衆議院

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第1号 平成14年3月1日(金曜日)

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本分科会は平成十四年二月二十六日(火曜日)委員会において、設置することに決した。
二月二十八日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      栗原 博久君    高鳥  修君
      藤井 孝男君    松本 剛明君
      辻元 清美君    井上 喜一君
二月二十八日
 栗原博久君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成十四年三月一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主査 栗原 博久君
      高鳥  修君    藤井 孝男君
      井上 喜一君    西川太一郎君
   兼務 中野  清君 兼務 松島みどり君
   兼務 石井 啓一君 兼務 遠藤 和良君
   兼務 斉藤 鉄夫君
    …………………………………
   国土交通大臣       扇  千景君
   国土交通副大臣      佐藤 静雄君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   政府参考人
   (内閣官房道路関係四公団
   民営化推進委員会設立準備
   室長)          坂野 泰治君
   政府参考人
   (警察庁警備局長)    漆間  巌君
   政府参考人
   (総務省情報通信政策局長
   )            高原 耕三君
   政府参考人
   (財務省主計局主計官)  居戸 利明君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           素川 富司君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長
   )            岩村  敬君
   政府参考人
   (国土交通省都市・地域整
   備局長)         澤井 英一君
   政府参考人
   (国土交通省河川局長)  竹村公太郎君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  大石 久和君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  三沢  真君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  石川 裕己君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  深谷 憲一君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月一日
 辞任         補欠選任
  井上 喜一君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  西川太一郎君     井上 喜一君
同日
 第一分科員中野清君、斉藤鉄夫君、第六分科員石井啓一君、遠藤和良君及び第七分科員松島みどり君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十四年度一般会計予算
 平成十四年度特別会計予算
 平成十四年度政府関係機関予算
 (国土交通省所管)


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     ――――◇―――――
栗原主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。
 開会に先立ちまして、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属の本務員に御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
 再度事務局をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
栗原主査 速記を起こしてください。
 御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。
 本分科会は、国土交通省所管について審査を行うこととなっております。
 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算及び平成十四年度政府関係機関予算中国土交通省所管について、政府から説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
扇国務大臣 国土交通省関係の平成十四年度予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十四年度一般会計予算に計上いたしました国土交通省関係予算額は、七兆千四百八十五億円であります。
 このほか、自動車損害賠償保障事業特別会計、道路整備特別会計、治水特別会計、港湾整備特別会計、自動車検査登録特別会計、都市開発資金融通特別会計、空港整備特別会計及び特定国有財産整備特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。
 なお、北海道、離島及び奄美に係る公共事業予算については、当該地域の総合開発の推進を図るため、農林水産省関係予算等他省関係予算を含めて、国土交通省予算に所要額の一括計上を行っております。
 次に、財政投融資計画については、当省関係の公庫公団等分として九兆二千七百七億円を予定いたしております。
 国土交通省といたしましては、以上の予算によりまして、歳出の効率化を進める一方、予算配分を重点分野に大胆にシフトする改革断行予算として、めり張りのある予算とするとともに、二十一世紀の豊かな国民生活と活力ある経済社会の構築を図るための国土交通行政を推進してまいります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付してあります印刷物を、主査におかれましては、会議録に掲載されますようお願い申し上げます。
    〔主査退席、高鳥主査代理着席〕
高鳥主査代理 この際、お諮りいたします。
 ただいま扇国土交通大臣から申し出がありましたとおり、国土交通省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
高鳥主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
高鳥主査代理 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野清君。
中野(清)分科員 自民党の中野清でございます。
 私は、商業に従事しまして四十数年、国会におきましても、数少ない商業者の代表といたしまして、また中小企業の専門家といたしまして、商人であることを誇りにして今日まで行動してまいりました。今日、空洞化が進む中で、中心街の再生を願いまして、美しく、安全で、人のにおいがする町を目指したことをやっておるわけでございます。
 中心市街地活性化法が施行されまして三年半、活性化の青写真を示す基本計画を作成した市町村は、ことしの二月末で全国で四百七十カ所、そのうち百八十九カ所の地域が、空き店舗対策などの活性化事業の担い手となるTMOを認定されております。
 しかし、補助金だとか、財政面でTMOの支援をするために政府から具体的な事業計画の認可を受けたのは、わずか七十一しかありません。しかし、七カ月前の平成十三年七月には、これが四百三十四の百六十一の四十六に比べますと、少しずつ前進しております。これは事実でありますけれども、しかし反面、全国で二番目のTMOと言われて注目されていました佐賀市の中心街の、いわゆる第三セクターのまちづくり佐賀は、十六億円の負債を抱えて自己破産をしてしまっております。また第二、第三の事例が起きることの危機感を持っているわけでございます。
 私は、今何としても、商店街とか行政とか地元住民がようやく根づき始めましたところの中心市街地の活性化、特に商店街に元気を出してもらうという改革への機運を少しでも前進させたい、そういう願いを込めまして、質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一に、中心市街地の空洞化の問題は複合的な要因によって発生するために、国土交通省を中心とした市街地の整備改善に関する事業、それから経済産業省を中心とした商業の活性化に関する事業の二つが車の両輪として、総合的な対策が求められている、これは当然のことであります。
 このために、我が国の官庁としては特筆すべきと思いますけれども、いわゆる縦割り行政からの脱却を願って、当時、建設省そして通産、自治の三省を中心とした中心市街地活性化関係省庁連絡協議会が設置されまして、また、関係省庁の統一的窓口として中心市街地活性化推進室が設けられるなど、体制は整備されてきました。しかし、このような中で、中心市街地の活性化という事業は、一兆円以上の予算も投じておりますけれども、なかなか成果が上がっていません。
 ですから、国土省として、今日までの問題点は何か、今後どうすべきか、どのように御認識しているか。また、市町村の財政状況とか景気の状況を反映して、いわゆる合意形成とか事業資金の確保が問題になっております。また、用地に対しての支援制度の不足も挙げられておりますけれども、これについての今後の対策もあわせて御説明を願いたいと思います。時間がありませんから、簡単にお願いしたいと思います。
澤井政府参考人 問題点、対応策等についてのお尋ねでございます。
 御指摘のとおり、市街地の整備改善に当たりましては、関係者が大変多くおられるケースが多いものですから合意形成を図ることは困難、あるいはまた、建物が多いために移転補償等が多額になる、また、基盤整備ができてもなかなか人が集まらないといった課題を抱える地区が大変多いというふうに認識しております。
 これまでもまちづくり総合支援事業等により重点的に支援してまいりましたけれども、特に、平成十四年度、来年度におきましては、合意形成の促進のために、まちづくり活動に対してまちづくり総合支援事業の中で新たに支援を行う。あるいは、中心市街地を居住の場として再生するために、中心市街地に多く立地していることの多い公営住宅の建てかえなどに際しまして、デイサービスセンターや保育所の併設を原則化いたしまして、高齢者や子育て世代にも住みやすい環境を整える。あるいは、交流人口の拡大の観点から、人が訪れたくなるまちづくりを進めるための観光まちづくりプログラムの策定を進めるといった新たな施策にも取り組みたいと考えております。
 いずれにいたしましても、先生仰せの関係省庁とも強力に連携いたしまして、今後とも積極的に取り組みを進めてまいりたいと思っております。
中野(清)分科員 今いろいろとやっていらっしゃる、そのことはよくわかっております。
 実は、全国五百二十六の商工会議所がまちづくり推進というので調査をしますと、九割以上の市町村が停滞とか衰退の傾向がある。これは事実なんですよ。
 そういう中で、ちょっとお伺いいたしますけれども、いわゆる二〇〇〇年に改正の都市計画法の基本的な方向を整備した都市計画中央審議会の最終的な問題提起といたしまして、当時パブリックコメントに、大型店等大規模な建築物の立地については、都市計画区域の内外を問わず、都道府県知事への届け出を義務づけて、都市の健全な発展を図る視点から必要な勧告を行い得るものとするという項目があった。これに対して、我々商店街とかの力不足と大型店とか不動産サイドの反対で、この項目が入らなかった。
 今日、大型店の立地によるところの中心市街地への悪影響、これは非常にある、そういう前提でお伺いしたいと思います。今、マイカルとかそごうとかダイエーを中心にして非常に景気が悪くなって、中心市街地からの大型店の撤退という問題が出ているんですよ。その反面、イオンを中心にして、郊外への大型ショッピングセンターの大量の出店、この問題があるわけでございます。このような大型店の問題というものが、中心市街地とか商店街の活性化を妨げ、商店街の衰退を見る。このことについて、国土交通省はどのようにこの現実を評価しているのか、まず対応をお願いしたいと思います。これも簡単で結構でございますから。
澤井政府参考人 仰せのような大型店の撤退に伴うものに限りませず、中心市街地の空洞化ということは、地域の振興の基盤がなくなるということにもつながる問題であると認識しております。
 このため、ただいま御指摘の都市計画上の対応といたしましても、平成十年あるいは十二年の都市計画法の改正を通じまして、市町村が地域の実情に即して建物の用途を制限できるような制度の拡充も行っております。
 今後は、文化の薫りとにぎわいのある中心市街地活性化のためにこうした制度も活用いただければというふうに考えております。
中野(清)分科員 局長、今御答弁いただきましたけれども、制度をつくればいいというものじゃないんですよ、はっきり申し上げて。
 だから、そういう意味では、今の特定用途制限地域の指定とか特別用途地域の設定とかいろいろありますし、また都市計画外の一定規模の開発行為の許可制度とか、条例によるところの開発行為の技術基準の強化とか、いろいろ皆さん工夫している。そのことは認めます、それは認めておりますけれども、問題は運用だという点について私はお伺いしたかったのですよ。
 なぜかといいますと、具体的に言いますと、例えば酒田市と鶴岡市という市がありますよね。この市が一生懸命都市計画をやったって、真ん中の三川町が自分たちの町が活性化するためにいいというので大型のショッピングセンターを誘致しちゃったらば、これでもって終わりなんですよ。
 つまり、そこには、都市計画を策定するときに、市町村を単位にした問題で本当にいいのだろうか。いわゆる広域的な運用が望ましい。しかし、全部これは中央での問題じゃなくて、現場のいわゆる地元の市町村単位、自治体の責任ではないかという点について、私ははっきり問題があると思うのですけれども、ちょっとその点については何か感想、内容については言っていませんから感想だけで結構ですから。
    〔高鳥主査代理退席、藤井(孝)主査代理着席〕
澤井政府参考人 仰せのとおり、制度を整備しただけでは不十分でありまして、当然それに沿った運用がされるべきだと思います。
 御指摘のようなケースについて申しますれば、個々の市町村を超えた広域的な連携の中で協調して活用していくという機運の盛り上がりというようなものも大切ではないかというふうに考えております。
中野(清)分科員 今言うとおり、制度ばかりつくってもだめだ、運用が問題だ。しかも、自治体任せじゃなくて中央がということを考えてくると、ここで幾つかの問題点を私は出したいと思うのですよ。
 それは、まず第一に、中心市街地活性化の三法、これはいわゆる大店立地法、市街地活性化法、それから都市計画法の一部の改正、この三つがあるわけでありますけれども、この三法の限界と今後のあり方、そういうものについてお伺いをしたいと思うわけなんです。
 この点で申し上げますと、この法律は大型店の問題を都市計画の問題として取り上げるという画期的な意味を持っていた、これは私も認めます、皆さんの努力についてもそのとおりだと思っております。では、画期的な法律だったけれども、今後中心市街地の活性化について新しく中軸となるべき組織としてのTMO、これを打ち出してみた。ところが、このTMOが都市計画問題に関与できないと言ってはおかしいんですけれども、むしろ通産サイド、商工サイドの行政の中の問題として処理されがちだ。これは我が国土交通省は余り関係ないんだ、都市計画とか何かは関係ないんだというような風潮があるということがありまして、あくまでも改善策だとかびほう策とか、いわゆる対症療法に終わっているんじゃないか、そういうことを私どもは危惧をしております。
