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第7号 平成19年3月2日(金曜日)

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平成十九年三月二日(金曜日)

    午後五時四十一分開議

 出席委員

   委員長 佐藤  勉君

   理事 岡本 芳郎君 理事 鈴木 淳司君

   理事 谷  公一君 理事 葉梨 康弘君

   理事 林  幹雄君 理事 武正 公一君

   理事 寺田  学君 理事 谷口 隆義君

      赤澤 亮正君    石田 真敏君

      今井  宏君    浮島 敏男君

      岡部 英明君    鍵田忠兵衛君

      川崎 二郎君    川条 志嘉君

      木挽  司君    実川 幸夫君

      田中 良生君    土屋 正忠君

      土井  亨君    萩生田光一君

      萩原 誠司君    橋本  岳君

      福田 良彦君    松本 文明君

      渡部  篤君    安住  淳君

      逢坂 誠二君    後藤  斎君

      田嶋  要君    西村智奈美君

      福田 昭夫君    森本 哲生君

      江田 康幸君    谷口 和史君

      吉井 英勝君    重野 安正君

      亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         菅  義偉君

   総務大臣政務官      谷口 和史君

   総務大臣政務官      土屋 正忠君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           久保 信保君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  岡本  保君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  河野  栄君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           中北 哲雄君

   総務委員会専門員     太田 和宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     浮島 敏男君

  井澤 京子君     赤澤 亮正君

  関  芳弘君     川条 志嘉君

  福田 康夫君     松本 文明君

同日

 辞任         補欠選任

  赤澤 亮正君     井澤 京子君

  浮島 敏男君     あかま二郎君

  川条 志嘉君     関  芳弘君

  松本 文明君     福田 康夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)


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     ――――◇―――――

佐藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房総括審議官久保信保君、自治財政局長岡本保君、自治税務局長河野栄君及び国土交通省大臣官房審議官中北哲雄君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤委員長 異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。田中良生君。

田中(良)委員 埼玉十五区の自民党の田中良生でございます。

 一週間待ちましたが、本日は質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 質問に入る前に、きょうも新聞の一面に載っておりましたNHKの受信料問題に関しまして一言述べさせていただきたいと思います。

 NHKの受信料の徴収におきましては、現在回復傾向にあるものの、いまだに三割程度の未収が生じている、そのように聞いております。国民・視聴者においては、受信料支払いにもっと理解を深めていただかなくてはなりません。

 しかし、その一方で、NHKとしても、信頼回復、また昨今の民間の有料放送の普及によって、相対的にNHKのコストパフォーマンスに対する疑問、はっきり言って割高感を感じる、これが視聴者が感じているというところではないかと思っております。

 経営は入りをはかりて出るを制す、その言葉にあるように、収入は企業の信頼や商品のよしあしに合ったものであり、まずはその収入の中で知恵を絞り、努力を重ね、さらによりよいものをつくり、そして収入をさらによりアップさせていく、民間企業であれば当然の原理であります。それに照らせば、受信料収入においては、現在は回復傾向にあるものの、まだまだ国民の信頼回復には到底至っていない、そういうものと考えるところでございます。

 昨年の三月十日、総務委員会参考人質疑におきまして、NHKの橋本会長に、現状の収入で財政的に均衡しているということであれば、こうした未収の料金をきちんと回収することで料金の値下げの余地も生まれるのではないかと私も質問させていただきました。受信料の義務化だけを優先させては、ますます国民の不信は募るばかりであります。放送行政を預かる総務省、政府の不信にもつながりかねないと思うところであります。

 受信料の義務化の前提として、受信料の値下げがセットであるというこの菅総務大臣の御判断は、まさに国民の思い、そして国民の信を得るものであり、NHKが、公共放送としての役割をきちんと果たし、国民から信頼され、そして愛されるために必要不可欠なものと考えるところでございます。菅大臣の判断に敬意を表するとともに、放送行政、そしてNHKの信頼回復のためにも、さらなる御尽力、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、地方分権と地方税制改革についてお尋ね申し上げます。

 骨太の方針二〇〇六に基づき、さきに地方分権改革推進法が成立をいたしました。個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現することを基本といたしまして、地方公共団体がみずからの判断と責任において行政を運営すること、これを促進するということになりました。そして、その第六条の中では、地方公共団体が自主的かつ自立的に財政運営ができるように、国と地方の税源配分の措置のあり方について検討を行うとされております。

