衆議院

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第24号 平成21年6月30日(火曜日)

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平成二十一年六月三十日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 秋葉 賢也君 理事 実川 幸夫君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 林田  彪君

   理事 森山  裕君 理事 黄川田 徹君

   理事 原口 一博君 理事 谷口 隆義君

      今井  宏君    小川 友一君

      川崎 二郎君    坂本 哲志君

      鈴木 淳司君    田中 良生君

      谷  公一君    土屋 正忠君

      土井  亨君    葉梨 康弘君

      萩原 誠司君    橋本  岳君

      平口  洋君    福井  照君

      松本 文明君    安井潤一郎君

      渡部  篤君    小川 淳也君

      逢坂 誠二君    小平 忠正君

      田嶋  要君    寺田  学君

      松野 頼久君    森本 哲生君

      塩川 鉄也君    保坂 展人君

      亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         佐藤  勉君

   総務副大臣        石崎  岳君

   財務副大臣        石田 真敏君

   総務大臣政務官      坂本 哲志君

   総務大臣政務官      鈴木 淳司君

   政府参考人

   (人事院事務総局総括審議官)           菊地 敦子君

   政府参考人

   (内閣府官民人材交流センター審議官)       平山  眞君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            岳野万里夫君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 村木 裕隆君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       吉良 裕臣君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   中村 明雄君

   政府参考人

   (国税庁調査査察部長)  岡本 榮一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           内田  要君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長)    西川 善文君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役副社長)   高木 祥吉君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          米澤 友宏君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          佐々木英治君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          藤本 栄助君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          伊東 敏朗君

   参考人

   (日本郵政株式会社常務執行役)          妹尾 良昭君

   参考人

   (日本郵政株式会社執行役)            清水 弘之君

   総務委員会専門員     伊藤 孝一君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月三十日

 辞任         補欠選任

  関  芳弘君     安井潤一郎君

  福田 昭夫君     松野 頼久君

  重野 安正君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  安井潤一郎君     関  芳弘君

  松野 頼久君     福田 昭夫君

  保坂 展人君     重野 安正君

    ―――――――――――――

六月二十二日

 韓国・朝鮮人元BC級戦犯者と遺族に対する立法措置に関する請願(細川律夫君紹介)(第三四三一号)

 同(松本龍君紹介)(第三四三二号)

 同(赤松広隆君紹介)(第三四八一号)

 同(土肥隆一君紹介)(第三五四三号)

 同(近藤昭一君紹介)(第三五六一号)

 同(辻元清美君紹介)(第三五六二号)

 同(西村智奈美君紹介)(第三五六三号)

 同(横光克彦君紹介)(第三五六四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 郵政事業に関する件

 行政機構及びその運営、公務員の制度及び給与並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 郵政事業に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長西川善文君、専務執行役米澤友宏君、専務執行役佐々木英治君、専務執行役藤本栄助君、専務執行役伊東敏朗君及び常務執行役妹尾良昭君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省情報流通行政局郵政行政部長吉良裕臣君、国税庁調査査察部長岡本榮一君及び国土交通省大臣官房審議官内田要君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野頼久君。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。

 前回に引き続きまして、また再び当総務委員会におきましてお時間をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。

 本来であれば、前回の質疑の続きをやるところなんですけれども、きょうは大臣が閣議で、九時半からですか、いらっしゃらないということで、冒頭、大臣がいらっしゃる間に伺いたいことを先に聞かせていただきます。

 大臣は、きのう、西川社長が再び日本郵政の社長として就任されることを総務省として認可、承諾をされました。私は、なぜ認可されたのかということで疑問があるんですね。

 ちょっと聞いていただきたいんですが、例えば郵政公社時代と比べて、平成二十年度の決算は、まず、預金残高は百八十八兆から百七十八兆で、十兆円下がっているんです。投信残高も一兆八十三億円から八千百五十七億円で、約二千億下がっています。保険の契約残高も百五十二兆から百三十四兆で、約十八兆円下がっているんですね。郵便の売り上げに関しても一兆九千八十億から一兆八千六百五十億、これも約四百億落ちています。

 当時、民営化委員会のときに、大臣も多分御記憶にあると思いますけれども、ネットワークは切りませんよということをおっしゃっていた。そのネットワークに関しても、簡易局三百四十九局、これが一時閉鎖と言っているんですが、相当長い間一時閉局なので、これは事実上閉局をしているということです。

 また、利用者のサービスにおいても、定額小為替は十円から百円に値上げ。普通の為替に関しても、三万円未満は百円、二百円から四百二十円に上がっている。三万円以上でも二百円、四百円から六百三十円に上がっている。通常の現金払いに関しても、六十円、百五十円、三百十円だったのが一律に四百円に値上げをしている。電信現金払いも、十万円以下は百八十円、三百九十円から六百三十円に値上げされているんですね。

 もう一つ。本来であれば行うと言っていた新規事業に関しても、自動車保険十一億円が目標だったのが、一・三億円しか達成していないんです。変額保険に関しても、十七億円から七・八億、これも達成率四五パー。住宅ローンに関しましても、二千百六十億が目標だったものが達成率二五パー。クレジットカードも達成率四〇パー、ゆうちょの変額保険に関しても二〇パー、投資信託に関しても二六パーと。要は、新規事業の当初の目標もこういう達成率なんですね。そして、さっき申し上げましたように、業績も落ちているということです。

 これは、もし民間の企業であれば株主から相当な追及を受けるはずの内容なんですけれども、きのう行われた株主総会ではその辺の話は全く出ていないということであります。そして、今御説明するまでもなく、かんぽの宿及び過去の公社の物件の売却に関しても、もう御案内のとおりであります。

 これは大臣に伺いますけれども、なぜ、どういう理由で再度西川社長を再任されたのか、お伺いをしたいと思います。

佐藤国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。

 西川社長を続投させるとの判断につきましては、日本郵政株式会社が、かんぽの宿、先生が今おっしゃられたようなこと等、一連の総務省からの指摘に対しまして、厳しい反省の上に立ち、四月三日の改善命令等々に一年以内に責任を持って実施すること、そして、第三者の視点を導入した日本郵政グループ経営諮問会議を設置するとともに、今後三カ月以内に社外取締役の中から取締役会長を選任し、そのまま同会議の議長を務める旨約束をしたこと、経営陣が一定の処分を行うとしていること、また、いわゆるチーム西川の四人について速やかにおやめいただくとしていること等々、総合的に評価をしたものでございます。

 と同時に、先生がおっしゃられた、今業績等々につきまして悪化をしているという点も含めて、強い反省に立って今後一年間を目途にそういうものを改善していくという判断が下されたものということでございまして、そういうことを勘案させていただいて、先日来から申し上げましたように、官房長官、財務大臣、総理の御判断をいただいてそういう方向づけを決めさせていただいたということでございます。

松野(頼)委員 こういうさまざまな業績悪化に関する改善の事業計画というものは出たんでしょうか。これは事務方でいいです。

吉良政府参考人 ただいま先生からございました新規業務のお話だとか、あるいはいわゆる業績については、今回の判断をするに当たっての業務改善命令に対する措置状況の中では出てきておりません。

松野(頼)委員 そうですよね。さまざまな不動産売却の問題点に関しての業務改善命令に対しては答えていますけれども、業績の悪化に関しては株主総会でも一言も出ない、事業計画に関しても何にも出ない状況で、これは企業として当たり前の話じゃないですか、業績がどうなったのかということは。その業績の悪化に対して何の報告も求めていない。そして、そのまま再任をお認めになるというのは一体どういうことなんでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

佐藤国務大臣 先生がおっしゃられるように、簡易郵便局の一時閉鎖とかいろいろな諸問題があったというのは私どもも伺っております。

 今、いろいろな形で会社側が、改善命令を出さざるを得ないような状況になったこと等々の状況の中で、一年という改善計画等々を掲げた上で、その一年間、まあ三カ月ごとに検証するということも含めて、これからやっていきたいという意思を尊重して今回は認めさせていただいたということでございます。

松野(頼)委員 大臣が時間がないので、次に行きます。

 お配りした資料の一枚目をごらんください。

 大臣は、六月の二十四日、会見の席で、いわゆるチーム西川について、速やかにおやめいただくこととしている、そういうことを総合的に評価して認めさせていただいたということをおっしゃっているんですけれども、そうはいいながら、同じ人事のまま今回承認されましたね。これは一体どういうことなんでしょうか。

佐藤国務大臣 今おっしゃられた趣旨は、私が記者会見のときに申し上げたということでございます。

 今、現時点でおやめになっていないのではないかという話でございますけれども、私は西川社長から横山専務執行役について速やかにやめさせるとの話を伺っておりますし、私としては、国民から見てわけのわからないこと、また不透明なことが行われているとの疑いがある以上、速やかにおやめいただいて、新しいスタッフにより、よりよい民営化のための施策を進めていただきたいというふうに考えておりますし、そういうことを申し上げたということでございます。

松野(頼)委員 速やかにおやめいただくということで承諾をしたと言いながら、そのままの人事を株主総会の承認を受けて大臣がお認めになっているんですよ。これはおかしくないですか。

 もしそういうことであれば、今回お認めになる前に、きちんとそのことにけじめをつけて、株主総会に提出をして、そして承認をするというのが私は筋だと思うんですけれども、一体いつおやめいただくんですか。

佐藤国務大臣 速やかにということを私は申し上げておりまして、会社側からのお話によりますと、引き継ぎ等々急な話であったので、速やかにということを尊重していただけるというふうに私は判断をさせていただいております。

松野(頼)委員 では、西川社長にお伺いしますが、いつおやめいただくんでしょうか。

西川参考人 お答えいたします。

 大臣には速やかにという御指示をちょうだいしておりますので、私は、その線でもちろん考えてまいりたいと思います。ただ、大変重要なポストについておりますから、この後をどうするかという人繰りの問題もございますから、やはり少し時間はちょうだいしないと、きょうあすというわけにはまいらないと思います。

松野(頼)委員 人繰りで今回専務を五人にふやされているじゃないですか。新たな執行役も入れられて、これは後で伺いたいんですが、コンプライアンスの部長だった人を、コンプライアンスの問題をこれだけ指摘されているのにもかかわらず昇格させているんですよ。その辺もちょっと不思議でならないんですけれども……(発言する者あり)それは当たり前の話じゃないですか、総務大臣の認可なんですから。一体、株主総会を何だと思っているんですか。

 民間の会社だったらば、まず役員会を開いてきちんと人事を決めて、定期株主総会で承認を受けて、それから一年間その人事でスタートするのが当たり前の話ですよ。これは民間の株主のチェックもきいていない。これは、民間の方がよっぽど厳しいと思いますよ。とりあえず株主総会は通して、今人繰りがつかないから、速やかにおやめいただくんですよみたいな話は、民間じゃ通らないと思いますよ。これは一体どういうことなんですか。

 当然、株主総会というのは、株主に対して、一年間、私どもは来年の株主総会まで、人事をこういう陣容で、こういう経営方針で行うということを承認を受けるのが株主総会であります。にもかかわらず、株主総会ではそういう人事を通しておきながら、人繰りがつきませんので、速やかにおやめいただくことはおやめいただくけれども、すぐにはできませんという話は、僕は全く通らないと思いますよ。

 大臣、何でそういう状態で認めたんですか。

佐藤国務大臣 総理がおっしゃっておりますように、もちろん、株は国側が一〇〇%持っている特殊会社というのはわかった上での話でございますけれども、民営化を目指す会社に、私ども、不透明なことに対してはやめていただきたいということは申し上げましたけれども、これ以上は、あとは会社の判断と言わざるを得ません。また、そういうことに対して私どもも早急におやめいただきたいということは申し上げておりますけれども、ある意味ではその会社の判断にゆだねられるところもあるのではないかなというふうに思います。

松野(頼)委員 会社の判断は、今社長に伺いました。なぜその状態で認可をされたのか、総務大臣認可の部分を伺っているわけであります。

佐藤国務大臣 決して逆らって物を言うわけではございませんけれども、認可が及ぶのは取締役と監査役ということになっておりまして、執行役に関しましては会社の判断ということになるのではないかなというふうに思います。

松野(頼)委員 ですから、こういう人事をやった取締役及び西川社長をなぜ再任をお認めになったのかということであります。

佐藤国務大臣 大変しゃくし定規な話でございますけれども、法と事実に基づいたいろいろな検証のもとでそういう判断をさせていただいたということでございます。

松野(頼)委員 もう一つ、これは西川社長に伺いたいんですが、第三者委員会で随分コンプライアンスの部分というのが指摘されていらっしゃいましたね。そのコンプライアンスの担当の統括部長を今回執行役に昇格させているわけです。

 会社にどういう功績があったので昇格をさせたのか、お伺いできればと思います。

西川参考人 お答えいたします。

 コンプライアンスの担当役員を執行役に登用いたしました。これは、この本人が、コンプライアンスの徹底ということについて、現場に至るまでその水準の引き上げについて大変細かく指示をして努力しておりますが、その努力を買って執行役に登用したということでございまして、本人にコンプライアンスの問題があるわけじゃ決してございません。

松野(頼)委員 その方のもとでのコンプライアンスに対して第三者委員会で随分指摘をされているということだと私は思うんですけれども、とりあえず大臣のいる時間の質疑はこれで終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口でございます。

 総務大臣はもう行かれましたか。ちょっと早いんじゃないですか。総務大臣がいらっしゃる間に、一点、今回の処分について伺いたいと思うんです、二十分過ぎからのお出ということだったので。

 西川社長、総務大臣が戻ってくるまで伺いたいんですが、役員の兼職。

 国会で指摘をされて西川社長は幾つかの兼職をおやめになったと思いますが、日本郵政の役員の中で今なお兼職をしていらっしゃるのは西川社長お一人だと思います。その兼職をされているという三つの会社、この名前を明らかにしていただいてよろしいでしょうか。

西川参考人 その三社は、第一三共株式会社、レンゴー株式会社、そして日本ベンチャーキャピタル株式会社の三社でございます。

原口委員 西川社長以外にはこのような兼職をされている方はいらっしゃらないと承知していますが、それで結構ですか。

西川参考人 そのとおりでございます。

原口委員 先ほどチーム西川という話がありました。いわゆるチーム西川というのはだれのことですか。総務大臣にこれを聞きたかったんですが、事務方で結構です。どういうことでおやめいただくという判断をしたのか、あわせてお尋ねをいたします。

吉良政府参考人 チーム西川というのは、横山専務執行役、百留経営企画部門グループ戦略室長、奥村経営企画部門グループ戦略室次長、それから後藤秘書室長というふうに聞いております。

