衆議院

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第3号 平成19年5月10日(木曜日)

会議録本文へ
平成十九年四月二十日(金曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会〔皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(本府、警察庁、金融庁)、外務省及び環境省所管並びに他の分科会所管以外の国の会計〕

   主査 鴨下 一郎君

      赤池 誠章君    坂井  学君

      玉沢徳一郎君    広津 素子君

      保坂  武君    赤松 広隆君

      仙谷 由人君    松本 大輔君

      漆原 良夫君

 第二分科会〔内閣府(防衛庁・防衛施設庁)、総務省、財務省及び文部科学省所管〕

   主査 古川 元久君

      浮島 敏男君    桜井 郁三君

      冨岡  勉君    平田 耕一君

      福岡 資麿君    茂木 敏充君

      岩國 哲人君    玄葉光一郎君

      遠藤 乙彦君

 第三分科会(厚生労働省、農林水産省及び経済産業省所管)

   主査 渡海紀三朗君

      江藤  拓君    北村 誠吾君

      杉村 太蔵君    中山 成彬君

      藤井 勇治君    矢野 隆司君

      金田 誠一君    武正 公一君

      松本  龍君

 第四分科会(法務省及び国土交通省所管)

   主査 古屋 範子君

      佐田玄一郎君    柴山 昌彦君

      鈴木 馨祐君    西本 勝子君

      古屋 圭司君    安井潤一郎君

      吉良 州司君    鉢呂 吉雄君

      鈴木 宗男君

平成十九年五月十日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 仙谷 由人君

   理事 鴨下 一郎君 理事 北村 誠吾君

   理事 柴山 昌彦君 理事 渡海紀三朗君

   理事 平田 耕一君 理事 古川 元久君

   理事 松本 大輔君 理事 古屋 範子君

      赤池 誠章君    浮島 敏男君

      江藤  拓君    大塚  拓君

      佐田玄一郎君    坂井  学君

      桜井 郁三君    杉村 太蔵君

      鈴木 馨祐君    玉沢徳一郎君

      冨岡  勉君    丹羽 秀樹君

      西本 勝子君    広津 素子君

      福岡 資麿君    藤井 勇治君

      古屋 圭司君    保坂  武君

      茂木 敏充君    矢野 隆司君

      安井潤一郎君    赤松 広隆君

      石川 知裕君    岩國 哲人君

      枝野 幸男君    玄葉光一郎君

      田嶋  要君    田名部匡代君

      田村 謙治君    武正 公一君

      馬淵 澄夫君    松本  龍君

      遠藤 乙彦君    鈴木 宗男君

    …………………………………

   財務大臣         尾身 幸次君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国務大臣

   (イノベーション担当)

   (少子化・男女共同参画担当)           高市 早苗君

   内閣府副大臣       林  芳正君

   総務副大臣        大野 松茂君

   総務副大臣        田村 憲久君

   財務副大臣        田中 和徳君

   文部科学副大臣      遠藤 利明君

   経済産業副大臣      山本 幸三君

   国土交通副大臣      望月 義夫君

   国土交通副大臣      渡辺 具能君

   内閣府大臣政務官     岡下 信子君

   国土交通大臣政務官   吉田六左エ門君

   会計検査院長       大塚 宗春君

   会計検査院事務総局次長  石野 秀世君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   会計検査院事務総局第三局長            高山 丈二君

   会計検査院事務総局第四局長            鵜飼  誠君

   会計検査院事務総局第五局長            増田 峯明君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鈴木 正徳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  原  雅彦君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 竹澤 正明君

   政府参考人

   (内閣府公益認定等委員会事務局長)        戸塚  誠君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 綱木 雅敏君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 中田  睦君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  石田 直裕君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   藤岡  博君

   政府参考人

   (国税庁徴収部長)    秦  邦昭君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局長)            徳永  保君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房政策評価審議官)       高橋 英樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中富 道隆君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           板東 一彦君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    加藤 文彦君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局水資源部長)      棚橋 通雄君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         中島 正弘君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   参考人

   (独立行政法人水資源機構理事長)         青山 俊樹君

   決算行政監視委員会専門員 藤野  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  佐田玄一郎君     藤田 幹雄君

  玉沢徳一郎君     猪口 邦子君

  金田 誠一君     市村浩一郎君

  武正 公一君     西村智奈美君

  松本  龍君     長妻  昭君

  漆原 良夫君     丸谷 佳織君

  桜井 郁三君     遠藤 宣彦君

  茂木 敏充君     小川 友一君

  赤松 広隆君     前田 雄吉君

  市村浩一郎君     田嶋  要君

  吉良 州司君     平岡 秀夫君

  鉢呂 吉雄君     津村 啓介君

  古屋 圭司君     牧原 秀樹君

  玄葉光一郎君     石川 知裕君

  津村 啓介君     篠原  孝君

  平岡 秀夫君     松原  仁君

  遠藤 乙彦君     赤羽 一嘉君

  松原  仁君     後藤  斎君

  赤羽 一嘉君     福島  豊君

  丸谷 佳織君     斉藤 鉄夫君

  猪口 邦子君     玉沢徳一郎君

  遠藤 宣彦君     桜井 郁三君

  小川 友一君     茂木 敏充君

  藤田 幹雄君     佐田玄一郎君

  牧原 秀樹君     古屋 圭司君

  石川 知裕君     玄葉光一郎君

  後藤  斎君     吉良 州司君

  篠原  孝君     鉢呂 吉雄君

  田嶋  要君     金田 誠一君

  長妻  昭君     松本  龍君

  西村智奈美君     武正 公一君

  前田 雄吉君     赤松 広隆君

  斉藤 鉄夫君     漆原 良夫君

  福島  豊君     遠藤 乙彦君

同月二十四日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     石原 宏高君

  江藤  拓君     阿部 俊子君

  広津 素子君     井脇ノブ子君

  金田 誠一君     川内 博史君

  坂井  学君     藤野真紀子君

  杉村 太蔵君     飯島 夕雁君

  鈴木 馨祐君     平口  洋君

  赤松 広隆君     岡本 充功君

  岩國 哲人君     大串 博志君

  吉良 州司君     馬淵 澄夫君

  玄葉光一郎君     平岡 秀夫君

  武正 公一君     森本 哲生君

  松本  龍君     篠原  孝君

  漆原 良夫君     福島  豊君

  井脇ノブ子君     福田 峰之君

  桜井 郁三君     渡部  篤君

  大串 博志君     石関 貴史君

  篠原  孝君     田島 一成君

  鉢呂 吉雄君     仲野 博子君

  馬淵 澄夫君     鷲尾英一郎君

  石関 貴史君     三日月大造君

  岡本 充功君     古本伸一郎君

  田島 一成君     長妻  昭君

  仲野 博子君     三谷 光男君

  平岡 秀夫君     高山 智司君

  鷲尾英一郎君     北神 圭朗君

  阿部 俊子君     江藤  拓君

  福田 峰之君     広津 素子君

  川内 博史君     小川 淳也君

  高山 智司君     横山 北斗君

  長妻  昭君     近藤 洋介君

  三谷 光男君     長島 昭久君

  遠藤 乙彦君     田端 正広君

  福島  豊君     伊藤  渉君

  飯島 夕雁君     杉村 太蔵君

  石原 宏高君     浮島 敏男君

  平口  洋君     鈴木 馨祐君

  藤野真紀子君     坂井  学君

  渡部  篤君     桜井 郁三君

  小川 淳也君     金田 誠一君

  北神 圭朗君     吉良 州司君

  近藤 洋介君     松本  龍君

  長島 昭久君     鉢呂 吉雄君

  古本伸一郎君     赤松 広隆君

  三日月大造君     岩國 哲人君

  森本 哲生君     武正 公一君

  横山 北斗君     玄葉光一郎君

  伊藤  渉君     漆原 良夫君

  田端 正広君     遠藤 乙彦君

五月十日

 辞任         補欠選任

  中山 成彬君     丹羽 秀樹君

  広津 素子君     大塚  拓君

  金田 誠一君     馬淵 澄夫君

  吉良 州司君     田嶋  要君

  鉢呂 吉雄君     石川 知裕君

同日

 辞任         補欠選任

  大塚  拓君     広津 素子君

  丹羽 秀樹君     中山 成彬君

  石川 知裕君     鉢呂 吉雄君

  田嶋  要君     田村 謙治君

  馬淵 澄夫君     田名部匡代君

同日

 辞任         補欠選任

  田名部匡代君     枝野 幸男君

  田村 謙治君     吉良 州司君

同日

 辞任         補欠選任

  枝野 幸男君     金田 誠一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百六十四回国会、内閣提出)

 平成十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百六十四回国会、内閣提出)

 平成十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百六十四回国会、内閣提出)

 平成十七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百六十四回国会、内閣提出)

 平成十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百六十四回国会、内閣提出)

 平成十七年度一般会計歳入歳出決算

 平成十七年度特別会計歳入歳出決算

 平成十七年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十七年度政府関係機関決算書

 平成十七年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十七年度国有財産無償貸付状況総計算書

 主査からの報告聴取

 歳入歳出の実況に関する件

 行政監視に関する件


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     ――――◇―――――

仙谷委員長 これより会議を開きます。

 平成十七年度決算外二件を一括して議題といたします。

 第一分科会ないし第四分科会の各分科会は、去る四月二十三日、二十四日の二日間にわたり審査を行いました。

 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。

 第一分科会主査鴨下一郎君。

鴨下委員 第一分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣本府、警察庁、金融庁、外務省及び環境省所管並びに他の分科会所管以外の国の会計について審査を行いました。

 主な質疑事項は、軍縮及び核の不拡散に対する我が国の戦略的な取り組み、民法の三百日規定のため戸籍のない者に対する例外的な旅券発給の検討、外務省が保有するワインについての管理、整理回収機構の公正な業務執行の確保、地方公共団体における会計経理の適正確保のための会計検査院の役割、沖縄戦の集団自決についての教科書検定意見の問題性、青少年健全育成のための地域等の教育力向上の必要性、食育推進のための総合的な取り組み、北朝鮮による拉致問題解決への取り組み、ラムサール条約登録湿地に対する財政支援の必要性、衆議院事務局と地方議会事務局との連携の必要性、新人材バンクによる民間企業等への再就職者受け入れ要請の問題性、国の各種審議会委員の職務及び待遇を監視する必要性、改正保険業法において既存の自主共済を適切に取り扱う必要性、健全な運営の共済を改正保険業法の適用除外とする必要性、我が国の銃規制の現状及び行政対象暴力への対策強化等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

仙谷委員長 次に、第二分科会主査古川元久君。

古川(元)委員 第二分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、防衛庁、防衛施設庁、総務省、財務省及び文部科学省の所管について審査を行いました。

 主な質疑事項は、郵政民営化における郵便局の活用策、地方公共団体の行政改革の促進、地方分権の理念と税財政改革の現状、頑張る地方応援プログラムにおける問題点、NTTの電報申し込み番号の民間への開放、重要文化財保護と都市開発との調和の必要性、特別会計における資産の適正規模への圧縮、地方公共団体の財政破綻に係る金融機関の貸し手責任、岩国市庁舎建設に対する防衛庁補助金のあり方、都市部と過疎地の教育格差是正に対する取り組み、高等教育における総合的人材育成の必要性、大学病院における大学院生の医療業務従事の問題性、就学援助制度における受給者の増加の原因、我が国の大学構内における危機管理のあり方、公立小中学校等の学校図書館の充実と活用、地方の医師不足による過重労働等の改善、広域消防体制の整備と増加する救急出動への対応、開発事業に当たっての歴史的建造物の保護の必要性等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

仙谷委員長 次に、第三分科会主査渡海紀三朗君。

渡海委員 第三分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、厚生労働省、農林水産省及び経済産業省の所管について審査を行いました。

 主な質疑事項は、ジェネリック医薬品の使用促進、男女雇用機会均等法改正後の対応、厚生年金保険制度における企業負担のあり方、年金保険料の納付記録消失問題への対応、鳥インフルエンザの被害に対する認識、在宅医療推進に向けた訪問看護体制の整備、災害に強い水道施設整備の必要性、医療費と医師数の適正水準検討の必要性、高齢者に配慮した療養病床の再編成のあり方、日比経済連携協定における介護分野への対応、社会保険健康センターの役割の評価、大学病院における保育所整備の促進、食料自給率向上に向けた取り組み、米国産牛肉の輸入に係る対応、経済連携協定交渉における農産物の取り扱い、学習塾等の所管が経済産業省である問題性等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

仙谷委員長 次に、第四分科会主査古屋範子君。

古屋(範)委員 第四分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、法務省及び国土交通省の所管について審査を行いました。

 主な質疑事項は、千葉県の東京湾岸地域における交通渋滞の解消策、岩国市の愛宕山地域開発事業の見直しの可否、本州四国連絡高速道路株式会社の民営化後の状況、JR東日本大崎短絡線計画の見直しの必要性、鉄道駅におけるバリアフリー化の推進、長野県飯山盆地における千曲川の水害対策、リニア中央エクスプレス実現の展望、第二京阪国道及び周辺道路の整備の促進、保護司等の増員と今後の取り組み、登記のオンラインシステムの障害と今後の取り組み、日本の食文化の海外普及による観光立国の推進、離島振興対策における公共事業のあり方、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の船舶共有建造制度における船舶使用料未収金の回収、京都縦貫自動車道と名神高速道路との接続の見通し、都市再生機構の管理する賃貸住宅の今後のあり方、建築物の耐震化の現状と今後の取り組み、宮崎県高千穂鉄道の全線復旧と今後の取り組み等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

仙谷委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。

     ――――◇―――――

仙谷委員長 次に、平成十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、平成十七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)、以上の各件を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各件につきましては、第百六十五回国会におきまして既に説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

仙谷委員長 引き続き、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官鈴木正徳君、内閣官房内閣審議官原雅彦君、総務省大臣官房審議官綱木雅敏君、総務省行政管理局長石田直裕君、文部科学省研究振興局長徳永保君、経済産業省大臣官房政策評価審議官高橋英樹君、経済産業省大臣官房審議官中富道隆君、経済産業省大臣官房審議官板東一彦君、中小企業庁次長加藤文彦君及び国土交通省航空局長鈴木久泰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

仙谷委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 本日、決算行政監視委員会、質疑の機会をいただきました。私は、まずこの決算行政監視委員会におきまして、かつて国会でも取り上げられました科学技術振興機構、これはJSTと称する独立行政法人、このJSTのJ―STAGEと呼ばれる事業につきまして質疑をさせていただきたいと思います。

 このJ―STAGEなる事業、どういうものかと申しますと、これは私、パンフレットを手元に持っておりますが、科学技術振興機構が、いわゆる学協会における論文の公開あるいは検索あるいは査読も含めた、こうした科学技術の知恵を、あるいはさまざまな知見を共有するために、オンライン上で、ウエブ上でそれを閲覧なりあるいは取得できるような仕組みをつくる、大変すばらしい理念に基づいた事業だと思います。

 これをいわゆるプラットホーム化していくというシステム構築として、J―STAGEと名づけ、ウエブ上での電子ジャーナル、これは、ここを見ますと、論文を迅速に発行できる、あるいはその雑誌を学会だけでなく広く多くの読者に読んでもらうことができる、また、今申し上げたように、オンライン投稿ができる、オンライン査読によって公開までの期間が短縮されるなどのメリットがあるとして、全世界における学協会が参加をしていく、あるいはリンクをしていくという形で科学技術の振興のために図られた事業であります。

 しかしながら、これも過去、国会では、いわゆる経営上非常に厳しい状況にあるのじゃないかということが指摘をされてもおりました。平成十七年の参議院の決算委員会におきましても、このJST、科学技術振興機構のJ―STAGE、この事業については赤字である、このことについての経営収支改善についてどうなっているのかといったことが問われております。

 しかし、こうした事業、一般の学協会がみずから論文を冊子にまとめ発行する、これは大変な手間もかかります。また、そこには実費もかかる。これを、こうした国及び関連する所管の機関が広く閲覧なりあるいはその技術を共有していただくためにまとめていくという作業、これがなかなかその収支に乗っておらないということは、私も十分理解をし、こうした事業こそ国を挙げてやるべきであるということは十分に理解をさせていただいております。

 さて、このようなJSTにおけるJ―STAGEという事業、これの流れというものを見てみます。

 委員長のお許しをいただきましてお手元に配りました資料1、一枚目をごらんいただきたいと思いますが、このJ―STAGE事業に関して、私は、どのような経過で今日まで予算措置が行われているのかということをお尋ねいたしました。

 ごらんいただきますと、予算は、平成十年度の一次補正においてこれが初めて予算措置をされ、そして今年度、平成十九年度も予算措置がなされております。J―STAGEというプラットホームの構築、現段階においてはJ―STAGE2という次の段階に移行していると説明を受けております。

 さて、平成十年度、いわゆるプラットホーム、ウエブ上でさまざまな学協会の論文を査読あるいは公開していく仕組みをつくるということで、当然ながらに、さまざまなその技術を持った会社にこれをゆだねていくということが図られるわけであります。

 この一枚目の資料の下段をごらんください。J―STAGEの事業化に当たり、平成十年度、NTTラーニングシステムズと随意契約をした、このように書かれております。平成十年度、こうした事業を行うに当たって随意契約をしたという経過について、これは事務方で結構ですので、端的にお答えいただけますでしょうか。

徳永政府参考人 お答えいたします。

 まず、ちょっと、先ほど馬淵先生の御発言の中で赤字というお話がございましたが、それは、同じ科学技術振興機構が行っております内外文献の日本語抄録データベースの提供、いわゆるJDream事業のことだと思っておりますが、このJ―STAGE事業はすべての学協会に対して無料でその利用をやっておりますので、赤字云々ということではなくて、すべていわば科学技術振興機構の方の負担で行っております。

 今御質問いただきましたJ―STAGEが最初に十一年からスタートしたわけでございますが、その段階でNTTラーニングシステムズに随契を行ったわけでございます。これにつきましては、J―STAGEを事業化するに際しまして、当時、特殊法人の科学技術振興事業団でございましたが、NTTラーニングシステムズ、富士通、日本電気、日本IBM、日立製作所の五社から提案を受けました。

 これらを事業団内部の物品調達契約審査委員会において審査した結果、NTTラーニングシステムズが当該システムに資する技術要素を実施しているということから、システム構築事業につきまして、この手続としては、政府調達に関する協定に係る物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める規程、これは、政府でのそういう調達手続と同じようなものを、文部科学省の承認を得て、当時の特殊法人である科学技術振興事業団の中で設定したわけでございますが、この規程の第十二条第一項第三号の規定に基づき、随意契約により同社と契約することが適当と判断したものでございます。

 また、その前段でのいわば要素技術開発につきましても、それまでのさまざまな、何といいますか、技術力、そういったものを総合的に判断して随意契約を認めたものでございます。

馬淵委員 今御説明がありましたNTTラーニングシステムズの随意契約に関しては、その他、富士通、日本電気、日本IBM、日立製作所、これらの会社からの提案を受けているが、NTTラーニングシステムズに随意契約した。今おっしゃった規程に基づいてということでありますが、私、見せていただきました選定理由書の中には、こうした会社が、独立性が高く、社会的にも高い評価、マルチベンダーとして企画、調査、構築、運用までシステムインテグレーション等のノウハウを持っているということで、NTTラーニングシステムズに決定されたということであります。このように、非常に、随意契約という形で、当初急ぐということで、短期間で構築が必要だということでこの随意契約がなされたそうであります。

 さて、お手元の資料2からごらんください。今御説明いただきました、学協会へはこれは全部無償で提供しているということですから、当然ながら、こうした事業について進めていく中では、さまざまなコストがかかる中でこれを抑えていくという努力が図られていくと思います。

 このNTTラーニングシステムズが、平成十年度にまず随意契約でこのシステム構築に入りました。お手元の資料の2から3、4、そして5、6と続きます、平成十八年度までの契約の発注でございます。これを見せていただきますと、J―STAGE事業、入札、発注の実績、NTTラーニングに随意契約がなされた。そして、これがずっとNTTラーニングさんで随意契約は進んでいくわけですね。当然ながら、システムですから、一たんインテグレーションとして入っていけば、これは継続していくということは理解できます。

 そして、平成十四年度に入りまして、平成十四年度のところで4の資料をごらんいただきますと、J―STAGE2の開発というところで、アトラスという会社が一般競争入札でこれを落札しております。そして、この4の資料の下をずっと眺めていきますと、NTTラーニングさんからアトラスという会社にこの随意契約が今後引き継がれた、J―STAGE2の事業はアトラスさんに引き継がれたという形になっております。

 すなわち、当初はNTTラーニングという非常に大きな企業、独立性も高い大きな企業に随意契約でこの事業が受注をされ、また、その後J―STAGE2という事業に転換していく中では一般競争入札が行われて、そしてその後、アトラスという会社が随意契約で今日まで事業を構築している、このように理解をしております。

 このJ―STAGE2なるものとはどういうものかということでお聞きをしましたところ、さまざまな改善点が学協会から寄せられたということでありました。こうした改善点を踏まえて新たなシステム構築に入るというのがJ―STAGE2という次のシステム段階である、このように説明を受けております。

 さて、先ほど、J―STAGEについては、随意契約は規程にのっとって、そして選定理由書にもありますように、こうした唯一のベンダーである、マルチベンダーであるということで選定をされたということであります。次に一般競争入札に移られるわけでありますが、一般競争入札における応札の会社はどういう会社でしょうか。これも端的で結構です。

徳永政府参考人 J―STAGE2につきまして、応札をいたしましたのは四社でございます。株式会社アトラス、NTTラーニングシステムズ、それから日立製作所、東芝の四社から応札がございました。

馬淵委員 四社が応札をされたということでありました。

 アトラスという会社以外は、J―STAGE、当初のシステムを構築したNTTラーニングシステムズ、そして、先ほどのお話にもありましたように、当初のこのシステムの随契の中でもここでも手を挙げておられた日立製作所、そして東芝、新たに東芝さんが手を挙げられているわけでありますが、その中でアトラスさんが応札の中で落札されたということであります。

 この入札公告を見ますと、平成十五年の一月の十六日、入札公告が官報に出されております。その中で、私も、実はこの2から6までを眺めておりまして不思議に思ったのが、NTTラーニングさんのような大きな会社、これは随意契約で当初事業構築を任された。そしてその後、事業がある一定の規模となって動き出したところで一般競争がなされ、一般競争入札の中では、大手が並ぶ中でこのアトラスという会社が落札をされているということであります。

