衆議院

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第1号 平成22年2月25日(木曜日)

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本分科会は平成二十二年二月二十三日(火曜日)委員会において、設置することに決した。

二月二十四日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      糸川 正晃君    岡島 一正君

      黒田  雄君    小泉 俊明君

二月二十四日

 岡島一正君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成二十二年二月二十五日(木曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 岡島 一正君

      阿知波吉信君    糸川 正晃君

      今井 雅人君    川口  博君

      黒田  雄君    小泉 俊明君

      柴橋 正直君    橘  秀徳君

   兼務 稲津  久君 兼務 斉藤 鉄夫君

   兼務 吉井 英勝君

    …………………………………

   経済産業大臣       直嶋 正行君

   経済産業副大臣      松下 忠洋君

   経済産業副大臣      増子 輝彦君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   文部科学大臣政務官    後藤  斎君

   農林水産大臣政務官    佐々木隆博君

   経済産業大臣政務官    近藤 洋介君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     田中 孝文君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            藤木 完治君

   政府参考人

   (林野庁長官)      島田 泰助君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 石田  徹君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    長谷川榮一君

   経済産業委員会専門員   綱井 幸裕君

   予算委員会専門員     杉若 吉彦君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十五日

 辞任         補欠選任

  黒田  雄君     橘  秀徳君

  小泉 俊明君     柴橋 正直君

同日

 辞任         補欠選任

  柴橋 正直君     川口  博君

  橘  秀徳君     今井 雅人君

同日

 辞任         補欠選任

  今井 雅人君     阿知波吉信君

  川口  博君     小泉 俊明君

同日

 辞任         補欠選任

  阿知波吉信君     黒田  雄君

同日

 第五分科員斉藤鉄夫君、第六分科員吉井英勝君及び第八分科員稲津久君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十二年度一般会計予算

 平成二十二年度特別会計予算

 平成二十二年度政府関係機関予算

 (経済産業省所管)


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     ――――◇―――――

岡島主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願いいたします。

 本分科会は、経済産業省所管について審査を行うことになっております。

 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算中経済産業省所管について審査を進めます。

 政府から説明を聴取いたします。直嶋経済産業大臣。

直嶋国務大臣 おはようございます。

 平成二十二年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。

 我が国経済は持ち直しの傾向が続いていますが、地域経済や中小企業は依然厳しい状況にあり、雇用情勢やデフレの影響などに細心の注意を払うことが必要とされる中、経済産業省においては、限られた財政状況の中でめり張りのきいた予算を編成するべく、特に次の三点を重視しながら予算を組みました。

 第一に、我が国は、我が国の有する技術、人材等を活用し、またアジア等も視野に入れて、環境分野を初めとして産業、雇用の創出を図り、中長期的な成長を目指してまいります。

 先端技術の開発、実用化に果敢に取り組む企業への支援の拡充、がんの診断、治療や子供の事故防止、IT利活用基盤の構築等の課題解決型の技術開発支援制度を創設するほか、技術開発の成果を海外を含めた市場の獲得に結びつけていくため、国際標準化に向けた対応を強化してまいります。

 また、人材、雇用の面では、若者や研究者、技術者と中小企業等とのマッチングの支援や、今後大きな市場が見込まれる映画、音楽、アニメ等のいわゆるコンテンツ産業の人材発掘及び育成等を実施してまいります。

 第二に、依然厳しい経済雇用情勢、為替市場の変動等の状況を踏まえ、中小企業や地域経済産業の活性化等の対策を講じ、先月二十八日に成立した平成二十一年度第二次補正予算と相まって、景気回復の動きを確かなものとしてまいります。

 売り上げ減少、収益圧迫、資金繰りの悪化といった厳しい状況にある中小企業に対しては、中小企業が事業を継続させ雇用を守れるよう、資金繰り対策に万全を期します。また、ものづくり技術開発への支援や国内外への販路開拓支援等を通じ、新たな分野に挑戦する中小企業への支援を図ってまいります。さらに、経営力向上が図れるよう、事業再生・承継の円滑化や経営支援体制の強化、下請取引の適正化の推進等に取り組んでまいります。

 第三に、低炭素社会の実現に向けた太陽光発電や電気自動車等の導入支援、技術開発等の地球温暖化対策に取り組むとともに、資源エネルギーの安定供給に万全を期してまいります。

 再生可能エネルギーの普及や省エネルギーを促進するため、実用段階にある設備の導入促進策や新たな技術の開発、実証への支援、国際協力の推進を図るほか、原子力利用の着実な推進に努めてまいります。

 この分野は、我が国の成長戦略においても特に重要な分野であり、住宅用太陽光発電設備に対する補助金の規模を倍増、電気自動車等の導入促進策を約五倍の規模へ拡充、低炭素型製品の導入促進のためのリース保険制度の創設等、温暖化対策をチャンスととらえた施策の強化を行います。

 また、資源エネルギーの安定供給対策として、石油、天然ガス等のエネルギー資源の安定供給を確保するため、上流の資源開発から国内での精製、流通といった中下流分野に至るまでの対策を講じるとともに、環境分野や情報通信分野等のハイテク機器に不可欠なレアメタル等金属鉱物資源を確保するための対応を強化していきます。

 以上のような取り組みに加え、今回の予算では、行政刷新会議の事業仕分けの結果を受け、概算要求から三百四億円を削減しました。また、独立行政法人、公益法人等に造成されている基金等の国庫返納の可能性についても、事業仕分け対象以外のものも含め横断的に精査を行い、平成二十二年度においておおむね七百二十億円程度を国庫返納を行う予定にするなど、財源の有効活用にも注力しました。

 こうした取り組みを中心に、平成二十二年度の経済産業政策の実施に向け、当省予算として、一般会計で総額九千九百二十二億円を計上しております。

 特別会計につきましては、エネルギー対策特別会計に六千八百三十八億円、貿易再保険特別会計に二千五億円、特許特別会計に千百九十一億円を計上しております。

 なお、経済産業省の平成二十二年度予算案及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしております。

 我が国の経済、産業が将来の成長、発展に向けて力強く一歩を踏み出せるよう、委員各位はもとより、国民各界各層の御意見に真摯に耳を傾けてまいります。

 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

岡島主査 以上をもちまして経済産業省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

岡島主査 この際、質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いを申し上げます。

 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いをいたします。

 それでは、これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橘秀徳君。

橘(秀)分科員 おはようございます。民主党の橘秀徳と申します。

 まだ質問は三回目ということで、ふなれな点はございますが、新人らしく元気に質問してまいりたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。

 今回の質問は、中小企業、零細企業への対策。我が国の会社では、中小企業の会社の数は九七%でしたでしょうか、そして、働く方の七〇%が中小企業にお勤めであります。この中小零細企業の発展なくして、日本の経済発展、それから再生ということはあり得ない、そう思っております。

 私、神奈川県第十三区の選出でありまして、大和、座間、海老名、綾瀬、直嶋先生にはこの神奈川十三区に入っていただきました。そして、自動車の御出身でありますが、座間では神奈川日産が工場の操業をやめて、中小零細企業が非常に厳しい状況に陥っています。自動車関連産業、中小零細が非常に多い地域でありまして、リーマン・ショック初め、不況も相まって、本当に厳しい厳しい状況にあります。

 お伺いをさせていただきたいのは、どうしたら地域の中小企業が成り立っていくのか、日本の経済がよくなっていくのか、地域の経済がよくなるのか、それをどうしたら政治が後押ししていけるのか、経産省の方で後押しをしていただけるのか。そうした観点からきょうは質問させていただきたいと存じます。

 そこで、金型産業について、まずはお尋ねをさせていただきたいと思います。

 自動車の部品を製造していくこの金型産業、先ほど申し上げたとおり、私の選挙区の地域では非常に厳しい状況であります。

 もともとこの金型産業は、非常に技術が要る、しかも緻密なものが要るということで、これまで日本の専売特許、日本こそがこの金型産業が得意と、業界の方々も自信を持ってこられた産業でありますが、日本のしにせの、例えばオギハラさんというこうした企業は、アメリカのプライベート・エクイティー・ファンド、俗にハゲタカファンドにねらわれたあげくに、最後にはタイの資本に買収をされるということに相なりました。地域の金型産業の方たちも、下請の方々が多いんですが、本当に三割、四割の値引きをしながら、赤字を出しながら、何とか従業員の方々を養っているという厳しい状況にあります。

 まずお伺いしたいのは、我が国における金型産業の実情について、数字と現状認識をお伺いできればと存じます。

増子副大臣 お答えを申し上げたいと思います。

 橘議員の御認識と全く同じでございまして、中小企業を取り巻く環境は極めて厳しい状況であるということ、同時に、この中小企業に元気がなければ、また中小企業が元気でなければ日本の産業構造は成り立たないというふうに私自身も認識をしているところでございます。

 私も中小企業経営者の一人でございましたので、中小企業の現状をよく私なりに承知しながら、中小企業の育成ということに、大臣を先頭にしっかりと取り組んでまいりたいということをまず申し上げさせていただきたいと思います。

 今御質問の我が国における金型産業の現状でございますが、御案内のとおり、我が国の金型産業も厳しい現状を迎えていることはもう議員御承知のとおりでございます。特に韓国等の海外からのさまざまな進出等もございますので、これに対応すべく、しっかりと対策を講じていきたいと思っております。

 現時点で、我が国の金型産業における状況は、工業統計によります、これは平成十九年の時点でございますが、従業員が四名以上の事業所の合計で、事業所数が約五千百八十八事業所、従業員数で九万二千三百三十二人、出荷額が約一兆六千三百七十六億円ございます。これは、十年前、平成九年に比べて、事業所数は減少はいたしておりますが、従業員数、出荷額においては大きな変化はございません。中小企業として厳しい現状にありながら、日本の持っているものづくりという観点からすれば、これらの金型産業も随分頑張ってくれているんだなと。数は、事業所は減っておりますが、出荷額等については余り大きな落ち込みはないということでございます。

 そういう中で、二十年の世界的な金融危機とあわせて、世界経済の減速の中で、直近では急激に生産や出荷が減少しており、これらに、厳しい環境を私ども全力で支援を申し上げていきたいということでございます。

橘(秀)分科員 ありがとうございました。

 厳しい現状認識ということで、そうした認識をされていること、安心をいたしましたが、まず従業員の数についてなんですが、私の方で今御答弁をお伺いして思ったのは、ちょっと実態を反映していないところもあるのではないかというところであります。

 工業統計では従業者四人以上の事業所のみが対象となっているんですが、実際地域を歩いていても、三人以下の企業というのが本当にたくさんあります。実際、三人以下の企業については、四人以上の企業が五千百八十八事業所という御答弁でしたが、三人以下のところが五千社ぐらいあるのではないかと推測をされるところであります。

 今後、統計の方できちんとこの三人以下の零細についても加えていただくようなことをお願いさせていただきたいのと、あと、実際にその従業員数について、四人以上の会社についても、大分従業員数の水増しをしているんではないかという疑義も出されているところであります。

 まずは、厳しくなっていく産業に対して実態をきちんと把握していくことが必要と思いますので、このことについてはお願いをさせていただければと存じます。

 アジア諸国の発展が非常に著しいということを御答弁いただきました。特に中国について、昨日担当課の方から、実際にはきちんとした数字については把握をしていない、なかなか調べづらいということを教えていただいたところであったんですが、中国が今非常に伸びているという状況であるそうであります。この中で問題にしていきたいのは、やはり同じ条件というか公正なルールの中で試合はしていかなくてはならない、オリンピックにしてもそうだと思うんですが。

 そこで、海賊版ソフトの問題についてお伺いしたいと思っております。

 日本の金型産業の技術というもの、あるいはアメリカや日本でこの金型をつくるときの技術というものは、ソフトが非常に高価なものであります。例えば五千万円するようなソフト、これが実際に中国では数千円で売られているということをお聞きしているところでありますが、この点に関して経済産業省の認識をお尋ねしたいと思います。

増子副大臣 橘議員おっしゃるとおりでございまして、最近における中国を中心とした海賊版について、私どもも大変厳しい認識を持ってございます。この模倣品、海賊版問題は国際的な問題でございまして、政府を挙げて取り組んでいるところでございます。

 具体的には、最大の被害発生国である中国に対しては、昨年十一月に開催されました日中知的財産権ワーキンググループや、過去六回にわたっての官民合同ミッションの派遣、毎年開催している日中特許庁長官会合等を通じて、知的財産関連制度運用の改善や法執行の強化などの働きかけを行っているところでございます。私どもの持つこの日本の大切なものについて海賊版や模倣品が出ないように、全力で取り組んでまいりたいと思っております。

 日本の中小企業の現状の厳しいところ、先ほど議員の御質問のとおり、工業統計上は三人以下がまだとってございませんので、これについても今後何らかの形で検討していきたいと思っておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

橘(秀)分科員 ありがとうございました。

 実は、昨日やはり担当課の方より、十年前にこの金型のソフトの海賊版の問題、流出の問題については非常に問題になっていたが収束に向かいつつあるということを伺ったところであったんですが、きょう、この写真、お持ちをいたしました。

 これは日本のスペースEというソフトでありまして、おおむね二〇〇六年ごろつくられたものじゃないかということであります。担当課の方からは、古いソフトは海賊版でばんばん出回っているが、現行使う新しいものについてはほとんどないということを伺ってはおりましたが、実際には、このようなもの、五百万円ぐらいするものが中国では三千円から六千円で売られている。これは日本の業者の方が実際に現地に行ってどんな状況かを調べてきて、それで買われたものであります。

 同じように、これはアメリカのソフトなんでありますが、UGNX五・〇というバージョン、これも五百万円ほどするものをやはり何千円かで実際に売られたもの、それを入手されたものの写真で、実際にこれはCD―ROMであります。日本のパソコンのOSのアプリケーションでは動かないんですが、中国版のアプリケーションでは正確に動いていくということ。

 このもう一種類、シンク3のシンクデザインというソフトについても、やはり何百万円もするものを何千円かで売られているものであります。

 実態調査に当たっては、中国の政府が言うこと、公式なところが言うことをそのままうのみにするのではなく、実際に市場に出向いていただきたいということのお願い。それから、ネット上で、表面上は入手できないものでも、裏サイトというものがございます、ここで簡単にやはり何千円かで入手をできるものであります。これは後ほど担当課の方に提出をさせていただきたいと思いますので、実際に現状についてもう一度調べ直していただければと思います。

 三割、四割削る中で日本の企業が赤字を出しながらやっている中で、こうした経費、五百万円が三千円ということになれば、四百九十九万七千円も浮いてしまうわけですので、まともな競争ができるわけがないというのが私の指摘であります。どうかこれについては対処をお願いさせていただきたいと存じます。

 もう一つ、次に、中国から今度は韓国なんですが、日本は既に韓国に対して金型の貿易収支で赤字を計上し続けているということであります。もう既に日本よりも韓国の方が輸出競争力が高いということではないかと言われるところ。

 先ほどの中国の問題をもう一点指摘させていただければ、金型の輸出を日本の企業からしたときに、中国の会社の方でその補修をするあるいはメンテをするということで、そのソフトをただでよこせということで、つけていく、そして、そのソフトがまたコピーをされて、ほかの中国のメーカーがそれをもとに安い価格で金型をつくって、もう日本からは輸出ができないという状況であります。このことについてやはり対処を求めたいと思います。

 話を韓国に戻しますが、韓国・光州市というところ、ここを中心に今、金型産業がまさに物すごい勢い、先ほど申し上げたとおり、もう貿易収支では負けているという状況であります。

 韓国における金型産業の発展とその要因について、特に光州市の発展の状況。それから、こうした光州市を中心に大学あるいは大学院を出た方たちというのが金型産業の発展に非常に寄与しているという現状についてお伺いをしているところであります。このことについて御答弁いただければと存じます。

増子副大臣 お答えを申し上げます。

 橘議員おっしゃるとおりの現状でございまして、中国、韓国ともに大変、この分野については日本を追いつき追い越せと、模倣品はまさか追い越すわけにいかないんでしょうけれども、いずれにしてもそういう現状であるということを大変私ども受けとめておりまして、これらについて、我が国としてもしっかりと、日本の持っているものづくりの、特に中心的な金型産業については頑張っていかなければいけないと思っております。

 御質問の韓国の状況におきましては、韓国も高等教育機関における金型の人材育成に力を入れているというふうに私どもも大変危機感を持って認識をいたしております。

 韓国金型工業協同組合の資料によりますと、現在、韓国には、二〇〇五年の、ちょっと古くて申しわけございませんが、金型関係の専門課程を持つ教育機関が、四年制大学で三校、短大で十二校を初めとして、四十校もございます。年間の卒業者数は、大学三百四十人、短大生が一千百名を初めとして、全体で二千五百五十人であるというふうに認識をいたしておりまして、韓国がここに大変力を入れているということを重ねて私ども重く受けとめながら、しっかりと対応していきたいと思っております。

橘(秀)分科員 率直に、今御答弁いただいた数字を聞いて驚いたところであります。韓国は大学、短大とを合わせて二千五百五十人ということでありましたが、現在、新設された日本の大学の金型学科では十人ほどと、十対二千五百五十という状況になっていることをお伺いいたしました。文科省とも図って、ぜひとも急いで進めていただきたいと思っております。

 私自身、おやじは電気工事の方なんですが、非常に小さい零細企業のおやじでありまして、おやじの後を継がずに家出をした口でありますので、非常に今企業の後継者不足、人材難ということに悩んでいるところであると思います。

 若い人材の確保、育成が急がれるところで、日本の金型学科、学生が少ない事情、これまでOJTの方で、現場で人材を育ててきたことがあると思います。それが今、後継者がなかなか金型産業の方に行かないということでありますので、逆に高等教育の方で、おやじの後を継ぐということだけではなくて、いろいろな人材が金型産業に入ってくるように、そうした取り組みについてお願いをさせていただきたいと思っております。

 もう一つ、韓国の光州市については、トライセンターという、公的資金で非常に高い機械を導入して、これを幾つかの会社が共同で使っていく、そのことで、例えば各企業のパンフレットにはこういう機械があるよということを載せて、それで競争力を高めている状況にあります。日本の政府といたしましても、公的なお金を使って高い機械を入れて、それを共同で使っていけるような、そうした仕組みづくりをお願いさせていただきたいと存じます。

 そこでお伺いしたいのは、我が国の金型産業の振興策について、これまでの支援策、それから今後どうした支援策を講じていくのか、このことについてお伺いいたします。

増子副大臣 お答えを申し上げます。

 今、橘議員から御質問ありましたとおり、人材育成、大変重要な課題でございます。

 日本においても、職人気質だけではなくて、やはり金型産業を含めたものづくりについての高度な教育機関も必要であろうということで、私どもとしても力を入れさせていただいておりまして、平成十七年の三月にようやく九州工業大学に先端金型センターが開所されたところでございます。現在、少なくとも五つの四年制大学で金型関係学科が設置されておるところでございます。

 今後さらにこの分野について、しっかりと私ども、予算措置も図りながら人材育成に努めてまいりたいと思っております。

 平成十七年には、産学連携製造中核人材育成事業を開始いたしたところでございまして、これまで九州工業大学、岩手大学、日本工業大学に対して、産学連携によるカリキュラム作成や講座開設等を支援しているところでございます。

 今後ともしっかりと、日本のものづくりを支える代表的な金型産業の教育プログラムにも積極的に取り組んで充実を図ってまいりたいと思っております。

 金型は、自動車産業や産業機械産業などの我が国の主要産業に欠かすことのできない部品や部材を供給するものでございまして、これはまさにマザーツールであり、我が国のものづくりにとって、品質の高い金型をつくり上げることが不可欠でございますので、人材育成はもとより、取引の改善等も含め、あらゆる面で今後この産業振興にもう一度取り組んでまいりたいと思っております。

橘(秀)分科員 それから、金型産業の振興策についてもう一つ、サポーティングインダストリー二十種の中に金型産業を入れて、予算についても倍加をしていく、こうしたこともお伺いしたところであるんですが、そのことについても御答弁をいただければと存じます。

増子副大臣 まさにそのとおりでございまして、私どもとしても、中小企業向けの基盤技術の開発支援をしっかりとやっていきたいということでございまして、来年度の予算では約百五十億円を計上したところでございます。先ほど申し上げたとおり、金型産業の支援といたしまして、取引慣行の改善や資金繰り対策や海外展開支援などを実施してまいりたいと思っております。

