提案したこの覚書については、政府はどう認識しておりますか。
川口国務大臣 このノンペーパーですけれども、これは今委員がおっしゃられましたように、平和的に解決をすることが大事であって、イラクの武力行使のための条件はまだ満たされていないというふうに言っている。そして、百二十日でしたでしょうかの時間を考えているということでございます。
 それで、先ほど来申し上げていますように、イラクが十二年間決議に従ってこなかった後、履行してこなかった後、今まさにやることを見せるということが大事でありまして、みんな平和的に解決をしたいと思っているわけですね。日本ももちろん思っているわけですし、アメリカもイギリスもそう思っているわけですね。それをイラクにさせるために、どうやったらば一番イラクがそれをするであろうか、それが外交的な圧力の意味であるわけです。ですから、イラクがかぎを握っている、イラクがきちんと対応するということを国際社会が求めているということです。
 それで、イラクが、十二年間の後、今まだ、例えばミサイルの廃棄をする、射程が百五十キロを超える、二百キロぐらいあるというようなことを査察団に言われているわけですけれども、それを、廃棄する、これだけ圧力がかかってもまだ廃棄するということを言っていない。科学者にインタビューをさせる。それも、さんざん圧力をかけて、ブリクス、エルバラダイがバグダッドに行くという直前になってようやくうんと言いましたけれども、それで、では実際的に進んでいるかというと、全く進んでいない。そして、化学生物兵器についてどうしたかということも何も出していない。十二年間そういうことでずっとやってきている。特に最近の四年間査察を受け入れていないわけでして、それを、ではあと百二十日待てばできるのかということについても我々はわからない。すべては、イラクがこの三月七日に報告があるまでのこの期間、対応をするというふうに見せてくれるかどうか、イラクにかかっているというふうに考えています。
赤嶺委員 今大事なことは、イラクに対する圧力をかけることであって、その点で国際協調すべきで、今回のフランス提案、ドイツ、ロシア、中国が支持しているこの覚書というものは、イラクに対する圧力を二つに分断する、国際的な圧力を、そういう認識もお持ちなんですか。
川口国務大臣 我が国はずっと、イラクに圧力をかける必要性、これのために国際協調をして、国際社会として一丸となって毅然としてイラクに圧力をかけることが必要であるということを申し上げてきたわけです。
 ですから、今、例えば武力行使をする、しない、あるいはほかの点について国際社会が立場を異にして争うことになるということは、イラクに対して利用されるだけであるというふうに思っています。国際社会がまとまってイラクに圧力をかける、それにイラクがこたえてくれる、それが平和的にこの問題を解決するためのかぎであると考えております。
赤嶺委員 アメリカの姿勢は非常にはっきりしておりまして、国連決議なしにでも武力行使をすると。これは日本政府がどんなにアメリカを弁護しようと、そういう認識というのは全国民が持っております。政府の今の姿勢というのは、本当にアメリカの武力行使を少しずつ少しずつ後押しをしていく、そして、フランスやドイツやロシアが求めているような査察に基づく平和解決については後ろ向きということについて、本当に残念だと言わざるを得ません。
 私は、先ほどのミサイルの話でも、イラクが自主的に申告をして、それが査察の中で廃棄を求められるということになっているわけですから、査察の力というのは非常に大きいと思います。今からでも平和解決を求めるように、政府に改めて求めておきたいと思います。ただ、きょうはこの問題だけではありませんので、次のイラクの問題についての議論をする機会に譲りたいと思います。
 先ほどから出ておりました、沖縄名護市のレンジ10の訓練場の問題について聞きたいと思います。
 去年の七月二十三日に訓練場から弾が畑に流れ込んでくる、その事故が起きた翌日、私、その現場まで行きまして、生々しい砲弾の跡も見てきました。被害者からお話を聞くこともできました。県民挙げて超党派で、レンジ10の廃止、これを求めてきたわけですが、アメリカは一方的に、安全措置はとったということで訓練を再開しております。今、沖縄じゅうが、本当にこの問題で怒りの島になっているという状態です。
 そこで伺いますけれども、米軍の方から、昨年の事故について原因はこれであったというような報告はあったのですか。
海老原政府参考人 お答えを申し上げます。
 今委員がおっしゃいましたように、この銃弾が発見されて以来というもの、米軍は訓練を中止いたしまして、みずから調査を行うとともに、沖縄県警の行った原因究明に全面的に協力をしてきたところでございます。
 その結果、米側からは、徹底した原因調査のため、沖縄県警による調査に全面的に協力する一方、米側においても、数久田において銃弾が発見された当日の訓練実施部隊から訓練の状況を聴取するとともに、機関銃等の装備のチェック等を行ったものの、原因究明には至らなかったという説明を受けております。
赤嶺委員 まさに、今名護市数久田で米軍がとっている行為こそ、事故の原因解明の隠ぺいを種々やってきたと。あれは協力したなんてものじゃないですよ、北米局長。外務大臣も知っていると思いますが、弾丸が見つかったら、これは古いもので、当日演習に使っていたかどうかわからないと言うような調子ですから。
 そうすると、原因解明もなされないまま訓練が再開されました。これについて、政府はどのように認識しているんですか、外務大臣。
