衆議院

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第1号 平成25年3月13日(水曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(平成二十五年一月二十八日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 松野 博一君

   理事 永岡 桂子君 理事 馳   浩君

   理事 笠  浩史君 理事 鈴木  望君

   理事 浮島 智子君

      青山 周平君    池田 佳隆君

      小此木八郎君    神山 佐市君

      菅野さちこ君    木内  均君

      木原  稔君    工藤 彰三君

      熊田 裕通君    小林 茂樹君

      桜井  宏君    新開 裕司君

      中根 一幸君    丹羽 秀樹君

      野中  厚君    萩生田光一君

      比嘉奈津美君    宮内 秀樹君

      宮川 典子君   山本ともひろ君

      義家 弘介君    小川 淳也君

      郡  和子君    中川 正春君

      松本 剛明君    遠藤  敬君

      椎木  保君    田沼 隆志君

      樋口 尚也君    青柳陽一郎君

      井出 庸生君    宮本 岳志君

      青木  愛君    吉川  元君

平成二十五年三月十三日(水曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 松野 博一君

   理事 木原  稔君 理事 中根 一幸君

   理事 永岡 桂子君 理事 萩生田光一君

   理事 馳   浩君 理事 山本ともひろ君

   理事 笠  浩史君 理事 鈴木  望君

   理事 浮島 智子君

      青山 周平君    池田 佳隆君

      小此木八郎君    神山 佐市君

      菅野さちこ君    木内  均君

      工藤 彰三君    熊田 裕通君

      小林 茂樹君    桜井  宏君

      新開 裕司君    丹羽 秀樹君

      比嘉奈津美君    宮内 秀樹君

      宮川 典子君    簗  和生君

      義家 弘介君    小川 淳也君

      郡  和子君    中川 正春君

      松本 剛明君    遠藤  敬君

      椎木  保君    田沼 隆志君

      中野 洋昌君    青柳陽一郎君

      井出 庸生君    宮本 岳志君

      青木  愛君    吉川  元君

    …………………………………

   文部科学大臣       下村 博文君

   文部科学副大臣      谷川 弥一君

   文部科学大臣政務官    丹羽 秀樹君

   文部科学大臣政務官    義家 弘介君

   文部科学委員会専門員   久留 正敏君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十八日

 辞任         補欠選任

  樋口 尚也君     中野 洋昌君

三月十三日

 辞任         補欠選任

  野中  厚君     簗  和生君

同日

 辞任         補欠選任

  簗  和生君     野中  厚君

同日

 理事遠藤利明君、坂井学君及び塩谷立君一月二十五日委員辞任につき、その補欠として木原稔君、萩生田光一君及び中根一幸君が理事に当選した。

同日

 理事永岡桂子君同日理事辞任につき、その補欠として山本ともひろ君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

三月八日

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(古本伸一郎君紹介)(第九号)

 同(大西健介君紹介)(第一一号)

 同(重徳和彦君紹介)(第一二号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第二七号)

 同(大見正君紹介)(第九〇号)

 同(古川元久君紹介)(第九一号)

 同(中根康浩君紹介)(第一〇七号)

 同(東郷哲也君紹介)(第一一〇号)

 同(工藤彰三君紹介)(第一一八号)

 同(神田憲次君紹介)(第一三〇号)

 同(熊田裕通君紹介)(第一三一号)

 同(神田憲次君紹介)(第一三九号)

 同(青山周平君紹介)(第一四九号)

 同(今枝宗一郎君紹介)(第一五〇号)

 同(根本幸典君紹介)(第一五一号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(畑浩治君紹介)(第一〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三号)

 同(篠原孝君紹介)(第二〇号)

 同(井出庸生君紹介)(第三九号)

 同(階猛君紹介)(第九三号)

 同(山口壯君紹介)(第九八号)

 同(三木圭恵君紹介)(第一一四号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第一三二号)

 同(原田義昭君紹介)(第一三三号)

 同(馳浩君紹介)(第一三六号)

 同(木原稔君紹介)(第一四〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一四一号)

 同(田嶋要君紹介)(第一四二号)

 同(田所嘉徳君紹介)(第一四三号)

 同(中村喜四郎君紹介)(第一四四号)

 同(阿部寿一君紹介)(第一五二号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一五三号)

 同(池田道孝君紹介)(第一五四号)

 同(漆原良夫君紹介)(第一五五号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一五六号)

