衆議院

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第2号 平成16年10月28日(木曜日)

会議録本文へ
平成十六年十月二十八日(木曜日)

    午前九時三十三分開議

 出席委員

   委員長 船田  元君

   理事 中谷  元君 理事 西田  猛君

   理事 三原 朝彦君 理事 渡辺 具能君

   理事 小泉 俊明君 理事 末松 義規君

   理事 藤田 幸久君 理事 佐藤 茂樹君

      宇野  治君    江藤  拓君

      大島 理森君    嘉数 知賢君

      川上 義博君    岸田 文雄君

      斉藤斗志二君    桜井 郁三君

      竹本 直一君    谷本 龍哉君

      玉沢徳一郎君    寺田  稔君

      西村 康稔君    西銘恒三郎君

      浜田 靖一君    平沢 勝栄君

      御法川信英君    宮澤 洋一君

      山口 泰明君    市村浩一郎君

      大石 尚子君    大出  彰君

      岡島 一正君    吉良 州司君

      篠原  孝君    島田  久君

      神風 英男君    首藤 信彦君

      鈴木 康友君    中川 正春君

      長妻  昭君    本多 平直君

      牧  義夫君    赤松 正雄君

      丸谷 佳織君    赤嶺 政賢君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         町村 信孝君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      大野 功統君

   内閣官房副長官      杉浦 正健君

   防衛庁副長官       今津  寛君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   防衛庁長官政務官     北村 誠吾君

   防衛庁長官政務官     柏村 武昭君

   外務大臣政務官      小野寺五典君

   外務大臣政務官      河井 克行君

   外務大臣政務官      福島啓史郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  増田 好平君

   政府参考人

   (防衛庁運用局長)    大古 和雄君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 西宮 伸一君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    海老原 紳君

   政府参考人

   (外務省欧州局長)    小松 一郎君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            吉川 元偉君

   衆議院調査局国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別調査室長        前田 光政君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月十三日

 辞任         補欠選任

  萩生田光一君     西村 康稔君

  馳   浩君     嘉数 知賢君

同月二十八日

 辞任         補欠選任

  武田 良太君     江藤  拓君

同日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     御法川信英君

同日

 辞任         補欠選任

  御法川信英君     武田 良太君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件(テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更及び現在までの自衛隊の協力支援活動の実績等)


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     ――――◇―――――

船田委員長 これより会議を開きます。

 この際、国務大臣、副大臣及び大臣政務官より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。大野防衛庁長官。

大野国務大臣 防衛庁長官を拝命いたしました大野功統でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日は、船田委員長を初めとする委員の皆様に、防衛庁長官としてごあいさつを申し上げます。

 冷戦が終結して十年以上が経過いたしました。しかしながら、冷戦の終結は必ずしも平和の到来を意味しておりません。平成十三年九月十一日の米国同時多発テロの発生は、安全保障分野が新たな局面を迎えたことをあらわしております。

 我が国に対する本格的な侵略の可能性は低下しておりますが、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロ組織の活動等、平和と安全に影響を与える新たな脅威や多様な事態への対応が、国際社会の差し迫った課題となっております。

 本年、防衛庁・自衛隊は五十周年を迎えました。安全保障環境の変化に対応し、安全保障政策についても一つの節目を迎えております。

 昨年の武力攻撃事態対処関連三法の成立並びにさきの国会での事態対処法制関連七法及び関連三条約の成立、締結により、我が国に対する武力攻撃事態等への対処のための法的基盤が整ったことは、我が国の安全保障政策上、大きな意義を有するものと考えます。今後、政府としては、その運用面における対処態勢の整備を図ってまいります。また、武装不審船、大規模テロ等のさまざまな緊急事態への迅速かつ的確な対処態勢の整備も図ってまいります。

 現在、防衛庁は、新たな安全保障環境を踏まえ、防衛力全般についての見直しを行っております。

 本格的な侵略への対応にも備え、我が国を含む国際社会の平和と安全のための活動に主体的、積極的に取り組み、テロや弾道ミサイルなどの新たな脅威等に実効的に対応できる体制を整備しなくてはなりません。

 今後、政府としては、安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書も踏まえ、本年中に新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を策定することになります。防衛庁としても、これまでの防衛力のあり方検討において行ってきた議論等も踏まえて、内閣官房を中心とした政府としての検討に積極的に取り組んでまいります。

 日米安全保障体制は、我が国の安全やアジア太平洋地域の平和と安定のために、引き続き重要な意義を有しております。日米間で平素から緊密な協議等を行い、日米安全保障体制がより有効に機能し、その実効性が向上するよう引き続き努めることが重要であります。

 現在、自衛隊は、インド洋等においてテロ対策特措法に基づく協力支援活動を行っております。先月、小泉総理がアフガニスタンのカルザイ大統領と会談した際、同大統領からは自衛隊の活動に対する高い評価が示されました。また、イラク等においては、イラク人道復興支援特措法に基づく人道復興支援活動等を実施しております。イラクの復興と民生の安定を図ることは、イラク国民による国家再建に対する切実な願いにこたえるとともに、イラクが国家として破綻することにより国際テロリストの温床となることを防止し、国際社会全体の平和と安全に資することになります。

 イラクにおいて邦人人質事件が発生しておりますが、無辜の民間人が人質にとられていることは許しがたいことであり、直ちに解放を求めるものであります。自衛隊は国際協調のもとでイラクの人々のために人道復興支援を行っているものであり、引き続きこうした活動を実施していくことがイラクの人々と国際社会の平和と安全のために必要であります。そして、このような我が国の支援は、イラク国民からも歓迎されております。

 先般訪日されましたイラクのハッサーニ・ムサンナ県知事は、私との会談の中で、私はイラクで任務を遂行している自衛隊員を我々の子供や客人と同じように感じており、イラクの子供も自衛隊員を自分たちの友人だと話をしている、自衛隊をサマワにお迎えしていることを幸運に感じていると述べられ、自衛隊に対する感謝の意を表されました。

 このように、海外におけるこれら自衛隊の活動は広く内外から高い評価を得ています。我が国が国際社会の一員として国際的責務を果たしていくことは当然のことであり、防衛庁としても、引き続き国際社会の平和と安全のための活動に主体的、積極的に取り組んでまいります。

 自衛隊が我が国の防衛という任務を適切に遂行するためには、国民の理解と協力は欠かすことができません。我が国独自の防衛努力と日米安全保障体制の堅持とを基軸とする我が国の安全保障構想を国民に明確に提示するとともに、そうした構想を実現するための法制度、予算、装備について、主権者たる国民に対して説明責任を果たす所存であります。

 船田委員長初め委員各位の一層の御指導と御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

船田委員長 次に、町村外務大臣。

町村国務大臣 さきの内閣改造で外務大臣を拝命いたしました町村信孝でございます。衆議院国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会の開催に当たり、船田委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。

 まず、昨日イラクにおいて発生した邦人人質事件につきましては、私は、総理の指示に基づき、事実関係の確認、人質となった方の解放等に全力を傾けております。

 政府の対応については後ほど政府参考人から御説明申し上げますが、私自身、事件発生以来、イラクのアラウィ首相やジバリ外相、パウエル米国務長官、ストロー英外相と電話会談を行うとともに、アラブ、欧米の主要メディアとのインタビューを通じ、武装グループに対し、人質の速やかな解放を求めるメッセージを伝えました。今後とも、人質の解放に向け、最大限の努力を払ってまいる所存でございます。

 次に、我が国のアフガニスタン及びイラクに対する政策について申し述べます。

 中東地域の平和と安定は、国際社会全体の平和と安定にとって不可欠です。また、原油の九割近くをこの地域に頼っている我が国自身にとっても、同地域の平和と安定は極めて重要であります。こうした観点から、我が国はアフガニスタン及びイラクの人道復興支援に全力を挙げてまいりました。

 アフガニスタンについては、四半世紀近くにわたる内戦に苦しんできましたが、二〇〇一年十二月のボン合意以降、二度の国民大会議を経て、去る十月九日に大統領選挙が実施される等、歓迎すべき進展を見せています。大統領選挙は、目下集計中ですが、二十六日現在の情報では、有権者登録数一千五十万人の約七割が平穏に投票した模様です。この間、我が国を初めとする国際社会は、アフガニスタンをテロと麻薬の温床に逆戻りさせないとの決意のもと、積極的な支援を行ってまいりました。

 我が国は、これまで、アフガニスタンにおけるテロとの闘いへの貢献として、二〇〇一年十一月二日に施行されたテロ対策特措法に基づく協力支援活動の一環として海上阻止活動参加艦艇に対する給油支援を実施しており、アフガニスタンを初め国際社会から高い評価を得ております。

 一昨日には、同法に基づく基本計画の半年間の延長が閣議決定されており、政府としては、引き続きアフガニスタンの復興に向け、支援を続けていく考えであります。

 テロとの闘いが進行する中、アフガニスタンの復興は依然として道半ばです。同国の民主的な政府による統治を着実に定着させていくため、我が国としても、引き続き、政治プロセス、治安、人道復興のすべての分野で積極的な支援を国際社会とともに進め、特に、元兵士の武装解除、動員解除及び社会復帰の分野では主導的な役割を担ってまいる所存です。

 次に、イラクについては、天然資源と人的資源に富んだ長い歴史を有する同国が平和的な民主国家として再建されることは、中東地域の平和と安定にとって極めて重要です。その再建を成功させるには、政治プロセスが進展するとともに、人々が安全を享受して、復興の果実を感じ取ることが必要です。

 このような観点から、我が国は、イラク復興に向けて最大限の努力を継続し、国際協調の強化のための働きかけを行っております。

 具体的には、一年前のマドリッドにおけるイラク復興支援国際会議で最大五十億ドルの支援を行う旨表明し、自衛隊による人的貢献とODAを通じた支援を車の両輪として行っております。

 また、今月十三日、十四日には、東京でイラク復興信託基金に関する会合を開催し、五十七の国・国際機関の参加を得て、国際協調体制の確認、強化を行いました。東京会合では、サレハ副首相より、二〇〇五年から二〇〇七年の国家開発戦略が発表されるとともに、明年一月末までに全国規模で選挙を実施することを含め、政治プロセスを予定どおり進めるとの強固な決意が表明されました。

 イラク再建は、イラク人によって、イラク人のために行われるものです。私は、外務大臣就任以来、サレハ副首相や関係閣僚、ハッサーニ・ムサンナ県知事と会談しましたが、彼らからは、我が国による車の両輪による支援への深い謝意と評価、支援継続への期待が表明されるとともに、イラク復興へ向けた強い意気込みを感じ取ることができました。

 治安情勢は依然予断を許さない状況が継続しており、イラク国民は困難な状況に直面しています。重要なことは、イラク国民が、そうした中で、なお国際社会には自分たちを支援する友人がいるのだということを理解し、感じ取ることであり、さらに、彼ら自身が国際社会の一員として協調し、協力していこうと決意することであります。我が国は、このようなイラク人による復興努力と決意に支援を惜しまない考えであります。

 以上申し述べてきたことに取り組むためには、国民の皆様の理解と支持が不可欠であります。船田委員長を初め本委員会の皆様の御指導と御鞭撻を賜りながら、中東政策を含め、我が国の国益に立脚した志の高い外交を進めてまいる決意であることを申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

船田委員長 次に、今津防衛庁副長官。

今津副長官 このたび防衛庁副長官を拝命いたしました今津寛でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 早いものでありまして、二月に私の地元の旭川第二師団からイラク復興支援群第一陣が出発いたしましてから、もう間もなく、東北第一一師団の第三群が帰ってくるような日程になっているわけであります。

 私は、たびたび隊旗授与式あるいは返還式に出席させていただいて、凜とした自衛隊の隊員の諸君のあの姿を拝し心から感謝と敬意を申し上げながら、彼らの仕事ぶりというものを、本当に日本人の武士道の精神で頑張っていただいている、このことに心から敬意を申し上げている次第でございます。願わくば、一人も欠けることなく、全員無事で仕事を立派に果たされることを心から祈っているわけでございます。

 私も我が国の国防のために全力を尽くして頑張っていきたいと思いますので、船田委員長さんを初め皆様方の御指導を心からお願い申し上げて、ごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)

船田委員長 次に、逢沢外務副大臣。

逢沢副大臣 再度外務副大臣を拝命いたしました逢沢一郎です。どうぞよろしくお願いをいたします。

 アフガニスタン、イラクの復興、新しい国づくりは、国際社会にとりましても、また我が国にとりましても大変重要な課題であると承知をいたしております。町村大臣を補佐しつつ、アフガニスタン、イラクが抱える課題の解決に全力を尽くしてまいる所存でございます。

 また、再度、イラクにおきまして邦人の人質事件が発生いたしました。これまでの経験も生かしつつ、人質の解放に最大限の努力を傾注してまいります。

 船田委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

船田委員長 次に、北村防衛庁長官政務官。

北村長官政務官 おはようございます。

 このたび防衛庁長官政務官を拝命いたしました北村誠吾でございます。

 世界の平和と我が国及び国民の自由と独立を守るという大切な任務にこういう機会に携わらせていただくことを心から感謝申し上げ、懸命に働きます。

 船田委員長を初め皆様方の御指導と御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。よろしくお願いします。(拍手)

船田委員長 次に、柏村防衛庁長官政務官。

柏村長官政務官 防衛庁長官政務官を拝命いたしました柏村武昭でございます。

 我が国の平和と独立を守るという大変に大切な任務を仰せつかりまして、身の引き締まる思いでございます。この上は、我が国の防衛政策の一層の推進と、そして、防衛庁の抱えております喫緊の課題に速やかに対処するために一生懸命頑張るつもりでございます。

 船田委員長を初め委員の皆様方、御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。(拍手)

船田委員長 次に、河井外務大臣政務官。

河井大臣政務官 皆様おはようございます。

 このたび外務大臣政務官を拝命いたしました河井克行です。

 アフガニスタンとイラクの人々、きょうも重い課題を背負いながら、あすへの希望をしっかりと持って生きていただいております。国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う日本は、しっかりとした支援を行っていく必要があると考えております。

 三人の政務官の中では、私が特にこの委員会の担当を仰せつかっております。町村外交チームの一員として、しっかりとした外交を推進するべく力を尽くしてまいります。船田元委員長様初め理事の皆様そして委員の皆様の御指導を心からお願いいたします。ありがとうございます。(拍手)

船田委員長 次に、小野寺外務大臣政務官。

小野寺大臣政務官 委員の皆様、大変お世話になりました。このたびは、外務大臣政務官として、またお世話になります。御指導をいただくことになりました。

 イラクに一日も早い平和が訪れますように私どもも一生懸命頑張っております。どうか、委員長初め皆様の御指導をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

船田委員長 次に、福島外務大臣政務官。

福島大臣政務官 今般、外務大臣政務官を拝命いたしました福島啓史郎であります。

 我が国の繁栄と安全保障と安全の確保という我が国外交の目的実現のため、また、特に、昨日発生しましたイラクにおきます邦人人質事件への対応、また、アフガニスタンあるいはイラクの復興に向けて全力を傾注してまいりたいと思っております。

 町村大臣の指示のもとに、船田委員長初め皆さん方の御指導、御協力を得ながら職責を全うしていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。(拍手)

     ――――◇―――――

船田委員長 次に、国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件について調査を進めます。

 この際、テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更及び現在までの自衛隊の協力支援活動の実績について政府から報告を求めます。大野防衛庁長官。

大野国務大臣 テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更について御報告申し上げます。

 テロ対策特措法に基づく基本計画の変更が、十月二十五日の安全保障会議を経た後、十月二十六日、閣議で決定されました。

 具体的には、基本計画上の協力支援活動等を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の派遣期間を六カ月間延長し平成十七年五月一日までとするとともに、インド洋において行われている不朽の自由作戦の海上阻止活動の効率的な運用に資するとの観点から、艦船用燃料に加えて、艦艇搭載ヘリコプター用燃料及び水の艦船に対する補給も行い得るよう、協力支援活動の内容を変更することといたしました。