海老原政府参考人 先ほどの原因究明でございますけれども、これは米側だけではございませんで、沖縄県警におきましても、原因究明のために、米軍の全面的な協力を得まして、特に、数久田において銃弾が発見された当日に米軍が訓練に使用していたという重機関銃の銃身について、試射弾を回収いたしまして鑑定を実施いたしましたけれども、発見された銃弾とライフルマークが一致するものはなかったという発表を沖縄県警は行っております。また、沖縄県警といたしましては、ライフルマークの特徴等から、発見弾は米軍の銃弾と推定されるものの、これ以上の本件事案の解明については難しい認識であるという立場であるというふうに理解をいたしております。
 そういうことで、去年の七月以来、本件の訓練というものは中止をされてきたわけでございますけれども、米側におきましては、海兵隊の練度の維持のために訓練を実施する必要があるということでございまして、数々の安全措置を新たに、従来からいろいろととっておるわけでございますけれども、今回また新たに安全対策をとりました。例えば、銃身が安全でない方向や角度に向くことを物理的に防止するための射角制御装置を導入する。これは銃を固定する装置でございますけれども、これを導入するとともに、海兵隊のレンジ規則書に、制式に制限的射撃手順というものを盛り込むというような安全措置を確保した上で訓練を再開するということにしたということでございます。
赤嶺委員 県知事初め名護市長、沖縄県民が一番納得していないところは、今の北米局長の答弁の点なんです。原因が解明されていないんだが、安全措置はとった、再開させていただきますと、こういう政府の姿勢。事故が起きていた当時、川口外務大臣は衆議院の外務委員会で、この問題について、我が党の松本善明議員の質問に対して、このように答えております、「この件の原因が究明されるまでは近傍での演習を中止してもらいたいという旨の要請を行いました」と。これは、事故直後の外務省のすべての文書が、とにかく原因究明されるまでは訓練は再開しないんだ、中止してもらうんだという強い調子のことを、答弁でもおっしゃっていたわけです。
 何で原因解明がされていないのに訓練の再開を了承するんですか。ここに今一番沖縄の県民は怒りを持っているんです。原因が究明されるまでは中止してもらうと言いながら、何で今訓練を再開するのを了承するんですか。
海老原政府参考人 ちょっと私の方から、まず事実関係をお話しさせていただきます。
 米軍におきましても、原因を究明することが大切であるという認識に立ちまして、訓練を中止いたしたわけでございます。沖縄県警に対しましても、発射弾を回収して提供するというような形で全面的な協力を行ってきたわけでございますけれども、約七カ月にわたる努力にもかかわらず、米軍におきましても、また沖縄県警におきましても、原因究明についてはこれ以上は難しいという判断が行われたわけでございます。
 それを踏まえて、また必要な訓練を行うということは、これは日米安保体制の効果的な運用ということから必要であるということに立ちまして、十分な、かつ徹底した安全対策というものを米軍がとったと。それは、七日にデモンストレーションを行いまして、外務省の代表、あるいは施設庁の代表、それからマスコミの関係者の方もそれを見たわけでございますけれども、それらを踏まえて、安全対策については十分な措置がとられているというふうに判断をいたしまして、米軍が再開をするということになったということでございます。
赤嶺委員 先ほど、とった安全措置について、七日、米軍はデモンストレーションもやって、外務省も防衛施設局も参加したというお話だったんですが、そのときに沖縄県も県議会も名護市も抗議して参加していないんですよ、このデモンストレーションに。とても沖縄県民を納得させるものではないわけです。
 外務大臣も去年の七月はそうおっしゃっていた。米軍も、原因究明がなされるまでは訓練を中止したいと。原因がわからないでとられる安全対策というのは、本当に安全対策かどうかわからないじゃないですか。ですから、原点に立ち戻って、原因究明がなされるまでは中止してほしいと、少なくとも、米軍基地の必要性とそれから訓練の必要性を認めている側であっても、最小限それだけは県民の立場に立って米軍に申し入れるべきじゃないですか。いかがですか、外務大臣。
川口国務大臣 安全が県民の方の最大の関心事項であるということは当然だと思います。
 それで、私どもも、昨年の七月に事件があったときには、先ほど委員が引用なさったようなことを考え、米軍に申し入れ、そして米軍も、県警に最大限の協力をする形で事実の解明に当たったということです。その結果として、県警も、そして米軍もそうですけれども、先ほど来海老原局長が言っていますように、これ以上のこの事案の解明は難しいという認識を持つということであると承知をしております。
 それで、先ほど海老原局長が言いました安全装置、これは私は写真で見ましたけれども、銃身が基本的に動かないようになっていて、そして撃ち込む先は、トンネルに撃ち込むということであるわけでして、こういった措置をとった。
 それから、安保体制、これを維持するという観点からは、練度を維持するための訓練、これはどうしても必要であるという幾つかの観点に立てば、訓練の再開というのはやむを得ないというふうに考えざるを得ないわけです。
 ただ、米軍がこの訓練をするその段階で、公共の安全を考えてやらなければいけないということは当然のことであるわけでございまして、我々としても、そのようにずっと申し入れをしてきておりますし、そういう形でこの訓練を実施するように引き続き働きかけていくということでございます。
赤嶺委員 原因はやみの中、だけれども訓練は再開するという、非常に県民の命と安全について一顧だにしない外務省の態度であります。
 今、安全装置を取りつけた、外務大臣、写真でごらんになったとおっしゃっておりましたけれども、実は、一九八七年に同じ訓練場でタクシーの被弾事故というのがあるんです。その被弾事故の際に、米軍は調査報告を出しております。その被弾事故というのは、実はこういう角度を抑える装置をつけてやった中でタクシーの被弾事故が起きているんです。そういう角度を抑えるような装置というのは、今度が何も初めてじゃないんです。
