衆議院

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第10号 平成17年4月8日(金曜日)

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平成十七年四月八日(金曜日)

    午前九時三十五分開議

 出席委員

   委員長 河上 覃雄君

   理事 河村 建夫君 理事 平井 卓也君

   理事 松島みどり君 理事 鈴木 康友君

   理事 細野 豪志君 理事 吉田  治君

   理事 高木 陽介君

      井上 信治君    遠藤 利明君

      小野 晋也君    木村 太郎君

      北川 知克君    小泉 龍司君

      小杉  隆君    近藤 基彦君

      佐藤 信二君    坂本 哲志君

      菅  義偉君    田中 和徳君

      竹本 直一君    谷  公一君

      谷畑  孝君    津島 恭一君

      西銘恒三郎君    野田  毅君

      平田 耕一君    望月 義夫君

      森  英介君    山際大志郎君

      山口 泰明君    山本 明彦君

      一川 保夫君    大畠 章宏君

      奥田  建君    海江田万里君

      梶原 康弘君    菊田まきこ君

      近藤 洋介君    佐藤 公治君

      高山 智司君    中根 康浩君

      中山 義活君    永田 寿康君

      古本伸一郎君    村井 宗明君

      渡辺  周君    江田 康幸君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   経済産業大臣       中川 昭一君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   経済産業副大臣      小此木八郎君

   経済産業大臣政務官    平田 耕一君

   経済産業大臣政務官    山本 明彦君

   会計検査院事務総局第五局長            船渡 享向君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   杉本 和行君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          齋藤  浩君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            石毛 博行君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局次長)           塚本  修君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 細野 哲弘君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            岩井 良行君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      安達 健祐君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     松永 和夫君

   政府参考人       

   (中小企業庁長官)    望月 晴文君

   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月八日

 辞任         補欠選任

  嘉数 知賢君     坂本 哲志君

  坂本 剛二君     小野 晋也君

  菅  義偉君     井上 信治君

  竹本 直一君     近藤 基彦君

  武田 良太君     津島 恭一君

  望月 義夫君     木村 太郎君

  山口 泰明君     小泉 龍司君

  奥田  建君     一川 保夫君

  近藤 洋介君     永田 寿康君

  計屋 圭宏君     古本伸一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 信治君     菅  義偉君

  小野 晋也君     坂本 剛二君

  木村 太郎君     望月 義夫君

  小泉 龍司君     山口 泰明君

  近藤 基彦君     竹本 直一君

  坂本 哲志君     田中 和徳君

  津島 恭一君     谷  公一君

  一川 保夫君     奥田  建君

  永田 寿康君     近藤 洋介君

  古本伸一郎君     中根 康浩君

同日

 辞任         補欠選任

  田中 和徳君     山際大志郎君

  谷  公一君     武田 良太君

  中根 康浩君     計屋 圭宏君

同日

 辞任         補欠選任

  山際大志郎君     嘉数 知賢君

    ―――――――――――――

四月六日

 容器包装リサイクル法の改正に関する請願(井上信治君紹介)(第六八一号)

 被災中小企業に必要な救済措置に関する請願(小林憲司君紹介)(第七〇一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 有限責任事業組合契約に関する法律案(内閣提出第一七号)

 日本アルコール産業株式会社法案(内閣提出第七六号)(参議院送付)

 資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する件

 資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する件(関西電力美浜発電所3号機二次系配管破損事故についての最終報告書)


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     ――――◇―――――

河上委員長 これより会議を開きます。

 資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する件について調査を進めます。

 本件調査のための関西電力美浜発電所三号機二次系配管破損事故現場の視察につきまして、その概要を私から御報告申し上げます。

 去る六日、福井県美浜町の関西電力株式会社美浜発電所を視察いたしました。当日の参加委員は、私を含め、河村建夫理事、吉田治理事など十五名であります。

 御承知のように、昨年八月九日に発生した美浜発電所三号機二次系配管破損事故は、死傷者十一名を出す国内原子力発電史上最悪の事故であり、エネルギーを所管する私どもとしては、この事故を非常に重く受けとめております。先月三十日に、原子力安全・保安院が取りまとめました最終報告書が出たことで一つの区切りがついたのを受け、原子力発電の今後のあり方やその社会的、地域的な影響などを把握するため、今回の視察を行うこととしたものであります。

 さらに、地域の生の声を聞くために、原子力発電に長年にわたり協力し、また共生してきた地元自治体が直面する課題について、御意見を伺うこととしたものであります。

 私どもは、まず、関西電力株式会社の藤社長、岸田副社長等から事故の概況と再発防止策について説明を聴取し、その後、同三号機のタービン建屋の事故現場の視察を行いました。現場は既にきちんと整理されておりましたが、直後の現場写真等を用いた説明を受けて、事故当時の悲惨な状況がうかがえ、安全対策の重要性を実感いたしました。

 次いで、地元自治体の代表の方々との意見交換に臨みました。意見交換に参加された地元自治体の方々は、西川一誠福井県知事、多田清太郎敦賀市助役、山口治太郎美浜町長、時岡忍大飯町長、大田常雄高浜町助役の五名であります。

 地元自治体からは、事故によって原子力に対する住民の信頼が大きく揺らいでおり、それを早急に回復することが重要とした上で、再発防止策の着実な実施、原子炉の高経年化対策、国による原子力に対する信頼回復策、広報体制のさらなる強化、立地地域の道路等の基盤整備、観光、産物等の風評被害防止策、エネルギー研究開発拠点化計画の具体化への協力等の要望が出されました。その後、各委員から要望の具体的な内容に関して質疑が行われました。

 最後に、私どもの調査に御協力をいただきました関係者の皆様方に感謝の意を表しまして、概要の報告といたします。

 以上であります。

     ――――◇―――――

河上委員長 次に、内閣提出、有限責任事業組合契約に関する法律案を議題といたします。

 本案につきましては、去る一日質疑を終局いたしております。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。

塩川委員 私は、日本共産党を代表して、有限責任事業組合契約に関する法律案、いわゆる日本版LLP法案に対する反対討論を行います。

 我が党は、中小企業や個人、いわゆるベンチャー企業等による新事業の創出、新事業への挑戦を大いに激励、振興する立場に立つものであります。仮に新事業のために新しい組合契約を検討するとしても、我が国の企業風土、国民のニーズに立脚して、中小企業、国民の経験と英知を総結集して議論されるべきであります。

 ところが、米国LLCを模倣した日本版LLPを今性急に我が国に導入するには、余りにも問題が多いと言わざるを得ません。

 反対理由の第一は、政府はベンチャー育成のため、米国でここ十年に八十万社のLLCが生まれて大きな効果があるから、日本にも類似の制度を導入したいとその理由を言います。しかしながら、この同じ時期は米国がITバブルの時代であり、エンロン、ワールドコム事件など企業不祥事が続発し、甚大な被害が発生した時期でもあります。しかも、日本は米国に比べ、契約ルールや証券市場を初め市場ルールの監視が極めて緩やかな国であります。ベンチャー育成の現状の真摯な検証抜きに、米国の表層だけを見て安易に模倣品の導入を行うべきではありません。

 第二に、無限責任を大前提とした民法組合を、全員が有限責任の組合という民商法の大原則を根本的に転換して設計された本法案は、顧客、取引先、消費者に対する責任が出資の範囲に限定されるものであり、債務を不当に免れ、乱用される危険が極めて大きいものであります。出資者にとって使い勝手がいいというのは、悪用されやすいことと表裏の関係にあります。それを事前にチェック、監視し、防止する制度はできておりません。

 第三に、日本版LLP制度は、日本版LLCとともに財界が強く要求してきたもので、法制審議会会社法部会長さえ指摘するように、経済界としては税制上のパススルーさえできればいいという本音が露骨に目につく代物です。企業グループとして多数の子会社、LLP、LLCを通じて柔軟に損失を取り込み、法人税を軽減できる、二重課税回避先にありきの制度です。大企業、大資産家、投資家にとっておいしい制度となるだけでは、重税に苦しむ圧倒的な国民、中小企業は到底納得のいくものではありません。

 最後に、LLCの法人税の扱いについて、中川大臣は、まだ決まっていないと答弁されました。少なくとも、有限責任事業組合法と会社法は、企業組織法制及び税制のあり方を含め、一体として同時並行して慎重な審議を行うべきことを求め、討論を終わります。

河上委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

河上委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、有限責任事業組合契約に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

河上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、平井卓也君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。細野豪志君。

細野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、案文を朗読いたします。

    有限責任事業組合契約に関する法律案に対する附帯決議(案)

  我が国経済の発展に寄与すべき新たな企業組織法制について、その早期における定着の重要性に鑑み、政府は、本法施行に当たり、次の諸点に留意すべきである。

 一 有限責任事業組合に対する国民一般の認知度の向上を図り、改正会社法に基づき新たに認められる合同会社との違いを明確にしつつ、有限責任制等の特徴に関しても十分に周知徹底すること。また、債権者保護の状況について不断の監視に努めること。

 二 租税回避行為への悪用を防止する観点から、有限責任事業組合に係る徴税に関し、その実効性及び公正性の確保に遺漏なきを期すること。

 三 専門的知識を有する多様な人材の活用に資するため、有限責任事業組合の業務執行として認められる範囲の明確化を図るとともに、弁護士や税理士等のいわゆる士業が行う共同事業において、有限責任事業組合を利用することが可能となるよう、前向きに検討を進めること。

 四 従前の中小企業・ベンチャー振興政策を検証しつつ、現下の経済状況を踏まえ、金融対策を含む総合的な振興策を改めて構築するよう努めるものとすること。

以上であります。

 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

河上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

河上委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川経済産業大臣。

中川国務大臣 おはようございます。

 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

河上委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

河上委員長 次に、内閣提出、参議院送付、日本アルコール産業株式会社法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省主計局次長杉本和行君、経済産業省産業技術環境局長齋藤浩君、経済産業省製造産業局長石毛博行君、経済産業省製造産業局次長塚本修君、資源エネルギー庁次長細野哲弘君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長岩井良行君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長安達健祐君及び中小企業庁長官望月晴文君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長船渡享向君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大畠章宏君。

大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。

 日本アルコール産業株式会社法案について質問をさせていただきます。

 しかし、法案の質疑に入る前に、大臣に一言ちょっと御感想を伺いたいことがございます。

 それは、きのうの衆議院の本会議で竹中大臣の発言がございました。その中で、まことに遺憾でありますという言葉がありましたが、大臣、この遺憾でありますというのはどういう意味なんでしょうか。

中川国務大臣 私もよく遺憾という言葉を耳にすることがありますが、非常に人によって受けとめ方が違う難しい言葉ではないかというふうに、私は、いろいろな場合で使われますので、例えば外交関係でありますとか、あるいはまた謝罪の意味を込めた場合も使いますし、そういう意味で、遺憾という言葉はいろいろな意味、発言される方また聞く方にとりましていろいろな幅広い理解の仕方になるのではないかというのが私の率直な感想でございます。

大畠委員 正直、与野党の理事会で議決をされて、委員会に大臣が出席を求められていた。しかし、そういう与野党の合意はなかったということで出席しなかったという話が衆議院の本会議場でも大臣からあったんですが、それに対して、この遺憾というのは、私もよくわからないので広辞苑で引いてきたんですが、「思い通りにいかず心残りなこと。残念。」という話なんですね。

 大臣として委員会で招集されたにもかかわらず、情報の意見交換が十分じゃなくて出席しなかったことに対して遺憾であるというのはまことにおかしな話でありまして、私は、そういうもので済んでしまうのであれば、どういうことか。いわゆる国会軽視甚だしい話でありまして、この問題については、民主党として、まことに国会軽視のこの行為は大臣の罷免に値する、そして即刻辞任することを今党としても求めておるんですが、私は改めてこのことについて申し上げさせていただきたいと思います。

 さて、そういうことで、早速この法律案の質疑に入りますが、今回アルコール事業が、来年の四月をもって民営化に踏み込むことになりました。

 このアルコール事業をひもといてみますと、昭和十二年から始まりまして、平成十二年には今度は民営化の方向で進み始めたわけでありますが、改めて大臣に、このアルコール事業の民営化方針の意義といいますか目的といいますか、そのことについて最初にお尋ねしたいと思います。

中川国務大臣 今、大畠委員の御指摘のとおり、昭和十二年にこのアルコール専売というものがスタートしたわけでありますけれども、やはり、日本の工業化あるいはまた飲食産業にとって極めて重要なアルコールというものを安定的に製造し、また供給していくという意味で、専売として果たしてきた役割は大きかったというふうに思いますが、それぞれの事業会社等の品質の向上であるとか、あるいはまたいろいろないわゆる行革等の流れ、十一年の閣議決定等々の流れの中で、アルコールも特殊会社として来年からスタートをし、行く行くは完全民営化という方向を目指していくというのは、一つの時代の流れだろうというふうに思っております。

 ただ、そのときに、品質の維持でありますとか、供給の安定性でありますとか、あるいはまた民間企業としてのいろいろな、コンプライアンス等々の果たすべき役割とか、そういうものにも十分注意をしながら、いわゆるNEDOの中で機関を置いていろいろと研究をし、その上で、来年四月から特殊会社化し、行く行く民営化していくということの重要性というもの、そして、その本来の、冒頭申し上げた工業用アルコールの果たす役割についても、今後ともその使命を果たしていくということ、いろいろな状況を考えながら、一つ一つステップを踏みながら法案を御審議いただき、来年四月、そしてまたその後の民営化に向けて、国会の御審議を通じながら作業を進めていくということが非常に重要なことだというふうに考えております。

大畠委員 今大臣からお話があったような経緯でこの民営化という方針に平成十二年、かじを切ったわけでありまして、私たちもその基本的な考え方については理解をし、そして前回も賛成をしたところでございます。

 ただ、このときに、私も申し上げさせていただきましたけれども、そういう事業体の変更等々には、必ずそこで働いている人がいるんですね。ともすると、何か大きな流れの中で、そこに働いている人あるいは住んでいる人の生活等々がほとんどないがしろにされて、強引に政策として進められるケースも、過去に国鉄問題等でありました。そういうことで、今でもまだ千四十七名の国鉄の失業の方々が名誉の回復あるいは地位の保全を求めて行動していることは事実でありまして、ですから、やはり、そこで働いている人をどう考えるかというのがこういう事業の変更のときは一番大事だと思うんですね。

