衆議院

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第2号 平成17年4月6日(水曜日)

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平成十七年四月六日(水曜日)

    午前十時四分開議

 出席委員

   委員長 細川 律夫君

   理事 後藤 茂之君 理事 菅  義偉君

   理事 鈴木 恒夫君 理事 津島 恭一君

   理事 長浜 博行君 理事 前田 雄吉君

   理事 松本  龍君 理事 山名 靖英君

      石田 真敏君    今村 雅弘君

      大野 松茂君    上川 陽子君

      斉藤斗志二君    谷川 弥一君

      中山 泰秀君    平沼 赳夫君

      増田 敏男君    武藤 嘉文君

      森山  裕君    山際大志郎君

      山本  拓君    石田 勝之君

      内山  晃君    岡島 一正君

      岡本 充功君    加藤 尚彦君

      末松 義規君    樽床 伸二君

      津村 啓介君    橋本 清仁君

      古本伸一郎君    松崎 哲久君

      古屋 範子君

    …………………………………

   法務大臣         南野知惠子君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   文部科学大臣政務官    下村 博文君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   会計検査院事務総局第二局長            増田 峯明君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  宮野 甚一君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    横田 尤孝君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    麻生 光洋君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  三浦 正晴君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           中島 正治君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            阿曽沼慎司君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           金澤  悟君

   決算行政監視委員会専門員 奥村 卓石君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十日

 辞任         補欠選任

  谷津 義男君     中西 一善君

同月十五日

 委員中西一善君が退職された。

四月六日

 辞任         補欠選任

  柴山 昌彦君     山際大志郎君

  橋本龍太郎君     森山  裕君

  福井  照君     上川 陽子君

  河村たかし君     古本伸一郎君

  松崎 哲久君     津村 啓介君

同日

 辞任         補欠選任

  上川 陽子君     福井  照君

  森山  裕君     橋本龍太郎君

  山際大志郎君     柴山 昌彦君

  津村 啓介君     松崎 哲久君

  古本伸一郎君     河村たかし君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 歳入歳出の実況に関する件

 行政監視に関する件


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     ――――◇―――――

細川委員長 これより会議を開きます。

 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官宮野甚一君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省保護局長麻生光洋君、法務省入国管理局長三浦正晴君、厚生労働省大臣官房審議官中島正治君、厚生労働省医薬食品局長阿曽沼慎司君、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君及び国土交通省自動車交通局長金澤悟君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

細川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山泰秀君。

中山(泰)委員 おはようございます。自由民主党の中山泰秀でございます。

 本日は、早朝より諸先輩方の前で決算行政監視委員会において質問をさせていただきますことを光栄に存ずる次第でございます。何とぞよろしくお願いをいたします。

 まず、私ども、今インターネット世代と申しまして、本当にクリック一つでいろいろな情報が入ってくるわけでございますが、ちょうど本日のこの質問を考える中で、昨日、夜中にちょっとインターネットをクリックしました。その検索の文字というのは、性犯罪という漢字三文字でクリックをいたしました。そうしましたところ、実に約二十件もの事件が過去五カ月だけでもネット上に出てくる。特に、被疑者が逮捕されるという形の事案がほとんどでございますけれども、恐らく、例えば車内での痴漢とか、どちらかというとわいせつ罪でも軽度のもの、そういったものに関して、もしくは被害者の方が被害届を出さないようなものに関してという意味では、もっともっとたくさんの数が記録されるのではないかというふうに考えております。

 特に、私ども自由民主党におきましては、ちょうど安保闘争の時代、もともとは左翼対策で、党の中に治安対策特別委員会という委員会を設けております。現在もしっかりとした活動、特にオウム真理教の事案が起きる前というのは、実はこの治安対策特別委員会というのは一度、そろそろ治安が安定しているということで、委員会をもうなくしてもいいんじゃないかという御議論もあったそうでございますが、その後にオウム真理教の事件が起きまして、いや、そんなことはない、これからも治安の維持を、そしてまた国際的にいろいろな交流が発展をする中で、私どもの国というのを、島国を水際、空際対策という形で守っていかなければいけないということで、今現在もその特別委員会はございます。

 そして、何よりも、この性犯罪が現実に行われている中で、何と強制わいせつの七二%、そして強姦の二三%が実は執行猶予つきの判決で行われている、結果が出ている。そしてまた、その意味は、現実的に犯人をしっかりと押さえて、指導もしくは教育もしくは再犯を防止するための努力というのが本当になし得ることができるのかという疑問を同時に抱いた次第でございます。

 そこででございますが、性犯罪者というものに限定をする中で、現在の行刑の中におけるその者たちに対する教育指導そしてまた保護観察というものは、どういったものが行われているのかということ、それを具体的にお話しいただければありがたいと思います。

横田政府参考人 お答えいたします。

 初めに矯正の関係で申し上げたいと存じます。

 まず、一般的なことなんですが、刑務所におきましては、これまでも、罪名または犯罪に至る原因となった性格、行動傾向その他の円滑な社会復帰の障害となり得る要因に着目いたしまして、同じ類型に属する者を小集団として編成いたしまして、これに対して指導をしております。その小集団として行われているものを処遇類型別指導と申しておりますけれども、例えば、覚せい剤の乱用防止教育、暴力団離脱指導、窃盗防止指導、被害者の視点を取り入れた教育などを行っております。

 お尋ねの性犯罪の受刑者に対する教育も、こうした処遇類型別指導の一つとして行っておりますが、これは現在、すべての行刑施設でございませんで、一部の行刑施設において行っております。しかしながら、指導を受けた受刑者が少なく、また統一的、標準的なプログラムが存在していないなど、十分とは認めがたい点がございます。

 したがいまして、今後、先生御指摘のような現在の状況にかんがみまして、こうした性犯罪に対する処遇、教育といったものについて、さらに充実を図っていくことが必要であると感じておりまして、その努力を続けてまいりたいと思います。

中山(泰)委員 昨今、凶悪犯罪、そして劣悪な殺人事件、そして特にパラフィリアと言われます小児性愛、異常性愛者による犯罪が非常に多発している中で、この性犯罪者に対する教育プログラムというのは非常に大切なものだと思います。

 特に、まず、最近でさかのぼれば、奈良市内で発生した女子児童の誘拐殺人事件。これは、小林薫という三十六歳の男が七歳の女の子、児童を誘拐し、そして殺人をし、そしてまた母親の携帯電話にその女子児童の写真をメールで送りつけるという、大変に聞いただけでも心が痛むような事件でございます。

 そしてまた、寝屋川市の市立中央小学校における殺人。これも、十七歳という少年が自分の母校を訪ねて、そしてその母校の職員室に押し入り、先生に対して背後から刃物で刺殺をするという事案。そしてまた同時に、安城市のスーパーマーケットの中で、三十四歳、ちょうど私と同い年の犯人が、十一カ月の男児の頭部にナイフを、刃渡り十五・二センチのナイフをその十一カ月の赤ん坊の頭に刺し込む、そして失血死でそのお子さんを死に至らしめるということ。

 そういった事件が絶たない中で、性犯罪者に対する行刑の中で単純に、例えば十年の刑期を言い渡されて、その十年間で入って治療して、治療というか入って、本当にまともな人間になって社会復帰ができるのかどうかということを私はきょう聞きたいと思っているんです。

 私は、性犯罪の再犯率という数字は、一見、表を見ますと少ないように見えると思いますけれども、この性犯罪というのはほとんど癖だというふうに認識をいたしております。

 特に、この治療プログラムというのは、具体的にその性犯罪者に対して男性ホルモン拮抗剤、例えばイギリス、ドイツ、アメリカ、そういったところでは現実的に、日本でいいますところのピル、経口避妊薬がイコールこの男性ホルモン拮抗剤なんですけれども、それをその被疑者に投与して、そして裁判官が同時に、刑期の中で、保護観察を受ける中で、そういったお薬を実際に受けて、そして心理的な面と医学的な面から、両面で治療していくプログラムということがあると聞いておりますけれども、なぜこういったいわゆる治療的な保護観察というのが日本では今行われていないのかということ、そういったところに関してちょっとお聞かせをいただけたらありがたいと思います。

横田政府参考人 今委員から治療的保護観察というお尋ねでございましたが、初めに、矯正の立場からお答えをさせていただきます。

 性犯罪事犯による受刑者につきまして、その再犯を防止するために薬物治療を施すことにつきまして、これは今委員も御指摘のように、外国の一部におきましてはそういうものを行っているということは承知しておりますが、いわゆるその男性ホルモン拮抗剤は人の生理的機能を損なうことを内容とするというものでございまして、副作用を生じる恐れもまたございますことから、行刑施設における処遇として実施することの妥当性には大いに疑問がございます。その上、釈放後に同様の医療行為を継続して実施することが確保されない限り、そのような医療行為を受刑中に施すことが果たして有効であるかといった問題もあります。これは何か、薬が効いている期間が限定されるので、継続しないとだめだというふうにちょっと聞いておるところでございます。そんなところで、問題があるというふうに考えております。

 しかしながら、先生御指摘のように、やはり、性犯罪に対しまして、その改善更生を図るために、その支障となる事情の改善に資するよう配慮して改善指導を行わなければならないことは当然でございまして、現在国会で御審議いただいております法案におきましては、受刑者全般に対し、その者にふさわしい矯正処遇を受けることを義務づけることとしておりますほか、精神医学、心理学等の専門家の協力を得て再犯防止プログラムを策定する予定としておりまして、教育内容の充実を図っていきたいと考えております。