 八七年、タクシー被弾事故が起きたときに、米軍自身の調査報告の中で、たとえ安全対策の射角制御装置をしての射撃訓練であっても、五十口径のM2及びM85重機関銃が跳弾で演習場外に落下することを避けることは完全に保証できないという結論を出して、今後一切中止するというぐあいになったんです、一九八七年に。
 どんなに安全装置をしてもこの訓練場ではだめだと、中止をするということになった。だけれども、県民が知らない間にいつの間にか再開されて、しかも、安全装置も取りつけていなくて今度の事故ということになっているわけですけれども、一たん危険だといって中止していたのを、県民にも知らせないで再開していた。県民だましですよ。
 再開について外務省に何か連絡はありましたか、今度の事故が起きる前に。
海老原政府参考人 今委員がおっしゃいました、平成四年に再開をしたときにつきましては、事前に外務省の方には連絡がございませんでした。したがいまして、そのときには、外務省の沖縄事務所の方から米側に対しまして、今後は十分このようなことがないように連絡を密にしてほしいということを求めたという経緯がございます。
赤嶺委員 ですから、今後事故は起こしませんというアメリカの態度がどれだけ信用できないかというのは、この一事をもっても、このレンジ10問題では浮かび上がってきます。
 この点については、アメリカの会計検査院も海外の訓練場についてそれぞれ評価を行っておりますが、沖縄は、演習場が狭く、小さな部隊単位でしか訓練ができない、実弾演習が決まった場所でしか行えず、あらゆる方向に弾を撃つような実践的な訓練ができないということで、会計検査院が評価をしているわけです。要するに、訓練場としては欠陥だと。安全面でも欠陥だから、米軍はかつて中止を言いました。
 そういうアメリカの会計検査院の報告については、当然日本の外務省も知っておりますよね。
海老原政府参考人 今御指摘のありましたアメリカの会計検査院の報告については報道で承知をいたしておりますけれども、我が方といたしまして、米国の会計検査院の報告書についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
赤嶺委員 よく知っていらっしゃる。そして、あの訓練場が再開したらどんな危険なことになるか、このことについても認識していらっしゃる。県民の命と安全よりも米軍の訓練を優先する、こういう姿勢であります。
 それで、細田沖縄担当大臣にお伺いをいたしますけれども、去年の被弾事故に関して、当時の尾身担当大臣は、同じ形態の訓練をするのは不適切、場所を変えないといけないと発言しているんですよ。これは、資料はきのうお渡ししてあります。
 それで、実はそういう危険な射撃訓練場の撤去というのは前にも経験がありまして、金武町の伊芸区では、レンジ6、これを県民ぐるみの闘いで撤去させた経験があります。やればできるんですよ。アメリカに向かって、これは危険だとアメリカ自身も認めているじゃないかということで、皆さんが県民の命と安全を守るという立場に立って対米交渉をやればできることなんです。
 沖縄担当大臣もそれをぜひやっていただきたいんですが、いかがですか。
細田国務大臣 昨年の尾身大臣の会見の記録を拝見いたしましたが、この内容は、この問題については、場所を変えるとか訓練のやり方を変えるとかいうことはしてもらわなきゃいけない、こういうことをはっきりと言っておられるわけでございます。
 本件事故につきまして、外務省から先ほどもお話ございましたが、米軍は地元の方々の御懸念を踏まえまして、すべての水陸両用車に新たな射角制御装置を装置するなどのさらなる安全対策を講ずるということで対処したということでございますが、内閣府としては、米軍による事故を防ぐことが何よりも重要と考えており、米軍において、新たな安全対策を含めて、安全管理が徹底されることを強く期待しております。
赤嶺委員 求めていたのは保証のない安全対策ではなくて、尾身大臣が求めていたのも訓練場の撤去であります。去年の七月、事故が起きて、これだけたったらアメリカの立場に早変わりする、こういう政府の姿勢に強い怒りを表明しまして、私の質問を終わりたいと思います。
仲村委員長 次に、東門美津子君。
東門委員 社会民主党の東門でございます。
 きょうは、何人かの委員が取り上げられました大臣の三度目の沖縄訪問について、私もここから質問をさせていただきます。
 二月二日ですか、就任後三度目の沖縄訪問をなさいました。その沖縄訪問の、今回の三度目の沖縄訪問の目的は何だったのかから、まずお聞かせください。
川口国務大臣 私は現場主義ということを言っておりまして、沖縄に伺って沖縄をこの目で見、そして直接にお話を伺うということが非常に大事であると思っています。
 ということで、前回行きましてからほぼ一年の時が流れましたので、改めて沖縄に伺った、そういうことです。
東門委員 とおっしゃいますと、今回の訪問の目的は、現場を見たい、一年もたっているのでということなんですね。
 私は、実は外務省の方から、大臣の訪問に先立って、大臣が沖縄に行かれますよというペーパーが入ったんですね。そのときに、そのペーパーの中にタウンミーティングというのが躍っていまして、えっ、すごい、川口大臣は沖縄でタウンミーティングをなさるのかと。じっとゆっくり読んでいくと、その前の日に福岡でタウンミーティングをなさって、二日に沖縄入りをなさる、それで沼田新沖縄大使の歓迎レセプションに出られますというようなペーパーだったので、そこでがくっときたんですが、私は、大臣が沖縄に行かれるのならば、もう三度目にもなれば本当はタウンミーティングかなという思いがとても強うございました。