 そこで、この雇用問題についても、前回の委員会のときの附帯決議の中にも、衆議院、参議院それぞれ附帯決議がついておりまして、この中でも、特に雇用問題についての指摘がされているわけであります。一つは、雇用問題で言えば、この変更に伴って、職員の雇用と待遇について、不当な不利益をこうむることのないように十分配慮し、適切な措置を講ずることですとか、あるいは、その働いている人が、これから自分たちが働いているこの職場というのはどうなってしまうんだろうかという不安を持つことがないように、中長期的視点から経営見通しを十分確認して民営化に備えること、こういうことが五年前に指摘をされたわけでございます。

 このことについて、政府の方としてどのような努力をし、行動をしてきたのか。これまでの実績といいますか、努力されてきた事実関係をお伺いしたいと思います。

小此木副大臣 おはようございます。

 私からお答えをいたしますが、御指摘のように、平成十二年の議論の中で、衆議院、参議院ともに附帯決議がついたところでございまして、第一に、後に述べられた中長期的な見通しでございますけれども、NEDOは現在、平成十八年度までの計画に沿って、原料費を除く製造コストを平成十四年度と比べて半減する合理化というものを進めておりまして、具体的には、七つありました工場が四つに減らされていること、三百二十一人おりました職員数が二百三十四人に、組織のスリム化を図るという意味で削減をしているということ、平成十五年十月より、全職員の給与の一律一〇%の引き下げ、これは、労使が力を合わせて実行しているということでございまして、こうした合理化努力によって、特殊会社に移行しても、民間の製造事業者等と競争をして収益を確保することが可能であることを確認しているということであります。

 第二に、最初に述べられました職員の雇用と待遇につきましても、これはまさに労使がともに話し合っているということを基本に置いておりまして、NEDOに対して、職員に不当に不利益が生ずることがないよう要請をしてまいりましたし、NEDOにおいても、これまで、アルコール工場の再編等に際しては、個々の職員の希望を聞きながら、労働組合とも意見交換をしつつ、他の工場への配置がえや再就職のあっせん等を行ったと承知しております。また、雇用を守るための労働条件を十分に話し合う場として労使協議会を設け、給与の一律一〇%カット等を、何度も申し上げますが、労使の合意の中で進めさせていただいておるということと承知しております。

大畠委員 私も、この問題、いろいろ努力をしていただいて、労使の話し合いの中で十分な対応をしていただいたのではないかと受けとめておるところでありますが、きょう、アルコール専売労働組合の水洗中央執行委員長を初めとして、関係者の皆さんも傍聴をされておられます。

 お伺いしますと、現在のところ、今副大臣からお話がありましたように、離職された方等々もおられますが、一生懸命再雇用といいますか、御本人の方の御都合あるいは家族の都合でどうしても新しい体制に転勤できない等々の方は、離職をされて新しい職場につくという努力をされてきたんですが、これまでのところ、十五人ぐらいの方がまだ新しい職業が見つかっていないということで、御苦労されているという話でございます。

 引き続いて、この再雇用の問題については、これは、先ほど大臣からお話あったように、昭和十二年ぐらいから、一つの国策的な形でアルコール専売事業というのをずっと進めてきたわけであって、それが時代の変化とともに事業体が変わってきたということでもありますし、そういう意味では、政府の責任でということも背景にありますが、ぜひ、改めてこの十五人の方の再雇用問題について政府としても取り組んでいただきたいと考えているところでありますが、この件について政府の御見解をお伺いしたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 NEDOの工場を廃止したり再編したり、そういう過程で、その移転に伴って転勤が困難だとか、それから転職が難しいだとか、いろいろな相談がございまして、私どももそれに対して真摯に対応してきたわけでございますけれども、今御質問の十五名の方というのは、ちょっと今私の手元に十五名という数字はないんですけれども、そういうような状況におられる方につきましては、今後とも、最善の新しい職場を見つけるように我々も協力をしていかなくてはいけないというふうに思っております。

大畠委員 ぜひこのことについても、御本人も努力をしているんですが、バックアップをさらにお願いしたいと考えております。

 さて、そういうことで、来年の四月に五年間の経過措置といいますか暫定措置の期間を終えて本格的に民営化に入るわけでありますけれども、改めて、今、NEDOの一事業部としてアルコール事業をやっているわけでありますが、この事業体から完全民営化になるということになった場合に、今お話がありましたような、株式会社に際して、職員の雇用と処遇について不利益となることがないように十分配慮することというのが五年前の平成十二年のときの附帯決議にもあるわけであります。来年の四月以降の民営化に当たって、この件について再度政府の公式見解を求めたいと思います。

中川国務大臣 平成十二年の衆議院の当委員会、それから参議院でも附帯決議をいただいております。重たく、しっかりそれが実現できるように努力してまいりますけれども、とりあえずといいましょうか、特殊会社で来年からスタートをするということでございますので、政府との関係も一般の民間会社に比べると関係がより強いわけでございますから、指揮監督の関係もございますので、附帯決議あるいは委員会での御審議を踏まえて、その趣旨に沿うように経済産業省、政府としても指揮監督をしていきたいというふうに考えております。

大畠委員 日本の今の社会の流れの中あるいは経済の流れの中で、どうも働いている人というか、人間の気持ちとかやる気とか、そういうものがないがしろにされているような傾向があって、いわゆるコスト重視といいますか、そういうことで、結局その人間の気持ちとか何かというのがどうもちょっと軽んじられている傾向がありまして、そういうことが結局大きな事故を呼んだりなんかする可能性があるんですね。

 もちろん、雪印問題も一つの契機でありましたが、とにかくコスト、コスト、コスト、もうかればいいという流れが非常に強まっている。自動車会社の欠陥の問題もありましたが、とにかくわからなきゃいいと。しかし、必ず最後はばれるんですね。だから、いかに人間のモラル、そこで、その事業体、行政マンもそうでありますし、民間企業もそうであります、我々政治家もそうなんですが、やはりモラルが欠如した場合には必ず大きな事故になってくるんですね。

 ですから、この今回の民営化に当たっても、そういう中で働いている方はまさにプロフェッショナルなんですね。世界最高水準のアルコールの品質を保ちながらやってきましたから、やはりその人たちの誇りだとかその人たちのやる気だとか、そんなものを奪うような民営化であったとしたら、それはどうも私は目的とすることじゃないと思うんです。

 したがって、大臣から今お話がありましたが、そういうことを踏まえて、来年の四月、まさに船出するわけですね。いろいろこれまでは五年間の経過措置がありましたが、今度はしっかりやってくれよというので海原に出るわけでありまして、後はどうなってもいいという話じゃなくて、まさに大臣からお話がありましたように、よく見守って、きちっとした航路、目的、どういう形で進むのか、そういうことは船出に当たって、あと一年間でありますが、十分に大臣の方からも適切な指導あるいは関心を持っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 そこで、私もこのアルコール事業、歴史的な変遷等々も見させていただきました。まさに戦前、戦中、戦後、ずっと荒波を越えながらさまざまな形でこのアルコール専売事業というのは行われてきたんですが、いよいよ来年四月からは民営化ということで、外国からの商品あるいは国内の他の競争相手の会社もあります。そして今度、アルコール専売事業がまさに特殊会社としてスタートするわけでありますが、競争社会の中で、品質管理ですとかあるいは日本国内の需要と供給との関係、こういうところがどうなるのかな。

 この問題については、世界の流れを見ますと、まだ専売事業を続けている国がございます。たしかドイツ等三つですかね。あとは、許認可をしながらちゃんと国がコントロールしているという、アメリカなんかもそういう国の一つでありますが、日本の場合の民営化というのはどういう意味を持つのか。いわゆる品質管理ですとか需要と供給との関係ですとか、やはり私は、アルコール事業というのは、過去の歴史から見ましても、国がある程度全体を見て混乱が起きないようなコントロールをすべき事業だと考えておるんですが、このことについて政府の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 済みません、お許しをいただきまして、先ほど指揮監督というふうに申し上げましたが、指導監督ということで訂正させていただきたいと思います。

 御質問については製造局長の方からお願いします。

石毛政府参考人 大畠先生のお尋ねの点でございますけれども、先ほどアルコール専売についての歴史的な変遷のところで、中川大臣の方からその経過と意義について申し上げたわけですけれども、そういう行政改革上の要請等々もあるわけですけれども、当然、それとあわせて、アルコールの安定供給、先生も御案内のとおり、アルコールは基礎的な物資でございますので、そういう安定的な供給がきちっとなされなくてはいけない。

 それからもう一点は、アルコールは、成分としましては私どもが飲むアルコールと同一のものでございますので、それが工業用のアルコールがそういう形で転用されますと、別途飲むアルコールにかけられております酒税の確保がうまくいかないということで、そういうものの管理もきちっとしていかなければいけない、そういったこと。

 それから、ちょっと前後して恐縮ですけれども、安定供給とともに、アルコールについての品質も、こういう特殊会社化あるいは民営化の過程の中でもきちっと水準の高い品質を保っていかなければいけない、そういうことをきちっと果たしていくように、私ども国としても監督をしていかなくてはいけないだろうというふうに考えております。

大畠委員 先ほどちょっと申し上げさせていただきましたが、ドイツ、スイス、オーストリア、ここはまだ専売法をとっておりますね。それから、スウェーデン、アメリカ、イギリス、フランス等では許可制で、かつ、全体的なコントロールを国がしているような状況でもございます。

 私は、日本全体が民営化、国でする必要がないものは民営化でいいじゃないかという流れの一環としてこれも取り上げられておりまして、その流れはよく理解するところでありますが、コントロールがきかなくなった場合には混乱をする。例えばアルコールでも、これはエチルアルコール、いわゆるエタノールというもののコントロールでありますが、非常に私たちの日常生活でも大事なものでありますし、国としてもやはりきちっとした責任ある体制というものを維持しながら特殊会社にしていくということが非常に大事だと考えております。

 そこで、次の質問は、自由化後のアルコール市場の見通し、特に国内生産と海外生産との競合関係など、国内でつくると高いから、ではもう海外でつくったものを輸入しましょうというような形にもなり始める傾向にあるのではないかと思うんですね。そのときの品質管理ですとかそういうもの、いわゆる国内の生産の企業であればアルコール事業法ということでコントロールできるわけでありますが、海外から持ち込まれるものについては、どういう手法で品質ですとかそういうものをコントロールできるのか、そして国内生産の見込み、あるいは海外製品の持ち込み等々、トータル的に現状で一体どのような見通しでおられるのか、お伺いしたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 現在の日本の国内での、発酵アルコールに限って申し上げますけれども、海外からの粗留アルコール、これはサトウキビだとか芋だとかそういうでん粉質のものからつくったアルコールでございますけれども、粗留アルコールと私ども言っておりますけれども、そういうものを輸入いたしまして、それを国内の工業用として使えるようにいわゆる精製をするわけであります。

 大畠先生も御承知のとおり、この用途は、食品の防腐剤だとかそういうような機能として使われるものが大きい用途としてございますので、その管理にはしっかりしなくてはいけないということでございますけれども、今申し上げましたように、海外から粗留アルコールを輸入して、それを精製して国内で流通をさせているということであります。

 そのときに、海外から日本の市場に参入してくることはないのかというお尋ねかと思いますけれども、海外でつくっておりますのは、例えばブラジルだとかアメリカだとか、そういうところで燃料用のアルコールとして使っているものがかなり多うございます。したがいまして、それを輸入して、そっくりそのまま食品の中にまぜるというようなことはできませんから、恐らく海外から参入する場合も、日本の現状に合わせれば、そういう精製というような過程を経てマーケットに売っていくということになろうかと思います。そういう過程を経ますとそれなりのコストがかかりますから、恐らく、現在のNEDOが行っていますそういう製造の機能との関係でいえば、十分競争をしていける、そういう関係になるのではないかというふうに思われます。

 それから、もう一点、品質の管理のところでございますけれども、このアルコールにつきましては用途が、先ほど申しましたように食品などに使われるものですから、食品衛生法だとか、あるいは薬に使われれば薬事法だとか、そういう法律がかかってまいります。そういう法律に違反するようなことは当然行えませんので、そういう用途に使うアルコールについてはそういう法律の規制がかかっていることと、それからあわせて、現在でも、工業用アルコールの規格を、品質を一定程度に保つために規格をNEDOが定めているわけですけれども、この規格についても、NEDOが特殊会社化した後、業界全体それから私どもも入りまして、そのNEDOの規格をベースにしながら、どういうような品質管理をやっていくのかというのを、検討会をつくって検討してまいりました。その結果も出たものですから、最近、それを実行に移すべく、関係の事業者の皆さんに早急にその規格策定についての要請をしているところでございます。

大畠委員 とにかく、今御説明がありましたが、よくわからなかったような感じもするんですが、いずれにしても、混乱しないように、そういう品質管理の問題は大変重要だと思いますので、あと一年間ありますから、しっかりとやっていただきたいということをお願いしておきます。

 それから、民営化に伴って、株式の売買の問題、国の保有株式の売買の問題、それから新会社の固定資産税、資産譲渡益課税、不動産取得税、こういうものはどういう形になるんだろうかという疑問といいますか、あるんですけれども、そこら辺についての基本的なお考えをお伺いします。

平田大臣政務官 お答えを申し上げたいと思いますが、新会社の民営化のための株式売却ということでは、新会社になって実際の競争の中で、まず株式会社としての実績を示す必要がある、そしてその上で、株を買っていただくための経営実績情報をしっかりディスクローズする、これが必要であるというふうに考えておるわけであります。しかる後に、二年以内に株式の売却を開始するということでございますので、それまでにしっかりそういうことを実績を積み上げる必要がまずあるということでございます。

 そして、その後の、株式を完全売却するということにつきましては、さらに継続性、将来性、経営状況等が評価をされるわけでございますので、十分これを監督して、株式市場の要求というかニーズにこたえるような会社になるようにしていく、こういうことだというふうに思っております。

 具体的な売却方法なんでございますが、これは、これから財政制度等審議会国有財産分科会株式部会等で十分審議をして、スムーズに売却されるように検討をしていただきたい、このように考えているところでございます。

 あと、買収ということでございますが、これは基本的には、日本の工業用アルコール供給の主要な担い手として、これが国益に資する会社でなければならないという状況で売却がされるということを期するものでございまして、それに対する敵対的買収等の懸念もございますが、まず第一に経営者のしっかりした株式動向のウオッチということだと思いますけれども、あわせて今、これからも御審議いただきますが、会社法案等につきまして、できるだけそういうことがしっかりと保てるように、ぜひひとつこれは皆さん方でも御協議をいただきたいというところでございます。