 先ほどのお話のとおり、韓国、中国等の大変な勢いがある中で、これに負けてはならない、しっかりと取り組んでいくということで、国際協力の中で競争力をさらに強化していきながら、韓国、中国に負けない金型業者を、特に中小企業を中心とした基盤整備に取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

橘(秀)分科員 副大臣より力強い御答弁をいただきました。あのときにお金を出し惜しみして、十年後、二十年後に、ああ、しまったと、こういうことのないように、ぜひとも力を入れて、この分野、頑張っていただきたいと存じます。

 それでは次に、二点目、中小企業施策全般についてのことをお伺いさせていただきたいと思っております。

 なかなか、私の実家もそうなんですが、下請という立場、非常に厳しいものがありまして、バブルのころは非常に我が家も懐もよい状態だったんですが、不況になればなるほど、どんどんたたかれていく。例えば職人さんの人件費、いいときの半分ぐらいまで落ち込んでいる。もう今ではそれ以下になっている状況であります。

 同様に、先ほど私の選挙区、座間、大和、海老名、綾瀬と申し上げましたが、日産座間工場が移転をして、もともとの親企業がいなくなっている状態、それから、中小企業の現状として、親企業の方で相当やはり無理なことを言ってきてたたかれているという状況であると思います。

 これから中小企業が生き延びていくには、中小企業同士が連携をして、それで新たな需要を起こしていく、こうしたことも必要だと思っておりますが、実際にそうした三人とか五人とか、中小零細企業の方にお話を伺うと、一つには、営業部門に人を割くことができない、それから二つ目には、事務的な部分にやはり人を割くことができない、このことがやはり問題であると思います。

 まず一点目にお伺いしたいのは、事務的なところで大変だということで、中小企業庁さんを中心にすばらしいいろいろなメニュー、支援策というもの、たくさんあるとは思うんですが、まず一つ目には、これが、何がどうなっているのかというのがよくわからない。パソコンの画面上、たくさんのいろいろなメニューがあるんですが、実際パソコンを使っていけるというのはある程度年齢が下の人たち、実際の経営者の、中小企業のいわゆるおやじさんたちはなかなかこれは知ることができないということが一つ。私も選挙区で宣伝をしていきたいと思っているんですが、広報面での問題。

 それから二つ目に、事務手続、申請が非常に面倒くさくて、そんな時間ないよ、ばかじゃないのかと私も回っていて言われたことがございました。この事務手続、補助金申請手続の簡略化、これを簡単にしていくことが非常に大事なことと思っておるんですが、この簡略化の取り組みについてお伺いさせていただきたいと存じます。

増子副大臣 大変ありがたい御指摘をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。

 やはり行政機関に対する申請手続については、特に中小企業の皆さんや高齢者の皆さんを中心として、経済産業省部門だけでなくて、あらゆるところで、余りにも複雑で大変だという声を私も直接たくさん聞いてございます。まさに、行政の中でこの申請手続の簡素化ということは極めて重要な課題だと私も思っております。

 こういう状況の中で、平成二十二年度予算においても、中小企業向けの基盤技術の開発支援事業及び農商工連携等を活用した新事業等、たくさんございますが、ここで実は、公募要領の簡素化や申請書記載のポイントの付記など、提案書類の大幅な削減、事業の早期執行化など、前年度に比べ、手続の軽減を実施することといたしたところでございます。

 そういう面を含めても、今後、申請書の簡素化ということは、中小企業、特に四人以下の、橘議員おっしゃるとおり、本当に超零細企業で頑張っている方々にとっては極めて重要な課題だと思っております。今後ともこの申請書類等についての簡素化に徹底して取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。

橘(秀)分科員 ありがとうございます。また前向きですばらしい御答弁をいただきました。簡単に補助金の申請ができる、その状況を目指してぜひとも取り組みを進めていただきたいと存じます。

 そして、次にお伺いしたいのは、先ほど来再三申しておりますとおり、日産の座間工場が移転して、非常に厳しい状況、中小企業間の連携ということが今望まれていることだと思います。それから、地域そのものを活性化するような、そうした仕組みづくり。

 これまで経済産業省さんの方で行ってきたのは、二〇〇一年、この世紀に入ってからすぐ、産業クラスター計画ということを行われてまいりました。今は企業立地促進法で集積を図っていることと思います。その前には新産業都市構想だったでしょうか、いろいろなプラン、計画が出ていく中であると思うんです。

 これまで行ってきた、まず一つ例にとって産業クラスター計画について、この評価、もうこれが終息したということではあったんですが、これはよい面も悪い面もちまたでは言われているところであるんです。実際に効果があったのか否か、よい面、悪い面あわせて、この産業クラスター計画の評価についてお伺いさせていただきたいと思います。

 それから、現在の地域産業の振興策、集積についてのことをお伺いさせていただければと存じます。

増子副大臣 橘議員の御地元でございます座間市についても、日産の工場が閉鎖されるというような大変厳しい現状であるということを以前から私どもも大変危機感を持ってございます。これは座間に限らず、全国でこのようなケースが結構出ておりまして、これらについて、私ども、どういう形でその後のことをしっかりと対処していくかということは大きな政治的な課題でもあると認識をしております。

 そういう中で、産業クラスターのあり方等について今御質問がございましたけれども、私どもとしては、二〇〇一年度より産業クラスター計画を計画いたし、新事業や新産業の創出に全力を尽くしてきたところでございまして、産学官のネットワーク形成支援を行いながら、これを進めてまいりました。

 現在、全国で約一万二百の企業、約二百九十の大学等の参加を得まして、これまでに約七万件以上の新規事業が開始されておりまして、これは大変大きな効果があった。まさに橘議員おっしゃるとおり、産業クラスターの効果というものは、日本の中小企業を中心とした産業の中に大きな貢献をしてくれて、地域経済の活性化に貢献をしてくれているだろうというふうに私は思っておりますので、これは海外展開も含めまして、しっかりと今後とも進めていきたい。

 そういう中で、今後の中小企業の、まさに地域振興は大変重要な課題でございますので、地域の活性化、すなわち我が国の経済が持続的な成長を図るためにも不可欠でございますし、また、各地域が持つさまざまな強みや特徴を生かしながら、国、地方自治体と産業界が一体となって全力を挙げて取り組んで、地域経済の自立、再生、活性化に取り組んでいく必要があると強く認識をしておりますので、御理解賜りたいと思います。

橘(秀)分科員 ありがとうございました。

 それから、もう質疑時間が終了いたしますので、ジャパン・ブランド事業については、非常にすばらしい取り組みだと思っております。世界に向けて、海外で、展示会というんですか、そうしたことで地元の、地場の企業が連携をして、そして出ていく、これを後押ししていくすばらしい措置と思いますので、この一層の拡充を求めて、質疑を終了させていただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

岡島主査 これにて橘秀徳君の質疑は終了いたしました。

 次に、柴橋正直君。

柴橋分科員 民主党・無所属クラブの柴橋正直でございます。

 本日は、分科会の質問という貴重な機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。同期はたくさん、二回目、三回目という質問の機会をいただいているようでありますが、私はまだ今回が初めてということでございまして、ぜひ果敢に挑戦をさせていただきたいと思います。

 実は、先日の日曜日、私の地元、柳ケ瀬商店街というところがございまして、ここの商店街の前にあるわくわく広場で国政報告会を開催させていただきました。そこで私がテーマとしてお話をさせていただいたのは、これからの日本は何で御飯を食べていくんだ、こんな問いかけをさせていただきましたところ、本当に多くのお買い物にお越しの皆さんが足をとめていただきまして、私の話に耳を傾けてくださいました。

 高齢者の皆さんにとっては、年金や医療がこれからどうなっていくんだろうか、こういう不安もございますし、また、お孫さんをお持ちの方、お子さんをお持ちの方、こういったこれからの世代の将来に対して、漠然とした不安を本当に多くの方が持っておられる。ですから、私の国政報告会、いすを前に少し並べたりして商店街で開催をしておりますが、そこにお越しのあるおばあさんが、非常に首を大きく縦に振りながら、うなずいて私の話を聞いていただけた、それぐらい今、将来に対する不安をあらゆる世代の皆さんが持っておられるというふうに私自身は感じております。

 ですから、私ども民主党政権の大きな使命として、こうした国民の皆さんの将来への不安にきっちりと希望の光を照らして、日本がこれから何で御飯を食べていくんだ、こういった道筋をしっかりと示していくことが大切であろうというふうに私は考えております。そういった観点から、本日は質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、日本がどういった方法で、何で食べていくのか、国家として何を重点産業として位置づけていくのか、これが大変重要だというふうに私は考えております。

 その中で、昨年の事業仕分けで切られてしまったわけでございますが、そこで注目を集めたスマートグリッド、このスマートグリッドについて、経済産業省として現在どのような位置づけにしておられるのか、直嶋大臣に御見解をお聞きしたいと思います。

直嶋国務大臣 柴橋議員の初めての質問に最初に答弁させていただくというのは大変光栄でございます。

 今、スマートグリッドについてのお話がございました。まさに議員がおっしゃったように、これからの日本が何で飯を食っていくのかということをきちっと国民の皆様に見えるように政策を提言して、そしてやはり全体としての目標を持ちつつ、これから日本の経済発展を実行していくといいますか実践していくということが、今日本にとって最も重要なことだというふうに思っております。

 その中で、スマートグリッドということで申し上げますと、特に再生可能エネルギー、地球温暖化対策等を含めて再生可能エネルギーを導入していくという意味で、このスマートグリッドの役割は非常に重要で、必要不可欠なものだというふうに思っております。

 さらに申し上げますと、例えばスマートグリッドにつなげる自動車とか家電製品といった関連産業をあわせて次世代型にしていく、具体的に言いますと、例えば電気自動車等ということでございます。そういったことによって、我が国の経済成長につなげていこうという構想でございまして、低炭素社会と経済成長を両立させるという意味で、非常に重要な役割を持っているというふうに思っております。

 先ほど事業仕分けのお話もございましたが、スマートグリッドは、今申し上げたように、新成長戦略における六つの戦略分野の中のグリーンイノベーションによる環境・エネルギー大国戦略というのを出しておりますが、この強みを生かす成長分野として位置づけをさせていただいております。そういった位置づけをした上で、今年度から我が国におけるスマートグリッド活用の実証研究等もスタートをさせたいと思っておりますし、また、海外との連携も積極的に行っていきたいというふうに考えているところでございます。

柴橋分科員 私の初めての答弁に、直嶋大臣にお答えいただきまして、大変ありがとうございます。

 重要な位置づけ、特に新成長戦略の中の大事な要素としてこのスマートグリッドを位置づけていただき、私も本当に全く同じ思いでありまして、これから経済産業委員として全力で応援をしていきたい、このように考えております。

 実は、ことしの十月に私の岐阜市でAPECの中小企業大臣会合が開催をされる予定になっております。そこで、APECで岐阜市をアピールしようと、実は今岐阜県が、例えば岐阜市の大きな玄関口であるJR岐阜駅などで次世代エネルギーのインフラを構築していこう、こういう挑戦をスタートいたしました。

 なぜ岐阜が次世代エネルギーあるいは環境なのかと申しますと、例えば太陽光発電のパネルを製造している三洋、三洋電機が岐阜県には大きな工場を持ってございますし、実は私の調べたところによりますと、日本じゅうで日照時間が四番目に長いのが岐阜市だ、こういうことでございます。そのデータは、昭和四十六年から平成十二年までずっと、平均的な日照時間の調査を岐阜の気象台がしましたところ、二千八十五・八時間ということで、かつては全国で一位だったそうなんですが、最近は四番目ということで、大変日照時間が長いということで太陽光発電には非常に向いている、こんな地域でもあろうかと思います。

 岐阜県の取り組みといたしましては、この岐阜駅の、大きなデッキがあるんですけれども、そこの屋根に太陽光パネルを載せまして、その再生可能エネルギーを使って、電気自動車のタクシーでありますとかあるいはレンタカー、またLEDの照明、こういったものにつなげていこうということで、今いろいろな考えを企画している、そんな段階であります。ぜひ、このAPECをきっかけに、岐阜版のスマートグリッドというものを全国に発信をしたい、このように考えております。

 そこで御質問いたしますが、二〇一〇年度予算に次世代エネルギー・社会システム実証事業というものがございますが、この事業が評価をされて、地域の指定を受けますと、その指定を受けた地域にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。お答えいただければと思います。

近藤大臣政務官 柴橋委員にお答えしたいと思います。

 岐阜、御地元の岐阜市で大変積極的な取り組みをされているということは、経済産業省としても十分承知をしているところであります。

 それで、御質問の内容でありますけれども、この次世代エネルギー・社会システム実証事業に指定されるとどんなメリットがあるのか、こういうことでございますが、さまざまな予算が、例えば地域エネルギーマネジメントシステム開発事業で十一億円であるとか、蓄電池複合化、システム化、技術化開発四十三億円であるとか、さまざまな技術開発なりに予算をお願いしているところでございますけれども、こちらに指定をされますと、予算成立後でありますけれども、こうしたエネルギーマネジメントシステムの開発であるとか蓄電システムの実証であるとか、またさらには、太陽光パネルの設置などの関連予算を重点的にその地域に配分をさせていただきたい、このように思っているところであります。

 現在、全国で公募中でありますが、余りばらばらと、何十カ所も、地域にこういうものを配置してもいかがかと思っておりまして、幾つかに集約をして、集中投資をしていきたい、このように考えているところでございます。

 無論、ぜひ御地元においても応募をしていただければ、このように思っておるわけでありますが、万が一、仮にその指定に漏れたとしても、全国でこうした事業を積極的に進めていきたい、このように考えておりますので、若い柴橋委員のリーダーシップのもとで、ぜひ御地元でも、こうした地域の取り組み、御支援といいましょうか、御指導いただければなおありがたいかな、このように思っているところでございます。

柴橋分科員 近藤政務官、ありがとうございます。ぜひ、岐阜の県庁の皆さんと精いっぱい知恵を絞ってアプローチをさせていただきたい、このように思っております。

 次に、このスマートグリッドの取り組み、社会システムの実証を行うに当たりまして、やはり通信分野ですとか交通インフラですとか、さまざまな要素が絡んでくるわけでありますが、例えば通信でありましたら総務省、あるいは交通システムでありましたら国土交通省、CO2削減という観点からいけば環境省など、いろいろな省庁がそれぞれの縄張りを持っているわけでございます。

 経済産業省を中心に関係省庁連絡会議というものを立ち上げられて、それぞれ、省庁間の連携を図っていく、このようにお伺いをしているわけでございますけれども、ぜひ、このスマートグリッドを日本の将来の飯の種ということで位置づけをし、さらには国際標準をしっかりととっていく、こういうことでありますれば、鳩山内閣として、私はぜひ直嶋大臣にこの旗振り役、リーダーを買って出ていただきまして、ぜひ経済産業省を中心に、各省庁にある意味では分散をしている予算の問題も、まさに選択と集中という観点からこのスマートグリッドへの投資を位置づけていただきたいと思いますけれども、直嶋大臣の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

直嶋国務大臣 ありがとうございます。

 今までのやりとりにありますように、スマートグリッドというのはいろいろなものをつなげるための技術なんですね。ですから、おっしゃったように、省庁の所管でいいますと、幾つかの省庁がかかわってくるということでございます。

 それで、我々の成長戦略の考え方とも関連するんですが、これまでの日本のいわゆる輸出といいますか、海外に出すものというのは、例えばプラントとかあるいは車とかテレビとか、単体物が中心だったんですが、やはりこれからの時代はそうではないだろう。スマートグリッドのようにいろいろなものをつなげていって、それで全体を効率よく運営していくということでありますから、それぞれ、一つ一つの商品も重要ですが、つなげて運用していくというところが最もポイントであるというふうに思っておりまして、いわゆるシステム輸出と言われていますが、物からそういうシステムまで、全体を一つのものととらえて、しっかり海外に向けても展開をしていきたい。そのためのさまざまなノウハウを蓄積するのがこの実証実験ということでありまして、成長戦略についても、三月中ぐらいに各省庁からいろいろな具体策を出すんですが、できるだけそれは横ぐしを通していきたいということで、閣議でも確認をしておりまして、全体が一段と効率よく運営できるようなシステム開発に努めたいというふうに思っています。

 それからもう一点、さっきちょっとお触れになりましたが、やはりその中で重要なことは、国際標準をきちっとかち取っていくということであろうかというふうに思っております。

 この面についても、スマートグリッドに関しては、既に先月、約二十六ぐらいの項目について国際標準をとろうということで、目標の具体化をして目下活動しているということでございまして、国際的な標準化とシステム全体の運用ということで、スマートグリッドを有効に使っていきたいというふうに思っております。

柴橋分科員 直嶋大臣、ありがとうございます。

 この後、実は国際標準について改めて御質問をさせていただこう、このように考えておりまして、今大臣から御答弁をいただきましたけれども、このスマートグリッドというのは、私は本当に、日本が飯の種として、将来にわたって日本の発展のために大変重要な分野だ、ぜひ経済産業委員としてこの問題に取り組んでいきたい、このように考えておるわけでございます。

 今、世界の各国がこのスマートグリッドの開発に向かって全力で競争し合っている、こんな状況であろうかと思います。その中で、日本が最先端で世界に先駆けて国際標準をとるためには、実証実験も大変大事でありますし、その後の事業化ということもあわせて重要であります。

 その中で、では、今の計画の中で、事業化をするのは一体どれぐらいの期間を目標に経済産業省として今設定をされておられるのか、この点を教えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

近藤大臣政務官 全く委員の御指摘のとおりで、時間軸がない仕事というのは意味がない、このように思っております。正しい御指摘だと思うわけです。

 大臣が先ほど御答弁申し上げたとおり、このスマートグリッドは、成長戦略の中の六本柱、エネルギー・環境大国の分野の中での肝の分野だ、このように考えております。

 十年間で一つの目標を立てたプログラムでありますが、このスマートグリッドは点から面へという展開でございますので、鳩山内閣一期目、具体的には三年から四年、こういうことかと思っていますが、この中で実証実験を進めていきたいと考えておるところでございます。

 具体的には、来年度から三年、遅くとも五年の中では国内での実証実験をしっかり終えて、さらには、先ほど大臣からも御答弁がありましたけれども、標準化についてはもう既にスタートをさせる、こういうことでございます。

柴橋分科員 ありがとうございます。

 その中で、先ほど大臣からの一番最初の今回の予算に対する御説明でもございましたが、それぞれのスマートグリッド関連、次世代へのエネルギーというところの予算が今回拡充をされていることは私も存じ上げているところであります。

 その中で、例えば、今後も厳しい財政事情でありますが、こういった分野について、来年度も再来年度もということで、さらに予算を選択と集中で拡充していく、このことを大臣にぜひお願い申し上げたいわけでございますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

直嶋国務大臣 先ほども申し上げたとおり、成長戦略の一つのポイントはグリーンイノベーションでありまして、その中にこのスマートグリッドの開発も入っているわけであります。

 日本の科学技術予算をどう使うかという議論は、実は総合科学技術会議の中で大きな方針を決めた上で、各省で今予算化をしているというのがやり方でございますが、その総合科学技術会議においても、当面、グリーンイノベーションにかかわる分野の研究開発を最重点にするということが確認されていまして、具体的に来年、再来年どうなるかということは申し上げられませんが、間違いなく、我が国の研究開発予算の大きなウエートをこの分野で占めていくということになるというふうに思っております。

柴橋分科員 大臣の力強い御答弁、ありがとうございます。

 ぜひ、来年度予算以降におきましても、このスマートグリッド関連の予算を大きく拡充していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。

 続きまして、中小企業政策についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 第二次補正予算で緊急保証が業種も拡大をされました。また、期間も十二月末まで延長ということになりましたし、また、二〇一〇年度予算におきましても、セーフティーネット貸し付けや緊急保証制度への予算配分がしっかり行われておりまして、私も大変感謝をしております。

 実は、私は二〇〇四年まで都市銀行の中小企業担当をやっておりまして、そんな観点から、非常に、この中小企業金融というのは私のライフワークでもある、このように考えております。

 そこで、実は足元の中小企業向け貸し出しの残高を見ておりますと、実は私が入行した年の二〇〇二年、この一月末では二百十五兆一千億円余り中小企業向け貸し出しがあったわけでございますが、二〇〇九年十二月末時点には百七十八兆四千億円まで実は減少しているわけでございます。また、二〇〇八年の十二月末と比べても三・七%貸し出しが減少をしております。

