衆議院

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第3号 平成19年12月13日(木曜日)

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平成十九年十二月十三日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 枝野 幸男君

   理事 木村 太郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 平田 耕一君 理事 福井  照君

   理事 松野 博一君 理事 前田 雄吉君

   理事 横光 克彦君 理事 上田  勇君

      麻生 太郎君    石原 伸晃君

      稲田 朋美君    岩屋  毅君

      浮島 敏男君    江藤  拓君

      木原  稔君    坂井  学君

      鈴木 馨祐君    土屋 正忠君

      冨岡  勉君    永岡 桂子君

      丹羽 秀樹君    西銘恒三郎君

      西本 勝子君    林   潤君

      広津 素子君    福岡 資麿君

      矢野 隆司君    安井潤一郎君

      山本  拓君    与謝野 馨君

      金田 誠一君    河村たかし君

      小宮山泰子君    高山 智司君

      津村 啓介君    寺田  学君

      松本 大輔君    松本  龍君

      吉田  泉君    坂口  力君

      谷口 和史君    鈴木 宗男君

      玉沢徳一郎君

    …………………………………

   総務大臣         増田 寛也君

   財務大臣         額賀福志郎君

   農林水産大臣       若林 正俊君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   財務副大臣        森山  裕君

   外務大臣政務官      宇野  治君

   衆議院庶務部長      山本 直和君

   会計検査院長       大塚 宗春君

   会計検査院事務総局次長  増田 峯明君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   会計検査院事務総局第二局長            小武山智安君

   会計検査院事務総局第五局長            高山 丈二君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  野村 正史君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 藤井 昭夫君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  村木 裕隆君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久元 喜造君

   政府参考人

   (総務省郵政行政局長)  橋口 典央君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   塩尻孝二郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房広報文化交流部長)        山本 忠通君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    西宮 伸一君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           鈴木 正規君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   香川 俊介君

   政府参考人

   (文化庁次長)      高塩  至君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮坂  亘君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           町田 勝弘君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    福水 健文君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        藤田 伊織君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            榊  正剛君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  和泉 洋人君

   政府参考人

   (防衛省防衛参事官)   枡田 一彦君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   中江 公人君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 松本隆太郎君

   政府参考人

   (防衛省経理装備局長)  長岡 憲宗君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長)    西川 善文君

   決算行政監視委員会専門員 菅谷  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十三日

 辞任         補欠選任

  杉村 太蔵君     丹羽 秀樹君

  小宮山泰子君     吉田  泉君

  松木 謙公君     河村たかし君

同日

 辞任         補欠選任

  丹羽 秀樹君     永岡 桂子君

  河村たかし君     松木 謙公君

  吉田  泉君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     鈴木 馨祐君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 馨祐君     土屋 正忠君

同日

 辞任         補欠選任

  土屋 正忠君     杉村 太蔵君

    ―――――――――――――

十二月十一日

 平成十八年度一般会計歳入歳出決算

 平成十八年度特別会計歳入歳出決算

 平成十八年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十八年度政府関係機関決算書

 平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

十一月一日

 中央省庁の補助金等交付状況、事業発注状況に関する予備的調査要請書(松野頼久君外百十二名提出、平成十九年衆予調第六号)

は本委員会に送付された。

十一月九日

 中央省庁の補助金等交付状況、事業発注状況に関する予備的調査要請書(平成十九年衆予調第六号)の提出者「松野頼久君外百十二名」は「松野頼久君外百十一名」に訂正された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百六十六回国会、内閣提出)

 平成十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百六十六回国会、内閣提出)

 平成十八年度特別会計予算総則第十二条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百六十六回国会、内閣提出)

 平成十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百六十六回国会、内閣提出)

 平成十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百六十六回国会、内閣提出)

 平成十八年度一般会計歳入歳出決算

 平成十八年度特別会計歳入歳出決算

 平成十八年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十八年度政府関係機関決算書

 平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書

 歳入歳出の実況に関する件

 行政監視に関する件


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     ――――◇―――――

枝野委員長 これより会議を開きます。

 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社西川善文取締役兼代表執行役社長の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房野村正史内閣参事官、総務省人事・恩給局藤井昭夫局長、総務省行政管理局村木裕隆局長、総務省自治行政局久元喜造選挙部長、総務省郵政行政局橋口典央局長、外務省大臣官房塩尻孝二郎官房長、外務省大臣官房山本忠通広報文化交流部長、外務省北米局西宮伸一局長、財務省大臣官房鈴木正規総括審議官、財務省主計局香川俊介次長、文化庁高塩至次長、厚生労働省大臣官房宮坂亘審議官、農林水産省消費・安全局町田勝弘局長、中小企業庁福水健文長官、国土交通省大臣官房藤田伊織官庁営繕部長、国土交通省総合政策局榊正剛局長、国土交通省道路局宮田年耕局長、国土交通省住宅局和泉洋人局長、防衛省枡田一彦防衛参事官、防衛省大臣官房中江公人官房長、防衛省防衛政策局松本隆太郎次長、防衛省経理装備局長岡憲宗局長の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井学委員。

坂井委員 おはようございます。自民党の坂井学でございます。

 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。早速に厚生労働省の方に御質問をさせていただきたいと思います。

 平成十二年の十二月六日付で、厚生省の生活衛生局長名で、お墓の経営・管理の指針等について通知というのが出されております。

 その中の許可に関する指針というところで、「いわゆる「名義貸し」が行われていないこと。」こういう項目がございまして、新しい事業型の墓地等々を許可する際の留意すべき事柄ということで挙げられております。基本的には、寺院、宗教法人が実質的な経営主体であることというのが内容になっているかと思います。

 朝日新聞の記事をちょっとつけましたけれども、簡単に言いますとこのような図式になっておりまして、宗教法人は単なる名前、名義貸しだけで実体がない、こういう状況だ、これは最終的には、霊園が開園をされて売られた後、ちゃんと経営がされない、経営の安定性が保てない、要は夜逃げをするような業者もあるというようなことでございまして、この名義貸しというのはよろしくない、こういう内容になっております。

 実際、埼玉の事例でもまた横浜でも、名義貸しを理由に販売の停止命令が出ているというようなこともありますが、今現在の厚生労働省の名義貸しによる霊園開発に対する見解というのをまず最初にお聞きしたいと思います。

宮坂政府参考人 お答えを申し上げます。

 墓地、埋葬等に関する法律におきましては、墓地経営の許可の事務は都道府県知事等の自治事務とされておるところでございますが、今委員御指摘のとおり、厚生労働省といたしましては、各都道府県等において墓地に対する指導監督等が適切に行われますように、墓地経営・管理の指針というものを定めまして、都道府県に対して通知をしているところでございます。

 この中で、委員の御指摘の中にもございましたが、墓地の経営主体につきましては、永続性が大事であるということ、それから非営利性を確保するという観点から、地方公共団体が原則で、これによりがたい場合には宗教法人とか公益法人に限られるという考え方を示しているところでございます。

 今御質問のいわゆる名義貸しの関係でございますが、このように、墓地の経営主体につきましては地方公共団体を原則といたして、例外的に宗教法人、公益法人ということにしておるわけでございますが、例えば宗教法人が行う墓地経営につきまして、墓地の開発とか区画の販売委託を受けた民間企業が、それを超えて実質的な経営主体となっている事例というのは、これはある意味で言って、無許可で墓地経営を行うということを隠ぺいする、いわゆる名義貸しということでございまして、問題であるというふうに考えております。

坂井委員 そこで、この日経に載った記事をちょっと見ていただきたいわけですが、これはたまたまニチリョクという会社のケースが取り上げられておりまして、これは特に販売権、要は墓地の販売権を担保とすることが珍しい、このことによって取り上げられているわけでございます。この図を見ていただければ、先ほどの朝日新聞の図とほとんど一緒というように感じております。

 基本的には、運営主体のお寺さん、要は宗教法人は、この図を見る限り、一銭も資金を用意することなく、ニチリョクという会社がつくりました特定目的会社でありますSPCと呼ばれる会社に十二億円融資をし、そして、銀行から墓地の販売権や墓石の工事権というものを担保に三十億円を借り入れまして、開発に必要な四十二億円を準備している、こういう図でございます。

 この墓地の販売権と墓石工事権を担保にするという点、それから、実は、これはインターネットでも公表されているわけでありますが、貸借対照表に墓地の永代使用権というのがこの会社の資産として載っているわけですけれども、これらの点に関しまして、厚労省は名義貸しというような観点からどうお考えになるかということが一つ。

 そしてまた、この記事からでは当然即断はできないにしても、このケースは、今おっしゃった名義貸しという状態、具体的に言えば、この通知の中に事細かに、例えばというようなことで書いてあるわけでありますが、名義貸しの状態であるという可能性が極めて濃厚ではなかろうか、こう思うわけですけれども、厚労省の見解をお聞きしたいと思います。

宮坂政府参考人 二つ御質問があったかと思います。

 まず最初の墓地の使用権の問題でございますが、実は、先ほど申し上げました指針の中にも、例えば土地それ自体について抵当権を設定してお金を借りるということ自体、それは禁止しておりません。ただ、できるだけ早急にその抵当権を排除するようにというようなことでございまして、その墓地の販売権というのが、いわゆるSPCというか、資産の流動化に関する法律の中でそれを資産としてするかどうかというのは、正直申し上げまして、私どもとして直接的に所管しているわけではございませんので、即それがいいとか悪いとかということは、ちょっと申しわけございませんが、私の立場で正確に申し上げることができないことはちょっと御容赦いただきたいと思います。

 問題は、新聞記事だけを見ますと、今おっしゃいましたように即断するというわけにはいきませんが、いわゆる名義貸しのおそれがある事例ではないかというふうにも思われるわけでございます。そうすると、墓地経営で許可を与えるときには、基本的には、許可段階での厳格な審査というのがありまして、それから許可をした後でもチェックということができるようになっておりますので、そういうことが必要なケースではないかというふうに思っております。

 さらに、このようなことが一般論としてどうなんだということにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、宗教法人から墓地区画の販売委託を受けた民間企業が、単に墓地を利用する方々の募集とか仲介をするにとどまらないで、一切の墓地区画の使用権を取得した上で個々の使用者に販売する、墓地の利用者に販売するということにつきましては、逆に言いますと、個々の墓地利用者につきましては、宗教法人ではなくて当該民間企業と契約を結ぶということになりまして、宗教法人が墓地経営の主体として責任のある管理運営を行うことができないおそれがあるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、墓地埋葬法におきましても、基本的には自治事務ということでございますけれども、宗教法人に墓地経営主体としての実体があるかどうか、また、適切に墓地経営を行えるかどうかにつきまして、厚労省といたしましても、十分な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。

坂井委員 今のお話の中にも、まず許可の段階で厳しい審査、こういうお話がありましたが、この図から見ても、可能性が通常よりはある、もしくは、この図がそのままであれば問題があるということであれば、当然、審査はより慎重に、また厳格に行うべきだと考えますけれども、この点についての御見解が一つでございます。

 もう一つお聞きをしたいのは、ここで私が言いたいのは、この場合はニチリョクさんですが、個人の会社が云々という話ではなくて、また、墓地も、住民エゴから、つくるな、こういう話がよくあるわけでございますが、それに乗るわけでもありません。必要なものは必要でありますし、しっかりしたものは、つくっていただかなければ困る場合はしっかりつくらなきゃいけないと思っておりますが、ただ、私が今回一番言いたいのは、各自治体によってかなり差があるということなんです。

 例えば、このニチリョクさんの例でありますが、これに関しましては、当然、経営主体がどこかということはしっかりと審査をよりすべきだと私は思っておりますが、一方では、これを通常の審査、もしくは経営主体をはっきり、本当に審査をしたのかどうかということも疑わしいようなまま、これが許可をされるという事例がございます。

 例えば、川崎市などは、経営主体を確かめるために、どのくらい宗教法人が財産を持っているかというのを調べるために、場合によっては通帳の提出を求めるということをしておりますし、また、ある市は、出資払込金保管証明書という、単なる残高証明書ではなくして、残高証明書は単なる見せ金の可能性がありますので、このようなものを求めるという努力をしたり、また、一度でも名義貸しによる霊園開発をしたようなところには二度と開発許可をおろさないとか、また千葉市などは、需給関係を見てもそれなりに新設墓地は間に合うということから、しばらくこういう事業型墓地の新設は許可をしないというような方針を出したりとか、それぞれ自治体において努力をしているところもあるわけでありますが、一方においては、名義貸しが実際に幾つも発覚をしているというような自治体や、また、その結果、経営母体が存在をしなくなってしまうというような状況が起きたりと、こういうところもあるわけであります。