 なお、あわせて、私が定めている実施要項についても、基本計画に沿った所要の変更を行いました。

 次に、今回の基本計画の変更に係る背景について御説明申し上げます。

 約三年にわたる国際社会のさまざまな分野でのテロとの闘いの取り組みの成果として、世界各地で、多数のアルカイダ構成員と、アルカイダ幹部として知られている者の約四分の三が、死亡または拘束されております。

 また、軍事面での成果のみならず、テロリストの温床であったアフガニスタンにおいては、今月九日に大統領選挙が行われ、また、来年春には議会選挙が予定されるなど統治体制整備のプロセスが着実に進展しており、同国の復興に向けた成果が上がっているところであります。

 しかし、依然として、ウサマ・ビンラディン、ムラー・ムハンマド・オマルといったアルカイダ、タリバンの指導者はいまだ捕捉されておりません。また、アフガニスタン国内におけるテロ攻撃も発生しているほか、昨年十一月のトルコにおける爆弾テロ、本年三月のスペインにおける列車に対する爆弾テロなど、アルカイダの関与が疑われているテロが世界各地で発生しており、依然としてアルカイダの脅威は高いものと考えております。

 先般、米国のラムズフェルド国防長官は、テロとの闘いは、その期間という点において第二次世界大戦よりも冷戦に近いものになるという見解を示しており、我が国としても、国際社会のテロとの闘いの取り組みは相当の長期にわたるものと認識しております。

 このようなテロの脅威に対し、米軍等は、アフガニスタンの南部から東部の国境地帯を中心に、アルカイダ、タリバンの残党の追跡、掃討を継続しております。また、国境のパキスタン側では、パキスタン軍は、政府の統治の及びにくい部族地域に往来、潜伏していると見られるテロリストに対する掃討作戦を強化しております。さらに、米軍等は、アラビア海等において、テロリストや武器弾薬等の関連物資が海上を移動することを阻止することによりテロの脅威が拡散することを防止するための活動、すなわち、前述の海上阻止活動を継続しております。

 約三年間に及ぶ海上阻止活動は、これまでに、アルカイダと関連の疑いがある乗組員の拘束、テロリストの資金源となる武器や麻薬類の押収などの具体的な成果を上げるとともに、海上におけるテロリスト等の活動を阻止する抑止効果を果たしてまいりました。

 このように、インド洋上におけるものを含め、テロとの闘いは依然として続いており、各国が足並みをそろえてこの問題に取り組んでいる状況にあります。

 政府としては、このような状況にかんがみ、残存するアルカイダ等によってもたらされている国際テロの脅威が今も除去されていないことから、国際テロ根絶のための取り組みに引き続き寄与すべきとの考えのもと、冒頭に申し上げたとおり、基本計画について所要の変更を行ったところであります。

 次に、これまで実施したテロ対策特措法に基づく自衛隊の活動実績について申し上げます。

 協力支援活動については、現在、海上自衛隊の補給船「はまな」及び護衛艦「きりしま」「たかなみ」がインド洋北部において活動中であり、これらの艦艇を含め、派遣された艦艇はこれまで延べ三十八隻に上ります。これらの艦艇により、平成十三年十二月二日以降本年十月二十五日までの間に、米、英、フランス、カナダ等の艦艇に艦船用燃料を四百三十二回、約三十七万五千キロリットル提供し、その総額は概算値にして約百四十三億円となっております。

 また、航空自衛隊については、C130H型輸送機等により、平成十三年十一月二十九日以降本年十月二十五日までの間に、計二百五十二回の国内及び国外輸送を行っております。

 なお、このような自衛隊の活動については、政府広報、防衛庁ホームページ等を通じて、広く国民にお知らせしているところであります。

 このようなテロ対策特措法に基づく我が国の努力は、国際的なテロリズムの防止や根絶のための国際社会の取り組みに積極的、主体的に寄与するとの意義を有することはもちろん、日米安保体制を緊密かつ実効性のあるものとする上でも極めて重要な意義を有するものと考えております。また、本年九月の日米首脳会談を初めとするさまざまなレベルのさまざまな場において米国等から謝意の表明がなされるなど、国際社会からは高い評価と称賛を得ているところであります。

 最後に、防衛庁としては、テロ対策特措法に基づく基本計画が今般変更されたことを受け、さらに一層、国際テロ根絶のために国際社会の一員として責任を果たし得るよう、また、国民の期待にこたえることができるよう全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、本委員会各位におかれましても御理解、御協力をぜひお願い申し上げるところでございます。

船田委員長 これにて報告は終了いたしました。

    ―――――――――――――

船田委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官増田好平君、防衛庁運用局長大古和雄君、外務省大臣官房審議官西宮伸一君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長吉川元偉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

船田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

船田委員長 この際、政府から説明を聴取いたします。防衛庁運用局長大古和雄君。

大古政府参考人 イラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊の部隊の最近の活動状況について御報告いたします。

 まず、サマワの陸自部隊においては、八月から第三次復興支援群が活動しております。安全確保に十分配意しつつ、宿営地における給水活動を初め、ムサンナ県内のサマワ、ヒドル、ブサイヤにおける学校補修、ナジミ、ワルカ及びサマワにおける道路整備を引き続き実施しています。これらの活動により、一日当たり三百名から五百名程度の雇用を創出しているところです。また、病院における医療活動も引き続き実施しています。

 給水活動に関しましては、現在、一日当たり二百トンから二百八十トン程度を給水しております。これは、仮に一人一日当たりに必要な水を四・五リットルとした場合に、給水量を二百五十トンとしても、約五万六千人程度の所要量を満たす計算になります。なお、三月二十六日から十月二十七日までの間に、計約三万五千トンを給水しました。

 八月四日以降のサマワ周辺の情勢について、主な事件等は次のとおりです。

 八月十日未明、陸自宿営地付近にて数回の爆発音があり、その後、宿営地外において、迫撃砲弾と見られる弾着痕を三カ所確認しました。

 オランダ国防省の発表によると、八月十四日夜、ルメイサ近郊の銃撃戦で、オランダ軍兵士一名が死亡、六名が重軽傷を負いました。

 八月二十一日夜、陸自宿営地付近でロケット弾一発の着弾を確認しました。なお、当該ロケット弾は、信管はついておりましたが、不発弾であったことを確認しております。

 同二十三日と二十四日の未明、陸自宿営地付近で爆発音があり、その後、宿営地外で、迫撃砲弾と見られる弾着痕を、それぞれ、二カ所、一カ所確認しました。

 十月二十二日夜、現地部隊においては、何らかの爆発音及び飛しょう音を確認したため、必要な退避措置をとりました。翌二十三日早朝、宿営地南端の空き地においてロケット弾一発を確認しました。なお、当該ロケット弾は信管がついておらず、不発弾であったことを確認しております。

 いずれの事案においても現地部隊に異状がないことを確認しておりますが、現地部隊においては、さまざまな情勢を踏まえ、引き続き、安全確保に細心の注意を払いつつ活動を実施してまいります。

 航空自衛隊の部隊については、八月四日から十月二十七日までの間、我が国からの人道復興関連物資、陸自関連及び関係各国、関係機関等の物資、人員の輸送を計二十九回実施したところです。

 引き続き、イラク国内の各飛行場の安全性や輸送ニーズ等を慎重に勘案しつつ、C130機による輸送を行ってまいります。

 以上でございます。

船田委員長 次に、外務省中東アフリカ局長吉川元偉君。

吉川政府参考人 六月二十八日に連合暫定施政当局よりイラク暫定政府に統治権限が移譲されましてから約四カ月が経過いたしました。この間の政治プロセスに関する大きな動きとしましては、国民会議が成功裏に開催されたことが挙げられます。

 国民会議は、八月十五日から十八日まで、バグダッドにおきまして、イラク十八県の代表、政党・宗教指導者、NGO関係者等、約一千三百人の参加を得て開催されました。同会議にはカジ国連事務総長イラク特別代表も参加し、最終日には百名の暫定国民評議会委員を選出して閉会いたしました。

 政府としましては、国民会議が開催され、その任務である暫定国民評議会の選出を行って閉幕したことを、イラクの政治プロセスのさらなる進展を示すものとして歓迎しております。

 今後の政治プロセスとしては、遅くとも明年一月末までの国民議会選挙の実施、それに伴うイラク移行政府の設立、国民議会による明年八月十五日までの憲法草案の起草、十月十五日までに憲法草案についての国民投票の実施、それから、十二月十五日までに憲法に基づく国民議会選挙実施がそれぞれ予定されております。

 明年一月末までの国民議会選挙につきましては、本年五月末に独立選挙管理委員会が発足し、現在、国連の支援を得つつ準備が進められているところです。

 我が国は、今月十三、十四日に、東京でイラク復興信託基金会合を開催しました。今次会合には、イラク暫定政府の代表団を含め五十七の国と機関が参加しましたが、イラク暫定政府サレハ副首相は、イラクの今後三年間の国家開発戦略を発表するとともに、明年一月までに完全に全国規模で選挙を実施することを含めて、政治プロセスを予定どおり進めるとの強固なコミットメントを表明しました。

 我が国としては、今次会合において四千万ドルの選挙支援を行うことを発表しました。イラク人自身による国家再建への努力が続けられ、今後の政治プロセスが着実に進展していくことを期待しております。

 イラクの治安情勢につきましては、脅威の度合いは地域により異なるものの、予断を許さない状況が継続しています。

 具体的には、例えば、駐留多国籍軍と武装勢力の衝突、民間人の殺害、拘束、自動車爆弾、ロケット弾等によるテロを初めとするさまざまな事件が国内各地で頻発しています。特に、ファルージャなどいわゆるスンニ・トライアングル、スンニ三角地帯の安定が課題となっております。

 こうした状況に対し、イラク暫定政府は、治安回復のため、現在、約二十二万人強のイラク人治安要員の強化、国家治安維持令の制定、恩赦の決定等、硬軟両様のさまざまな措置を講じております。我が国としては、これらの措置が早期に奏功することを期待しております。

 各地域ごとの状況は次のとおりです。今後とも状況を注視してまいります。

 まず、ナジャフにつきましては、八月に入り、イスラム教シーア派の強硬指導者ムクタダ・サドルの民兵組織、いわゆるマハディ軍とイラク治安部隊、駐留多国籍軍との間で武力衝突が発生し、多数の死傷者が出ましたが、八月二十六日にシーア派の大アヤトラ・シスターニがサドル側と交渉を行った結果、停戦合意が成立しました。マハディ軍の武装解除の動向、同軍の他の地域での活動を注視していく必要があります。

 次に、バグダッドにつきましては、九月に入り、サドルシティー地区で駐留米軍と武装勢力との衝突が増加しているほか、インターナショナルゾーンと呼ばれます地域へのロケット弾及び迫撃砲による攻撃、暫定政府関係者、警察署をねらった自爆、外国の民間人をねらった誘拐等が多発しております。サドルシティーにつきましては、武装勢力からの武器の買い取りが終了いたしましたが、今後も状況を注視していく必要があります。

 ファルージャにつきましては、七月二十三日に駐留米軍がザルカウィに関係するテロリストの隠れ家を標的とした空爆を行って以降も散発的に駐留米軍による空爆が発生していましたが、九月に入り、イラク治安部隊、駐留米軍により、武装勢力の掃討作戦が継続的に行われております。

 最後に、サマワでは、十月二十二日深夜、自衛隊宿営地付近にて何らかの爆発音が聞かれ、翌朝、宿営地内南端の空き地において不発のロケット弾が発見されました。サマワがイラクの他の地域と比べ比較的安定している状況に変化はありませんが、今後もテロ等発生の可能性を否定することはできません。

 最後に、昨二十七日に発生した日本人人質事件につきましては、現在、イラク暫定政府を初め関係国政府等とも連絡をとりつつ、人質解放に全力を尽くしております。

 二十七日、町村外務大臣は、谷川外務副大臣をヨルダンに設置した現地対策本部指揮のため派遣したほか、イラクのアラウィ首相、ジバリ外相、パウエル米国国務長官、ストロー・イギリス外務大臣に対して協力要請を行いましたほか、アルジャジーラ、CNN、ロイター、AP通信とのインタビューを通じ、武装グループに対し、人質の速やかな解放を求めるメッセージを伝えました。また、鈴木在イラク大使からアラウィ首相ほかイラクの各方面に対し要請を行うなど、関係在外公館を動員し、あらゆる努力を行っております。

 今後とも、人質が早期かつ無事に救出されるよう全力で取り組む所存でございます。

船田委員長 これにて説明は終了いたしました。

    ―――――――――――――

船田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小泉俊明君。

小泉(俊)委員 民主党の小泉俊明でございます。

 まず、質問に先立ちまして、台風、地震により亡くなられた皆様方に心より哀悼の意を表するとともに、被害を受けられた皆様方に対しては原状回復のために全力を尽くすことをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、イラクでの日本人人質事件についてであります。

 報道によりますと、昨日、香田さんがアルカイダ聖戦団に拘束をされた。犯人グループのこのひきょうな手口に対しては激しい憤りを禁じ得ません。香田さんや御家族の心中を察すると、いたたまれない思いであります。

 自衛隊の派遣により、かかる事態を招いた小泉政権の責任は私は重いと思いますが、民主党として、人質の救出を第一義とする観点から、現時点において、緊急事態に対応するため、それぞれが収集した情報の交換や共有など、与野党を超えて政府に全面的に協力する用意があることを、質問に先立って表明しておきたいと思います。

 それでは、この人質事件に対して現在どのような対応をとっているか。

 今、御報告をいただきました。この中で、先ほど、各国首脳と電話会談を町村外務大臣が行った。また、アラブ、欧米の、アルジャジーラ等のメディアに出まして、それでメッセージを伝えましたと。

 この電話会談、何を協力要請し、相手方からは、各国首脳からどういう協力をいただくことになったのか。また、メディアに登場した後、これに対するどのような反応があったのか。町村外務大臣にお尋ねいたします。

町村国務大臣 まず、今、小泉委員から、民主党としても全面的に事態の解決に協力したいという力強い御発言をいただいたことを心から感謝申し上げます。

 その上で、私が昨日行いました、まず先方首脳への働きかけでございます。イラクの大統領、外務大臣、あるいは米国そしてイギリスの外務大臣、国務長官でございます。それぞれ若干の違いはありますけれども、基本的には、まず、全面的な協力、なかんずく情報の提供をお願いしたい。そして、その上でさらに、具体の人質解放に向けての、我々も努力をしているけれども、皆さん方も何らかの力をかしていただけるか、あるいは御支援をいただけるかと。特に、何といってもイラクが現地でございますので、イラク政府ですね。これが基本的に、人質をとった犯人グループと対立関係にある人たちですから、そう簡単に話し合いができるという関係に少なくとも表面上はないのかもしれませんが、それでもやはり、イラクで起きていることですので、現地政府としてのしっかりとした対応をお願いしたいということを申し上げました。それぞれ、力いっぱい最大限のことをやりたい、こういう御返事をいただいたところでございます。

 特にイラクでは我が方大使が大使館におりますので、その方と、今のイラク政府のコンタクトパーソンがいるそうでございますから、そこと密接に連絡をとり合っているという状態だと聞いております。

 それから、メディアの関係でありますけれども、アルジャジーラ、CNN、AP何とかというところとか、あるいはロイターというテレビに出まして、こちらの声明を読み上げ、さらに若干のインタビューがございました。

 これで、その後どういう具体の、特に犯人側からの何らかのリアクションがあったかといえば、それははっきりしたことは言えませんけれども、少なくとも現地での報道というものは、相当、私のつたない英語が流れたようでございますから、そういう意味ではかなり先方側にも、私ども日本政府が考えていること、あるいは人質にとられた御家族の深い悲しみというもの、あるいは早く解放してもらいたい、そういうメッセージはかなり広範にかつ正確に伝わったのではないのか、このように考えております。

小泉(俊)委員 政府は、四月にも日本人人質事件があったわけでありますが、そのとき以降、退避勧告以外に予防のための十分な措置をとってこなかったことも今回の人質事件が起きた一つの大きな原因だと私は思っているわけでありますが、この点については、外務大臣、いかがでございましょうか。