 さらに、さまざまな税の取り扱いでございますけれども、合併等でもいろいろ議論をされておりますけれども、資産譲渡益課税、登録免許税、不動産取得税等があるわけでございます。現在はもちろん非課税法人でございますが、これにつきましては、登録免許税につきましては本法案の附則第十七条で非課税を規定しておりますし、不動産取得税につきましては、非課税措置となるように要望をしてまいりまして、今後それが実現するようにお願いをしてまいりたいというふうに思っております。

 あと、新会社設立後課されるものとして、法人税、固定資産税、これは株式会社になるわけですから一般と同じということで御理解いただきたいと思います。

 そういうふうに御説明申し上げたいと思います。

大畠委員 質問を終わります。

河上委員長 次に、細野豪志君。

細野委員 おはようございます。

 まずちょっと、具体的にこの問題に入る前に、海洋権益の問題について一つだけ大臣に確認をしておきたいというふうに思います。

 長らく私どもも結果を待っておったんですが、3Dの調査船の結果が出まして、その調査結果によると、春暁と断橋というちょうど中間線にある油田でございますね、そこに関しては、これは日本側にもかかっている可能性があるという調査結果を私拝見いたしました。大臣が盛んに懸念をされていたことが現実のものであるということでございまして、いよいよ、これで中国側が開発をとめなかった場合は、日本としては試掘をするということについても、大臣何度もお話をされております。

 そこで一つだけ、私が懸念しておることがあるのでそれを率直に申し上げて、ぜひ御見解をお伺いをしたいんですが、今までこの試掘の問題に関して、鉱業権の付与に関しては、日本の政府は、民間の会社から申請があるものに対して、試掘権なりその後の採掘権を与えるかどうかという議論をしてきました。このままいくと、民間船でそこを試掘するということになるわけですね。

 率直に懸念をしておりますのは、中国側は中間線から沖縄トラフまで係争水域と言っているわけでございますから、そこで日本が試掘をすることになると、さまざまな妨害行為を行ってくる可能性があります。大臣もそのことは認められているというふうに承知をしています。

 その上で、国連海洋法上、実は、民間の船でやるか、それとも公船という形、国の船でやるか、これは大きく実は扱いが違うんですね。公船であれば、これは国際法上管轄権が及ばないものですから、妨害ができません。それに対して、民間の船であれば、これはあらゆる形で妨害が考えられます。

 お伺いしたいんですが、日本がそういう試掘船を持っていないのは知っています。それを委託するということになると、恐らく民間企業がやることになるんだと思います。例えば、借り上げるという形をとる、もしくは第三の手段を通じて国としてやる意思をお持ちかどうか、そこを大臣にお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 予定よりも大分おくれまして、あの中間線を中心とする広い海域の物理探査のデータを先週発表させていただきました。

 御指摘のように、春暁、断橋、それから天外天もつながっている可能性があるということで、ただ、これは物理構造でございまして、実際に断層があったりなんかいろいろしますので、本当に今、春暁開発、断橋開発と日本の排他的経済水域にある石油、ガスとが、存在するのかあるいはつながっているのかということについてのデータ解析は、もう少し詳細なものが必要になってくるわけでありますけれども、政府としては、前から、きちっとしたデータを教えてもらいたい。それから、日中の友好の海にしたいという気持ちは私も同じでございますので、ぜひそういう形で、きちっとした話し合いをし、そしてそのためには一たんまず中止をして、そしてお互いに実りある話し合いでもってこの問題を解決したいということを申し上げているわけでありますけれども、もう一年半余にわたりまして、向こうから誠意ある回答がないという状況でございます。

 そういう中で、春暁等で実際に採掘準備をやっている構造にどうも日本の方からつながっていっているという可能性が強いわけでございますから、いよいよ試掘ということも念頭に置かなければならないということで、先週、中国側に連絡をしたわけでございます。この連絡についても、あくまでも日本のEEZの中の判断でございますけれども、日中友好という立場から、こちらから御連絡をしたわけでございます。

 今委員御指摘のように、その場合に、その船の所属がどこになるかということによって、公海ではありますけれども扱いが全然違ってくるわけでございまして、そういう意味で、公船にするのか、あるいはまた、残念ながら日本は公船を持っておりませんので、その他の船にするのかによって、かなり国際法上の扱いが違ってくるわけでございます。そういう意味で、仮に試掘権を与えるにしても、実際にその作業、試掘の作業というのはまだ数カ月事務的にかかるということもございますので、どういう形で試掘の作業を進めていくのか、その場合に、その船はどういう船を使うのかということについては、いろいろなケースが今後考えられると思います。

 もちろん、十七年度予算で認めていただきました調査船なんというのは二年か三年かかりますから、それが間に合うとは現時点では思っておりませんけれども、いずれにしても、試掘をする場合には、きちっとした船で、しかも安全が確保されてということがポイントになるということで、今後、きちっとした試掘のための船を確保していく必要があるというふうに考えております。

細野委員 きちっとした船でと、抽象的な表現でございましたが、今の大臣の答弁は、公船による試掘も検討するというふうに受けとめさせていただきました。

 その上で、これは要望なんですが、実はあした、与党の皆さんとも一緒に、我々は海洋権益のプロジェクトチームというのがあるんですが、春暁から平湖まで、海上保安庁の飛行機をお借りして見てまいります。これは、決してデモンストレーションでやるだけではなくて、国家として試掘をすべきであるという意思を、国会としてもしっかりと示すべきだろうという意図があります。

 そして、加えて、これから私はこの問題に関しては国会でやるべきだというふうに思っておりまして、国としてできるような法律も、与野党で共同して、できればきちっと提出をしたいというふうに準備をしております。政府の側は鉱業法でやるんだと言っておるんですが、これではなかなかやはり限界があります、国内で掘ることを前提としていますから。その限界があるので、新しい法律を準備していますので、ぜひそれをごらんいただいて検討していただくように、これは要望しておきたいと思います。

 その上で、アルコール法の方の質問に入っていきたいんですが、まずお伺いしておきたいことは、これは、アルコール部門をNEDOから独立させるということになっておりまして、NEDOの方に注目して二点ほど質問したいんです。

 このNEDOが、実は私、余り組織をよく知らなかったんですが、アルコール部門はもちろん持っているんですが、ほかにも産業技術もやっているし、エネルギーもやっているし、あと石炭もやっているし、さらには福祉の用具まで扱っているという、実にいろいろなものがごった煮になっているような状況でやっているんですね。

 ちょっとお伺いしたいんですが、これだけの事業をやって、しかも、そこにばあっと補助金をまいているんですが、これをどういうふうにチェックして、アルコール部門も含めて今までやってきたわけでしょうけれども、適正な運営をやっているのか。これは政府委員で結構ですので、お答えいただきたいと思います。

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 NEDOでございますが、基本的には、独立行政法人に移すときに、基本的な性格としてどういうものかという御議論をしていただきました。その際に、基本は、研究開発とそれから新エネルギーを中心とした、あるいは省エネルギー技術の開発の中核機関、政策実行機関という位置づけをさせていただきました。ただ、その際、従来から引き継いでおりました、お預かりしておりましたアルコール事業、あるいは石炭の鉱害復旧事業については、引き続きNEDOであわせて実施するということにさせていただきました。

 したがいまして、今の御質問の管理の点につきましては、二つの点があろうかと思います。

 一つは、今の、本来の中核事業でございます研究開発とエネルギーの部分、それから、一時的に、経過的にお預かりしておりましたアルコール、それから、まだしばらくお預かりします鉱害の復旧事業、これらにつきましては、すべて会計を分けて、それぞれ違うものとして扱わせていただいているというのが第一点でございます。

 それから、本体の、お金を一番いただいております研究開発とエネルギー事業につきましては、これは効率的にやるということで評価委員会を設けまして、その内容についていろいろ御提言をいただいております。

 一例を申し上げますと、研究開発については、従来、始めちゃったらなかなか途中でやめられないということではいけないだろうということで、中間評価を入れろ、中間評価によっては、もうこのプロジェクトはやめた方がいいんじゃないかというものがあれば、それらについては果敢にやめるものはやめていくというような制度を導入するという御報告を申し上げまして、それにつきましてはきっちり管理ができているという評価委員会の評価を受けているということでございます。

細野委員 事前に評価委員会のリストもいただいていまして、民間企業の方であるとか大学の先生とか、そういう意味では、かなり、いろいろな意味で知見のある方が入っていらっしゃるなということは納得できます。

 NEDOのさまざまな事業が広がっていることに関して、いろいろ是非はあると思うんですが、今の時点でこういう体制でやっているというのは私は理解しつつ、これは大臣にお伺いしたいんですが、こういう評価委員会がある一方で、役員組織というのがあって、これは今の時点で、監事も含めると、副理事長がお一人で、理事が六人、監事が二人いらっしゃるんですね。そこは別の組織としてあるわけですが、その中で六人が経済産業省から天下っている。

 大変、ちょっと下世話な話になるんですが、給料を見させていただいたところ、理事長の給与が二千百万ちょっと、副理事長が一千九百万ちょっと、それで理事が、これは割るとそれぞれ一千六百六十四万円ぐらい、それぐらいの水準の給料をもらっていらっしゃいます。例えば部長なんかから天下っている方がいるので、こういう方というのは、理事に天下ると現役時代よりも給料が上がるんですよね。

 これは、すべてやめろというのは確かに業務上難しいかもしれませんが、十人中六人天下っていて、この給与水準、これは私はちょっと、もう少し経済産業省としては遠慮をなさった方がいいんじゃないかなと率直に思いました。大臣、この点、どうですか。

中川国務大臣 御指摘のとおり、役員十人のうち理事八名、監事二名でございますけれども、退職公務員は五名ということでございまして、この五名はいずれも当時の通産省あるいはまた経済産業省のOBということになっております。

 給料が高いかどうかということについては、いわゆるラスパイレスで比較すると一二〇を超えているということは、公務員に比べると高いという御指摘はあえて私も否定はいたしませんけれども、やはり、先ほど細野委員も御指摘のように、さまざまないろいろな仕事をやっている、またエネルギー政策、新技術政策をやっている中での一つの大事な職務として、能力のある適切な人材を選んでいるというふうに考えております。しかし、一般的な御指摘としては、こういう御指摘については、我々としてもできるだけ、こういう御時世、こういう財政事情でございますから、御指摘は御指摘としてしっかり受けとめさせていただきたいというふうに思っております。

細野委員 NEDOはさまざまな補助事業をやっているんですよね。独立行政法人をわざわざつくって、そこで客観的にやろうと言っているわけじゃないですか。役所のOBの人がやるなら、これは中でやっていいんですよ。わざわざ独立させているのは、民間の皆様の知恵もかりて、そこできちっと精査をして、むだなものは省いていくということでこれをつくっているわけだから。立派な評価委員会もつくっていて、なおかつ理事の中に過半数を送り込んで多額の給料を払って、それでまたさらに退職金ももらっているというのは、ちょっとお考えになった方がいいと思います。これは私の意見として申し上げておきます。

 その上で一点だけ。これはせっかく新しい民間企業をつくるわけですが、まさかそこにNEDOの職員、理事の皆さんを含めて天下り先、これは民間企業ですから、天下りには当然考えていらっしゃいませんよね。確認をしたいと思います。

中川国務大臣 そこは、先ほどの大畠委員との御質問のやりとりもございましたけれども、旧アルコール専売の職員の皆様方には大変な御努力をいただいて、職員数のスリム化であるとか給与の一割カット等で大変な御苦労をいただきました。先ほど機会があればお話ししたかったんですけれども、特殊会社、民間会社になったときに、ぜひ日本の基幹産業としての、リーダーとしての誇りを持ってやっていただくために、我々も最大限バックアップをさせていただきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、これからの特殊会社の組織形態具体化については設立委員会でこれから作業を進めてまいりますので、どういう形でこの特殊会社、あるいはまた行く行く完全民間会社になっていくそのスタート、土台づくりの作業は一義的に設立委員会でやられる。しかも、それは民間会社になっていくわけでございますので、私としては、今から絶対そういうことはしないとか、あるいはまた絶対そういうことをするとかいう判断を、今の段階で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

細野委員 言いたいことはいろいろありますが、今のを前向きな答弁と一応受けとめさせていただいて、民営化までまだ時間もある程度ありますし、その後の完全民営化というのもあるわけですから、しっかりチェックはしていきたいというふうに思います。

 では、確認しておきますが、民間会社になるんだから、そこに天下ることは望ましくないとお考えになっているということでよろしいですね。

中川国務大臣 来年からスタートする特殊会社と、その後できるだけ早く民間になって、民間になれば、当然収益が上がればそれだけの報酬が役員なり社員の方々に戻ってくるわけでありますから、そういう形になるようにするために、これだけの五年間のスリム化あるいは合理化努力をしたわけでございますので、本当にアルコール専売の皆さん方には大変な御理解と御苦労をおかけしたと、率直に私は思っております。

 そういう意味で、スタートをする段階で、これからどういう形で役員構成をしていくかということは、特殊会社ですから、先ほど指導と監督ということを申し上げましたけれども、一般論としてですけれども、余りにも民間会社としておかしなやり方は、これは人事に限らず、一般論として、そういうことは設立委員会できちっと第三者機関として判断されるもの、それを我々としてはこれから見ていくということで考えております。

細野委員 国があって、そこにNEDOという独立行政法人があって、民営化会社がある。それが縦の系列として順番に天下るというようなことは、この法律の趣旨と明らかに反するんですよね。今、大臣らしくなく一般論として逃げられましたが、そこはしっかり見ていただいて、少なくとも民営化会社になるときにはそういうことがないように要望しておきたいというふうに思います。

中川国務大臣 総理の方針として、民でできることは民でという言葉がよく使われますので、そういう総理の方針ももちろん踏まえて、そして、民間会社として適切なスタートが切れるように我々としては指導監督していきたいというふうに思っております。

細野委員 それでは、ちょっと質問を移してまいりまして、このNEDOへも資金を供与している電源開発特会について、少し詰めて話を聞いていきたいというふうに思います。

 電源開発特会というのは、これはもう改めて説明するまでもありませんけれども、電力料金に付加される電源開発促進税というものが入ってきて、それをそれぞれの事情に応じて、交付金で配ったり補助金で配ったり委託をしたりということをしている、そういう経済産業省のエネルギー庁の下にある特別会計ですね。

