衆議院

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第8号 平成16年3月11日(木曜日)

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平成十六年三月十一日(木曜日)

    午後五時二十分開議

 出席委員

   委員長 斉藤斗志二君

   理事 小野寺五典君 理事 中谷  元君

   理事 西田  猛君 理事 三原 朝彦君

   理事 末松 義規君 理事 中川 正春君

   理事 藤田 幸久君 理事 河合 正智君

      今津  寛君    江藤  拓君

      木村  勉君    岸田 文雄君

      倉田 雅年君    近藤 基彦君

      桜井 郁三君    塩崎 恭久君

      竹下  亘君    橘 康太郎君

      谷本 龍哉君    玉沢徳一郎君

      西川 京子君    野田 聖子君

      萩生田光一君    望月 義夫君

      山際大志郎君    山下 貴史君

      池田 元久君    生方 幸夫君

      岡島 一正君    神風 英男君

      首藤 信彦君    田嶋  要君

      達増 拓也君    長島 昭久君

      原口 一博君    伴野  豊君

      細野 豪志君    前原 誠司君

      松本 剛明君    山田 正彦君

      横路 孝弘君    赤松 正雄君

      丸谷 佳織君    赤嶺 政賢君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         川口 順子君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      石破  茂君

   防衛庁副長官       浜田 靖一君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    瀬川 勝久君

   政府参考人

   (防衛庁運用局長)    西川 徹矢君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            堂道 秀明君

   衆議院調査局国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別調査室長        高木 孝雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十一日

 辞任         補欠選任

  金子 恭之君     山際大志郎君

  木下  厚君     神風 英男君

  長島 昭久君     細野 豪志君

同日

 辞任         補欠選任

  山際大志郎君     金子 恭之君

  神風 英男君     木下  厚君

  細野 豪志君     長島 昭久君

    ―――――――――――――

三月九日

 テロ特措法とイラク特措法の廃止法制定に関する請願(中村哲治君紹介)(第七七九号)

 同(首藤信彦君紹介)(第七八九号)

 同(稲見哲男君紹介)(第八四四号)

 同(生方幸夫君紹介)(第九二二号)

 自衛隊のイラク派兵反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八四一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八四二号)

 同(山口富男君紹介)(第八四三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第八六九号)

 イラク派兵反対、自衛隊の撤退に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九四七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第九四八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件


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     ――――◇―――――

斉藤委員長 これより会議を開きます。

 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁警備局長瀬川勝久君、防衛庁運用局長西川徹矢君及び外務省中東アフリカ局長堂道秀明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

斉藤委員長 この際、政府から説明を聴取いたします。防衛庁運用局長西川徹矢君。

西川政府参考人 イラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊の部隊の最近の活動状況について御報告いたします。

 まず、陸上自衛隊の部隊につきましては、現地の治安状況等に関する情報の収集や人道復興支援活動実施のための諸調整を引き続き実施中でございます。

 また、三月四日には、医療支援活動の一環といたしまして、サマワ総合病院における症例検討会に参加し、現地の医師と、風土病に関する検討等を行ったところでございます。

 サマワの宿営地につきましては、鋭意設営工事を進めているほか、土地の使用経費に係ります地権者との調整がしかるべく進展しているところでございます。

 なお、先週から、宿営地内におきまして炊飯ができるようになったところでございまして、派遣隊員の生活環境を逐次整えつつあるところでございます。

 今後とも、気象条件の厳しい現地における派遣隊員の健康管理に一層配意していく所存でございます。

 三月四日、サマワのCPAの前で、先般、バグダッド及びカルバラで発生いたしました同時テロに対します抗議を目的としたデモが行われましたが、粛々と解散したとの報告を受けております。また、三月七日には、県知事庁舎前で失業者によるデモが行われたものの、大きな混乱は見られなかったとのことでございます。

 いずれにせよ、現時点においては、サマワを含むムサンナ県の治安については、イラクの他地域に比べ全般的に比較的安定していると考えておりますが、現地の治安情勢には今後とも最大限の注意を払ってまいります。

 次に、航空自衛隊の部隊については、イラク国内の各飛行場の安全性や輸送ニーズ等を慎重に勘案した結果、三月三日、クウェート国内の飛行場施設を拠点といたしまして、イラク国内の飛行場施設との間で、C130機によります人道復興支援物資の輸送を開始したところでございます。これは、三月三日につきましては、クウェートのアリ・アルサレム飛行場からイラクのタリル飛行場まで輸送を行ったところでございます。

 これまでに医療器材等を空輸し、陸上自衛隊の車両によりサマワの宿営地に搬送したところでございまして、近日中に現地病院等への引き渡しを実施することになります。

 最後に、海上自衛隊の部隊につきましては、輸送艦「おおすみ」及び護衛艦「むらさめ」が、陸上自衛隊の派遣に際して輸送をいたします車両等を搭載し、現在、クウェートに向けて航行中でございます。

 以上でございます。

斉藤委員長 次に、外務省中東アフリカ局長堂道秀明君。

堂道政府参考人 イラクの治安情勢について御報告申し上げます。

 イラクの治安情勢につきましては、基本的な構図には変化がございません。米軍による掃討作戦は継続され、二十万人を超すイラク人治安要員が治安確保に従事するなど、イラク人治安要員の強化、増員が進められております。

 三月三日、ブレマー行政官は、二日のカルバラ及びバグダッドでの同時テロを受けまして、テロの多くは国外からもたらされていることがますます明らかになっており、国境警備が強化されつつあること、また、テロリストは民主化へ向けた動きを妨害しているが、彼らは時間との闘いに敗れつつある旨述べております。

 イラク南東部に関しましては、イラクの他の地域に比べて比較的安定していると考えておりますが、五日、マイサン県におきまして、パトロール中の英軍が銃撃を受け、七名が負傷するとの事案が発生しております。また、二日のバグダッド及びカルバラでの同時テロを受けまして、四日、サマワにおいて、このテロに抗議するデモが行われましたが、それは短時間で解散しております。

 現地の情勢につきましては、今後とも予断を許さず、その動向を注視していく必要があります。

 八日、イラク統治評議会メンバーにより、移行期間のためのイラク国家施政法、いわゆる基本法と呼ばれているものでございますが、これが署名されました。本件は、イラクにおける政治プロセスの枠組みを整えるものとして重要であります。我が国としてもこれを歓迎しております。本法の成立を受け、イラク人による平和で民主的な国家の再建に向けて、六月末の統治権限の移譲及びその後の選挙実施などの政治プロセスが円滑に進むことを期待しております。

 我が国政府は、五日、ジャパン・プラットフォーム、JPFと称しますが、の活動を支援、強化するため、JPFに対し二十億円の資金拠出を決定いたしました。このうち十七億円は、JPFに加盟している我が国NGO、非政府組織でございますが、イラクで行う医療、保健、教育などの分野における人道支援活動を目的として支出されます。

 また、昨十日でございますが、ムサンナ県に対し供与される給水車十二台の贈呈式がサマワで行われました。

 我が国は、政治プロセスの進展を初めとしたイラクの復興のために、必要な支援を行ってまいります。

 以上でございます。

斉藤委員長 これにて説明は終了いたしました。

    ―――――――――――――

斉藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本件調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

斉藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細野豪志君。

細野委員 両大臣におかれましては、参議院の予算委員会に引き続き、大変お疲れさまでございます。

 早速、時間も短いので質問に入っていきたいというふうに思うんですが、まず、今、防衛庁の方と外務省の方から、それぞれ、最近の情勢ということで説明をいただきました。その中で、八日の基本法の合意、署名ですか、これについて御説明をいただいたんですが、非常にさらっと、「政治プロセスの枠組みを整えるものとして重要」であるということと、今後「円滑に進むことを期待」するということだったんですが、まず外務大臣に、この基本法の中身についての評価、どのように考えられているのか、そして、今後焦点はどの辺に移っていくのかということについて、これではちょっと説明になっていませんので、まず御説明をいただきたいと思います。

川口国務大臣 基本法でございますけれども、これはそもそも二月末の制定というものを目指していたわけでございます。それが、現地時間の三月八日、若干おくれまして、イラクの統治評議会メンバーの全員によって署名をされたということであります。

 それで、幾つかのことがこれに書かれているわけでして、まず、共和制、連邦制、民主主義という基本的な原則を掲げたということです。そして、選挙による国民議会の選出、また、国民議会による大統領評議会、首相、閣僚評議会の設立といった移行期間における統治の体制、それから、憲法の起草と国民投票、さらに、それに基づく新政府の樹立といったことが明記されております。

 これは、我々としては、イラク人による民主的な政府の設立に向けた政治プロセス、これの枠組みを整えるものとして歓迎をするということが我々の立場でございます。

 それで、この策定に至るまでいろいろなことがあったわけでして、シーア派、スンニ派、クルド、この各派の間で、例えば、連邦制を採用することがいいかどうか、それから、クルドの人たちがどれぐらいの自治の権限を持つか、イスラム教をどのように位置づけるか、そういったようなことをめぐってさまざまな利害関係の調整が行われたということであります。それから、国連のミッションが行きましたけれども、どのような形で選挙をやるか、あるいはその実施時期はいつかということについても議論があったわけでございます。

 今後ということですけれども、これは、その基本法に書かれたスケジュールがわっとあるわけでございます。それに従って、民主的な国家の再建に向けて、六月末の統治権限の移譲ということがまず最初にあるわけです。そして、その後の選挙実施体制等の政治プロセスを円滑に進めていくということがあるわけでございます。そういったことを逐次進めていくということであるかと思います。

 我が国としては、この過程において、できる支援をしていきたいと考えています。

細野委員 今、大臣から中身の解説と経緯を御説明いただいたんですが、どういう評価をしているのかということについて全くお答えいただけなかったのかなというふうに思っています。

 確かに、民主的なプロセスにこれから乗っかってくることを我々も望んでいるわけですが、では、果たして民主的というのは一体どういうことを言うのか。例えば、来年行われるというふうに言われております選挙が、直接選挙がいいのか、それとも、ある程度のそれぞれの民族なり宗教なりに配慮したような形がいいのか。はたまた、目の前に暫定政権つくらなきゃならないんですが、その中には、今の統治評議会のように、ある程度またそれぞれの代表を呼んでくるのか、もしくは地域別に均等に割り振るのか。民主的といっても、できるだけ平等に日本の民主主義のようにやるのがいいのか、それとも、民族もしくは宗教に配慮した形の措置がいいのか、これはなかなか判断が分かれるところだと思うんですね。このあたりについて外務大臣としてはどういうお考えを持っておられるのかということを端的にお答えいただきたいというふうに思います。

川口国務大臣 先ほど言いましたように、一番最初のところにきちんと共和制、連邦制、民主主義ということが書かれているわけであります。

 それで、選挙について具体的にどのような形でやっていくのか。それは、先ほど申しましたように、これから考えていくことであるということだと私どもは理解をしています。

 基本的には、イラクの人たちが新しく、これは暫定政府、移行政府、二つの段階に分かれてこの基本法は書かれているわけでして、それで、国民選挙につきまして、国民会議の日程については、これは二〇〇四年の十二月三十一日、遅くとも二〇〇五年の一月三十一日、これまでに予定をされるということで書いてあるわけです。これがどのように行われるか。それは、直接選挙ということがこの前の国連の報告書には書かれているわけですけれども、具体的にそれがどのような、具体的にもっともっと詰めていかなければいけないことはありますし、関連の法制をどう考えるかということもあります。そういったことについては、今後の選挙のことについては、暫定政府の過程で政治プロセスをどうするかということは考えていくということであると思います。

