衆議院

メインへスキップ



第5号 平成22年3月26日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十二年三月二十六日(金曜日)

    午前十時十四分開議

 出席委員

   委員長 東  祥三君

   理事 柿沼 正明君 理事 北神 圭朗君

   理事 杉本かずみ君 理事 三谷 光男君

   理事 吉田おさむ君 理事 塩崎 恭久君

   理事 平  将明君 理事 佐藤 茂樹君

      稲富 修二君    太田 和美君

      笠原多見子君    金森  正君

      川口  博君   木村たけつか君

      近藤 洋介君    斉木 武志君

      柴橋 正直君    白石 洋一君

      田嶋  要君    平  智之君

      高橋 英行君    高松 和夫君

      高邑  勉君    豊田潤多郎君

      永江 孝子君    花咲 宏基君

      藤田 大助君    松岡 広隆君

      松宮  勲君    森山 浩行君

      山本 剛正君    柚木 道義君

      梶山 弘志君    北村 茂男君

      近藤三津枝君    塩谷  立君

      高市 早苗君    谷畑  孝君

      永岡 桂子君    額賀福志郎君

      江田 康幸君    吉井 英勝君

    …………………………………

   経済産業大臣       直嶋 正行君

   法務副大臣        加藤 公一君

   経済産業副大臣      松下 忠洋君

   経済産業副大臣      増子 輝彦君

   内閣府大臣政務官     泉  健太君

   内閣府大臣政務官     田村 謙治君

   経済産業大臣政務官    近藤 洋介君

   経済産業大臣政務官    高橋 千秋君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 平松 賢司君

   政府参考人

   (文部科学省生涯学習政策局長)          板東久美子君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    長谷川榮一君

   経済産業委員会専門員   綱井 幸裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十六日

 辞任         補欠選任

  白石 洋一君     高橋 英行君

  平  智之君     豊田潤多郎君

  森山 浩行君     永江 孝子君

  西野あきら君     北村 茂男君

同日

 辞任         補欠選任

  高橋 英行君     白石 洋一君

  豊田潤多郎君     平  智之君

  永江 孝子君     森山 浩行君

  北村 茂男君     西野あきら君

    ―――――――――――――

三月二十六日

 中小零細企業の経営安定に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第六二二号)

 地域を支える中小業者の支援に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第六二三号)

 同(鳩山邦夫君紹介)(第六三二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

東委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省生涯学習政策局長板東久美子君及び中小企業庁長官長谷川榮一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

東委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤茂樹君。

佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。

 きょうは、各党各会派の調整で、私ども、野党でありながら、一番目に質問をさせていただくことになりましたことを感謝申し上げたいと思います。

 早速、法案に即して何点か御質問をさせていただきたいと思うんです。

 今回のこの中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案、幾つか改正のポイントがあろうかと思うんですけれども、その一つは、共済金を貸し付ける事由の拡大ということが一つのポイントになろうかと思うんです。

 今までの現行法では、共済金の貸し付けの対象となるいわゆる倒産というのは、一つは法的整理手続の開始と、もう一つは銀行取引停止処分の二つに限定をされてきたわけですね。これは、この制度が昭和五十三年四月から運用が開始されておりますけれども、その後、二回の改正でも、昭和五十五年の改正と昭和六十年の改正がございました、しかしそのときにも共済金を貸し付ける事由の拡大というのは行われませんでした。貸付限度額の拡大というのはそのとき行われましたけれども、この事由の拡大というのはその二回の改正のときにも行われなかったわけでございます。

 制度の施行から三十二年たって、今まで行ってこなかった貸付事由の拡大を今回の改正で行われる理由は何なのか、まず経済産業大臣にお伺いしておきたいと思います。

直嶋国務大臣 おはようございます。

 参議院本会議の都合で経済産業委員の皆さんに御迷惑をおかけしまして、どうも申しわけありません。

 今の佐藤委員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。

 これまでの取引では手形取引が一般的に使用されておりまして、取引先が私的整理に至っても、多くの場合においては銀行取引停止処分がなされ、共済事由に該当したため、貸し付けを受けるということは可能であったわけでありますが、近年、手形取引が激減をしておりまして、ピークに比べますと大体四分の一ぐらいに取引そのものが減少いたしております。

 したがいまして、私的整理となった取引先が銀行取引停止処分を受けていないために共済契約者が貸し付けを受けることができない、こういうケースが増加をいたしておりまして、銀行取引停止処分を受ける前に私的整理を開始するケースにおいては、これまでは該当しなかったので貸し付けを利用できなかったわけでありますが、今回の改正では、こうした事情を踏まえた上で、また一方で、共済契約者からの要望もございました、そういう要望も踏まえまして、裁判外で債務者の債務整理等を行う法的資格を有する弁護士または司法書士が関与する私的整理を共済事由に追加をする、こういうことにさせていただきました。

佐藤(茂)委員 今、今回追加された理由を大臣の方から御答弁いただきました。今御答弁ありましたように、取引先企業の弁護士または司法書士がそういう形で通知をすることを要件とする、そういう形になろうかと思うんです。

 もう一度、再度確認しておきたいんですけれども、私的整理というのはさまざまな態様があり得るわけですね。悪いケースとしては、例えば偽装倒産のような不正な案件をいかに排除していくのかということもこの私的整理では非常に大事になってくると思うんです。そういう倒産という実態があることを客観的、形式的に判断し得る要件をいかにきちっと要件づけるかということが私は非常に大事になってくると思うんですね。

 今大臣のおっしゃった答弁で、もう一度さらに厳密にお答えいただければありがたいんですけれども、そういう共済事由の発生やその時期を、現行法に倣って、きちっと客観的、形式的に判断し、公平な運用ができる場合というのをどういうようにきちっと限定するのか。今、若干最初の答弁でいただきましたけれども、そういう弁護士とか司法書士が、ただ要するに通知すれば、それが要件に全部当たるんだ、そういう考え方でいいのかどうか、厳密にお答えいただければありがたいと思います。

松下副大臣 委員のおっしゃるとおりでございます。私的整理を追加するに当たっても、やはり現行の共済事由同様、明確に判断できるものをしかっとしなきゃいかぬ、これはそのとおりだと思っています。

 今大臣からもお話ありましたけれども、今おっしゃった偽装を排除するというようなこともございまして、貸付請求を行う共済契約者に、取引先が私的整理を行う旨を記載した弁護士等からのしっかりとした通知書が提出される、それをしっかり求めた上で、中小企業基盤整備機構みずからが、通知書を発出した弁護士等に、実際に私的整理に着手されているんだということを確認するということを、しっかりフォローしてやっていくということをしております。

 この取引先の債権債務整理を行う法的資格を有する弁護士あるいは認定されている司法書士、そういう人たちが私的整理に関与して、共済契約者に対して私的整理を開始する旨の通知を出すことというのがしっかり確認されていくことが大事だというふうに思っております。

佐藤(茂)委員 今、松下副大臣からありましたように、通知書がきちっと提出される、そういうことが一つの大きな要件だということで言われました。

 その上で、この制度を改正するに当たっての昨年の六月の有識者の皆さんの議論の中間報告、その中でも若干議論されていた中では、さらに、そういう倒産の実態をより慎重に判断するために、私的整理が確実に進められていることの証左となるような文書、その中では例えば債権者一覧表とか財産目録とか、そういうものを共済金貸し付けの請求の際に加入者に求めるというようなことをされてはどうかということまでその報告書の中に書いてあるんですけれども、そういう手続上、今回のこの法改正に伴ってどのように適切な手続を整備されようと今考えておられるのか。まず経済産業省の考え方をお聞かせいただければありがたいと思います。

松下副大臣 審議会等でも十分な議論がなされておりまして、しっかりとした、共済契約者に対して私的整理を開始するという旨の通知書がしっかりと行くということがやはり大事だというふうに考えておりまして、ここのところの確認はしっかりしなきゃいかぬのだ、こう思っております。

佐藤(茂)委員 今のところ、ですから、逆に言うと、その通知書の確認がきちっとまず一つあればいい、そういう御判断だというように受けとめておきたいと思います。

 それで、今回、そういう意味で、私的整理の一部が共済事由の中に追加されるというのは私は評価したいと思うんですが、今後、それで、今回の中に入っているのかどうかも含めて、二点ほど確認をさせていただきたいんです。

 一つは、さらなる事由の拡大という点でいうと、日本の場合、自然災害が非常に多いわけですね。地震も頻繁に起こっておりますし、また夏から秋にかけては台風による風水害等も非常に起こるわけであります。これが日本の国土としての特徴なんですけれども、そこで事業を営まれている、日本という国で事業を営まれている中小企業にとっては、自然災害によって売り掛け債権等の回収が困難になるということも生じる可能性は十分あると考えられるんですけれども、今後、共済金の貸し付けを行う事由に自然災害等も追加していく、そういう考えはないのかあるのか、経済産業省としての考え方を確認しておきたいと思います。

松下副大臣 審議会でも議論になりました。共済制度では、収支相償といいますか、入ってくるもの、出すもの、これはやはりバランスがとれていることが大事だというのが共済制度の原則だ、こう考えておりまして、リスクの性質が大きく異なる、そういう事実を共済事由に含めることは難しいという議論の結果になっております。

 例えば、地震等の自然災害は、特定の時期に局地的かつ大規模に発生する。その地域に立地する多数の企業が一どきに経営が困難に陥るということになるわけです。

 これに対して、今回の共済制度の改正の目的は連鎖倒産を防ぐということですので、景況の変化に伴ってリスクが上下することはありますけれども、中長期的に見れば一定の範囲にリスクがおさまっている傾向がある。そういうことで、地震等の場合とは異なってくるんじゃないかということを考えております。

 一般の損害保険においても、自然災害については他の災害と区分をしておりますし、そういうことで妥当な方向じゃないかなというふうに思っております。

 審議会でも十分議論があった中での結論として、そういたしました。よろしくお願いします。

佐藤(茂)委員 わかりました。ですから、自然災害等には別のセーフティーネット等をやはりきちっと考えてもらう、そういう考えではないかなというように受けとめたわけでございます。

 もう一つは、取引先の状況によって、夜逃げ、廃業等の場合にどう対応するのかということも、今までは、厳密に言うと、現行法の二つの共済事由の条件というものは、この夜逃げや廃業というのは満たさないということから、今までも議論を何回か政府内でもされてきたんですけれども、例えば平成十一年四月の中小企業倒産防止共済制度に関する論点と考え方、中間報告、これはもう約十年以上前ですけれども、そのときにも、今後の倒産をめぐる法制度の整備状況等を見きわめながら検討を継続するというような、そういう形になってきたんですね。

 今回の改正案で、私的整理の一部が共済事由に加わることによって、取引先企業の夜逃げ、廃業等の場合について共済事由に追加されることになるのかどうか、明確な答弁をいただきたいと思います。

松下副大臣 夜逃げとか廃業というのは現実にあるわけですけれども、本制度の共済金の貸付事由については、連鎖倒産防止、迅速に貸し付けを行って防いでいくということが大事だというふうに考えておりまして、現実的に取引先が倒産していることを示す事実とかその発生時期というのが特定できて、事実として確認できることがやはり出発点だ、こう考えているわけです。

 その中で、夜逃げですけれども、いろいろな場合があると思うんです。実際に倒産状態となって夜逃げに至っているのかどうか、一時的に雲隠れなのか、いろいろなことがあると思うんですね。そういうことの確認が難しい。それから、発生時期というのを特定することが困難ということで、これは一応除外しておこうということになったわけでございます。

 廃業については、これはやはり債務の返済が滞っている、そして売掛金債権の回収ができないというケースにおきましては、今回の共済事由とする私的整理に該当するということになれば、これは共済金の貸し付けを受けることができるという判断をしております。

