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第4号 平成14年3月19日(火曜日)

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平成十四年三月十九日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 谷畑  孝君
   理事 伊藤 達也君 理事 栗原 博久君
   理事 竹本 直一君 理事 中山 成彬君
   理事 鈴木 康友君 理事 田中 慶秋君
   理事 河上 覃雄君 理事 達増 拓也君
      伊藤信太郎君    小此木八郎君
      大村 秀章君    梶山 弘志君
      阪上 善秀君    下地 幹郎君
      新藤 義孝君    根本  匠君
      林  義郎君    平井 卓也君
      増原 義剛君    松島みどり君
      茂木 敏充君    保岡 興治君
      山本 明彦君    生方 幸夫君
      川端 達夫君    北橋 健治君
      後藤 茂之君    中山 義活君
      松原  仁君    松本  龍君
      山田 敏雅君    山花 郁夫君
      山村  健君    漆原 良夫君
      福島  豊君    土田 龍司君
      大森  猛君    塩川 鉄也君
      大島 令子君    原  陽子君
      西川太一郎君    宇田川芳雄君
    …………………………………
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   経済産業副大臣      古屋 圭司君
   経済産業副大臣      大島 慶久君
   経済産業大臣政務官    下地 幹郎君
   経済産業大臣政務官    松 あきら君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議
   官)           松原 謙一君
   政府参考人       
   (経済産業省製造産業局長
   )            岡本  巖君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  安富 正文君
   経済産業委員会専門員   中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
  小此木八郎君     新藤 義孝君
  松本  龍君     山花 郁夫君
  大島 令子君     原  陽子君
同日
 辞任         補欠選任
  新藤 義孝君     小此木八郎君
  山花 郁夫君     松本  龍君
  原  陽子君     大島 令子君
    ―――――――――――――
三月十九日
 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)


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     ――――◇―――――
谷畑委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省製造産業局長岡本巖君、農林水産省大臣官房審議官松原謙一君及び国土交通省海事局長安富正文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
谷畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
谷畑委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木康友君。
鈴木(康)委員 鈴木康友でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず初めに、今回の法案の改正についての経緯をお伺いしたいと思います。
 昭和三十七年にこの法律が改正をされて以来の改正となるわけでありますけれども、今回、こうした改正が行われることに至った経緯あるいは要因をお聞かせいただきたいと思います。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 競輪、オートレースは、刑法の賭博罪、富くじ罪の特例として法律に基づいて実施されているものであります。これらの売り上げを通じまして、全国的な社会還元と地方財政の健全化に寄与してきたところであります。
 しかしながら、近年、長引く景気の低迷等によりまして、競輪、オートレースの売上高は御承知のように大幅に減少いたしまして、施行者、地方自治体でございますけれども、事業収支も非常に悪化をしてきているわけであります。
 そういう意味で、今回の法改正というのは、競輪、オートレースの事業が今後とも社会還元及び地方財政健全化に貢献をしていくために、抜本的な構造改革を進めていくに当たりまして、これを強力に後押しをする環境整備を目指している、こういうことでございます。
鈴木(康)委員 私が把握している中でいきますと、競輪あるいはオートレースを開催している自治体の経営基盤が今大変に揺らぎ始めている、大変厳しくなっているというのが改正の大きな要因にあると私は思います。
 特に、直接の契機となったのは、所沢市の、競輪を主催しているわけですけれども、交付金の一部を支払いできなくなったというようなことから、全国の自治体がそれを支持するようないろいろな動きがあり、経済産業省にも強い要望が来た。そうした意味で、自治体の経営改善を含めて、その辺の環境整備をしていく必要があるということで法改正ということになってきたというふうに理解をしています。
 この間にも何度かこの法律の改正についての意見がありました。例えば、昭和五十四年六月には、吉国一郎氏を座長とする公営競技問題懇談会が総務長官あてに出した意見書の中に、この法律が「制定以来改訂されたことがないので、各競技の売上金額の増加状況等を考慮して改訂を図ること。その際、施行者収益の改善に資する方向で交付金の比率を調整することについても検討すること。」あるいは「施行者収益の悪化を防ぐ見地からは交付金の比率を収益に対する割合として定める」、つまり収益金の中から交付金を出すべきだ、そういう考え方もあるのではないかというような意見も出されているわけですけれども、今回の改正に非常に近い意見でありますが、こうしたことが既に二十年以上も前に提言をされているにもかかわらず検討をされた形跡もないということについて疑問を感ずるわけですが、その点いかがでしょうか。
平沼国務大臣 確かに、昨今、委員御指摘のように、私のところにも地方自治体の議会の皆様方やあるいは首長の皆様方が来られまして、大変厳しい状況を訴えられました。
 御質問の、昭和五十四年に報告書が出た後、せっかくそういう答申が出ているのになぜ今までか、こういう御指摘でございますけれども、二十年以上前の五十四年の報告の後、景気というものが非常に順調に拡大をしました。そしてさらには、それから引き続いてバブル期を迎えまして、平成三年過ぎまでは競輪、オートレースの売り上げというのは非常に順調に伸びてきておりました。施行者にとっても非常に高い収益が得られていたため、制度について総じて見れば大きな問題とはならなかった、こういう背景がございます。
 しかし、その後、先ほど申し上げたように、長引く景気の低迷等によりまして売上高が大幅に減少をしまして、地方自治体の事業収支というのも大変な厳しい中で、交付金の負担感の増大でございますとか、赤字施行者への対策や事業経営の民間活力の導入による活性化の必要性など、種々の課題が改めてクローズアップされてきました。
 こうした現状を踏まえまして、審議会等での広範な議論を踏まえまして、今回のこういった制度改正をしなきゃいけない、こういう形でお願いをしている、そういう経緯がございます。
鈴木(康)委員 確かに、ずっと景気がよかった、経済も右肩上がりの中で、公営ギャンブルを取り巻く環境もそんなに悪くなかったわけであります。ただ、制度的な問題点というものをこうして指摘されているけれども、とりあえず経営が順調であるからいいじゃないかということで、実は、問題が起こらないとなかなかこういう制度改正が行われないといういつものパターンがあるような気がするわけであります。
 この後同僚の議員から、交付金制度の問題あるいは公営ギャンブル自体が持つ問題等々御質問があると思いますけれども、どうもこうした、おしりに火がつかないとなかなか制度改正に至らないという点については問題であることを指摘させていただきたいと思います。
 さて、次に、少し中身について御質問したいと思います。
 全国競輪施行者協議会が出した日本自転車振興会に対する交付金制度の改善についての要望書の中に、いわゆる一号交付金というものについて、昭和三十二年にこの交付金制度がつくられたとき、実態に合わせて売上金額の区分を変えるような数字の提示がなされているわけですけれども、その要望書と、今回改正案として出された売り上げ区分の変更の数字が随分と違うわけであります。
 今回の改正に伴う売り上げ区分はどうしてそういう数字になったかということの根拠、また、売り上げ区分は変更されるわけですけれども、それに対して掛けられる、いわゆる交付金の額を算定する交付率、これは当時のまま、スライドして数字が変えられていないわけですが、なぜそれが変わらなかったのか、そして、その数字の持つ意味、根拠でありますね、その点についてお伺いをいたします。
岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の改正に際しまして、施行者から振興会に納める交付金の交付率を定めた別表の第一、別表の第二を改正するということで提案させていただいているわけですが、私ども、基本的には、この間の消費者物価指数の上昇を基本として見直しを行い、その結果として施行者の負担軽減を図るということにさせていただいた次第でございます。
 全輪協のおっしゃっている、この間の売り上げ増を考慮して別表見直しという考え方もあろうかと思うんですが、売り上げが増加することによってむしろ負担能力というのは高まってくるということもあろうかと思いますので、私ども、それよりは、むしろこの間の物価上昇率を勘案して別表の刻みを見直すということにさせていただいた次第でございます。
 この結果、実際に当てはめますと、一号交付金で約半数のものはより低い交付金率の適用区分ということになっていくのではないかと考えておりまして、一号、二号合わせまして三・四%の交付金の負担割合というものが約三%に引き下げられていくものと考えております。
 それから、今の交付金率を定めました考え方として、一号交付金について、制度発足当初は、売り上げの原則四%、その三分の一を機械振興のために充てるということで、割り算しますと一・三%というものが出てまいりまして、それの左右にゼロから最高一・七というそこまでの率を別表で定めるということにいたしたものでございます。
 また、二号につきましては、一号に比べて売り上げの大きい施行者により多く社会還元のための負担をしていただくという観点から、最高の売り上げ区分も、一号よりも高い三億以上という区分を設けてより高い交付金率を適用するということに現在の交付金率の考え方というのは背景にあるわけでございますが、私ども、そのことをいじることよりは、むしろ物価上昇率を勘案して負担軽減を図るということで今回の提案をさせていただいた次第でございます。
鈴木(康)委員 今の御答弁でございますけれども、交付率に関しては、ある意味で、そう固執をするような大きな理由が見当たらないと私は思うんですね。そうしますと、今回は、各レースを主催している自治体が大変に厳しい状況にあるわけですから、売り上げ区分以外にも、交付率もフレキシブルに見直すということがあってもしかるべきだと私は思うわけでありますけれども、何でこれが見直されなかったのかということについて再度御質問したいと思います。
岡本政府参考人 先生御案内のように、この交付金は、機械振興あるいは公益振興のための、社会還元のための財源を賄うということで定められているものでございまして、そこの負担の総額というものを社会還元との関係でどう考えるかというところが一つあろうかと思います。
 それから、今回、施行者の方々の負担軽減という点に関しましては、今回御提案申し上げている改正案の中において、この別表改正に加えまして、赤字施行者についての交付金の猶予でありますとか、あるいは減免というかつてない制度を導入するということに踏み込んでおりまして、そういったこともあわせ御勘案いただいて、この交付金負担の軽減という今回の改正案の趣旨を御理解賜りたいと存じます。
鈴木(康)委員 交付金の算定の率を変えなかったということについてまだ納得はできませんが、次に参りたいと思います。
 これは経済産業省が試算をされたものだと思いますが、今回の交付金の見直し案によってどれくらい自治体の負担が軽減をするかということを、十二年度の売り上げを基準に計算をしたものがございます。
 それによると、競輪では、施行者の負担が全体で四十五億円、一号、二号合わせてですけれども、削減されるということになります。これを平成十二年度の事業者数七十三で割ると、一事業者当たり大体六千万強になります。あるいはオートレースの場合、七億円の削減になるわけですが、それを八事業者で割ると八千七百五十万になるわけであります。
 一施行者当たり、競輪の場合は六千万強、そしてオートレースの場合は八千七百五十万であります。決して小さい数字というわけではありませんが、これで果たして救済として十分なのかどうか、その点について、私は少し物足りないような気がするわけですが、いかがでしょうか。
古屋副大臣 お答えをさせていただきます。
 委員御指摘のように、経済産業省で試算をさせていただきますと、競輪は四十五億円、そしてオートレースは七億円でございます。五十場ございまして、七十三施行者、あるいはオートレースは八施行者でありますので、一施行者、自治体当たりの負担軽減額というのは委員御指摘のとおりでございます。
 しかし、この負担軽減のための策として、今岡本局長からも答弁がございましたが、売上額の区分変更をいたしました。これの効果で、特に開催規模が小さなレース場を主催しているところ、こういうところについてはより大きな負担軽減効果が出るという仕組みに実はなっておりまして、そういった売り上げの少ない施行者は、交付金の負担額が大体二割から三割軽減されるということも実は見込まれているわけであります。
 また一方では、赤字施行者に対しましては、交付金の支払い猶予を新たに設けるという制度を創設いたしております。これは最長三年間ということでございましたので、そういった意味では、負担軽減に対して大きく踏み込んだ措置をさせていただいたと思っております。
 以上申し上げましたように、中小の施行者にとりましてはかなりな効果があるものと私は期待をいたしております。
鈴木(康)委員 今の状況を考えれば、少しでも負担軽減をされた方がいいわけでありますから、これはぜひもう少し、私はむしろ自治体の負担を下げる方向でいってほしいと思うわけですが、ちょっとその点について別の観点からお伺いしたいと思います。
 最近の売り上げの減少を見ますと、実は極めて深刻な状況にあるわけです。例えば競輪では、平成九年が約一兆五千四百億、平成十年が約一兆四千五百億、平成十一年が一兆三千六百億、平成十二年が一兆二千四百億といったぐあいに、大体毎年一千億ずつぐらい売り上げが落ち込んできているわけです。施行者の方も九年から十二年にかけて九つ減ったということもありますけれども、ざくっと考えてみても、一施設当たり大体年間十四、五億円売り上げが落ちている勘定になるわけですね。
 一方、オートの方も、平成九年が二千四百六十億、平成十年が二千百三十億、平成十一年が二千十六億、平成十二年が一千八百五十七億といったぐあいに、大体毎年百億円以上売り上げが落ち込んでいる。こちらも、一施行者当たりに直して見ていきますと、十二、三億売り上げが落ちているわけですね。
 こうした状況を考えますと、先ほど、六千万強と八千万強という削減の効果があるということでありますが、毎年これだけ今売り上げが落ちているという現実を考えますと、とても今回の措置で、急場はしのげるかもしれないけれども、抜本的な対策になるというふうに思えないわけですが、その点についていかがでしょうか。
岡本政府参考人 産業構造審議会の競輪小委員会の報告にもございますように、競輪事業の収支の改善ということにつきましては、この交付金負担の軽減というのも一つの大きな要素でございますが、それ以上に大事な取り組みとしては、この間、売り上げが四割弱減少している中にあって経費の方が減るどころかむしろふえているという、やはりその経費の構造にメスを入れた取り組みというのもどうしても大事だと思います。
 それから、もう一度競輪場に来るお客さんの数をふやす、あるいは車券を買っていただく方々にとって魅力を高めていく、そういった方向での取り組みというのもあわせて大事かというふうに報告書で指摘されているわけでございます。
 私ども、今回の御提案申し上げております別表改正あるいは猶予・減免の制度というものは、むしろ施行者を初めとする競輪に関係する事業者の方々、選手を含めて、もう一度収支の思い切った改善のための一連の取り組みをしていただく、それに向けての一つの大きな国としてのインセンティブ、メッセージとして今回のものを御提案申し上げている次第でございますので、そういった経費の方の改善に向けての一連の構造改革というものとあわせて今回の改正案というものの評価をしていただけたらというふうに期待申し上げるものでございます。
鈴木(康)委員 今の御答弁でございますが、確かに、単に交付金を削減するだけではなくて、よく指摘があるように、自治体がやっているこうした公営ギャンブルの経営自体がかなりずさんであるということも一方ではあります。そうした意味で当然経営努力をしていかなきゃいけない、あるいは、競輪あるいはオートレース自体の人気の底上げということもやっていかなければならないわけでありますが。
 ただ、現状を考えますと、例えば経費の削減、あるいは多少広告宣伝費をかけて訴求をしたところで、今のこの景気の現状と、あるいは公営ギャンブルの落ち込みの推移を見ていきますと、私は大変に厳しい状況ではないかなと思うわけでありますので、その点についてはぜひ、さらにフレキシブルに対応していただきたいと思います。