 根本には、まちづくり再生、そういう意味では都市計画だとか区画整理とか、いろいろそういう武器を持っている国土交通省の意識改革が必要じゃないだろうか、私はそういうことをちょっとお伺いをしたいと思っているのです。
 つまり、先ほど言ったように、今まで全部の省庁を統合して、特に旧建設省と通産省と自治省で、三つが中心になっていろいろなことをやってやろうとするこの姿勢の中でのことが、いまだにまだまだ縦割り行政というものがあるんじゃないかと思うのですよ。ですから、このTMOについていいましても、都市計画事業を含めて仕事としてはトータルにやると言っておりますけれども、これを本当にできるようないわゆる枠組みとか組織づくりができない限り前進はないわけなんです。国土省の今後の対応についてお伺いをしたいと思うのですよ。
 これと付随いたしまして、ついでに聞くというのはおかしいのですけれども、ある都市問題の研究家は、現場中心の思想に立ちながら、国がこれから準備する法制として、今の中心市街地三法に対する限界を踏まえたときに、例えばタウンリバイバル法。これは具体的に言いますと、重要であるところの地方都市とかまたは中心市街地再生にかかわるところの行政の効率化と公共投資の有効利用に関する特別措置法、必ずしもこれがすべてというんじゃないですよ。つまり、国がもっと積極的に今の中心市街地活性化の三法の限界の中で考える法律の制定というものも提案をしております。それについては皆さんも検討していると思いますので、これについてのお考えもあわせて伺いたいと思います。
澤井政府参考人 初めに、TMOに関するお尋ねでございます。
 活性化を図るまちづくりを進める上では、そこに住んで、あるいは商業を営んでいる方々がみずから考えるということが極めて重要であると思っております。今国会にこれから提出を予定しております都市計画法の改正の中でも、今般、住民あるいはまちづくり協議会といった団体によります都市計画の提案制度、提案を受けて、提案を軸に都市計画手続を進めるという提案制度の創設も今準備をしているところでございます。
 TMOが、今申し上げましたような意味で、そこに住み、あるいは働いている人々で構成されているとすれば、そういう方々にまちづくりについて考えていただくということは、今後の方向としても大変いいことではないかと思っております。
 また、二点目のタウンリバイバル法という構想につきましては、都市計画専門家によって提案されたもので、国、公共団体の役割分担のもとに、中心市街地活性化のため施策の実効性をより高めようとするという御提案と理解しております。
 現在、我々といたしましては、先ほど来先生御指摘の、制度だけではだめだという御趣旨も踏まえながら、例えば、全国の成功事例、失敗事例を収集してこれを全国に紹介する、あるいは専門家を派遣して診断、助言をする、住みたくなり、また、訪れたくなるようなまちづくりの支援をするということを、これまた関係省庁と連携いたしまして懸命に実施しているところであります。
 こうした施策を活用しながら、各地域が意欲的に活性化に取り組んでいくという意欲が高まっていくということが何よりも重要であると考えておりますけれども、御指摘のタウンリバイバル法につきましても、こうした取り組みを支援する提案の一つとして、今後内容をさらによく研究してみたいというふうに考えております。
中野(清)分科員 今の御答弁も前向きでございますからそれなりに評価いたしますけれども、さらに申し上げますと、アメリカのDIDという組織がありますね、まちづくりなんかについて。これは有名な組織でもって、例えば、対象地区の不動産所有者から特別の税金を取る権限を持っているとか、ゾーニングでの土地利用制限とか土地使用権とか、いろいろな権限を持っているわけですよ。ところが、日本のTMOは資金も権限も何にもない、ただ言っているのは口先だけだというところに今の中心市街地の活性化が進まない現状があるんだ。これについてもう一回お答えをいただければありがたいと思うのです。
 それから二つ目の法律について、あえて私はもう一回言わせていただきますと、今日、中心市街地とか地方都市の問題をやっていく場合に、市場経済ルールとかを優先したり、土地所有者の意見ばかり聞いたらば、これはどっちかというと自動車中心の拡散型の町になるに決まっているのですよ。コンパクトにまとまった町なんかできっこない。ですから、そうなると町は確実になくなってしまう。ということで、今非常に町が消滅してしまうか再生できるかという岐路に立っている、そういう認識でもってやってもらわなきゃ困るわけですよ。
 それだけに、今申し上げた、特に地方都市を中心として、再生に向けての課題が山積しているわけですよ。そうすると、その山積している中での行政課題とか再生課題、例えば再生に対する総合振興計画だとか、それから、今は中央でもって中心市街地をやりながら、片っ方では郊外にショッピングセンターをばかばかつくっている。それを一時待ってもらうとか、具体的にそれぞれのことがあってもいいわけなんですよ。それを今、国のレベルでもって緊急措置的な法律を制定して、これに従って地方自治体が動かなければ、今までの口だけの地方分権でもって、国ばかり見ている地方自治体の人たちに、権限を与えましたから今すぐやれやれ、TMOは町の商工会議所を中心にやるんだよ、基本計画は市町村だと言ったって、なかなかできないんじゃないか。ですから、そういう意味で、本当に国がやる気になるんだったらば、今のことをもう一歩新しく研究する気があるかどうか、それについてだけお伺いしたいと思います。
澤井政府参考人 TMOにつきましては、それに対する支援制度という観点からいろいろな要件をかけてできていると理解しております。そういった団体に総合権限を持たせるということにつきましては、どういう方々で構成されている団体であるかというあたりもいろいろな議論をしなきゃいけないと思っております。商業支援とまちづくりと両方あわせてできるような団体を、法律的に位置づけてやるかどうかは別として、先ほど申しました都市計画の提案制度との絡みもありますので、幅広く検討してみたいと思います。
 また、国の法制度的な特別措置が要るという御指摘でございますが、先ほど仰せのタウンリバイバル法の内容も含めまして、さらに研究してみたいと思います。
中野(清)分科員 ぜひ研究をしてもらいたいと思います。
 中心市街地活性化に当たっては、いわゆる専門家の参画が必要でありますけれども、特に中小の市町村についてはなかなか高度なノウハウを持っていない。私は、別に国土省をどうこう言うわけじゃないんですけれども、実は、都市基盤整備公団、いろいろ言われておりますけれども、区画整理とか再開発等の実績はいっぱいあるわけですよ。そうしますと、確かに公団とまちづくりは違うという意見もありますけれども、そういう実績がある中で多数の専門家がいる、その専門家を初めとして公団自体のいわゆる機動力とか開発力というものをこの中心市街地で活用しない手はないと思っておるんですけれども、これはどうですか。
 きょうは国土省のやつですから、経産省も聞いていましょうから言いますけれども、経済産業省とリンクをして、いわゆる商店街の活性化という視点が非常に欠けているから、それは経産省の方の専門家も活用して、しかもこれは公団の活用ですね、これについてはどう考えているか、お伺いしたいと思います。
澤井政府参考人 仰せのとおり、中心市街地の活性化をしていく上では、面整備、権利調整等についての専門家、あるいは商業、さらには医療、介護、文化、観光といった幅広い分野の専門的な知識が必要だと思います。
 こうした観点から、来年度予算案につきましては、市町村や市民団体などにこうした専門家の派遣を行うことを内容とする中心市街地活性化まちづくり推進経費というものも計上しておりまして、こうした取り組みを鋭意進めていきたいと思っておりますが、そうした中で、まちづくりの専門的なノウハウを有する都市基盤整備公団の職員も活用できる、このように考えております。
中野(清)分科員 この問題について最後に扇大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど言いましたように、中心市街地活性化については国が一生懸命やっていて、一兆円以上のお金を投入してやっております。そのことは十分理解しておりますけれども、実際は、商店街とか町が衰退しているとか停滞しているというのは九割以上だという現実の中で、なかなか成果が上がっていない。そういう意味で、中心市街地が崩壊か再生かの瀬戸際だ、そういう認識を私は持っておりますけれども、しかし町は生きておるわけですよ。単に商業の中心だけじゃなくて、人々の仕事とか暮らしとか娯楽とか交流の場でもありますし、独自の文化や伝統の場でもあるわけです。
 私は、政治が、美しく、安全で、人のにおいのする町をつくる責任と使命というものを今こそ痛感すべきだと考えておりますし、このために、特にこの事業の一番有力な事業担当者であるところの国土交通大臣といたしまして、どのような決意をお持ちか、お願いをしたいと思います。
扇国務大臣 今るる御論議いただきましたお話を伺っておりまして、少なくとも、いかに地方の個性を出すかが私は今後重要な課題になってくる。どこへ行っても何々銀座で、全国が銀座ばかりでは困るのでありまして、そういう意味では、いろいろな地方の個性を出す独自の文化とか伝統を継承しながら、商業や業務などのさまざまな機能が集まって、また人々の生活や交流の中心として栄え得るということが私は理想である、中野先生のおっしゃるとおりだと思っております。
 また、町のにぎわいや文化、さらにはこれらを核とした地域の振興の基盤がなくなることにもつながる問題であると認識をしておりますので、今後、中心市街地の活性化では、町の顔としてそのにぎわいを取り戻して、そして人々が町に行き交う、あるいはそこに泊まりたいな、もう一度来たいな、そういう気持ちを起こさせるような個性のあるまちづくりというものを私はぜひしていただきたいと。
 また、中野先生の川越を私ちょっと見させていただきました。私大変感心しましたことは、一番街通りの整備ということで、蔵づくりの町屋を保存しつつということで、すべての電線を地中化されているんですね。私、この電線の地中化を口を酸っぱくするほど言っているんですけれども、私たちの目に見える東京は、余り電線の地中化をしている場所というのが見えない。これも私は大きな問題だろうと思いますけれども、それをこの一番街通りで率先してやっていらっしゃる。また、菓子屋横丁という大変ユニークなまちづくりをしていらっしゃいまして、石畳の舗装と電線類の地中化という、これも私拝見しまして、本当に楽しいまちづくりをしていらっしゃるなと。中野先生、地方と一緒になって頑張っていらっしゃるんだなと思っておりますけれども、少なくとも、この例を見るまでもなく、私たちは地方公共団体あるいは住民、商業者、NPO、まちづくりの専門家等が力を合わせてその知恵を出し合っていくということが重要である、お手本というように見せていただきました。
 また、今お話にありましたように、経済産業省を初め関係省庁と強力に連携して、私は個性あるまちづくりというのがより繁栄していく基本だと思っていますので、何でも切ってみたら全部金太郎あめというのでは、みんなそこへ行きません。
 ですから、今の川越の例を挙げましたように、個性のあるまちづくりにぜひ全省庁挙げて、また地方の知恵、専門家の知恵を生かして頑張っていきたいと思っております。
中野(清)分科員 今、大臣のすばらしいお言葉をいただきまして、ありがとうございました。
 川越につきましては、国土省は一生懸命協力してもらっていまして、本当にそういう意味で、伝統的建造物の指定には、都市計画の指定を街路の指定までも変えてもらったということでございますので、感謝したいと思います。
 最後に、私の地元の問題について幾つかまとめて申し上げますので、簡単にお答え願いたいと思います。
 まず第一に、埼玉県内の圏央道の整備状況についての今後の方針につきましては、例えば、鶴ケ島ジャンクションから国道二五四までの道路建設と接続は平成十七年完成だ、東北自動車道までは平成十九年だ、青梅からの中央自動車道まで、また東名高速までの接続は、それぞれ平成十九年に整備されると言われておりますけれども、これらについては地元が早期の完成を望んでおりますので、まずこの見解を願いたい。
 それから、東京外郭環状道路は、埼玉県内は完成にほぼ近づいておりますけれども、いわゆる我々関心があるのは、関越道と東名間について、これは美濃部都知事のときから長年凍結されてきたわけですけれども、これについては今高架から地下へと変更するという提案があると聞いておりますけれども、これも明らかにしてもらいたい。
 それから三つ目は、これは大臣に申し上げたいのは、九放射、三環状、私はネットワークは大事だと思っております。ところが、その中で関越道のみが外環だけでもって、中央環状線と接続していないんですよ。しかも、これについては調査とか検討ということも入っていない。これについてはどうなんだということは、やはり地元民に対しても明らかにしてもらいたいと思うんです。
 それから核都市連絡、核都市広域幹線道路についても、この計画がなかなか見えない。これについてもお願いをしたい。
 それからもう一つは、分断をするところのあかずの踏切の問題について上福岡でやっておりまして、これについての東西交通連絡道路、これについては上福岡市が積極的にやっておりますけれども、国土交通省としての対策をお願いしたい。
 それから、新河岸川についても、この激甚についてはいろいろ問題がありますけれども、この工事について延びるおそれがある。これについてどうか、簡単で結構ですから、時間がなくて申しわけございませんけれども、お願いしたいと思います。
大石政府参考人 まず、道路関係について御説明申し上げます。
 圏央道埼玉区間は五十九キロでございますが、鶴ケ島ジャンクションから川島インターチェンジまでの間と、川島インターチェンジから県境までの間に分けた考え方で整備をいたしております。
 まず、最初の区間八キロメートルにつきましては、現在、用地買収、工事の進捗を図っておるところでございまして、用地では面積ベースで九五%、工事では契約ベースで五〇%という進捗になってございます。
 また、川島インターから県境までの区間三十一キロメートルにつきましては、現在用地買収に着手したところでございまして、用地の進捗約三〇%でございます。
 今後、地元の御協力を得て、鶴ケ島ジャンクションから川島インターチェンジの間につきましては平成十六年から平成十七年のころ、あるいは川島インターからその先につきましては平成十九年ごろの供用を目指し、事業の進捗を図りたいと考えております。
 それから、外環でございますが、外環、御承知のとおり昨年の四月、計画区間につきまして、高架構造から地下構造に変更するなどの計画提示をいたしました。今、地元の方々と鋭意話し合いを進めておるところでございます。その中で、事業のプロセスの透明性、客観性、公正性を図るために、東京環状道路有識者委員会を設置いたしまして、合意形成プロセスについていろいろ御指導いただいておるところでございまして、今後、計画の具体化に向けて検討を促進したいと考えております。
 それから、放射道路の考え方でございます。