 矯正といたしましては、現行法のもとで、矯正ができ得るあらゆる手段を考えてまいりたいと思っております。

中山(泰)委員 今、局長のお言葉の中に、いろいろな精神科医の先生方、そういった医学的な知見からも御協力をいただいて性犯罪者の対策をするということでございましたけれども、私もきょうここに一冊の本を持ってきておりますが、この小田晋先生の御本でございますが、小田先生は、もう皆さん御存じのとおり、犯罪学会の会長で、なおかつ小田先生自身も精神科医でございまして、この先生の御本を拝読させていただきますと、現実的にこの治療的な保護観察というもの、これをそろそろ実行していかなければいけない、もしくは検討をしていかなければいけない時期に来ているという御提言をなされておられます。

 私も、実は今現在八カ月の赤ん坊を育てている親として、もし我が子が、我々が先般行われたスーパーの中での殺人のような被害に遭うようなことがあったら、そしてまた被害者、もう被害に遭われた御家族が、その犯罪者が入っても心神喪失者ということで適当な時期に適当にまた野に放たれるようなことがあったら、本当に怖いなというふうな気がいたしております。

 こういうことを言い出しまして、薬を投与してその犯人を治療していくプログラムをやれということは、私自身も提案をしながら、同時に気をつけなければいけない点もあると思います。特に、ナチス・ドイツのヒトラーなんかがあらわれた時代に、政治犯なんかを捕まえて、牢屋に閉じ込めて、そこへ薬でなぶってその人間を崩壊せしめるということがあったら、それはそれでいけないわけでございます。

 しかし、今、社会防衛ということ自体が悪だという言われ方は、私は逆に、間違っているんじゃないかなと。犯人の人権、そしてまた被害者の人権というものをてんびんにかけた場合、皆さんだって御家族が被害に遭われたら、当然、日本刀を持ってでもその犯人を殺してやる、家族が殺されたら復讐してやるという思い、それは人間として当たり前の行為であり、当たり前の反射的な心理であるというふうに私は考えています。

 現実的に、外国の事例でかなりの数の症例が出ているということでございますし、法務省の方でも心理療法、いわゆるカウンセリングをその被疑者たち、犯人たちに対してやっていくということ、それも出ておりますが、同時にその補助手段として、こういった薬物による治療ということ。要するに、病気なのである、病気は薬で治すんだということ、これも考える余地というものを、全く最初からゼロだというのではなくて考える余地を残すというのが、逆に言えば、世の中、ほかの何も犯罪を犯さない、将来的に被害を受ける可能性がある方に対する防衛ということにもなるんじゃないかなと私は考えております。

 特に日本では、東京医科歯科大学の名誉教授の中田修先生が、このアンドロクールといいます、サイプロテロンアセテートというお薬を用いてこの治療プログラムを紹介しようということで、使用実験を行おうとしましたが、要するに、私どもの国では医療施設でも矯正施設でもこれに協力することがなくて、同時にまた、そのお薬が販売許可が得られないままになっているという現状。これを少なくとも、私も厚生労働委員会で委員をいたしておりますので、逆にこれをしっかりと、少なくともその予備的措置が講じられるような可能性というものを残す意味でも、この日本のような先進国でそういったお薬がないという状態、認められないという状態、それを生まないようにしていかなければいけないなというふうに考えております。

 同時に、海外の事例でいきますと、米国だけじゃなくて、チェコスロバキアのブレソラ博士、それからオーストラリアのマッコーナイ博士、そしてまたスウェーデンのエリクソン博士、そしてタイのコールマン博士、あとスイスのボンサール博士、ドイツのホフェット博士、デンマークのバン・モフェルト博士、そういった先生方が、そういった性犯罪者に対してMPA療法、いわゆるメドロキシプロゲステロンというお薬を投与した形での心理的なカウンセリング、それと同時に、それを補助する形での薬物使用ということに対して既に実験をしているということ。そして、そういった事実、事案ということをしっかりと我が国も、そういった可能性があるんだということで、データとして法務省の皆さんがお持ちをいただくということも同時に必要じゃないかというふうに考えております。

 そしてまた、異常性愛者の方自身は、自分が異常性愛だという認識が非常に少ない。だから、カウンセリングでお互いの危険性を示し合わせて、ああ、自分は危険なんだということを気づかせるということでございますけれども、現実的に限界があるのではないかということ。それが、現実的に皆さん方がデータとしてお持ちになられているいわゆる性犯罪の再犯率というものに比例をしているんじゃないかというふうに私は考えております。

 ぜひ、裁判所もしくは検察官が、執行猶予または執行猶予等の代償として、被疑者イコール患者というものに対して治療処分制度を勧告できるように、そしてまた通院をさせるように。

 そして同時に、先ほどおっしゃいましたけれども、先ほど私が申し述べたような海外の事例、事案を見ますと、いわゆる副作用というものを御指摘いただきましたけれども、さほど副作用が強いものではないというふうに私が拝読をさせていただいておる文献では載っております。特記すべき副作用なく安全に使えるということがわかっているということ。

 昔、それこそ地球は回っているんだと言って死刑に遭いそうになった方がいたわけで、天動説、地動説の争い。医学界でも、私の祖母もがんで亡くなりましたけれども、当時、丸山ワクチンが効くと言われて、私の父が走り回ってその丸山ワクチンをやみで買ってきて、一生懸命お医者さんに渡して打っていたのを、私はちっちゃいときですけれども覚えています。

 ですから、そういった中で、少ない理論、少ない説かもわかりませんけれども、そっちの方も、ぜひ両方、ダブルベットで、ダブルベットというのは寝るベッドじゃなくてかける、ベッティングのベットですけれども、そのベットで可能性というものを探り出して、世の中に第二、第三の被害者というものを生まないように法務省の方にも御尽力を求めたい、そのように考えております。

 それから三点目でございますけれども、私どもの地元にも保護司さんがたくさんおいででございます。そして、だんだん犯罪者の行為というものが劣悪な事案がふえる中で、保護司の方が非常に精神的に負担をお感じになられているというケースがふえております。

 先般も、御主人を亡くされて、それまではお二人でお住まいだったんですけれどもお一人、今女性の奥様の方が保護司をなさっている方が、保護司が面倒を見る少年に殴られそうになったというお話を聞きました。それ以来、その奥様は、玄関に亡くなられた御主人の靴を置いて、主人は二階にいるのよということで、自分なりの防衛措置というのを図っていらっしゃるということでございます。

 社会復帰を被疑者に対して促進をし、そして同時に雇用もふやして、できるだけ性善説という考え方で犯罪者の方を見ていきたいという気持ちもありますけれども、同時に、本当の意味で、先ほど来申し上げているような第二、第三の被害者を生まないということから、保護司の方々に対する負担の軽減というのも法務省としてお図りをいただけたらありがたいというふうに考えています。

 特に、犯罪者に対してカウンセリングなんといって心の治療をやるぐらいだったら、保護司の方々にも、そういった負担をどうやってヘッジしたらいいのかということ、そういった部分を逆にカウンセリングとか御指導を、今現在でも指導をなさっていると思いますけれども、もっと指導を強化する。もし殴られたときはこうやりなさいとか、そういった何かお考え、もしくは現段階での計画というものがあるのであれば、ちょっとお聞かせをいただけたらありがたい、かように思います。

麻生政府参考人 保護司の先生方には、無給の民間ボランティアとして更生保護に御尽力いただいておりまして、大変感謝申し上げております。今先生が御紹介されましたような例があるということは大変残念に思います。

 そこで、私どもといたしましては、保護観察の対象者につきまして担当の保護司さんを決めます際に、対象者の年齢、性別、それからその人にどういう問題点があるかというようなことを把握いたしまして、それを担当する保護司さんを選ぶ際に、その方の年齢、性別あるいは家庭の状況などを踏まえまして、最も適当な保護司さんを選定することといたしております。そのようにいたしましても、残念ながら、今先生がおっしゃったような状況になるという場合もないわけではないようでございます。

 そこで、そのような場合につきましては、保護観察所と担当の保護司の方との間の連絡を密にいたしまして、何か御相談があれば保護観察所の幹部を初め全員で対応いたす、こういうふうにいたしております。また、保護司には保護区ごとに保護司会というのがございますので、その中で先輩の保護司さんあるいは同僚の保護司さんに御相談いただくというようなこともいたしております。

 それからさらに、民間人であられます保護司の方にお任せするのは適当ではないというような事例もあろうかと思います。そのような例につきましては、保護観察官が直接に担当する、こういう制度もとっております。

 保護司の皆様方の活動は、先生おっしゃったように、いろいろ困難な面もあろうかと思いますけれども、このようなことを今後とも充実させてまいりたいと思っております。

中山(泰)委員 ありがとうございます。

 法務省における再犯防止のための緊急的対策ということで、資料をちょうだいいたしておりますが、性犯罪者に関する多角的な調査研究を行うということを今後の目途とされている。その四番目の事項に、「性犯罪者を対象とする処遇プログラムに関する海外調査を行い、平成十七年度中(四は平成十八年度中)を目途に取りまとめる。調査結果は最終的に公表するほか、整理・分析が終了した部分について、必要に応じた活用を検討する」ということが皆さん方の方から発表されています。

