衆議院

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第2号 平成25年4月15日(月曜日)

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平成二十五年四月十五日(月曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 小此木八郎君

      佐々木 紀君    笹川 博義君

      塩崎 恭久君    辻  清人君

      橋本 英教君    星野 剛士君

      牧原 秀樹君    宮崎 謙介君

      山田 美樹君    山本 幸三君

      岸本 周平君    鷲尾英一郎君

      今村 洋史君    村上 史好君

   兼務 秋元  司君 兼務 木下 智彦君

   兼務 佐藤 英道君 兼務 斉藤 鉄夫君

   兼務 濱村  進君 兼務 小池 政就君

   兼務 高橋千鶴子君

    …………………………………

   経済産業大臣       茂木 敏充君

   厚生労働副大臣      秋葉 賢也君

   経済産業副大臣      菅原 一秀君

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   経済産業大臣政務官    佐藤ゆかり君

   経済産業大臣政務官    平  将明君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  長谷川 新君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            遠藤 俊英君

   政府参考人

   (金融庁国際政策統括官) 河野 正道君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    菅久 修一君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 平嶋 彰英君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       鈴木 茂樹君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    伊原 純一君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     照井 恵光君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通保安審議官)     豊永 厚志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           安永 裕幸君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           宮本  聡君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           後藤  収君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          石黒 憲彦君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局長)            上田 隆之君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          鈴木 英夫君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          永塚 誠一君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 高原 一郎君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            新原 浩朗君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        安藤 久佳君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (特許庁総務部長)    小糸 正樹君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    富田 健介君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            鍜治 克彦君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            守本 憲弘君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局次長)            清谷 伸吾君

   政府参考人

   (国土交通省航空局航空ネットワーク部長)     篠原 康弘君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  櫻田 道夫君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  山本 哲也君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  大村 哲臣君

   経済産業委員会専門員   乾  敏一君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

分科員の異動

四月十五日

 辞任         補欠選任

  塩崎 恭久君     山田 美樹君

  山本 幸三君     笹川 博義君

  岸本 周平君     笠  浩史君

  中田  宏君     丸山 穂高君

  村上 史好君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  笹川 博義君     橋本 英教君

  山田 美樹君     佐々木 紀君

  笠  浩史君     寺島 義幸君

  丸山 穂高君     今村 洋史君

  小宮山泰子君     玉城デニー君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     星野 剛士君

  橋本 英教君     辻  清人君

  寺島 義幸君     鷲尾英一郎君

  今村 洋史君     坂元 大輔君

  玉城デニー君     畑  浩治君

同日

 辞任         補欠選任

  辻  清人君     山本 幸三君

  星野 剛士君     宮崎 謙介君

  鷲尾英一郎君     岸本 周平君

  坂元 大輔君     丸山 穂高君

  畑  浩治君     村上 史好君

同日

 辞任         補欠選任

  宮崎 謙介君     塩崎 恭久君

  丸山 穂高君     中田  宏君

同日

 第一分科員高橋千鶴子君、第二分科員秋元司君、小池政就君、第四分科員木下智彦君、斉藤鉄夫君、濱村進君及び第六分科員佐藤英道君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十五年度一般会計予算

 平成二十五年度特別会計予算

 平成二十五年度政府関係機関予算

 (経済産業省所管)


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     ――――◇―――――

小此木主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。

 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算及び平成二十五年度政府関係機関予算中経済産業省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田美樹君。

山田(美)分科員 おはようございます。自由民主党東京一区選出の山田美樹でございます。

 本日は、質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。

 本日で、安倍政権発足から百十一日目を迎えます。昨年末の衆院選では、私は、「経済再生 挑戦!」をキャッチフレーズに選挙戦を戦ってまいりました。アベノミクスも、当初は期待先行と言われておりましたが、最近では、タクシーの運転手さんや飲食店など一番景気に敏感と言われる業界の方々からも、最近景気がよくなってきたよという声が少しずつ聞こえるようになってまいりました。

 しかし、何といっても景気回復の鍵を握るのは、日本の全雇用数の三分の二に相当する二千八百万人を抱えている中小・小規模事業者です。

 中小企業庁を中心に展開する施策は、中小企業団体を通じて各中小企業に情報が届くというのが一般的な流れですので、日ごろから地方経済産業局や都道府県の中小企業支援センターなどとコンタクトがあり情報収集力のある中小企業なら、施策の活用の仕方もよく知っているところです。

 しかし、近年、若者や女性を中心に起業の裾野が広がり、一言に中小企業や小規模企業と言っても、その実態は多様化してきました。中小企業団体に属していない企業、特に個人経営に近い小規模事業者には、これほど豊富な中小企業支援のメニューが用意されていること自体が十分に知られておらず、膨大な情報へのアクセスの仕方もわからないというのが現状です。

 また、各支援策を、ユーザーである中小企業から見て使い勝手のよいものにしていくことも重要です。

 補助金の多くは申請や公募のタイミングが決まっており、自分の会社のビジネスのタイミングに合わなければ諦めざるを得ない、支援メニューの目玉も毎年度変わるので、去年あった施策がことしはもう終わっていることもある、どこの窓口に行ったらいいのかわからないなどという声は、昔も今も聞かれます。

 単年度ごとの予算編成の仕組みや、経産省の出先機関と都道府県、関連団体の役割分担など、行政の側が抱える事情を克服していく必要もあります。

 ビジネスの実態に合わせて利用者本位の支援を行っていくために、中小企業施策の利用者層の拡大や使い勝手の向上について、どのように取り組んでいくのか、茂木大臣のお考えをお聞かせください。

茂木国務大臣 安倍政権が発足して百十一日ということでありますけれども、株価の方も四年七カ月ぶりに一万三千五百円をつけるということになってきました。やはり、こういった景気の回復の基調を本格化させていくためには、山田委員御指摘のように、中小企業、小規模事業者が元気になる、こういったことが極めて重要だと思っております。

 御指摘のとおり、制度の運用に当たっては、中小企業また小規模事業者の立場に立ってきめ細かく広報し、施策の利用者層を拡大していくとともに、使い勝手を向上するために、運用を不断に見直していくということが重要だと考えております。

 例えば、施策の広報について、若い方々、それから個人でビジネスを始められる方、こういった方に対して、ホームページによる周知であったりメールマガジンの配信も行っているところであります。

 また、先般、平成二十四年度の補正予算で構築を進めております、ITを活用した経営支援のためのポータルサイト、こういったものも通じて、中小企業、小規模事業者にとってわかりやすく情報を提供していきたい、こんなふうに考えております。

 さらにまた、商工会であったりとか商工会議所など約四千七百の既存の支援機関、さらには、税理士、弁護士、金融機関等から成ります全国約六千七百の認定支援機関を通じた幅広いPRも行って、施策の利用者層、本当に使いたい人がきちんとアクセスできるように、こういったことをやっていきたいと考えております。

 また、補助金の公募を通年化することにつきましては、これは予算の単年度主義の原則、こういうものもございます。補助対象となる事業は年度内に実施をする前提で公募期間を設定しているわけでありますけれども、制度の一層の柔軟化、こういったことは、御指摘もいただきましたので、さらに検討したいと思っております。

 また、申請書類、大体多いんですよ。本当に、ビジネスをやっているのか書類を書いているのか、こういうことになっちゃいますから、例えば補正で計上しました全国一万社のものづくりの、試作品を支援する事業におきましては、これまで公募書類は十五ページあったんです。これを六ページに簡略化する、こういった取り組みをさらに進めていきたいと思っております。

山田(美)分科員 ありがとうございます。

 次に、中小・小規模企業における女性の活用についてお伺いをいたします。

 私は、まだまだ男性が多いと言われる霞が関や経営コンサルティングの業界から、比較的女性が多い小売流通業界に転じましたが、女性の多い職場で女性の先輩や同僚から改めて学んだのは、女性ならではの丁寧な仕事と、既定の枠にとらわれない柔軟さ、そして、いざというときの意外な肝っ玉の太さです。

 女性の力を最大限に生かすことができれば、日本経済はもっと成長できるはずだと私は確信を持っております。

 出産、育児のために一旦退職してしまった女性の方にとって、職場復帰は容易なことではありません。子育てとの両立の問題はもちろんですし、働く場所を新たに見つけることは非常に困難です。仕事から離れていたブランクを克服するのも、スキルの面でも、精神的にも非常に大きなハードルです。みずから起業されるという選択をされる女性もふえてはいますが、ゼロから会社を起こすという苦労は並大抵のことではありません。

 他方、雇用する側が女性を活用しやすいような環境をつくることも重要です。特に、大企業と比べて余裕がない中小企業にとっては、仕事に復帰したい女性の人材を自力で開拓するのは不可能です。

 また、私は、実際に何人かの中小企業の経営者の方々からお話を伺ったのですが、小さいお子さんを抱えながら働く女性の社員を会社としても何とか応援したいんだけれども、人件費や福利厚生面で非常にコストがかかって経営的に難しいという悩みもお伺いしております。

 中小・小規模企業で女性の活用が進めば、女性の活躍の場が広がるだけではなく、日本経済にとっても相当なプラスになるはずです。二十四年度補正の中にも、女性を積極的に支援していく施策が盛り込まれていますが、中小企業での女性の活用を行政としてどのようにサポートしていくのか、佐藤ゆかり政務官に具体策をお伺いいたします。

佐藤(ゆ)大臣政務官 山田委員御指摘のとおりでございまして、日本の強い経済を取り戻す、そのためには、女性の力の活用ですとか社会参画の促進が必要不可欠であると考えているところでございます。

 経済産業省といたしまして、二十四年度の補正予算を活用いたしまして、女性の職場復帰ですとか、起業をサポートする仕組みを進めているところでございます。

 具体的には、まず、育児で離職をされた女性等の再就職を支援するために中小企業新戦力発掘プロジェクト、これを二十四年度補正予算で二百八十二億円の内数として創設をさせていただいております。

 この事業によりまして、中小企業、小規模事業者が行う職場実習、いわゆるインターンシップでございますが、これを支援することとさせていただいております。

 具体的には、キャリアカウンセラーが中小企業に対して、受け入れ体制の整備についてのアドバイスを行うということですとか、実習希望者と受け入れ中小企業とのマッチングを行っていくということで職場実習の実効性を高める、そういう施策でございます。

 まず、ことし三月に、職場実習を希望する方々や受け入れ中小企業の募集を開始しておりまして、現在、随時これを受け付けているところでございます。

 そしてまた、同時に、女性に焦点を当てました起業の方でございますけれども、こちらの支援策といたしましては、平成二十四年度補正予算におきまして、地域需要創造型等起業・創業促進補助金を設置いたしております。二百億円を計上いたしております。こちらの方で、新たに起業をする女性や若者等に対しまして、事業計画を募集しまして、その計画の実施に要する費用の一部を助成するという仕組みでございます。

 こうした取り組みで、女性の活躍を積極的に支援してまいりたいと考えております。

山田(美)分科員 御答弁ありがとうございます。

 職場復帰を目指す女性、起業を目指す女性にとって、大変心強い施策だと思います。

 一つ気になりますのは、今現在仕事についていない女性の方々にこのような支援策があるということを周知していくのは、従来的な中小企業団体を通じた施策の周知の方法とは異なり、アプローチや宣伝の仕方に工夫が必要なのではないかということです。

 主婦の方々の日々の生活の場面で、例えば地域の出張所や集会場、子育てのコミュニティーなどで、こういった支援プログラムの存在を知っていただけるようPRしていくことも一案かと思いますし、また、インターネットなどを通じて、みずから積極的に情報収集がしやすいような環境も充実させていかなければなりません。

 女性への施策を女性の方々にどうやって周知していくか、具体的な方法について、お考えをお聞かせください。

佐藤(ゆ)大臣政務官 まさに山田委員御指摘のとおりでございまして、主婦でおられます方々に対して、どのようにこれらの施策を情報発信していくかということは大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。

 例えば、先ほど申し上げました中小企業新戦力発掘プロジェクトについてでございますが、主婦の子育て支援等を行いますNPOの代表の方々ですとか、女性のキャリア支援に関します有識者等から成ります支援センターを今後設置いたしまして、これらのメンバーがそれぞれ持ち合わせますネットワークも活用させていただいて、積極的な広報活動を行ってまいりたいというふうに考えております。

 また、施策の情報がなるべく多くの女性層の方々にも目に触れることが重要でございまして、このためには、従来ですと、こうした施策は、広報資料などを自治体に置かせていただくということでありましたけれども、加えまして、今後新たに、子育て中の仕事探しをサポートしておりますマザーズハローワークですとか、あるいは男女共同参画センターなどにも広報資料を置かせていただきたいと考えております。

 さらに、先ほども触れましたように、ITクラウド、委員御指摘のとおりでございますが、これを活用した支援ポータルサイトを立ち上げまして、ことし七月をめどに立ち上げを予定しておりますが、ネット活用をする層にも広く周知をしていきたいと考えております。

 こうした取り組みで、より多くの女性層の方々に、わかりやすく、きめ細やかな支援施策の情報提供を行ってまいりたいと考えております。

山田(美)分科員 ありがとうございます。

 ただいま佐藤政務官のお話、それから先ほどの茂木大臣のお話にもありましたように、ITクラウドを活用したプラットホームについてお伺いをしてまいります。

 政策情報のPRとともに、経営者が日々直面する経営課題に解決の糸口を提供するのも、中小企業施策の大切な役割です。

 先ほどお話のありました二十四年度補正予算で、ITクラウドを活用したプラットホームに一万人の専門家や経営者を集めて、バーチャルなコミュニティーを通じて中小・小規模企業の方々に情報を提供したり、ビジネスマッチングを促すという試みは、大変興味深いと思います。

 利用者百万人を目指すというプロジェクトですが、人が集まり、有用な情報が集まる質の高いネットワークをつくるためには、まず認知度を上げて、参加者をふやさなければなりませんし、同時に、質の高いコンテンツを発信して新たな情報提供を引き寄せる好循環をつくり出していく必要があります。

 これまで中小企業行政の窓口とは接点がなく、施策の情報が届いていなかった小規模企業や個人経営者にアプローチするためには、プラットホームの名称を、例えばですが、「何でも経営相談」ですとか、「教えて先輩社長」のような形で、インパクトがあって、ネット検索でヒットしやすいようなネーミングにすることも一案かと思いますし、また、立ち上げ当初には、一万人の専門家や経営者のうち、コアとなる方々や中小企業のリーディングカンパニーに、呼び水的な演出をしてもらう必要もあるかと思います。

 二十四年度補正と二十五年度予算合わせて六十億円を超える事業ですので、ぜひ成功に導いて大きな効果を期待したいと思いますが、プラットホーム活性化のための具体策をお聞かせください。

佐藤(ゆ)大臣政務官 お答え申し上げます。

 まさに委員御指摘のとおりでございまして、このITクラウドを活用したシステムにつきましては、プラットホームのネーミングをわかりやすく、ある意味取っつきやすいシステムにするということも大事な観点ではなかろうかと考えるところでございます。

 まさに平成二十四年度の補正予算におきまして、このシステムについて約十五億円を計上させていただいております。中小企業や小規模事業者を支援するポータルサイトの構築につきましては、ことし七月中の立ち上げの予定となっているところでございます。

 具体的に、このポータルサイトでは、中小企業、小規模事業者向けの支援施策に対する情報をワンストップで提供するということと、そして、中小企業、小規模事業者や支援する専門家等との間におけますコミュニケーションや、マッチングを支援するなどのコンテンツを提供することといたしておりまして、中小企業、小規模事業者支援施策の普及に有効に活用できるものと考えております。

 委員御指摘のとおり、このポータルサイトの認知度を高めまして、より多くの方々の利用の促進を図っていくということは極めて重要であると考えております。

 このため、経済産業省といたしましては、中小企業、小規模事業者や専門家などが実際に参画しまして、まず意見ができる場を設けて、本ポータルサイトの改善に活用していく。そして、全国各地におきましても、ポータルサイトに関する説明会を開催しまして、中小企業、小規模事業者に広く周知をする、そしてさらには、地方紙ですとかインターネット等のメディアも通じて広報してまいるなどの認知度の向上を積極的に図ってまいりたいというふうに考えております。

 また、中小企業、小規模事業者のそれぞれのニーズにきめ細かく対応するために、個々の利用者の関心に応じまして情報をカスタマイズして提供する仕組みを採用する、こうした取り組みなども通じまして、中小企業、小規模事業者にとりまして実際に役に立つポータルサイトの構築に尽くしてまいりたいと考えております。

山田(美)分科員 ありがとうございます。

 ぜひ有効なプラットホームとなるように期待をしております。

 次に、中小企業の海外展開の支援策についてお伺いをいたします。

 政権交代後、円高の是正が徐々に行われておりますが、中小企業に対しても、売り上げの拡大を目指して海外展開を図り、成長著しい海外市場の需要を獲得していくことが期待されています。

 先日、中小企業基盤整備機構が展開するビジネス支援サイトであるJ―Net21を拝見しまして、海外展開に成功した企業の事例として、新宿区にある株式会社OEMという会社の事例が掲載されているのを見つけました。お手元にお配りした資料です。

 この会社は、海外の企業からの依頼でメード・イン・ジャパンの化粧品をOEM製造しているという会社ですが、アジア諸国やスイスに販路の拠点を持つに至るまで、輸出入の手続や原料品質証明書の取得、EPAに基づく特定原産地証明の申請手続など、多くの困難を乗り越えてこられたという、大変興味深いお話が紹介されています。

 このように、海外展開するに当たって直面するハードルを少しでも減らすことも、行政が果たすべき大きな役割だと思っています。今回、中小企業の海外展開を一貫して支援する事業が、二十四年度補正に盛り込まれました。海外展開後の現地でのサポートも含めた仕組みづくりは、非常に評価したいと思います。

 サポートに当たっては、事業のフィージビリティー調査から始まって、進出先の国での販路の開拓、輸出入の手続、相手国ごとに言語が違いますので、それぞれに対応するための翻訳の問題や、それぞれの国の消費者の特性に合わせたPRやマーケティングの方法など、多くの幅広い課題に、各分野の専門家や経験者をコーディネートして、ワンストップで相談に対応することができるような体制をつくることが不可欠です。また、今現在では海外展開を始めていなくても、世界で戦える商品や技術を持っていて、潜在的なポテンシャルがある中小・小規模事業者に海外展開の可能性に気づいてもらい、チャレンジを後押ししていくということも必要です。

 民間の力も活用しながら、中小企業の海外展開をオール・ジャパンで支援していく体制づくりをどうやって構築していくか、お考えをお聞かせください。

佐藤(ゆ)大臣政務官 お答えいたします。

 まさに、中小企業、小規模事業者が海外展開を行う際に、市場調査ですとか販路の開拓、人材育成、資金確保等、さまざまな課題が存在しているのが現実でございます。

 このため、それぞれの中小企業の事業の段階に応じまして、海外展開の実現までに必要な支援をそれぞれ行っていくということが必要であると考えております。

 平成二十四年度補正予算におきましては、中小企業・小規模事業者海外展開事業化・研修支援事業を二十億円計上させていただいております。また同時に、平成二十五年度予算におきましては、新規事業で、中小企業海外展開総合支援事業、こちらは三十一・五億円を計上させていただいているところでございます。

 これらは具体的には、海外展開計画の実現可能性調査の支援、またジェトロを中心といたしました国内外約二十カ所の展示会で約四百社の出展支援を行う、あるいは国内外の研修を通じまして人材育成支援を行っていく、そして日本政策金融公庫の海外展開資金の低利融資等を行うなどの施策を行うことといたしております。

 また、海外進出後に現地で支援を行う、こうした官民の支援機関が連携をいたしました現地支援プラットホームの整備も進めてまいりたいというふうに考えております。

 委員御指摘のとおり、こうした支援を中小企業がワンストップで利用できますように、認定支援機関ですとか支援ポータルサイトも活用いたしまして、施策の周知や利便性の向上に努めるということも重要であると考えております。

 あわせまして、関係省庁、それから政府機関、そして中小企業関係の団体、そして官民の金融機関、日本弁護士連合会など、さまざまな中小企業支援を行う機関と連携をいたしまして、オール・ジャパンで支援を行っていく体制を構築してまいりたいと考えております。

 さらに、有望商品ですとか技術を有します、海外市場の中で潜在力を発揮し得る企業の発掘の方でございますが、こちらの方も、ミニ集会等を通じまして、これらの発掘強化を行ってまいりたいということでございます。

 今後とも、こうした取り組みを通じまして、中小企業の海外展開支援に万全を期してまいりたいと考えております。

山田(美)分科員 ありがとうございます。

 ぜひ、日本の中小企業が世界で活躍できるように、力強いサポートをお願いしたいと思います。

 さて、最後の質問です。中小企業と並んで日本経済の活性化のかなめである商店街の活性化策についてお伺いいたします。

 私の選出元である東京一区には、麻布十番、神楽坂、早稲田、神田神保町を初めとして、元気で魅力的な商店街が数多く存在します。地域の住民や行政、地元企業などが連携して、長年にわたって不断の努力を重ねてこられた結果、地域の伝統と現代的な感覚が融合した商店街となっておりますが、このように全国的にも有名な商店街においてでさえ、厳しい経営状況や後継者不足などの問題を抱えています。

 平成二十四年度補正や、二十五年度予算における政府の商店街重視の姿勢は非常に高く評価できるものであり、引き続き商店街振興への強力な支援の継続をお願いいたしますが、政府は、商店街の活性化に対して今後どのような支援策の展開を想定しているか、茂木大臣のお考えをお聞かせください。

茂木国務大臣 山田委員の御質問を三十分間伺っておりまして、本当に限られた時間の中で極めて重要な問題を一つ一つ御指摘いただいているな、こんなふうに思っております。

 麻布十番、お祭りがすごいんですよね。私も時々お邪魔をしますけれども。それでもやはり、全国を見渡しますと、この商店街、なかなか厳しい状況にあるわけであります。

 小売業売り上げ全体の四割を占める商店街というのは、地域経済にとっても極めて重要な存在でありますし、さらに言うと、さまざまなイベントとか、そういった意味で、地域コミュニティーの主体でもある、こんなふうに考えております。

 実は、この二十年、まちづくり三法の制定であったりとか、その見直しということで、商店街の底上げであったりとか、地盤沈下をどうにかしたいということで取り組みをしてきましたが、なかなか抜本的な解決に至っていない、これが現状であります。

 景気が低迷している、こういう問題もありますが、商店街の固有の問題であります、なかなか地域コミュニティーのニーズに十分対応ができていない、また、後継者不足、こういった要因もありまして、平成九年から十九年の十年間に、年間の販売額が中心市街地で二四%減ということでありまして、かなり厳しい状況だと思っております。

 このため、平成二十四年度の補正予算におきまして、地域コミュニティーのニーズに対応するための予算を措置いたしたところであります。

 例えば、商店街まちづくり事業に二百億円計上いたしまして、ここでは地域の行政機関等の要請に基づいて、地域コミュニティーの安心、安全な生活環境を守るための商店街の施設であったりとか設備の整備等を支援することにしております。

 また、地域商店街活性化事業、百億でありますが、ここでは商店街の集客力、販売力の向上などに資するイベントを支援するとともに、次世代の人材育成など、イベントの効果を持続的、効果的なものにする取り組みを支援することにしております。

 さらに、後継者不足という課題につきましては、地域需要創造型等起業・創業促進補助金、二百億円で、女性や若者の起業、創業を支援するとともに、商店主が世代交代して、新たな取り組みをする場合に、これを第二の創業として支援することにしております。

 こういった一つ一つの施策を着実に実行していく、こういうことは重要だと思っておりますが、もう一回、このタイミングで、私は、中心市街地全体の問題、こういったものを考え直す必要があるのではないかなと思っております。

 経済の流れも考え、そして地域地域で、高齢化社会というのは中心市街地ほど進んでいる。また、駐車場がどうであるのか。そして、意外とテナント代も高いんです。そういったことも含め、抜本的な対策も今検討していく必要がある、こんなふうに思っております。

山田(美)分科員 御答弁ありがとうございます。

 それでは、本日の質問を終わらせていただきます。

小此木主査 これにて山田美樹君の質疑は終了いたしました。

 次に、笹川博義君。

笹川分科員 おはようございます。自由民主党の笹川博義です。

 本来、小規模商店事業者の質問をしようということで、今、山田委員の方から類する質問がありまして、大臣から大変御丁寧な御答弁があったのはやりづらいんですけれども、改めて、大臣、大変お疲れさまでございます。何か花粉症で大変だそうで、私も花粉症なもので、心中お察し申し上げます。

 それでは、東京でのお話も今出ました。確かに東京、この首都圏でもそういう話題が出ることでありますが、我々地方にとっても、商店街、また商工会、さらには商工会議所含めて、小規模事業者の現状というのが非常に今厳しいということであります。

 その中で、地方の小規模事業者の経営者の皆さん方は、実は、ただの経営者だけじゃなくて、地域にとってやはりリーダーなんですね。それからまた、消防団ですとかさまざまな地域を支える組織の重要なメンバーになっていただいているということでありますので、ここの小規模事業者の皆様方が、数が減っていく、弱体化していくということは、地域社会、地域経済にとっては物すごく大きな影響、はかり知れない影響があるわけなんです。

 そういう意味では、経済産業省の皆さん方、過去いろいろな努力を積み重ねていただいたんですが、結果的にはその流れをとめることができないという状況下でもあります。特に、先ほどまちづくり三法の話も出ましたが、やはり大店法改正、また廃止というような大きな流れがありました。そういうことを踏まえた中で、現状の地域小規模事業者に対する影響等々についての御所見をお聞かせください。

豊永政府参考人 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、平成十二年に大店法が廃止されました。また、同じ年に、名前が似てございますけれども、大店立地法が施行されておりまして、これに先立つ平成十年の中活法、それから都市計画法、あわせてまちづくり三法が整備されたところでございます。

 さて、大規模小売店舗の立地動向を見ますと、一千平米以上の新設届け出が大店立地法によってなされるわけでございますけれども、この推移を見ますと、景気や人口の頭打ちなどによりまして、大店法の廃止以前と大店立地法の施行後と比べますと、大店立地法施行後の方がやや低い水準、大体六割ぐらいの水準で推移しているかと承知してございます。

 ただし、委員の御指摘のとおり、近年新設されました郊外の大規模小売店舗との競争激化が地域の小規模事業者、商店街等に少なからず影響を与えているという声が依然としてあることは認識してございます。

 しかしながら、小規模事業者や商店街の衰退の要因ということにつきましては、こうした大規模小売店舗との競争以外にも、例えば、人口減少という構造的な要因や、そもそも長期的な低迷が続く景気の要因といったことが指摘されておりますし、商店街などにつきましては、魅力ある店舗が不足して地域のニーズに対応できていないとか、また、後継者が不足しているといった、商店街そのものが抱える問題も指摘されております。

 したがいまして、商店街や小規模事業者の衰退についての要因のお問い合わせかと思いますけれども、こうした要因が複合的に関連しているというふうに私どもは認識してございます。

    〔主査退席、牧原主査代理着席〕

笹川分科員 そうしますと、もう一点ちょっとお伺いしますが、いずれにしても、大店法の改正、廃止、新法という形の中で、影響等々についての具体的な追跡調査なり、それぞれの地域地域、地方について、調査の方はしっかりなさった上での今の御答弁ということでよろしいんですか。

豊永政府参考人 お答えさせていただきます。

 毎年度、中小企業庁で商店街実態調査というものを実施してございます。

 例えば、平成二十四年度、直近の実態調査に基づきますと、商店街の振興しない理由としては何が考えられますかということに対して、一番に、魅力ある店舗が少ないというのが五五%、業種、業態として不足しているというのが五二%、先生の御指摘の近郊大型店の進出が影響しているというのが五〇%、それから地域の人口が減少しているというのが四二%といったような調査を毎年実施して、今のような答弁を申し上げたところでございます。

笹川分科員 ありがとうございます。またぜひその調査結果を政策の中で生かしていただきたいというふうに思っております。

 先ほど大臣からも、まちづくり事業等々についての御答弁もございました。

 確かに、私自身もこのことについては本当に評価をさせていただきたいというふうに思っております。ただ、ぜひ指摘したいことは、魅力ある商店街というのは、実は、経済産業省だけではうまくいかないことだというふうに思います。観光もそうですし、それから道路事情もそうですし、さまざまな組み合わせをしながら商店街の魅力というのは実は出てくるんですね。だから、道路一つにしても、例えば、赤れんがを敷いちゃう、また、植えた木が通りの名所になって商店街が活性化することもある。

 だから、先ほど後継者の話が出ましたけれども、後継者ができるできないというのは、やはり未来を感じるかどうかなんですよ。感じなければ、後継者はどんなにお金を積んだって出ませんよ、稼げないという話ですから。やはり、稼いで所得を上げられる、だからやっていこうということになるわけですから、そういう仕掛けを、関係する省庁の中で連携を密にしながら、ぜひお取り組みいただきたい。

 正直申し上げて、せっぱ詰まった状況であることをぜひ御認識いただきたいというふうに思います。もう虫食い状態です。シャッター通りと言っても過言ではない。それは、新幹線がとまる駅前でもそうですから。

 それから、近郊、さっき話がありましたけれども、まさに、味もそっけもない、同じような町並みですよ。だから、これでいいのかということをぜひお考えいただきたいというふうに思います。

 それでは、続いての質問に移らせていただきます。温泉旅館業にかかわる硼素、弗素の排水規制に関することなんです。

 これは、一見、経済産業省が何でというようなクエスチョンマークも出てくるわけですが、実は、群馬県議会の方で経済産業大臣宛てにも意見書は出されております。

 その部分については、観光を主要産業とする地域経済にも多大な支障が生じる。地域経済を支える観光業、この規制の発展によっては、非常に高額な処理技術を確立しなきゃならない。また、施設の導入についても、財政支援がなければできないというような状況下でありますので、この点について御所見がございましたらお聞かせください。

鈴木(英)政府参考人 お答え申し上げます。

 本件規制基準については、環境省の所管ではございますけれども、環境省に確認をしたところ、今月十日に開催された中央環境審議会水環境部会において、温泉旅館業に対する硼素、弗素の暫定排出基準については、適用期限を本年七月から三年間延長する案が示されております。

 今後、パブリックコメントを経て、六月末日までには期限延長を定めた省令改正が行われる予定というふうに聞いております。

 経済産業省としては、汚水または廃液処理施設を取得した場合の固定資産税や事業所税の特例をこれまで措置してきていただいておりまして、また、温泉旅館業を含む中小企業に対しましても、水質汚濁関連装置を取得する際に日本政策金融公庫から低利融資を受けられる措置を講じてきているところでございまして、議会の陳情書にもありましたとおり、こういった財政的な支援措置については引き続き、延長についてもしっかりと要求して支援を続けていきたいというふうに考えております。

笹川分科員 ありがとうございました。

 延長ということは大変歓迎すべきことであります。そういう意味では、経済産業省の皆さん方も、本当にこの温泉というのは、とにかく、我が群馬県においても、国内はもちろん、海外にもPRをして、重要な産業でありますので、経済を構成する産業でありますので、ぜひ、注視をしながら手を差し伸べていただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。

 それでは、続いての質問であります。

 二月、私も東京ビッグサイトに、スマートエネルギーということですから、これは経済産業省にも非常に重要なかかわりのある展示会だというふうに思いますが、この展示会にお邪魔したときに説明をしてくれた方が、日本の展示会事業といいましょうかコンベンションホールの整備状況について熱く語っていただきました。私自身、認識が大変不足しておりまして、その方にも、勉強不足で大変申しわけないという話をいたしました。

 いずれにしても、このコンベンションホールというのは、地方も含めてですけれども、宝の持ち腐れといいましょうか生かし切れていないといおうか、このことは非常に大事な観点でありますので、ぜひ、そういう意味では、経済産業省さんもしっかりと腰を据えてやっていただきたいというふうに思います。

 というのは、我々中小企業にとって、町から出る、県から出る、また、首都圏に入る、世界の皆さんとやっていく、いわゆる販路の拡大、さらには、系列以外の大企業の皆さん方との、いわゆる大企業と中小企業のマッチング、そういうことを考えたときに、なかなかその機会に恵まれないというのもあるわけで、このコンベンションホールを利用した形の中で世界の企業と触れる、技術に触れる、話をする、またとない機会でもあるわけなんですね。

 ところが、それが実は、今の日本のコンベンションホールの姿勢というものと比較すると、アジア諸国やその他の国においては、国を挙げて、展示場、コンベンションホールの整備に非常に尽力している。とにかく、使えるものは何でも使っていく。だから、政策だけが総動員じゃなくて、社会資本も含めて総動員して、先進国に追いつき追い越せというような、また、先進国の中でも、その座にあぐらをかくことなく、高みを見て前に進んでいるというような状況であります。

 そのことも踏まえた中で、日本のコンベンションホール整備、活用の現況についての御所見をお聞かせください。

永塚政府参考人 御答弁申し上げます。

 コンベンションホール、展示会産業についてのお問い合わせでございます。

 展示会は、我が国製品、サービスの情報の発信や商談を行う場であるとともに、我が国への外国企業の投資を促す場でもありまして、我が国経済の成長のために大変重要であると認識をしております。

 また、今まさに委員御指摘のように、展示会には、中小企業による情報収集やマーケティングを助ける大きな役割がございます。加えまして、展示会への出展者や来場者など多様な主体による地域での消費活動を誘発するほか、地域資源の対外情報発信力を向上させることによりまして、地域経済の活性化にも大きく貢献するものと考えてございます。

 このため、ハードとしての見本市会場は地方自治体を中心に整備が図られているところでございますけれども、展示会産業が、今申し上げましたように、地域の経済活性化、あるいは企業間のマッチング促進を図る上で大変重要な役割を果たしているということに鑑みまして、経済産業省としても、ソフト面の施策として、展示会の信頼性向上のための認証制度の確立、あるいは人材育成など、展示会産業の基盤整備に取り組んでいるところでございます。

 また、展示会の充実、活性化には、何といっても魅力のある出展企業と数多くのバイヤーの確保が大変重要でございます。このため、例えばジェトロを通じまして海外バイヤーの招聘などを行っているところでございます。

 こうした取り組みは、展示会施設そのものの活性化にもつながるものと考えてございまして、経済産業省として、引き続き展示会産業の活性化に努めてまいりたいと考えてございます。

笹川分科員 現状としての取り組みについては今の御答弁のとおりだというふうには思いますが、ソフト面等々、要するに、現状の中のことではその上に行かないんですよ。

 恐らく規模ですとか設備についての情報はもう入っていらっしゃるというふうに思ってお聞きするんですけれども、現状として、東京が、世界第三位の経済規模を持っているこの日本を代表する東京ビッグサイトですら、世界でいえば六十何番目などという本当に恥ずかしい状況なんですよ、どこが運営する、しないは別としても。だから、そういう意味では、今言った施策を実行する土俵が実は世界から見ると見劣りするものだというのが日本の現状だというふうに思うんですよ。

 だから、今見劣りしているものを何とかしようというソフトだとか政策というのは理解はできます。だけれども、もう一歩進んで、ハードの部分の中でこれからどう展開をしていくかということなんですよ。だから、何で国を挙げてやっている国があるかということなんですよ。

 確かに、地方自治体がコンベンションホール事業に乗り出すこともあるでしょう。だけれども、残念ながら、地方の自治体でやったのでは、それは限定的でしかない。だから、結局、宝の持ち腐れという事例が多過ぎるんですよ。

 ということは、やはり地方自治体も含めて日本全体でコンベンションホールの戦略をもう一度練り直しながら、アジアの位置づけとか世界の位置づけとか、これは、ほったらかしにしておいたら、本当に中国なりなんなりにとられちゃいますよ。要するに、開催しないということになります。開催しなかったらどれだけ経済的な損失になるかというのは、これは大きいですよ。

 だから、もう一度そこの戦略を見直ししながら、認識を新たにして、この事業をどうやっていくんだということをぜひ厳しく受けとめていただきたいなというふうに思うんですね。

 特に、クール・ジャパンの戦略促進だって、新たに十億円かけてやるわけでしょう。日本をこれから世界に売り出すわけですが、その売り出す土俵が今見劣りする状況なんですよ。この現状を踏まえて、世界ではこういう形、国を挙げてやっているんですよという現状を踏まえた中で、経済産業省として、日本の産業の守護神として、どう捉えていくかということをぜひお考えいただきたいということなんですね。

 ちょっとそこら辺のところで御答弁いただければと思います。

永塚政府参考人 御答弁申し上げます。

 今御指摘のありましたように、日本の展示会市場は、現在、日本展示会協会の展示会場の面積の世界ランキングでいいますと、日本最大の東京ビッグサイトでも、八万平米ございますけれども六十八番目ということで、一位のドイツのハノーバー、四十七万平米に比べまして大変小さい面積にとどまっているということでございます。また、最近では、中国などアジアの新興国も展示会事業につきまして大変熱心に取り組んでいるというのは、委員の御指摘のとおりだと思っております。

 私どもは、こうした認識を強く持ちまして、実は、展示会市場あるいは展示会産業の重要な要素といたしまして、展示会産業そのものの透明性、信頼性をしっかりと示すことができなければ、来場者数がどれぐらいあるのかといったことを一つの目安として海外から出展が来るわけでございますので、今申し上げました透明性だとか信頼性、特に、来場者数が本当にどれぐらいあるのかとか、こういったところにつきまして、公的な、あるいは信頼性の置けるデータをしっかりと提供することが展示会産業の活性化には大変重要だと考えます。

 そして、平成二十四年の四月から、この展示会産業の統計にかかわります第三者認証制度というものを立ち上げたばかりでございます。これによりまして、正しい数字あるいは透明性のある運営方法を提供することによりまして、展示会産業の信頼性を向上し、これを通じて展示会の誘致につながるものだというふうに考えてございます。

 もう一つの課題は、海外の事業を持ってくる、あるいはそのような展示会を企画できる人材が非常に重要だと思っております。

 この人材を確保しないと、幾ら箱物がありましても充実した展示会が運営できないということでございますので、現在、経済産業省におきましては、この人材育成のための施策、これがどうあるべきかということを真剣に検討させていただいているところでございます。

 引き続き、御指導いただきながらしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

笹川分科員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。ぜひ、地域の、地方の社会資本である有機的なネットワークも含めて考えていただきたいと思います。

 大臣、いきなり恐縮ですけれども、今のをお聞きいただいて、ぜひ、コンベンションホール、いわゆるハードの整備なんですけれども、もし所見があればちょっとお聞かせください。安倍総理も答弁いただいて、大変ありがたかったんです。

茂木国務大臣 ドイツ等々と比べると、コンベンション施設、そしてまたそれにかかわるシステム、日本はまだまだおくれをとっている、こんなふうに思っています。

 そして、クール・ジャパンも、まずは日本のよさを海外で知ってもらう。第二段階は、日本のコンテンツであったりとかファッションであったりとか食であったりとか、そういったものを海外で販売する、サービスも含めて。そして、最終的には、それを買っていただいた方、やはり日本っていいなと思って、日本をビジットしてもらう。このビジットする一つのきっかけとして、さまざまなテーマでのコンベンションを行うということは極めて重要でありまして、その機能を強化していく必要があると考えております。

笹川分科員 ありがとうございました。

 それでは、続いてですが、地方におけるガソリンスタンドであります。

 これは、年々減少の一途であります。それと、実は中山間地等々でも、ガソリンスタンドがあるなしというのは死活問題であります。特に、我が群馬県の場合、公共交通が脆弱な地域もあるということになりますと、そこに生活する人にとっては欠かせない足ということであります。その足を動かすガソリンスタンドが撤退しているという状況でありますので、非常に厳しいという声が上がっております。その対策についての御所見。

 もう一つは、東日本大震災の中で、大臣のすぐ隣でありますけれども、我が地域は本当にガソリンの供給が不足をいたしました。車半分にするだけでも五時間も六時間も並ばないとだめだということが長期間にわたって続きまして、病院に行くにも行けない、薬をもらいにも行けない、そういうような深刻な状況にもなったわけでありますので、そういう意味では、安定的に、災害が起きたときにガソリンの供給体制というものをぜひ維持していただきたいということであります。

 ただ、東日本のときの要因とすると、やはり、東京湾側の製油所に被害が出た。それからまた、高崎まで貨車で運んできたので、そこから先に運ぶタンクローリー車がなかった。それからもう一つは、実はスタンドの構造的な問題ではありますが、今、無人のスタンド、いわゆるセルフのスタンドがふえているということで、やはり職員がいない、確保ができなかったということです。実は、セルフスタンドを四、五軒開く能力があったとしても、職員がいないから、結局、四、五軒分の職員を集めて一カ所しか開けなかったという現状。何で職員が要るかといったら、それは、長蛇の列で並んでいるから、交通整理をしなきゃならない。実は、そういうことがあったんです。

 そのことも踏まえて、現況の対策と、それから災害対策についての御所見をお聞かせください。

安藤政府参考人 お答えさせていただきます。

 今、委員からの御指摘が二点あったと思います。SSの減少、とりわけ過疎地対策をどうするのかということと、災害時における安定供給をどうしていくのかという点でございます。

 まず、前者につきましては、委員御指摘のとおり、平成六年度が日本のSSの大体ピークでございました。六万軒あったものが、全体で三万七千軒になっております。群馬県におきましても、千四百軒のSSが、現在約九百軒程度ということになっておる次第でございます。価格競争の激化や石油製品需要の減少といった厳しい経営環境にあるというのが私どもの認識でございます。

 そういったことから、SSの過疎地問題、大変深刻な課題だと認識をしております。全国で、過疎地と大体考えられるものが約二百六十圏、群馬県におきましても、五町村が一市町村内のSS数が三カ所以下であるということで認識をさせていただいております。