 少し交付金についてお伺いをしたいと思いますが、昭和三十二年の改正までは、今のような売り上げに対する交付金制度ではなくて、収益金の一部を納付する制度であったわけであります。それが昭和三十二年の改正で、先ほど申しましたように、売上金に応じて交付金が確定をするような仕組みに変わったわけでありますけれども、今の状況を考えれば、毎年売り上げが落ちたり、あるいは一方で当然経営改善の努力もされるわけでありますが、そうしたかなり変動をする状況の中にあるわけですから、もう一度、売上金ではなくて収益金に対してその一部を納付するような制度に戻した方がより現実的ではないかと私は思うわけですが、その点についていかがでしょうか。
岡本政府参考人 収益基準で交付金を算定するという方式を採用しました場合に、売り上げの多寡にかかわらず、積極的な経営努力をやって高い収益を上げている施行者ほど交付金の支払い額がふえる、社会還元のための負担がふえるということになる一方、一方で経営改善努力を怠っている、そのために収益がなかなか上がらない、そういう方々については、売り上げは多くても社会還元のための負担をしないという状況が現出をして、そのことによって一種のモラルハザードを招くおそれがあるのではないかということを私ども懸念しているところでございます。
 今申しましたような公営競技本来の趣旨から見ました場合に、収益基準という考え方も確かにオプションとしてはあろうかと思いますけれども、この事業に携わっている方々に、社会還元でありますとか地方財政の健全化への寄与という本来の役割を果たしていただくためには、私ども、やはり売り上げを基本にした交付金の算定ということがより望ましいのではないかというふうに考えているものでございます。
鈴木(康)委員 それでは今度は、二号交付金についてお伺いしたいと思います。
 二号交付金の方は、後からこれは加えられたものであります。その制定の歴史的な経緯等を見ますと、当時、競輪廃止論、あるいはギャンブルに対する風当たりがかなり強かった、こうしたものを抑えるためにいわば免罪符的にこれがつくられ、そしてこれまで継続をしてきたと思うわけですが、そういう意味では、もうそろそろそういう使命は終えているんじゃないか。あるいは、これは自治体からの廃止の要望も強い。あるいは、そういう公益に資する事業であれば、むしろ自治体に任せてくれという要望もあるわけでありますが、そうした方向での改正ということについてはお考えではないでしょうか。
古屋副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 二号交付金につきましては、委員御指摘のように昭和三十七年から行っておりまして、もう既に四十年近い期間を経ております。その役割を終えているのではないかという指摘でございますけれども、私どもはむしろ逆に考えておりまして、やはりこれだけ定着をしてきております。また、二号交付金の公益増進補助事業というのは、福祉だとか医療だとか災害復旧・援護、NPO等々への支援を含めて全国的に幅広くやっております。
 一方、競輪あるいはオートレースの施行者は七十三団体あるいは八団体でございますので、もし仮にそういう自治体に直接ということになりますと、全国的な規模で均質にそういった支援を幅広く行っていくということがなかなかできないと思いまして、むしろ我々としては、そういった地方公共団体が必ずしも行き届かない分野というものを中心としてきめ細かいサービスを行っていく、このためには、この補助金、補助事業自体の効果というのは極めて高いものがあるというふうに思っております。
 また一方では、今後取り組もうといたしておりますいわゆる専用場外車券売り場の展開であるとかあるいは電話投票の拡大等、従来以上に社会的な理解を高めるということが必要となってくるわけでありまして、こういった観点からも、交付金による社会還元を通じまして広く社会から事業に対する支持を得ていくという意義は大きいと思っておりまして、今後ともこの制度は維持していきたいと思っております。
鈴木(康)委員 今副大臣から場外車券場のお話も出ましたけれども、今度は少しオートレースに限って御質問をしたいと思います。
 私の地元の浜松にもオートレースがございまして、その関係者の方からお話を伺いますと、オートレースはオートレースで競輪と違った特殊事情がある。それは何が一番競輪と違うかというと、施行自治体が極めて少ないということですね。先ほども数字がありました、競輪は今七十三でありますが、オートレースは今八施行者ですね、オートレース場は六ありますけれども。そうした中で、全体として売り上げを上げていくための施策が非常にとりにくいという事情が実はございます。
 例えば、今申しました場外車券場でも、競輪のようにたくさんの施行者があれば、場外車券場というものをつくっていって、そして売り場のすそ野を広げていくことによって売り上げをふやしていくということも可能になってくるわけですが、オートレースの場合、そうした抜本的な売り上げ向上対策もとりにくいということもございます。
 そういう意味で、競輪に比べてかなり規模のメリットを受けにくいという事情があるということを伺いまして、例えば、今回、ある意味で競輪もオートも同じような対処になっているわけですけれども、オートレースの事業者に対して、交付金で少し免除をふやすとか、あるいは二号交付金を免除するような特例措置を設けるとかという、少しきめの細かな対応というものは考えられないのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
岡本政府参考人 オートレースは競輪以上に売り上げの減少も大幅でございまして、先生御指摘のように大変厳しい状況にございます。
 オートレースについても、今回、競輪と同様の交付金の負担軽減というのは図っているところでございますが、あわせまして、各施行者における収支改善の一連の取り組みに向けて、競輪の場合は日自振ですが、オートの場合には日動振で交付金を使った支援というものをいろいろやってまいっておりまして、その交付金を使った補助事業の中で、オートの場合でいえば約二分の一を、一連の収支改善のための取り組みに向けて補助金で応援をしているということで今現にやらせていただいているところでございまして、こういった面での取り組みを私どもは引き続き強化してまいりたいと考えております。
鈴木(康)委員 時間が参りましたので、最後に一点だけ大臣にお伺いをしたいと思います。
 今、競輪、オートもそうですし、あるいは競馬、競艇といった公営ギャンブル自体が大きな岐路に立たされていると私は思います。今後もこうした事業を継続していくということについては、なぜそれを続けていくのかという根本的な目的、何のためにこれを続けるんだというところを明らかにしておく必要があると私は思います。
 確かに今、事業をやっている、そこに多くの人が働いているからそういう人たちの雇用を守らなきゃいけない、こういう目的もあるでしょうし、あるいは公益に資する交付金を使った事業もやめられない、あるいは自転車振興会、小型自動車振興会といったようなこうした法人も確保しておきたいとかつぶせないというようないろいろな事情や思惑があるわけですが、これから公営ギャンブルを継続していくためには、やはりそれ自体がどういう意義を持っているのかということを明確にしておく必要があると私は思います。
 そういう意味では、こうした競技が、もう何かちょっと後ろめたいような、賭博というものではなくて、もう広くファン層を獲得した娯楽の一種になっているのだというような視点に立っていけば、こうしたファンを抱えたこの娯楽をこれからもどうやって継続をしていくんだというその点に一番の視点が私は置かれるべきであると。そうしますと、当然その改革の方向性というものも出てくると思います。
 そういう意味では、競輪やオートレースなどの競技を今後維持発展させていくためには、例えば大胆な民営化ということも含めていろいろな抜本的な改革、視点をそこに据えればそうした改革というものも見えてくると思うのですが、そうしたことについて大臣の御所見を最後にお伺いをしたいと思います。
平沼国務大臣 確かに、競輪もオートレースもファンが少なくなって売り上げも減っている、こういう厳しい状況であります。そういう意味では、やはり民間のそういった手法を取り入れて努力をしていかなきゃいかぬと思います。
 さはさりながら、一方、今までも実績として社会還元あるいは地方自治体、こういったところのお役に立ってきているわけですから、したがいまして、私どもとしては、まず事務の民間委託というものを大幅に拡大をして、そしてそういう民間の手法を取り入れることが必要だと思っています。
 他方で、この事業は、信頼の確保と競技の公正、こういう観点もあるわけでございまして、秩序維持等に関する具体的な責任を地方公共団体が負っているという基本的な枠組みは私どもは引き続き重要だと思っています。
 ですから、そういう意味で、やはり国民の方々に親しまれるような、今までもやっておりますけれども、しっかりとしたPRをし、また皆様方が参画しやすいような条件整備に努力をしていき、そして、繰り返しになりますが、民間のそういったアイデア、手法を取り入れてやっていく、こういう基本的な考え方で臨んでいきたいと思っています。
鈴木(康)委員 ぜひ、この厳しい状況の中で次々と施行者が消えていくというようなことのないように、引き続き御努力をお願い申し上げまして質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
谷畑委員長 川端達夫君。
川端委員 大臣、副大臣、政務官、御苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。
 大変深刻な不況がいつまでたっても続くという状況でありますが、そういう中で、国民の政治への関心は全く違うところに行ってしまった。しかし、これはこれで大変大事な問題でありますが、実は、けさここへ出てくるまでに朝のワイドショーというのをテレビで見ておりました。テレビ朝日で、鈴木宗男君は国会議員を辞職すべき八三・四%、離党で十分九・一%、何もしなくてよかった四・二%という数字でありました。
 すさまじい国民の怒りと不信がある。しかも政と官、そして政治家とお金という、今までもいろいろ議論されてきたことがこの部分で一気に吹き出したのかなという感じがするのですが、一連の今回のこういう事件をめぐる部分において、政治家として、そして官の最高責任者としてどういう御所見をお持ちか、大臣、副大臣にお尋ねをしたいと思います。
平沼国務大臣 川端先生御指摘のように、予算委員会の審議がずっと続いておりますけれども、しかし主題的には、予算の審議よりも、むしろこういった鈴木議員の問題でありますとかあるいは外務省の問題、こういったことに終始をして、私も、国民の皆様方に大変大きな御迷惑をかけていると思います。そういう意味で、私どもは、今御指摘の政と官、そういった癒着構造を断ち切ることが国民の信頼を回復する重要なポイントだと思っています。
 そういう中で、私どもとしては、やはりこの問題をなおざりにしないで、しっかりとさらに真相究明をして、国民の皆様方が納得いくような回答をいわゆる政治サイドから出していかなければならない、私はこういう基本的な考え方を持っております。
古屋副大臣 今大臣から答弁があったことに尽きるわけでございますけれども、私ども政治家としては、政と官のあり方というものをやはりしっかり我々自身が認識をして政治活動をしていく、このことが何よりも大切であり、そのことなくしてやはり政治信頼の回復はないということを改めて私も深く認識をいたしております。
川端委員 ありがとうございます。
 今回のことでいわゆる不当な、外務省は異常なという表現を使われたと思うのですが、そういう部分で政治家が官の公正な執行にかなり影響を与えたということは非常に大きな問題の一つである。
 しかし、私、今大臣の立場、副大臣の立場でお伺いしたときに、今回の問題の中で、やはり国民は、そういう非常に強圧的な圧力があったとはいえ、公の立場にある、予算を執行する、あるいは法律を執行するという立場の官が、そういう部分に影響を受けて、本来公正であるべきものをゆがめてしまったという現実ですね、官のあり方というものも私は非常に大きな不信の部分だというふうに思うのですね。納めている税金がこんなにずさんに、不透明に、むちゃくちゃなことにどんどん、いかに圧力をかけられたとはいえ、ある意味では、執行者としてこんなことをしていたのかということだと思うのですね。
 官のあり方、特に、そこに長として、今回内閣法の改正によって大臣、副大臣、政務官という、いわゆる政治家が最高の、上に立つんだという構造をされた部分で、こういう今までの経過の中でこういうことが起こってきたときに、やはりそのトップの、政治家としての行政の長という責任は大変重いという指摘をしたんだというふうに私は思うのですが、繰り返しになりますが、いかがですか。
平沼国務大臣 川端先生の御指摘のとおりだと思いまして、そういう、政治家の不当な介入を許して国民の信頼を損なったということは、やはり官の側にも大きな責任があると思います。
 そういう意味で、私も大臣という経済産業省のトップを務めさせていただいているわけでありまして、今回のことを私どもは真摯に受けとめて、やはり官の襟を正して、そういうことが起こらないように本当に責任を果たしていくことが大切だ、こういうふうに思っています。
川端委員 それで本題に入るわけですけれども、いわゆる官の意思決定と、その部分での政治家としての最高責任を持ってやるということが非常に大きな問題であるというときに、この法案について、先ほどの鈴木議員の質問にもありましたが、四十年来の改正である、そしてかねがね、実際にいろいろな指摘がされてきた法律であります。
 特に交付金というのが、平成十三年度では自転車で三百九十三億円、小型自動車で五十三億円。また、これをやり出してから十三年度までの累計で、日本自転車振興会だけで一兆五千四百七十三億円、こういうものに使ってきた。これは、まさに法律で定められた部分での交付金、納めているわけですから事実上は公金である。しかし、一般予算にかかるわけでもないし、そしてそのことで国会の審議に中身的に基本的にはかかるわけではないという部分でいうと、別に支援委員会と一緒ということを言っているわけではなくて、やはり少しちょっと違うところを持っておられるということであります。
 この法案の議論の経過というのは、ずっと前から、先ほども議論ありましたが、ずうっといろいろあった中で今回にたどり着いたんだと思うんですが、交付金の区分分けとかいうことが今回法律で出てきましたけれども、この交付金のあり方について大臣や副大臣は、政治家として、この議論、最終的に閣議決定に至るまでに、私ちょっと交付金だけに絞らせていただきますが、交付金という部分についてどういう議論をしてこられて、最終的に結論をこういう形に法律として持ってこられたのか。時間がごく限られておりますので、ここが一番あれだったということ、こういうことで判断したということがあればお聞かせをいただきたい。
平沼国務大臣 これは非常に、地方自治体、施行者の収支が急速に悪化をしてきました。そしてここのところ、所沢市を初めとして一部の施行者の方から大変交付金の支払いに困難を来す、こういう窮状が訴えられたわけであります。
 まず、私どもは、そのことにやはり着目をいたしまして、こういったことを改善していかなきゃならないということで、やはり広い角度から議論すべきと、こういう判断をいたしまして、昨年の三月に、産業構造審議会に競輪小委員会というのを設けまして審議を開始したところであります。その後も幾つかの施行者からいろいろな機会に、この困難な状況の打開を訴える要望あるいは陳情を受けてまいりました。
 そうした中で、私どもは、そういう施行者の皆様方の負担を減らしながら、そしてさらに、ここは一号交付金、二号交付金でそれぞれ大きな社会的な貢献をいたしておりますから、そういった貢献がさらにできるような環境をつくらなきゃいけない。そのためには、やはり施行者側も努力をしていただいて、冗費を省くあるいは経費を節減するということもやっていただかなきゃいけないけれども、それだけでは十分ではないので、やはり我々は、そういった形で、交付金という中で、施行者たちがこれからも、先ほど申し上げたような観点から事業が継続できる、そしてそれがさらに社会的な貢献につながる、こういったところに力点を置いて今回の法改正をお願いした、こういうことであります。
川端委員 ちょっと聞き方が悪かったと思います。その集め方、払い方ではなくて、交付金を使うという部分ですね、今の交付しているやり方。
 かねてからいろいろなところで、例えば産構審においても、あるいは行革審、あるいは報道でも、お受けとめ方はいろいろでしょうけれども、雑誌の記事とかそういうものを含めて、いわゆる交付金の使われ方。今おっしゃったのは、どういただくかということ。使われ方に関してこれでいいのかということの指摘と、話題ということ、あるいはメディアを通じていろいろ取り上げられたということはたくさんあったと思うんですね。
 今回の法改正では、その集め方、納め方に関しての部分の四十年ぶりの改正はあったけれども、その使い方に関しては今回法改正がないわけなんです。そのことに関しては、どういう議論の結果でやらないということになったのか。要するに手をつけなかった。ということは、いろいろ問題はあるけれども今回はということなのか。別に今のままでいいという御認識を持っておられるかを伺いたかったのです。その過程にどういう議論があったのかをお伺いしたい。
平沼国務大臣 これに関しましては、前の答弁で申し上げましたように、やはり非常にそういう厳しい現状がある。それが基本的な認識にございまして、その中で、今までやっていた使い方の方に関しては、やはりそれぞれ実績があり、また現状的には、それで非常に期待をし、その恩典を受けているところがございますから、そういう意味では、今のそのやり方をしっかりと踏まえて、そしてそれがさらに円滑にいくようになればいい、こういう基本的な考え方であります。
川端委員 今、実績があり、恩恵を受けているところがたくさんあることは事実です。しかし、いろいろな指摘の中で、これでいいのかという観点でのいろいろな議論があったことは、これも事実です。
 それで、私、実は競輪、オートレースに行ったことがないのでそのもの自体はよくわからないんですが、先ほど来の議論を聞いていますと、ファンのためのものなのか、そして、その部分の利益を地域や社会的還元をするというお話がよく出てまいります。
