衆議院

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第10号 平成27年3月25日(水曜日)

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平成二十七年三月二十五日(水曜日)

    午後一時三十七分開議

 出席委員

   委員長 桝屋 敬悟君

   理事 石崎  徹君 理事 石田 真敏君

   理事 菅家 一郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 山口 泰明君 理事 奥野総一郎君

   理事 水戸 将史君 理事 稲津  久君

      あかま二郎君    池田 道孝君

      大西 英男君    鬼木  誠君

      金子万寿夫君    金子めぐみ君

      黄川田仁志君    小林 史明君

      新藤 義孝君    鈴木 憲和君

      田所 嘉徳君    高木 宏壽君

      橘 慶一郎君    土屋 正忠君

      中村 裕之君    長坂 康正君

      御法川信英君    武藤 容治君

      宗清 皇一君    逢坂 誠二君

      黄川田 徹君    小山 展弘君

      近藤 昭一君    階   猛君

      武正 公一君    福田 昭夫君

      高井 崇志君    吉村 洋文君

      浜地 雅一君    梅村さえこ君

      田村 貴昭君    吉川  元君

      長崎幸太郎君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   総務副大臣        西銘恒三郎君

   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君

   総務大臣政務官      あかま二郎君

   総務大臣政務官      武藤 容治君

   総務大臣政務官      長谷川 岳君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           稲山 博司君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            安藤 友裕君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           徳田 正一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           伯井 美徳君

   参考人

   (日本放送協会経営委員会委員長)         浜田健一郎君

   参考人

   (日本放送協会監査委員会委員)          上田 良一君

   参考人

   (日本放送協会会長)   籾井 勝人君

   参考人

   (日本放送協会副会長)  堂元  光君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 塚田 祐之君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 吉国 浩二君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 石田 研一君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 板野 裕爾君

   参考人

   (日本放送協会理事)   福井  敬君

   参考人

   (日本放送協会理事)   森永 公紀君

   参考人

   (日本放送協会理事)   井上 樹彦君

   参考人

   (日本放送協会理事・技師長)           浜田 泰人君

   総務委員会専門員     畠山 裕子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十五日

 辞任         補欠選任

  川崎 二郎君     御法川信英君

  逢坂 誠二君     階   猛君

  福田 昭夫君     小山 展弘君

同日

 辞任         補欠選任

  御法川信英君     川崎 二郎君

  小山 展弘君     福田 昭夫君

  階   猛君     逢坂 誠二君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第二号)


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     ――――◇―――――

桝屋委員長 これより会議を開きます。

 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本件審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長稲山博司君、情報流通行政局長安藤友裕君、文部科学省大臣官房審議官徳田正一君及び大臣官房審議官伯井美徳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桝屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

桝屋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。階猛君。

階委員 民主党の階猛です。

 本日も質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。

 上田監査委員に最初にお尋ねします。一般論として尋ねます。

 NHK会長が、NHKにハイヤー代金を支払わせる意図を持って、私用のために会社で契約しているハイヤー会社を利用した場合、背任罪ないし特別背任罪が成立し得るのではないかと考えますが、いかがでしょうか。はいかいいえでお答えください。

上田参考人 お答えいたします。

 階委員からの御質問の趣旨は、会社に負担させる意図を持って私的にハイヤーを利用した場合に背任罪になるかというものと理解いたしております。

 しかしながら、本件につきましては、もともと籾井会長が自己で負担する意思があった、すなわちNHKに負担させる意思はなかったものと判断しており、階委員の御質問とは前提が異なるケースであると認識いたしております。

 誤解を招くおそれがありますので、御質問へのコメントは差し控えさせていただきます。

階委員 それでは質問を変えますけれども、今の御説明の中で、もともと籾井会長は御自身で支払う意図があったというふうにお話しされましたよね。それは、そこがポイントだから、まず最初にそこを認定した、そこは確実にそう言えると判断したということでよろしいですか。

上田参考人 お答えいたします。

 今、階委員から御指摘があった点は、重要なことの一つであるというふうに認識いたしております。

 本件調査に際しましては、あらゆる予断を排した上で関係者からヒアリング等を行った結果、判明した事実を報告書において報告いたしております。

 以上です。

階委員 本当に会長本人が支払う意思があったということであれば、私は、このような問題に発展して監査委員会が調査をするという事態は招かなかったと思うんですね。

 会長は、NHKに私用のハイヤー代金を支払わせることへの確定的な意思はなかったかもしれませんが、成り行き任せで、もし請求が来れば払うし、請求が来なければいつまでも払わなくていいというような考え方だったのではないでしょうか。籾井会長にお尋ねします。

籾井参考人 代金は当初から自分で払うことを秘書室長に明確に申し上げておりましたし、このことは監査委員会の報告書でも事実と認定されております。

階委員 それを話したところまではいいでしょう。ただ、本当に秘書室長にそう言ったのであれば、いつまでも請求が来ないのに、どうなっているんだというふうに尋ねたり、あるいは自分が利用代金は幾らになったかということについて関心を持ったりすべきなのに、そういったことは報告書に一切書かれていないんですね。(発言する者あり)

 委員長、ちょっと静かにさせてください。

桝屋委員長 静粛に願います。本日はテレビで放送されております。御静粛にお願いします。

階委員 それで、会長において、今お話しになられたような代金を支払う積極的な意思があれば、周りの人たちも違う対応があったと思いますよ。秘書室において、事後的に、ルールに違反した乗車票を作成してまで会社経費で処理したり、金額がわかっているのに秘書室からいつまでも会長に請求がなされず、監査委員の指摘があって初めて代金を支払う、こういった失態は避けられたのではないですか。会長にお尋ねします。

籾井参考人 前にも御説明したと思いますが、私は、私用でハイヤーを使ったわけですから、当然私宛てに請求書が来るものと思っておりました。

 監査報告では、私につきましても、「自身の支払いが終了していないことについて、適宜、注意を喚起し、必要に応じ適切な指示を出すべきであった」と指摘されております。これはまさしく御指摘のとおりであり、私ももう少し本件について注意をしていればよかったんですが、このことを真摯に受けとめ、今後はこのようなことがないよう私もしっかり対応していきたいと思います。

階委員 法律を知らない一般の人たちは、後から支払えば問題ないんだということをよく言うんですね。幾ら最初は確定的に自分で支払う意思がなかったとしても、後から求められて払えば問題はないんだというような言い方をする人も世の中にはいます。会長は、その考え方は正しいと思いますか。

籾井参考人 お答えいたします。

 私は最初からハイヤー代は私が払うというふうに明言しておりましたし、それ以外のことはないです。そして、先ほども申しましたが、当然、私宛てに請求書が来るもの、そういうふうに思っておりました。

 ただ、結果として、監査報告でも指摘されているように、もう少し適切な行動があったのではないかということについては、まさしくそのとおりだと。今後はそういうことがないように注意いたしたいと思います。

階委員 今後改めるということではなくて、実は、会長からきのう、報告書は会長に対するアドバイスだという御答弁があった。その報告書、会長直属のNHK関連団体ガバナンス委員会の報告書というのがあります。

 その三十ページには、関連会社で架空経費の請求によって損害が発生したという不祥事を繰り返さないために、「経費等の支払いに係る内部統制の強化」というのが提言されています。これを受けて、籾井会長は、「今後の経営や業務運営に生かし」と昨年八月二十六日の段階でコメントを出されているわけですよ。

 にもかかわらず、なぜ、会長のお膝元ともいうべき秘書室において、本件のように、NHKに一歩間違えば損害を与えかねないような経理処理が行われたのか。会長がどのような経営を行ってきたのかと問われる事態だと思いますよ。この点についてお考えをお聞かせください。

籾井参考人 お答えいたします。

 内部統制につきましては、私は、着任以来、いろいろその強化について、随分と職員に対して申し上げてまいりました。そして、過去の不祥事に対して、たまたま新聞でまだあると言われたものですから、ああいうふうな調査委員会をつくってもらったわけです。そして、今委員がおっしゃったような、声明といいましょうか、私のコメントを出したわけでございますが、それに従って、当然、秘書の職員にも内部統制の強化については認識を促しておったわけです。

 今回の件につきましては、まず一つは、やはり個人的にハイヤーを使ったということが初めてのケースだったということもありまして、秘書が伝票の催促を受けた時点で、きのうも御説明したと思いますが、一月十五日の締め切りに間に合わせなきゃいかぬというところで乗車票を作成した結果、この伝票が決裁に回ったわけでございます。

 これにつきましては、こういうことが起こらないよう十分に徹底したいというふうに思っております。

階委員 内部統制を強化するということは、そういうずさんな経理処理が起きないような体制をつくるということなんですよ。それを、なぜ御自身のお膝元からそれができていないのか。そこですらできていないものが、会社全体あるいは関連会社を含めて、ちゃんとした内部統制の体制を構築できるのか、そういうふうに普通はみんな思うわけですよ。

 それだけではありませんよ。きのうは、会長の答弁が二転三転しました。そこで、もう一度確認します。

 NHKでは、乗車票を事後に作成する場合であったとしても、会長の了解を得ない限り、乗車票の左下にある降車時刻と使用者氏名の欄は代理記入できないルールになっている。しかし、これまで会長が認めてきた事実関係によれば、本件では、このルールに明らかに違反する手続が会長のお膝元である秘書室で行われたのではないですか。会長、お答えください。

籾井参考人 お答えいたします。

 ハイヤー乗車票は、利用した役員が署名し、降車時刻を記入しております。事後に作成する場合も、原則として役員が記入しておりますが、出張で不在の場合など対応できないときは、本人の了解を得て、署名や降車時刻などを記入することがあります。

 ただ、今回は、秘書が、乗車票の催促を受け、期限に迫られたと思い作成したもので、適切ではありませんでした。こういうことがないように徹底したいというふうに思っております。

階委員 ルール違反があったということはお認めになったということでいいですよね。(発言する者あり)大きな問題ですから聞いています。

籾井参考人 お答えします。

 一つは、初めてのケースだったということと、それから、これは何度もお答えしておりますが、十五日の期限が迫って、その時点で督促されたものですから、確認するまでもなく秘書が伝票を出した、こういうことが全ての始まりになっているわけです。この点はぜひ御理解いただきたいと思います。これは本当に不注意が起こしたわざだというふうに思っております。

階委員 全くこの調査報告書の事実関係にも反することを今おっしゃいましたよ。

 一月の六日にハイヤー担当者から秘書室に対し精算方法について照会があって、十三日に秘書室職員が籾井会長の名前で乗車票をつくったということですから、締め切りが迫っていたというのは、全く事実と反しています。いや、まだ答弁は結構です。

 それで、会長、こういうお膝元で簡単にルールが違反されている。

 しかも、会長に尋ねようと思えば尋ねられたんですよ。というのは、降車時刻の方は、この職員、きっちりハイヤー会社に確認しているわけですよ。なぜ会長には確認しないのか。普通だったら身内に確認すべきところを確認しないというのも、私は非常に疑惑があると思っています。

 それからもう一つ、会長、このお膝元の秘書室で、今申し上げたように、NHK、ひいては受信料を支払う国民に損害を与えかねない経理処理、あるいは規範の欠如した秘書室職員によるずさんな事務処理が行われていることが今明らかになったわけです。

 経営トップとして、このような業務遂行がなされている責任をどうお考えになっていますか。

籾井参考人 先ほど、催促が六日とおっしゃいましたが、及び十三日でございます。訂正させていただきたいと思います。

 私的なハイヤーの使用をめぐりまして、公私の区別に疑いを持たれるような事態を招いたことには、私は心からおわびを申し上げたいというふうに思います。

 監査委員会も、秘書室の対応がずさんだったこと等を指摘するとともに、受信料で成り立つNHKの会長や会長を支える秘書室には、高い倫理観を持て、また説明責任を常に意識すべきだという見解を示しております。

 経営委員会は、関係者がコンプライアンス意識を徹底し、協会が再発防止策を着実に遂行していくことを求めております。

 これらの指摘を十分に踏まえて、適切な再発防止の対策をできるだけ早くとることが重要だと考えております。

階委員 今の答弁でも小さな声でお話しされましたけれども、六日にもちゃんと督促が来ているわけですよ。こういうことも、いいかげんな答弁で責任を回避しようとしているのが、私は、籾井会長の資質として問題があると思っています。

 それから、最後に経営委員長にお尋ねします。

 経営委員長は、従来にない、今までは一度も会長に対して注意や申し入れをしてこなかったわけですけれども、籾井会長については、一年間で四回も注意や申し入れを行ってきました。にもかかわらず、またこうして新たな問題が起きてきている。

 籾井会長は、これまで、いろいろな批判あるいは忠告、あるいは国会の場での議論を通じて、いろいろな反省の場、改善の場があったにもかかわらず、全く進歩の跡が見られない。今後新たな問題が発生し、NHKの信頼がさらに損なわれる前に、経営委員会として会長の罷免を真剣に考えるべきだと思いますが、経営委員長、いかがですか。

浜田(健)参考人 御指摘のような点は、経営委員会が、放送法に則し、自律的、総合的に合議によって判断するものと認識をしております。

 あわせて、現時点では、経営委員会といたしましては、平成二十七年度の収支予算、事業計画を国会で年度内に全会一致で御承認いただけるよう努力し、次期経営計画を着実に実行することを執行部に求めているところであります。

階委員 予算の全会一致について努力するよう求めているということですが、なかなかそういう努力は見られず、むしろ、ますます全会一致が果たされなくなる方向に来ているということです。

 籾井会長、昨年、少なからぬ費用を使って会長直属のガバナンス委員会から貴重な提言を得たにもかかわらず、経費請求について内部統制が構築されず、また、お膝元である秘書室ですらコンプライアンス意識が欠如したり、会社に損害を与えかねないようなずさんな経理処理をしたりという中で、NHK全体をしっかり統率していけるのか、この疑惑が、疑問がますます深まったということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 民主党の奥野総一郎でございます。

 連日にわたり、籾井会長に御質問させていただきます。

 時間もございません。まず、放送の同時再送信。

 中期経営計画に、要するに、インターネットの同時再送信、放送番組の同時再送信について取り組む、こうあります。

 これは、パソコンで見る方あるいはスマホで見る方についても受信料の問題が発生してまいると思いますが、こうした方々からも受信料を対価として、負担金として徴収することになるのでありましょうか。

 また、あわせて、受信料の義務化という話も従前の審議の過程で出てまいりましたけれども、これらについても同時に検討されるのでありましょうか。会長。

籾井参考人 同時再送信の問題につきましては、やはり私は、これは世の中の一つのトレンドということで、我々としてもこれについては粛々と進めていきたい、こういうふうに思っております。

 ただ、現在の状況はどういうことかというと、まだ常時同時というわけにはいっていませんで、非常に限定的な中で、今度、四月一日から新放送法に基づき、そういうことを、実験といいましょうか、試験も含めまして、いろいろやっていく所存でございます。

 それから、料金につきましては、これは今まさしく検討を始めたところでございますが、やはり公平性をどういうふうに出していくかということも一つの大きな柱であろうというふうに思っております。

 それから、もう一つの問題ですが、義務化でございますね。

 これにつきましては、この前も答弁でお願いしたんですが、確かに、皆さんからいただくという点では非常に手っ取り早いということは言えるんですが、ただ、この問題は非常に大きな問題ですから、まだまだいろいろな議論をしなければならない。受信者の方たちの御意向もあるでしょうし、法律の問題もあるでしょうし、いろいろな観点から検討しなければならないと思っていますので、これの実現はまだまだ先のことではないかと私は思っております。今現在、それを頭の中に物すごく置いているかというと、必ずしもそうではございません。

奥野(総)委員 今の話は、公平性の観点からいえば、パソコンだけでごらんになる方あるいはスマホだけでごらんになる方も徴収する、そういう答弁も実際されておりますから、そういう検討をされるということだと思います。

 また、義務化についても、今すぐとはおっしゃらないけれども、検討も視野に入っているというふうに理解をいたします。

 ということは、受信料の大幅な見直しについて、この三年間のうちにやらなきゃならないということだと思うんですね。これは非常に難問であります。NHKの信頼なくしては、なかなかこうした大改革ができないと思うのであります。ですから、NHKの会長への信頼感、NHKへの信頼度というのがまさにポイントになってくるわけであります。

 そこで、そうした問題に入っていきたいんですが、一つは、「クローズアップ現代」のやらせ報道というのがございます。

 これは、出家詐欺というものを「クローズアップ現代」が取り上げた。お坊さんになれば戸籍が変わって、過去の借金の履歴も全部消えて、また新たに借金ができるようになるというメリットがある、だから、僧籍、お坊さんの資格を売買する、こういう仕組みがある。「クローズアップ現代」では、その売買の現場を、ブローカーの方と相談に来た方ということで隠れて取材した。こういうことになった番組であります。これについて、この部分がやらせではないかということが一部報道されています。

 これは、事実だとすれば、まさにNHKの信頼が揺らぐ大問題、事件の捏造とも言えるような大問題でありますから、これが事実かどうかということ、この記事、やらせが事実かどうかということについては、すぐにも検討して公表しなければいけないんですね。

 過去、こういう事態のときには、調査委員会を設け、あるいは調査部門を設けてすぐに対応したと思うんですが、これはしっかりやっておられるんでしょうか。どうも、相手方、当事者に調査が及んでいなかったり、出足が遅いと思うんですが、危機感に欠けているんじゃないでしょうか。会長、いかがでしょうか。会長の危機感を伺っているんです。会長として危機感が欠けているんじゃないかという質問ですから、まず会長に。

籾井参考人 この問題については、やはり我々にとっても非常に重要な問題であります。この前も申し上げたと思うんですが、この問題への対応については、あらゆる可能性をオープンにしながら調査を進めていきたい。

 現在、調査は進行中でございますが、この辺につきましては森永理事から御報告させていただきます。(奥野(総)委員「簡潔に」と呼ぶ)

桝屋委員長 では、森永日本放送協会理事、簡潔なお答えをお願いいたします。

森永参考人 お答えいたします。

 番組を制作した局内関係者だけでなく、外部の方からも聞き取りを行っているところでございます。

 正確を期すために、丁寧に調べる必要があると考えております。それで少し時間がかかっております。

奥野(総)委員 先週、あれは金曜日でしたか、私が質問したときはまだ実は当事者に調査が及んでいなかったわけでありまして、私が質問した直後に調査が及んだということでありますから、これは質問しなければもっともっと遅くなっていた可能性があるわけであります。

 ここでもう一度会長にお約束していただきたいんですが、可及的速やかに調査をし、結果を出し、視聴者の皆さんにきちんと結果を報告していただく。これをやらないと、NHKの信頼回復にはならないと思うんですね。

 まして、今、ハイヤー問題やらいろいろな一連の会長発言でNHKの信頼が傷ついているわけでありますから、こうした問題については、速やかに調査を終えて、テレビあるいはホームページで調査結果を報告する、そして場合によっては調査委員会を立ち上げてさらに徹底的に究明していただくということをお約束いただきたいんですが、いかがでしょうか。

籾井参考人 今、現状につきましては森永理事から報告したとおりでございますが、事実関係は、まとまった時点で、何らかの形で公表したいというふうに思っております。

 度合いによりまして、私が先ほどから申しておりますが、いろいろな形での調査を進めたいと思いますし、その結果が出たときには、当然、外部に公表したいというふうに思っております。

奥野(総)委員 ここでしっかりお約束いただきましたので、できるだけスピーディーにやっていただきたいと思いますし、この問題は、これで終わらせずに、やはり委員会としてもしっかり取り上げていっていただきたいと思います。

 それから次に、一連の会長発言の問題がございます。

 時系列で言うと、ことし一月の九日に開かれたNHKの国際放送番組審議会での、いわゆる河野談話をめぐる発言がございます。

 これは毎日新聞が三月六日付で取り上げているんですが、会長が国際放送番組審議会の中で発言したということですが、記事によれば、国際番組基準に日本政府の方針を正確に伝えなさいと書いてあるが、はっきりした方針は意外とないんだ、その一例として慰安婦問題を挙げ、安倍首相が安倍談話を出せばこれは国の政策だが、河野談話はそうではない、河野談話は政府の政策でない、こういう旨発言をしたと記事になっています。また、これについては、そうした趣旨の発言をされた旨、この総務委員会の理事会でも板野放送総局長から報告を受けているところでございます。