 こういった中におきまして、改正消防法令に基づく地下タンクの改修事業、これがまた追い打ちをかけるのではないかという御懸念があるのは御案内のとおりでございます。こういったものに対します改修工事の御支援の施策、あるいは供給不安地域におきますとりわけ灯油ローリーの導入支援といったような話、それと、地域一体となってSSを支えていただけるような体制の御支援、こういったことをさせていただいております。

 特に、地域のいろいろな機能とあわせまして、地域政策全体としてこれを支えていただけるようなことで、今、各省庁とも調整をさせていただいておりますので、またぜひ御指導をいただきたいと思います。

 また、災害時におきます対策でございます。

 群馬県の皆様方におきましても、とりわけ震災から一週間後ぐらいが行列のピークでございました。三週間ぐらいで大体行列が解消したという認識でございますけれども、この間、直接の被災地の皆様方に対して最優先で供給をさせていただくということで、群馬県の皆様方には大変御迷惑をおかけした次第でございます。

 こういった反省に鑑みまして、平時から具体的に、どういう拠点にどういった形で石油を供給させていただくのか、元売の皆様方に、今、法律に基づきます計画を御提出していただいた次第でございます。

 また、中核SSということで、災害時において最優先で供給をしていただく、こういったところの整備を進めさせていただいています。今、群馬県におきましても五十程度整備をさせていただいております。

 こういったところにおきまして、災害時を現実に想定した対策をとらせていただきたい、かように考えております。

笹川分科員 ありがとうございました。

 ルールづくりも含めて、ぜひ、災害の対策強化をしていただきたいと思いますし、スタンドの行く末も支えていただきたいというふうに思います。

 続いて、地熱資源開発なんですが、これについてはちょっと要望だけにしておきます。

 いずれにしても、これは新規で、七十五億円というような形でありますが、我々群馬県についても、温泉地等々抱えておりますので、正直申し上げて、その地域にとっては、この事業そのものについての認識、理解度がまだ非常に低いということであります。やはり、地元の理解なくして、新しい、地熱も含めての再生可能エネルギーの普及というのは難しいというふうに思いますので、ぜひ丁寧に、理解が深まるように、これからの施策をしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。

 続いて、神流川の揚水式水力発電所の活用についてでございます。

 いずれにしても、神流川の発電所につきましては、これは世界でも最大級の揚水式の水力発電所で、日本の電力事情を支える大きな役割を担っている、今後とも担うべきだというふうに私は思っております。

 これが、実は原子力発電所との関連もありますので、今後、揚水式の水力発電所の活用と事業展開についてどういう御所見をお持ちなのか、時間が余りないので、端的にお願いします。

後藤政府参考人 お答え申し上げます。

 揚水発電所というものは、電力の安定供給のために、電力需要のピークのときに電気を供給するということで、極めて重要な電源だと思ってございます。

 私どもが今やっております電力需給検証小委員会におきましても、二〇一三年度の夏季の電力需給見通しについて審議をしているところでございますけれども、夏のピーク対策としまして、揚水発電所が全国で約二千万キロワット、全供給力の一二%程度、東京電力管内におきましても九百万キロワット、約一五%程度というふうに想定しておりまして、大変重要な電源だというふうに認識しております。

 今後の電力需給、特に夏のピーク対策のためには、この揚水発電を最大限活用していきたいというふうに感じているところでございます。

 以上でございます。

笹川分科員 ありがとうございました。

 地元にとっても関心の高い問題でありますので、ぜひ有効に活用していただきたいというふうに思っています。特に、私なんかは、ちょっと私見でございますけれども、ロシアに非常にいい石炭があるということでありますので、新潟港を使った中で、優秀な火力発電所も今試運転に入ったということでありますので、そういうことも含めながら、ベストミックスの中で、揚水式の水力発電所をぜひ御活用いただきたいと思います。

 最後になりますが、自動車関連税制については、ことし、大変、私も議論の渦中にいましたけれども、いよいよ予算が上がりまして、もう間もなく、また夏の陣が開始されると思います。

 大臣、これは地方財源にもまことに影響のある課題でもありますが、日本の経済を支えるまさに柱の産業でありますので、その行く末も含めて、自動車関連税制の改正というのは大切な要素だと思いますので、ぜひ御所見をお聞かせいただきたいというふうに思います。

茂木国務大臣 自動車産業は、我が国にとりましてまさにリーディングインダストリー、ただ、ここ数年といいますか、長いスパンで国内市場が縮小傾向にありまして、これを活性化させることは極めて重要だと思っております。

 平成二十五年度の税制改正大綱におきまして、自動車取得税の二段階での廃止や自動車重量税の一層のグリーン化などが決定されたことは、新政権が掲げる、強い経済を実現するといった決意を示したものだと思っております。

 一方で、先週の金曜日、TPPに関連します日米間の事前協議、合意をいたしまして、米国の自動車関税につきましては、もともと日本の方はゼロなんですけれども、関税撤廃。関税撤廃についてはアメリカも合意いたしましたが、最大限後ろ倒しになった。それに対して、日本の自動車業界、極めて大局的な判断から、前向きなコメントもしていただきました。

 こういった内外の情勢も踏まえて、平成二十六年度、来年度の税制改正におきまして、消費税率八%引き上げ時点での自動車取得税の引き下げのあり方、さらには、自動車産業やユーザーにとって負担軽減につながるような自動車重量税のグリーン化というのはどうあるべきか、こういったことをきちんと議論して、最善の対応をとっていきたい、このように考えております。

笹川分科員 大臣には、ぜひ、本当にベストな、また最善の道を、御議論の上、決定いただきたいというふうに思います。自動車業界にとっても明るい光を差していただきたいということを要望させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

牧原主査代理 これにて笹川博義君の質疑は終了いたしました。

 次に、濱村進君。

濱村分科員 公明党の新人議員、濱村進でございます。

 私は、比例近畿ブロックでの選出でありまして、兵庫県を中心に活動しております。議員になる前は野村総合研究所で勤めておりまして、企業や官公庁を相手に、ITを利活用してビジネスをどうしかけるのかというお手伝いをさせていただいておりました。

 本日は、予算委員会の分科会で質問する機会を与えていただきまして、私にこのような機会を下さった全ての皆様に感謝を申し上げたいと思います。

 本日は、今後、日本をどういった産業構造の国にするのか、また、イノベーションに最も適した国とはどういう国づくりなのかということをテーマに質問をさせていただきたいと思いますので、三十分間、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず、大臣にお伺いさせてください。

 日本における経済環境は、長い不況のトンネルから、ようやく光明が見え始めているというところであるとの認識でございます。これも、安倍総理を中心とした政府の皆様の御尽力であると認識しておりますけれども、これに対しては、心から敬意を表するものでございます。一方では、まだまだ経済再建は緒についたばかりでありますし、本当の意味での勝負なのはこれからの成長戦略であるというふうに政府の方々もおっしゃっているわけでございます。

 この成長戦略を論じる前に、日本経済を取り巻く環境と現状の課題認識をどう分析しておられるのか、確認をさせてください。

茂木国務大臣 新しい自公政権、発足をいたしましてちょうど三カ月半がたつところでありますけれども、経済指標、さまざまなものを見ましても、上向いております。例えば株価、大幅に上昇しておりますし、過剰であった円高も大きく是正されつつあります。衆議院が解散になりましたのが昨年の十一月の半ばでありますから、それから四カ月がたったと。こういう状況の中で株価の方は五割以上上昇して、リーマン・ショック以前の段階まで戻ってきたというところであります。

 デフレ脱却に向けた期待が高まる中で、自動車など一部の企業の投資にも火がつきつつあります。この中で、さまざまな産業で賃金の引き上げの動きがありまして、春の賃上げにつきましては、主要な自動車メーカー、これにつきましては満額回答、こういったことで、低迷してきた個人所得も増加傾向、こういったものが見えてきております。

 ただ、こういった足元の投資であったりとか消費の拡大、これはまだ一部にとどまっておりまして、これを持続的な個人消費の拡大であったりとか民需主導の投資拡大につなげていく、このことが極めて重要だと思っております。

 三本の矢、大胆な金融緩和、そして機動的な財政運営、三本目、民間の投資を引き出す成長戦略、特にこれから、民間の投資を引き出す成長戦略が重要になってくる、このように考えております。

濱村分科員 ありがとうございます。

 本当に大臣のおっしゃったとおりで、民間主導でしっかりと経済を成長戦略に乗せていくということが大事であるという、私も同じ認識に立っておるわけでございます。

 続きまして、成長戦略を策定するに当たって、産業競争力会議の役割は非常に重大であるというふうに認識しております。

 大臣は産業競争力会議の副議長でもいらっしゃいますけれども、会議において行われている議論について教えていただければというふうに思いますし、また、その議論を大臣としてどう捉えていらっしゃるのか、御所見をお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 安倍新政権になりまして、幾つかの経済に関します会議、復活したり、または新設をいたしました。その一つが、日銀総裁も加わります経済財政諮問会議、これを復活したわけであります。

 同時に、これからの具体的な成長戦略を描いていく、マクロの経済の具体策を出すということで、全閣僚が参加をいたします日本経済再生本部、これを創設いたしました。そして、そのもとに、委員から御指摘をいただきました産業競争力会議、これは、関連する主要な閣僚及び民間の経営者の方、また学識経験者の方、これに加わっていただきまして、さまざまな議論を展開しているところであります。

 例えばこれまでに、エネルギーコストの対策につきまして、電力システムの改革、さらには官民を挙げた低廉なLNGの確保など、抜本的なコスト対策を提示したほか、産業の新陳代謝の促進策について、今後五年間を緊急構造改革期間と位置づけて、産業再編、さらには事業の再構築、起業であったり新規投資を進める政策パッケージ、こういった議論も進めているところであります。

 この産業競争力会議の分野の中では、例えば労働の移動の問題であったりとか、例えばiPS細胞、これの研究は進んでいるんだけれども、事業化がなかなか進まない。そういった中で、今ある規制とか制度をどう変えていくか。こういった議論も行い、実施できるところから実施していこう。競争力会議としては、六月をめどに全体の取りまとめということでありますけれども、六月を待たずに、やれることはすぐに実行するように、こういう総理の指示に基づいて、今、検討、そしてさらなる実施ということを進めているところであります。

    〔牧原主査代理退席、主査着席〕

濱村分科員 ありがとうございます。

 今おっしゃった、新陳代謝を活性化させていくということは非常に大事な点でございます。これは、ある種、今まで経済成長をしてきた中でやり方として成功をしてきた体験というものがあるわけですけれども、そういった部分も発展的に、創造的に壊していく、こういう必要があるのではないかというふうに思います。

 そういう意味では、まだまだこれから深めていかなければいけない部分があるのかなというふうに考えております。

 今議論されていらっしゃる内容は、そういった意味でも、今までの日本の産業構造を大きく転換するようなものには少しまだまだ弱いように感じるわけでございまして、どちらかというと、リスクが少なくて、ある程度成功が予想し得るもの、こういった安定的な発想に基づいていらっしゃるのかなというふうにも考えます。

 もちろん、そういった意味では、不確実性があるものに対してはなかなかコミットするというのは難しいという議論もございますので、非常に難しい御判断かとは思いますけれども、ぜひ、これからの日本を突き動かしていくものとしては、予想でき得るものだけではまだまだ弱いように思うわけでございます。

 そういう意味では、安倍総理がおっしゃっている、日本をイノベーションに最も適した国にしたいというこのお言葉のとおり、ぜひ経産省としても全力で推進していっていただきたいというふうに考えているわけですけれども、経産省としての御見解を確認させてください。

茂木国務大臣 日本をイノベーションに最も適した国にしていく、手法の問題なんですけれども、今の置かれている日本の現状から目指すべき将来の姿、こういったものを描いて、それに到達するベクトルの途中で乗り越えなきゃならないハードル、さらに課題、こういったものを明らかにして、それに必要な技術開発等々に集中的に資源を投入していく、こういったアプローチをとっていきたいと思っております。

 例えば健康の分野。日本は高齢化社会が進んでおります。少子高齢化のさまざまな課題というのが生まれてきている。そういった中で、目標として、健康長寿世界一の国を目指していくという目標を掲げております。そのためには、まずは病気にならない予防医療、ここに圧倒的な力を入れていく。そして、病気になった場合でも、早目にそして完全にそれが治癒する。こういった分野で、恐らく、iPSの細胞研究を事業化につなげていくということが重要になってまいります。

 さらには、病気は治癒したけれども、完全にならなくても、自立ができる、生活支援ロボット、こういった問題も私は出てくるんだろうと思っておりまして、一つ一つの課題を乗り越える中で、新しい成長産業、事業というのも生まれてくる、こんなふうに考えています。

 エネルギーの分野でも、例えば今日本は、七〇年代の石油危機以来の大きな新しいエネルギーの制約に直面をしているわけであります。再生可能エネルギーを大きく伸ばしていく、このことは極めて重要だと考えております。

 ただ、御案内のとおり、太陽光であったりとか、それから風力、当然、自然エネルギーですから毎日天候は変わるわけです、太陽が照ったり照らなかったり、風が吹いたり吹かなかったり。やはり、電源というのは安定をさせていかなきゃならない。このために、蓄電池の技術というのは極めてこれから重要になってまいります。

 今、一兆円と言われる蓄電池の市場、これが電力系統用に、また自動車用に使われるということになりますと、二〇二〇年には二十倍の二十兆円市場ということになってまいります。我が国のすぐれた技術、世界最高の技術というのをさらに磨き上げることによって、この二十兆円市場の半分ぐらいは日本がとっていく、こういった高い目標も掲げて、今取り組みを行っております。

濱村分科員 ありがとうございます。大変具体的にお答えいただきまして、本当に感謝を申し上げる次第でございます。

 今、大臣がおっしゃった、健康の分野で長寿世界一を目指す、これも非常にメッセージ性のあるものかと思いますし、エネルギーの分野、再生可能エネルギー、しっかり見出していくし、蓄電池、これを、一兆円規模の市場を二十兆円にしていく、これも非常に明確なメッセージかと思います。

 どんどん我々自身もこのことについては発信をしていきたいと思いますし、そのための技術革新、その研究費用など、さまざま手当てをしていきながら進めていければなというふうに私自身も感じております。

 また、私自身は、イノベーションを推進していくためには、これは産業界が主役であるというふうに考えております。その産業界に対して経産省の皆様はイノベーション推進のためのかじ取りをしていただきたい、このように思っておるわけでございます。

 そうはいっても、一旦ここで、今議論しているイノベーションというのは一体何なのかということを、少し定義について確認をしておきたいなというふうに思います。

 私は、民間企業時代にイノベーションについてさまざま学んでまいりました。その中で、イノベーションの起こし方を体系的に教えてくれる方がいらっしゃいましたので、少しその方のお話を紹介させていただきたいと思うんです。

 その方が言うには、イノベーションの定義というのは三つありますと。一つ目には、見たこと聞いたことがないアイデアである。そして二つ目に、実行可能であること。そして三つ目には、物議を醸すアイデアであること。要は賛否両論あると。今の現状では、それが、ああ、それいけそうだねというもので統一的な見解を持たれるようでは、そんなにイノベーティブなものではないというような御定義でいらっしゃいます。

 そういった定義にのっとった上で、イノベーションをしっかり理解してひもといていきたい、このように考えております。

 ここでお伺いしたいのが、具体的にどのような施策を通じてイノベーション推進のかじ取りをしておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。

鈴木(英)政府参考人 御答弁申し上げます。

 委員御指摘どおり、イノベーションは民間中心ではございますけれども、リーマン・ショック前のピーク時で民間の研究開発コスト、十三兆八千億ぐらいあったんですが、リーマン・ショックの後、十二兆円台に低迷しておりまして、その低迷がまだ続いております。

 民間企業はなかなかリスクの高いところに投資ができないという問題を抱えておりまして、そういったところについても国としてやはり引き続き支援をしていく必要があると思っておりまして、特に経済産業省では、既に今大臣から御答弁申し上げましたとおりの分野を非常に重点的に考えつつ、我が国の経済社会へのインパクトが大きくて、我が国が世界に勝てる強みを有する、そうした分野における研究開発の推進、さらにその実用化についてまで、支援措置を一気通貫としてやっていきたいというふうに考えております。

 具体的には、今、文部科学省とも共同で未来開拓研究制度というのを昨年度から開始させていただいておりまして、実用化まで長期間を要するようなリスクの大きな革新的技術について、技術開発だけでなくて、将来の国際的な市場を目指す国際標準化、そして人材育成、さらには規制改革など、一体的な推進をしているところでございます。

 二十五年度予算においては、具体的に、炭素繊維などの軽量、高強度な材料の開発、異種材料の接合技術によって燃費を三割以上向上する技術でございますとか、電力消費の過半を占めるモーターの磁石の性能を二倍とすることによってエネルギーの損失を二五%削減するような技術など、七つの技術テーマに取り組むように準備を進めております。

 また、民間企業の研究開発をさらに促進するために、民間企業における研究開発促進税制の拡充をお願いをしていまして、具体的には、平成二十五年度より、総額型の控除上限を法人税額の二〇%から三〇%に引き上げるなどの拡充措置を講じておりまして、引き続き、こうした施策を総合的に講じることによってイノベーションを推進してまいりたいと考えております。

濱村分科員 ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいた内容について、大変熟慮されているものであるというふうに伺って感じておりますが、多少イノベーションの定義からすると、イノベーティブなものであるかというと、少し足りないのかなというふうにも感じておるわけでございます。

 そういう意味では、まず、イノベーションというのは何なのかというのをもう一度学び直していただきたいということを思うわけでございますし、そのために、そのイノベーションを起こすための方法論についてもぜひ学んでいっていただきたいと思いますが、今現在どのように学んでいらっしゃるのか、また、そのイノベーションを起こしていくための専門家という人材育成、これをどのように育てていっているのか、あるいはその必要性についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。

佐藤(ゆ)大臣政務官 濱村委員にお答えいたします。

 まさに産業競争力強化のためには、やはり、イノベーションの方向性ですとか役に立つイノベーションの創出、こういったものが大事になってまいります。そうした目的での人材育成が極めて重要であるというふうに考えるところでございます。

 委員御指摘のイノベーション創出のための人材でございますけれども、すぐれた技術やアイデアをもとに新しいビジネスをつくり出せる、そのような人材も必要と考えるところでございまして、こうした人材は、専門性に加えまして、ある意味、社会や消費者の視点ですとかあるいは経営的思考、こういったものの能力を持ち合わせるということも必要であろうと考えるところでございます。

 こうした人材を育成するために、まず、すぐれた技術等を擁する人材がビジネスに関する多様な経験を重ねることですとか、みずからの専門とは異なる技術分野でも知見を広げていくことができるような環境整備が鍵になってまいると思われます。

 そのために、経済産業省の方では、平成二十五年度より、中長期研究人材交流システム構築事業、一億円の予算でやっておりまして、理系大学の修士課程並びに博士課程の院生の方々を中心に、少なくとも二カ月以上の中長期のインターンシップを企業の研究現場においてやっていただく、それを普及するための取り組みを支援する、そういった事業を考えているところでございます。

 具体的には、大学と企業のコンソーシアム等を設置いたしまして、産業界のニーズに合わせて研究テーマなどをマッチングさせる、そういった枠組みを支援するというような構想でございます。

 また、このほかにも、社会人の学び直しの機会ですとか、そういった機会を創出しまして、理工系の人材、グローバル人材などを養成する取り組みを政府内で検討いたしております。

 これは、文科省ですとか厚生労働省、大学等が中心となって実施する内容ではございますが、経済産業省といたしましても、やはり、経済界の求める人材のスペックというものを明らかにしながら、効果的な取り組みに貢献してまいりたいと考えております。

濱村分科員 ありがとうございます。

 先ほど政務官がおっしゃったとおり、消費者の視点あるいはビジネスにおける経営感覚など、大変に必要なことであるというふうには思います。

 さらにつけ加えさせていただきたいなという視点でいえば、イノベーションを起こす方法については、デザイン思考とか、ちまたではそういう考え方というものがさまざま議論されているわけでございます。こういった知見を生かせるようにしていくためにもぜひ今後も学んでいっていただきたいというふうに思うんですけれども、ぜひ、役人の皆様にこういった学びの場を御提供いただければなというふうに思います。

 一つ私が知っている中でいいますと、スタンフォード大学のdスクール、これはデザインシンキングを学ぶような場でございますけれども、世界各国から優秀な人材が学びに行っているという状況でございます。また、日本においても、東大でiスクール、イノベーションを起こすためのiですけれども、iスクールというものがあったりします。

 こうしたところでさまざまなバックグラウンドを持った人間同士が寄り集まって、そして学び合って、そうする中で肌で実感できる、これが非常に大事なのかなというふうに考えております。イノベーティブな提案をできる若手の方々だけではなくて、それを認めて受け入れる上司の皆様においてもぜひ受講していただきたいというふうに思います。

 ちょっと次の質問に移らさせていただきたいと思います。

 今現在、科学技術・イノベーション推進特別委員会というものがございますけれども、委員長でいらっしゃいます自民党の渡海委員長は、きのうも地元で同じ会合に出席しておりました。この特別委員会は、科学技術におけるイノベーションについて議論するという意味では、非常に重要であるという認識でございます。

 しかしながら、そもそも、イノベーションを起こす範囲というのは科学技術だけではないというふうに申し上げたいんですね。これはどういうことかというと、ビジネスモデルであったり消費者の体験、コンシューマーエクスペリエンスにおいてもイノベーションが起こせるというふうに思うわけでございます。

 そういった例としまして、デルコンピューターが挙げられるのかなというふうに思います。テクノロジーの分野では一切イノベーションを起こしていないんですね。しかしながらこの会社は、消費者であるお客さんがデルのサイトで直接パソコンをカスタマイズして発注できる。その上で、クレジットカードで決済して、その注文に応じた製品をつくって発送するというような仕組みでございます。

 つまり、消費者は、ネットでカスタマイズして注文できるというコンシューマーエクスペリエンスでイノベーションを起こしていますし、ビジネスモデルという意味でも、クレジットカードで先にお金が入ってくるわけです。その後で製品をつくればいい、それで発送すればいいというわけで、非常に経営的にも安定するモデルであるわけでございます。

 こういった意味においては科学技術以外の範囲でイノベーションは起こせるということで、この観点に立てば、ぜひこのイノベーションを起こす主役は産業界であるという発信をどんどんしていっていただきたいと思いますし、経産省の皆様に、ぜひそのための雰囲気づくりを醸成していっていただきたいなというふうにお願い申し上げるわけでございます。

 景気が上向いてきている今であるからこそ、産業界に大臣から明確に発信していただいて、イノベーションを起こすための人材育成について推進していただきたい、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 イノベーション、委員御指摘のように、余り狭く技術革新と捉えない方がいいと私も思っております。ビジネスモデルそのものを対消費者との関係でも変えていくということもあると思いますし、例えば、有史以来、人間というのは物々交換を行ってきたわけですね。それが、貨幣制度が入ってきた、これはイノベーションですよ。さらに言うと、それがカード決済になる、こういったものもイノベーションなんだと思います。

 ただ、それに伴って、例えば磁気媒体を読み込む技術であったりとか、やはり附属する技術開発、こういったものが私は重要になってくると思っております。

 例えば人間、画像を残すためにどうしてきたかと。かつては洞窟に壁画を描いたわけであります、牛であったりとか馬であったり。それが、ある時代から紙が発明されまして、パピルス、紙に画像を残すようになった。そして写真というものが生まれて、それが明確な形として写される。

 そして今はデジカメといった形で、恐らくエレキの分野でまだ日本が大きな市場を持っている一つがこのデジカメだと思うんですけれども、内部を見てみますと、CCDというプロセスがあります。これは画素を細かくする技術なんですね、画素を細かくすることによって写真そのものが鮮明になる。こういった部分をブラックボックスにすることによって、それ以外の部分というのはオープン化をして外注もする。それでも収益が上がるような構造をつくっている。

 さまざまなやり方というのはあるんだと思いますけれども、一つはまずは、細かい技術、狭い技術でイノベーションというものを見ない、その一方で、広い中で本当に核になるようなシステムは何なのか、技術は何なのか、こういったことも同時に考えていくということは極めて重要だと思っております。

濱村分科員 ありがとうございます。

 狭く捉えないというものとともに、核が何なのかをしっかり明確にしながら進めていく必要があるという意味では、本当に大臣の深い御見識を感じさせていただきました。ありがとうございます。

 少し時間がなくなってまいりましたので、最後の質問とさせていただきます。

 成長戦略を策定するに当たって、今後の日本の産業構造をしっかりと御定義、あるいはメッセージとして発信していただきたいというふうに思うわけでございます。今現在、アベノミクスとか三本の矢というような、国民の皆様がそのフレーズを知っているというような状況でございますけれども、成長戦略においても、そういったわかりやすいフレーズでどんと国民の皆様に訴えていっていただきたいなというふうに思います。

 そういった中で、これまでの日本においては、加工貿易を行ってものづくりをしてものづくり大国となってきたわけでございます。しかしながら、このモデルというのは今は非常に厳しい状況にあるのかなというふうに私自身は感じております。

 自動車とか家電とかそういったメーカー、技術的には中国、韓国といったところにほぼほぼ追いつかれております。そしてまた、私の家の例で非常に恐縮ですけれども、私の家にあるテレビのうちの一つは韓国製品でございます。韓国製品なんですけれども、ブランドだけが韓国製であって、その部品は全て日本製なんですね。今こういうことが起きているわけでございます。

 非常に人件費の高い日本から人件費の安い国々において組み立ては移管する、そういうところにおいては、非常に勝負できなくなってきているところなのかなというふうに感じているわけでございます。

 今後の日本が目指すべき国家像として、付加価値の高い産業国家を目指すべきであるというふうに感じておるわけでございますけれども、大臣の御所見をお伺いさせてください。

茂木国務大臣 新しい日本経済の姿、先ほど、例えば健康長寿世界一とかいう新しいフロンティア、それに向けて、ハードルとなる課題であったりとか技術開発を行っていく、こういう話を申し上げました。

 もう一つ大切なのは、やはり、日本の産業構造の新陳代謝を進める、新しいビジネスをつくっていくということだと思っております。

 そして三つ目、委員御指摘いただいた加工貿易立国、こういったことと関連しますと、これからも日本は、製造業であったりとかサービス産業を強くして、この貿易立国としての立場は堅持していきたいと思っています。

 しかし、同時に今、サプライチェーンが国際化をしていく。そして、これから日本としてクール・ジャパンの戦略を打ち出す、さらにはインフラ・システム輸出も図っていく。まさに海外に対して投資をする。そして、その収益を国内に還元して、それがまた国内での特に基幹部門の投資につながっていく。産業投資立国、こういったもう一つの足場、これもつくっていきたい。

 貿易立国プラス産業投資立国、こういった双発型のエンジンを持っている新しい日本経済、これをつくっていきたいと考えております。

濱村分科員 ありがとうございます。

 産業投資立国、非常にいいことかと私自身思っております。日本の自国での市場というところは非常にもう限界が来ているというのもありますので、世界市場で稼がなければいけないというふうに私自身も思いますので、ぜひ双発型のエンジンで行っていただければなというふうに思います。

 いずれにしましても、国の産業発展というのは、政治がはっきりとしたメッセージを出さなければいけないというふうに私自身痛感をしておるわけでございます。

 ぜひ、政府の皆様におかれましても、安倍総理のもと、次の産業構造を明確に提示していただきまして、私自身もお役に立てるように努力することをお誓い申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

 大変にありがとうございました。

小此木主査 これにて濱村進君の質疑は終了いたしました。

 次に、佐々木紀君。

佐々木(紀)分科員 おはようございます。

 自由民主党の佐々木紀と申します。

 このたび、石川二区より初当選をさせていただきました。どうぞよろしくお願いをいたします。

 早速質疑の方に入らせていただきたいというふうに思います。

 我が石川県は大変ものづくりが盛んなところでございまして、特に伝統工芸品というものが多くございます。例えば九谷焼ですとか山中漆器とか、私の選挙区にも大変多うございます。

 特に、私の出身地であります能美市では、ウルトラなまちづくりと称して、地元の九谷焼とウルトラマンを組み合わせて、コラボレーションさせて作品をつくって、それを売り出していこうということをやっております。たまたま私のおじが「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」の脚本家であったという御縁もありまして、地元の九谷焼の技法を使って新しい伝統工芸品を創作して、それを販売していこうという試みであります。また、山中漆器の技法を使って新しいテーブルウエアをつくって、それをヨーロッパ市場に売っていこうというような試みもあります。

 このように伝統工芸品を扱う企業は、ほとんどが中小零細、小規模企業であると言っても過言ではないかなというふうに思っております。伝統工芸品を守っていくという意味でも、中小企業施策は大変重要ではないかなというふうに考えております。

 地方の強みを生かしながら、創意工夫で新しい商品、サービスを生み出していく中小企業、小規模事業者こそが日本の経済成長の源泉である。強い国づくりは強いふるさとづくりから。国内企業の九九・七%、全雇用数の約七割を占める中小企業、小規模事業者は、地域の雇用を生み出し、地域を支え、地域の魅力を発信する役割も担っているというふうに考えております。

 我が国が今後も持続的な成長を遂げていく上で、この中小企業をいかに支えていくかということが大変重要ではないかなというふうに思っております。そういう意味で、持続的な成長を遂げるために中小企業施策をどのように扱っていくかということに関しまして、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。

茂木国務大臣 ウルトラマン、石川で頑張っていらっしゃるということなんですけれども、もともとこれは、円谷プロが福島県の須賀川の出身ということでありまして、そこから生み出されたものであります。また、こういった地域地域のよさというのが全国レベルで連携して、経済の底上げを図っていければいいなと私は思っております。

 そして、森喜朗元総理、私もいろいろ御指導いただいてまいりましたが、地元のこと、そして地域の企業のことを本当に大切にされる、丁寧な仕事をされる大先輩だったな、そんなふうに思っているところであります。

 全国には、御指摘のように、四百二十万の中小企業、小規模事業者が存在いたします。まさに地域の経済を支える、そして雇用を支える、こういう重要な立場でありますし、特に全国三百六十六万の小規模事業者の活力、こういったものを引き出すことが日本経済の再生には不可欠だと考えております。

 このため、平成二十四年度の補正予算、十兆円を超える予算でありましたが、経済産業省としては、過去最大規模の一兆二千億を確保いたしました。一兆二千億の予算の内訳を見てみると、実に五千四百億、半分近くが中小企業予算、こういうことになっております。

 例えば、どういうことをしているか。町工場に埋もれているすぐれた技術に光を当てたい。そこで、そういった技術を使ってビジネスを始める、商品化するということになると、まず試作品をつくらなきゃなりません。この試作品づくりは、業種によって違うんですけれども、相当の資金が必要であります。この試作品づくりを応援していこうということで、一千七億円を計上いたしまして、全国約一万社の中小企業、町工場の試作品づくり、こういったことを応援していきたいと考えております。

 同時に、資金面の対策、こういったことも必要だと考えておりまして、セーフティーネット貸し付け等によります十兆円を超える資金繰り支援、また認定支援機関を活用した経営改善計画の策定支援事業、こういったことを実施いたしております。

 地域が元気になって、そして地域を支える中小企業、小規模事業者が元気になって、本当の意味で日本の元気が出る、こういった思いでこれからの対策にも取り組んでいきたいと思っております。

佐々木(紀)分科員 どうもありがとうございます。

 大変心強い御支援かなというふうに思います。中小企業は、工夫をしてどうにかして生き延び、そしてまた大きくなっていこうとしております。そういう中で、今ほど御答弁いただきました、ものづくりに対する支援とか、試作品をつくっていく、そういうものに関して、多くの中小企業がそれを取り入れて成長していっていただきたいなというふうに考えております。

 今ほども、中小企業の対策に対して大変大きな予算をつけていただいたということで、あらゆる支援事業があろうかというふうに思いますけれども、幾ら中小企業施策をあまた打っても、周知しないとなかなかそれを活用してもらえないということではないかなと思います。そこで、どのように中小企業施策を広報していくかということに関しまして、政府の御見解を聞かせていただきたいと思います。

菅原副大臣 佐々木委員におかれましては、地元のJCの理事長として全国を回ってこられた、そういう意味では、中小企業、小規模事業者の活動に大変造詣が深いと思っております。また、「ウルトラマン」の脚本家のおいっ子さんに当たられるわけですね。したがって、答弁は三分以内でしたいなと思っております。

 今お話しのとおり、中小企業、小規模事業者にさまざまな施策を我が省、中企庁としても打っておりますが、どうしても、事業規模が小さければ小さいほど、いわばそういう情報が届きにくいという現況もあろうかと思います。したがいまして、窓口においては、これまでも取り組みを進めてきましたが、わかりやすい言葉で、特に初めて施策を利用するような方に、その立場に立った相談を心がけるように努めてまいりました。

 具体的には、商工会、商工会議所、あるいは商店街振興組合、こうした全国四千七百の支援機関に加えまして、このたび、御案内のとおり、中小企業金融円滑化法が期限切れを迎えました、そうした中で、六千七百のいわゆる認定支援機関を設置いたしまして、そこに対して、今まで以上の広報をするように指導いたしております。とりわけ、ホームページによる周知やメールマガジンの配信、あるいはパンフレットの配布、こうしたことについても力を注いでいきたい、このように考えております。

佐々木(紀)分科員 ありがとうございます。

 私も簡潔に質問をしていきたいと思います。

 今ほど御答弁をいただきました中で、認定支援機関の制度のことがあったかと思いますけれども、私は、この認定支援機関を大いに活用していくべきじゃないかなというふうに考えております。

 私の経営者の経験から申し上げますと、中小企業の経営者の方は孤独ではないかなというふうに思っております。社長自身が現場に出ていて、なかなかデスクワークをする時間がない企業も多いかと思いますし、ホームページにアクセスする時間も惜しいというような経営者も多いのではないかなというふうに思います。

 できれば、経営者の身近にいて、気軽に相談できて、その相談した方から、こういう施策を使ってみたらどうだ、こういう支援事業を活用してみたらどうだというやりとりができれば、中小企業の経営者の方は大変助かるのではないかなというふうに思っております。

 このほど、認定支援機関として顧問税理士や日ごろ使っている取引銀行なんかを指定してサポート体制をつくっていくという、今ほども金融円滑化法の対策の一部でもあるというふうに伺ってはおりますけれども、認定支援機関の認定の現状と活用等について、政府の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

守本政府参考人 お答え申し上げます。

 認定支援機関につきましては、中小企業経営力強化支援法に基づいて、一定レベル以上の税務及び金融等の知識あるいは中小企業の支援の実務経験を有する者として、御指摘のとおり、現在、税理士、弁護士、それから地銀、信金を中心とします金融機関等、約六千七百の支援機関が認定を受けてございます。

 こうした認定支援機関には、現在、大きく分けて二つのお仕事を担っていただいてございます。

 一点目は、中小企業、小規模事業者に対しまして、経営改善計画の策定を支援し、あるいはその実行のフォローアップをしていただくというものでございます。

 二点目は、先ほど大臣からも言及がございました、ものづくり補助金といった各種の支援策に対しまして中小企業、小規模事業者が申請する際に、計画策定、あるいはその後の実行支援をお手伝いしていただくということでございます。

 こうした役割をしっかりとやっていただこうということで、全国八十カ所、三千機関ぐらいを対象に、既に認定支援機関を対象にしました研修を実施させていただいております。

 また、この制度は新しい制度でございますので、周知が重要ということでございます。商工会、商工会議所といったルートに加えまして、認定支援機関自身に施策のPRを担っていただこうということでさまざまお願いをしていますし、またホームページ等も活用していくということでございます。

 引き続き、こうした支援機関にかかわる仕組み、あるいは周知、こういったものを通じまして、その機能の円滑な発揮というものができるように努めてまいりたいと思います。

佐々木(紀)分科員 ありがとうございます。

 これまでも多くの支援施策があったかと思うんですけれども、それを活用するに至るまでの働きかけというかアプローチが、経営者側からのアプローチだけではなく、できればその施策をつくっている方からも歩み寄って提案していくような形であれば、より活用しやすいと思いますので、そういう意味で、認定支援機関の方の活躍といいますか、活用を期待するものであります。ぜひ周知をしていただきたいなというふうに思います。

 今ほどは広報についてお伺いをさせていただきましたけれども、次に、施策の中身、仕組みについてもちょっとお伺いをしたいというふうに思います。

 今、アベノミクスということで、大変株価も上がって、経営環境もすごくよくなってきて、中小企業の経営者の方も、さあ、これから、ことしこそは会社を大きくしていこうというようなマインドになっているのではないかなと思います。

 今までですと、後継者もいないし、これ以上会社を続けていても景気もよくならないし、どっちかというと廃業の方向で考えようかなというような、マイナスのマインドを持たれた経営者の方も多かったのではないかなというふうに思うんですけれども、このたび、安倍政権のもと、大変大胆な金融政策であるとか財政政策等を進めたおかげでマインドが上がっている、経営者も、この機会を逃すと、もうこれからはないぐらいの、本当にこれが最後ではないかというふうに思っております。

 中小企業施策というのは、大きくたくさんの支援をするということではなくて、少しでもいいですので、薄く広く、事業の数%でも支援をしていただけることで、経営者の方は新たな事業とかに飛び込んでいきやすくなるものではないかなというふうに思います。そういう意味で、経営者のこれからやっていこうというマインドを、ちょこっと背中を押してあげるような施策がすごく大事なのではないかなというふうに思っております。

 その中で、申請書類の簡素化ですとか、書類をたくさん書かなきゃならぬと思うと、申請することをちゅうちょしてしまうような経営者も多いわけですから、そういう意味で、気軽に申請できたり、あるいは広く多くの方に打てるような施策、そういうような施策の内容も重要ではないかなというふうに考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。

守本政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業、小規模事業者の皆さんの活力を引き出すような仕組みづくりが非常に重要であるというふうに認識してございます。

 委員御指摘のとおりでございますが、中小企業、小規模事業者の皆さんが補助金を申請しやすくなるように、補助金規模の小口化、あるいは申請書類の簡素化を行っているところでございます。

 例えば、ものづくり補助金でございますけれども、これは、補助金の上限額を一千万という形で小口化してございます。また、大臣からの御指示もございまして、申請者の提出書類は通常十五ページ以上あるところですけれども、今回は六ページということで大幅に簡素化をさせていただいてございます。

 これからも、できる限り多くの中小企業、小規模事業者の皆様が申請いただけるような仕組みをつくってまいりたいという所存でございます。

佐々木(紀)分科員 ありがとうございます。

 正直、私も、当選前までは中小企業の経営をしておりまして、もし選挙の時期がおくれていたら、今ごろは、会社をさらにもう一個つくって事業を大きくしていこうというマインドになっていたのではないかなというふうに思います。

 今はこういう立場をいただいたものですから、今まで一緒に頑張ってきた経営者の仲間にぜひこの施策をPRして、多く使っていただいて、仲間が、地域の人々が会社を大きくしていくのを応援できればいいなというふうに思っています。今ほど御答弁いただきました内容で、ぜひ中小企業の応援をしていただけたらなというふうに思っております。

 少し話題をかえまして、中小企業の海外進出につきましてちょっと質疑をさせていただきたいと思います。

 今、物が販売ですと、どうしても国内市場が頭打ちになっているとか、あの手この手を使ってもなかなか国内では販売を伸ばせないという企業がいる中で、特に伝統工芸品の分野においては、海外にその魅力を発信していこうというような動きもございます。そこで、成長を続ける海外市場で、日本の中小企業がつくっている産品を販売していくに当たっての支援策についてはいかがでしょうか。

菅原副大臣 委員の御地元のものづくり、伝統工芸品を初め、日本海側の各県の中小・小規模事業者においては、特にアジアとも近うございます、そういう意味で、国内の需要もしっかり高めていかなければならないけれども、やはり販路を外に向けていくということも極めて重要だと考えております。とりわけ、アジアはこれから中国、インド等も含めますと四十億のマーケットになるわけでありまして、そうした需要の取り込みが我が国の成長に大きく寄与することは間違いないわけでございます。

 そういった意味で、中小企業が海外展開をする場合の支援策といたしまして、平成二十五年度予算では、今審議中でございますが、中小企業、小規模事業者の海外展開支援のため、ジェトロ及び中小企業基盤整備機構、そして経産省が力を合わせまして、海外展開計画の実現可能性調査の支援、あるいは国内外約二十カ所で展示会を開催し、そこには全国から四百社の出展を見込んでおりまして、そういった個別の案件の相談体制の強化や、あるいは海外のバイヤーとの商談機会を提供する、こういったメニューを取りそろえているわけでございます。

 とりわけ、海外ですと、どうしても相手の国の法律あるいは商慣習、為替のリスク、あるいは資金の回収等がなかなか難しいというようなこともございます。こういうリスクも含めて、官民が連携して、海外展開現地支援プラットホームによって現地でのマッチングあるいは拠点の設立をサポートすることによりまして、中小企業、小規模事業者の海外展開を支援していきたい、このように考えております。

佐々木(紀)分科員 ありがとうございます。

 確かに、展示会は商談の機会をつくる上ですごく大切な施策かなというふうに思っております。

 私もかつて、展示会に出品して、商談会をしたこともあります。実際、展示会に行きますと、ショーウインドーもすごくきれいに飾られていて、説明資料なんかも準備していただいて、また通訳もつけていただいたり、大変手とり足とり、商談をスムーズに進めるためのしつらえがそこにしてあります。

 それで、その場で成約ができて、実際に商品を海外に輸出するというところのお手伝いもしてくれるということで、一回目の商談機会は物にできるんですが、なかなか二回目、三回目のオーダーに対応できない。