 このアトラスという会社、この官報によりますと、当然ながら、競争参加の資格というものが求められるはずであります。大手であればこの入札公告に挙がる競争参加資格というのが十分に満たされているのは理解できるんですが、この公告の中身を見ますと、平成十五年当時、平成十三、十四年度、つまり、過年度において参加資格を持っている実績のある企業あるいはこの官報公告の段階で入札資格の申請をして認められた会社、いずれかが新たに今回の入札に応じることができるということで官報には示されております。

 さて、お尋ねしますが、このアトラスという会社が入札資格を得たのはいつでしょうか。

徳永政府参考人 お答え申し上げます。

 株式会社アトラスが入札参加資格の認定を受けた際の申請書類の原本の確認はできておりません。しかしながら、電子システムでの記録によれば、アトラスは、平成十五年一月二十七日に、当庁の科学技術振興事業団の競争参加者の資格審査事務取扱規則に基づき、競争参加資格の認定を得たことが確認されております。

 官報は、平成十五年一月十六日に公表されております。新たに入札参加資格を得ようとする者は二月七日までに申請することとされております。そのことで、私ども、原本の確認はできていないわけでございますが、一月二十七日までに申請をし、認定されたものと考えられております。この意味では、官報公告の要件を満たしているものと思っております。

馬淵委員 原本で確認をしていただきたいと思います。

 原本の提出をお願いしたいんですが、確認していただけますか、委員長。

 これは、ぜひ提出をお願いいたしたいと思います。

仙谷委員長 原本はあるんですか。

徳永政府参考人 昨日の段階からきょうの朝まで捜したところで、まだ現状では見つかっておりませんが、これが見つかり次第、提出をしたいと思っております。

馬淵委員 これは、私、先ほど申し上げたように、NTTやIBMや、あるいは日立さんといったところの大手が並ぶ中で、NTTさんに随契をされて、そしてある程度システムが構築された。すると、一般競争入札に付される。一般競争入札で、このときに初めて競争資格を有する会社が出てきてそこに落札されていくんですね。

 さて、今申し上げた入札の経過というか発注の実績をごらんいただきますと、2からずっと行きまして、ここはNTTラーニングさんがずっと随契で進められるわけです。J―STAGE1と仮に呼びましょう、最初の電子ジャーナルの公開オンラインシステムです。3の資料をごらんいただきますと、この3のアンダーラインを引いている一番上に、NTTラーニングさんが平成十三年度の段階でJ―STAGE2の開発という事業を随契で請け負われておられます。そして、4をごらんいただきますと、アトラスが、先ほどの話で、一般競争入札の結果によってJ―STAGE2の開発というのを、ここで初めて資格を得たアトラスがこの入札に応じる中で落札をされて、J―STAGE2の開発を行われています。

 J―STAGE1を行っているNTTラーニングがJ―STAGE2の開発を随契で受注して、そして、その後一般競争入札に付される。だけれども、それまで一切実績のなかった会社に落札をしていって、この開発というのはJ―STAGE2となっている。これはどういうことでしょうか。これも端的にお願いできますでしょうか。

徳永政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま馬淵先生の方からおっしゃられましたように、まず、NTTラーニングシステムズが、平成十四年度、随意契約によりましてJ―STAGE2の基本設計作業というものを行ったわけでございます。

 そもそもJ―STAGE2にするということは、さまざまな学会の要望、あるいは私どもの科学技術・学術審議会の答申といったこと、報告を踏まえたものでございますが、特に、その際、大きな問題は、どんどんどんどん加盟する学会がふえ、また利用者もふえてまいります。そういう中で、特に、どんどん加盟する学会なり、それに関連する雑誌がふえてまいりましたときに、そういったものをできるだけコストを抑えなければいけないというようなことがございまして、そういう中で、三〇%程度とにかくコストを、一学会当たりの発行コストを抑えようというようなこともございまして競争入札を付したものでございます。

 なお、その競争入札におきましては、これは基本的に、外部の技術評価委員も加えまして技術評価を行い、その上でこういうふうに決めたものでございますが、その際、アトラスは、これまでもNTTラーニングシステムズの下請という形でこのJ―STAGE事業にも参加したというふうに聞いております。

馬淵委員 お聞きしたことにお答えいただけませんでしょうか。

 NTTラーニングシステムズが、随契でJ―STAGE1、初期のこのシステムの契約を行っている間に、J―STAGE2の開発を随契でとられているわけですよね。そして、先ほど、何度もお伺いしていますよ、コスト削減のためにJ―STAGE2という、あるいは、学協会の要望を受けて新たな構築をしていくということで、再度J―STAGE2を構築する中で一般競争入札を行ったということでありますから、このJ―STAGE2の開発をNTTラーニングさんが行って、そしてこのアトラスさんが行っているという、これはどういうことですかとお聞きしているんですよ。おわかりいただけますか。端的にお答えいただけませんか。

徳永政府参考人 お答え申しますと、より具体的に申しますと、まずNTTラーニングシステムズが基本設計というものを行い、その基本設計を踏まえて、いわば一応技術力ある会社であればどの会社もその基本設計に基づいてJ―STAGE2の開発ができるという判断の上で、具体的にアトラスに詳細設計及び開発を行わせたものでございます。

馬淵委員 そうですね。J―STAGE2の開発、NTTさんが行われた段階で、いわゆる基本設計というふうに今お話しいただきました。平成十三年の十二月の発注仕様書というのが手元にありますが、科学技術振興事業団から、平成十三年度、要件定義、基本設計、プロトタイプ版の開発やアプリケーション評価版の開発ということで、これを行うとしています。つまり、今のお話のとおり、平成十三年のこの段階では、NTTラーニングさんは基本設計を行ったんだというお話でありました。基本設計を行って、そして詳細設計については一般競争入札に付す、こういうお話であります。

 私、一般競争入札の入札の仕様書というのもいただきました。この入札の仕様書には、細かな、ソフトウエアの決定、またシステム機器も含めて、一覧表で、機器あるいはそのインフラ環境機器も含めて、すべてここで示されております。そして、NTTラーニングさんが提供されている、随契で行ったJ―STAGE2の開発の成果ということで、基本設計書というものがございますが、まさにこれが発注仕様書の中身となっているわけであります。

 そこで、私は、これは非常に不思議な気がするんですね。システム開発、当然ながらに要件定義、ユーザーがどういうものを望まれるのか、今回の場合は学協会からの要望があるわけですから、こういったもの、どういうことを望んでおられるかということを確認していく作業、そしてシステムの機器構成やインフラ、またソフトウエアまで、パッケージも含めて、こうしたことをNTTラーニングさんが既に事細かに設計を組まれていかれるわけです。そして、J―STAGE2の段階で詳細設計と称して一般競争入札に付されている。

 しかし、この一般競争入札の中身に関しては、今お話ありましたように、大手が居並ぶ中で、このアトラスという会社が突然に競争参加資格を持って登場する。

 このアトラスという会社を見ますと、お手元の資料をごらんいただきたいと思うんですが、8をごらんください。このアトラスという会社の、これは東商工のリサーチデータでございますが、決算額、業績は、未上場ですから、これは聞き取りによるものなんでしょうけれども、東商工のデータによりますと、決算期、平成十七年の十二月末決算十億九千万、その前年十億八千万であります。

 こうした企業が、7をごらんください、科学技術振興機構からアトラスへの過去三年の発注実績、平成十六年度、十七年度、十八年度、年度ですから、十二月末決算と三月末というので、若干の期ずれはございますが、売り上げのほとんどを、八割とかあるいは七割かわかりませんが、売り上げのほとんどがこのJSTのJ―STAGE事業に依存しているような事業会社である。

 もちろん中身に関しては経営者の方が一番よく御存じでしょうけれども、この突然にあらわれて、そして突然に競争資格を有して、突然にあまたあるいわゆるスーパーITゼネコンの中で、一般競争という手だてはとっているけれども落札をされていく。そして、事前に、随契の段階で、NTTラーニングが基本設計と称して詳細設計のいわばかなりの部分を占めるような、機器構成やソフトウエアも含めたさまざまな要件定義ですから、使う側を前提とした、そのプログラムを決めていくための業務プロセスを決定していく作業まで行っていくということをNTTラーニングさんがやっておられる。あと、次のアトラスさんのやること、ほとんどNTTラーニングさんがレールを敷いているようなものじゃないですか。

 これは私、何度説明を受けてもよく理解ができないんです。いや、極めて不思議な入札経過ではないか、このように感じるんですが、今私がお尋ねをしているこうした疑問に対して、所管の副大臣にお越しいただいていますが、副大臣、いかがお考えですか。

遠藤副大臣 先ほど局長がお答え申し上げましたように、文部科学省では、科学技術・学術審議会の報告や学協会からの改善要望を踏まえ、J―STAGE等の機能改良を目指すこととし、科学技術振興事業団において平成十三年度から平成十四年度にかけてJ―STAGE2の開発を実施いたしました。

 具体的には、先ほど委員から御指摘ありましたように、平成十三年度にJ―STAGE2の基本設計作業を行い、システムに関する要件をまとめ、これに基づいて平成十四年度には一般競争入札を実施し、J―STAGE2の開発を請け負う業者を選定いたしました。この一般競争入札は、文部科学省の承認した事業団の規程等に基づき実施されたものであり、技術評価に当たりましては外部の評価者も参加したと聞いております。したがいまして、J―STAGEの機能改良に関しましては適切な契約が行われたものと考えております。

 なお、文部科学省は、この事業の実施について独立行政法人評価の仕組みの中で毎年度評価を行っており、また参加学協会数やダウンロード数が着実に増加するなど、確実にその成果が上げられているものと考えております。

馬淵委員 それはJSTさんの御説明そのままじゃないですか。私がお聞きしているのは、所管する政府の要職にある副大臣として、こうした契約のあり方に対して全く一抹の疑問もお感じではないんでしょうか。今のお話ですと、説明を受けたとおりだからというお話でありますが、私はこれは、一般に、こうした状況を見れば、何か変だなと感じられるのが普通じゃないかと思うんですね。

 そこで、資料の9をごらんください。これは私のもとに寄せられた中の情報で、ITコンサルタントという方がこの事業に深くかかわっておられるというお話で情報が寄せられました。

 尾身朝子氏というITコンサルタントの方であります。9の資料にありますように、「「科学技術情報発信・流通総合システム(J―STAGE)」の開発プロジェクトのリーダとして、企画段階から総指揮を取り、短期間でシステムを完成させる」、こうした仕事をされたそうであります。

 さて、この方の職歴を見ますと、昭和六十一年にNTTに入社をされ、そして今、ここに書かれているように、J―STAGEの開発プロジェクトのリーダーとして総指揮をとられたと御本人は書かれておられます。公開情報です。

 また、この方がNTTラーニングシステムズに所属をされておられました。私の手元には、第三十六回情報科学技術研究集会、これは平成十一年、九九年の十月十五日のプログラムがございます。ここには、「J―STAGE「科学技術情報発信・流通総合システム」電子ジャーナル作成・流通の共同利用センタとしてのシステム的特徴」という、これは講演なんでしょうか、パネルディスカッションなんでしょうか、ここにNTTラーニングシステムズの一員として、尾身朝子氏がパネリストとして並んでおられます。

 そして、10をごらんください。「電子ジャーナルコンサルタント」、私はこういう職種というのを存じ上げないんですが、電子ジャーナルコンサルタントとして活躍をされている現在は、見ていただきますように、二〇〇二年、平成十四年にNTTより独立をされておられます。NTTを退社されたんですね。11をごらんください。ここにははっきりと九八年からということでありますから平成十年ですね、平成十年からNTTもしくはNTTラーニングシステムズの一員としてJ―STAGEのプロジェクトのリーダーをされておられた。

 そして退職された。その時を一にして、アトラスという会社に一般競争入札で、有資格を持っていない会社でありましたが、競争資格を申請されて、さらに、競争資格を持った会社ということでありますが、あまたあるスーパーITゼネコン、マルチベンダーを差しおいて落札をされた。その売り上げの八割とか大半がこのJ―STAGEの事業であるという事業会社に、今日も随意契約が継続されている。これは、国民の目から見て非常にわかりにくいなと私は思うんですね。

 もう三カ月前になりますか、決算ならぬ予算でも、私はこうした状況というのを国会の中でもたださせていただきました。

 国会で、予算委員会の中では、同じように科学技術振興というすばらしい理念ではありますが、沖縄科学技術大学院大学という大学の事業構想が提唱され、そして、その事業構想の中で沖縄に対して大きな予算がつけられていく。その中では、この科学技術大学院大学の機構に対しての発注事業が随意契約で行われている中で、分割発注という形でこれも発注が行われていることで予算委員会でも大変な問題になりました。私も指摘をさせていただいた。

 そこでは、この科学技術大学院大学のみならず、STSフォーラムという団体に対しての予算がつけられていたのが、突然予算がなくなってしまった、こうした状況の不可思議も含めて、予算委員会でありましたから尾身財務大臣にもお尋ねをさせていただきましたが、まさに同じような構図ではないんでしょうかということを、私はこれが気になって仕方がないんです。

 もちろん、このことについては、御判断されるのはこうした国会の審議をごらんになる国民の方々ではないかと思いますが、これは、所管副大臣として、こうした一連の経緯というものを今お聞きいただいて、改めてこうした状況に対してしっかりと調査をするという御決意は示していただけるんでしょうか。いかがですか。

遠藤副大臣 先ほど申し上げましたように、私どもは、適切な契約がなされたものと思っておりますので、そのように承知をしております。

馬淵委員 アトラス社については、さらにさまざまな事情等々をお聞きするという御意向はないでしょうか。いかがでしょうか。

遠藤副大臣 今委員から御発言いただきましたが、私ども、先ほど申し上げましたように、契約は適切に行われたということで認識をしておりますので、今はそのように考えております。

馬淵委員 お尋ねすることではないかもしれませんが、きょうは、決算行政監視委員会ということで、尾身財務大臣も御列席でいらっしゃいますので、この件に関して何か御意見がございましたら、お話を伺います。

尾身国務大臣 J―STAGEの事業についての個別の契約が適正な手続にのっとって締結されていることは、ただいま文部科学省から説明があったとおりであると考えております。

馬淵委員 繰り返し申し上げます。

 このような、契約が何らかの不透明性があるのではないかと思われるようなことは、これはみずから襟を正していかねばなりません。

 そして、このような形で、さまざまな公開情報を寄せ集めて見てみると、一体そこに何があるんだろうかと思わず疑ってしまわれるような、とりわけ、大手NTTラーニングさんが基本設計と称してその後の詳細設計の仕様も含めたさまざまな計画まで固めているような開発を行っていく上で、有資格のない会社に一般競争という形をとって発注をし、あるいは落札をさせているということがあっては決してならない、そのことを改めて強く申し上げて、この問題については引き続きさまざまな形で精査をさせていただくことを、私の方から、この問題の最後とさせていただきます。

 さて、今申し上げたように、このようにいろいろな形で、政府関係機関の発注するもの等々については疑惑が持たれてはならないということであります。李下に冠を正さず、瓜田にくつを脱がずであります。しかしながら、独立行政法人あるいは法人等々に変わっていく中で、それが目に見えにくくなる。

 かつて私が、特別会計改革の中でも、独立行政法人等の場合は、それこそ特別会計は離れのすき焼きと称された塩川大臣の言葉を受けて、今度は離れに地下室をつくり出した、こう申し上げていました。こうした問題の根底にあるのは、実は天下りであります。

 昨日、私どもは、民主党の天下り根絶法案を、政府・与党の天下りバンク創設法案に対抗して衆議院に提出をいたしました。この天下りこそ、こうした不透明な予算の執行や、あるいは、まるで談合でもあったかと思われるようなどうも合点のいかない入札や、あるいは随契等々が繰り返される温床になっているということは、さまざまな報道を見ても論をまたないところであります。

 そこで、きょうは、この天下り問題について残りの時間を質疑させていただきたいというふうに思います。

 皆さん方、空港施設という会社を御存じでしょうか。実は私は全く知りませんでした。

 この空港施設という会社、あるところから私の方にこれも情報が寄せられました。空港で施設をつくりたいなと思ったときに、いや、それは今ある施設を借りなさいと言われました、こういうお話が届きました。何のことですかと言うと、いわゆる倉庫、格納庫だと。飛行機の格納庫なんですね。格納庫を自分たちもつくろう、そういうことをやりたい、もっと安くできるんじゃないかと考えたときに、いや、今ある施設を使ってください、こう言われた。調べてみると空港施設株式会社という会社がある、そこから借りろということだ。え、どんな会社ですかということで、私も調べてみました。

 空港施設という会社、これは昭和四十五年に国際航業が分社をされてつくられた会社であります。東京であれば、ちょうど羽田空港に向かうモノレールから見えるさまざまなエアラインの会社のビル、こうしたものも空港施設がお持ちであります。不動産賃貸部門として、さまざまな、ANAさんやあるいはJALさんのテクニカルセンター等々、モノレールに乗れば見えます、ああした建物は全部空港施設がお持ちのようであります。このパンフレットを見ますと、私も記憶にあるような建物が幾つもありますが、こうした不動産賃貸事業を行い、さらに熱供給、給排水という三つの部門を抱えられている会社であります。

 この空港施設という会社が、今申し上げたように四十五年に国際航業から分離独立をされ、そして民間会社として立ち上がっていくわけであります。その後東証一部にも上場されている、大変優良な会社でもあります。この空港施設が持っている建物を使いなさいという話が出てきたということであったわけでありますが、これも国土交通省にお尋ねをしてみました。

 構内の営業、そういった、空港内の建物を使っていくのはどういう方法があるのかということでお尋ねをしたところ、第一類から第三類までの構内営業の種類があって、そして、これについては、例えば、ターミナルビルや駐車場や機内食工場、そして格納庫なんかもこの第一類、お手元の資料の13でございます、これが第一類営業と呼ばれるものである。それ以外でいうと、第二類、これは航空機への給油だとか清掃だとか運航支援、いわゆるサービスの部分に入るんでしょうか。第三類は、飲食や物販等々ですね、空港ビルの中のレストラン街とか、こういったところなんでしょうか。こうしたところの営業というのをどういう形で国が管理しているのか、あるいは許認可しているのかというのをお尋ねしますと、これは申請によって受け付けをし、そしてその許可を、あるいは承認、交付するという形だとお伺いいたしました。

 つまり、入札でもないんですね。こういうことをやりたいんだということで申請をして、そして空港事務所がそれを引き受けて地方航空局が判断をされて、そして承認、交付という形になる。これは、なぜ入札に付されないんでしょうか。これは、要は完全に許認可の話ですよね。これは局長の方からお答えいただけますか。

鈴木(久)政府参考人 お答えいたします。

 国管理空港の中で構内営業を行うに当たっては、その構内営業の内容に応じまして、国有財産法及び空港管理規則に基づく手続が必要になります。先生の資料の13の二番目の「必要な手続き」という部分でありますが、この中で、特に国有財産の使用のための手続といたしまして、国有財産法の十八条の六項で「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において、その使用又は収益を許可することができる。」とされておりまして、これに基づいて使用許可をしておるということでございます。

馬淵委員 法令、定款にのっとっているということは私は十分理解をしているつもりなんですが、このような形で、申請して、申請者に対して承認、交付という形で、いわゆる一般競争入札あるいはさまざまな形で最も公に資するような形の中では、コストを下げていくといったことがこれで働くんだろうかということがまず非常に疑問が生じました。

 そして、この空港施設という会社が、では、どういうところでどういう事業をされていますかということで、不動産賃貸事業、お尋ねをしたんですね。14、15をごらんください。

 これを見ますと、全国の空港にもこのような格納庫の設置者というのがおります。ところが、全国の空港を見ますと、格納庫を賃貸する事業専業というのはこの空港施設だけなんですね。それ以外は、自社機や、これはいわゆる飛行機を飛ばす会社ですよ。不動産賃貸業として空港に格納庫をつくって貸しているという事業をやるのは、これをごらんいただいたらわかるように、空港施設なんですよ。つまり、一社独占なんですね。一社独占でこういうことができるようになっています。

 しかも、それは地方航空局が承認するということになっていますから、先ほど申し上げたように、なるほどな、もっと安く格納庫をつくってさまざまな事業展開をしていきたいなと思ったときに、これは決めるのは役所ですから、ここを使いなさいと言われたときに、では新たに私のところでつくらせてくださいといって出しても、これは受け付けてもらえない可能性があるわけですね。

 さて、この空港施設という会社を見ていきますと、上場会社ですので有報が出ております。この空港施設という会社は、現在、一番直近期で、平成十八年三月末、売上高二百四十一億、経常利益が四十八億、売上高経常利益率が二〇%なんですね。これは非常にすばらしい会社ですよ。過年度を見ましても、平成十四年の三月も同じようにこれは二一%。独占で事業ができるんですね。しかも、それは航空局が申請受け付けという形で決めているわけです。

 この賃貸業以外にも、先ほど申し上げたように事業があります。給排水事業というのがあるんです。給排水事業というのを見てみました。16をごらんください。

 これは羽田の水道費なんですが、羽田空港の敷地の横までは東京都が、水道、来ていますよ。そして、そこから空港の施設になるので、東京都はノータッチです。上下水道料金というのがありますが、これは東京都が提供している金額です。そこに、国有財産の使用料、これがかかる。これもむべなるかなかもしれません。税金をかけて空港を整備しているわけですから、そこの使用料ということを、これを取るというのはむべなるかな。

 しかし、その上をごらんください、維持管理費というのがございますね。これで、一番右の欄をごらんいただくと、維持管理費だけで、人件費からずっと修理費、水道光熱費云々かんぬんありますが、これはつまり空港施設の、かかっているお金なんですよ。維持管理費で一番右の欄をごらんいただくと、三百四十三円、水道料金にこれだけ上乗せされているんです。この三百四十三円分の維持管理費と呼ばれる金額、これは空港施設が必要だと称している金額ですが、これが約五億、つまり、空港施設がこの事業をやる上にかかるので必要なんですということで、五億が水道料金に上乗せされているんですね。

 この五億という金額、先ほど申し上げたように、有報を見ていきますと、これがまさにこの空港施設という会社の事業部門の人件費や、さまざまなここに載っている費目の金額に該当します。経常利益率二〇%ですよ。経常利益率二〇%を維持するためのこれは費用なんですよ。これはおかしくはないですかね。私は、これはびっくりして、こういうことを放置してきたのかなと、これもちょっと調べてみました。17をごらんください。

