衆議院

メインへスキップ



第3号 平成20年4月14日(月曜日)

会議録本文へ
平成二十年四月十四日(月曜日)

    正午開議

 出席委員

   委員長 枝野 幸男君

   理事 木村 太郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 平田 耕一君 理事 福井  照君

   理事 松野 博一君 理事 前田 雄吉君

   理事 横光 克彦君 理事 上田  勇君

      安次富 修君    浮島 敏男君

      江藤  拓君    坂井  学君

      清水清一朗君    杉村 太蔵君

      西銘恒三郎君    西本 勝子君

      葉梨 康弘君    萩生田光一君

      林   潤君    松本  純君

      松本 文明君    松本 洋平君

      矢野 隆司君    安井潤一郎君

      山本  拓君    与謝野 馨君

      金田 誠一君    河村たかし君

      田名部匡代君    高山 智司君

      寺田  学君    松木 謙公君

      松野 頼久君    松本  龍君

      坂口  力君    古屋 範子君

      鈴木 宗男君

    …………………………………

   財務大臣         額賀福志郎君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   財務副大臣        森山  裕君

   会計検査院事務総局第二局長            小武山智安君

   会計検査院事務総局第三局長            真島 審一君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 藤井 昭夫君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          松永 邦男君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大野恒太郎君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            清水  潔君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房長) 金子 順一君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (社会保険庁総務部長)  吉岡荘太郎君

   政府参考人

   (社会保険庁総務部職員課長)           眞柴 博司君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         増田 優一君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  和泉 洋人君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  須野原 豊君

   決算行政監視委員会専門員 菅谷  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十四日

 辞任         補欠選任

  麻生 太郎君     松本  純君

  石原 伸晃君     安次富 修君

  岩屋  毅君     萩生田光一君

  木原  稔君     松本 洋平君

  冨岡  勉君     松本 文明君

  広津 素子君     清水清一朗君

  与謝野 馨君     葉梨 康弘君

  小宮山泰子君     田名部匡代君

  津村 啓介君     河村たかし君

  松本 大輔君     松野 頼久君

  谷口 和史君     古屋 範子君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     石原 伸晃君

  清水清一朗君     広津 素子君

  葉梨 康弘君     与謝野 馨君

  萩生田光一君     岩屋  毅君

  松本  純君     麻生 太郎君

  松本 文明君     冨岡  勉君

  松本 洋平君     木原  稔君

  河村たかし君     津村 啓介君

  田名部匡代君     小宮山泰子君

  松野 頼久君     松本 大輔君

  古屋 範子君     谷口 和史君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計歳入歳出決算

 平成十八年度特別会計歳入歳出決算

 平成十八年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十八年度政府関係機関決算書

 平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

枝野委員長 これより会議を開きます。

 平成十八年度決算外二件を一括して議題といたします。

 総括質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として総務省人事・恩給局藤井昭夫局長、総務省自治行政局松永邦男公務員部長、法務省刑事局大野恒太郎局長、文部科学省高等教育局清水潔局長、厚生労働省大臣官房金子順一官房長、厚生労働省医政局外口崇局長、厚生労働省年金局渡辺芳樹局長、社会保険庁吉岡荘太郎総務部長、社会保険庁総務部眞柴博司職員課長、国土交通省都市・地域整備局増田優一局長、国土交通省道路局宮田年耕局長、国土交通省住宅局和泉洋人局長及び国土交通省港湾局須野原豊局長の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。葉梨康弘委員。

葉梨委員 こんにちは。自由民主党の葉梨康弘です。

 本日は、究極の年金保険料の流用じゃないかというふうに私は思っておりますが、組織ぐるみの社会保険庁のやみ専従、そして保険金流用のからくりについてお尋ねをするとともに、厚生労働大臣の決意をただしたいというふうに思っています。

 まず、本題に入ります前に、法律関係をちょっと固めておきたいと思います。

 法務省、刑法第百五十五条、公文書偽造の罪、規定されております。いわゆる有印公文書とはどういうような書類か、時間が限られておりますので、ごくごく簡潔に答弁ください。

大野政府参考人 有印公文書偽造の罪における公文書でありますけれども、一般に、公務員がその名義をもって、その権限内において、所定の形式に従い作成する文書をいうものと解されております。これは、刑法百五十六条のいわゆる虚偽公文書作成の罪における公文書も同様でございます。

 そして、その文書に公務員の印章、つまり判こが使用されている場合には有印ということになるわけでございます。

葉梨委員 次に、総務省に伺います。

 一般の地方自治体には、いわゆるながら条例というものがかつて問題となりました。これは、国家公務員と比べまして勤務時間中の組合活動が広く認められているということで批判が強かったわけですが、地方事務官であった当時及び現在、社会保険庁職員にながら条例の適用はなかったと考えますけれども、そのとおりかどうか。

 それから、ちょっと答える参考人が違ってくるかもわかりませんが、国家公務員が勤務時間中に組合活動ができるのは、国家公務員法第百八条の五に定める適法な交渉のみで、それ以外の活動は許可を受けなければならないと考えていますけれども、どうでしょうか。

 それぞれ、簡潔にお答えください。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 地方事務官、それから、もちろん現在の社会保険庁の事務所の職員の方は、当然でございますが国家公務員の身分を有していられるということで、給与を受けながら職員団体活動を行うためには、いわゆるながら条例ではなくて、国家公務員法等の規定に基づくべきものであるというふうに考えております。

藤井政府参考人 国家公務員の組合活動についての御指摘でございますが、御指摘のとおりでございます。

葉梨委員 昨年十月以降、年金業務・組織再生会議の要請によって、社会保険庁において、いわゆる無許可専従を含む服務違反行為についての調査が開始されました。そして、三月十七日には、全国社会保険職員労働組合が二十七人のやみ専従を認めました。そして、我が党も、それ以来でございますが、本日お越しの眞柴職員課長さんらの協力を得て調査を実施してまいったわけでございます。

 そこで、総務部長さんにお尋ねします。

 資料一にお示しした社会保険庁職員の服務違反に関する調査の経過報告は、三月二十六日に年金業務・組織再生会議に社会保険庁から提出したものに相違ございませんでしょうか。

吉岡政府参考人 御答弁申し上げます。

 本日、葉梨委員より提出の資料一、これは、御指摘のとおり、去る三月二十六日、社会保険庁職員のやみ専従許可を含む服務違反に関する調査の経過報告として再生会議に私どもから御報告をしたものに相違ございません。

葉梨委員 本日は、今までいろいろとやりとりをしてきたということで、補足的に、本当に補助的に職員課長さんもお呼びしております。これからは、答弁というよりは確認を聞くという形にしておきたいと思うんですが、せっかくですので、この調査を実施しました服務関係調査班は、さきに眞柴課長さんから、東京社会保険事務局にあっては、事務局長を主査とし、総務部長、総務課長及び弁護士で構成されるという説明を受けましたけれども、これは相違ありませんね。

眞柴政府参考人 答弁申し上げます。

 今議員の方からお話がございましたように、東京事務局での調査の体制でございますが、主査を社会保険事務局長、それから特別調査員として弁護士、それから主任調査員として総務部長、その他職員による調査員という体制で実施……(葉梨委員「総務課長は入っていますね」と呼ぶ)調査員の中に総務課長も入ってございます。そのとおりでございます。

葉梨委員 それで、実は、この調査報告書というのを、私ども、報告受けていろいろ見たんですが、いかにも隔靴掻痒なんです。例えば、これの五ページを見ていただいたらと思うんですけれども、行為者及びこれを認めた管理者について厳正に処分とあります。ただ、本当に、これを認めた管理者で済む問題かどうか、極めて疑問に感じておりました。

 そこで、私としては、ずっと、眞柴さんを外しまして、これを認めた管理者本人から非公開でいろいろと事情を聞いてまいりました。さらには、関係資料の収集にも当たらせていただきました。そうしたら、少なくとも、この東京についてでございますけれども、どうもとんでもない事実が明らかになってまいりました。これは資料としてもお配りをしております。

 大体、このパネルにあるものは、本当に取りまとめということで、またさらに裏が、裏に裏があるということなんですけれども、このある社会保険事務所の場合、そこでやみ専従ということでこの職員が配置されるわけなんですが、これは人事係長さんに直接聞きましたところが、申し送りが人事係長でありまして、組合の幹部は、仕事をしなくていい幹部がいる、仕事をしなくていい幹部を、大体数人はまず総務課が引き受ける。でも、総務課だけじゃ足りません。本局の幾つかの課が引き受ける。それだけでも足りません。ですから、多くを出先の社会保険事務所に配置をいたします。

 ただ、社会保険事務所に配置するに当たっては、当然仕事をしないというのをわかった上で配置するわけですから、比較的暇な事務所に配置をする。そして、配置をしたときに、社会保険事務所長に電話をするんだそうです。今度組合の幹部が行くから、わかっているねと。そんなのでわかるんですかというふうに聞いたところが、わかります、社会保険事務所長はこういうのがあるというのはみんな知っていますからというようなお答えでございました。

 そして、その方はどういうような仕事をするかというと、常時組合で活動をいたします。そして、これは当時の社会保険事務所長から直接聞きましたけれども、大体月に一遍程度、事務所に顔を出します。仕事をしません。何をしに来るかということですが、出勤簿を押しに参ります。一月分の出勤簿をまとめて押します。そして、何をやっていたんですか。仕事しないで、だべって、一服でもしていたんじゃないんですかという話なんです。当時は、振り込みというのが、全額振り込みでもなかったので、給料は直接いただくというようなケースも多かったということなんです。

 それで、先ほどお見せしたこの出勤簿ですけれども、これは、やみ専従の職員が押印した出勤簿に間違いないですよね。はい、間違いないということでございました。

 そして、彼らに対してでございますが、実は、本給だけではございません。勤務時間外に彼らに超勤が支払われていますかということを事務所長さんですとか人事係長さんに聞いたところが、支払われているというようなお答えがあったんです。何で超過勤務が支払われているんだろうと非常に私自身も不思議に思ったことを鮮明に覚えています。

 何をやるんですか。これは、業務の説明が夜になる。いや、それは、だって、組合で活動しているから、どういうことですか、年金の仕事をするための業務の説明というのが昼間は組合で仕事をしているから夜になっちゃう、その時間の超過勤務なんですかということを私聞いたんです。いや、そうじゃないんですよ、今度新しい業務を始める、組合でもこういう対応をしてほしいと。これは、いわゆる適法な労使交渉じゃないですね、そのまさに準備行為でございます。そういうようなことを説明する時間が、いつもは組合活動で忙しいものですから夜になることがあります、そういう時間を集計していたんですと。だれが集計するんですか。人事係長ですと。