 それから、今回、かんぽの宿等でいろいろな問題が起きまして、総務大臣からおやめいただくように西川社長の方に話があったものでございます。

原口委員 西川社長に伺います。

 日本郵政の取締役、役員には処分規定というものはないというふうに伺っています。今回、メディアにはよく処分ということが言われていますが。

 委員長にお許しいただいて、資料をお配りしています。一ページを開いていただくと、これが、「日本郵政株式会社法第十四条第二項に基づく監督上の命令により講じた措置に関する報告等について」ということで、日本郵政株式会社名でプレスリリースされているものであります。

 処分というものは行われなかった、そして役員の処分を行う規約はない、この私の認識でよろしいでしょうか。

西川参考人 お答えいたします。

 役員につきましては、現在、処分規定はございませんが、今回は報酬の自主返上という形で社内処分を行ったということでございます。

原口委員 お聞きになったとおりであります。自主返納であります。規約に基づく返納でも処分でも何でもありません。本当にこんなことでいいんでしょうか。

 副大臣がいらっしゃいますが、きょう、法制局も来ていただいています。民間会社という法律用語はありませんよね。日本郵政は法的にはどういう会社ですか。日本郵政株式会社法に基づく特殊会社、そして、そこでお働きの皆さんはみなし公務員、こういう認識を持っていますが、法制局にお尋ねをしたいと思います、この認識でいいのかどうか。

 済みません、法制局に確認をしたところ、そうだと。法制局じゃなくても結構です、所管する副大臣、私の認識でよろしいか。

石崎副大臣 日本郵政株式会社は、現在、政府が一〇〇%出資をし、特別の法律によって設立をされた特殊会社という位置づけでございます。ですから、先生の御指摘のとおりだというふうに思います。

原口委員 そうなんですよ。特殊会社なんです。

 そして、何回もここで申し上げているように、ガバナンスをきかすということは……。民間の株式上場もまだされていない。ですから、株主は、きのう財務省が行っていますけれども、国民が株主。だから、ここでいろいろなことをガバナンスをきかすために議論をしているんです。政治が介入しているなんという、あっち向いてほいの議論をしていること自体間違っている。

 上場のスケジュールをお伺いします。

 来年度、日本郵政は上場するはずです。西川社長、東証へのさまざまな審査というものがもう始まっていないといけないと思いますが、それをいつお始めになりますか。

西川参考人 お答えいたします。

 現在、日本郵政株式会社、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の三社については、遅くとも二〇一一年度、可能であれば二〇一〇年度の上場が可能となるように準備は進めているところでございます。上場申請の時期については、通常、上場を行う年度に開催される定時株主総会終了後に行うこととされておりますが、その前年度の一月以降に予備申請を行う場合もあると考えております。

 いずれにいたしましても、金融二社の上場スケジュールは、市場環境や政府の御意向を踏まえて判断することとなります。また、持ち株会社の上場スケジュールは、これは売り出し人である政府の決定事項と考えております。

原口委員 西川社長、先ほどから私が質問しているように、役員でただ一人あなたが三つの大きな会社を兼職され、それで本当に上場なんかできますか。現場の声は社長に届いているんでしょうか。後でカードやJPエクスプレスの問題も議論をさせていただきますが、いつまで兼職を続けておられるつもりですか。それで部下の皆さんには厳しいコンプライアンス、厳しいコスト意識、厳しいお客様意識ということをおっしゃる資格があるんでしょうか。速やかに兼職をおやめになるというお気持ちはないんでしょうか。御自身の兼職について、自分だけは特別だからいいというふうに思っていらっしゃるのか、御認識を伺います。

西川参考人 お答えいたします。

 ただいまの兼職は先ほどお答えいたしました三社でございますが、いずれも私の日本郵政における業務に支障のない範囲で必要な活動を最小限で行っておるということでございます。

 その三社につきましては、それぞれ事情がございまして、銀行退職時から、あるいはその退職の前から、ぜひにということで御要請のあったものでございまして、私も、先生がおっしゃられますように、この日本郵政株式会社の仕事をしている限りは、なるべく早く兼職をなくしたいと考えております。もうしばらく、先方の事情もございますので、お時間をちょうだいしたいと思っておるところでございます。

原口委員 この質問が最初の質問だったら、今の答弁で私は了といたします。しかし、社長は何回もこれは指摘をされておる問題だということを申し上げます。

 また、先ほど日本郵政のチーム西川のトップにお名前が出ました横山専務は三井住友銀行の社宅にお住まいだということで、まさにゆうちょ銀行を所管する日本郵政としては、これは利益相反に当たるのではないか。あるいは、住友銀行からすると、さまざまな物件が住友グループへ行っている。西川社長、この間も私たちは池袋の旧簡保健診センターを視察してまいりました。そこも住友不動産とのお話でございます。

 やはり李下に冠を正さずということで、きょうは横山専務はお見えでございますか、お願いをしていたと思うんですが。ぜひお見えいただけませんでしょうか。こういうことなんですよね。

 きのう出された書類についても、まさに国民共有の財産という認識がなかったということが一番問われているわけです。しかし、この間萩原先生が質問をされて、管理契約書というのを西川社長が開示をしていただきましたが、日本郵政の経営理念あるいは基本方針の中に、みずからがみなし公務員であり、そして国民共有の財産を預かっているという認識は書かれていないんでしょうか。当然その中にあるべきじゃないかと思うんですが、西川社長、いかがですか。

西川参考人 確かに、国民共有の財産ということについては経営理念には書かれておりませんが、不動産売却ルールの整備等におきまして改めて国民共有の財産という認識をはっきりとさせまして、それに応じた透明性や適切性を確保してまいりたいと考えておるところでございます。

原口委員 全部口頭なんですよ、西川社長。後で申しますけれども、かんぽの宿の一括譲渡に関しても、我が委員会に出されていた最終審査報告書、これは後からつくったものだったんじゃないですか。私たちは十二月三日に審査された資料を出してくださいということをずっとお願いして、はい、これですと私たちに出されていたんですよ。違うじゃないですか。皆さんがお出しになったのは、後でメリルリンチがつくった資料じゃないですか。当時の審査員はその資料を見て審査していないじゃないですか。

 西川社長、なぜ私がこんなことを申し上げるかというと、処分規約もない、あるいは理念の中にも国民共有の財産というものがない、やはり明記すべきじゃないんですか。そして、しっかりとしたコンプライアンスを保つためには、後からだれが見ても疑いのないような入札を行う、疑いのないような行動を行う、疑いの挟まれないような記録をとっておく、これが当たり前のことじゃないですか。国民共有の財産であるというものを基本理念の中に入れるおつもりはないですか。再度お尋ねをいたします。

西川参考人 お答えいたします。

 国民共有の財産であるということを確かにグループ経営理念には盛り込んでおりませんが、今回の業務改善命令や国会におけるさまざまな御指摘を受けまして、厳しい反省の上に立って、当グループの経営管理契約中の基本方針の一つとして、日本郵政グループ不動産に関する基本方針を改善、是正措置の一環として「国民共有の財産」の言葉をそこに盛り込んだ次第でございます。

原口委員 ぜひ経営理念の中にしっかり入れて、金融庁にも後で松野先生からもお話があると思いますが、国税は来られていますね、こういうまさに上物の譲渡をして土地の価格を安くしていいんだったら、幾らでも税金逃れができるというふうに思いますが、質疑の時間が終了いたしましたので、後ほどこの問題については伺いたいと思います。松野先生にバトンタッチします。

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、行政機構及びその運営に関する件、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長西川善文君、取締役兼代表執行役副社長高木祥吉君、専務執行役米澤友宏君、専務執行役佐々木英治君、専務執行役藤本栄助君、専務執行役伊東敏朗君、常務執行役妹尾良昭君及び執行役清水弘之君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局総括審議官菊地敦子君、内閣府官民人材交流センター審議官平山眞君、金融庁総務企画局審議官岳野万里夫君、総務省人事・恩給局長村木裕隆君、情報流通行政局郵政行政部長吉良裕臣君、財務省理財局次長中村明雄君、国税庁調査査察部長岡本榮一君及び国土交通省大臣官房審議官内田要君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野頼久君。

松野(頼)委員 済みません。また再び質疑をさせていただきます。

 前回の委員会で、その議事録を二枚目につけてあるんですけれども、民営化前の物件、不動産の売却に関して西川社長及び横山専務はかかわっていたんですかということを伺いました。明確な答弁がなかったので委員会がとまったんですけれども。

 議事録にあると思います。まず、上から二段目に寺崎参考人は、「西川社長はその不用の決定というものにつきましては基本的にはかかわっていないと記憶しております。」そして、その下、再び寺崎参考人は、「かかわっていないと記憶しております。」また次、「大半の物件につきましては、平成十八年度に不用決定をしてございます。」こういうふうに何度も御答弁をされたんです。

 二枚めくって、4をごらんください。こういうペーパーがきのうの夜出てまいりました。これを見ていただくと、かかわっているじゃないですか。「民営化前における新たな土地・建物の処分等について」で、日本郵政公社の施設部門岡田さんに対して、日本郵政株式会社、これは民営化前の準備会社の執行役員の横山さんが、下記の物件に関しては「公社期間中に整理されるようお願い申し上げます。」という指示の文書を出しているじゃないですか。その文書が十九年の一月十六日に出されている。

 一枚めくっていただきたい。一月二十二日に今度は経営委員会が開かれて、このときの議事録を出してくださいと言ったんですけれども、議事録はありません、これだけですということで出てきたのが五枚目の紙です。そして、実際、その指示書どおりの資産の売却が行われているんですよ。

 これは民営化前の準備会社に対して、民営化法では、3につけてありますけれども、四十八条の一号で実施計画の作成は認めているけれども、公社に対してこれとこれとこれの物件は売ってくださいとかいう指示を出すことは法律で認められていないんじゃないですか。あのときの、前回の委員会の答弁とも全く違うじゃないですか。「かかわっていないと記憶しております。」「大半の物件につきましては、平成十八年度に不用決定をしてございます。」というのは、この指示の文書が出た後、二十二日に初めて不用決定をしているんですよ、指示を受けた形で。これはおかしくないですか。ちょっと御説明いただけないでしょうか。前回の答弁と全く違うと思いますよ。お願いします。

藤本参考人 お答えいたします。

 どういう分野で日本郵政株式会社が不動産の売却あるいは処分等にかかわってきたかというお尋ねでございました。

 先生今お尋ねの中に、実施計画の作成は日本郵政株式会社が行うけれども、不動産の売却については権限がないのではないかという御指摘がございました。

 その点でございますが、確かに、法律上、日本郵政株式会社が実施計画をつくるわけでございますが、これは資産、負債の承継の実施計画でございます。その前提といたしまして、どういう資産が最終日本郵政株式会社に承継されるのかということは、これは法律上の大きな関心事項でございますので、平成十九年の初め、一月ごろの時点におきましては、大方日本郵政公社の方で不動産についての意思決定は終わっておったわけでございますが、なお少し意思決定が済んでいなかったものもあったものでございますから、その辺を含めて日本郵政株式会社は何を承継すべきかという観点から、日本郵政公社の方のそういった残された、決定が済んでいなかった資産につきましてのいわば問いかけに応じまして、一緒に、何を残すべきか、何を処分すべきかについて検討したという経過でございます。

松野(頼)委員 その前に、かかわっていないと言っていた答弁に関してはどうなんですか。お答えいただけないでしょうか。

藤本参考人 前回の御質問の趣旨でございましたが、かかわっていないのではないかというふうな若干不確定的なことを申し上げたわけでございますが、それにつきましては、何を不用決定するのかということ、これ自体は公社のことでございますし、何をどういう形で売却するかにつきましても公社の決定事項でございます。そういったことにつきましてはかかわっていないという認識で答弁をしたものと考えております。

 ただ、調べてみますと、処分決定に至る経過におきまして、承継すべきものの前提となります物件について、意見を日本郵政株式会社の方からいただいているということがございました。(松野(頼)委員「かかわっているじゃないですか」と呼ぶ)そういう意味では、承継資産の確定という意味でかかわっているということでございます。

松野(頼)委員 いや、承継資産の確定じゃなくて、早く売ってくれとかかわっているじゃないですか、横山専務名で書類を出しているんですから。十年前の書類で言っているわけじゃないですよ、平成十九年度の書類ですよ。かかわっているじゃないですか、現に。

 実際、この物件は西川社長が公社の総裁になられた十九年度四月一日から十九年度九月までの間に売却されているんですよ。今度は、これは西川社長が公社の総裁時代に売却しているんですよ、こういうふうに要求しておいて。公社の決定だというふうに言っているけれども、西川社長が公社の総裁になって売却しているんです。

 まず、前回のこの質問に対しての答弁。西川社長及び横山専務は民営化前の不動産の売却にかかわっているんですかと私は聞いたんです。そうしたら、かかわっていないと記憶していますとさんざん答弁して、委員会がとまったんじゃないですか。実際、出てきた紙を見たら、横山専務名で、ちゃんとこれだけの物件は売ってくださいよということを指示しているでしょう。もう一回、前回の答弁についてきちんとお答えください。

赤松委員長 藤本執行役、前回寺崎参考人が、「正確なところは改めて御報告させていただきたい」、こう言っておりますので、それに応じて、御報告をしっかりお願いします。

藤本参考人 前回の議事では、西川社長の方から、「既に私が総裁に就任する前に決定をされておったものが実行されたものであるというふうに聞いております。」という発言でございました。また、寺崎参考人の方からも、「基本的にはかかわっていないと記憶しております。」という答弁でございまして、若干不確定なところがございました。それにつきまして帰りまして調べました結果が、そのとおりでございます。

 それから、先ほど先生お示しの資料の4、日本郵政株式会社から日本郵政公社に対して出された「(依頼)」と書いてある文書でございます。

 これは依頼という形になっておりまして、必ずしも指示というものではないのでございますが、その前提といたしまして、先ほども私申し上げましたように、処分につきまして若干不確定なものが残っておりましたので、これらにつきましては、十九年の一月でございますので、四月中には承継の実施計画をつくらなければいけないという日本郵政株式会社側の法律上の義務がございました。それを全うするために、何を承継し、何をその裏として処分するかということについては決めなければいけない立場にあったものですから、公社ともどもそのことを検討する場があったわけでございます。(発言する者あり)いや、わかりません。きょうといいますか、調べて初めてわかりました。その結果といたしまして、公社といわば協議をいたしまして、何を残すかというのを決めたわけでございます。

 ちょっと長い答弁で恐縮でございますが、この中で、日本郵政側から積極的な判断としてあったのは、札幌郵便貯金会館、これは(1)の早期処分の中の一件でございます。そういうものを……(発言する者あり)

赤松委員長 やじは、不規則な発言はしないで。(松野(頼)委員「細かい物件はもういいですよ、説明しなくて」と呼ぶ)

