衆議院

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第2号 平成14年10月31日(木曜日)

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平成十四年十月三十一日(木曜日)
    午前十一時開議
 出席委員
   委員長 中井  洽君
   理事 田野瀬良太郎君 理事 棚橋 泰文君
   理事 蓮実  進君 理事 大谷 信盛君
   理事 玄葉光一郎君 理事 河合 正智君
   理事 塩田  晋君
      荒井 広幸君    石田 真敏君
      佐藤  勉君    松本 和那君
      宮本 一三君    八代 英太君
      吉川 貴盛君    吉野 正芳君
      渡辺 喜美君    河村たかし君
      小林  守君    中川 正春君
      牧  義夫君    石井 啓一君
      矢島 恒夫君    大島 令子君
    …………………………………
   政府参考人
   (国土交通省政策統括官
   兼国会等移転審議会事務局
   次長)          窪野 鎮治君
   衆議院調査局国会等の移転
   に関する特別調査室長   内野 隆正君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月三十一日
 辞任         補欠選任
  笹川  堯君     吉川 貴盛君
同日
 辞任         補欠選任
  吉川 貴盛君     笹川  堯君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国会等の移転に関する件
 国会等の移転の規模及び形態等の見直しに関する予備的調査についての報告


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     ――――◇―――――
中井委員長 これより会議を開きます。
 国会等の移転に関する件について調査を進めます。
 御報告申し上げます。
 去る七月三十日、本委員会から調査局長に命じました国会等の移転の規模及び形態等の見直しに関する予備的調査につきまして、去る十六日、報告書が提出されましたので、御報告いたします。
 なお、報告書につきましては、同日、河村たかし前委員長から議長に対し、その写しが提出されました。
 次に、本日の議事の順序についてでありますが、まず、予備的調査報告書について国会等の移転に関する特別調査室長から説明を聴取した後、同報告書に関する御質問等を含め、国会等の移転に関する件全般につきまして、自由に御意見をお述べいただきたいと存じます。
 それでは、まず説明を聴取いたします。説明は着席のままで結構です。衆議院国会等の移転に関する特別調査室長内野隆正君。
内野調査員 国会等の移転の規模及び形態等の見直しに関する予備的調査報告書につきまして御説明いたします。
 本予備的調査は、前国会の平成十四年七月二十五日に、国会等の移転に関する特別委員会の委員長、理事一同により「委員会のあり方等についての要請に関する申合せ」が行われ、その中で、「現下の厳しい社会経済状況を踏まえ、移転規模、形態や新たな移転手法(PFI、証券化等)などのコンセプトの見直しについての検討を衆議院移転特において早急に行う。」とされましたことから、調査局長に調査命令が出されて行われたものであります。
 調査局におきましては、学識経験者等の協力も得て調査を行いまして、去る十月十六日に調査局長から河村前委員長に報告を行ったところでございます。
 ちなみに、予備的調査は、委員会の議決または四十人以上の議員からの予備的調査要請に基づきまして、委員会の審査または調査のために必要な調査を、いわゆる国政調査の下調査として、委員会が調査局長に命じて行わせるものでございます。今回の予備的調査は、委員会の議決に基づくものでございます。
 それでは、報告書の内容について御説明いたします。
 お手元に報告書とその概要が配付してございますが、概要をもとに御説明させていただきます。
 本報告書は三部構成になっております。
 第一としまして、現在想定されております国会等の移転の規模及び形態についてまとめております。
 国会等の移転の規模につきましては、平成四年六月に首都機能移転問題に関する懇談会が、また、平成九年十月には国会等移転審議会が、概要にありますように試算を行っております。
 また、国会等の移転の形態につきましては、前述の「首都機能移転問題に関する懇談会とりまとめ」と平成七年十二月の「国会等移転調査会報告」におきまして、立法、行政、司法の三権一括移転が望ましいとされております。
 その主な理由といたしましては、国会と行政は国会審議等を通じまして密接な関係にありまして、国会と行政の中枢機能は近接していることが不可欠であること、司法権は国の三権の一つを代表する機関であり、国会及び内閣とともに新都市に立地することがふさわしいことなどとされております。
 今回の調査に当たりましては、一括移転以外の形態についての検討を求められていることから、三権の一部あるいはすべてが移転、分散されている諸外国の事例についても調査を行っております。
 具体的には、報告書の十三ページの調査概要にありますように、八カ国の事例を取り上げておりますが、これらの調査事例の特徴は、オーストラリアやブラジルの事例とは異なりまして、既にインフラが整備された既存の都市に移転もしくは分散している事例が多いことでございます。また、首都と移転先の都市との間は、特別な事情のある国を除きまして、交通機関によって比較的容易に移動できる距離に保たれていることでございます。
 移転や分散の目的は、主に首都一極集中の緩和や地域振興を図ることである事例が多く、その場合には、首都への産業集中の緩和、雇用分散による地域の開発促進や経済波及効果等が認められ、その目的はおおむね達成されていると見られます。