 大臣、今度三度目なんですが、会われた方々、外務省のこれをちょっと見てみますと、知事にお会いになっておられますね。そして、基地所在市町村長にお会いになっておられて、グレグソン四軍調整官との意見交換というふうに報道もなされていますけれども、この三度の沖縄訪問で、この方々以外の県民、どの層かは別として、層の違う県民にもお会いになって、じかに意見交換をなさったことはあるのでしょうか。
川口国務大臣 今回伺いましたときは、沼田大使と橋本前大使の交歓のレセプションがございましたので、その折に大勢の方が来てくださいまして、名刺の厚さにして多分これぐらいにはなると思いますけれども、もう相当な数の方々とお会いをし、それぞれの方と短い時間でしたけれどもお話をさせていただきました。
 それから、前に、あれは三十周年の式典のときに、これは伺った時間は短かったんですけれども、そのときもレセプションという形式でしたので、大勢の方とお会いすることができて、いろいろお話をさせていただきました。
東門委員 二度ともレセプションの席で、短い時間どなたかと名刺交換をしながらお話しになったというのは今わかりましたけれども、私の質問の仕方がまずかったかもしれません。
 私が申し上げたかったのは、知事や基地所在市町村長さんやグレグソン四軍調整官と同じような形で、何らかの形でテーブルを囲んで、向かい合って、じかに沖縄県民の声を聞く場がありましたかと。その方々以外の方々、特別のポストにあられる方々じゃなくて、一般の県民の声を、現場主義を強調される大臣ですから、本当はそれはとても大事だと思うので質問をしているわけなんですが、そういう機会はおありだったでしょうかということなんですが、いかがでしょうか。ありましたでしょうか。
川口国務大臣 別途の会合を持ったかという御質問であれば、それは持っておりません。
東門委員 さっき一番最初に申し上げましたが、大臣は、これまで就任なさって三度でしょうか、私の記憶では三回だと思いますが、タウンミーティングを持っておられます。それ以上かもしれません。知事との会談の中で、就任後の一年間で我が国外交にとって沖縄の重要性を痛感したと述べられているんですね。
 そうであれば、まず沖縄県でのタウンミーティングを幅広い層で。それは、基地を容認する方もおられます。私は、県民全体が反対だとは申しておりません。しかし、反対派もおられます。あるいは、ちょっとはっきりしない人もいるかもしれません。いろいろな人たちのいる中で、タウンミーティングという形でじかにその声を聞くという場をぜひ持っていただきたいと思うんです。そうでなければ、大臣の得るインフォメーション、いわゆる意見交換の中で入ってくるもの、かなり私は偏ってくると思うんですが、いかがでしょうか。
川口国務大臣 ちょっと、タウンミーティング、何回やったかなと思って今勘定をいたしておりました。今回は、残念ながら時間的に制約があってそういう形でお話をすることができなかったわけですけれども、今いろいろな課題が山積をしている中でございますので、どこでどういうまとまった時間がとれるかということはなかなか難しいんですけれども、私としては、いつか、うまく日程が合うことがあって、機会があれば県民の方とも対話の機会を持ちたいというふうに思っております。
東門委員 ぜひそれを実現させてください。県民の声を、生の声を実際に聞いていただきたいと思います。
 少し前に戻りますが、知事との会談の中で大臣は、就任後の一年間で我が国外交にとっての沖縄の重要性、それを痛感したと御発言なさっておられるわけですが、どういう意味でそういう発言があったのか、お聞かせください。
川口国務大臣 これは、いろいろな意味で申し上げております。
 一つには、この地域の平和と安全という観点から見ますと、ヨーロッパとは違ってまだまだ不透明性、不安定性があるという認識がございます。そういう観点から、我が国の平和と安全、そしてこの地域の平和と安全、ひいてはそれは世界全体の平和と安全ということですので、そういう中で沖縄がいかに大きな役割を果たしているかということが一つございます。
 それから、外交課題ということから考えたときに、そういう意味では今のもその一つですけれども、私の外交課題といいますか私の仕事というふうに申し上げた方がいいかもしれませんが、外務省の仕事の中で、沖縄県民の方がそういった平和と安全を守る中で大きな負担を背負っていらっしゃる、そういうことを考えましたときに、この負担をどうやって減らしていくことができるか、この課題の重要性、これがますます大きな課題であるということ、これも含めております。
 それから、これは細田大臣も頑張っていらっしゃることですけれども、外務省としても、日本の中における沖縄が、ほかの地域が持っていない特徴といいますか性格を持っているわけでして、今度島サミットがございますけれども、そういった、日本が国際社会で役割を果たしていく中で、沖縄が果たせる役割、これが非常に大きいという認識もございます。
 まだまだございますが、そういったさまざまな観点、それらを全部含めて、そういうことを言葉にあらわしたということです。
東門委員 そういう中でだと思うんですが、大臣は、日米関係、安保体制は日本にとって基軸、これはいつも聞いている言葉ですからよくわかりますが、その観点から沖縄が非常に重要だとおっしゃったというふうに報道されております。それに対して稲嶺知事は、国際的な緊張で沖縄のウエートが高まるが、なぜ沖縄だけにウエートを置くのか、国全体として沖縄の負担軽減に努力することが重要だと答えられています。
 私も伺いたい。なぜ沖縄だけにウエートが置かれているのか、置き続けようとしているのか。いや、多分そうだと思うんですね。置くのかという点、なぜ沖縄だけにそれだけのウエートを置いているのかということをお聞かせください。