 そういう意味で、先ほど、評価という意味では、これを我が国としては枠組みをつくるものとして歓迎しているということを申しましたけれども、それが評価であるわけです。

細野委員 今民主党でも、これから、どういう枠組みがいいのか議論をしていこうというふうに思っています、支援のあり方も当然それにかかわってくるわけでございますので。もちろん最終的には、これはイラクの方がみずから決められることなんですが、アメリカ政府の場合は、CPAというところを通じて、ある程度その枠組みの中に入って意見を言っているわけですよね。日本も、全く部外者でいたときにはまた違う評価もあるんでしょうが、今、人も出し、そして当然お金も出すという枠組みの中で、どういうふうな形が望ましいのかということについては、今解説はしていただいたけれども、日本としてはどう考えるんだというスタンスは出てまいりませんでした。この部分についても、やはりある程度の分析をして方針を出していく、我々もこれから出していきたいと思っていますが、そのことを要望だけしておきたいと思います。これは答弁は結構です。

 これから、この基本法ができたことによって、焦点が、六月三十日以降の、まさにイラクの暫定政権ができるそれ以降に移ってくるというふうに思っています。そもそも、六月三十日以降の我が国としての支援のあり方について、基本的な部分の認識をまずお伺いしたいというふうに思います。

 イラク特措法なんですが、この法律を見ますと、第一条の「目的」のところに、国連安保理決議の一四八三を踏まえてということが書いてあります。一四八三というのを見てみますと、これは当時大変議論になった決議ですので、どういう決議かというのは、これはみんな知っているわけでありますが、この中身というのは、CPAの統治というのを基本的に認めていく、その中で、その枠組みを、ほかの国々にも協力をいただいてイラクの独立を促していこう。CPAの統治を基本的に正当化して枠組みを広げると同時に、イラクの独立を支援していくということを書いたのが一四八三なんですね。

 六月三十日以降に、この一四八三を根拠としたイラク特措法で本当に支援を続けるというのが法律的にできるのかどうか。ここ何度か委員会でもやりとりをされていますが、きちっとした答弁がまだ外務大臣から出ていないというふうに私は認識しています。ここをお答えいただきたいと思います。

川口国務大臣 基本的に、決議一四八三においても、それから一五一一についても、これはいつまで有効である、あるいはいつまでしか有効でないということは書かれていないわけでございます。我が国としては、この一四八三そして一五一一にこたえてイラクの人たちの復興を支援するということで、車の両輪と言っていますけれども、支援を行っているわけでございます。こういった支援のあり方あるいは考え方、これについて、引き続き、一四八三、一五一一が基本であるということは変わらないわけです。

 今、またさらに新たな安保理決議が必要かどうかという議論もございますけれども、今の時点で新たな安保理決議について議論がされているということでもございませんし、それがないから困るかというと、一四八三、一五一一があるわけですから、それに基づいて支援をしていくということに何ら問題はないということだと思います。

細野委員 いや、それはやはり大臣、ちょっとおかしいんですよ。

 というのは、これはCPAと統治評議会の間でも、昨年の十一月十五日の合意の中で、CPAは実質的な役割を終了するということがはっきり出ているわけですよ。日本語訳を読みますと、「国連決議で定められた連合国の占領統治者としての責務は終了する。」ということが書いてあるんです。

 これはイロハのイのところで法律に一四八三と書いてあるわけですよ。一四八三のところで、このCPAの合意を前提としている。一四八三も一五一一も基本的には同じです。両方CPAを前提とした決議になっている。一四八三も一五一一も、もちろん存続はするんですが、明らかにそういう意味での役割を終えて、新たな国連決議が求められるのは当然のことだし、この支援の枠組み自体も、これもこの法律に基づくものとは変わってくるというのが当然の法律の解釈じゃないですか。

 一四八三はCPAを前提としていますよね。それはよろしいですね。CPAを前提とした法律構成になっているということをしっかり答えてください。これは外務大臣に。

 いいですか、法律の根拠は一四八三だけなんですよ。根拠というか、これを踏まえて、前提ですよね。前提が崩れているのにできるんですかということを聞いているんです。

川口国務大臣 国連の決議のことでございましたら私の担当でございますけれども、法律それ自体ということでしたらば、イラク特措法が有効かどうかということであれば、防衛庁長官にお聞きいただくということであるかと思います。

 それで、私の立場から、一四八三、これがCPAを前提としているから無効であるかということをおっしゃられているわけですけれども、それはそういうことではない。もちろん一四八三は、一五一一もそうですけれども、各国に対して、加盟国に対して、支援するということを求めているということであるわけですから、我が国はそれにこたえて人道復興支援等を行うためにイラクに行っているということでございまして、その基盤が、一四八三が無効である、有効期限が切れているということではないわけなので、それは我が国にとって引き続きベースであり続けるということを先ほど申し上げたわけです。

細野委員 ここは水かけ論になるので、もう一歩、ちょっと前に進めた話をしていきたいというふうに思うんですが、もう一つ、私がこれから……(発言する者あり)もう一回聞きますか。

 そもそも、国連決議がこれから必要ないと思っている国は恐らくないと思いますよ、この六月三十日以降に。そもそも一四八三と一五一一があって、要するに、我が国は、当事国の同意がない状態で派遣をするという歴史的な一歩を踏み出したわけですよね。そうではなくて、新しい政府ができるわけだから、当然その政府の同意は必要だし、そして、そこにおいてどういう形で国連がかかわるのか、各国の軍隊がかかわっていくのか、実力部隊がかかわるのかということについて新しい決議が必要だ、これは当然じゃないですか。今ちょっと外務大臣のお答えを聞いてびっくりしましたが、日本としては求めないんですか、新しい決議を。

川口国務大臣 幾つかの点について整理が必要であるかと思います。

 我が国の自衛隊がなぜイラクにいるかということについては、これは国連決議にこたえてということですが、一般国際法上、軍隊が、要するに自衛隊がイラクにいるということについては相手国の同意が要るということであるわけですね。

 ですから、もし委員が、六月三十日以降、我が国がどのような形でイラクの政府から同意をとって、いるのかという御質問であるならば、それはまたちょっと別な御質問でして、一四八三、一五一一は引き続き有効であるということを先ほど来申し上げているわけですが、もしイラクの、先生の御質問がどのような合意をとるかということであれば、それは何らかの形で、我が国の自衛隊がそこにいるということについて、暫定政権なり移行政権なりの同意の確認をするということであるわけです。

 それで、基本法においてその点についてはっきり話が書いてあるかどうかということについては、それは、まずその基本法の規定を十分に踏まえるということでございますけれども、今まだその細部についてよくわからないことがある。例えば、今までの、CPAが、ガバニングカウンシル、協議会と結んだ合意、これは、新しい法律がそれをリプレースするまで有効であるというふうに基本法には書かれているわけですけれども、では、その中身がどこまで入るのかとか、具体的なことは今後引き続き確認をする必要があるので、それは今後行っていく。

 いずれにしても、我が国の自衛隊は、イラクの政府の、我が国の自衛隊がいることについて同意、これがあるということを確認する、この手続はやっていくということで考えています。

細野委員 では、再確認しますが、六月三十日以後に暫定政権から日本は合意をとる、自衛隊の駐留について。このことはいいですね。合意をとるんですね。

川口国務大臣 ですから、何らかの形でとる。その形態については、これはいろいろなことがあり得る。それは詰めていきますが、何らかの同意がなければ、そもそも、国際法上、自衛隊はいられないということは今までも申し上げたとおりであります。ですから、同意の確認というふうに申し上げているわけでございます。

細野委員 いや、同意がないと自衛隊はいられないといったって、今までイラク人の中できちっとした意思決定ができないんですから、同意がないのに行っているんですよ。六月三十日以降はきちっとした政権ができるんだから、そこで、どういう手続になるかは確かに不明確かもしれませんが、外務大臣、合意をとられるとおっしゃいましたので、これはこれで結構ですが、きちっととっていただきたい、このことだけは申し上げておきたいと思います。

 もう一つ、外務大臣、国連決議は必要ないのではないかというふうにおっしゃいましたが、それは明らかに、過去の経緯からいっても、この法律の経緯からいっても、私はおかしいと思います。日本として、本当に国連決議必要ないというふうにお考えなんですか。これからも求めていかないということなんですか。これはきちっと答弁してください。

川口国務大臣 我が国として、一四八三、一五一一というのは引き続き有効であるということを申し上げて、新しい決議を今議論するという状況ではない、されていないということを先ほど申し上げたわけです。

 新たな国連決議が必要であるか必要でないかというのは、何について国連決議をつくろうとするのかとか、いろいろなことがあり得ますから、もちろん必要があればつくるということでありますし、それは安保理で議論をされるということだと思います。

 申し上げているのは、一四八三、一五一一が引き続き有効であって、その一四八三、一五一一にこたえて我が国が支援をするということについては変わらない、新たに国連決議がなければ引き続き支援ができないということではないということを申し上げているわけです。

細野委員 有効というのは、過去、日本政府は、イラクのときもいろいろ昔の決議を引っ張ってきてやっていますから、有効か無効かといえば有効というのはわかっていますよ。

 ただ、私が申し上げているのは、CPAという存在を前提としたイラクの決議と、イラクでそれこそ新しい政府ができたときの決議というのは、これは当然変わってくるでしょう。それを踏まえた新しい国連決議を求めていくということは、これは国際社会として当然のことじゃないですか。

 そこを、ちょっと今の答弁では、どういう状態になるかわかりませんからということを言っておられるけれども、そうじゃなくて、新しい政府ができるわけですよね、その政府とどうかかわっていくのかということに関して決議を求めるのは、これは当然のことでしょう。もう一度お願いします。

    〔委員長退席、西田委員長代理着席〕

川口国務大臣 ずっと今まで申し上げていますように、国連の決議、これは必要に応じて、できるということであれば、それはその方がいいというわけであります。だけれども、なければ何かできないかというと、それは新たに何か新しいことをやるということであれば必要かもしれませんけれども、我が国は引き続きいる、イラクの新しい暫定政府なり移行政府の合意があるという前提でですけれども、いるということについて、新たな国連決議がなければいられないかというと、そうではないということを申し上げているわけで、必要でないかどうかという、なければいられない、だから必要であるということではない。あれば、もちろんあった方がいいでしょうということで申し上げているわけです。

細野委員 あった方がいいという答弁が初めてありましたが……(発言する者あり)あった方がいいとはおっしゃっていないですよ。今まで必要はないとおっしゃっていたんだから。

 外務大臣、こういうところで、人を出しているんだから、これから国連に対してどういうことを日本としては求めていくのかときちっと発言すべきだと思いますよ、安保理にも入るという意思表示もされているんだから。こういうところできちっと必要性を言って、その中で、次の段階として、PKOを求めていくのか、それとも恒久法をつくっていくのか、それは石破長官もいろいろお考えがあるかもしれないけれども、そういうことを積極的に国際社会に対しても発言をしていくということがぜひ必要だと思います。

 今、あった方がよいという答弁がありましたが、もっともっと前に踏み出して発言をしていただきたいということだけ要望しておきたいと思います。

 聞きたいことがいっぱいあるものですから先に行きますが、在外公館の警備の問題、これに、私、非常に大きな関心を持っています。

 何度か外務大臣も、去年のあの不幸な事件があってから、大使館の警備を充実させなければならないということをおっしゃっていますが、その後、若干トーンダウンしたようにも見えます。現在も大使館で仕事をされている方はたくさんいらっしゃるわけでございまして、そこがどうなっているのか、心配をしている国民はたくさんいると思います。

