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第4号 平成20年5月14日(水曜日)

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平成二十年四月十八日(金曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会〔皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(本府、警察庁、金融庁)、外務省及び環境省所管並びに他の分科会所管以外の国の会計〕

   主査 平田 耕一君

      麻生 太郎君    江藤  拓君

      冨岡  勉君    広津 素子君

      山本  拓君    枝野 幸男君

      津村 啓介君    前田 雄吉君

      坂口  力君

 第二分科会(総務省、財務省、文部科学省及び防衛省所管)

   主査 横光 克彦君

      石原 伸晃君    木原  稔君

      西銘恒三郎君    福井  照君

      福岡 資麿君    金田 誠一君

      寺田  学君    松本  龍君

      谷口 和史君

 第三分科会(厚生労働省、農林水産省及び経済産業省所管)

   主査 木村 太郎君

      岩屋  毅君    坂井  学君

      西本 勝子君    松野 博一君

      矢野 隆司君    与謝野 馨君

      小宮山泰子君    松木 謙公君

      玉沢徳一郎君

 第四分科会(法務省及び国土交通省所管)

   主査 上田  勇君

      浮島 敏男君    坂本 哲志君

      杉村 太蔵君    林   潤君

      安井潤一郎君    高山 智司君

      松本 大輔君    鈴木 宗男君

平成二十年五月十四日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 枝野 幸男君

   理事 木村 太郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 平田 耕一君 理事 松野 博一君

   理事 前田 雄吉君 理事 横光 克彦君

   理事 上田  勇君

      麻生 太郎君    石原 伸晃君

      岩屋  毅君    浮島 敏男君

      江藤  拓君    木原  稔君

      坂井  学君    杉村 太蔵君

      冨岡  勉君    西銘恒三郎君

      西本 勝子君    林   潤君

      広津 素子君    福岡 資麿君

      矢野 隆司君    安井潤一郎君

      山本  拓君    与謝野 馨君

      金田 誠一君    小宮山泰子君

      高山 智司君    津村 啓介君

      寺田  学君    平岡 秀夫君

      松木 謙公君    松本 大輔君

      松本  龍君    石田 祝稔君

      玉沢徳一郎君

    …………………………………

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   増田 寛也君

   財務大臣         額賀福志郎君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   農林水産大臣       若林 正俊君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         鴨下 一郎君

   防衛大臣         石破  茂君

   財務副大臣        森山  裕君

   文部科学副大臣      池坊 保子君

   厚生労働副大臣      岸  宏一君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   内閣府大臣政務官    戸井田とおる君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   会計検査院長       伏屋 和彦君

   会計検査院事務総局次長  増田 峯明君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   会計検査院事務総局第二局長            小武山智安君

   会計検査院事務総局第三局長            真島 審一君

   会計検査院事務総局第四局長            鵜飼  誠君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   加藤 利男君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    米田  壯君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            居戸 利明君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久元 喜造君

   政府参考人

   (消防庁国民保護・防災部長)           岡山  淳君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 川北  力君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   香川 俊介君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      舌津 一良君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            清水  潔君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           中尾 昭弘君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          石田  徹君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 宿利 正史君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  櫻井 康好君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  地引 良幸君

   決算行政監視委員会専門員 菅谷  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  高山 智司君     松原  仁君

  津村 啓介君     逢坂 誠二君

  松本 大輔君     大串 博志君

  浮島 敏男君     福田 峰之君

  大串 博志君     階   猛君

  松原  仁君     神風 英男君

  逢坂 誠二君     笠  浩史君

  麻生 太郎君     薗浦健太郎君

  石原 伸晃君     土屋 正忠君

  小宮山泰子君     末松 義規君

  松木 謙公君     高木 義明君

  笠  浩史君     川内 博史君

  坂口  力君     古屋 範子君

  木原  稔君     平口  洋君

  金田 誠一君     後藤  斎君

  川内 博史君     福田 昭夫君

  末松 義規君     森本 哲生君

  高木 義明君     岩國 哲人君

  寺田  学君     田島 一成君

  松本  龍君     小川 淳也君

  古屋 範子君     高木美智代君

  薗浦健太郎君     麻生 太郎君

  土屋 正忠君     石原 伸晃君

  平口  洋君     木原  稔君

  福田 峰之君     浮島 敏男君

  岩國 哲人君     松木 謙公君

  小川 淳也君     松本  龍君

  後藤  斎君     金田 誠一君

  階   猛君     松本 大輔君

  神風 英男君     高山 智司君

  田島 一成君     寺田  学君

  福田 昭夫君     津村 啓介君

  森本 哲生君     小宮山泰子君

  高木美智代君     坂口  力君

同月二十二日

 辞任         補欠選任

  杉村 太蔵君     牧原 秀樹君

  高山 智司君     細野 豪志君

  松本 大輔君     篠原  孝君

  岩屋  毅君     赤池 誠章君

  江藤  拓君     藤井 勇治君

  金田 誠一君     長島 昭久君

  小宮山泰子君     逢坂 誠二君

  細野 豪志君     仲野 博子君

  林   潤君     橋本  岳君

  仲野 博子君     横山 北斗君

  松木 謙公君     三日月大造君

  坂口  力君     赤松 正雄君

  長島 昭久君     山井 和則君

  松本  龍君     吉田  泉君

  横山 北斗君     細野 豪志君

  浮島 敏男君     藤田 幹雄君

  坂井  学君     山本ともひろ君

  冨岡  勉君     篠田 陽介君

  西本 勝子君     長崎幸太郎君

  山本  拓君     井澤 京子君

  逢坂 誠二君     北神 圭朗君

  山井 和則君     田嶋  要君

  吉田  泉君     石関 貴史君

  谷口 和史君     福島  豊君

  西銘恒三郎君     小野 次郎君

  北神 圭朗君     古本伸一郎君

  田嶋  要君     岡本 充功君

  津村 啓介君     市村浩一郎君

  三日月大造君     渡辺  周君

  赤池 誠章君     岩屋  毅君

  井澤 京子君     山本  拓君

  小野 次郎君     西銘恒三郎君

  篠田 陽介君     冨岡  勉君

  長崎幸太郎君     西本 勝子君

  橋本  岳君     林   潤君

  藤井 勇治君     江藤  拓君

  藤田 幹雄君     浮島 敏男君

  牧原 秀樹君     杉村 太蔵君

  山本ともひろ君    坂井  学君

  石関 貴史君     松本  龍君

  市村浩一郎君     津村 啓介君

  岡本 充功君     金田 誠一君

  篠原  孝君     松本 大輔君

  古本伸一郎君     小宮山泰子君

  細野 豪志君     高山 智司君

  渡辺  周君     松木 謙公君

  赤松 正雄君     坂口  力君

  福島  豊君     谷口 和史君

同月三十日

            補欠選任

             平岡 秀夫君

五月一日

 辞任         補欠選任

  谷口 和史君     丸谷 佳織君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  坂口  力君     石田 祝稔君

同日

 辞任         補欠選任

  石田 祝稔君     坂口  力君

    ―――――――――――――

四月二十八日

 中央省庁等の予算の執行状況等に関する予備的調査要請書(中川正春君外百十二名提出、平成二十年衆予調第一号)

は本委員会に送付された。

四月二十八日

 中央省庁等の予算の執行状況等に関する予備的調査要請書(平成二十年衆予調第一号)の提出者「中川正春君外百十二名」は「中川正春君外百十一名」に訂正された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計歳入歳出決算

 平成十八年度特別会計歳入歳出決算

 平成十八年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十八年度政府関係機関決算書

 平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書

 主査からの報告聴取


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     ――――◇―――――

枝野委員長 これより会議を開きます。

 平成十八年度決算外二件を一括して議題といたします。

 第一分科会ないし第四分科会の各分科会は、去る四月二十一日、二十二日の二日間にわたり審査を行いました。

 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。

 第一分科会平田耕一主査。

平田委員 第一分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣本府、警察庁、金融庁、外務省及び環境省所管並びに他の分科会所管以外の国の会計について審査を行いました。

 主な質疑事項は、民間委託による駐車違反取り締まりの現状及び運用の見直しの必要性、被災者生活再建支援法の運用のあり方、東京大気汚染訴訟和解内容の問題点、築地中央卸売市場移転予定地の土壌汚染対策の必要性、コスト削減によるODA改革の必要性、ミャンマーの民主化及び人権問題、足利銀行の譲渡先の選定過程、妊婦のシートベルト着用のあり方に対する警察庁の取り組み、公務員制度改革の推進の必要性及び内閣人事庁の設置と同庁による公務員人事のあり方、琵琶湖の環境保全対策のあり方、衆議院事務局改革の進捗状況、平成十八年度国会所管決算と国会内各組織の業務内容、商品先物取引と投機マネーの規制の必要性、犯罪から子供を守る施策の推進、公益法人制度と特定非営利活動法人制度の一体化の必要性等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

枝野委員長 次に、第二分科会横光克彦主査。

横光委員 第二分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、総務省、財務省、文部科学省及び防衛省の所管について審査を行いました。

 主な質疑事項は、歴史的文化財の保護の必要性、子ども農山漁村交流プロジェクト事業の実施状況と取り組み方針、在日米軍人による横須賀タクシー運転手殺害事件への政府の対応、四国における自衛隊の配置と役割、海上自衛隊イージス艦の衝突事故の原因究明と再発防止策、郵政民営化後の各社の経営状況及び今後の目標と課題、自治体経営病院の厳しい経営状況、揮発油税等に係る暫定税率の期限切れ問題、コミュニティースクールに対する国の取り組みと支援、史跡文化財に対する国の支援策、学校における臨時的任用教員である常勤講師制度の現状と課題、学校等におけるいじめ問題への文部科学省の対応、ゆとり教育の意義、高等学校卒業程度認定試験の採点ミス問題への文部科学省の対応、障害児教育における自閉症という障害の位置づけと教育の課題、携帯電話の電波不感地帯の解消対策、公立病院の建てかえ等に関する国の支援措置等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

枝野委員長 次に、第三分科会木村太郎主査。

木村(太)委員 第三分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、厚生労働省、農林水産省及び経済産業省の所管について審査を行いました。

 主な質疑事項は、神奈川県における歯科診療報酬の算定のあり方、新型インフルエンザ対策の取り組み状況、精神障害者に対する支援策のあり方、原爆被爆者に対する支援策のあり方、市町村合併等による村の減少と今後の農村振興策、森林・林業の担い手確保策、食料について地産地消を推進する必要性、農業の担い手対策の推進状況、林業公社に対する経営支援策のあり方、明石海峡船舶衝突事故に対する政府の支援状況、健康補助食品に係る法制化の必要性、歯科医療をめぐる諸問題への対応、厚生年金保険特別保険料の年金受給権への反映問題、地域商業の活性化策、次世代エネルギーパークの海外展開の重要性、中国等における我が国の都道府県名等の商標出願問題、ガソリン価格とガソリン消費量との関係等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

枝野委員長 次に、第四分科会上田勇主査。

上田委員 第四分科会の審査について御報告申し上げます。

 本分科会は、法務省及び国土交通省の所管について審査を行いました。

 主な質疑事項は、大崎短絡線整備事業におけるJR東日本と地元との協議、高速道路の料金設定と地域活性化、九州新幹線長崎ルートの着工認可、建築基準法改正の影響、JR貨物会社が第三セクターに払う線路使用料、都市鉄道利用者のための混雑緩和策、道路関係公益法人の改革、道路特定財源の暫定税率失効によるまちづくり等への影響、地方空港の利用促進及び路線維持のあり方、刑事施設に収容された者に係る身分帳の管理、法科大学院と新司法試験合格率、医療事故による死亡の原因究明と捜査機関の対応、無罪の確定した元被告人についての日米捜査協力、国土交通省への業界関係者からの内部告発の現状及び国土交通省の対応、港湾の耐震強化及び内航海運の振興策等であります。

 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。

 以上、御報告申し上げます。

枝野委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣府加藤利男政策統括官、警察庁刑事局米田壯局長、金融庁総務企画局居戸利明審議官、総務省自治行政局久元喜造選挙部長、消防庁岡山淳国民保護・防災部長、財務省大臣官房川北力審議官、財務省主計局香川俊介次長、文部科学省大臣官房舌津一良文教施設企画部長、文部科学省高等教育局清水潔局長、厚生労働省大臣官房中尾昭弘審議官、厚生労働省医政局外口崇局長、経済産業省産業技術環境局石田徹局長、国土交通省大臣官房宿利正史官房長、国土交通省道路局宮田年耕局長、国土交通省航空局鈴木久泰局長、環境省自然環境局櫻井康好局長及び防衛省地方協力局地引良幸局長の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 これより、各件に関し、国の財政等の概況について重点事項審査を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。冨岡勉委員。

冨岡委員 長崎の冨岡勉です。

 わずか十五分ということですので、まず、質問の項目を申し上げます。

 医師の過重労働問題、これは医師不足対策をしなくちゃいけないのじゃないかということで、短期的には、現在、医師の国家試験が春だけ一回ですけれども、これを二回にしてはどうか。それから、中期的には、歯科医師あるいは薬剤師の皆様方を、二年次あるいは四年次に医師へのコースの道を開くことができないかどうか。三点目として、現在九十五名から百人の国公私立大学の医学部定員を、過去、百二十名がほとんどスタンダードな標準的な人数だったんですが、そこに戻せはしないか。この三点について、おのおのお尋ねしたいと思います。

 まず、医師の偏在とか、あるいは過重労働問題というのが、やはりいろいろな、女性のお医者さんがふえたとか、あるいは新臨床研修医制度が発足したのを契機にした、そういう点はあります。しかしながら、やはり絶対数がどうも足りないということが指摘されてきているわけです。つまり、昭和四十年代には人口十万人当たりが百人ぐらいしかお医者さんがいなかったんですが、現在、二百二十名ぐらいあります。しかしながら、これは欧米諸国に比べてやはり四、五十名は低い値であります。したがいまして、これを早く欧米並みの二百七、八十人に上げるのが手っ取り早いというか、いろいろ分析はする必要はあるんですが、絶対数がまず足りていない、そういうことから、この短期、中期、長期の提案を行いたいわけであります。

 お医者さんになるには、まず大学入試を受けます。そして、普通、文学部とかだったらそのまま就職、あるいは工学部にしても就職をすれば卒業試験とかあるいは後期の研修制度とかというのはありません。ところが、お医者さんの場合には、まず入るハードルが非常に高い。次に、六年間ですから、二年間あるいは四年次にやはり何パーセントかはふるいにかけられ、なおかつ、卒業試験で一〇%ぐらいの人が留年します。さらに国家試験が課されて、そこで、合格率が大体八四、五%です、ことしの場合は九〇%いきましたけれども。そういったたくさんのハードルがあってようやくなる。

 これをよくよく考えてみると、お医者さんが多くなるのを抑制しようという政策が昭和五十年代にとられました。それまで、一県一医学部ということでたくさんつくったわけで、それから抑制政策に入ったわけですけれども、考えてみると、いつの間にか足りなくなっている。慌てて十九年度から定員増加をしていますが、これが五名ないしは十名、それも十校ぐらいのもので、定員がふえていない。

 そこで、まず、長期的には百二十人というのを、これは過去どこの大学も百二十人定員があったんですが、これを戻すことはできないかどうか。これは、いろいろな大学の立地あるいは定員基準というのはございます。教室一つ当たり人数が決まっていたり、教官のと、いろいろな制約があるんですが、過去に百二十人まで上げていますので、上げてずっとそれを二十年なりやってきたので、これを戻すのは非常に容易じゃないかというふうに思いますが、まず、長期的に百二十名、今の定員の大体二十人増ということでいかがなものか。予算づけ等は、それほどダメージは食わないと思いますけれども、その点につきましてまずお尋ねしたいと思います。

池坊副大臣 今、冨岡委員がおっしゃいましたように、昭和五十七年及び平成九年に、医学部定員については、閣議決定とかあるいは厚生労働省の需給見通しを踏まえまして削減を図ってまいりました。でも、今おっしゃいますように、特定の産科とか小児科、あるいは離村などにおいては医師不足が指摘されております。

 平成十八年に、政府全体として医師確保対策の充実に努める観点から、新医師確保総合対策、また平成十九年に緊急医師確保対策をつくりまして、中長期的な観点から必要な医師を確保するためのさまざまな問題点について取り組んでおります。

 百名をすぐ百二十名にするというのはどうかとは思いますが、今まで削減したのに、ではすぐにということであるよりも、まず、医師を養成いたしますために、二百八十五名を上限といたしましてふやすということにいたしました。平成二十年度からは六公立大学で六十三名ふえております。それ以後は、平成二十一年から二百二十二名を上限として実施したいというふうに思っております。

 今の現状を踏まえましたときに、しっかりと実情を把握しながら数はふやしてまいりたいというふうに思っております。

冨岡委員 暫定的に五名、十名、まあ二百人ふやしてそれを十年といっても、二千人しかふえないんですね。今、医師というのは全国で二十七万人おります。欧米並みに、例えば一万人ふやしたとしても、人口十万人当たりではわずか十人ぐらいしかふえないんですね。だから、たとえ四百人ふやしましても、十年間で四千人なんですね。十年後ですよ。十年後にこの数値しか出ないので、これじゃいかにもぬるい、遅い。そうは思われないのか、ちょっと不思議でならないんですけれども。

 今二万人、五万人ふやせば、ようやく人口十万人当たり欧米並みにはなりますけれども、十年先の話ですからね。ぜひそこら辺は十分計算していただければと。すぐわかると思います。

 したがって、その目標値、人口十万人当たりの医師数を何年までに何人にするのかというのを、例えばそれをセッティングされていますでしょうかね。これは質問外になるかもしれませんが、わかりますか。

松浪大臣政務官 質問外ということでありますけれども、現在のところ、医師不足の問題というものがまだ完全に原因分析がなされていない部分があろうかと思います。

 厚生労働省の方でも、中長期のビジョンとして、安心と希望の医療確保ビジョンというものを現在策定して、ただいま取りまとめにかかっているところでありますけれども、その中で、確かに少ないからふやそうという方向ではありますけれども、特に、委員の先生によっては、今までの臨床研修の制度の問題もありますけれども、例えば総合的な臨床研修を行っていなかったがために専門的な分野しか診られない医師をつくってきたんじゃないかとか、そうした観点もまた必要かと思います。

 その他、特に先生もお医者さんでスペシャリストですからおわかりだと思いますけれども、病院で救急医療はだめでも、診療所ではそこまで逼迫した状況にないということで、例えば、医療モールとかじゃなくて、本当にお医者さんが、スペシャリティーを持つお医者さんが幾らか集まって、それで新しいスタイルで受け皿になっていくとか、そういう新たな、我々まだやれることはたくさんあると思います。診療報酬にしても、この四月から医療クラークなんかにも点数がついたわけですから、そうした周りから総合的に医師の負担を軽減するという視点なしにしては、なかなか単純に欧米と比べるというのは難しいかと思います。

冨岡委員 二百二十人ぐらいであってもふえていきます、確かにふえていきます。年間八千人ぐらい今国家試験を通っています。ただ、我々、我々というか五、六十代の方が今後ふえていきますので、非常にニーズが高まる。そこをきちんと計算して、やはり暫定的に十年間なら十年間、それをふやすという方法をぜひもう一度検討し直していただければと思います。

 それから、歯科医師の方が非常に今、過剰というんですか、ふえてきて、なかなか経営状態も苦しいような歯科の医院があります。五十人あるいは四十人の定員なんですけれども、人口当たり、こちらは過剰で、したがって、二年次あるいは四年次に試験を課すなりして、お医者さんの方に行く道を開けば、これは何とかなるんじゃないかということなんですが、その点に関しましてはいかがでしょうか。

 それから、もう時間がないので、今、国家試験を春一回やっています。しかし、これも五十九年度までは二回やっていました。これはどういうことかというと、ハードルがたくさんある中で、やはり今後は抑制よりもつくる方に持っていくというのは、これも手っ取り早い方策ではないかというふうに思います。これはいろいろ、二回にすると人件費の問題、問題をつくる側から言わせればなかなか大変だということもありますが、ちゃんと国家試験をつくる委員に聞いてみますと、それほどでもないよ、何とかなるんじゃないかな、そういうふうな御意見もあります。

 この二点について簡単にお答えいただければと思います。

池坊副大臣 歯学部の学生を医学部に編入させますことは、制度上は可能でございます。

 でも、さっき申し上げましたように、医学生の、医学部の枠が決められておりますから、その枠内の中では、平成二十年度では三十大学で二百五十人の編入学定員が設定されております。でも、これは枠内でございますから、医学生が減るということになってしまうのではないかなというふうに私は考えております。

 医学、歯学の教育内容につきましては、それぞれ、卒業までに最低限履修すべき学習内容というのはモデルコアカリキュラムを策定しておりまして、確かにおっしゃるように医師とか歯科医師の基礎的な教育というのは共通の部分はあると思っております。しかし、カリキュラムの編成とか編入学の具体的なあり方は、各大学の主体的な判断にゆだねられております。

 御存じのように、先生も医学部出身でいらっしゃると伺っておりますので、医学部の専門教育の早期化ということが今言われておりまして、くさび形教育というのをしておりますので、歯学と医学とでは多少一年生から違うのではないかというふうに私は考えますけれども、どちらにいたしましても文部科学省は、総合的に編入学の実態やその評価に関する調査研究をしっかりとこれから行って、結果を出してまいりたいというふうに思っております。

