衆議院

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第2号 平成24年3月15日(木曜日)

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平成二十四年三月十五日(木曜日)

    午前九時六分開議

 出席委員

   会長 大畠 章宏君

   幹事 小沢 鋭仁君 幹事 大谷 信盛君

   幹事 逢坂 誠二君 幹事 宮島 大典君

   幹事 山花 郁夫君 幹事 鷲尾英一郎君

   幹事 中谷  元君 幹事 保利 耕輔君

   幹事 赤松 正雄君

      阿知波吉信君    石井登志郎君

      磯谷香代子君    稲見 哲男君

      今井 雅人君    緒方林太郎君

      大泉ひろこ君    岡本 充功君

      川越 孝洋君    川村秀三郎君

      木村たけつか君    京野 公子君

      近藤 和也君    近藤 昭一君

      篠原  孝君    辻元 清美君

      中川  治君    中野 寛成君

      仁木 博文君    鳩山由紀夫君

      浜本  宏君    山尾志桜里君

      山崎 摩耶君    笠  浩史君

      井上 信治君    石破  茂君

      木村 太郎君    近藤三津枝君

      柴山 昌彦君    田村 憲久君

      棚橋 泰文君    中川 秀直君

      野田  毅君    平沢 勝栄君

      古屋 圭司君    大口 善徳君

      笠井  亮君    渡辺浩一郎君

      照屋 寛徳君    柿澤 未途君

      中島 正純君

    …………………………………

   人事院事務総局職員福祉局長            桑田  始君

   総務省自治行政局長    久元 喜造君

   衆議院法制局法制企画調整部長           橘  幸信君

   衆議院憲法審査会事務局長 窪田 勝弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十五日

 辞任         補欠選任

  網屋 信介君     近藤 和也君

  岡本 充功君     仁木 博文君

  楠田 大蔵君     石井登志郎君

  辻   惠君     京野 公子君

同日

 辞任         補欠選任

  石井登志郎君     楠田 大蔵君

  京野 公子君     辻   惠君

  近藤 和也君     網屋 信介君

  仁木 博文君     岡本 充功君

    ―――――――――――――

三月七日

 日本国憲法九条を変えること反対に関する請願(照屋寛徳君紹介)(第二三三号)

は本憲法審査会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府当局者出頭要求に関する件

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(公務員の政治的行為の制限と国民投票運動をめぐる問題)


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     ――――◇―――――

大畠会長 これより会議を開きます。

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に公務員の政治的行為の制限と国民投票運動をめぐる問題について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、人事院事務総局職員福祉局長桑田始君及び総務省自治行政局長久元喜造君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大畠会長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大畠会長 次に、本日の議事の順序について申し上げます。

 まず、公務員の政治的行為の制限と国民投票運動をめぐる問題について政府から説明を聴取し、その後、自由討議に入ることといたします。

 それでは、政府から説明を聴取いたします。人事院事務総局職員福祉局長桑田始君。

桑田政府当局者 それでは、日本国憲法の改正手続に関する法律附則第十一条に規定されております、公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、必要な法制上の措置を講ずるものとするとの規定と、現行国家公務員制度における政治的行為の制限との関係について御説明します。

 国の行政に携わる一般職の国家公務員は、その職務遂行に当たっては、国民全体の奉仕者として政治的に中立な立場を維持し、一部の政党や政治的団体に偏することがないようにすることが求められております。

 このため、一般職の国家公務員については、国家公務員法第百二条及び人事院規則一四―七政治的行為により、一定の政治的目的をもってする政治的行為を制限されることとなっています。具体的には、人事院規則で政治的目的と政治的行為をそれぞれ限定的に列挙した上で、あくまで人事院規則に掲げられる政治的目的をもってする政治的行為を制限するという形をとっています。

 行為制限の基本に置かれます政治的目的としては、衆参両院議員の選挙または地方公共団体の首長、議会の議員の選挙期間中の特定の候補者に対する支持、反対、特定の政党などに対する支持、反対を掲げています。しかしながら、地方公務員法と異なって、公の投票における支持、反対などは政治的目的として規定されていません。

 したがいまして、国民投票に際して行う憲法改正に関する支持、反対については、人事院規則で政治的目的として掲げられている項目には該当しませんので、国家公務員法が定める政治的行為の制限の対象とはなりません。

 このことは、日本国憲法の改正手続に関する法律附則第十一条において、「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、」と規定されていることと整合しているものと理解しております。

 一方、国民投票運動と称し、実質的に特定政党への支持、反対を目的として、ビラや政党機関紙の配布、署名運動やデモ行為の企画などを行うことは、現行制度上の政治的目的を持つ政治的行為に該当し、制限の対象とされることになるものと考えます。

 以上でございます。

大畠会長 次に、総務省自治行政局長久元喜造君。

久元政府当局者 総務省からは、国民投票法附則第十一条に規定される、公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、必要な法制上の措置を講ずるものとするとの規定と、現行地方公務員制度における政治的行為の制限との関係について御説明を申し上げます。

 一般職の地方公務員は、公務の中立性や公務員の全体の奉仕者としての性格の確保のために、政治的中立性を確保することが求められております。

 このため、一般職の地方公務員については、地方公務員法第三十六条において、公の選挙または投票において特定の人または事件を支持し、またはこれに反対する目的をもって、公の選挙または投票において投票をするように、またはしないように勧誘運動をすること、署名運動に積極的に関与すること、金品の募集に関与すること、文書を庁舎に掲示するなど、地方公共団体の庁舎、施設、資材または資金を利用し、または利用させること等が禁止されております。

 この政治的行為の制限に違反する行為については、刑事罰は科されておりませんが、懲戒処分の対象となります。

 こうした現行法の規定は、憲法改正国民投票を念頭に置かずに制度設計されているところであります。

 なお、附則第十一条は、国家公務員法、地方公務員法の定める一般的な公務員の政治的行為の制限について、国民投票運動の自由の確保と公務員の政治的中立性の観点から、憲法改正の国民投票法上いかなる特則を設けるべきかという問題として国会において議論されてきたものと理解しております。

 総務省といたしましては、憲法審査会における御議論を踏まえながら、その状況に応じ、関係府省とも協議しつつ適切に対応してまいりたいと存じます。

大畠会長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

大畠会長 これより自由討議を行います。

 この際、委員各位に申し上げます。

 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後に発言をお願いします。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただきますようお願いいたします。

 なお、幹事会の協議によりまして、一回当たりの持ち時間は五分以内といたしたく存じます。委員各位の御協力をお願いいたします。

 発言時間の経過につきましては、前回同様、終了時間一分前にブザーを、また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせをいたします。

 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立ていただきたいと思います。

中谷委員 自由民主党の中谷でございます。

 両省庁からのお話に関しまして、疑問点を質問させていただきます。

 まず、総務省の方におきまして、地方公務員の政治的行為の法的な意味でありますが、こういった法律に違反した場合の措置として、国家公務員の方は刑事罰が科せられておりますが、地方公務員の場合は、刑事罰が科されていなくて、懲戒の処分にとどまっておりますが、なぜ刑事罰がないのか。国家公務員にはあって、何で地方公務員にないように法律がつくられたのか、その経緯を御存じでしたら御説明をいただきたいと思います。

