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第2号 平成28年3月31日(木曜日)

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平成二十八年三月三十一日(木曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 渡辺  周君

   理事 武部  新君 理事 西銘恒三郎君

   理事 比嘉奈津美君 理事 堀井  学君

   理事 松本 洋平君 理事 小川 淳也君

   理事 水戸 将史君 理事 稲津  久君

      秋元  司君    尾身 朝子君

      國場幸之助君    佐田玄一郎君

      櫻田 義孝君    鈴木 隼人君

      武井 俊輔君    宮腰 光寛君

      宮崎 政久君    山口 泰明君

      渡辺 孝一君    神山 洋介君

      近藤 昭一君    吉田 宣弘君

      赤嶺 政賢君    下地 幹郎君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 島尻安伊子君

   内閣府副大臣       松本 文明君

   内閣府大臣政務官     酒井 庸行君

   外務大臣政務官      浜地 雅一君

   外務大臣政務官      山田 美樹君

   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月一日

 辞任         補欠選任

  鈴木 貴子君     近藤 昭一君

同月三十一日

 辞任         補欠選任

  前原 誠司君     神山 洋介君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 洋介君     前原 誠司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、島尻沖縄及び北方対策担当大臣及び岸田外務大臣から順次説明を求めます。島尻沖縄及び北方対策担当大臣。

島尻国務大臣 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の島尻安伊子でございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信の一端を申し述べます。

 まず、沖縄政策について申し上げます。

 沖縄については、昭和四十七年の本土復帰以来、諸施策を積極的に講じてきた結果、社会資本を中心に、本土との格差は縮小してまいりました。今日では、魅力ある観光地として、また、情報通信、物流の分野においても発展を遂げています。しかし、依然、低い県民所得などの課題が存在しています。

 一方で、沖縄は、東アジアの中心に位置する地理的特性や、日本一高い出生率、若年人口率といった優位性、潜在力を有しています。これらを生かし、沖縄が自立的に発展し、日本のフロントランナーとして日本経済再生の牽引役となるよう、引き続き、沖縄振興策を総合的、積極的に推進してまいります。

 観光・リゾート産業については、昨年の観光客数は過去最高の七百七十六万人を記録し、外国人についても百五十万人となるなど、好調に推移しております。引き続き、誘客拡大と観光の高付加価値化を進めてまいります。

 情報通信関連産業についても、一層の集積と高付加価値化を図ってまいります。

 国際物流拠点産業については、引き続き、アジア主要都市を結節する国際物流拠点の形成を図りつつ、企業の集積を図ってまいります。

 これらの産業振興については、特区・地域制度を活用し、推進してまいります。

 平成二十八年度沖縄振興予算については、厳しい財政事情のもと、沖縄振興を推進するために必要な額を積み上げ、前年度より十億円増額した総額三千三百五十億円を計上いたしました。

 特に、一括交付金制度については、沖縄振興に大きく寄与していると認識しております。この制度がより一層効果的に活用されるよう取り組んでまいります。

 また、空港や港湾、主要幹線道路などの社会資本整備を一層推進してまいります。

 特に、重要な拠点空港である那覇空港の滑走路増設事業については、平成三十一年度末の供用開始に向け、着実に事業を進めてまいります。

 大型クルーズ船の寄港が増加している那覇港、石垣港における大型旅客船ターミナルの整備も進めてまいります。

 沖縄科学技術大学院大学、OISTについては、新たな研究棟の建設や新規教員の採用など、規模拡充に向けた取り組みやグローバルな知的・産業クラスターの形成を支援してまいります。

 さらに、平成二十八年度予算においては、全国と比べて特に深刻な沖縄の子供の貧困に関する状況に緊急に対応するための予算を新たに計上いたしました。今後、沖縄の実情を踏まえた支援員の配置や居場所づくりをモデル的、集中的に実施してまいります。

 このほか、農林水産業の振興、離島の振興、北部地域の振興、鉄軌道等の調査、北部地域大型観光拠点等に関する調査を進めるとともに、子育ての支援や人材育成及び雇用の促進に取り組んでまいります。また、不発弾対策についても着実に取り組みを進めてまいります。

 沖縄には今なお多くの在日米軍専用施設・区域が存在し、沖縄県民の皆様に大きな御負担をかけているものと認識しており、引き続き、沖縄の皆様の理解を得る努力を続けながら、沖縄の基地負担軽減に取り組むことが政府の方針です。