 やはり国としては、これは問題だなということをきちっと確認されています。予算執行調査、これは平成十五年、ですから、十四年の決算額を見て、ここで指摘しているんですね。この総括調査票の左の欄を見ていただくと、空港施設のことも含めてここに載っているんですが、「一時使用の許可を受けた事業の一部は、空港という極めて集客性の高い土地又は建物を使用して、事業を独占的に運営することが可能」という事業なんですね。だから、こういったところで「空港内の土地・建物等の一時使用許可については、不透明であるとの指摘もある。」ということも「調査の視点」として持っておられて、「調査結果及びその分析」によると、「空港施設(株)についても、売上高経常利益率は二一%」、先ほど申し上げた、これは平成十四年三月の決算期の数字なんです、「二一%である等、高い収益性があると考えられる(上場企業の不動産業の平均は六・九六%)。」これは、もうけさせるためにこういう会社に独占的にやらせているということになりませんか。

 少なくとも、これは財務省は指摘しているんです。財務省がこういう指摘をした上で、お手元には添付しておりませんが、「今後の改善点」として、反映状況票の中には「空港土地等に係る使用許可には透明性が求められる」、透明性だけではないですよ。これはおかしいですよ。二一%もの経常利益が計上できるような費用をそのまま、要は丸のみで、これは料金として、費用として認めているわけです。何か変だなと思いました。

 さて、そこで、この空港施設という会社にどういう方がおられるのかということをちょっと調べてみたんですが、お尋ねします。この空港施設に行かれている国土交通省出身の方々というのは何名いらっしゃいますか。局長で結構です。

鈴木(久)政府参考人 お答えいたします。

 先生からのお尋ねによりまして過去に提出した資料が18になりますが、過去五カ年間において在籍しておりました者を累計いたしますと、この九名でございます。ただ、現時点におきまして、この空港施設の常勤の役員、十九名おりますが、そのうちの国土交通省出身者は三名でございます。

馬淵委員 お手元の資料18をごらんください。これが「空港施設(株)に就職時又は平成十三年七月時の役職」ということで「届出から確認」とありますが、この届け出の、これしかわからないということなんですね。

 これをごらんいただきますと、海上保安庁長官が最終官職の方が取締役会長で、就職時にこの役職につかれたわけですね。そして、同じく海上保安庁長官、二段目のこの方も社長につかれている。海上保安庁の灯台部長が代取専務、航空局の建設課長が専務取締役、鉄道監督局長が取締役相談役、事務次官が監査役、そして運輸審議官が社外取締役であり、航空局長が常務取締役であり、交通局長が顧問ということであります。まあ見事にきれいなんです。

 こうした状況、これは今お手元に18でつけていますが、では、現在どうなのかということで、これはお配りをしておりませんけれども、例えばこの一番下の交通局長は今代表取締役社長につかれています。そして、二番目の代表取締役社長だった海上保安庁長官の方は今代表取締役会長につかれています。専務でおられた方やあるいは取締役の方々は名誉顧問につかれたりとか、さまざまな形でその後もまたかかわっておられるのが読み取れます。

 つまり結局、天下りということが前提でこういう会社が収益を上げる仕組みの中で、今日やはり温存されているんじゃないんでしょうか。この実態を見れば、私はどう考えても空港施設という会社、上場会社ではありますが、天下りのために今日まで永続的に設置されてきた、あるいはそれを見過ごしてきたということにほかならないんじゃないんでしょうか。

 副大臣、いかがですか。こうした状況を、今国民の皆さんがこれを聞いたら何ということだと驚かれると思うんですが、いかがですか、副大臣。

望月副大臣 お答えいたします。

 職員の再就職につきましては、権限、予算等を背景とした押しつけ的な再就職、これはあってはならないと考えております。また、国民からあらぬ疑念を受けるような状況は決して好ましくない、このように考えております。

 しかしながら、一般的にはその培った知識だとか経験を生かすことが社会的に有用な場合があるものと考えております。なお、今後の再就職の規制のあり方については、公務員制度改革の一環といたしまして、国家公務員法改正案として提出されたものと承知をしております。

 当省といたしましても、国会での審議も踏まえ適切に対応してまいりたい、このように思っております。

馬淵委員 いや、副大臣、今もう法案を出しているからという話じゃないんですよ。これはあなたの所管ですよ。あなたの所管のこの空港施設という会社が予算執行調査でも指摘されているんですよ、こんな高い経常利益率はおかしいだろうと。指摘をされているにもかかわらず、まだ現行二〇%ですよ。しかも、水道費用は今申し上げたように、その二〇%を維持するための人件費やさまざまな費目が乗って構成されているんですよ。それは一体どこに負担が行くんですか。

 普通に考えてください。この負担は格納庫を借りているエアラインが負担をしているのではありませんよ。つまり、このコスト分は乗客である国民なんですよ。皆さん方が天下りの会社を温存して、しかも高い経常利益率を温存させるような仕組みを今日まで営々と残しておいて、そのコスト負担は結局国民じゃないですか。エアラインを利用される一般の乗客じゃないですか。これはどうですかとお聞きしているんですよ。

 副大臣、こうした状況を財務省も指摘していますよ。私の指摘だけじゃないですよ。財務省も指摘していますよ。いかがですか。副大臣と言っていますよ。

望月副大臣 先ほどからお話をさせていただいておりますけれども、あらぬ疑念を受けないような、状況は決して好ましくありません。ですから、それについては、今後皆さんの審議をしっかりしていただく中で、その問題について適切に対応してまいりたい、このように思います。

馬淵委員 いや、副大臣、これはあるじゃないですか。私の指摘だけじゃないと言っているんですよ。財務省も指摘しているんですよ。高い経常利益率、これはおかしいだろうと。

 では、これはなぜ見直さないんですか。副大臣、これは見直すような御意思はないんですか。こういう状況を副大臣は好ましい、適切だとお考えなんですか。いかがですか。副大臣に聞いています。

鈴木(久)政府参考人 ちょっと事実関係だけお答えさせていただきますが、各空港でエアラインが自分で格納庫を建てることも通例十分あるわけでございます。ただ、エアラインは高い機材とかたくさん調達しなきゃいけませんもので、資金繰りに困ったりする場合に、この空港施設にかわりに建ててもらうということであるわけであります。

 その際に、空港施設は大変信用力の高い会社でありますので、かなり低利の資金調達ができますので、そういう形で高い利益率を上げているということでありまして、水道につきましては、利益率は四%程度でございます。

望月副大臣 今状況について説明をいただいたわけでありますけれども、内容については、やはり経営状況がよくて自分で格納庫がしっかり建てられる、そういうような会社は自分で建てるというようなことも聞いておりますし、また、建物を建てるのに金利等が高くてなかなか一気にできない、そういう場合にはこういう会社に、金利の安い資金で建てて、それを借りるというような状況も聞いております。

 それから、先ほどの水道料金につきましても、大体四%の上乗せ分ぐらいの適正な値段を考えてやっているというような報告も聞いております。

馬淵委員 私が先ほど来確認をしているのは、こうした状況で国民の皆さん方が納得できないんじゃないですかと申し上げているわけです。

 水道について先ほど局長の方から、利益についてはというお話がありました。これは、だから申し上げているように、空港施設が利益として取るというのはその数字で出していますよ。しかし、人件費等々コストだとして出している数字がそのまま乗せられていますよと私は申し上げているんです。こうした料金で現行水道料金が非常に高い状況で使われてしまっている。空港施設の全体の利益二〇%を確保していくためのコストが丸々乗せられている状態ですよと申し上げているわけです。今お話を伺っても、こうした事情に対しては何ら対応をお考えではないようであります。

 しかも、お手元の資料、最後の資料をごらんください。最後につけた資料は、私が要求をしたこうした天下りの実態についてさらに過年度にさかのぼってお出しいただけないのか、こう求めたところ、文書管理規則によって保存期間が五年、あるいは役職以外については保存期間が三年ということで、もうありませんという回答しかないんですね。

 つまり、先ほど申し上げたような天下りの実態、これは昭和四十五年からでいうと、どれだけのことが起きているかというのは把握できていないんですよ。いや、むしろわかっていても、こんなことはもうほおかむりしたいのかもしれません。

 さて、きょうは、時間が余りありませんが、林副大臣にもお越しをいただきました。

 私どもは天下り根絶法案を提出しております。この天下り根絶法案では、こうしたような形で、天下り会社が、天下り先がどういう状況かを現行わからないようにしてしまうような公表の仕組みなんです。政府の天下りバンク創設法案の中では、こうした管理職の就職状況の届け出公表を二年としています。しかし私どもは、だからこそ、こうした届け出公表というのは十年という長きにわたって行われなければならない、透明性を図るべきだ、このように我々の法案の中で主張しています。

 副大臣、これは来週にも議論が始まると私は期待をしているわけでありますが、この天下り禁止法案についてはしっかりとした議論を国会でさせていただたきたいと思っているんですが、きょうの朝の新聞を見ますと、残念ながら、今国会成立見送り、天下りバンク法案と出ていますが、この辺は私も国会の運営のことはわかりませんが、副大臣、今申し上げたように、こういう実態を見ると、公表、公開というのは長きにわたらなきゃならぬということをお感じじゃないですか。

 しかも、今国会成立見送りかどうかこれはわかりませんが、そうした状況で、鳴り物入りの、安倍政権が提出しているこの天下りバンク創設法案、果たして国民の皆さんの理解を得られるのでしょうか。私ども、正々堂々と議論に付していきたいと思っておりますが、副大臣、もう時間がありません、最後ですが、一言御意見をいただきたいと思います。

林副大臣 御指名いただきまして、ありがとうございました。

 今おっしゃったような、ちょっと聞いておりましたけれども、私も党で特別会計の改革に携わっておりまして、このこと、少し記憶がございまして、余りに安い賃料でやっているところを、もう少し市場価格に見合った賃料を取るようにというようなことをやった覚えがございましたが、今御指摘のあった御事例から引いてきますと、まず、御答弁があったように、十九人中三人である、これをどう見るのかということもありますし、それから、我々が言っている再就職というのは、一回どこかほかのところへ行かれてから行くのと最初に行くところをちょっと区別しておるところがございますので、今御議論のあったところがどういうふうになっているのかというところもかかわってくる問題だと思います。

 いずれにいたしましても、我々が考えておりますのは、政府案にもなっておりますけれども、官民の闊達な交流の促進ということも非常に重要だと考えておるわけでございまして、先ほど望月副大臣から御答弁があったように、能力を生かしていろいろなところでやってもらう、また、自由に民間からも官の方に入ってきてもらう、このことが一つ大事なことだというふうに我々の方は考えておるところでございます。

 守るべき法益は公正な行政、今委員から何度も御指摘があったことでございます。それは、今の仕組みそのものですね、国土交通省のやっておられるようなものと、それから情報の公開等相まってやっていかなければいけないと思っていますので、我々の案はそれを両立するような形で御提案をさせていただいた、そういうことでございますので、審議が始まりましたらいろいろな御議論をさせていただければ、こういうふうに思っておるところでございます。

馬淵委員 ぜひ、今国会成立見送りなどと言わずに、しっかりとした議論を国会でさせていただきたいと思います。また、国交省におかれましては、この問題、望月副大臣、ぜひ真摯に受けとめていただいて、見直しを図っていただくように強く求め、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

仙谷委員長 次に、田嶋要君。

田嶋(要)委員 民主党の田嶋要です。よろしくお願いいたします。

 きょうは、独立行政法人に関しての質問をさせていただきます。

 今も、お話、いろいろ質疑のやりとりを聞いていまして、きょうは経産大臣にお越しいただいて、よろしくお願いいたします。総論と各論、質問させていただきますが、私もいろいろと調べておりまして、いずこも同じという感じで、どこまで調べても同じような話ばかり出てくるなという感じをすごく持ちまして、やるせなくなってくるというのが正直なところでございますが、こういうタイミングで、たまたまきのう、民間議員からの経済財政諮問会議の提案というんですか、こういうものが出てまいりました。昨日夜七時半に関連の資料をちょうだいしたわけでございますけれども、まず、この提案、新聞記事でしか情報がございませんけれども、これが今どういうようなものとして扱われておるのか、そのことに関しまして、きのうのきょうでございますので、御説明をいただきたいと思います。これは担当としては岡下政務官になるんでしょうか。よろしくお願いいたします。

    〔委員長退席、古川(元)委員長代理着席〕

岡下大臣政務官 今お問いのありました経済財政諮問会議の民間からのお話でございますけれども、独立行政法人については、これまでも中期目標期間終了時に定期的に見直しを行ってきているところでございますが、後の世代にツケを回さないように、徹底した効率化と合理化を図るために一層厳格な見直しを行っていくことが不可欠でございます。

 この独立行政法人の見直しについて、昨日、経済財政諮問会議において民間議員から、「政府のユーザーたる国民の視点に立って、政府本体との役割分担、業務の存続、民営化の可否まで踏み込んだ改革を行うことが必要である。」ということを言われまして、中略いたしますが、百一全法人を見直し、「年内を目途に「独立行政法人整理合理化計画」を策定していただきたい。」との要請がございましたところでありますが、これは大変重い課題でございますので、最大限力を尽くしていきたい、大臣がそのように決意をしているところでございます。

田嶋(要)委員 今おっしゃったように、もともと定期的な見直しをするということが中期目標、中期計画としてそれぞれの今ある百一の独立行政法人、位置づけられておるわけですが、今の御答弁ですと、そういたしますと、この民間議員の方々から出された提案というのは、そもそも、そういった予定されていた見直しとは別に、どちらかというと緊急的に出されたものである、そういう理解でよろしゅうございますか。

岡下大臣政務官 委員のおっしゃるとおりでございまして、これはこれから大変重い課題でございますので、しっかりと最大限努力を、力を尽くしていくという決意でございます。

田嶋(要)委員 余り質問に答えていただいていない感じもしますが、要するに、計画されていたものではなくて、突然というか、緊急的に出されているということですね。

 この中身を拝見しますと、私が、あるいは私たちが言いたいことが割かしカバーされている部分もあるわけですが、「原点に立ち返って」という言葉を繰り返し使われ、あるいは「ゼロベースから」、そういったようなことを強調されておるわけですね。ということは、もともと独法制度ができ、特殊法人改革、看板のかけかえ、そういった中で今日までやってきましたが、やはり、改革あるいは見直しの姿勢が非常に生ぬるい、このままではいけないという危機感が大変強くなっているのではないか、私はそういう印象を受けておるわけでございます。

 ぜひ、今も馬淵委員もいろいろとございましたけれども、今の状況じゃ本当にまずいというのは私も同じ感じを持っていまして、先ほど、国民からあらぬ疑念を持たれてはいけないということなんですけれども、これはあらぬ疑念のないところがないんじゃないかと私は思うんですよ。国民みんな、最近もう驚かない。いつも同じ、パターン化されちゃっているんですね。だから、そこのところを、きょう、いろいろな大臣、副大臣お見えでございますが、ぜひとももう一度初心に返ってやっていただきたいというふうに思うんです。

 それで、いろいろ調べておりますと、やはりこれはさまざまつながっておりまして、きょうは私は独立行政法人に関してやらせていただきますけれども、独立行政法人を見ていくと、必ずその向こうに公益法人の話が出てくるんですね。公益法人というのは、数が大変多い。その中でも、きょう私も財団法人の一社を取り上げさせていただきますが、そして、さらにその向こうに、聞いたことのないいろいろな株式会社が出てくるわけでございます。

 これからの改革、決意を今政務官からおっしゃっていただきましたが、ぜひともそういった、公務員制度改革の次が独法改革だと新聞には書いていますけれども、それ、全然足りないんですね。入り口なんですね。ようやくという感じなんです。こういうものが出ただけでも結構ですけれども、しかし、やみは本当に深い。本当に、まだ今入り口に立っただけ、そういう感じです。ですから、ぜひこれから独法改革も、もう一度ゼロベースからということでしたら、独法だけ見ていても全然だめなんですね。今申し上げた財団、そしてさらに聞いたことのない会社、大体がサイズが小さい会社です。そういう会社で、あるいは無数の財団、そこも一緒にして改革をしていただきたいというふうに思っております。

 それから、もう一つ指摘をしたいのは、国の独法だけじゃないわけですね。地方に大変多くの独法があるわけでございまして、恐らく、これは構図は似たようなものではないかな。地方の独法ですから、きょうは質問はいたしませんけれども、やはり、そういう意味でも、これから国がやっていく独法改革と並行して、本来は、自治体でも独法改革を行っていく必要があるということを私は強調させていただきたいというふうに思います。

 それからもう一点、こういった緊急提言が出てまいりました。そういう中で、評価委員会、いわゆるPDCAですか、評価をしていくという仕組みが特殊法人から独法制度に変わってビルトインされているということが独法制度のメリットとして強調されておるわけでございますけれども、一体これはどうなのかなというふうに私は疑念を持っております。

 つまり、こういったものが緊急提言として出されてくるということは、やはりルーチンのように、内部監査的に行われてきた評価委員会による評価、これは、残念ながら、問題をあぶり出しているというような役割を十分果たしていないんではないかなというふうに私は考えておりますが、その点に関して御意見をいただきたいというふうに思います。

大野副大臣 独立行政法人制度におきましては、各独立行政法人の業務実績につきまして、毎年度、外部の有識者から成る評価委員会が主体となって評価を行うことになっております。そして、中期目標期間終了時には、評価委員会の指摘を踏まえて、主務大臣が組織そして業務全般の見直しを行う仕組みとなっておりますことは御案内のとおりでございます。

 具体的には、各府省の独立行政法人評価委員会と総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会によりますところの重層的なチェック体制が整備されておりまして、独立行政法人評価の仕組みにつきましては、政府全体として評価の厳格性を担保できるものになっていると認識はいたしております。

 御指摘のように、各府省の評価委員会により評価が十分でないと考えられるような場合でありますれば、政策評価・独立行政法人評価委員会によるダブルチェック等を通じて、評価の適正性が確保されるように図ってまいりたいところでございます。

田嶋(要)委員 仕組みとしては、こうやってダブルチェックということになっておるわけですけれども、やはり身内に甘くなるといいますか、例えば、私たちがいろいろ指摘をさせていただく課題とか、そういうものがそういう評価委員会からは出てこない。チェックをして、結構でございましたという、そういうもののオンパレードなわけですね。だから、本当に形だけの評価になっていやしないか、そういうことを強く心配するわけでございますので、ぜひ、こういった民間議員からの御指摘が出た今回の契機をとらまえて、やはりゼロベース、まさに百一のうち一体本当に幾つ残すのかということをしっかりと考えていただきたい。これは特に内閣府と総務省ということになると思いますが、お願いを申し上げたいというふうに思います。

 続きまして、独立行政法人なんですが、まず確認をさせていただきたいんです。特殊法人等が独法に移行して、企業会計原則、そういうことで採用して、できるだけ民間の経営手法を取り入れているというわけですけれども、そういったことで、これはあくまで位置づけとしては公法人である、そういうことでよろしゅうございますね、副大臣。

大野副大臣 御案内のように、独立行政法人につきましては、公共性の高い事務事業のうちで、国が直接実施する必要はないが、民間の主体にゆだねると実施されないおそれのあるものを効率的に行うために設立をされているわけでありまして、この独立行政法人制度では、その業務の公共性を前提として、業務の効率性あるいはまた質の向上を図るために、御指摘のように、企業会計原則を基本とした会計処理や会計監査法人による監査の仕組みを導入するなどいたしまして、企業的経営手法による事務、財務運営を取り入れているところでございます。

田嶋(要)委員 あくまで位置づけは公法人ということで、民間ではどうしてもやれない場合に独立行政法人で行うということでございます。しかし、企業経営あるいは企業会計原則を取り入れて、なるべくそういった民間手法に近づけていこうという姿勢であるかと思います。そのあらわれとして人件費等の経費削減ということがうたわれておるわけです。

 そこで、お伺いいたしますが、こういった独法の人件費削減の取り組み、これは法的には、どういう根拠がどこにございますでしょうか。

岡下大臣政務官 今の御質問に対してお答えいたします。

 独立行政法人の人件費削減については、昨年六月に成立しました行政改革推進法において、その役員及び職員に係る人件費の総額について、平成十八年度以降の五年間で、平成十七年度における額からその五%に相当する額以上を削減することを基本とする旨規定されておりまして、現在、各独立行政法人においてその着実な実施が図られているところでございます。

 そしてまた、これは今お尋ねになりました、独立行政法人の物件費を含む一般管理費それから事業費については、独立行政法人通則法において、中期計画に業務運営の効率化を図るための措置を定めることとされていることを受けまして、各独立行政法人が具体的な一般管理費、事業費の削減目標を定めて、その徹底した削減を進めているところでございます。

田嶋(要)委員 今そういう御答弁をいただきました。

 昨日民間議員さんから出た御提案とセットで、菅大臣の方からも、総務相として、さらに改革を加速していく、そういう資料も提出をされておるようでございますね。これもセットで私のところにきのうの夜八時ぐらいに届きましたので、その中を見ても、一番最初に挙げている独法のこれまでの成果、あるいは今後の重点ということで、やはり人件費の削減ということがうたわれておるわけでございます。しかしながら今、きのうちょっと事前にお話しさせていただいたので、岡下先生が物件費のことも触れられておるわけでございますけれども、物件費のことがなかなかポイントなんですね。

 何を申し上げたいかというと、先ほど申し上げた独立行政法人だけを見ていると、人件費、一人当たりの水準ですね、退職金とか給与の水準、それから何人という人数の話、その組織の人件費の問題ということになってくるわけですが、しかし、この後、私も具体的に触れたいと思うんですけれども、これがその独法の外の団体との契約行為になりますと、実はその人件費が物件費に化けるということですね。

 だから、結局は、もし天下りとかOBが違う団体にいた場合に、自分の独立行政法人の人件費の削減は目標にしっかりと到達をしていても、残念ながら、外に出ていった団体との物件費の契約によって同じようなコストが出ていく、大きな経費が出ていく、そういう仕組みが起きている可能性が十分にあるということだと私は思います。これは後ほど触れさせていただきたいというふうに思います。

 それと、今人件費の話をさせていただきましたが、先ほど申し上げた独立行政法人とやはりセットにして改革をしなきゃいけない、見ていかなきゃいけない財団法人を含む公益法人でございますが、その役員の比率ということに関して、ちょっとお伺いをさせていただきたいというふうに思います。独立行政法人の役員の比率というのはどういうふうになっておりますか。

大野副大臣 独立行政法人と国所管の財団法人のそれぞれの役員比率のお尋ねでございますが、独立行政法人につきましては、平成十九年一月一日現在の常勤役員数は五百九人、常勤職員数は十三万二千百五十五人となっておりまして、常勤職員数に対する常勤役員の比率は〇・四%となっております。

 そして一方で、国所管の財団法人につきましては、今委員から資料が配付されておりますが、この資料は、実は複数省庁のダブルカウントがございますものですから、私どもが承知している数字からいいますれば、平成十七年十月一日現在の常勤役員数は四千八百七十四人であります。そして、常勤職員数は十二万七十六人となっておりまして、常勤職員数に対する常勤役員の比率は四・一%、こうなっているところであります。