 ところが、今局長がおっしゃったように、要は国の指針というのはある種単なるアドバイスだ、こういうことでありまして、もちろん、地方自治体の裁量でこれは判断をしていくわけですが、これだけ余りにも差があると、また、もしくは国の指針から大きく外れるような、要はそれを守らないような結果が出るような、こういった自治体の行政というのは、私は、当然もっとしっかりと厚労省が指導をしていかなければならないのではなかろうか、このように考えているわけでございますが、その点に関してお考えをお聞きしたいと思います。

宮坂政府参考人 墓地経営の許可が都道府県なり政令指定都市の自治事務とされておりますのは、住民の宗教感情とか、葬送、葬儀をめぐる風土とか文化が地域によって異なっている面があるということで、地域の実情を踏まえた運用が必要であるということで自治事務にしているということでございます。墓地経営の許可に当たりまして、こうしたことがございますので、ある程度、都道府県ごとの考え方で程度の違いが生じるということは、ある意味で制度の中でやむを得ないというふうには考えております。

 ただ、先ほど来御議論になっておりますように、墓地経営の許可に当たって、名義貸しというような、まさに墓地経営の永続性なり非営利性の確保という観点から見て問題であるという事例、そういうのは地域性にかかわりなく徹底が図られるべき問題ということでございまして、先ほど申し上げましたとおり、平成十二年に厚生労働省といたしまして一定の指針というのを出しまして、墓地経営の許可権者でございます都道府県等に指導をしているところでございますが、さらにその点を徹底するように、適切に指導が行われるようにということで、さらに我々としても指導の徹底に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

坂井委員 それでは、その点はよろしくお願いいたしまして、次のテーマに移りたいと思います。

 平成十九年、ことしの六月二十日から改正建築基準法が施行されておりますが、その点に関しまして、私の地元横浜市等では、建築業者や不動産業者さん等々に、許可指針やまたガイドライン等を自治体に示す前に施行に踏み切ってしまった、要は準備不足のまま施行に踏み切ってしまった、これは国交省が悪いんだ、こういう説明を地元でいたしております。いろいろな不手際があった、こういうことであるわけでありますが、その点、国交省はどのようにお考えかということをまずお聞きしたいと思います。

冬柴国務大臣 建築基準法につきましては、例の姉歯事件、おととしの暮れでございますが、起こりまして、国民生活に大変な不安をもたらしました。したがいまして、この耐震偽装問題の再発を防止し、一日も早く国民が安心して住宅の取得や建築物の利用ができるように、建築確認検査の厳格化を柱とする改正を行いまして、昨年の六月に公布し、一年以内ということで、ことしの六月二十日にこれが施行されたわけでございます。

 これにつきまして、これまで我々は、関係政省令を四本、それから告示を二本発出いたしておりますが、それには行政手続法に基づくパブリックコメントというものを一回に三十日以上のものを行わなければなりませんので、そういうものも踏みながら、これは、こういうものを発出するためには、いろいろな、日本建築行政会議等、あるいは実務者の意見交換等をしながら、これをやってきたわけであります。

 そして、施行前の四月の二十七日から六月六日までにかけて、まず一般向け講習会というものを、改正建築基準法の解説というものでございますが、これは、延べ二十三会場、九千六百二十三名の方が参加をして、我々としては、札幌から沖縄まで行ったわけであります。それ以外にも、十九年五月八日から六月十五日にかけて、審査の担当者向けの研修会、確認検査等に関する指針というものについての研修会を、これも二十四会場で七千百六十一名の専門家が参加してこういうものを行ってきたわけでございます。

 したがいまして、今おっしゃったように、準備不足だったのではないかという責めは甘受するにしても、できるだけのことはやってきた。これは、こういう大きな改正ですから、もう少し日も欲しかったんですけれども、当時の状況を考えますと、当時は、ああいう不安になりまして、マンションも全く売れないような状況でした。したがいまして、一日も早く施行してほしいという強い要請がありまして、成立後一年ということになったわけでございます。

 そういうことで、いろいろと減少はいたしましたけれども、問題は着工でございますが、住宅着工については、十月は九月と比較して増加に転じております。九月は六万三千十八戸でございましたけれども、十月は七万六千九百二十戸と二二・一%ふえております。また、建築確認も着実に改善しつつあります。九月は四万二千四百十四戸でございましたが、十月は五万三千二百十八戸と二五・五%増加いたしております。

 我々としましては、その後もいろいろな手を打ち、そして三十万部にわたるパンフレットも発行して、そしてあらゆるところに置いてこれを見ていただくようにしているんですが、なかなか、一人親方の方々等、私も現場へ行きますと、三部も四部も同じものをもらっているという人もあれば、一枚ももらっていない、おれは読んでいないという人もありまして、そういう人たちのために、面接方式で相談に応じるというものを今月中につくろうということで、坂井議員の地元の神奈川ではもう既につくっております。

 そのようにいろいろと手を打ちながら、これを何とか一時的なものにとどめ、そして建築物については、安全、安心で買い求めていただけるようなものをつくってまいりたいということで努力をしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

坂井委員 大臣、ありがとうございます。

 今、大臣のお話にもありました、申請数や許認可数も今上っているということでございますが、ただ、地元の声または現場の声としてぜひとも大臣も聞いていただきたいと思いますのは、国交省の方がそういう数字を出してきても、現場では、末端の要は孫請やひ孫請をして毎日の暮らしをつないでいるようなそういう業者の方々が、許認可数がふえてきているけれども、当然、仕事が実際に手元に来るまでにはタイムラグがあるわけでありまして、要は、それまでの間に食いつなげない、そのまま例えば倒産をしてしまう、解散をしてしまうというようなことが実際あるわけです。

 結果として、マクロで見れば数は上がりますけれども、現場のミクロで、個々の業者さんたちにしてみれば、自分のところはだめになってしまった、ほかのところがまたそれで新たに出てきたけれども自分のところはだめになってしまったと。結局、ミクロで見れば、そういうことが大いに起こる可能性がございます。

 例えばそういうところは、もちろん金融機関、銀行に行ったことがないとか、今までそういうところで金を借りたことがない。要は、仕事をもらっているところの業者さんからいろいろ融通をきかせてもらってお金を借りたり、返すのを待ってもらったり、例えば資材を借りたり、いろいろなことをやって仕事をしてきたりしているわけですが、今現在は、その仕事を出しているところ自体が大変厳しい状況で余裕がないという中で、今までは守ってきてもらったけれども、しわ寄せが一番最後に来てしまっているというような状況も現状あるというふうに聞いているわけでございます。

 私の地元では、国の失政によって何で我々が遊ばされ、そして借金を抱えなきゃいけないのかという現場の要は末端の業者の方々の声も私のところに幾つも届いておりますので、そういうことがあるんだ、また、そういう方々に届くようなこれからの施策の打ち出し、また、スムーズに今後建築基準法が施行されるような施策をお願いさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

枝野委員長 次に、上田勇委員。

上田委員 公明党の上田勇でございます。

 十分間という限られた時間でございます。簡潔なやりとりをしていきたいというふうに思いますので、御協力のほどをよろしくお願いをいたします。

 まず最初に、特殊法人、独立行政法人等への官僚の天下りの問題についてです。

 役所を公務員として退職をしたときに一たん退職金を受け取り、そしてまた独立行政法人に行って、そこをまた退職するときに退職金を受け取るという高額な退職金の二重取りという問題が厳しく批判を受けました。これを是正する目的で、独立行政法人等の役員へ出向という形で、公務員を退職した時点では退職金を支給しない、したがって二重取りをなくすという役員出向という制度を導入いたしました。

 現状でこの役員出向制度をどの程度活用されているのか、御報告をいただきたいと思います。

藤井政府参考人 御指摘の特殊法人、独立行政法人等への役員出向の仕組みにつきましては、退職金の二重取り批判等もございまして、公務員制度改革大綱、これは平成十三年に閣議決定されているものでございますが、に基づいて運用されているところでございます。

 平成十八年十月一日現在でございますが、独立行政法人へはこの制度を使って八十八名、それから特殊法人へは八名、認可法人へは一名、それから国立大学法人、大学共同利用機関法人へは六十二名の者がこの制度を使って出向しているということでございます。

上田委員 今、数字の御報告があったのですけれども、そういう厳しい批判に対して新たな制度を導入し、もっと積極的に活用してもしかるべきではないのかなというふうに思いますので、引き続き御努力をいただきたいというふうに思います。

 ただ一方で、平成十六年からは、独法等の役員の退職金の算定基準、これも大きく見直し、それまでの約三分の一程度に縮減をいたしました。そうなると、役員出向の場合と退職金の総額という意味ではほぼ同水準だというような御説明も伺ったのですけれども、これらの役員出向制度の導入あるいは退職金算定基準の見直しなどのそうした改革によりまして、これまで批判の強かった高額退職金の二重取り、そういう悪弊というのは改善されたという御認識なんでしょうか。お伺いいたします。

藤井政府参考人 退職金等の二重取りの問題のやはり背景には、特殊法人とか独立行政法人の役員の退職金が高いのではないか、そういうことがあったと思います。それで、御指摘のとおり、平成十五年の閣議決定によって、退職金の基礎額を国家公務員と同様の水準とされたというふうに承知しているところでございます。

 こうした退職金の見直しや特殊法人等への役員の現役出向制度の導入によりまして、国家公務員が退職後に特殊法人等の役員としてわずかな期間を在職するというだけで高額の退職金を受け取る、そういういわゆる退職金の二重取りの問題については是正がなされたというふうに理解しているところでございます。

上田委員 ありがとうございます。

 今の御説明で、いわば、役所を退職して短期間役員を務めることによって、その数年の期間で高額な退職金を受け取るという実態は改善をされたということでございます。

 ただ、依然としてやはり、独立行政法人、特殊法人の報酬のあり方あるいは退職金のあり方、適正化を求める世論は非常に強いわけでありますので、引き続きその適正化に向けてまた努力していただきたいというふうに思いますし、私ども与党としても、その点さらに取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

 もう一つ、天下り問題と密接な関係のあります、各省庁の幹部職員の早期退職慣行の現状についてでございます。

 平成十四年十二月の閣僚懇談会申し合わせでは、平成十四年度時点で平均の退職年齢五十四・四歳でありましたけれども、これを平成二十年度までの五年間で三歳引き上げ、したがって五十七・四歳とするということを決めております。

 先日、我が党で今現状どうなっているのかということを調査をお願いしたところ、平成十九年度時点では五十五・九歳。これは確定した数字ではありませんけれども、概数はそういうことでありました。毎年この五年間同じ割合で引き上げていくということにしますと、一年当たり〇・六歳ずつ引き上げていかなければいけないわけでありますので、十九年度時点では五十六・八歳というのが目標水準だろうというふうに思います。

 五十六・八に比べて五十五・九でありますので、計画から大幅におくれているわけでありますけれども、来年が目標年度でございます。来年度の目標達成のためにこれからどのような取り組みをされるのか、お考えを伺います。

藤井政府参考人 国家公務員の早期退職慣行の問題につきましては、御指摘のとおり、平成十四年の閣僚懇の申し合わせで、幹部職員の勧奨退職年齢を平成二十年度までに原則として三歳以上高くする、そういう方針でいるところでございますが、これも御指摘のとおり、平成十八年度までには一・四歳の上昇にとどまっているということでございます。

 今後はやはり、引き続き各省庁におかれて、昇進年次の延伸、それから同一ポストの在職期間の長期化、こういった努力を一層強力にやっていただく必要があると思っておりますし、加えまして、今般、一般職の給与法を改正していただきまして、その中で専門スタッフ職制度というものを設けていただいております。これは複線型人事を設けるための仕組みということでございますが、こういった制度を活用するということで早期退職慣行の是正をさらに推進していく必要があるというふうに考えているところでございます。

上田委員 ぜひお願いしたいというふうに思いますけれども、平成十四年、これは閣僚懇で申し合わせたことでございます。そこで決定をしたことが五年間で三歳でありますから、それほど困難なことではないんだろうというふうに私は思いますけれども、それがこのように大幅におくれているということは極めて遺憾なことでありますし、これは総務省の方からそれぞれの各官庁の方に督励をしていただいて、閣僚で申し合わせたことでありますので、ぜひこれは目標を達成していただくようにお願いをしたいというふうに思います。

 最後に、今度はちょっと国土交通省にお伺いをいたします。

 先ほど坂井委員からも建築基準法改正に伴う問題点についての御質問がございました。住宅等の新規着工件数が大幅に減少しているという、今極めて深刻な問題になっております。内容は、先ほどもいろいろと御説明があったところでありますので省略はいたしますが、事態は極めて深刻であり、この間の行政の準備、あるいは問題が表面化してからの対応にも問題が多かったというふうに私は指摘せざるを得ません。先ほどの国土交通大臣からの答弁で、いろいろな対策は行っているということではありますけれども、ちょっとまだ、その危機意識というか今の現状認識が甘過ぎるのではないのかなという感じがいたします。

