衆議院

メインへスキップ



第6号 平成21年7月9日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十一年七月九日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 河本 三郎君

   理事 下村 博文君 理事 菅  義偉君

   理事 中馬 弘毅君 理事 原田 義昭君

   理事 山口 泰明君 理事 篠原  孝君

   理事 福田 昭夫君 理事 井上 義久君

      伊藤 忠彦君    稲田 朋美君

      浮島 敏男君    小里 泰弘君

      越智 隆雄君    大高 松男君

      大塚  拓君    木原 誠二君

      木原  稔君    北村 茂男君

      棚橋 泰文君  とかしきなおみ君

      土井  亨君    土井 真樹君

      永岡 桂子君    西本 勝子君

      葉梨 康弘君    萩原 誠司君

      福田 峰之君    藤野真紀子君

      船田  元君    松本 文明君

      村田 吉隆君    安井潤一郎君

      若宮 健嗣君    渡部  篤君

      小川 淳也君    大串 博志君

      奥村 展三君    階   猛君

      中井  洽君    松本  龍君

      森本 哲生君    横山 北斗君

      鷲尾英一郎君    大口 善徳君

      佐藤 茂樹君    高木 陽介君

      佐々木憲昭君    菅野 哲雄君

      下地 幹郎君

    …………………………………

   議員           篠原  孝君

   議員           武正 公一君

   議員           長妻  昭君

   議員           原口 一博君

   総務大臣         佐藤  勉君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           門山 泰明君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 甲斐 行夫君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    荒井 英夫君

   衆議院調査局第二特別調査室長           岩尾  隆君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月九日

 辞任         補欠選任

  伊藤 忠彦君     葉梨 康弘君

  浮島 敏男君     北村 茂男君

  越智 隆雄君     とかしきなおみ君

  木原 誠二君     安井潤一郎君

  木原  稔君     西本 勝子君

  船田  元君     若宮 健嗣君

  石関 貴史君     鷲尾英一郎君

  中井  洽君     森本 哲生君

  高木 陽介君     大口 善徳君

同日

 辞任         補欠選任

  北村 茂男君     浮島 敏男君

  とかしきなおみ君   越智 隆雄君

  西本 勝子君     木原  稔君

  葉梨 康弘君     伊藤 忠彦君

  安井潤一郎君     大高 松男君

  若宮 健嗣君     船田  元君

  森本 哲生君     中井  洽君

  鷲尾英一郎君     小川 淳也君

  大口 善徳君     高木 陽介君

同日

 辞任         補欠選任

  大高 松男君     木原 誠二君

  小川 淳也君     石関 貴史君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 政治資金規正法等の一部を改正する法律案(岡田克也君外五名提出、衆法第三四号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

河本委員長 これより会議を開きます。

 岡田克也君外五名提出、政治資金規正法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長門山泰明君、法務省大臣官房審議官甲斐行夫君及び国税庁課税部長荒井英夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。葉梨康弘君。

葉梨委員 おはようございます。自由民主党の葉梨康弘です。

 冒頭、委員長それから各理事の皆さんにも、ぜひ御協議願いたいというふうに思います。

 昨日、本日の質問のために質問通告をいたしまして、先ほど委員長からのお話にもありましたとおり、この法案は、政治資金規正法等の一部を改正する法律案、岡田克也君外五名提出、衆法第三四号ということでございますけれども、その岡田克也君に対して質問通告いたしましたところ、本日、出席を得られておりません。筆頭の提出者であります岡田氏がなぜ出てこないのか、また、きょうの質問の中でも御質問させていただきますけれども、岡田氏でなければ答えられないだろう、そういう項目もございます。

 ですから、本日は、そのことに大いに抗議をいたしますとともに、理事会において、必ず次の機会においては岡田克也君の出席を求めるよう強く要求するものでございます。

 委員長、お諮りをお願いいたします。

河本委員長 理事会で協議いたします。

葉梨委員 それでは、質問に移らせていただきます。

 本案審査の前に、まず一問でございます。

 質問通告の順番、ちょっと変えていますけれども、実は私、政党助成法改正案の提出者でもあるんです。昨日、民主党は討論を行うことなく、しかも、民主党質疑者が政党助成法の改正案についていろいろな質疑をされたわけですけれども、民主党質疑者の方からは私ども政党助成法改正案の提案者に対して何らの質問通告もなかったわけでございます。質疑も行わずに、与党が提出した政党助成法の改正案には反対をされました。

 篠原理事が筆頭理事ということで、昨日も反対票を投じられたわけでございますけれども、篠原提案者にお尋ねをいたします。

 まず、民主党は、今後、政党が解散を決定した後に税金を原資とする政党交付金を他の団体に寄附することによって国庫への返納逃れをすることを禁止すべきではないというふうに考えていらっしゃるということでよろしいですね。

篠原議員 お答えいたします。

 前の審議の中で明らかにはいたしませんでしたけれども、我々、政党助成金についてはいろいろ考えるところがあります。それでこの政治資金規正法改正案も提出させていただいております。今、葉梨委員が御指摘の点については、今後、党内でもしっかり検討していくこととしております。

葉梨委員 返納逃れを禁止するということは、そんなに長いことかけて検討しなければいけないことなんですか。返納逃れは禁止すべきではないから反対されたんでしょう。それだったら棄権すべきじゃないですか、篠原さん。

篠原議員 審議時間がそれほどありませんでしたから根本問題については私は議論をいたしませんでしたけれども、政党助成金というのは政党に託されたお金です。政党がどのように使うかというのは政党に任されているんじゃないかと私は思います。いわゆる、簡単に言うと、ひもつきのというか、どこにどうこうするということを全部チェックしなければいけないというものではないんです。後、それは結果報告としてちゃんと政治資金収支報告書で明らかにすればいいのであって、どのように使うかは、離れたときに政党に任されている性格のものではないでしょうか。そういう点では、私は根本から少々違った考え方に基づいた法案提出ではなかったかと思っております。

葉梨委員 税金を原資とする政党助成金の使い道は、政党が何でも勝手に使ってもいい、自分の関連団体に対しても寄附で返納逃れをしても構わない、そういうような御回答でございました。このような考え方で果たして今後税金の無駄遣いの一掃などということができるのかどうか、このことを私は大変疑問に思うわけでございます。

 それでは、法案審議に入らせていただきましょう。

 まず、民主党がこの法律案を出した本当の理由についてということでございます。

 これは本来だったら岡田提案者にしっかりと聞かなければならないことでございますけれども、岡田筆頭提案者の意を受けてということの範囲できょうは聞くしかないのをまことに残念に思います。

 鳩山民主党代表は中央公論の五月号で、「企業・団体献金を全廃し、クリーンな民主党を再構築する」という記事の中で、ということは今の民主党はクリーンじゃないということなんでしょうけれども、今回の政治資金規正法改正の検討に至った経緯について、「本来なら行政指導による修正で済むものをいきなり逮捕するという検察のやり方が、はなはだ異常です。青信号を渡っていたのに捕まったようなもの。政治的意図を疑わざるを得ません」「青信号で渡っても捕まる可能性があるというのなら、信号そのものを撤廃して、渡ること自体を禁ずる以外にないでしょう。小沢代表が主張するように、企業・団体献金は禁止して受け取らないことにするのが筋。党の政治改革推進本部長を務める岡田副代表にも、その方向で党としての方針をまとめるようお願いしています。」と述べていますけれども、このような鳩山代表の考え方に基づいて今回この法律案を提案されたというふうに理解してよろしいでしょうか。

長妻議員 御答弁申し上げます。

 民主党がこの法案を提出した本当の理由についてという御趣旨の質問だと思いますが、本当の理由というのは、我々としては政治文化を変えたいということが一つ大きくあります。そういう意味では、企業・団体献金の禁止ということと世襲の禁止、これが二つの柱となっているわけでございます。

 これは、今、民主党がこの法案を提出した本当の理由という御趣旨の質問なのでお答えを申し上げているんですけれども、これは質問通告にもございますので、企業・団体献金に関しては、企業・団体献金が全部悪だというわけではございませんけれども、これまでいろいろな問題が噴出をしてきて国民の不信が高まった、民主党は、国民の政治不信を根本的に解消するためには、より抜本的な対策が必要であると判断して、企業、団体の献金等の全面禁止を提案することといたしたわけでございます。

 そして、特にこの日本で懸念されるのは、個人献金の文化というのがなかなかない。これは政治家以外の文化もそうでございますけれども、例えば二〇〇六年一年間の国民一人当たりの個人寄附額、これは政治団体以外の寄附も含めてでございますけれども、日本が一人当たり二千三十四円、米国が八万四千八百二十五円、英国が三万三千五百九十七円ということで、先進国に比べて個人の寄附というのが大変比率が低い。

 やはり、個人の支えで政治もやる必要があるんじゃないのか、企業丸抱えというのはいかがなものか、こういう政治文化を変えたいという本当にまじめな気持ちで我々はこの法案を提出しているところでございまして、ぜひ自民党の皆様の御賛同もいただきたいというふうに思っているところでございます。事実、今、フランス、カナダでは腐敗があって、企業・団体献金は全面禁止になりました。(葉梨委員「質問に答えていないので、もう結構です。長妻さん、わかりました」と呼ぶ)

 そして、もう一つは世襲の問題でございますけれども……(葉梨委員「質問時間を無駄に使わせないでください」と呼ぶ)いや、まだ世襲の問題を申し上げておりませんので。世襲についても、これは自民党、日本の政治の文化の中で海外に比べて世襲が大変多いというふうに言われておりますけれども、普通の有能な方が同じスタートラインに立って政治家を目指すことができる、こういうようなことが我々何よりも重要であるというふうに考えているところでございます。

 そういう意味で、民主党は……(発言する者あり)よく聞いていただきたいと思うんですが、現職の国会議員の配偶者及び三親等内の親族が同一選挙区から立候補する場合に公認しない、これは法律ではございませんで、民主党の党内ルールを策定いたしました。あわせて、これは法律でございますが、国会議員関係政治団体を対象として、団体そのものや団体の政治資金を親族に引き継ぐことを法律で禁止するということを決定しているところでございます。

 世襲の方が、例えば党においても公認決定のときに非常に有利になるなどなど、地盤、看板、かばんのげたを履いているという批判がございますので、そういう意味でも、戦後百年の未曾有の経済後退だと言っているからには、本当に戦後百年の計に立った政治文化の改革というのが必要であるという趣旨で出したというのが、これが本当の理由でございますので、御理解をいただきますようよろしくお願いします。

葉梨委員 いいです。質問に答えたくないということだと思いますが。

 要はこういうことですね。民主党の鳩山代表が中央公論で述べられていることについては、わからない、お答えできないということですから、やはりこれは民主党の鳩山代表自身のお口から、この中央公論五月号の検討の経緯というのをお話を伺わなければならないというふうに思います。

 民主党鳩山代表の参考人招致をお願い申し上げます。

河本委員長 理事会で協議いたします。

葉梨委員 いずれにしても、法案提出の本当の理由を聞くのは、長妻さんからではなくて、鳩山代表から聞かなければならないということであろうかと思います。

 もう一つは、民主党がこういう法案を出したということ、これについて、いろいろなところから、やはりこれは小沢問題隠しじゃないか、そういうような疑念が出ております。本気でこの法案を成立させる気があるのかどうか。

 六月一日、会期末ぎりぎりになりましてこの法案を提出されたわけですけれども、与党も協力して委員会付託を行いました。しかし、民主党の提案者が提案理由説明を行ってくれないんです。これは倫選特の筆頭理事でございます篠原理事にお答えを願いたいと思いますが、法案を提出しながら、これまで提案理由説明や委員会での答弁を拒まれてきた理由についてお答えください。

篠原議員 お答えいたします。

 与党の皆さんが我々野党の提出した法案を審議していいという寛大な態度をとられたことに対しては敬意を表したいと思っております。今、このように審議に入れたことも、私、本当のところ、内心ほっといたしております。この心情を察していただきたいと思います。

 理事会でいろいろ申し上げましたけれども、この法案については、弁明させていただきますと、我々は意図的に審議をおくらせようなどということは考えておりませんでした。しかし、この法案が審議されんとしたときにどういう状況だったかというのを皆さん思い起こしていただければおわかりいただけると思いますけれども、まず、担当の佐藤総務大臣が八つもいろいろな仕事を兼務されている、いかに能力があっても八つは無理なのではないかということで、内閣改造が取りざたされていたわけです。いつ交代するかもわからないという状況の中で審議するのはいかがなものかというのがありました。

 そうしたら、その次が、我々がそういう理由で拒否しておりましたところ、二つの法案について審議したいということで、それはそれで皆さんが提出されていることですからいつでも審議できたわけでして、それが突然木曜日の議運でおりまして、すぐ、即刻その日に趣旨説明をして質疑応答をするというのも、これも少々荒っぽいことではないか、それはちょっと参加できないということ、こういったことはできないのじゃないかということで拒否させていただきました。

 それで、金曜日については、これはもう理事会で繰り返し申し上げたことでして、こういう場で申し上げるのもなんですけれども、金曜日は皆さんいろいろ事情があってできないから、お帰りいただくので、だから木曜日に急いで全部やらなくちゃいけないと言っておられたのが、また金曜日にやると。これは内実は多分金曜日に突然本会議が入ったりしないということだろうと思いますけれども、やるということになりましたので、我々は、それはあんまりじゃないですかというのが一つです。

 それから、翌週になりました。翌週になりましたら我々は審議する予定がありました。ありましたけれども、先行二法と一緒に趣旨説明して、三つとも一緒に議論するべきだという。これまたちょっと二つの法案と一緒というのはおかしいので、そっちを処理してから我が法案を審議していただきたいということで、きょう、このように審議を開始している次第でございます。

 本法案の審議ができなかったのは、今申し上げたような我々のいろいろな理屈もありましたけれども、与党の皆さん方が余りにも強引に審議を進めようとされたことにも一因があるのではないかと私は思っております。

葉梨委員 今こうやって民主党提出の法案を審議しているんですけれども、総務大臣は必要ですか。民主党の皆さんが民主党の皆さんに質問するときは総務大臣が要るというのかどうかわかりませんけれども、それは自分たちの出した法案なのであって、我々は別に総務大臣がいなくたって審議しましょうと言っているのに、総務大臣が忙しいから審議できない。どういうことでしょう。国民の皆さん、わかりますか。国会議員が一体どういう仕事をしているんだということになっちゃうんじゃないですか。

 六月二十四日、決算行政監視委員会で民主党のY議員が、「少しでも信頼を取り戻すために改革する、努力する民主党。片一方は、何ら改革する意欲が見えない自民党。」と大見えを切られたんですね。六月二十四日ですよ。民主党の案もいろいろ問題があるようだから、では、それならしっかり審議しようということで付託をおろした。そうしたら、今本当は再答弁を求めたいんですけれども、時間がないものですから再答弁は求めませんが、ぐだぐだした理屈、理屈というより、へ理屈にしか私には聞こえなかったんだけれども。ですから、これでは、「少しでも信頼を取り戻すために改革する、努力する民主党。」、何の努力をしているんですか。口先だけでしょう。これは羊頭狗肉かなというような感じもいたします。ただ、それはそれとして。

 次の問題ですが、まず、この法案をしっかりと審議する前に、やはり政治と金について透明性のあるシステムというのが確保されていることが必要だと思います。ですから、この経緯についての押し問答とか再答弁みたいなことはまたこれぐらいにいたしまして、昨日、提案理由説明を読まれたのが原口先生でしたけれども、こちらが多分、岡田克也さんにかわる筆頭提出者の代理ということで読まれたんだと思いますが、二問お願いをしたいと思います。簡単なコメントで結構です。

 まず、一般論としてお答えください。

 政治資金収支報告書に虚偽の事実を記載するのはいいことでしょうか、悪いことでしょうか。これが第一問。

 それから、政治資金収支報告書にうっかりではなくわざと虚偽の記載をしても、ばれたら訂正すれば済む、政治的な責任はとらなくてもよい、そういうお考えについては、それは正しいと思われるか、間違いと思われるか。

 この二点について伺いたいと思います。

原口議員 葉梨議員にお答え申し上げます前に、この間、葉梨議員が提出されたコミュニティー基本法、民主党に御説明に来てくださいましてありがとうございます。総務部門の責任者として、地域のきずなを復活させる、あるいは地域を支える上で大変大事な法律だと思いますので、そのことについてまずお礼を申し上げ、そしてお答えを申し上げます。

 政治資金規正法の制定の経緯を見てみると、制定はアメリカ占領下の昭和二十三年、戦後の政治的混乱の状況下で腐敗行為が続出しまして、これを防止する趣旨で、議員立法によって制定をされています。

 政治資金規正法上にうたわれている規制、これは葉梨議員、基本的には政治活動はすべて自由である。だから、私たちは今回の法案で企業・団体献金を禁止ということをしましたが、本来であればすべては自由であるべき。そしてその中で、今、虚偽記載について御質問をされましたけれども、政治活動の中で、政治活動の自由を保障した上ですべてを公にしましょう、そして公にする中で政治活動が国民の不断の監視と批判のもとに行われるようにしよう、これが政治資金規正法の趣旨でございます。

 したがって、今御質問になりました政治資金の収支の公開並びに政治団体、公職の候補者に係る政治資金授受の規正その他の措置において、それに違反することがあってはならない。これは一般論として申し上げますが、虚偽の事実を記載してはならない。

 それはミスもありましょう。だけれども、ミスについては、一定の手続を経てそれは修正するということは許されています。しかし、故意にそれをゆがめたり、故意に国民に対して虚偽の報告をするということは断じてあってはならないものだ、そう考えております。

葉梨委員 断じてあってはならないような故意の虚偽記載、これは断じてあってはならないと思います。

 それに次いで、故意の虚偽記載があった場合に、それは訂正をしさえすれば政治的責任はとらなくていいのかという質問にお答えください。

原口議員 失礼しました。

 政治的な責任というのは、事実に即して、その事実がどうだったのか、その悪質性。特に、先ほど申し上げました、この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨としています。これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することがないように運用されなきゃいけない。つまり、政治活動は自由だ、その自由の中でも、だから皆さん公開しなさいね、そして、その公開が故意にゆがめられた場合はちゃんと政治的な責任をとってもらいますよという法律なんです。

 それで、先ほどの、私たちの民主党の立法経緯についてもお尋ねがありましたから、お許しをいただければ少しお話を短い時間でさせていただきますが、予見可能性なんです、葉梨議員。私は総務の担当として、これは皆さんにかかわることですから。

 Aという人間が、例えば私が原田先生にお金を出して、原田先生が葉梨先生に寄附をされたとします。そうすると、では、私のお金なんですけれども、政治資金収支報告書にはだれを書けばいいんですかと、これを総務大臣に聞きました。だれでしょうか、私でしょうか。お金は私のお金です、しかし、原田先生が葉梨先生に寄附をされました。皆さんの会計責任者はどっちを書きますか。その予見可能性がわからなかったんです。総務省からの答えはどういう答えだったかというと、それは個別の事象において判断をしますと。

 ということは、これは何を意味するかというと、私たち政治家、先ほど申し上げました、政治活動は基本的に全部自由なんです。しかし、その自由である活動の記載が予見可能性がないということはあってはならない。だから、この委員会でも総務大臣をお招きして、そして共通の基盤を議論しましょうというのが私たちの趣旨でございますので、御理解をいただきたいと思います。

葉梨委員 政治責任はとらなきゃいかぬということなんだと思いますが、それだけの説明をするために、ちょっと、何でこれだけ長く説明を聞かなきゃいけないのかというのが私にはわからないんです。

 政治責任はとらなきゃいけませんね。それで、予見可能性といったって、間が幽霊だったら、その幽霊の名前を記載するというのは、これは予見可能性の外に出ている問題じゃないかなというふうに今私は思います。

 法務省に伺います。

 政治資金収支報告書が訂正されたとしても、かつて実行された虚偽記載罪、故意の虚偽記載ですね、重過失の虚偽記載、これについて罪が問われなくなるということはないと考えますが、どうでしょう。

甲斐政府参考人 一般論として申し上げますと、既に成立した政治資金規正法の虚偽記載罪の罪の成否と、事後的にその収支報告書の訂正を行ったこととは関係がないと考えております。

葉梨委員 民主党の法案というのは、るる、長々、だらだらといろいろな御説明もございましたけれども、要は、企業献金を禁止して個人献金にする、個人献金については税額控除をする、それから政治資金についての世襲、これについて措置をとるということでございます。

 ただ、どんな制度をここで議論したにしたって、その報告書がでたらめに記載されて構わないよというような姿勢であっては、これは何の制度を議論しても意味がないわけです。そういった意味でいいますと、虚偽記載というのは、故意であればやはり悪いことであるというようなことでございました。

 それで、予見可能性といっても、幽霊が生きているか生きていないかという予見可能性は私はよくわからないんですけれども、それが予見可能性があるのであれば、それで故意であればやはりそれはいけないことだし、それを後で訂正したからといって、やはりいけないことだというようなことなのでございますけれども、果たしてそれを、実際問題として、今の長い答弁の中でそういう結論になったと思いますけれども、そのようなことを民主党の代表自身が御実行されているのかどうか。そこら辺のところが、やはりこの法案を提出された民主党自身の信用性、これにもかかわってくるということでございます。

 これも本当は岡田克也さんに聞きたかったんですが、きのう午前の民主党の参議院議員総会、鳩山由紀夫代表の政治資金収支報告書虚偽記載問題について、鳩山さんは説明責任を果たしている、私は記者会見の場にいてそのことを実感したと強調した。また、自民党は針小棒大に根拠がないようなことを平然と述べている、これも弾切れになりつつあると述べたと伝えられています。針小棒大なのか弾切れなのかわかりませんけれども、個々の事例に即して、また今まで報道されていないようなことも含めまして、ちょっと、きょうは幾つかお伺いもしたいなというふうに思います。

 まず、いわゆる匿名献金の問題でございます。

 五万円以下の献金ないし税額控除を受けない、そういうような献金については、個人献金は現行の政治資金規正法においても収支報告書に名前を挙げなくても構わないということになっておりますけれども、これは、鳩山さんの政治団体であります友愛政経懇話会に対してなされた匿名献金の寄附の総額、平成十九年分は二千七百七十九万一千円です。これを、きょうはいらっしゃっていないんですが、筆頭提案者であります岡田克也さんの政治資金管理団体については、この年は五万八百円なんですね。小沢前代表に対しては百十三万六千円。麻生総理の政治資金管理団体に対する匿名寄附は四十六万円。ちなみに、ぐっと格下の私に対してはゼロでございます。

 まだ答えられていないのは、武正先生がまだ答えられていません。この匿名献金の金額、二千七百七十九万、これはほかの方と比べるとやはり多いのじゃないかと思うんですが、御感想だけお願いいたします。

武正議員 葉梨委員にお答えをいたします。

 今それぞれ挙げられた金額というものを、その他議員の比較をすることが今できないという段階で、お答えは差し控えたいというふうに思っております。

 以上です。

葉梨委員 わかりました。

 それで、鳩山代表の方も匿名献金については調査を継続するということを言っているわけですが、総務省、五万円以下の匿名献金について、会計帳簿の備えつけが義務づけられていると思いますけれども、どうでしょうか。備えつけていない場合の罰則はどうでしょうか。

門山政府参考人 お答えいたします。

 政治資金規正法上、政治団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これに当該政治団体に係るすべての収入、支出などを記載しなければならないということとされております。

 お尋ねにあります寄附につきましては、寄附の金額にかかわらず、会計帳簿につきましては、いわゆる政党匿名寄附を除きますが、すべての寄附につきまして、その寄附をした者の氏名、住所及び職業、当該寄附の金額及び年月日などを会計帳簿に記載するということにされておりまして、政治団体の会計責任者は、この会計帳簿と領収書などを、収支報告書の要旨が公表された日から三年を経過する日まで保存しなければならない、こういう義務がございます。

 故意または重過失によりまして会計帳簿を備えず、または会計帳簿に記載すべき事項の記載をせず、もしくはこれに虚偽の記入をした者については、三年以下の禁錮または五十万円以下の罰金に処するという規定があるところでございます。

葉梨委員 会計帳簿は、そういうことであるんでしょう。それで、すべての収入、支出が記載されているということであれば、その帳簿をくくれば、少なくとも平成十九年分の、何人からの匿名献金があったか、だれかまでは公表する必要はないと思いますし、そのだれが実在しているのかどうか、これも調べる必要も、そこまでは必要ないけれども、少なくとも、その匿名献金として記載されている者が一体何人なんですかというのは容易にわかることだというふうに思います。

 この問題が明らかになってから、もう既に三週間以上が経過しているわけですけれども、鳩山代表が、この匿名献金について、何人からの匿名献金を受けたかという人数すら明らかにされていないことについては、どうしてだろうと考えますか。では、同じく武正先生にお願いしましょう。

武正議員 そもそも我々発議者は、法律、改正案に責任を持つ立場であって、個々の問題について答弁する立場にないということはお答えをさせていただきたいと思います。

 ただ、鳩山代表についてでありますが、六月三十日、フリーランスや外国メディア、夕刊紙などを含むさまざまなメディアに対して、オープンな場で、オープンな形で記者会見を行った、質問を希望した三十数人の記者全員の質問に答えたと聞いております。また、あわせて、弁護士が客観的かつ公正な観点から調査して取りまとめた調査報告書が公開されております。鳩山代表は国民に対する説明責任をきちんと果たしたというふうに認識しております。