    〔古川(元)委員長代理退席、委員長着席〕

田嶋(要)委員 若干の集計の違いはあるかと思うんですけれども、私が申し上げたい点は、先ほど独法改革をゼロベースからということでございますが、独法は、今副大臣おっしゃったように、役員の数と職員の数の比率が大体四対千ですね。要するに、千人の職員がいるのに対して役員ポストが四つなわけです。

 ところが、財団法人になりますと、およそ十倍。つまり、百人の職員に対して役員のポストが四つある。要するに、十倍役員ポストが多いということなんですよ。

 つまり、何を申し上げたいかというと、独立行政法人の人件費削減ということだけに着目をして、改革が進んだ進んだというふうに言っても、実は、さらにそこから財団法人に行く、そちらの方で役員ポストに、先ほども御指摘があったさまざまな天下りのOBの方がおいでになる。したがって、それを全体をセットにして見ていかないと、結局は、こういうふうに財団法人のところに一番の大きなポイントがあるということが見えてくるわけでございます。

 大臣、この猪瀬さんの「日本国の研究」という本を読まれたことはございますか。ございますか。副大臣はございますか。

 これは、かなり古い、十年前に書かれた本ですね。これを私もサラリーマン時代に読みましていろいろと驚いたわけでございますが、今、地方分権改革の委員をやっておられる猪瀬さんでございますが、その中にこういうくだりがあるわけですね。

 これは「迷路の世界」ということでございますけれども、「公益法人のなかでも法律の規定がいちばんゆるいのが社団法人、財団法人である。オウム真理教では宗教法人、厚生省の贈収賄事件では社会福祉法人が舞台となった。だがいずれ社団法人、財団法人が主役になると断言できる。とりわけ財団法人が問題である。」というふうに書いてあるわけですね。あるいは、違うところで、ちょっとページが見つかりませんけれども、霞が関だけ見ていてはだめだ、ポイントは虎ノ門にある、そういうことも猪瀬さんがおっしゃっているわけでございます。

 もう十年前から指摘されて、昔から全然変わっていないわけでございますけれども、ようやくその問題を表に出していく、そういう意味では第一歩に来た、本当にそういう実感を持っております。

 いずれにいたしましても、今申し上げた財団法人の分も含めて、ぜひ独立行政法人の人件費ということを見ていただきたいというふうに考えております。

 それで、関連でございますけれども、独立行政法人の長の公募制ということに関して私は質問させていただきたいというふうに思います。

 先ほど、形としては公法人であるけれども、民間の企業、形に少しでも近づいていくということをおっしゃっておりました。しかしながら、現在の独法のトップの状況を見ますと、これは、ほとんどすべてが天下りではないかなという印象を受けるわけでございます。

 この独法は、イギリスのエージェンシーの制度を採用、導入した、参考にしたということでお伺いをしておりますけれども、イギリスにおいては、独法制度というのに、エージェンシー制度に関しましては、これは公募制ということを導入しているんでしょうか。

大野副大臣 今御指摘のイギリスの場合でございますが、イギリスにおきましては公募制を導入いたしております。

田嶋(要)委員 公募の数字というのはございますか。どのぐらいの、全体で幾つの独法があり、幾つの独法で、エージェンシーで公募制が採用されている、そういう数字はございますか。

大野副大臣 イギリスの場合には、百三十八のエージェンシーがあるわけでございますが、その中で、九十二が公募によりまして任命されているところでございます。

田嶋(要)委員 その結果として、民間からトップに抜てきをされた、そういうケースは全体で幾つございますか。

大野副大臣 民間からかどうかというのは、こちらは定かではないんですが、外部から登用されたエージェンシーが三十一ございます。

田嶋(要)委員 今のお話ですと、全体の中でおよそ四分の一、二五%程度がそういう意味では外部登用のトップになっているというふうに私は計算をいたしますけれども。

 そこで、お伺いしますが、日本の独立行政法人は、同じようなことは今の法律上はできるんでしょうか。

大野副大臣 法人の長の人選に当たりましては、その方法のいかんを問わず、適材適所の観点から人材を登用されるものと認識しておりますが、法人の長の人選方法として公募を採用することは、主務大臣の判断で可能でございます。

田嶋(要)委員 通則法を見ましても、そういったことが可能であるというふうに私も理解をいたしておりますけれども、実際に、そういった公募によって法人の長を選んでいるケースというのはございますか。

大野副大臣 現状におきましては、公募を採用している法人はございません。

田嶋(要)委員 イギリスに倣って始まった制度でございますが、残念ながら、独立のそういう法人として始まった日本の場合には、独法のトップは、一〇〇%とは申しませんけれども、かなりのところが結局は天下りの役人になっているという実態が私はあると思います。

 しかしながら、独法がなぜ独法として誕生したかということを考えると、冒頭お話しいただいた、できるだけ民間のというふうに近づけていく、そういう姿勢があるということでございますし、やはり通則法の文言からしても、これは、できるだけそういう民間の経営手法を持った方をふやしていくということが私はこれから非常に重要になってくると思います。

 これは、具体的には民間議員の方々からの御提言には書いていなかったですかね、トップ人事への公募制を導入すべきではないかというふうな書き方がなされておるわけでございますけれども、まさに今トップの登用に関しても随意契約のような形が行われている、そういう状況があると思うんですね。

 ぜひ副大臣の方から、この点に関して今後どのような方向性をお考えになっておられるか、その御答弁をいただきたいと思います。

大野副大臣 法人の長についてでございますが、人選に当たりまして、官民の出身者を、いずれかに偏ることなく、バランスよく適材適所に登用するということだと思いますが、今、公務員OBを二分の一以下にすることを目標といたしまして、各府省を通じて法人を指導しているということを承知しております。

田嶋(要)委員 今おっしゃられたその資料もちょうだいいたしまして、中身を見させていただきましたけれども、いろいろな例外を置いて、公務員OBが余りいないということがなるべく強調されるような集計結果になっているわけでございます。そうじゃなくて、先ほどもありました、やはり国民の目から見てそうじゃいけないだろうという実態が今あるわけでございますから、そこのところは、そもそも独法はどういう法人なのだということを考えて、ぜひイギリスのような状況に近づけていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。

 これは、同様なことが役員全体にも言えるわけですね。独法の役員というのはほとんど公務員の方々で占められておりまして、そこも非常に採用基準が不透明な印象がいたします。いわゆる随意契約が人に関しても行われているということだと思うんですね。そこをぜひ改革を進めていただきたい、仮に独法として残していく場合の話ですけれども。ということで、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、具体的な経産の所管の独法に関しまして質問をさせていただきたいと思います。

 一番最初は、ジェトロに関してお伺いをいたします。

 ジェトロは大きい独法でございますけれども、その中に、私どもがやった予備的調査の資料を見ておるわけでございますが、いろいろなところとの契約の年間の契約額のトップテンというのがずらっと並んでおるわけですね。

 その中で一つお伺いしたいのは、株式会社ジェービスという会社があるわけでございます。ちょっと資料をお配りしていなくて申しわけないんですが、私どもが集めた情報によりますと、毎年トップテンには入ってきている会社でございますが、これが、先ほど私も申し上げた、聞いたことのない会社の一つなわけでございます、少なくとも私にとりましては。

 この株式会社ジェービスという会社に一体どういう契約行為をされておるんでしょうか。

山本(幸)副大臣 ジェトロが株式会社ジェービスに対して基本的に一番大きいのは、労働者の派遣契約でございます。

田嶋(要)委員 この労働者の派遣契約というのは、どのぐらい随意契約で行われていますか。

山本(幸)副大臣 ジェービスに対しまして、労働者派遣契約の件数は平成十七年度九件でございまして、支出金額は一億七千三百四十万五千円ということでありまして、随意契約でやっております。

田嶋(要)委員 一〇〇%随意契約ということでよろしいですか。

山本(幸)副大臣 ジェービスに対する派遣契約はそういうことでございます。

田嶋(要)委員 私は、この会社がどういう会社か知らないんですね。それで調べてみたんです。そうしたら、何が出てきたか。何が出てきたと思いますか、大臣。このジェービスを調べると、何にも出てこないんですよ。どういう意味だかわかりますか、大臣。

山本(幸)副大臣 このジェービスは非上場の企業でありますので、役員等の氏名等は出ていないということで、これは非上場会社……(田嶋(要)委員「ちょっと聞こえないです」と呼ぶ)非上場の会社でありますので、そうした情報は出てこないということになります。

田嶋(要)委員 ホームページも持っていないんですか。

山本(幸)副大臣 ちょっとそこまでは知りませんが、非上場であるということで、出ていないというふうに存じております。

田嶋(要)委員 非上場は承知をしておるんですけれども、私の理解は、国が随意契約をするということは、やはりそれは相手もちゃんと信用の置ける会社じゃないとだめなんじゃないかなというふうに私は思うんですね。契約する側が国ですからね。だから、国民の税金でお金を払っていく相手方だから、IBMとかそれこそソニーとか、そういうだれでも知っている会社だったら私も一向に構わないんですが、聞いたことのない会社で、ホームページがあるかないか御存じないとおっしゃいますけれども、今や、大体まず、確認するときは検索でジェービスと入れて、一体どういう会社か探すわけですよ。これは非上場でも上場でも、ホームページはみんな持っているわけです、大体の会社が。だから、私はそこにどうもひっかかりを感じるわけでございますが、このジェービスとはいつから契約行為をされているんですか。

山本(幸)副大臣 ちょっとその点は、事務局に聞きましたけれども、いつからかというのははっきり確認できてはいないというふうに聞いております。

田嶋(要)委員 私どものいただいている資料としては、平成十五年からの資料で、ジェトロにとりましては六番目に大きな取引相手ですね。それで、一億三千万円の発注を一〇〇%随意契約で行っている。翌年も二億二千万円行っている。平成十七年は二億一千万円ということで、最近さらに数字が少し上がっているという情報もいただきましたけれども、割と安定した形で契約を行われておるわけでございます。

 それでは、ちょっと違う質問をしますが、どうして随意契約になるんですか。

山本(幸)副大臣 当然、ジェトロはその会社の中身等については調べてやっているわけでありまして、労働者派遣契約をする場合には、要するに、ジェトロが求める基本的な国とか地域について専門的な知見を持っているか、あるいは、ジェトロでやる場合に、万博の運営というのがありますので、そういうことについてのノウハウがあるか、そういう、ある意味で特殊の専門性というのを重視して見るわけであります。

 したがって、別にこのジェービスだけではなくて、複数の派遣会社にそうした能力があるかどうかということの資料あるいは見積もりの提出を依頼いたしまして、その中で、一番その時点においてジェトロが求めている人材ということを有しているということで総合的に評価して、決定して、随意契約をするということであります。

 ただ、当然、昨今の独立行政法人におきます随意契約の適正化に関する要請というのがございますので、現在も、これからできるだけ競争的な契約方式にどこまで移行できるかということは考えておりまして、将来的には指名競争入札ということも視野に入れているわけであります。

田嶋(要)委員 ということは、一番最初の契約がいつかはちょっとわからないというお話ですが、これは最初は競争入札をかけてここに落ちたということですか。

山本(幸)副大臣 競争入札ということではありませんけれども、選択するときに、こういう人材、能力を有している人が要りますよというようなことで資料の提出を求めます、あるいは見積もりの提出も求めます。その中で、こちらが一番適当だろうというふうに判断して随意契約をしてきたということでございます。

田嶋(要)委員 だから、私はそこがどうもよくわからないんですね。例えば、自分で何か事業をしている、まあ今でもそうですよ、何かのサービスが欲しいとなると、どうやってそのサービスを提供できる会社を探すか。検索でキーワードを入れて、ざっと出てきて、そうすると、それまでは見たことも聞いたこともないような小さな会社だとしても、自分の地域にこういう会社がある、よさそうだと思えば、連絡をとって見積もりをもらうとかそういうこともできるんですけれども、私が一生懸命事務所で努力をしても、このジェービスという会社の情報が出てこないんですよ。全然出てこない。

 これは、私も含めて国民がどうアクセスしても出てこない会社をどうやってジェトロさんは見つけたんですか。

山本(幸)副大臣 これは私、事務方とこの勉強をしているときに聞いた話でありますけれども、もともとは、このジェービスという会社ができたのは、ジェトロにいた人が定年等で退職されまして、そして、ただ、それぞれやはり特殊でありますけれども、例えばいろいろな後進国の分野についてノウハウを持っている、そういう人たちが、退職後だけれども、そういうノウハウを使えるような仕事をやろうじゃないかということで、OBが数人で集まってこの会社をつくりました。そうしたことから始まったということで、その意味では、ジェトロの方も、もともとそういうOBだったし、退職したんだけれども、そういうノウハウがあるということで始まったというように聞いておるところであります。

田嶋(要)委員 まさに公務員が公務員じゃなくなって会社を起こすというのは、それ自体はいいことだと私は思うんですね。今後、ますますそういう国家公務員がふえることを期待したいんですけれども。

 だから、ジェトロにとってはよく知られた会社だった、そういうことだと思うんですね。国民にはだれも知らない会社でも、ジェトロには大変よく知られた会社であるということで、大先輩が社長をやり、先輩が副社長をやりとか、そういう形になっているんじゃないかなと思うわけですが。

 しかし、やはり問題は、ジェトロのような大組織の発注するトップテンに常にランクインしているということが、なおかつ、それが全部競争入札にかけられないというのは、先ほどの馬淵委員のお話と一緒で、すべての国民が何でと思うんじゃないでしょうかね。あらぬ疑念をかけられぬようにしたいという、言葉だけはありますけれども、あらぬ疑念が存在しないところはないと思うんですよ。

 だから、本当にこれ、どこのページをひっくり返しても同じような話ばかりですよ。だから、だんだん飽きてきているような気もするんですけれども、具体例の方がやはり説得力があるので、私も取り上げさせていただいていますけれども。

 だから、退職OBがいろいろ頑張ってやっているから応援してやりたい、その気持ちはわかりますよ、それは。それはどこでもある話です。だけれども、問題は、一〇〇%随意契約で、億単位のお金が毎年そこに行っている。しかも、確かに特殊な、専門的なスキルのノウハウはあるといっても、今私がお伺いしている限り、そこしかできないとはとても思えないんですよ。例えば商社のOBの方とか。どうですか、もう一度お願いします。

山本(幸)副大臣 そういう意味では、ジェトロは別にこの会社だけとやっているわけじゃありませんで、相当数の会社からも派遣をしてもらっているわけであります。そういう意味では、おっしゃるような不透明さをなくすような努力は必要だと思いますので、先ほど申し上げたように、今後、指名競争入札というようなことも視野に入れて考えていくというように聞いております。

田嶋(要)委員 ジェービスの会社の規模、何名の社員とか、会社の規模と、それから、ジェトロからの収入が総収入に占める割合を教えてください。

中富政府参考人 お答えいたします。

 ジェービスの売り上げに占めますジェトロからの収入でございますが、十七年度でございますけれども、営業収入が二億四千万ほどございまして、そのうちジェトロからの取引額が二億一千万ほどと聞いております。

 それから、この会社、会社の形態が変わってきておりますけれども、昨年度におきまして、数名の役員がおりまして、そのほかに社員が派遣職員を含めて約五十名というふうには承知をしております。

田嶋(要)委員 ジェトロで生き延びている株式会社、ジェトロのおかげで生き延びている株式会社ということですね。そういうことですね。すぐれたすばらしい専門性があったら、もっと本来であれば外部からもいっぱい来るような気がしますよ、力をかりたいと。ジェトロだけ力をかりている、そういうことですか。

中富政府参考人 お答えいたします。

 今回答させていただきましたように、取引の中でもジェトロ以外との取引もございますし、また、他の取引を拡大する努力を続けているというふうに聞いております。ただし、ジェトロとの取引の金額につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。

田嶋(要)委員 余り切りがありませんけれども、結局、OBがつくった会社で、そこに余り説得力のある理由なく随意契約をずっと行ってきている。しかも、最初から競争入札が一度もなく、恐らくは、この三年だけじゃなくてずっと、この会社の設立が一九八五年ですから、いつから続いているかわかりませんけれども、こういう行為が続いているということです。

 これはもう一つ、質問通告していなかったんですけれども、もう一つ確認させていただきたいんですが、未払い金とか未収金という話がございますね。これはジェトロも同じなんですね。私どもが集めた情報ですと、未収金、要するに、お金を取引先からもらわなきゃいけないのにまだもらっていない未収金ですね。それと同時に、未払い金、本当だったら払わなきゃいけないけれどもまだ払っていなくてバランスシートに載っかっている数字が未払い金ですね。

 このトップテンというのも見ますと、これまた大変おもしろいなと思うんですよ。つまり、今申し上げた聞いたこともないような会社、例えばジェービス、ほかにもありますよ、貿易振興サービスみたいな、そういうのもあるんですけれども、聞いたことのない会社に関しては、未払い金のトップテンには全然入ってこないんです。わかっていただけますか。

 そして、知名度の高い会社は未払い金のトップテンに入ってくるんですよ。ジェトロさんの場合は、森ビル関係、丸紅、アラビア石油、三井物産、NTTもそうですね、電源開発、九州電力、知名度の高い大きい会社は未払い金が大きいんですね、トップテンね。これは契約額が大きいからじゃないですよね、契約額はさっきのトップテンランキングに出ているわけですから。だけれども、聞いたこともない会社にはしっかり払っているんです。これは短期の資金繰りですよね。いわゆるワーキングキャピタルというか、そういう支援をしているということですよ。だから、こういう構造が本当にすばらしく見てとれる。

 逆に、未収金は経産省なんですよね。第一位は常に経産省なんですけれども、要するに親会社みたいなものですね。

 未払い金の方はそういうことなんです。だから、大会社に対してはなかなか支払わない、ジェトロとして。しかし、聞いたこともない小さな会社は、小さな会社で経営も大変だからということでしょうかね、すぐ払ってあげる。でも、そこにOBがいっぱいいたら、やはり払わないわけにはいかないでしょう。そういうことで、未払い金のトップテンにも全然入ってこない、こういう非常におもしろい特徴が出てきておるわけでございます。

 そこで、経産大臣にお伺いしますが、これは一つの事例です。どこをひっくり返しても多分同じような問題は出てくると思うんですね。さっき申し上げたように、公務員のOBが企業をつくるのはいいと思うんですよ。しかし、先ほどからずっと出ている、あるいは新聞の情報とか、いつでも同じですけれども、一〇〇%随意契約でこういうことが続いておる。今申し上げた短期の資金繰りまで面倒を見ているような形になって、OBがしっかり食っていけるようなサービスが行われているというこの現状をどのようにお感じになりますか。

甘利国務大臣 経産省や大企業に対しての未収金が多い、そうでないところは少ないというのは、もちろんいろいろな要素があるかもしれません。その中には、経営に影響を与えないということもあるのかもしれません。

 それで、随意契約自身は、随意契約をする際にその理由を明示しなければならない。その理由を明示しなければならないことについては、全体としての運用基準についてはルールがあるわけですね。それらについては、第三者といいますか監事がチェックをし、そして評価委員会がチェックをするということになっているわけでありまして、それがどこまで機能しているのかという問題は別途問題意識をお持ちなのかもしれませんが、一応、方式に従ってやっているというふうに思っております。

 もう一点。随意契約に関しましては、私どもは提案競争できる部分はなるべくした方がいいと思っております。ただし、提案競争の結果、受注をした契約も随意に入るわけですね。要するに、価格競争だけで相手を選んだ失敗例というのは随分警告をされておりまして、要するには中身の話だということになっておりますから、そこら辺も加味をするということでありますから、そのルールに従ってきちんと行う、基準に従って行う。それから、随意契約については、中身の質を上げていく、そういう努力は必要だと思っております。

田嶋(要)委員 何も価格だけをチェックポイントとして契約相手を選ぶ、そういうことを私は申し上げているつもりはございません。大臣には改めて言うまでもないですけれども、価格と提供するサービスということでございますが、やはり現状、大変問題が多いというふうに私も思っております。

 これは、独法みたいな話が出てきたときから、小泉前総理なんかも、原則は競争入札であらなきゃいけないということなんですが、これは大臣も同じ御理解ですよね。要するに、これは例外が競争入札ということじゃなくて、原則は全部競争入札で例外的なものは随意契約だ、そういう御理解は経産大臣もお持ちですね。

甘利国務大臣 最終的な契約の結果が、質あるいは量の面で、国民に対してプラスに働くということが基本的な基準だというふうに思っております。量と質の問題だと思います。

田嶋(要)委員 私、一番最初に申しましたけれども、今回、ゼロベースで見直すということを政府も腹を決めていただくわけですが、一つここで御指摘申し上げたいのは、こういった名もない企業、しかし独法にとっては知名度の高い企業との一〇〇%随意契約。なぜそれが、そういう意味では、特例として随意契約であらなければいけないか、理由が書いてあるんですよ。そんな理由は幾らでもつくれるわけですよ。だけれども、本当はどうかということなんですけれども、これは独法になる前の特殊法人のときからつながりがあると、それはそことずっとやっているのがある意味楽なのは私もわかるんです。

 しかし、やはり、ゼロベースというからには、随意契約がまだ世の中の厳しい目で見られるような時代になるよりもずっと前から、当たり前のようにして、OBだからちゃんと商売回そうねというようなことで始まってしまったこういう契約も、途中一たん切って、不便が起きるかもしれないけれども、もう一回ゼロから見直すということが僕は本当に必要だと思うんですよ。これまでのだらだらした延長であれば、やはり楽なのは私もわかるんですよ、毎年同じところと契約して。だけれども、それだと、さっきから話が出ている、李下に冠を正さず、疑われる、何でこんなことを続けているんですかということに私はなると思うんです。

 それで、お配りした資料の二枚目でちょっとお伺いしたいんですけれども、大臣、これを見ていただくと、これは大臣の所管の独法のリストでございますけれども、原則は随意契約じゃなくて競争入札だというふうにおっしゃるんですけれども、原則がやはり随意契約なんですね、実態は。

 それともう一つは、一番下の合計数字を見ていただくとわかるんですけれども、OBがいると随意契約がふえるんですよ、九三・三%。OBがいるところには随意契約がふえているんです。これは契約の件数です。

 二番目に高いのが、これはたまたまかもしれませんけれども、所管独法の評価委員がいるとやはりそれも高い、お世話になりますから。だから評価が甘くなるんですよ。

 だから、この七二%、下にちょっと、正確に言えば、OBとかが全然いないところに対しての契約行為の随意契約率は七一・五%と私は書いていますけれども、これ自体ももちろん問題ですよ、こっちが例外じゃなくて原則になっている。加えて、OBがいればいるほど随意契約がふえている。だから、随意契約、どうしても、仕方がないからやっていますよと幾ら一個一個の事例で説明があっても、それをそのまま信用することはできないんですよ。