 それから、国家試験を前のように二回にしたらどうかというお話でございます。

 早急に、半年間だけ待てないのかという感じが私はいたしまして、今、お医者様というのはどちらにいたしましても命にかかわる大切なお仕事でございますので、春、秋しなくても年一回で、十分勉強していただいて、そして資格を取っていただきたい、私どもの命を預けているのだからという思いが私はいたします。

 医学生をふやしますことは、先ほどの御質問にもございましたように、つけ加えさせていただくならば、医師の確保が必要な県には十名を十年間増員するというような工夫をいたしておりますので、そういう部分において創意工夫をしながら、良質なお医者様の確保に努めてまいりたいと思っております。

冨岡委員 昔のお医者さんと、二十年前のお医者さんと今のお医者さんに何か差があるかといったら、僕は全くないんじゃないかなというふうに思います。

 したがって、制度というのは我々がつくるんであって、定員も我々が決めるわけで、そういったものはフレキシビリティーにやらないと、今は、待ち時間がなんぼ、そしてたらい回しで救急車であちこち行っている、それが社会現象的に非常に不安をあおっている、そういう事実があるわけなんで、そこを早目に、それは恒久的にやれというわけではないので、いずれ過剰問題に悩むことになります、したがって、今はこの不足に対する対策を早急に練るべきだというふうに思います。

 三つの提案をさせていただきましたけれども、これは非常に財務的にも問題はありません、過去にそういうことをやっているわけなんで、ぜひ再度検討していただければと思っております。

 以上で、質問を終わります。

枝野委員長 次に、西本勝子委員。

西本委員 自由民主党の西本勝子でございます。

 決算審査に当たり、貴重な時間をいただきましたので、私の地元高知県の喫緊の課題であります地震、津波対策について、国家プロジェクトとして取り組んでいただきたいという強い要望を込めまして質問させていただきます。

 今世紀前半にも発生が懸念されています南海地震への備えにつきましては、平成十七年三月の中央防災会議において決定されました地震防災戦略に掲げた減災目標を達成するため、東南海・南海地震特措法において指定された自治体に対して早期にかつ重点的に支援することが必要ではないかと考えるのですが、東南海・南海地震防災対策推進地域の防災支援対策は現在どのように進められているのか、お伺いいたします。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 東南海・南海地震につきましては、その対策を強力に推進するために制定されました東南海・南海地震防災対策特別措置法に基づきまして、甚大な被害のおそれがある地域を推進地域として指定いたしまして、国、地方公共団体、防災関係機関、民間事業者が、施設整備や避難等に関する計画を策定しているところでございます。また、予防対策から応急対策、復旧復興対策を視野に入れましたマスタープランであります東南海・南海地震対策大綱を策定しているところでもございます。

 さらに、ただいま御質問にございましたが、地震防災戦略につきましては、平成十七年三月に策定をいたしておりまして、その中で、今後十年間で死者数、経済被害額を半減させるという減災目標とその具体的な実現方策等を定めているところでございます。これらに基づきまして、現在、国、地方公共団体等の関係機関におきまして、住宅・建築物の耐震化あるいは海岸保全施設の整備、津波ハザードマップの整備等の対策を進めているところでございます。

 また、地震防災施設の整備につきましては、地震防災対策特別措置法に基づきまして、消防用施設の整備ですとか公立小中学校の校舎、体育館の補強等について、補助率のかさ上げ等の財政上の特別措置を設けまして、地震防災施設の整備の促進を図っているところでございます。

 今後とも、関係省庁、地方公共団体などと一体となりまして、東南海・南海地震対策を着実に推進していきたいというふうに考えております。

西本委員 ありがとうございました。

 内閣府としての取り組みには一定の評価をしたいと思いますが、四国、近畿そして中部地方で特に海岸線を持つ県におきましては、早急に多角的な支援を期待しておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、高知県では、過去の文献によりますと幾たびとなく甚大な地震、津波の被害を受けてきたのですが、昭和になってからは、南海地震、津波そしてチリ津波で被災し、多くの県民が地震、津波という自然災害の恐ろしさを肌で感じていますので、近い将来必ず起こるであろう南海地震については特に関心が高く、注意しているのであります。

 そういう中で、東南海・南海地震で出されています資料のうち、国の被害想定を見てみますと、高知県は想定死者数が約六千五百人となっており、県独自調査ではそれを大きく上回る数となっています。

 では、いつ地震が発生するのかということは防災対策を進める上で極めて重要な情報ですが、正確な予知には限界があります。そもそもこの海溝型地震は、日々プレートが沈み込むことにより蓄積されたエネルギーが地震となって放出されるのですが、南海地震では前回の昭和二十一年の地震ですべてのエネルギーを放出していないのではないかという説があり、残余のエネルギーを加えた強さで発生し、百年から百五十年と想定される周期より幾分早く発生するのではないかとの予測のもとに、今後三十年以内に震度六弱以上の揺れに見舞われる確率は二六%以上という高い予測がされています。

 そういうことから地元の自治体は、住民の生命と財産を守り、不安を解消するため、早急な対策を進めていくことが求められていますが、高知県や市町村の財政状況を考えたとき、地震、津波への備えを単独事業で実施することは到底困難ですので、ぜひとも国の支援が必要であります。

 また、ここに来て東海、東南海、南海と三つの地震が同時または連動して発生する可能性も指摘されており、そうなれば地震、津波の被害は極めて広域にわたり、甚大なものになることから、被害の軽減は国家的な規模で対策を講じる必要があります。

 そうすると、東南海・南海地震特措法での指定地域も、防災対策が進んでいる東海地震並みの財政支援が不可欠であると考えるのですが、この点についての御所見をお伺いいたします。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 東海地震につきましては、事前の備えといたしまして、特に地震防災施設の整備を進める緊急性が高いということから、地震財特法に基づきまして国庫補助率のかさ上げや地方財政措置等の国の財政上の特別措置を講じることなどによりまして、その推進を図ってきたところでございます。

 一方、お尋ねの東南海・南海地域につきましては、地震防災対策特別措置法に基づきまして国庫補助率のかさ上げ措置が講じられるとともに、平成十八年度には、新たに地方財政措置の拡充が行われたところでございます。

 東南海・南海地域への国の支援のさらなる拡充についてということでございますが、そのような御要望があるということについてはよく理解できるところでございますが、ただいま申し上げましたように、東南海・南海地域については、平成十八年度の地方財政措置の拡充を踏まえまして、これからその推進が期待されるというところでございまして、私どもとしては、今後の推移を見守ってまいりたいというふうに考えております。

西本委員 ありがとうございました。

 高知県には火山はありません。また、活断層もありません。注視するのは南海沖のプレートの一点でありますが、これの正確な予知ができない状況にあっては早目早目の対策を講じることが県民の安心を担保することでありますので、先ほどの御答弁にあるように、これからの高知県、また近畿、中部の海岸線の県に対して、国も遺漏なき対応をよろしくお願いいたします。

 次に移ります。

 地震防災上重要な対策に小中学校の耐震対策があります。大規模地震対策特別措置法に基づく対策強化地域では、特別な財政支援が行われ、耐震化率は全国平均を上回っていますが、高知県においては、県単独の助成制度により耐震化の取り組みを進めていますが、全国平均にも及んでいません。ちなみに、消防庁の調査資料によりますと、静岡県が八四%に対して高知県は四九・二%となっておりまして、法制度の違いにより公立小中学校の耐震化率に格差が生じているのです。

 このまま進捗しますと、国が基本方針に掲げた目標である平成二十七年までに耐震化率九〇%を達成することは非常に困難であり、このおくれにより児童生徒の生命を失わせてしまう事態が危惧されるところであります。

 一昨日の五月十二日、中国四川省において発生した大規模地震では、少なくとも四つの小中学校が倒壊し、児童生徒が生き埋めになり、多くの犠牲者が出たという痛ましい新聞記事が出ております。被害に遭われた御家族の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 このような事態を招かないためにも、小中学校の耐震化については喫緊の課題として国家挙げての取り組みが必要であり、被害が想定される地域にあって財政力の弱い自治体に対しては、現行の地震防災対策特別措置法に基づく交付税措置をさらに拡充するなどの財政支援や新たな支援が必要かと考えますが、このことについての御所見をお伺いいたします。

舌津政府参考人 お答えいたします。

 学校施設の安全性の確保は、子供たちにとっても、また地域住民にとっても極めて重要な課題でございます。このため、文部科学省では従来から、地震防災対策特別措置法に基づきまして、校舎の地震補強事業に係る国の補助率につきまして、一般的な改修事業に比べまして補助率をかさ上げしております。三分の一から二分の一のかさ上げを行っているところでございます。また、体育館につきましても、平成十八年度から同様にかさ上げを行ったところでございます。

 また、耐震化の推進に当たりましては、学校設置者でございます市町村の取り組みに負うところが大きいわけでございまして、地方負担分に対する財政措置の充実が必要になるわけでございます。実は、この点につきましては地方によって差があったわけでございますけれども、これについても地財措置として段階的に改善がなされております。

 具体的には、従来、東海地域に限られておりました地財措置につきまして、十八年度からは東南海・南海地震防災対策推進地域等も対象になりまして、この措置を平成十九年度からは全国に拡大されたところでございます。

 また、これに加えまして、昨年十二月に取りまとめました生活安心プロジェクト等におきまして、大規模地震等により倒壊等の危険性が高い公立小中学校施設、これは一万棟あるわけでございますけれども、これらにつきまして、今後五年を目途に耐震化を図るということとしております。このため、所要の経費を現在予算として計上しておるところでございます。

 お尋ねの、今後の地方負担分に対する財政支援の充実につきましては、関係省庁とも相談し、その推進に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

西本委員 ありがとうございます。

 次に移ります。

 防災の成果は、ハード事業とソフト面が相まって被害が軽減できることは御案内のとおりであります。地元では全地域での組織化を急いでいるのですが、自主防災組織であります。この組織は、地震、津波防災だけではなく、風水害、火災時においても最前線の現場として地元住民が助け合って活動するのですが、高齢化社会を迎えた地域コミュニティーとしても大きな役割を果たしています。

 自治体は、自主防災組織、非常備消防、いわゆる消防団、常備消防の三者連携を地域防災の基本としてとらえているのですが、現状は自主防災組織の力量に温度差があるのが実態でありまして、地域の実情に応じた組織強化に苦慮しています。

 防災行政は自治体の固有の事務ですが、ハード事業が国の支援のもとで進む中、ソフト事業に対して国がどのようにかかわっていくのか、御所見をお伺いいたします。

岡山政府参考人 自主防災組織についてのお尋ねでございますけれども、その組織率は、阪神・淡路大震災がございました平成七年四月の四三・八%から、平成十九年、昨年の四月の六九・九%へと増加をしてきておりますけれども、先生御指摘のとおり、自主防災組織の組織率や訓練の実施状況などにつきましては地域差があるものと認識をしております。

 消防庁といたしましては、自主防災組織の手引、冊子でございますけれども、そういったものや、自主防災組織指導者用教本などを作成しまして、自治体へ配付をいたしまして自主防災組織の結成や教育のための支援を行うとともに、自治体の担当者を対象といたしました自主防災組織育成コースを開講し、教育訓練を行っているところでございます。

 また、平成八年度には防災まちづくり大賞を創設いたしまして、毎年自主防災組織などの優良な活動事例について表彰いたしますとともに、他の自主防災組織で活用していただけますよう、表彰団体の活動事例集を作成いたしまして、自治体へ配付をしているところでございます。

 さらに、自主防災組織を中核といたしました地域の安心、安全の取り組みを支援いたしますために、平成十六年度からは地域安心安全ステーションモデル事業を推進しております。それによりまして、モデル事業実施団体の選定ですとか全国シンポジウムの開催、また、その地域の組織率に配慮して出前講座を開催したりしております。

 また、先進的な取り組みにつきまして、やはり優良事例集というような形で消防庁のホームページで公開をするなど、全国展開に向けた普及啓発を推進しているところでございます。

 今後とも、自主防災組織の組織率向上や防災活動の充実に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。

枝野委員長 時間が経過しておりますので。

西本委員 はい。時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。どうも、超過いたしまして恐縮でございます。

枝野委員長 次に、高山智司委員。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 本日は、国土交通大臣、また総務大臣、お見えでして、きょう朝、午前中に、地方分権で、国道であるとかあるいは一級河川、こういったものを地方の管理に移していこうというようなお話もされたようですので、その件についても伺っていきたいと思っております。

 ただ、質疑通告をした順番をちょっと入れかえまして、防衛庁が一問しかないものですから、まずそこだけ先にやらせていただきまして、その後お話をさせていただきたいと思います。

 防衛大臣にまず伺いたいと思うんですけれども、最近の防衛庁ですね……(発言する者あり)失礼いたしました、防衛省。ちょっと江戸弁で済みません。防衛省なんですけれども、いろいろな不祥事に対するけじめのあり方が、なかなかちゃんとけじめをとっていないように見られる。特に、イージス艦の問題ですとか、あるいは守屋事務次官の問題であるとか、結局何かうやむやになってしまっているんじゃないかと国民は思っているのではないかと思いまして、その件について伺おうと思っています。

 イージス艦の問題は、私はあれはけじめはついていないなと思っておりますけれども、きょうは守屋次官の問題について伺います。

 端的に伺いますけれども、守屋次官の汚職問題がいろいろ出てきたときに、証人喚問などで守屋証人が自民党の先生からの質問に答えて、私のような者は退職金を受け取る資格はございませんから退職金は返納する覚悟でございますであるとか、石破大臣も、退職金、返還した方がいい、ただ、自主的にというようなお話があったんですけれども、もう随分、半年以上たっていますけれども、守屋事務次官から退職金は返ってきましたか。

石破国務大臣 退職金、これは返納という手続はございませんので、国庫に対する寄附という形になりますが、それはなお行われておらないというのが現状でございます。

高山委員 返納というよりは、禁錮以上の罪を受けた場合には、国の方からというか、防衛省の方から返還を求めることができるようですけれども、今、公判中ということもあるんでしょうけれども、結局、今は自主返納という形をとるしかないわけだと思うんですね。これに対して、防衛省の方から守屋次官に、これはけじめがつかないから自主返納してくださいよ、しかも証人喚問でもこうおっしゃっているじゃないですか、私はこういうふうに働きかけるべきだと思っているんですけれども、これに関して防衛省はどういう行動をとられていますか。

石破国務大臣 委員御指摘のように、守屋前次官が委員会において今委員御指摘のような発言をされました。したがいまして、私どもとして、国庫に返納するという場合の手続、そのことについては正確に丁寧に御説明をいたしたところでございます。つまり、守屋さんのそういうような意思というものが実現できるためには、こうこうこういうようなことですよということを私どもとしてきちんと正確に御説明を申し上げておるところでございます。

高山委員 ここから先は法律の問題ではなくてけじめのつけ方の話になってきますので、石破大臣に端的に伺いたいんですけれども、あれだけの事件になりまして、防衛省自体の規律が緩んでいるじゃないか、けしからぬという話になったわけですから、改めて大臣から守屋次官に、退職金、もう半年もたっているけれども返納がないじゃないかというふうに返納を求める考えはありますか。

石破国務大臣 これは、まさしく委員御指摘のように、法律の問題ではない、一種のけじめ論のお話なのだということは、委員よく御案内のとおりでございます。私もそう思います。

 御本人が、受け取る資格がない、返そうと思うというふうに、委員会という、ある意味、国権の最高機関でそういう御発言をなさっておられるわけです。それも、まさしく前次官という高い地位にあった人がそういう場で発言をしております以上、それはすごく重いものだ。私としては、こういうような手続がありますということをきちんと御説明するということが、結果としてそれを慫慂するというのか促すというのか、そういうことになるのではないかと思っております。

 私、石破茂という個人であれば、それはまたいろいろな考え方もございますが、一省をお預かりする防衛大臣として、早く返した方がいいということを申し上げる、早く納めた方がいいということを申し上げるのは、現在公判中ということもございます、そこにおいて、それは大臣の職責というものにややふさわしくないものがあるのではないか、個人的にはそういう思いはございますが、私として、こういうような手続がありますということをきちんと的確に、そういうような意思の表明が委員会であった後にいたしたものでございます。私自身、申し上げられるのはここまででございます。

 それでけじめにならぬではないかというふうな委員のお気持ちは、それはよく承っておきます。

高山委員 大臣に改めて伺いますけれども、大臣がそのように丁寧に御説明されたということはわかりましたけれども、今、公判も随分進んできて、大筋もう認めている。また、宮崎さんという相手が、これは関係ないですけれども、参考人の招致なんかも決まったり、またちょっと新たな展開も今あるところでございます。改めて守屋次官に返還を求める、あるいは返還の手続をもう一回丁寧に説明して、言外に、これは退職金を返納しろということだということを言うお考えはありますか。

石破国務大臣 もう一度確認的な意味で手続の御説明ということも私はすることができると思っております。もちろん、何度も丁寧に説明しておりますので今さらということになるのかもしれませんが、そういうようなことが、私は、できるぎりぎりいっぱいではないかというふうに思っております。

 法律に禁錮以上の刑に処せられた場合にはという規定があり、そのことも十分本人はよく知っておるわけでございます。そうしましたときに、本人はそういう気持ちが物すごいいっぱいなのだと思いますが、あるいはいろいろな事情があるのかもしれません。そこまで私が立ち入って申し上げるべきことでもございませんが、手続等についてもう一度必要があれば説明をきちんといたしたいというふうに考えております。

高山委員 わかりました。

 私は、国民感情からしても、防衛省のトップが、焼き肉だ、ゴルフだ、そして不適切な関係があり、しかも、自分で退職金ふさわしくないから返しますと言っていたけれども、いざ、のど元過ぎればじゃないですけれども、何か返さないでうやむやになってしまう。こういうことでは、やはり下の人間も、ああ、じゃ、ちょっとぐらい僕もやってもいいんじゃないかな、こういうふうになってしまう。つまり、これが規律のゆがみにつながっていくと思いますので、これは、私としては、もう一度大臣からはっきりとけじめをつけていただきたいなというふうに思っております。

 防衛省の関係はここまでですので、大臣はもうこれで結構でございます。

 ちょっと規律のゆがみの件で、今度、国土交通大臣に伺いたいんですけれども、けさ、びっくりしました。道路特定財源を十年間延長するという法案が、昨日、自民党、公明党の再議決で可決したわけですけれども、あれだけ、無駄なのはつくらないであるとか、いろいろな閣議決定もしました。では、これからどういうふうに、道路づくり、無駄がなくなっていくのかなとか思っていましたら、けさ、早速のニュースで、国土交通省の北海道開発局で談合の疑いがあるということで捜査が入った、また、その配分表なんかもつくって官主導で談合が行われていたというような報道がありましたが、大臣、この点に関して、この報道をいつお知りになり、また、そのときどういう指示をしたか、けさのことですので、教えてください。

冬柴国務大臣 けさ登庁いたしまして、こういうことがあったと。それから、私自身は、昨日だと思います、北海道開発局でいわゆる家宅捜査あるいは押収というようなことが行われ、そして三人の職員が検察庁に呼ばれたという話を聞きまして、きょうの報道ではもう逮捕ということになっております。一人は、北海道開発局ですが、元農業水産部長、それからその部下だった元同部農業設計課長、それからもう一人は現職の農業調査課長、この三名が入札妨害の疑いで逮捕されたと。非常に衝撃的なニュースでございました。

 ただ、接触を検察から禁じられているために本人から事情を聞くことができない状況でございます。それで、事情はわかりませんので、とりあえず現地の局長に、北海道開発局においてマスコミに対して昨日会見をして申し上げ、おわびをするように、このようなことを指示いたしました。

 私も、改めて、この事案が全くわからないんですけれども、こういう相当な疑いのもとに逮捕されているわけですから、国民に対して私は心からおわびを申し上げたい、おわびを申し上げます、その心境でございます。

高山委員 この地方整備局の談合ですけれども、これと似たような話が前もあったんですよ。例えば防衛施設庁の談合問題というのがありまして、これも、代々同じポジションにある課長が、先輩をおもんぱかって天下りの受け入れ人数に従ってまた配分をつくってみたりですとか、しかも、捜査が始まってからも組織ぐるみで資料の隠ぺい行為などが行われたのではないかという話がありまして、私も委員会で何度か取り上げさせていただきました。

 この件に関して国土交通大臣にまず伺いたいんですけれども、これから地方整備局のことが随分話題になっていくと思うんですけれども、地方整備局というのは、ブラックボックスといいますか、中央から資料を取り寄せようとしても、隔靴掻痒で、なかなか先の資料が出てこなかったり、だからこそ無駄遣いの温床ということもあったんだと思うんです。

 私が今言いたいのは、国土交通省の各地方整備局、あるいは、実際の事業発注なんかは国道事務所単位で随分行っているみたいなんですけれども、そういったところでこういう官主導の談合事件がないとは言い切れないなと私は思うんです。この件に関して、ほかに似たような談合事件がないかどうか、あるいは、今回の事件に関しての証拠隠滅等絶対しないようにという指示は大臣は今出しているかどうか、あるいは、出していないのであれば、今後出すおつもりがあるかどうかをまず伺います。

冬柴国務大臣 北海道は若干ほかの支分部局とは違うところがあります。今読み上げましたように農業水産部というものがありますけれども、本来これは農水省の仕事なんですけれども、地域が北海道でございますので、北海道開発庁というのがありましたね、そういうところで、予算は開発庁で全部計上するということになりまして、そこの中で行われる農業政策というものも、農林水産政策というようなものも予算は北海道開発庁でしていた沿革がありまして、今は、これを引き継いだ我が方、国土交通省が一括して予算をちょうだいするということになるんですが、その農業予算については、即この農業水産部へお渡しするというような仕組みがございます。したがいまして、それの監督は農林水産大臣のみが行うというような法制度になっておりまして、沖縄もちょっと特殊ですけれども、ほかのところではそういう仕組みはございません。