 検討状況をまず手短に、短目にお話しいただけますでしょうか。

川口国務大臣 イラクにございます我が方の大使館の安全について関心を持っていただいて、大変にありがたいと思っております。

 それで、今検討しているということですが、これは現在何をしているかというと、関係の各省庁と協議を行っております。

 それで、どういうことについて検討をしているか、一緒に考えていただいているかということですけれども、まず、幾つかの選択肢があります。自衛隊によるもの、警察によるもの、あるいは外務省みずからが警備体制の強化をするもの、大きく言って三つあるというふうに申し上げたらいいと思いますが、そういった選択肢が幾つかありますので、その選択肢ごとにというか、選択肢を幅広く検討しているということであります。

 それから、どの選択肢をとろうと、幾つかのことが検討すべき課題であるということです。例えば、受け入れ国、この場合イラクですけれども、基本的に受け入れ国が警備をするということになっていますから、接受国との関係というのが一つあります。それから、警備体制のあり方、これは武器使用のあり方ということも含めているということであります。それから、そのときにどれぐらいの、要員をどうするかといったような問題もあります。

 そういったことについて相当に綿密に議論する必要がありますので、今協議をさせていただいているという段階です。

細野委員 検討とおっしゃるんですが、去年十二月頭にああいう発言をされて、もうかれこれ三カ月たったんですか、今まさに必要とされているわけですよね。こういう部分での対応の遅さというのは相当深刻だというふうに考えています。

 私も、自衛隊がいいのか、もしくは警察組織がいいのか、いろいろな方にいろいろ話を聞いて考えてみたんですが、現段階で恐らく一番可能性があり、かつそういう能力も持っているのは、そして今派遣の可能性として一番好ましいのも警察だというふうに思っています。私どもの民主党の菅代表も、そういう発言をもう既にしています。

 法律的な部分を確認したいんですが、警察法六十一条という規定がありまして、これによると、ちょっと前半はしょりますが、「公安の維持に関連して必要がある限度においては、その管轄区域外にも、権限を及ぼすことができる。」すなわち、公安の必要性があれば海外にも行くことができる、こういう規定があるんですね。

 政府委員の方に、法律的に、実態論として都道府県警があるとか、どこが行くかわからないという問題があるのはわかります。ただ、必要性があれば出せるという規定が存在をする、これはよろしいですね。

瀬川政府参考人 警察法の法的な解釈という観点のお尋ねだと思いますので、そういう前提でお答えをさせていただきたいと思いますけれども、警察法六十一条の規定は、今委員が御指摘のとおりでございます。

 ただ、これはあくまでも警察法上は例外的な規定でございまして、現行警察法は、原則といたしまして、執行的性格を有するすべての警察事務は、地方自治体の機関である都道府県警察の事務とされております。また、都道府県警察は、当該都道府県の区域を管轄区域として、その管轄区域内において警察の責務に任ずるというのが原則となっているわけでございます。その例外として、今御指摘ありました警察法六十一条ということで、「公安の維持に関連して必要がある限度においては、」「管轄区域外にも、権限を及ぼすことができる。」こういうことにされているわけでございます。

 ただ、ここで申し上げておきたいのは、この「必要がある限度」という範囲につきましては、およそ何がしか関係があれば管轄区域外での権限行使をすべて認められる、こういう意味ではなくて、管轄区域外の権限行使が管轄区域内の治安維持に資するなど、両者の間に社会通念上相当な関係があるというふうに認められる場合であり、かつ、当該事案や事件の性質から見て、その処理や対処に当たり、個々の都道府県警察が管轄区域外に権限を及ぼすことが合理的であると認められる場合ということを指すものというふうに解されるところであります。

 在外公館の警備につきましてこの観点で見たときに、大きく二つあると思うんですけれども、一つは、具体的な事件捜査等であれば格別、海外にある施設の警戒を継続的に行うということが、個々の都道府県の管轄区域内の治安維持と相当な関連があるとは言いがたいのではないかという点。

 それからもう一点は、このような事務は、そもそも極めて強い国家的性格を有しているものでありますので、都道府県警察がみずからの管轄区域における警察責務を果たすため通常行うものとして警察法が想定している範囲を超えており、これを都道府県警察の事務と整理した上で管轄区域外の権限行使として処理させることには無理があるのではないか。こういった問題点が法的にはあるのではないかと考えているところでございます。

細野委員 行きたくない理由を一生懸命考えた、そんな印象ですが。

 私は、個人的にはもう警察しかないと思っています。法律の改正も必ずしも必要がない。まさにこれは政治判断でできるわけですから。

 後ほど外務大臣に聞きたいと思いますが、防衛庁長官に一言も聞いていないものですから、防衛庁長官としては、この派遣の問題、今の自衛隊の現状を踏まえてどのようにお考えになっているか、よろしくお願いします。

石破国務大臣 これは、今外務大臣からお答えがありましたように、外務省の中でいろいろ御検討中であるというふうに承っております。また、必要に応じまして、関係各省庁が、それの相談といいますか、お話をさせていただいておるという現状です。

 基本的に、先生、警察がいいという御指摘でした。私は、何がいいとか何が悪いとか、そういうことは申しません。

 ただ、自衛隊、いわゆる普通の国において言います軍隊というものは、これは集団で行動するのが軍の特色ですね。個で動くということはいたしません。そして、これが海外に出るということになりますと、また二通りございまして、外務省に身分がえして行くという形になりますと、つまり自衛隊員の資格を失い外務省職員として行きます場合には、これは、外務省設置法なのか何なのか、外務省関係の法律を直さなきゃいかぬだろう。自衛隊が自衛隊として行きます場合には、自衛隊法、防衛庁設置法、これの改正が必要になるだろうということでございます。

 政府として消極的権限争いをすべきものだとは決して思っておりませんで、必要なのは、何が求められているのか、そして能力はどこが持っているのか、国内法的な整理はどうなのか、国際法的にどう整理をすべきなのか、警察そしてまたいわゆる軍、軍事組織、私どもでいえば自衛隊、それが外国に出るということはどういうことなのかということをきちんと整理をした上でこのことは論ぜられるべきものと考えております。

細野委員 確かに権限争いをする話ではないと思いますし、また、時間的な猶予がある話でもないと私は思います。

 外務大臣に最後に、民主党としても、これはきちっと整理をして、どういう形がいいのかという提案をしますので、のんびりしたことをおっしゃらずに、これは本当に早くやらないかぬですから、政府内でも検討していただきたいということをお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

西田委員長代理 次に、岡島一正君。

岡島委員 私は、民主党の岡島一正でございます。

 前回、一月三十日の質問以来の二度目の質問をさせていただきます。

 前回の質問では、イラク現地での外務省、防衛庁などの情報管理、情報の収集や本部への伝達などについての、日本でのいわゆる縦割り行政そのままに、情報管理が一元化されていないというような問題についての指摘をしました。また、マスコミに対しての現地での情報開示、それをきちんと行ってこそ、日本国民がイラクの事態を把握して、イラク問題を考える、判断材料を得られる唯一の手段だ、大きな手段だということを申し上げたと思っております。

 そんな中で、この一カ月の間にイラクの問題というのは、自衛隊の本隊の主力部隊ももう既に現地で活動を始めているなど、明らかにイラクに関する問題が、まさにイラク現地そのものに舞台が移っているという状況に変わったんだろうと思っております。

 私は、今回のイラクへの自衛隊の派遣あるいは戦争そのものは、そもそもが開戦に当たって国連決議を経ていない、あるいは大義があいまいであった、つまり安保理の決議を当初得ていない、そうしたものや、米英による戦争の大義があいまいであったということ、そして、今回は特にアメリカの集団的自衛権の発動といったような観点からもアメリカの戦争だったというふうに私はとらえておりまして、そういうふうに踏まえた上では、この戦争自体には私は賛成できないという立場ではあります。

 しかし、現実に今イラクの人々が、水の問題だけではなく、多くのことで苦しんでいる、復興を求めているという現実、そして自衛隊本隊も向こうで活動を始めているという現実を踏まえると、イラクの一日も早い平和を取り戻すこと、そして自衛隊の活動が無事に完遂されることなどを踏まえると、私としては、ここの質疑を通して、日本の、そういったイラクの平和という視点においても、コンストラクティブエンゲージメントといいますか、何か建設的な関与が幾ばくかでもできればというふうに考えるわけであります。

 そこで、今回の質問を始めさせていただきますが、まず川口外務大臣にお聞きします。

 川口外務大臣は、前回私が質問したとき、市の評議会の辞職の情報がありましたけれども、あのことについて、石破長官と、日にちなど、同じ時間に情報を入手したということについてお聞きしましたら、公電を自宅で読んだのが何日の何時だったかちょっと覚えていないというお話がありました。イラクに自衛隊が送られた段階で、多くの公電がイラク問題以外にも送られてくると思いますけれども、今でも公電は自宅にお持ち帰りになってからチェックしているんでしょうか。

川口国務大臣 時間があるときにできるだけ読むようにいたしております。

 時間があるときというのは、いろいろな場、もちろん自宅であるというときもありますし、役所の中ということもございます。いろいろな場所で読んでおります。

    〔西田委員長代理退席、委員長着席〕

岡島委員 公電は、外務大臣は前回、機密事項とおっしゃいましたので、特に石破長官などもそう思うと思うんですけれども、国家機密を自宅に持ち帰るというのは、なるべくならしない方がいいんじゃないかということを一言申し上げたかったということであります。

 石破長官にお聞きします。

 前回、私は情報管理などについてお聞きしましたけれども、あの段階で、イラクの市評議会の辞職などについても、例えば、情報が上がってくるルートや時刻が違っていたということがありました。違っていたというのは、外務省の、外務大臣や石破長官に上がってくる時刻やルートが違っていた。そういう中では、現地での情報の共有化というものを進めることが、その情報の一元化があって初めて正しい判断が、小泉首相初め、石破長官初め、皆さんが判断を下すときに非常に大切な前提になるというお話をした。

 ですから、情報の一元化という作業を進める上での情報の共有化、外務省の方や防衛庁の方やあるいは自衛隊の方の現地での情報の共有化、そういうシステムを構築すべきではないかと私が申し上げたときに、長官も同じような問題意識を持っていて、そういったことに取り組みたいというような趣旨のことをおっしゃったと私は認識しておりますけれども、この一カ月、そういった情報の共有化、システム化などについてどういうふうな対応、進展があったか、お聞かせください。

石破国務大臣 先ほど、公電の件につきまして御示唆をいただきました。これは、家へ持ち帰ってはいけないという決まりはどこにもございません。いかにしてきちんと管理をするかという問題でございまして、先生の御指摘も当然のことでございますので、当然、これは外務大臣も常日ごろそのことは留意なさっておられることでありますけれども、ただ、役所ですべてといいますと、二十四時間役所にいなきゃいかぬということに相なりまして、仮に自宅へ持ち帰らねばならない場合は、いかにして保秘をきちんとするかということについて、きちんとやってまいりたいと思っております。

 それから、情報の共有体制でございますが、前回、いろいろと時間的に差があった、あるいは認識にそごがあった等々ございました。そういうような反省、教訓を踏まえまして、外務省と私どもで、どれだけ同じ時間にどれだけ同じ情報を共有するか。もちろん、同一人格ではございませんのでそれぞれ差はございますけれども、現地において、あるいは東京において、そして現場の人々、あるいは大臣同士、とにかく同じ時間に同じ情報を共有しようということを、ハードの面におきましてもソフトの面におきましても、この一月で本当に相当の改善が見られたというふうに私は判断をいたしております。