 課題といたしましては、機関内部の連携などの業務効率の改善、移動の負担の軽減をする必要性、情報伝達や移動の不便を補完するための情報通信基盤を整備する必要性、移転に伴う退職者を補充するための職員を確保する必要性などが挙げられております。
 第二としましては、国会等の移転の規模及び形態の見直しについて、調査局の若干の意見も加えながらまとめております。
 まず、最近の主な提言について紹介しております。
 平成十二年十二月に社会経済生産性本部が「首都機能移転への新たな提言」と題する報告書を発表し、その中で「新都市は二十万人規模に」との提案を行うとともに、移転の形態については、重都状態の恒久化や一括・分散併用型を提示しております。
 また、平成十年三月には、日本プロジェクト産業協議会が「我が国における首都機能移転問題対応への望ましい選択肢について」と題する報告書を発表しまして、首都圏外への移転ケースとしまして、新都市一括移転型のほかに分都型を提示しております。
 また、本予備的調査におきましては、移転の規模について調査局で試算を行っております。試算を行うに当たっては、次の三つの前提を置いております。
 第一に、移転先の新都市を首都機能に重点を置いた都市とすること。そのため、準首都機能や民間随伴機能については移転人口を必要最小限に絞り込むこと。
 第二に、近隣の既存都市を活用することで新都市の人口規模や新規開発面積を縮小することが可能であることから、これまで想定されていなかった移転先の近隣の既存都市に居住して新都市に通勤する人数についても試算すること。
 第三に、今までの試算では行政の中枢機能がすべて新都市に一括移転するという前提で規模の試算が行われておりましたが、今後のIT化の進展等も考えれば、行政が一カ所にまとまっていなければならないという必然性にも乏しく、また、諸外国でもさまざまな形態が見られますことから、行政府の一部を東京から移転するという分都的な形態を前提とすることであります。
 これらの前提のもとに、首都機能、準首都機能、民間随伴機能、サービス機能に係る従業者数とその家族の非就業者数を想定しまして試算しております。
 詳細は報告書の六十三ページ以降に掲載しておりますが、国会等移転審議会の試算から変更している主なものを申し上げますと、首都機能については、立法府と司法府の職員について、審議会では全職員としているのを八〇%に、中央省庁の職員について、審議会では全職員としているのを三分の二に、都区部に所在する附属機関について、審議会では全職員の二分の一としているのを新都市には移転しないこととするとともに、準首都機能について、審議会では特殊法人、認可法人を一機関当たり十人程度の連絡事務所、公益法人を一割程度としているのを、今回の試算では、特殊法人及び認可法人に限り、一機関当たり十人程度の連絡事務所を五十機関以内で立地することといたしております。また、民間随伴機能につきましては、審議会ではアンケートに基づき二万六千人となっていたものを、マスコミなど必要不可欠な二千人程度としております。
 その結果、新都市の人口規模を、国会等移転審議会試算の最大ケースでは五十六万人としておりますが、今回の試算では十五万六千人と想定し、そのうち一万人程度が近隣都市に住み、新都市に通勤してくると試算して、新都市における居住人口は十四万六千人と想定されます。
 以上の人口想定をもとに、国会等移転審議会のモデル的試算の算定方法を踏襲しまして新都市の開発面積と費用を試算いたしました。その結果、新都市の開発面積は、審議会の八千五百ヘクタールに対しまして二千ヘクタール、費用は、審議会の十二兆三千億円に対しまして、公的負担二兆四千億円、民間投資・負担二兆三千億円の合わせて四兆七千億円と想定いたしております。
 次に、学識経験者の提言でございます。
 本調査におきましては、国会等の移転の規模及び形態等の見直しに関し、五人の学識経験者の方々に提言をいただいております。
 詳細は報告書の六十九ページ以降に掲載しておりますが、簡単にその内容を御紹介いたしますと、まず、東京大学先端科学技術研究センター教授の大西隆先生は、首都機能移転のあり方として、国会都市、司法都市、一つまたは複数の行政都市を、三候補地あるいはその近傍、さらに既存の交通条件にすぐれ新規の基盤投資を余り必要としない場所などに分散的に配置する分散的分都を約十七万人規模で行うべきことを提案されております。
 次に、国際日本文化研究センター教授の川勝平太先生は、国民を信頼して地域の自立を促進し、個の自立を基礎に新しい国づくりの動きを促進するためには、首都は小さい存在にせねばならない、そのため、首都の担う機能は国家主権の行使にどうしても必要なものに限り、権限、財源の大半は、北海道・東北で構成される「森の日本」、関東で構成される「平野の日本」、中部で構成される「山の日本」、近畿・中国・四国・九州・沖縄で構成される「海の日本」の四つの日本に移譲すべきだと述べられております。
 次に、作家の堺屋太一先生は、首都機能を、立法府、行政府の企画、審議部分、国際外交機能等の分野、主として行政府の基礎調整、社会保障など中立公正、長期安定的業務に携わる分野、主として司法、文化財保全など長期保全を重視する分野に分け、これらを二つから三地区に分散することが望ましく、その規模は、第一段階五万人、最終段階で三十万人程度が適切とされております。
 次に、日本総合研究所理事長の寺島実郎先生は、第一段階として、国会と危機管理の充実に必要な行政府に絞った約十万人規模の移転を行い、成果を見きわめて、最終的には約六十万人級の移転を実現すべきであるとされております。形態につきましては、三権の一括移転が望ましいとしながらも、司法機能の東京への残留や、一部行政機能を東京以外の都市へ移転する分都方式も検討の余地があると述べられております。
 最後に、政策研究大学院大学教授の福井秀夫先生は、官と民、国と地方の間に一定の距離を置くことで国政改革をなし遂げようとする観点からは、民間や地方自治体との接点が多く、その密度が濃い組織ほど移転の優先順位が高いので、中央官庁の中枢的管理機能や対外的指導の窓口部局、国会機能の大部分を新首都に移転することは一定の意義があると述べられております。その反面、司法機能は国民や企業との接触も格段に少ないので、移転のコストに見合う便益はほとんど期待できないとされております。
