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平成十九年十二月三日提出
質問第二八四号

沖縄県那覇市におけるモノレール旭橋地区再開発事業に係る起債等問題に関する質問主意書

提出者  赤嶺政賢




沖縄県那覇市におけるモノレール旭橋地区再開発事業に係る起債等問題に関する質問主意書


 那覇市では、沖縄県が出資する「旭橋都市再開発株式会社」が、モノレール旭橋駅周辺地区第一種市街地再開発事業(以下「旭橋再開発事業」という。)を実施している。
 この事業は、民間会社が中核となり、沖縄県及び那覇市が補助金を投入して進められている。
 那覇市は、本事業に対する補助金の原資について、平成十五年度から平成十七年度まで三年間、起債により充当している。
 市が、本事業のために起債行為を行う場合には、公共性の観点から、「旭橋都市再開発株式会社」に対する県の出資比率は、地方財政法等に基づき五〇%以上でなければならないとされている。
 ところが、平成十五年度から平成十八年十一月までの、「旭橋都市再開発株式会社」に対する沖縄県の出資比率は、わずか二・七%であった。このような出資割合の下では、那覇市は、起債行為をなすことは法律上認められない。すなわち、この間、起債によって補助金を充当した市の行為は、地方財政法等の規定に照らして問題があると考える。
 総務省は、市が本事業のために起債を行うにあたっては、県を通じて十分な協議の下に起債の許可を与えているものと思料され、国の責任は免れないと思われる。従って、以下の事項について質問する。

一 モノレール旭橋地区再開発事業の概要について、施工主を含めて明らかにされたい。また本事業に対する国、沖縄県、那覇市の補助金投入額を併せて伺いたい。
二 地方自治体が、「旭橋都市再開発株式会社」のような、いわゆる「都市再開発株式会社」に対して、補助金を投入するために起債行為を行うことができる法的根拠と理由並びにその場合の起債の要件を伺いたい。
三 総務省は、那覇市が旭橋再開発事業に係る起債を行うに際して、沖縄県との協議により許可したものと考えるが、協議内容及び理由とその経緯について詳細に説明されたい。また総務省は、沖縄県が同起債について那覇市に対して、どのような説明をして承諾を与えたのか、その経緯を把握していると思うが伺いたい。
四 平成十九年十月二十六日の沖縄県議会決算特別委員会で、市町村課長は「この起債の発行というのは要件が選択的でございまして、公共的団体または地方公共団体が資本金に二分の一以上出資している法人となっておりますから、私どもは、公共的団体に基づいて発行していたわけです」と答弁している。
 しかし、前記で指摘したように、平成十五年度から平成十八年十一月の間の「旭橋都市再開発株式会社」に対する県の出資比率は、二・七%である。この期間は、県当局者が説明している出資比率二分の一には、およそ達していないのである。従って、事業開始の平成十五年度時点において、那覇市は地方財政法第五条第五号及び同法施行令第一条の「国若しくは地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの」としては「国又は地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの二分の一以上を出資している法人」とする旨の規定に照らして、起債を行うことはできなかったのではないのか。許可権者である総務省は、県との協議を通じて、どのような判断の下に許可したか。
五 平成十九年六月十三日の那覇市議会定例会において、日本共産党の大城朝助議員の質問に対して、那覇市の経営企画部長は「地方財政法第五条第五号の逐条解説によりますと、公共団体として市街地再開発組合等という例示があり、これまで本市は旭橋都市再開発株式会社が、この市街地再開発組合等に含まれるものと理解しており、県からもそのような理解の仕方に特段の指摘はありませんでした」と答弁している。
 これらの答弁によれば、当初から県及び市当局者は、「旭橋都市再開発株式会社」が、地方財政法第五条第五号の規定による「公共団体としての市街地再開発組合等」の「等」に該当するとの解釈で起債充当している。この県等の解釈・運用について、総務省の見解を伺いたい。
六 平成十九年六月の那覇市議会で、旭橋再開発事業に係る起債問題について、那覇市の當銘芳二副市長は、「私どもは事業のスタート時点から、いわゆる市街地再開発組合とこの株式会社が市街地再開発組合等の「等」の範疇に入るんだというような解釈のもとに、これは確か平成十五年度からの起債をしてきたと覚えていますけれども起債許可の決定がされるわけですが、この三年間、何ら異議なく起債許可をいただいた」旨答えている。
 そして、「十八年度の起債の段階になって、これは従来の再開発組合等の「等」に入るものではなくして、二分の一以上の出資をするいわゆる公共的団体の資格を満たす必要があるという、初めて指摘を受けまして」と答弁している。
 さらに、沖縄県の市町村課長は「より適債性を確実にする必要があるんではないかというふうに助言をいただいたということは聞いております。平成十八年三月ごろだと思います」「起債の協議とか同意とかいうものはきちんと文書でやりとりをしますので残っておりますが、こういうふうな助言とかいうものは文書のやりとりはないものですから」とも答弁している。
 これらの那覇市及び沖縄県当局者の答弁は、平成十五年度時点において、「旭橋都市再開発株式会社」に対する県の出資比率の要件が充たされていない起債充当は、地方財政法上問題があったということを事実上認めたものと考える。これについての政府の所見を伺いたい。
七 前記で、那覇市当局者は、平成十八年三月頃、起債段階になって「(起債の)適債性を確実にするために助言を受けた」旨の答弁をしている。総務省は、県を通じて、どのような助言をしたのか、明確に説明されたい。
八 平成十八年度起債段階で、県は「旭橋都市再開発株式会社」に対して、出資を五〇・五%に増資している。那覇市議会等において、起債の出資比率の要件を充たしていないことは、地方財政法上問題があるとの指摘を受けて、急遽増資したものと想定される。これについての総務省の所見を伺いたい。
九 総務省は、「旭橋都市再開発株式会社」に対する県の出資比率が五〇%未満であることについて、いつの時点で認識し確認されたのか。国への事業手続きにおいて確認することになっているのではないのか、併せて説明されたい。
十 総務省は、「旭橋都市再開発株式会社」に対して、県が、出資比率を増資していることの理由及び出資比率の推移について把握していると思うが伺いたい。
十一 総務省は、「旭橋都市再開発株式会社」が、地方財政法第五条第五号の「公共団体としての市街地再開発組合等」の「等」に該当するとの解釈で、当時、「旭橋都市再開発株式会社」に対する県の出資比率が二分の一以上という要件を充たしていないのにもかかわらず、起債行為ができるとの判断をして、県との協議に同意をして起債の許可をされたのかどうか明確に答えられたい。
十二 那覇市が、平成十五年度から平成十七年度の間の、地方財政法第五条第五号及び同施行令第一条の要件を充たしていない「旭橋都市再開発株式会社」が行う本事業への補助金に起債充当してきたことについて、政府の見解を伺いたい。また、許可権者である総務省の責任の有無を問う。
十三 前記で、要件を充たしていない旭橋再開発事業への補助金の起債充当分については、どのように処理されるのか。

 右質問する。



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