 人事係長が集計をいたしまして、それを事務所長に対して、今度は十時間だから、この月は十時間だからということで連絡をするわけです。それで、その事務所長さんが、十時間そのままつけることもあれば、そのままつけないということもありますけれども、超過勤務をつけます。

 この超過勤務の関係なんですが、先ほども言いましたけれども、総務課に在籍していた職員も数名おります。総務課ではどういうような形で超過勤務を計算するんでしょうかとお話を聞きましたところ、こういう形で、これは人事係長さん、それから総務課長ということでしっかり押印をして、この方は十五年の九月に十時間の超過勤務をされております。

 具体的に大体どれぐらいの構成になるかということで申し上げますと、この方かどうかちょっと判然としないんですが、平成十五年にやみ専従ということで総務課に在籍して、総務課では仕事をしていなかった。具体的に言いますと、もっとも、新宿に庁舎があったらしくて、新宿に組合の事務所がある、新宿に本局の事務所もあって、総務課の配置の職員は月に一遍じゃなくて月に数遍は来ていたけれども、実際に仕事を命じたことは一切ありませんと。何をやっていたんですか。まあ、だべっていたんでしょう、ただ、それも毎日来るということはありませんというふうに明確にいただいていたんです。

 例えば、ある職員ですと、十五年の九月に俸給が三十七万五千五百円、扶養手当四万一千円、調整手当四万九千九百八十円、住居手当千円、超過勤務手当が三万三百三十円、通勤手当も一万八千五百十円支払われております。計五十一万六千三百二十円。これだけの給与が仕事をしないで支払われておって、超過勤務もつけられているというような状況がございます。

 ですから、明らかなことは、まず、人事係長がその職員をここに配置する。当然、その人事係長、課長補佐にも聞きました。それから、総務課長はどうもやめちゃって、いないということで、聞くことはできなかったんですが、当然、総務課長も知っております。意図的に、もうわかった上で、そういう職員を事務所に配置いたします。そして、わかった上で、彼らに対して超過勤務をつけるということでございます。そして、これは単に黙認していたとかこれを認めたとかということじゃなくて、当時の総務課長ですとか人事担当の補佐、人事係長、さらには社会保険の事務所長というのは、これをまさに推進していたといいますか、そういう構図をつくっていたのは彼らなんです。ですから、まさに共犯関係にあります。

 先ほど公文書ということについてお聞きをいたしました。これは明らかに、規定上、様式が定められて、そしてつくらなければならない書類です。本人が押印をして、これを所属長が確認して、給与を支払うという書類ですが、これが、全く架空のでっち上げの出勤簿がつくられていた、そして、全く架空のでっち上げの超過勤務の時間、これもつくられていたということが明らかになったわけなんです。

 さて、さらに、彼らについて勤務評定というのがつけられます。毎年一遍、勤務評定書というのがつけられるわけなんです。

 勤務評定について申し上げますと、これは東京の場合ですが、社会保険事務所、これにあっては事務所長、社会保険事務局にあっては課長が評定者として評定書を作成する。そして、社会保険事務局長が実施権者として確認をしていたという説明を受けましたけれども、眞柴さん、相違ないですね。はい、そういうことですね。

 ですから、このような形で、仕事をしていない職員について勤務評定書がつけられます。そして、中にはA評価とされる職員もいるわけです。

 これは、ある社会保険事務所、私もS、A、B、C、Dというような勤務評定のランクがあるというふうに聞きましたが、Aという評価はどういうことでつけるんですかと言ったら、基本的には、仕事をしていない職員に勤務評定をつけられるぐらいですから、余り勤務の記録というのは見ていないということなんですが、Aというのは大体、基本的には特別昇給をする職員につけるんですというようなことが言われております。

 そして、このA評価、これを見ていただいたらわかりますけれども、仕事の結果、仕事の仕方、仕事に対する態度、これらすべてについてこの職員はA評価がつけられております。月に一遍しか出てきていなくて、そして、たばこを吸いに出てきて、出勤簿を押す行為、架空の出勤簿をつくるという犯罪行為、そして、仕事をしていなくてお金をいただくという仕事、この結果がAである、そういう態度もAである、そして、そういう仕事の仕方がAであるという形で、この事務所長さんはそれを推奨されております。ですから、その意味で、明らかな組織ぐるみということが言えるわけです。

 ただし、これは特昇の結果かどうかわからないんですが、たくさんAをつけられた職員がいます。この人だけじゃありません。平成十五年の七月に、ある年の勤務評価で、勤務評定Aがつけられたある職員の方がいらっしゃいます。この方は、特別昇給があって給料が上がったのかどうかわかりませんけれども、平成十五年の十一月に給料が大幅にアップをしています。

 平成十五年の十月、基本給が二十九万六千九百円、支給総額は、先ほどの超過勤務、調整手当等も入れて三十八万七百六十一円であった職員がいます。ところが、この方は、七月に勤務評定Aがつけられました。平成十五年の十一月の手取りは三十三万二千五百円の基本給、支給総額は四十二万三千百五十三円、この不況の時代で一月で四万円も支給総額が上がっています。やみ専従をやっているときに、一月に四万円も給料の総額が上がっているんです。仕事をしていないんですね。そういう実態が徐々に明らかになってきたわけなんです。

 さて、こう見てきますと、少なくとも、今の委員長もやみ専従をされていたということを御本人が認めておられるわけなんですが、組合の幹部。今まで自民党も、やはりこっちの方が悪い、悪いというふうに言っていました。悪いというのは悪いですよ。確かに悪い。もうちょっと顔をかわいくかけばよかったんだけれども。だけれども、やはりこっちも悪いですね。

 本当に徹底的にうみを出すには、三層構造と言われていますけれども、東京プロパーにおけるぐちゃぐちゃの関係、あるいはずぶずぶの関係と言ってもいいんでしょう、こういう関係にメスを入れなきゃどうしようもない。

 ですから、こういう背景の中で、今話題になっています標準報酬の改ざんの問題ですとか、年金の記録のずさんな管理の問題というのが起こった。これは当然のことだというふうに私は思います。当たり前です。自分たちの給料の基礎になる書類を改ざんするぐらいですから、他人の、国民の給料の書類を改ざんするなんて、やつらにとってみれば朝飯前なんだよ。とんでもない話だということを私自身は感じました。

 そして、これはこれから舛添大臣に、しっかりと対応しなきゃいけないんですが、調査対象、調査の態様というのは、私は、実はいろいろと眞柴職員課長にも御協力を得ながら調査を進めてまいりましたが、非常に不満があります。

 一つは、今の体制、先ほど言いましたが、事務局長が主査でございます。総務部長、総務課長は主要な調査員として入っております。今の総務課長も、東京社会保険事務局の総務課長も、みずから、事務所長当時やみ専従に給料を払っていたということを認めております。泥棒が泥棒を調べている。実質的にやみ専従を推奨した人間が調査員に入ってやみ専従のことを調べたって、こんな調査結果しか出てこないんです。泥棒が泥棒を調べちゃいけません。

 そして、まだいろいろ持っているんですけれども、きょうは時間がないので言いませんが、大規模県なんだけれども、休職専従ややみ専従を問わず、組合活動で専従でかかわっていた人間は一人もいないというような報告が組合から上がっているところもあるんです。それをそのままでいいと言っている。何でか。これは、一番冒頭、法律関係を聞きましたけれども、明らかに混乱しているんです。彼らは、自分たちはまだ地方公務員の感覚だから、ながら条例みたいなものがある、だからこれはやみ専従じゃないと。国家公務員は違うんですよ。国家公務員はあくまで適法な交渉だけしか勤務時間中はできません。準備行為をやっているなんと言うことはできません。それを、これはやみ専従じゃないですかと言ったって、まだまだ、やみ専従じゃありません、私は仕事をしながら仕事をしていましたと言っているような組合の幹部が今でもたくさんいるということを私も聞きました。泥棒が泥棒を調べてはなりません。

 二点。これは服務規律の問題ではありません。明らかな犯罪行為なんです。架空の出勤簿、勤務評定書を作成して公金を詐取する。詐欺は時効は七年です。まだ間に合いますよ。ですから、単に当時の給料を返納しただけでは足りないんです。そもそも、そういう改ざん行為を行っていたという人間がのうのうと大きな顔をして仕事をしているということ自体が、社会保険庁の職員がみんなやる気をなくす、そのもとになると思います。

 舛添大臣、保険料横領の市町村職員についてはブタ箱にほうり込むと大見えを切られました。ただ、それこそ、この改ざんに加担していた現在、過去の組合の大幹部たち、そして、それと癒着をして一緒に改ざんに加担をしていた都道府県のプロパーの幹部たち、彼らこそブタ箱にほうり込まなきゃいけないんじゃないかというふうに私は感じています。

 やみ専従の調査体制、徹底的に見直してください。そして、刑事事件になるものについては積極的に刑事告発して、徹底的にうみを出し切ってください。これがなければ、私どもに対する信頼というのはさらに揺らいでしまう。明確な御決意を舛添大臣から承りたいと思います。

舛添国務大臣 そもそも、この年金業務・組織再生会議、こういう会議でチェックをするというのは、まさにまないたの上のコイで、社会保険庁みずからが問題があるからと。ただ、それがおりてきて、こちらも服務関係調査班というのを設置していますけれども、今、葉梨委員の御指摘のように、泥棒が泥棒をという御表現でありましたけれども、そういうことがあっちゃいけない。

 ただ、このためには、私は今、年金で二つばかり特別のチームを直属で置いてやっています。場合によっては、こういうことがあれば、要するに、検察官の出身者であるとか、そういうノウハウを持っている特別チームを形成して大臣直属のもとに置くか、ないしは年金業務・組織再生会議のもとで直接に指示させるか、そういうことも含めて、この調査班について少し検討させていただきたいと思います。

 それから、もとより、法治国家でありますから、法律違反があればこれは告発も含めて厳正に対処する、そういう方針で、今度新しい、社会保険庁の後の日本年金機構というのをつくりますので、そのときまでにきちんと、こういうことについて国民の疑義がないように、全力を挙げてやりたいと思います。

葉梨委員 今、自民党でも鋭意調査をして、いろいろとまた大臣と連携をとって、しっかりやっていきたいと思います。私も十七年間ほどお巡りさんをやっておりましたので、いろいろとまた、今後ともしっかり連携をとって、とにかく厳しくやりたいということをお訴え申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

枝野委員長 次に、上田勇委員。

上田委員 公明党の上田勇でございます。

 きょうは、まず最初に財務大臣に、G7の財務大臣会合についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。

 額賀大臣、G7財相会議への御出張、大変御苦労さまでございました。国際金融市場が非常に不安定さを増して、世界的な経済後退が深刻になりつつある中でのとても重要な会議であって、金融システムや為替の安定に向けての各国の政策協調など、非常に活発な議論が行われたというふうに承知をいたしております。