 いろいろ理論的には環状道路と放射道路のあり方について研究をした時期がございましたが、御指摘の関越自動車道と中央環状を結ぶ路線につきましては、現在の路線の計画でいいますと目白通りに沿ったルートが考えられるわけでございますが、この導入空間は、幅員が二十五メートルと非常に狭い上に、洞道等の大規模な埋設物件が占用しておりまして、新たな道路をこの上に整備することは極めて困難な状況というように認識いたしておりますが、今後、東京区間の外環道路の整備とあわせまして、この関越の受けの道路につきまして、必要性があるかどうか、あるいはどのような方法が考えられるか、中長期的課題として、東京都初め地元の関係の方々との御意見も調整しながら、事業の可能性について検討を行いたいと考えております。
 それから、九放射、三環状のみでは十分ではないのではないかということで、核都市広域幹線道路として、十六号に沿うような形で道路の計画がございます。これは、地域高規格道路の候補路線と指定されておるところでございまして、現在のところは三環状の整備促進を図っておるところでございます。
 今後、首都圏や埼玉のポテンシャルを引き上げるため、核都市広域幹線道路の整備は必要なものと考えておりまして、引き続き、地元の皆様方や関係の皆様方と調整を図りつつ、調査を推進してまいりたいと考えております。
三沢政府参考人 お尋ねの上福岡駅の東西交通連絡道路につきましては、あかずの踏切問題を解消するという観点から、市からも要望をいただいております。
 これにつきましては、現在、市の方で、事業化に向けまして関係機関との調整を実施しているというふうに聞いておりますので、私ども国土交通省といたしましては、こういう状況を踏まえながら的確に応援をしてまいりたいというふうに考えております。
竹村政府参考人 新河岸川の激甚災でございますが、来年、十四年度で完了いたします。予定どおり完了するかということでございますが、今、用地関係で権利錯綜の関係で若干時間がかかっているものがございますが、現在、九七%の用地進捗率で、事業そのものも九二%でございます。
 万が一用地が長引いた可能性があっても、十四年度中には治水効果が所定の効果を発揮するように技術的な工夫をいたします。現時点でははっきり申し上げられませんが、来年、新年度におきまして効果を発揮するということに持ってまいりたいと思っています。
中野(清)分科員 ありがとうございました。質問を終わります。
藤井(孝)主査代理 これにて中野清君の質疑は終了いたしました。
 次に、斉藤鉄夫君。
斉藤(鉄)分科員 公明党の斉藤鉄夫でございます。
 扇大臣、きょうは、大臣にぜひ聞いていただきたいという思いがございまして分科会を申し込みました。ちょっと細かい話かもしれませんけれども、今、中央対地方ということが言われておりますが、これは、首都圏の中の中央対地方の問題、結構本質的な問題が潜んでいるのかもしれません。千葉ニュータウン事業の問題でございます。
 私は、選挙区が中国地方のブロック、比例区でございまして、なぜ私が千葉ニュータウンの質問なんかするのかとお思いかもしれませんが、議員になるまで千葉ニュータウンに住んでおりました。都心に通うサラリーマンだったんですが、そういうことで、たくさんの知り合いがございます。その方々が、これは行政も含めてですけれども、私が議員になりまして八年間、一貫して私のところに来られて、もうそれは語るも涙、聞くも涙の物語を切々と訴えられる。なかなか改善されない。そういうことで、その声を昔の住民として代弁して、ぜひ大臣にお聞き願いたいということで分科会を申し込ませていただきました。よろしくお願いいたします。
 この千葉ニュータウン事業なんですけれども、これは、国、それから千葉県、この二つが主体となって進めてきた事業ですが、もう四十年たちますけれども、当初三十六万人だった計画が十九万人、縮小に次ぐ縮小を重ねて十九万人という計画になり、その十九万人に対しても、四十年たってまだ、幾らだったでしょうか、四〇%の入居率、九万人前後だったかと思います、全然進んでいない。特にバブル崩壊後はほとんど入居が進んでいないという状況でございまして、何と人口減少に転じている地区もございます。
 そういう状況について、まず国土交通省として、また、進めてきた都市基盤整備公団として、この千葉ニュータウン事業をどのようにとらえられているのか、お聞きをいたします。
岩村政府参考人 千葉ニュータウン事業でございますが、昭和四十四年から事業が始まっているわけで、今先生御指摘のように四十年近くの経緯があるわけでございます。良好な居住環境を備えた住宅宅地の供給を目的にして始まったわけでございます。そして、新住宅市街地開発事業として、東京都心との近接性を生かしながら、住む、そして働く、学ぶ、憩う、こういった各種の機能を複合した総合的な都市づくりということを進めてきたわけでございます。
 今御指摘いただいたように、現計画に対する進捗状況、これも過去に計画改定があったわけですが、現在の計画についても、居住人口ベースで約四〇%、戸数ベースで約五〇%という状況でございまして、今先生の御指摘のとおり、当初の計画に比べておくれていることは否めないわけでございます。
 現在、こうした状況にかんがみまして、千葉ニュータウンでは、物販等の商業施設、またホテル等の利便施設、さらには大学の立地というものが進められているわけでございます。また、定期借地の導入、さらにはパーク・アンド・ライド用の駐車場を提供する、こういったことによって入居促進策を懸命に講じているところでございます。
 国土交通省といたしましては、事業者でございます都市基盤整備公団、そして千葉県に対して、引き続き、入居者の増加、さらにはその定着を図るように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
斉藤(鉄)分科員 ニュータウン事業については余り研究成果というのはないんですけれども、大妻女子大学の福原正弘教授が一貫してニュータウンについて研究を進められておりまして、例えば「甦れニュータウン」とか、こういう著書もございます。
 その方が、いろいろな研究をされているんですが、首都圏で開発されたこの千葉ニュータウン、それから多摩ニュータウン、港北ニュータウン、それぞれの比較をされております。そういう研究がございます。
 港北ニュータウンと多摩ニュータウンについてはかなり満足度が高いんです。しかし、千葉ニュータウンの満足度は極端に低い。満足度が低いどころか、もう出たいという希望も千葉ニュータウンは極端に高い。その研究によりますと、その唯一の原因は、特定できる唯一の原因は、唯一のアクセスである北総・公団線の、一つ、電車の遅さ、二つ、運賃の高さ、この二つに尽きる、このように結論づけられております。学術論文として結論づけられております。
 この北総・公団線の北総電車の社内資料を見ましても、なぜ千葉ニュータウンの入居が進まないか、また町を捨てる人がふえているか、また、公団が分譲住宅をやめました、そうすると民間しかないわけですけれども、民間もほとんどもう手をつけようとしない、その理由がこのアクセス電車の遅さと運賃の高さだ、このように結論づけております。ちょっとこの二点についてお聞きしたいと思います。
 まず電車の遅さという点です。
 この電車ですけれども、北総・公団線、北総開発鉄道と公団が一緒になって開発しているわけですが、北総・公団線というのは京成の高砂という駅に、京成本線の駅に入ります。その京成高砂から京成本線を通って都営浅草線に入るという構造なんですけれども、北総線の中では電車の頻度はまだまだ低いということで、各駅停車しかいたし方ないと思うのですけれども、京成本線に入ってからもすべて各駅停車、朝の五本だけ除いてすべて各駅停車というのが現状でございます。つまり、千葉ニュータウンから都心まで、二十五、六個の駅があるわけですけれども、すべてにとまっていく。そういう電車しかないということが千葉ニュータウンが都心から大変遠いという大きな原因になっております。
 例えば、比較される多摩ニュータウンはどうなっているかといいますと、多摩ニュータウンは全くこの千葉ニュータウンと同じように、相模原線という線を京王がつくりました。京王本線の調布に入ります。調布から京王本線を走って、これは都営新宿線に乗り入れるわけですけれども、例えば、この多摩ニュータウンの場合は、すべてこの京王本線の間は快速運転をして都営新宿線に乗り入れている。港北ニュータウンの場合はどうかというと、田園都市線、それから新玉川線、それから半蔵門線へと入っているわけですけれども、もちろんこの田園都市線、新玉川線、これは地下ですけれども、そこでも急行運転をして、都心に乗り入れている。
 例えば、八千代台のニュータウンですと、東葉高速が郊外区間では快速運転をして東西線に乗り入れている。京急ですと、三浦半島のニュータウンから、京急区間では快速特急運転をして、都営浅草線に乗り入れている。遠いところにあるニュータウンについては快速運転をして、都心に来て地下鉄の中で各駅というのが当たり前になっているわけで、比較的短い到達時間で来ているということなんですけれども、この千葉ニュータウンのアクセス鉄道だけは京成本線の中に入っても、京成の中だけの電車は特急運転、急行運転をしているにもかかわらず、千葉ニュータウンから来るものについてはすべて各駅、町内電車的な扱いしかしていない。こういうことが千葉ニュータウンが非常に遠いということの大きな原因になっているというふうにいろいろなところで言われておりますし、住民も強い声がありますし、学術的にもそれが言われているわけでございます。
 そういう声を受けて、朝五本だけ、急行運転をするものをこの九月十五日のダイヤ改正で取り入れられましたけれども、私は、そのほかのニュータウンで行われているように、千葉ニュータウンから来るものについては、京成本線の中では基本的に快速運転にするということ、これはダイヤ改正、お金をかけずに済むイメージアップ作戦でございます。
 これは、北総開発鉄道が出した文書ですけれども、こういうところがございます。「経営が先行き不透明で、悪い見通ししか出せない当社が唯一出来ることとしては、スピードアップ、すなわち都心への所要時間の短縮しかないと思われます。」悲痛な叫びです。しかし、京成がそれを阻止している。千葉ニュータウンの住民は言います。京成電鉄は千葉ニュータウンの住民に意地悪しているのではないかとしか思えないようなダイヤだ、このような声もあるわけでございますが、この点については、これはお金をかけずにこのニュータウンのイメージをアップさせ、入居を促進させ――このニュータウン事業は、このままいくと私は必ず破綻すると思います。それを再生させる大きな方法だと思いますが、いかがでございましょうか。
    〔藤井(孝)主査代理退席、高鳥主査代理着席〕
石川政府参考人 先生から今お話がありましたように、千葉ニュータウンからの北総開発鉄道、これについてどういうふうなダイヤを設定するかということについては、輸送需要であるとか利用者ニーズであるとかさまざまな観点から鉄道事業者が決めていくわけでございますが、先生お話しのように、北総開発鉄道では、利用者の増加策として、昨年の九月十五日にダイヤ改正をいたしました。それで、朝ラッシュ時において、北総線とか京成線内の駅を通過する特急を五本新設するという工夫をしました。それから、夕方では北総線内の駅を通過する急行三本という形で、これも増発をして、利用者の利便を図ってきたということでございます。
 ただ、この鉄道につきましては、今先生御案内のとおり、京成本線、それから都営地下鉄線、それから京急線と、非常に広い範囲の中でネットワークができておりまして、そういう中で、一部の部分についてどういうダイヤ運行をするかという、そのダイヤのスジといいますか、どういうふうにダイヤを組めるかということもいろいろとありまして、なかなか技術的に難しいところがございます。
 いずれにしましても、今後、北総開発鉄道では、利用者の動向を見ながらさらに適切なダイヤ編成に努める、こういうふうに聞いております。私どもとしても、利用者利便の向上の観点から、北総あるいは京成、こういうものに対しまして引き続き指導してまいりたいと考えております。
斉藤(鉄)分科員 北総線の中での努力、これは、北総開発鉄道、その努力はもうかなり限界に来ておると思います。問題は、京成線の中。京成線の中では、先ほど言いましたように、朝の五本しか優等列車を設けてない。あとは、下りについてはすべて各駅でございます。そういうことで、京成の中での表定速度のアップということが、千葉ニュータウンを成功させるために避けて通れない。技術的に難しいとおっしゃいましたけれども、私も京成の時刻表を見ましたけれども、決して難しくない。
 例えば、ちょっと細かい話になって恐縮ですが、青砥という駅の始発がございます。これは短距離電車です。それを急行にして、すぐ後に来る北総からの長距離電車を各駅にしているとか、また同じことを言いますけれども、千葉ニュータウンの住民に意地悪しているとしか思えないようなダイヤになっているというのは現実でございまして、かつ技術的にもこれは十分改善が可能だと思います。
 先ほど商業施設、学校というお話がございましたけれども、近い千葉ニュータウンというイメージを持つためには、昼間の京成線内の急行電車、これはもうぜひ必要だと私は思います。同じような距離にある多摩ニュータウンは、昼間はもう地下鉄線内も急行運転で、新宿から多摩ニュータウンまで三十五分です。千葉ニュータウンの場合は、日本橋から千葉ニュータウン中央まで五十七分です。同じような距離でですよ。二十分近くも違う。これでは多摩ニュータウンの方が魅力的だ、千葉ニュータウンは遠い、こうなるのは当然でして、それに対して京成ももう少し配慮すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
石川政府参考人 先ほど申し上げましたとおりなんですが、高砂と押上の間、これが千葉なり成田から来る京成本線のルートになっているわけでございます。先生お話しのように、ここの部分については京成本線の特急なり急行が走っております。それで、例えば北総線から入ってくる列車の相当な部分を急行運転にするということになりますと、逆に高砂と押上の間の各駅の利便性が落ちるという問題がございます。
 それからもう一つは、そこでいろいろな工夫をしたとしても、今度は高砂から押上、押上からさらに都営地下鉄浅草線あるいは京浜急行線へ列車がそれぞれ走っていっているわけでございまして、そこら辺のダイヤ全体に相当な影響を与えて、どういうふうなダイヤが組めるかという意味でのいわば技術的な問題がございます。
 ただ、先生お話しのような形もございますので、京成なり関係事業者が、いろいろな工夫をしながらダイヤをどうやって組めるかということもやってきた中で、昨年の九月に申し上げたような特急がとりあえず新設されているということだろうと思います。
 なおこれはまたさらにいろいろな形で努力はしていきたいと思っておりますけれども、なかなかそういう意味で技術的な問題はあることも御理解いただければと思います。
斉藤(鉄)分科員 この問題についてはあれしませんけれども、技術的に可能だと思いますので、ぜひ検討を進めていただくようにお願いをいたします。
 それから、八広駅の追い越し施設が完成いたしました。パンフレットも、建設省と京成電鉄の共同事業ということでございますが、これには大きな公的な財政援助もあると思います。これは成田、千葉ニュータウン、そして都心、羽田空港のラインの強化という意味があるかと思いますけれども、せっかく国土交通省が力を入れて八広の追い越し施設をつくりました。これを利用して、この施設ができたことによって、先ほどの技術的という話がありましたけれども、技術的に随分余裕ができたのです。私は十分可能だと思います、技術的に検討すれば。そのように国土交通省としても京成に指導すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
石川政府参考人 八広駅の改良というのは、先生御案内のとおり、荒川の河川改修という形で、その一環でやられたわけでございます。そういう中で、関連事業というか、そういう形で八広駅の追い越し施設の整備ができたということだと思っております。