 まずお伺いをしたいのが、きょう配らせていただいた資料で、提出させていただいたんですが、実はこれは税金を集めているんだけれども、毎年大変余っているということがずっと問題になってきました。このグラフが示しておるのは、平成十五年までは、エネ庁からいただいた数字ですが、もう既に二千五百億を超える剰余金がある。最近、電源立地勘定の中に、実はこれは余り過ぎるので、周辺地域整備資金というのをつくって、新しくできてくる、まだできていない原発に積み上げておくということをやって、形を変えてはおるんですが、こういう形で積み上がっています。

 平成十六年、十七年の数字については、これはある程度今までの経緯を踏まえて私が推計をしました。ある程度蓋然性の高い数字だと思っています。そうなってくると、平成十七年には、四千億近い未消化資金と私の方で整理をさせていただきましたが、これがたまるという形になるんですね。特別会計ですから、入ってきたものを全部そこで使うということを前提にしていまして、余るんですよ。

 これは、財政審の方で剰余金がおかしいので何とかしろという要望があり、エネルギー庁が出してきたのがこの周辺地域整備資金ということでございますが、これはどうなんですか、財務省としてこれでいいというふうに判断されているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

田野瀬副大臣 お答え申し上げます。

 委員おっしゃるように、剰余金等を含めまして約四千億に上るわけでございますが、財政制度審議会においても、この剰余金等を縮減すべきという指摘がなされておるところでございます。

 詳しく申し上げますと、平成十五年十一月でございます。(細野委員「よく知っていますから結構です」と呼ぶ)よろしいですか。そうしたら繰り返しは省かせていただきますが、それに基づきまして、私ども、十七年度予算においては、こうした指摘を踏まえまして、十六年度予算に引き続き、多額の不用が発生していた電源立地地域対策交付金を十三億円縮減、減額をいたしたところでございます。それと同時に、今後の電源立地の進展に伴う将来的な財政需要増に備えるため、平成十五年度に設置された周辺地域整備資金への積み立てを百二十五億円行っておるところでございます。

 以上でございます。

細野委員 いや、私が聞いたのは、この周辺地域整備資金という形で積むというのが、余っているのは変わらないんですよね、こういう形で整理をしたので、これは剰余金じゃないのでいいんですという整理を財務省としてしているんですかということを聞いています。政府委員でもいいですよ。

田野瀬副大臣 ただいま委員から、言うなれば剰余金を減らすために周辺地域整備資金に積み立てているのと同じことではないかという意味だと思うんですが、平成十五年度の法改正前の電源開発促進対策特別会計立地勘定においては、原子力発電所等の建設計画がおくれ、財政需要が後ろ倒しになったことから、本来、発電所等の立地に伴い発生する財政需要に充当すべき資金が剰余金という形での計上となっているところは、委員おっしゃるとおりでございます。

 こうした状況にかんがみまして、原子力発電所の建設に伴って発生する交付金等の将来の財政需要に対処すべき資金については、通常の意味での剰余金と明確に区分をいたしまして、周辺地域整備資金という形で管理することといたしまして、平成十五年度に法改正を行ってきたところでございます。

細野委員 明確に区分ということなんですが、もう一枚配らせていただいた資料をごらんいただきたいんですが、副大臣、よろしいですか、縦のものです。

 それで、どういうふうに整備資金を積んだんですかということを質問したら、出てきたのがこの資料ですね。ここに非常に興味深いことを書いていまして、上の文章の二段目なんですが、毎年の周辺地域整備資金への積立金は、税収や剰余金受け入れ等の歳入見込み額と交付金等の歳出見込み額との差額を踏まえつつ積み立てるんですと。さじかげんでありますとこれは書いちゃっているんですよね。

 財務省に、これは財政審で指摘をしてこういう形でいいのか。さらに言うならば、例えば東京電力でいえば福島第一の七号機、八号機、これは福島の県知事さんとの関係がなかなかうまくいっていなくて、できていない部分があります。

 さらに言うと、例えば敦賀三号と敦賀四号がそれぞれ百十七億円財政需要があると見込んでいるんですが、ついこの間、私、敦賀に行ってきましたけれども、もう既に、一号機、二号機でそれぞれ交付金を積んでいるわけですよね。エリアは一緒です。三号機を新しく積み増す、四号機をさらにつくりますと。それぞれ地域の事情があってつくるのは、これは必要があればやればいいでしょう。ただ、そのときに、もう同じ地域に原発が二つあって、三つ目、四つ目があるのに、もうこれは腹いっぱいのところに上からぐりぐりぐりぐり押し込むような、同じ三号機、四号機、もう百十七億円、計算として、財務省としてこれはきっちり積み立てるということになるんですか、これで。

 今副大臣にお答えいただいたので、この資料をごらんになってどう思うか、副大臣にお伺いしたいと思います。これを見てどう判断するかということを聞いているのです。

田野瀬副大臣 これは一応、私どもとしては、しっかりした見積もりを立てて、これからどうしても必要だということを踏まえて積み立てておるものでございまして、これからも適切に積み立ててまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。

細野委員 それでは、敦賀の三号機、四号機で、既に一号機、二号機があって交付金が出ているんですが、三号機に百十七億円、さらに四号機ができれば同じだけ百十七億円積み立てるのが適正だというふうにお考えになりますか。これは副大臣にお伺いします。

田野瀬副大臣 この金額は、実際建設するときに必ず必要だという見積もりのもとで積み立てておるところでございます。

細野委員 財務省というのは、やはりチェックをする側だと思うんですよね。資源エネルギー庁が出してきた資料をそのままはいどうぞということであれば、財務省というのは存在意味を問われると私は思いますよ。剰余金がだめだと言ったのは財務省ですからね。財政審議会が言ったんですよ。それで出してきたものをこれでいいですというのは、これは正直言って私はどうかなと思います。

 加えて、もう一つ懸念をしていることをお伺いして、御回答いただきたいんですが、実はこれはちょっと臭いなと思っているのは、今まで剰余金としてエネルギー庁にあったのが、この整備資金ができることによってこのお金は一体どこに行くのか。実は法律にこう書いてあるんです、財政投融資で運用しますと。財政投融資というのは財務省がやっているわけですよね。今まで資源エネルギー庁で剰余金のあったものが財務省に行って、財務省は自分のところにお金が来るからまあいいんじゃないか、そういう話ではないかと私は思いました。

 これは、仮に財政投融資ということになると、資金がぐちゃぐちゃになるわけですよね。ちゃんと運用して、そこで、きちっとこれはここに返すという保証は、財務省がとってくれるんですか。

田野瀬副大臣 財政融資資金の預託金ですね。これまでもすべて約定どおりに利子をつけて確実に払い戻しておりまして、周辺地域整備資金の財政融資資金への預託金も同様に、確実に払い戻すところでございます。

細野委員 さっき、ぐるなんではないかというようなことを申し上げましたが、この剰余金のあり方についてはこれからいろいろ民主党としても議論していきたいと思っていますが、しっかり財務省としてこれはチェックをしていただきたいということだけは、少なくともここでは申し上げておきたいというふうに思います。

 質問が結構あるものですから先に行きたいと思うんですが、実は、電源特会をめぐりましては、こういう予算書がつい最近決算行政監視委員会の理事のところに出てまいりました。特別会計というのは、一般会計と違って、我々からすると非常に中身が見にくい。この予算書自体も、うちの理事が粘りに粘ってようやく出てきたものです。これ自体大問題だと思うんですが、この中身を見ると、これは十五年、十六年、十七年の三年間のものを見たんですが、まず実に見にくい、よくわからない。

 その上で、非常にこれは、一つ一つ詰めていくといろいろな問題があるというふうに私は認識しておりまして、ちょっと個別の、重箱の隅をつつくような話になりますが、聞いていきますので、これは資源エネルギー庁の方、さらには、場合によっては財務省、そして会計検査院にも聞きますから、お答えをいただきたいと思います。

 まず、枠組みの中で私が気になっておりますのが、ことしついている新規事業の中に非常に新しいものが多いんですね。もう先ほど申し上げたとおり、剰余金なり資金という形で余っている。余らしちゃいかぬということがこの電源特会の一つの至上命題になっていまして、いかに使い切るかということできゅうきゅうとしている姿が実は出てまいります。

 といいますのは、幾つか例を挙げたいんですが、例えば電源地域活性化先導モデルというのがあるんですが、これはうちの地元なんかでもちょっとかかわっているんですが、例えばサービス産業の中で、温泉保養なんかをやっている、そういう事業に対して補助金をつける、これはそういう補助金なんですが、今までは一般会計にあったものがこの電源特会に移ってきている。経済産業省の予算です。

 さらには、新事業支援の産学官ネットワーク形成事業、これは産学官で連携するときの事業なんですが、これも一般会計にあるものが特別会計に移動してきている。一般会計の方が非常に査定が厳しいし、予算の制約があるものだから、経済産業省としては、これはもうそっちに受けとめて電源特会の方で使ってしまおうという形になっているんですね。

 さらに、経済産業省だけではなくて、私は驚いたんですが、雇用促進対策事業という厚生労働省の事業までなぜかこれが電源特会に移ってきている。昔、塩川さんが、母屋でおかゆを食って離れですき焼きを食っているという話をしたことがありましたが、まさにその構図がここに集約されているんですよね。

 これは財務省に伺いたいんですが、こういう一般会計でやっていたものを電源特会、特別会計にそのままスルーするというのは、この特別会計制度の趣旨に反していないんですか。財務省としての見解をお伺いします。

杉本政府参考人 お答えをさせていただきます。

 委員御質問の事業は電源立地対策としてやっているものでございますが、御存じのように、電源立地対策は発電用施設周辺地域整備法に規定されているものでございまして、住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業を促進することにより、地域住民の福祉の向上を図ることを目的とするものであるということでございます。

 御指摘の二つの事業においても、十七年度予算におきましては、電源立地対策、電源地域ということに着目いたしまして行う事業として考えておるものでございまして、一般会計の場合は電源立地ということに着目するものでございませんので、そこから振りかえたということではございません。

細野委員 同じ事業があるじゃないですか。一般会計にある事業が特別会計の方に行っているわけでしょう。だって実際に、趣意書に一般会計にもあるけれどもと書いてありますから。電源地域のものだけはそこで出すという形になっているわけですよ。いいですか。

 私は、電源地域のそれぞれの地域におけるいろいろな行政需要があり、そこで何らかの、言い方は余りよくないかもしれないけれども、原発を担っているわけだから、迷惑料みたいなものもあり得ると思います。そういう意味で、そのこと自体は否定はしませんが、それはそれぞれの自治体で交付金という形で出しているわけですね。そこの自由度を高めて、そこもいろいろむだはありますが、それは自治体の判断である程度幅広く使うのはいいと思う。ただ、こういう個別の補助金を、今財政事情が厳しい中でせっかく一生懸命一般会計の歳出をカットしているのに、これは電源特会が余っているからといってそっちに移行して、その地域だけ補助事業でやる、ひもつきでやるという発想は明らかに前時代的だし、もう既にこの時代の流れに反している。一般会計でやっているものを特別会計に移しているじゃないですか。同じ事業なんですか。これはどうなんですか。本当に特別会計の趣旨に、これができるなら何でもできるんですよ、特別会計なんか全体で二百兆あるんだから。

 三十一ある特別会計にそれぞれ事業を適当に割り振れば、予算の削減なんて絶対できないですよ。ただ、忘れてはならないのは、それは全部税金で成り立っているのであって、一般会計や特別会計なんという区分はないんですよね。財務省として明らかにこのチェックは甘いと思いますよ。副大臣にお答えいただきたいと思います。副大臣、聞いていましたか。

杉本政府参考人 委員おっしゃるとおり、国民の税金で賄っているものは、特別会計であろうと一般会計であろうと変わりませんので、それにつきましては、国民の税金をしっかり使わせていただく、むだ遣いのないようにやらせていただくという趣旨は、全くそのとおりだと思っております。

 今回、電源立地勘定におきまして御指摘の二事業をやっておりますのは、法律の趣旨に照らしまして電源立地対策として可能だということでやっておるものでございまして、あくまでも、特別会計、一般会計を通じまして、全体の事業の効率化を図って真に必要な事業に限るということでは、こういった事業も必要じゃないかという御趣旨を踏まえまして、私どもとしては査定で認めたものでございます。

細野委員 財務省としては矛盾したことを言っているんですよね。一方で剰余金を余らせちゃいけませんよと言っている、一方でむだを省きなさいよと言っている。立地がなかなか順調に進まない以上、むだを省けば余剰は生まれるんですよ。当たり前のことです。矛盾したことを言っているということにもう気づいていただいて、特会のあり方をちょっと考えないと。

 今、我々は三十一の特会の制度についてやっていますが、これは宣戦布告ということではないですが、それぞれの地域でそれぞれの特会について全部我々はやりますので、覚悟していただいて、財務省、この改革について取り組んでいただきたいと思います。答弁は結構です。

 時間もなくなってきましたが、使い切るために実はさまざまな工夫がなされていまして、この予算書を見るのも結構大変でして、その中で怪しそうなものをピックアップして調べたのですが、どうしても私が我慢ならなかったのが二つ、三つあるので、それを御紹介して質問を続けたいと思います。

 まず、一つがホームページです。

 これはホームページのトップページ、きょう朝コピーしてきたんですが、「原子力のページ」というのと「原子力情報なび」というページがありまして、このホームページが電源特会から出ていて運営をされているということです。予算書を見ると、一番初めにできたのが平成十四年中だそうなんですが、このホームページを立ち上げた十四年の時点で、二つのホームページにかけたお金が二億三千万。初年度ですよ。そして、その後どうなったかというと、平成十五年で三億四千万。これは、一回つくった後、次の年に三億四千万かけているんですよ。それで、その次の年に三億五千万、そしてことしの予算で二億九千万。

 ホームページは今だれでもつくれるようになりましたし、我々もサーバーを借りたりしてやっていますが、これは明らかに常軌を逸していますよ。一体これはどうなっているのか。まず、これは資源エネルギー庁、政府参考人で結構ですので、お答えいただきたいと思います。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 資源エネルギー庁におきましては、原子力発電の必要性、安全性等について、国民各層に理解しやすくするきめ細やかな原子力広報活動を実施するため、今御指摘のインターネット上において、情報を提供する「原子力のページ」や、さまざまな情報へのアクセスが容易にできる環境を提供する「原子力情報なび」を運営しているところでございます。それで、この三年間、合計で約百六十万件のアクセスをいただくなど、多くの国民の皆さんに御利用いただいているものと考えております。