 問題は、同じ情報を同じ時間に共有したとして、その分析、その認識をどのように共有するかということが情報の面においては極めて重要であるというふうに考えておりますが、同じ時間に同じ情報を共有する、そして、現場だけ共有していても仕方がないわけでありまして、各段階において時間的に余り内容に差がないように共有するという体制は相当に構築ができたというふうに私は考えております。

岡島委員 それが本当に進んでいればすばらしいことだと私は思いますが、ハード面で進んだというのは、具体的に何か教えていただけることがありますでしょうか。

石破国務大臣 これは詳細申し上げることはできませんけれども、通信系につきましては相当に改善、進捗をいたしております。これは、衛星等々も使いまして相当に速い時間に正確なものが入るようになり、それを政府部内、特に私どもと外務省の間で共有するという問題意識のもとにそのことを進めておるということでございます。

岡島委員 いずれにしても、そういった情報の管理、共有化ということが、今回のような、国際貢献とはいっても、武力といったものも含めて見詰めなければいけない事態においては、非常にファンダメンタルに重要なことだと思いますので、今後さらに、ぜひ進めていただきたいということをお願いしたいと思います。

 それでは、きょうの質問をさらに詰めていきたいと思いますが、大きくは、治安情勢、もう一つは自衛隊の活動ということであります。

 治安情勢ですけれども、イラク全土における治安情勢を川口大臣は今どのようにとらえておられますか。

川口国務大臣 現在も引き続いて言えることは、これは地域によって違いがあるということであります。

 スンニ・トライアングル、これを中心といたしまして、連合軍やイラク警察等に対する攻撃、これは顕著であります。また、クルド人ですとかシーア派の巡礼に対する、いわゆるソフトターゲットに対する攻撃、これも自爆テロということがあるわけでございます。それから、米軍による掃討作戦というのが継続をしている、また、イラク人の治安要員の強化ということも行われていまして、二十万人を超すイラク人が治安確保に従事をしているという状況でございます。

 それで、三月の三日にブレマー行政官が、これは、二日にシーア派の聖地のカルバラそしてバグダッドで同時テロがございまして、その同時テロを受けまして、テロの多くは国外からもたらされていることがますます明らかになっており、国境警備が強化をされつつある、また、テロリストは民主化へ向けた動きを妨害しているが、時間との闘いで敗れつつあるということを言っているわけでございます。

 サマワのあるムサンナ県ですが、これの治安につきましては、これも前から申し上げていますように、イラクの他の地域に比較をしますと全般的に安定をしている。その中で、この地域の治安維持を担当しているのはオランダ軍でありますけれども、そのオランダ軍も十分に警戒態勢をとっているということでございます。

 引き続き、政府として、治安の状況については注視をしていきたいと考えています。

岡島委員 そういった状況は私どもも把握していることのうちの一部ではありますけれども、三月の一日に、イラクのいわゆる基本法となるものが合意されて、調印は八日まで延びましたけれども、されました。

 この基本法について、統治評議会、調印されましたものについての評価というか、川口大臣はどのようにお考えでしょうか。

川口国務大臣 これは、イラクの今後の原則として、共和制、連邦制、民主主義ということを言っているわけでして、民主的な政府、これの成立に向けて基本的な枠組みをつくることができたという意味で、我々としてはそれを評価し、歓迎しているわけでございます。

 このほかに幾つかのことを決めておりまして、例えば、選挙による国民議会の選出ということもございます。(岡島委員「中身はいいです」と呼ぶ)よろしいですか。

 といったような民主的なプロセスを十分に含んだ形での基本的な枠組みができたというふうに思っています。

岡島委員 しかし、民主的なプロセスということもおっしゃいましたけれども、統治評議会で合意されました。統治評議会というのは、たしか、シーア派の方が十三名、スンニ派の方は五名入っていますけれども、いわゆるスンニ・トライアングル、一番反抗が激しいあの地区からの代表というのはいないわけですね。そういった中では、やはりさまざまに不満はくすぶってくるというふうに思われます。

 特に、イスラム教を立法の唯一の源というふうには決めなかった問題とか、クルド人が後々の憲法を拒否権をとれるような条項があるとかあります。

 そういった中では、今後、シーア派からすれば、クルド人の方が憲法制定に拒否権を発動できるということに不満が残るでしょうし、あるいはスンニ派にすれば、結局シーア派主導じゃないかということで不満が出るでしょうし、そういった意味でのイラク基本法をめぐる動き、不満といったものが現地で出てくるというような可能性については、川口外務大臣はどのようにお考えでしょうか。

川口国務大臣 おっしゃったように、シーア派、スンニ派そしてクルドの人たちといった違うグループが一緒に議論をして、協議をして、そして合意に達したという難しい過程を経て署名に至ったわけです。

 当然に、いろいろな立場が違っていたわけですから、妥協をする過程で、自分たちの思っている、この点が通らなかったということは残っていくということはもちろんあるだろうと思います。それはどのような会議であっても、立場の違う人が集まって協議をするということで合意に達するというときには、当然そういうことはあるわけです。

 今後、先ほどちょっと別な委員の方に対して申しましたけれども、まだいろいろなことを決めていかなければいけないということが残るわけでして、その過程を、今到達した基本的な合意、これを大事にしながら、引き続き、幅広い合意を着実につくっていくという努力が行われるということが重要だと思っております。

岡島委員 私は、基本法というのが出たことによって、合意された時点から、やはりイラクでの、宗教者としてのイスラム教徒、シーア派としてのイスラム教徒、スンニ派としてのイスラム教徒、さまざまな宗教的立場からの不満というのが今顕在化してきているという兆候がその後あらわれたんだろうと思っているわけです。

 三月の二日のカルバラやバグダッド北西部の寺院での爆発、テロとも見られる爆弾テロ、百八十人以上の人が死んだとも言われています。そういった事態というのは、明らかに、単に米軍統治に反対する動きからのテロ行為とか、あるいはレジスタンス行為とか、そういったものとは質が違ってきているというふうに私は考えるわけです。

 つまり、これまでの構図は米軍に対する反発という構図がさまざまな事件を引き起こしてきたという兆候が多かった。特に米軍の死者数というのは、去年の十一月までが一番多かったですね。米軍が掃討作戦を始めてからは、ことしの一月、二月になってくると、イラクの民間人が亡くなる数がどんどんふえてきている。そして、あの日は、一日で百数十人、二百人とも超える人が亡くなった。

 しかも、背景としては、宗教に対する米軍統治の姿勢がイラク基本法の中に見えてきた。そういった中では、今後そういう構図が、対米軍ということじゃなくて、宗教者同士の対立というものをあおることになるのではないかと懸念しているわけです。シーア派であり、スンニ派であり、あるいは民族、そういった内在する、最もイラクにおいて恐れられるのは、内戦状態が指摘されることです。

 一月二十二日のアメリカのフィラデルフィアの新聞インクワイアラーには、アメリカのCIAの匿名の幹部が、イラクは内戦の可能性もあるというようなことも指摘していました。そのこと自体が問題視されるわけじゃありませんが、宗教的対立というものの構図が今後及ぼす影響といったものはすごく深刻だと思うんですが、石破長官、その点はどうお考えでしょうか。

石破国務大臣 私は、必ずしもこれがそういう、先生御指摘のシーア派対スンニ派の内戦に発展をするとは思っておりません。そういうふうに仕組みたい人はいるでしょう。

 要は、先生が御指摘になりましたように、もう相手は米軍というようなハードターゲットではなくて、無辜の民へ向けられている。まさしく最も憎むべき形になっている。さらに加えて、それを宗教的対立かのごとく装おうとしている、そういうような色彩の方が、私は、個人的ですが、強いのではないかと思っております。

 シーア派であれスンニ派であれ、とにかく無辜の民を殺すということは許されない、テロということは許されない、これは多くのコンセンサスだと思っております。私どもは、それがそういうような形にならないように最大限の努力もしていかねばならないし、それは可能なことだと考えております。

岡島委員 無辜の民に対する攻撃が始まったと見るという視点も、一見正しいかもしれません。

 ただ、三月二日の爆弾テロというのは、私は非常に大きな転換点だと思っているわけです。イラクに内在する宗教的対立あるいは民族的対立を含んだ、特にシーア派に対するスンニ派、そういった構図が顕著に対立構造にあらわれるきっかけを、だれがやったにせよ、生むきっかけになっていると思っています。

 つまり、あの日は、イスラムの太陽暦一三八二年、正月です。正月の最終日です。その最終日に、参拝客が一番集まっている寺院や聖地で爆弾テロが行われた。これは日本に例えれば、正月の三が日、日本の大きな神社、明治神宮であれ伊勢神宮であれ、大きな神社、最も聖なる神社、神聖なる神社に爆弾テロが起きたと等しいようなことが起きたわけであります。

 とすると、あれはシーア派の聖なる祭りです。単に、スンニであれシーアであれ、みんな一緒くたに一般の民が砲撃されてきたんだ、ソフトターゲットの時代になったんだという認識を一歩進めて、宗教的対立が、内在していたものが顕在化する要因があれをきっかけに起きたと私は見ているわけです。

 それは、そういうふうにお考えになれないでしょうか。

石破国務大臣 これはだれがやったかわかりませんので、可能性としてはいろいろなことがあるんだろうと思っています。

 おっしゃるとおりシーア派のお祭りであって、それはマホメットの正統な後継者はだれかというようなことでスンニ、シーア、そんな簡単な話ではございませんが、すごくせんじ詰めていっちゃいますとそんな話になってしまうわけです。我々としては、だからといって、それでは、イラクにおいて、一抜けた、二抜けたみたいな形になってしまったら一体どうなるんだと。

 やはりイラクにおいてきちんとした産業をつくる、雇用の場をつくる、経済を復活させる、治安を安定させる、そのことがきちんと確立をするということはあわせて必要なことなんだろうと思っています。ですから、間違っても内戦とかいうことにならないように、私どもとしては、きちんとした経済の復興そしてまた治安の安定、そのために知恵と力を結集すべきときだと思っております。

岡島委員 現実に今イラクでは、二月から三月にかけて、宗教を、特にシーア派といったものを、一つのターゲットであり、あるいは、シーア派が主体となって米英軍と交戦するというような事態が起きています。シーア派のイラク・イスラム革命最高評議会、この代表は統治評議会にも出ています。でも、その派閥の民兵組織が、五日に、サマワから東北東二百キロのアマラでイギリス軍と交戦して二名死亡するというようなことも起きています。

 つまり、私が言いたいのは、明らかに、宗教的な不安定要素が治安情勢の悪化につながってきているという可能性が高いと僕は見ているわけであります。

 その証拠はたくさんあります。サマワにおいてはどうなのかということを考えると、サマワでも、その三月二日の事態においては、四日にはすぐデモが起きました。これはオランダ軍の例の失業問題に続いて二回目のデモですね。そして、例のトラックの事件を入れれば三回目のデモになりますか、米軍が発砲した事件。それ以外にも、サマワでは、四日にデモが起き、同じ日には、TNT火薬が入ったペットボトルが警察に押収されたというようなことも起きました。そしてまた、迫撃砲が二発撃ち込まれたというようなことも、二月十二日ですか、ありました。

 さまざまにサマワの情勢にも、かつて、サマワに迫撃砲がばんばん撃ち込まれたり、火薬が見つかったり、デモが起きるなんてことは歴史的にも余りなかったところで、ことしに入って続いて三回起きた。そして、サマワの近くで、シーア派の、まさに自分たちの代表が統治評議会にいる、そういう勢力の民兵が銃撃戦を展開した。そういう事態は、明らかに宗教的要素による不安定要素が増していると私は思っているわけであります。

 そういった意味において、単なるテロ警戒ではない、宗教に根差した国内の治安の不安定さが増しているという認識を私は長官も持つべきではないかと思っているわけです。それはいかがでしょうか。