 今でもこうした考えをお持ちなのか、あるいは撤回されたのか、伺いたいと思います。

籾井参考人 私は、河野談話につきましては、NHKの国際番組基準が言うところの我が国の国際問題に対する公的見解に当たるというふうに考えております。

奥野(総)委員 では、この発言は誤りだったと認めるわけですね。放送番組審議会での発言は誤りだったと認めるということでよろしいでしょうか。

籾井参考人 もしかしたら御承知かもしれませんが、審議会の席上、委員の方から、日中関係、日韓関係あるいは原発問題などで国際的な緊張が高まっていく中、ジャーナリズムとしての中立性、客観性と、国益に資する報道というところをぜひ引き続き慎重に考えながら放送してほしいとの発言がございました。

 これに対して、私から、NHKの国際番組基準で、我が国の重要な政策、国際問題に対する公的見解などを正しく伝えると定められていることに触れた上で、本当に難しい、領土問題は日本政府の方針がはっきりしているが、例えば河野談話についてはそうではない、皆さんの意見を伺いたいという趣旨の発言をいたしました。

 これは、河野談話それ自体が閣議決定を経ていないということもあり、政府方針としてどう判断するか難しいという思いで申し上げました。

 いずれにしましても、河野談話がNHKの国際番組基準が言う我が国の国際問題に対する公的見解に当たるというふうに認識いたしております。

奥野(総)委員 誤りだったということですね、閣議決定を経ていないから政府の方針じゃないということは誤りだということをお認めいただいたということですね。

 もっと時間をかけて詰めていきたいんですが、きょうは時間がございません。

 それから、ハイヤーの問題ですが、階議員の方から随分お話をしました。

 きのう、参議院の予算委員会で、会長はこの問題について、公私混同のぬれぎぬを着せられているという趣旨の発言をされたと思いますが、ぬれぎぬということは、公私混同でないと考えておられるんでしょうか。

籾井参考人 ハイヤーの問題につきましては、いろいろ皆様方にその使用をめぐって疑いを持たれるような事態を招いたことに、心から本当におわび申し上げたいというふうに思っております。

 ただ、監査委員会は、秘書室の対応がずさんだったこと等を指摘するとともに、受信料で成り立つNHKの会長や会長を支える秘書室には、高い倫理観と説明責任を常に意識すべきという見解を示しておりますが、今の公私混同という話につきましては、私は最初から、昨年の十二月二十六日に車の手配をしたときから区別をつけるためにハイヤーを頼んだということ、代金も自分で支払うということを申し上げていたこと、若干その後の事務処理について混乱があって、結局は会社の支払いの流れに入っちゃったということで、この点については非常に不都合があったというふうに私は思っております。

 ぬれぎぬという言葉は余りよくないんですが、私は最初から、そういうふうに公私混同をするつもりは全くありませんでしたし、車に乗って帰ってきて、後、代金の支払いのところでやはり手違いがあったということで、まことに申しわけなく思っておりますし、今後はそういうことがないようにしたいと思っております。

奥野(総)委員 監査委員会も、これは業務目的の使用だと言っているんですね。受信料を一時的に立てかえ払いした、これは受信料の目的外使用を禁じた放送法七十三条一項に反すると明らかに解されるんですが、しかし、それに対して監査委員会は、ゴルフに行くのが業務利用だ、立てかえ払いも業務利用だ、こういう見解を出しているんですね。なぜなら、セキュリティー上、必要だから。

 ところが、会長はふだん、一回もハイヤーを利用していないんですね。監査報告書にも出ていますけれども、土日、プライベート、一切使っていないのに、このゴルフに行くときだけはセキュリティー利用だと言って使って、しかもこれは業務目的だと言って、受信料の立てかえ払いをしている。しかも、公私混同がなく、秘書室が全部悪いんだ、こういうことを言っておられるんですね。

 御自分の責任、監督責任についてはどうお考えでしょうか、会長。

籾井参考人 本当に率直に申し上げて、私は、請求が私のところに来るものと思い込んでおりましたので、それを待っておったというのは事実でございます。ただ、指摘されているように、途中で、あれはどうなったと聞けば、もしかしたらそれで済んだ話かもしれません。

 それから、一月二日はお正月でございましたので……(奥野(総)委員「もう結構です」と呼ぶ)いいですか。

奥野(総)委員 経営委員長に伺おうと思っていましたけれども、先ほど階さんが聞いたので。

 最後に大臣に、一連の答弁を伺って、NHKの信頼回復という意味で、この一連の籾井会長の発言等についてどうお考えか伺って、終わりにしたいと思います。

高市国務大臣 幾つか御指摘がございました。

 会長のこれまでの御発言に関する指摘につきましては、放送法は放送事業者の自主自律を基本としておりますから、放送機関のトップが行った個別の発言について、総務省としてコメントすることはございません。

 ただ、会長は、御自分の個人的な見解を放送に反映させることはないという旨、国会で何度も答弁をしておられると承知をいたしております。

 また、「クローズアップ現代」に関するお話もございましたけれども、現在、NHKにおいて調査中ということですから、これはしっかりと調査をしていただき、国民・視聴者の皆様に対する説明責任を果たしていただくということが重要でございます。

 ハイヤーの使用に関するお話もございましたが、これはもう、受信料により運営される公共放送の社会的な責任の重さに鑑み、国民・視聴者から疑念を持たれることのないように、監査委員会の調査報告や経営委員会の見解を踏まえられて、再発防止に向けてしっかりと対応していただく、これが重要だと考えております。

奥野(総)委員 以上で終わりたいと思います。

桝屋委員長 次に、黄川田徹君。

黄川田(徹)委員 民主党の黄川田徹であります。

 通告に従い、順次質問していきたいと思いますけれども、本題に入る前に、一つ疑問がありますので、ただしていきたいと思っております。

 NHKのラジオの第一、そしてFMなのでありますけれども、午前三時台に毎日、このような放送がございます。NHKのラジオ、テレビの番組は皆さんの受信料でつくられていますという放送であります。

 そこで、この放送は、誰に向かって、何の目的で放送されているのか、そしてまたテレビではどうなっているのか、お尋ねいたします。

森永参考人 お答えいたします。

 ラジオの第一放送とFM放送では、「ラジオ深夜便」の午前三時台に、御指摘のように、NHKのラジオとテレビの放送は皆さんの受信料でつくられていますという告知を毎日行っております。

 テレビでも、適宜、受信料についての告知を行っています。現在は、新生活応援キャンペーンとして、ひとり暮らしを始める若者に割引の制度があることや、受信料の口座振替や衛星契約の勧奨などもPRしているところでございます。

 ホームページなどでも常に告知しておりまして、受信料の重要性を訴えております。

黄川田(徹)委員 午前三時に放送する意味はどこにあるんですか。

森永参考人 御指摘を受けとめさせていただきます。

 ラジオは深夜帯でございますが、テレビは昼間、いい時間でもやっておりますけれども、今後も受信料の重要性の告知には力を入れていきたいというふうに思います。

黄川田(徹)委員 午前三時が告知に最も適した時間なんですか。

 もう一度尋ねます。今、役所だって、国だって、こんなお役所仕事はしませんよ。もう一度答えてください。

森永参考人 お答えさせていただきます。

 御指摘は受けとめさせていただきます。今後、検討してまいりたいというふうに思います。

黄川田(徹)委員 まさか惰性でやっているわけじゃないでしょうね。

 NHKの経営計画、二〇一五年度から二〇一七年度、三年間の計画の中に、「受信料の公平負担の徹底に向け、受信契約対象世帯数の伸びが鈍化するなど厳しい状況の中で、全局体制で受信料制度の理解促進に取り組み、営業改革を徹底し、過去最高の支払率の達成に努めます。」こういうふうに書き込んであるわけであります。

 会長は、受信料の支払い率の目標八〇%ということを大きく打ち出しておりますので、こういう現状に対して、会長自身どう思いますか、それから、どういうふうに改善していきたいと思っていますか。

籾井参考人 今委員御指摘のように、受信料のいわゆる収納といいましょうか、こういうことはだんだん難しくなってきております。

 確かに二十九年に八〇%という高い目標を掲げているんですが、我々にとりましては、とにかく営業でいろいろな工夫をしながら最大の努力をする、そういうことでやっております。特に大都会地域が非常に低うございます。大体六割前後で推移しているわけで、この辺に相当力を使っていかなきゃいけないだろう、そのためにもっともっと法人営業をふやしていく、そういうことをさらにやろうとしております。

 営業というのは、いろいろな工夫もありますが、同時に、やはり足で稼がないとなかなか結果がついてこないものですから、そういうことでやっていきたいというふうに思っております。

黄川田(徹)委員 NHKの支払い率の向上に対する本気度、これが問われておりますので、会長、しっかりやってください。

 それでは、本題に移りたいと思います。

 東日本大震災の発災から丸四年、五年目を迎えました。残念ながら、時間の経過とともに風化しつつあることは否めないところでございます。

 会長は、就任直後にたしか福島の方に訪問されたと聞いておりますけれども、一年たちましたけれども、その後、被災地への足の運びはどのようになっておりますか。

籾井参考人 まだあちこち行けておりませんけれども、就任直後の三月に宮城に行きまして、原発関連のところを見てまいりました。避難して本当に人がいない町なんかを見ると、全く普通では感じないような、寂しいというよりは何だか本当に恐ろしいような感じすらしたわけでございます。そういうところをあちこち、飯舘村とか南相馬、浪江町なんかを訪れました。

 それから、本当に災害が起こった直後に宮城県の閖上に行きました。ちょうど高速道路まで津波が押し寄せて、そこにまだまだ船だ自動車だ、散乱している状況で、これを見たときには本当に驚きました。たまたま私の友人の笹かまぼこ屋さんがあそこで、閖上で本当に全壊して、今でもまだ苦しんでいますが、やっと操業を開始したというふうな状況でございました。

 私は、もちろん仙台へも行っておりますが、今後とも、被災地を訪れ、状況を見ていきたいというふうに思っておりますし、放送もごらんいただいたように、随分と震災のことについては報道させていただいたというふうに思っております。

 今後とも、こういう努力を続けていきたいというふうに思っております。

黄川田(徹)委員 常磐自動車道も開通しましたので、ぜひとも足を運んでいただきたいと思います。

 それでは、副会長以下、理事の皆さんはどのような足の運び方ですか。

堂元参考人 お答えをいたします。

 先ほど会長から答弁がありましたけれども、会長を含めて十二人の役員全てが、これまでに現地に入っております。地域と時期はさまざまでございます。一部役員になってから間もない人間がおりまして、ただ、その人物は、震災発災直後から何度となく東北の地に入っております。これが事実関係でございます。

 私自身のことを申し上げますと、一年余りになるわけでございますけれども、まず地方を視察する際には被災地に足を運ぼうという決意をしておりましたので、昨年の十一月に福島を訪れさせていただきました。

 私は報道現場の出身でございますので、何よりも国民の皆様、視聴者の皆様の安全、安心というのが最優先であるということを原点に今日までやってまいりましたので、現地を視察して、その経験を今後の私の仕事に生かしてまいりたいというふうに思っております。

黄川田(徹)委員 NHKの経営委員は十二名ですか、全国から選出されるわけでありますけれども、実は、東北の経営委員は、今現在は一人もおらないわけであります。ですから、執行部の皆さんには、ぜひとも現場主義でしっかりと取り組んでいただきたい、こう思っております。

 時間が過ぎてまいりましたので、それでは、震災報道に関して、来年度の報道予定計画についてお尋ねいたしたいと思います。

森永参考人 お答えします。

 来年度からの三カ年の計画でも、五つの重点方針のうち、方針第一の、最初の項目に、「「命と暮らしを守る」報道に全力を挙げ、東日本大震災からの復興を積極的に支援」と掲げております。NHKの最大のテーマであることには変わりありません。

 それで、来年ですけれども、被災地は、やはり引き続き厳しい状況に置かれております。黄川田先生御指摘のように、被災地以外の人々の関心が次第に薄れていく中で、住民の方々に寄り添い、復興を支援する立場から、高台移転などの新たなまちづくりや産業の復興、避難区域の住民の帰還など、残された課題について分厚く伝えていきたいというふうに思っております。

 また、大型番組、「NHKスペシャル」等で、東日本大震災のシリーズや、それから福島の原子力発電所の事故に絡むいろいろな話、あるいは現地の福島の方々の生活等についても、引き続き取材、制作をしてまいりたいというふうに思っております。

黄川田(徹)委員 それでは、時間が残りわずかになりましたので、次は、ラジオに関してお尋ねいたしたいと思います。

 ラジオ放送から九十年の節目を迎えました。一九二五年、大正十四年三月二十二日に放送が開始されました。NHKの前身の東京放送局の初代の総裁は、岩手・水沢、今は平成合併しましたので奥州市でありますが、その出身の後藤新平でありまして、放送開始の抱負を述べたわけであります。そしてまた、この放送開始三月は、ちょうど関東大震災の一年半後のことでありました。

 ラジオは、発災直後に大きな役割を本当に果たしました。昨日は鹿児島の金子先生からも、発災直後のさまざまなメディアの媒体、ラジオも九十年の歴史を持つけれどもまだまだ現役で、震災の生命線だと私は思っております。

 そこで、幾つかお聞きしようと思ったんですが、あと一分ぐらいでありますので、ラジオの現状、役割、ラジオ放送の展望等をお尋ねいたしたいと思います。

森永参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、東日本大震災でラジオの役割の重要性が大きく再評価をされました。大規模災害に備えて、さまざまな機能的な強化や、緊急時のラジオ送出の訓練も定期的に行っているところであります。

 それからまた、パソコンやスマートフォンといった若年層が親しんでいる機器でもラジオ放送を聞くことができるNHKラジオのインターネット同時再送信「らじる・らじる」の運用も行っているところでございます。

 多角的にラジオの強化発展に力を入れていきたいというふうに思います。

黄川田(徹)委員 震災、来年度は国の集中復興期間の最終年度ということで、また被災地も大きく変わってまいりました。地震、津波だけの岩手、宮城と、加えて、原発事故そして風評被害等の福島では、この復興の進捗にかなり格差が出ております。新たな課題も出ております。どうか、風化させずに、しっかりとNHKにはテレビ、ラジオ等で報道していただきたいと思います。

 時間でありますので、終わります。ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。幾つか質問させていただきたいというふうに思います。

 まずは、同僚議員も質問させていただいておりますし、私も既に質問させていただいておりますが、ちょっと幾つかまた確認させてください。

 籾井会長、私たちの民主党の部門会議でも会長はお答えになっているんですけれども、自分は、いつもはゴルフには電車とタクシーを使ってきたというふうにお答えになっておりますが、それでよろしいでしょうか。

籾井参考人 そのとおりでございます。電車とタクシーで行っておりました。

近藤(昭)委員 そうすると、プライベートなことですからあれですが、方法としては、会長に就任されてからも電車とタクシーを利用なさってきた、こういうことでよろしいですね。はい。

 そうすると、なぜ今回はそうではなかったのかということが出てくるわけであります。そして、監査委員会の活動結果報告書を見ておりますと、秘書室は、ゴルフは私用目的であることから、公用目的で利用される会長車ではなく、ハイヤー利用を会長に提案した。いわゆる秘書室がハイヤー利用を会長に提案した、そして会長もこれを了承した、こういうのが報告書にあるわけであります。

 これは、素直に読めば、会長が自主的にハイヤーを使うと当初からおっしゃったのではなくて、秘書室の方からそうした提案があった。提案があったからこそハイヤーを利用することになったと解釈できるのではないかと思うんですが、会長、当初どういう話し方を秘書室にされたのか。

籾井参考人 確かに、秘書室と話して、これは私用だからハイヤーにしようということになったわけですが、別にこれは私が消極的だったということでも何でもなくて、そのときの話し合いで、やはり公用車だと公私の区別がつかない、しかしハイヤーだとつくということで、ハイヤーにしたわけでございます。

 したがいまして、最初の十二月二十六日にオーダーしたときから、車を頼んだときから、これは公私の区別をつけ、なおかつ自分でタクシー代を払うというふうに申し上げたわけでございます。

近藤(昭)委員 この問題は何回も質疑が行われているわけでありますが、今のお答えでいいますと、会長は、私用で行く、しかしながら車を使いたいと、それに対して秘書室は、会長車ではなくてハイヤーを使ったらどうかと、そして会長も、そのことの了解のもとに御自身で払われる、こういうことになったんだというお答えだと思います。

 ただ、これは、改めて私が思うことをお伝えさせていただくわけでありますが、この間も何人かの委員の方からも御指摘があるわけでありますけれども、会長、一月に利用をなさった、しかし支払われたのは二月二十七日、随分時間がたっているということであります。そして、会長自身は、一月二日に利用された、その間に自分がきちっと注意を喚起しなかった、こういうふうにおっしゃられてはいるわけでありますが、会長への監査委員会の聴取は三月六日だったわけであります。そして、会長から秘書室に支払われたのは三月九日であったわけであります。一月二日から、会長が実際に払われたのは三月九日であった、そこに多くの人たちの疑念が生じているわけであります。そして、監査委員会自身も、秘書室に聴取したのが三月十一日から十三日にかけて。つまり、会長に聴取をして、そしてその後償還をされて、その償還をした後に聴取をしている、こういうやり方であるわけであります。

 私は、こういうやり方は、昨日も質問させていただきましたが、やはり監査委員会の監査の仕方、もっと外に向かって、第三者委員会、独立した形でやるとか、もっともっとしっかりとした説明ができる、コンプライアンスができるあり方であるべきだ、このことは申し上げたいと思います。

 それでは、こうした中でまた籾井会長がいろいろと発言をされていることで、予算に関連して質問をさせていただきたいと思います。

 私は、昨年の三月二十五日と五月二十七日の総務委員会でありますけれども、受信料と受信契約の問題について質問させていただきました。

 三月二十五日の委員会で、放送法改正で支払い義務を導入する方向で検討するのかについてお聞きをした。当時の新藤大臣からは、「国民・視聴者を初めとした関係者間でさらなる十分な検討が必要なのではないか」と考えている、こうお答えになられたわけであります。

 また、同じ昨年の五月二十七日の委員会では、受信料の支払い義務化の検討状況についてお聞きをしました。浜田経営委員長からは、「経営委員会として、支払い義務化についての具体的な議論は行っておりません。」「まずは現行制度のもとで、支払い率を向上させ、受信料の意義について視聴者・国民の皆様の理解を得ていく努力を最大限行うことが重要」と答弁をされました。

 ところが、籾井会長は、ことし、さきの三月五日の総務委員会における高井委員の質問に対し、「支払いは義務になっているんですが、実は罰則もございません。」「もし義務化ができれば、本当にこれはすばらしいことだと思います。」と答弁を行われたわけであります。

 ここで経営委員長にお聞きしたいのは、支払いは義務だが罰則はないという認識で正しいのかどうかということ、そして、経営委員会と政府における受信料支払いの検討状況についてお答えをいただきたいと思います。

浜田(健)参考人 放送法第六十四条には、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」とされております。これに基づいて受信契約を行い、受信料の負担をいただいており、罰則に関しては、放送法に規定はないものと認識しております。

 受信料は、NHKが公共放送の使命を果たすために認められた特殊な負担金であり、広く視聴者・国民の皆様の理解によって支えられるものと認識しております。

 経営委員会といたしましては、放送と通信の融合が進んでいく中にあって、現行の受信料制度のあり方についても検討の余地があると考えておりますが、これを変更するに当たっては、やはり国民的な合意が必要であろうというふうに思っています。したがいまして、次期経営計画の議決に際し、執行部に対して、受信料制度について研究を鋭意進め、この問題に関する国民的合意形成のために努力することを求めているところでございます。

近藤(昭)委員 国民的な議論、その節にも、当時の新藤大臣からも、国民的議論が必要だと。義務ということは、特殊な契約状況の中で起こっているということなんです。

 それでは、高市大臣にもお聞きしたいんですが、政府内でも検討中ということでありますが、検討中ということなんです。ところが、籾井会長は、「義務化ができれば、本当にこれはすばらしい」、こう委員会の中で答弁をされたわけです。いかが受けとめていらっしゃるでしょうか。

高市国務大臣 今、経営委員長からお話がありましたように、やはり受信料の性格というのは、これは特殊な負担金であるということであります。

 公共放送としてのNHKの業務を支えるためには、受信料の公平負担の徹底というのは大変重要な課題であります。そこで、今般の、平成二十七年度NHK予算に付した大臣意見の中におきましても、「受信料の公平負担を確保するため、効率性にも配慮しつつ、多様な手法を活用することにより、未契約者及び未払者対策を一層徹底し、支払率の向上を図ること。その際、支払率の低い大都市を中心に集中的な取組を実施すること。」こう意見を付させていただきました。

