衆議院

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第3号 平成28年3月23日(水曜日)

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平成二十八年三月二十三日(水曜日)

    午後二時開議

 出席委員

   委員長 江崎 鐵磨君

   理事 穴見 陽一君 理事 武村 展英君

   理事 永岡 桂子君 理事 原田 憲治君

   理事 堀内 詔子君 理事 井坂 信彦君

   理事 中根 康浩君 理事 國重  徹君

      青山 周平君    池田 道孝君

      小倉 將信君    大西 宏幸君

      大見  正君    岡下 昌平君

      加藤 鮎子君    勝沼 栄明君

      門山 宏哲君    木村 弥生君

      小林 史明君    後藤田正純君

      國場幸之助君    佐々木 紀君

      田畑 裕明君    武井 俊輔君

      中谷 真一君    比嘉奈津美君

      前川  恵君    前田 一男君

      金子 恵美君    西村智奈美君

      升田世喜男君    本村賢太郎君

      柚木 道義君    古屋 範子君

      吉田 宣弘君    梅村さえこ君

      清水 忠史君    丸山 穂高君

    …………………………………

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            河野 太郎君

   内閣府副大臣       松本 文明君

   内閣府大臣政務官     酒井 庸行君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     川口 康裕君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    井内 正敏君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    菅久 修一君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    福岡  徹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀江  裕君

   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十三日

 辞任         補欠選任

  大塚 高司君     中谷 真一君

  金子めぐみ君     勝沼 栄明君

  鴨下 一郎君     門山 宏哲君

  小島 敏文君     青山 周平君

  比嘉奈津美君     大見  正君

  田島 一成君     本村賢太郎君

  水戸 将史君     升田世喜男君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     國場幸之助君

  大見  正君     比嘉奈津美君

  勝沼 栄明君     佐々木 紀君

  門山 宏哲君     鴨下 一郎君

  中谷 真一君     大塚 高司君

  升田世喜男君     水戸 将史君

  本村賢太郎君     田島 一成君

同日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     池田 道孝君

  佐々木 紀君     金子めぐみ君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 道孝君     小島 敏文君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件


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     ――――◇―――――

江崎委員長 これより会議を開きます。

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として消費者庁次長川口康裕君、消費者庁審議官井内正敏君、消費者庁審議官菅久修一君、消費者庁審議官福岡徹君、厚生労働省大臣官房審議官堀江裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

江崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。初めに、原田憲治君。

原田(憲)委員 自由民主党の原田憲治でございます。

 質問の機会をいただきました。十分ということでありますので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。

 先日の河野大臣所信の中で、軽井沢のスキーバスの件について御発言をいただいておりました。そのことについて質問させていただきたいと思います。

 消費者委員会といいますと、どちらかというと、私は、おととし所属をいたしておりましたときには食品偽装問題というのが大きな問題になりまして審議をしたことを覚えておるんですが、国土交通省の問題かなと思っておりましたけれども、さすが河野大臣、消費者の立場でこの事故を考えるべきだということだと思いますけれども、発言をいただいておりましたので、その点について質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、バスの事故、犠牲となられた十五人の皆さんの御冥福を改めてお祈りいたしますとともに、まだけがの後遺症等で悩んでおられる方もおいでになるようでございますので、一日も早いけがの回復を望むものでございます。

 あのバス、ドライバーの未熟というんでしょうか、いろいろな原因はあると思います。ただ、やはり労働条件が相当過酷なものであったのではないかな、私はこのように思っていますし、わざわざ、ドライバーが、私は小型のバスしか乗ったことがなくて大型のバスはふなれでというような発言をしておるのに、バスに乗務をさせたということ、これは大きな問題だと思います。

 それよりも何よりも、やはり適正な価格というものが設定をされておる中で、ダンピングといったらいいんでしょうか、相当安い値段でバスをチャーターしたというか、事業者の側からいいますと使用を承諾したということ。それから、もう一つ懸念を持っておりますのは、恐らく、宿泊の方も何らかの形で、バックマージンを払うとかそういったことで、安いツアーが成り立っておるのではないかなと思います。

 今回のように痛ましい事故が起こってこういう問題になっておるんですけれども、もし何事もなければ何の問題にもならなかったというか、注目もされなかったのではないかなと思います。

 私は、このようなことが決してあってはならないと思います。

 このバスの事業者、そして旅館というんでしょうか宿泊先、それからツアーを募集したツアー会社、これらが一体となって、法の違反といいましょうか、安さというものを追求して、追求というかそれを売り物にして、学生さんのことでありますから、できるだけ安い料金でツアーに参加できればいいなということで考えておられた皆さんが痛ましい犠牲になられたということであります。

 このようなことが二度と起こらないように、大臣、ぜひ、消費者庁の立場としてもこの問題をしっかり捉まえていただいて、今後どのようにしていかれるおつもりなのか、その辺のところをお聞かせいただければ幸いでございます。よろしくお願いします。

河野国務大臣 これまでバス旅行というのは、どこへ行くかということと幾らで行けるのかという、それぐらいで選んでいた方が大勢いらっしゃったのではないかと思うんですね。どこに行くかというのはなかなか動かせませんから、ここへ行こうと思えば、その中で一番安いものを選ぶということが常だったのかもしれません。ただ、そうすると、今おっしゃったように、いろいろなところに無理が来る、それがひいては安全性を損なうということにつながっていた側面があったということは否定できないのではないかなというふうに思っております。

 海外旅行へ行くときのパンフレットなんかを見ますと、どこへ行く、何日間、幾らでという以外に、例えば、ホテルはこういうクラスのホテルへ泊まる、こんな部屋に泊まる、あるいはこういう観光地はこういう見学の仕方をしますということがいろいろ書かれていて、そんなものを総合的に勘案して、では、このツアーに申し込もうということになっているわけでございます。

 日本のバス旅行もそろそろそういう要素を入れるべきかなと思っておりまして、日本バス協会のようなところが、それぞれのバス会社を安全性の面からランキングをして、三つ星から一つ星まで星をつけております。今まではほとんど話題にもなりませんでしたし、バスを見てもどこに星がついているんだかよくわからないみたいなところがございましたけれども、やはりこれだけバスの安全性というところに消費者の方も今気が向いているわけでございますから、我々消費者庁といたしましては、こういう制度を積極的にPRしていって、三つ星のバスなのか二つ星のバスなのか、バス旅行を選ぶときにはそうしたことも考慮の対象にしてもらう、そんなふうにしていきたいと思っております。

 値段だけでなく安全性というところについても考慮してもらえれば、安全性に投資をしているバス会社というのがむしろお客さんがたくさん来てくれて売上利益が上がるんだということになれば、安全性に投資をするのは決して無駄ではない、あるいはマーケティングの方法として極めて効果的なんだということになれば、それでお客さんを呼び寄せることができるようになる。そうすると、もっと安全にきちんと投資をしよう、そういうインセンティブも出てくるようになるだろうと思いますので、消費者庁としては、そうしたところを少しPRして、値段だけではなく安全性にも気を使っていただいてバス旅行を選んでいただける、そんなようにしていきたいと思っております。

江崎委員長 原田憲治君、時間が迫っております。簡潔に御質問願います。

原田(憲)委員 大臣、ありがとうございました。

 まさにおっしゃるとおりで、まあ、今おっしゃっていただいたバス協会に加盟していない事業者もおります。バスということだけで、乗る方はわからない、行ってみて、何だこのバスは、こんなに古いバスに乗るのかというようなことも出てきているようですので、事故があったときの対応等、しっかりと事業者を指導していただくようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

江崎委員長 次に、木村弥生さん。お願いいたします。

木村(弥)委員 自由民主党の木村弥生でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、昨日もニュースになっていました振り込め詐欺に関して、消費者庁の取り組みについてお尋ねしたいと思います。

 今から話す話は実話でございます。

 昨年の十月の十六日、私が地下鉄に乗っておりましたときに、携帯に七十四歳になる母から着信がありまして、ショウちゃんとは私の息子で、母にとっては孫なんですけれども、今二十五歳で会社員をしておりますが、ショウちゃんから電話があって、仕事先でかばんをなくした、どうしよう。それは振り込め詐欺だから相手にしなくていいと地下鉄からおりて言ったら、でも、それは本人の声だったと。違うから、そんなのは私にかけてくるはずだから違うからと説得しまして、その後すぐ息子や妹に連絡をとりまして、事なきを得ました。

 というような話をしますと、多分、皆様の中では二つの仮説をイメージされていると思うんですね。一つは、木村弥生のお母さんはきっと箱入り奥さんで、余り世の中のことを知らないんだろう、世間知らずなんじゃないか。二つ目は、孫ももう二十五歳だし、なかなかコミュニケーションをしないから声がわからなかったんだろう。

 多分この二つをイメージされたかと思うんですけれども、まず一番、私の母は四十年間政治家の女房をやっておりましたので、非常に世の中のことをよくわかっておりますし、ニュースもたくさん見ております。二つ目に関しましても、息子は非常にじじばばっ子で、今でも、今、私も都内に住んで、実家の江東区から大体五十分ぐらいのところに住んでいるんですけれども、しょっちゅう祖父母の家に遊びに行ったり泊まりに行ったりしておりますので、声を間違えるはずがないんですね。

 私は、認識を改めましたのは、今まで、こういった振り込め詐欺に遭う高齢者の方は今の一、二を満たしている方たちだとばかり思っておりましたが、自分の母を通して、そういうわけではなかったのだと改めて知った次第でございます。

 今、皆様のお手元にございますように、もう御存じのとおりです、どんどん超高齢社会となっていく中で、高齢者の方がふえていく。きのうのニュースも、お孫さんからの電話だと本当に勘違いして、千四百五十万円ぐらいだまし取られた、それも、最初にばあちゃんと言われて、もうすっかり孫だと信じ込んでしまった、そういうニュースでございました。

 そこで、大臣が所信のときに、「消費者の安全で安心な暮らしを守るため、消費者庁は常に牙をむき、必要なときはそれを積極的に使わねばなりません。」と力強い所信を表明されていらしたわけでございます。

 一つの取り組みとして、例えば、振り込め詐欺、そういった不審な電話による悪質商法に対しての有効な対策として、幾つかの行政で既に、留守番電話の設置に助成金を出すとか、そういった取り組みをされているそうなんですね。通話録音装置というのを例えば行政が無償貸与するとか、そういう取り組みを行っている。私が聞いたところによりますと、留守番電話だと、やはり自分の声が残るのがちょっとよくないと思うのか、すぐ電話を切るパターンというのが多いんだそうですね。

 というわけで、実母を通して振り込め詐欺を実感した木村といたしましては、今後、こういった被害対策をどのように積極的に取り入れられるのでしょうか、お尋ねいたします。

江崎委員長 河野太郎国務大臣。

 そちらでいきますか。本当は大臣に対してでしょう。(木村(弥)委員「ごめんなさい、あの」と呼ぶ)

 そうしたら、川口次長。

川口政府参考人 それでは、私から、御指摘いただきました通話録音装置のところだけ御説明させていただきます。

 通話録音装置は大変有効な手段ということで、各自治体で取り組みを始めているところがございまして、消費者庁としては、各自治体のいろいろな工夫で各地の事情に応じた取り組みが可能となるように応援するということで、地方消費者行政推進交付金というものを運用することにしております。

 御指摘の通話録音装置を活用した取り組みについては、この地方消費者行政推進交付金を活用した、国と地方の連携により強化策を進めている先駆的プログラムというのがございます。これは、国から提案する政策テーマの中に、御指摘の通話録音装置を入れております。

 今後、この通話録音装置の貸与を初めとする高齢者等の消費者被害の防止の取り組み、これは、政策テーマに入れますと、自治体から手を挙げてきますとそこに十割交付金を使えるということで、通話録音装置を取得してそれを貸与できるということでございます。

 既に問い合わせも来ているところでございまして、こういう各種仕組みを使いまして、高齢者がどこに住んでいても質の高い相談、救済が受けられるよう努力をしていきたいということでございます。

 以上でございます。

木村(弥)委員 委員長におかれましては、済みません、もともとの案件が所信に対する質疑ということで、大臣が、常に牙をむくような、攻める消費者行政でというところで、そういった高齢者の被害の対策にどのように取り組むかということを、省を通じての所信を伺いたいと思った次第でございますので、混乱を招いてしまって、おわび申し上げます。失礼いたしました。(松本副大臣「委員長」と呼ぶ)

 お願いいたします。

松本副大臣 きちっと答弁できるかどうかわかりませんけれども、委員のお父様とは長い間都議会で御一緒させていただいて、お母様もよく承知をしております。今こういう答弁の立場に立つとは夢にも思っておりませんで、大変失礼をしておりますが、えにしの深さを感じます。

 消費者庁、御承知のとおり、二十八年四月一日から施行される、今度の四月一日から施行される消費者安全法の改正によって、消費生活相談員の職及び任用要件等が法律上に位置づけられるということでございます。こうしたことから、地方公共団体の中で、消費生活相談員がその職務と能力にふさわしい専門職としての適切な評価を得られ、そして消費生活相談員の処遇改善ということにも資する。

 地方消費者行政強化作戦、こういったものを私たちは立てておりまして、消費生活相談員の確保、質の向上に向けた地方公共団体の取り組みを地方消費者行政推進交付金という予算を通じて支援をし、そして、消費者庁長官から地方公共団体の首長宛ての通知等を発出するなどして、雇いどめの見直しであるとか相談員の処遇改善であるとか、一番最初の、消費者が相談を持ちかけていただくその入り口、ここのところの充実に全力を尽くしているところであります。

 私どもとしては、改正消費者安全法を円滑に施行して、交付金の活用などを通じて周知を図りながら、消費生活相談員がその役割に見合う処遇を受けられるよう、引き続き地方公共団体の取り組みを支援してまいりたい。

 なお、振り込め詐欺のお話がございました。

 許しがたい、日本人としてまことに恥ずかしいことだ、こう受けとめておりまして、各省、警察の方々にも御協力をいただきながら、地域の自治会の皆様方にも御協力をいただきながら、何としてもこれを撲滅したい、こう考えておりますので、今後ともよろしくお願いをいたします。

木村(弥)委員 松本副大臣、ありがとうございました。父が、都議、衆議院と大変お世話になりました。ありがとうございます。

 本当に許しがたい犯罪でございます。親子の情につけ込む許しがたい犯罪である、本当にそのとおりなんです。

 その一方で、実は私、昨年、通常国会が終わりましてから、乳児院、児童相談所、児童養護施設、それから少年院、更生施設と、個人的に視察をしてまいりました。そこで少年院の所長さんから聞いた言葉で、今の少年院に入っている人たちというのは、ちょっと昔の、暴走族とかそういった暴力的な感じの人たちではないそうなんですね。大体、ネグレクトを受けて、虐待を受けて、自分を大切にすることを知らない、相手を信用することに戸惑う、職員の愛情を試す言動が多い。そんな中で、寂しさの余り、LINEとかで緩い感じで集まって、誘われて、仲間外れになりたくなくて、振り込め詐欺に軽い気持ちで加担してしまう、そういった子たちが多いんだという説明を受けて、その言葉が胸に刺さって仕方がありません。

 そこで、この四月から消費者安全法の改正法が施行されると聞きました。地域の見守りネットワークというものが全国に整備されていくと聞いております。その地域見守りネットワークには、もちろん高齢者や認知症の方々もいらっしゃると思いますけれども、そういった虐待のリスクのある御家庭、子供だけではなくて、貧困などさまざまな問題がある中で親の就労支援とか、そういったものも必要ではないかと思います。

 そのネットワークには、消費者団体や医療機関、教育機関、病院、そしてまた民生委員等の連携をしていくといったお話を伺いましたけれども、私は、何よりやはり民生委員、児童委員との連携も進めていっていただきたいと思っております。

 そこで、質問でございます。

 この地域見守りネットワークに対しての意気込み、そしてまた民生委員等の地域との連携についてお聞かせください。

堀江政府参考人 お答えいたします。

 民生委員は、全国約二十三万人が厚生労働大臣から委嘱されまして、地域における最も身近な相談相手として、さまざまな課題を抱える住民への相談支援や訪問、見守り活動など、住民ニーズを踏まえた多様な活動を行っていただいておりまして、また児童委員も兼務していただいている格好になってございます。

 先ほど来、委員の方から振り込め詐欺のような話もございましたけれども、民生委員の活動を行う中で、消費者保護の観点から、これまでも振り込め詐欺などに関します注意喚起といったようなことに協力をいただいておるところでございます。