 それで、これらホームページの内容でございますが、音声つきのアニメーションの活用、小学生でも楽しみながら学べる原子力やエネルギーに関するゲームやクイズの提供、原子力専門家向けのページの提供など、幅広い利用者に使いやすい、親しみやすいものにするためにさまざまな努力をやっているところでございます。

 掲載している内容についても、御利用いただいている皆様からの御要望を取り入れて、逐次更新を行うなど努力をしておるところでございます。

 今後とも、効率的な事業の運営には十分努めさせていただきたいというふうに思います。

細野委員 四年間で十二億かけているんですよ。私はこのホームページをかなり見ました。確かにムービーのページもあります。ただ、今説明されたけれども、ほとんどのところはリンクが張ってあって、いろいろなページに飛ぶだけなんですよ。十二億なんというのは考えられない。

 ちなみに、ちょっと予算書の中を見ると、いろいろなものがわかるんですが、例えば、二つ事業が分かれているんですが、原子力情報提供ネットワークシステム整備事業には、人件費として主任エンジニアが三百五十日とかエンジニアの補助が二百五十日とか、全部で二千二百四人日かかっていることになっている。

 さらには、もう一つの方も非常に、これも人数としては二千人ぐらいの人間がかかわっていることになっている。これは、二千人が制作費にかかわっているのかなと思ったら、そんなことはなくて、制作費には、例えば平成十七年の予算だけで一億一千三百万かかっているんですね。人件費に二千人立てておいて、制作費に一億円以上立てているんですよ。ことしだけでですよ。新しくつくるんじゃないですよ。新しくつくるのではなくて、ことし分で、ホームページの更新料だけで一億一千三百万かけているんですね。これは何をやったんですか。お答えいただきたいと思います。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の事業の実施に当たりましては、従来から原子力を含むエネルギーに関する調査研究、情報の収集を専門的に行ってございます財団法人社会経済生産性本部に委託してございます。

 それで、本事業を実施する上で、例えば、「原子力のページ」のコンテンツの動画の作成に当たって、動画のテーマの決定、シナリオの作成、ソフトの選定等は同本部が実施いたしまして、データの入力等補助的な部分については外部に請け負わせてございます。それから、外部に請負する場合には、その選定については一般競争入札により実施しているところでございます。

 そういう事業でございます。

細野委員 いや、うそを言っちゃいかぬですよ。社会生産性本部は、平成十五年のをやっとこ手に入れましたが、この事業だけではなくて、ほかの部分も含めて六億二千万受託をしているんですね。その上で外部委託が四億一千万ですよ。八割方、外部委託しているんじゃないですか。丸投げしているんですよ。一部を外注しているなんかじゃなくて、コンテンツの作成からそのほかも含めて全部外注しているんじゃないですか、データ処理まで。

 もう一度、そこはどうなんですか。把握しているんですか、資源エネルギー庁として。

安達政府参考人 御指摘の事業でございますけれども、基本的な部分は社会経済生産性本部において実施いたしまして、補助的な部分のみ外部に請け負わせているという形でやってございますが、今回の先生の御指摘を踏まえまして、過去の事業における委託先の外部の支出等について再度精査を行いまして、是正すべき点があれば、平成十七年の委託契約において必要な改善を図りたいと思っています。精査させていただきたいというふうに思ってございます。

細野委員 六億二千万のうち、四億一千万外注しているわけですから、これは毎年多分似たようなことをやっているんでしょう。

 これは委員長にお願いですが、毎年、少なくとも、四年間で出した制作費の内訳、そして、これだけ人を雇って、抱え込んでやっているというわけでございますから、では、社会生産性本部がどこに外注をして、どこの、名前はいいですよ、Aさん、Bさん、それがどういう役割を担ったのかということを、全部資料をこの国会、委員会の中に提出していただきたいと思います。お願いします。

河上委員長 後刻理事会で協議をいたします。

細野委員 資料が出てきてからまたやりたいと思うんですが、ここで大臣にやはりお伺いしなきゃならないと思うんですよね。

 私、いろいろ見積もりをとりました。このホームページを専門家の方に見ていただきましたら、つくるときに多分何千万か、かかるだろう、その中で、毎年更新料は新しいムービーをつくっても五百万か六百万、どんなでかいところに頼んでも一千万じゃないかというふうに言われました。三億かけているんですよ。

 さらに、私はこれはちょっと気の毒だなと一方で思ったんですが、何と経済産業省本体のホームページは一年間百三十二万でやっている。原子力の方を三億でやっているんですよ。経済産業省本体が百三十二万。これはまさにすき焼きとおかゆの議論じゃないですか。これは経済産業省としてきちっとチェックをするということをお約束いただきたいと思います。

中川国務大臣 経済産業行政を国民の皆さんに御理解いただくという意味で、その中でも原子力エネルギー政策について、非常に我々努力をしている分野ではございますけれども、今事務当局からも答弁ございましたし、また理事会の御決定に従うということで、これは非常に金額としては大きな金額だなと。百三十二万と二億九千何百万ですか、ちょっとけたが二つほど違うので、これはきちっとした形で後刻委員会に早急に報告をさせたいと思います。

細野委員 今そういうお話がありましたが、事はもっと深刻でして、実は、社会生産性本部というのはほかに「原子力なんでも相談室」というのを運営しているんですね。いろいろ質問が来たときに答える予算です。この予算が毎年、ことしに関して言うと一億三千万。相談業務ですよ。電話、ファクス、メールで受け取っているというんですが、では何件相談が来たんですかというふうに聞いたら、全部で受け付け件数五百三十二件。割り算すると、一件質問に答えるのに二十五万三千円かかっている計算になるんですね。これは一体どうなっているんだ、社会生産性本部は。

 わずか五百件ちょっとの質問に答えるために、この予算によると、人数だけで二千四百三十人が丸一日仕事をしたことになっています。いいですか、一億三千万ですよ。さらには、なぜか出張旅費というのが二千人、二千人回、六万二千円で出張したことになっている。一体これは何をやったのか。二千四百三十人のうち千二百人はアルバイトで働いたことになっている。五百件の質問に答えるために千二百名ものアルバイト、一体何をやったのか。これも社会生産性本部ですよ。

 やはり大臣、ここは事の重大性をわかっていただいて、これは私、場合によっては、考えたくないけれども、このシステムの監修料を取った人間がいるんじゃないか。普通に考えれば、毎年五百件しかない相談に毎年一億三千万つけますか。そんなもの、本省で電話で受けてください、担当者、メールのやりとりでやってくださいというレベルですよ。そういうところとかないかどうか、相当きちっとチェックをしてもらわないと、到底これは納得できない数字なんですよ。

 では、こっちも含めて聞きますが、どこの会社でどういう人間がやったのか、出張はどこに行ったのか。それをきちっと出してください。いいですね。では、こちらも委員長、お願いします。(発言する者あり)

 では、大臣、もう一言お答えいただきたいと思います。

中川国務大臣 この二件について、「なんでも相談室」含めて、この件については早急かつ全力を挙げて、私も、聞いている限りでは、こんなにお金がかかるものなのかなと率直に思います。そういう意味で、監修料云々について今私からうかつに申し上げることはできませんけれども、徹底的に調査をやって、当委員会並びに国民の皆さんにきちっと情報開示をして、説明をさせていただきます。

細野委員 では、担当者に一言だけ伺いますが、私は、これは何か裏にないとこんな委託はあり得ないというふうに思います。監修料がないと担当者として言い切れますか。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 監修料等は一切ないと私は思ってございます。いずれにしても、よく調べさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

細野委員 最後にちょっと言葉が濁りましたが、きちっとこれも精査をしていただきたいというふうに思います。

 時間もあと十分ほどになってきましたので、さらに、金額は少ないですが、ひどい例を発見しましたので、それを紹介して、これも答弁をいただきたいと思います。

 原発の、電源特会の中には結構広報の事業というのはたくさんありまして、その中でいろいろなものが実はつくられています。経済産業省の方から、資源エネルギー庁の方からいただいたのがこの教材なんですが、十六年のがこれとこれなんですね。小学校用の、四年生の教材として、ビデオと教科書と先生用のあんちょこ、この三つ、セットになって、これが出されています。

 このビデオ、私も見たんですが、けんずろうさんという、多分ローカルの役者さんだと思うんですが、かなり熱演をしていまして、これが三百万かかったそうです。ビデオの三百万は、私もいろいろ調べましたけれども、ちょっと高いけれども、そんなものかな。制作費だけですよ、三百万。

 問題はこっちなんですが、この教科書に三百万、そしてこの教材に三百万、先生の方に三百万、これがついています。九百万です。これは、オリジナルでつくるとすればそんなことかなという感じもします。これは平成十五年の予算です。そして、私が憤りを持ったのは、何と次の年、平成十六年度の予算で、同じく三百万を使って、いいですか、生徒用のものを例にとりますと、上の色は違いますが、中身は一言一句変わらず同じものが出ています。印刷費じゃないですよ。制作費に三百万、三百万かけているんですよ。委託先は資源エネルギー庁です。これ、どういうふうにお答えされますか。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の核燃料サイクル施設の広報のパンフレットに関しましては、青森県に委託してございまして、予算要求時には県内のオピニオンリーダーなどに対象を絞りまして、施設の必要性、安全性に関する詳細な冊子を二種類、おのおの四百五十部作成することを想定して、合計二千百八十万円を予算計上してございました。

 しかしながら、県との委託契約に当たり、地域で開催するサイクル施設に関する説明会や施設見学会等に参加した県民一般向けにわかりやすいパンフレットを作成、配布したいという要望がございましたので、結果として、予算の執行では二種類、おのおの三千部のパンフレットを作成したものでございます。このため、支出実績は合計二百二十五万円でございまして、それぞれのパンフレットの単価は五百八円、二百四十二円ということになってございます。

 予算の積算見積もりと執行がちょっと違っているというものでございまして、その部分はほかの広報予算に使わせていただいたということでございます。

細野委員 それは事前に聞いている説明とも違うし、予算書とも違いますよ。三点でそれぞれ三百万と書いてあるんですから。それ、今、へ理屈つくったんでしょう。毎年制作費で三百万つけている。制作費ですよ。広報ビデオなどの撮影に制作費として三百万かけている。それが同じ形で毎年計上されているのに合算ですというのは、年度が違うんですよ。あり得ないでしょう、そんなことは。(発言する者あり)

河上委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

河上委員長 速記を起こして。

 安達部長。

安達政府参考人 大変失礼申し上げまして、済みません。ちょっと私の手元には、十六年度でございますか、十六年度では……(細野委員「十五年度と十六年度」と呼ぶ)十五年度は、ビデオについては、八百九十八万八千円で二千本つくってございます。それから、十六年度は、テレビとビデオを一緒のあれで五本を一千六百九十八万円でつくるという実績になってございます。(細野委員「教科書、教科書、教科書が同じ内容で」と呼ぶ)ちょっと済みません。

細野委員 いや、これは事前にきちっと通告して、これも経済産業省、エネルギー庁からもらっているのです。(発言する者あり)

河上委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

河上委員長 それでは速記を起こして。

 安達部長。

安達政府参考人 広報ビデオを配布する際には……(細野委員「ビデオじゃないって」と呼ぶ)学習教材として副読本を作成しているということは事実でございます。その額が今幾らかかったかというのは、済みません、大変申しわけございませんが、私の今手元にございませんので、後刻ちゃんと御報告させていただきたいと思います。

細野委員 ちょっとそれはふざけていますよ。この資料を経済産業省から取り寄せて、この資料も直接もらって、それぞれ幾らですかということも担当者に確認をして、その上でこの質問をしますよと言っているのに、準備してきていないじゃ、話にならないじゃないですか、これ。(発言する者あり)

河上委員長 では、速記をとめて。

    〔速記中止〕

河上委員長 速記を起こして。

 細野君の質問、残余の質問につきましては、精査していただいた後に最後に回しますので、先に奥田建君の質疑に入らせていただきたいと思います。細野理事、よろしいですか。

 奥田建君。

奥田委員 民主党の奥田でございます。

 今、細野議員の質問を聞いていて、私も大変血圧が上がってきました。

 大臣の方から御答弁いただき、小此木副大臣も来ていらっしゃいますし、今のやりとりの方を聞いていただいて、どういった御感想をお持ちか、ちょっと通告のないことですけれども、一言、副大臣のお答えをいただきます。

小此木副大臣 政治全体がといいますか、こういう国民からお預かりしている税金で、疑われるといいますか、不正な事件も実際に起きておりまして、また、今指摘されたようなことは、先ほど大臣が答弁されましたように、しっかりと精査をしてここに報告をする責任が、私ども、政治家として経済産業省に入っている者として、責任があるなということを感じております。

奥田委員 きょうは日本アルコール産業株式会社ということで、一つの民営化の問題といいますか、質疑であるんですけれども、政府内や私たちも、特別会計、あるいは前の特殊法人、今の公益法人といったものに問題意識を持って取り組んできていたわけですけれども、やはり政府内の、そして一般会計から一歩外れたところ、目の届きにくいところに、こういったうみがまだたまっているんじゃないかということを強く感じます。

 今のは、金額は、本当に驚くべきことを興信所のように細かく精査して、質疑に反映させていただいたわけですけれども、政府が持っている、いろいろな省庁あるいは外郭団体から出ている印刷物、ビデオ、やはり量が膨大ですし、そういったものを精査したときに、また同じことが出てくるんじゃないかというふうに思います。

 大臣も小此木副大臣もホームページとかを持っていらっしゃるでしょうけれども、ホームページの見積もり一つにしても、私も、自分自身のホームページは二十万台でやっております。毎月の維持管理費は、いろいろなトラブルがあったときや、更新で手をかけてもらうときも、契約していますけれども、月二万ぐらいだったと思います。実務のときにも、市町村のホームページなんかを立ち上げるのをほとんど全部受けてやったようなこともありますけれども、大体百万円ぐらいで初期の立ち上げというのはできます。同じように、更新は、情報量にもよりますけれども、毎日かかったとしたって、とてもそんなものにならない。あの値段なら、ヤフーか楽天の、あれだけの膨大なサービスができるくらいの価格だと思います。

 ぜひ大臣も、はっきりとしたお返事をいただきましたけれども、厳正な調査と報告、それをまた至急にやっていただきたいし、また、類似のことでそういったことがないか、内閣としてもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。

 さて、本題の方に入りたいと思います。

 まず、大臣も、あるいはきょうの質問者も、みんなアルコールの方が好きな人間が多いのかなというふうにちょっと仲間からも冷やかされておりますけれども、今の特殊会社への移行の期間、まだ一年ありますけれども、この間に、さまざまな民営化あるいは自由化という中での競争に耐えるように、幾つかの施策、準備をしてきたものというふうに思います。今日まで、激変緩和措置期間という間に組織として取り組んできた、体質を強化してきたんだということについて、大臣の方から御説明をいただければと思います。