 この受信料の公平負担の徹底のためには、現行の契約義務を見直すということが一つ考えられるんですが、過去に国会の中でも受信料の義務化の議論が行われましたが、昭和四十一年、昭和五十五年、審議未了ですし、平成十九年も法案化見送りと、非常にさまざまな御意見がありますので、これは幅広い議論が必要でありますし、私は、国民・視聴者のコンセンサスをきちっと築いていくということが必要だと思っております。

近藤(昭)委員 契約義務があるという中で、そして受信料で成り立っているというNHKでありますから、これをきちっと視聴者の人に支払っていただく、これは大事なことであります。

 ただ、私は、やはり籾井会長が、そういう中で、義務化ということを総務委員会の中で、今大臣もおっしゃったように、国民的議論が必要なんだ、コンセンサスが必要なんだと慎重に行っている中で、その発言はいささかどうかと思うわけであります。

 それで、時間もなくなってまいりますので、ちょっと私の考えを改めて伝えさせていただきたいと思うんですが、NHKの受信料は、放送法第六十四条、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定しているのみなわけであります。実質的な契約義務こそ記されているわけでありますが、実のところ、支払い義務までは規定していないということであります。

 これは、本来契約は双方の意思の合致によってのみ成立するという近代私法や憲法の理念にそぐわないシステムを合法化させるためのぎりぎりの妥協であったと思うわけであります。受信料支払いの義務化が実現してこなかったゆえんである、こう考えるわけであります。

 しかしながら、その唯一の例外があります。それは税金であります。その例外性ゆえに憲法に納税の義務が記されているわけであります。全国民が加入を原則とする国民年金や国民健康保険ですら、法律上は義務化はされていないわけであります。

 正確を期すならば、例えば国民健康保険の場合、国民健康保険法第五条に、「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。」と自動加入が明記されている。しかし、それにもかかわらず、それ以外の契約義務も保険料納付義務も微妙に明記は避けているわけであります。

 つまり、政府や自治体は、加入は義務ですと主張すれども、強制執行はできないという仕組みになっているわけであります。この点、税務署やマル査に象徴される納税の強制力と比較して考えていただきたいと思うわけであります。

 そこで、放送法を改正してNHK受信料の納付を義務化しようということであれば、国や自治体の機関でないNHKの受信料が税金に次ぐもので、年金や健康保険の保険料よりも強制力が働く、強制徴収が可能なものになってしまうということを意味するわけであります。NHK放送の受信料が、年金や健康保険の保険料よりも強制力を持つことになる、そういう難しい問題だと思うんです。

 この点について、端的に大臣のお考えをもう一度聞かせていただきたい。

高市国務大臣 NHKが公共放送と民間放送との二元体制のもとでそうした社会的使命を果たしていくというための財源方式としては、広く国民全体の負担に依拠するものであること、NHKの高度な自主性が確保されるものであること、それから公共放送と民間放送との併存的関係を図るものであることが必要ですから、それで受信料制度というのが採用されております。

 ですから、この支払い義務化ということについてさまざまな議論がございますけれども、やはりNHKの財源である受信料の性格も踏まえた多角的な議論が必要だと考えております。先ほども申し上げましたが、国民・視聴者のコンセンサスが前提になってくると存じます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。だからこそ、NHKの予算案というのは、国民の皆様の理解を得て、やはり全会一致であらねばならないんだと思うんです。そういう努力を、そういうことをしっかりと関係の皆さんにはしていただきたい、そのことをお願いして、終わりとします。

 ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 NHK予算案、質疑を行わせていただきます。

 籾井会長、お疲れさまでございます。

 何度となく会長は放送法、放送法と言っておられますが、放送法も大変長い条文ですが、放送法のここの部分を特に重視しているということで、いつも言っておられると思うんですが、改めて御披瀝いただけますでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 NHKは、言うまでもなく、公共放送でございます。そういう意味におきまして、我々としては、やはり事実に基づいて報道するということ、これは非常に、一番大事なポイントでございまして、さらに、公平公正、不偏不党、何人からも規律されず、独立した放送を続けていく、こういうことがございます。

 そういう意味において、私は、今たまたま会長でございますけれども、どなたが会長になっても、やはりその会長の個人的な意思でもって放送の背骨が揺れてはいけないという意味で、常に放送法に回帰する、それによって背骨を真っすぐ伸ばしていく、こういうことをいつも考えております。

 そういう意味におきまして、百何条とあるわけですが、やはり放送の原点は一条から四条の、非常に大事な部分があると思っておりますので、この辺は全職員にも全部覚えてくださいというぐらい徹底をしているわけでございます。

武正委員 今お触れいただいたそうした言葉は、放送法一条、三条、四条、四条の特に二号、三号ということでございますが、今、会長、放送法の特に一条から四条というふうに触れられました。放送法四条四号には触れられなかったんですが、改めてこれについて、なぜ触れなかったのか、何かもし意図があればお聞かせをいただきたいんですが、四条四号、御披瀝いただけますでしょうか。

籾井参考人 全部申し上げるとちょっと時間がかかり過ぎると思って申しませんでしたが、やはり四条の二番目の政治的に公平であること、報道は事実を曲げない、意見が対立している問題については多くの角度から論点を明らかにする、この辺が四条の中では、一、二、三、四とありますけれども、常に肝に銘じている部分でございます。

 一条、二条、三条、四条、これを常に頭に置いているわけでございます。

武正委員 今、四号について改めて指摘をされたわけでございます。

 そこで、当総務委員会でも過日取り上げましたが、昨年の衆議院選挙の公示の日の夜のNHKの七時のニュース、そして翌朝の七時のニュース、私も候補者として見て驚きまして、この間、この委員会でも取り上げたわけでございます。

 改めて御披瀝いたしますと、十二月二日、衆議院選挙公示日、七時のニュースで開口一番、「第四十七回衆議院選挙が今日公示され」と。そして、「比例代表と合わせた候補者の数は千百九十一人で、安倍政権の経済政策・アベノミクスの評価を最大の争点に」ということが七時のトップニュースで最初の文言として流れました。

 政府・与党はそう考えるかもしれませんが、私を初め民主党あるいはそれぞれの野党は、いろいろな争点があるというようなことで衆議院選挙に臨んだわけでございます。

 翌朝七時の朝のニュースでも同じく、「最大の争点である安倍政権の経済政策、「アベノミクス」の評価などをめぐり」ということでございます。

 先ほど、四条四号、会長読み上げられましたが、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」ということからすると、なぜ昨年の衆議院選挙は、NHK七時のニュースは、このように争点を最大の争点というふうに言い切ってしまったのか。会長としては、死守をしたい、遵守をしたい、特に一条から四条、その第四号でございますが、いかがでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 さきの衆議院選挙では、安倍総理大臣が解散に当たりましての記者会見で、これはアベノミクス解散だと表明されました。それに対して野党側は、格差が拡大しているといったアベノミクスへの批判を展開されました。こうしたことから、アベノミクスが最大の争点と報じたということでございました。

 また、さきの衆議院選挙では、野党側がアベノミクスへの批判を展開しただけではなく、集団的自衛権、原発の再稼働、議員定数の削減などを争点に掲げたということも報じたということでございました。

 もうこれは言うまでもないことですが、我々としては、常に、放送法にのっとって、事実に基づいて報道するということを我々の方針としておりますので、十二月の選挙のときにはそういうことでああいう放送になったというふうに聞いております。

武正委員 昨年は、七月一日に憲法解釈変更の閣議決定があり、国会は三カ月以上開かれませんでしたが、臨時国会でもそのことが取り上げられ、そして衆議院選挙の期間中の十二月十日には一昨年可決された特定秘密保護法が施行されるということなども含めて、私、当事者ですから、アベノミクスの是非だけが争点じゃないよと、これを衆議院選挙でいろいろ盛んに言っていたわけですよ。

 なぜ今、会長は、アベノミクスの是非が最大の争点というふうに言ってしまうのか。私は、先ほどの放送法四条四号、「意見が対立している問題については、」争点がそれぞれあるとすれば、「できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」と違うのではないですかというふうに申し上げているわけです。

 そこで、郵政民営化の選挙と言われた二〇〇五年八月三十日の夜のNHKの七時のニュース、これも原稿として御紹介をいたします。七時のトップニュースですね、夜七時。

 「小泉政権の継続か政権の交代かを最大の焦点に」という言い方から始まりました。そして、「選挙の争点をめぐっては、与党側は、郵政民営化はあらゆる改革につながる「改革の一丁目一番地」だとして、争点を民営化の是非に絞ろうとしています。 これに対して民主党は、年金問題などを争点に掲げ、年金制度の抜本改革を実現するためには、民主党中心の政権の誕生が必要だと、政権交代の必要性を訴えています。」その後に、共産党、社民党、そして国民新党、新党日本ということで、各党のそうした争点を七時のニュースで最初ちゃんと取り上げているんです。

 なぜこう変わってしまったのでしょうか。先ほどの四条四号からいって、できるだけ多くの角度から論点を明らかにするのではないんでしょうか。会長、いかがでしょうか。

籾井参考人 まさしく私は、今委員がおっしゃったように、四条の四号に従って報道をやっているというふうに認識いたしております。

武正委員 そうじゃないからこれを言っているわけですよね。なぜ争点を一つの政府・与党が特に言ったアベノミクスの是非に絞ってしまったのかということでありまして、やはり会長が言う放送法が遵守されていない、一条から四条が特に大事だと言ったんですが、この四条四号が遵守されていないと言わざるを得ないわけでございます。

 そこで、三月十二日のこの質疑の中で、私から、会長が先ほど言った公平公正とか、何人からも干渉され、または規律されることがない、あるいは、報道は真実を曲げない、しかも、今のできるだけ多くの角度からの論点という、一条から四条にはない放送の中立性、中立ということをこの審議の中で触れているのではないですかと言ったら、そういうことはありませんというふうに言いましたが、そういったことは言ったことはないでしょうか。

籾井参考人 過去に数回言ったかもしれませんが、今は全て公平公正と、こういう言い方に変えております。

武正委員 ところが、時々やはり中立というのが出てくるんですね。実は、昨日も当委員会で、会長は、放送の中立性につきましては、これは本当に、今のNHKの国内放送でも同じですが、我々は、事実を客観的に報道して、視聴者の皆さんに大体御判断を委ねている、こういう姿勢で放送をしておりますと。きのうも放送の中立性という言葉を使っております。

 これについては、さきの衆議院選挙の前、十一月の二十日に、NHKを初め在京テレビ局に、自由民主党が、「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」、こうした文書を発出しておりまして、中立ということは右と左で真ん中みたいな話ですけれども、何よりも私は、中立ではなくて、こうした公平公正、特に三条、「何人からも干渉され、又は規律されることがない。」私は、これは放送の独立だというふうに思うんですね。

 どうでしょうか。会長の御意見を伺いたいと思います。

籾井参考人 お答えします。

 おっしゃるとおり、第一条ですね、不偏不党、何人からも規律されず、こういうことがありますけれども、これはまさしく、放送は独立性を持ってやらなきゃいけない、独立性を持ってというより、独立してやらねばならないということです。

 私が中立と、もしかして、きのうも言ったとおっしゃいましたけれども、それは公平公正とちょっと訂正していただければありがたいんですけれども、私は、済みません、中立という言葉を使っている意識がなくて、本当に申しわけないと思いますけれども。

 そういうことでございます。

武正委員 私は、二〇〇六年にも当委員会で、現官房長官、当時菅総務大臣がNHKに対して命令放送を下すと言ったときに、NHKの放送としての独立性を担保するために、命令放送はいかがなものかということを何度となく当委員会で議論いたしました。結果、要請というような形で法改正もされたわけでありますが、そのぐらい、やはりNHKは放送の独立性を守ってほしいというのが国会としての意思だというふうに思います。

 そこで、私は、例えば、何人からも干渉され、または規律されないの何人には、当然、政府や、あるいは与党、あるいは我々野党、国会から干渉されたり規律されないことだというふうに思いますが、そのとおりでよろしいでしょうか。

籾井参考人 そのとおりで結構かと思います。

 第三条、済みません。第三条ですが、「何人からも干渉され、又は規律されることがない。」ということでございますので、我々は、これは非常に、何人からも独立したNHKというふうに理解をいたしております。

武正委員 ぜひ、政府の意向に、右だったら右とか、左だったら左とかいうような発言もかいま見られるこれまでの会長の発言ですから、NHKはやはり公共放送としての矜持を持って独立をしっかりとやってほしい、これが我々の切なる思いなんです。

 そのことを御理解いただき、最後に、平成二十七年からの経営計画、前計画から重視するポイントとして貧困が削除された理由をお聞かせいただきたいと思います。

 これまでは、いじめ、貧困、少子高齢化、社会保障だったのが、これを、少子高齢化、社会保障、いじめということで、なぜ貧困を重視するポイントから落としたのか、伺いたいと思います。

籾井参考人 お答えいたします。

 削除した理由は特別ございません。やはり、いろいろ羅列して、たくさん書いても仕方がないということで、我々は社会保障の中にそれを入れたわけでございます。

 いろいろ本当に大変議論をしてそういうふうにしていったわけでございますけれども、決して貧困というものを粗末にするということでもございませんし、昨今の我々の報道を見ていただきましても、貧困の問題もかなり頻繁に取り上げているというふうにごらんいただけるかなと思うわけでございます。

 言葉を消した意味は、決して貧困を無視しているということではございませんので、この場で申し上げさせていただきます。

武正委員 以上で終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。

 さきの私の質問に対しまして、NHKの回答によりますと、一般職員が、過去五年間、タクシー、ハイヤーの不正使用で懲戒処分の公開基準に該当するような厳しい処分をされた事例はないとのことであります。一万人の職員のトップに立つべき人が処分されるようなことをしているようでは、視聴者から信頼をされないのは当たり前だと思います。

 籾井会長に質問する貴重な時間はありませんので、きょうは籾井会長には質問をせずに、順序を変えて質問をしていきたいと思っております。

 まず初めに、選挙における投票率の低下とその原因及びアップ対策について、総務大臣からお話を伺いたいと思います。

 まず、資料の一と二をごらんください。

 これは、総務省がつくりました資料で、過去の国政選挙における投票率の推移、衆議院と参議院、そして二枚目は、統一地方選挙における投票率の推移であります。いずれも長期低下傾向がとまらないわけでありますが、総務省としては、投票率の低下の原因を何だと認識して、どういう対策をとってきたのか、大臣からお聞かせください。

高市国務大臣 投票率の低下ということは、当日の天候ですとか選挙の争点ですとか、さまざまな事情が総合的に影響すると考えておりますので、その低下の要因を一概に申し上げるということは大変困難ですが、実際に、全体的に見ればいずれの選挙においても低下傾向にあるというのは事実であります。

 総務省としての取り組みですけれども、まず、期日前投票制度の創設など制度改正をいたしました。それから、商業施設等への期日前投票所の設置ですとか、あと投票所への巡回バスの運行など、運用面の改善を各選管に要請しております。

 加えて、有権者が投票しやすい環境を整備するために、さらに実効ある方策について省内の研究会において検討を進めてきておりまして、近々、中間報告が取りまとまりますので、投票しやすい環境づくりをさらに進めてまいります。

 でも、やはり最も重要なことは国民の皆様お一人お一人の政治意識の向上を図るということですので、引き続き、各選管との連携の上に立ちまして、主権者教育をしっかりと推進してまいりたいと思っております。

 さらに、来月の統一地方選挙に向けましては、各地で自主的に啓発活動を行ってくださっている若者グループによって組織された若者選挙ネットワークと連携して、効果的な周知活動を行うということをいたします。

 そして、私たち政治家や各政党が、国民が政治に参加しやすい場をつくるということによって少しでも政治家を身近なものと感じていただく、そういう努力を続けることも大事だと考えております。

福田(昭)委員 何か、後で聞くことも全て答えてくれたようでありますけれども。

 衆議院選挙を見ても、前々回と比較すると、二十一年の六九・二八%から、二十六年の選挙、五二・六六%、何と一六・六二ポイントも下がっているんですよ、これは。大変な下がり方であります。参議院の方は、十九年から二十五年で、五八・六四、五二・六一ということで、マイナス六・〇三ポイントということで、衆参いずれも下がっております。そして、統一地方選挙においては実は五〇%を切る投票率になっているということでありまして、これは我が国の民主主義としては大変な危機的状況にあるのではないかというふうに思っております。

 そこで、今大臣もある程度お答えいただきましたけれども、私は、投票率低下の原因は、大臣からは言いにくかったと思いますけれども最後に言っていただきましたが、やはり政治不信、私も含めて政治家、政党に大きな責任があるというのがまず第一だと思います。そして、やはり国民の皆さんが、政治と皆さんの生活はイコールだ、そして私たちが主権者だという意識がどうも弱いのではないかというのが二点目であります。そして、第三点目は、マスコミ報道にも問題があるのではないか、そのように考えております。

 特に、若者の政治離れが言われて久しいわけであります。先ほど大臣から少しお答えいただきましたが、総務省としても対策をとってきたということでありますが、二〇〇九年の三月に、財団法人日本青少年研究所の「中学生・高校生の生活と意識」の調査で、特に社会参画の態度の現状についての資料を文部科学省の方からいただきました。

 これを見ますと、本当に、韓国、中国、米国の子供たちに比べて日本の子供たちがいかに消極的かというのが出てくるんですね。

 例えば、「私個人の力では政府の決定に影響を与えられない」、何と、日本の中学生、高校生たちは八〇%。七〇%を超えるような子供たちが「全くそう思う」「まあそう思う」と答えております。しかし、韓国、中国、米国は、両方合わせても五〇%を切るか五〇%をちょっと超えるぐらい。こういう大きな差があります。またさらに、「社会のことはとても複雑で、私が関与したくない」ということについては、「全くそう思う」「まあそう思う」について、やはり日本の中学生、高校生は断トツであります。

 こうしたことを考えると、やはり、次の世代を担う子供たちに、政治に参加をするということがいかに大切かということを、我々大人がしっかり教えていかなくちゃならないんじゃないかなというふうに思っております。

 現在、国会では公職選挙法の改正が審議される、そういう予定がありまして、御案内のとおり、選挙権年齢が満十八歳以上となった場合に、総務省はどういう啓発活動を実施して投票率を上げようとしているのか、お答えをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕

稲山政府参考人 お答えいたします。

 御指摘ございましたように、投票率の低下傾向がある中で、特に若者の皆様が選挙なり投票に関心が非常に低いといったことは大変憂慮すべきことと考えております。

 現在、選挙権年齢の引き下げにつきまして御議論が進み、また法案が提出されておるわけでございまして、これを受けまして、私どもといたしましては、若者、特に主権者になられる若い方々に対してその意識を育んでいく、こういった活動が大変重要なことというふうに考えております。

 一つには、高等学校等におきます副教材等を使いまして……(福田(昭)委員「短く答えて。もう時間がないから」と呼ぶ)そういった充実を図るよう考えておりますし、さまざまな工夫を凝らしてまいりたいというふうに考えております。

福田(昭)委員 あと五分切っちゃったものですからね。

 次に、文科省に、では、まとめて伺います。

 言葉は、有権者教育、主権者教育、いろいろあるようでありますが、学校教育と社会教育においてどのような教育をこれからしようとしているのか。

 特に、政治的な中立が求められている中で、学校教育では、やはり真の政治教育を行うことがなかなか難しい環境にある。そうした中で、しっかりと真の政治教育を行うべきだと考えておりますが、特に、デンマークの教育の目的は、選挙を通して政治に参加をする大人を育てることだ、こう言われております。我が国でもそうした考えでぜひ文科省は取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

丹羽副大臣 お答えいたします。

 現在、学校においては、教育基本法第十四条第一項にのっとり、学習指導要領に基づきまして、日本国憲法の基本的な考え方や我が国の民主主義の議会の仕組み、政治参加の重要性や選挙の意義について指導が行われております。

 選挙権年齢の引き下げの検討状況なども踏まえまして、高等学校に主体的な社会参画の力を育む新科目を今後設置することを中央教育審議会を通してお願いいたしており、現在、具体的な検討が進められております。

 委員がおっしゃられたとおり、教育の場は中立な場でございます。教職員においても、学校教育を担う教員においては政治的な中立を確保することが必要だというふうに考えております。教員の政治的中立の確保については、通知を発出するなどして今まで周知してまいりました。