佐藤(茂)委員 それで、もう一点、私的整理の一部を追加することによって審査期間がどうなるのかという懸念があるわけですね。今までの二つの事案だけじゃなくて、私的整理の一部を追加することによって、事務負担が増加することはもう間違いないわけであります。

 ただ、今まで御努力いただいて、審査の開始から貸し付けまでは何日かかるかというのは、平成十二年には二十五・九日間かかっていたんですが、それが平成十九年には半分以下の十・〇、十日間でやる。平成二十年には少し遅くなって十二・一日と、ちょっと遅くなっておりますけれども、しかし平成十二年から比較すると大変改善されてきているわけです。

 今回の改正で、やはりいい面と、若干、そういう私的整理の一部が加わることによって審査期間がどうなるのかと。というのは、やはり連鎖倒産防止という、先ほどから副大臣言われています、そのためには、当面緊急に必要とされる資金をなるべく迅速に供給するというのが何よりも一番重要なポイントだと思うんです。この私的整理の一部が事務に加わったとしても、貸し付けまでに要する時間が物すごく長くなってしまって苦情が出るというようなことのないように、さらなる時間の短縮に向けた努力、これは事務の効率化も含めてしっかりとやっていただきたいと私は思うんですけれども、経済産業省の考え方を答弁いただければありがたいと思います。

松下副大臣 御指摘いただいたように、審査期間というのは、事態が事態であるだけに、できるだけ迅速にやるのが我々の努力目標だ、こう思っております。十年前には約六十一日かかっていたというデータもございますので、平成九年度六十・九ですけれども。それから十年後の平成十九年には十日程度となっているわけです。

 これは、全力を挙げて短縮していくようにしていきたいというふうに思っておりますので、努力していきたい。そのことによって事務量がふえたりいろいろありますけれども、これもしっかりとした改善努力をしていきたい、これは当然だと思っております。

佐藤(茂)委員 次に、二つ目のポイントでございます共済金の貸付限度額等の政令事項への改正ということが、今回、要綱でも大きな一つの柱になっているんですけれども、それをちょっとお尋ねしたいんです。

 今までは、昭和五十二年に成立して五十三年の制度創設以来、現行法まで、貸付限度額等はきちっと法定事項になっておったわけでございます。例えば、現行法では、第九条二項で「合計額が三千二百万円を超えてはならない。」ときちっと法律の条文で規定をされておったわけでございますが、それを今回、政令事項にされるという、一言で言うと、国会にかけなくても閣議決定で決めることができる、そういう形にされたわけでございますが、その理由は何なのか。

 時間もないのでまとめて言いますと、要するに昨年の、今回の法改正のもとになった中小企業倒産防止共済制度の今後のあり方について、中間報告、ほかの項目は、この中間報告で提言されていることに沿って、大体今回改正されているんです。ところが、今回の政令事項への改正ということについては、その時点では、そういう提言はどこを読んでも全くされていないんですよ。

 だから、はっきり言うと、これは役所の都合と独断で共済金の貸付限度額等を政令事項にするというふうに盛り込まれたんじゃないのか、そういう懸念まで生じるんですけれども、政令事項にされたその理由は何ですか、答弁いただきたいと思います。

直嶋国務大臣 御指摘の点なんですが、特に近年、例のリーマン・ショックの不況を初め急激な景気悪化局面で大型の倒産が増加をいたしておりまして、回収困難となる売掛金債権が短期間の間に高額化する、そういうおそれが出てきております。

 今回、政令で金額を制定するというふうにした趣旨は、そういう状況にできるだけ迅速に対応したいということが趣旨でございます。

 法律には、従来から、今おっしゃった、例えば三千二百万円を上限とする場合の考え方というのが一応ありまして、加入されている中小企業の皆さんの大半に対応できるような、大体九五%ぐらいのところに対応できる、こういう考え方で、その上限の金額設定というのをこれまでしてまいりました。

 今回は、法律の方にその考え方を表記させていただいて、そのかわり、金額は状況によって弾力的に対応できるようにということで対応させていこう、その方が現実的に中小企業の皆さんにとっても使いやすい制度になるんではないか、そういう判断でございます。

佐藤(茂)委員 いや、私は、今大臣のおっしゃった理由の部分を全部否定するわけじゃないんです。今は、経済社会情勢の変化へ迅速に対応して、大型倒産等で、今言われたような売り掛け債権額が基準を大きく超えるような状況が一気に発生してきた、そういう場合には迅速に見直しできるような柔軟な仕組みというのは考えておかなければいけないというのは全くそのとおりだと思います。

 ただ、一方、貸付限度額をどう定めるかというのは、この共済制度の根幹の部分なんですよ。根幹の部分であるがゆえに、今まで二回にわたっての法改正のときにも、一回一回、例えば昭和五十五年だったら千二百万から二千百万、昭和六十年には、さらに二千百万を三千二百万というのを法律改正できちっきちっとやってきて、そのときそのときで国会が関与して、これは確かに妥当な水準だなということを御判断いただいて今まで変えてきた、そういう歴史があるわけですね。

 ですから、私は、そういう貸付限度額を含め、それに関連した掛金納付制限額、掛金月額というような、そういう制度の根幹にかかわる重要な事項の定め方を法定事項から政令事項に改めるというのは、国会の関与をなくして政令事項だけにしていいのかということについては非常に懸念を持っているわけであります。あえてこのやりとり、これ以上聞きませんけれども。

 ですから、私は、本来この第二十二条、今回第二十三条になりますけれども、最後の「検討」のところにも、貸付限度額等の「基本的事項は、少なくとも五年ごとに、中小企業倒産防止共済事業の収支状況及び利用状況の推移及び予想等を基礎として検討するものとする。」という、これが立法の趣旨の考え方をあらわしているわけです。

 だから、少なくとも五年だから、一年ごとでも半年ごとでもいいわけですよ。やはり、きちっと法律に基づいて検討しなさい、そういう立法の趣旨から考えていったときに、まさにこの基本的事項と言われている共済金の貸付限度額等を定めるということは、軽々しく扱うのではなくて、政令事項とされた場合にも、これはもう今回、法律でそうするんだからいいでしょう、ただやはり、運用面できちっと、政令事項でこういう額にしましたよということについて国会に何らかの形で報告して、そして国会で適切にチェックをお願いする、そういう仕組みをしっかりと担保していただきたいと私は強く要請したいと思うんですけれども、経済産業省の考え方を伺っておきたいと思います。

近藤大臣政務官 お答えしたいと思います。

 先生御指摘のとおり、我々も、もとより国会を軽視することは毛頭ございません。真摯に対応するのは当然の政府としての責任であろう、このように思っています。

 ですから、第二十二条に基づく検討の状況については、国会開会中にあっては、適切な機会をとらえて真摯に御説明をしなければならない、このように思っているわけであります。また、国会が開かれない期間も含めて、国民、とりわけ加入者の方々の御意見を伺い、適切に対応する、こういうことでございます。

 同時に、大臣が御答弁されたとおり、考え方は法律に明記しているわけでございますので、目的は、加入者の方々に対して適切に、機動的に対応する、この点も先生も御理解をいただいているのではないか、このように思っておりますので、ぜひ、限度額のことについては、こうした中で考え方を示させていただいた上で、利用者本位で適切に対応する行動をとらせていただきたい、このようにも考えているところでございます。

佐藤(茂)委員 私は、全体の方向性にさお差すつもりは何にもないので。考え方というのはあくまで抽象的でしょう。だから、その時代時代に、その考え方に基づいて政令で額を決めますと。そのことについて、今の時代に、例えば今だったら、今回八千万、八千万でいいのかどうかということも含めて、やはり国会できちっとチェックするようなそういう仕組みを、政令事項に、簡単にできるようにしたということではなくて、そこにやはり何らかの、国会に対してはきちっとお諮りしますという動きがなければ、素通りしていくじゃないですか。考え方で白紙委任するというわけにはいかないんですよ。

 具体的に、妥当な額かどうか、額が決められた、そのときに、そのことについてはきちっと国会に諮るという仕組みをしっかりとやってもらいたい、そのようにお願いしますけれども、大臣、どうですか。

直嶋国務大臣 今、近藤政務官からも御答弁させていただきましたが、国会開会中においては、できるだけ国会の議論にも付せるようにしていきたいとは思っております。

 金額を具体的に決めるのか、その考え方ということなんですが、先ほど申し上げたとおり、この制度は、連鎖倒産を防止するために、やはり中小企業の皆さんの大半の方がこの金額で対応できる、さっき九五%と申し上げましたが、その基準そのものは変えるつもりはございませんので、それは法律に明記をさせていただいた。

 ですから、抽象的というのは、確かに日本語ですから抽象的であることはそうだと思うんですが、かなりそれは明確に表現をさせていただいているというふうに思っております。

佐藤(茂)委員 済みません、あと五分になりましたので、法案に関連して、今回のこの共済制度の一つの役割として、共済金の貸し付けとともに、一時貸付金制度というのがあるわけであります。

 我々もここに注目いたしまして、旧政権のときに、リーマン・ショック以来の中小企業が非常に厳しいときに、経済危機対策、昨年の四月に、従来この一時貸付金の金利については一・五%だったのを、〇・五%に引き下げさせていただきました。それによって、約一年たってきたわけでございます。

 今回、二月だったと思うんですけれども、資金繰りに困っておられる中小企業の皆さんにとって、私は、政権がかわってもセーフティーネットになる政策は続けていくことが絶対大事だと思うので、評価したいと思うんですけれども、それを、ことしの三月いっぱいまでが期限だったのを、貸付金利引き下げを来年の三月まで延長される、そういうことをされたわけですね。

 ですから、私は、そのことも踏まえてぜひ二つお聞きしたいのは、昨年の四月から〇・五%に金利を引き下げたことによって、この共済制度に入っておられる契約者にどういう効果が出ているのか、貸付実績も含めて確認させていただきたいし、新政権になって、それをさらに来年の三月まで、この制度を引き継いで延長されるということになった、その理由、また今後、中小企業へのこういうセーフティーネット政策の取り組みの考え方、そういうことについて、新政権の考え方をお尋ねしておきたいと思います。

近藤大臣政務官 お答えしたいと思います。

 一時貸付金制度の利用実績でございますけれども、二十一年度、四月から二月までの状況でございますけれども、前年同期比で一〇%増加いたしまして九千九百十件、金額は百八十六億円の実績、こういうことでございます。一定の効果があったのではないか、このようなことでございます。状況は、もう先生御案内のとおり、やはりまだまだ中小企業、資金繰りDI等を見ても大変厳しい状況にある、このように認識しているところでございます。

 今後の考え方でございますけれども、中小企業の方々を支えるセーフティーネットは今後も充実させなければならない、このように考えておるところでございますし、種々の措置を講じ、補正予算でも一兆円を超える予算を獲得したところでございますけれども、まだまだ先行き注視しなければならない、このように思っておりますので、ぜひ先生の御提言も受けながら、政府としても取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。

佐藤(茂)委員 あと一分半ほどありますね。

 最後に、ちょっと関連して、この法案の中身だけじゃないんですけれども、売り掛け債権担保融資保証制度というのが、平成十三年に、私どもも強く主張いたしまして導入されました。十九年には、在庫担保保証制度というのが導入されて、中小企業の皆さんの、金融機関から融資を受ける際の担保として非常に活用されているわけですね。

 その上で、きょうぜひ、中小企業にとっては、資金繰りというのは常につきまとう頭の痛い問題でございまして、つなぎ資金をどうきちっと確保するのかというのは非常に大きな問題なんですね。