 ファンのためにやっていろいろ上がりがあった部分を還元するというものなのかなと思っていましたら、自転車競技法の第一条は、「都道府県及び人口、財政等を勘案して総務大臣が指定する市町村は、自転車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに、地方財政の健全化を図るため、この法律により、自転車競走を行うことができる。」と。法律の建前は、そういうことをやるために自転車を行うと書いてあるんです。ファンのために自転車をやった上がりを社会還元するとはどこにも書いてないんですよね。
 そして十一条に、「競輪施行者は、その行なう競技の収益をもつて、自転車その他機械の改良及び」云々と、こういうふうに書いてある。そして、「日本自転車振興会は、競輪の公正かつ円滑な実施を図るとともに、自転車その他の機械に関する事業及び体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に資することを目的とする。」と書いてある。そういうものなんだなと改めて認識しました。
 そうすると、そういう法律があって、自転車のまさに振興を図ると。そして、加えて機械産業ですか、自転車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他公益ということで、自転車があって機械があって、そして輸出とかいう産業があって、それ以外に公益がある、こういう立て方なんだ。それで、交付金を、特に一号交付金はそういうものとして使う。
 それを受けた自転車振興会は、補助事業の補助方針というのを毎年お立てになっている。法律にそういう精神があるという理念を受けて補助方針をお出しになっている。これを、ちょっと長いですけれどももう一回読んでみますと、機械工業と書いてある部分だけ抜きますからね。
 国際競争が激化する中で、経済全体の生産性の低迷、厳しさの続く雇用情勢、エネルギー・環境・リサイクル問題の重要性の増大等、その環境が厳しさを増す一方、情報技術(IT)革命への対応、企業の事業再構築、グローバルな合従連衡等の動きが加速化しており、経済構造改革の推進の重要性が高まっている。
 こうした我が国機械工業を取り巻く環境変化に加え、平成十三年六月二十六日に閣議決定された「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」、同年三月三十一日に閣議決定された「科学技術基本計画」、更には「産業構造改革・雇用対策本部」や「総合科学技術会議」の動向等を十分に踏まえ、
 我が国の経済構造改革の推進、経済活力の向上等を実現していくため、
と書いてあるんですね。これは大臣がおっしゃることですよ。自転車振興会はこういう大上段で補助金を出しているんですよ。
 さすがに気がとがめるから、「その際」と最後の三行ほど書いてあるんです。
 その際、近時、競輪及びオートレースを取り巻く環境が厳しい状況にあることに鑑み、これらの活性化にも資する事業については、十分な配慮を行うものとする。
これはひっくり返っているんですね。自転車があり、機械があり、そして輸出産業がありという部分にお金を出すために競輪をやりますと。受けた方は、そういうことでやりますと書いてある。そして、具体的に補助方針といった瞬間に、もう、我が国を眺めたときの経済環境から全部こんなことになって、こういうことでやらなければいけないと。そして最後に、競輪もオートも厳しいから、そういうことには配慮しなさいよと書いてある。何か随分変だなと思います。
 それで、この中身が、それでやられている事業は、それは実に物すごいテーマをいっぱい交付しておられるんです。その個々のテーマは、まさにこの前段にあったような、本当に日本の経済に資するいろいろな部分の研究や助成をやっておられる。それはいいんですが、私は、こういう構造でこういうものを使うというのはいいんだろうかと。ここの理事長は、間違いなく経済産業大臣と同じぐらいの見識を持ち、視野を持ちながら、こういうことが要るなということをやっておられるということなんですよ。
 ところが、経済産業省は経済産業省でそういうことを見ておられるわけですよ。そして、現にいろいろな補助事業や育成事業に公金、予算をつけてお出しになっている。どうしてかぶる必要があるのか。しかも、それを見ていくと、自転車振興なんてそのテーマに何もないじゃないかと。何もと言ったら語弊がありますね、ほとんどない。
 大臣、自転車という言葉を言えば何を連想しますかと問われたら、どうですか。
平沼国務大臣 自転車というイメージは、これは日常、生活に利用する、買い物等に利用したり、あるいは最近はスポーツということがございますから、相当精密機械的に高度な製品になっておりますけれども、幅広く人間の移動手段として相当古い歴史も形成してきましたし、人間社会の中に根づいているいわゆる交通手段としての非常に便利なそういうものだ、こういう認識を持っています。
川端委員 私は、二つありまして、一つは、こういう団体が、こんなに幅広に、もう日本の経済をしょって立つような部分に役に立つことを、彼らの独自に補助金をつけてやるということはやるべきでない。それだったら、もうその人が経済産業大臣をやればいい。まさに、大臣のおやりになることをこういう形でおやりになるべきではないということが一つ。
 それから、本末転倒している。自転車のことを、大臣も言われましたけれども、私も自転車は大体そういうことですね、ママチャリとかね。最近であれば、電池がついて、坂を上ってビールを載せている写真がありますけれども。もう一つは、言われたように、やはりこれから、環境に優しい乗り物である、そして健康に役に立つ乗り物である。プラスのイメージはいっぱいあるんですね。マイナスのイメージは放置自転車ですよ。どこに行っても自転車山盛り。
 そして産業で言えば、自転車という部分の自転車屋さんであるとか、それから町工場も含めて、まさに中小企業のベースなんですよ。近所の自転車屋さんというのは町の中の零細企業の大事な部分ですよ。
 そして、自転車競技をして交付をするときに、全国の放置自転車の対策はどうするか研究しろ、そういうことをやるんだったら、それには補助金を上げますとか、快適な環境のために自転車にみんな乗ろう運動をしよう、そのために自転車ロードをつくるのにはこういうバックアップをしてあげますよとかいうのが本筋にあって周りがあるんだったらまだ許せる。何にもないと私は思いました。もう読むのが嫌になるほど資料はあります、テーマは。これが一つ。
 それから、もう時間がなくなって、もう一つは――資料を配っていただいたかな。それで、この自転車振興会がいろいろなテーマに補助金を出しているんですね。これはもうたくさんあるので、たまたま見つけたのでここに抜いたんですけれども、財団法人産業研究所というところに自転車振興会から助成金が出ている。その助成金を、もうお見せしませんが、こんなに、大臣、一号だけであるんですよね、テーマがいっぱい。一番初めに、例えば光産業技術に関する調査研究の補助事業とかずっとありまして、その中に、産業研究所に、一番最後のテーマのその他というところで、非常にばくっとしたテーマで助成金が出されている。
 それがどういうところなのかなと思って見ましたら、この財団法人産業研究所の事業内容の二に、「事業内容としては、機械産業等の基盤に係る経済社会上の諸問題等の産業政策に係る諸問題について主として外部のシンクタンク・専門機関等を活用して調査研究を行っている。」と。主として外部に研究を委託することをやっている事業主だと。
 次の二枚目の紙を見ていただきますと、ここに自転車振興会、二段目に「財団法人産業研究所補助金収入推移」というのがありまして、過去十年ということで、補助金収入というので、平成三年が十八億五千九百五十四万円、平成十二年が四億二千万と、実に四分の一以下に減りましたけれども、こういうふうに載っている。これだけ助成がされている。
 それで、その次の「財団法人産業研究所支出内訳」というのを見ますと、支出の事業費の中で、平成三年、十五億五千九百万円というのが補助事業。要するに、これは実際で言うと、独自の事業以外の、補助金をもらって委託研究に出すというのを九〇%以上やっている団体だということなんですよ。しかもこれは、その下に「収入内訳」というので見ますと、例えば平成三年では、基本財産運用収入、基本財産は民間のいろいろなこういうことに関連するところがお出しになったので、それの果実で収入があって、補助金収入があって、雑収入があると。これがだんだん、この低金利ですから、平成十二年になると、基本財産運用収入も三分の一ぐらいに減り、補助金収入は四分の一ぐらい、これは交付金ですから。運用資金取崩収入というので、もう取り崩さないとやっていけないと。
 そして、補助金は四分の一になるということで、財政規模も非常に小さく、半分ぐらいになり、人件費は全然半分にもならずにそこそこあって、伺いましたら、この人たちの、有給役員の報酬は平均一千二百万円であると。関係省庁からのOBさんもたくさんおられる。
 そうすると、これはだんだん補助金がなくなっていったら、何か基金だけで給料をもらって、補助金をもらっていろいろなところへ委託する。この委託しているテーマはだれが審査しているかといったら、実は、その部分、また百ぐらい委託していますから、というのは、もとの振興会が、この団体がどういう委託をするのかを審査して渡しているというんですね。そうしたら、もう二重にやっているということなんです。ほとんど意味がないではないか。そうしたら、初めからこういうテーマに出せばいい。
 私は、経済産業省が本来きちっといろいろなところにやるだけでもいいと思うのに、振興会という形をつくって、経済産業大臣のかわりをやっておられて、そこから受けたところがまたかわりをやっておられる。しかも、それは実態として丸投げの中間的な組織もあるということではないのかというふうに思いました。
 もう時間が来てしまいましたので指摘はこれぐらいにしておきますが、しかも、その部分で本当に成果が役に立っているんだろうかとか、私は、この交付金が要るのだろうかということ。そしてほかの、例えばオートレースの話がありましたけれども、第二号交付金ですといろいろなところへ、スポーツとかにやっていますね。みんなやっているんですね、競輪も競馬もオートレースもそれぞれに。そして、今度はtotoができた。totoは、配分するのに第三者機関が配分決定するという、非常にオープンにしました。しかし、この振興会は中でおやりになる。そういうことで透明性がこれでいいのか。
 あるいは、トータルとしていろいろ社会還元するなら、そういういろいろな事業の部分を一体化して国として運営するような仕組みがないのかどうか、あるいはそれを国庫納付という形、あるいは税という形の議論もいろいろあります、今まで。そういうものを含めていろいろな問題を抱えているということをきょうは申し上げたかったわけです。
 そういうことの中で、大臣として、今回の法改正は法改正として、これだけいろいろな問題があり、行革審の事務局からもいろいろのやりとりも、民営化の議論もありますが、含めて、抜本的にいろいろなことについてやはりメスを入れるということがどうしても必要だというふうに私は思うんですけれども、その部分に関しての御所見を伺って終わりにしたいと思います。
平沼国務大臣 資料に基づいた大変重要な御指摘をいただいたと思っています。
 そもそも、自転車振興、こういう形でスタートしましたけれども、時代の変遷、それから社会の要望、そういったことによってその事業内容あるいは支援内容というのがいろいろな分野にわたってきたというのは、ある意味では時代の要請だったと私は思っています。
 しかし、実際に今機能しているそういう個々のことについて、やはり小泉内閣というのは、抜本的に見直しながら、わかりやすい、やはりそういう新しい体制をつくっていかなきゃいけない、こういうことですから、御指摘の点も踏まえながら、私どもとしては、これは、国民の皆様方の注視の的で今小泉構造改革進んでおりますので、その一環として私どももこの件は取り組んでいかなければいけない問題だ、このように思っています。
川端委員 ありがとうございました。
谷畑委員長 中山義活君。
中山(義)委員 おはようございます。
 もう今いろいろ、交付金等についても内容についていろいろ質問がありましたので、私は、最終的にまとめをやってみろ、こういうことでございますので、お聞きをいたしたいと思いますが、まず大臣、大臣はギャンブル、大好きですか。
平沼国務大臣 私は、学生時代にマージャンを覚えましたり、また、時には競馬の馬券も仲間と買ったりしておりまして、性格的に言って決して嫌いな方ではありません。
中山(義)委員 一獲千金を夢見るとか、少ないお金で大きなもうけを得ようとか、そういうのがギャンブルですわね。投資の場合にはもっと配慮があって、この人間が例えば将来大物になるとか、株なんかでも投資ですね。しかし、これが投機になってくると、これはギャンブルに近くなってくる。人間の世界の中にこういうようなかけの要素があるわけですね。
 私たちも今、選挙を考えてみますと、森政権のときに十数%で、今度はまた支持率が八〇%に、小泉さんがなって。さらにまたここで落ちてきた。自民党支持率も、何か首都圏では自民党と民主党と追いついてきた。こういう形で、そのぐらい世の中の変化が激しくて、選挙そのものも非常に、外部的な要因はありますが、ギャンブル的な要素もある。ですから、政治家の皆さん、そういう一獲千金を夢見る、そういう気持ちになって、恐らくギャンブルは好きなんだろうなと、こう思うわけですが。
 しかし、このギャンブルは、何でいわゆる賭博としてやられていることが許されているか。これは、基本には、今まで公営がやったのは、それが社会に還元されてその自治体に有効に働いていた。これはずうっと戦後そうだったですね。荒廃した日本の国がこのギャンブルによってどれだけ救われたかという部分はあります。
 しかし、先ほどからお話しのように、交付金をもらっている団体や何かも、あるときの右肩上がりの中でやったわけですから、だれがやってもできたわけですよ。グラフを見ますと、平成二年度からずっと下がってきた。この段階で初めて問題点が浮き彫りになってきた、こういうことなんですが、その下がった時点で、三、四年前に、もっと早く、通産省の時代にこういうものをもっと見直して、これは危ないぞ、地方自治体の利益にならぬぞ、施行者もいずれは交付金や何かを出さなくなる、こういう予測をされなければいけなかったのですが、現在に至るまでの現状を見て、今までの総括というものがあれば聞かせてください。
平沼国務大臣 先ほどの御答弁でもちょっと申し上げましたけれども、当初、そういう見直しという形でまとめが出たわけでございます。昭和五十年代であります。しかし、それ以降、非常に日本は右肩上がりの景気上昇、そしてさらにバブルに突入する、こういうことがございまして、確かに、こういう厳しい情勢というものを事前に的確に予測して適切な対応をしたかどうか、こういうことになりますと、それは不十分であったということは否めないことだと私は思っています。
 したがいまして、これまでも私どもとしては、施行している自治体でございますとか関係団体と密接に協力をしながら、両競技の売り上げ回復や、それから施行自治体の収支改善に向けた諸方策というのは取り組んできたわけであります。
 具体的にどんなことをやってきたかというと、競輪とオートレース界に関しては、競技の魅力を高めるレース体系を見直そうじゃないか、これをやらせていただきました。それから、場外車券発売や電話投票、こういったことを充実したことも事実ですし、それから三連勝式という、そういう方式も新投票法という形で導入をいたしました。最近ちょっとテレビ等で皆さん方もごらんになったと思いますけれども、オートレースにいたしましても競輪にいたしましても、テレビという媒体を使って宣伝をしております。
 それから、地方自治体の収支改善策としては、経営コンサルタント、それからシンクタンクと連携した経営改善マニュアルを作成しましたり、それからコンピューター化、これは車券発売窓口、こういったことを導入し、さらに、その導入を円滑化するためにリース支援する、こういう形をやってまいりました。
 確かに、御指摘のように、対応というものが、適切な時期に抜本的にやったかということは、それは十分でなかったと思いますけれども、そういう状況の中で、今申し上げたようにできる限りのことはしてきた、こういうことでございます。
中山(義)委員 もともとギャンブルをやりたいという人たちはもうけたいということですが、よく理屈を考えてみると、初めから二五%テラ銭を取っちゃっているわけですから、実質残ったのは七五%だったら、やったら、結果的には、総合的に判断をすれば、負けるわけですよ。勝率からいえば七五%になるわけですか、だから、二五%は必ず損するという計算ですわね。だけれども、それは国がやって、これは世のため人のためだからということだったわけですね。
 ところが、このギャンブルを、これから施行者にしっかりやれとハッパをかけるわけですよ。要するにもっとしっかり経営をやれと。もうそれは、場外で売っても、電話でもインターネットでも何でもやれということでしょう。ある意味では、そういうような、人間がまじめに働く、一生懸命地道にやることが一番人生にとって大事だということの逆を政府が指導していくわけですわね。
 だから私は、施行者がもうかっているうちはいいんですよ、それを本当に還元しているうちは。もうからなくなったときに、これはやめるのかやめないのかの判断を先に決めておいてもらいたい。というのは、競輪のために競輪があるのか、それとも社会のために競輪があるのか、そこはしっかり判断をしておかないと、私は、これから三年後、四年後のことについてもちょっと後でお話しをしたいんですが、これが全然利益が上がらなくなってきたときに、それは、ギャンブルのファンがたくさんいるから、その人たちのためにぜひともやらなきゃいけないんだ、こういう理念なのか、いや、利益が上がらなくなってきたら、ギャンブルは本来目的じゃないんだ、その地域社会のためにやっているんだという判断なのか、その辺、ちょっとお聞かせをください。
平沼国務大臣 大変それは本質的な問題だと思います。
 日本においては、公営ギャンブルという形で競輪、オートレース、さらには競艇、こういったことが根づいてきて、一定のファン層を獲得して、そして今御指摘のような、社会還元あるいは地方自治体、そういうものに対して利してきたことは事実です。今こういう不況の中で、それからまた世代交代の中で、多様化した中で非常に厳しい状況に立っていることも事実です。