 今後も、公職選挙法を初めとする関係法令を確実に遵守するよう、上記法令の趣旨のさらなる徹底を図っていきたいと思っております。

    〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕

福田(昭)委員 今、政治的中立の話がありましたが、資料の三をごらんいただきたいと思います。これは文科省がつくった資料でありますが、「教員の政治的活動の禁止等について」ということであります。

 これを見ますと、私立学校についても、教育基本法あるいは公職選挙法、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法などで、私立学校の教員についても政治的活動については禁止あるいは制限をされているわけでありますが、どうも、世間一般、私立学校の教員については選挙運動も大丈夫だということで、保護者を使って選挙運動をやっている学校がある。それで困っている先生方もいるということが実際にあります。そうしたことに対して、文部科学省は把握をしているのかどうか。

 これから十八歳以上が選挙権を有するということになれば、今までは保護者を通してやっていた運動が、今度は生徒を通して選挙運動をやる、こういうことにもなりかねない。こうしたことに対して、文部科学省がどういう考えをしているのか、お聞かせいただきたいと思います。

丹羽副大臣 委員がおっしゃるとおり、私立学校においても、特に義務教育課程において、引き続き、政治的な中立の立場を遵守するように、さらに周知を徹底できるように頑張っていきたいと思います。

福田(昭)委員 まさに、子供を人質にとられていると、やはり泣く泣く言うことを聞かざるを得ない、そういう事例があります。そういった意味では、文科省としては、今後、十八歳以上が選挙権を有するということになったときには、さらにそれがひどくなるおそれがあるので、ぜひそれはしっかりと指導していただきたいと思います。(発言する者あり)日教組は日教組でちゃんとやっているから、心配しないでやってください。

 時間が来ましたから終わりにしたいと思いますが、NHKについては、やはり籾井会長には本当に公共放送の会長としての資質がないということで私はきょうは質問いたしませんでした。そういったことで、ぜひ、いよいよ決断をしてほしいと思っております。

 以上で終わります。

桝屋委員長 次に、水戸将史君。

水戸委員 維新の党の水戸将史でございます。

 時間が限られておりますので、大きな項目を一点だけ、私の方から御質問したいと思っております。

 その項目は、NHK本体とその関連団体、関連子会社、公益法人もありますが、これとの関係について何点か御質問をさせていただきたいと思っております。

 NHK本体は、御案内のとおり、公共放送を行う立場からして、収益事業が行えない。だからこそ、法改正して、雨後のタケノコのごとく、関連子会社をつくってきた経過がありました。今の経過におきましては、整理統合されている部分もありますけれども、いずれにいたしましても、十四の子会社があるということになっているわけであります。

 こういうような状況下において、直近の資料として、NHK本体の取引総額が大体どの程度なのか、その中における随意契約、さらには、その随意契約のうち関連子会社が占める随意契約がどの程度なのかということについて、おわかりになればお答えいただきたいと思っております。

福井参考人 平成二十六年度につきましては、まだ年度途中でありまして、取引が確定しておりませんので、二十五年度の実績で申しますと、平成二十五年度にNHKが行いました随意契約の総額は、件数で七千件、額で九百七十億円でございます。そのうち、関連団体に関する部分につきましては千七百二十九件、四百三十億円ということになります。

水戸委員 これが来年度、平成二十七年度の予算にも積み上げ的に反映していくと思うんですけれども、来年度予算を策定するに当たって、随意契約の状況をこのまま踏襲していくのかどうか、どういう考え方で平成二十七年度の予算案ができ上がってきたんですか。

福井参考人 平成二十七年度の予算におきます契約につきましては、予算の執行段階で個々に決まるものでありまして、予算編成上の予定件数、金額はございません。

 NHKとしましては、取引は競争によることを原則にしておりまして、二十七年度執行に当たっては、一件一件精査をしながら適正な契約を推進してまいります。

 それから、NHKは、関連団体運営基準に基づきまして、関連団体との取引を取りまとめて、その内容を平成十四年度以降公表してございます。

水戸委員 今いみじくもお答えいただいたとおり、随意契約の公開、透明性につきましては、今までもかなり取り組んできた経過、改善をしてきてもらった経過がありますので、もう一度、どのような形で随意契約についての開示を、透明性を高めてきたのか、具体的に御説明ください。

福井参考人 関連団体運営基準に基づきまして、国と同じ基準の一定額以上の取引につきましては、ホームページで全件開示をしてございます。

 それから、子会社との競争の率についても公表してございまして、ちなみに、二十五年度でいきますと、関連団体との取引における競争契約の割合は四〇%、随意契約の割合は六〇%となってございます。

水戸委員 改善をしてきたことについては非常に評価したいと思うんですけれども、もちろんNHK本体から発注されるものでございますから、当然、その原資の大半が受信料であるということですね。

 国民から頂戴するお金をどういうふうに使っているかについて、より一層透明性を高めていくための公開性をこれくらいしいてきた、そういうような理解でよろしいですか。

福井参考人 先生のおっしゃるとおり、中身については一件一件全て公表してございまして、毎年、率についても、若干高めていっております。

 基本的には、随意契約につきましては、個々に随契の理由がありますので、それなりに、その内容についても公開をしてございます。

水戸委員 話の角度は変わりますけれども、きのうもちょっと問題になりました、ガバナンス調査委員会の小林弁護士さんとの契約につきまして、これも随意契約である。これについてはなぜ公開できないんですか。

石田参考人 ガバナンス調査委員会につきましては、小林弁護士が企業統治とかコンプライアンスなどについて専門的な知識を持っていること、それから、NHK、NHK関連団体の業務にも知識を持っていらっしゃるということを踏まえて小林弁護士を選考しました。

 かなり時間的にも余裕がないということもありまして、随意契約ということにしたという理由もございます。

水戸委員 理由になっていないんですよ。

 別に、小林弁護士の人格を否定するとか能力を否定するものではなくて、結局、受信料でいただいているものに関してより一層透明性を高めていく、そのために国民に説明責任がつくんだという話ですよ。もちろん、仕事の内容は違う、次元も違うかもしれませんけれども、そういうような契約をするという段階においてこれを公開するということは、当然前提とすべきなんです。

 経営委員長、随意契約についてはいろいろな解釈があり、またいろいろな形で公開する、公開しないというのもあるんですけれども、具体的にどういうものを随意契約として公開する、しないということについての基準はあるんですか。

浜田(健)参考人 今御質問の件につきましては、執行権として執行されているというふうに理解をしております。

水戸委員 非公開、公開しないということに対して、法外な報酬を得ているんじゃないかとまたよからぬ疑惑も出てきてしまうものですから、ぜひ、こういうことに関して透明性を高めるための基準をしっかりとお示しいただきたいことを強く要望していきたいと思っております。

 そういう中で、先ほど若干触れたんですけれども、NHKの関連団体とNHK本体との取引に関しての随意契約、これを年度を追って見ますと、私の手元にあるのは平成二十三年度から平成二十五年度の三カ年間なんですけれども、随契が、平成二十三年度は全体の九二%、二十四年度は全体の九〇・七%、それから二十五年度は全体の八八・八%。つまり、九〇%前後は、いわゆる関連子会社は随意契約でNHK本体から仕事を発注してもらっているんですね。

 この状況について、経営委員長、どういう判断でしょうか。

浜田(健)参考人 私、今民間会社に在籍しておりますけれども、私の経験では、やはり品質を高め、コストを下げるという意味では、グループ経営というのは一つの大きな柱だというふうに思っています。

 そういう意味では、NHKは、若干民間会社とは違うわけですけれども、経営の工夫の中で品質を上げ、コストを下げるという努力はしていくべきだろうというふうに思っています。

水戸委員 これは、既に平成十四年の段階で行政指導も受けているんですね。そして、NHKグループ内で行うこういう子会社に対しての、いろいろな形で随契もやむを得ない部分があるかもしれないけれども、そうはいうものの、業務委託契約の中におきましては、さらに競争契約を原則とした方がいいんじゃないかというような適切なアドバイスも受けているわけであります。

 現状は九〇%前後がそうした随意契約になっているということについて、会長、どのようなお考えでしょうか。

吉国参考人 今御指摘いただいたのは、多分、関連団体の、全体のNHKの委託のところだと思うんですけれども、これはかなりの部分が番組の制作になります。

 この番組の制作というのは、NHKがこういう番組をつくるということを決めて、それを関連団体につくらせているという形になります、随意契約で。我々がいろいろな随意契約を減らして競争契約にしていくというときには、その部分を除いて、それ以外の部分を競争化していくという形でやっております。

 あくまで放送の質を守るためにそこのところは随意契約というのが、私ども、大きくなってしまうということでございます。

水戸委員 私は随意契約そのものを否定するものじゃないんですね。

 では、若干角度を変えて、関連子会社、関連団体がどの程度の利益剰余金を持っているか、この観点から何点か御質問します。

 資料もいただいておりますけれども、直近の関連子会社十三社の利益剰余金、トータルしてどの程度の利益剰余金がたまっているんですか。

吉国参考人 平成二十五年度の決算による配当後の数字になりますけれども、十三社合計で八百五十八億円、大体、売上高の合計額の三分の一程度となっております。

水戸委員 まだ決算が済んでいないということかもしれませんけれども、私の手元にある二十六年度は、何と一千十億円。さらに上積みして剰余金がたまっている、一千億円を超えてしまっているという状況なんです。これは、首尾一貫して、リーマン・ショックのときは別でございますけれども、ずっとふえ続けているんですね。

 これについて会計検査院は、平成十九年度のときに、リーマン・ショックの段階において、この利益剰余金は、財源が受信料であることに鑑みて、関係団体に過剰な利益を与えることにならないようにという形で指摘をしているんです。しかし、皮肉なことに、それ以降はずっとふえているんですね。

 これについてどういうような御見解があるか。

吉国参考人 お答えいたします。

 今委員が御指摘になりました一千億というのは、同じ時点ですと、私が申しましたのは二十五年度の配当ですので、二十六年度段階での数字になるんですけれども、子会社だけじゃなくて、多分放送衛星システムとかビーエス・コンディショナルアクセスシステムズという関連会社が入っていると思うんですね。この関連会社は、NHKだけじゃなくて、例えば、放送事業者、他の事業者とかメーカーなんかも入っておりますので、NHKだけがそういう剰余金を左右できるとかではないのです。それで、さっき申し上げたことは八百五十八億円ということでございます。

 今の御指摘ですけれども、まず、剰余金そのものは、現金で余っているお金というわけじゃなくて、例えば中継車とかいった放送機材あるいは入居しているビルの固定資産、そういうものも剰余金の中に含まれておりますし、それから業務実施に必要な在庫品、こういうものも入っています。それから、日常の運転資金というのもありますので、必ずしもそれがすぐに処分可能ではなくて、我々の試算では、この中で実際にすぐに処分ができるというものは、六十億円程度ではないかというふうに思っているんです。

 そうはいいましても、確かにいろいろな形で会計検査院からも御指摘を受けて、我々としてもいろいろな手を打っております。会計検査院からは、取引を通じて関連団体に過剰な利益を与えることにならないよう努力しろと言われておりますので、我々も、さっきも出ましたけれども、委託業務でも、番組制作から清掃や警備まで、可能なものは競争化を進めてきた。それから、できるだけNHKの取引での利益が余り過大に出ないように、そういう形での原価調査なども実施しております。そういったものを踏まえた上で、各社の経営状況を調べて、配当性向を上げるとか、そういうことも行っております。

 ただ、全体として見ますと、子会社全体に、これまで完全デジタル化、地デジの業務がありましたので、売上高がふえていることがありまして、そういうことも剰余金が大きくなっている一因にはなっているかと思います。

水戸委員 いろいろ言いたいことはあるでしょうけれども、時間が限られていますので。

 これは結局、いろいろな努力をされているという理屈はあるでしょうけれども、残念ながら数字はうそをつきませんので、毎年毎年積み上がってきているわけですよ。

 私が危惧するのは、これはきのうも御指摘がありましたけれども、随意契約の問題が結局は高コストを生んでいるんじゃないか、結局、子会社に対して本体から高いお金で発注して、それが剰余金としてたまっているんじゃないかということを危惧しているんです。

 ですから、会計検査院も言っているとおり、やはりこういうものに関しては、過剰な利益を与えないように、しっかりとした、契約の妥当性を検証する仕組みをつくるべきであるという話をしているわけでありますけれども、今までの取り組みで、こういうことについてはどういう形で説明できますか。経営委員長でもいいし、どなたか。

吉国参考人 NHKと関連団体との委託取引につきましては、関連団体の状況調査ということで、毎年、年度が締まった後で、決算状況とか取引の利益率など、関連団体の取引の中で、NHKとやる取引とNHK以外の取引のそれぞれの利益率とかそういうものを全部検証しまして、それでNHKの利益が高くなっていないようにということで、高くなっているものは是正をするような指導という形で常に監督をしております。

水戸委員 監督していても、数字はうそをつかないとさっきから申し上げているとおりです。では、監督不行き届きじゃないですか、こんなふうに数字が積み上がってきているんですから。

 総務大臣、これは平成二十五年度の総務大臣意見として、平成二十五年度の資料を見ると、子会社等に関しては、特殊法人の子会社等としての位置づけに配慮しつつ、グループとしてのガバナンスを強化し、重複業務の整理及び子会社等から適切な還元の推進に努めなさい、これだけ剰余金がたまっているんだったら還元しなさいということを言っているんですけれども、残念ながら、この平成二十七年、来年度に向けての大臣の意見ではそういうことについては触れていないんです。

 こういう利益剰余金の還元については、大臣はどのような御見識でしょうか。

高市国務大臣 平成二十七年度のNHK予算に付しました私の大臣意見でございますが、「調達に係る取引の透明化・経費削減等、従来指摘してきた事項についても、引き続き取組の徹底を図ること。」と言及しておりますから、子会社等のガバナンスについても、従来指摘した事項に含まれるものでございます。

 また、「子会社等を含め、コンプライアンスのより一層の確保に向けて組織を挙げて全力で取り組むこと。」こういうことも記載をいたしております。

水戸委員 大臣、再度聞きますけれども、これだけたまりにたまった剰余金に関して、やはり還元をして、そして、これだけ受信料が高いという話もありますものですから、受信料に還元すべきだというのは国民の大多数の意見だなと私は思うんですよ。

 だから、還元に対して努力するように総務大臣からも促していただくことはできませんか。

高市国務大臣 それは、NHKの方の経営判断であると思っております。一つ一つの契約のあり方、そしてまた剰余金のあり方についても、適切な使い方があると思います。

 しかしながら、国民の受信料によって支えられている組織でございますので、子会社、グループ会社も含めてしっかりとした経営を行っていただくということでございます。

水戸委員 きのうの柿沢委員の質疑でもございましたけれども、きのう、開示する、しないの話がありました。ガバナンスの強化につきまして、報告書並びに意見書というんですか、二つのものが出されている。それを開示すべきである、いや、開示しないという話があったんです。

 会長は、開示しない理由として、特にこの提言書については、個人的に自分がいただいたものだから、いわゆる自分のものだから、これは開示しなくてもいいんだよというような話をされたんですけれども、その真意に間違いありませんか、会長。

石田参考人 調査報告書については、要旨はNHKのホームページで開示をしております。

 それで、会長も答弁の中でこれまで述べているんですが、ガバナンス調査委員会の報告書には、外部に公表しなければならないような不正な事実はなかったということとか、仮に全文を公表した場合、プライバシーの問題が生じたり関連会社の経営に支障を来すおそれがあるということです。

水戸委員 今、提言書の話をしているんです。報告書は報告書で、今、そういういろいろな部分があるから開示できない部分があるということで、要旨ですね。

 提言書に関しても、これは開示できないと籾井会長がおっしゃっていた中には、個人的にアドバイスをいただいたものだから、自分の個人に付するものだから、これは開示しなくてもいい、開示する必要はないというような御見解だったのは、それは真意ですかという話をしている。会長、どうですか。

籾井参考人 そのとおりでございまして、我々としては、これについては、今後の実際の関連企業等々のBPRも含めまして参考にしていく予定でございます。

水戸委員 確かに、この報告書も提言書も、籾井会長殿となっていますから、籾井会長宛てに出されたものでございます。

 しかし、そういう中において、きのう、委員会ではこういう、ありがたいことに両方とも資料をいただきました。報告書の方はかなり黒塗りになっていますね。いろいろなプライバシーの問題があるし業務に差し支えるということで黒塗りになっている部分がある。しかし、この提言書については、全く黒塗りはなくて全てが開示されているわけであります。これに対しては我々は非常に喜ばしいことだと思っているんですけれども、この提言書も報告書も、やはり同列のものなんですね。

 特に、この報告書の中では、やはり提言書というのはあくまでも、これから中長期な観点から改革が必要だから、これに対しても取り組んでくれよということで並列的な扱いになっているわけでありますので、これは個人的な会長に対して出されたものではないということが普通ですよ、これを見て。

 経営委員長、どう思われますか、第三者的に見て。これは本当に会長の個人的なものなんですか。

浜田(健)参考人 御質問の件につきましては、執行部で適切に判断されるべき事項かなというふうに思っております。

水戸委員 ですから、いわゆる開示できるものはどんどん、求められたらやはりこれは開示すべきだと私は思うんですね。

 何か調査をする、先ほどの随意契約もそうなんですけれども、何か物事を始める、また、いろいろな形でそれに対して進行する中において、こういうものについては開示をしようと最初の段階で姿勢を決めてやれば、いろいろなこういう問題は起こらない。何かやましいことをしているんじゃないか、何か都合の悪いことがあって隠しているんじゃないか、そういう痛くもない腹を探られてしまうところがあるわけでありますので、やはりそういうところについては、僕は、もっともっと国民の声に応える、またさらに、言ったように、原資が受信料であるということに鑑みまして、ぜひそういう開示の努力というものについて、もともと前の段階においてやはりそうしたルールをつけるべきだと思うんですよ。

 ぜひ、会長、もう一度、その点についてどういうような御見識なのか、お答えください。

籾井参考人 もとより、NHKの透明性というのは非常に大事だと思っております。今委員がおっしゃった意味もよくわかるんですが、我々としましても何もかもというわけにもいかないので、その辺はいろいろ考えさせていただきたいというふうに思っております。

水戸委員 これで質問を終わりますけれども、つまびらかにすべきものはつまびらかにするということが、やはり国会のみならず国民のそうした要望に応えることになりますので、より一層透明性を求めて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、吉村洋文君。

吉村委員 維新の党の吉村洋文でございます。

 NHKの予算を見ますと、ほぼ全て受信料で経営が賄われております。

 一般勘定予算について、平成二十六年度の事業収入の総合計が六千六百二十九億円、そのうち受信料が六千四百二十八億円。率にすると九六・九六%でございます。平成二十七年度は、総合計が六千八百三十一億円であり、そのうち受信料が六千六百八億円。率にして九六・七三%。

 この六千八百億円の収支予算は、都道府県でいえば、沖縄県の一般会計予算に匹敵するほどの巨額なものでございます。

 一つの都道府県に匹敵するぐらいの巨額のNHK予算が、ほぼ全て受信料によって賄われている。つまり、受信料の公正公平な負担の原則が多くの国民の共通認識が得られることによって初めて、NHK自身が成り立っているということだと思います。受信料を支払わない者も物理的にNHKの放送を見ることができるという今の仕組みにおいては、受信料を払っても払わなくても映像が見られるから、あるいは、NHKに対する不信によって受信料を支払わないという価値観に国民が動けば、NHKは存在自体、根底から否定されることになるんだろうというふうに思います。

 維新の党の理念の一つに、受益と負担の明確化というものがございます。この点は、地方交付税制度のあり方について先日この委員会でも大臣と少し議論させていただきましたけれども、NHKの受信料についても同様のことが当てはまるか、こういうふうに思います。

 その意味で、受信料の支払い率の向上、NHKへの信頼の向上、NHKの存立の根底として非常に大切であると思うんですけれども、現在の全国平均の未収率と大都市である大阪の未収率についてお尋ねしたいと思います。

塚田参考人 お答えいたします。

 NHKでは毎年、受信料の都道府県別推計世帯支払い率を推計、公表しています。

 平成二十五年度末の推計世帯支払い率は、全国平均は七四・八%となっています。これをもとにすれば、残り二五・二%の世帯が受信料をお支払いいただいていないと推計されます。

