衆議院

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第2号 平成20年2月28日(木曜日)

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平成二十年二月二十八日(木曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 山本 幸三君

      片山さつき君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    薗浦健太郎君

      土井 真樹君    原田 憲治君

   兼務 穀田 恵二君

    …………………………………

   経済産業大臣       甘利  明君

   経済産業副大臣      新藤 義孝君

   経済産業大臣政務官    荻原 健司君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   大西 珠枝君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           瀬戸比呂志君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局次長)           内山 俊一君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局次長)           照井 恵光君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    福水 健文君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            高原 一郎君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局次長)          神谷 俊広君

   経済産業委員会専門員   大竹 顕一君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  斉藤斗志二君     土井 真樹君

同日

 辞任         補欠選任

  土井 真樹君     原田 憲治君

同日

 辞任         補欠選任

  原田 憲治君     薗浦健太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  薗浦健太郎君     片山さつき君

同日

 辞任         補欠選任

  片山さつき君     斉藤斗志二君

同日

 第一分科員穀田恵二君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算

 (経済産業省所管)


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     ――――◇―――――

山本主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。

 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算及び平成二十年度政府関係機関予算中経済産業省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井真樹君。

土井(真)分科員 おはようございます。自由民主党の土井真樹でございます。

 大臣におかれましては、連日、本当に御苦労さまでございます。

 きょうは、経済関係について、特に経済成長戦略並びに今現場の実態である、中小企業について、大きく二つに分かれて質問をさせていただきたいというふうに思います。

 平成十八年にいわゆる経済成長戦略大綱というものを政府が策定しまして、それに基づいて、ここ二年、経済政策を進められているというふうに考えておりますが、私は、我が国の国のあり方として、一つは富国有徳、昔は富国強兵と言いましたけれども、富国有徳という国のあり方を目指すべきであるというふうに考えております。その中で、明治も、今もそうですけれども、富国、国を富ますということで、豊かで強く魅力ある日本経済、この戦略大綱の中にも書いてございますが、そういう日本経済を我々はしっかりと目指していかなければならないということは、大綱に書いてあるとおりであると私も認識しております。

 まず、この大綱ができてからこの二年間で、経済政策、どういう成果が上がっているか。まずは大臣の評価をお伺いさせていただけますでしょうか。

甘利国務大臣 経済成長戦略大綱は、イノベーションの加速、そして生産性の向上を通じまして、持続的で安定的な経済成長を実現すること、これを目指しているわけであります。

 これまでの間の経済成長戦略大綱に基づく具体的な成果として申し上げますれば、例えば、減価償却制度というのを抜本的に改正いたしました。四十年ぶりの改正と言われておりますが、これによりまして、明白に企業の設備投資が促進をされたわけであります。今の景気は設備投資と輸出が担っている、その一翼を担っているんだと思います。

 それから、国際的な企業間競争の進展に対応をした企業結合ガイドライン、この見直しが行われたということであります。国際競争が激化をしている中で、この競争に勝ち抜いていくためにどう手だてをとっていくかということで、現下の国際競争の激化に見合った見直しが行われたというふうに思っております。

 それからもう一点、これも大きな効果でありますが、成長戦略枠というのをつくりまして、そこの予算はプライオリティーを上げて確保していくということですから、投資効果の高い予算となるような仕組みができたんだというふうに思っております。

 もちろん、この大綱は、毎年度その進捗状況を検討いたしまして、ローリングして改定をする、よりいいものに、チェンジ・フォー・ザ・ベターといいますか、いい方に見直しを常にしていくということであります。これらを通じまして、我が国経済の成長力の強化に貢献をしてきているというふうに理解をいたしております。

土井(真)分科員 私も今お話しいただきました減価償却制度並びに企業結合のガイドライン、具体的な政策は大きな効果があるというふうに思っております。特に減価償却制度は長年私もいろいろと疑問並びに矛盾を感じていた制度でございますので、かなり画期的な一歩ではないかなというふうに思っております。

 さらに大綱を読みますと、今大臣がお話ありましたように、国際競争力の強化と生産性の向上とともに、地域中小企業の活性化というものも三本柱の一つに入っております。

 そういう柱の政策を行ってきたわけでございますが、実質経済成長率は、平成十八年で二・四%、平成十九年で一・三%と推移しております。この経済成長戦略大綱の中を読ませていただきますと、「今後十年間で、年率二・二%以上の実質経済成長を視野に、本大綱の政策を実行する。」というふうに書いております。目標ではなくて視野という言い方をしております。目標でなく視野ということと同時に、そもそも二・二%というのがもう少し高くできないかなというふうに私は感じております。

 と申しますのも、つい先日就任しましたお隣の韓国の新しい大統領が、七四七戦略というんですか、成長率七%、そして、一人当たりGDP四万ドルを目標にして政策を行っていくということをはっきりと旗を立てて、目標をしっかり明示して、そして国民の力を結集して経済を成長させていこうということをやっております。七%ですから、これから十年たてばすごい成長をするということが想定されますし、さらに、いわゆるOECDの他の先進国の実質成長率と比較しても、我が国の成長率はやや低いんではないかというふうに思います。

 ですから、もう少し高目の成長率を目標というか視野に入れつつ、さらに、お隣の大統領ではないですけれども、そういう大胆なビジョン、夢のあるビジョンを目標に掲げて戦略をつくっていくということは、大臣の方は考えていらっしゃらないでしょうか。その辺の見解をお伺いできますでしょうか。

甘利国務大臣 かつて我が国も所得倍増計画とか、具体的な目標を国民に示して夢を提示して、それに向かって一丸となって邁進をしていくという推進力になったということも事実であります。経済が成熟をしてきますと、なかなか高目の成長力を確保するのが難しくなってくる。かつて日本も二けた近い成長をなし得た時期も、高度成長期はあったわけでありますが、成熟期に入っていま一つ高い成長は望めないと。

 しかし、先生御指摘のとおり、成熟した先進国であっても、ヨーロッパの中あるいはアメリカでは三、四%の成長を確保しているというのは事実でありますから、それに比して、経済成長戦略大綱でも、今後十年間で年率二・二%以上ということにはなっていますが、それを視野に入れと、ちょっと決意が弱いんではないかという御指摘だと思います。なぜ日本が低成長なのかという原因分析を今しているところであります。

 そして、これからは人口減少に入りますから、成長の三要素の一つがマイナスになっていくわけでありますから、そういった中でどう成長を確保していくかというさらなる厳しい課題に取り組んでいかなければなりません。

 そこで、福田政権下では、次の三点というのを重視した成長戦略大綱になっているわけであります。

 一つは、世界の成長センターたるアジアの成長に日本が関与しつつ、一緒に伸びていくということであります。日本の強みといえば、世界の成長センターたるアジアに位置しているというのはほかの国にはできないことでありますから、これをフルに活用していくということであります。そして、アジアの成長とつながると同時に、従来の地域の産業の成長力を高めていくつながり力というのを発揮していく、その一つに農商工連携というのがあるわけであります。従来はつながっていない異業種の分野の連携を通じて、成長力に寄与するということであります。

 それから二点目としては、日本が本来持っている強みにさらにドライブをかけていくということであります。これは、先端技術というのは日本のお家芸、あるいは環境技術もお家芸、そして最近は、感性の力といいますか、文化の力というのがありますから、これらにドライブをかけていくということであります。

 三点目は、どうやって需要を掘り起こしていくかということになりますが、アジアでは新たな中産階級が勃興しているわけであります。その需要に向けてアピールをしていくということ、あるいは、同じくアジアにおいて環境と成長というものをどう両立させていくか。そこには、日本の省エネ技術を初めとする環境力というのがありますから、そこを使ってその需要にこたえていく、あるいはそういう需要を起こしていくということで、新たな需要を積極的に生み出して、そこに日本が供給を図っていく。

 そういう三点を通じて、福田成長戦略では日本の成長を図るということであります。

土井(真)分科員 よくわかりました。ありがとうございます。

 いずれにしても、今、三点に留意して成長戦略を進めていくということでございます。確かに、先ほど申し上げた、平成十八年に二・四%ありましたけれども、昨年には一・三%に下がっている。そしてまた、恐らくことしも十九年と同じようにそんなに高くないのではないかというような現場的な感覚がございます。

 と申しますのも、私の選挙区は豊田市でございますので、大きな巨大企業が一個ありますけれども、実は、大きな企業はそれだけでございまして、それ以外は全部中小企業ないしは零細企業がたくさんございます。

 地元に帰りまして、よくそういう中小企業並びに零細企業の皆さんとお話ししていると、そんなに景気がいい、経済が成長しているというような実感は、まだら模様ですけれども、一部はまだ厳しいところがあるというのがよく感じるところでございます。確かに、大企業の方は決算を見てもいい数字が出ていますし、その波及効果はあるんですけれども、中小企業ではまだそういう波及効果が来ないとか、あるいは違った業種では厳しいと。

 といいますのも、去年から大きな問題になっているのは二つ。中小企業にとって大きく影響を受けているのが、一つは、昨年の建築基準法の改正により住宅着工件数が激減していると思います。現場では、悲鳴のような声が上がっております。建築業者だけでなく、その周辺の、例えば建材の業者であるとかあるいは建築士さんとか設計をする人たちとか、そういういろいろな皆さんから、私はこの件については、大変だ、何とかしてほしいというようなことを何度も何度も言われております。

 さらに、昨年から原油が高騰しております。ガソリン価格あるいは重油の価格が高騰しまして、運送関係とか、重油を使うような業界は、ボイラーをたくような業界は、みんなやはり原材料費が高くなって利益が出ない、中には赤字のときもあるというような声を非常によく聞いております。

 先ほどの成長率の話もございますが、今現在の、特に最近において、住宅着工件数の減少とかあるいは原油高騰、こういった課題によって中小企業が大変厳しい状況に直面しているという点をどのように把握していらっしゃるのか、お聞かせ願えますでしょうか。

福水政府参考人 お答えいたします。

 私ども中小企業庁でも、全国の中小企業一万九千社を対象に四半期ごとに調査をやっております。業況調査でございますが、これによりますと、二〇〇六年の四―六から七期連続で業況感は悪くなってきているというふうな状況がございますし、政府系金融機関の調査を見ても、同じような傾向が特に最近出てきておる。

 その原因につきましては、委員御指摘のとおり、一つは原材料価格、これにつきましても、一万九千社に仕入れ単価の状況はどうかということをお聞きすると、これは毎年上昇が厳しいという方の割合が多くなってきているということでございます。

 加えまして、住宅着工につきましては、六月に改正されまして、七―九、十―十二と、マイナス三七・一、マイナス二七・三というように住宅着工件数も落ち込んでおりまして、そういう意味では、建築関連業種はそういう厳しさが続いておる、そんな状況かと思っております。

土井(真)分科員 今お話しいただきましたように、原材料価格もそうです、あるいは原油の高騰もそうです、それぞれについて、やはり国として、政府として、できることは対策をしっかりとやっていかなきゃいけないというふうに考えております。

 そして、それぞれ順番にその対策について幾つかお聞きしていきたいというふうに思っております。

 まず、大きな企業、中小企業でもそこそこの規模の企業であれば、それなりの内部留保があったり、いろいろ金融機関からの支援を受けたりして、こういう厳しい状況でも何とか耐えて、また状況がよくなったときまで我慢しながら今の企業を継続していくことができるというふうに思いますけれども、それより以下の中小、小ですね、小企業とか個人企業とかいうような本当の中小の企業の方については、こういう状況になりますと、資金ショート、資金不足になってくるというのが今現実で、非常にその辺の相談あるいは苦情等がたくさん来ております。

 特に、中小企業は、金融機関、地元の信用金庫さんとか地元の金融機関、さらには国金、国民金融公庫であるとかあるいは信用保証協会であるとか、そういうようなところを一生懸命活用しながら今資金繰りを、資金対策をやりながら生き延びている、利益は出ないんだけれども何とか生き延びているというような状況が、あるいは業種の会社さんがたくさんございます。

 それらの会社に対して、どのような金融対策並びに、今こういう時期ですので、税制上の対策等を実施しているあるいは予定しているのか、具体的に詳しく教えていただけますでしょうか。

新藤副大臣 私どもも、委員の問題意識、また現場の中小企業の景況悪化、これは肌身で感じているところでございまして、まず経産省としては、この資金繰りの支援をするということでございます。

 これまでは、私どもといたしまして、まずは政府系金融機関のセーフティーネット貸し付け、それから信用保証協会のセーフティーネット保証、また、これらの機関によります返済猶予等の既往債務の条件変更、これはリスケと言われております、等を実施いたしまして、建築着工のおくれ、また原油価格高騰の影響を受ける中小企業者の資金繰りを支援してまいったわけでございます。

 特に、保証協会によりますセーフティーネット保証、これは昨年の十一月にまず建築関連で十五業種、この指定業種を追加いたしました。十二月にはさらに二十四業種を追加して行いまして、機動的に中小企業の資金繰りを支援させていただいたというふうに思っております。