 この会議を受けまして、我が国としても取り組まなければいけない課題というのはたくさん、非常に広範に及んでいるんだというふうには思いますけれども、まず最優先で取り組まなければいけない政策はどういうところにあるのか、大臣に、時間の関係もあり、恐縮でございますけれども、簡潔に御報告をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

額賀国務大臣 上田委員のおっしゃるとおり、今回のワシントンでのG7会議というのは、世界から注目されていく中で開かれたものと思っております。世界経済の動向、それから金融市場の問題について、各代表とも真剣に議論をしたということでございます。

 まず、世界経済については、引き続き困難な時期に直面をしておるという共通の認識でございます。今後は、金融市場の一層の混乱を防ぎ、持続的な成長を回復するために、G7各国が、必要に応じて、個別にあるいは共同して適切な措置を講じていくということを改めて確認したということであります。

 為替についても真剣に議論が行われました。為替については、強固かつ安定した国際金融システムが共通の利益であるということを再確認したということでございます。前回の会合以後、主要な通貨において時として急激な変動があり、G7として、これらが経済及び金融の安定へ与える影響について懸念を表明したところであります。引き続き為替の動向についてよく注視をしていきたい、そしてまた適切に協力をしていくということで一致したのでございます。

 金融市場の問題については、金融安定化フォーラムで最終報告が行われまして、G8の大阪会合それからG7の会合において、実施状況について、今後どれくらい各国が実施されていくかどうかということの報告を受けたいという話をしたところでございます。これはこの二月の東京におけるG7においても問題になったことでありますけれども、それは、徹底した情報の開示あるいはまたリスク管理、そういったものをきちっと透明性を持った形でしていこうということが基本的な考え方でございます。

 それから、議論の多くは、世界経済に大きな影響を及ぼすアメリカ経済が今後どういうふうになっていくのか、金融不安がアメリカの実体経済にどういう影響を及ぼしていくのかということに主に論点が集中したと思っておりますけれども、アメリカにおいても、あらゆる手段を排除せずに、金融の安定と経済の拡大のために全力を尽くすという形が確認されたと思っております。

上田委員 ありがとうございます。

 白川日銀総裁も、日銀総裁として初めて中央銀行総裁の会議に出席をいたし、まだきょうは御帰国じゃないということなので、それはまた後日、機会があれば伺いたいというふうに思っております。

 今大臣の御答弁の中にもありましたけれども、為替の安定についても非常に中心の課題として議論をされ、それについて各国の協調した対応が必要であるということが確認されたということであります。

 最近の動向を見てみますと、ドル安・円高の基調が続いておりまして、我が国の輸出産業に対する悪影響というのも今懸念をされております。

 かつて、二〇〇三年から四年にかけては、円高が進んだときに、我が国としても巨額のドル買い介入を行ったという経緯があります。しかし、今回の事態というのは、アメリカ経済への信頼低下による世界的なドル安ということであって、ユーロなどの他の主要通貨に対しても相当ドル安になっております。そういう意味では、我が国として単独で介入したとしても、その効果というのは限定的なのかなというふうに感じております。

 それだけじゃなくて、そもそも、その二〇〇三年から四年にかけての介入についても、為替相場というのはやはりどうしても経済の実態によって決まるので、介入の効果というのは非常に短期的、また限定的であったというような、そういうことも言われておりますし、また、我が国では現在、既に一兆ドルを超える準備金を保有しております。この一兆ドルの準備金というのは、これは米国債で主として持っているわけですから、アメリカの金利の引き下げやドル安のリスクが極めて大きくなっていて、これ以上積み増すということは、やはりそのリスクがさらに大きくなるという懸念もあるわけであります。

 そういう意味で、G7などで各国が協調していろいろな取り組みを行っていくということであればともかくとしまして、我が国として、今、例えば市場にドル買いで介入をしたとしても、その効果は疑わしいし、必ずしも適切ではないというふうに考えておりますけれども、大臣、どういうようなお考えなのか、御見解を伺いたいというふうに思います。

額賀国務大臣 これは、G7が終わった後、マスコミの皆さん方からもいろいろと質問を受けたわけでございますけれども、各国とも、コミュニケに書いたとおり、強固、安定した国際的な金融システムが各国の共通の利益であるということ、それから、主要国の通貨において急激な変動が起こるということは懸念をしているということ、そういうことの考え方を繰り返すことが予断を与えない、不測の事態を招かないという形で共通の認識を確認しておりますので、介入についてのコメントは差し控えさせていただきたい。

上田委員 大臣、ありがとうございます。

 やはり相当センシティブな話なので、大臣からコメントしていただくのは難しいんだというふうには思いますが、今、私が今の為替動向についての考えをちょっと述べさせていただいたところでございます。

 G7関係につきましてはそのぐらいにさせていただきまして、次に、十八年度の決算報告について一点お伺いしたいというふうに思います。

 これは、会計検査院が十八年度の決算に対する調査をして、それの報告が提出されましたけれども、その中で、一件、非常に金額も多く、また内容的にも極めて悪質なものがあるというふうに感じましたので、その点、ちょっと一つだけお伺いをしたいというふうに思います。

 会計検査院が全国二十六の都道府県労働局において実地検査を行ったところ、平成十一年度から十八年度までの間に、一億五千八百三十九万円の超過勤務手当が不適正に支払われていたことが明らかになりました。どうやってそういったことが明らかになったかというと、庁舎にかぎがかかって機械の警備が始まっているという記録が残っているにもかかわらず、その日に超過勤務をしているという職員の記録が一方で残っている、そういうことが発覚をしたわけであります。

 そういったことが幾つもあったということは、これはもう意図的な不正だというふうに思われても仕方がないんじゃないかというふうに思います。しかも、さらに、その一つの労働局では、局長が、不正行為がわかる記録の破棄を指示したということも会計検査院から指摘をされておりまして、こうなると、本当に極めて悪質としか言いようがありません。

 超過勤務の適正な手続が守られて、そして管理者がみずから定められている仕事を適正にやっていれば、これは起こり得ないということであるわけであります。まさに、管理職も含めて全員がなれ合いでそういったことをやってきたことがこのことで明らかになっているんじゃないかというふうに感じました。二度とこうしたことは起きないようにしていただきたいというふうに考えております。

 この会計検査院の指摘を受けて、不当に受け取った手当の返還や不正を行った職員の処分など、どういうようなけじめをつけてきたのか、そのことをお伺いしたいというふうに思います。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘がございましたように、十八年度の会計検査報告におきまして、ハローワーク等の庁舎の機械警備記録と超過勤務の間に不整合があったということで、不適正な支給として指摘をされたわけでございます。

 こうした不整合につきましては、主に、他の日に実施しておりました超過勤務を月末などにまとめてつけるというようなあしき慣行があったということでございます。

 そうした中で、職員個人に対して過大な支給となっていたものがあるのではないかということで、この不適正支給額一億五千八百三十九万円のうち、過大支給となっていたものが二千八百十八万円ということでございました。したがいまして、この二千八百十八万円につきましては、昨年十一月に、支給を受けた職員から全額国庫に返還させたところでございます。

 また、処分でございますが、委員御指摘がありましたように、これは、超過勤務時間の把握、管理というのは管理者の基本的な責任でございます。そういったことで、その把握、管理が適正に行われていなかったということで、超過勤務の命令権者でございますハローワークの所長等を対象に、戒告二名、矯正措置六百十四名、計六百十六名を処分したところでございます。

上田委員 今御報告があったんですけれども、会計検査院が指摘をした不正に支給された超過勤務手当、これが一億五千八百三十九万円、返還は、今のお話では、わずか二千八百万円ちょっとであります。

 また、処分についても、先日伺ったところでは、減給処分に一名なっている。これは、ちょっとさっきお話をしました、書類を意図的に廃棄した、改ざんをした人間、しかも局長であります。そういう立場の人に対しては減給という処分がとられましたけれども、そのほかは訓告とか厳重注意などの処分であるということでありますし、これもいずれも管理職側の人であって、実際に不適正な手当を受け取った職員は、基本的には何のおとがめも受けていないというのが内容であります。

 これは、普通に考えると、いかにもなれ合いでやっているな、ここに来てもまだなれ合いでやっているなという印象を受けます。

 しかも、先ほどの御説明で、一カ月分の超過勤務手当をまとめてつけるというふうにおっしゃっていたんですが、それでも、では、そういうような手続というのが、これは労働者側にとっても管理者側にとっても全く定められている手続に反するわけでありますし、こういったことというのは放置をしておくことが不適切であるというふうに言わざるを得ません。これはまさに不正でありますので、不正な行為が発覚をしたときにはきっちりけじめをつける、そうすることによって再発防止につながるし、また、それによって国民の信頼の回復にもつながるんじゃないかというふうに思います。

 労働局においては、これ以外にもさまざまな、空出張など不適正な支出が指摘をされてきました。しかし、こうやって、にもかかわらず次から次へと不正が発覚をする。それはやはり、一つ一つの事柄をあいまいに処理してきたことに原因の一つがあるのではないかというふうに思えてなりません。

 さっきの葉梨委員のお話もありまして、大臣はたくさんの問題を抱えていて大変恐縮でございますけれども、この問題、大臣のお考えを伺いたいというふうに思います。

舛添国務大臣 こういうことが二度とあってはいけないと思います。

 それで、平成十七年七月に、今回のような不正な金銭の作出者及びその指示者については懲戒免職を原則として厳正に処分する、こういう指示を出しているわけでありまして、今回、今お取り上げになっている案件のほとんどがそれより以前のものでありますけれども、しかし、やはり今後のことも含めて、まず外部の専門家が参画するコンプライアンス、法令遵守の委員会を設置して、内部点検、内部監査を徹底しているところでありますし、先般、私から指示を出しまして、再発防止を徹底しろということを申し渡しました。

 今後、会計検査院から二度とこういう指摘を受けないように、全力を挙げてこの事態の是正に努めてまいりたいと思います。

上田委員 大臣、ひとつよろしくお願いいたします。

 今、やはり公務員に対する社会的な信頼が本当に失墜をしておりまして、これは本当に国の運営上ゆゆしき事態だというふうに思います。やはり、事件が発覚をしたとき、それには一つ一つ信賞必罰を明確にしていくということが重要だというふうに思います。先日国会に提出をされた国家公務員制度の改革基本法でも、倫理を確立していくために信賞必罰はちゃんと明確にしていくんだということが明記をされているわけでございますので、これは必ずしも厚労省だけに限ったことではないんですが、大臣には、ひとつ今後厳正に、今御決意をいただいたように対処していただきたいというふうに思います。