 そして、今回の国民投票についての両省の御説明がありました。

 人事院にお伺いしますが、公の投票ということについては可能ということで、政党の支持を目的としたビラの配布などは禁止ということでございますが、物の考え方で、公の投票という概念をもってすれば、どのような憲法改正に関する活動をしてもよろしいという認識でよろしいかどうか。

 そして、総務省の方には、全く内容について、できるかできないかの説明がありませんでしたが、今回の選挙で私は憲法改正において賛成ですということを表明して、例えば街頭などでそれを演説するとか現実にビラを配ったりするということは認められているのでしょうか。

 以上の点について確認をさせていただきます。

桑田政府当局者 私どもの一般職の国家公務員につきましては、国家公務員法百二条及び人事院規則一四―七におきまして、特にその中で、政治的目的をもって政治的行為を行うものについて規制されています。

 政治的目的の中に、公の投票、今回でいいますと国民投票に関する賛否の表明、賛成、反対を行うことについては入っておりませんので、したがいまして、政治的行為という、例えば勧誘を行うとかいうことについては適用がありません。しかし、御承知のように、例えば、最後に私も申し上げましたけれども、これを国民投票と称して実質的に政党の支持だとか特定の候補者の支援、支持をするということになりますと、そこは現行の国家公務員法に基づきまして規制の対象になるということでございます。

 したがいまして、先ほど中谷委員から御質問ありましたように、一般に職員がビラを自分の名前で配るということについては、国家公務員法上の規制の対象にはなりません。

久元政府当局者 国家公務員法におきましては政治的行為の違反について罰則があって、地方公務員法についてはなぜないのかということにつきましては、当時の議事録なども改めて読ませていただきまして、精査させていただきたいと思います。

 経緯についてだけ申し上げますと、国家公務員法の方が先に制定されておりますが、昭和二十二年に制定されました国家公務員法におきましては罰則はございませんでした。昭和二十三年、翌年に国家公務員法は改正されまして、罰則が追加されております。

 地方公務員法が制定されましたのは昭和二十五年であります。政治的行為の制限違反については罰則はありませんでしたが、政治的行為を行うよう教唆等を行った者に対しては罰則はありましたけれども、これは参議院で、罰則は科さないというふうに修正された経緯があります。

 経緯として、説明とさせていただきたいというふうに思います。

 それから、現行の地方公務員法におきましては、政治的目的といたしまして、「公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、」というふうに書かれておりますので、国民投票運動につきましても、その「目的」に入るというふうに考えております。

 そして、その上で、実際にそれが行為の規制対象になるかどうかというところにつきましては、地方公務員法上、公の投票において「投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。」と書かれておりますので、その具体的な行為が勧誘運動に当たるか当たらないかということで判断されるものというふうに理解をいたします。

緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。

 発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。質問というよりも意見表明ということにさせていただければと思います。

 まず一つ目、自由な勧誘活動ということですが、これが本当に政党支持ときちっと切り離すことができるかどうかということについては精査が必要なのではないかなというふうに思います。

 政治活動と国民投票の話とを本当に完全に切り離すことができるかというと、例えば国民投票と、何らかの地方自治体の選挙であったり国政選挙であったりというのがあったときに、例えばですけれども、こういう働きかけをしたときにこれが合法か違法かということなんですが、民主党という政党はこの案を支持していますという前置きを置いた上で、この案を支持してくださいというふうに言ったときに、これは物すごく政党支持がにおう働きかけだと思いますけれども、言っていること自体は、案を支持してくださいとしか言っていないわけでありまして、これがどう解釈されるか。本当に、政治活動、政党支持と切り離された国民投票法というのがあり得るのかということについては精査が必要ではないかというふうに思います。

 二点目については、憲法上、公務員に関してさまざまな規定がございます。公務員がやっている仕事についての規定もございます。こういったものについて勧誘活動をすることが本当に適切なのか、自分自身の、憲法の中に公務員に関するさまざまな規定があるものについて、これをこう改正すべきだ、こう改正すべきだという発言を自由にやるということがいいのかなというふうに思っています。

 三点目、これは職場での上下関係を使った上で、例えば企業であれば、企業が選挙のときに誰々を推すとかいうことで号令をかけるというのと同じように、例えば役所で局長が、もっと言うと大臣が、この案でいこうじゃないかというふうに役所の中に働きかけをするということ、こういったことまでが許容されるか。これは極論でありますけれども、可能性として検討されるべきものではないかというふうに思います。そして、庁舎内での国民投票法における勧誘活動というのが許されるのかどうかということ。

 そして最後に、公務員の中には、自衛隊であったり警察であったり、さまざまなそういった実力を持っている人たちがいるわけですが、この方々をここで言うところの公務員の範疇に入れるのかどうかということ。これは、例えば、これも極論になると思いますけれども、自衛隊の方々が憲法九条に関して活動することがこの検討の中でどうあるべきかということについて問題提起をさせていただきまして、発言を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大畠会長 非常に率直な御意見をいただきまして、これからそれについてもいろいろと検討すべき課題かなと思いますが、今の率直な御意見に対して、現段階で人事院あるいは総務省で何か基本的な考え方を述べることはできますか。

 それでは、ただいま非常に現実的な課題についても述べられましたので、今後、この憲法審査会としても一つの課題として受けとめさせていただきたいと思います。

 それでは、きょうは他の委員会も、同時並行的に進められているところもありますので、他の委員会との関係で早目に発言を希望する方は、その旨、事務方にも話していただきたいと思います。

照屋委員 会長、御配慮ありがとうございます。社会民主党の照屋寛徳です。

 最初に、石原慎太郎東京都知事の憲法についての発言に対し言及しておきます。

 石原東京都知事は、去る二月二十一日の都議会自民党の新春の集いに出席をし、日本国憲法について、自民党に頑張ってもらって破棄したらいい、改正しようとすると国会の議決が要るなどと述べ、改正よりも破棄すべきだとの見解を示したと報道されております。

 理論的には、クーデターや革命により現行憲法の理念を全否定する政権が誕生した場合、憲法改正ではなく破棄もあり得ると思いますが、私や国民はそれを望まないし、そのような事態があってはならないと考えます。

 さて、本日の憲法審査会のテーマである公務員の政治的行為の制限と国民投票運動について意見を申し述べます。

 私は、人を選ぶ公職選挙と、憲法という国の最高法規を選ぶ、いわゆる政策を選ぶ国民投票運動とは全く異なるものであり、したがって、全く異なる法規制によって律せられるべきものと考えます。

 言うまでもなく、憲法改正に関する国民投票運動は、主権者たる国民の重要な権利の行使であり、最大限に保障されなければならない人権でもございます。本来、政治活動は原則として自由であるべきです。そのことを保障することが、民主主義と民主政治の根本であります。したがって、憲法を改正すべきか否か、またどのような憲法を選択するかについての国民投票運動は原則として自由とすべきであり、規制を前提とすべきではありません。

 このような基本的考えに基づき、国家公務員であれ、地方公務員であれ、国民の一人として憲法改正案に対する賛否の勧誘、意見の表明を行うなどの国民投票運動について、制限すべきではないと考えます。