 さらに、先般、政府として、年度末に向けた中小企業対策を取りまとめをいたしました。その中で、現在の原油、建築関連のセーフティーネット保証対象の五十三業種について、指定期間を前倒しいたしまして六月まで特別に延長をするということでございます。さらに、業況の悪化が著しい業種についての緊急調査等を行いまして、必要な業種をセーフティーネット保証の対象に緊急追加をしようと、これは明日、実施したい、このように考えております。

 このように、原油、建築関連でのセーフティーネット保証の継続、強化を図りまして、影響を受けている中小企業の資金調達の円滑化を支援してまいりたい、このように思っております。

土井(真)分科員 ぜひとも、今おっしゃっていただいた政策を早急に進めていっていただきたいというふうに思います。さらに、今お話しいただきました指定業種の拡大、追加とかあるいは期間の延長であるとか、そのような政策も可能な限り広げていただいて、救済できるものは救済していく、あるいは支援できるものは支援していっていただきたいというふうに考えます。

 今お話しいただいた、例えば信用保証協会とか、あるいは国金等も含めてなんですけれども、政府の施策というのは、国の方でそういう形でどんどん救済の枠を広げて、対象を広げて、期間を広げてやっていっても、今度はまた現場で、現実には現場のそれぞれの窓口で迅速にそういう対応をしてもらえるのかどうかというような問題がもう一点ございます。

 例えば資金の融資を受けるときなんかは、本当にいろいろ多くの書類を出さなきゃいけない、あるいは審査を待つ時間が非常にかかってしまうというようなことで、昔は、昔はというか、特に中小企業さんは、そういう書類をしっかりつくってやっている時間的余裕がなかなかないとか、労力的余裕がないというようなこともございます。

 さらには、特に個人事業とか小企業においては、かつてグレーゾーン金利と言われましたけれども、そういう金融業者さんを利用して、一時的な資金繰りをこなしていたというような実態もございますけれども、最近はそれもできなくなったということで、今月末の資金繰りどうしようかというような小企業さんが本当にたくさんございます。

 特に中小企業の小企業において、今お話しいただいた、そういうセーフティーネット保証等が迅速かつ適切に行われるような運用面の配慮、使いやすくできるとか、そういう制度が有効に活用されるための取り組みが必要であると考えますが、その点についていかがお考えなんでしょうか。

甘利国務大臣 昨日もこの委員会で、いわゆるグレーゾーン金利の廃止によって、小規模零細事業者の事業資金が細っているという御指摘をいただきました。

 そこで、私ども、小規模零細事業者には頼りになるのがいわゆる国金でありますけれども、この国金の第三者保証人不要融資制度というのがありますが、この限度額が二千万になっております。第三者保証人を要する枠が四千八百万まであるわけでありますが、そのうちの二千万が不要の枠。これを限度いっぱい、もちろん審査は当然あるわけでありますが、それによって四千八百万まで可能とすることといたしまして、今週の二十五日から実施をいたしております。

 それからマル経は、五百五十万に四百五十万を乗っけて総計一千万ということでありますが、最初から一千万の枠を持てるというふうにしたわけであります。

 もちろん、審査についてもできるだけ迅速に行う、あるいはインターネットを通じたSaaSという財務管理をしていれば、その審査は飛躍的に簡略化されるということ等も対応しているわけであります。

 あわせまして、私や財務大臣や金融大臣を初めとする五閣僚が、政府系それから民間、信金、信組を含めまして、金融機関の代表者に集まっていただきまして、年度末の金融の繁忙期に資金ショートするようなことがないように、極力柔軟に対応してもらいたいという要請もしたところであります。

 いろいろな現存するツールを使って、小規模零細事業者に資金ショートが起きないような措置をとっていきたいというふうに思っております。

土井(真)分科員 ぜひとも、そういう手だての方を実態的に行っていただけることを強く希望いたします。

 次に、先ほど申し上げました建築着工件数の減少と同時に、もう一個、経済を減退させるであろう大きな要因であります原油の高騰の方について質問させていただきます。

 まず、昨今の原油の高騰は、もう皆さんそれぞれ承知の上で、バレル当たり、WTIで百ドルを超えるというような状況が今現実に世界で行われているわけでございますが、なぜ、これだけ原油が高騰していくのかというような、理由というか背景をどのようにとらえていらっしゃるのか。その認識をお聞かせ願えますでしょうか。

甘利国務大臣 大まかに分けて三つあると思います。

 一つは、実需がやはりタイトになってきているということであります。生産予備力といいますか余力が次第に少なくなってきている。それから、アメリカにおいては製品在庫がタイトになってきていると。アメリカはリファイナリーの設備がかなり古くて、これは環境問題も含めて、増設するということがなかなかかないません。

 それから二点目は、ジオポリティクスといいますか地政学的な要因があります。いろいろと産油国の状況が不安定になるにつれて、やはり価格が高騰するということが見られます。

 それから三点目は、金融的な側面があると思います。地政学的リスクとも絡んでいるんでありましょうが、将来見通しとして価格は上がっていくんではないかということで、実需を超えた資金が石油先物市場に流れ込むという要素があろうかと思います。

 これらが主要な三大原因だと思っております。

土井(真)分科員 私も今大臣がお示しいただきました認識を共有しているわけでございますが、だからといって、原油が高騰するのをずっと指をくわえて見ているというか、傍観しているわけにはいかないと思います。できることはして、少しでも原油価格が安定するような状況を、一国では難しいとは思いますけれども、各国に呼びかけて、消費国あるいは産油国、生産国に呼びかけて、世界経済の安定も含めて、価格がある程度安定するような取り組みが必要だというふうに考えますが、このような原油高騰に対応するために、我が国として国際的な働きかけをどのように行っているか、お聞かせ願えますでしょうか。

甘利国務大臣 先般も、ダボスで主要消費国会合を私の主宰で開催しました。EU、イギリス、アメリカ、それにIEAに入ってもらいまして、そこで、消費国としてそれぞれ自分の持っているルートを通じて産油国に働きかけよう、これは増産を働きかけるということであります。

 それから、バイで産油国との会談もいたしました。彼らは、経済が少し低迷してきている中で減産をかけると油価が暴落するのではないかというトラウマが若干あるようでありますが、世界経済の堅調な発展が産油国にも資するということを説得しているところであります。

 それから、アメリカのリファイナリー設備の余力がないというところから、日本から製品輸出をしたらどうだろうかということもアメリカと話し合いまして、今、事務的に詰めているところであります。

 それから、金融に関しましては、日本の拠出でIEAに、金融と油価の関係を専門家に調査させる、いわばそういう研究の場を、議論の場を立ち上げたところであります。

 なかなか即効性がないので若干いらつくところもありますけれども、それらを通じて少しでも実勢価格に即した油価になるように誘導できればというふうに考えております。

土井(真)分科員 マーケット、市場をコントロールするというのはなかなか難しいとは思いますけれども、そういう取り組みを示すことによって安定的な原油の供給が行われるように、ぜひとも大臣には頑張っていただきたいというふうに思います。

 いずれにしましても、先ほどの中小企業も含めて、経済政策は、最初に申し上げました富国有徳、国を富ます、富んだ国をつくっていく上で大変重要になってくると思いますので、ぜひともこれからも頑張っていただければというふうに思います。

 きょうは、どうもありがとうございました。

山本主査 これにて土井真樹君の質疑は終了いたしました。

 次に、原田憲治君。

原田(憲)分科員 おはようございます。自由民主党の原田憲治でございます。

 私は、中小企業支援の観点から、今のトラック輸送事業の問題、それから自動車の安心、安全の問題について何点か質問してまいりたい、このように思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず最初に、自動車の安心、安全の面で、自動車には、新車時、乗用車でいいますと三年間の車検、新車登録から三年目になりますと車検を受けなければならないというようなことが義務づけられております。後は二年ごとということでありますが、その車検に適合しない部品が取りつけられておるような状況があるようでありまして、国交省にお尋ねをいたしますと、自分のところでは車検のチェックはするけれども、後づけの部品についてはというようなことを話されたわけであります。

 後づけの部品というのは、大体、町の自動車用品店というんでしょうか、そういうところで売られておる。これは自動車には入らないかもしれませんけれども、一例を申し上げますと、原付バイクの後ろのナンバープレートというんですか、あれの角度を変えられるようなパーツが販売されておる。

 警察では街頭で指導をするんですけれども、その販売を取り締まることができないんだろうかという疑問を持ちましてお尋ねをしたところでありますけれども、はっきりしたお答えがいただけなかったということで、この際、そのような販売を指導すること、あるいは差しとめをすることができないのか、お尋ねをいたしたいと思います。

内山政府参考人 お答えをいたします。

 先生御指摘の自動車の部品や附属品につきましては、自動車の一部を構成するものとして、車両安全の確保、また環境の安全に加えまして、所有権の公証や犯罪抑止などさまざまな目的や意義を有していると思います。そのため、関係省庁がそれぞれ担当する所掌事務を遂行する観点から、必要に応じて規制措置等を講じているところでございます。

 例えば、先生御指摘のナンバープレートにつきましては、外見上から自動車を特定できる唯一の標識として、所有権の公証など重要な役割を担っております。そのため、ナンバープレートを視認しにくくする、見えにくくするカバーなどにつきましては、道路運送車両法によりまして、ナンバープレートを見やすいように表示することが求められている点を踏まえまして、国土交通省におきましても規制のあり方の検討が進められているというふうに承知をしております。

 私ども経済産業省といたしましても、関係事業者の自主的な取り組みの状況も踏まえながら、今後とも、国土交通省などの関係省庁と密接に協力して適切に対処していきたいというふうに考えております。

原田(憲)分科員 ありがとうございます。

 ただ、もう一点お尋ねをしたいのは、店等へ指導に入られると、製造業者というんでしょうか、部品をつくっておるところが、例えばナンバープレートのカバーですか、そういうようなものにつきましてはどういう使われ方をするか、私の方は隠すために売っているんじゃないんです、例えばナンバープレートが汚れるのを防ぐためにユーザーの人が取りつけていただいたらと思うというような形で、うちには責任がありませんよ、悪かったら取り締まるはずじゃないですかというような答えをする人がおるように私は聞くんですよね。

 そういうところまで許していいのか。車検制度があるのに、これは車検を通してしまうということも問題なんでしょうけれども、そもそも、どういう使われ方をするのかということを実態として掌握していながら、そういうことを想定しなかったというようなことを平気で答えさせて、それを許しているようなことではいかぬと私は思うんですが、その点、いかがでしょうか。

内山政府参考人 お答えいたします。

 先生まさに御指摘をされましたような使われ方の問題、そういったことも含めまして、実態をよく踏まえた形で、先ほど申し上げましたように、関係省庁、国土交通省等々とよく相談しながら、必要に応じまして適切に関連の事業者を指導することも検討していきたいというふうに考えております。

原田(憲)分科員 よろしくお願いをしたいと思います。

 そういう風潮が、今、たまたま自動車のことを例に出して言いましたけれども、これはどこの省庁ということではなくて、例えば盗聴の装置ですとかあるいは盗撮のカメラですとか、そういったものをつくって売っておる。秋葉原、大阪でいいますと日本橋あたりへ行きますと、堂々と店頭で売られているわけですよね。

 売っている方は、いやいや、それは盗撮するため、盗聴するために売っているんじゃないですよ、こういう使い方があるので売っているんですよというような逃げ口上をしているように思えてならないんですね。やはりそれはきちっと、物をつくるからには最後まで責任を持って対処していただきたい。

 ぜひそういった観点からも、経産省として関係の部局から周知徹底をしていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 それでは次に、中小企業対策という観点から、トラックの事業者に対する取り組みについてお尋ねをしたいと思います。

 先ほども出ておりましたけれども、燃料価格の高騰でなかなか運送業界も大変だというお話をお聞かせいただきました。

 トラック協会さんの調べといいますか資料によりますと、軽油ですね、トラックですから軽油の価格の、燃料費の価格に運賃を転嫁している状況が今どうなのかという調査をされましたら、平成二十年一月現在で、転嫁が全くできていない事業者が五八・四%、それから転嫁ができている事業者が四〇・三%、約六割が転嫁できていない。転嫁ができているのは四割という状況であります。

 これと同じように、高速道路の通行料というんですか、それに対しても、こういう同じような現状があるのではないかと思っております。特に元請から、元請さんが荷主さんから高速道路の通行料金を受け取って、それを下請の事業者に仕事を回した場合にちゃんと払われているのかどうかというようなことを掌握しておられるかどうか、関係の役所の方へお尋ねをしたいと思います。

神谷政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生申されましたように、トラック業界を取り巻く環境は非常に厳しいという状況でございます。加えまして、これもまた先生おっしゃったように、軽油価格の高騰という状況が大変な重荷になっておるわけでございます。

 今お問い合わせの高速道路料金の問題でございますが、私どもも、荷主側の御都合によりまして、トラック輸送の発送時間とかあるいは到着時間を指定されるような場合、通常、高速道路を利用するということでお約束いただきまして、高速道路料金を、支払った使用料を実費として荷主の方からいただけるという状況になっておるわけでございますが、ここのところが必ずしも適正に処理できていないケースも見受けられるという実態につきましては耳にしておるところでございます。