斉藤(鉄)分科員 ですから、そのダイヤを編成する技術上の余裕ができましたので、ぜひお願いをいたします。
 それから次に、運賃の話なんですが、実はこれが本当にまた深刻でして、細かい話は省略をいたしますけれども、例えば、同じ距離、どういう運賃になっているかといいますと、定期券でちょっとお話をしますと、例えば、千葉ニュータウンから日本橋まで三十六キロ、これが定期券で六カ月で二十四万三千三百五十円、一年で五十万円ですね、通勤定期ですけれども。これがJRですと七万七千円、三分の一です。小田急ですと七万一千円、三分の一ですね。
 ただ、これは同列に比較するのは不公平でして、北総の場合は、北総、京成、都営、このように三社つながっていますから、それぞれ初乗りになるわけで、しかし、そういうふうな構造になっている例えば多摩ニュータウン、京王から都営に乗り入れるわけですけれども、これでも通勤定期六カ月で十一万ちょっと、二・二分の一です。つまり、運賃が三倍近く高い、こういう現状です。ですから、千葉ニュータウンでは財布は落としても定期券を落とすな、こう言われているわけでございます。
 最近は、特にパートの方等が、リストラのまず最初の対象に千葉ニュータウンの住民がなる。理由は運賃が高い、交通費が圧倒的に高いから、あなたやめてくれと。じゃ自費でもいいからといって自費で来るとパート料の半分は運賃に取られる、こういう現状がございます。
 それは、建設費にお金がかかったんだから仕方がないじゃないかということかもしれませんが、例えば多摩ニュータウンはどうだったかといいますと、同じように高い建設費で、これは京王みずからが相模原線をつくりました。京王全体の運賃体系の中で低運賃に抑えて、低運賃に抑えたことが多摩ニュータウンの入居の促進につながったと言われております。
 港北ニュータウンは東急が田園都市線を建設しました。そして新玉川線を物すごいお金をかけて建設しましたけれども、これも物すごい建設費がかかっておりますけれども、東急全体の運賃体系の中で安く抑えて、安い運賃で都心へ出られるようになっている。
 この北総だけは、京成グループとはいいながら、京成と分離をさせて、北総だけの運賃体系にして、非常に高い。かつ、北総から京成に乗り入れればそれぞれ初乗りを取る。本当にこれもある意味では不公平な運賃体系かな、このように思っております。
 この運賃が高いというのも、もう千葉ニュータウンを捨てようという人がたくさん出ている一つの大きな原因になっております。子供が高校に入ったら、地元に高校がないから電車通学をさせなきゃいけない。しかし、年間物すごいお金がかかる。ではこの際千葉ニュータウンを捨てようということで、どんどん人口が減少している地区もあると涙ながらに訴えてこられる方もたくさんいらっしゃいます。
 こういう問題について、これは財投の問題ですから、借りかえすればかなり楽になるのですが、これは財投の根幹にかかわる問題ですのでなかなかそう簡単ではないというのは十分承知した上で、しかし切々と訴えてこられる方々は、都市内弱者なんですね。バブルのころ、東京で家が高くなった、家賃も高くなった、都内に住めない、そういうときに郊外に出る。私もまさにそうだったんですけれども、都市内弱者でございます。そういう人がバブルのころに郊外へ出た。今大変不況の波をかぶって、経済的にも大変厳しい、こういう方々の本当に切実な訴えを聞くわけでございまして、このことについて、何らかの対処が必要なんじゃないかと思いますが、この点についてはいかがでございましょうか。
石川政府参考人 北総開発鉄道の運賃につきましては、今先生お話がありましたように、日本でも有数に高いと言われておるわけでございます。その原因は、先生も御指摘のように、建設費がそれなりにかかったということと、一方では旅客が思うように伸びないということが主な原因だろうと思っています。
 そういう中で、北総開発鉄道は、現在まで累積損失四百四十三億円という、いわば繰り越しの損失を持ってございます。このために、鉄道としてそれをどう維持するかということを考えて、これまでも京成電鉄や千葉県、都市基盤整備公団あるいは鉄道建設公団、関係者の中でいろいろとお話をしまして、今まで四回にわたって資金的な支援策ということもやってきておるわけでございます。
 そういう中で現行運賃が維持できているということでございまして、私どもとしては、むしろ今の運賃をできるだけ値上げをしないで、何とかできるだけ長く維持するということが当面やらざるを得ないことになってございます。ただ、今先生お話しのように、乗り継ぎをしているということで運賃が少し高いのではないかという御指摘もありますので、現在は、京成、都営地下鉄、営団、こういう中で、定期及び定期外とも、通常の乗り継ぎに加えて、通常以上の割引というものはやらせていただいているところでございます。
斉藤(鉄)分科員 そういうことで、この千葉ニュータウン事業、これまでたくさんの国費も投入されてきました。しかし、まさにこの事業、もう町がこのまま存続できるかどうか、棄民がふえるか、町を捨てる人たちがふえるかという瀬戸際、そのかぎをこのアクセス鉄道が握っている、このように考えるわけでございます。
 先ほどお話がございましたように、日本一高い運賃に乗って、日本一遅い電車に乗らされている、これが現実でございます。もっと、近いというイメージ、これは心理的にも時間的にも――心理だと思います。少なくとも、運賃については厳しいということがわかりましたので、京成の中では快速運転する等、それは細かいことですけれども、千葉ニュータウン事業を成功させるために国土交通省としても御努力を願いたいと思うんですが、きょうは、こういう話を大臣に聞いていただくというのが目的で分科会に申し込んだわけでございますが、大臣、お話を聞かれましてどのように感じられましたでしょうか。それを最後に質問いたします。
扇国務大臣 今るるお話を伺っておりまして、千葉ニュータウンの皆さん方の現状をお聞かせいただきました。
 私は、もともと千葉ニュータウンを計画したときに、一番最初に人口三十四万、三十年前にその計画をし、なおかつ、それが変更になって十九万四千何がし、そういう人口の変化によって利便性が損なわれたということは、やはり私は申しわけないことだと思っております。また、千葉ニュータウンは人口が八万人であるとか、今は港北のニュータウンが十六万人、そして多摩ニュータウンは人口が十九万人、こういう人口差によって利便性が損なわれるということは、もともとの事業を計画したときの、当初の人口三十四万人という計画で始まったものがなぜこうなったかという原因は、私は、責任は多く持たなければいけないだろうと思います。
 ただ、今お話を聞いておりまして、四十四年に始まったこの千葉ニュータウンの建設、今までと今後、何が違うかという点だけ。
 私は、反省点もるるあると思います。各省庁にまたがっています。けれども、今回、国土交通省というのは、今までと違って、住宅局とそして鉄道局が一緒になりました。今も局長が一緒になって答えております。今までだったら運輸省、建設省でばらばらでしたけれども、国土交通省というのはそういうのが一つになりましたので、そういう意味では、私は、一つの省の中で統合と、そしてその統合性を生かした打開策が考えられるのではないか、希望が持てるということが一つ。
 もう一ついいことは、十四年度の予算におきまして、私どもは新たに成田新高速鉄道アクセスの整備というものに着手するという予算を出しております。それによりまして、千葉ニュータウンと都心の間が、このアクセスに着手することによって通勤とか通学の利便性が高まるのではないか。それも、千葉ニュータウンの皆さん方に希望を持っていただきたいことの一つだと思います。
 この二点で、私ども国土交通省としては、統合のメリットを生かして、皆さん方に希望を持って住んでいただけるように努力していきたいと思っております。
斉藤(鉄)分科員 今の大臣のお言葉を千葉ニュータウンの住民の方にお伝えします。
 ありがとうございました。
高鳥主査代理 これにて斉藤鉄夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、松島みどり君の質疑に入ります。松島みどり君。
松島分科員 自由民主党の松島みどりでございます。よろしくお願いします。
 一番最初に、交通、私も鉄道交通の話でございますが、大臣、今ちょうどおっしゃいました、旧建設省と旧運輸省が一緒になった、私もこれは本当に、ある意味ですばらしい、画期的なことだと思っております。
 そこで、今斉藤議員が質問されたことと発想が似通っているんですが、私の場合は、都市部の民間鉄道に対する財政的な措置というもののありようということについてお伺いしたいと思っております。
 私は、かねてずっと疑問に思っておりました。日本の交通手段の中で、道路については国道というものがあり、そして有料道路に対しても財政的な措置がなされている。一方、鉄道については、国鉄というのはなくなったわけでございますけれども、都市部におきましては、道路ではなく鉄道、それも私鉄による交通手段というのは非常に大きな位置を占めている。しかしながら、この鉄道に関して、第三セクターとか、それから公営の営団地下鉄なんかに対しては、ある程度助成がなされるようになりましたが、もともとはなかった、少しは出されるようになった。
 そして、私鉄に対しては、民間会社の資産形成に資することを国の財政としてやることはできない、たしかそういう原点に立って国からお金が出ていないように私は認識しているんですが、このことによりまして、民間鉄道が主な移動の手段である都市部の住民が、結局、別に、民間鉄道に対する資産形成といいましても、各私鉄が、国からもしお金を出してもらっても、それを売りさばくわけでもない、レールを敷くための土地を買っても、それを売りさばくわけじゃなくて、それは乗客、ひいては都市の通勤サラリーマンなり納税者の利便に、通勤地獄から脱出するための利便に供するわけですから、これはその考え方を改めていただけないかと思う次第でございます。
 私、かねてより、道路特定財源というのは、今見直し議論が行われておりますけれども、これは税率を本則に戻して、石油、ガソリンや、そしてまた自動車にかかわる非常に高い税率を本則に戻した上で一般財源化し、特に交通というもの全体に対してこれを使うべきだと考えているんですが、大臣、この都市部の住民に関係のある民間鉄道に対する財政措置、どのようにお考えになるか、よろしくお願いします。
扇国務大臣 今お話にございましたように、都市鉄道、御存じのとおり、大都市圏におきます通勤とか通学とか、あらゆる輸送の確保、そういうものの都市機能の維持ですとか増進を図っていくという上には大変重要な役割を果たしている、これはもうおっしゃるとおりでございまして、日ごろ、なるべく私も、ふだんは車に乗らないで、国鉄、民鉄、地下鉄、あらゆるものに乗るように努力はしております。
 基本的には、御指摘のように、私鉄への国費の投入というものに関しましては、民鉄の資産形成に直結するものであるということで、現状においては公共事業の性格から困難である、これは決められております。
 けれども、一つ例を挙げて大変失礼ですけれども、私は、民間の活力とそれから努力というものをすごく感じたことがあります。それは、七年前になりますけれども、阪神・淡路大震災、あのときに、民間の鉄道も本当に大被害を負いました。けれども、その民間の鉄道の中で、国費をもらわないで立派に自分たちで立ち上がった民鉄会社がございます、あえて名前は言いませんけれども。
 私は、そういう意味では、この原則というものを本当に踏まえて、自分たちは頑張るんだ、そういう民鉄があるということも称賛に値すると思うし、民鉄の役割、国にはできないことをおれたちがするんだという、この意気込みだけは、私はぜひ先生にも御理解いただき、彼らは彼らなりにプライドを持っている、そういう意味では。ですから、より競争をして、そして利便性を考えて、乗り手の心になっているということは、国有鉄道も考えて、見習わなきゃいけない点だ。
 ですから、国鉄がJRになってあんなに変わったというのも、今までの民鉄、あらゆる民間のいいところを見習ったからああなったので、そういう意味では、私は、このプライドと、そして彼らの誇りと、そして自分たちでやるんだという気持ちだけは大事にしたいという基本がございます。
 けれども、そうとばかりは言っておれませんので、補正と十四年度の予算の合計、十三年度の補正予算ですね、それと一緒にして十三年度の一・二三倍の、できる限りの助成措置ということで枠をとってございます。
 ですから、そういう意味では、公共工事予算を活用して、民鉄を支援する観点から、今申しましたような、平成十三年度の予算において、民鉄と地方の公共団体が共同で出資されます、今先生もお口になさいました第三セクター、これを設立していただいて鉄道施設を整備して、またその第三セクターに出資をしている民鉄が鉄道事業を運営するという償還型の上下分離方式、これを導入しております。この方式によって、中之島新線という建設、あるいは阪神は西大阪線というような延伸が可能となったという、こういう実例もございます。また、今しつつあるというのも現実でございます。
 そういう意味では、私たちは、運輸政策審議会の答申を踏まえて、引き続いてこの方式による具体的な適用事業の検討をしていきたいと思っておりますけれども、基本的には、その民鉄の自分たちの心構えというものを尊重しながら考えていきたいと思っております。
松島分科員 大臣から、民鉄の意気、プライドというものを御紹介いただきまして、それは確かに、特に関西地区におきましては、私鉄というものが交通の基盤、もともと旧国鉄時代から、国鉄よりも私鉄に乗るんだという雰囲気がございましたから、よくわかるんですが、ただ、東京周辺におきましては、そういう理想論ばかりではいけない、やってられない部分がございます。かつては宅地造成などで随分潤って民間鉄道が資金豊富でございましたが、今はそういうわけにもいかないという状況になってまいりました。
 先ほどのお話で、一・二三倍、予算の中でもそこに重点を置いていただいた。それは非常にありがたいと思うんですが、大臣もおっしゃいました、民間会社の資産形成に関してはという、この決まりの部分でございますが、きょうは財務省からもお越しいただいておりますので、決まりなんて、そんなのつくり直せばいいじゃないかと私思っておりまして、別に、おっしゃられるように、民間鉄道もプライド高くまじめにやっていて、その資産を売り払って会社を解散しようなんて思うわけじゃないんですから、そのあたりは、法的というか、財政的にはいかがでございましょうか。
居戸政府参考人 公共事業に限らず、鉄道に対する財政支援の考え方につきまして、扇大臣の御答弁を財政当局の立場から補足させていただきたいと思います。
 松島委員御指摘のとおり、鉄道事業が公的な性格を持っているということは否定するものではございませんけれども、国鉄破綻の反省も踏まえまして、基本的には、鉄道事業は民間企業によって効率的に行われるべきものであるというふうに考えております。したがって、扇大臣の御答弁にもありましたように、民間企業であります民鉄会社の資産形成に直結するような形での財政措置、財政支援、国費投入は困難であり、適当でないというふうに考えております。
 しかしながら、今扇大臣の御答弁にもありましたように、公的セクターを活用した整備であるとか、あるいは民鉄に対して直接、いわゆるP線補助という形での利子補給を行ったり、あるいはバリアフリーというような特定の政策目的のための補助制度などもございまして、そういうような民鉄の効率性を損なわない範囲で、今後とも国土交通省とよく協議しながら、財政面からも適切に対応していきたいというふうに考えております。
松島分科員 ぜひ柔軟に取り組んでいただきたい。都市住民が、通勤地獄、満員電車に乗るときに、日本というのは都市のサラリーマンに対して冷たい、これが正しいかどうかは別といたしまして、地方に対して、農村部に対しては手厚いけれども、都市のサラリーマンに対して一体どうしてこんなに冷たいのかという思いを、つまり国の政策、政府というものに対して反感を感じるのがあの瞬間であると思いますので、もう高木政務官なんか非常に詳しいところでございますが、よろしくお願いいたします。