 同時に、私は、国家公務員法第百二条、人事院規則一四―七、地方公務員法第三十六条の規定を承知の上で、公職選挙と国民投票運動に同じような規制を設けるべきではないものと思料いたします。

 国民投票運動にかかわる公務員の政治的行為の制限については、衆議院憲法調査特別委員会においても、平成十八年十二月十四日段階の民主党、自民党・公明党の修正要綱が国家公務員法等の政治的行為の制限規定を全面適用除外とすることで一致していたことを思い起こすべきであります。その後に、自民党、公明党の切り分け論の提起があり、日本国憲法の改正手続に関する法律附則第十一条になったものと理解をしております。

 以上です。

大畠会長 ただいまの意見表明あるいは御自分のお考えを述べられたわけでありますが、これについて、人事院、総務省関係で御発言はございますか。あるいは、橘部長は、今のお話についてずっと経緯を御存じでしょうから、これまでの調査会での審議を経て、何かありましたら御発言を許したいと思いますが、どうでしょうか。

橘法制局参事 会長からの御指示でございますので、一点、情報提供という形で御報告をさせていただきます。

 今、全面適用除外と切り分け論については、照屋先生からお話があったとおりであります。

 先ほどの緒方先生の御指摘も踏まえれば、本当に純粋な勧誘運動、政党への支持、反対を目的としない純粋な勧誘運動というものがあり得るのかということも、国民投票法制の論議の中では御議論になられました。

 その観点から、公務員についても国民投票運動に関しては原則自由であるべきだ、その切り分けも難しいという観点から、公務員の行き過ぎた行為は、地位利用、先ほどもおっしゃられましたけれども、公務員の地位利用による国民投票運動への関与という形を規制すればいいのではないのかというのが、最終的に民主党の案になりました、いわゆる全面適用除外。これは、国民投票運動の場合では、少々の行き過ぎは地位利用でもって対処すればよくて、純粋な勧誘運動とのその曖昧なところは全面適用除外で対処するべきだというのが民主党案に最終的になったものと思われます。

 他方、幾ら国民投票運動の場面であっても、本当に公務員の政治的中立性を担保する必要はないのかという観点から出てこられたのが、自由民主党、公明党の、この附則十一条に結実した、いわゆる切り分け論。ですから、先ほど緒方先生御指摘の問題は、実際に制度設計される場合の大きな論点であるということは、附則十一条を起案されたときも先生方は認識しておられたと思います。

 以上です。

柴山委員 発言の機会をありがとうございます。

 今のお話で非常に気になる部分がございます。制度設計として、本来、国家公務員よりも地方公務員の方が、その政治的な活動の自由というものは、権力性の薄さにより、より担保されなければならないにもかかわらず、国の公務員が公の投票における支持、反対が自由であるというふうになっているのに対して、地方の方ではそのようになっていない、いわば、本来の方向性とは逆の規定となっているところが非常に大きな問題であろうかと思います。

 ただ、先ほど緒方委員の方からもあったように、国の方が本当に自由かというところを考えた場合に、やはり政党の支持と切っても切り離せない部分があるということと、それから、これはぜひ質問なんですけれども、先ほど例に挙がった自衛隊のみならず、例えば裁判官ですとか検察官ですとか、地位利用でなくても、その職務のあり方に高度な信頼性、中立性の確保が求められている職種もあるわけであります。こういった方々に対して、本当に、公の投票ということで、政治的な目的を直接有するものでないということで自由に発言を許していいのかということについて、特に、国家公務員も憲法尊重擁護義務があるはずですので、そういったあり方について御意見をお伺いしたいと思います。

 そして、地方公務員については、やはり限定的に規制をするべきだと思うんですけれども、教職員、特に公立学校の教職員については、これは、地位利用というような形で規制をすれば、その弊害の大きな部分は担保されるのかというような意見もあろうかと思いますけれども、仮に、学校の関係以外のところでもこういった活動を教職員に認めた場合に、私は、やはりかなり学校の教育課程への信頼というものに影響が出てくるのではないかというような気がいたしますので、地方公務員への一定程度の自由ということについても、やはり職種によっては慎重な配慮が必要になるのではないかというように考えておりますので、このあたりの議論、あるいは総務省の考え方についても御説明をいただけたらと思います。

 以上です。

桑田政府当局者 お答え申し上げます。

 私ども、附則第十一条で、「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、」ということがありまして、それにつきまして必要な法制上の措置を講ずるということにつきましては、先生が御指摘のような考え方もあろうかと存じますけれども、いずれにしましても、現行制度におきます国家公務員の政治的行為の制限の内容を踏まえた上で、当憲法審査会において御議論いただき、必要があれば法制上の措置を講ずることとされているものというふうに理解をしております。

久元政府当局者 柴山委員から、国家公務員と地方公務員との政治的行為の規制のあり方について、国家公務員の方が規制が緩やかで、地方公務員の方がこれが対象になるというのは逆の方向を向いているのではないかという御指摘をいただきました。

 この点についての私どもの考え方ですけれども、現行の国家公務員法も地方公務員法も国民投票ということを念頭に置いて規定されていないということは共通しているというふうに思います。その上で、国家公務員の場合には対象にならなくて地方公務員の場合には対象になるというのは、恐らくは両方の規定の仕方からくるのではないかというふうに考えております。

 まず、国家公務員法につきましては、その目的と行為の態様を人事院規則に委任をしております。そして、目的につきまして個別に書いているわけです。公選による選挙、それから最高裁判所の裁判官の審査などを個別に書いているわけです。地方公務員法の場合には、法律で「公の選挙又は投票において」というふうに一般的に書いておりますので、ここに形式的に入ってくるということであろうかと思います。

 さらに、その上で申しますと、国家公務員法の方が範囲が狭くて地方公務員法の方が範囲が広いということは、国民投票を除けばないというふうに思います。

 具体的に申しますと、人事院規則では、例えば地方自治法に基づく条例の制定、直接請求も対象になりますが、地方公務員法の場合にはなりません。また、政治的行為の態様につきましても、人事院規則の方が個別に詳細に具体的に書いておりまして、その範囲は恐らくは地方公務員法の概括的な規定よりもより具体的に詳細に書いておりまして、その範囲は広いのではないかというふうに考えております。これが現行法の考え方についての私どもの見方でございます。

 それから、教育公務員について御指摘がございましたが、教育公務員につきましては、教育公務員特例法で「国家公務員の例による。」というふうになっておりますので、基本的には今の人事院規則と同じ規制が適用になるというふうに理解をしております。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。発言順の御配慮をいただきまして、まことにありがとうございます。

 総務省に、すぐれて実務上の問題ではありますが、しかし、重大な影響を及ぼす問題についてお尋ねを申し上げたいというふうに思います。

 先ほどもお話がありましたが、この国民投票において、公務員が憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、必要な法制上の措置を講ずるということと、国政選挙等における政党の支持、これはもう公務員として意見表明や勧誘をしてはならないものだというふうに基本的に言っていいものだと思いますけれども、これをどう切り分けるかということ、大変難しいんじゃないか、こういうふうなお話がありました。

 そういう点でいうと、この国民投票というのは、例えば衆参国政選挙あるいは統一地方選挙と同時に投票を行うということは基本的にできないものだというふうに解釈をされなければならないのかということをお尋ねしたいというふうに思うんです。