 一つは、注文をいただいたんだけれども、言語の問題で注文の内容が理解できない、あるいはフレート、輸送の仕方とか決済の仕方がわからないということで、二回目以降になかなか継続的につながっていかないということもあると思います。それはやはり、企業の中に海外貿易にたけた人材がいないというケースも多いかと思いますし、また経営者自身もそういう知識がないということもあろうかと思うんですけれども、その点、人材面に関して何か支援策があればお聞かせください。

菅原副大臣 我が国のものづくりも、例えば、たくみの大変すばらしい製品、商品もあると思います。また、高付加価値をつけ続け、さらにそれを展開していく商品や製品もあると思います。

 いずれにしても、こういった我が国の中小企業、小規模事業者が生み出した商品、製品を海外に売っていく場合、今御指摘があったように、展示会やその他のチャンス、国内あるいは海外でそういったものを開いて、一回目はいいけれども、二回目は自分のところで頑張りなさいというのがこれまでの経緯でございます。当然、自社の努力、経営者や管理者の努力も必要かと思います。しかし、それを公的に支援していくということも委員御指摘のとおりであります。

 そういう意味におきましては、グローバルな視野とスキルを持った人材の育成のために、中小企業の若手従業員など、我が国の若手人材を新興国に派遣いたしまして、インターンシップを通じて、グローバルな舞台で活躍できる人材を育成する事業を昨年度から実施いたしております。昨年は八十六名を十カ国に派遣いたしました。そして本年度は、二十五年度予算にも同様のものを盛り込んでいるところであります。

 一方で、中小機構におきまして、各地で中小企業大学校がございます。その大学校におきまして、海外における契約の実務あるいはプレゼンテーションのやり方、こういった研修や、アジアにおける事業判断のための研修も行っておりますので、御指摘を踏まえまして、こうした施策をより充実するように努めてまいります。

佐々木(紀)分科員 ありがとうございます。

 正直、私の知り合いの会社も、輸出入の貿易をやっている会社が幾つもあるんですけれども、それは、単に技術力だけで商売をしている会社が結構多いんですね。その技術がいいから海外から買っていただける。

 しかし、本来ならば、グローバルな営業マンを育成することで、どんなものでも、ちょっとしたものでも海外に売っていける。そういうものがあれば、日本の国内市場だけじゃなくて海外市場まで視野に入れた営業展開ができるということになれば、中小企業もかなり活路が開けるのではないかなというふうに思いますので、国内市場に限って販売をしているような中小企業でもぜひそういう人材育成のプログラムを使って、海外市場にも活路を見出すような方法も、これから成長していくためにはすごく重要ではないかなというふうに思いました。

 それで、私の方から御提案があるんですけれども、確かに人材を育てていくということは時間がかかるわけで、中小企業、小規模事業者の中には、そういう時間もない、今あるものをすぐにでも海外に売っていきたいというような思いもあろうかと思います。

 確かに、人材を採る余裕がないということは、経営努力が足りないということになるのかもしれませんが、展示会のような、本当に手とり足とり教えてあげる、そういう商談機会をつくってあげるようなことも大事でしょうし、あるいは、海外にアンテナショップを国として設けて、そこに日本じゅうの商品を集めて商談機会を常時提供する、あるいは、ホームページ上に日本の各地の商品を集めてそれを情報発信したり、あるいは決済の仕組みも、これはBツーB、事業用のホームページです、今はアマゾンとか楽天とか個人のものはいっぱいあると思うんですけれども、事業用の仕組みをつくるということをしていただくと、中小企業の方もビジネス展開という意味ではすごく助かるのではないかなというふうに思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。

 そのことが、最終的にはジャパン・ブランドを発見したり育成していくことにもつながる。今、クール・ジャパンも同様だと思うんですけれども、そういうクール・ジャパン・ブランドの発掘にもつながっていくのではないかなというふうに思っております。

 これまで、いろいろな中小企業施策についてお伺いをさせていただきました。最後になりますけれども、これまでの中小企業施策にとらわれない、いろいろな次元の施策を次々に打って中小企業を伸ばしていこうということに関して、大臣の決意をお伺いしたいというふうに思います。

茂木国務大臣 大きく三つ、一つは、着実に確保した予算を執行することによって、当面、中小企業を元気にしていかなければならない。補正で五千四百億、そして、ことしの本予算も、昨年の予算を増額させていただきました。こういったきめ細かい対策をとっていく。

 同時に、中小企業それぞれの置かれている立場は違いますから、そういった声をきめ細かく拾っていくということで、前政権のときも“ちいさな企業”未来会議というものを開いておりましたが、それを我々が政権をとりまして“ちいさな企業”成長本部に格上げいたしまして、今、全国各地で中小企業の皆さんにヒアリングを行っています。そういった意見も反映させた施策を展開していきたい。

 そして、これから中小企業基本法も見直しを行います。そこの中に小規模事業者の位置づけを明確にしまして、小規模事業者をどうしていくか、国の施策全体としてしっかりと検討してまいりたいと思っております。

佐々木(紀)分科員 どうもありがとうございました。

 ぜひ種々の中小企業施策を使って、中小企業が大きく成長し、日本が強い経済をとり戻すよう、私も地域で応援をしてまいりたいと思います。

 本当に、本日はありがとうございました。

小此木主査 これにて佐々木紀君の質疑は終了いたしました。

 次に、橋本英教君。

橋本(英)分科員 自民党の橋本英教でございます。私、人生初質問でありまして、地方議員も経ておりません。今、心臓が大変ばくばくいっているところでございます。失礼がありましたら、御勘弁ください。

 私の選挙区は岩手三区というところでありまして、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市、遠野市、一関市。まさに今回、東日本大震災ですっかり津波でやられてしまったところが私のふるさとであります。二年たちましたが、復興はまだ道半ばであります。本当に厳しい現実が横たわっておりまして、それでも前を向いてやっていかなきゃならないというところで今、一生懸命頑張っております。

 きょうは、経済産業省関連の復興関係の補助事業、幾つかございますが、それについて御質問させていただきたいというふうに思っております。

 まず、中小企業基盤整備機構が行っている仮設店舗・仮設工場等整備事業と中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業、この二つについて御質問したいと思っております。

 まず最初に、中小機構が行っております仮設店舗でありますが、御存じのとおり、これは、中小機構がただで仮設店舗、工場をつくって市町村に寄附するという事業で、本当に助かっております。私のふるさとの大船渡にも夢商店街というのがございます。「鶴瓶の家族に乾杯」でも取り上げていただきまして、今、毎週毎週大型バスでお客さんが来て、それで何とか食べているという状況であります。

 この間、役所から資料をいただきましたら、四月五日現在で全国に五百四十八カ所あるということであります。そのうち、完成した場所が五百二十二カ所ということであります。これは本当に地元にとって助かっているのでありますが、実は最近、こういう問題が生じております。

 建てるときに、民間、市有地、いろいろあるんですが、民間の方が貸してもいいよと言ったところに当然建てているわけでありますが、あれから二年たちまして、もう一回そこで商売をやりたいとか、あるいはそこにうちを建て直したいとかいう話になりまして、返してほしいという話が実は出始めております。

 役所の方に聞きましたら、せっかく建てたので有効利用してほしいという話もあるんですが、現場では、やはり返してほしいという声が実は上がっております。当初、市の役人の方々も、ただでくれるので、その後解体する話なんというのは全く想定していないで、助かる、ありがたい話だから受けたということであったのでありますが、現実に今、返してほしいということになっております。

 そこで、実は先日、大船渡の市長さんとお話をしたのでありますが、その解体費用を全く考えていなかったという話になりまして、幾らぐらいかかるんですかというお話をしましたら、大船渡だけで七億かかるそうなんです。大船渡の仮設の店舗、ざっと数えただけで五、六カ所だと思うんですが、それで七億かかる。これの予算措置が全くされていないという現状になっておりまして、これを中小機構に質問しましたところ、一旦上げたものですから市の持ち物です、したがって、市のお金で処分してくださいという話をこの間、役所の方から伺いました。

 しかし、それはそれで理由はわかるのでありますが、市町村はそんなお金がない。多分、これから青森、岩手、宮城、福島でどんどんそういう話が出てくるんだと思います。これについて、どのように予算措置をするつもりがあるのか。あるいは、もうこれは総務省から出ているお金でやってくれという話なのか、あるいは、市長さんの話ですと、復興交付金をこの解体に使わせてもらえばいいというお話もあるんですが、これについて御見解をお伺いいたします。

菅原副大臣 橋本委員は、三・一一の直後に、私、自民党の災害対策本部の物資の供給班の班長をやっておりまして、陸前高田に四月に間に合うように子供たちのランドセルをお持ちしたところ、岩手県の自民党の青年局の役員として一緒に段ボールを学校に運んだあの重さは、今もって被災の重みと受けとめておりまして、あれからもう二年たって、早いものだな、しかし、岩手県でもそうした最も被害の大きいところを選挙区とされておりますので、そういうお気持ちを込めての質問と受けとめております。

 お話がございましたように、民間事業者、特に中小企業、小規模事業者が仮設の施設整備事業を使いまして、こうした工場や店舗を今までつくってきた。そして、一定のかさ上げやさまざまな対策の中で事業を進めてきた。しかし、今お話がありましたように、ある日突然、民間のその土地の所有者が、返還してほしい、こういうお話が幾つかあろうかと思います。

 経産省といたしまして、今御指摘がありましたように、まずは、被災直後でございますから、中小機構によりまして、仮設をとにかくつくるんだ、ふやすんだということで鋭意努力をしてきました。中小機構は、仮設の施設を市町村に無償で当初貸与して、そして互いに協力して管理運営をしてきたところでございます。本来的には、被災者の生活に近い市町村に貸与し、その後一年を経過したところでこれを無償譲渡する、こういう機構と市町村との契約になっているわけでございます。

 したがって、入居事業者の活動状況を踏まえて、市町村が自主的に判断をしていただきたい、こういうふうに考えております。市町村が仮設の施設を撤去すると判断した場合には、その撤去費用については当該の各市町村に御負担をいただくということで御理解をいただきたいわけでございます。

 ただし、橋本委員の御指摘のとおり、市町村においては大きな負担を強いられるケースも出てきております。また、そういう声を我が省も承っております。したがいまして、被災地における復旧復興の状況等を勘案しつつ、仮設施設の活用のあり方について、復興庁あるいは総務省とも連携しながら、この点を検討していきたいと思っております。

橋本(英)分科員 箇所数が箇所数なものですから、いずれこれは問題になると思います。したがって、地方自治体で予算措置しろというのはなかなか厳しいものがあると私は思っておりますので、話が大きくならないうちに何らかの手を打った方がいいのではないかなと思っております。

 さて次に、グループ補助金でありますが、岩手県では、グループ補助金に採択された企業は九十五グループ、千百五十九者であります。これはすごく皆さん助かっておりまして、最初はうまく予算措置ができなかったり採択率が低かったりしたんですが、岩手では大分それが改善されておりまして、今後もこの事業を続けてほしいというお話がございます。

 先日、県庁の方々とも話をしたんですが、まだ、かさ上げをした後にこれに応募したいという企業の方々が結構いらっしゃるというものですから、この事業が二十六年度以降継続されるものかどうか、それを非常に地元の方々は気にしております。

 これは政治がやると言えばやることになると思うんですが、その点について、この後、どのぐらい継続できるものかということをお聞きしたいと思っております。

菅原副大臣 グループ補助金でございますけれども、中小企業等グループが復興事業計画をつくって、それが県から認定を受けた場合に、その計画実施に必要な施設設備の復旧復興を支援するという意味合いで、これまで続けてまいりました。

 今お話がありましたように、全体として、被災地全体で累計五百二十五グループ、約九千二百者に対して国費と県費で賄ってきたところでありまして、今まで四千八十四億の支援を行ってきたところでございます。被災地における早期の事業再開を後押ししていきたい、そういう意味において、直近におきましては、二月上旬に第七次の公募を行いまして、三月中旬に交付決定を行ったところでございます。

 御指摘のございました二十六年度以降の継続についてでございますが、やはり事業者としては、中長期に事業を考えております計画もあると思います。これが二十五年度で終わってしまうといろいろと懸念が出てこようかと思います。そういう意味におきまして、二十六年度以降の制度の継続につきましては、被災地の復興の実情を踏まえながら適切に判断をしてまいりたい、このように考えております。

橋本(英)分科員 済みません、もう少し細かい話をさせていただきますが、実は、第七回までの募集では遡及してお金がもらえたんです。例えば、グループ補助金に応募する前に建物を建て始めていて、それも認めますよという話だったんですが、今年度から、それはだめですよという話に中身が変わったということでありまして、実は、第七回まで応募して採用された方と八回目以降で、私は非常に公平性に疑問を持っております。

 例えば、第二回から申し込んで、二回で落ちて、三回で落ちて、五回目で上がった人は遡及してお金をもらう。ところが、第七回に申し込んで、第七回で漏れちゃって、八回目からの採用はもう遡及してお金をもらえないという話になっておりまして、実は、これは地元で結構、何で前回採用された人はお金をもらえて、俺たちだけもらえないんだみたいな話になっております。

 役所に聞きましたら、これはもう決めたことで変えられないということだったのでありますが、少し柔軟性を持たせてやってあげないと、地元の企業の間で公平性に疑問があるという話になっておりますので、ここについてもちょっと、運用を緩くしていただくというわけにもいかないのでしょうけれども、何か工夫していただけないかなと思っておりますが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 橋本議員の御質問を伺っていまして、丁寧に地元の声を吸い上げて、それを政策に反映させたい、こういうお気持ちを強く持たれているんだな、そういうふうに拝見をさせていただきました。

 それで、このグループ補助金のこれまでの運用なんですけれども、これまでが特殊なんです、率直に申し上げて。普通、予算というのは、事業をやってしまってから遡及適用するということはありません。ただ、被災地の現状に、この二年に鑑みて、そういった特殊なケースとして運用させていただいたわけでありますが、震災から二年がたちまして、津波の浸水地域等以外では復旧が一定程度、まだ道半ばという部分はありますが、一定程度進んできたことを踏まえて、復旧のおくれている地域に支援を重点化していく、そして二十五年度からは通常の運用に戻して、遡及を適用せず、土地のかさ上げ等のおくれから復旧がおくれている地域を支援の対象とすることにしたわけであります。

 これは、急に制度を変えますと混乱が出てまいりますから、事前から、被災三県に対しましては、県だけではなくて、地元自治体に対しても十分な周知、こういったことを行ってきたところであります。二十五年度からは遡及適用はいたしません。

 そして最後に、先ほど菅原副大臣の方からも答弁をさせていただきましたが、本年二月上旬に追加的に、これは追加的にやったんです、七次の募集を実施しまして、そこで、やはりどうにか遡及できるものは遡及してしまおうということでやってまいりました。これから、できるだけ重点的に、本当に復旧がおくれているところに適用していく。同時に、もう既にやってしまったところに対しましては、さまざまな金融支援であったりとか、そういった形で支援は継続していきたい、そんなふうに思っております。

 ぜひ、制度のもともとの趣旨というのは、基本的には遡及しないもので、ある程度今回特殊な例としてやってきたということを御理解いただければと思います。

橋本(英)分科員 さて、今まで復興の細かい話について申し上げてまいりましたが、私はこう考えているんです。

 残念ながら、前政権のときは、壊れたものを直すとか、そういう発想しかなかったんですね。実は、これから新しい東北をどうやってつくっていくかということを考えなきゃならないと私は思っておりまして、復興の核となる目玉と考えているのが、国際リニアコライダーと藻類バイオマス、オーランチオキトリウムの件なんですが、これについてちょっとお話をさせていただきたいと思っております。

 今、東北経済連合会で一生懸命このリニアコライダーに取り組んでおります。今は文部科学省が窓口になって、それで情報をとったり、研究者の方々とつないだりしているのでありますが、最終的には、これを実際にやることになりましたら、どうしても経済産業省に出てきていただいて、いろいろな産業と結びつけていただくということが必要になってくると思っております。

 そういった意味で、東北経済連と手を携えて、復興の目玉にぜひしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

菅原副大臣 橋本委員のお話にございますリニアコライダーでございますが、これは超電導の技術や我が国の得意とする研究開発、イノベーション、この最前線を行くものであると認識をいたしております。

 一方で、これは我が国だけではなくて、国際社会、国際リニアコライダー計画でございますが、いわゆる宇宙創成の原理の解明ですとか、あるいは素粒子の研究開発、こうした極めて大規模なアカデミックな研究の計画であることから、まずはこの学術研究のプロジェクトとして、優先順位づけの中で議論されている現状がございます。

 したがいまして、我が国の産業全体として考えれば、今御指摘のありましたように、当然、文部科学省と我々経済産業省がタイアップして、さらに研究開発を促進していくことが大切だと思っております。そうした中で、産業振興にしっかりつながるようにしていきたい、そういう議論をまた深めていきたい、このように考えております。

 いずれにしても、日本、アメリカ、あるいはヨーロッパなどにおいて、各国の研究者が、競って素粒子物理学の次世代加速器としてこの研究開発を進めている事業であります。ただ、このリニアコライダーの建設には、御案内のとおり、莫大な費用がかかります。今のところ、国際リニアコライダー計画におきましては、二〇二〇年代半ばの完成目標で、建設費だけで約八千億円、もろもろを含めると一兆以上の経費もかかるわけでございます。

 そういう意味では、まずは研究者レベルで、国際的な設計活動の進捗を見守りながら、経産省としても果敢に取り組みができますように努めてまいります。

橋本(英)分科員 リニアコライダーの経済波及効果は四・三兆円と言われておりまして、東北ではもう、こんな計画は今までなかったぐらいの話でありますので、とにかくこれを一生懸命、学者の方々が七月に決めるということでありますが、もしかして決まりましたら、ぜひ経済産業省に表に出てきていただいてやらないと、多分うまくいかないんじゃないかなと私は思っております。

 そしてもう一つ、藻類バイオマスであります。仙台市と東北大学と筑波大学が提携して南蒲生の下水処理場につくった施設を、先日、私、見てまいりました。予算が毎年一億八千万と少ないんですが、文科省から予算をいただいてやっているということであるんですけれども、これも、最終的には、実用化するときは、エネルギーの話ですから、どうしてもやはり経済産業省がかかわってくると思っております。これもぜひ、私、一生懸命やっていただきたいなと思っております。

 時間がなくなりましたので、質問をちょっと割愛させていただきます。

 さて、私、これからちょっとエネルギーの話を、十分しかないので余り話せないんですが、お話しさせていただきたいと思っているんです。

 震災のときに、私も、当然、大船渡の実家が流されまして、たまたま私は盛岡にいたのでこうやって生きているのでありますが、私の親戚も友人も多く亡くなりました。

 それで、僕のうちが流されているんだと思って、大船渡に行ったんです、トラックに乗って。そうしたら、僕のうちは流されて、屋根しか残っていませんでした。海沿いに公民館があったので、公民館も流されてしまって、逃げるところがなかったんです。この辺の人たちはどこに行きましたかと聞きましたら、山の方に二軒だけ流されないうちがありまして、そこにいるというんですよ。消防団の方々は、そのときはまだ遺体の捜索をしていましたけれども。

 行きましたら、二軒に九十人避難していまして、畳一枚で一人やっと寝る。おにぎりを朝、小さいのを一個、夜一個ぐらいだったんですね。あのときに、どうやって御飯を炊いているんですかと言ったら、流されたうちを壊して、それをまきのかわりにしてお湯を沸かしているという話でした。

 実は、その二軒のうち一軒が、最近オール電化に直したうちだったんです。当然、停電していますから、全く役に立たない。そこのお母さんが言っていました、オール電化にするんじゃなかったと。前みたいにガスだったら、ガスがある分、お湯を沸かすことができたのにという話を言われまして、私、そのときに本当に痛感しました。エネルギー源は、多様化して複数持っていないとだめなんだと。

 これは国家も多分同じだと思うんです。原子力がだめだとか風力がいいとか、そういう話ではなくて、全てのエネルギー源を維持していかなきゃならない、それを私、あの震災のときに痛感いたしました。

 さて、そのエネルギーでありますが、再生可能エネルギー、二〇一二年の七月から全量買い取り制度が導入されて、太陽光が爆発的にふえているという話を伺っております。そしてそれも、地域的には北海道と鹿児島か何かに偏っているという話を聞きました。

 ある報道で、ただ太陽光発電、風力発電をふやせばいいという話じゃなくて、当然、それを電線につながなきゃなりません、そうすると、そこで電圧が変わってきたり周波数が変わってきたりするということで、系統の問題が出てきているという話をちょっと読んだのでありますが、風力発電のための送電網整備実証事業費補助金というものが二百五十億ついているんですが、これは北海道の系統の問題に対応するための予算なのでありましょうか。

茂木国務大臣 太陽光と風力発電のお話があったんですけれども、確かにまず、太陽光の導入でいいますと、北海道はほかの地域に比べて非常に多いというのは事実であります。そして風力の方でありますけれども、やはり風力の適地は限られておりまして、北海道、それから東北の一部ということになってきますと、そこで使う電源というよりも、それをさらに消費の多いところに回すことが必要でありまして、送配電網を強化していかなければいけない。

 例えば、ドイツなんかを見ましても、どちらかといいますと北ですね。昔のプロイセン。こちらの方が風力には適しているんです。ところが、工業地帯は南のバイエルンの方ですから、どうしてもそこの間に送電線網、系統を引くということをやってきました。

 基本的に、これから場所の方は決めていきますけれども、そういった再生可能エネルギーの発電と消費のバランスを見ながら、こういった予算を使っていきたいと考えております。

橋本(英)分科員 私は、これはすごくいいことだと思っているんです。十年間で三千百億程度見込んでいるということだったんですが、もう少し予算をつけて、短い間にやっていただいた方がいいんじゃないかなというふうに私は思っております。

 さて、次に、原発であります。

 私、政府の方針と同様に、安全基準を満たした原発は順次稼働させるべきだという立場であります。

 先般の報道によりますと、七月に新たな規制基準ができるということでありましたが、審査班が多くて三班だという話が新聞に出ておりました。一つの審査にどのくらい時間がかかるかわかりませんけれども、今までの二カ月という時間では当然終わらないという話でありまして、一体、一つの審査にどのくらいの時間がかかって、三班で、今動いていない五十基の審査をできるのかどうか、それについてお伺いしたいと思っております。

櫻田政府参考人 お尋ねのございました原子力発電所に対する新しい規制でございますが、この新しい規制は、シビアアクシデント対策といった新しいものの要求など、非常に新しい要素が盛り込まれております。こういったこともございまして、原子炉等規制法に基づきます設置許可、工事計画認可あるいは保安規定認可、こういったものに加えまして、地震、津波対策、これらについて確認を同時並行的に行うということが必要かと考えてございます。

 原子力規制庁におきましては、庁内の人的資源を踏まえまして、約六十名をこの審査に投入するということを考えてございますが、各工程ごとに審査体制を組む必要がございまして、御指摘のございましたように、現時点では三チーム程度となるかということで考えてございます。

 いずれにいたしましても、現時点におきましては、事業者からまだ申請がないという状況でございますので、こういった現状におきましては、審査にどの程度の期間を要するのかといったようなことについてはコメントすることは控えたいと存じます。

橋本(英)分科員 我が党は三年以内に判断するというふうに言っておりますので、これはちょっと工夫しなきゃならないんじゃないかなと思っています。

 新聞報道によると、三班体制だと五年かかるという報道もありましたので、ここはちょっと考えなきゃならないんじゃないかなということを指摘しておきたいと思います。

 あと五分しかありませんので、最後にまいりたいと思っております。

 さっきから原子力とか風力とかいろいろ話をしてきましたけれども、結局、電力というのはためることができませんので、こういうことになっちゃっているわけです。揚水発電がありますが、夜、昼につくった電力で、余剰電力でポンプで上の池に水をくみ上げて、そして落として、電気のエネルギーを位置エネルギーに変えてまた電気のエネルギーに変えるという、物すごい効率の悪いことをやっているんですが、現実的にはそれしかないということで今まで対応してきているんだと思います。

 先ほどの北海道の風力の話でありますが、この間経産省の役人の方に伺いましたら、稚内の方だけで六百万キロワットぐらいの能力があるんだそうです、風力だけで。北海道で使っているのが六百万。ですから、六百万は余っちゃうので、それを本州に送らなきゃならない。北本連系線が三十万キロワットしかありませんので、どうしても北海道でためなきゃならない。そうしないと、現実的にならないんだという話を聞きました。

 そこで、私は、やはり蓄電池が非常に大切だと思っておるんです。

 今、車用の蓄電池は随分開発されてまいりましたが、いわゆる発電所の電力をためるような蓄電池はまだ開発されておりません。何回か実験をやっているようですけれども、燃えちゃったり事故が起きちゃったりしてうまくいっていないということも聞いております。私は、再生エネルギーをどんどん導入するためには、この蓄電池に着目していかなきゃならないと思っておりまして、例えば、風力発電をつくったときに、その脇に蓄電池をつけたら買い取りの価格を少し優遇するとか、そういうふうにして蓄電池をどんどん導入する環境をつくるべきではないかと思っておるんですが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 御質問にお答えする前に、先ほどの原子力規制委員会の答弁、私、基本的に、安全基準については個々の原発について原子力規制委員会で御判断をされる、また、そのスケジュールについても一定のスケジュール感で御判断をされる、このように思っておりますが、まだ申請が出ておりませんねと。

 基準ができていないんですよ。基準ができていないのに、申請が出ていない、当たり前のことだと思っておりまして、規制委員会に答弁を変更していただきたいと思っています。

櫻田政府参考人 先ほど御答弁申し上げました件でございますが、大臣の御指摘のとおり、現時点におきましては、この基準につきまして、基準の案をつくってパブリックコメントの手続の最中でございます。これは、七月の十八日までに新しい基準を定めて施行するということにしてございまして、そういう状況でございますので、申請がないのは当たり前でございます。少し答弁が舌足らずだったことはおわび申し上げます。

 いずれにいたしましても、七月に新しい基準を施行いたします。この施行後、事業者からの申請が出てまいりますが、その内容がまだわからない、そういうことを申し上げたかったということでございます。

 以上でございます。

菅原副大臣 蓄電池のことでございますが、御案内のとおり、二〇二〇年に二十兆の市場規模になろうかと予測をしております。こうした技術を実用化するために、これまで二百九十六億円を予算計上してまいりました。

 お話がありましたように、大型蓄電池の研究が極めて大事でありまして、例えば、揚水発電の場合は設置コストがキロワットアワー当たり二万三千円、これに比べて大型蓄電池の場合は設置コストが四万円と、非常に高いわけです。これをいかに安くするかということに、実証実験をことし実施することになっております。

 こういったことも含めて、蓄電池メーカーに対して四分の三を国が補助する、こうした今までの計画がございますが、一方で、四分の三の補助をしたけれども成果が上がらないというようなことにおいては逆にその投資額を返還してもらうような、国の予算を有効に使うような新機軸も打ち出しております。

 いずれにしても、蓄電池の普及に向けて全力を挙げてまいります。

橋本(英)分科員 あと一分ありませんので、最後になります。

 先日、大学の先生にお伺いしましたら、中国と韓国の蓄電池の技術の追い上げがすごく激しいんだそうでありまして、半導体とか液晶とか、日本が本来得意としているものをとられちゃったみたいな話になりかねないというふうなことをおっしゃっておりました。

 ぜひ、この蓄電池の研究拠点を設けて、そしてこれは日本の技術でやるんだということでやっていただきたいなと思っております。

 時間も参りましたので、これで終わらせていただきます。

 皆さん、ありがとうございました。

小此木主査 これにて橋本英教君の質疑は終了いたしました。

 次に、小池政就君。

小池(政)分科員 みんなの党の小池政就です。お疲れさまです。

 大臣とは、予算委員会では一週間ぶりの質問になりますが、きょうは朝からお疲れさまでございます。午前中最後の審議ということで、三十分、どうぞよろしくお願いいたします。

 質問の前に、まず一点確認させていただきたいんです。先週の金曜日、当分科会におきまして、我が党の同僚であります井出庸生議員が質問をいたしました。その中で、大臣、副大臣、また政務官のどなたもいらっしゃらなかったということをお聞きしましたが、本当でしょうか。

茂木国務大臣 副大臣、政務官については、呼ばれておりません。ですから、出席をしておりませんでした。私はもちろん出席をしておりました。それで、一時、トイレ、そして、恐縮なんですが、鼻水が出ておりましたので、鼻をかみに離席をいたしました。本人には目くばせをしたつもりであります。それから、ちょうど主査が外しておりましたので、副主査の方には、トイレに行ってまいります、そういった形で離席をして戻ってまいりました。

 なお、当日の委員の質問の形態、大体、並びから見ますと、私への質問に当たらなそうな時間にということで離席をいたしまして、実際、そこの部分では私への質問はございませんでした。また、それに関して委員の方から、少なくとも、御質問の途中に何らかの問題、指摘を受けた、こういうことはございません。

小池(政)分科員 この件は、国会軽視と捉えられても仕方がない姿勢というのが見受けられるかもしれませんし……(茂木国務大臣「了解をとってもだめなの」と呼ぶ)了解ですか。

小此木主査 ちょっと、そこはやめてください。

小池(政)分科員 はい。

 ただ、この件は、私たちは、方針また政策に対して責任がとれる内閣の大臣にお聞きしているわけですから、責任がとれない官僚、事務方の答弁を、もしかしたらそのまま大臣が見過ごしてしまうかもしれないということに対して、やはりこの点は、もしかしたら官僚主導に戻ってしまうかもしれないという危機をはらんでいると思いますので、指摘をさせていただきたいと思います。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 先ほどお話のありました原発の新基準に関連する問題でありますけれども、やはり、現在、立地自治体の多くの皆さんが、ことし七月から施行されます原発の新規制基準に関して、中身がどうなっているのか、そして、その審査に伴って、これからの原発はどうなっていくんだろうかというような心配を持っていらっしゃると思います。

 その内容について、骨子案が出されておりまして、そちらも今拝見させていただいているところでありますが、幾つかお聞かせいただきたいと思います。

 その前に、新規制基準の作成のプロセスについてお聞きしたいんです。こちらの規制基準に関しましては、これまで、どのような機関を経て、どのような参加者から基準がつくられているのか、また、その際に、電力会社からの問い合わせ等があったのかどうかということをお聞きしたいと思います。

山本政府参考人 お答えさせていただきます。

 まず、委員御指摘の新規制基準でございますが、この検討は昨年の秋から行っております。

 具体的には、まず、外部の有識者を含みます発電用軽水型原子炉の新基準に関する検討チーム、これは設備側の検討チームでございます。それからもう一つ、発電用軽水型原子炉施設の地震・津波に関わる規制基準に関する検討チーム、いわゆる地震、津波に関する検討チーム。この二つの検討チームを立ち上げまして、公開の検討会合を合計三十三回開催してまいりました。

 その過程で、ことしの二月に基準の骨子案を取りまとめまして、三週間のパブリックコメントを実施いたしまして、いただきました御意見を反映させたもの、これを改めて四月の十一日から、いわゆる規則条文の形に書きかえまして、三十日間のパブリックコメントを今現在実施しているというところでございます。

 今後、いただいた意見を踏まえまして、規則条文を修正した上で、ことしの七月に施行することを予定しているところでございます。

 それで、骨子案のパブリックコメントにつきましては、電力会社を含めさまざまな一般の国民の方から多くの意見をいただいております。約三千件に上るというものでございます。規制委員会としましては、どなたからの意見ということにかかわらず、その内容に着目して、必要なものは、先ほど申しました基準の骨子案に取り入れているところでございます。電力会社からの御意見の一部を反映しているものもございます。

 以上でございます。

小池(政)分科員 電力会社からの意見も聞いているということでありますけれども、電力会社は、対策費としまして、既に実施中、もしくは計画のものも含めて一兆円を今投入、もしくはこれから予定しているわけでありますから、これからの基準骨子に関しては、自分たちの意見が何とか通るようにという当然な意図があるわけです。その点も含めて、しっかりと公正にこれからのパブリックコメントを行っていただきたいと思います。

 そこで、対策費に関してでありますけれども、今申し上げました一兆円の実施中もしくは計画の費用にプラスしまして、これから基準が出て、その審査のために、その基準を満たすような対策というのがこれからとられていくと思うんですけれども、その費用の負担というのは、これからどうするんでしょうか。

山本政府参考人 新基準に適合するように、電力会社はさまざまな対策を実施していくことになってまいります。もちろん、その費用は、電力会社みずからの負担で実施をするということになろうかと考えております。

小池(政)分科員 みずからの負担ということは、その分も電気料金に反映されるということでよろしいでしょうか。

高原政府参考人 電気料金の申請をいただきまして、そのときにその費用が含まれており、そして、それが適切なものであるというふうに査定をされました場合には、電気料金に含まれることになるというふうに理解をいたしております。

 以上でございます。

小池(政)分科員 その際に、これから対策費が電力会社から出されていくわけなんですけれども、原発によっては、もう既に、四十年までの残余の期間が短い原発というものもあると思うんです。それらに対してもこれから対策が行われていくということにつきまして、費用対効果の面で、その対策費が、これから数年間の電力料金からのリターンというか、その分の戻りで果たして採算がとれるのかどうかということもしっかりと考えていかなければならないと思うんです。

 その対策費が果たしてその分の費用対効果を生むのかどうかというような査定につきましては、これからどうお考えでしょうか。

茂木国務大臣 電力料金の値上げ等の審査が上がってきた場合には、経営の効率化を十分踏まえた申請となっているか厳正に審査をさせていただいて、判断をいたします。

 一方、電力会社におきましては、やはり、それに必要な出資とそこから得られる収益、そういうコスト・ベネフィットを考えて各経営体としての判断をするということになってまいります。

小池(政)分科員 ぜひお願いいたします。

 また、先ほど、審査の体制について、まだ非常に不十分な点があるというような内容をお聞きしましたけれども、それでは、これから審査が始まっていく際に、申請が複数出された際の審査の順番というものに対して、何かイメージはあるでしょうか。

 先ほどお聞きしましたように、三チームしかない、また六十人しか審査の担当の方がいないということから、原発によっては、七月から再稼働したいというような意図も記事からはうかがっております。そのような際に、どのような判断でこれから審査の順番を考えているんでしょうか。

櫻田政府参考人 お答えいたします。

 現時点におきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、どのくらいの数の申請が来るかということがわからない状況でございますが、仮に、たくさんの申請が同時に来たときにどのようにするかということについては、これから検討していかなければならない課題であるとは思いますが、やはり、まずは申請の内容をきっちりと精査させていただく、それで、どういうリソースをどのように配分していくかということを検討する、こういうことかというふうに考えてございます。

小池(政)分科員 その点は、恐らく七月以降、真剣に考えなければいけないことだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、審査に関しまして、七月以降、現在稼働中の原発に関しましては、この新規制基準が施行された際にどのような対応をとられるおつもりでしょうか。

櫻田政府参考人 お答えいたします。

 現在稼働中の発電所につきましても、新しい基準あるいは規制は同じように施行される、こういうことでございます。

 しかしながら、今運転中でございますので、運転中の状況を鑑みますと、あらかじめ規制の基準に適合しているのかどうかというようなことにつきまして調査をしていくことが重要かなということも考えてございまして、このような作業をこれから七月の施行までに進めていく必要があるかなというふうに考えているところでございます。

小池(政)分科員 ちょっと内容をもう一度確認させていただきたいんですけれども、そうしますと、今の暫定的な基準のもとで稼働が行われている原発に関しましても、これからも、定期検査の時期まで、暫定的な基準による稼働が続くという可能性があるんでしょうか。

櫻田政府参考人 お尋ねのポイントでございますが、先ほど申し上げましたとおり、これから新しい基準に照らして現状のプラントが適切なものかどうかということは調査をしていくことになりますが、原子力規制委員長が会見などで申し上げているとおり、その内容を精査いたしまして、その結果、非常に重要なことが認められたときには運転停止というようなことも求めていくことが必要かということがございますが、それは中身次第だということで考えてございます。

小池(政)分科員 中身次第ということなんですけれども、七月十八日に施行されて、それから審査と同時並行で中身を見ながら、稼働をそのまま継続させながら、もし問題があったらその時点でとめるという理解でいいんでしょうか。

櫻田政府参考人 先ほど御答弁いたしました、新しい基準に照らした適合性を見ていくというその調査でございますが、これは七月の施行の前にやっていくことが必要かなということで、先ほども申し上げましたとおり、七月前にこういった調査を進めていくことが必要かというふうに考えてございます。

小池(政)分科員 それでは、稼働中の原発に関しましては、施行前に基準をある程度定め、それに伴って審査を前倒しで進めていくというような理解なんでしょうか。

櫻田政府参考人 新しい基準でございますが、これは、公式のものとして定めるのは施行の前になるかと思いますけれども、実際、今やってございますパブリックコメントの結果を踏まえて、中身も精査した上で最終的に確定する、確定したものを公布するということでございますので、公布するまでは新しい基準は固まっていないという状況でございますが、現在考えてございますのは、今パブリックコメントに付しております、その内容を一つのポイントとして、これを基準のようなものとして考えて調査をしていく。

 さらに、公布に至りましたらこれは確定いたしますので、その時点でまた足りないところがあれば追加して調査する、こういうようなことかなというふうに考えてございます。

小池(政)分科員 これからちょっと内容の確認をさせていただきますけれども、その内容につきましても、これから審査を行っていく過程で、今お聞きした答弁からは、この七月の施行後しっかりと確認をしていくと。その際に、今の稼働中の原発をそのままの基準で稼働させていくということではなくて、やはりしっかりとその時点では見直す時間というものが必要じゃないかなということを考えております。

 まず、今回、基準がある程度骨子で決まっていますけれども、一つ、これはなぜかということが少しわからないのが、特定安全施設というものに五年間の猶予が与えられております。これは工事に期間がかかるからというような理由も拝見いたしましたけれども、工事に期間がかかるのであれば、例えば防潮堤というものも非常に期間がかかるような建造物だと思います。

 この特定安全施設は、中央制御室が使えなくなった場合の非常に重要な前線基地となるというような施設でありまして、これがなぜ五年間の猶予を与えられることになったんでしょうか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の新しい規制基準の検討案におきましては、御指摘のような特定安全施設ということで、航空機テロなどを想定しまして、そういう設備を設けるということを規定しようとしているところでございます。

 この基準の運用につきましては、本年三月十九日の原子力規制委員会におきまして、この基準の施行方針について議論をいただきまして、委員の間で意見の一致を見たところでございます。

 この中で、まず、炉心損傷に至るようなシビアアクシデントを起こさないための対策に加えまして、先ほど申しましたような、万一シビアアクシデントが起きた場合の対策として必要な機能、これはことしの七月の新基準施行段階で全て備えておくことを求めるところでございます。

 しかしながら、安全の追求には終わりはございません。継続的な安全向上が重要である、こういう考え方が原子力規制委員会の姿勢でございます。

 このため、まず必要な機能を全て満たした上で、その信頼性をさらに向上させるためのバックアップ体制についても要求しております。これがまさに特定安全施設に該当するものでございます。

 これらにつきましては、施行後五年までに実現を求めているというものでございまして、今回のこの特定安全施設といいますのは、テロ等の際に、格納容器の破損によります大量の放射性物質の放出を抑制するという機能の信頼向上のためのバックアップ対策、こういう位置づけでございますので、施行後五年までに実現を求めているものでございます。

 以上でございます。

小池(政)分科員 そうしますと、バックアップということで重要性が低いんじゃないかと捉えられてしまうかもしれませんし、また、五年間という猶予を明記してしまうことによって、対策も恐らく五年ぎりぎりまではなされなくなってしまうというような懸念があります。

 そもそも自然災害は何千分の一もしくは何万分の一という、そのくらいの確率をもって今回基準を定めているわけですから、このようなテロ等に対しましても、それが何で今回バックアップという形で重要性が低いか、そのようなことを言える根拠というものをしっかりと示さなければ、猶予の理由というのが正当性を持たないと思っております。

 内容について、ちょっと細かい点でありますけれども、活断層もしくは破砕帯等に関しまして、その上にある原発に関して、今回、基準を設定して、再稼働を認めない、もしくはしっかりと中身を厳選するというような取り組みがなされていると思います。

 それでは、活断層破砕帯ではなくても、過去の断層の上に構造物が乗っかっている場合、これに関しましても、地震が起きた際に、必ずその断層によって、直下型の地震等に限らず、揺れというのは、恐らく想定し得ることができないような、それだけの大きな被害をもたらすかもしれないということが想定されているわけでありますけれども、その断層の上にある構造物に関しましては、これからどう捉えるんでしょうか。

櫻田政府参考人 現在検討中の新しい規制基準案の中におきましては、耐震設計上重要だという施設につきましては、活動性のある断層等の露頭がない地盤に設置する、こういうことを求めてございます。したがって、将来、活動する可能性がある断層等の露頭があるところには、耐震設計上重要なものはつくらせないということでございます。

 それでは、露頭がないことが確認された地盤についてはということでございますが、これにつきましても、委員御指摘のとおり、地震動に対して地盤の表面上のずれが生じるといったようなことも考える必要がございますので、そういったずれが生じないことも含めて、基準地震動、これは原子力発電所ごとに、どのような地震が襲ってくるか、そういったことを想定するものでございますが、この基準地震動に対する地盤の支持性能が確保されているということを確認していくことにしてございます。

小池(政)分科員 次に、津波の対策に移りますけれども、一点確認させていただきたいのが、想定する最大規模の基準津波というのは、今現在、全ての原発で検討中という理解でいいんでしょうか。

 防潮堤につきましては、全国の原発の九〇%に当たる四十五基で設置計画がなされているということでありますけれども、この基準津波につきまして、今具体的な方針等はあるんでしょうか。