原田(憲)分科員 先ほど私、数字で申し上げましたけれども、燃料費の転嫁は六、四というような関係ですけれども、高速道路料金の負担というんですか、自分のところが負担しているのか、荷主が負担しているのか、その辺の割合というのは実態は掌握されていますか。

神谷政府参考人 お答え申し上げます。

 正確な実態は、数量的には、定量的にはちょっとまだ把握はしておりません。

原田(憲)分科員 ぜひ一度、その辺も担当の役所として掌握をしていただきたいと思っております。

 規制緩和というんでしょうか、私は、規制緩和じゃなくて規制改革というとらまえ方をしていただいた方がいいんじゃないかと思うんですが、今までは、認可運賃というんでしょうか、決められた輸送コストを計算して、ここからここまでは幾らですよというような対応がなされておったと思うんです。

 今は届け出ということでしょうか、幾らで運んでいますよということで役所の方へ書類を出されて、それを認めておるような形になっておると思うんですが、トラックの業界というのは、事業者の規模というのは、従業員数が十人以下というのが四七%もあるんですね。十八年度の実績ということできょう資料をいただいたんですが、そのような、中小どころか弱小と言ってもいいような事業者が占めておる。

 昔は、こういった小さい事業者は、大手の事業者から仕事をもらって走っておったというような時代があったろうと思います。私も、子供のころからそういうことに興味を持っておって、近くに運送屋さんもあったものですから、いろいろな話を聞いておりました。

 運転手さんからも話を聞いたことがありますけれども、今までは、大手さんが下請さんを使うときには、厳しい仕事というんですか、時間ぎりぎりに運ばなければならないような仕事は大手でやって、事故を起こされたら困るということで余り下請を無理させない。下請には、時間的余裕があるような配送時間で荷物を運ばせておったというような実態があるんですが、今、どうも聞いておりますと、その逆で、できるだけ下請を買いたたいて仕事を渡しておる。下請も、その仕事を断ると次から回ってこないというような心配があって、なかなか断れないような状況になっておる。

 先般、私の方の地元の近くで起こりましたけれども、スキーバスの事故、あれなんかも典型的なものじゃないかと思うんですね。断ったら、次、自分のところへ仕事が回ってくるかわからない。無理を承知で家族でやっているもので、運転はできないけれども、自分の息子を添乗員がわりに積んでいった。結局、その人が亡くなった。運転していたのはそのお兄さんでしたかね、そういったような悲しい事故も起こったわけですので、その辺はぜひ役所としても、国交省から経済産業省に大臣が要望されたこともあったと思うんですよ、適正な運賃で荷物を運ばせてほしい、ぜひ荷主さんの方にも指導をしていただきたいというような話があったように思うんですが、その経過はどういうふうになっているのか、ちょっとお教えいただきたいと思うんですが。

神谷政府参考人 お答え申し上げます。

 適正な運賃の転嫁につきましては、先生おっしゃるように、従前より荷主業界を所管されております経済産業省あるいは農林水産省等々に、私どもの国土交通省、旧運輸省時代からでございますが、いろいろと要請をしてきておるところでございます。

 実は、冒頭先生もおっしゃいましたように、昨今の軽油高騰ということ、大変な事態になっておりまして、まさにトラック事業者個々の自助努力ということではもう限界をはるかに超えておるということでございまして、ここはもう本当に行政が前面に立って適正な運賃の円滑な転嫁という環境整備をしていかなきゃいかぬというふうに考えております。

 実は、平成十七年、十八年と、もう二年間にわたりまして、当時の国土交通大臣を先頭に、地方の運輸局長が全国を回りまして、荷主団体に対しまして、トラック産業の置かれた窮状を訴えまして、運賃の円滑な転嫁について要請をしたところでございますが、昨年の十二月には、改めまして、冬柴国土交通大臣が日本商工会議所の岡村会頭、そしてまた国土交通審議官の春田の方が日本経済団体連合会の渡副会長を直接訪問いたしまして、現下の窮状を訴えまして、ぜひとも適正な運賃の転嫁をよろしくという緊急協力要請というのをやったところでございます。

 地方におきましても、こうした中央の動きに連動いたしまして、地方運輸局長が、ことしは地方経済産業局長の御協力も得まして、各ブロックの荷主団体に対しまして同様の緊急協力要請をやってまいったという状況でございます。

原田(憲)分科員 国交省の方の意見はわかったんですが、経産省として、その後どのような対応策をとられて、どのような経過をたどっておるのか、お答えをいただきたいと思います。

福水政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど国土交通省からお話がありましたように、原油高騰に伴いまして、トラック業界は非常な苦境に陥っているというのは我々も十分認識しておりまして、十二月の要請も御一緒にさせていただいた、そんなことでやっております。

 私どもには下請代金法という法律がありまして、これは公取さんと一緒に運用しているわけですが、これを一層厳格に運用していこうというふうなのがつい二十日の年度末対策でも決められまして、こういう取り組みをしております。

 また、私どもは、下請法による取り締まり、これに加えて、ガイドラインというのを進めてございます。

 これは、親会社と下請会社が望ましい取引関係をつくっていこうじゃないかというふうなことで、下請取引等の推進のためのガイドラインというのを業種別につくってございます。現在、八業種できておりまして、例えば、産業機械業界とか自動車業界とかあります。既に国交省さんの方でも、建設業につきましてはガイドラインをおつくりいただいておりますし、近々このトラック運送業についてもそういうガイドラインが出てくるというふうに承知しているところでございます。

 私どもといたしましては、さらに下請取引に関する相談とかトラブルの解決、あるいは先ほど申しましたようなガイドラインの周知徹底、そういうふうなことを進めるために、下請駆け込み寺のようなものを全国的に整備していって、下請取引の適正な推進に一層万全を尽くしていきたいというふうに考えてございます。

原田(憲)分科員 ありがとうございます。

 ただ、駆け込み寺的なものも結構なんですが、私がお願いしたいのは、ぜひ皆さんが現場へ入られて、その現場の状況をみずから調べていただきたい、このように思うんです。先ほど申し上げましたように、業界から、こういう実態になっていますというのはなかなか言いにくい。今、バスの話をしましたけれども、そういうのが実態じゃないかと思うんです。

 役所の皆さんが一度ぜひそれぞれの事業所を、全部というのはとても無理な話だと思いますけれども、何社か抽出をしていただいて実態調査をしていただいて、こういう状況だというのをつかんでまた御報告をいただければ、このように思っております。

 もう一度確認をしたいんですが、高速道路の代金ですね。この代金は、あくまでも、荷主さんというんですかね、発注者が負担すべきものということでよろしいんですね。

神谷政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、荷主側の御都合によりまして、発送時間あるいは到着時間を指定されたような場合に、高速道路を利用しますという契約を荷主さんとトラック事業者の間でした場合には、これは実費として当然荷主から収受できるということでございます。

原田(憲)分科員 ちょっと気になるんですけれども、今、契約をした場合にはとおっしゃいましたけれども、その契約というのは実際にできるんでしょうか。今私が申し上げましたように、荷主さんとトラック輸送の事業者さんというのは、大変厳しい環境というのか、燃料費の値上げだとかあるいは原価の値上げだとかいうのがあって、お互いに大変な状況になっておると思うんです。そういう状況で契約書に書くことができるかというと、私は、ちょっと難しい面があるのではないかな、こう思っておるんです。

 実は、なぜこういうことを聞きますかというと、私どもの方にもトラックの関係団体から、高速道路の値上げを何とか抑えてほしい、首都高速あるいは阪神高速道路が今度距離別料金制になるということで、最長距離を利用する事業者さんなんかは、実質値上げだ、これを何とかしてくれというようなことで陳情によく来られるんです。

 そのときに申し上げるんですけれども、これは、皆さんが値上げを何とかしてくれという話じゃなくて、本当は荷主の側から、例えば製造業者であるとか、そういったところから来るべき話じゃないですかと。値上げを何とかしろという話は、国交省へ行く話じゃなくて、私は、経産省へ、経産省として何とか国交省へ言ってくださいよというような陳情が本筋じゃないか、今のようなことでしたらね。荷主が高速道路代金を負担するということであれば、それが本筋じゃないかと思うんです。

 それがなされていないということは、そのとおりいっていない、ほとんどがトラックの事業者が高速道路の料金を負担、言葉は悪いですけれども、負担させられているんじゃないか、私はこう考えているんですけれども、その点、いかがでしょうか。

神谷政府参考人 先生御指摘の点につきましては、改めまして、トラック業界、協会の方から実態を再度またお話を聞いて対応してまいりたいと思います。

 先ほど中小企業庁長官の方からも御答弁がありましたけれども、今、トラック事業に関しましては、元請、下請、それから荷主、元請のところの取引関係を適正化しようというガイドラインを、これは年度末に向けて今鋭意作成中でございますが、その中にも、この高速道路の料金の問題に関する何らかの指針を盛り込めたらなというふうに今考えておるところでございます。

原田(憲)分科員 ぜひお願いをしたいと思います。

 同じような状況が旅客の事業者、タクシーですとかバスですとかあるいは航空業界、この辺にも同じ問題があると思うんです。

 ところが、片方は、国交省関係だけで解決をできると言ったらおかしいのかもしれませんけれども、指導をしたりすることができると思うんです。

 例えば、タクシーなんかは、燃料費の値上げ、あるいは高速道路代が上がりましたということについても、燃料費等は料金の値上げというようなことになっていますし、バスにしても航空機にしてもそれからタクシーにしても、例えば、高速道路を利用するあるいは有料道路を利用するといったときには、必ずお客さんが負担するわけですね。

 タクシーに乗って、運転手と交渉して、おまえ、どこそこに行くから、高速代はおまえが持てよというような話はできないですね。これはしちゃいかぬことになっていますよね。決められたとおりでということでなっていますので、我々が負担するわけですね。バスもそうですよね。団体であれしますと、そういうようなことになっていると思います。それと、航空運賃の方も、今、サーチャージというんですか、旅行するときに、遠いところは提示してある料金プラス三万円ぐらい取られるようなケースもあるようですけれども。

 そうやって、いわゆるエンドユーザーというんでしょうか、旅客が負担するようになっているんですが、貨物の場合に、必ずしもそうなっていないんですよね。私は、これは不公平だと思うんですよ。

 何か言うと、いや、物価の値上がりにつながりますとか、そういったことで、今まではなかなか指導も行き届かなかった面もあろうかと思うんです。ぜひこの辺を考えていただいて、役所間の連携でそのことを対応していただきたいと思うんです。

 昔に、ダンプカーの過積載、この問題のときに、取り締まりを徹底しろと言ったら、砂利の値段が上がりますよ、ということは、コンクリートの値段が、生コンの値段が上がりますよとか、そういったような意見も出てなかなか取り締まりができないんですというような変な意見も出て、うやむやになっているのかどうか知りませんけれども、そういった状況もあったわけですね。

 ですから、ぜひ、本当はこうなんだというところを掌握していただいて、やはり貨物も、我々が旅客として利用するタクシーやバス、それから航空機、船舶等と同じように、負担すべき人が負担をするという、この原則をぜひ確立していただきたいと思います。役所がまたがっているからこういうことではないと思いますけれども、その点、ぜひ御理解をいただいて。

 今、本当にトラックの事業者さんというのは大変なんです。もう本当に弱小、先ほども言いましたように、従業員がもう十人以下ということで、ぎりぎりのところでやっています。今申し上げましたように、元請から仕事をもらったり、あるいは孫請になったり、ひ孫請になっているのかもしれません。直接荷物を運んでくださいという事業者は少ないと思うんですよ。

 その辺のところも、経産省というんですか、中小企業庁としても掌握をしていただいて、ぜひ指導を徹底していただいて、適正な運賃をいただけるようにしていただきたい、このように思いますが、その点だけお答えをいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

福水政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたように、今、国交省さんと一緒にガイドラインというのをつくっておりまして、私も、下請の現場に行きますと、なかなか言いにくいという話がございます。

 したがいまして、取り締まりを一方ではやりますが、もう一方の方では、親と子の望ましい関係を広く周知して、先ほど国土交通省の方から、環境を整備するというふうなお話があったと思いますが、中小企業庁としても、国交省さんと連携をとりながらその環境整備に努めていきたいというふうに思っております。

原田(憲)分科員 ぜひそのようにお願いをしたいと思います。

 甘利大臣、新藤副大臣におかれましても、今のお答えを聞いていただいて、ぜひ先頭に立って、中小企業支援という形でトラック業界の皆さんの支援を、本当の生の声を聞いていただいて今後とも御指導いただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山本主査 これにて原田憲治君の質疑は終了いたしました。

