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平成二十二年三月十八日提出
質問第二八〇号

予防接種行政における注射器の連続使用の実態に関する質問主意書

提出者  高橋千鶴子




予防接種行政における注射器の連続使用の実態に関する質問主意書


 B型肝炎訴訟において、最高裁は平成十八年六月十六日、予防接種等における注射器の連続使用を長期にわたり放置した国の責任を認め、被害者を救済した。
 平成二十一年十一月三十日に成立した肝炎対策基本法の前文にも、「集団予防接種の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスの感染被害を出した予防接種禍事件では、最終の司法判断において国の責任が確定している。」と明記されている。
 ところで、最高裁判決では、遅くとも昭和二十六年当時には、注射器の連続使用による感染症のおそれを当然に予見できたとされているが、なぜ長期にわたり注射器の連続使用が放置されたのかについての真相は明らかとなっていない。
 そこで、以下質問する。

一 「肝炎対策の現状と課題〜B型肝炎訴訟最高裁判決とC型肝炎訴訟地裁判決を受けて〜」(立法と調査二〇〇六.一二 二六二号 p二六〜)によれば、昭和五十一年九月に、予防接種で使い捨て注射器使用許可が出されたと整理されている(p二八表一)。
 それまでの間は、予防接種で使い捨て注射器を使用することは許可されていなかったのか。根拠となる通達等の資料を明らかにして説明されたい。
 また、それ以前における、注射器の連続使用を避けるための消毒等による対処について検討されたことはないのか。あるとすれば、関係資料を明らかにして説明されたい。
二 昭和二十四年十月の厚生省告示で「ツベルクリン反応検査心得及び結核予防接種心得」が定められ、「注射針は注射を受ける者一人ごとに固く絞ったアルコール綿でよく払しょくし一本の注射器のツベルクリンが使用され尽くすまでこの操作を繰り返して使用してよいが、この注射器具を消毒しないで新しいツベルクリンを吸引して注射を連続してはならない。」と規定して、注射器の連続使用を認めた。
 翌二十五年二月の厚生省告示第三九号により「昭和二十四年十月の厚生省告示第二三一号(ツベルクリン反応検査心得及び結核予防接種心得)の一部を次のように改正する。」として、厚生大臣名で、「注射針は、注射を受ける者一人ごとに乾熱または温熱により消毒した針と取り換えなければならない」と定め、少なくとも注射針の連続使用を禁止した。しかし、この昭和二十五年の告示は、その後、一切普及されないまま、結核予防行政の手引きである「結核予防行政提要」には、注射針の連続使用を容認した昭和二十四年の記載が継続され、昭和六十三年まで放置された。
 昭和二十五年の告示はなぜ普及されず、あえてより危険な方法が継続されたのか、明らかにされたい。
三 昭和六十三年に至るまでの予防接種行政において、注射器の連続使用の実態調査がなされたことがあるか。あるとすれば、いつ頃どのような調査がなされたのか明らかにされたい。
 また、注射器の連続使用を避けるための具体的な対策の検討や、それを普及するための検討について、いつ頃どのようになされたのか、明らかにされたい。

 右質問する。



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