衆議院

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第20号 平成15年6月12日(木曜日)

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平成十五年六月十二日(木曜日)
    午前十一時四十四分開議
 出席委員
   委員長 遠藤 武彦君
   理事 荒井 広幸君 理事 佐藤  勉君
   理事 林  幹雄君 理事 八代 英太君
   理事 安住  淳君 理事 武正 公一君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 黄川田 徹君
      浅野 勝人君    伊藤信太郎君
      岩永 峯一君    上川 陽子君
      川崎 二郎君    後藤田正純君
      左藤  章君    滝   実君
      谷  洋一君    谷本 龍哉君
      野中 広務君    平林 鴻三君
      宮路 和明君   吉田六左エ門君
      荒井  聰君    大出  彰君
      玄葉光一郎君    島   聡君
      中沢 健次君    中村 哲治君
      松崎 公昭君    山田 敏雅君
      山名 靖英君    春名 直章君
      藤木 洋子君    矢島 恒夫君
      重野 安正君    横光 克彦君
      金子善次郎君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   総務委員会専門員     大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十二日
 辞任         補欠選任
  佐田玄一郎君     後藤田正純君
  伊藤 忠治君     中村 哲治君
  春名 直章君     藤木 洋子君
同日
 辞任         補欠選任
  後藤田正純君     佐田玄一郎君
  中村 哲治君     伊藤 忠治君
  藤木 洋子君     春名 直章君
同日
 委員三村申吾君が退職された。
    ―――――――――――――
六月十一日
 日本郵政公社法の一部を改正する法律案(内閣提出第八一号)(参議院送付)
同日
 シベリア抑留者に対する未払い賃金支払いに関する請願(土肥隆一君紹介)(第三四五一号)
 同(細川律夫君紹介)(第三四五二号)
 同(前原誠司君紹介)(第三四五三号)
 同(中西績介君紹介)(第三五二〇号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第三六三八号)
 同(石井一君紹介)(第三六三九号)
 同(小沢和秋君紹介)(第三六四〇号)
 同(海江田万里君紹介)(第三六四一号)
 同(児玉健次君紹介)(第三六四二号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三六四三号)
 第三種・第四種郵便の存続等に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三六三七号)
同月十二日
 第三種・第四種郵便の存続等に関する請願(熊代昭彦君紹介)(第三七八五号)
 同(三井辨雄君紹介)(第三七八六号)
 同(水島広子君紹介)(第三九九二号)
 住民基本台帳ネットワークシステムの中止に関する請願(伊藤英成君紹介)(第三九九一号)
 シベリア抑留者に対する未払い賃金支払いに関する請願(太田誠一君紹介)(第三九九三号)
 同(北橋健治君紹介)(第三九九四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本郵政公社法の一部を改正する法律案(内閣提出第八一号)(参議院送付)
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件


