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平成十八年六月十五日提出
質問第三六八号

医療費の推計に関する第三回質問主意書

提出者  山井和則




医療費の推計に関する第三回質問主意書


 医療費の推計について、これまで二回質問し、平成十八年三月十日付内閣衆質第一二一号の答弁書(以下、「第一回答弁書」という。)及び平成十八年三月三十一日付内閣衆質第一八〇号の答弁書(以下「第二回答弁書」という。)を受領したが、答弁内容について疑義があるので、以下のとおり質問する。

一 第二回答弁書を見ると、高齢化等の人口構成の影響の補正率については、一般について四つの年齢階級に区分し、一般診療費と歯科診療費の合計額を基準に算定したとある。私が、第二回答弁書に従いこの計算を行うと、高齢化の影響は、年率〇・六三%となった。一方、第二回答弁書では、〇・五%とあり、計算結果が一致しない。この不一致は、第二回答弁書に記載されていない再補正を行ったためではないかと思うが、いかがか。もし第二回答弁書にない再補正が行われているならば、数値を明示して再計算可能な形で、その内容の説明をお願いしたい。
二 第二回答弁書を見ると、平成九年度の医療保険制度改正の影響の補正においては、医療保険制度改正直後の期間は、平成九年四月から平成十年三月であるとある。しかし、平成九年度の医療保険制度改正は、平成九年九月に実施されている。この点について、平成十八年四月十四日の衆議院厚生労働委員会で赤松正雄副大臣より、平成九年四月から制度改正の影響が出ていたため、制度改正実施前の四月からの一年間を「直後の期間」として採用したと答弁があったところである。このことは、平成九年度の医療保険制度改正の影響の補正について、第一回答弁書の原則にない再補正が行われていると理解して良いか。また、この再補正を行った根拠について、具体的な医療費の伸びの数値を示して、教えていただきたい。
三 第二回答弁書を見ると、平成十年度の医療保険制度改正の影響の補正については、平成九年度の医療保険制度改正が翌年度にも影響した結果の補正を行った上で算出したものであるとある。このことから平成十年度の医療保険制度改正の影響についても、第一回答弁書の原則にない、再補正が行われていると理解して良いか。また、この「結果の補正」とは、具体的にどのような計算であり、どのようにして平成十年度の医療保険制度改正の影響を算出したのか、またそのような再補正を行った根拠は何か、数値を明示して再計算可能な形で、教えていただきたい。
四 第二回答弁書を見ると、平成十一年度の医療保険制度改正の影響の補正率については、平成十一年度の高齢者の医療保険制度改正が入院外医療費のみに影響を及ぼすものであったため、入院外医療費についての制度改正の効果を計算し、それを入院外医療費以外の医療費を含めた医療費に換算する補正を行ったものであるとある。平成十一年度の医療保険制度改正の影響の補正についても、第一回答弁書の原則にない、入院外医療費のみで計算するという再補正が行われていると理解して良いか。また、入院外医療費のみで計算するという再補正を行わず、第一回答弁書の原則通り高齢者医療費全体で計算した場合、平成十一年度の医療保険制度改正の影響の補正率はいくらになるのか教えていただきたい。
五 第二回答弁書を見ると、平成十七年十月十九日に厚生労働省が公表した医療制度構造改革試案(以下「試案」という。)における平成三十七年度の国民医療費の見通しの算出方法が述べられている。この算出に当たって用いた、年齢階級別一人当たり医療費と年齢階級別加入者数は、平成十八年四月十日に資料請求回答としていただき、平成十八年四月十四日の衆議院厚生労働委員会に私が資料として提出した以下の数値で間違いないか。すなわち、平成十八年度の一人当たり医療費は、〇〜六・五歳 十八万円、六・五〜十二・五歳 八万円、十二・五〜十五・五歳 七万円、十五・五〜十九歳 七万円、二十〜二十四歳 八万円、二十五〜二十九歳 十万円、三十〜三十四歳 十一万円、三十五〜三十九歳 十二万円、四十〜四十四歳 十四万円、四十五〜四十九歳 十八万円、五十〜五十四歳 二十三万円、五十五〜五十九歳 二十八万円、六十〜六十四歳 三十四万円、六十五〜六十九歳(障害認定者は除く)四十一万円、七十〜七十四歳(障害認定者は除く)五十七万円、七十五〜七十九歳 七十二万円、八十〜八十四歳 八十一万円、八十五歳以上 百万円、六十五〜七十四歳障害認定者 二百八万円。