 次に、薗浦健太郎君。

薗浦分科員 自由民主党の薗浦健太郎でございます。

 本日は、お忙しい中、大臣にもお越しをいただきまして、ありがとうございます。

 きょうは、実は、僕がずっと勉強しておりますレアメタルの話を少し大臣とさせていただきたいと思いました。

 もう言うまでもなく、液晶テレビ、パソコン、いろいろな部分でレアメタルが必要でして、大臣も、昨年アフリカにまで御足労をいただきまして、いろいろやっていただいておるところでございますけれども、まず最初に、我が国として、レアメタルの確保、それから、いわゆるレアメタル鉱山の開発等々について全体像を、まず大臣の御認識からお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。

甘利国務大臣 日本は、ものづくりの国と言われております。そのものづくりの技術においては、世界に冠たるものという自負を持っているわけでありますが、つくる材料がなければ、これはできないわけであります。しかも、日本の先端技術を生かしたものづくり、ハイテク素材、これに必要な資源がいわゆるレアメタルということになるわけでありまして、これはもちろん日本にはないわけであります。

 液晶パネルでいうとインジウム、それから自動車の排ガスを処理するための触媒でいえばプラチナ、あるいは自動車部品製造工具、これはかたくなければできないんですけれども、タングステンが必要。日本の先端的ものづくりにとって、必要欠くべからざるものであります。

 これがまた厄介なことに日本にないということ。それから、世界じゅうに広く分布していない、偏在をしているということがまたさらに厄介なところでございます。

 そのために、一つには、資源外交。そういうレアメタルが賦存している国との調達について、円滑に民間が行えるよう政府として後ろ盾となる、あるいはいろいろな覚書や取り決め等を交わして民間調達がスムーズにいくように図るということ。

 それから、供給途絶ということも当然考えられますから、石油等と同じように、備蓄をある量はしっかり確保するということ。

 それから、日本はバージン資源はありませんけれども、リサイクルという切り口から見ますと、例えば、基本的な素材であります鉄鋼でも、鉄鉱石は出ないけれども建築物はいっぱいある、これを解体するときに出てくる鉄骨は、リサイクル資源として豊富にあるという、リサイクルという切り口。あるいは、携帯電話なんかも、金を初めとするレアメタルは、金鉱山よりも実は含有率がはるかに高い。携帯電話の保有台数は世界に冠たるもの、それを更新する際に、しっかり回収して、レアメタルの回収をしていくというリサイクル政策。

 それから、それがなくても別な材料を使ってそれができないかという代替材料の開発。

 大まかに言って、この四つを基軸としてレアメタルの安定供給に資するようにしていきたいというふうに思っております。

薗浦分科員 ありがとうございました。

 それで、レアメタルの勉強をしていくと、どうしてもぶち当たるのが中国でございます。

 一つには、先ほど大臣がおっしゃられた偏在性という点で、ある物質においては九割以上が中国産であるという現実。それから、やはり世界じゅうで中国が、買いあさると言ったら言葉は悪いですけれども、いわゆる資源外交というものを、札びらと強圧的な態度でもってやっている一面もあるということで、やはりどこに行っても中国にぶち当たっちゃうんですね。けんかする相手じゃなかろうけれども、やはり中国対策というものも考えていかなければならないと思うんです。

 今、中国の資源外交というものに対して、大臣の御認識がまずいかがなものかというのをお伺いできますでしょうか。

甘利国務大臣 私も、世界じゅうを回っていますと、中国は政府丸抱えでこの資源の確保にかかっている。日本は、どちらかといいますと、かつては民間任せでありました。もちろん、商売ベースで、政府が調達の商売をするわけじゃありませんから民間ベースなんですが、しかし、それにしても、まさに孤軍奮闘という絵図になってしまうわけであります。

 相手の資源国の信用の度合いも、国家が出てきているのとよくわからない一民間企業が来ましたというのでは、ではこっちに任せようという信用度合いが違いますから、ですから、実際の商売は民間がもちろんやるのでありますけれども、その後ろ盾として環境整備はやはり政府がついていかなきゃいかぬという思いで、私が就任してすぐ資源外交をやるという宣言をしました。

 石油公団が解体されるときに、経営効率の改善という方に向かうべきだったものを、組織そのものをなくしてしまえ、市場から民間が勝手に買ってくればいいんだという方向になってしまったというかつて残念な思いがありましたから、またそれ以外の資源についても同じようなことになってしまったら、とても日本はものづくり大国として二十一世紀は乗り切れないという思いがありましたので、官民いわば一体となって確保に乗り出していくということにしたわけであります。

 中国とやはりかなりぶつかります、行きますと。向こうは、まさに国のトップが出てきております。相当強烈な、余り具体的にいろいろこの場で申し上げるのはどうかと思いますが、かなり強烈なやり方をやってきているのも事実であります。

 でありますから、日本の強みをしっかり発揮する。つまり、日本というのは、その国の自立を助けるやり方で資源外交をしてきましたよ、鉱山をそっくり買っちゃって、全部それを持っていっちゃっておしまいじゃなくて、付加価値が起こるような、それに関連した下流の産業の立地もアドバイスをする、応援をしながらその国の自立を助けながらウイン・ウイン関係を築いていきますよ、これは我々の得意分野ですからと。これは、かなりアピールをいたします。

 それから、もちろんそうやって調達先を多様化していくということと同時に、やはり中国はレアメタル、特にレアアース大国でありますから、無視するわけにはいかないです。ですから、中国との関係もしっかり構築をしていかなければならない。片方で競争しながら、片方で協調していくという関係を築かなければならないというふうに思っております。

 レアアースの協議というのもやっているんですが、なかなか協議会に相手は乗ってこないんですね。しつこくやっていまして、何とか今まで何年に一度か開いていたレアアースに関する日中協議を軌道に乗せたいというふうに思っております。

薗浦分科員 ありがとうございました。

 先日、具体的な名前はあれですけれども、ロシアの例のガスプロムでえらい被害をこうむった商社の方々と話をする機会がありまして、そこで彼らが言うのは、いわゆる民間ベースの限界を我々は思い知らされた、やはりそこを超えたのは政治の力なんだと。要するに、プーチンさんとやりとりをするとかいうことがないと、我々だけではもうこれからはなかなか難しいということをおっしゃっていましたので、ぜひとも政府の後ろ盾というものをこれからも大臣にはやっていただきたいと思います。

 中国の話なんですけれども、実は去年、自民党に総合政策研究所というのがありまして、そこの外交ビジョン研究会のテーマの国が中国でした。その中の一つにレアメタルを取り上げまして、向こうに直接夏に総研の主任研究員の方々と行って、いろいろな話をしてきました。

 彼らの態度を見ているとかたくなに感じるのは、中国の例えば環境問題、水の問題に対しては日本の技術をくれと平気で言います。それは何ですかというと、彼らの言をかりれば、中国の環境対策というのは日本のためなんですよ、だから日本は技術を提供すべきだぐらいのことまでおっしゃる。ところが、その一方で、例えばさっきおっしゃったレアアース含めて希土類、ではこれを日本に優先的に輸出するような枠組みをつくってくれぬといかぬですよと言ったら、それは国策でできませんということをはっきり言われる。

 例えば、上海万博はもう参加表明しちゃいましたから今さらなんですけれども、上海万博に参加しますよとか、それから、日本の環境技術それから空気の技術、環境研究所も共同でつくっていますけれども、こういうものを、最先端の技術を提供するというときに、ただ単に出すだけじゃなくて、そのかわりと言ってはなんだけれども、レアアースを半分よこせというぐらいのことをやってもいいんじゃないかというふうに思っているんです。中国との交渉というのは大変確かに難しいでしょうけれども、バーター取引じゃないですけれども、そういったものをやっていくお考えというのは大臣にはございますか。

甘利国務大臣 中国は、私は毎年訪れていまして、あらゆるレベルで話をしております。

 個人的にはいい人はいっぱいいるのでありますけれども、どういうわけか組織になると、そんな言い分が通るのかというようなことを平気でおっしゃってくることがあります。今御指摘のとおりであります。

 今中国は、大気汚染あるいは水質汚濁、これが深刻なところに来ています。今までは、空はつながっているから、別にうちの空が汚れても大した影響はないと思っていた節がありますけれども、しかし、それでも看過できないぐらい深刻になってきている。ここへ来て初めて日本の環境技術が欲しい、日本もかつては公害に苦しみ、その中から技術を磨いてきましたけれども、それをくれないかと。

 おっしゃるように、その際にそういう、これは日本のためなんだなんという理屈も出るようであります。相当ずうずうしいな、よく言うよというところはありますけれども、日本が基本的にはお人よしな国なんだと思います、どこの国もそれぐらいのことは平然とやるということを承知で外交はしなければいけないと思っています。

 でありますから、省エネ技術は知財をちゃんと守りながら商売ベースでやるけれども、しかし、あなた方もこれに協力してくれというようなことは、例えばポスト京都の枠組みなんかでも、これをやることがあなたにとっては得なんだから、だから我々の枠組みに参加したらどうだというようなことはやっております。

 レアアースに関しても、余り露骨には言いませんけれども、日中関係というのは、お互いがウイン・ウインにならなきゃならない、一方だけが勝つということではないんだからという話はしているわけであります。

 自尊心の強い国でありますから、プライドを傷つけないようにどう交渉を導いていくかというのはなかなか難しいことでありますが、おっしゃったような御指摘はしっかりと頭に入れて、今後ともやらせていただきたいと思います。

薗浦分科員 ありがとうございました。

 時間があれば、先ほど大臣おっしゃった知財の話も、去年やってきたのでちょっとしたかったんですけれども、次に移らせていただきます。

 先ほど大臣からリサイクルとか代替とかという話がございましたけれども、現実問題、レアメタルというのは貴重、偏在性に加えて使われる量自体も大変少ない、なければ困るんだけれども、使われる量自体も大変少ないという意味では、例えば液晶テレビ一台ぶっ壊してみても一グラムとれるかどうかぐらいなんですよね。

 では、そのリサイクルが商業ベースに乗ってきちっとできるかというと、これはなかなか民間任せじゃ難しいということを考えると、やはり代替の物質というものの開発が我が国の技術力とか国情を考えると一番合っていると思うんですけれども、代替の物質の、探査というのじゃないですけれども、開発とかそういうものに対しては、経産省というのはどういう取り組みをこれまでなさってきて、余り細かい話はいいですけれども、どのレベルまで来ていて、今後の例えば予算の枠組みですとか、そういうものについては、方針というものをお聞かせ願えますでしょうか。

照井政府参考人 先生御指摘のレアメタルの代替材料の開発でございますけれども、本年度から五カ年計画で約五十五億円を予定して研究開発を開始したところでございます。

 具体的には、埋蔵量の一カ国への集中度がどの程度か、それから需要の伸び、あるいはカントリーリスク等を勘案いたしまして、特にリスクが高いと考えられるタングステン、それからインジウム、それにジスプロシウムの三種類の鉱種につきまして、代替材料の開発あるいは使用量を削減していくという技術開発を開始したところでございます。

 例えば、先ほど大臣からもお話がありましたように、液晶テレビなどに不可欠なインジウムについては、埋蔵量が多い亜鉛を用いまして、その酸化物である酸化亜鉛で代替できないかどうか、あるいはタングステンにつきましては、セラミックス系の材料で開発できないかどうかということで、技術開発を目指しているところでございます。

 今後とも、着実に成果が得られるように頑張ってまいりたいというふうに考えております。

薗浦分科員 ありがとうございました。

 もう一つは、やはり、資源そのものを我が国がどうやって見つけ、また確保していくかということでございます。

 去年、大臣はアフリカに行かれて、大変危なっかしいところに行かれたと思うんですけれども、衛星走査というものが日本では大変、技術としては世界各国に比べて、これもまた世界に冠たる技術だと思うんですけれども、この衛星走査、アフリカは未開の大地ですけれども、衛星走査を日本がやって、では現地の人たちにそれが解読できるのかというとなかなか難しい。

 では、やはり政府として人を送らなければならないというところがあると思うんですけれども、アフリカに例えば経済産業省なり民間なりの人間を置いて、衛星解析とかそういうものを手伝ったり、例えばその国と一緒にやるとかいうことをやられるお考えはございますか。

甘利国務大臣 南アとボツワナに行きまして、資源探査を共同でやるという提案をして、これは支持をされたわけであります。

 衛星による資源探査、これはおっしゃるように、日本は二つの手法を持っているわけであります。二つの種類の衛星、光学とそれからレーダー、二つの種類で探査ができる。それの解析を移転していくためには、相当人材も送り込んで、どういうふうに解析をしていくのかというものをいわば伝授していかなきゃなりません。これはやるつもりであります。

 そこまで含めて、向こう側に、解析ができるような人材の育成もしてお手伝いをする、見つかったものについては日本と共同で開発をしていきましょうという提案をしたわけでありまして、基本的にはこれが支持されております。具体的な作業を着実に進めていきたいと思っています。

薗浦分科員 ありがとうございました。

 リスクという意味で、民間の商社が最終的には掘って売るにしても、最初の見つけるというところまでのリスクを商社に負わせるのはなかなか難しいと思いますので、どこまでのリスクを政府が負担して、ここからは官民でやって、ここからは民に任せるという仕分けをぜひしていただいて、それに対して例えば税金を使うというのは国民の理解を得られると思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。