櫻田政府参考人 御質問のございました基準津波でございますが、これは、このたび検討中の新しい規制基準の中で盛り込んだ概念でございます。

 したがいまして、現在、基準津波について想定をしているところはないということになりますけれども、新しい基準の中におきましては、基準津波は、発電所ごとに、どのくらいの津波が襲ってくるかということを想定するものでございますが、この設定をあわせてやっていただいて、その結果、それに対して原子力発電所が安全機能を保つということを求めることにしてございます。

 いずれにいたしましても、全ての発電所が、申請する際にはこれを想定してくるということを求めていくところでございます。

小池(政)分科員 その基準がまだないということなんですが、電力会社は自分なりに基準を設定して、それに対して既に防潮堤をつくっているところもあるわけなんですね。

 その防潮堤に対しまして、例えば、その高さもしくは強度計算等を、果たしてこれからどうやって審査していくのか。かつ、今回の審査によって、仮に規制委員会の方が基準津波というものを設定した際に、それを満たせない防潮堤に関しましては、かさ上げする可能性もあるわけです。その際にも、やはり全体を通して、またもう一度、強度計算なりをしなくてはいけなくなってしまうと思うんですが、その点に関しまして、これからの見通しまた方針について、いかがお考えでしょうか。

櫻田政府参考人 基準津波でございますが、これは原子力規制委員会が定めるということではなくて、基準津波というものを各発電所ごとに事業者がきちんと想定するということを求めているということでございます。その想定の仕方についてはさまざまガイドも含めて設定してございますけれども、実際に、この発電所について基準津波はこれだということはまず事業者が設定してくる、こういうことでございます。

 御質問の防潮堤につきましては、そうやって設定された基準津波に対して、原子力発電所の中に津波が浸入することを食いとめる機能、これがきちんとあるかどうかということを、新しくつくる場合あるいは既設のものを改造する場合、いずれにいたしましても確認していくということになります。

小池(政)分科員 基準を電力会社が設定するということで、かなり恣意性が残りますし、やはり、高さ、強度につきましては、審査の中でしっかりと公平な基準というものを定める必要があると思います。

 原発に関しまして、最後に大臣に、これまで日本は、新設もしくは再稼働に関しましては政府はかなり前のめりな対応をされてきたわけでありますけれども、これからは廃炉ということも考えていかなければならないと思います。

 福島第一原発に限らず、全国にはもう廃炉を決定した原発もあるわけでありますし、それがアジア、ましてや、これから世界にも大きな廃炉のビジネスの可能性も広がっていくわけでありますから、その方針、取り組みについて、大臣からお言葉をいただきたいと思います。

茂木国務大臣 廃炉は長期間にわたる事業でありまして、これを安全かつ着実に実施していく、そのためには、原子力分野の人材を確保して技術を維持していく、こういったことが必要だと思っております。

 経済産業省におきましては、平成二十五年度予算案におきまして、福島第一原発の対応を含めた原発の廃炉、安全に資する研究開発を実施する予算、さらに専門性の高い原子力人材の育成のための予算を計上しておりまして、これらを活用して原子力分野の人材確保や技術維持を図っていきたいと思っております。

 同時に、私も、ことしの初め、福島第一、四号機に、恐らく現職の閣僚としては初めて中に入ったわけでありますけれども、なかなか困難な作業を伴うな、そういうふうに思っております。

 特に、やはり、モックアップ施設等々をつくることによって研究開発をきちんと進めていくということが重要だと考えておりまして、遠隔操作ロボットの問題も出てまいります、これにつきましては、既に、平成二十四年度の補正予算で八百五十億円を手当てしたところであります。

 こういった廃炉に向けた取り組み、国、事業者、それぞれの役割をしっかり果たしていく、規制委員会の役割も当然必要であります、また国際的な知見もかりて、そこで生まれた成果等につきましては、国内だけではなくてやはり広く世界とも共有していく、こういったことが極めて重要だと考えております。

小池(政)分科員 ありがとうございます。

 もう時間も迫ってきましたので、最後に、燃料調達に関しまして、大臣またエネ庁の長官に御質問をさせていただきます。

 今回、電力会社からの電力料金の引き上げに関しまして、大臣からは「燃料コスト低減の効果を踏まえ厳正な査定を行ってまいりたい。」という異例の談話がありました。

 その際に、例えばシェールガス生産によりガス価格が低下している米国からの輸入の実現など、官民を挙げた調達コスト削減努力という提案もなされておりますが、また一方で、シェールガスの調達、また実際の輸入に関しまして、なかなか短期的には実行できないと今思われております。

 今、関電、住友商事等は輸入を決めたという報道もありますけれども、実際、中身を見ますと、二〇一七年以降ぐらいになるのではないかということが見受けられる一方で、果たして、それでは、短期的にこの燃料コスト低減に関しましてどのような方針を持っていらっしゃるんでしょうか。

 例えば、輸入の一括化ということもあります。これまで日韓ガス協議という話がありましたけれども、何度となく話が出ては消えていきました。また、これから安倍総理が、再来週でしょうか、ロシアに行かれてお話をされるということの中で、ロシアとの協力ということもあると思いますし、また、石炭火力の復旧といいますか、再稼働ということもあり得ると思いますが、この短期的な取り組みについて大臣の意見をお聞きしたいのが一点。

 もう一点、エネルギー庁長官……

小此木主査 ちょっと時間がなくなりましたので、恐縮ですが、その一点だけで。時間がなくなりましたので、茂木大臣の答弁だけで。

茂木国務大臣 今、米国でのシェールガスの産出などによりまして、LNGの国際市場は大きく変化をしているわけであります。そういった調達もありますし、さらには、ロシアも含めいろいろ調達先の多角化を図っていく、こういったことは国としても進めていきたい。また、各電力会社についてもそういったことを進めていただきたいと思いますし、調達方法、契約にいたしましても、天然ガス価格指標に連動した契約によって、できる限り安いLNGを調達していくことが必要だと思っております。

 先般の関西電力、それから九州電力の電気料金の査定におきましては、二十五年度、二十六年度につきましては、申請会社以外の電力会社も含めた中で最も低い価格、トップランナー価格、こういったものを入れていく、そして二十七年以降は、国際的な天然ガス市場のコストダウン、そういったことを見込んで対応させていただきました。

小池(政)分科員 ぜひ前向きに取り組みをお願いいたします。

 五ドル下がれば、電力料金で家庭の一割ぐらいがカットできるというエネ庁の試算もありますとおり、先ほどの原発の話にもありましたように、ぜひ安価でかつ安全な電力の取り組みということをお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

小此木主査 これにて小池政就君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

小此木主査 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高橋千鶴子君。

高橋(千)分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 茂木大臣、きょうはよろしくお願いいたします。また、原子力規制委員会の田中委員長にもおいでをいただいています。よろしくお願いいたします。

 初めに、今月の十日に規制委員会が新しい規制基準案をまとめました。三日の記者会見で田中委員長は、新基準を全部クリアするとなると金と時間がかかる、事業者がお財布を見て判断するのではないかと話したと報道されております。

 私は、そもそも福島第一原発事故の原因が特定できていない中での基準案であり、世界最高水準といいながら五年の猶予も認めているなど、指摘したいことは多いんですけれども、きょうはその中身ではありません。きょう言いたいことは、電力会社や推進派の声の大きさの前に基準を値引くことがあってはならない、そういう立場でお話をしたいと思います。

 そこで、現在稼働している大飯原発、これについては例外扱いなのかということが報道されています。九月の定期点検まで待たずに、動かしながら審査をするということは、七月ですから、施行される前の基準、今決まりつつある基準をもとにして運用するということ、それから、それ次第では、七月を待たずに、基準に合わなければ停止もあり得る、こういう理解でよろしいでしょうか。

田中政府特別補佐人 お答えいたします。

 今度の新しい規制基準の一番の骨格になりますのが、バックフィット規制と言われるものであります。

 バックフィットというのは、既存の原発も含めまして、今回限りではなくて、これからも新しい知見が出てくるたびにそれをバックフィットさせていくことを繰り返していくというものでありまして、この制度をきちっと定着させることが、今後の原子力発電所の安全を保つ上では大変重要なことだというふうに考えています。

 実際には、こういった新基準ができた場合に、適合させるためには一定の時間、猶予が必要であります。今回は、そういう考え方で、今後のことも考えて、次の定検が終わった後に再稼働する場合までにはバックフィット、新しい規制基準を満たしているということを求めています。

 その基準の考え方からいきまして、大飯の三、四号、御指摘がありましたものについても同じような適用をしようということでございますが、今回は非常に大きな規制基準の改正がありますので、社会的にも非常に関心も高いこともありまして、現段階で現状調査を十分にした上で、その結果を踏まえて規制委員会として必要な対応を検討していきたいというふうに考えています。

 その上で、仮に重要な安全上の問題がある場合には、その時点で停止も含めた判断というのもあり得るかと思いますが、まだその調査というのは全然進んでいませんので、それは今後のことでございます。

 いずれにしても、今後、これからきちっと事業者からの報告をよく精査して、また、現地にも赴いてよく調査をしていきたいと考えています。

高橋(千)分科員 例えば、地元紙などでは、九月に定期検査に入るんだけれども、七月に基準が施行になった時点で不適合になるのは明らかだ、こういうふうに書いているんですね。日刊県民福井四月十一日付ですけれども、複数のいろいろな指摘がされています。

 しかし、その上で、今、動かしながらということを、何か大飯だけ特別なのかとか、動かしているからその方が得なのかということではなくて、動かしながらというのは限界があるけれども、しかし基準ができる前にきちっと今の趣旨に沿ってやっていくんだということを確認したかったんです。

 今、そういうことでお答えしたんだと思うんですが、三月十九日に委員長が規制委員会に、新規制施行に向けた基本的な方針ということで、私案を出していらっしゃいます。そのときに、やはり継続的に運転を行っている場合は定期点検に入った段階で定めるというのを言っているんですが、しかし、新基準の内容が固まった段階で、つまり七月を待たずにということで、速やかに開始するということと、安全上重大な問題があると認める場合には原子力規制委員会として停止を求める可能性があると。

 だから、いずれにしても、七月を待たずにということなんだということで確認をしてよろしいですか。イエスかノーかだけで。あくまで可能性の問題ですから。

田中政府特別補佐人 法律ができるのは、遅ければ、七月十八日が限度でありますので、その前の私どもが行いますのはあくまでも調査というものであります。

 ですから、調査に基づいてということでの判断はなかなか難しいところがありますが、先ほども申し上げましたように、大飯の場合は、今社会的にもいろいろ関心の高いところですから、私どもとしてもできるだけ前もってそういう調査を進めていきたい、いこうという判断をさせていただきました。

高橋(千)分科員 ちょっとはっきりしないなという気がします。

 今紹介した同じ新聞の中で、委員長が、私が言ったような趣旨のことを記者団に聞かれて、いつ言ったのか覚えていないというようなことをおっしゃったということも記事になっているんです。やはり、それでは、何だよ、動かした方が得だったのかということになりかねない。しかも、現時点でも要件を満たしていないということが指摘されている。そういう緊張感に立って調査をしていただきたいということを確認したかったのであります。

 ここだけやっているわけにいかないので、引き続いて次に行きたいと思うんです。

 東北電力東通原発の敷地内破砕帯調査、これは、二月の原子力規制委員会の有識者会合について、耐震設計上、活断層の可能性が高いという評価書案が大筋了承されたということを聞いています。

 評価書の決定というのはいつになるんでしょうか。

櫻田政府参考人 東北電力東通原子力発電所の敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合、これにつきましては、これまでに事前会合を一回、現地調査を一回、それから評価会合を三回開催してございまして、先ほどの委員の御指摘のような形で議論が進んでいるところでございますが、今週、四月の十八日に、次回、第四回の評価会合を開催する予定となってございます。

 この有識者会合におきましては、評価書案について議論していただいているところでございますけれども、今後、東北電力に対して過去から求めております追加の説明を聴取するということ、あるいは有識者によるピアレビューといったようなことを行うことを検討しているところでございまして、評価書の取りまとめの時期については、まだ現時点では確定していないという状況でございます。

 いずれにいたしましても、この問題につきましては、科学的な議論を尽くした上で評価書案を取りまとめていくことが重要というふうに認識してございます。

高橋(千)分科員 報道があったときに、東通はこれで決まったのかなと思ったんですけれども、まだちょっと時間がかかるという説明だったと思うんです。

 東北電力は、ことしの七月に再稼働を目指しており、活断層でないことを証明したいというふうに述べています。

 これは、地元紙の報道なんかですと、例えば、東通村の越善村長が、重要な判断を下すにはまだまだ論議が不十分と述べていることや、県の幹部が、地表を見るだけで活断層と判断するのは乱暴だ、そういうことを言ったなどということが報じられているんです。

 地元が動揺するのは、確かにそうかなと思うんですけれども、ただ、これは〇六年の原子力耐震指針改定によるバックチェックの指示を受けて、調査、再評価ということを重ねてきた中での経過ですので、何も全然唐突でもないと思うし、むしろ今までがちょっと問題があったのかなということを言わざるを得ない状況だと思うんです。

 五人の有識者会合の意見は一致していると聞いています。ですから、事業者が活断層ではないという有力な証拠を示せない限りは、基本的に筋が変わることがないのかなと思うんですが、そこが一点。

 原燃の方では四月一日から再処理工場の活断層の調査を始めたと聞いています。Jパワーの大間原発についても、直下に活断層が指摘されている。そういうことを考えると、青森県がずっと、原発があり、再処理があり、中間貯蔵があり、そしてまた原発があるという、原子力半島という特別な位置づけになるわけですね。そうすると、やはり部分的ではなく、下北半島一帯の調査が必要ではないか、こういう指摘が地元からもされているんですが、その点についていかがでしょうか。

櫻田政府参考人 お尋ねのございました下北半島の広域的な地質調査といったものにつきましては、この必要性について、当時の原子力安全・保安院からも指摘をされているということがございます。

 それを踏まえて、平成二十四年十一月から、日本原燃株式会社、東北電力株式会社、それからリサイクル燃料貯蔵株式会社、この三社が共同で、下北半島太平洋側の大陸棚外縁断層というのがございますが、これについて自主的な調査を実施中というふうに承知をしてございます。

 また、お尋ねのございました東通発電所の敷地内破砕帯調査の有識者会合におきましても、広域的な地域を対象とした地質あるいは地質構造の調査を行うことが必要だという御指摘もございます。事業者によってこういった調査がしっかりと行われることが期待されるところというふうに認識してございます。

高橋(千)分科員 きょうは、まず、その必要性について基本的に一致して始めているということでしたので、その点の評価をぜひ待ちたいと思います。

 そこで、再処理関連の新安全基準は十二月までに施行するということで、今検討会が立ち上がったばかりであります。

 それで、原発の基準と一致する部分と、再処理工場ならではの基準というのが当然違うと思うんですけれども、そのポイントについて伺いたいと思います。

大村政府参考人 お答えいたします。

 再処理施設を含みます核燃料施設等の規制基準につきましては、原子力規制委員会の委員それから有識者等から構成します検討チームの会合におきまして、公開の場での議論によりまして、基準の考え方について今後取りまとめていくという予定でございます。きょう、この後、その第一回会合を開催するという予定にしているところでございます。

 再処理施設につきましては、発電炉と同様に重大な事故の対策が求められるということになろうかと思いますが、発電炉と比べますと、臨界状態にしないことが安全対策の基本であるというようなこと、それから多種多様な事故シナリオが想定できる等、非常に発電炉とは違った特徴というのがございます。したがいまして、こうした施設の特徴を十分踏まえた上で基準を検討していくことが重要であるというふうに考えてございます。

高橋(千)分科員 かつては、再処理工場は臨界事故は起きないのだということで、重大なシビアアクシデント対策はやられてこなかった。しかし、今お話があったように、一つではない、多種多様なシナリオがあり得るということをおっしゃったと思うので、そこは非常に大事なことではないかなと思います。

 そもそも、再処理工場は既に十九回も計画を延期しておりますし、千三百キロにも及ぶ配管、つなぎ目が約二万六千カ所、つまり、配管だらけの巨大な化学工場ということでは、本当に原発とはまた違った厳しさが必要ではないか、このように思っております。ぜひそこはしっかりとお願いしたい。

 そこで、〇六年からアクティブテストを始めて、ガラス溶融炉のトラブルなどが繰り返されたわけですけれども、ことし十月の完工に向けて、使用前テストの最終段階を迎えるというところに来ておりました。

 規制委員会としては、基準に適合するまでテストは認めないと発表したのに対して、これは前から言っていたわけですよね、前から言っていたんだけれども、事業者は、テストだけはやらせてほしい、こういうふうに言っているわけですね。

 この点について、考え方の整理をお願いします。

田中政府特別補佐人 私ども、原子力発電所と同様に、再処理施設についての新しい基準は、十二月十八日をめどに今策定を準備しています。それで、発電所と同様、新しい基準に適合しなければ操業は認めないというのが私ども委員会の基本的な考えであります。

 したがいまして、使用前検査、これはやはり新しい基準に基づいて判断していきたいということであります。使用前検査というのは操業を前提とした検査でございますので、新しい基準に基づいて判断していきたい、そういう考えであります。

高橋(千)分科員 ありがとうございます。

 操業を前提とした検査なので、基準ができてからというお答えだったと思います。大変これは明確なのではないかなと思います。

 既に、使用済み燃料を使ってのテストでありますので、事実上、部分的とはいえ、操業と同じ状態にやってテストするわけですから、そこは、事業者があれこれではなく、やはり基準を待つべきだということを改めて指摘したいなと思っています。

 そこで、言うまでもないことなんですが、資料を配りましたので、サイクルの絵をちょっと見ながら一緒に質問していきたいと思います。

 一方では、MOX燃料の加工場の建設は、動かすのは認めています。それはなぜなのかということなんです。

 言うまでもなく、MOX加工は、再処理工場が動かなければ動かす必要はないわけですね。だから、再処理工場の稼働を見きわめてからでもよいんじゃないかなと思うんですが、なぜなんでしょうか。

 これは、田中委員長と、大臣にも考え方を伺いたいと思います。

田中政府特別補佐人 現在、MOX加工工場の工事については、事前に認可されました、保安院時代に認可されましたものについて行っています。これは、あくまでも、まだホット試験とかそういうレベルではなくて、基本的な土木工事とかそういうレベルでございます。

 いずれ、十二月に新しい基準ができましたら、きちっとそれについても適用させていただくということでおります。

茂木国務大臣 これまで我が国は、ウラン資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容であったり、また有害度の低減の観点から、使用済み核燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用することを基本方針としてきたところであります。

 こうした中、六ケ所再処理工場については、日本原燃は早期の竣工を目指していると聞いており、御指摘の既に認可されたMOX燃料加工工場については、このスケジュールを念頭に置いて、事業主体である日本原燃にて工事が進められていると認識をいたしております。

高橋(千)分科員 我々的には、どうなるかわからないのに、どうして建設するのかなと思いますし、基準ができるのに、それを待たずに今ある基準でつくるのはなぜかなと素朴に思うわけですね。

 ただ、淡々と委員長は、当然、基準ができるまでは今の基準に沿ってやるから、できてから見ればいいというお話だったのと、大臣は、それはいわゆる規則の上での話。

 大臣に対しては、やはり、再処理工場が動くかどうかわからないのに、MOXを先につくるというわけにはいかないですよね、見きわめる必要があるんですよねという趣旨でお話をしました。多分、それが今のお答え、つまり、推進するんだからというお答えだったのかなと思うんですね。

 それで、青森県の知事に対して、大臣は、核燃サイクルの政策の意義は変わらない、六ケ所再処理工場やむつの中間貯蔵施設についても、竣工に向けて着実に進められるものと答えています。これは、一月に知事がいらっしゃったときに。それで、核燃サイクルについては、国策として引き続き継続して進めると述べています。

 その一環だからということだと思うんですが、しかし、サイクルが回るためには、再処理した後、MOX燃料に加工して、さらにプルサーマルで使われるという前提があります。

 この資料にあるように、十六から十八基のプルサーマルで年間五・五から六・五トンのプルトニウムを利用するという計画になっているわけですよね。

 そうすると、まさか、福島第一の三号機はもうペケですので、営業運転していた伊方、玄海の再稼働を初め、泊、女川、浜岡、志賀、島根、あるいは、さらに今後地元に申し入れするという敦賀とか東海第二などということが少し報道されていますが、そういう地元がまだオーケーと言っていないものも含めて、新規導入もしなきゃいけないし、再稼働も全部されるという前提でないと、サイクルは成り立たないですよね。そういう理解でいいですか。

茂木国務大臣 誤解なくお聞きをいただきたいと思っているんですが、この六ケ所の再処理工場についても、MOX燃料の加工工場についても、そしてプルサーマル計画についても、安全性といったものを第一に動かしていく、こういった基本の姿勢というのは変わっておりません。そして、その安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、安全と認められない限りは、原発も含め、再稼働はないわけであります。

 六ケ所の再処理工場が本格的に稼働した場合、年間八百トンの使用済み燃料の処理によりまして、年間四トン強の核分裂性プルトニウムを分離することになります。

 これに対して、プルサーマル計画の現状としては、合計四トン弱のプルトニウムの利用に相当するプルサーマルの実施について、委員御指摘の泊、女川、浜岡などを含む九基において、地元の事前了解をいただいているものと認識をいたしております。

 加えて、海外再処理分、これが約二十三・三トンございます。これも含めて、既に保有しているプルトニウムもあるわけであります。

 したがって、平成二十二年九月に電気事業者が示したプルトニウム利用計画では、先ほど申し上げた九基を含め、十六から十八基の軽水炉で年間五・五トンから六・五トンのプルトニウムを利用することとしております。このため、今後、新たな原発のプルサーマルの導入についても地元の御理解をいただく必要がある、そのように考えております。

 いずれにせよ、電気事業者においては、今後の原発の再稼働の見通しを踏まえながら、六ケ所再処理工場が稼働するまでに新たなプルトニウム利用計画を策定するものと考えております。

高橋(千)分科員 今、九基地元了解があって、それプラス十六から十八ということでした。(茂木国務大臣「含め」と呼ぶ)含め、もちろんです。

 大臣、前提として、規制委員会に委ねて、安全性が確認された後ということですよね。

 ですから、私が言ったのは、全てが再稼働して、かつ地元に了解してもらってさらに新しいものも含めて回っていくという話になるわけですよね。そうすると、当然のことながら、基準には合わないよねとか、あるいは、経年が過ぎているから、むしろコスト的には廃炉もあるよねという選択肢だって出てくるわけですね。

 そうすると、必ずしも十六から十八基のプルサーマルということを前提としないと考えて、それが自然な流れではないのかなと思うんです。それはどうですか。

茂木国務大臣 我が国としては、ウラン資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容、有害度の低減等の観点から、使用済み燃料を再処理して、回収されるプルトニウム等を有効利用することを基本方針としております。

 個々の施設については、当然、安全性を確認する、また、地元の御理解を得る努力というのもしていかなきゃなりません。

 今の段階で、仮定のことについて、動かない可能性があるから全部やめろ、全部とめろ、こういう話にはならないと思います。

高橋(千)分科員 そんなことは一言も言っていませんよ。全部はならないでしょう、つまり、一つ欠けたり半分欠けたり、そういうことは当然あるでしょうと言っているんです。

 三月二十六日に鈴木原子力委員会委員長代理は、必要な量だけ再処理すると言っています。つまり、このままいったらプルトニウムは余っちゃうわけですから。余ったら困るというのがもう国際的な約束なわけでしょう。だから、プルサーマルの進展に沿って、必要な量だけ再処理するんだ、当然そうならざるを得ないわけですよ。だから、そういうことを、仮定の話ではなくて、現実的な対応をしていくということを確認したかったんです。

 そういうことを言っていくと、今、中間貯蔵というのは、もともと年間八百トンの処理量に対して一千トン出てくるという予定でつくったむつ市の中間貯蔵ですから、これだって必要性がなくなってくるんじゃないか、そういうことを現実的に考える必要があると思いますが、いかがですか。

茂木国務大臣 エネルギー政策につきましては、まずは、いかなる事態においても国民生活や経済活動に支障がないよう、エネルギーの需給の安定に万全を期すというのが基本的な方針であります。

 そして、原子力については、いかなる事情よりも安全性を重視する、その安全性の判断については、新たに設置されました独立の規制委員会の判断によるということになっております。

 こうした中で、各事業者において新規制基準への適合に向けた取り組みが今進められているところでありまして、この新安全基準に基づく審査というのはことしの七月以降ということになってきますので、今後の廃炉がどうなるかということについて、予断を持って私が今お答えするのは適切じゃないと思っております。

 むつの中間貯蔵施設につきましても、既に一万七千トンという相当量の使用済み燃料が存在をすることは事実でありまして、使用済み核燃料の再処理が開始されれば、その量が減ることは、もちろん高レベル放射性廃棄物の減容、有害度の低減にも有効であります。また、ウラン資源の有効利用にも資する。このような観点から、核燃料サイクルを継続して取り組みをしていきたいと思っております。

 あわせて、事業者においては、貯蔵容量の拡大の対策を行っているものと承知いたしておりまして、この中で、むつの中間貯蔵施設は重要な計画と認識をされており、これまでの経緯等も十分に考慮し、引き続き進めていくべきものと考えております。

高橋(千)分科員 あくまでも、再処理前提の燃料受け入れだったわけですね。そうじゃなかったら、ただのごみになってしまうわけです。そういう中でやってきたことの矛盾から、今いろいろ説明をされているんじゃないかなと思うんです。

 私は、今全部やめろと言ったのではなくて、もちろんその立場でありますけれども、現実的に、大臣が手の届かない規制委員会が安全基準を見直して、その中で対応するということでは、現実的な対応が迫られるだろう、そういうことを言っているんです。

 それで、資料の二枚目に使ったのは、これは各原発サイトの使用済み燃料の貯蔵状況であります。管理余裕というのがあるんですが、六ケ所の貯蔵量というのを比較しますと、福島第一には三十トンありますけれども、返すわけにはいきませんね、今廃炉をしているわけですから。そして、例えば玄海のように、もう残ったキャパよりも六ケ所が預かっている燃料の方が多い、こういうところが出てきているわけなんですね。

 なので、昨年、民主党政権のもとで、原発三〇年代ゼロということが争点に上ったときに、青森県としては、サイクルが動かなければ燃料を各原発に返す、こういうことを言って、最終的にはサイクル維持となったわけですが、私は逆に、村長にも言いました、青森県にも言いました、返せばいいじゃないかと。やはり、そうなんですよ。だって、再処理が、サイクルが動くかどうかはっきりしないのにごみだけ受け入れる、これはあり得ないでしょう。

 済みません、時間が来ましたので、最後の質問、一点だけさせていただきたいと思います。

 少なくとも、サイクルが動かないのに燃料だけ受け入れるということはあり得ない。あるいは、返せないから動かすしかない、こういう理屈で稼働を判断してはならない。稼働を判断するのは大臣ですから、これはお願いします。

茂木国務大臣 先ほどからも答弁申し上げておりますように、中間貯蔵施設にだけ負荷をかけようとは思っておりません。

 サイクルを回す意義については、私は先ほどから答弁をさせていただいております。その一方で、事業者においても、貯蔵容量の拡大、こういった努力も今進めているところであります。

 資料の中のBマイナスAという数字がありまして、これを年数で割ったらどうなるか、頭に全部数字も入っております。そこの中でどうすべきか、適切に、現実的に判断していきたいと思っています。

小此木主査 これにて高橋千鶴子君の質疑は終了いたしました。

 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)分科員 公明党の斉藤鉄夫です。

 私は、きょうは自動車の問題について質問をさせていただきます。大きく分けて二つテーマがございまして、一つは自動車のリサイクル、それからもう一つは点検整備、この二つのテーマについて質問をさせていただきます。

 まず初めに、自動車のリサイクルの問題でございます。

 多分、自動車というのは、この地球上において最も資源をたくさん使っている、つくるということについてもそうだし、実際に走らせているという意味においても最も資源をたくさん使っている分野ではないかと、このように思いますが、リサイクルを進めていくということは、人類がこれから生き延びていく上で非常に大切な分野だと思っております。そのリサイクルについて、きょうは細かい話ですけれども、質問をさせていただきます。

 大臣、聞いていていただいて、こういう問題もあるんだというのを御認識いただければと思います。

 まず、エアバッグのリサイクル化についてでございます。

 エアバッグは、日本ではリサイクルの対象になっておりません。全て廃棄なんですが、これをリサイクル化したらどうかというのが私のきょうの一番目の提案でございます。

 エアバッグがリサイクルできないということは、いわゆる登録車にとっても、また軽自動車にとっても両方問題なんですが、同じような問題があるんですが、特に軽自動車に大きく影響がございます。軽自動車の資源の有効利用といったらいいんでしょうか、その分野で大きく影響が出ております。

 つまり、軽自動車で事故をします、エアバッグが開きます。その自動車を修理しよう、特に前の方が事故を起こして、しかし十分まだ車としては使える、しかしエアバッグは開いたという場合、軽自動車の値段からして、修理に二十万、三十万かかることが多いということだそうですが、その修理の二、三十万に対して、エアバッグそのものは新品を使わなきゃいけない。リサイクルが認められておりませんので、リサイクル部品を使うことができない。新品を使わなきゃいけない。新品の値段が大体二十五万円なんだそうです。

 ですから、修理代で二十万円、もしくは軽自動車の価値というものも大体二、三十万円のところに二十五万円のエアバッグを装着しようということはほとんど考えられないわけで、結果として、エアバッグが開いた事故については、ちょっとした事故であっても、ほとんどがいわゆる全損処理という形になっているということでございます。

 同じような問題は登録車についてもあるわけですが、特に軽自動車においてその問題が顕著。

 そういう意味では、せっかくつくったその軽自動車をできるだけ長く使うということは、資源の有効利用ということでも大事なことですし、それからユーザーにとっても、必ずエアバッグは新品と交換しなきゃいけないということになっていますから高い値段がつくということで、保険料もその分非常に高くなっている。これにエアバッグのいわゆるリサイクルを認めれば、大体十万円ぐらいでできるというふうに業界の方はおっしゃっております。

 そうしますと、ユーザーの負担、また、資源の有効利用という面からも大変合理的になるのではないかと、このように思います。

 このことについて、自動車のリサイクルというのは、自動車リサイクル法は経産省主管で、環境省、国交省、三省が協力しながらやっておりますので、この質問をつくったときも、どの省が答えるかということで大変もめたそうですが、どの省でも結構ですので、今の私の提案についてはどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、エアバッグを含めてリサイクルにつきましては、委員御指摘のように、新たに採取する資源や環境への負荷をできるだけ少なくするという、循環型社会の形成に当たって非常に重要なことでございまして、こうした点におきましては、仮にエアバッグの修理費用が低く抑えられれば、その結果として廃車の抑制や環境負荷の低減などにつながることとされて、循環型社会の形成にも寄与するものと思われます。

 また、保険につきましては、これは正直申し上げて、経産省は必ずしも保険そのものを所管しておりませんし、これも委員御高承のとおり恐縮でございますけれども、実際のその加入状況とかお支払いの状況、こういういろいろな要素を加味して決定されると思われますので、必ずしもエアバッグのリサイクルで直ちに保険料が下がるかどうか、これは今私ども、申し上げる立場にはございません。

 ただ、いずれにしましても、仮にそういう形で保険料が下がれば、当然ながら、保険料というのは自動車を保有している人間にとっては保有のコストでございますから、そういう意味で、ユーザーの負担が軽減されるということにはなると思います。

 ただ、いずれにしましてもエアバッグのリユースが今できていない理由の一つとしては、やはり、人身の安全性を確保する装置という機能が当然ながらございますので、この作動を確実に担保できるのか、あるいは、取りつけしたときの適切な作業基準が整備できるのかどうか。ましてや、こうした点を慎重に検討せざるを得ないことは確かでございますので、こうした点は、国交省さんを初め、関係省庁と今後十分慎重な議論をする必要があるかと考えております。

 以上でございます。

斉藤(鉄)分科員 ありがとうございました。

 御答弁をまとめると、保険のことについては、コストが下がれば保険料が下がる可能性は考えられると。しかし、これは金融庁の問題かもしれません。

 このエアバッグのリサイクル、リユースが認められれば、資源の有効利用等には当然これはつながっていくという御答弁でした。ただし、安全上の問題、これが課題としてある、こういう御答弁だったんではないかと思います。

 外国はどうなっているかといいますと、アメリカは州によって違うんですが、ほとんどの州でこのエアバッグのリサイクルが認められております。新品の三分の一程度の値段だと言われております。ただし、そのためには、取り外し、取りつけ、それからそのエアバッグの性能そのものがきちんと保持されているかどうか、その品質等について厳しい基準が設けられている、このように聞いております。

 したがいまして、日本におきましても当然安全というのが一番ですから、先ほど課題があるとおっしゃったこと、その課題を克服することがまず必要です。

 資源の有効利用、これはエアバッグの資源の有効利用ということだけではなく、先ほど申し上げましたように、ちょっとした事故を軽自動車がすれば、ほとんどそれが全損扱いになってしまうという、自動車全体から見た意味での資源の有効利用という意味でも、日本もこれを検討してみることは必ずしも無意味なことではない、このように思いますが、いかがでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどの答弁と若干重複することをお許しいただければと思いますが、委員御指摘のとおり、循環型社会という意味でリユースというのは意味のあることだと思っておりますが、反面、おっしゃるように、安全性ということで最もある意味機微な部分でございますので、そこの点は十分に担保する必要があると思っています。

 現状においては、御指摘のように、自動車リサイクル法におきましては、エアバッグの類いは指定回収物品ということに指定されまして、解体段階で確実に回収して自動車製造業者等がそれを処理する、その際、使用済み自動車のエアバッグ類のリユースは認めないということになってございます。

 その理由としましては、先ほど申し上げましたように、やはり、適切に処理しないと解体段階で破裂し、場合によっては出火するということで、解体作業そのものの阻害要因になること、それから、そうした機能も踏まえまして、実は、この自動車リサイクル法を検討、審議する審議会におきまして、エアバッグ類を取り外してそのまま部品としてリユースすることについては、適切に作動するか否かを明確にする担保手段が乏しいことなどから、省略しますが、「再資源化の方法としては想定しない」という、こういう一定の結論が当時出ております。

 ただ、もちろん、法律、制度、これは不断の見直しが必要でございます。そういう意味では、いずれにしましても、この自動車リサイクル法につきましては、これまでも五年ごとの見直しというのを実施しております。今後も、二〇一五年ごろをめどに、改めて制度のあり方について検討することとしております。

 このため、エアバッグの取り扱いにつきましても、リユース部品の促進という今の委員の御指摘、それから、もともとありますその安全性の議論、こうしたことも含めまして、関係省庁とも連携して慎重に検討してまいりたいと思います。

斉藤(鉄)分科員 問題提起をさせていただきたいと思いますので、御検討のほど、よろしくお願いいたします。

 次に、自動車リサイクル工場の軽油引取税の課税免除の問題でございます。

 これは長年のことなんですけれども、現在、軽油引取税の課税免除項目に、特定の業種で専ら構内で動かす機械の動力として使用する場合、こういうふうになっております。実際にこの軽油引取税の課税根拠が、道路に対しての財源、今は一般財源になりましたから直接の受益と負担の関係はありませんが、課税根拠としてはそういうものが挙げられているわけでございます。

 しかし、特定の業種で専ら構内で動かす機械の動力として使用する場合は、道路を走らないから、したがってこの軽油引取税を免除しよう、非常に論理的にもわかりやすい構造になっているんですが、大体、具体的にどのような場合に認められているかということをまず聞きたいと思います。

平嶋政府参考人 お答えを申し上げます。

 斉藤先生の方がお詳しいわけでございますが、平成二十一年度に、御案内のとおり、軽油引取税が道路目的財源から一般財源化されたわけでございますが、それ以前は、道路目的財源ということでございましたので、道路の使用にかかわりのない軽油につきましては、一定の範囲内で課税免除措置を講じることとされていたというわけでございます。

 一般財源化された時点で、課税免除をするという根拠は失われたというふうに考えていたわけでございますが、その時点では、やはり経過措置的な考えから、諸般の事情から、そのまま免税については三年間延長されたと。

 そのような経緯から、二十四年度の税制改正におきましては、一般財源化した趣旨を踏まえて、一定の範囲での縮小を行うとしたことで、それ以外のものについては延長したということでございますので、基本的には、平成二十一年度の一般財源化以前に免税措置が講ぜられたものについては経過措置的に講じているということでございまして、例えば、陶磁器製造業を行う方が製造工程において製品を完成するため軽油を使用する場合、木材加工業を営む方が事業所内で木材の積みおろしのために使用する機械の動力源として軽油を使用する場合などが挙げられているところでございます。

 以上でございます。

斉藤(鉄)分科員 それはもう確かに平嶋さんがおっしゃるとおりで、特定財源ではなくなったんですが、しかし、課税根拠としては、今回の与党の税制改正大綱にも書いてあるとおり、あるわけですね。

 それで、中小零細企業が多くを占める自動車リサイクル工場において使用される機械、ニブラ、油圧式ショベル、プレス機械、構内作業用フォークリフト、これらは軽油を動力燃料としておりまして、多量の軽油を消費しているということでございます。

 これらは、先ほど挙げられた事業所とどこが違うのか。専ら構内において仕事のためにやっている、ましてやリサイクルのためにやっているという、公益性という言葉がいいかどうかわかりませんが、という理由づけがつくわけですから、ここにもぜひ適用すべきではないか、こういう意見もありますが、いかがでしょうか。

平嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、平成二十年度以前、一般財源化の前の時点でどのような考え方でやっていたかと申しますと、先ほど申しましたとおり、道路の使用に直接関係を有しない、あるいは、免税手続が簡単で、脱税防止ができる、特に、当該業種において他の道路の使用に直接関連する用途に課税済みの軽油を使用することがないか、可能性が極めて低い、かわりの、脱税的に使えることがないということが非常に重要だと。それから、免税手続に関する事務の量ということでありまして、その中でも選別をしながら二十年度までは課税免除してきたと。

 ただ、それ以降につきましては、もちろん、平成二十七年度の税制改正におきまして与党で御議論をいただくことでございますので、そのことについて何かということはございませんが、私どもとしては、基本的には現在の課税免除というのは経過措置的に認められているものというふうに考えておりますので、基本的に、拡大するという方向での検討は余りないものというふうに考えているところでございます。

斉藤(鉄)分科員 冷たい答弁でございますが、こういう指摘もありますので、ぜひ今後も検討していただきたい、このように思いますし、我々もちょっと勉強してみたい、このように思っております。

 それから次に、自動車重量税還付制度でございます。

 自動車重量税というのは、御存じのとおり、車検時に払います。ですから、三年分ないしは二年分、先に払うわけですが、途中でもう自動車を廃車するということになりますと、残っている残存期間の自動車重量税が返ってくる。これが自動車重量税還付制度でございます。

 それで、その残存期間をいつから数えるかという問題でございまして、簡単に言うと、今は、完全に自動車の部品の解体が終わって、有価物、これからリサイクルされるものと、シュレッダーにかけていわゆる鋼材としてぐしゃっとなるもの、もちろんそれも再利用されるわけですが、というものに分けて解体業者が報告をした、その時点からこの残存期間の計算が始まる。

 ここで問題は、できるだけ還付制度でたくさん重量税を戻してきたいと思いますと、その解体期間をできるだけ早めて残存期間をできるだけ長くする、これは、ある意味では、車を持っていた人やディーラーからすれば当然のことだと思います。

 ところが問題は、自動車リサイクル法には、自動車の解体は、一つ一つの部品を次に有価物としてまたリサイクルするためには一つ一つ丁寧に外していかなきゃいけませんので、百二十日という期間が設けられているといいましょうか、それぐらい時間をかけてじっくり有価物、有用物についてはこれを取り出しなさいという法律がございます。

 したがいまして、この百二十日かけてゆっくり、それでできるだけ有用物をたくさんリサイクルしたいという自動車リサイクル法の精神と、逆に、早く解体作業を終えて、自動車重量税還付を受ける残存期間をできるだけ長くしたいという圧力、この二つの圧力が全く百八十度違う方向の圧力ですので、現実には、早くしろという人の立場が強くて、自動車のリサイクルの分別に十分な時間が費やされる状況にない。

 したがって、本当にリサイクル法の精神を徹底させるためにも、解体業者に出したその時点から残存期間を計算するということにすればその圧力はなくなるわけで、自動車リサイクル法に決められた百二十日間かけてゆっくり解体できる、そうするとリユース率も高くなるということだそうでございます。

 現実に、自動車重量税、これは今度は国税になりますけれども、これも、道路建設財源が今でも一つの課税根拠であることには変わりありません。でも、実際に解体に出しているわけですから、道路の上を走っているわけじゃないんですから、その時点をスタート地点にしてもいいじゃないか、これも非常にわかりやすい話だと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

清谷政府参考人 自動車リサイクルにおける自動車重量税還付申請につきましては、使用済自動車の再資源化に関する法律に基づきまして、自動車リサイクル促進センターにおいて自動車が解体された旨の報告を受け、還付申請を受け付けている現状にございます。

 今後、自動車リサイクル業者からの御意見を踏まえた上で、御意見につきましては関係者に展開してまいりたいと考えております。

斉藤(鉄)分科員 済みません、ちょっと頭が悪くてほとんど理解できなかったんですが、わかりやすく言うとどういうことでしょうか。もう一度お願いします。

清谷政府参考人 済みません。

 私ども国土交通省は、還付申請を受け付けて、それに基づいて還付を認めるということをしているわけでございまして、その前段階につきましては関係省庁がいっぱいございまして、私ども、少し答える立場にないものでございますので、関係者からお伺いして、それについて関係者に展開をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