町村国務大臣 事前にどういう努力をしてきたのかというお尋ねでございます。

 まず、香田さん御本人につきましては、十月の二十二日の時点で、実は香田氏本人がイラクに入ったのではないかという情報を入手したものですから、外務省の方からお父さんに対しまして、香田さんがイラクに滞在している可能性があるので、ぜひ連絡をとって、できるだけ早く退避するように説得をしてもらいたい、話をしてもらいたいというお願いをいたしました。結果的には、連絡がなかったものですから、これは空振りに終わりました。

 さらに、イラク全土に対しての退避勧告もやっているわけでございますが、周辺国、例えばヨルダンでありますとかそういう国々でも、特に日本人がかなり宿泊するようなホテル等がある程度集中しておりますので、そういうホテルにも危険情報の張り出しをしたり、あるいはホテル関係者に、日本人が来たらばぜひ入らないように話してもらいたい、そんな依頼もしております。

 そんなこともあってか、実際に香田氏がアンマンのホテルでホテルの人と話をして、ホテルの人もそういう話をしてくれた、あるいはホテルに泊まっている他の日本人もそういう説得をしてくれたということのようでございますが、それらがいずれも余り功を奏さなかったというのも、結果的には、残念ながら事実でございます。

 私どもとしては、既に六十二回、基本的にはもう退避勧告というのを出してあるわけでございます。六十二回のスポット情報というのを流して、入らないようにということを言っているわけでございますけれども、どこまで効果があったかということは、考えれば、それは決して十分ではなかったかもしれませんけれども、考えられるありとあらゆる、インターネットに載せる、あるいは旅行会社にそういった情報を流す等々、さまざまなルート、メディアを通じての広報活動は行っているつもりでございます。

小泉(俊)委員 大臣、現地は実際には戦闘行為、戦争状態がまだまだ続いているわけであります。私は、退避勧告というレベルのものではなく、イラクへの入国禁止や渡航禁止という強いメッセージを政府としてきちっと出すべきだと思います。それを大臣に御指摘しておきたいと思います。

 また、今回のサマワでは、アルカイダが初めて日本を標的にしたわけであります。私は、今までの事態と今回のこの人質事件をきっかけに、実は質的に大きな転換が来たと認識をしております。

 サマワでは、去る二十二日に、自衛隊の基地内にロケット弾が着弾しています。これは信管が抜いてあったために不発弾だったわけでありますが、これは、いつでも信管をつければ自衛隊の基地を攻撃できるというメッセージでありますし、これから自衛隊が本格的に攻撃対象になる可能性が高まってきたと私は思うわけであります。この点につきましては、外務大臣、いかがでございましょうか。

町村国務大臣 先ほど大野大臣の方からも、サマワの状況あるいは不発弾が着弾したという状況についての御報告をいたしたわけでございます。

 どういう動機でああいう信管を抜いた砲弾が着弾したかという状況については、今いろいろ調べております。那辺にその真意がありや、必ずしも、正直言ってよくわかりません。わかりませんけれども、できる限りの情報収集に今努めているという状況でございます。

 いずれにしても、私どもとしては、現地情勢、最大の注意を払いながら、安全に人道復興支援活動ができるように努力をしているところでございます。

小泉(俊)委員 次の質問に移らせていただきたいと思います。

 次は、質問通告にありますように、総理、官房長官初め、官邸の危機意識についてであります。

 私は、当選以来の四年半で、二十六回、十六人の総理大臣、大臣また日銀総裁に予算委員会や財務金融その他の委員会で質問させていただきました。ここでわかりましたのが、総理大臣や大臣たちの現状認識がどうも狂っている、このために危機認識が、危機意識が足りないということが、どうもこの日本の政治の最大の問題ではないかということを私は感じております。

 その端的な例が、実は、この前の新潟地震のときの総理や官房長官、官房副長官の対応であります。この危機意識というものは今回のイラクの問題に対しても非常に大きなものでありますので、お尋ね申し上げます。

 まず、二十三日十七時五十六分に新潟地震が発生しました。映画祭に出席していた小泉総理は、あいさつを終えて着席後すぐに、十八時六分に秘書官が地震のメモを入れました。十八時十五分、会場を出ましたが、車の中でテレビや電話などで報告を受けました。その後また映画館に移動。映画館では、総理は、車が三台埋まった、けが人が何人出たなど、情報が入るたびに秘書官がメモを手渡していたそうであります。そして十八時四十分ごろ、三回目の地震発生や上越新幹線が脱線したとの情報が伝えられました。ただ、間もなくあいさつが始まるというメッセージが流れたためにその場にとどまり、十八時五十分ごろからあいさつが始まり、十九時八分に総理は会場を後にし、官邸ではなく仮公邸に向かいました。そして、地震発生後二十四時間以上もたった二十四日の夜になって初めて総理は官邸に入ったわけであります。

 この地震は、きのうの段階でありますが、死者三十一名、避難十万人、負傷者数千名、いまだにライフラインも復旧しないという大惨事であります。また、官房長官も三人の官房副長官も、地震発生当日の二十三日にはだれも官邸に姿を見せなかった。地震発生後十四時間以上たった二十四日八時三十七分に、官房長官が初めて官邸に入ったわけであります。

 これは、総理と官房長官そしてまた三人の官房副長官、なぜ直ちに官邸に入らなかったんでしょうか。これは杉浦官房副長官かな、お願いします。

杉浦内閣官房副長官 お答えする前に、民主党の、このたびの地震、打ち続く台風被害に対する御対応について敬意を表し、感謝申し上げたいと思います。岡田党首を先頭にされまして月曜日には被災地を視察されまして、党首初め皆さん、官邸にもお見えいただきました。ほかの人たちが所用で私が対応させていただいたんですが、詳細な御報告を聞き、要望を伺い、補正予算が必要ならばこの臨時国会で上げるからというお励ましもいただいたわけでございます。党派を超えて対応しようという強いメッセージをいただきまして、感謝した次第でございます。まずもって敬意を表し、感謝したいと思います。

 お尋ねの点ですが、そういう御批判があることは承知はしておりますけれども、私どもは適切であったと考えております。

 というのは、順次御説明申し上げますが、第一に、地震が発生したのは夕方であります。暗うございました。しかも、六強前後の地震が三度にわたって一時間、最初は五時五十六分ですか、三回目は七時ごろというふうに連続して発生したわけであります。

 第一報は全員に、総理、官房長官、私どもに入りました。そして、総理は直ちに、六時六分ですか、第一報を聞きまして、防災担当村田大臣及び内閣危機管理監等に対しまして、秘書官を通じまして、情報収集をしっかりしろ、対応に万全を期せという指示をしたわけでございます。村田大臣は、それを受けまして、六時五十五分に官邸に入っております。

 緊急参集チーム、これはコアチームは、主要省庁、警察庁、防衛庁、国土交通省等の局長及び局長級、内閣の危機管理監、危機管理担当補佐官補等十数名でありますが、招集いたしまして、このチームは六時半ごろ官邸に集結して、直ちに情報収集に入ったわけでございます。

 総理が会場であいさつを終わられて出て、総理車に乗られたのは、総理車には緊急連絡用の装備が整っておりますので、中にいて携帯を使うよりもそこへ入った方がいいという判断で総理車へ戻られたわけであります。

 それで、村田防災担当大臣を中心にして本格協議が始まったのは七時からでありますが、その報告を受けまして、総理がまず情報先遣チームの派遣を指示したわけであります。これは八時過ぎでございます。直ちに政府職員が十名、自衛隊のヘリで新潟県へ飛びまして、県庁に入って情報収集をしたわけでございます。

 その報告が十一時前に官邸に入りまして、村田大臣と緊急参集チームで検討し、総理に報告をいたしまして、被害が多そうだ、大きそうだということで、総理から政府調査団を派遣しろという指示をいたしました。これは十一時九分でございます。

 翌朝七時五十分、総理は非常災害対策本部の設置を指示いたしまして、村田大臣を団長とする政府調査団が、七時五十分、新潟へ飛んだという経緯でございます。

 官房長官、私どもも、第一報が入りました。待機をいたしました。村田大臣が先頭に立ってやっておられるという状況は伺っておりました。非常に被害が大きい、甚大だというのを翌朝聞きまして、官房長官は、八時四十分ごろですか、私どもはちょっとおくれましたが、官邸に入りまして、その後、官房長官を先頭にいたしまして、政府・与党関係、それから内閣の調整等をやらせていただいたわけでございます。

 そういった経過でございますので、夜中に起こったことですし、状況の把握にちょっと時間がかかったということで、官邸に参集したのは、総理は明くる日の夜の災害対策本部会議でありますが、それには政府調査団で行った大臣、国土交通大臣、防災大臣も参加しましたが、そこが初めてでありますが、対応としては決して不適切ではなかった、適切であったというふうに思っておる次第でございます。

小泉(俊)委員 今、お答えの中に、官房長官は、翌朝、被害が大きいというのを聞いたと言っていますね。何言っているんですか。テレビ見ればわかるじゃないですか、夜のうちに。また、官房副長官も似たようなことを言っていますけれども、これは私は、明らかに危機意識が足りないと思いますよ。危機に強いことが私はトップの最大の条件だと思っています。危機においてこそ、その人物の本質が出るんですよ。危機において逃げるような政治家は、私は、総理も官房長官も失格だと思いますよ。十分にそれを認識してください。今の答えはおかしいですよ。

 それでは、今答弁が大分長かったものですから時間がなくなってまいりましたので、次に、自衛隊の国民の信頼確保と災害出動ということについてお尋ねいたします。

 自衛隊の任務は、大きく言いますと三つであります。まずは国土防衛、防衛出動。二つ目が災害出動。三つ目が今国際貢献ということになっています。しかし、実際には、日本は幸いなことに、五十九年間、防衛出動、それはなかったわけでありますね。ところが、国際貢献、これを見てみますと、一九九二年、PKO協力法、カンボジア、ルワンダ、ゴラン高原などに出ました。九九年には周辺事態法が制定されました。また、二〇〇一年、テロ特措法でインド洋での補給活動を今しております。あと、二〇〇三年、イラク特措法でイラク・サマワに出ているわけであります。海外でこれだけ活動しているんですね。

 先ほど防衛庁長官は報告の中で、国際的には高い評価を得ているというお話をされました。しかし、日本の国民は、これだけ海外で自衛隊が活動しているのに評価や信頼が私は高まっているとは思いません。これはなぜかといいますと、国際貢献も確かに大切ではありますが、その前に、国内での自国民への貢献をしないのは、やはり国民がこれはおかしいと思っているからだと思うんですね。姿がなかなか見えない。これから自衛隊が内外ともにもっと活躍していくためには、私は国民の自衛隊に対する信頼を高めることが一番大切だと思っています。

 そこで、自衛隊がより国民の信頼を得るために、私は国内における今回の災害のような災害出動が極めて重要なポイントだと思っておりますが、防衛庁長官、いかがでしょうか。

大野国務大臣 全く同感でございます。

 まず、国際的に高い評価を得ている、このことはもう事実でございますし、特に今回、ことしの末までに防衛大綱、見直しをするわけでありますけれども、その中でも、安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書では、国際活動というものを本来任務にまでレベルアップしたらどうか、こういう助言、示唆もあります。世界の平和は日本の平和だ、こういう認識が必要な時期に来ているのかもしれません。これは今後検討していって、きちっとした格付、位置づけにしなきゃいけないと思います。

 それから次に、今御指摘の、国内ではどうか。

 縁の下の力持ちでしっかり頑張っているわけでありますけれども、やはり私は、災害救助というのは、御存じのとおり主たる任務にはなっております。主たる任務ではありますけれども、やはり必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるという位置づけであります。本来任務でありますけれども、防衛という主たる任務に比べて、従たる任務という位置づけになっております。

 これは、やはり災害というのは、地方公共団体とかあるいは消防庁とか、いろいろな関係省庁、地方公共団体とお互いに連携、調整しながらやっていくものである。我々は、自衛隊にできるものは何でもやっていこう、こういう気持ちでおります。そのことは、法律でいいますと八十三条だったと思いますけれども、八十三条の中に、主体的に動いていくところもある、それから、近辺、近傍においては、いろいろなことが起これば直ちにやりなさい、こういうふうに書いてありますので、大変ありがたいお言葉ではありますけれども、そういう全体の調整の中で処理していくべきだと思っております。

小泉(俊)委員 しかし、この前の台風二十二号、二十三号、そしてまた今回の地震、ライフラインが寸断され、道路は寸断され、動けるのは現実には自衛隊しかないわけであります。こういうときに自衛隊がその活動を、姿を示さなければ、私は本当の意味で国民の信頼は高まらないと思っているわけであります。

 その点につきまして、この前の舞鶴のバスの水没事故についてちょっとお伺いいたしますが、二十日の夕方、由良川で、御案内のように堤防決壊によってバスが水没しました。六十代から七十代の方たちが一晩ずっとバスの屋根の上で、なおかつ深夜にはへその上まで水が来たそうであります。これは奇跡的に助かったんですが、報道によりますと、一番最初に家族に連絡が入ったのは二十日の午後五時四十五分だそうであります。そして、二十日の午後九時四分に舞鶴市消防本部に連絡が入り、二十日午後九時二十五分、舞鶴市から海上自衛隊に援助要請が出ました。翌日の六時十分、ヘリが到着し、日の出とともに救助に着手、全員救出されたのが翌日の二十一日午前八時四十八分であります。

 なぜ自衛隊への通報があってから十時間以上もこれは放置されてしまったのか。自衛隊の全能力をもってしても、本当に救助は不可能だったんでしょうか。私は地元でいろいろな方と話しましたが、かなり国民のだれもがこれは疑問を持っているところであります。防衛庁長官、この点についてはいかがでしょうか。

大野国務大臣 まず、自衛隊、もう少しプレゼンスの面で表へ立って頑張れ、こういった点につきまして申し上げたいと思います。

 今回の災害におきましても、単に東部だけじゃなくて東北からも、それから中部方面からも応援態勢をしいていますし、全国的に待機姿勢をとっている。それから、炊事とかおふろとか、そういう面でもきちっと対応していることは御認識、御理解いただきたいと思います。

 ただいまの件でございますけれども、やや詳細に御説明しなければいけないのかなと思いますが、十月二十日二十二時十五分、京都府知事からの災害派遣要請を受け、二十二時四十分に海上自衛隊舞鶴警備隊の人員二十名、車両四両、救助艇二隻が現地へ向け出発、二十三時二十七分、現地に到着いたしております。被災したバスまでの距離が、その時点で約二キロでございました。

 救助艇による救助活動を開始しておりますけれども、台風二十三号の影響によって、濁流、一時間当たり約三十七キロメートルだそうでございますが、この濁流のために救助艇がバスに接近できない、こういう事情がありました。それから、救助のために迂回路を調査したが適当な迂回路が見当たらない、こういうことで、救助艇による救助が困難な状況が続いていた、こういう状況でございます。

 それから、ヘリコプターでございますけれども、ヘリコプターは救助の可能性をあわせて検討いたしております。検討いたしましたが、台風二十三号の影響によって極めて強い風が吹いている。最大風速約二十三メートルということでありました。雨といった悪天候により、ヘリコプターの飛行及び被災者の安全を確保した上での救助活動が困難な状態が続いていたということは御理解いただきたいと思います。

 二十一日五時四十八分、天候が一時回復したことから、ヘリコプターを二機離陸させております。そこで、六時十二分から救助を開始するということになりました。水流がやや落ちついたことから、六時三十分、救助艇による救助活動を開始し、乗客の救助を行ったところでございます。

小泉(俊)委員 これは、確かに水流は強かったと思います。しかし、六十代、七十八歳ですよ、最高齢の方は。あのバスの上で、つかむものもなくいられたわけでしょう、三十七名が。本当に自衛隊の持っている全装備、全能力を発揮すれば、私は十分救助ができたと思います。

 また、ヘリコプター、おっしゃっていますが、じゃ、その風速で敵が攻めたときはヘリコプターは飛ばないんですか。やはり私は、しっかりと、これからは災害救助というものも大きな一つの自衛隊のプレゼンスでありますので、夜間訓練も含めて、救助訓練も十分実行していただくことをお願いいたします。