    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕

中川国務大臣 昭和十二年から、日本の工業部門の重要物資でありますアルコールの安定確保、安定供給、あるいは品質の維持という観点から、ずっと六十余年続いてきたわけでありますけれども、昭和五十七年のいわゆる現業部門の民営化ということの流れの中で、非常に時間をかけながら、時間をかけながらというのは、この物資の重要性、あるいはまた食品、医薬品等に多く使われるものでございますから、そういう意味での品質管理、さらには、いわゆるNEDOの方に一たん移管をいたしまして、その中で職員の皆様方の大変な御努力というものを一つ一つ着実に進めていくことによりまして、今御指摘のように激変緩和をしながら、そしてまた、重要な産業部門としてこれからも大いに誇りを持って頑張っていただきたい。また、民間としてのいいところも大いに発揮をしていただくということで、来年から民営化、特殊会社、そしてまた、一定期間、できるだけ早い期間にいわゆる一般の民間会社にしていきたいということで、足かけ二十数年の長い道のりでございますけれども、関係者の皆さんの大変な御努力でここまで来ることができて、そして、大いに、民間の会社として、誇りと、そして技術力、物づくり日本の代表としてこれからまたさらに発展をして、国民経済に貢献をしていただきたいというふうに考えております。

奥田委員 大臣の方から、ざっとしたお話をいただきました。今は専売の方をやめて四年目ということですけれども、話としては、昭和三十年代からこういった民間移行という話はあったわけですね。そんな中で、多くの審議会を持ちながら検討してきたことでもあるということで、今、数年の間にやっていることは、その後ろにはバックグラウンドとして何十年間の議論の積み重ねのものがあって、今の時間を迎えているということなんだと思います。

 ちょっと石毛局長の方に聞きたいんですけれども、もう少し具体的に、一つの企業として成り立っていくためにこういった新しい動きをしたんだということで、例えば、皆さんが御存じの工場の閉鎖があって、集約化というものがこれまで、この四年の間じゃないにしても、やってきた、あるいは設備投資も新しい最新鋭機を新工場には持ってきた、そういった観点で、幾つかの体質強化の施策を御説明いただきたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 アルコール工場、今奥田先生御指摘のとおり、つい最近までは七つの工場が全国にございました。そのうち四つの工場については廃止をいたしまして、新たに一つの工場をつくりました。現在ある工場を申し上げますと、鹿児島県の出水というところに一つ、それから静岡県の磐田というところに一つ、それから千葉県の千葉に一つ、それから新しい工場として鹿島にアルコール工場をつくっております。

 先日も私、鹿島のアルコール工場を見学したのでございますけれども、周辺の化学コンビナートの中に位置づけられている工場でございまして、これは私、たまたま、かなり前に幾つかのアルコール工場を見学したことがあるわけですけれども、それに比べるとかなり近代的な、工場長にもお話を伺いましたけれども、確かに、生産性にも相当配慮している、従来の国営工場とは違う形の工場だなという印象を持った次第でございます。

奥田委員 また、特殊会社になった後も、株式売却といった手順を踏んで完全民営化を目指していくということにもなっております。幾つか、これまで政府も民営化に当たっての一つの作業というものは踏んでいるわけですけれども、今回のアルコール産業株式会社の民営化までの手順、あるいは、株式売却にかかるときにそれまでの要件としてそろえなければいけないこと、どういう時点で株式売却を始めるのかということについて、大臣の方の御説明をいただきたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 新しい会社の民営化のための株式の売却でございますけれども、新しい会社が実際に新しい競争環境の中で株式会社として相応の実績を出して、民間が株式を購入するために必要な経営情報を広く開示することが必要だというふうに考えております。したがいまして、設立の初年度、来年の四月に特殊会社ができるわけですけれども、それから市場で評価されるまでの間というのは設立二年目の事業年度、そういうことになると思いますから、その段階で株式の売却を開始したいというふうに現在考えております。

 株式の完全な売却につきましては、新会社の実績によりましてその経営状況あるいは将来性がどうなるのか、そういう評価が高まることが不可欠でございます。それから、その時点での株式市場の動向というのも非常に重要でありますので、そういうものを見きわめながら、最初の株式の売却からできるだけ時間を置かずに完全な売却を行っていきたいというふうに今考えております。

 それから、そういう株式を売却することで、株の基礎になります資産のところでございますけれども、具体的な会社のイメージということで今説明をするわけでございますが、新しい会社の資産は、設立の時点でNEDOのアルコール部門から全部承継をするということになってまいります。その具体的な額でございますけれども、新しい会社の設立前に、個別にこの資産は幾らだという資産の時価評価を行うことになっています。

 そういうことで、これから時価評価を行うわけですけれども、御参考までに、今どれぐらいなのか、どういうイメージなのかというのをちょっと申し上げますと、平成十五年度末時点で、NEDOのアルコール部門の資産額は約三百二十億円となっています。負債額は百二十億円ということでございますので、純資産額は二百億円。そんなイメージの会社、それをベースにして具体的な資産の時価評価を行って、設立委員会で株式の数だとかそういうものを決めていく中で、実際にどういう額で株価を決めていくのかというのが決まっていくと思います。

奥田委員 当然、会計手法なんかも企業会計のものに移行して、そういった資産、それが簿価なのか時価なのか、そういったことも含めて準備していかなきゃいけないわけでしょうけれども、今、純資産二百億というお話があったと思います。三百二十億から百二十億を引いて二百億ということだと思います。

 ただ、もちろん、いろいろな従業員の方の退職引き当てなど、そういったものが負債としてあるんだという話も聞いていますけれども、それで二百億と出るという中で、今、閉鎖した工場の土地関係なんかの資産が大きいんだということを聞いています。

 これまで、公の会社であれば、それまで売却していったところの工場用地というのは、国庫あるいはNEDOの方に返っていたんだと思います。新会社になるに当たって閉鎖した土地を渡して、そして二百億というのは、これはある意味、新会社へ移行するときの手土産と言ったら言葉は悪いですけれども、資産として、民営化以降のための余力として遊休地になった閉鎖した工場跡地をつけてあげるという、そんな感覚の資産になるんでしょうか。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 七つの工場を、先ほど四つ閉鎖をして新たに一つつくったというふうに申し上げたわけですけれども、そういう閉鎖した工場の跡地はどうなっているかということでございますけれども、現在、例えば肥後大津の工場というのは、アルコールの流通のある種のセンターみたいな形になって、流通の基地になっている、そういう形で運用していることもございます。

 それから、ほかの工場につきましては、現在、新しい会社になっていく過程において、そういったような土地をどういうふうに活用するのがこのアルコール事業のためにいいのか、もちろん、アルコール事業以外にも新規事業をやる可能性もあるわけでございますけれども、そういうことも含めまして、その資産の活用の仕方について今検討をしているところでございます。

奥田委員 まだ検討という言葉がありました。移行に当たって、私も新会社の身ぐるみはいでということは言いませんけれども、使っている施設じゃなくて、ある意味あいちゃった土地がどっちにあるのかということは、国庫に入るのか新会社に行くのかということはしっかりとした説明がないと、しかも、さっきの話じゃないですけれども、億単位の話ですから、その辺をきちっと説明ができるように、周りの人があるいは私たち国民が納得できる形で資産の移行ということを行っていただきたいというふうに思います。知らない間に、帳簿に、あっちに載っていたからあなた方のものだということは、やはり国家資本を投下してやってきた会社としての最後の襟を正した姿というものを見せていただきたいというふうに思います。

 今、いろいろな変更とともに、NEDOでのアルコールの管理というものが緩和される、一つの廃止といいますか、緩和されることになります。そして、今、製造者、そして販売者、使用者といったこの流れの中で、それまでNEDOがかかわって管理してきた、あるいは許可を出してきた。許可制は残ります。

 ただ、この流通過程の中で、今までは製造者が、日本アルコール産業の会社の方が、まあNEDOの製造部門が使用者になったり販売者になるということはなかったことだと思うんですけれども、株式会社になれば直接販売、これは可能ですよね。そしてまた、複雑な製品はつくれないかもしれませんけれども、ある程度製造者が使用者にもなれる。あるいは、極端に小売までは言いませんけれども、そういった今まであった三つの、輸入とかもありますけれども、製造、販売、使用といった大きな流れ、これはもう、一回シャッフルされて、許可をもらえばどの事業にも参入できるし、幾つかの役割、事業を束ねることもできるというふうに考えてよろしいでしょうか。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 現在のアルコール事業法の中でも、輸入、製造、販売、それから使用、こういうそれぞれのことについて許可を得て、そういう事業を兼ねることももちろん可能なわけであります。

 ただ、間に、NEDOにおきまして、そこで一手購入・販売ということで、一たんそこで蔵出しといったらいいんでしょうか、その段階で一たんそこを通すという形をとっておりますけれども、それを、今度NEDOが特殊会社化する段階でその一手購入・販売制度を廃止いたしますので、そういう面では、流通の形態がその部分だけはなくなるという意味で変わるわけでありますけれども、従来の製造、輸入、販売、使用それぞれについて許可をとってそういう事業を行うという仕組みは、変わりはないわけであります。

奥田委員 なぜこういうことを言うかといいますと、五年前の審議の中で、今の会社が酒造業の方に、お酒をつくる方の分野に進出することはできるんだろうかという話の中で、可能ではないだろうかというような審議があったからであります。

 大臣にちょっとその辺も含めて、新しい事業はもちろん新会社となって新会社が決めることですけれども、法案の中では、事業の遂行に影響がない範囲内において、経済産業大臣の認可を受け、新しい会社は事業を行うことができるという一条の二項ですけれども、そういった条文があるんです。ということは、新事業をするときに、株式会社に移行した後でも、新しい事業に参入するためには大臣の認可が要るということにも聞こえるわけですけれども、これは大臣の方で、新しい事業展開という中で、もし経済産業相として何を認めて何を認めないんだというような方向性があるとすれば聞かせていただきたいと思います。

中川国務大臣 先ほどから答弁申し上げているとおり、この法案を成立させていただきましたならば、設立委員会を発足させまして、来年四月一日をめどに特殊会社をスタートさせたいということで、いろいろな準備がこれから出てくるわけでございますが、その中で新会社としてどういう事業ができるのかについては、設立委員会の新会社設立に当たってのいろいろな議論、先ほどの、役員をどうするかとか、定款をどうするかとかいった議論、そしてまた、その事業については私の方で、経済産業相として認可を出すということになるわけでありますけれども、その先の純粋民間会社についての御質問というふうに理解してよろしいんですか。(奥田委員「そうですね、新しい事業展開の場合に制限があるのかないのか、もしあるとすれば今の設立委員会の中で決められるかどうか」と呼ぶ)

 特殊会社は来年四月一日にスタートして、できるだけ、二年ぐらいで完全な民間会社にしたいというふうに考えておりますけれども……(発言する者あり)失礼しました。特殊会社のうちは私の認可が必要でございますが、完全な民間会社になった場合には、これはもうある意味ではマーケットメカニズムの中での判断ということになりますので、ほかのアルコール事業者と同じような立場になっていくということでございます。

奥田委員 株式会社になっても、政府が一〇〇%資本を持って、株式を持っているときには政府の市場全体をにらんだ関与はあるけれども、株式を売却したときにはそういったことの関与はなくなるという解釈でよろしいでしょうか。

中川国務大臣 そうなんですけれども、ただ、アルコールという重要な工業製品でありますから、我々としても、アルコール政策の観点から、業態としてある程度の流通管理をしていくということで、我々として関与をしていくということで考えていきたいというふうに思っております。

奥田委員 次に、いろいろな工業用アルコール、あるいは醸造アルコール、エタノールといいますか、そういったものの用途をできたらどんどんこれから広げていきたいなという思いを新しい会社の方も持っていると思います。食品の分野が少しずつ拡大していっているんだという話を聞き、そこは確かに今のこれから特殊会社になろうとする会社の強い部分でありますから、明るい話なんでありましょうけれども、もっとダイナミックに使える部分がないかなというふうなことなんです。

 例えば、日本のこの工業用アルコールの品質が大変高いということであれば、一つの海外戦略として外に出して、輸出品として強いものじゃないかなと言ったら、海外では使用される用途が余りないんだというふうなことを聞きました。海外でもアルコールはたくさんつくっている、それは、経済産業省の方の言うには粗留アルコールというもので、品質の粗い、どちらかというと燃料で使われている用途になっているんだということを聞いています。

 ちょっと、副大臣あるいは局長さんにお聞きしたいんですけれども、最初は局長さんかな。日本は工業用アルコールが需要としてたくさんあって、海外の大勢というのは粗留アルコールというものが大きな消費、バックグラウンドになっている。この用途の違いというのはどこから来ているのか。あるいはシェアすることでお互いに新しい産業分野ができてくるんじゃないかと思いますけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 諸外国では、まあ諸外国といっても一概には申せないわけですけれども、幾つかのケースを申し上げますと、例えば、アメリカでは燃料用に一千百六十三万キロリットル、ブラジルは一千四百七十四万キロリットル、けた違いに大きな量のアルコールを燃料用に使っております。これは、御案内のとおり、例えばブラジルのケースでは、今は違いますけれども、かつては石油の生産が物すごく少なかった。石油の輸入をしているものですから、海外依存度を減らすためにサトウキビからつくったアルコールを燃料用として使用した、そういう背景があると思います。

 今アメリカとブラジルのケースを申し上げましたけれども、フランス、イギリスなどでは、アルコールについては、余り現時点では燃料用には使っていない。ただ、工業用には、イギリスで二十七万キロリットル、フランスで二十五万キロリットルということで、工業用には使っております。ただ、その内訳としてどういう分野に使っているのかというのは、ちょっと私どももデータが得られておりませんけれども、恐らく想像しますに、日本のように食品のところに、そういうある種の防腐剤的に使っているケースは余り多くはないのではないかというふうに推測しております。

奥田委員 副大臣の方にお尋ねしたいんですけれども、今海外で燃料使用というものがあるというお話がありました。

 二年前にも、高濃度アルコール燃料ということで、車がちょっと火を噴いたり、あるいは、どこまでが脱税でどこまでが脱税じゃないのかというようなことで、燃料の、揮発油の品質確保に関する法律というものが改正されたりもしました。