斉藤(鉄)分科員 では、これから関係省庁、現実には経産省、国交省、環境省、この三省で協議します、こういうことで。

清谷政府参考人 関係省庁、ほかにも財務省もあると思います。集まって協議をしたいと思っております。

斉藤(鉄)分科員 よくわかりました。ぜひ前向きに協議をお願いをしたいと思います。

 このリサイクルの問題でもうほとんど時間を使ってしまいました。もう一つ取り上げたかったのは、定期点検等自動車の整備事業の問題でございます。

 平成七年に改正された道路運送車両改正法において、それまでのいわゆる前整備後検査、きちんと整備して完璧な状態にしてから車検を受けるという制度から逆になりまして、前検査後整備、これは規制緩和の一環だと思いますが、という制度が導入されました。

 これは、事後チェックの時代、そういう時代を目指そうという大きな社会の流れの中での一つのことで、これ自体悪いことだと私は思っておりませんが、しかし、世の中には不心得者がいて、検査さえとにかくパスすれば、そこでいろいろ指摘された整備等を一切しないで、またその後の二年間乗ってしまうという、それで、実際には非常に危険な車が公道を走っているということも現実としてあるわけでございます。

 これに対して問題提起をさせていただいて、この具体的な点検整備の履歴を車検証に書き込んでいくということを今後行う、また、ユーザー車検をしたユーザーの方には、国交省からなんでしょうか、はがきを送って、こういう整備が必要です、また一年ごとの定期点検が必要ですという趣旨のことのはがきを出す、こういうことで対応するということになった。今回、そのこと自体は非常に大きな一歩、前進だと思います。

 これについていろいろ細かい質問をしようと思いましたが、もう時間がなくなりました。

 この中で、例えば車体整備事業、先ほど申し上げました分解整備業については認証制度があるんですが、実は、車体整備業には認証制度がない。今はその車体も、高張力鋼を使ったり、大変高い技術が必要になってくる。この認証制度等、実際の整備の信頼性を高めるためには必要ではないか、また、それを担う車体整備士の資格等も必要ではないかという提案がございます。この提案についてどのようにお考えか。

 また、非常に今は性能がよくなって、車に長く乗ることができるようになってきた。車齢十年を超える車の車検期間も車齢十年以下の車と同様二年になっておりますが、この車齢十年を超える車の車検期間を、例えばユーザーの選択制にする。これは、車を買いかえる可能性や安全面を考えると、例えば一年という車検期間を選ぶ、そのときは費用が半分になる等、この選択制も今後あり得るのではないか、こういう形で信頼性を増していくべきではないかという意見もございます。

 三つの質問を一遍にしてしまいましたが、これは国交省さんのお答えになるかと思います。よろしくお願いいたします。

清谷政府参考人 お答えします。

 まず、車体整備事業の認証の制度につきましてでございます。

 この制度の創設につきましては日本自動車車体整備協同組合連合会から既に承っておりますが、新たな制度の創設につきましては、国民の権利や義務を制限するものでございます。国民に十分その必要性を説明することは必要と考えております。

 このため、この御要望につきましては、今後、不適切な車体整備が事故発生原因と推定される事故発生状況等を踏まえた上で導入の是非を検討してまいりたいと考えているところでございます。

 二つ目でございます。

 自動車の車体整備士でございますが、事故等によりまして破損した自動車の内板骨格修正作業、これに当たりましては、車枠の修正だけではなくて、プロペラシャフトであるとか動力伝達装置であるとか車軸といったような走行装置といったような、各装置の整備も含まれて生じることとなります。

 このために、一律に自動車車体整備士の有資格者のみに限定するということは難しいのではないかというふうに考えておりますが、今後、関係業界からその御要望の内容の詳細を承ってまいりたいと思っております。

 次に、最近、長期間使用されている自動車の車検の有効期間の問題でございます。

 乗用車の平均使用年数はこの十年で十・四年から十二・四年に増加するなど、御指摘のように、長期化傾向が進んでいると認識しておるところでございます。

 このため、長期使用の実態につきまして調査をしているところでございまして、その結果を踏まえながら、点検整備がより確実に実施されるような仕組みなど、長期使用者に対する点検整備のあり方について検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

斉藤(鉄)分科員 御検討のほど、よろしくお願いいたします。

 終わります。

小此木主査 これにて斉藤鉄夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)分科員 公明党の佐藤英道でございます。

 これまで北海道議会議員を務めてまいりました、一年生議員であります。茂木大臣には初めての質問でありますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 自公政権が再スタートしてから三カ月半、株価など経済指標を見る限り、アベノミクスは想定どおりに順調に進んでいると思います。大胆な金融緩和、機動的な財政出動に続く三本目の矢である、民間投資を喚起する成長戦略という観点から、エネルギーと地方、地域経済の活性化に絞って御質問をさせていただきたいと思います。

 先月、総理と会談されたジョセフ・スティグリッツ氏は、成長戦略について、長期的な課題に予算を振り向け自立的な成長を目指すべきだと、その進むべき方向を示唆されておりました。

 私は、我が国が再生可能エネルギーの導入拡大について先端的な取り組みを行うことによって、地球環境問題や、化石燃料に依存したエネルギー供給体制からの脱却など、多くの国際的な長期課題解決への方途を示すことができると確信している一人であります。

 また、国内におきましても、エネルギーの安全と自給の問題、経済成長の安定的な基盤の構築、さらには将来的に多くの安定した雇用を創出することにつながる重要な施策であると思っております。

 私の住む北海道は、風力におきましては、現在のところ青森県に次ぐ第二位の立地を誇っておりますし、大型のメガソーラーも数多く建設されております。安定電源として活躍可能な地熱発電のポテンシャルもあり、開発プロジェクトが複数動き始めてもおります。また、畜産、酪農や林産業に関連したバイオマスの発電も数十カ所存在するなど、北海道は再生可能エネルギーのポテンシャルが非常に大きいことがよく知られております。

 こうしたポテンシャルを十分に引き出して、二〇三〇年に電力の三〇%を再生可能エネルギーで占めようと、私ども公明党はさきの衆院選の公約にも掲げさせていただきました。この高い数値目標を実現するためには、今後、四十兆円程度の投資促進が必要とも書かせていただきました。

 そこで、お尋ねをしたいのでありますけれども、政府は再生可能エネルギーの中長期的な導入目標をどのように考えておられるのか。また、今後、予算措置においてどの程度の措置を考えていらっしゃるのか。大臣の導入拡大への意気込みとあわせて、お伺いをさせていただきたいと思います。

茂木国務大臣 再生可能エネルギーの普及は、国内エネルギー資源の拡大という意味からも、エネルギーの安全保障の強化にもつながります。また、低炭素社会の創出に加え、新しいエネルギー関連の産業の創出、雇用拡大、こういった観点からも極めて重要でありまして、現在の自公政権におきまして、今後三年間で最大限その普及を加速させていきたいと考えております。

 まずは、再生可能エネルギーの発電に通常要するコストがどうしても高くなってしまうということで、これをカバーする価格で買い取り、投資回収にしっかりとした見通しを与える固定価格買い取り制度を着実かつ安定的に運用していくことが必要だと思っております。

 同時に、環境アセスの迅速化であったりとか、規制改革も進めていかなければなりません。

 また、御質問いただきました予算措置でありますが、例えば風力、これは北海道そして青森が有望でありますが、最適地が限られる風力発電について、地域内の送電網を整備し、実証を行うための予算を二百五十億確保してございます。

 また、福島沖におきまして、世界初となります浮体式の洋上風力発電所を建設し、世界最先端の技術の開発、実証を進めるための予算も計上してございます。

 また、太陽光であったりとか風力、これはどうしても天候によりまして出力変動が生まれる、この出力変動を吸収する電力系統用の大型蓄電池のコスト、現在は大体キロワットアワー当たり四万円でありまして、これを揚水発電の二万三千円ぐらいまで下げていきたい、こういう研究開発の予算も二十七億円計上しているところであります。

 今の蓄電池の市場、世界全体でも一兆円ぐらいの市場でありますけれども、これが、電力系統そして自動車というところに使われますと、二〇二〇年には二十兆円の市場、非常に有望でありまして、我が国は世界最先端の技術を持っているということでありまして、こちらでもしっかりとした対応をしていきたいと思っております。

 再生可能エネルギー関係全体でいいますと、平成二十五年度の政府予算、九百七十七億円でありまして、これは昨年から五百四十二億円の増額ということですから、倍以上の予算をつけるということであります。

 そこの中で、できる限り再生可能エネルギーを導入していく。さらには幾つかの、例えば高効率の火力発電であったりとか、そういったものも導入をしていく。一方で、電力システム改革等々によって、需要そのものをスマートに抑える、こういった努力も進めてまいりたい。そういった中で、原子力への依存の割合を低減させつつ、最大限、再生可能エネルギーの導入拡大を図ってまいりたいと考えております。

佐藤(英)分科員 大臣がおっしゃられるように、日本は再生可能エネルギーの宝庫であると思います。ぜひ先頭に立って、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 今お話にもありましたけれども、風力や太陽光など天候によって大きく出力が変動する再生可能エネルギーの導入拡大を進めていくためには、蓄電池が果たす役割は非常に大きいものがあります。

 特に、電力系統の規模が小さい北海道におきましては、大量に導入しようとすれば、変電所などに大規模な蓄電池を設置して出力変動を抑えていく必要があるわけでありますけれども、一方でコストの問題もあり、なかなか進まない現状にあるのも事実であります。

 この大規模蓄電池の普及に向けて、政府としてどのように認識し、いかなる目標で蓄電池の開発を進めていこうとされているのか、お伺いをしたいと思います。

新原政府参考人 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、再エネの導入という観点からの大型蓄電池の利用は大変有効と認識をいたしております。

 再エネの天候による出力変動対策としては、これまで各国がやってきたやり方というのは、太陽光とか風力発電の発電所側に蓄電池を設置いたしまして調整するというやり方でございます。

 これに対して、今私どもが試みておりますのは、世界で初めて、電力会社の発電所側ではなくて変電所側の方に大型蓄電池を設置して、再生可能エネルギーの接続量を一気に拡大するという実証実験に着手したいというふうに思っております。このための予算として、二百九十六億円の予算を既に確保いたしております。蓄電池も、まとめて系統側にどかんと入れた方が、発電側に一つ一つ入れていくよりも効率的であるということで、こういうことをやってみたいと思っております。

 本事業については、四月三日に、設置していただく電力会社の公募を開始いたしました。現在、公募中でございまして、第三者委員会を経て、できれば五月にも設置する電力会社を決定したいというふうに思っております。

 お地元の北海道について申し上げますと、御指摘のように、電力系統規模が小さくて、再エネの導入余地が厳しくなってきておりますので、私どもとしては、北海道電力にはぜひとも応募いただいて、北海道で大規模な大型蓄電池の実践投入を試みてみたいというふうに考えております。

 それからもう一つは、将来的な課題として、コストが高いというところをどうしていくかという問題がございます。

 御指摘の開発でございますが、先ほど大臣からも御答弁させていただきましたけれども、これまで日本では、再エネのバックアップ電源として揚水発電を用いることが多かったわけでございますが、これの設置コストが一キロワットアワー当たり二・三万円というふうになっております。

 大型蓄電池の設置コストが今最も安いもので四万円ぐらいでございますので、これを何とか揚水発電並みにしたいということで、二〇二〇年までに二・三万円ということをコミットいただいた企業に対しては開発費の四分の三を国が補助しまして、しかし、成果が上がらなければ全額返却していただく、コストの目標値が達成できない場合は補助金の一部を返還してもらうというような形で、新機軸を打ち出しまして、コスト低減化に努力する、こういう二つの方向で蓄電池について取り組みをしてまいりたいと思っております。

佐藤(英)分科員 ありがとうございます。

 なかんずく、再生可能エネルギーの宝庫である北海道でぜひともこの事業をやっていただきたいと思いますし、大臣、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 冒頭申し上げましたけれども、北海道は国内トップの風力発電の適地であります。特に北海道の北部では、多くの事業者が風力発電をやってみたいという希望を持っております。しかし一方で、この北部地域などは送電網が脆弱で、新たな風力発電所の建設の高いハードルになっております。

 そうした実情もありまして、昨年の予算委員会で同僚の稲津久議員が送電網の整備を訴え、その実現をお願いしてきたわけでありますけれども、念願かなって、今回の当初予算で送電網の整備に二百五十億を計上していただきました。今後十年で三千百億とも報道されております。大変に心強く、感謝を申し上げたいと思います。

 そこで、この送電網の整備実証事業につきまして、その具体的な中身、さらにはこの事業がどのような効果をもたらすと見込んでおられるのか、お伺いをしたいと思います。

新原政府参考人 お答えさせていただきます。

 御指摘の、平成二十五年度予算案で計上させていただいています送電網整備実証事業でございますが、内容的には、この予算案が通過いたしましたら、まず民間企業が、共同で送電網の整備を行う企業を設立することになります。その民間企業が民間金融機関からプロジェクトファイナンスという形で長期融資を受けまして、これは自己資金をできるだけ圧縮するための方途でございますけれども、国もその事業費を補助させていただくという形になります。送電線が完成しましたら、当該企業は入ってくる送電線の利用料で融資を返済していくというスキームになるわけでございます。

 加えて、今回の特徴は、その送電線を用いて、風力発電の導入に伴って想定される重要課題の実証実験を行って、この結果については全電力会社で共有させていただくということでございます。例えば、風力発電を大量導入したときの周波数の維持の技術、あるいは電圧変動でどれぐらいまでなら許容するのかという許容値に関する実証、こういう重要な実証をあわせてやらせていただきたいというふうに思っております。

 御指摘の事業の効果でございますが、正直申しますと、民間投資の問題はなかなか難しいところがあるんですが、例えばということで答弁させていただきますと、民間企業が風力で通常採算性がとれるラインというのがございまして、これは風速が毎秒六・五メーター以上ということになります。日本全体を計測してみますと、富士山のようにそもそも立地が困難な場所を除いて考えますと、日本全体のうち四五%が北海道、二〇%が東北ということで、実はこの二地域で六六%を占めております。

 今回のもので、北海道北部に仮に送電線を引いた場合ですが、委員御案内のとおり、ここはもう満杯になっておりますので投資した分だけ効果が出るわけですけれども、試算をしてみますと、例えば、条件にもよるんですが、北海道の風力の導入量自体がこの線によって八倍程度ぐらいまで拡大する可能性があるというふうに思っております。

 そういう直接的な効果に加えまして、先ほど申し上げましたように、実証実験で得られた知見は全国の電力会社に利用可能な形で提供してまいりますので、他の地域の送電線の運用改善にも資するものというふうに考えております。

佐藤(英)分科員 次に、北本連系線について伺います。

 現在、容量六十万キロワットの北本連系線は、主に北海道の事故対策用として整備されたものとの位置づけが強いと、先日御説明をいただきました。しかし一方で、常に東北へ、そして東京で使用する電力の供給にも使用されているのであります。

 私は、今後、北海道の再生可能エネルギーの導入が大きく拡大される中で、北海道で発電された電力を全国に広く供給するということになるのではないか、また、そうあってほしいと思っております。今後、三十万キロワット増強し、合計九十万キロワットの北本連系線が実現すると言われておりますが、北海道電力の財務状況を考えると、なかなかすぐには進まないのではないかと私は懸念しているのであります。

 この北本連系の増強に国としても積極的な取り組みをお願いできないものか、御答弁をいただければと思います。

平大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、電力の安定供給確保に加え、再生可能エネルギーの導入促進に資する観点からも、今委員御指摘の北本連系設備、北海道―本州間の連系設備の増強は重要であると認識をしております。

 専門家による研究会におきましても、北本連系設備については、現行の六十万キロワットから九十万キロワットまで早期に増強すべきであるとの提言がなされております。

 政府といたしましても、北本連系設備を初めとする地域間連系線の円滑な整備を後押しするために、この四月二日に閣議決定いたしました電力システムに関する改革方針において、地域間連系線等の整備に長期間を要している現状に鑑み、関係府省等と協議、連絡の場を設置するなどの体制を整備することを盛り込みました。

 この改革方針に基づいて地域間連系線等の整備を行っていくわけでありますが、この取り組みの中でも、北本連系設備の早期の増強についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 ちなみに、北海道電力の財務状況を考えるとという御指摘がございましたが、総括原価方式の中での対応ということでありますので、財務内容と直接には関係してこない、そのように思っております。

佐藤(英)分科員 よろしくお願いしたいと思います。

 次に、再生可能エネルギーの中で、太陽光や風力と違い、調整能力が高く、エネルギー政策上、非常に期待度の高いのが地熱発電であります。この地熱発電についても、北海道は複数の計画が進められているわけでありますけれども、計画の地元ではさまざまな御意見があるのも事実であります。計画への地元の理解は大変重要だと認識しております。

 この問題について、政府として何らか後押ししていただけるようなことはないのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。

平大臣政務官 お答え申し上げます。

 まさに委員の御指摘のとおりでございまして、地熱発電の推進には、地元から懸念の声が上がるなど、地元の理解を得ることが極めて重要である、そのように認識をしております。

 平成二十五年度予算案においては、地熱開発に対する地域の理解促進をするための予算を新たに二十八億円計上したところでございます。この事業におきましては、例えば、地域の方々が地熱発電に対する理解を深めるための専門家を呼んだ勉強会や見学会を実施する事業や、地熱利用によるハウス栽培事業など、地熱を有効利用して、地域の地熱利用促進に資する事業を支援する予定になっております。

 また、開発予定地域には経産省の職員を派遣いたしまして、地元関係者に対して、安定電源である地熱発電導入の重要性や、周辺環境に配慮して開発を進めていることなどについて説明を行うなど、政府としても地元の理解を深め、普及拡大につながるよう努めているところでございます。

 こうした取り組みを通じて、地熱発電の推進について、着実に地域の理解を得ることができるように努めてまいりたいと考えております。

佐藤(英)分科員 ぜひ、平政務官、よろしくお願いをしたいと思います。

 冒頭に、三本目の矢、民間投資を喚起する成長戦略、スティグリッツ氏が長期的課題に取り組めと言われているという話を御紹介させていただきました。

 私は、長期的課題と聞いて、一朝一夕に実らない地域経済の活性化にも思いをはせたわけであります。

 地域経済の担い手である中小零細企業の攻めの投資を力強く支援してきたのが立地補助金であったわけであります。しかし、大変に残念なことに、前政権の事業仕分けで消えてしまいました。

 しかし一方、この補助金で整備された施設設備などが、現在、地域経済の活性化や、頑張っている中小企業の活躍の場所を提供しております。また、技術開発、イノベーションの分野に新たな挑戦の息吹を吹き込んでおります。事業が終わった後にも成果が発揮されているこの事業が、中長期にわたって地域、地方に活性化と安定的な成長をもたらすという点で、非常に期待したいと私は思うのでございます。

 指摘を受けた問題等については妥協なく改善した上で、地域や中小企業の発展にさらに直接的な影響を及ぼせるよう、モデルチェンジをして取り組んでいってはどうかと思っております。御見解をお伺いしたいと思います。

鈴木(英)政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘されておられますのはイノベーション拠点立地推進事業ではないかと思っておりますけれども、これは企業、大学が開発した新技術の実用化を加速するために、実用化を進める上で必要となるような性能や安全性の評価に関する設備の整備に対して支援を行うものでございまして、平成二十二年度の補正予算以来、四度にわたり約六百八十六億円の予算をこれまで計上し、百七十七件を採択いたしまして、地域の企業等のニーズに対応したきめ細かな支援を実施してきております。委員の高い評価をいただいたことについても感謝をしております。

 ただ、本事業については、委員御指摘のとおり、昨年十一月に事業仕分けが実施されまして、本事業の対象は直接被災地に裨益するものに限ることとされ、また、基金を使った現在のスキームについては二十四年度をもって終了するということとされております。

 今後、これまでに採択された案件については、着実に実用化につながるようフォローアップを行ってまいりますとともに、被災地等でのニーズを踏まえ、委員の御指摘も踏まえながら、こうした事業の今後のあり方について引き続き検討してまいりたいと思っております。

 また、二十四年度の補正予算におきましては、円高、エネルギー制約を克服する観点から、産業競争力強化、空洞化防止に向けて、総額二千億円の最新設備等の導入を支援する新たな補助制度もできておりますので、現在これを鋭意実施しているところでございまして、引き続き御指導をよろしくお願いしたいと思います。

佐藤(英)分科員 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 また、地域の担い手の最前線である商店街などの中小企業の振興策についてもお伺いをさせていただきます。中心市街地の取り組みでは、北海道の富良野や函館で頑張ろうと取り組んでいらっしゃるようでありますので、この件につきましてもお伺いをさせていただければと思います。

平大臣政務官 お答え申し上げます。

 商店街は、小売業全体の販売額の四割を占める重要な経済主体であるとともに、地域コミュニティーの主要な担い手であると考えております。私も自由民主党であきんど議連の会長をやっておりますが、これは商店街を応援する議連でございます。

 まず、商店街を支える取り組みでございますが、委員御承知のとおり、自公政権になりまして、補正予算で総額三百億円の商店街対策の予算を計上させていただきました。民主党時代はおおむね三十億円でございますので、この補正予算だけで十倍ということでございます。

 中身は、まず一番目として、商店街の創意工夫を生かした活性化イベントや次世代の人材育成などを支援する予算として百億円、そして、商店街ならではの役割である公共的機能を強化するため、防犯カメラや街路灯など、地域住民の安心、安全な生活環境を守るための施設整備の支援として二百億円を計上したところでございます。

 さらに、本年度、平成二十五年度の当初予算では、地域中小商業支援事業として三十八・七億円を計上しておりまして、子育て支援施設や高齢者の医療補完施設など、商店街ならではの地域コミュニティー機能強化を図る取り組みや、商店街の構造改革を促す取り組み、商店街の活性化を実現する取り組みについて支援をしてまいりたい、そのように考えております。

 委員が御指摘をいただきました、例えば富良野市では、農産物を初めとした各種物産を販売するための施設、フラノ・マルシェを平成二十二年に整備をいたしております。販売する商品を徹底的に富良野産にこだわったということ、さらには周辺商店街との連携も図ったということで、地域全体への波及効果が大変大きい成功事例と認識をしているところでございます。

 このような意欲的な取り組みを後押しするために、平成二十四年度補正予算及び平成二十五年度当初予算においてしっかりとこういった取り組みを応援してまいりたい、そのように考えております。

佐藤(英)分科員 ありがとうございます。

 北海道も御多分に漏れず、シャッター街が多い地域であります。ぜひとも政策の推進を通して御尽力をいただければなと思っているところであります。

 きょう、質疑をさせていただきまして、いよいよ三本目の矢である民間投資の成長戦略、経済産業省が大きな使命を果たされると思っておりますし、大きな期待を寄せてまいりたいと思っております。

 きょうは時間の関係で質疑をさせていただけませんでしたけれども、また機会があれば、今後は海洋発電についても質疑をさせていただければなと思っております。

 洋上風力や波力など、海で得られる再生可能エネルギーを利用した海洋発電の実用化に向けた取り組みが動き始めております。政府は先頭に立って、実証実験を行う海域を公募中でありまして、北海道におきましても、函館市や稚内市、岩内町での受け入れも想定し、現地調査を今続けているところでございます。今後は、公募の条件である研究機関との連携や地元漁業者の理解が得られるかが課題となりそうだということも承知をしているところであります。

 今後の施策への反映のために、ぜひとも御実現を心からお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。

小此木主査 これにて佐藤英道君の質疑は終了いたしました。

 次に、今村洋史君。

今村(洋)分科員 日本維新の会の今村でございます。きょうはよろしくお願いいたします。

 まず、TPPについてお尋ね申し上げます。

 USTRでは毎年、外国貿易障壁報告書というものを出しております。このほかに、昔は年次改革要望書、最近では日米投資イニシアチブ報告書というものが出ておりますが、この内容というのはほぼ一貫して、医療、薬品部門に関していろいろな要望が出ております。

 例えば、外国事業者、営利企業が医療サービス市場へのアクセスが制限されているというものであったり、これはいわゆる医療法人への株式会社の参入、株式会社が医療法人へ入るということを意味しておりますけれども、そのほかにも、医療機器及び医薬品の項目で、いわゆるドラッグラグ、それから償還価格政策や外国平均価格調整ルール、そういったものの撤廃を求めております。

 こういったことが、TPPにおいて、アメリカからの要望としてあるのではないかというふうに私は考えております。

 その点につきまして、これは経産省の方かと思いますが、どのようにお考えになっているのか、解釈されておるのか、また、TPPではそういうことは要求されないというふうに思っておられるのか、その辺のところをお聞かせください。

上田政府参考人 医療に関するお尋ねかと思います。

 TPP交渉の中で医療がどのように扱われていくかということは今後の交渉の中だと思いますけれども、カトラー代表補が訪日したときに、我が国の国民皆保険制度というのは非常に重要なものであり、それは守っていくといったような御指摘をいただいているわけでございます。

 今後、交渉の中でどのような分野がどのように取り上げられていくかということは、現時点では、医療に関してはなかなか把握できないわけでございますが、国民の医療制度をしっかり守るという観点から経産省としても貢献をしていきたいと考えております。

今村(洋)分科員 では、今のお答えですと、TPPの交渉の中では、カトラー代表補がおっしゃられたように、皆保険制度は守られていく、そういうお考えなんでしょうか。

茂木国務大臣 現段階で、日本はTPPに参加しておりません。ですから、現在TPP交渉のテキストを持っているわけでありませんが、いろいろな国と情報交換をする中で、これまで、TPPの交渉、約三年にわたって続いてきておりますけれども、国民皆保険制度が議題になってきた、このようには承知をいたしておりません。

今村(洋)分科員 例えば、米韓のFTAにおいて、今私が申し上げたような、医療に対するアメリカの介入というものが現実に起きていると考えます。

 例えば、韓国の経済特区で、医療法人に民間の営利企業が入るというふうなことが行われております。そういった要求は、日本のTPP交渉において全く心配ないというふうにお考えなのか、それとも、交渉に入っていないから、参加していないからその辺は読みがたいという今のお答えなんですけれども、そんなに恐れることはないなとお考えになっているんでしょうか。

茂木国務大臣 我が国にとりまして、国民皆保険制度、これは、考えてみますと、農業があり、そして、それぞれが守り合う、共助の精神のもとでつくり上げてきた、我が国の国柄にもかかわる問題だ。安倍総理も、こういった日本の国柄の中で生まれてきた皆保険制度はしっかり守るということであります。

 まさに交渉はこれからでありますから、我々として、国益にかなう交渉を最大限進めていきたい、このように考えております。

今村(洋)分科員 そこは国柄を守るというお言葉がありましたし、国民皆保険、これが国民の健康、保健に大きく寄与して、実際に国民は長寿を保っているというところがありますから、私は、その辺はぜひぜひ守っていただきたいというふうに考えております。

 つきましては、米国の要求がもしTPP交渉においてあり得るとすれば、どんなことが心配されるのかというところを、私は少し述べさせていただきます。

 例えば、日米投資イニシアチブ報告書の米国関心事項の中に混合診療の導入といったようなことが挙げられていたりとかいうことがあります。

 まず、混合診療の目的というのは、当初は、先進医療を健康保険で賄うと保険財政が圧迫されるということで、恐らく混合診療というものが、これはTPPに関係ないかもしれませんけれども、導入されていくんじゃないかというふうに思っております。

 それで、その自由診療部分を民間の保険が賄うといったようなことが行われると考えます。これはまた後ほどお聞きしますけれども、その民間の保険のところにアメリカの保険会社が参入をしたいというのがアメリカの本音ではないかというふうに考えております。

 かんぽ生命は、今、日本に広くある簡易保険ですけれども、自由診療部分を補うところにかんぽ生命が参入できない。これもまた後ほど申し上げますけれども、先日、麻生大臣が、かんぽ生命においては、いろいろな新規の商品を認めないというようなことをおっしゃられております。そういったことも、私は、米国の要望、圧力というものがあるのではないかというふうに考えております。

 麻生大臣は、かんぽ生命のがん保険等について、適正な競争関係が確立、適切な遂行体制が確保されるまでは認可しないというふうにおっしゃっていて、そういったことはしばらくは考えないということですけれども、この日本郵政グループの金融機関の事業範囲については、民間との間に対等な競争条件が確立という日米経済協調対話の論旨と合致しております。

 それはさておきまして、次に、発生頻度の低い疾病を健康保険対象から除外するというふうなことが起きると思います。

 ごくごく基本的な病気、高血圧であるとか上気道炎であるとか糖尿病であるとか、そういったところは皆保険で見るんだけれども、それ以外のところはいわゆる自由診療へ押しやって、自由診療部分を補う民間保険と、あとは国の、これから高齢者が増加するという中においての財政状況と、もくろみがちょうど合致しておるんじゃないかというふうに私は懸念するわけであります。

 そういうことが起きて、次にどういう状況になっていくかというと、経済的側面から医療が行われるようになる。つまり、自由診療部分を民間保険で見ると、民間保険はどうやって利益を上げるかというと、そこに支払うお金が少なくて済めば、掛金に対しての利益が出るわけです。

 そういったところが、先ほど私が申し上げました医療法人へ営利企業である者が参入していくといったことと合致しているんです。先ほど国柄という言葉に言及されましたけれども、日本の医療というものが営利的側面を非常に強く持つようになってしまうんじゃないかというふうに懸念しておるわけです。

 そういうことが起きると、今、皆保険、フリーアクセスでありますけれども、そのフリーアクセスが阻害されて、民間保険が指定する医療機関への受診のみにおいて支払いが行われる。その医療機関は、できるだけお金がかからないようにして、医療に対して、皆保険の範囲内では簡素なものを行い、自由診療の方へウエートを置くというふうなことをやって、民間保険会社へ利益をもたらしていく。それが、医療機関が生き残るすべであるというふうになってしまうんじゃないかと恐れているわけであります。

 そういう懸念をもとにして、私が次にお聞きしたいのは金融サービスです。

 保険には、生命保険の第一分野、損保、火災の第二分野、がん保険の第三分野というものがありますけれども、二〇一〇年、USTRのカークは、かんぽ生命ががん保険に参入することを反対しております。これは先ほど申し上げました。

 それにつきまして、先日、麻生財務大臣は、かんぽ生命のがん保険について適正な云々というところを申し上げましたけれども、つまるところ、かんぽ生命でのがん保険というものは認可していかないというふうな話になっております。

 この中で、かんぽ生命は郵政グループでありますから、郵政の完全民営化、株式売却、郵貯、簡保資金を日本国債でなく米国債に流用するというふうなことを目的としているんじゃないかと考えております。

 イコールフッティングを求めて、口座維持手数料など、郵便局での民間保険の販売を求める、かんぽ生命と郵便局を切り離すことを目的としているということが考えられるんです。

 こういう郵政グループの中のかんぽ生命というもののがん保険への参入を防ぎつつ、簡保と郵貯を切り離して完全民営化して、その資金を米国債の方へ振り向ける、今は制限がかかっておりますけれども、海外へ投資できるようにするというふうなことが、今後、TPPの交渉の中で要求されていくのではないかと思います。

 これは、結局、約十年前の小泉政権下における郵政民営化と全く軌を一にしておりまして、そのときに自民党政権は郵政民営化法を通したんですけれども、先年、郵政改革法というものを通しまして、そのときに、自民党の議員で反対もしくは棄権されたのが、中川元幹事長、菅官房長官、小泉進次郎議員、それと棄権して途中退席された平議員ということであります。

 ここでお聞きしたいんですけれども、平先生が今ここにお越しになっていますからちょうどよかったんですが、今申し上げたような、TPPにおいて、郵政の完全民営化とか、がん保険へかんぽ生命が参入しないとか、そういったことが要求されるのではないかと私は懸念するんですが、その辺についてはどうお考えでしょうか、お聞かせください。

平大臣政務官 せっかく御指名をいただきましたので。

 今、委員の御説明は、仮定に仮定を重ねたような印象があります。郵政のがん保険は、もとより国内のイコールフッティングの問題もありますので、余り米国の陰謀論みたいな論調で仮定に仮定を重ねてどうかと聞かれても、お答えのしようがないというのが現状であろうかと思います。

今村(洋)分科員 ですから、そういう懸念というのは、私の、仮定に仮定を重ねた、いわゆる妄想に近い、そういうものかもしれませんけれども、そういった妄想論者の心配を除いていただくということに対して、昔々ですけれども、中川昭一先生がおっしゃられたエクソン・フロリオ条項というものがあります。その日本版というものが日本には必要じゃないかというふうに思いますけれども、そこはどなたかお答えいただけますか。

 エクソン・フロリオ条項というのは、説明しますと、航空、通信、海運、発電、銀行、保険、不動産、地下資源、国防の九分野について、これはアメリカの条項ですけれども、アメリカの安全保障を脅かす外国企業の買収や土地の取得について阻止する権限を大統領が持つといったようなものなんです。

 日本におきましても、例えば、先ほどおっしゃった国柄、そういったものを含めて守る必要がある。そういったところにもし懸念が生じるようなときは、エクソン・フロリオ条項といったようなものを日本も持って阻止していくという考えが必要じゃないかと思いますけれども、そこをお聞かせください。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、金融庁といたしましては、当然のことでございますけれども、政府全体の方針に沿いまして、今回のTPP交渉におきましては、やはりアジア太平洋地域の金融資本市場の発展を我が国も取り込むという観点から、国益に即して、主張すべきことはきちんと主張して交渉に参加させていただくつもりでおりますので、その点は改めましてここで確認をさせていただきます。

 ただ、事実といたしましては、世界貿易機関のWTOのサービス貿易一般協定のもとでは、我が国は実はもう既にかなり自由化を約束しております。それをこの先の交渉で、むしろ留保している部分を外すかどうかといった議論。あるいは、OECDの資本移動自由化コードというものがございますけれども、この中でもOECD加盟国として約束をしている部分がございます。

 そういった意味では、そういった委員の御趣旨も、既に約束しているものについてこれをどうこうという御示唆ではないというふうには承りたいと思いますけれども、いずれにせよ、今後そういった点について、TPPの文脈の中でさらに自由化を進めるということでございますれば、きちんと我が国の国益を主張してまいるということで対処させていただきたいと思います。

今村(洋)分科員 わかりました。

 では次に、TPP交渉の中で懸念されておりますISD条項というものがありますけれども、そこについて。

 仄聞するところ、TPP交渉の中では、現時点で、日本もいろいろな国とISD条項というものを結んでおって、それによって他国から訴えられるというような事項が頻発しているわけではない、ですから、心配は要らないというようなことになっております。

 これは、日本が援助している国、ODAとかそういったものを用いてある程度関係が保たれている国との間でそういう訴えがないということでありまして、今後、アメリカとTPP条約というものを結んでISD条項が生きてくるといった際に、アメリカもしくは今後参加してくるかもしれない中国、そういった国々から日本国が訴えられ、国内の慣習や商法といったものが改悪というか撤廃されていくんじゃないかというふうな懸念、これもまた仮定の仮定の話かもしれませんけれども、そういうおそれがあるのではないかというふうに私は考えております。

 実際、米韓FTA、ISD条項というものは韓国国民の間で非常に反対があって、結局、結んで間がないんですけれども、早速昨年の十二月に、ISD条項の中で、米投資ファンド・ローンスターが銀行の売却によって不当な損失をこうむったということで、韓国政府を訴えるといったことが起きております。

 こういったことも、日本において現実に、今後、TPPに参加すれば起きてくるんじゃないかというふうに懸念しますけれども、その点について、どういう対処もしくはお考えをお持ちなのか、お答えいただければというふうに考えます。

茂木国務大臣 ISD条項でありますけれども、アメリカとカナダの例、幾つかの訴訟の事例があるわけでありまして、そういったものがよく引き合いに出されることが多いんですけれども、最近の投資協定であったりとかEPA、このISD条項が含まれているものがどちらかといいますと一般的でありまして、我が国がこれまでに締結しました十五の投資協定、それから九つのEPAにも規定をされております。

 唯一採用されていないのは日本とフィリピンのEPAだけということでありまして、もちろん、これまでに我が国がこのISD条項によって訴えを起こされたことはございません。

 そして、我が国がODAを出している、そういう国だからだというお話もあるかもしれませんが、例えば、我が国はスイスにはODAを出しているわけでもありませんけれども、スイスとの間で、医薬品とか、向こうは会社がありますけれども、そういった訴えというのはございません。

 ISD条項につきましては、海外の投資家による円滑な事業活動の確保と国内における規制権限の確保のバランスをとるということ、それから、もう一方で、海外で活躍する日本企業の事業活動をどこまで支援、保護できるか、こういう観点からの検討が必要だと思っております。

 TPP交渉においては、これまで得られた情報によりますと、投資の保護と国家の規制権限の確保との間の公平なバランスを保つことで、ISD手続の濫用を防ぐための規定の検討がなされている、このように承知をいたしております。

今村(洋)分科員 わかりました。

 では次に、TPPと日本の安全保障についてお聞きしたいと思います。

 日米安全保障条約第二条の中に、経済的協力を保っていくという条項がありますけれども、これは今日的な解釈を行えば、第二条はまさしくEPA、FTAの精神理念をうたい上げたものと言えなくもありません。したがって、TPPを日米安保条約の附属協定として位置づけて交渉を締結すればいい、そういった意見もありますけれども、その点について担当局はどういうふうにお考えでしょうか。

伊原政府参考人 今、先生御指摘の日米安保条約の第二条、その後段の方で「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。」こういうふうに定めております。

 この第二条を全体として読みますと、日米間の相互信頼あるいは協力の基盤、これを一層強化するために日米両国が努力すべきこと、これは経済のみならず、政治とか社会等の分野においてもそうなんですが、日米両国が協力すべき旨を規定している、そういう条項でございます。

 したがって、この第二条自体が具体的な権利または義務を定めたものではございませんので、そういう点からいいますと、TPP交渉参加とこの第二条というのは直接関係はないというふうに考えております。

 ただ、今先生御指摘のTPPの安全保障上の意義ということでございますけれども、これについては、我が国の同盟国である米国、あるいはこの地域で自由民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する国々、そういった国々とともにTPPというアジア太平洋地域の新たなルールをつくり上げていくということは安全保障上のメリットが大きいと考えております。

 すなわち、日本の大きな方針として、力によるのではなくて法による秩序をつくって強化していく、これが日本の国益であり、安全保障上も重要だというのが基本的考え方でございますので、そういった意味で、貿易や投資といった分野でこういったルールづくりが行われるということは安全保障上大きなメリットがある。

 さらに、このTPPを通じまして、アジア太平洋地域における経済的な相互依存関係というのが深まっていくということは、我が国の安全保障にとっても、また、この地域の安定にも大いに寄与するというふうに考えております。

今村(洋)分科員 今、おっしゃられたように、安倍総理も本年の三月十五日の記者会見で、日米が新しい経済圏をつくり、自由や民主主義などを共有する国々が加わることは、日本の安全保障やアジア太平洋地域の安定に大きく寄与すると、安全保障上の意義も強調というふうに報道されております。

 私は、TPPに参加して、安全保障上有利になる点もあるかもしれませんけれども、これは経済協定ですから、日本がそれによって経済的な打撃をこうむって安全保障が脅かされるという事態も起こり得るのではないかというふうに考えております。

 例えば、関税の撤廃によって、九州以南の南西諸島の島々において、牧畜であるとかサトウキビが大きな被害を受けた場合に、そういった離島に産業がないから住めないという事態が起きて、尖閣周辺の島々においても人がいなくなって、そのせいで防衛がおろそかになる。今の状況ですと、そこに自衛隊とかを派遣せざるを得ない。

 そういったことが起きて、一層、安全保障上の不安定さを招いてしまうのではないかという懸念がある、そういう意見もあるというふうに私は聞き及んでおりますけれども、その点についてはどうお考えになりますでしょうか。

茂木国務大臣 いずれにしても、我が国としてこれから交渉に正式に参加をする、国益にかなうような交渉を進めていくということでありまして、その国益の中には、経済的な利益だけではなくて、我が国全体の安全保障にかかわる問題、こういったことも当然含まれてくると思っております。

 同時に、そこで最大限とれるものはとる、守るものは守る、その一方で、国内についても国内対策をしっかり進めていかなければいけないと思っております。

今村(洋)分科員 ありがとうございました。

 法を解釈する言葉に、継受法というものと固有法というものがあります。継受法とは、外国から継承、接受した法、つまり受け入れるということですね。グローバルスタンダードなどを導入するというような意味であると思います。反面、固有法とは、グローバルスタンダードをうのみにせず、みずからにふさわしいものは何なのかということを考えて、自国独自の倫理や慣習に基づいてつくり出されたものをいうそうです。

 今回、TPPにおきましては、飛び乗るべきバスは一つしかないとか、そういったことを元外務次官である谷内正太郎さんとかがおっしゃっていますけれども、私は、もう一歩とどまって、スタンド・アンド・ファイト、踏みとどまって戦うといったところを日本は選択し、継受法ではなく固有法といったようなことが今後の日本を救う、みずからを助くる者はという観念に基づいて日本の国益をかなえていかなければいけないというふうに考えます。

 最後に、その点について、大臣にお考えを述べていただければありがたいと思います。

茂木国務大臣 グローバルスタンダード、まさに我が国が主体的につくっていくものである。

 今回、TPPに参加をさせていただく。これは単にTPPにとどまらず、総理も表明しておりますように、これがまさにこれから成長するアジア太平洋地域でのルールづくりの土台になっていくんだ、RCEP、そしてFTAAP、広がっていくアジア太平洋の経済連携の基盤になるルールづくりだ、こういった側面もございます。