 同様に、大阪府の推計世帯支払い率は五九・一%であるために、残り四〇・九%の世帯で受信料をお支払いいただいていないと推計されます。

吉村委員 大阪の未収率が高いということ、大都市の未収率が一般的に高いというのはこれまで委員会でさんざん議論されていると思いますけれども、大阪の未収率に関して、大阪都構想に関する議論がありましたので、私も少し触れさせていただきたいと思います。

 大阪都構想の住民投票にかけるかどうかの是非の議案につきましては、大阪市議会で十三日に賛成多数で可決され、大阪府議会で十七日に賛成多数で可決されました。先日、法定協議会から大阪市選挙管理委員会に通知され、四月二十七日に告示、五月十七日に大阪都構想の是非の住民投票の投開票が行われるということになりました。

 この住民投票は、大都市地域特別区設置法に基づくものですけれども、住民投票で賛成多数となった場合、大阪市は五つの特別区に再編されて、大阪府は大都市法十条によって都とみなされるわけです。大都市法によって都とみなされることになるわけですね。

 つまり、五月十七日の住民投票で賛成多数となれば、法律上、大阪都と五つの特別区になるわけでございますけれども、これは有権者二百十万人という規模、これまでの日本史上類を見ない規模の住民投票になると思います。

 また、その内容も、住民みずからの手によって明治以来の役所の統治機構を再編するというもので、大阪の将来だけじゃなく日本の将来も左右する大きな出来事であるというふうに私どもは思っております。

 この点、先日の議論で、NHKの大阪都構想の捉え方として、大阪だけでなく全国からも注目されているのでしっかりと伝えていきたいという趣旨の答弁があったと思います。

 NHKは、この大阪都構想について、大阪の、一地方の課題として捉えているのか、あるいは全国的課題として捉えているのか、このあたりをお聞きしたいと思います。

森永参考人 お答えいたします。

 この問題では、今月二十日に大阪市選挙管理委員会が開かれて、今月十七日に特別区設置の賛否についての住民投票を行うことが決定しております。

 今回の住民投票は、大阪だけでなく全国から注目されているところでありまして、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えてまいりたいというふうに思っております。

 当然のことでございますけれども、大阪の問題であることももちろんでございますが、全国的にも注目されているというふうに申し上げました。

吉村委員 NHKの方も、これは全国的な問題だ、多角的に捉えて、視聴者の判断となる情報をしっかりと報道していきたいという答弁がございました。私も同じでございますので、それを期待したいというふうに思います。

 NHKは放送法の規律を受けることになりますけれども、これまで会長もたびたび答弁において不偏不党を貫くとされております。放送法一条二号にこれは規定されております。同法の四条二号には「政治的に公平であること。」これも規定されて、本日も議論があったとおりでございます。この政治的公平性、不偏不党の原則でありますけれども、これはどういう意味というふうに理解されているんでしょうか。

籾井参考人 お答えします。

 まさしく放送法、政治的公平、不偏不党ということにつきましては、私は、御承知とは思いますけれども、NHKは放送法にのっとり、事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人からも規律されない姿勢を貫いて報道することが何よりも重要だと言ってきております。

 御指摘の政治的公平、不偏不党の原則は、まさに私が会長として職務に当たる際の大原則でありますからして、政治的公平というのはまさしく、それ以上説明しようが、なかなか難しいんですが、公平であるということと、不偏不党はどの党にも偏ったものではなくて、やはり自律して報道するということだとしております。これが我々の放送の大原則の一部でございます。

吉村委員 しっかりそれを貫いていただきたいと思うんですけれども、現実には、この政治的公平性という名のもとに、政治的に対立が非常に激しい事柄、しかしながら、国民、有権者にとっては非常に大切というような事柄、そういった事柄について報道が消極的になっている側面があるんじゃないのかなというふうに私は感じております。

 放送法の目的を定めた放送法一条三号、ここには、放送が健全な民主主義の発達に資することを目的としている。また、同法の四条四号ですけれども、きょうも議論がありました、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすべきことが規定されております。

 この放送法の規定を見れば、国民、有権者に必要な政治的情報に関することについては、当然、政治的な公平性を保ちながら、できるだけ多くの角度から論点を明らかにして、積極的に、むしろ対立が激しい政治的な問題であればあるほど私は報道すべきだというふうに思っているんですけれども、NHKはこれらの規定についてどう考えていらっしゃいますでしょうか。

籾井参考人 お答えします。

 先ほど、私は放送法を守って放送をやっていくということが非常に重要であるということを申し上げましたけれども、やはり我々の放送の中で、そのもとになります事実、事実をもとに報道をしていく。我々は、先ほどの説明では足りなかったかもしれませんが、不偏不党等々につきましては、やはり事実を報道することによって、いわゆる視聴者の皆さんがその事実に基づいていろいろな御判断ができるということのために報道をやっているというふうに御理解いただければありがたいと思います。

吉村委員 現実には、事なかれ主義というのが背景に特に政治的な対立が激しいところはあって、なかなか選挙あるいは政治的な報道というのが控えられる傾向にあるのかなというふうに私は思っています。

 五月十七日に実施される大阪都構想の住民投票、これは、先ほど答弁がありましたとおり、大阪だけの課題ではなくて、全国的な課題で、非常に重要な課題であるというようなNHKの御認識がある、そういうふうに答弁されました。我々維新の党もそういうふうに認識しております。

 そうであれば、その中身について、また賛成の意見、反対の意見、両方あります。それをできるだけ多くの角度からその論点を明らかにして報道されるべきだと思うんですけれども、現実に、NHKにおいてその報道がほとんどなされていないのかなというふうに思っています。もちろん、放送法三条におきまして放送番組編集の自由というのが保障されておりますので、放送番組は何人からも干渉されないという規定がございます。個別の放送番組についてどうこう言うつもりはないんですけれども、ちょっと事実をお聞きしたいんです。

 大阪都構想の報道に関するもので、先ほど申し上げたとおり、三月十七日に大阪府議会で多数で可決されて、これはもう大阪都構想の住民投票があるということが決定した、住民にボールが投げられている状態でございます。そして、その都構想の中身についてももう確定している。あとは賛成か反対かというところでございます。

 そういった有権者に必要な情報を出さなきゃいけないというような状況になっている中で、その大阪府議会の決定以降、つまり三月十八日から三月二十四日までの間、NHKの地上波、総合テレビの総放送時間、これが何時間で、そのうち大阪都構想に関する報道がされたのは何分であるのか、お聞きしたいと思います。

森永参考人 お答えいたします。

 その前に、先ほど投票日について、ことし五月十七日と言うべきところを今月十七日と言ってしまいました。訂正させていただきます。

 お尋ねのありました三月十八日から二十四日までの地上波の総合テレビの総放送時間は百六十八時間であります。総合テレビでいわゆる大阪都構想に関して報道したのは、全国ニュースが、住民投票の日程が決まった二十日に約一分二十秒間です。地元大阪では、十八日から二十一日にかけて二十二分近くにわたってニュースで放送しております。

 なお、いわゆる大阪都構想につきましては、BS1のニュースやデータ放送、インターネットでも伝えているところであります。

吉村委員 百六十八時間のこの報道時間、もっとも、住民投票が決まったその後で、全国においては一分と。先ほど全国的な意義があるとおっしゃいながらも、全国的には一分二十秒、そして、大阪でもわずか二十二分。編集の自由がありますから差し控えますけれども、本当にこの現状というのはどうなのかなと。

 先ほど申し上げたとおり、政治的公平性の名のもとに、必要な有権者に対する情報、多角的な視点の情報というのがされていないんじゃないのかなというふうに私は思っております。

 そもそも、この編集の自由、何度か出てきておりますけれども、これは何で編集の自由がNHKに認められているのか、このあたりについてちょっとお答えいただけますか。

 質問通告をしておりませんでしたので、私から言うと、これはやはり、NHKの特権とか権限ということではなくて、あくまでも国民の知る権利に奉仕するために認められているものにすぎないというふうに思っています。あくまで、そのための手段としての、干渉されないという権限であって、国民の知る権利に奉仕することが本来的な目的であるというふうに思っておりますので、そういう意味で、しっかりとこの国民の知る権利に奉仕するような、政治的公平性を保ちながら、こういった日本の将来を左右するような課題についてはしっかりと有権者に報道していただきたいなというふうに思っております。

 それからもう一つ、そういった放送法に定める目的、これをしっかりと果たすこと、これによって国民からのNHKへの信頼をかち得て、それによって未収率の改善につながるんじゃないのかなと思います。先ほどおっしゃったような百六十八時間中一分とか、大阪でも二十二分という現状はどうなのかなというふうに思っております。

 もう一つ、未収率に関する点でいうと、やはり悪質な未収の案件というのも多くあろうかなというふうに思っております。それを放置すればやはりそれはモラルハザードを招くということにもなると思いますので、このあたりの案件についてどのようなものがあるのかということをお聞きしたいと思います。

塚田参考人 お答えいたします。

 受信料のお支払いが一年以上滞っている件数ですけれども、平成二十六年度末で百二十三万件と見込んでいます。

 こうした方々に対しましては、文書、電話、訪問による対策を重ねています。それでもお支払いいただけない場合は、支払い督促の申し立てを行っています。その件数は、平成二十七年二月末で累計六千七百七件となっております。

 一方で、放送受信契約の締結拒否者に対しましては、未契約訴訟を提起しています。その件数は、平成二十七年二月で累計百三十二件となっております。

 民事手続は、公平負担の徹底に必要な施策と考えておりまして、お支払いいただけない方に対する最後の手段として、今後も着実に実施してまいります。

吉村委員 その民事的手続に関しては、これは、やはり費用対効果で、仮に個別の案件単位で見てもペイしないというような事案であっても、先ほど申し上げたとおり、受信料が全ての基礎になっておりますので、そこは、悪質なものを放置するというのは受益と負担の関係からおかしいですから、しっかりとやっていっていただきたいというふうに思います。

 全国的には、当然、各地にはその都道府県ごとに弁護士会というのもございます。そういったところと協力しながらでも、しっかりとこの悪質な未払いという案件については対応して、回収率を高めていっていただきたいというふうに要望します。

 いずれにせよ、その未収率の問題については、そういった一定の悪質な案件を除くと、やはりNHK自身の信頼、放送に対する信頼というのが根幹になってくると思います。

 先ほど申し上げましたこの大阪都構想、本当に重要な、NHKも認める、日本の将来を左右するようなそういった課題について、不偏不党、これは当然保ちつつ、有権者に必要な情報を多角的な見地からしっかりと報道して、放送法に定めております「民主主義の発達」という目的を実現すること、そういった放送法の目的を達成することをお願い申し上げまして、私からの質疑を終わらせていただきます。

桝屋委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 維新の党の高井崇志でございます。

 私の地元の岡山には美女美男の会というのがございまして、私も入らせていただいております。これは自称で結構でございまして、十人ぐらいなんですけれども、五十代、六十代、七十代の方が入っている、しかし、自由闊達にいろいろなことを話し合う大変楽しい会なのであります。

 その会で、先日、実はNHKのことが話題になりました。これは、私が水を向けたというか話題を振ったわけではないんですが、メンバーの一人から、もう今のNHKは許せぬわ、どうなっているんだ、そして、抗議したいんだけれどもどうすればいいんだというふうに言われました。そうしたら、私はちょっと黙っていたんですけれども、別の方が、それは受信料を払わなきゃいいのよと。でも、私は口座振替にしているから、払わないといったってなかなか大変よと言ったら、ある方が、私はこの間電話をして口座振替をとめましたよと。そして、はっきり言いましたと。NHK会長がやめるまでは払いません、やめたら、さかのぼってきちんとお支払いしますと言ったら、わかりましたと言われて、口座をとめてもらったそうです。

 何が言いたいかというと、これだけ今、国民の皆様の中に、受信料を払っている皆さんの中にも、やはり非常に疑問を持っている方が、なかなか数字にはあらわれてきていないかもしれませんけれども、恐らくあると思います。

 きょうは、そういった今の受信料不払い、この直近の現状、あるいはそういった抗議の電話とか問い合わせ、そういったものについて状況をまず伺います。

塚田参考人 お答えいたします。

 NHKでは、平成二十四年十月の受信料の値下げ以降、その減収をカバーするために、法人委託の拡大や民事手続の着実な実施などの営業改革や、NHK全局を挙げての体制で、受信料制度の理解促進活動に取り組んでまいりました。

 今回の件について、営業現場に厳しい御意見をいただくこともありますけれども、平成二十六年度につきましても、営業目標を達成しまして、過去最高となる六千四百六十八億円の受信料収入を確保する見込みとなっております。

高井委員 もうそのお答えは予期しておりました。

 それでは、同じく専務理事、営業統括ですよね。私は、前もこの委員会で申し上げましたが、大学の四年間、NHKの受信料の集金のアルバイトをやっていました。今でも受信料の集金の多くの仲間がいます。

 そういう現場で働いている方の声として、非常にやはり困っている、切実だという声は上がっているんですね。それは営業部門を統括する専務理事の耳に入っていますか。いかがですか。

塚田参考人 お客様からは、ハイヤーの件は、受信料の使い道の問題であり、しっかり説明すべきだなどというような意見が寄せられております。しかし、現時点で、業務に大きな支障を生じているという報告は受けておりません。

 今後も注意深く見守っていきたいというふうに考えております。

高井委員 専務理事の立場ではそうお答えするしかないでしょうね。

 それでは、続いてお聞きします。

 今回、私がこの受信料の話をしたのは、二〇〇四年に大きな、NHK最大の危機と言われる不祥事があって、百二十八万件の不払いがあり、そして、それで海老沢会長は辞任をいたしました。そのときに匹敵することに今後なるんじゃないかというふうに思っています。

 そういう意味で、この二〇〇八年のときに、今の監査委員制度というのができたんですね、このハイヤーの問題を今一生懸命監査されている。と同時に、コンプライアンスも大変厳しくなりました。私は、現場の職員、仲間が何人もいますから、非常にもう本当に厳しいんだ、深夜まで働いてへとへとになってもまだ監査が来る、タクシー代翌月払いなんか当たり前で、それをしないなんということはあり得ない、そういうふうに現場は言っています。

 そういう現場に対して、二〇〇四年以降、非常にコンプライアンスを厳しくしてきた、これはNHKのすばらしい改革だと思います。しかし、現場にそういう改革を強いておきながら、今回のハイヤーの件は、私はこれはずさんな処分ではないかと思います。

 これも、ぜひ現場の職員に対するコンプライアンスを担当されている専務理事から、現場に対するコンプライアンスの厳しさと今回の会長に対する監査、甘いんじゃないかと私は思いますが、現場と比べていかがですか。

石田参考人 御指摘のように、平成十六年に不祥事があって以来、NHKはコンプライアンスの強化に取り組んできました。数々の経理規程の改定も行ってきましたし、秋にはコンプライアンスの強化推進月間というのを行うような形で今もコンプライアンスの強化に努めております。コンプライアンスの強化をしっかりすることは、視聴者の信頼をかち得るためにも大事なことだと思います。

 今回のことについては、監査委員会が調査していることなので、私から言及するのは差し控えたいと思います。

高井委員 お二人の専務理事にお聞きしましたけれども、恐らく、やはり専務理事の立場でなかなか言えない。

 私は、前の委員会でも取り上げましたけれども、会長の人事権というものが職員にそういう空気をつくっているんじゃないか、独断専行な空気をつくっているんじゃないかということを次は御質問したいと思います。

 これは総務委員会でも質問したことがありますが、昨年の五月十六日の、経営委員会のときに、副会長と専務理事、それから理事の人事は経営委員会の同意が必要です、放送法五十二条で。同意が必要で、今までは慣例というか放送法施行規則に基づいて、事前にどの理事がどの担務をやるということを経営委員に知らせて、その上で審議をしていた。しかし、この五月十六日には、そういったものが事前に全くなく、会長が人事案を出してきた。

 それに対して、これは議事録がちゃんとこんなにたくさん残っています、当時の委員長代行だった上村代行からは、放送法施行規則に基づいて事前に経営委員会には知らせる慣例がある、担当がわからなければ理事を選任しようがないじゃないか、そう憤慨して抗議をされた、そして複数の委員からも同じ趣旨の発言がこの議事録には残っています。

 これは、会長、なぜこうした慣例を破り、あるいは、放送法施行規則違反ではないかと思われますが、こういうやり方で人事をやったんでしょうか。

籾井参考人 役員の担務につきましては、以前から、そういうことは理事会に諮る案件ではないということで、担務の問題は理事会には諮っておられませんでした。しかしながら、いつのころからか知りません、ごく最近の話でございますが、担務を出すようになった、こういうことですが、ですから私は担務を出さなかったわけでございます。

 そして、仰せのとおり、上村代行からは盛んに、それは放送法違反である、こういうお話がありましたけれども、実はそうではなくて、放送法第五十二条だったかにいろいろ列記されておりますが、そういうことにより、やはり担務は会長が決めていいということになっているわけでございます。

 これは、別に私が慣例を破ったわけでもなくて、慣例的にはそういう担務は出されていなかったんですが、最近なぜかそういう担務が出されていたということでございます。

高井委員 それでは、経営委員長に同じことを伺います。議事録が残っていますから、きちんと慎重に答弁してくださいね。

 今の会長の趣旨で、経営委員長も同じ考えでよろしいですか。

浜田(健)参考人 理事の担務につきましては、以前もお答えしておりますが、執行の範囲というふうに理解しております。

 同時に、経営委員会には、人事の同意権が放送法で明記されているというふうに思いますので、総合的に適正に判断していくんだろうというふうに思います。

高井委員 当時の議事録には、委員長の発言として、日程的に無理があった、今までの慣例があったわけで、次回は話し合いをしていきたいと。いろいろな委員からかなり厳しく言われて、委員長、どうなんですかと言われて、委員長はそうまとめざるを得なかったということでありますが、やはり委員長としても、次はちゃんとしましょうということを言っているわけですから、私は何ら問題がなかったということにはならないと思います。

 それから、きのうのこの委員会で、ある委員から、上村代行が新聞記事で会長は放送法違反だと言っているが、委員長、どうだと。委員長は、経営委員会の場ではそういう発言はなかったと答弁されています。まあ、忘れていただけかもしれませんけれども、今申し上げましたとおり、議事録を見ると、上村代行は、放送法の趣旨にも反している、放送法の趣旨を十分理解する必要があるとはっきり経営委員会の場でも言っております。

 ですから、私は、申し上げたいのは、こういった経営委員会、まあ、経営委員会は放送法第二十九条で「役員の職務の執行の監督」と書いているわけです。この監督が本当にしっかりできているのか。この議事録を見る、あるいは仄聞するところでは、かなり会長と対立というか、監督とは言えない、ほど遠い、形だけ何か追認する機関になっているんじゃないか、そうすら思えるわけですけれども、経営委員長、いかがですか。

浜田(健)参考人 経営委員会は十二人の経営委員の合議体でございますので、さまざまな意見を集約しながら適切に執行部の監視、監督をやっていきたいというふうに思っております。

高井委員 今回の監査の問題も、監査委員というのは経営委員の中から三名なんですよね。これもそういうふうに放送法でつくっているからしようがないといえばしようがないんですけれども、恐らく、多分国民の皆さんは、この議論をずっと聞いていて、何で経営委員会の中の三人が監査委員でやっているんだと。その経営委員会の事務局の職員も、後ろにも控えていますけれども、みんなNHKの職員ですよ。経営委員会事務局長といえば、その後NHKの理事になる出世ポストですよ。

 そういった今の体制、そして、監査委員の事務局も恐らくそういう体制をやると思いますけれども、それで本当にガバナンスが発揮できるのか。

 私は、前からこの委員会でも質問していますけれども、放送法のたてつけに問題があるんじゃないか、経営委員会というものがもう形骸化しているようになってしまっているんじゃないかということを申し上げたいと思うんです。

 この委員会では申し上げましたが、改めてきょうは全国に放送もされていますので申し上げますが、会長を任命するのは経営委員会、十二名の方です。その経営委員会の委員を任命するのは内閣総理大臣です。しかし、ここにも疑義があると思います。

 NHKと同じような組織でよく比較されるイギリスのBBC。BBCというのは、経営委員を任命するのは最終的には女王です。ですが、その前に文化・メディア・スポーツ省というところが、しかも公募制で、有識者の第三者委員会をつくって、公明なプロセスのもとに推薦をして、そして女王陛下が最後は任命をする。

 それに対して日本の放送法では、全くそういう手続は定められておらず、総理大臣が任命をする。私もかつて総務省の職員でした。昔は、総務省の職員が公平中立な観点からしっかりと選んできた。しかし、いつのころからか、特に今回、安倍政権になって、経営委員十二名のうち四名の方は安倍総理の大変親しい、元家庭教師であるとか、考え方が似た方々がなっている。これは去年もさんざん議論されていますが、繰り返しませんけれども、こういう問題が起こっている。