 第三としまして、PFI、不動産の証券化の国会等の移転への活用について検討を行っております。
 まず、PFIでございますが、これは民間の資金、経営能力及び技術能力を活用して公共施設等の建設、維持管理、運営を行う手法であります。
 PFIが適用可能となるためには、PFIによる場合の財政負担額が従来方式に比べて少ない、すなわちVFMが確保されることが必要です。また、PFI事業への多様な参加者が得られることも必要で、そのためには、民間に高度のノウハウがあり、その創意工夫によって質の高い公共サービスが可能となるものが望まれます。
 国会等の移転におけるPFIの活用可能性につきましては、移転先の施設整備にPFIを活用することは、PFI法に定める対象施設や実際の採用例から見ますと、一般的には適用可能性はあると考えられます。その一方、道路などの基盤整備につきましてはPFIの導入が進んでいないという現状があります。
 移転先の施設整備にPFIを活用する場合には、大規模な新都市開発であればリスクの把握と定量化が難しいということも考えられますから、施設の複合化を含めて、PFIが活用されやすいような環境づくりも必要と考えられます。
 移転費用軽減効果でございますが、PFIの活用による施設整備段階での費用軽減効果について理論的に示した数値は得られませんでした。そこで、実際のPFI事業例や過去のケーススタディーで使われました数値などを参考にしまして二種類の低減率を設定し、平成九年の国会等移転審議会のモデル的試算を前提に置いて、基盤整備を除く施設整備すべてを対象とすると仮定しまして機械的に試算を行いました。その結果は、低減率一〇%の場合は、第一段階で千三百億円、行政機関すべてが移転する最大ケースで二千五百億円、五%の場合は、いずれもその半額となります。
 なお、低減率は仮定の数値であることや、PFIの効果は、施設整備段階だけでなく、維持管理、運営を含む事業期間全体から判断されるべきこと、国会議事堂のような施設までPFIで整備することが妥当なのかというような問題もありますので、この計算結果は幅を持ってとらえていただきたいと考えております。
 次に、不動産の証券化でございますが、これは、土地等の実物不動産等をそれから生じる収益などを裏づけとしまして証券の形にすることを広く指しておりまして、その効果としましては、新しい資金調達手段として、不動産事業を活発にしたり、個人投資家の小口資金による不動産投資を可能にすること等が挙げられます。
 国会等の移転における不動産証券化の活用可能性については、まず、移転跡地において証券化手法により売却等を行う場合が考えられます。これは、国有財産の売却の相手方がその財産を取得する際に、証券化によって資金調達するケースであります。この方法による売却は、短期間に多数の投資家から多くの資金を調達できる可能性があること、東京の移転跡地については、機関投資家の長期資金の運用先として非常に魅力のあるものととらえられる可能性があることなどのメリットが考えられます。
 なお、移転跡地の利用方法については、従来から、公共、公益的見地からの利用を優先させる必要性が提言されていることも考慮する必要があると思われます。
 次いで、移転先地における証券化の活用でございますが、公共部門が基盤整備を行った用地を民間事業者が取得して、それをオフィスビルなどの開発に充てる際に資金調達手段として証券化を利用するということも想定されますが、新都市の開発段階でどれだけの民間の需要があるのか、移転跡地に比べるとリスクが高いものと考えられます。
 そこで、民間事業者がPFIにより事業を行う際に証券を発行して資金調達する場合についての検討を行いました。この手法のメリットとしましては、機関投資家等からの長期の資金調達が期待できること等が考えられますが、一方で、PFI事業が想定するような長期の債券流通市場を育成する必要があるなどの課題もあります。
 このように、不動産の証券化は、不動産を裏づけに資金調達したり、不動産を小口化し流動化する手段としては有効でございますが、それだけで移転費用の軽減に直接結びつくものではないと考えております。ただし、利用次第によりましては、移転跡地の売却における多額の資金調達の実現性等、多様なメリットを生み出す可能性があります。
 なお、PFI及び不動産証券化について、鳥取大学教授の光多長温先生と日本総合研究所創発戦略センター所長の井熊均先生のお二人に御提言をお願いしておりますが、その内容につきましては、報告書でごらんいただきたいと思います。
 以上で御報告を終わります。
中井委員長 ありがとうございます。
 以上で説明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
中井委員長 お諮りいたします。
 国会等の移転に関する件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省政策統括官兼国会等移転審議会事務局次長窪野鎮治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
中井委員長 これより自由討議を行います。
 議事整理のため、御発言は、一回につきおおむね三分以内でお願いいたします。また、御発言は、挙手の上、委員長の許可を得た後にお願いいたします。御発言は着席のままで結構でございます。
 なお、御質問がある場合には、適宜、国会等の移転に関する特別調査室長及び政府参考人が答弁いたします。
 それでは、挙手をお願いいたします。
河村(た)委員 済みません、前委員長というか、これを委員会でやっていただきたいということをお願いしたものですから、八代さん、えらい済みません。
 この予備的調査というのは、これは本当に隠された伝家の宝刀みたいなもので、日本の国会は政党政治といいますけれども、間違った政党政治でして、全部党が決めて、議員を国会サラリーマン化しておるというけしからぬ状況で、本来は、議員というのは党の職員と違いますから、それぞれが社長なんで、党はそれの調整役でないといかぬということなんですけれども、全く日本の国会、国会というか、そのやり方というのはなっとらんとかねがね私は言っておるんです。