 それで、時間配分を間違えまして、ここからは事業承継の話をお伺いしたいと思うんです。

 事業承継税制が今度できまして、大変喜ばれております。おりますが、新聞を読んだ個人商店主の方々から何を言われるかというと、株式会社のいわゆる譲渡、承継に関して八割の猶予をしますよ、これは中小企業にとっては大変ありがたい。だけれども、我々のような個人商店には何のメリットもないのかというような、ちょっと話が違うじゃないか、本当に助けるべきなのは、シャッター商店街じゃないけれども、従業員が一人か二人で息子が継ぐというような商店の人たちこそ、おれらこそ助けてほしいんだみたいな話がちくちくと出てまいりまして、拍子抜けだったというようなおしかりを受けることもございます。

 確かに株式の八割減免はいいんですけれども、例えば今土地の八割減免もやっていますけれども、上物とか動産も含めて、個人商店の方々にいわゆる承継の優遇というものがさらに考えられるのか、できないのかというのをちょっとお教えいただきたいと思うんですけれども、いかがなものでございましょうか。

甘利国務大臣 未上場株式の八割の、これは正確に言うと納税猶予、続けている限りは大丈夫というものですが、厳密に言うと減免とは若干違うのでありますが、これを設けましたのは、個人事業主には、今おっしゃったような事業資産、具体的に言うと土地でありますが、これは減免でありますが、率を上げて八割までにした。いわばその横並びで、もうちょっと規模の大きいところに対して処置がなされていないということでやったわけであります。

 では、今回は何もしないのかということでありますけれども、相続納税資金の融資制度、相続をするときの資金調達が大変ということで、この資金を調達する、その支援をする制度融資というのを創設いたします。これが新しいことであります。

 具体的には、ことしの十月一日に中小公庫それから国金とが一緒になって日本政策金融公庫というのが発足しますが、この発足と同時にこの制度をスタートさせる。

 それから、あわせて、二十年度の予算措置として、開廃業マッチングであるとか、あるいは専門家派遣を行います事業承継支援センターというのを全国に設置しまして、個人事業主における後継者不在問題への対応や計画的な事業承継に向けた取り組みというのを支援していく、大きく言えばこの二つが個人事業主に向けての新たな支援措置として追加をされるということになります。

薗浦分科員 ありがとうございました。

 融資制度は、運転資金に困っているところもいっぱいありますから、大変ありがたい制度だと思いますし、できることならばもう一歩進めて、お金を借りなくてもできるようなところまでいければいいかなというふうに思っています。

 それで、今大臣からも後継者の不在というお話がありましたけれども、うちの実家なんかもそうなんですけれども、要は、鶏、卵の話かもしれませんけれども、後継者がいないからもうからなくて困っているというのは逆だと僕は思っているんです。

 つまり、農家なんかもそうですけれども、もうかっている農家というのは息子さんが手を挙げて継ぐぐらいの話で、要はもうからないから後継者がいないんであって、おやじのやっている商売がえらいもうかって将来もバラ色だということになれば、息子さんは喜んで後を継ぐと思うんですよ。ですから、後継者をつくるのに税を突っ込むんじゃなくて、今やっている商売がいかにもうかるようにしてあげるかということが大事だと思うんです。

 そういう意味では、商店街においては町を活性化するということが一つありましょうし、もう一つは、新しい産業、いわゆる雇用とか、そういう事業承継の担い手となるような新産業の創出ということもこれから大事だと思うんです。

 新しい産業をやるときに何が一番困るかといったら、商売をやって物をつくったのはいいんだけれども、売り先がないですよと。いわゆる個人のレベルでは販路を開拓できない。その販路を開拓してあげる作業を、例えば今団塊の世代の方々で一線の営業マンをやられていた方々がどんどん退職される、そういう方にお手伝いをいただいて、例えば全国、世界各地でもいいですけれども飛び回っていただいて、そういう販路の開拓の手助けをしていただくということも、これまたありかなと思うんですけれども、そのような施策というのは、何かお考えになっていることがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。

福水政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業が直面している問題の中で、いいものをつくったけれども、なかなか売れないという話があります。

 いろいろな課題があるわけでございますが、私ども中小企業庁といたしましては、こういう問題を克服する、そういう支援をしようということで、大企業と中小企業をどう結びつけるかとか、あるいは都市と地方をどう結びつけるとか、あるいは農林水産業と商工業をどう結びつけようとする、こういうつながり力というものを強化することによって、中小企業の生産性向上、先生おっしゃったような、もうかるような仕組みをつくっていこうじゃないかというふうなことを考えてございます。

 具体的には、そういう経営力向上を支援するということで、地域連携拠点を全国に二百から三百カ所現在予定しておりますが、整備したいというふうに思っていまして、そこではまず、ITを活用した財務会計の導入促進、そういうことも含めまして、施策の総合的、集中的な実施をしていこうというふうに考えてございます。

 この連携拠点によりまして、先ほど先生御指摘のありましたような、いわゆる新現役のような方もコーディネーターとしてそこにお越しいただくとか、あるいは直接中小企業に派遣してお手伝いいただくとか、そういうふうな格好で、新たな商品とかサービスの開発、あるいは新たな販路の拡大、開拓、こういうようなことも、その拠点を中心に支援していきたいというふうな計画でございます。

薗浦分科員 ありがとうございます。

 今、ITを使った財務会計という話がありましたけれども、そもそもパソコンがないとか、いわゆるどんぶり勘定でやっていた人たちに、いきなりITを使って財務会計をやれと言われても、これはなかなかしんどいと思うんですけれども、それの支援というのは何かお考えがあるんですか。

福水政府参考人 お答え申し上げます。

 今、IT導入には、SaaSのような、手軽であるいは安く利用できるようなシステムもできてきております。現に、商工会では、「ネットde記帳」というようなシステムもありまして、ただこれは、自宅にパソコンを置いていただかなきゃいかぬのですが、そして、もう入力するだけでできてくるというふうな仕組みがございます。

 こういうふうなことで、先生おっしゃいましたようなどんぶり勘定じゃなくて、財務会計の整備が進んできますと、今度は、融資する側も判断が非常に早くなる。

 具体的には、先ほど大臣申し上げましたような、マル経制度というのを来年度から変えようと思っているんですが、そういうITを使って財務会計ができているようなところにつきましては、今平均で六カ月ぐらいかかっているのを、迅速化して一カ月、そういう程度で融資を決定していこうじゃないか。そういうふうなメリットも用意しまして、逆にIT化も進めていこう、そんな計画でございます。

薗浦分科員 ありがとうございました。

 最後、駆け足になって大変恐縮でございますけれども、ちょっと最後に、下請いじめというか、運賃転嫁の話をしたいと思います。

 運送業種の方々と話をしていますと、今、東京―大阪でトラック一台丸々運んで、大体運賃が六万二千円ぐらいしか取れませんという話を聞きます。六万二千円というと、人件費を払って、油を払って、高速代を払って、もろもろ考えたらほとんど残らぬという話を聞くんですけれども、やはり原油が上がったり、いろいろなものの材料が上がったりで、転嫁をしなきゃならないんですけれども、その転嫁ができるような枠組みというのをぜひお考えいただきたいし、何かお考えがあれば最後に承って、それで終わりたいと思います。いかがでございましょうか。

福水政府参考人 お答えいたします。

 先ほども議論がございましたが、下請取引との関係につきましては、まず、私ども下請法を持っておりまして、公取さんとも協力しながら厳格な運用をしていくということをやっているわけでございますが、それだけじゃなくて、それに加えまして、望ましい取引を親と子の間でつくっていこうというガイドラインを今つくっておりまして、現在、八業種でつくっております。

 トラック業界につきましても、今、国交省さんと一緒になりまして、三月中にはつくっていこう。この中に、いわゆるあらまほしき取引関係など、幾つも例示して、お互いがウイン・ウインの関係になるような、そういうガイドライン、ベストプラクティスをつくり、これを周知して、なかなか親会社に言えないわけでございますので、そういうのを環境整備いたしまして、料金の適正化、転嫁のしやすさ、そういうふうな環境整備に努めていきたいというふうに考えてございます。

薗浦分科員 ありがとうございました。終わります。

山本主査 これにて薗浦健太郎君の質疑は終了いたしました。

 次に、片山さつき君。

片山分科員 おはようございます。

 本日は、私も事業承継のお話から質問を始めさせていただきたいと思います。

 これは、まさに長年の悲願でございまして、甘利経済産業大臣のときについに達成していただけたということで、私ども党の方でも、事業承継の小委員会なんかを経産部会の方でつくりまして頑張ってきたわけですが、長年、農家はうらやましいとか、個人事業主はいいなと言われていたのが、ついに、八割で、二十億円の上限もないという状況になったわけでございます。

 今回、税制改正大綱の方には相当詳しく与党の方で書き込ませていただいて、経産省が提出している中小企業経営承継円滑化法の中では、附則の二条で、「相続税の課税について必要な措置を講ずる」と書いていただいているわけでございます。

 まず初めに、大臣の方から、この事業承継の意義、景気など全般にも非常に大きな意義があると思いますが、それから、その抜本拡充に向けた御決意を聞かせていただきたいと思います。

甘利国務大臣 今国会に法改正を提出し、そして、追って税制改正がなされた際に遡及して実行されるということになるわけであります。これは、片山先生初め関係議員の皆さんに大変なお骨折りをいただきまして、自民党、そして与党で取りまとめていただいたところであります。私からしますと、よくぞこんなことができたなという、できたというか、法律が通り、税法が通らなきゃいけないんですが、できたなという思いがいたしまして、革命的な出来事だと思います。

 農業者はいいね、中小企業はどうしてだめなのと言いましたら、農業者は農業基本法で農業ができる人が限定されている、中小企業というのはだれだってできるんだというような話があったことを今も思い起こしますけれども、今回の改正案が実現をいたしますと、中小企業基本法による中小企業は全部その対象になる。上限設定もなくなるわけでありますし、八〇%がいわゆる納税猶予になるわけでありますから、続けている限りは、相続税が相続を中断させてしまうということにはならないはずであります。極めて画期的なことだと思います。

 これは、事業が順調でも、相続によって事業が中断をし、雇用が失われてしまうということに対する問題提起でありまして、事業がどうにもうまくいかなくなって倒産して、雇用が失われるのはやむを得ないかもしれませんけれども、事業が好調なのに相続という事態が発生をして、その事業が中断される、雇用も失われてしまうということは極めて理不尽であるというところから、何とかしなければということになっていったんだというふうに思っております。

 中小企業は我が国経済の元気の源でありますから、元気な中小企業がいて初めて日本経済が成り立つということをしっかりと肝に銘じて、中小企業政策に取り組んでいきたいというふうに思っております。

片山分科員 ありがとうございました。元気の出るお言葉を大臣からいただきました。

 実は、地元でも、やはり税制を説明していて、何といっても一番反応があるのがこの部分でございまして、JCなんかの若い連中も、飲んでいても、この説明をすると突然ぱっと目が開くというぐらいに、本当に歴然とした効果がございますわけですが、だんだん二月から三月になってまいりまして、何とか法制上は通るんだろうけれども、具体的に細かいところがどうなるのかなという部分が疑問で出てきております。

 まず、事業承継の円滑化措置は、もちろん税制以外にもいろいろあるわけでございまして、この画期的な大改正も含めて、商工会や商工会議所なんかでも広報をし、今まで中小企業の実際の政策を担っていただいているいろいろなセンターや地域の拠点も一丸となってやるんでしょうが、そこにさらに、新しく予算で、事業承継支援センターというのをつくるという予算措置が入っております。

 これも非常にいいことだと思うんですが、長野のものがモデルだというわけですね。残念ながら、長野は隣の県で、うちにはないのでございますが、うちの方でもこういうことをやっている組織としては、今申し上げたように、商工会、会議所、地域あるいは地方銀行が中心となったさまざまな連携組織、NPO、いろいろあるんですが、一番いつも頭が痛いのは人材なんですね。

 こういったことに瞬時に対応できる、金融、税制、ビジネスすべての頭を持った人材が地域には圧倒的におりませんで、そうなると、例えばうちの地元の浜松では、だれがそういうところに持ってきてもらえるのかなとか、あるいは既存の組織との調整、連携はどうなのかな、その辺が気になるわけでございますが、いかがでございましょうか。

福水政府参考人 お答えいたします。

 御質問の事業承継支援センターでございますが、二十年度の予算措置として、後継者がいないところに若い人でやりたいという方をマッチングさせるとか、あるいは計画的な事業承継に向けたアドバイスをするとか、そういうふうな事業をする目的でセンターをつくりたいという予算を計上いたしております。

 今の計画では、各都道府県に二カ所ぐらい設置したいなというふうに考えておりまして、ただ、この事業承継には、先生御指摘のような非常に専門的な知識が必要になります。弁護士、公認会計士、税理士あるいは金融機関の方々、非常にこういう専門の方々が必要でございますので、こういう専門の方々をリテーンしたり、あるいは密接に連携をとって必要な箇所に派遣する、あるいはその拠点でいろいろなセミナーを開催する、あるいは御相談に乗る、そういう事業を進めていきたいというふうに思っております。