 ちょっとそのときも、一つのこれからの環境政策や、国内でもバイオディーゼルだとかそういったものをどうやって伸ばしていくんだということで、経済産業省の、資源エネルギー庁の検討課題として、今確かに安全なガソリンあるいは軽油というものを保持しなきゃいけないけれども、新しく伸びていく分野として、一つの燃料のバイオ化ということを進める施策を検討しなきゃいけないという中で、法として出てきたのは、たしか三%混合、ガソリンには三%ということで、E3ガソリンですか、海外ではE10、一〇%混合が主流だと聞いていますけれども、そういったガソリンの規定というものをつくったと思います。

 ただ、これを広げていく上で、今、大臣たちも御存じでしょうけれども、滋賀県の琵琶湖をきれいにしたいというところから始まった菜の花プロジェクトというものがあって、議連もありますけれども、そんな中でも何とかバイオ燃料を規制なく使いたいというような話があります。ガソリンには三%という規制、これはもっと広げたいし、あるいは三%、もし欧米の一部のように義務化ということになると、あっという間に工業用アルコールというのか醸造アルコールの市場というのは数倍に膨れ上がるわけです。

 そんなことも踏まえて、あと、今現在、経済産業省がどうやってバイオ燃料というのを拡大していこうとしているのか、これは副大臣の方にお願いします。

 そして、お役所の方には、経済産業省の方には、確認しておきたいんですけれども、今、バイオ燃料は軽油代替としては使ってもいいわけですね。トラック協会なんかでも、二〇%混合、軽油に対してですけれども、そういったものは使われているという話も聞いていますけれども、軽油代替としてはバイオ燃料は使っていいのかどうかということの確認。そして、それに税制がどういうふうに絡んでくるのかということは製造産業局長の方に、あるいは資源エネルギー庁ですか、聞かせていただきたいと思います。

中川国務大臣 バイオエネルギーをどういうふうにしていくかということは、日本のように化石エネルギーがほとんどないという中で、いわゆる再生可能エネルギーの一つとして、今御指摘の菜の花プロジェクトのような形でこれから進めていきたい。これは、経済産業省だけではなくて、農林水産省とか環境省、政府一体となってやっていきたいというふうに今進めているところでございます。

 実は、私のところも、小麦あるいはまたトウモロコシから、まだ実験段階ですけれども、エタノールをつくって、それをエネルギーにしていきたいという実験が三年目に入っているところでございます。

 ブラジルのサトウキビでありますとか、カナダ、アメリカ等々では、バイオエネルギーというものにかなり優遇措置をとりながら、環境にやさしい、しかし、コストの面とかいろいろ問題点もあって、御指摘のように、E3なら今のエンジンでも大丈夫ですけれども、E10になると今のエンジンではなかなか難しいとか、いろいろな問題点もありますけれども、やはりエネルギーの多様化、あるいはまた再生可能あるいはクリーンなエネルギーの一つとして、バイオエネルギーというものは今後のエネルギー政策の中の、これからの一つの大きな柱になっていくというふうに考えております。

    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

岩井政府参考人 お答え申し上げます。

 バイオ燃料の利用でございますけれども、これには大きく二つございまして、委員御指摘がございましたように、ガソリンにまぜて自動車用燃料として使う場合がございます。これにつきましては、自動車を改造しなくても使えるような安全な規格というのはどういうことであるかという観点から、三%を上限としてエタノールをガソリンに混合することを、御指摘いただきました揮発油等の品質の確保等に関する法律及びこれに基づきます省令で認めているところでございます。

 他方で、また御指摘がございましたように、今度は軽油の方にバイオマス関係のものをまぜていくという動きもございます。これは具体的に、今申し上げましたガソリンにまぜるような場合と同じように、どれぐらいのものをまぜたならば車等に与える影響がないのかというような、同じような規格をつくる必要がございまして、現在、そういう観点から、燃料規格を省令として定めるべく、十七年度中を目途といたしまして検討を続けているところでございます。

 今のような格好で、安全面も考慮しながら、できるだけバイオエネルギーを使っていきたいということで、環境の整備に努めているところでございます。

奥田委員 以上で質問は終わりますけれども、一応日本も自動車産業というのは中心の一つでありますし、また、海外でそういった対応ができているし、今使っている人たちで、やはり故障があったりという中でもアルミやゴムの燃料系統の部品をステンレスにかえるだけで対応できているとかいう話なんかも聞いたりします。ぜひとも、これからまた新しい温暖化大綱ができることでもありますし、燃料のバイオ化ということも政府を挙げて拡大策に取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

河上委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 アルコール産業株式会社法案について質問をさせていただきます。

 第一に、職員の雇用への配慮の問題についてお尋ねいたします。

 自由化に向けた暫定措置期間のこの五年間に、NEDOアルコール製造部門は工場の再編や組織のスリム化などを行ってまいりました。アルコール事業は、国の専売制度から自由化に向けた暫定措置、そして完全自由化と、事業のあり方が大きく変わってまいりました。それに伴い、職員の身分も国家公務員からNEDOの職員、特殊会社社員と変えられている。まさに国策でみずからの身分が振り回されてきたというのが現状だったと思います。特殊会社として民間企業と競争していくとなりますと、さらなるリストラの問題など、先行きの不安もお感じのことと思います。

 現在、アルコール供給の六割をNEDOアルコール部門が製造しており、新会社も引き続き大きな比重を占めることになります。工業用アルコールの安定供給を確保するという観点からも、職員の雇用には十分な配慮をすべきだ、このように考えますが、いかがでしょうか。

平田大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 経過としてはお話のとおりでございますが、なおかつ、これまでやはり工場再編等のためにさまざまな状況はございましたが、それはそういう理由で対応をしてまいりました。

 今後は、御指摘のように、かつ新会社というのは、国にとって大変重要な、アルコールを安定供給するという大変重要な責務がございますので、そういう観点からも、さらにその会社の経営基盤をしっかりするためにも、職員の雇用や処遇につきましては、しっかり指導監督をしてまいりたいと思いますし、職員の今後のことも想定をしながら、しっかり対応してまいりたいというふうに思っております。

塩川委員 雇用の問題や労働条件の問題について、労働者の皆さんの声をしっかりと聞く、労働組合の意見もしっかりと聞く、そういうふうにきちんと協議、責任を負うということを改めて確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。

平田大臣政務官 おっしゃるとおり、しっかり指導監督してまいりたいと思っております。

塩川委員 次に、中小の需要家対策についてお尋ねをいたします。

 工業用アルコールを使用している許可使用者の八五%が中小企業者であります。国の認可価格制度の廃止により、今後アルコールの販売価格に地域格差が生じるんじゃないか、こういう心配の声もあります。中小零細のユーザーの方ですとか、また遠隔地のユーザーの方にとって、流通面や価格面で悪影響が出ないようにすべきだ。こういう悪影響が出るかどうかという今後の見通しについてどのようにお考えかということと、それに対してのどのような対策をとるのか、この点でお聞きしたいと思います。

塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のとおり、工業用アルコールにつきましては、その約八五%を中小事業者が使用している。そういうことで、専売制度の廃止に伴いまして、やはり中小事業者への配慮ということで五年間の暫定措置をつくり、それでNEDOの一手購入・販売機能等を付与したわけでございます。ただ、今回、まさしくそういう一手購入・販売制度というのがなくなりますので、そういう意味では、地域の特に遠隔地の中小企業も含めまして、それなりの配慮が必要かと思っております。

 それで、先生御指摘の価格でございますけれども、やはり市場が自由化されますので、そういう意味では、取引の規模や輸送距離に応じましてそれなりの価格面での格差が生じてくる可能性はあろうかと思います。

 ただ、御案内のように、既にNEDOも相当コスト削減に努めて、例えば、平成十二年にキロリッター十二万円強しておったアルコールも八万五千円ぐらいに下がり、そういう意味でそれなりの経営努力をしております。今回、この法律によりましてさらに製造事業者間の競争が本格化しますので、全体的にはさらなる一層のコスト削減、合理化が進められますので、中小事業者にとりましても、全体としてはより安価な工業用アルコールが供給されるというふうに我々は見ております。

 それで、そういうことで、我々も、この暫定期間終了に当たりまして、中小事業者への影響ということで昨年の十月に、これは全使用許可事業者ですけれども、四千六百五十九事業者ありますけれども、アンケート調査をいたしました。

 それで、この暫定措置期間の終了に対しますアンケートですけれども、価格面では約七割の中小事業者が現状維持または安くなるだろう、それから、納期も購入量の確保や取引条件も問題ないだろうということで九割の事業者がそういうふうに回答しているということでございます。それから、販売事業者もかなり、四百事業者が七百二十五事業者と拡大してきておりまして、そういう販売面の部分も整備をされつつあるということで、我々といたしましては、こういう中で、引き続ききめ細やかにアルコール事業法の流通管理の中で、中小企業需要者へもきめ細やかな情報収集と対応をやってまいりたい、万全を期してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

塩川委員 アンケートで今後の見通しについては、安くなるだろう、取引条件についても問題ないだろうというのが多数ということはお聞きしております。同時に、この先というのはどうなのかわかりませんから、そういう点で、提案なんですけれども、二年とか三年後ぐらいに価格がどうなったかというのを少しフォローするといいますか、調査してみて実際の地域格差がどうなっているとか、その辺を一度検証するということも必要なんじゃないのかなと、今までの統一の価格ということもありましたから。その辺をぜひ御検討いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

石毛政府参考人 アルコールにつきましては、NEDOが特殊会社に移行して、さらに完全民営化された状態にあっても、現在のアルコール事業法、流通管理の法律は残って、それで機能させるわけであります。その中で、アルコールが安定的に供給されているかどうかということもしっかり見ていかなくちゃいけないと思っておりますので、そういう御指摘の価格の点についても、適時、どういう段階で把握するのかというのは今直ちにお答えすることはできませんけれども、よくフォローをしていきたいというふうに思っております。

塩川委員 価格の点についてぜひフォローしていただきたいと思っています。といいますのも、今、原材料価格の高騰問題というのが大変懸念をされておりまして、これは原油もしかり、鋼材価格もしかりで、大変それが中小企業者にとって大きな負担になっている現状があるわけです。全体として下がってきていると言われているアルコールにつきましても、将来の見通しについては、これはこれで全体の状況もあるでしょうから、そういうフォローアップをぜひお願いをしたいと思っております。

 そういった原材料価格について、中小企業者が圧迫をされている状況についても正していくということが求められていると同時に、やはり中小企業者の皆さんにとっては、何よりも資金繰りの問題というのが一番の懸念の材料になっているわけです。

 そこで、何点かお聞きしたいと思っているんですけれども、資金繰りの問題については、ひところよりも改善してきているという声も聞くわけですけれども、これが中小企業の実態をリアルに反映したものなのかどうかという点で、若干の疑問があるわけであります。

 これは、経済産業省の中小企業政策審議会で信用補完制度のあり方に関する検討小委員会が設けられて、ここで部分保証の議論が行われていることに心配の声が上がっているわけですね。要するに、中小企業の実態について、これは中小企業庁が中小公庫に委託した調査ですかね、プロパーの借り入れと保証つき借り入れの二極化がこの間進んでいるというのが紹介をされておりました。こういうデータなどを踏まえて、中小企業家同友会全国協議会からも信用補完制度縮小の検討の中止を求める要望書も出されており、具体的な御意見としても、こういうのは絶対反対だ、貸し渋りが再発をするという懸念の声も紹介をされております。

 そこでお尋ねしたいんですが、先ほども言いましたアンケート調査で、二極化が進行している、保証つきじゃないと融資を受けられない層が四割に上っているわけです。こういうときに、改めてこの保証の役割というのが問われているんじゃないか。保証の役割というのをこういう現状を踏まえてどのように認識しているのか、その点をお聞かせください。

望月政府参考人 お答えします。

 保証の現状につきまして、まずは十五年度末の保証債務残高全体を見てみますと、約三十兆円でございまして、中小企業向け融資の残高の約一割を占めるという意味では、信用補完制度は、中小企業金融の円滑化に大変重要な役割を占めているというふうに思っております。

 それからまた、今先生御指摘になられました、保証協会を利用している中小企業者の中で、保証協会の保証つき融資だけで借りている方というのは全体の中で四割とおっしゃいましたけれども、別の切り口でいきますと、保証協会を利用している中小企業者の中の三分の二の方が保証つき融資だけで行っているという実態もございます。

 こういう中小企業者にとって特に公的信用補完制度というのが大変重要な制度になっているということは論もまたないわけでありますけれども、同時に今、先ほど先生御指摘の検討小委員会でやっているお話でございますが、一〇〇%保証の現行制度のもとでは、本来、金融機関が融資先に対してきめ細かく経営支援をしたり再生のためのアドバイスをしたりする役割があるわけでございますけれども、そこについて、金融機関自身がリスクを一切負っていないという現状から、同様の経営支援が行われないのではないかということを懸念する声も多いことも事実でございまして、この辺につきまして、先ほどの検討小委員会というのが幅広い視点から双方の意見をいろいろ伺っているという現状でございます。

塩川委員 信用保証のあり方の問題について、やはりその国独特の成り立ちがあるわけですね。私、そういう点では、日本の信用保証制度というのは、国際比較をした中でもいろいろな面で拡充をしてきている点というのがあるんだと思うんです、もちろん、ほかの諸外国でも違う手段で、調達手段なども含めて工夫をしていると思うんですけれども。

 そこで、よく部分保証の話を前に議論した際に、海外の事例で、海外はほとんど部分保証なんですということを言われたものですから、確認で一つお聞きしたいんですが、諸外国の保証の状況についてなんですけれども、保証の承諾の額というのが日本は幾らで、あと、米、英、独、仏ぐらいでわかるところを、保証承諾額ということで紹介いただければなと思うんです。

望月政府参考人 なかなか公的統計が入手困難ではございますけれども、今私どもで掌握しておりますのは、二〇〇三年度でフローで保証承諾が行われた額というものが、我が国は十五兆二千億円でございますけれども、米国は百二十五億ドル、換算レートにもよりますが一応一兆三千億円ぐらい、それから英国が四億一千万ポンド、八百三十六億円ぐらい、それからドイツが六・二億ユーロ、八百八十七億円、フランスは四十六億ユーロで六千五百八十三億円というものが、一応、統計上入手いたしております。

塩川委員 保証承諾の額を見ましても、日本の額というのが大変大きな金額に上っている、こういう現状があると思うんです。そういう点では、信用保証について見ても、中小企業の皆さんが受ける影響というのは大変大きなものがあるということが、この保証承諾額にもあらわれていると思うんですね。