 その一方で、我が国の主権は守っていかなきゃなりません。そして、主権にかかわるさまざまな法律は、その主権を守るためにきちんと守っていきたいと思っております。

今村(洋)分科員 日本にとって安全保障は、当然、国の存亡をかけた問題ですから、重要だと思っております。

 アメリカにとって、アジア太平洋地域の安全保障の重要なパートナーとして本来尊重されるべき我が日本が、アメリカの単なる市場としてしかアメリカの目に映っていないとすれば、日本も対応を考えざるを得ないというふうに思います。

 先生と同じ内閣に入っておられる稲田大臣は、一昨年の十一月、まだ野党でいらっしゃった自民党の時代に、「普天間のツケをTPPで払うな」と題して、産経新聞で、米国の御機嫌をとるために交渉に入るとすれば、政権維持のために国を売る暴挙だというふうにおっしゃっています。私、同じ言葉を安倍内閣にささげて、この質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

小此木主査 これにて今村洋史君の質疑は終了いたしました。

 次に、鷲尾英一郎君。

鷲尾分科員 民主党の鷲尾でございます。

 分科会が朝から行われているということで、もしかしたらちょっと質問がかぶるかもしれませんけれども、できる限りそうでない質問をさせていただきたいと思っているところでございます。よろしくお願いします。

 まずは、離島ガソリンの流通コスト支援事業についてお聞きをしたいと思います。多分、この質問は初めてじゃないかなと思います。エネ庁が所管をしている事業でありますので、お聞きしたいと思います。

 まず、これはたしか一昨年から始まっておりますけれども、この流通コスト支援事業について、離島に住んでいる方からは、やはりガソリンのコストが本土と離島で随分と格差があるということで、感謝を、御評価をいただいている事業だと認識しておりますけれども、この実施状況につきましてお聞かせをいただきたいと思います。

茂木国務大臣 けさから一連の質問が続いておりますが、初めての御質問であります。

 おととしの五月に開始しました離島ガソリン流通コスト支援事業については、全国二百の離島における約六百九十の販売店において、離島であるがゆえに割高となっているガソリンの流通コストに着目した支援を行い、小売価格の低減を図るものであります。平成二十五年度におきましても、三十・五億円を計上しているところであります。

 補助事業の効果といたしまして、離島のガソリン平均価格は、事業により九・三円値下がりをし、制度開始以前に二十円以上あった本土との価格差も、足元で約十四円と、小さくなってきているところであります。

 これに対して、さまざまな離島の皆さんとの対話の中で、この事業効果等についても御説明をしております。評価をいただいている部分、ただ、まだそれでも高いよね、こういうお声もありますので、平成二十四年の六月より補助単価の見直しを行いまして、本土から特に遠方にあり、輸送コストが割高となる一部の離島、例えば佐渡島とか奄美群島、小笠原諸島などにおいて支援を充実したところでありまして、今後とも離島における石油製品の価格の低廉化にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

鷲尾分科員 政権がかわってもそういう共通の認識を持っていただけるというのは大変ありがたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 これはたしか、事務取り扱いの費用も予算化をして、業者に支給、支援をしているということでありますけれども、広報ビラがありまして、しっかりと予算化して、要するに、離島のガソリン価格はもともと高いわけですけれども、ちゃんとPRを行って、その値段が下がっているんだ、政策経費によって値下がりをしているんだという事実を離島の皆さんに知らしめるということをあわせて行うべしということで指導していると思いますけれども、どうもこの広報ビラ、現場を見ますと、まだまだ張っていない事業者がいます。そうなりますと、企業が勝手に努力で下げているんじゃないかと誤認、混同する消費者もいるわけで、これでは、政府がしっかりと離島の暮らしに対して支援をしているんだという理解が不足するという結果になりかねません。

 こういった事態が散見されるという事実についてどう認識しておられるのか、そして、今後、それを是正するためにどういうことを考えておられるのか、お聞きしたいと思います。

後藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話があったように、ビラが十分張っていないのではないかというような御指摘をいただいているところに対しましては、引き続き、私どもの方もしっかりと全国的にやってまいりますし、また、新たな支援事業として、その普及啓発事業もやっていきたいと思いますので、その辺の事業を使いながら、普及啓発については引き続きやらせていただきたいというふうに思います。

鷲尾分科員 ぜひ、また現場に入っていただきたいですね。やはり、そこら辺は、怠けているというのか、指導が徹底されていないというのかわかりませんけれども、ちゃんと島民の皆さんに伝わらないというのは、政府として、国民の税金をそこに支援として使っているわけですから、これは離島以外の国民からもじくじたる思いを寄せられる可能性はあると思います。ですので、よろしくお願いしたい、徹底していただきたいと思います。

 それから、引き続きまして、もちろん輸送コストという部分で政策経費を充てていると思いますけれども、それが事業者の利益にまで及ぶということは、当然、政策の趣旨としてはあってはならないというふうに思っておりますが、本土と離島のガソリンの格差は、結構大きいわけです。そして、こういったガソリンの流通コスト支援というのを行っても、先ほど大臣からも御答弁いただいたとおり、なお高い部分もあります。なお高い部分があるというのは一体どういう要因なのか、これはエネ庁としてどう捉えているのかということをお聞きしたいと思います。

後藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今、先生御指摘のように、確かに離島のガソリン価格は、補助をしてもまだ割高であるというようなお話は私どもとしても伺っております。

 幾つか要因が考えられますが、まずは輸送コストの問題が当然大きいと思います。

 それ以外に、販売量が相対的に小さいということによって、小口販売によることのコスト、トータルとしてのコストがかかるということと、そういう意味では、固定費負担が小口によって相対的には大きくなっているのではないかということが考えられると思っております。

 さらに、都会のサービスステーションとは違って、商売の多角化ができにくい。例えばタイヤ、自動車整備など、いろいろなものによって利益を上げていくということはなかなか難しいんだろうなというような状況があるということ。

 それから、価格競争もやはり相対的に働きにくい。離島の中にそんなにステーションがあるわけではないので、価格競争ですごく値引き販売がされる状況にもないということもあると思います。

 それからあと、セルフ店なんかが少ないことによって、人件費負担もそれなりに高いというような状況もあって、そういう複合的な要因によって割高になっているのではないかというふうに考えております。

 以上でございます。

鷲尾分科員 年末来、円安になりまして、ガソリン価格も高騰いたしておりますし、これが結局は、我々がどれだけ島民の生活をおもんぱかりながら支援をしても、結局高いじゃないかという評価に一部つながっているというのはいたし方ない部分がありますけれども、今言った実情は実情として、恐らくそうなんでしょう、そういう部分はあるんでしょう。しかし、事業者のコスト削減努力をあわせて促すということも、やはり政府としては責任を持って取り組んでいただかなきゃいけないと思います。

 大臣、一言、そういった面で、ぜひとも、削減に取り組んでいくというところの御意見をいただきたいというか、御見識をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 現実に価格差は存在するわけですから、それをどこまで縮めることができるか、最大限の対応を図っていきたいと思っております。

 広報活動につきましても、六百九十の販売店ですから、きちんと張ってもらうということは、私はできるんだと思います。事実も確認した上で、しっかり対応したいと思います。

鷲尾分科員 ありがとうございました。

 それでは、次の質問に移りたいと思います。

 地場産業の後継者育成支援の点について、幾つかお聞きをしたいと思います。

 中小企業の後継者育成は、どの地域でも問題になっております。地場産業を維持していき、そしてそれが雇用の核になるということからいっても、地場産業がどんどん衰退していく、なくなっていくということは、地域の経済にとって大きな打撃であります。

 ですから、その後継者育成という部分で支援をしていかなければいけないというところでありますけれども、全国各地で中小企業大学校というものを開校しているわけであります。中小企業大学校を開校して、後継者育成も支援をしている、ここに政府の支援が入っているわけであります。この事業の展開状況、展開されている座学、私もパンフレットを見せてもらいましたけれども、たくさんの座学の講義をされております。

 この中小企業大学校の事業そのものが実際どう運営されているのか、これはやはり、政府が支援している以上、逆にチェックをしていかなければいけないと思いますけれども、受講率というのは大体どんなものなのかということをお聞かせいただきたいと思います。

守本政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業大学校におきましては、中小企業、小規模事業者の経営者、工場管理者、あるいはそうした企業を支援する人材を対象といたしまして、全国九カ所の大学校で研修を実施中でございます。

 例えば、中小企業、小規模事業者の工場管理者として必要となる生産管理の知識や手法について、演習あるいは少人数による自社課題の分析、そういったさまざまな研修を行っているところでございます。

 平成二十三年度ですけれども、大学校全体としましては五百九十一回、約一万六千二百人に対して研修を実施しております。

 この定員に対する受講状況を示しました受講率というものがございますが、これは、大学校ごとに多少差はありますけれども、例年おおむね九〇%超の状況ということでございまして、その年々における中小企業、小規模事業者の課題に応じた研修カリキュラムに見直していくなど、引き続き、受講率あるいは研修効果の向上に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

鷲尾分科員 九〇%超というのはすごいですね。私も今初めて聞きましたけれども、各地区、いろいろとばらけてはいるんでしょうか。

 例えば、ここで提案をさせてもらいたいと思いますけれども、当然、低い受講率のクラスというのもあるだろう、高いものというのもあるだろうと。そこら辺、人気の有無とかそういったものも把握しておられるんですか。どうでしょう。

守本政府参考人 個別の定員に対する募集人数というものを把握しておりまして、人気といいますか、募集状況も見つつ、見直しを行っているということでございます。

鷲尾分科員 随時見直しを行っているということですけれども、授業自体のニーズがどこにあるのかというマーケティングができていないと、まあ九〇%超というのは私からすると大分好成績だなと思います。もうちょっと低いかなと思っていたので、しっかりしろと言うつもりだったんですけれども、九〇%超だと、なかなかよくやっているなと言わざるを得ないなと。言わざるを得ないという言い方をしたらあれですけれども、非常にいい結果で、評価を申し上げたいと思います。

 もう少し突っ込んで、今度また別の機会に質問させていただきたいと思いますけれども、ぜひとも、であるならば、中小企業のニーズというのも時代とともに移り変わっていくでしょうし、実際に、その中には、受講率が低くなる、あるいは、もっともっとこうしてくれという要望があるものもあるでしょう。そういったマーケティングをしっかりとしながら、講座を真に中小企業をサポートするために提供していただきたいということを申し上げたいと思います。

 それから、今年度から、これはもしかしたら質問がかぶっちゃうかもしれませんけれども、ものづくり小規模事業者等人材育成事業というのが実施されるということを聞いております。事業の内容もちょっと詳しくお聞きしたいなというふうに思いますけれども、民間団体に事業補助を行って、技術の伝承を行う人材をそこで確保しますよ、確保したその人材を小規模事業者へ派遣するということを想定しているやに聞いておりますけれども、いかがでしょうか。

守本政府参考人 お答えを申し上げます。

 大変失礼でございます、若干の……(鷲尾分科員「違いますか」と呼ぶ)はい、正確に申し上げると、こういうことでございます。

 本事業は、ものづくりの小規模事業者の技術、技能の継承支援ということでございまして、製造現場で実際に中核人材として働いている方々が民間の団体が実施する講習を受講する、その場合に、その受講の費用を補助するというものでございます。

 講習の実施主体でございますけれども、これは、ものづくり人材の育成に取り組んでおります機関、大学等を想定していますけれども、国、自治体、大学等で広く技術、技能に関する講習を実施する、あるいは豊富な指導経験を有する技術継承支援者、この方たちが講師になって実施しているものという条件になってございます。

鷲尾分科員 事前にレクチャーを受けたんですけれども、やはりいろいろ認識の相違があるものですね。聞いておいてよかったです。

 それで、私が気になっておりますのは、中小企業大学校というところで、座学でいろいろ講座を受けるということをやっています。技術の伝承ということになりますと、そもそも、やはり、現場に入って手とり足とり、あるいは、今までやってきたことの工夫を、こうした方がいいなということがものづくりの技術伝承ということには欠かせないと思うんです。そこである程度現場に即した制度というのをつくったんじゃないかなという、そんなイメージを持っておったんですけれども、現場で伝承をしていく、その支援をしていくということなんですか。講義を受けるということと現場で伝承するというイメージが、どうもかみ合わないんですね。ちょっとそこを説明していただけませんか。

守本政府参考人 お答えを申し上げます。

 このものづくりの人材育成事業が対象にしている人材といいますか能力というのは、三つほどございます。

 一つは、機器の使いこなし、多能工化のための技術、技能の向上ということでございまして、これは、例えば自治体などでマイスターカレッジ等をやっていますけれども、かなり実地の訓練といったようなものも含んでございます。

 それからもう一点目は、機器の使いこなし、多能工化の指導能力。これは、中核人材がさらに若い人に現場で技術を教えていく、そのための指導能力を講習するというのが二点目でございます。

 また、三点目につきましては、現場改善力の向上ということでございまして、これはまさに、現場の動線の見直しでございますとか、どのような形で効率を上げていくか、そういった実践に即したもの。

 この三種類を念頭にやっているということでございます。

鷲尾分科員 ちょっとまだ私はイメージできないところもあるんですけれども、これは、では、現場の方に入ってやるということなんですか。例えば、企業内で、三位一体なところも当然あるでしょうし、中核人材が、さっき言った民間団体等というのがどういう形で現場に入っていくのかなと。ちょっと私はうまくつかめないんですね。そこを説明していただきたいんです。

守本政府参考人 お答えを申し上げます。

 この人材育成事業に関しましては、先ほど申し上げましたように、講習機関が実施しているものに対して、そこに通うための講習費用を支援するというものでございます。

 他方で、それとはまた別に、これは組合事業としてやっているものでございますけれども、事業協同組合等が、自分の事業別の組合員に対して、これは実際の現場も使いながら講習をしていくというようなものに対する支援事業というのは、また別途ございます。(鷲尾分科員「この制度でやるということですか」と呼ぶ)この制度とは別に、これは中小企業中央会の予算としてやっている別の事業がございます。

鷲尾分科員 最後の質問でちょっと今の点を言いたかったわけですけれども、私が申し上げたかったのは、結局、私は、今の回答をもらっても、やはり、講習を受けるということは、一カ所にみんなを集めて講習をやるということなのかな、どうなのかな。でも、技術の伝承ということを考えたら、やはり、その企業のやり方であるとか、その企業の独特の技術であるとか、それは業界に即した、ある程度一般的な技術なのか、それぞれで意味合いが違ってくると思いますけれども、本当に中小零細企業の後継者育成ということを考えるならば、少し個別具体的な技術の伝承の仕方ということを考えなきゃいけないだろうと私は思います。

 そういうことを前提とするならば、何か一ところに集めて講習を受けるということも大事かもしれないけれども、例えば、業界で、全国組織とかいろいろな組合がありますよね、その組合が加盟企業と協力をし合いながら、組合自体が企画運営をして、その加盟企業の現場に技術伝承をする、あるいは、そういった施設を組合がつくり上げて、そして、そこで加盟企業が本当に欲しい技術について現場に即した伝承を行う、それについて支援をするというようなものの方が、何か集まって講習をするというより、よほど現場に即した、生きる技術伝承になるんじゃないかと思っているんです。

 この点についての支援策を具体的にお聞かせいただけるとありがたいです。

守本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、組合が技能承継に取り組んでいくというのは重要なことだと認識をしてございます。

 御指摘のようなケースにつきましては、経済産業省としましては、まず、事業協同組合等の中小企業組合が研修施設というような共同利用施設を設置する場合には、その設置に必要となる経費を最長二十年間低利で貸し付けを行う融資制度がございます。

 また、第二に、先ほどちょっと申し上げましたけれども、全国単位の中小企業団体がその組合員等を対象として業種別の専門的知識あるいは技術等に関する研修を行う事業に対する補助制度といったような支援制度を設けてございます。

 引き続き、中小企業、小規模事業者の人材育成に取り組んでまいりたいと思っております。

鷲尾分科員 では、その個別的なものについては、委員会の質問でないところでも、ぜひともちょっとまた詳しくお聞きをしたいというふうに思います。

 最後に、小規模企業の政策的支援についてですね。

 ことし、これは二十四年度の補正予算で、ものづくり補助金ということで、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金というのができたということでございます。この補助金ですけれども、従来の、我々の政権がやってきたものづくり補助金との違い、これについてちょっとお聞かせをいただけないでしょうか。

守本政府参考人 このものづくり中小企業試作開発補助金でございますけれども、これは、日本経済の根幹を支える中小企業、小規模事業者の活力を最大限発揮する環境を整えるということでございまして、平成二十四年度の補正予算で措置したものでございます。約一万社のものづくり中小企業、小規模事業者が行う試作品の開発設備投資を支援してまいるということで、一千七億円を措置していまして、三月十五日から一次公募を開始してございます。

 特徴としては、ニッチ分野への特化、あるいはサービス、顧客への提案、あるいは小口、短期納期への対応といった、小規模な中小企業のものづくり技術高度化を目指して、認定支援機関の支援を受けつつ実施をしていくというものでございます。

鷲尾分科員 それでは、認定支援機関、これはどんなものを意味されているのか。

 それから、もう一つあわせて質問してしまいますが、たしかこれは、中小ものづくり高度化法の二十二分野の技術を活用した事業だということです。

 この二十二分野の技術の活用ということですけれども、例えば、私の地元ですと、洋食器製造というのがあるんですよ。ところで、研磨の工程がありまして、カトラリーの側面を研磨する小端すりという技術があるんですよ。

 こういった技術工程、こういった研磨分野に関しては、納期の短縮とかそういったことも含めて、ぜひ適用範囲であってほしいと私は思うんですが、これは個別具体的にお答えをいただきたいと思います。

守本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、認定支援機関でございます。これは、昨年八月に施行されました中小企業経営力強化支援法に基づきまして、一定レベル以上の税務、金融等の知識、それに加えまして中小企業支援の実務経験を有する者として国が認定をした機関でございまして、現在、税理士、弁護士、金融機関等約六千七百の支援機関が認定を受けてございます。

 ものづくり補助金におきましては、認定支援機関に、事業計画の策定、事業計画の実行、これを支援していただくという役割を担っていただいてございます。この事業計画の策定については、仕入れ、販売、設備といった計画のみならず、生産工程、あるいはビジネスモデルの再構築といったところまで支援を期待しているということでございます。

 それから、先生御指摘のとおり、ものづくり補助金の対象技術、これは中小ものづくり高度化法の二十二技術を対象としています。これにつきましては、金型、電子部品、高機能化学合成、発酵といった、中小企業が担う重要な技術を広くカバーをしているということでございます。

 お話がございました洋食器でございますけれども、これは実際に製造工程がどうなっているのかというところによるんですけれども、一般的に申し上げますと、研磨工程というのは切削加工という中に含まれているというふうに解釈をしておりますので、入っている可能性が高いのではないかというふうに思っております。

鷲尾分科員 了解をいたしました。

 中小企業、特に小規模事業者はいろいろな技術がありますので、できるだけ幅広に適用範囲を広げて取り上げていっていただきたい。そうじゃないと、一万社というのは、なかなか集められないと思います。そういう部分も含めて幅広に取り組んでいただきたいと思います。

 最後に、中小企業投資促進税制についてお聞きをしたいと思います。幾つかありますけれども、特別償却の制度についてお聞きをしたいわけです。

 特別償却ということで、三〇%割り増しで償却をしますよということでありますけれども、個人的にはもっとどかっとやっていただきたい。一〇〇%即時償却くらい認めていただきたい。

 中小企業はお金があるところもありますし、投資を促進するというのは、とにかく、例えば税制上の優遇措置でいくならば、減価償却でちまちま割り増し償却しますよという話よりも、もう一〇〇%即時で、どんと即時償却をした方が、投資効率の面からいっても、皆さんが投資したくなる環境に近くなると思います。

 今申し上げたような、例えば一〇〇%となりますと、三〇%というよりはよほど象徴としてもいいと思いますし、それをPRしてもらった方が、それこそ今の政権にとっても私はプラスだと思うんです。何で三〇%そこそこなのか。できる限り即時償却の方が私は中小企業にとってプラスだと思いますが、この点、大臣の所見を最後にいただきたいと思います。

茂木国務大臣 中小企業の設備投資の促進は、極めて重要だと思っております。

 三〇%が高いか低いか、いろいろな評価はあるかと思いますけれども、対象の設備また地域を限定せずに行っている償却率としては最も高いというのが現実であります。

 ただ、今後どうしていくかということにつきましては、本年度末にこの税制の期限を迎えるわけですから、もう一度検討してみたいと思います。

鷲尾分科員 金融政策で、それこそ黒田日銀総裁が異次元金融緩和と言っていますけれども、やはり異次元税制優遇ということをやっていただきたいですね。そうすると、もっと政権の支持率が上がると私は思いますよ。敵に塩を送るわけじゃないですけれども、私も越後ですから、敵に塩を送っておきます。

 以上とします。ありがとうございました。

小此木主査 これにて鷲尾英一郎君の質疑は終了いたしました。

 次に、木下智彦君。

木下分科員 日本維新の会、木下智彦です。

 本日は、またまたまた質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。

 まず、本題に入る前になんですけれども、きょうは、大臣初め皆様方、最後の最後まで、夜まで質問の時間があると思いますので、大変お疲れのところ私どもの質問につき合っていただきまして、本当にありがとうございます。

 そこで、先日、予算委員会の中で我が党の東国原議員が、国会の中でちょっとこれは直した方がいいんじゃないかというふうに言っていたことがいろいろあって、例えば、動議をするときに大きな声でずっと長く言ってみるとか、あとは、やじがおかしいだとかいろいろ言っていたかと思うんですけれども、私も、これは直した方がいいんじゃないかなと思うことを先に一言お話しさせていただければなと。

 というのは、きょうの質問もそうですし、前回もいろいろと茂木大臣にはおつき合いいただいているんですけれども、その前日であるとかに、どんな質問をするのかということで、各省庁の方々、夜遅くまで私どもの方につき合っていただいて、内容の確認をしたりとか、相当苦労されている。そういう意味では、逆に私の方も、説明をするためにわざわざアジェンダみたいなものをつくってみたりとかということで、相当時間をかけることになります。

 本当のことを言うと、もっと大臣と膝を突き合わせてお話をして、前向きなことをやっていければなというふうに思っていながらも、どうしてもそういうところで時間がとられてしまうということが相当無駄なんじゃないかな。

 やはり、各省庁の方々は心配されて、大臣だとか答弁者の方々に恥をかかせないようにしたいから細かいところまで聞いてこられると思うんですけれども、そこを、全員が全員そうじゃないと思うんですけれども、少なくとも私は、安倍政権が三本の矢と言った中で、三本目の矢が成長戦略という形で、やはりこれからの経済産業省の役割というのは相当大きいと思うんですね。

 そこを、国会議員がみんな一丸となって進めていくということが重要だと思っているので、細かいところを突っ込んでどうこうというような話ではなくて、どうやったら本当に成長戦略につながるのかというふうな本質的な話ができればいいなというふうに思っておりますので、ぜひとも、余り各省庁の方々も構えずに、よろしくお願いいたしますというふうにまず最初に言わせていただければなと。

 大臣、もしよろしければ、その辺のコメントをいただければ。

茂木国務大臣 大臣が恥をかくのではないかというお話をされましたけれども、私なりに、自分の政策、そしてまた経済産業省の政策につきましては理解しているつもりであります。それはちょっと、先生、幾ら何でも言い過ぎなんじゃないかな、訂正をしていただきたいと私は思います。

 その上で、例えば、細かい事実関係であったりとか細かい制度論について御質問があるときに、なかなかそういう細かい数字まで確実にわからない部分もあります。その場で確認したりとかで時間を食ったり、また後でお知らせするより、もしそういうことをお聞きになるんだったら、事前にお話をいただければ、その資料なりを用意して準備する、そういった意味で役人も先生の方に伺ったりして、全体が円滑に動くようにということでそういった御相談に伺っているんだと私は思っております。

 我が省の役人が、大臣や副大臣、政務官に恥をかかせないために、また、それではまるで私が答弁を棒読みするようですから、決してそんなことはありませんから、そこのところだけ誤解ないようにお願いいたします。

木下分科員 ありがとうございます。

 大変申しわけないことを言ってしまいました。私は、本当に、そういう意味では、茂木大臣はそんな方じゃないというふうに思っておりますので、逆に、周りの方々が心配するようなことはないんだろうなというふうに思っていたのを、ちょっと言葉が足りなくて、大変申しわけございません。訂正させていただきます。

 そういう意味では、繰り返しになりますけれども、やはり、一生懸命、一緒になってこの日本をよくしていくというふうな気持ちは私も変わりませんので、ぜひともよろしくお願いいたします。

 それから、きょうもこういうふうにして時間をとっていただきまして、質問時間三十分、これは国会の中の慣例だということで、三十分みっちり話せということだと思うんですけれども、なるべく短くして、少しでも皆様が休憩できるようにできればいいなと。そうはいいながら、三十分話さないんだったら今度から二十分にするぞとか言われてしまうのもちょっとあれかなと思っているので、その辺はこちらの努力かなと思っておりますが、よろしくお願いいたします。

 では、本題の方に入らせていただきます。

 まず最初に、これは内閣官房の方に質問させていただきたいんです。

 今、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法の一部を改正する法律案についてというのがそろそろ上がってくるというふうに聞いております。この内容、概要で結構ですので、少し説明をいただきたいと思います。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで我が国で実施されておりましたPFI事業の大半は、もう先生御承知のとおり、費用のほとんど全てを公共側が延べ払いという形で支払う方式でございます。資金調達もほとんどデットが多いような形でございます。ただ、これでは、PFI制度の目的である民間資金等の活用という点からいかがなものかという御指摘をいただいたところでございます。

 そこで、本来は、なるべく税金に頼らず、事業から上がる収益によって採算をとるという方式が大変望ましいわけでございますが、その場合に、従来型と比べまして資金の回収リスクが非常に高まるということで、銀行からの借り入れだけでは資金調達が難しいということになります。このため、諸外国のインフラ投資市場にあるようなインフラファンドによる資金提供が不可欠というわけでございますが、先生御承知のとおり、我が国には、まだその市場自体が非常に未整備で、本格的なインフラファンドが一つもない、こういう状況でございます。

 そこで、このインフラファンド市場を育成することを目的といたしまして、国が資本性の資金を一部供給することで民間資金を間接的に誘引する、いわゆる呼び水効果によって、なるべく税財源に頼らない方式のPFI事業に対する民間側の積極的な出融資を期待するために、今回の改正法案で、官民連携インフラファンド、民間資金等活用事業推進機構の設置を盛り込んだということでございます。

木下分科員 ありがとうございます。

 まさしく、今の御説明いただいたところを聞いていると、本来であれば、PFIに対して国がお金を入れていくのはよくないというふうなことはわかっていらっしゃるということだと思うんですね。

 なぜならば、やはりPFIということは、民間に委託する。そこの中で一つあるのが、特に独算型、独立採算型のPFI事業というのは、全てのリスクを民間の方に渡して、そこの中で採算をとっていくというのが一番好ましい。そのために民間に委ねているという形になっているんだけれども、資金が回らないからお金を注射するという形になる。注射するといいながら、国から直接お金を入れるというのは少し違うよねということで、ファンドからお金が入っていくという形になる。解釈の違いで、直接的であろうが間接的であろうがちょっとおかしいじゃないかという話はあるかもしれないんですけれども、結局は国から間接的にお金を入れる形になるということになると思うんですね。

 本来的な目的からすれば、官が不得意とするような事業経営と利用者サービスの充実を図るということとともに、民間にリスクコストを負担させることで血税の支出を削減するという目的を担っているものだというふうに考えているんですけれども、どうしても、形上は民間に任せるというふうにはなっているんですけれども、国からお金を出すというところは非常に好ましくないんじゃないかな。やはり、どう考えてもそうだと思うんですね。

 先ほどちょっと御説明いただきましたが、その辺、どういうふうに考えていらっしゃるかということをもう一度お話しいただけますか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御承知のとおり、インフラファンドは諸外国ではかなりたくさんあるわけですけれども、実は、インフラファンド先進国と言われている例えばイギリスでありますとか、韓国もインフラファンドがかなりたくさんあるわけですけれども、いずれも、ファンド市場創設のときには、イギリスの場合は、PFI事業に国が直接補助金を出すという形の支援をいたしましたし、韓国も、最低限の収入を政府が保証するという形の、そういう意味では、政府がリスクをとる形でファンド市場の立ち上げ時期を支援するということをやっておりました。

 いずれも、この制度は民間の方の市場が成熟した段階でなくなっているわけですけれども、私どもも、今回のファンドに国費を入れるということは、PFI事業そのものの支援、そういう補助金的な観点ではなく、あくまでファンド市場を育てるということで、しかも、時限的に、十五年間で業務を完了する、こういう形で制度を考えているところでございます。

 政府はあくまで呼び水に徹するということでございますので、このファンドは、過剰なリスクをとらないで、リスクをとるほかの民間資金の補完的な形でお金を出すというふうにしておるところでございます。

 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、なるべく税財源に頼らないで、民間の資金、経営能力を最大限に活用するというPFI制度の本来の趣旨を十分踏まえた運営を行っていきたいと考えております。

木下分科員 ありがとうございます。明快な御答弁をいただきました。

 そういう意味では、そうはいいながら、やはり懸念があることは懸念があるんだと思っております。というのは、迂回的に国のお金を民間に突っ込む形になるということは好ましくない。ただ、時限を設けてやるんだということ。

 それからもう一つは、まず最初に民間が参入しやすくするために呼び水にするんだ、そこの目的が一番大きな目的だと思うので、それをどんどん進めていっていただきたいと思うんですね。

 そこで、ちょっと大臣にひとつあれなんですけれども、これはうまくやらないと、要は、お金を一旦ファンドに入れて、そこからもう一度民間の方にお金を入れるという形になるので、相当慎重にやらないと、よくいろいろなところで言われているように、形態を複雑化することによって見えなくしてしまうということだとか、一つ箱物のようなものをつくって、また省庁の方々の天下り先をつくっている形にならないのかというふうに言われてしまう懸念というのが、やはり周りで私が聞いていてもあるんですね。

 そこはそうじゃないということだと思うんですけれども、その辺、もう一度確認したいので、大臣の方から一言御答弁いただければと思います。

茂木国務大臣 投資案件なんかによると思うんですけれども、かなりビジネスに近い部分というのは、なかなか官僚では目きき機能とかはありません。ですから、ファンドマネジャーを経験したり、さまざまな形で実際にビジネスがわかっている人、そういった人が中心になっていく。

 革新機構なんかはまさにそういったことで運営しているわけでありますけれども、事業によりましては、かなりパブリックな意味合いを持つ、それに近いもので、民間の資金でできた方がいいんですけれども、例えば、ほかに代替手段がないであったりとか、途中で民間企業が撤退した場合にサービスが提供できない、こういう危険性も出てくる。しかし、民間でできる場合にはそっちがいい。

 ただ、それぞれの事業に合った形のスタッフィングというのは行うべきだと思っております。安易に官に頼ることがいいとはもちろん思っておりません。

木下分科員 ありがとうございます。

 そして、このPFI法に関連して、四月の五日に閣議決定したところで、国土交通省の所管になっている法律案として、民間の能力を活用した国管理空港等に関する法律案というのがあります。ここについてもう少し突っ込んでお話をさせていただきたいので、概要についてお願いいたします。

篠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 今先生から御指摘をいただきました、空港運営に関する民間委託の法案でございます。

 背景といたしましては、我が国の国管理空港が、滑走路などの空港の基本施設は国が管理運営をしておりますけれども、空港ビルなどは別の民間企業が運営をしていて、空港として一元的、機動的な運営ができていないという現状がございます。

 そこで、私ども国土交通省といたしましては、PFI法の考え方を活用しながら、滑走路と空港ビルを一体として民間の方に運営委託するということを可能にする法案を今国会に提出させていただいているというところでございます。

木下分科員 その中で、経営一体化ということが一つ課題になる。

 もともと、着陸料なんかは、国が一旦もらったというのか収受して、それをプールした形にしていたのを、地域特性とニーズに対応した個別経営にするというお話と、先ほどの民間資金であるとか経営能力の活用という部分、それから、先ほど最後にお話しいただいた、空港とそれ以外の商業施設の一体化、ここが目的だと思っております。

 そこの中で、やはり民間に委託するというふうな形になったときに、まず、普通考えられるのが、手を挙げてくるような民間事業者というのを募っていく形になると思うんですね。

 ただ、今見ていると、着陸料であるとか、そもそも国が管理していたところと、もう既に民間がやっている、商業施設なんかは民間が全てやっているので、空港ビルなんかはそこで会計されているという形になっているんですが、それを一体化して、それで新たに事業者に任せることになるということなので、そうなると問題になってくるのが、その両方を合わせた資産価値が今どれぐらいなのかとか、収支の形態がどういうふうになっているのかということをちゃんとオープンに民間の方に見せていかなきゃいけないわけですね。

 ただ、今見ていると、空港自体の経営の中ででも、収支というのがもう個別の収支になっていて、なおかつ、既に民間に任せている部分というのは、民間に任せているので国が手を入れて見られるところじゃない。それがばらばらになっていると、今度は経営を一体化して誰か新しい民間事業者に任せるよというふうにいっても、なかなか中身の試算ができない。何が悪くて、どこに手を入れていけばいいのか、これがわからないことには、これから先、自分たちがやったとした場合に、どこを削っていって、どこを伸ばせばいいのかということがわからない。そうなると、先ほどのPFIの改正案と同じように民間が入っていく呼び水というのがなかなか生まれてこないじゃないかという懸念があります。

 では、実際はどうなのかと見てみると、やはりばらばらなところが多いので、ここをどういうふうな形で民間に対してオープンに見せていくのか、その辺はどういう考えを持っていらっしゃるかということをお聞かせください。

篠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 今先生御指摘のとおり、空港運営の民間委託を行う前提といたしまして、やはり民間企業の方々に対して適正な財務情報などをきちんと御提供申し上げていくということは大変大切だと思っております。

 そういう意味で、まず、国土交通省といたしましては、滑走路などの基本的な施設等に関する情報という関連で、平成二十一年度から、空港別の収支については策定をいたしまして、公表させていただいております。

 さらに、それに加えまして、空港ビルなどに関する情報開示も進めていく必要があると考えておりますので、今後、空港ビル会社の協力も得ながら、全体として必要な情報がきちんと提供されるような仕組みづくりをしてまいりたいと思っております。

木下分科員 ありがとうございます。

 そういった意味で、今、国土交通省が中心になりながらいろいろなことを考えられて、民間をうまく引っ張ってこようというふうな工夫をされているんだと思うんですけれども、これは大臣にお話ししたいんです。

 国土交通省は、インフラ事業であるとかそういったところはすごく得意だと思うんですけれども、実際の経営というふうなところで考えたときに、これから先、商業施設を中に入れてくるだとか、それから経営自体を効率化していこうであるとかということは、民間に委ねていくんだけれども、ビジネスシーンを考えたときに、これは失礼な言い方になるとあれなんですけれども、やはり国交省に任せているだけじゃなくて、経済産業省としてしっかりと、国交省がこういうことをやっているということに対してぼんと口を出して、ビジネスとして大きなビジネスにしていくんだというためには、リーダーシップをとっていただきたいなというふうに思っているんですね。

 そういう意味では、どうしても法案によって所管が決まっていたりということで難しい部分があるかと思うんですけれども、特にこういうインフラとそこに民間に入ってきてもらうというところでは、経済産業省としても何とかぐっと中に入って、本質的な議論をしていっていただければなと思いますので、その点について一言いただければ。

茂木国務大臣 新しい事業機会をつくっていく、また、新産業を育てる、そういう側面から、あらゆる可能性を追求してみたいと思います。

 もちろんそれぞれの所管がありますので、関係の省庁ともしっかりと調整をした上で進めたいと思います。

木下分科員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 続きまして、空港の話が出たので、実は私、大阪の豊中市というところの選出でございまして、豊中市の中には、隣の兵庫県伊丹市と挟んで、間に通称伊丹空港、今、大阪国際空港です、それがあります。そこの話で、地元で話を聞いていると、いろいろな話、いろいろな懸念が出ておりまして、その辺について少し質問をさせていただければなと思います。

 一番大きなところは何かというと、今計画されているリニアモーターカー、これの問題があるかと思っております。

 今後、大阪まで結ばれるのが二〇四五年という計画が立っている。東京―大阪ですね。それより先に、二〇二七年、東京と名古屋が結ばれるという形になっております。そうなると、東京―大阪間がリニアモーターカーで六十七分でつながるんだという計画になっています。

 片や、今の通称伊丹空港、ここは、単体で見たときには黒字化されているということ、それから、その中でも大きなドル箱路線というふうに言われているのが、東京羽田と伊丹の間を結ぶ航路が相当なシェアを占めているという形になっております。

 まだ先だ、三十年先だというふうな話をすればそれまでなんですけれども、やはりそこでいろいろな懸念が出てくると思っておりまして、その辺、今、国土交通省としてどういう形のことを考えていらっしゃるかということを御説明いただければと思います。

篠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 伊丹空港でございますが、昨年七月に関西空港と経営統合されまして、今、新関空会社という会社が一体的に運用をしているという状況でございますが、伊丹空港の将来のあり方につきましては、国土交通大臣が昨年六月に基本方針というものを定めてございます。その中では、両方の空港を運営する事業者が、中央リニア新幹線の開通など周辺状況の抜本的な変化を見通し、その廃港も含め、今後検討するというふうにされているところでございます。

 そういうことで、第一義的には、伊丹空港を含めました空港のあり方というものを両空港の運営主体である運営事業者が経営判断を行って、国がそれを最大限に尊重しながら対応していくということですので、まずは空港運営事業者がどういうふうに考えるかというところを見守ってまいりたいと思っております。

木下分科員 ありがとうございます。

 まさしく、民間に任せたんだ、だから、中身については民間の方々がしっかりと判断をして、彼らのビジネス感覚に委ねて今後の運営をしていくんだという意味では、うまくやれば、非常にいい効果が期待できればなというところなんですね。

 期待できればというところなんだけれども、状況は相当厳しいんだと思うんです。

 今は、民間に任せてしまうからいいんだといいながら、関空はまだまだ発着本数をもっともっとふやさなきゃいけない。国として、国益を考えたときに、あそこを相当大きな国際空港、ハブ化した空港にしていくんだということに、資本投下もやはりしていかなきゃいけないんだろう、空港整備という意味では。ただ、運営は民間に任せてちゃんとやっていくんだと。

 そうなっていながら、リニアがもう片方でやられているというのは、結構うまくやらないと、そのうまくやらないとというのが難しいんだと思うんですけれども、同じ国交省の中でそうやりながら、今もう民間に任せてしまったところが民間を苦しめるような形のことになってはならないと思うんですね。

 今、端的に切って考えてみると、伊丹空港というある程度黒字化されているところが、今後、三十年後、リニアのことを考えると、どんどん落ち込んでいく可能性がある。ただ、それは難しい問題だけれども、民間に委ねるんだという形になっているので、ここは、どういうふうに解決していくのかというのは相当難しいと思うんです。

 そこで、国ができることは何かというと、ちゃんと二〇四五年にはリニアが開通しますよと。それから、各県であるとか、大阪府ともそうですけれども、そういったところと調整をしなきゃいけない。どこに着くのか、ちゃんと二〇四五年には本当にできるのかということが明示されないと、民間の方も、どう判断していいものかというのが結構難しいことだと思っているんです。

 ましてや、今、民間に任せているんだといいながら、地元の人たち、それからある地方議員の方々ですとかそういう人たちは、伊丹空港が廃港するんじゃないかということをすごく心配されているんですね。

 今、伊丹空港は、国際線は飛んでいない、滑走路もこれ以上拡張することはできないという状態で、しかも、町中にある空港なので、夜は当然飛ばせられない。そういうふうにして考えていって、なおかつ、国内線の東京―大阪間がどんどん縮小されるというふうにいったら、端的に考えたら、いや、では国際線を飛ばせばいいじゃないかというようなことも言われている方がいらっしゃるんですね。

 ただ、全体的に見たときに、国際線を飛ばすというふうにいっても、乗り継ぎのことを考えたり、今の世界的な航空会社の流れとして、アライアンスを組んで、着いたらすぐに同じアライアンスの会社と接続ができるように、そういうふうな政策をとっていて、航空会社の中でもその調整役の人がいて、実は私の友人がそれをやっているんですけれども、相当頭を悩ませている。そんな中で、伊丹空港は、乗り継ぎが簡単ということはないので、これを考えると、国際線があそこにどんどんこれから先にまた復活していくということは余り考えられないのかなというふうに私は思っております。

 ここで少し、国交省だけで言うのはあれなので、今のその現状を考えたときに、ある種の国際線、LCCみたいなものは単発では残ってくるかもしれないんですけれども、経済的に考えたときには、結構ナンセンスなんじゃないかな。やはり、どんどん関空の方に集中していくようにするべきなんじゃないかな。それが国益につながってくるんじゃないかな。民間に任せているといいながら、その辺の認識はしっかりと持っておいた方がいいのかなと思っているんです。そういう意味では、経済的に見たときも、それがやはり関空周辺も含めた日本のあり姿なのかというふうに思っているんです。

 突然で申しわけないんですが、経済産業大臣、茂木大臣にちょっとコメントをいただきたいんです。

 もう一度ちょっとまとめますと、伊丹空港が、国際線がこれから先伸びていかないだろう、もう一度復活するとしても限定的なものだろう、それで、やはり国益を考えたときに、関空にどんどん国際線を集中させていく、それが国益につながるんだというふうに私は思っているんですけれども、その辺は経済的な観点から見てどういうふうにお考えかということをお願いいたします。

茂木国務大臣 国際的な基幹ネットワークそしてハブ空港を持つことは、極めて重要だと思っております。同時に、日本全体の底上げの意味からも、これは空港だけには限りませんけれども、さまざまな交通機関がきちんとつながっている、こういったことも大切であります。