 それで、次の点に移らせていただきますが、もう時間もありませんので、ちょっとまとめてお伺いをしたいというふうに思います。

 年金積立金の運用の問題でございます。

 これは、先日もちょっと別の委員会で取り上げさせていただいたんですが、今、年金積立金管理運用独立法人等が運用している積立金というのが百五十兆円を超える巨額に達しております。一方、その運用実績というのは、平成十八年度末までで年平均三・五%。これを先進諸外国と比較しますと、我が国では、第一に、積立金の額が非常に大きいという特徴があります。第二に、運用の収益率、これが諸外国に比べて極めて低い。ほかの先進諸国を見てみますと、いずれも七%程度から一〇%程度の実績を運用で上げているんですね。

 我が国のこうした運用実績なんですが、この運用収益が仮に一%改善できると、毎年一・五兆円ですね。他の諸国並みになって三から四%改善できれば、四・五兆円から六兆円なんですね。そうすると、年金財政というのは大幅にこのことだけでも改善をされるわけでありまして、今いろいろと不安に思われているさまざまな問題も、こうしたことを通じて随分と対応できるんじゃないかというふうに思っております。

 本格的な少子高齢社会に突入している中で、将来にさまざまな課題が今指摘をされているわけでありますので、であるからこそ、諸外国にはないこうした大きなストックを持っているわけでありますから、これをいかに積極的に活用して、国民に還元をしていくということが重要だろうというふうに思います。

 今、経済財政諮問会議でも金融・資本ワーキンググループにおいて、政府を挙げてこうして議論をスタートしたということでありますので、厚生労働省としても、先日も大臣から非常に前向きなお話もいただいているところでありますけれども、ぜひ前向きに検討してもらいたいというふうに思います。

 その際には、どうしても、今のような余り責任を持たないようなお役所的な発想だけでは、そうした運用、市場での運用になりますのでうまくいかないというふうに思いますので、専門的な知見やそういう金融の技術を持ったプロもどんどん積極的に活用していただいて、現行の制度の改革をしていただきたいというふうに思います。

 ぜひ舛添大臣にそのことを全力で取り組んでいただきたいと思いますので、最後に御決意をいただきたいと思います。

舛添国務大臣 年金運用の改善を図りたい、そして今委員がおっしゃったように外国に比べて必ずしもいい成績ではない、これは私も全く同じ問題意識を持っています。

 長期的に、抜本的には、今のこの年金積立金管理運用独立行政法人を変える。どういうふうにするかということも国民的な議論が必要でありますし、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン、しかし厚生年金法においてはやはり安全性ということをきちんと言ってある。ですから、それはどこまでをハイリスクにしていいのか、そういうことも含めてさまざまな議論をしないといけないというふうに思います。

 とりあえず、年金の運用委員会は私が任命権者ですので、このたび運用委員を刷新いたしました。民間の知恵が入って、現場をよく知っている方も中に入ってもらうというような形で、とりあえず改革の第一歩として運用委員会のメンバーを刷新した。そこから始めて、あとは社会保障国民会議、総理のもとにあります、こういうものを通じて、また国会の場を通じて、どういう形で年金運用をすればいいか。

 リスクばかり多くて問題があってもいけない、しかし、リスクを回避するために運用収益が下がってもだめだ。それはやはり最終的には国民的な合意が必要だと思いますので、今の委員のような御質問を国会の場でやっていただいて、国民的な議論に続けていきたいと思います。どうもありがとうございます。

上田委員 以上で終わります。

枝野委員長 次に、松木謙公委員。

松木委員 民主党の松木謙公でございます。

 各大臣、どうも御苦労さまでございます。それでは質問をさせていただきます。

 前回の衆議院選挙というのは三年弱前だったんですけれども、このころからだんだんガソリンというのは値段が上がってきたというふうに思うんですね。考えてみたら、五年前ぐらいまではレギュラーガソリンというのは大体百円もしなかったというふうに私は覚えております。

 ちょうど二年数カ月前、選挙のときに、私は今でも覚えているんですけれども、大体ガソリンが百二十二、三円から五円ぐらいになるときだったんですね、私が総理大臣だったら九十九円にしますよ、こういうちょっと大ぼらを吹いた覚えがありまして。それは何でそういうことを言ったかというと、揮発油税というのは暫定税率というのがあって、これが三十数年間も続いています、暫定で三十数年間続いているのはいかがなものでしょうか、こういうことは必要であれば本則にすればいい、しかしそうでなければ国民の皆さんにお返しをすべきだということをちょっとお話をさせていただいた。

 世の中で暫定という言葉があれば、例えばボクシングで、本来の世界チャンピオンが腕を折ったら暫定世界チャンピオンというのが出まして、そして本当の世界チャンピオンと手が治ったら戦うということだと思うんですけれども、暫定世界チャンピオンが三十数年間君臨しているということになるんでしょうか。

 これは、もし本当に必要であれば本則にするということを論議してこなかったというのは非常に問題が大きいんじゃないかなというふうに私は今でも思っておるんですね。そして、それをちゃんと手続を踏まないでやってきたというのは、私はやはり大変な瑕疵があるというふうに今でも思っているわけでございます。

 ねじれ国会というふうに皆さん言っているんですけれども、ねじれ国会がいいのか悪いのか、いろいろな評価があるというふうに思いますけれども、この道路特定財源の問題、あるいは消えた年金、まあ消えた年金の問題はその前からも少しありましたけれども、消えた年金の問題もそうです、そして防衛省の問題とかいろいろなこと、本質的な議論が結構展開されているような気もしております。

 そして、役人さんとか我々政治家の間にも、相当、税金の無駄遣いへの意識、これはいかぬなということがかなり醸成されて、国交省さんでも改革本部というのを立ち上げまして、公益法人への大胆な切り込みなどが実施されるということになっているようです。参議院選挙の国民の選択の結果に基づいた、ある意味で成果じゃないかなというふうにも私は思っているわけです。

 そして何より、その結果、暫定税率が廃止されてガソリンが今下がったという状態ですね。このことは、国民にとっては、物がどんどん上がっていくわけですから、こんなに喜ばしいことはないというふうに私は実感もしていますし、地元を回っても、やあやあ、よかったよかったという意見がほとんどだというふうに思います。そして、世論調査の結果でもそういう結果が出ている。もちろん、いや、それは困るよという方も中にはいる、これも事実ですね。

 何といっても、私の選挙区というのは北海道ですから、ガソリンの値段というと極めて敏感なんですね。皆さん、鉄道とかは家の近くにあるのが普通だとお思いでしょうけれども、北海道の、特に私の選挙区のオホーツクなんというのはほとんどありませんからね。もう全部廃線ですよ。それでみんな、駅が公園になっているんですよ。そして、平成元年に東京まで幾らという汽車賃が今でも書いてありますね。そのぐらい過疎地になってしまったということなんです。

 そこで、百五十円以上していたガソリンが下がって一安心と。ただ、百五十円、これは余りにも高過ぎて、今一応百二十円台から大体百三十円台、百三十五円の、中盤よりちょっと上ぐらいもあるようですけれども、いずれにしても、三月三十一日以前よりは安くなったということなんです。

 しかし、そもそもそんなに、何か福田総理が安くなったら国民にばかばかガソリンを使えと言っているようで世界に対しては申しわけが立たないようなこともちょっと言っていましたけれども、もともとが、昨年ぐらいまでの値段にある意味では落ちたというだけの話だと思うんですね。

 そこで、もしまた暫定税率が上がっていくということになると、これはある意味で増税ということですよね、一度切れているんですから。そういうことで、国民生活が厳しいときにせっかく、ある意味で今減税というふうに言ってもいいですけれども、なったということは僕はすばらしいことだと思いますけれども、まず、国交大臣の御所感をお伺いしたいというふうに思います。

 私の耳にちょっと入っている話では、全部が全部とは言いません、ただ、大臣のことを熱烈に御支持されている方々、公明党を御支持されている方々、ガソリンの値下げはいいんじゃないか、そういう御意見も多いというような話も聞いておりますけれども、それも踏まえてちょっと、冬柴大臣も大変まじめな方ですから、国交大臣という立場もあるわけですからそれはわかるんですけれども、そこも含めて御所感をお願いします。

冬柴国務大臣 ガソリン価格につきましては、四月一日に暫定税率の期限が失効いたしました。その七日間で二十一円七十銭値下がりをしたということが報告をされております。直接的な負担の大小という側面を見れば、ガソリンが値下がりをしたということは自動車ユーザーにとって、私も含めて、当然喜ばしいことだ、これはだれも争いがないところだと思います。

 しかしながら一方、暫定税率廃止によって何が起こっているか。国、地方合わせて二兆六千億、これは一年間続いた場合の話ですけれども、の巨額の歳入欠陥が生ずるわけであります。これによって、今全国の三十六の都道府県、これは四分の三に当たると思いますけれども、その中で二十五団体は道路関係事業予算の執行を保留いたしております。そして、四団体は道路だけではなしに社会資本、普通建設事業予算の執行を保留いたしております。そして七つの団体は、普通建設事業予算以外の経常的な経費、すなわち一般経費、そういうものについて執行の留保をしているというような状態が起こっているわけでございます。

 一方、我々の子供や孫たちのことを考えますと、これから本格的な人口減少社会を迎えます。また、道路につきましては、高度経済成長時代につくった道路、橋梁というものが年をとっていくわけですね。したがって、これに対する補修、管理、そしてメンテナンスという費用が莫大なものになる、こういうことはもう客観的に明らかになっております。したがいまして、この十年間、残された十年間だと思いますけれども、真に必要な道路というものは着実に整備をしていかないとこれを整備する時期を失ってしまうのではないか、私はそのような非常な危機感を持っている一人でございます。

 そういうことを考えますと、私は、今アジアが大変元気でございますけれども、そういうようなものを日本に取り入れるためにも、また経済成長力というものを維持していくためにも、道路整備というものは必要ではないか。地方は、北海道も含めてですけれども、経済が低迷いたしております。しかしながら、道路ができることによってその地方が、例えば新名神高速道路というのができるということを当てにして、三重県側では七十四社、いわゆるシャープの液晶テレビ工場を初め七十四社が立地して製造が始まっています。滋賀県の方へ参りますと、これは六十六社、もう立地して、そして豊田紡機を初め優秀な工場ができているわけです。そこにいる青年たちは働く場所を得ているわけです。

 私は、こういうことを考えますと、一日も早く道路財源特例法を初め関連法案が成立することによって、少なくとも、ことし、今起こっている問題というものを早く収束させなきゃならないのではないか、そのように思っております。

松木委員 大臣の意見はよくわかりました。でも、北海道で道路をつくるといっても何か企業がいっぱいふえたという話は余り聞いたことがないんですけれども。またそれは違った要素があるような、そんな気もしますけれども、しかし大臣の御意見ですからよく聞いておきます。