藤本参考人 今申し上げたとおりでございます。

赤松委員長 では、ちょっと速記をとめて。

    〔速記中止〕

赤松委員長 それでは、速記を起こしてください。

 日本郵政株式会社藤本専務執行役、先ほど来の指摘について、丁寧に、明確に、落ちついて答弁をしてください。

藤本参考人 前回の答弁におきまして、記憶がはっきりしないというようなことを申し上げたり、あるいは、基本的にはかかわっていないのではないかということを申し上げております。

 その点につきましては不正確でございまして、実際上は、ここにございますように、日本郵政株式会社は、残された案件の処分等の意思決定について、日本郵政公社と共同でございますけれども、かかわっておったということでございます。

松野(頼)委員 この書類を見ていただくと、日郵第一八―四七〇号という正式な書類なんですよ。こういう書類を保存していないんですか、日本郵政は。

藤本参考人 お答えいたします。

 以前も何遍かお答えいたしましたが、分社化等によりまして、所管の部署が幾つかに分かれてございます。そういう点で、保存しておる文書につきましても、それを捜し出すのに若干時間がかかるというのもございまして、これもそれでございます。まことに申しわけないと思っております。保存はいたしております。

松野(頼)委員 民間の企業でも五年間の書類の保存義務というのは当然ついてくるんですね。まして、これは正式な文書なんですよ。

 前回ここで、後で調べて御説明申し上げますと言いながら、全くナシのつぶてですよ。説明に来るわけでもない。きのう、質問の前に、私がこの書類はあるんじゃないですかと言って、きのうもまた捜してみますと言って、ようやく、言って言って言って出てきた書類じゃないですか、これは。なぜそんなに隠すんですか、かかわっていたことを。お答えいただけないでしょうか。

藤本参考人 お答えいたします。

 隠すという意思はございませんで、先生がお示しの6の資料、これは一月二十二日の日本郵政公社側における土地処分等についての案件の資料でございますが、そこの経過にもございますように、「日本郵政(株)より、公社へ追加の処分等の依頼」というのがございまして、このこと自体は明らかになったわけでございますけれども、それに対応する日本郵政側の文書というのがなかなか見つからなかった、そういう事情でございます。

松野(頼)委員 こうやって正式文書で指示をする権限は準備会社には与えられていないと思いますよ、民営化法上。

 まあいいや、それは押し問答になるので。次の議題をやりたいと思います。

 10までめくってください。これが日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画。要は、こういう不動産はどこの会社に帰属させましょう、こういう不動産はどこの会社に帰属させましょうという書類であります。

 「日本郵政株式会社に承継させる資産」の1に、病院、郵便貯金法第四条第一項に規定する施設及び簡易生命保険法第百一条一項に規定する施設及びその不動産というのが承継計画なんですね。

 この間、私どもが野党三党で視察に行きました池袋の東京簡易保険総合健診センター、これは病院ですね、当然。病院じゃないんですか。

藤本参考人 お示しの10の2の1の「資産」でございますが、今ここに「病院」と言いますのは日本郵政公社が持っておった病院でございまして、先生お話のございました、池袋の施設だろうと思いますけれども、あれは簡易生命保険法の施設でございまして、健康増進施設だったというふうに思っております。

 ですから、この類型でいいますと、病院ではなくて、簡保法第百一条第一項の規定というふうに考えております。

松野(頼)委員 保健所に何と届け出をしていますか、ここは。病院の届け出をしていませんか。当然診療所の届け出をしているんじゃないんですか、保健所に。

藤本参考人 この施設は、簡易生命保険法上の、旧簡保事業団の施設でございますが、人間ドック等の業務を行っておりました。そういう点において、保健所の届け出を調べないと確たることは言えませんが、恐らく届け出をしておったのではないかというふうに推測されます。

 しかし、類型からいいますと、この病院ではなくて、百一条の方でございます。

松野(頼)委員 保健所に聞きましたけれども、届け出されているんですよ、ちゃんと。

 それはもうあれにしても、いずれにしても、これを局会社に分けたんですね、局会社に。おかしいんじゃないですか、これを局会社に分けるのは。日本郵政株式会社に承継計画上は渡さなきゃいけないのを局会社に渡して、これの信託受益権の七〇%を五十億円で住友不動産に売却されているんですね。

 もう一個めくってください、十二ページ。福岡の薬院用地、これも郵便局会社に承継させる土地の中に承継計画では入っているんですね。だけれども、旧福岡郵便貯金会館の土地、いわゆる、さっき申し上げました郵便貯金法に基づく施設だから、これも日本郵政株式会社、いわゆる持ち株会社に渡さなければいけないんですよ。

 その下に、東池袋の、今申し上げた、この間視察をした土地が書いてあるんですが、旧簡易保険総合健診センターという名前じゃなくて、東池袋四丁目施設という、何かごまかしているような名前で書いているんですね。これはそもそも局会社に渡すべき物件ではないと私は思うんです、先ほどの承継計画を読んでいただければ。

 今御答弁いただいた簡易保険法に基づく施設であろうとも、これは日本郵政に引き継ぐ資産ですよということで承継に関する実施計画では区分けをされているわけです。なぜこれを局会社に渡したんですか。これは承継計画違反じゃないですか。

佐々木参考人 先生今御指摘の旧東京簡易保険総合健診センターにつきましては、日本郵政公社におきまして、平成十八年の二月に将来の採算性が見込めないことを理由に施設等の廃止を決定して、平成十九年の七月に営業を終了しております。

 このため、この旧センター施設につきましては、当時の準備企画会社の日本郵政と連携をとりつつ、公社において承継先を検討した結果、不動産開発を行う用地として郵便局会社に承継させることとしたものでございます。

 それを受けまして、日本郵政は、日本郵政公社から承継する資産を定める日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画、いわゆる実施計画でございますが、それを定めまして、平成十九年四月二十七日、内閣総理大臣及び総務大臣に認可申請をし、同年九月十日に内閣総理大臣及び総務大臣の認可をいただいたところでございまして、この認可をもちまして、旧東京簡易保険総合健診センターを郵便局株式会社に承継させることとなったというふうに理解しております。

松野(頼)委員 いいですか、実施計画は日本郵政株式会社法の附則で書いてあるんですよ。法律から落とし込んだ実施計画なんですね。これに明らかに違反をしているんじゃないですか。

 なぜ病院及び簡易保険施設でありながら局会社に持っていくんですか、これを。おかしいじゃないですか。簡易保険法に定める施設及び病院は日本郵政株式会社に承継させると書いてあるんですよ。廃止をしたからもう事業じゃないんだとおっしゃるかもしれないけれども、その「施設に係る不動産」とちゃんと書いてあるんですよ、不動産も。

 こんな自分たちの勝手な都合で法律を無視して、これは局会社に持っていくんだ、これは日本郵政、持ち株に持っていくんだと。これはおかしいと思いますよ。少なくとも附則の二条から落とし込んだ実施計画というものに違反をしているというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。

佐々木参考人 民営化時の資産の承継につきましては、民営化基本法の、ちょっと条文の数は忘れましたけれども、承継計画におきまして、その資産の行き先を定めるという基本原則があったと承知しておりまして……(松野(頼)委員「法律ですよ、法律」と呼ぶ)法律がございまして、それに基づいて、承継計画においてその資産の行き先を定められたということでございます。

 その承継計画の中に、今の東池袋四丁目のは局会社に帰属すると……(松野(頼)委員「書いてないじゃないですか、承継計画に。局会社に行くなんて」と呼ぶ)別表の方にきちんと、今先生の資料にありましたところに定めておりまして、表のところは、表といいますか、概要のところは全部の施設を挙げているわけではないということでございます。

松野(頼)委員 だから、これは総務大臣が認可したんだから、総務大臣がこの法律に違反しているということですよ。

 もう一件ありますよ。もう既に売却しちゃったものが承継計画の中に入っていて、それも承認しているんですよ、大臣。

 資料8を見てください。平成十八年十二月に売却しているにもかかわらず、別表の中に武蔵境の職員社宅というのが、十八年の十二月にもう売っちゃってなくなっているのに、次の年の九月の実施計画の許可の中に紛れ込んでいるんですよ。これは単純ミスなんでしょうけれども、もう売っちゃった土地を実施計画に入れて承認を受けているんですよ。

 私は、簡易保険の利用者の運用益でつくった施設が持ち株会社に行くのはいかがなものかと思う。だけれども、それは少なくとも法律にそう書き込んでやっているから、法律には触れていないわけですよ。国会として、その法律がもう通ったんだから、それはそれでしようがないと思うけれども、少なくとも国会として通した法律に対して行政が違う行動をしていたらば、私たちは国会で指摘するのが国会の責務でありますから、これは明らかに、承継計画、要は法律から落とし込んだ承継計画に違反をしているんですよ。

 書いてあるじゃないですか。これは日本郵政、持ち株会社に持っていくべき不動産であると。それを何で勝手に局会社に持っていって、五十億で売却しているんですか。

藤本参考人 お答えいたします。

 この承継の実施計画でございますが、私も先ほどの答弁で申し上げましたとおり、これは何か決まっておったものを履行するというものではございませんで、承継の実施計画そのものを日本郵政株式会社がつくるというたてつけになってございました。その中で、どういう資産をどういうふうに帰属させるのかというのは、日本郵政株式会社自身が案をつくりまして、それについて総務大臣の御承認をいただくということでございます。

 ですから、この本文と別表をあわせて読むということではないかと思います。

松野(頼)委員 いや、違いますよ。これは立法府で通した法律が日本郵政株式会社法ですよ。

 この法律に、承継計画において定めるところに従い会社が承継した整備法第二条の規定による廃止前の簡易保険法の施設、これをきちんと分けると。承継計画では、日本郵政に承継させる資産、郵便局株式会社に承継させる資産、郵便保険会社に承継させる資産、貯金銀行に承継させる資産、それぞれ実施計画を定めているんですよ。こういうものは持ち株に、こういう施設に関しては局会社にというのを定めているのがこの承継計画です。

 これは、法律から落とし込んだきちんとした計画なんですよ。別に日本郵政がつくったものじゃないんです。監督官庁がつくったものなんです。その計画に基づいて、別表をつけて、私どもはこれとこれとこれの資産はこういうふうに資産の仕分けをしましたということを総務大臣に認可をもらってから本当は売り始めなきゃいけないんですよ。そうでしょう。その手続の中で明らかに瑕疵があるじゃないですか。

 さっきおっしゃった簡易生命保険法第百一条に基づく事業及び不動産は、日本郵政株式会社に承継させる資産の中に入っているんですよ。なぜこれを局会社に承継させているんですか。実施計画違反じゃないですかということを私は言っているんです。

藤本参考人 先ほどもお答え申し上げましたが、この承継に関する実施計画の概要とございますが、もっと詳しいものもございますし、承継に関する実施計画そのものを日本郵政株式会社が作成したということでございます。(発言する者あり)もちろんそうでございます。

 その中に、この1にございますように、本社、病院、郵便貯金法あるいは簡保法に規定する施設に係る不動産という定義がございます。池袋の総合健診センターにつきましては、確かに、簡易生命保険法百一条の施設として運営されている限りにおきましてはこれに該当するわけでございますが、これは先ほどもお話し申し上げましたように廃止をいたしております。したがいまして、簡易生命保険法百一条の施設ではこの時点で既になくなっているという認識でございます。

松野(頼)委員 ここに「係る不動産」と書いてあるじゃないですか。事業をやめたからみたいな説明を前もしていましたけれども、係る不動産も日本郵政に承継させるように書いてあるじゃないですか、「係る不動産」と。事業をやめたって不動産が残っているんですよ。そうでしょう。これは明らかに実施計画違反じゃないですか。もう一回答えてください。

藤本参考人 日本郵政株式会社といたしましては、私が先ほど申し上げたような意識でこの計画をつくっておりますし、それを総務大臣から御認可いただいたものと認識をいたしております。

松野(頼)委員 これは大臣、監督官庁として、この実施計画に違反しているか違反していないか、きちっとチェックをしてください。

 これは、少なくとも大臣が認可をされたということなんです。もう既に売られちゃって、ないものまで書類に入っていて、大臣が認可しているんですよ、総務省として。それ自体、まあ、それは多分事務的な単純ミスなんでしょうけれども、そんなインチキな話は僕はないと思いますよ。ぜひ大臣、実施計画に違反しているか違反していないか、すべての物件をチェックしていただきますようによろしくお願いします。

佐藤国務大臣 事実関係が確認できていないところもございますので、今先生からの御指摘にございましたように調査をさせていただきたいというふうに思っております。また御報告をさせていただきます。

松野(頼)委員 質疑を終わります。どうもありがとうございました。

赤松委員長 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 先ほどの質疑に引き続き議論をさせていただきます。

 大臣、今回どういう処分をなさいましたか。まず、今回大臣がなさった処分についてお尋ねしたいと思います。

佐藤国務大臣 先ほどは失礼いたしました。

 私どもとしては、処分という観点では、会社側に促したということでございまして、私どもから処分についての発言はさせていただいておりません。

原口委員 そのとおりなんですよ。

 経営者としてのガバナンス、あるいは、先ほども、西川社長に何が問われているか、問うたことの書類がない、そして前の答弁が次の答弁では変わる、何を信じていいかわからぬというのが今の現状なんですね。

 引き続き大臣に伺いますが、先ほど西川社長に上場のスケジュールについて伺いました。本当にこんなことで東証が認めるとは思いがたいんです、経営の実態から見ても、ガバナンスから見ても、コンプライアンスから見ても。上場について、大臣の御所見を伺いたいと思います。

佐藤国務大臣 先生がおっしゃられる趣旨をよく踏まえた上で、私は、慎重に審議をすべきというふうに思います。したがって、株式のこと等々については、法律もございますので慎重に判断をさせていただかなければいけないとは思いますけれども、今先生のおっしゃられた趣旨は、私は理解をさせていただいております。

原口委員 そこで、お手元にお配りをした二ページ目をごらんください。これが、前回この委員会でも議論をいたしました日本郵政グループの経営管理契約です。

 二枚目、そして3をごらんになってください。これを拝見すると、3には、先ほど申し上げました「日本郵政グループの基本方針等」ということで、二十五にわたって基本方針が述べられています。それから、第五条においては「事前承認事項」ということで、各子会社に対して、こういうことを事前に持ち株の承認を受けなさいということが書いてあるわけです。そして、第七条においては「経営管理料」、本契約に基づき行う経営管理に関して甲に対して経営管理料を払う、つまり、甲というのは日本郵政、持ち株ですね、持ち株に対して子会社が経営管理料を払う。これがこの資料です。

 大臣、この資料をごらんになって、ここがみそだと思うんです。今まで、かんぽの宿の売却問題についても、先ほどの横山専務の要請文書もそうですけれども、持ち株がさまざまな子会社に対して指示をしている。持ち株の言うことを、持ち株の承認がなければ何もできない。持ち株が大きな責任を持っている。ところが、さまざまな不祥事の処分は各事業会社に行われている。持ち株については、経営者の責任を問う、あるいはその処分の規約すらない。このことについて大臣はどう思われますか。