 それの一つのやり方として、普通はすぐ役所に聞きますけれども、やはり、委員会としてこういう調査機能があるということを使っていくというのは非常にいいことだと思います。これは初めてらしいですよ、ここできちっとやったのは。何か一回、委員会でやったのがあるらしいですけれども、ちょっと趣旨が違いますので。きちっと、調査室がいわゆるシンクタンク的機能をちゃんと果たしたのは初めてだということでございますので、私も、委員長特権を要らぬと言っただけではなくて、非常にええことをやったということもひとつ記録にとどめておかなきゃいかぬと思うたということでございます。
 夏休みを返上されたかどうかわかりませんけれども、大変御苦労だったと思います。お疲れさまでございました。立派な報告書ができたと思います。
 それで、中身ですが、役所がやる場合は法律に拘束されますので、今までの移転形態を前提としてPFIでやるとか証券化でやるということだと思うんですが、今回の場合は、法律を変えるというか、してもいいという、国会がやることですから、一応、オールマイティーといいますか、そういう前提でやっていただいたということですね。
 考えられるのは三つあるだろうと思うけれども、従来型の移転でその内容をPFIとか証券でやるもの。それからもう一つは、いわゆる、全く解党的出直しというんですかね、どっかで聞いたような言葉ですが、そういうような、例えば一たん移転法を廃止してまた新しい格好の法律を出すというような、例えば既存都市機能を使い、それから、今の一括移転でないとか、そういうやり方。それから三つ目は、もうやめちゃう、廃止。廃止ということは、移転しないという、この選択肢があるだろうと思うんだが。
 そこで、ちょっと質問ですけれども、何人か話をされておりますけれども、ぱっと読みますと、大体その真ん中ですね、一応流れとしては。今までは、既存の都市機能を使ってはいけなかった、移転法の中に多極分散型国土形成法の趣旨を体してという言葉があるので、いわゆる森林の中に宮殿をつくらないけなかったけれども、今度の場合は、既存都市機能を使い、そして分散型でいいということが強いようです。やはりそれが一つの主流の御意見であったかどうか、これが一つ。
 それからもう一つは、それをするためには、これは僕の意見になるかわからぬけれども、一たん移転法を廃止して、新たに法律を立てた方がやりやすいんじゃないかというふうにも感じられるが、その辺はどうか。
 最後は、これは意見ですけれども、ぜひこの間の委員会の申し合わせ、皆さんの合意どおりに、次の通常国会の本会議において、当然党議拘束を外して、議員それぞれが自分の責任でもって投票する、それで決めるというふうに持っていっていただきたい。変なところで、党が裏で決めてまって議員を国会サラリーマン化するという流れは絶対に拒否すべきであるというふうに考えております。
 質問と意見ですけれども、以上です。
内野調査員 移転の形態は、分都型に一応なるかというようなことだったような気がいたしますが、先生によって大分違いますけれども、昔からすると、最近、分都型の方に進んで、意見を、そうおっしゃっているような先生も結構いらっしゃるような感じがいたします。
 それから、移転法の改正ということにつきましては、ちょっと事務局として答えにくい面もございますので……。
八代委員 河村前委員長、御苦労さまでございました。今、何か惜別の念もまじった言葉もありました。
 しかし、我ら自民党は決してサラリーマン化しているわけじゃなくて、蓮実、田野瀬両理事からも、積極的に大いに発言をしてと、本音でこの問題には発言をしていい、こういうことでございますから、またあえて発言をさせてもらいます。
 また、中井委員長におかれましては、公平公正の立場でひとつ委員会運営をお願いしたいと思います。
 それで、これは「国会等の移転の規模及び形態等の見直しに関する」という、こういう一つの表題のもとに出てきたんですね。ところが、この見直しというのは、移転ありきを前提の見直しになっているんですね。
 さっき河村前委員長が言ったように、現下の厳しい経済情勢を踏まえて移転コンセプトの見直しについても検討を早急に行うべきだと、今もおっしゃっていましたけれども、移転を行うか否かについて、来年の通常国会あたりにはやって、しかも、この移転特の委員会も、委員構成をなるべく多くの人数にして、そしてまた、三候補地というものがひとり歩きしていますから、そういう出身議員が半数程度あって、それからまた、ほかの出身議員の人たちも委員会に入ってというようなことの議論があったように私は思い返してということなんですけれども、間違っていたらごめんなさい。
 今度もまた、委員会構成を見ますと、大体、言ってみれば、三候補地の人が全体の半数を占めているわけですね。あとはてんでんばらばらという感じがいたしております。この辺もやはり、こういうことを言うとしかられるかもしれないけれども、三候補地に偏った議員で移転の議論をしているというような思いがいたしますんで、やはりこれも国民的議論をもっとやることが必要ではないかというような気がいたすことが一点。
 それから、河村前委員長からの要請を受けて、意見を出してくれ、こういうことで、これはこのいわば報告書の前提になるためのものだったんですけれども、七月三十日でございました、そういうことで、依頼をいただきましたので、私も早速調査室の方に見直しを行うに当たって必要となる資料を依頼したんですけれども、いまだその資料は出てきていないんです。まず、その資料はどうなっているのかということを調査室の方に伺っておきたいと思っております。
 結局、今、学識経験者の報告もほとんどが推進的意見なんですね。しかし、現実の、現下の経済情勢をいろいろ考えると、もうこれは、そろそろこの委員会も白紙に戻す、あるいは、平成二年のあの当時の時代ではないこういう今の日本の背景というものがあるんだから、そういう勇気もまた一方では必要ではないかということも、そもそもこういう報告書の中の意見として、やはり反対論、慎重論も結構私は学識経験者の中にも多い、このように思っておりますので、そういうものがなぜこの報告書の中では掲載されていないかという点。