 もう一つ、時間がないのでお伺いしますけれども、基盤整備機構の方にも、こっちは財団法人でございますけれども、企業共済協会、こういう財団法人がありまして、これも小さな小さな財団です。毎月三千万円、年間三億六千万円の随意契約、これも一〇〇%随意契約がずっと続いているんです。ホームページを見ますと、なぜ随意契約になるのかという理由は書いてあるんですよ。理由は書いてあるんですが、今申し上げたように、そういう理由を幾ら書いてもだめなんですよ。数字がすべてを語っている。ほかの役所もこれは一緒ですから、基本的な性格は。

 だから、今申し上げた二つの問題、随意契約が例外じゃなくて原則になっている、そしてOBがいればいるほど随意契約率は上がっている。大臣、これはまずいですよね。こういうことをやっているんだったら、独法を全部なくす、そのぐらい考えてやらないとまずいんじゃないですか。どうですか。

甘利国務大臣 先生も民間企業にいらっしゃった、そして海外経験もおありですよね。民間で海外へは御経験ありますか。(田嶋(要)委員「はい」と呼ぶ)

 私も海外に行っていまして、独法の、つまり、政府系の政策執行機関の必要性を痛感して帰ってきました。政府があって、本省があって、あと民間しかないということは、例えば経済交渉や産業政策交渉や資源交渉をする際に相手が信用してくれません。政府の言ったことを執行する部隊があるということは、例えば資源外交上は極めて決定的な力になるということを痛感して帰ってきました。ですから、その必要性は私は極めて強いと思います。

 要は、今御指摘の随意契約が本来か競争契約が本来かと言えば、当然、競争契約が本来であります。そして、随意契約にする際には、その全体としての理由を説明しなければならないという責任は付与されています。それは説明をしているわけでありますし、第三者たる監事やあるいは第三者機関たる評価委員会が評価をしているわけであります。問題はその評価基準がどうかという見直しの議論はあるかと思います。そういう基準に従って行っている。

 それから、OBのいる会社、評価委員のいる会社ほど随意契約率が高いではないかと。それはいわば一つの癒着構造ではないかというお話だと思います。OBがいるということは、そのOBの知見、経験、つまり、ツーと言えばカーで、こっちが意図していることがよく政策的に理解できるという部分もあると思います。ただ、それが一〇〇%かという議論はもちろんあります。評価委員は、これはたしか大どころの企業のOBなんかが多いんじゃないですか、評価委員会の内容は詳細には存じておりませんが。そうしますと、評価委員がいようといまいと、そういう会社がシェアを占めるという効果もあるんだと思っております。

 要は、随意契約の場合でも、中身の、提案の質をしっかりはかるということが大事。つまり、提案競争、その結果も随意契約なんですから、随意契約の中身の質を上げていくということは大事だというふうに思っておりますし、もちろん、競争によって何ら支障がないというところについては当然それが基本だと思っております。

田嶋(要)委員 長い御説明、ありがとうございます。

 いずれにしても、国民は全部疑っています、全部疑っている。税金の無駄遣いばっかりですよ。冒頭申し上げた天下りの話と独法の話と財団法人を含むようなそういう公益法人の世界、これは全部セットなんですよ。

 例えば、最後に申し上げたこの企業共済協会なんというのは、今のジェービスよりももっと小さな会社なんですけれども、いろいろ電話サービスか何かの契約をしております。ほとんど一〇〇%、この中小企業整備機構の、独法からの商売で成り立っている財団ですよ。何でそれを財団としてつくらなきゃいけないかということもあるんですよ。何でだと思いますか。独法の中でやっていけばいい話を、何で独法から別につくるかというと、ポストがふえるからなんですよ。

 さっき申しましたね、冒頭で。千人の職員に対して四人いるのが独法ですよ。それに対して、その十倍いるんです、役員が。天下りというのは、大体基本は役員ポストに行くわけですね。だから、どうしても、下からどんどんどんどん退職した人が来るものだから、次から次へと、独法は二年ぐらいでもう全部退職しなきゃいけない。だから、そうすると、次から次へと財団をつくった結果、今、日本の財団が三千幾つあるわけですね。昔はいとも簡単にできたというじゃないですか、民法の規制しかない。

 そういう中で、これは、冒頭申し上げた独法の人件費だけ見ていても全然だめなんです。契約をした物件費で出ていくお金も、結局、人件費と同じOBの給料に回っているんですから。

 だから、これはオールで見てファミリー企業なんですよ、全部が。それが、まさに政府の委員にもなっておられる猪瀬さんが十何年前におっしゃっていることと同じなんですよ。深いやみなんです。その第一歩なんですね。

 だから、今、きょうは二つしか申し上げることはできませんでしたけれども、やはりこういうのは本当にやめなきゃいけないと私も最後に強調させていただきまして、質問時間を終わりにさせていただきます。

 ありがとうございます。

仙谷委員長 これにて各件についての質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

仙谷委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 平成十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、平成十七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)の各件について採決いたします。

 各件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

仙谷委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

仙谷委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時四十六分開議

仙谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として独立行政法人水資源機構理事長青山俊樹君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官竹澤正明君、内閣府公益認定等委員会事務局長戸塚誠君、総務省大臣官房審議官中田睦君、財務省理財局次長藤岡博君、国税庁徴収部長秦邦昭君、国土交通省大臣官房長竹歳誠君、国土交通省土地・水資源局水資源部長棚橋通雄君及び国土交通省都市・地域整備局長中島正弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

仙谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤池誠章君。

赤池委員 自由民主党の赤池誠章でございます。

 きょうは、決算行政監視委員会で内閣府の政策について質問をさせていただきたいと思います。

 四月の二十九日は、御案内のとおり昭和天皇の誕生日であり、ことしから、多くの方々の尽力によりまして昭和の日に改称をされたところであります。私は、当日、八王子市の多摩御陵入り口にあります陵南公園におきます昭和の日記念式典に参加をさせていただきました。北島三郎さんの国歌斉唱で始まった式典で多くの方々とともにお祝いをさせていただいたところであります。その後、昭和天皇と皇后両陛下が眠る多摩御陵にも参拝をさせていただきました。

 祝日とは何か。御案内のとおり、昭和二十三年に祝日法という法律によりまして、「日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」とあります。

 戦前は、皇室の祭典をいわゆる祭日、国及び国民の恒例としてのお祝いする行事を祝日というふうに分けられており、勅令で定められておりました。戦後は、政令ではなく、国民代表である国会が新たに祝日を決めようということで、先ほど述べました祝日法が制定をされたところであります。

 美しい風習を育てる、国民こぞって祝い、感謝し、または記念する日、安倍内閣の掲げる「美しい国、日本」にとって、現在政府はどのような政策をとられているのか、御教示をお願いいたします。

竹澤政府参考人 御説明を申し上げます。

 祝日、これは大変大事なものでございまして、国民の祝日につきましては、新たに祝日が設けられます都度、新聞広告の掲載などによりまして、政府広報によって周知を図っております。また、日ごろから祝日に関するパンフレットを作成、配布しましたり、ホームページで広報に努めているところでございます。

 特に、平成十七年の祝日法の改正によりまして、ことしの一月一日から施行され、昭和の日が制定されました。これは、激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたすという趣旨でございます。この昭和の日に関しましても、本年一月と四月の二度にわたり、新聞での政府広報、あるいはポスター、それからパンフレット等を全国の小中学校等に配布することによって、一生懸命広報に今努めているところでございます。

赤池委員 私も、内閣府の大臣官房管理室作成の「国民の祝日」というパンフレットを見せていただきました。六万部ほど小中学校を中心に配布をされているということなんですが、残念ながら、この内容を見まして、審議官、ごらんになっていただいているとは思うんですが、祝日法の条文が書いてあるだけで、十五日の祝日が日本は決められているんですが、それぞれ一ページ一項目ずつ、ページの割合にはなっているんですが、残念ながらその内容が、祝日がなぜこの日なのか、いわれ、歴史がほとんど書かれていないという状況であります。

 このパンフレットを、残念ながら、小中学校に六万部、各校二部程度とはいえ配布をしても、審議官が訴えたように、どれほど国民の祝日の重要性、そして十五日あるそれぞれの祝日の意義が周知されているか、甚だ疑問なところではないかというふうに感じております。

 また、ホームページも見せていただきましたが、祝日法の法律があるだけ、官房管理室は元号法それから国旗・国歌法、祝日法を管理しているということでありますが、条文のみの掲載ということで、果たして本当の意味での祝日の意義であったり、そういったものが周知徹底されるのか、その辺が甚だ疑問であります。

 それで、改めて、今後パンフレットの充実、そしてホームページ、また政府広報、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞広告、さまざまな媒体がございます。わざわざ予算をつけずとも、現行の枠の中で工夫をすれば相当周知徹底が図れるというふうに感じておりますが、その点、改めて審議官から御見解をお伺いしたいと思います。

竹澤政府参考人 御説明申し上げます。

 今、先生から御指摘がありましたとおり、現在のホームページとかあるいはパンフレットが果たして一般の国民にとってわかりやすいものになっているかどうかという点につきましては、私ども、まだまだ勉強する余地があるというふうに思っております。

 特に、国民一般にこの趣旨を正確にかつわかりやすく説明するという意味では、単に趣旨の通り一遍の説明というだけではなくて、いろいろな工夫をする余地があると思っておりますので、この点につきましては、日々これに改善を加えるべく、また一方で、正確性をきちっと保ちつつどうやって国民にもっとわかりやすくわかっていただくかという点を日々研究したいというふうに思っております。

 また、予算の方はなかなかきつうございますけれども、先生今御指摘ありましたとおり、いろいろ工夫をすればもっと改善の余地があるという点、この点もよく研究してまいりたいと思います。

赤池委員 ぜひ、引き続き充実をお願いしたいと思うんですが、なぜこういう戦前、戦中の歴史、いわれが書けないのか。その辺、実は、四月二十九日の前日が四月の二十八日であります。祝日にはなっていないんですが、五十五年前、昭和二十七年四月二十八日が、御案内のとおりサンフランシスコ平和条約発効日ということで、六年八カ月に及んだ占領政策が終わって、日本が晴れて主権を回復し、戦後日本の独立記念日であります。

 その日、九段会館で主権回復の四月二十八日を国民の祝日にしようという民間の有志のイベントにも私は参加をさせていただきましたが、残念ながら、GHQの占領政策の中で、戦前、戦中はすべて悪いものということの中で、今回の祝日を含めて、国旗・国歌も含めて、歴史、いわれを書けなくさせているような、そんな思いも感じております。

 新教育基本法において、公共の精神を尊び、伝統を継承して、未来を切り拓くという文言が入りました。その趣旨に沿って、安倍内閣、美しい国づくり日本にとっても、ぜひ改めて元号法、国旗・国歌法そして祝日法を管理する大臣官房管理室としても、広報の充実に努めていただきたいというふうに思います。

 続きまして、きょうは御多用の中、高市大臣にお越しをいただいておりますので、少子化対策についても質問をさせていただきたいというふうに思います。

 現在、少子化対策ということで、政府は相当力を入れて実施をしてきております。成果も出てまいりましたが、何とか少子化傾向に歯どめがかかりつつあるとはいえ、まだまだ厳しい、また施策の充実というのは待ったなしという状況ではないかというふうに思っています。

 そんな中で、少子化対策の中で、もっと積極的に取り組んでよい、しかし欠けている対策があるのではないかということで、以前から気にしている部分があります。それは、結婚支援対策ということであります。

 各種統計を見ると、少子化の原因、さまざまな要因がある中で、やはり未婚化、晩婚化、それに伴う晩産化ということが言われております。国民は、結婚すれば子供は必ず二人以上産みたいというのが希望でもあります。実際、十年以上たった夫婦は子供は二人というのも統計上はっきり出ているわけであります。しかし、実際のところ、現状一・二六、そして、望みたい数字、九割以上の国民が結婚したいということですから、二ではなくて一・七五程度という数字になると思うんですが、この〇・四九のずれをどのように埋めていくか。

 結婚をしたくない方、子供を産みたくない方まで強制は当然できないわけですが、産みたくても産めない、また結婚したくてもできない方をどういう形で支援していくかという、結婚支援対策というのが残念ながら政府の対策に欠けているのではないかということを感じております。

 平成十五年、十六年、こども財団が行った委託事業、地方公共団体等における結婚支援に関する調査研究によりますと、これは市町村合併前なんですが、地方自治体の半数が結婚支援事業を行っていると。結婚支援事業、具体的に言いますと、結婚相談員を置いたり、婚約や結婚にお祝い金を出したり、出会い事業、結婚講座の開催などですが、これらの結婚支援事業、少子化対策として効果があるかという質問に対して、五八・八%の自治体が効果があるというふうに答えております。

 政府は、少子化対策として、結婚支援事業を含めて地方自治体を支援すべきではないかと考えますが、その点を踏まえて、少子化対策について大臣から御見解をお伺いしたいと思います。

高市国務大臣 現在、政府の方では、昨年六月に決定いたしました「新しい少子化対策について」、これに基づきまして、ことしの四月から執行されております予算の中で、四十項目の提案がございましたから、適宜新しい政策も含めて展開をいたしております。

 しかしながら、結婚したいけれどもちゅうちょするとか、子供をすごく欲しいんだけれども、産みたくても産めない、こういうお声があるのも事実だと思います。だからこそ、安倍総理の御指示によりまして、今、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議というものを立ち上げまして、この中で、結婚したいのにできないとか、それから、出産したいんだけれどもちゅうちょするといった、そういった方々の阻害要因になっているものをできるだけ取り除きたい、このための検討を今いたしております。

 あわせて、これまで取り組んできた子ども・子育て応援プランなどを中心に、その評価もしっかり行いながら、やはり重点的に進めるもの、そうでないもの、こういったものの点検も今いたしております。

 さて、そんな中で、この重点戦略会議の結論というのは、六月に一応基本的な考え方を示しまして、ことしじゅうに全体像をお示しするといったスケジュールなので、具体的なことはそのころに発表させていただくことになるんです。

 ただ、今、赤池委員がおっしゃいましたように、地方自治体でさまざまな結婚支援の取り組みがなされています。私の出身の奈良県でも、県の方でお見合いサービスですとか、いろいろ支援をしておりますけれども、全国の事例を見ますと、目的は少子化対策であったり、それからまた地方によっては過疎化対策に主目的が置かれていたりして、それぞれのやはり地方の特性に応じたお取り組みだと思いますので、これらを国が一律に何か施策をつくって支援するというのは、私は、余り直接的に一律にという形での支援というのは好ましくないんじゃないか、むしろ地方にどんどんアイデアを練っていただいて自由なお取り組みをいただく方がいいんじゃないかと思っております。

 ですから、国として、特に結婚、出産ということについてやろうとしていることは、例えば、もう既に私どもの方で取り組みを始めておりますのは、まず若い人たちに経済的にしっかり自立をしていただくこと。結婚するのに先立つものがないですとか、定職についていなくてなかなか結婚に踏み切れないといった方もいらっしゃいます。せっかく就職した会社をすぐにやめてしまわれる若い方々も多うございますので、一つは自立支援ということで、今キャリア教育の取りまとめにも入っておりますので、自立支援をしていきたい。

 それから、働き方の見直し。これは結婚した後もそうですけれども、結婚する前も、やはり会社の仕事が終わった後に自分を高めるいろいろな場に出ていって、そこでまた出会いもあるかもしれませんので、働き方の見直し、この辺には力を入れていきたいと思います。

 出産支援は、もうさまざまな施策も展開されておりますけれども、まだ医療体制その他充実しなきゃいけない点もございますし、そして女性の立場で多く伺う声は、やはり、子供を産むのに、肉体的に一番子供ができやすい年齢と、社会に出てもう本当に歯を食いしばって自分を高めながら働き続けなきゃいけない年齢が重なってしまう。そこで一度キャリアを中断して出産、育児をして、また帰ってくる職場があるのかどうか。経営者の理解が十分に得られないとか、法律を守っていただけなくて育児休暇もいただけない、こういったお声も伺っておりますので、やはり経営者の意識改革、それから社会全体で子育てを応援していく、こういった社会のムードづくり、こういったところに私はことし力を入れたいと思っております。

赤池委員 大臣の少子化対策への思いは十分受けとめさせていただきました。

 ただ、地方自治体に関して、当然、一律的に何か国がやれということではなく、地方自治体の創意工夫の中で、財政支援であったり、さまざまな施策展開というのはできると思いますし、例えば連絡会議など横のつながりをつけるということで、財政措置が伴わなくても十分政府が地方自治体の創意を生かせるやり方はあるというふうにも感じております。ぜひその辺は御検討いただきたいと思います。

 結婚支援事業になぜ政府が手が出せないかということをいろいろ考えてみますと、やはりこれは戦争中の産めよふやせよという人口政策の反省が強くあるのではないかということも聞いております。例えば、ドイツとイタリアと日本が先進国の中でも出生率が低い。なかなか政府が思い切った家族政策を打てないというのも、過度な戦争への反省という側面もあるのかなということも感じております。

 そしてさらに、意識でいえば、やはり、先ほどの祝日法の話もさせていただきましたが、根本的に、先人から受け継いだ命、それを子孫に伝えていくというような歴史や時間の断絶、または家族、地域、国家などの共同体意識の欠如みたいなものも背景にあるのかもしれないなというふうに考えております。

 そういう面では、先ほど意識改革ということを大臣はおっしゃいましたので、ぜひその点も「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の中で強力に進めていただきたいと思います。

 最後に、イノベーションについても御質問をさせていただきたいと思います。

 先日、JR東海は、七年かけて超電導リニア実験線を三千五百五十億ということで民間企業として実験線全線を延伸させて実験する、そしてさらに二〇二五年に東京と名古屋間をぜひ超電導リニアで開通させたい、東海道新幹線のバイパスとして活用したいということを経営方針として発表しております。

 高市大臣所管のイノベーション25の中間取りまとめでも、リニアという一つの代表的な事例ということで、東京―成田十五分間、東京―大阪五十分間、リニア新幹線技術によって移動時間が短くなるだけではなく、世界に輸出しよう、ニューヨーク―ワシントンに導入することによって、エネルギー五〇%減少、CO2排出量七〇%減少という試算のことも掲載をされております。

 大臣はリニアに乗られた経験がおありでしょうか。

高市国務大臣 大変乗りたかったですけれども、前にリニアの議員連盟で試乗会のお誘いがあったときに、どうしても日程調整がつかず、伺えませんでして、今は試乗会がもう終了してしまっておりますので、大変残念ですが、まだ乗った経験はございません。

赤池委員 ぜひ大臣、乗っていただきたいというふうに思いますし、私も乗せていただきましたし、また、乗っていただいた方々の体験を聞くと、本当に未来の科学技術を体感できると。それから、そういう面は、お年寄りでも子供たちでも、相当、イノベーションに向けての意識啓発それから人材育成につながるのではないかということを感じております。

 そういう面で、現在、政府が策定しているイノベーション25、体験活動、国民意識啓発、人材育成についてどのような方針が盛り込まれるか、御見解をお伺いしたいと思います。

高市国務大臣 まだイノベーション25につきましては、五月末を目途にということで今最終取りまとめ中でございますので、ここで内容について申し上げられる状況ではございません。

 ただ、イノベーション25策定に向けて私が示しました一つの方針は、日本の科学技術政策というのはあくまでも納税者によって支えられている、ですから、納税者であり生活者である国民の皆様の切実な願いが、技術革新によって、そしてまた社会制度の刷新によって実現されるようなものじゃなきゃいけない。ですから、できるだけ技術革新の成果や社会システム刷新の成果を国民生活に還元できるようなものにしよう、これが私の強い思いでございましたので、この方針に従ってやっております。

 その中で、国民の皆さんが、科学技術によってこんなに未来の自分たちの生活が便利になるんだ、安心、安全になるんだということを体感していただくためにも、今、赤池委員がおっしゃいましたように、その技術に触れる体験をする場というのは非常に大事でございます。

 ですから、先般開催されました総合科学技術会議におきましても、将来の姿を国民に提示できるような取り組み、例えば実証研究の促進などが非常に大切であるという提言がなされたところでございます。また、科学技術教育の充実というものも行っていきたい、できるだけ若い年齢のうちから本物の科学技術に触れる、最先端の科学技術の知見に触れるという機会を充実したいな、このように考えております。

 ちなみに、私自身も、今の仕事を通じまして、自動翻訳機ですとか、くるくると丸められるディスプレーですとか、そういったものに触れまして、科学技術の進歩がこのような形で国民生活に還元できるんだというイメージが非常に明確になったところでございますので、委員の御指摘を十分に踏まえながら、政策を練り上げてまいります。

赤池委員 超電導リニアというのは環境に優しくて日本が世界に誇る独自技術でもあります。ぜひ大臣の指導力に期待をして、実現に向けて進んでまいりたいと思います。

 きょうは、祝日法で日本の歴史、過去、少子化対策で日本の現在、そして超電導リニアを中心とするイノベーションで日本の未来について質問をさせていただきました。そういう面では、今日本にとって一番大事なのは、時間をつなげていく歴史、伝統、文化ではないかということも感じておりますし、家族、地域、国家の共同体の復権というのも大事な視点ではないかというふうに考えております。それが安倍内閣の掲げる「美しい国、日本」づくりの中核になるのではないかということを感じました。

 きょうは御多用の中、本当にありがとうございました。質問を終わらせていただきます。

仙谷委員長 次に、坂井学君。

坂井委員 自民党の坂井学でございます。

 昨年の決算の分科会でも質問させていただきましたけれども、私の選挙区も含みます都市部でございますが、都市部に緑地や自然を残していきたい、こういう視点や思いからきょうは何点か質問をさせていただきたいと思っております。

 都市における緑の保全やそれから整備に関しましては、党内におきましてもこの小委員会というものができまして議論が進められているところでございますが、その中におきましても、民地、特に私有地の緑というものは相続等を契機になくなっていくんだ、こういう議論がありました。この相続を契機になくなっていく、これを何とかしていかなければいけないという議論、それからまた、相続に関して、物納された緑、土地というものを何とか保全し、そして活用するための方策というものがないだろうか、こういった議論もされているところでございます。

 まず、こういった都市部における緑というのは公園等々が多いわけでございますが、こういった緑地や公園の整備にかかわる国交省の事業費に関しまして、平成十五、十六、十七と三カ年、それぞれ教えていただきたいと思います。

中島政府参考人 お答えを申し上げます。

 都市公園、緑地保全などの事業の平成十五年度から十七年度までの決算の総額を申し上げます。十五年度、一千八百八十七億円、十六年度、千四百四十二億円、十七年度、千三百七十二億円でございます。