 ぜひこの海外調査ということ、それと先ほど申し上げた治療的保護観察ということを同時に行っていただいて、人権をかさに着て、左翼的思想、地下的思想で皆さん方に対して、もしくは時の与党に対していろいろと犯罪者を保護し過ぎるということ、私の発言に問題があったらおわびを申し上げますけれども、本当に悪いことをした人を本当の意味で治療をするけれども、治らないものは治らないんだということ、それを医学的見地からも治療をしていただくということを御検討いただくことを最後にお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたい、かように思います。

 本日はありがとうございました。

細川委員長 次に、山名靖英君。

山名委員 公明党の山名靖英でございます。

 きょうは、私は、外国人労働者受け入れ問題に特化して質問をさせていただきたいと思います。

 御承知のように、我が国は過去世界に例のないスピードで少子高齢化が進んでいるわけでありまして、二〇〇六年には我が国の人口はピークに達し、それ以降はいよいよ人口は減少する、こういう事態が出てくるようであります。

 さきの国勢調査で、総人口は一億二千六百九十三万人。ところが、今後五十年たちますと一億を切って八千四百八十万人、こういう推計も出ているところでございます。一方、少子化はまた深刻でございまして、合計特殊出生率、昨年は一・二九と過去最低の率でありました。高齢化は二〇二五年をピークにして、まさに四人に一人は六十五歳以上のお年寄りの時代。

 若い世代が減少し、一方で高齢者が増加、そして全体的には人口が激減をしていく、こういう現象を私たちとして看過するわけにはまいりません。これはひとえに労働力人口の減少ということになるわけであって、特に、一九四七年から四九年、いわゆる団塊の世代、こういう人たちがいよいよ定年を迎えるわけでありまして、そうなりますと、雇用者数はその時点でおよそ百万人減少するという推計も一方で出されているわけであります。

 これは、まさに我が国の経済、産業に大きく、決定的な打撃を与えると言っても過言ではないわけでありまして、そういう意味では、今後一層、特に若年者の雇用あるいは高齢者雇用あるいは女性雇用、こういった我が国国内における雇用対策は、当然全力で取り組んでいかなければならないわけであります。

 と同時に、並行してこれから我々として視点に入れていかなきゃならないのは、諸外国の労働力といいますか英知といいますか、こういったものをいかにうまく我が国に導入していくか。すなわち外国人労働者の受け入れをどうするか、このことを今からしっかりとした命題として取り組んでいかなきゃならない。私は、大きな意味を持っているんじゃないかと思います。

 そこで、きょうは、その現状、そしてまた壁となっている問題を何点か指摘しながら質問をさせていただきたいと思います。

 まず、外務省の方にお伺いしたいと思います。きょうは逢沢副大臣に来ていただいておりますが、我が国は今、いわゆるEPAですね、FTAを柱とする包括的な経済連携協定といいますか、EPAの推進を図ろうとして、対マレーシア、韓国と、それからフィリピンとはこの間合意しましたけれども、こういった形で各国と協定を結びながら、EPAというのは、単なるFTAという関税等の輸入制限、これを撤廃するということからさらに、サービス貿易の自由化だとか、あるいは投資ルールをさらに確立をお互いするとか、それから知的財産権を保護するとかあるいは人的交流、こういった幅広の協定を結ぶわけであって、これは今後我が国にとっては極めて大事な施策じゃないかというふうに私も認識しているところでございます。

 そこで、EPAが今どういう進捗状況にあるのか。どういう状況で、いつごろそういった合意を得る予定になっているのか、この辺をまずお伺いしたい。

 もう一つは、いわゆる資格の認証制度、相互認証という問題です。例えばインドだったら、インドに対してIT技術者の試験の相互認証を行いまして、入国がしやすいように在留資格要件を緩和しているわけであります。こういったいわゆる資格の相互認証問題。これについて、IT関連は比較的そういった緩和に結びついているんですが、法律部門だとかあるいは会計業務部門だとか、こういったことについては依然として壁があるわけでございまして、そういった相互認証制度のあり方について御見解、現状と今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。

逢沢副大臣 FTA、EPAについて大変重要な観点から御指摘をいただきました。

 先生も御承知のように、我が国は、最初にシンガポールとの間でFTAを締結し、そして、国会の皆様の御理解をいただき、メキシコとの間でEPAを締結し、この四月からいわゆる施行状態に入った、かようなことでございます。

 積極的にこのFTA、EPAを進め、我が国の国民生活や産業の活性化に資していかなくてはならない、そんな観点から、とりわけ対アジアの国々との間の状況をぜひ推進していきたいということで、鋭意積極的に進めさせていただいております。

 EPA交渉の現状につきましては、昨年十一月にフィリピンとの間でいわゆる大筋合意に達しました。今、細部の詰めを行わせていただいております。また、マレーシアそしてタイとの間でも早期の大筋合意を目指しまして鋭意努力をいたしておりますし、また韓国とは、首脳会議で、二〇〇五年以内に実質合意を目指そうという合意がございます。そのことを一つのてこにしながら努力を続けておる、かような状況でございます。

 先生御指摘の人の移動の確保、また相互認証、こういうテーマについても積極的に各国とも協議をいたしているわけでありますけれども、EPA交渉におきまして、いわゆる専門的、技術的労働者の受け入れを推進する観点から、そのためにどんな制度づくりや具体的な準備というものが必要であるか、それぞれ相手国と協議を行っているところであります。いわゆる専門職業資格、例えば医師でありますとか会計士、弁護士、そういった立場の方々ということになるわけであります。

 もちろん、先ほど先生御指摘のITに関する技術者、非常に幅広い概念が専門職業資格ということの中に取り込まれるというふうに考えるわけでありますが、それぞれの国にそれぞれの背景やあるいは制度、仕組みもございます。そういったものを慎重に取り扱っていかなくてはならないというふうに考えております。したがいまして、これまでのところ、EPAにおいて資格の相互認証を行うということには至っていないということを率直に申し上げておきたいと思います。

 ただ、今後を考えますと、東アジアコミュニティーに向かって大きないわゆる経済圏をつくり上げていこう、そういった流れの中にございます。一部の国からは、この相互認証に対して非常に強い要請も出ているというのも事実でございまして、将来に向かって研究を深めていく、勉強を深めていく、そういう必要性があるというふうに私ども認識をいたしております。

山名委員 ありがとうございました。ぜひ積極的にお取り組みをお願いします。

 次に、きょうは南野大臣、来ていただいておりますので、法務省関係で申し上げたいと思います。

 我が国は従来、いわゆる専門職、技能職、こういったことについてはかなり積極的に受け入れの方向をとってきているんですが、単純労働者といいますか、外国人単純労働者の受け入れについてはまだ相当のおくれがあるんじゃないか。いわゆる外国人研修・技能実習制度、こういったものに限定して受け入れをしているようですけれども、ブラジルの人たち、これを除いては、まだまだ十分とは言えないと思います。

 これからの労働力不足を考えれば、在留期間の延長、あるいはいわゆる人数枠の拡大、それから研修生の再入国制度、こういったものをさらに推進すべきじゃないか。今後五年間の出入国管理指針であるところの第三次出入国管理基本計画、この骨子が発表されましたけれども、これは、今後の受け入れの理念、原則あるいは施策というものをしっかり確立していかなければならない、単なるびほう策であってはならない、こういうふうに思っております。

 一方で、たくさんの外国人を雇用すれば治安が悪くなるとか、あるいは社会的な不安を助長するとか、こういう声もありますが、それはそれとして別の話であって、やはり私は、一定の原則を設けながら、例えば台湾方式のような形、こういったことで受け入れをさらに拡大する、そういう方途を今こそしっかりと確立すべきじゃないか、こう思いますが、簡単に答弁いただきたいと思います。

南野国務大臣 本当に少子化問題と労働問題、雇用問題というのは大変大きな課題を我々抱えているなというふうに思っておりますが、先日策定いたしました第三次出入国管理計画におきましては、人口減少時代の到来が予測されていることなども踏まえまして、現在では専門的、技術的、先生がおっしゃられたとおりでございますが、それぞれにプラスなのかマイナスなのかということも考えていかなければならないというふうに思っております。

 また、専門的、技術的分野の外国人労働者の受け入れを一層推進することが重要であるということも我々考えておりますが、現在、一回の許可で在留することができる最長期間が三年というふうになっておりますけれども、より高度な知識や技術を有する外国の方々に対しましては、さらに長い在留期間を許可する方向に持っていくということなどを検討いたしております。そのほかに、外国人研修生の受け入れの円滑化なども進めているところでございます。

 さらに、先生が御指摘になられました台湾の状況ということでございますが、外国人労働者の受け入れの検討に当たりましては、産業分野または日本語の能力などの要件を検討するだけではなく、先生もお触れになられましたが、受け入れに伴って生ずることが予測される国内の治安、労働市場に与える影響のほか、産業の発展または構造転換に与える影響等を十分に勘案する必要もあろうかなというふうに思っております。

 このような検討に当たりまして、御指摘の台湾の方式ということにつきましては、諸外国の受け入れ、これらを勘案しながら、いろいろなあり方を参考にしながら検討していこうとしているところでございます。

山名委員 えてして法務省は取り締まる側の観点が強過ぎるんですね。ですから、例えば文部科学省が留学生、就学生問題を推進しよう、こうやっても、あるいは外務省がその受け入れ計画を立てても、やはり入国してからの国内の不法残留だとか不法就労だとか、こういうことにかなり重点を置いて法務省がたがをかけてしまう、こういう例が多いんですね。

