衆議院

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第16号 平成20年6月10日(火曜日)

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平成二十年六月十日(火曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 佐藤 茂樹君

   理事 伊藤信太郎君 理事 小渕 優子君

   理事 塩谷  立君 理事 鈴木 淳司君

   理事 渡辺 具能君 理事 小宮山洋子君

   理事 牧  義夫君 理事 富田 茂之君

      阿部 俊子君    井脇ノブ子君

      小川 友一君    岡下 信子君

      加藤 紘一君    近藤 基彦君

      佐藤  錬君    鈴木 恒夫君

      中森ふくよ君    長崎幸太郎君

      原田 令嗣君    平口  洋君

      福田 峰之君    藤田 幹雄君

      二田 孝治君    保坂  武君

      馬渡 龍治君    松野 博一君

      山本ともひろ君    若宮 健嗣君

      田島 一成君    高井 美穂君

      土肥 隆一君    藤村  修君

      松本 大輔君    山口  壯君

      笠  浩史君    和田 隆志君

      西  博義君    石井 郁子君

      日森 文尋君

    …………………………………

   参議院文教科学委員長   関口 昌一君

   文部科学大臣       渡海紀三朗君

   文部科学大臣政務官    原田 令嗣君

   文部科学大臣政務官    保坂  武君

   文部科学委員会専門員   佐久間和夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     若宮 健嗣君

  江崎 鐵磨君     長崎幸太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  長崎幸太郎君     江崎 鐵磨君

  若宮 健嗣君     飯島 夕雁君

    ―――――――――――――

六月九日

 高等学校歴史教科書検定における沖縄戦集団自決の記述において修正指示を撤回し、申請時の文章に戻すことに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四三〇二号)

 日本学生支援機構奨学金の高利子化及び教育ローン化に反対し、無償教育に向けた公的奨学金の拡充を求めることに関する請願(石井郁子君紹介)(第四三〇三号)

 同(日森文尋君紹介)(第四三〇四号)

 著作権保護期間の延長反対に関する請願(近藤昭一君紹介)(第四三〇五号)

 同(平岡秀夫君紹介)(第四三〇六号)

 和装の日・十一月十五日制定に関する請願(野田聖子君紹介)(第四四二七号)

同月十日

 一学級の定数を三十人にすることに関する請願(石井郁子君紹介)(第四五一三号)

 教育格差をなくし、子供に行き届いた教育に関する請願(津村啓介君紹介)(第四五一四号)

 国による三十人学級実現、私学助成大幅増額に関する請願(太田誠一君紹介)(第四五一五号)

 同(原田義昭君紹介)(第四七九一号)

 教育格差をなくし、子どもに行き届いた教育を求めることに関する請願(石井郁子君紹介)(第四五一六号)

 行き届いた教育を進めるための私学助成の大幅増額に関する請願(前原誠司君紹介)(第四五一七号)

 日本学生支援機構奨学金の高利子化及び教育ローン化に反対し、無償教育に向けた公的奨学金の拡充を求めることに関する請願(松本大輔君紹介)(第四五一八号)

 行き届いた教育を求めることに関する請願(石川知裕君紹介)(第四六四七号)

 私学助成の大幅増額、教育費の保護者負担軽減、教育条件の改善に関する請願(今村雅弘君紹介)(第四六四八号)

 教育格差をなくし行き届いた教育に関する請願(前原誠司君紹介)(第四六四九号)

 国庫補助の堅持・拡大、父母負担の軽減、教育条件の改善、私学助成制度の大幅な拡充に関する請願(永岡桂子君紹介)(第四七八八号)

 すべての子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(中谷元君紹介)(第四七八九号)

 同(西本勝子君紹介)(第四七九〇号)

 教育予算の充実を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四七九二号)

 同(石井郁子君紹介)(第四七九三号)

 同(笠井亮君紹介)(第四七九四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四七九五号)

 すべての子供に行き届いた教育を進め心の通う学校をつくることに関する請願(津村啓介君紹介)(第四七九六号)

 私立幼稚園教育の充実・発展に関する請願(楠田大蔵君紹介)(第四七九七号)

 すべての障害児に行き届いた教育の保障を求めることに関する請願(小宮山洋子君紹介)(第四七九八号)

 著作権保護期間の延長反対に関する請願(川内博史君紹介)(第四七九九号)

 同(原口一博君紹介)(第四八〇〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律案(参議院提出、参法第二六号)


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     ――――◇―――――

佐藤委員長 これより会議を開きます。

 参議院提出、障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。参議院文教科学委員長関口昌一君。

    ―――――――――――――

 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

関口参議院議員 おはようございます。

 ただいま議題となりました障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。

 憲法には、すべて国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有すると規定されております。また、教育基本法には、国と地方公共団体に対し、障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上の必要な支援が義務づけられております。

 しかし、現実には、障害者は障害のない人に比べて大きな負担を強いられながら教育を受けている場合も見受けられます。例えば、本法律案提出のきっかけとなった小中学校の通常学級及び高等学校に在学する弱視の児童生徒については、その多くが、ルーペ等を使用しながら学校教育を受けているため、教科書の読解や授業の進度に苦労するなど、大きなハンディキャップを背負って勉強しております。この問題を解決するためには、教科書の文字、図形等を拡大した拡大教科書が必要となることから、小中学校の通常学級で学ぶ弱視の児童生徒に対しては、平成十六年度から予算措置により拡大教科書の無償給与が始まりましたが、その作成のほとんどを各地のボランティア団体等に依存しているため、限られた教科と部数しか供給されておりません。