川口国務大臣 稲嶺知事とお話をいたしましたときに、これは稲嶺知事、よく私におっしゃられることですけれども、負担の軽減ということから考えると、沖縄の中であるいは地域で解決をすることができる問題、そして日本の中で解決をすべき問題、さらに、日米間あるいは日本とほかの国も交えた中で解決をしていく問題、国際的なかかわり合いのある、そこで片づけていかなければいけない問題、三種類あるということをおっしゃっていらっしゃいます。稲嶺知事がおっしゃっていらっしゃることというのは、それぞれのレベルでそれぞれの努力が必要であるということをおっしゃっていらっしゃると思います。
 先ほど申しました沖縄についての課題の重要性ということは、その三つのレベルについてそれぞれ私は申し上げたつもりでして、現在、七五%という基地が沖縄の中にあるという、これは現実であるわけです。これをいろいろなレベルの問題として解決をしていく、これが重要であるということが私の認識でございます。
東門委員 私は本当にストレートにお答えいただきたいんですね。
 これまでずっと沖縄にこれだけ押しつけてきて、これからも。それで、知事も言っているんです、なぜ沖縄だけにウエートを置くのかと。なぜ政府はそれを、どこかへでもいいんですよ、沖縄だけではなくて、移設をする、あるいはアメリカにという、そういう発想がないのか。ただ今ここで負担の軽減、負担の軽減とおっしゃっても、もう大臣が言えば言うほど、聞けば聞くほど本当にうつろに響きます。何にもなさらないで、やっていますと言われるのはとても残念です。もう、残念と言っていいのかどうかわからないぐらいですね。なぜ沖縄にこれだけ押しつけるんですか。なぜそこから一歩も出ようとしないんですかということなんですよ。そこに本当は答えていただきたいんですが、大臣の答えは全然そこに行かないんです。いつでもすれ違ってくる。
 質問を続けます。
 知事は、地位協定と十五年使用期限問題も取り上げておられます。地位協定の視点というのは、十五年使用期限問題と同様、本当に政治的に高度な問題であると話されて、地位協定については運用改善により機敏に対応していくことが効果的と大臣が述べておられることに対しても、目に見えないんですよと。大臣は、目に見える、地位協定の運用の改善で目に見えるようにしている、あるいはしていくとおっしゃっているのですが、目に見えないんですよとはっきりおっしゃっておられるんですね。それに対して、いつでも大臣は、今まで、外務委員会あるいはこの委員会でも同じですが、運用の改善により機敏に対応していくことがより効果的だとおっしゃる。どういうことなんでしょうか。目にも見えない、実際に。
 先ほどPCBの話もありました。時にはアメラジアンの問題も出てきます。それは全然目に見えないんです。PCBの問題はこれからかもしれません。アメラジアンの問題、全然目に見えないですよね。それをやっていますと言われても、私たちには何もぴんとこないんです。
 目に見える形での運用の改善を、どれだけのスピードで、県民が実際に目に見えて肌で感じることができるような、そういうことをなさるのか、お聞かせください。
川口国務大臣 目に見える形でということは、知事もおっしゃいましたし、私もそういうふうに思っていますし、言っております。
 それで、先ほど、PCBの例、これが目に見えないというふうにおっしゃいましたけれども、今、PCBについては、米国の基地にあるものは、米国製、日本製、両方ありますけれども、米国製のものについては搬出が既に始まっている。
 そして、あのときにたしか申し上げたと思いますけれども、沖縄の基地からの米国製のものについての搬出は数カ月のうちに始まる、あるいはそこで申し上げなかった、その直後の話だったかもしれません、ちょっと混乱しているかもしれませんが、という形になっている。そして、日本製のPCBについても、これはアメリカの環境保護庁の方の例外措置という形で運び出すことが決まった。これは、私は、非常に目に見える一つの大きな成果であるというふうに認識をいたしております。
 そういう形で、それぞれ相手があることですから、交渉をし、解決を見ていくまでに時間がそれぞれかかるということですけれども、外務省の担当部局には、そういう形で一つ一つ成果が上がっていくということが大事だということをずっと言っておりますし、外務省の担当のところも、海老原局長以下、みんなそのつもりで今取り組んでいるということでございます。
 目に見える形というのが大事だということは全くおっしゃるとおりで、私もすっかり、すっかりといいますか、そのとおり合意をいたしております。全くおっしゃるとおりだと思っています。
東門委員 PCBの搬出の件については、私も、環境の面からしてもとても大事なことだと思います。でも、少し誤解があろうかと思うんです。
 目に見える形というのは、もちろん私もそう言っておりますが、知事は、目には見えないんですよ、運用の改善で目に見えたものは出ていないんですよとはっきり大臣におっしゃったんじゃないですか。そういう報道です、これは。ですから、地位協定問題では運用の改善で目に見えたものが出ていない、そろそろ無理が来ており、環境や人権に配慮して新たに加えなければならない項目もあるとおっしゃっている。
 でも、外務省は一貫して、私は国会に参りましてもう三年近くなりますが、同じ答弁だけを繰り返しております。全然努力の跡が見られない。
 今、交渉というお言葉をお使いになられましたけれども、いつも、そういうふうに伝えてあります、沖縄の県民は十五年使用期限問題についてはこういうふうに話しております、地位協定についてもこういうふうに言っておりますと。あそこに伝えてはいるかもしれないが、本当の意味での交渉というのはできているんですか。
 PCBの問題につきまして、搬出は、日本側がアメリカに対してぜひこれはやってほしいという提案をなさったのか、あちらからやりますとあったのか、それは交渉の結果得たものなのか、そこもお聞きしたいし、実際にアメリカ側に外務省は、担当の部署からでもいいです、実務者レベルでも、しっかりとこれはぜひやってもらわないと困ると強い決意で臨んでいてできないのか、その二点、お聞かせください。PCBの搬出に関して、それもアメリカ側からオファーがあったのかということ。