葉梨委員 六月三十日の記者会見でも、この匿名献金についてはこれからも調査するみたいなことを言われておりまして、今も申し上げましたとおり、数時間あれば、この会計帳簿を見て、何人から出たかぐらいの話はわかるんですけれども、その後、一週間も経過しても、それが全然出てきていないということなんです。

 ここの、法案提出者とおっしゃられますけれども、匿名献金が問題となった場合、これについて、ほおかむりして隠してよいということになってくると、これは実は大変な問題があるんです。

 というのは、どういうことかというと、企業からの裏金であっても何であっても、これを個人からの匿名献金ですよと偽装すればいい、会計帳簿は明らかにしなくても説明責任を果たしたということになるのであれば、企業からの裏金、これを匿名献金という形で報告したとしても、会計帳簿は明らかにしなくても政治家としての説明責任は果たしたんだということになるんだったら、企業献金か個人献金か、これを議論するというのは全く無意味になっちゃう。

 ですから、この法案の審議に当たって、いわゆるこの匿名献金は、実は、本当はもしかしたら企業献金だったんじゃないんですか、本当にそれは正しかったんですか、あるいはこれも偽装献金だったんですか、ここら辺の疑念に対しては、本人も調査すると言っているんですから、法案審議の前提として明確に答える必要があると思います。

 鳩山代表の参考人招致、そして、匿名献金は一体何人から得られたかという資料の提出をお願い申し上げます、委員長。

河本委員長 理事会で協議します。

葉梨委員 では、次の問題に移らせていただきたいと思います。

 選挙部長さんにお願いを申し上げます。

 これは一般論としてお答えをいただきたいと思うんですけれども、政治資金収支報告書には借入金の累計額というのを記載する欄がございます。

 さて、これは一般論でお答えいただいて結構なんですが、例えばという頭の体操をいたしましょう。

 ある政治家が、自分の資金管理団体に対して五千万円の貸付金というのをもともと持っておりました。その五千万円の貸付金でございますけれども、政治資金管理団体の収支報告書には、ずっとそれが五千万円の借入金という形で累計額が記載をされておりました。ところが、この政治家の方がうっかりミスをしてしまいまして、本来自分からの貸付金として計上しなければならないお金を、実在しない方からの寄附として計上してしまった。

 その金額が、平成十五年に二百五十万円、平成十六年に二百五十万円、平成十七年は五百万円であった場合、では、これは間違えたので訂正をいたしましょうということで、この政治家が平成十七年の収支報告書を訂正しようとするときに、借入金の残高欄に記載された五千万円は一体幾らに訂正しなければならないんでしょうか。

門山政府参考人 具体的な事案につきましては事実関係によるという面があろうかと存じますが、お尋ねが一般論としてということでございますので、一般論の範囲内でお答えさせていただきます。

 平成十五年に、今おっしゃいましたように二百五十万の借り入れ、十六年に二百五十万、十七年に五百万円ということですと、合計額は一千万ということになるかと存じますが、この間に借入金の返済がゼロということを仮定いたしますと、今のおっしゃった例では、それ以前の借入金残高五千万円にこの三年分の一千万円が加わりまして、平成十七年末の借入金残高は六千万円と記載することになるのではなかろうかと存じます。

葉梨委員 そうですね。

 あくまで一般論ですけれども、例えば平成十五年にそういう処理を直さなきゃいけない、十六年にそういう処理を直さなきゃいかぬ、十七年に処理を直さなきゃいけないということであれば、弁護士の方も当然政治資金規正法はよくわかっているわけですから、累計額として、この場合ですと、平成十五年二百五十万、平成十六年二百五十万、それから平成十七年五百万の場合は、六千万円の借入金累計を記載しなきゃいけないということになろうかと思います。

 六月三十日の記者会見で、鳩山代表及びその弁護士でございますが、これは記者から、ある新聞社の記者が、実は私どもの会社ではもう既に平成十五年からの偽装献金というのを確認しておりますけれども、平成十七年以前についての可能性というのはどうなんですかということについては、平成十七年以前の偽装もあり得るというふうに明確に答えております。

 そして、官報というのがございまして、そこには五万円以上の寄附が載せられているわけですけれども、既に官報だけからくくった範囲においても、平成十七年にこれは真正の寄附者ではないという形で名前を消された方と同姓同名、それから同じ市町村に住んでいる方が、平成十六年においても約四百五十万円、それから平成十五年においても約三百五十万円ほどの献金をなされているという記載がある。

 ですから、どうもやはり平成十五年ぐらいから、その以前もあるというような気もいたしますけれども、少なくとも大きな金額ということでは、平成十五年、十六年、ここら辺のところは、官報を見れば本当にそれこそ一時間、二時間でくくれる話ですけれども、偽装献金の疑いというのがあるわけでございます。

 そこで、選挙部長さんにお伺いをいたします。

 友愛政経懇話会からの平成十七年分収支報告について、六月三十日に鳩山代表サイドから訂正が行われたと聞いています。この年についての鳩山代表からの借入金は幾らから幾らに訂正されたんでしょうか。また、友愛政経懇話会に係る鳩山代表からの借入金残高は幾らから幾らに訂正されたんでしょうか。さらに、平成十六年以前の報告書について訂正はなされておりますでしょうか。以上三点です。

門山政府参考人 お答えいたします。

 六月三十日の訂正後の平成十七年分の友愛政経懇話会の借入金の残高を申し上げますと、収支報告書で確認いたしましたところ、平成十七年分の訂正前の借入金の残高は八千万円ちょうどでございました。これが、訂正後の残高は八千七百八万円ということでございます。

 それから、平成十七年分から平成二十年分の収支報告書が訂正されました本年六月三十日以降、友愛政経懇話会から収支報告書の訂正願の提出はございませんので、お尋ねの平成十六年分以前の訂正がされたかという点につきましては、訂正は行われていないということでございます。

葉梨委員 では、もう一問、選挙部長さんにお答えを願いたいと思います。

 政治資金収支報告書について虚偽の訂正を行った場合は、虚偽記載罪に当たるでしょうか。

門山政府参考人 お答えいたします。

 総務省といたしましては、個別の事案については、具体的な事実関係がわかりませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、政治資金規正法では、故意または重大な過失により収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者、または虚偽の記入をした者については五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処するという規定がございます。これは、収支報告書の提出時点のみならず、訂正という形で収支報告書に虚偽の記入をした者についても罰則の対象となり得るというふうに解されるところでございます。

葉梨委員 先ほど、私どもで調べたところで、官報だけからくくったところでは、平成十七年分の収支報告書が訂正されて、そこには、献金をしていない、したことになっていたけれども実はしていなかったというふうに記載されたお名前の方と同姓同名で、同じ市区町村に住んでいる方の部分の個人献金、これは五万円以上でございますが、平成十六年が四百五十八万円、平成十五年が三百八十六万円、それから平成十四年が六十二万円、それぞれ、平成十六年が二十六人、平成十五年が十五人、それから平成十四年が六人ということになっております。

 ですから、この方たちが平成十六年、十五年、十四年に真正に寄附をしているということであれば問題ないんですが、必ずしもそういうふうには一般的には考えられない場合が多いんじゃないかということになります。

 平成十六年以前の偽装があり得るということを会見で述べていながら、平成十七年の訂正報告については、平成十六年については一切偽装献金がないということを前提とした訂正報告をされたわけですけれども、なぜこのような訂正報告をされたか。提案者、どなたでも結構でございますので、感想をお聞かせください。感想だけで結構ですから、短くお願いします。

長妻議員 今現在、本法案の提出者の立場で我々は答弁席に立っておりますので、本質問に責任を持って答える立場にはないというふうに考えております。

葉梨委員 それはそうだろうと思いますけれども、御感想ということでございますので。それが許されるのか許されないかということ、これについて聞いても多分答えてはいただけないだろうと思いますよ。ですから、これ以上は聞きませんが。

 ただ、一つ言えることは、平成十六年、平成十五年についても大いに偽装が相当な形であり得るということ、これについては鳩山代表サイドも認めておりますし、また、こうやって官報を見れば相当な金額が偽装献金であるという疑いがあるわけです。

 となりますと、平成十七年の報告というのは、それを合算した報告で借入金累計というのをつくらなきゃいけません。ですから、十六年、十五年、あるいは十四年以前ももしかしたらあるんじゃないかということをわかっていながら知らんぷりをして、平成十七年の借入金累計を八千七百八万円に変えてしまうということは、先般の倫選特でもやらせていただきましたが、これは民主党がいらっしゃらなかったので、きょうもう一度やっているんですけれども、その訂正自体が虚偽訂正、虚偽記載に当たる可能性が非常に高いんですよ。この六月三十日の訂正ということ自体は、事務担当者がどうのということじゃなくて、これ自体が罪に当たる可能性が非常に高いんですよ。

 ですから、それもまた許されるのであるんだったら、そもそも企業献金か個人献金かなんということを議論する実益も実効性も何もなくなってしまう。だからこそ、私は、この法案の審議の前提として、政治資金の透明性ということで今質疑を行っているわけです。

 それだけではございません。政治資金収支報告書に寄附、借り入れなんかを記載する場合は、可罰性があるかどうかという話は別としてなんですが、日付を記載しなければいけませんね。いつ借り入れましたとか、いつ寄附を受けましたと。この日付の虚偽を記載した場合、まあ可罰性があるかどうかというのはちょっとおいておきましょう、これは虚偽記載罪に当たりますか。

門山政府参考人 一般論ということでございます。

 政治資金規正法におきましては、故意または重大な過失によりまして収支報告書に記載すべき事項とされております事項を記載しなかった者、または虚偽の記入をした者については、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処するという旨の定めがあるところでございます、二十五条一項、二十七条二項でございますが。借入金の日付につきましては、法十二条、省令記載要領等におきまして記載されていないというふうに承知いたしております。

葉梨委員 では、それは当たらないということですね。

門山政府参考人 借入金の日付ということで限定してのお尋ねでございますれば、法律上の記載事項にはなっていないというふうに承知いたしております。

葉梨委員 ここのところは法律上の記載事項にはなっていないということでございまして、それはそれで、実際問題として、私も、寄附を受けた日をその日必ずしなきゃいかぬかということで、先ほどの可罰性もあるかどうかということを聞いたわけなんですけれども、これは法律違反ではございません。

 そこのところはいいんですが、非常におもしろいのは、鳩山由紀夫さんというのはクリスマスが大好きな方でございまして、借入金に寄附を全部訂正したんですよね。そうしたところ、平成十七年分の寄附、いろいろな日で、四月とか一月とか三月とか五月とか、いろいろな形で寄附を受け付けているわけですけれども、これが全部総計して七百八万円になりました。

 この七百八万円の借り入れた日付として、これは備考ですから記載事項ではないんですが、これが備考として平成十七年の十二月二十六日。それから、平成十八年分については、鳩山由紀夫さんがいろいろな寄附を合算して、借り入れた日付というのが平成十八年の十二月二十六日。それから、平成十九年分について、やはりいろいろな寄附を合算して、借り入れた日付というふうにしたのが平成十九年の十二月二十六日ということで、全部十二月二十六日で統一をされている。ですから、非常にどんぶり訂正というようなことになってまいろうかと思います。

 ただ、先ほども言いましたとおり、私は別にこれで可罰性があるというふうに思っているわけでもございませんし、記載事項についてはなっていないということでございますけれども、ただ、この六月三十日の訂正報告というのが余り精査されないままで報告がなされたということの、これは相当大きな傍証になるんじゃないかなというふうに思います。

 いずれにしても、先ほど提案者の方からも話がございました。この平成十六年以前も偽装献金があったんじゃないか、そういうような疑惑、これについて、これをすっかりほおかむりをする形で平成十七年の訂正をされた。平成十七年の訂正をそういう形でするといたしますと、それ自体で政治資金規正法に言う虚偽記載罪に該当する可能性も非常に高くなる、こういったような事案でございます。

 こういったことがもしも許されるということであれば、冒頭も申し上げましたとおり、これは訂正をすれば何でもいいんだ、そして、その訂正自体が間違っていても構わないんだというようなことがもしも許されるとすれば、それこそこの法案において個人献金か企業献金か、そんなことを議論することは実際問題として実効性がないし、何のために議論しているんだという話になっちゃうんです。

 ですから、やはりこういったような、まさにこれから政治と金の問題についてしっかり議論しようという前提として、その前提となる政治と金の問題の透明性、これを確保するためにも、平成十六年以前の偽装というのを何で隠そうとしたんだか。

 鳩山代表は、実は七月八日の記者会見、たくさんの記者会見で説明責任を果たされたというふうにおっしゃられていますけれども、記者会見ではこれは一切触れておりません。鳩山代表の参考人招致を要求いたします。

河本委員長 理事会で協議いたします。

葉梨委員 では次に、寄附の控除申請書の問題については、私の後に菅先輩から質問があろうかと思います。要は、寄附の控除申請書の申請、交付数、これが修正後の寄附者の数よりも多くて極めて問題があるという内容について、これは菅委員の質問に譲りたいと思いますが、その前座として幾つかの疑念を呈させていただきたいと思います。

 まず、選挙部長さんにお伺いをいたします。

 寄附控除申請書の交付ですけれども、これは総務省における収支公開室が政治資金収支報告書の受け付けを行った後じゃないと交付することはできないと思うんですけれども、どうでしょうか。

門山政府参考人 お答えいたします。

 総務省または都道府県の選挙管理委員会は、政治団体が作成いたしました寄附金控除のための書類と当該政治団体の設立届、それから収支報告書などとを照合いたしまして、まず、書類上、その政治団体が寄附金控除の対象となる団体かどうか、それから収支報告書にその寄附が記載されているかどうか、これを確認いたしました上で、その当該寄附金控除のための書類の上に確認の印を押す、こういうことを行っておりまして、その上で政治団体に返却することとしているところでございます。

 したがいまして、当然のことでございますけれども、収支報告書の提出がなされていなければこの確認というのはできないという性質のものでございます。

葉梨委員 これは非常におもしろいんですね。友愛政経懇話会がいつ政治資金収支報告書を総務省に提出したか。平成十七年は平成十八年の四月十日、平成十八年は平成十九年の四月六日、平成十九年分は平成二十年の四月一日というふうにそれぞれ判こが押されているんです。

 税の還付申告というのは、皆さん御案内のように、確定申告で行われます。確定申告の締め切り日は、聞くまでもなく御存じですね、三月十五日。いずれも確定申告期限を過ぎて受け付けがなされている。日付はそうですね。

 そうすると、何で確定申告がなされた後に政治団体からこういうようなものが来るかというと、実は、それに見合うような確定申告がなされたという疑念はやはりぬぐえないんですよ。

 何か今までの報道だと、確定申告をする前に判こを押して出しているからこの報告書は使われていないというふうな報道もありますけれども、税の還付申告の仕組みというのは、余り国民はわかっていないんですが、一般的には、政治資金の収支報告書というのを提出するのは確定申告より後になっちゃう。そうすると、何で還付申告をやるかというと、政治団体が仮の領収書、仮の証明書を発行するんです。

 仮の証明書を発行して確定申告を行って、そしてその後に総務省からの判こを押したものをいただいて、本来は税務署に提出しなければならないんですけれども、それを提出しないからといっておとがめがあるかといったら、ありません。ですから、時々忘れても、私も一回か二回忘れたことがあるんですけれども、結構な還付をいただいても一切おとがめがない。だから、そこら辺のところを利用されたという可能性も全くないではないんですけれども、これはそれ以上勘ぐることはやめておきましょう。

 提案者にお伺いします。

 鳩山代表の政治団体、なぜ寄附控除申請書の申請を寄附を受けていない方からの分も含めて行われたというふうに思いますでしょうか。どなたでも結構です。

篠原議員 お答えいたします。

 個別具体的な案件については我々は承知する立場にありませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

葉梨委員 いずれにせよ、何らかのからくりを使った脱税が行われたんじゃないかという疑念があるんです。詳しくは菅委員からまた御質問があるかと思います。

 これは、代表がこの問題にしっかり答えなきゃ、今回の民主党の政治資金規正法というのは、個人献金の税額控除、これも入れているわけです。何かのからくりがあって、そういうような疑惑があるんです。それを明確に答えていただきたい。そうじゃないと、個人献金の税額控除を導入するというのは、そのからくりをもっと大々的に行うために提案しているんじゃないかというふうに勘ぐられても仕方ないんです。

 これはもう鳩山代表に説明を求めるしかありません。参考人招致を要求いたします。

河本委員長 理事会で協議いたします。

葉梨委員 あと五分でございます。

 平成十九年九月七日の民主党ホームページでございます。当時の鳩山幹事長、事務的なミス、職員がやったなどというのは言い逃れというふうに発言をされております。

 筆頭提案者篠原理事、この発言は正しいと思いますか。これは、当時、大臣の事務所費の問題でございます。知らなかったら知らないで結構です。

篠原議員 まことに済みませんが、寡聞にして存じ上げません。

葉梨委員 行っているということです。

 それで、しかも、鳩山代表自身は事務担当者の犯意を認めているんじゃないかという記者会見も行っています。というのはどういうことかというと、自分の、鳩山代表の貸付金、これが余り多額に公にされるのが嫌だったからああいう処理を行ったんじゃないか。多額に公にされるのが嫌だったからというのは、まさに故意があるということを認めているわけなんです。嫌だったから偽装を行ったんじゃないかということを、想像ではありますけれども、記者会見でも認めている。しかも、それは自分の資産なんですね。そうなりますと、単なる秘書の監督責任にとどまりませんよ。鳩山代表自身が、資産等の補充報告を行ったり資産報告を行うというのは政治家個人に課せられた倫理、義務なんです。これを怠っていたということは、国民に対する説明責任だからという意味では明らかに怠慢だと思いますよ。

 そして、何か自分のお金だったら何をしてもいい、そんな感じに受け取られるのは、これは明らかな間違いだと思います。だって、そもそもそれは自分のお金かどうかわかりません。表に出すことができない、好ましくないお金を、仮名口座ですとかあるいは送金ですとかそういった手段を使って小出しにして表に出す、そういうのをある特殊な犯罪集団がもし行っていたとすれば、それを世の中の人は一体何と言うでしょう。それは、マネーロンダリング。

 ただ、私は、そういうことを鳩山代表自身が行っていたというふうには思いたくはございません。ただ、しっかりと説明していただかなきゃいけないということだと思います。

 このように、鳩山問題の解明というのは、この法案を提案した民主党の真意を知る、あるいは実効性のある政治資金の透明化のシステムを構築する上で絶対に必須だと思います。

 提案者にお伺いをいたします。

 これは理事会で協議ですから篠原理事になるんでしょうか、鳩山代表の参考人招致に応じない理由についてお答え願いたいと思います。

篠原議員 お答えいたします。

 本件については、さきの与党提出二法案の審議においても、数人の方が鳩山代表の参考人招致という要望をされておられました。きょう、葉梨委員は既に、数え切れませんけれども、四回か五回になっております。それから、新聞等には、鳩山代表の参考人招致というのがいろいろな場で議論されていることを伺っておりますけれども、理事会でも、今のところ、理事懇談会でもこのようなことは一度も議論されておりません。

 しかし、きょう、委員長が何度もお答えされておりますけれども、この後の理事会等の場できちんと決めていくべきことではないかと思っております。

葉梨委員 よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 これは、実は私、民主党にとってもいいことだと思うんです。最近、幾つかの会合で、自民党も逆風、逆風と言われるんですけれども、地元で、いやいや、民主党の政策は財源論、今までは、財源論なんていいかげんですよと言うと、そんなことないだろう、一度やらせてみたらみたいな人も結構いたんですが、いや、民主党の政策を見てくださいよ、民主党は何であんなことが言えるか、幽霊がお金を出してくれるんですよと言うと、みんな大受けなんです。ちなみに、自民党は幽霊とは余り縁がありませんと言うと、またさらに受ける。

 ですから、そういった意味で、民主党の政策に対する信用性を高める意味からも、民主党のトップであります鳩山代表が出てこられてしっかりと説明されるということが民主党のためでもあるというふうに申し上げまして、私からの質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

河本委員長 次に、菅義偉君。

菅(義)委員 葉梨委員に引き続きまして、私も、鳩山民主党代表の偽装献金について、関連をして質問をいたします。

 私どもが承知をしている範囲の中で、平成十四年から十九年までの間に四億四千三百万円の個人献金を受けている。そのうち、五万円を超えるものについては一億六千九百五十一万円。五万円以下、名前の出ないものについては二億七千三百四十九万円であります。

 その名前の出ています五万円超えの献金について、亡くなった人から五人からも献金をもらっている。こんなことが発覚をして、よくよく調べ、また鳩山事務所で訂正をしましたら、八割以上の人が偽装であった。そこは、明快に鳩山事務所でこれは訂正をしていますから、そうであります。そして、五万円以下のお金というのは二億七千三百四十九万円もあるんです。ここについては全く説明をされておりません。これはある意味で、民主党風に言うならば、私は、鳩山消えた献金とでも言ってもいいのかなというふうにも思っております。

 そして、これについて、筆頭提案者である岡田幹事長は、民主党を代表して、これについては説明責任を果たし、納得できるものだ、こういうことも記者会見で言っておりますし、一昨日、七月七日、役員会で鳩山代表から報告があって、了承した、こういう報道も実はありました。本当にこういう段階で民主党の役員会は了承したのかどうか、私は、提案者の中で皆さんに代表してどなたかお答えをいただきたいと思います。

篠原議員 私は、残念ながら常任幹事会や幹部会のメンバーでもありませんでして、直接そこの場にはおりません。しかし、我々、今ここでは、法律改正案について答弁する立場にありまして、個々の問題については明確には答弁できかねます。

 しかし、ほかの答弁者の皆さんも触れられておりますけれども、鳩山代表は、六月三十日の記者会見で、三十四人、全部質問が終わるまで一時間以上、非常に真摯に答えられていたんじゃないかと私は思います。前代表のふてぶてしい態度と比べれば大分違うのではないかと私は思います。その真摯な答弁ぶりは国民の皆さんにもきちんと伝わっているのじゃないかと思います。

 それから、あわせて、弁護士が客観的、公正な観点からきちんといろいろ聞かれまして、そのことについてもきちんと調査報告書が公開されております。そういった面では、鳩山代表は国民に対する説明責任をきちんと果たしておられるのじゃないかと思います。

 それから、岡田幹事長についての要望、菅委員からも原田委員からも、私のところに直接、ぜひ出るべきだというのがございました。そういう考え方もあるかと思いますけれども、きょうの答弁者、私を除けばここの三人、将来、幹事長、代表も嘱望される立派な方々でして、この精鋭が打ちそろって答弁に並んでいることでお許しいただけたらと思います。

菅(義)委員 私はぜひ、岡田幹事長が表でそうした発言をしていますので、筆頭提案者でありますから、堂々と出てきて答弁してほしいなというふうに思っています。

 そして、一番の問題は、この五万円以下、二億七千三百四十九万円ですよ。これについて全く明らかにされていない。弁護士は、これについて調査をすると言っていますよ。まだ調査中の段階です。そしてまた民主党の、これは鳩山さんの事務所では、少なくとも会計帳簿に五万円以下の献金については書いているわけですから、記録しているので、これを残しておかなきゃならないわけですから、これはすぐにでも答えられることだろうというふうに私は思っています。

 こうしたことを考えるときに、やはり鳩山代表に、この場に出席をしていただいて説明を受けるというのは当然じゃないでしょうか。委員長に招致を求めます。

河本委員長 理事会で協議いたします。

菅(義)委員 さらに、鳩山代表の選挙区のある北海道の議会において、鳩山由紀夫衆議院議員の政治資金偽装献金の全容解明と明確な説明を求める意見書というものが衆参の議長あてに出されました。

 さっき葉梨委員は、鳩山さんはクリスマスが大好きだという話がありましたけれども、この報告書を見てみますと、これはだれが見てもおかしいと思うんです。北海道の道会議員の人たち、あるいは市会議員の人たち、全部でこれは三十名ぐらいいるんですかね、十二月二十五日に献金をしているんですよ。この人たちが鳩山さんに個人献金をしている、十二月二十五日。こんなことというのは、常識で考えたって私は信用されないことだろうというふうに思いますよ。

 いずれにしろ、国民の調査でも七割から八割の人たちが鳩山さんの説明に納得していないということを言っているわけですから、民主党だけが納得していても、まさに地方を大事にするという、今まで民主党が主張していること、こうしたことからも考えて、北海道議会のこうした意見書についても真摯に受けとめるべきだろうというふうに私は思います。

 具体的なことについて質問をしてまいります。

 寄附金控除についてでありますけれども、去る二日の当委員会において、我が党の菅原一秀衆議院議員が、資金管理団体であります友愛政経懇話会の寄附者について、税制上の優遇措置の書類交付について総務省に尋ねました。政府参考人からは、この書類について、平成十七年分は五十二枚、十八年分は二十六枚、十九年分は三十五枚との答弁がありましたけれども、情報公開によって請求された結果、具体的氏名が昨日公表されましたけれども、総務省、これは事実ですか。

門山政府参考人 お答えいたします。

 友愛政経懇話会への寄附者に係ります寄附金控除のための書類、これに対しまして確認をしまして、お返しした枚数でございますが、今御質問にございましたとおり、平成十七年分は五十二枚、平成十八年分は二十六枚、十九年分は三十五枚となっているところでございます。