 その一方で、二〇〇九年四月から十二月までの公庫あるいは商工中金における条件変更というのが八万八千五百件で一兆三千九百億円、また、保証協会の条件変更が二十二万三千九百件で二兆七千二百億円、そして、二〇〇九年十二月末時点の主要行での条件変更が一万五千五百四十二件で八千百八十五億円のお申し込みがあって、実際には三千百四十三件で二千八百六億円の条件変更が行われたということでございます。

 これはどういうことかと私なりにちょっと考えますと、昨年に臨時国会で中小企業金融の円滑化法案が通りまして、企業さんがニューマネーあるいは融資をしてほしい、こういうニーズよりも、大変返済が苦しいということで条件変更をお申し出になる、こんなニーズの方が実は高まってきているのではないか、このように感じております。

 ちょうど先日、地元の金融機関の方と意見交換をする機会がございまして、まさに金融円滑化法案が施行されて以降、この条件変更のお申し出というものが地域の金融機関でも大変ふえているということでございます。中には、非常に仕事が減ってきている。私どもの岐阜は、繊維ですとか、あるいはトヨタ関連の孫請、こういったところが大変多いわけでありまして、仕事が半分とか三分の一というのがここ数年ざらにございました。そういう中で、お金を借りても、実際に仕事がないわけですから、そもそも返済をする当てがないんだと。

 ですから、確かに緊急保証というのはありがたいんだけれども、一番助かるのは、仕事をつくっていただく、あるいは、今経済産業省でも取り組んでいただいている、新しい販路を開拓していく、また、昨年の法案のように、返済を少し猶予していただく、こういったことのニーズが苦しい経済環境にある中小零細企業では非常に高まってきている、このことをぜひこの場をおかりして政務三役の皆様方に私はお伝えをしたい、このように思っております。

 ぜひ、こうした中小企業の現場、現状について、直嶋大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。

直嶋国務大臣 中小企業の金融については議員御指摘のとおりの状況だというふうに思っております。

 そういう中で、私ども、昨年から、公的金融機関が融資したもの等については、今お話しのように、ニューマネーをお貸しするということではなくて、返済条件の変更も含めてあわせて相談に乗るようにという指示を出させていただいております。さっきお話があったとおり、その条件変更がかなり、金額も件数もふえているというのが実情でございます。

 その金融円滑化法案は、さらにそれに加えて、民間金融機関が単独で融資をしているケース、これは、公的と民間と比較しますと、大体全体の融資の八割ぐらいは民間金融機関の融資でございますので、新たにその分野に条件変更を促進できるような形にしようというのがあの法律のたてつけでございまして、民間金融機関の方にも御協力をお願いしておりまして、去年の暮れにやったんですが、年度内にもう一度ぐらい民間金融機関の代表の方にお集まりいただいて、重ねて、年度末への取り組みをお願いしたいというふうに思っております。

 それから、公的金融機関については、今年度の末まで、この条件変更の取り組みを一応一・五兆円ぐらいを目標にやってきましたが、先日、私の方から指示いたしまして、今から来年度の末まで、今度は二兆円を目標にしてその中で取り組むようにということを指示させていただいたところでございまして、これも年度内にさらに決定をするべく取り計らっていきたいというふうに思っています。

柴橋分科員 大臣の力強い答弁をいただきまして、ありがとうございます。地域の中小企業の皆さんが返済で苦しんでいる、ニューマネーよりもぜひ条件変更をしてほしい、こんな思いを一層お取り上げをいただければ大変ありがたい、このように思っております。

 そうした苦しい企業がある一方で、やはり頑張っている中小企業も地域の中にはあるわけでございまして、こういった頑張っている中小企業を応援する、頑張っている企業が報われる、こんな仕組みも大変重要だというふうに考えております。

 そこで、実は民主党は、直嶋大臣が昨年政調会長としてマニフェストをおまとめいただきまして、そこの中で、中小企業の法人税率を一八%から一一%に引き下げをする、こうしたお約束をいたしました。

 昨年の税制改正では残念ながら実現はできませんでしたけれども、この鳩山政権四年間の間で一八%から一一%への税率の引き下げを実現していただけるのか、直嶋大臣の御見解をお願いしたいと思います。

直嶋国務大臣 今議員おっしゃったように、中小企業の法人税の引き下げは、四年間の中で財源を確保してやっていこうという部分の政策でございます。

 そうはいっても、できるだけ早く実行したいという思いは持っていまして、昨年は、残念ながら二十二年度は実行できなかったわけでございますが、二十二年度の税制改正大綱の中で、ちょっと文言を申し上げますと、厳しい経営環境の中で必死に利益を上げている中小企業を支援するため、中小法人に対する軽減税率を引き下げることが必要であり、課税ベースの見直しによる財源確保などとあわせ、その早急な実施に向けて真摯に検討する、こういう旨を織り込みまして閣議決定をいたしております。

 したがいまして、この税制改正大綱の趣旨に沿って、実現に向けて努力をしていきたいというふうに思っています。

柴橋分科員 ありがとうございます。ぜひこの四年間の間で税率の引き下げを実現していただきたいと思います。

 残り五分でございますので、少しそのほかの税制につきましても、まとめて御質問をさせていただきたいと思います。

 例えば、昨年、投資促進税制についても税制改正の中で議論がありまして、二年間の延長ということになりました。ところが、こういう厳しい状況の中で、新しい機械なんかを御購入になって設備投資をしていただく中小企業さんというのは大変ありがたいわけでございまして、ぜひこの投資促進税制は恒久的に行っていただきたい、このように私自身は考えております。

 また、よくこれは地域の中小企業さんからも御要望があるわけでございますが、交際費の損金算入の特例がございまして、これも今回、延長ということで六百万円認めていただきました。

 さはさりながら、この中小企業の、まさに販路拡大あるいは営業活動というのは地域経済にとっても大変大きな役割を担っているものでございまして、ぜひ、大胆なお願いをさせていただければ、こういう厳しい経済環境であればこそ、この交際費は例えば全額損金に算入するぞ、これぐらいの大胆な政治決断というのもあっていいのではないか、私はこのように考えておりますけれども、いかがでしょうか。

増子副大臣 私も、柴橋委員の初めての質問に答えることができて大変うれしく思っております。

 今御案内の質問につきましては、まさに同感でございまして、昨年の政府一元化で行われました税制調査会の中においても、私も委員の一人として参加をさせていただきました。

 大変厳しい中小企業を取り巻く環境については、柴橋議員おっしゃるとおりに、やはり中小企業に元気が出なければ中小企業はよくならないし、中小企業がよくならなければ日本の景気はよくならないという観点から、さまざまなこれらの中小企業に関する税制については私ども省を挙げてしっかりと対応したところでございまして、ほぼ私どもの要望どおり二年間の延長が認められたのは、委員が御案内のとおりでございます。

 これもやはり、これからの税制改正の中において、法人税引き下げや交際費の問題等を含めて、私ども、これからしかるべき条件は何が必要なのか、中小企業が元気になるためには何が必要なのか、しっかりと考えてやっていきたいと思っております。

 御案内のとおり、現在六百万までの交際費支出の九割分の損金算入が認められているところでございまして、これも一〇〇%ということで私ども頑張ってまいりました。今回の税制改正の中では残念ながらこれを獲得することはできませんでしたが、今後とも、中小企業や、特に小規模企業の観点からも私どもこれのために全力で取り組んで、何とか一〇〇%の損金算入が認められるように取り組んでまいりたいと思っておりますし、その決意を申し上げさせていただきたいと思います。

 それ以外のさまざまな税制、特にエンジェル税制の活用など、ベンチャー企業への投資を促進するべきではないかというようなことも含めまして、しっかりとこれは取り組んでまいる決意であることを御理解いただきながら、また委員のさまざまな御意見や御要望もいただければ大変ありがたいと思っておりますので、御理解のほどよろしくお願いをいたしたいと思います。

柴橋分科員 増子副大臣、本当にありがとうございます。私の方の初めての質問にお答えいただきまして、大変感謝をいたしております。

 まさにこの中小企業というのは日本経済のかなめでございますので、私もこれからも経済産業委員の一人として、中小企業を全面的に、税制の面でも、また金融支援の面でもお支えをできるように、これからも頑張ってまいりたいと思います。また今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 きょうは本当にありがとうございました。

岡島主査 これにて柴橋正直君の質疑は終了いたしました。

 次に、今井雅人君。

今井分科員 衆議院議員、民主党の今井雅人でございます。きょうは質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。

 私は岐阜四区の選出でございまして、岐阜四区といいますと、岐阜県の半分を占める、愛知県と同じぐらいの面積というところで、非常に過疎化が進んでいるところであります。きょうは少し地元ネタばかりの質問になりますが、こういう過疎地でいろいろな取り組みをしている、いろいろな問題が起きているということをぜひ大臣以下政務三役の方に知っていただきたいという思いも込めまして御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 最初の質問になりますが、私の選挙区に可児郡の御嵩町というところがございまして、実はここはかつて政府の方針で亜炭の鉱山をたくさん掘った地域であります。この御嵩町というのは以前産廃問題で非常に全国的に有名になったところでありますが、もう一つ大きな問題が実はこの亜炭の廃坑の問題でございます。

 今この亜炭の廃坑というのは、残柱方式といいまして、こういう柱みたいなものを残して穴がずっと掘ってあるんですが、この柱が今どんどん風化をしてきておりまして、陥没の事故が非常に今多発をしておりまして、最近テレビ等でもこの一年二年の間に何度も特集を組まれるという非常に深刻な問題になってきております。

 本質的な解決策は穴を全部埋めるというのが一番いいんですけれども、試算によりますと御嵩町だけでも一千億かかると。これは全国いろいろなところに点在しておりまして、特に九州に多いというふうに聞いておりますが、合わせると十兆円ぐらいかかるということで、この規模の財政を支出するのは非常に難しいということは理解をしているわけでございます。

 現在の制度では、特定鉱害復旧事業等基金というものを岐阜県の場合は五億円程度いただいて、この運用益で穴が陥没したものだけを修繕していくという対応がなされているわけでありますが、金額的にも非常に小さい金額で、しかも今財政が非常に厳しい状況ですので、五億円の運用といっても大した運用益が出ずになかなか本質的な対策ができないということで非常に困っておられます。

 全国的にこれを展開しようという動きも少し模索をしたんですけれども、実はこれも一つ大きな問題があります。穴がどういうふうに本当にあるのかということを本格的に調査すると例えば地価が下落するとかいろいろな問題があって、なかなか皆さんここに本格的に取り組めないという非常に微妙な問題があるんです。その中で御嵩町は全国で一番この問題に前向きに今取り組んでおりまして、お手元に大きい資料をお見せしておりますが、それが大体今穴があるであろうという地域を示しているもので、色の違いは深さを示しているのでありますが、それだけ大きな地域に広がっているということなんです。

 それで、全部を埋めるということは非常に現実的ではないんですが、一つ御検討いただきたいことがございます。それは実は、穴があいている地域、下に空洞がある地域の中には地震などのときの避難場所になる地域がたくさんありまして、例えば学校ですとか公共施設がたくさんあります。そうすると、例えば地震があって、みんな避難しようと思ったら、避難したところが陥没して、どこにも避難するところがなくなってしまう、こういう問題が非常に今危惧されておりまして、ただでさえ今地震が起きる可能性がだんだん高まっているというところで、住民の不安は本当に今高まっております。

 この点について、何とか少し国の方で対策を検討していただけないかと考えておるんですが、大臣の御所見をお願いしたいと思います。

    〔主査退席、糸川主査代理着席〕

近藤大臣政務官 今井委員の御質問にお答えしたいと思います。

 御存じのとおり、これまで国は、戦後、国内石炭の重点的生産の結果発生した鉱害に対して、これまで五十年間に総額一兆五千億円の予算を投じて鉱害復旧工事を進めてきたわけであります。ただ、こうした国の復旧工事というのは、御存じのとおり、全国的にすべての跡地を埋め戻すということは極めて困難でございますから、陥没等が起こった場合の、その土地物件が本来持っている効用を回復する工事に限られてきた、こういうことでありますし、御地元においても、国と県が出資した基金をもとに、平成十三年度から公益法人が工事を行っているということでございます。

 こうした状況で、では本質的な解決になるのかという先生の御指摘はある意味当然の御指摘だろう、このように思っておりますし、先ほどの配付資料にもございましたように、御地元の方々が多くの心配を感じられているということは経済産業省としても十分認識をしているところであります。ただ一方で、委員もおっしゃいましたが、全国でこれをやろうとすると大変な予算が必要になる、こういうこともございますし、他方、地価への影響ということもこれまたあるということであります。

 御指摘の岐阜県、御地元においてでございますが、とりわけ東海地震は十分危惧しなければいけないことでありますので、我々経済産業省としては、平成二十年度に地元自治体と共同で、避難場所となる中学校のグラウンドの鉱害復旧事業に資するボーリング調査を実施させていただいている、こういうことでありますし、自治体の皆様に御協力をさせていただいている、こう考えております。

 引き続き、現行制度のもとでどういったことが次善の策として可能なのか、可能性を探ってまいりたい、このように考えております。

今井分科員 ありがとうございました。

 もう一度、ぜひお願いをしたいんですけれども、この問題は非常に時間のかかる問題だということは認識しておりまして、御嵩町の皆さんもそれは十分認識をしておるのでありますが、少しでもやはりいい方法がないかということで、国の方といろいろな協議をしながら、自分たちの意見も聞いてほしい、その中で解決策を見出していきたいということで、今後そういう地元の自治体の方々とまた協議をする機会をぜひつくっていただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

近藤大臣政務官 地域の方々のお気持ちを十分理解もできますし、これまでも県当局と国と議論を重ねてまいりました。一元的に、この事業主体は県と国との共同事業ということでございますので、県がまずは窓口になろうかと思いますが、御嵩町の皆様の御意見というのは、委員の御指摘でもございますので、これは当然のごとくお話を聞く機会は必要であろう、このように認識しております。

今井分科員 どうもありがとうございました。

 この政策、民主党の、国民の生活を守る、安心、安全を守るということは非常に重要な観点でございますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次の質問に移りたいと思います。再生可能エネルギーについてお伺いをしたいと思うんです。

 現在、太陽光発電の方で固定買い取り制度というのが実施されているわけでありますが、民主党のマニフェストの中では再生可能エネルギーについての固定買い取り制度ということをうたっておるわけでございます。

 私の選挙区、北の方は、もう九割以上が森林という非常に山の多い地区でございまして、御案内のとおり、森林事業もかつては非常に栄えておりましたが、今は木材の価格が一立米一万五千円とか一万六千円とかいうところで、本当に林業が成り立たなくなっている。

 そんな中で、環境というものを使って森の整備というのをしっかりしていこうということに一生懸命取り組んでおられる自治体もあります。私の選挙区でいいますと、加茂郡の白川町というところに、平成十四年にバイオマス発電ということで、間伐材とかこういうものを使った発電をしようということで取り組みを始めました。

 しかし、残念ながら、なかなか採算が合わない。今、一キロワット当たり六円とか七円とかという状況でして、間伐材の残材を山からおろして、それを燃やして売るにはとても採算が合わない。実際に事業をやっていらっしゃる方に聞きますと、三十円ぐらいあれば何とか持続的に経営をやっていくことができるというお話でございます。

 きょう、お手元に二〇〇九年六月の読売新聞の記事があります。この記事の中にも、各地でこのバイオマス発電に取り組んでいたところ、結局、山に林地残材はあるんですけれども、これを運び出すコストが非常に高くて、燃やすものはあるんだけれども、運んでこられないので燃やせない、そのために発電ができないという、非常に矛盾というかいろいろ困った状況が起きておるわけであります。

 これも固定の買い取り制度を導入すれば解決する問題でして、かつ、間伐がしっかり進んで、残材をしっかり取り除くことで森がよみがえります。そうすると、木というのは人間と同じで、やはり生き生きと生きていると呼吸をしっかりしますので、そのためにCO2の削減に効果があるということで、非常にいい回転になっていくという効果が見込まれているわけであります。

 そうした観点から、ぜひ、マニフェストに当初ありましたように、再生可能エネルギー全般にわたる固定買い取り制度というのを御検討いただきたいと思うんですが、そのあたりについての御所見をいただきたいと思います。

近藤大臣政務官 今井委員も御地元岐阜県に中山間地帯が多い、こういうお話でありますが、私も山形県の山の中の方ですので状況はよくわかります。全く御指摘のとおりでありまして、今の状況ですと木質バイオマスはなかなか採算が合わないという声が寄せられているところであります。

 ただ、他方、バイオマス発電の導入拡大というのは、エネルギー源の多様化、地球温暖化対策に資するのみならず、まさに先ほど委員が御指摘の農村、山村地域の活性化といいましょうか、地域密着型の国産エネルギーを確保する、広くいえば安全保障という観点からも大変意義があるものだろう、こういうふうに考えております。

 再生可能エネルギーの全量買い取り制度につきましては、現在、増子副大臣、大臣も含めてですが、政務三役が中心となって、省内にプロジェクトチームを立ち上げて検討を進めております。現在、有識者の方々と詰めの議論を深めているところでありまして、当然、木質バイオマス、木材も含めて有力な対象として議論を深めているところでございます。来月を目途に、制度のオプション、具体的にどういうケースになるんだろうというものをお示ししたい。

 ただ一方で、御案内のとおり、これは電気料金にはね返るもので、兼ね合いというものがあるものですから、それがどういう形になるのか、どの程度なら国民の皆様に御納得いただけるのかというオプションをまずは国民の皆様にお示ししたい、このように考えております。

今井分科員 ありがとうございました。

 近藤政務官も山形の御出身ということで、大変豪雪地帯だと思われます。私のところも、実は北の方には世界遺産で有名な白川村とか、ああいうところがあるんですけれども、ことしは雪が非常に多くて、二メートルを超えるような積雪というのが何度もありました。

 それで、実は先日、ある太陽光発電のメーカーの技術者の方といろいろお話をしておりまして、太陽光発電というのは、基本的に太陽がさんさんと照るところで有効なわけでありますが、雪の降るところはいかがなんでしょうかということを質問させていただいたんです。いろいろ技術的なことで、あるいは手入れとかで幅はあるものの、やはり積雪量が一メートルを超えるとなかなか太陽光発電の普及は難しいですね、そういう御回答だったわけです。

 今、太陽光発電は非常に普及をしているわけでありますが、これは、言ってみれば、導入をした人たちにとってはメリットがありますけれども、導入ができない人たちから見ると、電気料金が上がるという、むしろ負担がふえる話であります。そう考えたときに、豪雪地帯の人たちにとって太陽光発電の普及というのは本当に公平でいいのか、やはりそういう問題というのはあって、私の選挙区でもそういう声はいろいろ起きるわけです。

 そうした観点で、太陽光発電だけではなくて、やはりいろいろな地域に公平な形でこういう再生可能エネルギーの買い取り制度というのを御検討いただきたいというふうに私は考えておりますが、近藤政務官の御所見をいただきたいと思います。

近藤大臣政務官 全く今井委員の御指摘のとおりだと思います。

 私の地元も同様でございますし、太陽光は西日本が中心だろう、こう思うわけです。それから、山の地域、また逆に北海道とかは今度は風力が有力になるだろう、こう思っておりますし、やはりそれぞれ地域に合ったエネルギーというものを普及させる必要があろうかと思いますので、まさに御指摘のとおり、そういう観点を踏まえて制度設計をしなければいけない。

 特にバイオマスについては、海外から食料品のバイオマスをブラジルから船賃をかけて輸入するのであれば、木質バイオマスというのはまさに重要な選択肢なんだろう、このように認識をしているところでありますので、委員御指摘の視点も踏まえて検討を進めてまいりたい、このように考えております。

今井分科員 大変心強い答弁をいただきまして、ありがとうございます。ぜひこの点について御配慮をしながら検討していただきたいと思います。

 次の質問に移りたいと思います。実は、昨日、財務金融委員会でも同じような趣旨の質問をさせていただいたんですが、エコカー減税についての御質問をさせていただきたいと思います。

 今回、エコカー減税というのが前政権の政策を引き継ぐような形で行われるということでありますが、私は、この政策、景気対策にもなりましたし、民主党中心の政権の環境に優しいという政策にも合致していますので、ほかの政権であろうと、いい政策はそのまましっかり引き継ぐ姿勢は非常に評価できる姿勢ではないかと思います。