 大臣みずからも、経済財政諮問会議の議論の中で、いわゆる菅プランというものを提出されました。地方分権の充実、国の行政権限を地方に移譲するとともに、その実行を担保するために必要な税財源の移譲を進めていく、そういう共通認識のもとに、国と地方の税収比一対一を実現することを目指しております。さらに、その際におきましては、地域的な偏り、偏在度の小さい地方税体系を構築するという方針、これを示されました。地方の投資的な経費についても、今後五年間で毎年一%から三%ずつ削減をしていくなど、地方の歳出改革についての目標も掲げられております。

 このような地方分権改革の取り組みが進む中、基本方針二〇〇六や十九年度の与党税制改正大綱におきましては、ことしの秋以降、早期に本格的かつ具体的な議論を行い、税制の抜本的改革を実現させるべく取り組むとされております。

 地方税制においてはどのような方針で臨まれるのか、菅大臣のお考えをお聞かせください。

菅国務大臣 まず冒頭、NHK問題に御理解をいただきまして大変感謝をいたしております。

 NHKの内部改革、そして義務化と料金値下げ、このことは政府・与党で合意したことであります。そしてまた、現在の料金体系を見るときに、三千二百万人の方がNHKの料金を納めていらっしゃる、しかし一方で千五百万前後の方が納めておられない。そういう中で、こうしたまじめに支払いをいただいている方にその負担をかけていることは非常に申しわけない、余りにも不平等。そんな状況の中で、私は、義務化と値下げ、そして内部改革、このことをセットに今示しているところであります。

 NHKが値下げをするかどうかというのは、ある意味では、私は、改革の思いがあるかどうかという意味の試金石であるというふうに思っております。私は、義務化だけで値下げがないということであれば国民の理解は到底得られない、そんな思いでこれからも取り組んでいきたいというふうに思っております。

 ただいまの質問でありますけれども、地方分権を支えるためには、やはり地方の税収を充実させることが極めて大事なことであります。今、地方の仕事は六、そして国の仕事は四、しかし、税は逆で四対六と言われております。そういう中で、地方分権改革を通じ、税源移譲を含む税源配分の見直しを行って、国と地方、少なくともまず目標として一対一を目指して頑張っていきたいと思います。

 その際に、委員から御指摘のありましたように、地方税の偏在度の小さい地方消費税、このことがやはりこれからの地方税にとって極めて大事なものであるというふうに思っております。

 このような考え方に基づいて、ことしの秋以降、消費税を含む税体系の抜本的な見直しが行われる際には、地方消費税、こうしたものに向かって全力で取り組んでまいりたいと思います。

田中(良)委員 ありがとうございます。

 今大臣がおっしゃられた、今、国と地方の税収比、おおむね六対四となっているということであります。これを是正して一対一に近づけるということであります。そのためには、もちろん、税財源を移譲したり、あるいは税体系を抜本的に見直すという作業が必要になってまいります。大臣の言う国と地方の税収比一対一を実現するためには、具体的にあと何兆円ぐらいの新規の財源、あるいは既存の税財源の移譲が必要なのか。現在の国と地方の税収比や国、地方の歳出比の状況を示しつつ、ぜひ具体的な御説明をいただければと思います。

河野政府参考人 お答えをいたします。

 国と地方の税収比一対一を実現するための税収規模等についてのお尋ねでございますけれども、平成十九年度の国の予算及び地方財政計画等をもとに試算をいたしますと、まず、国税収入でございますけれども、これは特別会計を含めまして五十五・一兆円でございます。一方、地方財政計画におきます地方税収額は四十・四兆円でございますけれども、これに、計画外収入でございます超過課税等の見込み額、あるいはさらに税源移譲や定率減税の廃止の平年度化に伴う影響額、こういったものを加味いたしますと、地方税収規模は四十一・五兆円程度でございます。この結果、国税と地方税の配分比は五・七対四・三となる見込みでございます。

 一方、歳出でございますけれども、国と地方の歳出は、平成十六年度決算の純計ベースでお話し申し上げますと、国は五十九・九兆円、それから地方が八十九・九兆円でございまして、その比率は、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、四対六となっております。

 そこで、税収比一対一を実現するための所要額でございますけれども、もちろん税収は今後の税制改正や経済動向等によりまして変動するものでございますし、税収比一対一は税源移譲を含む税源配分の見直しを通じて実現すべき課題でございますので、いろいろな検討が必要でありますけれども、現在の税収規模等を前提に機械的に計算して申し上げますと、一つは、仮に地方税収の増加だけで一対一を実現するということになりますと十三・六兆円が必要という計算になります。また、仮に国税から地方税への税源移譲だけで一対一を実現するといたしますと六・八兆円、約七兆円が必要という計算になります。以上でございます。