 そこで、もう時間でございますので、事態の今後の見通し、それから、この問題の早期解決に向けて国土交通省として省を挙げて取り組んでいただきたいと思いますが、その決意を簡潔にお願いいたします。

枝野委員長 国土交通省和泉住宅局長、簡潔にお願いいたします。

和泉政府参考人 先ほど大臣からも答弁しましたが、今の委員の御指摘を踏まえまして、さらに真剣に、深刻な問題意識で頑張ってまいりたいと思います。

枝野委員長 次に、前田雄吉委員。

前田委員 民主党の前田雄吉です。

 きょうは、まず初めに総務大臣に伺いたいと思います。地方法人二税の見直し問題について伺いたいと思っております。

 総務大臣、地方法人二税の問題ですけれども、十二月十一日火曜日に東京の石原知事は福田総理と会われて、五輪招致協力など十三項目の要求を条件に法人事業税三千億円を地方に再配分、これを同意されたわけでありますけれども、都市部の我が愛知県、まさに寝耳に水の話でありまして、受益に応じた配分という地方税の原則、いわゆる応益原則、そして大都市特有の膨大な行政需要があるということで共同歩調をとってきたわけであります。まさに東京の抜け駆けというふうに私たちは受けとめております。

 聞きますところによると、昨日、総務大臣は我が愛知県の神田知事と会われて、神田知事は、東海大地震等への対策、耐震化の対策の重要性、あるいは我が県の有する航空宇宙産業への御理解を求めましてお話をされたということでありますけれども、今後もこうした個別交渉でやられるのかということを伺いたいと思います。

増田国務大臣 お答え申し上げます。

 今お話しの法人二税の関係でございますが、都市部と地方部で大変偏在が大きい、東京都とそれ以外で六対一ということがございまして、何とかこれを是正したいということでいろいろと御検討をいただきました。

 きょうは、自民党の党税調でございますが、大綱が決まるという段階でございますけれども、法人二税の配分を是正するということで決まるわけでございますが、これは、何よりも、そういうことになりますと、結果といたしまして、今先生からお話しの愛知県さん、それから東京都の来年度の税収が大きく減少するということにつながります。一方で、安定的な財源を確保するための措置をとりますが、まず、それにしても、こうした団体の理解を得るということが大変重要でございます。

 したがいまして、両都県の知事さんには総理にも会っていただきましたし、昨日、今まさに先生のお話にございましたとおり、神田知事さんと私お目にかかりまして、この点についての御理解をいただきつつ、また愛知県の事情についてもいろいろとお話を賜りましたので、そのことについても重く受けとめているところでございます。

 こうしたことについて、これはそうしたことだけで十分な理解を得られるというわけでは決してないと思いますので、これからも、そうした御関係のところの皆様方には真摯に率直に胸襟を開きましていろいろなお話を承っていきたい、国としても努力すべきところは努力していきたい、このように考えております。

前田委員 我が愛知県にとりまして、減収額の八百億円は非常に大きな額であります。特に、本年度県予算の道路整備など県の単独事業の半分に当たりますし、それからまた、申し上げますならば、この八百億円というのは医療費の助成と私学助成を合計した分ぐらいの大きさであります。非常に重い額でありますので、よく御理解いただきたいと思っております。

 これからの話ですけれども、本当にこれが暫定措置で済むのか、恒久化はあり得ないのかどうかはぜひ総務大臣に伺いたいと思います。

増田国務大臣 今回の措置でございますが、これは喫緊の課題でございます税源偏在を是正するということでございまして、あわせまして、地方税の体系を安定的な、私ども総務省としては消費税中心の税体系に変えていきたい、こういうことで考えているわけでございますが、これは抜本改革の時期までどうしても議論を延ばさなければいけない、こういうことがございましたので、今回の措置は暫定的な措置として仕組ませていただきました。このことについては、今後、立法化いたします法律の中でもきちんと明確にして、暫定的な措置であるということを明らかにさせていただきたい、このように考えております。

前田委員 今大臣がくしくもおっしゃいましたけれども、ぜひ、これは本当に暫定措置であっていただきたいと思っております。

 もともと、地方消費税との税源交換による配分見直しなら評価し得ますけれども、一たん国に法人税を吸い上げてやるやり方はやはりおかしい。地方法人特別税の二兆六千億円は消費税の一%分に当たるわけでありまして、景気に左右されない地方消費税の充当が安定した地方財源をつくる道だということを今大臣もおっしゃいましたけれども、私も主張させていただきたいと思っております。

 次に、電子投票の国政選挙への導入について、やはり総務省に伺いたいと思います。

 一昨日の十二月十一日の衆議院本会議で、いわゆる電子投票を国政選挙に導入するための公職選挙法特例法改正案が、自民、民主、公明、社民などの賛成多数で可決、参議院に送付されたわけでありますけれども、何点か若干確認しておきたいことがありますので、また御答弁いただきたいと思っております。

 開票のコストを削減するということでしたけれども、去年の横浜の市長選挙でとられたケースがありまして、開票を翌日に回す。そうすると、いわゆる開票に携わる夜勤の手当が減るわけでありまして、横浜の奈須野横浜市選挙管理委員長がこうおっしゃっています。

 翌日の開票は、市民の皆様に選挙結果をお知らせすることがおくれ、速報性の後退を懸念するなどの御意見がある、しかしながら、横浜市の財政状況においては、すべての事業について抜本的に見直しを行い、経費削減に努めなければならない、翌日開票にすることで、即日開票における超過勤務手当の削減により、貴重な横浜市の財源三千万円余りが節減となります。こういうことをおっしゃっています。

 こうした措置もとり得ますし、それでもさらに開票コストが電子投票の導入で落ちるんだ、それがどうかという点について伺いたいと思います。

久元政府参考人 電子投票と翌日開票と、どちらがコストの削減につながるかということであります。

 電子投票の導入に伴いまして、開票作業員が減りますし、開票時間も短縮されまして、超過勤務手当は確かに節減が見込まれますが、時間外において一定の人員が必要になります。これに対しまして翌日開票では、超過勤務自体が発生いたしませんので、やはり現時点におきましては、翌日開票の方が電子投票よりも節減額が大きいというふうに言わざるを得ないと思います。

 ただ、電子投票には、基本的には疑問票や無効票がなくなるというメリットがありますし、また、国政選挙にも導入され将来的に単価が下がりますと、中長期的に見ますと、経費の節減につながる可能性を秘めているというふうに思っております。

 なお、翌日開票についてでありますが、総務省といたしましては、これは、公職選挙法上、選挙人に選挙の結果を速やかに知らせるよう努めなければならないとされておりますので、可能な限り即日開票を実施することが望ましいというふうに考えておりまして、各選挙管理委員会に対しましても、選挙当日に開票を行っていただきたいというふうに要請をしているところでございます。

前田委員 長期的に見れば電子投票の方がコストが下がるという御答弁でありました。

 あと、やはり投票結果の信頼性にかかわる問題がありまして、例えば、二〇〇四年にアメリカ大統領選挙で、住民の八割以上が民主党員であると言われている地域で、ブッシュ候補の得票がケリー候補の得票を上回ったケースがありまして、それからまた、別のケースですけれども、投票者数が六百三十八人しかいないところで、それにもかかわらずブッシュ候補の票が四千二百五十八票出たケースとか、こういうケースがありまして、やはり電子投票のブラックボックス性が指摘されているわけであります。

 電子投票について、信頼性がどのように担保されるか、いかなる方策をとられるかということを、もう一度、簡潔にお聞きしたいと思っております。

枝野委員長 久元部長、簡潔にお願いいたします。

久元政府参考人 電子投票の信頼性の向上を図るために、これまでのトラブル事例などを踏まえまして、昨年十二月に、電子投票機が備えるべき技術的条件の見直しを行ったところであります。また、あわせまして、技術的条件に適合しているかどうかを具体的に確認するための適合確認実施要綱を定め、民間検査機関を活用いたしました適合確認を実施するなど、信頼性の向上に努めてまいりたいと存じます。

 なお、御指摘になりましたアメリカにおけるトラブルでありますが、報道されております限り、光学読み取り式投票機というもののようでありますけれども、これは、我が国におきましては、法律上の電子投票機の要件を満たさないものであるというふうに考えております。

前田委員 ぜひ、せっかくの国民の皆さんの一票でありますので、きちんとそれが集計されますように、お願いしたいと思います。

 次に、外務省に伺いたいと思います。

 ここは決算委員会でありますので、税の使い道ということで伺いたいと思いますが、定率減税の廃止等で、実質上の増税で国民は苦しんでおります。しかしながら、やはりまだ外務省においては、税の使い道で疑問の残るところが非常に多い。

 私は、二〇〇二年に、在外公館のすべての美術品の固定資産台帳を要求しました。これは、実は告発がありまして、領事が美術品を持っていってしまっているという話があります。それから、赴任地を去るときにガレージセールで備品を売り払ったとか、そういうことが中から聞こえてきたわけでありますので、念のために二〇〇二年の美術品の固定資産台帳を出していただきました。それ以来、外務省になかなかこの台帳を出してもらえなかった。そして、別の方がことしの頭に、二〇〇七年にこの固定資産台帳をとられました。

 つまり、五年かけて私が調べまして、二〇〇七年の固定資産台帳と二〇〇二年の固定資産台帳に載っている美術品をチェックしましたところ、五十三点なくなっているものがありました、行方不明のものがありました。これは非常にずさんな管理がなされているなというふうに私は思いました。

 特に、もともと機密費で美術品、絵画を買っていたということもありますので、どういう費目でこうした美術品を買われているのか。もちろん、美術品の重要性はわかります。海外へ日本文化を紹介する、在外公館、大使館を訪れた外国人の皆さんに我が国の文化を理解していただくという非常に重要な面もあります。しかし、ずっと足すと三十億円にも上る美術品を外務省は保有しておりますので、まず、もともと機密費で買っていた、今はどういう費目で買っているのかということを伺いたいと思います。

塩尻政府参考人 お答え申し上げます。

 在外公館で置いております絵画、これをどういう費目で購入しているかという御質問でございますけれども、平成十三年度以降につきましては庁費で購入しております。

 これにつきましては経緯がございまして、平成十三年九月に、会計検査院から、文化啓発、そのための日本画等購入経費については定型化、定例化してきているということで、庁費で支出していくべきだという指摘を受けておりまして、この指摘を受けまして、平成十三年度以降、庁費で購入しているということでございます。

前田委員 ぜひ、そんな領収書の要らないような機密費で買わずに、はっきりとした費目で買っていただきたい。これは最後の一円まで国民の税金でありますので、それをよく外務省はわかっていただきたい。

 そして、この美術品の管理体制、そしてこの購入基準について明確な指針を、簡単で結構ですから、ちょっと今お示しいただきたいと思います。

宇野大臣政務官 お答えいたします。

 在外公館に配置されております美術品は、まず、在外公館長が法令に基づき物品管理官として適切に管理しているということであります。また、本省より在外公館に対しましては、まず、温度、湿度に留意し適切に維持管理すること、さらに、経年劣化等により損傷が生じた場合には、本省に速やかに報告の上、修理もしくは廃棄を行うことを随時指示しております。さらに、年一回及び公館長の交代時には、現状の確認とその本省への報告を行うよう指示しております。

 以上が、外務省からの指針でございます。

前田委員 今おっしゃいましたようなことを確実にやっていただきたいと思います。それがあれば、そんな大使館の絵がなくなっちゃうような話はありませんので、ぜひ外務省の現場はきちんと、本当に国民の血税ですから、それで買った美術品でありますので、きちんと管理していただきたい、これを申し上げておきます。

 そして、今度は、この時期に入りますと鳥インフルエンザの発症が心配な時期に当たります。農水省に伺いたいと思っております。

 高病原性鳥インフルエンザ、世界でも二百人が亡くなっておりまして、特に東南アジアを中心に世界六十カ国で感染が報告され、インドネシアでは八十人以上が死亡されているということであります。我が国におきましても、平成十六年に山口県で七十九年ぶりに流行して、以降、七つの県にわたって発生しているわけでありまして、ことしも防ぎようもないのではないかなどという懸念があります。

 鳥インフルエンザは人畜共通感染症であります。それだけに、第一に人間の健康と安全を守ることが私は最優先されるべきではないかというふうに思っております。

 人が鳥インフルエンザに感染するのは、次の二つのケースがあると言われています。一つは、鳥インフルエンザに感染した鶏などの家禽類に接触して鳥インフルエンザのウイルスを直接に吸引した場合、第二のケースとしては、鳥インフルエンザウイルスが豚を介して変異して、遺伝子再集合して新型のウイルスとなって人に感染する場合、この二つのケースがあるというふうに言われております。

 したがって、鳥インフルエンザ対策として、鳥から人、鳥から豚を経て人への感染が起こらないように、鶏の段階で鳥インフルエンザの発生を未然に防止することが私は最も重要になってくるというふうに思っております。