坂井委員 次に、相続税の発生に際しまして、あるものはもちろん金銭でそれが納入されるわけですが、あるものは物納という形で納入されると思いますが、その中で、土地という形で物納された金額、総額を同様に十五年、十六、十七年度、それぞれ教えていただきたいと思います。

秦政府参考人 お答えいたします。

 平成十七年度中に相続税の物納が許可された金額は一千四百六十四億円でございます。そのうち物納財産が土地であるものの金額は千三百七十二億円でございます。十六年度の物納許可金額は一千八百九十九億円でございます。そのうち土地の金額は一千八百七十三億円です。平成十五年度につきましては、物納許可金額は二千八百四億円、そのうち土地金額は二千五百七十八億円でございます。

坂井委員 今、物納された物件の中で、土地ということで金額をお聞きいたしました。

 本来であれば、私は、この土地の状況が、宅地や工場用地ではなくて、要は、緑であったり緑地であったりそれから自然の状態であったり、こういった状態での金額も知りたい、こういうことではございましたけれども、今そういった統計データをとっていないということでございましたが、一度はいつの時点かでこういったデータもとるべきではなかろうかと私自身は考えておりますので、この中で御要望をしておきたいと思います。

 ただ、本日はそういったデータがない、こういうことでございますが、全体の税収が五十兆円を超える、こういう状況の中におきまして、今出ました、例えば土地におきましても千三百億円、また十六年度におきましても千八百億円、こういう数字はかなり小さい数字になっていると思われまして、こういった中で、この土地を有効利用するための制度というものを考えていきたい、また、ないだろうか、こういうことを考えております。そして、その議論の中で、相続のときにこういった土地がなくなるということであるならば、今言った千三百億円なら千三百億円の物納された土地の中で、本当に意味のある自然というのは残す方策をとったらどうだろうか、こういう話をさせていただきました。

 今まで話を聞いておりますと、物納されたものはすべてお金に換算をして、お金にかえてそして国庫に入れなきゃいかぬ、こういう話がありましたので、それは変える方策を探すべきではないだろうか、こういう話をしておりましたところ、どうやらあるという話らしいんですね。その話をちょっと確認をさせていただきたいと思って質問させていただきます。

 例えば、物納された土地の中で、これは大変いい自然がある、もしくは緑地である、こういうことで、これを公園にしたい、こういう場合には、一応物納された後、国交省から請求があれば、これは国交省の方に所管がえ、つまり、簡単に言うと所有権を移転すること、しかもそれを無償で行う、要は、物納された土地が本当にいい土地であれば、国交省が使いたいと言えば無償でそれを使うことができる、こういう制度があるということをお聞きしましたけれども、こういう制度は実際にあるんでしょうか。確認をさせていただきたいと思います。

藤岡政府参考人 お答え申し上げます。

 坂井委員おっしゃられましたとおり、そのような申請があった場合には、国土交通省に対しまして無償で所管がえをするということは可能でございます。

坂井委員 ところが、この制度によりまして所管がえをしまして、例えば、その土地がそのままの形で利用される、活用されるというようなことは、私は三年間分しか聞いていませんが、少なくともこの三年間は一件も実績がないということでありました。

 例えば、私が住んでおります横浜にいたしましても、恐らく東京、埼玉、千葉、神奈川にいたしましてもそれぞれ、自然地、緑地にいたしましても、残した方がいい、こういった場所が多々あったと思いますが、結果として今は一件もない、こういうことでございますが、この理由がちょっと私はわからないというわけでございまして、財務省さんの見解といたしまして、こういった制度があるにもかかわらず実際に実績がないというこの理由、財務省の立場でお聞きをしたいと思います。

藤岡政府参考人 お答え申し上げます。

 それぞれ国土交通省あるいは環境省等から、先生おっしゃられます緑地また公園で処分の申請はあり得ることであろうと思っております。それに対しまして、私どもは、申請が来た段階でその必要性等を精査いたしまして、先ほど申し上げたような対応をとることが可能であると思っております。

 ただ、それぞれの所管省庁の方の御事情で、先生の今お話もありましたけれども、私どもとしてはそのような申請をここ三年間受け取っていないというところでございます。

坂井委員 それでは、今のお話を平たく言えば、国交省さんが使いたいと言えば認めますよ、こういう話ではないかなと思うのですが、逆に言いますと、今度は国交省さんの立場で、何でこれを、要はただで、無償で土地が来て、そしてまた地元の方々も要求しているものがそのまま公園で残る、こういう可能性があるのにこの制度を使わないか、なぜこの制度を使って公園として保全できないか、そのハードルは何かということを知りたいと思いますが、お答えをいただきたいと思います。

中島政府参考人 私どもでそういう所管がえを申し出ないのは、私どもでそういう土地を受けとめる制度がないからでございます。つまり、公園の方の行政財産として使う場合は、唯一今は国営公園という制度がございますが、国営公園というのは全国で十七カ所ございますけれども、非常に大規模な公園、数百ヘクタールの公園が唯一私どもでできる公園の事業でございまして、あとは歴史性の高い吉野ケ里とか飛鳥がございますけれども、一般的な公園としては非常に大規模な公園に限られておりまして、都市内に出てくる小さな土地を受けとめる、私どもにはそういう制度はないということでございます。

 研究課題だと思いますけれども、一般的に、そういう土地は、どちらかというと市町村、公共団体が活用していくということも有力な方向だと思いますので、物納に限らず、いろいろな相続を契機に貴重な都市の緑が失われるというのは非常に残念なことでございますので、どういう方策があるのか、公共団体が引き取るという方法もあるし、あるいは民地のまま何か活用する方法もあるかもしれませんので、幅広い手段を考えていきたいと思います。

坂井委員 制度がないからということでありましたら、今、地元の国民の、また私たちにとってみれば市民の人たちからの要望が大変強い、こう思っておりますので、私たちもしっかり制度も議論をし、また同時に協力をしていただきたいな、このように考えているところでございます。

 次に、今、緑地やまた自然、緑、こういうような話をしてまいりましたけれども、一般的に、例えば緑の議論、緑地の議論、こういう話をしたときの緑の質について、御質問また要望も含めてお話をさせていただきたいと思っております。

 常日ごろから緑、緑といっても、例えばその中身が大変大事だ、こう思っております。例えば、単一種の街路樹でありますとか、面積が決まって切り取られた植え込みに植えられている緑というものと、そこに生態系の循環がしっかりと存在をし、多数の生物多様性が確保された空間というものは、やはり大いに質が違うということを私は考えております。

 しかし、今、いろいろな議論を聞いても、どうも、そういった質の、中身の違いまで踏み込んだ議論というのがなかなかされていない。例えば緑の覆う率、緑被率という言葉がありましても、これは言葉がいいかどうかは別といたしましても、例えばビオトープで囲われた率、ビオトープ被率というようなものは今現在なかなか存在をしていないというようなことでございまして、これから本当の意味で緑地、緑というものを議論していく際には、こういった中身に関しても議論が必要ではなかろうか、私はこのように考えております。

 その一つといたしまして、私は、在来植物に関しましての話を聞きたいと思います。

 今お話し申し上げましたように、単一の種類の街路樹等は生きた自然の状況ではない、こう思っておりますが、逆に、日本において外来種を使うということも、要は、その土地、日本の風土や条件に合ったもの以外の種がそこにいるということ自体、実は、自然、そしてまた本来的な意味合い、生きた緑ということからいくと、なかなか生きた緑ということは言えないのではないだろうか、そのようにも考えております。

 そこで、在来植物利用、これを実際に具体的に今どのように国交省さんは進め、そして制度の中でとられているか、そしてまた、仕方なく外来植物を利用する、こういう場合があるとすればどのような場合かということをお教えいただきたいと思います。

    〔委員長退席、古川(元)委員長代理着席〕

中島政府参考人 在来種の活用というのは大変大事なことだと思います。多くの場合、在来種を活用するような手法が各地でとられていると思いますが、幾つか例を申し上げたいと思います。

 昭和記念公園、立川にございますけれども、武蔵野の丘陵ということで、武蔵野の里山のイメージを大事にしようという趣旨で、例えばクヌギとかコナラとか、そういう植生を活用して丘の整備をしたというような例がございます。たくさんございますが、例えば、横浜市にポートサイド公園というのがあるそうでございます。こちらは川辺でございまして、川岸の植栽にアシ原の復元を行った、こういう例がございます。

 各地域で緑地、公園整備をしますときに、在来種の活用というのは、植生を豊かにするということ、生態系の意味もそうなんですが、景観的にも、地域との調和ということで大事なことだと思います。

 やむを得ず外来種を使う、積極的に使う場合もあるんですが、外来種を使う場合はどういう場合かというと、チューリップの花壇にするとか、あるいはデザイン上、プラタナス、ハナミズキを植えるとか、そういう場合に外来種を使う、そういう場合がございます。

坂井委員 今、在来種の話をさせていただきました。

 もう一つ、先ほども言葉を挙げましたが、生物が有機的に生きている生物空間、ビオトープという問題がございまして、生物が有機的な循環の中で生の営みを展開できる、こういった空間をつくっていかなければ、意味合い的には本当の意味での自然とは言えない、緑とは言えない、こう考えるわけでございます。

 都市の中にもやはりこのビオトープ空間は大変必要だ、このように考えているわけでございますけれども、こういったビオトープの空間、生物多様性に関しての国交省の考え方をお聞かせいただければと思います。

中島政府参考人 都市の緑には多様な機能がございまして、例えば、レクリエーションの場で野球場をつくったりとか、そういうのも公園としてやる場合がございますので、そういうのは別としましても、一般的には、緑を植えて、そこの生態系を保存し、生物多様性を確保するというビオトープというのも非常に有力な、大事な手法だと思っております。

 どういうビオトープがいいかというようなことはなかなか難しい問題でございますけれども、一律に生物がたくさんいればいいという問題でもないんですが、一般的には、やはり、ここでビオトープをつくるときの目標といいますか、どういう生物種をという目標を決めまして、それが実現しているかどうかというようなことで評価をしていくというのがルール、今行われている手法ではないかと思っております。

 あと、ネットワークということも大事だと思っておりまして、生物は結構な範囲で移動するものですから、単体であるよりも、ある程度つながって、ビオトープが面的に存在するということが非常に重要だと思っておりまして、そういう意味では、計画論的にも各市町村で緑の基本計画というのがございますので、その中でビオトープを面的に、ネットワーク的に整備していく、こういう考え方も大事ではないかな、こんなことを思っております。

坂井委員 今申し上げたような在来植物、それからビオトープといった、生物が十分生活ができる空間というものを考えれば、今、例えば雑木林とか屋敷林とかそういった物納される土地の中に、本当の意味でその土地に合った在来植物、在来生物がすみ、そして本当の意味で生きた自然が残る、また緑が残る、こういった場所というのは多々あると思うんですね。

 ですから、今、制度がない、こういうお話ではありましたけれども、物納された土地、その中で本当にいい意味での都市部における緑、自然というものがあれば、それをいい形で保全そして展開できるような制度というものをつくっていただきたいと御要望したいし、また、その中身にいたしましても、これからの緑地、それから緑化政策、また公園整備という中で、在来植物を使い、そしてまた生物の多様性というものをしっかりと視点の中に入れながら進めていきたい、また、進めていっていただきたい、こう考えております。

 きょうは、本当にお忙しいところを吉田政務官においでをいただいておりまして、一緒にサミット誘致をしまして、幹事長としてやっていただいたわけですが、残念ながらそういったことになりませんでしたけれども、今度はこの緑地の整備、公園整備という面に関してはしっかりと行っていただきたいと希望をさせていただくわけですが、御答弁をぜひお願いしたいと思います。

    〔古川(元)委員長代理退席、委員長着席〕

吉田大臣政務官 お答えいたします。

 都市の緑が重要だということ、これはだれしもが理解をしていることでありますし、この御質問をいただいたときに、私は、坂井委員の御地元、いわゆる海側から何か攻め立てられるように開発がどんどんと進む、そして、振り返ればまだ山手には緑が残る、しかし、これもある日、いつかというような、そんな環境からこうした御質問が御設定なされたのではないかな、そのように思います。

 ただ、タームで言いますのに、ビオトープという言葉を知らぬでいまして、慌てて、このビオトープとは何たるかといって、説明をいただきました。ビオ、いわゆる生命、ギリシャ語。まあ六左エ門はどっちかというと酒飲みですから、ビオというと、ビー、オー・ド・ビーというフランス語の方が。命、それでトープ、場所。

 この言葉を理解するときに、我々暮らす者から何か生命や命が感じられるような、水をたたえた、そして在来の植物で囲まれた、ほっとするような緑。と同時に、今度逆に、そこには命が宿る。まあ六左エ門、もういい年になりましたが、幼いころを思えば、トンボがいて、そしてそれが、その前のヤゴとか、羽化する状況とか、そんなものが幼子にも皮膚感覚で感じてもらえるような、そういったものが町々に残されていけば、もっともっと、ヒートアイランドの今の時代でもありますし、それから情操なんかにもそれこそ役に立つ、よい環境になるのではないかなと思っています。

 国交省といたしましては、さまざまな事業手法を有効に活用し、その中で、坂井委員御提言いただいたような、これらの充足に向けて努力をしていきたい、このように思っております。

坂井委員 どうもありがとうございました。

 制度がないということであれば、やはり適したいい制度をつくっていただく、またお願いをさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

仙谷委員長 次に、枝野幸男君。

枝野委員 民主党の枝野でございます。

 きょうは、総務省に対しまして、最近、報道、放送メディアが、間違った放送等によって社会的にも問題になっております。虚偽の放送による報道被害や国民生活への悪影響をしっかりと防止しなければいけない。ただ、その一方で、表現の自由、報道の自由というのは、これはまた、特に行政権限による過剰な介入を許しては絶対にいけないものである。この兼ね合いは大変難しいものでありますけれども、このあたりについて、直近の具体例を軸にしながら議論をさせていただきたいというふうに思っております。

 最近問題になった二つの事例。関西テレビ放送のいわゆる「あるある大事典」の放送に対して、菅総務大臣が、警告という形の行政指導を三月三十日付で行っておられます。「八番組について、放送法第三条の二第一項第三号「報道は事実をまげないですること」及び同法第三条の三第一項に違反したものと認められる。」ということで警告をしております。

 一方、「朝ズバッ!」のいわゆる不二家報道に関しましては、四月二十七日に総務省情報通信政策局長鈴木康雄さんの名前で、「事実に基づかない報道が行われたことは、放送法第三条の三第一項に抵触するものと認められる。」ということで、行政指導が行われております。

 まず、この事実関係を確認させていただきます。

田村副大臣 ただいま枝野委員からお話がございましたとおり、関西テレビ「発掘!あるある大事典2」におきましては、本年三月三十日に警告という形で行政指導を行いました。そしてまた、東京放送「みのもんたの朝ズバッ!」でありますけれども、基本的にはこの番組だけではないんですが、何本かいろいろな問題がある中におきまして、これに対して厳重注意というようなことを行わせていただいた。これは四月二十七日であります。

枝野委員 そこで、主に「朝ズバッ!」についてお尋ねをさせていただきたいんですが、四月二十七日の厳重注意の行政処分によりますと、「一月二十二日放送の「みのもんたの朝ズバッ!」においても、事実に基づかない報道が行われたことは、」ということになっていますが、事実に基づかない報道というのは、具体的にどういうことを総務省としては認定をしているんでしょうか。

田村副大臣 「朝ズバッ!」の方でありますけれども、基本的に、今回、「朝ズバッ!」に関しましては、一つは、出荷されましたチョコレートが工場に戻るという部分がありましたけれども、これが証言者の伝聞でありまして、事実であることという確証を得ていないにもかかわらず放送をしたという部分、それから、証言者の証言が十年以上前の事例であったことを明確に伝えておらず、最近のことと誤解されやすい内容であったこと、さらには、チョコレートと牛乳をまぜ合わせるという点が、どうも、チョコレートと牛乳のようなものというふうな、そのような表現であったようでありまして、それを断定したというところが正確性を欠くというところでございまして、ここらを勘案した上でこのような形をとらせていただいたところであります。

枝野委員 果たして、一月二十二日前後の「朝ズバッ!」の放送内容の問題点が今の三つだけであるのかということについて、これは後ほど議論させていただきたいんですが、今の三点は、東京放送もみずから認めている話であります。

 それから、「あるある大事典」の方についての警告の行政指導文書も、実はよく読みますと、「貴社の報告内容に基づき判断すれば、」ということで放送法違反のことを言っております。

 いずれも、当事者、東京放送や関西テレビ放送が言っていることに基づいて処分をしたというふうに受けとめられるんですけれども、どういう根拠に基づきこういった事実認定をしたのかということをお答えください。

田村副大臣 放送法違反の可能性のある番組については、基本的に、当該事業者から事実関係に関する報告をいただきまして、それを踏まえた上で、違反が認められた場合に関しましては、それにのっとって行政処分を実施してきているところであります。

 要は、今おっしゃられた部分というのは、多分、正直に放送事業者がこれをやりましたと報告をしてきたことに対してやったことであって、では、もし正直に言わない場合はどういうような方法があるんだということを含まれておられるんだと思うんですけれども、基本的に、全くもって捏造だ、当事者が何も言わなくても、これはどう見ても捏造だという場合はあると思います。これは、事実と全く違うことを意図的に放送したということが明らかにわかる場合ですね。

 こういう場合は、当事者からの、捏造をしたという、もしくは放送法に触れたというような報告がなくても、当然のごとく何らかの行政的な措置をする場合はあると思いますが、灰色の部分に関しては、我々として、調査、捜査するわけにはいかないわけでありますから、そういう意味では、あくまでも電波法第八十一条等々にのっとった報告を求めたりだとか、また、自主的な報告をいただいた上において、それによって聞き取り等々を行いまして、判断をしていくという話になってこようと思います。

枝野委員 報道の自由、表現の自由ということを考えますと、今のその制度、つまり、行政権限をもって、行政庁が放送局に対して、例えば立入調査するとか、あるいは関係者に対する強制聞き取りを行うとか、そういう制度がないということは、これは適切なことだというふうに思います。行政権限がそこに過剰に介入をするということになれば、放送の自由というものが害されることになるというふうに思います。このことは当然だと思います。

 しかし、だからといって、だれが見ても黒という話と当事者が認めた話ということだけであって、果たして放送の信憑性、虚偽放送による報道被害等を防止することができるのかというと、そうではないわけでありまして、放送法あるいはその他の制度は、どういう形で、虚偽報道等があった場合について、その事実関係を解明するようなことを想定しておられるんでしょうか。

田村副大臣 ちょっと一点、訂正。行政処分というお話をしましたけれども、行政指導でございます。申しわけありませんでした。

 今の点でありますけれども、なかなかセンシティブな話ではありますが、放送法というものの精神といいますか、基本的な考え方といいますのは、やはり、放送に携わられる放送事業者、公の電波を使って放送、報道をされる放送事業者というものは、基本的には、悪意の行為はそうは行わないであろうということが前提にあると思います。

 ですから、そういう意味からいたしますと、我が方がそれに対して、表現の自由、報道の自由等々に関して不当に介入していくわけにはいかないというのが前提にある中において、では、いろいろな問題が起こったときに、多分、その行われたことの真実がいかにあるかというものをどう調査していくかということが担保されておるのかというふうなお話であったと思うわけであります。

 基本的には、そのようなもとにおいて、例えば放送法で、一つは、番組準則という形で法律にのっとった部分をちゃんと行ってください。それからもう一つは、番組基準というものを各放送事業者におつくりをいただいて、みずからこのようなことに対してやるべきことではないということをおつくりいただいておるということ。さらには、放送番組審議機関というものを同法の三条の四、これにのっとってつくることを決めております。こういう機構において、例えば、いろいろな放送が適切に行われるようにそれぞれの審議等々をやっていただく、これは強制的ではありませんけれども、できるというふうになっております。

枝野委員 私もその最後のところが大事だと思っております。

 放送法を見ていきますと、三条の四に放送番組審議機関を各放送事業者が置くということになっているわけでありまして、そこは放送事業者に対して意見を述べることができる、放送の適正を図るため必要な事項を審議するということでございますので、例えば番組基準などに、あるいは法令に適しているかどうか、適していないことをやっていないかどうかということを、自主的機関であるけれども第三者的側面を持った放送番組審議機関というところがチェックをちゃんとするであろう、したがって、行政権限が介入しなくても大丈夫なんですということを放送法は担保しているんだというふうに思います。

 ただ、現実問題として、関西テレビ放送についての警告文書を見ますと、これに加え、貴社が調査を要請した外部有識者による調査委員会により公表された調査報告書によれば、他の八番組についても改ざんの疑いがあったということで、これは法令に基づく放送番組審議機関ではなく、つまり、そこが機能しなかったので、外部有識者による調査委員会をさらに別途つくって、そこで自主的にチェックをして、さらに八件新たに疑いのあるものが出てきましたね、こういう話だと思うんですね。

 関テレの方は、こういう形で第三者的なチェックをしっかりと入れましたということに基づき、そして、それで出てきた報告された内容で警告を発しました。

 では、東京放送の方はどうなんでしょうか。つまり、東京放送からこれこれこういうことがありましたと報告を受けて、それに基づいて行政指導をされているわけですが、では、事実関係等について、だれがどういうふうに内部的にはチェックしたんですか。こういうことについては、どういう報告を総務省としては受けて、この行政指導をしているんでしょうか。

田村副大臣 おっしゃられますとおり、この番審が、今回、関テレの場合でありますけれども、調査したわけでありませんでして、新たに弁護士を中心として内部調査機関をつくって、これでやられた。一応、組織をつくってやられたわけであります。

 それに対して、TBSでありますけれども、これは内部調査機関もつくったわけではございませんでして、あくまでも弁護士に調査を、機関としてつくったわけではありませんでして、弁護士に調査を依頼して、その結果、このような形で報告を我々は聴取をさせていただいたということであります。

枝野委員 その調査に基づいて総務省に報告された内容が、真摯な調査に基づいて、そして、ああ、こういうところを間違えましたねということが報告されているのであるならばいいんですが、でも、逆にそうであるならば、行政指導までする必要があるのかなという話のまた新たな論点も、実は僕は個人的には出てくると思うんですが、きょうはそこはやりません。

 では、実際はどうなんでしょうかということで、先ほど三点、行政指導の根拠になる事例、事実関係を申し上げましたが、実は、当事者あるいは準当事者とも言える不二家の信頼回復対策会議におきましては、この先ほどおっしゃられた三点以上に、カントリーマアムに関する証言をチョコレートに関する証言に流用した疑いという点。それから、もう一点は、指導しているのは一月二十二日放送分についてなんですが、一月二十三日放送分では、はっきり言わせていただければ、古くなったチョコを集めてきて、それを溶かして新しい製品につくり直すような会社は、もうはっきり言って廃業してもらいたい、社長が交代したからといってね、メーカーとして存続していること自体がおかしいという放送を二十三日にしているんですね。