 つまりは、同じ日に、例えば日曜日に投票を行うとすれば、そこにおける、国民投票における勧誘行為というのは、事実上何がしかの政党等の勧誘とパラレルになる部分を帯びてしまう可能性がある。そして、同時に選挙が行われている場合はそれは一体不可分だということになってしまうというふうに思います。地方選挙まで考えてみると、一月から十二月まで毎週日曜日、どこかで年がら年じゅう選挙をやっているわけでありまして、そうすると国民投票というのは一体いつできるのか、こういうことにもなる。

 つまり、国民投票というのは、この国民投票法において、単体として、ほかのいかなる国政、地方選挙とも別の日にちに設定をされて、別の期間を設けて行わなければならないものだというふうになってしまうのではないかと思いますが、その点、現状における解釈、見解をお伺いしたい。これは実務上大変大きな問題になると思いますので、お尋ね申し上げたいと思います。

久元政府当局者 実は、この点、私ども、地方公務員法の政治的行為を考える際に、国民投票が国政選挙と同時に行われるのか、あるいはある地方選挙と同時に行われるのか、それは法律で見る限りは必ずしもよくわからないわけでありますけれども、その点どういうような議論が行われたのかということにつきまして、正直に申し上げまして、私どもは必ずしもよく理解できておりません。

 公務員法制のあり方につきましては、例えば、先般、憲法審査会で行われました船田元参考人のお答えなどを読ませていただきますと、憲法審査会でまず考えていただくというような御答弁もあったわけでありますけれども、私ども、この公務員法制を考える際に、選挙と同時に行われるということが理論上排除されないのかどうか、理論上は排除されないとするならば、同時に行われるということも含めて検討されなければならないというふうに思いますので、その点は憲法審査会の御論議などを見守らせていただきながら検討をさせていただくというのが基本的な立場でございます。

橘法制局参事 参考意見を申し述べさせていただきます。

 国民投票法立案時に、国政選挙と国民投票が一緒に行われることがあり得るかということは大変大きな問題でしたので、その点について提出者の先生方のお考えを改めて御紹介申し上げます。

 憲法改正国民投票と国政選挙を同時に実施することはこの国民投票法で想定しているのかということであります。これは、憲法九十六条が国民投票について、特別の国民投票というやり方と国会の定める選挙の際行われる国民投票の二つを想定しているからであります。

 しかし、与野党が政権をかけて相争う全国規模での国政選挙と、国会の三分の二以上の勢力が協調して憲法改正の是非を国民に問うという国民投票とは質的に異なるものであり、同時に行えば有権者は混乱しかねない、このような観点から、憲法改正国民投票法では、憲法改正国民投票と国政選挙を同時に実施することは想定せず、基本的に特別の国民投票として実施すること、これを念頭に法整備を行ったというふうに提出者の先生方は述べられております。

 しかし、このことは、同時に実施することを禁止しているのではなくて、解散というのはいつあるかわかりませんので、同時に実施されるということを否定しているわけではない。しかも、補欠選挙や地方選挙が国民投票運動の、例えば最長六カ月の期間の中にあることもあり得るわけであります。

 その際、まさしく今先生方御議論のこの政治的行為はどのようになるのかについては、次のように立案者の先生方は述べられておりました。

 そのような場合、国民投票運動は、憲法改正案に対し賛成または反対の投票をし、またはしないよう勧誘する行為であることから、一般には公職選挙法に言う政治活動に該当し、同法の定める政治活動規制が及ぶことになりかねない。しかし、憲法改正国民投票と選挙とが同時期に行われるという理由で、公選法が定める政治活動規制が働き、当該地域のみ国民投票運動が特に制限されるのは不合理だと。

 そこで、特別に国民投票法では百八条という一項を設けまして、国民投票の発議から投票までの期間に選挙が行われる場合であっても、公選法による政治活動の規制は、政党その他の政治活動を行う団体が、国民投票運動を行うことを妨げるものではない、国民投票運動の自由の方を優先したという規定を設けているところでございます。

大畠会長 ただいまの橘部長の答弁内容について、過去の、検討した経緯もあるようですから、少し書類で、文書で整理して、委員の皆さんにも議論をする参考にお配りをしていただければと思いますので、よろしくお願いします。

石井(登)委員 民主党の石井登志郎です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。

 私からは、実務的な話で、今の見解、そして将来に対する問題提起をさせていただきたいと思います。

 まず、これは人事院に質問なんですけれども、現行法で国家公務員に対するさまざまな規定、現行法の普通の国政選挙等に対する、国家公務員に対する規制は、選挙管理委員会ないし警察が、管理といいますか、ウオッチをしているというふうに承知をするわけですが、国民投票法になった場合に、もちろんどういうたてつけになるかによって変わってくるのかもしれませんけれども、同様に選挙管理委員会並びに警察が、こうした法律にしっかりとのっとった活動の範囲内かどうかというのを管理するというものなのだろうか、この点について、今の枠の中でわかることをちょっと御見解をお聞かせいただきたいと思います。

 そして、もう一つは、私、実は公職選挙法の方でインターネット選挙の解禁を力を入れてやっておるんですが、この関係が、例えば地位利用、もちろん地位利用や全面的な適用除外になればこういう話はないんですけれども、例えば今の国家公務員法のような形で、どこかで活動で線を切るというふうになった際に、今のままであれば、公の投票における勧誘活動はよい、ただ、署名を集めたりビラを配ったらいかぬというような理解であろうと思いますが、事こういう切り分けを当てはめた際に、インターネットの場合、どこで切り分けられるんだろうかというのが大変悩ましいところでございます。

 そういう意味では、きょうはこれは通告をしていないのでなかなかお答えしにくいところかと存じますが、現行法の中で、それはインターネットに書かれている内容によるのか、そしてインターネットでやる行動によるのか、何か御所見があればお聞かせいただきたいのと、また、本件、これからどこかで最終的に切り分けるないし全く切り分けないというような議論になる際にぜひ、アナログの世界ではない、まさにデジタル化した中でどこまでその活動を、ないし、何らかの制約を加えるかということについて、デジタル、サイバーの観点からも御検討いただくように要請をいたします。

 以上です。

桑田政府当局者 現行の国家公務員法におきます、選挙のときに特定の候補者の支援というような場合でございますけれども、これは、先ほど来申し上げておりますように、国家公務員法百二条並びに人事院規則一四―七の政治的目的のところで、特定の選挙、衆参両院議員の選挙でありますとか地方公共団体の首長でありますとか、そういう選挙のときについて、それを支援するためにビラを配るといったものは規制の対象になりますので、それについては罰則等の対象にもなりますので、警察が捜査をすることもあろうかと思います。

 いずれにしましても、個々のケースが政治的行為の制限に抵触するか否かにつきましては、運動の態様等個別具体的に判断する必要がありますので、一概に申し上げることはなかなか難しいのでございますけれども、特定の政党を支持とか特定の候補者を支持するという目的が認められる場合には、それはその対象になると思います。

石井(登)委員 ですから、今の一点目で、将来的にどういうたてつけになるかわからないんですが、国民投票法の中で、国家公務員がその枠の中で活動しているかどうかということに関することは、選挙管理委員会が、警察ということはありましたけれども、同じく選挙管理委員会も判断をすることになるのかどうか、それは内容によるので今はわからないというのか、そのあたりの感覚を教えていただければと思います。