 この発症予防対策、これについて伺いたいと思いますが、伝染病を予防するには、ワクチンが使われているのが一般的なケースであります。鳥インフルエンザについても既にすぐれたワクチンがあるというふうに聞いておりますけれども、そして、昨日来日されました、OIE、国際獣疫事務局の責任者でありますカプア博士は、鶏へのワクチンの有効性を認めております。しかしながら、農水省は、あるいは農水省の関係の部会に出ておられる学者の皆さんは、限界説を唱えられまして、否定的であります。

 そこで、まず初めに伺いたいんですけれども、馬や豚に対してインフルエンザワクチンの使用が認められている、鶏はだめだ。どういう科学的な根拠があるのか。農水省の、ことしの八月二十四日、食料・農業・農村政策審議会第七回家畜衛生部会、ここで答弁されております姫田動物衛生課長のお話は、「馬はやはりワクチンを打っている、馬は一頭、一頭の価値が非常に高いということ、それもあるので、発症を防がなければいけないという意味で、馬インフルエンザのワクチンを打っております。」というふうに答えられていますが、ただ価値があって高い、だから馬までは認めているんだというのは、余りにもこっけいな話ではないでしょうか。このあたりについて、しっかりとした御答弁をいただきたいと思います。

若林国務大臣 お答え申し上げます。

 高病原性鳥インフルエンザのワクチンは、発生の抑制には効果がある、こう言われておりますけれども、感染を完全に防御するということはできないというのが学者の見解でございます。

 そこで、このワクチンを無計画に使用しますと、この病気の発生を見逃したり、あるいは多くの家禽に感染が拡大するというようなことで、養鶏経営に重大な被害を及ぼすおそれがあるといったようなことから、十六年の十一月に大臣が公表いたしております防疫指針というのを定めておりますが、ここにおきましては、感染家禽の早期の発見と迅速な殺処分というものが基本であるというふうにいたしておりまして、発生予防のためのワクチン使用は認めておりません。

 なお、この防疫指針におきましては、同一の地域内の複数の農場でこの病気が続発をいたしまして次から次と発生するというような事態になりましたら、迅速な淘汰をするのは困難という場合が起こり得るわけでございます、そういう場合には、蔓延がある地域の中で急速に拡大していくことを抑えるという緊急的な手法としてワクチンを使用するということが検討されるということになっておりまして、それらも、完全にワクチンでは抑え切れませんから、とりあえず抑制をしている間に、計画的にきっちりとすべて殺処分の対象とするという対応をとることにしているわけでございます。

 一方、御指摘のように、馬及び豚のインフルエンザにつきましては、鳥インフルエンザとは異なりまして、死亡といったような重い症状を引き起こすものではないわけでございます。そういうことから、家畜の所有者による自主的な感染予防対策としてワクチン接種も実施されているところでございます。

 なお、お話の中にございました担当課長の検討会におきます発言は、説明が十分だと私の方は思っておりません。価値が高いから、だからこれを認めるんだというのではございませんで、今言ったように、馬や豚の場合は深刻な死亡といったような事態に至らないという状況でございます。そのために、ワクチンによりましてそれが拡大することを抑えるというふうにいたしておりまして、それぞれの豚あるいは馬の所有者におきまして予防的措置を講ずるということを認めているものでございます。

前田委員 しかし、馬のインフルエンザと鳥のインフルエンザと同型のものがあるわけでありまして、それを、今確かに、馬だけは価値の話で云々、これはまだ不十分な説明だと言われましたけれども、私は、こうした発生予防のためには、世界では有効と認められているものをきちんともう一回国内で評価していただきたい、検証していただきたい、そういうふうに思っております。とにかく、最終的には人の安全を守るべきだというのが私は大事だと思っておりますので。

 そこで、とにかく、ワクチンについて使用を認めないにもかかわらず、鳥インフルエンザワクチンの製造を許可したり、輸入したりすることは認められているわけですね。しかし、防疫指針において、ワクチンの使用は否定的であります。農水省は、使わせもしないのに七百二十万羽分のワクチンの備蓄をしているわけでありまして、最後まで有効ではないと言われますけれども、実際には、こうした非常に矛盾のあるような施策がとられているように私は思うんです。これについてどのように御説明されますでしょうか。

若林国務大臣 先ほどもお答えを申し上げましたけれども、ワクチンは、完全に防御するということについては効果が限られているわけでございます。しかしながら、一定地域内にこの病気が続発をしまして急速に広がっていくという事態になりますと殺処分を原則にしておりますが、それを確認して殺処分をしていく間にどんどんと広がっていくということも考えられるわけでございます。

 したがって、一方で殺処分をしながら、一定の地域を限定して、その地域内では、その地域以外に広がることを当面、緊急に抑制するというような場合にその地域内の鶏についてワクチンの使用をする、それに備えて備蓄をしているわけでございます。

 先ほどもお話ししましたように、そのような地域内でワクチンを打った鶏は、結局、全部殺処分、殺すということで対応する、そういう方針のもとに、当面、緊急の措置としてワクチンを使用することに備えているものでございます。

前田委員 先ほど大臣の口からも防疫指針の話が出ました。平成十五年に防疫マニュアルができて、平成十六年に昭和二十六年にできた家畜伝染病予防法に基づく防疫指針が改められて、さらに、平成十八年に茨城の弱毒タイプの鳥インフルエンザの発症に基づいてまた改正されて、ことし、宮崎と岡山の発症に関連してまた改正されるわけでありますが、このように改正に次ぐ改正ということは、これは現場の状況をよく見ていなかったんではないか、私はそのように思います。

 平成十七年に茨城で弱毒タイプの鳥インフルエンザの発生、このケースへの対応は、私は、農水省が失敗したんではないか、そういうように思います。二百七万羽の殺処分、防疫指針には殺処分と書いてありますので、しかし、二百七万羽殺処分、初めはしませんでしたばかりに、最終的には六百万羽処分、人の感染九十人、何よりもまして、終息まで一年半もかかっているわけであります。私は、現場をもう一度よく見ていただいて、こうしたケースに対応しなければいけないというふうに思っております。

 今茨城の話をしましたので、茨城の発生のときには、それまではウイルスが分離されずに、過去に感染があったことを示す抗体陽性が確認されたのみでその農場の鶏はすべて殺処分となっていたんですけれども、この八月二十二日の大規模発生事例では、ウインドーレス鶏舎、窓がない鶏舎の鶏、これはウイルスの拡散リスクが少ないとして、農林省が言われて、殺処分せずに監督下に置いた。今僕が申し上げた二百七万羽は最初殺さなかった。

 こうした決定はどのような経緯で決まったのか。茨城県とかあるいは養鶏場から働きかけがあったんではないか、私はそう言わざるを得ません。この経緯について伺いたいと思います。

町田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十七年六月以降、茨城県を中心に発生いたしました弱毒タイプの鳥インフルエンザ、全四十一事例ございました。

 これにつきましては、発生から十例目までにつきましては、その前年、平成十六年に発生した、これは強毒タイプでございましたが、この防疫措置に倣いまして、抗体陽性のみであっても疑似患畜として殺処分してきたところでございます。

 その後、こうした茨城県下での発生事例を分析しました結果、死亡率が低いという弱毒タイプのウイルスの性状が明らかになった。こういったことから、的確な鶏舎構造や飼養管理下であれば、殺処分によらなくてもウイルスが拡散するリスクは低く、蔓延の防止が図れるという知見が得られたところでございます。

 このため、当省の家きん疾病小委員会の専門家に御検討いただいた上で、同年八月の十一例目の感染例以降は、一定の条件を満たせば都道府県知事の判断で殺処分を行うことができる等々としたところでございます。

 こういった経緯でございます。

枝野委員長 時間ですので早目に。

前田委員 これで私の質問を終わりますけれども、ワクチンを使わないで発生予防というのでしたら、発生したら、今度は農家の損失を完全に補償できるような体制を組まなきゃいけないと私は思っております。

 昭和二十六年の家畜伝染病予防法の改正を主張して、私の質問を終えたいと思います。

 どうもありがとうございました。

枝野委員長 次に、高山智司委員。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 きょうは、後半からは額賀大臣にお越しいただけるということで、後半に額賀大臣に質問をさせていただきます。

 まず、前半なんですけれども、前半は、原油と道路特定財源のことをちょっと質問させていただこうと思うんです。

 今非常に原油価格が上がって、ガソリンなんかが今どんどん上がってきている。灯油の価格も非常に上がってきていて、各地からいろいろな悲鳴が上がっているということで、今我々民主党でもいろいろ対策をまとめておりますけれども、政府の方で、たしか昨日か、関係閣僚会議が開かれたと思うんですけれども、これで随分いろいろな対策が出てきていて、こういうことをやっていただければことしの冬は安心して越せるなという人も多いと思うんですけれども、まず、これ、財源はどうなっているのかなと。

 これは、一体どういう、補正予算で行うものなのか、何か本予算でやるものなのか、あるいはどこから財源を持ってくるのか。こういったことに関して、今この関係閣僚会議でどういったことが話し合われているか、まず説明してください。

大田国務大臣 今月十一日に、今先生御指摘の原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策閣僚会議が開かれまして、今後取り組むべき基本方針として六つの項目を取りまとめております。この六つの項目は、業種横断的なものですとか、中小企業の特に原油高でダメージを受けている業種別の対策ですとか、生活関連対策などです。

 今後、この六つの項目の基本方針に沿いまして、さらに具体的な検討を進め、年内に対策の取りまとめを行うこととしております。

 先生御指摘の財源につきましては、今まさに来年度予算それから補正予算あわせて検討中ですので、その中で決定することになっております。

 したがいまして、関係閣僚会議をもう一度また年内に開催いたしまして、その中で、財源を含め詳細を決めてまいります。

高山委員 今回のこれは緊急閣僚会議ということで、ことし限りのというか暫定的な措置なのか、あるいはまた、暫定という言葉で三十年とか続いている制度もたくさんありますので、これはいつまで続くものなのか。終わる時期、あるいは原油の価格が幾らになったらやめるんだとか、こういう指標を示していただきたいんですけれども。

大田国務大臣 最近の原油高は、需給がタイトである、あるいは中東の地政学的リスクという構造的問題に加えまして、投機的資金の流入という短期的な要因によっても起こっております。したがいまして、この原油高がどの程度どこまで続くか、今の時点でなかなか見きわめられません。

 したがいまして、今回の緊急対策につきましても、昨今の急激な原油高を受けた緊急避難的な短期の政策とあわせて、構造的な政策、つまり、省エネへの取り組みですとか国際的な働きかけといった中長期のものも含んでおります。それぞれによって、どこまで続くかは異なります。

 今後、原油の価格の動向を見ながら、各省庁で政策の効果を検証しながら、六つの項目それぞれについて今後の取り組みは検討してまいります。

 したがって、一律に終わる時期がいつということは決まっておりません。

高山委員 そうしますと、今大臣から御説明ありました六つの項目の中で、少なくとも、これはこういう停止条件が来たら終わりますというものを教えてください。

大田国務大臣 今、具体策はまさに取りまとめているところですので、停止条件についても決まっておりませんし、まずは原油の価格の動向を見きわめる、それから、これから実施する政策の効果を検証していくということをあわせて行っていく必要がございますので、機械的にどういう状況でどうなるということは決めておりません。

高山委員 しかし、財源もまだこれから検討する、しかも、これはいつまで続くかわからないということになりますと、これは選挙用のスローガンだから縮めて言ったみたいなことで、一般の人たちがこれを期待して、じゃ、今節約しないで今までどおりの生活をしようと思っていたら、実際には何も出なかったというようなことになってしまっては、逆に、ただ関係閣僚会議というアドバルーンだけ立ち上げて、余計これは皆さんの不安を深くする、ちょっととんでもない話だなと思うんですね。

 やはり、いつまでにこれはやって、それで、かつ、どういう条件が来たらやめるということを決めておかないと、またお金がどんどんどんどん使われていく。本当に改革に逆行しているなというような印象を持たれる国民の方も多いと思うので、これはぜひ期限を区切るか、あるいは原油が幾らになったらこれはやめるんだ、こういうような対策をこの中に盛り込んでいただきたいと思うんですけれども、大田大臣のお立場からどうですか、必ずここまでだというリミットを入れてもらいたいという私の意見に対して。

大田国務大臣 まさに緊急であるからこそ、早急に基本方針を取りまとめております。そして、年内にこの具体策を決めておりますので、ゆっくりしているということは全くございません。なるべく早く産業や生活の安定に資するように対策を取りまとめていきます。

 そして、今後のことは、この六つの項目の中に期間についてもいろいろなものが含まれておりますので、一概には申し上げられません。それぞれしっかりと効果を発揮するということが必要ですので、それは今後の原油価格の動向に応じて考えていくことが必要だと考えております。