 今ちょうど財務省からも、バリアフリーなど政策目的に関連してはということがございました。私も関心あるテーマで、ちょっとこの質問をさせていただきたいと思っております。
 平成十二年に交通に関するバリアフリー法が施行されました。それで、現在まだ、つまり鉄道に関しましては、駅についてはエレベーターの設置率が二九・五%、三割弱でございます。これは、一つの駅に、例えば新宿みたいな大きな駅に一個あってもあったことになりますから、そういう意味では不便を、もっともっと実感としては三割より低いと思っております。
 JRの山手線の中に日暮里駅というのがございます。実は私の選挙区で、私も、JRのオレンジカードなんか持ったり、それから私鉄、地下鉄を愛用しておりますので、パスネットなんて持って動いている人間なんですけれども。JRの山手線の日暮里駅、これは一日当たり七十万人近い人が利用しております。さっきちょっとJRの駅と言いましたけれども、京成も通っております。JRが、山手線と京浜東北線と常磐線。そして京成電鉄。京成電鉄は成田の方まで行っているわけですけれども。七十万近く通っております。
 ここが、外側の高いところにコンコースがまずあるんですね。駅前の広場から八メートル、五十段の階段、それが二つあるんですけれども、片っ方は屋根もないんです。
 この荒川区というのは、高齢者が非常に多い。六十五歳以上が人口の今や一九・五三%を占めているところでございまして、東京というのも、都心部は結構高齢比率が高うございます。そういうところでございまして、もうずっと長く地域の住民が署名を集めたりして、聞きましたら、駅長さんに出したって、JRも金がかかるの嫌だから、エレベーター、なかなかつけてくれるものじゃございません。
 そして、せっかくこの法律ができました。ただ、この法律は、義務づけているのは新しい駅、新駅へ設置をする。新駅というのは、特にJRでは新しい駅というのはなかなか開かれませんし、そしてまた、JRにかかわらず、新駅ができるようなのは、さっきの北総、千葉ニュータウンじゃございませんけれども、若い住民が多いんですよね。既存のところに結構高齢者が住んでおりまして、それは非常につらい思いを、四十五歳の私でも階段上るの結構しんどいなと思うときがございます。ましてやお年寄りだと大変だと思うんです。
 ところが、これが難しい問題でございまして、協議はしていただいているんですけれども、JRと京成と、それから新しく東京都が、新都市交通というのを、日暮里・舎人線を今建設中でございます。そうすると、やはり三者の押しつけ合いになるようでございまして、それぞれコンコースから自分のところのプラットホームまでは、エレベーター、先にやる気があるんだけれども、共通の利害である駅前から一たん上がるところまでというのは、押しつけ合いをしているのか何か、なかなか進みません。
 ぜひ、こういった幾つかの交通機関にまたがるところ、鉄道にまたがるところは、ぜひ国土交通省としても、せっかくバリアフリー法ができた、乗降客も多い、そしてこれまた、成田から三十六分で結ぼうといって新しい路線をつくろうとしているところなんですね。窓口になるところでございます。山手線で乗りかえるときに、京成から乗りかえるときでも、上野は混雑していますから、階段上がったり下がったり、エレベーター、エスカレーター、大変な思いをしますから、日暮里で乗りかえた方が楽なんですよね。ということもございまして、利用価値のある駅でございますので、ぜひとも国土交通省が、幾つかの駅を重点化して、ピックアップして指導を進めていただくということはできませんでしょうか。お願いいたします。
石川政府参考人 御質問の日暮里駅でございますけれども、今お話がありましたように、駅そのものは、成田空港アクセスの都心側の乗りかえの拠点でもございます。それから、今お話がありましたように、新交通システムの日暮里・舎人線というものが乗り入れることになっているような重要な駅であります。
 それから一方で、駅の形として、片方が山であり、片方がいわば低いところであるという、いわば非常に高低差がある地形の中でできている駅でもあります。
 一方、山手線、京浜東北線あるいは京成電鉄という線路が非常に狭い空間の中に入っているという、なかなか難しい場所であることは事実でございます。
 ただ、そういう中で、今も先生お話があったように、実はホーム、駅につきましては階段が多いということで、利用者に不便になっているということも承知してございます。このために、実は、国土交通省が中心になりまして、関係する鉄軌道事業者、JRも含み、あるいは地元の地方公共団体、こういう者が一緒に、平成十三年九月、昨年九月に日暮里駅総合改善協議会というものを設置してございます。この中で、バリアフリー化を含むいろいろなことについて検討してございます。
 具体的に申し上げますと、特に御指摘の駅前広場からコンコースに至る経路というところ、つまり駅前広場から上に上がっていくところについてどういうふうにするかということでございますが、先ほど申し上げましたように、非常に狭い空間なものですから、それについて、例えばエスカレーターをどうするとか、エレベーターをどうするとかということについて、どこにどう設置できるかということについて、実は今、鉄道局を含む関係者間で検討しているところでございます。
松島分科員 どうもありがとうございます。
 これは、地元自治体でございます荒川区も、東京では、よそに先駆けましてバリアフリーの交通の計画をつくりまして、この日暮里駅周辺というのを重点地区に位置づけておりますので、ぜひ御勘案いただきますように、よろしくお願いいたします。そして、先ほども出ましたように、財政当局の方もバリアフリーというような施策についてはしっかりやっていこうということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。鉄道に関しましては以上で終わります。
 私、最初に申し上げました。国土交通省になった、いろいろな局が一緒になった、非常にいいことだと思っております。その中で、住宅政策につきまして、私かねて持論がございまして、それを踏まえて質問させていただきたいと思っております。
 旧建設省時代、今もそれを引きずっておられるかもしれませんけれども、住宅局の住宅政策におきまして、基本は何平米以上と、とにかく広くあれ、広くあれ、そればかりでございました。限られた予算で限られた資金計画で広いところに住もうと思うと、遠いところに住まざるを得なくなります。先ほども千葉ニュータウンの話がございましたけれども、どこがどうとは申しませんけれども、遠くて広くてそれが幸せかどうか、サラリーマンの立場に立ちまして。今、核家族、夫婦二人だけ、あるいは子供も一人だけとか、子供もやがて巣立ってしまう。そういった場合に、近くて狭い幸せな家庭じゃございませんけれども、近くて狭いという発想も持つことはできないだろうかということを感じております。
 住宅金融公庫というのはもうなくなる方向にございますけれども、住宅金融公庫も土地が百平米ないと貸さないことにずっとなっております。東京下町、私ども大手町でも霞が関でも大体二、三十分で通えるところが選挙区でございますけれども、どんな売り物件を見ても、百平米の土地に家が建っているなんてありません。六十平米ぐらいで三階建て。御の字でございます。でも、結構幸せに住んでおります。そういうときに貸してくれないというのもおかしいなとずっと思っていたんですが。
 この住宅政策におきまして、交通という観点も踏まえて、せっかく国土交通省になったんですから、狭くても近いという発想、そしてまた、それの場合に、それを認めてもらいたいのと同時に、確かに時々は、広々、ちょっと庭木一本ぐらいあった方がいいと思われる方もいらっしゃるでしょう。ですから、そうした場合に二軒家を持つ。
 今、どんどん世代がかわるにつれて家の数だけは全国の世帯数よりふえている状況でございますから、都心部に、じいちゃん、ばあちゃんが住んでいた狭い家もございます。それを相続しても、例えば二軒、相続してももう一軒建てるときに、それも住宅政策の、つまり、いわゆる別荘という感覚じゃなくて、もうちょっと近いところの、何とかニュータウンというところと近場の狭いところという発想も含めて、二軒持つということも、ぜいたくとか特殊とかみなさないで、これも住宅政策の中に、金融や税制の中で入れていくことができないか。これは、派生する問題として御質問させていただきたいと思います。
三沢政府参考人 一点目の、都市部で住みやすい住宅への政策転換を考えるべきではないかという点でございますけれども、おっしゃるとおり、やはり、最近の地価の下落等に伴って、非常に都心への人口回帰というのが始まりつつあるというふうに考えております。私どもの政策におきましても、こういう流れをできるだけ本格的なものとして、都市部においてコンパクトで住みやすい快適な居住を実現するということは大変重要な課題であるというふうに考えております。
 そのため、いろいろ具体的な手法といたしましては、もちろん交通関係との連携も含めまして、例えば都市基盤整備公団による良質な民間賃貸住宅の供給の支援であるとか、あるいは民間活力を活用して良質な中高層住宅を供給するためのいろいろな各種の事業、制度の活用、あるいは低未利用地で都市の基盤整備と一体的に住宅供給を促進するという手法もございます。こういういろいろな各種の施策によりまして、今後とも、コンパクトで快適な都心居住というものについて取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、もう一点の、セカンドハウスといいますか、二戸目の住宅も含めてどういう政策を講じていくかということでございます。
 おっしゃるとおり、郊外型の住宅も含めまして、週末等に住まわれるセカンドハウスというものについて、これからは、やはり住宅のニーズはだんだん多様化していくというふうに考えております。
 私ども、一つは、税制上の措置といたしましては、そういう週末用の郊外住宅等に対しましても、例えば固定資産税とか不動産取得税とかを軽減できるような措置を既に講じております。それから、先ほど公庫のお話もございましたけれども、公庫融資の方でも、二戸目の住宅取得に対する融資ができるようにしている。それから、公共団体がそれぞれの住宅のマスタープランに合致した住宅については割り増し融資を行うとか、それから、実際にセカンドハウスを各地でつくる場合に、やはり関連公共施設の整備というのが非常に課題になるわけでございますけれども、そういうものについても、優良田園住宅法という法律がございますけれども、それに基づいて整備されるようなものについては、関連公共施設の整備についていろいろな要件を緩和するというようなことで、いろいろな対策を講じておるところでございます。
 今後とも、こういう施策を通じまして、豊かな居住が実現するように努力してまいりたいというふうに考えております。
松島分科員 ぜひよろしくお願いいたします。
 その中で、今もちょっと御答弁の中にございましたことに気になる部分がございます。
 公団も、これは新しくはどんどんつくらないということになっておりますから、一応けりはついているんですけれども、公団並びに、実際、主体は国がやるんじゃなしに各自治体でございますけれども、東京だとか何々区だとか県だとか市だとかでございますけれども、公営住宅でございますね。公営住宅がいわゆる低所得者層に対する住宅。並びに、もう一つ別の言い方で、東京の場合は都営住宅に対して都民ハイムと言ったりするんですけれども、中堅所得者層に対する比較的安いいろいろな補助のある住宅、高層団地ができております。
 そこで質問があるんですが、もちろん住宅政策は必要ではありますけれども、二重の意味で、二つの意味で、官業による民業の圧迫になっていると私は考えております。
 一つ目は、もともと町場には賃貸マンションなり賃貸アパートがございます。賃貸マンションをつくっている方というのは、その土地にずっと長く住んで、しばしば、一階でおそば屋さんをやったり判こ屋さんをやったり、でも、ちょっとした土地があるから、場合によってはバブル期に銀行に唆された方もいるでしょうけれども、マンションをつくられた。そこがどんどん、たな子がというか入居者がいなくなって困っている。どうしていなくなるかの中には、幾つか理由がありますけれども、うちから出ていって、そこにできた新しい都民ハイム、区民何とかに住んじゃう、家賃が安い、新しいといって住んじゃうんだという現象がよく起こっているんです。
 つまり、これはいろいろな形で、住民税も所得税もいろいろ納めている方々が、空き家を抱えて金利の払いで苦しんでいる。片っ方で、そういう財政の出動のある形で補てんのあるのをやっている。ですから、新しくつくったり、あるいは新しく今国土交通省として進めているのは、たしか丸々一棟民間が建てるときにそれを支援して優良な賃貸住宅をということみたいですけれども、空き家の活用、借り上げ、これをぜひ細かく自治体がやるように、これを国の政策としても、そうした場合に何かメリットがないといけないですから、何かの誘導政策をとっていただきたいと思います。
 もう一つついでに申しますと、ダブルで民業への圧迫というもう一つは、これはなかなか気づきにくいんですけれども、民間のマンションやアパートに入る人については町の不動産屋さんが仲介いたしますが、例えば公団住宅や自治体がやっている場合は、そこが直接募集いたしますので、新聞折り込みチラシにもだあっと入ってくるわけですね。今結構そういうのも、あいているんだか何か知らないけれども、いっぱい入ってくる。それをやられちゃいますと、町の不動産屋さんの出番も減っちゃって、扱い件数も減る。これも困っちゃっているんです。
 かように、あいているマンションの借り上げ、そして、それを町の不動産屋さんにやってもらう、そういう政策、あるいは、公が募集するものでも、管理だとかあるいは宣伝だとか、そういうことを町の不動産屋さんに委託する、そういうことができないでしょうか。よろしくお願いします。
高木大臣政務官 ただいま松島議員から御質問ございました、まず、民間住宅の空き家、これは公営住宅等々がうまく借り上げてできるかどうかという話にもなると思うんですが、この公営住宅等については、市場重視、こういう立場から平成八年に公営住宅法が改正されまして、これまでの公共団体が直接建設して供給する方式に加えて、今回、民間の賃貸住宅を借り上げる方式を導入したところであります。この方式で、御指摘の既存の民間住宅を借り上げることを可能としておりますし、具体的な公営住宅の供給については、地域の住宅事情だとか、また既存公営住宅の状況、さらに財政状況を踏まえて、最終的には地方公共団体の判断でやるという形です。
 今先生御指摘のように、国としてそういう方針でやったらどうかということでございますけれども、最終的には、現場をしっかりと認識している地方自治体、公共団体がまずはそれを推し進めていただくことかと思うんですけれども、逆に、効率的な公営住宅事業の推進の観点からいえば、市場活用の民間賃貸住宅の借り上げというのは推進していくことが大切だというふうに国土交通省としても考えておりますので、今後一層活用できるように努力してまいりたいと考えております。
 二つ目の方の、今度は逆に、公営住宅の空き家募集ですね。これは、民間の仲介業者を通さずに今直接募集しておりますけれども、それを民活するべきではないか。
 これも、公営住宅の入居者募集というのは、基本は公募が原則となっておりまして、一度にある程度まとまった形で募集をする、これが一般的なんですけれども、民間賃貸住宅の仲介と同様の手続で行っているものではないんですけれども、このような公営住宅の入居募集の事務手続について、これもまた民間に委託することは、公営住宅の事業主体、これもまた地方公共団体になるんですけれども、これが独自の判断でできることになっております。