 また、最後に、時間がありませんのでお願いを申し上げますが、実は、新潟で、食料もなく、また毛布もなく、非常に飢えと寒さに苦しんでいる方が、二日、三日たってもいるわけであります。このときに、各地方自治体は、実は電話をかけて小千谷市の市長とかに聞いているんです。何が欲しいですか、水と食料と毛布くれと。それで、みんな積み込んで行こうと思ったんですが、道路が寸断されておりますし、行けないわけであります。

 ですから、一番いいのは、陸上自衛隊とか航空自衛隊の基地に地方自治体の救援物資を集めてそれを搬送していくということが、私は、それで数十機の大型ヘリコプターを飛ばせばこういった事態はないと思いますので、この点について、防衛庁長官、御協力いただけることをお答えいただけますか。

大野国務大臣 食料とかおふろ、それから温かい食事をお届けしたいということで炊事車を配備しておりますけれども、物資につきまして申し上げます。

 物資をどういうふうに配っていくか、これは大変地方公共団体と相談していかなきゃいけない。むしろ地方公共団体で、ここへ持っていってくれ、あっちへ持っていってくれ、こういう話になっております。そういう情報連絡を密にしてやったつもりでございますけれども、なお反省点があれば、次回に備えて最終的に検討させていただきたい、このように思います。

小泉(俊)委員 終わります。

船田委員長 次に、首藤信彦君。

首藤委員 民主党の首藤信彦です。

 まず、アフガニスタンの問題です。特に、テロ特措法の基本計画の変更について質問したいと思います。

 先ほど防衛庁長官から、アフガニスタンはかなり平和になりつつある、かつてのような、タリバン、アルカイダがばっこするような世界から、だんだんと、選挙も行われて、治安も安定してきている、そういう世界になっていく、そういう大変心温まる御説明をいただいたわけですが、しかし、現実はどうでしょうか。

 一方ではカルザイ大統領が六割以上の支持をもって当選する、大統領に任じられる、そういう方向性と同時に、連日連夜のように各地で攻撃が行われ、しかもそれが、周辺地区でなく、カブールや主要都市にも及んでいる。しかも、その対象も、掃討作戦をやっている軍隊だけではなくて、本当にただのパトロール中の人間であったり、あるいはNGOなども被害に遭っているという現実を私は目にするんですね。

 さらに、日本の新聞では、そうした西側といいますか、日本も貢献しているそうした西側の努力に対する攻撃というのは一部しか報道されませんが、これを例えば欧米のメディアを見ますと、上から下までずらっと出てくるわけですね。さらに、周辺国の、例えばパキスタンのドーンとか、パキスタンは有名な新聞がたくさんある国ですけれども、そういう国の、今何でもインターネットでチェックできるんですが、そうすると、こんなにあるのかというぐらいたくさん攻撃が行われているわけであります。

 先ほど、日本も貢献している大変な国際社会の努力によってアフガニスタンが安定化の方向へ向かいつつある、しかし、まだやはり努力が必要だからさらに基本計画を延長させてほしい、こういう要望だと思うんですが、では一体、アフガニスタンで、安定後のために国際的に兵員を送ることによって構成されているISAF、それに対する攻撃と死者、一体ことしだけでどのように推移して、ふえているのかあるいは減っているのか。また、この三年間でそうした国際部隊に対する攻撃、負傷者と死者の数をまず最初に御説明いただきたいと思います。

逢沢副大臣 委員長から御指名をいただきましたので答弁をさせていただきたいと思います。

 アフガニスタンの治安の確保、維持のために展開いたしておりますISAFについてでございますけれども、今首藤先生御指摘のように、厳しい状況が続いているというのは確かなことでございます。

 国際治安支援部隊の過去の死傷者数につきましては、公表されたデータはないわけでございますが、例えば、ことし五月二十三日、東部のジャララバードで車両がロケット攻撃を受けまして、ノルウェー兵一人が死亡、一人が負傷。あるいは六月二十九日、先ほど先生からカブールも決して安全ではないという御指摘でございましたが、カブールで道路上の地雷に触れまして、フランス兵士二人が負傷。あるいは直近でございますけれども、今月の二十三日、カブールで自爆テロによりアイルランド兵三名が負傷等々が確認をされております。

 そういったものの総体、また報道等の情報を総合いたしますと、二〇〇二年一月のISAFの展開以来これまで、事故を含めて、テロ等により、少なくとも数十名が死亡しているというふうに私どもとしては承知をいたしております。

首藤委員 ISAFは、成立してから数十名死んでいる。私の求めたのは、最近にどれだけこれが減っているのかふえているのかということですよ。そんな数字が公表できない、とんでもない話じゃないですか。では、こんな基本計画の延長なんかできませんよ、そうじゃないですか。成果が全く上がっていないんだから、成果がわからないんだから。

 こんなに私たちが努力したことによってどんどん安全になっていくんだったら、最後にもうちょっとでもやろうかな、もうちょっとでもやろうかなと私たちも思いますよ。しかし、数十名が死んでいて、それが最近ふえていくんだったら、これは大変なことじゃないですか。今までの努力というのは何でしょうか。だから、そんなものが公表できないんだったら、私は、この基本計画の延長は断固認められない、そういうふうに言わざるを得ないですよ。

 そして、今の数字ですよ。数十名。こんなことで、果たして、私たちの税金を使ってやっている、そのことが本当に認められるのかどうかですよ。例えばイラクをごらんなさい。毎日毎日、アメリカ軍の死者も出ていますよ。CNNだって特別なコーナーを設けてやっている。アメリカ軍の、防衛の情報局も全部それを出していますよ。

 だから、どんなところを見ても、例えばきょう千七十八人であるとか、例えば負傷者の方は七千九百六十人であるとか、そういう数字がリアルタイムで出るんですよ。そして、お亡くなりになった方の経歴や顔写真や、恐らく御遺族の方が拒否されるんでしょうが、写真が載っていない場合もあります。そうやってみんな貢献しているんだなということは私たちもわかります。しかし、数十名、何でしょうかね。そんなことでどうしてこの基本計画を延長できるんですか。

 この情報という点に対して、防衛庁長官、どうですか。正確な数字を言ってください、もう一度。

大野国務大臣 数字については、私承知いたしておりません。

首藤委員 私は、これではアフガニスタンへの、あるいはテロ特措法への我が国の貢献はできません、はっきり言って。当たり前じゃないですか。こんな、防衛庁長官が数字を知らないというのじゃしようがないじゃないですか。目隠ししてアフガニスタンを走り回ってこいというんですか。その数字がなかったら、どうして延長できるんですか。もう一度お答え願いたい。

大野国務大臣 日本の補給活動というのは、アフガニスタンを走り回ってきているわけではありません。例の九月十一日のようなテロの脅威、これをこの地球上から追放するための活動に対して油を補給する、こういう活動であります。したがいまして、この油を補給する活動、今回は新たなニーズが出てきてまいっておりますけれども、そういうことにより、二〇〇一年九月十一日のテロを地球上から追放する、この目的を達成するわけでございます。

 したがいまして、そういうニーズがまだまだある。ことしの四月から今日まで見てみましても、例えば、無線による監視、これは一万一千回以上ございますし、それから、具体的に乗船検査をしている、こういう回数も五百回以上あります。これは日本がやっているわけではありません、ほかの国がやっている活動であります。そういう活動を支援する活動を日本がやっているわけでございます。

 必要性は十分あり、それが貢献している、このように判断しているところでございます。

首藤委員 防衛庁長官、随分ばかにした話じゃないですか。私たちは何のために血税を、ただいま同僚委員も、新潟における地震の、本当に、おにぎりがない、紙おむつがない、水がない、この寒さの中で震えているというときに、ガソリンだけだって百四十三億、船舶のC重油もいろいろ含めて百四十三億使って、そしてそれは何のためか、私たちの血税を使うのは何のためかというと、国際平和のため、アフガニスタンの平和のため、そこが復興していくため、それにやっているんですよ。

 しかし、実際には、アフガニスタンが復興していくのか、もっとどんどん悪くなってきているのかわかりませんということだったら、どうしてこの基本計画が延長できますか。

 では、いいですよ。君、そんなこと言っても、日本の役割はそんなもんだよ、そんな軍事上の数字はアメリカがみんな握って、日本なんかに伝えるわけないじゃないか、日本のやることは、君、クーリーみたいなもんだよ、物を運んでいくとか油を上げたり、そういうことだよ、ただのガソリンスタンドでいいじゃないか、それが日本の日米同盟だというなら、それは結構ですよ。

 では、お聞きします。インド洋で今、そういうことで補給艦を出して護衛艦を出しておられる。このテロ特措法の活動というのは何か。輸送、修理・整備、医療、港湾業務、それに補給ですよ。今言った燃料の補給というのは、最初から言いますよ、被災民支援活動、それに協力支援活動、それからテロリストの捜査、そして捜査のとき問題が起こったときの捜査救助活動、こういうものに関して、輸送、修理・整備、医療、港湾業務、そして補給するんですよ。それでインド洋でやっている。そして、だんだん、もうこんなのは意味がないんですよ。

 今、インド洋にある各国の派遣している艦艇はどうか。自分たちがよく知っているこのアラビア湾のテロリストとかそういうものに、NATOと協力して、NATOの一部として、アラビア半島が、あるいはアフリカの角であったりアフリカの沿岸であったり、そういうところが不安定化しないように、パキスタンとそういうところとがくっつかないようにやっているんですね。

 そこで、一体どこで、日本が燃料を出している船が給油しているのかということで、外務省から資料をいただきました。それを見たら、もう数は少なくなっていますが、十隻程度あります。活動領域、アラビア海、オマーン湾、アラビア海、アデン湾、アデン湾、アデン湾、オマーン湾、オマーン湾、アラビア海ですよ。インド洋じゃないじゃないですか。テロ特措法をよく読んでください、テロ特措法を。テロ特措法に書いてあるように、インド洋、そしてインド洋の沿岸なんですよ。

 外務大臣は世界の地図をよく御存じでしょうけれども、果たして、オマーン湾さらにアデン湾、アデン湾はどこにあるか御存じだと思いますが、これもまさかインド洋だとおっしゃるわけではないでしょうね。それがつながっているというなら、東京湾は太平洋なのかということですよ。そんなのはないですよ。太平洋戦争は東京湾戦争なのか。そういうことじゃないんでしょう。インド洋というのは、あくまでもインド洋として地理的に定義されているところの問題ですよ。そこで内部へ入っていくんだったら、完全にそれは外れているんじゃないですか。外務大臣、いかがですか。

大野国務大臣 テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画でございますが、この基本計画によりまして、協力支援活動の実施区域の範囲でございます。我が国領域、インド洋、ペルシャ湾を含む、及びその上空、ディエゴガルシア島及びその領海領空、オーストラリア領域、インド洋沿岸、我が国領域からこれらに至る地域にある経由地、積みおろし地と、広い範囲にわたっております。

首藤委員 あなた、ちょっと防衛庁長官、長官としてこれは失格ですよ。防衛というのは、この中から防衛庁長官が出るかもしれないけれども、正確じゃなきゃいけない。そうでしょう。物すごく正確でなきゃ。防衛というのは、本当に、弾の飛んでくるのがちょっと変わっただけで大変な問題になるんですよ。だから、地理というのは正確にしなきゃいけない。

 私も、アデン湾が一つだけだったら文句言わないですよ。ほとんどがインド洋にあって、一隻や二隻がアデン湾にいても、一隻や二隻がオマーン湾にいても、それは文句言わないですよ。しかし、ここにある、今日本が給油しているものは、オマーン湾、アラビア海、アラビア海、アデン湾、アデン湾、アデン湾、オマーン湾、オマーン湾、アラビア海で、どうしてこの法律で延長することができるんですか。

 では、もう一度言ってください。

大野国務大臣 きちっと申し上げたつもりでございますけれども、インド洋の中には「(ペルシャ湾を含む。)」こういうふうに括弧書きで書いております。

首藤委員 いやいや、インド洋に含むんじゃないでしょう。インド洋及びペルシャ湾でしょう。

 インド洋というのは、では、地理学者を呼んで参考人質疑しましょうか。インド洋にペルシャ湾を含むのなら大変な問題ですよ、それは地理学上の。(発言する者あり)いやいや、違うんでしょう。違うのなら違うと言ってください。

大野国務大臣 違うとか正しいとかそういう議論ではなくて、基本計画に書いてありますのは、(イ)「インド洋(ペルシャ湾を含む。)」このように記述しております。

首藤委員 その今の活動の中で一体何をしているかというと、そこでずっと待っておられるわけですよ。それで、もう既に、かつて三隻あるいは場合によっては四隻体制で船舶に給油した、その十分の一、二千キロリットルしか場合によっては一カ月に給油していないという程度なんですよ。ですから、そこではする仕事もなく、ただ待っていなきゃいけない。自衛官において大変なストレスが生じているということは、我々も感じているんですよ。

 委員長、ぜひお願いしたい。

 一体、現場にいる自衛官の方が、こういう行動に対して、果たしてどういう気持ちを持っているのか。ぜひ、この委員会でも参考人として来ていただいて、そして私たちに、どんなに意義があるのか、どんなに危険に満ち満ちているのか、どんなに我が国の防衛、世界の平和のために心を燃やしてやっているのかを、ぜひ、直接私たちに話していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

船田委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会等で協議をさせていただきます。

首藤委員 さて、給油をしているんですけれども、その船舶はインド洋にある。それは何のためかというと、アルカイダのメンバーやタリバンが逃げてくるのを拘束するんですね。

 それでは、お聞きします。

 この三年間で、アルカイダのメンバーを何人、特にタリバンのメンバーを何人拘束したのか。その三年間がなければ結構です、この一年間で、この十カ月でも結構ですから、タリバンのメンバーを何人拘束し、アルカイダのメンバーを何人拘束したか、言っていただきたいと思います。

 外務大臣、いかがですか。

逢沢副大臣 不朽の自由作戦の一環として、海上阻止活動、大変重要な活動でございます。補給を通じてそれらの活動を支えているわけでございますけれども、例えば実績として、本年四月以降だけでも約一万一千回のいわゆる無線照会を行い、約五百回の乗船検査を実施いたしたわけであります。

 そして、それでは一体、何人アルカイダ等々のメンバーを拘束したのかといったようなお尋ねでございますけれども、これまでに、全体としてのテロとの闘いを通じて、アルカイダの主要メンバー、三千四百人以上の構成員を拘束した、あるいはまた死亡させたということでございます。御報告を申し上げます。

首藤委員 いや、答えていないですよ。外務大臣、しっかり答えてください。

 海上行動によって、私たちが直接百四十三億の石油代を出すことによって、一体何人のアルカイダ、何人のタリバンを拘束することができましたでしょうか。いかがでしょうか。

逢沢副大臣 海上阻止活動による実績についてでございますけれども、米国からさまざまな形で情報提供を受けているわけでありますが、今なお、その作戦は現在進行形で継続をいたしております。円滑な作戦行動の遂行上の問題もございまして、その詳細な内容につきましては、公表することを差し控えさせていただいております。

首藤委員 委員長も、各委員も、恐らく国民の皆さんも、これが実態だとおわかりになったと思います。

 数があれば、百人とか二百人あれば、だれでも公開しますよ。要するに、何もないんですよ。外務省が、一生懸命我々がつっついて出てきた数字が、この間ダウ船の密輸船をつかまえて麻薬が発見されました、きっとアルカイダと関係あるんじゃないでしょうか、それからもう一つ、ダウ船が武器をたくさん運んでいました、きっとこれもテロリストに渡るんじゃないでしょうか。こんなものは、あの地域では、紛争地帯だからどこでも流れているものなんですね。

 要するに、成果がないんですよ。それは軍事秘密だと言っているけれども、軍事秘密といっても、軍事行動だって、これは全部税金で行われているわけでしょう、我々の支援活動も。そして、それがどういう効果を生んでいるかがわからない限り、この延長は絶対できないですよ。当たり前ではないですか。

 こういうことでお金を使い続けたことによって、日本はどんどん戦争を拡大していったんですよ。だから、この問題に関しても、本当にどれだけ効果があるのか、本当にそれが正しいことなのか、本当に平和があるのか、確認しなければできないではないですか。