 したがいまして、私どもとしては、当面は、そういう実績とこれから果たす役割というものを重視してやはり最大限の努力をしていかなければならないと思っています。そういう意味で一生懸命努力をしますけれども、しかし、これから三年後、四年後どういう状況になるかということはまだ予測がつきません。そういう中では、やはりある意味ではこれを見直す、こういうことも視野に入れておくことは必要なことだ、委員御指摘のいろいろな観点がございますから、そういうことを含めて必要なことだ、私はこう思っています。
中山(義)委員 今のお話は、要するに、利益が上がらなくて、ギャンブルのためにギャンブルがあるのではないというような判断でいいですね、いいですよね。
 私は、やはり経営を、どんどん施行者にねじを巻いていろいろなことをやれというと、場外なんかありますね。これは必ず地域でもめているんですよ。私どもの選挙区でも二回ほどありました。町内でまず多数決をとったりして町内がもめたり、すごく今までも大きなことがありました。
 それから、違うギャンブルで、千何台のとんでもないパチンコ屋さんができて、学校から五十メートル内外だったものですから反対運動がすごく起きて、やめました。これは、一つは、パチンコ屋さんの場合は、お母さんが子供をそこへ置いたままパチンコに行って、子供が死んじゃったとか、過去にも随分ありましたね。
 それから、競馬なんかでも競輪なんかでも、負けて帰る人のその道、何というか知っていますか、オケラ街道というんですよ。勝つ人もいれば負ける人もいるわけです。必ずこれによって人生をだめにしちゃう人もうんといるわけですよ。
 まして、私どもは、電話とかインターネットを使った場合に、その適正な年齢に行っていない人たちがそういうことをやる可能性があるし、むしろインターネットは手軽にできると、もちろん相手の承認制度や何かいろいろあるんでしょうけれども。やはりそういう面では、非常に、施行者にこれは利益が上がらないからだめじゃないかと指導するときに、指導の仕方によっては、何でもありだ、金もうけなら何でもありだ、こういうことになるようなことにはならないでしょうか。
 副大臣、どうですか、にこにこして何か御意見がありそうなので。
古屋副大臣 実は私も、副大臣にさせていただきまして、競輪そしてオートレース場へ行ったことがなかったものですから、現場を視察してまいりました。
 そのときに実感いたしましたのは、やはりまず一つは、コストを削減できる余地があるなと。もう一つは、やはりより魅力ある商品、商品というのは、競輪の場合は選手ですし、オートレースの場合はライダーというんですか、だと思いますけれども、これをどうやって多くの人たちに宣伝をしていくか、そうしないと車券は買っていただけないわけですので。そういう意味で、私は、このインターネットというのはある意味でいい方法ではないかなという認識は持っております。
 今、大体四千万人いるんですね、インターネットをやっている人。しかし、ほとんどが若年層なんです。実は、この世界で、お客様として、利用者として層が薄いのはやはり若年層ですから、そういうところにアプローチするにはいいなというふうに、これは手段としてはいいと思っている。一方では、今委員が御指摘のように、もう何でもありでいいのかという、いわば道徳上の問題ということだと思います。
 それから、それに関連して、場外車券売り場についての問題も指摘されました。実は、私の地元でも、これは車券売り場じゃないんですが、場外馬券売り場というものを今から数年前に設立をいたしました。このときに、もう市民で大論争が起こりました。青少年の健全育成上問題であるとか等々でございます。しかし、結果的にオープンをさせまして、今三年たっておりますけれども、そういう懸念は全くございません。むしろ、反対運動の先頭に立っておられた方がその施設を休日に有効に活用して、福祉活動であるとかサークル活動に効果的に使っていただいている、そういう現象が実は出ております。
 この競輪、オートレースでも、場外車券売り場についてどういう状況なのかということで私も調べさせていただきました。昭和三十年代には、そういった青少年の健全育成上から問題の行為があったというふうに報告を受けておりますが、最近はそういうことはございません。むしろ、新橋にはスクリーンがありますので、休日にはそこで落語をやったりとか、あるいは地方では自治会の集会に使ったりとか、あるいは囲碁クラブとか趣味の会というのに相当積極的に活用されているようでありまして、そういった意味でも社会的に貢献をしているのかなと思っております。
 一方、インターネットの方でございますけれども、確かにこれは匿名性が高いので未成年の人たちが参画できる危険性もありますので、それは、会員登録の際に相当厳しくチェックを行うということで、そういった未成年の皆さんが参画をすることについては未然に極力防いでいくということを徹底していきたいと思っております。
中山(義)委員 今、とにかくハッパをかけてどんどん頑張ってもらいたいということは、ある意味じゃ競輪の中でも競争が起きてくると思うんですよ。それはそれとして意味のあることなんですが、例えば、東京の後楽園なんという話があるわけですね。これは都知事がそういうことを新聞で言っている。しかし、あそこでやってしまったら、多摩の方でやっている競輪の方からみんなお客さんがこっちへ来ちゃうと思うんですよ。そうすると、お互いに本場同士で問題点が出てきちゃうというようなこともあるわけですね。ですから、競争をどういうふうに適正にやっていくかということが一つ。
 それからもう一つは、やはり、民間の力を導入するという意味は、競争力をつけるという意味ですね。その中では、特に選手の問題があるんですが、もう初めから出ても出なくても何か年間で一千何百万保証されているとかいうのでは、やはりハングリーな気持ちは生まれないと思うんですよ。
 競輪の選手だって、やはり毎日訓練をして強くなろうと思っているわけですが、うんと努力した人が報われると。スタートというのは同じなんですから、これは平等ですよ、ここで。だけれども、勝つ勝たないはその人の努力によるんじゃないですか。私は、結果としての平等というのは反対でして、出るところの、ここのスタートラインが一番大事なわけですよ。だから、強い選手が勝つのは当たり前。そういうスター選手を育てないとスポーツの社会はだめなんですね。
 何でも、野球がそうですよ。昔、大臣ちょうど、青バット、赤バットなんて、川上と大下、古い話ですね。我々の時代ですと王、長島。ああ、そんなに年変わらなかったですね、済みません。そうやってスター選手がいたからそのスポーツをやるんですよ。今の中野浩一さんとかね。そういう人が出るものはいいですよ。ところが、ほかにスターがいないわけですね。そこにやはり問題点があって、スポーツ振興とかそういう問題も相当大きな交付金の内容に入っていたんですが、その成果が全然出ていないんです。
 今、日本の場合は、特にスポーツ、金メダルとかの数からいくと非常にだめですね。国民のテンションが上がらないですよ、やはりオリンピックで金メダルとれなかったりね。これはやはり、totoもそうですが、あれも体育振興に使おうとしているんですけれども、現実問題として、強い選手を育てるという意味が日本の文部省もわかっていないわけですよ。やはりスターをつくらないと底辺は広がらないのです。底辺を広げるとスターができるようなことを言いますが、実はそうじゃないのですね、スポーツの世界は。強い選手を育てないとできない。
 だから、この間のオリンピックだって、見ていたけれども、みんな金メダルとれない、消しちゃいましたよ。消しちゃって国会放送の方がおもしろい、よっぽどバトルですごいじゃないか、こういうことでオリンピックが消されて国会中継に移すなんという、こういう現状ですよ。スポーツがこれでは人気がないわけで、日本のスポーツ全体がやはり上がってくることによって競輪の意味もわかってくると思うのですね。
 そういう面では、スポーツの中でもうちょっと日本のエースを育てるような、世界のところへ行っても金メダルがとれるようなそういうことを考えなきゃいけないんじゃないでしょうかね。何か競輪自身が話題にならないというか、そういうもっと明るい競輪であってほしいなと思うのですが、その辺いかがですか。
古屋副大臣 スター選手を育てろということですけれども、私も全く同感ですね。委員は王、長島の時代だったそうですけれども、私もそうですけれども、むしろ最近ではイチローとかが大変気になりますけれども、やはりそういうスター選手ができるだけで大きくそのスポーツのすそ野が広がります。
 例えば、オートレースでも、数年前にSMAPの森君がオートレーサーになりまして一時売り上げが上がりました。しかし、それを有効に、その森選手というスター、カリスマを活用したかというと、必ずしもそうではなかったというような反省点があろうと私は思っております。
 したがいまして、やはり今後はそういったスター選手をいかに育て上げていくか。先ほど私が答弁申し上げましたように、競輪でもあるいはオートレースでも、最大の商品は選手でありますから、その選手を育てていく。そのためには、やはりオリンピックを初めとする国際舞台で通用する選手を積極的に育成をしていく。最近では、中野浩一以来スターがいないという御指摘でございますが、昨年グランプリを優勝しました伏見俊昭選手、これはなかなかカリスマ性のある選手でございますので、こういった選手をしっかり育てていくということも私は大切だと思います。また、オートレースでも、今度は四月からイメージキャラクターとして菊川怜さんを採用させていただきまして広くファン層の拡大に努めていこう、こんなようなことも考えているわけであります。
 いずれにいたしましても、そういったファンを獲得するためにはスターをつくること、そして販売チャネルをふやしていくこと、そしてまた、競輪あるいはオートレースの持つイメージをさらに高めていくこと、こういったことに相連携をして取り組んでいくということが極めて重要だというふうに思っております。
中山(義)委員 今まで言ってきたことは、要するに、ギャンブルのためのギャンブルは、私は、非常にこれから世の中でハッパをかけるのによくないよと。むしろ、そこにスポーツ性があるとか、やはり日本人というのはそういう文化を大切にする、一生懸命スポーツをやる、金もうけだけではない、こういうイメージで世界に出ていくようなスポーツ選手をつくってもらいたい。そういう面で、ギャンブルのためのギャンブルではまずいよということが一つ。
 もう一つは、先ほど言いましたように、やはり何でもかんでも、とにかく場外でも電話でも何でも売ろう、金さえもうかればいいんだというような発想でやっていくと結果的には失敗するし、私はそういうものではないと思うのですよ。ギャンブルをやる人は確かに、このギャンブルがなきゃこっちをやる、結局はかけごとが好きなわけですよ。だから、日本人として、この程度はいいんだけれども、強引に、もう射幸心をあおるような、インターネットからテレビから何から、もうかけごとをやりなさいやりなさいというような形では理念がなさ過ぎる、こういうことを言っているので、スポーツ性であるとか、それから、やり方に何でもありでは困りますよということを今指摘しているわけです。
 もう一つ、交付金を三年間減免措置であるとか免除とか、中に事業収支改善計画とありますね。この事業収支改善計画というのは、これは赤字を負った施行者に対して交付金を免除するとかということなんですが、これは黒字のところも出させたらどうですか。私が言っているのは、見直しというのは困ってから見直したって遅いわけですよ。恐らくこの事業収支改善計画というのは、黒字のところもどんどんそういうものを出させて将来に備えていく、こういうことが必要なんじゃないですか。
 それと同時に、事業収支改善計画に対して各地方議会がそれを議決しますね。議決するときの基準というか、そういうものもちょっとここに示していただいて、内々でやるからいいわいいわでやっちゃうような気もするし、それじゃまずいんじゃないでしょうか。やはり最終的にはちゃんとした基準でそれをやらせる、そういう判断基準を示していただきたいと思うのです。
古屋副大臣 事業収支改善計画を提出したときの条件というのは一体何なのかという御趣旨の質問だと思いますけれども、黒字の団体にも認めたらどうかということでございますが、まずは、赤字の団体が今四十二競輪でもございますので、やはりこの収支改善にまず取り組んでいくということが私は優先だと思っております。
 そういった観点から、交付金の猶予の特例に関しての同意についての要件というのは、まず一つ目が、今申し上げましたように、事業収支が赤字であって、当該施行者が交付金を交付することが困難な状況にあるということが一つ。二つ目に、事業収支改善計画の確実な履行によりまして事業収支が改善し、その後の交付金の安定的な交付が見込まれる、これが二つの条件でございます。
 こういったものが実際に行われるかどうか、その事業収支改善計画の実現の可能性であるとか計画の実施による収支改善の見込み、特例期間終了後における施行者の収益金の確保と猶予分を含めた交付金の安定的な交付の可能性を十分に見きわめてその妥当性を判断していく、こういうことでございます。
 そして、それに関連をして、経済産業省としても何らかの指針を出すべきではないかということでございますけれども、まずこれにつきましては、施行自治体の全国団体であるいわゆる全輪協でございますね、これと全国小型自動車競走施行者協議会、これが中心となりまして、施行自治体の実情を正確に把握をするということで、そして多くの施行者にとって有益的な先行事例であるとか事業収支改善計画のひな形となるべきもの、こういったものを、私どもも協力をいたしまして、統一的な会計基準などを取りまとめて、それを提示して参考にしていただく、こんなようなことも対応として考えていきたいと思っております。
中山(義)委員 今のお話のとおり、基準をしっかりして、なるべくわかりやすく、ああ、こういうことを改善しているんだなと。特に、黒字の施行者もいずれはこうなる可能性があるわけです。だから、同時に黒字のところも今から出せと、どういうふうに改善していくんだと、やはりしっかりした指導を赤字も黒字も同時にやってもらいたい、私はこのように思います。
 それと、大臣、景気というのは循環型に来るじゃないですか、景気が悪いときといいときというのは。不景気も経済にとっては非常にプラスだと思うんですよ。なぜかといえば、不景気だから効率のいい経営をしなきゃいけない、新商品を生み出さなきゃいけない、新しいもの、売れるものをつくらなきゃいけない。だから、不景気のときに経済というのは発展をする素地があるわけですよ。
 我々は、バブルで、右肩上がりで、随分そのときはある意味では何もしなかった。下がってきてからみんなで知恵を絞ってやっているわけでしょう。だから、やはり悪くなったときに新たな発想とか新たな商品とか新たな発明がなされるわけですよ。だから、むしろこの悪いということを大切にしなきゃいけないと我々は思うのですが、それは大学時代に習った経済学でそう教わったのです。
 ところが、今回のバブルの破綻以降はなかなかわからないところがあるわけですね。でも、みんなで努力してやはり景気を上げなきゃいけない。ちょっと株価が上がってきて、ちょっと景気がよくなったななんて新聞に出ると、もうすぐデフレ対策もどこかへ行っちゃうような気がするので、やはりしっかりとした経済基盤をつくるということが私は一番大事だ。その点で、今まで、四十年たってやっとこれを見直ししたわけですよ。やはり見直しも頻繁にやっていく必要があるんじゃないでしょうかね。
 というのは、景気そのものがこのような状況でもありますし、これを見ていますと、ちょうどグラフでずっと行っていますと、平成二年からずっと下がってきていますね。この下がっているのがとまらないわけですよ。そうすると、これも三年後にはもっとひどい状況になるという可能性もあるわけです。これは景気が悪いからというだけじゃなくて、ギャンブルの多様性であるとか、または人間の生き方であるとか少子高齢化であるとか、昔からやっていた、競馬とかオートレースとか競輪の好きだった人たちがいわゆるお年になり過ぎた。若い人は違うギャンブルをやっているとか、そういうようなこともありますから、これから必ずしも、景気が回復したから戻るという、そういう保証は絶対にあり得ない。
 こういう点からして、私は、政府は、この法律にどうしても三年ごとに見直すぐらいの条項を入れてくれないと、何となくこれを認めるわけにはいかない、今そのように思っているわけでございまして、私どもも、これについてはぜひ修正をしていただきたい、これはお願いをしたいところですが、特に、平成十八年度には再度見直すというぐらいのことがないと、間違いなく同じような状況になってきますよ。
 それで、しかも、ギャンブルだったら何でもありで、インターネットから何から、とにかく、ぽんとやれば何か物が買えて、すぐギャンブルができるなんて、何でもかんでも、何でもありになったらやはり困るわけで、ギャンブルには節度を持っていただく。そしてスポーツ性を持っていただく。そして品位と、ただ射幸心じゃなくて、そこがいわゆる社交場で、そこに行って、ちょうネクタイを締めていって、競輪を見て、みんなと多くおつき合いをして、日本人の文化を高める、このくらいのことまで考えていただかないと我々は容認をできないので、修正をお願い申し上げまして質問を終わります。
谷畑委員長 大島令子さん。
大島(令)委員 社会民主党・市民連合の大島令子でございます。
 まず、大臣にお伺いします。
 この改正案の、隠されたというべきか、本当の目的は何でしょうか。
平沼国務大臣 隠されたということじゃなくて、本来の目的を申し上げたいと思います。
 競輪、オートレース事業が今後とも社会還元及び地方財政に貢献していくために抜本的な構造改革をしなければならない、それに当たりまして、これを強力に後押しする環境整備を目指すものであると私どもは思っております。施行自治体をこれによって淘汰するということを目的にしているものではありません。
 なお、今回の法改正におきましては、事業収支改善計画による経営改善努力にもかかわらず収支の改善が見込めない施行者については、事業撤退等に伴う交付金免除措置を設けております。これはあくまでも、施行者の事業収支改善計画の実施に向けた取り組みを支援して、安定的な事業体質の確立に最大限努力することが前提となっておりまして、そうした上で、どうしても事業継続が困難と判断される場合には、最後の手段として撤退の円滑化措置を適用するとの考えでございます。