 そして、道路特定財源の使途というのを、私、資料をもらって、資料一なんですね、これをちょっと見てくれますか。

 平成十四年までは、道路整備や地方道路整備臨時交付金など、使うのは大分限られていたんですね。道路整備費、地方道路整備臨時交付金、貸付金償還金等、この三つぐらいだったんですけれども、平成十五年以降、次々、だんだん使途がふえてきているんですね。二十五項目ぐらいになっているんですけれども、道路関連ということでやっているんでしょう。いろいろな使途が生まれてきているんですけれども、中でも、まちづくり交付金の伸び、これはすごいですよね。があっと伸びているんですね。そして、これが最も顕著なんですけれども、わずか五年で全体の事業費としては一兆円、道路特定財源からは三千三百億円ということで支出されているようですけれども、まずはまちづくり交付金というものについて、ひとつ御説明をいただきたいというふうに思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のありましたまちづくり交付金は、市町村が自主性、裁量性を最大限に尊重して、地域の歴史、文化、自然環境等の特性を生かした個性と魅力あふれるまちづくりを支援するために、市町村が作成する都市再生整備計画に基づき、全体事業費の最大四割まで国費を交付する制度でございます。

 交付金の中身は二つございまして、道路や公園、下水道など各種の公共施設関係の基幹事業部分と、それから全体事業費の一定の範囲内で市町村みずから発案した提案事業、この二種類で成っておりまして、これらをあわせて一括して交付金を交付する、こういう仕組みでございます。

 平成二十年度当初におきましては、全国八百七市町村、千四百二十八地区で御活用いただいているところでございます。

松木委員 平成十六年度に始まったまちづくり交付金、よくわかりました。市町村にとっては大変使い勝手のいい交付金だなというふうに思っております。

 では、資料の二をごらんいただきたいんですね。

 この建物、結構立派ないい建物だと思うんですけれども、この建物は四月の六日にオープンしたばかりなんです。四月の六日オープンと書いていますね。これは大森にあるんですけれども、海苔のふるさと館、ふるさと記念館なんですけれども、かなり立派な施設です。三百年ほど前に始まった江戸のノリづくりに対しての記念館、この建物について、利用度や概要をまず教えていただきたい。また、まちづくり交付金がここに幾ら出ているんでしょうか。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 東京都大田区では、まちづくり交付金を活用いたしまして、地域の歴史、文化を生かした水と緑のまちづくりということで計画を進めておりまして、議員御指摘の大森海苔のふるさと館につきましては、基幹事業が公園、緑道等の緑のネットワークということでございますが、これとあわせまして提案事業として実施している事業でございます。

 御指摘のふるさと館は、ノリの生産に関するさまざまな展示、体験学習等を通じて、大森地区におけるノリの歴史、文化を発信する拠点施設として整備されたものでございまして、この施設そのものの事業費は三億一千五百万円でございます。全体の交付金の交付でございますが、これら、ほかに公園事業、緑道事業もございますので、全体事業費が七億二千三百万円でございまして、この全体に対しまして一億九千七百万円のまちづくり交付金を交付しているところでございます。

松木委員 三億一千万がまちづくり交付金ということですよね、単純に考えますと。違うの。(増田政府参考人「違います」と呼ぶ)どこが違うの。まちづくり交付金でしょう。その四割が道路特定財源なんでしょう。違うの。

枝野委員長 増田局長、まちづくり交付金が幾ら使われているのか確認をしてください。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 この大森海苔のふるさと館の事業費が三億一千五百万です。これを入れて、都市再生整備計画、大田区、全体事業費が七億二千三百万円です。この七億二千三百万円に、全体の中の交付金は一億九千七百万を交付しているということでございます。

松木委員 要するに、この海苔のふるさと館に三億一千万かかっているということでしょう。それは間違いないんでしょう。

 そうしたら、道路特定財源というのは四割入っているということなんだから、この中で四割ということは、一億二千四百万円のお金がガソリン税で賄われているというふうにも言えるわけでしょう。いろいろなもの、とにかく全体の四割がそうなんだから。

 そのほかに、この箱物だけではなくて、例えば中央区の勝どき・晴海地区再開発に四十億五千万、洞爺湖や釧路の温泉再生に交付金が四・七億ずつ、日光市の社寺のPRに三・三億、さらに広島の市民球場の建設費や熊本の本丸御殿建設、善光寺の参道活性化や、長野県の松本市のアルプス公園整備など、要するに挙げれば切りがないぐらいあるんだけれども、とりわけ千葉県の四街道市なんかでは、地域交流センターや武道館の建てかえなどに三十一億をかけて建設しようとして、結局、五年で十二億の交付が決まっていたそうですけれども、住民投票の結果、市はこの計画を撤回するという事例もあったんですね。

 まちづくり交付金は、要するに道路財源がだぶついているから考えついた制度だろうということを言っている新聞報道なんかもあるわけですよね、そればかりじゃないのかもしれないけれども。どうしてまちづくり交付金として、交付金として道路財源はこういう使われ方をするのかというのが、これが僕はちょっとよくわからない。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 まちづくり交付金、この事業全体の中で道路関連の事業がございます、こういう事業に充てることを念頭に特定財源を入れておるということが実態でございまして、受益と負担の関係に着目をして、特定財源の趣旨をまず踏まえる。それから二番目は、通常事業全体の中で道路整備に充てられる割合、そういうものを勘案して特定財源を充当してございます。このため、これまでの実績といたしまして、まちづくり交付金に投入した道路特定財源以上の額が実際の道路整備に使われているということでございまして、いわゆる箱物の整備に必要な額まで特定財源が充てられているという指摘は適切ではないと思います。

 ちなみに、先生御指摘のように平成十六年度が制度創設の年度でございますが、十九年度までの合計額、まちづくり交付金全体が八千七十億でございます。ここの中で、道路整備に充てられた額というのが三千六百億でございます。まちづくり交付金の中で充当された特定財源は三千三百億ということで、道路整備をしたのが三千六百億円ということでございますので、先ほど申し上げた趣旨に合致している、そういう使われ方でございます。

松木委員 まちづくり交付金のうちの四割ぐらいが道路特定財源なんでしょう。そうしたら、一億のものをつくったら四千万は道路特定財源でしょう、簡単に言えば。だから、そんな、金に何か色がついているような話をしたってだめだよ。これはおかしいでしょう、どう考えたって。

 大体、まちづくり交付金というのは、別に私は悪いなんて思っていないんですよ。ただ、何でこういう使い方をするんだというんですよ。おかしいでしょう。違う使い方をすればいいんだ。何で三千三百億も、別にノリに全部使っているわけじゃないけれども、ユーザーというのは、要するに、道路がよくなる、うちの地域に高速道路が来るかもしれない、いろいろなことでみんな高いガソリン代を払っていたわけでしょう。何でこういうものをつくるのということ。これはおかしいというの、こういうやり方は。だから、ぜひやめてもらいたいね、本当に。納得できないでしょう、北海道でまだ高速道路をつくっていないんだから。

枝野委員長 宮田局長、わかりやすく説明してください。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 このまちづくりについては道路整備は行われておりません。ただ、まちづくり交付金で事業をやっている全体で見た場合に、道路整備というのは三千六百億やっています。したがいまして、まさに金に色がついていないという委員の御指摘は当たっていると私は思います。

 この事業というのは道路整備はやっていませんが、ほかの事業では道路整備そのものをまちづくり交付金でやっている。トータルで見た場合は、まちづくり交付金全体が十六年度から十九年度までで八千七十億、そこの中の道路整備というのは三千六百億ということでございます。

松木委員 わかりました。

 ただ、やはり、みんな道路がよくなると思って、今までガソリン代が高いのを我慢して払っていたんだから、私はもうちょっとわかりやすい使い方をするべきだなというふうにつくづく思うわけです。何か、何回説明を聞いても、僕も余り頭がよくないものだからわからないのかなという感じもしますけれども、ぜひ、ちゃんとした使い方をしてもらいたいですね。

 いずれにしても、来年度から一般財源化するというような話になってきているわけですから、堂々とまちづくり交付金を配分することができるわけですね。道路財源で、道路に投入することがちょっとできづらくなった、暫定税率込みで必要だとする根拠というのはかなり乏しくなってきているとしか言いようがないんですよね。

 資料の一を見てください。これのように、だんだん使途というのは広がってきている。既に、ある意味で一般財源化の道を走ってきたという感じもするんですね。深読みすれば、地ならしなのかなと。一般財源化という、何かさっき、大臣はどういうふうにお考えなのか。一般財源化についての決意というのを、大臣の方から、では端的に、ちょっとあらわしていただきたい。

冬柴国務大臣 国土交通省としては、私は、先ほどもるる言いましたから申しませんけれども、国家的な見地、国家百年の計に立ったときに、真に必要な道路というのはつくらなければならないということは与野党を通じて共通の認識で、だれも道路なんかはもうつくらなくていいんだなんて極端なことを言う人はいないと私は思います。

 したがいまして、道路特定財源というのは、道路は、非常に長期間かかる上に非常に巨額ですし、関係者、地権者を考えれば大変たくさんの人が絡みます。したがいまして、安定的な財源が確保されるということは必要だと思います。したがって、そういう意味で特定財源というものがありました。しかしながら、これが一般財源となりましても、どうなっても、必要な道路はつくらなきゃならないわけです。私はそのように考えております。

 したがいまして、今私がやるべきことは、財源特例法、ここで、三月十三日に衆議院では可決して参議院へ送っているんですが、今日なお、趣旨説明すらまだされていないわけですけれども、一日も早くこれをやっていただいて結論を出していただきたい、このように思っている次第でございます。

松木委員 そのとおり、やはり必要な道路というのは必要だというのはわかります。そのとおりだと思いますね。

 ただ、まちづくり交付金という中に入れて、何かよくわからないけれども、それで道路特定財源をつくっているというのはやはりよくないと思うんですね、そういうやり方は。それが絶対必要な道だとはどうも理解できないんですね。だって、まだできていない道路がいっぱいあるんだから。宮崎県なんか、それこそ、一つもできていないといって何か文句を言っているわけですからね。

 そういう意味では、大臣、何か、一般財源化するより特定財源で残した方がいいというようにも聞こえるんですけれども、そういうことではないですか。

冬柴国務大臣 私は、現時点では、道路特定財源を確保するための法律を提案して、参議院で一生懸命答弁している立場ですから、私は提案しているものが最良だと思います。しかし、そういうものが終わった後に、これをどうするのかというのは与野党で真剣に考えて、政治家として、この国の道路整備は今後どう進めるのかということを考える中で、総理が提案されるような方法というのもそれはあるわけでありまして、それが決まれば私はそれに従ってやるということは当たり前の話でございます。