 その中身についてなのでありますけれども、きょうは資料をお持ちしておりますが、これは業界からいただいている資料であります。左の下の方を見ていただきたいんですが、階段状になっているのは、これは重量によって燃費基準というのが違っているというところで、だんだん重くなると燃費基準が下がってくるということです。きのうの朝日新聞にもちょうど、アメリカのハマーのが日本だとエコカーになるらしいということがニューヨーク・タイムズに出ていたというふうな記事がございましたけれども、現実的に、重い車であればあるほど燃費が低くてもエコカーであるというような状況になっているわけであります。

 この状況を見ますと、左の方に軽自動車があると思いますけれども、一部のハイブリッド車の中には軽自動車よりも燃費性能が劣っているものが実際にあるというのがまず一つ見てとれると思います。もちろん、大きい車は乗車人数が多いんだ、だから乗車人数で割るとどうなんだという議論もあります。でも、やはり実際問題、ふだん通勤、通学に使っている人から見れば、大きかろうが小さかろうが、一人二人でしか乗っていませんので現実的にはそれは余り変わりはないということなんだと思います。

 ところが、今回のエコカー減税、これはハイブリッド車に関しましては免除ということになっておりますが、軽自動車に関しましては七五%の軽減ということで、多少差がついているということであります。もちろん、ハイブリッド車の技術革新という点などを考慮している、あるいはもともと軽自動車税というのが優遇されているという面もあろうかと思いますけれども。

 私の地元は非常に所得が低いところでして、所得が低いところほど軽自動車の普及が多いというのは皆さん御存じのとおりだと思いますが、やはり低所得者にとっては少しでも減税というのは本当にありがたいわけです。ところが、ハイブリッド車はやはり値段が非常に高いのでなかなか手が出ないという方がたくさんいらっしゃいまして、今回のエコカー減税に関しても、田舎になればなるほどそのメリットを享受しづらい、そういう面がございます。

 なかなか難しいと思うんですけれども、例えば、今ここに「次世代軽自動車」とありますけれども、軽自動車の中にも最近はハイブリッド車が出てきているようでありますが、ハイブリッド以外でも、いろいろな技術の改善によって燃費をどんどんよくしていくということは可能で、これも技術革新の一つだと思うんですけれども、例えば、軽自動車で燃費が今リッター三十キロぐらいになったというようなものに関してはハイブリッド車と同様の措置を講じるとか、こういうことを検討していただけないかというふうに考えておるのでございますが、この点に関しての御意見をお伺いしたいと思います。

    〔糸川主査代理退席、主査着席〕

直嶋国務大臣 いろいろな観点から幅広く議論することは重要なことだというふうに思っています。

 ただ、さっき、軽自動車と、それから今のいわゆるエコカー減税ですが、仕組みとしてぜひ御理解をいただきたいのは、今いわゆる将来の低炭素社会に向けてエコカーの普及を促進していこう、こういう観点で実行しているものでございまして、その中でいうと、例えば、免税と、さっきおっしゃったように七五%、五〇%、それぞれ軽減があるんですが、免税部分については、さっきお話あったように、いわゆる次世代自動車の開発というところを視点に置いて免税ということを決めさせていただいています。したがって、現在の燃費でどうかという比較ではないということであります。七五%軽減とか五〇%軽減の部分については、これは燃費のいいものについて軽減をする、こういう仕組みになっています。

 したがいまして、今の仕組みの趣旨からいいますと、軽自動車のリッター当たりの走行キロといいますか、燃費がいいからといって免税にするという趣旨ではないということを御理解いただきたい。それで、いいものは七五%軽減できるということであります。

 それで、もう一つは、軽自動車と、いわゆる登録車といいますか普通の車との比較を申し上げますと、例えば自動車取得税でいいますと、普通自動車の場合は今暫定税率が入っていまして取得価額の五%になっていますが、軽自動車は三%になっています。それから自動車重量税、これはちょうどここの上にありますが、重量〇・五トン単位で税金をかけていまして、そういう意味でいいますと、軽は一律年間四千四百円なんですが、普通乗用車の場合は〇・五トンで六千三百円ということでありまして、大きい車だとその倍の一万二千六百円かかっていると。

 したがいまして、総合的にいいますと、燃費等の競争力ということでいいますと、今の税制もあわせて考えますと、軽自動車の燃費のいい車については結構優位性を保っているのではないか、そういう制度になっているのではないかというふうに思っておりまして、これは二十三年度まで継続ということでございますので、当面は運用をさせていただきまして、将来の方向についてはまた議論をさせていただければというふうに思っております。

今井分科員 ありがとうございました。ぜひ、次のときにはまた御検討をいただきたいと思います。

 次の質問に移りたいと思います。家具の原産地表示の推進ということなんです。

 実は私の選挙区の飛騨の高山は、飛騨のたくみということで家具が非常に有名なところなのでありますけれども、現在少し困っていることがございます。いわゆる飛騨の家具と称しつつ実は中国産であるとか、なかなかブランド化というようなところがうまく進まないという問題がございます。

 現在の法律によりますと、家庭用品品質表示法の中ではいろいろの品質表示義務があるんですが、その中に原産地表示という義務が入っておりません。どれで担保されているかといいますと、これは所管ではありません、消費者庁になりますが、不当景品類及び不当表示防止法というものの中で、誤認をされるようなものに対しては警告をするというようなことが今なされているわけであります。

 この問題は少しイタチごっこになっておりまして、実際問題一番いい解決方法は、どこかのところでこういうものに対して、ブランド化を推進するに当たって、原産地表示というのを義務づけるということが一番いい解決法で、これが各地域のブランド品の推進あるいはそういうところの品質の保持につながってくるというふうに私は考えておりまして、ぜひこの点について御検討いただけないかということをお願いしたいんですが、この点について御見解をいただきたいと思います。

近藤大臣政務官 先生の御通告をこちらが明確に把握していなかったのできっちりしたお答えができるかどうかということがございますが、一般論でございまして恐縮ですけれども、旧政権下の話でございますけれども、消費者庁をまさに設置した背景というのは、こうしたばらばらのもので対応ではなくて消費者庁に一元化しようと。公取が持っていた部分の不当表示も消費者庁に移管した、こういう経緯がございます。

 原産地表示の義務づけをどこまで、原産地とは何ぞやという定義もいろいろあるので、さまざまチェックをしなきゃいけない部分もたくさんあろうかと思いますが、経済産業省の中では、地域ブランドを積極的に推進している立場でもありますので、我々とすると、取り締まりという観点よりはよりよいものを引き上げていこう、こういう観点で行政を展開しているところと、そこの取り締まりの部分は、ある意味で消費者庁に一元化をしているというのが現在の政府のたてつけというか構えでございます。

 ただ、この問題は、まさに正直者がばかを見るようじゃいかぬ、こう思っておりますし、御指摘の点を踏まえてさまざまな角度から政府内で検討すべきかな、このように考えておるところでございます。

今井分科員 済みません。通告をもう少しはっきりとした内容にすればよかったんですが、ぜひこの点を認識していただいて、家具だけではなくて各地域でやはり同じ問題が起きていると思います。地域経済を活性化させるには、やはりブランドの確立というのが非常に重要ですので、原産地表示というのをぜひ御検討いただきたいと思います。

 時間がございませんので、最後に少しだけ、質問というか御要望みたいになりますけれども。

 今、ITがどんどん進化している中で、いわゆるITによる電力の消費量が非常にふえていくというところで、これを省力化していかなきゃいけないという取り組みを国はやっていかなければいけないと思うんですが、原口ビジョンでもPUEを一・二ぐらいまでに下げようというようなものが発表されております。

 実は私の選挙区の、神岡鉱山が昔あったところですが、ここは今はもう廃坑になっていまして、穴がずっと長い間あるんですけれども、これは今いろいろな民間企業の調査で非常にデータセンターに適しているところと。水があります、それから気温が十四、五度ぐらいでずっと保たれているということで、自然を使ってデータセンターのエネルギーの省力化あるいは冷却をするということ、これができるという非常にいい立地でありまして、何とかこの地に、民間も、それからできれば政府のデータセンターかもしれませんが、これからクラウド化が進んでいく中で、そういうデータセンターをぜひここでつくったらどうかなということを地域の皆さんと今検討しているところでございます。

 これは地域の経済の活性化にもつながる非常に大事なプロジェクトだと思っておりますので、こういう点について、一般論でも結構です、ぜひ御検討いただけないかと思います。ぜひよろしくお願いします。

直嶋国務大臣 御提案ありがとうございます。

 神岡は、例のカミオカンデ、ノーベル物理学賞をおとりになったあの地でありまして、おっしゃるような地域性を持っているというふうに思うんです。

 それで、IT企業についていいますと、今御指摘のようなことと、もう一つはやはりビル全体をエコ化していくということでありまして、実はきのうちょっとそういうビルを見てきたんですが、うまくそういうIT機器の熱等を活用すれば冬の暖房は人の体温と機器の熱でほぼ満たせる、こういうことを今実践されていまして、そういう冷暖房のあり方等も含めて、このITの省力化というのは、これはIT本体の省力化じゃなくて、周りの環境に合わせて省力化していくということになると思うんですが、そういう意味で実行していきたいというふうに思っています。

 今御提案の件については、受けとめさせていただいて、考えたいというふうに思います。

今井分科員 どうもありがとうございました。これで私の質問を終わります。

岡島主査 これにて今井雅人君の質疑を終了いたしました。

 次に、川口博君。

川口(博)分科員 おはようございます。民主党・無所属クラブの川口博と申します。秋田二区からやってまいりました。

 実は、昨年の四月まで、小さい町の町長を五期務めさせていただきました。昔は鉱山の町として大変栄えた町で、もちろん、鉄道も総合病院も、水道を含めてすべて完備された、東北を代表するような小さい町であったわけでありますが、一つのきっかけは、一九八五年、プラザ合意です。六十年のプラザ合意で円高が大きく進展をし、残念ながら秋田の鉱山、日本の鉱山はつぶれてしまいました。

 当時、二十年前になりますが、ある意味では、今の日本の状況とうちの町はよく似ておったと思います。それは、働く場所がないですから、若者がどんどん出ていきます。人口減少です。子供を産む能力のある若い方の職場がないですから、生まれてくる赤ちゃんの数が少なくなる、そしてまた、もちろん税収も少なくなっていくという大変厳しい状況でありましたが、当時、町の方々が相談して、二つのことを確認し合いました。

 一つは、プラザ合意というのは、世界の経済と地方の経済が同時性を持って進んでいる、ですから、やはりもっともっと広くいろんな目を見開いて注意しなきゃだめなんだなと。

 それから、あともう一つは、普通の生活ができるような町にしようじゃないかと。子供も孫もどんどんどんどん出ていってしまう。多少給料が少なくても、当たり前の暮らしができるような、そういう町にしましょうと。あの苦しかった第二次世界大戦のときでさえ、親戚は、命が惜しければ東京から田舎に戻ってきた。食べるものがなければ、ぜいたくはできないけれども食い物はあった。日本の最低限度のセーフティーネットはあったわけですが、そのままいくと田舎がなくなってしまう、セーフティーネットさえもなくなってしまうんじゃないのかな、そういう危機感、がけっ縁だという意識は非常に町民がみんな持ってくれました。

 それから、企業の方も、先ほど鉱山の話も出ました。やはり鉱山も石炭も、例えば遠洋漁業もそうですが、資源があるうち、宝の山があるうちは大企業はいろいろないいビジネスをしてくれますが、なくなってしまうといなくなってしまいます。それは、もうけがなくなるからです。しかし、地元の企業とよく話をし、新しい産業をぜひつくっていただきたい、新しい雇用をぜひつくっていただきたい、人口増はなかなか難しいとは思うけれども、交流人口をふやして、観光というのはすそ野が広い、そういうことで、地元企業も全面的にバックアップしてくれました。

 ただ、我々はそういう知識がないものですから、旧通産省の幹部の方々と相談をしながら、必ずや世界には、昔鉱山で大きなビジネスをして、鉱石はなくなったけれども再生した事例はあるはずだと、それを伺いました。

 例えばアメリカのアスペン。これは、一九五〇年、シカゴ大学の総長が、これからの世界の経済はこうあるべきだという研究所を立ち上げて、見事に町を再生しました。

 カナダは、キンバリーはもちろんリゾート化で再生しましたし、今、バンクーバーはオリンピックをやっていますが、あの近くにはブッチャートガーデンという、これは昔の露天掘り跡地です。二十町歩ぐらいですか、それをすべて花畑にして、世界の観光客がそこへ行っております。

 また、ヨーロッパの方では、スロバキアには一七六二年にマリア・テレジアがつくった鉱山大学があります。これは世界で一番古いです。そこは世界遺産の町でした。それから、ドイツのフライベルクの方ではもちろん鉱山大学校があります。また、ベルギーの方ではすぐれた製錬技術を持っています。

 いろいろなそういうところを国から紹介していただきながら、もちろん、鉱山跡地利用、リサイクル・マイン・パーク構想それからエコタウン構想ということで大変な御支援をいただき、二十年前には町民所得も税収も下のグループだったんですが、十九年、つい先般発表になりましたが、見事二十五市町村で一位の町民所得になりました。ですから、やはり地元の熱意といろいろな有機的な結合で危機感を持って取り組むことによって、成熟社会にふさわしい政策を盛り込むことによって、私はそういうことが体験できたと思っております。

 今まで、山の鉱石を取り出して、金属で工業製品、第二次製品をつくったわけです。車もそうです。いろいろ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、家電もそうですし、携帯電話もそうです。いわゆる山の鉱石じゃなくて都会の鉱石から、都市鉱石から金属を取り出すということに向かったわけであります。

 きょうは、その都市鉱石、レアメタルについてちょっとお尋ねをさせていただきます。

 そのレアメタルなどの資源でありますが、自動車や電機・電子産業といった外貨を稼ぐ輸出産業を支えるキーマテリアルであります。電気自動車などの高性能モーターや電池、それから太陽光パネルや燃料電池といった低炭素社会の新技術にも必要不可欠です。

 反面、こうした資源は、鉱物資源であるという性質上、鉱石を探す探鉱、鉱山開発、そして生産に至るまで、長い時間と膨大な資金を要します。リスクも大きい。さらに最近は、新興国の資源需要の増大で、各国とも資源確保に動いていると同時に、鉱山の権益の寡占化も進んでおります。我が国は資源確保を急ぐ必要があります。

 そうした中で、今国会でもJOGMEC法改正法案が提出される予定ですし、極めて厳しい財政状況の中、関連予算もその重要性に配慮されたものになると認識しております。

 そうしたことも踏まえまして、きょういただいた質疑の機会に、鉱山権益の取得と並んでもう一つの資源確保の方策となりますレアメタル等循環資源のリサイクルについてお尋ねをいたします。

 国内の循環資源の徹底的なリサイクルも大変重要ですが、きょうは、アジア全体のレアメタル等の資源循環について経済産業省のお考えをお伺いしたい。アジア全体でリサイクルのループをつくる、いわばアジア大の資源循環の仕組みを構築する、そうした考え方について経済産業省のお考えを伺いたいと思います。よろしくお願いします。

直嶋国務大臣 御指摘の点は非常に重要な点だというふうに思っていまして、アジア全体における環境保全、それから、今お話があったように、レアメタル等の資源を安定的に確保していくという意味で、非常に重要なことだというふうに思っています。アジアのそれぞれの国とも協力をしつつ、そういった循環的なシステムを構築していきたいというふうに思っています。

 その上で、その構築したシステムの中でレアメタル等の流通をどう図っていくかということも当然必要なことになります。

 今、実は、アジア大とはいかないんですが、例えば、中国との間で日中省エネルギー・環境総合フォーラムというのを、ちょうど去年の十一月に第四回目をやったんですが、これは、ビジネスの方も一緒に参加をして、その場で商談を決めたりあるいはタイアップの話し合いに入ったりという場になっておりますが、例えばそういうところで、昨年、四十二件実は商談として成約があったんです。これは、四年目になりまして、過去三年分ぐらいが去年一気に成果が上がったんですが、そのうちの八件が実はリサイクル事業でございまして、例えば中国の江蘇省での家電リサイクル事業、これは日本の企業と組んでいます。それから、やはり上海における電子部品のリサイクル事業、こういうのが採択をされまして、いよいよ実行段階に入っているということでございます。

 中国以外のところも含めてこうした協力関係をつくりながら、今御指摘のような資源の回収をしっかりやっていくという仕組みをつくっていければというふうに思って、今取り組んでいるところでございます。

川口(博)分科員 ありがとうございます。

 国会議員になって六カ月ということで、緊張しております。初めての質問です。大臣、ありがとうございました。

 レアメタル等循環資源は、資源性とともに、重金属などの有害性を持つ特性があるということ、だからこそ適正な処理が必要で、それには高度な技術と設備が必要です。私は、そこに我が国の役割と強みがあるものと考えております。日本は、海外では適切なリサイクルが困難なもの、レアメタル等を含む循環資源はまさにそれに該当するものと思いますが、積極的に受け入れてリサイクルする、そういう役割を担っていくものと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 さて、お尋ねの二点目であります。

 アジア全体の資源循環を進める上で、海外、アジアにモデルプラントをつくってはどうかと考えております。ただ、先ほど大臣のお考えを伺いましたら、もう既に日本と中国の間では具体的な事例もあるということであります。つまり、我が国がアジアのリサイクルのシステム構築に積極的、直接的に関与し支援することでアジア全体の資源循環が大きく進展すると考えますが、経済産業省のお考えはいかがでしょうか。よろしくお願いします。

増子副大臣 川口委員にお答え申し上げます。

 御案内のとおり、今大臣からもお話がありましたとおり、レアメタル関係等を含めて、資源循環を行う上では大変高度な専門知識が必要であることは当然のことであります。アジア大で適切な循環資源システムを構築していくことは、まさに官民一体となっての人材育成が不可欠であることは御理解をいただけると思います。

 川口委員がかつて町長を五期務められました秋田県小坂町に実は大変立派な学校がございまして、財団法人国際資源大学校というものがあります。これらを活用して、アジア各国から研修生を受け入れて、我が国が培った技術や経験を共有しつつ、アジア各国においてレアメタル等の資源循環を行う人材の育成を支援しているところでございます。

 我が国としてもぜひこれらに今後ともより力を入れていきたいというふうに思っておりますし、引き続き、アジア各国のニーズも踏まえつつ、人材育成、まさに一番大事な分野でございますので、協力事業を実施してアジア各国での資源循環に取り組んでまいりたいと思います。

 実は私、昨日までクウェート、サウジアラビアに出張に行ってまいりましたけれども、ここでも、やはり人材育成、研修制度が何よりも重要だという御意見も各国からいろいろいただきましたし、逆に、我が国が人材研修、育成については極めて大きなノウハウを持っているとも認識をしておりますので、これらを踏まえてしっかりと人材育成に取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞ、川口委員にも引き続きの御支援、御指導を賜りますようお願いを申し上げます。

川口(博)分科員 ありがとうございました。

 それでは、最後の質問になります。三点目の質問でございます。

 適切な資源循環を行う上では、先ほどの資源性と有毒性というレアメタル等循環資源に対する基本的な認識に加えまして、高度な専門知識も必要と考えております。

 ただいま副大臣からお話がありました国際資源大学校では、現在、三カ月コースで、東南アジア、中南米、それからアフリカの研修生の方々が勉強をしております。もし可能であれば、先ほどアスペンの話もしたんですが、やはり経営学修士、いわゆるMBAのようなそういう資格、これを、国際資源大学校の三カ月間の研修コースを例えば一年ぐらいに延ばして、そして最も大事な、環境学修士、マスター・オブ・エンバイロンメントのような、そういう資格が取れるような国際資源大学校の強化拡充についてひとつお願いをしたいなと思っております。お願いします。

増子副大臣 大変ありがたい御指摘をありがとうございます。

 御案内のとおり、川口委員の小坂町にあります国際資源大学校は、所管が実は外務省と独立行政法人国際協力機構でございまして、私どもとして直接的なかかわり合いということではございませんけれども、やはり今のお話のとおり、人材育成、極めて重要でございます。実は今、三カ月が二カ月に短縮されてしまったという、川口委員のお考えと若干逆行しているというところに、私ども心配をいたしております。