 それから、十年以上かけて積み上げてきたものを一からやり直す必要もあるというような思いも持っておりますし、この報告書で見ると、三候補地というものを前提でなくいわばこの報告書ができていますから、今までの三候補地というものは一体どういう形に今後なっていくのか、それはそれで厳然と生きているのかどうかということ。
 それからもう一つは、これは私の単なる個人的意見と同時に、やはり今東京も、土地も非常に下落傾向にもあるし、この一都三県を含めながら、道路の整備とかいろいろな形をして首都らしい雰囲気を私たちはつくっていく必要があるし、あるいは総理官邸等々も、来年度予算なんかでは九十六億円も概算要求では計上して、さらに補強しようというような状況、あるいは議員会館も新しくしようじゃないかというようなことで、ますますこの永田町を中心とした考え方が一方ではあるにもかかわらず、一方ではこうした移転問題を議論していくというのは、非常に何か本音と建前、ぎくしゃくした状況下というものがある。
 ですから、ぜひそういう点も踏まえながら、私は、この移転特では、やはり首都機能移転という一つの考え方の前段から、国会の、中枢の三権の移転という方向にまた変化をしてきた流れを見ても、あるいは当時の委員会で議論した、例えば人口の五十六万というようなものが今や十五万六千人に減ってくる形ということになると、これももう根本から考え直していかなきゃならぬというふうに思うし、予算等々を見ても、当初は十二兆三千億円だったというようなものが四兆七千億ぐらいに変わってきているというようなことを見ると、これは根本から、三つの候補地そのものも白紙に戻すべきだというふうに思う。それと同時に、仕切り直しをするぐらいの勇気がこの委員会にもあっていいのではないかという思いがしますので、その辺を、委員長の私見でも結構ですから、私の発言の間違いがあるなら正してもらいたいということ。
 それと、調査室にそういうことを前委員長から言われて、そのことも、調査室が、単なる、これは、見直しというものが、首都機能移転、国会等移転ありきというような形の報告書であるということ、学識経験者の推進方の意見だけしか掲載していないということ、いろいろこれは問題点があるような思いがいたしますので、それらをまとめて御回答いただければと思います。
中井委員長 答えられる部分だけで結構ですよ。
内野調査員 八代先生からの資料の件でございますが、これは、八月二十九日にお受けいたしまして、九月十日にお渡ししております。資料要求に基づきまして、それは一応もう渡しているということでございます。
 それから、反対意見を載せていないんじゃないかということでございますが、例えば大坂健先生あたりの、反対派の方ですが、数名の方に一応当たったんですが、残念ながら断られまして、結果的に推進派みたいな先生方になったということでございます。
中井委員長 八代委員の御意見は御意見で承り、またこれからも幅広い御意見の中で当委員会の審議を深めていけばいいと思いますが、反対意見等につきましては、前国会で一時全議員に配ろうということで準備いたしました資料には全部載ってございます。今回は、前国会の終了間際、各党一致した申し合わせの中で、新しい手法や発想等に基づいて試算をしてみよう、こういうことで命じてつくった調査でありますから、反対意見等については載っていない、それで当然だろう、私はこのように考えております。
 なお、反対意見等が載っている資料については、つくってはございますが、まだ正式に配付をいたしておりません。もし御参考までということなら、いつでも調査室から届けさせますので、お申し出をください。
蓮実委員 調査局の皆さん、本当に御苦労さまでございました。この報告書を全部大体見せていただきましたが、各項目に従って、確認のために幾つか、四点ばかり質問をしたいと思っております。
 一番目は、これは過去の報告の内容をもとにした内容なので特に云々なんですが、各国の事例、これは十三ページを見てもらいたいんですが、五つのケースが示されております。立法府が他の二権と云々を初め五つのケースが示されておりますが、三権が分散されている国に共通して考えられている移転の目的について、共通しているもの、あるいは特に際立っているものがあれば説明をしていただきたい、これが第一点であります。
 それから第二点は、五十九ページをちょっと見てもらいたいんですが、移転の形態。最近の提言のうち特に移転の形態について詳しく説明してもらいたいと思いますが、特に、重都型、それから分散型、一括・分散併用型の内容をわかりやすく説明してもらいたい。それぞれのメリットあるいは比較優位さを示していただきたいと思います。
 それから、六十三ページをちょっと見てください。六十三ページは、我々にとって一番関心のある問題、移転の規模についての試算であります。これはどのように行ったのか、人口の規模、それから面積、費用の各項目についてお聞きしたい。特に、平成四年の六月、これは三ページに書いてありますが、移転懇、それから四ページにある移転審議会と比較してどのように試算をされたか、説明を願いたい。
 私としては、これまでのような夢物語から現実的かつ実現可能なものと考えられますので、この試算を評価して、ぜひこの論議を深めて、できれば本特別委員会のものになっていただけたらいいなと思っております。
 それから、六十九ページをちょっと見てください。これは学識経験者の提言であります。大西さん以下何人か提言されておりますが、いずれの皆様の御意見は、現下の経済情勢、それから社会の動き、文化的潮流などを踏まえつつ、現時点でいかにこの問題を考えていくか、積極的に論じられております。大変参考になります。後日、本委員会において、それぞれの学者の先生方においでをいただいてお話を聞く機会があればいいなというふうに思っております。各氏の論述の特徴、ポイントを説明してもらいたい。