高山委員 先ほどから、とにかくいつ終わるのかということに関してのお答えはないんですけれども。

 ちょっと最近の政府・与党の動きを見ていますと、道路特定財源のことや高速道路料金のことで、せっかく与党内にもサンドバッグになっていろいろ道路公団民営化に努力された方もいらっしゃる中、どうも何か後退してきているなという印象を私は持つんですけれども、特に、この関係閣僚会議の中にも、高速道路料金の引き下げというのが入っているんですよね。もう一つ、道路特定財源の見直しという中にも、これは政府・与党ということで十二月七日に出ている文書ですけれども、高速道路料金の引き下げということが入っているんですけれども、この高速道路料金の引き下げというのは、どういうことを今考えられているんですか。これは事務方でも結構です。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 原油の高騰の方の高速道路の引き下げ、項目は位置づけられておりますが、まさに大田大臣がお答えになりましたように、財源等、今から検討するということでございますので、基本方針の趣旨を踏まえて、中身は今から固めていくということだろうと考えております。

 それから、先般、十二月の七日に道路特定財源の見直しについて政府・与党ということでお決めいただきましたが、これは既存高速道路ネットワークの有効活用、機能強化ということでございまして、地域の活性化、物流の効率化、都市部の深刻な渋滞の解消、それから地球温暖化対策等の政策課題に沿って料金値下げを検討するということでございまして、今ずっと社会実験等を平成十九年度やっております。そういう結果も取りまとめて、具体的な内容を固めてまいりたいというふうに考えております。

高山委員 今、政府委員の人、大田大臣のというような言い方をされましたけれども、この緊急関係閣僚会議で配られた資料を読むと、ちょっと今時間がないので僕が読みますけれども、三ページのところに「道路特定財源を活用して高速道路料金を引下げ」、こう書いてあるんですけれども、これがどういう仕組みになっているのか、ちょっと説明していただきたいんです。

宮田政府参考人 失礼申し上げました。

 まさにそこの中身も、年度の予算でどうするか、あるいは来年度にかけてどうするかということで、特定財源をどう使うか……(高山委員「ここに書いてあることを聞いているの。こう書いてあるでしょう。これはどういう仕組みかと聞いているんです」と呼ぶ)済みません、まだ具体的にどういうふうに使うかというのは決まっておらないというのが実態でございます。申しわけありません。

高山委員 何かよくわからないんですけれども、この関係閣僚会議の資料で書いてある「道路特定財源を活用し」というのは、別に道路特定財源は財源じゃないという、大田大臣、これはこういうことですか。これは使わないんですね。

大田国務大臣 まだ財源を含め決まっておりませんので。それはどの資料でしょうか。

枝野委員長 高山委員、資料の表題とか説明してあげてください。

高山委員 これは、「原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議 議事次第」と書いてあって、その配付資料の中に入っているものですね。これに入っているものですけれども。そちらからいただいたものにこう書いてあるので。

大田国務大臣 資料の中に与党からの要望の文書がございます。その中にはあるいはそういう文言が入っているかもしれませんけれども、財源についてはまだ決まっておりません。

高山委員 それでは伺いますけれども、仮にどこかの財源を使って高速道路料金を値下げするというお話になったときに、道路公団が民営化していて、民営化した会社に政府の側から料金をこうしろああしろということをまず指示できるのかというちょっと根本的な疑問があるので、これに関して、指示できるとすれば、どういう根拠条文でやるのか教えてください。もちろん事務方で結構です。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 民営化の際に、高速道路料金、会社と国との関係を申し上げますと、道路整備特別措置法三条で、高速道路の料金の額は、会社が国土交通大臣に申請を提出し、その許可を受けるということでございまして、料金の額につきましては、まず会社の発意というのは御指摘のとおりだと思います。

 今回、特定財源の見直しの中でやりますことについては新しいスキームということになりますが、基本的に、そういうことを踏まえても、道路整備特別措置法の、会社が発議をして、料金について国土交通大臣の方に申請するというスキームは変わらないものというふうに考えております。

高山委員 高速道路料金を政府や与党が下げようと今しているわけですけれども、これは二つ問題があると思うんですね。

 まず一つは、今政府委員が言いましたように、これは民営会社側からの発議によってそれを許可するという形ですね。そうすると、政府の側から幾ら安くしろだとかトラックだけはこうしろ、これは条文上の根拠が全然ないじゃないですかという点がまず一つですね。

 それと、あともう一つは、ちょっと時間がないので質問を縮めて言いますと、民営化したときの整理合理化計画などのいろいろな昔の資料を見てみると、高速道路会社に対してはもう国費をとにかく投入しないんだということを言っているのに、また高速道路料金を下げるために税金を投入する、これは民営化の趣旨に反すると思うんですけれども、ちょっと大臣、ここをまず整理して説明してください。

 大田大臣に、まず、民営化の趣旨にこれは反するんじゃないかということ。

大田国務大臣 今回とられました措置は、高速道路の新規建設、高速道路会社の経営支援を目的とするものではございませんので、民営化の趣旨を損なわない枠組みの中で実施されるものであると考えております。

高山委員 いや、しかし、民営化したら高速道路の通行料だけで賄って運営してもらう、もう無駄な税金を投入しないんだと。別に無駄な道路と言っているわけじゃないんですよ、無駄な税金を投入するのが一番の争点だったわけですから。そこにまた高速道路料金を下げるんだということで税金を投入して、トラックの分を何割か安くするという、まず、そこの考え方そのものがおかしいんじゃないですか。

 何で、新たに民営化した会社に税金を投入する、これが許されるんですか、そもそも。大臣にまず考え方を伺います。

大田国務大臣 私は原油対策の担当としてここに来ておりますので、その考え方で申し上げますと、原油価格が急騰した、これは、緊急避難的に需給者に対して何らかのサポートをすることによって国民生活の安定に資するということが必要だという考えに基づくものです。

高山委員 原油のことで暫定的な措置でやるんだといって、高速道路料金を下げるというのももちろん入っているのでね。それで、またそれが、いつ原油が下がるかもわからない中でずっと続くかもしれない、しかもその原資が税金だということになれば、あの民営化の騒ぎは一体何だったんだろうなと思う国民が多いでしょうから、私は今質問をしているわけなんです。

 あともう一つは、先ほどの料金の決定の仕組みですけれども、先ほど政府委員からも答弁ありましたように、これは申請主義をとっているわけですよね。そうすると、今政府・与党でいろいろ議論されていて、どういうふうに民間の会社に、おまえのところの料金を下げろということが言えるのか、甚だ疑問だなと。事実上それはいろいろな圧力で言えるのかもしれませんけれども、法文上の根拠もなくこういうことをやって、それは民営化と言えるのかなといろいろ疑問に思いますけれども、せっかく額賀大臣がお越しになりましたので、額賀大臣に伺いたいことがあるので質問をかえます。

 額賀大臣に伺いたいのは、まず一つ、ちょっと端的に伺いたいんですけれども、守屋問題に関連してなんです。

 防衛庁の長官を去年までやられたときも、当然次官でいられたわけですけれども、その間に守屋さんのいろいろな接待に気づかなかったのかみたいな話があるんですけれども、そもそも、次官に対して懲戒権者というのは、いろいろ調べましたが、大臣しかいないんですけれども、監督責任というのはどういうふうに考えられていますか。

額賀国務大臣 確かに、この前、一年間近くの防衛庁長官時代に、守屋さんは事務次官を行っていました。

 私が長官時代に、休日にゴルフをしていたりとか、そういうことが頻繁に行われているというようなことがわかっていれば、それはきちっと注意をしたと思います。しかし、土日のことについて、それは全くどういう行動をしていたかについてはわかりませんでした。

 ただ、私が長官時代は、施設庁の事件が起こったり、あるいはまた米軍再編をまとめなければなりませんでした。それは、国内の沖縄だとか山口県の基地の問題、それから米国との関係、日米同盟の関係をどういうふうにするか、ほとんど私は休日も返上して、沖縄とか山口県とか歩いていたという思いがあります。よもやそういうことが、守屋次官がそういうことを行っているということは知る立場ではありませんでした。知っていれば、きちっと指導をすることができたと思います。

高山委員 まず、大田大臣、もう質問はありませんので、どうぞ離席していただいて結構です。

 それで、今額賀大臣の方から、土日のことはわからなかったので的な発言もありましたけれども、大臣、結構、守屋事務次官またその御家族と親交があったと言う方もいるので、念のため確認ですけれども、大臣は守屋次官の御自宅にお邪魔したことはありますか。

額賀国務大臣 何回か、民主党の議員だったかどなただったか知りませんが、そういう質問を聞かされておりますけれども、守屋さんの自宅がどこにあるのかも知りません。行ったことはありません。どうして何回も何回もそういうことを聞くのかな、何らかの意図を持って聞かれているのかどうか。事実関係はきちっともうお話をしております。

 守屋さんとは一緒に仕事をした関係で、それはよく承知をしておりますけれども、私的なつき合いというものは、パーティーとか勉強会とか、そういうときにお会いする程度であります。あるいは、仕事上、米軍再編のときは、知事さんを呼んだり市町村長さんを呼んだりあるいは関係者を呼んだりして意見交換をしたりとか、あるいは食事をしながら歓談をしたりとか、そういうことはありますけれども、それはそんな程度でございます。

高山委員 はい、わかりました。

 質問をちょっとかえますけれども、日米文化振興会ですか、ちょっと今いろいろ防衛族の人がたくさん名を連ねているという団体に関しての質問をさせていただきます。

 この団体、平成十七年に外務省から、要は、基金からお金も出ている関係があって、立入検査があったり、またその改善命令が出たり、こういうようなことが行われているわけですけれども、額賀大臣もちょうど同じような時期に理事に就任されているということは、これはもういろいろ報道等でも御案内のことだと思うんです。

 これは財務大臣としての額賀大臣に伺いたいんですけれども、いろいろな団体に、日米交流やまたその他の交流のためにお金を出すことそのものは別に構わないと思うんですけれども、出した先の団体がしっかりとした運用をしているのかとか、あるいはどういう団体なのか、こういうのを、やはりいいかげんなところにお金を出していると非常に問題だと思うんです。

 まず、この日米文化振興会ですけれども、平成十七年の四月と五月に外務省から立入検査があった、これは後でちょっと外務省の方に確認で聞きますから聞いておいてほしいんですけれども、十七年の四月、五月に外務省から立入検査があった。そして九月に外務省から改善命令が出されている。そして十二月に、こういう改善措置をしましたというのが、文化振興会側から何か口頭でやりとりがあった。文書とかでここが直りましたとかということではなくて、来ているという話がまずあった。

 それで、問題の補助金なんですけれども、助成金をもらっているというこの日米安全保障会議ですけれども、これが同じ十七年の五月と十月に開かれている。そして、あとは額賀大臣自身にかかわることですけれども、額賀大臣は、この年の八月、九月、十月は理事をされている。こういう背景のもとに私は質問をさせていただくんです。

 まず、このことを知っていたかどうかとかということではなくて、財務大臣として、こういう団体に、改善命令を出されたり、立入検査をして本当に事務所の実体があるのかとか調べられている団体に補助金が出されてしまったということに関して、これは今、きょうは決算委員会ですから、税金の無駄遣いをなくすという観点から、大臣、どのようにお考えになりますか。

額賀国務大臣 私が、日米平和・文化交流協会との接点というのは、年に一回ワシントンで、日米同盟関係あるいは地域の安全保障問題等について、政治家や、これは与野党を含めて、民主党の先生方も一緒にいつも参加をさせていただいて、フォーラムとかシンポジウムを開いて、日米同盟関係のあり方とかこの地域の安全保障について意見交換をしたり議論をしたりしているわけでございます。それが日本の国益、日本の防衛、この地域の安定につながる、そういう考え方のもとで趣旨に賛同して参加をさせていただいている、会費を払って参加をさせていただいているということでございます。

 その関係で一年近く理事をさせていただいたことがありますけれども、日常のこと、活動について、これは専務、事務局長がおるわけでございますから、一々承知しているわけではありません。我々は、そういう日米関係の問題等についてのフォーラムとかシンポジウムについて、賛意を示し、参加をさせていただいているものであります。したがって、協会の事業計画とか資金の内容等については、私どもは詳しく知っているわけではありません。それは主管庁である外務省に聞いていただきたいというふうに思っております。

 と同時に、こういう日米の議員交流だとか日韓フォーラムだとか、さまざまな財団、社団が企画したそういう海外との交流には与野党を含めた国会議員の方々が参加をして、日本の立場あるいはまた国際協調、あるいはお互いに情報交換をしたりしていることは通例行われていることでございます。

 したがいまして、今委員のおっしゃる、財務大臣としてどうかということでございますけれども、それは、当該主管庁がしっかりと、立入検査が行われたと言っておりますように、ちゃんと指導監督をしているものと思っております。