佐藤国務大臣 会社側でございますけれども、今先生がおっしゃられたように、現在、四子会社の一〇〇%の親会社ということになります。日本郵政株式会社法第一条及び郵政民営化法第六十一条の規定によりまして、子会社の経営管理を行うことをその業務としていることから、子会社との間で経営管理のための契約を結んでいるというふうに承知をしております。

 西川社長の具体的な処分についてでございますけれども、自主的な判断として決められたものというふうに思いますし、いずれにいたしましても、会社側の判断が基本的に行われるべきものと私は考えております。

原口委員 いや、要するに、報酬の自主返納というのは処分には当たらないわけです。このようなガバナンスの状況で経営の健全性が本当に保てるのかということを伺っているわけです。

 西川社長、私は経営の神様と言われる松下幸之助さんに育てられました。経営の真髄は責任を明確にすることだ、それぞれの事業でそれぞれの人たちが人を生かすことだというふうに教わりました。人が生きていますか。承継計画ともずれが生じ、中期経営計画もできておらず、かんぽの宿を初めとした五回のさまざまな処分、業務改善命令まで受けておられます。これでガバナンスが十分だと大臣はお考えになったんですか。

 先ほど申し上げましたように、子会社との間の経営管理契約があって、さまざまなことが持ち株会社の許可を得ないと実施できないということになっている。このような管理契約で、大変大きな権力を振るっているその人たちが、本当にこれでガバナンスがきくと思っていらっしゃいますか。大臣の認識を伺いたいと思います。

佐藤国務大臣 もう先生御承知でお話をいただいているので、細かい話は申し上げませんが、いずれにいたしましても、西川社長の責任において一年以内に計画に講じられた措置が実施され、ガバナンスの強化が図られるというお約束をいただいたわけでありますから、私は、それを信じて今回の判断に至ったということでございます。

原口委員 西川社長、私たちが今ここで議論しているのは、それを裏づけるものを確認したいから議論しているんです。

 今も藤本専務がお話しになりましたけれども、この間の質疑で出てきた言葉と今回また違うんですよ。分社化がありました、ですから資料がどこへ行っているかわからない、そんな言いわけがきくでしょうか。外に対してコンプライアンスをはっきりさせるためには、資料が、どこに何があるかということを速やかに出せるというのは、基本のキ、まさに基本中の基本ではないかと思うんですが、西川社長の基本的な御認識を伺いたい。これからも、こういう質疑をするたびに、いや、捜したんだけれども資料はどこにあるかわかりませんでした、議事録はもうありません、そんな答弁が続くんでしょうか。

西川参考人 お答えいたします。

 ただいま原口先生おっしゃったとおりでございまして、いろいろな御指摘、御意見をちょうだいしております。それらを重く受けとめて、経営改善に努めてまいりたいと考えております。

原口委員 そこで、私はきょう、本委員会の理事会で強く抗議をさせていただきました。それが、皆さんのお手元の一番最後の資料でございます。

 これが、今回のかんぽの宿、なぜオリックス不動産なのか、なぜそこなのか、できレースではないかと前の大臣が言ったその審査というのは本当に適正だったのかという、今回のかんぽの宿問題のまさに中核と言われるものであります。

 この(3)に書かれている「事後的に作成された「最終審査表」」、これは総務省が日本郵政に対して業務改善命令の中で出した文章だというふうに思いますが、事実はこれで違いませんね。確認をいたします。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 この最初の括弧の中に書かれた事後的に作成された審査表、書かれているとおりでございます。

原口委員 西川社長、私はこの委員会で、この十二月三日の審査表を出してくださいということで何回もお願いして、そうですね、一月の予算委員会のときから、もう今六月ですから。

 それを目にして、不思議なことがいっぱい書かれていました。ひょっとすると、これはバックデートした、つまり後から後づけで書いた資料じゃないんですかということも聞きました。そのたびに、いや、適切にやっていますというお答えでありました。

 この指摘に対して、「最終審査(十二月三日)においては、資料なしで五人の審査者により話し合いが行われ、」このうちの一人は、相手のオリックス不動産とつくる子会社の副社長になるというお名前が入っていました、「優先交渉先をオリックス不動産(株)に選定。「最終審査表」は、その後、メリルリンチ日本証券(株)に作成させたものであり、最終審査」つまり「(十二月三日)時には使用されていないもの」、こう書いてあるわけです。「評価項目ごとの評価は行っていない」と。行っていないのに、なぜオリックス不動産に決まるんですか。

 その答えが「当社の認識」ということであります。

 私は、「当社の認識」の中に、いや、総務省が言っているのは間違いだ、ちゃんとそのとき審査表がありましたという答えが返ってくるものだと思っていましたら、そうではなくて、最終審査結果表をまとめたのは総務省が言ったとおりだったじゃないですか。これでどうやって入札と言えるんでしょうか。これはだれがどう説明するんですか。今までこの委員会で皆さんが言ってきたことと全然違うじゃないですか。

 私たち全員を誤解に導く答弁をしてきたことについて、西川社長、どのように弁明されますか。

佐々木参考人 ちょっと経過について御説明をさせていただきます。

 今先生御指摘の最終審査表ということでございますが、私ども、最終審査につきましては、それまでの各買い手候補者とのやりとりとか、あるいは提出されました提案書、契約書案等に関する各評価者の総合的な判断として、協議によって意向集約を行って結果を得たわけでございます。最終審査結果表というのは、その意向集約の結果を記載するという形で取りまとめられたものでして、この点に関しましては、事後的につくったんじゃないかという点ではそうでありますが、私どもとしては、意向集約は協議の形でとり行ったということでございます。

 それから、ここで指摘されております議事録等の作成がなされていないという点については、やはり適切でなかったということで、今後、そういう点については気をつけていきたいということでございます。

原口委員 西川社長にお伺いをしています。

 事後的につくったなんというのは、今初めてここで出ているじゃないですか。十二月三日の審査の中には、審査表をもって審査をしていないということではないですか。今まで皆さんが言ってきたことと違うからお尋ねをしているわけです。国会の答弁とは、そんな軽いものですか。

 皆さんが十二月三日にお使いになったという審査表は、使われていなかった審査表だったんじゃないですかということを聞いているんですよ。そして、今お認めになるわけですね、その審査のときにはその審査表は使っていないと。事実だけお答えください。

佐々木参考人 ただいま御答弁申し上げましたように、審査表をもって審査をしたということではなくて、協議をもって意向集約をした、その結果を審査表に取りまとめたということでございます。

原口委員 では、私たちに出してきた審査表というのは一体何だったんですか。オリックス不動産に決まったということを後づけで説明するための資料としか思えないじゃないですか。

 では、そのときの議事録を出してください。協議の内容を出してください。

佐々木参考人 先ほども御答弁申し上げましたように、私どもといたしましては、協議という形で意向集約をし、それで、その意向集約の中身をいろいろな要素ごとに取りまとめたものが最終提案書審査結果表でございます。

 それから、議事録の話につきましては、先ほど申し上げましたように、そういう点の議事録をきちんと残していなかったということについては第三者検討委員会でも御指摘をいただきまして、そのあたりについては、今後きちっと残すべきだと考えておるところでございます。

原口委員 何をおっしゃっているかおわかりですか。

 そのときに、審査の評価もしていない、協議をしたと。では協議の中身を出してくださいと言ったら、それはありませんと。結果だけが後からつく。しかもそれは、皆さんがおつくりになったんじゃなくて、メリルリンチ日本証券に作成させたものでしょう。どうやって部内の審査の結果をメリルリンチが知るんですか。審査員というのは、日本郵政の中でされたんでしょう。おかしいじゃないですか。小学生が聞いても明らかにおかしいことを今答弁されているんですよ。

 もう結構です。これだけに時間をかけるわけにいきません。

 今回の審査そのものが極めて不適切、そして極めて疑惑の多いものであった。そして、国会については、今まで審査表でもってやってきたなんということを言っていたけれども、それも後づけで、よその会社につくらせたものだった。西川社長、これはお認めいただけますね。

西川参考人 お答えいたします。

 メリルリンチ日本証券が最終審査表をつくったということでございますが、それは、社内における協議を十分に彼らが聞き、そして、自分たちで記録すべきは記録してそれをまとめたということだと私は思います。勝手にメリルリンチ日本証券がこういう最終審査表としてつくれるものでは決してないと思います。

 以上でございます。

原口委員 それは不思議ですね。

 そうすると、その五人の中にメリルリンチ日本証券は入っていたわけですね。会議録もなければ何もない。どうやってメリルリンチが知るわけですか、その審査の中身を。同じ日に出しているわけでしょう。つまり、もう結果が見えていたんですよ。審査なんかやってはいないんですよ。

 どうやって知るんですか。十二月三日にメリルリンチ証券が審査表を出して、そして、優先交渉権をオリックス不動産に与えているわけでしょう。違いますか。

佐々木参考人 最終審査の五人の中には、メリルリンチの者はおりません。私ども日本郵政の内部の者でございます。

 メリルリンチがその場で同席していたのかどうかちょっと定かでありませんが、こういう協議の結果、意向としてはこうだという結果をお知らせして、要素別に最終審査提案書という形でまとめていただいたという経過でございます。

原口委員 そうですか。ということは、五人で審査をして、口頭で、こうこうこうでしたということを報告したわけですね。だって、書類はないんでしょう。極めて不適切で、だから前の大臣ができレースと言うんじゃないですか。

 総務大臣、今のやりとりをお聞きになってどう思われますか。この十二月三日に何が起こったと思われますか。もう最初から審査表はできていたんですよ。

佐藤国務大臣 今の先生のお話を伺っておりまして、やはり完全にこれは白だという話ではないような気がいたします。

 そういう件も含めて、西川社長においては、一年間の中でそういうものをしっかりと明らかにするというお約束をしているわけでございますので、私どもはそれを信じて、報告をしていただきたいというふうに思っております。

原口委員 漠然とした、信じているだけじゃ無理ですから、メリルリンチ日本証券に対して五人の審査員から出たペーパーがあるはずです、そんな口頭でなんかできやしませんから、それを出してください。議事録もない、協議録もない。だから後からつくらなきゃいけなかったんじゃないかということを強く申し上げておきます。

 さて、国税庁に来ていただいています。国税庁に伺います。

 不動産の鑑定価格が約八百億。個別具体の事例についてはお答えいただかなくて結構です。例えば百という価値のある不動産、これを事業譲渡だといって十分の一で売る、こんなことを許していいのであれば、それは事業譲渡という譲渡の仕方もあるでしょう。しかし、国税上はやはり、不動産の価格、路線価格、さまざまな価格をしっかり反映して課税をする、これが基本であるというふうに思いますが、国税の方の基本的な認識を伺いたいと思います。

岡本政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論といたしまして、法人が、その保有する資産を時価よりも低い価格で譲渡した場合の税務上の取り扱いでございます。

 売り手であります法人につきましては、その譲渡価格と時価との差額は原則として寄附金の額に該当し、損金算入限度額を超える部分の金額は損金の額に算入されず、法人税の課税対象となります。

 また一方、買い手側につきましては、時価と購入価格との差額は、原則として、買い手側が法人である場合には、益金の額に算入され法人税の課税対象となり、買い手側が個人である場合には、総収入金額に算入され所得税の課税対象となります。

 いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、個々の事実関係に基づき、法令の規定等に照らして適正に取り扱うこととしております。

原口委員 今、明確なお答えをいただきました。つまり、今回、八百億というような不動産価値のあるものを百八億で売買する、その差額については今お話しのような課税の仕組みが動いてくる。これは当たり前のことで、日本郵政だから特別であるとか、ほかの会社だから別のルールが当てはまるというものではない、税というのはすべてに対して公正であるべきものだということを指摘しておきたいと思います。

 また、ちょっと大臣が早くお出になったので、日本郵政の幹部で三井住友銀行の社宅に住んでおられる方がおられる、これは利益相反ではないかということをずっと議論してきました。

 大臣は、先ほどの御答弁でチーム西川の四名の方を明らかにしていただきましたけれども、この四名の方がどこが問題でお帰りになるべきだと。このお帰りになるという答弁自体、私は認めにくいと思います。

 郵政民営化のときに、さまざまな会社から来られて、その会社と利益相反する形、あるいはそこの利益に沿うような形になってはならない、だから出向者についてはそれはない、あるいはお戻りになる方はないという答弁をいただいています。

 チーム西川のどこがおかしいと思って大臣はそのようなことを西川社長におっしゃったのか、お尋ねをしたいと思います。

佐藤国務大臣 この四人の方々というのは、先生方のいろいろな御指摘の中でいろいろな問題を指摘されました。したがいまして、細部にわたっては、もしあれでしたらまた後で御報告しますけれども、国民から見てどうしてもわけのわからないこと、不透明なことが行われているとの疑いがある以上、私は、やめていただくべきではないかなという判断を西川社長にさせていただいたということでございまして、そんなことから申し上げたということでございます。

原口委員 先ほど松野先生が御指摘なさいました東池袋の総合健診センターについても、なぜ持ち株でなくて局会社が対応しているのか、そして住友不動産がその一定の持ち分を、だれがどのように決めたのか、これもわかりませんでした。

 また、クレジット関連について言うと、西川社長、日本郵政のデータ管理というのは一体どうなっているんだろうか。これまでのいわゆる共用カード時代のクレジットカードが九百万枚ぐらいあった。今、それが一体幾らぐらいに減っているのか。そして、一位から八位まで評価をして、なぜ一位と三位が入って二位は抜けているのか。そのことを聞いても、なかなか明確な答えが返ってきませんでした。三井住友カードに業務委託をし、年間手数料をこれまで五十億円ぐらい支払って、今赤字になっている。カードは最初の三年ぐらいは赤字ですから、赤字がすべて悪いとは私は申しません。しかし、なぜこのような形になっているのか。

 また、今回、JPエクスプレス社、大臣、これはたしか、条件つき認可ということで、六月末に基本的な方向が出てくるんじゃなかったのでしょうか。きょうはもう六月三十日ですが、大臣のところには。

 このJPエクスプレス、これはなぜ分社化しなきゃいけないのか。持ち分比率で郵便事業が六六%、日通が三四%。その間にどんどんお客さんは、事業会社、今まではいわゆる宅配便事業というものがあったわけですけれども、それから抜けて、一、二位の運送会社に持っていかれているのはなぜなのか。その辺、大臣の御認識を伺っておきたいと思います。

佐藤国務大臣 先生御指摘のございました事柄につきましては、部分的に説明を受けている段階でございまして、具体的な内容についてはまだ報告を受けておりません。

原口委員 西川社長、本当にそれで大丈夫ですか。十月一日からこの子会社は本格的にさまざまな業務をやっていくんでしょう。これは本当に、なぜ分社化しなきゃいけませんか。なぜペリカン便との統合をしなきゃいけませんか。