 もちろん、事実に基づいてこういうことをおっしゃるのはそれぞれの御意見でありますが、その前提となる事実が、少なくとも、先ほどの話のとおり、事実と確認がとれないことを放送したと行政指導を受けるような状況であったことについて、そういうあいまいな根拠で、社会的に、従業員もいます、株主もいます、廃業してもらいたいとか存続していること自体がおかしいというような放送を公共の電波で堂々と言った。こちらのことについては何も対応をされていない。これは明らかにバランスを欠くし、正義に反するんではないかと思うんです。

 まず、カントリーマアムに関する証言の問題について少し丁寧に申し上げますと、番組の中で、不二家平塚工場の元従業員によれば、賞味期限が切れたチョコレートの包装をし直したり、溶かし直したりして再利用していたというアナウンスに続いて、顔なし映像の女性が、賞味期限だからごみ箱の方に入れていたら怒られて、それをもう一度パッケージをし直すために裸にしてほしいんだと言われてと話している模様が放送をされる。これが捏造の疑いのある放送内容ではないかということで、不二家の信頼回復対策会議の最終報告書では問題にしています。

 東京放送側も、カントリーマアムについて再利用、再包装をしていたという元従業員の証言があるということを認めています。しかし、この証言については放映をされておりません。そして、TBS、東京放送側が不二家に事実確認を行ったら、平塚工場ではカントリーマアムの製造は行っていないということで、平塚工場の元従業員がカントリーマアムについて再利用していたという放送は事実ではないということは、TBSも実は認めているわけですね。そういった証言があったこともTBSは認めているんですね。その映像は放送されていない。

 そして、何についてということについては、放送上はカットされている。カントリーマアムについてなのか、チョコレートについてなのか、カットをされているけれども、平塚工場の元従業員によれば、賞味期限だからごみ箱に入れたら怒られて、もう一回パッケージし直すために云々という話が放映をされた。これは、平塚工場の元従業員と称する人物が虚偽の証言をして、カントリーマアムの製造についてそんなことを言ったんだけれども、カントリーマアムはそこで、工場ではつくっていなかったから、さすがにカントリーマアムについてこんなことをやっていましたとは放送できなくて、チョコレートについてにすりかえて放送をしたんではないかという濃厚な疑いがある。この濃厚な疑いについては、この信頼回復対策会議でも明確に外部に対して公表をしております。

 もし、この事実が事実であれば、先ほどの行政指導は、放送法の三条の三、一項という内部で決めた放送基準に反しましたというものにとどまっているんですが、もしそうであるならば、この疑いが正しい疑いであるならば、むしろ「あるある大事典」と同様に、事実をねじ曲げて報道したいわゆる捏造に該当する。まさに大きな違いだと思うんですね。

 この部分のところを、私もこの報告書などを見ましたが、特段の反証が挙がらない限りは、この疑いは濃厚であると私は判断をいたします。総務省としてはそういう判断をしなかったようでございますが、その根拠は、当事者からありませんと、そういうことはありませんと言ったことにすぎないとしか今までの話からは出てこざるを得ないんですけれども、どうなるんでしょうか。

田村副大臣 ちょっとまず、事実関係の説明をさせていただきます。

 今回のTBSに対する行政指導でありますけれども、「みのもんたの朝ズバッ!」だけではありませんでして、実は、「人間!これでいいのだ」、平成十九年二月三日放送分、それから「サンデー・ジャポン」、柳澤厚生労働相の発言等々町の人々の反応、こういうものを踏まえた上で、幾つか合わせわざで今回出させていただいておるということが一つあるということを御理解ください。

 それは別の話にしておきまして、今のお話でありますけれども、不二家信頼回復対策会議、今お話がございました。この中で、委員がおっしゃられましたとおり、カントリーマアムに関する証言をチョコレートに関する証言に流用した疑い、これが指摘されている点につきましては、TBSからは、そのようなことはないというような報告を受けております。

 でありますから、そういう意味からいたしますと、今回のことに関して、これに関しては我々は黒であるという認定はいたしておりません。ですから、そういう意味におきまして、これに関して何らかの行政指導をするというところには至っていないわけでございます。

 いろいろと御不満もあろうと思いますけれども、事実はそういうところでございます。

枝野委員 私は、先ほど申しましたとおり、総務省に強制的な調査権限がないということは正しいことだと思っております。今後も維持されるべきだと思っております。それで、そういう制度に基づいて、総務省としては、それ以上できません、できない以上は認定できませんという答えになるのは、総務省の立場としては仕方がないかなと思わないではない。ここは私にも結論が出ていないところです。

 ただ、この濃厚な疑いが、もし本当にこういった間違いをしでかしていたとすると、「発掘!あるある大事典」同様のいわゆる捏造に該当する話だと思います。そうすると、関西テレビと同様の悪質さがあるということになります。

 関西テレビの方は、件数が多いということがあるし、そのことによってだまされて傷ついた人の被害者の数が多いということは言えるかもしれませんが、一方で、放送法に違反をしている話というのはダイエットの問題であって、もちろん、だから許されるということを言うつもりは全くありません。これでも許されないんですが、被害者は多いかもしれないけれども、一人一人の受けている被害の程度というのは、相対的には大きくないと思います。

 こちらは、つまり、チョコレートを回収して、溶かして再利用している、そんな会社は廃業してもらいたい、存続していること自体おかしいとまで言っているんですよ。従業員も株主もある一企業、もちろん、間違ったことをしてそのことの社会的な制裁としてつぶれることがある、それは当然だと思いますが、それにしても、ここで間違ったことをやったから、全然関係のないこっちのことで、事実と違うことでつぶれろだなんて言われていいはずはありませんよね。そういうことであった疑いが濃厚にあるわけですよ。

 もしこの疑いが本当だとしたら、「あるある大事典」以上の大問題であると政治家として思われませんか。もしそうだとしたら。

田村副大臣 今委員が言われました、はっきり言わせていただければ、古くなったチョコを集めてきて、それを溶かして新しい製品につくり直すような会社は、もうはっきり言って廃業してもらいたい、社長が交代したからといってね、メーカーとして存続していること自体おかしいと。

 この言葉は、私は、一政治家として答えろというお話でございましたが、かなり過激であるな、これが与える影響というものは、いろいろな影響で、意味のある影響でありますけれども、大きいというふうには思います。思いますが、ただ一方で、これの言っているところは、非常に悪い会社だねというような意味合いを言っているんだと思います。

 ですから、その部分をとらえて、もし放送法にのっとって何らかの行政指導等々という話になれば、これはまた今やっている議論とは若干違う話、表現の自由とも絡むかもわかりません。そういう話になってくるんだろうと思います。

 ただ、ここで言われておるその前段の部分というのは、前日に報道がある事実誤認の可能性がある部分、ここを持ってきて言っておる部分でありますから、この部分に関してはやはり何らかの問題はあるんであろう。ただ、そうはいいながらも、それは前日の部分で今回行政指導をやっておりますから、それに合わせわざで行政指導の部分として今回対象にしておるということであります。

枝野委員 ごめんなさい、僕の聞き方が正確でなかったかもしれませんが、まず、私が先ほど聞いたのは、これについて行政指導しろという話ではなくて、つまり、もしもその疑いが濃厚であるというこの疑い、つまり、カントリーマアムについての証言をチョコレートの証言に流用したということが本当にそうだったとしたら、関テレ以上に悪質だと思いませんか、関テレ以上に問題だと思いませんか、このことについては指導するとかしないとかという行政権限の問題と離れて、一般常識としてどう思いますか。このことについてお聞きをしたいんです。

田村副大臣 仮定の話ですから、仮定に対して行政としてお答えするのは難しいんですが、一政治家として答えるとするならば、それは、これはまさに捏造でありますから、非常に重いといいますか、大変厳しい、行政指導等々されても仕方がないような案件になるであろうなというふうに思います。

枝野委員 そうなんですよね。関テレの方は民放連というのを除名されたりまでしているわけで、どっちが重大なのかというのは、これはいろいろな評価はあるかもしれないけれども、関テレ以上に重大かもしれないような話なんですが、結局は、少なくとも今の仕組みの中で、総務省としては、当事者である東京放送からの報告に基づいてしか対応できません。そのこと自体は仕方がないことです。それは、報道の自由を考えれば、私もそれ以上の権限を逆に総務省に持たせるというのは危ないからやめた方がいいというふうに思います。

 では、どうしたらいいんだろうかなという問題になるわけでありまして、これは、では、このままでいいのか。関テレの方は、内部の自主的第三者的機関も設けて、出てきていないものまで洗いざらいちゃんと出しましたということで、処分を受けているわけですから、本来は東京放送もそういうことをするべきなんだと思うんですよ。自主的に第三者的機関をつくって、あるいは新たな機関じゃなくても、東京放送の放送番組審議機関というところが独立性とか専門知識とかそういったことについて十分なものであるならば、そこを動かしてもいいし。

 いずれにしろ、そういったことを、これは総務省はそうすべきだなんて言わないでくださいね。総務省、行政が言うと、これは逆に問題になることですから、立法府の人間だから言っていい話だと思っているんですが、本来は、自主的にそういうことをやるべきだというふうに思っているんです。

 その前提に立って、四月二十七日に行政指導を受けた東京放送は、では、行政指導を受けて、こうしましたとか、こうしますとか、そういうことは総務省に対して何か言ってきているんでしょうか、あるいは外に向かっても何か言っているんでしょうか。

田村副大臣 四月二十七日に行政指導を受けた上で、東京放送でありますけれども、今後このようなことがないように、社会的責任にかんがみ、厳重に注意をするとともに、再発防止に向けた取り組みを我々としては要請したものでありまして、それを受けて井上社長の方から、厳重注意を真摯に受けとめ、再発防止に努めるというような意思表明をいただいております。

枝野委員 これは、言わずもがなのことなんですが、再発を防止するためには、事実関係、どうしてこういう間違いを犯したのか、間違いはどこまでどういうふうにあったのかということをすべて明らかにして初めて再発防止だと思うんですよ。一たんは何か不二家と東京放送は、番組で派手に、いや、不二家の製品はいいんだと「朝ズバッ!」という番組でやったことを受けて、不二家の側もいろいろ経営的な判断を、総合的な判断をして、これ以上争っても仕方がないかということであったようでありますが、四月二十七日の行政指導がこの程度で済んだかということもあったのかもしれませんが、その後の社長の記者会見では、どうも余り反省しているとは思えないような発言もあったりして、不二家も、おい、それじゃ話が違うじゃないかということになっているという話も聞いてはおります。

 実はこれは別の論点になりますし、通告もしていないので、お答えは結構ですが、本来だったら、もしかすると不二家から損害賠償請求を受けてもおかしくないような案件、それは争ったらどっちが勝つかわかりませんが、それに対して、あの番組で、不二家の製品こんなんありまっせ、いいでっせとやったら、広告価値としたら何億円とかとなるんでしょうね。それですりかえたとしたら、違った意味でこれは放送法のあるいは東京放送の番組基準に反するんじゃないのかなとすら思わないではないんですが、ちゃんと、こういうふうな事実関係で間違えた放送をしました、ごめんなさいと言うんだったらわかるけれども。

 そもそも、総務省や局長が行政指導したということに至ったことは、これは総務省を責めるという意味ではなくて、報道、表現の自由や放送法三条そのものですね、放送法三条そのものは「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」、行政指導というのは法律の根拠があるのかないのか、これは行政法的には大きな争点でありますが、その趣旨に照らして決して望ましいことではないと思います。今後、行政指導自体がないことを期待したいと思います。

 ただ、また、十分な調査権限が実はないにもかかわらず指導するということは、恣意的になりかねない。あるいは、先ほど来言っているとおり、認めた方は指導されて、とことん、いや違います違いますと言ったら指導されないということにもなりかねない。これまたなかなか問題ではないのかなという状況であります。

 総務省は今の権限に基づいて、社会的な要請に基づいて努力をされたんだというふうに思いますので、その限りではきょうそれを責めることはしませんが、こうした状況が放置をされ、しかも、この東京放送のカントリーマアムの問題については、今も当事者側は、これは捏造ではないか、そして、少なくともそちら側、当事者からの報告書を読む限りでは、しかもこの報告書をまとめているのはもともと検事さんですからね、その報告書を見る限りではかなり黒に近い灰色だなという状況で、それが放置もされていて、何か改善されようという見通しもどうも立っていないみたいでありますね。こういう状況が放置をされたら、放送全体に対する信頼が損なわれるし、行政権限による介入もやむなしという空気になりかねないんではないか。これは放送メディアにとってあるいは表現媒体にとって自殺行為であると思います。

 これは政治の立場で非常に難しい問題なんでありますけれども、しっかりとこれは東京放送も、このカントリーマアム問題も含めて、この「朝ズバッ!」・不二家問題に関して、内部的に自主的な第三者機関、調査機関が、経営あるいは編集者とは独立して外部の人に委託をして調査をして、そしてそれについて明らかにすべきではないかというふうに私は思っております。これは答えは要りません。行政府に答えられると困ります。

 したがいまして、これはもうこれ以上行政府に聞いても、東京放送の対応についてどうなるのかということについては、報道、表現の自由との兼ね合いで大変難しいことになってまいりますので、これは委員長にお願いをしたいと思いますが、これはむしろ議会がやるべき話ではないか。つまり、行政権限を持っている内閣、総務省ではなくて、議会として当事者の皆さんに意見を承って、そうした事実関係についてもそこでお話を聞かせていただいて、そして白なら白ではっきりさせていただく。あるいは、東京放送としてどういう再発防止をされるのか、どういう反省をされているのかということを、行政機関ではなくて、むしろ議会の方でしっかりと聞かせていただくということで、国民の皆さんからの放送メディアに対する信頼を取り戻し、行政による放送などへの介入を抑止しなきゃならない、こんなふうに考えているところでございます。

 ぜひとも、この不二家・「朝ズバッ!」問題に関しましての、きょういろいろお尋ねをした事実関係についてでございますが、東京放送の井上社長と、そして、当事者側の立場で、この問題について、つまり捏造ではないかということを指摘している、これは不二家の、正確に言うと信頼回復対策会議の責任者である郷原信郎弁護士と、両名を参考人としてこの委員会にお呼びをいただき、そしてこの問題についての集中審議をしていただきたいと思いますが、委員長、お願いをいたします。

仙谷委員長 今お聞きしておりまして、大変ナーバスで、しかし極めて重要な問題でございますので、理事会でちょっと突っ込んだ協議をまずしていただいて、この問題の取り扱いを決めさせていただきたいと思います。枝野委員の御主張を受けとめて、与野党で協議をさせていただきたいと思います。

 そんなことでよろしいですか。

枝野委員 あと五分時間がありますので、先ほどちらっとそちらでもお答えになった話との絡みで、この東京放送に対する、「朝ズバッ!」の行政指導は、放送法三条の三第一項、つまり、東京放送が独自に定めた番組基準に反しているということであります。どういう番組基準に反しているという認定をされたのか、お答えいただけますでしょうか。

田村副大臣 東京放送の方ですね。これに関しましては、例えばチョコレートと牛乳をまぜ合わせたという先ほどの話でありますけれども、この断定した点が、放送基準第三十二条「ニュースは市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づいて報道し、公正でなければならない。」というものに抵触したものというふうに考えております。

枝野委員 三点あったわけですけれども、三点ともその規定に反する、こういう理解でいいですか。

田村副大臣 そうですね。基本的にはここに抵触するというような判断であります。

枝野委員 通告をしていないので、もしわかればでいいんですけれども、今のようなことが今の基準に反しているということだけの前提に立ったとしても、翌二十三日の、先ほどお話のあった、だから廃業してもらいたい、だからメーカーとして存続していること自体おかしいという影響力のあるメディア人の発言というものは、少なくとも東京放送にこういったことに関しての発言に対しての番組基準はないんでしょうかね。通告ないので、現時点でわからないんだったらわからないで結構ですが。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 今の御指摘の点につきましては、民放連が基本的につくっておりまして、それを各社が準用しているという番組基準において直接該当するところはないというふうに認識しております。

枝野委員 これも気をつけないといけない話なんでありますけれども、事実に基づいて、こういう悪いことをしたところがもう存続しない方がいいと思うのか、存続させて再建させた方がいいと思うのか、それは人それぞれの価値判断、意見があるから、まさに思想、信条の自由、表現の自由だから、テレビに出ていらっしゃるいろいろな方がいろいろな自分の自由な御意見をおっしゃっても構わないと思うんですが、しかるべき根拠に基づかないで過激なことを言っていいのかということになると、社会通念としてはそれはおかしいですよねというのが、私は社会通念だと思うんですね。

 気をつけなきゃいけないのは、だから総務省がまた行政指導なんかして民放連とテレビ局に、おい、番組基準変えろだなんてことをしてもらっちゃ困ります。してもらっちゃ困るけれども、だけれども、そうした社会通念、社会常識、放送局に対する期待に対して何らかの形で政治がこたえなければならないとすれば、やはり先ほどの話のとおり、議会としてこれは対応をせざるを得ないと思います。総務委員会がいいのかもしれないんですが、実は、私は、やはりこの決算行政監視委員会なんだと思います。

 つまり、総務省が変なことにしないように、申しわけないんですけれども、副大臣がされるとは思いませんが、総務省が過剰な行政介入をしないようにするためにも、議会としてしっかりと、放送事業者が自主的にしっかりとしたことをやっていただけるように、どうあるべきなのかという議論とこの問題についての検証をすべきであるということでありますので、ぜひとも、先ほど申しました要請について理事会で前向きに御検討いただきたいと申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

仙谷委員長 次に、田村謙治君。

田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。

 午前中も、馬淵議員とそして田嶋議員が、独立行政法人などについてのさまざまな税金の無駄遣いや天下りについて追及をさせていただきました。私も、それに続きまして、独立行政法人を取り上げさせていただきたいというふうに思っております。

 三月八日に、公正取引委員会から、国土交通省、そして独立行政法人水資源機構、さらに農水省が、水門設備工事の談合につきまして改善措置命令や排除措置命令を受けたという話がございました。その対象でもありました独立行政法人水資源機構について取り上げさせていただきたいというふうに思います。

 お配りをいたしました資料をある程度ごらんになっていただきたいと思うんですけれども、この水資源機構、独立行政法人になる前は、水資源開発公団という名前であったわけでありますけれども、ダムや河口堰の水資源の開発または利用のための施設の建設、そして完成した施設の管理といったことが主な業務でございます。現在は、新しい施設の建設というのはどんどん減ってきているということで、専ら既にある施設の管理をしている、それが中心になっているということでありますけれども、それが平成十五年に、いわゆる独法化の流れの中で、独立行政法人水資源機構に名前が変わったということであります。

 ちなみに、その職員でありますけれども、十八年四月現在で千五百九十六人という大変大きな独法なわけでありますが、そのおよそ千六百人の職員の中で、国交省から三十八人、さらに他省庁から三十六人の職員が出向をしております。

 そして、役員はどうなのかというのは、お配りをいたしました資料の二枚目でありますけれども、理事長の青山氏は、建設技監から最後は国土交通省事務次官をお務めになって、十五年の七月に国土交通事務次官を退職して、そして翌年の十六年四月からこの水資源機構の理事長についていらっしゃいます。そして、副理事長に当たる太田氏は、農水省の局長御出身であります。さらに、常勤の理事が五人いるわけでありますけれども、その中に、自治省のOBと建設省のOBの二人がいる。典型的な天下りの受け入れ機関になっているわけであります。

 さて、私たち民主党は、独立行政法人の組織等に関する予備的調査というものを行いまして、その中で、さまざまな独立行政法人の取引関係というものを個別に調査いたしまして、その資料というものをいただいているわけでありますけれども、その中で、この水資源機構の契約について、非常に細かいものでありますが、それを調べてみたわけであります。

 お配りをした資料の一枚目にまた戻っていただきますと、十七年度の支出におきまして、アクアテルスという株式会社があります。こちらが、指名競争入札と随契を合わせると、水資源機構と二百八十七件の契約があって、総額が約四十六億六千万円。これはちなみに、水資源機構の取引先の中では断トツに多い金額、断トツ一位でアクアテルスがこの金額の契約をとっているということであります。

 ちなみに、二位以下というのは、このアクアテルスは四十六億円ですけれども、二位以下というのはすべて十億円台になりまして、さらに、二位から六位までというのは、工事、建設に関してのゼネコンの建設工事共同企業体でありまして、そして七位に大林組があります。そして、八位となっておりますのが、このお配りをした資料の右下にあります水資源協会という財団法人になります。

 この水資源協会につきましては、水資源機構との契約はすべてが随意契約、それが五十九件ありまして、総額で十一億四千万円という、一つの企業、団体としては、水資源機構との関係において、やはり相当多い金額になっているわけであります。

 まず、この水資源協会について御質問をさせていただきたいと思います。

 この水資源協会、さまざまな事業を水資源機構から受注しているわけでありますけれども、その中で、建設コンサルタント業務等という業務が、事業がありますね。ほかに、例えばそれこそ建設工事というのがあって、さらに建設コンサルタント業務があって、あとは物品役務、大まかに分けるとそういったように契約が分かれるというふうに聞いておりますけれども、そのうちの建設コンサルタント業務等に分類される随意契約の百万円以上の件数、水資源機構が建設コンサルタント業務等に分類される随意契約をどれだけとり行っているのか、百万円以上の件数と総額というものを教えていただいて、そのうち水資源協会と契約した件数と総額は幾らなのかというのを教えていただきたいと思います。

青山参考人 お答え申し上げます。

 当機構のシステム上、集計可能な予定価格百万円以上の平成十八年度契約実績で申し上げますと、トータルの随意契約の件数は四百四十三件でございますが、そのうち水資源協会分が三十九件、八・八%でございます。金額で申し上げますと、随意契約、総額五十億七千二百万円のうち、水資源協会分が七億三千四百万、一三・二%でございます。この随意契約分には、プロポーザル方式という形での、提案内容を競争した形で契約している分も含まれております。

田村(謙)委員 今お話しいただきましたように、百万円以上という件数になりますと、水資源機構がとり行った随意契約のうち水資源協会が対象になっているのは、件数でいうと八・八%、金額でいうと一三・二%ということでありますけれども、さらにホームページでちょっと調べてみたんですが、独法化をして確かに情報公開を徹底するということで、さまざまな契約について、個別の契約についてホームページでも公開をしていらっしゃる、そのことは大変すばらしいことでありまして、それに基づいて調べさせていただきました。

