衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十九年十月五日提出
質問第八九号

自衛隊の補給艦による給油の実態解明に関する再質問主意書

提出者  江田憲司




自衛隊の補給艦による給油の実態解明に関する再質問主意書


 先に提出した、「自衛隊の補給艦による給油の実態解明に関する質問主意書」に対する答弁書(以下「答弁書」という。)を踏まえ、以下の点につき、再度質問する。

一 答弁書一及び四について
 @ 答弁書一及び四において「お尋ねの給油実績については、これを明らかにした場合、自衛隊及び諸外国の軍隊等の運用に支障を及ぼすおそれがあることから、答弁を差し控えたい」とのことだが、具体的に問題点や疑惑を指摘された給油案件についても、今後とも一切、その実態を明らかにしないというのが政府の姿勢と理解してよいか。
 A 米海軍では、NPO法人「ピースデポ」が入手したように、海軍歴史センター(ワシントン)において、かなり最近の個別艦船の航海日誌までが公開されている。なぜ、直接的な軍事行動に携わっている米海軍には公開できて、後方支援たる自衛隊の補給艦の過去の給油活動が、「これを明らかにした場合、自衛隊及び諸外国の軍隊等の運用に支障を及ぼすおそれがある」として公開できないのか。国民に納得のいく説明をされたい。
 B 「航泊日誌に関する達」(昭和四十二年五月三十日海上自衛隊達第三十号)によれば、「航泊日誌は、最後の記載をした日から一年間艦船内に備え置き、その後三年間当該艦船の在籍する地方総監部に保存するものとする」(第七条)とされている。この内規によれば、イラク開戦前後(〇三年二月から四月)にインド洋上他近隣海域に派遣された自衛隊艦船の航泊日誌は廃棄される可能性がある。当時の給油活動にこれだけの疑惑が指摘されている以上、政府において早急に保全措置をとられたい。既に廃棄したなら、その正確な年月日を示されたい。
二 答弁書二及び三について
 @ 答弁書三において「我が国がテロ対策特措法に基づく協力支援活動として補給を行った諸外国の軍隊等の艦船がその補給を受けた後に従事する活動の内容は、我が国がテロ対策特措法に基づいて補給を行った趣旨を踏まえて各国が決定するものであり、政府としてはその詳細を承知する立場にない。」とのことだが、答弁書二により、我が国が米国の補給艦に提供した給油量は、米国の艦船に提供した総量の六割以上にも及んでいる現状に鑑みれば、我が国の補給艦から他国の補給艦に補給された艦船用燃料が、その後、どの艦船に補給され、どのような作戦に従事したのかについて、実態把握を行うのは当然ではないか。政府の見解如何。
 A 答弁書三において、「その詳細を承知する立場にない」としながら、「当該対象国の艦船への補給の都度、当該艦船がテロ対策特措法に規定する諸外国の軍隊等の活動に従事していることを確認した後に行っている」とのことであるが、それでは、具体的にどのような確認(誰から誰へ、文書か口頭か、確認手法、記録管理・保存等)を行ってきたのか。
三 答弁書五について
 @ 答弁書五において、「お尋ねの「シーリフト」に掲載された内容について、政府としてお答えする立場にない」「答弁を差し控えたい」とのことであるが、二〇〇三年七月十八日に行われた衆議院イラク人道復興支援並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会において、当時の石破茂防衛庁長官は、当該「シーリフト」に掲載された米給油艦「ジョン・エリクソン」に係る質問に対し、「私どもが法に反した給油を行っておるという事実はございませんし、ペルシャ湾でこのような給油を行ったということもございません。」との答弁を行っている。にもかかわらず、今回の答弁書において、「政府としてお答えする立場にない」と答弁を拒否する理由如何。
 A 米給油艦「ジョン・エリクソン」については、米海軍「シーリフト」のホームページにおいて「エリクソンは、二〇〇二年九月に開始された任務(七か月、二〇四日間)中、不朽の自由作戦とイラクの自由作戦を支援するため、一九五回の補給を行った。これには、米艦船や連合国艦船への三八〇〇万ガロンの油の提供と三七〇〇パレットの積み荷の移転が含まれる」とされている。このように、米軍が明確にエリクソンのイラク、アフガン両作戦への従事を認め、かつ、イラク戦争開戦前後(二〇〇三年三月)に補給艦「ときわ」が「エリクソン」に油を提供したとしている以上、政府があくまでも、「ときわ」の油が「イラクの自由作戦」に使用されていないというなら、「キティホークへの間接補給疑惑」と同様、米国に照会し、その結果を国民の前に明らかにすべきではないか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.