 しかしながら、これは私どもの、国土交通省の職員ですね。したがって、私は、懲戒権もあれば、そういう問題を持っているわけでございまして、職務については農林水産大臣の監督を受けるけれども、そういう身分上の問題については私が対処しなければならないことでございます。

 したがいまして、今御指摘のような証拠隠滅はとんでもない話、これは犯罪になるわけですから、そういうことは、私は平素から、職員に対する規律の遵守、コンプライアンスというものの確立、これはもう口が酸っぱくなるほど支分部局長を集めたときも必ず言っているところでございまして、ましてやこのような捜索を受けた場合には、やはり検察あるいは警察、捜査官の指示に従う、これはもう当たり前の話です。

 ほかのところでないかどうかということの調査ですけれども、非常に今回の事案が特殊なものですから、ほかの支分部局にはない仕事なものですから今のところは考えておりませんが、しかしながら、その事案のこれからの発展ぐあいなりあるいは事実関係で支分部局にも共通するようなものがあれば、当然に私は調査をさせていただきたい、このように思います。

高山委員 談合なんかありますと、非常に割高な発注をしているわけですから、また税金の無駄遣いそのものなわけですよね。今の大臣のお話を聞きますと、縦割りだから責任がないということまでは言っていませんけれども、随分それに近いようなお話で、本当に十年五十九兆円がこれから無駄遣いのないように削減されていくのか随分不安な気持ちに今なりましたけれども、きょう話そうと思っている話は地方の整備局の話ですので、ちょっとそちらの話をまずさせていただきます。

 皆さんのところにお配りいたしました資料ですけれども、こういう新聞記事があります。この新聞記事を見まして私もびっくりしたんですけれども、地方の有料道路が随分赤字が多い、交通量予測が七六%も外れて、しかも下回っているということ、あるいは、百円の通行料を取っているんだけれども経費は百八十六円かかっているとか、こういう話が報道されてきました。

 これは端的に国土交通大臣に伺いたいんですけれども、こういう不採算になった場合には、国税なのか地方の財政なのか、これはまた後で伺いますけれども、税金を投入していかないと成り立ちませんよね、維持ができない。こういった場合の責任の所在なんですけれども、まず、これは、だれがこの責任をとるべきなんでしょうか、こういう不採算。百円の通行料を取るのに百八十六円かかっているというと、これは、あけていればずっと赤字が膨らんでいくわけですね。この責任は一体だれがとるんでしょうか。大臣に伺います。

冬柴国務大臣 これは、地方道路は、地方の道路公社というものを県が設立いたしまして、そこが有料道路をつくるということでございまして、管理者は県でございます。

 この新聞に載っている常陸那珂は茨城県でございますから、茨城県がこの道路、二・九キロですか、これをつくるということで、その当時は北関東自動車道もまだ通っていませんけれども、これは二十三年には供用開始されるわけですが、そういうものを見込んで、そうすれば常陸那珂港湾からの貨物、あるいは海水浴場が立派なものがあるわけですけれども、栃木県とか総理の群馬県には海がありません、したがいまして、そういうところの海水浴客も見込めるという観点でつくられたものであると認識をいたしております。

 責任はどうかといえば、当然、これは道路公社でございます。そして、それが今、返済期間三十年とか四十年とか決めるわけですけれども、その間の料金収入によってできない場合には公社の持っている資産によって穴埋めをしたり、あるいはそれでも足らない場合には、県が出資をしているわけです、その出資金の返還請求権を一部放棄するとか、あるいは、事によれば、最悪の場合は一般会計から補てんをするとかいうことが必要になるだろうと思います。

 もう一つは、料金徴収期間を延伸するという方法もあるのではないかと私は思います。これはそういう手続をとって、例えば、前半は非常に長引く不況が始まりましたよね。したがいまして、それはいろいろな見込み違い、今のBバイCですけれども、予測された交通量が非常に不足した、それで料金収入が上がらないというわけでございますが、それが今、回復しつつある。二十三年にはそのような北関東自動車道も供用が全部されるということになれば、相当事情が変わってくるというふうに思われますので、そういうものを踏まえてどういうふうにするのか、これは関係者の方でいろいろ考えられると思います。

 国は、それに対していろいろな助言をしたり、これの売り上げが上がるためのことをいろいろ助言したりするということはありますけれども、我々の方から国費で穴埋めをするということは、予想はありません、そういうことはありません。

高山委員 この記事の中で、道路公社の方の側から、国土交通省や財務省に対して、道路特定財源制度の維持と新たな財政的支援制度の創設を求めているという話ですけれども、これに関しては何か今、国土交通省の方でお考えですか。

冬柴国務大臣 考えていません。

高山委員 そうしますと、今の大臣のお話ですと、こういう赤字路線のようなものも県の責任だというような話だったんですけれども、私が国交省などに聞きまして、横にあるこの表、フローチャートのようなものなんですけれども、ここで、「道路管理者の同意」であるとか「議会の議決」とか書いてあって、ここは多分、県の意思決定のことなんだろうなと。

 この中で、「事業許可」というところで、「地方整備局長」、こう出てくるんですけれども、これは条文等々もいろいろいただいておりますけれども、ここで国が事業決定など許可とかを出しているんですけれども、この点、国はどういう責任を負うことになっているのか、大臣、お答え願えますか。

冬柴国務大臣 これは、料金の徴収期間中、毎年度、道路公社からの収支報告の報告を受けております。したがいまして、必要に応じて採算改善等の指導助言を行う、これが責任の内容だろうというふうに思います。

高山委員 この地方有料道路に国費というのは、つくられるときには全然入っていないんでしょうか。それとも幾らか、例えば下の用地買収ですとか、そういったことで国費が入っているんでしょうか。

冬柴国務大臣 私の方からは、この事案、即、言いますと、約十一億円の、ちょっと弱ですけれども、無利子融資が行われております。これは、返済期間は二十年、平成六年から五年間据え置きをいたしまして、その後、十五年間で返していただくという約束になっております。

 地方としては、茨城県は、いわゆる出資金という形で、この事案では約八億円が入っているはずでございます。これは出資金ですから、利益が出なきゃ配当はありませんし、無利子と言っていいと思います。そういうことで、これについては将来返済がなされるかどうか、出資ですからね、そういうものについては考えられませんけれども、国としては、そのように無利子融資というものを行っております。

高山委員 私、それ、後で言おうと思ったんですけれども、このフローチャートですと、県が意思決定してから、右側にこう流れていくわけですけれども、事業許可を地方整備局長がして、事業着手して、また融資の申請があってというふうになっていますけれども、余り、要は国は、無利子貸し付けという形でありますし、お金そのものを新直轄みたいな形でどんと入れてつくるということではどうもなさそうなんです。

 であれば、ここでこの事業許可を、これは地方整備局長となっていますけれども、条文だと国土交通大臣となっていますけれども、そこに申請を出させて、それで許可をする。なぜですか。

冬柴国務大臣 それは、より高い次元でその事業の適法性というものを審査する。それからまた、当然のことですけれども、投下する資本と、それからそれに対するベネフィット、便益というものをよく見て、そしてその料金も高いものにならないのかどうか、あるいはそれが、つくることによって、地元住民、ここはもう地方の道路でございますので、地方のその人たちが著しく利益を受けることができるかどうかというような、法に定められた要件を審査させていただく、こういうことでございます。

高山委員 しかし、審査はする、それで許可は出すんだけれども、結果として百円稼ぐのに百八十六円かかってしまうような状態でも、それは地方のことだから知りません、こういうことですか、大臣。ちょっと改めて聞きたいんですけれども。

冬柴国務大臣 これは地方が、我々が出かけていってここつくりなさいなんという性質のものじゃないわけでありまして、その県で、ここはいろいろな観点からつくらなきゃならないという、地方政府、首長さんあたりがそのような発想をされ、そして、そのために道路公社というものを設立して、それについての地方議会の決議もちょうだいして、そしてこれをつくろうということなんです。

 したがって、それでもう完結していいと思うんですけれども、我々道路を所管する者として、そういうものを、道路政策の一端になりますから、そういう県の意思を尊重しながら、我々としてもお手伝いできることはしようと。周辺の、この高速道路だけじゃなしに、そこへ連結する道路とか、あるいはそういうものについても、まちづくりとして企画されるわけですね。そういうものについても我々は協力すべきものはするわけでありますから、ですから、そういう法の制度になっているんだろうというふうに思います。

高山委員 今、大臣の御答弁の中で、地方が自主的に企画されてつくられるものなので、そこで完結してもいいと思うのだけれどもというお話があったんですけれども、私もそれで完結していいと思うんですけれども、なぜ国土交通省がいろいろと、お金は出さないし口は出すみたいな形で関与されるのか。しかも、関与した結果、これが黒字の路線ばかりというならわかるんですけれども、地方の有料道路、交通量予測割れ七六%、それで、この今話題になっているところは、百円稼ぐのに経費が百八十六円かかっているわけですね。

 これだと国土交通省が地方整備局を通じて関与している意味がないと思うんですけれども、大臣、この点どう思われますか。

冬柴国務大臣 それは、平成六年、高山議員も御案内のとおりでございまして、平成三年あたり、バブルが崩壊して、それから長い長いトンネルに入ってしまいました。したがいまして、その時点でつくられた道路だけじゃなしに、いろいろな箱物にしても何にしても、ほとんどが予想どおりではなかった、そういう時代がありました。長く続きました。

 これが、ようやくトンネルから抜け出して、日本の経済も何とかGDPが浮上いたしましたけれども、当時のGDPの予測は、四%とか、多いときは六%というような予測をしているわけですね。そういうものが当然に将来交通量の予測とか、そういうものに反映するわけです。したがって、それは、そういうことで見込み違いが生じていることは事実です。したがって、地方の道路は、そういう時点でつくられた道路というものは非常に苦戦をしている。

 当時、開発公社が工場用地を造成したりしたのも、惨たんたるものになった事態がありますよ。したがいまして、これを、経済が活性化して、そしてまた周辺道路も整備されることにより所期の目的を達するように、いろいろと我々としても協力もし、助言もしていかなきゃならない、そういう形であろうというふうに思います。

 それを、見込みが違ったから、それで金も出さずにとおっしゃったけれども、無利子融資を十一億もしているじゃないですか。これは大きいですよ。それで、地元の県が八億。大体一対〇・七ぐらいの割合でしょうか、所要額に対する出資金と無利子貸付金が。ですから、そういうことも何もしていないというわけではありませんので。これを銀行から融資を受ければ、相当な元利金があって、こんなに長い五年間の据え置きとか、そういうことはないわけでございますよ。したがって、私は、バランスがとれているのではないかというふうに思います。

高山委員 むしろ、それは逆なんじゃないですかね。国が無利子融資なんかをするので不採算になるような道路をどんどん地方がつくってしまう、何かそういう後押しをしてしまったのかなという印象を持ちましたけれども、ちょっと時間がないので、空港のことを伺います。

 財務大臣が茨城ということで伺っているわけじゃないんですけれども、茨城空港のことも随分事前に話してありますので、端的に伺います。

 まず、総事業費が幾らぐらいかかって、それで、その主体がどこになっていて、その利用者の予測、それが当初どのぐらいだったのが幾らぐらいになるという予測をしていて、その予測が茨城空港をつくるということにどういう影響をしているかというのを伺いたいと思います。

 大臣に伺いたいところですが、細かい話ですから、局長でも結構ですよ。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 茨城空港でございますが、自衛隊の百里飛行場を民間と共用化するということで、現在、整備を進めておる状況でございます。完成の目標としては二十二年の三月の供用を目指しまして、今、新しく滑走路をもう一本横につくる工事を進めてございます。あと、ターミナルの工事等も地元と一緒になって進めておる状況でございます。

 整備費は、当初の予定では二百五十億ぐらいを予定してございます。利用の目標も、当初八十万人ぐらいを見込んでおりますが、まだオープン前でございますので実績は出てございません。

高山委員 局長、きのう話したので僕が言いますけれども、当初八十数万人と予測したのが今六十万人台に下方修正しましたよね。利用者数の予測を下方修正したのはなぜですか。

鈴木政府参考人 航空需要の予測につきましては、きちっとした予測手法は確立してやっておりますが、データにつきましては、その時々の最新のデータをもとに将来の推計をいたしております。当初の事業をスタートしたときから、多少、いろいろなことでスケジュールが延び延びになっておりますので、またその途中の段階で需要予測のデータを入れ直して下方修正をしたものと承知しております。

高山委員 ちょっと時間がないので私がきのう聞いた話を言いますと、つくばエクスプレスが開通したから利用者が落ちたですとか、いろいろな要因があるようなんです。さっき大臣にいろいろ伺いました常陸那珂道路もそうなんですけれども、常陸那珂港というのがある、それがまだ未整備な状態なんだという話とか、つくばエクスプレスが開通したであるとか、あるいは羽田が拡張したとか、とにかく、交通政策が非常にばらばらに行われているがために、一つ一つの事業が何か予想が変わってみたり、こっちとこっちでお客の取り合いになっちゃったりということが随分起きているように私は思うんですね。

 それが、先ほど大臣が、北海道の談合の話を聞いたときにも、いや、それはもともと農水省なんですよというような話をされたように、何か中央の縦割りがそのまま地方整備局の縦割りに持ち込まれていて、結局、地域のニーズをちゃんと酌み取って、道路だけじゃないんですけれども、バランスのいい交通政策が打たれていないんじゃないかなというふうに私は印象として思ったので、次に増田大臣に伺いたいんですね。

 それは、けさ冬柴大臣に手渡しされたものについてなんですけれども、地方分権の流れが今来ている。そんな中で、河川であるとか、あるいは国道であるとか、これは管理だとか維持だとか、私なんかは、計画そのものも全部地方に任せた方がいいじゃないかという思いもあるんですけれども、まず、増田大臣の方から、どういうことを国土交通大臣の方に、答申というんでしょうか、示して、どういう返事をいただいたか、ちょっと教えていただいていいですか。

増田国務大臣 お答え申し上げます。

 御案内のとおり、第一次分権改革が進められた後、現在、法律ができまして、第二次と言われております分権改革が進行中でございます。そして、分権改革推進委員会の方が、スケジュール的には間もなく第一次の勧告を政府の方に行う、こういう時点に来ているわけでございますが、その中で、第一次勧告の内容は、国と地方の役割分担をもう一度洗い直して政府の方に勧告をなさる。そのための国土交通省と分権委員会との話し合いも、道路、河川、都市計画等について、これまで何回か行われてきたところでございます。全部公開で行われてきているわけでございますが、意見がまだ食い違っている点が多くございます。

 そこで、主体は、分権委員会が今どのような勧告をするかということについての話し合いという状況ではございますが、私も地方分権担当大臣といたしまして、国土交通大臣、冬柴大臣にお目にかかって、この分権委員会の活動を後押しし、そして大きな方向で地方分権を進めていく、これは政府の方針でもございますので、それを具体的に勧告の中に有意義な形で反映させるべく、けさほど、お時間をちょうだいしてお会いをさせていただいたところでございます。

 河川、それから道路、都市計画でございますが、特に主眼は、河川、道路について、もう既に分権委員会が申しておりますとおり、例えば一級水系の管理権限について、基本的には都道府県で関係するものについては都道府県に移譲ができるのかどうかという点、それから、国道につきましては、直轄管理区間につきまして、その管理権限について地方の方に移譲できるのかどうかということについてお話し合いをさせていただきました。

 お目にかからせていただくのが、きょうが初めてでございまして、大きな方向で分権を進めていくということについて、お互いに基本的な方向を確認し合ったということでございまして、細部については、これから、こうした場面が今後何度か必要かもしれませんし、基本は、分権委員会に対してどのようにしていくのかということでございますので、今後も、私としても、必要があれば冬柴大臣にもお時間をちょうだいして、この分権改革を後押しするということでいろいろお話し合いをさせていただきたい。

 まだ、初めてお目にかかっていろいろお話し合いをさせていただいたということでございますので、きょうのところはそういった状況でございました。

高山委員 冬柴大臣も、何か河川はあれだけれども道路に関しては国でというようなお話をされたというのは私も報道で見ました。確かに、道路特定財源が十年延長されるので、道路に関しては手放したくないというような気持ちもわかりますけれども、こういう地方分権の流れの中で、特に先ほどの、空港であるとか道路だとか電車だとか、全部やはりトータルでその地域地域の交通政策というのは考えた方がいいと思いますので、ぜひ地方に移していただきたいなと私は思っているんですね。

 ただ、その際に地方整備局が主役になっていくような形だと問題があるなというふうに私は思っております。地方整備局というのが、私たちの同僚議員がいろいろ国会論戦で明らかにしましたけれども、それこそ、お抱え運転手が年間一億円も使っているだとか、あるいはタクシー券、一人で五百万円近く使っている人がいるであるとか、私たちから見れば無駄遣いの温床になっているというふうに思ったわけなので、ちょっと地方整備局の問題について伺いたいんです。

 公務員全体の数を減らしていこうという流れの中で、地方整備局の職員の数ですね、これがここのところ十年間、結構減ってきているんです。この点に関して、ちょっともう時間がないから私が言いますけれども、毎年大体百五十人とか二百人ずつぐらい、これはいただいた資料なんですけれども、どんどんどんどん職員の数そのものは減っているんですね。

 しかし、もう一ついただいた資料で、これはちょっと全国になると大変だということだったので関東地方整備局のをいただきましたけれども、そのうち、出てきたので、この職員数が千五十一人。これは一部と書いてありますけれども、いろいろな事務所ごとの職員数と業務委託者の数というのを聞いたんです。業務委託の常駐人数というのは、派遣社員みたいなものですよ、要するに国土交通省の社員じゃないですと。業務委託あるいは役務委託という形で、電話の交換手であるとか車を運転する運転手さんということで派遣されてきているんだけれども、ちゃんと席があって、その国道事務所に毎日常勤している人の数を聞いたんです。

 この点に関して、きょうはたしか官房長も来ていると思うので伺いたいと思うんですけれども、職員数が何人で、業務委託の人数というのは、この出ているものだけで結構なんですけれども、何人ですか。

宿利政府参考人 お答え申し上げます。

 先生の方にお配りしているとおりでありますが、関東地方整備局の特定の事務所に関しましての資料でありますけれども、職員数が千五十一名、業務委託の常駐の人員が五百九名ということでございます。

高山委員 これは今、関東地整ですし、また私が、福井の事務所だとか鳥取だとか、ちょっとピンポイントで調べたものもあるんですけれども、大体これと同じような割合なんですよ。つまり、千人職員数がいるところに五百人以上、その派遣社員の方というか派遣で業務委託をされている人が来ているわけですね。

 官房長にまた伺いたいんですけれども、これは人件費として計上されていますか、それとも業務委託費や役務委託費として計上されているんですか。

宿利政府参考人 お答え申し上げます。

 この五百名余の方々については、調査委託の中で来ていただいておりますから、調査委託費の中で手当てされております。

高山委員 こういう感じなんですよ。

 要するに、公務員の数を全体を減らしますというようなことで職員の数自体は毎年ちょっとずつ減っていっているんですけれども、業務委託だとか役務委託という形で派遣の社員の人がどんどん来ていて、結局、実際の一人の職員の人の効率性を上げるというよりは、むしろ、役務委託、業務委託ということで、人件費、まあ隠れ人件費ですよね、この業務委託費や役務委託費というのは。こういうのが今どんどんどんどん使われてふえてきている。こういうことでは、無駄遣いといいますか、節約をしていこうということに全く反するのじゃないのかなというふうに私は思います。

 それで、特に我々が調べてきたお抱え運転手の問題であるとか、これも、今は普通の民間企業であれば、昔は、例えば運転手さんがついて、それで新聞記者さんが取材に行く、それでカメラの人はまた別でと三人で動いていたのが、今は、自分で車を運転して、例えば写真も自分で撮るとか、一人三役をこなすであるとか、民間ではそういういろいろな節約方法をとっていると思うんですけれども、どうもこの国土交通省の地方整備局の場合は、道路特定財源という安定した財源があるからなのか、そういう工夫をするというよりは、一見人件費じゃないように見せて、この隠れ人件費をどんどん計上していくという形での工夫をしているというふうに私は見ますので、これからは、この地方整備局の仕事というのをきちんと精査していかないと、道路財源の無駄遣いというのはなくならないのではないかなというふうに思っております。

 私たち民主党といたしましても、どういう形でこれから国づくりをしていくかということで、地方のことは地方になるべく任した方がいいだろうというふうに思っておりますけれども、関東地方整備局、ちょっとあした、私、視察に行ってまいります。本当にどういう仕事をしているのか、調べた結果、これは県と統合できる仕事も多いのではないかというようなことがわかるのか、それとも、やはり関東地方整備局、これは必要だというふうになるのかまだわかりませんけれども、こういう地方整備局がどうも税金の無駄遣いの温床になっているという印象を私は持ちました。

 きょうは、質問時間がもう来ましたので、これで終わります。

枝野委員長 次に、前田雄吉委員。

前田委員 民主党の前田雄吉です。

 きょう十四日と二十三日は、平成十八年度の決算、そして予備費の審査ということでありますので、本日は、まず予備費のところから私は入らせていただきたいと思っております。

 そして、きょうは重点審査ということでありますので、我が国の農業の再生について、そして後半は、これは国会で初めての提案だと思いますけれども、決算に各目明細をつけていただきたい、そしてもう一つは、決算であれ、予算であれ、財務諸表をきちんと御提示いただきたい、この提案を後半にさせていただいて、財務大臣と議論ができればというふうに思っております。