 そこで、今まで、原則、不動産とか個人保証なんかに依存していたものを、売り掛け債権とか在庫担保なんかに変えてきたわけです。さらに、ぜひちょっとお願いしたいのは、東京都では、平成二十一年から独自に、機械設備担保融資制度というのを実施しているんです。要するに、機械などの動産を担保につなぎ資金の融資を保証する制度というものを国としても今後しっかりと考えていけないのか。

 さまざまな課題はあろうかと思いますけれども、機械、建物というものの資産が、中小企業は百十兆円も持っておられるんですね。こうした資産を生かしていくことが中小企業に対する資金繰り支援につながるのではないか、私はそのように思うんですけれども、時間がありませんので、ぜひ経済産業省の今後の考え方を答弁いただければありがたいと思います。

近藤大臣政務官 先生御指摘のとおり、売り掛け債権なり、また在庫を担保にする、その資金調達の手段に取り組んできたところでございます。

 機械でございますが、こちらの方も、なかなか担保価値が認めづらい点、多々の問題があるのは承知しておりますけれども、しかし、換金性が高いものであるとか比較的資産価値の高い場合については、保証協会や日本公庫、中小公庫といった公的機関において対応しているケースがあるのは御案内のとおりか、こういうことでございます。

 政府に、もう一押しできないのか、こういう御指摘でございますけれども、問題意識としては、中小企業の方々が、不動産担保や保証人に過度に依存せずに、保有する資産を有効活用して資金を調達する、この道を広げることは大変大事だ、こういうふうに認識しておりますので、引き続き公的機関による取り組みを推進していきたい、こう思っております。また、民間における取り組みがどこまでできるのかということも期待をしていきたい、促進していきたい、このように考えているところでございます。

佐藤(茂)委員 以上で、時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

東委員長 次に、柴橋正直君。

柴橋委員 民主党の柴橋正直でございます。

 本日は、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案につきまして御質問をさせていただきたいと思います。

 私の選挙区は中小零細企業が大変多い岐阜市でございます。この連休中も地元を回っておりますと、売り上げが半分になってしまったけれども、何とか従業員の方の首は切らずにみんなで頑張ろう、こんなふうに一生懸命努力をしておられる経営者の方の率直なお声に直面をいたしました。私ども経済産業委員会として、まさにこうした経営者の、中小企業の応援をしなければならない、こんな思いを強く持っているところでございます。

 現政権におきましては、昨年の臨時国会で金融円滑化法を成立させましたし、また補正予算では、制度融資やセーフティーネット貸し付けの延長をいたしました。こういったものは金融支援というものに位置づけられると思います。

 また、先週の委員会で採決をいたしました小規模企業共済法、こちらはまさに事業承継という意味での企業の連続性、こういったものを応援する、支援する制度であったと考えております。

 そして今回、本日御審議をさせていただいておりますこの倒産防止共済は、まさに中小企業の連鎖倒産を防止するという意味では金融支援に位置づけられる、こういった制度ではないかというふうに私は考えております。

 そこで、まず初めに、こうした位置づけのもとで、この法案の施行期日について御質問をさせていただきたいと思います。

 まさに政策はスピードが命ということでございますから、こうした厳しい経済環境のもとで、一日も早い中小企業支援というものが求められております。本法案の施行期日は「公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日」ということを明記されておりますけれども、システムの変更に時間がかかるというふうにお聞きをしておりますが、一年六カ月ぎりぎりと言わずに、ぜひ前倒しをして施行していただきたい、このように考えているところでございます。

 また、先週の委員会で採決をいたしました小規模企業共済法の一部を改正する法律案につきましても、施行期日は「公布の日から起算して一年を超えない範囲内」というふうにされております。

 いずれの法案も、中小企業にとりましては大変メリットの大きい法案でございますので、一日でも早く施行することで、中小企業を応援しているという政治の明確なメッセージに私はなるというふうに考えておりますけれども、ぜひ前向きな答弁をお願いしたいと思います。

近藤大臣政務官 今回の法案の施行について早くした方がいいのではないか、こういう御指摘であろうかと思います。

 御議論をいただいて成立したらばの話でございますけれども、施行日については、制度改正の周知状況や施行準備の状況などを勘案しながら政令で具体化するわけでありますけれども、我々としては、一日も早くという趣旨を踏まえていきたい、このように思っております。

 ただ、具体的には、二十九万人の加入者の方々に改正の内容を周知し、御理解をいただくことが必要であること、また、加入者の積立掛金の確実な管理や、申請があった場合における迅速かつ誤りのない貸し付けの実行を低コストで処理するための電算システムの整備と運用テストに一定の期間がかかる、こういうことでございます。

 ただ、今回の措置のうち、私的整理を貸付対象に加える改正、これについては、電算システムの整備や運用テストが簡易に行えるものである、このように考えておりますので、今の先生の御指摘も踏まえて、施行後三カ月以内の施行を目指していきたい、このように考えているところでございます。

 また、電算システムの整備と運用テストについて一定の期間を要する貸付限度額の引き上げ等の改正については、こちらは公布後一年六カ月以内の施行を規定しておりますけれども、一年六カ月の期限を待つことなく、可能な限り早期に実現してまいりたい、最大限努力してまいりたい、このように考えております。

 また、御指摘の、先般衆議院において成立、当委員会において可決いたしました小規模企業共済法案でございますけれども、こちらも一年以内ということでございますけれども、一年を待つことなく、システムの完成というのは極めて大事なことでありますけれども、できる限り早期に施行していきたい、このように考えているところでございます。

 間違えました。先ほどの施行後三カ月というのは、公布後三カ月でございます。訂正をしたいと思います。大変失礼しました。

柴橋委員 政務官、力強い御答弁をありがとうございます。施行を待っている中小企業の方がたくさんおられるわけでございまして、ぜひ、一日も早い実現に向けて御努力をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。

 次に、貸付金の回収率について御質問をしたいと思います。

 今回、共済金の貸付限度額が三千二百万円から八千万円に引き上げられました。また、償還期間が五年から十年に延長されることになりましたけれども、これ自体は倒産防止共済を利用される中小企業の皆さんのニーズに合致をしているというふうに私は考えております。

 その一方で、貸付金の回収率が低下をするのではないか、このように私は懸念を持っております。現在、累積ベースでは平成二十年で八五・二%の回収率、単年度ベースでは九一・四%と、回収率は回復の傾向にございますけれども、貸付限度額がふえたり、あるいは償還期限が長くなる、こういう状況にあっては、将来的に回収率が低下をするといった懸念が考えられると思います。

 現在、平成二十年度末の剰余金残高は四百三十六億円ございますけれども、こうした限度額の増額や償還期限の延長という中小企業のニーズにこたえると同時に、本制度の財政的な持続性というもののバランスも考える必要があると思いますけれども、この回収率に対する施策について、ぜひ御答弁をお願いしたいと思います。

松下副大臣 本共済制度の貸付金の累計回収率は、おっしゃったように、過去に貸付限度額を引き上げた際も含めて、八五%程度で横ばいになっている。今回の貸付限度額の引き上げによって、比較的リスクの高い高額な貸し付けや長い償還期間の案件が増加することが見込まれておりまして、累積回収率が一%程度落ち込むのではないかなという予測もしております。

 こういうことで、二十年度末における実績値をもとに制度改正後の財政状況を試算したわけですけれども、収支の悪化の程度は制度の自立的運営が可能な範囲にとどまっている、現在の財政収支構造が維持されるということは確認しておりますので、しっかり対応していくことに努力していきたい、こう思っています。

柴橋委員 この回収率の低下というのは本制度の根幹にかかわる問題でございますので、ぜひ御努力をお願いしたいというふうに思います。

 次に、倒産防止共済の利用企業が減少しているという問題があろうかと思います。平成七年度はピークで約四十七万件あった利用件数が、平成二十年度では二十九万件にまで減少しているということでございます。

 そこで、この倒産防止共済の利用拡大策について御質問をいたします。

 まず第一に、この倒産防止共済の取扱窓口というのは、金融機関ですとか商工会議所、商工会が窓口になっております。

 私は、この質問をさせていただくに当たりまして、地元の商工会の担当の方にお聞きをしましたところ、最近この制度を利用している実績というのは、実はゼロだということでございました。この共済の貸し付け自体は、当然銀行口座を通じて行われますから、企業の皆さんが銀行に御相談に行かれる、直接金融機関に行かれるということが多いのかもしれませんが、私の地元で、金融機関で仕事をしている友人にこれもお聞きをしたところ、やはり一年間で一件程度の取り扱いだというふうに言っておりました。それだけ商工会にしても金融機関にしてもこの倒産防止共済を利用しないという理由、原因というものを、私は考えなければいけないというふうに考えます。

 そこで、中小企業の取引先が倒産をした場合に、金融機関の担当者として行う選択肢というのは実は二つあるというふうに思います。これは、私がもともと金融機関で仕事をしておりましたし、金融機関で働いている友人にも少し聞いたところでございますが、一つはこの倒産防止共済を利用するという方法、もう一つは制度融資を利用するという選択肢がございます。

 この制度融資、結果的には制度融資の方を担当者は利用するわけでありますが、制度融資を利用したときには、金融機関として、まさに貸し出しボリュームがふえるということで、担当者は評価をされます。ところが、中小企業のまさに倒産防止共済を利用した場合には、これは銀行から貸し出しをするわけではありませんので、貸し出しボリュームとして評価をされない。また、この取り扱いをした手数料というのも数百円程度というふうにお伺いをしておりますから、銀行の担当者として、中小企業のお客さんの取引先が倒産をした場合に、間違いなく制度融資の方を選択するという現実がございます。

 そこで、ぜひ御質問をしたいんですが、昨年の金融円滑化法で、金融機関というのは中小企業に対するコンサルティング機能を発揮しなければいけないということが決まりました。そのように金融庁の検査マニュアルも改定をされましたけれども、そういったまさに中小企業のコンサルティング的な立場を金融機関の担当者が担うとしても、取扱窓口になっている金融機関の担当者にとって倒産防止共済の取り扱いをするというメリット、インセンティブが働かなければ、この制度自体がこれから大いに中小企業の皆さんに利用されるということにはならないのではないかと考えますけれども、この点に対する御所見をぜひお伺いをさせていただきたいと思います。

近藤大臣政務官 お答えいたします。

 御案内のとおり、加入者がやはり減少しているわけです。そういった要因の一つに、先生御指摘の、メリットが少ないんではないか、こういう要因があるという御指摘かと思います。

 加入者全体が減少している原因の第一は、全体の数字から申し上げますと、そもそも中小企業そのものが減少しているということであるとか、あとは、やはり長らく制度の改正が行われなかったという魅力の低下もあろうかと思います。一方、制度融資の方については、さまざまな制度融資が登場している、こういうことも背景にあるのではないかな、このように認識しておるところでございます。

 こうした状況にかんがみて、我々としては、共済制度の契約者が事業資金に窮した場合に、みずから積み立てている掛金の範囲内で貸し付けを受けることができる一時貸付制度を利用して解約防止に努めてみたりとか、こういったことをしているわけであります。

 ただ、金融機関の方々に対するメリットは何かないか、こういう御指摘でございますけれども、この辺は、金融機関の方々に対してのこの制度とのリンクによるメリットというのはちょっと今すぐはなかなか出せないわけでありますけれども、御指摘も踏まえて、いずれにしろ、総合的に、この共済制度も含めて、中小企業金融の方々にとってメリットのあるような、恩恵のあるようなものにする、そのためには、ウイン・ウインの関係といいますか、金融機関の方々にとっても加わりやすい何がしかのものがなければならないという問題意識は持ちたい、このように考えておるところでございます。