 例えば、鹿児島県では、民生委員の人たちが中心となって、素人劇団で振り込め詐欺を寸劇で見せて予防を呼びかけるですとか、山梨県の富士吉田市では、民生委員らを高齢者ヘルパーといった格好で自治体の方が任命して、振り込め詐欺ですとか交通安全だとかに特に注意をしていただくような取り組みもしてございます。

 こういう背景もございますので、厚生労働省といたしましては、平成二十八年四月に消費者安全法に基づきます地域協議会が施行されました際には、民生委員がそこに積極的に参加することを進めていくことと考えてございまして、こうすることによりまして関係者相互の知識や情報を共有する、それは地域における効果的な見守りネットワークを構築する上で有用なのではないかというふうに考えているところでございます。

 これに向けまして、厚生労働省と消費者庁では既に連携協力をしておりまして、消費者庁では、地域協議会の運営ガイドラインの中で、その構成員の例示として民生委員を位置づけていただいておりますし、厚生労働省では、各都道府県福祉部局に対しまして、地域協議会の運営ポイント等につきまして周知を行っているところでございます。

 今後とも、地域協議会が実施されました際には、効果的な消費者の見守りネットワークが構築されますよう、引き続き、消費者庁とも連携を密にして、必要な協力を行ってまいりたいと考えてございます。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 私は、ちょうど民生委員と児童委員の勉強会にも参加しておりまして、昨日、朝の八時からの勉強会の中で、同志社大学の上野谷先生という女性の先生とちょっとそういう話をいたしまして、ぜひこういうのをつなげていってほしいと。残念ながら、日本というのは、そういういろいろな機関をつなげる役割に予算をつけるといった、そういう文化がない、ぜひ消費者庁の方でやっていってもらいたい、そういった期待の声もありましたので、お伝えさせていただきます。

 私は、消費者庁が、非常に全国的な、きちんと結ぶ力を、ポテンシャルを持っているということをこの委員会に入るまで余りよく存じ上げませんで、これはやはりまだなかなかアピールが足りないんじゃないかと。もともと私は日本看護協会の広報の仕事をしていたものですから、そういった広報戦略というのをこれからぜひ進めていただきたいと思っております。

 例えば一八八、なかなか、ちょっと一八九と間違える人も多いそうで、まだまだ進んでいないというところでございますけれども、このホットライン、また、消費者教育等も必要な中で、これからどうやってアピールを進めていくおつもりなのか、最後に大臣に意気込みを聞かせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

河野国務大臣 三桁で消費相談ができるようにしようということで、一八八という番号にいたしました。一八九、「いちはやく」というのはもう先にとられたものですから、一八八、「いやや」と今言っておりますが、認知度が六・四%ということで、大変苦戦をしております。何か、月九のドラマの視聴率よりも下みたいな感じになっておりますので、この一八八というのを折に触れてPRしてまいりたいと思っております。

 何もやっていないわけではなくて、マイナンバーとか電力小売自由化などのいろいろなイシューが起きるたびに、相談は一八八へと言って電話番号もあわせてやったり、記者会見のときには後ろに一八八のポスターを張らせてもらったり、いろいろなことをやっておりますが、正直、まだまだ足らないというのが現実です。

 チラシやポスターなどでもPRに努めておりますけれども、やはりもっともっと爆発的に、せめて一一〇番、一一九番並みに一八八を売り出すためにどうしたらいいかというのは私も一生懸命考えていきたいと思っておりますが、ぜひこの委員会の委員の皆様にも先兵となって一八八のPRをしていただきたいというふうに思っております。

 消費者庁としては、みんなで知恵を絞ってこれからもPRに努めてまいりたいと思いますので、どうぞ御支援、御協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。

木村(弥)委員 ありがとうございました。

 ぜひ私も委員の一人として一八八の啓発普及に努めたいと思っております。

 私は厚生労働委員でもありますので、今、「いちはやく」も、周知はされてきたものの、なかなか、つながるまでに、一一〇番や一一九番のように、すぐ地域の児相につながるようなシステムにはなっておりません。案内が長いので途中で切ってしまうような、そういった例も指摘されているところでございます。「いちはやく」、そしてまた一八八、この二つが非常に皆様に広まるように、微力ながら努めてまいりたいと思います。

 いろいろと、ちょっときょうは混乱を招きまして、大変失礼いたしました。大変参考になりました。ありがとうございました。私の質問をこれで終わりにさせていただきます。

江崎委員長 どうも、木村委員、貴重な御質疑、ありがとうございました。

 引き続いて、國重徹君。お願いします。

國重委員 公明党の國重徹でございます。

 本日は、河野大臣の所信表明に対する質疑をさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

 河野大臣は先日の所信表明におきまして、我が国の経済の中で、個人消費が占める割合は約六割にも上る、消費者の安全が確保され、安心して消費ができるように取り組むことは、消費者行政の大目的であることはもとより、ひいては我が国の未来を左右し得る重要課題であるとおっしゃいました。そのとおりだと思います。その上で大臣は、どこにいても質の高い相談、救済を受けられるよう、地域における消費者行政の体制の全国的な整備を進めていく、こうもおっしゃいました。

 消費者被害を最小限に食いとめるための第一歩として、何か問題が生じたときに相談できる窓口が自分の身近な自治体にある、このことは極めて大事なことでございます。

 この点、平成二十七年三月の消費者庁の調査によりますと、市町村の消費者相談窓口の未設置自治体、これがゼロになった。つまり、相談体制の空白地が解消されたということですけれども、これは大いに評価できることだと思います。

 しかし、大臣、他方で、現実には、相談体制の空白地が解消されたといったとしても、市町村全体のうち消費者行政を担当する職員について、これは平成二十七年四月一日時点なんですけれども、専任職員が配置されている市町村数というのは全体のたったの一割強にすぎなくて、兼務職員が実に九割弱を占めております。しかも、兼務職員が一名で対応している市町村というのが四割弱もあります。

 このような状況で、果たして、大臣のおっしゃるような、どこにいても質の高い相談、救済を受けられる体制を整備していると言えるのか、消費者行政に取り組むには余りにも非力な自治体も多いんじゃないか、こう思うわけでございます。

 そこで、今後、未設置自治体が今ゼロですけれども、これらの相談窓口が実質的にどれだけ機能しているのか実態を調査、検証した上で、必要に応じて相談窓口を真に機能させるための措置また支援を講じていくことが必要だと思いますけれども、これに関する政府の見解を伺います。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者庁で毎年実施しております地方消費者行政の現況調査によりますと、平成二十七年四月一日現在で、全国五千百八十三人の消費者行政担当職員のうち七一・一%が兼務となっております。また、同調査によりますと、全国に三千三百六十七人の消費生活相談員が配置されており、その九三・七%は専任で職務に当たっているところでございます。

 地方公共団体における消費生活相談体制につきましては、消費者行政担当職員と消費生活相談員が緊密に連携して行われることが重要と認識しております。

 消費者庁としましては、消費者行政担当職員の能力や専門性の向上の観点から、レベルアップのための研修に係る費用につきましては、地方消費者行政推進交付金等により支援しているところであります。

 引き続き、地方公共団体の実態把握に努めるとともに、委員御指摘のような問題が生じないよう、消費者行政ブロック会議等の場を通じまして地方公共団体とも意見交換を行いながら、きめ細かな対応や働きかけを行ってまいりたいと考えております。

國重委員 ぜひ、しっかりと実施していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、消費生活相談員の処遇改善についてお伺いをいたします。

 消費生活相談員とは、専ら消費生活相談の業務についている方たちのことをいいますけれども、現在はほとんどが非常勤職員か民間委託先の職員として採用されております。

 具体的には、昨年度の消費生活相談員の勤務形態別内訳によりますと、常勤職員は九十二名、これに対して臨時、非常勤職員はその約三十倍の二千六百六名、民間委託は六百六十九名。常勤職員は定期的に人事異動があって、停滞とか癒着とか惰性に陥らないように適宜の異動が必要なんだ、そこで、三年が原則、五年を上限とするのが一般的な状況のようです。

 ただ、消費生活相談を覚えたとしても、ほかの業務に異動すればまた振り出しに戻っちゃう。この異動サイクルでは専門性を身につけることが難しい、こういったことが、消費生活相談を常勤職員ではなくて非常勤職員に任せる理由とされることもあるようです。

 ただ、非常勤職員は常勤職員と比べて当然給料も低い、また、報酬を時給に換算すると平均して千五百円前後。どれだけ頑張っても昇進もない、昇給もない、年度末は職を失う不安にもさらされる。さらに、いわゆる雇いどめをしている自治体もあります。

 こういったことから、管理者側からしても、能力、適性のある人がなかなか応募してきにくい、あるいは民間の正社員に転職された、こういった嘆きの声も出ております。

 消費者相談の質の確保、向上を図るために、平成二十八年度から消費生活相談員の国家資格制度がスタートしますけれども、質の向上のためには、やはり消費生活相談員の処遇の改善も必要でございます。そうでなければ、消費者被害を十分に防いでいくこともできません。

 河野大臣自身、消費生活相談員がその能力を十分に発揮できるよう、いわゆる雇いどめの見直しを含めた処遇改善に取り組むとおっしゃっておられます。

 そこで、消費生活相談員の処遇の改善に向けて、今後具体的にどのように取り組んでいくのか、大臣の意気込み、見解、決意をお伺いいたします。

河野国務大臣 ありがとうございます。

 この消費生活相談員は、この四月一日から法律の中で位置づけられるということになりました。これを一つの起爆剤にしてまいりたいと思っております。消費生活相談員の方々の専門化、専任化、常勤化、そしてレベルアップというのが避けて通れないと思いますし、それが必要なんだというふうに思っております。ただ、現状はかなりまだまだ、道半ばというか道遠いという現実でございます。

 一つは、地方消費者行政推進交付金というのがございますが、これは県内で雇いどめをする市町村が多いと減額をされていくということになります。ですから、なるべくこの交付金が減額されないように、市町村には雇いどめをしないでくださいというふうに都道府県その他から働きかけをしてもらう。もちろん消費者庁も、雇いどめをなるべくしないようにというお願いはしてまいりたいというふうに思っております。

 法律的にも位置づけられますし、資格というふうになるわけですから、この機会を逃さず、処遇改善に向けてやれることは一生懸命何でもやってまいりたいというふうに思っておりますので、どういう状況にあるか、細かくデータをとりながら進めてまいりたいと思っております。

國重委員 今大臣がおっしゃったこの機会、国家資格制度がスタートする本年度、この機会を逃さず、ありとあらゆる手段を講じていくということで、ぜひよろしくお願いいたします。

 続きまして、高齢者等の消費者被害の防止策についてお伺いいたします。

 平成二十七年版の高齢社会白書によりますと、我が国の総人口は平成二十六年十月一日時点で一億二千七百八万人、そのうち六十五歳以上の高齢者人口は過去最高の三千三百万人、総人口に占める割合、高齢化率は二六・〇%、過去最高です。

 高齢者が巻き込まれる消費者被害のうち特殊詐欺の被害額だけでも、これは六十五歳以上の高齢者が被害となったものが、三年連続して四百億円を超えております。また、被害者数のうち高齢者率は三年連続で七五%を超えております。

 高齢者の方が消費者被害に遭うということは、経済的な基盤を失って日々の生活や将来の不安を抱えることになります。安心して暮らせる社会をつくるために、悪質業者から高齢者の方をしっかりと見守っていくということが必要です。

 そこで、これまでの見守りネットワークを法律によって具体的に裏づけるべく、平成二十六年六月に消費者安全法が改正されました。これによって、各自治体は消費者安全確保地域協議会を設置することが促されております。このネットワークを実効性あるものとするための肝は、福祉部門と消費者部門の連携の強化です。

 例えば、安否確認は、新聞がポストに入ったまま、洗濯物が干されたままだ、こういったことは家の外からでも発見できますけれども、消費者被害というのは、ヘルパーさんとかケアマネジャーの方が家の中に入って日常的にかかわっていかなければ、これはなかなか発見することは難しい、これが現状でございます。やはり、福祉部門と消費生活部門の連携強化が重要でございます。

 ただ、現実には、これは自治体によって違うんですけれども、この連携というのは、これもそうそう簡単なものじゃないということが現状のようでございます。

 例えば、本年三月九日付の「消費者問題の解決のための官民連携の具体的アイディアについて」と題する日弁連消費者問題対策委員会の提言によりますと、この中にこのようなことが書いてあります。

 「現実に市町村と見守りネットワーク推進に向けた協議を実施してみて、行政内部における縦割りの壁の厚さを実感するとの報告を受けている。例えば、大阪弁護士会」、私も大阪選出の議員で、大阪の弁護士会所属でございます。「大阪弁護士会では、官官連携をしてもらうべく、弁護士会から地域見守りネットワークの構築に向けて地元自治体に呼びかけを行っているが、呼びかけによって合同での会議はできても、いざ連携や要綱づくりとなると難しい状況である。 各部門のトップや首長の意識改革が必要であると考えている。」このように指摘をしております。

 そこで、河野大臣にお伺いをいたします。

 一人の高齢者が相互に関連した複数の悩みを抱えているというケースは少なくありません。見守りネットワークを実効性あるものとするために、消費者庁が旗振り役となって、福祉部門と消費者部門、この連携を強化していくことが重要だと考えますが、これに関する大臣の見解、決意、これをお伺いいたします。

河野国務大臣 そのとおりなんだと思います。消費者庁とそれから福祉部門、それからもう一つ、地域のお巡りさんといったところも関連をする。幸いと言っていいかどうかわかりませんが、消費者担当大臣と国家公安委員長が同じ人間でございますので、警察と消費者庁は割と連携がしっかりとれる、とらなければいかぬというふうに思っておりますし、福祉部門も、これはしっかり連携をしてまいりたいというふうに思っております。

 消費者庁としては、見守りネットワークとそれから地域包括支援センターとしっかり連携を図ってくださいという通知を、これは厚労省と連携をして発出させていただきました。

 また、厚労省、警察庁も構成員になっている高齢消費者・障害消費者見守りネットワーク連絡協議会というところにおいて、多様な主体が緊密に連携をして消費者トラブルの防止や見守りに取り組むんだということを申し合わせをしておりますので、省庁の縦割りを超えてしっかり連携できるように対応してまいりたいと思います。しっかりリーダーシップをとって頑張ります。

國重委員 ぜひ、大臣が司令塔、旗振り役となって進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、今、見守りネットワークのことをお話しさせていただきましたけれども、この見守りネットワークによって消費者被害を発見して相談につなげたとしても、事後の対応ではなかなか、当然、未然防止にはつながりません。一旦被害をこうむった場合、私も弁護士で消費者被害の事件とかをやりましたが、回収するというのはなかなか難しいということで、被害回復が困難な事例も多々ございます。また、高齢者の方というのは記憶が曖昧で、悪質業者の取り締まりに結びつきにくいという点も指摘されております。

 では、どうやって被害を未然に防止していくのか。

 例えば、振り込め詐欺、先ほども木村委員の方から振り込め詐欺のお話がるるございましたけれども、振り込め詐欺の被害を水際で食いとめるために、金融機関の職員が顧客に声かけを今実施しております。この成功事例がふえていて、昨年は一万二千三百三十六件が阻止されたという報告がされております。被害を回避できた金額は何と二百六十六億四千万円。非常に実効性があるということですけれども、消費者庁として高齢者等の消費者被害をどのように防止するのか、今後の取り組みを含めてお伺いいたします。

    〔委員長退席、永岡委員長代理着席〕

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、被害は未然に防ぐ、未然ということが非常に重要ということでございまして、相談体制の整備、また見守りネットワークの構築、あるいは一八八の広報、それ以外の取り組みとして幾つか答弁申し上げます。

 一つ目は、まさに縦割りを超えて、警察庁、金融庁と連携して、高齢者に向けた注意喚起をするということでございます。政府広報ということで、二十五年九月から未然奉行という取り組みを共同で行っています。私は大丈夫、そんなあなたがだまされる、そんなようなことをテレビ等で取り上げております。

 また、二つ目でございますが、高齢者の消費生活相談事例が多い事例、最近ではマイナンバー制度に便乗した不正な勧誘、これは七十歳代の女性が被害者に多いわけですけれども、こういう相談事例を踏まえて、タイムリーな注意喚起を行うということがございます。これも関係省庁連名で行っております。

 それから三つ目でございますが、地方消費者行政推進交付金によりまして、いろいろ国からの提案を行う。これが、先ほど御質問ございましたが、通話録音装置など、悪質な電話勧誘を自動的に抑止できる装置を地方公共団体で導入していただく、こういう動きを支援するということでございます。