川口国務大臣 これを日本の国内から運び出してもらうということについては、大変に重要な問題だと私どもは考えておりました。ということで、この問題については担当部局は相当に働きかけを強力に行い、交渉も行い、私自身、この問題については、環境保護庁、それから国務長官にお会いしたときに重要性についてお話をしたという経験を持っております。
 これは、我が国がそういう意味で必要だということを働きかけて、そして米国がそれにこたえて、結果的にはそういう形になったということでございます。
東門委員 済みません、もう一点でした。
 地位協定の改定については、依然、まだ日本側から申し出たことがないと共産党の松本先生の御質問に答えがありましたけれども、その件はこれからどうなんでしょうか。
 今、PCBの搬出に関しては、こちら側から強力に働きかけて交渉のテーブルに乗せて、アメリカ側に了承してもらったと。ですから、外務省にやる気さえあればできるということを証明したわけですね。大変なことだからぜひやってくれ、必要なんだと強く押されたからできたと今大臣の答弁がありました。
 では、地位協定については、今まで一度もアメリカ側に話したことはないという答弁が昨年の臨時国会の中でありましたけれども、今後それに対してはどういうふうに対応されるのか。地位協定に関しては、あくまでも運用の改善でいきますという形でいくのか。あるいは、外務省として、これからテーブルに乗せていきますと。時間はかかるかもしれないが、ちゃんと出して、ただ沖縄はこう言っていますよではなくて、外務省として、政府として、アメリカ側に強く申し出ていく気があるのか。そこのところをお聞かせください。
川口国務大臣 今申し上げたPCBの例にしても、以前私が申し上げ、今委員がおっしゃったアメラジアンの件にしても、それから、これは沖縄の話ではありませんが、厚木飛行場の航空祭におけるデモフライトの中止の件といったようなこと、さまざまなことは地位協定の運用の改善でやってきたということで、目に見える形で運用の改善によって改善をすることが大事だというのが政府の考え方でございます。
 したがって、先ほど来委員がおっしゃってくださっていますように、運用の改善で機敏に対応するということが合理的であるという考え方、これに変わりはございません。
東門委員 これまでと変わらない御答弁ですが、ということは、地位協定の改定については一切やる気はないというふうに理解していいということなんですね。政府としてはアメリカ側に申し入れる気はないという御答弁と受け取っていいんですね。
川口国務大臣 政府の考え方というのは、運用の改善によって機敏に対応するということが合理的であるということで、これを進めるということでございます。
 そして、運用の改善によって対応ができない、効果が出てこない、そういう場合には、これは相手のあることでありますけれども、地位協定の改定を視野に入れていく、そういう従来からの考え方、これに今変更はございません。
東門委員 大臣の答弁を聞いておりますと、もう、その気はないよ、しかし、まあ少し、そのまま言ってしまうと角が立つからこういうふうに言っておこうかというふうにしか聞こえないんですね。本当に残念です。外務大臣というポストにあられて、本当にやろうと思えばできる、そういうところにおられて、全然その気がない。そして、沖縄県民の負担の軽減には努める、心を痛めているとおっしゃる。もう全然矛盾した態度だなというふうに思うんですよ。沖縄県民が、知事を初めみんなそう言っています。基地を容認している人たちでも、地位協定に関しては一様に同じ意見なんですよ、絶対に見直すべきだと。ところが、それが、全然する気がないというふうに私は今受け取りました。
 ところで、昨日、日米安保事務レベル協議ですか、ミニSSCが東京で開かれているというふうな報道があったんですが、その中で、いろいろな国際情勢も話されたかと思うんですが、沖縄関連ではどのような議論が行われたのか、お聞かせいただきたいと思います。
長嶺政府参考人 ただいま委員御質問になられました会合でございますが、昨日、二十四日でございますけれども、東京におきまして、日米安全保障高級事務レベル協議のもとに置かれております審議官レベルの会合が、ミニSSCと呼んでおりますが、開催されております。
 会合におきましては、イラクの情勢、北朝鮮の問題、ミサイル防衛の問題等と並びまして、在日米軍に係る諸問題についても協議が行われております。
 この在日米軍に係る諸問題につきましては、日本側からは、日米地位協定が日米安保体制の礎の一つであるというふうに考えており、その円滑な運用を確保していくためには、地位協定に対する理解が得られるよう努めていく必要がある、運用改善の成果を国民の目に見える形で一つ一つ上げていくことが重要であるということを指摘しております。
 さらに、日本側からは、具体的に、環境問題における作業を加速していきたいという点、また、刑事裁判手続に関する専門家会合における議論も加速していく必要がある、こういった点を述べております。
 また、沖縄に関しましては、日本側から、先般の川口外務大臣の沖縄訪問に言及しつつ、SACOの最終報告の着実な実施、在沖縄米軍や関係者による事件、事故の防止が重要であること、こういう点について引き続き米側の協力を得たいということを指摘しております。これに対しまして、米側からは、今後とも日本政府と緊密に協議を続けていきたいということを述べておる。
 概要、以上のようなことでございます。
東門委員 その中で、十五年使用期限問題が取り上げられたということはないわけですね。