菅(義)委員 平成十七年に六十九名記載された個人寄附者が十八名に減っている、平成十八年に五十一名が十三名に減っている、十九年は六十四名から十六名に減っている、このことも事実だと思いますけれども、いかがですか。簡潔に。

門山政府参考人 お答えいたします。

 友愛政経懇話会の平成十七年分から十九年分の収支報告書の訂正前と後の人数のお尋ねでございますが、ただいま御質問にございましたように、十七年分は訂正前が六十九人、訂正後が十八人、平成十八年分は訂正前が五十一人、訂正後は十三人、平成十九年分は訂正前は六十四人、訂正後は十六人となっているところでございます。

菅(義)委員 この配付させていただいています資料をぜひごらんになっていただきたいと思います。六月三十日に鳩山事務所ではこれを訂正しましたけれども、昨日の情報公開によって、寄附控除のための書類が交付された人が明らかになってきています。

 そこで、ごらんをいただきたいんですけれども、資料の丸印というのは、寄附金控除のための書類が交付をされた人です。バツ印は、寄附金控除のための書類が未交付だった人です。資料のこの問題でありますけれども、星印は、寄附行為がなかったと鳩山事務所で訂正をされたにもかかわらず、寄附金の控除のための書類が交付された人なんです。

 これをごらんになっていただいても、八割以上が全くいいかげんであったということがよくわかるというふうに思いますけれども、このいわゆる星印の、寄附行為がなかったのに税額控除の書類が交付された人たちは、平成十七年三十七人、五百七十三万円、平成十八年十六人、三百十九万二千円、平成十九年二十二人、二百九十四万円。三年間で合計で七十五人、一千百八十六万二千円となっておりますけれども、総務省、これは間違いないですか。

    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

門山政府参考人 お答えいたします。

 友愛政経懇話会に関しまして総務省が寄附金控除の確認書類において確認しました寄附のうちで、平成二十一年六月三十日の収支報告書の訂正により削除された寄附者の人数及び削除された金額の合計というのは今お示しになられた数字かと思いますが、確認で申し上げますと、平成十七年分は、寄附者が三十七人ということになりまして寄附金額が五百七十三万円、平成……(菅(義)委員「結構です。私が言ったことがいいか悪いかということです」と呼ぶ)数字は今おっしゃったとおりでございます。

菅(義)委員 こうした事実があるにもかかわらず、きのうの民主党の参議院の総会で、この筆頭提案者であります岡田さんは、鳩山氏は説明責任を果たしており、政倫審での対応は考えていない、自民党は針小棒大、根拠のないことを平然と述べておる、こうおっしゃっておりますけれども、寄附をしない人まで税金還付の手続をしている、これは全くでたらめな報告書じゃないかなというふうに私は思います。

 さらにお尋ねします。

 この税額控除の書類が作成され交付されているということにこれは当然なるわけでありますけれども、これらが、実際寄附しなかったのにそういう書類が出ている、これが返還をされているという事実はありますか、総務省。

門山政府参考人 お答えいたします。

 友愛政経懇話会の収支報告書が訂正されました六月三十日より前に総務省が確認した上で友愛政経懇話会に返却いたしました寄附金控除のための書類でございますけれども、同日以後において総務省に提出されたというものはございません。

菅(義)委員 さらにお尋ねします。

 不正に作成をされた税額控除の書類が確定申告に使用されたという事実が判明した場合、これは完全に脱税であり詐欺行為である、私はこう思いますけれども、これについては国税庁、いかがですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げれば、例えば、寄附金控除のための書類に記載されました内容が事実と異なるなど適正でない場合には、その寄附金につきましては寄附金控除等は適用されないこととなります。

菅(義)委員 これは脱税行為、詐欺行為にならないかということを聞いています。

山口(泰)委員長代理 荒井課税部長、質問者の質問に答えて。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げれば、検察官に告発しまして刑事訴追を求める場合には、国税犯則取締法に基づきまして査察調査を行うこととなります。その場合、脱税の法律上の構成要件に該当することが立証し得る見通しがあるかどうかとか、大口、悪質な脱税事件であるかどうかなどを検討した上で査察調査の要否を判断することとなります。

菅(義)委員 これは総務省にお尋ねしますけれども、実際に交付された寄附金控除のための書類がどうなっているか、その行方、これは総務省で追いかけるのかどうか。

門山政府参考人 総務省から政治団体に確認印を押しました上で返却いたしました寄附金控除のための書類は、一般的には政治団体から個々の寄附者に交付されているというふうに考えておりますが、政治団体から寄附者に交付されました寄附金控除のための書類をその後政治団体がどのように処理されたかという点につきましては、それを調査する権限は総務省にはございません。

菅(義)委員 税務当局に伺いますけれども、その不正に交付された寄附金の控除のための書類が実際に使用されているということを確認することができるかどうか。

 また、税務当局については、平成十七年に五十二枚、十八年に二十六枚、十九年に三十五枚の寄附金控除の書類が交付されていますけれども、実際に税額控除を受けた方の名前をぜひ言ってほしいと思います。

    〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

荒井政府参考人 お答えいたします。

 個別にわたる事柄については、お答えすることを差し控えさせていただきたいと考えております。

 一般論として申し上げれば、個人が一定の政治活動に関する寄附金につきまして寄附金控除等の適用を受ける場合には、確定申告書に選挙管理委員会等の確認印のある寄附金控除のための書類を添付することが必要でございます。この寄附金控除のための書類につきましては、選挙管理委員会等がその内容を確認しているものであることから、税務署では、寄附金控除のための書類が提出された場合には、一義的にはその内容は適正であるものと取り扱っているところでございます。

 いずれにしましても、国税当局といたしましては、あらゆる機会を通じまして課税上有効な資料情報の収集に努めまして、個々の事実関係に基づき、課税上問題があれば法令等に照らして適正に取り扱うこととなります。

菅(義)委員 この寄附金控除のための書類を使用した場合、不適切なものですね、実際寄附をしていないのに書類を出しているわけですから、この場合は寄附金の控除は認められるのかどうか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げれば、先ほども申しましたように、寄附金控除のための書類が適正でない場合には、その寄附金につきましては寄附金控除等は適用されないこととなります。

菅(義)委員 鳩山事務所の訂正によって寄附していないということも明らかになっていますから、この税額控除の書類を受け取って控除を受けていた場合、これは明らかに不正、脱税になると私は思いますけれども、これについてはいかがですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げれば、国税当局といたしましては、マスコミの情報、報道、それから公表された政治資金収支報告書等の資料を含めまして課税上有効な資料情報の収集に努めまして、これらの資料と納税者から提出されました申告書等を総合検討しまして、課税上問題があると認められる場合には、税務調査を行うなどして、法令等に照らして適正に取り扱うこととしております。

 また、納税者の申告額が過少であることが判明した場合には、修正申告書を提出していただくなど、適正に是正することとなります。

菅(義)委員 今回の事例は、明らかに寄附していないということを鳩山事務所が訂正して、しかし、その人たちが控除の書類を受けているわけですから、そこは徹底して調査を行うべきだろうというふうに私は思っています。

 さらに、虚偽記載であることを鳩山代表みずから認めております。だからこそ収支報告書を訂正しているわけであります。したがって、この問題は、犯罪である、こうした基本に立って、調査をするだけでなく、むしろ積極的に告発までしていくべきじゃないかなと私は思いますけれども、いかがですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申しましたけれども、一般論として申し上げれば、検察官に告発しまして刑事訴追を求める場合には、国税犯則取締法に基づく査察調査を行う必要があります。それで、査察調査を行った場合に刑事告発を行うかどうかにつきましては、脱税手段の悪質性の程度及び脱税の規模並びに刑事立証のための証拠収集の程度等を総合勘案して、個別の事案ごとに検察庁と十分協議しまして告発の要否を決定しているところでございます。

菅(義)委員 これだけ明らかになって、これだけ多くの人が大量に寄附していないのに控除書類を受け取っているということは極めて悪質だと私は思っていますので、ぜひここについてはしっかり調査をしていただきたいと思います。

 法務省についてお尋ねしますけれども、先ほど来の私の質問等の中で、明らかに本件は偽装している、さらにこういう内容については積極的に捜査をすべきじゃないか、私はこう思いますけれども、いかがですか。

甲斐政府参考人 一般論として申し上げますと、検察当局におきましては、常に法と証拠に基づき、厳正公平、不偏不党を旨として、刑事事件として取り上げるべきものがあればこれに適切に対処するものと承知をいたしております。

菅(義)委員 ぜひ、これだけはっきりしているわけですから、まさに法と証拠に基づいて捜査をしていただきたいというふうに思います。

 さらに、収支報告書の訂正も、平成十七年から二十年の過去四回にしかさかのぼって行われておりませんけれども、平成十六年以前の報告で官報に記載されておる中から、今回削除されたと同じような名前の方もいらっしゃいます、それらの訂正を現在総務省は受けておられるのかどうか、質問をします。

門山政府参考人 お答えいたします。

 平成十七年分から平成二十年分の収支報告書の訂正は二十一年六月三十日に行われておりますが、この日以降で友愛政経懇話会から収支報告書の訂正願の提出はございません。そういう意味では、お尋ねの平成十六年分以前の収支報告書の訂正は行われておりません。

菅(義)委員 訂正を鳩山事務所がすれば、それは受けることが可能ですか。

門山政府参考人 お答えいたします。

 政治資金規正法上、収支報告書の訂正につきまして特段の定めは明記されていないところでございますけれども、政治団体におきまして、内容が事実に反するということがわかった場合に、それで訂正の申し出がありましたときは、国民の皆様に対して正しい収支の状況を明らかにするという法律の目的に照らしまして、収支報告書の訂正を認める、こういう取り扱いとしているところでございます。

 なお、政治資金規正法上では、政治資金収支報告書の保存期間、これが要旨の公表の日から三年を経過する日までとなっておりますので、一般的にはその間の訂正は可能でございます。それから、官報または公報によって告示されました事項の訂正につきましては、今申し上げました収支報告書の保存期間経過後につきましても可能でございます。

 なお、つけ加えさせていただきますが、情報公開法で開示請求がありました文書につきましては、これは開示決定日の翌日から一年間、保存期間が延長されるという規定が政令にございまして、友愛政経懇話会につきましては、この規定によりまして、平成十五年分及び平成十六年分の収支報告書の保存期間が延長されておりますので、申し出がございました場合には収支報告書の訂正は可能でございます。

菅(義)委員 個人寄附者の大幅な削除、あるいは金額相当分を鳩山代表がさかのぼって貸し付けていたとする処理、さらに、まだ明らかになっていません、五万円以下の、二億七千万というこの問題は、私は、匿名献金、まさに大きなやみの中にあるだろうというふうに思っております。こうした中でも民主党の人たちは役員会で鳩山さんの説明を了承しているということでありますから、鳩山さん個人の問題ではなくて、私は民主党の体質そのものだろうということを指摘しておきたいと思います。

 さらに鳩山代表の責任問題について伺います。

 これは、鳩山さんについては、事務担当者のせいにして自分と会計責任者は知らない、このように言い逃れております。会計責任者がこの偽装献金を知らなかったということであれば、そのような名義だけの会計責任者を選任したのは、そのことが問題になってくるんじゃないかなというふうに私は思います。

 政治資金の規正法によれば、代表者の会計責任者に対する選任・監督責任、これが求められておるわけであります。このように、実際、会計責任者が知らないということを鳩山さんが言っているわけですから、有名無実の会計責任者を選任すること自体、私は、鳩山さんがみずからの選挙の代表者として相当な注意を怠っている、こう言われてもこれはしようがないということだろうというふうに思います。このような場合に法律はどのように規定しておられるのか、総務省にお尋ねをします。

門山政府参考人 お答えいたします。

 個別具体的な事案についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますが、政治資金規正法の規定についてのお尋ねでございます。規定を御説明させていただきます。

 政治資金規正法におきましては、第二十五条第二項におきまして、収支報告書の提出を怠り、またはこれに記載すべき事項を記載せず、もしくは虚偽の記入をした場合などにおきまして、「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、五十万円以下の罰金に処する。」という規定があるところでございます。

 今言及されましたこの場合の「相当の注意」でございますが、社会通念に照らし、客観的に何人もなすべき程度の注意であると一般的に解釈されているところでございます。

菅(義)委員 すべて事務担当者のせいにして、自分と会計責任者が全く知らないということは、私は世の中は通らないだろうというふうに思います。

 さらに、会見では鳩山代表は、今回の虚偽記載について監督責任はある、このことは認めておられます。これは重大な問題であると私は思います。

 選任・監督責任者の刑罰が確定した場合、国会議員である鳩山さんはその代表者としてどういう規定があるのか、総務省にお尋ねをします。

門山政府参考人 お答え申し上げます。

 政治資金規正法におきましては、ただいま申し上げましたように、政治資金規正法第二十五条第二項に、政治団体の代表者の選任及び監督に関する責任の規定があるところでございます。

 この罰金の刑に処せられた場合でございますが、この場合には、一定期間、選挙権及び被選挙権を有しないこととされているところでございます。政治資金規正法二十八条第一項の規定でございます。ただし、裁判所は、情状により、選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用しない旨の宣告をできる、こういう規定も同条の三項にございます。

 それからさらに、これは国会法の規定でございますが、国会法第百九条におきまして、国会議員が被選の資格を失ったときは退職者となる旨の規定があるものと承知いたしております。

菅(義)委員 これは提案者の方にお尋ねをしたいと思いますけれども、今までのこのやりとりを聞いての御感想。民主党の皆さんは、提案する中で、企業献金から個人献金にしたいということで今回提案をされておられますけれども、その中で、みずからの代表の個人献金がこんなに、まさにやみの中に現在葬られている、こういうものをやはりしっかり解明すべきじゃないかなというのが、これは多くの国民の皆さんの声であろうというふうに私は思います。ぜひ感想をお聞かせいただきたいと思います。

原口議員 お答えいたします。

 政治資金の透明性、これは、国民の不断の監視と批判のもとに行われる、このために正しく規定される必要がある、このように存じております。また、菅議員も御存じのとおり、政治資金規正法はいわゆる規制改革の規制ではございません。政治資金を正しい方向に向けるということがこの趣旨でございます。

 政治家個人にかかわる問題について、従来、党は、まず当事者である政治家本人が適切に説明を行う、このことを求めてまいりました。今後も、コンプライアンス、そして国民の信頼を獲得するためにしっかりと活動をしてまいりたい、このように考えております。

 ですから、私も総務省に対して質問主意書を出したわけでございます。交付と供与がどう違うのか。あるいは、政治そのものを透明にして国民の不断の監視に置くと申しましたが、いわゆるAという人が名前を出したくないのでBという人に出してもらう、これは違反なのか。寄附をした人が直接お金を渡した人なのか贈った人なのか、そのところもきっちり明確にして、国民の信頼にこたえてまいりたいと思います。

 以上でございます。

菅(義)委員 今、原口さんの答弁、まさに民主党の総務の責任者として、その考え方は全く私と同じでありますけれども、鳩山代表に対してのみずからの考えがなかったことは、大変私は残念に思います。

 今まで私、いろいろ寄附金の控除等についても質問をしてまいりました。この鳩山問題というのは、まだまだその実態が明らかになっておりません。特に、先ほど申し上げていますけれども、五万円以下も含めて四億四千万、この六年間の間に個人献金がされている。そして、五万円を超える明らかになった部分だけでも、八割が全くでたらめであったということをみずから鳩山さんが認めておるわけであります。私は、このお金の出所、どこからお金が出てきているのかと。こうしたことを、これは脱税の疑いがあるんじゃないか、こう言われても、ある意味ではしようがないのではないかなというふうに私は思います。

 さらに、鳩山事務所がこれを解明するのであれば、簡単なことですよ。五万円以下のものは三年間その会計帳簿を保管する義務がありますから、今でも、すぐにでもこれは明らかにすることができるわけであります。

 さらに、偽装と言われた人たちのリストの中に鳩山さんの恩師の人、私は全く知らなかったと新聞記事にありました。あるいは同級生も載っています。これは、少なくとも鳩山代表でなければわからないことなんですよ。

 こうしたことを考えたときに、私は、鳩山代表に政倫審の場に来ていただいて、こうした明らかにされていない部分についてみずから説明をされるのが、これは当然のことじゃないでしょうか。

 私は、鳩山代表、さらにこの経理担当者の参考人招致を強く求めて、質問を終わります。

 委員長、お願いします。

河本委員長 理事会で協議いたします。

 次に、原田義昭君。

原田(義)委員 自民党の原田義昭でございます。

 葉梨君、さらに菅君の質問に続きまして、鳩山代表の資金問題を議論したいと思っております。

 お互い必ずしも調整しておりませんから、ダブっている部分が多少ありますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。

 鳩山さんの献金疑惑、もう今や脱税疑惑という形で、既にいろいろマスコミにも報じられるようになりましたけれども、まさに、これは単に個人の問題、政党の問題ばかりじゃなくて、文字どおり政治に対する国民の信頼の問題になってきている、このことを改めて申し上げたいと思います。

 その上で、一枚紙を私は配付資料として配りました。実は、葉梨、菅両氏と問題点はダブる部分ございますけれども、改めて私の立場から説明いたしますと、この表は、先ほどから出ております寄附金控除の脱税疑惑、非常に疑惑の部分があるということを証明する数字でございます。

 平成十七年分だけをとりますと、修正前、七十名、これは個人献金をしたとして掲載された部分でございます。六月三十日になぜか十八名にこれが減らされた。さらに、総務省からの報告でも、五十二名分の寄附金控除の申請、交付が既になされておる、ここまではっきりしておるわけであります。何となれば、五十二名の寄附金控除をやっているうち、十八名はここに修正後も出されているということは、恐らくこの人に限っては、間違いなく税制措置もとられたし、同時に個人献金もした、ある意味じゃ自信がある部分であると思いますが、五十二から十八引いた三十四名、これについては、先ほど菅委員からも詳しく追及もございましたけれども、この人々については限りなく疑いがあるということでございます。

 限りなくというのは、要するに、寄附金控除は受けたけれども、この人たちは多分具体的な個人献金をしていない、こう推測されるに限りなく疑いがあるということであります。中には死んだ人もおるかもしれませんけれども。

 この三十四名のうち、先ほど菅さんの資料の中にも、個人名義も入っているところでございまして、いずれにいたしましても、これは調べればすぐわかることなんです。人数も決まっております。住所もわかっておりますしね、先ほどの話でもわかりますように。このことは直ちに、総務省、選挙管理の側からは必ずしも難しければ、司法当局、国税当局でこのことを調べてほしいということをまず申し上げたいと思います。

 その上で、一、二点聞きますけれども、まず総務省、個人献金をする人のうち、どれぐらいが寄附金控除の申請をしているのか、お聞きしたいと思います。

門山政府参考人 お答えいたします。

 個人献金をされた方につきましては、政治団体から寄附金控除のための書類を提出していただきまして、それが実際に収支報告書に当該寄附が記載され、また、団体が適格団体でありました場合には、確認印を押しまして政治団体に返却するという事務を私ども担当しておるところでございますけれども、それが実際どれだけ寄附金控除に使用されたかということにつきましては、政治団体から個人に渡りましたものがどのように使用されるかということでございますので、具体的なところは承知いたしておりません。

原田(義)委員 使用されたというのは、税制措置、免除措置をとったということですか。私の聞いているのは、発行しておる、申請書を交付しておる、その量であります。

門山政府参考人 お答え申し上げます。

 正確な数字はちょっとただいま持ち合わせておりませんが、確認のための書類を提出されるという数が、収支報告書上に記載されました寄附金控除を受ける、言ってみますと資格のある方の数との比較でどうかということだといたしますと、政治団体によって異なりますけれども、ほとんど全員の方の寄附金控除の書類を提出してこられるところもございますけれども、そのうちの一部の方ということに限って書類の確認を求めてこられるところもございます。

 全体足し上げて幾らかという数字は、恐縮でございますが、ただいま持ち合わせておりません。

原田(義)委員 具体的な数字というよりも、むしろ、私どもの認識では、個人献金をする際には、相当程度、寄附金控除の申請ができる、そのことを期待しておる。要するに、その関係は非常に、大方イコールに近い、こんな感じがするところであります。逆を言えば、私どもも個人献金をお願いするときには、寄附金控除ができますのでと、これが実態ではないかな。

 いずれにいたしましても、きょうの議論を踏まえますと、寄附金控除という、これは政治資金法の中でも最も重いといいますか、国民から見てうらやまし過ぎるような、そういう制度でございますけれども、それを悪用した、そういうことではないかなという心配をしておるところでございます。

 その上で、今回の民主党提出の法案は、まさにこの対象範囲を拡充するというようなことに力点があるような気がしますけれども、これは提出者、その辺の法案の説明を簡単にお願いします。

長妻議員 ありがとうございます。原田委員にお答えをいたします。

 この法案でございますけれども、二つの大きな項目から成り立っておりまして、一つ目といたしましては、端的に言いますと、企業・団体献金を禁止するということでございます。これはパーティー券の購入も含むということが第一番目のポイントでございます。そして、これは三年後に禁止ということでございますけれども、それに伴って、その間に個人献金をしやすくするための税額控除を拡充していくということで、具体的には、租税特別措置法の改正というのも実はございまして、千円以上から五万円以下は全額が税額控除にできる。個人が政党や政治資金団体、あるいは現在所得控除を受けられる団体すべてに適用があるというものでございます。これは平成二十六年度までの時限立法となっているわけでございます。

 そして、もう一つの柱でございます世襲の問題でございますけれども……(原田(義)委員「それはいいや」と呼ぶ)はい。

 以上です。

原田(義)委員 この個人献金のサポートをする寄附金控除、これの違反の問題についてお聞きをしたいと思っております。

 先ほどありましたように、これについての違反の行為というのは当然出てくるわけであります。要するに、個人献金をしない形で寄附金控除のメリットを受けるということでありますけれども、これについてはどういうような法的な措置になっておりましょうか。総務省にお聞きしたいと思っております。

門山政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省は、寄附金控除のための書類につきまして、その書類が、その政治団体がいわゆる適格団体かどうか、それから収支報告書に当該個人献金が記載されているかという確認の事務、これを担当しているわけでございますが、この制度がそもそも予定していないような場合、例えば、先生おっしゃいましたような、確認書類の作成ですとか使用におきまして制度が悪用された場合、これにどう対応するかということは、税務当局、捜査当局によりまして対処される問題というふうに考えているところでございます。

原田(義)委員 それでは、税務当局、捜査当局に、今言いましたように、税務免除は受けておる、にもかかわらず個人献金をしていないということが判明したときの違反の罪状、これについてお願いをしたいと思っております。

 これについて引き続き、ぜひ調査をしていただきたいと思いますけれども、これは、先ほど申し上げましたように、非常に重い犯罪を構成する、形成するということでございます。これについて、ぜひしっかりとした追及をしていただきたい、こういうふうに思うところであります。

 これに関連しまして、北海道の議員の個人献金についても、昨日ですか、既に民主党の方から説明があったところであります。北海道の議員が鳩山さんにそれぞれ個人献金をした。ところが、個人献金を実際にやっているかということについては疑わしい部分があるということから、これは個人献金をしたことになっている、ただ、形としては民主党の党費を納めたんだ、こういうような説明もされておるところであります。お金を払えばどっちでもいいというたぐいの議論ではないような気が私はいたしますけれども。

 党費としてやるんであれば、当然、収支報告書にそのとおり書かにゃいかぬし、また、逆に個人献金であれば、その中にきちっと報告をせにゃいかぬ。いずれにいたしましても、クリアな部分がない、こういうのが私は非常に問題ではないかと思っておるところでありまして、民主党の説明をしっかり聞きたいな、こう思っております。

 もう一つ、鳩山さんの友愛政経懇話会、これは数千万から数億、これらの資金が出たり入ったりしておるところであります。この資金の預金利息がどれぐらいか、これについてお尋ねをしたいと思っております。提案者、よろしくお願いします。

篠原議員 そういう特に細かい個別具体的なことを私は承知しておりませんで、お答えできる立場にございません。

原田(義)委員 きのうそのことも勉強するようには言っておきましたけれども、これは資金報告書を見ればわかります。十七年には九円、十八年には十五円、十九年分は四千百七十九円、こういうお金になっております。

 原口さん、この数字を見てどう思われますか。

原口議員 お答えいたします。

 先生、預金金利について、私たちは、それを法案の提出者として、個々の問題についてお答えする立場にはございません。それが多いとおっしゃるのか、それとも少ないとおっしゃっているのか、そのこともお答えする立場にございませんので、御理解をいただきたいと思います。

原田(義)委員 勉強してくるようにお願いをしておきましたけれども。

 二億数千万円もの資金が出たり入ったりする、それが滞留しておる機関でもありますけれども、少なくともこの金額は、我々の常識からすると、とてもじゃないけれども理解できない、つじつまが合わないということであります。

 先ほどの葉梨君の御質問にもございましたけれども、しかくかように民主党鳩山さんの資金管理状況というのは、極めて信頼のできないずさんなものである、ある意味ではほとんどうそである、こういうことを感ずるところであります。

 総務省に、そもそも政治資金規正法上の収支報告書は、どういう形で法的な義務が行われていますか。

門山政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案につきましては、具体的な事実関係を承知する立場にございませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、政治団体の収支報告に関しまして、政治資金規正法上は、政治団体の会計責任者は、当該政治団体のすべての収入、支出及び資産などに関する事項を記載した収支報告書を期限までに提出する、こういう義務がありますとともに、あわせて、その報告書の内容が真実であることを証する宣誓書、これも提出しなければならないということとされているところでございます。