 先ほど大臣に御質問ありました税制措置に加えまして、こういうふうな支援センター事業も全国的に行うことによりまして、地域経済と雇用を守る事業承継につきまして、抜本的な対応をしていきたいというふうに考えてございます。

片山分科員 ありがとうございました。

 この二、三年、まさに経済産業の分野では、非常に画期的な経済活性化や中小企業関係の税制が導入されておりまして、私、大昔、税務署におりましたものですから、青色申告会とか法人会とか、そういうところとのつき合いもよくあるんですが、非常に画期的なものがたくさん入ったために、消化できなくて、現場でわかっていないという例が意外とあるんですよ。

 いい例が、昨年、一昨年と、ことしもやるんですが、減価償却ですね。これはもうすばらしいわけですよ、長年の悲願で。今回、数も減って単純化されるんですが、青色申告の人たちと会合をやりましたときに、適用の仕方がわからなくなってしまったと。企業だったら税務の担当がおるわけですけれども、青色申告の加盟者ということになると、税理士に払えるお金もたかだか知れていて、申告会の人たちもわからない。急遽、名古屋国税局の方にお願いして担当に来てもらって、説明してもらってようやくわかったなんということがあるんです。

 この事業承継税制の場合は、使いたいなという方はいっぱいいますが、相続が起きないとできないわけですから、莫大な数はないと思うんですね。たかが知れているし、当然、予定をして計画をしていくということになるわけですが、そのあたりから考えてみて、ちょっと実務的なことを二点ほど、事務方で結構ですから伺いたいと思うのは、先ほど、前の方の御質問にも出ていましたが、今回の納税猶予措置は、タイトルとして、取引相場のない株式等というのを対象にしておりますので、これが報道された時点で、あ、株式会社になった方が得なのかなと。しかも、今や商法がこういう形になりまして、一円会社もいいし、資本金の関係も非常にうるさくない、株もいろいろなものが出せるものですから、同族の方も比較的株式会社になりやすい昨今でございますが、一番もめるのは評価なんですね。

 とにかく、取引相場のない株式関係で一番もめるのは評価方式で、今は類似業種か純資産かどっちかなんですけれども、いずれにしても、ある程度過密の地域では、うちの東海なんかも含めて、事業規模に比べて結構高く出ちゃうというようなことを言う人が多い。既に、そういう準備をしている方なんかは計算をしておられるわけでございます。

 そこで、今回の事業承継税制の活用のためには、今は特例有限会社とかあるいは合名、合資会社の形をとっていても、これはやはり、評価方法がどういうあれで国税庁から出てくるかわからないけれども、どうも株式転換しておいた方が有利なんじゃないかという声もいろいろ出ております。それは、それならそれでいいんですけれども、そういうことになるのか。

 あるいは、今申し上げたような株式会社以外の形もこれが利用できるのか。その場合、評価方法はどういうふうにお考えなのかをちょっとお聞かせ願えればと思います。

高原政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の特例有限会社でございますとか合名会社あるいは合資会社につきましても、中小企業基本法上の中小企業でございますれば、事業承継税制の対象会社となります。

 また、合名会社及び合資会社につきましては、株式に相当するものがいわゆる出資でございますけれども、出資の価額につきましても、株式会社の株式の価額の評価と同様に評価をされるというふうに承知をいたしております。

 以上でございます。

片山分科員 ありがとうございました。

 それではやはり、地元の方には、特に会社の変更はそのためには必要ないというふうにお伝えできるということのようでございます。

 あともう一つ、これはやや雑駁な質問なんですけれども、非常に多く聞かれるのが、既に、経営者であったお父様、お父様の場合が多いわけですが、前経営者がお亡くなりになって、息子さんが社長、代表取締役なわけですね。経営をしておられるんですが、大体女性の方が長生きですね。ほとんどの場合長生きでございまして、こういったオーナー企業では、お母様が相当の株式を持っている例が極めて多いです、あるいは持ち分ですね。

 そういった場合に、つまり前の相続のときはこのすばらしい画期的な法律がないものですから、いろいろやって、無理して苦心算段して、税務署に相談し税理士に相談しても、とにかくお母さんに一遍、遺留分でもいいですけれども、法定分を持っていただかないととても無理なのよねという形になっている例が非常に多いんですよ。それで、次の第二の山が来ることを恐れながらも、おふくろ、長生きしてくれよといいながらもやっておるわけですが、いつかはそういう日が来るわけでございまして、その相続に、今回の、先ほど甘利大臣がおっしゃられたように、事業が順調なのに、相続によって雇用が失われたり事業の好調さが中断されることがないようにという趣旨であれば、そこも実は対象になるという考えもあるんですね。

 ただ今回、主税局との間でのぎりぎりの折衝を考えれば、とてもそこまでは無理だというのはわかるんですよ。私も、十一月ぐらいに昔の上司である主税局長のところに行って、あの方も腹を切るぐらいの覚悟で、清水の舞台から飛びおりるぐらいの覚悟で御決断をいただいておるのはわかるんですが、一回しか使えないというような話が今出ておるわけでございます。しかし現実には、今多数を占めておりますそういった現オーナー経営者、相続を受けたオーナー経営者の中では、お母さんからの相続に頭を悩ませている方が相当数いるのでございます。

 その部分について何らかのことができないのか。あるいは、どういう母親だったらぎりぎり承継の適用があるのかないのか、全然ないのか。その部分と、仮に、お母様が亡くなられた場合、息子さんに株式を集中していく場合に、今回支援策もふえましたので、金融支援も含めてどういったことがあり得るのかなという点をお聞かせいただきたいと思います。

高原政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、実際に事業承継税制が適用されるかどうかというのは個別具体的に判断をされるということになりますけれども、一般論として申し上げれば、まず、お母様が会社を経営しておられる、それから、会社の発行済みの株式につきまして、同族の関係者と合わせてその過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中で筆頭株主であるといった要件を満たしておりますれば、事業承継税制の対象となり得るというふうに承知をいたしております。

 なお、お母様が筆頭株主であるという要件につきましては、事業承継相続人である、例えば息子さんだとすれば、その息子さんを除いて判断をするということになっておりまして、事業承継相続人に対して自社株式を生前贈与するといった、事業承継に対する早期の取り組みが行われている場合があるわけでございますけれども、そういった取り組みの障害にならないような制度設計となっております。

 それに該当しないような場合はどうかというお尋ねでございますけれども、一つには、先ほど長官からもお答え申し上げた事業承継の支援センターでいろいろな御相談を、税務の問題等応じさせていただくということもございましょうし、相続税などに関する制度融資を創設することとしておりますので、それを御利用いただくということで、総合的な支援を行っていきたいというふうに考えておる次第でございます。

 以上でございます。

片山分科員 ありがとうございます。

 いずれにしても、待望のと申しましょうか、久々に登場いたしました中小企業の救世主、事業承継の堅実な実現に向けて頑張っていただきたいと思います。

 次に、農商工連携につきまして、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。

 今回、農商工連携ということで、企業立地促進も非常に画期的な法案でございまして、実は私、地元の浜松市のおしりをたたきまして、とにかく第一号認定行けよ行けよということで、第一号認定に入ったのでございます。去年の七月の終わりにいただきまして、これは地元では非常に画期的でございます。

 というのは、私どもの県は、静岡県は非常に大きな県で、駿府と遠州が何かと対抗しておりまして、浜松の方は県庁所在地じゃないものですから常におくれているというか、常に劣後しているのではないかという感情を持ちながら、かつ、工業出荷額は常に半分以上を自分たちのところで稼いでいるぞと。稼いでいるのに余り何もしてもらえないなと思っておったら、今回は国が先に認定してくれてとてもうれしい、そういう非常にくだらない話ですけれども、そういうことがあったんです。そのときに、農業も非常にあるんですよ、この地域は。

 私は先ごろ、本当に恥ずかしいんですが、料理番組に出まして、点数九十点をとったんです。そこでうちの地域の野菜の宣伝をさせていただいたら、あんた、あんなところは機械しかつくっていないんでしょうと。作成時にプロデューサー、ディレクターがいっぱいいましたが、地域に出回っているだけではなくて、東京近辺のレストランでは、私どもの地元のタマネギ、セロリ、エシャレットその他をほとんど使っているというところがたくさんありますが、余りそのことは認識されておりません。要するに、ブランドの売り込みが下手なわけですね。ですから、そこを今回、農商工連携でいろいろ支援していただけるということであれば、非常にありがたいわけでございます。

 また、地元で関心が出ているのは、当然、この農商工連携の計画をもう出しておりますので、浜松市もこの法案が通ったら、そこに農商工関係の業種を追加して、食品加工とか農林水産とか追加して、再認定を受けて入っていこうと思っているんですが、中小企業と農林漁業者の連携というので、どこまでの加工度というか、どこまで手をかけていればこれでやってもらえるのかな。

 つまり、浜名湖では最近アサリとかシラスもとれるんですが、荷さばき場とかを単につくろうとすると、今までは水産庁の補助率二分の一の一定の条件の補助金があるんですね。だけれども、そこに、今もシラスとかアサリとか、それだけではさすがに食っていけないので、何か加工するなり何かブランド価値をつけてやっていかなしようがない。そうやったところでやると、シラスの荷さばき場にしてもアサリの共同出荷場にしても、今度は何らかのことがしてもらえるんじゃないか。

 あるいは、中山間地や山林の植物ということで、これは自民党にも議連があるんですが、山間地の産物、典型的にはシイタケ、キノコ類ですとか、炭ですとか竹酢ですとか、いわゆる林産地の産物ですが、そういったところも今までは林野庁の補助が幾つかあるんです。余り大きな規模のものではないわけです、率直に言って。

 そういうところで、例えばシイタケを何らかの形で共同加工して、乾燥して中国に売るとか、どのあたりまでのことをすれば中小企業と農林漁業者の連携ということにしていただいて、税制措置にしても一般の信用保険にしても、あるいは研究開発補助にしても、新たにやっていただけるのかな。その辺に非常に関心が集まっておりますので、ちょっと聞かせていただければと思います。

新藤副大臣 個別具体のことにつきましては、先生御承知のとおりケース・バイ・ケースということになりますが、いろいろな制度を活用して、農業また商工業の連携を図っていきたい、振興を促してまいりたい、こういうことでございます。

 とにかく、農業と商工業の業種の壁を越える、そしてそれを促進するために行政の壁を越える、この意味におきまして、この農商工連携の仕事は画期的なものである、また、将来が大きく期待できるのではないかなと我々も思っております。

 そして、この農商工連携の取り組みの支援につきましては、事業実施のための設備導入等を対象にいたしまして、中小企業信用保険の限度額の別枠化、それから農業改良資金の償還期間の延長、設備投資減税などの法律上の措置を講ずることにしております。そしてそれは、中小企業者と農林漁業者が連携をして、共同申請というのが基本的な要件になるということでございます。

 そして、その申請に基づきまして、新商品開発に対する補助、それから専門家による指導助言、事業計画の策定、さらには事業実施に至るまでのきめ細かな支援体制を組むということで、農林水産省と経産省の施策を総動員してまいりたいということです。

 したがって、今先生が御指摘いただきましたシイタケですとかシラス、アサリの農林水産品、そういったものに対する加工施設の導入についても幅広く支援ができるのではないかな、このように思っております。

 またあわせて、企業立地促進法の改正案によりまして新たに、農林水産関連産業の企業立地を促進する税制、さらには中小公庫、国民金融公庫等の政府系金融機関による低利融資制度の創設、こういったものも措置を講じていきたい、このように思っております。

 農商工連携をしっかりと進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

片山分科員 大変力強いお言葉、ありがとうございました。

 企業立地の促進法が通りましてから私どもの地域では、大手企業二つが、外に出ていきそうなものが何とか浜松市域内に残るという結果が出たのでございますが、それは非常にいいことなんですが、いろいろと相談を聞いておりますと、二点問題がありまして、一点はやはり農地の関係。農振地域の関係で、これが、ちょっと話をしてみると、まだそれだけではそう簡単にいきそうもないということがありまして、今後は、そこのところをもう一押しできる何かがあるのかなということを考えておりますのと、これは何ら、経済産業省の責任では全くありませんが、建築確認おくれ問題というのがあります。

 その中で一番困っているのは工場でございまして、工場の建築確認も、ばあんと並んでいるリストの中で、普通の家というか木造の家は今は対象じゃないですから、鉄筋のいわゆる建築確認の網にかかってしまうような建物にしても一連の施設にしても、そういうものがだあんと並んでいる中で、重要な新製品のラインをつくらなければならない、アメリカで来年後半に売らなければならない工場だから拡張したいといって出しても、そこには産業的な視点が何もないので、全部出した順にきれいに並んで、後に行くんですね。