 では、そこで質問しましょう。アルカイダを全部今拘束していると言っています、どんどん拘束している。そのため日本も、百四十三億のお金を使って石油を供給しろと言っています。しかし、一方でアメリカは、グアンタナモ基地に拘束された何千人のアルカイダ容疑者、そして明らかにアルカイダのメンバー、明らかにタリバンの構成員、明らかにタリバンの指導者というのを、ことしに至って、何と飛行機でどんどんとアフガニスタンに戻しているんですよ。

 というのは、今アフガニスタンというのは、タリバンが一番の脅威ではなくて、パシュトゥン系の人が多いタリバンが脅威じゃなくて、実は、ヘクマティアル、ヒズベ・イスラム、イスラム党という、そういう組織を持っている地方軍閥がもうほとんど南西部を割拠している。そして、いろいろなところでもいろいろな問題があって、特に最近問題になっているのは、中国地域です。中央アジアからも非常に難しい問題が出てきて、中国人技術者が誘拐されたというのは、皆さん御存じのとおりだと思います。

 今、アフガニスタンというのは、タリバンが脅威となる時代から、タリバンがカルザイ大統領を支えるという時代に入ってきているわけですよ。

 そこで、例えば、カルザイ大統領は今度選挙に勝ちました。しかし、それはなぜかというと、グアンタナモ基地にいたタリバンのリーダーが戻って、タリバンのメンバーに、あるいはタリバンの支配地域に入って、タリバンのメンバーはカルザイさんを支援しなさい、こういうことで、カルザイさんはパシュトゥン族の支持を得たということであります。

 カルザイを支持したタリバンのリーダーの中に、グアンタナモ基地で二年間過ごしたムラー・アブドゥル・サラーム・ロケッティというのがいるんですよ。ムラーという名前がついているから指導者ですね。こういう人が、タリバンの大ボスが、今回選挙でカルザイさんを支援している。

 そして、最近のニュースによりますと、電子版の新聞なんかを見ますと、グアンタナモ基地から釈放されたたくさんのタリバンの中から、アメリカが軍閥を阻止するためにそれを送って、そしてそういう軍閥とタリバンとが一緒になってアメリカ軍を攻撃してくる。その戦闘で、何と七人、アメリカとの戦闘で死亡したことを確認したという。アメリカが戻したタリバン、これがまたアメリカを攻めてきて、そして死亡している。

 何を言わんとしているかというと、私たちが百四十三億のお金を使って、洋上に逃げてくるタリバン、そんな人がいるのかどうかわかりませんが、そういう人を阻止しようとしてやっている。一方で、アメリカは自分が持っているタリバン兵、自分たちが監獄で押さえているタリバン兵をどんどん飛行機でアフガニスタンに戻している。では、一体我々は何ですか。タリバンを阻止するためにやっているんですか。一体、私たちがこのテロ特措法をつくった法律の目的は、もう全く存立していないんですよ。ですから、この延長は私は絶対に認めることができないと思っています。

 そして、本当にコストパフォーマンスの低いところに、なぜ、これから緊張している東アジア情勢の中で、私たちのとらの子の三隻なり四隻の自衛艦を送る必要があるのかということですね。今で言えば、だれも攻めてこないんですよ。タリバンが、例えば魚雷艇で攻めてくるわけじゃない。

 はっきり言えば、補給船が一隻あればいいんですよ。補給船といったって自衛隊の補給船ですから、これは機関銃だって持っているわけですよ。補給船だって、石油が二千キロリットルしかないのに、補給船も要らないんですよ。はっきり言えば、アデン湾やオマーン湾にいるこれらの国がオマーン湾やアデン湾の補給所から燃料を補給して、強いて言えば、それに日本が補助金を上げればいいだけの話なんですよ。

 こんなコストパフォーマンスの悪い、そして世界から認められない、そうした支援は即刻やめるべきだということをここで明言させていただきます。

 もう時間がなくなってきましたが、最後に、イラクの問題について触れさせていただきたいと思います。

 イラクにおいても、同僚議員、小泉委員からの質問がございましたけれども、一体この人はなぜこんなところへ入っていったのか、どうして外務省は阻止できなかったかということなんですよ。

 こんなのは簡単なんですよ。皆さんは余り中東を知らないかもしれないけれども、中東にはありとあらゆる官民のスパイ網があって、日本人なんか通っていけばすぐわかるんですよ。国境で阻止することはできる。例えば、バスが通っていくときに電話をして、国境のところで、日本人はビザを持っていないよ、イラク人は通ってきてもいいけれども、日本人はビザを持っていないからビザのチェックしてくださいと。そうしたら全部自動的にひっかかって送り返されるわけですよ。

 あるいは、バグダッドに到着する。バグダッドに到着したときに、ローカルスタッフに、ちょっと君、警察へ電話してと。あそこにいる東洋人は何か麻薬の関係があるんじゃないか、かもしれないといううわさがあるというふうに電話してみてと。警察は喜んですぐ逮捕して、強制送還してくれますよ。そんなことはだれでもできる。

 どうしてこんな事態が起こるの。そして、必ず起こるということをわかっているのに、それをほっておかれたのか。そして、この事件が起きたことに関して、外務大臣、組織としての責任をどうおとりになるか、そのお答えを聞きたい。

町村国務大臣 日本国には憲法がありまして、海外旅行あるいは移動の自由というのがあるわけですね。したがいまして、今委員が言われたことをもし外務省がやると、これはまた逆のお立場から、一体、日本国政府は憲法を無視するのか、こういうきっとお尋ねが出るのではないだろうか、こう思います。

 私どもとしては、今法律の許された範囲の中で最大限のことを、最大限かどうかわかりませんが、できる限りのことは私どもはやっているつもりでありまして、現にバグダッドでもそれは確認に努めているわけです。委員、簡単にわかるだろう、こうおっしゃるけれども、現実に今のバグダッドの状況の中では、我が国大使館員があちこち歩き回ってやるというわけにも、なかなかそうはいかない事情にあることは御承知のとおりであります。

 そういうことで、私どもとしては、まずアンマンで最大限のことをやるということは当然のことで、それはそれで一生懸命やったんですが、何しろバスに乗っていってしまうところを物理的に阻止するというわけには、今の現行法ではそれはまいらないのは、一番よくわかっているのは委員御自身ではないでしょうか。

首藤委員 本当に無能無策の外務省としか言いようがないですよ。本当に、我が国の名誉を守るために全力を尽くしていただきたいと切に切にお願いします。

 最後に、サマワにある自衛隊に対してロケット砲が撃たれた。これは、防衛庁長官、余り軍事知識ないかもしれませんが、迫撃砲とロケット砲は全然違うんですよ。迫撃砲は近いところから目視して、そして本当に小さい、場合によっては小さいもので、ばらばらで運んでいって、そこで組み立てて、ぽっとやればいいんですよ。しかし、ロケット砲の場合は、ランチャーがあって、長距離を飛んでくるので正確な照準が必要なんです。それがこの敷地内に、施設内に落ちたということは大変な問題なんですよ。これはむしろ警告としてとらえるべきなんです。次はもう三十メートル先へ撃ちますよという警告なんですよ。

 では、ロケット砲をどうやって自衛隊の皆さんは阻止できるのか。迫撃砲はヒュルヒュルヒュルというから見ていてもわかりますよ。ロケット砲はすうっと飛んでくるわけですよ。それを阻止する具体的な手をとらなければ、それは被害は必至であり、もしそれを知りながら何も手を打たないとすれば、防衛庁長官に未必の故意があると言われてもしようがないじゃないですか。どのように対応するか、お聞かせ願いたい。それをもって私の質問を終わります。

大野国務大臣 先生おっしゃるとおり、私、軍事知識がないのかもしれませんけれども、ロケット砲と迫撃砲の差ぐらいは存じておりまして、射程距離でいいますと、ロケット砲の方は十数キロ、それから迫撃砲は四、五キロ、こういうことであろうし、飛び方も、放物線の飛び方も違っている。

 ただ、申し上げたいのは精度の問題であります。精度につきましては、先生は随分と精度がロケット砲の方が高いとおっしゃっていますけれども、照準を合わせてどんと撃つということにつきましてはほとんど変わらない、これが軍事世界の常識ではないでしょうか。

 それから、もう一つ申し上げたいのは、何といっても、この間のロケット砲、弾が落ちました。それは宿営地の南側でございますが、信管がなかった。北から撃たれていますけれども、これが本当に自衛隊をねらったものかどうなのか、これがなぜ信管がなかったのか。これは今事情収集している段階でございまして、治安当局といろいろ連携をとりながら情報収集に努めているところでございます。

 それから、対策でございます。

 あのロケット砲では、私が申し上げたいのは、安全であります。どういうふうに安全確保しているか、これは敵に手のうちを見せるようなものでありますから申し上げられませんけれども、安全である。

 それから、もう一つ申し上げたい。

 どういう安全措置を講じているか。講じています。それは、監視装置も含めて講じております。しかし、どういうふうに安全措置を講じているか。これは、もしテロリストが、私がこんなことを言ったら、またねらってくる可能性があるかもしれない。だから、これは敵に手のうちを示すようなものですから申し上げるわけにいきません。

 それから三つ目、申し上げたいのは、こういう事情がありまして、私、昨日、サマワで活動していただいている自衛隊の皆様に電話をいたしました。自衛隊の皆さんがおっしゃるには、例のロケット砲につきましては全く動揺しておりません、そして情報収集に努めております、それから、現地の皆様とも、大変歓迎されておるし、話し合いの場もございます、こういうような回答が返ってまいりまして、大変安堵しているところでございますけれども、安全確保につきましては、これからもなお万全を期して頑張ってまいります。

首藤委員 時間終わりましたけれども、今の防衛庁長官のはひどい。これで私たちの若者を送るわけにはいかない。そんな、秘密のことはそうです。どこに秘密基地をつくるとか、あるいはコンクリートの厚さを何メートルにするなど言う必要はないんですよ。どういう防御をするかということをしっかりやらなかったら、私たちは若者を送り出すわけにいかない。

 また、若者たちがそんなに動揺していない、不満がないというのなら、わかりました、では委員長、現場にいる、もうサマワから帰ってきた人たちの参考人質問をさせていただきたい。それもよろしく検討をお願いいたします。

 以上で終わります。今の答えだけ。

船田委員長 ただいまの件につきましても、理事会等で協議をしていただきたいと思います。

 次に、大石尚子君。

大石委員 この特別委員会に初めて所属させていただきました民主党の大石尚子でございます。

 きょうは三つの課題について、防衛庁長官、外務大臣に御質問させていただきたいと思います。

 まず防衛庁長官に、これは先ほど小泉委員からも御質問ございましたが、新潟県中越地震災害救援活動に出ていらっしゃる自衛隊の皆さん、私、昨日、あの二歳の優太ちゃんが四日間車の中で頑張って、そして無事救出されたということは、本当につらい事件の多い中で、ほっとする思いでございました。うれしかったです。その中にも自衛官の方がおられました。

 私のいただいているデータから申しますと、これは十月二十六日十五時現在で、延べ人員、自衛官七千名、車両約七百両が新潟の中越地震のために出動していると伺っておりますが、小泉委員がおっしゃられましたように、国民の目には余り触れません。NHKのテレビの報道を通しても見えない。

 主としてどういうことをしていらっしゃるのでございますか。

大古政府参考人 新潟県中越地震に関する災害派遣のお尋ねでございますが、今の活動規模につきましては、派遣規模、きのうの段階で約二千八百名、車両にして六百九十両、航空機は四十機でございます。延べ人数につきましては、きのうまでで、人員九千八百名、車両が約千八百両、航空機約二百機ということになってございます。

 何をやっているかとお尋ねでございますが、まず救助ということでは、まだ人命救助をしていまして、救助については千七百七十名の救助をしております。それから給食につきましては、温かい食事ということで、牛どん、みそ汁等の給食支援をさせてもらっています。あと、給水支援活動、食料や毛布等の救援物資の輸送をやってございます。それから、きのうから入浴支援活動をやっておるところでございます。

大石委員 ただいま、防衛庁長官に質問したつもりでございました。

 今いろいろな救援活動をしていらっしゃると思うんですけれども、この問題を深追いするつもりはございませんが、例えば、今の御答弁の中に、みそ汁とか温かい食事とかという御発言がございました。これは先ほどの防衛庁長官の御答弁の中にもございました。

 それは大変皆さんにとってはありがたいことだと思いますけれども、もう少しきめ細やかな配慮をされて、今皆さんがどんなに疲れているか。胃袋も疲れている。それから、お年寄りの方々は、おむすびが配給されてもかたくて食べられない、そういう方もいる。それから、おむすびは冷たい。温かいおみおつけが支給できるのであったら、塩味の白がゆをお送りすることができれば、これが一番日本人にとっては精力がつくわけでございますから、そういう、おかゆと梅干しとか、あるいはおじやとか、いろいろとメニューの方もきめ細やかに配慮されて、本当に地域の皆さんに歓迎される、自衛隊が来てくれてよかったな、本当にありがたかったなと思われる活動をしていただきたいと思います。これは、当然そうしてくださると思いますので御答弁は結構でございます、時間の方が気になりますので。

 それでは二番目に、先ほど来問題にされておりますイラクでの日本人の人質事件に関連いたしまして、先ほど外務大臣の御答弁もいただいておりますが、特に、海外にずっと滞在している邦人、それから長期の海外旅行をしている人たち、そういう人たちに対して危険情報の提供をしていらっしゃるということでございましたが、中身がどういうふうな情報の提供の仕方なのか。これは危険情報の提供の仕方で、本当にどれくらい、あっ、これは危ないんだと思うか。あの香田さんがすべてを承知して入っていったのかどうか、そこら辺もちょっと疑問に思いますものですから、具体的にどういう危険情報の提供の仕方をしていらっしゃるのか、中身を一、二教えていただけませんか。外務大臣ではちょっと御無理ですか。

町村国務大臣 ちょっと質問の意味が必ずしもよく、中身というのはどういう中身をお問い合わせであるのか、もうちょっと教えていただけますか。

大石委員 危険情報の提供の仕方というのは、その説明の仕方というか、例えば文言をどういう言葉で書いてあるか、そこら辺で危険だと受け取る度合いがすごく違うだろうと思うんです。

 ですから、特に海外旅行者とか海外に長期滞在してイラクに入る危険性のある方とか、そういう方たちには、具体的に、その情報を受け取ったら、あっ、これはもう行くべきではない、恐ろしいから行かないと思わせるような情報の提供の仕方がなされていたのかどうかを知りたいわけでございます。

町村国務大臣 情報は、海外に長くいる人と国内からこれから旅行に行く人とを何か区別して、情報を分けて提供しているということではなくて、同じ情報を受けとめてもらいたいということで出しております。

大石委員 そうすると、危機感がどこまで伝わるか、危険の度合いが。何かもう少し工夫されて、それで、こういう情報を受け取ったら、絶対にイラクには入らないようにしようと思わせるような情報の提供の仕方というのができないのかと思うんですけれども、意味通じませんでしょうか、私の申し上げていること。

逢沢副大臣 大石先生が例えばイラクについてということを例示されましたので、まず、その件について答弁させていただきたいと存じます。

 先ほど町村外務大臣も答弁させていただきましたように、累次にわたりまして、イラクにつきましては、渡航情報、危険情報、その中で退避勧告を出させていただいております。

 ただ、その退避勧告が邦人の方に適切に受けとめていただける、そのことをしっかり受けとめていただき、理解をいただき、適切に判断していただく。イラクの場合ですと、適切な判断というのは、いかなる理由があろうともイラクには入国しないという意味で適切な判断をしていただく。その実効性を確保するということは、確かに委員が御指摘のように、大変重要なことだというふうに承知をいたしております。

 四月の大きな事件がございましたので、邦人の方は、国内にいらっしゃる方、また海外で活躍をしておられる方も、政府が責任を持って渡航情報、とりわけ危険情報というものをかなりきめ細かく頻繁に出しているということについてはかなりの程度御理解がいただけたのではないか、あるいはまたいただきつつあるというふうに承知をいたしておりますが、なお一層の工夫、努力は必要というふうに承知をいたしております。