原田(義)委員 これは後からどんなに修正してもいいんでしょうか。要するに、出しさえしておけば免れるんでしょうか。

門山政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論として申し上げますと、まさに政治資金収支報告書につきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、すべての収入、支出及び資産などに関する事項を収支報告書に記載していただきますとともに、真実であることを証する宣誓書を提出するということとなっているわけでございまして、まさに事実をそのとおり記載していただくということが法律上は要請されているわけでございます。

原田(義)委員 私の手元にもそのコピーがありますけれども、このようにあらゆるページが削除され、また全面削除、こういうようなことがありますけれども、かつてこのような修正のされ方をしたことはありましょうか。

門山政府参考人 収支報告書の訂正というのは、先ほど御説明申し上げましたように、制度としてあるものではございませんが、事実上行われているものでございます。比較的、訂正の件数というのは全体として多いというふうに考えておりますが、具体的な修正がどの程度か、それをどう評価するかというところまでの情報はただいま持ち合わせておりません。

原田(義)委員 その修正の内容でありますけれども、虚偽記載としてとがめられるべき範囲、これはどのように考えておられますか。

門山政府参考人 お答え申し上げます。

 訂正と虚偽記載、恐らく、訂正をすれば虚偽記載との関係がどうなるのかという御質問かと存じますが、一般論として申し上げますと、法律違反ということにつきましては行為時の行為そのものが法的に評価されるということでございますので、収支報告書の訂正をいたしましても過去の事実関係は変わらないというふうに考えられるところでございます。

原田(義)委員 しからば、虚偽記載の段階でもう実行行為は終わっていると。

 これに対する、仮にこれがそれに当たるものとすれば、どれぐらいの罪状になっていますか。

門山政府参考人 お答えいたします。

 政治資金規正法第二十五条におきまして、報告書に記載すべき事項の記載をしなかった者あるいは虚偽の記入をした者につきましては、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処する旨の規定がございます。

原田(義)委員 先ほど、これらの違反に対して仮に有罪ということになれば、関係者の公民権停止もあり得るというようなことを聞いたところでございます。この政治資金規正法上の収支報告書、鳩山さんの場合、私どもからすると、あきれるほど異常な状況だということが改めてわかったところであります。

 その修正申告が一度なされましたけれども、さらに弁護士中心に新たなる検討が行われておるというふうなことになっておりますけれども、その後の状況はいかがでしょうか。もう既に十日近くになっておりますが。

篠原議員 お答えいたします。

 個別具体的な案件については我々承知しておりませんで、法律案についての答弁だけにさせていただきたいと思いますけれども、この問題について、ちょっとだけ先ほどの御質問に関連してお答えさせていただきます。

 北海道の九区の総支部のことについていろいろお尋ねがありました。あの件についてですけれども進展がありまして、七月七日、平野博文役員室長名で、きちんとまた新たな事実がわかりましたので説明しております。

 その部分を繰り返させていただきますと、これは私にも想像のつくことでございますので、どういうことかというと、例えば長野県連では、個人献金も企業献金も県連にはあるはずがありません。では、県連の活動費をどうするかというと、我々国会議員が幾ら、それから県会議員は幾らというふうに県連に出しております。ところが、北海道の場合は余りに広過ぎるので、総支部がその受け皿になっておりまして、鳩山さんも総支部にちゃんとお金を出し、道議会議員は六十四万円、そして市町村議会議員も、報酬の割合によって登別市が幾ら、室蘭市が幾らというふうに決まっておりまして、先ほど葉梨委員がクリスマスの日にみんな一斉にというのは、その寄附をする日が決まっておりまして、一斉にその日に寄附しておるということで、何らやましいことはないのではないかと思います。

 そのように、新たにわかったことはその都度きちんと説明しておりますし、今後もそうしていくのではないかと思います。

原田(義)委員 しからば、ただいまの北海道の件は、党費として納めているというふうに私は認識しています。そうすると、寄附金扱い、個人的寄附、献金扱いになれば、これは先ほどお話がありましたように、仮に税制上の措置をその議員が受けておる場合には、脱税ないし詐欺、こういうものになり得ると思いますが、このことは指摘するだけにとどめておきたい、こういうふうに思っております。

 なお、その後の弁護士による調査が進んでいない、このことを言われておりますけれども、これは極めて不可解でありまして、あらゆる政治資金団体は会計帳簿を備えております。そういう意味で、これは半日でも一日ででも、見ればすぐ回答のできることでありまして、ここにも強い疑惑、疑念を感ずるところでございます。

 なお、弁護士に任せておるというかのような話が聞こえてまいりますけれども、聞きますと、弁護士さんも、明らかに正しくない違法なことには加担できないというような心配を持っておるようでありまして、しからば、その弁護士に何でもかんでも押しつけてというわけにはいきません。その辺は、党全体として、また鳩山さん、正面からこの問題に当たっていただかないと、いろいろな会見を聞いていまして、弁護士に任せておる、こういうことを言っておりまして、その弁護士もあるいは逃げ腰になっているのではないかということも指摘させていただきたい、こう思っております。

 時間が迫ってきておりますけれども、西松建設について一言だけ申し上げたいと思います。

 六月の十九日に国沢さんの第一次公判が終わったところであります。その先んずること六月十日に、第三者委員会報告書なるものを民主党は出されました。私は、民主党のためにも思うんですけれども、これはちょっとやはりひど過ぎる中身だと思います。長い話は無用でありますが、この中でまず、小沢さんを守りたい一心はわかるけれども、一つは国策捜査、一つは指揮権発動でも選択すべきではなかったか、こういうことも言っております。

 このことについて、的確に手短に、今の認識、また皆さんもそう思っておられるか、それをお聞きしたいと思います。

原口議員 原田議員にお答えいたします。

 その前に、北海道の総支部において議員が負担金を出す、そのことについても寄附の控除はあると思いますので、それを脱税というふうに決めつけるということは、そこは少しいかがなものかということを申し上げておきます。

 また、国策捜査、これは御指摘の検察の問題と本法案のことは何の関係もないわけでございますが、検察に対する疑念や批判は広く報道機関においても取り上げられているところでございまして、政府高官が、自民党には及ばないと、つまり、権力をもって捜査をゆがめていたのではないかという疑惑の声に対して、そういうことが上がっているんだと思います。

 それから、第三者委員会が御指摘されたことについて、私たちが、指摘をされた側がとやかく言う話ではないんですが、指揮権発動というものは、当時、もう大体見解が決まっている。つまり、検察もさまざま間違うことがある、その間違うことに対して、国会ないし行政がしっかりとそれをコントロールしていくということだというふうに一般論として考えております。

 例えば、イギリスではグリーン事件というものがあって、捜査当局が暴走をして、そして一国会議員を追い詰めていった。それを国会が、そんなことはだめだ、個々の議員の権利を守るということで、党派を超えてさまざまな行動がなされたというふうに聞いておりますが、指揮権発動を第三者委員会がどのようにおっしゃったかということを私たちも真摯に受けとめて、議論を前に進めてまいりたいと思います。

原田(義)委員 ただいまのお答えでございますけれども、そうすると、指揮権発動については、大久保さんの事件についてもまだその余地がある、そう思っておられますか。公判を踏まえてもしかりでありますけれども。

原口議員 原田議員に先ほどお答えしたのは、指揮権発動というものが法的に認められている、その意義をどう考えるかということでございまして、個別の案件について、ここで法案の提案者として責任を持って答える立場にはございませんので、御理解をいただきたいと思います。

原田(義)委員 続いて、六月の十九日に第一次公判が行われたわけであります。この中で、私どもは極めて多くの事実が改めてわかったところでありますけれども、この案件が、まずは、特に東北地方において公共事業の大半が小沢事務所の天の声によって采配されていたということ、さらには、それの見返りとして多額のいわゆる政治献金が要求され、また払われたということ、ただ、金額が大き過ぎてはいかぬので、ダミー組織をつくってやったということ、しかも、それはただ単にその組織があったのではなくて、まさに小沢事務所と西松グループと十分に話し合ってやったということ、ここは大事なことだろうと思います。

 いずれにいたしましても、こういうような事実が白日のもとに明らかになったわけでありまして、これは公判中ですから、いろいろ議論があるでしょう。しかし、このことについて、民主党、小沢さんは一貫して、大久保は一切口も割っていない、無罪だ、被害者だ、こういうことを言い続けてきましたけれども、ここでわかったことは、自白調書も十本以上とられているということ。また、これは検察の話でありますから、どう出るかこれからの問題でありますけれども、少なくとも、国民に長い間、無実で被害者だ、こう言い続けてきた、あろうことか、国策捜査だ、こういうことまで言い続けたことについて、私は、積極的な説明をし直さなければいけないな、こう思っているところであります。

 最後に、それに関連いたしまして、小沢さんが、この公判の終わった後に、自分たちが企業に影響を与えたとするなら、堂々と……

河本委員長 原田先生、持ち時間が過ぎておりますので、協力してください。

原田(義)委員 はい。堂々と捜査の対象になってもいい、こういうことも言っておられます。これは六月二十日の読売新聞に載っておりますけれども。

 そういうことも含めて、しっかり両首脳の責任問題、これをお願いしたいと思っております。同僚議員が言われましたように、鳩山さん、また会計責任者の招致をぜひお願いしたいと思います。

 以上であります。

河本委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 公明党の大口善徳でございます。

 きょうは質問をさせていただきますけれども、私は、今回、四十四問の質問をつくったわけであります。そのかなりの部分が岡田幹事長に対しての質問なんです。なぜ岡田幹事長が筆頭の提出者であるにもかかわらず出席されないのか。私も政治資金規正法の問題、いろいろやらせていただきましたけれども、岡田幹事長は政治の改革本部の本部長でもあるわけでありまして、そういう点では、一番先頭に立って質疑に対して答えるべき責任があるし、また、民主党のそこが立法府を重視する立場ではないか、私はこう思っているんです。

 なぜきょう岡田幹事長がここに出席されないのか、そのことについてまずお伺いしたいと思います。

篠原議員 お答えいたします。

 先ほどちょっと申し上げましたけれども、大口委員御存じのとおり、岡田幹事長はずっと政治改革推進本部長を務めてまいられました。この問題について、かねてから熱心に取り組んでおられました。ですから、そういった関係で提案者になっております。

 しかし、だれが答弁するかというのは我々に任されてしかるべきではないかと思っております。ちょっと繰り返させていただきますけれども、今、まじめな私と、先ほど申し上げました中堅どころの立派な四人がそろっておるので、これで御勘弁いただきたいと思います。これで十分対応できるのではないかと私は思っております。

大口委員 今ずっと、三人の委員の質問に対して、岡田幹事長であれば答えられる部分もかなりあったんですよ。ただ、それが出席されていないということで答えられていない、こういう状況であるわけですね。私は、これだけ鳩山代表の個人献金の疑惑問題が出ているわけですから、やはり岡田幹事長が、これはもう岡田幹事長自身は鳩山代表の偽装献金については納得している、決着済みだ、こうおっしゃっているわけですから、そこら辺のことについても、この立法府の国会の中で国民に向かって説明すべきである、私はこういうふうに考える次第でございます。

 さて、それではまず、私が前回委員会で質問した中で、ちょっと総務省に確認しておきたいことがあります。

 それは、民主党の鳩山代表の資金管理団体である友愛政経懇話会の平成十七年分の収支報告書の個人寄附者の訂正に関して、先日の選挙部長の答弁では、訂正前の個人寄附者が七十人、うち訂正、削減された人数が五十二人ということでありました。友愛政経懇話会の収支報告書の記載には、一人分について名寄せ漏れがあって、訂正前の個人寄附者は六十九人、訂正、削減人数は五十一人ではないか、こういうふうに思いますが、どうですか。簡単に答えてください。

門山政府参考人 お答えいたします。

 まさに御指摘のとおりでございまして……(大口委員「だったらいいです」と呼ぶ)はい。名寄せ漏れがあったということで、正しくは、六十九人、訂正されました人数は五十一人でございます。

大口委員 では、私の指摘でいいということですね。

 次に、今回の民主党提出の政治資金規正法について若干お伺いしたいと思います。

 まず、代表異動の制限についてでございますが、資金管理団体や後援団体のみならず、政党の支部の引き継ぎもこれは禁止しているわけであります。政党支部を議員の属人的なものとしているのかどうか、政党支部の性格についてお伺いしたいと思います。

篠原議員 お答えいたします。

 先ほど原田委員の質問の中にもちょっと出てまいりましたけれども、鳩山さんの場合、北海道の第九区の総支部ということで……(大口委員「いや、質問に答えてください」と呼ぶ)はい。

 それで、総支部を、一部のところでは、形式的には全体の政党の一部です。しかし、実態的には、政治家個人、特に衆議院議員、参議院議員の個人的な政治資金の受け皿となって使われているのが実態です。北海道の場合はそうではなかった。ですから、そういったものについては資金面で世襲の規制の対象としてよいのではないかということで、入れさせていただいております。

大口委員 個人的なものであるということで、ここに引き継ぎの禁止をしたということでよろしいですね。

篠原議員 形式的には、政党支部ですから政党の一部ですけれども、実態として、大口さんのところはどうかわかりませんけれども、私の場合ですと長野第一区総支部長でございます。ですけれども、ほとんど私に全権限が任されて運用がなされております。それが全体ではないかということで、世襲の規制の対象にさせていただきました。

大口委員 次に、民主党さんが出されている中で、代表者を一たん第三者、例えば秘書に引き継いだ後に親族に引き継ぐ、こういう場合には事実上世襲は可能ではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。

長妻議員 今の御質問は、我が党の法案の柱の二つ目の世襲禁止の部分だと思います。

 我々は、立候補以外の問題についても、国会議員関係政治団体というものについての引き継ぎというのを制限するような、そういう条文を入れさせていただいておりますが、確かに言われるように、本改正案では、一たん第三者を介在した形で政治団体を親族に引き継ぐという場合は規制の対象としておりません。御指摘のような、例えば秘書を一度代表者とした後、親族に引き継ぐことは制限をされておりません。これは、政治活動の自由との兼ね合いで、ぎりぎりの判断をしたということであります。

 しかし、本改正案においては、政治団体の世襲、すなわち親族への直接的な引き継ぎを制限しているところが目的でありまして、それにもかかわらず、仮に御指摘のような脱法的な形で政治団体の引き継ぎが行われた場合は、これはもちろん国民から厳しい社会的、政治的な批判を浴びることになるというふうに考えております。

大口委員 我々与党も、これまで政治資金に関してはいろいろな法案を出させていただきましたが、抜け道がいっぱいあるじゃないかという批判もさんざん我々も受けてきたわけなんですね。こういうふうに、秘書が間に入る、中継ぎになるという場合は幾らでもできるわけでございまして、大きな穴があるのかな、私はこういうふうに印象として感じた次第でございます。

 さてその次に、今回、企業それから労働組合あるいは団体の献金を禁じたわけであります。そして、個人献金というのを促進するということになったわけでありますが、この法案の根本は、個人献金をやっていくのが望ましい、こういう思想に基づいていると思うんですね。ところが、個人献金にも、今回、鳩山代表の偽装個人献金という問題があります。それから、五万円以下の匿名献金、この中にはいろいろなものをぶち込んでもいいということがあります。

 そういうことからいきますと、今回の鳩山代表の偽装個人献金の問題、匿名献金の問題、こういうものを、やはりしっかりと説明責任を果たしていただいて、そしてどこがどう問題なのかということをきちっとこの委員会でも明らかにしていただく、これが今回の法案を議論するにおいて前提である、私はこういうふうに考えますが、いかがでございましょうか。

原口議員 大口議員にお答えいたします。

 すべての政治家にとって、疑惑をかけられたらそれをみずから解明し説明責任を果たす、これはとても大事なことだというふうに思います。その上で、今回の政治資金規正法の基本的な考え方、そこを少し大口議員に御理解をいただいておきたいと思います。

 よく抜け道論ということが言われます。今回の改正でこの政治資金規正法は二十九回目の改正になります。しかし、原則は自由なんです。原則自由で、そして、それをさまざまな、公開を通して不断の国民の監視のもとに置いて国民の皆さんに判断していただくというのがこの法律の趣旨でございます。

 そこで、先ほどお尋ねの企業・団体献金についても、大口議員、私たちは随分苦労しました。(大口委員「そこはもういいです」と呼ぶ)いや、少しお話をさせてください、とても大事なことなので。企業、団体も政治を社会的な存在として支える、そういう権利があるんじゃないか、また責務があるんじゃないか、企業・団体献金をすべて悪と言って本当にいいんだろうかというお話でありました。

 ただ、その中で、やはり企業・団体献金が収賄の温床になっていることも事実であります。不透明な政治資金の、国民からの不信を招く温床になっているのも事実であります。ですから、ここは一たんゼロに返して、そして個人献金を中心にやっていこうというふうに考えたところでございますので、前段の御質問からすると、すべての政治家にみずからにかかった疑惑をしっかりと説明する責任がある、そのようにお答えをさせていただきます。

大口委員 だから、しっかりと説明責任を果たしていただきたいわけでございます。それについては、おいおいこれから質問をいたします。

 今回の改正の中で、現行法は税額控除の対象は政党それから政治資金団体に限定されているわけですね。民主党提出の法案では、年間千円から五万円までは全額税額控除ということで、対象を大幅に広げています。政党、政治資金団体だけじゃなくて、国会議員が主宰し、または主たる構成員である政治団体等云々、相当広がっているんですね。ここに拡大した場合、ますます偽装個人献金というものを誘発するのではないか。

 今回の状況を見てみましても、使用しちゃいけないものが六十六枚も寄附金控除の書類として交付されている。こういうことがあるわけでございますので、この鳩山偽装献金の関係からして、ここはどうなのか、お伺いしたいと思います。

篠原議員 お答えいたします。

 法律すべてそうですけれども、一〇〇%完璧な法律はないかと思います。

 先ほど葉梨委員の質問を聞いておりますと、何か、個人献金と企業献金は分けられない、だからちょろまかしをするんだ、そういう前提でよく質問をされておられました。大口委員も、ちょっとその点が心配じゃないかということをおっしゃっているんだろうと思いますけれども、私はどちらかというと性善説でございまして、国が、こうやって個人献金中心にやっていくんだといって大々的なキャンペーンをしていけば、日本国民はちゃんとそれにこたえてくれるのではないかと思います。

 大口さん、お名前が、善人で徳のある人という名前のとおりです。私は、そういう方がいっぱい日本人もおられまして、そんなにちょろまかしばかり考えて法律を完璧にするというのは不可能じゃないかと思っております。

 我々は、こういうふうに個人献金を拡大していって、また様子を見て、もしそういう問題が起きたらまた改正していけばいいのではないかと思います。最初から、だめだ、だめだと言ってつぶすというのはいかがかと思います。

大口委員 私も、税額控除を進めることは賛成なんですよ。ただ、鳩山代表のこういう偽装献金みたいなのが出てくるから、だから私は問題にしているわけですよ。こういうのが出てこなきゃ、我々は本当に国民に向かって理解していただくために進めていきたいわけですよ。ところが、それが国民から、個人献金に対してあるいは税額控除に対して非常に疑念を抱かれている。だから私は今指摘しているわけでして、逆行させているのは鳩山代表の事務所なんですよ。そこを自覚していただきたいと私は思うわけでございます。

 次に、今回の鳩山偽装献金でございますけれども、鳩山代表の資金管理団体、友愛政経懇話会、収支報告書に、二〇〇五年から〇八年まで、四年間で少なくとも延べ百九十三人、総額二千百七十七万円に上る大規模な虚偽記載がされたわけであります。これは、明らかに政治資金規正法の虚偽記載に当たり、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に問われる、この政治資金規正法で最も重い罪なんです。

 民主党代表の資金管理団体事務所のこの犯罪行為について、どのような感想を持っておられるのかお伺いしたいところでありますけれども、お答えに制限があるのではないかなと思っています。私はとんでもないことだと思うわけであります。多くの識者も、これについては指摘をしております。やはり単に鳩山事務所の問題だけではなく、政治資金の報告制度の信頼性を根本から揺るがす大問題である、こういうふうに指摘しております。

 私は、そういう点でも、鳩山代表はこの問題に対して徹底した説明と再発防止を示すべきである、こういうふうに考えますが、再発防止についてどう考えておられますか。

原口議員 先ほど大口議員がお話しになったように、やはりコンプライアンス、説明責任というのはとても大事でございます。そのためにはダブル、トリプルのチェック。それから、私たちの議論の中では、個人献金にした場合に、先ほどからの議論がございますように、納税がございます。私たちは、納税者番号制、そういったものについても議論をしていく必要があるのかなというふうに思っています。

 いずれにせよ、複数の目で、しかも公開をし、随時開示をし、そしてそれをダブルチェック、トリプルチェックしていく仕組み、これが必要であるというふうに議論をしております。

大口委員 それで、マスコミもいろいろ報道されていますけれども、まだまだ不十分だという場合、また鳩山代表としてこれからいろいろ説明をしなきゃいけないと思うんですね。原口先生は、本当にマスコミでもいろいろ正論をおっしゃっているわけです。もしいろいろな疑念が、今も出ているわけですけれども、やはりもっと詳しく説明すべきであると思いますが、その点についてどうでしょうか。

原口議員 これは本当に個別の、大口議員もこの間お答えになっていますが、法案の提案者でございますので、それを超えて答弁することはここではできませんが、あくまで一般論ということでお答えをすると、すべての疑念に対してしっかり情報を開示し、それにお答えする責務が国会議員にあると考えております。

 そして、そのことも、この間、西松事件について、私たち、第三者委員会でさまざまな御提言をいただきました。第三者の目を通してしっかりと、先ほど申し上げたようなダブルチェック、トリプルチェックというものをかけていくことが、政党に対する、あるいは政治に対する国民の信頼をかち取る一番の近道であるというふうに考えております。

大口委員 次に、政治資金規正法の二十五条の二項に「会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、五十万円以下の罰金に処する。」と、政治団体の代表にも責任を問う旨の規定があるわけであります。そして、選任、監督についてこの罰金刑が科されるとともに、さらに二十八条の一項により公民権の停止、議員失職、こういうふうになるわけでございます。

 そこで、この「相当の注意を怠つた」ということはどのような場合をいうのか、重過失ではなくて通常の過失という意味なのか。法務省、お伺いします。

甲斐政府参考人 政治資金規正法は法務省の所管する法律ではございませんので、一般的な文献でわかる範囲でお答えをいたしますと、選任につき相当の注意を怠るというのは、会計責任者を選任する際、その人柄、能力等の調査に相当の注意を怠ること等である。また、相当の注意とは、社会通念に照らし、客観的に何人もなすべき程度の注意であるとされております。また、監督につき相当の注意を怠るというのは、会計責任者の執務態度、執務の状態について、監督者として相当の注意を怠ることというふうにされているところでございます。

大口委員 ですから、ここで、会計責任者が会計担当者に全部任せていて、それで宣誓書というのに署名押印するわけでありますが、これも内容を見ないで署名押印しているとしたならば、この会計責任者というのはただ名ばかりである。

 こういう人を選ぶ、そしてこういう人を継続して会計責任者とさせるということは、選任、監督について相当の注意を怠った、こう考えていいと私は思っておりまして、非常にそういう点では、鳩山代表自身の刑事責任の問題が問われる、場合によっては公民権の停止、議員失職となる、こういう大きな問題であるということですね。ここで確認をしておきたい、こういうふうに思うわけでございます。

 そういう中で、鳩山代表は監督責任を感じると口では言っておられるんですが、結局は、秘書が独断でやったと、自身は何ら責任をとっていないわけでございます。かつて鳩山代表は、収支報告書の訂正が相次いだときに、資金管理団体、政党支部の責任は政治家本人と、政治家が責任をとるべきと述べているわけでございます。この発言と今の応対は矛盾しておられるんじゃないかな、私はこう思っているわけでございます。

 そして、鳩山代表のメルマガでございますが、七月三日にこう言っているんですね。「今回の件について、当該秘書は永年の同志ではありましたが公設秘書を解任いたしましたし、会計責任者についても然るべき処分をいたします。私自身も監督責任を痛感しています。ただ、誠に有り難いことに、多くの方々から頑張れよとご声援を戴いています。このご声援にお応えするためにも、求心力を完全に失った麻生政権に代わり、政権交代によって国民のみなさまに信頼していただける政権を樹立せずにはいられません。至らぬところは反省しつつ、前進あるのみと頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。」こういうことですね。

 監督責任を痛感している、それは政権交代によって責任を全うしていくんだと、全く別次元のことを結びつけたメルマガになっておりまして、私は、本当にあきれて物が言えない、こういうふうに思っておるわけでございます。この程度の認識しか鳩山代表にはないということでございます。

 そして、鳩山代表は、二〇〇二年三月十三日、自民党の議員の金庫番の秘書の金集めに係る不祥事でも、議員が信頼を寄せた秘書が議員のためにさまざまなやり方で金を集めたことに対して、議員の責任は重いと指摘し、「金庫番の秘書がこのような不祥事を働いた以上、職にとどまるのはいかがなものか」と、議員辞職まで求めているんですね。そして、これに対して、自民党議員は議員辞職したわけなんです。やはり鳩山代表も人には厳しくみずからには甘いということが、この過去の言動からいっても明らかである、こういうふうに考える次第でございます。