柴橋委員 政務官、金融の担当者というのは、民間企業でありまして、営業マンは非常に高いノルマと営業成績を求められております。そういった中で、彼らにぜひ中小企業のためにこの制度を使おうというふうに言っていただけるような施策を講じていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、利用を拡大するためには、制度や手続というものが中小企業にとっても非常にわかりやすく、また簡素でなければならない、このように考えるわけでございますが、今回の改正で、新たに早期償還手当金の制度というものが創設をされることになりました。制度の魅力を高めて利用を拡大しようということで、私は、この早期償還手当金の制度というのは大変評価をしたいというふうに考えております。

 その一方で、昭和五十五年度から完済手当金の制度というものが導入をされております。これは、財政的に余裕がありますと完済手当金というものを支給することになっておりますが、いまだ支給実績はありません。

 したがいまして、制度のわかりやすさという観点からいえば、今回新たに早期償還手当金という制度を創設されて、従来は完済手当金というものがありながら、これが一件も実績がないという中では、こういった制度は一本化をして、中小企業の皆さんにこういうメリットがあるんですよということをわかりやすくすることが必要だと思いますし、制度が複数存在をするということは、これを管理する事務方の事務負担ということもございますので、ぜひ一本化を御提案したいと思いますけれども、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

松下副大臣 委員のおっしゃる議論もあるわけですけれども、私どもは、早期償還制度と完済したときのもの、二つをやはり持っていくべきだ、こう思っております。

 この早期償還手当金というのは、貸し付けを受けた共済金を期日よりも早期に償還する、そういう共済契約者の実質的な負担を軽減するためということで、早期償還による運用益相当額を手当金として支給して、将来のリスクに備えた早目の償還を促すというメリットがあるということで取り入れたものでございます。

 完済手当というのは、これは共済制度の収支が将来にわたってやはり均衡を保つことが大事だ、そしてまた余裕の財源が生じていると認められる場合に、貸し付けを受けた共済金を遅滞なく償還した契約者に対して、貸付金の十分の一に相当する契約者の負担を軽減するために支給するものということでございます。

 要約しますと、早期償還手当金というのは早期に償還することを奨励するための手当金である、完済手当金というのはいわば掛金控除の負担軽減を図るための手当であるということで、目的も仕組みも異なっているなということで、やはり二本立てできちっとしていくのがいいかな、こういう判断でございます。

柴橋委員 私、銀行の担当者に聞きましたら、ずっと実績がないということで、そもそもお客さんに説明をするときに、完済手当金の制度はもう説明しないというふうに言っておりましたので、ぜひ、制度を残すということであるならば、完済をした手当金、これは大きな金額じゃなくていいと思いますけれども、きちっと完済をされたらちゃんと手当が出るということで、制度というものはきちっと生かしていただきたいというふうに思っております。

 時間もあとわずかでございますので、最後に、地元の商工会の方と話をしておりましたら、こういったさまざまな金融支援というものは大変ありがたいということでありますし、当然、中小企業の皆さんのニーズにも合っているわけでございますが、そもそも根本的に我が国の経済の構造というものを変えなければ、中小企業に今仕事がないというのが一番の問題でございます。

 ぜひ、民主党政権として、こういった金融支援あるいは事業承継支援と同時に、やはり根本的に経済の構造を変えて、中小企業に仕事のチャンスがきちっと提供される、こういった経済に一日も早くできますように、私もともに力を合わせてまいりたいと思いますので、またどうぞよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

東委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十一時六分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時十五分開議

東委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。平将明君。

平(将)委員 自由民主党の平将明です。

 たびたび済みません。またよろしくお願いをいたします。

 質問に入る前に、今、花粉症がひどくて、ちょっと声ががらがらになっておりまして、済みません。

 それに関連して、急に花粉症が悪くなったのは、土曜日に中国から黄砂が飛んできたんですね。あれは、テレビによると、黄砂だけではなくて、中国の沿岸部の、いわゆる工場の排ガスと黄砂がまじって日本に飛んでくる。今まで大丈夫だったんですが、あの黄砂で一遍にぐあいが悪くなりました。

 それで、ぜひお願いをしたいのは、これは質問ではありませんけれども、中国がこれから電力で原子力を、中長期的には八十カ所から百カ所つくっていく計画があるんだと思います。これも状況を余り詳細には知りませんが、日本企業なのかフランス企業なのかという大きな闘いになっているんだと思うんですね。

 しかしながら、風は必ず中国から日本に来るわけであって、フランスに行くわけじゃないですね。ですから、私、中国の要人に会うとき必ず言うのは、原子力をつくるということまでは、やるなとは言えないけれども、やる以上は日本企業の原子力を使ってくれということを、もしくは、それができないんだったら地球の自転を反対にしてもらうしかないのであって、今、新幹線や原子力を含めて、政府一体になって売り込むということになっていると思いますけれども、原子力の事故が起きたら、黄砂と同じように全部日本に来るということになりますし、ぜひ官民一体でそういう取り組みをやっていただきたいと思います。

 それでは質問に入りますが、公明党の佐藤先生が主要な論点についてはもうほとんど質問されていて、用意していた質問の半分ぐらいがそこで議論されましたので、ダブらないようにいきたいと思います。

 まず冒頭、前回もお話をしましたけれども、直嶋大臣のあの予算委員会での答弁についてですが、まだ私は納得しておりません。役所を呼んだら、前回の答弁で、大体あれで完了だというような話を受けましたが、私はそうじゃないんじゃないかと思っております。

 ある企業が、緊急保証なりセーフティーネット貸し付けなりを使っている企業が、いわゆるセーフティーネット保証、緊急保証制度と公的緊急貸し付けのほかに、プロパーの融資に対して返済猶予をするときに、この信用保証のスキームを使えるのかという質問をしたわけでありますけれども、一〇〇%できるわけではないという大臣からの予算委員会での発言でありましたが、その後私が指摘をさせていただいたとおり、一〇〇%近くできないんですよ。

 だから、緊急の信用保証制度もしくは緊急の公的なセーフティーネット貸し付けを、実質使っていないか、それと同等と認定できる先でしかやらないということですから、これは非常に、私は、大臣の答弁は、中小企業の聞いている人から見れば誤解を招く答弁であったと思います。

 大臣は先般、それは修正するほどのことではないという御答弁をされましたが、私は、ちょっと不誠実じゃないかなと思います。先般も委員会で、私は途中でこの議論を切り上げましたが、ちょっと議事録を読ませていただくと、大臣はこうおっしゃっていますね。先日も申し上げたように、今いろいろなケースの中小企業の皆さんが御相談に来られます、したがって、法律上の建前は建前として、できるだけそれらにおこたえする方法はないのかということを、法律上はだめですということでしゃくし定規に門前払いするのではなく、お話をきちっと承るといった指示を今しつこく出させていただいていますという御答弁をいただきました。

 それに対して、相談に乗るだけじゃだめなんだ、金が借りられるのかどうかが問題だという趣旨の発言で、その時点では議論を切り上げたわけでありますが、役所は、もう前回の答弁で終わりだというような態度を示しております。

 では伺いたいんですが、法律上の建前は建前としてということは、私が言ったように、できるというような発言、そういう印象を私は受けましたけれども、実際はできないんだ、できないんだけれども、できるだけそれらにおこたえする方法はないのかということを指示していると大臣はおっしゃったわけですね。

 では、それらにおこたえする方法というのは具体的に何なんですか。それを教えてください。

直嶋国務大臣 お答えする前に、中国の原子力発電の話がございました。

 御指摘のとおり、我々も原子力発電をシステム輸出して、今後日本の成長戦略の大きな柱に考えていまして、そういう意味で御支援を賜っておりまして、お礼を申し上げたいというふうに思います。

 ただ、中国について申し上げますと、最初は外国から技術を導入してつくっても、どんどん国産型に切りかえていくというのが今の現状でございまして、そういう実態も踏まえながら、システム輸出は他の国も含めてしっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。

 それから安全の問題については、これまで原発を持っていなかった国も含めて、CO2対策ということで広く普及されるという可能性があります。したがって、やはりこれはどこかの段階で、国際的な安全確保のための機関をつくることも含めて議論をする必要があるというふうに思っています。現在、IAEAという機関があるんですが、こちらはどちらかというと核不拡散に重点を置かれていまして、それとは異なるものが必要ではないかということを今考えていまして、そういう国際社会への提言もしていきたいなというふうには思っております。

 それから、今の御質問の件なんですが、予算委員会のやりとりから含めて、若干行き違いがあるのではないかというふうに思っています。

 改めてちょっと御説明したいと思うんですが、まず、条件変更対応保証を利用できる方は、原則として、公的金融を利用していない方とするという法律の原則、こういうものをとっております。しかし、繰り返し申し上げていますように、公的金融の利用が一時的なものとか、ごく少額であるといった場合には、この法律の例外ということで柔軟に御相談に応じる、こういう仕組みを用意しているということでございます。

 それから、私が予算委員会で平議員から質問をお受けした際に申し上げたことは、公的金融を利用されている方、両方使っている方も、一つは、先ほど申し上げたような、公的金融の利用が一時的、少額というケースでは条件変更対応保証を御利用いただける場合がある、それは御相談に乗ります、こういうことを申し上げました。

 それから二つ目に、公的金融の利用の割合がもっと大きい方に対しては、公的金融の方へは条件変更への積極的な対応を既に求めております。

 それで、公的金融で条件変更を受けたにもかかわらず、何らかの理由で民間金融機関が条件変更に応じられないような場合にも、既往の保証つき融資から借りかえたり、あるいは新たに保証を付与して、ニューマネーを追加するということで、実質的に応援をさせていただいている場合も出てきております。

 こういったことを踏まえて、まずは御相談に来ていただきたいということで申し上げたわけでございます。

 それで、最初の御質問が、四〇%の話のとき、条件変更対応保証制度を利用できない方には一切何の対応もできないかのような、そういう御趣旨でございましたので、今申し上げたとおり、条件変更対応保証に限らず、保証協会が支援をさせていただいている選択肢がさまざまありますよということを申し上げたということで御理解をいただきたいというふうに思っております。

 その場合も、いずれにしても、もちろん金融審査を受けていただきますので、一〇〇%応じられるわけではない、こういうことをつけ加えさせていただいたということでございます。

平(将)委員 予算委員会のときに比べて大分具体的な答弁になって、補完をしているんだと思いますが、そういう答弁を予算委員会で最初からしていただければ、その後いろいろな議論に発展ができたんです。できるんですか、できないんですかと言ったら、できますと。前に、最初に亀井さんが答えていましたね。その文脈の中でやったわけですから、それは大臣、そうおっしゃったって、聞いている方はそうはとらえなかったですよ。

 ここで水かけ論をやってもしようがないので、要は、では、モラトリアムの目玉にもなっている、プロパーの融資に対するリスケをしたときの、保証協会が四割保証するというスキームができなくても、相談すれば、それにかわる代案を出してくれると。できるできないは、当然リスクの関係がありますけれども、やるということだと思います。また、現場でどういう声が上がってくるかを含めて議論させてもらいたいと思います。

 きょうの法案も含めてですが、中小企業や個人零細企業の金融全般についてちょっとお話をしたいと思いますが、きのうきょう、ゆうちょ銀行の件が出てきています。それで、預入限度額を一千万から二千万にするというのが出てまいりました。ちょっと私、正直びっくりしております。

 ここは経済産業委員会ですから、感想でいいですけれども、これは中小企業に対して、借り手に対して、結構影響が大きいと思いますよ。大臣、きのうきょうの新聞で出ておりましたけれども、何か御感想があればいただきたいと思います。

直嶋国務大臣 今報道されている内容そのものが、鳩山内閣としてまだ正式に閣議決定に至っているものではなくて、骨子の案という形で流れたものだというふうに理解をいたしております。したがいまして、今お話がございました上限額でありますとか、あるいは政府の保有三分の一以上ということも含めて、これからまださらに議論はあるのではないかというふうに思っております。