 特に、普天間飛行場については、その危険性の除去を図ることが極めて重要な課題であるとの認識のもと、日米合意に従い、一日も早い移設に向けて政府として取り組むこととしております。

 昨年度末に返還された西普天間住宅地区を初めとする駐留軍用地の跡地利用は、今後の沖縄振興の観点から極めて重要な課題です。平成二十八年度予算においては、拠点返還地跡地利用推進のための交付金について新たに計上いたしました。地元の要望である西普天間住宅地区跡地における琉球大学医学部及び同附属病院の移設を含む国際医療拠点構想の具体化に向けた取り組みを初め、跡地利用をしっかりと推進してまいります。

 次に、北方領土問題について申し上げます。

 私は、昨年十一月、根室市の納沙布岬を初めとする北方領土隣接地域の一市四町を訪問いたしました。北方領土を目の前にして、近くて遠い四島の返還を願う元島民の皆様の強い望郷の思いをお聞きすることで、改めて四島返還に向けた決意を強くいたしました。

 北方領土の日である二月七日には、元島民の皆様や返還要求運動関係者に加え、各政党の代表者や渡辺委員長にも御出席いただき、平成二十八年北方領土返還要求全国大会を開催いたしました。私からは、若い世代に対する広報啓発を初め、裾野の広い返還要求運動の推進に全力で取り組むことをお約束したところです。安倍総理大臣からも、元島民の皆様が御高齢になられていることを踏まえ、早急に北方領土問題を解決しなければならないとの強い決意が表明されました。

 北方対策担当大臣として、北方領土問題が一日も早く解決されるよう、関係団体と密接に連携しながら、外交交渉を後押しする国民世論の啓発に全力で取り組んでまいります。平成二十八年度予算におきましては、引き続き、若い世代を対象にした啓発、教育機会の拡充を図るため、教育者会議が実施する事業に対する支援や、インターネットによる呼びかけ、啓発用広報キャラクター、エリカちゃんを活用した事業を実施するための経費を計上しております。

 また、相互理解の増進を図り、領土問題の解決に寄与するという本来の目的を実現するための戦略的な北方四島交流事業の推進に努めるとともに、元島民の皆様への援護措置にも引き続き取り組んでまいります。

 渡辺委員長を初め理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)

渡辺委員長 次に、岸田外務大臣。

岸田国務大臣 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、所信を申し述べます。

 まず、沖縄に関する事項について述べます。

 日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。その中で、我が国の安全を確保する上で、我が国外交、安全保障政策の基軸である日米同盟の強化と域内外のパートナーとの協力関係の強化が不可欠です。特に、在沖縄米軍を含む在日米軍の抑止力は、我が国の安全、ひいては地域の平和と安全の確保に不可欠です。

 米軍の抑止力を維持しつつ普天間飛行場の危険性を除去すべく、政府として一日も早い辺野古への移設に向けて取り組みます。先般沖縄県と合意した和解条項については、政府としてその内容を誠実に実行してまいります。

 また、沖縄の負担軽減については、昨年九月には日米地位協定の環境補足協定を締結し、十二月には沖縄の在日米軍施設・区域の一部早期返還等に関する日米共同発表を行いました。引き続き、負担軽減に全力で取り組みます。

 沖縄県の尖閣諸島についても一言申し上げます。

 尖閣諸島をめぐる情勢については、日本の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意で、毅然かつ冷静に対応していく考えです。一方、中国との関係は、日本にとって最も重要な二国間関係の一つであり、大局的な観点から戦略的互恵関係を推進していきます。

 次に、日ロ関係及び北方領土問題について述べます。

 日ロ関係については、最大の懸案である北方領土問題について、昨年九月の私の訪ロで平和条約締結交渉を再開しました。本年一月の日ロ首脳電話会談では、両首脳間で、プーチン大統領訪日前のしかるべき時期に安倍総理が非公式にロシアを訪問する方向で調整を進めることで一致しました。

 ことしこそ、日本の国益に資する形で日ロ関係全体が前に進む一年にしなければなりません。北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく、一層力を入れて交渉に当たるとともに、さまざまな機会を活用して政治対話を積極的に行ってまいります。

 私自身、元島民の方々の思いを胸に、交渉の前進を図ってまいります。元島民、北方四島隣接地域の方々はもちろん、全ての国民から政府の取り組みに対する理解と力強い支持をいただき、しっかりとした交渉を展開していく考えです。