 例えば、イラク入国の場合は幾つかのルートがあるわけでございますけれども、多くの場合が、隣国のジョルダンのアンマンから陸路で入国する場合が多うございます。

 したがいまして、日本人旅行者が比較的多く利用する、また、バックパッカー等を含めた旅行者が比較的多く利用するホテルには、わざわざ日本語で、こういう危険情報が出ていますということをホテルのロビーに張り出す、そういうきめの細かい対応もさせていただいております。また、先ほど大臣からもお話がございました、ホテルの経営者、従業員の方に、日本人が仮にイラクに入る意思を持っているとすれば、それはやはりとめていただく、あるいはまた適切に大使館の方に連絡をいただきたい等々を含めたきめの細かい対応もさせていただいているところでございます。

大石委員 どういう危険性が待っているのかということを、具体的に、読めば、聞けば間違いなく判断できるような情報の提供をしていただきたいと思います。

 それでは、次に移らせていただきます。

 三番目といたしましては、今回のテロ対策特別措置法に基づく基本計画の変更に関してお尋ねいたしたいと思います。

 私ども民主党は、二〇〇三年、平成十五年の第百五十七国会において、国会による民主的統制を徹底する見地から、自衛隊による対応措置の実施を事前承認事項とすること、テロ対策特別措置法を今回限りの延長とすることなどを内容とする修正案を提出してございました。

 私ども、思うんですけれども、よく自衛隊を海外に派遣するときにシビリアンコントロールということを申します。それはどういうことかというと、私は、国民の負託を受けて、国民の意見を代表して、そして構成している国会の衆議院、参議院でしっかりと議論を尽くして、そしてこの課題に自衛隊をどこどこへ出すか出さないか、それは国会がしっかりと議論をして決める。そして、出すと決めたら、その出し方については専門家の防衛庁にお任せする。それがいわゆるシビリアンコントロールの原点ではないかと思うんですけれども、それに対して防衛庁長官はどういうお考えでいらっしゃいますでしょうか。

大野国務大臣 シビリアンコントロールの大切さ、それは民主主義社会を象徴するものである、私はこのように思っております。したがいまして、絶対に内閣の構成員はシビリアンでなきゃいけないし、そのシビリアンコントロールというのは何かというと、内閣がきちっと判断する、考える、そして最終的に、国民を代表される国会において判断する、こういうことであります。

 しかしながら、今回の特措法でございますが、時限立法になっております。二年間の期限つきでございます。期限が切れるときにきちっとまた御検討いただく。

 今回の特措法に基づく基本計画の変更でございますけれども、これは、六カ月ごとにやっております期限の延長、そして中身につきましては、水それから艦艇用ヘリコプターに対する燃料、これを加えております。基本的には大きな変更ではない、そういうことでございますので、御理解をちょうだいしたいと思います。

大石委員 やはり私ども政治家が、一議員の立場でも自衛隊の海外派遣については大きな関心を持っておりまして、私は、今回延長される、インド洋じゃないというお話もございましたが、インド洋に補給活動で行っているあの海上自衛隊の部隊の現地を見てこようと思って、それで平成十四年の暮れから十五年の正月にかけて、これは国会議員として訪問したのは初めてだったのかもしれませんが、部隊に激励かたがた会いに行ってまいりました。

 そのときに、私はちょっと大変残念な思いをしたんですけれども、防衛庁内局に、恐らくドバイにお正月は入港するでしょうから、ですからぜひ行ってきたい、現地を見てきたいということを問い合わせました。そのときにどういうお返事をいただいたかと申しますと、海上自衛隊の部隊は十二月三十一日も十五年の一月一日もドバイにはおりません、どこにいるかはお話しできません、ドバイにいないということも他言しないでいただきたい、そういう返答でございました。

 だけれども、私は大体そこら辺にお正月はいられるだろうと思って、それで、わからないままに飛んでいったんでございます。結局、現地の方々の協力を得て、さる国の港で彼らに会って、そして艦船を見て帰ってまいりました。

 そのときの体験から幾つかのことを御質問したいと思うんです。

 私が日本に帰ってきたその翌日、NHKのニュースで、イージス艦がどこどこの国のどこどこの港に入港したという報道がなされたわけでございます。私もいまだに公の席でどこの国のどこの港に行ったということは発言してございませんが、NHKから全国に報道される、全世界へ報道されてしまったわけでございます。

 どうしてこんなことが起こるのかと思って、私は防衛庁の方にお問い合せしたことがございますが、そのときの回答は、これはNHK側の取材で、報道協定というか、お願いしてあったことをNHKの方が守らずに報道されてしまったので抗議を申し入れたということでございました。こういうことが、これはこれからも起こり得るのかどうか。

 私たちが私たちの責任で日本の自衛隊を海外に派遣して、私どもは派遣に反対であったにしても、実際に行っている自衛官がどういう過酷な条件で、しかもあちらの方面は条件的に大変厳しいところでございますから、実際にどういう働き方をしているのか、これは激励かたがた見に行きたいというのは当然だと思います。

 それに対して、今後、防衛庁長官は、もし私と同じようなことを考えた方があった場合に、やはり行く先を知らせてくださらないのか、どういう対応をなさるおつもりか、伺いたいと思います。

大野国務大臣 まず、大石先生から大変激励のお言葉を賜りました。ありがとうございます。

 理由は二つあるかと思います。

 やはり、どこの国のどの辺で補給活動をしているかということを知られますと、何らかの攻撃の対象になる可能性がある、こういう隊員の安全という目的が一つございます。それからもう一つは、やはり寄港地の国から、公表しないでくれ、こういうことの要請がございます。したがいまして、その二つの理由によって、どの場所でどういうふうなことをしている、どういうふうなことをしているというのは補給活動をしているんですが、どの場所にいるかということはこれまで公表しておりませんでした。

 もちろん、我々は、国民の皆様のタックスによって支えられておりますから、可能な限りの説明責任は果たしていくつもりでございますけれども、相手側が公表しないでほしい、こういう問題があります。また、当然、隊員の安全の問題があります。こういう観点から、今後ともこの辺は注意をしてやっていかなきゃいけない。

 せっかくの御激励の言葉でございますけれども、今申し上げましたような二つの理由によりまして、皆様に、仮に行かれた皆様でも、どうかこの情報というのは内密、表に出さないでほしい、こういうお願いをしてきておるところでございますし、また事前にもそういうお願いをしている、これが現状でございます。

大石委員 私の伺い方が悪かったかもしれません。

 国会議員に対して、今後、同じような場合に、行く先を知らせないのか。知らせるべきではないか。むしろ、私たちが訪問できるようにすべきで、どこへ行ったかというのを言わないでくださいというのはわかります。しかし、私たちが現地を、現場を見に行くことをそういう形で包み隠さないでほしい。そのことに対して、今後どうなさるのかを伺いたいのです。

大野国務大臣 先生方に御激励をいただいておりますが、今申し上げましたような問題とは別に、でき得る範囲で国会議員の方々に御訪問の機会をつくらせていただく、このことは大変重要な問題でございますので、先生がおっしゃるような方向で検討いたします。

大石委員 ぜひ私どもの気持ちも理解して、信頼していただきたいと思います。反対のために何かをつつきに行くわけではないわけでございますから、そこは理解していただきたいと思います。

 それで、次に、今回の基本計画の延長、私も、そろそろもう引き揚げてもいいのではないかと思っております。

 その理由を幾つか申し上げたいと思いますが、補給活動に当たっている船は、今、補給艦四隻のうち一隻はこの任にはちょっと不適格ということで、三隻の補給艦がローテーションを組んで現地に行っております。それで、補給艦「はまな」も「とわだ」も、四回目行ってきた、また行っているという状態で、「ときわ」だけは三回ですけれども、あとはもう四回行っている。

 そうすると、どういうことになるかというと、主として補給艦に乗っている人でしょうけれども、約十名の方がこの三年間に四回洋上勤務をしている。最長日数、最も長い派遣日数が六百三十四日というデータがございます。これを機械的に三年で割りますと、大体一年間に二百十四日、二百日を超えて現地にいるわけでございます。当然のこと、私が参りましたときも、お正月を二回続けてインド洋などで迎えているという方もございました。

 これは、自衛官、自衛隊の体力以上の仕事を強いているのではないかという気がいたします。確かに、国際貢献のできる、日本にとっては有用な人材、人的資源の自衛官でございますが、こういう使い方をしていいものかどうか。

 それともう一つ、補給実績を拝見いたしますと、平成十四年の一月から十二月の一カ年、これはイラクの戦争が始まった前年でございますが、これが約八十四億円、次の十五年が三十四億円、ことしからぐんと減りまして、十六年は十四億円でございます。

 これは、いわゆるお客さんが減ってきているのではないかと思います。

 十一カ国の船に給油を今まで続けていられるそうですけれども、いわゆる需要が減ってきているんだったらそろそろ考えてもいいのではないか、あるいは、ここまで三年間、かなり体力オーバーして頑張ってきたのだから、他の国にかわってもらってもいいのではないか、あるいは、ある一期間はやらないとか。私どもはもう引き揚げてもいいのではないかと思っておりますけれども、そういうことを考えてもいい時期ではないか。

 と同時に、十五年のイラク戦争が始まる前後に、大変、給油の実績量が、金額が上がっているのでございますね。これは、アフガニスタン・オペレーションに参加している船に給油するということに法律上なっておりますけれども、これがイラクのオペレーションと混同しているのではないかと伺うと、絶対そういうことはないという御回答が出てまいりましょうけれども、ですけれども、この実績から見て、どうしてもまざっているとしか思えない。

 特に、自衛隊の方で、あなたどっちへ行くんですかとは聞くことはありません。既に、こういう船が行くから給油してほしいという命令のもとに給油するわけでしょうから。だけれども、実績から見て、アフガニスタンとイラクが、テロとイラクのオペレーションがまざっちゃっているとしか思えない。これは、自衛官にとりましても、自衛隊にとりましても、法律に反するか反しないか、すれすれの活動を強いることになっております。

 こういうことを考えても、私は、やはりこの辺で一たん区切りをつけて撤退してもいいのではないか、そういう気がいたしますが、いかがでございますか。

大野国務大臣 さすがに大石先生ならではの、隊員の健康やメンタルな面に対する御配慮でございます。

 ローテーションにつきましては、十分配慮いたしております。ただ、先生がおっしゃったようなことも事実でございます。今後、ローテーション、それからメンタルの面を含めての健康管理、十分気をつけてまいりたいと思っております。

 それから、二番目の問題でございますけれども、これは、給油の実績につきましては、おっしゃるとおり、例えば月でいいますと最高二万六千キロ以上の月もありました。現在で見ますと、月別でございますが、四千とか五千キロリットルということでございます。

 しかし、ニーズ、必要性は、たびたび御説明申し上げておりますけれども、やはり高い。現実に、例えば無線照会の回数も、ことしの四月から一万一千回ございますし、また、実際に乗船検査をしている回数も五百件以上ある。こういうことを考えますと、まだまだテロ撲滅までに至っていない、こういう状態でございます。

 したがいまして、テロというのは人類共通の敵でございますから、そういう意味で、その必要性はまだまだ続いているんだ、日本も国際社会の一員として、テロを地球上から追放していくこの一つの役割を果たしていこう、この辺は御理解をいただきたいと思います。

 それから、三つ目の質問でございますけれども、これは、インド洋でテロ特措法のもとにおいて補給している油がイラクの方に使われているんじゃないか、別用途に使われているんじゃないか、こういう御質問でございます。

 これは、今、補給を受ける国との間には交換公文を交わしておりまして、この油はこの地区でこの目的のために使うんだ、こういうことを明記しております。国際的な約束事でございますし、これは国際的な信義誠実の原則で、他の目的には利用されていない、このように私は信じております。

大石委員 時間がなくなってしまいました。

 せめてイージス艦は、今、日本近海、決して安全ではございません。北朝鮮の問題あり、中国の問題あり、不審船あり、それからコンテナ船の中の密入国者あり、いろいろな問題が日本近海、東シナ海、南シナ海で起こっております。

 ですから、せめてイージス艦は日本近海へ戻して、そして護衛艦は一隻でも、と言うと何か延長を認めちゃったようになってまずいんですけれども、とにかく、認めるわけではないので、何かこういうことをしていると引き揚げられなくなってしまう、感謝されるから引き揚げられなくなってしまいます。ですから、いつかは政治判断できちっと引き揚げることを早急に考えなければいけないと思います。

 以上、時間になってしまいましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

    ―――――――――――――

船田委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省欧州局長小松一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

船田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

船田委員長 次に、大出彰君。

大出委員 民主党の大出彰でございます。

 香田さんがイラクに捕まっておりまして、自衛隊は引き揚げた方がいいだろう、そう思っておりまして、日本国民でございまして、生命でございますので、若者がとらわれている、日本国民を拉致するような国を助けてやる必要はないんですよ、本当は。そうでしょう。だから、十一月一日で切れるわけですから、とっとと帰しましょうということをまず冒頭申し上げたいと思います。

 それから、質問に参ります。

 九・一一でございますけれども、これはもともと、あの事件が起きてから、アルカイダのしわざだ、ビンラディンだ、こういうことだったんですね。ところが、証明できていないんだと思うんですね。私、いつも言うんですが、証拠能力のある証拠に基づいてビンラディンだったんだと言えるのかどうか、その点についてちょっとお伺いいたします。

海老原政府参考人 米国同時多発テロ事件とアルカイダとの関係ということでございますけれども、以下のことから総合的に勘案いたしまして、ウサマ・ビンラディンが率いるアルカイダがこの同時多発テロ事件に関与していたという説明は十分説得力のあるものというふうに判断をいたしております。

 まず、二〇〇一年の九月二十日、ブッシュ大統領は、我々がこれまでに集めた証拠のすべてが、アルカイダとして知られている漠然と連携しているテロリスト組織の集団の関与を指し示しているというふうに述べております。また、同年の十月四日、ラムズフェルド国防長官は、数千人を殺害した米国でのテロ攻撃にアルカイダ・ネットワークが関与していたことは全く疑いがないというふうに述べておりまして、同盟国である米国の大統領、国防長官がこのように述べているわけでございます。

 また、この米国の説明に対しまして、フランス、パキスタン、ロシア等を含む多くの国がウサマ・ビンラディンが率いるアルカイダの関与を確信させるものというふうにしております。

 また、ウサマ・ビンラディンは、そもそもタンザニア、ケニアの米国大使館爆破事件に関して米国で起訴をされておりますし、また、国連安保理決議におきましても、一二六七それから一三三三におきまして、タリバンに対しまして、ウサマ・ビンラディンを同人が起訴をされた国等の当局に対して引き渡すということを要請いたしております。

 さらに、ウサマ・ビンラディン自身が、二〇〇一年の十月八日のテレビ放送におきまして、ニューヨーク、ワシントンを破壊した人々は神により遣わされたというふうに述べまして、称賛をするとともに、各国よりかけられている容疑にもかかわらず、みずからの関与を全く否定はしていなかったわけでございます。

 また、アルカイダ自身も、同月の十日、米国は飛行機のあらしが静まらないことを知るべきであるというような形で声明を出しまして、テロを予告しております。

 また、米国内におきましても、これは議会の独立した委員会でございます九・一一独立調査委員会が本年の七月二十二日に報告書を公表いたしておりますけれども、九・一一攻撃はウサマ・ビンラディン及び同人が率いるアルカイダにより引き起こされたというふうに記述をしているわけでございます。

大出委員 大体が、安保理を除きますと、まずはブッシュが言った、パウエルが言った、前のときのお答えもそうなんですね、あの国がこう言ったこう言ったと言うんですが、目に見える形での証拠だとは言えないんですね。これ自体、またなかなか日本の情報能力では難しいのかもしれませんけれども、常にその部分が、足元が、もともとの根本的なところが揺らいでいるような気がしてならないんですね。

 前も、証拠を見せてもらったという形で、別に国会に提示したわけではないわけでして、ほとんど、信じなさいということなんですね。ところが、あの大量破壊兵器がなかったことを見ても同じように、そう簡単に、そんなことで戦争になってしまっていいんだろうかというような気が実はしているんですね。