 利用者の利便性を低下させたり業務運行に支障を及ぼすような経営形態を選択したのではないかという疑問をぬぐえないでいるんですが、こういう経営形態を選択し、今の大臣の御答弁によると、まだ部分的な御説明しかされていないと。これはそうだったですか。六月末までにさまざまな基本的な御説明を総務省になさるということだったんじゃないんでしょうか。

 大臣の御認識を伺いたいと思います。

佐藤国務大臣 六月までの報告を求めているわけではございませんが、十月ということになれば当然、今先生御指摘のようにいろいろな話があってしかるべきではないかなというふうに私個人は思います。

原口委員 現在、郵便事業は、認可条件を満たすように統合計画の見直しを行っていらっしゃるはずなんです。その統合計画の見直しが七月を目前にした今出ていないということが本当に大丈夫なのか、郵便業務の収支面、業務面へのマイナスの影響が生じることがないように調整できるのかということを伺っているわけです。

 さらに言うと、役員の兼職については、先ほど西川社長にお伺いしましたが、IT関連の役員についても子会社から顧問料が出ているんじゃないですか。これはおかしな話じゃないですか。これは事務方で結構ですからお答えください。

佐々木参考人 先生今御指摘の件はシステム部門の常務執行役の関係かと思いますが、この者につきましては、グループのCIO、チーフ・インフォメーション・オフィサーといたしまして、グループ全体のシステム戦略やグループ全体に共通するシステム設計等の役割を担っております。それに加えまして、各社にいるシステム担当役員から各社の個別のシステムに関する相談を受けたり、アドバイスを行うことを顧問としてお願いしております。

 ただ、各社との顧問契約につきましては、これまで一年間の実績を踏まえて、現在、見直しの方向で検討中でございます。

原口委員 西川社長、ここは、ITの専門家を本格的に入れるとなったら、恐らく今の日本郵政の規約ではお給料が足りなくて、そしてまともに来てくれる方もいらっしゃらないのかもわからない。だから、顧問料そのものが悪いとは思いません。しかし、どういう戦略で、何をもってやっていこうとしているのか、しっかりと説明がつくようなことをやってくださいということを申し上げておきたいと思います。

 JPエクスプレスについて最後にお伺いをしたいと思いますが、事業会社としては、いつごろ総務省に統合計画の説明をされるのか、そして今の実態をどのように考えていらっしゃるのかを伺って、質問を終えたいと思います。

伊東参考人 お答えいたします。

 先ほど委員から御指摘がございました、この三月末に郵便事業会社の事業計画を総務大臣から認可いただくときに認可条件がつきまして、先ほど委員からも御指摘がありました利用者利便の確保とか郵便事業への影響とか、そういう点について十分検討した結果、統合計画が固まった段階で変更認可申請をするようにということでございます。

 そこの中では、特に期限はございません。しかしながら、十月一日を郵便事業会社は目標にしていますので、それまでの準備とかいろいろ考えますと、可能であれば今月末ぐらいを目途に検討してまいったことは事実でございます。しかしながら、現在まだ総務省と調整がついておりませんので、でき得れば来月中にも認可申請をしたいと考えているところでございます。

 今御指摘がございまして、そういう調整が予定どおりいっていないことによって、十月一日、大丈夫なのか、あるいは郵便事業への影響がないような計画が立てられるのかという御指摘につきましては、もともとの認可条件がそういう点を十分に踏まえて行うということでしたので、先生御指摘の懸念がないように事業計画をつくるようにしたいと思っているところでございます。

原口委員 西川社長に最後に申し上げます。

 やはり経営は結果の責任を問われると思います。その結果の責任について真摯に向き合っていただきますように。私たちも、国民から負託をいただいてこの国会に来させていただいています。国民の郵政事業における権利を保障するためにこれからも活動していきたいということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、小川淳也君。

小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。

 時節柄、取り決めによりまして、ネクタイと上着の着用を御容赦いただきまして質疑に立たせていただきます。委員長にはお許しをいただきたいと思いますし、また、大臣、西川社長初め御当局の皆様にも、どうぞ遠慮なく上着の脱着を御自由にしていただければと思います。

 きのう株主総会を終えたということで、西川社長には、私どもの立場から申し上げますと形式的にならざるを得ませんが、続投にお喜びと御慰労を申し上げたいと思います。

 その上で、この問題、大変明暗を分けました。佐藤総務大臣に冒頭お尋ねいたします。

 西川社長の交代を主張された鳩山前大臣は、辞任という大変重い処遇を受けられたわけであります。西川社長はこういう形できのう続投が決まりました。この間の経過を閣内におられてどうごらんになりましたか。御自身の共感はいずれの側にありましたか。

佐藤国務大臣 鳩山大臣に関しましては、本人から直接伺ったということではございませんので、私からどうこう申し上げるべきものではないのかなというふうに思います。また、閣内にあってどう感じたかということに関しましても、今私が申し上げるべき話ではないのかなというふうに思いますので、御勘弁をいただきたいというふうに思います。

小川(淳)委員 お立場からすればそのようなお答えにならざるを得ない点は理解をいたします。

 私は、ずっとこの総務委員会で鳩山前総務大臣といろいろな議論をさせていただいてまいりました。その間の所感から申し上げますと、非常にメディアの耳目を集める方、集める方へと言動の流れやすい方だったというふうに拝見をいたしております。一方、西川社長は、この間さまざまな御答弁の中で、事の公益性に対する認識については御自身の認識不足を間々吐露されておられる。この両者を拝見いたしますと、ともに言い分があったのが今回の事の経過であり、てんまつではなかったかと思います。

 そこで、大変出過ぎたことを申し上げますが、やはり問題は麻生総理大臣のリーダーシップ。ここまで事がこじれる前段階で、事の重大性なり、またこじれた場合の影響の大きさなりをしっかりと予見なさって、早期の段階でしかるべき手だてを打たれるべきではなかったか。それがこの間の問題に対する私自身の所感であります。大変恐れながら申し上げさせていただきます。

 あわせて、西川社長に簡潔に御報告をいただきたいと思います。昨日の株主総会はどのような場でございましたか。時間、質疑の内容、また御自身が受けとめられた所感を簡潔に御報告いただきたいと思います。

西川参考人 お答えいたします。

 株主総会は約二十分ないし二十五分程度でございましたが、私から、事業の概況等の報告、通常定められたものについて御報告を申し上げました。これに大部分の時間が割かれたかと思います。あとは、決議事項としては一件でございました。日本郵政の役員人事、これは九名の取締役全員が再任ということを御提案申し上げ、そして株主の御同意をいただいたということでございます。

 その中で特に株主から御指示があったのは、かんぽの宿等の譲渡問題につきまして、総務大臣から厳しい御指摘をいただき、改善命令をちょうだいした、そしてそれに対する改善、是正措置を講ずるということをお約束したわけでございます。これを着実に履行するようにという株主からの御要請がございました。

 以上でございます。

小川(淳)委員 少し突っ込んでお尋ねしますが、西川社長は三井住友銀行で社長業、頭取をお務めでいらっしゃいました。そのときに経験された株主総会で受けとめられた緊張感、あるいは株主総会の時間、質疑の内容等々、そのときに受けられた感想と今回を比較すると、どういう違いがございますか。

西川参考人 お答えいたします。

 株主総会の議長としての感想を申し上げますと、緊張感が強いということは銀行時代も現在も全く変わりはないと思います。

 ただ、銀行の場合は、大変大勢の株主が御出席になられまして、いろいろなタイプの株主がいらっしゃいますから、種々さまざまな御質問が出てまいります。これに対して一々お答えをするということでございますが、現在は、日本郵政は政府一〇〇%出資でございます、財務大臣お一人が株主ということでございますから、御質問等についても大勢の株主がいらっしゃるのとは随分違うということでございます。

小川(淳)委員 銀行時代には大変シビアな株主総会を、また時間も恐らく長時間なんでしょう、乗り切られた社長の御経験に照らせば非常に形式的な二十分間の株主総会ということで、ずっとこの間、株主としての責任を十分果たしているのか、あるいは、株主の側からするガバナンスは十分きいているのかという議論はさんざんあったわけでございます。

 そこで、出席をされた財務省の中村理財局次長さん、お越しをいただきましてありがとうございました。やや失礼なお尋ねでありますが、財務大臣から数えて、序列という言葉が当たっているのかどうかわかりません、何番目の職責にあられるんですか。それから、こういう特殊会社の株主総会には次長さんがお出かけになるのが通例ですか。そして、国家国民、政府を代表して、これだけ、今回は特に政治的にも大混乱を招いた特殊会社に係る、非常に節目の株主総会でありました。こういう場において、次長さんのお立場で、さまざまな情勢あるいは政治状況等々を踏まえた高度な御発言をする立場にあられるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 序列が何番目かというのはなかなかあれですけれども、御存じのように、財務省設置法上、財務大臣がいらっしゃられ、その下にラインとしては副大臣がいらっしゃる。事務方としては、次官がおりまして、その下に理財局というのがございまして、理財局は局長がおりまして、私はその次の次長でございます。

 それから、これまでのいわゆる特殊会社、政府出資会社に対する株主総会には、記録を調べた限りでは、いわゆる大臣、副大臣、政務官と言われる政治家の方が出席された例はございません。

 それから、議決権の行使に関しましては、財務省といたしましては、日本郵政株式会社の取締役の選任に関する決議の行使につきましては、これまで政府の方針に従って行使するというふうにお答え申し上げてきたところでございます。私としては、政府の方針に従って、財務大臣の代理として議決権の行使を行ったわけでございます。

小川(淳)委員 通常、このような形で株主総会をやり過ごしてきたというのが実態だと思いますが、石田財務副大臣にもお越しをいただきました。

 副大臣、こうした特殊会社の重要な株主総会、これに限らずでありますが、きちんと大局的な判断、政治的な発言をみずからの責任において行うことができる大臣あるいは副大臣が責任を持って出席をすべきだ、私は今回の経過を見ておりましてそういう気持ちを抱いておりますが、副大臣、いかがですか。

石田(真)副大臣 お答え申し上げます。

 今、中村次長の方から答弁をさせていただきましたように、財務省といたしましては、この議決権の行使については、やはり政府全体の中での方針どおりということでございますので、そのような形で行使をさせていただいたということであって、過去にも担当の職員として理財局の次長が出席をさせていただいておりましたので、そういう形で出席をさせていただいて、議決権の行使等を行ったということでございます。

小川(淳)委員 総務大臣にもお尋ねしたいと思うんです。

 財務大臣が株主であるというのはどういうことですか。株主は政府ですか、それとも財務大臣ですか。

 そして、定款の変更なり役員人事については、総務大臣御自身の認可が必要であります。そういうことからすれば、私自身の見方としては、多分政府が株主であって、財務大臣は職責上それを預かる側におられる。

 いずれにしても、重要事項の決定については、それぞれ所管のさまざまな法人がございますが、所管の大臣がいろいろな政策判断を含めて認可権を行使し、また拒否権を行使しということが求められるわけであります。

 そうしますと、こういう株主総会には、ひとり財務省関係者にゆだねるのみならず、所管の総務省、総務大臣、副大臣等々、関係の方が実際に出席をして、しっかりとしたガバナンスなり意見表明、権限の行使を実効あらしめるべきだと思いますが、その点、いかがですか。

佐藤国務大臣 冒頭の御質問につきましては、私は政府というふうにお答えをせざるを得ないと思います。

 後段の御質問に関しましては、そうあるべきだと私も思いますが、いろいろな関連もございまして、今ここで申し上げるべき話ではないかと思いますが、よく調べた上で、どうあるべきかということも判断をしてまいりたいというふうに思います。

小川(淳)委員 これ以上申し上げませんが、今回、これだけ話題になった株主総会で、あのような形で、まあ、報道ベースでしか見ることができておりませんけれども、わずか二十分、そして御発言の内容たるや、総務省とよく相談をしてくださいと言うにとどまっている。

 これを見ますと、今私が申し上げたような観点、所管の大臣がきちんと、あるいは名代でも結構です、責任ある立場、みずからの権限と責任において発言をすることのできる立場にある者がきちんと出席をする。そして、財務省においても、単に局次長さん、今大変失礼なお尋ねをいたしましたが、大臣、副大臣、政務官、事務次官、局長、次長と六番目ですか、こういう形で事務的に、形式的にやり過ごすというあり方については、今後ぜひ政府内で御検討いただきたい、そのことを強く申し上げたいと思います。

 西川社長に引き続きお尋ねをさせていただきます。

 先週、私ども民主党を含め野党三党で、かんぽ問題を初めとした、この間のさまざまな問題について引き続き追及をしていくというプロジェクトチームの立ち上げがございました。

 かんぽ施設の売却。そして、JPバンクカードの業務委託先は御出身元の三井住友カードですか。池袋のヘルスプラザは非公開で、同じくグループ内と思われますが、住友不動産に売却。この間のこうした利権誘導、利益誘導ともとられかねないさまざまな事件、事象、そしてそれに対する追及、これに西川社長はどうお答えになるか、まず総括的な御見解をいただきたいと思います。

西川参考人 お答えいたします。

 カード事業あるいは不動産活用等におきまして、いろいろな御提案を複数社、六社とか七社とか八社とか、これくらいの数字になると思いますが、御提案をいただき、それを審査する人が厳正に審査をしてそれぞれ決めておるわけでございまして、決してどこかのために利益誘導をするというようなことは、私は一切ないというふうに考えております。

小川(淳)委員 もちろん、そうあっていただきたいわけでありますが、この間の事件、事象を見ておりますと、少なくともそういう疑念が生じかねない状況にあることは改めて指摘をしたいと思います。

 副大臣初め財務省の関係の方、お忙しいでしょうから、どうぞ御退席いただいて結構です。ありがとうございました。

 そこで、大変僣越ながら、我が党の鳩山代表は、仮に総選挙を経て政権交代が実現した折には西川社長にはおやめをいただく、そのような決意を既に公の場で表明をしているわけであります。このことに対して大変複雑な、あるいは不愉快な感情をお持ちかもしれません。ここは私としても心情はお察ししたいと思います。

 今のこの三井住友グループの関連で、二つお尋ねいたします。

 一つは、現在、会長人事が議論されているようでありますが、この会長人事について、三井住友グループとの関連を含め、社長はどのような構想あるいは着眼点をお持ちか、それをお尋ねしたい。

 あわせて、この間、郵政の会社運営に非常に力を、また心を砕いてお務めであろうかと思いますが、退任された場合、三井住友グループへお戻りになる可能性というのはございますか。

 この二つ、御所感をお尋ねしたいと思います。

西川参考人 会長人事につきましては、これは取締役会でお決めいただくことでありますから、私からその人選について具体的に取締役会に申し上げることはございません。取締役会にお任せをするということでございます。