田中(良)委員 ありがとうございました。

 地方がやはりこの一対一というところを強く望む希望であろうと思いますので、ぜひとも、景気の浮揚策ともども、速やかにこの一対一が実現できるように努力していっていただきたいと思います。

 続きまして、三位一体改革と税源移譲についてお尋ね申し上げます。

 三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税へ三兆円の税源が移しかえられることになります。まさに地方分権改革が端緒につくということになるわけでありますが、多くの人は、一月から所得税が減り、六月から減少相当分だけ個人住民税がふえる、そういう仕組みになっております。納税者にとってみては、どうしても、六月の住民税がふえた時点で増税感を必要以上に強く感じる可能性があるのではないでしょうか。納税者にとって、六月の時点で住民税の支払いを迎え、大幅な増税になったと負担感を感じさせる、そんなことになりますと景気動向などにも悪影響が出るのではないかと心配しているところでございます。

 税額の変動時期や変動理由について納税者の十分な理解が得られるよう、積極的に周知、そして広報を行う必要があると私は考えておりますが、政府としてはどのようにその点に取り組んでおられるのか、ぜひ御説明の方をお願い申し上げたいと思います。

菅国務大臣 今回の税源移譲に当たっては、地方分権を進めるために、地方にできることは地方にという方針のもと、三位一体改革の一環として行うものであります。これによって所得税と個人住民税を合わせた個々の納税者の税負担が変わらないようにいたしておるところであります。

 しかしながら、所得税と個人住民税の課税方式が異なるため、多くの方は、本年一月分から所得税が減り、そして、委員御指摘のありましたように、六月から住民税がふえることになります。また、定率減税の廃止の影響があることから、税源移譲による税額の変動時期や変動理由について納税者の理解が十分得られるよう、適切な周知、広報が必要であるというふうに考えております。

 このため、国と地方が協力して、効果的な周知活動を行っております。政府においては、内閣府、総務省、財務省、関係省庁が連携をして、テレビ広報だとか新聞あるいは雑誌、そうしたものの取り組みを行っているところであります。また、地方公共団体に対しても積極的な周知・広報活動への取り組みを要請しており、広報誌の活用や説明会の開催、チラシ、リーフレットの配布など、きめ細かな対応に努めていただいているところであります。

 今後とも、関係者、地方公共団体と連携をしながら周知、広報に全力を尽くしてまいりたいと思います。

田中(良)委員 ぜひとも、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、新型交付税についてお尋ねを申し上げます。

 新型交付税を導入することによりまして、交付税の算定方法はシンプルになる、そのように聞いているところでございます。この結果、各自治体にとって、現行の制度下で受け取ることができた交付税と新型交付税の受取額には大きな変化は生じない、そのように聞いておりますが、検討された結果、どのくらいの変動が生じ、そして現時点でどういう事例が確認できるのか、お示しをいただきたいと思います。

菅国務大臣 新型交付税の導入に当たっては、地方公共団体の意見も十分に踏まえた中で、過疎団体のように人口が少ない地方公共団体ほど人口一人当たりの行政コストがかかるわけでありますから、そうしたものを反映していく。また、離島においては通信や移動経費がかかる。あるいは寒冷地においては除雪作業などもかかる。そうしたことも十分確保するとともに、何しろ、今の交付税の算定基準というのは九十数項目ありますから、それを六十数項目に算定項目を減らすわけで、簡素なものにすると同時に、やはり予見可能性というものをこれによって、それぞれの地方公共団体においては高まるというふうに私は思っています。

 具体的に申し上げますと、平成十八年度の算定数値に基づく変動額の試算につきましては、町村を例に申し上げますと、千四十一団体中、増加団体は七百八十三団体、減少団体は二百五十八団体となっております。増加団体また減少団体とも、平均の変動額は約二千万円となる見込みであります。

田中(良)委員 ありがとうございます。

 続きまして、次の質問に移らせていただきます。「頑張る地方応援プログラム」についてお尋ね申し上げます。

 本来、地方交付税には、財源保障機能とともに財源調整機能が備わっております。しかし、調整機能とはいっても、いわゆる必要経費の充当に終わってしまう自治体も全国に多数あるかと思います。と同時に、こうした自治体こそが本来最も財政的な自立を必要とする自治体ではないかと考えているところでございます。こうした自治体は、多くの場合、既に財政的には苦境に立たされているところも多く、交付税の交付を受けても、政府が目指すような自立した地方の実現に向けた投資を行うことができないでいる、そんな自治体が圧倒的に多いのではないかと思います。