 同(鈴木憲和君紹介)(第一五七号)

 同(高木義明君紹介)(第一五八号)

 同(高鳥修一君紹介)(第一五九号)

 同(玉城デニー君紹介)(第一六〇号)

 同(丹羽雄哉君紹介)(第一六一号)

 同(額賀福志郎君紹介)(第一六二号)

 同(柚木道義君紹介)(第一六三号)

 国立競技場内スカッシュコート設置に関する請願(武部新君紹介)(第三七号)

 同(山本幸三君紹介)(第三八号)

 同(石原慎太郎君紹介)(第七三号)

 同(馳浩君紹介)(第九二号)

 同(遠藤利明君紹介)(第九四号)

 同(横路孝弘君紹介)(第九五号)

 同(坂本祐之輔君紹介)(第一三七号)

 教育費負担の大幅な軽減、安全な学校施設を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一〇〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一〇一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一〇二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一〇三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一〇六号)

 学費の負担軽減、高等教育予算増額を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一〇九号)

 教育費負担の公私間格差をなくするための私学助成に関する請願(石川知裕君紹介)(第一三四号)

 同(高橋みほ君紹介)(第一三五号)

 同(石川知裕君紹介)(第一四五号)

 同(石川知裕君紹介)(第一六四号)

 学校司書の法制化に関する請願(穀田恵二君紹介)(第一三八号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一六五号)

 同(小川淳也君紹介)(第一六六号)

 学校に正規の現業職員を必ず配置するよう法制化を求めることに関する請願(小川淳也君紹介)(第一四七号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、行き届いた教育を求めることに関する請願(小川淳也君紹介)(第一四八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

松野委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事永岡桂子君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      木原  稔君    中根 一幸君

      萩生田光一君   山本ともひろ君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

松野委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 文部科学行政の基本施策に関する事項

 生涯学習に関する事項

 学校教育に関する事項

 科学技術及び学術の振興に関する事項

 科学技術の研究開発に関する事項

 文化、スポーツ振興及び青少年に関する事項

以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

松野委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 文部科学大臣から所信を聴取いたします。下村文部科学大臣。

下村国務大臣 第百八十三回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。

 現在、我が国は、少子高齢化が急速に進展する中、経済の低迷は長引き、さらに、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故による影響がいまだ残るなど、幾つもの難しい課題を抱えています。このような状況において、第二次安倍内閣は、経済再生と教育再生を内閣の最重要課題として掲げて取り組んでいます。これらの取り組みについて国民の理解が広がる中で、我が国の未来を切り開く明るい兆しも見え始めており、これを確かな日本の力としていく必要があります。

 私は、この重要な時期に文部科学大臣、また教育再生を担当する大臣を拝命し、日本の将来を担う人を育てる教育の再生に取り組むとともに、国の社会経済の発展の源となる科学技術イノベーションの推進や、スポーツ、文化芸術の振興など、未来への先行投資である文部科学行政の充実に全力を尽くしてまいります。

 あの大震災から二年が経過しました。しかし、大震災の爪跡はいまだ残り、被災地は今も復興途上にあります。私は、就任してすぐに福島県いわき市を訪ね、現地の教育の現状をこの目で見てまいりました。私は、今後とも現場主義を徹底し、被災者の心に寄り添い、被災地の復興に全力を尽くしてまいります。

 具体的には、被災した子供たちが落ちついた環境で元気に学ぶことができるよう、学校の復旧を初めとして、就学支援や心のケア、学習支援等に取り組みます。また、原発事故への対応として、除染や廃炉に関する研究開発等に取り組むとともに、原子力損害賠償については、被災者の立場に立ち、和解の仲介の体制強化に取り組み、迅速、公平かつ適正な賠償が行われるよう万全を期してまいります。

 人づくりは国づくりです。日本の将来を担う子供たちは国の一番の宝であり、教育は国の根幹を形づくる最重要政策です。

 本年一月、二十一世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を実行に移していくため、教育再生実行会議が議論を開始しました。私は、会議の提言も踏まえて教育再生のための施策を実行に移し、教育基本法の理念に基づき、世界トップレベルの学力と規範意識を備えた人材を育成してまいります。

 学校は、子供たちが夢を実現するための準備をする大事な場所です。残念ながら、最近では、いじめや体罰の問題が背景にある自殺が社会問題となるなど、子供たちの生命身体を脅かす出来事も起こっています。