 では、初めに予備費について、そもそも予備費というものは、いかなるものに支出されるでしょうか。財務大臣、お願いします。

額賀国務大臣 財政法第二十四条に、「予見し難い予算の不足に充てるため、内閣は、予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」と書いてあります。また、憲法八十七条第一項において、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」と規定されております。

 このように、予見しがたい事情によりまして、歳出予算に見積もった経費に不足が生じた場合、あるいは、予算に見積もられなかった新たな経費を必要とするような事態が起こった場合に、あらかじめ国会の議決を経た範囲内で、内閣の責任においてこれを支出することができるということが認められているということだと思います。

前田委員 今、大臣がおっしゃったとおり、予見しがたいものの支出に充てる、これが予備費であるというふうに思っております。

 ちなみに、平成十八年度の予備費の内訳で最高額は、九十三億円のテロ対策。そして、二位がインフルエンザ対策ですね。これは七十二億円。この年は、ちょうど橋本総理がお亡くなりになったので、七千七百万円の葬儀への支出等ありまして、私は、こうした予見しがたい単年度の出費に充てるものがこの予備費ではないかというふうに思っております。

 そこで、まず初めに、これは財務省にお聞きしますけれども、平成十五年、十六年、十七年と、予備費からイラク対策費が出されております。これは私は質問主意書でも聞いたわけでありますけれども、アメリカならば、ちゃんと戦時経済法等立法措置によってこれに対応するわけでありますけれども、日本の場合は、このイラクの対策費、今申し上げたように、平成十五、十六、十七年と三年間続いて予備費でイラクへの支出をしておりますけれども、これは私は、本来立法措置できちんとされるべきではなかったかと思いますけれども、いかがでしょうか。

香川政府参考人 イラク特措法におきましては、内閣総理大臣は人道復興支援活動等を実施する必要があると認めるときは、活動の内容、期間等について定める基本計画を作成し、閣議の決定を求めなければならないというようにされております。

 この基本計画は、平成十五年十二月以降、毎年十二月に期間を一年として策定、延長されてきております。また、十八年十二月には、イラク特措法が十九年七月で期限切れとなることから、十九年七月まで延長されることとされております。

 このため、当初予算編成の時点では、既存の基本計画の期限以降の計画延長について内閣として意思決定が行われていないということで、当初予算編成時点における既存の基本計画の期限までの所要経費については当初予算で措置し、また、それ以降の当該年度内に必要となる経費については予備費によって対応してきております。

 例えば、平成十六年度におきましては、平成十六年十二月十四日までの分を当初予算として百三十五億計上し、十二月十五日から年度末までの九十九億円を予備費で対応しております。十七年度も同様に当初予算と予備費でそれぞれ計上しております。

 見込めるところは当初予算で、それ以降決まっていないところは予備費で対応しているということでございます。

前田委員 これも、見込めるところ、見込めないところということは、見込めない部分が結局予備費だということですけれども、これは金額のバランスを見れば、もっと見込める部分がきちんとあってもいいんじゃないか、予備費で扱う部分が少なくてもよかったんじゃないかというふうに私は思います。ですから、きちんとした予算立てをしていただいて、ぜひ本体の予算あるいは立法措置でこれから御対応をいただきたいと思っております。

 次に、この平成十八年度の予備費の中で二番目に多かったインフルエンザ対策について伺いたいと思います。

 今月施行されました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律によりまして、検疫の強化や入院措置の実施など、新型インフルエンザの予防及び蔓延防止策の一層の充実が図られることになりました。

 WHOのインフルエンザの段階がいろいろありますけれども、今、日本はフェーズ3だということで、パンデミックに対してまだまだそんなに切迫したものではないという状況ではあるものの、やはりより一層この対策の実効性を担保するためには、もしも国内で大流行した場合の患者数やあるいは受診患者数のシミュレーションを可能な限り、先ほどの話ではありませんけれども、的確にしていただいて、それに応じた予算措置を講じていただく必要があると思います。

 このインフルエンザの予防及び蔓延防止策については、毎年度、やはりきちんと当初予算で措置していただくのが正しいのではないかというふうに私は思いますけれども、厚生労働省のお答えをいただきたいと思います。

岸副大臣 今般、法律ができまして、おかげさまで厚生労働省としてもこの対策に万全を期することができるのではないかというふうに期待をいたしております。したがって、来年度以降の予算要求につきましても、今先生のおっしゃられましたように、必要な予算をしっかり確保して、最新の知見や状況の変化に応じて適宜適切な対応ができるように予算を講じていかなきゃならない、そういうふうに思っております。

前田委員 ぜひ、予備費という予見しがたいような支出ではなくて、きちんと措置をして、今副大臣がお答えいただきましたような対策を講じていただきたいというふうに思っております。

 それでは、ちょうど今、このインフルエンザにもつながるわけでありますけれども、鳥インフルエンザ、これは今般、十和田湖あるいは北海道でH5のN1亜型の強毒性の鳥インフルエンザウイルスが発見されております。

 環境省にお尋ねしますが、今般のハクチョウの死骸からインフルエンザが出てきた、感染があった、この現状と対策を簡単に伺いたいと思います。

櫻井政府参考人 今般の十和田湖及び北海道におきますH5N1型の鳥インフルエンザウイルスの検出の関係でございますけれども、十和田湖畔で四月の二十一日に回収されましたオオハクチョウからH5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスが分離されました。これを四月の二十九日に公表しているところでございます。

 また、北海道野付半島の国指定の鳥獣保護区内で回収されました、これは四月二十四日でございますけれども、オオハクチョウからH5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスが分離をされ、この件につきましては五月の五日に公表させていただいたところでございます。

 さらに、サロマ湖畔で回収しましたオオハクチョウからも同じくH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが分離をされ、五月の十日に公表したところでございます。

 環境省におきましては、今般の状況に対応いたしまして、各地方環境事務所あるいは都道府県に対しまして、野鳥の大量死などの異常な状況がないかどうか監視を強めるように指示をし、あるいは要請をしているところでございます。

 また、十和田湖周辺それから北海道内の渡り鳥の主要な飛来地におきましてガンカモ類のふんを一千検体ほど採取をいたしまして、ウイルスの保有状況の調査を行っているところでございます。五月の十二日にサロマ湖で採取をいたしました検体はまだ検査中でございますが、その他の検体につきましてはすべて陰性でございました。

 今後の対策といたしまして、関係自治体と連携を図りながら引き続き野鳥の監視強化に努めるということとともに、十和田湖あるいは野付半島及びサロマ湖におきまして、さらに野鳥を捕獲することによりましてウイルスの保有状況を調査する、あるいは、今回検出されましたウイルスの遺伝子分析によりまして由来の調査を進めるといったことをやってまいりたいと思っております。

 さらに、ウイルスの保有状況調査の対象地域の拡大あるいは調査期間の拡大についても検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

前田委員 これはまだ人への感染は、我が国は出ておりませんのでいいですけれども、隣の韓国では鳥インフルエンザが大流行しております。ですから、中国、韓国からの飛来を考えれば、私は非常に今恐ろしい状態にあるなというふうに、危機的な状況にあるなというふうには思います。

 また、皆さん御案内のとおり、ミャンマーの風水害あるいは中国の四川の地震等で衛生状況が悪くなり、また鳥インフルエンザ等が発生、多発すると人への感染が拡大する等々考えられますので、私はぜひ常時のサーベイランスをやっていただいて、動向を的確につかんでいただく。死骸が発見されて、もう既に飛んでいってしまった後だというのでは、私は対策としてはまだまだ不手際ではないかというふうに思います。

 この常時のサーベイランス、これをどうかやっていただけないかというふうに私は思いますが、いかがでございましょうか。

櫻井政府参考人 常時のサーベイランスということでございますけれども、平成十六年と十九年に家禽での鳥インフルエンザの発生に当たって、そういった渡り鳥からの感染ということもあり得るのではないかという御指摘があったということは承知をしておるところでございまして、環境省といたしましては、平成十七年度から、野鳥を捕獲するあるいはふんを採取するという形で、高病原性の鳥インフルエンザウイルスの保有状況モニタリング調査、いわゆる常時のサーベイランスということを実施してきておるところでございます。それからさらに、平成十八年度からは、カモ類に送信機を装着いたしまして、渡り鳥がどういった飛来経路で来るかということを解明する事業も実施をしているところでございます。

 ちなみに、このウイルスの保有状況のモニタリング調査におきましては、平成十七年度からことしの三月、平成十九年度分までにつきましては、高病原性の鳥インフルエンザウイルスは確認されておりません。また、飛来経路の解明につきましては、韓国、中国、ロシア等との飛来の経路が一部確認をされているところでございます。

 いずれにいたしましても、先ほどお答え申し上げましたように、今回の事例を受けまして、渡り鳥の飛来経路の解明あるいは高病原性の鳥インフルエンザウイルスの保有状況の調査を充実させたということ、さらには、関係国間の連携についても強化を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

前田委員 近代養鶏は非常に大規模でありまして、ここで、例えば防鳥ネット、鳥を防ぐネットで野鳥が飛んでこないようにするとか、それでは防ぎ切れないものがあります。ですから、常時のサーベイランスはしっかりとやっていただいて、特に、隣の韓国では、先ほど申しましたように、鳥インフルエンザが大流行しておりますので、韓国の政府と十分な情報交換を行っていただいて、我が国への鳥インフルエンザの流行を未然に防ぐということをぜひやっていただきたいというふうに思っております。

 それでは、これから農業再生について農水大臣に伺いたいと思います。

 以前から、これは減反政策で、転作推奨に推奨金として三千五百億使う、減反する人には補助金が行って、それ以外の方、もっとつくりたい、そういう意欲ある農家の方には、米をつくろうにもお金が入らないとか、それでは意欲をそぐことになると私は思うんですね。これから日本の農業を再生する道は、もっと米をつくりたいんだという農家の皆さんにきちんとおこたえすることだというふうに私は思います。そして、生活がきちんとできるようになること。だったら、もっと農業をやろうという若者も農村に入っていってくれて、あるいは、今実際にお米をつくっていただいている農家の皆さんも意欲を持ってやっていただけるというふうに思うんですね。

 そこで、私も、愛知県の犬山市に田んぼを一反借りまして、先般の日曜日にパレットにもみ殻をまく作業をやってまいりました、非常にきつかったんですけれども。六月の第二週に田植えをやりますけれども、これは、いわゆる多収穫米の実験をここでやりたいというふうに私は思っておるんです。

 このいわゆる多収穫米、農水省さんの方でかなりいろいろな施策で、例えば、地域水田農業ビジョンに基づく産地づくり交付金とか、あるいは、国産飼料資源活用促進総合対策事業のうち、飼料用米導入定着化緊急対策事業等々、こうしたいい施策をきちんとされているというふうに私は思うんですね。

 ですから、まず、きょう、この委員の皆さんにも、この多収穫米とは何だということがあると思いますので、農水大臣から、例えば、多収穫米はこういうことだ、そして一反で普通の米よりもどのぐらいとれるんだという御説明をいただきたいと思います。

若林国務大臣 委員がお話しいただきましたように、今、日本の水田の中の米の作付は六割に抑制をして、四割は麦、大豆、その他の作物をつくってもらうということを進めているわけでございます。いわゆる生産調整でございます。

 しかし、麦、大豆は、なかなか水田につくれるところというのは限定されてくるわけでございまして、水田というのは、今さら私が申し上げるまでもなく、これはもう、それこそ千年も前から日本の努力によって水田を開き、そしてまた水のシステムというものと結びついた、いわば社会資本そのものであると思うんですね。しかも、水田の中での稲作というのは、連作障害がないという非常にすぐれた特性を持っているわけですから、やはり水田にはできるだけ、生産者もそうですし、お米をつくりたい、こういう要求があることを十分承知いたしております。

 そこで、御飯のための主食用米以外に、例えば米粉パンだとかめんだとか、そういう加工用に回すとか、あるいはえさ用にするとか、場合によっては輸出も、国内需要でなければいいわけですから、輸出用の米をつくるとか。というのは、実は、生産調整の中では、転作扱いとしてそれを扱うような取り扱いにしているわけでございます。それには、しかし収量を相当高くしないとそろばんが合いませんので、高収量の米の開発、稲の開発というのに力を入れてきているわけでございます。

 今委員がおっしゃられました主食用米と主食用以外の多収性の品種の収量でいきますと、いろいろな品種があるんですけれども、かなりつくられているものとしては「タカナリ」という品種がございますが、この品種について言うと、二十年産の水稲の平均の単収は、全国平均で単収五百三十キロですけれども、この「タカナリ」は、その一・四倍、七百五十八キロという収量を上げているわけでございます。その他十種類ほどの多収品種があるんですけれども、これらも大体一・三倍から一・六倍の収量を上げている。

 しかし、なおなお収量を高めるような品種改良というものに力を注いでまいりたい、このように考えているところでございます。

前田委員 今大臣から御説明がありましたように、私は、この多収穫米というのは、これから日本農業にとって非常に意味のあるものだと思いますので、ぜひ力を入れていただきたいと思います。

 そして、今現在、養鶏あるいは畜産農家は、例えばアメリカのトウモロコシの高騰によりまして、バイオエタノール等に使われまして、飼料の高騰で苦しんでいるわけであります。年間大体六千億円ぐらい海外からトウモロコシ等を買っているということでありますけれども、私は、その六千億円と先ほどの減反対策の三千五百億を足せば、一兆円近いお金が農家のところに行くのではないかというふうに思っております。三百万戸の農家の戸数で割れば、十分、もちろんまだまだ助成は必要でしょうけれども、意欲ある農家をバックアップすることができると私は思いますので、意欲ある農家に対して、こうした多収穫米等を利用して農業に当たられ、きちんと手当てもできるような、そうした農政が日本の農業を再生するのではないかというふうに思いますけれども、若林大臣の心意気、意気込みをぜひお聞かせいただきたいと思います。

若林国務大臣 委員御承知のとおり、今、世界各地で穀物価格が高騰いたしておりまして、そういう中で、アフリカでありますとかあるいはまた東アジアでありますとか、各地で食料不足に陥って、社会的な混乱、暴動まで起こるというような緊急事態になってきているわけでございます。

 国連の事務総長も、緊急に、六月の初旬ですけれども、FAOの総会の際に世界のトップを集めて食料サミットを開きたいというお話がありますし、我が国が議長になります洞爺湖サミットにおきましても、福田総理の方から、それぞれの参加国あるいは国際機関に対して書簡を発しまして、この洞爺湖サミットにおいても食料問題というものを議題として取り上げて、食料の安定、安全保障という角度からこれを取り上げていきたいというような書簡を出しているところでございます。

 そういう意味では、この原因まで言うとちょっと時間がかかりますから申し上げませんけれども、これは単なる短期的な問題だけじゃなくて、今後、地球の温暖化が一方で進み、気候変動が激しくなってきますと、どうしてもその影響を受けるというようなこともありますし、経済成長で中国やインドなどの所得が上がってきますと、今まで食べていたものが畜産物にシフトしていく、そうすると、そのえさは、カロリーベースでいうと何倍も消耗するわけでございます。

 そういう新しい穀物需要が拡大していくというようなことを考えますと、我が国におきましても、水田を有効に活用して穀物の生産に結びつけていくということが大事なことだというふうに考えております。この五月七日に、食料の未来を描く戦略会議というのを官邸で開いて、そこではやはり将来の課題として、米粉のパンであるとか、あるいはめんであるとか、そういうのとあわせて、飼料用の米の生産というようなことについても積極的な取り組みという課題がそこで示されているわけであります。また同時に、新農政二〇〇八の中におきましても、そういう水田の有効な活用をして、安全保障の面からも稲作を、御飯、主食用以外の稲作というものにも着目してこれから進めていくというような方向性が示されているところでございます。

 しかしながら、それにはなおなお単収をもっと上げていかないと、トウモロコシなどの栄養価比較でいいますと、えさにはなかなか使いにくい、現に使っているところがあるんですけれども、これはいろいろな助成措置などを別途講じながら、畜産農家に、米を使っても差し支えない、むしろ米でつくった肉なんだということが高付加価値として評価されるというようなことを認識してもらわなきゃいけないということもございます。

 そういうような意味では、畜産農家と稲作農家との間のつなぎを協議する協議体制というのをつくりまして、主食用に回らないということをそこで確認した上で畜産農家の方に助成をし、それが稲作農家の方に共同体として入っていくような、そういうコーディネーションの中で畜産農家に米をえさとして使ってもらうということ、そしてそれはどのくらいの割合まで使えば肉質などにいい影響があるかというようなことも、まだまだ試行錯誤でございますので、現場の農業地域において今のようなことを進めながら、できるだけ畜産の農家にありましても、あるいは配合飼料の原料の一部として米を使っていくというようなことも含めましてこれから力を入れていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。

前田委員 ぜひ、若林大臣が今おっしゃったようなコーディネーション、そしてこの多収穫米のもみの研究等、そちらにも、品種改良等、力を入れていただいて、米づくりで米価を維持しながら、この多収穫米を用いながら、日本農業が再生するようにぜひお願いしたいと思います。

 これで農水大臣への質問を終わらせていただきますので。本当にありがとうございます。

 そして、これからは、ちょっと質問の順番を入れかえますけれども、政府は予算書を国民の皆さんにわかりやすくすること、そして、政策ごとに政策評価がきちんとできるようにしていくことがやはり私は大事じゃないかというふうに思うんですね。ですから、これから二つの、先ほど申し上げた、初めての提案だと思いますけれども、決算でも各目明細をつけていただきたい、そして、予算であれ決算であれ、少なくとも財務諸表をつけて、これは普通の会社では当たり前のことなんですから、私は、この二点を御提案申し上げて、少し議論をしたいなというふうに思っております。

 予算制度改革の一環として、二十年度の予算から予算書表示科目の見直し、これを行っていると言われておりますけれども、具体的にはどのように見直されたのか、そして、それが決算及び政策評価とどのようにリンクしているかということについてお答えいただきたいと思います。

 今、我が国の決算書というのは、予算書等もそうですけれども、とにかく予算書をまず一つ例に挙げましょうか。一月の半ばに、私ども国会議員のところに回るわけですね、あの電話帳のような、一般会計、特別会計という横開きの分厚い予算書ですけれども。それに、決算書もまた決算の時期に来ますけれども、見ますと、項と目が一致していない。だから、幾ら調べようにも、ちゃんと予算措置がとられたことが決算できちんとされているかというと、なかなか見にくい、これが現状であります。

 ですから、この二十年度の項、目、後で御説明いただくと思いますけれども、決算書にも予算書にも、項、目を一致させて、そして政策評価がきちんとできる、このようにされると思いますけれども、財務省、具体的に御説明いただきたいと思います。

香川政府参考人 予算及び決算の透明性を高めるということは、事後的な政策の評価を行いやすいものとし、予算の効率化を図っていく上で大変重要なものと認識しております。

 予算書には、項という言葉でありますとか、項をやや小さくした事項という言葉、それから目という言葉が出てまいりますが、この項というのが政策目的別の分類で、これは国会の議決対象になっております。目というのは、項とはまた別の考え方の分類でございまして、経費の性質別あるいは使途別の内訳でございます。こちらは、ですから、旅費でありますとか庁費でありますとか謝金とか、そういう性質別の分類になっております。

 平成二十年度に、政策ごとの予算、決算を示すべく、予算書、決算書の表示科目の見直しをいたしました。基本的には、先ほど申し上げました政策目的別の分類である項及び事項と、それから政策評価の単位を原則として対応させる形で見直しを行ったところでございます。これによりまして、予算及び決算の内容がわかりやすくなったとともに、予算、決算とその成果が比較対照可能になり、事後的な評価が行いやすくなったというふうに考えております。

 一つだけ例を申し上げますと、例えば厚労省の政策評価の単位といたしまして、「感染症の発生・まん延の防止を図ること」という政策単位がございましたが、これは、従来の予算書上は、保健衛生諸費の一部あるいは科学研究費の一部、厚生労働本省の一部というように、いろいろなところにばらついて入っておったわけです。これは、見直し後、一本の項として、感染症対策費というように見直しをした、そういう政策目的別に予算をくくり直して評価がしやすいような見直しを行ったということでございます。

前田委員 今詳しく説明していただいたんですね。なかなか皆さんわかりにくかったかもしれませんけれども、要は項、目を一致させるということだと思いますので、きちんと、予算で立てられた項、目が決算でどういうふうに生きているかということがはっきりとわかるようになると思います。ぜひこれを実現していただきたい。決まったことですので、やっていただけると思いますが。

 いかにわかりにくいかというのは、例えば二十年度の予算書の中で、厚生労働省の箇所を見れば、厚生労働省の試験研究費、研究機関には医薬品食品衛生研究所や社会保障・人口問題研究所など四つがありますけれども、ここの諸手当、旅費、庁費などは、本省の試験研究所共通費としてまとめて一括で予算書に上がっているわけですね。それだけで、予算書だけではわからないものですから、これは予算の各目明細、続いている薄い資料ですけれども、それを見て初めてわかるようになっているんですね。

 ですから、私は、反対に、決算書の方にもこの各目明細をきちんとつけていただいて、予算にはあるわけですから、それで国会に提出していただければ、細かくきちんと、どの研究所が幾ら予算があって決算ではこうだったというふうに一致する、こうしたシステムの方が、より国会では審議がしやすい、当決算委員会でも審議がしやすくなるのではないか。ですから、決算にも各目明細をつけていただきたい、そのように思いますけれども、財務省のお考えを聞かせてください。