高山委員 私が聞きたかったのは、特にそこの最後の部分なんです。

 やっていることを今聞くと、確かにそれは有益なことだなと思いますけれども、事務局体制や本当に事務所がどこにあるのかわからないような、これは私が指摘しているんじゃないですよ、外務省が指摘しているんですけれども、こういう団体にお金が支出されている。また、その改善措置が何か口頭でなされていて、本当に改善措置がとられているのかどうかもきちんと確認されていない。こういうところにお金を支出するということが、財務大臣として、まず適切なんですか。

枝野委員長 額賀財務大臣、質問に対して端的にお答えください。

額賀国務大臣 それは、改善命令が出されて、外務大臣の答弁を聞いておりましたけれども、その後は、改善命令が出された後は運営をきちっと訂正されているというふうに聞いております。

 外務省に聞いてください。

高山委員 はい。

 それと、守屋次官のときの監督責任もそうですし、この協会に対する理事としての責任を聞いたときもそうなんですけれども、細部にわたってはよくわからなかったというようなことで、日曜のことはわからないというような発言が先ほどからもあるんですが、純粋に法律的に伺いたいんですけれども、こういう民法上の普通の社団法人で、理事というのは、その組織、団体の運営そのものの責任というのは対外的に負わなくていいんですか。これは大臣に伺っているんですけれども。

額賀国務大臣 日常の活動については、専務、常務、専務理事がおられて、取り仕切っていると思っております。

 私どもは、イベントというかさまざまな企画に賛同して、それに参加費を払って出席させていただいている。そういう事業計画に賛意を示して参加したのがきっかけとなっているわけでありますから、私が関与した形で何か問題が起こっているとすれば、それは一定の責任が出てくるかもしれませんけれども、日常の行動について一つ一つ承知しているわけではありません。

高山委員 承知していないことはわかった上で私は聞いているんですけれども。

 まず、日常の組織運営に関して社団法人の理事というのは対外的に責任を負わないんですかということと、あと、防衛省の方からもきのうちょっと聞きましたけれども、事務次官の懲戒権者あるいはその分限に関して大臣が監督権者だということを規定されていますよね、これは法律上。

 だから、私が先ほどから額賀大臣に伺いたいのは、実際に知っていたとか知らないかとかいうことではなくて、あなたは法的に責任がないんですか、この二つのことに関して。守屋さんのいろいろな汚職があったことに対する監督責任、そして改善命令などが出されている社団法人の理事として、法的には責任はないんですか。それとも、法的には確かに責任があるんだけれども実際には知らなかったんです、こういうことなんでしょうか。どちらですか。

枝野委員長 大臣、質問の趣旨に端的に、大臣として事務次官との法的な関係、社団法人の理事としての法的な関係を聞いております。端的にお答えください。

額賀国務大臣 今、私は理事ではありません。一時期理事を務めたことがあります。私が関与したことが問題、理事時代に関与したことがあれば、それは責任問題が出てくるかもしれませんけれども、日常のことについて私が承知しているわけではない。だから、関与していないことについて責任を持つことは私はできないと思っております。

 それから、守屋問題については、当時、例えば施設庁問題が起これば、再びこういうことがないように組織を改編し、チェック体制を行ったり、そういうことをしてきたわけであります。今でも、今度の問題が起こってから、政府は防衛庁のあり方について今会議をつくって、組織の問題だとか調達問題だとか、いろいろ新しい改革を目指して協議をしているというふうに聞いております。

枝野委員長 高山委員、時間が過ぎておりますので簡潔に。

高山委員 時間が参りましたのであれですけれども、ことしの漢字を選ぶもの、何か「偽」という字だそうですけれども、いろいろな食品偽装等が起きました。確かに、社長の指示があったものもあれば、社長は知らなかった、末端の本当に店長クラスがやってしまったということも、いろいろありましたけれども、普通は、民間企業は大体そのトップが責任をとっていますよね、取締役であり、また代表取締役という立場にある人が。大臣の場合には、法的にはこれは責任がありますよ。監督責任もあるし、また、理事として対外的にこの組織の運営に対して責任を負う立場です。

 ですから、実際には、かかわっていなかったというのは、大臣の言うことを私は信じますけれども、法的に責任はありますので、余りそういう言い逃れの答弁のようなことをされますと、まさにことしの「偽」という、きのう和尚さんが書いていましたけれども、ああ、またそういう年だったなという、嫌な年の瀬になってしまいますので、ぜひきちんとした答弁をしていただきたいなと思いますが、終わります。(額賀国務大臣「それはちょっと失礼ですよ。何が偽りだ。品位のない質問をしないでよ」と呼ぶ)

枝野委員長 不規則発言はおやめください。

 次に、河村たかし委員。

河村(た)委員 では、額賀大臣に、数分しかありませんので、違う質問でございますけれども。

 まず、こういうことを言うとまた議員に嫌われるんですけれども、今、議員会館の工事をやっておりますわね、大々的に。あれがどうも話を聞いておると、当事者の意見が違うんですよ、額賀さん。当事者は、今、そこへ来られる方は、割と質素なというか一般的なオフィスをつくると言っておりますけれども、私も、後で、ここにつけました要求水準書というのをとりまして、複数の相当の方に聞きますと、大企業の社長室が、要するに参議院まで入れますと七百個できる、そう思っていただければいいという、まあ、日本最大の建築物ですわね、大企業の社長室だとすればですよ。それで、どうも、そういう規格だから、非常に困っておるというのか、赤字が出るかわからぬという状況も聞いておるんです。

 だから、ちょっと財政の責任者として、額賀さんもそこに入られることになりますので、額賀さんだったら、パブリックサーバントとして、やはり本当の、普通の国民の皆さんが見て通常のオフィスの方がいいのか、それともいわゆる大企業の社長のオフィスがいいのか、どっちがいいですか、額賀さんなら。

額賀国務大臣 新議員会館につきましては、衆参両院の議院運営委員会における御議論の結果、現会館が老朽化したり狭隘化しているということ、それから高度情報化時代への対応がなかなか難しくなっているということ、そういうことが立法活動上の支障を抱えているために、新しい会館をつくろうということが持ち上がったというふうに認識をしております。

 このために、十七年度予算要求に際しまして、新議員会館の建設と維持管理、運営等を含むPFI事業計画の要求が行われたと承知しております。財政難のときでございますから、財務省としては、建設経費の大幅な削減、縮減、それから……(河村(た)委員「そんなことはどっちでもいいよ、聞いておることに答えてくださいよ」と呼ぶ)

枝野委員長 御静粛にお願いします。

額賀国務大臣 経費全体の節減に向けた方策の策定を求めてきたわけであります。したがって、当初要求では三千六百八十億円とされていた国庫債務負担を二千三百三十七億円にしたりしました。

 それから、委員がおっしゃるように……(河村(た)委員「答えてないよ」と呼ぶ)プールを縮減したり、警備体制を縮減したりとか、そういうこともやっているわけでございます。

枝野委員長 大臣、端的にお答えください。質問に端的にお答えください。

 質問者も御静粛にお願いいたします。それから、答弁者も聞かれたことに答えてください。

額賀国務大臣 そういうふうに大幅に縮減をしているわけでございます。

河村(た)委員 全然違うことを言わんといてちょうだいよ、額賀さん。こういうのは議員が、自分のことなんだから。これはしょっちゅう言っていますけれども、自分を変えられぬ人は世の中を変えられませんよ。しょっちゅう言っていますけれども。

 それで、今言った二つの話、要するに、質素というかごく通常のものができるのか、それとも、大企業の社長室が七百個もできる、日本始まって以来の建造物ができるのか。わしもよくわからぬのです、正直言って。両方言っておるのが違うから。それで、要求水準書を見て確認したら、大企業の社長室だと言う人が多いんですよ。

 額賀さん、自分が入るんだから、私ならどっちがいいか、そう言わないかぬですよ。

額賀国務大臣 モデルルームというのがつくられたそうでありますが、私、見ていなかったのでございますけれども、やはり国会議員の皆さん方がお入りになるわけでありますから、議員のそういうニーズと、それから合理的な形をどういうふうにつくり上げるかが問題でございますので、できるだけ無駄を省いて、簡素でしかも利便性がある、そういうことを考えてつくっていくのが望ましいのではないかというふうに思います。

河村(た)委員 時間ですので。ただ、額賀さん、これは言いっ放しになりますけれども、あのモデルルームが本物と違う可能性があるんですよ、実は。そういうこともありますので、時間がないので、ぜひ、財政の当局者としては、絶対ぜいたくなものをつくらぬように、これは厳しく監視していただきたいということでございます。

 一言、やりますとだけ言ってください。

額賀国務大臣 河村委員の言い分も、国会議員の有力な意見の一つとして心にとどめておきたいと思います。

河村(た)委員 ありがとうございます。結構でございます。

 そういうことなんですよ。それで、これは事務局に聞いたらいいのか、これはどうも国交省の営繕部というのがやっておるんだね。だから、これは要求水準をつけたでしょう、書類を。これを私は手に入れまして、ここから調べたんですけれども、これはどうやって決まったんですかね。

 どういうことを言いたいかというと、皆さんのお手元にありますけれども、例えば、いろいろあるもので、ちょっと時間がないので、中のパーティションぐらいに限っていきたいんですが、ずっと一ページ目の真ん中辺まで行きますと、上から何行目か、ずっと書いてある真ん中辺ですね、パーティションは見込み約百ミリで云々とありまして、五百ヘルツ、四十デシベル以上、遮音性能を上げようということなんですが、これはなかなかなんですよ、四十デシベルというのは。

 後で聞いてもいいんですが、要するに、テレビが隣の部屋でやっている、四十デシベルの壁が一個あるとしたら、こっちの部屋ではほとんど、何かテレビが鳴っておることはどうもそうかもわからぬけれども、会話内容がわからないぐらい、一気にそこまで落とすだけの遮音性能が要るということだ。ところが、今の部屋なんて別に、下にはドアがツーツーになっておるし、閉めたってどうということないし、全然違うじゃないですか、これ。だれがいつごろ、どうやって決めたんでしょうか、これ。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 業務要求水準というのは、PFI事業におきまして、事業者に求める事業提案の前提条件とする要求水準でございますし、また、事業者が設立するSPC、特別目的会社に求める業務の要求水準ということで、この衆議院新議員会館整備等事業の業務要求水準につきましては、施設の管理者でもあります衆議院の御要望を受けまして、国土交通省官庁営繕部と衆議院で協議の上、官庁営繕部で作成しております。

 それから、委員御指摘の議員事務室の間仕切りの遮音性能につきましては、議員事務室は各スペースに分かれておりますけれども、それぞれの話し声等が他のスペースに漏れないようにとの衆議院の要望をいただきまして、比較的静かな事務室においても他の室の会話が聞き取れないレベルとして、官庁営繕部において設定しております。

河村(た)委員 それでは、事務局にもちょっと聞いておこうか。どういうことで今の遮音性能、普通の今の議員会館の部屋、あれより圧倒的に違うわけだ、これ。なかなからしいですよ、これだけの遮音性能を上げるためには大変なことが要ると言われておりまして、これはどうやって決めたんですか。どうせ事務局が要望したわけでしょう、これ。

山本参事 現議員事務室における議員の応接や執務状況を踏まえつつ、事務局として国交省に要望したものでございますが、これは議員事務室における基本的なレベルであるというふうに理解しております。

河村(た)委員 何が基本的な要望レベルですか。今と全然違うんでしょう、はっきり言いまして、今の事務室と。

枝野委員長 今とどう変わるのかという質問であります。

山本参事 議員さんのいらっしゃる部屋と、前室といいますか、そことの、各スペース間の隣り合わせる部屋の音が漏れないレベルを私どもとしては要求させていただいたということで、これは、各先生方からも隣室の話し声等が聞こえないレベルでやってほしいという要望が多々あったということを踏まえての我々事務局としての要求でございます。

河村(た)委員 ちょっと言いますよ。何かややこしいことを言っておるけれども、全然違うんですわ、今。今のやつは、木が入っておって、下があいておるじゃないですか、下が、どっちにしろ。ドアの下、あいておるでしょう、これ。隣で何かしゃべっておっても、一応閉めれば、みんなそれでそう不便は感じておらぬですよ、実際は。

 それで、四十デシベルに下げるというと、いろいろありますけれども、そうですね、交差点、マーケット、国道が大体八十デシベル。だから、そこらの溜池かどこかのうるさいところですわね、これが八十デシベル。四十デシベルというと、一般の静かな住宅地。三十デシベルまでいきますと、ラジオ放送のスタジオ。大体そのぐらいまで下げるんですよ、一気に。そんな、えらいなかなか金が要りますよ、これ。相当ぜいたくなものですよ、ここは。そういうこと。

 それから、ドア。ドアはどうするんですか。下、パアパアでいいんですか、これは。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 議員事務室の中の間仕切り壁につきましては遮音性能を規定しておりますけれども、間仕切りに必要なドアにつきましては、一般的なドアになろうかと考えてございます。