平成十八年度の加入者数は、〇〜六・五歳 七百五十万人、六・五〜十二・五歳 七百十万人、十二・五〜十五・五歳 三百六十万人、十五・五〜十九歳 五百八十万人、二十〜二十四歳 七百四十万人、二十五〜二十九歳 八百二十万人、三十〜三十四歳 九百七十万人、三十五〜三十九歳 九百三十万人、四十〜四十四歳 七百九十万人、四十五〜四十九歳 七百七十万人、五十〜五十四歳 八百四十万人、五十五〜五十九歳 千七十万人、六十〜六十四歳 八百万人、六十五〜六十九歳(障害認定者は除く)七百二十万人、七十〜七十四歳(障害認定者は除く)六百万人、七十五〜七十九歳 五百万人、八十〜八十四歳 三百四十万人、八十五歳以上 二百八十万人、六十五〜七十四歳障害認定者 百万人。平成三十七年度の加入者数は、〇〜六・五歳 五百八十万人、六・五〜十二・五歳 五百八十万人、十二・五〜十五・五歳 三百十万人、十五・五〜十九歳 四百九十万人、二十〜二十四歳 五百九十万人、二十五〜二十九歳 六百二十万人、三十〜三十四歳 六百四十万人、三十五〜三十九歳 六百八十万人、四十〜四十四歳 七百七十万人、四十五〜四十九歳 八百五十万人、五十〜五十四歳 九百六十万人、五十五〜五十九歳 八百四十万人、六十〜六十四歳 七百五十万人、六十五〜六十九歳(障害認定者は除く)六百八十万人、七十〜七十四歳(障害認定者は除く)六百八十万人、七十五〜七十九歳 七百六十万人、八十〜八十四歳 五百三十万人、八十五歳以上 六百二十万人、六十五〜七十四歳障害認定者 八十万人。もし、この数値以外の数値で、試案の推計を行ったのならば、それを同様に詳細な形で教えていただきたい。
六 五で示した資料によると、試案推計に用いた七十五歳以上の後期高齢者の加入者数は、平成十八年度において千百二十万人、平成三十七年度において千九百十万人となっている。一方、国立社会保障・人口問題研究所が取りまとめた「日本の将来推計人口(平成十四年一月推計)」の中位推計では、後期高齢者数は、平成十八年度において千百九十一万人、平成三十七年度において二千二十六万人となっている。平成十八年度においては七十一万人、平成三十七年度においては百十六万人の「ずれ」があるが、なにゆえにこのような「ずれ」があるのか教えていただきたい。
七 五で示した資料によると、試案においては、六十九歳以下について十四の年齢階級の一人当たり医療費で平成三十七年度の医療費推計を行ったこととなる。一方、第二回答弁書を見ると、推計に用いた伸び率の算出に当たっては、六十九歳以下について四つの年齢階級に分けて高齢化の影響等の人口構成の変化の影響の補正率を算出したとある。四つの年齢階級で高齢化の影響を除外し、十四の年齢階級で将来の高齢化等の人口構成の変化を反映させると、医療費の伸びが過大となるのではないか。方法的に不適切であると思われるが、政府の見解はいかがか。
八 第二回主意書の「一」と「三」において、平成十六年五月十四日に厚生労働省が公表した「社会保障の給付と負担の見通し」(以下「社会保障の給付と負担の見通し」という。)にある数値と、第一回答弁書にある「社会保障の給付と負担の見通し」で用いた一人当たり医療費から計算した数値に、「ずれ」があることを指摘したところである。これに対して、第二回答弁書では、用いた人口推計の違いが「ずれ」の主たる要因であるとの答弁をいただいた。そこで、どのような人口推計を用いて、どのように計算すれば、第二回主意書の「一」と「三」で指摘した「ずれ」が解消するのか、数値を明示して再計算が出来るような形で教えていただきたい。
九 政府が医療費のように推計値を基に政策の方向性を決定する場合、基礎となる推計に問題があれば、誤った方向を向いてしまう恐れがある。推計の妥当性を多くの眼で検証可能とし、国民からの信頼を得るためにも、推計を発表する際に同時に推計に利用した基礎統計や推計過程、補正の考え方、方法等を外部から検証可能な形で詳らかに公表すべきではないか。今後の方向性及び万一公表の方向に向かうことが難しいと言うのであれば、障害となる事由を明確にお示し頂きたい。

 右質問する。



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