 それで、私が一番気にしている部分だけ申し上げますと、御承知のとおり、郵貯で集めたお金の大半は、依然として、まだ国債を買っているというのが実態であります。したがって、この部分について、何らかの工夫は最低限必要だろうというふうに思っています。

 さっきシステム輸出の話も出ましたが、例えばそういうところで活用させていただくとか、あるいは今、中小企業の議論をしていますけれども、地域における融資として、単独ではなかなか難しいでしょうから、例えば地域の金融機関と協力をしながら、協調融資といいますか、どういう形になるかはあれですが、いずれにしても、そういう方向で、今の使い方ではなくて、さらに一工夫、二工夫していくことがやはり必要ではないかということだけは今考えております。

平(将)委員 私たちは新聞報道でしか見ていないんですが、亀井大臣と原口大臣が骨子を発表したんだと思います。その後、閣議決定はしていない、閣内では一致を見ていないということだと思います。

 ちょっと幾つか指摘させてもらいたいのは、一つは、鳩山内閣のガバナンスは大丈夫なんですかと。というのは、たまたまこれは郵貯ですから、発表してもそんなに急激な資金移動というのは実際は起きないんだと思います。しかし、金融の世界は、結局、例えばプロ向けの金融の制度であれば、大臣ががん首そろえて、この骨子を発表しますと言った瞬間に動くわけですよ。だから、それに対する緊張感というのか、金融を扱う大臣、担当大臣としての緊張感、政権としての緊張感がないんじゃないか、ガバナンスについてどうかというのが一点。

 あともう一つは、今大臣おっしゃられたけれども、貸し出しをするノウハウはまだないんだと思います。ですから国債を買っているんだと思います。郵貯で金を集めて、これはどうするかというのも、下手すると新銀行東京全国版になるんだと思うんですね。それよりももっと重要なのは、地域の信金、信組から預金が流出する可能性がありますよ。そうしたときに、ちょっと一歩間違えたら、資金ショートが起きてくる可能性があるんですね。ですから、これは特に地域金融機関にかなり大きな影響を与えて、地域金融機関の先は地域の中小企業ですから、ぜひそういう問題認識を持ってもらいたいと思います。

 実質、民間銀行のペイオフは一千万ですね。郵貯は、ペイオフという仕組みとは別に、政府が三分の一持っているということは、預け入れるんだったら実質二千万は保証しているととるわけですから、この辺の預金の移動はちょっと深刻だと思いますけれども、もしこれがこのままいったらですよ。これはちょっと大臣、御見解を。

直嶋国務大臣 私もちょっと担当ではないので、どこまでお答えできるか……(平(将)委員「借り手の側でですよ」と呼ぶ)ええ。

 そういう意味でいいますと、いろいろ御心配の向き、御懸念はまだあるんじゃないかと思っています。したがって、そういう御心配も踏まえていろいろ議論してきたという経緯はあるんですが、より幅広く意見を聞いていきたいということでございます。

 それから、ペイオフの話なんかも出ましたが、私の理解としては、ペイオフの基準は変わっていないというふうに思っていまして、それから、国が保証する部分も、もう既に、民営化で切りかわった段階で全額国が保証するということにはなっていないというふうに理解をしています。そのままでいくのかどうかというのはちょっと確認はしていませんが、現状はそうなっているというふうに思っています。

 それから、もう一つ申し上げますと、官から民へといいますか、そういう大きな流れの中で、しかし、地方の過疎地等含めて、やはり今、金融の口座を持つということが一つのライフラインになっている部分があります。例えば、年金を受け取る窓口が要るとかですね。そういうことも含めて考えると、やはりある種の、金融面でもユニバーサルサービス的な機能は必要だというふうには私自身も思っています。

 したがって、そういう問題点がたくさん出てきていることの解消も含めて、もとの官に戻すということではなくて、より国民の皆さんに良質のサービスを提供するという観点からこれまで議論をしてきたというふうに思っておりまして、そういう方向で、さっき申し上げたように、さらにさまざまな幅広い御意見を聞きながら対応していきたいというふうに思っています。

平(将)委員 ペイオフも実質一千万はそのままだといいますけれども、実態はそうは動かないということですよ。政府の出資を三分の一残して、借りている方はこれは安心だと思うわけです。ほかの銀行はペイオフは一千万なんだから。

 それともう一つは、やはり金融を扱うときの緊張感が足りないと思いますよ、正直言って。だから、発表してから、総理が承認していないとか大臣が異論があるとかいって、これはほかの金融マターだったら、特にグローバルで資金が動くようなものだったら大変なことになりますよ。これは内閣のガバナンスもお粗末だし、金融を預かる大臣の認識も甘いし、それはちょっと指摘をさせてもらいたいと思います。

 それと、もう一回言いますけれども、信金、信組は大打撃ですよ、正直言って。それで資金ショートするところも出てきますよ。そのときはちゃんと責任をとってもらわないといけないので、管轄じゃないというけれども、中小企業は管轄だとこの間大臣はおっしゃっていましたから、これは指摘をさせていただきます。そして、問題が出てきたときは責任をとってもらわなければいけないということだと思います。

 それでは、次に行きたいと思います。

 本題の中小企業倒産防止共済法でありますが、今、公明党の佐藤先生から論点はほとんど指摘をされているんだと思いますので、重複を避けたいと思いますが、一点、ちょっと皆さん、この青い冊子をお持ちの方は見ていただきたいと思います。二十ページを見ていただくと、中小企業倒産防止共済制度の資金の流れというのが、キャッシュフローが出ております。

 それで、別途調査室から資料をもらっておりますので、ざっくり言うと、この共済制度の収支構造は、加入者からの掛金がどんどん積み上がっていくわけですね。その総額が、この二十ページでもわかると思いますが、大体六千億円ぐらいあります。六千億円のうち、ざっくり三割ぐらい、一千六百億円ぐらいを、この共済が連鎖倒産を防止するために貸している。残りの七割は、手元にあるので、それは運用をしているという構造になっております。そして、剰余金が四百億円近くあるということですね。ストックがそういう関係にあるということです。

 貸付残高の方は、貸せる金額は掛金の十倍までですから、そこで当然また貸し倒れも起きてきますので、多分その一〇%を償却しただけではデフォルトリスクはとり切れないのかもしれません。しかしながら、それとは別に四千四百億円近い運用もできます、トータルで六千億を動かしていますということなんですが、この二十ページの表を見ると、右上の方ですが、運営費交付金ということで十六億円、政府から運営をするための資金が出ているんです。

 これは、私も事業仕分けというのを構想日本と一緒に与党時代やっていました。そういった中で、エコノミストとか民間の経営者が入るとどういう議論になってくるかというと、六千億預かって運用しているんだから、十六億ぐらい自助努力で出せよという議論に多分なるんです、事業仕分けをやると。

 ですから、この運営費の交付金といったものを、これはストックを見てもフローを見ても全然回っているんですよ。回っているんですから、十六億円ぐらい自力で出したらどうですかと。足りなくなったら、当然政府が関与して、中小企業の重要なスキームですからやらなければいけませんが、ストックでもフローでも問題ないんだから、運営費交付金なんか当たり前のように毎年十何億ももらっているのはおかしいのじゃないかと思います。

 あわせて、これをやっている中小企業倒産防止共済というのは、ほとんど、理事長は過去五代、経産省出身者が占めています。理事のかなりの部分を経産省出身者が占めています。給料も高額です。非常勤の副理事長は、この人は通産省じゃありませんでしたけれども、非常勤の副理事長、非常勤ですよ、週二日なのに給料九百万、監査役一千五百万という団体なんです。

 何か民主党的な質問で恐縮ですが、私は、トップはちゃんと選んで、コミットさせたらいいですよ。それで、六千億の資金をちゃんと運用して、本来業務もちゃんとやりなさい、経費も削減をしなさい、できるだけ公費に頼らない運営をしなさいと。コミットメントをして、できなかったら責任をとって、首を切るんですよ。そのかわり、足りない分は国会で決議をしてお金を入れてやればいいと思うんですね。

 当たり前のように経産省の出身の人がめぐりめぐってきて、ここのトップに立って、経営リスクを一切負わなくて、ストックでもフローでも回っているのに公的資金が必ず、公的運営費が十何億もオートマチックに入る、こういうことをやっているから緊張感がなくなるんだと私は思います。ですから、交付金はなくていいじゃないですか。これはどうなんでしょうか。

近藤大臣政務官 平先生の御質問にお答えします。

 まず事実関係として、御指摘のとおり、運営費交付金が二十二年度で十六億二千万円、さらに出資金の運用益として十一億九千万円、これが国の関連として出ているわけです。

 この制度のそもそもの趣旨ですけれども、中小企業倒産防止共済制度というのは、取引先企業を自由に選ぶことができない中小企業が、取引先企業の倒産によって突然連鎖倒産に陥るというリスクが高い、これを防ぐためのセーフティーネットを国の施策として整備している。これは、御案内のとおり、中小企業基本法二十二条においても、国の責務として共済制度というのは位置づけられているわけであります。

 したがって、その共済制度の運営事務費や加入促進にかかわる、委託にかかわる経費というのは、むしろそういう趣旨に沿って、独立行政法人運営費交付金と政府出資金の運用益とで賄うことにしている。国が責任を持って運営に当たる、こういうことだろうと思っております。

 他方、貸付金の原資や貸し倒れに伴う費用は、これは共済制度、相互扶助を基本とする仕組みであるわけでありますから、契約者の方々の掛金のみで賄うということだろうと思います。

 逆に、運営費の方を掛金で賄うということは果たしていかがかな、こういう議論も一方で成り立つかと思いますので、運営にかかわるお金は、やはり国のお金であろうかと。ただ、その中身が本当に適切かどうか、これは御指摘のとおり、しっかりチェックしなきゃいかぬ、こう考えておるところでございます。

平(将)委員 それは一見正論のようですが、積立金を崩して使えとは言っていないですよ。積立金を崩して使えとは言っていないわけです。運用益から使ったらどうですかと。

 しかも、近藤大臣政務官、本当は政務官じゃなくて大臣に聞きたいところですが、実際、今現状も、出資金の運用益は十億円程度繰り入れしているんですよ、この団体はしているんです。ですから、それは国が責任を持つのと、大体、毎年十何億入っているからといってオートマチックで入るのとは違いますよ。だって、事業仕分けをやって、皆さんは、積んでいるものは一回返せ、そのかわり、その都度必要な政策経費は出しますよと事業仕分けでやったんじゃないですか。

 そうすれば、今まで天下りの連中で何となく内々でやっていて、多少粗相はしても内部留保でごまかせばどうにでもなっちゃう緊張感を欠いた組織から、毎回積立金が取り上げられちゃったら、毎回政治家のチェックが働くから緊張感も働く。必要な経費は政治判断で出しますよとやったんでしょう、事業仕分けで。何でこれ、できないんですか。

近藤大臣政務官 重ねて申し上げますけれども、要は、掛金を運営費に逆に流用することはいかがか、こういうことを申し上げているわけであります。ですから、運営費についてはやはり国の予算で、逆に、予算の中で予算委員会なり国会のチェック等々で厳しくチェックをする必要があろう、こう考えるわけであります。

 運用益の運用については、確かに御指摘のとおり、積み上がっているじゃないかと。これは、ですから、事業仕分けの中でも国庫にお返しするということも当然逆にあり得るだろう、こう考えております。