 ですから、やはりこれからの時代の流れを考えて、ただ取り締まる一方のものに重点化しないで、今お答えいただいた方向をしっかりこれからとっていただきたいと思います。

 次に、時間がありませんので、ちょっとはしょりますが、厚生労働省の方にお伺いします。

 日本で就労している外国人の方々は、いわゆる我が国の、日本の公的年金に加入して保険料を負担しております。ところが、本国においても、日本に就労した期間、これは支払わないと空白になりますから、ブランク期間になりますから、引き続き年金保険料も払い続けている。我が国でも払う。こういうことで、二重負担、こうなっているわけであります。

 我が国で年金加入しても、短期間の赴任では受給権が発生しませんから、結局いわば掛け捨て、こういう事態でありまして、これはやはり今後の就労の妨げにもなるんじゃないか。

 そういう意味で、例えば欧米諸国では社会保障協定、こういうのを結びまして、短期間滞在者については、赴任国での、行った先の国での年金制度加入義務を免除している、こういう国もあるわけです。聞きますと、日本はドイツ、イギリスの二カ国とはそういう協定を結んでいるようですけれども、社会保障協定について厚生労働省としてどういうふうにお考えなのか。

 加えてもう一点、医療保険制度の問題ですが、これも、今の社会保険制度というのは、永住を前提としない外国人に対しても、健康保険それから年金、介護保険、これをセットで加入することを義務づけているわけです。これは、いささか負担も重いし、安心して働くためにもこのセット加入の義務づけはやはり緩和すべきじゃないかというふうに私は思います。年金、介護の保険料納付額は、例えば加入していただいても帰国時にその分を返還するとか、こういうものが今後検討できないかどうか。

 この二点について、厚生労働省にお伺いしたいと思います。

森岡大臣政務官 山名委員には、厚生労働行政に御協力をいただきまして、本当にありがとうございます。

 お答えさせていただきたいと思いますが、我が国といたしましては、相手国の社会保障制度に対する社会保険料の負担の規模、また在留邦人や進出日系企業等の状況、経済界からの具体的要望の多寡、二国間関係、我が国と相手国の社会保障制度の違いなどを総合的に考慮いたしまして、今おっしゃった社会保障協定の締結をできるだけ進めるべきだという考え方で対応しているところでございます。

 これまで我が国は、既に英国、ドイツ、アメリカ、そして韓国との間で社会保障協定を締結しておりまして、ことしの二月にフランス、ベルギーとの間で協定の署名を行いまして、現在国会にその法案を提出しているところでございます。また、カナダとの間で協定締結に向けた交渉を開始しておりますし、オーストラリアとの間でも協定交渉に向けた情報交換を行っている。また、その他数カ国から協定締結に向けた協議の申し入れを受けているという現状でございまして、これからも、外務省と相談しながら、優先度の高いものから順次取り組んでいきたい、かように考えているところでございます。

 そして、外国人労働者の年金や介護の問題についてお触れでございましたが、その点、お答えをさせていただきたいと思います。

 厚生年金保険につきましては、適用事業所に常時使用される労働者は国籍にかかわらず被保険者としておりまして、仮にこれらの方々が我が国に滞在中、障害とか死亡とかいう保険事故が発生した場合には、厚生年金保険から障害給付、また遺族給付が行われます。老齢年金だけの問題ではないということを山名議員にも御理解いただきたいと思うわけでございます。

 介護保険につきましても、我が国に居住し、要件に該当する外国人は被保険者としておりまして、仮にこれらの方々が我が国に滞在中、一定の要介護状態等の保険事故が発生した場合には、介護保険給付が行われる、こうなっております。

 厚生年金保険につきましては、滞在期間が短い場合に老齢給付に結びつかないという問題は、最終的には社会保障協定により解決すべきと考えられますけれども、こうした解決が図られるまでの間の特例措置といたしまして、短期滞在の外国人が帰国した場合に本人負担相当分、大体本人負担相当分でございますが、脱退一時金を支給する仕組みを平成七年に創設したところでございます。

 以上です。

山名委員 時間が来てしまいましたので、もう終わりたいと思いますが、あと私きょういろいろと申し上げたかったのは、留学生、就学生の問題です。こういう人たちも、日本に日本語を学んで、日本で後は就職する、こういうケースが非常に今ふえております。したがって、そういう留学生、就学生対策としてこれから力を入れていただきたい、こういうこともお願いしたい。もう最後、要望だけにとどめておきます。

 とともに、この外国人労働者問題は、単に一省にとどまることでなく、きょうもこれだけの皆さんに来ていただいている、そのほか経済産業省も関係する、各省庁が関係する極めて大きな分野でありまして、それを各省庁が個々にやっておったんではこれからの外国人労働者対策にはならない。

 そういう意味で、今内閣府に連絡会議を設けてやっていらっしゃるようですが、これをさらに強化して、本当に国を挙げて今後のこういった大事なテーマについてぜひ力を入れて取り組んでいただきますことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

細川委員長 次に、末松義規君。

末松委員 民主党の末松義規でございます。

 きょうは、統合医療あるいは代替医療の推進という観点から医療保険についてお話をさせていただきたいと思いますが、きょうは大臣それから副大臣もどうしてもだめだということで、本当は政治家としてのお話もしたかったんですが、それは無理だということでございますので、政府参考人に対して質問していきたいと思います。

 一般的な話というよりも、今回、具体的な問題を例示しながら、代替医療、統合医療の推進からお話をさせていただきたいと思います。

 私も、選挙区を含めいろいろな方とお話をしているときに、医療保険の支払いについていろいろなお話を伺います。そのときに、統計を見て私もちょっと驚いたんですけれども、西洋医学を中心とするお医者さんに対して医療費がどのくらい保険からおりているかというと、三十一兆円強の医療保険がおりている。一方、例えば骨折とか脱臼とか捻挫とか打ち身とかしたときにかかる柔道整復師の方には、そのうちの一%の二千八百八十三億円が支払いでなされている。一方、国民の皆さんがよく通われておられるはり、きゅうとかマッサージ、そういったことについての保険の支払いというのは、大体はり、きゅう、マッサージで二百六十四億円、たった二百六十四億円しか支払われていない。これはもう〇・一%以下という話になるわけですね。

 私なんか今、個人的なことを申し上げれば、マクロビオティックという玄米を中心とした菜食主義、肉とか魚とか私は食べていませんので、そういった菜食主義によって慢性病にかかる危険が極めて少ない。ほとんど関係ないと言っていいんだろうと思うんですけれども、そういうときに、ただこの現代社会、非常にストレスが多いものですから、筋肉の凝りとか、それから精神的な圧迫からくる過食ですよね、そういったことでこの現代病とも言われるような慢性病、これが非常に大きな問題となって、これが医療費のかなりの部分を、生活習慣病となって大きな負担となっているのが実情であります。

 そういった観点からしますと、例えば糖尿病、あるいはがんなんかも言われていますけれども、さらに心臓発作とか心臓病とか、こういう生活習慣病みたいなものは大抵過食によって、脳血管病もそうですが、血管が詰まっていろいろな問題を引き起こしていく。

 これだけの大きなことをやっているわけですから、ストレスとかそういったものに対しても日ごろから予防という意味で、はりとかきゅうとかマッサージとか、そういったことに対しても保険を使ってもらいたいな、医療保険を使ってもらいたいなという気がするわけです。

 私は、まさしく生活習慣病なんかにかかる危険性が少ないという意味を含めれば、本当にそちらの方にもっと保険の給付をしてほしいというのが、私だけじゃなくて、かなりそこはいろいろな治療をされておられる方々、保険なしではり、きゅう、マッサージなんか使っていらっしゃる方、ごまんといますよ、大変な数ですよ。そういった方々にも、しっかりとして、予防という観点も含めて医療保険の給付ということについて考えていいんじゃないか。

 先ほど申し上げた数字を見て、感想をちょっとぜひ、あるいは私が今申し上げたことについて認識をおっしゃっていただきたいと思います。

中島政府参考人 ただいま御指摘の、医療費の給付の中でのはり、きゅう、マッサージにかかる医療費の問題でございますが、御指摘のように、はり、きゅうにかかります療養費の総額は約二百七十億円となっております。

 この額が多いか少ないかということについて、なかなか評価することは難しいと思いますけれども、このはり、きゅうにかかります療養費につきましては、平成十年度六十三億円であったものが平成十四年度については九十五億円ということでプラスの五〇%増し、マッサージにかかる療養費につきましては、平成十年度八十一億円でございましたものが平成十四年度では百六十九億円で一一〇%増しというような格好で、医療費の伸びを大幅に上回って伸びておるところでございます。

 というようなこともございまして、こういった施術につきましても、国民のニーズに応じまして、また御指摘のような生活習慣病に対する対応というようなものも含めて、適切に対応されてきている結果ではないかというふうに考えてございます。

末松委員 もともと絶対額が小さいんですよ。だから五〇%増しとかそういう形で、何かいわゆるミスリーディング的な伸び率を指摘されるんですけれども、絶対額が余りにも少ないというのが実は私の印象なんですよね。本当に、〇・一%以下ですよ。そこのところを問題を指摘したいと思うんですね。

 この問題の根本には、やはり西洋医学が余りにも偏重されていて、東洋医学系のものが非常に少ないというか軽視されている、こういうことが根本にあると思うんですけれども、その辺はどういう認識ですか。

中島政府参考人 このはり、きゅう、マッサージ等の施術につきましては、これはなかなか効果を科学的に立証することが難しいということから、経験的な評価に頼らざるを得ない部分が多いという現状があると思います。