 かかる特例措置も、施行者それから従事員の方々の要望を受けとめたことでございまして、私どもとしては、あくまでも、これまで一定の社会的な貢献、地方自治体に対する貢献、またファンの方々に対するそういった御要望、そういう実績がございますので、こういったことにこたえていく面からもやはり構造改革をし、そして今までの事業というものを継続させる、これが本来の目的であります。
大島(令)委員 私は逆の意味に理解しておりまして、大臣も今おっしゃったように、施行自治体を淘汰するというふうに、広いところから法案を見ますと読めるわけなんですね。というのは、事業から撤退する施行者に対して、猶予した交付金を撤退費用等に充てることを認め、実質的にそれを減免することで全体の規模を縮小することにあるのではないか。
 というのは、例えばファンの減少ですとか高齢化、高齢化のことに関しては先ほど古屋副大臣が、若者を呼びつけるためにインターネットですとか電話投票ということもおっしゃいましたけれども、この不況の中で、一体若者に、ギャンブルにまで自分のお小遣いを充てる余裕があるのかという疑問も私は思っています。
 そして、あと、今申し上げた特例措置に係る交付金の免除におきましても、三年間で構造改革を施行団体にしなさいというふうに読み取れますけれども、その三年間で果たしてできるのか、累積赤字解消が本当にできるのか。
 もう一つは、その赤字解消、売り上げを上げるにしましても、リストラしながら新たな魅力ある競輪をつくることが本当に現実的な問題として可能なのか。そうであるならば、三年間努力しても、やはり赤字解消ができなければ、売り上げの増額ができなければ、私は、結果としては、今度の法改正をしましても、撤退する施行自治体がふえるのではないか。ですから、いいところだけ残して、だめなところは、小泉さんの構造改革じゃないけれども、痛みを持ってもらおう、そういう趣旨に読み取れるわけなんです。もう一度見解を伺います。
平沼国務大臣 今大島委員からは、これは撤退を助長させるための法改正ではないかという御指摘がありましたけれども、先ほどの御答弁で申し上げましたとおり、撤退をする場合には、いろいろな努力をして、そして事業者、関係者が、どうしてもこれ以上できないというときにはその減免措置を講ずるということであって、趣旨としては、あくまでも、今まで一定の社会的貢献をしてきましたし、地方自治体に対しても貢献をしてきましたし、またファンの人たちの期待にもこたえてきた、そういうことでありますから、私どもとしては、基本的にこれを存続する、こういう大眼目で法改正をしている、こういったことを御理解いただきたいと思います。
大島(令)委員 大臣が強くそういうことを御答弁されても、結果的に赤字が改善されない限りその交付金は払わなければいけない。猶予期間は一定期間認められましても、払われなければ、結局、地方自治体が議会の同意を得てその施行自治体の住民の税金から出すわけですから、やはり筋道としては撤退ということになるわけで、結局、私は、猶予する減免というのは、施行自治体に対するある意味での手切れ金のようなもの、そういうふうにも解釈できるわけなんですね。そういうことを申し上げて、次の質問に移ります。
 果たして競輪事業は活性化できるのか。このすばらしい、再興に向けてという産業構造審議会の小委員会の報告書、これを見まして、私は、このとおりいったらすばらしいだろうなというふうに思いました。十一回会議をし、中野さんという元競輪の選手とか、幅広い方々がこの小委員会のメンバーであったということも資料で拝見しました。
 ここに書かれてありますのは、「お客様本位の魅力ある競輪の実現」ですとか「競輪事業の経営基盤の強化・確立」とありますけれども、売り上げが特に激減しているこのプロセスの中で、これを実施できる時間的余裕が施行自治体に本当にあるのか。そしてまた、構造改革ということであるならば、日本自転車振興会に対する交付金制度などの抜本的な見直し、日本自転車振興会の存続とか廃止を含めての、やはりそういうことが必要なのではないかというふうに思っております。これは政府参考人にお伺いいたします。
岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年三月以降、産構審の中の小委員会で議論していただきまして、中野浩一先生のような競輪の元選手であった方もお加わりいただきましたが、私ども、会社の経営者の方々とか、あるいはビジネスコンサルタントだとか、そういう方々、もちろん施行者の代表の方々も入っていらっしゃいますが、広範な方々にメンバーになっていただいて議論していただきました。
 そういう中で、今度の御提案申し上げている交付金の改正もその一環でございますが、会社の経営者とかあるいはビジネスコンサルタントという目から見ました場合に、粗利を一九%保証されていて、かつ現金収入、貸し倒れの心配のないビジネスということで、ビジネスのセンスから見れば十分に収支改善のめどはあるという御意見が相次ぎました。
 それを実際具体化するためには、まさに今先生御指摘になりました小委員会の報告の提言にありますように、お客さんにたくさん来ていただく、あるいは車券をより多く買っていただく、そういう方向に向けてのサービスとか利便を高めるための一連の取り組みということと、もう一つは、経費を見直して、削れるところは削っていくという経費の合理化のための一連の取り組み、そこには選手の賞金の見直しというようなことも当然含まれてこようかと思いますが、そういった関係者の一連の取り組みというものが行われ、それとあわせて、今回御提案申し上げておりますような交付金の軽減というものが一緒になって後押しをしていく。
 さらに言えば、振興会による交付金を財源といたします施行者の一連の改革に対する支援、補助というのも私ども引き続き強化してまいりたいと考えておりますが、そういった取り組みをあわせて考えれば、三年ということで今目指しておりますが、売り上げが仮に一兆円程度に減少したとしても、経常利益で四%ぐらいの利益を達成するということは十分可能ではないかということで、審議会の関係者の方々の一致した見方として御提言をいただいた次第でございまして、私ども、こういったものをにらみながら、施行者を初めとする関係の方々にそれぞれの立場での改革努力を引き続き促してまいりたいと考えているものでございます。
大島(令)委員 では、なぜ埼玉県所沢市のような交付金の支払いをしないという行為に対して賛同する施行団体がふえたのでしょうか。
岡本政府参考人 所沢市の問題は、いわゆる借り上げ施行者ということで、実際に所沢の場合でいえば、埼玉県が管理施行者で、所沢市は借り上げ施行者ということでいろいろな面で少し不利な立場におありになる、そういう事情もあったりもいたしまして、私ども、所沢のケースについて申しますと、担当の課長なり次長を初めとしまして、県との間でも共同施行ということの可能性を打診するなど一連の取り組みをした次第でございます。
 それで、今回、産構審小委員会の報告の中身、あるいは御提案申し上げております別表改正、それから交付金の猶予・減免制度の導入、さらには民間への一部の業務の委託という今回御提案申し上げている内容については、施行者の方々にも私どもはかなり高く評価をしていただいている内容だと思っております。
 こういったものを一つのきっかけにし、それから日自振等による交付金を使った支援の面でも施行者の収支改善に向けての取り組みをさらに強化をしていく。そういうことをあわせ御勘案いただいた場合に、私どもは、施行者の方々もいま一度本気になって収支の立て直しということに向けてせっかくやる気を出していただいている今の状況でございますので、その方向に向けての取り組みを、今回の御提案申し上げている法律改正を契機といたしまして、引き続き強力に支援を申し上げていきたいと考えているものでございます。
大島(令)委員 日本自転車振興会に対する交付金の一、二号は見直しがございますけれども、三号の事務費は〇・三%ということで存続でございますね。
 そこで質問なんですけれども、現会長は、平成十一年七月一日からは副会長でした。最終官職が特許庁長官、そして現在、平成十二年七月一日からいわゆる任期は三年後まで会長ということでございます。私は、この交付金の事務費、会長さんを含めた役員とか、給与は何も痛みを受けず、ほかのところを見直すということに非常に疑問を持っております。
 そこで、現会長の、副会長を退職するときの年俸とやめるときの退職金ですか、それと、もし現会長が十五年六月三十日まで一期務めたときの退職金、それと、特許庁長官を退職されたときの年齢を聞かせてください。
岡本政府参考人 三号交付金は振興会の事務費ということでございますが、先生御案内のように、実際の審判の養成、選手の養成、それから車検の規格の登録、そういった競輪のための現業的といいますか、そういう実務をやっている経費でございます。
 それから、先ほどの大臣の御答弁にもございましたように、振興会自身、この間約二〇%ぐらいの経費節減に向けてのいわゆるリストラといいますか、そういった取り組みもやってまいっているところでございます。
 お尋ねの振興会会長の年俸でございますが、今、年俸は約二千五百万でございます。それから、退職金については、現行の役員退職手当規程に基づいて試算いたしますと、三年間の任期を全うした場合で約千七百万ということになろうかと思いますが、これらはいずれも現行の規程に基づくものでございますが、去る三月十五日の閣議決定、「特殊法人等の役員の給与・退職金等について」の閣議決定が行われまして、これに基づきまして、現在、関係の諸規程の見直しをしておりますので、いずれにつきましても、十四年度からはかなり大幅に減額されるということになろうかと考えております。
 それから、現在の会長が特許庁長官を退職しました際の年齢は五十二歳でございました。
大島(令)委員 一般国民から聞きますと、国の官僚の人は五十二歳という非常に若い年齢でこういうところに、特殊法人に天下り、私たち国会議員の年俸と同じくらいのものを毎年いただいている。非常に責任ある仕事だから、その仕事に対する対価として妥当なのかどうか、私は仕事の中身はよくわかりませんので今言うことはできませんが、一般的には非常に高額であるなと思いますので、ぜひ特殊法人見直しの中で、今の国の財政、経済社会状況を見まして、国民が納得できるような方向で見直しをお願いしたいと思っております。
 次でございますけれども、自転車競技会についてお尋ねします。
 今度の改正によりまして、自転車競技会に対する交付金の上限が廃止されまして、施行者との相対契約によって委託料が決められるようになるようですけれども、業務形態は変わらないのに独占的地位を利用して高額な委託料になることも懸念しております。
 そこで、全国に七つある特別認可法人自転車競技会とはどういう組織なんでしょうか。組織の情報がほとんど一般に公開されていないようですが、監督官庁の経済産業省としては問題はないと考えているのか。
 二点目が、今後、競技関係事務の委託に関しまして施行者との間で不当に高額な契約が行われることを排除するためにも、この自転車競技会の情報公開は不可欠だと思っております。政府はどのように考えているのか伺いたいと思います。
古屋副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 今御指摘のありました自転車競技会、全国で七つあります。これは自転車競技法十三条に基づきまして設立をされております特別認可法人でございます。
 内容は、施行する自治体から正式な委託を受けまして、審判あるいは検車といった競技の公正かつ円滑な実施に不可欠な事務を行っている、こういうふうに規定をされておりまして、この自転車競技会は、事業計画そしてその収支予算を大臣の認可制をとっておりまして、また、会長等の人事も大臣の任命制をとっておりまして、非常に厳しい監督のもとに置かれております。
 今御指摘の、自転車競技会が不当に値段をつり上げて契約をするのではないかという懸念をお示しになられましたけれども、むしろそういうことはないというふうに思っておりまして、自転車競技会がそういうことをする、今競輪界が置かれている実情を見ると、高くなるというよりもむしろ安くなるという方に私は動くのではないかというふうに認識をいたしております。
 ただ、万が一不当な対価のつり上げというのがあった場合には、経済産業大臣が是正命令を発することができるように今回規定を盛り込んでおるところでございます。
 いずれにいたしましても、情報公開が重要だという御指摘がございましたけれども、これまでも行政機関の保有する情報公開に関する法律に基づきまして情報公開をしているところでありまして、引き続き、このルールにのっとって適切に情報公開をしていきたいと思っております。
大島(令)委員 この自転車競技会というのは競輪事業の中心的な業務であると思っているわけです。ですから、結局は、自由化されるとしてもここにしか委託できないわけなんですね。
 そうしますと、私は、ここしかないということであれば自由競争の原理が働かないわけですから、示された数字で契約をしなければいけないというふうに考えるのがやはり普通ではないでしょうか。
 ですから、やはり施行者が合理的にここだというふうに判断でき、契約が結べるような、施行者の選択が可能であるような方策をもっと示すべきであると思いますが、もう一度副大臣に伺います。
古屋副大臣 今答弁をさせていただきましたけれども、この自転車競技会というのは、競輪の公平性を期すための大変重要な役割を果たしておりまして、これはもう自転車競技法の中にもそういうふうに規定がなされております。したがって、この自転車競技会がそういった事務を引き続き運営していくということは私は必要だというふうに認識をいたしております。
 ただ、今委員御指摘のように、万が一値段が不当につり上げられるというようなことがあればこれは極めて問題でございますので、今申し上げましたように、しっかりその辺も、もし万が一そういう状況があったら是正命令をすることができるように今回規定を整えておりますので、そういった御懸念はないというふうに考えております。
大島(令)委員 万が一あったらいけないことなので取り上げさせていただいたわけです。
 では次に、公営ギャンブルの一部事務を民間委託によって何を目指しているのかということに関して質問させていただきたいと思います。
 今改正によって可能となる民間への競輪関係事務の委託は、具体的にどのような方法により、どのような業者を相手として行われるのでしょうか。民間委託によって施行者の事業収支の改善が図られ、民間に新たなビジネスチャンスが生まれるということは望ましい方向ではあると思います。
 しかし、開かれた入札方法や契約の透明性を確保する等の手段を講じておかなければ、公営ギャンブルをめぐる新たな利権構造が生まれることになるのではないでしょうか。民間への委託といっても、我が国において合法的ビジネスとしてギャンブル経営のノウハウを持った私人が果たしているのか。私はそこのところがよくわかりませんので、政府はどういうふうに考えているのかお伺いしたいと思います。
古屋副大臣 私も、去年、競輪場を視察させていただきまして、そこで感じましたことは、まだまだコストを削減できる余地はたくさんあるな、こういったことを強烈に印象に持ちました。
 それを踏まえて今回の改正をさせていただいたわけでございますが、しかし、民間に委託するといいましても、まず基本ですね、それは地方公共団体のみが施行者となるということは変わっておりませんし、また、競輪場内の秩序維持等々の基本的な責任についても、これは地方公共団体が責任を負うということになっております。これは不変でございます。
 そういったことをしっかり担保した上で、例えば場内の清掃であるとか、あるいはガードマンに警備を委託するとか、そしてまた、車券を販売している事務員がいらっしゃる、これは相当な数になります。一番大きなレースのときには五百人規模で必要になってきます。そういったことをできるだけ民間にアウトソーシングをさせるということによってコストの削減というもの、そして事業運営の効率化が図られていくと思います。
 委員御指摘のように、当然のことながら、そういった民間委託に当たっては、その公平性そして透明性を確保するということはもう申し上げるまでもないことでございます。
大島(令)委員 公営ギャンブルにその民間委託というのがなじむのかどうか、非常に疑問に思っているわけです。今副大臣が述べましたように、結局は、構造改革の一つとして、そういう部分を委託することによってコストの削減、赤字解消、これも一つの構造改革でしょうけれども、やはりそういうふうに私は答弁を伺いまして受けとめました。
 しかし、施行自治体は、おっしゃったように、実質的にはあるわけですが経営から手を引くわけで、テラ銭だけ受け取るわけですね。そういう仕組みができ上がっていくことに対する本来の公営ギャンブルのあり方というものに対して、やはり私は危惧を感じます。
 先ほど来の古屋副大臣の答弁、大臣の答弁も聞きましても、配当率が高い、逆の言い方をすれば、的中確率の極めて低い三連単方式の勝者投票の導入とか、そういうことを言っておりますよね。これは非常に射幸心をあおるような運営に走るということが目に見えていると思います。
 そして、やはりこういうギャンブルをめぐっての悲惨な出来事もたくさん日常的に起きているわけなんです。そういう社会状況の中でこの改正案が施行されたときに、本当に心配ないのかということを私は伺いたいわけなんです。もう一度、副大臣にお願いいたします。
古屋副大臣 今回の改正は、やはり事業運営の効率化、そして施行者である地方公共団体の負担の軽減をしていく、そしてもう一つは、やはり健全に公営競技というものに広く国民の皆さんに参画をしていただく、こういった目的がございます。
 そういった意味では、例えば今委員の御指摘があった車券の買い方のメニューをふやしていく、これは参画の皆さんをふやしていく一つの材料にはなると思います。一方では、それがすぐ射幸心をあおるとか、そういったことには必ずしもつながらないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、そういった効率的な、そして弾力的な運営をすることによって、競輪あるいはオートレースの社会的責任である公益性、地域に対する支援、そしていろいろ各団体に対する支援、こういったものを引き続きしっかり我々も支援をしていきたい、こんなふうに思っております。