 さて、この個人献金を今回八割修正した、その結果、〇五年から〇七年に記載された個人献金者数が八十八人から十八人に激減したわけでございます。その十八人の中には、本人、母、姉、秘書、その他の家族が六人、本当に関係者以外で個人献金をしてくれた人が十三人にすぎない。非常に悪質過ぎるものであって、これは修正で済む話ではない、こういうふうに思うわけでございます。

 そういう中で、実はきょう、朝日新聞の朝刊に、驚いたんですが、民主党さんが、弁護士が入って二週間かけてしっかり調査したということですから、これは非常に信憑性の高い、自信を持って記者会見で答えたということなわけです。ところが、これは朝日新聞の取材ですが、「計二十万円分の献金記録を削除された北海道の男性は、修正後の朝日新聞の取材に「私は間違いなく献金した」と言い切った。」ということで、修正された人が「私は間違いなく献金した」と。「さらに「なぜ消されたのか、私に聞かれても分からない。鳩山氏とは初当選以来の付き合い。事務所に確認してみたい」といぶかしがった。」と。

 それから「同様に計二十万円分の献金が消された都内の男性も「献金している」。この男性は鳩山氏の父の秘書として働いた経験があるという。「昔からお世話になっていましたから」と献金理由を話す。」また、「ほかにも関西地方の男性など五人が「献金記録はあるはず」「献金していると思う」などと回答。」して、少なくとも七人が献金して、宙に浮いた献金なわけです。長妻先生もよく宙に浮いた年金と言っていますが、宙に浮いた献金であるわけでございます。

 これは本当に、いかにいいかげんな調査かということなんです。こういうことが、何回も提案者が、弁護士がついてしっかり調査して発表していると。そして、私は岡田幹事長に聞きたかったわけですよ。岡田幹事長は、こういう調査結果に納得したと。何をどう調べているんですか。このことについて、提案者にお伺いします。

長妻議員 大口議員にお答えをいたします。

 これも大変恐縮なんですけれども、私ども、繰り返しになりますが、本法案提出者の立場で答弁席に立っており、本質問に答える立場にはないというふうに考えております。

 これは、実はといいますか、今ここは我が党の法案を審議している場所でございまして、七月二日には、自民党、与党の議員立法を審議している場で、まさに大口議員も答弁席に座られておられた、あるいは村田議員も答弁席に座られておられた。そのときに質問があって、二階大臣の西松建設からの献金問題や与謝野大臣の商品先物取引会社からの献金問題、まともに説明されたと自民党も公明党も考えているのか、こういうことが答弁者に質問があったわけでありますが、まさに村田議員も私と同じように、私は公職選挙法の提案者として本日ここに出席しております、あるいは大口議員も、私も政党助成法の提案者としてここに立っておるわけでございます、こういうような答弁があって、これはまさにそのとおりだと思います。

 そして、もう一つちょっと申し上げたいのは……(大口委員「では、いいです。もういいです、時間があれですから」と呼ぶ)いや、私に答弁が、委員長に指名されましたので。大口議員はまだ法案の中身についていろいろ御質問いただいているんですが、その前の方々はほとんど我が党の法案に対して御質問がなくて、非常に残念でございまして、企業・団体献金を禁止するとか、あるいはそれについて自民党の質問者がどう思うのか、あるいは世襲についても自民党がどう思うのか、そういう真摯な議論をここでしたい。答弁者として我々答弁しているということでございます。

大口委員 私も提案者であったわけですけれども、答えられることはできるだけ答えています。よく議事録を見てください。共産党さんからも質問を受けて、できるだけ答えていますよ。

 それで、国の税金で給与を受けている会計責任者である政策担当秘書から、二〇〇〇年から二〇〇一年に各百万円、それから〇二年から〇七年まで各百五十万円、計一千百万円も、国の税金で給与を受けている会計責任者から鳩山代表の資金管理団体に一千百万円もこの五年間で献金がなされている。

 我が党におきましては、内規で、公設秘書からの献金を禁じているわけです。これは辻元さんの問題等がありましたね。ところが、鳩山代表のこの資金管理団体では、公設の政策担当秘書から五年間で一千百万円も献金を受けている。本当にこれもおかしい話だな、こういうように思うわけでございます。

 それから、今回の調査は〇五年から四年間だったわけですね。〇四年以前の収支報告にも偽装の疑いがあるわけでございます。

 ですから、これは、収支報告書で調べてみますと、私どもも、収支報告書、〇四年、〇三年のを見させていただきましたけれども、〇五年からの四年間で名前が消された人が、その前の〇三年、〇四年にはこれだけ実は名前が出ているんですね。だから、これは本来からいえば、〇三年、〇四年も偽装献金、虚偽記載の疑いが非常に高いわけでございます。こういうのが〇四年は五十七名、〇三年が六十二名記載されているわけでございまして、政治資金規正法違反の疑いが非常に濃い、こういうふうに思うわけでございます。これは、やはり〇四年以前も報告をすべきだ、こういうふうに強く求めたいと思う次第でございます。

 そこで、これにつきましては、委員長に申し上げたいんですが、この鳩山代表の友愛政経懇話会に対し、〇四年、〇三年等々、五年間ですね、〇四年から五年間の偽装献金の疑いのある明細の提出を命じていただきたい、こういうふうに考えております。委員長、お願いします。

河本委員長 理事会で協議いたします。

大口委員 さらに、六月三十日の修正で、これは葉梨議員からも指摘されましたように、借入金の修正につきましても虚偽の報告の可能性が出てきた。しかも、今回の朝日新聞で、訂正申し立てをしたもの自体がまた事実に反しているということになりますと、これも非常に虚偽記載の可能性が出てくる。これは、私は、故意、重大な過失であるんだと思うんですね。重大な過失が私はあると思うんです。これだけ、二週間調べて、弁護士もついてですよ、ところが、削除されていた人がちゃんと献金したと言っている。これは、いかにこの調査がいいかげんであったかということですが、私はこれは重大な過失があると思います。

 ですから、虚偽記載の、虚偽記入罪に該当することが間違いないんじゃないか、故意または重過失になる、こういうふうに思っておりますが、これは総務省にお伺いしたいと思います。

門山政府参考人 収支報告書の虚偽記載につきましては、政治資金規正法二十五条にあるとおりでございまして、故意に当たるか、重過失があるかといったことは、具体的な事実に即して判断されるべきものというふうに考えております。

大口委員 次に、不可解な匿名献金についてお伺いしたいと思うんです。

 私の場合、資金管理団体の場合、例えば、ちょっと調べてみましたら、これは簡単に調べられます、事務所にちゃんと備えつけてありますから。そうしましたら、平成十五年、〇三年は五万円以下の匿名献金は七万七千円でした。その後、〇四年から〇八年まではゼロでございます。政党支部も、〇三年から〇八年まで五万円以下の匿名寄附というのはゼロなんです。普通、本当に、麻生総理やあるいは太田代表のものも今回委員会で明らかになっていますが、数%なんですね。

 ところが、鳩山代表の資金管理団体の場合は、十年間で三億四千万円の匿名献金、そして〇二年から〇七年の六年間で二億七千三百四十九万円の匿名献金ということで、異常なんです、この高さは。私、本当に、自分に照らし合わせてみましても、五万円以下の献金をこんなにいただくということは、普通の事務所では事務処理することは不可能です。こういう常識外れの匿名献金ということになります。これは本当に重大なことだと思うんですね。

 例えば〇三年の場合、七千九百七十一万円、これが匿名献金だったんですね。これは、平均三万円といたしますと、二千六百五十七人に上るわけであります。こういうことが本当にあり得るのかということでございますけれども、篠原提案者、どうですか。こういう匿名献金について、御自身も多分関心があってお調べになっているんじゃないかと思いますが、どうですか。

篠原議員 まことに申しわけありません。大口委員の質問、これは一覧表をずっと読ませていただきまして、夜遅くなりまして、私の事務所は今引っ越し中でして、聞こうと思ったんですが、わけがわからなくて、私自身のも正確なのはわかりません。ですけれども、正直に申し上げまして、そんなに多くはない。ただ、私の場合は五万円以上なんというのはめったにいませんでして、数は多くて少ないので、結構件数は多いのではないかと思います。これは私のことでございますけれども。

    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

大口委員 鳩山代表の事務所でございますから、本当に名前が挙がっているのもいいかげんなわけですから、匿名の場合はもっといいかげんではないかな、私はそういうふうに思うわけでございます。とにかく、この匿名献金というのは偽装の疑いが本当に濃厚だと私は思うんですね。

 ですから、これまでいろいろな委員から、すべての収入、支出というのは会計帳簿を見ればわかるんです。事務所に備えつけですから。すぐその収支の明細がチェックできるわけです。五百蔵弁護士も、六月三十日に記者会見で、この点について調査を続ける、こういうふうに言っておりまして、私は、早急にこの調査結果を公表すべきである、これが民主党の見識じゃないですか。ここまでいろいろと報道されているんですから、会計帳簿によって明らかにこの匿名献金についても出していただきたい、こう思うわけでございます。

 法律上は五万円以下が匿名でも許されているわけでありますが、ここまで疑惑が高まりましたら、これは、それを明らかにしろと、今まで民主党さんがおっしゃってきたことじゃないですか、事務所費問題で。法律上は公表しなくてもいいんだけれども、ここまで疑惑が、そして国民の不信が高まっていれば、出すべきだとおっしゃっていたのは、皆さん民主党じゃないですか。そこを私は訴えたい、こういうふうに思うわけでございます。

 そこで、弁護士も、今調査を続ける、こうおっしゃっているわけでございますから、委員長に申し上げます、鳩山代表の友愛政経懇話会に対して、五万円以下の匿名献金の明細について、調査結果の提出を命じていただきたいと思います。

山口(泰)委員長代理 理事会で協議いたします。

大口委員 よろしくお願いをいたします。

 さて、私は、今回の鳩山代表の六月三十日の記者会見は納得いきません。それは、公設第一秘書の偽装の動機について、こういうふうに言っているんですね。個人献金が余りに少なく、わかったら大変だという思いがあったと推測している、こういうふうに説明しているんです。

 しかし、友愛政経懇話会は、御案内のとおり、受け取った個人献金は、十年間で総額五億九千万円に上っているわけで、国会議員の中で突出しているわけで、少ないわけがないんですね。これは民主党の先生方も、本当に鳩山さんの場合は特別だ、こういうふうにおっしゃっていたわけでありますけれども、異常ですよね。

 ところが、そういう説明に対して、少ないと言ったことに対して批判が出たものですから、今度は七月四日でございますが、もともと八千万円ほど貸し付けている、これ以上ふやすのは秘書にとってつらい話になったのではないかと語っておられたんですね。本人に聞いたわけではなく推測だとも述べているんですね。

 だから、公設第一秘書本人に聞いていないんです。全部推測でもって、少なく、わかったら大変だとか、あるいは八千万ほどの貸し付けをしている、これ以上ふやすのは秘書につらい話になったのではないかと、推測なんですね。

 これは本当にひどい話で、聞く機会は今まであったわけですから、なぜ直接聞かなかったのか。私は、鳩山代表の自己の説明責任に対する自覚が全くない、それから、国民に対して余りにも不誠実だ、こういうふうに思うわけでございます。

 そして、何かこの七月四日のお話であれ、六月三十日の記者会見であれ、心理的圧迫がこの公設第一秘書にあったのではないかということが前提となっている話なんですが、しかし、この六月三十日の記者会見で、鳩山代表自身が、心理的な圧迫をしたということについて、はい、基本的に全くノータッチでありました、事務所ごとに目標額みたいなものは一切設けておりませんので、そのいわゆる会計を担当している男一人にすべての経理を預けておりましたので、彼の判断ですべて行っていることでありますと。こういうことで、全く心理的な圧迫をかけていないと六月三十日におっしゃっているのに、心理的圧迫によってこうなったんではないかと推測をおっしゃっている。みずから確認もしない。

 これは、説明責任を果たす姿勢にあるのか、国民に対する誠実さがあるのか。私は、そう思いますと、政権交代で総理になろうとされている方としては適格性を欠く、誠実性を欠く、こういうふうに思う次第でございます。

 さて次に、偽装の原資についてもお伺いしたいと思います。

 私、表をまとめさせていただきましたので、これを見ていただきますとおわかりになりますように、鳩山代表の事務所の虚偽献金あるいは匿名献金、この原資が非常に疑問なんです。鳩山代表の友愛政経懇における虚偽献金、そして五万円以下の匿名献金、鳩山代表本人の献金、それぞれこの表に記載させていただきました。

 そして、これは所得等報告書等も調べましたら、平成十五年分は、五千七百三十五万円の鳩山代表の所得に対して、七百五万五千円が虚偽献金、それから五万円以下の匿名献金が七千九百七十一万円、そして、鳩山代表本人の献金が一千万円なわけです。それから、平成十六年は、鳩山代表の所得が二千三百六十万円、虚偽献金は七百六十七万円、これは内数としておきました。それから、五万円以下の匿名献金が四千六百十七万円、鳩山代表本人の献金は一千万円、こういうことで表にさせていただいたわけです。

 そして、グラフにさせていただきました。これで、鳩山代表の所得等報告書の所得がこの斜線の棒でございます。それに対して、五万円以下の匿名献金、これが相当偽装献金の疑いが濃厚であるということでいきますと、所得と、虚偽献金、匿名献金、そして本人の献金との足したものがバランスがとれない。

 ですから、ここに隠された資産ややみ献金というものが入っているのではないか、こういう疑いもあるわけでございまして、鳩山代表はこれに対しても説明責任を果たすべきである、こういうふうに考える次第でございます。そういうことで、私ども、本当にまだまだこの疑惑についての解明はなされていない、こういうふうに考えているわけでございます。

 さて、そういう中で、鳩山代表の献金について、個人献金に上限が設けられている法の趣旨というのは何か、また、資金管理団体に対する代表者本人からの個人献金に適用されるのか、そしてなぜ適用されるのか、お伺いしたいと思います。

    〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

門山政府参考人 お答えいたします。

 個人献金の上限に関するお尋ねでございます。

 政治資金規正法上の寄附の量的制限は、巨額の政治資金の授受が政治の腐敗を招きやすく、癒着現象を引き起こしやすいというふうなことから、寄附の総枠制限のほかに個別の制限を設けることとされたというふうに承知いたしております。これは、資金管理団体の代表者であるかを問わず、すべての個人が対象となるものでございます。

 具体的には、個人が行う寄附につきましては、年間二千万の総枠の範囲内で政党または政治資金団体に対して、それから年間一千万円の総枠の範囲内で政党及び政治資金団体以外の者に対して、かつ、一つの団体には年間百五十万円以内で政治活動に関する寄附をすることができるとされているところでございます。

 ただし、みずからが代表を務める資金管理団体につきましては年間百五十万という個別制限の適用はないとされておりますけれども、この場合も、年間一千万という総枠制限は、他の個人に関する寄附と同様に適用されるという制度となっております。

大口委員 この表でもありますように、鳩山代表本人の献金はもう枠いっぱいいっぱいということでございまして、せっかく上限が一千万ということに対して脱法的ではないかな。また、八千万とか九千数百万貸し付けという形にして処理していますが、返済するということはないのではないかな。ある意味では、それも脱法的な疑いがあります。

 さて、北海道の第九区総支部についてでございますけれども、鳩山代表の北海道第九区総支部は、地元道議会議員、市町村議員四十二名が毎年十二月二十五日に一万二千円から六十四万円のクリスマス献金をしているわけですね。お金持ちの鳩山代表が、地方議員の決して多くない議員報酬の中から数十万円から数万円の個人献金を受けているわけであります。この〇三年から〇七年の五年間で四十二人から一千六百五十万円受けているわけで、年間三百三十万円でございます。

 さて、この〇三年から〇七年分の収支報告書によりますと、苫小牧市議の議員報酬というのは月四十四万円、手取りで三十万円に届かないんです。しかし、年間二十六万四千円の寄附。登別市議の議員報酬は月三十二万円、手取りで二十数万円ですよ。これで年間十六万八千円の寄附ということで、十二月二十五日時点で議員でない人も献金をしているということでございます。

 民主党の平野役員室長は、調査の結果として、九区総支部の献金について、活動資金を確保するため、議員の歳費に応じて議員党費として徴収している、道内の他の総支部も同様と説明している、こういうことなんですね。

 それで、この法案でも、政党支部というものを、代表である政治家の非常に属人的な受け皿ということで、代表の引き継ぎを禁ずるということなわけであります。そういうふうに、非常に鳩山代表の属人的な政党支部が多額の議員からの献金を受けている。本来なら党本部とか道連が受け皿になって、そして党の活動資金とするということはよくわかるんですが、鳩山代表の属人的な政党支部に議員党費たる献金がなされている。

 私は、この法案の政党支部の位置づけが、属人的な受け皿ということで提案されている。ところが、北海道第九区総支部については、これは属人的でない、広域的な、北海道は広いので政党支部が受け皿になっているんだという御説明なんですけれども、今や本当にインターネット時代、電子化の時代、北海道であっても道連で十分対応できることでありまして、ここも非常に不思議だな、疑問に残るな、こう思う次第でございます。

 そこで、委員会でも問題になりました寄附金控除につきまして、でっち上げられた偽装献金者に対して寄附控除ということで書類が交付されている、六十六枚ですか。これに対して、これはもう使っちゃいけないものであるわけでございますので、鳩山代表に対して、総務省として、この寄附金控除の書類の返還を求めるべきだ、私はこういうふうに考えるわけですが、いかがでございましょうか。

門山政府参考人 お答えいたします。

 一般的に、収支報告書が訂正されました場合には、訂正後の、事実に即して記載された正しい収支報告書に基づきまして、仮に、本来確認されるべきでなかった寄附金控除のための書類というものがあるということでございますれば、それは政治団体において適正に対応していただくべきものでございまして、友愛政経懇話会に対しましても、六月三十日に訂正願があったわけでございますが、その訂正願がありました当日に同様のことをお伝えしているところでございます。

大口委員 だから、返還を指導するといいますか、それで返還をしたいという場合は受けられることになりますか。もう一度。

門山政府参考人 お答えいたします。

 収支報告書が訂正されました場合には、再度確認いたしまして、総務省として必要な対応を行っているところでございまして、具体的には、政治団体に対して、収支報告書の訂正に当たりまして、訂正前に確認した寄附金控除のための書類を極力提出していただいて、確認印の取り消しなどを行うということとともに、また、事実に即した寄附金控除のための書類を再提出していただいて、改めて確認するといったような対応を行ってきているところでございまして、現実にも、再提出されるといったようなケースは、件数までは承知しておりませんが、かなりあるというふうに考えております。

大口委員 しっかりと鳩山代表の事務所でも適正な手続をしていただきたいと思います。

 さて、今回、民主党の役員会で鳩山代表の説明を了としたということであるわけですが、七月四日の読売新聞の世論調査では、鳩山代表は説明責任を果たしていないという人が七九・七%ですよ。七月六日付の東京新聞の世論調査でも、鳩山代表の説明に納得ができないが七八・三%に上っております。そういう点で、私はやはり、この世論調査の結果から見ましても、説明責任は不十分である、こういうふうに考えるわけでございます。

 民主党は、党首が二代続けて偽装献金。前代表の小沢氏は西松建設からの違法献金で代表を辞任し、その裁判では、公共工事の、小沢氏側から天の声が出ていたと指摘され、鳩山代表は小沢氏に説明責任を果たすよう促したわけですね。その鳩山代表本人が弁護士任せで逃げていて、その弁護士もきちっと調査していないために、またその調査結果と違うようなことも報道される。こういうことでございまして、私は、鳩山代表みずからが政治倫理審査会で審査を受けるよう強く求めていきたい、こう思う次第でございます。

 さて、私も法曹の一人として、今回、この西松建設の問題で民主党の第三者委員会の報告書を見させていただきました。非常にびっくりしたんですね、実際。

 政治的影響の大きい事件については、検察の強制捜査や起訴について何らかのチェック機能を設けて検察の活動を抑制する必要があるということを階委員もおっしゃっておるわけですね。

 そして、第三者委員会の報告書では、「議院内閣制のもとでは政府・与党が一体的であることから、とりわけ野党に対する権限行使について慎重な配慮が要求される」「とりわけ野党に対する権限行使について慎重」。野党とか与党とか、ないんじゃないですか、こういう法と事実に基づくことについて。だから、この第三者委員会のメンバー自体の見識を私は疑うわけでございます。

 それから、本件西松事件のように「重大な政治的影響のある事案について、単に犯罪構成要件を充足しうるという見込みだけで逮捕、起訴に踏み切ったとすれば、国家による訴追行為としてはなはだ配慮に欠けたとの謗りを免れないというべきであろう。逮捕・起訴を相当とする現場レベルでの判断があったとしても、」ここからですよ、「法務行政のトップに立つ法務大臣は、高度の政治的配慮から指揮権を発動し、検事総長を通じて個別案件における検察官の権限行使を差し止め、あえて国民の判断にゆだねるという選択肢もあり得たと考えられる。」こういうことを述べられているわけでございます。

 そして、七月七日の衆議院倫選特でも、六月二十四日の参議院行政委員会でも、民主党議員がこの第三者委員会の見解に基づいて質問をしておられる。私は、本当にこういうところが政権をとって大丈夫かな、こう思うわけでございます。心配でございます。

 やはり、検察当局の捜査や起訴につきましては、これは捜査の際には、強制捜査については令状主義のもと裁判所がチェックするんです。起訴された事案については、司法の場で有罪、無罪が決せられて、まさに司法の場こそチェックの場なんです。そして、不起訴とされた事件については検察審査会があるわけでございまして、これで公正は十分担保されるというふうに私ども考えているわけでございます。

 そういうことで、検察において法律に基づき有罪判決を獲得する証拠があると判断した事件については、起訴した場合、起訴しようとする場合に、裁判に先立って、検察の判断の当否、すなわち刑罰法令の解釈や証拠の有無についてチェックするというのであれば、裁判所が行うことを先取りするということになりますね。そして、検察に対する不当な介入を許すことになって、司法権の独立さえ侵すことになるわけでございます。

 そういうことで、私は、本当に、西松建設の問題でいえば、今、小沢代表の秘書にかかわる政治資金規正法違反事件が公判中であります。これは、法務大臣の指揮権を発動して、この公訴を取り消すということも刑事訴訟法二百五十七条でできるんですね。こういうことを民主党が政権をとったらおやりになるのか。

 それから、鳩山代表が亡くなった方から献金を受け取っていたなどの事実により告発をされたという報道もなされているんです。仮に民主党が政権をとったら、法務大臣の指揮権を行使して、この事件について捜査をやらせない、あるいは起訴させない、こういうふうに考えておられるのか、極めて私は心配しておるところでございます。

 そこで、司法権の独立を担保するために、これと密接不可分の関係にある準司法機関と言える検察の独立が必要である、こう考えているわけでございますが、このような観点から、検察の活動を不当に抑制するような指揮権の行使は抑制的であるべきだ。第三者委員会の報告について、新聞の記事や、各社軒並み、この指揮権の安易な行使を述べた部分について批判的でございます。

 そこで、果たして学説の中に、重大な政治的影響力のある事件について、検察当局が犯罪構成要件を充足し得る見込みがあると判断して逮捕、勾留しようとした場合、法務大臣が指揮権を行使すべきだとするものがあるのか。これらの一般的な感覚からいっても、やはり指揮権の行使については慎重にあるべきだと考えますが、法務省の見解を問います。

甲斐政府参考人 一般的な文献を拝見いたしましても、重大な政治的影響力のある事案について、検察当局が逮捕、勾留しようとした場合に法務大臣が指揮権を行使すべきだとする学説については、私ども承知している限りでは存じ上げておりません。

 いずれにいたしましても、検察庁法第十四条ただし書きの趣旨が、検察権の独立性と政治的中立性の確保の要請にございまして、検察は、常に法と証拠に基づき、厳正公平、不偏不党を旨として適切に対処しているところでございます。指揮権の行使も、同条の趣旨を踏まえて判断されるものと考えております。

 森法務大臣においては、これまで、検察に信頼を置き、検察の活動を不当に制約するような指揮権の行使はしない旨述べておられるところでございます。

大口委員 そこで、本当に民主党が政権をとられたときに、西松建設の問題とかあるいは鳩山偽装献金の問題について指揮権を発動するおつもりであるのか。本当は、ここは岡田幹事長にお伺いしたいところなんです。私ども一番心配しているんですよ。ところが、きょう御出席じゃないわけでございます。

 そこで、いつも正義感とそして国民の世論に対して非常に心を砕いておられる長妻議員にお伺いしたいと思います。

長妻議員 大口議員にお答えをいたします。

 まず、第三者委員会のいろいろな報告書というのは、これは民主党、党としての見解をあらわしたわけではございませんで、あくまで第三者の立場で御見解をいただいたということでございます。

 そして、この委員会でも別の委員がいろいろな質問を申し上げましたけれども、基本的には、我々は法律改正案に責任を持つ立場であって、答弁する立場にはございませんけれども、私個人の意見を言えば、やはり指揮権発動というのは基本的にはないようにすべきだというふうに考えております。

大口委員 見識のある御意見だと思います。

 ただ、この第三者委員会の委員を選んだのも、これは鳩山幹事長であったんじゃないですか。だから、その委員のメンバーを見れば、こういう報告が出てくるのはわかっていたわけですよね。そういうものを出されたということに、私は非常に心配と危惧を持っておるということでございます。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