 本来、こうした機能は、自治体の起債や公的金融機関などによる融資などによって対応すべきであるということも一理あろうかとは思いますが、現実には、真に自立が必要な自治体ほど起債余力も融資枠も残されていないというのが実際のところだと思います。

 そこで、平成十九年度以降導入が検討されております「頑張る地方応援プログラム」についてですが、政府として、どのような枠組みで、どういった自治体を対象に、どのような支援メニューを用意するつもりなのか、見通しを御説明いただきたいと思います。

菅国務大臣 地方には、どこに行っても、そこの地方の特色や魅力があります。そうしたものを生かして活力ある地方を数多く生み出すために「頑張る地方応援プログラム」を今考えているところであります。

 その仕組みとしましては、地方公共団体が、地域の例えば地場産品のブランド化とか、あるいは都市と地方の交流人口、そうしたものを、具体的な成果指標を掲げて独自のプロジェクトを策定して、住民に公表し、そして実行に移していただく、そういう考え方のもとであります。

 支援対象のメニューにつきましては、総額三千億円程度の交付税による支援措置を行う予定であります。具体的には、市町村がプロジェクトに取り組むための経費に対する特別交付税措置、一市町村について三千万円、三年間で五百億円考えております。製造品出荷額等の九つの成果指標が向上した市町村及び都道府県に対して、普通交付税の割り増し算定二千二百億円を考えております。経済産業省が提出をいたしております地域産業活性化法等に基づく企業立地促進に係る地方交付税措置、二十年以降でありますけれども、三百億円を考えております。

 さらに、市町村及び都道府県のプロジェクトに対し、情報通信関係施策のほか、農林水産省、経済産業省、国土交通省と連携を図り、補助事業の優先採択等について配慮を行うことになっております。

 そして、この成果指標につきましては、私を初め、副大臣、政務官がそれぞれの地方に出向いて、それぞれの長の皆さんと懇談をする中で、四月末までの間にはっきりとしたものを決めてまいりたいと思います。

田中(良)委員 ぜひとも、やる気のある地方が魅力ある地方に生まれ変わることができるように、支援の方をお願いしたいと思います。

 続きまして、ちょっと質問をかえまして、鉄軌道用地の評価方法見直しについて御質問をさせていただきたいと思います。

 最近、駅ナカビジネスというものが盛んになっております。私の地元さいたま市などでも同様なケースが見受けられます。このような鉄軌道用地の評価方法を見直すとのことでありますが、その背景及び見直しの内容というのは一体どのようなものなのでしょうか、お尋ね申し上げたいと思います。

河野政府参考人 鉄軌道用地の評価方法についての御質問でございます。

 現在、鉄軌道用地につきましては、沿接する土地の価額の三分の一という形で評価をいたしておりますけれども、鉄道施設と商業等施設などに複合的に利用されている土地につきましては、専ら鉄道施設に供されているか否かということで判断をいたしまして、具体的には、八割以上鉄道施設に供されている場合には鉄軌道用地として評価をし、鉄道施設の利用が八割未満の場合には宅地として評価をする、こういうことにいたしております。

 ところで、近年、お話ございましたようないわゆる駅ナカビジネスと呼ばれますような駅構内の高度利用が進んでまいっておりまして、鉄軌道用地の利用状況は大変多様化、複雑化してまいっております。そこで、こうした実情の変化に対応した評価方法の見直しが必要となっているところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、昨年、有識者による研究会におきまして、鉄軌道用地の評価方法が検討されまして、報告書が取りまとめられているところでございます。そして、この検討結果も参考にいたしまして、固定資産評価基準の改正を予定しているところでございます。

 少し具体的に申し上げますと、まず、複合的に利用されている鉄軌道用地の評価につきましては、鉄道施設と商業等施設の面積により案分をするということを基本にいたしまして、そして、鉄道施設の面積により案分された部分につきましては沿接する土地の価額の三分の一を基準に評価を行います。一方で、商業等施設の面積により案分された部分につきましては付近の土地の価額を基準に評価を行いまして、その両者の価額を合算して全体の評価額を求める、こういった方法に改める予定でございます。

 なお、見直し後の固定資産評価基準が十九年度から適用できますように、今回、地方税法の改正をお願いしているところでございます。

田中(良)委員 今のものに関連しまして、私の地元には、JRの京浜東北線という幹線がございます。そこにはもともと貨物路線が存在する関係もありまして、非常に路線幅が広くとられております。この線路によりまして沿線の市域が分断されてしまっているというわけであります。この影響を少しでも緩和しようと、路線に跨線橋をかけまして、その上にJRの駅を配置するという構造になっております。この跨線橋が町の東西を結ぶ自由通路としても機能しているわけであります。ところが、この跨線橋に関連しまして、バリアフリー法の施行に伴って、エスカレーターの設置ですとか、エレベーターの設置、これを要望する声が今非常に高まっているところでございます。この要望を出しているのは一般市民でありまして、またJR駅の利用客でもあります。そういうことになるわけでありますが、その設置や管理を自治体が行うのか、あるいは鉄道事業者が行うのか、両者が今困っている、そういう例もあります。