 また、先ほど、民間がこういった公営競技に入ってきていいのかということでありますけれども、それは、基本的には、先ほども答弁で申し上げましたように、競輪場内の秩序維持のための基本的な責任は地方公共団体が負うということでありまして、また、仮に事務委託によりまして公益に反するおそれが生じた場合、こういうことはまずあり得ないと思いますけれども、万が一そういうものが生じた場合は、競輪の開催停止命令等を含めて厳正に対処できるということになっておりまして、そういった御懸念もしっかり払拭できるような体制をとっているということを御理解いただきたいと思います。
大島(令)委員 赤字に悩む施行自治体は、監督官庁の天下り先への収益金の分配について不信を持っているわけですよね。交付金も、パーセント、算定基準が割合という形でこの改正案を見ても出ております。監督官庁側は、施行団体のコスト管理、やはりそういうところに問題があるんじゃないかという批判をする。今まで保護と規制に守られた護送船団ギャンブルのきしみがここに来て出ている。
 そして、抜本的な構造改革をしようということで久方ぶりのこの法律の改正案だと思いますけれども、この法律全体を読ませていただきまして、やはり私も、三年後にもう一度見直すという修正案をぜひ皆さんに賛同いただいて質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
谷畑委員長 土田龍司君。
土田委員 おはようございます。
 ちょっとほかの委員会との兼ね合いできょうの議論を全部聞いているわけじゃございませんが、重複するような点があるかと思います。この法案を読んでみて、非常に基本的なことを幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回の改正案、競輪、オートレースの売り上げが非常に激減をしてきたというわけでございますが、これらの競技は、その売り上げを通じて社会還元と地方財政の健全化への貢献を目的としていたわけです。その点では非常に大きな役割を果たしていたわけですが、このように大幅な減少ということになってくると社会還元ができないわけでございますので、非常に大きな問題であるという議論は多分されたことだと思います。
 こうした競輪、オートレースの歴史始まって以来の非常に大きな困難に直面しているわけでございますが、これを打開するためには、施行者である地方自治体を初めとする競輪やオートレースの関係者、そういった方々の現状打開に向けての前向きな取り組みがどうしても必要であるということは当然であると思うんです。
 こういったことに関して、今度の法改正が新たな展望を開く第一歩となると期待されているわけでございますが、現在の深刻な状況において、今回の法改正が業界のこのような前向きな取り組みのいわゆる呼び水になるのかどうか、実際に収入改善に期待できるのかどうか、その点を大臣からまずお答え願います。
平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
 昨年の十二月の産業構造審議会競輪小委員会の報告書では、今後三年程度を競輪事業の改革期間として位置づけまして、収益悪化の最大の要因である開催経費の大幅な削減と競輪の魅力向上への取り組みによりまして、売り上げが一兆円まで減少したとしてもおおむね四%の収支率が可能である、こういう試算が出ているところであります。
 また、オートレースにつきましても、昨年十二月の小型自動車競走運営協議会報告書におきまして、同様の取り組みにより、これもおおむね二%の収支率が可能である、こういう試算が示されました。
 今回の法改正におきましては、交付金制度の見直しによる施行者の負担軽減、施行者が事業収支改善計画を策定いたしまして、構造改革に取り組む場合の交付金の特例、車券の発売等の競輪の実施に関する事務の民間活力の導入などの改正を行うことによりまして、施行者を中心とする構造改革の取り組みを強力に推し進める、こういうことでございます。
 したがいまして、今回の改正を契機に、関係者が一丸となって取り組むことによりまして、私どもは、小委員会等の報告書に示された目標が達成できる、このように思っているところでございます。
土田委員 この競輪、オートレース事業は、事業自体は公益を目的とするということであるわけですけれども、収益事業であることについては民間の経済活動と同じなわけですね。現在のこのような厳しい状況において、特に、横並び的な意識に基づく経営ではなくて、事業の活性化のために各施行者の主体的な取り組みが生き残っていくためには当然必要であると私も考えるわけでございます。
 今、大臣からおっしゃいました産業構造審議会競輪小委員会の報告書には、ビジネスマインドの徹底ということが何回も出てくるわけでございまして、特に強調されているわけです。ですから、そういったことも非常に気にしていらっしゃるというか、大事なことだというふうな感じがするので、よかったなと私は思っているわけですが、こういったビジネスマインドの徹底という考え方から、今回の法改正の民間活力を導入するんだという決意がわかるわけでございます。
 しかしながら、制度をつくっても、実際にこの制度を導入していこうという施行自治体が本当に動き出さなければ実効は上がらないわけでございまして、今回の法改正によって、事業合理化に向けた民間活力は実際にどの程度進むと考えておられますでしょうか。
岡本政府参考人 今回の民間委託につきまして施行者の方々も大変強い期待をお持ちでございます。これからの時代に親しまれるレジャーとして、競輪、オートレースの経営のあり方というのをそれぞれ施行者の方々は模索されておりますので、その際に、民間ビジネスとしての経営ノウハウというものの導入を図ろうという意欲は大変強いものがあるというふうに私ども受けとめております。
 他方で、実際にそれを受けていただく可能性のある受託の予備軍の方でございますが、こちらにつきましては、今でも法律に基づく許可等を受けまして競走場や場外車券売り場を設置している民間の施設会社がございますが、長年、競輪、オートレースの事業運営とか競技に関する専門的な知見を蓄積したこういう施設会社の場合には、今回の改正を契機として、施行自治体から幅広い業務の委託を受けようということで具体的な検討を進めていらっしゃるところもたくさんございます。そういう両方から見まして、私ども、今回制度改正が行われました場合に、民間活力の導入というのは相当大きく進んでいくものと考えております。
 それから、広報とか警備のような業務につきましては、それぞれの分野で専門の会社が多数活動しておりまして、競走場が所在する地元の広告会社、警備会社への委託を進めるなど、こちらも比較的容易に民間活力の導入が進むものと期待しているところでございます。
土田委員 私の地元であります神奈川県には花月園という競輪場がございまして、神奈川県と横浜市と横須賀市で組合をつくって競輪事業をやっております。全国的には自治体がみずから競輪場を所有しているというのは比較的多いようですけれども、私の地元神奈川県では、民間企業が所有して、競輪を開催する自治体に賃貸をするという形をとっているわけです。
 競輪事業への民間活力という点では、これは先例事例であると言えるわけでございますが、今般の法改正で、民間企業が競輪場を所有して賃貸するだけでなく、競輪事業に関する事務についても民間企業に委託できるようにするということなわけですね。
 そういったことでは、民間企業の活動の場が大きく広がっていくということは大いに期待されるわけでございますが、今言いました花月園のように、既に民間活力が生きているような場所とそうでない場所とでは民間企業が担う役割も当然異なってくるわけでございまして、すなわち、競輪場を所有する花月園が包括的な形で競輪に関する事務を受託して、見かけ上、花月園が競輪を運営しているというような形になることも考えられると私は思うわけです。
 そこで、一般的に、施設保有会社などの民間企業が施行者から事業の企画や運営を包括的に受託するという方式は今後可能になっていくのでしょうか。
岡本政府参考人 競輪の施行者は引き続き地方自治体でございまして、先ほど古屋副大臣から御答弁ございましたように、競輪場の秩序の維持とか公正さの担保というそういう基本的な枠組みは施行者の方々に引き続き担っていただく必要があろうかと思いますが、それを前提に考えました場合に、御指摘の花月園のような民間の施設会社が車券の発売のほか場内警備や入場整理などを受託して、他方で、審判、検車等の事務を受託する自転車競技会とタイアップをしまして、競輪場の運営に関する事務を広く一括して受託していくという形態が考えられようかと思います。
 この場合、単に個々の限られた事務だけではございませんで、今先生がおっしゃいましたように、相当程度包括的に業務を受託して、ビジネスのセンスをその場に、その業務に反映させていただくという方途が大きく開けるものと私ども期待をしております。
 したがいまして、こういった今回の改正を契機にしまして、十分にビジネスマインドの徹底を図るという競輪小委員会報告の趣旨というものも生かされてくるものというふうに考えているものでございます。
土田委員 このビジネスマインドの徹底という意味でもう一点やはり触れておきたいのが、ファンサービスの充実ですね、これがいかに重要か。
 前に触れましたように、産業構造審議会の報告書で、前橋や小倉のような全天候型のドーム競輪場のような施設整備、あるいは施設の徹底した美化のようなハード面の取り組みと同時に、初心者教室の開催や選手との交流のイベント、そういったソフト面の取り組みについても触れられているわけでございますが、中でも私が申し上げたいのは、やはり売り上げの回復のための目玉商品としての新しい投票法の導入だと。先ほどから議論が出ておりますし、既に聞いておりますけれども、いわゆる三連勝式という高配当が期待できる投票方法を導入してはどうか。こういったことを既に導入している競艇場などでは非常に大きな効果が上がっているというわけですね。また、宝くじなんかでも、ジャンボ宝くじやロト6のような高額の当せん金が期待できるわけでございます。
 そこで、競輪やオートレースにおきましても、立川競輪や山陽町オートレース場などで最近になって三連勝式を導入して大きな効果が上がっているということが言われているわけですが、新しい投票法を導入するには大きな設備投資も必要であるから競輪場ではなかなか一斉に導入しようという機運が生まれていないようなことを聞いております。そこで、ビジネスマインドを大きく発揮して、中長期的な経営方針のもとで計画的に設備投資を進め、このような新しい商品をできる限り投入していくことが大事でないかと考えるわけです。
 そこで、売り上げが低迷する中で、回復の起爆剤となることが期待される新投票方式について、今後どの程度導入が見込まれるのか、あるいはまた、この促進のために政府としてはどういったことを具体的に考えているのか、お願いいたします。
岡本政府参考人 先生御指摘のとおり、新しい投票方法三連勝の導入によって、競輪、オートそれぞれ二割強売り上げがふえるという効果が現に上がっているところでございます。
 今後につきましては、十四年度に競輪で十九の競輪場において新投票法の採用が予定されております。オートにつきましても複数の施行者が今検討中でございます。
 これを実際やるにつきましてはシステムの開発というものが必要になってまいります。それから、若干の機器の導入というのも必要になってまいりまして、そういった面につきまして、日自振あるいは日動振において、交付金を財源とする補助事業の一環として、そういったものへの支援を私どもこれからもやっていきたいというふうに考えているところでございます。
土田委員 競輪、オートレースが今後とも一定の売り上げを確保していくためにどうしても必要だと言われるのが、これも議論が出ておりますが、若いファン層の取り込みであるということは当然であると思うんです。
 産業構造審議会の報告書によりますと、平塚競輪場の調査では、ナイター競輪の開催によって若い世代や女性グループなどの比率が上がってきたというふうに言われております。昼間忙しい働き盛りの世代であっても、開催の時間が夜になれば、競輪場やオートレース場に足を運ぶことができるようになる。あるいはまた、暑い昼間よりも快適にレースを楽しむことができるという利点も当然考えられるわけでございます。
 また、競輪の開催時間に束縛されることなく快適に車券をファンに買ってもらう方法として、場外車券売り場の活用が大事である、これも当然のことだと思っております。専用場外車券売り場は近年総売り上げに占めるシェアも拡大しているわけでございますが、現在では全国で三十カ所程度でしたか、設置されているというふうに聞いております。
 また、新たに設置する場外車券売り場について、やはり周辺住民の反対運動が起こる場合も現実にあったわけでございますし、中には訴訟にまで発展しているところもあったようでございます。既に設置されているところにつきましては大きな問題は生じていないわけですが、これを大幅に今後ふやしていくためには、現実的には相当の困難が伴うというふうに考えるわけです。
 また、時間的な束縛を超えて、むしろ、販売拠点という空間的な制約を超える道具としてやはりインターネットの活用というのは非常に大きな注目点だというふうに私も考えております。
 若い人に気軽に競輪やオートレースを楽しんでもらう環境づくりをすることが売り上げの回復と新たなファンにつながり、永続的な売り上げが期待できるというわけでございますが、競艇では既に去年の七月からインターネット投票を始めているわけでございますが、競輪、オートレースについてはどのようになっているか、あるいは今後これをどういうふうに拡大していくのかということについてお答え願いたいと思います。
古屋副大臣 お答えをさせていただきます。
 販売チャネルをふやす方法は、まず一つは場外車券売り場をふやすということと、それから、今委員御指摘のインターネット等通信手段を活用していく、これは電話投票もございますけれども、こういったものが考えられると思いますけれども、やはりイニシアルコストをかけずに効率的に、なおかつ、今競輪、オートレースで一番弱い層と言われている若年層の皆さんにアプローチするには、やはりこのインターネット投票というのは有力な手段であるというふうに私は認識をいたしております。
 したがいまして、競輪については、ことしの四月からインターネット投票の実施を予定いたしておりまして、もう一月からモニター制度をつくりまして実験をいたしておりますが、四月から本実施、目標としては、ことしじゅうに六万人ぐらいのメンバーの登録をできればと、こんなふうに思っておりますが、私は、これが定着をすれば、当初、定着するまでは多少時間がかかるかもしれませんが、定着をすれば会員の獲得というのは相当ふえていくのではないかというふうに期待をいたしております。
 また、オートレースについても、早期のインターネット投票の導入に向けて今準備を進めさせていただいております。
 また、これからは、いわゆる動画で、リアルタイムでインターネットに配信、ブロードバンドができてきましたので、そういうことがどんどん可能になってきます。また、パソコンだけではなくて、携帯電話、いわゆるiモード等々の機器につきましても、これからは次世代の携帯電話が出てきますので、そうしますと大容量の情報を送信することが可能になりますので、こういったことも含めて今後は充実、活用を図っていきたいというふうに考えております。
土田委員 もう一点、いわゆる場外車券売り場を今後大幅にふやしていくという方針であるけれども、非常に大きな困難が伴うだろうと私も思っているのです。これについてはどういった、具体論といいましょうか、決意を持っておられますでしょうか。
岡本政府参考人 場外車券売り場の設置について、私ども、一つは、地元の警察との関係で、駐車に伴う交通渋滞の心配とかそういう面を初めとして、警察との関係で十分御相談申し上げるということ。それからもう一つは、地元の町内会等との調整を丁寧にやってくださいということで、これも通達を発して指導をいたしているところでございます。
 そういう形で、場外車券売り場の設置というのはこれからも必要かと私どもは思いますが、地元の御理解をいただくための、今申しましたようなことを軸とした取り組みを施行者の方々に引き続き促してまいりたいと考えております。
土田委員 引き続きそういった努力をしていくとおっしゃっているのですが、大体何カ所ぐらいこれから具体的にはふやそうとお考えなんですか。いわゆる大幅にふやしたいということはわかるのですが、大幅というのは何カ所ぐらいを想定していらっしゃるのでしょう。
岡本政府参考人 これは、先生御案内のとおり、一つは、施設を実際に設置運営する主体、これは多くの場合は民間の会社がおやりになるというところ、それから、実際に施設ができた場合に、そこに車券の発売を委託していくという施行者とのタイアップの関係という両方ができて初めて実現をする場外車券売り場でございます。
 したがって、私ども国の立場で幾らにということを申し上げる、そういう性格というよりは、むしろ、今申しました主体になります民間の事業者、それからその人たちに車券の販売を委託するという意向を固める施行者の方々、その辺の発意というものを前提にして進んでいく、そういう施設の整備でございますので、私どもの立場から先々幾らにふえるというのを数字でお示しをするのは難しいという事情を御理解賜りたいと存じます。
土田委員 わかりました。ふえることを期待しているということだと思いますが、関係者が一致してこのような前向きな取り組みを行うということは、個別の施行者の売り上げの低迷に歯どめをかけるということでは非常にいいことだと思いますし、競技全体がイメージアップになって、社会還元あるいは地方財政への貢献という点では、本来の趣旨を全うすることができるんじゃなかろうかというような期待も私もしております。
 また、他方におきまして、これまでの委員の方からも何回も質問がありましたけれども、競輪、オートレースの売り上げを交付金として施行自治体から集め社会還元を行う日本自転車振興会、日本小型自動車振興会の補助事業については、補助金の配分が不透明であるというさまざまな問題提起がされたわけでございます。
 このように、事業全体が非常に厳しい状況にある中で、施行自治体を初めとする関係者がこのような認識を抱いているということは、競輪、オートレースの健全な発展のためには決して望ましいものではないわけです。今後、その交付金収入もさらに減少していくわけですから、これまで以上に効率的、効果的な事業の実施に配慮することはもちろんのこと、情報公開を一層広めていかなきゃならない、進めていかなきゃならない、積極的な透明性の確保ということが重要であると思うわけでございます。