河本委員長 本会議散会後直ちに委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二十六分開議

河本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。

 本日は、民主党提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案について、提出者の皆さんにお伺いをいたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 佐藤大臣におかれましては、大変恐縮ですが、提出者の答弁をお聞きいただいて、その後で時間の中で御質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 まず、質問に入る前にぜひ確認をしておきたいと思っておりますが、私も新人ですからよくわかりませんでしたが、先輩の話を聞いてまいりましたらば、先ほどの午前中の質疑で参考人として招致したいという話がございましたけれども、この参考人の招致については全会一致が原則だと。しかも、これが自民党、公明党の従来の主張であって、特に自民党さんが今まで主張してきた主張であるということで、参考人の招致は全会一致でなければできませんので、御確認をいただきたい。

 それから二つ目、政倫審での招致でありますが、こちらも、これはあくまでも本人がその疑惑を晴らしたいということで自分がみずから申し出たときに初めて政倫審は開かれるということでございますので、原田筆頭理事、よく御確認をいただきたい、そう思っております。(発言する者あり)はい、そのとおりでございます、よく御確認を。井上筆頭理事もよろしくお願いいたします。

 そういうことで、全会一致になりませんので、御理解をいただきたい、そう思っております。

 それでは、改正案提出者に対しましてお伺いをしたいと思います。

 まず、なぜ今このような内容の改正案を提出したのか、先ほどもお答えがございましたけれども、改めて提出の趣旨をお伺いしたいと思います。では、よろしくお願いいたします。

篠原議員 お答えいたします。

 政治と金の問題は永遠の課題ではないかと思います。いろいろ議論されてまいりました。つい最近は、どちらかというと出口の方をきちんとしなければいけないということで、領収書をきちんとそろえるという改正が行われたところでございますけれども、入り口の方も変えなければいけないんじゃないかという議論が沸き起こったのは皆さん御承知のとおりだと思います。

 我々民主党は、今まで、この点については、公共事業受注企業等を外す、そこからは献金はもらわない、それから、企業・団体献金についても規制をしていくということ、それから企業・団体献金を受ける政党支部の数もいっぱいあり過ぎるので、それを少なくするというようないろいろな提案をしてまいりました。

 しかし、政治と金の関係で国民は多分不信を持っておられるんだろうと思います。この不信を払拭するには、つらいことかもしれませんけれども、この際、いっそのこと、企業・団体献金を全面的に禁止しようと。ただ、ちょっと、すぐというわけにはいかないので、三年間の経過措置を講じた後禁止していこう、これが一つでございます。大きな目的はこれが一つ。

 もう一つ、政治の活性化を図るにはどうしたらいいかということでございますけれども、これについては、やはり多様な人材を政界に送り込まなければいけない。では、ネックになっているのは何か。地盤、看板、かばんと言われています。こういったものを全部平等にというのは難しいわけですけれども、やはり世襲というのはよくないのではないかということで、では、せめて何ができるかということでございますけれども、我々民主党も、さきに、三親等以内の親族、それから配偶者、これは内規でもって同一選挙区ですぐ立候補するのを禁止することにしております。では、法律では何ができるかということでございますけれども、かばんの方の部分ですね、お金の部分。政治資金管理団体をそのまま継承するのはよくないのではないか。せめてそのぐらいはストップして、多様な人たちが政界に入れるようにという配慮をすべきではないかということで、この二点。

 これは、五五年体制だか何体制だか知りませんけれども、続いてきた中でずっと続いてきたことでございますけれども、この際、この二つを大幅に改善いたしまして、政治を活性化しようというのが我々のねらいでございます。

福田(昭)委員 ありがとうございました。

 私、いつごろだったか忘れてしまいましたが、NHKがかつて、イギリスの政治と金の問題、この問題を特集して放送して本にして出版したことがございました。民主主義の国イギリスでもこの政治と金の問題については百年かけて浄化をした、そういう歴史を実は報道し、本として出版してくれたんですが、実は、そのイギリスでさえ、最近また政治と金の問題でいろいろな問題が起きているんですね。

 ですから、確かにこの政治と金の問題というのは、不断の見直しをしていかないと、もしかしたら、いつになってもなくならない問題なのかもしれません。それだけに、問題が起きれば、その起きた問題に対してどう対応していくかということを常に考えていく必要があるんだと私も思っております。そうした意味で、今回この法律を出された意義というのは非常に私は大きいものがある、そのように考えております。

 そこで次に、改正法案の第一条、第十九条の八の二と三に関連して、国会議員に係る政治資金の世襲の制限の規定について、まずお伺いをしたいと思います。

 先ほど篠原先生の方から答えらしい答えがありましたけれども、そもそも国会議員の世襲についてはどのような問題があると考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。

長妻議員 福田委員にお答えをいたします。

 基本的に、どの政党の公認の基準にあっても、世襲を優先ということは一切書いてございませんで、基本的には、原則は、どなたでも平等に扱う、公認、擁立という作業がなされていると承知をしております。

 ただ、現実問題といたしましては、やはり地盤、看板、かばんがある、そういう候補者の方が、各党の公認等の手続の中でも非常に有利になる、あるいは仮に無所属で出る場合におきましても非常にげたを履いている、こういうような状況があり、有為な、国政を目指したい若者で、全く関係者、親族に議員もいない、何にもコネがない方々も、本当に同じスタートラインに立って、そういう方の能力も発揮していただく、そういうチャンスの平等を我々言っているからには、やはりまず、みずから国会議員が襟を正す、機会の平等ということを目指すという趣旨があるわけでございます。

福田(昭)委員 なるほど。

 チャンスの平等といいますか、機会の平等をぜひつくりたい、こういうことだと思うんですね。

 これは余計なことですけれども、今の自民党を見ておりますと、ここにもいらっしゃいますけれども、二世、三世、四世の世襲の議員さんが大変いらっしゃいまして、そうした方々が結構自民党の中では力を発揮しておりまして、ポスト麻生さんがなかなか見つからない、これもやはり世襲の弊害じゃないかなと私は思っているんですね。これは相当多過ぎますよ、弊害が。ぜひこの辺、自民党さんも、いなくなっちゃいましたけれども、菅選対委員長代理が一生懸命、自民党も世襲制限をしたいということで頑張ったようですが、自民党の中ではまとまらなかったようであります。ですから、これはやはりある程度考えた方がよろしいんじゃないかなと私は思っております。

 二つ目として、規制の内容はいかがなものか、具体的に教えていただければと思います。

武正議員 福田委員にお答えをいたします。

 本改正案は、世襲候補者が、世襲でない候補者と比較して、政治資金の面において有利となっている現状を是正するため、国会議員については、政治資金の親族への引き継ぎを制限するものでございます。

 本改正案では、まず、国会議員関係政治団体の代表者の親族への引き継ぎを制限しております。

 具体的には、国会議員やその候補者が引退や引退表明をした場合、または死亡した場合には、その国会議員等の配偶者または三親等内の親族は、資金管理団体や政党の選挙区支部等の国会議員関係政治団体を引き継いでその代表者となることができないこととしております。

 また、これに加え、国会議員関係政治団体から親族への寄附を制限しておりまして、国会議員関係政治団体は、一つ、当該国会議員等の配偶者及び三親等内の親族本人、二つ、これらの親族の国会議員関係政治団体、三つ、当該国会議員が引退表明をした場合には、当該国会議員本人に対して寄附をすることができないとしております。

 また、国会議員等が引退し、または死亡した結果、国会議員関係政治団体でなくなった政治団体についても、その後十年間は同様に、当該国会議員等の配偶者及び三親等内の親族本人、これらの親族の国会議員関係政治団体、引退した国会議員本人に対して寄附をすることができないこととしております。

福田(昭)委員 ありがとうございます。

 三つの種類がある、三つの団体がある、こういうことですね。一つは、当該国会議員の配偶者及び三親等内の親族本人、それから二つ目として、これらの親族の国会議員関係の政治団体、三つ目として、当該国会議員が引退表明した場合には、当該国会議員本人に対しては寄附できない、この三種類あるということですね。このことについては、引退または死亡したときも、あるいはその後十年間は同様だ、こういうことですね。はい、よくわかりました。

 それでは、三つ目として、代表者の異動の制限、寄附の制限、いずれの制限の対象を、資金管理団体に限定せずに、より広く国会議員関係政治団体とした理由はいかほどなのか、お伺いをいたします。

篠原議員 お答えいたします。

 午前中の議論でもいろいろございました。せっかく税額控除を五万円にしても、それが個人献金をちょろまかしたりするのに使われたりするんじゃないかとか、政治と金にかかわる問題でいつも出てくるのは、せっかくつくったところで抜け穴、ループホールができてしまって、そっちがメーンルートになったりしてしまうということがよく起こっているわけですね。

 そういったことを考えますと、資金管理団体が一番すぱっとするわけですけれども、政治家は資金管理団体だけじゃなくてほかにもいろいろな政治団体を有しているのが普通ではないかと思います、私の場合はそんなにはなくて二つぐらいなんですけれども。

 ですから、政治資金を規制する、親から子へ行くのをストップするといったときに、その実効性を高めるためには、やはりその政治家の皆さんと密接な関係がある関係政治団体をみんな加えるべきではないか。これでも、ここまでやってもまた抜けができてしまうかもしれませんけれども、とりあえず我々は、対象としては三つ考えております。

 一つは、政治資金管理団体も含むわけですけれども、政治家そのもの、その本人が代表を務める政治団体、これは確実に対象とする。二つ目は、これはどなたのところにもあるはずですけれども、後援会というのがあります。後援会長はほかの人が代表ですけれども、その後援会は、特定の政治家を推薦して、そしてバックアップしていく。ですから、その後援会もやはり対象に含めるべきではないかということでございます。三つ目は、大口委員から指摘がございました政党支部でございます。政党支部、私は、本来の法律が予定しているのは政党の一部だと思いますけれども、実態を見ますと、支部長、政治家の、衆議院、参議院議員等の個人の資金管理団体と同様な運用がなされている。これはやはり対象に加えるべきじゃないかということで、なるべく抜け穴ができないように、三つを対象といたしております。

福田(昭)委員 ありがとうございました。

 それでは、政治家本人に関係ある団体につきましては三つ対象にしたということですが、これは、政治資金規正法に位置づけられている国会議員関係政治団体の三つそのものを対象にした、こういうことでよろしいですか。はい、ありがとうございました。

 それでは次に、改正法案の第二条で、企業、団体の寄附や政治資金パーティー券購入の全面禁止がうたわれております。

 そこで、一つ目として、そもそも企業、団体の寄附やパーティー券購入についてはどのような認識を持っておられるか、改めてお伺いをいたします。

長妻議員 福田委員にお答えをいたします。

 まず前提として、企業、団体の寄附やパーティー券購入が即悪であると我々は考えているわけではございません。必ずしも見返りを求めて行われるものではないというふうに承知しております。もちろん、企業、団体が献金を通じて国民全体の利益となる政策を後押しするなど、有益な面も見られます。

 しかし、これまで幾度となく企業・団体献金が国民の政治不信を招いてきたことは事実でございまして、政治不信の土壌となっている企業・団体献金を禁止することによって得られる公益の方が大きいと考え、企業、団体の献金とパーティー券購入をすべて禁止することとしたわけです。

 そして、それによって政治文化も大きく変えたいというふうに思っておりまして、基本的には、例えば派閥やグループというものも、個人献金中心になったときに、それは逆に必要性が薄まるのではないのか。例えば初当選の国会議員でも、本当に一生懸命頑張れば、派閥の親分よりも個人献金で数億円集めるとか、そういう文化が劇的に変わるということもあり得るのではないか。

 事実、不祥事が海外でも起こっておりまして、フランス、カナダでも大きな事件が起こり、現在は企業・団体献金は禁止となっておりますし、イギリスでは、禁止ではございませんけれども、企業献金に関しては寄附先と金額が株主総会の承認事項となるということで、かなりハードルが高いということで、日本もそういう政治文化を変えるという一歩にしたいと考えております。

福田(昭)委員 ありがとうございました。

 企業献金はイコール悪ではないという立場に立っているということは、私も非常にうれしい話だし、それは自然な話だというふうに思っております。

 私ごとでございますが、私は昨年、政治家になりまして十八年目にして初めて、実は政治資金パーティーというのを開きました。そのときに、それこそ、大企業は無理でしたけれども、小さな企業の皆さんが浄財を、いろいろ御協力いただいたりしたものですから、ここまで悪だと言われると、これはちょっと問題だなと思っておりました。

 しかし、悪ではないけれどもさまざまな不正の温床になっているということから、今回はぜひ全面禁止をして、日本には余りまだ育っていない個人献金というものをふやして、日本の寄附文化といいますか、そういうものを成長させると言うのは変なんですが、成長するような土壌づくり、環境づくりをしたいということでございますので、私も非常にいいことだなというふうに思っております。

 それでは、二つ目として、従来は、パーティー券購入には対価性があり、寄附とは異なると考えられてきたと思うのでありますが、改正法案では寄附と同様に規制するとした理由は何か、お伺いをいたします。

武正議員 福田委員にお答えいたします。

 企業、団体の献金であろうとパーティー券購入であろうと、企業、団体から政治家にお金が流れることには変わりないと考えております。また、企業、団体の献金のみを禁止した場合、企業、団体は従来献金に充てていたお金をパーティー券購入に回すものと思われまして、それでは企業、団体から政治家へのお金の流れを絶つという目的を達成することができないと考えております。

 そのため、企業、団体の献金だけでなく、パーティー券購入についても禁止することとしたのでございます。

福田(昭)委員 なるほど、よくわかりました。

 企業献金を禁止して、しかし、それに相当する部分をパーティー券購入に充てたのでは全く意味がなくなってしまう、こういうことからパーティー券も禁止をするということにされたということですね。よくわかりました。

 それでは次に、改正法案の一条、二条にかかわって、企業、団体の政治団体に対する寄附、パーティー券購入の指示の制限についてお尋ねをいたします。

 一つ目は、企業、団体の政治団体に対する寄附等の指示の制限を新たに創設した理由と、規制内容はどのようなものなのか、お伺いをいたします。

篠原議員 お答えいたします。

 先ほどの寄附とパーティー券の購入との関係にも当てはまることだと思いますけれども、寄附がよくないといったら、パーティー券の購入でお金を集めるといったようなことが行われてきたんですね。ですから、それはやはりよくないということで、この際、両方とも同じように禁止しなければいけないというふうに気がついたわけです。

 それからもう一つは、午前中の議論にもありました、私はパーフェクトな完全なものなどできないと思いますけれども、法律をつくる前から、皆さんずっと苦労してこられたので、抜け穴が見えてくるんですね。その一つが、いわゆる個人献金にしたところで、個人とは言っているけれども、会社員に全員に指図をして個人献金を装ってというのが考えられるわけです。現に某大臣にもこういうことが起きているわけですね。こういうのを全部は予想できないんですけれども、今現在において予想できるようなものはやはり禁止しておくべきじゃないかということなんです。

 どのように規制するかといいますと、会社等が役職員や職員に対して、雇用の関係を利用して、上司の言うことを聞かないわけにいきませんね、あるいは、あんた、ここに献金するようにということを言って、そして支払い額を約束する。これはもう現実の方が進んでいまして、これで後から補てんしてなんということも行われているんですね。

 そこまで防止するのを、我々は予想できておりませんので、これはまた別途考えなければならないかと思いますけれども、こういったことがもう当然予想されるわけです。ですから、こういったことは絶対やってはならないというふうにすべきじゃないかということを考えました。

 ですから、こういったことをしでかした企業、あるいはそのトップの人たち、構成員、何とか部長でも何とか取締役でもいいんですけれども、そうしたことをした人たちには三年以下の禁錮、それから五十万円以下の罰金ということにしたいと思っております。

福田(昭)委員 よくわかりました。

 そうですよね。先日もこの委員会でも取り上げられましたけれども、例の与謝野財務・金融大臣については、オリエント貿易でしたか、あちらの方から、本当に、迂回献金で、まさに脱法的行為で、しかも職務権限もあったということですから、まさにこちらの方が犯罪ですよね、悪質な犯罪ですよね。ですから、職務権限があると贈収賄も成り立つわけですよね。しかし、それらについては何ら検察の動きもなさそうでございますので、こうしたことこそ本当に大きな問題かなと私は思っております。そこで、やはりこうした企業・団体献金の脱法的行為もしっかり防いでいく必要がある、そのように私も思っております。

 二つ目でありますが、二つ目は、改正法案の中で、会社、労働組合、職員団体その他の団体は、その役職員または構成員に対し、雇用その他の関係を不当に利用して寄附等をさせてはならないとありますが、雇用その他の関係を不当に利用するとはどのような意味なのか、教えていただきたいと思います。

長妻議員 福田委員にお答えをいたします。

 先ほどもおっしゃられるように、企業献金、寄附というのは、本来、寄附者の自発的な意思で行われるというのが政治資金規正法に書いてございまして、それに反すると、規正法の二十六条の五で、寄附を集めた者は二十万円以下の罰金、そういう規定があります。そういう意味では、自発的な意思がまず基本でございます。

 我々は、「雇用その他の関係を不当に利用して、」という意味といたしましては、民主党議員立法の第二十二条の六の三、今読んでいただいた条文でございますけれども、具体的に言うと、例えば、会社の上司が部下に対して、献金をしなければ今後の人事に際して不利益が生じる旨を示した上で、政治団体への加入あるいは寄附を勧誘する場合。あるいは、もう一つ具体的に申し上げますと、会社の上司が部下に対して、例えば、今後の賞与やボーナスにおいて有利になる旨を示した上で、あるいは上乗せなどのお金を示した上で政治団体への加入を勧誘する場合などが該当するものというふうに考えております。

福田(昭)委員 なるほど。

 従わない場合には何らかの不利益を与える、あるいは従った場合には何らかの利益を与える、こうしたことが十分考えられる、こういうことなんですね。よくわかりました。

 それでは三つ目として、寄附等をさせた企業、団体の役職員等は、違反すると罰則がかかることになっています。この規制に違反してされる寄附であることを知りながら寄附を受けた者は処罰されるのかどうか、お伺いをいたします。

武正議員 福田委員にお答えいたします。

 本規制は、会社等が政治団体を用いて寄附をさせることを規制するものであり、その寄附を受けた者については特段の規制を設けておりません。ただし、本改正案では別途、企業、団体のする寄附及びその受領を禁止することとしております。

 したがって、さまざまな事実関係から総合的に判断して、その寄附が企業、団体のする寄附であると評価される場合には、企業、団体のする寄附であることを知りながらこれを受けた者についても、政治資金規正法違反として処罰の対象となります。

福田(昭)委員 わかりました。

 ここでは特段の規制は設けていないが、しかし、そもそも、この寄附が、総合的に判断をして企業、団体のする寄附であるということを知りながらこれを受けた者についても政治資金規正法の違反として処罰の対象となっているから、そこまでは踏み込んでいなくても大丈夫だ、こういう話ですね。よくわかりました。

 それでは次に、企業、団体等の寄附やパーティー券購入が全面禁止されるまでの間、つまりこの法案の公布後三年間の措置として、国や地方公共団体との高額契約企業の寄附等を新たに制限を加えておりますが、その理由はいかなる理由か、教えていただきたいと思います。

篠原議員 お答えいたします。

 これも、先ほどから御説明しております抜け穴防止でございます。現行法におきましても、国や地方公共団体から補助金をもらったり出資を受けている会社は、国や地方公共団体と特別な関係にあるわけです。それで、その特別な関係を維持し、強固にしたいがために不明朗な寄附をするようなことが行われているということで、政治活動に対する寄附は禁止しております。

 しかし、では、これは補助金出資だけに限られるのか。そうではなくて、例で言いますと大型コンピューター、これは何億円もするわけです。そういったものを、国や地方公共団体が、ある会社と契約を結んで購入する、こういった関係においても特別な関係ができ上がってしまう。だから、その特別な関係を維持せんがために寄附をしていって同じような関係になってしまうんじゃないか。不明朗な寄附が行われるおそれがありますので、気がつきましたので、このような会社についても、三年後を待つまでもなく禁止してしまおうと。いずれにしても、三年後には全面的に禁止するわけですけれども。そういうことにしていきたいと思っております。

 この点についても、寄附とパーティー券の購入を全く同列に扱いまして、しり抜けができないようにということを考えております。

福田(昭)委員 なるほど。

 既に現行法でも制限されているものを、一億円という額を定めて前倒しで制限する、こういう理解でよろしいですか。はい、ありがとうございました。

 それでは次に、改正法案第三条で、個人のする政治活動に関する寄附に係る税額控除の拡充が規定されておりますけれども、その点について、二つほどお伺いをしたいと思います。

 一つ目は、税額控除を拡充することで、個人のする政治活動を支援することはいいことだと思いますが、なぜ平成二十六年までの時限措置としたのか、お伺いをいたします。

長妻議員 福田委員にお答えをいたします。

 おっしゃるように、我が党の税制上の優遇措置というのは平成二十六年までの時限措置でございます。

 これは、一つは、現行の税制上の優遇措置の全体の話ですけれども、それが、期限が平成二十六年までであることも参考にして平成二十六年までの時限措置にしたというのが一点と、もう一点では、この法案が成立した後、個人のする寄附の状況を見て、一定期間経過後には、全額税額控除とする上限額や対象となる政治団体の範囲などについてもう一度見直す必要もあるのではないかということも考え、平成二十六年までの時限措置としたわけでございます。

福田(昭)委員 よくわかりました。

 現行の優遇措置が平成二十六年までとなっているということを基本としながら、これから我々が期待している、多くの個人から幅広く少額の寄附が行われるような政治文化を創造したい、こうした我々の願いがどの程度進むか、こういうことも考慮しながら平成二十六年までの時限措置とした、こういうことでよろしいですね。はい、ありがとうございました。

 次、二つ目でありますが、個人のする政治活動に関する寄附については、年額千円から五万円までは全額税額控除の対象となっております。上限を五万円とした理由はいかなる理由か、教えていただきたいと思います。

武正議員 福田委員にお答えいたします。

 平成十九年度の企業・団体献金は、すべての政党、政治資金団体合わせて約百四十億円でございます。また、すべての政治団体のパーティー券収入は約二百十億円でございます。合わせて三百五十億円。ただし、パーティー券収入二百十億円には、企業、団体が購入した分に加え、個人が購入した分も含まれております。

 こうした実態を踏まえれば、企業・団体献金、パーティー券購入を禁止することに伴い、企業・団体献金等から個人献金への流れの中で、個人献金による収入を約二百億円から三百億円程度ふやす必要がございます。全額税額控除を導入することに伴い、納税者約五千万人の一%である約五十万人が献金するものと仮定しまして、約五十万人がそれぞれ五万円を献金すれば約二百五十億円となることから、五万円を税額控除の上限といたしました。

 なお、納税者数約五千万人については、異なる二つの統計を合算した数字でありますが、二つの統計には重複しているものが含まれているため、正確な人数ではございません。

福田(昭)委員 なるほど。

 今回の企業、団体の政治献金、そしてパーティー券の購入の禁止、こういうことによって自由な政治活動が制限されることのないように、縮小されることのないように、それ相当ぐらいの個人献金額をぜひ確保できれば、こういう願いも込めて五万円にした、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。

 大体これで、民主党提案の政治資金規正法等の一部を改正する法律案についての質問は一通りポイントを終了させていただきまして、これからは佐藤総務大臣へ質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。あと十七、八分残っておりますので、よろしくお願いいたします。

 まず、佐藤大臣には、我が党の法案に対する大臣の感想といいますか所感をお伺いしたいと思います。

佐藤国務大臣 お答え申し上げます。

 現行の政治資金規正法でございますけれども、政治活動が国民の不断の監視と批判のもとに行われるようにするため、政治資金の収支の公開や授受の規正などの措置を講ずることによりまして、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発展に寄与するというふうにされております。

 民主党提出の改正案では、政治資金の世襲の制限、そして企業、団体の寄附、パーティー券購入の禁止などについての御提案、そして個人による寄附に対する税額控除の拡充等、多岐にわたる御提案がされているところでございます。

 政治資金のあり方について、民主主義のコストをどう負担するかとの観点から、各党各会派で十分に御議論をいただくことは大変いいことだというふうに私は思っております。

 いずれにいたしましても、国民に信頼される政治を行うためにも、政治家一人一人が襟を正すということが大変必要だというふうに思いますし、政治資金につきましても、政治資金規正法にのっとって適切に処理されることが肝要というふうに考えております。

福田(昭)委員 そうですね。ちょっと大臣の個人的な所感をお伺いしたかったんですが、次に行きましょう。

 次に、国会議員に係る政治資金の世襲の制限について、我が党の案にあるわけでありますが、これについてはどうお考えか、お伺いをいたします。

佐藤国務大臣 現行の政治資金規正法におきましては、政治資金の収支の公開や授受の規正の実効を期するため、法の適用対象となる政治団体のすべてに対し、設立届等の所定の届け出をすべきことを義務づけしているところでございます。

 これに対しまして、今回の民主党提出法案でございますけれども、国会議員関係政治団体について代表者について異動の制限等の規定が盛り込まれておりますが、このような制限は現行法では一切設けられていないというのが現状でございます。

 いずれにいたしましても、繰り返しで恐縮でございますけれども、政治団体の代表者に関する事項、寄附の制限については、政治活動の自由と密接に関連しておりますことから、各党各会派において御議論をいただく問題というふうに考えております。

福田(昭)委員 佐藤大臣がごらんになっているかどうかわかりませんが、自民党の皆さんが、自由民主党の党改革実行本部が、ことしの六月十一日に、党改革、国会改革及び選挙制度改革等に関する答申というのを、改革本部長は武部勤先生ですが、麻生太郎自由民主党総裁に対して出しているんです。