 ですから、くどいようですけれども、掛金を人件費等に出すということは、やはりその制度の趣旨としてはいかがかということでございます。

平(将)委員 しつこいようですけれども、掛金の元本を流用しろとは言ってないですよ。六千億あって、運用しているんでしょう。運用している中から出せと。しかも、これ、経費だって僕はずぶずぶだと思いますよ。ガバナンスで、経産省出身でしょう、経営リスクがないんだから。だから、それは積んであるものを運営費に回せとは言っていないですよ。六千億の十六億ですよ、〇・三%、経営努力で何とかしろということですよ。

 それで、ちゃんと人事も政治がコントロールして、コミットさせればいいじゃないですか。〇・六%ぐらいの運営費を出せ、そのぐらいのお金を六千億の枠の中で、経費削減をして、効率化をして出せと。コミットした方を理事長にして、四年間やりました、そうしたらできませんでした、穴があいちゃいました、そうしたときはその人は首にしなきゃだめですよ。そのかわり、佐藤先生の議論とも重なるけれども、政府が責任をとるのは当たり前なんだから、では、そこはこのお金を出しましょうということを国会で議論してやらないと。どうなのかな、今までの民主党の議論と違うんじゃないですか。

近藤大臣政務官 御指摘の、運用益はいいじゃないか、こういう話でございます。これも、ただ、広く言えば、掛金を掛けられた方々の財産でありますから、運用益でありますから、そちらの方に還元するというのが制度の趣旨だろう、こう思います。

 ただ、先生の御指摘のように、それはこの独法の運用がいかがなのか、厳しくチェックするべきじゃないか、これは全くそのとおりでありまして、これは行政刷新会議の仕分けをまつまでもなく、経済産業省として厳しくここは総ざらいしなければいけない、こういう問題意識は持っているところでございます。

 行政刷新会議でも独立行政法人の見直し作業にこれから入るわけでありますけれども、大臣の御指示を受けて、経済産業省としてもう一度、その人員が本当に適正なのかどうかも含めて、天下り問題については、平先生の所属する自民党以上に民主党政権は厳しく対処している、こういう自負もございますので、チェックしていきたい、このように考えます。

平(将)委員 しつこいようですけれども、近藤先生、与党になったからそうディフェンスするのはわかるんだけれども、今使っているんですよ、出資金の運用益から。先生がそうおっしゃるなら、これは使っちゃだめですよ。使っているんだから、出資金の運用益から十億円程度。だから、先生がその理屈を貫くんだったら、この十億円は使っちゃだめですよ。どっちかにしてくださいよ。まあ、いいです。

 それと、事業仕分けはぜひやったらいいと思います。あと、公務員制度改革、自民党より厳しくやるというのは一丁目一番地だと思いますが、せっかく泉内閣府大臣政務官に来ていただいております。今、政府は公務員制度改革で、天下りのいろいろなスキームをつくられているんだと思うんですが、このいわゆる独法の理事長は五代続けてもともと経産省の人ですね。新しくできる民主党の仕組みでも、これはずっと理事長として経産出身者が行けるようになっているんだと思うんだけれども、国民のイメージと大分違うけれども、それはどうなんでしょうか。

泉大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 公務員制度改革ですとか、あるいは行政刷新会議の担当として今させていただいていることは、まず一つは、やはり独法の役員の選出の仕方の大幅な見直しです。これは、平成二十一年、昨年の九月二十九日に閣議決定をしましたけれども、役員ポストを公募して後任者を選考することにより、公正で透明な人事を確保するという形をとっております。

 例えば、私が内閣府の方で、自身で所管をさせていただいている国民生活センターですとか、そういったものについても、理事についても一名、もともと経企庁出身だった方が公募の対象となり、民間からお越しをいただいたということでありますし、今回、国民生活センターの理事長の方もこれまで同じように経企庁の方であったわけですけれども、御自身が辞職をされるということがございますので、そういった意向が示されたので、公募という形をとらせていただいております。

 この中小企業基盤整備機構も、二十年の七月一日に就任をしておるわけですが、恐らく、任期が来れば公募の対象に当然なってくるというふうに考えております。

平(将)委員 公募の対象になるのかもしれませんが、やろうと思えば今までどおり、仕組み上はできないことはない、あとは運用でどうするかという話だと思います。

 ちょっと時間がないので、次に行きたいと思います。公務員しか応募しない公募もよくありますから。また……(発言する者あり)済みません、ちょっとやじらないでください。気が散りますから。

 倒産防止について、あともう一件指摘をしておきたいのは、今回、法的整理とあわせて私的整理を入れる、これは重要なことだと思います。

 先ほど答弁ありましたけれども、これは詐欺みたいなものを防ぐために、ある程度要件をつくらなきゃいけないんですが、その反面、私的整理というのは法的整理みたいにかっちりしていないわけですよ。だから、例えば皆さんの挙げている事由は、弁護士なりなんなりが債務は返せませんという通知をした場合はその適用内だというようなことかと思いましたが、これをどこまで見るかというのがすごい大事で、実態はそこまでかっちりしたものを弁護士は送ってきません。今後、窓口は私になりますといって、弁護士からファクスがぺらっと来るわけですね。しかも、後でちょっと話をしますけれども、弁護士の最近のモラルハザードは目に余るものがあって、過払い請求の件はまた後でやりますが、紙一枚送っておいて、ほったらかしというのがすごい多いんですよ。そうこうしているうちに、もう連絡も何もとれなくなっちゃったということが多いんです。

 ですから、これは答弁は要りませんが、確かに、詐欺みたいなものはブロックしなきゃいけない反面、では、現場感覚として私的整理というのはどの時点で認定をするのかというところは、よく議論をして詰めてください。余り厳格でもいけないし、余り緩くてもいけないということだと思うし、弁護士が入ったから安心だと思ったら大間違いですよ、正直言って。弁護士が一枚、今後、窓口は私になったということで、実際、そこで全くすべてのものがストップをして機能しなくなるという現場もありますので、ぜひその辺はしっかり議論をしていただきたいと思います。

 それでは、関連をしてちょっと、この間、大塚副大臣との貸金業法の議論が途中で終わっちゃったので少し話をしたいと思います。

 公の部分の金融と民間の部分というのは当然両方あって、相互補完をして回っているわけなんです。そういった中で、今、公的なことをどんどん整備をしておりますが、では、民間の方はどうだというと、貸金業法の改正といって、二つ大きな柱があって、一つはグレーゾーン金利、高目の金利はもうだめよ、金利の上限を下げるという規制と、あと総量規制ということで、年収の三分の一までというのをこの六月から完全にやりますよと。

 私が大塚さんに問題提起をしたのは、確かに多重債務者の問題もあって、それで命を落とす悲惨なこともたくさんあって、そこは手当てをしなければいけない。それに対して全く異論はないです。しかしながら、その反面、ノンバンクといったものが、中小企業、零細企業の短期小口の資金、無担保の、無保証の、それのつなぎ資金を担ってきたのも間違いないんですよ。間違いない。

 だから、消費者金融でお金を借りて、多重債務になって命を落とすという不幸なことは国として必ずしっかりやらなきゃいけないけれども、しかしながら、銀行でお金を借りられない、実際ノンバンクで仕入れ資金を調達しているという人は、これを完全施行したら、ある日突然、金が借りられなくなるわけですよ。そうすると、ビジネスが破綻をして、そちらの方でまた新たに悲惨なことが起きかねない、そういうことを私は副大臣と話をしました。そうしたら、副大臣から、いやいや、完全にやらせてもらいます、十の激変緩和措置がありますから、十分配慮していきますという議論でありました。

 しかしながら、本当にそれで大丈夫なのかといった議論を、続きをちょっとさせていただきたいと思います。

 まずは、大きな枠として、グレーゾーンというのがありました。利息制限法と出資法の間。ここのマーケットが大体どのぐらいの規模があったのかというのが一つ。もう一つは、ここのマーケットで、これはちょっと統計のとり方によって数字があるかどうかわかりませんが、いわゆる問題債権。そのグレーゾーンと言われる中で、問題債権というのは、わかる数字で結構ですから、どのぐらいあるんだといった部分。また、総量規制を導入します。今、実際にお金を借りている人のうちの何割、何万人がこの影響を受けるんでしょうか。

 この辺のことを、田村大臣政務官、お願いします。

田村大臣政務官 先日の大塚副大臣との議論の延長線上での御質問にお答えをさせていただきます。

 まず最初に、いわゆるグレーゾーンの債権額がどの程度あるかという御質問でございますけれども、十七年の三月末の数字ですと、金利が二〇%超がグレーゾーンに当たると思うんですけれども、そちらの貸付残高は十三・九兆円という数字でございます。ちなみに、二十一年三月末、昨年の三月末は五・四兆円に減少しているというのが現状でございます。

 それから、不良債権ということですけれども、業界全体の不良債権というのはなかなか集計は難しいという状況にございますが、例えば大手四社、アイフル、アコム、武富士、プロミスの大手四社で見た場合には、十八年の三月末ですけれども、総貸付残高が五兆九千億円、そのうち不良債権額が五千二百三十五億円。なお、二十一年三月末の数字もあわせて申し上げますと、総貸付残高は約三兆九千億円で、そのうち不良債権額は五千九百億円と、ほぼ横ばいの状況にございます。

 それから、総量規制の影響ですよね。総量規制、まさに個人向けの貸し付けに関しては、いわゆる収入の三分の一以上借りられなくなるというのが、完全施行の二つの柱、先ほど委員がおっしゃいました件であります。個人向けの貸し付けということで、正確な人数まではわかりませんけれども、いろいろな数字を見ますと、既に貸金業者から借り入れを行っている方の半分ぐらい、五割超の人が現時点においては三分の一以上借りているという状況にありますので、何らかの影響を受けるだろうというふうに考えています。

平(将)委員 大体十五兆円ぐらい、ピークのときに二十兆円ぐらいあったと思います。

 借りなくていいのにお金を借りて、遊んで使っちゃった、それで借金地獄に入っていった、これは貸さない親切というのがあるんだと思います。その反面、意外と借りている人の中を見ると、一番多いのは医療費ですね。あとは、意外と多いのは教育費、あと事業資金というのが多くて、ただただお金を使って、デートや遊興費に使っちゃうというわけではないんです。

 それで、私の問題認識は、さっき言った小規模、無担保、無保証、短期少額、これは現実あるんです。それで、今この貸金業法の議論を始めて、完全施行までの間に時間があったんだけれども、この間も紹介しましたけれども、ある庭師は、職人さん五人を抱えていた、庭の受注があるとノンバンクからお金を借りて、庭をつくって代金を回収していた、でも、ノンバンクから借りられなくなった、職人さん五人の首を切って、今はメンテナンスだけやっていると。もしくは、ある不動産業は、この三月の末、内装に一時的にお金がかかる、でも、敷金、礼金が入ってくるからすぐ返せる、それを迅速に貸してくれるのはノンバンクであったと。また、年末商戦、電気屋さん、エコポイントで思いのほか商品が売れるようになった、それで、仕入れをしたいけれども、なかなか銀行から借りられなくて、ノンバンクから借りてやっていたんだけれども、借りられなくなって、いわゆるビジネスチャンスをなくしてしまったと。

 なぜ信用保証なり公的金融機関を使わないんですかというと、ある意味、今までずさんにやってきて、もう借りられなくなっちゃったという人もいます。手続が煩雑で、時間がかかり過ぎるという人もいます。先ほどから大臣や皆さんも御承知のとおり、資金繰りがやはり命綱ですから、そういった中で、中小企業なんて、いいときと悪いときもあったり、資金需要がある程度大きくなったり小さくなったりするんです。それを、銀行から借りればいいというけれども、銀行は貸してくれないんですよ、時間もかかるし。だから、ノンバンクがやっていたわけですよね。