 そこで、この振興会の補助事業の効率化、情報公開の充実等について、今後の取り組みをどう考えていらっしゃるか、具体的な御答弁をお願いしたいと思います。
古屋副大臣 お答えをさせていただきます。
 今委員御指摘のように、補助事業につきましては、やはり社会のニーズにしっかり合致をして、なおかつ効率的、そして適切な補助事業が行われるということが大切でございますので、そういった観点から、日自振あるいは日動振、両振興会がその補助事業の実績の評価に取り組むことによりましてそういったものをしっかり検証していこうということでございます。
 平成十四年度からは、両振興会の運営委員会におきまして、補助事業関係の分野の専門家の委員をさらに拡充させていただこうということでありまして、内部評価の充実を図っていく、これが一点。それから、補助事業者に対しましても自己評価を行っていただこうということで、有識者を集めまして、内部事業評価委員会等を設置するよう要請を行う方針であるというふうに承知をいたしております。
 また、こういったことがしっかり情報公開されていくということが大切でございますので、その観点で、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律がございますけれども、これに沿った情報公開、あるいはホームページを通じた情報提供というものを行っているところでございますけれども、今後はさらにそれを充実いたしまして、平成十四年度には、振興会のホームページと補助事業団体のホームページの間に相互リンクを張って簡単に閲覧をすることができる等、その利便性の向上を図る、一層の内容の充実を図っていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、経済産業省としては、その両方の振興会が、補助事業の効率化、そして、もう一つ委員から御指摘いただきました情報公開の充実というのも極めて重要でございますので、一層積極的に取り組んでいくよう指導してまいりたい、このように思っております。
土田委員 現下の危機的とも言えるような競輪、オートレースの現状を打開するためには、今回の法改正によって早期施行を実現するだけでなくて、この法改正の趣旨を踏まえた関係者の積極的な取り組みがもう当然のことであるという感じが私もいたしております。
 競輪、オートレースは、施行者や選手会、競技会、競走会等多数の関係者の間で利害関係の調整がなかなか難しいとか、あるいは長年の慣例に縛られまして新しい試みに取り組んでいくのがなかなか難しいんだという声も実態として聞いているわけでございます。しかし現在、業界は、他のレジャー産業と伍して生き残っていくにはなかなか難しい状況にあるわけでございまして、改革の実現が非常に待ったなしだ、すぐに取りかからなきゃならないという状態にあるというふうに私も思います。
 そこで、その狭い利害を超えて改革を進めていくためには、この両振興会が改革の推進役として中心的な役割を果たし、これは、経済産業省自身もリーダーシップを発揮していくことが非常に必要であるというふうに考えております。
 今後の改革に向けて、経済産業大臣として具体的なリーダーシップについて決意をひとつ最後に伺いたいと思います。
平沼国務大臣 御指摘のように、競輪、オートレースというのは今非常に困難な状況にあります。今御議論いただきましたように、この競輪、オートレース事業が取り組むべき課題は極めて広範でございまして、例えば、新投票システムをいかに導入していくか、あるいは各種経費をいかに節減していくか、また民間の活力をどういうふうに導入しなきゃいけないか、非常に広範にわたっております。
 個々の施行自治体の収支改善に向けての構造改革というのは、当該自治体が中心となって進めていただくことが基本でありますけれども、経済産業省としては、業界全体の構造改革を確実に推進していくためには、日本自転車振興会及び日本小型自動車振興会が、いわば業界のかなめとして企画、調整の役割を担っていくことを期待しております。
 しかし同時に、我が省といたしましても、先ほど申し上げましたように、競輪、オートレースが歴史的に困難な時局に直面をしている、こういった認識のもとに関係者の構造改革の取り組みがタイムリーに行われる、着実に進展するように、両振興会、それから施行者団体を初めとする関係者に対して、積極的にそして小まめに指導助言を行っていかなければならない、そして産業構造審議会の意見も十分に踏まえながら、経済産業省として、また担当大臣として全力でやってまいりたい、このように思っております。
土田委員 ありがとうございました。
谷畑委員長 塩川鉄也君。
塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 今回の改定のうち、施行者が日本自転車振興会また日本小型自動車振興会に交付すべき交付金規定の見直しというのは当然の内容であり、また、事業転換、撤退のルールづくりに係る部分は、事業からの撤退を決めた施行者の負担を軽減し、その負担を日本自転車振興会などが負うものであるので、反対するものではありません。
 これらは、この間、私の住んでおります埼玉県所沢市、また、その市議会を初めとする全国の施行者の自治体からの働きかけによるものであり、遅きに失したとも言えるような段階だと思っております。また、交付金規定の見直しで施行者の手元に残る金額は、この見直しがあったとしても、現行と比べてもほとんど変わらないような状況もある、なお一層のこの面での改善の努力が求められていると思います。
 その上で、問題は、やはり日本自転車振興会そのもののあり方にもあると思います。今回の改定では、施行者の自治体からも強い要望として出されていた交付金率の引き下げは行われておりませんが、それはなぜなのかお聞きします。
岡本政府参考人 私ども、制度発足当初の別表の売り上げ区分の考え方というものは、開催規模の大きいレースについてはより多額の交付金を交付していただくという趣旨で今の別表というのができているかと思いますが、今回の法改正において、この考え方はベースにしながらも、この間大変大きな物価の変動もございましたので、消費者物価指数の上昇を基本として売上高区分の見直しを行うということにさせていただいた次第でございます。
 あわせまして、施行者の方々の負担軽減という点におきましては、交付金の猶予あるいは減免の特例制度というものも新たに導入するということにさせていただいた次第でございます。
 今回の別表改正それ自体につきましても、別表第一の方で約半数、別表第二の方に関して見ますと約三分の二のレース開催というものが従来よりもより低い率の適用区分ということになっていこうかと思いますので、両方合わせますと、今三・四%ぐらいの両方合わせた交付金の負担率というものが約三%に下がるということで、これ自体が施行者の方々の御要望に、必ずしも先生のおっしゃるように一〇〇%ではないかもしれません、相当程度こたえるものとして評価していただいているものというふうに考えているものでございます。
塩川(鉄)委員 平沼大臣にお尋ねいたします。
 ギャンブルが特例として認められる理由として、一号、二号交付金を通じての社会還元とともに、自治体財政への貢献の面があります。施行者が自治体の一般会計に繰り入れるどころか、一般会計から繰り出しをしなければいけないなどというのは極めて異常な事態であり、この両方が成り立ってこそこの法で言う特例として容認されるのではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 今回の法改正におきましては、今お話がありましたけれども、交付金の別表の売上額区分を消費者物価指数の上昇を基本といたしまして見直し、施行者負担を軽減するとともに、我が国の公営競技初の制度として、赤字施行者に対して交付金を猶予・減免する制度を新設したところであります。言ってみれば、交付金制度について大きく踏み込んだ見直しを図っているところであります。
 産業構造審議会競輪小委員会報告書及び小型自動車競走運営協議会報告書でも指摘しておりますように、売り上げが大幅に減少している中で、施行者は高コスト体質であり、開催経費の削減が十分に進んでいないことが収益悪化の最大の構造要因であると思っております。
 今回の制度改正の大きなねらいは、交付金負担の軽減を図ると同時に、赤字施行者に対する特例措置を導入することによって、民活の導入等によりこのような高コスト構造体質の改善を強力に進めていくことにあります。したがいまして、今御指摘の、非常に持ち出しもしているじゃないか、そういう厳しい状況でありますけれども、私どもとしては、今回、こういった措置でそういったところを少しでも是正するようにこういう制度改革をお願いしたところでございます。
塩川(鉄)委員 施行者の自治体が一般会計から繰り出すということが二度と起こらないような、こういう立場での取り組みが求められているわけで、例えば、現行の公営企業金融公庫納付金は売り上げの一・二%、これを上納となっておりますけれども、収益の限度内とされているために、赤字となった場合は全額還付される、このような仕組みとなっていると聞いております。こういう仕組みこそつくるべきではないか、このように思います。
 その上で、施行者の自治体が大変赤字で苦しんでいるときに、日本自転車振興会はどうなのか、このことを指摘したいと思います。
 資料の配付をお願いしたいのですが。
 平沼大臣にお尋ねします。
 この資料にありますように、競輪の年間車券の売り上げと日本自転車振興会の内部留保の推移であります。売上額は、左目盛りですけれども、御承知のとおり、一九九一年度の一兆九千五百五十三億円をピークにして、二〇〇〇年度では一兆二千三百七十二億円と大きく減っております。これに対して日本自転車振興会の内部留保、注にございますが、これは一号、二号交付金に係る準備金のみを合計したものであります。これを見ますと、実線ですけれども、一九九一年度で三百二十七億円、その後確かに売り上げと比例して一九九三年度では二百五十三億円と減っておりますが、その後大きく伸ばして、二〇〇〇年度では四百億円を超える、こういった内部留保があるのが実態であります。
 施行者が赤字で苦しむ中、日本自転車振興会には、この一号、二号交付金に限っても四百億円もの内部留保があります。所沢市が一般会計から繰り出してまでの交付金支払いはおかしいということで拒否したのが五千万円でしたけれども、これのそれこそ一千倍近いため込みというのが現にあるわけです。競輪やオートレース事業のツケを施行者やあるいは従事員の方だけに押しつけるのはとんでもない話であるわけで、このような日本自転車振興会の運営のあり方こそメスを入れるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
大島副大臣 塩川先生に私から御答弁を申し上げます。
 確かに、競輪の中核組織でございます日本自転車振興会は極めて重要な役割を担っております。そこで、この事業の運営の透明性、今先生も御指摘がございましたけれども、その透明性の確保や事業の効率化、そういったことの実施は大変重要な問題であると私どもも認識をいたしております。
 そこで、自転車振興会におきましては、運営委員会における議論あるいは産業構造審議会車両競技分科会における審議を通じまして外部有識者の意見を広く取り入れるよう努めているとともに、累次の閣議決定等を踏まえ、財務状況や補助事業に係る補助金交付先あるいは補助金額、補助事業の内容等について、ホームページを中心といたしました積極的な情報開示に努めているところでございます。
 また、組織面では、平成七年度に比べまして現在では約二〇%の人員削減、これは数字でいたしますと三百人から二百四十二名に削減ということを行っておりますし、積極的な管理経費の削減及び効率的な業務の実施に努めているところでございます。
 そこで、経済産業省といたしましては、今後、競輪全体の構造改革を進める上で、中核的組織である日本自転車振興会においては、競輪界のかなめとして、情報公開の一層の充実による透明性のさらなる向上、また、管理経費の削減などによる事業の効率化を着実に推進してまいるようしっかりと指導監督をしてまいりたい、このように思うところでございます。
塩川(鉄)委員 今のお話でも、社会還元に使うはずのこの一号、二号交付金をなぜ日自振がため込んでいるかという御答弁をいただいておりません。この一号、二号交付金の使い方についての不透明性は解消していない。日本自転車振興会のより一層の透明性や情報公開を図ることが必要でありますし、施行者や従事員の方に一方的な努力を求めるのではなくて、日自振自体が事業収支改善計画を持つように、この収支のあり方について大いに見直すことが必要だ、このことをぜひとも強調したいと思います。
 その上で改めてお尋ねしますが、一号交付金の支出のあり方の問題も指摘をしたいんです。
 本法案の説明資料、このペーパーをいただきましたけれども、これを見ますと、この一号交付金の目的として、中小機械工業の振興等とあります。中小企業振興とありますけれども、じゃ、実際にこの一号交付金のうちで中小企業向けにはどれだけ使われているのか、いかがでしょう。
岡本政府参考人 先生の先ほどの御指摘にも一言言及させていただきます。
 日自振の一号、二号の準備金といいますか、それにつきましては、補助事業の先々の安定という面と、それから当面の話としては、愛知万博に対する支援というのを日自振も考えているわけでございますが、そういったことも視野に入れながら財源の安定を図っているというところが一方でございます。
 それから、一号の機械工業の振興という関係で、中小企業関係ということですが、端的には、地方の公設試における試験設備の助成というのがあるわけでございます。実は、これに限りませんで、私ども、自転車その他の機械工業の振興という観点で、今で申しますと、機械産業はもとより、NCを使うとか、いろいろな意味でITを使ったりしていますので、その辺まで含めた広範な機械産業ということで対象を設定しているわけですが、そういったものの一連の発展のために、いろいろな調査研究ということも幅広くやっておりまして、十四年度の予算ベースで見ますと、約二十億というものが、失礼しました、十三年度で二十一億というものを地域と中小企業工業の事業展開ということで補助事業を予定いたしているところでございます。
塩川(鉄)委員 このため込みを、愛知万博と言いますけれども、皆さん、施行者は赤字なんですよ。もう苦労して一般会計から、市民の税金から繰り出してまでやっているようなときに、何で愛知万博のためにため込みなんかしているんですか。とんでもない。こういうところこそメスを入れるべきじゃないですか。そのことをまず申し述べたい。
 それから、この補助金の使われ方ですけれども、私の承知している数字では、今年度の一号交付金の補助金百九十五億円のうち、中小企業向けというのはわずか十九億円です。一割にも満たない。補助金のほとんどが日本航空宇宙工業会とかいういわば大企業ですよ、大半がそういうところに流れている。
 私は、この間も経済産業委員会でただしてまいりましたが、中小企業の技術開発を大いにやろうじゃないか。そのためにも予算を使うべきなんですよ。それなのに、実際に大企業に今多くの割合が占められている。大企業向け補助金というのは本局の予算でもたくさんあります。NEDOからもたくさん出るじゃないですか。そういうところを見直さないで、まさにNEDOがやっているような事業とダブるようなことを日本自転車振興会が何でやる必要があるのか。こういうところにこそメスを入れるべきだ。
 こういう技術開発、補助金の問題など、政府・経済産業省の責任も問われるものです。もともとこういうところを見直せば、地方自治体の赤字でさえ解消できるような規模じゃないですか。そういうところにこそ手を入れる。構造改革というのなら、日自振のこの交付金支出計画の抜本的な見直し計画を立てさせて、これをきちっと国会に報告をさせる、こういうことも必要だと思います。
 それから、もう一つお尋ねしたいのが、今回の改正では、競輪やオートレース関係事務のうち、車券の発売や払戻金の交付などについての委託の業務を、自転車競技会だけではなくて、私人として民間に拡大することを可能とするものであります。そもそも公営競技は、刑法で禁止されているギャンブルを公営で行うからこそ特例として認められているわけで、この事業の根幹に当たる業務にまで民間業者の参入を許すことは、この方向が公営ギャンブルを民営化することにつながるのではないか、このように懸念するわけですが、いかがでしょうか。
岡本政府参考人 私ども、今回の競輪に関する業務の民間委託ということは、先ほど来の御答弁で申し上げましたように、民間のビジネスのセンスというものを導入することによって競輪事業の効率化を図って、ひいては収支の改善を目指すということで御提案申し上げているわけでございます。
 一方で、委託をするにつきましても、施行者に競輪の事業のいわゆる秩序とか公正さを担保するというところにおける基本的な役割は引き続き担っていただくということで、具体的には、今現在、競技法の省令第一条で、施行者固有事務というもので掲げてございますが、競輪の開催のスケジュールの点でありますとか、場外車券売り場の設置の借り入れをどうするかとか、あるいは入場料、車券の券面額、払戻金の金額、それから選手賞金、そういった基本的なところは引き続き施行者たる自治体の方々にお願いをして、役割として規定し、その上で、車券の発売でありますとか警備の関係でありますとか、そういった事務を民間に委託できるように、それによって事業の効率化を図れるような方途を可能にするということで今回御提案申し上げているものでございます。
塩川(鉄)委員 この車券の発売などという事業の中核にかかわる業務について、私人、民間に委託をしているような公営競技がほかにあるのかお聞きしたいんですが、国土交通省にお尋ねしますが、競艇については私人に委託するということは可能でしょうか。
安富政府参考人 モーターボート競走法の三条の規定がございまして、この中で、施行者は、各都道府県に設立されている社団法人であるモーターボート競走会に、競走の実施に関する事務を委託することができるというふうになっております。
 この規定に基づきまして、現在、モーターボート競走会に舟券の発売事務を委託している例はございますけれども、現在のところ、私人、民間企業に舟券の販売を委託している例はございません。
塩川(鉄)委員 それでは、農水省にお尋ねしますが、競馬について私人に委託するということは可能でしょうか。
松原政府参考人 お答えをさせていただきます。