香川政府参考人 先ほども申し上げましたが、政策単位というのは項ということで分類しておりまして、目についてはそういう性質別、使途別の分類になっております。

 各目明細書というのは、目についてその中をさらに詳しく分けておるわけですけれども、予算の各目明細書にはそういう細別した分類があるわけですが、決算の方には今ございません。これは、執行事務といいますか、あるいは決算事務が煩雑になるということで、運用上、ある程度同じ目の中で弾力性を持って執行した方がいいということで、全体としての行政運営の効率性の観点から、これは各省の御判断でありますけれども、決算書については各目明細書がついておりません。これは、執行はある程度弾力的にということでございます。

 それから、目的ということでいえば、各目明細書というよりも、各目明細書というのは、本当の、光熱水料とかそういう性質別の分類でございまして、予算計上の目的でありますとか政策上の評価ということであれば、予算書の後ろに財政法二十八条の予算参照書というのが細かくついておりまして、そこに事項別に、何々のための何々の経費というようなことで書いております。この事項別の説明は、毎年できるだけわかりやすいものとなるように工夫をしておるところでございまして、いずれにしても、できる限りわかりやすく透明性を持ったものにしようという努力は続けていきたいと思っております。

前田委員 予算の方で細かくというのはいいんですけれども、私が言っているのは、決算の方できちんと細かく出していただきたい。だったら、入り口もわかって出口もはっきりわかっているわけですよ。先ほど、より柔軟にという、そのより柔軟にが無駄遣いを生んでいるわけで、ぜひ決算にも各目明細をつけていただきたい、私はそのように要求しておきます。

 きょうは、経産大臣もお見えですので、今度は経済産業省の予算の中でのお話を伺いたいと思います。

 技術革新促進・環境整備費という項がありますけれども、それは、一番目に産業技術の研究開発推進に必要な経費、二番目に中小企業の新技術研究開発推進に必要な経費などがあって、総額二十七億円が計上されているわけであります。この予算の目的は、この予算書の説明の中でははっきりわからないわけですね。

 経産大臣、これを一度御説明いただきたいと思います。

甘利国務大臣 総額二十七億でございますが、この御指摘の技術革新促進・環境整備費につきましては、今般の予算書の見直しによりまして、四点、つまり、一として、イノベーションを支える基盤の強化拡充、二といたしまして、環境重視、人間重視の技術革新、社会革新の実現、三といたしまして、研究開発成果が社会に還元され、イノベーションの創造に寄与する技術開発が展開されるための環境整備、四として、イノベーションを担う技術人材、研究人材の育成を達成するために必要な事業として整理をし、予算を計上しているわけであります。

 委員御指摘のとおり、予算が計上されている、これは何のために使う予算かがわかること、それから、予算が使われた結果、どういう成果、評価だったか、これが全部つながっていくのが親切、おっしゃるとおりだと思います。

 そこで、経済産業省では、要求時に、施策ごとにその目的等を明らかにして事前評価というのをやります。事前評価書、これを見ますと、この予算がどういう目的でとわかりやすく書いてあるはずであります。その結果を今ホームページで公表しているわけであります。そうした取り組みを通じまして、予算措置の趣旨や目的及び政策評価体系における施策との関連について国民がわかりやすく確認できるようにやっていく。それが、恐らくうちの予算も、御努力をされて探していったら、こういう目的だとおわかりになったと思います。それがすぐわかりやすいようにいろいろ工夫をしていきたいと思っております。

前田委員 ぜひ、今大臣がおっしゃったように、技術革新の促進・環境整備、この項のところには事前評価書というのが、これは私もネット上で当たりまして、やはりこれは、実際には経済産業省さんが財務省さんに予算要求される、予算獲得のための説明資料だったと私は思うんですけれども、ぜひ、これを初めから予算書等につけていただいて、大臣が言われるように、国民の皆さんに明らかになるようにわかりやすい形にしていただきたいと思います。

 時間が大分迫っておりますので、最後の質問でございます。

 いわゆる特別会計、ここで、財務諸表の添付がばらばらの状態になっているんですね。私は調べましたけれども、平成十八年分、二十一の特別会計の中で七会計では財務諸表、貸借対照表、損益計算書等が全く添付されておりません。私は、これがやはり、我々この決算委員会で審査する側にとりまして、あるいは国民の皆さんにとってわかりやすい決算書あるいは予算書という面からいいますと、決算であれ予算であれ、私は、きちんと財務諸表をつけていただきたい。

 それができないかといいますと、実際にはきちんとやられているんですね。例えば、平成十五年十一月二十六日、財政制度等審議会、ここの「特別会計の見直しについて 基本的考え方と具体的方策」、ここに全部の特別会計の財務諸表が載っているんですね。どうせ出すんだったら、ぜひ特別会計分の決算についてもきちんと全部そろえて財務省に出していただきたい、私はそのように思います。

 この二つ目の、決算であれ予算であれ、財務諸表をきちんと全部載せていただきたいという提案について、財務省、いかがお考えでしょうか。

香川政府参考人 もともと、幾つかの特別会計を除いて、貸借対照表とか損益計算書というのはついておったわけですが、近年の特別会計改革の議論の中で、特別会計の情報開示をより一層やろうということで、公会計改革といいますか、企業会計の慣行を参考とした財務書類を全特別会計について作成するということにいたしまして、十九年三月に成立した特別会計に関する法律で、今やそういうことになっております。

 企業会計の財務諸表そのものですと、むしろ余りよくわからなくなるということで、これは長年、議論を財政制度審議会でも検討しまして、貸借対照表、それから資産・負債差額増減計算書、それから業務費用計算書、区分別収支計算書ということで、企業会計の考え方を入れた財務諸表を全特会についてこれから出すということになっております。

前田委員 ぜひ、企業では当たり前のことなんですよ、財務諸表を出すというのは。決算書、一年に一回計算出しますけれども、各企業当たり前にやっていることでは、国もきちんとやっていただきたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 これより全般的審査を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井潤一郎委員。

安井委員 中小零細事業者の集まり、商店会、その商店会の会長を昨年四月まで十五年間務めさせていただきました。地元新宿区、その新宿区の商店会連合会の副会長は現職で務めさせていただいております。いわゆる地域、その地域の中の金融機関であります信用組合、信用金庫の皆さんとは大変懇意におつき合いをさせていただいた会長職でございました。私自身も小さな食料品スーパーの社長を二十五年間務めさせていただきましたので、何度も融資は受けさせていただきました。

 詐欺師でもない限り、破綻しようと思って事業を始める人はおりませんし、返さないつもりで銀行の融資を受ける方はいらっしゃいません。結果として、事業の継続ができなくなり、倒産や破産が起こり、信用保証協会がその債務をしょい込み、税金で処理される。もし、もっと早く手を打つことができたのだとしたらその債務は軽微で再挑戦も可能なのに、最後まで突き進んで自分の命を自分で縮めて負債の軽減を図る、一体なぜなんだろうと思っておりました。

 中小零細事業者は自分の事業の内容を把握していないからか、このまま続けていったときの状況の想像力が欠如しているからか。私は決してそうは思っておりません。この中小零細事業の不況感は、経営者にとって、経営にとって血液とまで言われておりますお金が回らなくなったからだと思っております。

 金融庁の考え方に大きな問題があるのではないかと思っております。何十億、何百億という資本金を持っている大企業と同じ尺度で中小零細事業者をはかろうとするその体制に大いに疑問があります。今後は、やめることのできる融資制度の創設が重要のように思えてなりません。本日は、この点について金融庁にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 今月で店を畳む、やめると言ったら、取引先の問屋、メーカーさんはすぐお見えになり、商品代金の回収が始まります。買ったものの代金を払うのですから当然であります。ただ、商売、左うちわでやっている人はやめません。もうかっていれば後継者もいます。先行きが不安で今も苦しいからやめるわけであります。

 キャッシュフローのない商店主が買掛金の支払いを十回に分けてくれとか三回に分けてくれと言ったら、何と言うか御存じでしょうか。つぶれてくださいと言います。倒産してくれれば貸倒引当金で税金の軽減が図れるからだそうであります。しかし、この国は、会社をつぶしたり店をしくじったりすれば人間性まで否定します。ですから、やめられずに、家族、親戚、友達から借りまくり、最後は自分の命を縮めます。

 私は、現場の経験から、この国にはやめられる融資制度が必要だと強く思っております。具体的には、住んでいる家はさわらない、乗っている車もさわらない、現預金も三百万まではさわらないという条件の、当然、金利も若干高目の融資制度の創設を望みます。地元の金融機関にこのようなお話をさせていただいても、金融庁が許さない、この一言で検討にも入りません。

 金融庁が新たな融資商品をつくることを指示、命令する立場ではないことを存じてはおりますが、現場の状況から出たこの要望についての所感をお聞かせいただきたいと思います。

    〔委員長退席、横光委員長代理着席〕

戸井田大臣政務官 安井先生には大変御実感のこもったお話を聞かせていただきましたし、また、商売をやっている方だけでなくて、それを利用している方も逆にそういう状況になると困るということもあるわけですけれども、今、金融機関の個人事業主向けの融資に当たっては、借り手保護の観点からも、返済能力を十分に考慮することが重要であると考えております。

 金融機関が具体的にどのような融資を行うかについては、各金融機関の経営判断に関する事柄でありますので、各金融機関においては、適切なリスク管理を行いながら、顧客のニーズにより的確に対応した商品開発の取り組みを進められることを期待しているというのが金融庁の立場であります。よろしくお願いいたします。

安井委員 ありがとうございます。

 ベンチャー企業への投資促進を促すエンジェル税制を始めていながら、この国の金融機関を指導監督する立場である金融庁の検査官は、信金、信組で検査の折に何とおっしゃっているのか、御存じでしょうか。

 親の代から続いている事業が時代に合わなくなり、事業不振が続き、新業態に転換を図ったとしても、過去の債務が残り、一年目は当然赤字、二年目もよくてとんとん、利益は出ません。でも、三年目にはよくなると思っても、金融機関から融資は出ません。売り上げが上昇し、事業が拡大するから資金が必要になってくるのに出ません。

 融資の相談のときには、前二期分の決算書の提出が普通でありますが、二期連続で利益の出ていないところに金融庁さんは何とおっしゃるか。要注意先と言われるのではないでしょうか。今までの赤字の積み重ねから債務超過になっていたら、破綻懸念先という言葉をお使いになるのではないでしょうか。こんな言葉を聞かされた信金、信組の融資担当者が、この新業態の事業者に対して融資を実行するとお思いでしょうか。

 地域を元気にしようと思って各施策を講じているのに、金融庁がその足を引っ張っているかのようなことをされていることについて、どのようなお考えか、お聞かせください。

戸井田大臣政務官 金融検査における資産査定においては、金融検査マニュアルの記載を踏まえ、債務者の実態的な財務内容のみならず、貸し出し条件及び履行状況、事業の継続性と収益性の見通し、経営改善計画等の妥当性、金融機関等の支援状況等、多くの材料に基づき、業種の特性も踏まえ、総合的に勘案して判断しているところであります。

 特に中小企業向け融資を評価するに当たっては、中小企業の経営、財務の特性等を十分に踏まえ、経営実態を適切に把握することが重要であることから、経営改善計画等は重要な評価が必要である、また、中小企業とその代表者等の一体性に着目が必要、数字にあらわれない技術力、販売力、経営者の資質に着目が必要などの、中小企業の経営実態を把握する際の具体的な着目点を記載した金融検査マニュアル別冊、中小企業融資編、平成十四年六月に策定されておりますけれども、これを用い、債務者区分の査定を行っております。

 御指摘の、経営改善に取り組む中小企業についても、金融検査マニュアル及びマニュアル別冊を踏まえ、二期連続赤字あるいは債務超過といった表面的な事象のみをもって機械的に債務者区分を判断することなく、経営改善への取り組み状況を含めた、当該企業の経営実態を踏まえた総合的な判断を行うこととなっております。特に、合理的かつ実現可能性の高い経営改善への取り組みを進める中小企業の債務者区分は要注意先以上になることから、検査が金融機関の融資の実行を阻害する要因になることの御懸念には及ばないものと考えております。

 マニュアル別冊は、金融機関のきめ細やかな経営相談、経営指導等を通じた積極的な企業、事業再生への取り組み等の金融機関による債務者への働きかけの度合いを重視し、債務者区分の判断等においてもこの点を十分勘案するものであり、中小企業においては、金融機関の協力のもと、積極的に経営改善に取り組んでいただきたい、そういうふうに思っております。

    〔横光委員長代理退席、委員長着席〕

安井委員 大企業と中小企業に対しての検査マニュアルは違うという御答弁をいただきましたが、それならば、なぜこのような文言が現場の検査の折に出るのか。監督官庁から言われた言葉に対して抗弁できないのは、マニュアルが公表されていないからではないのでしょうか。

 現場の検査の方はもちろん、監督、検査を受ける立場の金融機関の担当者にもわかるようなマニュアルの公表について、金融庁の御所見を伺います。

戸井田大臣政務官 検査マニュアルの公表については、透明な行政の確立に資するだけでなく、金融機関の自己責任に基づく経営を促すことにもつながるものと考えております。こうした観点により、平成十一年策定の金融検査マニュアル及び平成十四年策定の金融検査マニュアル別冊、中小企業融資編については、策定時よりこれを公表しております。

 特に、中小企業向け融資の評価に当たっては、大企業とは異なる中小企業の経営、財務面の特性等を十分に踏まえ、経営実態を適切に把握することが重要との認識のもと、金融機関の担当者に対して、マニュアル別冊の趣旨について、あらゆる機会を通じて周知徹底を図っております。

 最近では、本年二月二十日に行われました関係閣僚における年度末に向けた中小企業対策の申し合わせを受け、翌二十一日、年度末金融の円滑化に関する意見交換会において、各金融関係団体の代表に対して大臣、副大臣から要請を行うとともに、文書でも金融機関に対し周知徹底を行ったほか、四月四日の経済対策閣僚会議にて取りまとめられました成長力強化への早期実施策を踏まえ、金融庁及び財務局における金融機関との意見交換会等を通じて一層の周知徹底を図っております。

 一方、借り手である中小企業にはマニュアル別冊が定着しておらず、マニュアル別冊の趣旨を踏まえた金融機関の取り組みが不十分になっているとの指摘があります。こうした指摘を踏まえ、マニュアル別冊のうち、借り手である中小企業が金融機関と融資の交渉を行う、あるいは経営改善への支援を求めるといった際に役立つ内容をわかりやすく記載したパンフレットを作成し、説明会を各地の商工会議所、法人会等にて開催しております。

 金融庁としては、こうした取り組みによるマニュアル別冊の周知徹底等を通じ、我が国経済の基盤を支える中小企業に対する金融の円滑化を図ってまいりたいと思っております。

安井委員 時間がちょっと足りないので質問を一つ省かせていただき、最後の質問をさせていただきたいと思います。

 今、大臣政務官からお話のありましたように、マニュアルの公表、これも今までやっている。ところが、これをなかなか我々が知らないという問題。金融庁の皆さんにも、現場の皆さんとの接点を御用意させていただきたいと思っております。

 本年十月二十二日に、福島県の福島市を会場にして、全国商店街まちづくりサミットが開催される。ここに出られたらいかがでしょうか。おいでいただき、金融庁が語る金融機関とのつき合い方というお話をしていただくことができましたら、金融庁本体のお考えと方向性をもっと正確に町の皆さんに知っていただく大きな機会だと思いますが、いかがでしょうか。

戸井田大臣政務官 先ほども申し上げましたけれども、金融庁では、マニュアル別冊のうち、借り手である中小企業が金融機関と融資の交渉を行う、あるいは経営改善への支援を求めるといった際に役立つ内容をわかりやすく記載したパンフレットを作成し、「中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識」と銘打って、説明会を各地の商工会議所、法人会にて開催しております。

 説明会の開催に当たっては、従来より、中小企業が主たるメンバーである商工会議所、法人会等に御協力をいただき、会合の際にお時間をちょうだいしているところであります。

 御指摘の全国商店街まちづくりサミットについても、商店街の中小企業に対する説明のよい機会であります。前向きに検討していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

安井委員 ありがとうございます。

 どうか、金融機関の自己経営判断、自己責任のもとに、やめることのできる融資制度の創設について格段のお力添えをお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

枝野委員長 次に、木村太郎委員。

木村(太)委員 十五分だけいただきましたので、早速質問に入りたいと思います。

 私、四月三日の福田内閣メールマガジン二十五号を読みまして、今手元にあるんですが、総理が道路財源につきまして真正面から国民の皆さんに語りかけているというふうに感想を持ちました。その第一番目に、総理は無駄遣いの根絶を約束されております。

 今、私たち、地元に帰りますと、地元の皆さんの声として、道路問題、高齢者の医療保険、また社保庁、年金、いろいろなニュースがある中で、官のあしき体質を根絶すべきだという声を一番受けとめさせていただいております。

 先週、衆議院では、国家公務員制度改革基本法案の審議がスタートしました。また、私ども自民党でも、道路関係公益法人改革につきまして、党行政改革推進本部や道路調査会、そして与党PT等で議論を重ねまして、五月七日、総理に申し入れもしているところであります。きのうも、道路調査会の場で、さらなる踏み込んだ厳格な対応を求める確認をしたところであります。

 そのメルマガの中で総理みずから国民の皆様に語りかけております、例えば、娯楽用品を買うなどの不適切な支出、あるいは公益法人の廃止、民営化、あるいは不透明な天下りの徹底的な排除など、官のあしき体質を国民の視点に立ってどう改革していくのかということが今問われているんだと思います。

 そこで、総務省におきましては、国家公務員退職手当の支給の在り方等に関する検討会を設置し、先月、中間取りまとめがあったというふうに聞いております。今後、最終報告を、いつまで、どのようにまとめまして、また、それをどう具体的に実行していく決意か、増田総務大臣の決意を語っていただきたいと思います。

増田国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。

 あってはならないことでありますが、国家公務員の不祥事が起こって、そして退職手当がそのまま支払われるということに対して、国民の不信というものが大変あるということでございます。こうしたことがございますので、昨年十一月に総務省で今先生御指摘の有識者検討会を開催して、四月の十八日に中間取りまとめを行いました。

 現行制度は、御案内のとおり、退職後に不祥事が発覚した場合に、これは禁錮以上の刑に処せられたときに限って支給済みの退職手当を返還させることができる、こういう制度でございます。したがいまして、ここに国民のいろいろな不信の根っこがあるわけでございますので、検討会では、この返還事由を拡大して、懲戒免職相当のときであっても退職手当の返還を可能とすることなど、そのほかにもいろいろございます、きょうは省略いたしますが、例えば懲戒免職相当のときにも退職手当の返還を可能とすることなどについて今鋭意検討を進めておりまして、五月中、今月中を目途に最終報告を取りまとめる、こういう予定と聞いております。

 今、先生、覚悟のほどということでございましたが、総務省として、何としても公務に対する国民の信頼を回復するために、この検討会の報告書を踏まえて、今後、法制化の作業を進めて、しっかりとした制度の整備を行っていきたい、このように考えているところでございます。

木村(太)委員 ぜひ大臣のリーダーシップを発揮していただいて、取り組んでいただきたいというふうに思います。

 では、二つ目の項目に入りますが、先ほども質問がありましたが、先月中旬から今月にかけまして、私の地元青森、秋田の十和田湖やあるいは北海道サロマ湖、野付半島等で、次々にオオハクチョウの死骸から強毒性のH5N1亜型鳥インフルエンザが検出されているわけであります。

 これまでと違いまして、渡り鳥でありますオオハクチョウからの検出である、また、西日本中心で発生していたのが、北日本、しかも有数の観光地で見つかったことに、周辺の養鶏農家はもちろん、これらの地域の皆さん全体が大きな不安を今持っているところであります。

 自由民主党、我が党でも、鳥インフルエンザ対策本部を早速開きまして、昨日も各省庁に万全を期すよう求めておりまして、私もきのうその場にいて幾つか指摘させていただきましたが、当委員会でもさらに問いたいと思います。

 まず一つ目、鶏などの家禽から鳥インフルエンザが発生した場合は、家畜伝染病予防法に基づく防疫指針に沿って各県の防疫体制が構築され、対策が講じられることになっておりますが、野鳥で発生した場合は明確な指針が今現在ありません。各県に任せるのではなくて、国としての統一した指針というものを定めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

鴨下国務大臣 今先生おっしゃるように、四月下旬から五月上旬にかけて、十和田湖、野付半島及びサロマ湖において野生のオオハクチョウから高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された、こういうようなことを受けまして、野鳥が高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染することが疑われた場合や実際にウイルスが検出された場合、都道府県担当部局の速やかな情報共有や死亡個体の保存などの対応について一定の考え方を示す必要がある、こういうふうに考えているわけでございます。

 環境省としましては、野鳥やウイルスなどの専門家の意見を伺いながら、都道府県における望ましい対応のあり方を取りまとめることとしております。夏を目途にマニュアルを作成しまして、都道府県等に配付し、活用を促していきたいと考えております。

 なお、当面の措置として、死亡個体の取り扱いあるいは保管及び検査方法等について留意事項を取りまとめまして、五月九日に文書で都道府県に通知したところでございます。

木村(太)委員 ありがとうございました。

 今度は農林水産大臣にお伺いしますが、環境省も農林水産省も、この事態を受けて専門家会議を開かれているようでありますが、そこで、大臣におかれては、いわゆる生産者、養鶏農家の声を、こういう状況の中で団体等を通じても、ぜひ聞く機会を持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

若林国務大臣 このたびの高病原性鳥インフルエンザウイルスが、秋田、さらに北海道二地区で確認をされて以来、養鶏農家に大変大きな不安を与えているというふうに承知いたしております。