 それから、私が日本郵政を退任した後どうするのかということでございますが、これは、私は今は何も考えておりません。

小川(淳)委員 取締役会にゆだねるという、一つの御見識だとは思いますが、取締役兼代表執行役社長ですから、そこは何らかの御見識があってしかるべきだと思いますし、この場でどこまで言えるかというのは確かに非常に微妙なところかと思いますが、その辺については、来るべきときに備えてしっかりとした御見識を改めてお持ちいただきたいと思います。(発言する者あり)

赤松委員長 不規則発言は慎んでください。

小川(淳)委員 そして、私自身、大変失礼なことを、僣越なお尋ねも申し上げましたが、西川社長のこの間のお務めぶりに対しては、非常にある種の敬意といいますか、そういう気持ちを持ちながらこの間の事業運営なりを拝見してきた、そういう気持ちが一方にあることも事実であります。

 その面から、この間のスキャンダラスな利権誘導、利益誘導的なお話と、また国会や報道機関の前でその釈明にばかり追われる姿というのは、拝見しているこちらの側も大変ある種不本意な部分がございます。その意味では、郵政事業そのものに関して、西川社長御自身の見識、あるいはこの間の御経験を踏まえられての御見解をぜひお聞きしたいという思いがかねてからございました。その点をぜひお尋ねしたいと思うんです。

 まず、民営化から二年近くたちました。この間、いろいろな御苦心、御努力がおありだったことと思います。準備会社時代の責任者を含めれば三年半ですか、郵政事業にひたすらかかわってこられた。その御経験からして、当初、どういうお気持ちで、どういう郵政事業のあるべき姿を描かれてこの大任をお引き受けになられたのか。想像するには余りあるところがあろうかと思いますが、その点をぜひお聞きをしたい。

 あわせて、きのう続投が決定したわけでありますので、この間、民営化から二年、準備会社から三年半、この間の時間の経過、また、さまざまな出来事がおありだったことと思います。続投を決意される、またお引き受けになられるに当たって、当初の気持ちからすれば何が変わったか、何は変わらないか、こういう大変大局的な御見解についてぜひお話をいただきたいと思います。

西川参考人 お答えいたします。

 私が日本郵政社長の指名を受けましてお引き受けするときには、これはとてつもない大きな事業の、しかもこれを民営化という目的に向けて動かしていかなければならないということで、大変に大きな責任を感じて引き受けたわけでございます。

 私にも至らぬ点がございました。今から思いますと、いろいろな出来事で反省すべき点もあったと考えますが、私といたしましては、一たん引き受けた以上、民営化の土台をしっかりと築くことが私に与えられた責務であり、また果たすべき責任であると考えておるところでございます。

 以上でございます。

小川(淳)委員 変わったところと変わらないところが恐らくおありなんだと思いますが、この間の実際の事業運営に照らして、幾つか具体的に絞ってお尋ねしたいと思います。

 まず一番目。この間の三年半の事業経営を踏まえられて、郵便事業は民間ビジネス、民営事業になじむ事業ですか。

西川参考人 お答えをいたします。

 郵便事業は、何よりもユニバーサルサービスを堅持していくということが大命題でございます。このユニバーサルサービスを堅持するということになりますと、民営化会社は、これまでと申しますか、郵政省あるいは郵政公社の時代以上に経営の効率化というものをしっかりとやっていかなければ、このユニバーサルサービスを堅持していくということは難しくなる。

 こういうことでございますが、難しいからやれないというわけにはまいらないものでありますので、それはあらゆる手だてを考えながら、そして、誠実にそれを実行して、何としてもこのユニバーサルサービスを堅持するという覚悟で臨まなければならないものであろうというふうに考えております。決して民営化になじまないものではないと思います。

小川(淳)委員 昨年の九月でありましたが、私ども民主党は国民新党さんと両党間の合意をしたわけであります。その要点は、株式の売却を凍結するということが一つ。そして、郵政事業の四分社化を見直すということ。これらについて両党間で合意をしたわけであります。

 私どもには郵政事業の経営の経験がありませんから、ぜひそこは西川社長のこの間の経営の実績なり経験を踏まえた、外からではない御意見をいただきたいわけでありますが、私自身は、郵便事業というのは果たして民営化、民営事業になじむものだろうかという大きな疑問を持っております。

 その理由はたった一つ、郵便料金が、手紙とかはがきに関しては全国均一料金だからであります。例えば、沖縄の最南端の島から北海道の最北端まではがき一通送っても五十円。東京都内、千代田区内ではがき一通送っても五十円。そこは全く採算を度外視して。まあ、どこの田舎のおじいちゃん、おばあちゃんも、遠くにいるお孫さんに同じ料金で手紙なり郵便を出すことができる。

 こういうビジネスモデルをとっている以上、私は、民営事業の顧客というのは、基本的に、そのサービスに係る経費の大きさに合わせて料金を負担するのがやはり原則ではないかと思います。全国均一料金を維持しようといった瞬間に、この郵便事業というのは、民間ベースで、採算ベースで事業を存続させていくのは非常に難しい境遇に置かれるのではないかと思います。その観点もぜひ考慮いただきたいと思います。

 二つ目。先ほど国民新党さんとの合意の中で四分社化の見直しという点を御紹介申し上げました。

 現在、ゆうちょ銀行と簡易保険、これについては分社化方針で明確に区分をされている、物理的にも板張りまでされている、こういう状況であります。一方、三井住友銀行初め、民間の金融界は逆の流れだと思います。銀行と保険の垣根を取り払って、お互いの相乗効果で顧客サービス、満足度をより高めていこうと、むしろ逆の方向にある。

 この間、現場からもさまざまな不満の声が社長の耳元にも届いているのではないかと思いますが、この銀行と簡易保険を分社化した状態について、社長自身はこの間の経営を踏まえてどうお感じか、お聞かせいただきたいと思います。

西川参考人 お答えいたします。

 私は、銀行と保険というものはそれぞれ別の、全く異質のリスクをとる事業だと思いますので、これを一つの会社として経営するということは必ずしも適当ではないのではないかと思います。

 今、銀行は代理店として保険商品の販売をかなり力を入れてやっておるということでありまして、同じことがかんぽ生命の場合も、郵便局会社、郵便局が窓口となりましてかんぽ生命の代理店を務めておるということでございます。

 もともと郵便局会社は、そういう生命保険、かんぽ生命の代理店、それから銀行の代理店、あるいは郵便の窓口、これがその業務の中身でございますから、そういう格好になっておるわけでございますけれども、基本的に、銀行、保険業務を一体化ということは、これはやはり適当ではないのではないかというのが私の考え方でございます。

小川(淳)委員 おっしゃったようなお考えはあり得ると思いますが、現場での板張りを含めて、不自然な分割、区分については、ぜひ見直しも含めて御検討いただきたい。

 最後に、例えば三井住友銀行の経営において、窓口業務を行う会社を分社化してここへ委託するということは、これは経営判断としてあり得ますか。

西川参考人 お答えいたします。

 もともと銀行の場合は、これは外国銀行もそうだと思いますが、直営の支店をたくさん持って経営をしていくというスタイルをとっておりますから、どこかを代理店にしようという考え方というものはないわけでございます。例外的にそういった一部の業務を代理店に任せるということはあり得ようかと思いますけれども、メーンのところを代理店というわけにはまいらないんじゃないかと思います。

小川(淳)委員 以上三点、私自身、個人的にも大変疑問に思うところでありますが、お立場を踏まえながらの御答弁をいただいたと思いますし、お立場ながらなかなか言えない部分も含めて、これは、国民にとって、利用者側にとってよりよい郵政事業の実現のためにぜひ引き続き御検討をいただきたいと思います。

 せっかくお越しをいただきましたので、この間のさまざまなスキャンダラスな論戦あるいは報道の発端でありました、かんぽ施設、二千四百億を投じてつくった七十施設、これが百億を下回るような価格で販売をされる予定だった、この魔法の取り決めが減損会計ということでありますが、これは金融庁の方に簡潔に御答弁ください。

 減損会計を導入した背景からして、これほどの、二千四百億かけてつくった施設が百億を下回るような価格になる、これは減損会計を導入された企業会計原則の側からすれば、この事実一つをもってどのように評価されていますか。

岳野政府参考人 減損会計についてのお尋ねでございます。

 減損会計につきましては、もともと企業がバランスシートに保有しております不動産等の固定資産の時価が著しく低下したときに適用されるものでございますが、これを導入いたしました趣旨は、固定資産の収益性が低下することによりまして投資額の回収が見込めなくなった場合に、その価値の下落を適切に財務諸表に反映する、そういうことで企業の財務状況の的確な把握を可能とするために導入されたものでございます。

 こうした会計処理は、我が国のみならず国際的にも行われているものでございます。我が国におきましては、平成十四年八月にこういった減損会計のルールを企業会計に導入することを決めまして、十八年三月期から、会計年度で申しますと十七年度から企業会計のルールといたしているところでございます。

 こういった減損会計について、今回のかんぽの宿事業の適用についてこれまでさまざまな御意見、御指摘があるということは承知してございますが、今回の日本郵政さんにおかれます個別の事業の減損処理の結果につきまして、会計ルールを所管しております金融庁として何らかのコメントを差し上げることは御容赦いただければと存じます。

小川(淳)委員 時間が限られていますので申し上げますが、もともとこの減損会計というのは、経済情勢の低迷に伴って不動産が過大評価されてはならないという立場から入った会計原則であります。

 しかし、今回問題になっているのは、これは過小評価されているんじゃないかということでありまして、私はこの観点からいえば、この企業会計原則というのは、過小評価するという原動力がどういうケースで働くか、やはり背任とかそういうことまで想定されてくるんだと思いますが、この企業会計の原則からいえば、ちょっと想定外のことが起きているということではないかと思います。その点からいえば、原価法、あるいは取引事例との比較法、そして収益の還元法、さまざまな算定方法があるとお聞きしていますが、もう少し細かい原則、規則を示すべきだと私は思います。

 この間、二千四百億投資してつくりました。現在、固定資産評価額は、なお八百五十億あります。この減損会計に言う二十年間のキャッシュフロー、二十年間の収益、この場合はマイナスです。郵政の場合はマイナス、かんぽの事業の場合はマイナス。しかし、本社機能で二、三十億赤字があるとお聞きしましたが、七十施設全部合わせても、過去を見て、大体十億から二十億。これは二十年分合わせても二、三百億ですよ。八百五十億から差し引いたって五百億の価値は残る。大変素人目でありますが、そういう計算をしても全く成り立たない、百億を下るような金額設定というのは。

 個別に見ましたよ、地元施設の不動産鑑定書。非常に計算方法の基準があいまいなだけに、いかようにでも設定されるやにお見受けします。もう少しこれは、企業会計原則とおっしゃる以上、こういう過小評価しているんじゃないかというようなケースについてもきちんと手だてできるような方策をお考えになるべきじゃないかと思います。指摘にとどめさせていただきます。

 大変恐縮ですが、時間の関係で、もう一つお尋ねをしたかった分野。

 先週、国家公務員法の審議がスタートいたしました。一言で言えば、採用年次とか試験区分とかにかかわらず、省庁の垣根を取り払って有為な人材に幅広く活躍をしていただく、それは一つの方向だと思います。あわせて、国家公務員の再就職問題というのは、かねて国民から見て大変大きな疑念の的でありました。これを解消していくために官民人材交流センターをつくって、再就職、いわゆる天下りを一元管理していくという方向であります。

 麻生総理大臣は、各省庁のあっせんをことしいっぱいでやめるんだということを既に表明しておられます。

 そこで、ちょっと資料との関連をごらんいただきたいんですが。お配りをさせていただいた資料をごらんいただきますと、各省庁が行った再就職のあっせん件数は、二回目に限って、佐藤大臣、これは総務省がお調べになったものであります、上から人事院の四件、内閣府の一件を初めとして、全部で二十九件。これは二回目のあっせんです。一回目は千八百七十二件ありますから、調査の上では、一回目の再就職あっせん千八百件余りに対して、二回目は二十九件と大変少なくなっております。

 しかし、本当にそうだろうかという問題が残るわけであります。これは私の感想です。この問題は、実は、あっせんをやめさせます、やめましたというその言葉じりだけが残って、実態が残る、盛んに再就職、再々就職を繰り返す実態が残りかねないという懸念を私は抱いております。

 それから申し上げますと、国家公務員の人事管理、人事行政の責任者であられる人事院は、みずから申告されました。二回目の再就職、わたりのあっせんは、平成二十年に三件やりましたとみずから報告されている。

 せっかくですから、これは人事院にお尋ねしますが、これ以外に私はこういう資料をあえていただきました。個人情報が満載ですからコピーしてまではお配りしておりませんが、十九年一月現在の人事院退職者の一覧、二十年二月現在の退職者の一覧、二十一年二月現在の退職者の一覧。これは、全員が今どこで勤務しているか、すべて時系列で整理された一覧表であります。恐らく、間違いなくこれが各省庁の人事課長あるいは官房長の引き出しの中に入っている。

 人事院から審議官にお越しをいただきました。私が今ここに手にしているこの資料、恐らく同じものをお持ちだと思いますが、その事実関係、そして、今ここで表明された三件のわたりあっせん以外に同様の事象があるのかないのか、お答えをいただきたいと思います。

菊地政府参考人 お答えを申し上げます。

 人事院といたしまして、平成二十年に二回目の再就職のあっせんを行いましたものは、総務省の報告のとおり三名でございます。それから、平成十九年のあっせんで二回目の再就職をした元職員が一人おります。

 それ以外でという先生の御指摘でございますけれども、みずからのつてで再就職いたしました者や、個々人の能力で大学教官に職を求めた者などがいるというふうに承知しております。

小川(淳)委員 もう時間ですから、佐藤大臣、現状だけお知りおきをいただきたいと思いますが、こういうOB管理というのは必ずやっています。精緻にやっています。そして、その中には、今具体的には御答弁なさりませんでしたが、申告した三名以外に、これは時系列で私は名簿を追いました、ほかに四名が再々就職、わたりをやっています。

 こういう現状で、時間があるときにぜひまた具体的に議論したいと思いますが、どういうケースをあっせんしましたというのか、あるいは、このケースはあっせんしていませんと言い切るのか、ここの境目は非常にあいまいです。ここをしっかり追及して現状把握をいたしませんと、麻生総理がせっかく、あっせんはやりません、ことしいっぱいでやめさせますとおっしゃったのに、現状は全く変わらないということもあり得るわけであります。

 今お聞きになった上で、この点に対する佐藤大臣の御所感をいただいて、質疑を終えたいと思います。

佐藤国務大臣 先生の御趣旨はよく理解をさせていただきました。天下りはやらないという総理の御方針でございますので、この辺、境目がどうであるかということも含めてよく調べさせていただきたいというふうに思いますし、判断基準をどうしたらいいかということも含めてこれから考えてまいりたいというふうに思います。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。