 以上でございます。

河村(た)委員 何を考えておるんですか、一体。そんなもの、壁は遮音性能をつくったって、下のドアがパアパアであいておって声が聞こえたら、何にもなりゃせぬじゃないですか、これは。

 それだから、業者からすれば、当然ドアまで遮音性能があるということで考えるのは当たり前ですよ、こんなもの。そうじゃないかね。むちゃくちゃな答弁じゃないかね、あんたの話は、それ。どう、言ってくださいよ。そんなばかげた話を、何なんだ、それは。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 ドアにつきましても、一般的と申しますけれども、間仕切りに適合したドアを設置する……(河村(た)委員「下はあいておるのかね、下は」と呼ぶ)多少はあいておりますけれども、それは、ある程度の気密性と遮音性は持ちますけれども、ドアとしての遮音性能までは規定しておらないということでございます。

河村(た)委員 要するに、そんなようなずさんな設計だということですわ。それで、つくる方は、四十デシベル以上の、あなた、いろいろ読んでいただくとわかりますよ、これ。とにかく、なかなかすごい要求水準らしいですよ、これは。それを見て、民間業者というのは、ちょっとでも、国会議員さん立派かどうか知りませんけれども、この人たちに喜んでいただこうと思って誠心誠意いろいろなアイデアを出したら、これは、何とどえらい高いということで困っておるということです。

 では、あのモデルルームありますわね。あれは、モデルルームというんですから、現物そのものですか。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 モデルルームにつきましては、色等につきましては、まだ非常に、白を基調にした単純なものになってございますけれども、遮音性能その他につきましては、モデルルームとして、現実のものに合わせたものを設置してございます。

河村(た)委員 本当かね、そんなこと言っていいのかね。本当にいいんですか、それ。

 これ、ちょっと、きょうはせっかくだから会議録にちゃんと残さなあかんもので。当事者は違うと言っておりますよ、それは。努力して近づけようとしておるけれども、これは。あと、扉は、あれはどうなっておったかな。まあいいけれどもね。そう言っておりますよ。

 だから、はっきり言うと、これは何ですか、PFIか何かで、英語を使えばいいという問題ではないけれども、割とラフにつくるわけでしょう、PFIの場合は、いろいろな素材とかいろいろな部材を。だから、向こうの解釈と違ってきておるということがあるんじゃないの。それが一つの理由じゃないですか。そうじゃないですか。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 PFI事業ということでございますので、要求水準は性能規定ということになっておりますので、具体的な仕様、どのような厚みであるとかそういうことは、要求水準から性能規定になって、それを確認するというのが、私ども事業者、発注者としての立場でございます。

河村(た)委員 だから、いろいろ、実際やられる方、そのほかから、こういうふうに非常に高級なものになって、そこまで要求する必要があるんだろうかという話は来ておりませんか。それはされたことはないですか、事務局も両方とも。

山本参事 遮音性能については、アンケートも実施しているかと思うんですが、特段の御意見は、各先生方からは現在のところ承っているというふうには承知していません。(河村(た)委員「先生じゃない。やる人たち」と呼ぶ)

枝野委員長 ちょっとお待ちください。不規則発言はおやめください。

 質問の趣旨をもう一回わかりやすくお願いいたします。

河村(た)委員 だから、これだけのすごい遮音性能を要求して、このままいくと相当立派なものをつくらないかぬようになるけれども、そこまで果たして要るんでしょうか、ドアのことも含めて。そういうことで、これはここまでいけば見積もり等もあって苦しい、大企業の社長室になりますけれども、そういう表現は別として。だから、そういうことで話し合ってはおるんでしょう。

枝野委員長 それはどこから聞くという話ですか、だれがそう言っているということを聞いていますかというのを。

河村(た)委員 それは、やる人に決まっておるよ。それは当然、関係者ですよ。

枝野委員長 関係者というのは。

河村(た)委員 それは当然やられる方でしょう。

枝野委員長 要するに、工事の施工関係の人たちの方から今のような話を聞いていないかという御質問ですね。

河村(た)委員 言っているので。相談に乗っているんじゃないの、実際は。

枝野委員長 では、両方に。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 今現在の事業者からそのようなお話は私どもは受けておりません。(河村(た)委員「受けておらぬ。事務局」と呼ぶ)

枝野委員長 指名を受けてから発言をしてください。河村たかし君。

河村(た)委員 それじゃ、事務局。

山本参事 私どもの方も、事業者からは特別にそういう指摘は受けておりません。

河村(た)委員 受けておらぬ。

 それじゃ、とにかくぜいたくなものにならぬように、話が全然違いますから。財務大臣が言われましたもので、よく注意して、議員さんの方も聞いておられますので、とにかくそんな大企業の社長室にならぬように、だれが見てもごく当たり前の通常なオフィスになるように、そういうふうにやっていただきたいということで、次は文化庁の方にかわります。

 次は、もう一つ皆さんのところへおつけしておりますけれども、東京駅の丸の内にある中央郵便局の建物ですね。こういう文化財というか、そういうのも貴重な財産なんですよ、実は。お金に換算できない驚くべき財産なのであって、こういうものを大事にしていかなあかんという観点から質問しますが、まずちょっと文化庁の方から。

 これは超党派で議連をつくっておりまして、何遍もお願いしておりますし、それの確認ということになりますけれども、文化庁の方から、まず一つは、この東京中央郵便局の建物の文化的な価値をお願いします。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 先生が御指摘の東京中央郵便局舎につきましては、逓信省の経理局の吉田鉄郎氏が設計いたしまして、昭和六年十二月に竣工いたしました鉄筋鉄骨コンクリート建て、五階建ての建造物であります。郵便局や電話局庁舎等の合理的建築を主導いたしましたいわゆる逓信建築の代表作であるとともに、我が国の現代建築につながるモダニズム建築の典型作として、日本建築学会におきましても高い評価を得ている建築物であると承知をいたしております。

 この局舎につきましては、戦前の我が国の近代建築のすぐれた作品の一つと考えておりまして、国の重要文化財として指定を検討する価値を有しているものと認識をいたしているところでございます。

河村(た)委員 皆さん、ちょっとよく聞いていてよ、これは重要文化財ですからね。上下は余り言いたくないですけれども、登録というのがありまして、それを超えると一般的には重要文化財です。

 それで、そういう建物ですから、文化庁としてはぜひ壊さずに残してほしいというお気持ちを持っておられるのは当然でございましょうね。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 重要文化財の指定につきましては、まず、当該の建造物につきまして調査を行いまして、文化財建造物としての価値の評価を行いまして、文化審議会文化財分科会の審議を経て指定をすることになっております。

 この指定に際しましては、その重要な物件の所有者や関係機関というものの同意というものを得ることを前提として行うということになっておりまして、私どもといたしましては、その所有者や関係機関の協議を見守ってまいりたいというふうに考えております。

河村(た)委員 見守ってまいりたいということですけれども、今ちょうど苅谷参事官がお見えになりますけれども、この間、超党派の議連の中では、文化庁としてはぜひ壊さずに残して保存活用していただきたい、そういう話がありましたので、それがあったということだけ、では確認しておいてもらおうか。ちょっと言っておいてください。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 先般、先生から御指摘がございましたような超党派の懇談会がございまして、その席上、この建物についての価値についてのお話がございまして、今先生が申し上げたような見解を述べたというふうに承知いたしております。

河村(た)委員 ありがとうございます。

 それで、増田さん、ちょっと聞いていただいて、これは実は、今、民営化だとか何とやら言っていますけれども、もともとこの間まで公社というか国のものだったんですね。もともとつくったお金が、郵便の郵便料金というのは税金でないとかいうとんでもないことを言う人がおりますけれども、広義で言えばあれは税金なので、だから、営々とした国民のお金でつくった建物。それがなおかつ重要文化財相当建物であるということを言っておられるんですね、これは。だから、総務大臣においても、取り壊さず、これをそのまま活用していく、そういうお気持ちになられるのが当然だと思うけれども、どうですか。

増田国務大臣 お答え申し上げます。

 会社の方でも、著名な先生方を集めてこの建物についての検討会を今御承知のとおり設けて、この歴史的価値とそれを生かした活用に当たっては、その歴史的な価値、歴史継承の意義、あり方を整理するということで検討会を開いているので、会社の方でもこのことについて重く考えているということだと思います。

 ですから、そうした検討会での検討、そこでの議論というのを踏まえながら、この東京中央郵便局の計画を進めていただきたいと私どもは考えております。

河村(た)委員 増田さん、それではあかんぞ、そんな言い方をしておっては。そんなもの、役人の中のあれと同じじゃないですか。

 一応、大臣というのは、議院内閣制というのは、民間から選ばれたという皆さん、選挙を経ておらぬ人もなれますけれども、かくあるべしと言う場なのであって、文化財保護法の中には、第三条に「政府及び地方公共団体は、」云々とあって、「その」、これは文化財ですね、「その保存が適切に行われるように、周到の注意をもつてこの法律の趣旨の徹底に努めなければならない。」こういう規定があるんですよ、文化財というのは。

 これは当然、それを壊す前提も入れたような考え方をするというのは犯罪じゃないの、大体、そもそも。文化財保護法違反じゃないですか。あなた、自分の考えというのはないんですか、イデオロギーが。どうなっておるんですか、一体これは。何なんだ、一体。

増田国務大臣 重文の指定をまだ受けているわけではありませんので、法律の建前で言いますと、これは法律が通りまして民間会社にゆだねられたということなので経営判断に任せるしかないんですが、しかし、会社としても、このことについてはきちんと今検討会で検討していますので、その重みというのは十分受けとめているはずですから、それに従って行動するということでございます。

河村(た)委員 重文の指定を受けていないと言いますけれども、増田さん、重文の指定を受けた建物を壊したら、これは明らかに犯罪ですよ。何を言っておるんですか、まず。

 要するに、本当は職権で指定できるんですよ、実は文化財保護法というのは。だけれども、今までの長い歴史の中で、やはり一歩下がって、理解を得てというふうになっておる。だから、文化庁が正式に重要文化財相当の建物であると言ったら、将来の国民のためにもう壊すことは考えてはいけないんですよ、そもそも。そうなんですよ。指定を受けていないから取り壊しも考えていいなんということは。そんなことは当たり前ですよ。だめと言うけれども、指定を受けておったら、あなた、はっきり言いまして犯罪ですよ。どうですか。

増田国務大臣 会社が決して取り壊しを考えているわけではないというふうに思いますし、今いろいろな利活用について検討している段階だろうと思っております。

河村(た)委員 それじゃ、きょうは西川さんにも来ていただいておりますので、せっかくでございますから、この間、超党派で陳情にも伺いましたけれども、ぜひ民間御出身の社長としましては、今の話を聞いていただいて、やはり僕はこの間も言いましたけれども、間違っておるんですね。民間会社だったら絶対壊しませんよ。私も商売をやってきましたけれども、もし商売をやってきたところ、自分の持っておるものの中に重要文化財がある。絶対壊さないですよ、会社のイメージもあるし。どれだけ利用して、将来の世代のために喜んでもらうかわからぬ。

 だから、ここは西川さん、はっきり、ちゃんと残しますと言っていただければ、立派な社長でありますから。超党派の人がみえますから、みんなでやはりたたえますよ、それは。東京駅、日本の玄関だからね、あそこ。今、本物が残っておるのは、要するに東京駅、これは今度やりますわね、これは重文です。それからもう一つは、この郵便局しかないんです、本物は。それも何遍も言うけれども、重文ですからね、これは。重文を壊すことを前提とした協議をするということ自体、まず信じられない。ということでございますので、西川社長、ひとついい答弁をしてちょうだいよ。

西川参考人 お答えいたします。

 ただいま、東京中央郵便局を初め幾つかの継承いたしました不動産につきまして、その有効活用を検討いたしております。東京中央郵便局につきましては、相当老朽化をいたしておりますし、また、そのために、外壁のタイルの剥落等ございまして、歩行者の安全のために今全面にネットを張っておる状況でございます。したがいまして、いずれにしましても、これには抜本的な改善を必要とするという状況になっております。

 その中で、保存の御要望もございますので、有識者会議を組成させていただきまして、ただいま精力的に検討を進めていただいているところでございます。今月中に検討会の結論をちょうだいできるということになっておりますので、その結論、御議論を見ながら、さらに我々の方で適切な判断をしてまいりたいと考えております。

河村(た)委員 時間ですから最後にしますけれども、西川さん、もう一歩踏み込んだことを言った方がいいですよ、これは。

 これはちょっとここで言っておきますけれども、福田総理も、総理になられる前に私二回ばかり行きまして、私も保存に賛成だと。ただ、建物の価値がなかなかぱっとわかりにくいから、前の議事録にありますけれども、東京駅前だということで、単純に高いものをつくればいいという議論があったので、僕からその関係の人に言っておくわとまで言われました。一等これはいい話だから、別に本人がおらぬでもいいと思いますので。