 まず、中央競馬につきましては、競馬法施行令第三条におきまして、日本中央競馬会は、「競走の実施、勝馬投票券の発売、払戻金、返還金及び特別給付金の交付並びに競馬場内及び場外設備内の取締りを自ら行わなければならない。」というふうにされておりまして、勝馬投票券の発売を私人に委託することは認められておりません。
 また、地方競馬につきましては、地方競馬の主催者であります都道府県及び総務大臣の指定を受けました市町村は、競馬法第二十一条において、政令で定めるところにより、他の都道府県または市町村に勝馬投票券の発売を含む競馬の実施に関する事務の委託を行うことは認められておるわけでございますが、それ以外の私人等に委託することは認められておりません。
塩川(鉄)委員 今お話しいただきましたように、競艇についても競馬についても、自転車競技会に当たるモーターボート競走会やあるいは日本中央競馬会、また他の自治体という極めて限定された形での委託になっている。無限定に私人というところはどこもありません。それは、車券あるいは舟券、馬券そのものが公金としての性格を持っており、券そのものがギャンブル性を伴うものだからこそ厳しい制約があるわけですね。
 つけ加えれば、サッカーくじや宝くじ、こういったものについての取り扱いも金融機関にだけ限定をされている、これは、はっきりと法文上も金融機関と明記がされております。民間に無限定に拡大しようというのはほかに例がありません。
 つけ加えて、今まで施行者が行ってきた、先ほどお話しいただきました施行者固有の事務、競輪の開催日程や車券の券面金額を決定し、車券を作成することや払戻金の額を決定する、まさに競輪のコア中のコアの話ですけれども、こういった部分まで民間に委託することは今回の法改正で禁じられているんでしょうか。
岡本政府参考人 今先生まさに御指摘になりました自転車競技法の施行規則第一条で施行者固有事務ということで規定をいたしておりますが、今の、払戻金の算定でありますとか券面でありますとか入場料でありますとか、そういった基本的な事務は、引き続き自治体、施行者の固有の事務としてこれからも維持してもらいたいというふうに私ども考えておりますし、省令を変える考えはございません。
塩川(鉄)委員 省令事項ということです。ですから法では縛られるものではない。それこそ経済産業省の一存でいかようにもできるという話であります。
 私は、この日本自転車振興会のあり方の問題についても、この交付金の使い方の問題についても、その姿勢そのものが今問われているときに、私は、経済産業省にお任せするという話というのは国民の皆さんは納得できないんじゃないか、このように思うわけですね。どこまでも経済産業省の都合一つで民間委託が可能になるということであり、今回の法改正ではその歯どめがありません。いわば施行者は名義貸しをするだけで、実質、公営ギャンブルの経営を民間に丸投げすることだってやりようによっては可能になる、いわば公営ギャンブルの民営化、つまりは、刑法で禁じられている民営ギャンブルを推進するということになるのではないか、これが多くの皆さんが危惧する射幸心を一層あおるようなことにもつながるのではないか。
 平沼大臣、いかがでしょうか。
平沼国務大臣 今、岡本局長から御説明をいたしました。
 これは、経済産業省がしっかりと管理監督をし、そういう御懸念のことが起こらないように、私どもは、そこのところはしっかり担保してやっていくべきだ、このように思っています。
塩川(鉄)委員 紹介もされております産構審の競輪小委員会の報告、この中では、競輪事業の現場運営について、自治体の「大半の職員は競輪事業の経験に乏しい。」「ギャンブルであり、ビジネスでもある競輪事業には、他部局での経験が活かしにくい。」と指摘をして、この施行者の業務に対し、「外部専門家の登用と広範な権限の付与、」を強調しております。今指摘した方向が具体的に競輪小委員会で進めようとする流れと重なるんじゃありませんか。
 この間、いろいろな競輪施行者や地元自治体の関係者の方にお話を伺いました。取手競輪の施行者協議会がまとめた取手競輪事業中・長期計画策定委員会報告書、おととしの三月ですけれども、「競輪場の地域開放」の取り組みとして、「市内や近隣の幼稚園、保育園の子供たちが集う場に、敷地の一部を使ってもらうなど、幼いうちから競輪場に接する機会を設けることが大切である」、こういう報告書ですよ。幼稚園児は車券を買うことができるんでしょうか。未成年に、ギャンブルに親しむような、これを促進するようなことがこの報告書にうたわれている。
 私は、収益追求の民間委託の方向というのは、このような市民の皆さんの感情と相入れないような不健全性を一層拡大することにもなりかねない、未成年者への車券の発売や射幸心を一層あおることにもなりかねない、このように思いますけれども、改めて大臣、いかがでしょうか。
平沼国務大臣 御指摘の点は、やはり、そういうものが野放しになっていたずらに幼児のときから、射幸心をあおるようなそういう場所に出入りしやすいというようなことは私は望ましくないと思っています。ですから、経済産業省といたしましては、そういったことにならないように、やはりそこのところはしっかりと指導をし徹底をしなければならない、そういうふうに思っています。
塩川(鉄)委員 施行者がもし赤字となった場合の交付金猶予措置の前提となる事業収支改善計画にはどんな項目が盛り込まれるんでしょうか。
岡本政府参考人 事業収支改善計画におきましては、直近の収支及び特例期間中の収支見通し、それから、収支の改善に係る基本方針及び具体的な措置、当該措置による収支改善の効果、それから、特例期間終了後最初の特例期限到来までの事業収支の見通し、こういったことを定めることを想定しております。
 このうち、収支改善のための措置としては、大きく分けて、売り上げをふやす方向での方策と、それから経費の削減に関する方策と二つを定めることを想定しておりまして、各施行者がそれぞれの実情に応じて自律的にいろいろな創意工夫を凝らすことが適当というふうに考えておるものでございます。
塩川(鉄)委員 重ねてお伺いしますが、そうしますと、売り上げ改善策や経費節減策では、さらに民間、私人の参入を促すという方向も当然とられる、また、売り上げ改善策では、多様なチャネルでの車券発行などで場外車券場も推進をする、こういう方向が重なるんじゃありませんか。
岡本政府参考人 私ども、事業の効率化のために施行者において民間委託を今度の制度改正を受けてやっていくということでは、それは一つの望ましい方向だと考えておりますし、それから、お客様をよりふやす、あるいは車券の発売をふやすということで、三連勝の導入でありますとか、あるいはナイターでありますとかインターネットでの投票でありますとか、そういった取り組みをされる、あるいは場外車券売り場の設置ということについても、施設会社と同時に、施行者の方々がタイアップしてそういったものをふやしていくということもこれからの売り上げ増加を図る一つの方策だと考えております。
塩川(鉄)委員 私は、この事業収支改善計画をてこに、政府・経済産業省が自治体に対してより一層の民間参入という形、あるいは一層のリストラを押しつける、民間活力の名のもとに違法な民営ギャンブル化の道を開くのにつながるのではないか、競輪業務への民間参入を認めるべきではない、このように思います。
 その上で、場外車券場の問題について最後にお尋ねしますが、オートレースの場外車券場の設置については、これまで法律上の規定がないにもかかわらず、省令による承認で設置を認めてきたこと自体が問題だったわけです。
 全国で、場外車券場の設置をめぐって地域住民からの苦情や反対運動が起こっております。大分県日田市が、同市内に計画された別府競輪の場外車券場に対し、地元自治体の同意を必要とせずに設置許可ができる仕組みとなっている自転車競技法四条は、地方自治の本旨を定めた憲法九十二条に違反するとして、設置許可の無効と取り消しを求める行政訴訟を起こしております。
 こういう問題が起こっているにもかかわらず、場外車券場の設置による影響を受ける地域住民の意向を反映する仕組みがないままの現行制度は問題だと思います。場外車券場の新設に当たっては、周辺住民の同意及び当該市町村長の同意を要件とすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
岡本政府参考人 場外車券売り場の設置について、私ども、現状において大きな問題を起こしているというケースはないと考えております。
 それから、場外車券売り場の設置につきまして、風紀の乱れとか青少年に対する悪影響、あるいは違法駐車問題というのがございますので、警察との関係で連絡を密にして調整をすることということで指導をいたしておりますし、それから、地元との関係では、もう一つ、地域社会の理解を得て円滑に設置されるということが望ましいわけでございますので、こういう観点から、警察、消防と加えまして、地元の自治会等との調整を誠実に行うようにということで指導をいたしております。
 また、入り口等にガードマンを配置して、未成年者が入場できないようなそういう制限措置を講ずるとか、あるいは、休業日に施設を地域の方々に開放するというようなことについても、場外車券売り場についても指導をいたしているところでございますが、いずれにしましても、今後とも、私ども適切な指導ということで努めてまいりたいと考えております。
塩川(鉄)委員 終わります。
谷畑委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
 午後零時十五分に委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時十五分開議
谷畑委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、先ほど質疑を終局いたしております。
 この際、本案に対し、伊藤達也君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党及び宇田川芳雄君共同提案に係る修正案、また、大森猛君外一名から、日本共産党提案に係る修正案がそれぞれ提出されております。
 両修正案について、提出者より順次趣旨の説明を求めます。鈴木康友君。
    ―――――――――――――
 自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
鈴木(康)委員 ただいま議題となりました自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党及び宇田川芳雄君を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の趣旨は、政府は、平成十八年三月三十一日までの間に、この法律による改正後の自転車競技法及び小型自動車競走法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとすることであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
谷畑委員長 次に、大森猛君。
    ―――――――――――――
 自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
大森委員 私は、日本共産党を代表して、自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 修正案の第一は、業務委託の対象から私人を削除するものです。
 そもそも公営ギャンブルは、刑法の賭博罪、富くじ罪の特例として行われているもので、競馬、競艇など他の公営ギャンブルでは、業務の委託先を厳しく限定しており、私人への委託を認めていません。サッカーくじや宝くじにおいても、業務の委託先は金融機関に限定されています。
 法案では、車券発売や払戻金の支払い等、これまでは施行者みずから、もしくは自転車競技会または小型自動車競走会に限られていたいわばギャンブル事業の根幹に当たる業務を、何ら制約なく私人にまで委託できるとしています。これでは、売り上げを上げるために射幸心をあおるような販売方法が広まり、既に問題となっているような青少年に対する重大な悪影響がさらに助長され、ギャンブルの害悪を一層強めることになります。
 修正案の第二は、場外車券場の設置許可に当たって、関係市町村長の意見を聞くこと及び公聴会を開催して周辺の地域住民等の意見を聞くことを要件とするものです。
 これまでも、公営ギャンブルの場外券売り場の設置に対しては、住環境の悪化や青少年への悪影響等の心配の声が強く寄せられていましたが、近年、民間事業者による設置が増加し、全国各地で場外券売り場の設置をめぐるトラブルが頻発しています。さらに、昨年三月には、大分県日田市が経済産業省を訴えるという事態まで引き起こしています。
 このような状況からも、場外券売り場の設置に当たっては、地域住民の意向を反映させる仕組みが不可欠であると考えます。
 委員各位が御賛同くださることを期待して、私の提案理由説明といたします。
谷畑委員長 以上で両修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
谷畑委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
塩川(鉄)委員 私は、日本共産党を代表して、自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案が競輪やオートレースの車券の発売や払戻金の支払いなど、ギャンブル事業の根幹に当たる業務を何ら制約なく民間事業者にまで拡大しようとしていることです。
 これでは、売り上げを上げるためにいたずらに射幸心をあおるような販売方法が広まり、既に問題となっているような青少年に対する重大な悪影響がさらに助長されます。ギャンブルの害悪を一層強めるもので、到底認めることはできません。
 反対理由の第二は、オートレースの場外車券場の設置について、地域住民の意思を反映する仕組みがないままで法定化しようとしていることです。
 全国各地で公営ギャンブルの場外券売り場の設置をめぐるトラブルが頻発しています。競輪については、一九九三年に、それまで添付を求めていた地元自治体の同意書を必要としなくなったことから民間事業者による設置が増加しています。住環境の悪化や青少年への悪影響等の心配の声が強く寄せられ、昨年三月には、大分県日田市が経済産業省を訴えるという事態まで起こっています。
 場外券売り場の設置に当たっては、地域住民の意向を反映させる仕組みが不可欠であり、その仕組みが全くないままでの法定化には反対です。
 なお、施行者が日自振、日動振に交付すべき交付金規定の見直しは当然の内容であり、事業転換、撤退のルールづくりに係る部分は、事業からの撤退を決めた施行者の負担を軽減し、その負担を日自振が負うものであるので反対するものではありません。
 施行者が収支悪化に苦しむ中、日自振には五百億円を超える内部留保があり、日自振の補助事業は大企業向け補助金が大半を占めています。これらの点を改善すれば、施行者や従事員にしわ寄せを行うことなく経営改善を行うことは十分可能であり、日自振の財務内容と交付金の収支の全体にメスを入れるべきです。
 各党提案の修正案については、当然の中身ではありますが、このような法案の欠陥が是正されるものではないため賛成できないことを申し述べて、反対討論を終わります。
谷畑委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
谷畑委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。
 まず、大森猛君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
谷畑委員長 起立少数。よって、大森猛君外一名提出の修正案は否決されました。
 次に、伊藤達也君外六名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
谷畑委員長 起立多数。よって、伊藤達也君外六名提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
谷畑委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
谷畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
谷畑委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。平沼経済産業大臣。
    ―――――――――――――
 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
平沼国務大臣 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近時、電子メールによる一方的な商業広告の送りつけ問題が急速に社会問題化し、早急な対応が求められております。このため、商取引の公正及び消費者保護の強化を図る観点から、特定商取引に関する法律により、所要の対応を行うことが必要不可欠であります。
 政府といたしましては、こうした状況にかんがみ、現行の特定商取引に関する法律のもとで省令改正を行い、通信販売等の広告について、通信販売事業者等の電子メールアドレスの表示、商業広告である旨の表示等の新たな表示義務を本年二月から追加したところでありますが、さらに本問題への十全な対応を図るため、本法律案を提案することとした次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 この改正におきましては、第一に、消費者が電子メールによる商業広告の受け取りを希望しない旨の連絡を通信販売事業者等に行った場合には、その消費者に対する商業広告の再送信を禁止することとしております。
 第二に、そのため、消費者が通信販売事業者等に対して連絡する方法の表示を義務づけることとしております。
 以上が、本法律案の提案理由及び要旨でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
谷畑委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十五分散会


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