 こうした取り組みをいろいろ工夫して、今後とも高齢者の消費者被害を未然に防止するよう努めていきたいと思っております。

 以上でございます。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、若者、とりわけ未成年者の被害防止策についてお伺いいたします。

 平成二十六年度の未成年者の相談を小学生、中学生、高校生、大学生等に分類してみますと、共通点として、インターネットを利用したオンラインゲーム、アダルト情報サイト等のデジタルコンテンツに関するものがいずれも最も多いという共通点がございます。

 スマートフォンのゲームなどオンラインゲームに関する高額課金の消費者相談というのは近年増加傾向にありますけれども、とりわけ、未成年者に関する相談件数というのは、平成二十五年度は二千四百三十九件、全体の約四割を占めるまでになっております。

 未成年者に関する相談を見ますと、平成二十四年から平成二十五年にかけて、ちょっとデータが、私が見たのがこれしかなかったので、未就学児の相談が約三・六倍、小学校低学年の相談が約二・四倍、小学校高学年の相談が約二・一倍、中学生の相談が約一・八倍に増加をしております。つまり、低年齢化が進んでいるということでございます。

 また、二〇一三年度のオンラインゲームに関する相談の全体の平均契約購入金額は約二十一・三万円である一方、未成年者はそれよりも多い約二十三・三万円と、未成年者の方が高額になる傾向にあります。スマホゲームの基本利用料は無料ですけれども、運営しているのは民間企業です。期間限定とかスーパーレアとか、こういったうたい文句で希少性をうたって、ユーザーが課金したくなるような仕組みになっております。

 大阪地方裁判所の、破産、これは同時廃止といいますけれども、この申し立て書式の新バージョン、先ほど私は自分の弁護士事務所に確認しましたけれども、これが今新バージョンになっていまして、免責不許可事由の浪費等の欄に、私が弁護士のときにこんなのはなかったですけれども、ギャンブルと並んで、ゲーム代その他の有料サイト利用代等が追加されております。ゲーム課金で破産する人がいかにふえているかという証左であります。スマホゲームは大人でもはまってしまって、高額課金してしまうということがありますけれども、ましてや子供であればやってしまうというふうに思います。

 そこで、大臣にお伺いいたします。

 若者、とりわけ未成年者をこのような高額課金とか、また消費者被害からどのように守っていくのか、今後の取り組み、見解、決意についてお伺いいたします。

河野国務大臣 未成年者の消費生活相談は、この数年間、横ばいといえば横ばいなんですが、中身を見てみると、デジタルコンテンツというと格好いいですけれども、一番多いのが、アダルトサイトにひっかかっちゃったというのが約六割と、圧倒的に多くなっております。

 それから、ゲームの高額課金という相談も寄せられております。ここは、クレジットカードを御両親にはしっかり管理していただくとか、ペアレンタルロックをしっかり利用してもらうということを呼びかけていかないといけないのかなと思っておりますし、おっしゃるように低年齢化しておりますので、これは学校教育の中にこういうものを位置づけていくというのをやはりやらざるを得ないのかなと思っております。

 二十八年度、来年度では、まず、高校で利用できる教材をしっかりとつくって全国に配布をして、少なくとも、デジタルの世界は怖いんだよ、あるいは、デジタルの世界で何かやるときに自分の能力を超えたお金を使うようなことをしてはいけないよというようなことを、学校を通じ、御両親を通じ呼びかけていくということをしっかりやっていかないといけないかな。特に低年齢化というのが始まっておりますので、教材は高校からやりますが、小学校などから、学校と一緒になってそういう教育をしっかりやってまいりたいと思います。

國重委員 大臣、ぜひよろしくお願いいたします。

 私も今、七歳と一歳の子供がいますけれども、七歳とかだと余裕で使いこなしますし、また、一歳の子供も、最近なんか、自分で勝手に動かして、意味はわかっていないんでしょうけれども、私の方に電話がかかってきたりしますので、やはり、今の子供たちというのは、理屈で覚えるのではなくて、実際に使ってみて覚えてどんどんスキルを上げていきますので、こういった点からの若者、また未成年者を守る対策、ぜひよろしくお願いいたします。

 続きまして、未成年者の中でも、児童、乳幼児の命、安全をいかに守っていくのか、これについてお伺いいたします。

 東京オリンピック・パラリンピックを二〇二〇年に控えまして、首都圏では高層マンションの建設がますます進んで、高層階で子育てをする御家族というのも今ふえております。

 ベランダを少しでも有効活用しようと思って、ベランダを部屋の延長として利用する御家族も多くなっております。ベランダに椅子とかテーブルセットなどを置いて、自宅でカフェ気分を味わったりとか晩酌をおしゃれに楽しむ、こういったライフスタイル、これも提案されるようになってきているそうでございます。私は全くしておりませんけれども、こういったところがふえているそうでございます。

 しかし、ベランダに物を置くことがふえる分、子供が転落するリスクが高まっている、こういう指摘もございます。

 東京消防庁の管内だけでも、平成二十三年から二十七年までの五年間に、五歳以下の子供百十四人が、住宅の窓やベランダからの転落事故で医療機関に救急搬送されております。

 日本大学の理工学部の八藤後教授らが都内の幼稚園児約九十人を対象に行った調査によりますと、四歳から六歳の子供であったとしても、高さ七十センチほどの台には簡単に足をかけて上ることができたといいます。現在、建築基準法では、ベランダの手すりの高さを最低百十センチ以上にすることが定められておりますけれども、もし高さ七十センチのものの上に子供が上った場合、体の半分が柵より上に出てしまうことになります。また、ベランダにプランターとか、こういった二十センチから三十センチの踏み台になるものがあった場合には、子供はそれに乗って、足がかりにして、ベランダの柵の上に身を乗り出すこともできる。八藤後教授は、頭が大きい子供は、その重みで、少し乗り出しただけでも転落すると警告をされております。

 また、転落事故以外にも、口にしてはいけないものをのみ込む、誤ってのむ誤飲事故。

 子供が誤飲するものというのはさまざまありますけれども、中でも、近年数々の事故報告が寄せられ、かつ危険性が特に高いものの一つがボタン電池です。ボタン電池は、小型の円盤状のような形の電池で、その小ささを生かして、電気機器とかおもちゃとか、さまざまなものに使われております。

 子供がボタン電池を誤飲して医療機関を受診した事例は、平成二十二年十二月から平成二十六年三月までの間に五十一件あって、誤飲した疑いがある事例を含めると、九十三件が報告されております。うち十件は、入院を要する重大事例でございました。

 その中には、例えば、一つだけ事例を紹介しますと、一歳の子供が電気器具のふたをあけて、こんなことはよくあることだと思います、入っていたボタン電池をいじっているうちにのみ込んでしまった。小さいですから、のみ込んでしまった。病院で手術を受けて摘出したけれども、気管と食道に穴があいていたため、二カ月間の入院治療を要した。

 このボタン電池というのは、侮りがたいんですね。体に入ると体の器官を溶かしてしまうというような機能もありまして、気管と食道に穴があいていたため、二カ月間の入院治療を要したという事例もございます。このようなことから、児童、乳幼児、子供たちの命、安全を守らないといけません。

 そこで、この点に関し、消費者庁としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

松本副大臣 先生、御関心を持っていただいて、大変ありがたいと思っております。

 消費者庁では、言われたような事例について、関係機関、消費生活センター、医療機関等から事故の通知を受けておりまして、その中から、とりわけ危険性が高い事故、消費者に知られていない事故等について対処すべき事案を抽出して、子供の事故について注意喚起を行っているところであります。

 注意喚起の方法でありますが、「子どもを事故から守る!プロジェクト」というのをつくっておりまして、子ども安全メールといったようなところから配信をいたしております。そのほか、ポスター、チラシ等々をつくっているわけでありますが、子ども安全メール等々のメールマガジン等に参加をいただくお母様、お父様がまだまだ不十分でございまして、今後も力をつけていかなきゃならぬ、こう考えております。

 とりわけ、御指摘のベランダからの転落事故につきましては、まず第一、ベランダで子供を一人遊びさせるということはやってはいけないことなんですよということ、二番目に、間違って子供が一人でそこに出たとしても、踏み台になるようなものは絶対に置かないように、こういった指導を懸命にやっているところであります。

 また、ボタン電池に関しましては、御指摘のとおり、大変危険性が高いということでございますので、ボタン電池は子供の手の届かない場所に保管をしてほしいし、ボタン電池を使用している製品の電池ぶたについては、親御さん、保育する方々がしっかりと確認をしてほしいということ、そして同時に、ボタン電池を使用する製品をつくっている方々に対して、絶対に子供ではふたがあかないという製品にしっかり改良してくださいということの要請を続けているところであります。

 今後とも、こうした努力を重ねてまいりたいと思っております。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 時間が参りましたけれども、消費者に寄り添う、また生活者の立場に立つ、これが消費者庁の基本理念でございます。何か、我が党の基本理念に相通ずるようなものがございますけれども、この基本理念を胸に、消費者に寄り添う施策を確実に実行していっていただきたい、このことを最後に申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 本日は、ありがとうございました。

    〔永岡委員長代理退席、委員長着席〕

江崎委員長 それでは、次に、西村智奈美さん。

西村(智)委員 民主党の西村智奈美です。

 今まで、例の冷凍ビーフカツに端を発します期限切れの食品の不正流通問題について、きょうは、私は、半分ぐらいの時間で質問したいと思っています。

 年明けにこれが大変大きな問題となりました。約九十の施設、それも飲食店、スーパー、弁当製造施設などで使用されており、ほかにも百八の品目の廃棄食品が不正流通していたということが明らかになりました。

 この前、大臣は、所信表明演説の中で、消費者庁がリーダーシップをとるというふうに述べておられたと思います。特に、この廃棄食品の不正流通事案や軽井沢におけるスキーバス事故についてはこういうふうに言及されているんですけれども、「消費者事故等への対応においては、消費者庁はその司令塔機能を十分に発揮しなくてはなりません。」「また、原因究明に当たっては、消費者安全調査委員会を十分に活用し、」というふうなことをおっしゃっているんです。

 私、この間の消費者庁の対応を見ていて、こここそが、もっと消費者庁がリーダーシップを発揮すべきときなのではないかというふうに思って見てまいりました。

 ところが、この件について、実は、消費者安全調査委員会、これは大臣の所信表明演説の中でも、原因究明に当たってはそこを十分に活用するとしているその消費者安全調査委員会に、この廃棄食品の不正流通事案について個別事案としても提案がなかった、提示がなかったそうなんですね。

 二月の十九日に二月分の委員会が開催されておりますけれども、これはやはり、私は、個別事案として取り上げるべきではなかったかというふうに思いますが、どうして事務局の方からそれを委員会の方に提示をしなかったのか、理由をお聞かせください。

河野国務大臣 御指摘の不正流通事案は、消費者の不安を招いているというところから、大きな問題だというふうに私も認識をしております。

 消費者庁と関係府省で、食品安全関係府省連絡会議などを活用しながら、連携しながら事態に対処をしているところでございます。

 今お尋ねの消費者安全調査委員会における個別事案としてなぜ申し出なかったのかということでございますが、事案選定の指針においては、生命身体の被害の程度、事故の多発性などを勘案するということになっておりますが、この事案につきましては、幸いなことに、まだ生命身体の被害は確認されておりません。そういうことから、これまで申し出がなかったわけでございます。

 事案選定につきましては、この安全調査委員会が独立して判断を行うことになっておりますが、消費者庁としては、この動向を注視してまいりたいと思っております。

西村(智)委員 おっしゃるとおり、幸いなことに、この件で、毒ギョーザ事件とはちょっと違うでしょう、身体的な直接な被害はいまだ報告をされていないということですが、多発性という面においては、私はやはり大きい問題があったと思っております。

 これは氷山の一角ではないかと指摘する識者もいますし、ここだけが今クローズアップをされていますけれども、世の中に激安食品というものは、時々私も目にします。ということからすると、多発性というところに鑑みれば、やはりこれは、しっかりと委員会の方で原因究明を行って、対策を打っていかなければいけないというふうに思っております。

 大臣、さっき、対策も、関係府省連絡会議ですか、これも開催してとられたということなんですが、課長級の会議は毎週開かれたと聞いております。二月の二十六日に局長級の会議を開いて、きょう資料として配付をしておりますものが、食品安全行政に関する関係府省連絡会議申し合わせということで、今後の対策について取りまとめられた一枚紙ということでした。

 これは、各省の局長級の皆さんが集まって構成している会議だったそうなんですけれども、私は、このぐらいのことをまとめるのであれば、少なくとも、局長級ではなくて、政務三役の誰かが出ていって、しっかりと責任をとるというその姿勢、それをあらわすべきだったんじゃないかというふうに思います。

 なぜ局長級の会議でこういったものを取りまとめることになったんでしょうか。もう少しランクを上げるということについては考えられなかったですか。

河野国務大臣 この一枚紙は、二月二十六日の食品安全府省連絡会議の取りまとめ資料だと思います。

 これは、消費者庁が主催をする局長級の会議でございますが、私もこの会議に出席をして、積極的に対策をとるような指示、あるいは、さっき氷山の一角というお話もございましたが、新たな課題が判明した場合にはさらなる取り組みが必要であるというようなことを各省に要請したわけでございまして、ここのところは、氷山の一角でなければいいと思いますが、しっかり注視してまいりたいというふうに思っております。

西村(智)委員 この問題は、かかわる法律も非常に多岐にわたっています。また、所管する府省も、厚生労働省、環境省、農水省、それから今回の件でいえば警察、そして消費者庁ということに、本当にいろいろなところにまたがっているからこそ、消費者庁がきちんとそれを束ねるということが必要だというふうに思っております。

 この対策の一枚紙、上の方から見ていきますと、真ん中くらいにある大きな固まりに「対策」と書いてある枠が、上が三つ、下が二つございます。

 上の「対策」一、二、三と、それから下の「対策」一、二、これはいずれも、「廃棄物処理に係る課題」と、それから「食品の取扱に係る課題」ということで便宜的に分けているものだということなんですけれども、内容を見ますと、「(環)」とか「(環・農)」とか、あるいは「(厚)」とか、要するに、ほとんどほかの省庁にやってもらうことが多い。逆に言うと、消費者庁ができることといえば、食品表示の適正化を求めるということであったりしまして、結局、ほか頼みということになってしまうわけなんです。

 では、これはいつまでに対策が打たれるのか。私は、どこがやるかというものもあるんですけれども、やはりここに具体的に書かれているものが本当にいつまでに実施されるのかということを重視したいと思っているんですけれども、いつまでにやるのか全く明らかになっていないんですね。レクにも来ていただきましたけれども、お願いして、しばらく様子を見て、やっていなければもう一回この会議を開催してやるんだということでした。

 他方、例えば環境省、農水省、厚労省のやるべき対応策という中でも、自治体に自治事務としてやってもらう内容が物すごく多いわけなんですよね。そうすると、これは本当に、どこがいつやってくれたのかということが、何か、くじ引きをする箱の中に手を入れるような感覚で、いつになったら本当に対策がとれたのかということが明らかになっていない。

 しかも、自治体には、自治事務だそうなんですけれども、これに伴う費用の負担などは国としては行わないということのようでありますので、これは本当に、少なくともいつまでにやるかという期限ぐらいは設けて、そして自治体にも裏負担を多少、消費者庁として交渉してもらって、やらせるということぐらいは必要なのではないかと思いますけれども、いかがですか。

河野国務大臣 御指摘のとおり、自治事務になっているものもございますし、各省庁にお任せをしなければいけないものというのもございます。

 いつまでなのかというお尋ねでございますが、この事案、実はまだ動いておりまして、全容解明には至っておりません。

 ですから、何がこれから起こってくるかということを一つは見きわめなければいけないということもございますし、ここで例えば廃棄物処理の管理票、マニフェストを、不正を感知するような情報システムを考えなきゃいけないよねということになっていますが、これは相当長期間かかるわけでございます。

 ですから、そういうことを踏まえて、どの役所にこういう対策に取り組んでもらうということを明らかにいたしましたので、それぞれの役所の取り組み状況あるいは自治体の取り組み状況というのを見ながら、また一方で、全容が解明されるまでにさまざまな事態が動くかもしれませんから、司令塔として、そうしたところをしっかりと見きわめながら動いていって、最終的にはもちろん年月を切って対応策をしっかり実施に移していきたいと思っています。

西村(智)委員 食の安全、安心は、非常に重要な、特に家庭などで食を担っている立場からすれば非常に重要視している課題です。

 きょうはこの辺でこの点についての質問はやめておきますけれども、ぜひ全容を明らかにしていただきたい。これは、私は、かなり構造的な問題でもあるのではないかと思っております。ですから、どこかで本当に何かきちんとした確約がとれるということでなければ、やはり同種の問題は繰り返されることになるんじゃないかと懸念していますので、ぜひそこは、リーダーシップの発揮、司令塔としての機能を発揮していただきたいと申し上げておきます。