長嶺政府参考人 冒頭申し上げましたとおり、この会合、ミニSSCは、日米の関係省庁の審議官クラスの事務レベルの会合でございますため、ただいま委員御指摘のような問題について話し合うということを想定した会合ではございませんでした。
東門委員 十五年使用期限の問題につきましては、私はこれは細田大臣にもお伺いしたいんですが、もう既に御存じのとおり、これは、知事も名護市長の岸本さんも移設を受け入れる条件に挙げているんですね。十五年使用期限問題は譲れないと言ったんです。それに対して政府は、そういうことは重く受けとめるとはっきり言っているんですね。そういう中で、無視して通ることはできないと思うんです。それについて、細田大臣、いかがでしょうか。
細田国務大臣 政府といたしましては、ただいま東門委員がおっしゃいましたように、県民の皆様方の気持ちを重く受けとめております。そして、一歩でも二歩でも国際情勢が肯定的に変化していくように取り組もうと思っておりますが、御存じのようなことでございまして、今もう、あすにもどうしようかという国際情勢がございまして、もうちょっとこの様子は見なくちゃいけないんじゃないか、そうしないといろいろな感情的な問題にもなりかねないので、その点はもうちょっとお待ちいただきたいと思いますけれども、やはり、私どもの姿勢は、積極的に参りたいと思っております。
東門委員 最後の方がよくわからなかったんですが。
 国際情勢は今こうだ、それは私もわかります、いろいろ報道を見ておりますから。だから、さっきの報道、一番最初の方に戻るんですが、なぜこれだけのウエートを沖縄に置き続けるんですかと。川口大臣はお答えいただかなかったんですよ。なぜなんですか、それは国際情勢がこうだから。
 ずっとこれを言っておれないじゃないですか。今までずっとだったわけじゃないんですね。だったのかな、いつでも仮想のものをつくり上げてきたのかもしれませんが。これでは、沖縄にずっと置いておくというふうにしか我々理解できないんですよ。それじゃ困るということを何度も申し上げていても、何も響かない。こういう政府は、本当にいつも申し上げるんですが、どこの政府なんだろうと思ってしまう。これはもう、やむを得ないことなのかなと思います。
 時間がありませんので、最後に一点だけ細田大臣にお伺いいたします。
 大学院大学なんですが、あれは一年半ほど前でしたか、尾身前大臣が打ち上げて、沖縄に世界最高水準の大学院大学をということで走りまして、本当にとんとんと話が進んだなと、正直言って私も喜んでおります。やはり、これだけ目標の高い事業を推進していくには、そういう勢い、短い期間ではあっても勢いはとても大事だなと思うんです。
 先ほど、ほかの議員からも質問がありましたので重複はしませんが、今、候補地の選定で随分努力しておられると思うんですが、現在、糸満市と北中城村と恩納村が候補地に挙がっておりますよね。そのとき、大臣も視察なさったわけですが、選定の基準というんですか、大学に向く、こういう施設、こういう配置ということでいくと、どういうところを一番望ましいと。大臣、今これは、審議会で決めるとかなんとかとおっしゃるから、大臣個人の御意見としてで結構です。これで決定するということではなくて結構ですので、お聞かせいただけたらと思います。
細田国務大臣 現在、選定の基本方針について、中身を検討し、相当詰めておるところでございますが、その要素が四つほどございます。
 第一は、やはり大学院大学、そして、できればそれを核とした知的クラスターという幅広い施設等も今後考えていかなきゃいけませんから、将来の展開のために十分な面積が確保できるかどうか。平地とか山地とかいろいろございまして、その点を確認しなきゃいけない。
 それから、用地の利便性、環境でございます。交通アクセスがよいかどうか、今後の道路計画も含めて。それから、研究環境がいいかどうか。いわば静かに、研究を進める上で環境がいいかどうかということもあると思います。
 それから、居住性。魅力ある自然環境、リゾート性に恵まれているということも、これは、ないよりはあった方が、研究者が諸外国から集まってくるときに、居住性がいいということも大事であると思います。
 それからもう一つは、用地の取得等につきまして、コストがどうであるか、あるいは地権者も含めた地元の御協力が最大限得られるかどうかという可能性。それぞれが、御存じのように三つのところが様子が違っておりまして、民有地があったり村有地があったりゴルフ場であったりするわけですね。それぞれの違いがございますから、そういう中で、最も迅速に取得が可能で、かつ低廉であるかどうかという点がございます。
 その他、いろいろな障害事項がないかどうか、これらを基準として考えております。
 また、専門家も現地に入れまして、やはり、素人がちょっと見てこれでいいというわけにはいきませんので、ここはこういうふうに造成するとこういう規模の研究所ができますよ、大学ができますよというところまで、今、総合事務局と、あるいは大学の先生などにもお願いして中身を詰めておるところでございまして、第一回の用地選定検討会を三月上旬にも開こう、こういう準備をしております。
東門委員 どうもありがとうございました。終わります。
仲村委員長 次に、金子善次郎君。
金子(善)委員 保守新党の金子善次郎でございます。
 まず最初に、外務大臣にお伺いいたしますけれども、きょうの海外ニュースでございますけれども、北朝鮮が地対艦ミサイル、この発射実験を行ったというふうなことが、二十五日付の韓国紙、中央日報で、消息筋の話として、発射実験を行った、北朝鮮沿岸から六十キロの地点に落下したというようなことを伝えたようですが、これは日本政府としては確認されておりますか。
川口国務大臣 この北朝鮮のミサイルにつきまして、ずっと事実関係を確認中であったわけですけれども、現在申し上げられることは、二月の二十四日午後に北朝鮮の東北部の海岸地区から地対艦ミサイル射撃を実施したという事実があったということについては、ほぼ確認をされているということでございます。