 また、公団住宅の方もあるんですけれども、これは実際問題、既に、公募を原則としているんですけれども、民間の仲介業者にゆだねている、こういうのがありまして、具体的に申し上げますと、平成十二年度は十団地三十二戸、十三年度は十四団地八十八戸という形で具体的にあっせんをしている現状がございますので、今後も、先生御指摘のような民活、民間事業者をしっかりと活用できるように検討してまいりたいと思っております。
松島分科員 ぜひ、自治体の判断なんですけれども、一戸ずつの借り上げで、ちまちまして手間がかかってうっとうしいと言う自治体が多いものですから、ぜひ御指導なり政策的に何かの誘導措置を図っていただきたいと思っています。
 それと、民間の不動産屋さんに行ったら、公団住宅の空き家とか公営住宅の空き家のことも一覧に出ていて、町に張り紙があって、そこを通せばみたいなこともやっていただければと思っております。
 きょうは、どうもありがとうございました。
高鳥主査代理 これにて松島みどり君の質疑は終了いたしました。
 次に、遠藤和良君の質疑に入ります。遠藤君。
遠藤(和)分科員 私は、きょうは道を中心に聞きたい、道路ですね。道路は、街道ということで古くから人に親しまれてきたわけですけれども、人と人を結び、あるいは町と町を結び、都市と都市を結び、あるいは文化と文化を結ぶ大変重要な、未来世代につながる社会資本だと私は認識をするわけです。今自動車の時代ですから、やはり自動車専用道路の整備、これが国民の皆さんから大変大きく期待をされているわけです。
 特に四国の高速道路の整備につきましてきょうはお伺いしたいんですけれども、越智伊平さんが建設大臣のころに、本四架橋が完成したころには、ぜひ四国の中も各県庁所在地を高速道路で結びたい、こういうふうな期待をしておったわけです。ちょっとおくれましたけれども、今ようやく四国の中も各県庁所在地が高速道路でほぼ結ばれるようになったわけでございますけれども、現在の整備状況、これからの見通し、そういうものを若干最初にお伺いしたいと思います。
大石政府参考人 御説明申し上げます。
 四国の高速自動車国道は、現在、予定路線が六百六十三キロメートルでございます。そのうち、県と連絡いたしますいわゆるXハイウェイ、二百九十五キロメートルが平成十二年三月に完成いたしました。予定路線六百六十三キロのうち、五百六キロメートルにつきましては整備計画を策定いたしておりまして、現在、三百七十七キロが全体として供用されております。しかし、残る百二十九キロメートルにつきましては現在事業中でございまして、平成十四年度には、四国横断自動車道の鳴門―板野間十キロメートル、高松中央―高松西間九キロメートル、伊野―須崎間二十四キロメートルの三区間が供用する予定でございます。
 Xハイウェイは完成いたしましたが、今後とも、四国の高速道路ネットワークの形成は急がれております。地元の御協力を得ながら、継続的かつ効率的な整備に努めたいと考えております。
遠藤(和)分科員 大臣にぜひ聞いてほしいんですけれども、Xハイウェイというのは、いわゆる高松それから高知を結んで、今度は松山と徳島を結ぶ、こういうことで、県庁所在地を結んでいる形がXの形に似ているものですからXハイウェイというんですけれども、それだけでなく、やはり八の字にぐるっと回ったものにしたい。
 これは、徳島と高松、あるいは高知と中村とか宇和島を通って松山へ抜けるルートですけれども、Xハイウェイから八の字ルートへと。これを、四国の人たちはXからシグマへと言っているんですね。八は横にするとシグマになるんですね。シグマは無限大の意味がありますね。Xは未知数。ですから、未知数を開いた。道路で新しい四国の天地を開いたから、今度は無限大に四国を発展させる夢をこの八の字ルートの完成に託しているんですけれども、そうした四国の皆さんの期待、希望、願望というものに、ぜひ国土交通省はこたえていただきたいと思いますけれども、大臣の基本的な認識はいかがでしょうか。
扇国務大臣 四国、三本の橋がかかって便利になって、私たちも、いつでも四国へ行けると思うようになりました。
 ただ、残念なことは、今冒頭に先生がおっしゃいましたように、便利になったけれども、三本の橋がかかってから四国の経済状況はよくなっていない。事実です。そして、私にもよくおっしゃいます、徳島の皆さん。扇さん、便利になったの、朝バスで大阪へ出て買い物して、京都へ行って芝居見て、日帰りできるの、こうおっしゃるんですね。そして、こちらから行った人は、便利になったので泊まらないで帰ってくる。それで、四国全体の経済が浮上していない。これは事実だと思います。
 けれども、今先生が御指摘になりましたように、三本の橋をつくったときに、四国が一巡できる、あるいは八の字でなくても、今おっしゃったシグマでなくても、私は、円でいいから四県を結ぶ高速道路をつくるべきであったと今でも思っておりますし、私は、三本の橋の一本をやめてと言って、政治家になったときに申し上げました。自民党で怒られましたけれども、私は、今でもそのときの考え方は間違っていなかった、今の四国の橋が三本かかった経済状況の現状を見るときに、やはりグランドデザインが必要だなとつくづく感じております。
 また、私は、国土交通省になったという重要性をかんがみて、昨年の二月に、国土交通省になったために全国十ブロックに分けて、四国にもお邪魔をいたしました。四国の四県の知事さんに集まっていただいて、また、経済団体連合会、そして四国の商工会議所の幹部の皆さんと会長さんと、懇談会というのをさせていただきました。
 そのときに私つくづく感じましたことは、四国の四知事さん、経済界がこぞって、四国は一つという考え方で、四国を一つの州として四国州、あるいは四国が一つであったら、北海道と同じように四国開発庁というのをつくってくれたでしょうね、こういうお話がございました。私は、四県にまたがっているけれども、四国を一つという考え方で、四国四県の皆さんが協力して四国を発展さそう、そういう意気込みに、私は、国土交通大臣として初めて懇談会を開かせていただいて、四国の皆さんの意気込みとその考え方に大変感動し、なお、この三本の橋にかかったものと今の四国の経済状況がリンクしていくように、今おっしゃった八の字のルートだけではなくて、これが少なくともシグマになっていくように、私は、協力して四国の発展を願う一人でございます。
 でなければ、公共工事の最大のむだ遣いだと言われるような、その代表に本四架橋という言葉が出ることだけが私は残念でなりません。あれだけの国費を投入し、そして現在も、四国がその技術、橋をつくった技術は世界に冠たるものだと私は自負しておりますので、その技術の保持とその業績が上がることを願いつつ、四国の皆さんの意気軒高なるを私は大変尊重し、その意気が通じるようにと念じております。
遠藤(和)分科員 三橋の経済効果がより生かせるような四国の地域づくりを期待されているというお話だと思います。その意味でも、四国の中の交通網を整備していくということが大変重要でして、今は四国の中が十分に整備されていないものですから、どうしても橋を出て、ストロー現象といいますか、外の方に行っちゃう人が多いんですね、外の方が交通が便利ですから。ですから、どうか四国の中の交通網を整備して、本州の方々も四国にたくさん来ていただける、また、そういった魅力のある地域づくりも地元の私ども心がけていかなければいけない、こんな気持ちでお聞きしておりました。
 それで、今個別の路線の話が少しあったんですけれども、板野―鳴門間の供用開始は平成十四年度とお伺いしているんですが、地元は、ぜひ阿波踊りまでに供用開始してほしいなと。阿波踊りというのは最大のメーンイベントでございまして、ですから、八月ごろにぜひ供用開始ができないものかと期待をしているんですが、いかがでしょう。
大石政府参考人 高松自動車道の板野―鳴門間につきましては、平成十四年度供用ということで、現在全面的な工事展開を行っております。先生御指摘のように、地元の方々から阿波踊りの時期までの開通という強い要望があることは認識いたしておりまして、具体的な日にちはまだこれから設定でございますが、この強い御要望を頭に置きながら供用時期を探ってまいりたいと考えております。
遠藤(和)分科員 もう一つ、高松中央と高松西の間ですね。これが今工事中ですけれども、これも平成十四年度中と聞いていますけれども、これは、十四年度中というのはことしの秋ころと期待してよろしいんでしょうか。
大石政府参考人 御指摘の高松中央―高松西間九キロメートルにつきましては、平成十四年度という言い方をさせていただいておりますが、現在の事業進捗の状況から考えますと、ほぼ平成十四年度いっぱいかかるのではないかというように考えております。
遠藤(和)分科員 あと、徳島で大変期待をしていることは、鳴門から徳島に抜けまして小松島を通って阿南まで行く、この高速道路の整備ですけれども、日本道路公団の民営化問題と絡まりまして、この計画が例えば中止されるのではないかとか、そういう心配をされている方も若干おります。したがいまして、これはきちっと、もう先ほど道路局長からお話がありましたが、四国の全体の五百六キロの中に入っている話ですね。ですから、これはきちっと今後も継続して着手していくんだ、こういうことをぜひ明言していただきたいと思います。
大石政府参考人 四国横断自動車道の徳島―小松島―阿南間の今後の整備が昨今の議論の中でどうなるのかという御指摘でございます。
 小松島―阿南間の区間につきましては、平成十一年十二月の国幹審の議を経て整備計画を決定し、現在、日本道路公団において施行命令に必要となる調査を実施いたしておるところでございます。
 具体的な路線の整備につきましては、今後展開されます道路関係四公団民営化推進委員会におきます議論を踏まえまして整理されるところでございますが、この委員会の意見を踏まえまして、高速自動車国道法に基づき、国土交通大臣が国土開発幹線自動車道建設会議の議を経て決定していくこととなると考えてございます。
 高速自動車国道、現在、予定路線一万一千五百二十キロメートルでございますが、これは、国土開発幹線自動車道建設法等に定められた計画でございまして、政府としては、その計画遂行に責任があると考えております。
遠藤(和)分科員 この点は大変県民の期待するところなんですけれども、大臣、この事業中止はない、こういうふうに断言していただいてよろしいですか、今、国が責任を持ってされるというふうな道路局長のお話がありましたけれども。
扇国務大臣 今、大石局長の答弁したとおりでございまして、今後の論議、また国幹会議の結論を待つということで、手順を踏んでいって考えていきたいと思っております。
遠藤(和)分科員 あと、徳島高速道路ですけれども、これは今、残念ですけれども、単線になっているんですね、一部複線のところがあるんですけれども。高知の道路がほぼ複線計画が完成しているわけでございまして、ぜひ徳島の方も複線化をしてほしい、こういう要望がありますけれども、こちらの見通しはいかがでしょう。
大石政府参考人 徳島自動車道につきましては、平成十二年の三月に全線が暫定二車線で開通いたしました。その後の交通量の推移を見てまいりますと、平成六年に最初に供用いたしました際には日平均断面交通量が三千百台だったのに対しまして、全線が開通いたしました平成十二年には、二・七倍の日平均断面交通量八千四百台となりました。また、今後、徳島自動車道と神戸淡路鳴門自動車道が結ばれることによりまして、交通量の増加が見込まれます。
 交通量の動向を踏まえまして、今後、必要な箇所につきまして、付加車線の設置などの検討を積極的に行ってまいりたいと考えております。
遠藤(和)分科員 板野と鳴門の間がつながると、高松の方からも出るんですけれども、この徳島の道路は松山から直線で来ておりまして、やはり本四架橋の方につながっているという意味では、大変将来性の高い、私は、需要が見込めると思います。今でもかなり混雑がありまして、やはりぜひ複線化をしてほしい。トンネルとか橋梁の部分は余りないですから、土地の買収は終わっていると思いますものですから、こちらの方も粛々と進めていただきたい、これを強く要望します。
 それから、あと、先ほどちょっと触れたわけですけれども、日本道路公団の民営化問題と今後の整備計画の関連について伺いたいんですけれども、まず、民営化計画の方ですけれども、これについては、第三者機関をつくる、そこで検討するということになっているわけですが、その第三者機関の法的位置づけ、それからもう一つは、国会の同意人事としないようですけれども、それはなぜなのか、それを説明してもらいたいと思います。
坂野政府参考人 ただいま御指摘の第三者機関についてでございますが、政府としては、昨年決定いたしました特殊法人等整理合理化計画に基づきまして、現在、国会に道路関係四公団民営化推進委員会の設置法案を提案させていただいておるところでございます。
 この法案におきましては、この委員会は、関係事項に関する調査審議を行うための合議制の機関として、いわゆる八条機関として内閣府に設置するということにいたしておるわけでございます。また、このいわゆる八条機関については、通例は、その設置をいたします府省の長たる大臣の任命という、委員はその大臣が任命するという形になるわけでございまして、特に例外的にその委員の任命について両議院の同意を得ることとされているものがあるわけでございますが、それらについては、例えば政治の基盤に関することを扱うものや、あるいは不服申し立てについて審査を行うなど、国民の権利義務に直接かかわるものなどに限定をされているというところでございます。
 したがいまして、この委員会につきましては、先ほど申し上げましたように、閣議決定をいたしました特殊法人等整理合理化計画に基づきまして、道路関係四公団の改革について着実にその具体化を図るための検討を行う機関というふうに考えておりまして、このような考え方からは、委員については、国会の同意人事をするということは必要がないのではないかと考えておるわけでございます。
遠藤(和)分科員 国民の権利義務に直接かかわる問題ではないから同意人事としないという説明があったわけですけれども、これは大変大きな政治問題ですよね。ですから、少なくとも、国会の皆さんが政府が行う人選について納得ができる、こういうものでなければ私は理解を得られないと思いますね。
 したがって、人選の基準を、これはきちっとおつくりになると思うんですけれども、人数は七人と聞いているんですけれども、経済学者とかそうした方々ばかりではなくて、やはり生活感覚のある方、生活のにおいがする方、そういう方を人選の基準の中に入れていただきたいなと思います。あるいは、女性の人数ですけれども、今、いろいろな審議会の人数は、普通は大体三分の一くらいを基準にして女性を入れているわけですけれども、その基準でいくと、七人であれば二人以上ぐらいは女性の方に入っていただく。特に身近な、国民の目線でこの問題について意見の言える人、こういう方をぜひ人選の基準にしていただきたいなという希望があるわけでございますが、その辺はどのように考えておりますか。
坂野政府参考人 この委員会の委員の人選については、まず基本として、この委員会の所掌事務、任務でございます特殊法人整理合理化計画に基づく具体的な改革を図る、その観点から、委員の人選について基本的に考える必要があると考えておるわけでございます。
 このような基本に立ちまして、人選に当たっては、さまざまな観点を踏まえて総合的な判断をしていくということになると私ども考えておるわけでございます。
 私どもが現在提案をいたしております設置法の要件としては、すぐれた識見を有する方々ということにいたしておるわけでございまして、このような方々として、先般の総理の御答弁によれば、改革意欲に富み、国家国民的視点に立ち、特定の分野及び利害に偏することなく公正な判断をなし得る方々を適切に選任したい、このように総理がおっしゃっておられるわけでございます。