 では、こういった経営委員会が会長をちゃんと選べるのかということで、さらに、では、今の籾井会長をどうやって選んだか。一昨年の十二月十三日の三日前に、前の松本会長を経営委員会は全会一致で決めているんですね。ところが、松本会長は辞意を表明した。そして、その三日後ですよ。わずか三日後に経営委員会が開かれ、そして、経営委員長も初めて籾井さんという名前を、封筒に入っていて、開いて、見たとおっしゃっています。ほかの経営委員会委員も、初めて見たと。そして、経歴がいろいろ、本当に多分数行書いてあって、しかも、ほかにも数名の候補者がいた。その中で、最初に籾井さんの決をとったら、全会一致で決まったと。

 しかし、そこに疑義があるのは、その日の朝の読売新聞の朝刊で、籾井氏NHK会長有力という記事が一面トップに出ているわけです。こうしたことを考え合わせると、やはり何か別なところで決まっていて、経営委員会ではもう追認するしかない、ほかの候補の審議をしたってしようがないよねと。

 さらに言うと、その一週間後に籾井会長をお呼びして、そして数分間の所信を聞いて決めているわけです。しかし、その数分間の所信の中で、数名の委員、議事録にちゃんと出ています、言葉の選び方には留意していただきたい、失言があった場合は苦言を呈することになる、心配なのは誤解を招く可能性がある、委員の中からこんな発言もある中で、こういうわずか短時間の手続でNHKの会長というのが決まっているんだ。

 このことは、ぜひ皆さん、よく考えていただいて、この会長の任命方法に非常に私は疑義があると思いますが、いかがでしょうか、経営委員長。

浜田(健)参考人 経営委員会は、内規に従って、自律的に粛々と実質的な審議を行ってきたというふうに思っております。

高井委員 私がさらにお聞きしたいのは、こういった背景で会長が決まっているからこそ、会長からいろいろな、例えば、政府が右と言えば右、あるいは慰安婦の番組を放映するかどうかは政府のスタンスが決まってからと。先ほどのは一年前の話ですが、つい先日も、国際番組審議会で、河野談話は国の方針ではない、そういう発言が出てくる。

 では、どうしてそういう背景になるのかというところで、実は、先日もお聞きをしました。会長に対して、菅官房長官から携帯電話がありましたか、それから外で会ったことはありますか、そういう質問をしたら、会長からは、こう答弁されています。数回話したことはありますが、そういう会話をお話しすべきではないと思います、それから、会ったかどうかも含めてお答えできませんと。会っていないんだったら、明確に会っていないと言うはずですから、これはもう会ったと答えているに等しいと思います。

 しかも、官房長官と昔から仲がよかったわけじゃないとも答弁されました。就任前は全く知らなかった。そういう中で、就任してから、官房長官が何度も携帯電話をかける、あるいは外で会う。こういうことは、やはり政権から最も距離を置かなければならないNHK会長がそういうことでいいのか。そういう指摘があった場合には、やはりやましいことがないのであれば、その疑念を晴らすのが会長の責任だと思います。

 もう一度会長にお聞きします。会長、菅官房長官と携帯電話でお話しした、何をお話しされたのかということをちょっとお答えください。会長にお願いします。

籾井参考人 個別の案件については、お答えを差し控えさせていただきます。

高井委員 きょうはこれをテレビでもやっていますので、それでは本当にもう全くブラックボックスで、いや、本当にそういう番組への介入はないと私も信じていますから、ですから、そういう誤解を晴らすために、例えばでもいいですよ。全く私は想像できない、官房長官と会長が携帯電話で何度も話す、何の話をするのか全く想像できないので、何か一つでも覚えていることがあれば、例えばでいいですからお話しください。

籾井参考人 その質問にはお答えできません。

高井委員 総務大臣、では、どうぞ。

高市国務大臣 先ほどから、こういうテレビ中継が入っている中で、非常に臆測に基づいて発言をしておられるように思います。

 BBCの話もなさいましたけれども、イギリスのシステムでは、国会の関与はないと承知をいたしております。

 現在、日本では、両院の御承認をいただいた上で、内閣総理大臣が経営委員を任命するという、国民の代表である皆様方の御承認をいただいて任命をするという民主的な手続でございます。

 一方で、イギリスの方は、国会は関与をいたしません。

 それから、まるで政権に近い方を経営委員に選んで、その結果、籾井会長が選ばれたように類推される発言をされましたけれども、そもそも、籾井会長が就任をされた、選任をされたときの経営委員十二名のうち四名は、前の民主党の総理による任命でございます。十二名のうち九名以上が賛成しなければ会長には選ばれません。全会一致だったとしたら、それは自民党政権に近いということではなく、前政権も含めて、その時代に選出された経営委員の皆様も賛成されて最適任とされた、このように理解をいたしております。

 複数の候補者につきましても、きちっと審査をされたと伺っております。

高井委員 その御答弁は予算委員会でもお聞きしたんですけれども、ですから、そもそも経営委員が時の政権によって、こっち派、こっち派となることがよくないんじゃないか、そういう放送法を変えていかなきゃいけないんじゃないかということを御提案申し上げているわけでございます。

 その点について総務大臣にもお聞きしたいですが、きょうは時間がありません。NHKの話でありますので、ちょっと先に進めさせてください。

 今の話とも関連しますけれども、籾井会長は、これも臆測だと言われるのかもしれませんけれども、でも、いろいろな報道で出ておりますが、与党の賛成をもらえばいいんだということを与党幹部の方に言われたというふうな話が伝わってきております。

 そういったことを踏まえて、ことしの二月に、経営委員長が経営委員会として、一刻も早く事態を収拾し、そして国会で全会一致の承認を得られる努力をしてほしいという申し入れをされていますよね。そして、その申し入れをされて、籾井会長、いかがですか、そういう努力をされたんでしょうか。

籾井参考人 NHK会長といたしまして、当然全会一致での予算の御了承を期待しておりますし、また、あえて私はこの場で皆さんにお願い申し上げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

高井委員 私は、この間のやりとりはもちろん全部出ておりますし、それから国民の皆さんも断片的にテレビとかで見ておられると思いますけれども、とても全会一致を得るための努力をされているというふうには、申しわけないですけれども受け取れませんでしたし、そしてまた現実に、きょう、この後採決があるんでしょうけれども。

 それでは、全会一致にならなかったときには、会長、どういう責任をとられるんですか。

籾井参考人 先ほど申しましたように、今も全会一致を大いに期待しております。

 そういうふうに全会一致にならなかったときという仮定の話にはお答えできません。

高井委員 それでは、経営委員長は、申し入れをした立場として、結果的に全会一致にならなかったときにはどのように会長に責任をとっていただくのか、あるいは経営委員長の責任はどう考えておられるのか。

浜田(健)参考人 現在の放送界を取り巻く状況を私なりの認識で申し上げますと、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、NHKのみならず、日本の放送界にとって大きな節目となる年だと考えております。今はそれを見据えた新しい経営計画の第一歩を踏み出そうとしている大変重要な時期であります。私といたしましては、速やかに着手し、その実現を目指していただきたいというふうに考えております。

 したがいまして、現時点では、執行部に、平成二十七年度の収支予算、事業計画を国会で年度内に全会一致で承認いただけるよう、諦めずにぎりぎりの努力を続けていただきたいというふうに考えております。

高井委員 その結果は間もなく明らかになるわけでございますので、ここは、やはり経営委員会としてこういった申し入れをしたということは非常に私は重いことだと思います。そして、今ずっと申し上げていますとおり、このままいくと、経営委員会そのものが、何をやっているんだ、必要ないんじゃないか、そういう話になる、私はそう思います。

 ですから、経営委員会として、今回の監査報告についても、これも本当に現場の職員から、こんな報告を経営委員会は追認するのかと。経営委員会は監査委員会から報告を受けた後、経営委員会を開きましたよね、そのときの意見とかはどうでしたか。

浜田(健)参考人 経営委員会としては、さまざまな議論を経た上で、今回の監査委員会報告は、監査権限を持つ監査委員会が適切な監査に基づいて報告したものと認識をしております。

 経営委員会としては、監査委員会からの報告にあるとおり、改めてコンプライアンスの意識を徹底し、協会が再発防止策を着実に遂行することを求めてまいりたいというふうに思っております。

高井委員 経営委員の中から疑問の声は出なかったんですか、経営委員会の中の議論で。経営委員長に。

浜田(健)参考人 いずれ詳細については議事録を公開いたしますので見ていただければというふうに思いますけれども、出た意見を御紹介いたしますと、会長の公私の区別に対する認識の甘さや事務処理体制の不備、さらには立てかえ払いの問題点などが指摘をされました。

高井委員 会長をやめるべきという意見はなかったでしょうか。それともう一つ、あわせて、もう時間がありませんので、会長を罷免するのは経営委員会はできますけれども、これは過半数でいいんですよね。どなたかが発議をして、そして過半数の賛成が得られれば罷免ということでよろしいですよね。その二点。

浜田(健)参考人 罷免という議論はありませんでした。

 それから、先ほどのように、案件につきましては、経営委員会は合議体でございますので、放送法に基づいて適切に処理をしてまいりたいというふうに思っております。

高井委員 その放送法を聞いているんですけれども、過半数であれば経営委員会としての決定ですよね。

浜田(健)参考人 そのとおりでございます。

高井委員 ぜひ、経営委員の皆さんには、直接こうしてお越し、私は参考人でお呼びしたいと言ったけれども、理事会で通りませんでした。

 ひょっとしたらテレビを見ていただいているかもしれませんので、私が冒頭BBCと比較したとおり、経営委員のあり方そのものに非常に疑義があるというふうになってしまう。今の現行法で私も即座に問題だとは言いませんけれども、このようにいろいろなことが決定できなくなり、そして会長に対する監督権限というのも行使されていない状況が生まれてくると、私は、これは国民の皆さんが経営委員会に対して不信を抱く、それはひいてはNHKそのものに大変大きな不信を抱くことになると思いますので、ぜひ経営委員会の英断を期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

桝屋委員長 高井委員に申し上げます。

 理事会のお話がございましたが、経営委員を呼ぶことを理事会が拒んだわけではありません。

 前の経営委員ということで合意できなかった、こういうことでございますから、正しい情報をお願いいたします。

高井委員 失礼いたしました。

 ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 昨日はこの総務委員会でNHKの集中審議があり、私も質疑に立ちました。きのうの論戦を踏まえて、きょうはNHKの受信料と、それから籾井会長のハイヤーの私的利用問題についてお伺いします。

 最初に、受信料の件についてであります。

 NHKの予算の大半は受信料によって賄われています。そのようになっている意義について述べていただきたいと思います。

籾井参考人 お答えします。

 我々にとりまして、受信料というのは本当に一番大事なもので、これなくしてはNHKというのは存在し得ません。我々、公共放送を維持するために絶対的に必要なものでもあります。さらに、全国の視聴者の皆様に、事実に基づいた正しい報道と、それからいろいろな番組、いい番組をおつくりするために、やはり必要なものでございます。

 そういう、我々にとりましては何物にもかえがたい大事な受信料でございます。

田村(貴)委員 憲法の保障する国民の知る権利、表現の自由を担保するために、政府からの独立、それから利潤追求の原理に縛られることのないようにする、ここが何よりも大事であります。だからこそ、公共放送として、主として視聴者からの受信料で運営されています。そういうことですよね。

 したがって、NHKが何よりも目を向けなければならないのは視聴者であります。その視聴者からNHKのトップである籾井会長の発言に対して、批判の声がこの間ずっと向けられてきています。

 お伺いします。

 籾井会長の一連の発言に対する視聴者からの問い合わせ、意見はどれだけ寄せられているのでしょうか。会長就任の昨年一月から直近までの数字でいいですので、教えてください。

吉国参考人 昨日の審議でもお答えいたしましたけれども、去年の一月二十五日から六月十八日までのおよそ五カ月で四万四千二百件の意見がございました。それから、ことしに入ってからでは、先月二月一日から今月二十日までの間に八千百件の御意見がありました。

 我々が把握しているのはこの期間だけでございます。

田村(貴)委員 合計すれば五万二千三百件。そのうち、批判的な意見はどのぐらいの割合になっていますか。

吉国参考人 これもきのう御説明しましたけれども、一人の方の御意見が多岐にわたっていまして、中には、肯定的なところと否定的なところ、両方おっしゃっている方もいますので、厳密には区分けできません。あえて言うならば、七割程度が批判的な意見だろうということです。

田村(貴)委員 七割を占めているということであります。

 わかっているだけで五万を超える批判の声、これはもう相当なものです。まさに異常事態であります。

 加えて、受信料の支払い保留が一月末において三千百件に達していることも伺っております。

 こういう状況において、当の籾井会長が今月五日、受信料の支払いについて義務化できればすばらしい、法律で定めていただければありがたいと発言されました。私、答弁を聞いていて、非常にびっくりしました。みずから視聴者への信頼と受信料への理解を失わせておきながら、受信料の強制徴収で財源を賄おうとする姿勢は、視聴者の神経を逆なでするものと言わなければならないと思います。

 お伺いします。

 会長の受信料支払い義務化の発言について、NHKには視聴者からどんな意見が寄せられているんですか。教えてください。

吉国参考人 お答えいたします。

 主な意見でございますが、受信料の義務化はNHKや受信料制度の根幹を揺るがすものではないかという意見があった一方で、受信料の支払い義務化はきちんと明文化した方がよいという意見もありました。

田村(貴)委員 公共放送なのに受信料の義務化はおかしいという意見があったことも、私、NHKから教えていただきました。批判的な意見はたくさん寄せられています。

 籾井会長、二十日前に会長が述べられた、義務化できればすばらしいとのお考え、今でもそう思っておられますか。

籾井参考人 NHKの現在の支払い率は七五、六%でございます。つまり、二四、五%の人たちは受信料を払っていただいていないわけでございます。

 我々にとって、先ほどから受信料が大事だというお話、私もそう思いますし、委員もそう思っておられますが、これを確保するためには、やはり公平負担ということが何よりも大事であり、ある意味では、七五%の人は二五%の人のために負担を強いられている、こういうことに相なるわけでございますね。

 したがいまして、我々としましては、支払い率の向上、理想的には一〇〇%でございますが、とりあえず今次予算では、一〇〇%を掲げて予算をつくりますと予算が成り立たないので、これは八〇%といって、相当爪立った数字を出しております。

 私が義務化についてすばらしいと申したのは、言葉は別として、もし支払い義務化がなされれば、一〇〇%になるわけですから、そういう意味では不公平感がなくなる、こういう意味でございます。

 ただし、義務化というものは、現在議論の俎上にものっていませんし、それから、やはり国民的なコンセンサスとか、いろいろな要素がございます。そういうものをクリアしないと、これはできないわけですから、まだまだ先の話であるというふうに思っております。我々の中でも、そういう義務化の話は出ておりません。

田村(貴)委員 出ていない中で、すばらしいという言葉を使われた、それを今どう思っておられるんですかと聞いたんです。

 会長、言葉は大切ですよ。とりわけ放送とか報道に携わるNHKの会長だったら、言葉はともかくもと、そういう言い方はないと思います。

 経営委員長にお伺いしたいと思います。

 世論が大きく高まっているわけでもなく、NHKとしての検討もされないうちに、会長が、すばらしいとの発言をしてしまう。こんなことで、公共放送としての役割が円滑に進んでいく、果たせていくというふうに思われますか。

浜田(健)参考人 委員の御質問の趣旨は、義務化についての認識ということでよろしいんでしょうか。

 何度かお答えしておりますけれども、放送と通信の融合が進んでいく現代にあっては、現行の受信料制度についても検討の余地があるというふうには考えております。しかし、制度を変更するに当たっては、国民的な合意形成が必要であるというふうにも考えます。

 したがいまして、経営委員会といたしましては、次期経営計画の議決の際に、執行部に対して、受信料制度について研究を鋭意進め、この問題に関する国民的合意形成のために努力することを求めております。

 議論の進め方は、執行部においてまず検討すべきものと考えておりますが、経営委員会としては、議論に前提は設けておりません。

田村(貴)委員 高市大臣にもお伺いします。

 先ほどもありましたけれども、総務省として、受信料の意義、それから支払い義務化についてどのように考えておられるでしょうか。

高市国務大臣 まず、受信料の意義というお尋ねですけれども、NHKが、公共の福祉のために豊かで、かつ、よい番組を放送するという公共放送の社会的使命を果たすために必要な財源を、広く国民・視聴者全体に公平に御負担いただくための特殊な負担金と位置づけられていると承知をしております。

 それから、受信料の支払い義務化について、総務省として今これを検討しているということはございません。

 ただ、まずは、受信料の公平負担の徹底というのは非常に重要でございます。ですから、私が二十七年度予算に付した大臣意見におきましても、「未契約者及び未払者対策を一層徹底し、支払率の向上を図ること。」と言及をいたしました。

 真面目に負担されている方、そして支払っていない方、この不公平が生じてはいけないし、支払っていない方、その人の分を真面目に負担している方が余計に負担していたら、これは大変残念なことでございますので、まずは、NHKに対してしっかりと徴収率のアップを求めているということでございます。

田村(貴)委員 視聴者の理解を得て、そして受信料で支えられている現行の制度というのは、まさに、国民の知る権利や表現の自由を保障し、健全な民主主義の発達に資する、公共放送の根幹をなすものだというふうに考えます。そうした国民とNHKとの関係において、軽々に受信料の支払い義務化を持ち出してはならないというふうに私は考えます。

 次の質問に移ります。

 籾井会長のハイヤー私的利用問題についてであります。

 籾井会長が一月二日のゴルフで私的使用したハイヤーの乗車代金がNHKに請求され、支払いを肩がわりした問題は、国会でも連日取り上げられてまいりました。そして、視聴者の不信を高めています。

 最初に、監査委員会にお尋ねします。

 NHKに監査委員会が設置された経緯について説明してください。

上田参考人 お答えいたします。

 監査委員会は、協会のガバナンス強化を盛り込んだ、平成十九年放送法改正により設置されました。

田村(貴)委員 その監査委員会の仕事の中で、会長を初め役員の職務執行に関する監査制度について説明をしてください。

上田参考人 お答えいたします。

 放送法は、監査委員に対しまして、役職員に対する職務執行に関する報告徴収権や協会の業務等に関する調査権限や子会社に対する調査権限を与え、また、役員の法令、定款違反の行為等について監査委員による差しどめ請求を認めております。

 さらに、監査委員に対し、経営委員会に対する役員の不正の行為等に関する報告義務や監査委員会の職務執行状況の報告義務を定めております。

 以上です。

田村(貴)委員 もう一つお尋ねします。

 今回、会長のハイヤー私的利用をめぐる監査委員会からの結果報告書が出されています。

 これまで、NHK会長の職務の執行にかかわる対応事案はあったんでしょうか。

上田参考人 お答えいたします。

 放送法は、監査委員に対し、役員等の職務執行に関する事項の報告を求め、また、協会の業務等の調査を行う権限を認めております。

 御質問いただきました会長の行為を対象とする放送法第四十四条に基づく個別事案の調査が行われた事例はございませんが、理事の経営委員会における発言等の調査は行ったことがあります。

 以上です。

田村(貴)委員 会長についてはない。つまり、あってはならぬことが起こっているわけであります。公私混同がなされて、そしてNHKの監査部門でも前代未聞の事態となっているということであります。

 そこで、籾井会長にお伺いします。

 会長は昨日の私の質問に対して、一月二日のゴルフは完全プライベートなものであった、NHKの会長就任以降、小金井カントリーには二回から三回行った、その交通手段については自宅から電車とタクシーを利用したと述べられました。

 確認します。そういうことでよろしいでしょうか。

籾井参考人 結構でございます。

田村(貴)委員 では、なぜ一月二日の日はNHKの秘書室にハイヤーの手配を頼んだんですか。

籾井参考人 一月二日はお正月で、一つは電車が混んでいるんじゃないかということと、二つ目は駅にタクシーがいるかどうか、これが不安でございました。たしかあの日は寒うございましたので、結果として、そういうことで念のために車を頼みました。

田村(貴)委員 しかし、会長は、今度、タクシーを手配するという理由に、安全の確保への配慮ということを述べられている。それは監査委員会の報告書でも上がっているじゃないですか。寒かったから、電車が混んでいる、ちょっと論拠が成り立たないというふうに思います。