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     ――――◇―――――
遠藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、日本郵政公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。片山総務大臣。
    ―――――――――――――
 日本郵政公社法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
片山国務大臣 日本郵政公社法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、日本郵政公社の経営の健全性の確保に資するため、郵便貯金資金及び簡易生命保険資金の運用方法に投資顧問業者との投資一任契約の締結による信託会社への信託を加える等所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、郵便貯金資金、郵便振替資金、簡易生命保険資金及び余裕金の運用方法に、コール資金の貸し付けを加えることとしております。
 第二に、郵便貯金資金及び簡易生命保険資金の運用方法に、投資顧問業者との投資一任契約の締結による信託会社への信託を加えることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
遠藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
遠藤委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、理事会等において協議が行われてまいりましたが、その結果に基づき、滝実君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守新党の五派共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおりの市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。滝実君。
滝委員 提出者を代表いたしまして、本起草案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。
 まず、本起草案の趣旨について申し上げます。
 御承知のとおり、町村が合併して市となるための要件は、平成十二年の市町村合併特例法の改正により、平成十六年三月三十一日までは人口三万以上を有することのみとする特例措置が講じられているところであります。
 現在、市町村の合併につきましては、法定協議会または任意協議会の設置が全市町村の約六割に上っており、また、多くの関係市町村からこの特例措置の延長を望む声があるところであります。
 以上のことから、市町村合併の一層の推進を図るため、この特例措置の延長を行うこととし、本起草案を提出した次第であります。
 次に、その内容について申し上げます。
 本案は、合併後の普通地方公共団体の市となるべき要件は人口三万以上を有することとする特例の適用期間を一年延長し、平成十七年三月三十一日までに市町村合併が行われる場合には、その適用があるものとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行するものとしております。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
遠藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。矢島恒夫君。
矢島委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま提出されました市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。
 反対の第一は、この間、国による強制合併の進行の中で、数々のあめとむちが用意され、合併のためには何でもありというモラルハザードを全国で招いており、この法案もその一つだからであります。
 自主的であるべき市町村の合併が、二〇〇〇年十二月の国の行革大綱に「一千を目標とする」と数値目標が明記されて以来、政府主導で上から強引に進められてきました。
 目標達成のために、交付税の段階補正の見直しや市町村に対する知事の勧告権、あるいは議員の定数や任期の特例、合併後の交付税の補償など、さまざまなあめとむちが用意され、新たな補助金は創設しないとの政府みずからの方針にさえ反する合併補助金も創設されました。
 さらに、地方財政危機の最大の要因の一つが、景気対策のための地方単独事業の拡大とその償還財源を交付税で補てんする手法にあったことを政府自身が認めながら、同様の手法を合併促進のために容認するなど、まさに政府自身がモラルハザードを招いている事態に至っているのであります。
 しかも、三万人特例の期限が合併特例法本体の期限より一年前とされたのは、そうでないと合併促進のインセンティブが働かないとの理由からであり、その期限が切れるからといって合併特例法本体の期限に合わせることは、全く見通しのない、無節操、無定見と言わざるを得ません。
 第二は、法案施行の結果、住民と自治体に新たな財政負担をもたらしているからであります。
 二年前、この三万人特例の最初の適用を受けて誕生した潮来市では、福祉・保健サービスの向上、行財政の効率化、基盤強化をうたい文句に合併しましたが、合併による公共事業の急増で借金も急増する。一方、政府の宣伝に反して、地方交付税が二年間で約六億円も減少する中で、この二〇〇三年度の予算編成に当たっては、財政破綻の直前にあることを表明せざるを得なくなっています。この財政危機の乗り切りのために、国保税や保育料の引き上げ、人間ドック助成の廃止など、住民負担の押しつけとサービス切り捨てを進めようとしています。その上、財政力の強化のためと称して、新たな合併を視野に入れざるを得ない事態にまで立ち至っているのであります。
 第三は、地方自治制度の形骸化を招く問題であります。
 地方自治法第八条の市となるべき要件のうち、人口五万人以上という条件は、市が町村と比べて重要な事務を処理するという趣旨から、市の要件としてふさわしい人口規模を有するという必要性から設けられたもので、連檐要件や都市的業態要件は、市となる地域が都市的形態を備えているかどうかを認めるための要件として設けられたものと説明されています。
 どのような規模と形態の自治体を市にするかは、まさに地方自治制度の根幹の一つとも言うべきものであります。人口五千九百十人の歌志内市を初め、七十三の市が人口三万人を満たしていない現実がある一方で、人口三万人を超える町村が百十八存在するという実態があります。こうした制度の基本の検討や実態との調整を抜きにした合併促進のための特例は、地方自治制度の形骸化を招くものと言わなければなりません。
 最後に、法案の提出方法に関して一言述べます。
 今回、法案が委員長提出の法案となっていますが、本来、委員長提出の法案は全会一致を基本とすべきものであります。これは長年の国会運営から導き出された慣例であり、法案に対する態度の違いはあっても、与野党共通して守らなければならないルールであります。長年の国会運営のよき慣例を破ることは到底容認できません。
 また、その内容も、片山総務大臣が五月八日の経済財政諮問会議に提出した市町村合併促進プラン、いわゆる片山プランの中に盛り込まれていたものであります。それを言論の府としての国会が、質問ができない委員長提出の方法で発議するのは、みずからの審議権を放棄するものと言わなければなりません。
 三年前の十一月に同様の意見表明をしましたが、再び同じ過ちを、数を頼んで強引に押し通すことに抗議を表明して、討論を終わります。(拍手)
遠藤委員長 次に、重野安正君。
重野委員 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました市町村合併特例法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 第一の理由は、合併の場合だけ三万人以上を市とすることの矛盾です。
 市街化率及び都市的業態人口の要件を不要とするというのであれば、現在、人口三万人以上の町村については、合併の有無に関係なくすべて市とすることが公平であり、合併特例法ではなく、地方自治法第八条の本則を改正すべきであると考えます。
 第二の理由は、人口要件緩和に何の理念も根拠もないことであります。
 先月、総理の諮問機関である地方制度調査会が中間報告をまとめました。社民党は、その内容について、多くの問題点があり、これを是とする立場に立つものではありませんが、そこでは、地域の総合的な行政主体として、分担する事務の処理に十分な権限とこれを支えるに足る財政基盤を有するよう、規模はさらに大きくなることが望ましく、国土の大半が規模、能力の大きな基礎的自治体の区域に区分されることが必要だという、地方分権時代の基礎的自治体のイメージが描かれており、こうした考え方にすら反しております。人口三万人特例は、あるべき基礎的自治体像という理念や根拠があるものではなく、とにかく今合併すれば市になれるという、合併誘導のためのこそくな手段であることは明らかです。
 第三の理由は、合併推進のためのつじつま合わせの改正であるということです。
 一九九八年十二月には、市街化率や都市的業態人口の要件はそのままで、合併した場合のみ人口四万人以上あれば市になれる改正を行い、二〇〇〇年十一月の再改正で、人口三万人以上の要件のみとした改正を行ったばかりであります。四万人特例は二〇〇五年三月までにする一方、三万人特例は二〇〇四年三月までにしていたのは、駆け込み合併推進の意図があったからでしょうが、合併推進のためにまたもや法改正を重ねるのは極めて問題があります。
 本案は、二会派の反対にもかかわらず、動議によって委員長提案とされています。前回も、委員長提案は各党各会派間の態度が一致していることが原則であり、決して先例としないことをお願いしたところでありますが、国会の守るべき慣例が踏みにじられたことは極めて遺憾であることを訴え、討論を終わります。(拍手)
遠藤委員長 これにて発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
遠藤委員長 起立多数。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十八分散会


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