 また、近年、教科書等について、視覚障害に限らず、例えば発達障害のある児童生徒など、さまざまな障害等を有する児童生徒にとって可能な限り使いやすいものとするように配慮していくことが求められております。

 こうした現状にかんがみ、本法律案は、幅広く障害等のある児童生徒に配慮した教科書等の普及促進等を目指そうとするものであります。

 以下、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、この法律は、教育の機会均等の趣旨にのっとり、障害のある児童生徒のための拡大教科書や点字教科書等を教科用特定図書等と位置づけ、その発行の促進、使用の支援等により、その普及の促進等を図り、児童生徒が障害その他の特性の有無にかかわらず、十分な教育が受けられる学校教育の推進に資することを目的としております。

 第二に、国は、教科用特定図書等の普及の促進等に関して必要な措置を講じなければならないこととするとともに、教科書発行者は、その発行する検定教科用図書等について適切な配慮をするよう努めることとしております。

 第三に、教科書発行者は、文部科学省令で定めるところにより、検定教科用図書等の電子データを文部科学大臣等に提供しなければならないこととし、提供された電子データは、教科用特定図書等を発行する者に対して提供することができることとしております。

 第四に、文部科学大臣は、教科用特定図書等について、標準的な規格を定め、公表するとともに、教科書発行者は、文部科学大臣が指定した種目の検定教科用図書等について、この規格に適合した標準教科用特定図書等の発行に努めなければならないこととしております。

 第五に、国は、教科書発行者による電子データの提供方法及び教科用特定図書等の作成への活用並びに標準教科用特定図書等の発行に関して、助言その他必要な援助を行うこととするとともに、発達障害等のため検定教科用図書等において通常使用される文字や図形等の認識が困難な児童生徒が使用する教科用特定図書等の整備充実のための調査研究等の推進をすることとしております。

 第六に、小中学校の通常学級及び高等学校においては、在学する視覚障害その他の障害のある児童生徒が、検定教科用図書等にかえて教科用特定図書等を使用することができるよう必要な配慮をするとともに、国及び地方公共団体は、教科用特定図書等の発行に関する情報の収集、提供その他必要な措置を講ずることとしております。

 第七に、国は、視覚障害その他の障害のある児童生徒が検定教科用図書等にかえて使用する教科用特定図書等を小中学校の設置者に無償給付し、設置者は、各学校の校長を通じてこれらの児童生徒に給与することとしております。

 第八に、標準教科用特定図書等の円滑な発行を確保するため、その需要数の教育委員会から国への報告及び国から発行者への通知の制度を設けることとしております。

 最後に、国は、高等学校において障害のある生徒が使用する教科用拡大図書等の普及のあり方及び特別支援学校に就学する児童生徒について行う援助のあり方について検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとするとともに、教科書発行者による電子データの提供等について、所要の著作権法の規定の整備を行うこととしております。

 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、平成二十一年度において使用される検定教科用図書等及び教科用特定図書等から適用することとしております。

 以上が、この法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 本案につきましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 参議院提出、障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、塩谷立君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。和田隆志君。

和田委員 和田隆志でございます。

 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府及び関係者は、障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

 一 拡大教科書等の供給・普及の促進という国の責務を果たすためには、教科書発行者による拡大教科書等の発行が重要であることにかんがみ、その発行が一層促進されるよう、必要な措置を講ずること。

 二 教科書発行者からの教科書のデジタルデータの提供については、その提供が円滑に行われるとともに、提供されたデジタルデータが適切に管理・活用されるよう、必要な支援措置を講ずること。

   その際、拡大教科書等を作成するボランティアにとって使い勝手のよいデジタルデータが提供されるよう、政府として適切な支援措置を講ずること。

 三 障害のある児童生徒が十分な教育を受けることができる学校教育の推進のため、教科書をはじめ、教材、教具の研究と開発に努めること。

 四 将来の教科書や教材のデジタル化に備え、すべての児童生徒が障害の有無や程度にかかわらず、快適に利用できる電子教科書や電子教材が開発されることとなるよう、継続的に調査研究を推進すること。

 五 無償給与の実施に当たっては、障害のある児童及び生徒に対して、必要となる検定教科書及び教科用特定図書等が確実に給与されるよう、適切な措置を講ずること。

 六 高等学校において障害のある生徒が使用する拡大教科書等の普及の在り方の検討に当たっては、拡大教科書等購入費の自己負担の軽減など必要な具体的支援について検討し、その結果に基づいて適切な措置を講ずること。

 七 特別支援学校における就学援助の在り方の検討に当たっては、幼稚部及び高等部専攻科の支援策を含めて検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 八 特別支援学校高等部専攻科において、いわゆる音声教科書購入費の自己負担の軽減が図られるよう、すみやかに必要な措置を講ずること。

以上でございます。

 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。

佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

佐藤委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海文部科学大臣。

渡海国務大臣 ただいまの決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時四十二分散会


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