 医療保険におきましては、科学的な実証に基づきましてその給付を基本的に行うということとなっておりますので、決して軽視をしているということではないのですけれども、そういった観点から、このような実態になっているものというふうに考えてございます。

末松委員 WHOがはり、きゅう、マッサージについて、はり、きゅうの適応症として四十三の疾患を一九七九年に提示しているわけですよ。こういった外国の方が逆にそういった、特にWHOという国際機関がしっかりとしたそういうことを提示して、科学的なことについても今研究がかなり進んでいるというんですよ。それについてはどういうふうに考えているんですか。

中島政府参考人 WHOがどのような根拠に基づきましてそういった疾患を挙げているのかということは、私、ただいま直ちには詳細はお答えできませんけれども、私の知る限りにおきましても、アメリカなどにおきまして、最近、代替医療についての研究が進められているというふうにお聞きをしてございますけれども、なかなかその過程においてもしっかりとしたエビデンスを科学的に立証するということが難しいという状況で、依然研究を進めているという理解でございます。

 我が国におきましても同様でございます。

末松委員 つまりWHOが、一九七九年、そういうことをやっているんですよ。それで、いや、そういうことはやっているけれども実はわからないというのは、それは怠慢ですよ。実際にきちんとした、そういったことも研究してくださいよ。そして紹介をしてくださいよ。

 あるいはあれですか、中島さんはお医者さんですか。そうしたら、そういうふうなのを、どんどん西洋医学が逆に侵されるようなことになると困ると個人的には思っていらっしゃるということはありませんか。ちょっと言ってくださいよ。

中島政府参考人 これは厚生労働省としてということではなくて、私、医師として、個人の見解ということでよろしゅうございますでしょうか。(末松委員「どうぞ」と呼ぶ)はい。

 私自身は、決してそのようなふうには思っておりませんで、それなりにいろいろな効果があるんだろうというふうに私自身は想定しております。中国医学でも、経絡というような考え方もございますし、気とかいろいろな考え方を持ってございます。三千年、四千年続いてきているということは、それなりのエビデンスを彼らなりに評価してということだろうとは思いますけれども、それを西洋医学、いわゆるサイエンスの目から見たときに、なかなか証明ができない、説明できないというところで現状に至っているというふうに理解しております。

末松委員 例えば西洋医学の場合は、手術するとか切るとか、そういう対症療法的なところがメーンになっているわけですね。もし何かウイルスがあったら薬をやって全部殺せと。それに対するいろいろな悪効果もたくさんあるわけですね。これも無視されてどんどんやってきた。

 だから、そういったことの科学的知見、みんな、多分ここにおられる方で、はり、きゅう、マッサージに一回もかかったことがないという人はいないと思うんですね。要するに、体が軽くなったとか、病気の予防になる、ストレスの解消になる、そういったことはこれからの医療の一番大きなポイントになると思うんです。そうじゃないと、三十一兆円の医療保険がどんどんまた上がってくる。これは国家財政がパンクするじゃないかと。一番大きな元凶になるわけですよ。ぜひこれは、食事の面も同様に、そういったことについてもきちんと研究していただきたい。

 だから、国として、科学的知見がないというんだったら、しっかりと調査費をとって、科学的知見を得るような、そういったことをやるべきだと思いますが、いかがですか。

中島政府参考人 ただいま御指摘のように、国といたしましても、これまでもこういった分野について研究を進めてきております。ただ、その結果は、先ほど申し上げましたようなことで、必ずしも万人が納得できるような科学的なエビデンスに結びついていないということがございます。しかしながら、現状で、もうその研究をあきらめたということでは決してございませんで、なお現在も研究を進めているところでございます。

末松委員 そこはちょっと今度また示してください、どんな研究でどんなことをやっているのかというのを。ぜひそこは開陳していただきたいと思います。

 それと、この具体例として、はり、きゅう、マッサージの方々と話すと、やはりかなり大きないろいろな差別を受けているというんですね。例えば、かなり体が悪いから、医療サービスの消費者としての患者の立場から、はり、きゅうに行ったと。もう大変な状況になっていますねと言われても、保険を申請したいと、保険という含みで言ったら、医者に行ってくれ、医者の同意がないとだめなんだと言われたというのは、もうごまんとあるわけです、こういう例が。

 西洋医学の医者と言われる方々が、どうして東洋医学の、これはシステムとして同意をするということがあるわけですよね、この同意をするということができるのか。東洋医学を彼らは勉強していないはずなんですけれども、それに対してどうしてそこの同意権なるものが必要なんですか。そこはおかしいと思うんですが、いかがでしょうか。

中島政府参考人 ただいまの点でございますが、これは、はり、きゅうとマッサージで若干事情が異なるところもございますので、まず、はり、きゅうの施術につきましては、科学的なメカニズムが必ずしも十分まだ解明されてはおりませんものの、鎮痛等一定の効果が経験的に認められるということから、慢性病、例えばリューマチとか神経痛とか、こういったものですけれども、これに対しまして実施される場合であって、また医師による適当な治療手段がない場合、こういった場合に限って療養費の支給対象としているわけでございます。

 東洋医学に十分な知見を持たない医師が同意を与えるのにふさわしいのかという御指摘につきましては、このはり、きゅうについての同意書につきましては、今申し上げましたような慢性病であるということ、それから医師による適当な治療手段がないということを保険者が確認をするためのものでございまして、必ずしも東洋医学の知見を前提としているものではないわけでございます。

 また、マッサージにつきましては、筋麻痺等の麻痺の緩解、麻痺を緩めるということ、あるいは、関節の拘縮等により制限されています関節の可動域の拡大というようなことを目的として行われる場合等で、医療上の必要があるものにつきまして療養費の支給対象としているということで、今申し上げましたような筋麻痺、関節拘縮等があるということ、それから医療上の必要があるということを保険者が確認するということで、この場合も同様に東洋医学の知見を前提としているものでは必ずしもないということでございます。

末松委員 あなたがおっしゃるその東洋医学の知見を前提としているものじゃないということは、つまり東洋医学の科学的な知見がないという前提に立っていて、それがわからないから、だから、だめなんだ、だめなんだと言っているにすぎないんですよ。患者の立場から見たらどう思うかというと、本当に困るんですよね。

 だって、西洋医学の医者が適当な治療例がないと。それは、西洋医学でできない面というのはたくさんありますよ。そういった面がないからといって、では、お医者さんがどんどん向こうへ行きなさいといったら、自分の商売上がったりみたいなことも、経営面というのもやはり頭に浮かぶわけですよね。そういったときに、患者の権利として、いや、私はちょっとこういったものは東洋医学系のものにかかりたいから、だから、そこは患者の権利を守る立場から、ここはこういうふうに、私は行きたいので行きますという、つまり、そこで医者の同意という行為がなければおかしいと。同意がないというのは、やはりおかしいんですよ。

 そこは、何といいますか、患者の権利としてもう少ししっかりとしたものをつくるべきじゃありませんか。

中島政府参考人 これは、現在の給付対象を、審議会等の御議論も経てこういった状況に設定をしているということでございまして、このはり、きゅう、マッサージのサービスについて、そういった患者の権利というようなものを尊重した形式に改めるかどうかということについては、今後の議論だというふうに考えてございます。

末松委員 あなたの言うその審議会というのは、東洋医学の関係者は何人ぐらい、何%ぐらいいるんですか。

中島政府参考人 私の現在思い浮かぶ範囲では、東洋医学を専門としているという方はおられないと思います。

末松委員 つまり、こういうことなんですよ。実際、こういうことなんですよ。だから、そうしたら認めるわけがないですよ。

 だって、保険のパイは一定なんですよ。そのうちのパイの食い合いみたいな、こういう発想でとらえられたら、国民の患者としての権利が侵害されているということにぜひ気づいていただきたいんですよ。そこをきちんと見ないと、本当に効果がないからだということだって、結局は、医者がそう言えば一切そういう保険もおりない。私なんか、正直言って、医者にかかりたくないから、逆にそっちの予防の方を重視したい。そういった国民の声をすべて無視しちゃうことになるんですよ。

 厚生行政として、そこはおかしいと思いませんか。そこは、ある程度の反省をすると同時に、さっきの科学的な知見ですか、それは国主導で進めていかないと、やはりそこが一切進まないということになりませんか。もう一度お願いします。

中島政府参考人 先ほど申し上げましたのは、医学の専門家の中で、審議をするメンバーの中に東洋医学の専門家がおられないということは申し上げましたけれども、西洋医学の専門家であっても東洋医学について造詣の深い方もおられますし、また一方では、保険者あるいは国民の代表という形での一般の方も審議に加わっておられますので、そういった方々の御意見は十分に反映させた議論が行われた結果、現在のような格好になっているということでございます。

末松委員 東洋医学に造詣が深いというのはだれなんですか。要するに、メディカルドクターのコースを取っていったら、それはやはり西洋医学の体系になるんですよ。仕方のない話なんですよ。だから、そういった声もしっかりと反映させるような形の審議会の構成にもしてくださいよ。そうじゃないと患者の権利が守られないんですよ。

 あともう一つ、ちょっとここは申し上げますけれども、支払い方法ですけれども、これは療養費ということで、結局は償還払いを今強要されているわけですよ。法律の仕組みとしてそうだから仕方がないという話なんでしょうけれども。ただ、医者と同様に柔道整復師の方は、経緯があって、受領委任払い。そこは患者から全額をまず取って、それを後から返還するというのが償還払いですけれども、それじゃなくて、一応保険がおりるという前提で、実費だけやればいいよ、負担分だけやればいい、三割だけ負担すればいいよというような、便宜的な、極めて便宜のいい方法が柔道整復師には認められていて、はり、きゅう、あんまの方々はだめだと。