 一部に反論もありますけれども、大半が二十一世紀にふさわしい日本のシステムを構築するのに本問題は避けては通れないと思っています。むしろ今こそ強調されているように受けとめているが、いかがか。この点も含めてお聞かせいただきたい。
 それから、最後になりますが、今御説明ありましたように、PFI、不動産の証券化、これは百十七ページでありますが、PFI制度がよくわかり、大変勉強になりました。とりわけ、光多長温氏それから井熊均氏が国会移転にどのように活用するか述べておりますので、この部分について御説明をしていただきたい。
 以上であります。
 本報告書は大変参考になりました。事務局の努力に敬意を表したいと思います。
 問題は、これをいかに生かしていくかということだと思います。特に、学識経験者の大半がぜひ実現することによって新しい日本の政治、経済、社会、文化全体にわたるシステムをつくっていくべきだと述べておる点、私は考え方が同じであります。ぜひひとつ今後も頑張っていただきたい。
 以上であります。
内野調査員 ただいまの先生の御質問、非常に多岐にわたっておりまして、質問の要旨も事前に聞いておりませんでしたので、即座に答えられにくいという点がございます。もしあれでしたら後ほどまとめてお答えいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
中井委員長 それでは、委員会に数値も含めまして答えをお出しいただくようにお願いをいたします。
内野調査員 わかりました。
玄葉委員 玄葉ですが、先ほどの八代委員の御意見に対する若干の私の認識と、あと質問をさせていただきたいというふうに思います。
 基本的に今我々はどの位置にいるのかということだと思いますけれども、私は、今まだ移転法があって、審議会報告がそれに基づいてあって、基本的にそれがまだ生きているという状況だというふうに理解をしなければならないんだろうというふうに思います。
 ただ、その法律の中に、国会で移転先について決めるし、決めるに当たっては社会経済情勢をかんがみるということが書いてございますから、社会経済情勢にかんがみたときに、どうも若干の見直しの検討が必要ではないかということになって、この間この場で申し合わせをしたように、まさに規模とか形態とかあるいは費用等々についての見直しの検討を今こうして開始をしているという段階だというふうに理解をすべきなのではないかというふうに思います。
 なお、委員会の委員の構成とかについては、これは先ほど中井委員長から理事会の中でもお話があったんですが、先般、七月二十五日の段階でこの委員会でこういう申し合わせをしています。今後移転特の委員構成はなるべく多人数にする、そして三候補地出身議員が半数程度、その他地域出身議員も半数程度というふうにできるように我々で努力をして各党の国対なんかに要請をしていこうではないかと。事実、実は各理事でしているんです。その結果、現段階ではまだ決まっていないけれども、来年の通常国会ではそうしていただけるのではないかという段階だというふうに理解すべきなんだろうというふうに思います。
 それで、質問なんですけれども、一つは、内野さん、これは移転のコンセプトを見直すという前提で、あくまでまだ検討ですけれども、いろいろと考えていただいたということだと思います。一括移転、分散移転、あるいは一括・分散併用型、あるいは重都、こういろいろあるわけでありますけれども、特に分散移転といったときに、その理論的な根拠をそれぞれ有識者の方々はどこに求めておられたと内野さんなんかはお考えになられるかということをお聞きをしたいんです。
 審議会の報告は、御存じのとおり、あくまで一括移転だと。一括移転の理論的根拠はいろいろあるけれども、一言で言えば、やはり政治と行政は密接不可分だから、効率性も考えると一括なんだということだと思いますけれども、いや、分散でもいいんだという、その理論的な根拠というのはどこにあるというふうにお考えになられるかということをお聞きしたいということであります。
 二つ目は、窪野さんに、審議会としては、これは国会の調査室の報告書でありますけれども、この報告書をどのようにとらまえておられるかということもお聞きをしたいということでございます。
 あとは、これは場合によっては後ほどでもいいですけれども、細かいことですが、今回の試算では公的負担は二・四兆円で済みますということでございますけれども、私は二・四兆円もかからないんじゃないかという気もしているんです。この二・四兆円の根拠というのがちょっとよくわからぬなということが一つ。
 これも細かいんですけれども、せっかくなので教えていただきたいんですが、移転跡地の売却収入というのは一体どのぐらいを想定されておられるかということもせっかくなのでお示しをいただければというふうに思います。
 以上です。
内野調査員 理論的根拠とおっしゃいましたけれども、やはり先生方のお考えでは、分散することによりまして移転の経費がちょっと少なくなる、そういうことや、あるいは地方分権の強化といいますか、そういう二つのことは言えるんではないかと思いますが。
中井委員長 その他の質問に対してのお答えはありますか、売却益というものを計算しているかとか。
内野調査員 跡地の売却については、ちょっと考えておりませんでした。
玄葉委員 できれば、せっかくだから、大体ここからこの範囲、もちろんすぱっと言える数字じゃないですから、ここからこういう範囲ということで調べていただく、それでここに出していただくとありがたい。今じゃなくていいですから。
内野調査員 はい、承知いたしました。
窪野政府参考人 お答えをいたします。
 政府なりあるいは審議会としてどう受けとめるかというお尋ねでございましたが、まさに審議会としましては、報告を提出しまして、それから国会に報告されているところでございます。ということで、特段公式に申し上げにくいわけでございますが、国会でいろいろ御審議される中で、今回の調査局の試算というのは、まさに今後のコンセプトの見直しを進めていく上で大変貴重な一つの試算ではないかというふうに受けとめております。