 それで、次の質問は、その司令塔の機能を発揮すべき消費者庁を含め三機関が地方に移転する可能性があることについての質問でございます。

 先週、消費者庁は、四日間、徳島県に、サテライトオフィスというんですか、お試し業務を行って、テレビ会議などを行ったりするという、いわば試行をされたそうです。これに経費がどのくらいかかっているか。百万円ぐらいでしたか。それから、内容も、行った方々の人数が少ないということもありましょうけれども、割と、見たら、テレビ会議もぽつぽつと入っているくらいで、余り過密な内容ではなかった。

 それから、その成果、どういう結果が出ましたということが、もう一週間近くたっていますから、かなり出ていて、これを分析していくことになるんだと思うんですけれども、この分析は、やはり、移転をそもそも進めるのか、それとも少し消極的な立場として分析するのか、それによっても、内容、結果そのものが変わってくるんだというふうに私は思うんですね。

 大臣は、どのようにこの結果を分析されるんですか。

河野国務大臣 今度のお試し移転は、幾つかの成果があったというふうに思っております。

 一つは、徳島県を初め、消費者庁の移転をかなり本気でテストするぞというメッセージを伝えることができたのではないか。それからもう一つは、何か想定をしなかったような問題がこの移転に関してあるかどうか。これについては、余り想定外のことはないよねということは確認をできました。三番目として、現在の消費者庁、四号館でうまくいかないものは、遠隔地に行ってもうまくいかないよね。これはテレビ会議のシステムなどで、それは予算の制約というのもありましたけれども、もう少し手なれてからテストをすべきだったかなというところも当然あるんだろうというふうに思っております。

 七月には、もう少し長期間、大規模なテストをやって、こうした業務そのものがどうなんだろうかということを確認していきたいと思っておりますし、四月からは、研修や商品テストといったものもテーブルにのせてテストをしてまいりたいというふうに思っております。

 このテストの目的は、やらない理由を探すのではなくて、課題を抽出して、その課題をどう潰していくかということでございますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

西村(智)委員 仮に徳島に消費者庁ほかが移転した場合に、例えば先ほど申し上げた冷凍ビーフカツ、廃棄食品の不正流通問題などが起きたときに、課長級の会議は毎週開いていたそうです。局長級の会議もまた必要があれば開催するということですけれども、こういった会議は、どうするんでしょう、テレビ会議でやることになるんでしょうか。それとも、やはり、顔を見ながら、会場全体の雰囲気がわかりながら発言をし、取りまとめをする。取りまとめる人がテレビ会議の向こう側で、ほかの人たちがみんな一緒の会議場にいるという風景は、私は余り思い浮かばないんですけれども、そういう形でやるのか、それとも、その都度、出張するということになるのか。

 やはり、遠くなればなっただけ、移動のための交通費ないしは滞在費、こういったものもかかってくると思うんですよ。私は、その分析の際には、そういった経費とか、メリット、デメリットがあるということを全て含めた上で、分析を中立的にやっていくべきではないかというふうに思います。これはもう質問しません。私の考えだけ述べておきます。

 また、この前は四日間だけ行った、今度は少し長目に行かれる予定もあるということなんですけれども、はっきり申し上げて、何も大きな事件や事故が起きていないときにお試し業務をやっても実は何の意味もないと私は思っています。むしろ大事なのは、緊急事態のときに、緊急の事件が起きたときにどう消費者庁が動くのかということであって、それが果たして遠隔地からうまくいくだろうかということなんですね。

 大臣は、この点、どうお考えですか。

河野国務大臣 民間企業では、さまざまな大きな決断をするときにテレビ会議を使ってやるというのがもう当たり前になっているところもたくさんございますし、諸外国の行政を見れば、そうした司令塔業務あるいは危機管理を遠隔地から会議に参加をしてやるということが当たり前になっているところも少なからずあるわけでございまして、消費者庁にそれができないことはないというふうに私は思っております。こうした事案が起きて、毎週のように会議をやる必要があるならば、それはテレビ会議その他を使ってやればいいと思っております。

 通常業務ができなくて、いきなり危機管理といってもうまくいかないというのは、あの福島の原発事故などを見れば明らかでございますから、私は、通常業務のテストもしっかりやる、その上で、いざというときにきちんと業務ができるようにしていくというのも大切だと思います。

西村(智)委員 さっきの答弁、何がおっしゃりたいのか、私、全くわかりませんね。

 私が聞きたかったのは、そのような消費者庁が司令塔として持っている機能が本当に徳島から果たせますかということなのです。

 言ってみれば、例えば、サッカーをやっている人たちが、審判がどこでそのプレーを見ようとするかといえば、できるだけボールの近くに、しかしプレーしているところに余り接近しないようなところに行って、そこで実際に目で見てジャッジをしていますよね。お相撲だって、行司さんは、土俵の外から見ているんじゃなくて、土俵の中で見て、それで判断をしているわけなんです。

 消費者庁にとっての監視対象は霞が関ですよね。霞が関のいろいろな役所が本当に、例えば今回の冷凍ビーフカツ問題で発生した、その対応策としてまとめた対策をきちんと各省庁がやっているかということを言ってみれば監視する役目、監視という言葉がきつければウオッチとかいうふうにしましょう、そういうことをちゃんとやっているかどうかということを近くで見て、そしてそこから指令を出す、これが消費者庁の果たすべき司令塔の機能としてはやはり欠かさざるべきものだというふうに私は思うんですよ。遠くから見ていて本当にそれがわかるのか。

 民間企業は一つの共通の目標があります。会社として利益を最大化していくという目標、そのもとにトップがいて、その下にちゃんと部下と呼ばれる人たちがいるんだけれども、その人たちは、意思決定は、これは比較的、消費者庁と他の省庁の関係と比較すれば、私はそんなに難しくないというふうに思いますよ。

 なぜ消費者庁が他の省庁とのすり合わせを重視しなければならないかといえば、最後は、消費者庁は、内閣総理大臣に言って、いろいろなところに勧告をさせることもできるわけですよね。それほど強い権限を持っているし、消費者庁ができるときに、誰よりも消費者そして国民の側に立って行動することを私たちは期待して消費者庁をつくったんですよ。

 その消費者庁が、霞が関の各省庁をウオッチし、そして、そこから先、事業主、事業者に対するいろいろな指導だとか助言なんかを行ってもらうというときに、肝心のそのときに、自分たちからそこから離れていってしまうというのは、これは、司令塔機能、本当にどうなっちゃうんだろうと私は思うんです。

 大臣に質問です。地方に移転することによって、消費者庁が持っている司令塔の機能は強化されますか。

河野国務大臣 子供のころでしたけれども、大鵬、戸田の取り組みというのを私はテレビで見ておりました。世紀の大誤審と言われて、あれをきっかけに大相撲はVTRを導入するということになったわけでございます。サッカーは、今、全コートをカメラで撮って、一人の選手がどれぐらいダッシュをしたか、何キロ走ったか、パスをどれだけ出したか、全部データがとれるようになっております。

 技術というのは日進月歩で進むわけでございまして、いろいろな分野が最新の技術を取り入れて、いろいろな業務、行政をやっていくわけでございます。

 私は、霞が関も、国民の幸せを最大にするという一つの目的に向かって、総理大臣を先頭に、みんなで一致団結をして同じ方向を向いている組織でございますから、利益を最大にしようという民間企業と全く同じ組織なんだろうというふうに思っております。

 そして、消費者というのは、東京都内にだけいるわけではありません。一億人を超える日本の消費者の圧倒的多数は、東京の外にいるわけでございます。そういうことを考えたときに、今までと同じやり方をするのか、あるいは全く違う視点から全く新しい行政のやり方をやるということだってこれは考えられるんだろうというふうに思っております。

 いろいろなことを試しながら、消費者庁の期待されている業務がしっかりできるかどうかテストをしようというのがこのテストの目的でございますから、粛々とこのテストをやって、消費者行政の司令塔がきちっと機能するか、あるいは今までと違うさまざまな行政のやり方をして消費者行政を一歩でも二歩でも進めることができるか、しっかり見きわめてまいりたいと思っております。

西村(智)委員 消費者庁がなぜ設置されたのかというその当時の議論を、ここにいらっしゃる議員の皆さんはそのとき国会にいらっしゃらなかったと思いますので、ぜひそのときの議事録をよく読んでいただきたいと思うんですけれども、各省庁がどうしても消費者サイドの見方が十分できなかったところ、あるいは各省庁が縦割りでその役目が果たし切れなかったところを、消費者庁がきちんと国民の側に立って、消費者の側に立って物を言っていこうということでできたのが、これがまさに消費者庁の理念そのものなんです。

 消費者庁の司令塔機能がこれで強化されるのかということについての答弁は、今大臣からありませんでした。ですから、機能が強化されるということは、残念ながら、もしこれが移転されたときには私は望めないというふうに思います。逆に、弱体化することが大いに懸念をされます。

 具体的に伺います。

 政府関係機関移転に関する有識者会議がありまして、そこが示している地方移転を検討する対象にしますよという条件が幾つかあるんですけれども、対象外とするという機関も同時に示されていまして、緊急対応機能を担う機関や中央省庁と一体で仕事をする機関の地方移転は、対象にするかどうかは今後の精査を進めないというふうにされているんですね。この基準に照らしたら、消費者庁は移転の対象外だと私は思います。明確にそう思います。

 また、この有識者会議においては、実は、官庁の移転については何の結論もまだ出ていません。結論が出ていない中で、移転を前提に消費者庁が徳島でのお試し業務をやっているという理由もこれまたわかりません。どうしてですか、大臣。

河野国務大臣 消費者庁を移転するかどうかの結論を出すためのテストですから、結論が出てからテストをやっても余り意味がないんだと思うんです。こういうテストを見ながら、消費者庁を移転すべきかどうかということを考えていきたいというふうに思っております。

 また、三月二十二日にまち・ひと・しごと創生本部が決定をしました政府関係機関移転基本方針の中に「消費者庁等の移転について」というところがあるんですが、「消費者庁は、食品等に関する危機管理業務や大臣庁として国会対応業務のほか、関係府省間における消費者行政の司令塔としての機能を期待されている。これらについても、上記の検証を踏まえ、検討することが適当である。」というふうにございますので、この検証を踏まえて、しっかりと検討してまいりたいと思います。

西村(智)委員 全く答えてもらっていないです。

 私、消費者庁の移転そのものに、はなから反対というのではありません。ただし、条件があって、霞が関のほかの官庁が別の地方に先に移転しているというのであれば、何となくわかるところはあるんですよ。ただ、できる限り、やはり交通の便もいいところ等々がいいなというふうに思いますし、また、指導する対象の事業者は、そのほとんどが首都圏にあるわけですね。七割ぐらいは大体首都圏にあるというふうに聞いております。私は、この件については、ですから、ぜひ中立的に検証を行っていただきたい。かかる費用、それからメリット、デメリット、本当にこれで国民の側に立つ消費者庁と言えるのかどうかということであります。

 今回の移転の検討に際しては、全国で三十五を超える消費者団体、それから二十五の弁護士会、司法書士会も二つ、こういったところから反対の意見表明が出されております。余り例のないことだというふうに思うんですね。私は、これが本当に、このようないろいろな懸念がある中で、もし万が一やられるということであれば、全くその全体像として筋の通らない話になってしまうというふうに思います。

 弱い人たちの立場に立っていないという安倍政権の姿勢そのものがあらわれているということを最後に指摘して、質問を終わります。

江崎委員長 それでは、続きまして、井坂信彦君。

井坂委員 井坂信彦です。

 本日は、消費者問題、特に、最近はネットとかスマホとか、新しい形で物を売り買いするということがふえてきておりますので、その中から二点お伺いをしたいと思います。

 まず一つ目に、不動産のおとり広告についてお伺いをいたします。

 ちょうど二年前のこの消費者委員会でも同じ質疑をさせていただきましたが、当時の答弁は、景表法の改正で、事業者に表示の管理を義務づけることによって未然防止の一層の効果を期待している、事業者に対して周知徹底し、法改正の効果がしっかり出るようにしてまいりたい、こういう大臣の答弁がありました。しかし、残念ながら、その後も不動産のおとり広告はなくなっておりません。

 本当に古くて新しい問題で、私も、アパートやマンションを借りるときは、いつもこういうこと、同じ目に遭いますし、大体、お店の店頭に飾ってある物件というのは、駅からこんな近くて五万円だったらすごいいいな、これがあるならすぐ行かなければと思うような、非常に相場から安いものが表示をされている。行ってみると必ず、いや、その物件はちょっと今先に契約に入っちゃっていて紹介できないんです、かわりにこちらの物件はどうですかと相場並みの物件を勧められる。これは日本じゅうで起こっているというふうに思います。

 それが今はインターネット上でもまさに大々的に行われておりまして、二年前の質疑のときでも、ネット上のそういう不動産のおとり広告が、警告が過去最多だった。その後も、なくなっているかというと、決してなくなっていない。きのうもネット上をいろいろ見ましたけれども、やはり、厳然として不動産のおとり広告は、実店舗にもあるし、ネット上にもあるというふうに思います。

 そこでお伺いをいたしますが、まず大臣、不動産のおとり広告をなくすために、消費者庁としては現状何をやっておられますでしょうか。

河野国務大臣 不動産のおとり広告に対する規制は、昭和五十五年に不動産のおとり広告に関する表示というのが定められましたので、消費者庁は、必要があればこれに基づいて規制をするということになっております。

 ただ、現実的には、非常に規模が小さいものが多いものですから、昭和三十八年に業界の自主規制として定められた不動産の表示に関する公正競争規約というものに基づいて、各地の不動産公正取引協議会に規制を行ってもらっているというのが多いかと思います。

井坂委員 今答弁されたように、まず、ルールはもう厳然としてあるんです。あれは明らかな違法行為なんです。

 にもかかわらず、実態としては、消費者庁として何かやっているというわけではなくて、業界団体、不動産公正取引協議会というところが、業界の自浄作用としてチェックをし、そして、こういう不適正な広告、不適正というか違法な広告なんですが、これがあった場合には警告を発したりしている、こういう状況であります。

 特に、ネット上の話でいいますと、不動産公正取引協議会、この業界団体、自主規制団体の中のポータルサイトの広告適正化部会というところがいろいろ活動を頑張っておられるんですけれども、しかし、平成二十六年度、確認した全国の違反物件数は二千百八十四件。私が質疑をした後の一年間でも二千百八十四件。これをこの団体は、ポータルサイト、要は、不動産広告を表示している会社のサイトの管理者として削除していく、基本的にはこういう対応をしているわけであります。

 ここでちょっと参考人にお伺いをいたしますが、やはり、業界団体の自主規制、そして業界団体のチェック、警告、そして違約金という制度もあるんですけれども、わずか十万円程度の違約金、これでは、残念ながら不動産おとり広告が撲滅できていないのが現状だというふうに思います。私は、やはり消費者庁が、法律も明快にあるわけですから、本来の仕事として、調査の上、措置命令また行政指導を行って改善をすべきだ。

 不動産おとり広告に対して消費者庁が措置命令や行政指導を行った例は、ここ数年で何件ぐらい実際ありますでしょうか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十一年の消費者庁発足以降、消費者庁が不動産おとり広告に関しまして措置命令を行ったものというものはございません。

 一方、消費者庁が不動産おとり広告に関しまして行政指導を行った件数といたしましては、平成二十一年度に一件、二十三年度に一件、二十四年度に二件、それから平成二十五年度に一件ということでございます。

 なお、規約につきましては、違約金については五十万円以下という定めがございまして、五十万円相当の違約金を課している例があるというふうに承知しております。

井坂委員 ありがとうございます。

 残念ながら、ルールはあるのに措置命令はゼロ件、そして、その下の行政指導ですら年に一件あるかないかということであります。

 最後におっしゃった、違約金は五十万円以下ということですが、私がお聞きした限りでは、十万円、ひどいときでも三十万円ぐらいというふうに聞いております。

 参考人に重ねてお伺いをいたしますが、この措置命令というのは、私は、非常に実効性がある手段を既に消費者庁は手にしていると思います。実際、措置命令を業者が一度されると、これはもう半永久的に措置命令状態がその業者に対しては続くわけであります。その措置命令状態の中で二度目をやってしまえば、これはもう景表法の十六条に基づいて刑事罰、懲役二年または三百万円以下の罰金ということで、刑事罰まで二度目は科されるということですから、一度措置命令を出せば、二度目をやったら本当にこれはアウトですから、二度目はもう絶対しないというふうに私は思います。