 それは、法律の仕組みがそうなっているからだめだという回答かもしれませんけれども、それもおかしいんじゃないですか。むしろ、やはりそういうのはきちんと改めていくべきじゃないでしょうか。

中島政府参考人 ただいまの御指摘でございますが、健康保険法での保険給付につきましては、保険医療機関からの現物給付として療養の給付を行うことが原則でございまして、それが困難な場合に、療養の給付にかえて現金給付として療養費払いを行うという格好になっているわけでございます。

 はり、きゅう、マッサージの療養費の対象疾患につきましては、いわゆる外傷性の疾患ということではなくて、発生原因が不明確で治療と疲労回復等の効果の境界が明確でないというようなことから、療養費の支給を行う前に保険者が支給要件の確認をできない受領委任払いを認めるということは現在行っていないということでございます。

末松委員 今の説明で、私は思うんですけれども、ここに医療費の増大の大きな原因があると思うんですよ。

 つまり、予防というものに重きを置かないで、要するに最悪になるまでほうっておいて、そして、例えば、はり、きゅう、あんまだけとは言いませんよ、それはいろいろな医療の予防を、病気にならないために予防をやることに対しては、一切保険はおりませんよと。さっき言った、仮定の、理由がわかりません、だからそこは保険が全然適用されませんと。ただ、悪くなって、何々病だと最悪になって医者に行きます、そうすると、最新の設備でまた医療費がどんどん高くなっていくわけですよ。患者の負担も重くなっていくわけですよ。そうやっていったら、そこで保険が適用されます。そうしたら、保険の高騰はもう必然的にならざるを得ないんですよね。

 だから、厚労省はこれからどういうことをやるべきかといったら、やはり予防を中心にやっていくべきなんですよ。そこをやらないと、最悪になってから、どうしようもなくなってから、やれいろいろな高度機械を使って、何百万とか何十万とか医療をやっていたら、それは、こういう言い方をしては非常に私は厳し過ぎる言葉で申しわけないですけれども、西洋医学のお医者さんの業界にとっては非常にそれはいいことですよ。でも、国民にとってはそこは不幸ですよ。だから、そこをしっかりとここで厚労省がまず先頭に立ってやっていかないといけないと私は思うんですけれども、その考えについてはいかがですか。

中島政府参考人 ただいまの御指摘でございますが、まさに先生がおっしゃるとおりでございまして、これから特に高齢化社会になってきたときに、言葉はよくないですが、生活習慣病のなれの果てを治療することだけが医療だ、あるいは医療保険だということでは、とてもこれからの医療費の増加にも対応できませんし、国民の幸福にもつながらないというふうに我々も考えてございます。

 そういったことから、医療保険の保険者についても、病気になったものを治療するというのが現在の保険の給付対象でございますけれども、それをさらに超えて、予防的な部分についてもっと積極的にかかわっていくべきであるというふうに考えてございますし、また、病気になった場合でも、その重症化を抑える、できるだけ重症にならないようにするような治療をもっと優先する、重点を置くべきであるという考え方で現在検討を進めているところでございます。

末松委員 そこに、保険の適用も重点的に認めていくということが必要になっていくんです。その中の一環が、やはりはり、きゅう、マッサージというのはそういったところに効果があるということが言われているので、特に、科学的知見、そこはしっかりと進めてくださいね。

 それから、今、やり方ですけれども、はり、きゅう、マッサージも含めて、保険者とそういった契約を結んでいけば、そこは別に医師の同意どうのこうのという話でなくても、特に柔道整復師との差別も解消していただいて、それでしっかりと、患者の立場から、あるいは患者の自由な選択権が認められるような形でぜひ進めていただきたい。

 あと、これとの関係で、交通事故で自賠責のところで厚生労働省にお伺いするというのはあれなんですけれども、国交省が実は慰謝料というところで、はり、きゅう、マッサージに比べて二倍の慰謝料を設定している。実治療日数の二倍に相当する額、これを医者とか柔道整復師には認めているけれども、マッサージとかはり、きゅうとか、そういう施術には彼らに比べたら二分の一、こういう区別を行っているんですけれども、これもよくよく考えてみると、実は健康保険とかその辺を何か参考にしているというんですけれども、そこら辺の根拠は何ですか。

金澤政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の、自賠責保険における慰謝料の算出でございますが、根拠といたしましては、自賠法の十六条の三を根拠に、私ども国土交通省と金融庁との共同告示が出されております。そこでは、その算出方法について、治療を受けた日一日当たり四千二百円ということでございまして、その対象日数は治療期間の範囲内というふうになっております。

 その具体的な算出の対象日数の運用基準によりますと……(末松委員「慰謝料」と呼ぶ)ですから慰謝料の算出の根拠ですが、医師等の医療を受けた場合には治療日数の二倍に相当する額、そして今先生御指摘の鍼灸、マッサージ等の施術については施術日数そのものを対象としております。

 この考え方ですが、交通事故による被害者の精神的苦痛に対する損害賠償がこの慰謝料であるというふうに考えておりまして、先ほどお話にも出ていましたとおり、鍼灸師、マッサージ師などの場合には主として被害者の慢性期に施術が行われるのに対しまして、医師等の治療は事故直後の急性期に行われるということから、それだけ手厚く慰謝料についても算出しているということだろうというふうに考えております。

末松委員 実情を知ってほしいんですけれども、今、柔道整復師さんとそれからはり、きゅう、マッサージの二倍というこの格差、差別が行われていると言われていますけれども、大体、柔道整復師の方も、緊急の処置は、そこはやらなきゃいけない。その後、はり、きゅうはできないですけれどもマッサージという形でそれが、はり、きゅう、マッサージの関係者なんかにもお聞きをしていろいろなことも調べてみたら、大体半分以上、大体七割から八割ぐらい同じことをやっておられるというんですね。だから、それで逆に、まじめな柔道整復師さんがおられて、慢性的な、慢性病的なところを全部やめて急性の応急処置だけをやっていったら生活ができなくなるというような、いろいろな正直な声もあるわけですよ。そういったことで、この一対二という格差の根拠というのは、どうもそこはやはりわからない。

 ちょっと厚労省の方に聞きたいんですけれども、一対二というふうなこういうシステム、これをどう思いますか。

中島政府参考人 これは、この制度を所管されます国土交通省、金融庁においていろいろなお考えがあって決めておられることと思いますけれども、私どもの立場からは、この問題についてお答えすることは差し控えたいと思います。

末松委員 厚労省の対応について参考にしながらやっていると。だからさっきの質問は、それは何を根拠にしているんですかというところなんですよ。つまり、厚労省のシステムのどこを見て、例えば治療費が、治療費というのはそんなに変わらないんですよ。変わらないにもかかわらず、一対二というその辺の格差が出ているのはおかしいじゃないかというのが私がさっきから言っている主張。それはあなたは意図的に避けているのかもしれないけれども、そこはきちんと答えてください。

金澤政府参考人 先生、慰謝料の点の御質問だったものですから慰謝料のみお答えしましたが、私ども、自賠責では当然治療費の方も対象にしておりまして、治療費の方は、先ほど先生もおっしゃったとおり、厚労省の制度、すなわちお医者さんの指示があった施術については医療費の対象としておる、こういう制度にしております。

 ただ、慰謝料は、先ほど御説明申しましたとおり、何を基準にこの慰謝料というものを算出するかということで、百二十万件という大変多い事故を抱えているものですから、お医者さんに行った、入院日数に比例して慰謝料をお払いするという形にしております。

 その場合に、今議論になっています鍼灸マッサージ師の方々の施術をどう考えるかということについては、先ほど申しましたように、比較的慢性期の治療ということで、被害者の方の気持ちも少しおさまってきた時期に受けている施術については二分の一というふうにしておることは、私どもとしては妥当なものではないかというふうに考えておるということでございます。

末松委員 時間がもう来ましたのですけれども、今の説明だけでは私はちょっと納得できないので、また、これについてしっかりとした質問及び受け答えを要望したいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

細川委員長 次に、内山晃君。

内山委員 民主党の内山晃でございます。

 過日、厚生労働委員会での質疑が非常に短かったものですから、改めて、改正薬事法につきましてのお伺いをさせていただきたいと思います。

 ここに、平成十四年七月二十四日、改正薬事法の審議された、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法一部改正の審議録があります。なぜかこの審議録の中には、与野党ともに薬事法について全くと言っていいほど審議されていないということになっています。

 なぜなら、薬害エイズ、HIVといった採血及び供血あつせん業取締法一部改正という非常に関心の高い法案の中に、人知れずいつの間にか通されたわけでありまして、今回問題としております医療機器クラス分類については告示で、新たに取り扱う商品によっては管理者を置くことになった販売、賃貸事業者の方々に対する講習の実施については省令で決められているからでありまして、今回、薬事法改正でなく、政省令で決められたものは非常に数限りなくある。国会軽視といいますか、国会議員軽視といいますか、官僚任せの最たるものではないか、こう思うわけであります。

 私は、厚生労働委員会に所属をしております。今、介護保険の一部改正について審議をしておりますけれども、この一部改正の審議をしている段階で、これから決めていくという政省令が百六十も、中身は全く決まっていないんです。それで今審議をしている、こういった実態があるわけです。