 私は、そのグレーゾーンも、これはグレーゾーンがなくなるという方向ですから、グレーゾーンはこの世の中に要らないということなんですね、一応政府の見解というか、この法律の趣旨としては。しかしながら、月末百万円のお金がショートします、例えばきょうが二十六日ですね、月末百万円、どうするのといったときに、来月に入ればお金も借りられると。百万円で、それがあれば商売が存続できる。五千円の金利はセーフ、六千円の金利はアウトなんですよ。だから、その六千円の金利以上はアウトだから、違法な金融から借りるか、まあ親族がいればそれにこしたことはないでしょうけれども、こういうことが現実起きてくるんですね。

 この間、大塚さんが言ったから、十の処方せんを見ましたけれども、こういった私の疑問に対して、その十の処方せんでは無理だと思いますよ、正直申し上げて。その辺はいかがですか。

田村大臣政務官 いろいろな御意見をありがとうございます。

 先ほどおっしゃった庭師に関しましては、現在、政府において貸金業制度に関するプロジェクトチームを、そろそろ終盤にかかっておりますけれども、ついおととい、座長試案を出させていただいて、その前段階で、事務局会議のヒアリングを十五回開催させていただいて、その場でもお呼びをいたしまして、お話をお聞きしたところであります。

 確かに、零細事業者の方が資金繰りに窮するのではないかという声はそのヒアリングでも多々出ているところでありますので、そこは、そもそもこのPT、プロジェクトチームにおきましては、完全施行を前提としながら、その運用面、ですから政省令の見直しをする中で、最大限そういう混乱を回避していくということを目標に議論を進めてまいりました。

 ですので、もう委員は十分御案内だと思いますけれども、事業向けの貸し付けに関しては、いわゆる零細事業者ですと、自分の生活のためなのか事業のためなのか、区別をつけるために事業計画書を出してもらうということになっていますけれども、それは、零細事業者でもちゃんと書けるようなシンプルなものにしていくといったような手当てもしているところでございますし、そこは、この十策、現在、座長試案の段階でありますので、さらに御意見をいただきながらベストなものにしていきたいというふうに今考えているところであります。

 ついでに申し上げますと、まさにこういった議論は、四年前に私は民主党のノンバンクプロジェクトチームの座長でありましたので、まさに逆の立場で議論をさせていただいておりまして、問題意識は十分に共有しているところでございます。

平(将)委員 今、事業者の話がありましたけれども、だから、その手続がまず一つ問題なのと、やはり現実を直視してもらいたいのは、事業資金で借りられないから個人で借りて事業用に転用しているというのが実態なんですよ。現実的にはそれで回っているわけです。ですから、事業者に仕分けられた瞬間、借りられないんですよ。

 だから、本当に多重債務者を救済とか、医療費だとか、あとは貧困の層、こういうのはマイクロファイナンスを社会保障的な観点からやればいいけれども、これはちょっともともとの議論になりますけれども、金利そのものを制限するといったところにかなり問題があって、しかも総量で規制するというのは世界で日本だけでしょう、こんなことをやっているのは。

 というのも、かなり無理があって、多重債務者で命を落とす人は、これは本当に政治の仕事としてやらなければいけないけれども、このまま突っ走ったら、今度は政策の逆側の人で生活に行き詰まる人はいっぱい出てきますよ。だから、それをそのまま、命を大切にする政権としてやるんですかと。もう一度、ちょっと冷静に議論をする必要があるんじゃないかという気がしてなりません。

 ですから、この間、大塚さん、全然わかっていないんじゃないかと僕が言ったのは、メガバンクがやればいいと言うんですよ。でも、メガバンクはできないですよ。少額、小口というのは、百万、二百万ですよ。幾ら金利を取ったって、金額にしてたかが知れているわけです。しかも、無担保無保証ということは、モニタリングをしっかりやらないとできないということですよ。だから、金利を上限でリスクをとれないようにしておいて、しかも、メガバンクの人間がそんな小さなところをぐるぐる回ってリスクの大きい金融をやって、年収も一千万取っている人が、ビジネスモデルとして合うわけがないですよね。

 だから、そういう何か机上の空論じゃなくて、現場で何が起きるのか、ある日突然起きるんですよ、ある日突然お金を借りられなくなるんですよ。それに対するしっかりとしたセーフティーネットなしに、六月からやると。

 だって、今、この議論を何でずっとやっているかというと、サブプライムもあり、景気も悪くなり、みんな資金繰りに困っているからこういう公的な議論をさんざん重ねておいて、一定の役割をやっているところをいきなりばさっとやめちゃうんだから。もうちょっと冷静にやる必要があると思うし、今ちょっと大臣政務官の議論じゃ納得いかないんですけれども、もう時間がありませんが、一言だけ、ちょっとコメントを下さい。

田村大臣政務官 副大臣と同様に、平議員のお考え、十分理解をしているところであります。

 そこは、さらに申し上げるなら、四年前の議論において、まさに利用者全体をしっかりと見ていなかったというのは金融庁としても反省すべきだということは、私は担当者にもかねて言っているところでございまして、おくればせながら、そこは現在、金融庁でも、また別の利用者像を調べよう、まさにどのぐらい利用されているかですね、それは引き続き今後努力していかなければいけないと思っているところであります。

平(将)委員 だから、今ごろそんなのをやっているんじゃ遅いんですよ。もう六月からやるんだから、正直言って、僕の感覚でいくと死人が出ますよ。だから、政権交代したんですから、ちょっと一回立ちどまって、完全施行を延期して考えましょうよ。

 それで、確かに、個人の消費者とかいろいろな問題がありますよ。ただ、私も経営者だからよくわかるけれども、短期、小口、無担保の融資、これは今のスキームだったらやりようがないですよ。だれもやらないですよ。メガバンクがやれと言ったって、経済合理性のモチベーションがないんだから。これは、もうちょっと、政権がかわったので、私は、完全施行は一たん延期して、そこのところにどれだけ影響があるかをちゃんと調査した上で、しっかり手当てをしてからやるべきだと思いますよ。

 最後に、もう時間が来ましたので、済みません、ちょっと法務省、行きませんでしたが、結局どうなったかということは、何かばんばんノンバンクが宣伝をしてえらい利益を上げていた、これは私も問題だと思うけれども、結果、貸金業をやって、過払い請求の大きなマーケットができて、今は本当に弁護士事務所ばかりですよ。それで、海外を見ると、こういう多重債務者を救っている人たちはもっと低いコストでやっているんです。ゴルフ場に行って高級車を乗りつけるのは、正直言ってみんな過払いをやっている弁護士ですよ。

 では、過払い請求でお金が返ってきた債務者はどうなっているかというと、過払い請求をしてお金を返してもらった人ほどやみ金との接触率が高いんですよ。何の解決にもなっていない。貸金業がえらいもうけ過ぎているなと思ったら、今度はそれは弁護士がえらいもうけてまっせという話で、では、実態はだれが、借りている人は得をしたんですかと。そういうことではないんだと思います。これは、政権がかわったので、問題をぜひ直視していただきたいと思います。

 最後に、委員長にお願いがありますが、競争政策の件を、ずっと懸案になっておりますけれども、これからまた独占禁止法の法案も上がってまいりますので、政権がかわってアンチマーケットのような印象すら与えておりますので、どういう競争政策をやるのか、この場でぜひ担当大臣の御意見をいただきたいと思いますので、御検討いただきますようお願いします。

東委員長 理事会で検討いたします。

平(将)委員 終わります。

    ―――――――――――――

東委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、政府参考人として外務省大臣官房審議官平松賢司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

東委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。

 今度の法案の貸付限度額を政令事項とした場合、白紙委任でないこと、限度額を政令で定めるときにやはり国民の意見とか国会での議論をよく聴取して行うべきだと考えるんですが、この点について、最初に大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

直嶋国務大臣 これはけさほども御議論がございましたが、貸付限度額の具体的な金額は政令事項ということにさせていただきたいということでありますが、金額を決める上での勘案事項といいますか、大半の方にきちっと対応できるように、これは法律の文言に書き込ませていただきますので、白紙委任というよりも、タイミングを含めて遅きに失しないような判断ができる仕組みにさせていただきたいということでございます。

 もちろん、先ほども申し上げたように、国会開会中についてはさまざまな御議論をいただく機会がありますので、できるだけ御議論いただくようにしたいと思いますし、絶えず私どもも、この限度額については、適正かどうかというのは、既にフォロー調査とか意識調査のようなこともやっておりますが、そういうこともあわせてしっかりやっていきながら、中小企業の皆さんのニーズに反しないようにしていきたいというふうに思っています。

吉井委員 実は、事業所統計で見ると、一九九九年と二〇〇六年の事業所数の推移で、全業種で三十二万二千六百七十六社が減少し、中でも大きいのが卸、小売という分野です。二十五万九千二百二十三社の減少、全体の八割を占めておるんです。その中でも五十人未満の中小企業ですべてマイナスで、二十五万九千九百七社減っています。さらに、その中でも一人から四人の零細業者が二十万九千六百九十人というふうに、今、非常に卸、小売の分野で中小企業が大変だというふうになっているときですが、やはり倒産防止という点ではこの不況の時代を乗り切る経済政策は大事だと思うんです。

 そこで、この点では、二〇〇八年秋以降の金融経済危機の中で、このときに経済危機対策にエコという名前をかぶせて、政府は昨年の補正予算で、学校耐震化の早期推進、太陽光発電導入、情報通信環境の整備など、スクール・ニューディール事業として四千九百億円の事業費を組んでやってきました。

 文科省に伺っておきますが、文科大臣の名の文書で、塩谷さんも今の川端さんも、「地域経済活性化の観点から地域の中小企業の受注機会の増大に努めるようお願いする」と都道府県教育委員会に求めてきたと思うんですが、これを最初に文科省に確認します。

板東政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、塩谷大臣の時代でございますけれども、スクール・ニューディール構想全体に……(吉井委員「詳しい文書はもういただいているから」と呼ぶ)はい。それについてもお願いということで発表されておりますし、それから、政権交代後におきましても、これは川端大臣の名義の文書ということではございませんけれども、交付決定の通知を都道府県に出させていただきますときに、担当の局長、部長の方から、今御質問がございましたような内容の要請をつけた通知を出させていただいております。

吉井委員 ですから、大臣の、名前が載ったかどうかは別にして、指示のもとに、やはり中小企業の受注機会の増大に努めるようにということは、前政権も今の政権も同じ立場で臨んでいることは明らかであります。

 中小企業庁に伺っておきますが、こうした歴代の文科大臣の自治体への要請、これは、政府の中小企業への契約についての方針とか官公需法の精神にかなったものというふうに私は思うんですが、確認しておきたいと思います。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生から御指摘ございました、いわゆる官公需法でございますけれども、実はその中に、第七条で、地方公共団体につきましても御指摘のような努力義務というものが規定されております。

 国もあわせまして、毎年度でございますけれども、地方公共団体の長に大臣からそういう配慮要請をしておりますので、今先生が御発言されましたように、少しでもこういう受注の機会を中小企業のためにつくるということは、こういった法律に則した、場合によれば、この努力義務の一環だというふうに理解しております。

吉井委員 それで、資料一を準備しておきましたが、これは福岡の例ですけれども、中小企業庁の事例集からの抜粋を添付しておきました。できるだけ不自然でない分離分割発注を進めて、地元中小企業に官公需の受注機会が生まれるようにしたのは、これは不況時の経済対策として非常に大事な意味を持っているというふうに思うわけです。アメリカでもバイ・アメリカン政策がとられているわけですが。

 そこで外務省に伺っておきますが、こうした都道府県や政令指定都市が進めているスクール・ニューディールにかかわって、外国政府からWTO違反だと言われた例があるのかどうか、伺います。