 実は、この問題はこの後の質問に絡むのですが、先般私も、中小企業の年度末の対策に向けての決議というのを、党の中小企業調査会と御一緒に官邸に持ってまいりました。福田総理も、お時間がない中本当に真摯に聞いていただいて、これは年度末だけでは終わらない、これからも、四月になっても五月になっても六月になっても、切れ目なくこの状況は見ていかなければならないというようなお話をされていたんですけれども、その中でもちょっとそのお話はさせていただきまして、これはある程度行政裁量の問題なので、そういったものはもうちょっと何とかならないのかと。

 つまり、普通、工場等の場合は、ほかに安全性の基準が山のようにかかっておりますので、実際に地震になった場合は、そこで避難をどうする、安全性をどうする、爆発物をどうすると全部かかっているわけですよ。ですから、一般の、それらがかかっていない住宅の大きなものとは若干違うわけで、その辺ももう少し考えてもらってもいいのではないかなと思ったんですが、そこは多分、地方の方はおのおの独自のところでやっておりますので、だれかが何かを言わないと何にもしないだろうなと思うんですが、その辺が今、企業立地のところで、実は現場では意外にひっかかっております。これは質問ではないんですけれども。

 御質問の方は、中小企業の状況でございまして、政府の方でおまとめいただいた対策は、緊急におまとめいただいたということの中では非常に、しかも、今予算が通っていないわけですから、できることとできないことがあるので、非常に時宜を得たいいものでございまして、このDIががくっと下がっているという状況を見れば、何らかのことをやらなければいけない。しかも、借入難易度指数の方も低下傾向がはっきり出ているということで、金融庁マニュアル問題なんかも含めて、今回はほとんどやれることは全部言っていただいたと思うんです。

 五十三業種というのがありまして、これは主に建築確認のおくれと原油価格高騰の関係のものでございますが、実は、年末ぐらいから私の地域でも、北米向けの輸出のラインがとまっているので、危ないな危ないなと、私はそれをちょっと大臣にもすれ違ったときに申し上げたことがあるんですが。ですから、それで原油の方もちっとも下がらぬわなというので、これはもう単に短期的な問題ではなくて、ちょっと構造的な対策を打たなきゃいけないのではないかなと。

 車というのは、アメリカや欧州においては必需品なので、サブプライムで消費が悪くなってもすぐには下がっていない感じがするんですが、二輪車、これは日本では生活品かもしれませんけれども、あちらでは嗜好品なんですよ、高いですから。二輪車と音響関係、それからちょっとぜいたくな電子デバイスなんかが入った機器やIT関係、これは落ちているんですね。どことは言えませんけれども、ラインをとめているところがあるんですね。

 だから、それがもう年央ぐらいからじわじわじわじわと普通のものづくり中小にもきくことは見えているので、ですから、今回、国民公庫の第三者の保証が要らない融資を二千万から四千八百万にやっていただいたというのは、これはすぐれた対応だと思うんですけれども、逆に言うと、ちょっとこれだけで大丈夫なのかなということがございます。

 あともう一点、原油がまたきのうも最高値になっちゃって、G7の声明が案の定きかなかったわけですよ。やはり、アメリカがもうちょっと本腰にならないとだめだなと。そこで頼りになるのは、やはり甘利大臣がダボスでなさったような消費国会合のようなアプローチしかもうないのかな、どうやっても相場を冷やせないのかなと非常に悲観的になっておりまして、お隣の韓国では、軽油は日本よりも、普通の乗用車だとうんと高いんですよ。だけれども、トラックとタクシーはうんと安いんですよ。そういうふうにしたわけですね、業者対策で。

 ですから、今回、三月末にどういう結論になるかわかりませんけれども、その辺については、それをやらないと転嫁が無理な業者がほとんどな業界なので、だめなんじゃないかなということを思うわけですが、その辺も含めまして、年度末の中小対策は非常にいいものが出ましたが、今後どのように考えられておられるのかということについて、最後にお伺いしたいと思います。

福水政府参考人 お答えいたします。

 先生には、党の申し入れでいろいろお力添えをいただきまして、ありがとうございました。

 二十日の日に年度末対策をまとめてから、御紹介がありましたように、国民金融公庫の第三者保証人不要の融資制度の限度額を引き上げるとか、二十一日には、甘利大臣初め財務大臣、金融担当大臣等々、民間金融機関、政府系金融機関の代表者に配慮を要請とか、まとめたことをスピード感を持って着実に今実施しているところでございます。

 特に、第一点は、周知が大事だということで、わかりやすいパンフレットも三十万部、これは国交省とも連携しましてつくって、広く周知徹底を図っていこうというふうに考えておるところでございます。

 それから、今週月曜日には、私どもに各経済産業局がありますが、経済産業局長を緊急に二十五日に大臣が招集されまして、そこで大臣の方から、一点目は、今回の年度末対策を徹底して周知徹底しろという御指示と、引き続き現場の中小企業でどういうことが起こっているか、きめ細かくウオッチしろという御指示を出していただいております。

 各局においては、今いろいろなところでそういう動きが出ておりますので、年度末さらにはその次に向かって必要な対策も講じていきたいというふうに考えてございます。

片山分科員 ありがとうございました。常に目を光らせていただいて、適時適切な対策をお願いいたしたいと思います。

 これで終わります。ありがとうございました。

山本主査 これにて片山さつき君の質疑は終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田分科員 きょうは、伝統的工芸品産業の振興の問題と、その中でもとりわけ深刻な、伝統的工芸品をつくるのに欠かせない生産用具、そしてその用具の原材料の問題について議論したいと思います。

 伝統的工芸品産業は、大変厳しい状況です。伝産法が制定三十四周年を迎えた今日、生産額は、一九八三年の五千三百億円をピークに下がり続けて、二〇〇五年は千八百三十四億円と約三分の一です。そして、従業者数は、一九七九年の二十九万人から、二〇〇五年には九万九千人。改めて、この伝統工芸品産業への対策、支援を強めることが私は求められていると思います。

 そこで、端的に聞きます。

 伝統的工芸品産業をめぐる厳しい現状と、振興を図ることについての必要性について、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

甘利国務大臣 御指摘のとおり、ピーク時の三分の一に生産額も雇用もなってしまっているわけであります。

 伝統工芸品は、二つの意味で極めて大事だと思います。一つは、その地域の歴史、文化、そして、もろにその伝統が凝縮をされているものでありますから、その地域の歴史の具現化でもあるわけであります。あわせて、その地域の雇用を支える、経済を支えるという二つの意味で極めて大事だと思っております。

 しかしながら、三分の一に減退してしまってきた。それには、生活様式が変わってきたとか、あるいは同じような、全く同じではないと思いますが、輸入品が安く入ってきたこと等、環境が大きく変化をしてきているんだと思います。

 そこで、経済産業省といたしましては、いわゆる伝産法によりまして、人材育成そして需要の開拓など、さまざまな課題に現在取り組んでいるわけであります。

 大きく言いまして、具体的には三点であります。

 一つは、後継者育成の問題への助成。それからもう一つは、商品開発といいますか、伝産品は伝産品なのでありますが、現代の生活様式にマッチしたものにリファインといいますかマイナーチェンジといいますか、そうしていくための支援。それから三点目として、広くPRをしていかなければならないものでありますから、池袋の全国伝統的工芸品センターでの展示であるとか、あるいは各産地の組合が実施する伝統的工芸品の需要開拓のための展示会開催への支援等を行っているところであります。

穀田分科員 今お話がありましたが、後継者の育成は、確かに伝統産業全般にわたる重要な課題です。調べますと、三十歳未満の従事者の比率が五・八%になっていまして、憂慮すべき事態です。したがって、今お話があった三点というのは、大事なことは言うまでもありません。

 きょうは、この伝産品を生産するための希少な用具の問題について少し深めたいと思っています。というのは、人材育成並びに開発、PR、これはあっても、もう一つ、支える用具がなければ生産はできないからであります。

 経済産業省として、現在、伝統的工芸品生産のための希少用具及びその用具の原材料の枯渇という問題をどのように認識し、どのように対応しておられるか、お聞きしたいと思います。

甘利国務大臣 私、伝統的工芸品が好きで、時々デパートで行われる伝産品のフェアに顔を出すのでありますけれども、そこでつくづく、地域の歴史、文化を担っている伝産品の奥深さを感ずるわけであります。

 ただ、御指摘のとおり、原材料それから用具等が次第にタイトになってきているわけでありまして、経済産業省におきまして、産地における原材料、用具の現状等の調査を行っているわけであります。

 この調査によりますと、木材であるとかあるいは粘土などの原材料の枯渇の懸念、それから、京都の西陣織などの織物の生産に必要な竹おさなどの用具について厳しい状況となっているという調査結果が出ております。

穀田分科員 その調査結果が、「調査報告書」なんですが、実はこれなんです。この中に、生産基盤の不足が顕在化し始めている、そして、伝統的工芸品の生産に支障を来すという指摘をしているんですね。私は、今大臣から答弁ありまして、大変だという事態は、それはそれなりに認識していると思うんです。ただ、それではこの深刻さをとらえ切れないというふうに考えているんです。というのは、希少用具及びその原材料というものの枯渇は、伝統的工芸品の生産それ自身を危うくするものだと考えているからです。

 そこで、きょうは具体的な用具を持ってきましたので、ちょっと見ていただきながら指摘したいと思うんです。

 これは杼というんですね。これはすべての手織物に欠かせない道具でして、たて糸の間によこ糸を通すときに、よこ糸を巻いておさめた平らな舟形の道具でして、英語ではシャトルと呼ばれていまして、たて糸の間を左右に飛ばしていくというものでして、手になじんだ杼というのは職人の命と呼ばれています。

 委員長、ちょっと見ていただいていいですか。

山本主査 どうぞ。

穀田分科員 そこで、もう一つ。これを製作する人は、今や全国でただ一人しかいないんです。

 それで、今大臣からありました竹おさというのは、実はこれなんですね。これは竹おさといいまして、くしのような形状の歯の間にたて糸を通して、たて糸の位置を整えて、よこ糸を打ち込むのに使う道具で、職人さんがガチャとやるのは大体みんな知っていると思うんですね。これが大事なことで、たて糸とよこ糸の両方に直接触れる道具で、手織りに欠かせないもう一つの道具です。

 この二つの道具がなければほんまもんはできないということなんです。しかし、この二つの道具は、つくり手がいなくなるというだけでなくて、道具自身の部材、すなわち部品がなくなるという危機にも直面しています。

 それで、今示したこの杼に使われている、これは穴があいているように見えます、糸口というんですけれども、これは実は京都の清水焼を使っています。これは、金属ではさびが糸に移る、プラスチックではもろくてすぐ壊れる、だから陶器のほかには代用できない。今度はこれをつくる人がいなくなるという事態に直面をしています。

 つまり、生産用具の枯渇問題というのは、こういう道具のつくり手がいなくなるという問題と、道具そのものがなくなるという問題があるわけですね。そして、そのことによって伝統的なわざ、伝統工芸品がなくなるということに直結する問題なんです。とりわけ西陣は多くの工程で成り立っている産業でして、したがって、このままでは、何百という道具とそしてわざが絶えてなくなってしまうということで、用具の問題の重要性を指摘しています。

 しかも、大臣に少し今見ていただいてわかったかと思いますが、この部品の材料について言いますと、これはそれぞれ違うんですね。こちらアカガシというものが使ってあって、非常に滑らかなタッチで、ぎざぎざは感じられないということはわかったと思うんですけれども、これは実は非常に頑丈なものでして、このコマというものをかえれば百年はもつと言われているものなんですね。だから、今つくっている方の二代前の、今三代目ですけれども、初代がつくったものを今でも使っていて、それを直しに来るというようなことがずっと続いている産業だ。それがなくなろうとしているということがあるわけですね。

 したがって、道具の枯渇問題の性格が、今お話ししたように、わざがなくなるという危険性のところに直面しているんだということはおわかりいただけましたでしょうか。

甘利国務大臣 私、伝統的な工芸品に興味があるというお話をしましたが、実は漆芸、漆の産地にも行きましたけれども、今漆の産地での、今の先生御指摘の道具の問題は、漆絵をかくときの筆の材料がなくなってきている。あれはクマネズミという動物の、昔は日本にいたんだそうですが、その毛を使って細い筆をつくるわけでありますが、それでなければ代替ができない。ところが、これがなくなって、もう筆の本数はあと何本しかありませんというような状況。

 同じようなことがこの織物の世界にもあるんだというふうに思っておりますし、今のお話を伺って、痛切にそのことも感じた次第であります。

穀田分科員 そこで、私としては、今手を打たなければ道具のつくり手がいなくなる、そして、部材、すなわち部品が調達できなくなる、わざがなくなる、こういう現状認識に立って手を打つ必要がある。私、若干打開のための提案を行いながら、それについての対応についてお聞きしたいと思うんです。

 まず第一は、技術の保存が必要だ。それも緊急にする必要があるんじゃないかと私は考えます。

 具体的には、道具そのものを保存するということと、この道具そのものを作製する過程を映像に撮っておかなければ大変なことになる。保存する必要がある。それから、道具を使用する場面の映像による保存。そして、技術を保持する個人、団体の活動への援助等によって、わざの保存に踏み出すべきではないか。これについては、経産省、大臣と文化庁から見解を両方お伺いしたいと思います。