 今回、改正薬事法について、法案審議等で、医療機器販売管理者設置それから医療機器クラス分類について、どういう議論をして、だれの権限で決めていったのか、お尋ねをしたいと思います。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 この平成十四年七月に成立をいたしました改正薬事法でございますけれども、法案を閣議決定する前に、まず、薬事・食品衛生審議会の薬事分科会に改正法案の概要あるいは法案の要綱等を御説明いたしました。それで御意見をいただきました。

 具体的には、平成十三年十二月十日に改正薬事法の概要案について意見を聴取し、また、十四年二月にも要綱等について意見を聴取いたしました。それから、十四年三月に高度管理医療機器の販売許可制度等についての議論が行われまして、法案の概要あるいは法案の要綱等については、一応、厚生労働省案のとおり了承をいただいたということでございます。

 それらの審議を踏まえまして、平成十四年三月に政府として国会に改正法案を提出いたした、そういう経緯でございます。

 国会におきましては、参考人質疑を含めて、この法案全体については衆参の委員会で四回の審議が行われまして、十四年七月二十四日に法案が可決されております。

 なお、国会審議の際にも、参議院の厚生労働委員会におきまして、医療機器の規制区分について御質問を一応受けたという経緯もございます。

内山委員 お手元にお配りをしております参考資料をごらんいただきたいと思います。ここにフラッシュがあります。平成十六年度医療用具販売及び賃貸管理者講習の実施について、三月二十九日発売の写真週刊誌フラッシュの記事が載っております。

 これを見ていただければわかりますが、今回の医療機器クラス分けは、極めて官製資格ビジネスで、資金集めをするために無理やり資格をつくった、このようなことを思われても仕方がないようなカテゴリーをつくっています。

 ここに、前回もやりましたピップエレキバン、皆さん御存じのとおりのピップエレキバン。このピップエレキバンと、皆さんに資料をお配りしたところを見ていただきたいと思うのですけれども、MRIとが同じカテゴリーのクラス2に入っているんですよ。

 なぜですか、これは。委員会で厚生労働大臣にお尋ねをしました。大臣は知らないという。このピップエレキバンを販売するのに、医療用具販売管理者の講習を受けた者でなければ販売できないということを大臣知っていますかと言ったら、大臣は知らないと答えた。大臣も知らないところで、役所の一存でこのようなものが決まっていく。国会軽視も甚だしいじゃないですか。これは民主主義を全く冒涜していますよ。

 MRIはホームセンターでは売っていないですよ。だれも買いに行く人もいませんけれども。何で同じクラスなんですか。答えてください。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の医療機器に関する改正でございますけれども、私ども、国際的なリスク分類を前提にしてリスク区分をしております。

 国際的には、大体クラス1からクラス4という形でございまして、人体へのリスクが極めて低いもの、それから人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの、それから人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの、それから生命の危機に直結するおそれがあるもの、これは侵襲性が高くて、ふぐあいが生じた場合に大変問題が大きい、そういったようなもの、そういう国際分類がございまして、今回我が国としては、それに適応する形で三つの類型に分類して、規制制度を構築するということにしたわけでございます。

 ピップエレキバンでございますけれども、これは永久磁石の磁力によって患部を治療する家庭用永久磁石磁気治療機器でございまして、一応国際的なリスク分類によりますと、ちょっと細かくなりますけれども、エネルギーを投与または交換するように意図したすべての能動型の治療機器はMRIなどと同様にクラス2とするという原則がございまして、永久磁石磁気の人体への影響というのも十分に解明されているということは言いがたいということもございます。

 したがいまして、副作用または機能の障害が生じた場合に人の生命、健康に影響を与えるおそれもあり得るということで、その管理が適切、必要ではないかということで、管理機器という形で薬事・食品衛生審議会の審議を経まして、平成十六年七月二十日に厚生労働省の告示で指定をしたという経緯でございます。

細川委員長 質問者に申し上げますが、質問するときに物品を示す場合は、事前に許可を受けてというふうにしていただきたいと思います。

 今の分については結構です。

内山委員 今のお答えのクラス2の家庭用治療機器、ここ三十年来非常に無害でありまして、全く事故がなかったと私は調べております。治療機器として広く家庭に普及しております。今後もやはり普及が期待されております。その副作用の症例というのは全くなかったと申し上げていいと思います。

 昨年七月二十日の厚生労働省医薬食品局長通知によるGHTFのルール九項に該当するとして、販売していて規制を受けることになりました。GHTFのクラス分類ルール九に「エネルギーを投与または交換するように意図したすべての能動型治療機器はクラス2である」、今のお答えのとおりですけれども、この作用が人体に及ぼす治療的効果と副作用の危険性を具体的に御説明をしていただきたい。家庭用電気治療器の作用効果のシステムないし副作用とどのように関係があるのか、専門外の人にでもわかるように説明していただけませんか。高度な診断機器である全身用エックス線CT、それと家庭用治療器もクラス2、これは全くおかしいじゃないですか。

阿曽沼政府参考人 国際的なリスク分類におきましては、エネルギーを投与または交換するように意図したすべての能動型の治療機器は、MRIなどと同様にクラス2とする原則がございます。今申し上げたとおりでございます。

 それで、現時点におきましては、永久磁石磁気の人体への影響というのは十分に私ども科学的に解明されているというふうには言いがたいというふうに考えておりまして、その意味で、副作用とかあるいは機能の障害が生じた場合に人体にどういう影響があるのかということは、必ずしもわかっていないというふうに考えております。

内山委員 安全性を考えますと、これは、やはり消費者保護でPL法というのがあるわけですよ、現に。それとの関係はどうするんですか。製造責任、販売責任等についての安全性は十分に厳守されているはずですよ、PL法で。なおかつそれに販売管理者を置かなきゃいけない。危険性があるんだったら、なぜそのような機器を家庭用として厚生労働省は承認しているんですか。

阿曽沼政府参考人 改正前は御指摘のように家庭用という形でもちろん承認をしておりますが、今回こういう改正をいたしましたのは、今まで申し上げたとおりでございますけれども、家庭用の医療機器でございましても、副作用とかあるいは機能の障害が生じた場合に、人の生命あるいは健康に影響を与えることがあり得る。

 したがいまして、私ども、販売管理者を営業所に設置するという形をとることによりまして、品質の管理でありますとか、使われる方に対する情報提供を適切にすることでございますとか、あるいはふぐあいな情報を収集してメーカーにフィードバックするとか、そんな形でやることが必要であろうというふうに考えております。

内山委員 この改正によって販売管理者に該当する人数というのは大体どのくらいだと見込んでおられますか。

阿曽沼政府参考人 全体の数字はまだつかんでおりません。

内山委員 例えば、この販売管理者の講習を受けなかった場合、これはどうなるんでしょうか。

阿曽沼政府参考人 御指摘のケースでございますけれども、高度管理医療機器の場合と一般の管理機器の場合とで、そこは多少違っております。

 まず、高度管理機器でございますとか、あるいはMRIのような特定の保守管理を必要とする医療機器につきましては、そういうものを販売する販売業者にありましては、薬事法の三十九条の二の規定がございまして、販売を実地に管理させるために営業所ごとに販売管理者を置かなければなりません。それに違反した場合は、一年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金というふうになっております。

 それから、特定保守管理機器以外の一般の管理医療機器の場合でございますと、それを販売する販売業者におきましては、一応販売営業所ごとに販売管理者を置かなければならないとされておりますが、違反しても特段罰則はございません。

内山委員 エレキバンの販売に関して、もう一回確認したいと思いますが。

阿曽沼政府参考人 御指摘のピップエレキバンでございますけれども、一般の管理医療機器に当たりますので、営業所ごとに販売管理者を仮に置かないとしたとしても、罰則はございません。

内山委員 医療機器の販売責任者の設置について、設置義務は努力義務ですか。罰則はないというわけですね。だったら、任意でいいということですか。任意であれば、高い受講料を払って販売管理者を置く必要がないと思うんですけれども、いかがですか。

阿曽沼政府参考人 規制の態様は、リスクの違いに応じて考え方が違ってきております。

 特定の高度な管理医療機器については、違反した場合には罰則があるという形でございます。しかし、一般の管理機器の場合には、そこまで、罰則という形までは必要としないということで、現在のような構成にいたしております。ただ、講習は受けていただきたいというふうに考えております。

内山委員 後で講習をしている団体については指摘をしますけれども、この販売している業者を極めて高圧的に、講習を受けなければ販売できないとおどかされているそうでありますよ。私の耳に入ってきています。おかしいじゃないですか。そもそもMRIというのはホームセンターで売っていないんですよ。エネルギー充電式というのは、要は乾電池を入れるということなんですよ、そんな難しいものでも何でもない。そういうものに対して、講習を受けなければ取り扱うことができませんよと、講習のところからやはり圧力がかかっている、こう業者の方が私の方に訴えてきております。

 そして、例えば都道府県に一人管理者がいればいいということではなく、営業所が三つも四つもあるということになりますと、営業所ごとにその講習を受けた者がいなければならない。これは、やはり事業所にとっても非常に負担なんですよね。これはどう思いますか。

阿曽沼政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、管理者の仕事でございますけれども、品質の管理、使用者への適切な情報提供、それから、消費者の方からふぐあいな情報がございましたら、それをメーカーにフィードバックするというふうなお仕事をお願いしておりますので、それぞれの販売所で管理者を置いていただきたいというふうに私どもは考えております。