 これについて、逆に、今御指摘のありましたとおり、期間を延長して一年程度に延ばすということも当然今後の人材育成については必要だと思っておりますので、直接私どもの所管ではございませんが、今後、大臣を先頭にしっかりと働きかけて、人材育成を私どもは資源循環の中において一番必要だと思っておりますので、これらを働きかけながら、できるだけこの問題に私どもも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。どうぞ、川口委員と一緒になって人材育成の期間を延長するような方策に持っていきたいと思いますので、今後ともよろしく御協力のほどお願いを申し上げたいと思います。

川口(博)分科員 ありがとうございました。

 日本の国は世界に尊敬されなければならないと思います。尊敬されるためには、やはり貢献しなきゃならないと思います。日本の得意わざである資源とかリサイクル、特に環境問題、もちろん、食料を含めて、健康を含めて、やはり日本の得意わざで世界に貢献をし、そして世界の国から尊敬されるような、そういう国の形をつくっていく必要があろうかと思います。

 今回、レアメタルなどの資源確保と同時に、我が国の環境ビジネスの振興、それからアジアの環境保全、そうしたものに向けてお伺いをいたしました。きょう、このような御回答をいただき、非常に心強い限りであります。大臣、副大臣、政務官、感謝を申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岡島主査 これにて川口博君の質疑を終了いたしました。

 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)分科員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 きょうは、エネルギーの低炭素化ということで質問をさせていただきたいと思います。

 エネルギー源の低炭素化は、一番大きくきくのは、原子力発電の稼働率を上げること、そして増設などで拡充をしていくこと、これがまず第一の柱だと思います。そして二番目の柱は、やはり火力発電所、これはある意味では基幹的な発電施設でございますが、ここからのCO2排出量が全体の三分の一を占めているというふうなことを考えますと、火力発電の高効率化を行っていくこと、これが二番目の柱だと思います。そして三番目の柱は、再生可能エネルギーをいかに拡充していくか。

 量的にいえばかなりいろいろなレベルがありますが、私は、いろいろな意味で、日本の姿勢を世界に示すためにも、原子力の拡充、火力の高効率化、そして再生可能エネルギーの大幅な拡充ということが必要になるという基本的な全体観の上に立って、きょうは、再生可能エネルギーと火力発電の問題について質問をさせていただきたいと思います。

 まず、再生可能エネルギーですが、太陽光発電ということがまず挙がるわけですけれども、私は、小水力発電をしっかりと拡充していくということが非常に重要ではないか。重要ではないかといいましょうか、一つの大きな日本のポテンシャルがあるんじゃないか、このように思っています。雨が降って、日本はすぐ海に流れ出てしまう、その勾配は世界にないぐらい速く流れる、それをいかに電気エネルギーに変えていくか。

 特に注目したいのは、やはり農業用水路でございまして、農業用水は我が国全体の水使用量の三分の二を占める、農業用水路の総延長は地球十周分に相当する四十万キロメーターになる。今は、大きなダムをつくってそこで水力発電という時代ではありません。この農業用水路を使って、地域分散型の、小さいものではありますけれども、たくさんつくっていくということも、地域振興、理科教育、いろいろな意味で再生可能エネルギー拡充の一つの大きな柱にすべきではないか、このように私は考えるわけです。

 農水省に最初にお聞きしたいと思いますが、農業用水路を使った小水力発電についてどのような課題があるのか、まずお聞きいたします。

佐々木大臣政務官 斉藤委員の質問にお答えをさせていただきます。

 大変タイムリーな御質問をいただいたというふうに思ってございます。農業用水路や農業用ダム等の小水力発電でありますが、一つは、農業水利施設の維持管理が大変軽減をされるというようなことや、あるいは、温室効果ガスの排出量の削減に大変有効な手段であるというふうに認識をいたしております。これまでに、農業農村整備事業で二十六カ所、約二万二千キロワット相当の発電施設を整備してございます。

 一方で、小水力発電の導入に当たっては、いろいろな課題も実はございます。一つは河川法の問題、それから電気事業法の課題、土地改良法の課題、売電の協議などなど、いろいろな課題を持っているわけでありますが、施設を効率的に運用するために、さらにまた施設計画の策定などという課題も実はあるわけであります。

 しかし、我々農水省として、今国会に、六次産業化法という法律を実は提案しようと今計画をしているわけでありますが、これは、農村地域に豊富に存在する再生可能エネルギーの積極的な利用を推進しようというような法案についても今検討をさせていただいておりますが、こうした設計、各種協議、低コストな技術開発等の支援は、実は平成二十二年度の予算でも既に盛り込んでございまして、農村振興再生可能エネルギー導入支援事業ということで十四億九千万の予算を措置してございます。さらに、農山漁村地域整備交付金、例の一千五百億でありますが、ここでもお手伝いをさせていただく計画を今しているところでございます。

 以上でございます。

斉藤(鉄)分科員 いろいろな課題を一つ一つ取り払って進めていこうというその方向性については、我々も大賛成でございますので、ぜひ進めていきたいと思っております。

 私どもがいろいろ聞いたところによりますと、課題の一つとして、非常に老朽化が進んでいる。戦後、農村の電化を進めるということで、この農業用水を使った小水力発電所がいろいろなところにできました。実は、私の地元の広島、中国地方は非常に多い。そういうものが非常に老朽化している。しかし、これを私は大切にすべきだと。この老朽化の問題をどうするかということ。

 それからもう一つ、先ほど申し上げました、これから新増設をしていかなくてはいけないと思っておりますが、お金がかかる。そのときの課題として、やはり買電価格、電力会社がその電気を買ってくれるわけですが、買電価格が大体一キロワット時九円程度ということで、非常に低い。今、例の固定価格買い取り制度で、家庭の太陽光発電の場合は四十八円、それから事業用でも太陽光発電は二十四、五円という中で、この買電価格が非常に低いということも大きな課題ではないかと思っております。

 老朽化した施設の、その振興策、それから電力の太陽光発電並みの価格買い取り、こういうことについてはいかがでしょうか。

近藤大臣政務官 お答えいたします。

 小水力発電の意義づけについては、全く先生と経済産業省で一致しているかな、このように思うわけであります。

 老朽化の問題でございますが、まず、予算措置として新エネルギー等導入加速化支援事業、こちらの方の対象に、太陽光や風力と並んで、御案内のとおり、小水力発電も対象となっているところでございます。二十一年度の新規採択は二十件でありますが、引き続き、こういった予算措置で支援をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。

 また、二点目の御指摘の、固定価格買い取りの対象とすべきではないか、この件でございますけれども、御指摘のとおり、この導入拡大は、国産エネルギーの拡大という意味でも大変意義があると認識しております。現在、経済産業省の中で全量買い取りプロジェクトチームを立ち上げておるところでございまして、来月中に、その対象、そして価格の水準、国民負担のあり方について三から五程度のオプションをお示ししたい、このように考えています。その中で、水力発電も対象にすべきかどうかということを国民の皆様にきっちりお示しをしたいと考えておるところでございます。

斉藤(鉄)分科員 固定価格、買電価格について今後検討するということで、ぜひこの小水力発電、もう長くは申し上げませんけれども、私は、地域振興にとっても非常に大きな材料になると思います。太陽光発電並みの措置をぜひお願いしたいということをこの場でお願いしておきたいと思います。

 佐々木政務官、何か、きょうは海外出張から朝帰って、羽田からこちらへ直通されたということで、大変ありがとうございます。

 先ほど、課題の中に、農業用水、水ですので、水利権とか、また河川法との関係、それから土地改良法との関係、いろいろな法律、規制、これまでの権利、水利権を代表とする権利等が複雑に絡み合って、一つのプロジェクトを立ち上げようとするとなかなか現実は壁が厚いという話を聞きます。そういう壁を取り払ってあげるということも、我々政治の場としてやらなくてはいけないかと思うわけですけれども、この規制緩和について、今後推進していく上でどのようなお考えがあるか、お聞きをしたいと思います。

佐々木大臣政務官 先生御指摘のとおりであります。

 ちょっと私見も含めて申し上げさせていただきますと、実は、小水路でも大きなダムでも同じでありますが、一番最初に立ちはだかるのは、やはり水利権の問題でございまして、それは国交省の皆さん方としっかり協議をまずしなければならない。本当は、ダムという施設と水利権とがセットになっているというところもまた大きな課題の一つなのでありますが、これはまた、これから国交省としっかりと協議をしていきたいというふうに思ってございます。

 そのほかにも、先ほど私の方からも申し上げましたが、土地改良法という法律で、地域協議だとか、あるいは団体協議だとか、いろいろな協議をしていかなければならないというような課題、それから、電気事業法は、もちろんこれは経産省と今度協議をしていかなきゃいけない。省を超えた協議がたくさんございます。政治主導と言っているわけでありますから、その辺も、これから協議がもっとスムーズにできるような仕組みをやはりつくっていく必要があるかなというふうに思ってございます。

 御指摘のとおりだというふうに思っていますが、我々も同じ認識を持ってございます。

 以上です。

斉藤(鉄)分科員 小水力について、ぜひ拡充に向けてよろしくお願いいたします。小水力については以上ですので、農水省の方は結構でございます。

 次に、同じく再生可能エネルギーの分類に入るのかどうか、海洋を利用した新しいエネルギー、海流・潮流発電についてお伺いしたいと思います。

 ところが、この海洋再生エネルギーということであるんですけれども、これは海洋基本法に定められた開発の基本計画の中に海洋再生エネルギーというのがありますけれども、これが新エネルギーとして定義されていない、そして国の支援対象から除外されているという現実がございます。

 諸外国では、この海洋のエネルギーを再生可能エネルギーの大きな柱としてとらえて、研究開発段階からもう実用段階に至っている国もかなりあるわけですけれども、日本は、そういう意味で大きく立ちおくれているのではないか、新エネルギーの対象になっていないという意味で立ちおくれているのではないか、このように思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

近藤大臣政務官 お答えいたします。

 御指摘の海流・潮流発電でございますけれども、現行制度では、政策の支援の対象となる新エネルギーの定義として、実用段階にはあるが経済性の面から制約があるもの、このように定義しているところでございます。海洋エネルギーは、大変将来有望であろう、このようには認識しておりますが、現在、大学等における基礎研究段階にあるものと認識しておりますので、まだ実用段階の前の段階ということでございますので、政策支援の対象からは外させていただいております。まずは基礎研究段階が実用段階まで発展することが前提であろう、このように認識して、それに応じた対応をとらせていただいている、こういうことでございます。

斉藤(鉄)分科員 外国で海洋エネルギーといいますと、洋上風力発電が主体です。北海などは非常に浅い海で、まさに下から軸を立てて風力発電を何千基もつくるというようなことが可能ですが、そういう状況に日本の近海はない。確かに海洋国家ですけれども、非常に太平洋も日本海も深いものですから、なかなかこの洋上風力発電が思うようにできない、こういうことも関係しているんだと思います。

 ただ、その分、流れ、潮流というのは非常に大きなものがあるわけで、その潮流に着目をした発電なりエネルギー利用ということも今後考えていかなくてはならないのではないか、このように思っております。

 今、近藤政務官の方から、まだ研究開発段階なのでということでございますが、そうすると、これが進んで実用化段階になれば、国としても一生懸命支援していきたいということでしょうか。

近藤大臣政務官 先生御指摘のとおり、もう既に韓国や英国では実証プラントに進んでいるという話も聞いております。まずは、大学等における基礎研究段階、この基礎研究段階でも支援できるものは予算措置して支援をしてまいりたい、こういうふうに考えておりますけれども、いわゆる新エネルギーとしての支援体系に入るのは、まずは基礎研究を終えてからの段階で、ぜひ新エネルギー、再生エネルギーとして支援の枠組みに入れていきたい、こういう考えでございまして、基礎研究レベルでも、できるものは研究開発としての支援はしてまいりたい。御指摘の部分、大変大事なエネルギーであるという認識は、認識をしている、十分持っているつもりでございます。

斉藤(鉄)分科員 きょうは馬淵国交副大臣に来ていただきました。内閣官房総合海洋政策本部担当の副大臣という立場でもございます。

 海洋基本法では、海洋資源の持続可能な利用を政策目標としておりますけれども、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画でもこの海洋再生エネルギーはほとんど触れられておりません。そういう意味で、例えば、今後、農水省や国交省などは、実証実験海域などのフィールドの提供や技術支援、規制緩和などについて一丸となって、そのための海洋本部でございますので、日本の持っている大きなポテンシャルと言ってもいいかと思います、この潮流のエネルギーを利用するという観点での海洋開発の見直しということも必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

馬淵副大臣 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のように、平成二十年三月につくられました海洋基本計画、こちらに「エネルギー・鉱物資源の開発の推進」ということで、「その他の資源の研究開発等」のところには、海洋の自然エネルギー活用ということが記されております。波力、潮汐等による発電、これらについては、海外で実用化されている例もございますので、国際的な動向を把握しつつ、我が国の海域特性を踏まえて、経済性向上のため基礎的な研究を進める、このようにしております。

 海洋本部といたしましても、我が国が海洋国家であるという観点から、また、自然エネルギーを陸上のみならず海上においても求める必要があるということから、この研究開発の動向につきましては、しっかりとこれを調査しながら、この利用については取り組んでまいりたい、このように考えております。

斉藤(鉄)分科員 大きな潮の流れや潮汐のエネルギーをつかまえよう、新たに施設をつくる、これは大変なお金もかかります。確かに、コスト的に見合わないなというのは私も想像できます。しかし、既にある施設、例えば橋げたとか、先ほどの小水力でいえば農業用水のための堰でありますとか、そういう既にほかの目的でつくられたものを使ってその自然エネルギーを取り出すということは、比較的コストを安くできるのではないか。

 そうしますと、いろいろな規制とか調整が必要になってくるわけですけれども、その点を、ぜひその壁を取っ払う形でやっていただきたいし、海洋本部でもそういう形で、ほかの省庁との調整、規制の撤廃等いろいろな問題があるかと思いますが、ぜひ御努力をいただきたい、このように思います。

 それでは最後に、火力発電。

 火力発電所というのは二酸化炭素排出抑制の敵のように言われておりますけれども、しかし、エネルギーセキュリティー、それから、石炭が非常に賦存量が偏らずに多量にあるということを考えれば、私は非常に大事なエネルギー源だと思っております。であるならば、その火力発電の効率をいかに上げるかということが重要です。

 私は、環境大臣をしておりますときに、小名浜の火力発電所についての環境大臣としての意見を申し述べることがございました。これは、電気事業者、いわゆる電気会社がやっている火力発電所ではなくて、PPS、自由化に伴って中小規模の電気事業者がやる火力発電所なんですけれども、正直申し上げて、最新の技術を使って最大の努力をして二酸化炭素排出抑制をするという計画ではなかった、私にはそのように見えましたので、このままでは是認しがたいという意見書をつけて、経済産業大臣にお示しをしたところでございます。

 そのときに、そういう電気事業者、一般電気事業者には例えば一キロワット時〇・三キログラムという非常に高い目標を掲げさせながら、こういう自由化業者については、〇・五キログラム・パー・キロワット時というふうな非常に緩い、今回の小名浜の場合は〇・八だったわけです。ある意味では今後四十年ぐらい生き続けるかもしれない火力発電所、まさにこれから八〇%削減しなくてはいけないと言っている四十年先にもまだ生き続けるかもしれない火力発電所を、そういう最新の努力なしでやるのはいかがなものか、こういう意見書を出させていただきました。

 そのときに、経済産業大臣に対しまして、電気事業全体で考える必要があるのではないか、自由化業者だけ何か特別緩やかな、緩い規制というのはおかしいんじゃないか、それをどう考えるのか。

 それから、二〇五〇年には八〇%削減するということも政府として今回お出しになりました。前政権時代でも六〇から八〇%削減するという目標があったわけですけれども、鳩山政権になりまして、八〇%削減するということが明確になった。その電源構成の中からどのように考えているのか。

 また、今後の石炭火力の設置基準をやはり明確にすべきではないか。一方で非常に厳しい規制、一方で非常に緩い規制、やはりそれはおかしくて、私の考えでは、石炭ガス化複合発電のような最先端の技術を持ったものでなくてはもう認めてはいけないのではないか。その基準をどう考えるか。

 それから、現在二重基準になっておりますそういう自由化業者について、やはり目標の深掘りをさせる必要があるのではないか等の意見をつけて経済産業省にお出しをしたところでございます。

 その検討状況がどうなっているのか、また、大臣の火力発電に対しての基本的なお考えをお聞かせ願えればと思います。

直嶋国務大臣 昨年の五月二十六日に、当時の斉藤環境大臣から意見書をちょうだいしたということを伺っています。

 まず、その状況から先にお話し申し上げますと、そのちょうだいした意見書に基づいてといいますか、そういう御意見も踏まえて、事業者の方に経済産業省から勧告を出していまして、現在、事業者の方で検討段階でございまして、お聞きしていますところによると、それほど遠い先ではなくて、近いうちに何らかの報告があるのではないかというふうに思っております。

 したがいまして、私としては、その段階でまた改めて評価をしたいというふうに思っています。

 それから、火力発電については、斉藤議員のおっしゃるとおりだというふうに思っているんですが、やはり石炭火力については、石炭という燃料の性格もございますし、CO2をたくさん出すといいますか、そういう面もございますので、おっしゃったように、できるだけ最先端のものにしていく。

 ただ、現実問題でいいますと、電力量の約三分の一を占めていますし、海外では、アメリカや中国は五割以上を石炭が占めていますので、そういうことも含めて考えますと、環境への適合性とエネルギー政策の供給という両面から、総合的に考えていかなきゃいけないというふうに思っています。

 将来については、さっき申し上げたとおり、できるだけ厳しいといいますか、最新の技術を導入していくという方向で考えていきたいんですが、ここら辺はこれからまださまざまな議論もあろうかと思いますが、諸外国への対応とかを含めて、残念ながらまだガス化技術も完成されていませんので、我が国でそういう技術開発をして、それを促進していくということと、それから、やはり石炭が諸外国を中心に特に非常に重要なウエートを占めているということでありますから、それらの技術を使って我が国の環境対策に貢献していくということ。

 それからもう一つは、さっき議論がありました再生可能エネルギー等をふやしていきますと、電力網全体の中でのさまざまな変化が生じてきます。このときに、いわゆるバックアップ体制を考えるときに、やはり一番それにふさわしい電力源が実は火力発電所でございまして、そういうものも含めて、総合的に、ただし、基本的には、斉藤議員おっしゃるように、できるだけ効率のいいものに置きかえていくという視点で今後臨んでいきたいというふうに思っています。

斉藤(鉄)分科員 私も大臣と基本的に同じ認識を共有しております。

 社会の低炭素化を進めるのに最も効率がいいのは、電源を低炭素化して電気社会にしていくということが最もいい。もちろん、ガスも大切で、ガスの方はLNG化していくということが大事かと思います。そういう意味で、この火力発電、これからも基幹電源であり続けるわけですので、ここでの低炭素化をぜひ強力に進めていくようにしていただきたいと思います。

 あと最後に、ある意味では、世界で最高の火力発電、低炭素火力発電の技術を持っている日本、これを世界に売り込んでいく。それで、売り込むと同時に、その国がその最高技術を使って二酸化炭素排出量を減らせば、その減らした分を日本の排出量低減化に例えばカウントできるというふうな、京都議定書ではなかったような仕組みも、新たな国際枠組みの中でつくっていく必要があるかと思います。そのリーダーシップをぜひ直嶋大臣にとっていただきたい、このように思いますが、このことについてお聞きして、質問を終わります。

直嶋国務大臣 今おっしゃった点はすごく大事な点でございまして、私どもはまさに、鳩山総理も国際協調の枠組みと申し上げていますのは、やはり共通の土俵をしっかりつくって、斉藤議員おっしゃるように、我が国の技術を有効に評価してもらって生かせるような形にしたいということであります。まだおっしゃったようなところまで行っていませんが、とりあえず、昨年末のCOP15で、技術に関する評価をしようというような趣旨のことを一文入れることができましたので、今後、それをさらに発展させていくというようなことで、ぜひそれは考えていきたいというふうに思っていますし、また斉藤議員のバックアップもよろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。

斉藤(鉄)分科員 終わります。

岡島主査 これにて斉藤鉄夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、稲津久君。

稲津分科員 公明党の稲津でございます。

 今、我が党の斉藤政調会長から、エネルギーについて御質問がございました。最後のところで石炭についてのお話もございまして、私は石炭政策についてきょうは質疑をさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げます。