中井委員長 委員の皆さんにお知らせを申し上げますが、国土交通省におきましても、窪野さんの部署におきまして室長、調査局が調査したようなことを含めて調査研究を進めておりますが、まだ中間報告なり最終報告を出すという段階に至っていない。しかし、その間いろいろと研究したり勉強していることについてわかる範囲でお答えをいただく、こういうことで本日参考人として招致をいたしております。
松本(和)委員 松本です。
 さきの特別委員会でも継続みたいな形になってきょうに来たわけでありますけれども、委員長もかわりましたし、中井委員長、かなり弾力的な、柔軟性のある考え方を持っている委員長ですから、私の言うことはばかげていて突拍子もないことだろうというふうにひとつ御理解をしないで、ちょっと考えてもらいたいということは、こういうことなんです。
 八代さんから東京の話が出ていました。私もそこの地区の委員じゃありませんからかなり幅広く見られると思って今まで参加していたんですが、なぜ東京が今これだけ発言があるのかといったら、東京で実体験を毎日やっているわけです、政治も経済も。三候補地が出ておりますけれども、そこはあくまで長い間机上の空論みたいなことをずっとやってきてしまった。
 ですから、私、たまたま今一時間ぐらい前に党の構造改革特区の会議に出ていたんですが、これからの一つの考え方として、参考人それからまたそれぞれの学識経験者の話を聞いていましても、例えば寺島さんの国会と危機管理、前回も私申し上げておりましたけれども、十万人規模で四兆円、この辺を一つの目安に第一段階する。そして同時に、構造改革の特区、これに首都移転というのはなじまないかもしれませんけれども、特区の方では今回の臨時国会で十四法律ぐらい改正して始まるわけですよ。では、こういったものになじむ法律があるかというと、せいぜい研究交流促進法を改正してやるくらいで、ない。ところが、随時補完的に受け付けていくと。来年四月施行ですけれども、その場合に、私、栃木県なり三重県なり、これがその十万規模のあれをやってみたらどうかということなんです。
 これは大変だと思いますよ、お金もかかるし、特区は補助金は出ませんから。ですから、そういう形の中でもって、やはり、お金をつくっていかなきゃなりませんけれども、それは今発言のあったPFIとかあるいは証券化、それからまた民間をどんどん参入させることによって、いろいろな形で経済の活性化にもなりますし、そういったものを、現実に一つの町をつくってみたらどうだろう。
 それは、栃木さんじゃ無理だよ、三重県じゃ無理だと言うかもしれませんけれども、それをやることによって、東京と同じ、少なくとも、規模はちっちゃいけれども何らかの比較対照できる実体の地域ができ上がっていくんじゃないか。そうしませんと、これをまたずっと空論みたいな形で何回も何回もやって、最後はまた終わりということの繰り返しになるんじゃないかと思うんですね。
 ですから、そういった、地方分権は必要なんですから、その地方分権行政特区みたいなものを、今後ひとつ、栃木県なり三重県さんが、岐阜県もあるのかな、それを国に提出してもらって、そこで十万人規模の町をつくってみたらと。仮にその三つが全部だめで東京に残ったとしても、いいインフラのできた、危機管理を持った町があれば、将来そこに何らかの形で私は行くと思うんです、いろいろな形の、分都にしろ何にしろ。ですから、そういうものをひとつ考えておく必要があるんじゃないか。
 大変、今、従来の考え方と違いますけれども、そのぐらいのことをしていかないと、なかなかこれは打破できないんじゃないかという気がしまして、たまたま構造特区というものが上がってきましたので、それはぜひ栃木県、三重県、岐阜県で競って、十万規模ぐらいのそういった地域、シティーをおつくりになって、そこでもっていろいろ実験してもらうということがいいんじゃないかというふうに思います。これは提言ですけれども。
中井委員長 松本委員から大変ユニークな御提言を賜りました。国会特区、最高裁特区というのがあるのかどうかわかりませんが、理事会も含めまして十分検討させていただきたい、このように思います。
大島(令)委員 社民党の大島令子です。
 一部重複いたしますけれども、きょうはこの調査書に基づいてということでございますので、これに沿って意見と質問をさせていただきます。
 私も、八代委員と同じように、この報告書で「学識経験者の提言」というものがございましたが、今まで、慎重、反対、賛成とか、大きく分けますと三つのカテゴリーの意見があったと思うんですが、今回の提言の中には、四名の方の、推進の立場の人の意見があって、否定的な人とか慎重論者の規模、形態の見直しについての意見がこの中になかったということに対して、先ほど内野室長からは、そういう方がいなかったということでございましたけれども、やはりその辺は、そういう人たちの意見も載せていただきたかったということを、まず一点私は申し上げたいと思います。
 その理由は、こういう調査書というまとまったものができてしまいますと、これが基本的な前提となっていろいろこれから議論が進められるということで、少し残念に思います。
 実際の質問でございますけれども、六十三ページの分都的形態を前提としているという試算でございますが、この分都的形態と分都とは違うものなのかどうかということが一点でございます。
 今までの議論の中でも、新都市に移転するもの以外、中央省庁の三分の一ですとか、各省庁から移転していくものと残すものとかというアンケートをとった記憶がございます。ですから、この新都市に移転するもの以外というのは東京に残るという考えでいいのかどうか、それを聞かせていただきたい。もし東京に残さないというのならば、その移転費用はこの調査書の中でどのようになっているのか。それが計上されていないということであれば、今回の試算は正確ではないのではないかと思うんですが、この件に関してお伺いしたい。
 もう一つ、この委員会では、候補地三カ所に機能を分散するという議論もありましたけれども、基本的には三候補地、一括移転ということで、各候補地の知事さんたちに出てきていただいたと思うんです。しかし、これを見ますと、分都的形態を前提ということでございます。そうしますと、根本的な前提が違ってくるわけですから、その試算が、三地域にそれぞれ機能を分けて移転するのか、その辺が少し私にはわかりにくいと思っております。