久元政府当局者 必ずしも御質問の趣旨をよく理解してお答えするわけではありませんけれども、まず、公職選挙法との関係で申し上げますと、公職選挙法で使用する文書図画の種類を限定しておりまして、そこの中にホームページが入っていないので、そこで、公職選挙運動の運動の態様のあり方として、ホームページやメールをどうするのか、現行法上はその対象にならないわけですけれども、それが議論されているというふうに理解をしております。

 これに対しまして、公務員法の場合には、先ほど人事院の桑田局長からお答えがあったとおりですけれども、規制のこの規定が設けられたときには、もちろんインターネットなども想定されなかったと思いますけれども、地方公務員法で申しますと、例えば勧誘運動でありますとか、あるいは署名運動を企画し、積極的に関与することということとの関連で申し上げますと、例えばホームページやメールを使ったような行為も、その態様によりましては、個々のケースによりましても、ホームページやメールを使ったものも対象になるということはあり得るのではないかというふうにとりあえずは考えております。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 公務員の国民投票運動について、国家公務員法等と人事院規則による制限を前提にして、自由にすべき行為と規制すべき行為を切り分けるということで附則第十一条が置かれたということでありますけれども、私は、そもそも大もとの国家公務員法と人事院規則そのものの問題があると思っています。

 一九四七年に制定された国家公務員法ですが、翌四八年には、先ほど総務省からもありましたが、わずか一年ほどの間で大幅な改正が行われて、国家公務員の政治的行為を規制、制限した百二条には、「人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」という一句が追加されたわけであります。

 そこで、人事院に確認したいんですけれども、当事者の一人であった、当時、浅井清臨時人事委員長、後の初代の人事院総裁ですが、「新版国家公務員法精義」という本の中で、この重大な一句が追加されたことによって、百二条に例示された政治的行為のほか、何でも人事院規則で禁止、規制し得ることになり、人事院に白紙委任状を渡すような結果になったので、たとえ人事院の独立性が政府の干渉を許さないにしても、これは公務員にとって重大なことであったというふうに振り返っていると思うんですが、そうした記述があることは確認できますね。

桑田政府当局者 お答え申し上げます。

 浅井清氏の「新版国家公務員法精義」の該当箇所では、国家公務員の政治的行為について規定している国家公務員法百二条並びに人事院規則一四―七の制定の経緯などが記載されているものと承知しております。

 国家公務員の政治的行為の制限の範囲について、人事院規則に委任され、政治的目的と政治的行為をそれぞれ限定的に列挙されていると承知しております。政治的行為の制限が、確かにこれは、この制限につきましては、GHQが当初、国家公務員の政治的中立性の確保を要請したことが背景にあるものと承知しておりますけれども、浅井氏の著作においても、規制規定の制定時の経緯が記載されております。

 ただ、猿払事件最高裁判決におきましても、この人事院規則への委任の方法についても合憲という判断がなされているところでありますので、私どもとしては、法律に基づき人事院規則に委任されているということについては、最高裁でも認められているものというふうに考えております。

笠井委員 最高裁の猿払事件の問題については、憲法学界を初めとして各界からも多くの厳しい批判があるということは言っておきたいと思うんですが、私は聞いた質問に答えてほしいんですよ。そういう記述がありますかと聞いたんだから、そのことがあるかないかを聞いているんですよ。それだけ言ってもらえばいいんです。

桑田政府当局者 ございます。

笠井委員 そういうふうに当事者自身が公務員にとって重大なことであったと振り返っているのと、しかも、それらの禁止の全てが百十条で刑事罰の対象とされたことが問題を一層深刻化させて、解釈、適用の混乱を招くことになったんだと思うんです。

 当時も、この改正案が第三回国会に提出されたときに、当然のごとく、人事院規則で規制しようとする政治的行為の内容を国会に示せという要求が起こりました。しかし、それに対して政府側は対応に苦慮しちゃったわけですね。なかなか応えられなかった。

 人事院にもう一つ記述を確認しますけれども、浅井氏がこのことについて、この本の中で、昭和二十三年の改正というのは、同年七月二十二日のマッカーサー元帥から芦田内閣総理大臣に宛てた書簡に端を発したもので、全く総司令部の意向によるものであるから、日本政府側には全く腹案がなかったので、この改正案の主管官庁であった人事院を大いに当惑させたのである。

 こういうふうに書いてありますね。ちょっと確認したいんです。

桑田政府当局者 たしか、私も読みまして、書いてあったと思います。今、ちょっと該当箇所が見つかりませんけれども。

笠井委員 時間がないところで、私は通告して、ここを聞きますからと言っていたんですから、ちゃんとそれは言ってください。

 まさに、国公法百二条の改正というのは、マッカーサー書簡と、それに基づく政令二〇一号、フーバー勧告草案など、GHQが強い圧力をかけて、日本政府を押し切って、アメリカのハッチ法をモデルにして包括的な政治活動の制限、禁止を強要して、アメリカにもない刑事罰まで盛り込んできたものであります。そもそも合憲性が問われる典型だと。

 米国自身、当時のような規制、制限はもうやっていないわけで、参議院でも人事院が答えていますけれども、イギリス、フランス、ドイツにおいても、国家公務員の政治的行為を制限する場合においては、刑事罰でなく懲戒処分がなされているという答弁もしているわけですから、日本の場合は、世界から見ても異常な法律だということがあって、そもそもそこのところを、やはり改憲手続法にかかわりなく、それぞれ所管する委員会できちっと議論して改正する、これが大事だというふうに思います。

 以上です。

大口委員 発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。

 この法律附則の十一条について、橘さん、いろいろ議論がございました。要するに、選挙、人を選ぶあるいは政党を選ぶものと、それからこういう国民投票法とはやはり性格が異なるということで、憲法の基本秩序についてはできるだけ自由であるべきだ、こういう議論があったと思います。

 そこで、この附則第十一条がそういう議論の中で、全面適用除外というものと切り分け論、こういう二つがあって、結局は切り分け論という形に多数決でなったわけでありますけれども、私はできるだけ、確かに国民投票法の場合は自由であるべきだという考えでありますので、そういう点ではもちろん、公の投票における勧誘運動については自由にすべきだということは十一条に書いてあるわけですから、これは地方公務員法をしっかり改正しなきゃならないと思うんですが、さらに、政治的目的を持った署名運動の企画とか政治的目的を持った庁舎等への掲示についても、国家公務員法の場合は、人事院は、現行の規定によれば罰則を科す、それから地方公務員法の場合は懲戒処分でいい、こういう不均衡についても、これは改めなければならないんじゃないか。

 それと、これは人事院にお伺いしますけれども、実質的に特定の政党への支持、反対を目的としていろいろな行為をする場合には制限の対象となると言いますが、やはりここも、曖昧であると、結局国民投票における政治活動の自由を不当に制限することになりますので、明確化すべきではないか。そういう問題意識を人事院は持っておられるのか。だから、人事院の方は、今の十一条と現行は整合性はとれていると言うんですが、では、十一条の議論の経緯を受けて何も改正しなくていいのか、そこはやはり検討しなきゃいけないと思いますが、その点はどうなのか。