 最初に総体的な話をお伺いしたいと思うんですけれども、現状ということで聞かせていただきたいと思います。

 まず、日本の現在の電源構成の状況はどうなっているか、この点についてお話しいただきたいと思います。

松下副大臣 稲津委員にお答えいたします。

 電源別の構成割合でございますけれども、火力につきましては、LNG火力が二八%、石炭火力が二五%、石油火力が一二%ということで、やはり火力はかなり大きな比率を持っている。原子力が二六%、水力が八%、新エネルギー等が一%という状況になっております。

稲津分科員 そこで、次にお伺いするのは、現在の世界における石炭が担っている電力需要はどうなっているのか、この点についてもお伺いします。

松下副大臣 世界全体の電源構成でございますけれども、石炭火力の割合が約四割ということでございます。特に、中国が八割ということで、本当に大きな比率を占めておりますし、インドが七割、そしてアメリカにおいても五割ということでございまして、かなり大きな比率を占めている。また、再生可能エネルギー導入で有名なドイツですけれども、ここでも五割近くを占めているということで、依然として大きな割合を持っている。

 我が国の石炭火力の割合が約二五%でございますけれども、各国の電源構成に占める石炭火力の割合と比べると、低いなというふうに思っています。

稲津分科員 今お伺いしますと、日本の国では約二五%、世界全体でいうと四〇%程度ということで、この数字をどう見るかというのはいろいろな考え方があると思うんですけれども、ただ、いずれにしても、大変大きなウエートを占めているということは言えると思います。

 そこで、今後の需要見通しについてお伺いしたいと思うんですけれども、我が国と世界の需要見通し、この点についてはいかがでしょうか。

松下副大臣 お答えいたします。

 世界の一次エネルギーの消費、その中で石炭が約二六%を占めておりまして、二〇三〇年に向けて世界の石炭の消費量は約一・五倍に拡大していくというふうに見ております。また、世界の石炭火力発電は、二〇三〇年に向けて約二倍に拡大していくというふうに見ております。電力消費が中国とインド等で非常に伸びている、そこでの石炭の比重が大きいということも大きく影響しているんだろう、こう思っています。

 それから、我が国でございますけれども、現在、国内の一次エネルギー供給の約二〇%を石炭が占めております。石炭は、化石燃料の中でも非常に経済性にすぐれている、それから供給国が比較的分散しておりまして、安定供給の観点から見ても非常に重要なエネルギー源だなというふうに思っております。

 一方で、石炭は、単位熱量当たりのCO2排出、その量が非常に大きいという問題もございます。我が国は、この点において極めてレベルの高いクリーンコール技術を有しておりますので、これはもう先生よく御存じのとおりでございますけれども、それをさらに開発して普及していくことを通して、環境に適合していくということとの両立を図っていくことが大事だというふうに考えております。

稲津分科員 日本の今後の石炭の需要見通しについては明確なお答えはありませんでしたけれども、恐らく、いろいろな方々の意見を聞いてみますと、横ばい程度でいくのかなという声が実は多いのも事実かなと思っております。

 今、大変大事なお話をいただいたと思います。そのような需要見通しが世界にあって、現在でも非常にやはり、割と安価に、しかも埋蔵量も多いということで、石炭に頼るところが大きい。

 しかしながら、もう一方では、CO2をたくさん出すということで、これは先ほどの斉藤政調会長の議論の中でも明確になりましたけれども、私も調べてみますと、一キロワットの発電をするためのCO2の排出量、例えば、石油火力で〇・七キログラム程度、LNGで〇・五を少し切るぐらいですね。ところが、残念ながら、石炭は〇・八八七キログラムということで、やはり、いわゆるCO2排出、温暖化の影響というのは大きいと思います。

 そこで、今副大臣からお話がありましたように、日本はそこのところに着眼して、そして政策を打ってきている、これは極めて大事なことだというふうに私も思っております。

 そこで、では、もう一方で、地球温暖化対策を本当に考慮していけば、石炭は今後使用しないエネルギーなのかというと、なかなかそうも言えないと思うんですけれども、その点についてはどうでしょうか。

直嶋国務大臣 私の方からお答えさせていただきます。

 ちょうど去年の十月にIEAの閣僚会議がございまして、IEAの方から、世界の例の四五〇ppm目標に対して将来どういうエネルギー構成が可能かということで、試算が出ました。その内容を見ますとやはり、依然として化石燃料依存をしなければ、例えば二〇五〇年でも化石燃料に依存するということになりますし、石炭の使用量も、ある程度といいますか、かなりの部分は石炭に頼らざるを得ないだろう。

 したがいまして、温暖化対策という観点でいいますと、石炭はある程度使っていくという前提で、さっき議論がありましたように、できるだけ高効率化していくとか、あるいは地中貯留技術を開発して実用化していくとか、やはりそういうところが非常にポイントになってくるだろうというのが大体の合意でございまして、私どもはそうだというふうに思っております。

稲津分科員 そう考えていきますと、相当革新的な新しいエネルギーの開発でもない限り、なかなか石炭の利用というのは避けて通れない、むしろ大事な位置を占めるんだろうと思います。

 そこで、経済産業省におかれては、このエネルギーについては、ベストミックスということで、相当な御努力をされているというふうに私も思っております。

 それで、そう考えていきますと、我が国のエネルギー政策の中で石炭をきちんと位置づけていくということ、それから、CO2の排出をできる限り抑えていく、そういういわゆるゼロエミッションの石炭火力発電、この技術開発にやはり一層力を入れるべきだ、これはそういうことになってくると私は思うんですね。現在もなさっていらっしゃるということで、ここを大事にしていきたいというふうに思います。

 そこで、次に、平成二十二年度の石炭関係予算についてお伺いをしてまいりたいと思うんです。

 今、話のありましたゼロエミッションの石炭火力発電、そのための施策はどのように組まれているか、お伺いしたいと思います。

近藤大臣政務官 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、我が国の石炭火力の平均発電効率、約四二%と世界最高水準であります。ちなみに、中国、インドは三二%にとどまっているわけでございます。

 こうした高効率の体制をさらに一段高めるために、石炭ガス化複合発電等の高効率化の開発、さらには、実証実験を進めるとともに、いわゆるCCS、二酸化炭素の分離、回収、貯蔵の技術の確立についても進めているところでございます。

 こうした技術開発を来年度予算でもさまざまな形で要求をさせていただいているところでございます。

稲津分科員 そこで、二十一年度予算に入っていたゼロエミッションの事業が、二十二年度の中では予算計上されていないものも幾つかあるんですね。そこの整合性というか、関係性はどうなっていますか。お伺いしたいと思います。

近藤大臣政務官 御指摘の部分も、不断の見直しの中で組み替えるということはあろうかと思います。

 ただ、一方で、例えば、新たな研究開発として、未利用炭有用資源化技術開発として、なかなか利用効率の悪い、低品位炭というんでしょうか、石炭の利用技術を開発する新たな予算であるとか、そういったものも加えておりますので、全体で見ていただければ石炭の位置づけというのを御理解いただけるのではないか、このように考えております。

稲津分科員 ちょっと質問の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、ゼロエミッションの事業を確実に展開していくということが非常に大事であって、ただ、予算の概要だけしか見ていませんけれども、それを見ていますと、あれ、これはなくなってしまったのかなというふうに一瞬思ってしまうんですね。

 ですから、その辺の、例えば、二十一年度はゼロエミッションについてはこういう事業をやってきたけれども、それを今度は、新しい平成二十二年度の予算の中では、さらにこういうゼロエミッションに関連する事業をやっていくんだと。恐らく、やめてしまうというんじゃなくて、形を変えて予算計上しているのかなと思うんですね。そこを少し明確にお答えいただければと思います。

近藤大臣政務官 大変失礼いたしました。

 先生御指摘のとおりでございまして、ゼロエミッション石炭火力発電の実現で約三十二億円、こういうことでございますが、こちらなどは、名称を変えてと言ってしまうと、なかなか答弁として厳しいものがあるのでございますが、もちろん中身はきっちり精査した上で、しかし、同じ目的を達成するために実質的な研究開発については進めるという形で、予算を確保すべく国会での審議をお願いしているところでございます。

稲津分科員 わかりました。ぜひここはしっかりやっていただきたいと思います。

 それでは、もう一つ、クリーンコール技術について伺いたいと思うんです。

 このクリーンコール技術、非常に我が国としては積極的に取り組んでいるというのは承知しています。それをもう少し具体的に、海外への普及に関する施策はどういうものを持たれているのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。

近藤大臣政務官 先生御指摘のとおり、クリーンコールテクノロジー、先ほど御答弁申し上げましたこの高度な技術を世界に展開することで、例えば、中国、米国、インドに日本の最高水準の技術、石炭火力の技術を導入すれば十三億トンの二酸化炭素が削減できる。これは、日本国、我が国一年間分のCO2排出量に相当するわけでございます。したがいまして、この技術を世界に展開することは地球環境に大きく貢献をする、このように認識しておるところでございます。

 こうした観点から、その技術の普及を目指して、比較的効率の悪いと思われる、悪いというか、余り効率のよくない火力発電所を持たれている各国に対して、その設備を診断し効率改善のための助言を行う事業や、各国の技術者への研修事業を実施しておるところでございます。

 今後とも、中国やインドなどの国々との交流を通じて、世界各国に我が国のクリーンコールテクノロジーの海外移転を図り、地球環境問題へ貢献してまいりたい、このように考えております。

稲津分科員 全くそのとおりで、先ほど議論させていただいた中で、エネルギー源としての、電力需要、その石炭の占める割合というのは極めて大きくて、それがこの先、世界的に見ると、やはりまだ減っていくという状況にない。

 そこで、では、CO2削減のための技術開発、クリーンコールの事業はまさにそうですけれども、そこに力を入れていくというのはやはり我が国の国益にも極めてかなう話だと思うんです。だから、ここをしっかりぜひやっていただきたいというのが私の主張なんですが、残念ながら、予算の概要を見てみますと、例えば、気候変動対応クリーンコール技術国際協力事業、これが前年度比三億減、それから、国際石炭利用対策事業、これも減っている。その上、クリーンコールテクノロジーの普及促進についても、若干ですけれども減っているという状況でございます。むしろ、ここはしっかりふやしていただきたいな、このように思っているところでございます。

 それで、次の質問に入りますけれども、先ほど政務官の方から褐炭等の話がありました。いわゆる低品位炭の有効活用技術、これに対する開発の施策はどうなのかということをお伺いしたいと思うんです。

 また、新規事業の目的と期待される効果、二十一年度予算で計上されていたんですけれども、今回、二つの事業が予算ゼロになっております。

 その低品位炭の有効活用の開発に関する施策は具体的にどういうことを今考えていらっしゃいますかということをお伺いしたいんですけれども、褐炭については余り知られていない面もあるので、少し私なりの持論を言いたいと思うんです。

 確かに、真っ黒い石炭、カロリーの高いもの、これは非常に大事なことなんですけれども、一方では、褐炭等については、随分水分がたくさんあって、それから、乾燥して空気に触れると引火しやすいという、ある意味では非常に扱いづらい石炭なんですね。

 ところが、これがまた、私もサハリンに一度行きましたけれども、サハリンにも相当量埋蔵されているという話も伺いました。それから、インドネシア等につきましても相当あるということがございまして、ここももう一つの施策の目玉になってくるのかなと思いますけれども、御答弁いただきたいと思います。

近藤大臣政務官 お答えいたします。

 御指摘のとおり、この低品位炭の活用というのは、もう一つの将来の大きな柱になるんだろう、こういう認識でございます。

 そこで、具体的な施策はいかに、こういう御質問でございますが、新規予算として、未利用炭有用資源化技術開発事業、約二億六千万円で計上しているところでございます。こちらの方は、各国に豊富に存在するけれども、利用技術が確立しておらず、有効に利用されてこなかった石炭を活用するための技術開発ということでございます。

 具体的には、インドネシア等に存在する品質の悪い石炭をガス化して活用するための技術開発を進めようというものでございます。インドネシア政府からの協力要請もございまして、その要請を踏まえて実施してまいりたい、このように考えております。

稲津分科員 ありがとうございました。

 やはり海外炭の価格が過去に比べると随分高くなってきている。同時に、海外から入ってくる輸入炭、それも蛇口が少し締まってきているという傾向にあると思います。これは、経産省担当課も含めて大変頭の痛いところだと思うんです。

 しかしながら、今、低品位炭に対する海外支援も含めて、ここをきっちりやっていけば必ず、私は、日本に入ってくる石炭、この蛇口も広がるんだろうと思っておりまして、ぜひ力を入れてやっていただきたいと思います。

 それで、ゼロエミッションの石炭火力発電、それからクリーンコール技術の普及、低品位炭の有効活用技術、これらについて今一つ一つお聞かせいただきました。非常に重要な施策であるというふうに思っております。

 ただ、残念なのは、石炭関連予算が前年度比で二十七億も削減されているんです。これは理解できないですね。なぜもっと経産省として声を出して予算を拡充していかないのか。この点についてはどうでしょうか。

直嶋国務大臣 応援の意味も込めて御叱咤、激励いただいたと思っております。

 二十二年度予算についてはさまざまな議論をさせていただきましたが、先ほど近藤政務官の方からお答えさせていただいたように、いわゆるガス化であるとか高度化のための技術開発、そういうところを重点的に施策を実行していきたいというふうに思っております。

 今回は、それらの政策を、必要なものを積み上げていって検証した結果、こういう数字になったということでございます。財政事情も大変厳しいものですから、一方で、できるだけ効率的なといいますか効果的な施策を実行するということで、減ったのは寂しいかもしれませんが、こういう数字で出させていただいたということでございまして、ぜひ御理解賜りたいと思います。

稲津分科員 私は、冒頭の話にまた戻ってしまいますけれども、ここは少なくとも経済産業省として予算の拡充を常に訴えていっていただかなければ、ある意味では、どんどん削られる可能性もあるんじゃないかなと思っております。これは本当の意味で国益にかなう事業だと思います。今御答弁いただきましたけれども、ぜひ、今後の予算拡充に向けて御努力いただきたいなと思っていますので、よろしくお願いをいたします。

 それで、時間も大分経過してまいりましたので、次は、石炭のいわゆる高度化事業、釧路コールマインで今進めておりますけれども、それから長崎もそうですね、これについて伺いたいと思うんです。

 平成十四年から十八年度、この間に実施されました炭鉱技術海外移転事業、これが平成十九年からは産炭国石炭高度化事業として変わっていったわけなんですけれども、釧路炭鉱と長崎県の炭鉱技術センターで実施されている、こう承知しております。

 この事業についてどのように評価されているか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。

松下副大臣 当該地域の皆さん方には非常に関心の高く、しかもまた非常に大事なことだ、これははっきりそう認識しております。

 ただ、厳しい財政事情も一方でございまして、平成二十二年度の継続に向けて予算要求を行っているわけですけれども、二十六億円の予算を政府原案として御審議いただいております。これは、今年度の予算が約三十四億円でございますので、八億円弱の減額になったんですけれども、私たちも非常に残念に思っております。

 一つは、インドネシアからの受け入れ研修、これは二十一年度で終了することになりました。これは既に八年を経過している中で事業を見直したわけでございます。研修生も、この研修の中身が、長崎の池島炭鉱、既に閉山されて、もう八年たっているんですけれども、その中で実行してきたわけですけれども、一度見直しをいたしまして、この分については、平成二十一年度でこれは終わりにするというやむを得ない決断をさせてもらったわけです。

 それ以外につきましては、できるだけ地元の要望に合うような形で進めていきたいということで、いろいろ苦心しながら段取りをしておりますので、どうぞよろしく御支援をまたお願いしたいと思います。

稲津分科員 長崎の方がもう事業が終わるということで、地元の御期待もまだまだあるところかなと思います。

 いずれにしましても、今御答弁いただきましたが、この事業も大変期待が大きい、特に釧路では、やはりこの事業が継続をされるということが極めて大事という声をたくさんいただいていますので、これはぜひ検討いただきたいというふうに思います。

 それで、最後にこの話をさせていただきたいと思うんですけれども、先般、二月の十六日に北海道札幌市でクリーンコールセミナー北海道というのが開催されました。私もぜひ参加したかったんですけれども、国会の方もありましたので参加できませんでした。参加された方から当日の内容等を聞きました。詳細なメモもつくってくださいまして、見ました。すばらしい事業だったというふうに思っております。

 なかなか、石炭がどういう形でエネルギーとして存在しておるのかということを、やはりこれはだんだん時代とともに薄まってきている。そこで、きょうの議論になってきた、クリーンエネルギーを目指していく石炭という視点もたくさん出されました。すばらしい事業をやっていただいたなということで、私は、大変感謝しているというか、ある意味では高い評価をさせていただきたいというふうに思っております。

 その中で、講師の方から、アメリカのグリーンニューディール政策について、この中に石炭政策があるんですよという話が出ました。これを見まして、なるほどなと思ったんですけれども、アメリカはクリーンコール・ゼロエミッション型発電に十億ドルも投資をしているという話がありまして、ああ、相当やはりウエートをかけているんだなと。それに比べると日本の方はどうかというと、ちょっと寂しいかなと思います。むしろ、繰り返しのことになりますけれども、それこそやはりここの予算は削らないでいただきたい、こう思うわけでございます。

 二月の三日には、オバマ大統領がクリーンコールのための炭素回収・貯蓄に関する省庁間の専門委員会の立ち上げの計画まで発表されました。時代はもうそこまで来ていると思います。

 したがいまして、ぜひこうしたことをさらに前向きにとらえていただきたいというふうに思いますけれども、このことについて何か御見解、所感等ございましたら、お話しいただきたいと思います。

直嶋国務大臣 非常に重要な点を御指摘いただきまして、実は米国は、今お話しのように、電力の五割を石炭火力に依存しているということもありまして、将来の石炭の有効利用ということで、特に今、CCSの活用をかなり積極的に研究をしていきたいということでございます。

 実は私は、昨年の秋にアメリカのエネルギー省長官と直接お目にかかる機会がございまして、こういったクリーンコール技術も含めて、ぜひ日米間で共同研究もしながらやっていきたいということで、その場で彼も、いい話だからやろうということになりまして、今、両国間でどういう協力関係ができるかという、モデル的なことも含めて協議をさせていただいているところでございます。

 御指摘のように、石炭のクリーンコール技術を含めて、将来有効に活用していくというのは非常に大事な点でございますので、先ほども申し上げましたとおり、我々としてもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。また先生にさまざまな面で、叱咤激励も含めて御指摘いただければありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

稲津分科員 ありがとうございました。ぜひ進めていただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。

 まだ一、二分時間があると思いますので、最後に一点だけ、これは質問でございません、私の知っていることでお話し申し上げたいと思います。

 いろいろな各地の方とお話ししていますと、炭鉱はもう閉山したよねというたくさんの声をいただきます。私は、違いますよと言っています、炭鉱は閉山していませんと。確かに、坑内掘りの炭鉱というのは北海道の釧路、ここ一カ所だけです。もう一方では、露天掘りの炭鉱がまだありまして、全体でいうと、日本が使う石炭の中でいうと〇・七%ぐらい。でも、これは自給しているんですね、〇・七%。私はすごいことだと思います。

 その状況を申し上げますと、北海道は、昭和四十一年の時点で、石炭の生産量というのが、ここがピークだったんですけれども、年間で二千三百万トン生産、掘っていました。今、多くの北海道の道民の方でもゼロだと思っているんですね。違うんですね。百三十万トンをちょっと切っていますけれども、釧路コールマインで五十万から五十五万ぐらい、私の住んでいる空知という地域で六十万をちょっと超える、七十万近くあったり、実際に石炭は生産されております。

 こういったことを考えていったときに、石炭というこの貴重なエネルギーが、時代の推移とともにこれがどう伝わっていくのか、これはやはり伝えないと、お話しをしないと、広がっていかないというか、わかっていただけないと思うんです。

 それで、先ほどのセミナーの話に戻りますけれども、こうしたセミナーを開催していただいたというのも、私は石炭政策の後押しになるというふうに思っておりまして、そのことを最後にお伝え申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

岡島主査 これにて稲津久君の質疑は終了いたしました。

 午後三時から再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後七時五十八分開議

糸川主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。

 主査が所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。

 質疑を続行いたします。吉井英勝君。

吉井分科員 日本共産党の吉井英勝です。

 きょう、私は、最初にソーラーセルについて質問したいと思いますが、まず、ソーラーセルへの補助金で普及を進めるというのは非常に大事な政策手法だというふうに考えているんです。