 そういった全体像の中で、個々の拠点空港のあり方については検討されるべきものだと思っております。

木下分科員 ありがとうございます。

 まだまだ質問が残ってしまいました。早く終わろうと思っていたんですけれども、時間を食ってしまいました。

 それ以外にちょっとだけ言おうと思っていたことなんですけれども、そうなれば、恐らく、今、中小企業対策なんかを考えたときに、そういうグランドデザイン、国交省であるとか経済産業省という垣根を越えて、その周辺に対して、中小企業の対策なんかもめり張りをつけてやっていってほしい。そういうお話を少し最後にしたいと思っていたんですが、これは言いっ放しで申しわけございませんが……

小此木主査 次の機会に、よろしくお願いします。

木下分科員 質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。

小此木主査 これにて木下智彦君の質疑は終了いたしました。

 次に、秋元司君。

秋元分科員 自由民主党の秋元司でございます。

 きょうは分科会でございまして、本当に大臣、長時間お疲れさまでございます。私はこれまで参議院でございましたから、分科会という制度は参議院はなかったもので、きょうは分科会ということで初めてのトライでございますので、またよろしくお願いしたいと思います。

 早速でございますけれども、質問に移らせていただきたいと思います。

 アベノミクスを実行していただく、そういったことの中で、本当にようやく経済においては日本に明るい光が見えてきた。私は高くこれを評価させていただいているところでございまして、一本目の矢、金融緩和が本当に大胆に実施され、そして、いよいよ二本目である財政政策、平成二十五年の予算がしっかりと決まれば、これが実施されていけば、必ず有効需要につながっていく、そしてまた、平成二十四年度の補正予算も既にもう実施をされているところでありますから、じわじわと実体経済にも大きな影響を与えていくんじゃないかな、そんな期待をさせていただいているところでありますけれども、やはりこれから先、当然、財政政策だけに頼ることは難しいということの中で、最終的に成長戦略をどうしっかりと打ち出していくか、これがこれからの安倍内閣においても、または、産業をしっかりと育成するという観点から経済産業省においても、本当に大事な大事な局面があろうかと私は思います。

 ですからこそ、これから先、五月、六月、当然、政府、官邸の方でもさまざまなアイデアというのが出てくるのでありましょうけれども、しっかり我が党としてもこれは議論しながら、それなりのしっかりとした形を見出していきたいな、そんな思いであります。

 そういった観点から、最終的に本当の意味での実体経済を含めて成長戦略を打ち出す観点から、やはり私はサービス産業というのがこの国においては非常に大事であると思っていますし、これはもう釈迦に説法でありますけれども、GDPに占める割合が七割、そしてまた、雇用面においても約七五%がこのサービス産業であります。

 サービス産業は幅広いんですよね。飲食に始まり、または不動産だとか、建設もそうでありましょうし、また、それぞれ士業もそうであります。幅広い産業でありますからこそ、やはり、ここで働いている皆さんが、本当の意味での雇用そしてまた本当の意味での所得アップにつながっていかない限り、本格的な国民における景気回復またはデフレ脱却、そして、このアベノミクスが目指すところの所得アップ、これにつながっていかず、国民においても、自民党政権になって、また、自公政権になってよかったと思う実感までいかないと思っております。

 そういった面から、やはりこのサービス産業、これからしっかりとこれは国を挙げて応援していかなくちゃならないと思っておりまして、そういった観点から、経済産業省としてのこのサービス産業における基本認識、お伺いしたいと思います。

    〔主査退席、牧原主査代理着席〕

茂木国務大臣 アベノミクスの三本の矢の中でも、特に三番目の、民間投資を喚起する成長戦略をつくっていく、極めて重要だ、そんなふうに考えております。

 恐らく幾つかの柱というものが成長戦略の中で出てきまして、例えば、健康長寿世界一と大きな目標を掲げて現状からベクトルを引く中で乗り越えなきゃならないハードル、課題を解決する中で新しいビジネスであったり技術が生まれる、こういった分野もあります。

 同時に、これから国際展開戦略、例えばインフラ・システム輸出であったりクール・ジャパンであったり、さまざまなものを展開して世界の成長、アジアの成長を我が国に取り込む、こういったことも必要だと思っております。

 同時に、既存の産業、製造業の復活、そしてもう一つはサービス産業の高付加価値化、これは極めて重要だと思っておりまして、七割を占めるというお話でありまして、雇用吸収力があるんですね。その分やはり、言ってみますと労働生産性というか、これを上げていかなければならないということになってきます。

 しかも、秋元委員御指摘のように、いろいろな業種に分かれて、一くくりになかなか対策が打てない部分というのもあると思います。人材の育成であったりとかITシステム化、さまざまな支援も行っていかなきゃなりませんが、例えば健康関連の分野でいいますと、医療機器、医療サービスの国際展開であったりとか医療、介護の周辺サービス、これは伸びていくと思います。

 また、エネルギーの関連分野でいいますと、省エネとか節電等のエネルギーマネジメントに貢献するサービス、こういったものも、新ビジネスの創出ということで支援をしていきたい。

 ある程度分野を絞って集中的に資源を投入する部分と、全体を底上げする、両面で考えていきたいと思っております。

秋元分科員 本当におっしゃるとおりだと思います。当然、内需も大事にしながら外需にしっかり取り組んでいく、こうしませんと、やはり、先進国日本、バランスのとれた成長を遂げるということは難しいんじゃないかなと、私も同じ認識であります。

 そういった中で、今大臣がおっしゃいましたように、分野別で絞っていく、非常に大切なことであると思います。

 例えば医療の分野においても、先般、私も実はiPS細胞研究センターに視察に行ってまいりまして、京都大学の方に行ってまいりました。すばらしい研究室が用意されて、そして、そういう研究室が用意されながらも、現場の人に話を聞きますと、まだまだこうしてくれ、ああしてくれという声は当然あるんでしょうけれども、しかし一つの方向性として、やはりこの再生医療というものを日本の一つの産業としてどう育て上げるか、そういった観点からは、今、政府としてのさまざま英断の中に予算もある程度出されているということの中であの研究が進んでいるわけでございますから、大変私も期待を申し上げたいと思っております。

 片一方、私がどうしても心配しますのは、やはり中小零細企業育成という観点から、もっともっと地域経済に即した形のサービス産業、これは、商店街、そういったところを営む一つの担い手である産業関係もそうでありますけれども、とにかくここの皆さんも、本当に地域経済が元気になっていかない限り、本格的な景気回復、またはデフレ脱却、所得アップ、そういったことにはつながっていかないんじゃないかなと思っておりまして、そういった観点からは、経済産業省の方でも、これまで、サービス産業育成という観点からは、特に産学官が協力してサービス産業の生産性向上に向けた取り組みを進めるということで、これは第一次安倍内閣であったと思いますが、サービス産業生産性協議会、いわゆるSPRINGというものを創設をされて、さまざまなサービス産業に対して支援をしようということで試みを得ていただいたわけであります。

 最近、この活躍ぶりが全く聞こえてこないわけでありますが、今現在どのようになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

赤羽副大臣 今、秋元委員御指摘のように、まず、サービス産業の生産性向上また高付加価値化というのは、大変重要なことであることは言うまでもないことであります。

 また一方、御指摘のように、サービス産業自体は、外食ですとか小売、介護等々大変多岐にわたって、大臣の御答弁にもありましたように、一つの共通施策で解決するというのは非常に困難だと。であるがゆえに、産官学が連携してこのサービス産業の生産性向上や高付加価値化をどうやって図っていくのかというその取り組みの体制を整備することが必要だということで、今の御指摘のように、SPRINGは創設したわけでございます。

 これまでこのSPRINGでは、経済産業省から委託事業といたしまして、サービス品質の見える化を目的とした、これはもう固有名詞になっておりますが、日本版顧客満足度指数の開発と公表、また、人材育成とか国際展開などの分野において非常にうまくいった事例、参考となる企業の先進事例の公表等々、サービス事業者の高付加価値化のための支援を実施してきたところでございます。

 ただ、残念ながら、平成二十一年十一月の前政権の事業仕分けによりまして当省からの委託事業が廃止判定となって、これは毎年六億円の予算が計上されておりましたが、今は国からの予算がなく、同協議会の活動は極めて縮小されているような状況が続いております。

 ただ一方、サービス産業の生産性向上、または繰り返しになります高付加価値化というのは、引き続き重要な課題であることは言うまでもないことであって、同協議会も、今後どうしていくのかといったことを、今は具体案をさまざま検討されていると伺っております。

 これは今月の十八日に正式に発表となるというふうに聞いておりますので私の方からは具体的なことは言及できませんが、これまでの活動を振り返って、ややもすると大企業中心の取り組みが多かったというようなこともあり、地域の中堅また中小企業版の日本版顧客満足度指数の開発等々ができないかといったようなことが検討されているやに伺っております。

 また、一方で昨年の十月にはサービス学会というものを立ち上げられまして、このサービス学会と、これは産官学でいいますと学者さんの世界でありますが、そことSPRINGが連携をしながら連携強化を図るですとか、もっと言うと、当事者のサービス業界も巻き込んで、もう少し幅広い国民運動として活性化させていくための具体策が発表されると伺っております。

 経産省としても、このSPRINGと連携をしながら、サービス産業のさらなる生産性の向上に向けた取り組みを進めてまいりたい、こう考えております。

 以上でございます。

秋元分科員 ありがとうございました。

 まさにこのSPRING、残念ながら今は活動していないという状況でありまして、これをどういった形で復活をするのかということはこれからもう少し議論をしていかなくてはなりませんが、こういった厳しい世の中にあっても、やはり中小企業、零細企業においては、非常に努力に努力を重ね、創意工夫を得て、デフレと言われる経済状況になっても、しっかりとしたサービスを行うことによってお客様に満足度を与えて、普通の常識では考えられない販売価格でもって提供してそれがお客さんに受け入れられているというモデルをやっているところも、実は世の中にたくさんあります。たくさんといっても、そう多くはないわけでありますけれども。

 ですから、SPRINGがどういった形になるかは別としまして、今、御答弁の中にお話しありました、これまでは大企業が中心であったんじゃないのかという話でございましたけれども、今後は、それをより中小零細まで政策効果を得るために、特に中小零細にとっては、一生懸命頑張る気持ちはあるんですけれども、アイデアがあっても残念ながらそれを実施できないとか、資金的な問題もあるんでありましょう、あとは、なかなかえいやと勇気を持って踏み切れないとかいうこともありますので、いろいろな成功した事例をどんどん表にオープン化させることによって、ああいう中小でも頑張っている企業があるんだったら俺たちも頑張ってみよう、私たちも頑張ってみようという声が上がっていって、それぞれ各地域地域で、販売価格を上げて、そして、高付加価値のあるものをしっかりお客さんに満足してもらう形で販売できるというそういった形にしていくことが、ある意味、本当の理想の姿じゃないのかなと私も思う次第でございます。

 実は今般、自民党に、初めてなんでしょうけれども、サービス産業振興議連というのをつくらせていただいて、党でありますから、これは当然茂木大臣からも御指導いただかなくちゃならない部分が多分にありますけれども、議連を立ち上げまして、いろいろな各中小零細企業も含めて、小規模事業者も含めて、とにかく一旦我々党としても話を聞きながら、いろいろなモデルケースを我々も勉強させてもらって、あとどういう後押しをすればいいかということも含めて今後党でも議論していきたいと思いますので、また政府とここは最後はすり合わせをして、しっかりした制度として成果を上げていき、最終的には、このサービス産業に従事する皆さんの所得をしっかり上げていく、ここにつなげていきたいと思っております。連携をしっかりと密にしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 ちょっと話題をかえさせていただきますけれども、先ほどから申し上げているいわゆる成長戦略の点でありますが、日本が先進国として活躍すればするほど、やはり私は知財という分野は非常に大事だと思っておりまして、特に知的財産戦略というものは、法的なことも含めてこれまで以上に整備を図っていかなくちゃいけないし、最終的に、アメリカみたいになれとは言いませんけれども、やはり、この知財の分野である程度日本全体が稼ぐというそういった形に持っていくことも一つの成長戦略だと私は思うんですけれども、残念ながら、特にグローバル化した企業にとっては、国内の研究開発の発明と諸外国の研究開発の発明に違いが生じているという声も結構上がってきております。

 そして、結果的にいわゆる職務発明訴訟というのが頻繁に起きているという状況であります。やはりこういったものが起きると、国内における研究開発をしようという意欲が湧かないということも生じてしまいます。

 私は、いっそ特許法の三十五条でうたわれているこの分野をもっともっと整備をして、そして、最終的には発明者にある程度のインセンティブを付与する、そういったことを織り込むのも一つの考え方ではないのかなと思うんですけれども、この特許法三十五条の考え方も含めまして御答弁いただけますか。

小糸政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の職務発明制度でございます。これは、従業者が職務上行いました発明につきまして、使用者そして従業者、両者の間で適切に利益配分を行うということでさらなるイノベーションを促進をさせようという制度でございます。

 各国ともそれぞれ独自の制度を有しておるわけでございますが、我が国の職務発明制度は、発明に係る権利はまず発明者に帰属をさせた上で、これを使用者が承継する際に相当の対価を支払うという仕組みになっているところでございます。

 この職務発明に係る対価につきましては、使用者と従業者の自主的な取り組みを尊重すべく、平成十六年に法改正が行われたところでございます。

 しかしながら、その後も、御指摘のように、発明者への十分なインセンティブを付与していくことが重要ではないかという御意見がございます一方で、職務発明の対価の予見性がやはり依然として低くて、これが経営上のリスクになっているというような御意見もございます。

 当省といたしましては、今後、イノベーションの促進の観点も踏まえまして、内閣の知的財産戦略本部とも連携をしながら、政府で作成をいたしました知財計画二〇一二におきまして決定されましたとおり、二〇一五年度末までに結論を得ますよう、我が国の職務発明制度の望ましい今後のあり方について、さまざまな御意見を拝聴しながら検討してまいりたいというふうに考えております。

秋元分科員 ぜひこれはしっかり結論を出していっていただきたいと思いますし、特に我が国の場合は、どちらかというと、確かに発明者であっても、使用者側から見ますと、物事一つの発明をする間には、企業、使用者そのものがさまざまな経費負担をしているんだから企業のものだろうというそういった議論もあるわけでありまして、そのバランスをとって日本は中道を行っているというような印象を私は持っておりますけれども、これからイノベーションというものをもっともっと促進していくというそういった観点からは、やはり、発明者の皆さんにより意欲を持って頑張ってもらわなくちゃいけないというそういった側面もあると思いますので、この点は、私もこれから積極的にいろいろな場で議論させていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 残りの時間、中小企業の点と、そして、今後、成長戦略も含めてどんどんと日本経済が進めば進むほど、ある意味、いろいろな意味で格差という問題が出てきてしまうということが大分議論されてきておりますので、少し、その点も含めて議論させていただきたいと思うんです。

 先般、今国会の重要法案の一つとして、消費税の税率を上げたときに中小企業、零細企業にはなかなか消費税の価格転嫁がされないんじゃないのかという疑念の中で、この価格転嫁に対する法規定の国会審議をしたわけであります。

 特に今回、これは党でも相当議論しましたが、最終的に、いわゆる消費税還元セール、これは絶対に行わないようにという意味での法としての形を示させてもらったんですけれども、早速これに対するさまざまなハレーションが週末からあったようでありまして、大手流通小売業者からは、国がそんなことまで言うのはけしからぬだとか、場合によっては、先進国としてあるまじき行為だという声が飛んできているようでありますけれども、率直に、それに対する感想をお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 消費税は、例えば小売事業者が最終的に利得にするものじゃないんですから、まず還元できないんですね。やるとしたら国がやるしかないんです、消費税還元セールというのは。

 利益が上がった業者が利益還元セールをやる、そのことはよいことだと思っています。

秋元分科員 私も全く同じ認識でございまして、なぜああいった経済界からの声が出るのか、非常に私も疑問に思うところであります。

 我が党でもこの議論をしたときというのは、何だかんだいって、やはり中小の納入業者、または建設関連であれば下請、そういったところがどうしてもこの消費税はかぶらなくちゃいけない、価格転嫁できないということが常に言われているわけでありまして、取引関係における上下の関係というのはなかなか理論、理屈の議論じゃ通らないということもあったからこそ、法律でしっかり価格転嫁をさせよう、そういった思いで今回この法を、私も与党の一員として法案作成に参画させてもらって今回に至ったと私も思っているんですけれども、なかなか難しい話ですよね。

 私がつくづく思うのは、もっと突き詰めれば、こういった法律をつくっても、では本当にこれが転嫁が実際されるのかというと、実はまだまだ私は疑問の声が残ると思うんです。

 経済取引なんというのは、その都度その都度行われるのであって、正直言って、公正取引委員会が云々なんという議論はなかなかそこは目が届かない話であって、商売の間で、毎日取引をする中でいわゆる上下関係があれば、それはもうあうんの呼吸で従わざるを得ないし、中小企業から見れば、変な話ですけれども、サービスの一環として自分が受けざるを得ないなんという声はところどころ飛んでいるわけです。

 もっと究極の話をすると、我々政治としては、とにかく価格を上げていこう、しっかり総体的に価格を上げてもらおうという思いがあるんですけれども、価格なんというのは上がるものじゃないんだという前提の中で、これはもう長年デフレスパイラルが続く中でしっかり低価格ということがこびりついてしまっているものでありますから、そう簡単にやはり小売価格が上がっていくなんということはなかなか難しいんじゃないかというのは、実はもうちまたでは大分言われている次第でございまして、これを今後全体的な経済の発展と結びつけて価格を上げていくというのは、本当に至難のわざじゃないかなと私は思っております。

 そういった中でやはりこれは、せっかくこの法律を出した以上は成立をしてもらって、ある意味しっかり市場を監視するという観点から、法律ができた後は、経済産業省も含めて、この法律がしっかりそれぞれの全ての業界また全ての企業に行き渡る形で、特に中小零細企業に消費税率が上がった分がしわ寄せが行かないようにしていかなきゃならないということを、改めて申し上げさせていただきたいと思います。

 最後に、特に通告をしていないんですけれども、実は、きょう私のところにある団体の皆さんがいらっしゃいまして、大分いろいろなことを進言していただきました。これは先ほど申し上げた価格ということにもつながっていくんですけれども、実際問題、今、アベノミクスでいい経済の雰囲気が確かにできてきた。これはもう大いに歓迎すると言っていただきました。しかし、やはり中小企業、零細企業にとっては、当然、まだその波は来ていない。これは私も実感しております。

 一方、円安が進むことによって、輸入価格、特に建設関係にあっては材料価格がどうしても上がってきちゃう。あわせて、労務は、日々のものですからやはり上げざるを得ないという状況もあって、結果的に、真ん中に入っている中間的な企業だけが、自分たちが下からと上からとサンドイッチに挟まれて大分苦しくなってきているんだという声が上がってきておりまして、このアベノミクスの経済効果が出ていくには、やはりこの夏、またはさらに一年という形で、じわりじわりじわり実体経済に大きな、いい光の波及が行くと思うんですけれども、それまでの間、大分大変だという声が徐々に上がってくるようになってまいりました。

 そういった中で、では、我々、国として政治をやらせていただく立場の人間として何を彼らに最低限提供させてもらえばじっくりと経済の波及効果が上げるまで我慢できるのかなと思ったときに、共通インフラをある意味サポートしてあげる、それはやはりエネルギー価格なんだ、あとは燃料だとかこういったものなんだという声をきょういただきまして、そういった観点から、余り急激に燃料価格が上がったり電気料金が上がっていくと、それに対するコストというのは価格にも転嫁できない分大変厳しいという声が上がってまいりましたから、これは今後の課題としてでありますけれども、エネルギー、そういったものに対するサポートを、これはどこかの時期で行っていくこともやはり必要なのかなという感じがいささかしているんです。

 大臣、済みません、通告しておりませんけれども、この議論に対する感想をちょっとお伺いさせていただければありがたいと思います。

茂木国務大臣 日本の場合、長引くデフレの中で立地競争力を失い、企業にとってもなかなか収益が上がらない、こういう構造であったと。まさに今は、アベノミクスでそういった負のスパイラルを打ち破っていく。

 例えば為替につきましても、円高がいい、円安がいいとは言えないんですけれども、行き過ぎた円高を是正する、こういうことについては、結果的にはうまく進んでいるんではないかなと思います。

 そして、これから経済連携協定等々を行うことによりまして、国境措置をできるだけ下げていく、こういった取り組みも行っていきます。

 さらには、規制緩和の問題、税制の問題、取り組まなきゃなりません。

 そして、資源がない中で今、三・一一の福島第一原発から、九割以上の電力を火力に依存するという中で、電力コストが企業経営にとって大きな負担になっている。間違いないことだと思っております。例えば高効率の石炭火力、こういったものを使っていったり、さまざまな形でエネルギーについては安定供給と低廉なコストでの調達、こういったことを考えていくことは極めて重要な課題だと思っております。

秋元分科員 ありがとうございました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 最後に、今、大臣がちょっと規制緩和について触れられましたので、指摘だけさせていただいて終わろうと思います。

 まさにその規制緩和の中で、実は営業時間を規制している分野、これは直接この委員会の所管じゃないかもしれませんけれども、いわゆる風適法の中で、いろいろな各分野において一号から八号まで、それぞれ時間規制で経済活動がなかなかできないという分野が、実は多分にあるんですね。

 ですから、成長戦略イコール規制緩和の中でそういった部分も今後はメスを入れて、産業的には実は経済産業省所管でもいいんだけれども、風適法があるために警察庁所管になっちゃっているという分野が結構ありますので、今後とも、その成長戦略という意味での規制緩和としては、そういった分野も含めて総合的に政府で議論していただきたいということだけをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

    〔牧原主査代理退席、主査着席〕

小此木主査 これにて秋元司君の質疑は終了いたしました。

 次に、星野剛士君。

星野分科員 自由民主党の星野剛士でございます。

 私は、地元は神奈川県、選挙区でいいますと第十二区というところになりますが、藤沢、寒川から成る選挙区でありまして、国会におきましては初めての質問となります。尊敬する茂木大臣初め、関係閣僚の皆さん方から御答弁をいただけるということで、大変期待をし、この質問に立たせていただいておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 安倍政権が進める日本経済の再生や復活、いわゆるアベノミクスの三本の矢のうちの一つに、投資を喚起する成長戦略というものがございます。経済成長や経済活性化のエンジンは当然民間企業でありまして、きょうの質問では、いわゆるベンチャー企業への支援に焦点を絞り質問させていただきたいと思っておりますので、お願いいたします。

 近年、ベンチャーキャピタルが投資した新規上場企業を見ても、雇用総数約十四万人、売上総額約六兆二千億円となっております。新規雇用者拡大にとっても、経済活性化においても大きなインパクトを有していると思われます。しかし、もう皆さん御承知のとおり、日本の開業率、廃業率は欧米に比べて低いレベルに甘んじております。米国や英国のそれはおおむね一二%から一〇%であるのに対し、我が国はそれぞれいずれも五%前後と、約半分以下に沈んでいるわけでありました。

 私自身、現在も企業の経営者を務めております。四年前にゼロから起業して、四期の決算も終え、多くはありませんけれども、しっかりと法人関係税を納めさせていただいております。そういうことから、私の友人もベンチャー企業を立ち上げる方々が大変多くいらっしゃいまして、私の体験、そしてそうした挑戦を続けている友人たちの体験をもとに、ベンチャー企業についてさまざまな角度から御質問させていただきたいと思います。

 まず、最初の質問になりますが、政府の成長戦略におけるベンチャー政策の位置づけについてお伺いをしたいと思っております。また、ベンチャー政策を支える支援体制、その裏づけとなる予算についてもあわせてお伺いをさせていただきたいと思います。

茂木国務大臣 確かに、委員御指摘のように、日本の開廃業率は五%前後、しかも、残念ながら今のところ廃業率の方が高いということでありまして、まずはそれを逆転して、御指摘のように、アメリカ、イギリス並みの一〇%から一二%を中期的には目指していきたい、こんなふうに思っております。

 例えば、ベンチャーというとアメリカ、こういう印象もあるんですけれども、実は、一九六〇年代から一九七〇年代の前半ぐらいまで、アメリカも大企業中心でした。

 ところが、七九年ぐらい、ちょうどエズラ・ボーゲルが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を書いたころでありますけれども、だんだんそういったアメリカの大企業がだめになってくるという中で、当時のヒューレット・パッカードの会長でありましたジョン・ヤングを中心にヤング委員会というのが立ち上がりまして、もう一回アメリカの経済を再生していかなきゃならない、ここの中で、一つの概念として、集中と選択、コアコンピタンスというのが出てきます。

 もう一つは、ベンチャービジネスを育てていこう。同時に、ベンチャービジネスを育てていくというのは、ベンチャーキャピタルも含めて支援の体制をつくっていくことが極めて大切だという話でありまして、日本でも全く同じなんだと思います。

 これからベンチャーを育てる、さらに言うと、産業の新陳代謝をベンチャーに引っ張ってもらう、このための支援体制、これは経済産業省のみならず、中小企業基盤整備機構であったりとか産業革新機構、また政府系の金融機関や民間の金融機関、ベンチャーファンド、さまざまな経営のノウハウであったりとか経営のリソースを導入していくことが必要だ、こんなふうに考えております。

 予算についても御質問をいただきました。

 平成二十四年度の補正予算におきまして、新たにベンチャー創出のための政策パッケージを取りまとめているわけでありますが、まず一つは、ベンチャー支援の経験とノウハウを有するベンチャーファンドや金融機関等の専門家が連携した新たな総合支援体制の構築として、七・三億円を計上いたしております。また、創業促進に資する補助金としては二百億円、三番目に、産業革新機構によるリスクマネー供給の強化ということで一千四十億円などを講じておりまして、これからもしっかりとした成果を出していきたいと思っております。

星野分科員 ありがとうございます。

 予算も含めて、また支援体制づくりと相当力を入れてやっていただいている、私もそこはそのように考えております。

 また少し視点も変えながらお話をお伺いしたいと思いますけれども、次に、もう少し具体的に、実際にベンチャー企業を立ち上げようとすると、どういう壁に直面するのかということであります。

 よく言われているように、私もこれは実際に経験したんですが、創業資金。当たり前の話ですが、創業するのには資金も要る、しかし、銀行の窓口に行って、融資をしてくださいと言うと、一発目に言われるのは、おたく、担保はありますかなんです。担保があるベンチャー企業なんかあるわけないんですけれども、現実にはそういうことから始まる。しかも、創業してそこそこ黒字を出していても、またこういうふうに事業を展開したいのでもう少し融資をしてくれないかと言うと、いやいや、だめです、二期、三期待っていただいて、黒字が続いたら考えましょうと。これはほとんどの企業が直面する、まず第一歩、窓口、銀行、金融機関とのやりとりの中で出てくる話であります。

 それから、私の友人、藤沢で起業をしているんですが、株式会社トラストワイズプロダクションというベンチャー企業を立ち上げた山中直彦氏という友人がおります。

 今、ビジネス特許を申請しているんですけれども、どんなビジネスかというと、よく、駅前とか広場とか、そういうところに自動販売機が置いてあります。今は普通に地主さんや土地所有者に自動販売機を置かせてくださいと言って、自動販売機を置くという状況になっているんですが、そこに付加価値をつけていこうということで、自動販売機を置かせていただいたら自動的に一台につき一つの防犯カメラをつけますよということを、まず一つオンする。

 防犯カメラでいいますと、私の地元でもあります江の島で、猫の映像が映っていてという成り済ましのメールの事件がありましたけれども、そういうことで、一台につき一つ防犯カメラをつける。

 そして、彼が注目したのはその側面。ここに何が書いてあるか、よくよく注意深く見ると、飲料会社、ベンダーのマークが張ってあったりとかしているわけですね。何にも使われていない、だけれども、人がたくさん集まるところにそういうものがある、そこに広告をつけよう。自動販売機の側面に企業の広告をつける。

 ただ広告をつけるだけではなくて、QRコードもつけながら、QRコードで読み取ってもらったら、そのままウエブのホームページやその他の資料、動画のところに飛んでいく。しかも、何人がそのQRコードを読み取ったかということが全部わかるシステムになっている。すき間産業と言ったらおかしいですけれども、あいているものに付加価値をつけて、それを事業展開していく。

 今、ビジネスモデルを申請しておりますので、いいところに目をつけたなというふうに私は思うんですけれども、現実に、彼が営業活動をして、少しでもお客さんをふやそうとすると何が起きるかというと、アイデアはいいと思うけれども、今までそういうものに広告宣伝費を出したことがないから、うちはちょっといいですと言われたり、または、どこかほかの企業でそういうことをやっている実績はないんですかと本人が聞かれたりする。

 ベンチャービジネスですから、彼が思いついたアイデアで、今ビジネス特許を申請しているところですから、前例なんかあるわけないんですが、いざ商売を始めよう、広告宣伝費を出してください、これぐらいの効果が望めますと言うと、今まで出したことがないから、うちの会社は出せないので、ほかを回ってください、これの連発であります。

 別の角度からお話をさせていただくと、先ほど大臣の方からアメリカの例が挙げられておりましたけれども、実は日本の産業界、経済界、ビジネス界には、廃業経験者、わかりやすく言うと、企業を一度ないし二度、三度潰したことのある経験を持つ経営者に大変冷たい風潮が今でも蔓延しております。

 シリコンバレーなどでは、失敗や廃業を重ねた経営者にベンチャーキャピタルやエンジェルが優先的に投資を行う傾向があることは大変広く知られております。言ってみれば、こういうところで失敗した、二回目はここでだめだった、しかし三回目は、それぞれの失敗の経験をもとに今度は成功するだろう、逆に言えば、初めてビジネスを手がける人よりは、そういう失敗を経験しているがゆえに、今度は成功する確率が高いんだという判断をベンチャーキャピタルなどが行うということであります。

 おもしろいのは、一年半前ですけれども、サンフランシスコでフェールコンというのが開かれました。フェールコンとは何かなと思いますが、フェーリヤー、英語で言うと失敗、それとカンファレンスを合わせてフェールコン、日本語に直訳すると失敗会議でありまして、人が集まって大変な盛況だった。

 参加者の話を聞いてみても、成功に次ぐ成功でこんなにベンチャー企業を大きくしたという話を聞いてもなかなか実感は湧かないが、こうやって失敗したんだ、ここがうまくいかなかったんだという話は非常に自分の身近に感じられて勉強になったということ。こういう会議が行われること自体、前向きな失敗はいいじゃないか、次にチャンスを与えようよという、ある意味ではアメリカのベンチャー企業のベースになっているのではないのかなというふうに私は思います。

 そこで質問なんですが、ベンチャー企業を立ち上げる際に、社会に蔓延する前例踏襲主義など、今お話をさせていただいたように、さまざまな壁に直面いたします。過去に経営に失敗した経営者による再挑戦を応援するような社会文化、経済文化、こういうものが必要だと私は考えますけれども、この点について、政府の見解と支援策をお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 やはり、前例主義をとっている限り、新しいビジネスというのは生まれないんだと思いますね。恐らく地方でも、かつては、若い人、やる気のある人たちを支援するような起業家がいたんですね。旦那衆ですよ。これはもともとサンスクリット語です。お布施をするというところから、ダーナ、旦那という言葉が来ているんですけれども、なかなかそういう旦那衆もいなくなったということで、さまざまな公的機関を含めて、その機能を代替していかなければいけない。

 先ほど幾つかの施策についてお話を申し上げました。特に、失敗した人が再チャレンジできるような社会文化をつくっていく。たしか、ブルックリン・ブリッジ、つくってすぐに壊れているんですね、橋が。それを改めて設計するのに、同じ建築家を使っているんですよ。やはり失敗した人間が一番よく知っているはずだということで、同じ建築家を使う。なかなか日本ではそういう発想はとれないのではないかな、そんなふうに思っております。

 規模からいいますと、ブルックリン・ブリッジというわけにいかないんですけれども、日本政策金融公庫によります再チャレンジ支援の融資制度、そういったものも行っておりまして、まさに今、安倍内閣そのものが再チャレンジということでありますから、そういった思いでさまざまな施策を今後とも検討していきたいと思っています。

星野分科員 大変前向きな御見解をいただきまして、ありがとうございます。

 安倍内閣も再チャレンジだと私も思いますし、もっと言えば、自由民主党も再チャレンジの最中だというふうに思います。

 それでは、次に、ベンチャー企業への投資についてお伺いをしたいというふうに思っております。

 ベンチャー企業への投資額ですけれども、米国と比較するのも、現状ではアメリカはベンチャー大国ですからいかがかとは思いますが、比較の対象として挙げさせていただくならば、近年、ここ五年、十年、ずっと平均値を見ても、米国の投資額は毎年おおむね二兆円前後でそれぞれ推移をしておりますけれども、日本のそれは十分の一以下というのが大体の状況でございます。

 投資額が少ないことも課題ですが、さらに問題なのは、一件当たりの投資額がおよそ一億円と、これは民間のベンチャーキャピタルですけれども、世界の標準からすれば極めて少額なことも私は問題だなというふうに思っております。ベンチャーキャピタルがやや安全志向で、早期のリターンを求めている姿がうかがえるというふうに私は思っております。

 具体的に、どういうものにベンチャーキャピタルが投資しているか。全てではありませんけれども、このごろ多いのはゲームですね。ゲームに投資をする、すぐにリターンが返ってくる。そういうものにたくさん投資をしておいて、早期のリターンを求めているというようなところでございました。

 中長期にしっかりと支援する、投資する、そうすれば大化けをする企業もその中から出てくるわけでありまして、今、インターネットの世界でも、例えばアマゾンであるとかグーグルであるとか、そういうところと比べると、インターネットのビジネスにおいても、一番先頭で追いかけているのが楽天でありまして、その他の企業になると大分小規模ということで、中長期に伸びていくベンチャーにはなかなか投資が集まらない。来期や次の年にすぐにペイが来る、リターンがあるものに小口に投資しているという姿が浮かび上がってくるので、ここら辺は大きな問題点だなというふうに思っております。

 こういう背景がある中で、いわゆる官民ファンドと言われるものの役割は大変重要だというふうに私は思っております。民間は、目先のと言ったら大変恐縮ですけれども、短期の、早期のリターンを目指してくる。そういう状況の中で、いわゆる官民ファンド、先ほども、補正予算で一千四十億円、リスクマネーの供給でということで御答弁もいただきましたけれども、ある意味では相当多額のお金を官民ファンド、ベンチャーキャピタルに積んでいただいている、そういうこともございます。

 そもそも、ベンチャーの成功率というのはどうなのか。いろいろな見方があるから正解というものはないんですけれども、通例言われているのは、よくて二割から三割、専門家によりますと一割前後、こういう話もあります。まさに新規の分野に飛び込んでいって起業をするというのはそういう割合なんだと、私も体感的に、統計数字がなかなか出てこないんですけれども、実感している一人であります。

 官民ファンドがこれからベンチャーに投資をしていく場合、野球でいうと、ピッチャーが投げてくるボールを非常に狭い範囲に絞ってバッターボックスで待っているのではなくて、ある程度ストライクゾーンを広げて、多くの専門家たちが支援に入って、会計も見て、こういう部分が弱かったらここは専門家に力をかしてもらおう、こういうものであったら何とか事業化して大化けする可能性がある、企業として大きな成功をおさめる可能性があるというものには、しっかりと自信を持って投資をしてもらいたいというふうに思っているんです。そこを余りストライクゾーンを小さくして、これも空振りしそうだから振らない、ここも振らない、ど真ん中、ストレートが来たときだけ振りますよというような投資の姿勢では、官民ファンドの役割としてはどうか。

 もちろん、一方には、投資はしたけれどもうまくいきませんでした、これは国民の税金を使っているわけですから、こんなことが山積みになってくれば、批判を浴びることも当然予想はされますよ、そこは判断でありますから。そういう状況の中で、官民ファンドの役割というものをしっかりと見直していただきたいなというふうに思います。

 そこで、いわゆる官民ファンドがベンチャー企業に投資を行う際には、投資の収益性を過度に重視することは望ましくないというふうに考えておりますけれども、政府の御見解をお伺いしたいと思います。

守本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、公的資金を活用したリスクマネーの供給は、民間だけではなかなか手が出ないリスクの高い事業分野におきまして、民間の出資、融資を促す呼び水という形で、我が国の民間資金、人材あるいは技術力の潜在力を引き出すものと思っております。

 御指摘の点につきまして、独立行政法人中小企業基盤整備機構のファンド出資事業を例にとりましてお話を申し上げます。

 これは、起業支援ファンド、中小企業成長支援ファンドという二種類がございますけれども、ファンドの選定に当たりましては、まず、リスク性の高い成長初期段階にあるベンチャー企業を支援するという政策目的、これと、ファンドの運営方針の整合性がとれているということを見せていただきます。また、専門知識、あるいはネットワークに基づいた財務の健全性の見通しとのバランスということを総合的に評価しまして決定させていただいております。

 こうしたことから、出資先のファンドがベンチャー企業に投資をするときに、投資時点での収益性に偏重した評価を行うことはないというふうに考えております。

 しかしながら、基盤整備機構の出資は最大五〇%、すなわち、資金の半分以上は民間資金でございます。したがいまして、ある程度の収益性の見通しというものは必要になってまいります。したがって、投資の際には、技術シーズあるいは経営者の資質等から見まして、将来の収益性において可能性が高いものを選択し、ハンズオンで育成していくということになると認識をしてございます。

 ちなみにでございますけれども、起業支援ファンドの投資先につきましては、バイオテクノロジーあるいはビジネスサービス、コンピューター関連と、かなり幅広い業種にわたりまして、多くは小規模企業を中心に投資をしているということでございます。

星野分科員 御答弁ありがとうございました。

 適切な言葉がなかなか見つからないんですけれども、さじかげんと言ったらちょっと言い過ぎだと思うんですが、非常に微妙なところなんです。成功する企業と、どうしてもうまくいかないところ、非常にそこの判断が難しいというのは僕も重々わかっております。

 ただ、私がここで繰り返し主張したいのは、余りストライクゾーンを狭くして、いや、ここはだめです、ほかへ行ってください、そういうようなことを言ったら、官民ファンドというのはある意味では最後のとりででもありますから、絶対に大丈夫なところは民間のベンチャーキャピタルがどんどん投資しますので、そうではないところで金の卵をどう見つけるかが最大の焦点だというふうに私は思っております。ぜひ鋭意御努力をお願いします。

 それから、ベンチャー企業の経営者の視点から見ますと、今さまざま質問、またお答えもいただいている中で、さまざまなファンドがあるんですね。大きなものについては産業革新機構であるとか、中小のものは活性化基盤機構であるとか、また、この段階になると、出資の仕方によってもそれぞれファンドが変わってくる。表もいただいたんですけれども、さまざまあります。それ以外に、地域がやっているものもあるということであります。

 もし私がもう一つ新しいベンチャー企業をつくろうと思って、ファンドへ相談に行く、どこに行こうか。現実に起きているケースというのは、あそこにも行って、ここにも行って、そっちにも行ってという、訪ね歩くケースが大変多くなります。

 ワンストップサービスとまでは言いませんけれども、ベンチャー企業をこれから立ち上げよう、または立ち上げた初期の段階の経営者の立場に立った情報提供であるとか支援体制の確立、もちろんプラットホーム的なことでやっていただいているというのは私も十分理解をしておりますけれども、これはあくまでもそのプラットホームをつくっている側の発想でありますから、これから企業を起こそうと思っている視点に立った場合、ややもすると、どこに行けばいいんだろうと。わかりにくさというのは、私はどうしても否めないというふうに思います。

 そこでお伺いしますけれども、ベンチャー支援を行ういわゆる官民ファンドは、産業革新機構、中小企業基盤整備機構など、幾つも幾つも存在いたします。きょうは質問できませんけれども、そのほかにもさまざまなファンド、または金融機関、政府系金融機関というものも存在する。そして、それぞれ役割分担などが違うので、各ファンドが存在することは私も十分理解しておりますけれども、一番重要なことは、それぞれのファンドが、横串という言葉もありますけれども、連携や協力をすることが非常に大切だというふうに思います。

 うちではちょっと受けられませんからお帰りください、これでは何の相談受け付けにもなっていない。うちでは厳しいけれども、例えばこういう組織がありますから、こちらに足を運んでもらえますかというようなものとか、まさに横の連携をしっかりとっていただくことが極めて重要ではないかなというふうに思っておるんです。各ファンド、それぞれの支援をする機関の連携、協力が大変必要だと思いますけれども、政府の御見解をお伺いいたします。

赤羽副大臣 まず、星野委員からは、体験に基づいたベンチャーキャピタルの現場の声を届けていただきまして、大変参考になりました。ありがとうございました。

 今、御質問にもありましたように、官民ファンドは複数存在しますし、それぞれの役割が違うのはもう御承知のとおりでございます。

 私も、ベンチャーキャピタルだけではなくて、中小企業の施策で常に感じることは、中小企業経営者というのは、行政側が思うほど情報が集約しておりませんし、窓口が違うということで翻弄されていて、いいものをつくっても結局なかなか現場で十分活用されない。その傾向があるということは、今の副大臣の職につく前から常に、大きな問題点だな、そこのところは大事な視点だなと、今改めて、御指摘されたとおりだと思っております。

 先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、ベンチャーキャピタルについてのワンストップサービスということで、まずプラットホームづくりということで、新事業創出のための目きき・支援人材育成事業、七・三億円、これは平成二十四年度補正予算で計上したところでございます。

 それに加えて、今御指摘のように、ファンド同士の横の連携、これはもちろん、投資先企業に関する守秘義務等の情報管理というのは前提としつつも、公的ファンド同士の連携ですとか、また公的ファンドと銀行、信金、ベンチャーファンド、税理士等の民間の支援人材との連携によって、ベンチャー企業側にとってどう使い勝手がいいかという、支援効果を上げていくことは大変重要だというふうに考えております。