 したがいまして、私から申し上げられることは、このような考え方のもとに、さまざまな観点を総合的に御判断されて適切な人選を行われるのではないかということでございます。
遠藤(和)分科員 法案の審議の中で、やはり国会の意見とか、そういうのが開陳されると思いますから、国会議員の皆さんの意見というものを十分に反映した、だれが見ても納得のできる人選であってほしいと思います。特に私が期待したいのは、地方の皆さんの意見が反映できるような、そういうふうな人選をお願いしたいと思っているわけでございます。
 それから、この第三者機関の、何の仕事をするのかという中身の問題ですけれども、例えば、道路公団の民営化問題、経営形態ですね、このことを中心に議論をする、あるいは、整備計画等については、これは国土交通省の方でやる、こういうふうな立て分けにはなっているんでしょうか。両者からその辺のお話を聞きたいと思います。
坂野政府参考人 ただいま私どもが提案を申し上げております設置法におきましては、この委員会の所掌事務については、道路関係四公団にかわる民営化を前提とした新たな組織及びその採算性の確保に関する事項について調査審議をしていただき、その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べるということにいたしておるわけでございます。
 したがいまして、例えば、この新たな組織について、業務や財務のあり方等を含んでいろいろ御検討いただく、また、採算性の確保については、例えば、道路交通需要の見通し、金利の見通し、費用対効果の分析の考え方などについていろいろ御検討いただいて、新たな組織による高速道路整備の前提となる採算性の確保に関する基準などについて御意見をいただきたいというふうに考えておるわけでございます。
大石政府参考人 個別の路線の整備計画につきましては、今室長から御説明いたしました委員会の意見がまとまりますれば、その意見を踏まえて、高速自動車国道法に基づきまして、国土交通大臣が国土開発幹線自動車道建設会議の議を経て決定していくこととなるというように考えています。
遠藤(和)分科員 今、個別の路線の計画はそうだと思うんですけれども、全体的な、今後どういうふうに整備をしていくのかという基本方針といいますか、そういうものはやはり経営形態と密接に絡んでいるのではないかと思うんですけれども、その辺の役割、この第三者機関が今後整備の基本方針まではつくるけれども、それ以降の個別の路線については、例えばその優先度を含めて国土交通省がやるとか、そういうふうな整理なんでしょうか。そこをもう少し明確に言ってください。
扇国務大臣 今、室長と局長の両方の答弁をお聞きいただいたらわかると思いますけれども、第三者機関が論議したものを総理に御答申をお出しになり、そして、それを踏まえて、私どもは、今後の各路線の整備計画は国幹会議によって今までどおり論議し、その結果、国土交通大臣が認可してそれを整備していく、そういう手順になりますので、第三者機関でどこまで、どのように結論をお出しになるかは、私ども、総理にお出しになる答申を拝見してから、今までどおり国幹会議にかけるということになっております。
遠藤(和)分科員 わかりました。
 ちょっと別の問題ですけれども、地域高規格道路、これは税金でやっている道路ですけれども、この計画が徳島県内ではあります。阿南と室戸、高知県の安芸間ですけれども、この阿南―安芸間の整備について地元では大変強い期待があります。これは、いわゆる日本道路公団がここに計画を持っていませんものですから、これをぜひ地域高規格道路でつくっていただいて、この高知と徳島を結ぶ南回りの線をつくってもらいたい、こういう期待なんですけれども、これの進捗状況並びに今後の見通しについて説明してください。
大石政府参考人 阿南安芸自動車道は、今先生から御説明がございましたように、地域高規格道路でございます。平成六年十二月に延長百十キロメートルを計画路線に指定したところでございます。現在、そのうち日和佐道路、延長九キロメートルでございますが、それと北川奈半利道路五キロメートルにつきましては、それぞれ平成七年に整備区間に指定し、国土交通省と高知県におきまして鋭意用地買収及び工事を実施しているところでございます。
 このうち、北川奈半利道路につきましては、平成十四年度に延長約四キロメートルの一部供用を予定いたしておるところでございます。その他の区間、四区間でございますが、約三十五キロメートルにつきましては、調査区間に指定いたしまして、現在ルートの検討や環境の基礎調査などを行っておるところでございます。
 今後とも、事業中の路線につきましては、早期供用に向けて鋭意整備を推進するとともに、残り区間につきましては、整備区間あるいは調査区間の格上げ指定に向けた調査を推進してまいりたいと考えております。
遠藤(和)分科員 これは大臣にぜひ聞いてほしいのですけれども、今徳島市内が大変交通渋滞しています。それで、環状道路をつくりたいという計画を持っているのですけれども、ほぼ事業着手しているところが多いのですが、一つだけ、一カ所だけ事業着手していない区間があります。それは、徳島の国府町というところと藍住町との間の吉野川に一つ橋をかけなければいけないのですけれども、この区間です。
 それは何でおくれているかというと、第十堰の問題があったのですね。第十堰と橋とを一体にしてつくろうという計画があったのですけれども、この第十堰の問題についてはいろいろ議論がありまして、堰と橋は分離しようということになりまして、道路単独でつくろう、こういうふうに決着を見たわけですけれども、そうなると、地元の皆さんもぜひ早くつくってほしい、こういうふうな期待が高まっているわけですね。
 この徳島市国府町と藍住町の間の事業着手、これをぜひ早く決めていただきまして、ここのところが事業着手されますと、全ルートが事業着手になりますものですから、その辺の見通しといいますか、計画について、ぜひ御説明をいただきたいと思います。
大石政府参考人 徳島環状道路につきましては、今先生御指摘のとおり、徳島市国府町から板野郡藍住町までが唯一事業に着手していない区間でございます。この五キロメートルにつきましては、現在平成十四年度に、事業主体である徳島県が国庫補助事業により事業に着手したいと考えておるところでございまして、国土交通省におきましても、その考え方に沿いまして、国庫補助事業として応援してまいりたいと考えております。
遠藤(和)分科員 平成十四年度に事業着手とお聞きしました。それでよろしいですか。
大石政府参考人 さようでございます。
 平成十四年に、事業主体である徳島県が事業着手いたします。
遠藤(和)分科員 最後に一つだけ、徳島市内にJR徳島駅というのがあるのですが、そのあたりをずっと連続立体交差事業をしようという計画がありまして、これがずっと長く休眠状態になっているのですね。佐古のところはできたのですが、肝心かなめのところが大変難儀をしておりまして、今度連続立体交差事業の採択基準見直し等もありましたものですから、都市計画を進めてこの事業を着手したいというふうに決意をしているわけです。これはやはりこういった生活に直接密着した事業という、社会資本というのは、大変経済効果も大きいし、大変大事な社会資本の整備であろうと思いますものですから、それに対する基本認識をお聞きして終わりたいと思います。
澤井政府参考人 ただいま御指摘の件は、徳島駅付近から二軒屋駅付近までと承知しております。ここでは、ボトルネック踏切を含む十三カ所の踏切が存在しておりまして、大変大きな課題となっているというふうに認識しております。徳島県から平成十四年度の連続立体交差事業の調査について御要望を賜っておりまして、この調査につきましては十四年度の政府予算案の中で新規調査地区として計上しておりまして、私どもといたしましてもこの調査を支援してまいりたいと考えております。
遠藤(和)分科員 終わります。
高鳥主査代理 これにて遠藤和良君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井啓一君の質疑に入ります。
石井(啓)分科員 おはようございます。公明党の石井啓一でございます。
 本分科会の本日の質疑は、私で最後のようでございますので、よろしくお願いします。
 実は、ちょっと意外だったのは、従来、建設省なり運輸省なりの分科会の審議というのは、物すごいたくさん枠がございまして、朝から晩までやっていた記憶があるのですね。きょうは、与党質問だけですけれども、相当枠があるのかなと思いましたら、私の五枠目で終わりだということで、ちょっと意外な感じがしたのですけれども、それはともあれ、私で最後でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、道路公団民営化に伴う問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。
 それぞれの地元にとりましては、公団自体がどうなるかということはもとより、それぞれの個別の路線がどうなるかということが非常に関心事でございます。道路関係四公団民営化推進委員会ですか、この法律を出されて、この法律が成立いたしますと、民営化を前提とした新たな組織とその採算性の確保等について本年末までに内閣総理大臣に意見具申がされる。そして、その意見を踏まえて、国土交通省において国幹道建設会議の議を経て最終的に個別路線の整備について見直しをする、こういうふうに承知をしておりますけれども、では具体的に、個別路線の整備の見直しについては、いつまでに、またどういう内容でこの見直しが行われるのか。そして、その見直しの判断基準というのはどういうふうなことが今現在考えられるのか、この点についてまず大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
扇国務大臣 先ほども遠藤先生から、それらしき同じような御質問をいただいて御答弁をしたところでございます。
 この高速道路の個別路線の見直し、どういう基準でと今おっしゃいましたけれども、まだ基準まで申し上げるに至っておりません。それは、特殊法人等の整理合理化計画に示された基本方針のもとに、御存じのとおり道路関係四公団の民営化推進委員会、先ほど室長が見えていましたけれども、この委員会で、道路交通の需要の見通し、それから金利の見通し、また費用対効果の分析、これらをこの委員会で、第三者機関といいますか、そこで論議されるということで、その新組織で、今度は高速自動車道の国道の整備の前提となる採算性の確保に関する基準というものをお出しになるということでございまして、これは平成十四年度中に御意見をいただくということになっています。
 ですから、十四年度中にこの御意見をいただいて、その個別路線の整備に私どもは当たるわけですけれども、その委員会の御意見を踏まえて、高速自動車国道法に基づいて国土交通大臣が、国土開発幹線自動車道建設会議、略しまして国幹会議です、国幹会議の議を経て決定するということになっておりますので、今先生がおっしゃった、どういう基準でというものは、この答申を待って私どもは判断していきたいと思います。この際、民営化の促進委員会から示される意見を前提とするというのは当然のことでございますので、これを前提として、高速自動車国道のネットワークとしての必要性、あるいは空港と港湾等とのアクセス、今それが物流コストの高さとか空洞化に大変影響しているわけでございますので、そういう、地域の経済への効果とか、あるいは整備計画、そして整備の効果、そして事業の進捗状況等々、私たちは、二十一世紀の全体的な百年の構想というものを頭に入れながら、提言を重視しながらこれを図っていきたいと思っております。
石井(啓)分科員 今、大臣、十四年度とおっしゃったけれども、十四年の十二月三十一日までですね。(扇国務大臣「十四年中です」と呼ぶ)十四年中ですね。十四年中に意見をいただいて、その後決定していくということなんですけれども、私がお聞きしたかったのは、意見をいただいてから、最終的に決定するのがいつの時期なんだろうかと。今はまだはっきりその時期を明示することはできないと思うんですけれども、目安として、十四年の十二月三十一日までにもらうわけですから、当然のことながら十五年に入ると思いますけれども、十五年中なのかなという感じはしておるんですけれども、そこら辺の目安があればという意味でお尋ねを申し上げました。
扇国務大臣 目安ということでおっしゃられれば、十四年中にという、私、さっき度とついたそうですけれども、十四年中でございますので、できれば、十五年度予算に影響してくるものでございますから、本来であれば十五年度予算を決定するときに何らかの形があれば理想的だなと、私自身としてはそう思っております。
石井(啓)分科員 それは大変前向きというか、前倒しで相当やっていただけるような大臣のお心づもりだというふうにお聞きいたしまして、大変心強く感じました。よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 さて、個別の路線のお話で伺いたいんでございますけれども、私、茨城県を地元としておりまして、北関東自動車道でございますけれども、これは言うまでもなく、常磐道、東北道、関越道を結ぶ関東の大環状を形成する重要路線でございますが、私は、やはり採算性、それから今も申し上げましたネットワークの重要性、これは常陸那珂港とも直結いたしまして、物流の大変な動脈にもなる、こういったことからいたしましても、これまでの整備スピードを落とさずに、ぜひこれは早期に整備をされるべき路線だというふうに考えております。あわせて、十四年度の進捗状況についてもお伺いをいたしたいと存じます。
大石政府参考人 北関東自動車道につきましては、先生御指摘のとおり、関東環状とでもいうべき重要路線でございます。
 供用がやっと始まりましたという段階でございますが、常磐道から東北道の間につきましては、平成十二年度に栃木都賀ジャンクションから宇都宮上三川間十九キロメートル、友部から友部ジャンクション間七キロメートルを供用いたしたところでございます。
 残る宇都宮上三川―友部間四十一キロメートルにつきましては、一月末現在で、用地は必要な面積の九〇%について取得あるいは契約が完了いたしております。当該区間に多く存在いたします埋蔵文化財、約二十五万平方メートルあるそうでございますが、につきまして、県の御協力を得ながら、鋭意調査を進めておるところでございます。調査が終了した箇所から順次工事に着手するということでございまして、ちなみに、岩瀬―友部間だけでも埋蔵文化財の調査費用が約五億かかるといったような状況でございまして、鋭意調査を推進したいと考えております。
 平成十四年度につきましても、引き続き埋蔵文化財調査を進めるとともに、調査完了箇所から工事に着手したいと考えてございます。
 本路線の重要性にかんがみ、地域の御協力を得ながら、効率的な早期整備に努めてまいりたいと考えております。
石井(啓)分科員 恐らく、最終的に個別の路線の整備の見直しについては公団にかわる新しい組織でやるのかどうかということが最大のテーマになってくると思いますけれども、私は、北関東自動車道は、無論のこと新しい組織でやるべき、本当に優先順位の高い路線だというふうに認識をしておりますし、今のお答えを聞いて、ますますその認識を深めたところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 続いて、今度、同じく公団の民営化に伴い、これまで高速道路事業のことは相当議論されているんですけれども、一般有料道路事業がどうなるのかということは実は余り議論されておりませんで、この際、問題提起という意味でも質問を申し上げたいと思うんです。