松木委員 わかりました。これからもまた論議があるでしょう。

 それでは、財務大臣にちょっと聞きたいんですけれども、国民は、ガソリンが下がったというのはやはり喜んでいると思うんです。私もうれしいです。ある意味の増税が阻止された形になっているわけです。

 そして、これは四月末に再議決をするということをお考えのようですけれども、ぜひ、あらゆる知恵を絞って、そういうふうにしないで、何か考えていただきたい。やはり、優秀な財務省ですから、いろいろな知恵が出てくると思いますよ。

 その中で、参議院の委員の中で、こういう話をした方がいると思いますね。外国為替特会、外為特会の方のお金でできるんじゃないか、十七兆五千億という積立金があるじゃないかと。これだって使おうと思えば使えるんじゃないかというお話をしたときに、大臣は、いやいや、それは円高になったのでもうなくなっちゃったというお話をされたと思うんですけれども、これはちょっと、説明、僕はおかしいなと思うんですね。というのは、それは含み益と含み損が出たというだけの話で、積立金というのは別にあるわけですからね。だから、うちの委員が言ったことは、あながち間違っていることを言ったんじゃないと思うんですけれども、大臣は、大分含み益がなくなったということで、もうなくなったんだというお話をしていましたけれども、これはちょっとおかしいなというふうに僕は思っておりますので。

 それはいいとして、とにかく、優秀な財務省なんですからね、上がらないでどういうふうにしていくかということを、ぜひもう一度よくお考えいただきたいということを、ちょっと今御要望だけさせていただきます。

 それでは、医師不足のことでちょっと質問させていただきます。

 厚労省の医師確保対策の推進政策では、平成十九年度において九十二億の予算が使われたわけですけれども、その実質的な成果、こういうのをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

外口政府参考人 十九年度予算において、医師確保対策の推進として約九十二億円を計上しております。

 現時点においては、十九年度予算の施行実績の全体像はまだ確定しておりませんが、例えば、医師不足地域に対する緊急臨時的医師派遣の実施や、女性医師バンクを通じた職場復帰の支援など、一定の成果を上げ始めているものがあると承知をしております。

 一方で、各地で医師確保を求める声は大きく、また、医師不足の原因はさまざまな要素が複雑に絡み合ったものであります。今後とも地域の医療の実情に応じ、さまざまな取り組みを継続的に実施していきたいと考えております。

松木委員 局長、ありがとうございました。一生懸命頑張っているということを言いたかったんだと思います。

 しかし、決定打になっているのかなというのがありまして、決定打というのも難しいのかもしれませんけれども、例えば私の選挙区に紋別というところがあるんですね。道立紋別病院なんですけれども、ここなんか、泌尿器科の医師がいなくなって人工透析ができない。そして産婦人科の先生がいなくなった、眼科もいなくなった、眼科は何とか一人になったのかな。そして精神科もいなくなった、整形外科もいなくなった、麻酔科もいなくなったと、どんどんいなくなっちゃっているんですね。それがなかなか補充できないということになってきているんです。

 東京とかこういうところに暮らしていると、そういう実感というのはなかなかないと思うんですけれども、北海道というのは、こういう無医地域というのが百五十五カ所あるんですね。紋別はこれでも無医地域じゃないんですよ、いるんですからね。それぞれの現場での不安感、危機感とか、こういうものはもうかなり厳しいところまで実は来ているんですね。

 そして、いわゆる後期高齢者医療制度というのが何か導入される。導入されても、年金から金だけ取られて、医療サービスが受けられないんじゃないかなというような、そういうほどの深刻な感じになってきているんです。

 そこで、そうした地域の医師不足を招いた原因の一つとしては、二〇〇四年に制度改正で研修医が研修先を自由に選べるようになったことというのがあるんですね。これが随分指摘されているんですけれども、このことをどういうふうにお考えなのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

舛添国務大臣 医師不足の問題、これは私は今全力を挙げて取り組んでいるところですし、委員の選挙区の北海道、私も縁がありますから、紋別、遠軽、北見、網走、土地カンがあるのでよくわかります。その上で、いろいろな原因が医師不足にあると思いますけれども、今まで、例の、映画でいうと「白い巨塔」じゃないけれども、主任教授が全権を持って支配する、そういう面もありましたから、これはやはり、若いお医者さんがいろいろな病院であらゆる研修をできるということのいい面もあるわけです。

 ただ、今までは、主任教授が、はい、おまえは遠軽に行け、紋別に行け、こうできていた、例えば札幌の医科大学は。それができなくなったことはあります。ただ、これ以外にも、訴訟リスクの問題であるとか、今、産科、小児科というのは若いお医者さんは女性が半分を占めていますね、こういう方が御自分が御出産なさったときどうするか。それから、特に病院の勤務医の方々が非常に大変な状況なので、こういうことを含めて、一つ一つ、訴訟リスクの問題に対しては、新しい委員会をつくる、それから無過失補償制度を考える。さらに、女性にとっては保育所みたいなものを病院の中につくる。そういうようなことがありますけれども、短期的には、今まさに四月から産婦人科をやめないといけない、こういうところに対しては何とか人の手当てをしました。

 しかし、中期、長期的な課題もありますし、地域格差の中でやはり一番このお医者さんの問題が、北海道に行ってもそういう話を聞きますので、これはまた全力を挙げて取り組みたいと思いますが、医師派遣機能が大学の病院で落ちたことだけではないと思います。そういう意味で、これは国民的な課題として、今後とも全力を挙げてさまざまな要因について取り組んでまいりたいということを申し上げたいと思います。特に北海道を頑張ってやりますので。

松木委員 特に北海道を頑張ってください。頼みます。

 ちょっと過去を振り返りますと、八四、五年というか八〇年代というのは、何か医師が過剰になるような話が随分ありましたよね。私も秘書時代に、医師が過剰になるのなら医師になっちゃいけないから、じゃ違う道に進もうかななんて思ったわけじゃないですけれども、私はそんなに頭がよくないので医者にはなれなかったけれども。

 しかし、それから高度医療だとか、今言ったとおり女性の方がふえただとかいろいろなことがあって、複合するものがあって、医師が結局今不足してしまった。きつく言えば、厚生労働省が政策を間違ったんじゃないかという言い方もできるかもしれないけれども、そんなことで一々があがあ言っても僕はしようがないと思っています。だから、このことを一日も早く何とかして、地方に住んでもお医者さんがいるというような形にしていただきたいというふうに思います。

 そして、いろいろな質問を用意してきたんですけれども、その中で、二〇〇六年に厚生労働省が打ち出した中で、僻地・救急医療対策の、これは三ページ、一番最後のページですね、ちょっと長いものですからこれだけつけてきたんですけれども、こういう話が厚生労働省の方からあったんですね。要するに、病院の院長になったり診療所を開業したりということの条件として、僻地や救急、小児救急、周産期や災害なんかの医療分野で二年間は経験を積むことというような、そういうような画期的な政策があったんですよね、実は。あったんだけれども、これはある団体によってつぶされたようでございます。

 これは僕はすごくいいと思うんですね。これは与党も野党もないんですよ。本当に大変なんですから、北海道。北海道だけじゃないと思いますよ、今。東京の中でもないというところだって今出てきているわけだから、この内容というのは僕はすごくよかったと思うんですよ。ぜひこれ、我々民主党も応援しますので、自民党さんと一緒になって協力して、こういうことを本当に実現していったらいかがかなというふうに思っているんです。

 そして、それにはまたいろいろなお金もかかるわけでしょうから、お隣に財務大臣がいるわけですから、財務大臣がぜひ、そこの大切なところのお金ですから、予算をつけていただくようにまたその努力もお願いをしたいというふうに思います。

 そして、僕の時間もぎりぎりになってきましたけれども、では、お答えをお願いします。

舛添国務大臣 私が先ほど北海道の名前を出したのは、本当に広大な地域ですから、隣町の病院に行くというのに、東京の人で隣町といったら電車一つで済むと思っているんですけれども、全然違うんですね。ですから、道路も含めて、そういうところにはきちんとした施策をやらないといけない。それから、今おっしゃった僻地とか離島、こういうことについてもそうです。もちろん全国満遍なく見ていますけれども、その地域の特色をきちんと考えて施策をやるという意味で、先ほど北海道も特に頑張りますということを申し上げました。

 それで、そういう中で、なかなか国の政策として一律でできませんけれども、例えば、委員の紋別であるとか北見である、網走である、こういうところで、地元に帰ってきて十年間働いてくれるなら奨学金を出すよ、こういうことを各地域でやるのも一つだというふうに思います。管理者として来なくても、お医者さんとして来てくれることが大切だと思います。

 それからもう一つは、地域のネットワークが非常に必要なので、私は、あそこに、北見に赤十字ですか、大きな病院がありますから、あれが周産期の医療の一番上にあって、それから厚生年金がたしか遠軽にも網走にもあったと思いますから、それが次の段階に来る。そのネットワークが来て、どうしても紋別の方はやはり遠軽の厚生年金に集中して来てください、そういうようなネットワークづくりをやっていると思います。

 ただ、それができるまでの間、どうしても紋別の方が御苦労なさるようなこともあると思いますので、例えば防衛医大とか自治医大について言うと、それぞれ、何年間防衛省で勤めなさいというような決まりがありますけれども、今、各地域で医師不足ということで、若い医学生さん、自分の出身地に戻ってきてください、そういうことでの奨学金もやっておりますので、こういう今委員が御提案になったことも含めて、総合的に医師不足に対応したい。

 私は、医師の数が余っているとは思っておりません。そういう意味で、大きく政策を変えたいと思っていますので、これはもう与野党を超えて国民的な課題だと思うので、また今後とも御協力を賜ればと思います。ありがとうございます。

松木委員 平成二十年度の予算が百六十一億に膨れ上がっていますよね。ですから、一生懸命頑張ろうというふうに思っているんだと思います。

 いろいろなやり方、知恵があると思いますね。私も、ないながらに知恵をちょっと働かせまして幾つか考えてきたんですけれども、例えば、専門医ばかりじゃなくて、やはり基本的な一般医をより多く育てていくことに力を入れるとか、そしてそのためには大学にも一般医の養成科というんですか、そんなのをつくるだとか、あと、医師の免許制度の更新、何か学校の先生も更新になったでしょう。であれば、お医者さんもそういうのをつくって、書きかえをする間に僻地医療にある程度従事をするだとかある程度義務化する、そういうことも考えられると思いますし、本当にいろいろなことがあると私は思うんですね。

 お医者さんにとって、本人にとってはプラスのことばかりじゃないときもあるかもしれないですけれども、あと、やはりお医者さんも、なるべく都会にいて新しい医療を学びたいというお気持ちもよくわかりますので、そこら辺はやはりバランス感覚だと思いますので、ぜひ大臣には、年金問題ではえらい目に遭って頑張っていますけれども、こういうこともありますので、しっかり頑張っていただきたいというふうに思っております。