 今後、ベンチャー支援を行う中小機構や産業支援機構などの公的ファンドはもちろんでありますが、その他の支援人材との連携も強化して、使い勝手のよい、また使った効果がより多く出るような支援施策を進めていきたいと思いますので、また今後とも御指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。

星野分科員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願い申し上げます。

 最後の質問になりますが、私の地元で、さがみロボット産業特区というものが認められました。いわゆる経済特区でありますが、どんなものを進めるのか。それは、言ってみれば、介護ロボットといいますか、介助のロボットであるとか、災害のときに戦車みたいな形でどんどん前に進んでいく、アームもついている、こういうようなロボットの研究開発や実証実験の一大拠点にすべく、地元、神奈川県も市、町も努力をするということでございます。

 ベンチャー企業が創業をするとき、この特区制度を活用して成功した例なども分析して支援を強化するなど、特区制度を推進すべきではないかというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。

長谷川政府参考人 総合特区制度でございますが、地域における包括的かつ先駆的な取り組みに対し、規制の特例措置や税制、財政、金融上の支援措置等により総合的な支援を行うものでございます。

 神奈川県が取り組むさがみロボット産業特区は、本年二月、地域活性化総合特区として指定されたところでございます。

 総合特区制度におきましては、社会福祉等の社会的課題解決に関する事業を行う中小企業に対し個人が出資した場合に、所得控除を認める税制上の特例措置を設けております。こうした事業を、創業するベンチャー企業についても活用することは可能でございます。金融上の支援措置についても同様でございます。

 また、事例といたしましては、総合特区に先立つ構造改革特区でございますが、ベンチャー創業に関係するような事例として、搭乗型の移動支援ロボット、あるいはそういったさまざまなものがございますので、引き続き、総合特区の制度その他も活用いたしまして、強力に応援してまいりたいと思います。

星野分科員 終わります。ありがとうございました。

小此木主査 これにて星野剛士君の質疑は終了いたしました。

 次に、辻清人君。

辻分科員 自民党、東京二区選出、新人の辻清人と申します。

 本日は、初めて質問に立たせていただきます。よろしくお願いします。

 経済産業省は、アベノミクス三本の矢のうち、三つ目の成長戦略の下支えをする大変重要な任務を負っていると思います。その中で、ここ数年の政治には見られなかったスピード感とタイムスケジュールで政策決定が進んでいることは、ひとえに茂木大臣、赤羽副大臣並びに執行部の皆様のリーダーシップのたまものだと率直に思います。

 本日は、今国会で取り上げられている政策のうち、私がとりわけ重要だと考える三つの分野、クール・ジャパン、中小企業振興、そして電力自由化について幾つか御質問をさせていただきたいと思います。限られた時間ではございますが、政権与党の末席を汚す者として、大所高所から発展的な議論を展開できれば幸いです。どうかおつき合いいただけますよう、よろしくお願いします。

 さて、まずは、いわゆるクール・ジャパン推進機構法案についてお伺いします。

 一国が有する文化資源の重要性は、グローバル化が進む近年、一層重要になってきていると考えます。私は、人生の三分の二を海外で過ごした経験上、日本が持つ文化力、ソフトパワーは他国に類を見ないものだと確信しています。

 国際化の流れの中で、我が国の海外に向けてのコンテンツ輸出は、米国や韓国に比べて、潜在力に比してまだまだ不十分だと言わざるを得ません。少子高齢化に直面する中で、外需の取り込み、収益モデルの確立、リスクマネーの供給など、官民挙げての文化産業育成に力を入れることは積極的に行うべきだと考えています。

 あわせまして、私の地元は、浅草、上野、日本橋、銀座、築地と、日本のものづくり、文化コンテンツの中核となっている地域です。連日、地元の方々とこのクール・ジャパン構想について話す中、これは具体的なスキームと予算をつけてオール・ジャパンで取り組む初の試みだと地元では期待をする声が上がっています。一方で、政府側の指導体制でがんじがらめにされるのではないかと懸念する方々もいます。

 機構が投資を行う際には、投資のガイドラインとなる支援基準に基づいて行うこととされており、支援基準において機構の経営の自由度を奪ってしまっては意味がないと考えますが、これに対して、クール・ジャパンの施策に対しての意気込みと、あわせて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

赤羽副大臣 御質問、どうもありがとうございます。

 クール・ジャパンの政策も大変重要だ、御指摘のとおりだと思っております。また、クール・ジャパン推進機構、官中心ではなくて民間中心に運営していくべきだという御指摘だと思います。全くそのとおりだというふうに思っております。

 さはさりながら、今御指摘にもありましたように、日本発のものが、コンテンツだけではなくてファッション、グルメ、私も三井物産という会社で海外勤務をしておりましたので、日本食レストランでいうと、大変人気があるのに、本物の日本食レストランはほとんどないというようなこととか、ポテンシャルはありながら、海外の需要を十分に取り込めていない現状がある。ですから、軌道に乗るための呼び水的なものが仕掛けとしては必要なのではないかということで、今回、このクール・ジャパン推進機構を立ち上げるということになったものと承知をしております。

 ただ、おっしゃるように、中は、政府からの五百億円の機構に対する出資に加えて、民間からもできるだけ多くの機構に対する出資を集める努力をするということと、機構が支援を行う個別の事業についても、事業に参加する企業からの出資などにできるだけ多くの民間資金を呼び込むことが重要というふうに考えております。

 そうした設立趣旨に鑑みて、機構は株式会社として設立をし、国は機構の運用について最低限の関与を行うにとどめることとしております。また、機構の個別の投資事業の判断は、民間人を中心とした経営陣が行う形とすることが適当と考えておりまして、まだ始まっていないわけでありますが、事前の懸念ですとか、官中心で縛りをかけるのではないかといった御懸念、御批判が当たらないようないいものをつくりたい、こう考えております。

辻分科員 ありがとうございます。

 私も地元に帰って、早速、そういうふうな趣旨であると説明したいと思います。クールでありますけれどもホットな気持ちで取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いします。

 さて、次に、中小企業政策について、総論、資金的側面、人的側面の三点から質問させていただけたらと思います。

 まず、総論として、日本経済を下支えしているのは、全企業のうち九九・七%を占める四百二十万の中小企業でございます。その中で、九割はいわゆる小規模企業です。私の地元でも、長引く不況の中で多くの企業が経営難に陥り、現政権に多大な期待を寄せています。

 その中で、先行指数として円安、株高としてあらわれていますが、アベノミクスの効果が地元におりてくるのはいつかとよく聞かれます。どのように手応えとして確実なものとしていくかについて、お考えと意気込みをお伺いいたします。

茂木国務大臣 先生の先輩であられる深谷隆司先生が大臣のときに、私、政務次官を務めておりまして、あのときも中小企業基本法の見直しを行ったところでありますけれども、まさに、日本企業の九九%以上を占める中小企業、そしてまた小規模事業者が元気になるということは日本にとって極めて重要だ、こんなふうに考えております。

 平成二十四年度の補正予算、経産省関係で一兆二千億、過去最高レベルの予算を確保しておりますが、そのうちの約半分、五千四百億は、中小企業、小規模事業者関連の事業であります。例えば、町工場に眠っている技術、そういったものをビジネスにしていく、そのためには試作品を開発したり設備を更新する、こういったことが大切でして、一千七億円の予算を計上いたしまして、全国一万社を対象にしてこういった試作品づくり等々の支援をしていく、こういった施策をしっかりとってまいりたいと考えております。

辻分科員 大事なことを冒頭にお伝えし忘れました。

 先般、私の前任者でございます深谷隆司元通産大臣に、きょう茂木大臣に質問に立つということを伝えたら、大臣就任おめでとうと言ってくれと。その言づてをさせていただきます。

 そして、中小企業振興におきましては、大臣のおっしゃるとおり、まだまだ日本には潜在力のある企業がたくさんあると思うので、こうしてオール・ジャパンで、政府と民間一体となって取り組んで、これからどんどん日本が元気になるような施策を打っていっていただければと思います。

 さて、それに関連しまして、次に、中小企業対策の資金的側面について御質問させていただければと思います。

 私は、あきんど議連という、平政務官が会長を務める議連の事務局長を務めていまして、地元の商店街の方々の声に耳を傾けると、自公政権になり補正予算で三百億円の商店街振興費用が計上され、民主党時代はおおむね三十億であったこともあって、大変評価されています。

 一方で、先月で金融円滑化法が終了し、金融機関が貸し付け条件の変更などに応じてくれなくなるのではないかと懸念する声も広がっています。また、消費増税を控え、価格に転嫁できないということも小規模企業の方から言われます。

 この点につきましては、地域商店街活性化事業などで具体的な施策が講じられる予定だと認識していますが、いかに地元企業の活力を奪わずにつなげていけるよう柔軟な運用としていくかが鍵となると思います。

 この点につきまして、政府の見解をお伺いいたします。

赤羽副大臣 ちょっと質問を整理させていただきたいと思います。まず、商店街のことについてお答えをしたいと思います。

 私の実家も新宿の外れの小さな商店街で、私はパン屋の息子だったんですが、うちの地元だけではなくて、全国どの商店街も大変苦戦をしておる、本当に厳しい状況であると思います。

 さはさりながら、小売業全体の販売額の約四割を商店街が占めているという重要な経済主体であるということが一つと、また、地域コミュニティーの実は主要な担い手でもありますし、治安の面とか、地域のコミュニティーの活性化についても大変重要な本来の役割をしていただかなければいけない存在である。であるがゆえに、大変難しい問題なんですが、商店街の体質強化を図っていくということは大変重要な課題であるということでございます。

 その中で、今御質問にもありました三百億のうち、今回平成二十四年度の補正予算において、単発ではない、活性化に資する継続的なイベントですとか、人材育成に資するようなものを百億円計上させていただきました。加えて、商機能だけではなくて、冒頭申し上げましたように、夜間の治安のためとか、防犯カメラ、街灯等々の地域住民の安心、安全な生活環境を守るための施設整備として二百億円計上されているところでございます。あと、今御議論いただいている当初予算でも、子育て支援施設とか高齢者の医療の補完施設などが商店街と一体になっていくような予算項目も計上させていただいております。

 加えて、自分の体験からいいますと、ノウハウとか、商店街の活性化のプロデュースをする人材というのが非常に大事なんだということとか、従来は大型店舗と商店街というのは対立構造にありましたけれども、そういった中ではなかなかうまくいかないのではないか、ましてや、人口減少、少子高齢化の進む中で、今、当省の審議会の中で、中心市街地活性化のあり方というようなことも議論をしておりますので、そういったことも含めて、何とか小売商店街の活性化に資するものをつくっていきたい、これが一つであります。

 あと、中小企業の金融対策。これは金融円滑化法が三月末で終わりになりました。この金融円滑化法を利用していた中小企業、小規模事業者、三十万から四十万社あったということも踏まえて、今回新たに、セーフティーネット貸し付け等による十兆円を超える資金繰り支援に取り組むというのが一つと、もう一つは、先ほど大臣の御答弁にもありましたが、小規模また中小企業の経営改善、こういったことを二万社を対象として、税理士等々に認定支援機関になっていただきますので、経営改善のコンサルティングについては国から二百万の補助を出すというような、これまでにない新しい予算組みをしながら体質強化に資するものをしっかり進めていきたい、こう考えております。

 以上です。

辻分科員 ぜひ、地域に根づいたコミュニティーなので、そちらの部分も踏まえて、大型店舗とうまくすみ分けをして、活性化につながるような施策を打っていっていただければと思います。

 それに関連しまして、まさに中小企業の人的側面について御質問したいと思います。

 地元企業の方々の声を聞いていますと、最も喫緊の課題として事業承継が挙げられます。

 実際、見てみますと、経営者の年齢が若いほど、海外に打って出たり、新規事業を立ち上げる傾向が高いんですね。そして、業績もいい企業が多いと思います。これは前述のクール・ジャパンにもつながりますが、積極的に起業や海外展開を行う意思のある次世代経営者への引き継ぎは急務だと考えます。

 一方で、後継者がいなかったり、いたとしても、事業承継税、個人保証への対応、親族以外の後継者への自社株引き継ぎに向けた対応など、さまざまな障壁があります。

 このような事業承継が円滑に行われるために、政府としてはどのような具体的施策を検討しているか、お伺いします。

鍜治政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業経営者の平均年齢が、今先生御指摘のとおり、約六十歳となってございます。事業承継の円滑化が喫緊の課題でありますが、平成二十一年度税制改正で導入されました事業承継税制の利用実績は、これまでのところ四年間で五百四十九件と大変少ない実態がございまして、使い勝手の改善が急務でございます。

 また、今先生御指摘がございましたように、親族の中に後継者がおられない中小企業にとりましては、事業や雇用を守る観点からも、従業員あるいは外部人材など、親族外への承継を視野に入れる対応が求められているところでございます。

 こうした観点から、事業承継税制に関しまして、平成二十五年度税制改正におきまして、親族外に承継した場合もこの事業承継税制の適用対象に加えることといたしました。また、その他の要件の緩和、例えば五年間で雇用を八割維持しなくてはいけないといったような要件がございましたけれども、これも、毎年ではなくて、五年平均で維持すればよいといったような、使い勝手の改善のための抜本的な見直しを行ったところでございます。

辻分科員 ありがとうございます。

 ぜひとも、資金的、人的、両側面から、日本を支える中小企業をサポートしていただければと思います。

 さて、次に、電力システム改革に移らせていただきます。

 いわゆる電力システム改革について、産業革命以降、常に人類の課題であり、東日本大震災後、新たな局面を迎えたエネルギー供給の命題に対して真っ向から取り組む、いわば近代国家のあり方を問う、今国会においてこれは最も重要な施策の一つだと私は考えています。

 政権発足後、迅速に改革案を提示し、スケジュールを明示されたことは、決断する政治の最たるものであり、大臣を筆頭に経済産業省の取り組みに敬意を表します。

 さて、四月二日に閣議決定された電力システムに関する改革方針において、広域系統運用の拡大、小売、発電の自由化、法的分離の三本柱の改革を三段階に分け実行していく旨決定していますが、各段階において、それぞれ質問をさせていただきます。

 まず、第一段階の広域系統運用機関についてお伺いします。

 既存のエリアを越えた全国的な需給調整システムは、需要サイドの要望に柔軟に応え、電力の安定確保を行うには必須です。化石燃料に比べ発電のタイミングが安定しない再生可能エネルギーなどを取り込み、エネルギーのベストミックスを構築するためにも、この機関は電力システム改革の土台になると考えています。

 そこで、この広域系統運用機関の構成員、業務内容、国の監督権限など、組織設計と運営体制についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いします。

糟谷政府参考人 先週金曜日、四月十二日に閣議決定をして、国会に提出をさせていただきました電気事業法改正法案におきまして、御質問の広域系統運用機関、これは法律上は広域的運営推進機関という名称でございますが、この規定を盛り込んでございます。

 この広域的運営推進機関が行う主な業務でありますけれども、まず、目的としましては、これまでの電力会社のエリアを越えた、広域的な電力系統の運用を推進するための機関でございます。

 具体的な業務といたしましては、まず、全国レベルで発電所の建設計画ですとか需要の見通しなど、需給の状況を取りまとめをいたします。また、五十ヘルツと六十ヘルツの東西の周波数を変換する設備ですとか、地域間連系線といった広域的な送電インフラの増強のための計画を取りまとめ、こうした広域的な送電インフラの円滑な整備を促します。

 また、平常時におきましては、電力会社の区域を越えた広域での送電線の運用を調整いたします。これによって、先ほど御指摘がありましたような、例えば風力発電について、北海道や東北で風がたくさん吹いて、北海道や東北エリアだけでは消化できないような場合に、東京エリアにその風力の電気を送って吸収するといったようなことが円滑に図られるわけでございます。

 また、需給の逼迫時には、個別の発電所へのたき増しの指示ですとか、区域を越えた広域的な電力融通の指示をいたします。

 それから、さらに、新たに発電所を建設する事業者に対しまして、どのような送電線が使えるかといった情報を提供することですとか、既存の電力会社とは競合関係にある発電事業者が、発電所をつくって送電線に接続する際の、その接続の受け付けをいたします。こういった業務を行ってまいります。

 広域的運営推進機関の構成員でございますけれども、既存の電力会社だけではなくて、新規参入者を含むあらゆる電気事業者が会員となる民間の組織とすることを考えております。その一方で、この組織は、高度な公益性を有するものでありますので、定款や役員の選任、解任等を国の認可事項とするなど、国の強い監督権限が及ぶいわゆる認可法人とすることとしております。

辻分科員 ありがとうございます。

 国家の命題として、安定的なエネルギーの供給は必須ですので、ぜひとも透明性のある機関になっていただけることを願います。

 次に、小売、発電の自由化についてお伺いします。

 国家の繁栄のためには、健全な競争環境の中で、家庭を含め、あまねく安定的に電力が供給されて、豊富なメニューが需要家に提供され、需要家がそこから自由に選択できる必要があると思いますが、そのような環境整備とルールメーキングに際して、政府としてはどのような施策をお考えでしょうか。お伺いいたします。

茂木国務大臣 電力システムの改革、しっかりと進めてまいりたいと考えておりますが、委員御指摘のように、電力の安定供給、これは必ず確保しながら、きちんとステップを踏んで改革をしていきたい、そんなふうに考えております。

 この鍵を握るのは、やはり送配電事業ということになってくると思っておりまして、送配電事業者が、日々の電力需給の状況を監視して需給の調整を行うなど、高品質の電気の安定的な供給に責任を果たす、こういうことを基本的な考え方にいたしております。

 また、送配電網の建設であったりとか保守、これも確実に行われるように、送配電部門については、料金規制によりましてきちんと投資回収も保証するような措置を講じていきたいと思っております。

 また、小売事業者の破綻、こういった事態にも備えて、最終的な供給保障サービスであったりとか、離島に対して安定供給を行う、こういったことについても送配電事業者が責任を負うことといたしております。

 こうした内容を、十二日に閣議決定をいたしました電気事業法改正法案にも、プログラム規定として盛り込みをさせていただいております。

辻分科員 ありがとうございます。

 喫緊の課題でございます原発政策も含めてなんですが、原発のありかなしかというところで日本全体のエネルギー安全保障の部分が思考停止をしてしまわないように、責任ある与党として推し進めていただければと思います。

 今、大臣にほぼ答えをいただいたんですが、最後に、発送電分離についてお伺いいたします。

 これは、本当に、電力システム改革の、慎重になる上でも、きちっと競争が確保されている中で、最後の発送電分離の部分でございますけれども、電気の安定供給を確保するために必要な資金の調達に支障を来さないことが前提条件となります。

 ですので、多少ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、この点について、きっちりと設備投資が行われるかどうかということを、最後にまた改めてお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 この三段階に分けました電力システムの改革、二〇一八年から二〇二〇年、第三段階、ここで、委員御指摘の、法的分離によります発送電の分離、そして料金の全面自由化、こういった最後の段階の改革を行っていきます。

 先ほど、送配電事業者、これが最終的な安定供給の責任を持つ、こういうお話を申し上げましたが、この送配電事業者と発電部門にはたくさんの新規参入が入ってくることが期待をされます。これがいかに中立的になっていくか。

 したがいまして、発電事業者に対して、この送配電事業者の中立性を確保するということが極めて重要でありまして、人事や予算等の行為規制、これもとっていかなきゃなりません。また、役員の兼職の禁止であったりとか、会計の独立措置、こういったことも考えていく必要があると思っております。

 同時に、最終段階で、資金調達の問題、若干先ほども触れさせてもらいましたけれども、その環境が整っているかどうか、こういったことを見きわめながら、現実的なスケジュールで、改革は大胆に進めていきたいと思っております。

辻分科員 ありがとうございます。

 本当にこの電力改革はまさに国家百年の計、二十一世紀の日本という先進国のあり方を占う非常に重要な施策でございますので、私も新人議員でございますが、しっかりと大臣をサポートしていきたいと思います。

 多少早いですが、これで終わらせていただきます。本日は、ありがとうございました。

小此木主査 これにて辻清人君の質疑は終了いたしました。

 次に、宮崎謙介君。

宮崎(謙)分科員 ただいま御紹介いただきました、新人議員の自民党の宮崎謙介でございます。

 京都三区から選出ということでございますが、きょうは、ベンチャー支援についての質問をさせていただきたいと思います。

 私自身も、これまでベンチャー企業の経営者として、二十六歳のときから、現在三十二歳でございますけれども、経営者としてやってまいりました。その中で、今の日本において新しい産業がなかなか生まれない、新しい企業がなかなか生まれないという現状を見てきましたので、きょうはそのことについてお話をさせていただきます。

 京都は、皆様方の認識では、伝統文化、そして老舗の企業が多く存在しているという御認識かと思いますけれども、実は京都も、長い歴史のある中で、ベンチャーの歴史も非常にあるわけでございます。代表的な大手企業ももともとはベンチャー企業でございまして、日本電産、任天堂、オムロン、ローム、島津製作所、大日本スクリーン、宝ホールディングス、ワコール、そして堀場製作所、また王将フードサービスなども京都出身の企業でございまして、数え上げれば、切りがないぐらいの企業があるわけでございます。

 私の選挙区は京都三区というところでございまして、京都駅から少し南側の位置にありまして、京都市の伏見区と、それから向日市、長岡京市、大山崎町というところでございます。代表的なところは、酒造メーカーなどが有名でございまして、月桂冠、それから黄桜、齊藤酒造等々、昔からの企業もあるわけでございますけれども、ベンチャー企業として成功している一部上場企業の会社、ゲーム企業でございますけれども、株式会社トーセという会社も、財務体質が非常によくて有名であるわけでございます。

 きょうは御出席いただけていませんけれども、先日、菅原副大臣も我が選挙区に視察にお越しいただきまして、クロスエフェクトという企業に視察に一緒に伺いました。この企業は、CTデータから心臓の模型を二十四時間以内に届けることができるという、非常に高い技術力を持っている企業でございまして、医療現場で新人の研修医の方がメスで事前に手術ができるということで、非常に注目を集めている技術でございまして、そういったいい技術を持っているベンチャー企業が多く誕生しているというような風土もあるわけでございます。

 先ほどから恐らくいろいろな方がお話をされたと思いますが、ベンチャー支援というのは、アベノミクスの三本目の矢の成長戦略において非常に重要になってくるというところでございますが、このあたり、政府のベンチャー支援についてどのようなお考えかということをお伺いできればと思います。

茂木国務大臣 我が国の開廃業率、今五%前後で、残念ながら廃業率の方が少し開業率を上回っていると。一方、アメリカ、イギリスでは、開業率が一〇%から一二%ということでありまして、まず、日本においても、開業率と廃業率を逆転して、そして中期的には開業率を一〇%台に持っていきたい、こんなふうに思っております。

 ベンチャーというとアメリカという感じがあるかもしれませんけれども、昔のアメリカのいろいろな映画を見てもらいますと、大体、主人公の男性というのは大企業に勤めているか医者なんですよ。余りベンチャーとかやっていないんです。ベンチャーというのは余りなかったんです。

 実際、一九七〇年代、車であったりとか日本が競争力を増す中で、一九七九年にハーバード大学のエズラ・ボーゲル教授が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本を書きます。そのころからだんだんアメリカは、自分たちの産業競争力、こういったことに懸念を持つようになりまして、八〇年代、あのヤング委員会を立ち上げて、どうやってアメリカの産業再生をしていくか、こういう中から、集中と選択、コアコンピタンスという概念も生まれてきましたし、ベンチャー、そしてまたベンチャーキャピタルの支援、こういったこともやるようになってきたわけであります。

 もちろん、エンゼル税制、こういったものもこれから使っていきたいと思っておりますが、同時に、大企業からのスピンオフであったりとかカーブアウトを促進するために、一流のベンチャー経営者、キャピタリスト等をプロモーターとして集めて、大企業から事業を切り出して、新事業を立ち上げていく際のビジネスモデルの形成をワンストップで支援する、こういった施策も進めていきます。

 同時に、産業革新機構におきますベンチャー投資事業部門の創設などによりまして、リスクマネーの供給、こういったことも図ってまいりたいと考えております。

宮崎(謙)分科員 ありがとうございます。

 まさに今お話がありましたとおり、日本の開廃業率の問題もあり、なかなか低水準にとどまっているということは大きな問題であろうかと思っています。

 実際にベンチャー企業の投資額につきましても、過去十年間、米国が大体一兆円から二兆円の間で推移しているのに対して、日本は一千億円から二千億円の間で、年間におよそ百倍から二百倍ぐらいの差が開き続けているという現状があるかと思っています。

 この現状を打破するために、開廃業率ということは、つまりは、ベンチャーの創業の数をふやすということが一つの指標になってくるかとは思うんです。実際にどれぐらいの数をふやせばいいのかというのは非常に難しいところではあるかと思うんですけれども、今後、こういったことも目標の数というのをつくっていく必要があるのではないかなというのが私の考えでございますので、ぜひともそのあたりも推し進めていただければと思います。

 そして、先ほど大臣からもお話がありました産業革新機構でございますけれども、今回の補正予算でもかなり多額の予算をつけていただいているかと思います。新事業の創出のための目きき人材の育成に七・三億、それからベンチャー企業等、先端技術の事業化のためのリスクマネー供給に千四十億、そしてベンチャー企業への実用化助成事業が百億ということで、合計一千百四十七・三億円、補正予算で産業革新機構についているということでございます。

 実際に過去の出資額等もろもろを見たところ、さらには、政府保証枠というのが投資能力が二兆円ほどあるという、非常に大きな可能性のある機構であるかと思いますが、実際の投資をされた額というのが、二〇一〇年から今日までの間で約六千億円、そして投資先が三十四件ということで、一件当たり大体百五十億円ぐらいなんですけれども、そのうちの八割は三件の大型案件に行っているということでございます。

 そもそも、この産業革新機構というのが、末端の小さなベンチャー支援に使われるためにこの機構があるというわけではないのかもわかりませんけれども、ベンチャー支援をしていく上で多くの創業を促していくとなったときに、もう少し投資の分配を考えなければいけないと思うんですが、そのあたりについてのお考えをお聞かせください。

石黒政府参考人 今委員御指摘のとおりでございまして、産業革新機構は幾つかの役割を持っております。一つが、まず、委員御指摘のベンチャービジネスの振興でございます。二つ目の役割が、実は産業再編の促進ということでございます。それからまた三つ目の案件といたしまして、昨年のあの円高の状況を受けまして、円高ファシリティーズの一環といたしまして海外投資をやるといったようなことで、やらせていただいております。

 そういう中で、引き続き、原点に戻りまして、ベンチャービジネスの振興ということで今般の経済対策に一千四十億を盛り込んでいただきましたので、この業務の拡充をこれからしっかりやってまいりたいというふうに思っております。

宮崎(謙)分科員 ありがとうございます。

 今のお話で、これからまた創業に対してかなり力を入れていくということなんですけれども、そこについてまたお伺いできればと思うのが、先ほどもちょっと触れましたけれども、目標額というか、そういったものを決めるようなお考えはあるのでしょうか。

石黒政府参考人 額につきましての目標というのはございません。今現在は、実は、先ほど委員御指摘のとおり、事業再編案件は非常に大きな案件が多うございます。一方、ベンチャー関係は一件当たり十億円弱でございまして、今現在、投資実績で大体四十件ぐらいございますが、そのうちの二十五件がベンチャー関係でございます。

 今後、数の上ではさらに同じぐらいの額を年内にやっていきたいなというふうに思っておりまして、その意味では、業務をさらに、実際のスタッフの数とか、それからまた投資の意思決定の期間をもっと短くするといったようなことをやってまいりたいというふうに思っております。

宮崎(謙)分科員 ありがとうございます。

 今お話があったとおり、私もベンチャーキャピタルの方からもいろいろとヒアリングを重ねていますと、産業革新機構さんは、非常に投資額も大きくてなかなかうらやましい限りだという声もあるんですけれども、投資判断が少し遅いということを至るところで聞きました。

 例えば、一つの案件に対して、一般的なベンチャーキャピタルは一人の投資家もしくはキャピタリストがやってきて判断をするという中で、産業革新機構さんは、大体四人ぐらいの方が来られて、スピードがいまいち速くならないというようなことをおっしゃる方もいらっしゃいますので、スピードをより速くすることがより効率的なベンチャー投資につながると思いますので、ぜひそのあたりの御指導をいただければという要望でございます。

 そして、産業革新機構は民間のベンチャーキャピタルでは投資ができないようなところに投資をしていただきたいなというふうに思っています。

 今の現状を見ていますと、ネット系もしくはモバイル系のICT企業に関しては、割とお金が回ってきて、新しい企業が誕生しているような印象を受けるわけでございますけれども、アメリカの例えばアップルのようなハードウエアのベンチャー企業、それから、アマゾンのような、在庫を抱えるような、大きな投資を必要とするところにはなかなか支援のお金が流れていないんじゃないかなというところでございますので、ぜひともそのあたりについて強化をしていただきたいと思います。

 それでは、少し質問のテーマをかえさせていただきたいと思います。

 先ほど、私はみずから会社を立ち上げたという話をいたしましたけれども、その事業内容というのが、若者の雇用の現場でございまして、人材育成と就職の支援をしてまいりました。その中でも若者の起業家のお手伝いもしてきました。若い人たちが、自分のチャンスを見出して、そして社会に出て挑戦をしていきたいという方々も多くいらっしゃるわけですけれども、その中で問題点が三つほどあるというふうに私は思っています。

 一つは、ある一定の数の若い人たちが起業を志してチャレンジするという風土は、少しずつではありますが、出てきているとは思います。しかし、そもそも起業に対して魅力を感じられる機会が存在していない、少ないということです。そして、起業を志したとしても、どのようにそれをやっていけばいいのかという学ぶ機会がない、機会提供が少ないということです。そして三つ目は、起業はリスクが高く危険だというような風習、世の中の文化があるのかと思います。

 そういったものを解決しなければ、なかなかベンチャー企業の創業というのが促されないのかなと思っております。

 そこでお伺いしたいのが、こういった文化を変えていくためにも、今のこのアベノミクスを推進していくためにも、やはり人材育成というのが非常に大事かと思っております。そのあたりについての経済産業省さんの取り組みについてお伺いしたいと思います。

石黒政府参考人 人材育成につきまして、委員御指摘のとおり、今後のベンチャー企業の創出のために極めて重要であるということは御指摘のとおりかと思います。

 私どもの方といたしましては、残念ながら予算がついておるわけではございませんで、全く関係機関のボランティアによるものではございますけれども、大学・大学院起業家教育推進ネットワークといったようなものを組織、運営いたしております。

 それからまた、こういったコミュニティーを通じまして、起業家教育講座への講師派遣とか、学生を対象といたしましたビジネスプランコンテストの実施といったようなものを、私どものポータルウエブサイトにおきまして共有し発信するといったようなことをやらせていただいております。

 キャリア教育につきましても、かつて予算をつけてモデル教育等をやってまいりましたものですから、そういったようなものの成果を普及するというようなことは、現在、関係者のボランティアの御尽力によりましてやらせていただいているということでございます。

 また、表彰制度等もございますので、これも予算がついているわけではございませんが、経産大臣賞を出すといったようなことを通じまして、奨励をさせていただいているという状況でございます。

宮崎(謙)分科員 ありがとうございます。

 今お話で触れられたキャリア教育というのは、今、実は私も取り組んでいる一つのことでございまして、自民党の中のキャリア教育推進特命委員会で私は事務局次長をやらせていただいておりまして、取りまとめを現在しているところでございます。

 いろいろな声がある中で、文科省さんが今キャリア教育というのを推進されているわけですけれども、教育現場でどのようなことが起こっているのかといいますと、例えば、校長先生が一生懸命キャリア教育に取り組んでいる、けれども、それを一般の職員さんにまでおろしていこうと思ったら、教職員の中にキャリア教育に対するノウハウを持っている方がなかなかいらっしゃらないという現状があるわけです。

 そうなったときに、やはり文科省さんだけではなかなか難しいという現状がありますので、これは省庁が横断的に手を携え合いながらやってほしいなというのが私の考えなんですが、そのあたりについてはいかがでしょうか。

茂木国務大臣 やはり、やったことのない人が教えようと思ってもうまくいかないんですよね。

 私が大学のときの経営の授業で一番印象に残っているのは、外部講師、日本の一流企業の役員の方だったと思いますけれども、後で社長になられた方ですが、そういった方が来て、生の経営、こういった話をしていただいたのがやはり一番勉強になったなと思っていまして、文科省の問題でもありますけれども、もう少し外部から、これは単にビジネスの問題だけではなくて、さまざまな分野の、外部の実際に経験をした、また、子供たちから見たらこういう大人になりたいという人間が教育現場で自分の経験を語る、こういったことは極めて重要だと思います。

宮崎(謙)分科員 大臣おっしゃるとおり、まさに今の若い学生たちは、なかなか大人との接点がなくて、自分たちの職業観というのを生で感じることができずにいます。交友関係も非常に狭い中でやっていますので、第一線で活躍されている方に生の話を聞いて、そして、魅力的に語りかける大人と接点を設けたときに初めて自分たちのキャリアが形成されて、内発的な自分たちの動機づけがされていろいろと行動が変わっていくというのを私は見てまいりました。

 その中で、やはりすばらしい学生たちも中にはいまして、学生起業家という存在が世の中にはいるわけであります。私も、五年間で約三十社ほどの学生起業の立ち上げに携わってまいりました。

 一説によりますと、一年間で半分の企業が倒産してしまう、一般的な株式会社をつくって半分倒産してしまうと言われている中で、私が携わってきた、かかわってきた学生起業家たち、三年、四年、五年たっても、ほとんどの企業が残っているという現状がありました。

 これは、広くアンケートをとったわけではないので、調査をしたわけではないのでわかりませんけれども、実際に意欲があって一生懸命頑張って、そういった若い人たちにお金がついて、そして大人がノウハウを提供して支援をする、こういったサポート体制があれば若い芽がどんどん伸びてくるんじゃないかというふうに、私は確信に近いものを持っております。

 今、アメリカの産業を引っ張っているICT企業でございますけれども、古くはマイクロソフトであったりグーグルだったり、最近ではフェイスブックというわけでございますけれども、いずれも学生の起業家が立ち上げている会社であります。

 それに比べて日本では、学生起業家で、社会を引っ張るぐらいの大きなイノベーションを起こせている会社というのが残念ながらまだまだ誕生していないんじゃないかというのが現状であろうかと思います。

 新しい産業を生み出すためには、やはり、斬新な発想で、今までの既成概念にとらわれない可能性を持っている学生起業というのが一つ大きな風穴をあかせるんじゃないかと私は思っているんですが、そのあたりについて政府はどのようにお考えかということをお聞かせいただければと思います。

茂木国務大臣 学生が起業していただく、こういったことも非常に重要だと思いますけれども、同時に、学生の時代に基本的な知識であったりとか教養を身につける、また、社会経験をできるだけ積む。そこの中で、それぞれ持っていらっしゃる才能というのは違うんだと思うんですよね。アメリカでも、グーグルとかフェイスブックとか、何万社も出ているわけではないですから、そういう傑出した人材が出る。また、ビジネスによっては、恐らくそんなに設備を使わずに、一つのアイデアとしてやれるようなビジネスもあるんだと思うんですね。こういったことは大いに進めていただきたいと思いますし、同時に、学業もしっかりやってほしいと思っています。

宮崎(謙)分科員 ありがとうございます。

 まさにおっしゃるとおりで、何事もバランスが大事かと思いますので、学業もしっかりやりながら、チャレンジしたい人は学業だけじゃなくて学生起業をやってもらうというのは、一つの非常に新しい流れとして、やっていってもらいたいなというふうに思っております。

 先ほども、失敗する文化、失敗を恐れない文化というのがアメリカであるという答弁をされている方がいらっしゃったかと聞いていて思ったんですけれども、スタンフォードでは、学生が、自分が何社会社を潰したかということを自慢し合うという文化があるそうでございます。日本の中でも、チャレンジして失敗したことがまた評価をされる、そこからまたいろいろ学んでいるということを、経験として、価値として評価をしていただきたい、そういう文化をつくるところに全力を注いでいっていただきたいと思います。

 それで、私、京都大学の大学院でも講師をやっていたことがございまして、その中で取り上げていましたのが、学生起業の勧めというのをやりました。

 これをよくよく考えてみますと、実は、学生のうちに起業をすることというのは、極めてリスクが低いことであります。もちろん借金をしなければという前提があるんですけれども、借金をしなければ、学生というのは時間ももちろんあります、さらに、社会全体から見てみたときに、若い人たちというのは結構特殊な存在ですので、割と大人がかわいがってくれるので営業もしやすい。さらには、最近の時代では、やはりITの技術とか進んでいますので営業活動等々もやりやすくなってきているということがあるので、ぜひとも学生起業を進めることというのは意味があるというふうに思うんです。

 さらに、もしも学生が起業をして余りうまくいかなかったときに、やめたいと思ったときに、実はイグジットがしっかりあるわけです。といいますのも、大学三年生は就職活動をするわけですけれども、そのタイミングで企業に面接に行ったとします。そうすると、企業の方々は、明らかにその学生たちの質が違うということで、評価も非常に高いわけです。なので、学生起業をすること、起業をすること自体が、余り就職活動のことを言ってはいけませんけれども、就職にもつながってくるということで、人材育成の要素が非常に多いわけであります。

 実態としましては、学生起業の資本金というのは大体どれぐらいかといいますと、少ない人は十万円そこそこで始めるんですね。十万円そこそこで始めて、大体十万円から三百万円ぐらいの間で皆さん立ち上げられます。それが二年、三年していきますと、何千万、一億、二億という金額にまでなっていくわけです。ということは、投資対効果を考えますと、かなり短期間で大きく化ける可能性がある。

 さらに、それが死に金になるかといったら、そんなことはなくて、留学に行った金額もしくは何かの勉強をした金額と考えたら、それは決して高くないというふうに思います。

 そのあたりについて、今後、そういったことが取り組みとして可能かどうか、御見解をいただければと思います。

石黒政府参考人 今後も若者の起業支援というのは非常に重要だろうというふうに思っておりますので、現行制度を御紹介申し上げますが、実は、日本政策金融公庫におきまして、若者向けの起業家支援資金というのがございます。これまで実績といたしまして、若年者、三十歳未満の方の起業でございますが、一万九千九百六件といったような実績がございます。

 それからまた、今般の経済対策で二百億円の予算をとらせていただきましたが、これにつきましても、基本的に女性、若者の起業を支援するという趣旨で、より有効に使っていきたいというふうに思っております。

 今後、委員の御指摘を踏まえながら、今、実は産業競争力会議におきましても、先ほど大臣が御説明を申し上げましたが、新陳代謝という観点から、ベンチャーの支援をいかにやっていくかということについてはいろいろ御議論いただいておりますのと、また、党の再生本部でも今御議論いただいております。そういったものを踏まえまして、今後の対応策を考えてまいりたいと思います。

 一点、ちょっと私、先ほどの答弁で間違いを申し上げました。量的な目標のところで、二十五件が目標であるかのような物の言い方をさせていただきましたが、むしろスピードは従来以上に速めるということを今後の目標にして、産業革新機構の投融資をやってまいりたいということでございます。

 どうも失礼いたしました。

宮崎(謙)分科員 ありがとうございます。

 また引き続きまして学生起業についてはお話をさせていただきたいんですけれども、もちろん、わずかな資金で彼らが大きく成長する可能性があるということと、起業自体が彼らのキャリアについて大きくプラスになっていくということ、人材育成の意味でもかなり意味があるということが一つでございます。追加で、彼らが起業に対して目覚めるきっかけ、これも非常に大事であろうかと思います。

 先ほど、石黒局長から、ビジネスプランコンテストというのも力を入れているという話がございましたけれども、実際に私もこれを運営してきたことがございます。本当に、若い人たち、学生がビジネスプランを考えるだけで、自分が将来こんなことをしていきたい、そして今すぐ起業したいという人たちが大勢あらわれてきます。優勝賞金は、私が昔やったときは百万円を出していたんですけれども、それを元手に立ち上げた学生も多くいます。

 という中で、かなり効果があるこのビジネスプランコンテストに対して、実際、今は経済産業省さんもやっていらっしゃると思うんですが、予算はこれは恐らくついていないと思うんですね。こういう効果のあるところにぜひとも予算を回していただきたいというのが私からの要望でございます。

 そして、これで最後にさせていただきたいと思うんですけれども、本当にこの日本という国は、資源に乏しい国であることはもう自明であります。経済成長を支えてきたのは、紛れもなく人材の力であると思っています。

 外国の方々から日本人の感想を聞くと、やはり皆さんおっしゃいますのは、日本人は勤勉だ、そして、社会貢献欲求、社会に貢献することをいとわない、そういう精神性があって、そして何より、自立をしているということを言われます。これは、最近の感覚でいうと、自立をしているかというとちょっとクエスチョンマークが浮かびつつある社会なわけでありますけれども、ベンチャーを起こしていく人たち、人材というのは、自立をしなければやっていけない環境に身を置く人たちであります。

 古来から守られてきた日本国民の自立性を守るためにも、私は、このベンチャー支援というのを全力で進めていただくことが日本の未来永劫の活力につながっていくと思いますので、これまで以上にこのベンチャー支援策を強化していただきますよう心からお願いを申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

小此木主査 これにて宮崎謙介君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして経済産業省所管についての質疑は終了いたしました。

 これにて本分科会の審査は全て終了いたしました。

 本分科会関係各位の御協力に心から感謝を申し上げます。

 また、政府におかれましても、長時間お疲れさまでございました。

 これにて散会いたします。

    午後五時五十分散会


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