石破国務大臣 もちろん私どもは、治安の状況、そしてまた、我々の活動の安全性の確保というものに最大限の配意をいたしております。

 先生今御指摘のデモですが、これは私、現地から直接受けておる報告でございますけれども、オランダ軍の人が、デモがあるからちょっと見に来ないかというようなことを言ったんだそうですよ、我々の自衛隊の幹部クラスの人間に。そのデモが、今の運用局長の報告にもございましたが、いかに整然と行われているかということであります。

 これは、我々国会の周りでも、あるいはかつてもデモというものはありました。でも、デモができるようになったということは、自分の意見が表明できるようになったという、それは民主的なプロセスとして進展があったというのはどうも本当らしいんですね。私も先生御懸念のようなことは思ったのですが、デモというのは、本当に自分の意見が言えるようになった。

 他方、うれしいことがあったといっては銃を撃つというところですから、そこで不測の事態がないとは言えない。やはり私どもは、安全の配慮には万全を期さねばならないと思っております。

 しかし、宗教的なことにも私ども万全の注意を払い、シーアがよくてスンニが悪いとか、そんなお話ではなくて、イスラムというものにとにかくきちんとした敬意を払いましょう、宗教というものに敬意を払いましょう。そしてその上でなお、これから暑くなります、水が欲しい、学校に行きたい、病院に行きたい、そういうニーズは依然としてあるわけですから、私どもはきちんと与えられたことを果たしていきたい。

 先生御指摘のことには、今後ともきちんと配慮をしてまいりたいと思います。

岡島委員 そこで、今、給水活動などに配慮していきたいとお話に出ました。まさに自衛隊の仕事ですが、今回の自衛隊の派遣の目的というものを考えたときに、私はどうしても聞いておきたいことがあるのです。

 二月二十五日、クウェートの米軍基地、ウダリ演習場、自衛隊の主力部隊が実弾射撃訓練をしたということがあります。これは何のために射撃訓練をしたんでしょうか。そして、なぜそれをマスコミに公開したんでしょうか。

石破国務大臣 これは何のために実弾訓練をしたかと言われれば、訓練のためにしたとしか申し上げようがないわけでありまして、これはやはり、実弾を撃つのと撃たないのとでは違う。そしてまた、我々の日本国内で使うのと全く違う自然環境の中で、日本でももちろん実弾は撃っております。今回、相当数の実弾を撃っております。しかしながら、気候も全く違う状況のもとで本当にそれがきちんと行えるかどうかということを検証するために訓練を行ったものであります。

 そして、なぜ公開をしたかということは、それは、私どもが、法十七条によってしか武器は使わない、当然のことでございます。しかしながら、それをこのようにしてきちんと、身を守るために、いつも申し上げておりますように、権限、そしてまた持っておる装備、そしてそれを使いこなせる能力でございます、それがきちんと行えているかどうか、それは自衛官の安全確保のためにも、国民の皆様方に安心をしていただくためにも、不安を持たせないためにも、あるいはあらぬ思いを持たれないためにも、私はやるべきことであったと思っております。

岡島委員 今回の自衛隊の派遣の目的は、私は、長官の口から、お言葉から、発言から何度かお聞きしています、人道復興支援が目的であると。武器の使用というのは、防衛のための最小限、限りなくないことに近く、あり得るときに備えておくというような意識だと思っております。

 つまり、自衛隊は、今回、佐藤隊長が、先遣隊入って以降も、また番匠一佐が入って以降も、水が一番困っていることだということは、報道や報告からも出ています。自衛隊の本来の目的は人道復興支援であり、いざ夏を前にすると、給水活動、イラクで求められているのはそれだと。自衛隊が行く目的を考えたときに、まずクウェートで自衛隊が示すべきは、自衛隊はイラクに入ったらこれだけの浄水装置、例えば、最初に二セット持っていったわけです、これから七セット持っていくにしても、最初に持っていった浄水装置であれ、給水活動に用いる給水車であれ、自衛隊ができる人道復興支援というのはこういうものだというそのデモンストレーションこそまずして、世界や日本やあるいはイラクの人々に、マスコミを通じて、自衛隊の本義はこれですと、それを示した上で、最小限、何かあったときにはこれもあるというならまだわかる。

 しかし、七千七百発もの実弾を撃っておいて、本義である給水活動などについては一切公開もデモンストレーションもしなかった。これは……(「やっているよ、やっているよ」と呼ぶ者あり)違います、クウェートでやっていなかった。やっていなかったということは、私は、全く本義を忘れた行動だと思いますが、いかがでしょうか。

石破国務大臣 そういうお考えも、なるほどそういうお考えとしてあるかな、こう思いますが、しかし、先生ごらんになったことと思いますけれども、イラクにおいて水が求められていること、そして、イラク・サマワの人たちは、自衛隊が戦争をしに来るなんてだれも思っていません。そして、自衛隊に給水の能力があるということもみんな知っています。ですから、あえてイラクの国民、特にサマワの方々相手に、自衛隊がそういうような、クウェートにおいて、こういうような浄水能力があるんだ、給水能力があるんだというようなプレゼンテーションをする必要があったとは、私は判断しておりません。

 また、今回、先生もごらんになったことと思いますが、広報用のビデオを内閣府そしてまた私ども防衛庁でつくりました。その中において、本当に我々が何をしに来たのかということを、簡潔に、ビジュアルに示しております。それはアルジャジーラを使って放映をするようにいたしております。

 要は、日本国内の皆様方に対しては、きちんとした自衛隊の活動、そして同時に、何をしに行くの、自衛隊の安全は大丈夫なのということをきちんとわかっていただく、そしてイラクの国内の方々に向けては、それと同時に、我々が何ができるかということ、私は、その目的は、今のところはきちんと成就をされていると思っております。

 先生の御指摘は御指摘として承りますが、私は、クウェートにおきましてそのようなプレゼンテーションをしなかったことが、イラクの方々に誤解を与えたとか、自衛隊が何をしに来たんだということで不安を与えたとか、決してそのようには思っておらないところであります。

岡島委員 しかし、さっき長官がおっしゃったんですが、自衛隊が持っていった装備が違う環境で本当に使えるのかということを確認しなければいけなかった。自衛隊が持っていった装備で最も必要な装備というのは、水の浄化装置であったり給水活動に資するものであったり、それがなければ、幾ら銃があっても復興支援活動だけはできないわけです。そういったものの再確認は、違った環境でする、危険なところを予想する前に、暑い、気候の全く違うクウェートでする、そういったことに配慮することは、私は、自衛隊の目的にかなった行動だと思うわけです。そういったところに、ねらいの目的の何があるのかということがあいまいになるというふうに感じるわけであります。

石破国務大臣 それは御指摘として承りますが、ただ、私ども、やはり抑止力というものは必要なんだろうと思いますね。自衛隊はきちんとした武器を使うのだということはきちんと見せなければいけない。そしてまた、それが何の目的に使われるなどということも見せなければいけない、それは十七条ということ。そして、浄水セットにつきましては、今回でなくても、今までもそういうような厳しい状況のもとで使ったわけでありまして、そのことの性能につきましては、私ども、今回あえてやらなくても十分な確認はできておると思っております。

岡島委員 これは、もう時間ですから次回に譲りますけれども、私は浄水セットのこともいろいろ知っていますけれども、今回、それを民間人主導にしているという可能性も残されています。使ったことのない機械を初めて使っているかもしれません。

 さまざまに問題はありますけれども、いずれにしても、自衛隊は、銃を持った軍隊であるけれども、それだけではない、やはり市民と、特にあの地域ではNGOが、フランスなんかは銃も武器も持たずに給水活動をしているわけです、そういった人たちとの連携を公開する、実施訓練する。そういったことにおいて、日本の自衛隊が、単なる軍隊とは違う、市民の目線にある日本の自衛隊ということを証明することにつながると私は思うことをお話しして、質問を終わります。

 以上です。

斉藤委員長 次に、横路孝弘君。

横路委員 やがて、アメリカ、イギリス軍がイラクを攻撃して一年たつわけであります。ちょうど今ごろは、国連の安保理事会において、査察を継続するかどうかといったようなことを中心に激しい議論が行われていたときだったと思うんです。

 しかし、残念なことに、米英軍は国連安保理事会の正式な決定なしに戦争を始めてしまいました。アナン国連事務総長が、昨年の国連総会で、五十八年間国連が積み重ねてきた国連の原則ということが踏みにじられたという趣旨の発言をされておりますけれども、これからますます、国際社会の平和維持をどのようにしていくのか、平和的な秩序をどう維持していくのかという上で国連の果たす役割が非常に大事なときに、今回のこのイラクにおける戦争、国連憲章を見ても、憲章に反したものだと私ども考えております。

 この間、ずっと国会でもいろいろな議論がありましたが、政府がアメリカ、イギリス軍の戦争を支持した大きな理由として、一連の国連決議を挙げておられます。一四四一、六八七、それから六七八という、一連のその決議に正当性の根拠があるということを総理も外務大臣も答えておられます。

 その理屈は、再三外務大臣答弁されていますが、一四四一によって、イラクが六八七に違反しているということが決定をされた、停戦の条件を守らなければいけないのに、そのいわば六八七の基礎というものが損なわれたわけであるので、六七八、武力行使を容認した決議に、戻るという言い方されておられますけれども、武力行使はできるんだという答弁をされておられますが、そのとおりでよろしゅうございますね。

川口国務大臣 考え方の基本的な骨組みとしてはそういうことでございます。

 それで、一四四一は、今先生がおっしゃった、停戦決議六八七などの関連決議の重大な違反を犯しているということを決定しているわけですけれども、同時に、ほかのことも幾つか一四四一は決定をしているということでございます。

 それはどういうことかといいますと、一つは、イラクに対して武装解除等の義務履行の最後の機会を与えるということを決定した。それから、イラクが完全なる協力を行わないということはさらなる重大な違反を構成するということを決定した。そして、イラクは、継続的な義務違反の結果、深刻な結果に直面をするという警告をしているわけでございます。そして、今までの査察団の報告がございまして、そういったことから、イラクが完全な協力を行っていないということが明らかになったということで、さらなる重大な違反が生じているということを言わざるを得ない。そこで、六八七、これの停戦決議が基礎が損なわれたということでございます。

横路委員 六八七の本文の三十四ですね。ここには、「本問題を引き続き検討し、本決議の履行並びに当該地域の平和及び安全の確保のために必要とされる場合には他の措置をとることを決定する。」というように三十四で書かれています。六八七は、いわば正式の、いわば停戦の効力が発生したことを宣言しているわけですね。一四四一では、違反したとは言っていますけれども、停戦の効力がなくなったということは言っていないと思いますが、いかがですか。

川口国務大臣 停戦の効力がなくなったと先生がおっしゃっていらっしゃる意味というのがよく、ちょっとわかりませんけれども、まず六八七のその三十四パラ、これはおっしゃったように、「本問題を引き続き検討し、本決議の履行並びに当該地域の平和及び安全の確保のために必要とされる場合には他の措置をとることを決定する。」ということが規定をしてあるわけです。

 それで、この意味が何かということでございますけれども、これは、九八年当時に御説明を国会でもしているようですが、この問題の重要性にかんがみて、安保理として引き続きこの問題に強く関与をしていくという意図を表明したということであります。

 このさらなる措置というのを具体的にどのような形で決定するかということについては規定をしていないということでございまして、委員のおっしゃっていらっしゃることが、これがあるので武力行使のために新たな決議が必要ではないかということをおっしゃっていらっしゃるのであれば、それは、そういった新たな決議の採択が必要とされているわけではないというふうに政府としては考えております。