 きょうは、JPエクスプレスにおける期間雇用社員の雇用問題について質問をいたします。

 郵便事業会社と日本通運の宅配便事業の統合が行われ、JPエクスプレスが設立をされました。その中で、ゆうパックを扱っている郵便事業会社の期間雇用社員の方に雇用不安が広がっております。

 郵便事業会社は、期間雇用社員に対し、四月にJPエクスプレスの会社概要の説明をし、五月には同社で働くことについての意向確認調査を行ったと承知をしております。

 そこで、日本郵政の方に伺いますが、この意向確認調査を行った期間雇用社員というのは全体で何人に上るんでしょうか。

伊東参考人 お答えいたします。

 現在、JPEXの行う業務といいますのは、主として都市部を中心とした地域を限定して行うこととしておりますので、そこで働くゆうパックに携わっていると推定される期間雇用社員を対象として行いました。具体的な数は、約十万人強でございます。

塩川委員 十万人ということであります。

 そこで、重ねて伺いますが、この郵便事業会社からJPエクスプレス、JPEXに契約がえを行う人数というのは何人をお考えでしょうか。

伊東参考人 お答えいたします。

 まず、JPエクスプレス株式会社で必要な人数のうち、契約社員をどのぐらい予定しているかというのを申し上げますと、八千五百人ぐらいを予定しております。

 既に、JPエクスプレスはこの四月からペリカン便を扱っております。したがいまして、契約社員ですから出向という形ではないんですけれども、そこに日通から移った社員が二千名前後おります。その差になるわけでございますが、この契約社員の数というのは八時間換算で行っておりますので、単純にその数字だけではございません。さらに、集荷をきめ細かにやるために、例えば四時間の方とか六時間の方とか、そういった人たちも必要だというふうに今JPエクスプレスは検討していると聞いております。そうしますと、必要数というのはおよそ一万人近くなるというふうに聞いているところでございます。

塩川委員 その意向確認調査でJPエクスプレスへの契約がえを希望した期間雇用社員の人数をおおよそ把握されておられると思うんですが、契約がえを希望した期間雇用社員の方のおおよその人数を教えていただけますか。

伊東参考人 お答えします。

 約九千四百人でございます。

塩川委員 これまで六カ月の雇用契約期間だった期間雇用社員の方が、このJPエクスプレスにおけるゆうパックの業務開始が八月からだということを理由に、この四月からの雇用契約期間は七月末までの四カ月となっています。仕事そのものは変わっていない。もちろん、会社の異動はあるかもしれませんけれども、仕事の業務量はあるのにもかかわらず、雇用契約期間をそもそも一律に六カ月から四カ月に短縮するというのは極めて不当ではないか、そういう扱いだと率直に思います。

 お考えをお聞かせください。

伊東参考人 お答えいたします。

 JPエクスプレスへゆうパックの事業を移行するのは十月一日を予定しておりますが、その事前の準備といたしまして、業務を委託し、正社員あるいは期間雇用社員をJPエクスプレスに事前に移すことを考えております。

 これは、総務大臣の認可をいただいた上で私ども行う必要があると思っていますので、いまだ申請もできていない状況ですから具体的な日付を申し上げるわけにはいかないんですけれども、スケジュールを我々の方で検討する過程におきまして、八月以降その準備作業を行おうということを考えたわけでございます。

 したがいまして、その段階で、JPエクスプレスに移って業務を行う人、あるいはそうでない人もおりますけれども、ひとまずどの人が移るのか移らないのか、先ほど申し上げました意向確認をした上でそれを決める必要がありますが、四月の段階ではそこが確定していませんでした。したがいまして、七月末までの四カ月間、雇用期間を定めたものでございます。

塩川委員 JPエクスプレスに行かない方が大半であるわけで、そういった方も含めて、本来は六カ月間の雇用契約期間を一律に四カ月間に短縮したということ自身が、現場の雇用不安をつくっているわけです。実際、十万人の方に意向確認調査を行ったということを含めて、意向確認調査を行い、雇用契約期間の短縮という形を通じて、期間雇用社員の方の雇用不安を大きく拡大したということは極めて重大だ、このことを申し上げておくものです。

 その上で、ゆうパックを扱う職場では、あなたのやる仕事はないという言い方もされている。具体的に聞きますが、千葉ですけれども、千葉ターミナル、浦安支店、船橋支店におけるゆうパック業務に従事している期間雇用社員数及びJPエクスプレスでそれぞれ必要としている人員数というのは何人ということを示しておられるんでしょうか。

伊東参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘の千葉支店、それから浦安支店は、ともに統括支店といいまして、集中業務を行っております。それらが、今度のJPEXの宅配統合におきまして、その支店を統括支店として、今度はターミナルと呼びますが、使う場合と使わない場合がございます。千葉支店は引き続きターミナルとして使用しますが、浦安支店は使わないことになります。

 したがいまして、現在、今先生御指摘の千葉支店におきましては、約百二十名の期間雇用社員がゆうパックの区分業務に従事しておるわけでございますが、今度は郵便事業会社由来の千葉ターミナルになるわけですけれども、当初八名で計画をしておりました。しかしながら、作業の見直し等を今行っておりまして、この数字はもう少しふえると思っております。

 それから、浦安支店につきましても、現在統括事務を行っているわけでございますが、この支店は、JPエクスプレスがゆうパックを統合した後にターミナルとしての使用は行いません。したがいまして、現在登録している期間雇用社員は三十七名、実際に勤務している職員は約二十名でございますが、この人たちのJPEXへ行く必要数はゼロでございます。

 それから、船橋支店の御指摘がございました。ここでは、ゆうパックの集荷、配達業務に従事している期間雇用社員は約七十五名おります。今度、この郵便会社由来の船橋支店、JPエクスプレスになってでございますが、セールスドライバーというのを置くことにしておりますが、その必要数は当初十九名で予定をしておりますが、これも集荷要員の見直し等を行っておりまして、若干ふえる予定でございます。

 以上でございます。

塩川委員 千葉支店、千葉ターミナルの場合には百二十名に対し八名プラスアルファ、浦安の場合では二十名がゼロ、船橋の場合では七十五に対して十九プラスアルファということで、結局、示している数を見ると、郵便事業会社のゆうパック業務の従事者数とJPEXの必要人員数に大きな乖離があって、その職場においては、多くの期間雇用社員がいわば余剰人員と受けとめられるような状況を生み出している。そういうことでは、仕事がないことを口実にして雇いどめにするんじゃないのかという懸念の声が広がっているわけです。

 そこで、西川社長に伺います。

 この郵政の職場では、日通由来のJPEXの支店へのあっせんは、人は足りている、あっせんは考えていないとかと言われている。ペリカン便の方では郵便局の人を使わないことになったと会社から説明を受けている期間雇用社員の人もいるわけで、西川社長、引き続き就労を希望する期間雇用社員に対してはしっかりと必ず雇用を確保していただきたい、この点についての御答弁をお願いします。

西川参考人 お答えいたします。

 宅配便事業統合に当たりましては、社員からの意向確認調書を提出していただいて、可能な限りそれぞれの希望を踏まえた上で対応することといたしておりまして、引き続き郵便事業会社に就労希望の期間雇用社員の方については、同一支店内の他の業務への配置がえや他支店へのあっせんも行っていく予定と承知をいたしております。それでもなお余剰となる場合は、適正な要員配置を行うという観点から、雇用日数や雇用時間の調整はあり得るものと承知しております。

 以上でございます。

塩川委員 就労を希望する人については、同一支店のほかの業務や他支店へのあっせんを含めて、これは万全を期すということでよろしいですね。その上で、雇用日数や雇用時間の調整を行うこともあり得るというお話でした。

 そこで伺います。

 期間雇用社員の多くは、非正規の仕事であっても、その収入で家計を支えておられるわけです。賃金が減少することへの不安の声が大変多く上がっています。職場の郵産労の労働組合でアンケートをとった中でも、出勤日数が減るのは大変困る、勤務時間が減らされたら困る、正直、現状でも余裕がないので、雇用時間数の調整がされるとまともに生活していけません、こういう声が上がっているわけです。

 会社の収入で生計を立てている期間雇用社員に、このままではやめるしかないと思い込ませるような雇用日数の調整、雇用時間の調整では、要するに、自己都合の退職、やめてくれと言っているような状況になるのじゃないか。そういう点でも、雇用時間の調整というのはやはり行うべきではない。

 この点では、例えば先ほどお話を聞いた千葉の支店などにおいても、日通由来の支店の方では、こういう非正規の方の募集を行っているわけですよ、大量募集なんというのをやっているわけですね。日通側では大量募集と言いながら、こちらからは統合されるエクスプレスに送る人は限られますよというのは理屈が通らないんじゃないですか。こういうことを放置しておいて、雇用時間調整や雇用日数調整というのは全く筋が通らないんじゃありませんか。西川社長、いかがですか。

伊東参考人 ちょっと事実関係だけ答えさせていただきます。

 日通由来のターミナルのところで大量に募集しているという御指摘がございました。私ども、全部詳細に内容は承知しているわけじゃございませんが、日通のもともとのターミナルにおきましては、内務作業を委託会社に任せております。したがいまして、委託会社で雇用されるということとJPEXで雇用されるということでは労働条件が違う可能性がありますので、私どもは、原則としてJPEXの雇用というのを考えております。

 しかしながら、先ほど先生御指摘の、時間調整とかいろいろな面で、自分はそれならば委託会社の契約でもいいという方がいらっしゃれば、当然それも考えたいと思っております。

塩川委員 最後に、もう一回西川社長と大臣に伺います。

 西川社長、あくまでも期間雇用社員の方であっても、この郵政の職場で生計を支えている方が大変多くいらっしゃるわけです。そういった方々の雇用をしっかりと守り支えるということも日本郵政の仕事であるわけで、安易な雇用時間調整や雇用日数の調整を行わない、しっかりと働いて食べていけるだけの賃金を保障する、この立場で臨んでいただきたい、このことを一言御答弁いただきたい。

 大臣については、このような雇用時間調整を含めて、JPエクスプレスの設立に当たって、労働条件の切り下げが非正規の方、正規の方も含めて行われないような指導監督をしっかり行っていただきたい。

 それぞれお答えいただきたいと思います。

西川参考人 お答えいたします。

 もちろん、安易な雇用調整、労働時間の短縮、雇用時間の短縮であるとか、こういったことを安易に行うということはございません。極力雇用を維持すべく努力をしていくということでございます。

佐藤国務大臣 先生おっしゃられるとおり、社員の出向、転籍につきましては、候補となる社員に対して計画内容や労働条件等をしっかりと説明した上で、社員自身の意向が尊重され、計画が進められるべきものと考えております。

塩川委員 雇用確保に万全を期すことを求めて、質問を終わります。

赤松委員長 次に、保坂展人君。

保坂委員 社民党の保坂展人です。

 二週間ほど前に、私たちは、民主党、国民新党とともに、かんぽヘルスプラザ東京、東池袋にある地上七階、地下三階の建物の中に入って調査をしてまいりました。

 そこで、西川社長にまず端的に伺いたいのですが、郵便局会社が承継をしたこの施設、土地は、郵便会社法十条の重要な財産の譲渡ということで、総務大臣の認可を四月二十八日に申請して、五月十四日に認可を受けています。しかし、その譲渡先は未定というふうに書いてあるんですね。譲渡先は未定ということで総務省が認可をしたというのも問題があると思いますが。

 この調査の現場で、日本郵政の斎藤次長の御説明によれば、実は、住友不動産に信託受益権を相当部分譲渡するということについては、四月の中旬、具体的には四月十七日に決定をしていた、こういう証言を私たちは聞いたわけです。

 とすると、住友不動産が譲渡先でありながら、未定として総務大臣の認可申請をするというのはおかしいじゃないですか。これについて、まず西川社長の見解を問いながら、そして細かくは清水執行役に聞いていきたい。

西川参考人 申しわけございません。私、細かい前後関係について十分承知しているわけではございませんので、きちんとしたお答えを清水執行役の方からさせていただきたいと存じます。

清水参考人 お答えいたします。

 総務省への認可申請は、平成二十年四月十六日に行い、その後若干の修正がございまして、正式には四月二十八日に申請を行っております。それは、先生おっしゃられたとおりでございます。

 一方、共同事業者の選定につきましては、二十年の四月十七日に、相手方として住友不動産を選定しております。ただ、その後、信託銀行の選定、あるいは不動産信託契約などを初めとした譲渡契約の内容の細部の条件の詰め、これがたくさんございました。こういった詰めを行って、住友不動産を最終的な譲渡相手先といたしまして、実際の契約を行ったのは平成二十年八月八日というふうなことでございます。

 以上でございます。

保坂委員 清水執行役に聞いていきますが、四月十七日に住友不動産を選定した社内組織、これはどういう組織で、だれがメンバーだったのか、具体的な名前も挙げて答弁をいただきたい。だれが住友不動産が譲渡先だというふうに決定する意思決定の場にいたのか。そして、決裁の責任者はだれですか。

清水参考人 お答えいたします。

 選定につきましては、七社に提案をお願いして、そのうち一社が辞退されましたので、残りの六社から提案を受けました。その提案を受ける日程でございますけれども、三月の二日間に分けまして提案を受けました。その選定メンバーは日本郵政と郵便局会社それぞれから出ておりまして、計五名で選定しております。(保坂委員「名前を言ってください」と呼ぶ)名前の方はちょっと差し控えさせていただきたいと思うのですが。

保坂委員 この名前も言えないと。

 では、西川社長に伺いますが、かんぽの宿一括売却、一般競争入札かどうかというのを予算委員会で議論させていただきましたけれども、実際には一般競争入札ではなかったわけです。このことは今回の業務改善計画にも書かれております。

 ところが、同じ時期に行われたかんぽヘルスプラザの信託受益権譲渡は、全く真っ暗やみの中で、秘密裏に行われた。何の開示もされていない。いわゆる総務省に届け出た認可申請は未定、実は内定をしていたけれども未定ということ。

 業務改善計画の中で、一番最初のページに出てきますね、「当社が民営化により承継した不動産は国民共有の財産であり、その売却等にあたっては公正かつ透明な手続が要請されるにもかかわらず、」そのための十分なルールがなかった、こう書いてありますが、これはかんぽの宿一括売却についてのみ言っていることではないはずですね。

 全く、この東池袋の財産の譲渡に当たって開示も公表もしていない、経過も不明確だ。この点については、現在どう認識していますか。

西川参考人 お答えいたします。

 この譲渡については、企画提案でございますけれども、その中で、公正な手続によって選ばれたところと契約をしたということで、その点は何も問題ないと思いますが、やはりしかるべき説明責任というものはございますので、その点において不十分な点があったのではないかということは、私、反省をいたしております。