 そのため、教育再生実行会議では、まずこの問題への対応について審議を行い、先般、第一次提言が取りまとめられました。この提言に基づき、規範意識や自主性、社会性を育む道徳教育の抜本的な充実、関係者が一丸となっていじめに向き合う責任体制の整備、いじめられている子を守り抜き、いじめている子には毅然として適切な指導を行うことの徹底を図ります。

 さらに、社会総がかりで子供たちを支えていくため、地域とともにある学校づくりに取り組むとともに、体罰の禁止の徹底を図るほか、家庭教育支援や食育の推進に取り組みます。

 いじめ問題については、各党において法制化を含めたいじめ対策を提案されているため、いじめ防止に関する法律を議員立法にて成立していただきたいと考えており、文部科学省としても、行政府として必要な協力をしてまいります。

 さらに、教育行政の責任体制を確立し、現場の問題に迅速かつ的確に対応できるよう、教育委員会の抜本的な改革が必要であると考えており、この問題についても、教育再生実行会議や中央教育審議会において御議論いただいた上で、法律改正に向けた準備を進めてまいります。

 質の高い教育にとって、教師の役割は極めて重要です。このため、養成、採用、研修の各段階を通じた教師力の向上に取り組みます。

 平成二十五年度予算案においては、教師が子供一人一人と時間をかけて向き合える環境を整えるため、いじめ問題への対応等のための八百人の教職員定数の増を計上しており、今後とも、少人数学級の推進を含め、指導体制の充実に努めてまいります。

 また、学力向上のため、全国学力・学習状況調査を悉皆により実施するなど、その充実、活用を図るとともに、高等学校段階においても教育の質を保証し、向上させていくための方策を具体化してまいります。

 さらに、新しい学習指導要領に基づき、各教科等を通じた言語活動や理数教育の充実を図るとともに、国際的素養を身につけた強い日本人を育成するため、外国語教育の強化や高校生留学等を推進します。

 加えて、学校教育におけるICTの活用を進めるほか、児童生徒の豊かな人間性や社会性を育むため、自然体験を含む体験活動を推進します。

 土曜日授業の実施については、すぐれた先行事例に係る情報を収集、発信するとともに、平成二十五年度予算案において、土曜日授業にも活用し得る約七千人の指導員等のための経費を計上しており、今後、一層の推進のための課題を整理し、取り組みを進めてまいります。

 幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、教育機能の充実や保護者負担の軽減に取り組むとともに、関係府省と連携して幼児教育の無償化の検討を行ってまいります。

 子ども・子育て支援新制度については、関係府省と連携して、本格施行に向けた準備を進めてまいります。

 また、義務教育における就学援助を着実に実施するとともに、公立高等学校授業料無償制、高等学校等就学支援金制度については、限られた財源のもと、低所得世帯への支援の充実や公私間の教育費の格差是正の観点から、所得制限の導入も含めて、今後、平成二十六年度以降の新制度について検討してまいります。

 障害のある子供たちの教育については、一人一人を大切にし、力を伸ばしていく観点から、通級による指導のための教職員定数の措置、拡大教科書等の普及充実、学校施設のバリアフリー化等の必要な教育条件の整備を推進し、きめ細かな指導や支援を行う特別支援教育を推進してまいります。

 また、国連総会において決議された国連持続可能な開発のための教育の十年を踏まえ、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育を推進してまいります。

 安全、安心な学校環境の構築については、防災教育の充実や通学路の安全確保、天井材等の非構造部材を含めた学校施設の耐震化や老朽化対策、防災機能の強化を推進してまいります。

 大学力は国力そのものです。世界トップレベルの大学力の実現を目指して、教育内容や授業の改善といった大学の改革状況を踏まえた重点的資源配分や、大学の質の保証のためのシステムの改善等の大学改革を推進し、質、量ともに充実を図ってまいります。

 さらに、世界最先端の研究成果を生み出し、社会的な価値を創出する国際競争力の高い大学や、地域再生、活性化の核となる大学、産学官にわたり活躍するグローバルリーダーを養成するリーディング大学院を構築する大学に対して重点的に支援をしてまいります。

 大学の教育研究活動を支える上で、基盤的経費の確保は大変重要なことです。教員数の維持や施設設備の管理運用等で困難が生じないよう、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成を安定的に確保します。