横路委員 この六八七の三十四の項目というのは何かといいますと、結局、六八七では正式に停戦の効力が発生したことを宣言しているわけですね。そして、この問題については今後とも、この安保理事会が主語ですから、安保理事会がいわば三十四によって物事を決定するんですよということを言っているわけであります。

 したがって、六八七で停戦協定の効力というのは発生しているわけでありますから、協定を終了させる、停戦を終了させるというのは、要するに、そういう場合は安保理事会がやるんですよ、これを示しているのが三十四じゃないんですか。

川口国務大臣 今申し上げましたように、このパラ三十四、これの意味ですけれども、政府として考えていますのは、このパラというのは、この問題の重要性にかんがみて安保理として引き続き強くこの問題に関与していくという意図表明を行ったということでございまして、このパラ三十四で言っている「他の措置をとることを決定する。」ということを具体的にどのような形で決定するかということについては、このパラ三十四では規定がないわけでございます。したがって、このパラによって武力行使のために新たな決議の採択が必要とされているわけではないというふうに考えているわけでございます。

 それから、一四四一では、これはイラクが決議六八七を含む……(横路委員「一四四一はまた後で聞きますから」と呼ぶ)そうですか。では。

横路委員 どうも武力行使のところに話が行っていますが、実はこの六八七は、停戦の効力が発生したことを宣言して、さらに、この問題について安保理事会が必要とされる場合には他の措置をとることを決定する、つまり、安保理事会がやるんですよというところにこの三十四の大きな意味合いがあるわけです。

 したがって、この解釈は、国際法をやっている人の中では、まず、六八七が採択されたことで、一九九〇年の六七八が承認したクウェート国境目的のための武力行使というのは、事態の権限が安保理事会の方に移ったんだ、この決議によって。そして、これからはその停戦の条件を含めて安保理事会が責任を持っていくんですよということを示しているのが六八七の三十四なんですね。これは非常に重要な規定なんです。

 つまり、六八七でもって停戦が正式にできましたよということを宣言して、そして、それについてはこれからどうするか、どういう事態になっていくのか、つまり、停戦が守られているのかどうか、あるいは、その停戦協定について、いや、それは反しているのか反していないのかというようなことを含めて、それは安保理事会が決定するんですよ、こういうことを言っているのが三十四なんですね。そこを押さえておいていただければいいと思いますが。

川口国務大臣 ですから、我々が政府として、これはもう九八年当時から申し上げていることですけれども、安保理としてこの問題の重要性にかんがみて引き続き強く関与していくということを言っているのがパラ三十四であるというのが政府の考え方であるということでございます。安保理が新たに何か授権されなければ武力行使ができないということではないということであります。

横路委員 これは、六八七は何も武力行使の話が出ているわけじゃないですよ、六八七は。問題は、この六八七の三十四の規定があることによって今の問題になるわけです。

 安保理事会が容認しない限り、では個別国家が武力行使できるのかといえば、これで停戦が効力発生しているわけですから、発生していて、あと、どうするかというのは安保理事会が責任持ちますよ、安保理事会が決定するんですよということを言っているわけですから、安保理事会の決定なしに個別国家が勝手に解釈して行動することはできないんです。

川口国務大臣 その安保理が、イラクが六八七について重大な違反を犯し続けているということを決定したわけですね。それが一四四一であるわけです。したがって、六八七にイラクは違反をしている。

 それから、先ほど申し上げた、繰り返しませんが、一連のことが一四四一で決定をされた結果として、そしてその事実関係からいって、査察団のその報告から、イラクが完全な協力を行っていないということが明らかであって、さらなる重大な違反が生じたということであるわけです。そしてその結果として、六八七の停戦決議、これの根拠が崩れた、六八七違反だということを安保理が決定しているということです。

横路委員 つまり、停戦協定ができたわけですね。それについてどうするかということは安保理事会が決定するということで来たわけです。そして一四四一になったわけですね。この一四四一そのものがいわば武力行使を容認しているかどうかということについては、従来から政府も、それは容認はしていないんだという答弁がございます。それは、一四四一の本文からも、またその採択の経過からも明らかだと思います。アメリカのネグロポンテ国連大使も、一四四一決議というのは隠された引き金があるわけではない、自動性を含んでいるものではないと明言したとおりだというように思うんです。

 今外務大臣が御答弁されましたように、この一四四一は、今御指摘がありましたように、六八七を含む決議に基づく義務の重大な違反を犯しているということを決定したわけです。そして、そのことを十分認識しながらと書いてあります。そのことを十分みんなが認識をしながら、しかし、この決議によって武装解除の義務を遵守する最後の機会を与える、そして査察体制を構築することを決定した、こういうことになっております。

 つまり、違反だから停戦の効力を終了させるということではなくて、戦争ではなくて平和的な手段によってこの問題を解決しようということが安保理事会の決議だったわけですね。これはみんな、アメリカも含めてみんなが賛成したわけです。この点はどうですか。

川口国務大臣 一四四一は、最後の機会を先生がおっしゃったように与えるということを決定したわけですね。それから、さらに幾つかのことを決定していまして、イラクが完全なる協力を行わないことはさらなる重大な違反を構成するということも決定をしているわけです。そして、イラクはその継続的な義務違反の結果、深刻な結果に直面するということを警告しているということであるわけです。

横路委員 本文の四、主文の四にも、イラクがこの決議の履行、実施のために完全な協力を行わないことは、イラクの義務のさらなる重大な違反を構成して、次のパラグラフの十一、十二に従って、評価のために理事会に報告されることを決定するというのが四ですね。

 それから十一、十二で、十一は、いわゆるブリクス監視検証査察委員会の委員長とIAEAのエルバラダイ事務局長に対して、何か問題があったら、「武装解除の義務についてのイラクのいかなる不履行も直ちに同理事会に報告することを指示する。」と。十二番目は、直ちに会合することを決定するというようになっています。

 つまり、この一連の流れは、すべて物事は安保理事会で決定しますよという枠組みをこの主文の四、十一、十二ということが示していることだと思いますが、いかがですか。

川口国務大臣 安保理に報告されて、安保理で議論をするということになっていたということであります。

横路委員 そして、この十四、「この問題に引き続き関与することを決定する。」ということで、決定する権限というのは安保理事会にありますよ、個別の加盟国にあるわけではありませんよというのが十四ですよね。

川口国務大臣 安保理は、したがいまして、そのイラクの問題には引き続き関与をしているということであります。

横路委員 つまり、どうするかということは安保理事会の決定がなければいけないということでしょう、この一連の決議の中で主張していることは。深刻な結果に直面すると警告してきているといっても、このような警告が特定の加盟国に武力行使の権限を与えたというものではないわけである。もちろん、場合によっては、武力行使を追加的な制裁として行うこともあり得るということは可能性としてありますが、そのことを別に言っているわけではない。

 つまり、この一四四一も、先ほどの六八七もそうですけれども、やはり国連が中心に責任を持ってやるんですよということを言っているわけですよ。ですから、その国連の安保理事会の決定なしに行動するということは、この一四四一にも、あるいは六八七にも反することなんです。

川口国務大臣 決議の一四四一、これが武力行使の権限を付与する新たな安保理の決議を必要としているということではない、そういうことを意図したのではないということであるわけです。もしそういうことであれば、それは一四四一にそのように書いてあるということであって、そのようなことは書いていないわけです。

 したがって、一四四一が求めているということは、イラクの不履行について安保理に報告がされ、そしてその安保理によって議論をされるということだけでありまして、武力行使の権限を付与するという明示的な決定ではないということであります。

横路委員 武力行使のことを言っているのではなくて、この重大な違反があるかどうかということについての決定は安保理事会が持っているんだということなんです。

 つまり、一四四一で、武装解除する義務がイラクによって履行されているかどうかということが問題なわけですね。それは査察団が査察しているわけですよ、現に。そして、その査察団は安保理事会に対して、二月十四日の追加報告の中でも、三月七日の再追加報告の中でも、査察の継続を求めているわけですね。それは、エルバラダイIAEAの事務局長の方は、核については開発を示す証拠は一切なかったというのが三月七日。それから、ブリクス委員長の方も、イラクが武装解除の義務を遵守しているかどうか検証するには数カ月かかる、数カ月間の査察が必要なんだよという話をしているわけですよ。

 つまり、この一四四一に基づいてその義務の履行を迫る、それに対して、いや違うんだと。アメリカや日本政府も後で、重大な違反があるということを外務大臣も答弁されていますが、しかし、その重大な違反があるかどうかということを決めるのはだれなのか、個別国家じゃなくて安保理事会なんだというのがこの一四四一なんです。一四四一の手続というのはそういう手続ですから、これを採択するときにいろいろな議論があったわけですよね。

 ですから、この一四四一に基づいて査察団は査察をし、なおかつ、査察の継続を要求しているときに戦争が起こったということじゃないんですか。

川口国務大臣 一番最初に申し上げたことでありますけれども、一四四一、これは、最後の機会を与えたとか、それを履行しない場合に、その深刻な結果についてイラクに対して警告をしたということに加えて、一四四一においては、いかなる時点であってもイラクが決議一四四一の遵守、そしてこれの実施のための完全な協力を行わない場合に、それはさらなる重大な違反を構成するということを決定しているわけですね。

 それで、イラクは、これはブリクス委員長も言っているように、完全なる協力を行っていないということを言っているわけです、ブリクス委員長は。ですから、そういう意味で、イラクは遵守を行っていないということが明らかであって、したがって、イラクは決議一四四一の時点において重大な違反を犯している、これは決定されているわけですし、その後も継続して重大な違反を犯しているということであるわけです。したがいまして、六七八のもとでの武力行使の権限というのが復活をして、それが今日も、今日もというか、もうそれは終わりましたけれども、それが行われたということであるわけです。

横路委員 一四四一は、結局、義務違反を、重大な違反をしているということは決定しているんですよ。なおかつ、その上で、機会を与えましょう、そのための査察体制を強化した形でつくりましょうということで査察の活動が始まったわけですね。査察の活動が始まって、いろんな意見がありますが、とどのつまり、その査察委員会の方から国連の安保理事会にいろいろ報告があった。二月十七日、三月の七日でしたっけ、そういう報告の中で、いや、まだ査察の継続が必要ですよという報告を出しているわけでしょう。三月十七日には、作業のいろんな手続も明らかにしているわけですね。

 つまり、それは何かというと、重大な違反があったのかどうか、一四四一に基づく重要な違反があったかどうかということはだれが決めるのかというのです。個別国家が決めることができるわけじゃないんですよ。安全保障理事会が決めるんですよ。それにはまず、査察の方からのそういう報告があって、そして理事会で決定したときに、重大な違反、一四四一に基づく重大な違反があったということが認定されるわけですね。

 ところが、そうなっていないじゃないですか。まだ、日本政府やアメリカ、イギリスが重大な違反があると言っているだけであって、国際社会は、全体として、重大な違反がある、一四四一に反する重大な違反があるということを認めているわけじゃないんですよ。だから、国連の査察のメンバーが査察の継続を言っているというのは、そういうことじゃないですか。

川口国務大臣 先ほども言いましたけれども、一四四一では、イラクが完全な協力を行わなければ、それはさらなる重大な違反を構成する、これは決定されているわけですね。それで、イラクは、みずからが完全な協力を行っているということを証明できなかったわけですね。ブリクス委員長も、イラクの協力は不完全だ、具体的には、ちょっと言葉、今手元に資料がないので、全く同じに申し上げられるかどうかわかりませんけれども、これだけの圧力が周りにあってもまだ小出しにしか協力をしないし、不完全な協力であるということを言っているわけです。