 そういうことを整理した上でこの報告書がつくられていないということであれば、これは少し不正確な調査書になるのではないかと私は個人的に思うのですが、内野室長の御意見を聞かせていただきたいと思います。
内野調査員 先ほど、東京から地方に行かないものの試算はどうかということでしたが、それは今回の場合は試算しておりません。
 それから、分都的といいますのは東京に残るのかほかに行くのかということでしたけれども、東京に残るのか、ほかの都市に行くのか、それも、具体的に東京に残るというような前提では一応考えていないということです。
大島(令)委員 いいですか、委員長。
中井委員長 時間の関係がございますので、小林委員と渡辺委員が先ほどから挙手をされておりますので、委員会はまた来週も予定をいたしておりますので、きょうは一回限りにお願いをしたいと思います。
小林(守)委員 この委員会のあり方について、ちょっとただしておきたいなというふうに思います。
 七月の二十五日に「委員会のあり方等についての要請に関する申合せ」というのが行われております。それで今日の時点に至ったわけですけれども、この要請の三項目の中で、社会経済状況を踏まえて移転の規模や形態や新しい手法の見直しを、今回の予備的調査に基づいて、報告をいただいて調査に入っているということだと思いますが、そのほか、三項目の中には、いわゆる委員の構成について、三候補地出身以外の方についても半数程度入ってもらうというようなことについて、これは先ほど玄葉さんの方から次期通常国会あたりで考えられているというようなお話を承りました。
 ただ、もう一つの項目であります、平成十五年の通常国会の本会議において移転を行うか否かについて決議するという項目が入っております。これは極めて重大な合意項目だというふうに思いますが、これを次期国会前にということは、今国会までには既に各党の協議の中で合意していただいて、しかるべく取り計らってくださいというような要請になっております。ということは、この臨時国会前において政党間の協議で合意がなされているのかいないのか。
 それから、次の通常国会で本会議においてこの決議をするということの前に、委員会はどういうことをするのか。いきなり本会議に行ってしまうのかどうか。非常に重要な問題だというふうに思っております。
 ということは、例えば、移転を行う決議をもう一回し直すということだとすれば、十年前に行った決議と何ら変わりないじゃないか、また、どんどんこれで進めていくんです、時間をとってやっていくんですかというような問題が考えられるわけですけれども、この今度の決議はどういう意味を持っている決議なのか。例えば、移転を行うという決議にする場合にはどういう意味を持つのか。
 それから、否かという決議については、これは決定的に大きな転換になるわけですけれども、この「否か」というものを決議の中に取り入れようというふうに判断をされてきたこの理事会あるいは委員長等の御認識について伺っておきたいなというふうに思います。
玄葉委員 ちょっと十分今質問を把握できているかどうかわかりませんけれども、基本的に、七月二十五日に理事一同で、またこの場で御報告をさせていただいた。また、理事一同で申し合わせをした内容については、各党の理事が中心になって各党の国対委員長さんにまさに要請をしている最中だというふうに理解をしていただきたいというふうに思います。
 そして、三番の、委員会の構成については、先ほど申し上げたとおり。
 二番の「平成十五年の通常国会の本会議において、移転を行うか否かにつき決議する。」というのは、まだ現段階で一〇〇%確定したわけではないというふうに言わざるを得ないのではないか。今要請中であるということでございます。
 そして、最後の、「否か」ということをどうして入れたんだということでありますけれども、これは、先ほどの八代委員の御意見なんかも含めて、それはざっくばらんに申し上げて、反対意見もあるわけでございます。だらだらだらだら、やるのかやらないのかわからないという状態が何年も何年も今後続いて本当にいいのかという判断を全体としてはさせていただいた、私自身がしたかどうかはともかくとして、全体としてはそういうことも含めて判断をさせていただいたということでございます。
 以上です。
渡辺(喜)委員 今の質問と関係があることでございますが、前の国会で、この委員会に諮ることなく各党の国対委員長が談合をしてこの問題を葬り去ろうとした、こういう事実がございました。それに反対の意を表明して、当時の石原委員長が辞任された経緯がございます。どうぞ、中井委員長におかれましては、そのようなことがないように、ぜひ透明な議論をこの委員会で通していただきたいと思います。
 その上で、この国会移転の問題は大変不幸な現実と理念の乖離がございます。私は、思い切ってフル規格移転論は凍結をし、そして国会のバックアップ機能の構築に努めるべきだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 お答えは要りません。
中井委員長 承りました。
 他にもいろいろと御意見はおありだろうと思いますが、本臨時国会中、今小林委員等からお話がございました決議の中身も含めて議論を深めて、当委員会としての役割を果たしていきたいと考えております。
 それにつきましても、調査室におかれましては、先ほど蓮実委員等から出ました具体的な質問に対して数値をもって答えられるように御努力を賜りたいし、国土交通省におきましても、さらに一層スピードアップして調査を進めていただきますようお願いを申し上げ、本日は、時間でございますので、これにて会議を終了したいと思います。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三分散会


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