 少子化が進行する我が国においては、個々の能力を高め、グローバル化した社会で活躍する人材を育成することが喫緊の課題です。

 このため、秋季入学を促進するなど、大学の国際化を徹底して進めるとともに、留学生三十万人計画の実現を目指し、優秀な外国人留学生の確保等や日本人の若者の海外留学の促進に取り組みます。

 また、意欲と能力のある学生が経済的理由により学業を断念することがないよう、奨学金事業を初め経済的支援の充実に努めてまいります。

 価値観が多様化する時代状況の中では、個々の子供が持っている固有の能力を引き出していく教育が求められており、子供の成長に応じた柔軟な教育システムの構築を図ることが必要です。

 このため、六・三・三・四制のあり方について議論を深めるとともに、大学入学者選抜を初めとする高等学校と大学の接続のあり方について検討を進めます。

 また、幼稚園から大学まで多様で特色ある教育を展開する私学の振興に努めてまいります。

 加えて、学校から社会、職業への円滑な移行を図るため、各学校段階を通じた体系的なキャリア教育や、高校、大学、専修学校等における実践的な職業教育の充実に取り組んでまいります。

 具体的には、産業界等との連携強化により、専修学校、大学等において、我が国の成長を支える中核的専門人材養成に戦略的に取り組んでまいります。特に、専修学校においては、職業実践的な教育の質を保証し、向上させていくための方策を具体化してまいります。

 現在、中央教育審議会では第二期教育振興基本計画に関する審議を進めているところであり、これまで申し述べた教育の充実に向けた方策を総合的かつ計画的に推進できるよう、策定に向けて鋭意努力してまいります。

 昨年の山中伸弥教授のノーベル生理学・医学賞の受賞は、改めて日本が誇るべき科学技術力の高さを世界に示してくれました。

 科学技術イノベーションは、安倍内閣が掲げる三本の矢のうちの一つである成長戦略の重要な柱であり、日本の経済再生の原動力です。私は、これを国家戦略として強力に推進してまいります。

 具体的には、研究者の独創性に基づいて行われる多様な基礎研究を強力に支援するのみならず、企業だけでは実現できない革新的なイノベーションを実現するための新たな産学連携プログラムの構築や、イノベーション創出を目指した地域科学技術の振興を図ります。

 また、世界最高水準の科学技術の振興を図るためには研究基盤の整備と活用が不可欠であり、スーパーコンピューター「京」やエックス線自由電子レーザー施設SACLA等の最先端研究施設設備の産学官への幅広い利用を着実に進めるとともに、学術研究の大規模プロジェクト、世界に冠たる研究力を有する大学や研究拠点の形成、発展を推進するなど、研究環境の整備を着実に進めます。研究開発法人がその成果を最大化するための制度改革にも取り組んでまいります。

 iPS細胞等による再生医療や創薬の実現に向けた研究を重点的かつ長期的に支援するとともに、新たなエネルギー社会の構築や資源制約の克服、安全、安心な社会インフラの実現のため、革新的技術開発を推進してまいります。

 人類のフロンティアである海洋については、海洋資源の開発利用を促進するための研究開発、海底地震・津波観測網の整備等を進めてまいります。

 宇宙については、国民に夢や希望を与える「はやぶさ2」等の宇宙科学や宇宙探査、地球観測、国際宇宙ステーション計画等を着実に進めてまいります。

 また、科学技術先進国として国際的な責務を果たすため、ITER計画を着実に推進してまいります。

 科学技術イノベーションの振興を図っていく上で、科学技術人材の養成確保は重要な課題です。博士課程の学生や若手研究者への支援を強化し、国際的な頭脳循環の中でグローバルに活躍できる若手研究人材を育成するとともに、女性研究者への支援の強化、研究支援人材の確保にも取り組んでまいります。

 また、原子力に係る基礎基盤研究や専門人材育成も重要な課題であり、これに取り組んでまいります。

 文化とスポーツが持つ、人々を引きつけ、感動させる力は、人々の心を豊かにし、困難な問題に連帯して取り組む活力ある社会の構築に不可欠なものであると認識しており、私は、国家戦略としてこれらを振興してまいります。

 我が国には、世界に誇るべき有形無形の文化財や芸術文化が多くあります。文化芸術立国の具体化のため、伝統文化の継承、普及や、文化財の保存、活用をしていくとともに、昨年成立した劇場、音楽堂等の活性化に関する法律に基づき、劇場、音楽堂等を活性化し、実演芸術の振興を図るとともに、メディア芸術等の幅広い芸術を振興し、そのための人材育成を強化します。