 それから、総務省の場合は、公の投票ということでも法改正をしなきゃいけないし、また、そういう点では、政治活動の署名運動とかあるいは庁舎への掲示等についても、国家公務員との均衡ということも検討しなきゃならないんじゃないか。

 そういう点では、人事院において、この三年間ですか、どういう検討がなされたのかということもお伺いしたいと思います。

橘法制局参事 附則十一条の趣旨は、大口先生おっしゃられたとおりであります。

 切り分け論、全面適用除外論、いずれも御議論がございましたので、この附則十一条では、ただ少なくとも、賛否の勧誘運動、つまり勧誘運動までは、署名運動を伴うかどうかは別として、純粋な勧誘運動は少なくとも自由の領域に残すべきだ、しかし、その余の詳細な制度設計は将来の法整備に委ねる、そういう御議論であったかと存じます。

桑田政府当局者 お答え申し上げます。

 国民投票法の附則の第十一条は、今御説明がありましたとおり、「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、」ということでございますので、私どもの国家公務員法に基づきますと、一般職の国家公務員の政治的行為の制限につきましては、政治的目的を限定的に掲げておりまして、その中に、国民投票における賛成、反対というものは政治的目的として掲げられておりませんから、政治的行為の制限の対象とならないというふうに判断しました。

 したがいまして、国民投票法附則十一条で、国家公務員が国民投票に際して行う賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないようということについては、整合しているというふうに理解をしたわけでございます。

 ただ、先ほどの一般の公務員の政治的行為の制限のところにつきましては、私どもは罰則がありますものですから、人事院規則におきまして、政治的目的並びに政治的目的をもって行う政治的行為につきましては限定的に列挙をさせていただいておりまして、明確化を図っているというふうには思っております。

 今回、国民投票の運動と称して、例えば政党の支持でございますとか特定の候補者の支持をするということについては、現行の国家公務員法の規制がかかってくるということがございますので、いずれにしましても、国民投票法附則十一条において、憲法改正にかかわります国民投票と公務員の政治的行為の関係につきましては、当憲法審査会において議論をされておりますので、私ども国家公務員の政治的行為の制限の現状を踏まえた上で、必要があれば法制上の措置を講ずることとなっているものと理解をしております。

 以上でございます。

久元政府当局者 地方公務員法におきましては、公の投票を政治的行為、政治的目的の対象に掲げておりますので、国民投票法の附則十一条、すなわち「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、」という規定との関係というのは当然出てくるだろうと思いますので、私どもは、検討しなければならない立場にあるというふうに認識をしております。

 同時に、この点について基本的にどう考えるのかということにつきましては、先ほどより橘部長から当時の国会での御論議などもありましたが、必ずしも、大きな方向について憲法審査会での議論が一致しているという状況でもなかろうかというふうにも理解しておりますので、憲法審査会での御論議というものも十分私ども踏まえながら、実務的な検討をさせていただきたいというふうに思います。

大口委員 では、これまでは、検討は総務省では全然やっていないということですね。

久元政府当局者 当然のことながら、これは検討しなければならない立場にあるというふうに理解しておりますので、総務省の内部におきまして必要な調査研究などは行っておりますが、一つは、政治的行為を定めました地方公務員法三十六条を、それ自体として改正しなければならないという見地からの検討は行っておりません。この附則十一条との関連において、必要な調査研究を行っているということでございます。

山花委員 民主党・無所属クラブの山花郁夫でございます。

 公務員の政治的行為の制限と国民投票運動については、先ほどから議論がありますように、国民投票法が成立をした後もいわゆる宿題として残ったところであります。当時、民主党は、全面適用除外ということを申し上げていたんですけれども、その背景について少しお話をさせていただきたいんですが、これは公務員の話とは少し外れます。

 国民投票自体は、先ほどから議論が出ておりますように、特定の候補者を選ぶ、あるいは政党、政権を選ぶという選挙とは異なって、これからの日本の統治のあり方であるとか人権の保障のあり方ということについて、国民が将来の自分の国の姿について選択をするという投票であるということから、外国の例を見ましても、例えばフランスなどですと、三項しかない、デクレと呼ばれるものでやっていたりとか、非常に規制がない中でやられているということを参考にいたしてまいりました。

 また、買収というとすごく聞こえが悪いですけれども、特定の地域で候補者を選ぶのと違って、日本全国が対象であるということで、投票結果に影響を与え得るようなことというのはなかなかできないのではないかとか、あるいは、もっと言えば、広く国民一般が憲法について議論をして、そして判断をしていくことが重要であるということからすると、これも以前憲法調査会で申し上げた例なんですけれども、例えば、飲み屋などで会社帰りにサラリーマンなんかが憲法について議論をして意気投合して、そこに上司がいたりして、気に入った、わかってくれたか、きょうはおごるよということをやったらこれが買収であるなんということがあっては、これは余りにもよろしくないのではないかということで、例えば、既に議決をされている国民投票法でもそういうケースはなしで、かなり、七重ぐらいに縛った形でないと買収は違反にならないというような形で立案されてきたという経緯があります。

 公務員についても同様でありまして、基本的には、弊害があるというようなことが想定し得るだろうか。先ほど、具体的にこういうケースはまずいんじゃないのという話もありましたが、ただ、そこまで性悪説ではなくて、国民投票についてもっとおおらかであっていいのではないかというのが、基本的に私どものスタンスでありました。

 最終的に議決をされたのは切り分け論というような話でありますけれども、先ほどからの議論を聞かせていただいて若干違和感がございますのは、そもそも、現行憲法の規定に従って発議をされているということは、衆参両院で三分の二の議決があるということが前提であります。今の勢力図ですと政党名が浮かんでしまいますが、かなりの党が賛成をしているという状況の中で国民投票が発議をされているということが、国民投票が実施されている条件ですので、一部少数会派の方にとってはちょっと事情が違うよということかもしれませんけれども、多くの場合、選挙の争点となっているかといえば、選挙の争点となっていないことが前提で国民投票が行われているというふうに理解した方がよろしいのではないかと思っております。

 さらに、この切り分け論についても、当時の自民党の提出者の方からも、基本的には自由であるべきだというような趣旨も述べられておりましたし、むしろきょうは、こういう弊害があるんじゃないかとか、こういうことが問題じゃないかとかいう話がありました。

 公職選挙法について言えば、これまで何度も選挙をやって、こういういけないことがあった、こういうことがあったという立法事実を積み重ねていって、こういう立法事実があったから規制するんだという、それが適切かどうかということについては意見の違いがあるのかもしれません、先ほどの議論の中では。

 ただ、国民投票については、まだ我が国は一度も経験をしていない中で、そういう意味では、規制をするという立法事実もない中で、明らかにこういうことはまずいよねと想定されるケースについて拾っていく、あるいは逆に、議論の立て方として、これはまずいんじゃないかというよりも、もともとこの国民投票法の成立しているたてつけとしては、どこを除外するのかという観点から議論をしていった方が生産的なのではないかと思います。