 特に私が関心がございますのは、高規格道路の中でも、国幹道は高速道路として、先ほど大臣が御説明されたような形で個別の路線の整備の見直しが行われる。ただ、例えば首都圏環状道路、圏央道がございますけれども、これは、現在のところは道路公団の一般有料道路事業で整備が想定されております。今のところはまだ直轄事業でやっておりますけれども、最終的には公団の有料道路事業になるということが想定されているわけですけれども、そういう高規格幹線道路の整備の扱いというのがどうなるのかなということを御質問申し上げたいと思います。
大石政府参考人 日本道路公団の一般有料道路事業は、先生御指摘のとおり、一般国道のうち早期整備が必要な道路につきまして、その区間ごとに建設費を借り入れ、通行料金により返済していくという有料道路制度でございます。具体的には、高規格幹線道路のうち、高速自動車国道と一体となってネットワークを形成する首都圏中央連絡自動車道などにおいて、一般有料道路事業を実施いたしておるところでございます。
 昨年八月に、「特殊法人等の個別事業見直しの考え方」、これは特殊法人等改革推進本部の報告でございますが、この中で、国土交通省の見解を入れさせていただいております。一般有料道路事業についての見解が付されておるわけでございますが、「今後の一般有料道路事業については、ネットワーク型道路に対象を限定するとともに、早期整備を図る効果が低いものについては、原則として対象としない。」という考え方を公表したところでございまして、逆に言えば、ネットワーク型で早期整備を図る路線につきましては、一般有料道路制度を使って積極的に道路整備をしていく、このような考え方を表明させていただいておるところでございます。
石井(啓)分科員 今の御答弁でよくわかりました。ネットワーク型で早期整備の効果が高いということになりますと、今やっていただいている圏央道はまさにそういう路線に該当するかなというふうに思いますので、よく理解をさせていただいたところであります。
 それでは、具体的に圏央道について質問いたしますけれども、先ほど申し上げましたように、今は直轄事業で進められておりますので、これは道路公団の見直し云々にかかわらず、当面その整備のスピードは鈍ることはないというふうに思っておりますし、また、十四年度の進捗状況についても確認をさせていただきたいと存じます。
大石政府参考人 首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道の茨城県区間の約七十キロメートルのうち、常磐自動車道から茨城、千葉県境間の約二十九キロメートルにつきましては、平成六年四月に都市計画決定をし、このうち常磐道から国道六号牛久土浦バイパスまでの間、延長一・六キロメートルにつきましては、平成十四年一月までに用地買収が完了し、平成十四年度供用を目標に工事を進めております。
 また、一般国道牛久土浦バイパスから江戸崎インターチェンジ間の延長約十八キロメートルにつきましては用地買収を促進しておるところでございまして、平成十四年二月現在、面積ベースで八〇%の用地買収が完了いたしております。
 埼玉、茨城県境から常磐自動車道までの間、延長四十一キロメートルにつきましては、平成七年三月に都市計画決定をし、このうちつくばインターチェンジから常磐自動車道の間につきましては、平成十二年度から用地買収を促進しておるところでございます。
 なお、つくばインターチェンジから江戸崎インターチェンジ間の延長約二十九キロメートルにつきましては、整備の促進を図るため、平成十三年度に日本道路公団による一般有料道路事業として予算採択されたところでございまして、早期に事業着手を図ることといたしております。
 このような種々の整備手法を用いながら、圏央道の早期整備に努力してまいりたいと考えております。
石井(啓)分科員 促進方、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、常磐新線、つくばエクスプレスについて御質問申し上げます。
 これも非常に大変なプロジェクトでございまして、今着々と事業も進んでいるというふうに理解をしておりますけれども、平成十七年度が開業目標でございます。この開業目標に向けての進捗状況について確認をさせていただきたいと存じます。
石川政府参考人 常磐新線、つくばエクスプレスでございますけれども、御案内のとおり、朝夕のラッシュ時には混雑率が二〇〇%を超えているというJR常磐線の混雑緩和、それから首都圏における良好な住宅宅地の供給あるいは沿線地域の活性化ということのために極めて重要な役割を果たすものだと私ども思っております。そういう意味で、東京都から茨城県にわたる沿線地域の期待に大きいものがあると承知してございます。
 それで、このつくばエクスプレスは現在、秋葉原―つくば間五十八キロメートルの全区間で工事に着手してございまして、鉄道用地の確保、工事の実施等に当たっております。一都三県を初め関係機関が一致協力して事業を進めているところでございます。
 この結果、用地の確保の進捗率は九七%に達したところでございます。それから、トンネル、高架橋等の土木工事、この進捗率は全体の約四割となってございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、用地の進捗率が九七%まで参りましたけれども、いまだ残りの三%の用地の確保ということにつきましては、実は難航している状況にございます。ということで、これにつきましては、引き続き関係者一丸となって用地の確保等に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
石井(啓)分科員 事前にいただいた資料によりますと、確かに全体の用地の進捗率は九七%でありますが、東京都と埼玉県はもう既に一〇〇%、千葉県が九〇%、茨城県が九七%ということでありますから、茨城県も頑張っているようですけれども、特に千葉県部分はしっかりとお願いを申し上げたいと存じます。
 続きまして、百里基地の民間共用化でありますが、これについても着々と進んでいるようでございますが、百里基地の民間共用化については平成十八年度が共用の予定時期ということで聞いておりますが、この共用予定に向けての進捗状況についても確認をさせていただきたいと存じます。
深谷政府参考人 百里の飛行場の共用化につきましてのお尋ねでございますが、この百里飛行場の民間共用化につきましては平成十二年度に事業に着手しておるところでございますけれども、平成十三年の三月に環境影響評価手続を開始いたしまして、平成十三年八月に方法書の手続を既に完了したところでございます。現在、茨城県を初めといたしまして、関係者と鋭意調整しながら環境影響評価準備書の手続を準備しているということでございます。
 当省といたしましては、今後この環境影響評価を促進いたしますとともに、調査、設計などの所要の作業を進めまして、平成十八年度共用目標に向けまして、できる限り早期に次の用地買収あるいは工事、こういったものに取りかかれるように取り組んでまいりたい、かように考えております。
石井(啓)分科員 これにつきましてもよろしくお願い申し上げます。
 それでは、ちょっと国土交通省の所管を離れて、県内の主要事業について若干お尋ねいたします。
 まず、ITER、熱核融合炉。きょうは文部科学省さんに来ていただいていると思いますが、これの国内誘致に向けての状況を確認いたしたいと思います。
 もう昨年中に、とっくに国内誘致についての結論は出ているかなというふうに思いましたら、まだ検討中という状況でございますが、政府の現在の取り組み状況と、今国内の候補地としては、茨城県の那珂町と青森県の六ケ所村ですか、この二候補地が残っているわけでありますけれども、この二候補地についての評価がどんなふうになっているのか、この辺についてお尋ね申し上げたいと思います。
素川政府参考人 お答え申し上げます。
 ITER計画への我が国の参加、誘致につきましては、先生御指摘のように、現在総合科学技術会議において検討が行われているところでございます。昨年の十二月におきましては、科学技術政策担当大臣と有識者議員によりまして、我が国がITER計画に参加することが望ましく、さらにこれを誘致することの意義があるということ、そして、政府は、総合的観点に立って、参加、誘致を総合的に決定することが適当であるというITER計画に関する考え方というものが総合科学技術会議の本会議で示されたところでございまして、この考え方を踏まえて引き続き検討が行われておりまして、次回以降の総合科学技術会議で判断がなされるということになっていると聞いております。
 また、誘致について判断する場合には、我が国におきます適地の有無を確認する必要があるということから、文部科学省では、ITERのサイト適地調査を行ったわけでございまして、具体的には、都道府県からの提案を公募いたしまして、応募のありました茨城県、青森県、北海道の提案につきまして、学識経験者等の協力を得まして、ヒアリングとか現地調査等に基づきまして客観的に適性の評価を行いました。その結果、先生御案内の茨城県那珂町と青森県六ケ所村がITERの候補地として十分な適性を有するという取りまとめが昨年十月になされたところでございます。
 ITER計画への我が国の参加、誘致につきましては、総合科学技術会議における検討結果とかサイト適地調査の結果等を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
石井(啓)分科員 政府の結論というのはいつまでに出す予定なんでしょうかが一つと、もう一つは、残った二候補地は客観的に点数づけされていますね、どういう点数づけになっているのか、ちょっと教えてください。
素川政府参考人 まず第一点目の総合科学技術会議での審議状況でございますけれども、先ほど申し上げましたように、昨年十二月に出されましたITER計画に関する考え方の中に、引き続き検討を行い、次回以降の総合科学技術会議で判断をしたいというような文言が盛り込まれているところでございます。総合科学技術会議の検討というものがその後のスケジュールの前提になるというふうに考えておるところでございます。
 それから二点目の具体的な評価でございますけれども、サイト適地調査につきましては、ITER計画の基本条件、例えば用地面積とか基盤、電力、地元の理解と協力といった項目、いわゆる基本条件と、それからITER設置の適性条件とされております自然災害要因とか生活環境、研究環境等の項目、この二つの項目につきまして評価をいたしたわけでございます。
 ITER計画の基本条件につきましては、茨城県那珂町、青森県六ケ所村とも、これは点数づけをする項目ではございませんで、この条件を満たしているというような評価の結果になっているところでございます。
 それで、適性条件につきましては、今先生御指摘のございましたように、点数評価というものを行っているところでございまして、茨城県那珂町につきましては五点満点で四・三、六ケ所村については五点満点で四・一という評価が出ておるわけでございますけれども、総合評価といたしまして、先ほど申し上げましたように、茨城県那珂町、青森県六ケ所村とも総合評価におきまして候補地として十分な適正を有するという評価がこのサイト適地調査においてなされたものであるということでございます。
石井(啓)分科員 いずれにしましても、早期に前向きな結論が出るようによろしくお願いを申し上げます。
 それから、ことしはワールドカップサッカー大会が初めてアジアで行われまして、日韓共催ということで、これは絶対に無事故で成功させたいというふうにだれしも思っていると思いますけれども、心配な点が幾つかございまして、一つは、フーリガンと言われている熱狂的なファン、特にヨーロッパに多いと言われていますけれども、せっかくの大会がこのフーリガンによって後味の悪いものになってはいけませんし、また、開催地の地元の方は、そこで暴動等が起こるんじゃないかということで、大変心配をされております。また、昨年の米国同時多発テロの後を受けまして、こういう大きな国際大会に合わせて国際テロというのがやはり懸念をされている。
 このフーリガン対策と国際テロ対策について、どういうふうに取り組まれるのか、これは警察の方から確認をさせていただきたいと思います。
漆間政府参考人 お答えいたします。
 世界最大のスポーツイベントと言われていますサッカーのワールドカップ大会開催まであと三カ月というふうになったわけでありますが、この大会を成功させるためには安全確保が最大の課題であるというふうに考えております。
 まず、委員御指摘のフーリガンでございますが、これは前回のフランス大会などにおきまして暴動等不法事案を起こしているわけでありまして、今回も来日する可能性が十分あるという前提で、関係機関、海外の治安機関等に対しまして、関係各国においてフーリガンを国外に出国させないというように措置を講じていただくようにお願いしておるとともに、法務省入国管理局を初めとする関係省庁と連携いたしまして、入国の際にチェックを厳正に実施していきたいと考えております。
 また、大会時には、スポッターというフーリガンを識別するのを専門にしている外国人の警察官がおりまして、これを我が国に招聘いたしまして、警察への支援を求めることを予定しております。また、入国したフーリガンを早期に発見して、不法事案の未然防止に万全を期したいと思っています。
 万が一大規模な不法事案が発生したという場合につきましては、これも大量検挙ということになりますので、この場合には全国の機動隊を広域的に運用することにいたしておりますので、茨城にもたくさん機動隊を入れますが、検察庁等関係機関と密接な協議を今行っているところであります。
 それから、テロ対策の関係でありますが、これは国内の関係省庁や海外の治安機関等と今緊密に連携いたしまして、情報収集の強化あるいは航空機によるテロ等の防止対策の強化等テロの未然防止、それから実際に発生した場合の迅速な対応を行うというための必要な対策を現在推進しております。
 以上でございます。
石井(啓)分科員 いろいろ御準備されていると伺っていますが、ぜひ実効ある対策がとられますようよろしくお願い申し上げます。
 最後の質問でございますけれども、これは総務省の方にお伺いいたしますが、地上放送のデジタル化が予定をされておりますけれども、関東各県の中で実は茨城県だけが県内の民間放送というのがございませんで、NHKの県域放送ということについて、ぜひ茨城が先駆けて実現をしてほしいという要請が強くございます。最後にこの点について確認をさせていただきたいと思います。
高原政府参考人 先生今おっしゃいましたように、関東広域圏におきましては、NHKの県域放送の実現に向けて、関東地方知事会あるいは一都九県の県議会議長会から平成十一年に郵政省及びNHKに対して要望が出ております。また、平成十四年には茨城県知事等から総務省及びNHKに対して、茨城県における県域放送の実現要望が出されております。一方、地元の独立U局の方では反対の陳情もいたしておりまして、こういう状況のもとでございますので、現在NHKの内部でこれをどうするべきかという検討をしておるという段階でございます。
 仮に、茨城県における県域放送を実現するということになりますと、総務省の方では一連の手続を踏む必要がありますけれども、この検討に当たっては、先ほどのような状況を踏まえまして、その県域放送の実現が地域に与える影響、あるいはデジタル化に伴う周波数事情等を考慮いたしまして総合的に検討する必要があるというふうに考えているところでございます。
石井(啓)分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
高鳥主査代理 これにて石井啓一君の質疑は終了いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十六分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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