 結果として、私用で使ったハイヤー代金四万九千五百八十五円を協会が二月二十七日に支払うことになったわけなんです。あってはならないことなんです。しかも、トップみずからがこういう違反を起こしているわけです。全く公私の感覚がなくなっていると言わざるを得ません。

 会長、昨日の委員会で、答弁でこういうのがありました、今をして思えば別のやり方があったと思うと。今をしてどんなやり方がふさわしかったのか、率直な思いを聞かせてください。

籾井参考人 ほかのハイヤー会社を使えばよかったということでございます。

田村(貴)委員 NHK業務と関係のないゴルフなんだから、協会と提携のないハイヤー会社に個人的に頼めば済んだ話、これはきのう私も主張しました。会長もそうお認めになりました。秘書室に手配を要請した、このことがそもそもの間違い、そこから公私混同が起こってしまったということです。この点は厳しく指摘しておきたいというふうに思います。

 そこで、きのうから論議している例外の規定の問題なんですけれども、秘書室も執行部も、それから監査委員会も、私的利用目的であったとしても、「その立場上必要な、身柄の安全、情報管理および所在確認のために、協会が手配するハイヤーの利用を必要とする場合がある」としているんですね。

 では、その三つの根拠は何か明文化されているんでしょうか。その根拠について教えてください。

石田参考人 明文の規定はございません。

田村(貴)委員 文書規定もないのに例外を認めることは、私は問題だと思いますよ。タクシー、ハイヤー利用については、「本部における自動車使用要領」に、「業務上必要な場合に限る。」として、厳密に公私混同を禁じて、例外規定を設けていません。

 NHKの年間ハイヤー代金は、昨年度、七億四千二百万円であります。この例外を認めれば、際限なく公私混同が広がってまいります。今回の一件のハイヤー乗車票であってもずさんな事務処理がされていたのに、厳密な処理ができるわけないじゃないですか。おかしいと思いませんか。

 監査委員会は、その意見のところでこの三つの例外について理解を示すようなまとめをしていますが、これはだめです。国民・視聴者の納得を得るように、きちんとこれからも監査を進めていく、曖昧な例外は容認してはならない、このことも厳しく要求させていただきたいと思います。

 そこで、NHKと契約しているハイヤーの会社です。二社ほど契約していると伺っていますけれども、このハイヤーの法人契約において割引の適用はあるんでしょうか。

石田参考人 お答えします。

 NHKとハイヤー会社との契約は、複数社を対象としたプロポーザル方式による指名競争入札で行っています。契約の内容について公表するのは差し控えたいと思います。

田村(貴)委員 割引契約があるわけなんですよ。だから、籾井会長のハイヤー利用、この一件はその意味においても問題です。なぜならば、全くのプライベートのゴルフの送迎にNHKのハイヤー割引制度を利用したということなんです。

 見方を変えれば、他社に頼むよりもNHKのハイヤー代の方が安いから利用したという見方も成り立つじゃないですか。こうした問題もあるから、極めて曖昧な例外を認めない。それはNHKの方でしっかり対処していく。監査委員会が認めたらだめですよ。

 大臣に伺います。

 NHKのトップが、前代未聞の公私混同のハイヤーを利用した。そして、これまた異例の、監査委員会から報告が今上がっている。本委員会でも集中審議が行われている事態がありました。率直に見て、この問題をどう思われているでしょうか。

高市国務大臣 繰り返しになりますが、ハイヤーの利用に関する問題につきましては、受信料により運営される公共放送の社会的責任の重さに鑑み、国民・視聴者から疑念を持たれることのないよう、監査委員会の調査報告や経営委員会の見解を踏まえ、再発防止に向けてしっかりと対応していただくことが必要だと思っております。

田村(貴)委員 昨年の四月一日、NHKの新入局員の入局式で、籾井会長の講話の中で次のくだりがございます。

 公共放送NHKを考える上で重要なことは、視聴者の皆様からお支払いいただいている受信料で成り立っていることです。受信料制度は、皆様からの期待や信頼があり、NHKがその役割をきちんと果たしているということがあって成り立ちます。職員全員が信頼や期待を積み重ねていったとしても、たった一人の行為がNHKに対する信頼の全てを崩壊させることもあります。

 会長講話の中でこういう一文があるわけなんです。

 その言葉は全部正しいですよ、会長。しかし、その言葉がそのまま今御自身に向けられている事態に対して、私はしっかり自覚をされる必要があると思います。これは執行部も監査委員会もしっかり自覚する必要があると思います。

 一年たっても、公共放送のトップとしてあるべき発言の仕方もわきまえない、私的な遊びに使うハイヤー代を受信料で立てかえ払いさせようとした言語道断の公私混同、そして、一層NHKへの視聴者の信頼を失わせることが本委員会の審議を通じて……(発言する者あり)私の発言中です。明らかになりました。こうしたもとで、NHKの新年度予算を承認するわけにはまいりません。

 もはや、籾井会長はNHK会長として不適格と言わざるを得ません。辞任すべきであります。そして、経営委員会は籾井会長を罷免すべきと考えます。そのことを我が党は強く主張して、きょうの質問を終わります。

桝屋委員長 次に、梅村さえこ君。

梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。

 日本共産党は、NHK予算に当たっては、その経営姿勢についても評価の対象と考えるものです。

 そこで、籾井会長に質問いたします。

 籾井会長は一月の記者会見で、ことしはNHKにとって節目の年だ、日本でラジオ放送が開始されてから九十年、国際放送は開始から八十年、NHKオンラインは開始から二十年、戦後七十年でもあると述べられながら、九十年の放送の歴史を振り返りつつ、メディアと日本の未来を見詰めることをテーマにした特集番組や、「NHKスペシャル」の大型シリーズ「戦後七十年」など、節目に関連した放送をすること、また、東日本大震災からの復興を初め、命と暮らしを守る放送に全力を挙げるとともに、判断のよりどころとなる正確な放送や、豊かで多彩な番組をお届けすると会見をされました。私も、この点は大変共感をして聞きました。

 やはり、ことしはNHKにとっても放送界にとっても歴史的な節目の年であり、NHKが歴史に学び、どう公共放送として未来に向かっていくのか、大きく問われる年だと考えております。

 そこで、籾井会長に伺いたいと思いますけれども、昨日の予算説明の中で籾井会長は、公共放送の原点を堅持するということを強調されました。公共放送の原点というのは、この間会長が、不偏不党、自主自律、公共料金で支えられているということを強調されているわけですけれども、こうした原点の歴史的な経過について、御認識をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。(発言する者あり)

桝屋委員長 会場、静粛にお願いいたします。

籾井参考人 公共放送の原点は放送法そのものである、一言で言えばそういうことであろうというふうに私は思っております。

 視聴者に支えられている受信料制度のもとで、放送法の精神にのっとり、事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人にも規律されない姿勢、つまりこれは独立性でございますが、放送を行うことで健全な民主主義の発達や文化水準の向上に貢献することが公共放送の使命であると考えております。

梅村委員 その点は、九十年の放送の歴史からはどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。(籾井参考人「済みません。もう一度お願いします」と呼ぶ)その点を、そういう教訓を、九十年の放送の歴史からどのように認識されておられるか。ことしの一月の記者会見で放送の九十年という節目を強調されたわけですけれども、戦前と戦後、公共放送の歴史というのはやはり段階があったかと思うんですけれども、今の放送法が出発した歴史的な教訓や原点について御感想をお伺いできればと思うんです。

籾井参考人 放送というものは、まず音を出すこと、これでみんなが喜んだ時代がございます。それから、そこからニュースが流れてくる、音楽が流れてくる、歌が流れてくる、そういう中で、国民生活とともにラジオは育ってまいりました。

 そうこうしているうちに、戦中は、なかなかやはり放送にとっては難しい時期があったと思います。これは、放送に限らず、新聞等々のメディアもそうだったと思います。

 そういうことを経て、戦後、テレビが出てまいりました。そして、テレビも白黒からカラーに変わってきたわけでございます。

 そして、今や九十年目を迎えまして、ネットとの常時同時再送信の問題とか4K、8Kの問題とか、新たな時代を迎えようとしておる。

 こういうふうな歴史がございますので、我々としましては、この歴史をさらに発展させるべく、いろいろ技術的にも貢献していきたいというふうに思っております。

梅村委員 NHKのホームページを拝見させていただきますと、NHKという事業体について、どういう形かということに対して、やはり政府から独立した公共放送事業体だということを強調されているかと思います。つまり、公権力からの自立を強調されていると思います。

 私自身は、この原点というのは、戦前に放送が国民を総動員して戦争に駆り立てていった、そういう教訓から、戦後はここからの独立というものも一つのスタートラインとしてはあったのではないかなと思うんですけれども、その点は会長自身はいかがお考えでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 先ほども申しましたけれども、我々は、やはり事実を伝えるということがNHKとして一番大事なことだと思っております。それから、放送がいろいろな色彩を持って報道を行っていくということは、大変危険なことだと私は思っております。

 そういう意味におきまして、やはり事実に基づいて、本当に公平公正な放送をしていく、それから不偏不党、まさしく放送法に書いてあるとおりでございます。

 私は、常に職員に対してもこれをリマインドしてもらって、職員も、日ごろの番組創成について、そういう気持ちでやってもらいたいというふうに思っているわけでございます。

梅村委員 そういう上で、きのう籾井会長の御発言で、再び慰安婦問題で発言されたかというふうに思います。

 昨日も、八月の政府談話については、出ると言われておりますので、やはりその辺の談話が出た後に広くいろいろな形で意見を拾っていきたいというふうに再びおっしゃったかなと思いますけれども、そういう事実でよろしかったでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 きのうの田村議員の質問に対して、慰安婦問題の報道について、なかなか難しいというふうなことを言ったと言われておるわけでございますが、私が申し上げたのは、いわゆる慰安婦問題を初め歴史的な問題は、さまざまな見方、考え方がある中で、NHKとしてもそれらの動向もよく見きわめて検討すべきだという趣旨で申し上げたもので、政府の意向をそんたくしたり、そういうつもりは全くないわけでございます。

 いずれにしましても、私の考えを放送に反映させることはないということはこれまで何度も申し上げてきましたし、今後もそういうことはあり得ません。あくまでも放送法に帰って、それをバックボーンとしてやっていきたいと思っております。

梅村委員 籾井会長はもしかしてそういうお立場できのう答弁されたかもしれませんけれども、実際に議事録を起こしたり、私たちも田村議員に対する答弁をもう一度振り返らせていただいても、さまざまな意見を踏まえてというような言い方ではなくて、八月に政府談話が出されると言われておりますので、やはりその辺の談話が出た後に広くいろいろな形でというようにおっしゃっていると思うんですね、議事録を確認させていただくと。

 さまざまな意見ということではなくて、政府の談話が出た後にいろいろ番組を検討していくというふうになりますと、私は、政府の姿勢におもねる、NHKの生命線として政府から独立した公共放送事業体ということをしっかりと宣言しておるにもかかわらず、そこら辺はやはり引き続き誤解を生む。

 そういう意味で言ったのではないというふうにさっきおっしゃったのかもしれませんけれども、事実、そういうふうに議事録や発言では、政府の八月の談話が出る、その後にとおっしゃっているんですね。

 やはりこれは誤解を与えますし、会長自身が、独立という立場よりも、そういう政府の動向を気にしているんじゃないかというふうに国民は引き続き不安に思うのではないでしょうか。いかがでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 私の真意は、いわゆる慰安婦問題を初め歴史的な問題は、さまざまな見方、考え方がある中で、NHKとしてもそれらの動向もよく見きわめて検討すべきだという趣旨で申し上げたもので、政府の意向を見てからどうこうするという、そんたくするつもりで言ったわけではございません。

 いずれにしましても、私の見解を放送に反映させることはございませんし、放送法に基づいて報道を続けていきたいと思います。

梅村委員 それで、実際、この間NHK自身は、慰安婦問題についての特集番組などはしばらくしていらっしゃらないかなというふうに思います。まあ、報道はあるかもしれませんけれども。

 ここでやはり指摘したいと思いますのは、ことしは戦後七十年の年となっております。この問題は非常に国民的な関心も高く、もちろん、皆さんが言うように、さまざまな御議論があるわけであります。それを、この戦後七十年に、公共放送のNHKが、難しい問題だから、そして政府の談話が出てからというようなことではなくて、それは八月ですから、やはりジャーナリストの世界として、しっかりと国民の知る権利を保障していく。そこは、自律そして不偏不党ということをもうずっとおっしゃっているわけですから。

 そして、籾井会長は去年の総務委員会の中でこういうふうにおっしゃっています。憲法で保障された表現の自由や放送法の規定を踏まえて視聴者・国民の期待に応えるのが公共放送だ、NHKの役割だ、また、ジャーナリズムは国民の知る権利に応えることだと認識しておりますということで、積極的に国民の知る権利に応えることの重要性もあわせて去年答弁していらっしゃるんですね。

 そういう立場からすると、八月の政府の談話が出てからいろいろ考えるということは、七十年というのは十二カ月ですから、半分以上過ぎちゃってからですから、その知る権利というようなものを、やはりもう少し報道機関やジャーナリストの世界としては積極的に向き合うことも必要ではないかな。

 もちろん、どういう意見がということを言っているんじゃないんです。さまざまな意見があるだけに、やはりNHK、公共放送としてはもっと知る権利に応えるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

籾井参考人 昨年申し上げたことは、そのとおりでございます。

 ただ、委員、何回も申し上げておりますが、我々は事実に基づき報道をしていくということでございますから、そういう意味において、我々としては、今後とも事実に基づき国民の皆様にもいろいろ報道をしていきたいというふうに思っております。

梅村委員 その事実に基づく報道というようなものは、八月を待ってからじゃないとできないんでしょうか。

籾井参考人 我々は、日ごろ事実に基づいて報道をしております。

梅村委員 ぜひ、積極的な、そういう意味で知る権利を保障するような、そういう役割を果たしていただきたいなというふうに思います。

 次の質問に移ってまいりたいと思います。

 そういう問題について、この間の会長の御発言、やはりいろいろな議論がこの場でもありましたけれども、一番大事なのは、受信料を払っていただいている国民や視聴者の皆さん、そういう方々が会長の御発言の問題なんかをどのように受けとめているか、そういう議論が必要なのではないかなと思います。

 それで、この間、視聴者と語る会が経営委員主催で何度かやられていると思いますけれども、こういう会、例えば四月には佐賀、五月には青森、七月には室蘭、九月には岐阜、そして五回は東京芸大、六回は水戸というようなことで、一年間にわたってずっと行われてきていると思うんです。

 ここは国会の場所ですけれども、そういう直接の語る会などで出ている声を会長としてどのように受けとめて、どのように生かしていこうと思っていらっしゃるか。そこら辺はいかがでしょうか。

籾井参考人 お答えします。

 語る会は経営委員会の主催でございまして、そこに指名された理事が行っているわけです。

 差し当たり、私は一度もお呼びがかかっていないのでございます。

梅村委員 お呼びがかかっていないということなんですけれども、かなり籾井会長に関する御意見や御提案があるみたいなんです。

 そういう提案や御意見の内容については、お呼びはなくても、その後御報告があるとかはありますでしょうか。

籾井参考人 理事が出席しておりますので、簡単な報告は受けております。

 もちろん、理事からの報告を受けても詳細を知っているわけではないんですが、出席者については経営委員会が決めますので、もしお呼びがかかったらということにさせていただけますでしょうか。

梅村委員 それは経営委員会主催だということではありますけれども、実はNHKのホームページにもかなり詳しく情報公開されておりますし、私は、そういう声が経営委員会を通してもう籾井会長に伝わっていると。

 かなりたくさんの具体的なお声があるかというふうに思います。

 例えば、九月に岐阜で行われた語る会なんかは、かなり活発な議論だったというふうに聞いております。

 この間の籾井会長の発言が女性への人権侵害ではないかというふうに思うので、そういう発言は今後は控えてほしいという発言だとか、政府寄りの報道が多いのではないかと思う、籾井会長の発言は干渉に当たるおそれがあるのではないかとか、あと、昨年十一月に経営委員会がつくられた会長の資格要件六項目というのがあったけれども、現時点でこの六項目は生きているかとか、これは籾井会長というよりは経営委員会に対する意見ですけれども、かなり具体的な声がこの語る会では出ているわけですね。

 経営委員会の方に質問したいと思いますけれども、これは、責任を持って籾井会長に伝えるというような仕組みはないんでしょうか。やはりこの一年間は会長に関する意見が多かったわけですから、私は、そういう声が伝わって会長職をやっていらっしゃるんじゃないかなと思ってまいりましたけれども、いかがですか。

浜田(健)参考人 経営委員会では、出席委員からの報告を受けたり、それから開催報告書を提出していただいたり、ホームページ上でそれらの周知を図っております。

梅村委員 私が質問したかったのは、それが籾井会長に伝わっているか、経営委員会の方が伝える努力をしているのかということをお伺いしたかったんですけれども、いかがでしょうか。

浜田(健)参考人 先ほど申し上げたような形で、経営委員会としては執行部との情報の共有化を図っております。

 以上でございます。

梅村委員 それぞれがそういうふうにやっているはずだということではありますけれども、さきの御答弁を聞きますと、籾井会長にはこの内容が十分具体的に伝わっていないのかなというような印象も受けます。

 その語る会に参加をしてこられている視聴者・国民の皆さんは、この声が届くと。誰でもが参加できるわけじゃなくて、申し込んだ方々の中でも抽選で、そこに参加できる方というのはほんのわずかなわけですね。やはりそれだけの思い、NHKを発展させたい、NHKをこれからよくしていきたいという思いで皆さん来ているわけですから、こういう声を、少なくとも該当された、意見が出た会長を含め、当事者には伝えるべきではないかな、それが視聴者・国民のためのNHKになる一つの出発点ではないかなというふうに思いますので、ぜひその点御要望しておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

浜田(健)参考人 御指摘を受けとめて、さらに努力をしていきたいというふうに思います。

梅村委員 この語る会は、籾井会長に対する意見だけではなくて、経営委員会そのものの選出のあり方だとか、選出過程の中の五項目が生きているのかとか、そういう意見もあるわけですので、経営委員会の方々自身の問題としてもぜひ受けとめて、きょうは時間がありませんので、そこで出された意見もたくさんあるわけですけれども、一つ一つがどういう処理をされているのかということでいえば、ぜひ今後の改善を期待したいというふうに思います。

 時間もありませんので、最後になりますけれども、受信料の問題についてお伺いします。

 やはり予算の中ではこの受信料がかなりの割合、そして、金額的にも大変大きな国民のお金で支えられているのがNHKだというふうに思います。

 今後八割を目指していくということであります。これだけのお金を集められているのは、NHKがいい番組をしている、私も子育てするときには子供番組をよく見ましたし、今だってたくさん見ております、そういう現場スタッフの努力、視聴者の皆さんのNHKに対する思い、そして徴収する方々の御努力、そういうので今の受信料、この予算というのは成り立っているというところに、私たちは本当に感謝の気持ちをあらわさなきゃいけないというふうに思っております。

 その点で、今後八割を目指すということですけれども、私たちの地方議員のところには、そういう中で、特に都市部なんですけれども、受信料の徴収のときに、なかなか強引なやり方がふえているというクレームも来ているんです、生活相談で。

 やはりその点は、視聴者・国民の立場に立つ、きのうの籾井会長のところ、営業改革を一層推進していくということは、一体として、受信料制度の理解と二つ一緒にと会長さんは言っていらっしゃると思うので、私は、八割を目指すときに、そういうところにも心を配りながらやらないといけないというふうに思っております。

 時間がありませんので、一つ例を挙げると、徴収の方が来られて、中に入らせてくれと男の人が言ったんですけれども、六十代の女性で、男の人だから、だめです、入りませんというふうに断ったんです、テレビはないと言って断ったそうなんです、ないということで。そうしたら、携帯電話を持っているだろう、その六十代の方は携帯は電話するために持っていたんですけれども、テレビの受信機がついているんだったら、それは払わなきゃいけないから、今度また来る、用意しておけ、訴えるぞ、また来るということで、かなりそういう集められ方をしているというようなのが、私たちの地方議員に相談事として寄せられております。

 こういうことについては、いかがお考えでしょうか。

籾井参考人 いろいろありがとうございます。

 そういう営業のところで、そういうふうな不愉快なことといいますか、失礼なこととかいうのが時々あると聞いておりますが、我々も本当にその辺については気を使いながら指導をしていきたいというふうに思っております。