 これは、当時の議決をしたときの提出者である船田元先生からも、国民投票法の一部改正という形でその点については立案されるのだという認識が示されておりますし、それについては、結局どこを適用除外としていくのかということが争点となるべき事柄ではないかと思いますので、そうした形で議論をしていただくことを望みたいと思います。

 意見表明でございます。

大畠会長 ただいまの御意見も大変大事な視点だと思いますが、この審査会で議論すべきこれからの一つの課題として受けとめさせていただきたいと思います。

阿知波委員 民主党の阿知波吉信です。

 私は、地方公務員の政治的行為の制限について質問したいんですけれども、きょうは一般職の地方公務員についての御説明だったんですが、個別法で制限をしているような事例、例えば教育委員会の委員のようなこともあると思うんですけれども、こういうときは多分、限定的、個別に制限していくんでしょうが、一方で、最近の行政のあり方としまして、行政目的の実現のために市民の参加を広く求めて、市民の専門性ですとか能力を積極的に活用していこうということが進んでいるという現状があります。

 端的に言いますと、最近ですと、例えばイノシシのような有害鳥獣の駆除のために、農水省は今、対策実施隊というものを各自治体ごとにつくっているわけですけれども、そういう際に、例えばその部隊の方の身分であるとか報酬であるとかを条例等で規定していくというような動きになっております。

 そういう中で、政治的行為の制限をされる公務員の範囲というものをどこで区分けするのかという目安といいますか基準が今あると思うんですが、そこを教えていただきたいということです。

久元政府当局者 地方公務員法三十六条の規定は、一般職の地方公務員、地方公務員法上職員に適用があるわけですけれども、一般職は、特別職以外の職員というふうにされておりまして、特別職につきましては、地方公務員法三条三項に列挙されております。地方公共団体の長でありますとか地方公営企業の管理者、あるいは委員会の委員などです。

 それからあと、先生から今お話がありました、例えばイノシシの駆除隊の隊長みたいな人は、この三項の中で言いますと、三号の「臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職」ということになろうかと思います。こういう方につきましては、地方公務員法三十六条の適用はないということでございます。

 ただ、そういう方がさらに進んで特別職の公務員なのかどうかということは、具体的な任命行為があるのかないのかということによって個々具体的に判断されるものというふうに理解をしております。

阿知波委員 そうしますと、自分がその公務員に当たるのかどうかという判断はどこでしたらいいのかということなんですが、例えば私がイノシシの駆除隊員になったときに、私は公務員なのかどうか、自分が政治的な行為の制限を受ける対象なのかどうか、このようなことはどのようにされているんでしょうか。

久元政府当局者 まず仮に、イノシシの駆除隊の隊長を例にとりますと、この方については地方公務員法の三十六条の適用はないわけですから、三十六条の規制はかかりません。

 その方が地方公共団体の特別職の公務員であるかどうかということにつきましては、任命権者、この場合には委嘱をした市町村長なりあるいは都道府県知事なりが判断することになろうかと思います。

中谷委員 両省に伺いますが、憲法改正国民投票法の附則第十一条に、国は、この法律が施行されるまでの間に、公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関するその他の活動ができるように、国家公務員法並びに地方公務員法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとするというふうになっております。これは、二年前の五月十八日に法律が施行されておりまして、いわば法律違反の状態になっているわけです。

 両省庁に伺いますが、これに基づいた検討という作業をどの程度行っているのか、そして、これに従いますと、改正法案の骨子が政府から提出されておかなければならないわけであります。そういった問題点とか論点整理をして、我々に情報として与えるべきだと思いますが、その点につきましてお伺いをいたします。

橘法制局参事 これまでの経緯について御報告させていただきます。

 附則十一条の主語は「国は、」ですから、もちろん政府も国会も入るわけでありますが、この提案者におかれては、この条項に基づく法制上の整備は、あくまでも憲法改正国民投票に限定したものでありますので、法制的には憲法改正国民投票法の一部改正、すなわちこの憲法審査会において御議論され、議員立法という形で立案されることが念頭にあったということを、船田元先生は委員会で述べられております。

 御紹介申し上げます。

中谷委員 この法律を読みますと、「国家公務員法、地方公務員法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」ということで、これは、国家公務員法と地方公務員法の改正をする必要はないという認識でよろしいんでしょうか。

橘法制局参事 この附則十一条に基づく法制上の整備につきましては、先ほど久元局長からも御答弁がございましたように、少なくとも現行のままの地方公務員法は、必ずしも国民投票法を念頭に置いたものではないということでありますが、公の投票という形で文理上は読み込まれますので、地方公務員法の整備は必要だということになろうかと思います。

 他方、国家公務員法についてはどうかといいますと、先ほどの人事院局長の御答弁ですと、現行の人事院規則上は抵触しないということでありますので、その限りにおきましては、特段の法制上の整備は一見ないように思われますが、ただ、法案提出者の先生方におかれては、それは、国家公務員法百二条の規定に基づいて委任された人事院規則上のものなので、人事院が本当にこの国民投票法に関する規定を現行のまま整備しないという保証はないということは、法律上そのようなことを人事院規則を改正して追加してはならないという、そういうふうな法整備は必要ではないのかという御議論はございました。

中谷委員 そうしますと、やはり国家として、行政としては、こういう点について課題があって問題があるということの検証と検討をこの審査会には報告すべきでもある。

 また特に、地方公務員の場合学校の先生とか、国家公務員においては裁判官などが、その地位を利用して国民投票運動をすることが、どういったケースが容認されて、どういったケースが禁止されるかということが問われますが、この点につきましての検討を両省庁は実施したのか。

 もう一度、この検討状況についてお伺いをさせていただきます。

桑田政府当局者 お答え申し上げます。

 まず、橘参事の方から御発言がございましたけれども、国民投票制度の導入に伴って、私どもが人事院規則の改正などを改めてやって、国民投票制度を国家公務員法百二条、人事院規則の制限の対象にするかという点でございます。

 私どもは、今般の国民投票制度の導入に伴い、改めて、憲法改正にかかわる国民投票自体を政治的行為の制限の対象とするか否かが課題とはなりますけれども、附則十一条において、公務員が国民投票に際して行う賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないようと規定されていることを踏まえれば、現行制度を改正するというようなことはあり得ないと考えております。

 それから、裁判所の関係は、私どもちょっと担当しておりませんので、裁判所の方にお伝えしたいと思います。

久元政府当局者 先ほどもお答え申し上げたところでありますけれども、今の地方公務員法三十六条の規定は、附則十一条との関係から見ますと、これは見直しの必要があるし、私どもも検討すべき立場にあるというふうに思っておりますので、憲法審査会の御議論などを踏まえながら、必要な検討を引き続き行っていきたいと思っております。

近藤(三)委員 一言意見を申し述べさせていただきます。

 質問通告はいたしておりませんが、私の意見に対しまして、人事院、そして総務省、衆議院法制局の橘部長からもコメントをいただけるようでしたらお願いいたします。

 本日議題の国民投票法附則十一条には、二つの宿題があるというふうに私は考えております。第一は、憲法改正の国民投票におきましては、政治的中立が求められる公務員でも自由に運動できる部分と、公務員の政治的中立の観点から規制する部分を切り分けるべきであるという考え方です。第二、そのために必要な法制上の措置を講じるべきであるというふうに私は理解しております。