 かつて、その中で補助金を当て込んで、訪問販売業者による被害というものが出ました。消費者庁に最初に確認しておきたいと思うんですが、国の補助があった時代で、二〇〇五年まで一度あったとき、ソーラーセルの訪問販売による苦情が随分ふえて、一度減ったんだけれども、昨年の補助金復活以降またふえている、そういう状況にあると思うんですが、数値はいいですから、まず傾向だけ確認をしておきたいと思います。

田中政府参考人 先生御指摘のとおり、平成十一年には三百件程度であったものが、平成十七年には千七百件ぐらいまで増加しました。その後減少いたしましたが、現在、最も最近のところでは再び増加傾向で、まだ年度途中ですけれども、千七百件ほどになろうとしています。

吉井分科員 この問題について、訪問販売業者が設置して、屋根を壊したりとか、あるいは出力が予定どおり出てこないとか、ところが、工事が済んだら、訪問販売の方は代金だけもらったらさっさといなくなるような者がおってみたりとか、苦情が随分あります。その苦情がメーカーに行くものですから、メーカーが責任を持てる仕組みを考えるというのは、これはある意味で当然のことだというふうに私は考えているんです。

 しかし、悪質訪問販売業者対策を口実にして、今度はメーカー中心に設置工事などを行って、地域の中小業者には仕事が回らないか、回ってきたとしても二百万円の仕事で五万円しかもうけがない、ほとんどメーカーかメーカー直結の中間業者が利益を持っていって、再生産の経費が出ない。現場の方では、仕事をしている業者が嘆いているという例があります。

 本来、これは中小企業庁が出している、昨年に発表したものでもありますが、国の講習会をきちんと受講して、国から登録業者証明なりライセンスなりをもらって、町の業者が地域の顧客の要望で、どのメーカーのソーラーパネルでも購入もできるし、顧客の求めに応じることができる。そして、顔の見える業者の間ですと、その後のメンテナンスもうまくいくわけですね。やはりそういうふうにきちんとやっていくというのが本来の筋ではないかと思うんですが、これは政府参考人の方に伺っておきます。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、ソーラーパネルは大変重要でございまして、今先生お話がございましたように、つくる方、据えつける方、そして、機械設備ですからいつかはやはりふぐあいが出ることはやむを得ないことですので、そういうことで、地元にいらっしゃる工事をされる方というのがなるべくこういうお仕事ができるようにということで、平成二十年度になりますけれども、補正予算をいただきまして、約三億円ほどで、来年度も続けるつもりでおりますけれども、私どもとしては、主として町の工務店、電気工事店の皆様方を想定した研修というものをさせていただいております。

 今日までに約八千人弱という方がお受けいただいています。そういったような方々に、もし据えつけということで、最初からまさに顔が見えるということであれば、なかなかスムーズにいくのではないかということを期待して実施しておりますので、よく実が上がるということを今後とも予算の執行過程で見守っていきたいというふうに思っております。

吉井分科員 そういうふうになっていくことを私も非常に期待しているんですが、現実には、住宅用のソーラーセルパネルは、メーカーによっては、実はフランチャイズシステムに組み込まないと、国の講習をせっかく受けてもパネルを売ってもらえない、そういうところもあります。

 それから、高い有料の研修費を支払って、メーカーの販売のIDそれから施工のIDをもらわないとパネルを売ってもらえない、そういう実例も実は出ているんです、現場の方では。そうなると仕事ができないわけですね。販売IDの業者ですと、実は施工のIDがなかったら仕事ができない。だから、そこはパネルは扱えるんだけれども、施工の方は別なところに頼まなきゃいけない。施工の方は、施工は確かにやるんだけれども、しかし、例えば、かわらに穴をあけて、メーカーの指示でそれをやるんですが、コーキング材を入れて防水をやっているはずなんですが、三年ほどたつとコーキング材が劣化をしてきて、そのために雨漏りが起こる。ところが、施工のIDの業者の方は、それは私は知らないよと。結局、町の工務店の方にそういう苦情が来て、責任を問われてくる。こういうこともあるのが実態なんです。

 私は思うんですが、これはエネ庁の方のことなんでしょうけれども、国の補助金というのは、フランチャイズだ、メーカーのIDだなんだということなしに、消費者が、どのメーカーのものでも、身近な業者さんに工事を頼んだときに買えるようになって当たり前ではないか。補助金というのはどのメーカーのものでも出るという仕組みになっていると思うんですが、補助金そのものはまずそういう仕組みだと思うんですが、確認しておきます。

石田政府参考人 吉井先生言われるように、補助金そのものは、別にメーカーのブランドによって差別をしているというようなことはございません。どのようなメーカーでも、一定の要件に合致すれば対象になるということです。

吉井分科員 現実には、例えば京セラのソーラーセルパネルは、京セラにライセンス料を大体四、五十万払った業者にしか売ってくれない。つまり、国は補助金を出しているんですが、消費者が希望して地域のなじみの業者さんに頼んでも、その業者が国の講習を受けていても、京セラの方に高いライセンス料を払わないとパネルをなかなか売ってもらえない、こういう現実があります。その結果として、設置できない場合もあるんです。

 では、京セラ系の業者を選べばいいじゃないかと。話としてはそういうふうに言う人もいるんですが、しかし、町の中で、実際に日ごろからつき合いもあれば、余り金にはならないけれども家の小さな修理なんかも頼んでいるような工務店、近くの工務店、電気屋さんを置いておいて、そのときだけ二百万円ぐらいかかる仕事を他の工務店に、こういうことは普通の人間関係の中ではできないんですよ。

 いろいろケースはあるでしょうが、現実にこういう例がありますから、要は、ソーラーセルのパネルの普及で、環境対策は進む、地元中小企業に仕事が回る、近くの業者に日常的にメンテナンスもやってもらえるような体制も地域でつくれる、そして地域経済を潤していくということが、私は、この問題では一番大事なところじゃないかと思うんですが、この点についての大臣のお考えというものを伺っておきたいと思います。

直嶋国務大臣 今、吉井先生から御指摘がありましたように、やはり太陽光発電を普及させていくためには、消費者の安心、安全を確保するということが不可欠であります。そういう意味では、住宅等における施工品質を確保する、それから使い勝手をよくするということは必要なことだというふうに思っております。

 今、経済産業省では、こうした観点から、住宅用太陽光発電の普及促進に係る調査を実施いたしておりまして、品質の標準化等に向けたさまざまな課題を整理しているところでございます。

 品質の標準化においては、一つはパネルあるいは支持金具等のサイズ等の検討、二つ目が施工工事の安全性あるいは防水工事等の標準化、三点目が施工士、これは仮称でございますが、いわゆる業界の認定制度の検討、それから施工ガイドラインの策定、こういった課題が考えられるところであります。これらについて具体的な検討を進めていきまして、先ほど申し上げましたように、消費者の安心、安全につながる形での太陽光発電の普及を進めてまいりたいというふうに思っております。

吉井分科員 中小企業庁が昨年から取り組んでいらっしゃる講習会、なかなか評判がいいんですよね。私の知人も、埼玉の方にいる人が、埼玉の講習会に行ったら人がいっぱいになって、とうとうはみ出してしまって、静岡まで旅費をかけて勉強に行ったりとか。ですから、取り組んでいることは非常にいいことだというふうに私は思っているんです。

 せっかく講習を受けてやっている業者の方なんですが、今その人たちが、京セラであれシャープであれ三菱であれ三洋であれ、どこのパネルメーカーの、どこの設備をつけたいと消費者から言われたとき、それは本来は消費者の選択にゆだねられるべきものでありますから、パネルが売ってもらえて当たり前だというふうに思うんです、もちろん品質をきちんと確保するというのはどのメーカーも当然のことですが。ところが、現実には、囲い込んでしまってといいますか、ほかの業者のものは手に入れたくても入ってこない場合があったりとか、現場段階では実はいろいろ起こっています。

 ですから、私は、こうしたことが発生する根底には、国の太陽光発電設備への補助金の扱いを、会長が京セラのJPEAですね、JPEAというメーカー主導の団体に補助金がゆだねられているということは、やはり問題があるんじゃないかというふうに思うんです。

 このJPEAは、会長、理事は京セラで、ほかにシャープ、三菱電機、三洋電機など、要するにソーラーセルパネルメーカーと、それから住宅開発の大手である積水ハウスなどが入ってつくっていて、そこへ補助金をゆだねてしまっている。やはりそういうあり方が、今のせっかくの補助制度がメーカー主導になってしまっていて、本来だったら、国の方は消費者に着目しているんですよね、そして環境に着目しているんですよ、普及するように。品質の確保は当然のことなんですが。

 それがやはり問題になってくるということについては、これは私は、きょう、中小企業庁の方にこの点だけ伺っておきたいのは、やはり大手パネルメーカーなどが排他的取引を思わせるようなやり方とか、あるいは家電の量販店にはマージン率を極端に大きくして、不当廉売を可能にするようなやり方とか、町の中小業者は自分でできるのに、メーカー系列の拾い仕事しかできない状態に置かれるというのは、やはりこれは取引の実態としておかしいと思うんです。ですから、圧倒的な力のもとで地域の中小業者の皆さんが不利益をこうむることなくやっていけるように、やはり中小企業庁として監視をきちんとやってもらう、あるいは現場の実態をよくつかんでもらうということが今必要だと思うんですが、この点について一言伺っておきたいと思います。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論になりますけれども、あるものを据えつける、あるいはあるものを消費者にお届けする段階で、メーカーからその下流段階の業者を、ここを使えという、あるいはここを使ってはいけないというようなことについては、なかなかその品質の保持とかいろいろ、正当化できる事由がないときに限定するというのは、取引条件を縛るという意味で慎重に考えなくちゃいけない面があると思っております。

 ただ、そうは申しましても、実態的には、今、吉井委員が御指摘をされたような形で、お客様が町の業者に頼まざるを得ないということで、町の業者さんが本来御自分の、研修をするしないにかかわらず、腕を提供して、しかるべき対価というのが、納得された形のものが取れないというのは、これはあってはならないことだと思っています。

 そういう意味で、下請中小企業振興法という中で、そういった価格の形成等々につきましても基準を定めておりまして、特に年度末、こういった節目節目では、毎年、親事業者団体、先ほどお話ございました、この研修を実施している団体も含めて、私どもはこの振興基準をきちんと遵守するということを徹底しなければいけないと思っています。

 先週、直嶋大臣からそういう御方針を発表してもらいましたので、今年度もぜひその周知徹底、そしてまた、どういうふうに周知したのかという結果についてもきちんとフィードバックできるようなことをしたいというふうに思っております。

吉井分科員 この問題、私自身は、これは予算委員会になりますが、昨年もそうですし、経産委員会などでも一昨年からもずっと、要は環境対策と、実際に地域の中小企業に仕事が回って、地域経済にもつながる仕組みというものをつくるということがやはり非常に大事な点で、そのことを主張してきたわけです。圧倒的に力のある者が、そちらへ実質的には、本当は消費者に補助金を出しているんですけれども、補助金でそちらがおいしい話になってしまって、中小企業業者が不利なことになるのでは、本来、国が意図してきたこととはかなり違うことになると思うんです。

 この点については、所管の大臣として、やはりそうしたことを全体として是正させるように取り組む決意というものを伺っておきたいと思います。

直嶋国務大臣 太陽光発電の普及については、今お話しの導入補助や、あるいは余剰電力買い取り制度によって急拡大を今しているところでございまして、当然、今後も成長、拡大が期待されるわけであります。

 したがって、そういう中で、仮に、中小事業者に対して優越的な立場を利用した取引が行われる、あるいは消費者の利便性に阻害を起こすということでは健全な市場にならないということでありまして、この分野でも健全な市場を構築していくということが重要だというふうに思っております。

 現在、先ほども中小企業庁長官からもお答えさせていただきましたが、経産省としては、業者に対するヒアリング等を通じて現場の声を聞くことに努めながら、実態も把握し、適正な市場の創出に努めてまいりたいというふうに思っております。

吉井分科員 次は、高速増殖炉「もんじゅ」の再開の話が出ておりますから、そちらについて伺いたいと思うんです。

 政府の方は、地球温暖化対策の大きな柱に原発推進ということを挙げておりますが、きょうはFBRについて聞きたいと思います。

 原型炉「もんじゅ」の再開を今急いでいますが、FBRの動力炉として、実証炉は二〇二五年ですか、百五十万キロワット級での実用炉、二〇五〇年を動力炉として商業化する時期ということを計画しておりますが、電気出力二十八万キロワットの「もんじゅ」の建設費総額は、これはエネ庁からいただいた資料で、トータルすればすぐ出ますが、五千八百八十六億円。「もんじゅ」より規模の大きな百五十万キロワット級となりますと、要するに五倍の規模ということになりますが、その商業炉の一基の建設費用を幾らと今見積もっているのかを伺います。

石田政府参考人 ただいまのお尋ねの点でございますけれども、まず、百五十万キロワット級の実用炉につきまして、今先生もお話ありましたように、二〇五〇年より前の段階での商業炉開発を目指すというスケジュールを想定して、今研究開発を進めているところでございます。

 建設単価、建設費につきましては、今後この研究成果を踏まえて、概念検討あるいは概念設計というものを進めていく過程で、コストについても具体的に明らかになっていくものというふうに考えておりまして、今現在、この建設費が幾らになるかということは具体的に申し上げられる段階ではないわけです。

 ただ、一点、この計画の中に織り込まれているものといたしまして、いずれにしても、二〇三〇年以降、導入が検討されております次世代軽水炉の経済性と比肩するようなものを目指すということが一つの目安になっているということは申し上げられると思います。

吉井分科員 将来の希望は別として、現在、軽水炉は百五十万キロワット級で、エネ庁で試算しておられても大体四千億から五千億ですね、建設費が。高速増殖炉は、百五十万キロワット級になりますと、単純にはいきませんが、「もんじゅ」の数字からすると、五倍となれば二兆五千億から三兆円ぐらい。うんと建設費は高いものになると思うんですが、肩を並べるぐらいを目指すにしても、実際には、現時点で考えられるものは、建設費は軽水炉と比べて何倍ぐらいになるというふうに考えていますか。

石田政府参考人 先ほどのお答えを繰り返すしかないわけでございますけれども、「もんじゅ」、これについては文科省の方から御説明した方がよろしいかと思いますけれども、「もんじゅ」はまさに実験炉でございますので、これの建設費とキロワットで単純に比較して何倍ということにはならないというふうに考えております。

吉井分科員 比較する数字がないものですから、私も単純にいかないということを前提に置いての話です。

 しかし、今の四、五千億と比べてみたときにはうんと大きな差がある、五倍とか六倍とか、それぐらいのことで考えていかなきゃいけないということをまず確認しておかぬといかぬと思うんです。

 次に、現在の軽水炉燃料は、さらにMOX燃料にする場合には大体トン当たり二億六千二百万円高くなるわけですね。MOX燃料を中心に使うということになりますが、「もんじゅ」のMOXでは大体トン当たり八億から十一億というふうに言われておりますが、核燃料費の方、軽水炉の現在のものに比べて、FBRでやっていくときにトン当たりどれぐらいのものになるということで考えていくのか、伺っておきます。

石田政府参考人 この点につきましても、まだ具体的に、FBRの燃料費が幾らになるのかということについての具体的な数字というのは今ございません。

 ただ、今先生おっしゃられたような、今のプルサーマルで使っておりますMOX燃料、これにつきましては、私どもが電気事業者から提出を受けて審議会で試算をしたものによりますと、これは、通常のウラン燃料の価格がキロワットアワー当たり〇・五九円、五十九銭ということでございますが、それに対して、今先生も言われましたように、このMOX燃料の加工分というものはキロワットアワー当たり七銭、〇・〇七円でございます。

 これに加えて、MOX燃料の場合には、当然MOX粉末といいますか、プルトニウムにするところのコスト、これをどう計算するかというのは、単体では取り出しにくいわけですけれども、トータルとして、いわゆるバックエンドのコスト、再処理あるいは高レベルの放射性廃棄物の処分といったようなものを含むバックエンドのコストということで見ますと、キロワットアワー当たり〇・八一円という数字がございます。

 全体、これを合計いたしますと、一・四七円ぐらいになります。これが、原子力発電のいわゆるキロワットアワー当たりの単価、今五・三円ぐらいということでございますので、その中の約三割ぐらいに相当するということでございます。

吉井分科員 要するに、燃料費がかなり高くなってくるということが明らかになったと思います。

 百五十万キロワット級の軽水炉の方で、年間の維持管理コストが三百十八億円というのをいただきましたけれども、大体、百万キロワット級で以前、年間二百二十億円余りと。

 「もんじゅ」はナトリウム事故で今とまったままですけれども、だから、そこでかかっている費用が、要するに、燃料費、運転費とは別に維持費ということになるわけですね、それが年間約二百億円ですから、規模を五倍すれば、単純化はできないにしても、単純でいけば一千億の維持費がかかる。

 それで、プルトニウム関連経費もそうですが、ナトリウムを液体で保つために、とめている間の定期点検のときのコストがさらに通常の軽水炉よりうんと高くなってくるということを見なければいけないと思います。

 もともと、一九七〇年に開発計画は始まって、「もんじゅ」に係る経費で九千二百六十五億円、関連技術の研究開発で六千二百八十九億、「常陽」の関連で千七百四十七億、その他再処理、MOX燃料開発で千七百四十億円、それらでトータル一兆九千七百四十一億円ですから、約二兆円。それはその分ですが、しかし、実際には、廃炉コストの二千億ですね、この廃炉コストを、これも単純に五倍にはなりませんけれども、五倍とすると、廃炉で一兆円かかるわけですね。

 つまり、「もんじゅ」を続けてやって、実際に商業的にペイするような動力炉になっていくのかという見通しを考えたときに、高速増殖炉というのは、各国が皆やめていったのは、その理由は、プルトニウムの強い毒性の問題、放射能汚染の問題、再処理の困難性ですね。六ケ所はMOX燃料の使用済みは使えませんから、再処理できませんから、新たにつくらなきゃいけない。ナトリウム技術の危険性と困難性、炉材料の耐腐食性の問題、これらもあるんですが、やはり最大の問題の一つがコストの問題なんですね。そもそも、開発をしてやってコスト的に引き合うのか。そのことがわかっていながら、とにかく「もんじゅ」を再開だと。そのやり方というのは、だれが考えてみても余りに大きな無駄遣いになってしまう。

 私は、そこで、最後に大臣、やはり「もんじゅ」の開発についてはばっさりもう打ち切って、将来的に動力炉への、商業炉、つまり、そっちの方は文科省じゃなくて経産大臣の方の所管になってくるわけですが、将来を見通して、やはり、高速増殖炉の動力炉としての利用の道を考えるという、国の方のFBRサイクルの研究開発の方針についてという、この考え方を改めていく方向へ転換をしていかなきゃいけないのではないか。

 これは、最後に経産大臣に考え方を伺って、時間が迫ってまいりましたので、終わりにしたいと思います。

直嶋国務大臣 高速増殖炉のサイクル技術というのは、将来の核燃料サイクルの有力な選択肢でありまして、今コスト面の評価はいろいろ御指摘があったんですが、長期的なエネルギー安定供給の確保等から早期の実用化が必要であるということだというふうに思っております。

 現在、高速増殖炉の商業ベースでの導入時期における軽水炉発電と同等の経済性の実現を目指して研究開発を進めておりまして、今後とも、今申し上げたような視点で、安全の確保を大前提に、核燃料サイクルを基本とした原子力政策を推進してまいりたいというふうに思っております。

吉井分科員 時間が参りましたから終わりますけれども、各国みんなやめたのはそういう理由なんです。ですから、日本だけが突出して、各国が撤退しているものに期待をつなぐんじゃなくて、やはり再生可能エネルギーの爆発的普及によって新しいエネルギーの道を選んでいくべきだ、このことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

糸川主査代理 これにて吉井英勝君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿知波吉信君。

阿知波分科員 民主党の阿知波吉信です。

 大臣には、本当に夏の苦しいときに応援いただきました。改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。

 きょうは、応援ということを大きなテーマ、気持ちを持って、御質問させていただければというふうに思います。

 きょうサンプルを実は持ってきているんですが、今、全国各地には地場産業がありまして、本当に疲弊、衰退、苦しんでおります。刃物とか織物とか和紙とか、いろいろあります。私、きょうは特に例示といたしまして陶磁器、美濃焼というものを挙げさせていただいて、地場産業の話をまずお尋ねしたいと思います。