甘利国務大臣 どういう工程でそれができるかというのは、きちっと確認できるような映像データで保存するということは、おっしゃるとおりだと思います。

 それから、材料の調達、それからつくり手の育成についても、あわせて極めて重要だということはよく認識をいたしました。

大西政府参考人 お答えいたします。

 文化庁におきまして、現在まで保存、継承されてきております無形文化財であります工芸技術、これを確実に後世に伝えていくため、そういった工芸技術等に欠くことのできない用具や原材料の製作技術であります文化財保存技術、これのうち、保存の必要があるものを選定保存技術として選定するとともに、その技術の保持者または保存団体を認定しているところでございます。

 そして、その選定保存技術の保持者及び保存団体が行います、みずからの技術の向上、技術者の確保のための伝承者養成、さらには、御指摘ありましたような技術の記録作成及びそういった著作等の刊行の事由に対しまして補助金を交付することによって支援を図っているところでございます。

 また、独立行政法人日本芸術文化振興会が行っております芸術文化振興基金助成事業の中で、地域の文化振興等の活動への支援の枠の中で、国が選定した文化財保存技術に限らず、文化財保存技術の保存伝承活動を行う団体からの申請を受け付けまして、適切な事業、その中には映像記録作成等も含まれておりますが、それらに支援を行っている例もございます。

 今後とも、これらの施策を通じて文化財保存技術の保存、継承を図りますとともに、ひいてはその工芸技術などの文化財の保護を推進していくことを図ってまいりたいと考えております。

 以上です。

穀田分科員 よくわかりました。

 五百五十年前に失われた織物の幻の技法と言われている羅というのがあるんですけれども、それを復活させた北村武資さんは人間国宝に認定されていまして、その作品は高い評価を受けています。このことは、一方では、復刻が不可能になったままの技法がたくさん埋もれている可能性を示していると思うんですね。ですから、この際、なくなったわざの掘り起こしも必要なことについて指摘しておきたいし、そういう点について、私はもう一歩踏み込む必要があるということだけは言っておきたいと思うのです。

 二つ目の提案は、今経産省と文化庁からお話がありましたけれども、私どもはその連携と、自治体、業界の連携がどうしても大事じゃないかなと思っているんです。

 といいますのは、今答弁ありましたが、伝統産業にかかわって、文化庁は簡単に言えば文化財保護の立場からやっておられる、経産省は伝統工芸品の振興として支援するというふうになっています。杼や竹おさは、文化庁の行っている、今お話があった文化財としての保護をやっていることは私も承知しています。ただ、経産省が行う産業振興との課題で重なり合っている部分があるんですね。

 杼というのはこれですけれども、その製作者を文化財を支える選定保存技術保持者として認定し保存を図ったとしても、先ほど甘利大臣からお話があった、この杼をつくる人材を今度は育て、さらに需要をつくらなければ真の意味で保存とならないんですね。単なる物があればいいというわけじゃないんですね。

 だから、新たに今度はそういうものを仮につくったとしましょう、新たな人が着手したと。ところが、すぐれたものというのは、そのものが製品として通用するまでに磨き上げられなきゃならぬわけですよね。しかし、磨き上げるというのは、出してこそたたかれて、そしてまた切磋琢磨して初めて物になるわけですよね。そういう長い経過が要るんですよね、こういうものというのは。

 したがって、保存と商品化という両方を満たさなければ、真の保存たり得ないと思っています。経済産業省と文化庁が連携をとって、それらについて見届ける必要があると思うんですが、その辺の見解はいかがでしょうか。

甘利国務大臣 おっしゃいますように、これは業として成り立てていかないと、保存しようにもそれが成り立たないわけであります。業として成り立っていくために、先ほど来御指摘のある、三分の一に売り上げが落ちてしまった、どこに問題があるのかということをしっかり分析して、その中には、生活様式の変化に伝統工芸品がなかなかついてこられない。不必要ではなくて、いろいろと見方を変える、あるいはマイナーチェンジを加えることによって、十分に生活様式の変化についていけるものになるということも考えられるわけであります。

 余計な話でありますけれども、私は繊維産業の振興のファッションモデルをよくやらされるのでありますが、今度は和装でやる予定になっておりまして、京都の御関係者がかかわっておりますけれども、和装モデルで、これは自分で買わされるのでありますけれども、それでショーモデルを務めて。しかし、昔ながらの伝統的な和装に現代のいきというのを加えて、歌舞伎者といいますか、若干はみ出ているけれどもいきな着姿ということで和装振興を図ろうという催しなのでありますが、それもみずから務めることになっておりますし、産業としての振興と、それから伝統的な技術を守るというのと、両々相まってしっかり取り組んでいきたいと思います。

穀田分科員 需要を拡大する上でそういういろいろなことをやるというような点については、私は必要ではないかなと思いますけれども。

 ただ、現実問題は、例えば竹おさについては、さっきお話ししましたけれども、芸術文化振興基金の助成金の対象になっているんですね。一方で、業界は不足機器対策として事業を当然しますよね、足りないから。一方ではそうやりながら、二つの事業がこれは重なっているわけで。

 ところが、文化庁の事業としてやるのは研究事業なり保存事業なものだから、一たんそれを必要な商品化としてつくり出そうとしたときには、それは当然違うという話になっちゃうんですよね。そこは一貫したシステムが必要だ。つまり、保存として努力をしながらも、それが商品化するということはいいことなんだというふうにしないと、先ほど大臣も言ったし私も言っているんだから、業として成り立たなければ、それは本当の意味で保存にならぬわけですよね。

 だから、そういうものを展望したときに、大事なんだけれども、うまく連携がとれていないと当事者は言っておられて、例えば、行政の方はそういう二つの仕組みがあることを知らないとかいうことがあるわけですから、よく現場での連携を、つまり文化庁、それから今言った経産省、それから業界、自治体とよく連携してやらぬと、これは本当にせっかくのものが生きたものにならぬということを私は言っているわけです。

 そこで、手織りに不可欠な杼や竹おさの生産について、用具について、少しさらに突っ込んでいきたいと思うのです。これはさまざまな織物の生産過程において共通して必要な道具なんですね。何も西陣織だけに必要な道具だというわけじゃないんです。それから、京扇子や竹おさ羽に、これは竹おさのこの部分を竹おさの羽というんですけれども、必要なマダケ、先ほど大臣からありました国産の漆の筆の材料、そういった問題についても同様なんですね。

 問題は、これらの生産用具、原材料については、個々の産地組合任せにせずに、国がコーディネートの役割を果たすことが重要じゃないか。つまり、このような産地をまたぐ生産用具、原材料については、大臣指定の伝統的工芸品に準ずる工芸品生産用具及びその原材料という形で指定するなどの振興策を図ることを検討してはいかがかと思うのですけれども。

甘利国務大臣 平成十八年度から伝統工芸品づくりの材料とか道具、このネットワークデータベースづくりを開始いたしております。全国各地において不足しつつある原材料であるとか用具について、不足した原因、製品に与える影響、対応策の検討状況等の調査を行ってきたわけでありまして、それに基づいて材料や道具に関するデータベースを構築中であります。

 今後は、さらに、原材料、それから用具の供給可能事業者などに関する情報も加えまして、その充実を図ってまいりたいと思っております。

 そうしたことを通じまして、伝統的工芸品の生産事業者と、それから原材料あるいは用具の供給事業者が地域を超えて全国規模でつながっていくための環境整備を進めていきたいと思っております。

穀田分科員 そこで、環境整備の具体的な手だてを私は提案しているんです。

 つまり、現在の伝産法では、生産用具だとかその原材料という文言は振興対象としては明記されていないんですね。そこで、私は、第三条、基本指針の作成というところでいいますと、「その他伝統的工芸品産業の振興に関する重要事項」と書いてあって、同じ六条には「その他伝統的工芸品産業の振興を図るために必要な事項」と書いているわけですから、この「その他」に生産用具及び原材料は含まれるのかということについて聞きたいと思います。

甘利国務大臣 伝産法によりますと、工芸品であって必要な要件に該当するということであります。でありますが、伝統的工芸品の製造に用いる生産用具そのものについて、法律での指定を行うというのはなかなか難しいかなと。

 ただし、伝産法に定める振興計画というのがありますけれども、この振興計画に、原材料や用具についても、後継者の確保や育成などの事業を盛り込むということによりまして振興の対象にはなる。そういうことで、それぞれの産地における振興計画の策定を踏まえて、産地組合等が実施する事業に対して、経産省としてもその支援を適切に行っていきたいというふうに考えております。

穀田分科員 ということは、大きく言えば含まれると。いろいろ難しいことはあるけれども、含まれると解釈していいということですな。(甘利国務大臣「振興計画に」と呼ぶ)ですから、振興計画の中にそういうことが、大きく言えば含意しているということですね。

 そこで、私が今るる述べた中心はそこにあって、解釈としてはそういうことはあるんだろう、それはそういうことでやりましょうというのが全体としての共通認識だと思うんですけれども、結局、伝統工芸品を生産するための用具が危機的状況になっているもとでの対応としては、少し間尺に合わないんじゃないか。つまり、もう一歩踏み込む必要があるんじゃないかということを私は言っているわけですね。

 それで、伝産振興法の中に、生産用具それからその原材料の重要性というのを明確に位置づけて、明文化して、法改正する必要があるんじゃないかということを私は提起しておきたいと思うんです。

 最後に一点だけ聞きますが、やはり業界団体への取り組みの支援というのも、もう一段する必要があるんじゃないかなと思います。

 先ほど、竹おさの例を出しました。職人が一人しかいない道具について、職人がゼロになったらその技術を再興するのは困難であるということから、業界団体である西陣織工業組合は、職員として一時的に雇って、竹おさの作製過程を実演することにより、伝統工芸品の用具の大切さを実感してもらう取り組みを京の匠ふれあい事業として行っています。もちろん、和装のファッションショーですか、それも必要だけれども、実際にはこういうものも、工具、用具、それがどないなっているかということを実際につかんでいただいて、ああ、これがなければできへんなと思っていただくことも、またこれは大事だと思うんですよね。

 そして、この事業には京都府、京都市からそれぞれ二カ月ずつ、計四カ月分を運営費として補助しています。ですから、間接的に地方自治体が支援をしているわけです。

 そういう意味で、竹おさで行われたような産地組合の取り組みを自治体が援助する仕組みはあるわけですから、さらにそういうものも直接援助するという体制を今とるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

内山政府参考人 先生御指摘の点でございますけれども、用具に関する問題につきましては、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、伝統的工芸品産業の振興に重要なものであるということでございますから、経済産業省といたしましては、産地の皆様の具体的な御要望も踏まえて適切に対処してまいりたいというふうに存じます。

 ただ、伝統的工芸品産業支援補助金につきましては、例えば直接の人件費等々に対して補助を行うということはなかなか困難でございますので、よく実態をお聞きしながらということでございます。

穀田分科員 人件費に直接援助するのは困難だということはだれでも知っているんですよ。問題は、そういういろいろな形式を通じてそういうことをやるべきだ。そうしないと、せっかく文化財として文化庁がいろいろな支援をする、それからこっちも支援するということを実らせるということからすると、それこそ、靴の底から足をかいておってもしようがないわけで、形式はどういう形であるにせよ、直接きちんとやるべきじゃないかということです。

 最後に、私はなぜファッションショーの問題を評価したかというと、結局は、生活様式の変化とかなんとか言っているんだけれども、どないして需要をふやすかという一点に尽きるわけですよね。そうすれば、道具も絶対必要になってくるわけだから。

 そこで、伝統工芸品の位置づけをもう少し明確にする必要があるんじゃないかと。今、大量生産、大量消費、大量廃棄などという時代から決別して、少量生産、高品質、高付加価値、しかも長期継続使用で環境にも当然配慮できるというのが必要な時代になってきているわけですね。したがって、私は、今、大量のもてはやされた時代から、ほんまもんというものの志向や、それから地球環境との接近が重要な視点となっていることは言うまでもないわけですね。

 そういう角度からしても、日本の長い歴史に裏打ちされた伝統工芸品をどないしたら日常生活に普及していくことができるか、先ほど開発とありましたけれども、そういうものとしてのPRというのもありました。でも、そういうものとしての考え方の哲学といいますか、そういうものをしっかりやっていく必要があるんじゃないかと思いますし、私は、着物でいえば、先ほど大臣からありましたけれども、くれぐれも、一たん着出したらようけ着ていただくというふうにしないと、つまり、晴れ着で着るとかショーで着るというだけじゃ、それは需要の喚起にはなかなかならぬわけです。

 私は京都に住んでいますから、自分でも努力しているわけですけれども、せめて年四十回は着ようとか。でも、本当に、需要の喚起という問題と今の新しい時代の工芸品の位置づけという、PRの角度ということなんかも必要だということを述べて、質問を終わります。

山本主査 これにて穀田恵二君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして経済産業省所管についての質疑は終了いたしました。

 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午前十一時三十八分散会


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