 ここを読みますと、こう書いてあるんですね。引退する現職の後継者について、資金管理団体などの政治資金の継承を禁止すると自民党も書いてあるんですね、この党改革本部では。佐藤大臣がまたごらんになっているかどうかわかりませんが、自民党の中でもこういう考え方を、これは自民党の改革本部で打ち出しているんです。いかがですか。

佐藤国務大臣 御指摘の答申につきましては、自民党の一つの機関において作成されたものというふうに承知しておりますし、私は直接それを拝見しておりません。

 今後、自民党においてもさらに議論がなされるものでございまして、現段階で私がコメントするということは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、国会議員の候補者選定のあり方の問題でございまして、最終的には各党各会派で御議論をいただくということだというふうに思います。済みません。

福田(昭)委員 大臣としては答弁しづらいのかもしれませんが、あちらの村田先生もそうだと言っていますから、ちゃんと書いてあることは間違いない話で。

 次に、企業、団体の寄附やパーティー券購入の全面禁止についてでありますが、これも同じく、この答申の中で、企業・団体献金に関して、「一年以内に結論を得る。」こう書いてあるんですよ。我が党はこれは法律としてもう出してあるわけですが、自民党の中では、結論が出ずに、「一年以内に結論を得る。」と書いてあるんですが、それこそ、常にスピード、スピードだと言う自民党としてはちょっと遅いんじゃないかな、こう思っているんですが、これはいかがですか。

佐藤国務大臣 党のことに関してはコメントを差し控えさせていただきますけれども、政治資金や献金のあり方については、これまで何回にもわたって法改正が行われてきたという経緯がございます。企業・団体献金につきましても、現在、政党、政治資金団体に対してのみ認められているという経緯がございます。

 一方、企業・団体献金については、最高裁の判決でも、企業は、憲法上の政治活動の自由の一環として、政治資金の寄附の自由を持つことは認められているというふうに認識をさせていただいておりまして、今回の民主党提出法案では、企業、団体の寄附のみならず、対価性のあるパーティー券の購入まで禁止する規定が盛り込まれております。

 いずれにいたしましても、政治資金のあり方については、何回も繰り返しで恐縮でございますけれども、政党、政治団体の政治活動の自由と密接に関係していることから、各党各会派において御議論をいただきたいというふうに思っております。

福田(昭)委員 大臣の口からはちょっと言いづらいでしょうけれども、我が党がこうした法律を出したということは、長い間、我が党の皆さんが政治改革について検討してきたという歴史があるようでございます。

 そうした中で、今回、小沢代表の秘書が逮捕されてしまうというようなことがあったり、あるいは二階大臣の会派の政治資金パーティーの問題が、それこそ検察が不起訴にしたにもかかわらず、検察審査会から起訴、それこそ不起訴不当というような決定が下される、こういう事件があるということで、これらはやはり政治家として真剣に考えなくちゃならない問題だ、私はこう認識をしているところでございますので、大臣におかれましても、自民党員の一員としてぜひ御検討をいただきたい、こう思っております。

 それでは次に、少しスピードを上げまして、企業、団体の政治団体に対する寄附、パーティー券購入の指示の制限について、先ほど迂回献金の話がございましたが、こうしたことについてどうお考えでいらっしゃるか、御所見をお伺いいたします。

佐藤国務大臣 その現行の政治資金規正法でございますけれども、第二十二条の七において、雇用関係を利用して威迫する等不当に意思を拘束するような方法によりまして、寄附のあっせんや、意思に反して賃金等から控除する方法で寄附を集めることは禁止されております。また、企業・団体献金につきましては、これまで数次にわたりまして、先ほど申し上げましたように法改正が行われてきて、今、政党、政治資金団体に対してのみ認められているということになっております。

 今回提出をされました民主党提出法案におきましては、企業、団体の政治団体に対する寄附等の指示の制限についての規定が盛り込まれているところでございまして、いずれにしても、政治団体の構成員となることや、政治活動に関する寄附は、個人の政治活動の一環としてその自発的な意思に基づいて行われるべきものであることは、私は当然だというふうに考えております。

 具体的な規制方法等については、政治活動の自由と密接に関係しておりますので、何回も申し上げますが、各党各会派において御議論をいただくべき問題と考えております。

福田(昭)委員 それでは次に、公共事業受注企業等の寄附、パーティー券購入の禁止についてどのようにお考えか、お伺いをいたしたいと思います。

佐藤国務大臣 政治資金や献金のあり方については、これまで、先ほども申し上げましたように、法改正が行われたという経緯がございます。一方、企業・団体献金については、最高裁の判例で、先ほども申し上げましたように、企業は、憲法上の政治活動の自由の一環として、政治資金の寄附の自由を持つことは認められているものというふうに思います。

 今回の民主党提出法案でございますけれども、国等との高額契約企業の寄附、パーティー券購入の禁止等についての規定が盛り込まれておりますけれども、国等と契約関係にあることをどう評価すべきか。そして、あるいは契約後に契約金額が変更になった場合にどうするのか。まだまだ議論が尽くされていないというふうに思いますし、議論が必要と思われる点もまだあるというふうに認識をしております。

 いずれにいたしましても、各党各会派において御議論をいただく問題だというふうに私ども考えております。済みません。

福田(昭)委員 先ほどから大臣が何度も、最高裁において、政治と金の問題については企業も献金ができるという判決が出ているということでございますが、しかし、これも相当昔の話でございまして、その後さまざまな事件が起きているということを考えれば、そうしたものも、やはりしっかり時代とともに見直しをしていく必要があると私は思っております。

 次に、個人の寄附に対する税制上の優遇措置の拡充についてお伺いをいたします。どんなふうにお考えなんですか。

佐藤国務大臣 広く国民一般から寄せられる個人献金によって政治活動が支えられることは、私としては大変望ましいことだというふうに思います。現状においても税制面での施策として、例えば、個人が政党、政治資金団体に政治献金を行った場合には税額控除が認められているということで、御承知のとおりだと思います。

 今回、民主党提出法案におきましては、個人に対する、政治活動に関する寄附に係る税額控除の大幅な拡充等についての規定が盛り込まれておりますが、いずれにいたしましても、政治資金のあり方については、民主主義のコストをどのように国民に負担していただくか、そういう観点からの検討が必要でございまして、そのための税制のあり方についても、その影響や税務執行面なども含めた検討が必ず必要ではないかなというふうに考えております。

福田(昭)委員 実は、先ほどの自民党の答申、その中にも出てくるんですね。「個人献金しやすい制度に」というところが出てきまして、「幅広く国民の浄財を求めるため、例えば課税の優遇措置を拡充するなど、個人献金がしやすい制度を構築する。」こう実は自民党の先ほどの答申の中にも出てまいります。

 こうしたことを考え合わせると、これは民主党が提出したこの法律案と自民党の皆さんも検討していることと結構一致してくるところがあるんじゃないかと。世襲の承継は認めないとか、あるいは企業・団体献金に関する結論は一年以内に出すとか、あるいは個人献金はしやすい制度にするとか、非常に似通った提案が答申書で出されているわけですね。

 それを考えると、この我が党の法案に対して自民党の皆さんが反対する理由がなくなってくるんじゃないか、こう実は思っておりますが、いかがですか。

佐藤国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、自民党で一つの機関において作成されたものという位置づけからすれば、なかなか私の口からコメントをするのは非常にしづらいということでございまして、差し控えさせていただきたいというふうに思います。済みません。

福田(昭)委員 大臣じゃなくて、きっと村田先生あたりに聞くと一番いいのかもしれませんけれども。

 本当に、そういった意味では、非常にこれは我が民主党にもいろいろ反省すべき点があるかもしれませんが、自民党の皆さんにも反省すべき点がたくさんあるんですよね。この辺をよく踏まえて、やはり……(発言する者あり)しっかりと謙虚にやっていく必要がある、私はそう思っているんです、本当に。そういう意味で、ぜひこの辺のところは本当によくコミュニケーションを深めて、しっかりやっていく必要があるというふうに思っております。

 あと二分ぐらいなので、以上で質問は終わりにして、最後にちょっと私のお話をさせていただいて終わりにしたいと思います。

 最初から話がございましたが、まさに政治と金をめぐる問題というのは一朝一夕に解決するような問題ではないと私も考えております。それだけに、不断の努力が必要だというふうに考えております。したがって、最高裁の判決が、言ってみれば企業献金の大変な御旗みたいな形になっておりますけれども、しかし、それも相当昔の話ですから、これはやはり、時代の変遷とともにしっかり見直しをしていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。

 そして、本当にこの八十年に一度の危機といいますか、百年に一度の危機と言われておりますけれども、今、やはり我が国は曲がり角にあると思うんですね。したがって、一日も早く、こうした政治と金の問題が国会で議論されるというようなことではなく、やはり国の将来とか国民の幸せとか、そういったことで与野党、激論ができるような、そういう国会にぜひしたいものだなと考えております。

 そのためには、やはり一日も早い解散・総選挙というものが必要だと私は思っております。やはり、国民の審判を経ずに三人も総理大臣をかえて、次に四人目にかえるんですか、本当に……(発言する者あり)人材、ああ、そうですか。ありがとうございます。ぜひポスト麻生を決めていただいて、早目に選挙ができるように心から期待を申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

河本委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 この審議の参加状況を見ますと、提案している民主党は何か半分以下しかいないし、公明党はだれもいない、自民党は半分しかいない、こういう状況ですから。先ほどの午前中の質問を聞いておりますと、他党を批判するのに大騒ぎしながら、終わったらさっさといなくなる。一体これでまともな審議なのか、私はそう思いますよ。

 この委員会のあり方について、委員長、どう思われますか。

河本委員長 委員会は成立していると思います。

佐々木(憲)委員 ぎりぎりということですけれども、私は、本当にふまじめな対応だと思うので、こういう問題はきちっとして理事会でも議論してもらいたいと思います。

 では、本題に入りますけれども、鳩山代表の個人献金問題というのはこの委員会で何度も取り上げられましたが、私どもは、真相の究明というのが一番大事なことであって、政争の具にしようとは思っておりません。先ほど原口提案者が答弁されましたように、疑惑を受けた政治家本人が説明責任を果たすべきである、これは非常に大事な点でありまして、この種の問題は、きちっと説明をするということによって事実を明らかにすることが大事なことだと思います。

 そこで、提案者の側に感想をお伺いしますけれども、この鳩山代表の個人献金問題というのは、どこが問題だったというふうに思っておられるか。世論調査では、七割、八割の方々が説明責任を果たしていないと答えておられるわけですが、民主党としては、これをどう受けとめてどう対応するおつもりなのか、まずお伺いしておきたいと思います。

篠原議員 何度も同じ答弁で恐縮でございますけれども、鳩山代表の件、我々すべて承知しているわけではございませんで、きちんと答弁はできかねると思います。

 しかし、せっかくの御質問ですのでちょっとだけ答えさせていただきますと、簡単に言いますと、私のようなお金が足りない人といっぱいある人とで全然違ってよくわからない、これが一番の国民の率直な感想ではないかと思います。

 こんなことを言っては悪いんですが、ほかの方々、与謝野さんの、二階さんの、小沢さんのも大体想像がつくわけです。こんなふうに、こんなのだろうなというのはできるんですが、鳩山さんのはわけがわからないというのが率直な心境でございます。

佐々木(憲)委員 大変率直なお答えだと思うんですね。我々もよくわからないわけですよ。なぜ、二〇〇五年から二〇〇八年の四年間で、百九十三件、約九十人分で二千二百万円という大金が、訂正せざるを得ないような、事実に反する記載をされたのか。亡くなった方もいたとか、献金したことがないという人もいたとか言われていますけれども、なぜそうなったのかというのがよくわかりません。

 鳩山さんは記者会見で、多分私に対して個人献金が余りにも少ないものですから、そのことがわかったら大変だという思いが一部にはあったのではないかと推測しております、このように発言をされています。私はこの鳩山さんの発言を聞いて、なぜこういう発言をされたのか、これも大変疑問に思うわけです。推測と言われていますけれども、自分で自分の秘書に、どうしてそんなことをしたのか、こう聞くとその実態がわかるはずであります。

 提案者はどのような説明を受けておられるでしょうか。秘書がどういう理由で私はこういうことをしましたと、その説明を党内でされたのでしょうか。それをどのようにお聞きになっているか、お聞かせいただきたいと思います。

長妻議員 佐々木委員にお答えをいたします。

 これは繰り返しで大変恐縮でございますけれども、私ども、本法案の提出者の立場で答弁席に立っておりますので、本質問に責任を持って答える立場にはないと考えておりますけれども、基本的には、鳩山代表から文書で、弁護士さんも含めて、説明を全民主党議員が受け、そしてそれはマスコミにも発表されていると聞いております。

佐々木(憲)委員 いや、私が聞いたのは、本人からそういう話が、つまり公設秘書の話があったのかどうか、そして、なぜその秘書に確かめなかったのか、それを聞いているんです。

長妻議員 その点につきましては、繰り返しになって恐縮ですけれども、本法案提出者の立場で答弁席に立っておりますので、本質問に答える立場にはないというふうに考えております。

佐々木(憲)委員 先ほど篠原提案者がよくわからないとおっしゃったわけですが、やはり党内で事実関係をきちっと確かめるということをやることが大事ではないかと思うわけです。つまり、推測するとか、こう聞いているというようなことでは説明が果たされたというふうには世間では受け取られないわけですね。ですから、この点を明確にしていただかなければならないと私は思うわけです。

 本人が説明できないのなら、一人ではないと思うんです、会計の担当、実務担当というのがおられると思うので、そういう方々に、どうしてこういうことが発生したのか、その理由をただすというのは当然やるべきことだと思うわけです。この点、いかがでしょうか、篠原提案者。

篠原議員 これも何回も同じ答弁で恐縮でございますけれども、私の答える範囲外のことではないかと思います。

 先ほどちょっと申し上げましたけれども、鳩山代表は、午前中も答弁いたしましたけれども、三十四人の全記者、全部質問が終わるまで聞いてということをやって、これで相当説明が果たされているんじゃないかと思います。

 それで十分かどうかということでございまして、世論調査の数字も出されましたけれども、私、国会議員になって六年ですが、この手の話でいろいろ説明すると、世論調査をした場合に、では、みんな納得したという答えがあったことはほとんどないのではないかと私は思います。ですけれども、どういう態度でもって説明しているかということを考えれば、鳩山代表は、今までの方々と比べても、相当真摯に答えられているんじゃないかと思います。

 こういうことは言いたくはないんですけれども、二階大臣、与謝野大臣と比べたら、記者会見のやり方等を考慮しても、非常にきちんと説明されているのではないかと思います。その点では私は理解しているつもりでございます。

佐々木(憲)委員 私は別に党略的に攻撃しようと思っているわけではなくて、事実関係をきちっと明確にすることが大事なことではないかと思うから質問をしているわけでございます。

 例えば、個人献金が少な過ぎたから、それをふやすためにやったんだという説明、そう推測するという説明がありました。ところが、個人献金が実はかなり多い方だということが事実関係でも明らかになった後の鳩山さんの説明は、企業・団体献金が、鳩山は金を持っているからということで、なかなか集まらない、その焦りもあったと思うというふうに修正した形で説明をされているわけですね。つまり、企業・団体献金が少なかったからこうしたんだと。

 最初は個人献金が少なかったからこうしたんだと言っていたんですけれども、その後で、企業・団体献金が少ないのでこうしたと。どうも説明が一貫していないわけです。だからこそ、その真相というものがどこにあるのか、なぜこんな莫大な、大量の事実に反する記載をされたのか、これをちゃんと説明してもらわないと納得できないわけです。

 それから、今の答弁では、これは説明が尽くされたということに私はならないと思いますので、ぜひそこはさらに説明をきちっとやっていただきたい。

 もう一点は、鳩山さんの個人財産である預金からこのお金が出たんだということを言われている点なんですが、鳩山さんはこう言っているんです。私の個人資産として普通預金に入れているもののうちから、必要な都度、担当者に引き出させて預けていたものだというふうに説明されているんですね。つまり、個人の預金と政治資金というものが何か混同されて、ごっちゃになっているような感じがするわけです。秘書が勝手に二千二百万円も引き出して、これを政治資金に充てる、こういう説明はどうも納得ができないんですね。

 やはり、個人の預金が原資になっているというのが本当なのかどうか。この委員会でもいろいろ指摘がありましたけれども、ここで聞きたいのは、鳩山さんの個人の預金が原資になっているということを証明する資料というものは党内では提出されているんでしょうか。

武正議員 佐々木委員にお答えをいたします。

 重ねて、繰り返しになりますけれども、私ども提案者は、この民主党の議員立法である政治資金規正法等の一部を改正する法律案についての質疑ということで、今の御指摘のお答えについて、答弁する立場にはないということをまず繰り返させていただきたいというふうに思います。

 ただ、午前中も同僚委員から答弁がありましたように、やはり政治資金規正法の趣旨というものが、国民の不断の監視と批判のもと、そしてまた、政治資金が民主政治の健全な発展を希求して拠出された国民の浄財である、こういったことを我々個々の議員が肝に銘じて、そして、その政治資金が国民のそうした不断の監視と批判のもとにさらされるべく、それぞれの議員が公開ということで努力をしていくというのが法律の趣旨であるということを肝に銘じていることを私としてはお答えをさせていただきます。

佐々木(憲)委員 公開をすることによって国民のチェックの対象として提供し、そして不断の監視のもとに置く、そういうことであるならば、私の個人的な預金から使ったんだという説明をされているわけですから、当然それを証明するものが提出されているのかどうか、これはやはり大事な点だと思うので、私が聞いたのは、そういうことがなされたかどうかというのを聞いているわけです。

武正議員 繰り返すようで恐縮ですが、あくまで私どもは、ここは法案提出者として質疑に応じて答えているところでありますので、今の件についてお答えはできないということでございます。

佐々木(憲)委員 提出されたのなら提出されたとお答えになるはずですから、今の答弁ですと、これは提出されていないということだと思うんですね。

 そうなりますと、口頭ではこれは個人預金であるということで説明をされていますけれども、それを証明するものがないと、出所が明らかにできないようなお金ではなかったのかという疑問に対しての回答にはならないんですね。その疑問を解消できないですね。

 ですから、やはり私は、これだけ大規模な、不正確な、あるいは偽装なのか、よくわかりませんが、事実と違うことを記載せざるを得なかった理由、これがもう一つわからない。それからもう一つは、その原資であります鳩山さんの個人の預金から出たという説明をされていますけれども、それも、それがそのとおりであるという証明がなされていない、口で言っているだけである、こういうことになりますので、この二点について、やはりしっかりとした説明というものがされる必要がある、このことを求めておきたいと思います。

 佐藤大臣に確認をしたいと思いますけれども、そもそも、政治資金規正法における政治資金というのは、国民の浄財、すなわち個人献金であります。だからこそ、国民の政治参加の手段、国民の権利という位置づけになっているわけですね。その上で、政党や政治団体が国民の不信を招くようなことをすれば、議会制民主主義そのものの不信につながるということを指摘しているわけです。

 したがって、支持する政党に政治献金を行うということは、憲法で保障された国民の一人一人の参政権の一つであり、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついたものであるというふうに位置づけられているわけです。これは公布以来一貫して変わらない原則だと思うんですが、現在の法体系というのは、政治資金というのは国民の浄財、すなわち個人献金であるべきではあるが、すぐには個人献金に全面移行できないので、一定の規制を加えることによって企業・団体献金を認めている。つまり、本来なくすべきものだけれども、過渡的な形で、ルールを明確にして容認しているというのが実態だと私は思います。

 したがって、有権者による個人献金、浄財というものと企業・団体献金による献金というのはやはり性格を異にするものである、根本的に私は違うものだというふうに思いますけれども、総務大臣、これはこのとおりでよろしいですか、そういう考えで。

佐藤国務大臣 お答え申し上げます。

 個人献金でございますけれども、国民の政治参加の表現の重要な一形態でございます。いわば参政権の一つというべきものでございます。また、国民自身が政治を支えるという見地から、民主政治の健全な発展を図る上で不可欠なものでございまして、広く国民から献金がなされるということは有意義なことであるというふうに考えております。

 一方、企業等の団体も一つの社会的存在でございますし、先ほどから申し上げておりますように、最高裁の判決にもあるように、本来政治活動の自由を有するものでございますし、節度を持って行われるべきであるというふうに思います。企業・団体献金そのものを一概に否定すべきではないというふうに思います。

 いずれにいたしましても、政治資金の集め方については、国民の批判を招くことのないような、節度を持って行われるべきものであるということは当然なことではないかなというふうに思います。

佐々木(憲)委員 私が聞いたのは、個人献金と企業・団体献金というものの性格が違うのではないかと。つまり、主権者たる国民が政治参加の一形態として行うものと、企業や団体というのは性格が違いますね、目的が。そういう組織ですね。これはやはり違うのではないかと聞いたわけです。

佐藤国務大臣 国民の政治参加の表現の重要な一形態であるとともに、国民自身が政治を支えるという見地からも、民主政治の健全な発展を図る上で不可欠なものでありまして、広く国民個人から献金がなされることは有意義なことであるというふうに先ほど申し上げました。

 そして一方、企業献金については、最高裁の判例にございますように、八幡製鉄事件、昭和四十五年の判決でございますけれども、企業は自然人とひとしく社会的実在であること、そして企業が政治活動の自由を有すること、政治資金の寄附もその政治活動の自由の一環であること、企業の行う寄附が国民の参政権を侵害するものとは言えないということを明確に示しているところでございます。

 いずれにいたしましても、何回も申し上げますが、政治資金の集め方については、国民の批判を招くことのないように、節度を持って行われるべきものではないかなというふうに思います。

佐々木(憲)委員 企業について、何か、個人と同じように社会の一員だから献金して当然である、権利があるんだ、こういうふうに言われました。しかし、私は違うと思うんです。

 この八幡判決について、一九九三年、衆議院の政治改革に関する調査特別委員会に元最高裁長官の岡原さんというのが出席をされまして、あの裁判をもとに企業献金はどれだけでもいいという考え方はやめてもらいたい、あれは助けた判決だったんだ、助けた判決というものだ、こういう暴露をされているわけですね。

 それから、熊谷組の株主代表訴訟の福井地裁の判決によりますと、企業や団体の経済力が個々の国民とは比べ物にならず、企業・団体献金が政党に与える影響が大きい、こういうことを指摘して、自民党と財界の不正常な癒着の温床をつくり、国民の選挙権、参政権を侵害する、こういう判決がちゃんと下っているんですよ。

 ですから、企業・団体献金と個人献金というのは明確にこれは区別すべきものであり、参政権は国民に与えられた権利でありますけれども企業には与えられていない、このことを明確に言っておきたいと思います。

 そこで、提案者にもお聞きしたいんですけれども、このような個人献金と企業・団体献金の違い、これをどのように認識されているかをお聞かせいただきたい。

篠原議員 お答えいたします。

 佐々木委員は、個人の献金と企業・団体献金をきっぱり分けておられます。そういう考え方もあるかと思います。

 ただ、世の中にはいろいろな考えが、あるいは価値観があっていいのではないかと思います。欧米諸国、特にアメリカでは、企業が何々財団をつくって、そこからいろいろな福祉事業にお金を出すというので、社会の潤滑油になっているわけですね。そして、それが今、企業の社会的責任ということでますます大きくなって、特に環境団体等には企業がたくさん寄附しております。

 ですから、企業が、例えばですけれども、立派な政治家になりそうなのがいる、私でもいいんですけれども、企業の社長がこれを育ててやろうということで企業の意思としてやるということについても、私はあってもいいのではないかと思います。

 ただ、なぜ今こういうふうにこういう法律を出すかというと、しかし、そうはいっても、今大きな不信を招いているのは企業献金である、だから、その状況を考えた場合、企業の献金によってうまくいっている部分もあるけれども、それが、環境NGOとかそんなのでなくて政治家に対して向けられてもいいわけですけれども、大きな不信のもとになっている。ですから、政治への信頼を取り戻すためには、やはりこっちの公益の方が大きいので、企業献金を禁止して個人献金にしていこうじゃないかという決断を我が党はしているわけです。

 だからといって、佐々木委員のおっしゃるようにきっぱり分けたわけではありません。党内でもいろいろ議論いたしました。やむを得ずということではないかと思います。

佐々木(憲)委員 三年後とはいいながら企業・団体献金を全面禁止という法案を出されているわけですから、企業・団体献金を認めるというのであれば、この法案を出す必要はなかったんじゃありませんか。何のためにこの法案を出しているのか疑われるような答弁じゃないかなと私は思いますよ。

 長妻さんに伺いますけれども、企業というものの存在、これは利益を得ることを本来の目的にしている営利団体ですね。政治にお金を出すということは、その企業が目的としている営利につながる、つまり投資に見合った見返りというのを求めることに私はならざるを得ないんじゃないか。その献金が企業にとって何らかの利益に結びつく献金だとすれば、これは、性格からいうと賄賂性を持ってくると私は思うんです。逆に、企業の利益にもし結びつかないようなお金の出し方をしたといたしますと、それはその企業に損失を与えることになり、背任行為になるのではないかと思うわけですね。

 したがって、企業・団体献金というのは、本来透明だとかクリーンなお金というのは考えられない。企業・団体献金というのは本質的にそういう性格を持っておりますから、これは廃止するしかないと私は思っておりますが、提案者である長妻さんはどのようにお考えでしょうか。