 ちょうど時間になりましたので、これで質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

枝野委員長 次に、河村たかし委員。

河村(た)委員 河村たかしです。

 きょうは、お手元に今配っておりますけれども、名古屋港の中にある施設でイタリア村という施設があるんですが、ここのことについてちょっと聞きたいと思っております。

 名古屋港には国費が大体百億、岸壁とかそういう関係ですけれども、それからそこを管理しておる名古屋港管理組合、ここにも十億入っておりまして、同時に、港湾法というのがありまして、そこの三条の二ですか、港の振興ということがありますので、このイタリア村のことも大いに関連があるということで質問をします。

 今どういう状況になっておるかといいますと、ちょっと皆さん、今配りましたけれども、まだ行っとらぬかい、自民党の方。遅いな。これは私がデジカメで四月九日に撮ってきたものです。ここに十四棟お店がありまして、これは私もこの前に行ったことがある。ここではないところですけれども、帆船の模型のいいものがありまして、それを買ってきたことがありますが、ここにある、このデジカメの写真のずっと行って一番向こうのどん詰まりのものは違いますけれども、あとが、実は木造建築を建てていけないところに木造建築を建ててしまったということで、建築確認申請の方は鉄骨になっているということです。

 それで、年間百万人ほどがお見えになっておって、雇用もアルバイトを入れて三百五十人ほどあるということで、私も名古屋の土着民ですけれども、せっかくですので、名古屋もやはり盛り上げて、今日本一の港に名古屋はなっておりますけれども、こういうにぎわいというか、大いに取り戻していかないかぬということで、このままいくとこれはなくなってしまう可能性がありますので、これを取り壊せということになると。私は、よく話し合っていただいて、これが残る方向にならぬか、名古屋市民の立場として、日本の皆さんの立場としてということになりますが。

 そのために、何で木造の建物を鉄骨づくりで申請してしまったかということで、何か民間業者だけが悪いように見えておりますけれども、どうも、その過程でこれは行政も完全に知っておったんではないかというところを中心にしてきょうは聞きたいということでございます。

 それで、まず第一問ですが、今皆さんのところへ行きましたかね。この「名古屋港イタリア村」という、「付図1―4建物配置図」と、ここに書いてありますね。この書類が、平成十六年九月二十一日というんですから、建築確認より相当前に出ておるんです。

 これを見ていただきますと、この下のところ、これは本当はカラーなんですけれども、カラーだと、ちょっと金がないものですから白黒にしましたが、この下のところに「店舗施設(木造)」とはっきり書いてあるでしょう。わかりますか。下の左側のところに。「店舗施設(木造)」と書いてあるんです。だから、これが出たときは九月二十一日、オープンするのが次の年の四月ですから、このときに、この申請を受けた名古屋港管理組合は当然木造だということを知っておると思われるわけです。

 これが現物の書類です、これが申請書類。この中の、これは現物ですけれども、これは今のコピーの原本です。ここのところにはっきりと「店舗施設(木造)」と書いてありまして、これから見たところでは、明らかに名港管理組合は木造だということを知っておったと思われますが、国土交通省、どうでしょうか。

須野原政府参考人 お答えいたします。

 名古屋港管理組合に確認いたしましたところ、名古屋港イタリア村株式会社が平成十六年九月十三日に名古屋港管理組合に提出した設計変更承諾申請書は、四号倉庫並びに二十号倉庫の増築の一部を取りやめて、かわりに広場用地に戸建ての町並みを新設すること等について名古屋港管理組合に対して承諾を求めたものでありますけれども、当該申請書の中には、今回御指摘いただいています戸建て建物の構造に関する記述はなかったというふうに聞いております。

河村(た)委員 なかったと言いますけれども、私は当事者にすべてヒアリングをしておりまして、これを出したと間違いなく言っております、この書類を。そこには、今言ったいわゆる戸建ての建物をつくるんだからということで、これを一番最初のページにはっきり示して出したというふうにはっきり言っております。

 ところが、私も名港管理組合に行ってきたんですね。三日、四日前ですが、行ってまいった書類がこちらです。名港管理組合はくれました、こういう書類をうちは持っていると。

 そこの一ページ目をあけますと、これが皆さんのところについておるやつです。これは本物ですけれども、皆さんのところについておるやつは、この次のページ、皆さん、あけてもらえますか、次のページのこれですね。横にずらっと来ておる、右の方にちょっと字が途中で「名古屋」と切れておるやつですけれども、これがついておりまして、全然これは違う図面なんですね、名古屋港管理組合が持っているというのと本人たちが申請したというのと。その申請したのは九月時点ですから、業者さんが言っておりましたけれども、このときに指摘してくれればすぐ訂正できたと。訂正できたどころか、大変なことですから、これは。十四棟全部、違法建築物になっちゃうということで、直ちに訂正できたというんですが、これは全然言っておる話が違うんだけれども、名港管理組合が持っておる図面というのは、これは偽造になるんじゃないですかね。どうですか、国交省。

須野原政府参考人 お答えいたします。

 名古屋港管理組合に問い合わせたところ、そのような事実はないというふうに聞いておりますけれども。

河村(た)委員 きょう本当は、名港管理組合の方に来ていただこうということで、理事さんもお願いしておったんですけれども、名港管理組合の方から出られないということで、こういうふうに残念ながら又聞きになってしまっておるんですけれども。

 これは、局長さん、この書類、名港管理組合が持っておる方、これを皆さん見ていただきますと、設計者の名前が書いてありますね、ここに「設計者名」と。途中で番号が切れておるし、「設計共同」で終わっていますし、こんなものが役所に提出されるということはそもそもあるんでしょうか。おかしいんやからね、これは。どうですか。

須野原政府参考人 先ほどお答えしましたように、名古屋港管理組合の方から先ほどの書類ということで来ていますけれども。

河村(た)委員 それはそうですけれども、では、局長、今までの長い間の役人生活の上でいろいろな図面を見てみえますけれども、これは何欄というのかわかりませんけれども、設計者欄ですか、ここがこんな半分に切れたような、こういうのを見たことありますか。

須野原政府参考人 お答えします。

 いろいろな図面がありますから個別にどうこうということでございませんけれども、形としてはきちっとしているのが筋だと思っていますけれども。

河村(た)委員 ということは、見たことないということですね。それだけちょっと言ってください。当然、自分の記憶のうちでいいですから。

須野原政府参考人 基本的に、きちっとした図面ということで、必要なものは全部載っているのが図面だと思っています。

河村(た)委員 訳しますと、見たことがないということだと思いますけれども。

 となると、この図面は公文書になると思われますが、どうですか。

須野原政府参考人 お答えします。

 設計変更承諾書は、PFI事業契約に基づきまして、名古屋港イタリア村株式会社が名古屋港管理組合に提出している書類でありまして、一方、回答書につきましては、名古屋港管理組合が名古屋港イタリア村株式会社に回答している文書ということになっていますので、したがいまして、これらの文書はPFI事業の契約に基づき公式に申請、回答している文書であると聞いていますし、一方、その回答書でございますけれども、特別地方公共団体であります名古屋港管理組合が発出した文書でありまして、公文書でございます。設計変更承諾書につきましては、作成主体が行政機関でございませんので、公文書ではございません。

河村(た)委員 何やちょっと最後のところは、局長、悪いけれども、聞こえにくかったがね。これは公文書だということですね。

枝野委員長 局長、明確に答えてください。

須野原政府参考人 お答えいたします。

 名古屋港管理組合が出す文書につきましては公文書でございますけれども、事業主体であります会社が出したものについては、行政機関でございませんので、公文書でございません。

河村(た)委員 今のを受けまして、その申請書を受けて、その一番最初に、きょう、ちょっとここは出しておきますけれども、その回答に基づいて愛知県知事神田さんの名前で、「設計変更承諾申請書について(回答)」、「平成十六年九月十三日付けの申請につきましては了承します。ただし、公共帰属範囲の確認につきましては今後協議の上決定するものとします。」という文書が一番頭についておりまして、その下にずっと変更申請の書類がついておりますので、これは、とじ合わせた全体の書類としては公文書ですね。

須野原政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、名古屋港管理組合が発出しました文書につきましては公文書でございます。

河村(た)委員 となると、これは私も大変なことではないかと。非常に早い時点で木造であるということをちゃんと明らかにして申請がしてあったということで、向こうに保管されておる資料が全く違うというとんでもない事態がわかったということでございます。

 なお、本物には、これはせっかくですから、これが申請書で、これは本物なんですけれども、それからこれが承諾書、知事の判がありますね。その下がイタリア村の申請書。それから何枚かついております。今の木造というのがこれですね。それから、それぞれの計画変更の図面がついておりまして、一番最後には、イメージパースというんですか、申請書には、配置図、平面図、イメージパースと書いてあって、イメージパースがついておるんです、本物のやつには。だけれども、名古屋港管理組合にあるのに、あれへんだな。全然ついておりません、これが。

 ということでございますので、これは一遍、後で一般論でも聞きますけれども、国土交通省も、調査といいますか、いろいろお話を聞いていただきたいと思うんですが、いかがですか。

枝野委員長 河村委員にお願いいたします。

 提示をするのは理事会にあらかじめ諮っていただきたいので、諮っていないものを余り提示されますと、ちょっと話と違いますので、提示をしないでください。提示をされるのは理事会の承諾をとっている文書だけにしてください。

須野原政府参考人 お答えいたします。

 名古屋港管理組合におきましては、イタリア村の存続に向けて最大限努力しているというふうに聞いています。そういう中で、早期解決に向けて関係者の間で話し合いが進むことを期待しているところでございます。

 本件につきましては、名古屋港管理組合が実施していますPFI事業ですので、名古屋港管理組合等関係者が話し合って問題解決を図っていくものと認識しておりますけれども、これからも名古屋港管理組合から適宜、状況について話を聞いていきたいというふうに思っております。

河村(た)委員 ということでございまして、ぜひしっかり話を聞いていただいて、せっかくの施設が、大体百億円ぐらい使ったらしいです、いろいろ今までで。これが無駄にならぬように、港湾局、国交省が、毎年百億のようですね、これは岸壁ですけれども、全体として、法の趣旨としましても港の振興ということがありますから、三百五十名の雇用もありますので、しっかり話を聞いていただきたいと思います。

 それで、まだありまして、名古屋港管理組合、要するに、平成十六年十二月十七日、オープンのちょっと前の冬に、いわゆるERIという確認業務を行う民間業者から、いや、これは実は木造でだめなんだと言われまして、業者さんがびっくりして、このときに管理組合に忠実に報告しておるわけです、どうしましょうかと。そこからの対応はどうだったんですか。