 とにかく重要文化財を壊すというのは、それから今の問題で、老朽化といい建物は共存しますからね、当然。じゃ、法隆寺の五重の塔は老朽化していないんですか、あれ。東大寺の大仏殿は老朽化していないんですか。ですよ。だから、古くて年を食った建物はみんなで大事にして、あと二百年、三百年大事にしていこう、それが日本の伝統を守ることなので、それは西川さんの手中にあるんだからね。みんな喜びますよ、日本じゅうで。これをきっかけにして、いろいろな古い建物がどんどん日本で残って大事にされるようにする、そういう時代をぜひつくっていただきたいので、そういう観点で御検討をいただきたい。

 一言返事をいただいて、終わります。

枝野委員長 質疑時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

西川参考人 先生の御意見あるいは有識者会議の御議論、結論等を踏まえまして検討してまいりたいと存じます。

河村(た)委員 終わります。

 ありがとうございました。

枝野委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

枝野委員長 速記を起こしてください。

     ――――◇―――――

枝野委員長 次に、平成十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十八年度特別会計予算総則第十二条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、平成十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、以上の各件を一括して議題といたします。

 財務大臣から各件について説明を求めます。額賀財務大臣。

額賀国務大臣 ただいま議題となりました平成十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件及び平成十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外一件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 まず、平成十八年度一般会計予備費予算額二千五百億円のうち、平成十八年四月十八日から平成十九年一月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は、二百二十四億円余であり、その内訳は、賠償償還及び払戻金の不足を補うために必要な経費等の十七件であります。

 次に、平成十八年度各特別会計予備費予算総額一兆七千二百十二億円余のうち、平成十八年十二月二十日に使用を決定いたしました金額は、十三億円余であり、これは、森林保険特別会計における保険金等の不足を補うために必要な経費であります。

 次に、平成十八年度特別会計予算総則第十二条の規定により、平成十八年六月三十日から同年十二月一日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、七百三十六億円余であり、その内訳は、道路整備特別会計における道路事業の調整等に必要な経費の増額等五特別会計の十一件であります。

 次に、平成十八年度一般会計予備費予算額二千五百億円のうち、平成十九年三月六日から同年三月九日までの間において使用を決定いたしました金額は、七十四億円余であり、その内訳は、新型インフルエンザ対策強化に必要な経費等の三件であります。

 次に、平成十八年度各特別会計予備費予算総額一兆七千二百十二億円余のうち、平成十九年三月十五日に使用を決定いたしました金額は、六千万円余であり、これは、森林保険特別会計における保険金等の不足を補うために必要な経費であります。

 以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。

 以上です。

枝野委員長 これにて説明は終わりました。

     ――――◇―――――

枝野委員長 次に、平成十八年度一般会計歳入歳出決算、平成十八年度特別会計歳入歳出決算、平成十八年度国税収納金整理資金受払計算書及び平成十八年度政府関係機関決算書並びに平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書、以上の各件を一括して議題といたします。

 まず、財務大臣から各件について概要の説明を求めます。額賀財務大臣。

額賀国務大臣 平成十八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成十八年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。

 まず、平成十八年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は八十四兆四千百二十七億円余、歳出の決算額は八十一兆四千四百五十四億円余であり、差し引き二兆九千六百七十二億円余の剰余を生じました。

 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成十九年度の一般会計の歳入に繰り入れております。

 なお、平成十八年度における財政法第六条の純剰余金は八千二百八十六億円余となります。

 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額八十三兆四千五百八十三億円余に比べて九千五百四十三億円余の増加となります。この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額一兆九千百四十三億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純減少額は九千五百九十九億円余となります。

 一方、歳出につきましては、予算額八十三兆四千五百八十三億円余に、平成十七年度からの繰越額一兆九千二百八十二億円余を加えました歳出予算現額八十五兆三千八百六十六億円余に対し、支出済み歳出額は八十一兆四千四百五十四億円余であり、その差額は三兆九千四百十一億円余となります。このうち平成十九年度への繰越額は二兆千三百五十一億円余であり、不用額は一兆八千六十億円余となっております。

 なお、歳出のうち、予備費につきましては、その予算額は二千五百億円であり、その使用額は二百九十八億円余であります。

 次に、平成十八年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十一であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりでございます。

 なお、歳入歳出決算に添付されている国の債務に関する計算書による債務額につきましては、平成十八年度末における債務額は八百九十四兆四千二百四十八億円余であります。

 このうち、公債につきましては、平成十八年度末における債務額は六百七十四兆二千二十九億円余であります。

 次に、平成十八年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いにつきましては、同資金への収納済み額は六十三兆六千六百七十億円余であり、一般会計の歳入への組み入れ額等は六十二兆八千六百十四億円余でありまして、差し引き八千五十六億円余が平成十八年度末の資金残額となっております。

 次に、平成十八年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりでございます。

 次に、国の債権の現在額につきましては、平成十八年度末における国の債権の総額は三百十六兆七千九百九億円余であります。

 その内容の詳細につきましては、平成十八年度国の債権の現在額総報告のとおりでございます。

 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成十八年度末における物品の総額は十兆六千三百二十一億円余であります。

 その内容の詳細につきましては、平成十八年度物品増減及び現在額総報告のとおりでございます。

 以上が、平成十八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書等の概要であります。

 なお、平成十八年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところでありますが、なお会計検査院から、四百五十一件の不当事項等について指摘を受けましたことは、まことに遺憾であります。

 今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。

 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。

 次に、平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。

 まず、平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について御説明いたします。

 平成十八年度中に増加いたしました国有財産の総額は四十兆七千四億円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産の総額は十九兆千四百五十億円余でありまして、差し引き二十一兆五千五百五十三億円余の純増加となっております。

 これは、国有財産法施行令の改正に伴う台帳価格の改定により、政府出資等の額が大幅に増加したことなどによります。

 これを平成十七年度末現在額八十五兆二千十四億円余に加算いたしますと百六兆七千五百六十八億円余となり、これが国有財産法に基づく平成十八年度末現在額であります。

 以上が平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。

 次に、平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について御説明申し上げます。

 平成十八年度中に増加いたしました無償貸付財産の総額は千八百七十八億円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は千七百八十億円余でありまして、差し引き九十七億円余の純増加となっております。これを平成十七年度末現在額一兆七百四十三億円余に加算いたしますと一兆八百四十一億円余となり、これが平成十八年度末現在において国有財産法に基づき無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。

 以上が平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。

 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書を添付してあります。

 何とぞ御審議のほどをよろしくお願い申し上げます。

 以上です。

枝野委員長 次に、会計検査院当局から各件の検査報告に関する概要の説明を求めます。大塚会計検査院長。

大塚会計検査院長 平成十八年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。

 会計検査院は、平成十九年九月七日、内閣から平成十八年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を行って、平成十八年度決算検査報告とともに、平成十九年十一月九日、内閣に回付いたしました。

 平成十八年度の一般会計決算額は、歳入八十四兆四千百二十七億余円、歳出八十一兆四千四百五十四億余円、各特別会計の決算額の合計額は、歳入五百一兆五千三百六十三億余円、歳出四百五十兆五千七百九十五億余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を確認いたしました。

 また、国税収納金整理資金は、収納済み額六十三兆六千六百七十億余円、歳入組み入れ額五十三兆一千九百七十八億余円でありまして、会計検査院ではこれらの受け払い額を検査完了いたしました。

 政府関係機関の平成十八年度の決算額の総計は、収入四兆五千三十一億余円、支出三兆七千九百二十七億余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を検査完了いたしました。

 平成十八年度の歳入歳出等に関し、会計検査院は、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について、書面検査及び実地検査を実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して八百余事項の質問を発しております。

 検査の結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を御説明いたします。

 まず、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項は、合計三百六十一件、百一億六千二百四十七万余円であります。

 このうち、収入に関するものは、十一件、三十九億九千七百七十一万余円であります。

 その内訳は、租税の徴収額が適正でなかったもの、保険料の徴収額が適正でなかったものなどとなっております。

 また、支出に関するものは、三百件、五十四億七千五百二万余円であります。

 その内訳は、契約の履行の検査が適正でないもの、委託費の支払いが適正でないもの、医療費の支払いが適切でなかったもの、補助事業の実施及び経理が不当なもの、貸付金の経理が不当なものなどとなっております。

 以上の収入、支出に関するもののほか、現金等が領得されたものは、五十件、六億八千九百七十三万余円であります。

 次に、平成十八年十一月から十九年十月までの間におきまして、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により意見を表示しまたは処置を要求いたしましたものは十一件であります。

 その内訳は、官報号外等製造加工請負契約に関するもの、豊川用水施設の改築に伴う固定資産の計上に関するもの、独立行政法人国立印刷局における土地及び土地譲渡収入などによる資金に関するもの、農業災害補償制度(農作物共済)の運営に関するもの、信用保証協会に対して行う融資事業の効果等に関するものなどとなっております。

 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項は六十五件であります。

 その内訳は、木質バイオマス関連事業により整備した施設の運営状況の評価に関するもの、不要漁船・漁具処理対策事業における助成金の分担及び休漁推進支援事業における助成金の額の算定に関するもの、スマートインターチェンジの社会実験のために整備した設備の取り扱いに関するもの、談合等があった場合の違約金等に係る国庫補助金相当額の取り扱いに関するもの、情報システムの受変電設備等に係る固定資産の管理に関するものなどとなっております。

 次に、平成十八年十一月から十九年十月までの間におきまして、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対し報告いたしましたものは二件であります。

 その内訳は、さきに御説明いたしました談合等があった場合の違約金等に係る国庫補助金相当額の取り扱いに関するもののほか、特殊法人等から移行した独立行政法人の業務運営の状況に関するものとなっております。

 次に、平成十八年十一月から十九年十月までの間におきまして、国会からの検査要請事項に関し、会計検査院法第三十条の三の規定により検査の結果を報告いたしましたものは五件であります。

 その内訳は、政府開発援助(ODA)に関する会計検査の結果に関するもの、日本放送協会における不祥事に関する会計検査の結果に関するもの、各府省等が締結している随意契約に関する会計検査の結果に関するもの、我が国政府開発援助における無償資金協力及び技術協力において被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約に関する会計検査の結果に関するもの、平成十三年度から十八年度までの間に内閣府が実施したタウンミーティングの運営に関する請負契約に関する会計検査の結果に関するものとなっております。

 最後に、本院の検査業務のうち特にその検査の状況を報告する必要があると認め、検査報告に掲記いたしましたものは八件であります。

 その内訳は、租税特別措置等(生命保険関係)の適用状況等に関するもの、都道府県における不適正な経理処理に係る国庫補助金等の状況に関するもの、国民年金事業における被保険者資格の適用、保険料収納等の実施状況に関するもの、福島、和歌山、宮崎各県における国土交通省所管の国庫補助事業に係る入札・契約の状況に関するものなどとなっております。

 以上をもって概要の説明を終わります。

 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対し、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省庁などにおいてさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。

 次に、平成十八年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。

 会計検査院は、平成十九年九月七日、内閣から平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を行って、平成十八年度国有財産検査報告とともに、平成十九年十一月九日、内閣に回付いたしました。

 平成十八年度末の国有財産現在額は百六兆七千五百六十八億余円、無償貸付財産の総額は一兆八百四十一億余円になっております。

 検査の結果、国有財産の管理及び処分に関しまして、平成十八年度決算検査報告に掲記いたしましたものは六件であります。

 その内訳は、不当事項といたしまして、配電設備の改修工事の設計に関するもの、意見を表示しまたは処置を要求した事項といたしまして、独立行政法人国立印刷局における土地及び土地譲渡収入などによる資金に関するもの、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項といたしまして、河川区域の一部が廃止されるなどして普通財産となった土地の管理等に関するもの、国立公園内の集団施設地区における土地使用料の債権管理事務等に関するもの、艦艇乗員待機所の仮眠室の利用の促進に関するもの、国会及び内閣に対する報告といたしまして、特殊法人等から移行した独立行政法人の業務運営の状況に関するものとなっております。

 以上をもって概要の説明を終わります。

枝野委員長 これにて平成十八年度決算外二件の概要の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 この際、資料要求に関する件についてお諮りいたします。

 平成十八年度決算の審査に当たり、決算の検査報告に掲記されました会計検査院の指摘事項に対する関係責任者の処分状況調べについて、財務省当局に対してその提出を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

     ――――◇―――――

枝野委員長 この際、御報告いたします。

 去る十一月一日、議長より本委員会に送付されました、議員松野頼久君外百十一名からの中央省庁の補助金等交付状況、事業発注状況に関する予備的調査の要請につきましては、理事間の協議により、衆議院規則第五十六条の三第三項によって、去る十一月二十一日、調査局長に対し、予備的調査を命じましたので、御報告いたします。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十五分散会


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