 イラクが、自分がちゃんと協力をしているということを見せなければいけなかった、それをやっていないということで、これはさらなる重大な違反をイラクはしているということであるわけです。それは国連で決定をしている、安保理で決定をしたことですから。そして、その結果として、深刻な結果に直面をするという警告を受けているということであるわけです。

横路委員 いや、つまり、結果どうだったかというと、結局なかったんですよね。ないものを証明するというのは、これはなかなか無理な話ですから。なぜなかったのかということについては、いろいろと今までの証言がたくさんあります。きょうはその議論はしませんが。

 しかし、結局は、ブリクス報告にしても、エルバラダイ事務局長の報告、三月七日の報告などを見ますと、いや、査察を継続する、そのことが必要なんだということを言っているわけですよ。そのさなかに戦争を起こしちゃったわけですね。

 だから、重大な違反があったかどうかということを含めて、一四四一も、その前の六八七もそうですが、国連の安全保障理事会が決定することであって、個別国家が決定する話じゃないんです。個別国家がいろいろな決議を勝手に解釈して、ああだこうだといって武力行使に至るなんということになれば、国連の集団的な安全保障機能というのは機能しないんですよ。ですから、この国連の決議の手続というのは大変大事なんです。

 私は、まず一つは、全体を通じて考えるのは、ともかく国連の安保理事会が決定権を持っている。解釈権だって安保理事会が持っているという答弁をずっとしているじゃないですか。ところが、その査察継続という意見をつぶして戦争に入ってしまったということなわけです。

 時間がなくなりましたが、その一四四一の決議に重大な違反がある、したがって、六八七の基礎が崩れてしまったから六七八にいく、これもまたちょっとよくわからないですね。何で六七八にいくのか。六七八の決議というのを見ますと、これは要するに、イラク軍がクウェートに侵略をした、それを撤退させるための武力行使を認めたものであって、大量破壊兵器の廃棄というような問題は六八七から出てきている話なわけですよ。

 もう時間が何かなくなってしまったようですが、六七八の決議に戻るというのも非常におかしいということを指摘しておきたいと思います。これは国境を回復するということが目的なんですね。しかもその目的は、一九九一年の一月十五日までに行使しろということで与えられた権限なんですよ。九一年の一月十五日といったら、もう十一年も昔の話ですよ。そんな決議に基づいて、今、その一四四一から六八七で六七八というような流れの中にこの行為の正当性があるということはとても思えません。そのことを指摘したいと思うんですね。

 そして、やはりこの問題、もう少ししっかりとこの決議の流れを総括しなければいけないと思うのは、やはり、アメリカというのは唯一の超大国であります。この超大国が国際的な紛争にきちんと対処できないということならば、やはり国連であるとか地域の多国間主義をしっかりさせていかなければなりませんし、国際社会にとってアメリカというのはどうしたって必要なんですね、その協力は。しかし、ルールを無視して行動するということは許されないし、日本の場合は平和主義と国際主義ということが政策の柱だったわけですから、国連の持っている原則を崩すようなこういう行為ということは本当に残念なことであるということを申し上げて、きょうの質問を終わります。

川口国務大臣 一つだけ、大事なことですから、申し上げたいと思います。

 決議六七八、これはおっしゃったように、クウェートを侵攻するということで平和を破壊したイラクの行為を停止させるということが一つあります。同時に、並びに、このような危険なイラクが地域の平和と安全を再び侵すことを阻止するという二つの目的があるということであります。

横路委員 これはまた後でやります。

斉藤委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。きょうは、航空自衛隊による輸送が始まったわけですが、この点についてお伺いをしていきたいと思います。

 先ほどの防衛庁の報告によりますと、「イラク国内の各飛行場の安全性や輸送ニーズ等を慎重に勘案した結果、三月三日、クウェート国内の飛行場施設を拠点として、イラク国内の飛行場施設との間で、C130機による人道復興支援物資の輸送を開始した」こういうことでありました。きのうの報告では、イラクの国内の飛行場施設とだけありましたが、先ほどの報告では、「イラクのタリル飛行場」、飛行場名も出ております。

 そこでお伺いをいたしますけれども、今回の輸送任務を実行するに当たって、ほかの連合軍との間でさまざまな調整を行ったと思うんです。この調整は、具体的に、どこでどのような調整を行ったのか。基本計画によりますと、ペルシャ湾の沿岸国で、そして派遣された連絡調整員が中心になって調整を行ったとありますが、いかがですか。

石破国務大臣 先生が今おっしゃったとおりです。

赤嶺委員 ペルシャ湾の沿岸国で連絡調整員が行った、その場合に、C130機が飛ぶ場合に、当然、航空管制を受ける必要が出てくるわけですね。これは出てくる。今回の任務を実行するに当たって、これはどこの管制を受けて飛行したのか。あるいは、中央軍の担当地域二十五カ国の航空作戦についてはすべてカタールの米軍司令部が一元的に指揮統制を行っているわけですが、そのカタールの米軍司令部の航空管制を受けて飛ばした、これもそういうことでよろしいですね。

石破国務大臣 具体的な国名につきましては、相手国との了解等々もありまして、それは申し上げられない場合がございます。

赤嶺委員 私、きのうの理事会でも指摘をしたんですけれども、例えば、今回、タリル飛行場というのは、きのうの理事会に出した防衛庁の文書の中には飛行場名がなかったんです。なかったんですが、もうアメリカのホームページの中にはちゃんと出ているわけですよ、日本の自衛隊がタリル飛行場に運んだということを。こんな、アメリカが発表しているのに発表できない、今の長官の答弁もそういうものじゃないかと思いますが、いかがですか。ちゃんと答えてください。

石破国務大臣 そういうものではございませんのです。

 例えば、今、タリルということがございました。運用局長からの御説明にもその名前が出たのではないかと思っております。これは、今まで四つの空港を例示いたしました。それ以外というものがないわけではございません。ただ四つを明らかにしたということでございます。

 アメリカが発表しているじゃないか、にもかかわらず、おまえたち、言わないのはけしからぬということでございますが、それは、安全性等にかんがみまして申し上げられる場合には申し上げるということでございます。

 他方、それではカタール云々のお話でございますが、このことにつきまして、私どもといたしましては、そのことの具体的なことにつきましては、カタールがどうのこうのということを申し上げているわけではございません、一般論といたしまして、相手国の了解がなければ出せないということがある、それは一般論として言えることでございます。

 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、管制なくして飛行機は飛ぶものではございません。しかるべき管制のもとに飛んでおる、それは飛行機が飛ぶ場合の常識でございます。

赤嶺委員 しかるべき管制を受けて飛んだというわけですから、どこの管制を受けて飛んだんですかということを聞いているんですよ。それを答えられないというのは、相手国との関係があると言うんですけれども、本当に相手国との関係があって答えられないんですか。答えられるんじゃないですか。

石破国務大臣 これは、私どもだけが管制を受けて飛んでおるわけではございません。多くの国の航空機が管制のもとに飛んでおるわけでございます。どのような形で管制を受けておるか等々につきまして、私どもの判断だけで申し上げるものではございません。

赤嶺委員 これも、カタールの米軍司令部が中央軍の担当地域全体の航空作戦の指揮管制を行っていることは、ホームページで明らかにしているんですよ、相手国相手国と言いますけれども。

 米軍のホームページを見ますと、司令部の任務は、一、イラクのCJTF7、アフガニスタンのCJTF180、あのアフリカの角のCJTF・HOAに直接の支援を提供する、中央軍の担当地域である二十五カ国全体の航空作戦の指揮統制を行うアル・ウダイド合同航空オペレーションセンターを運用する、こういうことをホームページで公開しているんですよ。この点、いかがですか。

石破国務大臣 ホームページで公開をしておることは承知をいたしております。

赤嶺委員 それで何で先ほど答えられないんですか。どこの管制を受けて飛んだのかということをホームページで公開している。アメリカとの関係も何もないじゃないですか。わかっていることさえ隠そうとしていること自身が疑惑を生むと思いますよ。ちゃんと答えてください、先ほどの質問に。

石破国務大臣 それは、わかっていることを隠しているとか、疑惑を拡大するとか、そういうお話ではございませんで、もちろん、しかるべき管制を受けて飛んでおるわけでございます。しかしながら、どこの地域におけるどこの管制を受けて飛んでおるということが、私どもの、日本一国だけの判断で申し上げられるものではないということでございます。

赤嶺委員 本当に、防衛庁長官は何が言いたいのか、理解ができません。

 例えば、この件に関して統幕議長は記者会見をやっているんですよ。この記者会見、確認しておりますか。

石破国務大臣 恐縮です。何月何日の記者会見でございますか。私、統幕議長の記者会見を全部手元に持っているわけではございません。

赤嶺委員 記者会見でこういうことを言っているんです。中央軍に調整の部署があるわけですから、そこで一元的にイラクの航空運航に関しては統制しているわけです。物資の内容あるいは行き先等の調整がそこで全部できるということです。質問として、司令部とおっしゃっているのはカタールの中央軍の前線司令部のことですかと質問が来まして、そうですと。これは防衛庁からいただいたものです。

 議長はそのように記者会見で言っているんですよ。何で長官は言えないんですか。

石破国務大臣 カタールかどうかはそれは別にいたしまして、私どもは、クウェートのアリ・アルサレムから飛んでおるわけでございます。アリ・アルサレムから物資を運びます際に、日本で勝手に、これを運びたい、この時間に運びたいといって飛べるものではございません。それは、議長が申しましたように、いろいろな調整を経て、その後にやっておることでございます。

 ですから、物資の何を運んでということは、当然コアリションの中で調整を経て、それでやっておるわけでございます。そして、管制も、しかるべき管制を経てやっておることでございます。

 ですから、私が申し上げておりますことと議長が会見で申し上げておりますことが、何らそごがあるわけではございません。

赤嶺委員 つまりコアリションだと。それで、カタールの一元的な統制を受けて輸送任務を実行した、こういうことだろうと思うんですね。それを最初から長官が答えてくれれば長引かなくてよかったんですが、それはそういうことだと思います。

 そこで、次に聞きたいんですけれども、この間、こういう報道があったんです。「空自イラク輸送 課題は山積」「人道物資少なく開店休業の恐れ」これは日経新聞です、三月四日付です。その記事によると、「自衛隊が輸送するのは人道支援物資が原則だが、現地のオペレーションにあたる米軍が手がけるのは大半が軍事物資。このままだと、あと数回の輸送で「開店休業」状態になる可能性もある。」

 自衛隊が現地で実際に活動を開始して、輸送ニーズの実態も把握できる状況になっていると思いますけれども、この報道にあるとおり、開店休業になるかどうかというのはこれは別にして、輸送ニーズの実際がどのような状況になっているのか、そして、多くが連合軍の関係のものなのかどうか。そのあたりの今の輸送任務について、そこら辺の実態について報告していただけませんか。

石破国務大臣 御懸念のようなことはないと承知をいたしております。

赤嶺委員 ですが、実際に航空輸送が始まって、ニーズの実態が皆さんだんだん掌握できたと思うんです。それらについて報告してください。

石破国務大臣 それは、当然私どもは、法律に基づきまして、国民の税金を使わせていただきながらイラクに人道支援を行っているわけでございますから、ニーズの実態というのは把握をいたしております。報道に書かれておりますことは必ずしも正確ではございません。人道支援のニーズもあるということを確認をいたしておるところでございます。

赤嶺委員 人道支援以外のニーズも当然あるわけですね。

石破国務大臣 当然ございます。

赤嶺委員 ここで、こういう報道が出ているわけです。これは、報道に限らず実態がそうなんですけれども、現地の連合軍が部隊の交代時期を迎えていると。沖縄からも海兵隊が三千人イラクに向かいました。そういう時期であるだけに、兵員輸送のニーズが相当あると伝えられているわけですね。