 この宿題に対しまして、本日のこれまでの議論からも、国家公務員につきましては、現行の法令で対応できそうであります。しかし、地方公務員に関しましては、地方公務員法の改正は必要のようです。それは、地方公務員法の第三十六条第二項第一号に、公の選挙または投票において投票をするように、またはしないように勧誘活動することは禁止するというふうになっているからです。

 私の考えとしましては、このように地方公務員法などの個別法を改正するのではなく、当憲法審査会におきまして、国民投票法自体を改正するべきだというふうに考えております。つまり、憲法改正の国民投票に限定して、公務員の政治的中立を侵すことのない勧誘行為と意思表明はできるように、国民投票法を可及的速やかに改正するべきだというふうに考えています。そして、この改正にあわせて、地方公務員法など必要な改正措置を行っていくべきだというふうに考えております。

 よろしくお願いします。

大畠会長 それでは、ただいまの御意見等に対して、まずは人事院、総務省、ないですか。それでは、橘部長から、これまでのことについて特に発言はありませんか。

近藤(三)委員 御意見はいただけないということですか。

大畠会長 それでは、ただいまの近藤三津枝君からの発言については、一つの問題提起として受けとめておいてよろしいですか。

近藤(三)委員 はい。

棚橋委員 もう一度、再度確認をさせていただきたいことが二点ございますので、人事院と総務省にそれぞれお答えをいただければと思います。

 第一は、国家公務員の憲法改正に関する国民投票に際して行う賛否の勧誘その他意見表明が制限されないようにする必要な法制上の措置をとるということとの関係と、それから、国家公務員の法的な地位ないし権限あるいは立場、これを利用して、他者も含めて憲法改正に対して越権で権限を行使する、このような行為との具体的な切り分けが大変難しいと思うんですが、その点について今どのようにお考えかということを、再度まず確認させていただければと思います。

 そして第二点が、総務省にお聞きをしたいのですが、御承知のように、地方公務員法第三十六条には罰則はございませんが、これ自体に罰則をつけるという議論とは別に、この憲法改正に関して、やはり今、国家公務員に関して申し上げたと同じ議論があると思います。地方公務員が、当然のことながら、地方公務員の権限等を濫用、悪用して、憲法改正に一定の、本来公務員として許されざる行為をした場合には、罰則がついた形での規制をするというふうにあるべきだと私は思っておりますが、その点の総務省のお考えをちょっと再確認させていただければと思います。

桑田政府当局者 委員から二点御質問がございました。

 一点は、国民投票法附則十一条と私どもの国家公務員法との関係でございますけれども、附則十一条におきまして、「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、」ということでございますけれども、一般職の国家公務員の政治的行為の制限について規定をしております人事院規則一四―七というのは、政治的目的を限定的に掲げておりまして、国民投票における賛成、反対は政治的目的として掲げられておりませんので、政治的行為の制限の対象とはなりません。

 そういう意味では、国民投票法附則十一条におきます、公務員が国民投票に際して行う賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないようと規定されていることと整合しているものと思っております。

 他方で、先生から地位利用の問題について御質問がございましたけれども、これにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、人事院規則一四―七では、政治的目的として国民投票における賛成、反対を掲げておりませんので、国家公務員法上の制限の対象にはなりませんけれども、これとは別個に、国民投票法の百三条におきまして、国民投票運動であっても、それが公務員の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力または便益を利用して運動を行うことは、公正な国民投票を担保する観点から禁止されているというふうに承知しております。

久元政府当局者 地方公務員法の政治的行為、三十六条違反につきましては罰則の適用がないわけでありますけれども、国民投票運動につきましては、先ほど人事院からお話がありましたように、地方公務員も同じように対象になりますので、地位を利用した国民投票運動ということにつきましては、必要な対応がなされるものと理解をしております。

棚橋委員 今の最後の答弁が少し私には不明確だったものですから、一定の制限を受けるというのは、これは国家公務員と同じように……。では、あえて再度聞きます。

 まず、先ほどの人事院からのお答えで、制限を受ける国家公務員の行為に関しては罰則の対象となるというふうに理解してよろしいでしょうか。

 また、総務省に伺いますが、地方公務員は適切な措置がなされるという話でしたが、その適切な措置というのは刑事罰の対象となるというふうに理解してよろしいでしょうか。それとも懲戒だけでしょうか。

 以上二点、それぞれお願いいたします。

桑田政府当局者 国民投票法におきます地位利用の制限につきましては、法律上罰則はかからない、懲戒処分ということになっていると思います。

久元政府当局者 地位を利用いたしました国民投票運動は、国民投票法におきまして禁止されておりますが、それは、国家公務員も地方公務員もその立場は同じというふうに理解をしております。

棚橋委員 まことに申しわけございません。

 最後の総務省さんの御答弁、刑事罰の対象となるかならないかが明確ではなかったんですが、その御答弁をいただきたいことと、それから、あえて、刑事罰の対象とならないことが適切なのかという問題提起をさせていただいて、私の発言を終わらせていただきます。

久元政府当局者 地位を利用した国民投票運動違反につきましては、国家公務員、地方公務員とも刑罰の対象にはならないと理解をしております。

浜本委員 民主党の浜本です。

 先般、総務省の常時啓発事業委員会、学習院大学の佐々木毅先生、前東大の学長ですが、この先生が、教育基本法の中で政治あるいは宗教の重要さは認めておるが、しかしながら、特定の宗教、特定の政治の教育をしてはいけない、そこの部分が強調されて、そのために若者の政治的リテラシーが低下している、したがって、次の新指導要領の中で、そういう政治的リテラシーを上げるためのいわゆるシチズンシップ教育をやらなければいけない、こう提言があるんです。

 この憲法の投票運動と国家公務員の政治的行為に関して、これだけじゃなくて、過去の、戦前の反省あるいは戦後の混乱があったために、公務員の政治的行為を制限する、これがあったというのはやむを得ないことであったかもわからないけれども、こういう行為を厳しく規制してきたために、同じく、国民の政治的リテラシー、あるいは国民のアパシー、政治的無関心、政治というものは怖いんじゃないか、政治というものは恐ろしいものじゃないか、そういうものをつくってきたのではないか。

 そういう意味では、基本的に我々は今、公務員の政治的行為であっても、地位利用については絶対に許してはならないけれども、政治的中立を求めるために余りにも規制をかけるのはどうか。憲法の国民投票運動などは、やはり自由に認めていくべきではないのか。国民の政治的リテラシーとかそういう観点からも、これは非常に大事な問題であるというふうに思っておりますので、意見として表明しておきたいと思います。

 ありがとうございました。

大畠会長 ほかに御発言はございますか。

 それでは、きょうの議題についての発言も尽きたようでございますので、これにて自由討議は終了いたします。

 なお、きょうの質疑を聞いておりまして、事実関係については、ひとつ事務局で整理をして、今後の質疑の参考になるように委員に配付していただきたいと思います。

 また、審査会に対して、いろいろと論議すべき課題というものを提起されておりますので、これらについても事務局で整理をして、今後の質疑に寄与するように整理を事務局にお願いしたいと思います。

 次回は、二十二日に開催することとし、詳細は公報をもってお知らせすることとして、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時三十五分散会


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