 きょうは私の事務所にあるものを総力をもって持ってきたんですが、まず、これは陶芸家の織部焼です、手づくりです。こういうタイプのものもございます。多治見市のものです。

 次に、これがお隣の土岐市というところでつくっております。これは日用品ですね、家庭で通常の生活において使われるようなものです。

 もう一つ、これはその隣の瑞浪市というところでつくりまして、ニューヨークの近代美術館MoMA、そこのミュージアムショップで売られますような最先端のデザインのものです。

 こういうふうに一通り頑張っているという状況なんですけれども、現実を話しますと、一九九一年をピークに七割の生産額が落ちておりまして、非常に疲弊しております。

 具体的な話でいきますと、土岐市の市役所さんから数字をもらってきたんですが、人口が六万一千人の町です。ここで全従業員数ですね、働いている人の数は二万四千人ぐらいです。それで、二〇〇八年の茶わん関係、陶磁器関係にお勤めの方は四千八百二十二人で、大体二割ぐらいがお勤めなんですけれども、その二十年前の一九八八年になりますと、働いている方は一万四千三百五十五人ということです。ですから、この二十年で、六万人の町で一万人の雇用が、ただ一つの陶磁器産業で失われてしまっている。二万四千人の就業人口の中で一万人ですから、すごく打撃があります。

 内閣府が出しているGDPの計算ですね、これに基づいて市民一人当たりの所得というのが出されているんですが、景気がいい悪いというのが簡単にわかる指標なんですけれども、平成八年以降、好景気も不景気もなくて一方的に落ち続けている。世の中の景気、不景気に関係ない地域になっております。これは土岐市だけではなく、多治見市、瑞浪市、恵那市という、来ていただいた恵那市もそうなんですが、そういう状況です。

 こういう地場産業の特徴というのは、単に産業、雇用を支えているというだけではなくて、伝統、文化を支えておりますし、その地域の誇りでもあります。それに、例えばこれを見ていただいても、土から、色から、成形して焼くとか、さまざまな分業で成り立っていますので、個別の会社さんだけが残ればいいというものではなくて、さまざまな分業の総体としての茶わん屋さん、茶わん産業がないと成り立たないものなんです。

 ここで改めて大臣にお聞きしたいと思います。今、七割減という状況を見て、やはりこういう地場産業、もう自然淘汰は仕方ない、時代の流れだから仕方がないというお考えをお持ちなのか。それとも、地域に大きな地位を占めている、日本全体からいきますと産業規模は小さいんだけれども、その地域では一番の主役なんだ。そういう地場産業について、大臣のお考えをまずお尋ねしたいと思います。

直嶋国務大臣 実は私も、今お話しの岐阜県の多治見市とか恵那市のすぐ近くの、ちょうど愛知県の春日井市に住んでいまして、近くに瀬戸市もございまして、その地域も含めて、やはり今、地場の陶磁器産業が、今委員が御指摘あったように衰退をしているというのは非常に残念な思いで見ています。

 やはり、地場産業は、さっき雇用のお話もございましたけれども、地域にとっては非常に重要な存在であるというふうに思っておりまして、大変厳しい状況に置かれている中でございますが、今もニューヨークですか、そういうデザインだというお話がございましたが、やはり、海外のマーケットにも十分拡大できるようなポテンシャルを持ったものもたくさんあるというふうに思っております。

 したがって、そういったものについて、販路を拡大するということも含めて、地域の中小企業の皆さんの取り組みを今支援させていただいているところでございます。

 特に、意欲のある産地の組合等の皆さんが行う国内展示会、あるいは出展等の販路拡大の取り組みや、地域における商工会議所や商工会等が行うアドバイザー招聘やデザイン開発等の海外販路開拓への取り組みに対する支援も実施をいたしております。

 非常に今残念な状況、委員から御報告あったわけでございますが、これらについてさらに取り組みを強化しまして、地場産業の、今の例でいえば陶磁器でございますが、復活に向けての支援を行っていきたいというふうに思っております。

阿知波分科員 ありがとうございます。

 今、大臣の方から、海外展開に御支援があるということなんですが、今、特に陶磁器産業は、例えば中国の富裕層に向けた取り組みをやりたいんだという思いがあるんですけれども、やはり小さな会社ですのでノウハウも人員も足りません。

 いかがでしょうか、例えば中国ということを例示したときに、国としてどういうサポートをしていただけるのか、お尋ねしたいと思います。

直嶋国務大臣 やはり、その商品のよさというのを今御指摘あったように中国の富裕層の皆さんにわかっていただくということが重要だと思います。

 さっきお話ししたように、海外の販路拡大についてもさまざまな御支援をさせていただいていますので、今、美濃の陶磁器がその対象になっているかどうか、ちょっと私は存じなくて申しわけないんですが、そういう御指摘とか御要請があれば、私どもできるだけの御支援をしたいというふうに思っています。

阿知波分科員 私のアイデアなんですけれども、例えば、地場産品というようなものについて、これは非常にその地域を支えている特殊なものですので、壊れちゃいますと、ふるさとが壊れちゃいますので、特別扱いといいますか、例えば政府調達のようなもの、海外への援助とか、災害援助とか、そういうもので何か政府が物を買われるようなときに、一定の割合、三割とか二割とか、そういうものを地場産品から買おう、そこで入札しようとか、そういうアイデアを持っているんですが、そういうアイデアをぜひやっていただければと思いますが、いかがでしょうか。

近藤大臣政務官 阿知波議員にお答えいたします。

 こういった実物をお持ちいただいて、大変すばらしい質疑だと感服しておるところでございます。私八年議席を預かっているんですけれども、初めてでございます、こうして地場産品を持ってきていただいたのは。すばらしいことだと思います。

 御指摘の思いというのは大変よく理解できるわけでありますが、御案内のとおり、会計法制上、政府が物品を調達する場合は競争に付さなければならない、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、この会計の原則に照らしますと、委員御提案の政府調達の際に地場産業枠を設けるということは、現行法制上困難であるということは御理解いただきたいと思います。

 また、WTOの協定上も、阿知波議員は行政の御経験もありますから御存じかと思いますが、この関連規定上も難しいということでございますので、この点について慎重な検討が必要かと思います。

 しかしながら、議員もきょう展示されたように、全国の地域産品にはすばらしいものがございますし、また、その地域の文化を守ってきている、こういう側面もあるわけでございます。

 大臣が御答弁させていただきましたように、地域資源を活用する際に、経済産業省としても、農林水産省と連携した農商工連携を行う際の中小企業に対する支援であるとか、また、ジャパン・ブランド事業であるとか、海外支援であるとか、さまざまな施策を講じておりますので、そうした中での販路開拓なり経営支援を、御指摘のとおり積極的に進めていきたい、このように考えておるところでございます。

阿知波分科員 ただいま私、地場産業に対する特別扱いみたいなものを御提案したんですが、特別扱いということにいたしますと、例えば、一昨年なんですけれども、油の値段が非常に上がったときに、水産業に対してのみ値上がり分の九割というようなものを補てんするという特別な措置がとられました。陶磁器も、御案内のように焼きますので非常にガスとか油を使います。そうしますと、これに対してはそういう扱いがなかったので、これは水産業以外全産業がそうなんですけれども、地場産業のところですと、冷たいなとか、自分たちはだめなのかなとか、そういうあきらめとか悲しみとかを持っているわけです。

 今回の民主党の政策の中でも、例えばガソリン税ですね。百六十円以上にガソリンが上がるとガソリン税の上乗せの二十五円分はやめますよというような、将来的な油の値上がりというものに備えた措置を打ってみえるわけなんですけれども、同じように、産業用燃料の価格変動に対する激変緩和措置のようなものを用意されたり考えられたりする余地はないかどうか、お尋ねしたいと思います。

近藤大臣政務官 委員の御指摘、まさに理解できるわけでございまして、特に中小企業については燃料費の高騰というのは経営を直撃する、こういう認識を持っております。これまでも、平成十九年から二十年の高騰時の際には、関係各省と連携をして施策を講じてまいりました。

 具体的には、貸し付けであるとか保証の拡充であるとか、また、エネルギー費用の低減という観点から省エネ設備導入の補助を実施してきたわけでございます。漁業関係のみというつもりはございませんで、全産業に対して措置を講じてまいりました。

 また、今般の税制改正におきましても、三カ月連続で百六十円を超えた場合には本則を下げる、こういうことでございます。

 いずれにせよ、今後、原油価格が高騰した際には、その高騰が産業に与える影響、特に中小企業に与える影響が大きいことを注視いたしまして、状況に応じて適切に対処してまいりたい、このように考えております。

阿知波分科員 ありがとうございます。

 また、再度の提案なんですけれども、燃料が上がるということについて、何とかしろというとなかなか大変だということはわかります。ですから、自分たちもできることということで、用意してきたものがございます。

 こういう茶わんを焼く窯に新しい技術というものが開発されてきました。きょうは文科省の後藤政務官にもお越しいただいているんですが、文科省所管の独法の核融合科学研究所というところが持っている技術を提供していただきまして、通常の油とかガスだけではなくて、マイクロ波というものをあわせる、要は電子レンジです。そういうものをあわせますと、エネルギー消費が四分の一になってしまうという画期的な技術です。

 今、そういうものが目の前にあります。燃料の消費が四分の一ということは、二酸化炭素にもはね返りまして、鳩山内閣の二五%削減目標ということにも役に立ちますし、また、中小零細企業に対する新しい光ともなっております。こういう新しい技術に対しまして、国としての応援、いかがでしょうか。

直嶋国務大臣 今のお話もそうだと思うんですが、工業炉業界で、今、蓄熱機能を有する高性能工業炉を、中小企業も含めて広く普及、導入するために、低コストで小型の高性能工業炉の開発に取り組んでいるところでございます。

 経済産業省としても、企業等における省エネを推進すべく、事業者が計画した取り組みのうち、省エネ効果が高い設備への導入は支援をさせていただいております。

 御指摘のハイブリッド窯についても、事業所全般の省エネ効果等が高い場合には、当然支援の対象になるということでございます。省エネ、二酸化炭素対策及び中小企業対策、こういう観点から、これらの効果も勘案しながら、今後もそういう振興策を講じてまいりたいというふうに思っております。

阿知波分科員 ありがとうございます。

 さらなるお願いになってしまうかもしれませんが、そういう新しいものを買うとか投資をする、新しいものに手を出そうとするときに、政府からの、例えば補助金というものが二分の一とか三分の一とかあるわけです。そうしますと、残りの半分のお金がないとか、補助金がもらえるまでの間の元手がないからということでちゅうちょしてしまう例が本当に多いんですね。

 ですから、ここはもう一歩を踏み込んでいただきまして、補助金を出すということは、政府としてその事業を認めているわけなので、さらに、その残りの融資についても、例えば金融機関に紹介していただくとかあっせんしていただくとか、要は、金融機関が、確かなものをやろうとしているんだということが、なかなかまたその交渉が大変で進まない、締め切りに間に合わないということが本当に起きておりますので、そういう経産省がされようとしている政策を有効に生かすためにも、ワンストップというような形で一括で面倒を見ていただけるような、そんな体制がとれないかどうか、お尋ねしたいと思います。

直嶋国務大臣 今御指摘のように、中小企業が新しい取り組みに挑戦して経営力を向上していくためには、補助金政策もあるんですが、やはり資金、それから知識、ノウハウといった経営資源を補完、強化する、そういう支援ツールをそれぞれの中小企業のニーズに応じて総合的に提供していくということが重要だというふうに思っています。

 今、ワンストップというお話がございましたが、ちょうど昨年、資金需要の高まる年度末において、厚生労働省や金融庁とも連携をしまして、雇用の問題もございましたので、ワンストップ・サービス・デイというのを全国で九十二、三カ所開催しました。それをまた年度末にも開催したいというふうに思っていまして、そこはそれぞれいらっしゃった皆さんの相談事のあらゆるものをお聞きする場というふうにしております。これも年度末に合計九十五回開催をしたいというふうに思っておりますので、今お話しの資金手当あるいは経営支援、そういったもの等、しっかり相談に乗ってまいりたいというふうに思っています。

 また、先ほど近藤政務官の方から農商工連携のお話もございましたが、今の補助金だけではなくて、中小企業基盤整備機構の全国十カ所の地域事務局におきまして、公的融資の紹介や、さらに商品開発、販路開拓等に関する助言等も一体的に実施をいたしておりまして、幅広く御支援をさせていただきたいというふうに思っております。

    〔糸川主査代理退席、主査着席〕

阿知波分科員 ありがとうございます。

 それでは、話題を変えまして、原子力の利用につきましてお尋ねしたいと思います。

 現在日本には、高レベル放射性廃棄物の処理場がございません。ですから、核燃料サイクルというものが完成しておりません。こういう中で、今、原子力の利用が推進されております。その推進に当たりまして、大臣の政策判断と、それに伴う責任というものにつきまして、お尋ねしたいと思います。

近藤大臣政務官 高レベル放射性廃棄物の最終処分場は、現在、委員御指摘のとおりございません。ただ、原子力利用に伴って発生する廃棄物の処分事業は、エネルギー政策を推進していく上で最重要課題の一つであると認識しておるところでございます。

 この立地については、先生御案内のとおり、かつて高知県東洋町が文献調査の応募を取り下げてしまったという経緯も踏まえて、平成十九年度から取り組みを強化いたしました。

 具体的には、従来の公募方式に加えて、国が前面に立った取り組みをすべきであろう。国の自治体に対する文献調査の実施申し入れを可能とするほか、広聴、広報活動の充実、地域振興構想の提示などの取り組みを実施しているところでございます。

 一部からは、トイレのないマンションだなどというふうに今の日本の原子力の状況をやゆされているわけですが、こうした状況を一刻も早く打破するためにも、平成四十年前後に建設地を選定するスケジュールを踏まえて、文献調査に一刻も早く着手できるよう、全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように考えておるところです。

阿知波分科員 では、文科省に対して質問したいんですが、高レベル放射性廃棄物の処理の研究というものが独立行政法人の日本原子力研究開発機構によりまして、北海道とか岐阜県の瑞浪市などで行われております。

 その研究開発といいますのは、放射性の廃棄物をガラスで固めて、ステンレスの容器に入れて、緩衝材を設けて、さらに、すごく深い地層の中で行うというように、本当に三重、四重、五重、六重というような物すごい安全技術で囲まれているんですけれども、一方、そういうように何重で施したとしても、一万年とか二万年とか、何万年というような単位の中では水によって侵食されてしまうんじゃないか、防ぎ切れない、そういう話を伺っております。

 現にそういう処分地を持っております北欧の諸国、そういうところの建設地も、例えば岩塩というような、水のコントロールがきく、そういう場所が選ばれているということです。水というものがすごくポイントになるわけです。

 ならば、地質とか土壌とかが大きく関係しますので、実際の廃棄物の処分地、実際につくるところで、土壌とか水の流れとか水の動きとか、そういうものを検討されたところでつくりませんと、もし事故が起きますと大きなことになってしまいますので、その最適地でこそ研究を進められるべきではないかと私は考えますが、いかがでしょうか。

後藤大臣政務官 先生が新しいエネルギーのこれからのあり方に非常に御関心を持って、いろいろな御提言がたくさんあることを力強く思っていますので、今後もぜひ御指導を賜りたいと思います。

 今のお尋ねですが、今も近藤政務官からお話をしましたように、高レベル放射性廃棄物の処理の問題というのは、これからの原子力政策のあり方も含めて非常に大きな課題だというふうに思っています。

 先生の御地元でもある瑞浪と北海道の幌延の二カ所で、現在、原子力機構が研究開発の施設を持ちながら、安全性、信頼性の技術の確立についての研究を行っているところであります。なぜこの二カ所が選ばれたかというと、基本的には、先生の御地元の瑞浪はいわゆる結晶質岩、大体花崗岩だと思ってもらって結構ですが、それと幌延の方では堆積岩。日本では二つの大きな地層の形がございます。

 本来であればできるだけ最終処分地に近いところで研究開発をした方がいいという御指摘はそのとおりだと思いますが、なかなか対象の地域が決まらない。むしろ、今、まず私たちがやらなければいけないのは、先ほどもお話ししたように、この地層処分技術の信頼性の向上と安全性評価の手法の確立というもの、基礎的な技術の確立というものをやはり最終処分場が決まる前にきちっとして、国民の皆さん方、そして地域の皆さん方にきちっとした合意形成を得る大前提の技術確立をすることだというふうに思いながら、今現在も対応しているところでございます。

 フィンランドで最終処分場の地域が大体固まったということでありますが、ここも、いわゆる花崗岩、先ほどお話をした結晶質岩に着目をし、確かに地下水の量は少ないものの、やはり地下に掘っていくと水がゼロということではありません。

 そういう中で、実は、ぜひ御理解をいただきたいのは、地下というのは地上に比べて自然活動の影響が非常に少ない。例えば昔の銅鐸というのがありますよね。千八百年前のものが、地下だから酸素がほとんどありませんから、粘土の中で腐食もせず、掘り出しても銅の金属コートがほとんど千八百年前と同じだ。これはまさに、地層が深いと、逆に酸素との結合がありませんから腐食が少なくなるということだというふうにも言われています。

 いずれにしましても、先ほどもお話ししたように、できるだけ最終処分地が決まる前に、日本でいう大きな二つの地層の状態に着目をし、どちらがより安全性の技術が確立をされ、そして、国民の皆さん方からきちっと安全性の技術が評価されるようにという努力をこれからも継続してやりながら、経産省とも連携をして、平成二十年の中ごろということで精密調査地区を選定して、また新たな研究調査を始めるということでありますので、ぜひ、若干時間が絡むものはございますけれども、長い目で見ていただきながら、これからの原子力安全の新しい技術の確立ということに御協力を賜りたいというふうに思います。

阿知波分科員 先ほど近藤政務官の方から平成四十年という数字を示していただきました。これは、何らかの最終処分地を決めなければいけない、そういうぎりぎりのものなのか、それとも何らかの見通しがあっての話なのか、それとも一つの目標数値なのか、それをお尋ねしたいと思います。

近藤大臣政務官 お答えいたします。

 日本の原子力政策は、御案内のように、原子力政策大綱に基づいて基本方針を決めているところでございます。その大綱の中に、一つの目安として、処分地の選定を平成四十年前後に行いたい、そして、処分の開始を平成四十年代後半にという一つの目標といいますか目安を示させていただいている、こういうことでございます。

 現実にこの数字を見ますと、そう簡単ではないわけでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、国がしっかり前面に立って、また技術開発を進めながら、安全性を第一としつつ実現に向けて全力を尽くしていきたい、このように考えておるところです。

阿知波分科員 ただいまそう簡単ではないというお話もありましたので、何らかの新しいさらなる政策を打ち出される、そういう御準備をなされているかどうか、そこをお尋ねしたいと思います。

直嶋国務大臣 先ほども申し上げましたが、この最終処分地、高レベル放射性廃棄物の最終処分地といいますか、処分を決めるというのは最重要課題であります。

 それで、この研究は実は昭和五十年代から長年にわたって取り組みを進めてきておりまして、その中で、平成十二年に、先ほどございましたように、原子力委員会が、我が国においても安全な地層処分が可能だと判断をしたわけでございます。

 したがいまして、先ほど文科省の方からもお答えございましたが、この処分事業をより一層安全に、また効率的に実施していくために、地層深くの研究施設等を活用した、処分技術のさらなる向上を目指した実証研究などを行っていく必要があるというふうに考えておりまして、当面そういった研究をしっかり行った上で、先ほどありました平成四十年代ぐらいにめどをつけたい、こういうことでございます。

阿知波分科員 ありがとうございました。

 きょうは、地域の地場産業、そして原子力の話、本当にありがとうございました。

 急な話なんですけれども、本当に、地域は、一生懸命頑張っていれば、いつの日にか光が当たる、国に助けていただけるんじゃないか、手を差し伸べていただけるんじゃないか、そういうことでみんな一生懸命頑張っております。ですから、そういうものにぜひともおこたえいただきたいということで、質問というわけじゃなくて、また後から相談に行きたいんですけれども、大臣みずから、政務三役みずから、例えば美濃焼を使う宣伝マンになっていただくとか、モニター係になっていただくとか、そういう最前線でぜひともこの地場産業を支えていただきたい。こういうお願いをもちまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

岡島主査 これにて阿知波吉信君の質疑は終了いたしました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後八時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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