 以上の諸問題に取り組むに当たり、渡辺委員長を初め理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。(拍手)

渡辺委員長 外務大臣は御退席いただいて結構でございます。

 次に、平成二十八年度沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。松本内閣府副大臣。

松本副大臣 島尻大臣の御指導のもとで、沖縄政策及び北方領土問題に対応してまいります。

 渡辺委員長を初め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 平成二十八年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。

 初めに、沖縄関係予算について申し上げます。

 内閣府における沖縄関係の平成二十八年度予算総額は、三千三百四十九億六千九百万円となっております。

 このうち、沖縄振興に資する事業を県が自主的な選択に基づいて実施できる制度であります沖縄振興一括交付金につきましては、経常的経費に係る沖縄振興特別推進交付金として八百六億三千五百万円、投資的経費に係る沖縄振興公共投資交付金として八百六億五千五百万円、合わせて千六百十二億九千百万円を計上いたしました。

 公共事業関係費等については、小禄道路や那覇港、石垣港など、産業、観光の発展を支える道路や港湾、空港の整備、学校施設の耐震化や災害に強い県土づくりなどを実施するため、国直轄事業を中心とした経費を計上いたしました。特に、那覇空港滑走路増設事業につきましては、平成三十一年度末の供用開始に向けて、工期四年度目として必要と見込む三百三十億円を計上いたしました。

 沖縄科学技術大学院大学につきましては、新たな研究棟の建設や新規教員の採用、知的・産業クラスター形成の推進に資する研究等に必要な経費として、百六十七億二千六百万円を計上いたしました。

 また、昨年度末に返還された西普天間住宅地区の跡地における国際医療拠点構想の具体化に向けた取り組みや、拠点返還地跡地利用推進のための交付金の創設など、駐留軍用地の跡地利用推進のための経費を計上いたしました。

 沖縄の子供の貧困につきましては、全国に比べて特に深刻な状況に緊急に対応するため、沖縄の実情を踏まえた支援員の配置や居場所づくりをモデル的、集中的に実施するための経費を計上いたしました。

 さらに、北部振興事業のための経費、沖縄の鉄軌道等に関する調査研究を行うための経費、北部地域大型観光拠点等に関する調査を行うための経費、沖縄になお多く残る不発弾の処理を進めるための経費を計上いたしました。

 続きまして、北方対策本部予算について説明いたします。

 内閣府北方対策本部の平成二十八年度予算は、若年層を重点的に対象とした次世代啓発を行う必要があり、前年とほぼ同額の総額十六億七百万円となっております。

 このうち、北方対策本部に係る経費は二億千七百万円であり、地域における北方領土問題啓発事業のあり方等についての調査研究に係る経費等を計上いたしました。

 また、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は十三億九千万円であり、若年層をターゲットにした参加型イベントの実施に係る経費や北方領土教育のさらなる充実を図るための教育者会議が実施する事業に対しての支援に係る経費等を計上いたしました。

 以上で、平成二十八年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。

 よろしくお願いをいたします。

渡辺委員長 以上で説明の聴取は終わりました。

 次に、酒井内閣府大臣政務官、浜地外務大臣政務官及び山田外務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。酒井内閣府大臣政務官。

酒井大臣政務官 おはようございます。内閣府大臣政務官の酒井庸行でございます。

 島尻大臣、松本副大臣を補佐し、沖縄政策及び北方領土問題の解決に全力で取り組んでまいります。

 渡辺委員長を初め理事、委員各位の皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

渡辺委員長 次に、浜地外務大臣政務官。

浜地大臣政務官 皆様、おはようございます。外務大臣政務官を拝命しております浜地雅一でございます。

 外務大臣政務官としての責任を全うし、岸田外務大臣を補佐し、そして沖縄政策、北方問題の解決に向け、全身全霊をかけ取り組む決意でございます。

 渡辺委員長を初め理事、委員の皆様方の御支援と御協力、何とぞお願い申し上げます。

 ありがとうございます。(拍手)

渡辺委員長 次に、山田外務大臣政務官。

山田大臣政務官 おはようございます。外務大臣政務官の山田美樹でございます。

 日米同盟の強化、ロシアとの平和条約交渉への取り組み等の重要問題について、外務大臣政務官としての責任を果たすべく、岸田外務大臣を補佐してまいります。

 渡辺委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)

渡辺委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時四十九分散会


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