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平成十九年十二月二十八日提出
質問第三六九号

天皇陛下のお言葉にまつわるやり取り等を外部に漏らした元外務官僚に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




天皇陛下のお言葉にまつわるやり取り等を外部に漏らした元外務官僚に関する質問主意書


 週刊新潮二〇〇八年一月三・十日新年特大号の百七十八頁から百八十一頁に、「『天皇のお言葉』の秘密を暴露してしまった『元外務官僚』」との見出しで、元外務官僚の原田武夫氏が、かつて自身が天皇陛下にお仕えした時期について記したブログについての記事(以下、「新潮記事」という。)が掲載されているが、その中のブログで原田氏は、二〇〇〇年五月に行われた天皇皇后両陛下のオランダ国賓訪問の際に、第二次世界大戦中、日本軍によりオランダ人女性が従軍慰安婦とされたといわれている問題(以下、「オランダとの従軍慰安婦問題」という。)について、天皇陛下がベアトリクス女王主催の晩餐会で読み上げられるお言葉の草稿を自身が担当したとし、
 「オランダと日本の間には、第二次世界大戦中、現在のインドネシアにおいて発生した、いわゆる『従軍慰安婦問題』がある。女学生までもが『従軍慰安婦』とされた、この凄惨な歴史問題について、天皇皇后両陛下は常に心を痛められ、日蘭友好の実現を悲願とされてきたのである」
 「この国賓訪問の際、天皇陛下がベアトリクス女王主催晩さん会で読みあげられる『お言葉』は決定的な意味合いを持つものであった。そこにいかなる『和解』のお言葉が盛り込まれるのか。もっといえば、オランダ側が強く求める『謝罪』が入るのかどうか。−こうした難しい論点を抱えた『お言葉』の草稿を担当したのが私だったというわけである」
 「準備作業は国内外の両面にわたって、文字通り困難を極めた。だが、結論としては『大成功』であった。晩さん会当日、オランダの国営放送はその様子を中継。決定的なフレーズを『お言葉』として読まれた天皇陛下を、にっこりとベアトリクス女王が微笑み返し、(後略)」
 「国賓訪問の際にはいつも行われるのであるが、その後、宮城に私もこの御訪問に関与した者の一人として参内するよう宮内庁より指示を受けた。(中略)私も天皇皇后両陛下からお言葉を賜る栄誉に預かった一人である。今から思えば大変不敬なことだが、私は自己紹介する際、『お言葉』案の担当者であったことを御説明した。すると、天皇陛下はにっこりとうなずかれ、皇后陛下が静かに微笑まれながらお言葉をかけてきてくださった。
 『それは大変でしたね。さぞかし歴史の勉強をされたことでしょう。ありがとうございました。』」
 「オランダ御訪問の直前に立ち寄られたジュネーブにおいても、最後の瞬間まで自ら筆をとられ、外務省作成の『お言葉』案を直されていたのは天皇陛下である。その気迫は伝礼として指示をおろしてくる侍従長の言葉から十分にうかがわれ、上司ともども畏れ入ったものである」
との記述(以下、「記述」という。)をしている。右を踏まえ、以下質問する。

一 「新潮記事」及び「記述」の内容を外務省は承知しているか。
二 「記述」にあるように、二〇〇〇年五月の天皇皇后両陛下によるオランダ国賓訪問の際のベアトリクス女王主催の晩餐会において、天皇陛下が読みあげられるお言葉の草稿を原田氏が担当したという事実はあるか。
三 原田氏は「記述」の中で、「オランダとの従軍慰安婦問題」について天皇陛下が述べられたお言葉について自身が草稿の担当者であったと説明し、さらにその言葉に対して天皇陛下が微笑まれ、皇后陛下からは優しいお言葉を戴いた、更には天皇陛下自ら外務省作成の「お言葉」案に筆を入れられ、直されていた旨述べているが、右の様に、現職か否かを問わず、外交実務に携わった外務省職員が、天皇陛下のご発言、お言葉についてのいきさつ、内情を外部に漏らすことは許されるのか。公式の場以外における天皇皇后両陛下のご発言等について、外務省職員を含む国家公務員は秘密保持の義務を負うか。
四 「記述」は、三の秘密保持の義務に反するか。
五 「新潮記事」によれば、原田氏は「記述」に対してコメントをすることを避けている様だが、四で、「記述」が三の秘密保持の義務に反するのならば、外務省として原田氏に対して何らかの意見を伝える考えはあるか。
六 「オランダとの従軍慰安婦問題」についての外務省の見解如何。右の問題についてはオランダ国との間でどの様な交渉が行われているのか明らかにされたい。
七 「記述」は我が国の国益に具体的にどの様な影響を及ぼすか。「オランダとの従軍慰安婦問題」についての天皇陛下のお言葉作成のいきさつ、内情を原田氏が外部に漏らしたことにより、我が国の国益はどの様な影響を受けるか。外務省の認識如何。

 右質問する。



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