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平成十九年十二月十七日提出
質問第三三二号

内閣府の計量経済モデルが政治的に歪められている可能性に関する質問主意書

提出者  滝  実




内閣府の計量経済モデルが政治的に歪められている可能性に関する質問主意書


 政府は、内閣府の計量経済モデルについて、誤差が大きくて政策決定には使えないといった意味の発言を繰り返して行っている。しかし、詳細に調べてみると、単に誤差が大きいだけではなく、政治的に大きく歪められているという実態が浮かんでくる。このことについて質問する。

一 毎年一月に発表される『改革と展望』や『進路と戦略』では、景気は回復に向かっていると言い、デフレ脱却は近いと書いてある。GDPデフレーターについてまとめてグラフにしたのが、別添の図である。各グラフの近くに書かれた数字は発表年である。二〇〇二年から二〇〇七年まで六年分のデータをここに示した。どのグラフも急激なGDPデフレーターの改善を予測し、景気の回復を印象づけたものと思われる。しかし、実際のデフレーターは二〇〇一年度がマイナス一.二%で二〇〇六年度がマイナス〇.七%だから五年間で〇.五%しか改善していない。平均を取れば年率の改善率は僅か〇.一%である。もしも内閣府の発表が、政治的に一切歪められていなければ、年率の改善率は実際の値である〇.一%の前後でばらつくはずである。実際に発表された、年率の改善率(三年間に限る、例えば二〇〇二年に発表されたものだと、二〇〇四年の予測値から二〇〇一年の値を引き三で割っている。)は、二〇〇二年のものが〇.七七%、二〇〇三年が〇.五七%、二〇〇四年が〇.六七%、二〇〇五年が〇.八〇%、二〇〇六年が〇.七三%、二〇〇七年が〇.五〇%となっている。つまり実際の改善率の、実に五〜八倍もの速度でデフレ脱却が進んでいるという現実とは遠くかけはなれた発表をしている。これではまるで「計量経済モデル予測に偽装が行われている、大本営発表だ。」と言われてもおかしくないのではないか。「予測しがたい要素が多いから」と釈明するのだろうが、しかしそのような要素はプラスにもマイナスにも働くわけで、六年連続で五〜八倍にもなるということはあり得ないがどう考えているのか。

 右質問する。


図


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