 この辺でいろいろなことが言われていて、マイケル・ムーアという監督はサウジアラビア説みたいなことを言っておりますけれども、十九人死んでいるということですからね、犯人は。

 そこで、それ以外で九・一一で捕まっている、今は被告になっているわけですが、その方々が今どういう裁きを受けてどうなっているのかについて、通告してありますので、お伺いします。

海老原政府参考人 私の方から、米国において拘束をされている者について答弁をさせていただきます。

 これは我々は現地の報道によって承知をいたしておりますけれども、ザカリアス・ムサウィ被告、この者は、第四巡回区連邦控訴裁判所からの差し戻しを受けまして、現在、東バージニア連邦地裁アレキサンドリア支部におきまして裁判が行われているというふうに承知しております。

 また、ファルーク・アリハイムードについては、二〇〇三年六月六日にこの人は釈放されているというふうに承知をいたしております。

 また、ナビル・アルマラブ、アユブ・アリカーン、モハメド・ジャウィード・アズマス、それからアルバデール・アルハズミがそれぞれニューヨークで、アフメド・ハンナン、それからアリム・コウブリティがデトロイトで、それぞれ身柄を拘束されていると承知をいたしております。

 いずれにせよ、これは我々も報道によって承知しているところでございまして、司法当局によってしかるべき対応がとられているというふうに考えております。

大出委員 今のはドイツで裁かれている人も入っていますか。

小松政府参考人 ドイツの関係につきましてお答え申し上げます。

 九・一一事件の実行犯、モハメド・アタらがハンブルクのアルカイダ細胞で活動していたということが言われておりまして、アルカイダ組織に関係していたといたしましてドイツにおいて起訴された者がおります。これはモロッコ出身の、一人はムニル・エル・モタサデク被告、もう一人がアブデルガニ・ムゾウディ被告、この両名が、モタサデク被告につきましては平成十四年に、またムゾウディ被告につきましては平成十五年に、九・一一事件の幇助罪でドイツにおいて起訴されたと承知しております。

 現状でございますが、このうち、前者のモタサデク被告につきましては、昨年二月にハンブルク州の高等裁判所、ここがこの事件の重大性にかんがみまして第一審と承知しておりますが、ハンブルク州の高等裁判所で禁錮十五年の判決を受けた。その被告側が控訴をいたしまして、本年三月、連邦通常裁判所の控訴審におきまして証拠不十分という理由で差し戻されて、ハンブルク州高等裁判所におきまして、本年八月十日から審理が行われていると承知しております。

 もう一人のムゾウディ被告につきましては、本年二月、ハンブルク州高等裁判所、これも一審でございますが、ここで証拠不十分ということで無罪判決が出されましたけれども、連邦検察庁が控訴をしていると承知しております。

大出委員 九・一一があったということで、関係者ということで捕まった方々が、かなり無罪になったり釈放されたりしているんですね。かなり、アメリカがやられたんだということで、通常の自由民主主義の国でないような状況での行き過ぎたところが多分あったんだと思うんですね。

 前にも安全保障委員会でお尋ねをしたことがあったんです。それは、首謀者であったという方に、パキスタンで捕まっているサイード・シェイクというのがいまして、これが仲介人を通して十万ドルを送っていたという話があって、それを聞いたことがあるんですが、現在パキスタンでパールさんという新聞記者殺しの罪で逮捕されているということになっていますが、このサイード・シェイクという方はどうなったでしょうか。

西宮政府参考人 お尋ねのサイード・シェイクにつきましては、二〇〇二年一月に発生しましたダニエル・パール・ウォールストリート・ジャーナル記者誘拐殺害事件の容疑者といたしまして、同年二月、二〇〇二年二月でございますが、パキスタン当局により逮捕されました。同年七月に、反テロ裁判所というのがございますが、そこで死刑判決が下されましたが、同人が上告いたしまして、現在もパキスタンのシンド州の高等裁判所で係争中と承知しております。

大出委員 なぜこの方を気にするかといいます

と、実は、サイード・シェイクにお金を送っていたのが、前回も確認をしましたけれども、パキスタンのISI、統合情報局、将軍ですが、マムード・アウマドという方が送らせていたということがわかっておりましたので、ですから、パキスタンの一部が絡んでいたわけですね。そういう中での話だったので、重大な話だったわけですよ。

 ですから、じゃ、このマムード・アウマドさんは、今どうなっているんですか。

西宮政府参考人 お答えいたします。

 マムード・アウマド前長官でございますが、この方につきましては、二〇〇一年の十月七日にムシャラフ大統領が軍幹部の人事異動を実施した際に退役いたしました。現在、この方は肥料会社の社長に就任しているというふうに承知しております。肥料会社でございます。

大出委員 もともとパキスタンの一部を通じてアルカイダを育てていたということがアメリカはあったわけなんですね。だから、そういう絡みなのかもしれませんが、この方が送らせたとわかっているわけですからね。この方に行き着かないというアメリカの司法制度というのはおかしいなと実は思っておりまして、この後はやみの中だから言いませんけれども、九・一一自体について、本当は、九・一一事件が起こるということがわかっていて、それを泳がせたのではないかという疑惑が今アメリカの中にあるわけです。そこで、日本としては、しっかりとその部分を調査して調べなきゃいけないんだと思うんですね。

 そこでお尋ねするんですが、あの事件で情報公開がされていないんですね。一つは、レーダーによる事故機の航跡。それからブラックボックスが、四機もあったんですよ、公表されていない。それから乗客名簿。通常は公表するんですよ。これも公表されていない。これは確認できますか。

海老原政府参考人 存じておりません。

大出委員 質問通告をしていませんから、今のを聞いてもそういうふうに答えるでしょう。それ以上は、調べてくださいね。それを言っておきます。

 それから、今回の件で大変不思議に思っているのは、テロという犯罪なわけですから、そうすると、ビルが倒壊したりすると、その倒壊した瓦れきというようなものは証拠物件ですから、すぐに片づけたりしないで普通は調査するわけなんですね。ところが、どうもアメリカという国は、事故調査に入っている人たちが調査できないような状況になっているんですね。

 どうしてかといいますと、鉄骨を切断して外へ出しちゃっているんですね。崩壊原因の検証調査官という人に権限が与えられていなくて、ごみ処理場だとかリサイクル場に運び込まれちゃっているんですね。アメリカ連邦緊急事態管理局現地対策本部というのが設置されているんですが、要するに、出されちゃっているわけですから、十分な調査ができないので、最終的には原因を確認することができなかったと報告しちゃっているわけですよ。

 その間にどんなことが起こっているかというと、四企業、処理会社が選ばれまして、それも、事件の当日に残骸処理を依頼されているんですね。三カ月間燃えていたんですからね、あれは。それで、トゥーリー・コンストラクション・オブフラッシングという会社が受注をしておりまして、英国系もAMECという会社が受注をして、処理方法を指示されて、三十キロ離れた島に全部持っていったんですね。さらに、ニュージャージー州で鉄骨のリサイクルをするようにと命じられたんだそうですよ。

 さらに、金属売買会社ラトナーは、リサイクルした鉄を一トン百二十ドルで中国のバオスティールという会社に五万トン売りつけているんですよ。これで、原因がわからないままで、その当日から売りに出しているということになっているんですよ。

 前からこのビルが倒壊したことについては、爆発音がしただとか、あるいは、外から見た方々が、閃光が六回も発したというのを見ているんですね。

 時間がなくなりましたから言いますが、非常にオーソドックスな、時系列を追ったような資料で調べてみたら一つだけ、事件が起こったのが、九・一一の最終的に八時四十六分が第一機、突入しているんですね。ところが、その二時間前、六時四十五分に、事件の二時間前ですよ、オーディゴ社、これはワールド・トレード・センターに入っている会社ですよ、オーディゴ社の二人の社員が、攻撃があるよということを、通報を受け取っているんですね。

 このオーディゴ社というのは情報通信の会社なんですよ。二時間前に、間違いなく、二人、本当はいろいろな資料を集めてくるともっといるんですが、オーソドックスに、普通にアメリカで知られている資料では、二時間前にオーディゴ社の二人はこのことを知って難を免れているという。ここがやはりこの事件の、本当は知っている人がいて、そのままほうっておいたのかということが疑問になるところなのではないかと思います。

 この点についてコメントはありますか。どうぞ。

海老原政府参考人 今委員がおっしゃいましたオーディゴ社の件につきましては、我々もなるべく誠実に御答弁しようと思いまして、調べさせていただきましたけれども、残念ながら我々の調査ではわかりませんでした。

 いずれにせよ、この件につきましては、発生直後の九月十一日にアシュクロフト米国司法長官が述べておりますけれども、アメリカン航空一一便は、ボストンからロサンゼルスに向けて離陸した、ナイフで武装した容疑者たちによってハイジャックされまして、同便はワールド・トレード・センターに突入した、ユナイテッド航空一七五便は、ボストンからロサンゼルスに向けて航行し、途中ハイジャックをされまして、同じくワールド・トレード・センターに突入した、アメリカン航空七七便は、ワシントンのダレス空港からロサンゼルスへ向けて離陸し、ペンタゴンに突入したというふうに述べております。

大出委員 せめて、先ほど三つのことを言いましたが、レーダーによる事故機の航路、それからブラックボックス、それから乗客名簿というのは、やはりちゃんとアメリカから見せてもらわなければ、どうなっているかがわかりませんので、それをまずよろしくお願いしたいと思います。

 そして、テロ特の関係で最後の質問をしますが、先ほど同僚議員からも質問があったように、今のアフガニスタンというのは、首都圏でも危ないとさっき質問していましたけれども、群雄割拠状態なんですね。それから、アフガニスタン、あとは、ケシ、麻薬ですよ、麻薬栽培が四〇%もふえているんですね。本来はその国をまともな国にしようとしているのが、逆になっているんですね。テロ特措法が予定している平和協力、協力しようというような状況じゃなくなっているんですよ。

 ですから、私は、テロ特措法の前提を欠いているから、とっとと十一月一日で帰ってきた方がよろしいですよと。先ほど大石尚子議員も、自衛隊の皆さん、四回も行っている船や三回も行っている船があるんですから、そういう意味では、いい潮どきだから、延長しないで帰ってくれ、帰せということを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

船田委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。

 テロ特措法の質問に入る前に、起きています人質事件、この問題について伺います。

 イラクの武装集団による日本人拘束事件が起きているわけですが、いかなる理由であれ、人質をとり、そして要求が入れられなければ殺害すると言って脅迫することは、許すことのできない蛮行であると私たちは考えております。また、そういう立場を昨日、志位委員長が発表したところであります。

 それで、その人質を直ちに解放することを求めるものでありますが、政府は、人命第一の立場から、その救出に全力を挙げるべきです。今の状況と政府の姿勢を答えていただきたいと思います。

町村国務大臣 今、赤嶺委員御指摘の人質の救出に全力を挙げる、これが今私どもの基本姿勢であることは御指摘のとおりでございます。志位委員長がそういう御発言をしていただいたというのは、大変ありがたいことでございます。

 私どもとしては、事件が起きてから、報道されてから、早々に、官邸にも、また外務省の中にも、また関係省庁、それぞれにおいて対策本部を立ち上げ、緊密な連携をとりながら、情報収集に努め、何とか無事に人質が解放できるようにということで努力をしているところでございます。

 特に、御家族ともまたよく連絡をとり、私も香田さんのお父さんにきのう電話をいたしまして、状況を説明しながら、今後の対応も緊密に連絡をとっていくということにしております。

 いずれにいたしましても、何とか無事に救出をしたい、こういうことでやっております。関係諸国の協力もまた必要であろうということで、イラク政府及び関係諸国への協力要請も行っております。さまざまな努力をしながら、一生懸命救出に向けて努力をしたいと思っております。

赤嶺委員 それでは次に、テロ特措法と関連した質問を行いたいと思います。

 九・一一のテロから三年が経過をいたしました。そして、今度基本計画の延長ということになりますが、テロの根絶、これを掲げてインド洋での米軍に対する支援活動を開始しているわけですが、この支援活動について政府の見通しが全く見えてきません。

 そこで、質問いたしますけれども、政府はこの活動をインド洋でいつまで継続するおつもりなのか、また、何らかの見通しを持ってこの計画延長を決定したのか、この点について伺いたいと思います。

大野国務大臣 テロ特措法というのは、御存じのとおり二年間の時限立法でございます。基本計画の期間につきましては、六カ月ごとに延長しております。

 したがいまして、物事の考え方は、弾力的に対処していくために、一定の期間は必要だけれども六カ月ということで判断していこう、こういう判断になっておるわけですが、その背景にあるもの、これは何かというと、もう言うまでもありません。九月十一日、九・一一のテロ行為が再びこの地球上に発生しない、これが最大のねらいでございます。

 そういう意味で、先ほど御報告申し上げましたとおり、四分の三ぐらいは掃討されたのかな。しかし、まだまだ残党がいる。その残党をどうやって組織的に壊滅していくか、資金的に崩壊させていくか、こういう問題が残っているわけであります。

 したがいまして、先生お尋ねの、これからどういう見通しを持っているか。

 現状においては、たびたび申し上げておりますように、米国を初めとする活動は、海でやっているものにつきましても、例えば艦艇の乗船検査が四月からでも五百回あって、その中でいろいろな武器が発見される、麻薬が発見される、こういう状態もありますし、また無線照会も一万件以上やっている、こういうのが現状であります。だから、現状では絶対必要である。

 そしてまた、これから先どうなっていくのだろうか。これは、かなりの労力も必要だし時間も必要ではないか、このように判断しているところでございます。

赤嶺委員 計画延長の議論のたびに、大体同じような答弁が返ってきています。

 アルカイダが何人逮捕されたとか言う割には、アフガニスタンの国内事情というのは極めて不安定である。先の見通しというのは、まだ労力が要るし長期間かかりそうだという、非常に先の見通しが見えないような、結局、手続に従って延長していく以外にはない。これが先ほど来から委員の皆さんから出ている批判の中身だと思うんです。

 それでまた、テロとの闘いという問題について聞きたいんですけれども、テロとの闘いを掲げてアフガニスタンに軍事攻撃を行って、政府もインド洋に海上自衛隊の艦船を派遣し、アメリカを初めとする派遣国に無償で給油支援活動を行ってきています。さらに、アメリカは、テロとの闘いを根拠にしてイラクに戦争を拡大いたしました。政府も、日本も自衛隊を現に戦闘の継続するイラク国内にまで派遣し、これにこたえてきているわけであります。

 そこで、お伺いしますけれども、このイラクの戦争がテロの根絶にとってどういう役割を果たしたと認識しているかという点であります。テロの脅威の除去、そういうこととの関係において、イラク戦争というのは肯定的な役割を果たしたのか、それとも否定的な役割を果たしたのか、長官はどちらだとお考えですか。

大野国務大臣 先生十分御存じのとおり、テロ特措法はテロの撲滅、九・一一事件のようなことが再び地球上で起こらない、これが目的でございます。イラク特措法の場合は、混乱の後のイラクの国の復興をする、そして民生を安定させる、これがねらいであります。したがいまして、自衛隊が活動しているのは治安の比較的安定している南部の方で、民生の安定と復興とをねらいとして活動しているわけであります。

 この日本がやっておりますイラクの人道支援活動が一体テロにどういうような問題を投げかけているのか、これが先生のお尋ねかと思いますけれども、私は、この間、ムサンナ県のハッサーニ知事とお目にかかったときに……(赤嶺委員「質問はそこじゃないです。イラク戦争がテロの脅威の根絶にどういう役割を果たしたか」と呼ぶ)今から申し上げるつもりであります。(赤嶺委員「いやいや、サマワの話を始めるから。サマワの話は」と呼ぶ)だから、そのときのハッサーニの話で、治安が安定していくことがまたテロを根絶していく一つの道になる、こういうような話も出ました。

 やはり私は、このイラクで活動している自衛隊の皆様の活動が、それが治安の安定につながっていく、こういう面も見逃せない、このように思っております。

赤嶺委員 やはりサマワのことしか言わないじゃないですか。イラク戦争がテロの脅威の除去に肯定的な役割を果たしたのか、否定的な役割を果たしたのかということを聞いたんですが、いいです、長官、まともにそれにはお答えにならないで、サマワに限られて言いました。治安が安定することがテロの脅威の除去につながるということをおっしゃりたかったんでしょうけれども。

