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平成二十二年三月十六日提出
質問第二七一号

国家公務員法等の一部を改正する法律案に関する質問主意書

提出者  山口俊一




国家公務員法等の一部を改正する法律案に関する質問主意書


 政府は平成二十二年二月十九日、国家公務員法等の一部を改正する法律案を閣議決定した。これは、内閣人事局を設置し、内閣に幹部人事を一元化し、政治主導を一段と進めるための法律案で、民主党が昨年の総選挙で国民に約束したマニフェストのトップに掲げている公務員制度改革への政策の一つである重要な法律案だと考える。
 これを踏まえて、次の事項について質問する。

一 この法律案が成立すれば、総理や大臣のリーダーシップの下に、事務次官や局長、審議官等の同じ等級内での降格昇格が行い易くなるとの認識で構わないかお教えいただきたい。また、その際の、昇給と減給については、どのように行われるのか、公務員人事もいわゆる政治主導で行われるのかお聞かせいただきたい。さらに、公務員の中立性は確保できるのかについても見解をお聞かせいただきたい。
二 この度の法律案は、旧政権下でも同趣旨の法律案が提出されていたが廃案となったと認識している。廃案となった法律案と、この度の法律案とでは、どこが違っているのかお教えいただきたい。また、当初鳩山内閣が二月十二日に閣議決定されようとした法律案とは、どこが違うのかお教えいただきたい。
三 国家公務員も国家国民の為に一生懸命に働き、公務というプライドと役職や給与という対価によってモチベーションが維持されている一面もあると思われるが、本法律案が成立すれば、時の内閣や権力によって恣意的に人事が行われないとも限らない。今後運用に当たって、見せしめ人事や、減給が行われないようにする方策をどのように取られるおつもりかお教えいただきたい。また、それは法律案のどの部分で担保されるのかも含めてお聞かせいただきたい。
四 国において幹部人事を一元化し、降格人事をし易くするのであれば、今後地方自治体においても国と同じような体系を取るべきだと考えているのか、政府としての見解をお聞かせいただきたい。
五 公務員制度改革を完結するには、民主党マニフェストに記してある国家公務員の総人件費二割カットと公務員への労働基本権の付与が一番のポイントであると認識しているが、政府としてはこの件に関し、いつまでに公務員制度改革を実現するおつもりなのかお聞かせいただきたい。また、この政策が実現した場合は、地方自治体も国に沿って同じように人件費のカットを行い、労働基本権の付与をするべきだとお考えなのか、地方公務員法改正の見通しについても見解をお聞かせいただきたい。
六 国家公務員法第百二条では、一般公務員に政治的行為の制限を定めているが、地方公務員法においても同じような政治的行為の制限があると認識している。ただ、国家公務員にある罰則規定が、地方公務員には無いのは何故かお教えいただきたい。また、今後、労働基本権の付与を期に、地方公務員に関しても政治的行為に対する罰則規定を設ける必要があるかどうか、政府の認識をお聞かせいただきたい。
七 公務員の人件費については、国家にとっての必要経費であると考えるが、国家予算に占めるその金額を先進諸国のそれと比べた場合の特徴(総コストの比較、国民一人当たり経費の比較、国家公務員・地方公務員別の分析等)をお教えいただきたい。
八 現状においても外資系企業やいわゆる国内の大企業に比べて、国家公務員の給料は必ずしも高いとは言えないと認識している。現在においても必ずしも高くない給料で毎日深夜早朝に及ぶ勤務を行っている国家公務員の人件費の水準を下げることにより、国家公務員を志す者のレベルが下がり、結果として「公務」の質が下がることとなると、結局は国家国民にとっての損失になると危惧されるが、そのような事態が生じ無いと考えているのかどうか等、この点についての政府の認識をお教えいただきたい。
九 鳩山総理は二月十九日の閣議に先立つ国家公務員制度改革推進本部の会合で挨拶し、「頑張る公務員がもっと頑張れる公務員制度にしたい」と発言されている。総理の発言している「頑張る」とはどのような尺度で頑張ることをおっしゃっているのかお教えいただきたい。また、頑張らない者は早期退職制度であるいわゆる「肩たたき」によってクビとなり、退職後の世話も無く自分の責任で再就職口を探すのか、それとも頑張らなくても定年まで働ける公務員制度を整えるのか、政府の方針をお教えいただきたい。
十 国家公務員は国家国民の利益の為に一生懸命働くことが基本であるが、この度の新人事制度で任命権者の顔色ばかり見て国家国民の利益を考えない国家公務員が増加する恐れがあると懸念する。政府としてはどう認識しているのかお聞かせいただきたい。また、人事評価の基準について、どのようなものとすることとしているのか、具体的にお教えいただきたい。

 右質問する。



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