 こういう実効性のある措置命令をゼロ件で避けて、しかも行政指導すら年一件ということですから、私は不動産おとり広告がなくならないのも仕方ないというふうに思います。私は、措置命令を行政指導にとどめること自体も果たして理由があるのかなというふうに疑問に思うわけであります。

 参考人にお伺いいたしますけれども、行政指導にとどめた場合は、では、その行政指導した先が次にもう二度とそういうことをしていないかどうかという監視は、継続してやっているんでしょうか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 特定の事業者の広告につきまして、継続的にその事業者だけを監視するということは通常行っていないわけでございますけれども、過去に行政指導を行った事業者につきまして違反被疑情報が新たに得られたという場合には、より一層注意して対処しているところでございます。

井坂委員 ちょっと一問飛ばして、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

 私は、やはりこれは、苦情がなくてもこれだけ世に不動産のおとり広告は満ちあふれているわけでありますから、消費者庁が自主的に、自発的に職権で調査を行えるわけであります。しかも、この場合の職権調査というのは決して難しいことではありません。

 例えば、ネットを上から順に見て、明らかに相場より安い物件があるわけですから、それをまず業者に電話する、この物件、借りたいんだけれどもありますかと。大体、多くの場合は、あるともないとも言わずに、では、まずお店に来てくださいという話になるのかもしれませんが、お店に行けば、実はこの物件はないんですということになるんですね。

 表示されている広告は、今はスマホだろうがパソコンだろうが、本当にボタン一個押すだけで画面の写真が撮れるわけで、それを撮った上でお店に行く、あるいは電話をする、やはりないということで、表示と実際売っているものが違うということはすぐに確認をできる案件だというふうに思います。

 大臣にお伺いいたしますが、こういう職権調査、もちろん、世の中にある全てのサイト、全ての不動産屋をチェックする、これは人手がかかる問題でありますが、まずは目立つところから順にやっていく。大事なのは、見つけたら、これは行政指導などにする理由はないですから、ちゃんと措置命令を出す。これは明らかな不当表示、違法広告なので措置命令を出す。こういうことをやり始めれば、まず一罰百戒ということもあるでしょうし、一回措置命令を受けた業者は、これはもう二度としない、できないですから、こういうことをやっていくべきだというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

河野国務大臣 一罰百戒ということを考えると、効果があるかなという気がしなくもないんですね。

 では、どういうところからやっていくのか。ルール違反をしているんだから、どこを調査しても、それはひっかかったやつは悪いことをやっているんだから悪いじゃないかということかもしれませんが、ちょっとそこは検討させていただきたいと思います。どれぐらいおとり広告による被害が出ているのか、それがかなり重大な被害が出ていて、職権調査をかけた方がいいというような事例ならば、おっしゃるように、それはやるということもあるかもしれません。

 今でもいろいろな内部通報があるようですから、特に同業者などの内部通報は極めて確度が高いというふうに聞いておりますので、行政効率ということを考えれば、そっちの方が効率がいいということなのかもしれません。少し調べさせていただいて、これはやった方がいいなと判断したら、そこはやらせていただきたいと思います。

井坂委員 ありがとうございます。

 一定の御検討はいただけるということでありますが、ぜひ大臣、重ねて申し上げたいのは、業者の内部通報も確度が高い、確からしさがあるということで、それはもちろんやるべきだと思いますよ。ただ、この不動産のおとり広告は、これはある種、見ればわかる話でもありますし、また、実際みんな経験していて、何か物すごい安い物件につられて行ったらその物件はないなんというのは、多くの人が経験をしていることであります。また、実際、業界団体も、何千件と年間にこういう広告を見つけて削除しましたと言っているわけなんですね。要は、横行している。

 私がやはりこの問題を見過ごせないのは、不当表示、いろいろな不当表示がありますよ、それは性能を実際より少しよく見せるような優良誤認とかありますけれども、こんなのはもう優良誤認どころか、存在しない物件を、しかもその会社の目玉商品に仕立て上げて、それで大量に集客をして、来たお客さんみんなには、いや、ちょっと今契約中で出せないんですという、これはもう多分一番、最たる不当表示だというふうに思うんですね。何か実際より、比べて性能がいいか悪いかなんという細かい話じゃなくて、ないものをあると言って、しかもそれをメーンに据えて、目玉に据えて集客をする、一番、不当表示の最たるものだというふうに思います。

 私は、これがこんなに堂々と道端やあるいはネット上に横行して放置されているということは、これは余り続くと、最後、消費者庁というのは一体何なんだと。こんなことも業界団体任せで、実効性のある取り締まり、しかも取り締まりの手段は、さっき申し上げたように、措置命令という、ほかのに比べたら簡単にできて、しかももう二度と再犯がされないであろう手段を持っているわけですから、やる方法もあって、しかもこれだけ横行していて、みんなももう知っていて半ば諦めている、不動産というのはそんなものだみたいに思っている人も多いと思いますよ。

 これはやはり、このまま放置すると消費者庁の存在意義を最後問われる問題となりますから、消費者庁の存在意義をかけてという熱意で、もう一言お願いできないでしょうか。

河野国務大臣 消費者庁の存在意義がこれだけにかかっているとは思いませんが、ちょっと私自身、この問題、検討する時間もけさありませんでしたので、少し研究させてください。

菅久政府参考人 悪質な事案、普通は規制するような非常に悪質な不当表示が見つかりました場合には、厳正に対処したいと思います。

井坂委員 ちょっと最後に参考人がおっしゃったのはひっかかるのでありまして、悪質な不当表示が見つかった場合というのは、何か、良質な不当表示というのはどんなイメージなんですか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 失礼いたしました。表現がちょっと適切ではございませんでしたが、不当表示として消費者の商品選択に非常に大きな影響を与えるような、措置命令をする必要があるような案件が見つかりましたら、厳正に対処したいと考えております。

井坂委員 ありがとうございます。

 この問題、別に不動産屋さんが全部悪いというよりは、要は、各社やっている中で、自分の会社だけが真面目にこういう不動産おとり広告をやらなかったら、ほかにお客さんが行ってしまうわけなんです。だから、何となくやらざるを得ない、もう全社横並びでやらざるを得ないみたいな側面もあると思いますから、消費者庁が本気で一部取り締まりを始めれば、では全社でやめよう、やるだけ損だということになってくると思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。

 続きまして、もう一件は、これもネット、スマホに絡みまして、國重委員からも先ほど議論がありましたガチャと言われるものについてであります。

 これはどういうものかといいますと、昔から駄菓子屋の店先にもあるガチャガチャと原理は全く一緒であります。ただ、このガチャガチャが、スマホとかパソコンの画面上でガチャガチャを回す、一回百円とか数百円を使ってガチャガチャを回すと、ころんという、本当にそういう表示で何かが出てくる。それは、大体はつまらないものが入っているんですけれども、ごくまれに物すごいいい当たり商品がその中に入っているというふうに画面に表示をされる。こういうものが今、ネット上のゲーム、またスマホのゲームで非常にはやっております。

 この珍しい商品というのはどういうものかといいますと、例えば、大体、敵と戦うようなゲームが多いんですけれども、物すごい強い魔法を使う仲間がガチャガチャの中に入っていて、それがごくまれに手に入るとか、あるいは、すごい強い竜、ドラゴンが敵にいたりすると、その竜を倒すのにすごい効き目のある最強の伝説の武器がごくまれに手に入るとか、要はそういうようなストーリー立てになっていて、ガチャガチャの中身も昔と今とでは少し雰囲気が違うんですね。

 たかがガチャガチャ、昔のガチャガチャを思うとそういう印象になるんですけれども、これは当たる確率が、ひどい場合だと一万分の一。だから、一個百円だと、それを平均で当てようと思うと一万回ガチャガチャを回さないと当たらない、百万円課金しないと平均で当たらないというような設定になっていたり、あるいは、だから、当然百円ごとにガチャガチャを回すなんという仕組みにはなっていなくて、十連続でガチャガチャを回せるチケットを千円とか数千円で買って、数千円で買ったチケットで、機械ですから、がちゃがちゃがちゃと、ざあっと回して、ぼぼぼぼっとくだらない商品が並んで、また全部外れやった、また全部外れやった、また全部外れやったというのを何十回も繰り返す、こういう仕組みになっております。

 ことしに入っても、ある有名なゲームで苦情が相次いで、多額の課金をしても目当てのキャラクターが出ないと。それに対して大臣が記者会見で、まずは業界の自主規制を見守りたい、こういうふうにおっしゃったわけであります。

 その後、このゲームは、謝罪とともに発表しました。九万円も使っても、それでも目当てのキャラクターが出なかったときは、そのキャラクターをただで差し上げます。

 九万円も払わないといけないと思うじゃないですか。ところが、ネット上の反応は、神対応、神様のようにすばらしい対応、九万円使えばキャラクターをもらえるんですか、そんな良心的な対応は初めて、すばらしい、こういう評価がされるぐらい、何十万も課金しても欲しいものは出ないというのが当たり前の、今、ガチャというのは、要は値段の感覚を知っていただきたくてこういう話をしたんです、こういう値段の感覚なんですよ。

 昔の僕らがやっていた、百円玉、五十円玉を握り締めて、一個、回して、出た、出なかったの世界じゃないんですよ。何万円、何十万も課金して、なお欲しいものが出るか出ないか、出るまで何十万も課金する人がたくさんいる、こういう世界になっております。

 参考人にお伺いいたしますが、これは売り方もうまいんですね。期間限定で、今だったらこのやりが出る確率がふだんの十倍あります、一万分の一が千分の一になりますというようなあおり方であったりするんですが、実際に出現確率がそれほど高まっているのかどうかも、やっている側はわかりません。大体、もとが一万分の一かどうかも表示をされていないんですね。

 だから、もとがどうかもわからない、キャンペーン期間中が実際どれほど確率が高まっているかもわからない、そういう中でみんながどんどんどんどん課金をしているんですが、こういう状態で出現確率が高まっていなければ、これは不当表示、優良誤認ということが疑われると思います。

 ただ、それはどうやって調査、判断することになるんでしょうか。お伺いします。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のような宣伝、表示がございましたら、実際がそれと異なるかどうかということを調査することになりますけれども、具体的には、事業者から話を聞く、または、事業者に対しまして関連する資料の提出を求める、さらには、関係者の意見なども聞きながらその情報の真偽を確認するということで進めていくことになろうかと考えております。

井坂委員 事業者に話を聞くということでありますが、この問題が難しいのは、もともと出る確率が表示されていないんですね。ですから、一万分の一なんて、それぐらい低いなんて思わずにやっている人も多いですし、もとがわからない、しかも、それがキャンペーン期間中にふえたと言われても、ふえているのか、ふえて何%になっているのかもわからない。こういう二重の意味で確認のしようがない、要はプログラムの中の話でありますから。ということもあって、結構横行してきている。優良な、真面目な業者もいるでしょうけれども、やろうと思えば幾らでもやれてしまうというような構造になっているというふうに思います。

 大臣にお伺いしますが、こういういわゆるレア商品、珍しい、大当たり商品、この出現する確率は極めて低く、しかも、その確率が表示されないままに行われるガチャというのは、これは、おとり広告に関する表示というルールの中にある、取引の申し出に係る商品、サービスの供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明瞭に記載されていない場合という違反に当たるのではないでしょうか。お伺いします。

河野国務大臣 御指摘のように、おとり広告に関する表示においては、景品表示法が禁止するおとり広告の一つの類型として、「取引の申出に係る商品又は役務の供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明瞭に記載されていない場合のその商品又は役務についての表示」を規定しております。

 お尋ねのようなガチャの表示に関しては、ガチャ自体が独立して取引されるものではなく、ガチャの提供を含むオンラインゲームの取引が上記の取引であると考えられることから、景品表示法が禁止するおとり広告に当たるものではないというふうに考えております。

井坂委員 今の御答弁ですと、ゲームそのものが、言ったら、消費者に対して提供されているものであって、ガチャガチャの一個一個は取引ではないということなんでしょうか。

 御存じかどうかわからないですけれども、ゲームそのものは大体無料なんですよ。無料でゲームができて、もちろん、ガチャガチャさえ回さなければ、要は、弱い仲間と弱い武器だけで敵を倒し続けていくという方もいっぱいいらっしゃるんです。ただ、やはり、いろいろな方法であおられて、やっぱりこの武器が欲しい、こいつを倒すにはこの武器が欲しいとか、こんな強い仲間がいるんだったら仲間に入れたい、そういう形で百円、二百円とつぎ込み始めるという仕組みになっているんですが、この個別のガチャガチャは取引に当たらないんですか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 今大臣からお話ありましたとおり、まずは、オンラインゲームの取引というものがこの場合は取引ということで考えられますので、取引というものは存在しております。したがいまして、おとり広告には当たらないということでございます。

 また、委員御指摘のとおり、ガチャというものが取引というふうに考えられる場合でありましても、ガチャをするということが取引でございますので、そのガチャをするという取引自体は存在しております。したがいまして、これはおとり広告ということには当たらないというふうに考えております。

井坂委員 今おっしゃったのは、多分、ガチャガチャさえさせてもらえばもう約束されたサービスは提供されただろう、そういうことなんだろうと思いますけれども、別にみんな、ガチャガチャがしたくて百円をつぎ込んでいるわけじゃなくて、かなりまれな確率とはいえ、これが当たるということを期待して課金をし続けるわけですね。

 ですから、これがまれな確率とはいえ当たりますよといいながら、その確率が本当に極めてまれ、一万分の一とかで、しかもそれが表示すらされていない、要は、もうほとんど手に入る確率がないものを何か手に入るんじゃないかという期待をさせて、お金をつぎ込ませているという構造ですから、私は、単にガチャガチャをさせてもらえば契約どおり業者はサービスを提供しているとみなすのは、消費者庁としてはちょっと感度が鈍過ぎるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 この景品表示法で言う取引が何かということでございますが、類例といたしましては、例えば宝くじを引くという場合には、宝くじを引くこと自体が取引というふうに考えられております。これと似たようなケースかと考えております。

井坂委員 宝くじの場合は、大体どれぐらい当たるかということがある程度表示されているわけですよね。当たる確率もある程度みんなわかった上で買っているんですよ。

 ところが、このガチャの場合は、当たる確率がそもそも表示すらされていない、しかも、みんなが思っているより異様に低い、こういう状態なんです。にもかかわらず、当せん確率十倍アップキャンペーンとかいうと、何か、何千円かつぎ込めば当たるんじゃないかみたいな感じがあって、つぎ込んでしまう、こういう構造になっているんです。

 宝くじとはちょっと違うと思いますが、いかがですか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 表示全体から見まして、委員御指摘のとおり、かなり当たるような表示になっている場合に、実はそうではないということでございますと、これは、表示と実際が違いますので、景品表示法上問題になります。

 また、出現確率などがかなり上昇する、何倍になるというような表示があった場合に、実際にそうではないということであれば、これは景品表示法上の問題になるというふうに考えております。

井坂委員 ありがとうございます。

 実際にそうではないということが、またプログラムの中の問題なので、消費者も、それこそ百万つぎ込んだって、確率統計的には出ないときは出ないものですから、それをもって証拠ともできない、暴くのが非常に難しい問題だというふうに思います。

 もう一つ、先ほど未成年者に対する話がありましたけれども、大臣の答弁では、親がクレジットカードを管理すること、子供に対しては、こういう怖い世界でもあるということを教育するとおっしゃいました。それも大事だと思いますが、やはり消費者庁の大臣としては、親の管理と子供の教育だけではいけないのではないかというふうに思います。

 実際、これも業者の自主規制に任せているわけでありますが、未成年者への、例えば時間帯、この時間帯しかゲームをやっちゃだめとか、何時間以上やっちゃだめとか時間の規制、あるいは課金も、ここまでしか未成年者はお金をつぎ込めないような仕組みにするとか、そういう形で規制が一部始まっているわけでありますが、やはり業界団体の自主規制に任せていると漏れがあるし、どこまで実行されているかわからないというふうに思います。

 現状、業界団体の自主規制だけで、全ての会社あるいは全てのゲームで未成年者が課金をし過ぎないような、要は、何万、何十万と使わずに済むような規制はされているんでしょうか。これは通告どおりです。

河野国務大臣 オンラインゲームにおける未成年者への高額課金の防止については、業界団体や大手の事業者は自主的な取り組みを実施していると認識をしております。ただ、オンラインゲーム関連の全ての事業者における自主的な取り組みの実施状況については、網羅的には把握をしておりません。