 そこで、イラクはもともと、治安が安定していたかどうかということとは別個に、イラクにはフセイン政権とテロリストとの関係というのはなかったわけですね。これはいろいろな調査報告の中で出ている。なかったにもかかわらず、今イラクがテロリストの主戦場になっている。これが現実の経過ではないですか。治安が安定するために自衛隊を派遣しました。イラクの治安を安定させるためにアメリカがイラク戦争を行いました。その結果、テロリストが暗躍していなかった国で、今やテロリストの主戦場になっている。これがこの間の経過だと思いますが、いかがですか。

町村国務大臣 これは、どういう問題の立て方をするのかということだと思うんですね。確かにそれは、サダム・フセインといういい意味でも悪い意味でも強力な独裁指導体制のもとで、テロリストが暗躍する余地は少なかったかもしれない。しかし、そういうサダム・フセインの統治しているイラクという状態が本当によかったんだろうかどうだろうか。

 私は、少なくとも、確かに、治安の問題、経済の問題、いろいろな課題が今イラクにあると思います。そういうイラクであったとしても、なおかつ、私は、多くの心あるとあえて申し上げますが、イラク国民が、サダム・フセインの時代に戻りたい、テロがなかったからあの時代の方がよかったんだという結論には至らないんだろう、こう思いまして、やはりそこはイラク人が今新たな思いで、しっかりとした民主的な、本当に国民の意思を代弁できるような政府をつくり、国づくりをしようという努力をしているときに、我が国自衛隊がそのお手伝いをするということは、私は大変重要なことだ、こう思っております。

 これはイラクのサレハ副首相が、かつて武力行使に反対していた人々は、武力行使の結果としてイラクでは内戦が勃発して人道危機が発生し、国として一つにまとまることができず、イラクは分裂するだろう、こういう主張をしていたけれども、実際にはそうしたことは起こっていない。

 確かに、今のイラク政府は暫定政府、未熟なところがたくさんあると思います。十二分に国内を統治できない部分もあると思う。しかし、これから来年一年かけて、選挙を通じ、新しい憲法をつくり、さらにそのもとで選挙が行われ、時間はかかっても、そういうプロセスを経ることによって、しっかりとした国づくりが行われ、そして貧困からもだんだん脱却してくれば、私は、遠回りなようでも、それが確かに間違いなくテロを撲滅していく大きな力として働いていくんだろう、かように考えております。そして、そのきっかけをつくったのがこの米軍を中心とする武力行使であった、私はこのように考えます。

赤嶺委員 ですから、全く問題の立て方が違うんですよ。テロの脅威の除去と言いながら、今テロリストの主戦場になっています、これはテロの脅威を除去するためにであります、こんな説明が納得できますか。イラクでそういうテロリストの主戦場になっていることがすなわちテロの脅威の除去につながりますという説明にしか今の外務大臣の答弁は聞こえませんでした。

 そこで、私はイラクだけじゃないと思うんですよ。テロの主戦場になってしまったイラクとともに、世界を見るとどうだという問題があります。イラクのそういう行動が逆に国際社会でテロリストを勢いづかせる結果になっているというのは、これは国際社会の各界から指摘されております。

 一例を挙げますと、先月イギリスの戦略研究所が発表しました年次報告、いわゆるミリタリーバランスによると、イラク戦争がテロリストをふやし、アルカイダのねらいを強化する結果となっていると。イラク戦争の結果を評価すると、そういうミリタリーバランスのような評価が出てきているわけですよ。そういうことについて否定できるんですか。否定できるんだったら、その根拠を挙げてください。

町村国務大臣 どうも委員の御議論を聞いておりますと、サダム・フセインのあの体制が未来永劫続けばよかったと……(赤嶺委員「そんなことは言っていない」と呼ぶ)おっしゃっているようになるんです。結果、そういうことになりますから、そういうような問題の立て方をするのは、やはり私はおかしい、こう思うんです。

 なぜテロが起きるか。それは、さまざまな要因があります。これは、国際政治学あるいは文化人類学、社会学、いろいろな形の分析があり得ると思います。それは、貧困がもとだ、あるいはイスラム原理主義という宗教がもとだ、あるいは民族間、部族間の対立がもとだ、いろいろな要素からテロリストというものは生じてまいるわけでありまして、今御指摘のように、米軍を中心とする武力行使があったから一挙にテロが世界じゅうに蔓延していったということではないんです。原因はもともとさまざまな形で存在をしていたということにこそ目を向けるべきだと私は思います。

赤嶺委員 外務大臣、外務大臣もきっとお読みだと思いますし、その知見もお持ちだと思うんです。

 私が指摘しましたのは、イギリスのミリタリーバランスの中で報告されていること、イラク戦争がテロリストをふやし、アルカイダのねらいを強化する結果になったと。これを否定できますか。これを否定できるんだったら、否定する根拠を挙げてください。いろいろ一般的に漠然と、テロリストはいろいろな形であらわれる、そういう話をしているんじゃないんです。イラク戦争の結果がどういう事態をテロの脅威の除去についてもたらしたかということで定めて評価をしたら、こういう評価になっている。これを否定できるんだったら、否定するその根拠を挙げてください。

町村国務大臣 私は、別にミリタリーバランスと議論をするつもりもありません。

 むしろ、やはり私どもはぜひこの国会で、今、どうやったらばこのイラクの状況をよりよくすることができるのか、あるいは、世界のテロを根絶するためにどういうことをやったらいいかということを議論していただくことが意味のあることであって、ミリタリーバランスの見解が正しいか正しくないか、そのことを私は今この場で議論するつもりはありません。

赤嶺委員 今、テロの脅威の除去を掲げて、そしてアフガニスタンへのインド洋での給油支援活動が展開されている。テロの脅威の除去だといってイラクで戦争が始まって、これに対してもアメリカの戦争の支援体制をとっている。

 外務大臣はさっき、イラクがテロの主戦場になっているということもお認めになった。そして、今のミリタリーバランスも否定されなかった。いわゆるイラク戦争がテロの脅威を拡大しているという報告であります。いわばテロの脅威の除去を考えるのであれば、まさに、ここについて、この三年間、この二年間のアフガニスタンの戦争から始まってイラク戦争に至るまでのアメリカの軍事力の行使、この行使が逆にテロの脅威を拡大したというこの事実に立って問題を考えていくべきではないかと思います。

 あと一つ質問を用意しておりましたが、ちょっと時間が過ぎてしまいましたので、きょうはこれで質問を終わりますが、ただ、そういうイラク戦争が開始されたことによって、イラクでも罪のない子供や女性が犠牲になっていますし、私はアフガニスタンも調査に行きましたが、アフガニスタンでもやはり戦争の犠牲になっているのは女性や子供たちだ。日本が支援している戦争というのは、罪のない子供や女性を犠牲にする結果しか招いていないし、テロの脅威の除去にはつながっていないということを厳しく指摘いたしまして、質問を終わらせていただきます。

船田委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 イラクにおける香田証生さんの人質事件、大変心を痛めております。イラクの聖戦アルカイダ組織と見られる武装集団が犯人という報道がなされておりますが、四十八時間以内に自衛隊が撤退しなければ人質を殺害するとの趣旨の声明を発表しており、本当に心痛の思いでございます。

 この武装集団は、みずからの要求実現のために人質をとる、要求が入れられないときには殺害をすると脅迫をする、そんなやり方は私どもは断固として許すわけにはいかない、こういうふうに思っております。

 ところで、私は、人質になった香田さんにイラク入国に当たっての不注意や軽率な行動があったとしても、政府としては、人質の解放、人命救助のためにあらゆる努力を尽くすべきだ、こういうふうに考えております。

 外務大臣のこれまでのお取り組みの内容についても報告がありましたのであえて答弁を求めませんが、一言だけ、御家族から私ども社民党にも、一日も早く解放されるように官邸や関係省庁にも要望を伝えてほしいという心情が寄せられておりますが、この家族の心情、要望については外務大臣の方にも届いておるでしょうか。そのことだけ。

町村国務大臣 昨日、十一時過ぎだったと思いますけれども、私自身、電話をお父様にいたしまして、お気持ちをお察し申し上げながら、私どもも全力を尽くしますと、こういうお電話をいたしました。その後、これは二十七日、昨日夕方ですが、私あてにあるいは総理あてに、お父様、お母様からの手紙が参っております。その中で、今委員言われたようないろいろ不注意もあったかもしらぬが、とにかく助けてもらいたいという切々たる気持ちを述べられたお手紙もいただいております。

 また、その後、大きな進展が十分にあるわけではございませんけれども、この委員会質疑が終わりましたらば、またお父様にお電話をして、最新の状況なども報告しながらしっかりと連携をとっていこう、こう思っております。

照屋委員 それでは次に、イラクにおける治安情勢あるいはサマワに限定した治安情勢についてお伺いをしたいと思います。

 イラク全体の治安情勢については、質問レクの段階で、外務大臣にお聞きしたい、こういうことを私はお伝えしてありましたが、サマワに限って防衛庁長官に意見を聞きたいと思います。

 八月十日に、宿営地外に迫撃砲弾と見られる着弾痕が三カ所確認された。八月二十一日の夜に、宿営地付近でロケット弾一発の着弾が確認された。それから、八月二十三日から二十四日未明にかけて、宿営地外で迫撃砲弾と見られる着弾痕を合計三カ所発見した。それから、十月二十二日の夜に、宿営地南端の空き地においてロケット弾一発を確認した、ただし信管はついていない。こういう、迫撃砲やロケット弾で自衛隊の宿営地をねらったと思われる事件が多発いたしております。

 それから、十月の八日には、サマワ中心部で日本の友好記念碑が爆破される事件も発生をしております。

 このことを踏まえて、サマワ周辺の治安は悪化をして深刻な状況であるという認識は持っておられるのか。また、これら一連の迫撃砲、ロケット砲の攻撃に照らして、陸上自衛隊がターゲットになっているのではないか、こういうふうな御認識は持っておられるのか。防衛庁長官にお伺いいたします。

大野国務大臣 サマワだけの治安の情勢でございますが、私の方からお答えいたします。

 まず、サマワにおいて、宿営地というのは、サマワの市街地、人口十五、六万でございますけれども、それから十キロぐらい離れたところでございます。したがいまして、昼間はまあまあ、砂漠地帯ですから、ロケットも迫撃砲も撃ってこない、夜になるとそういう現象が起こってくる、こういうところであります。このサマワがあるムサンナ県というのはイラクの南東部でございまして、南東部というのは、他の地域に比べますと治安は安定していると言われているところでございます。

 そこで、今回、先生おっしゃるような幾つかの、七回目でございますけれども、七回目の事件は、宿営地の中に落ちたロケット弾、八十センチぐらいの大きさのようでありますけれども、これに信管がついていない。一つ、北から撃ってきたんだけれども、本当にこれは自衛隊をねらってきたのかどうか、これはきちっと調査していかなきゃいけない。二つ、なぜ信管がついていなかったんだろうか、これも調査していかなきゃいけない。こういう問題があります。

 ちょっと横道にそれますけれども、この件につきまして、昨夜、私、現地の自衛隊……(照屋委員「ちょっと結論を」と呼ぶ)はい。それでは、現地は動揺していないということだけ申し上げたいと思います。

 それから、現地の武装団等とオランダ軍との間の衝突、現地ムサンナ県の幹部に対する攻撃、あるいは、先ほど先生おっしゃいましたけれども、モニュメントに対する攻撃、やはり厳重に注意していかなきゃいけない、ウオッチしていかなきゃいけない事態は生じております。

 ただ、こうした一連の事案が直ちに自衛隊の人道復興支援活動に影響を及ぼしているものではありません。また、現地治安機関による治安確保への努力も続けられているところでございます。

 我々防衛庁といたしましては、イラクの治安情勢につきまして、全般としては、本当に予断を許さない、厳重に監視していく必要があると思っております。サマワについては、イラクの他の地域に比べれば安定しているということを申し上げておりますけれども、テロ等の可能性を否定することはできませんという意識でございます。

 いずれにしましても、最近サマワで生じておる一連の事案も踏まえつつ、現地の情勢については、予断することなく、引き続き細心の注意を払ってまいります。

照屋委員 何かいつもの大臣の歯切れのいいお話しぶりとは違うような、よく要領を得ませんでしたが。

 最後に、沖縄の米軍基地というのはイラク情勢と深く連動しておりまして、八月十三日に沖国大へ墜落したCH53D型ヘリコプターというのは、既にイラクへ行っております。それから、もう三千人以上、五千人とも言われる海兵隊が沖縄からイラクへ派遣をされております。それで、沖縄から派遣をされた海兵隊の部隊の構成、それから普天間のヘリ部隊、これについて具体的にお聞きをしたいということと、質問通告をしておりました米軍再編との関係では、一点だけ外務大臣に。

 極東条項についての政府の統一見解が二十一日に示されました。ぜひ厳守をしていただきたいというふうに思いますが、沖縄との関連で、アメリカの陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間への移設を日本政府が拒否した場合に、沖縄の基地の整理縮小、沖縄の負担軽減は進まない、悪影響を受けるという防衛庁幹部の発言がしばしばマスコミで報道されておりますけれども、その点については長官はどういう御認識なのか。外務大臣も、もし意見があればお聞かせいただきたいと思います。

町村国務大臣 厳密に言いますと、米軍の運用の一つ一つについて私どもが詳細を承知しているわけではございませんが、米軍側が既に発表しているところによりますと、在沖縄米海兵隊からイラクに派遣された部隊、これは、本年の二月から三月にかけて、第四海兵連隊の三個歩兵大隊約三千人、それから、本年八月に派遣された第三一海兵機動展開隊約二千二百人などがある、このように、これは米軍が公表をしております。

 また、イラクへのヘリコプターでございますけれども、先ほど委員お触れになったCH53Dヘリ、これはイラクへ六機派遣されている、これも米軍の公表でございます。

 なお、沖縄について、さっき座間のお話もございましたが、沖縄と座間の関係等、あるいは座間をどうするというようなことを具体にまだそう論じているわけではございませんで、すべて、いろいろな報道は、現状、ある種の憶測記事であったり、断片的な情報であったりしているんだと私は思います。これから具体の議論に入っていくこともあろうかと思いますが、まだ現状、そういうところには至っておりません。

 しかし、いずれにしても、私ども、今回、米軍再編成に当たっては、もちろん安保条約の持つ抑止力というものを維持するということが一つは大切だ。それと同時に、沖縄の皆さん方に大変過重な負担を担っていただいている、これを軽減するということは、今回の再編成に当たっての日本側の基本姿勢の一つである、こういうふうに私どもは考えておるものですから、どこどこがどうなったから沖縄の方にそれを軽減しないとかするとか、そういう関係には立たずに、私どもは、とにかく沖縄の負担を軽減するということを一つの大きなポイントとして今回の再編成議論に取り組んでいきたい、かように考えております。

大野国務大臣 沖縄の過重な負担、私は、一九九五年、少女暴行事件が起こったときに沖縄へ伺いましたけれども、全国の米軍が持っている基地、施設の七五%を沖縄で負担していただいている、この過重な負担ということ、本当に胸の詰まる思いでございました。

 そこで、その後、SACOで沖縄の負担を減らしていく。その中で、普天間飛行場の辺野古への移転問題というのがどういうふうになっていくか。計画では、もう四月に環境調査もしておりますし、ボーリング調査も始めたところでございますけれども、この問題、長過ぎるじゃないかとおしかりがあります。この工期を短縮すること等を考えております。

 ただ、トランスフォーメーションについては、もう町村大臣おっしゃったとおりでございまして、具体的にどうのこうのという話じゃなくて、これから話を進めていく。しかし、その中の大きな大きな原則というのは、抑止力を維持しながら、沖縄を中心として過大な負担を減らしていくことだ、このような方針に基づいてやってまいりたい、このように考えております。

照屋委員 終わります。

船田委員長 次回は、来る十一月一日月曜日午後三時十五分理事会、午後三時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十一分散会


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