 この養鶏に対する対応策としましては、委員も既に御承知だと思いますけれども、野鳥が鶏舎などに入ってくるのを防止する、あるいはまた、出入り口の消毒を徹底するなど農場における飼育管理の徹底を農業者の方にお願いする、それと同時に、異常な鶏については早期に発見して早期に通報をいただく、改めてこのことを農業者の皆さん方にお知らせし、指導をしているところでありますし、これを予防するという意味合いで、全額国費によりまして、消石灰などによる農場の緊急消毒を講じているところであります。

 そういう意味で、そのこと自身、農業者に対しては、こういう措置を講じていくので、万々一のことがないように体制を整えていきましょうというお話はしているわけでありますが、にもかかわらず、農業者の方がいろいろな不安をお持ちであることは承知いたしております。

 その意味で、家畜防疫上の対応について専門家の意見を聞く、昨日も、食料・農業・農村審議会の家畜衛生部会の家禽の疾病の小委員会を開きまして、この検討をし、意見を聞いておりますが、委員がおっしゃるように、これらの対策とあわせまして、やはり、生産者の方々に対してもこのような不安が広がらないように、機会をとらえて説明を行い、また、生産者の御意見も伺っていきたいと考えております。

木村(太)委員 ぜひお願いしたいと思います。

 先ほど言ったとおり、北日本で今回こういう動きになっているということですので、やはり現場の周りの農家の皆さんの声をぜひ率直に受けとめるよう、努力をいただきたいと思います。

 厚労副大臣にもお伺いしますが、先ほども前田委員がおっしゃっていましたが、隣の韓国では、四月にことし最初の感染が確認されて、わずか一カ月で済州島を除く全土に広がり、そして、インフルエンザの治療薬であるタミフルの備蓄を現在の二倍にふやすよう韓国政府は決定したようでありますし、また、李明博大統領は人への感染予防の徹底を指示したというふうに伺っております。

 今回、日本でのこのハクチョウを通じてのことでありますが、ハクチョウからの警告を、人に感染する新型インフルエンザウイルスがあらわれるかもしれない警告としてとらえて、日本政府としての備えをどうしていくのか問いたいと思います。

岸副大臣 先生おっしゃったように、韓国の今回の鳥インフルエンザ対策として、現在百二十四万人分のタミフルがあるということでございますが、これを倍に今ふやす、こういうことを、これは電話でございますが、確認をいたしております。

 そこで、我が国におきましても、この新型インフルエンザ対策について、これは、予想される高い感染力や病原性から人命にも多大な影響が及ぶことが考えられ、その対策は、おっしゃいますように、国家の危機管理上極めて重要であると認識しております。

 これまで、いわゆるタミフルを二千八百万人分、これは全人口の二二%分に当たるわけでございますが、確保いたしまして、行動計画やガイドラインの策定、ワクチンの研究開発及び備蓄など、関係省庁とも連絡、連携し、推進してまいったところでございます。

 さらに、今年度よりは、約六千人を対象に、プレパンデミックワクチンを事前に接種して、ワクチンの有効性や安全性について評価を行い、その結果を踏まえまして、次年度は医療従事者や社会機能維持者一千万人に対して接種をすることについて検討を今しているところでございます。また、今国会におきまして改正法案を成立させていただいたところでございますから、今後も引き続きこの新型インフルエンザ対策に万全を期していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

枝野委員長 木村委員、端的にお願いします。時間が少しです。

木村(太)委員 まだ来ていません。まだ紙が来ていない。

枝野委員長 端的にお願いします。

木村(太)委員 いや、まだ来ていないよ。時間になりましたという紙がまだ来ていません。

枝野委員長 だから、もう少しで終わりそうだから端的にお願いしますと言っただけであって、切っているわけじゃないじゃないですか。

木村(太)委員 それぞれ大臣、お忙しい中、御答弁いただきましたので、それぞれの立場でぜひリーダーシップを発揮して努力していただきたいと思います。

 終わります。

枝野委員長 次に、平岡秀夫委員。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 久しぶりに国会の質問に立たせていただきまして、補欠選挙のときにいろいろなことがございまして、改めて税金の使い方というのはどうあるべきなのかということを考えさせられたわけでございます。

 いわゆる三点セットというのがございました。消えた年金問題、それから道路特定財源、暫定税率の問題、そして後期高齢者医療制度の問題、これらはマスコミがあえて三点セットというふうにプレーアップしたような気もしますけれども、こうした問題に共通しているのはやはり税金の使い方の問題だと思います。

 税金の使い方という場合、いろいろな側面があります。一つは、どういう政策分野に税金を使っていくのか、例えば道路整備なのか、あるいは安全保障なのか、あるいは介護、医療といったような社会福祉なのかといったようなものもあると思います。それから、税金の無駄遣いというのも一つの税金の使い方の問題だと思いますね。これは、国土交通省は道路特定財源をめぐっていろいろ批判を受けましたけれども、税金の無駄遣いというものもありました。そして、三番目に私が指摘したいのは、税金の恣意的な使い方というのがされていないかどうか、この点が私は特に補欠選挙のときに痛切に感じたところでございます。

 したがいまして、きょうは、税金の恣意的な使い方が行われているのではないか、どうだろうかというような視点を中心に質問していきたいというふうに思います。

 補欠選挙において、政府・与党の方々の中に品格が問われるような行動があったりしましたものですから、その問題を私が取り上げると私自身もちょっと品格を変えてしまうようなところが出てくるかもしれませんけれども、それは事柄の性格上、お許しをいただきたい。本来であれば、もっと品格のある質問もしていきたい、品格のある議論も両大臣としていきたいというふうに思いますけれども、お許しをいただきたいというふうに思います。

 その品格が問われる行動の中には、当然、先ほど申し上げましたように、税金の恣意的な使い方に関するものがあるわけでありますけれども、その前にちょっとだけ、与党の大物議員の品格を問われる行為について質問をしてみたいというふうに思います。

 五月十五日号の週刊文春とかあるいは昨日発売された五月十四日付の日刊ゲンダイで、安倍前首相が応援演説で、公職選挙法第二百三十五条、虚偽事実の公表に当たるのではないかと指摘されているような応援演説をされたというふうに報道されております。

 具体的な中身はそれぞれの記事を見ていただければと思いますけれども、そのエッセンスを抽象化して言いますと、全国的に著名な時の人について、その人が特定の候補者を応援しているんだ、支持しているんだというようなことを非常にリアルな場面を設定して応援演説をしている、これ自体は虚偽の内容であるということであるわけでありますけれども、これは公職選挙法第二百三十五条、虚偽事実の公表に当たるのではないかというふうに思いますけれども、選挙部長、いかがでしょうか。

久元政府参考人 委員が御指摘になりました公職選挙法第二百三十五条の第一項でありますが、当選を得または得させる目的をもって公職の候補者等の身分、職歴、経歴等、または、公職の候補者に対する人もしくは政党その他の団体の推薦もしくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮または三十万円以下の罰金に処するというふうにされているところであります。

 個別の事案につきましては、具体の事実に即して判断されるべき事柄でありますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

平岡委員 私は前も倫選特で同じような質問をしたときに、そういう答弁をされたんですよ。だけれども、選挙について言えば、いろいろ問い合わせがあるんですよね。私はこういうことを言いたいんですけれども、それはいいですかと。私はさっき抽象的なことで言いましたけれども、そういう相談を受けたらどうやって答えるんですか。

久元政府参考人 まずは、公職選挙法の規定、こういうような規定になっておりますということと、あとは、御質問の内容によりまして、その判例などを引用しながら、具体的な事例について必要があれば補足して説明をさせていただいております。

平岡委員 では、私が今聞きますからね。

 全国的に著名な時の人が特定の候補者を応援しているとか支持しているというふうなことを言いたいんだけれども、これは本当ではありません、虚偽の内容ですけれども、これを応援演説でしゃべってもいいですかと私が選挙部に聞いたら、どう答えるんですか。

久元政府参考人 先ほどの条文についてまず御説明をさせていただいた上で、この虚偽事項公表罪につきましては、昭和三十八年十二月十八日に最高裁の判決が出ております。この判決によりますと、公表事項の虚偽であることをもって犯罪構成要件としているので、その成立を認めるには、公表事項が虚偽であること、それから、行為者においてその虚偽であることを認識していたことの証明を必要とする。こんな判例もありますので、こういうようなことを説明させていただくことになろうかと存じます。

平岡委員 私が抽象的に話した話は、要するに、虚偽事実の公表罪に当たる可能性があるということを今説明されたわけですね。

 これについてどうですか。警察庁の方では、この関係についてはしっかりとした捜査をやっているんですか。どうですか。

米田政府参考人 公職選挙法違反につきましては、法と証拠に基づきまして、厳正、公正に対処したいと考えておりますけれども、個別の事件を捜査するとかしないとかといったことについては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

平岡委員 お決まりの答弁ですから、私はそれ以上言いませんけれども、法と証拠に照らして適切な捜査を行うということをこれまでも言ってきているわけですから、ちゃんとその基本方針に基づいて適切な対応をしていただきたい、このことは要請しておきたいというふうに思います。

 そこで、恣意的な税金の使い方をしていないかという問題にまた戻ってまいりますけれども、実は、与党候補者の方は地元の問題としていろいろ取り上げておられたんですけれども、岩国飛行場の軍民共用化問題というものをちょっと取り上げておられました。いろいろあるのでございますけれども、まず、ちょっと端的に事実関係で聞いていきたいと思います。

 四月十日、告示の五日前でございますけれども、山口県の二井関成知事と岩国市の福田良彦市長が国土交通大臣とそれから石破大臣のところに来られて、お話をされたんだろうと思います。

 そのときに、これは非公開で国土交通大臣とのお話し合いが行われたようでございますけれども、報道では、岩国基地の民間空港再開については、国交相が、国交大臣が前向きに協力する意向を示した、意向を明らかにしたというふうに報道されているんですけれども、冬柴国土交通大臣は、どういうような会談をこのときになされたんでしょうか。その会談の中身を教えてください。

冬柴国務大臣 会談というよりも要請ですね。知事と市長がお見えになりまして、岩国の基地について、米軍との関係で、そこへ民間空港をつくるというような方向で話が進んでいるんだけれども、それをぜひ実現してほしいというような趣旨のお話がございました。

 それに対して私が答えた言葉は、これは委員が言っておられる中国新聞の四月十一日の、これを指すんだろうと思うんですが、私の写真も載っていますが、私の言葉としては、政府の方針が決まれば省として、すなわち国土交通省として対処いたします、こういう言い方をしたわけです。こういう言い方でございます。

 これに対して、二井知事さんが何か要望の後に会見されたようですが、非常に前向きな回答であった、地方空港の新設抑制から外して考えることもあり得ると受けとめたというコメントをされているんですが、私はそんなこと一つも言っていません。私が言ったのは、政府の方針が決まれば省として対処をいたしますということを申し上げたわけでございます。

平岡委員 実はこの問題は、私ももう二〇〇二年ぐらいからずっといろいろと委員会でも取り上げてきておるんですね。そのときの国交省の基本的スタンスというのは、地方空港については既に概成をしているんだということが基本であるということで言われておられて、防衛省が少し前向きに対応を考えていただいているのとはちょっと違って非常に慎重な態度を示されておられたと思うんです。

 今も交通政策審議会の中では、地方空港の話については、地方空港の配置は概成しつつある状況を踏まえて、今後の地方空港新設については離島を除き抑制するという方針を明確にしているというふうに私は承知しているんですけれども、この地方空港については概成をしているという国土交通省の判断と、先ほど来の政府の方針が決まれば国交省として対処をしてまいりますということとは、どういう関係にあるんでしょうか。

冬柴国務大臣 現在事業実施中のものを含めまして、空港整備は、配置的側面からはもう概成しているという認識でございまして、一般空港の整備につきましては、もちろん離島は離さなきゃいけません、離島は除きまして新設を抑制するというのが私ども国土交通省の今も変わらない考え方でございます。

 ただ、岩国について、政府全体でということは、政府というのは内閣官房とかそれから外務、防衛、そして国土交通というところが関係するんだろうと思いますけれども、そういうところが、日米安全保障条約第六条、こういうところに備えて示されたマスタープランというものを踏まえて、日米間で民航ターミナルを何か検討されているということを私も伝え聞いています。

 したがいまして、そういうことがもし進むならば、我々は、政府全体として全体がこれを対処する、そして、そこで前向きにやろうということになれば、国土交通省としてはできるだけのことはする、そういうことになると思います。

平岡委員 冬柴大臣もいろいろと言葉を選んで使われているんだろうと思いますけれども、政府として、政府の方針が決まればという、政府という言葉を使っているわけです。政府というのはいろいろなもので構成されているわけでありますけれども、この民間空港再開の問題について言えば、政府の中でどこが主導的にこの問題に取り組んでいくことになるんですか。

 これは、場合によっては石破大臣が答えるべき話なのかもしれませんけれども、まずは冬柴大臣から、政府の方針を決めるのは一体どこが主導的に決めていくのか、この点についてお答えください。

冬柴国務大臣 やはり外務とか防衛とかというところの、いろいろなところからの発意といいますかそういうもので、内閣官房とかあるいは、空港、私は、航空業者とか、それから航空についての安全とか、これを所管しています。したがいまして、我々ももちろん民間空港ということであればこれは関係がありますので相談を受けるでしょう。

 そういう中で、岩国については、ほかは知りませんよ、ほかは別として、岩国については日米安全保障条約上の問題がありますから、そういうところが発意をされて、そして政府全体として態度を決めていくということになるんだろうと思います。

平岡委員 地方空港の話について国土交通省は違うんだというような言い方をするのはちょっとおかしいと思いますよ。

 それはともかくとして、冬柴大臣の言葉の中には、外務、防衛という言葉が出てきました。防衛大臣はどうですか。政府の方針を決めるに当たって、防衛省が主導的役割を果たしていくという認識ですか。どうですか。

石破国務大臣 委員がおっしゃいます主導的という意味が私には十分理解できませんが、これは、防衛省として米軍との調整等々は行うものでございます。また、離発着の枠等々は羽田の枠等々もございましょうから、これは国交省さんがおやりになるもの、米軍との調整、日米安保ということから考えましても外務省が行うものでございます。

 そうしますと、どこが主導してということは必ずしもこれにはなじまないのではないか、それぞれが、三省が共同しながらいろいろな調整を進めて結果的にそれが実現することになるのであって、主導する官庁がどこということには、私はなかなかなじまないものではないかと思っております。

平岡委員 また言葉を選んであれですけれども、基地を抱えた地域がこういうことをしてほしいということを言ってきたときに、それを受けとめて行動を開始するのはどこかと考えたら、やはり防衛省じゃないですか。それを、何か知らぬけれども、三省が並行してとかと言われたら、みんなにらみ合いしているだけで進みやしませんよ。そういう認識だからいろいろな問題が起こってくると私は思いますね。

 それはともかくとして、ちょっと次の質問に行きたいと思います。

 やはりこの件に関して、これも報道されておるんですけれども、四月十六日付の日刊いわくにとか四月二十九日付の朝日新聞の記事によれば、公明党の北側幹事長が、与党公認候補の決起集会、四月十四日に実施された決起集会ですけれども、あいさつをして、自民党公認候補を勝たせてくれるなら岩国の民間空港再開を必ず与党の責任で実現させていただくというふうに発言されたというふうに報道されています。

 選挙部長にお聞きしますけれども、これは公職選挙法第二百二十一条の利害誘導罪に当たるのではないかというふうに思いますけれども、どうでしょうか。

久元政府参考人 公職選挙法二百二十一条の一項二号に利害誘導罪が規定されておりますが、一般的に言いますと、三つの要件に該当する場合に成立すると考えられております。

 一つは、特定の候補者の当選を得、もしくは得しめ、または得しめない目的をもって誘導行為がなされること、二番目に、誘導行為が選挙人または選挙運動者に対してなされること、三番目に、誘導行為が選挙人または選挙運動者自身の特殊の直接利害関係を利用して、あるいは選挙人または選挙運動者と関係のある団体の特殊の直接利害関係を利用してなされる、こういうことを要件として成立するものと考えられております。

 なお、個別の事案につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

平岡委員 では、だからといって、私が与党の大物幹部で、選挙区に対してこういうことを言いたい、さっき言ったように、与党の候補者を勝たせてくれるなら、岩国の民間空港再開を必ず与党の責任で実現させていくというふうにしゃべりたいんだけれども、それは法律上問題ないかと聞かれたら、どうやって答えるんですか。

久元政府参考人 先ほどお答え申し上げましたような考え方、この三つの要件というものが利害誘導罪の構成要件としてあるということ、それから、この規定は大変古い規定でありまして、明治期にこの規定が創設されまして、戦前にもこの規定があったわけでありますけれども、戦前からの判例の動向、また近年における判決の動向などを説明させていただくということになろうかと存じます。

平岡委員 これも余り入り込んでもちょっとあれなので、要するに、選挙部長が言っていることは、これは利害誘導罪に当たる可能性があるということなんですよ。

 警察庁、どうですか。この件についてもしっかりと捜査すべきだと私は思いますけれども、どうですか。

米田政府参考人 先ほどと同じ答弁になると思いますけれども、公選法違反につきましては、厳正、公正に対処をしていきたいと考えておりますが、個別の事件につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

平岡委員 私もこれ以上言いませんけれども、厳正、公正に捜査をしていただくということを要請しておきたいと思います。

 そこで、この件に関してでございますけれども、冬柴大臣も北側幹事長とは、親しい間柄なのか、前任者、後任者というような形なのかわかりませんけれども、それなりにおつき合いがあるんだろうと思います。北側幹事長がこの発言をされるに当たって、国土交通大臣には事前に何か相談があったんでしょうか。そして、その相談があったことに対してはどういう御返事をされたんでしょうか。

冬柴国務大臣 相談は全くありません。

平岡委員 それでは、お聞きします。

 北側幹事長が言っておられる、自民党公認候補が勝つことと民間空港が再開するということとは、国土交通省の行政においてどういう関連があるんですか。

冬柴国務大臣 全く無関係だと思います。

平岡委員 全く無関係なのにもかかわらず、このような発言をするというのは、やはりおかしいじゃないですか。(冬柴国務大臣「僕に言われても」と呼ぶ)僕に言っちゃいけないというのでこれ以上言いませんけれども、私は、こういうこと自体がやはり政府・与党の品格を落としていると思いますよ。もっと本当に透明性ある、公正性のある、そういう行政、政治を行っていくということで、しっかりと国民の皆さんに、有権者の皆さんに訴えていくということが本来必要なことじゃないですか。

枝野委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

枝野委員長 速記を起こしてください。

 平岡委員。

平岡委員 この件については、石破大臣も何か面談をされておられまして、こういうふうに報道で書いてあるので、また教えてもらいたいんだけれども、民間機の飛行時間帯などについて、米軍との調整をしっかりやっていきたいというふうに発言されたというふうに報道されていますけれども、米軍と調整すべき事項としてはどういうことがあるのでしょうか。そして、その調整の見通しというのはどういうふうになっているのか、この点について教えていただけますでしょうか。

石破国務大臣 今後、アメリカ側と調整が必要となる事項というのが大体四つぐらい考えられると思っております。

 現在行っております民間ターミナル地域や民間航空機が滑走路に進入する際に使用いたします誘導路などの具体的な位置、経路等に関する調整、民間航空機の運航時間帯の調整、日米政府間における、民間航空機が使用する滑走路や誘導路などの土地等の共同使用の手続、民間航空機乗り入れのための飛行場使用に関する米軍と空港管理者等との現地間での協定の締結等々、米軍と調整をすることが必要となるというふうに考えております。

平岡委員 今言われたことについては、既に、ちょっと具体的にはあれなんですけれども、三年か四年前にこういうことがありますよということを防衛省が言っておられることをそのまま繰り返しているような話ですよね。

 そのときは、平成十七年の第二回の日米での施設調整部会か何かでそういうのをやっていますよと言われて、全く何もそれから進んでいないというふうなことを意味しているんじゃないですか、それは。この問題について、きょうそれ以上言うつもりはありませんけれども、何か、防衛省としては、基地を抱えた地元の人たちにニンジンをぶら下げて、どんどんどんどん何か誘導しようとしているというふうにしか、ちょっと私には思えませんね。それはそれとして、今度また議論をしたいと思います。

 この問題については、総理も絡んでいるんですよね。総理も、四月の二十日に補欠選挙で岩国市入りしたときに、いろいろと陳情を受けられたようでございまして、そのときに、地元新聞を見ますと、朝日新聞ですけれども、これは、岩国飛行場の軍民共用化計画の早期実現について、「地元の発展にはどうしても必要と思っているので、私どもとしても約束する」というふうに述べたというふうに報道がされています。

 これは、総理は、この方針に基づいて、国土交通大臣あるいは防衛大臣に対してどのような指示を出しているんでしょうか。

冬柴国務大臣 総理は、政府としての発言なんでしょう、山口県とかあるいは岩国市からのいろいろな要望を聞きながら、そのような判断をされたものだと思いますけれども、私に対しては具体的な指示はございません。現在まではございません。

 したがいまして、そういうお考えのもとに指示があれば、先ほど言いましたような、政府全体としてどのような、これはいろいろな決めなきゃいけないことはたくさんありますよ。したがって、そこで、山口県、岩国市等の御意向も伺いながら、ここで決まっていくものだろうと思います。まだ決まっていません。