 実際、私も試算してみました。全中小企業に占める保証を利用している中小企業者数の割合、同じ二〇〇三年度でいいますと、アメリカが一・三%、イギリスが〇・一六%、ドイツは〇・一八%、フランスが二・四%、それに対して日本は四割と言いましたように、三九・八%が利用しているという点では、けたが違うということがあると思うんです。それで、その背景に、やはり日本の金融機関の姿勢といいますか、中小企業のニーズとしての信用保証の充実というのが一方で歴史的に積み重ねられてきたのではないかなと思っているわけです。ですから、そういう点では、海外が部分保証がどうのというから日本でという議論というのは単純に持ち込めないものだということを、ぜひ議論の上で踏まえていただければなと思っております。

 そこで中川大臣にお伺いしたいんですが、この部分保証についてですけれども、これは二〇〇二年の十一月に、DIP保証、事業再生保証について私が当時の平沼大臣に質問をいたしました。部分保証についてどう考えるのか、DIP保証で一部、部分保証を導入する、これを全部開くなんということは、とてもそういう状況にないじゃないかという点でお聞きしたときに、平沼大臣の答弁は、「部分保証によっても民間金融機関からの十分な中小企業向け融資が確保されるような状況になるまでは、部分保証制度を広く導入することは、中小企業への円滑な資金供給を確保する観点からは現実的ではない、」「DIP保証以外については従来どおり全額保証であることを私どもは明らかにしてまいりたい、」と答弁をしています。

 つまり、先ほども冒頭紹介しましたように、今、中小企業者の方から部分保証に対しての危惧の声がある。円滑な資金供給を確保する観点からも、現状で部分保証を大きく開くなんということは、とてもそういう状況じゃないと思うわけですが、こういう立場というのは今でも変わりないものだと考えますけれども、いかがでしょうか。

中川国務大臣 今、塩川委員からも御指摘ありましたように、企業がいろいろな資金調達をするときには、各国それぞれ、ある意味で特徴があるわけでございまして、日本の場合には有担保であるとか人的保証であるとかいうものが今まで中心であったわけですけれども、この委員会でも、無担保無保証でありますとか、また貸出債権の証券化であるとか、いろいろな手法を御審議いただき、これからまた、多様な企業支援といいましょうか、が出てくるわけでございます。

 他方、当時と比べまして日本経済が、総じてでありますけれどもよくなってきている。例えば、業況調査なんかを見ましても、当時に比べると大分よくなってきております。ただ、私も何回もこの場で答弁させていただいておりますように、特に中小企業とか地域とか業種によってまだまだばらつきがあるとは思います。

 いずれにしても、DIP保証のあるべき姿も含めまして、本来、先ほど長官からもございましたけれども、やはり貸す方も一〇〇%間違いないんだ、あるいは借りる方も一〇〇%借りられるんだ、その結果、全部この保証の保護でリスクをかぶるんだというのも健全な金融の形態ではないというふうにも思います。今まさに審議会で、現在の経済状況、あるいはまた今後の企業金融、特に中小企業金融のあり方について検討をしている最中でございますので、そこも踏まえて、またいろいろと判断をしていきたいというふうに考えております。

塩川委員 部分保証をやると決めたわけじゃないと。この点は、部分保証をやると決めたわけじゃないというのはよろしいわけですね。

中川国務大臣 まさに審議会で今ずっと議論をしている最中でございますから、その議論を踏まえた上で、またいろいろ考えていきたいと思っております。

塩川委員 この前の経済産業委員会の参考人質疑でもいただきました、東京商工会議所の副会頭の井上愛知産業社長もこの部分保証の問題について発言をされて、中小企業にとっては一〇〇%保証でぜひともやっていただかないと、なかなか融資を受けられない、ぜひとも一〇〇%保証を継続してもらいたいと。これが多くの中小企業者の方の声だと思いますので、それを受けとめた対応をぜひお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

河上委員長 では、細野豪志君。

細野委員 さっきの確認からしたいと思うんですが、この教材が、二年連続同じ予算で、同じ金額三百万でついているということを改めて質問させていただいて、では、まず御答弁ください。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十五年度、平成十六年度、両方とも予算書では広報素材等作成委託費の中で広報ビデオ・映画作成費が計上されてございまして、九百十五万円ずつ計上されてございます。その中で、ビデオの作成単価につきましては、三種ということで、一種当たり三百万円という計上がなされてございます。

 以上でございます。

細野委員 要するに、同じものが同じ金額で予算がついているということですね。

 さっき裏で伺ったら、ただ、平成十六年度の予算については、決算が出ていないのでまだ出したか出していないかがわかりませんという話ですが、もうこれは明らかに、予算がそれぞれ制作費が三百万ついていて、同じものをつくっちゃっているわけですよ。そういうことでいいんですね。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十五年度については、予算額九百十五万円に対して実績額八百九十八万円ということでございます。平成十六年度については、これから早急に確定をいたしたいということでございます。

 それで、できているものについては、先生と同じ認識で、十五年度、十六年度のものは私ども把握しているということでございます。

細野委員 辛うじてまだ決算が出ていなかったので、十六年度の決算で、出せないということはもしかしたらできるかもしれない、そういう話ですね。

 では、ちょっと部長に、少なくともこれは確約いただきたいんですが、我々、三年分の予算書しかもらっていないんですね、十五、十六、十七と。その前は決算が確定した年ばかりです。場合によってはその前の年も同じものをつくっているんじゃないかと私は見ています。ですから、十四年度、十三年度、十二年度、少なくとも三年分の予算書をいただける確約をここでしていただきたいのと、あとは、決算はそれだとないんだ、予算では載っているけれども、決算が確定していないんだと逃げられているんだけれども、決算書もきちっと出すということを、これは大臣に確約していただいた方がいいかな。部長、では確約してください。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十四年以前三年度分について、予算書及び実際の確定額について提出させていただきたいと思います。

細野委員 大臣、これは氷山の一角なんですよ。

 いろいろ見てみて、きょうは質問時間がなくなってしまったのでもう詳しくしませんが、これがそれぞれ予算がついて出ているパンフレットですが、年はまたいでいますが、これも極めて類似をしています。写真がちょっと変わっていたり文章が縦が横になっていたりする程度の違いです。

 これは広報マニュアル、五千万、三千万それぞれかけているんですが、これも、この年と、これはまだ出ていないそうですが、中身は極めて似ています。

 ここにいっぱいパンフレットを持ってきたんですが、それぞれしかるべきお金がかかっていて、これも、全部は取り寄せていませんが、非常に類似したものが多い。膨大なむだがこの特会には間違いなくあるんですよ、最後にそのことをお伺いしますが。

 せっかくの場所なんでここで確約してほしいんですが、このパンフレットの中に、裏を見ると発行で社会生産性本部というのがいっぱいあるんですよね。これは、それこそさっきのホームページとか相談室と同じところが受けていて、ほとんど社会生産性本部なんですよ。

 改めて要求しておきますが、ホームページについてさっき要求しましたが、社会生産性本部が一体この電源特会から幾ら受けていて、どういう事業を受けているのか、これを全部そろえて出していただけますか。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 社会生産性本部に電源特会から予算を計上しているものについては、すべて御説明、公開させていただきたいと思っております。

細野委員 では、時間がなくなりましたので、最後に大臣にお伺いします。

 これは私なりに考えて質問したつもりでして、こういう重箱の隅をつつくような質問も、これもやはりやらないかぬと思ってやっておるんですが、大きな枠組みとして私が申し上げたいことは、電源特会、確かに税金が入ります、三千五百万ぐらい。その中でお金が余っています。そして、余っている一方で、何とか使わなきゃならない、余っているものだから逆に使わなきゃならないというプレッシャーがかかって、一般会計からもいろいろ事業を持ってきているし、こういう膨大なむだ遣い、場合によってはこれは財政上違法行為にも当たるようなことも中に含まれているむだが行われています。特会の改革をぜひやるべきだと私は思いますが、大臣、このことを、きょうの質疑をお聞きになってどうお考えになるか。

中川国務大臣 そもそも電源特会というのは、電源立地のための必要なお金であり、それからまた地元の皆さんのいろいろな不利益、また御協力に対しての貢献でもあるわけであります。

 一般論としては、先ほどお話がありましたように、特会であり国民の税金であるということになりますと、私としては、大きな項目として二点徹底的に調査をし、できるだけ早く公表させていただくということを約束させていただきましたが、これも含めて、我々のこの電源特会、もちろん、大事に使われている部分もございますし、中長期的にかかるものもございますけれども、国民の皆さんあるいは当委員会に対してきちっと説明ができるように、全力を尽くして公表できるようにお約束をしたいと思っております。

細野委員 経済産業省の中にはほかにも特会がありまして、それぞれむだ遣いがやはり行われているというふうに私は思っています。ですので、その部分について集中的に当委員会で審議をお願いしたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

河上委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

河上委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、参議院送付、日本アルコール産業株式会社法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

河上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、平井卓也君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び日本共産党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。細野豪志君。

細野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、案文を朗読いたします。

    日本アルコール産業株式会社法案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 日本アルコール産業株式会社(以下、「特殊会社」という。)の民営化に向け、特殊会社の株式を売却するにあたり、公正性及び透明性を確保するとともに、確実かつ早期の民営化を実現できるよう、会社の更なる業務・経営効率改善とともに、アルコールの品質や需給の適正なバランスの確保に万全を期するよう、指導・監督を行うこと。

 二 アルコール製造工場が地域経済の発展に貢献してきたこと等にかんがみ、新エネルギー・産業技術総合開発機構から特殊会社への移行に当たっては、職員の雇用と待遇について当該職員が不当に不利益を被ることがないよう、十分配慮すること。

 三 特殊会社が競争力を維持するため、アルコール製造業務に支障を与えない範囲において新事業分野に積極的に取り組むとともに、その成果が需要者等に還元されるよう、指導・監督を行うこと。また、特殊会社の民営化に向け、適切な経営体制を確立するとともに、適切な人材を広く内外から起用するよう、厳格に取り組むこと。

以上であります。

 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

河上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

河上委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川経済産業大臣。

中川国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

河上委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

河上委員長 次に、資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する件、特に関西電力美浜発電所三号機二次系配管破損事故についての最終報告書について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁原子力安全・保安院長松永和夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 この際、松永原子力安全・保安院長から説明を聴取いたします。松永原子力安全・保安院長。

松永政府参考人 お手元に三枚紙の資料を配らせていただいております。

 関西電力美浜発電所三号機二次系配管破損事故の最終報告書の概要につきまして御説明をさせていただきます。

 一ページ目でございます。

 事故が発生をいたしましたのは昨年の八月九日でございますが、翌日の十日に朝田委員長を初めといたします七名の委員から成る調査委員会を設置いたしまして、三月三十日まで十回にわたり審議をしていただきました。その結果、最終報告書が三月三十日にまとまった次第でございます。この間、この委員会自身、九月と三月の中旬二回、福井市で開催をいたしております。

 二でございます。事故の原因でございます。

 事故の直接的な原因は、事故が起こりました当該配管部分が点検リストから記載漏れをしていた、このことが長年見落とされた結果といたしまして、配管が侵食、腐食をしたということでございますが、その後の調査によりまして、さらにその背景には、事業者における不十分な保守管理、品質保証の体制があったということが明らかになりました。

 下に書いてございますように、当初、点検の作業を請け負っておりました三菱重工業それから関西電力、ともにチェック作業、意思疎通を怠ったこと、また関西電力の不適切な外注管理があったこと、また関西電力の工程優先意識があったということがございました。

 今回の事故の関連で調査をいたしましたところ、平成七年前後から現在に至るまで、配管減肉調査を行って技術基準を下回ることが判明した場合におきましても、技術基準を独自に解釈いたしまして補修を先送りにする、こうしたケースが三つの原子力発電所で累計七十八カ所に及ぶということも判明した次第でございます。

 関西電力の責任と再発防止対策でございますけれども、下から四行目に書いてございますように、原子炉設置者としての運営管理、あるいは現場の実態を把握し、是正するという管理体制、いずれにおきましても問題がございました。したがいまして、保守管理能力の向上と外注管理の徹底が急務である、また、企業風土を改善するための持続的な取り組みが不可欠である、こういう指摘がされております。

 二ページ目でございます。

 こうした事故調査委員会の指摘を踏まえまして、関西電力は、三月一日に再発防止報告書、また三月二十五日に具体的な行動計画を提出しております。行動計画の概要につきましては、三ページに参考として添付させていただいております。

 これを受けまして、保安院といたしましては、関西電力がこの行動計画に示されましたコミットメントに基づきまして再発防止策を実行し、品質保証体制と企業風土の抜本的な改善が図られるかどうかということにつきまして、特別な保安検査等によりまして厳正に監視、指導していく、こういうことが指摘をされております。

 四でございます。

 三菱重工業でございますけれども、プラントの建設、保全の中核を担うメーカーとしての自己規律を欠いた行為でありまして、同社のみならず原子力安全全般への信頼を損なうものである、こういう指摘がございます。

 この指摘を踏まえまして、三菱重工業につきましても、三月一日に再発防止報告書、また同月二十三日に追加報告書を保安院に提出しております。その概要につきましても、三ページに添付をさせていただいております。

 これを受けまして、保安院といたしましては、三菱重工業に厳粛な反省を求めまして、その再発防止対策と社内改革活動が確実に実施されるか、厳しく注視していくこととしております。また、三菱重工業につきましては、PWR、加圧水型原子炉の唯一のメーカーでございますので、メーカーとしての自覚を持って安全確保に取り組むことを期待する、こういう記載になっております。

 五でございます。国、原子力安全・保安院の責任と対応でございます。

 配管の肉厚管理でございますけれども、この具体的な方法につきましては、これまで事業者、各社にゆだねられてきたということが不適切な運用を招いた一因であるというふうに真摯に反省をしております。保安院といたしましては、昨年の十二月に検査対象及び検査方法の明確化をするための省令改正、また、先月の中旬には詳細な評価の仕方あるいは測定を行うためのガイドラインというものを通達として明確化したところでございます。

 加えまして、各社の品質保証に対する規制でございますけれども、いわゆる東電問題の発生を受けまして、一昨年の十月から、保守管理、品質保証活動の検査、指導を行う、こういう検査体制に移行しておりますけれども、こうした検査方法の継続的な改善を図ることによりまして、全事業者につきましても、保守管理、品質保証活動の徹底を改めて強く指導していく、こういう考え方でございます。

 以上でございます。

河上委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十五分散会


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