 この問題は、委員からも問題提起がありましたように、もともとの確率がどうだったか、これはプログラムを見なければわかりませんし、キャンペーンと言われても、キャンペーン期間中の確率がどうなのかというのもわからないわけですから、なかなか、消費者庁が出ていって何とかというのは非常に難しいんだろう。むしろ、こういうオンラインゲームを業界としても健全に発展させようとするならば、業界としてきちんとルールを決めて、業界で、そのルールが守られているかどうか、何らかの方法で確認をしていただくという方が、私は、インセンティブもあると思いますし、実効性もあるというふうに思っております。

 ですから、しばらく、業界がどのように自主規制のルールをつくって、ルールをつくるだけでなく、それをどのように担保するかというところをまずしっかり見きわめていきたいと思っています。それがやはりこの業界の健全な発展あるいは実効性のある取り締まりということにつながってくると思っております。

 それがなかなか、抜け穴だらけだ、尻抜けだ、どうにもならぬ、社会問題化してきたというときには、別なやり方を考える必要があるというふうに思っておりますが、どのゲーム会社がどの団体に所属して、どのルールが適用されて、どういうふうにそれが確認されているかということをまず業界がきちんとユーザーに知らしめて、ユーザーもそれを知った上で安心をしてゲームをやってもらう、まずそういうサイクルをスタートさせていきたいというふうに思っています。

井坂委員 時間ですので終わりますが、きょう御紹介したように、未成年者も含めて既に我々の常識を超えた課金が行われております。社会問題化したらということではなくて、私はもう既に問題だというふうに思いますから、ここも先ほどの不動産と一緒で業界任せには限界があると思いますので、ぜひ消費者庁としても、実態の把握、そして有効な対策はどういうものがあるのかというものの検討に入っていただきたいというふうに思います。

 以上です。

江崎委員長 それでは、続きまして、本村賢太郎君。

本村(賢)委員 民主党の本村賢太郎です。

 河野大臣、松本副大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

 きょうは、政府関係機関の地方移転について、消費者庁、国民生活センター、消費者委員会、これらを徳島へ移転するかどうかというお話がございまして、これらについてお伺いしてまいりたいと思っております。

 まず、松本副大臣にお伺いしたいんですが、私ども相模原市、加山市長を初め、自民党を初めとする相模原市議会、全会一致で、国民生活センターの移転には反対の意見書を国に出しております。

 本当に、加山市長がリーダーシップをとりまして、市民挙げて国民生活センターを、これまで受け入れた経緯も含めて私たちもよく勉強しながら、引き続きの存続を望んでおるわけでありますが、二月四日に副大臣と地元のあかま衆議院議員が加山市長と面会されていると思いますけれども、その訪問の目的と内容は何だったのか、また加山市長からどんなことを御要望されたのか、お伺いしたいと思います。

松本副大臣 おっしゃられるとおり、二月の四日に、徳島県から提案のあった消費者庁及び国民生活センター等の徳島県への移転に関する今後の検討のために、まず国民生活センター相模原事務所を視察させていただきました。その後、市長とお会いをいたしました。

 そして、市長には、説明といいましょうか、これがもう既に全てが決まったかのような受け取られ方をしているよというあかま先生からの連絡もこれありで、そうではありませんと、まず説明がおくれたことをおわびした上で、これから徳島に行って、消費者庁のありようが、国民にさらに利便性が高まって、国民のためになるかどうかということ、現実それが可能かどうであるかといったようなことについての検証をこれから行います、まだ行くということが決まったわけではないので、この検証を少し見守っていただきたい、こういうような、説明を兼ねたお願いをしてまいりました。

 市長からは、国民生活センターが基地の返還から始まった長い歴史の中で今日を迎えていることであるから、基本的には反対なんですというお話をいただきました。

 そして、その後、先生お話しの反対決議等々を私の副大臣室にお持ちをいただいて、お会いをいたしました。

 ただ、二月の四日には、副大臣が来て説明をいただいたことについては感謝するというお言葉を頂戴して帰ってきたところであります。

本村(賢)委員 移転ありきの話じゃない、決まったわけじゃないという話でありますが、移転対象となった経緯など、おわびがあったというお話を伺っているんですが、いかがですか。

松本副大臣 国民生活センター相模原事務所が移転の検討対象に入ったのが昨年の十二月でございました。そして、それを消費者庁とあわせて検討していく、どうしていくかということもこれありで、市長にどう説明をするかというようなことがあって、おくれたということについて率直におわびをしてきたところであります。

本村(賢)委員 本来、今回の地方創生の政府関係機関移転は、昨年の三月から八月が締め切りだったわけでありまして、十二月十四日に突如として、大臣と徳島県知事のテレビ会議からこの話が出てきたということでありますが、相模原市に説明があったのは一月の十五日なんですね。非常に経緯が雑というか、ここが煩雑であることは十分反省をしていただきたいと思います。

 河野大臣は、自民党の消費者問題調査会においても、行くか行かないかを考えていると必ず行かないという結論になるのが目に見えておりますので、三点セットで徳島に行く、行く前提で課題が何かを抽出して、その課題をどう潰せるかを考え、これは先ほども言っていましたね、課題が潰されたところからさっさと行く、そういうスタンスで臨みたいと思っております、そういう強い決意もいただいたわけであります。

 その委員会におきまして、大臣の方から、地方で仕事ができない役所は潰した方がいいと発言をしているようでありますけれども、消費者の安全、安心を守るための機関である消費者庁や消費者委員会、国民生活センターが潰れてもいいと大臣は考えているのか、お伺いいたします。

河野国務大臣 消費者庁というのはやはり強くなければいけない。だから、私は所信の中で、牙をむくということを申し上げました。東京にいると強いけれども地方に行ったら強くない程度の強さじゃだめなんだ、徳島からでも消費者庁の牙は北海道でも沖縄でも届くぞ、それぐらい強い役所にしようというのが私の決意でございます。

本村(賢)委員 では、この潰した方がいいという発言はされていないんですか。

河野国務大臣 そんな弱い消費者庁にするつもりはないという私の決意でございます。

本村(賢)委員 強い決意は伺いましたが、ここで働いている多くの皆さんもいらっしゃるわけでありますし、先ほど西村委員からも、消費者庁が立ち上がった経緯もございます。

 このような言語道断な発言をする大臣に消費者行政を担当する資格が本当にあるのかどうか、本当にここは疑問に思う点であります。

 例えば、きょうお配りしている資料の二の一に、皆さんごらんいただければ、消費者庁と主要関係省庁の連携という形で、消費者庁は、三十本の法律を所管しておりまして、消費者保護に関する法律には二百本以上に携わっているんですね。

 また、まさに他省庁を消費者の目線で監督する司令塔だと私は消費者庁を思っているんですが、この視点において、消費者被害の未然防止や拡大防止のために、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターは、他省庁や産業界に対して、苦労しながら指導や要望を行っているということを私も承知しておりますし、多分、大臣も承知していると思うんですが、徳島県に移転しても、引き続き同じレベルで行うことができると大臣はお考えなのか、お伺いいたします。

河野国務大臣 できるかどうかをしっかり把握しようというのがお試し移転でございます。それに何か問題があるならば、その問題をどう潰していくかということを知恵を絞って考えていこうというのが今度のテストでございます。

 地方創生をやろうというわけですから、ある知恵は最大限使ってやってまいりたいと思います。

本村(賢)委員 何点かちょっと御指摘したいんですが、業務停止などの対象となる業者の約七割が関東圏の事業者なんですね。それから、大臣はテレビ会議で何でもできると考えているようでありますけれども、テレビ会議が機能するのは、例えば会社の本店と支店のように、同じ目的、同じ方向を向いている者同士の場合であるんじゃないかと私は思います。

 先ほど大臣がお話しされた、霞が関は総理を筆頭に国民の最大幸福を目指すという共通目的を持った組織だから民間と変わらないというお話があったんですが、消費者庁をつくるときに消費者庁設置法に携わってきた当時の内閣法制局長官が、改めて、この民間とは変わらないという発言から、民間とやはり違うんだなというお話もされております。このことはよく頭に入れておいてもらいたいなと思います。

 また、消費者庁や国民生活センターと省庁や産業界との厳しい交渉は、とてもテレビ会議ではできるものではないと私は思っています。問題の商品を互いに見ながら交渉したりするわけでありますし、大臣、私、国民生活センターに行ったときに、臭い手袋の商品の検査をしておりました。例えば、においなんかはテレビでわかりますか。どうぞお答えください。

河野国務大臣 現時点の技術では無理だと思います。

本村(賢)委員 現時点では無理だけれども、これからは可能なんですか。いかがですか。

河野国務大臣 遠く離れたところに同じにおいを伝えようという技術開発をしている科学者が何人もいらっしゃいますから、そう遠くないうちに、そうしたことも可能になるかもしれません。

本村(賢)委員 大臣の移転にかける強い思いというのは、本当に与野党を超えて私たちも感じているところでありますけれども、大臣の願いが強いばかりに、例えば現場の職員が、これは消費者行政を担う職員なんですけれども、移転に伴う問題について、消費者庁や国民生活センターの職員が大臣に遠慮なく指摘ができるかどうか、この辺が問題があるとか、ちょっと私、疑問に思うんですが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 私の秘書官を含め、さまざまな問題提起をしょっちゅうされていますので、何かあれば遠慮なく言ってきていただきたいと思います。私の秘書官はそこに座っていますけれども、一日三回ぐらい小言を言われております。

本村(賢)委員 優秀な秘書官を持たれて、それは、お一人はいいかもしれませんが、やはり、消費者庁、そして消費者委員会、国民生活センターと多くの皆さんがお働きになっているんですね。

 例えば、消費者庁には三百四人の常勤と二百名の非常勤、国民生活センターには常勤百二十名、非常勤百三十人、そのうちの百十一人が消費生活相談員、そのほかに派遣職員四十人がいるんですが、そういった方々が大臣の強い意気込みに対してなかなか自分たちの思いを伝えにくいんじゃないかなと思うんです。

 例えば、大臣、無記名でこういった職員たちや消費者委員会の皆さんにアンケートをしたらどうかな。私たちの民主党の部門会議でもこれは提案をして、やる方向で消費者委員会の方は検討するという話だったんですが、大臣、どうですか。

河野国務大臣 いろいろな意見の吸い上げはやらなきゃいかぬと思っていますので、無記名のアンケートでも結構ですし、直接私の大臣室に来ていただいて思いを言っていただいても構いませんし、それはもうさまざまなやり方で意見を吸い上げていきたいというふうに思っております。

 消費者庁の移転に関しては、技術的には、さまざまな技術がありますからそんなに難しいことはないと私は思っておりますが、やはり、大勢の職員の皆様には、いろいろな生活があり、家庭があり、いろいろな事情があります。ですから、一番難しいのはその辺をどういうふうにしていったらいいかということなんだろう。それは、最初の消費者庁の挨拶のときにも、一番難しいのは人の問題なのだということを申し上げました。ですから、そこは非常にしっかり見ていかなければいけないというふうに思っております。

 今のお試し移転、いろいろな技術を使って徳島でやっていこうということは、逆に言うと、今、東京の霞が関に通勤をしてきていただいていますが、こういう技術を使えば通勤しなくてもできるようになる、あるいは、一番自分の住所に近い消費生活センターのようなところへ通勤してもらって、そこで国民生活センターやら消費者庁の仕事ができるような可能性もあるわけで、さまざまな働き方の選択肢がふえるというところにも将来的には資すると思っておりますので、いろいろな取り組みをしっかりとやってまいりたいと思っております。

本村(賢)委員 今、非常に幅広い職の選択ができるようなお話もあって、踏み込んだ御答弁だと思いますが、では、大臣、このアンケートをとっていただくということでよろしいですか、無記名で。

河野国務大臣 どういう吸い上げ方にするかは考えていきたいと思います。

本村(賢)委員 では、必ず、職員の皆さんたちに御意見を聞いていただけるという機会をつくっていただけますか。

河野国務大臣 それは、七月の移転に誰が行ってもらうか、あるいは移転をするときにどういう人事構成にするか、いろいろな節目節目がありますので、節目節目で考えていきたいと思います。

本村(賢)委員 次に、国民生活センターについて、ちょっと例を挙げて御質問したいんです。

 先ほど、国民生活センターは、常勤百二十人、非常勤百三十人のうち、百十一人が消費生活相談員でありまして、派遣職員が約四十名いらっしゃいます。

 国民生活センターの相談員一人当たりの年間相談件数は四百五十件、それに対して徳島県の相談件数は年間百二十件でありまして、かなり、経験上、レベルの差があるんじゃないかなということは指摘をしてまいりたいと思いますし、また、徳島県の消費生活専門相談員の資格保有率は全国で四十位、それから研修参加率は四十五位、本年度の相談員資格試験、消費生活アドバイザーの試験合格者はゼロ、相談件数やあっせん件数も少なく、スキルを磨くのは難しい。

 この点を指摘しながら、徳島に移転した場合、現在御活躍の優秀な相談員の方々は大半がやめられてしまうのじゃないか。先ほどさまざまな職の選択もお話しされたようでありますが、やめられてしまうんじゃないかなと心配をしております。それでも国民生活センターの相談業務、被害解決機能が維持できると考えていらっしゃいますか。

河野国務大臣 例えば、ロサンゼルスである会社の相談センターに電話をすると、その電話を受け取る人はどこにいるかというと、インドにいるかもしれないんですね、フィリピンにいるかもしれない。つまり、何かの相談の電話をしたときにその電話の受け手がどこにいなきゃいけないかというのは、今ほとんどグローバルに、どこにいても対応できるような技術というのがあるわけです。

 そうすると、国民生活センターが徳島に移った場合に、では相談員がみんな徳島にいなきゃいけないかというと、全くそんなことはないわけで、どこにいてもいいよと。では、東京から徳島にセンターが移るなら私は札幌に移って札幌で相談をやろうといったって、それは電話が転送されればいいだけの話ですから。

 それはいろいろな技術があるわけで、それを使っていくということがこの消費者行政を次のステージに上げていく。頭からそんなことはできないと言う人もいらっしゃいますが、今から二十年前には、インターネットなんというものは考えられもしなかった。そういうものが今現実になっている。3Dプリンターなんというのは、数年前には、何のことだというのが、今、3Dプリンターでいろいろなものができるようになってくるわけで、その技術の進歩というのをしっかり使ってどうこの消費者行政のレベルを上げていくかというのが、今回の試行の、チャレンジの一つだと思っております。(発言する者あり)

江崎委員長 御静粛に。

本村(賢)委員 どういうステージに上がっていくんでしょうか。

河野国務大臣 そこはさまざまな知恵の絞りどころだというふうに思っております。

 例えば、ツイッターが出たときに、百四十字しか書けなくて何ができるんだ、あるいはアマゾンが始まったときに、そんなに在庫を持って商売になるのか、いろいろなことが言われたわけですが、今、両方ともそれなりに全世界で活躍する企業になっているわけで、いろいろな知恵と技術を利用すればそれはいろいろなことができるわけで、恐らく、行政だってそういうことができないわけはないんだろう。

 霞が関にいて、何か当たり前に隣の省庁と肩を並べていないと行政ができないというのは、今まではそうだったかもしれませんけれども、本当にそのやり方でいいのかどうか。働き方だって、そういう働き方でいいのかどうかということを考えて、みんなで知恵を出していくというところから新しい日本が始まるんだし、新しい地方創生が始まるのではないかと私は期待をしております。

本村(賢)委員 日弁連からも、センター・オブ・センターとしてのレベルの相談員の確保、ADRを担う専門家の確保ができず、消費者行政機能が低下するんじゃないかという懸念が指摘をされておりますし、大臣はよくテレワークという話もされておるようでありますが、実際の業務はチームでやるんですね、チーム。一人でやるんじゃないんです。チームであれば、より高いレベルでの対応が可能となってくるわけでありまして、個人情報の問題もあり、自宅で取り扱っていいかというような問題も指摘をされているわけでありまして、さまざまなまだ課題があるのではないかなと思います。

 ちょっと時間がないので、次の質問に入ります。

 今回、徳島へ移転するとき、資料三をごらんいただきたいんですが、飛行機が、これは石破大臣にも御指摘させていただきましたが、羽田―徳島が一日十一往復、福岡―徳島が一日一往復のみで、消費者庁が有識者会議に提出した資料によれば、徳島駅を起点にした場合、東京を起点にした場合に比べ、所要時間が長くなる都道府県が四十一都道府県、短くなる県が六県でありまして、三月十四日から四日間行われたお試し試験で、板東長官は、アクセスはちょっと不便だと感じたと。神戸空港からバスで三時間かけて現地に入られたというふうに伺っておりますが、また、全国から出てきていただくという機能として課題がまだあるんじゃないかというふうに御指摘をされております。