長妻議員 佐々木委員にお答えをいたします。

 先ほど八幡製鉄事件判決に言及されましたけれども、この判決、私どもも承知をしておりまして、この判決では、会社には自然人たる国民と同様、政治資金の寄附も含めて政治的行為をなす自由があるという判断をしましたけれども、確かにおっしゃるように、この判決に対しては、学説上、憲法が強大な経済力と社会的影響力を持つ会社に対して自然人と同じく政治的行為の自由を無制限に、無限定に認めていると解するのは行き過ぎであり妥当でない、こういう意見があったり、もう一つは、多額の寄附が国民個々の選挙権その他の参政権の行使そのものに大きな影響を及ぼすことは否定しがたいということももちろん言われているわけでございます。

 佐々木委員がおっしゃられるお話で、企業というのは利益を出すというのも一つ大きな目的で運営をされている、そのときに、お金を支出するときにはその利益に資するお金でないと、極端に言えば背任になるという理屈もわからないではないんですけれども、現実に、私どももいろいろ企業の献金やあるいは社会活動などを拝見しておりますと、政治献金そのものにおいても見返りを全く求めない献金というのも、つまり、日本国社会が豊かになってほしい、国が繁栄してほしい、こういう非常に広い意味での願いを持った献金というのも、これはあるのも事実だというふうに思っております。

 必ずしもそういう意味では、すぐに、直ちに悪だということを言っているわけではございませんけれども、これまで幾度となく企業・団体献金が国民の政治不信を招いてきた、あるいは口ききにつながる、こういうことがありますので、諸外国も見て、フランス、カナダも企業・団体献金は全面禁止となりましたし、イギリスでは、企業献金に関しては寄附先と金額が株主総会の承認事項ということで、これもいろいろな考えがあるんでしょうけれども、我々としては三年後ということでこういう法案を提出させていただいたところでございます。

佐々木(憲)委員 企業が献金をするということは、これは何か見返りを求めないものとしてやるものがあるかのようにおっしゃいましたけれども、それであるなら、きちっと、例えば企業が税の負担をする、あるいは社会保障の負担をする、そういう形で社会的貢献を行うべきであって、特定の個人あるいは特定の政党にのみ献金をするという行為、これは一般的な企業の貢献ということとは私は違うと思いますね。それはやはり本来の社会的責任の果たし方ではないというふうに思います。

 いずれにしても、企業・団体献金については、どうも民主党の考え方はそれを容認する、悪ではないという形で容認をされるようですね。それなら、なぜ禁止をするのかという問題が逆に出てくるわけです。私なんかは、禁止をするなら今すぐやった方がいい。つまり、禁止をするなら、お金を受け取らなければそれで済むわけですから、何も経過措置というようなものも必要はないと思いますので。

 我々日本共産党としては、企業・団体献金は一円も受け取らないという原則を掲げて、法律を何度も提案をしたことがございます。しかし、法律を提案するだけではなく、身をもって実行しようということで、一円も私どもは受け取っておりません。すべて個人献金であり、そして党費であり、また赤旗などの事業収入ということで我々の党活動というものは支えられております。ですから、本来、やる気になればそういうことができると思うんですね。

 ところが、一番問題なのは、自民党は、財界、大企業から、日本経団連の音頭で毎年三十億円がばっともらっているわけです。民主党ももらっていますけれども、民主党は八千万円ですね。

 そういう状況にありますから、私は、民主党は、企業・団体献金を禁止というなら、こういうところもすぱっとやめるという姿勢が求められると思うんですけれども、直ちになぜやめないのか、この説明をいただけますか。

篠原議員 お答えいたします。

 政治にはお金がかかる。今、現にどういうお金で政治をやっているかというと、一般的な人は企業、団体の献金もあるでしょう。個人献金もあるかと思います。それから政党助成金もあります。それから、先ほどから問題にされています個人、自分のためたお金で政治に投資していこうという人もあるはずなんです、どなたのことを言っているかおわかりだと思いますけれども。

 そういったときに、入り口と出口とをきちんとしていかなくちゃいけない。私は結論は透明性だと思いますけれども、しかし、現に動いているところに、やはり年金もそうですけれども、経過措置というのは私は必要じゃないかと思います。

 今の国民の政治不信を解消するために企業・団体献金を廃止していくと我々は決断いたしましたけれども、今すぐ、即刻できるかというと、それは現実問題として無理ではないかということで、三年間かけて個人献金を普及させていこう、そして全面禁止をしよう、その間に、わかっていることですけれども、一億円以上のいろいろな高額な契約をしている企業はやはり全面的に禁止しようというようなことで、妥協案としていろいろ考えた末のものでございます。我々は現実的な道筋を考えた上でのことでございます。

佐々木(憲)委員 民主党の党本部への個人献金額というのは幾らぐらいあるんでしょうか。

 それから、個人献金が集まらないから経過措置として三年間は企業・団体献金に依存するんだということなんですけれども、それは、個人献金を集めないからではないんですか。集める姿勢がやはり大事だと思いますね。つまり、企業・団体献金を受け取ります、政党助成金をもらいますというままでは、だれも個人献金をやろうなんというふうになりませんので、そういう意味で、私は政党の姿勢そのものが問われているというふうに思っております。

 先ほどの私の最初の質問ですけれども、党本部に対して個人献金、それから政治資金団体、国民改革協議会ですか、これは実際には個人献金は幾らぐらいあるんでしょうか。

    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

長妻議員 佐々木委員にお答えをいたします。

 これは調べてみますと、平成十九年分の民主党本部に対する個人献金は、少ないんですけれども、十万六千円、そして民主党政治資金団体である国民改革協議会への個人献金額は三百八十五万四千六百円ということになっておりますけれども、これは、民主党の県連とか、あるいは私ども総支部あるいは民主党国会議員の資金管理団体などなどで、本当に必死に全力でお願いをして集めているところでございまして、今申し上げたのは、あくまで本部の数字でございます。

佐々木(憲)委員 民主党は、本部と政治資金団体合わせて四百万に満たないということなんですけれども、個人献金でいいますと、自民党は、本部で三億六千七百万、政治資金団体の国民政治協会は一億八千七百六十八万。約五億五千万ぐらい、個人献金ですね、自民党の方は。それから、公明党は、本部で九十九万。社民党は、本部で二千七百四十万。国民新党が、本部で六百九十二万。日本共産党は、本部で六億五千七百九十七万ということでございます。これは本部のみということではありますけれども、しかし、他の党に比べて民主党は、党本部に対する個人献金というのは極端に少ないわけですね。

 それぞれ、個人とかあるいは支部とか県連単位でやっておられるといいますけれども、個人献金に移行する、そういうことであるならば、やはりこの点に対してどう取り組むかというのが今後問われるわけであります。ですから、三年間猶予するというような形でもらっていって、三年後に法律ができないからまた先延ばしなんということになると、全く変わらないわけですから、そういうことになる危険性があるなというのをちょっと私は感じております。

 さてそこで、もう一つ聞いておきます。

 先ほど、公共事業受注企業からの献金の件について、三年の間、経過措置として、一件一億円以上の契約ということで、企業の契約規模を基準を設けていますね。

 実は、野党四党で以前に提出した法案にはこういう基準はなかったと思うんです。何で一億円にしたのか。一億円だと公共事業受注企業からの献金が入ってくるんじゃないでしょうか。ですから、私はこの理由がよくわからない。受け取るためにこんなに基準を高くしちゃったのか、どういう考え方でこういうふうにしたのか。

篠原議員 今ここに法案、条文そのものを持ち合わせていないのでちょっと正確じゃないかもしれませんが、どういう企業かというのが非常に抽象的な表現だと、それではほわっとしていてわからないので、一億円以上の企業はだめよということを明確にするために、むしろ、しり抜け云々じゃなくて、逆に、一億円以上の企業というのは特別な関係になってきてしまうので、それはだめですよ、それは三年後を待たずにもうだめだということを念を押したわけです。おわかりいただけましたでしょうか。

佐々木(憲)委員 今の説明だとちょっと理解できないんですが、以前は、そういう基準なしですべて禁止しようと野党四党でやったんですよ、民主党も含めて。合意してやっていたんです。それを、何かえらい規制緩和しちゃって、一億円までオーケーですよというようなことではおかしいんじゃないかということです。

 それから、もう一つ聞きますけれども、この法案には、「この法律の施行後における個人のする政治活動に関する寄附の状況等を勘案し、検討が加えられるものとする。」となっておりますね。つまり、個人献金の集まりぐあいを見て、その検討の対象は何かというと、「国会議員の公設秘書の増員、政党交付金の増額その他の国会議員及び政党に対する公的助成の拡充」、これを検討となっております。

 これを我々が見ますと、個人献金が集まらないと政党助成金をふやすことによって穴埋めする、そういう考えになっていると思うんですね。そういう理解でよろしいですか。

    〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

武正議員 お答えをいたします。

 本改正案において、個人献金に係る税額控除の拡充についても定めているところでありますが、万が一個人献金が普及しなかった場合には、公的助成を拡充すべきかどうか検討することになる。その際、安易に公的助成に頼るのではなく、慎重に検討することは当然であります。

 ただ、仮に公的助成を拡充する場合には、国民の理解を得られる範囲にしなければならないと考えておりまして、やはり政治活動の経費を個人献金やパーティー券購入で成り立たせることができるように、個人献金、個人によるそうした購入で成り立たせることが大原則、それぞれの政治家が個人献金を集めるための努力をし、そうした工夫を凝らしていくということでございます。

佐々木(憲)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、企業・団体献金は、基本的には認めるといいながら、いろいろな間違ったお金が入りそうだから全面禁止をする、しかもそれは三年後と。その間受け取るわけですね。私は、すぐやめた方がいいと思います。

 それから、では、個人献金が集まらない状況が続いた場合、企業・団体献金を減らしていくかわりに、今度は政党助成金をふやしてもらうということになりますと、今でも民主党は八割ぐらい政党助成金に依存しているわけですから、ますます依存することになりますね。果たしてそれでいいのかという問題が問われると思いますね。

 国民の税金を、いわば強制カンパですよ、これは自民党だって公明党だって、みんなほかの党は同じなんですけれども、国民に強制カンパを押しつけておいて、それを山分けするような仕掛けをつくるなんというのはとんでもない話で、これは思想、信条の自由という観点からいっても、こういうやり方は廃止すべきだというふうに私は思っております。

 最後にそのことを述べて、質問を終わります。

河本委員長 次に、菅野哲雄君。

菅野委員 社会民主党の菅野哲雄です。

 政治資金規正法改正案が審議に入ったわけですが、内容についてお伺いする前に、現在の政治と金をめぐる問題について、政治資金規正法改正案の提出者に二点ほどお伺いしておきます。

 最初に、民主党の鳩山代表の資金管理団体、政党支部に対する個人献金についてですが、鳩山代表は六月三十日に記者会見をされました。疑惑に対して謝罪し、みずから答えようとした姿勢は評価したいと思います。その後も折に触れて記者会見等で御説明する努力をされていることも承知しているわけでありますが、それでも、なぜ個人献金の虚偽記載が行われ、数年も放置されてきたのか、あるいは資金管理団体に対して公開基準の五万円に達しない特定寄附の割合が非常に高いこと、こんなことなどはもう少し丁寧な説明が必要だと率直に感じております。朝日新聞の世論調査で約六割が、共同通信の調査では七八・三%が鳩山代表の対応に納得できないと答えているのも、いまだによくわからない点があるからだと思います。

 鳩山事務所の問題と法案提出者とは直接関係がないことはわかっておりますが、この世論調査の動向も含め、鳩山代表の説明責任や対応は十分だとお考えでしょうか。お答え願いたいと思います。

長妻議員 お答えを申し上げます。

 これはまた繰り返しになって恐縮でございますけれども、我々発議者は、この法律改正案に責任を持つ立場で出席をさせていただいておりまして、今の御質問に答える立場にはないと考えておりますので、御理解をいただければと思います。

菅野委員 同じ答弁を繰り返しているんですが、私は、なぜ今この倫選特でこの議論が行われているのかという観点を考えて、それとこの政治資金規正法という問題とを絡めて議論した場合に、やはり政治家は説明責任を十分に果たすべきだという立場を貫いていくことが大事だというふうに思うんですね。それで初めて政治の信頼というものを取り戻すことができるというふうに私は思っているんです。

 それで、今、鳩山代表のということなんですが、一般論でいいですから、こういう問題が発覚した場合にどう説明責任を果たしていくのかというこのことが、この間も委員会で質問したんですけれども、政治倫理綱領の中にそのことがうたわれているということを考えたときに、私は、提出者としても一定の意見、見解があって当然だというふうに思うんですけれども、再度答弁願いたいと思います。

長妻議員 この法案を提出する立場としてはお答えする立場ではないんですけれども、一般論としては、やはりそういう問題が起こったときは、言われるようないろいろな綱領というのもあるわけでございますので、世間、つまりマスコミの皆様に対して説明をしていくということはもちろん重要なことだというふうに考えております。

菅野委員 国民から見て、まだまだ鳩山代表が十分説明責任を果たしたというふうにはとられていないというのが率直な今日の状況だというふうに私は思います。いろいろな機会があるというふうに思っていますから、党内において十分説明責任を果たしていくという方向性を、この提出者等も含めて追求していただきたいというふうに思っております。

 一方、西松建設が関係する政治団体から二階経済産業大臣に関するパーティー券の購入や事務所費補てん疑惑、あるいはさらには、私も前回の委員会で指摘させていただいた与謝野財務・金融大臣に対する迂回献金の疑惑も、私は到底説明責任が果たされているとは思いません。それどころか、両大臣とも、献金がどのように集められてきたのかを調べようとする気配も感じられないわけですね。

 この委員会では、鳩山代表の問題について与党から厳しい指摘が続いていますが、それだけ政治と金の問題に厳しい姿勢をとるのであれば、閣僚である二階、与謝野両大臣にもしっかりとした説明を求めるべきだと思います。

 そこで、二階、与謝野両大臣の疑惑と両人のこれまでの対応について、提出者から感想があれば述べていただきたいと思っています。

長妻議員 これに関しましても、我々、今三人おりますけれども、この世襲禁止と企業・団体献金禁止の法案を作成し、そして提出をした立場で答弁席に立っておりますので、国会でございますので、本質問に責任を持って答える立場にはないと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。

菅野委員 今、このように多くの疑惑、疑問が持たれている人たちが存在するわけですから、この委員会として、しっかりとした説明責任をみんなから求めていって政治不信というものをぬぐい去っていく、こういうことがこの倫選特に課せられた大きな任務だというふうに私は思っております。ただ一方的に党利党略で議論するのじゃなくて、本当に、当委員会としては政治不信を払拭していくんだという強い姿勢でもって取り組んでいきたいと、私も委員の一人として申し上げておきたいというふうに思っています。

 それでは、法案の内容についてお聞きいたします。

 企業、団体による献金やパーティー券の購入禁止を直ちにではなく三年後の措置とした理由について、最初にお聞きしておきたいと思います。

武正議員 お答えをいたします。

 国民の政治不信を解消するためには、委員御指摘のように、できるだけ早い時期に企業・団体献金等を全面禁止すべきであるというふうに提出者も考えました。ただし、企業・団体献金にかわる収入源として個人献金を普及させていくためには一定期間が必要であることから、政治資金規正法を改正して、三年後に全面禁止することといたしたところでございます。

菅野委員 先ほども佐々木委員の中で議論されていましたけれども、どうしても私どもからすれば、企業・団体献金を受けていない党からすれば、今の答弁というのは私は納得しないんですね。やはり日常活動の中で、企業・団体献金を受け取らないで政党活動をどう行っていくのかという視点が追求されてしかるべきだというふうに思うんです。それでこの法案提出にこぎつけるというのが本来の役目だというふうに私は思っています。

 そういう意味では、三年後とした理由について、企業・団体献金を受け取っていない政党からすればどうしても理解できないところだ、直ちに禁止すべきだということを申し上げておきたいというふうに私は思っています。

 そして、もう一つ。その間に、企業・団体献金禁止までの三年間、受注契約規模で一件一億円以上の公共事業受注企業からの献金はだめということにしていますが、一億円以上とした根拠、さらには、トータルではなくて一件当たり一億円以上とした根拠についてお聞かせ願いたいと思います。

篠原議員 先ほどの佐々木委員の御指摘と同じ御指摘を受けておるわけでございますけれども、第百五十四回の国会提出の法律案の条文でございますけれども、「請負その他特別の利益を伴う契約の当事者」、これについて禁止というふうになっていたわけです。

 ところが、我々、今回の法律改正案を議論した折に、これは余りにもあいまいな表現ではないか、いずれ全部禁止するんだけれども、大きな企業のところで大きな関係があるところは禁止しよう、それで、一億円以上のというと世間の常識からいって非常に大きな契約者になるのではないかということで、これは即刻禁止しよう、基準を明確にして禁止しようということでこの数字にいたしました。

菅野委員 それでは、もう一回別な角度から聞きますが、一件一億円以上の公共事業を受注した企業の献金を禁止する場合、公共事業受注企業全体の中で、どの程度の割合の企業が献金できなくなるのか。直近の数字でいいですから、もしわかっていれば教えていただきたいと思います。

長妻議員 お答えを申し上げます。

 政府全体の数字というのは、調査をずっと要請しておりますけれども、なかなか出てまいりませんが、一部、国土交通省大臣官房地方課から出てまいりました数字、これが全体をあらわすかどうかというのは確認はとれておりませんけれども、港湾、空港関係を除くということで、政府が調査をしやすいということでございましたが、平成二十年度に四国地方整備局が発注した工事については、契約件数の総数が六百四十八件でございまして、そのうち、一件一億円以上の契約をしたのが二百四十三契約でございました。契約をした企業数でいいますと、これは少額随契は除く、二百五十万円以下は除いておりますが、JV、ジョイントベンチャーは一企業としてカウントしておりますけれども、契約をした企業数は総数が三百四十社でございますが、そのうち、一件一億円以上の契約をした企業の数は百四十三社ということで、約四二%というふうに承知をしております。

 繰り返しになりますが、これが政府あるいは地方公共団体全部の全容をあらわしているかどうかというのは確認はとれておりません。

菅野委員 一件一億円以上という条件設定をしたことによって大手企業からの献金抑制を考えたものと推測しておりました。しかし、企業・団体献金禁止までの時限措置とはいえ、下請企業やグループ関連企業を使った抜け道が出てこないかという懸念もあるんですね。このことは指摘しておきたいというふうに思っています。三年後までの措置だということで理解しますけれども、やはり抜け道が相当出てくるということだけは指摘しておきたいというふうに思っています。

 それで、企業・団体献金を三年後に実質的に禁止するわけですが、改正案では政治団体からの献金は除外されているんですね。今取りざたされている西松建設や商品先物取引会社からの献金疑惑は、いずれも政治団体をダミーにした企業献金ではなかったかという点にあります。

 改正案は、別の条文で、企業や労働組合が職員、構成員に対して政治団体に対する強制的な寄附を禁止する内容を盛り込んでいますから、恐らくこれが対応策なのだろうと思います。しかし、強制かどうかをチェックするのが難しいし、恐らく献金を受領した側には罰則がかからないのではないでしょうか。

 この点、政治団体から議員の資金管理団体、政党支部への献金は禁止するとか献金額の上限を設けるなど、直接的に政治団体の献金を規制することは今回お考えにならなかったのかどうか、お聞かせ願いたいというふうに思っています。

武正議員 お答えをいたします。

 本改正案においては、まず、政治活動に関する寄附について基本理念を定め、「政治活動に関する寄附及び政治資金パーティーの対価の支払は、個人によつて、又は個人の自由な意思により組織され、かつ、運営されている政治団体によつてされるようにしなければならない。」こととしております。

 加えて、会社等による政治団体に対する寄附の指示を制限する措置を講じております。すなわち、会社等がその役職員または構成員に対し、雇用その他の関係を不当に利用する、あるいは政治団体の会費相当額の支払いを約束するといった方法を用いて政治団体の構成員となることを勧誘し、その上で、このような政治団体に他の政治団体等に対する寄附やパーティー券購入をさせてはならないこととしております。これについては、罰則として三年以下の禁錮または五十万円以下の罰金ということを定めております。

菅野委員 先ほども言ったんですけれども、強制かどうかというのをどうしてチェックしていくのか、ここが今回のこの問題の大きな点だというふうに思っています。雇用関係で、上下関係で断り切れないというのが、会社が政治団体をつくった場合の大きな問題点であって、そこを規制しない限り、この西松建設の問題、先物取引会社からの献金の問題というのが直っていかないんだというふうに私どもは考えているんです。

 この法案でそこまで踏み込まなかったと私は理解しているんですけれども、踏み込まなかった理由というのはどこにあるのか。そして、政治資金規正法というのは不断に見直していくものでありますから、不断の見直しというのが行われていくんだろうというふうに思うんですが、問題が発覚したときに、その問題点に適切に対処するような法改正を行わなかったならば、私はまた先送りされるというふうに思うんです。今がそのチャンスだというふうに私は思うんですけれども、この踏み込まなかった理由を再度答弁願いたいと思います。

武正議員 お答えいたします。

 民主党では、百六十一国会のとき、二〇〇四年でありますが、提出をし、そしてまた百六十三国会にも再提出した政治資金規正法等の一部を改正する法律案において、政党及び政治資金団体を介したいわゆる迂回献金を禁止するため、政党または政治資金団体に対する条件つき寄附の禁止を盛り込んだわけなんですね。

 今回については、やはり企業・団体献金の禁止というものをはっきりとうたうというのが今回の法案のまず骨子でありまして、それに密接に関連する規制に特化したわけでありまして、企業、団体の政治団体に対する寄附等の指示の制限の規定など、企業・団体献金を禁止した場合に想定される脱法行為を規制するために設けたということであります。まず、企業・団体献金の禁止というものを明確にうたうということがこの法案の骨子、これをしっかりと打ち出していくということが民主党提出の法案の趣旨というふうに御理解をいただきたいと思います。

菅野委員 状況は理解しました。

 先ほども申し上げましたように、やはり政治資金規正法のここが問題なんだということがわかったときに改正していくという姿勢、不断の見直しをしていくということなんですが、このタイミングを逸すると政治資金規正法というものの改正がなかなか行われないというのは、今日までの経過を見ればわかるというふうに思います。今起こっているこの迂回献金の問題をどう規制していくのかというのは、私たちに課せられた今日的な大きな任務だというふうに私はとらえていて、ぜひ提出者もこの点の理解を深めていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。

 最後になりますが、これは政党助成法改正案の提出者にも聞きましたが、政党助成の交付金のあり方について、政治資金規正法提出者にお聞きしておきたいというふうに思います。

 改正案は、政党交付金の増額の検討を盛り込んでいるわけですが、配分のあり方について、現行制度は、一定の期間に行われた国政選挙で得た議席数、獲得票数、いわゆる選挙の成果を根拠にして交付金を交付しています。ところが、ドイツや欧州議会では、小規模政党の政党活動を保障する観点から、要件を満たした政党には一定の割合を均等割で交付する仕組みになっています。例えば欧州議会では、一五%が均等割、残りの八五%が選挙結果の成果に応じて交付されます。

 このような仕組みを検討していくことについてどうお考えなのか、答弁願いたいというふうに思います。

篠原議員 お答えいたします。

 菅野委員は、この間の七月二日の質問においても同じことを問いただしておられました。私は、これから検討していかなければならない観点ではないかなと思いました。

 我々、どういったお金に頼って政治活動をしていくかということを理想として考えた場合、佐々木委員が何度も指摘されておられましたけれども、個人献金が一つの有力な手だてだと思います。しかし、それだけでうまくいくかというのがあるわけです。ですから、迂回献金の心配もいただきましたけれども、我々は、万が一個人献金がほとんど三年間でも進まなかった場合のこともいろいろ議論したわけです。ですから、公的助成というのもやはり考えていかなければいけないなというのがまず第一番にあります。

 それで、この公的助成の配分の仕方でございますけれども、菅野委員御指摘のとおり、ほかの国、ドイツや欧州議会、スウェーデン、それからオーストラリア等では、その直近の選挙の票数とかいうのだけじゃなくて、少数政党をちゃんと存続させなければいけないということで均等割というのを設けているのは我々も承知しております。ですから、万が一個人献金が余り多くならなかった、これでは政治活動ができない、公的助成をこれからもう一度洗い直さなければならないという議論が必要になった場合は、そうした観点からも検討を加えてまいりたいと思っております。

菅野委員 いろいろな制度の仕組みを検討していかなければならないし、これは、前回の政治資金規正法、出口を規制するという議論をするときに、各政党、会派が寄り合って、そして意見を闘わせて一つの改正の方向をつくったというのが大きな成果だったというふうに私は思っております。

 政治資金規正法の議論をするときに、確かに、一つのたたき台として法案を提出するというのも一つの方法だというふうに思いますけれども、各政党、会派に呼びかけて、今起こっている問題点、それから、改正しなければならない点というのを各会派で寄り合って議論するということが本当に大事だというふうに私は考えているわけです。

 民主党が提出した政治資金規正法の改正案が一つの大きなきっかけとなって、企業・団体献金が禁止の方向に向かうという大きなエネルギーをつくり出していただきたいし、私どももそういう立場に立って運動していきたい、活動していきたいというふうに思っております。

 以上を申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

河本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十二分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.