石破国務大臣 国交大臣と同じようなお答えになりますが、総理から具体的にこうこうせよという御指示を賜っているわけではございません。

 総理がそのようにおっしゃいましたのは、今後、米軍再編を進めていくに当たって、山口県あるいは岩国市等々の具体的なお考えを聞いて、協力していくべきものだというような趣旨の御発言というふうに私どもは受けとめておるところでございます。

 いずれにしても、政府全体として、そういうような強い要望を承っておるわけでございますので、引き続き、民航機が就航できますように、私どもとしてできる限りの協力をしていきたいという方針に従前も今も変わりはございません。

平岡委員 福田総理が、岩国市入りしてそういう発言をしたという状況にあるにもかかわらず、それから何の具体的な指示もなされていないというのは、私はおかしいと思いますね。ぜひ、二人の大臣は、岩国市でこういう発言を総理はされておられるけれども、私たちは具体的にどういうふうにしたらいいでしょうかということをちゃんと聞いてください。

 そうしないと、総理のかなえの軽重を問われますよ。こういうことを言っておいて何もしていないというんじゃ、それこそ選挙目当てのリップサービスにしかすぎないということになってしまいますよ。ですから、私は、ぜひ、総理が口にした以上はしっかりと内閣全体として、閣僚は総理を支えるべきで、そういう態度で臨んでいただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。

 これは、余り触れたくなかった話なんですけれども、せっかく品格が落ちた質問になっているので、ついでに申し上げますと、公明党の太田代表がやはり補欠選挙で現地入りをいたしまして、私についていろいろ発言されておられて、新聞報道ではこう言っているんですね。「私は平岡さんをよく知らない。記憶にも記録にも残らない、最悪じゃないですか。立っているだけなら、駅前の郵便ポストが一番偉い」というふうに言われたんだそうですよ。私は本当に悲しい思いをしましたけれども、まあ私の活動が不十分だったから仕方ないだろうと思います。

 ただ、私は、これは公明党が非常に強い関心を持っていたと思われる共謀罪について、法務委員会で野党の筆頭理事としてずっとこの論戦をやってきました。だから、私は、公明党の方々というのは、冬柴さんも当時幹事長だったかもしれません、私は共謀罪については公明党は強い関心を持っておられたと思うんですけれども、太田代表がそういうことを言われるというのは、公明党は、あるいは公明党の幹部というのは、共謀罪に関しては関心はない、かつて戦前に創価教育学会の代表が治安維持罪で逮捕された、そういうふうなことについても問題意識がないということですか。どうですか。

冬柴国務大臣 二つのことを言われたと思いますが、太田代表がそのようなことを言われたかどうかは私は承知しておりませんし、もちろん、それについて相談を受けたこともございません。

 二つ目は共謀罪について、私も弁護士です、したがいまして重大な関心を持っております。これについては、我が方の刑法では、共謀だけで処罰するということはありません。ただ、判例上、共謀共同正犯というものがあります。しかしながら、それは正犯者が実行に着手した後の話でありまして、単に共謀しただけで処罰するというようなことは、我が国では、共犯の中でも、牧野英一さんの主観主義刑法ということになれば、もちろんそういうものも、犯意の飛躍的表動があれば、これは対象にすべきだというような学説はありますけれども、判例はそういうものは認めていなかった。

 したがって……(平岡委員「そんなことは聞いていませんから。関心があったのかなかったのか」と呼ぶ)ありましたよ。しかし、だれが……

枝野委員長 双方とも不規則発言はおやめください。

冬柴国務大臣 あなたがやっているかどうかということについては、あなたがやっておられるかどうかということについてまで認識はありませんでした。しかし、民主党の中で非常に熱心に法務委員会でやっていらっしゃることについての認識は十分ございました。

平岡委員 私のことはともかくとして、やはり共謀罪について、これはまだ継続審議中ですから、やはり重大な政策課題であるということを公明党が認識を持っていただいているということを聞いて、私は安心しました。

 次に、これも岩国の話になってしまうんですけれども、岩国市の新庁舎建てかえ補助金問題というのがあったんですね、一昨年の十二月に三十五億円が予定されていたのを無理やりカットされたという。これは石破大臣ともいろいろな委員会で取り上げていますから、覚えておられると思うんですけれども、こういうことがあったんですね。

 市長選挙が二月にありました。それで、福田良彦さんが衆議院議員から転出して市長に当選されました。ただ、当選されたら、防衛大臣が二井知事と福田市長と会ったときに、それまで凍結していた岩国市の庁舎建設補助金約三十五億円を本年度内に全額支給する方針を正式に伝えたというふうに報道されて、既にこれは支給されています。

 しかし、この問題については私も重大な関心を持っていましたから、昨年の十月、十一月あたりに防衛省に聞いていたんですよ。これはすぐ出すべきだ、これはSACO予算の関係で約束した話なんだから出すべきだと言っていました。そのときに防衛省の幹部は、これは私だけじゃなくて、当時の井原市長に対しても、既に工事が済んでいるものについては補助金の対象にならないから、今仮に交付するとしても、五億円とか七億円とかの金額にしかすぎませんよと言って、早く空母艦載機の受け入れを容認すべきであるということを圧力をかけるような、そういう形で対応していましたね。

 しかし、今度は一転して、三十五億円近くを、工事が済んでいる部分を含めて補助金として出す。一体これはどういうことなんですか。私たちに対する説明と実際にやっていることが違うじゃないですか。石破大臣、どう思いますか。

石破国務大臣 国の補助金と申しますのは、補助金の交付決定がなされました後の事業に対して支出することを原則とする取り扱いがなされております。しかしながら、必要な場合には、補助金の交付決定前に事業を実施し、その後に補助金を支出するということで、法令上の問題はないとされております。

 この御指摘の岩国市市庁舎整備事業に関する補助金についてでございますが、米軍再編の円滑かつ着実な実施を前提に、その一環として実施されます空母艦載機の移駐などに伴います騒音の影響緩和を目的としておるところでございます。

 福田岩国市長から本年三月十二日に、今般の米軍再編に理解と協力をする、そういう旨の御発言があり、当省として、米軍再編の円滑かつ着実な実施という補助の前提条件、この補助の前提条件がこれによって満たされた。平成十七年及び十八年度においてこの事業に補助を行った実績がございますため、当該市庁舎の構造や積算等を既に承知しておりますことなどから、施工済みではあるけれども当該事業に係る補助金の交付を認める、このような判断を行ったものでございます。

平岡委員 だから、私が聞いているのは、なぜ私とか当時の岩国市長に対して、工事が施工済みになったものについてはもう出せないんですという説明をしたんですか。それは虚偽の説明じゃないですか。この虚偽の説明をしたことに対してちゃんと釈明し、岩国市民の皆さんに謝罪すべきだと私は思いますよ。どうですか。

石破国務大臣 委員が当省の幹部とおっしゃいます者、これも何人か、委員あるいは井原前市長、当時の市長さんとお話をさせていただいたのだと思っております。そのやりとりの詳細についてまで、私、今すべて正確に存じておるわけではございません。

 ただ、そのときに、既に実施済みのものについて出しますことは極めて困難であるという旨の御説明をさせていただいたのではないかというふうに承知をいたしておるところでございます。極めて困難であるし、実際に極めて例が少ないものでございまして、そういうような実情について御理解をいただくべく御説明をさせていただいたのではないかというふうに私は認識をいたしております。

平岡委員 そういう説明をしたことについて全く非がなかった、私たちにはというのは、防衛省には、そういうふうに今答弁されたんですか。結果として違う説明をしているわけでしょう、それに対して何の謝罪の言葉もないんですか。これはおかしいじゃないですか。どうですか。

石破国務大臣 当省の責任者として申し上げますが、全く非がなかったといって開き直るとか、そういうことを申し上げるつもりはございません。あるいは、公職にあられる平岡委員、岩国を選挙区としておられる平岡委員あるいは井原市長が、そのような疑念あるいは憤りを持たれるということについて、私ども十分でなかった点はあろうかと思っております。全く誤りがないということを申し上げるつもりはございません。

 そこにおいて私は極めて困難である旨御説明したというふうに認識をいたしておりますが、繰り返しになりますけれども、公職にあられる方がそういうような念を持たれるということについては、これは全く誤りがなかったと開き直ってはならないことだと思っております。

平岡委員 まあ謝りたいけれども謝るという言葉を口に出すとまた後で尾を引くから、ちょっと、とりあえずは説明するという程度の発言だったように思うんですけれども、気持ちは、謝りたいという気持ちがないことはないような気もしましたから、これ以上は言いませんけれども。

 私は、例えば、もともとその岩国市の建設補助金について言えば、SACO予算で沖縄から空中給油機KC130十二機を受け入れるということに伴って決まった話を、あるとき突然、国が、いや、これからは米軍再編の中で考えていきたい、ついては厚木から空母艦載機五十九機を受け入れなければ三十五億円は出しません、こんなやり方をしていたら、私は、基地を抱えた地域と国とは信頼関係で結ばれることはないと思いますよ。こんなことを繰り返していたらとんでもないことになってくる、私は、このことはずっと前から言っていますから、石破大臣には十分わかっていただけると思いますので、ちょっと話を先へ進めます。

 この市役所の建てかえ補助金と似たようなケースとして、米軍再編円滑化特措法に基づく再編交付金というのがあります。福田市長が当選したことによって、今まで岩国市は指定されていなかったのが指定していただいたようであります。

 しかし、私は思うんだけれども、私の選挙区内にこの再編交付金をもらっている市や町が幾つかあります。これから選挙を迎えます。首長選挙を迎えます。もしこの首長選挙で空母艦載機の受け入れに反対だという候補者が勝ったら、防衛省はどうするんですか。再編交付金を引き続き交付し続けるんですか、それとも、そういう人が通ったら再編交付金をカットするんですか。どうですか。

石破国務大臣 おしかりをいただくかもしれませんが、仮定の御質問に対してお答えするということはなかなか難しいと思います。

 私どもとしては、私は個人的には余りあめとむちという言い方が好きではなくて、いずれにしても、御協力をいただくという市町村に対して、どのように誠心誠意おこたえできるかという国の姿勢が必要なのだというふうに考えておるところでございます。

 私どもとしては、今後とも再編の必要性、これは日本全体としてリスクを負って、危険を負っていかねばならないというものでございます、一部地域にそれが偏るということがあってはならないので。だれも喜んで受け入れたいというふうなところがあるとは承知をいたしておりません。おまえの選挙区はどうなんだと言われたらば、自分の選挙区でみんなが喜んで受け入れるとは私も思っておりません。どのようにして再編の必要性を御理解いただけるか。

 そしてまた、そういうようないろいろな負担をあえて受け入れてくださったところとそうでないところというのに差が生じるということは、まさしく税金の使い道としてはそれはいかがなものかというふうに考えております。私どもとして、地元の御理解をいただくべく誠心誠意最大限の努力をするということ、そのことにおこたえするための再編交付金であるという認識は常に持っておらねばならないことだと考えております。

平岡委員 この再編交付金について言えば、受け入れに反対をしていても再編は進めていくんだ、反対しているから再編交付金をもらわなければそれで再編を進めないというんじゃないんですよ。

 ただ、御協力いただくというふうに言われましたけれども、例えば今の岩国基地について、岩国市民みんなにこの基地があることについてあなたは賛成ですか反対ですかと聞いたら、反対ですと言う人が圧倒的に多いですよ。そういう状況のときに、反対している市民が多いのであれば、じゃ、これは基地に関する支援は何もしませんということをするんですか。そうじゃないでしょう。

 やはり御協力いただくというのは、協力したい気持ちというんじゃなくて、むしろ、そういう負担を与えているそのことに対してしっかりと政府として対応していくというのが本来あるべき姿じゃないですか。それを、受け入れを容認すると言わなければ一切交付金は出しません、こんな仕組みはおかしいと思いませんか。どうですか。

石破国務大臣 委員の御趣旨は私自身理解するところでございます。それはもう、受け入れますか受け入れませんかと言ったらば、受け入れますと言う人は恐らく全国どこの自治体をとってみてもないんだろうというふうに思います。しかしながら、どこかに受け入れていただかねばならないものであり、日米安全保障体制というのはそういうものだと私は思っております。

 そうしますと、受け入れなければ返還を求めるとか、そういうお話にはなかなかなりにくいものと私自身は思っておりますけれども、そこのいろいろな負担を受け入れていただいておるということについての国としての対処のあり方、これが交付金の本質だというふうに私は考えております。

 しかし、再編に伴いましていろいろな負担を分散する、あるいは移転する際にさらに負担が高まるところというのがございます。それはどこかに受け入れていただかねばならないという一つの国家的要請もございますので、これが、あめとかむちとかいう言葉はそれこそ余り品性のある言葉だと私は思いませんので使いたくありませんが、何らかのインセンティブみたいなものは、その要素を除去すること自体は相当に難しいのではないかと思っております。

平岡委員 あめとむちという言葉は好きじゃないとかと言われても、実際やっているのはあめとむちの政策をやっているんですよ。

 だから、言葉でごまかすようなことをしないで、やはり石破大臣も早く現地に行ってくださいよ。私、かつて再編前に来られて、私のことを何かどこかで批判されたのは聞いてきましたけれども、それ以外、再編が決まってから一度も来られていないんじゃないですか。やはりちゃんと行って、本当に必要なことならちゃんと説明したらどうですか。

 そういうこともしないで、あめをしゃぶらせて、むちを振りかざして、それで国の政策を理解してください、私は、それは防衛大臣としてとるべき姿じゃないと思いますよ。ちゃんと行ってちゃんと説明する、説明すべきは説明する、その姿勢がやはり必要だと私は思います。

 ついでに話をしますと、私は、さっき、首長さんで反対する人が当選したら再編交付金をどうするんですかと聞きましたね。そうしたら、事務方は答えました。政令で、駐留軍等の再編の実施に向けた措置の進捗に支障が生じた場合において、交付限度額を定めることが適当でないと認めるときは、年度交付限度額を減額し、またはゼロとすることができる、この規定でカットすることができるんです、あるいは指定を取り消すこともできるんです、こういうふうに言われました。それはそうかもしれません。

 私が一つ思うのは……

枝野委員長 端的にお願いいたします。

平岡委員 今、NLP施設がどこにつくられるかというのがまだ決まっていないんですね。みんな心配しているんですよ、やはり岩国が最後やられるんじゃないか。それで、NLP施設を受け入れなければ、これは米軍再編の進捗に支障が生じるわけですね。そうしたら、今度は、岩国市民に対して再編交付金をカットするぞ、受け入れなければカットするぞということをするんじゃないかと私は思っているんですよ、今の防衛省なら。

 石破さん、どうですか。もしNLP施設を岩国が受け入れないと言ったら、再編交付金をカットするようなことをするんですか。

枝野委員長 時間が過ぎていますので端的にお願いいたします、防衛大臣。

石破国務大臣 私は、かつて委員の選挙区を訪れて、委員を個人的に非難したことはないつもりでございます。そこのところはまた御確認をいただきたいと思います。

 カットすることがあるのかという仮定の御質問でございますので、なかなかお答えは難しゅうございます。いずれにしても、委員がおっしゃいますように、実際に必要であれば、防衛省の責任者として大臣が出向く、そしてきちんと御説明をするということによりまして、岩国市と政府との信頼関係というものを高めていくということがまず第一に必要なことである、私はそのように考えます。

平岡委員 終わりますけれども、さっきからずっと品格のない質問をし続けましたけれども、そういう品格のないことを政府・与党はやらないでくれということを重ねて申し上げて、私の質問を終わります。

枝野委員長 次に、松木謙公委員。

松木委員 民主党の松木謙公でございます。

 たくさんの方に来ていただきまして、本当にありがとうございます。

 私は、常に政治家として国民の皆さんに向かって、安心づくりに全力投球だとか、あるいは幸せの土台づくりを一生懸命やりたいと。幸せというのはそれぞれの皆さんで尺度も違うし、幸せ感も違うし、望んでいるものも全部違うわけですから、そういう土台づくり、こんなことを活動の中心にして展開してきたわけですけれども、今日ほど、政治というのは一体何だろうな、国家は何のために存在しているのかというふうに基本的な問いかけをせざるを得ない、そういう時代は本当になかったんじゃないかなというふうにこのごろつくづく思っておりまして、これは与野党を問わない。そして、官僚の皆さんも、お互いに今の厳しい日本の政治経済状況に思いをめぐらせるときに、大体同じようなことを感じられるのではないかなというふうに思っております。

 というのは、連日、後期高齢者医療問題がテレビ、マスコミなんかで取り上げられて、そして年金暮らしをされているお年寄りの皆さんの悲痛な絶望感というんですかね、そういうのが漂う声を聞くたびに、私も自分の選挙区を回っている際にお年寄りのいろいろなお話も聞くんですけれども、この国は冷たい、長く生きていてこんな目に遭うとは思わなかったという怒りも大分ぶつけられることも多いんです。

 永田町では、財政上の理由、制度の維持のために我慢してもらうしかないんだと。官僚の皆さんのいろいろな数字上の御説明を聞かせていただきますと、ああ、なるほどなというところもあります。そしてまた、つい最近は、百年安心の年金がどうのこうの、こういう話もありましたし、ついに、お互いに大変だからお年寄りの皆さんにも少しだけ負担してくださいよと簡単に言える姿を見ていますと、お年寄りを大切にして感謝のある社会、敬老精神を大切にするとか、世界一の長寿国家になったことなども含めて、日本という国が何かそういうことに対して非常に鈍感になってしまって、一番大切なものを忘れてしまった国になったのかなというふうに思えてならないんです。

 できれば、七十五歳以上のお年寄りの皆さんには、七十五歳じゃなくてもいいんですよ、お年寄りの皆様には、御高齢の皆様と言った方がいいんでしょうかね、戦後の復興時いろいろな御苦労をされてきたんだから、頑張ってきたんだから、今日、医療費ぐらい無料にしようよ、そんな温かい国を、我々後に続く世代がつくりたい、そういうことで福祉国家論などを学生時代に語っていたなということを何となく思い出すんです。もちろん、それはかなり理想論に近いということも承知の上ですけれども。

 ただ、気持ちもわかるところもありますけれども、まず初めに財政ありき、ここで議論が始まって、心というか敬愛の念というか、そうしたものがばっさりと切り捨てられていってしまっている姿を見ていて、我々国会議員も何のために存在しているんだと、ふと思ってしまうという感じもありますね。

 つまりは、財政論でいろいろな展開をする以上は、国民への負担を求める前に、やはり政府みずから、ぎりぎりのところまで身を削る、これが何よりも大切だと思うんですね。ここまで無駄をなくして、そでは振ってももう何も出ない、どうにもならないから国民の皆さんにも御協力をお願いしたい、痛み分けをしていただきたいとするのがある意味では誠実な姿勢だというふうに思っております。そこまで今の日本がいっているのかどうかということは、我々はまだいっていないというふうに思っているわけです。

 ここで、資料の一をちょっと見ていただきたいんです。これは北海道の夕張市ですね。財政破綻ということで、国民のだれもがこのことは知っているところになりましたけれども、ごらんのように、財政再建のために大変な努力をされているというのがよくわかると思いますね。

 これは数字がちょっと一つ間違っていまして、議員報酬のところに期末手当が四十四・四五カ月となっているんですが、これは四・四五の間違いです。済みません。四十カ月ももらったら大変なことになりますね。これはちょっと打ち間違いです。

 しかし、見てのとおり、かなりの御苦労をされているということが見てとれると思うんです。市民税や各種使用料を引き上げると同時に、市の職員の給料というのを大体三〇%削減しているんですね。そして、平均年収は六百四十万から四百万、管理職が八百二十万から四百四十万、市長に至っては八百六十二万が二百五十九万、退職金は未支給で、議員数も十八人を九人まで削減されたということですから、かなり涙ぐましい努力をされているわけです。普通の会社だったらもう倒産しているという感じもあるんです。

 これを仮に国に当てはめますと、これまたすごいことになっちゃうんです。これに単純に当てはめると、六十万人いる公務員を二十四万人にしなきゃならない。そうすると、三十六万人もばっさりとやめていただく。役人の皆さんは給料三割カット。そして、国会議員も半数になるわけですね。ですから、今この決算行政が四十数人ですか、だから二十人ぐらいでやるということになるんだと思いますね。そして、我々の歳費はたしか百三十万ちょっとだったと思うんですけれども、これも八十万、こういうことになるんですね。

 それでは、次に資料の三をごらんいただきたいんですけれども、全国の自治体の実質公債費比率二五%以上の一覧表です。ここに、四十六のうち、何と我が北海道というのはえらいいっぱい入っていまして、実は十三も入っているんですね。しかも、自分の選挙区そのものも幾つか入っていますね。四十六団体で、このうち北海道が十三団体ということで、北海道は厳しいんです。

 そこでもう一つ、資料の二をちょっと見ていただきたいんですけれども、これは財務省さんがつくったんですね。国と自治体とを比較して実質公債費比率の表を作成されたみたいですけれども、これによると、国は何と何と八〇・四%というむごいことになっていますね。夕張が三八・一%ですから、夕張どころじゃなくて国が一番厳しい状態にあるということになるわけですね。これは本当にたまげたんですけれども、国の財政は夕張市より悪いということです。

 この比率で例えば議員歳費を計算すると、月額二十五万六千円になるんです。そして、もっとひどいのは、資料の一に書いておきましたけれども、例えば総理大臣になりましたら大変ですよ。この比率からいうと、総理の報酬は十四割減になるんですよ。そうすると、つまり、総理になった人は年間一千六十九万お支払いをするということになるんですね。歳費をもらうんじゃなくて出さなきゃいけない、こんなことになるんですね。期末手当も十六割減ですから、六百四十万払うということになっちゃうというんですね。また、議員報酬も大変な減額になる。このぐらいになってしまうということなんです。これはそのまま当てはめるわけにもいかないんでしょうけれども、しかし、大変なことになっている。