 そして、今回の北朝鮮による地対艦ミサイルの発射は、発射された時刻及びミサイルの弾数については、なお未確認でございますけれども、きのうの午後、東北部の海岸地域の、これはちょっと発音が現地のとおりじゃありませんけれども、新城里と漢字では書きますが、その付近から東北東に向けて、その東北東の沿岸地域に設定された航行制限海域内というのがありまして、そこに向けて発射をされたというふうに見られております。そして、ミサイルについては、弾道ミサイルではなくて、射程約百キロメートルの対艦ミサイルであるというふうに推定をされているということでございます。
 したがって、この方向からいきまして、我が国に向けられたものではないというふうに考えられる。そして、関係国の動向も総合的に勘案をして、これは防衛庁がということで確認をしたということなんですけれども、いずれにしても、近隣との関係を考えると、このミサイルの発射は好ましくない、ちっとも平和と緊張緩和には資さないというふうに考えています。
金子(善)委員 そこででございますけれども、北朝鮮ですけれども、一九五三年でございますか、締結されている朝鮮戦争の休戦協定の破棄をちらつかせることなどによりまして、国連の安保理事会の経済制裁というものを牽制するというような動きを盛んに行っているというふうな報道もなされている。これは毎回、驚くに足らない瀬戸際外交というようなことで、過剰反応することはどうかというような感じでございます。
 ただ、外務大臣として、先ほど、好ましくないという程度の表現を使われたわけでございますけれども、我が国として、イラク問題、今大変な問題になっておりますけれども、北朝鮮問題、これは、我が国にとりましては、イラク問題と同様に大変な重要な外交課題としてあるわけでございます。
 基本的には、拉致された被害者家族の早期帰国の問題、あるいは、最終的には東アジア一帯、自由と民主主義というものを基盤にした地域となっていくことが望ましいと私は考えておりますが、外務大臣の基本的な認識はどのようなところにあるのでしょうか。
川口国務大臣 ミサイル発射の影響ということでございますか。恐縮ですが、何の影響かというのがちょっといま一つはっきりしませんでしたけれども、いずれにしても、ミサイルの発射は、その距離からいって我が国の安全を脅かすレベルのものではないということです、百キロでございますから。
 そして、北朝鮮については、我々は、日朝平壌宣言に書いてありますように、拉致の問題を初めとするさまざまな二国間の問題、そして安全保障上の問題、そういったことを解決して、この地域の平和と安全に資するような形で関係について対応していくということが大事である、そういう認識でおります。
金子(善)委員 きょうは時間がございませんので、この問題はその程度にしておきます。
 実は、これに関連しまして、北朝鮮が盛んに言っております、アメリカによる国連軍の休戦協定、これに基づく国連軍の地位協定というものがあるわけでございますが、時間の関係もございますので、後で資料として求めるということでも結構でございますが、委員長のお取り計らいでそうしていただければと思います。時間の関係がまずございます。
 いわゆる国連地位協定に基づく締約国の艦船や航空機の国連軍としての近年における利用状況、あるいは利用目的、利用の手続というようなところをまず御答弁いただけますか。
海老原政府参考人 今の、国連軍地位協定に基づきます我が国が合同会議で許可しております施設・区域というのがございます。これは七つでございますけれども、これの使用実績ということでございますけれども、平成の十二年から平成十四年の三年間で、艦船が計二十一回、航空機が計十回、我が国に寄港または着陸いたしております。
 その目的ということでございましたけれども、いずれも業務連絡、いわゆるリエゾンということでございますが、及びオリエンテーションであるということでございます。そして、その際には、事前に日本側、これは外務省に対してということでございますけれども、連絡が行われております。
金子(善)委員 それと、そのいわゆる国連地位協定の中に、協定第二十条、合同会議というものが開かれるという規定がございますが、この開催の状況、そして合同会議の議事内容というようなもの、最近どうなっているのかということについて御答弁をお願いします。
海老原政府参考人 合同会議でございますけれども、この合同会議は、主に、国連軍地位協定五条に基づきまして、我が国が兵たん上の目的のために施設・区域の使用を許可するということのために開かれております。
 開かれた実績でございますけれども、昭和四十七年に最後に開かれておりまして、これはホワイトビーチを使用することについて日本政府として同意を与えたということのために開かれたものでございまして、これ以降は新たな施設の提供が行われていないということもございまして、開かれておりません。
金子(善)委員 そうしますと、最後の質問にさせていただきますけれども、予算措置は、これは政府として特別どのような予算措置をとっているんでしょうか。開催されていないとなると、一切経費は必要ないということになるのかどうか、その辺について質問したいと思います。
海老原政府参考人 今金子委員のおっしゃったとおりでございまして、過去五年間の予算措置でございますけれども、予算には計上をいたしておりません。ただ、地位協定の中で各種の免税措置等が規定をされておりますので、そのような意味での財政的な優遇措置というものはございます。ただ、予算措置が手当てされているというふうには承知いたしておりません。
金子(善)委員 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
仲村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.