 徳島への移転によって交通の便が悪化することは明らかなわけでありまして、これは通告しておりますが、午後開始の研修に参加するために前泊が必要なところが全国で何県程度あるのか、相模原の場合よりも宿泊費を含めて交通費がふえるのは何県あるのか、具体的にお答えください。

河野国務大臣 これはヤフージャパンの乗換案内を使って計算をしてみたわけでございますが、国民生活センターによりますと、消費生活センター所在地から徳島県の鳴門合同庁舎までの所要時間を試算して、一時までに着くと仮定をした場合、前泊が必要となる都道府県は八道県ありました。また、相模原事務所で実施するよりも、宿泊費を含めて交通費がふえるところは二十四都道県となっております。

 ですから、この移転に課題がないかといえば、課題は山積みなんです。課題があるからやらないかではなくて、課題があるからそれをどうクリアしていくか。出かけていって余計時間がかかる、出かけていって交通費が余計かかるんだったら、出かけないという方法だってあるかもしれない。そういう今までとは全く違うやり方をした場合に何ができるんだろうということを考えるのも、このテストの一つの意味だというふうに思っています。

本村(賢)委員 国民生活センターの相模原事務所の方に私ども視察に行った際に、ちょうど研修の方々が来ていらっしゃいまして、皆さん、午前中に例えば北海道から出てこられて、部屋に入らず、そのまま会場に入って、スーツケースを置いたまま講習を受けるという姿が見受けられておりますので、恐らく、費用の課題なんかも、地方負担というもので大変大きくなってまいりますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 次の質問に入りますが、次は、予算肥大化の観点から御質問させていただきます。

 現在、既にある研修施設を捨てて、研修業務を移転するのは税金の無駄遣いではないかという御指摘もあったり、あと、安倍政権下で、平成二十六年八月に出されました国民生活センター相模原事務所研修施設の活用に関する懇談会報告書によれば、「当該研修施設の処分には電気設備の移築等の費用を要するほか、立地上、売却も困難な見通しであり、当該施設利用時に比べてかえってコスト増の結果となっている。」とあるが、同じ問題が起こり得るんじゃないか。また、まち・ひと・しごと創生本部の中央省庁の地方移転の基本的な考え方によりますと、地方移転による費用増大や組織肥大化の抑制という視点が盛り込まれております。

 その点について、今回、テレビ会議でうまくいったところ、大臣からさっき三つお話を聞きましたけれども、うまくいかなかったところもあると板東長官も御指摘をされております。甘いものが現実にあった、しっかり情報システムについて勉強しなければならないなど、河野大臣からもこういった御発言があるわけでありますけれども、新たなシステムを導入することはあり得るのか、また、それは予算の肥大化につながるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 新たなシステムを導入することはあり得ると思いますし、当然、それは予算が大きくなるということだと思います。

 トータルでこれをどう判断するかというところが大事で、金をかけないという意味でいえば、何もやらぬのが一番金がかからないというのは、これははっきりしております。多少金をかけて、いろいろな新しいことをやることによって、さらにプラスアルファを得ようとするならば、やるべきなんだろうと思いますし、どこまでをその判断の範疇の中に入れて物事を決めていくかというのは、これから、総理、石破大臣を初め、しっかり議論していきたいと思います。

本村(賢)委員 どういうプラスアルファがあるんでしょうか。

河野国務大臣 それは、一番大きいことを考えれば、こういうことが起こることによって、地方創生、地方の経済が活性化し、日本経済が成長し、税収もふえるというのが一番大きなところだと思います。どこまでそうしたことを考えていくかというのをこれから議論していきたいと思います。

本村(賢)委員 消費者庁は、やはり命を守るという、本当に原点だと私は思っていますので、その辺が変わらないようにお願いをしてまいりたいと思います。

 石破大臣は、いささかも今回の政府関係機関の地方移転において質が落ちてはいけない、これは強く何遍もさまざまな委員会で御答弁されているわけでありまして、ここは私たちも同じであります。

 まず、ここの問いに関して、河野大臣も同じでしょうか。

河野国務大臣 消費者庁がどこにあっても、消費者庁に期待されている役割を果たせるようにしていきたいと思います。

本村(賢)委員 そうなれば、移転によって消費者庁と消費者委員会、国民生活センターの機能が少しでも低下をするならば、国民生活の安心、安全を守る役割が少しでも失われてしまうようであれば、移転はやめるという方向で捉えてよろしいでしょうか。

河野国務大臣 消費者庁が果たすべき役割をどこで果たすかということをしっかり考えていきたいと思います。

本村(賢)委員 これは単純な、イエスかノーでお答えいただきたいんです。

 消費者庁、そして消費者委員会、国民生活センター、大臣が言っている三点セットです。この三点セットが、例えば徳島に移転することによって機能が少しでも低下する、これが見受けられるならば、この段階で、大臣が、三点セットで行く前提で、課題が何かを抽出して、その課題をどう潰せるかを考え、課題が潰されたところからさっさと行くというお話もあったようでありますけれども、この意気込みはすばらしいと思いますけれども、ただ、大臣、実際に機能が低下したら、さっき、いささかも質が落ちてはいけないという、石破大臣と同じだということでありますから、ということは、質が落ちるようないわゆる検証結果が出れば、移転はしないということでよろしいですか。

河野国務大臣 何度も申し上げますが、消費者庁が果たすべき役割をどこで果たしてもいいと私は思っています。

本村(賢)委員 どこで果たしたとしても、大臣、私が指摘したいのは、さっき言った、所管法律が三十本あって、二百本の法律とかかわりを持っているわけですね。先ほどの資料二を見ていただければ、さまざまな省庁と関係がございます。先ほど西村委員からも指摘があったように、例えば、このさまざまな省庁が、内閣府や公正取引委員会、警察庁、金融庁が先に徳島に移転をしているならば、これはあり得るかもしれません。しかし、それらの機関が東京に残って、それでいわゆる国民生活センターを初めとする三つの省庁が先に徳島に移転することは、これは機能低下になると思うんですけれども、機能低下になったら移転するかしないか。するかしないかで答えてください。

河野国務大臣 何度も申し上げますが、消費者庁が果たすべき役割をどこで果たすか、それが問題なのであって、それが徳島であるか東京であるか、それは問われる必要はないというふうに私は思っています。

本村(賢)委員 いや、ですから、機能が下がった場合に、答えていないんですよ、質問に。機能が下がった場合は移転しないですか、それで捉えてよろしいですか。

河野国務大臣 消費者庁に求められている役割が、きちんと果たせる消費者庁であるべきだということを申し上げております。

本村(賢)委員 大臣、日本語が通じないんですかね。

 徳島に移転したときに機能低下が起こったら、そのときは、石破大臣も言われているように、いささかの質も落としてはいけないということなんですよ。そのためのお試し期間で今やられているわけで、それは私たちも否定はしません。もしこのお試し期間で質が落ちるようなことがあったら、それは移転をしないということでよろしいですね。

河野国務大臣 私は日本語で申し上げておりますが、消費者庁が果たすべき役割をきちんと果たす、それが消費者庁だと申し上げております。

本村(賢)委員 これで質問を終わりにしますが、最後までちょっとかみ合わず残念ですが、私も日本人としてわかる日本語でしゃべったつもりなんですけれども、機能が下がるか下がらないかということに対して、ぜひとも真摯な答弁を次回御期待したいと思います。

 ありがとうございました。

江崎委員長 それでは、次に、清水忠史君。お願いします。

清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。

 私は、大臣所信について、大臣自身も述べられました軽井沢町におけるスキーバス事故について質問します。

 河野大臣は、軽井沢におけるスキーバス事故は、あってはならない事案だというふうに述べられました。

 消費者安全調査委員会、消費者事故調の畑村委員長は、一月二十二日の会見で、長野県軽井沢町で発生したスキーバス事故について、重大な消費者事故と位置づけ、調査対象にするかどうかも含めた情報収集を事務局に指示したことを明らかにしました。

 河野大臣も、このスキーバス事故というのは重大な事故だという同じ認識でしょうか。

河野国務大臣 軽井沢のスキーバス事故は、十五名もの方が亡くなられた大変深刻な事故でございまして、事業者の提供する役務の安全性を欠いたことが原因だと疑われるわけでございます。消費者安全法における消費者事故に該当する、そう思っております。

清水委員 バスの事故情報につきましては、運輸サービス事故として、消費者庁が一元的、継続的に情報収集しているはずですね。大切なのは、集めた事故情報を公表するだけではなく、再発防止、同じような事故が決して起こらないように、分析や評価、場合によっては関連する省庁に対して措置要求を行うということが、私は非常に重要な役割ではないかと考えております。

 ところが、ちょっと古い話なんですけれども、二〇一三年七月十日の消費者庁長官の記者会見で、ある記者が、関越自動車道事故というのが二〇一二年にあったんですが、これ以降、国交省がいろいろ対応されておりますが、事故の情報を集中的に集められている消費者庁として、再発防止のために何らかの関与をされていらっしゃるのでしょうかと質問しました。このとき、当時の阿南消費者庁長官は、特に消費者庁として対策を立てているということはないですとそっけなく答えているんですね。

 大臣御承知のとおり、鉄道、それから船舶、航空、こういう事故は、国交省が所管して、調査と再発防止策をとります。ところが、運輸サービス、バスの事故というのは、これは消費者庁が責任を持って一元的に情報を集め、分析、評価し、再発防止の手だてをとる、こういうことが大事だと思うんですね。

 河野大臣は、あってはならない事案だ、こういうふうにおっしゃられましたので、今後、こうした反省も踏まえて、やはり同じようなバス事故が決して起こらない、とりわけ、今回の事故では大学生、前途ある有望な若者が多数命を奪われたわけですから、このような事故が起こらないようにしっかりと対応していくということが求められると思うんですが、その点について所見をお聞かせください。

河野国務大臣 この事故を受けて、国交省がバスの安全対策の強化を検討しております。法令違反への罰則強化ですとか監査体制の強化、最低限の安全対策がしっかりと講じられるものと我々は思っております。そういう意味で、国土交通省の取り組みをしっかり注視していきたい。

 と同時に、消費者庁としても、今までは、バス旅行の場合は、どこへ行くか、あるいは幾らかという価格情報を主に消費者は選択をしていたわけでございますが、これだけバスの安全に対する消費者の関心が高まっておりますので、例えば、日本バス協会が出している、バスの三つ星、二つ星、一つ星という安全性の評価のようなものをしっかりと広報していって、あるいはバス旅行のパンフレット等にそうしたことを明記していただいて、消費者が、価格だけでなく、そうした安全に対する事業者の取り組みについても選択の中にきちっと入れていけるようなことにしていきたい。

 それによって、消費者が、安全対策ができているもの、三つ星のバス、二つ星のバスを選ぼうということになれば、事業者の安全に対する投資も実を結ぶ、そういういいスパイラルになるわけですから、消費者庁としては、ぜひそうした取り組みをやってまいりたいと思っております。

清水委員 私は、今の河野大臣の述べられた答弁については意見があります。

 といいますのは、今おっしゃられたのは、値段だけではなく、バスの安全性について、消費者に対してちゃんとその評価がわかるように表示するような流れをつくっていこうということなんですが、これは裏を返せば、消費者にその責任を負わせるということにつながる場合があると私は思うんですよ。

 というのは、やはり学生というのはお金がないですから、百円でも安いバスツアーを選びますよ。リフト券がついて、弾丸ツアーであっても一万円から三万円ということであったら飛びつくんです。だから若い学生が乗るわけですね。

 しかも、どのバスが安全なのか、どのバス会社が信用できるのかということも含めて消費者の側に委ねるというのは、私はちょっと本末転倒だと思います。どんなバスでも、参入しているバスは全て、スキーツアーバスは安全だということが前提でなければ、それは本当に国としての役割、消費者庁としての役割を果たせるのかなというふうに私は思うんですね。

 それで、今回のバス事故の原因というのは、やはり根は深いと私は思うんです。

 今回、ゼミ生を亡くされた尾木直樹さん、通称尾木ママと言われておりまして、テレビや週刊誌でも有名な方ですが、直接お話を伺いました。やはり、ずさんな経営を続けていたバス事業者、とんでもない、違反を繰り返し。同時に、キースツアーですか、ダンピングして、法定料金を払わずに請け負いさせる、とんでもない。しかし、そうした事業者を放置し続けてきた国の責任を尾木直樹さんは問うておられるんですよ。

 これはやはり根は深くて、二〇〇〇年の規制緩和以降、バス事業者が参入して、過当競争が拡大して、お客さんのとり合いになって、値段のダンピングが横行し、法令違反を繰り返すバス事業者が増大した。そして、そのしわ寄せはどこに行ったかというと、やはりバスの運転手。低賃金、あるいは非正規、アルバイト、こういうところに押しやられていくということがあったと私は考えております。

 そういう点では、本当に消費者庁としてこのような事故を起こさないというのであれば、国交省任せにするのではなく、また、消費者の方に安全性を確認させる、選択を委ねる、そういう責任を転嫁するのではなく、消費者庁として、誰もが乗る、国民が乗るツアーバスは安全だというふうにしていくという心構えがとにかく大事だと私は思っています。

 その点で、私は二つ言いたい。

 一つは、国交省でいいますと、やはり参入規制。これを緩和したことによって悪質業者がどんどん参入してきた。大体、監査員というのは三百数十人で十二万社あるトラック、バス、タクシーを監査する。とても追いつきません、バスだけで四千五百ぐらいあるわけですから。実際、今回事故を起こした業者に対しても、漏れていたということですよね。

 ですから、そういう点でいうと、国交省に対して、規制をしっかりとやりなさいという観点と、もう一つは、運転手の健康管理ですよ。

 運転手の過労死というのは全産業の労働者の約三割を占めるんですよ。今の自動車運転者向けの改善基準告示というのは、一日十六時間拘束できます。十三日連続勤務が許されています。インターバル時間は、制限されているのが最少で八時間しかありませんから、八時間寝ることもできないこともある。だから、この自動車運転者向けの改善基準告示をやはり見直すべきだということがずっと現場からは言われているんですよ。

 となると、消費者庁としては、国交省に対しては、規制をもっとしっかり強化しろ、悪質業者をしっかり取り締まれるように監査の体制を強化しろということ、そして、厚生労働省に対しては、自動車運転手の健康管理、ひいては改善基準告示の見直し。これはずっと言われてきていることですけれども、国交省も厚労省も推進しないんですよ、現状。これを誰が指示するのかといえば、私はこれは消費者庁しかできないと思うんです。

 そういう観点が大臣におありかどうか。そういう心、牙をむくというふうにおっしゃいましたね、「消費者庁は常に牙をむき、」と。それは、産業育成省に対して、事業者の利益を優先させるというよりも、やはり消費者の安全の立場で、言いにくいことも、時にはやはり規制をかけることも消費者庁が言わなければならない、そういう決意はございますか。

河野国務大臣 まず一義的には、監督官庁があるわけですから、そこの役所がこれだけの事故を受けてどうするかということなんだと思います。我々は、別にほったらかしにするつもりはありませんが、まず監督官庁がどんなような対策をとっていくのか、それが実効性があるものかどうかということをしっかり見きわめなきゃいかぬと思っております。

 私は、消費者というのは、権利もあるけれども、その権利をしっかりと上手に使うということもやはり求められているんだと思います。与えられた情報をちゃんとそしゃくして、考えて選ぶというのが消費者の役割の一つなので、消費者というのは、ただ出されたものをそのままおいしい、おいしいといって食べればいいというものでは決してない。だから、そこは与えられた情報をちゃんと判断する判断能力を消費者というのは持たなきゃいけないわけで、上げ膳据え膳、箸の上げ下げまで全部国が面倒を見ますということはやるつもりはございません。

清水委員 私はスキーバス事故について伺いました。すると、今回バスに乗って、事故を起こした、学生に責任があるんですか。

河野国務大臣 そんなことは申しておりません。消費者は与えられた情報に基づいて判断をする必要があるということを申し上げているのであって、国が全部面倒を見るということではないということを申しているんです。

清水委員 整理して言いますけれども、与えられた情報をというふうに今おっしゃいました。では、情報が全部あれば今回の事故は防げたんですか。

河野国務大臣 全部の事故が防げるということを言うつもりはありませんが、少なくとも、与えられた情報をきちんと判断して、リスクが少ない、あるいはバリュー・フォー・マネー、こういう選択をするのが消費者なんだというふうに申し上げているわけです。