 バリアフリー化につきまして、鉄道関係施設が持つさまざまな機能を考慮しながら、何よりも地域の実情に十分に配慮した整備、これが行われるべきと私は考えますが、その辺のところの御見解はいかがなものでしょうか。

中北政府参考人 昨年十二月に施行されましたバリアフリー新法におきましては、鉄道駅等のバリアフリー化に関しまして、市町村がそのための基本構想を作成することによりまして、駅及びその周辺と一体的なバリアフリー化を進めることができるというふうになっております。また、市町村は、基本構想の作成やその実施に当たりまして、関係者の参加のもとに、協議会を組織することができるというふうにされております。

 今委員御指摘の、自由通路として利用されている跨線橋のバリアフリー化の問題につきましても、まずは、地元自治体とそれから鉄道事業者等の関係者が十分協議を行って、駅の利用状況や駅周辺のまちづくりの観点等から、その地域の実情に即した整備の計画を作成、立案していくことがまず大切であるというふうに考えております。

田中(良)委員 地元では、いろいろと交渉も進めているという話もございますが、やはり何といっても、地域あるいは市にとっても、いろいろな状況が違うわけでありまして、何としても、こういった部分の話を進めていく中では、地域の実情に十分配慮したような整備が行われる、それをぜひ期待するところでございます。

 続きまして、地方の道路特定財源についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 今回の道路特定財源の見直しにおきましては、国の道路特定財源につきましては、揮発油税を含めて一般財源化するという方向性が打ち出されました。従来の、道路利用者が道路建設費を負担するという原則が変更されたという意味では、大変大きな変化、大きな一歩であると思っております。

 地方の道路特定財源については、地方の実情を踏まえた対応が行われたと伺っておりますが、国の道路特定財源と地方の道路特定財源の違いは一体どういうものなのか、御説明いただければと思います。

菅国務大臣 国と地方の道路特定財源の中で、この間の政府の一般財源化の中で、地方は除かれております。それはなぜかと申しますと、地方の道路というのは国の道路と比較をして整備状況が非常にまだ低い。さらに、工事総額の中で特定財源の占める割合というのは、たしか二割前後。非常にこれは少ないわけでありますので、そうしたことを配慮して、国と地方の特定財源がそういう形に、国は一般財源にするけれども地方はそのままという形になった結果であります。

田中(良)委員 当然のことながら、地方でも真に必要な道路というものはつくっていくということであります。

 地方の道路特定財源は、私の実感としてはまだまだとても不足していると思っております。しかし、一方で、多少オーバーフローとでも申しましょうか、そういう意味でもう必要ないというような、例えばそういう団体もあるということも聞くこともあります。その実態は一体どういうふうになっているのか、ちょっとお尋ねをさせていただければと思います。

河野政府参考人 お答えをさせていただきます。

 先ほど大臣からもお答えいたしましたように、地方の道路特定財源、これが地方の道路整備費に充たっている割合は大体二割程度でございます。

 その中で、ミクロに個別の団体ごとを見ますと、その充当状況は多少差がございまして、一般会計で使っている道路事業費に対する道路財源の状況だけで分析しますと、最近の決算では、地方の道路特定財源の方が上回っている団体も若干ございますけれども、しかし、港湾でございますとか、特別会計も含めて道路の整備に関連する支出を行っておりますので、そういう分析からいたしますと、基本的には道路財源がオーバーフローしている実態にはないというふうに考えております。

田中(良)委員 地方としても当然、道路は必要だという声も多々上がっております。総務省としても、地方の応援という部分で、地方の道路特定財源の部分に関しても、真に必要な道路が速やかにつくられていくように、ぜひ力添えをお願い申し上げたいと思います。

 以上をもちまして、質疑時間が終了いたしましたので、質疑を終わらせていただきます。

佐藤委員長 葉梨康弘君。

葉梨委員 動議を提出いたします。

 これにて両案に対する質疑を終局し、討論を省略し、直ちに採決されることを望みます。

佐藤委員長 葉梨康弘君の動議……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)起立多数……(聴取不能)起立多数……(聴取不能)これにて散会いたします。

    午後六時十四分散会


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