 そして、これらの施策や世界文化遺産等への取り組みを通じ、日本文化の魅力を国内外に積極的に発信し、地域の活性化やクール・ジャパンの推進にも寄与してまいります。

 さらに、昨年成立した古典の日に関する法律の趣旨も踏まえ、我が国の文化と日本語の大切さを再認識し、歴史と文化をとうとぶ心の育成を図るとともに、新しい時代に対応した著作権施策の展開に努めてまいります。

 文化芸術の振興は、人間形成や活力ある社会構築に不可欠な投資であるとの信念のもと、これらの施策を推進してまいります。

 昨年、ロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会での日本選手の活躍が国民に大いに元気を与えてくれたことは、記憶に新しいところです。私は、スポーツ基本法及びそれに基づき策定されたスポーツ基本計画にのっとり、スポーツ立国の実現を目指します。

 本年九月に開催都市が決定する二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の東京招致については、内閣としては閣僚会議を設置し、政府を挙げて招致に取り組んでおり、国会においては二度の決議を行っていただいたところですが、文部科学省としても、東京都、スポーツ界、経済界等と一体となって全力で取り組んでまいります。

 その他の国際競技大会の招致、開催についても、政府全体で積極的に支援し、国立霞ケ丘競技場の全面改築を進めてまいります。

 また、先日の女子柔道選手たちの問題提起をきっかけに、スポーツ指導における暴力の根絶を図ることを呼びかけるため、大臣メッセージを発出しました。

 このほか、国民がスポーツに親しむ機会を充実するための地域スポーツの推進、中学校の武道必修化を初めとした武道の振興、スポーツ振興のための財源の確保に資するスポーツ振興くじの改善充実に取り組みます。

 日本にはチャンスがある、可能性がある。私は、日本を教育によってそういう国にしたいと考えています。貧困が貧困を生むのではなく、また、障害を持っているために将来を諦めるのでもなく、意欲と志さえ持っていれば、学ぶ機会が得られ、社会の中で自分の求める職業につくことができる、それを保障できる教育環境をつくりたいと考えます。

 また、日本の子供は自分に自信がありません。財団法人日本青少年研究所による高校生の意識調査によれば、自分をだめな人間だと思っている生徒は、日本は約六六%、中国は約一三%、米国は約二二%、韓国は約四五%です。これでは大人になっても自信が持てないし、社会の役に立とうとは思えないでしょう。自分はすばらしい人間だ、社会に役に立つと、ふつふつと湧き起こってくる自信をつけさせるのが本当の教育ではないでしょうか。自分はだめな人間だと思う子供をゼロにすることを目標にする教育を目指します。

 私は、ことし平成二十五年が教育再生元年と言われるような教育改革に取り組んでいく決意です。国民の皆様の強い期待を真摯に受けとめ、教育再生を実行し、文部科学行政全般にわたるさまざまな政策を力強く進めてまいりたいと考えておりますので、引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。

松野委員長 次に、平成二十五年度文部科学省関係予算の概要について説明を聴取いたします。谷川文部科学副大臣。

谷川副大臣 第百八十三回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、一言私の抱負を申し述べます。

 私は、副大臣として、大臣をよく補佐し、東日本大震災からの復旧復興のほか、特に、国の一番の宝である子供たちへの教育に取り組むとともに、文化芸術を国家戦略として位置づけ、その振興に全力を尽くしてまいります。

 今後とも、松野委員長初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 平成二十五年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 文部科学省関係予算は、一般会計五兆三千五百五十八億円、東日本大震災復興特別会計一千八百十五億円、エネルギー対策特別会計一千百三十八億円となっております。

 第一に、我が国の将来を担う次世代の育成を図り、世界トップレベルの学力、規範意識、歴史や文化を尊重する態度を育み教育再生を推進するため、全国的な学力調査の実施により子供たちの課題を把握するとともに、教育再生実行の基盤となる教職員等指導体制の整備や道徳教育の充実を行うこととしております。

 また、理数教育、特別支援教育、実践的職業教育の充実、グローバル人材の育成の推進を図るとともに、新たな教育改革に向けた調査研究及び情報通信技術を活用した学びの推進を行うこととしております。