 一月二十四日付の星条旗を読んでみたんですが、クウェートのキャンプ・バージニアについて、歴史上最大規模の部隊交代を支援しようと準備を加速している、今後数カ月で十四万人の連合軍がイラクを離れ、十一万人の兵士がそのかわりに到着する、現在の三倍以上になるだろう、このように伝えておりますけれども、連合軍の輸送のニーズというのはやはり相当あるということでしょうね。

石破国務大臣 恐縮です。私、スターズ・アンド・ストライプスまで全部読んでおるわけではございませんので、必ずしも委員がおっしゃることを正確に理解してお答えできているかどうかは自信がございませんが、ニーズというものはいろいろなニーズがあるのです。そしてまた、コアリションというものは、いろいろな国がいろいろなニーズがある、そしてまた、それぞれの国が提供し得るいろいろな能力がある、そしてまた、いろいろな制約事情というものもある。ですから、日本に対するニーズがということと、そもそも、米軍のニーズあるいはコアリションに参加をしております各国のニーズというものは、それは別でございます。

 具体的に日本に対してどのようなニーズがあるのかというお尋ねであるとしますならば、そのことにつきましては、今のところ正確には承知をいたしておりません。漠然と、そのような兵員輸送のニーズというものは、これはこういうようなオペレーションの常としてあり得るものだと思っております。

赤嶺委員 コアリションにおける兵員輸送のニーズ、これを日本の航空自衛隊が引き受ける、そういうこともあり得るわけですよね。

石破国務大臣 これは何度も答弁をさせていただいておりますように、我々は人道復興支援物資を中心に行うということを申し上げ、コアリション内における理解を得ておるわけでございます。

 他方、国会におきまして御可決をいただき、根拠条文となっておりますイラク特措法は、武器弾薬を除くというふうになっておりますけれども、兵員輸送までこれは除外をしておるものではございません。これは、私どもは法律にのっとって、そしてまた我々の政策にのっとって行うわけでございます。

 ですから、すべて否定するということを申し上げておるわけではございません。そのことは、累次、総理も私も答弁をさせていただいておるところでございます。

赤嶺委員 実際に航空自衛隊の輸送が始まって、開店休業という報道なんかが出たりするとニーズがなくなるのかなという向きもあるようですが、実際には、やはり今大臣がおっしゃられたようなニーズも出てくるということでありました。

 それで、カタールの米軍司令部がニュースを出しているんですよ。在日米軍司令部のホームページに掲載されているんです。それによると、日本の航空自衛隊は、三日、連合空軍の一部として初めてイラクへの人道支援の飛行を行い、タリル空軍基地に着陸したと伝えているわけですね。そして、そういうものを見ていると、やはり私、今度の自衛隊の活動というのは、コアリションの活動コアリションの活動と言いますが、もっと突き詰めて言うと、米軍の、イラクの占領軍への参加、合流であるということを指摘して、質疑時間が来ましたので、質問を終わりたいと思います。

石破国務大臣 ごめんなさい。先ほど、私、法律と申し上げました。法律に基づきます実施要項と訂正をさせていただきます。

 今のお話はまた委員と議論させていただきたいと思います。きのうも参議院ではさせていただきましたが、コアリションとは何なのかということを申し上げますこと、そして、それをさらに明らかにしますことが、指揮命令系統にあるものでもない、隷属関係にあるものでもない、まさしく有志連合である、それが今回の活動の特徴であるということでございます。

赤嶺委員 終わります。

斉藤委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社会民主党の照屋寛徳でございます。

 時間が少ないですので、すぐ質問に入りますが、去る三月八日、イラクの現地時間ですと三月七日でございますが、バグダッド中心部のCPA本部周辺でロケット弾砲撃事件が発生をしたようであります。その詳細、防衛庁が掌握をしている事件の詳細を明らかにしていただきたいと思います。

 また、このロケット弾砲撃事件が自衛隊の活動にいかなる影響を及ぼすものというふうに考えておられるのか、加えて御答弁をいただきます。

石破国務大臣 事実関係でございますので、ちょっとメモを見させていただくことをお許しをいただきたいと思います。

 御指摘の事案でございますが、現地時間で三月七日午後七時二十五分、バグダッドのグリーンゾーン外の車両に積まれた発射機から、同ゾーン内のアルラシードホテルの方向に七発のロケット弾が発射をされた。そのうち、少なくとも五発はホテルに命中をした。発射機には、二発のロケット弾が発射されずに残っていた。発射機を積んだ車両は火災を起こしたというものであります。

 今申し上げましたグリーンゾーンとは、バグダッドにおいてCPAが本部を置いております旧共和国宮殿周辺の、米軍が最も警備を強化し、立ち入りを制限している区域でございます。

 本件につきましては、米軍及びイラク警察より事実関係の調査が進められておるというふうに承知をしておりますが、現地の情勢につきましては、今後も十分に注意を払っていかねばならないと考えております。

 背景、目的につきましては、確たる情報に接しておるわけではございませんが、現在、イラクで見られますテロ攻撃等の原因としては、依然として国外から流入していると見られるイスラム過激主義者、フセイン政権の残存勢力がCPAによる統治の失敗を内外に印象づけるとともに、イラク国内を混乱させ、今後の政治プロセス及びイラク人による政府の樹立を妨げる目的で活動を活発化させているのではないかと考えられております。

 本件につきましては、三月八日に予定されていた移行期間のためのイラク国家施政法、いわゆる基本法の署名式の妨害をねらったという指摘があることも承知はいたしておるところでございます。

 自衛隊の活動についてどうかということでございますが、実際に私どもの部隊が活動をしておりますのは、ムサンナ県サマワを中心とする地域でございます。もちろん、バグダッドにおきましても連絡調整等々は行っておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、私どもの活動というものにこれで支障を来すというような事態が招来されたというふうには考えておらないところでございます。

照屋委員 それでは次に、宿営地の使用経費というか賃料の問題でお伺いいたしますが、きょうの委員会冒頭の防衛庁の報告によりますと、土地の使用経費に係る地権者との調整がしかるべく進展している、こういう御説明でございました。

 一方、報道によりますと、宿営地の使用料、賃料についてはもう合意をしたんだという報道も、幾つか、私、接しました。しかも、具体的に、宿営地全体で約三千万だという報道もございましたけれども、実際、これは合意が進んでいるということですか、それとももう合意できたんでしょうか。

石破国務大臣 運用局長から御報告申し上げましたように、しかるべく進展している。何だ、しかるべくって、こういう話になりますが、正式な合意、委員も法律家でいらっしゃいますから、何をもって正式な合意と言うかということにつきましては御見解がおありかと思います。これはまたイスラム法の世界でございますから、日本と同じような感覚で必ずしもいけるかどうかはわかりませんが、いずれにいたしましても、合意に達したという状況ではございません。非常に良好な状況のもとに推移をしておるということであります。

照屋委員 わかりました。

 それと、関連して、現地で警備員を仮採用したという報道がございましたね。しかも、その地主の属する二つの部族から十六人を宿営地の警備員として仮採用した、条件は月給二百ドルだということだとか、この警備員の採用、これは宿営地の使用料、賃借料合意の見返りである、こういうことを事細かに報道しているメディアもございます。

 これまで、自衛隊が現地へ行くことについて、自衛隊の自己完結型の組織ということを強調されておりました。私も、宿営地そのものは自衛隊が独自に警備をするのかなというふうに理解をしておりましたし、いつかの委員会で聞きましたが、部族が自衛隊を警備する、警護する、そういう決議をしておるという報道などもありましたが、実際、この現地警備員の採用問題というのはどういう状況にあるんでしょうか。

石破国務大臣 現地におきまして、現地の方々を雇用させていただきまして警備の任に当たっていただいておるということは、これは事実でございます。

 お給料あるいは人数等々の詳細につきましてはお答えを差し控えさせていただければと思っております。それは、何人雇っていますかということになりますと、それだけ、これぐらいの警備能力かということが明らかになるわけでございますし、お幾ら払っておりますと言いますと、それはもっと高いとかもっと安いとか、いろいろなお話を惹起しかねませんので申し上げられないということでございます。

 それで、先生御指摘のように、おまえたちは自己完結とあれほど言ったではないか、こういうことであります。確かに、なぜ自衛隊かということは、自己完結ということを申し上げました。自己完結の自己完結たるゆえんといいますか、なぜそれがよいかといいますと、現地の方々に御迷惑はかけない。行ったはいいけれども、どこに泊まったらいいのか、警備をちゃんとしてちょうだい、食べるものはどこにあるんだ、やれ水はどこにあるんだ、何のかんのと言いますと、何のために来たのかさっぱりわからぬ、こういうお話になりまして、したがって、すべてのことが自分でできる自衛隊は、現地の方々に御負担を負わせることなく、現地の窮状にある方々に手を差し伸べることができますということでございました。

 ですから、自衛隊で警備が全くできないとか、現地の方がいなければできないというわけではございません。しかしながら、ベター論で申し上げますと、地元の状況に通暁しておられる現地の方々が我々とともに警備に当たってくださるということは、より我々の安全性を増すということにはなるわけでございます。

 ですから、自己完結でございますからすべてのことは自衛隊でできますが、しかしながら、より安全を増す、そしてまた現地の方々の雇用にも寄与をする、わずかでございますが、そういう観点からいたしまして、現地の方々に警備をお願いするということは、私は適切なことではないかと考えております。

照屋委員 それでは、最後に外務大臣にお伺いいたしますが、去る三月八日に、イラク統治評議会メンバーによる移行期間のためのイラク国家施政法ですか、いわゆる基本法が署名をされたという報告もきょうございました。

 私がきょう関心を持ってただしておきたいのは、この署名式典の後に、シスターニ師がこの基本法について、恒久憲法の制定に向け基本法は障害となるであろう、こういう声明を発表したということでございます。これは恐らく、米英と統治評議会が進める国づくりの手法に異議を申し立てたというか、疑問を呈した発言なのかなというふうに思うんでありますが、イラクの暫定憲法に当たる基本法署名に至るさまざまな紆余曲折がございました。これに、イスラム教シーア派の最高権威であるシスターニ師の強い影響力が、その過程で浮き彫りになりました。

 一方、スンニ派、クルド系はかなり反発をしている、こういうふうに分析をする人もおりますが、今私が申し上げました基本法の署名とシスターニ師の発言について外務省はどのような御認識を持っておられるのか、最後に質問をいたします。

川口国務大臣 シスターニ師がそのような発言をしたということについては承知をいたしております。

 その意味が何かというのはよくわからないわけでございますけれども、今回の合意に至るまでの間に、これは非常に粘り強い交渉があって、妥協に妥協を重ねて合意が見出されたということであるわけでして、当然に、譲りたくないところも譲ったというところも、それぞれのグループにあっただろうと思われます。そういう意味では、合意が達した後も、もっとこういうことをしてほしかった、あるいはもうちょっとこういうことであればよかったとみんなが思っているということは、これはもうどうしても、合意を求める過程で避けがたい一面であるというふうに思います。

 ただ、そういうことですけれども、妥協して合意ができたということの意味というのは大変に大きいと私は思っております。

 今後、幾つかまだ決めていかなければいけないことがあるわけでございまして、この合意が達せられたという意味、これをきちんと踏まえて、引き続き幅広い合意が追求をされるということが望ましいというふうに我が国としては考えているということでございます。

照屋委員 時間ですので、終わります。

斉藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時二十九分散会


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