 随意契約、今お聞きしたのは百万円以上なんですが、それをさらに、ホームページでは二百五十万円以上ということで掲載をしていらっしゃいまして、そういたしますと、随意契約というのが百二十二件、そのうちの三十件が水資源協会でありまして、およそ四分の一。そして、契約金額にしますと二六%、やはり約四分の一が水資源協会になるということが、ホームページで見る限りではわかったわけであります。

 さらに絞ってみまして、水資源機構の契約でも、いわゆる本社管轄と、あと支社がありますので支社の管轄と分かれるわけでありますけれども、本社管轄のものというものに絞りますと、二百五十万円以上の随意契約というのは三十六件、ホームページには出ています。そのうちの半分に当たる十八件が水資源協会で、契約金額にしますと六五%が水資源協会との随意契約になっているというのが、ホームページに掲載をされている資料からわかった数字でございます。

 この水資源協会、今お話をいたしましたように、水資源機構から多くの仕事、多くの事業を受けているわけでありますけれども、この水資源協会の事業収入のうち、水資源機構からの売り上げというのはどれぐらいの割合になるんでしょうか。

棚橋政府参考人 お答えいたします。

 平成十八年度の水資源協会の事業収入は、全体で約九億九千五百万円でございます。そのうち、水資源機構から受注した事業収入が七億六千六百万円となっておりまして、水資源協会の事業収入に占める割合は約七七%になっております。

 なお、水資源協会は、水資源の開発、保全または利用に関する調査研究等を行い、水資源の開発、保全、利用について専門性の高い知見を有しております。一方で、水資源機構につきましては、水資源の開発または利用のための施設の建設や管理等を行っておりますが、その的確な実施のため、水資源協会が有する専門的な知見が極めて有益であることから、協会への業務発注が多くなり、結果として、水資源協会の事業収入に占める水資源機構からの事業収入の割合が高くなっているというふうに思っております。

 以上でございます。

田村(謙)委員 私がお配りした資料というのは平成十七年度の数字でありまして、主に民主党が予備的調査で行った資料の年度に合わせておりますので、今お答えいただいた平成十八年度というのはさらに新しい数字でありまして、若干の違いがあるわけでありますけれども、いずれにしましても、水資源協会の売り上げの七七%、約八割が水資源機構から受託した仕事であるということであると思います。

 さらに、私がお聞きする前に、随意契約の理由というようなことを御説明いただきました。確かに私は、こういった水資源の開発に関する、いわゆる技術、その専門性ということに関しては素人でありますけれども、一般的に建設コンサルティングというのは、当然、民間の会社が多々やっているわけでありますし、また、例えばダムであるとか、あるいは河口堰に関しましても、当然、さまざまな民間会社というのが絡んでやっている事業であると思うわけであります。

 この水資源協会、財団法人ですね。この公益法人というのが、そういう民間がやるような建設コンサルタント業務を行っているということに、やはりどうも違和感があるんですけれども、それについてはいかがお考えでしょうか。これは副大臣にもお聞きをしたいと思います。

渡辺(具)副大臣 財団法人であります水資源協会の、まず設立目的でありますけれども、水の貴重さ等について国民の関心を高める活動を推進する、そういったこととともに、水資源の開発手法や施設の保全方法等に関する調査研究等を行うことで水資源の開発や施設の保全の合理化等を図ることによりまして水需給の安定化に寄与する、こういうことを目的にしてこの財団法人は設立されたものであります。

 そういうことで、そういう目的の水資源協会が建設コンサルタント業務を受注しているのはどうかということが御指摘でありますが、膨大に蓄積されました水資源開発施設を、いかに効率的に、いかに適切に管理し、更新を行うかといった技術につきましては、まさにこの協会が長年培ってきた。他の民間コンサルタントに比べまして、この協会こそが極めて専門的な知見を持っているわけでございまして、この知見を活用するとともに、こういった研究は非常に公益的な立場で行わなければならないものであります。そういうふうに考えますと、水需給の安定化にまた寄与するものでありまして、私が最初に申し上げました協会の設立目的に沿った公益事業だというふうに考えております。

 一方、水資源機構における平成十八年度の建設コンサルタント業務の総事業費は約百億でありますが、その大部分は、委員御指摘のとおり、民間の建設コンサルタント会社へ発注しているというふうに聞いております。

 こういうことで、民間に発注できる業務は民間の建設コンサルタント会社に発注されるという原則は保たれておりますが、先ほど申し上げましたように、この水資源協会が受注しております建設コンサルタント業務につきましては、この協会こそが最も卓越し、また幅広い技術、知見を持ち、かつ公益的な立場での業務だというふうに考えておりまして、水資源と機構が契約することは適当であるというふうに判断しております。

田村(謙)委員 大体、随意契約のことをお伺いすると、まさにその随意契約の対象となった先というのはほかに比類がない知見を持っているんだ、そういう非常に高度な専門性を有していて、ほかでは無理なんだと。実際、そういう理由の場合に随意契約というのは結ばれることになるわけですので、そういう意味では、そういうふうに御説明になるのは当たり前だと思うんです。

 今私がお配りをした資料の三枚目に、水資源協会の役員の名簿というものを御参考に載せさせていただきました。理事長というのは、日本河川協会会長も兼任をしていらっしゃる近藤さん、非常勤ですね。常勤の理事というのは専務と常務のお二人で、この二人というのは水資源機構から天下った、天下りというのかわかりませんけれども、もともと水資源機構にいらっしゃったお二人が今、水資源協会の専務と常務をやっていらっしゃる。そして、残りの理事は全員非常勤ですよね。女優さんがいたり大学教授がいて、あとは、国土庁にいらっしゃったOBとか、監事には建設省のOBがいらっしゃる。

 そういった役員構成で、そもそもこの役員を見ただけで全体を判断するのはなんだとは思いますけれども、役員を見ても非常に心もとないなというか、常勤の理事お二人は、二人とも水資源機構から来ている人ですね。そして職員は、私が調べた限りでは二十五人、現時点で若干変動はあると思いますけれども、その程度の人数だというふうに、私が調べた限りではそういう数字が出てきたんですが、およそ組織の体裁を見ただけでも、まさに民間に比類がないような知識や知見を有しているとは到底思えないですよね。

 確かに、さまざまな専門的技術はあると思いますけれども、それはすべて役所でやっているわけではなくて、さまざまな関連の民間業者と一緒になってやっている、あるいは民間業者が中心になっている事業も多々あるわけですよね。そういった中で、この水資源協会に対する随意契約、今、副大臣が御説明いただいたような御説明というのは、組織の体裁を見ても、とてもそのようなものとは思えませんけれども、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、古川(元)委員長代理着席〕

渡辺(具)副大臣 水資源協会の役員の中には、理事長に代表されますように、長年この分野において経験をされ、技術を蓄積された方がいらっしゃいますし、あるいは、この協会の職員だけでは対応し切れない問題や、また量的にも、そういうものについては、私も個々の調査を見たわけではありませんので一〇〇%確実なことは申し上げられませんが、他からの協力を得る場合もあるだろうというふうに思いますが、そういったものを、どういう人材がどこにいて、どういう技術を持った人がいいかとか、そういうことを判断することがまた一つの技術でありまして、そういうことを判断できる能力が、まさにこの理事長以下の職員にあるというふうに私は考えております。

 また、協力をする方でも、大学の先生ですとか、あるいはいろいろな専門家が協力する場合も、一民間会社よりは、恐らく、公益事業をやっておるこの協会に対しての方が協力しやすい面もあって、スムーズな、円滑な協力が得られて、調査業務が進みやすいといいますか、この協会において初めてそういう調査ができるというふうに考えております。

田村(謙)委員 私も専門家ではありませんので、この水資源協会が水資源機構から受けた仕事というのが、ほかの民間の業者が絶対できないのかどうか、あるいは水資源協会が本当にすばらしいのかどうか、私も確かにそこは明確にわからないところはあります。ただ、素人が見ても、この組織体の規模やあるいは体裁を見ても、今の御説明が納得がいくとは到底思えないですね。唯一納得がいくのは、そもそもこの水資源機構の、ある意味で天下りの受け皿のような団体でありますので、そういう人間関係として非常にスムーズに話がいくんだろうなというのは、副大臣がおっしゃったことは大いに納得がいくところでありますけれども。

 やはり随意契約というのは、結局、競争入札と違って、金額というのはもうお互いの内輪で決めてしまうわけですから、それが本当に、例えば同じレベルの民間企業があった場合に、より低い金額で契約を結ぶことができる場合は当然あるわけですよね。それが、このようなファミリー企業のようなところに随意契約でどんどん仕事を流しているというのがやはり税金の無駄遣いの大きな元凶になっているというのが、我々民主党の問題意識でありまして、これは、水資源機構の場合にはこういう財団法人がありますという一つの例でありますけれども、やはりそれぞれ、一つ一つの独立行政法人にファミリー企業のような財団法人、社団法人がたくさんあって、そこが天下りの受け皿になるとともに、随意契約によって多くのお金が流れている、それが税金の無駄遣いに大いにつながっているというふうに我々は考えているわけであります。

 それについてはこれ以上お伺いはいたしませんけれども、やはり財団法人、社団法人、昨年、公益法人の改革の法案が成立をいたしましたけれども、しっかりと新しい公益法人の制度にする際に当たって、このような財団法人というのは本当に必要なのかどうか、公益目的のために必要なのかどうかというのをしっかりと精査すべきだと思うんですけれども、それについての御決意を行革担当の政務官にお伺いしたいと思います。

岡下大臣政務官 お答えいたします。

 今御質問のありました新しい公益法人改革といいますのは、これは平成二十年の十二月ごろに施行を予定している今般の公益法人改革でございますが、明治二十九年以来続いてきた、官が許可した者のみが公益を担うという思想に基づいた縦割りの主務官庁制を抜本的に改めまして、内閣府に設置した公益認定等委員会が一元的に公益性の判断等を行うこととするものでございます。公益増進及び活力のある社会の実現に資するため、新制度の施行の円滑な実施に向け全力を尽くしてまいりたい、そのように決意しております。

田村(謙)委員 官僚答弁の棒読みのようでありますけれども、ぜひ棒読みではなくて、全力投球をしてしっかりと、そこはまさに公益、税金の無駄遣いをしない、本当に有用な公益法人だけを残すという姿勢でしっかりと挑んでいただきたいというふうに思います。

 さて、ちょっとまた別のことをお伺いしたいと思います。

 お配りをした資料の一枚目の左下に、アクアテルスという会社があります。これは株式会社でありますけれども、主に施設管理ですとか建設コンサルタント、あるいは建設業などが主な事業である。そして、売り上げは約五十四億、そのうち水資源機構からが四十六億円、従業員は約六百人で、上場していない、非上場である、そういう株式会社でありますけれども、きょうの午前中も田嶋委員が猪瀬直樹氏の「日本国の研究」という本を取り上げていらっしゃいましたけれども、このアクアテルスというのもその本に登場いたします。

 当時は株式会社水の友という名前だったようでありますけれども、もう十年前の本でありますが、その猪瀬氏の本に書かれておりますのは、当時の水の友、名前が変わる前の水の友という会社は、資本金三千万円のうち三百万円を水資源開発公団の厚生会、職員のための福利厚生の厚生会ですね、厚生会が出資していて、残りの全部を公団のOBの個人株主が持っているということを猪瀬氏が指摘していらっしゃいます。

 それはもう過去の話であるわけですけれども、当時、ある意味、結局、水資源開発公団というのは子会社を当然持てないわけですが、間接的に、厚生会が出資をすることによって事実上の子会社をつくっていたというふうに指摘をされているわけですが、現在の株主構成というのは一体どのようになっているか、教えていただけませんでしょうか。

青山参考人 今先生お話ございましたように、旧水資源開発公団の厚生会が株式会社アクアテルスに出資した経緯はございますが、これは平成九年一月にその出資を取りやめております。

 また、水資源機構そのものは株式会社アクアテルスの株主でもございませんし、また、機構といたしましては、株式会社アクアテルスの株式構成については把握をいたしておりません。民間企業の株主、株式構成については把握しておりません。

 以上でございます。

田村(謙)委員 民間の企業でありますし、上場しておりませんので、私もなかなか調べられなかったわけでありますけれども、ただ一つだけわかりましたのは、この水資源機構が都心からさいたま市に首都機能移転の一環で移転をしているわけですね。住所というのはお配りした資料の一枚目の名前の下にさいたま市と出ていますけれども、それとほぼ同時にアクアテルスも、もともと水資源機構は赤坂にあったんですね、それがさいたま市に移転をして、そしてほぼ同時にアクアテルスも赤坂からさいたま新都心に移転をしているということであります。

 そして、その代表取締役社長の中村俊一朗さんという方は、水資源機構の名前が変わる前の水資源開発公団の人事部長を務めていた方であります。そして、さらにその役員の構成になりますと、詳細は私も把握できませんでしたけれども、公団出身者が多いという話も聞いております。公団、機構の出身者がこのアクアテルスの役員に占める割合というのはおわかりでいらっしゃいますでしょうか。

棚橋政府参考人 アクアテルスの占める割合でございますが、水資源機構職員の民間企業への就職につきましては、それぞれの職員の人格、能力、見識等に基づきまして民間企業との間で雇用契約が結ばれたものと理解しており、国土交通省としては基本的に把握はしておりませんが、今回、アクアテルスについてのお尋ねがありましたので、水資源機構に確認いたしましたところ、アクアテルスの役職員のうち、水資源機構及び旧水資源開発公団の出身者は四十名であり、全役職員に対する割合は三一・五%であるというふうに聞いております。

田村(謙)委員 ありがとうございました。

 役職員の三一・五%が水資源機構から来ているということですよね。この数字は私も今初めてお伺いをしたんですけれども、この一枚目、私がお配りをした一枚目の資料をちょっとまたごらんいただきたいんですが、アクアテルスというのは、水資源機構から指名競争入札で二百七十六件、そして随意契約で十一件の契約を平成十七年度には受けております。

 全体の売り上げが五十四億で、そのうち四十九億が水資源機構からのに占められているわけでありますけれども、我々民主党で予備的調査でいただいた資料、それぞれの契約というのがどういった内容かという、一行の項目だけではありますが、それを見る限りでは、例えば、庁舎とか施設の管理とか、あるいは賄い業務、賄いというのはまさに工事とかの職員に対する食事ですよね、食事の提供、あるいは車両の管理、あるいは文書整理といったような、これはおよそ、例えば文書の整理に若干知識がないとできないとかというのはあると思いますけれども、ある意味で相当いろいろな企業ができるような業務が多いという印象を受けております。

 例えば庁舎管理というのが一番わかりやすいですね。これは本当にそういう庁舎管理をする業者というのはたくさんあると思いますけれども、このアクアテルスと、あと、オーテーシーですと後で御説明をいたしますが、オーテーシーで、この水資源機構から発注をしている庁舎管理業務をアクアテルスとオーテーシーの二社で指名競争入札の約半分を落札しているというのが予備的調査の結果でもわかっているところであります。それは明らかに不自然なんではないかなと思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

渡辺(具)副大臣 水資源機構におきましては、庁舎管理等を含む役務関係の業務にかかわる契約に関しましては、現在、原則として指名競争方式により発注されております。

 アクアテルスにつきましても、他の業者と同様に取り扱われておりまして、同社との取引実績については、あくまでも競争入札の結果であるというふうに聞いております。

 このような業務は山間僻地に立地しているダムの出先事務所等において発注される場合もありまして、アクアテルスにおいては、こういった地域での就労者の確保等につきまして長い間経験と実績を積んできたものでありまして、委員御指摘のような結果は私が申し上げたようなことによるのではないかというふうに推測いたしております。

 さらに、水資源機構では、平成十九年度からは、役務関係業務の相当部分につきまして、一般競争入札を導入したというふうに聞いております。

 国土交通省といたしましても、今後とも、これらの取引等を通じまして、より一層の競争性あるいは透明性を図っていくように水資源機構を指導してまいりたいというふうに考えております。

    〔古川(元)委員長代理退席、委員長着席〕

田村(謙)委員 今私が質問しない部分まで相当御説明いただきましたけれども、確かに、今までずっと、随意契約というのはいかにも怪しい、ファミリー企業として相当価格も操作をしながらやっているという疑惑が多々指摘をされていて、それが競争入札になってきた。

 確かに、今副大臣がおっしゃるように、指名競争入札、このアクアテルスにしても指名競争入札で契約を得ているわけですね。その半分を落札するというのは、それだけ立派な会社なのかなという気もいたしますけれども。

 ちなみに、このオーテーシーというのは、表にも、資料もお配りしましたので若干説明をいたしますと、民間会社ですのでなかなかわかりませんけれども、売り上げは約七億円、一枚目の資料の一番左下ですね、その売り上げの半分以上は、水資源機構からの指名競争入札で得た契約で得ている。従業員は十四人。事業は、主にとび、コンクリート工事、測量といったような事業だと。そしてさらに、このオーテーシーの筆頭株主というのがアクアテルスで、三万株を所有している。このオーテーシーの資本金というのは二千万円だということですので、仮に一株五百円だとして、そして発行済み株式を四万株とすれば、その四分の三をアクアテルスが所有している。ただ、そこは発行済み株式が何株かというのは把握をしておりませんので、あくまで推定でありますけれども、少なくとも筆頭株主であるのは間違いないだろうということであります。さらに、アクアテルスの三人の代表取締の一人がこのオーテーシーの取締役を兼務している。

 それ以上のことはわからないわけですけれども、表面的に見ると、オーテーシーというのはアクアテルスの子会社のようなもので、なぜ分離をしているのか、それはさまざまな経緯が、まさにアクアテルスは昔水の友で、そのころからこのオーテーシーはあったようでありますけれども、その子会社のような役割を果たしていた。水資源機構からいうと、このオーテーシーというのは孫会社に当たるような会社のようでありまして、そのアクアテルスとオーテーシーが、繰り返しになりますが、庁舎管理業務の半分を落札しているというのを重ねて申し上げたいと思います。

 そして、時間も限られておりますので、確かに、競争入札にしたと副大臣はおっしゃいました。

 そこで、指名競争入札といわゆる一般競争入札とありますよね。今副大臣がおっしゃったように、十九年からは基本的にあらゆる契約を一般競争入札にするという方針に変えたという話を、私も説明を受けております。それはやはり、ことしの三月に、水門設備工事の談合でありますけれども、それで公取から厳しく指導を受けて、それを受けての動きなんだろうというふうに思います。

 ただ、私が部分的にお伺いをしたんですが、この水資源機構が、さまざまな契約の中で、物品役務の契約というものが多々あるわけでありますけれども、それを基本的には一般競争入札にするんだという方針だと聞いておりますが、ただ例外があるんですね。私も詳細は聞いておりませんが、政府調達協定の適用を受けないものについては、例えば一千六百万円以上のものについても、できる限り一般競争入札にするけれども指名競争入札の余地も残すということを言っております。

 この指名競争入札というのはそもそもどうなのかということを若干お聞きしてみたいんですが、例えば、これは役務ではありませんけれども、お配りをした資料の四枚目、五枚目をごらんいただきたいと思います。これは、まず四枚目がクレストゲートワイヤロープ取替工事、そして五枚目、一番最後が利水放流予備ゲート油圧シリンダ整備工事というふうになっています。この二つをちょっと見ていただきたいんですけれども、これも指名競争入札ですね。

 指名競争入札というのは、なるべく十人以上の業者を指名しなければならないということのようで、そういうふうに工事請負契約の事務処理要領、水資源機構の事務処理要領に書いてあるようでありまして、十社程度を指名するというのが原則になっているようでありますけれども、結局、まずこのクレストゲートワイヤロープ取替工事、こちらも十社を指名して、八社は辞退をしてしまっていますよね。そして、残ったイスミックと豊国工業、二社が入札をして、イスミックが落札をしている。

 そして、次のページ、最後のページになりますけれども、また別の工事、ただ、どちらも下久保ダムというんですか、同じダムのものなんでありますが、これも指名しているところは結構ありますけれども、多くが辞退をして、結局やはりこのイスミックと豊国工業だけが入札をして、そして今度はイスミックじゃなくて豊国工業が落札をしている。これは工事の件でありますけれども、非常にわかりやすかったので。

 ちなみに、辞退をしている会社、全部ではありませんが、例えば、この最初の五月のクレストゲートワイヤロープ取替工事のうちの七社は、公取から入札談合で指摘をされた業者でありまして、十一月の、二つ目の契約については八社がやはり指摘を受けた関連業者であります。

 やはり、これも何となく、指名競争入札といいながら談合があるのではないかなと思わせる部分があるんですけれども、ちょっとお配りはしておりませんが、役務や物品という、より簡単なものについてもそれに近いと思わせるようなものというのがやはり多々散見をされます。

 指名競争入札といっても、例えば、物品役務の千六百万円以上のものというのが十七年度は七十八件あって、そのうちアクアテルスが五十億円落札をしています。それも、六十五件入札をして、指名されて参加をして、六十五件中五十五件落札をしているんですね。それだけすばらしい会社なのかもしれませんけれども、なかなか私のような素人でも、そんなに高い確率で落札ができるのかなというのは、非常に疑わしいなと思うところであります。

 そして、指名されている業者を見ると、それこそ水資源機構から天下りを受け入れている団体ですとか、企業ですとか、あるいは国土交通省から天下りを受け入れている、そういった企業が指名されているところに多々見受けられます。

 指名競争入札でもそういった談合と疑われるようなものが多々ある中で、やはりそこはすべて一般競争入札にすべきじゃないかというふうに思うんですけれども、御説明を聞いていると、できる限り一般競争入札にするというだけで、すべてとはおっしゃらないんですね。その理由はなぜか。私は、ぜひともすべて、ある程度の金額以上は一般競争入札にすべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。

青山参考人 今お尋ねのうち、役務契約につきましては、車両管理業務等にあっては、ことし四月以降に契約を締結する百万円以上の業務については一般競争入札方式を導入したところでございます。

 また、これに加えまして、本年七月から、従来指名競争入札方式で実施しております千六百万円以上の役務業務につきましては原則として一般競争入札方式に、また、指名競争入札方式で実施している五千万円以上の建設コンサルタント業務につきましては簡易公募型競争入札方式に変更するよう前向きに検討してまいりたいと考えております。

 機構といたしましては、透明性のある、また、より客観性のある入札契約制度に向けてより一層努力していきたいと考えているところでございます。

田村(謙)委員 ぜひともこのような、ファミリー企業にどんどんお金を流している、税金が無駄遣いされるというような疑惑を持たれないように、原則というか、もうすべて一般競争入札にするように取り組んでいただきたいということを重ねて主張いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

仙谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五十三分散会


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