須野原政府参考人 当該地域につきましては、名古屋港管理組合に確認しましたところ、事業者側から木造建築について質問を受けたので、木造のみで建築することは名古屋市の臨海部防災区域建築条例違反であると事業者側に伝えたというふうに聞いておりますけれども。

河村(た)委員 それからはどうなったんですか。伝えて、それからどうなったんですか。

須野原政府参考人 管理組合から伝えたというふうに聞いておる状況でございます。

河村(た)委員 まだ聞いておられぬということですね、何遍も言いましたけれども。

 これはPFI、PFIといいますけれども、それは一般的な問題もあるんですけれども、全部お任せで、ここの土地というのは名古屋港管理組合の土地なんです。お任せしましたからあとは全部事業者の責任でやれというのは、やれと言って、報告なりしておるわけですね、それぞれ図面なんか書いて。

 ということなので、私が聞きましたところ、これは又聞きになりますから、私が聞きましたことを言いますと、ERIさんという民間の確認業務をやる人ですが、名前はちょっと省略というか出しませんが、木造ではだめという電話があった。この設計事務所の方がびっくりして、滋賀におったらしいです、直ちに帰ってきて、名古屋港管理組合の事務所で名古屋港管理組合の人に話をした。この業者の人は、だめなのでどうしましょうと。管理組合のことを名管というふうに一応略して言いますけれども、名管の方が、上と相談して名古屋市に聞いてみますと。この方が、私も同席させてくれと民間業者が言いましたら、名管の方が、官官のことなので民はだめですよという返事だった。一週間ほどして、また現場で、名管の役所の方です、市と相談したけれども木造じゃだめだ、鉄骨で出すしかないよねという話がありまして、民間の方が、木造で鉄板を入れて補強してもだめですかと聞いたんです。そうしたら、その役所の方が、条例の範囲ではないのでだめですよ、鉄骨で出すしかないよねという話があって、鉄骨でそのまま申請がされてしまったということでございますので、この点についても一遍しっかり話を聞いていただきたいと思うが、どうですか。

須野原政府参考人 状況につきましても、今後、名古屋港管理組合の方から適宜聞いてまいりたいというふうに思っています。

河村(た)委員 それから、平成十七年、これもオープンの年の一月から三月ですけれども、名港管理組合の職員が見学をした人に、見学に行ったらしいです、こう言っておられる。本当は条例違反なんだけれども、台風が来れば村を閉めればいいわけだし、二、百年は来ないだろうし、それから三番目、五年から七年で条例改正もする予定なので問題はないという趣旨の説明をしたと聞いておるんですけれども、その点についてどうですか。

須野原政府参考人 お答えします。

 その点につきましても、名古屋港管理組合に確認しましたところ、そういう事実は確認できていないというふうに聞いております。

河村(た)委員 これも私、場所もわかっております、どこでしゃべって、そのときにだれがおったかということも。この民間業者さんがきちっと、ここに書いてありますけれども。ということでございますので、ぜひ調査をいただきたい。

 これはなかなか結構大変な話なんですよ。どちらかといったら、違法建築物をそのままやってもいいじゃないかということを役所側が言ったということになりますので、この辺もしっかり事情を聞いていただきたいんですが、どうですか。

須野原政府参考人 先ほどから御答弁していますように、名古屋港管理組合の方から、必要なことにつきましては聞いてまいりたいと思っています。

河村(た)委員 それから、工事が始まりまして、現地調査に当然行きますわね。当たり前のことですわ、名港管理組合は、自分の敷地の上に建てるので。だから、現地調査をすれば、一棟じゃないですよ、十四棟ですよ、先ほど資料を見せましたでしょう、写真、ずらっと。一遍行ってみや、本当に。なかなかピザもうまいですよ、私はおとつい行って食ってきたけれども。

 それから、名港管理組合の事務所から現場が見えるんですわ、本当に。すぐ目と鼻の先です。のぞくと見えるところなんですよ。当然のことながら、木造ですと、木造のツーバイシックスというやつらしいんですけれども、そういう木造資材を運び込みますわね、まず。それから建てるまでに、ここで聞きましたら、大体二カ月ぐらい。ぱっと見て木造だとわかると言っていました、ぱっと見れば。これは、検査に一切行っていなかったら問題ですよ。行かなかったのか、行ってわからなかったのか、どっちですか、これは。

須野原政府参考人 お答えいたします。

 名古屋港管理組合に確認いたしましたところ、本PFI事業につきましては、園路、広場等に関する業務、立体駐車場に関する業務、既存の倉庫に関する業務、施設増改築等業務から構成されておりまして、これらにつきましては、事業契約上、設計の協議、現場立ち会い、施工確認等の手続を定め、詳細な設計図書などの提出を義務づけているというふうになっています。

 一方、今回御指摘いただきます戸建て建物につきましては、上記以外の附帯的な事業であると認識していることから、事業契約上、このような手続を定めておらず、現地調査の中で構造までの確認はしていなかったというふうに聞いております。

河村(た)委員 そんなむちゃくちゃな。

 もう一枚、皆さんに添付書類を出しましたから。これはいいんでしょう、皆さんに出したやつね。ここに、ちょっと御本人に書いてもらった。この下に書いてある「週二回(土日休み)原則なので二日に一回はまわっている。市長?二月後半から三月。オープニングは市長。」、この辺は僕が書いた、これは僕の字です。あと、「ここからstart」も僕の字ですが。この現場事務所からぐるっと黒いマジックで書いてあるでしょう、これが大体見回り行程らしいです。

 それで、まずずっと入ってきて、現場事務所へ寄って、矢印にしておきました、ぐるっと回って、この斜線の下に小さいうちがぎょうさんあるじゃないですか、ここの前を通って出ていくんです。この小さいうちが全部木造なんですよ。真横を通っておるんですよ、真横を。ほとんど週二日は三人組で回っていたというんです。

 これは何か附帯事業だとかなんとか言っておりますけれども、こっちの斜線が本体という意味だろうと思いますけれども、ここも今大きい集客力がありまして、物販なんかで大変にぎわっておるところです、この一つ一つの戸建てのところね。これは目に入らぬのですかね。どういうことですか。目が悪いんですかね、何かこの方は。

須野原政府参考人 お答えいたします。

 先ほどお答えしましたように、今回御指摘いただきます戸建て建物につきましては、附帯的な事業であるということに管理組合はしておりまして、事業契約上、いろいろな、現場立ち会いだとか、あるいは施工確認という手続を定めていないということから、現地調査の中で構造まで確認をしていなかったということを聞いておりますので、そういうお答えにさせていただきます。

河村(た)委員 しかし、二カ月も、港湾局長もこの関係長いと思いますけれども、私も行きましたけれども、先ほど皆さんに配ったこの写真のところですよ。写真の左側がちょっとぼこっとしておって、右側にずっと木造が並んでおって、そこに通路がありますわね、この間。ここを週二日ぐらい歩いておったわけですよ、三人組でずっと。これはみんな木造だと、建築中、目に入らぬですかね。今まで長い御経験から、これは目が悪いのか、何なんですかね。どうですか、局長。

須野原政府参考人 私も現地へ行ったわけではございませんで、名古屋港管理組合から聞いた結果をお答えしていますので、先ほど答えましたように、現地調査の中で構造まで確認ができていなかったというふうに聞いているところでございます。

河村(た)委員 又聞きですので、まあ余り言ってもしようがないけれども、これも局長、どう考えても不自然です、こんなの。二カ月あったと言っています、大体、木造だとわかるのが。私でもわかるよ、大抵、これは。おお、木造じゃないかといって。目の前ですからね。それも、一棟じゃないですよ、ずらっと並んでいるんです。どう考えても、名古屋港管理組合はこれは木造だということを知っていたのではないか。

 ということでございますので、局長、このことも、ぜひ話をよく聞いていただきたいと思いますが、どうですか。

須野原政府参考人 今後、適切に聞いてまいりたいと思っています。

河村(た)委員 ということでございまして、先ほどいろいろ聞いてきましたけれども、一応当事者に私も話を、それから、公文書を偽造したということになりますと、これは相当ややこしいことになりますので、まあ、そのことは国交省に聞いても言えませんので、きちっと調査していただいて、全般的に今各論でいろいろ聞きましたけれども、そのほかにも新事実が出てくるかわかりませんので、もう一回、再度いろいろ話をきちっと聞いていただきたいということ、また答弁しておいてください。

須野原政府参考人 今後、適宜、名古屋港管理組合から聞いてまいりたいと思っています。

河村(た)委員 それと、せっかく名古屋港につくったものですので、これはぶっつぶしても何にもなりませんからね。横浜、東京、神戸ですか、これは何か結構いいですね。港というのは、単なる船が荷物を積んで出るところだけじゃなくて、なかなか味わいがあるものであります。私もよく横浜の万葉の湯へ、余り固有名詞を言ってはいかぬか、港のすぐ横ですけれども、いわゆるサウナのような、スーパー銭湯ですけれども、疲れるとあそこへ行って一杯飲んでおるんですけれども、そりゃ港がずっと見えて、港というのはそういう面でも非常に大切なところですな。国民のために生かして。

 ということでございますので、当事者といいますと、このセラヴィさんですか業者さん、それから名港管理組合、名古屋市ですかね、それだけになるかな。それで、当事者もそれぞれ話し合いをしたいと言っておりますので、ぜひ、国交省としましても、そういう話し合いを積極的に持っていただけるという方で御尽力いただきたいんですが、どうですか。

須野原政府参考人 名古屋港管理組合におきましても、イタリア村の存続に向けて最大限努力しているというふうに聞いております。私としましては、今後、早期解決に向けて関係者間で話が進むことを期待しているところでございます。

 国土交通省としましては、本件につきましては、名古屋港管理組合が実施しているPFI事業でございますので、基本的には名古屋港管理組合等関係者が問題を解決していくものでありまして、そういう中で、これからも名古屋港管理組合から適宜、状況について話を聞いてまいりたいというふうに思っています。

河村(た)委員 先ほども言ったけれども、港湾のにぎわいというか港湾の振興、そういうことも、当たり前のことですけれども、国交省の港湾局といいますか、大きい仕事というふうに理解しておっていいですね。

須野原政府参考人 今委員の御指摘のとおり、港湾におきまして、活力と潤いのある港町づくりということも港湾の大きな役割の一つだというふうに思っています。

河村(た)委員 ありがとうございます。

 そういうことでございますので、ぜひ、今言いましたように、国交省におかれましては、十分話を聞いていただいて、真実が何であるかということで、特に、この申請書は全然違うものがあるということについては、今お話ししましたように、なかなかの話だと思います。なぜこれはこういうふうにすりかわってしまったのかということをぜひさらに注意していただきたいということで、質問を終わりたいと思います。

 以上でございます。

枝野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.