 第二に、安心して夢の持てる教育を受けることができる社会を実現するため、スクールカウンセラーの配置充実など、いじめの問題に対する総合的な取り組みを行うとともに、通学路の安全確保など、子供の安全を守る学校健康教育の推進を図ることとしています。

 また、教育費負担の軽減を図る観点から、幼稚園就園奨励費補助の充実など幼児教育の推進を行うほか、大学等奨学金事業及び大学の授業料減免等の充実を図ることとしております。

 第三に、公立学校施設の耐震化、老朽化対策等を推進するとともに、国立大学等の耐震化、最先端研究施設の整備、老朽施設や附属病院の再生等に取り組むこととしております。

 第四に、知と価値を創造する大学力を向上させるため、各国立大学の強み、特色の明確化、ガバナンス改革などを支援することで国立大学改革を促進するとともに、私立大学等の基盤的経費の充実とめり張りのある配分、私立高等学校等の教育条件の維持向上、耐震化を初めとする施設設備等への支援により、私学の振興を図ることとしております。

 あわせて、地域再生、活性化の核となる大学づくり、産学官にわたり活躍するグローバルリーダーを養成するリーディング大学院の構築、医療人材養成など、国公私立大学を通じた大学改革の支援等により、大学の抜本的な機能強化に取り組むこととしております。

 第五に、きずなづくりと活力あるコミュニティーを形成するため、学校支援地域本部、放課後子ども教室、コミュニティースクールなどの学校、家庭、地域の連携協力を一層推進するとともに、公民館等が中心となって行う地域課題解決の取り組みや、被災地の地域コミュニティー再生のための学びの場づくりの支援をすることとしております。

 第六に、スポーツ立国の実現を目指し、スポーツ基本計画の施策を推進するため、国立競技場の改築準備、国際競技力の向上に向けた人材の養成やスポーツ環境の整備などに二百四十三億円を計上しております。

 第七に、文化力による地域と日本再生を目指し、豊かな文化芸術の創造と人材育成、文化財の保存、活用及び継承、我が国の多彩な文化芸術の発信や国際文化交流の推進など、一千三十三億円を計上しております。

 第八に、原子力災害からの復興を加速させるため、廃止措置、除染等に必要な研究開発、人材育成を強化するとともに、引き続き、被災者の迅速な救済に向けた原子力損害賠償の円滑化等の実施を図ることとしております。

 第九に、次世代エネルギー技術の開発やiPS細胞等を用いた再生医療、創薬の早期実現等につながる国家プロジェクトを強力に推進するとともに、宇宙科学、宇宙探査や海洋資源調査といったニューフロンティアへの挑戦や、社会的リスクへの対応に必要不可欠な減災、防災研究及び国土強靱化に資する材料開発に取り組むこととしております。

 第十に、産学連携による国際科学イノベーション拠点の構築など、科学技術イノベーションの推進に向けたシステム改革を進めます。

 また、我が国の科学技術全体を支える改革として、大学の研究力強化を初めとした基礎研究の振興や次代の科学技術を担う若手研究人材の育成、支援を進めるとともに、国際水準の研究環境及び基盤の充実強化を図ることとしております。

 以上、平成二十五年度文部科学省関係予算の概要につきまして御説明を申し上げました。

 なお、これらの具体的な内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、御説明を省略させていただきます。

 よろしくお願いします。

松野委員長 以上で説明は終わりました。

 この際、丹羽文部科学大臣政務官及び義家文部科学大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。丹羽文部科学大臣政務官。

丹羽大臣政務官 第百八十三回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、一言私の抱負を申し述べます。

 私は、大臣政務官として、東日本大震災からの復旧復興はもちろん、特に、経済成長分野の科学技術イノベーションを推進するとともに、国民の心を豊かにする文化芸術の振興に全力を尽くしてまいります。

 今後とも、松野委員長初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を何とぞお願い申し上げまして、御挨拶にかえさせていただきます。よろしくお願いします。

松野委員長 次に、義家文部科学大臣政務官。

義家大臣政務官 第百八十三回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、一言私の抱負を述べさせていただきます。

 私は、大臣政務官として、東日本大震災からの復旧復興のほか、特に、これからの日本をつくっていく人材を育むための教育の再生、そして公教育の責任体制の確立等に全力を挙げて取り組むとともに、国家戦略としてのスポーツに関する施策に総合的かつ計画的に邁進してまいります。

 今後とも、松野委員長初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

松野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十一分散会


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