清水委員 それでは確認しますけれども、先ほど、第一義的には所管省庁がやる。それは当然です。でも、やってこなかったんだから、私が説明したように。中途半端なんだから、消費者庁がしっかりと牙をむくということは私は必要だと思います。

 私は、この質問をするに当たってレクチャーをいたしまして、消費者安全課からも聞きました。関越自動車道事故以降、バス事故について何か対策をとってきたかと言ったら、とっていませんと言っているんですから、やってこなかったことの反省も含めて今後どうするかという議論をしているわけなんですね。

 またの機会にこの問題は引き続きやらせていただきたいというふうに思いますが、河野担当大臣は、消費者の安心、安全を守るという消費者担当大臣である一方、規制改革を推進する担当大臣でもあるわけですよね。きょうは議論しませんけれども、やはり、規制緩和をして事業者の経済活動を促進するということと、そして規制を強化すべきは強化して消費者の安心、安全を守るという、ともすれば二律背反するような立場に今回おられるというふうに私は正直見ています。どちらの側に立って頑張るのかというのは、牙をむくという決意をされたわけですから、このスキーバス事故についても、これまで果たしてこなかったわけですから、消費者庁としてしっかりと対応していくことを強く求めて、次の質問に移ります。

 私も消費者庁移転問題について質問をさせていただきたいと思います。

 お試し移転が行われておりますが、板東長官は記者会見で、テレワークでは有用性に限界を感じた点もある、こういうふうに述べられました。遠隔地でのやりとりはなじまない業務があるという趣旨のことを述べておられるわけなんですが、一体これは具体的に何のことを述べているのか、消費者庁審議官にお答えいただきたいと思うんです。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 徳島県における試行的滞在においては、ICTを活用したテレビ会議やテレワークによる業務の試行を通じまして、意思疎通や業務遂行が円滑に行われるかといった検証などを行ったところでございます。

 ICTの活用につきましては、一定規模以下の少人数での打ち合わせや会議ではテレビ会議などを使うことの有用性や可能性が感じられた一方、一定規模を超えると、その限界も感じられたとのことでございます。

 具体的に申しますと、専用テレビ会議システムであっても、大規模会議の場合、発言者以外の反応がわからない、あるいは会議外の会話ができないなどといった課題があると感じられたということでございます。

清水委員 今の発言を聞きましても、ICTが絶対だめだとは言いませんが、消費者庁が徳島にいて、今審議官が答弁されたように、有用性に一定の限界も感じた、大人数の会議のときには、発言のタイミングを逃したとか、あるいは発言したくてもなかなか当ててもらえないというようなことも言っておられたというふうに思います。

 それで、テレワーク、ICTのことなんですけれども、消費者庁としての機能の強化ということについては、どうしても私にはわからないんですよ。というのは、一般的な企業が本社と支社でテレビで会議するというのは、これはまああるでしょう。消費者庁は、そのことをすることによって、今の消費者行政よりも機能が向上するのかどうか。するとすれば、それは具体的に何のことを指すのか。これをちょっと、単純な問題ですけれども、教えていただけませんか。

河野国務大臣 消費者庁を地方に移転するということは、消費者庁の働き方を変えよう、そういうことでございます。ですから、新しい働き方で何ができるのかというのが知恵の出しどころだというふうに思っています。

清水委員 新しい働き方というのは、別に悪いことじゃないですよ。

 私が聞いたのは、消費者庁を徳島に移転することによって、ICTを活用することによって、消費者行政の何が機能向上するのかというふうに聞いたんですね。これだけの話なんですよ。消費者行政の何が向上するのか、それを教えてください。

河野国務大臣 そういうことを含め、テストをしていきたいと思っています。

清水委員 ちょっとそれはお答えになっていないと思うんですよ。

 例えば、消費者にとってこんなメリットがあるよとか、あるいは、今まで数々起こった事故の問題、子供の玩具だとかボタン電池の誤飲だとか、冷凍毒入りギョーザだとか、今回のバス事故だとか、こうしたものを、徳島に行くことによって、より一層、一元的に情報管理して、そして消費者事故をなくしていく、国民生活センターも機能が充実する、これが国民のためになるんだという説明だったら私はわかるんですけれども、そうじゃなくて、今、働き方が変わる、これだけ言われても、消費者行政の機能が向上するというふうには、ちょっと私は正直理解することができませんでした。

 時間もありますので最後の質問に移りたいというふうに思うんですが、食品に関する重大事故では、例えば農薬入りの食品とかの場合は、消費者安全法を踏まえて、消費者庁は、直ちに消費者向けに注意喚起を行う必要があり、関係省庁の局長級で構成する消費者安全情報総括官会議というのを開催することになっております。

 そこでお伺いしますが、事務方で結構です。消費者安全情報総括官会議を開催する際、会議の事務局は誰か、どんな仕事をするのか、教えてください。

福岡政府参考人 御説明申し上げます。

 御指摘の消費者安全情報総括官会議というものがございますけれども、これは消費者の安全に関する緊急事態等において開催するものでございます。

 その会議の事務局は、消費者庁消費者安全課が担うこととされております。

 また、その業務でございますが、会議の日時や場所の調整といった事務を行うとともに、政府全体の情報の集約とか、対策の取りまとめ等を担っております。また、関係省庁の体制が不十分な場合には、追加的な対策を要請する等の役割を果たすことが期待されていると認識してございます。

清水委員 今の御答弁を聞きましても、緊急対応のときにやはり徳島に機能があっては、そうした事務局の役割、例えば会議室を押さえるとかレジュメの用意をするとか、さまざまな仕事を果たしてできるのかなというふうに思います。

 最後に、河野大臣、今回、我が党は、一月二十六日に梅村議員と一緒に中止の申し入れをこの移転問題ではさせていただきました。そのときに、やってみなきゃわからない、やりもしないでやらないというのはだめだと河野大臣自身の決意を述べられました。

 それで、七月に、引き続いて一カ月間やるということなんですけれども、この消費者庁の移転が機能の維持向上につながり、移転すべし、もしくは、いろいろ試したけれどもやはり問題があるよね、検討しようというときに、最後に判断するのは誰が判断するんでしょうか。

河野国務大臣 政府全体でそこはしっかり議論をして取りまとめるということだと思います。

清水委員 ぜひ消費者団体や国民の声を聞いて取り組んでいただきたいと思います。

 終わります。

江崎委員長 それでは、続いて、丸山穂高君。

丸山委員 おおさか維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも大臣にいろいろ質疑させていただきたいと思います。

 先ほどから、消費者庁の移転の話、各委員からいろいろなお話、御質問、厳しい声が多かったと思います。しかし、そうした中で、今回の河野大臣、本当に非常に、あらゆる反対の声が上がっている中でもやり切るんだ、できる限りやれる方向性での可能性を探るんだという思いを持って取り組まれていることに、本当に私はすばらしいというふうに思いますし、役所におりましたので役所の中の抵抗も見えるがゆえに、感動すら覚えているところでございますので、そのあたりも含めてお伺いしていきたいと思います。

 あの三・一一の地震のときにも多くの方がお感じになったことだと思います、全てのものが東京に集中しているということの危険性を。今でも東京一極集中はだめだとおっしゃっている方が多いにもかかわらず、この問題に当たっては、何かしら問題点を先に、こんな問題がある、こんな問題がある、先ほども、機能の維持向上が難しいんじゃないかと。

 それは、今の時代、東京に全てが集中していて、ほかの地域に移動したら、何かしらのそごが出る、ふぐあいが出るというのは目に見えていますよ。しかし、それをどうやって改善していくのか。

 真の意味で地方分権を、今までどの政党も、地方に活性化、地方分権と言ってきて、しかし何も行動してこなかった中で、まずみずからがやるんだ、しかもそれは御自身の担当されている省庁でやるんだという意気込みというのは非常にすばらしいですし、これは逆にプラスの面で考えていくべきだと私は思います。こんな問題があった、だからこそ、では、こうしたらできるんじゃないか、もっとこうしたらできますよ、民間ではこんなのをやっています、そういった意見も逆に集めていただいた方が私はいいと思います。

 先ほど、役所の中で匿名でお話を集めたらいいというアイデアがありました。別にそれはやっていただいてもいいと思いますし、いろいろな御意見を集めるのが大事だと思います。しかし、恐らく、役所で匿名で集めたら、みんな東京にいたいのに、どうして徳島に行かなきゃいけないんだ、不便じゃないか、そんな声が匿名でいっぱい上がるに決まっています。

 私は聞いていて思ったんですけれども、できれば、ネガティブな言葉じゃなくて、こんな問題があるけれどもどうしたら解決できるでしょうかというのを、本当に日本じゅうから知恵を集めたらいいと思うんです。ぜひ、そうしたアンケートも、逆にネガティブな方じゃないものをやっていただきたいなと今までの質疑をお聞きして感じたところでございます。

 私個人としても、おおさか維新の会としても、地方分権、地域を活性化するためには、やはりある程度改革を断行していかなきゃいけないという姿勢は同じように持っていますので、そのあたりも含めて、いろいろな利点や問題点が挙がっています、明らかになってきたというふうに思いますけれども、現時点で、大臣として、どこが一番のネックになってくるのか、そして、大臣はどうやったらそれをクリアできるかなと、仮説でも構いません、ぜひポジティブな思いを聞かせていただきたいんですけれども、よろしくお願いします。

河野国務大臣 業務やらシステムは、本気になれば、本気になればと言うと言い方が本気じゃないみたいに聞こえるかもしれませんが、これはこつこつやれば、いろいろなやり方でクリアができるというふうに思っております。

 最初から私が、この移転で一番難しいのは、消費者庁の職員の皆さんをどう動かしていくのか。中にはほかの省庁から来てくださっている人もいますし、プロパーの職員もおります。あるいは、五年後、十年後消費者庁に入ろうと思っている人だっているんだろうと思います。霞が関で働くんだと思ったら、消費者庁は徳島にありますというときに、果たしてそういう人が来てくれるんだろうかというところまで考えると、人間をどういうふうに、徳島でやるぞというふうに思ってもらうのか。

 あるいは、それぞれの御事情がみんなあると思うんですね。御家庭があったり、お子さんの教育があったり、なんだりかんだり。消費者庁にとって必要だけれども、今家庭の事情があってなかなか動けませんという人を、それでは、消費者庁が徳島に行ったときに、そういう人たちをどのように活用できるのか、そこがやはり一番これから考えていかなければいけない大きな問題になってくるというふうに思っております。

丸山委員 民間企業だと転勤は当たり前のようにあるわけで、特に、大企業になればなるほど、消費者庁ほどのでかい組織であれば、転勤というのは非常に普通にある制度だと思うので、そこで公務員の方々だけ、どうして、聞いていたのと違うと言うというのは、私は、国民の皆さんの納得は逆に得られないと思います。しかし、心情としてそういうお声があるというのはもちろんわかっていらっしゃって、そして、それを御心配されている、リーダーとしてすばらしいとは思います。

 私は、人の部分はもちろんあると思うんですけれども、もっとほかの、例えばシステムの部分なんかは逆にICTの発展でいけるというお声がありました。においの話も出ましたけれども、においは一例であって、いろいろなやり方があると私は思っている。例えば、東京にもその判断をできる人が数名いるというのもありだと思います、そういう判断もする人もいるけれども、もしくは出張で行ってやるというのもできると思いますので、それが何かしら、移転したら全てができなくなるかのようなことは少し違うというふうに思うんです。

 一方で、もう少し、人のメンタル面以外の部分で、今回のお試しで行かれて何か問題が生じたかどうか、お答えいただけますか。

河野国務大臣 長官は、たしか東京からお試し移転に行かれたのではなくて、九州から入られたんだと思います。それから、職員の中には、お試し移転が終わって、そのまま青森に出張に行ったという職員もおります。昼ごろ徳島を出て、青森に着いたのが夜九時だったというふうに報告を受けております。

 今、地方創生と言っていますが、東京や伊丹を中心としたハブの航空路になっていて、それぞれの地域地域を結ぶ航空路線というのは余り発達していないというのが現実でございます。これは消費者庁だけでどうこうできるものではございませんが、そういう問題についても、地方創生と言うならば、いずれテーブルにのせて議論することが必要だろうと思います。

丸山委員 今、アクセスの話がありました。

 秋田県知事が会見でこのアクセスの問題を挙げられたというふうに報道で聞いているんですけれども、秋田から行くのだと、東京だったら日帰りで行けたものが、徳島だったら二泊三日ぐらいになるんじゃないかというお声があったと思うんです。

 私は、現時点はそうだとしても、本当に安倍内閣なりもしくは河野大臣が地方分権、地方創生をやるのであれば、先んじてやることで交通網も発達していくものだというふうに思います。逆に、先に交通網をつくってしまうとがらがらになっているのが今の国の交通行政であったり道路行政であって、ニーズをつくることで、それによって航空路が開発されていくというのが自然な流れであるんだと私は思うんですけれども、そういった意味で、霞が関が先んじて移動するというのは、非常に私は大事な点だと思います。

 調べましたら、各役所がどうして霞が関にあるのかというのは根拠法がないんですね。つまり、消費者庁ならなぜ今の消費者庁の場所にあるのか、経済産業省ならなぜ経済産業省の場所にあるのか、外務省ならなぜ外務省の場所にあるかというのが、別に何か番地が書かれているわけではなくて、一応設置法という形で設置するというのは書かれているんですが、住所が書かれているわけじゃないわけですよ。

 つまり、役所の皆さんは動きたくない。やはり東京が便利ですし、住むのに快適だから東京にいたいというのはみんな思うと思います。そういった意味で、ある意味労組さんとか公務員関係の抵抗も大きいと思いますけれども、しかし、最後に判断できるのは、政治がもし判断できたなら、法改正が必要なく前に進めることができる部分だと思います。

 問題点が多々ある中で、またいろいろなお声が出てくると思います、徳島からももしかしたら出てくるかもしれないですし。逆に、うちなんかは大阪なので、どうしても大阪に来てほしいという思いがあって、中小企業庁とか特許庁さん来てくださいというお話をどんどんしているんですけれども、今回なぜか漏れているということなので、引き続き、来てくれ、こんないいところがあるというプラスの面でアピールしていきたいというふうに思うんです。

 ネガティブな声が出てきたときに、私は、逆にポジティブで返してくださっている大臣のお声をもっと政策に反映いただいて、こういう問題があるんだけれども、こう変えたいと思うがどう思いますかとか、こういう問題があるから、何か問題解決する方法を見つけられませんかみたいなことを党派を超えて国民の皆さんにもやっていただくと、消費者庁がきっかけでほかの省庁も前向きに進むと思いますので、ぜひ、ポジティブな姿勢を反対の声に負けないように続けていただけますように、結果も出していただけるように、よろしくお願い申し上げます。

 時間がなくなってきましたが、最後に公益通報者保護制度についてお伺いして、終わりとしたいと思います。

 消費者庁の検討会で、企業の不正などを正当に内部告発、内部通報した労働者に報復的に人事をした企業、これはニュースとか、また裁判でもこういった事例があまた出てきていますけれども、これに対して、きちんと指導や勧告、あとは課徴金ですね、罰金といった形の行政的な措置をできるように法改正をすべきだというのが検討会で出されたというふうな報道があります。

 これは、今やはり非常に問題になっていて、だからこそ、言っていいのかなと思っていらっしゃる、通報しなきゃいけない社会的な正義はお持ちだけれどもできないという方も多いと思うんですけれども、この点大臣はどうお考えで、そして今回の検討会の報告を踏まえてどう動かれるのか、お伺いできますか。

河野国務大臣 検討会での議論は、今議員がおっしゃったのとおおむね同じような感じで、行政的措置を導入しようというふうに意見の一致が見られると言っていいと思います。

 私は、この制度は非常に大事だと思っておりますので、こうした制度の見直しを含め、この公益通報者の保護、それから法令の遵守というのを積極的に前向きに取り組んでまいりたいというふうに思っております。

丸山委員 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、何でも改革するときというのは本当に反対の声がいっぱい出ます。大体の人は、総論賛成で、しかし、自分のことになったら各論反対みたいな声が上がります。大阪でも、我々、都構想という政策を前に進めるときに同じような抵抗に遭っています。

 そういった意味で、大臣、ここで負けずにしっかり前に進めていただいて、結果も出していただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

江崎委員長 御苦労さまです。

 これをもって散会いたしますが、特にきょうは第一回目ですから河野大臣に質問が集中しておりますが、せっかく副大臣と政務官、これは与野党を問わず、きちっと質問することが大臣にとっても負担軽減になりますので、これを委員長から申し上げて、散会。

    午後五時散会


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