保坂委員 つまり、国民共有の財産を処分するに当たって、西川社長、これはやはり開示をすべきだった、情報をオープンにすべきだったという認識でよろしいですか。

西川参考人 できる限り開示できるものは開示していくということが原則だと思います。

保坂委員 それでは、清水執行役に伺いますが、日本郵政の内規、規定と同様の、郵便局会社のいわゆる財産処分の規約というか内規があるというふうに聞きました。これは日本郵政グループのものとほぼ同じだというふうに聞きましたので、となると、一般あるいは指名競争入札か随意契約ということになりますが、かんぽの宿の場合は、少なくともまだホームページに出しているわけですね。そしてプレスリリースもしているわけです。ところが、今回は、七社の不動産会社を選んで、これでやっている。

 ここから質問ですので、よろしいですか、清水さん。

 これは、共同事業型コンペ実施、こうありますけれども、私がいただいたこの郵便局会社、日本郵政グループの書類は、社外秘、機密情報、こういうふうに書いてあります。全く内々に、一般に知られないように、これは絶対漏らすなということで七社を選定して、また秘密裏に住友不動産を決めて、そして八月八日に契約して、五十億円の授受もあって、そして、私が四月の七日にこの総務委員会で聞くまで一切開示をしていない。何か開示をしない理由、してはならない事情があったんでしょうか。

清水参考人 お答えいたします。

 今回の事業は、民営化して初めて不動産事業をできるようになった郵政グループといたしまして、極力開発リスクを軽減しつつ、さまざまなノウハウを取得するということで共同事業を選択してございます。ですので、共同事業としてふさわしい相手を選択する必要があったというところでございます。

 そういった中で、大手不動産会社七社との共同事業、これが有効であろうということで、その観点で、不動産会社はたくさんありますので、その中から、売上高あるいは経常利益などのベースの中から提案をいただくということでございます。

 実は、事業としてはまだ着工もしてございませんし、ある時点で公表したいというふうには考えておったところですけれども、今までのところでは、先生おっしゃるように、まだ公表していないというところでございます。(保坂委員「その理由は」と呼び、その他発言する者あり)

赤松委員長 清水執行役、開示しない理由について明確に述べてください。

清水参考人 お答えいたします。

 郵政グループとしての最初の不動産事業の一つでございますので、また、数年間にわたる開発事業を共同して行うパートナーということもございまして、選定する共同事業者に対して、相手先の選定に慎重を期していたというところでございます。

 個々の不動産取引につきまして、必ず譲渡先名を逐次公開すべきというふうなことを考えておりませんでしたけれども、今後は、必要に応じて、相手先の都合も踏まえながら適切な対応をとっていきたいというふうに考えてございます。

保坂委員 慎重を期して決めた相手先を公表しなかった理由について、全く答弁になっていないと思います。

 そして、私が、あるいは私たち野党調査団が現場で聞いたのは、清水執行役、よろしいですか、これは、七割の信託受益権をまず住友不動産に渡したんだ、郵便局会社は引き続き三割持っている、そういうことですね。そして、共同開発が終了したときには残り三割も売却するんだ、これの最低買い取り価格の保証があるんですよ、それでリスクヘッジしているんですというお話でした。

 この最低買い取り価格の保証額、条件等々はすべて決まっているんですか。きのう聞きましたところ、総務省は、決まっていないはずだ、こういうふうにおっしゃっていたので、その点、確認します。

清水参考人 お答えいたします。

 七〇%の信託受益権を五十億円で買っていただきました。残るは三〇%でございます。ですので、合計すると、全体が一〇〇%であるならば、七十一億数千万円になるかと思います。

 この金額につきましては、建物ができてリースアップして第三者に売ろうとしたとき、万が一売れなかった場合について買い取ってもらいたいということについては、提案書の中に記載がございました。ただ、契約等については当然まだやっておりません。

 以上でございます。

保坂委員 要するに未契約だということですね。最低買い取り価格の保証があるので住友不動産が一番有利ですという説明はここで崩れたというふうに思います。

 総務大臣に伺います。

 私は、今回の西川社長続投の容認、業務改善計画の提出もないうちにそういう判断をされたことに対して強い疑問を持っています。

 佐藤大臣、今の話を聞いてどのように思われますか。佐藤大臣あてに業務改善計画が来たわけですね。その一ページ目ですよ、不動産は国民共有の財産だ、売却等に当たっては公正かつ透明な手続が要請されると。今のは全然透明じゃないですよ。全く秘密裏、社外秘、機密情報。新聞も何も全然知らない。私が質問予告したら、先生、よくそんなこと御存じですねと。そういう話ですよ。これはかんぽの宿だけ反省するという話じゃいかぬじゃないですか。

 佐藤総務大臣として、お隣に西川社長がいますけれども、これはどうなっているんだ、ちゃんと調べろという指示をするべきじゃないですか。

佐藤国務大臣 先生が今おっしゃられた事案につきましては、詳細な決定経緯については承知しておりません。詳細につきましては、事務方から郵便局会社に調査をさせていただきたいというふうに思います。

保坂委員 その調査は報告していただけますか、総務大臣として。

佐藤国務大臣 そうさせていただきたいと思います。

保坂委員 同じ時期なので、かんぽヘルスプラザとかんぽの宿、同じかんぽがつきますが、かんぽの宿だけが問題ではなくて、かんぽの宿は一応いろいろな手続をやって工夫はしていたんです、これは全く何もやっていない。だから、問題はこっちの方が大きいんです。

 終わります。

赤松委員長 次に、亀井久興君。

亀井(久)委員 国民新党の亀井久興でございます。

 もう既に委員からそれぞれ御指摘があったことですけれども、このたびの西川社長初め経営陣の再任をめぐるさまざまな動き、そういう中で、佐藤総務大臣がそれを容認されたということに対して、私もがっかりしております、本当に失望したと申しますか。佐藤大臣、長年おつき合いをしておりますけれども、極めて常識のある方だというように思っておりますが、今回の御判断は決して常識的ではないというように思わざるを得ないと思います。

 鳩山前総務大臣と厳しく対立をされた西川社長初め経営陣でございますけれども、鳩山総務大臣はもともと郵政民営化推進の立場に立たれた方で、最終的には民営化に賛成をされたわけです。しかし、民営化に賛成をしたということと今回の一連の不祥事というのは全然次元の違う話だということで、鳩山総務大臣としては、間違っていることは正さなくてはいけない、そういうことで終始対応をされてきたというように思います。それを国民の多くの方々も評価されておりますから、やめさせる人を間違えたのではないか、そういう声が圧倒的に多い、これが現実だと思います。

 確かに、指名委員会で決めたとか、あるいは第三者委員会でも法的には問題なかったとかいうことを言われていますけれども、その指名委員会というものも、これは社外取締役の方々が集まってつくっておられるわけで、そこから違う人をという話が出てくるとはとても思えない、そういう位置づけだと思いますし、第三者委員会にしても、内部につくった委員会でございますから、やはり基本的には経営陣を擁護するという姿勢が報告書からはにじみ出てきておると思います。

 そういう中で、不明朗な点をただしていくということ、そして、昨日終わりましたけれども、株主総会で議決権を行使するのは財務大臣ということになるわけでありますけれども、その与謝野財務大臣はこのことについてはほとんど発言をしてこられないわけでありまして、担当である、所管しておられる総務大臣が常に物を言ってこられたということですから、国民からすれば、やはり佐藤総務大臣しか頼りになる人はいない、そういう目で見ていたわけですね。

 それが、報告書が正式に出される前にもう既に態度を決めてしまわれていたということについても、非常に失望感をぬぐい得ないというように思います。なぜそういうことになったのか。もう最初からそういう判断をされるということを前提にして総務大臣をお引き受けになったのではないかというようにも思わざるを得ない。

 私のこの間の質問には、改善命令に対する答えを十分に見て判断をされるということを言われました。答弁されていることを聞くと、新しく経営諮問会議をつくるとか、全国モニターの会合をつくるとか、あるいはチーム西川の人たちをやめさせることにしたとか、そういうことを評価されて認めたというような発言がありますけれども、今日までやってこられたことに対する責任を問うという姿勢はそこからは全然出てこない。これからこう改善しますということに対して、いいですね、結構ですよ、そういうことですね。

 今までやってこられたことがおかしいと思っているわけですから、そのことに対する責任をきちっととっていただく。新しい経営陣で一新して、国民の期待にこたえて、この共有の資産を持っている日本郵政という大企業体を健全に運営されていく。それを所管する責任が佐藤大臣にあると思うんですが、いかがでしょうか。

佐藤国務大臣 先ほど来からお話をしておりますので、そう多くは要らないと思いますが、西川社長が継続をして、一年の中でそういうものを改善していく、先ほど申し上げましたが、それを三カ月ごとにディスクローズしていくという話がございました。

 当然、西川社長も悩まれたと思います。こういう場で引き続き皆様方の御審議を当然いただくわけでございますから、そういう意味では重い決断をされたということも踏まえて、見解の相違だと言われればそうなってしまいますけれども、私は、一年という重い判断の中で容認をさせていただいたということでございます。

亀井(久)委員 西川社長にお伺いしますけれども、チーム西川と言われる方々をやめさせる決断をされたということのようですが、それはどういう理由からでございましょうか。

西川参考人 お答えいたします。

 四名の三井住友銀行を一たん退職して来ていただいた人たちについては、これまで民営化の当初の段階の仕事として大変よくやってくれたというふうに私は思っております。

 ただ、いつまでも彼らがやることではなくて、やはり社内のしかるべき人たちにバトンタッチをしていくというタイミングがあるはずでございます。これをこの際実行していこうという趣旨でございます。

亀井(久)委員 外から来てもらった人たちに一定の時期に帰ってもらう、それだけのことだというように受けとめられるんですが、一連のかんぽの宿の売却等を初めとする資産の売却について、不適切な処理をしようとしたのではないか、そうしたことを言われているわけですけれども、そのことに対して、あるいはまた、適切な報告を上部にしていなかった、そういう責任を問うという意味は全く含まれていないんでしょうか。

西川参考人 お答えをいたします。

 やはり、担当者から詳細を聞き、そしてそれを記録にとどめさせるといったような作業をきちんと指示していなかったというような落ち度はあったと存じます。しかし、大勢として、彼らは間違った判断をしてきたというふうには思っておりません。

亀井(久)委員 余りぎりぎり詰めるのは私は好きじゃないんですけれども。そういう方々を西川社長が連れてこられた、迎え入れられた、そういうことに対する西川社長の責任ということについては、今全く考えておられませんでしょうか。

西川参考人 お答えいたします。

 私も至らぬ点がございました。その厳しい反省の上に立って、今後の私の責務を果たしてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、大変重い責任を感じております。

亀井(久)委員 これ以上はもう申しません。

 前回の委員会で私が指摘をした点ですが、かんぽの宿等の売却をめぐる問題で、一番の核心の部分というのは、十八年度の評価額三百三十九億が、不動産をめぐる状況がほとんど変化がない中で、十九年度が百三十六億、六〇%減損処理をしているわけですね。これは何らかの意図があったとしか思えない。

 客観的に評価できる固定資産税評価額が八百五十六億とか七億とか言われているわけで、そういう中で、今回の売却の根拠になったのは百二十三億という一つの評価の額ですけれども、その百二十三億という評価の額が出てくるもとになった鑑定評価というものが、どうしてそんなに六〇%も下がってしまうんだろうか。

 そこは、明らかに鑑定業者に対して一つの指示が行われたのではないか、算定の方法、基準を変えろ、そういう指示があったのではないか、そのように思わざるを得ないわけでございます。収益還元法というものの算定率をもっと上げろ、半々にしろ、そういう指示があったというような情報もあるわけでございます。しかも、そのことに対して、まだかんぽの宿の売却が決定をされていない、その方針が決まっていないこの時期になぜそういうことが行われたのか、これが極めて不明瞭、不可解でございます。

 そして、内部において、御指摘をいただきました高木副社長や横山専務がそのことを強く指示されたのではないか、そういうことも言われているわけでございますけれども、その辺の事実関係について高木副社長から明らかにしていただきたいと思います。

高木参考人 お答え申し上げます。

 こういう言いわけをしてもなんなんですが、私、不動産鑑定の専門家ではございませんので、この鑑定につきましては、いずれにしても、郵政公社の方で企業会計原則にのっとって、しっかりした手続でやっているというふうに承知をしております。

 それで、今先生御指摘のような指示を私どもがしたということはございません。

亀井(久)委員 やはりそこの経緯が、かんぽの宿の不明朗な売却を決めるということの一番の核心部分だと私は思います。それは鳩山総務大臣当時に会社の方から取り寄せた十七箱の段ボールの箱の中の資料には含まれていなかったのではないかというように思うわけで、そこの調査をしっかりやってくださいということを佐藤総務大臣にはこの間お願いして、やりますということを言われたんです。

 ですから、それがきちっと調査をされれば、私は、西川社長を初め経営陣の再任ということにはならなかったのではないかというようにさえ思うわけでございますから、その調査を引き続きやっていただくようにお願いします。

佐藤国務大臣 先生から御指摘がございまして、早速事務方を通じて、日本郵政に対しまして、かんぽの宿の十九年度の鑑定評価の過程について確認をさせていただきました。

 かんぽの宿の鑑定は、これはもう先生御承知のとおりですから細かい話をする必要もないとは思いますけれども、日本郵政から鑑定業者に対して具体的な指示はしていないとの説明があったというふうに聞いております。

 御指摘の件も含めて、なぜ鑑定業者が鑑定評価の過程で何度も価格修正をし、価格を下げる必要があったのか、また、そこに日本郵政から具体的な指示がなかったのか、国民から疑念を持たれることがないように、日本郵政は説明責任をしっかり果たしていただきたいと考えております。また、この件についても、先生の御指摘がございましたように、しっかりと確認、そして調査をさせていただきたいというふうに思っております。

亀井(久)委員 かんぽの宿がなぜこれだけ国民から関心を持たれるかというと、多くの人が利用してきたからなんですね。カード会員が百万人を超えている、そういう状況なんです。

 ですから、今、郵政が新しい事業をどんどんされようとして、いずれもうまくいっていない、そういう中で、かんぽの宿というのは、メリルリンチ日本証券も黒字化の努力をすれば黒字になると言っているんですから、やはり今までやってきたように引き続き日本郵政でしっかりとかんぽの宿の事業を継続していただくというようなことは私は必要ではないかと思うんですが、そのことに対してはいかがでしょうか。

佐藤国務大臣 さまざまな問題が今回のことで露出をしました。したがいまして、いろいろな、もちろん株の問題もございます、そういうこと等々を含めて、しっかりと私ども検証させていただきながら検討してまいりたいというふうに思っております。

亀井(久)委員 終わります。

赤松委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十四分散会


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