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平成十八年一月二十六日提出
質問第一九号

滋賀県栗東市の株式会社アール・ディエンジニアリング産業廃棄物処分場に関する質問主意書

提出者  三日月大造




滋賀県栗東市の株式会社アール・ディエンジニアリング産業廃棄物処分場に関する質問主意書


 株式会社アール・ディエンジニアリング(滋賀県栗東市上砥山二百九十二番地の一)の産業廃棄物処分場(以下「アール・ディ処分場」という。)は、昭和五十四年、滋賀県栗東市小野に、安定型処分場として滋賀県より許可を受けて設立され、その後、産業廃棄物の埋め立てが行われた。平成十年に、施設設置計画上の深さを超え、粘土層を貫通するまで土壌を掘削し産業廃棄物を埋めた事実が発覚し、平成十一年には致死量の約十五倍の硫化水素ガスが発生するなど、周辺環境への汚染問題も明らかになった。
 滋賀県は、平成十三年に、株式会社アール・ディエンジニアリングに対し、水処理施設と沈砂池の設置、産業廃棄物の移動、地下水汚染対策を内容とする廃棄物処理法上の改善命令を行った。これを受け、同社による一連の是正工事が行われてきた。
 しかし、滋賀県や栗東市の複数回に及ぶ調査によれば、アール・ディ処分場周辺地域の地下水、浸透水からは、現在に至るまで有害物質が検出されている。さらに、滋賀県が行ったアール・ディ処分場市道側の掘削調査では、百五個のドラム缶と、六十九個の一斗缶が見つかっている。
 処分場周辺地域の住民は、問題の発生から六年を経過した現在でも、有害物質により人体に甚大な影響を被るおそれに強い不安を抱き、その不安の一刻も早い解消を願いながら生活している。
 アール・ディ処分場の問題については、周辺地域住民の健康問題、産業廃棄物処分場の適切な管理と安全保持の観点から、政府としても実態の把握に全力であたるとともに、滋賀県への迅速かつ的確な指示等を行うことが求められている。
 以下質問する。

一 滋賀県や栗東市が行ってきたアール・ディ処分場周辺の複数回に及ぶ浸透水、地下水の調査によれば、環境基準を超えて、COD、シス‐一・二‐ジクロロエチレン、フッ素、ホウ素、ダイオキシン類等が検出されている。産業廃棄物処分場において環境基準を超える数値が確認された場合、政府としてはどのように対応していくべきなのか。特に、安定型処分場において、このような問題が発生した場合、当該土壌の分析検査はどのように行われることとなるのか、法制度面も含め伺いたい。
二 アール・ディ処分場周辺の地下水の調査によれば、環境ホルモンであるビスフェノールAも検出されている。廃プラスチックの埋め立てによりビスフェノールAが地下水に浸透しているものと考えられるが、これら環境ホルモンは人体へ甚大な影響を与えることから、放置しておくことのできない状況にあると思われる。政府としては早急に産業廃棄物処分場に関する環境基準にビスフェノールAをはじめとする環境ホルモンに関する事項も設けて規制すべきであると考えるが、これに関する方針を伺いたい。
三 アール・ディ処分場の環境汚染問題は、発生から六年も経過しているにもかかわらず、周辺の有害物質が検出されるなど未だ解決に至っていない。政府はこの問題の実態をどの程度把握しているのか。また、もし把握しているのならば、この問題についていかなる認識を有しているのか、あわせて伺いたい。
四 周辺地域住民の健康問題、産業廃棄物処分場の適切な管理と安全保持の観点から、廃棄物行政の最終責任主体である政府は、この問題の解決に向けて、滋賀県に対し、廃棄物処理法に基づく知事に対する指示その他住民サイドに立った相当の措置等を迅速かつ適切に行うべきだと考えるが、現在までに、政府は、滋賀県に対し、どのような対応をしてきたのか、時系列で詳細に答えられたい。また、今後、この問題に対して、政府として、どのように対応していこうとしているのか伺いたい。
五 政府は、産業廃棄物に係る不適正処理事案が生じた場合における政府と地方公共団体との関係はいかにあるべきと考えているのか伺いたい。

 右質問する。



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