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平成二十年二月十四日提出
質問第八九号

志布志事件を冤罪ではないとした法務大臣の発言及び冤罪に対する政府の見解に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




志布志事件を冤罪ではないとした法務大臣の発言及び冤罪に対する政府の見解に関する質問主意書


 鳩山邦夫法務大臣は二〇〇八年二月十三日、法務省で開かれた全国の高検、地検のトップが集まる会合で、冤罪という言葉について、富山県氷見市の柳原浩氏が強姦などの容疑で富山県警に誤認逮捕され、二年あまり服役した後に無罪が確定した事件(以下、「富山事件」という。)と二〇〇三年の鹿児島県議選において中山信一氏と志布志市の運動員ら十五人を公職選挙法違反容疑で逮捕し、強圧的な捜査等により自白を強要し、後に全員の無罪が確定した事件(以下、「志布志事件」という。)に触れ、自身の個人的見解としながらも、「富山の氷見事件の方はこれは人違いですから、冤罪ということでありましょう。志布志事件は冤罪と呼ぶべきではないと、私は考えております。」と発言(以下、「鳩山発言」という。)している。右を踏まえ、以下質問する。

一 「富山事件」に対する政府の認識如何。
二 「志布志事件」に対する政府の認識如何。
三 政府は冤罪という言葉の定義について、二〇〇七年十月十九日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六八第一一一号)では「お尋ねの『冤罪』については、法令上の用語ではなく、様々な意味で用いられることがあるものと承知しており、お尋ねについて一概に答弁することは困難である。」と答弁し、確たる定義はないとの見解を示しているが、「鳩山発言」でいう所の冤罪とはどの様な意味か。政府の認識如何。
四 「鳩山発言」に対する政府の評価如何。「富山事件」の様に全く別の人を逮捕して、その後に真犯人が見つかったケースは冤罪であり、それ以外のケース、例えば「志布志事件」の様に、真犯人が別に見つかった訳ではないにしても、嫌疑をかけられ、いったん逮捕された後に無罪となるケースは冤罪ではないとの認識を示したものと考えるが、政府の評価如何。
五 冤罪という言葉の意味について、「広辞苑」(第五版 岩波書店)では「無実の罪。ぬれぎぬ」と書かれており、また国民の間でも、新たに真犯人、有罪となる人間が見つかるか否かは関係なく、無実の人が罪を着せられることであるとの認識が一般的に浸透しているものと考えるが、政府も同様の認識を有しているか。
六 「志布志事件」は、鹿児島地裁で裁判官が二〇〇七年二月に無罪判決を言い渡す際に「強圧的、誘導的な取り調べで自白が引き出された可能性がぬぐえない」と述べた様に、被疑者に親族の氏名を踏ませるなどの「踏み字」を強要し、強引に自白させたことが明白である。「鳩山発言」は、あたかも「志布志事件」の関係者が無罪かどうかは明白ではないとの印象を世間に与え、多大な精神的苦痛を受けた関係者の気持ちを踏みにじるものであると考えるが、政府の見解如何。
七 「鳩山発言」は、「志布志事件」について無罪の判決を下した司法判断に対して、行政の側の人間、しかも検察組織を統轄する立場にある法務大臣が異議を唱えたものであり、三権分立の原則に外れるものであると考えるが、福田康夫内閣総理大臣の見解如何。
八 「志布志事件」と「富山事件」のどちらにおいても、デタラメな捜査を十分にチェックしないまま起訴した検察の責任は重いと考えるが、結果として間違った判断をした検察に対して何の処分もなされないのはなぜか。鳩山法務大臣の見解を問う。

 右質問する。



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