平松政府参考人 お答えいたします。

 WTOの政府調達協定の対象でございます、地方公共団体による政府調達についての苦情の件でございますけれども、一義的には、地方の公共団体の苦情処理窓口がございますので、そこで対応するということになってございます。

 スクール・ニューディール政策の関係で外国企業から苦情を受けたということにつきまして、そういった相談があったということにつきまして、外務省としてそういう事例は承知しておりません。

吉井委員 これは、WTO上も全く問題のないものだというものであります。

 文科省から提出していただいた資料によると、スクール・ニューディールにかかわる物品購入、配送、取りつけ工事の実績表というのをいただいて見ました。地元中小企業の発注率の多いのは、一〇〇%地元中小企業というのは、青森、福井、島根、岡山、鹿児島、九九%が愛知県、九〇%台が宮城、群馬、広島、長崎など、これは、塩谷、川端両大臣の呼びかけが非常によく生きているというふうに思うわけです。

 しかし、私、もともと生まれ育ったのは京都なんですけれども、非常に残念に思うのは、京都府のように、分離分割とは逆に、わざわざ三千五百万円を超えるようにまとめて、東京資本の大企業に落札するようにしたところもあります。

 京都府北部の京丹後市から南部の木津川市まで、南北百四十キロあるんです。非常に長い距離に及びますが、府立高校が全六十九校、この中には、私の母校でありジュリーの母校でもあります府立鴨沂高校も入っておりますが、百九十一台のデジタルテレビの設置工事を一括入札にして、三千五百万円を超える形をとって、全国の業者に開かれた入札にしないといかぬということにして、その結果、資料二をつけておきましたように、府の予定価格に対する落札価格は六三・五%で、本社が東京の大塚商会が落札。しかし、落札しただけで、実際の運送や設置工事はできないわけですから、仕事は地元の中小業者に、マージンも出ないぐらいの金額で仕事をしてくれと。これが実態です。

 何でこうなるのかと、京都府議会の会議録も読んでみたんですが、知事は、分割発注にできればそれにこしたことはないが、担当が文科省であり、文科省に確認する中で、WTO協定に照らして非常に危ない、危険だと指摘を受けたと。要するに、WTO協定違反だからという趣旨のことを言われて、やむを得ず、六十九校、百九十一台のテレビとその設置工事をまとめて東京の大手企業に落札させることになったと経過を説明しているわけです。

 文科省に伺っておきたいんですが、両大臣は、地元中小企業に発注できるように、経済対策として努力を求めたんですね。中小企業への分離分割は、それに対してWTO協定上問題ないと、はっきり問い合わせに答えたのかどうかを、文科省に伺っておきたいと思います。

板東政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生御質問いただきましたことをちょっと担当者の方に確認させていただいておりますけれども、本年二月十六日に担当者の方に問い合わせがあったということでございますが、これは、中小企業への配慮について、WTO政府調達協定を優先すべきかどうかという御質問だったようでございます。

 担当者の方といたしましては、WTOの政府調達協定の方において、この協定の適用を回避する意図のもとに、いかなる調達も分割してはならないというふうに規定されている、この協定の枠内での適用であると回答したというふうに承知をしているところでございます。分割一般について、いい悪いということを申し上げたというのではないというふうに承知をしております。

吉井委員 いや、前政権も現政権も、二人の文科大臣は、中小企業に仕事が回るようにしなさいときちんと示しているわけですよ。

 中企庁の方からのお答えもありましたように、今この不況の中で、地域経済の活性化とか中小企業対策に、これは政権がどうなろうと、政治は総力を挙げて取り組んでいるときですよ。そのときに、分離分割発注をして、できるだけ中小企業に回るようにしようというときに、わざわざ百四十キロ、京都で大体五ぐらいありましたかね、教育委員会の地方の教育局は。せめて支分局単位でもやれば、そもそも、そんな心配は全くありませんとはっきり言えばやれるわけなんですが、なぜそういうふうにしなかったのか。

 私は、そういうところは、文科省もやはり言うべきときはきちんと言うべきだと。外務省も問題ないと言っている話ですから、WTO協定上は何の問題もありませんと。だから、分離分割発注で地元業者に回るようにしていただいて結構ですと、それを言わなかったら、せっかくのスクール・ニューディール政策が、経済対策としても力を発揮するようにということでやっているのに、生きてこないんじゃないでしょうか。

 そこで、私は経産大臣に伺っておくんですが、せっかく地元中小企業に仕事が回るようにしてやっているときに、わざわざ一括発注をやって、それで東京の業者に仕事が回るような仕掛けをつくっていくというやり方、このやり方というのは、国の方針や官公需法の精神に合わないんじゃありませんか。

直嶋国務大臣 おっしゃるように、中小企業の仕事を確保するといいますか、そういう視点で、例えば官公需法上も対応が認められているわけでありまして、今回についても、これからの議論でありますが、官公需法に基づき、毎年やっております対策でございますけれども、中小企業者に関する国等の契約の方針というのを閣議決定しまして、しっかり実行してまいりたいというふうに思っております。

 それで、御議論の中でいえば、やはり中小企業の皆さんに受注をしていただくということで考えれば、御指摘のように、くくるのではなくて、むしろ小口化していくということになるのではないかというふうに思います。

吉井委員 私は、文科省としては、やはりきちっと、これはWTO協定上何の問題もありませんと、せっかく大臣が指示して文書も出しているんですから、経済対策としてやっているんだから、それが生きてくるようにやってください、自信を持ってやってくださいと言うのが当たり前じゃないかというふうに思うわけです。

 都道府県別と政令都市別に、この両者が三千五百万円を超えるとWTOにかかるという一応の話はあるんですけれども、京都府は、地元中小企業発注割合を見てみると、都道府県別で見たときに、全国平均が五一・四%の発注率ですが、これに比べて三二・八%と極端に低いんですね。そういう中で、もっとかさ上げをしてくれというのが本来の経産省の立場だと思うんです。

 一方、さっきも御紹介しましたように、青森、福井、島根、岡山、鹿児島、愛知と、愛知は九九%ですが、一〇〇%地元中小企業に発注しているわけですよ。それから、宮城、群馬、広島、長崎でも九〇%台で、非常に高率で発注しているんです。

 京都市で見ますと、問題が表面化するまでは、これは政令市の方ですが、デジタルテレビ化工事などを、ことし一月二十九日の入札では、百七十六の小学校の電子黒板つきデジタルテレビを、すべてヤマダ電機、独占落札。二月一日にも、十校の校長室と職員室用デジタルテレビの入札で、十校全部、すべてヤマダ電機が独占落札です。これを資料三につけておきました。

 ヤマダ電機も、本社は群馬県の高崎市にある大手家電量販店ですよ。群馬県の場合は、実は地元中小企業発注率九一・三%ですよ。地元で仕事ができない分、京都へ乗り込んでいって仕事をとる、京都の中小企業を痛めつけるというのは、ちょっとやり方が余りにもおかしいんじゃないかと思います。

 実は、ヤマダ電機というのは安売りの店ですよね。工事は専門じゃないんです。地域的に、日常的にメンテナンスできる体制はないんですよ。ですから、ヤマダ電機については、下請仕事をさせるときに、結局、下請仕事を頼まぬとできぬものですから、例えば、五十インチのテレビの設置工事は、大きいですから二人かかりますが、二人で、運送と工事で、コードを引っ張ったりいろいろやって、取りつけ工事で大体二時間ぐらいかかるんです。普通は大体八千円ぐらいかかるんですが、それを千五百円でやれというんですね。それじゃ無理だということで二千円になったりしていますが、二人で二時間で二千円ですから、一人当たり、時間給にして五百円でやれと。

 落札だけして、仕事は下請単価たたきで、落札できなかった地元の中小小売家電業者にやらせる、利益は本社へ持っていく。これでは地元に金が回りませんから、地域経済の活性化にもならないわけですね。これが実態なんです。

 そこで、経産大臣に伺っておきたいのは、ヤマダ電機の例のように、落札しても、実際の仕事はそれぞれの地域の業者の方に頼まないとできない、優越的地位の濫用と言われても仕方のないやり方で、大手家電量販店に圧迫されて困っている業者に、マージンも出ないような下請単価を押しつけてやらせる、このやり方を進めておったのでは、持続可能な経済にならないと思うんですよ。地域経済の活性化とは逆の道に行ってしまう。やはり中小企業に仕事が回るように、官公需の分離分割発注と大手の優越的地位の濫用を許さない取り組みというものが、この不況の時代だからこそ、さらに必要だというふうに思うんですが、大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

直嶋国務大臣 具体的な企業のことは別にしまして、一般的に申し上げれば、今、中小企業にとって大変厳しい時期ですから、中小企業の受注機会を拡大するという趣旨で、例えば、官公需法等に基づき受注機会を拡大していくという方針で取り組んでおりますので、その趣旨からいうと、やはり法律の趣旨に沿った対応をしなければいけないというふうに思っています。

 それから、優越的地位の濫用等については、御指摘のケースは別にしまして、やはり、特に下請取引を初めとして、実際いろいろな問題が出ていますので、これは、例えば下請かけこみ寺とか、あるいは弁護士の皆さんを配置しての相談窓口の設置でありますとか、特にまた年度末を迎えてそういう件数がふえてくるということが懸念されますので、今そういう手当てをいたしておりまして、この点についても万全を期していきたいというふうに思っています。

吉井委員 大手家電量販店については、不当廉売の問題とかいろいろありますから、またそれは別の機会にやりたいと思うんですけれども、国の中小企業に関する契約の方針、それから地方公共団体における官公需施策事例などを中小企業庁が出したりして頑張っていらっしゃるのはわかるんですよ。しかし、現場の実態は、特に不当廉売だけにとどまらないで、家電販売だけやっているところが仕事をとって、工事はできないから、とれなかった業者に安い価格を押しつけてやらせるような、優越的地位の濫用といいますか、そういうふうなやり方を含めて、今の日本経済をおかしくするやり方がありますから、やはりそこを正すことは中小企業の倒産防止の上にとっても非常に大事なことだと思います。

 このことを重ねて申し上げて、質問時間が参りましたので、終わりたいと思います。

東委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

東委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

東委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

東委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、杉本かずみ君外二名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・改革クラブ及び公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。平将明君。

平(将)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、案文を朗読いたします。

    中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、中小企業が引き続き困難な経営環境に直面している状況に鑑み、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 共済金の貸付限度額を政令で定めるに当たっては、制度の元来の趣旨に鑑み、国会での議論を十分に踏まえ、適切に意見を反映するよう対応すること。また内容については、共済収支に与える影響を十分勘案しつつ、企業倒産の動向等を踏まえ、中小企業の連鎖倒産防止に実効性のある水準に設定するとともに、必要に応じて柔軟に見直しを行うこと。

 二 本共済制度の基盤の確立と安定を図るためには、共済契約者数を確保することが不可欠であることに鑑み、共済契約者の負担の軽減を図る等により制度の魅力を高めるとともに、効果的な普及・広報活動を継続的に実施すること。

 三 独立行政法人中小企業基盤整備機構は、制度の安定的運営を図るため、一層の経営合理化を進めるものとし、将来にわたって国庫からの交付金に極力依存しない経営を確立するよう努めること。

 四 独立行政法人中小企業基盤整備機構は、中小企業のニーズに応えて共済金の貸付手続に要する期間の短縮及び簡素化に引き続き取り組むものとし、新たに追加される共済金の貸付事由の審査期間も極力短くするよう努めること。

以上であります。

 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略をさせていただきます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

東委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

東委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、直嶋経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。直嶋経済産業大臣。

直嶋国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。

    ―――――――――――――

東委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

東委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十三分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.