 それから、いろいろ意見を聞けという話については、私めも、その語る会というものにも機会があれば出させていただきたいと思います。

 引き続き、NHKをよろしく御愛顧いただきたいと思います。

梅村委員 消費者庁に伺いましたら、NHKに関する相談件数は、二〇一二年の五千八百六十八件から二〇一四年には七千百七十八件にふえていて、五年前と比べると相談件数は二倍になっているんですね。

 ただ、徴収員の方は本当に一生懸命やっていますので、そこにまた徴収員の方々にもっとやれというような尻をたたくようなやり方ではなくて、いい番組をつくり、払いたくなるような、そういうNHKに改革していっていただきたい。

 もちろん、徴収の努力も必要ですけれども、そういう御努力を心から期待して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

桝屋委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。

 本日は、NHKの予算案ということでありますが、冒頭、一つだけ、ハイヤー問題について籾井会長にお聞きをしたいというふうに思います。

 別の委員の方も質問されておりましたが、その際、会長は、当初から、公私の区別をつけるためにハイヤーを使う、しかもそれは自分で支払うと。結果的には、これは事務上の手続だというふうに言われますけれども、NHKが一旦立てかえ払いをしたということが起こりました。私は、その問題についてきょうは聞こうとは思いません。

 初めから公私の区別をつける、この初めというのは、どの時点からのことなんでしょうか。

籾井参考人 最初に車を頼んだとき、つまり十二月二十六日でございます。

吉川(元)委員 確かに、監査報告書、十二月二十六日に会長が車の手配を頼んだとあります。ただ、この報告書を読むだけだと、「「一月二日に小平市内のゴルフ場に行くため車の手配を頼みたい」旨の要請があった。」その後、秘書室から、私的利用に当たるのでハイヤーを使ってはどうかと提案をされて、これを了承したと。

 この場合、十二月二十六日というのは、これはどの段階で、秘書室からこれは私的利用ですからハイヤーを使ってくださいということで、公私の区別をつけるということになったのか、その点について、どうですか。

籾井参考人 十二月二十六日に車を頼んだときに秘書室長と話しまして、それで、区別するためにハイヤーを使おう、そして私は、では代金は僕が払うよ、こういうふうな会話でございました。

吉川(元)委員 一月二日の小平市内のゴルフ場というのは、これは私的なものであるというのは会長はもちろん最初から御存じだったわけです。

 そこで、車を頼みたいとNHKの秘書室でそういうお話をされたときに、公私を分けるために何か方法はないのかだとか、これはあくまで私的なものだから、例えばそういう手だてはないのかというようなことは提案はされたんでしょうか、最初から。

籾井参考人 我々が思いついた知恵は、公用車のかわりにハイヤーを使おう、こういうことでございました。

吉川(元)委員 今聞いているのは、我々ではなくて、籾井会長が一番最初にどう思われたのかということを聞いているんです。どういうことを言われたのか、どういうふうに要請をされたのか。

籾井参考人 一月二日に車を用意してください、こう言いました。

吉川(元)委員 この後、予算も聞かなければいけないので、もうここでやめますけれども、聞いている限りでは、内心がどうあったかというのは私は想像できませんけれども、この報告書を読む限りでは、本当に依頼をした、要請をした最初から会長が公私の区別をつけていたとは、これでは、この報告書では読み取れないものであります。

 これはまた別の機会を、どうしてもというのなら、どうぞ。

籾井参考人 何回も御説明しておりますが、私は最初から公私の区別をつけるつもりでおりましたし、それに対して代金も私が払うということも明言しておりましたので、公私の区別は最初からつけておりました。

吉川(元)委員 代金の支払いをするというのは、ハイヤーを使ってはどうですかという提案を受けた後に、そしたら自分が払うというふうに言われただけであって、最初から、頼んだ時点からハイヤーということも言っていませんし、自分で払うということも言われていないということでありますから、最初からということは、それは若干違うのではないかというふうに私は思います。

 これはもういいです。また次回、日を改めて伺います。

 続いて、来年度予算についてお聞きをいたします。

 給与の問題についてです。

 まず、職員給与については、給与制度の見直しの期間にあり、なおかつ、職員数も五十人削減ということで、来年度予算案では、額にして十五・九億円、率では一・三%の削減になっています。ところが、役員報酬については、今年度と比較して来年度の予算は増額になっております。

 なぜこうした増額になっているのかについてお聞かせください。

福井参考人 二十七年度の役員報酬の予算がふえた事由としましては、昨年四月に専務理事が一名ふえまして四名になったこと、それから、経営委員会が役員の業績評価につきまして基準を変更したことが増加要因でございます。

 業績評価につきましては、増減額の上限を、従来の年間百万、会長は二百万ですが、としていたものを年間報酬額の一〇%に変更したもので、これらは経営委員会の決定事項となっております。

 平成二十七年度の予算では、会長、副会長、専務理事、理事それぞれの役員報酬年額は、前年と同額を見込んでおります。

吉川(元)委員 一人、専務理事の方がふえたということであります。

 予算書を見ますと、報酬については、理事と専務理事で、約百五十万円ほど専務理事の方が高いということになっております。ところが、全体では約一千万ふえていると。

 それぞれ内訳はどういうふうになっているんでしょうか。

福井参考人 今申しましたように、業績評価につきまして、従来は、額で、理事については百万円、会長については二百万円の増減額の上限を設定しておりましたが、これを年収報酬額の一〇%に変更してございます。

 これによりまして、一応、予算上は一千万円程度増額をした形になってございます。

吉川(元)委員 そうしますと、業績評価というのは、理事でいうと約二倍、それから会長でいうと約一・五倍にふやしたということでよろしいんですか。

福井参考人 これにつきましては、業績評価の結果でございまして、予算上はこういう一千万の増額をしてございますが、これは経営委員会の決定事項で、役員の業績評価がございますので、実際の支払いについては、それが終わった段階で決定されるということになります。

吉川(元)委員 もちろん、業績評価ですから終わった後ということですけれども、その上限自体は、それぞれ二倍と一・五倍に引き上げられたということだろうというふうに私自身は理解しております。

 職員に対しては引き続き給与の削減が行われる一方で、業績評価とはいえ、役職者、いわゆる役員についてその上限を大幅に引き上げるということは、果たして、これは職員のモチベーションも含めてどういうふうな影響を与えるのか。私は余りいい影響を与えないのではないかというような危惧もしております。

 続きまして、ちょっと大臣の方にお聞きをしたいと思います。

 昨年八月、当時の総務大臣の時代に、NHK海外情報発信強化に関する検討会が設置をされ、七回の会議を経て、ことしの一月三十日に中間報告が公表されました。

 一月二十日の検討会で、高市大臣が、期待される国際放送の内容に関して、歴史認識、領土問題なども含めた正しい情報の発信も当然含まれると発言されたという新聞記事を目にしました。確認しようと思いまして、検討会の議事録、議事要旨を見たんですけれども、会議の冒頭で大臣が挨拶をされているということはわかったんですが、発言自体は議事要旨からは確認をできませんでした。

 そこで、どのような文脈、どのような発言がされたのか、また、この発言の真意について、NHKの国際放送で歴史認識や領土問題の報道内容に問題があるという認識なのか、あるいは、量的に不足をしているということも含め、どのような意図でもって御発言をされたんでしょうか。

高市国務大臣 NHK海外情報発信強化に関する検討会は、委員がおっしゃっていただいたとおり、前新藤大臣の時代に、やはりNHKの外国人向けテレビ国際放送の充実強化の方策などについて検討していただくために設置されたものでございます。

 一月二十日の会議の私の発言についてのお問い合わせでございますが、これは冒頭発言ではなく、委員の方々が、その日も、中間取りまとめをつくるためにいろいろな意見を言われて、最後、この言葉が抜けているとか、かなり激しい意見交換があった後に、座長の取りまとめに先立って私がした発言のことかと思います。

 その中で、今委員がおっしゃった、歴史認識とか領土に触れた部分は、放送法上、私どもが、政府としてできることもできないこともございますけれども、しっかりと日本の魅力、日本人のすばらしさ、日本のすばらしさということで、それは技術力もありというような例示をしまして、そしてまた歴史認識、領土問題なども含めた正しい情報の発信ということも当然含まれると思いますというように述べました。だから、しっかりとそれができる体制づくりに向けてと続くわけでございます。これは、検討会の中間報告の取りまとめの日の会合で、会合における種々の議論に関して、取りまとめの直前の私の挨拶の中で付言したものでございます。

 この検討会では、中間報告を取りまとめましたけれども、もとより、放送法第三条が定める、放送番組の編集の自由を前提として御議論をいただいております。

 ですから、特に領土について、これをふやせとかなんとか、そういう権限は私にはございませんけれども、ただ、放送法に基づいて私がその時期に準備を進めておりましたのは、まず、NHK予算に付する大臣意見に向けてどういう考え方を取り入れていかなきゃいけないか、また、二十七年度の国際放送要請、あれも年度ごとにつくってまいります。

 その中で、あくまでも放送法にのっとって、例えば領土でしたら、放送法第六十五条、国際放送要請の中で「国の重要事項」と挙げられているものに当たると思います。歴史認識も、これも放送法第八十一条、番組の編集、これは国際放送の番組の編集に関してですが、「我が国に対する正しい認識を培い、」こういったところに当たると思います。

 また、NHKの国際番組基準でも、我が国の重要な政策、そして国際問題に対する公的見解を伝えるとされておりますし、当検討会の座長取りまとめの中におきましても、「我が国の重要な政策及び国際問題」というところに歴史問題も当然入っているというふうに御理解願いたいと思います、このように座長が取りまとめをしていただいております。

 以上が事実関係です。

吉川(元)委員 中間取りまとめの中身まで踏み込んでいただきまして、ありがとうございます。ただ、できるだけ短く答弁をお願いしたいというふうに思います。時間が短いもので。

 検討会を見ますと、かなり自由にと言えば言葉がいいですけれども、そもそも、これは国際放送の基盤整備のために議論しているのか、それとも、放送内容そのものについて、いわゆるその第三条ということを少し逸脱するような議論も行われているのではないかというような気も私は見てしております。

 今後もしっかりと、放送法第三条をしっかり守っていきながら、放送をつくっていただきたいというふうに思います。

 時間が余りありませんので、国際放送について、もう一つお聞きしたいと思います。

 これは総務省の方ですけれども、来年度の予算でも、国際放送を重点事項に挙げられ、その費用は今年度に比べて五十四億円と大幅な増加、三一・七%の増加になっております。NHKの国際放送というのは、海外視聴者から受信料負担をしていただくわけにはいきませんから、当然、その財源というのは国内の視聴者の受信料に委ねられている。その割合が年々増加しております。

 この点について、総務省としてどのように考えておられるのか。いわゆる国内でお金を払ったものが国外のお金を払わない人たちに放送されるということでありますから、おのずとその量も含めて考えなければいけないと思いますけれども、この点、どうでしょうか。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 NHKの国際放送関係経費の受信料収入に占める割合、これは二〇一四年度の予算ベースで約三%となっておるところでございます。

 この割合について、過去の推移を見てみますと、ラジオ国際放送のみを実施していた一九九四年までは長らく一・五%前後、NHKの必須業務としてテレビ国際放送が開始された一九九五年以降は約二%、外国人向けテレビ国際放送の二十四時間英語放送を開始いたしました二〇〇九年以降は約三%で推移しているところでございます。

 こうした中、外国人向けテレビ国際放送の一層の充実を図るため、先ほど来の検討会の中間報告にあるような実施体制の充実や受信環境の整備、それから海外取材拠点の強化などのさまざまな取り組みを進めるためには一定の財源の確保が必要となる一方、今委員御指摘のとおり、受信料を負担する国内受信者の理解が得られることが重要となるところでございます。

 検討会においては、こうした状況や過去の国際放送関係経費の推移も踏まえつつ、受信料を負担する国内受信者の理解の醸成などを前提に、国際放送の充実強化のために受信料を支出できる目安として、今後三年間において、五%程度を目途として必要な財源を確保することが適当とされたというふうに理解しておるところでございまして、こういった検討の結果なども踏まえながら、私どもとして、総務大臣意見の中でもこういったところを引用しながら、充実強化をお願いしているところでございます。

吉川(元)委員 やはり受信料をいただいているということでありますから、国際放送に過度な予算をつぎ込むということは、私はいかがなものかということは感じております。

 もう時間がありませんので、あと一点お聞きをしたいと思います。4K、8Kに関してです。

 今回、NHKは先導的な役割を果たしていくということで、これはNHKにお聞きしたいんですけれども、行うということになっております。そして、多額の予算を計上しております。ただ一方で、これは受信をするいわゆる視聴者の側も新しいチューナーやテレビを買わなければいけない。また、民放各局についても新しい設備投資が必要だ。NHKは放送界においては巨人でありますから、NHKにとってはできるとしても、地方にとっては大変厳しい。特に、ローカル局にとっては大変厳しい状況も想定をされます。

 受信者の負担、あるいは地方ローカル局、民放に対する影響等々についてもきちんと勘案をしながら進めていかなければいけないと思いますけれども、この点についてどのようにNHKはお考えでしょうか。

井上参考人 お答えいたします。

 4K、8Kの開発普及につきましては、国や民放などの放送事業者、メーカーなどの関係者が協議して決めましたロードマップを踏まえて進めておるところであります。東京オリンピック・パラリンピックが開催されます二〇二〇年には、全国各地の視聴者の皆様が4K、8Kの臨場感あふれる映像を楽しんでいただける環境を整備することを目指しまして、オール・ジャパンの体制で取り組んでいるところであります。

 こうした取り組みについては、今のテレビの放送、これはハイビジョン、2K放送なんですけれども、この2K放送をごらんになっている視聴者の皆さんには支障がないよう、2K放送を継続することを前提として取り組んでまいる考えであります。

吉川(元)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、視聴者の皆さん、そして地方のローカル局も含めて、民放の皆さんともしっかり相談をしながら進めていただきたいということを申し述べて、私の質問を終わります。

桝屋委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。(発言する者、離席する者あり)

    ―――――――――――――

桝屋委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。高井崇志君。

高井委員 維新の党の高井でございます。

 日本放送協会平成二十七年度予算案、事業計画、資金計画に対し、反対の立場から討論をいたします。

 本予算案等に対する総務大臣の意見にあるとおり、NHKは、国民・視聴者の負担する受信料によって支えられているとの認識のもと、業務の効率化、合理化に向けたたゆまぬ改善の努力を行うことが必要であります。しかし、来年度予算案と今後三カ年の収支計画を見る限り、その努力は不十分であります。

 まず、人件費の見直しが行われていません。職員給与の平均が一千百四十四万円、退職手当、厚生費込みでいえば、一人当たり千七百八十四万円にもなります。勤労者一人当たりの雇用者報酬が四百万円台であることを考えれば、国民の理解が到底得られるものではありません。

 次に、国民に約束した受信料の引き下げが行われていません。平成十九年、当時の菅義偉総務大臣は、NHK受信料の二割引き下げを要請しました。それを受けて、平成二十年に当時の経営委員会は、受信料収入の一〇%還元を盛り込んだ経営計画を可決し、翌年、国会で、当時の福地NHK会長は、受信料を一〇%下げると明言されました。にもかかわらず、七%の値下げにとどまりました。

 そのほかにも、経営効率化の努力が全く足りません。渋谷の放送センターの建てかえには、三千四百億円もの建設費を想定して、現在も一千億円以上を積み立てています。そもそも現在も新三カ年計画も、毎年の繰り越しが七百億円を超えています。

 さらに、組織としての情報公開が全く進んでいません。例えば、NHK会長のいわゆる河野談話に関する発言について、ことし一月九日のNHK国際放送番組審議会での議事録が開示されず、放送の公平性に関する内外の信頼を失わせています。

 また、役員の平均報酬が一千万円を超えるNHK関連団体が二十四もあり、NHK本体から受注を受け、剰余金をため込んでいる問題につき、NHK会長自身が諮問機関として設置したガバナンス調査委員会が報告書を出しました。しかし、この調査報告書も非公開、関連団体の役員トップの報酬も非公開です。

 以上、人件費、受信料引き下げ、新社屋建設等に関する経営効率化が全く不十分であり、こうした問題を正すための情報公開も行われていないというガバナンス上の問題があります。したがって、NHK会長は、なお一層問題の解決に真剣に取り組む責務があります。

 今般の一連の騒動を受けて、本年二月、経営委員会から、一刻も早く事態を収拾し、国会で全会一致で承認を得られるように努力してほしいと申し入れがあったにもかかわらず、国会におけるNHK会長の答弁や対応を見る限り、各党各会派の理解を得るために努力が足りないと言わざるを得ません。

 したがって、日本放送協会平成二十七年度予算案、事業計画、資金計画に対し、反対をいたします。

 以上です。(拍手)

桝屋委員長 次に、梅村さえこ君。

梅村委員 私は、日本共産党を代表して、NHK二〇一五年度予算に対して、反対の討論を行います。

 籾井会長の発言に対する視聴者・国民の批判はますます強いものになっております。

 放送法第一条は、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」などの目的を規定しております。また、放送法におけるNHKの規定は、政府からの独立への配慮をその趣旨としております。昨年一月の就任会見での籾井NHK会長の発言は、放送法への不理解が露呈したものであるとともに、日本軍慰安婦問題など歴史を歪曲する発言は、会長としての資質が問われるものでした。

 これに対して籾井会長は、予算委員会や総務委員会の場で、こうした一連の発言を取り消す、個人的な見解を放送に反映することはないとしました。ところが、ことし二月、籾井会長は、戦後七十年の節目に、慰安婦問題を取り上げるかと問われ、政府のスタンスが見えないので慎重に考えると発言いたしました。これは、個人的な見解、放送に反映しないという昨年の弁明に全く反するものです。反省が形だけのものであったことは明らかです。会長の辞任、罷免を求める視聴者・国民の厳しい声が広がる事態となっております。

 また、籾井会長のハイヤー私的使用とNHKの代金立てかえ払い問題や、受信料義務化についての個人的発言なども、視聴者・国民の不信を広げるもので問題です。

 こうしたもとで、NHKの二〇一五年度予算を承認することはできません。NHK及び経営委員会には、国民・視聴者の声に真摯に向き合うことを求めて、討論を終わります。(拍手)

桝屋委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党・市民連合を代表して、平成二十七年度NHK予算の承認について、反対の立場から討論を行います。

 本来、公共放送としてのNHK予算につきましては、NHKの独立性や自律性を財政面から保障するものとして、放送番組のあり方等への意見や立場の違いを乗り越え、全党全会派一致で議決が行われることが基本であります。また、その立場で質疑も行ってまいりました。

 しかし、籾井会長の就任以来、NHKの独立性や自律性を侵しかねない発言が相次ぎました。残念ながら、一年が経過しても、会長の姿勢には変化が見られないばかりか、NHKが手配したハイヤーの私的利用問題も浮上し、NHKの信用を大きく傷つけてきた事実は看過できず、このような状況でNHK予算に賛成するには至りませんでした。

 付言すれば、会長を初めとする役員の業務執行を監督する立場にある経営委員会、監査委員会につきましても、会長のハイヤー利用問題において、みずからの監督責任を不問にするような姿勢に終始するなど、そのガバナンス能力に大きな疑問を持たざるを得ません。視聴者のNHKに対する信頼が大きく損なわれている事実を直視し、信頼回復のための措置を早急に講ずるべきです。

 さて、来年度予算案あるいは新経営計画において、NHKは国際放送やインターネットサービスの強化に大きく踏み出しています。国際放送やインターネットサービスにおいて、その財源を受信料に求める公共放送としてのNHKがどこまで業務を拡大することが可能なのか、有識者の間でも意見が一致しているとは思えません。

 また、4K、8Kの開発と普及においても、財政力が大きく異なる民放事業者との間に温度差があることは疑いなく、受信に当たっては視聴者に新たな負担を生じさせる懸念も払拭できません。

 これらを勘案すれば、放送と通信の垣根が極めて低くなりつつある現状を踏まえた公共放送のあり方、受信料のあり方が強く問われているものと考えます。NHKにおいては、これらの課題について、視聴者の意見を踏まえ、国民的な合意が得られるよう真剣な検討を行うことを強く求め、私の討論といたします。(拍手)

桝屋委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

桝屋委員長 これより採決に入ります。(発言する者、離席する者あり)

 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。

 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

桝屋委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

桝屋委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

桝屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四十四分散会


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