内山委員 この販売管理者の受講資格ということですけれども、実施要項を見ますと、原則三年以上従事した者、こう書いてあります。

 今年度の受講に限っては、経過措置として一年でいい。来年はどうなるんですか。なぜ三年必要なのに、今年度は一年で大丈夫なんですか。

阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。

 医療機器は、先ほど来申し上げていますように、その使用によりまして人の健康に重大な影響を与えるおそれがございます。したがいまして、最近事故なども大変ふえておりますので、営業所ごとに管理者の設置をお願いしているということで、管理者の方が適切、適正に業務を遂行するということのためには一定の実務経験が必要だろうと考えております。御指摘のように、このため、三年以上販売の実務に従事した方が管理者の受講資格ということで考えているということが原則でございます。

 ただ、先生からお話がございますように、十七年四月の改正薬事法が実施されるまでの間は、例えばピップエレキバンのようなものは、一般消費者に直接販売しておるということでございまして、それまでは営業所ごとに販売管理者を設置するということが義務づけられていなかったという経緯がございます。

 したがいまして、十七年四月まではそういう義務づけが全くなかったのに、十七年四月から一気に三年以上の実務経験を持つ方だけに受講資格を与えるというふうにいたしますと、そういう方がいない営業所では医療機器を販売するということができなくなりますので、大変厳し過ぎる規定ではないか。

 それからまた、逆に言えば、それまで使っておられた国民の皆さんにも不利益になるおそれがあるのではないかということで、経過的な取り扱いといたしまして、今年度、一般消費者に直接販売するような医療機器につきましては、販売の管理者に対します講習の受講につきましては、平成十七年度中であれば、一年以上の実務経験があれば受講して結構ですという形の経過規定を設けた、そういう経緯でございます。

内山委員 施行規則の百七十五条の第二項、更新について、毎年度受講させるように努めなければならないと書いてありますけれども、これは毎年更新をするために受講しなければならないんですか。

阿曽沼政府参考人 更新のお尋ねでございますけれども、これも医療機器のリスクに応じて違っております。したがいまして、医療機器のリスクに応じまして、毎年度継続的な研修を義務づけているものとそうでないものというふうに区分をいたしております。

 まず、リスクが高くて管理が難しい高度管理の医療機器あるいは特定保守管理医療機器などにつきましては、常に最新の科学的な知見あるいは保守管理方法などを管理者の方が熟知をしていただく必要がございますので、毎年度継続的な研修を義務づけております。

 一方、リスクが低い管理医療機器につきましては、必要最小限の管理の方法あるいは顧客への適切な情報提供の方法等を修得するということで対応が可能ではないかと考えておりますので、管理者とする際に一回講習を受講すれば、その後の継続的な研修は努力義務にとどめているということでございます。

内山委員 何を聞きたかったのかといいますと、この講習料というのは一万七千円するんですよ。非常に高いんです。しかも、内容がないんです。一年ぐらいの職務経験で、しかもビデオを見て一日数時間の研修をやった程度では、何ができるのか。裏を返せば、官製資格ビジネスの規制強化じゃないか、こういうふうに見られてもしようがないと思っております。

 いいですか。ここで、この実施した数字をちょっと皆さんにお示ししたいと思うんですけれども、昨年五月三十一日、六月三十日、十二月十六日、三日間で七千九百二十二人が受講して、受講料が一億三千四百万、こういう数字がこの受講を実施したところに入っているんですよ。

 それから、本年度行われる他の講習、参考までに言いますと、医療用具修理業責任技術者基礎講習、二日間で五万円ですよ。同じく責任技術者専門講習会は、一日で三万八千円、二日間で四万七千円。医療用具製造業及び輸入販売業責任技術者等講習、これは二日間で五万二千円。

 さらに、クラス3に入るコンタクトレンズ販売対象の管理者講習というものが事故防止の名目で新設されて、八月三十日、三十一日、九月六日、この三日間、全国二十九会場で、受講料が一万七千円。眼鏡店勤務の就労者が大体六、七万人いる、この人たちが受講しますと十億円になるビジネスなんです。十億円。これは大変な官製ビジネスじゃないですか。おかしくありませんか、これは。

 コンタクトレンズというのは、そもそも医師の処方せんによって買いに行くものなんですよ。そうでしょう。販売管理者の設置よりも、これら機器を使用する医師に指導及び使用基準をきちっと説明させるというのが急務なんです。簡単にして初歩的な販売管理者講習で、何ができますか。皆さんが言っている人身の安全も、保全することは到底不可能だと私は思っております。

 それから、家庭内において使用した場合、万一の危険を管理責任者が防止することができますか。できないでしょう。だから、管理責任者の設置というのは有名無実で、こんなのおかしいんじゃないかというふうに業界から非常に多くの意見をいただいていますよ。

 社団法人日本ホームヘルス機器工業会というのがあります。当然やはり厚生労働省の外郭団体です。ここの専務理事が厚生労働省、常務理事が北海道通商産業局のOB。昨年の十一月八日付官報に登録講習機関として公示されました。これが、十六年度に受講料一万七千円で全国で十七会場、約五千人が受講した。十七年度、六万五千人受講予定で、トータルで十一億九千万円の売り上げになる。官製資格ビジネスじゃないですか。

 国家資格の試験や講習に関する事務というのは、国から指定を受けて実施する、当然コスト高になる。私が調べているところで、社団法人日本ホームヘルス機器工業会が、かなり強引にこの資格講習をやりたいと申し出があった、そして、受講料は先にやっている財団法人医療機器センターと同じ一万七千円で横並びでやっている。

 今まで財団法人医療機器センターが独占的にやっていた理由は何ですか。

阿曽沼政府参考人 講習の関係でございますけれども、従来は医療機器センターが唯一の公的な団体でございまして、同センターを販売の管理者などにおきましても講習の実施機関として指定をしておりました。

 ところが、昨年の四月に独立行政法人の医薬品医療機器総合機構ができまして、これまで医療機器のセンターが行っていた業務が一部移管されましたので、講習のところにつきましては、医療機器センターだけではなくて、どういう方でも受けられる、ただ、登録をしていただくという登録制に改めて、一定の民間の法人の方であれば、一定の要件を満たす場合には、登録をして、登録の研修機関になれるという制度を去年の四月から実施をいたしております。

内山委員 一定要件というのは何ですか。

阿曽沼政府参考人 一応基準がございまして、ちょっと抽象的なことでございますけれども、省令の上では、専門技術講習などは講義、試験でやりなさい、それから区分に応じまして、それぞれの科目でそれぞれの時間数以上を実施してください、これはちょっと表がございまして、それぞれの項目ごとに、科目ごとに決まっております。

 それからまた、講師についてでございますけれども、それぞれの科目に応じまして専門的な技術あるいは知識を有する方がやっていただきたい。それから試験については、受講者が講義の内容を十分に理解しているかどうか的確に把握できる内容にしていただきたい。それから、責任技術者講習などの場合には、取引関係とかその他の利害関係の影響を受けないようなこと、そんなような要件を定めております。

内山委員 登録の申し出はほかにもありましたか。

阿曽沼政府参考人 現時点ではその二つの講習機関がございまして、あと、ほかに動きがあるかどうかは、現時点では十分把握しておりません。

内山委員 平成八年の新聞記事が手元にあるんですけれども、ここでもやはり「資格講習で五億円」と非常にたたかれているんですよ。平成八年五月二十六日、毎日新聞の朝刊ですけれども、「厚生省OB天下り財団」、法改正して講義を義務づけた、全く同じ図式なんですよ。わざわざ法改正をして講義を義務づけて、その受け皿が厚生労働省OBの財団なんです。おかしいじゃないですか。

 これは私、問題点を整理してみますと、クラス2、こういうもので販売管理者を置く必要が本当にあるのか、さっきのピップエレキバン等の問題ですよ。これは小学生が使ったって事故にはならない、今までずっと三十年来使われていたもの、そもそもこういうものを販売するのに販売管理者が要るのか。

 そして、その講習を行う団体がすべて厚生労働省の天下りじゃないですか。一手にその組織が実施する。実施したところを受講した人から、内容がない、高い講習料なんだと。この高い講習料というのは商品の価格に乗ってきて、結局やはり消費者、国民が負担をすることになるわけですよ。

 それから、これは一番重要だと思うんですけれども、大臣も知らないところで、厚生労働省令、政令、国会で審議もせずにこういうものが堂々と通っていってしまうこと、私はこれは非常に許せないと思っています。

 官製資格ビジネス、今規制緩和をしている時代でしょう。これは規制強化じゃないですか。逆行しているんじゃないですか。今、これをどう思いますか。

阿曽沼政府参考人 コンタクトレンズとピップエレキバンとはクラス分類が違うということをまず御理解いただきたいと思います。

 それから、コンタクトレンズなどにつきましては最近大変事故が多うございまして、消費者の皆さんの事故を防止する、あるいはメーカーと消費者の間をうまく調整するということを考えますと、やはり販売管理者に対する適切な講習が必要である。あくまでも国民の健康と生命を守っていくという立場からの安全の規制であるということを御理解いただきたいというふうに思います。

内山委員 時間が来ていますけれども、日本人はコンタクトレンズ、眼鏡をかけている方が非常に多いですから、この皆さんの商品価格にオンされる、こういう実態は私はこれからももっと追及していきたいと思っています。

 時間が来ましたので、これで終わります。

細川委員長 次回は、来る四月十三日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十三分散会


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