 であるにもかかわらず、残念ながら、道路財源の問題や年金の問題、防衛省の問題、随分国の、そういうつもりはないのかもしれないけれども、やはり無駄遣いあるいは不祥事、こういうものが明るみになって、ある意味で、役所が驚くべきほどの怠慢になっているというものを目の前にすると、やはり国自身の自己改革の徹底をまず何よりも求められると思うんです。

 これを見て、財務大臣はどういうふうに思われましたか。

額賀国務大臣 松木委員が先ほど来ずっとお話しなさっておりますように、御承知のとおり、国も大きな借金を抱えております。国、地方合わせて、長期債務残高が七百七十八兆円、GDP比で一五〇%弱ということでございますから、国も五百兆円余りの借金がございますので、これは、子々孫々のために、我々の時代に使い切ってしまっているわけでございますから、少しでも返しておくことが日本人の矜持であり、将来の国づくり、発展のためにも我々がやっていかなければならないことであるというふうに思っております。

 したがって、私どもは、二〇一一年にはプライマリーバランスを黒字化していくために、歳出歳入改革を今、一心不乱に努めているところであるということでございます。

 そういう中で、委員がおっしゃるように、さまざまな不祥事件が起こったり、道路特定財源の審議の過程で無駄遣いが出たり、そういうことで国民の御批判を浴びたりしているわけでありますから、まず国としては、あるいはまた我々政府としては、無駄をゼロにしなければならない、このために全力を注いだ上で財政再建をしていくことが大事であるというふうに思っております。

 まず、おっしゃるように、行政と密接な関係にある公益法人については、六月までに集中点検を行って、支出の無駄を徹底的に是正していきたいということを考えております。また、各省庁それから公益法人は、随意契約を徹底的に見直して、競争原理を導入して、これの透明性と効率性を図るということにしたい。

 財務省としても、予算の査定をきっちりすると同時に、予算の執行調査を、これまでの契約的な予算の執行を中心にきちっと点検をして、国民の皆さん方に、無駄を省き、そしてまた効率的な姿であるということをお見せしなければならない、そういうふうに考えておりまして、無駄の徹底的なゼロ作戦を展開したいというふうに思っております。

 それから、この御提出いただいた二ページの図でありますが、これは国が八〇%となっておりますけれども、例えば、国と地方の公債費の返還と、それぞれの国と地方の税収を対比したときにどういう割合になるかということを表にさせていただいたことでございますが、その際に、公債の返還期間が国は六十年になっております。地方は三十年であります。それを平均化した上で地方と並べて比較するとこういう数字になる。だから、国もそれは厳粛に受けとめて、この借金返済に取り組まなければならないということであります。

松木委員 孫子の代のためにもちゃんとしていかなきゃいけないということが趣旨だったと思いますけれども、それは我々も同じ気持ちだと思いますね。これは要するに、国はこんなに大変だということを言いたかったということでしょう。国は大変なんだ、お金はないということを言いたいのかなという感じがします。

 でも、大臣、今いろいろなお話をされましたけれども、まだ削れるところが出てきそうですね。どうでしょう。いろいろと今お話ししてくれましたので、多分出てくるだろうと。多分でいいですよ。

額賀国務大臣 これはもちろん、我々は、財政再建と経済成長を達成して、国民の皆さん方に安心をしてもらわなければならないということが大きな目標でございます。したがって、財政再建をしていくためには無駄を省いていかなければならない。それから歳出を、無駄なところから、経済成長に結びつく、生産性の上がるところに振り向けて経済を元気にしなければならない。そういうことを考えていかなければならない。

 それから、税制全体も、来年は道路特定財源を一般財源化するということでございますから、それはきっちりと、その歳入と歳出、それから国民生活にとっての安定、社会保障の将来の負担と給付、そういったものを総合的に議論して、国民の皆様方の前で、透明性を持って将来の展望を開きたい、そして今日の状況を脱皮していきたいというふうに思っております。

松木委員 要するには、まだ無駄がある、まだ何とかするぞという力強いお気持ちということでよろしいですね。

 それでは、今回、昨年の夏、参議院で我々民主党が勝ったことによって、今まででは余り起きない国会の感じになってきていますけれども、道路特別会計の無駄遣いがいろいろなところで明らかになってきまして、国交大臣が改革本部を立ち上げて、一生懸命やるぞ、このままじゃ終わらぬぞという気持ちのようでございますけれども、大臣も、どうです、この夕張なんかに比べたら、よし、これはまだまだできるぞ、やらなきゃいかぬことはいっぱいあるなというお気持ちでしょうか。

冬柴国務大臣 大変厳しい経済事情の中で、特に原油が上がって、ガソリンが生活を直撃している中で、私どもは、将来の我々の子供や孫たちが、安全、安心、そしてまた成長力を維持しながら地方も活性化するためには道路をつくらなきゃいけないということを必死になって私はお願いして、本当にひれ伏す気持ちで国民にお願いしているときに、もう恥ずかしいような無駄遣いをたくさん指摘されました。私も、本当に怒り心頭に発しました。

 そして、こういうものは、これを改めずしてこういうことはお願いできないという気持ちになりまして、私が本部長になり、そして平井副大臣をそのキャップにお願いして、副大臣が二人、政務官が三人いますので、六人の政治家で政治判断で、庶民の目線に立って、支出が違法か適法かということになれば、これは違法な予算編成なんかされていないわけです。しかしながら、その中で買ったものが、国民の目線に立って、これは不愉快だ、こういう税金の使い方は許されないんだというものについては、私は、適法かどうかということじゃなしに、これはもう排除しなければならない、改めなければならない、こういう発想で、四月十七日に、本来は六月ごろまでじっくりやりたかったんですが、総理からも、できるだけ前倒ししてというお話もございまして、やりました。

 そして、公益法人に対する支出についても、ゼロベースで全部見直しをして、そして専門家、公認会計士、弁護士あるいは財界人、大学の先生、こういう方々に御参加をいただきまして、御意見を伺いながら改革案をつくらせていただいたわけでございます。

 そういうことで、細かいことはたくさん時間を食いますからやめますけれども、これをきちっとやるということ。それから、私も、今この地位にある者として責任をとらなきゃならない。政治責任です。結果責任。私が在任中にそういうことをやられたものはほとんどないんですけれども、これは、私はやはりやらなきゃならない。給料の三カ月分を国庫に返納いたします。それから副大臣も、我々も政治家だからということで、一カ月ずつ、政務官も返納くださいました。役人の人にも私は厳しい処分をしました。整備局、局長にも全部処分をさせていただきました。

 そういうことで、これからこれはまだ日にちがかかるわけです、実際は、手続がありますから。これを我々は終わりにするのではなしに、今後もこの改革本部は残して、そしてこれを逐一、後追いでウオッチングする、そしてそれを公表させていただく、こういうことを約束したわけです。第三者の先生方にも、まことに申しわけないけれども留任をお願いしたいということでお願いしましたところ、快く留任をしていただきましたので、こういう第三者の先生方の意見を聞きながらこれを完全に履行させていただきたい、このような思いでございます。

松木委員 ぜひ頑張っていただきたいなというふうに思います。

 先ほどの話にちょっと戻るんですけれども、地方と比べて国が八〇%だという資料がありますね。これは、とり方によっては、これだけこうなっているから、もうどうしようもないからだんだん消費税論議が出てくるんですよという土台づくりにも見えないことはないので、そこら辺はぜひお気をつけいただきたいなというふうに思います。

 残念ながら、近年、日本というのは格差社会というのがかなり加速度的に進行していると思うんですね。二〇〇六年度の国税庁の統計で、一年以上勤務した給与所得者が四千四百八十五万人、そのうち、二百万以下の所得の方が一千二十三万人にふえているそうなんですね。四・四人に一人になっているんです。

 その一方で、残念ながら、官僚の方の天下りや、税金によって公僕たるべき人たちがどこかで何かいい思いをしているんじゃないかというような不信感がかなり充満して、臨界点に達しつつあるのではないかなというふうに思っております。

 そうした厳しい社会状況の中で、政治が国民の期待に十分にこたえているとは到底言えないような状態なんでしょう。福田内閣の支持率なんかも二〇%を割ってしまったということなんですね。これはそちらにとっては大変なことではあるなというふうに思いますけれども、ここら辺はどうですか、この支持率が随分落ちたなというのは。何か思われることはありますか、財務大臣。

額賀国務大臣 これは各マスコミの機関で世論調査をしているわけでありますから、世論調査の結果としては厳しい反応が出ておりますから、国民の声として素直に受け取っていかなければならないというふうに思っております。

 その上に立って、我々は、是正すべきは是正しなければならないし、また、正しいと思っていることについては、国民の皆さん方に耳ざわりが悪いことでも、将来の日本の国のあり方に責任を持つ立場からは、言うべきことは言わなければならない。それが政治だと思っております。

松木委員 せっかくですから、国交大臣と厚生労働大臣も、どうですか、一言ずつ。

冬柴国務大臣 額賀大臣と全く同感でございます。

舛添国務大臣 国民の目線に立ってきちんと仕事をしていく、そしてその実績の上に国民に評価していただく、それ以外にあり得ないと思っております。

松木委員 頑張ってくださいね。

 先ほどの、いろいろな地方のものと比べても国が大変だということで、まず我々も、それこそ国家公務員の給料は一〇%ぐらい一律カット、我々の歳費も二〇%カットする、やはり、そのぐらいの姿勢というのはなければいけないのかなという気持ちもするんですよね。まだまだやらなきゃならないことはいっぱいあります。いずれ消費税という、そういうことも言っているわけですから、その前に本当にやらなきゃならないことがいっぱいあるわけですね。

 そして、アメリカの大統領選なんかを見ていますと、何か、クリントンさんとかオバマさん、そしてマケインさんですか、みんな減税の話を主張しているんですね。ぜひ日本もそうであってもらいたいと思います。

 その中で、暫定税率の廃止で一カ月減税になったわけですけれども、このことによって、二〇〇八年の道路予算の配分について一千八百億円の歳入不足が生じて、国交省は一日に道路予算の七割の配分を実施されました。

 資料の四をちょっと見てください。歳入不足は、この表のとおりでよろしいんですか。

宮田政府参考人 予想額約千八百億円、書いてあるとおりでございます。(松木委員「大体合っているの」と呼ぶ)はい。

松木委員 新聞などでは「一カ月のツケずしり」と見出しをつけて、大変なことだと書いているところもありますけれども、では、今度は資料の五を見ていただきたいんです。

 平成十年度は八兆円以上の歳入不足が生じていますね。そして、これから見ると、何か一千八百億という数字は通常の税収のずれの範囲内におさまっているというふうに私は思うんですけれども、これらの年では箇所づけを実行しなかったんでしょうかね。

 全国的にも市町村が、暫定税率のときと同じように、ことしじゅうの完成と我慢しているのに、いつまで待てばこの道路がつくられるなどと記載した陳情書、こういうものを持ってきて、我々に対してなんでしょうかね、反対したから予算がつかないという感じの合唱に聞こえてならないんですけれども、まあ意図的な行為というふうには思わないようにはしております。

 国交大臣、真に必要な道路だと言われているんですから、道路事業を九百億ぐらい圧縮されるそうですけれども、これはそういうふうになるんでしょうか。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生お示しの資料で、国税で千二百億円の減収でございます。そのうち、揮発油税、臨時交付金が四分の一直入でございますので、この額を除きまして、今先生が御指摘の額が直轄事業の方として減収になるということでございます。

松木委員 要するに、これは、一千八百億ぐらいはもうなくなったから、その分は減ってやっていくということでいいんですか。そういうことなんですか。どこかで暫定でまたやるんだろうけれども。そういうことなんですか。でも、真に必要だと言ってついていたのがそうなるんですかね。何かちょっとよくわからないような気もするんですけれども。

 いよいよ、道路財源、これが、一般財源化が閣議決定ということになりましたけれども、だとすると、道路予算が平成二十一年度でどれぐらいでどういうふうになるのかということを、やはり、これはある意味で財務省さんの腕の見せどころ、国交省さんと話し合ってやるんでしょうけれども、そこら辺の腕の見せどころですので、注目しておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 いずれにしても、やはり政治というのは、なるべく国民の皆さんに対しては少ない負担で、できるだけ最高のパフォーマンスを出す、それこそ政治とかあるいは行政、こういうところの腕の見せどころというふうに私は思っていますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っております。

 そこで、もう一つ、道路特別会計のことばかりじゃなくて、空港整備特別会計というのがありますね。これは、二〇〇五年の四月にうちの党の議員が、国交省の天下り団体である空港環境整備協会が二十三の空港駐車場を独占経営している問題を問いただしまして、会計検査院からも改善が求められたわけですけれども、その後三年が経過してどのように変わったのか、お聞かせいただきたいんです。

 資料六、これがその一覧表なんですけれども、何カ所か協会以外の管理運営者がいるものの、ほぼ独占状況や、国土交通省のOBの数、報酬額においても余り変わっていないというふうに聞いていますけれども、そこら辺はどうなんでしょうか。道路法人のことでは、支出総額半減、天下りを二、三割減らすと発表されているんだけれども、ここら辺のことはそのままになっているようでございますけれども、何か大臣の方からありますか。

鈴木政府参考人 御指摘の事実関係につきましてお答えさせていただきます。

 空港環境整備協会は、空港周辺における航空機騒音対策の推進に寄与し、周辺住民の生活環境の改善を図るため、空港駐車場の収益等を財源に、国が行う環境対策事業を補完するために、昭和四十三年に設立された財団法人でございます。

 平成十七年四月時点で、同協会は、国管理の二十六空港、これは自衛隊、米軍との共用五空港も含みますが、そのうち二十二空港の駐車場を運営しておりましたが、現在は、公募などを行いました結果、十九空港について運営しております。これが資料六の中身でございます。

 それから、同協会が運営する駐車場の料金につきましては、平成十五年十月の会計検査院の指摘等を踏まえながら、全国の空港駐車場で値下げや割引制度の拡充などの見直しを行っているところでございます。

 それから、同協会の国土交通省出身の役員、職員の数、役員報酬等についてでございますが、平成十七年三月末時点で、役員数十二名、理事数十一名のうち、国土交通省出身の理事数は四名、職員については、三百五十九名のうち百二十八名が国土交通省出身者であったと聞いております。これが、平成二十年三月末時点で、役員数十四名、理事数十二名のうち、国土交通省出身の理事数は四名、職員については、三百三名のうち百三名が国土交通省出身者と聞いております。

 さらに、役員報酬規程から算出したところによりますと、会長の報酬の上限につきましては、現在は、平成十七年と比較すると約二百万円ほど減額となっておると聞いております。

 以上でございます。

松木委員 何だか、やったんだかやっていないんだかよくわからないんですけれども、また今度ゆっくり聞きましょう、これは。ちょっとまだ聞きたいことがあるので、そこはもうそれでいいです、きょうは。

 次の資料七というのがあるんですけれども、地方空港需要予測ランキング、これを作成してみたんです。驚いたのは、日本に九十七の空港があるんですけれども、こうした統計がきちんと資料として航空局にあるのが二十二空港しかないんですね。それで、その資料をいただくためにきのう徹夜して待っていたんだけれども、結局、ないということだったんです。

 ここではっきり再確認しておきたいんですけれども、ないということでいいんですね。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 昨夜資料要求がございましたのは、空港を新設するときの需要予測と実際の数との乖離についての資料ということでございますので、最近つくりました空港につきまして、いろいろ資料を取りそろえて御提出させていただいたものと承知しております。

枝野委員長 あるかないか。ほかにはないということでいいんですか。

鈴木政府参考人 需要予測データがあるものについてはお出ししたと承知しております。(松木委員「いや、だから、全部あるの、ないの。二十二しかないわけ」と呼ぶ)

枝野委員長 あるものについては全部出したということですね。

鈴木政府参考人 今のところ手元にあるのは、需要予測と実績との乖離という意味ではそういうことでございます。

松木委員 また今度やりましょう、これに関しては。ちょっと時間がない、もうあと二、三分しかないので。

 それで、最後に、医師対策のことをちょっと私どうしてもやりたかったんです。

 医師不足対策というのは、いろいろなところでお聞きしていても、総合的にいろいろなことでやっていくしかないというふうに思うんです。特に、この間も舛添大臣とちょっとお話しさせていただきましたけれども、北海道のことを何とかしたいななんて言ってくれましたので、えらい北海道は盛り上がりまして、これは舛添大臣が言ったんだから何とかなるんじゃないかと。まあまあ、我々だけ何とかしてあとはどうでもいいと、そんなことはないですよ。北海道の人間はそんなことは言いませんから。しかし、これは何とかやはり頑張っていただきたいと思っているんです。

 この中で、一つ、この間は大臣、お答えが余りなかったんだけれども、管理者が僻地医療や救急医療の経験をすることによって、管理医師制度というんですか、こういうのを厚生労働省がたしか出しましたよね。出したけれども、残念ながらつぶされたみたいなんですけれども、ここら辺は何で見送られちゃったのかというのをちょっとしっかり教えていただきたいと思います。

外口政府参考人 医師確保対策につきましては、予算や診療報酬に加えて、制度面による対応も必要でございます。

 御指摘の一昨年の医療制度改革の際にも、僻地医療等への従事に関する仕組みを検討いたしました。ただ、その際には、地域医療は破綻の危機にあり、すぐにやるべきとの賛成論がある一方で、方向性はわかるが詰めるべき点も多く、拙速はよくないといった慎重な御意見もいただきました。また、法制上も整理が必要な点がございました。こういったことから実現に至らなかったわけでございます。

 この医師の僻地医療等への従事の仕組みにつきましては、関係者の御意見を踏まえつつ、引き続き検討すべき課題と考えております。

松木委員 資料の九ページに表だけ出しましたけれども、これは非常に内容はいいと思いますので、ぜひもうちょっと一生懸命前向きにやっていったらいいんじゃないかなというふうに思っています。やはり何らかの義務がないと、地方にお医者さんがということにはなかなか時代的にもならないんじゃないかなというふうに思っております。

 それと、この間、舛添大臣も言ってくれたんですけれども、日本の医師数、一九八〇年代にこれから過剰になるという話もあったけれども、これは、もうそうじゃなくて、少ないという認識でよろしいですね。

舛添国務大臣 現在、二十八万人のニーズがあるところに二十六万人しかおりません。不足しております。これは、ふやしていきます。

松木委員 ぜひ、ふやしていっていただきたいと思います。

 そして、その中で、たしか二千二百億をとにかく削れと言われているんですか。これはきついですよね。財務大臣、ちょっともう一度お考えになったらどうかなと。どうでしょうか、これは。

 松浪政務官なんかも、それを言ってくれと言われたわけじゃないけれども、そんな気もしないですか。政務官も一言どうですか、せっかくだから。

松浪大臣政務官 大変な御配慮をありがとうございます。

 大臣も予算委員会等で言っていただいているわけでありますけれども、我々、特に医療現場に近いところで仕事をする者として、これはもはや限界に近いだろうということを考えております。

 大臣も、先ほど答弁にありましたように、医師の数は少ない。確かに、午前中も議論ありましたように、医師については、これからのあり方というものも変えていかなきゃいけない、また患者の方も、患者とのあり方というのも、すべて我々は、こういったものも含めて医療全体を考え直さないといけないということがあるわけでありますけれども、その点につきましては、また民主党の皆さんと手に手をとってその辺をお願いさせていただきたいと思います。

 以上です。

松木委員 さすがに将来の大物だなと、なかなかいい答弁で。舛添大臣もね。

 そして、財務大臣、ぜひ、これは本当に、やはり十把一からげとか全部というのはやめた方がいいですよ。さっきおっしゃられたじゃないですか、大切なことはやっていかなきゃいかぬ、しかし不必要なものは切る。こういう気持ちがすごくやはり大切だと思うんですよね。それを考えたら、医療はちょっと今回考え直してもいいと思いますけれども、どうでしょう、大臣。

額賀国務大臣 よくそういう御議論も聞いておりますが、大局的に申し上げれば、我々が今、国としてやっていかなければならないことは、国民生活を安定させていくということ、そのためには経済の成長をきちっとしていくこと、それから膨大な借金を返済していくこと、こういうことをしっかりと対応していかなければなりません。

 委員がおっしゃるように、そのためには、まず無駄をゼロにしていく、予算の歳出は効率化、合理化を図っていく、徹底的にこれを行っていく。その上に立って、歳入をどう考えるのか、そして歳出をどう考えるのか。そういうことを、衆参お互いに多数を持っているわけだから、これは建設的に議論をして結論を出していかなければなりません。ただ反対のための議論ではいけません。そこのところをよくお願いしたいと思います。

枝野委員長 時間が経過しております。端的に。

松木委員 では、これを最後に。

 ぜひこれは、大臣、お考え直しをいただきたい。大変大切なところです。本当に、北海道というのは……

枝野委員長 端的にお願いいたします。

松木委員 地方に行ったらお医者さんがいませんから、よろしくお願いします。

 以上でございます。

     ――――◇―――――

枝野委員長 この際、御報告いたします。

 去る四月二十八日、議長より本委員会に送付されました、議員中川正春君外百十一名からの中央省庁等の予算の執行状況等に関する予備的調査の要請につきましては、理事間の協議により、衆議院規則第五十六条の三第三項によって、去る四月三十日、調査局長に対し、予備的調査を命じましたので、御報告いたします。

 次回は、来る二十三日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十三分散会


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